JP2022127914A - モルタル組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】単位容積質量が小さいモルタル組成物であって、その硬化物の圧縮強度及び曲げ強度の低下率が小さいモルタル組成物を提供すること。【解決手段】セメント、砂、及びポリビニルアルコールを含有するモルタル組成物であって、該ポリビニルアルコールがトリアリルイソシアヌレートにより変性された変性ポリビニルアルコールであることを特徴とするモルタル組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、モルタル組成物に関し、詳しくは、土木及び建築分野におけるコンクリート構造物の補修・補強工事に好適に使用されるモルタル組成物に関する。
建築又は土木構造物の構築に用いられるコンクリートは、セメント、水、骨材等を含み、セメントの水和反応によって硬化する性質を有する。この硬化後のコンクリートは、応力の作用、温度変化あるいは乾燥等による体積変化が生じること等によって、ひび割れが発生する場合がある。コンクリートにおけるひび割れは、漏水、鉄筋腐食等を発生させ、耐久性を大きく低下させる主要因となるため、ひび割れの程度が大きいと補修等を行うことが必要である。例えば、トンネル等のコンクリート構造物において、トンネルの覆工コンクリートに発生したひび割れに対して補修用充填材の注入や断面修復等の補修が行われる。
ところで、トンネルと地山の間に生ずる空洞、空隙の裏込め材料として、単位容積質量が小さく、流動性に優れたモルタルが提案されている。具体的には、モルタル中に気泡を導入する方法(特許文献1)、モルタルに軽量骨材を添加する方法(特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、軽量モルタルの圧縮強度は軽量化とともに直線的に低下し、それに伴って曲げ強度も低下する。したがって、軽量でありながら強度の高いモルタル組成物が要望されている。
特開平9-268043号公報 特開2009-161388号公報
モルタル組成物を軽量化する方法として、モルタル組成物にポリビニルアルコール(PVA)を添加する方法がある。モルタル組成物中にPVAを添加すると混練の際に空気を巻き込むことでモルタル組成物が軽量化する。しかしながら、PVAが混合された軽量モルタルは、PVAを混合しないモルタルに比較して、その硬化物の圧縮強度、曲げ強度が低下する。
本発明はこのような状況下、単位容積質量が小さいモルタル組成物であって、その硬化物の圧縮強度及び曲げ強度の低下率が小さいモルタル組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題の解決のために、鋭意研究を進めたところ、特定の変性ポリビニルアルコールを用いることで、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成させた。すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]セメント、砂、及びポリビニルアルコールを含有するモルタル組成物であって、該ポリビニルアルコールがトリアリルイソシアヌレートにより変性された変性ポリビニルアルコールであることを特徴とするモルタル組成物。
[2]前記変性ポリビニルアルコールの含有量が、セメント100質量部に対して、0.01~3.0質量部である上記[1]に記載のモルタル組成物。
[3]単位容積質量が2kg/L以下である上記[1]又は[2]に記載のモルタル組成物。
[4]材齢28日経過後の変性ポリビニルアルコールの添加による曲げ強度の低下率が50%以下であり、圧縮強度の低下率が65%以下である上記[1]~[3]のいずれかに記載のモルタル組成物。
[5]裏込め用である上記[1]~[4]のいずれかに記載のモルタル組成物。
本発明によれば、単位容積質量が小さく、圧縮強度の低下率が小さい軽量モルタル組成物を提供することができる。
[モルタル組成物]
本発明のモルタル組成物は、セメント、砂、及び変性ポリビニルアルコール(以下「変性PVA」と記載することがある。)を含有する。以下、各構成要件について詳細に説明する。
<セメント>
セメントとしては、特に限定されるものではなく、普通、早強、超早強、低熱、及び中庸熱等の各種ポルトランドセメントや、これらポルトランドセメントに、高炉スラグ、フライアッシュ又はシリカを混合した各種混合セメント、石灰石粉末や石膏や高炉徐冷スラグ微粉末等を混合したフィラーセメント、ならびに、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰を原料として製造された環境調和型セメント(エコセメント)等のポルトランドセメント、ならびに、市販されている地盤改良工事で用いられるセメント系固化材、市販されている微粒子セメント等が挙げられ、これらのうちの1種又は2種以上が使用可能である。また、通常セメントに使用されている成分量を増減して調整されたものも使用可能である。
