JP2022127758A - 整定値計算装置および方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電圧調整器のLDCについて、その整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離が生じる恐れを低減する整定値計算装置および方法を提供する。【解決手段】線路電圧降下補償器を有し、複数の電柱を介いて電力を配電する配電系統に配置される電圧調整器の線路電圧降下補償器に対するインピーダンスの整定値に関する計算を行う整定値計算装置10は、配電系統上に配置された電圧調整器に関するデータDB4と負荷および/または発電機とに関するデータとを含む系統データDB1と、整定値計算プログラムとを格納するメモリDB5と、系統データを参照し、整定値計算プログラムを実行するプロセッサ13と、を有する。【選択図】図6

Description

本開示は、電圧調整器の整定値に関する計算を行う技術に関する。
配電系統(以下、単に「系統」ともいう)の電圧は、配電用変電所に設置された変圧器、または配電線上に設置された自動電圧調整器などのタップを切り替えることによって制御されている。ここで、配電用変電所に設置された変圧器は、負荷時タップ切替変圧器LRT(Load Ratio Control Transformer)である。また、配電線上に設置された自動電圧調整器は、SVR(Step Voltage Regulator)、またはTVR(Thyristor Voltage Regulator)である。
LRT、SVR、TVRといった電圧調整器は、基準電圧や線路電圧降下補償装置LDC(Line Drop Compensator)の整定値を適切に設定することにより、タップ制御による適正な電圧の維持を実現する。ここで、LDCは、系統の電圧低下を補償するように電圧調整器の二次側電圧を決定する制御装置である。
電圧調整器によって適正電圧を維持するために、LDCの最適な整定値を算出することが求められる。LDCの最適な整定値を算出する方法について様々な検討がされている。
特許文献1には、SVRによる電圧制御範囲の最近端と最遠端での電圧降下の中心となる電圧降下中心点を、配電線に流入する電流と、配電線のインピーダンスとに基づいて推定することで、分散型電源の影響等による負荷中心点(以降「電圧制御対象点」という)の移動に対応する手法が開示されている。
また、特許文献2には、系統の分岐等を考慮して系統を縮約し、縮約された系統の抵抗値およびインダクタンス値からLDCの整定値を算出する手法が開示されている。
また、特許文献3には、各負荷断面の電圧調整器の通過電流と理想的な電圧調整器送出電圧の相関関係に着目し、重回帰分析によってLDCの整定値を算出する手法が開示されている。
特開2018-153049号公報 WO12/114582号公報 特開2010-220283号公報
特許文献1に記載の方法では、系統に分岐がある等の影響により、電圧調整器の通過電流とLDCで算出した補償電圧と、実際の系統(以下「実系統」ともいう)でLDCに期待する補償電圧が乖離し、電圧調整器から電圧制御対象点とした地点までの配電線を通過する潮流の有効電力Pおよび無効電力Q(以下、まとめて単に「潮流」ともいう)が大きく変動した場合に適切な電圧管理ができなくなる恐れがある。
図1は、電圧調整器の整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離について説明するための図である。ここで電圧状態とは、亘長に対する電圧の変化のことを指し、グラフに示されている。電圧調整器から延びる系統の各位置に負荷が接続されている。図中では負荷は丸付きL字で模式的に示されている。丸付きL字の大きさで負荷の大きさが示されている。
図1の左側には、電圧調整器の整定値を計算したときに想定した電圧状態の一例が示されている。図1の右側には、実系統において不適切な電圧制御点が設定されたため電圧調整器により適切な管理ができず電圧が上限を超えた電圧状態の一例が示されている。
ΔVaは、計算時に電圧を補償することが必要な値である。電圧を補償する値を、以下、電圧補償量ともいう。電圧補償量は、電圧制御対象点での電圧が基準電圧となるように計算される。ΔVbは、計算により算出され実系統に適用された電圧補償量である。制御対象点での電圧を基準電圧とするために計算された電圧補償量ΔVbが、必要な電圧補償量ΔVaよりも大きくなっている。このように、潮流計算等により計算された結果に基づいて電圧制御対象点を決定し、電圧制御対象点までの線路インピーダンスから決定した電圧調整器のLDCの整定値であるインピーダンスを実系統に適用した場合、実系統では、電圧が上限を超えることが起こりえる。
以下、電圧調整器のLDCの整定値であるインピーダンスをLDC RXともいう。また、そのインピーダンスの実部をLDC Rといい、虚部をLDC Xという場合がある。
図2は、電圧調整器の整定値を決定したときに想定された通過有効電力と、実系統における通過有効電力との関係の一例を示す図である。図2には、簡略化のため、有効電力のみが示されているが、無効電力も有効電力と同様に考えることができる。
