以下、図面等を参照して、本開示の表示端末の一例について説明する。ただし、本開示の表示端末は、以下に説明する実施形態や実施例には限定されない。
なお、以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、各図において、部材の断面を示すハッチングを適宜省略する。本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
1.第1実施形態
本開示の表示端末の第1実施形態について説明する。第1実施形態に係る表示端末1は書籍、雑誌あるいは新聞等の情報が電子データ化されたコンテンツを閲覧可能な電子機器である。表示端末1は図3に示すように、主として操作受付部32および表示制御部31を有する制御部3、通信部2、記憶部4、表示部5、操作部6および電源部7を備える。特に操作受付部32、表示制御部31および表示部5が表示端末1としての必須の構成要素である。
表示端末1は専用の電子書籍リーダーであってもよく、スマートフォンやパーソナルコンピュータ等の情報処理装置であってもよい。表示端末1は通信部2を介して通信ネットワークに接続でき、この通信ネットワークを通じてあらかじめ契約されたアプリケーションサーバ等から所望のコンテンツをダウンロードし、これを記憶部4に保存する。これにより、ユーザは任意の場所やタイミングで、ダウンロードしたコンテンツを表示端末1の操作部6の操作等により表示部5に表示させ、これを見たり読むことができる。なお、コンテンツとは、文書を構成する文字、英数字、記号等およびこれらの集合体である文章等の情報並びに漫画、イラストあるいは写真等の非文章の情報を総称するものである。
表示端末1が備える表示部5は、ユーザの要望に応じた様々な表示態様によるコンテンツを表示できる。図1(a)は、上段の文字等から構成される文章領域301と、中段の略矩形の枠の中に描かれた蝶のイラストから構成される非文章領域401と、を有する画面201を含む、表示部5に表示された表示画面101を示す図である。以降の例示も含め、文章領域における「×」の記載は、具体的な文字等が表記されている部分を便宜的に省略表示するものである。また、非文章領域は文字等で構成される文章領域ではない領域を指し、例示的には漫画、イラストあるいは写真等の情報を含む領域である。ただし若干の文字等を含む領域であっても全体的に見て非文章情報が支配的である領域は総じて非文章領域と称することがある。
表示画面101の左上に表示される「13」は当該頁の頁番号251である。また、表示画面101の左上方において矩形で囲った枠線の中に「P13」と記載しているのは、便宜的に表示画面101が文書体の13頁を表示していることを明示するためであり、表示部5に実際に表示されるものではない。この点は以降の図についても同様である。
図1(b)および図1(c)は、頁めくりを実施中の表示画面102および103を示す図であり、表示画面103は、表示画面102よりも頁めくりが進行した状況を示している。また、図1(d)は、めくられた13頁が左端にほとんど退避し、背後に13頁に隣接する14頁の画面202が、ほぼ全域に視認される表示画面104を示す図である。
なお、本開示の表示端末1は、コンテンツのある頁が表示部5に表示されている状態で、次頁に表示が遷移する際、紙媒体の書籍等である文書体の頁めくりを模した表示を行うことができる。 図1(b)、図1(c)および図1(d)では、13頁がめくられる際、表示している13頁を裏返してめくるように次頁のコンテンツ表示領域を画面端から順次拡大しながら別の頁である14頁に対応付けられたコンテンツへと切り替える。次頁は表示している13頁の反転コンテンツであり、13頁の文字等やデザインの反転画面が、あたかも文書体である書籍のめくられた頁の裏面から表面の文字等やデザインが透けて見える状態を疑似的に再現している。
次頁とは、13頁の裏側の頁であり、図1(b)や図1(c)の裏面側画面201bが表示される。本開示では、このように、表示部5に頁をめくるように見える表示を疑似的に行うことも、説明上の便宜のため「頁をめくる」と称することがある。
上述の例では、13頁の裏面側画面201bのコンテンツ表示領域は、コンテンツの端面である右端から左方向に向けて斜めに傾斜した状態で順次拡大するように表示される。すなわち、元の表示されている頁がめくられるとき、次頁のコンテンツ表示領域はコンテンツの角から順次拡大する。この場合の角は、表示画面101の右下の角である。しかし、元の表示されている頁がめくられるとき、次頁のコンテンツ表示領域はコンテンツの端面から平行に順次拡大するように表示されてもよい。
なお、次頁のコンテンツ表示領域は操作受付部32が受け付けた入力値の移動に伴って順次拡大してもよい。すなわち、元の表示されている頁がめくられるとき、次頁のコンテンツ表示領域は、表示部5が兼用する操作部6へのスワイプやドラッグ等の操作の移動量に応じて、順次拡大するようにできる。スワイプやドラッグ等の移動量が多い場合は、それに応じて次頁のコンテンツ表示領域を例えば図1(b)の画面201bの領域から図1(c)の画面201bの領域に向けて拡大することができる。これにより、実際の紙媒体の書籍等の頁をめくっているような臨場感をユーザに与えることができる。
