JP2022129052A - 撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】深度拡大光学系を用いて高画質の画像を得ることが可能な撮像装置を提供する。【解決手段】撮像装置(100)は、光軸に対して非回転対称な波面変調素子(101c)を含む撮像光学系(101)と、撮像光学系により形成された光学像を光電変換する撮像部(102)とを有し、撮像部は、第1の撮像で第1の色に対応する第1の画像データを取得し、第2の撮像で第2の色に対応する第2の画像データを取得し、第2の画像データは、第1の画像データに対して撮像部の非整数画素だけシフトして撮像され、撮像光学系の変調伝達関数が最も大きい第1の方向とシフト方向のうち最も短い第2の方向とのなす角度は、30度~60度である。【選択図】図9

Description

本発明は、撮像装置に関する。
従来、透過光の位相を変調させる波面変調素子を含む光学系と画像処理の組み合わせにより被写界深度を拡大する技術が提案されている。具体的には、波面変調素子により光束を規則的に分散させ、被写体距離の変化に対し光学系の光学伝達関数(OTF:Optical Transfer Function)を実質的に不変にする。そして、撮像素子等を介して得られた画像に対し復元処理を行うことで、被写界深度の深い画像を生成している。また、撮像素子は離散的に被写界の像をサンプリングするため、波面変調素子と撮像素子の回転位置の関係には任意性がある。
特許文献1には、回転非対称で頂部を有する点像強度分布(PSF:Point Spread Function)を形成する光学系を備えた撮像装置が開示されている。この撮像装置は、公差の緩い深度拡大光学系を実現するため、光学系と撮像素子の相対的な取り付け位置を、頂部から斜め側部の先端部が画素配列の斜め方向に沿うように設定している。
特開2008-136144号公報
ところで、画像の画素数を撮像素子の画素数よりも増やす処理として、高画素化処理がある。高画素化処理の手法としては、画素ずらし(ピクセルシフト)画像を用いて高画素化する手法が知られている。高画素化のために画素ずらしを行う場合、サンプリングの二次元的なパターンは、撮像素子の画素配列のみならず、ずらし方にも基づいて決まる。しかし、特許文献1に開示された撮像装置は、画素ずらしの方法と撮像素子の取り付けとの関係を考慮していないため、画素ずらしによる高画素化を行った際に、良好な画質の画像を得ることができない。
そこで本発明は、深度拡大光学系を用いて高画質の画像を得ることが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての撮像装置は、光軸に対して非回転対称な波面変調素子を含む撮像光学系と、前記撮像光学系により形成された光学像を光電変換する撮像部とを有し、前記撮像部は、第1の撮像で第1の色に対応する第1の画像データを取得し、第2の撮像で第2の色に対応する第2の画像データを取得し、前記第2の画像データは、前記第1の画像データに対して前記撮像部の非整数画素だけシフトして撮像され、前記撮像光学系の変調伝達関数が最も大きい第1の方向とシフト方向のうち最も短い第2の方向とのなす角度は、30度~60度である。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施例において説明される。
本発明によれば、深度拡大光学系を用いて高画質の画像を得ることが可能な撮像装置を提供することができる。
各実施例における画像回復フィルタの説明図である。 各実施例における画像回復フィルタの説明図(断面図)である。 各実施例における点像分布関数の説明図である。 各実施例における光学伝達関数の振幅成分MTFと位相成分PTFの説明図である。 各実施例における波面変調素子を含む光学系のMTFの説明図である。 各実施例における画素ずらしによる撮像と高画素化処理の例を示す図である。 各実施例における画素ずらしによる撮像と高画素化処理の異なる例を示す図である。 各実施例における高画素化処理の説明図である。 各実施例における画素ずらしによる撮像と高画素化処理とによるナイキスト周波数の説明図である。 各実施例における撮像装置のブロック図である。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、実施例の具体的な説明を行う前に、本発明の要旨を説明する。本実施形態の撮像装置は、光軸に対して非回転対称な波面変調素子を用いた深度拡大光学系を撮像光学系として用いる。複数の色に対応する複数の撮像画像を取得し、画素ずらしによる高画素化処理を行う。また、光学系の光学特性に基づいた鮮鋭化処理(画像回復処理)を行う。以下、本実施形態の撮像装置の構成に関する説明に先立ち、本実施形態で用いられる種々の技術について述べる。
[画像回復処理]
まず、画像回復処理の概要について説明する。撮影画像(劣化画像)をg(x,y)、もとの画像をf(x,y)、光学伝達関数OTFのフーリエペアである点像分布関数PSFをh(x,y)としたとき、以下の式(1)が成立する。
g(x,y)=h(x,y)*f(x,y) … (1)
ここで、*はコンボリューション(畳み込み積分、積和)、(x,y)は撮影画像上の座標である。
また、式(1)をフーリエ変換して周波数面での表示形式に変換すると、周波数ごとの積で表される式(2)が得られる。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v) … (2)
ここで、Hは点像分布関数PSF(h)をフーリエ変換することにより得られた光学伝達関数OTFであり、G,Fはそれぞれ劣化した画像g、もとの画像fをフーリエ変換して得られた関数である。(u,v)は2次元周波数面での座標、すなわち周波数である。
撮影された劣化画像gから元の画像fを得るには、以下の式(3)のように両辺を光学伝達関数Hで除算すればよい。