電圧調整器は、自身の出力端を通過する有効電力および出力端を通過する無効電力とLDC RXとを用いて、LDCで必要とされる電圧補償量を算出する。つまり、電圧調整器は、図2に破線で示したように、電圧制御対象点までは各位置を通過する有効電力および各位置を通過する無効電力が変化しないということを前提として電圧降下幅を算出し、その電圧降下幅を電圧補償量とする。しかし、実系統においては、図2に実線で示したように、負荷となる設備の分布により、各位置を通過する有効電力および各位置を通過する無効電力は変化する。したがって、電圧制御対象点よりも電源側に設備があれば、その設備による有効電力、無効電力により、各位置を通過する有効電力および各位置を通過する無効電力は、電圧調整器を通過したときの有効電力および通過したときの無効電力から徐々に乖離していく。
図3は、電圧調整器が想定する電圧降下幅と、実系統における電圧降下幅との関係の一例を示す図である。
実系統では末端(図中の右側)に進むにつれて各位置を通過する有効電力および各位置を通過する無効電力が減少するので、図3に実線で示したように電圧が降下する割合が徐々に小さくなる。しかし、電圧調整器のLDCの整定値を算出するときには、電圧制御対象点までは各位置を通過する有効電力および各位置を通過する無効電力が変化しないという前提で電圧降下幅を想定するので、図3に破線で示したように、電圧制御対象点まで一定割合で直線的に電圧が降下する。そのため、LDCは、電圧制御対象点において、実系統での実際の電圧降下幅ΔVaよりも大きい電圧降下幅ΔVbになると認識し、送出電圧を過剰に高めるように調整してしまう恐れがある。
また、特許文献2に記載された算出方法では、複数の負荷や発電機を集約して負荷中心点と発電中心点を導出している。しかし、系統の負荷あるいは発電機といった設備よりも末端側に中心点がある場合、SVRから中心点までの途中で通過する潮流の変化することを考慮できない。そのため、特許文献2に記載された方法で算出された整定値を用いた場合、特許文献1の方法で算出した整定値を用いた場合と同様に、電圧が上限を超過するなど、適切に電圧を管理することができなくなる恐れがある。
図4は、電圧制御対象点を通過する潮流が変化する系統の構成の3つの例を示す図である。
図4に示されている上の2つの構成は、電圧制御対象点より電源側、すなわち、電圧調整器と電圧制御点の間に、大きな負荷あるいは発電容量の大きい発電機が存在する。図4の下に示されている構成は、電圧調整器と電圧制御対象点の間で配電系統の分岐しており、電圧制御対象点を通らない方のルート(以下、分岐ルートともいう)に複数の負荷が存在している。図4に示されたいずれの構成も、電圧調整器から電圧制御対象点までの各位置を通過する潮流が変化しやすくなる。
特許文献3に記載された算出方法では、系統の途中を通過する有効電力Pおよび無効電力Qが変化することを考慮して送出すべき理想的な電圧とLDCの整定値との相関関係から、LDCの整定値を算出できる。しかし、特許文献3の手法は、統計的処理によってLDCの整定値を算出するものであるため、電圧制御対象点が系統内のどの地点になったか、およびその地点が算出された根拠を系統の構成等から紐解くことが難しい。
このように、電圧調整器から電圧制御対象点までの間の潮流の変化を考慮し、LDCの整定値を算出したときに想定した電圧調整器から電圧制御対象点までの電圧降下幅と、実系統における電圧調整器から電圧制御対象点までの電圧降下幅の差異を小さく抑え、かつ電圧制御対象点およびLDCの整定値が算出された根拠を容易に理解できるように、電圧制御対象点およびLDCの整定値を算出することを可能にする手法は検討されていない。
然るに、電圧制御対象点を決定し、電圧調整器から電圧制御対象点までのインピーダンスからLDCの整定値を算出する既存の手法は、電圧調整器から電圧制御対象点までの潮流の変化が小さい場合には有効であるが、潮流の変化が大きい場合には実系統で適切に電圧を管理できない恐れがある。
また、既存の整定値算出手法を適用した実系統での潮流計算の結果または配電系統において計測された電圧値のデータを分析して電圧が適正範囲を逸脱したことを確認したときに、LDCの整定値を算出したときに想定した電圧状態と実系統の電圧状態とが乖離したことにより、電圧が適正範囲を逸脱したということを把握することが難しい。LDCの整定値に問題にあることが分からず、現状の設備の構成の限界により、電圧が適正範囲を逸脱したとものと認識してしまうと、本来は不要な電圧調整器等の設備を追加する必要があると判断されてしまう恐れもある。そのため、既に運用されている配電系統についてLDCの整定値を評価して、LDCの整定値を算出したときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離が発生する恐れのある電圧調整器を抽出し、その電圧調整器のLDCの整定値を適切に算出し、新たな整定値を適用したときの電圧状態を確認すること重要である。
本開示のひとつの目的は、電圧調整器のLDCについて、その整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離が生じる恐れを低減する技術を提供することである。
本開示のひとつの態様による整定値計算装置は、線路電圧降下補償器を有し、複数の電柱を介いて電力を配電する配電系統に配置される電圧調整器の前記線路電圧降下補償器に対するインピーダンスの整定値に関する計算を行う整定値計算装置であって、前記配電系統上に配置された電圧調整器に関するデータと負荷および/または発電機とに関するデータとを含む系統データと、整定値計算プログラムとを格納するメモリと、前記系統データを参照し、前記整定値計算プログラムを実行するプロセッサと、を有し、前記プロセッサは、前記系統データに基づいて、前記配電系統における前記電圧調整器から前記各電柱までの線路インピーダンスを算出し、前記線路インピーダンスに基づいて、前記各電柱における電圧が所定の目標電圧変動範囲内に収まるように、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力を算出し、前記算出された電流または前記有効電力および前記無効電力を、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力に関するしきい値として決定し、前記しきい値に基づいて前記整定値を算出する。