一方、図2(a)は、図1(d)の表示画面104の状態から14頁が図1(b)や図1(c)と同様にめくられ、めくられた14頁が左端にほとんど退避し、背後に14頁に隣接する15頁の画面203がほぼ全域に視認される表示画面105を示す図である。また、図2(b)は表示画面105の状態から15頁がめくられて左端にほとんど退避し、背後に16頁の画面204がほぼ全域に視認される表示画面106を示す図である。さらに、図2(c)は表示画面106の状態から16頁がめくられて左端にほとんど退避し、背後に17頁の画面205がほぼ全域に視認される表示画面107を示す図である。画面203、204および205は、それぞれ非文章領域403、404および405を含んでいる。
まず、表示端末1のコンテンツを読んでいるユーザが図1(a)における表示画面101のおおむね右端付近の点A1に指を触れ、このまま左方向であるX1方向にスライドし、点A2まで達したとする。このような操作はスワイプとも称し、第1操作のひとつの例示である。なお、この第1操作や以後に説明する第2乃至第3操作やその他の各種操作で例示する操作内容はあくまで一例を示すにすぎない。これらはタッチパネル上のいかなる他の操作に置き換えられてもよく、押しボタンや切り換えスイッチ、さらにはジェスチャーによる加速度検知や傾き検知に置き換えられてもよい。
このユーザによる第1操作が操作部で検知され、操作受付部32で受け付けられると、図1(b)や図1(c)に示すように、それまで表示部5に表示されていた13頁のコンテンツが、紙媒体の文書体の頁めくりと同様のイメージで3次元的にめくられる。また、めくられた頁の背後に隣接する14頁のコンテンツの一部が視認できる。すなわち、これらを含む表示画面102および103が表示部5に表示される。この頁めくりが進行中の状態が第2状態である。
さらに13頁がめくり終わると、ほぼ全域に14頁だけが表示部5に表示される第1状態に戻る。図1(d)の表示画面104では、まだ13頁が左端に若干残存した状態であるので、厳密にいえばこのときはまだ第1状態とはいえないが、第2状態から第1状態への遷移をこのように厳密に定める必要はない。すなわち、前の頁めくりが若干残っていたとしても、ほぼ頁めくりの実質的な動作が終了したと考えてもよく、表示画面104のような状態により第2状態から第1状態へ遷移したと定義してもよい。このように、第1状態は、前の頁が完全に退避し終わった状態だけでなく、実質的に頁めくりが終わり、背後の頁の画面が実質的に支障なく視認できる状態となった状態を含めることができる。
表示端末1が第2状態であるときに、すなわち頁めくりが実質的にまだ完了していない状態において、ユーザが第1操作の指のスワイプの終点である点A2で指を一旦画面から離し、さらに画面に短時間だけ接触させるタップ操作をしたとする。このような操作は第2操作のひとつの例示である。第2操作を、操作部6を介して操作受付部32で受け付けた場合は、後述する表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、以下のとおりとなる。すなわち、図1(d)に示す表示画面104から、以後、図2(a)に示す表示画面105、図2(b)に示す表示画面106および図2(c)に示す表示画面107のように表示画面が順次遷移する。
すなわち、13頁のめくりが終わって背後の14頁が表示される状態である第1状態で動作が止まらず、引き続き14頁がめくられる第2状態および背後の15頁が表示される第1状態への遷移が連続的に進行する。さらには15頁がめくられる第2状態および背後の16頁が表示される第1状態への遷移、並びに16頁がめくられる第2状態および背後の17頁が表示される第1状態への遷移、が順次、連続的に進行する。このような表示部5の表示の遷移をどの頁まで進行させるかは、表示端末1にあらかじめ設定された条件、またはユーザが任意に設定した条件である所定条件として定めることができる。
このように所定の頁がめくり終わり、これに隣接する頁が表示部5に表示される状態に至る遷移を、所定の頁およびこれに隣接する頁をさらに後続の頁にそれぞれ置換しながら所定条件に達するまで連続的に繰り返す状態が第3状態である。これはあたかも、紙媒体の書籍等の1頁ごとに形状を少しずつ変化させた漫画のようなイラストが各頁の所定位置に描かれており、当該書籍等の頁を連続的にめくり続けたときに視認される表示を疑似的に再現したものといえる。紙媒体の書籍等の頁を連続的にめくり続けることにより、当該イラストが目の残像効果によって動いているように見えることは、パラパラ漫画、パラパラアニメまたはフリップブック等と称されるものでよく知られている。