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v) … (3)
そして、F(u,v)、すなわちG(u,v)/H(u,v)を逆フーリエ変換して実面に戻すことにより、もとの画像f(x,y)が回復画像として得られる。
-1を逆フーリエ変換したものをRとすると、以下の式(4)のように実面での画像に対するコンボリューション処理を行うことで、同様にもとの画像f(x,y)を得ることができる。
g(x,y)*R(x,y)=f(x,y) … (4)
ここで、R(x,y)は画像回復フィルタと呼ばれる。画像が2次元画像である場合、一般的に、画像回復フィルタRも画像の各画素に対応したタップ(セル)を有する2次元フィルタとなる。また、画像回復フィルタRのタップ数(セルの数)は、一般的に多いほど回復精度が向上する。このため、要求画質、画像処理能力、収差の特性等に応じて実現可能なタップ数が設定される。画像回復フィルタRは、少なくとも収差の特性を反映している必要があるため、従来の水平垂直各3タップ程度のエッジ強調フィルタなどとは異なる。画像回復フィルタRは光学伝達関数OTFに基づいて設定されるため、振幅成分および位相成分の劣化の両方を高精度に補正することができる。
また、実際の画像にはノイズ成分が含まれるため、上記のように光学伝達関数OTFの逆数をとって作成した画像回復フィルタRを用いると、劣化画像の回復とともにノイズ成分が大幅に増幅されてしまう。これは、画像の振幅成分にノイズの振幅が付加されている状態に対して、光学系の変調伝達関数MTF(振幅成分)を全周波数に渡って1に戻すようにMTFを持ち上げるためである。光学系による振幅劣化であるMTFは1に戻るが、同時にノイズのパワースペクトルも持ち上がってしまい、結果的にMTFを持ち上げる度合(回復ゲイン)に応じてノイズが増幅されてしまう。
したがって、ノイズが含まれる場合には、鑑賞用画像としては良好な画像は得られない。このことは、以下の式(5-1)、(5-2)で表される。
G(u,v)=H(u,v)・F(u,v)+N(u,v)…(5-1)
G(u,v)/H(u,v)=F(u,v)+N(u,v)/H(u,v)…(5-2)
ここで、Nはノイズ成分である。
ノイズ成分が含まれる画像に関しては、例えば以下の式(6)で表されるウィナーフィルタのように、画像信号とノイズ信号の強度比SNRに応じて回復度合を制御する方法がある。
Figure 2022129052000002
ここで、M(u,v)はウィナーフィルタの周波数特性、|H(u,v)|は光学伝達関数OTFの絶対値(変調伝達関数MTF)である。この方法では、周波数ごとに、MTFが小さいほど回復ゲイン(回復度合)を小さくし、MTFが大きいほど回復ゲインを大きくする。一般的に、撮像光学系のMTFは低周波側が高く高周波側が低くなるため、この方法では、実質的に画像の高周波側の回復ゲインを低減することになる。
続いて、図1および図2を参照して、画像回復フィルタについて説明する。図1および図2は、画像回復フィルタの説明図である。画像回復フィルタは、撮像光学系の収差特性や要求される回復精度に応じてそのタップ数が決定される。図1の画像回復フィルタは、一例として、11×11タップの2次元フィルタである。また図1では、各タップ内の値(係数)を省略しているが、この画像回復フィルタの一断面を図2に示す。画像回復フィルタの各タップの値(係数値)の分布は、収差により空間的に広がった信号値(PSF)を、理想的には元の1点に戻す機能を有する。
画像回復フィルタの各タップは、画像の各画素に対応して画像回復処理の工程でコンボリューション処理(畳み込み積分、積和)される。コンボリューション処理では、所定の画素の信号値を改善するために、その画素を画像回復フィルタの中心と一致させる。そして、画像と画像回復フィルタの対応画素ごとに画像の信号値とフィルタの係数値の積をとり、その総和を中心画素の信号値として置き換える。
続いて、図3および図4を参照して、画像回復の実空間と周波数空間での特性について説明する。図3は、点像分布関数PSFの説明図であり、図3(a)は画像回復前の点像分布関数PSF、図3(b)は画像回復後の点像分布関数PSFを示している。図4は、光学伝達関数OTFの振幅成分MTF(図4(M))と位相成分PTF(図4(P))の説明図である。図4(M)中の破線(a)は画像回復前のMTF、一点鎖線(b)は画像回復後のMTFを示す。また図4(P)中の破線(a)は画像回復前のPTF、一点鎖線(b)は画像回復後のPTFを示す。図3(a)に示されるように、画像回復前の点像分布関数PSFは、非対称な広がりを有し、この非対称性により位相成分PTFは周波数に対して非直線的な値を有する。画像回復処理は、振幅成分MTFを増幅し、位相成分PTFがゼロになるように補正するため、画像回復後の点像分布関数PSFは対称で先鋭な形状になる。
このように画像回復フィルタは、撮像光学系の光学伝達関数OTFの逆関数に基づいて設計された関数を逆フーリエ変換して得ることができる。各実施例の鮮鋭化フィルタとして用いることのできる画像回復フィルタは適宜変更可能であり、例えば上述のようなウィナーフィルタを用いることができる。ウィナーフィルタを用いる場合、式(6)を逆フーリエ変換することで、実際に画像に畳み込む実空間の画像回復フィルタを作成することが可能である。
[被写界深度拡大]
各実施例では、光学系に深度方向の性能変動を鈍化させる波面変調素子(位相マスク)を挿入し、深度を拡大する手法(WFC:WaveFront Coding)を行う。波面変調素子は、光学系の光軸に対して垂直な面内で二次元的な分布を持った位相を与えるものであり、例えば、厚みや屈折率が面内で変化する光学素子や液晶空間位相変調素子などであり、光学系内の光学素子に非球面形状として与えてもよい。各実施例では、面形状が3次関数で表されるCubic Phase Maskを用いる。撮像素子に対して垂直な方向(光学系の光軸方向)をZ軸、Z軸に対して垂直で互いに直交する2軸をX軸、Y軸とすると、各実施例における波面変調素子の位相分布φは以下の式(7)のような奇関数形状で表すことができる。
