JP2022129097A - 直流電流遮断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】転流回路内のコンデンサを予め充電するための構成を小規模な回路構成で実現することができる直流電流遮断装置を提供することである。【解決手段】実施形態の直流電流遮断装置は、複数の直流送電線と、直流バスと、第1の半導体遮断器と、複数の電流整流部と、電流抑制要素と、制御装置と、を持つ。複数の直流送電線のそれぞれは、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とが設けられている。複数の電流整流部のそれぞれは、少なくとも蓄電要素を含み、対応する直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す。電流抑制要素は、第1の半導体遮断器に第3の機械式接点を介して接続され、第3の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が直流送電線の負極に接続、あるいは接地されている。制御装置は、第1の機械式接点、第2の機械式接点、第1の半導体遮断器、および第3の機械式接点を制御し、蓄電要素を充電させる。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、直流電流遮断装置に関する。
近年、直流送電を行う直流送電システムについて検討・導入が進められている。直流送電システムは、従来の交流送電システムに比べ、長距離大電力送電に適用した場合に、低コストで設置可能であり且つ電力損失が少ない高効率システムを構築することが可能である。その一方、複数の発電端子を連系した直流送電システムにおいては系統事故の発生した個所を遮断・隔離することが難しい。直流電流では、電流がゼロを横切る点(ゼロ点)が生じないため、機械式接点では電流を容易に遮断できないためである。これを解決するため、様々な構成の直流電流遮断装置が検討されている。直流電流遮断装置は、直流送電線で事故が発生した際に、この直流送電線に属する直流電流遮断器を開極することで事故回線を切り離し、健全回線による送電を維持するものである。
直流電流遮断装置では、直流送電を行う直流送電線に機械接点式の断路器や、遮断器、補助断路器などが直列に接続され、さらに、直流送電線で発生した事故によって流れる直流電流(事故電流)を半導体遮断器に転流させることによって電流ゼロ点を作る転流回路が、遮断器に並列に接続されている。ところで、転流回路において、直流送電線で発生した事故による事故電流を半導体遮断器に転流させるためには、転流回路が備えるコンデンサに予め充電(初期充電)をしておく必要がある。
転流回路が備えるコンデンサに初期充電をする一般的な方法としては、例えば、直流電流遮断装置に接続された外部電源により出力された電圧を転流回路が備えるコンデンサに充電する方法が考えられる。しかしながら、この方法では、外部電源からの電圧を変圧器によって変圧したり、さらに整流器によって整流したりする必要がある。そして、これらの構成要素は高耐圧であることが必要となる。このため、外部電源からの電圧を変圧器や整流器を介してコンデンサに充電する方法では、直流電流遮断装置が大型化し、コストも高くなってしまう。
国際公開第2019/035180号
本発明が解決しようとする課題は、直流電流遮断装置が備える転流回路内のコンデンサを予め充電するための構成を小規模な回路構成で実現することができる直流電流遮断装置を提供することである。
実施形態の直流電流遮断装置は、複数の直流送電線と、直流バスと、第1の半導体遮断器と、複数の電流整流部と、電流抑制要素と、制御装置と、を持つ。複数の直流送電線のそれぞれは、少なくとも、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とが設けられている。直流バスは、それぞれの前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第1極を接続する。第1の半導体遮断器は、前記直流バスに第1端が接続され、前記直流バス側から前記直流送電線側に流れる電流を遮断する。複数の電流整流部のそれぞれは、それぞれの前記直流送電線に対応し、前記第1の半導体遮断器の第2端側と、対応する前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第2極と少なくとも前記第2の機械式接点の第1極との間の箇所とを接続し、少なくとも蓄電要素を含み、対応する前記直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す。電流抑制要素は、前記第1の半導体遮断器の前記第2端側に第3の機械式接点を介して接続され、前記第3の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が前記直流送電線の負極に接続、あるいは接地されている。制御装置は、少なくとも、前記第1の機械式接点、前記第2の機械式接点、前記第1の半導体遮断器、および前記第3の機械式接点を制御し、前記蓄電要素を充電させる。
第1の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の転流回路の構成の一例を示す図。 第1の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第1の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第2の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第2の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第2の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第3の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第4の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第4の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第4の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第5の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第5の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第5の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第6の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図。 第6の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。 第6の実施形態の直流電流遮断装置における初期充電の動作について説明するための図。
以下、実施形態の直流電流遮断装置を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図1には、三つの直流送電線LN(直流送電線LN-1~LN-3)の節点部分に構成する直流電流遮断装置1の一例を示している。さらに、図1には、それぞれの直流送電線LNに、直流リアクトル20が接続されている一例を示している。より具体的には、直流送電線LN-1に直流リアクトル20-1が、直流送電線LN-2に直流リアクトル20-2が、直流送電線LN-3に直流リアクトル20-3が、それぞれ接続されている一例を示している。
直流電流遮断装置1は、例えば、直流バス30と、三つの断路器40(断路器40-1~40-3)と、三つの遮断器50(遮断器50-1~50-3)と、三つの補助断路器60(補助断路器60-1~60-3)と、三つの転流回路70(転流回路70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、三つのダイオード90(ダイオード90-1~90-3)と、半導体遮断器10と、アレスタ11と、機械接点100と、機械接点110と、電流抑制要素120と、制御装置200と、を備える。
断路器40、遮断器50、および補助断路器60は、機械接点式のスイッチである。断路器40と、遮断器50と、補助断路器60とのそれぞれは、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。直流電流遮断装置1では、それぞれの直流送電線LNにおいて、断路器40と、遮断器50と、補助断路器60とが直列に接続され、直流バス30を介して互いに接続されている。例えば、直流送電線LN-1では、断路器40-1の第1極a-1が直流バス30に接続されている。さらに、直流送電線LN-1では、断路器40-1の第2極b-1が遮断器50-1の第1極c-1に接続され、遮断器50-1の第2極d-1が補助断路器60-1の第1極e-1に接続され、補助断路器60-1の第2極f-1が直流リアクトル20-1の第1端に接続されている。直流リアクトル20-1の第2端は、直流送電線LN-1の送電側に接続されている。直流送電線LN-2および直流送電線LN-3も同様である。このため、直流電流遮断装置1における通常の送電においては、それぞれの直流送電線LNに属する断路器40と、遮断器50と、補助断路器60とのそれぞれを通って電流が流れる。断路器40は、特許請求の範囲における「第1の機械式接点」の一例であり、遮断器50は、特許請求の範囲における「第2の機械式接点」の一例である。
半導体遮断器10は、第1端g側から第2端h側に流れる電流を遮断する。半導体遮断器10は、例えば、互いに直列に接続された複数(図1には二つのみを示している)の半導体スイッチ部を備える。半導体スイッチ部のそれぞれは、互いに並列に接続された半導体スイッチング素子とダイオードとを備える。より具体的には、半導体スイッチ部では、ダイオードのカソードと半導体スイッチング素子のコレクタとが互いに接続され、ダイオードのアノードと半導体スイッチング素子のエミッタとが接続されている。半導体スイッチング素子のゲートは、制御装置200によって制御(制御電圧または制御電流が印加)される。つまり、半導体遮断器10は、制御装置200によってオンまたはオフのいずれかの状態に制御される。半導体スイッチング素子は、例えば、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子である。半導体スイッチング素子は、IGBTに限定されず、自己消弧を実現可能な半導体スイッチング素子であれば、いかなるスイッチング素子であってもよい。直流電流遮断装置1では、半導体遮断器10の第1端gが直流バス30に接続され、第2端hが機械接点100の第1極kと機械接点110の第1極nとに接続されている。そして、直流電流遮断装置1では、機械接点100の第2極lがそれぞれのダイオード90のアノードに接続されている。つまり、直流電流遮断装置1において、半導体遮断器10の第2端hは、機械接点100を介してそれぞれのダイオード90に接続されている。従って、半導体遮断器10は、オン状態のときに直流バス30側から直流送電線LN側に流れる電流を許容し、オフ状態のときに流れる電流を遮断する。半導体遮断器10は、特許請求の範囲における「第1の半導体遮断器」の一例である。半導体遮断器10のオン状態は、特許請求の範囲における「導通状態」の一例であり、半導体遮断器10のオフ状態は、特許請求の範囲における「非導通状態」の一例である。
