JP2022127659A - 抽出飲料調製用濾過器 - Google Patents

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Abstract

【課題】透明度が高く、雑味が生じにくい抽出飲料を迅速に調製が可能で、経済性に優れる抽出飲料調製用濾過器を提供すること。【解決手段】抽出飲料調製用濾過器は、所定の、筒状本体部Aと内蓋部Bを備え、内蓋部Bの遊嵌凸部が、筒状本体部Aの吐出口に遊嵌されて、内蓋部Bが筒状本体部Aの内部に保持され、かつ吐出口が、扁平板部および突起部に覆われている。【選択図】図1

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、抽出飲料調製用濾過器に関し、具体的には、透明度が高く、かつ雑味が生じにくい抽出飲料を迅速に調製可能で、経済性に優れ、手入れも容易な抽出飲料調製用濾過器に関する。
コーヒー、日本茶、中国茶、紅茶などの抽出飲料は、焙煎コーヒー豆、茶葉など被抽出物を湯や水などに一定時間浸漬して、被抽出物の成分を湯や水に抽出した後、茶漉し器など濾過器(金網)を用いて濾過されて調製される。
このような濾過器としては、たとえば、特許文献1では、「急須や湯呑の口縁部に掛止させるフランジ部1a又は把手3を設けた合成樹脂製の筒状本体1と、該筒状本体1の解放下端を塞ぐ漉し網2とを備え、漉し網2の周縁部分が、射出成形された筒状本体1の下端部に包埋されていることを特徴とする茶漉し器」が開示されている(実用新案登録請求の範囲)。さらには、この茶漉し器によれば、従来の合成樹脂製の茶漉し器に比べて「筒状本体に漉し網を張設する甚だ面倒な作業が不要になる。」などの効果が奏される旨開示されている(明細書段落[0017]など)
また、抽出飲料の風味などの良否は、茶葉など被抽出物の品質、水や湯の水質などの条件によることが大きいが、被抽出物から成分の抽出過程(抽出飲料の調製過程)の条件にも少なからず影響を受ける。
たとえば、急須内において、茶葉の成分が湯に抽出される際に、茶葉自体は、湯に攪拌されている状態(茶葉が均一に分散されている状態)が望ましい一方で、急須を揺らすなど、静的な状態が動的な状態になると、渋味や雑味が生じてしまう。このように、茶の調製には、複雑な条件を満たす必要があるため、渋味や雑味を低減させた高品質な茶を調製することは、従来の調製技術では容易ではなかった。
たとえば、茶漉しを備える一般的な急須では、上記のような条件を満たすことは困難であるため、上述のような渋みや雑味が生じやすい傾向にある。
登録実用新案公報第3009983号公報
上述のように、茶漉しなど濾過器の構造が抽出過程の条件に影響を与えるという点を考慮すると、濾過器の改善を通じて、抽出飲料の風味などの向上を図る余地があるといえる。
そこで、本発明者らは、抽出飲料の調製に使用される濾過器の構造を鋭意検討した結果、筒状本体部の内部に特定形状を有する内蓋部が遊嵌されている等の構造を採用することで、下記3つの効果が発揮されることを見出した。
(1)被抽出物から成分の抽出過程(抽出飲料の調製過程)において透明度が高く抽出飲料を調製でき、当該抽出飲料に雑味が生じにくくすることができること。
(2)濾過器中に被抽出物の滞留(濾過部分の目詰まりが発生すること)を、柱状体(a3)を摘まみ上げることで、抽出飲料の濾過器の通過速度の低下を防ぐことができるため、迅速に抽出飲料を調製できること。
(3)濾紙などの消耗品や金網など手入れが煩雑な部材を使用しなくとも、被抽出物が濾過器外に流出せず、ろ過機能を発揮できるとともに、消耗品や手入れが煩雑な部材を使用する必要がないため、経済性に優れ、手入れが容易であること。
すなわち、本発明は、透明度が高く、雑味が生じにくい抽出飲料を迅速に調製可能で、経済性に優れ、手入れも容易な抽出飲料調製用濾過器を提供することを目的とする。
本発明に係る抽出飲料調製用濾過器は、被抽出物と湯又は水との供給口(a1)および抽出飲料の吐出口(a2)を有する筒状本体部(A)と、
円形扁平板部(b1)、当該扁平板部(b1)の扁平面に設けられた遊嵌凸部(b2)および、当該遊嵌凸部(b2)が設けられた扁平面の反対側の扁平面の周縁部に設けられた柱状体(b3)を有する内蓋部(B)を備え、