φ=α(X+Y) … (7)
なお、ここでのX、Yは撮像画像や撮像素子のx、yとは必ずしも一致せず、以下では波面変調素子の軸方向(互いに直行する第1の軸および第2の軸)をそれぞれX、Yで表す。この位相分布を与えることで、深度方向の性能変動を鈍化させることができる。このように波面変調素子を用いて深度拡大した光学系を本実施形態では深度拡大光学系と呼ぶ。なお、深度拡大に用いる位相分布は上記に限らない。デフォーカスの変化に対するロバスト性やMTFの高周波側と低周波側のバランスが変化するため、必要となる被写界深度や周波数特性に応じて適宜選択すればよい。波面変調素子によって深度方向の光学性能の変動を小さくすることで、深度によらず同じ画像回復フィルタを用いて画像回復処理を適用することができる。また、光学系に位相マスクを挿入して深度方向の性能変動を鈍化させると、像高や物体距離等の撮影条件に対しても性能変動が鈍化する傾向にある。つまり、深度拡大光学系で像高に対する性能変動が十分に少ない場合には、像高や物体距離等の撮影条件に対して一律なOTFとして扱うことができ、一律の(一定の)画像回復フィルタを用いることができる。
図5は、式(7)で表される波面変調素子を含む光学系のMTFの断面である。ここで光学系の収差は、波面変調素子によって付与される収差と比較して小さいとしている。図5において、横軸は空間周波数、Fは光学系のF値(絞り値)を表しており、実線はX軸方向、破線は対角(斜め45度)方向のMTFを表している。式(7)で表される波面変調素子を利用した場合、X軸方向とY軸方向は対称であるため、X軸方向とY軸方向の空間周波数に対するMTFは一致する。しかしながら、実線のMTFと破線のMTFを比較すると、破線のMTFは低周波側から高周波側までMTFが低く実線のMTFに対して大きな差がある。このように、一般的にはCubic Phase Maskを用いることで深度拡大できるとされているが、方向によってMTF特性が大きく異なる。
[画素ずらし撮像と高画素化処理]
次に、高画素化処理の概要について説明する。高画素化処理では、撮影位置が異なる複数の撮影画像から高画素化画像を取得する。各実施例では、全画素が同じ波長域に対応した光を受光する単色の撮像素子を用いて、複数の色に対応する画像を含む画像データを取得する。また、画像データに含まれる少なくとも1つの画像は、画像データに含まれる基準画像に対して非整数画素だけシフトして撮像される。ここで「基準画像」とは、画像データに含まれる任意の画像を基準として選択すればよく、シフトの量および方向を定義するための基準とする。また、「シフトして撮像する」とは、撮像光学系によって結像された被写体の像がサンプリングされる位置を光軸に垂直な面内で平行移動して撮像することを指す。
例えば、撮像光学系を通過した光をプリズムによって色ごとに分離して、分離された各光束に対応した複数の撮像素子を配置することで、複数の色に対応する画像を同時に取得することができる。各撮像素子はそれぞれの色に対応するため、それぞれ異なる波長に感度を持ってよい。例えばRGBの3つの光束に分離して取得することができる。分離する数は3つに限定されず、2つでも4つ以上でもよい。また、3つ以上の場合は同じ色に対応する画像を複数取得してもよい。そして、1つの撮像素子を異なる1つの撮像素子に対して相対的に非整数画素シフトして配置することで、非整数画素だけずれた位置で被写体の像をサンプリングできる。また、「撮像素子をシフトして配置する」とは、撮像光学系によって結像された被写体の像がサンプリングされる位置を光軸に垂直な面内で平行移動して撮像するよう撮像素子を配置することを指す。したがって、光束を分離して折り曲げた場合は光軸に垂直な面内でシフトすればよい。
また、1つの撮像素子で複数回撮像してもよい。外光がない状態を仮定すると、被写体を照明する照明光の色を撮像に同期して変化させることで、複数回撮像したことで取得される画像は照明光に基づく異なる色にそれぞれ対応する。撮像素子を光軸に垂直な方向に駆動しながら撮像することで、複数の色に対応する画像が相対的にシフトされる。例えば、内視鏡装置などでは外光がないため、このような手法であってもよい。撮像素子を駆動する代わりに、光学系や光学系に含まれる一部のレンズ、あるいは撮像装置全体を動かすことで行ってもよい。
なお、撮像光学系を通過した光を色ごとに分離して、分離された各光束に対応した複数の撮像素子を配置する手法がより好ましい。これにより駆動が不要となるため、1回の撮像で非整数画素だけシフトした複数の画像を取得することができる。このため、被写体ぶれの影響を抑制でき、動画として取得することも可能となる。後述する高画素化処理は動画の1フレームごとに静止画と同様に行えばよい。この撮像方法で撮像した画像から高画素化処理を行うことで、1つの撮像素子で取得できる解像感を超えた高画素化画像を取得できる。
次に、図6を参照して、画素ずらしによる撮像と高画素化処理の例を示す。図6(A)は、相対的に非整数画素だけシフトされた撮像パターンの例である。ここでは、基準画像51、画像52、画像53の3つの画像を取得する。基準画像51と画像52はシフトがない同じ位置で撮像されている。一方、画像53は、基準画像51および画像52に対して、水平方向および垂直方向に半画素ずれて撮像される。例えば、RGBでそれぞれ異なる撮像素子を用いて撮像する際に、RおよびBの撮影位置に対してGの撮影位置を半画素ずらすことができる。すなわち、基準画像51、画像52、画像53がそれぞれR、B、Gに対応する。また、図6(B)に示されるように、基準画像51に対して相対的にシフトしていないGの画像を画像54として取得してもよい。それぞれ取得した画像データに含まれる複数の画像に基づいて、後述する高画素化処理を行い、撮像した各画像よりも画素数が多い高画素化画像55を取得することができる。