本開示のひとつの態様によれば、電圧調整器のLDCについて、その整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離が生じる恐れを低減することが可能になる。
電圧調整器の整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離について説明するための図である。 電圧調整器の整定値を決定したときに想定された通過有効電力と、実系統における通過有効電力との関係の一例を示す図である。 電圧調整器が想定する電圧降下幅と、実系統における電圧降下幅との関係の一例を示す図である。 電圧制御対象点を通過する潮流が変化する系統の構成の3つの例を示す図である。 実施例1に係る整定値計算装置が適用可能な典型的な配電系統の例を示す図である。 実施例1に係る整定値計算装置のブロック図である。 電圧調整器のLDC RXの上限値を計算するためのLDC上限値計算アルゴリズムを示すフローチャートである。 設備の容量の積み上げ値を横軸を亘長としたグラフにより示した図である。 各電柱での電圧の乖離が電圧乖離誤差の目標値までの範囲内となる有効電力のしきい値Plimを、横軸を抵抗値としてグラフに示した図である。 整定値の上限値Rlimの決定方法を概念的に示した図である。 電圧調整器のLDCを評価するための評価アルゴリズムを示すフローチャートである。 整定値の評価を概念的に示した図である。 実施例2に係る整定値算出アルゴリズムを示すフローチャートである。 潮流計算により求められた電圧分布の一例を示す図である。 補正された電圧の分布例を示す図である。 電圧調整器の整定値を計算する手法を概念的に示した図である。
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図5は、本実施例に係る整定値計算装置が適用可能な典型的な配電系統の例を示す図である。
図5において、配電系統100は、配電変電所110と、ノード120と、配電線路140と、負荷150と、発電機130と、センサ170とを含んで構成されている。ノード120は、電柱に設けられた母線である。配電線路140はノード120間を接続する線路である。ノード120には負荷150および発電機130が接続される。センサ170は配電線路170に設置される。
配電系統100内には、電圧調整器の一例としてSVR300が、配電系統100の配電線路140に直列に設置されている。SVR300のタップ位置はタップ制御装置310により制御される。
センサ170は、配電線路140の電流、流力率、有効電力P、無効電力Q、ノード電圧Vなどを測定し、その情報を、通信端局180および通信ネットワーク190を介して整定値計算装置10に送る。
整定値計算装置10は、センサ170から受信した情報に基づいて、電圧調整器であるSVR300のタップ位置を適正に制御する。その際、整定値計算装置10は、通信ネットワーク190および通信端局180を介して、SVR300のタップ制御装置310に対して制御信号を送る。
図6は、本実施例に係る整定値計算装置のブロック図である。整定値計算装置10はSVR300の整定値を計算する装置である。整定値計算装置10は、いわゆる計算機システムにより構成される。
整定値計算装置10は、表示装置11、キーボードやマウス等の入力装置12、プロセッサ(CPU)13、通信装置14、RAM15、およびメモリ31を有し、それらがバス線30に接続されている。
プロセッサ13は、メモリ31に格納されている各種ソフトウェアプログラムを実行する。RAM15は、表示用の画像データと、潮流計算結果と、計測データ一覧と、整定パラメータ計算結果等の計算結果データとを一旦格納するメモリである。プロセッサ13は、RAM15上のデータに基づき、必要な画像データを生成して表示装置11に表示する。
表示装置11は、画像を表示する装置であり、例えば液晶等の表示ディスプレイ画面を有する。
メモリ31内には、各種のデータベースが構成されている。潮流計算データデータベースDB1、計測データデータベースDB2、制御装置整定データデータベースDB3、LDC上限値データデータベースDB4は、各種データを保存するデータベースである。プログラムデータデータベースDB5は、プロセッサ13で実行するプログラムを保存するデータベースである。
潮流計算データデータベースDB1は、計算に用いられる各データと計算によって得られた各データとを格納するデータベースである。潮流計算データデータベースDB1には、線路140のインピーダンスを示す線路定数Z(=R+jX)と、負荷および発電量と、配電系統100の線路、電圧調整器、およびノードの接続状況を表す系統構成データとが記憶されている。
また、潮流計算データデータベースDB1には、電圧調整器から各ノードまでの間に存在する設備の容量(負荷、発電量)の積み上げ値と、潮流計算および状態推定計算によって求められた各時間断面の線路の電流、電流力率、有効電力P、無効電力Q、負荷、発電量、およびノード電圧Vのデータとを含む情報が格納される。