内蓋部(B)の遊嵌凸部(b2)が、筒状本体部(A)の吐出口(a2)に遊嵌されて、内蓋部(B)が筒状本体部(A)の内部に保持され、かつ
吐出口(a2)が、円形扁平板部(b1)に覆われていることを特徴とする。
また、本発明に係る抽出飲料調製器は、上記抽出飲料調製用濾過器と、容器部(C)とを備え、当該抽出飲料調製用濾過器が、容器部(C)の内部に掛止されていることを特徴とする。
図1は、本発明に係る抽出飲料調製用濾過器および抽出飲料調製器の一態様を示すための図である。
図2(A)は、抽出飲料調製用濾過器を構成する部材である内蓋部(B)の一態様を示すための図である。また、図2(B)は、本発明に係る抽出飲料調製器の一態様の断面図を示すための図である。
図3(A)~(D)は、本発明に係る抽出飲料調製用濾過器の使用方法を説明するための図である。
以下、本発明に係る抽出飲料調製用濾過器および抽出飲料調製器について、図面を適宜参照しながら詳細に説明する。
本明細書において「抽出飲料」とは、被抽出物の成分を湯又は水(冷水や常温水)に抽出して得られる飲料である。「抽出飲料」としては、たとえば、珈琲、日本茶(煎茶など)、麦茶、紅茶、中国茶などが例示される。
また、「被抽出物」とは、水や湯により成分を抽出される対象であり、たとえば、焙煎されたコーヒー豆や、日本茶、中国茶、紅茶などの各種茶葉などが挙げられる。
本発明に係る抽出飲料調製用濾過器は、図1の付番AおよびB示されるように、筒状本体部(A)および内蓋部(B)を必須構成要件として備え、たとえば、図1の付番Dに示されるように、筒状本体部(A)の上部(供給口(a1))を覆うための蓋部(D)など、目的に応じて適宜任意部材を有していてもよい。
各部材の材質は特に限定されるものではなく、プラスチック、ガラス、陶器などが挙げられる。この中でも、被抽出物の滞留による吐出部の閉塞(詰まり)を有効に防止し、抽出飲料を迅速かつ安定的に調製が可能になるという観点からは、各部材の材質は、陶器(例:密度 2.1~2.9[g/cm3])であることが望ましい。
また、各部材の材質を、陶器とする場合、製造過程において釉薬を使用しない、半磁土からなることが望ましい。また、各部材の製造にあたり、予め部材の形状を象った後、筒状本体部(A)となる部分と内蓋部(B)となる部分とを、結合させた状態で、焼結工程(合わせ焼き)に供することが望ましい。
なお、蓋部(D)には、後述する柱状体(b3)の上部を収容するための溝部(d1)を有していてもよい。
図3(A)は、筒状本体部(A)の断面図である。当該図に示されるように、筒状本体部(A)は、供給口(a1)および吐出口(a2)を有する。供給口(a1)は、被抽出物と、湯又は水(抽出溶媒)を供給するための口である。また、吐出口(a2)は、抽出飲料を下方向(鉛直方向)に吐出するための口である。
図2(A)に示されるように、内蓋部(B)は、円形扁平板部(b1)と遊嵌凸部(b2)と柱状体(b3)とを有する。
ここで、図2(A)に示されるように、遊嵌凸部(b2)は、当該扁平板部(b1)の扁平面(下側扁平面)に設けられる一方、柱状体(b3)は、当該遊嵌凸部(b2)が設けられた扁平面の反対側の扁平面(上側扁平面)の周縁部に設けられている。
図2(B)は、本発明に係る抽出飲料調製用濾過器および抽出飲料調製器の断面図を示す。当該図に示されるように、内蓋部(B)の遊嵌凸部(b2)は、筒状本体部(A)の吐出口(a2)に遊嵌されている。ここで、「遊嵌」とは、遊嵌凸部(b2)と吐出口(a2)とが隙間を生じている状態で挿入(篏合、連結)され、遊嵌凸部(b2)と吐出口(a2)とが遊び(隙間)を有しながら嵌め合う状態にある。すなわち、遊嵌凸部(b2)が左右方向(筒状本体部(A)の側面方向)には動きが制限されるものの、上下方向(筒状本体部(A)の供給口(a1)方向および吐出口(a2)方向)には動きが制限されていない状態において、内蓋部(B)が筒状本体部(A)の内部に保持されている。
また、図2(B)に示されるように、上記遊嵌による連結により、内蓋部(B)が筒状本体部(A)の内部に保持(収容)され、吐出口(a2)が、円形扁平板部(b1)に覆われている。
柱状体(b3)は、当該遊嵌凸部(b2)が設けられた扁平面の反対側の扁平面(上側扁平面)における周縁部に設けられているため、内蓋部(B)の壁面に接触しているか、近傍にある。なお、「周縁部」とは、上側扁平面(円形形状)の中心から離れた部分をいう。