次に、図7を参照して、画素ずらしによる撮像と高画素化処理の異なる例を示す。図7は、図6とは異なる撮像パターンで、相対的に非整数画素だけシフトされた撮像の例である。ここでは、撮影位置が互いに半画素ずらした状態で撮影を行うことで、高画素化処理に用いる4枚の撮影画像を取得する。4枚の撮影画像のそれぞれは、基準画像61(ずれなし)、水平方向に半画素ずれた画像62、対角方向に半画素ずれた画像63、垂直方向にずれた画像64である。画像63は、水平方向および垂直方向にそれぞれ半画素ずれた位置に等しい。4枚の撮影画像を取得することで、高画素化処理により画素数が4倍になった高画素化画像65を取得することができる。例えば4つの色に対応する異なる撮像素子を用いて撮像する際に、それぞれ撮影位置をずらすことで取得でき、基準画像61、画像62、画像63、画像64をそれぞれR、G、B、Y(黄色)に対応させる。また基準画像61と画像63の2つをG、画像62をR、画像64をBとしてもよい。
図7に示される高画素化処理では、4枚の画像を被写体の像のサンプリング位置に従って配列するだけで高画素化処理を行うことができる。図6(A)における高画素化処理は、画像51(または画像52)と画像53に基づいて行う。図8は、高画素化処理の説明図である。図8の実線で示される白丸と破線で示される白丸をそれぞれ画像51および画像53のサンプリング位置とする。サンプリング位置は、例えば画素の中心位置とすればよい。この実線で示した白丸と破線で示した白丸を最近傍にあるもの同士で補間することで、黒丸の位置に相当する画像の輝度値を取得できる。取得された黒丸は、画像51および画像53に対して水平方向および垂直方向にそれぞれ2倍の高画素化がなされており、黒丸の位置に相当する輝度値を配列したものが高画素化画像55である。前述のように、各実施例の高画素化処理は複数の相対的にシフトされた画像に基づいて処理を行うため、被写体の像に対する実効的なサンプリングを増やしている。すなわち、単一画像からの補間による高画素化処理とは異なり、単一の画像に対応するナイキスト周波数や撮像素子のナイキスト周波数よりも高周波数まで解像する高画素化画像を生成する。ナイキスト周波数については詳細を後述する。
しかし各実施例では、非整数画素だけシフトした異なる色の画像に基づいて所定の色の高画素化画像を取得する高画素化処理を行う。高画素化処理において、それぞれ異なる色に対応する画像に基づくため、画素ピッチ(サンプリング周期)がより小さく高画素の撮像素子で撮像する場合とは異なる。そこで異なる色に対応する画像間の違いを低減して、所定の色の画像と所定の色とは異なる色の画像に基づくことで、前述の高画素化処理に基づいて所定の色の高画素化画像を生成する。被写体の彩度が低く白黒に近い場合、ホワイトバランスを取ることで異なる色に対応した画像間の違いを低減することができる。
一方、通常のカラー被写体では色同士の比率が異なるため、各色の画像内での輝度値の変化のみを取得することで、異なる色に対応した画像間の違いを低減することができる。これにより、各色の画像内での輝度値の変化のみを取得して、異なる色同士で補間することで高画素化画像に対応する高周波数までの輝度変化をサンプリングすることができる。高画素化処理は、相対的に非整数画素だけシフトされた色同士であれば行えるため、全ての色に対応した高画素化処理を行うことができる。例えば、RとGで高画素化処理を行えばRとGそれぞれの高画素化画像を取得でき、さらにBとGで高画素化処理を行えばBの高画素化画像を取得できる。また、RGB画像から輝度と色差信号に変換し、輝度信号に高画素化処理を行ってもよい。なお、高画素化処理やそれに用いる撮像画像のシフトのパターンは、前述に限定されるものではなく、他の手法を用いてもよい。
[ナイキスト周波数]
次に、図9を参照して、画像のサンプリングとナイキスト周波数の関係について説明する。図9は、画素ずらしによる撮像と高画素化処理とによるナイキスト周波数の説明図である。画素ピッチp、すなわちサンプリング周期pで被写体の像をサンプリングした場合、サンプリング周波数はサンプリング周期の逆数1/pである。ナイキスト周波数は、サンプリング周波数の半分、すなわち1/2pである。標本化定理により、被写体をサンプリングした場合、ナイキスト周波数以下の被写体であれば正確に再現できる。画像は被写体の像を二次元でサンプリングしたものであるため、ナイキスト周波数も二次元で与えられる。
図9(A)の実線で示される白丸でサンプリングした場合のナイキスト周波数は、図9(B)の破線81である。図9(A)の破線で示される白丸でサンプリングした場合も、サンプリング位置はシフトしているが、二次元的な配置の周期や配列方向は変わらない。したがって、破線で示される白丸でサンプリングした場合のナイキスト周波数は、同様に図9(B)の破線81である。しかし、図9(A)の実線で示される白丸と破線で示される白丸の両方でサンプリングした場合のナイキスト周波数は、図9(B)の実線82となる。これは、図6に相当する高画素化処理を行った場合の高画素化画像におけるナイキスト周波数に相当する。一方、図9(C)の実線で示される白丸は図9(A)と変わらないが、破線で示される白丸は図7に対応し、図9(A)よりも多い。図9(C)の実線で示される白丸と破線で示される白丸の全てでサンプリングした場合のナイキスト周波数は、図9(D)の実線83となる。
したがって、各実施例において用いる撮像素子の画素ピッチをpとすると、撮像された個々の画像のナイキスト周波数は、図9(B)の破線81である。しかし、前述のように異なる色の画像に基づいて所定の色の高画素化画像を生成すると、ナイキスト周波数が変化する。したがって、画像データに含まれる各画像と高画素化画像ではナイキスト周波数が等しいとは限らない。例えば、図9(A)、(B)の例においては、ナイキスト周波数が最も高くなる方向も対角方向からx方向およびy方向に変化する。以上、本実施形態における、画像回復処理、被写界深度拡大、画素ずらし撮像と高画素化処理、二次元のナイキスト周波数について説明した。
次に、図10を参照して、各実施例における撮像装置の構成について説明する。図10は、撮像装置100のブロック図である。撮像装置100には、本実施形態の鮮鋭化処理(画像回復処理)を行うための画像処理プログラムがインストールされており、この鮮鋭化処理は撮像装置100の内部の画像処理部(画像処理装置)104により実行される。
撮像装置100は、光学系(撮像光学系)101および撮像装置本体(カメラ本体)を備える。光学系101は、絞り101a、フォーカスレンズ101b、および波面変調素子101cを備え、カメラ本体と一体的に構成されている。ただし各実施例はこれに限定されるものではなく、光学系101がカメラ本体に対して着脱可能に装着される撮像装置にも適用可能である。また、光学系101はレンズなどの屈折面を有する光学素子の他、回折面を有する光学素子、反射面を有する光学素子を含んで構成されていても良い。
波面変調素子101cは、光軸に対して非回転対称である。なお波面変調素子101cは、絞り101aの像側に隣接して配置されているが、これに限定されるものではなく、図10に示される位置とは異なる位置に配置されてもよい。撮像光学系は、撮像部102よりも物体側に配置された各光学素子により構成される。
撮像部102は、CCDやCMOSセンサなどの一つまたは複数の撮像素子を有し、光学系101により形成された被写体像(光学系101によって結像された光学像)を光電変換して撮影画像を生成する。すなわち、被写体像は、撮像部102による光電変換でアナログ信号(電気信号)に変換される。そして、このアナログ信号はA/Dコンバータ103によりデジタル信号に変換される。このデジタル信号は画像処理部104に入力される。
画像処理部104は、デジタル信号に対して所定の処理を行うとともに、本実施形態の鮮鋭化処理を行う。画像処理部104は、所定の処理と合わせて高画素化処理、画像回復処理を行う。
鮮鋭化処理に必要なOTF、PSF等の光学特性データや回復フィルタ、またはそれらの生成に必要なデータは、記憶部(記憶手段)108に保持されている。記憶部108は、例えばROMで構成される。画像処理部104で処理された出力画像は、画像記録媒体109に所定のフォーマットで保存される。液晶モニタや有機ELディスプレイで構成された表示部105には、鮮鋭化処理を行った画像に表示用の所定の処理を行った画像が表示される。ただし、表示部105に表示する画像はこれに限定されるものではなく、高速表示のために簡易処理を行った画像を表示部105に表示するようにしてもよい。
システムコントローラ110は撮像装置100の制御を行う。光学系101の機械的な駆動はシステムコントローラ110の指示に基づいて光学系制御部106により行われる。光学系制御部106は、所定のFナンバーとなるように絞り101aの開口径を制御する。また、光学系制御部106は、被写体距離に応じてピント調整を行うため、不図示のオートフォーカス(AF)機構や手動のマニュアルフォーカス機構により、フォーカスレンズ101bの位置を制御する。なお、絞り101aの開口径制御やマニュアルフォーカスなどの機能は、撮像装置100の仕様に応じて実行しなくてもよい。
なお、ローパスフィルタや赤外線カットフィルタ等の光学素子を光学系101と撮像部102との間に配置してもよいが、ローパスフィルタ等の光学特性に影響を与える素子を用いる場合、鮮鋭化フィルタを作成する時点での考慮が必要になる場合がある。赤外線カットフィルタに関しても、分光波長の点像強度分布関数(PSF)の積分値であるRGBチャンネルの各PSF、特にRチャンネルのPSFに影響するため、鮮鋭化フィルタを作成する時点での考慮が必要になる場合がある。したがって、ローパスフィルタや赤外線カットフィルタの有無に応じて鮮鋭化フィルタを変更しても良い。
なお、画像処理部104はASICで構成され、光学系制御部106、状態検出部107、およびシステムコントローラ110はそれぞれ、CPUまたはMPUによって構成されている。また、これら画像処理部104、光学系制御部106、状態検出部107、およびシステムコントローラ110のうちの1つ以上を、同じCPUあるいはMPUで兼用して構成するようにしてもよい。
[実施例1]
次に、本発明の実施例1について説明する。本実施例では、撮像光学系を通過した光をプリズムによってRGBに対応する3つの光束に分離し、それぞれに対応する撮像素子を配置する。撮像素子は全て同じ画素ピッチで正方格子状の画素配列であり、光軸周りの回転の向きがそろっている、すなわち3つの撮像素子の画素配列の方向は互いに等しい。ここで、「画素配列の方向」とは、最も画素中心の間隔が狭くなる方向であり、正方格子状の画素配列であれば水平方向および垂直方向である。そのため本実施例では、RGBの全てで二次元のナイキスト周波数が等しい。そして、Gに対応する撮像素子のみ、R、Bに対応する撮像素子に対して相対的に非整数画素シフトして配置する。ここでは、水平方向および垂直方向にそれぞれ半画素ずらすことで、対角方向にシフトする。このとき、撮像時のシフトのパターンは、図6(A)に相当する。これらの3つの撮像素子によって、それぞれRGBに対応する3枚の画像からなる画像データを取得する。また、波面変調素子は、式(7)に従う位相分布を有する。波面変調素子のX方向およびY方向は、画素配列方向(x方向およびy方向)と一致している。