アレスタ11は、半導体遮断器10に並列に接続され、半導体遮断器10がオフ状態に制御された場合に、直流送電線LNと直流リアクトル20とのインダクタンス分のエネルギーに起因して発生するサージエネルギーを消費(吸収)する。
ダイオード90は、機械接点100を介して半導体遮断器10の第2端hと、対応する直流送電線LNとの間の電流を選択的な向きで流す。より具体的には、ダイオード90は、半導体遮断器10の第2端h側から直流送電線LN側に流れる電流を許容し、その逆の向きに流れる電流を阻止する。直流電流遮断装置1では、それぞれのダイオード90のカソードが、対応する転流回路70の第1端iおよびリアクトル80の第1端に接続されている。
転流回路70は、第1端iと第2端jとの間に流れる電流の向きを切り替える(転流する)。転流回路70は、例えば、半導体スイッチ部、ダイオード、およびコンデンサを備え、これらの構成要素が互いに接続されたブリッジ回路である。半導体スイッチ部のそれぞれは、例えば、互いに並列に接続された半導体スイッチング素子とダイオードとを備える。図2は、第1の実施形態の転流回路70の構成の一例を示す図である。図2の(a)に示した転流回路70aは、図1に示したフルブリッジ回路である。転流回路70aは、例えば、二つの半導体スイッチ部702(半導体スイッチ部702-1および702-2)と、二つのダイオード704(ダイオード704-1および704-2)と、コンデンサ706と、を備える。図2の(b)に示した転流回路70bは、例えば、四つの半導体スイッチ部702(半導体スイッチ部702-1~702-4)と、コンデンサ706と、を備える。転流回路70bは、転流回路70aにおけるダイオード704を半導体スイッチ部702に代えた構成のフルブリッジ回路である。図2の(c)に示した転流回路70cは、例えば、二つの半導体スイッチ部702(半導体スイッチ部702-1および702-2)と、二つのダイオード704(ダイオード704-1および704-2)と、コンデンサ706と、二つのサイリスタ708(サイリスタ708-1および708-2)と、を備える。転流回路70cは、転流回路70aと同様のフルブリッジ回路の両端の間に、サイリスタ708-1とサイリスタ708-2とが、互いに逆向きで並列に接続されている。転流回路70が備える半導体スイッチ部702のオン状態およびオフ状態は、制御装置200によって制御される。つまり、転流回路70は、制御装置200による半導体スイッチ部702のオンまたはオフのいずれかの状態への制御に応じて、第1端iと第2端jとの間に流れる電流を転流させる。サイリスタ708のゲートは、制御装置200によって制御(制御電流が印加)される。これにより、転流回路70cでは、制御装置200によるサイリスタ708-1およびサイリスタ708-2の制御によって、第1端iと第2端jとを短絡させることができる。言い換えれば、転流回路70cは、制御装置200の制御によって、第1端iと第2端jとの間に流れる電流を、ブリッジ回路を通さずに通過、つまり、ブリッジ回路をバイパスさせることができる。転流回路70cにおいてブリッジ回路をバイパスさせる構成要素は、サイリスタ708に限定されない。例えば、転流回路70cにおいてブリッジ回路をバイパスさせる構成要素として、サイリスタ708の代わりに、機械式接点や自己消弧可能な半導体スイッチング素子を備えてもよい。
直流電流遮断装置1では、転流回路70の第2端jが、対応する直流送電線LNに属する断路器40の第2極bと遮断器50の第1極cとの間に接続されている。直流電流遮断装置1では、リアクトル80の第2端が、対応する直流送電線LNに属する遮断器50の第2極dと補助断路器60の第1極eとの間に接続されている。ダイオード90、転流回路70、およびリアクトル80の構成は、特許請求の範囲における「電流整流部」の一例である。コンデンサ706は、特許請求の範囲における「蓄電要素」の一例である。サイリスタ708は、特許請求の範囲における「短絡要素」の一例である。
機械接点100は、機械接点式のスイッチである。機械接点100は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点100は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極kと第2極lとの間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。直流電流遮断装置1において機械接点100は、省略されてもよい。
機械接点110は、機械接点式のスイッチである。機械接点110は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点110は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極nと第2極mとの間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。機械接点110の第2極mは、電流抑制要素120の第1端に接続されている。機械接点110は、特許請求の範囲における「第3の機械式接点」の一例である。
電流抑制要素120は、第1端と第2端との間に流れる電流、つまり、半導体遮断器10の第2端hから機械接点110を介して流れてきた電流を抑制(整流)する。電流抑制要素120の第2端は、直流送電線LNの負極、あるいは接地端に接続されている。図1には、電流抑制要素120の第2端が接地されている場合を示している。電流抑制要素120は、例えば、抵抗である。電流抑制要素120は、抵抗に限定されず、電流を抑制する構成であれば、いかなる構成であってもよい。例えば、電流抑制要素120は、リアクトルや、抵抗とリアクトルとが直列に接続された構成であってもよい。また、機械接点110と電流抑制要素120との位置関係は逆であってもよい。
制御装置200は、断路器40、遮断器50、補助断路器60、転流回路70、半導体遮断器10、および機械接点100を制御することにより、直流電流遮断装置1における直流送電線LNの遮断および導通を制御する。さらに、制御装置200は、これらの構成要素に加えて、機械接点110を制御することにより、転流回路70における転流の機能を実現するために必要なコンデンサ706への充電(初期充電)を制御する。制御装置200は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより以下の機能を実現するものである。制御装置200の機能のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。制御装置200の機能のうち一部または全部は、専用のLSIによって実現されてもよい。プログラムは、予め制御装置200が備えるHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体が制御装置200が備えるドライブ装置に装着されることで制御装置200が備える記憶装置にインストールされてもよい。
[直流電流遮断装置1におけるコンデンサ706への初期充電の動作]
ここで、図3および図4を参照して、例えば、直流送電線LN-1が課電されているときに、制御装置200が、転流回路70-1が備えるコンデンサ706(以下、「コンデンサ706-1」という)を初期充電させる動作の一例について説明する。図3および図4には、制御装置200によってそれぞれの構成要素が制御された状態における、直流電流遮断装置1内の電流の流れを示している。制御装置200は、以下のような手順でそれぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより、コンデンサ706-1を初期充電する。
(手順1-1):まず、制御装置200は、初期充電する転流回路70-1が接続されている直流送電線LN-1に属する断路器40-1および補助断路器60-1を閉極させ、遮断器50-1を開極させる。さらに、制御装置200は、機械接点110を閉極させる。これにより、直流電流遮断装置1では、図3に示すような状態になる。このとき、機械接点100は、直流電流遮断装置1における通常の送電においては閉極した状態であるため、制御装置200は、機械接点100を閉極させた状態のままにしておいてもよいし、開極した状態にさせてもよい。制御装置200が機械接点100を開極させることにより、直流電流遮断装置1では、コンデンサ706-1を初期充電させる際に直流送電線LN-1からの電力が課電される箇所が限定され、より安全性が向上する。
(手順1-2):次に、制御装置200は、半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオン状態にする。これにより、直流送電線LN-1からの電力による電流が、図4に示すような経路を通って流れる。より具体的には、直流送電線LN-1から、直流リアクトル20-1、補助断路器60-1、リアクトル80-1、転流回路70-1、断路器40-1、直流バス30、半導体遮断器10、機械接点110、電流抑制要素120を通って、接地された箇所に電流が流れる。このとき、転流回路70-1内では、半導体スイッチ部702-2を構成するダイオード、コンデンサ706-1、および半導体スイッチ部702-1を構成するダイオードを通って、電流が流れる。これにより、電流が流れる経路中にあるコンデンサ706-1に、流れた電流に応じた電荷が初期充電される。
(手順1-3):その後、コンデンサ706-1の初期充電が完了した後、制御装置200は、半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオフ状態にする。これにより、直流電流遮断装置1では、直流送電線LN-1からの電流の流れが停止し、コンデンサ706-1が充電されなくなる。このコンデンサ706-1の初期充電が完了したか否かは、制御装置200が、例えば、コンデンサ706-1の両端の電圧を検出する電圧検出器(不図示)が検出した検出値(電圧値)の情報を取得して判定する。制御装置200は、不図示の電圧検出器から取得した検出値の情報が、転流回路70-1における転流の機能を実現するために必要な所定の電圧値に達したことを表している場合に、コンデンサ706-1の初期充電が完了したと判定する。所定の電圧値は、必ずしも直流送電線LN-1に課電されている電圧値でなくてもよい。つまり、直流送電線LN-1の電圧値よりも低くてもよい。制御装置200におけるコンデンサ706-1の初期充電が完了したか否かの判定方法は、不図示の電圧検出器から検出値の情報を取得する方法に限定されず、コンデンサ706-1に所定量の電荷が充電されたことを判定することができる方法であれば、いかなる方法であってもよい。例えば、制御装置200は、コンデンサ706-1の初期充電を開始してからの経過時間に基づいて、コンデンサ706-1の初期充電が完了したことを判定してもよい。
(手順1-4):次に、制御装置200は、コンデンサ706-1の初期充電を開始する際に閉極させていた機械接点110、断路器40-1、および補助断路器60-1を開極させる。これにより、直流電流遮断装置1では、コンデンサ706-1に充電された電荷が保持される。機械接点100を開極させていた場合、制御装置200は、機械接点100を閉極させる。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置1では、課電されている直流送電線LN-1の電力によって、コンデンサ706-1を初期充電することができる。その後、制御装置200は、同様の手順を繰り返すことによって、課電されている直流送電線LN-2や直流送電線LN-3からの電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電することができる。半導体遮断器10では、コンデンサ706を初期充電する際にそれぞれの直流送電線LNから電流が流れた線路中のインダクタンス成分に蓄積されたサージエネルギーによって、しばらくの間、電流が流れ続ける場合もあるが、このサージエネルギーは、アレスタ11によって消費される。その際にもコンデンサ706に電流が流れ、コンデンサ706の電圧が上昇するので、それを見越して早めに半導体遮断器10の半導体スイッチ部をオフ状態にしてもよい。