潮流計算データデータベースDB1に格納される各種データをまとめて系統データと称することにする。
計測データデータベースDB2には、配電系統100内のセンサ170で計測された各時間断面の線路の電流、電流力率、有効電力P、無効電力Q、負荷、発電量、およびノード電圧Vのデータを含む情報が格納される。センサ170で計測されたこれらのデータは、計測データデータベースDB2に格納されるとともに、通信ネットワーク190および通信装置14を介して外部の装置に伝送される。センサ170で計測されたこれらのデータをまとめて計測データと称することにする。
制御装置整定データデータベースDB3には、制御装置にて設定されている現状の基準電圧およびLDCの整定値(LDC RX)と、計算によって得られた基準電圧および整定値(LDC RX)とが格納される。
LDC上限値データデータベースDB4には、計算によって得られた電圧調整器のLDCの整定値(LDC RX)の上限値が格納される。LDCの整定値(LDC RX)の上限値は、電圧調整器により理想の電圧を得ることを可能にするインピーダンスである。
プログラムデータデータベースDB5は、各種計算を行うためのソフトウェアプログラムを格納するデータベースである。プログラムデータデータベースDB5には、潮流計算プログラムPr1、状態推定計算プログラムPr2、LDC上限値計算プログラムPr3、LDC整定値評価プログラムPr4および最適整定値計算プログラムPr5が格納される。これらのソフトウェアプログラムは、必要に応じてプロセッサ13によって読み出され、実行される。
図7は、電圧調整器のLDC RXの上限値を計算するためのLDC上限値計算アルゴリズムを示すフローチャートである。LDC上限値計算アルゴリズムは、プロセッサ13がLDC上限値計算プログラムPr3を実行することにより実現される処理である。図7には、系統データに含まれる配電系統100内の設備に関する情報を基に、LDC RXの上限値を決定する手順の一例が示されている。
図7を参照すると、最初の処理ステップS101では、プロセッサ13は、電圧調整器から各電柱nまでの設備の負荷または発電量の積み上げ値Pn、Qnを算出する。Pnは積み上げ値の有効電力分であり、Qnは積み上げ値の無効電力分である。負荷または発電量を積み上げるというのは、負荷または発電量を足し合わせていくことである。積み上げ値は合計値である。
当該電柱より手前に分岐が存在する場合、分岐ルートの中に更なる分岐がある場合にはその分岐先のルートも含めて、存在する全ての設備の容量を積み上げる、すなわち合計する。なお、積み上げ値Pn、Qnを算出するときに、ここでは設備の容量の値を積み上げる例を示したが、他の方法でもよい。例えば、スマートメータデータなどで計測された負荷の値を電柱単位で集約し、得られた値の最大値を用いてもよい。また、配電系統100の潮流計算等を行い、その潮流計算により各電柱に按分した有効電力および無効電力の各最大値を予め求めておき、その電柱毎の値を用いてもよい。
図8は、設備の容量の積み上げ値を横軸を亘長としたグラフにより示した図である。図8を見てわかるように、積み上げ値は配電系統100の末端に行くほど大きくなる。また、容量の大きい設備が存在する地点では大きな値が加算される。また、図示していないが、分岐がある場合には、分岐のある地点では、分岐ルートにある全ての設備の負荷が加算されるので、その地点では大きな値が加算される。
次に、処理ステップS102では、プロセッサ13は、電圧調整器から各電柱nまでのインピーダンスの合成値をRn,Xnを算出する。電圧調整器から当該電柱までの間に分岐がある場合でも分岐ルートのインピーダンスはRn、Xnに合成しない。
次に、処理ステップS103では、プロセッサ13は、電圧乖離誤差の目標値Vtと各電柱までのRn,Xnを用いて、各電柱で電圧の乖離が電圧乖離誤差の目標値までの範囲内となる有効電力のしきい値Plimを式(1)で算出し、無効電力のしきい値Qlimを式(2)式で算出する。
Plim=Vt/Rn×6.6 (1)
Qlim=Vt/Xn×6.6 (2)
電圧乖離誤差の目標値Vtは、LDCの整定値を算出したときに想定した電圧と実系統で生じる電圧との誤差をその値以下に抑えるべき値であり、予め与えられた値である。
図9は、各電柱での電圧の乖離が電圧乖離誤差の目標値までの範囲内となる有効電力のしきい値Plimを、横軸を抵抗値としてグラフに示した図である。有効電力が図9の破線以下の値であれば、電圧の乖離が電圧乖離誤差の目標値以内に収まる。
Plimは抵抗値と反比例の関係にあるため、Plimは電圧調整器付近では大きい値となるが、抵抗値が大きくなるほど小さい値となる。抵抗値は線路の亘長が長くなるほど大きくなるため、配電系統100の末端にいくほどPlimは小さくなるので、Plimを横軸を亘長としたグラフで示しても図9のグラフと同様の傾向となる。
次に、処理ステップS104では、プロセッサ13は、設備の負荷または発電量の積み上げ値Pn、Qnと、有効電力および無効電力のそれぞれのしきい値Plim、Qlimとを比較し、Pn≦PlimかつQn≦Qlimが成り立つ電柱のうち、Pnが最大となる電柱を抽出する。
更に、プロセッサ13は、電圧調整器から抽出された電柱までのインピーダンスRn、XnをRvcp、Xvcpとし、LDCの整定値の上限値Rlim、Xlimを式(3)、式(4)で算出する。
Rlim=Rvcp (3)
Xlim=Xvcp (4)