本発明では、高い流動性、中性化抵抗性等の観点から、普通ポルトランドセメントや早強ポルトランドセメントを選定することが好ましい。
また、本発明のモルタル組成物中のセメントの含有量は、5~50質量%の範囲であることが好ましい。セメントの含有量が5質量%以上であると、十分な強度が得られる。一方、50質量%以下であると、セメント過多によるひび割れが生じない。以上の観点から、セメントの含有量は10~40質量%の範囲であることがより好ましく、15~30質量%の範囲であることがさらに好ましい。
<砂>
本発明のモルタル組成物に用いられる砂は、通常モルタルに配合されるものでよく、特に限定されるものではない。例えば、川砂、山砂、海砂、石灰砂、及び珪砂などが挙げられる。
本発明のモルタル組成物における砂の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、特に限定されないが、通常セメント100質量部に対して、50~500質量部であることが好ましく、100~450質量部であることがより好ましく、200~400質量部の範囲であることがさらに好ましい。
砂の含有量が上記下限値以上であるとモルタル組成物の硬化物の強度が十分となり、一方上記上限値以下であると、相対的にセメントの含有量が大きくなり、十分な接着性が得られる。
<変性ポリビニルアルコール>
本発明のモルタル組成物で用いられる変性ポリビニルアルコールは、ビニルエステル単量体とトリアリルイソシアヌレート(以下「TAIC」(登録商標)と記載することがある。)との共重合体を鹸化することによって得られる重合体(ポリマー)である。
TAICは、ビニルエステル単量体との反応性が高く、鹸化反応で分解されにくいという利点を有する。また、官能基が複数あることから架橋構造が形成されるため、高温での耐溶解性が得られる。
なお、本発明に係る変性PVAは、本発明の効果を阻害しない範囲であれば、TAICとともに他の単官能性単量体及び/又は多官能性単量体を共重合してもよい。
(ビニルエステル単量体)
ビニルエステル単量体としては例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル等であってよく、これらの混合物を使用してもよい。重合のしやすさの観点からは、酢酸ビニルが好ましい。
(単官能性単量体)
TAICとともにビニルエステル単量体と共重合可能な単官能性単量体としては例えば以下の化合物が挙げられる。エチレン、プロピレンなどのα-オレフィン単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体;(メタ)アクリルアミド、N-メチロールアクリルアミドなどの不飽和アミド単量体;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和カルボン酸単量体;不飽和カルボン酸のアルキル(メチル、エチル、プロピルなど)エステル単量体;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の無水物;不飽和カルボン酸のナトリウム、カリウム、アンモニウムなどの塩;2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基含有単量体又はその塩;アルキルビニルエーテル単量体等である。
(多官能性単量体)
TAICとともにビニルエステル単量体と共重合可能な多官能性単量体としては、分子内に重合性の不飽和結合を2つ以上持つ化合物が使用可能である。具体的には、エタンジオールジビニルエーテル、プロパンジオールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ポリプロピレングリコールジビニルエーテルなどのジビニルエーテル;ジビニルスルホン酸化合物;ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、ノナジエン、デカジエンなどのジエン化合物;グリセリンジアリルエーテル、ジエチレングリコールジアリルエーテル、エチレングリコールジアリルエーテル、トリエチレングリコールジアリルエーテル、ポリエチレングリコールジアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールジアリルエーテルなどのジアリルエーテル化合物;グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルなどのトリアリルエーテル化合物;ペンタエリスリトールテトラアリルエーテルなどのテトラアリルエーテル化合物;フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリルなどアリルエステル基を含有する多官能性単量体;ジアリルアミン、ジアリルメチルアミンなどのジアリルアミン化合物;トリアリルアミンなどのアリルアミノ基を含有する多官能性単量体;ジアリルジメチルアンモニウムクロライドなどジアリルアンモニウム塩のようなアリルアンモニウム基を含有する多官能性単量体;1,3-ジアリル尿素、リン酸トリアリル、ジアリルジスルフィドなど2つ以上のアリル基を含有する多官能性単量体;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸を有する多官能性単量体;N,N’-メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’-エチレンビス(メタ)アクリルアミドなどの(メタ)アクリルアミドを有する多官能性単量体;ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼンなどの多官能性芳香族単量体;アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレートなどのグリシジル基含有単量体等が挙げられる。
ビニルエステル単量体とTAICとを共重合させる場合の共重合比は、ビニルアルコール系重合体中のビニルアルコールユニットに由来する構造単位100モル%に対し、TAICに由来する構造単位が0.001~1.0モル%となることが好ましく、0.005~0.5モル%であることがより好ましく、0.01~0.2モル%であることがさらに好ましい。TAICの含有量をこうした範囲に調整することで、高温での耐溶解性が向上し、かつビニルアルコール系重合体が過度に架橋しないため、製造の観点からも好ましい。
本発明のモルタル組成物中の変性PVAの含有量は、セメント100質量部に対して、0.01~3.0質量部の範囲であることが好ましい。変性PVAの含有量を上記範囲とすることが、変性PVAの効果が発揮され、軽量でありつつ、圧縮強度及び曲げ強度の低下を小さくすることができる。以上の観点から、変性PVAの含有量は、0.05~2.0質量部の範囲であることがより好ましく、0.1~1.0質量部の範囲であることがさらに好ましい。
一般に、モルタル組成物にPVAを添加すると曲げ強度及び圧縮強度が低下するが、本発明のモルタル組成物は、変性PVAを用いることで、曲げ強度及び圧縮強度の低下率を小さくすることができる。具体的には、材齢28日経過後の変性ポリビニルアルコールの添加による曲げ強度の低下率を50%以下とすることができ、圧縮強度の低下率を65%以下とすることができる。
(変性ポリビニルアルコールの製造方法)
ビニルエステル単量体とTAICとを共重合させる方法としては、任意の方法を使用でき、例えば溶液重合、懸濁重合、バルク重合などの既知の重合方法を用いてよい。操作の容易さ、及び後続工程である鹸化反応と共通する溶媒が使用可能であるという観点からは、アルコール中での溶液重合方法を用いることが好ましく、そのアルコールとしてはメタノールを使用することが特に好ましい。
上述のようにして得られた重合体を、任意の方法により鹸化することで変性PVAを製造できる。鹸化方法の例としては、重合体(ポリビニルエステルなど)のアルコール溶液にアルカリ触媒を添加する手法が挙げられる。
重合体に対する溶媒となるアルコールとしては例えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどを使用でき、好ましくはメタノールを使用できる。アルコール溶液中の重合体の濃度は任意に設定でき、例えば10質量%以上80質量%以下であってよい。
次に、上記溶液にアルカリ触媒を添加し、鹸化反応を行う。アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カリウムメチラートなどのアルカリ金属の水酸化物、アルコラートなどが挙げられる。これらの中でも、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。アルカリ触媒の添加量は、特に限定されないが、重合体に対して1.0~100.0ミリモル当量とすることが好ましく、5.0~30.0ミリモル当量がより好ましい。鹸化時の反応温度は特に限定されないが、10~70℃が好ましく、30~55℃がより好ましい。反応時間も特に限定されず、例えば20分~2時間であってよい。
鹸化度は、PVAの用途に応じて適切に調整でき、例えば72~99mol%としてよい。なお鹸化反応後に必要に応じて、酢酸ナトリウムなどの不純物を除去するための洗浄、及び乾燥を行ってもよい。
<水>
本発明のモルタル組成物は通常水を含有する。
水としては、特に限定されず、例えば、上水道水、地下水、生コン工場の回収水等を使用することができる。