そして、制御装置200は、直流電流遮断装置1における通常の送電の制御を行い、仮にいずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合には、その直流送電線LN(事故回線)を遮断させる。
[直流電流遮断装置1における直流送電線LNの遮断の動作]
ここで、参考として、例えば、直流送電線LN-1~LN-3が直流バス30を介して互いに接続されて送電しているときに、直流送電線LN-1において事故が発生した場合を例として、制御装置200が、直流送電線LN-1を遮断させる動作について説明する。
直流送電線LN-1~LN-3が直流バス30を介して互いに接続されて送電しているときの初期状態は、断路器40、遮断器50、および補助断路器60が閉極され、転流回路70および半導体遮断器10はオフ状態である。ここで、直流送電線LN-1に事故が発生すると、まず、制御装置200は、事故が発生した直流送電線LN-1に属する断路器40-1と遮断器50-1とを開極させ、転流回路70-1をオン状態にする。すると、転流回路70-1が備えるコンデンサ706-1の電荷が放電されて、遮断器50-1に逆向きの電流が流れ、電流ゼロ点が発生する。これにより、遮断器50-1にはこれ以上の電流が流れなくなる。次に、制御装置200は、半導体遮断器10をオン状態にし、転流回路70-1をオフ状態にする。すると、直流送電線LN-1の電流が半導体遮断器10に転流し、断路器40-1の電流がゼロになる。最後に、制御装置200は、半導体遮断器10をオフ状態にする。これにより、直流電流遮断装置1では、直流送電線LN-1の電流が遮断される。その後、直流送電線LN-1と直流リアクトル20とのインダクタンス分のサージエネルギーは、半導体遮断器10に並列に接続されたアレスタ11によって消費される。制御装置200は、直流送電線LN-1の電流が完全にゼロになったら補助断路器60-1を開極させ、直流送電線LN-1の遮断を完了する。このように、直流電流遮断装置1における直流送電線LNの遮断の動作では、事故が発生した直流送電線LNに属する断路器40、遮断器50、および補助断路器60を開極させることによって事故が発生した直流送電線LNを遮断し、事故が発生していない他の直流送電線LNにおける送電を維持する。
上記説明したように、第1の実施形態の直流電流遮断装置1によれば、課電されている直流送電線LNからの電力で、その直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができる。しかも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1においてコンデンサ706を初期充電するために設ける構成要素は、機械接点110および電流抑制要素120が一つずつでよい。つまり、第1の実施形態の直流電流遮断装置1では、小規模な回路を追加することによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する機能を実現することができる。
直流電流遮断装置1の構成は、図1に示した構成に限定されない。直流電流遮断装置1は、図4に示すような経路と同様の経路で電流を流すことができる構成であれば、いかなる構成であってもよい。つまり、直流電流遮断装置1の構成は、図4に示した経路と同様の経路で導通させることができる構成であれば、図1に示した構成要素以外の他の構成要素が経路中に設けられていてもよい。例えば、ダイオード90に代えて、機械接点式のスイッチや半導体スイッチング素子を備える構成にしてもよいし、機械接点式のスイッチと半導体スイッチング素子とを直並列に接続した構成にしてもよいし、機械接点式のスイッチとブリッジ回路とを並列に接続した構成にしてもよい。例えば、遮断器50や、転流回路70とリアクトル80とダイオード90との構成を、直並列に複数接続した構成にしてもよいし、これらの構成を半導体遮断器で構成してもよい。例えば、直流リアクトル20や、リアクトル80、補助断路器60を省略した構成にしてもよい。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図5においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図5に示した直流電流遮断装置2は、例えば、直流バス30と、三つの断路器40(断路器40-1~40-3)と、三つの遮断器50(遮断器50-1~50-3)と、三つの補助断路器60(補助断路器60-1~60-3)と、三つの転流回路70(転流回路70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、三つのダイオード90(ダイオード90-1~90-3)と、半導体遮断器10と、アレスタ11と、機械接点100と、機械接点110と、電流抑制要素120と、二つの機械接点130(機械接点130-1および130-2)と、制御装置200と、を備える。直流電流遮断装置2は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1に、二つの機械接点130が追加された構成である。このため、直流電流遮断装置1では、課電されている直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができるのに対して、直流電流遮断装置2では、課電されていない直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を、課電されている他の直流送電線LNからの電力で初期充電することができる。
機械接点130は、異なる(例えば、隣接する)直流送電線LN同士を接続させる機械接点式のスイッチである。機械接点130は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点130は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極oと第2極pとの間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。直流電流遮断装置2では、機械接点130-1の第2極p-1が直流送電線LN-1に属する遮断器50-1の第2極d-1と補助断路器60-1の第1極e-1との間に接続され、第1極o-1が直流送電線LN-2に属する遮断器50-2の第2極d-2と補助断路器60-2の第1極e-2との間に接続されている。直流電流遮断装置2では、機械接点130-2の第2極p-2が直流送電線LN-2に属する遮断器50-2の第2極d-2と補助断路器60-2の第1極e-2との間に接続され、第1極o-2が直流送電線LN-3に属する遮断器50-3の第2極d-3と補助断路器60-3の第1極e-3との間に接続されている。直流電流遮断装置2では、それぞれの直流送電線LNに属する遮断器50と補助断路器60との間に機械接点130が設けられている構成を示したが、機械接点130は、それぞれの直流送電線LNに属する補助断路器60と直流リアクトル20との間に設けられてもよい。機械接点110は、特許請求の範囲における「第4の機械式接点」の一例である。
[直流電流遮断装置2におけるコンデンサ706への初期充電の動作]
直流電流遮断装置2においても、例えば、直流送電線LN-1が課電されているときに、制御装置200が、転流回路70-1が備えるコンデンサ706-1を初期充電させる手順は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1における手順と同様である。従って、ここでは、図6および図7を参照して、例えば、直流送電線LN-1が課電されているときに、制御装置200が、転流回路70-2が備えるコンデンサ706(以下、「コンデンサ706-2」という)を初期充電させる動作の一例について説明する。図6および図7には、制御装置200によってそれぞれの構成要素が制御された状態における、直流電流遮断装置2内の電流の流れを示している。制御装置200は、以下のような手順でそれぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより、課電されている直流送電線LN-1からの電力で、隣接する直流送電線LN-2に属するコンデンサ706-2を初期充電する。以下の手順において、制御装置200による機械接点100の開極および閉極の制御は、直流電流遮断装置1における制御と同様であるため、再度の詳細な説明は省略する。
(手順2-1):まず、制御装置200は、機械接点130-1を閉極させる。このとき、機械接点130-2は開極状態である。そして、制御装置200は、初期充電する転流回路70-2が接続されている直流送電線LN-2に属する断路器40-2を閉極させ、遮断器50-2を開極させ、課電されている直流送電線LN-1に属する補助断路器60-1を閉極させ、断路器40-1と遮断器50-1を開極させる。さらに、制御装置200は、機械接点110を閉極させる。これにより、直流電流遮断装置2では、図6に示すような状態になる。このとき、制御装置200は、機械接点100を閉極させた状態のままにしておいてもよいし、開極した状態にさせてもよい。
(手順2-2):次に、制御装置200は、半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオン状態にする。これにより、直流送電線LN-1からの電力による電流が、図7に示すような経路を通って流れる。より具体的には、直流送電線LN-1から、直流リアクトル20-1、補助断路器60-1、機械接点130-1、リアクトル80-2、転流回路70-2、断路器40-2、直流バス30、半導体遮断器10、機械接点110、電流抑制要素120を通って、接地された箇所に電流が流れる。このとき、転流回路70-2内では、半導体スイッチ部702-2を構成するダイオード、コンデンサ706-2、および半導体スイッチ部702-1を構成するダイオードを通って、電流が流れる。これにより、電流が流れる経路中にあるコンデンサ706-2に、直流送電線LN-1から流れた電流に応じた電荷が初期充電される。
(手順2-3):その後、コンデンサ706-2の初期充電が完了した後、制御装置200は、半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオフ状態にする。これにより、直流電流遮断装置2では、直流送電線LN-1からの電流の流れが停止し、コンデンサ706-2が充電されなくなる。
(手順2-4):次に、制御装置200は、コンデンサ706-2の初期充電を開始する際に閉極させていた機械接点110、機械接点130-1、断路器40-2、および補助断路器60-1を開極させる。これにより、直流電流遮断装置2では、コンデンサ706-2に充電された電荷が保持される。機械接点100を開極させていた場合、制御装置200は、機械接点100を閉極させる。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置2では、課電されている直流送電線LN-1の電力によって、他の直流送電線LN(ここでは、隣接する直流送電線LN-2)に属するコンデンサ706-2を初期充電することができる。その後、制御装置200は、同様の考え方の手順によって、課電されている直流送電線LN-1からの電力で、他の直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電することができる。例えば、制御装置200は、手順2-1において、直流送電線LN-2に属する断路器40-2の代わりに、直流送電線LN-3に属する断路器40-3を閉極させ、遮断器50-3を開極させ、さらに、機械接点130-2を閉極させることにより、直流送電線LN-1からの電力で、直流送電線LN-3に接続されている転流回路70-3が備えるコンデンサ706(以下、「コンデンサ706-3」という)を初期充電させることができる。