図10は、整定値の上限値Rlimの決定方法を概念的に示した図である。図10には、亘長を横軸にとって、PnとPlimとが示されている。図10では、Rlimのみに着目しているが、XlimもRlimと同様に考えることができる。
Pn≦Plim、かつQn≦Qlimが成り立つ電柱が存在する範囲(図10ではハッチングされた範囲)が、電圧の乖離が上限を超えないように適切な電圧制御対象点を抽出できる範囲となる。
この範囲の中で最もRlim、Xlimが大きい、すなわち電圧制御対象点の適切な抽出範囲内で最も末端側の電柱までのインピーダンスを電圧調整器のLDC RXの上限値Rlim、Xlimとして、その上限値以下の範囲内でLDX RXを決定すればよい。
実施例1では、電圧調整器のLDC RXの上限値Rlim、Xlimを決定する整定値計算装置について説明した。これに対し、実施例2では、更に算出したRlim、Xlimを用いて、現状の整定値あるいは各種計算手法によって算出した整定値を評価し、整定値が上限値を超過している場合に適正な整定値を算出する整定値計算装置について説明する。
実施例2による整定値計算装置は、図6に示した整定値計算装置10と同様の構成を有し、実施例1の整定値計算装置10が備える機能を備えている。
図11は、電圧調整器のLDCを評価するための評価アルゴリズムを示すフローチャートである。評価アルゴリズムは、プロセッサ13がLDC整定値評価プログラムPr4を実行することにより実現される処理である。評価アルゴリズムは、LDC上限値計算アルゴリズムによってLDC RXの上限値を算出した後に用いられる。なお、ここでは、現状の整定値を評価対象としてそれを評価する例を示すが、各種計算手法によって算出した整定値の評価も同様にして行うことができる。
図11を参照すると、最初の処理ステップS201では、プロセッサ13は、現状の電圧調整器の整定値であるLDC RXを読み込む。
次に、処理ステップS202では、プロセッサ13は、読み込んだ評価対象の整定値のLDC RXと、予め算出したLDCのRXの上限値Rlim、Xlimとを比較する。
次に、処理ステップS203では、プロセッサ13は、評価対象の整定値のLDC RXの実部または虚部のいずれか一方または両方が、それぞれに対応するLDC RXの上限値のRlimまたはXlimよりも大きい場合、評価対象の整定値が妥当でないと判定する。その場合、プロセッサ13は、電圧調整器の整定値の変更を促すユーザに促す画面を表示装置11に表示してもよいし、適切な電圧調整器の整定値を算出してその算出結果である整定値を表示装置11に表示してもよい。
図12は、整定値の評価を概念的に示した図である。
現状の電圧調整器の整定値のLDC RX、または各種計算手法によって電圧調整器の整定値のLDC RXの値が上限値よりも大きい場合、LDC RXに相当する電圧制御対象点は、電圧制御対象点の適切な抽出範囲よりも末端側に存在することになる。このような場合、前述のとおり想定されている電圧降下と実系統で生じる電圧降下とが目標値以下の範囲内を超えて乖離し、適切な電圧管理を実現できなくなる恐れがある。そのため、電圧調整器の整定値を変更することが望ましい。
評価対象とした整定値が何らかの計算手法によって算出された整定値のLDC RXであり、その整定値のLDC RXが上限値を超過していた場合、整定値を算出する手法をも変更することが望ましい。また、LDC RXが上限値を超過していなくても、実系統のいずれかの地点で適正な電圧を維持できていない場合、現状の整定値が適切でない可能性がある。その場合に、LDC RXの上限値を考慮して最適な整定値を算出することが望ましい。
図13は、実施例2に係る整定値算出アルゴリズムを示すフローチャートである。整定値算出アルゴリズムは、LDC RXの上限値を考量して適切な整定値を算出するためのアルゴリズムである。整定値算出アルゴリズムは、プロセッサ13が最適整定値計算プログラムPr5を実行することにより実現される。
図13を参照すると、最初の処理ステップS301では、プロセッサ13は、処理に必要なデータ読み込み、分析の対象とする期間(以下、対象期間ともいう)を定めて潮流計算を行う。対象期間は特に限定されず、過去1週間など予め決められた期間であってもよいし、ユーザが指定した期間であってもよい。プロセッサ13は、計測データデータベースDB2の計測データおよび潮流計算データデータベースDB1の系統データを用いて、対象期間内の複数の時刻における時間断面における配電系統100の各位置における電圧の分布を計算する。潮流計算の結果は、例えば変電所出口端を起点とし各配電線路140上の各点における電圧の値として求められる。
ここでの潮流計算には、図6に示した潮流計算プログラムPr1と状態推定計算プログラムPr2が用いられる。
なお、電圧降下が大きく計算が収束しない場合は、600V程度の電圧降下が発生する地点に電圧調整器を仮で設置することで計算を収束させるのがよい。
図14は、潮流計算により求められた電圧分布の一例を示す図である。図14には、縦軸に配電線路140上の電圧をとり、横軸に配電線路140の変電所出口端からの亘長(km)をとったグラフが示している。ここでは配電線路140は高圧線であり、配電線路140上の電圧は高圧電圧である。図14の例では、複数の時間断面の電圧分布LU1、LU2、LD1、LD2について潮流計算が行われている。
一般に高圧電圧は、配電線路における電圧降下により変電所出口端から遠くなるほど低下する電圧分布LD1、LD2の傾向を示す。しかし、近年では太陽光発電の普及に伴い太陽光発電が発電を行う昼間や、夜間・休日に高圧負荷と併設されたコンデンサの影響により発生するフェランチ現象によって、末端電圧が高くなる電圧分布LU1、LU2の傾向を示すことがある。なお変電所出口端には、電圧調整器が設置されているものとする。