本発明のモルタル組成物中の水の含有量としては、セメント100質量部に対して、10~100質量部の範囲であることが好ましく、20~80質量部の範囲がより好ましく、30~70質量部の範囲であることがさらに好ましい。水の含有量が上記下限値以上であると、モルタル組成物の粘度が適度であり、塗工が容易となる。一方、水の含有量が上記上限値以下であると、セメント、砂等の成分の含有量が確保されるため、裏込め材としての効果が十分に得られる。
<その他の添加成分>
本発明のモルタル組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、通常モルタル組成物に添加される添加成分を含んでもよい。例えば、消泡剤、減水剤、凝結遅延剤、ガス発泡物質、膨張材、凝結調整剤、AE剤、防錆剤、撥水剤、抗菌剤、着色剤、防凍剤、石灰石微粉末、高炉徐冷スラグ微粉末、下水汚泥焼却灰やその溶融スラグ、都市ゴミ焼却灰やその溶融スラグ、及びパルプスラッジ焼却灰等の混和材料、増粘剤、及び収縮低減剤、ベントナイト、セピオライトなどの粘土鉱物、並びに、ハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
上記添加成分のうち、消泡剤としては、高級脂肪酸のアルキレンオキサイド付加物、ジメチルシリコーン等のシリコーン系消泡剤、鉱油系消泡剤等が挙げられる。消泡剤の添加により、過度な空気連行性を抑制することができる。
また、減水剤としては、ナフタレンスルホン酸系減水剤、メラミンスルホン酸系減水剤、リグニンスルホン酸系減水剤、及びポリカルボン酸系減水剤などが挙げられる。減水剤は、各材料の分散を助けるとともに、モルタル組成物に流動性を付与することができる。
<モルタル組成物の単位容積質量>
本発明のモルタル組成物の単位容積質量は、2kg/L以下であることが好ましい。2kg/L以下であれば比較的軽量である。下限値としては、特に制限はないが、ある程度の強度を担保するためには1.3kg/L以上であることが好ましく、1.5kg/L以上であることがより好ましく、1.6kg/L以上であることがさらに好ましい。
[モルタル組成物の製造方法]
本発明のモルタル組成物の製造方法としては、上記セメント、砂、水、変性PVAを混錬することで得られる。混練は、上記材料を同時に混練してもよく、先にセメント、砂、変性PVAを混錬し、後から水を添加してもよい。また、変性PVAは先に水に溶解させておいてもよい。
混練の方法としては、特に限定されず、通常の方法が使用できる。混合装置としては、既存の撹拌装置が使用可能であり、例えば、モルタルミキサー、傾胴ミキサー、オムニミキサー、V型ミキサー、ヘンシェルミキサー、及びナウターミキサー等が利用可能である。混練の条件としても特に限定されるものではなく、例えば、10~50℃の温度で、1~10分程度、低速撹拌若しくは高速撹拌するとよい。
本発明のモルタル組成物の養生の方法としては、特に制限はなく、蒸気養生してもよいし、オートクレーブ養生でもよく、打設した状態で現場養生してもよい。
[モルタル組成物の用途]
本発明のモルタル組成物は、土木及び建築分野におけるコンクリート構造物の補修・補強工事に好適に使用され、特にトンネルと地山の間に生ずる空洞、空隙の裏込め用材料として、好適である。
以下、本発明について、実施例及び比較例により、詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<評価方法>
(1)単位容積質量:JIS A 1171に準拠して測定した。
(2)流動性:JIS R 5201-2015「セメントの物理試験方法」に準じてモルタルを混練し、練り上り直後(0分)、練り上がりから30分後及び練り上がりから60分後の各15打点フロー値を測定した。
(3)曲げ強度
(3-1)曲げ強度供試体の作製
JIS R 5201-2015に記載の方法に準じて曲げ強度供試体を作製及び養生した。
(3-2)曲げ強度測定
上記(3-1)で作製した供試体を用い、JIS R 5201-2015に記載の方法に準じて曲げ強度測定を実施した。試験器としては、株式会社マルイ製の全自動圧縮試験機ハイアクティス‐500使用し、曲げ強度用の治具を用いた。
また、材齢28日における、曲げ強度の低下率を計算した。曲げ強度の低下率は、ブランク(参考例1)の曲げ強度から各実施例又は比較例の曲げ強度を引いた値(曲げ強度の低下量)をブランクの曲げ強度で除した値である。
(4)圧縮強度
(4-1)圧縮強度供試体の作製
JIS R 5201-2015に記載の方法に準じて圧縮強度供試体を作製及び養生した。
(4-2)圧縮強度測定
上記(4-1)で作製した供試体を用い、JIS R 5201-2015に記載の方法に準じて曲げ強度測定を実施した。試験器としては、株式会社マルイ製の全自動圧縮試験機ハイアクティス‐500使用し、圧縮強度用の治具を用いた。