そして、制御装置200は、直流電流遮断装置2における通常の送電の制御を行い、仮にいずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合には、事故回線を遮断させる。直流電流遮断装置2において、事故回線を遮断させる動作は、直流電流遮断装置1と同様である。従って、直流電流遮断装置2における事故回線の遮断動作に関する再度の詳細な説明は省略する。
[直流電流遮断装置2におけるコンデンサ706への初期充電の別の動作]
直流電流遮断装置2では、制御装置200が機械接点130の開極および閉極を制御することにより、複数のコンデンサ706を同時に初期充電させることができる。例えば、直流送電線LN-1が課電されている場合、制御装置200は、手順2-1において、直流送電線LN-1と、初期充電する転流回路70が接続されている他の直流送電線LNとを接続する複数の機械接点130を閉極させる。そして、制御装置200は、初期充電する転流回路70が接続されているそれぞれの直流送電線LNに属する断路器40を閉極させ、遮断器50を開極させ、課電されている直流送電線LN-1に属する補助断路器60-1を閉極させ、遮断器50-1を開極させる。さらに、制御装置200は、機械接点110を閉極させる。その後、制御装置200は、手順2-2~2-4の手順を行う。これにより、直流電流遮断装置2では、それぞれの機械接点130によって直流送電線LN-1と接続された他の直流送電線LNに属するそれぞれのコンデンサ706を同時に初期充電させることができる。
複数のコンデンサ706を同時に初期充電させる場合、それぞれのコンデンサ706においてすでに充電されている電荷量や、それぞれのコンデンサ706における特性のばらつきなどの要因によって、制御装置200が、初期充電が完了したと判定するタイミングがコンデンサ706ごとに異なることも考えられる。この場合、制御装置200は、いずれかのコンデンサ706の初期充電が完了した後、手順2-3において半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部を一旦オフ状態にし、初期充電が完了したコンデンサ706が属する直流送電線LNの断路器40を開極させた後に、初期充電が完了していないコンデンサ706に対する初期充電の制御を再開すればよい(つまり、手順2-1から再度行えばよい)。
しかし、例えば、直流電流遮断装置2が備える転流回路70が、図2の(b)に示した転流回路70bや、図2の(c)に示した転流回路70cの構成である場合、制御装置200は、手順2-3において半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオフ状態にすることなく、それぞれのコンデンサ706ごとに、初期充電を完了させることもできる。
例えば、直流電流遮断装置2が備える転流回路70が転流回路70bの構成である場合、制御装置200は、初期充電が完了したコンデンサ706を備える転流回路70bの半導体スイッチ部702-3をオン状態にする。これにより、転流回路70bでは、初期充電を行う際に、半導体スイッチ部702-2を構成するダイオード、コンデンサ706-1、半導体スイッチ部702-1を構成するダイオードの経路を通って流れていた電流が、半導体スイッチ部702-3をオン状態にすることによって、半導体スイッチ部702-2を構成するダイオード、半導体スイッチ部702-3を構成する半導体スイッチング素子の経路を通って流れるようになる。つまり、制御装置200が半導体スイッチ部702-3をオン状態にすることによって、転流回路70bでは、コンデンサ706を通らない経路、つまり、コンデンサ706をバイパスさせる経路に変更することができる。
例えば、直流電流遮断装置2が備える転流回路70が転流回路70cの構成である場合、制御装置200は、初期充電が完了したコンデンサ706を備える転流回路70cのサイリスタ708-1をオン状態にする。これにより、転流回路70cでは、初期充電を行う際に、フルブリッジ回路を通って流れていた電流が、サイリスタ708-1をオン状態にすることによって、フルブリッジ回路を通らずに流れるようになる。つまり、制御装置200がサイリスタ708-1をオン状態にすることによって、転流回路70cでは、電流が通る経路を、コンデンサ706を備えるフルブリッジ回路をバイパスさせる経路に変更することができる。
これらのことにより、直流電流遮断装置2では、複数のコンデンサ706を同時に初期充電させた場合でも、先に初期充電が完了したコンデンサ706に対する充電が継続されて、このコンデンサ706が過充電の状態になってしまうのを防止することができる。
上記説明したように、第2の実施形態の直流電流遮断装置2によれば、課電されている直流送電線LNからの電力で、その直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706のみではなく、他の直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができる。さらに、第2の実施形態の直流電流遮断装置2では、異なる直流送電線LNに接続されている複数の転流回路70内のコンデンサ706を同時に初期充電させることもできる。しかも、第2の実施形態の直流電流遮断装置2においてコンデンサ706を初期充電するために設ける構成要素は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において設けた構成要素に加えて、機械接点130を設ければよい。このため、第2の実施形態の直流電流遮断装置2でも、小規模な回路を追加することによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する機能を実現することができる。
直流電流遮断装置2の構成は、図5に示した構成に限定されない。直流電流遮断装置2でも、図7に示すような経路と同様の経路で電流を流すことができる構成であれば、図5に示した構成要素以外の他の構成要素が経路中に設けられていてもよい。
(第3の実施形態)
以下、第3の実施形態について説明する。図8は、第3の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図8においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図8に示した直流電流遮断装置3は、例えば、直流バス30と、三つの断路器40(断路器40-1~40-3)と、三つの遮断器50(遮断器50-1~50-3)と、三つの補助断路器60(補助断路器60-1~60-3)と、三つの転流回路70(転流回路70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、三つのダイオード90(ダイオード90-1~90-3)と、三つのダイオード91(ダイオード91-1~91-3)と、半導体遮断器10と、半導体遮断器15と、アレスタ11と、アレスタ16と、機械接点100と、機械接点110と、電流抑制要素120と、制御装置200と、を備える。図8に示した直流電流遮断装置3では、転流回路70が図2の(b)に示した転流回路70bである構成を示している。直流電流遮断装置3は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1に、半導体遮断器15、アレスタ16、および三つのダイオード91が追加された構成である。この構成により、直流電流遮断装置3では、直流バス30側と直流送電線LN側とにおいて流れる双方向の電流を遮断することができる。
半導体遮断器15は、第1端q側から第2端r側に流れる電流を遮断する。半導体遮断器15の構成は、半導体遮断器10と同様である。直流電流遮断装置3において、半導体遮断器10と半導体遮断器15とは、直流バス30に対して互いに逆向きに接続されている。半導体遮断器15も、制御装置200によってオンまたはオフのいずれかの状態に制御される。直流電流遮断装置3では、半導体遮断器15の第1端qがそれぞれのダイオード91のカソードに接続され、第2端rが直流バス30に接続されている。従って、半導体遮断器15は、オン状態のときに直流送電線LN側から直流バス30側に流れる電流を許容し、オフ状態のときに流れる電流を遮断する。つまり、半導体遮断器15は、直流電流遮断装置3において、半導体遮断器10とは逆側に流れる電流を遮断する。半導体遮断器15は、特許請求の範囲における「第2の半導体遮断器」の一例である。
アレスタ16は、半導体遮断器15に並列に接続され、半導体遮断器15がオフ状態に制御された場合に、直流送電線LNと直流リアクトル20とのインダクタンス分のエネルギーに起因して発生するサージエネルギーを消費(吸収)する。アレスタ16は、アレスタ11と同様のものである。
ダイオード91は、半導体遮断器15の第1端qと、対応する直流送電線LNとの間の電流を選択的な向きで流す。より具体的には、ダイオード91は、対応する直流送電線LN側から半導体遮断器15の第1端q側に流れる電流を許容し、その逆の向きに流れる電流を阻止する。つまり、ダイオード91は、直流電流遮断装置3において、ダイオード90とは逆側に流れる電流を許容し、その逆の向きに流れる電流を阻止する。直流電流遮断装置3では、それぞれのダイオード91のアノードが、対応するリアクトル80の第2端、および対応する直流送電線LNに属する遮断器50の第2極dと補助断路器60の第1極eとの間に接続されている。ダイオード90、転流回路70、リアクトル80、およびダイオード91の構成は、特許請求の範囲における「電流整流部」の一例である。
直流電流遮断装置3において、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する動作は、図3および図4に示した、直流電流遮断装置1における初期充電の動作と同様である。つまり、直流電流遮断装置3でも、課電されている直流送電線LNからの電力で、その直流送電線LNに属するコンデンサ706を初期充電することができる。従って、直流電流遮断装置3においてそれぞれのコンデンサ706を充電させる動作に関する再度の詳細な説明は省略する。
直流電流遮断装置3において、いずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合に事故回線を遮断させる動作は、直流電流遮断装置1における事故回線の遮断動作と等価なものになるようにすればよい。従って、直流電流遮断装置3における事故回線の遮断動作に関する詳細な説明は省略する。
上記説明したように、第3の実施形態の直流電流遮断装置3によれば、双方向の電流を遮断することができる構成であっても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、課電されている直流送電線LNからの電力で、その直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができる。しかも、第3の実施形態の直流電流遮断装置3でも、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、コンデンサ706を初期充電するために設ける構成要素として小規模な回路を追加することによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する機能を実現することができる。