図1および図2(A)に示されるように、本発明に係る抽出飲料調製器は、上述の抽出飲料調製用濾過器と、容器部(C)とを備え、当該抽出飲料調製用濾過器が、容器部(C)の内部に掛止されていることを特徴とする。
ここで、「掛止」とは、容器部(C)の内部に、抽出飲料調製用濾過器が、フランジ部などで引っ掛かりながら保持されていることをいう。なお、図2(B)では、付番a3で示されるように、抽出飲料調製用濾過器の供給口(a1)の周囲に設けられたフランジ部(a3)が、掛止手段として機能しているが、掛止手段としては特に限定されるものではない。
次いで、図3を適宜参照しながら、発明に係る抽出飲料調製器を用いた、抽出飲料の調製手順について説明する。なお、図3は、容器部(C)の図示を省略している。
図3(A)および(B)に示されるように、まず、内蓋部(B)を筒状本体部(A)の内部に収容する。ここで、上述したように、内蓋部(B)の遊嵌凸部(b2)は、筒状本体部(A)の吐出口(a2)に遊嵌されることになる。
次に、図3(C)に示されるように、供給口(a1)から被抽出物(日本茶、中国茶、紅茶など)と、湯又は水(抽出溶媒)を供給して、被抽出物Eの抽出成分を湯又は水Fに溶出させる抽出工程を実施する。ここで、詳細なメカニズムは不明であるが、筒状部(A)の供給口(a1)から被抽出物と水又は湯が供されると、被抽出物由来の抽出成分を含む水又は湯(抽出飲料)は、鉛直方向への水圧を生じる。
そして、抽出飲料Gは、遊嵌凸部(b2)と吐出口(a2)との遊嵌部分(隙間)に流入し、抽出飲料が鉛直方向(下方向、容器部方向)に流出する。一方で、茶葉が当該遊嵌部分に集積して目詰まりが発生する(茶葉により遊嵌部分が塞がれる)ことで、次第に、容器部への流出が抑制されることになる。
この場合、柱状体(b3)を、「つまみ」として上部へ若干移動することで、再度、遊嵌部分に隙間が生じ、容器部への流出を回復することができる。
この一連の操作においては、被抽出物(茶葉等)の攪拌状態(均一に拡散された状態)から被抽出物(茶葉等)は、徐々に鉛直方向(下方向)に沈降して、図3の付番Eに示されるように、内蓋部(図3付番B)上に堆積することになる。ここで、容器部の底部堆積した非抽出物は、フィルターとしての機能を発揮し、抽出飲料の透明度を高くでき、かつ、抽出飲料に雑味が生じにくくすることができる。
更には、本発明に係る抽出飲料調製器は、上述のような内蓋部(B)の働きによって、濾紙などの消耗品や、抽出飲料(特に、日本茶)の風味を劣化させる金網などを用いなくても、十分に濾過機能を発揮することができる。そして、濾紙などの消耗品や金網など手入れが煩雑な部材を使用しなくてもよいので、経済性に優れ、手入れが容易であるといえる。
本発明に係る抽出飲料調製用濾過器によれば、抽出飲料調製器に使用することで、透明度が高く、かつ雑味が生じにくい抽出飲料を迅速に調製が可能で、経済性に優れる抽出飲料調製用濾過器を提供することができる。
A:筒状本体部(A)
B:内蓋部(B)
C:容器部(C)
D:蓋部(D)
E:被抽出物
F:水又は湯
G:抽出飲料
a1:供給口(a1)
a2:吐出口(a2)
a3:フランジ部(a3)
b1:円形扁平板部(b1)
b2:遊嵌凸部(b2)
b3:柱状体(b3)
d1:溝部(d1)

Claims (2)

  1. 被抽出物と湯又は水との供給口(a1)および抽出飲料の吐出口(a2)を有する筒状本体部(A)と、
    円形扁平板部(b1)、当該扁平板部(b1)の扁平面に設けられた遊嵌凸部(b2)および、当該遊嵌凸部(b2)が設けられた扁平面の反対側の扁平面の周縁部に設けられた柱状体(b3)を有する内蓋部(B)を備えた抽出飲料調製用濾過器であって、
    内蓋部(B)の遊嵌凸部(b2)が、筒状本体部(A)の吐出口(a2)に遊嵌されて、内蓋部(B)が筒状本体部(A)の内部に保持され、かつ
    吐出口(a2)が、円形扁平板部(b1)に覆われていることを特徴とする抽出飲料調製用濾過器。
  2. 請求項1に記載の抽出飲料調製用濾過器と、容器部(C)とを備え、
    当該抽出飲料調製用濾過器が、容器部(C)の内部に掛止されていることを特徴とする抽出飲料調製器。

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