次に、処理ステップS302では、プロセッサ13は、電圧制御対象点として適切な抽出範囲内で最も末端側に存在する電柱を電圧制御対象点とし、潮流計算を行った複数の時間断面の電圧制御対象点における電圧Vvcp_tを全て等しくするための、各時間断面tについても電圧補正量ΔVtを式(5)により算出する。
ΔVt=Vsol-Vvcp_t (5)
ここで、ΔVtは時間断面tにおける電圧補正量である。Vsolは、全ての時間断面の電圧制御対象点に到達する電圧を等しくしたときの電圧制御対象点の到達電圧である。Vsolは任意の固定値であればよい。例えば、Vsolに6600Vという固定値を用いてもよいし、潮流計算を行ったいずれか1つの時間断面における電圧制御対象点の到達電圧を用いてもよい。
更に、プロセッサ13は、式(6)にしたがって、各時間断面における各電柱の到達電圧Vn_tをΔVtを用いて補正し、各時間断面における補正された到達電圧Vn_t’を算出する。
Vn_t’=Vn_t+ΔVt (6)
図15は、補正された電圧の分布例を示す図である。図15には、複数の時間断面について、縦軸に配電線路140上の高圧電圧を補正した値をとり、横軸に配電線路140の変電所出口端からの亘長(km)をとったグラフが示されている。図15を見てわかるように、電圧が降下あるいは上昇の傾向に関係なく、全ての時間断面における電圧制御対象点の電圧が同じ値Vsolに揃えられている。
次に、処理ステップS303では、プロセッサ13は、電圧制御対象点の電圧が等しくなるように補正した各電柱の電圧Vn_t’を、全ての時間断面で変電所出口端から末端までの電圧が所定の上限と下限の間に収まるように再度補正するための電圧補正量ΔVoptを算出する。この電圧補正量ΔVoptは、全ての時間断面に対して共通して適用される値である。
まず、プロセッサ13は、各電柱の補正後の到達電圧Vn_t’に対して、各電柱の上限電圧Vunとの差分ΔVun_t、下限電圧Vlnとの差分ΔVln_tをそれぞれ式(7)、式(8)により算出する。
ΔVun_t=Vun-Vn_t’ (7)
ΔVln_t=Vn_t’-Vln (8)
ここで、Vun、Vlnは各電柱における電圧の上限(上限電圧)、下限(下限電圧)のことである。
全ての時間断面における全ての電柱における電圧の上限電圧Vunとの差分ΔVun_tの最小値をΔVu_minとし、下限電圧Vunとの差分ΔVun_tの最小値をΔVl_minとする。最も厳しい条件においても上限電圧と下限電圧に余裕が生じるようにするために、ΔVu_minとΔVl_minが等しくなる電圧補正量ΔVoptを式(9)により算出する。
ΔVopt=(ΔVu_min-ΔVl_min)/2 (9)
次に、処理ステップS304では、プロセッサは、最も厳しい条件においても上限電圧と下限電圧にできるだけ余裕が生じるようにする電圧補正量ΔVoptを用いて、処理ステップS302にて電圧制御対象点の電圧が等しくなるように補正した各電柱の電圧Vn_t’を再度補正する。ΔVoptを用いて各断面の電柱の到達電圧Vn_t’を補正した電圧Vn_t_optを(10)式で算出する。
Vn_t_opt=Vn_t’+ΔVopt (10)
次に、処理ステップS305では、プロセッサ13は、ΔVoptで補正した電圧Vn_t_optから、電圧調整器の最適な整定値を算出する。電圧制御対象点における電圧Vn_t_optは全ての時間断面で等しくなっている。このときの電圧制御対象点の電圧をVvcp_optとする。プロセッサ13は、電圧制御対象点の電圧Vvcp_optが目標電圧となるように、PT比を用いて電圧調整器の整定値の基準電圧Vrefを式(11)により算出する。
Vref=Vvcp_opt/PT (11)
また、プロセッサ13は、整定値LDC RXに、電圧制御対象点までのインピーダンス、すなわちLDC RXの上限値Rlim、Xlimを適用する。
図16は、電圧調整器の整定値を計算する手法を概念的に示した図である。
本実施例では、電圧制御対象点の適切な抽出範囲を限定し、その範囲内から電圧制御対象点を決定している。具体的には、適切な抽出範囲内で最も末端側にある電柱を電圧制御対象点としている。
このように、電圧制御対象点の抽出範囲に制約を適切な設けることにより、整定値を実系統に適用したときの電圧状態は、整定値を算出したときに想定した電圧状態との乖離が少なく抑えられる。
また、本実施例では、複数の時間断面の電圧制御対象点における電圧がVvcp_optで等しくなっているので、電圧制御対象点が系統100内のどの地点に存在し、どのような電圧となるように制御しようとしているかを確認することが容易である。
なお、本実施例の手法で算出した整定値を用いても実系統にて電圧が上限と下限の範囲から逸脱する場合には、現状の配電系統100の設備の構成では、電圧を適切な範囲に維持できない可能性がある。その場合には、電圧調整器を追加で設置したり、柱上変圧器のタップ位置を変更したりなどで設備の構成あるいは設定を変更し、再度、整定値を計算しなおすことが望ましい。
以上説明した各実施例は、本発明の説明のための例示であり、本発明がこれらの実施例に限定されることはない。本発明の技術思想の範囲内において、これらの実施を組み合わせて使用したり、一部の構成を変更したりすることができる。