直流電流遮断装置3では、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、機械接点110および電流抑制要素120を通る経路で電流を流すことによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する構成を示した。しかし、直流電流遮断装置3においても、第2の実施形態の直流電流遮断装置2と同様に機械接点130を備え、機械接点130と、機械接点110および電流抑制要素120とを通る経路で電流を流すことによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する構成にしてもよい。この構成の場合において、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する動作は、図6および図7に示した、直流電流遮断装置2における初期充電の動作と同様である。
(第4の実施形態)
以下、第4の実施形態について説明する。図9は、第4の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図9においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1および第3の実施形態の直流電流遮断装置3と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図9に示した直流電流遮断装置4は、例えば、直流バス31と、直流バス32と、三つの断路器40(断路器40-1~40-3)と、三つの遮断器50(遮断器50-1~50-3)と、三つの補助断路器60(補助断路器60-1~60-3)と、三つの転流回路70(転流回路70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、三つのダイオード90(ダイオード90-1~90-3)と、三つのダイオード91(ダイオード91-1~91-3)と、半導体遮断器10と、アレスタ11と、機械接点100と、機械接点110と、電流抑制要素120と、機械接点140と、機械接点150と、制御装置200と、を備える。図9に示した直流電流遮断装置4では、転流回路70が図2の(b)に示した転流回路70bである構成を示している。直流電流遮断装置4は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において、直流バス30が直流バス31と直流バス32との二つの直流バスに別れ、三つのダイオード91、機械接点140、および機械接点150が追加された構成である。直流電流遮断装置4は、第3の実施形態の直流電流遮断装置3において、直流バス30が直流バス31と直流バス32との二つの直流バスに別れ、機械接点140が追加され、半導体遮断器15が機械接点150に代わった構成ということもできる。この構成により、直流電流遮断装置4では、直流バス31および直流バス32側と直流送電線LN側とにおいて流れる双方向の電流を遮断することができる。
直流電流遮断装置4では、それぞれの直流送電線LNに属する断路器40の第1極aが直流バス31に接続され、半導体遮断器10の第1端gが直流バス32に接続されている。さらに、直流電流遮断装置4では、直流バス32に機械接点150の第1極sが接続されている。直流バス31は、特許請求の範囲における「第1の直流バス」の一例であり、直流バス32は、特許請求の範囲における「第2の直流バス」の一例である。
機械接点140は、直流バス31と直流バス32とを接続させる機械接点式のスイッチである。機械接点140は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点140は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極sと第2極tとの間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。直流電流遮断装置4では、機械接点140の第1極sが直流バス31に接続され、第2極tが直流バス32に接続されている。機械接点140は、特許請求の範囲における「第5の機械式接点」の一例である。
機械接点150は、直流バス32とそれぞれのダイオード91とを接続させる機械接点式のスイッチである。機械接点150は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点150は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極uと第2極vとの間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。直流電流遮断装置4では、機械接点150の第1極uが直流バス32に接続され、第2極vがそれぞれのダイオード91のカソードに接続され、それぞれのダイオード91のアノードが、対応するリアクトル80の第2端および遮断器50の第2極d側の直流送電線LNに接続されている。このため、直流電流遮断装置4において、それぞれのダイオード91は、対応する直流送電線LN側から直流バス32側に流れる電流を許容し、その逆の向きに流れる電流を阻止する。機械接点150は、特許請求の範囲における「第6の機械式接点」の一例である。
[直流電流遮断装置4におけるコンデンサ706への初期充電の動作]
ここで、図10および図11を参照して、例えば、直流送電線LN-1が課電されているときに、制御装置200が、転流回路70-1が備えるコンデンサ706-1を初期充電させる動作の一例について説明する。図10および図11には、制御装置200によってそれぞれの構成要素が制御された状態における、直流電流遮断装置4内の電流の流れを示している。制御装置200は、以下のような手順でそれぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより、コンデンサ706-1を初期充電する。
(手順3-1):まず、制御装置200は、初期充電する転流回路70-1が接続されている直流送電線LN-1に属する断路器40-1および補助断路器60-1を閉極させ、遮断器50-1を開極させる。さらに、制御装置200は、機械接点110および機械接点140を閉極させ、機械接点150を開極させる。これにより、直流電流遮断装置4では、図10に示すような状態になる。このとき、制御装置200は、機械接点100を閉極させた状態のままにしておいてもよいし、開極した状態にさせてもよい。ここで、手順3-1において、制御装置200は、機械接点150を開極にさせた。これは、コンデンサ706-1を初期充電させる際に直流送電線LN-1からの電力が課電される箇所を限定することによって、より安全性が向上させるためである。しかし、機械接点150は、直流電流遮断装置4における通常の送電においては閉極した状態であり、例えば、直流バス32側から電流が流れた場合でも、その電流はダイオード91から先に流れることはない。このため、制御装置200は、手順3-1において、機械接点150を閉極させた状態のままにしておいてもよい。
(手順3-2):次に、制御装置200は、半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオン状態にする。これにより、直流送電線LN-1からの電力による電流が、図11に示すような経路を通って流れる。より具体的には、直流送電線LN-1から、直流リアクトル20-1、補助断路器60-1、リアクトル80-1、転流回路70-1、断路器40-1、直流バス31、機械接点140、直流バス32、半導体遮断器10、機械接点110、電流抑制要素120を通って、接地された箇所に電流が流れる。このとき、転流回路70-1内では、半導体スイッチ部702-2を構成するダイオード、コンデンサ706-1、および半導体スイッチ部702-1を構成するダイオードを通って、電流が流れる。これにより、電流が流れる経路中にあるコンデンサ706-1に、流れた電流に応じた電荷が初期充電される。
(手順3-3):その後、コンデンサ706-1の初期充電が完了した後、制御装置200は、半導体遮断器10が備える半導体スイッチ部をオフ状態にする。これにより、直流電流遮断装置4では、直流送電線LN-1からの電流の流れが停止し、コンデンサ706-1が充電されなくなる。
(手順3-4):次に、制御装置200は、コンデンサ706-1の初期充電を開始する際に閉極させていた機械接点110、機械接点140、断路器40-1、および補助断路器60-1を開極させ、コンデンサ706-1の初期充電を開始する際に開極させていた機械接点150を閉極させる。これにより、直流電流遮断装置4では、コンデンサ706-1に充電された電荷が保持される。機械接点100を開極させていた場合、制御装置200は、機械接点100を閉極させる。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置4では、課電されている直流送電線LN-1の電力によって、コンデンサ706-1を初期充電することができる。その後、制御装置200は、同様の手順を繰り返すことによって、課電されている直流送電線LN-2や直流送電線LN-3からの電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電することができる。
そして、制御装置200は、直流電流遮断装置4における通常の送電の制御を行い、仮にいずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合には、その直流送電線LN(事故回線)を遮断させる。直流電流遮断装置4において、いずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合に事故回線を遮断させる動作は、直流電流遮断装置1における事故回線の遮断動作と等価なものになるようにすればよい。従って、直流電流遮断装置4における事故回線の遮断動作に関する詳細な説明は省略する。
上記説明したように、第4の実施形態の直流電流遮断装置4によれば、直流バスを二つに分け、機械接点150を備えることによって双方向の電流を遮断することができる構成であっても、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、課電されている直流送電線LNからの電力で、その直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができる。しかも、第4の実施形態の直流電流遮断装置4においてコンデンサ706を初期充電するために設ける構成要素は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において設けた構成要素に加えて、機械接点140を設ければよい。このため、第4の実施形態の直流電流遮断装置4でも、小規模な回路を追加することによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する機能を実現することができる。