ここで、RGBそれぞれのナイキスト周波数は、図9(B)の破線81に相当する。この場合、RGBの各色に対応するナイキスト周波数の最も高い方向は、撮像素子の画素配列の格子における対角方向になる。一方、撮像光学系のMTFが最も大きい方向は、波面変調素子の光軸周りの方向で決まり、式(7)のX方向およびY方向となる。撮像光学系の性能を撮像素子で最大限活かすため、撮像光学系のMTFが最も大きい方向と撮像のナイキスト周波数が最も高い方向とは一致することが好ましい。しかし本実施例では、RGBの全ての色に対して高画素化処理を行い、高画素化画像のRGBそれぞれのナイキスト周波数は図9(B)の実線82に相当する。すなわち、撮像としてのナイキスト周波数(各画像におけるナイキスト周波数)は対角方向で最も大きいが、対角方向にシフトする異なる色の画像同士を用いて高画素化処理を行うことで、画像処理の前後でナイキスト周波数が最も高い方向が変化する。したがって、本実施例の撮像素子の配置と高画素化処理においては、画素配列方向(x方向およびy方向)と波面変調素子のX方向およびY方向が一致した配置とすることで、撮像光学系の性能を撮像素子で最大限活かしてより解像感の高い高画素化画像が得られる。
ここで本実施例ではRGBの画像を1枚ずつ撮像したが、図6(B)で説明したように、RおよびBの画像に対してシフトしていないGの画像をさらに撮像できる配置としてもよい。これは、Gに対応する光束をさらに分離して、分離した2つの光束に対して撮像素子を配置することで実現できる。したがって、画像データはRGGBの4枚の画像からなる。この場合、各画像のナイキスト周波数は変わらないが、Gに対しては図9(A)の実線で示した白丸と破線で示した白丸のそれぞれの位置でサンプリングすることになり、Gに対応するナイキスト周波数は図9(B)の実線82となる。このとき画像データに含まれるR、Bの画像とGの画像でナイキスト周波数が最も高い方向が異なり、波面変調素子の最適な方向が一意に定まらない。しかし、上記の高画素化処理を行うことでナイキスト周波数の最も高い方向が水平方向に一致するため、やはり画素配列方向と波面変調素子のX、Y方向が一致した配置とすればよい。Gだけ対角方向にシフトしたサンプリングを行って高画素化処理を行わない場合は、各色に対応するナイキスト周波数の最も高い方向が異なるため、画像データにおけるすべての色に対して波面変調素子の向きを最適にすることができない。しかし、異なる色を合成して高画素化処理を行うことで、高画素化画像のナイキスト周波数の最も高い方向はすべての色でそろえることができる。したがって、やはり画素配列方向(x方向、y方向)と波面変調素子のX方向、Y方向が一致した配置が最適である。
ここで、「画素配列方向(x方向、y方向)と波面変調素子のX方向、Y方向が一致した配置」とは、撮像素子の対角方向であるシフト方向に対して、撮像光学系のMTFが最も大きい方向が45度の角度をなすように波面変調素子が配置されていることに相当する。なお、「撮像素子の対角方向」とは、撮像素子の画素配列の格子における対角方向を意味する。すなわち、撮像光学系のMTFが最も大きい方向(第1の方向)とシフト方向のうち最も短い方向(第2の方向)とのなす角度が略45度である。第1の方向と第2の方向とのなす角度を45度に近づけることで、撮像光学系の性能を活かすことができるが、厳密に45度に限定されるものではなく、略45度であればよい。例えば、この角度は30度以上かつ60度以下に設定される。より好ましくは、この角度は40度以上かつ50度以下に設定される。なお、撮像光学系のMTFが最も大きい方向(第1の方向)は、波面変調素子のX方向およびY方向の2つの方向(図9(A)、(C)中の矢印a、bで示される方向)であり、それぞれシフト方向(第2の方向(矢印cで示される方向))に対して45度である。
本実施例によれば、深度拡大光学系を用いた撮像時の画素ずらしによるシフトを考慮することで、より好ましい画質の画像を撮像可能な撮像装置を実現することができる。
[実施例2]
次に、本発明の実施例2について説明する。本実施例において、撮像素子をシフトするパターンが実施例1とは異なる。撮像光学系を通過した光をプリズムによってRGBY(Yは黄色)に対応する4つの光束に分離し、それぞれに対応する撮像素子を配置する。4つの撮像素子は全て同じ画素ピッチで正方格子状の画素配列であり、光軸周りの回転の向きがそろっている、すなわち画素配列の方向が等しい。そのため本実施例では、RGBYの全てで二次元のナイキスト周波数が等しい。そしてRの撮像素子で得られる画像を基準画像として、Gに対応する画像は水平方向に半画素シフトし、Yに対応する画像は垂直方向に半画素シフトし、Bに対応する画像は水平方向および垂直方向にそれぞれ半画素ずらした画像となるように撮像素子を配置する。このとき、撮像時のシフトのパターンは図7に相当する。これらの4つの撮像素子によって、それぞれRGBYに対応する4枚の画像からなる画像データを取得する。また、波面変調素子は式(7)に従う位相分布を有する。波面変調素子のX、Y方向は画素配列方向(x、y方向)と略45度の方向である。
ここで、RGBYそれぞれのナイキスト周波数は、図9(C)の破線81に相当する。この場合、RGBYの各色に対応するナイキスト周波数の最も高い方向は、撮像素子の画素配列の格子における対角方向になる。一方、撮像光学系のMTFが最も大きい方向は、波面変調素子の光軸周りの方向で決まり、式(7)のX、Yを用いてY=Xで表される斜め(斜め45度)方向となる。撮像光学系の性能を撮像素子で最大限活かすため、撮像光学系のMTFが最も大きい方向と撮像のナイキスト周波数が最も高い方向とは一致することが好ましい。そして本実施例では、RGBYの全ての色に対して高画素化処理を行う。RGBYそれぞれのナイキスト周波数は、図9(D)の実線83に相当する。すなわち、撮像としてのナイキスト周波数(画像データに含まれる各画像におけるナイキスト周波数)は、対角方向で最も大きい。また、対角方向にシフトする異なる色の画像同士を用いて高画素化処理を行うことで、画像処理の前後でナイキスト周波数が最も高い方向も一致する。したがって、本実施例の撮像素子の配置と高画素化処理にて、画素配列方向(x方向、y方向)と波面変調素子のY=X(斜め45度)方向とが一致した配置とすることで、撮像光学系の性能を撮像素子で最大限活かしてより解像感の高い高画素化画像が得られる。