また、以上説明した複数の実施例の1つあるいは複数のものには以下に示す事項が含まれている。ただし、上述した実施例に含まれる事項が以下に示すものだけに限定されることはない。
(事項1)
配電系統の各時間の電気量の計測値を格納する計測データベースと、潮流計算によって配電系統の電圧を算出する計算装置と、配電系統の複数時間断面の電圧解析結果を格納するデータベースと、電圧調整器の整定値を格納するデータベースと、各電圧調整器のLDC上限値と最適整定値を算出する最適計算装置を有し、各電圧調整器のLDC上限値は配電系統の系統データ、最適整定値は配電系統の電圧解析結果から計算する。
(事項2)
LDC整定値の上限値を決定するための各電柱の設備容量のしきい値を、全電柱で固定値とせず、電圧乖離の発生しやすさを考慮して、目標電圧変動範囲と各電柱までのインピーダンスから計算する。
(事項3)
現状の整定値、または各種計算手法によって求めた整定値算出結果を、事前に算出したLDC整定値の上限値と比較することで、整定値が適正であるか評価する。
(事項4)
電圧制御対象点の適切な抽出範囲の末端を電圧制御対象点として、電圧制御対象点の到達電圧が一定かつ全断面の全電柱の電圧が電圧上下限値範囲内となるような電圧状態を算出し、LDC RXの上限値を考慮した電圧調整器の最適整定値を計算する。
(事項5)
線路電圧降下補償器を有し、複数の電柱を介いて電力を配電する配電系統に配置される電圧調整器の前記線路電圧降下補償器に対するインピーダンスの整定値に関する計算を行う整定値計算装置であって、前記配電系統上に配置された電圧調整器に関するデータと負荷および/または発電機とに関するデータとを含む系統データと、整定値計算プログラムとを格納するメモリと、前記系統データを参照し、前記整定値計算プログラムを実行するプロセッサと、を有し、前記プロセッサは、前記系統データに基づいて、前記配電系統における前記電圧調整器から前記各電柱までの線路インピーダンスを算出し、前記線路インピーダンスに基づいて、前記各電柱における電圧が所定の目標電圧変動範囲内に収まるように、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力を算出し、前記算出された電流または前記有効電力および前記無効電力を、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力に関するしきい値として決定し、前記しきい値に基づいて前記整定値を算出する。
これによれば、各電柱の電圧が所定の目標電圧変動範囲に収まるように定めたしきい値を用いて、電圧調整器の線路電圧降下補償器の整定値を算出するので、整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離が生じる恐れを低減することができる。
(事項6)
上記事項5に記載の整定値計算装置であって、前記プロセッサは、前記電流または前記有効電力および無効電力が前記しきい値を超えない範囲で前記線路インピーダンスが最大となる電柱を決定し、前記決定された電柱までの線路インピーダンスに基づいて電圧制御対象点および前記整定値を決定する。
これによれば、電流または有効電力および無効電力がしきい値を超えない範囲で線路インピーダンスが最大の電柱の位置に基づく電圧制御対象点で整定値を決定するので、電圧変動を目標の範囲内に収めて電圧の管理を行うことが可能となる。
(事項7)
上記事項4に記載の整定値計算装置であって、前記プロセッサは、前記決定された電柱までの線路インピーダンスを上限値として、前記整定値を決定する。
電流または有効電力および無効電力がしきい値を超えない範囲で線路インピーダンスが最大の電柱までの線路インピーダンスを上限として整定値を決定するので、電圧変動を目標の範囲内に収めて電圧の管理を行うことが可能となる。
(事項8)
上記事項5に記載の整定値計算装置であって、前記メモリは、予め決定された評価対象の整定値を含む整定データと、整定値評価プログラムとを更に格納し、前記プロセッサは、前記整定値評価プログラムを実行することにより、前記電流または前記有効電力および前記無効電力が前記しきい値を超えない範囲内に設定した地点までの線路インピーダンスを算出し、前記整定データにおける整定値が、前記算出された前記地点までの線路インピーダンスを超過しているか否かに基づいて、前記整定データにおける整定値の妥当性を評価する。
これによれば、各電柱の電圧が所定の目標電圧変動範囲に収まるように定めたしきい値を用いて評価対象の整定値を評価するので、整定値を算出するときに想定した電圧状態と実系統での電圧状態との乖離が生じる恐れを考慮して整定値の妥当性を評価することができる。
(事項9)
上記事項8に記載の整定値計算装置であって、前記プロセッサは、前記整定データにおける整定値が、前記算出された前記地点までの線路インピーダンスを超過していたら、前記整定データにおける整定値は妥当でないと評価する。
(事項10)
上記事項7に記載の整定値計算装置であって、前記プロセッサは、前記上限値を前記整定値とし、前記上限値の線路インピーダンスを有する電柱の位置を電圧制御対象点とし、時刻の異なる複数の断面における電圧を、前記電圧制御対象点における値が一致するように増加または減少の方向に移動させ、前記移動させた複数の断面の電圧の最大値と所定の電圧上限との間の余裕幅と、前記電圧の最小値と所定の電圧下限との間の余裕幅とが等しくなるように前記複数の断面の電圧を増加または減少の方向に移動させたときの前記電圧制御対象点の電圧に基づいて、前記整定値を決定する。