直流電流遮断装置4では、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、機械接点110および電流抑制要素120を通る経路で電流を流すことによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する構成を示した。しかし、直流電流遮断装置4においても、第2の実施形態の直流電流遮断装置2と同様に機械接点130を備え、機械接点130と、機械接点110および電流抑制要素120とを通る経路で電流を流すことによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する構成にしてもよい。この構成の場合において、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する動作は、直流電流遮断装置2における初期充電の動作と等価なものになるようにすればよい。従って、直流電流遮断装置4が機械接点130を備える構成である場合において、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する動作に関する詳細な説明は省略する。
(第5の実施形態)
以下、第5の実施形態について説明する。図12は、第5の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図12においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図12に示した直流電流遮断装置5は、例えば、直流バス30と、三つの断路器40(断路器40-1~40-3)と、三つの遮断器50(遮断器50-1~50-3)と、三つの補助断路器60(補助断路器60-1~60-3)と、三つの転流回路70(転流回路70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、三つのダイオード90(ダイオード90-1~90-3)と、半導体遮断器10と、アレスタ11と、機械接点110と、電流抑制要素120と、三つの機械接点160(機械接点160-1~160-3)と、制御装置200と、を備える。直流電流遮断装置5は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1に、三つの機械接点160が追加された構成である。直流電流遮断装置5には、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、機械接点100を備えてもよいが、図12に示した直流電流遮断装置5では、機械接点100が省略されている。
直流電流遮断装置5には、交流電源Pが、電力変換装置PCを介して直流バス30に接続されている。交流電源Pは、所定の交流電力を出力する電源である。交流電源Pは、交流電力を発電する発電設備であってもよい。電力変換装置PCは、交流電源Pにより出力された交流電力を直流電力に変換する交直変換器である。電力変換装置PCは、交流電圧を所定の直流電圧に変換して、直流電流遮断装置5が備える直流バス30側に出力する。直流電流遮断装置5は、電力変換装置PCから出力された直流電力を、それぞれの直流送電線LNによって受電側に送電する。このため、第1~第4の実施形態の直流電流遮断装置1~4では、課電されている直流送電線LNからの電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができるのに対して、直流電流遮断装置5では、電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電することができる。
直流電流遮断装置5では、制御装置200が、電力変換装置PCによる直流電力の出力の制御も行う。制御装置200は、例えば、電流制御や電圧制御によって、電力変換装置PCからの直流電力の出力を制御する。
機械接点160は、ダイオード90の両端を接続させる(短絡させる)機械接点式のスイッチである。機械接点160は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点160は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、ダイオード90のアノード側に接続されている第1極と、ダイオード90のカソード側に接続されている第2極との間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。直流電流遮断装置5では、機械接点160-1の第1極がダイオード90-1のアノード、転流回路70-1の第1端i、およびリアクトル80-1の第1端に接続され、第2極がダイオード90-1のカソード、および半導体遮断器10の第2端hに接続されている。直流電流遮断装置5では、機械接点160-2の第1極がダイオード90-2のアノード、転流回路70-2の第1端i、およびリアクトル80-2の第1端に接続され、第2極がダイオード90-2のカソード、および半導体遮断器10の第2端hに接続されている。直流電流遮断装置5では、機械接点160-3の第1極がダイオード90-3のアノード、転流回路70-3の第1端i、およびリアクトル80-3の第1端に接続され、第2極がダイオード90-3のカソード、および半導体遮断器10の第2端hに接続されている。直流電流遮断装置5では、制御装置200によって機械接点160が閉極の状態になると、ダイオード90がバイパスされ、ダイオード90が対応する直流送電線LNとの間で選択的な向きで流す電流の方向とは逆方向への電流の流れが許容されることになる。つまり、ダイオード90が許容する半導体遮断器10の第2端h側から直流送電線LN側への電流の流れのみではなく、直流送電線LN側から半導体遮断器10の第2端h側への電流の流れが許容されることになる。機械接点160は、特許請求の範囲における「第7の機械式接点」の一例である。
[直流電流遮断装置5におけるコンデンサ706への初期充電の動作]
ここで、図13および図14を参照して、制御装置200が、電力変換装置PCから出力された直流電力で、転流回路70-1が備えるコンデンサ706-1を初期充電させる動作の一例について説明する。図13および図14には、制御装置200によってそれぞれの構成要素が制御された状態における、直流電流遮断装置5内の電流の流れを示している。制御装置200は、以下のような手順でそれぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより、コンデンサ706-1を初期充電する。
(手順4-1):まず、制御装置200は、初期充電する転流回路70-1が接続されている直流送電線LN-1に属する断路器40-1を閉極させ、遮断器50-1を開極させる。さらに、制御装置200は、機械接点110、および初期充電する転流回路70-1に対応する機械接点160-1を閉極させる。これにより、直流電流遮断装置5では、図13に示すような状態になる。
(手順4-2):次に、制御装置200は、電力変換装置PCに直流電力を出力させる。これにより、電力変換装置PCからの直流電力による電流が、図14に示すような経路を通って流れる。より具体的には、電力変換装置PCから、直流バス30、断路器40-1、転流回路70-1、機械接点160-1、機械接点110、電流抑制要素120を通って、接地された箇所に電流が流れる。このとき、転流回路70-1内では、ダイオード704-1、コンデンサ706-1、およびダイオード704-2を通って、電流が流れる。これにより、電流が流れる経路中にあるコンデンサ706-1に、流れた電流に応じた電荷が初期充電される。
(手順4-3):その後、コンデンサ706-1の初期充電が完了した後、制御装置200は、電力変換装置PCに直流電力の出力を停止させる。これにより、直流電流遮断装置5では、電力変換装置PCからの電流の流れが停止し、コンデンサ706-1が充電されなくなる。
(手順4-4):次に、制御装置200は、コンデンサ706-1の初期充電を開始する際に閉極させていた機械接点110、機械接点160-1、および断路器40-1を開極させる。これにより、直流電流遮断装置5では、コンデンサ706-1に充電された電荷が保持される。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置5では、電力変換装置PCから出力された直流電力によって、コンデンサ706-1を初期充電することができる。その後、制御装置200は、同様の手順を繰り返すことによって、電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電することができる。直流電流遮断装置5では、制御装置200が、上述した手順において複数の直流送電線LNに属するそれぞれの構成要素を同時に制御することにより、複数のコンデンサ706を同時に初期充電させることもできる。
そして、制御装置200は、直流電流遮断装置5における通常の送電の制御を行い、仮にいずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合には、その直流送電線LN(事故回線)を遮断させる。直流電流遮断装置5において、いずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合に事故回線を遮断させる動作は、直流電流遮断装置1と同様である。従って、直流電流遮断装置5における事故回線の遮断動作に関する再度の詳細な説明は省略する。
上記説明したように、第5の実施形態の直流電流遮断装置5によれば、直流バス30に接続されている、直流電流遮断装置5の外部の電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができる。しかも、第5の実施形態の直流電流遮断装置5においてコンデンサ706を初期充電するために設ける構成要素は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において設けた構成要素に加えて、それぞれの転流回路70に対応する機械接点160を設ければよい。このため、第5の実施形態の直流電流遮断装置5でも、小規模な回路を追加することによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する機能を実現することができる。しかも、第5の実施形態の直流電流遮断装置5では、電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電させるため、より高精度で安全にコンデンサ706を初期充電することができる。
直流電流遮断装置5の構成は、図12に示した構成に限定されない。直流電流遮断装置5は、図14に示すような経路と同様の経路で電流を流すことができる構成であれば、いかなる構成であってもよい。つまり、直流電流遮断装置5の構成は、図14に示した経路と同様の経路で導通させることができる構成であれば、図12に示した構成要素以外の他の構成要素が経路中に設けられていてもよい。例えば、機械接点160に代えてダイオード90と逆方向に電流を許容する半導体スイッチング素子を備えたり、ダイオード90と機械接点160とに代えて、互いに逆向きで並列に接続された二つのサイリスタを備える構成にしてもよい。
(第6の実施形態)
以下、第6の実施形態について説明する。図15は、第6の実施形態に係る直流電流遮断装置の構成の一例を示す図である。図15においては、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と共通する機能を有する構成要素については同一の符号を付している。図15に示した直流電流遮断装置6は、例えば、直流バス30と、三つの断路器40(断路器40-1~40-3)と、三つの遮断器50(遮断器50-1~50-3)と、三つの補助断路器60(補助断路器60-1~60-3)と、三つの転流回路70(転流回路70-1~70-3)と、三つのリアクトル80(リアクトル80-1~80-3)と、三つのダイオード90(ダイオード90-1~90-3)と、半導体遮断器10と、アレスタ11と、三つの機械接点170(機械接点170-1~170-3)と、電流抑制要素180と、制御装置200と、を備える。直流電流遮断装置6は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において、機械接点110が三つの機械接点170に代わり、電流抑制要素120が電流抑制要素180に代わった構成である。直流電流遮断装置6には、第1の実施形態の直流電流遮断装置1と同様に、機械接点100を備えてもよいが、図15に示した直流電流遮断装置6では、機械接点100が省略されている。