実施例1と比較すると、同じ撮像素子の向きであっても、高画素化処理に用いる撮像画像を取得する際のシフト方向によって、高画素化画像のナイキスト周波数が最も大きくなる方向が変わることがわかる。本実施例では基準画像に対して3種類のシフトが存在するが、最も短いシフト方向である水平または垂直方向に対して波面変調素子の向きを設定すればよい。最もシフト量が小さい、すなわち短いシフト方向に対して、斜め方向のサンプリングが最も細かくなる。そこで、最も短いシフト方向に対して撮像光学系のMTFが最も大きい方向を略45度とすることで、撮像光学系の性能を撮像素子で最大限活かしてより解像感の高い高画素化画像が得られる。
なお、撮像光学系のMTFが最も大きい方向(第1の方向)は、波面変調素子のX方向およびY方向の2つの方向(図9(C)中の矢印a、bで示される方向)であり、それぞれシフト方向(第2の方向(矢印c、dで示される方向))に対して45度である。
また、撮像した画像データに含まれる各画像のサンプリング周期はすべて等しいことが好ましい。サンプリング周期が異なると、画像の局所領域ごとにみたシフト方向が変化し、高画素化画像のナイキスト周波数の最も大きい方向も変化する。サンプリング周期が等しいことで、シフト方向を一意に定めることができ、撮像光学系のMTFが最も大きい方向と前記シフトのうち最も短いシフトの方向とを略45度にする配置によって画像全域で最適な解像感を得ることができる。
また、画像データに含まれる各色に対応するナイキスト周波数の最も高い方向はすべて等しいことが好ましい。ナイキスト周波数の最も高い方向が各色で等しいことで、高画素化画像のナイキスト周波数が最も高い方向がすべての色で等しくなる。したがって、撮像光学系のMTFが最も大きい方向と前記シフトのうち最も短いシフトの方向とを略45度にする配置がすべての色に対して最適とすることができる。
また、取得した画像データのうち相対的にシフトして撮像された画像を用いて出力画像を取得するモードと、シフトして撮像された画像を用いず前記出力画像を取得するモードを有していてもよい。この場合、前者では高画素化処理を行うが、後者では高画素化処理を行わない。実施例1のシフトパターンによる撮像では前者と後者で撮像光学系のMTFが最も大きい方向が異なる。したがって、モードによって波面変調素子の方向を決定することが好ましい。この場合、波面変調素子が駆動してもよいし、ユーザに波面変調素子の方向を変えるように指示を出してもよい。
また、波面変調素子と前記撮像部とは着脱可能であってもよい。複数の撮像素子をシフトして配置した撮像部を用いる場合、撮像部によってシフトのパターンが異なる。したがって、撮像部に応じて波面変調素子の方向を変えることで、それぞれの撮像部が撮像光学系の光学性能を活かせるような配置にすることができる。特に撮像素子をシフトしない撮像部で取得される撮像画像と、画素配列の格子における対角方向にのみ撮像素子がシフトする撮像部で取得された高画素化画像はナイキスト周波数の最も大きい方向が異なる。したがって、これらをともに装着できる撮像光学系においては、撮像部によって波面変調素子の方向を決定することが好ましい。この場合、波面変調素子が駆動してもよいし、ユーザに波面変調素子の方向を変えるように指示を出してもよい。
なお各実施例において、撮像装置から、撮像装置とは別に設けられた画像処理装置に入力画像を出力し、該画像処理装置にて画像処理を行ってもよい。また、各実施例における画像回復処理や高画素化処理は、単一の画像処理装置で行われる必要はない。例えば、各実施例における処理の一部または全部を実現するためのプログラムを、ネットワークまたは記録媒体を介して1または複数のシステムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置にプログラムを実行させてもよい。
以上のように、各実施例において、撮像装置100は、光軸に対して非回転対称な波面変調素子101cを含む撮像光学系(光学系101)と、撮像光学系により形成された光学像を光電変換する撮像部102とを有する。撮像部は、第1の撮像で第1の色に対応する第1の画像データを取得し、第2の撮像で第2の色に対応する第2の画像データを取得する(撮像ごとに取得される単色に対応する画像を複数取得することで複数の色に対応する画像データを取得する)。第2の画像データは、第1の画像データに対して撮像部の非整数画素だけシフトして撮像された画像データである(画像データのうち少なくとも1つの画像は、画像データのうち基準となる基準画像に対して非整数画素だけシフトして撮像される)。また、撮像光学系の変調伝達関数MTFが最も大きい第1の方向と、シフト方向のうち最も短い第2の方向とのなす角度は、30度~60度(略45度)である。
好ましくは、第2の方向は、撮像部の画素配列方向(x方向およびy方向)とは異なる。また好ましくは、第1の画像データと第2の画像データのサンプリング周期(画素ピッチ)は互いに等しい。また好ましくは、第1の画像データと第2の画像データにおけるナイキスト周波数の最も高い方向は互いに等しい。また好ましくは、第1の方向と、撮像部の少なくとも一つの撮像素子に対応するナイキスト周波数が最も高い方向は、互いに異なる。また好ましくは、第1の方向と、第1の色または第2の色の少なくとも一つに対応するナイキスト周波数が最も高い方向は、互いに異なる。また好ましくは、第1の色はRまたはBであり、第2の色は、Gである。