これによれば、複数の断面での電圧分布を考慮して、電圧と上限および下限との余裕幅をできるだけ大きくとるように整定値を決定するので、電圧変動を目標の範囲内に収めて電圧の管理を行うことが可能となる。
10…整定値計算装置、11…表示装置、12…入力装置、13…プロセッサ、14…通信装置、15…RAM、30…バス線、31…メモリ、100…配電系統、110…配電変電所、120…ノード、130…発電機、140…配電線路、150…負荷、170…センサ、170…配電線路、180…通信端局、190…通信ネットワーク、300…SVR、310…タップ制御装置

Claims (7)

  1. 線路電圧降下補償器を有し、複数の電柱を介いて電力を配電する配電系統に配置される電圧調整器の前記線路電圧降下補償器に対するインピーダンスの整定値に関する計算を行う整定値計算装置であって、
    前記配電系統上に配置された電圧調整器に関するデータと負荷および/または発電機とに関するデータとを含む系統データと、整定値計算プログラムとを格納するメモリと、
    前記系統データを参照し、前記整定値計算プログラムを実行するプロセッサと、を有し、
    前記プロセッサは、
    前記系統データに基づいて、前記配電系統における前記電圧調整器から前記各電柱までの線路インピーダンスを算出し、
    前記線路インピーダンスに基づいて、前記各電柱における電圧が所定の目標電圧変動範囲内に収まるように、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力を算出し、
    前記算出された電流または前記有効電力および前記無効電力を、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力に関するしきい値として決定し、
    前記しきい値に基づいて前記整定値を算出する、
    整定値計算装置。
  2. 請求項1に記載の整定値計算装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記電流または前記有効電力および無効電力が前記しきい値を超えない範囲で前記線路インピーダンスが最大となる電柱を決定し、
    前記決定された電柱までの線路インピーダンスに基づいて電圧制御対象点および前記整定値を決定する、
    整定値計算装置。
  3. 請求項2に記載の整定値計算装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記決定された電柱までの線路インピーダンスを上限値として、前記整定値を決定する、
    整定値計算装置。
  4. 請求項1に記載の整定値計算装置であって、
    前記メモリは、予め決定された評価対象の整定値を含む整定データと、整定値評価プログラムとを更に格納し、
    前記プロセッサは、前記整定値評価プログラムを実行することにより、
    前記電流または前記有効電力および前記無効電力が前記しきい値を超えない範囲内に設定した地点までの線路インピーダンスを算出し、
    前記整定データにおける整定値が、前記算出された前記地点までの線路インピーダンスを超過しているか否かに基づいて、前記整定データにおける整定値の妥当性を評価する、
    整定値計算装置。
  5. 請求項4に記載の整定値計算装置であって、
    前記プロセッサは、前記整定データにおける整定値が、前記算出された前記地点までの線路インピーダンスを超過していたら、前記整定データにおける整定値は妥当でないと評価する、
    整定値計算装置。
  6. 請求項3に記載の整定値計算装置であって、
    前記プロセッサは、
    前記上限値を前記整定値とし、
    前記上限値の線路インピーダンスを有する電柱の位置を電圧制御対象点とし、
    時刻の異なる複数の断面における電圧を、前記電圧制御対象点における値が一致するように増加または減少の方向に移動させ、前記移動させた複数の断面の電圧の最大値と所定の電圧上限との間の余裕幅と、前記電圧の最小値と所定の電圧下限との間の余裕幅とが等しくなるように前記複数の断面の電圧を増加または減少の方向に移動させたときの前記電圧制御対象点の電圧に基づいて、前記整定値を決定する、
    整定値計算装置。
  7. 線路電圧降下補償器を有し、複数の電柱を介いて電力を配電する配電系統に配置される電圧調整器の前記線路電圧降下補償器に対するインピーダンスの整定値に関する計算を行うための整定値計算方法であって、
    前記配電系統上に配置された電圧調整器に関するデータと負荷および/または発電機とに関するデータとを含む系統データと、整定値計算プログラムとを格納するメモリと、前記系統データを参照し、前記整定値計算プログラムを実行するプロセッサと、を有する計算機の前記プロセッサが、
    前記系統データに基づいて、前記配電系統における前記電圧調整器から前記各電柱までの線路インピーダンスを算出し、
    前記線路インピーダンスに基づいて、前記各電柱における電圧が所定の目標電圧変動範囲内に収まるように、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力を算出し、
    前記算出された電流または前記有効電力および前記無効電力を、前記各電柱における電流または有効電力および無効電力に関するしきい値として決定し、
    前記しきい値に基づいて前記整定値を算出する、
    整定値計算方法。
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