また、材齢28日における、圧縮強度の低下率を計算した。圧縮強度の低下率は、ブランク(参考例1)の圧縮強度から各実施例又は比較例の圧縮強度を引いた値(圧縮強度の低下量)をブランクの圧縮強度で除した値である。
実施例1
(変性PVA)
還流冷却器、滴下漏斗、撹拌機を備えた重合缶に、酢酸ビニル100質量部、メタノール67質量部、多官能性単量体としてトリアリルイソシアヌレート(TAIC)0.16質量部、開始剤としてパーロイルNPP(日本油脂(株)製)5.0x10-6質量部を仕込み、窒素雰囲気化で攪拌しながら、沸点下で5.0時間重合を行った。次いで、未反応の酢酸ビニルモノマーを重合系外に除去し、ポリ酢酸ビニル-TAIC共重合体のメタノール溶液を得た。
得られた酢酸ビニル-TAIC共重合体のメタノール溶液に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を添加した(共重合体に対し水酸化ナトリウム0.008モル%)。その後、45℃で45分間鹸化反応を行い、鹸化度88.2mol%の変性PVAを得た。
(モルタル組成物)
普通セメント450gに標準砂1350g、水225g、上記変性PVA0.9g(セメント100質量部に対して0.2質量部)を加えて、20℃、2分30秒間、混練した。該モルタル組成物について、上記評価方法により評価した。結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、変性PVAの配合量を表1に記載したように変更したこと以外は実施例1と同様にしてモルタル組成物を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
比較例1及び2
実施例1において、変性PVAに代えて、変性していない市販のPVA(デンカポバールB-24、デンカ株式会社製)を用い、表1に記載した量で配合したこと以外は実施例1と同様にしてモルタル組成物を得た。実施例1と同様にして評価した結果を表1に示す。
参考例1(ブランク)
JIS R 5201に準拠したモルタル(JISモルタル)について、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
Figure 2022127914000001
本発明のモルタル組成物は、ブランク(参考例1)と比較して、変性PVAを添加することによって、圧縮強度が低下するが、同じ含有量の変性していないPVAを添加した場合との比較では、明らかに圧縮強度の低下率が小さいことがわかる。例えば、PVAの添加量がセメント100質量部に対して0.2質量部である実施例1と比較例1との比較では、材齢28日において、圧縮強度の低下率が約37%である実施例1に対して、比較例1は68%と計算される。これは、単位容積質量が比較例1に対して実施例1の方が大きいことを考慮しても、圧縮強度の低下率の差は明らかに有意差であり、本発明のモルタル組成物が高い効果を示すことがわかる。
また、PVAの含有量がセメント100質量部に対して0.5質量部である実施例2と比較例2との比較においても同様であり、材齢28日において、実施例2の圧縮強度の低下率が63%であるのに対し、比較例2ではその低下率が82%と計算され、本発明のモルタル組成物が圧縮強度において優れた効果を示すことがわかる。
さらに、曲げ強度においても、圧縮強度と同様の傾向を示し、本発明のモルタル組成物は、圧縮強度及び曲げ強度のいずれにおいても優れた効果を有することが明らかである。
本発明のモルタル組成物は、単位容積質量が小さい軽量モルタルであるにもかかわらず、その硬化物の圧縮強度の低下率が小さく、一定の圧縮強度、曲げ強度を担保することができる。したがって、軽量化が求められるモルタル材料として有効であり、例えばトンネルの裏込め材として有用である。

Claims (5)

  1. セメント、砂、及びポリビニルアルコールを含有するモルタル組成物であって、該ポリビニルアルコールがトリアリルイソシアヌレートにより変性された変性ポリビニルアルコールであることを特徴とするモルタル組成物。
  2. 前記変性ポリビニルアルコールの含有量が、セメント100質量部に対して、0.01~3.0質量部である請求項1に記載のモルタル組成物。
  3. 単位容積質量が2kg/L以下である請求項1又は2に記載のモルタル組成物。
  4. 材齢28日経過後の変性ポリビニルアルコールの添加による曲げ強度の低下率が50%以下であり、圧縮強度の低下率が65%以下である請求項1~3のいずれか1項に記載のモルタル組成物。
  5. 裏込め用である請求項1~4のいずれか1項に記載のモルタル組成物。

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