好ましくは、撮像装置は、第1の画像データと第2の画像データとを用いて高画素化画像を生成する画像処理部104を有する。より好ましくは、画像処理部は、第1の画像データと第2の画像データとを用いて画像回復処理を行う。また好ましくは、画像処理部は出力画像を生成するモードを有する。モードは、第1の画像データおよび第2の画像データの両方を用いて出力画像を生成する第1のモードと、第1の画像データまたは第2の画像データの一方を用いて出力画像を生成する第2のモードとを含む。より好ましくは、波面変調素子の方向は、モードに基づいて決定される。
好ましくは、波面変調素子は、互いに直交する第1の軸および第2の軸に関して等しく波面を変調し、第1の軸および第2の軸のそれぞれに沿って奇関数形状を有する。なお奇関数形状は、例えば式(7)で表される形状であるが、これに限定されるものではない
好ましくは、撮像光学系と撮像部とは着脱可能である。このとき、例えば、相対的にシフトされた画像を含む画像データを取得しない撮像部に撮像光学系を装着する場合には、相対的にシフトされた画像を含む画像データを取得する撮像部に装着する場合とは波面変調素子の方向を異なるように配置する。また好ましくは、撮像部は、第1の色に対応する光を受光する第1の撮像素子と、第2の色に対応する光を受光する第2の撮像素子とを有する。このとき、例えば第2の撮像素子は、第1の撮像素子に対して、被写体の像を画素配列の非整数画素だけ異なる位置で取得するように配置される。または、好ましくは、撮像部は、第1の色に対応する光および第2の色に対応する光の両方を受光する1つの撮像素子を有する。
各実施例によれば、深度拡大光学系を用いて高画質の画像を得ることが可能な撮像装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100 撮像装置
101 撮像光学系
101c 波面変調素子
102 撮像部

Claims (15)

  1. 光軸に対して非回転対称な波面変調素子を含む撮像光学系と、
    前記撮像光学系により形成された光学像を光電変換する撮像部と、を有し、
    前記撮像部は、第1の撮像で第1の色に対応する第1の画像データを取得し、第2の撮像で第2の色に対応する第2の画像データを取得し、
    前記第2の画像データは、前記第1の画像データに対して前記撮像部の非整数画素だけシフトして撮像され、
    前記撮像光学系の変調伝達関数が最も大きい第1の方向とシフト方向のうち最も短い第2の方向とのなす角度は、30度~60度であることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記第2の方向は、前記撮像部の画素配列方向とは異なることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記第1の画像データと前記第2の画像データのサンプリング周期は、互いに等しいことを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置。
  4. 前記第1の画像データと前記第2の画像データにおけるナイキスト周波数が最も高い方向は、互いに等しいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記第1の方向と、前記撮像部の少なくとも一つの撮像素子に対応するナイキスト周波数が最も高い方向は、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の撮像装置。
  6. 前記第1の方向と、前記第1の色または前記第2の色の少なくとも一つに対応するナイキスト周波数が最も高い方向は、互いに異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記第1の色は、RまたはBであり、
    前記第2の色は、Gであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記第1の画像データと前記第2の画像データとを用いて高画素化画像を生成する画像処理部を更に有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 前記画像処理部は、前記第1の画像データと前記第2の画像データとを用いて画像回復処理を行うことを特徴とする請求項8に記載の撮像装置。
  10. 前記画像処理部は、出力画像を生成するモードを有し、
    前記モードは、
    前記第1の画像データおよび前記第2の画像データの両方を用いて出力画像を生成する第1のモードと、
    前記第1の画像データまたは前記第2の画像データの一方を用いて前記出力画像を生成する第2のモードと、を含むことを特徴とすることを特徴とする請求項8または9に記載の撮像装置。
  11. 前記波面変調素子の方向は、前記モードに基づいて決定されることを特徴とする請求項10に記載の撮像装置。
  12. 前記波面変調素子は、互いに直交する第1の軸および第2の軸に関して等しく波面を変調し、前記第1の軸および前記第2の軸のそれぞれに沿って奇関数形状を有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の撮像装置。
  13. 前記撮像光学系と前記撮像部とは着脱可能であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の撮像装置。
  14. 前記撮像部は、
    前記第1の色に対応する光を受光する第1の撮像素子と、
    前記第2の色に対応する光を受光する第2の撮像素子と、を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の撮像装置。
  15. 前記撮像部は、前記第1の色に対応する光および前記第2の色に対応する光の両方を受光する1つの撮像素子を有することを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の撮像装置。
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