直流電流遮断装置6にも、第5の実施形態の直流電流遮断装置5と同様に、交流電源Pが、電力変換装置PCを介して直流バス30に接続されている。このため、直流電流遮断装置6でも、直流電流遮断装置5と同様に、電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電することができる。
直流電流遮断装置6でも、直流電流遮断装置5と同様に、制御装置200が、電力変換装置PCによる直流電力の出力の制御も行う。
機械接点170は、対応する直流送電線LNと電流抑制要素180とを接続させる機械接点式のスイッチである。機械接点170は、制御装置200によって開極または閉極のいずれかの状態に制御される。機械接点170は、制御装置200による開極または閉極のいずれかの状態への制御に応じて、第1極wと第2極xとの間を接続の状態、あるいは非接続(開放)の状態にする。直流電流遮断装置6では、機械接点170-1の第2極x-1が直流送電線LN-1に属する補助断路器60-1の第2極f-1と直流リアクトル20-1の第1端との間に接続され、第1極w-1が電流抑制要素180の第1端に接続されている。直流電流遮断装置6では、機械接点170-2の第2極x-2が直流送電線LN-2に属する補助断路器60-2の第2極f-2と直流リアクトル20-2の第1端との間に接続され、第1極w-2が電流抑制要素180の第1端に接続されている。直流電流遮断装置6では、機械接点170-3の第2極x-3が直流送電線LN-3に属する補助断路器60-3の第2極f-3と直流リアクトル20-3の第1端との間に接続され、第1極w-3が電流抑制要素180の第1端に接続されている。直流電流遮断装置6では、それぞれの直流送電線LNに属する補助断路器60と直流リアクトル20との間に機械接点170が設けられている構成を示したが、機械接点170は、それぞれの直流送電線LNに属する遮断器50と補助断路器60との間に設けられてもよい。機械接点170は、特許請求の範囲における「第8の機械式接点」の一例である。
電流抑制要素180は、第1端と第2端との間に流れる電流、つまり、直流送電線LNから機械接点170を介して流れてきた電流を抑制(整流)する。電流抑制要素180の構成は、第1~第5の実施形態の直流電流遮断装置1~5が備える電流抑制要素120と同様である。電流抑制要素180の第2端は、直流送電線LNの負極、あるいは接地されている。図15には、電流抑制要素180の第2端が接地されている場合を示している。
[直流電流遮断装置6におけるコンデンサ706への初期充電の動作]
ここで、図16および図17を参照して、制御装置200が、電力変換装置PCから出力された直流電力で、転流回路70-1が備えるコンデンサ706-1を初期充電させる動作の一例について説明する。図16および図17には、制御装置200によってそれぞれの構成要素が制御された状態における、直流電流遮断装置6内の電流の流れを示している。制御装置200は、以下のような手順でそれぞれの構成要素の開極、閉極、オン、オフを制御することにより、コンデンサ706-1を初期充電する。直流電流遮断装置6においても、直流電流遮断装置5と同様に、電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70が備えるコンデンサ706の初期充電を順次行うこともできるが、直流電流遮断装置6でも、直流電流遮断装置5と同様に、複数の直流送電線LNに属するそれぞれの構成要素を同時に制御することによって、複数のコンデンサ706を同時に初期充電させることもできる。以下の説明においては、直流電流遮断装置6が、複数のコンデンサ706を同時に初期充電させる場合の動作の一例について説明する。
(手順5-1):まず、制御装置200は、それぞれの直流送電線LNに属する断路器40および補助断路器60を閉極させ、遮断器50を開極させる。さらに、制御装置200は、それぞれの直流送電線LNに属する機械接点170を閉極させる。これにより、直流電流遮断装置6では、図16に示すような状態になる。
(手順5-2):次に、制御装置200は、電力変換装置PCに直流電力を出力させる。これにより、電力変換装置PCからの直流電力による電流が、図17に示すような経路を通って流れる。より具体的には、電力変換装置PCから、直流バス30、それぞれの断路器40、それぞれの転流回路70、それぞれの補助断路器60、それぞれの機械接点170、電流抑制要素180を通って、接地された箇所に電流が流れる。このとき、それぞれの転流回路70内では、ダイオード704-1、コンデンサ706-1、およびダイオード704-2を通って、電流が流れる。これにより、電流が流れる経路中にあるそれぞれのコンデンサ706に、流れた電流に応じた電荷が初期充電される。
(手順5-3):その後、それぞれのコンデンサ706の初期充電が完了した後、制御装置200は、電力変換装置PCに直流電力の出力を停止させる。これにより、直流電流遮断装置6では、電力変換装置PCからの電流の流れが停止し、それぞれのコンデンサ706が充電されなくなる。このとき、直流電流遮断装置6でも、第2の実施形態の直流電流遮断装置2におけるコンデンサ706への初期充電の別の動作として説明したのと同様に、初期充電が完了したと判定するタイミングがコンデンサ706ごとに異なることも考えられる。この場合、制御装置200は、直流電流遮断装置2におけるコンデンサ706への初期充電の別の動作と等価なものになるようにそれぞれの構成要素を制御して、先に初期充電が完了したコンデンサ706が過充電の状態になってしまうのを防止するようにしてもよい。
(手順5-4):次に、制御装置200は、それぞれのコンデンサ706の初期充電を開始する際に閉極させていた機械接点170、断路器40、および補助断路器60を開極させる。これにより、直流電流遮断装置6では、それぞれのコンデンサ706に充電された電荷が保持される。
このような構成および手順によって、直流電流遮断装置6では、電力変換装置PCから出力された直流電力によって、それぞれのコンデンサ706を初期充電することができる。
そして、制御装置200は、直流電流遮断装置6における通常の送電の制御を行い、仮にいずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合には、その直流送電線LN(事故回線)を遮断させる。直流電流遮断装置6において、いずれかの直流送電線LNに事故が発生した場合に事故回線を遮断させる動作は、直流電流遮断装置1と同様である。従って、直流電流遮断装置6における事故回線の遮断動作に関する再度の詳細な説明は省略する。
上記説明したように、第6の実施形態の直流電流遮断装置6によれば、直流バス30に接続されている、直流電流遮断装置6の外部の電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの直流送電線LNに接続されている転流回路70内のコンデンサ706を初期充電することができる。しかも、第6の実施形態の直流電流遮断装置6においてコンデンサ706を初期充電するために設ける構成要素は、第1の実施形態の直流電流遮断装置1において設けた構成要素の内、機械接点110が、それぞれの直流送電線LNに対応すればよい。このため、第6の実施形態の直流電流遮断装置6でも、小規模な回路を追加することによって、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電する機能を実現することができる。しかも、第6の実施形態の直流電流遮断装置6でも、直流電流遮断装置5と同様に、電力変換装置PCから出力された直流電力で、それぞれの転流回路70が備えるコンデンサ706を初期充電させるため、より高精度で安全にコンデンサ706を初期充電することができる。
直流電流遮断装置6の構成は、図15に示した構成に限定されない。直流電流遮断装置6は、図17に示すような経路と同様の経路で電流を流すことができる構成であれば、図15に示した構成要素以外の他の構成要素が経路中に設けられていてもよい。
上記に述べたとおり、各実施形態の直流電流遮断装置では、小規模な回路構成で、直流電流遮断装置が備える転流回路内のコンデンサを予め充電することができる。これにより、各実施形態の直流電流遮断装置では、仮に直流送電線で事故が発生した場合には、転流回路における転流の機能を実行させ、発生した事故による事故電流を半導体遮断器に転流させることができる。このことにより、各実施形態の直流電流遮断装置は、直流送電線を遮断させたり導通(接続)させたりする正常な動作を維持することができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、少なくとも、直列に接続された第1の機械式接点(40)と第2の機械式接点(50)とが設けられた複数の直流送電線(LN)と、それぞれの直流送電線における第1の機械式接点の第1極を接続する直流バス(30)と、直流バスに第1端が接続され、直流バス側から直流送電線側に流れる電流を遮断する第1の半導体遮断器(10)と、それぞれの直流送電線に対応し、第1の半導体遮断器の第2端側と、対応する直流送電線における第1の機械式接点の第2極と少なくとも第2の機械式接点の第1極との間の箇所とを接続し、少なくとも蓄電要素(706)を含み、対応する直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す複数の電流整流部(70,80,90)と、第1の半導体遮断器の第2端側に第3の機械式接点(110)を介して接続され、第3の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が直流送電線の負極に接続、あるいは接地された電流抑制要素(120)と、少なくとも、第1の機械式接点、第2の機械式接点、第1の半導体遮断器、および第3の機械式接点を制御し、蓄電要素を充電させる制御装置(200)と、を備えることにより、電流整流部内の蓄電要素を予め充電するための構成を小規模な回路構成で実現することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1,2,3,4,5,6・・・直流電流遮断装置、10・・・半導体遮断器、11・・・アレスタ、15・・・半導体遮断器、16・・・アレスタ、20,20-1,20-2,20-3・・・直流リアクトル、30・・・直流バス、31・・・直流バス、32・・・直流バス、40,40-1,40-2,40-3・・・断路器、50,50-1,50-2,50-3・・・遮断器、60,60-1,60-2,60-3・・・補助断路器、70,70a,70b,70c,70-1,70-2,70-3・・・転流回路、702,702-1,702-2,702-3,702-4・・・半導体スイッチ部、704,704-1,704-2・・・ダイオード、706・・・コンデンサ、708,708-1,708-2・・・サイリスタ、80,80-1,80-2,80-3・・・リアクトル、90,90-1,90-2,90-3・・・ダイオード、91,91-1,91-2,91-3・・・ダイオード、100・・・機械接点、110・・・機械接点、120・・・電流抑制要素、130,130-1,130-2・・・機械接点、140・・・機械接点、150・・・機械接点、160,160-1,160-2,160-3・・・機械接点、170,170-1,170-2,170-3・・・機械接点、180・・・電流抑制要素、200・・・制御装置、LN,LN-1,LN-2,LN-3・・・直流送電線、P・・・交流電源、PC・・・電力変換装置

Claims (13)

  1. 少なくとも、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とが設けられた複数の直流送電線と、
    それぞれの前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第1極を接続する直流バスと、
    前記直流バスに第1端が接続され、前記直流バス側から前記直流送電線側に流れる電流を遮断する第1の半導体遮断器と、
    それぞれの前記直流送電線に対応し、前記第1の半導体遮断器の第2端側と、対応する前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第2極と少なくとも前記第2の機械式接点の第1極との間の箇所とを接続し、少なくとも蓄電要素を含み、対応する前記直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す複数の電流整流部と、
    前記第1の半導体遮断器の前記第2端側に第3の機械式接点を介して接続され、前記第3の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が前記直流送電線の負極に接続、あるいは接地された電流抑制要素と、
    少なくとも、前記第1の機械式接点、前記第2の機械式接点、前記第1の半導体遮断器、および前記第3の機械式接点を制御し、前記蓄電要素を充電させる制御装置と、
    を備える直流電流遮断装置。
  2. それぞれの前記電流整流部を介して前記直流送電線のそれぞれに第1端が接続され、前記直流バスに第2端が接続され、前記直流送電線側から前記直流バス側に流れる電流を遮断する第2の半導体遮断器、をさらに備える、
    請求項1に記載の直流電流遮断装置。
  3. 前記制御装置は、課電された前記直流送電線である第1の直流送電線の電力で対応する前記蓄電要素である第1の蓄電要素を充電させる際に、
    前記第1の直流送電線における前記第1の機械式接点と前記第3の機械式接点とを閉極させ、前記第1の直流送電線における前記第2の機械式接点を開極させた後に、前記第1の半導体遮断器を導通状態にさせ、
    前記第1の蓄電要素の充電が完了した後に、前記第1の半導体遮断器を非導通状態にさせる、
    請求項1または請求項2に記載の直流電流遮断装置。
  4. 前記第2の機械式接点の第2極側に設けられ、異なる前記直流送電線同士を接続させる複数の第4の機械式接点、をさらに備える、
    請求項3に記載の直流電流遮断装置。
  5. 前記制御装置は、前記第1の直流送電線の電力で、前記第1の直流送電線と異なる前記直流送電線である第2の直流送電線に対応する前記蓄電要素である第2の蓄電要素を充電させる際に、
    前記第2の直流送電線における前記第1の機械式接点と前記第3の機械式接点とを閉極させ、前記第1の直流送電線における前記第2の機械式接点と前記第2の直流送電線における前記第2の機械式接点を開極させ、前記第1の直流送電線と前記第2の直流送電線とを接続させる前記第4の機械式接点を閉極させた後に、前記第1の半導体遮断器を導通状態にさせ、
    前記第2の蓄電要素の充電が完了した後に、前記第1の半導体遮断器を非導通状態にさせる、
    請求項4に記載の直流電流遮断装置。
  6. 少なくとも、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とが設けられた複数の直流送電線と、
    それぞれの前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第1極を接続する第1の直流バスと、
    第5の機械式接点を介して前記第1の直流バスに接続された第2の直流バスと、
    前記第2の直流バスに第1端が接続され、前記第2の直流バスから前記直流送電線側に流れる電流を遮断する第1の半導体遮断器と、
    それぞれの前記直流送電線に対応し、前記第1の半導体遮断器の第2端側と、対応する前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第2極と少なくとも前記第2の機械式接点の第1極との間の箇所とを接続し、少なくとも蓄電要素を含み、対応する前記直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す複数の電流整流部と、
    それぞれの前記電流整流部と前記第2の直流バスとを接続する第6の機械式接点と、
    前記第1の半導体遮断器の前記第2端側に第3の機械式接点を介して接続され、前記第3の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が前記直流送電線の負極に接続、あるいは接地された電流抑制要素と、
    少なくとも、前記第1の機械式接点、前記第2の機械式接点、前記第1の半導体遮断器、前記第3の機械式接点、および前記第5の機械式接点、および前記第6の機械式接点を制御し、前記蓄電要素を充電させる制御装置と、
    を備える直流電流遮断装置。
  7. 前記制御装置は、課電された前記直流送電線である第1の直流送電線の電力で対応する前記蓄電要素である第1の蓄電要素を充電させる際に、
    前記第1の直流送電線における前記第1の機械式接点と、前記第3の機械式接点と、前記第5の機械式接点とを閉極させ、前記第1の直流送電線における前記第2の機械式接点と前記第6の機械式接点とを開極させた後に、前記第1の半導体遮断器を導通状態にさせ、
    前記第1の蓄電要素の充電が完了した後に、前記第1の半導体遮断器を非導通状態にさせる、
    請求項6に記載の直流電流遮断装置。
  8. 少なくとも、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とが設けられた複数の直流送電線と、
    それぞれの前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第1極を接続する直流バスと、
    前記直流バスに第1端が接続され、前記直流バス側から前記直流送電線側に流れる電流を遮断する第1の半導体遮断器と、
    それぞれの前記直流送電線に対応し、前記第1の半導体遮断器の第2端側と、対応する前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第2極と少なくとも前記第2の機械式接点の第1極との間の箇所とを接続し、少なくとも蓄電要素を含み、対応する前記直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す複数の電流整流部と、
    前記第1の半導体遮断器の前記第2端側に第3の機械式接点を介して接続され、前記第3の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が前記直流送電線の負極に接続、あるいは接地された電流抑制要素と、
    それぞれの前記電流整流部に対応し、対応する前記電流整流部と前記第1の半導体遮断器の第2端側とを接続し、対応する前記電流整流部が対応する前記直流送電線に流れる電流の前記第1の半導体遮断器の第2端側への流れを許容させる第7の機械式接点と、
    少なくとも、前記第1の機械式接点、前記第2の機械式接点、前記第3の機械式接点、および前記第7の機械式接点を制御し、前記蓄電要素を充電させる制御装置と、
    を備え、
    前記直流バス側には、直流電力を出力する電力変換装置が接続されている、
    直流電流遮断装置。
  9. 前記制御装置は、前記電力変換装置により変換された電力で前記蓄電要素を充電させる際に、
    充電させる前記蓄電要素を含む前記電流整流部が接続された前記直流送電線における前記第1の機械式接点と、前記第3の機械式接点と、充電させる前記蓄電要素を含む前記電流整流部に対応する前記第7の機械式接点とを閉極させ、充電させる前記蓄電要素を含む前記電流整流部が接続された前記直流送電線における前記第2の機械式接点を開極させた後に、前記電力変換装置に変換した電力を出力させ、
    前記蓄電要素の充電が完了した後に、前記電力変換装置に変換した電力の出力を停止させる、
    請求項8に記載の直流電流遮断装置。
  10. 少なくとも、直列に接続された第1の機械式接点と第2の機械式接点とが設けられた複数の直流送電線と、
    それぞれの前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第1極を接続する直流バスと、
    前記直流バスに第1端が接続され、前記直流バス側から前記直流送電線側に流れる電流を遮断する第1の半導体遮断器と、
    それぞれの前記直流送電線に対応し、前記第1の半導体遮断器の第2端側と、対応する前記直流送電線における前記第1の機械式接点の第2極と少なくとも前記第2の機械式接点の第1極との間の箇所とを接続し、少なくとも蓄電要素を含み、対応する前記直流送電線に流れる電流を選択的な向きで流す複数の電流整流部と、
    それぞれの前記直流送電線における前記第2の機械式接点の第2極側に設けられた第8の機械式接点を介して接続され、前記第8の機械式接点と接続された側とは逆側の一端が前記直流送電線の負極に接続、あるいは接地された電流抑制要素と、
    少なくとも、前記第1の機械式接点、前記第2の機械式接点、および前記第8の機械式接点を制御し、前記蓄電要素を充電させる制御装置と、
    を備え、
    前記直流バス側には、直流電力を出力する電力変換装置が接続されている、
    直流電流遮断装置。
  11. 前記制御装置は、前記電力変換装置により変換された電力で前記蓄電要素を充電させる際に、
    充電させる前記蓄電要素を含む前記電流整流部が接続された前記直流送電線における前記第1の機械式接点と、充電させる前記蓄電要素を含む前記電流整流部に対応する前記第8の機械式接点とを閉極させ、充電させる前記蓄電要素を含む前記電流整流部が接続された前記直流送電線における前記第2の機械式接点を開極させた後に、前記電力変換装置に変換した電力を出力させ、
    前記蓄電要素の充電が完了した後に、前記電力変換装置に変換した電力の出力を停止させる、
    請求項10に記載の直流電流遮断装置。
  12. 前記電流整流部は、少なくとも一以上の半導体スイッチング素子、をさらに含み、
    前記制御装置は、前記蓄電要素に充電された電力に応じた電圧が所定の電圧値に達した場合、前記半導体スイッチング素子を制御して、前記電流整流部を流れる電流の経路を、前記蓄電要素をバイパスさせる、
    請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
  13. 前記電流整流部は、前記蓄電要素の両端を短絡させる短絡要素、をさらに含み、
    前記制御装置は、前記蓄電要素に充電された電力に応じた電圧が所定の電圧値に達した場合、前記短絡要素を制御して、前記電流整流部を流れる電流の経路を、前記蓄電要素をバイパスさせる、
    請求項1から請求項11のうちいずれか1項に記載の直流電流遮断装置。
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