本実施形態は、このような紙媒体の書籍等で疑似的に動画のような画像をユーザが視認できることに鑑み、表示端末1の表示部5に表示する静止画情報をベースとするコンテンツについても、これと同様の視覚効果が得られるようにしたものである。すなわち第3状態では、上述のように表示端末1の表示部5に表示される画面201が頁めくりとともに順次、画面202、203、204および205に切り替わり、蝶のイラストを含む非文章領域401も順次、非文章領域402、403、404および405に切り替わる。このため、表示部5には、紙媒体の書籍等と同様に、イラストの蝶が羽を動かしながら飛んでいる動作が複数の静止画の連続的な切り替えにより、疑似的な画像として視認され得る。
表示端末1がこのような構成であることにより、コンテンツの複雑化やそのデータ量の増加および表示端末の表示用のアプリケーションプログラムの複雑化を抑制しつつ、動きのある疑似的な画像を表示することが可能となる。以下に、第1実施形態の表示端末1の構成の詳細を説明する。
(a)表示端末の構成
(i)通信部
通信部2は、表示端末1が無線または有線LANや、インターネット、携帯電話網等の広域通信網と接続して各種サーバからコンテンツをダウンロードしたり、各種サーバが提供するウェブ画面を通じてコンテンツを閲覧するための通信機能を有している。通信部2は無線通信のためのアンテナやA/DおよびD/A変換器等の通信インターフェースを備え、制御部3からデータバスを通じて送信された指示信号に従い送信用データを所定の交流波形の電波に変換して出力する。
また、外部から送信された電波を受信しこれをデジタルデータとしてデータバスを通じて制御部3に送信する。出力された電波は付近に設置されたWi-Fi(登録商標)のアクセスポイントやLTE(Long Term Evolution)の基地局等を中継して広域通信網に伝達される。なお、表示端末1が、電子書籍データをUSBメモリや通信ケーブルを接続してダウンロードできる構成であれば、表示端末1は通信部2を備えていなくてもよい。
(ii)記憶部
記憶部4は、各種データを記憶する機能を有し、固定データを記憶するROMや一時的な記憶のためのRAM、および可変情報であるアプリケーションデータやパラメータを記憶するフラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリ等から構成される。記憶部4のうち、コンテンツに関係するデータとして、例えばコンテンツ41、コンテンツ表示アプリ42および表示属性データ43等が記憶されている。
コンテンツ41は、表示端末1が上述の広域通信網等を経由して各種サーバからダウンロードした電子書籍等のコンテンツデータである。表示端末1は、操作部6の操作により記憶部4からコンテンツ41を読み出して、これを頁単位等で表示部5に表示させることができる。ただし、表示端末1が各種サーバの提供するウェブ画面を通じてコンテンツを閲覧する方式を採用している場合は、コンテンツ41を記憶部4に格納する必要はない。
コンテンツ表示アプリ42は、ダウンロードしたコンテンツ41を、ユーザが表示端末1の表示部5に表示し、読書や各種操作ができるようにするためのアプリケーションプログラムや各種パラメータから構成される。ただし、表示端末1が各種サーバの提供するウェブ画面を通じてコンテンツを閲覧する方式を採用している場合は、コンテンツ表示アプリ42の代わりに閲覧用のウェブブラウザを有してもよい。
表示属性データ43は、広い意味ではコンテンツ表示アプリ42に含まれてもよいが、電子書籍等のコンテンツや文章等の属性情報、すなわち書体情報やコンテンツサイズ情報、コンテンツの間隔情報、行間隔情報、コンテンツ色と背景色、背景デザイン等の各種情報を示す。なお、表示属性データ43には、コンテンツの表示形態を参照するための各種のコンテンツの表示形態仕様テーブルを含めてもよい。
(iii)制御部
制御部3は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって構成され、表示端末1の各部からの情報収集や各種判断、各部への動作指示等を行う。制御部3はまた、表示端末1の各部との信号入出力のためのインターフェースを備え、通信部2、表示部5、操作部6、記憶部4および電源部7との信号や情報の入出力およびその動作を制御する。制御部3はこのように様々な制御機能を有しているが、特にコンテンツの表示に関係するものとして、表示制御部31や操作受付部32を備えている。
表示制御部31は、表示部5へのコンテンツの表示態様およびその表示内容を操作受付部32が受け付けたユーザの操作内容等に応じて判断する。そして、所定の表示態様や表示内容で表示部にコンテンツを表示するように所定の制御情報を生成し、これを表示部5に伝達する。所定の制御情報は、記憶部4等から読み出した具体的な表示態様や表示内容に相当するデータであってもよく、この情報を表示制御部31が表示部5の表示ドライバに対して直接送信してもよい。あるいは、所定の制御情報はあらかじめ具体的な表示態様や表示内容と紐づけられた特定のコード情報から構成されてもよい。この場合は、制御情報を表示制御部31から受け取った表示部5の表示ドライバが、この内容を解読して対応する具体的な表示態様や表示内容を記憶部4等から読み出して表示部5に表示させる。
表示制御部31は初期状態において、例えば図1(a)に示すように、文書体の頁単位のコンテンツとして以下のような表示画面101を表示部5に表示することを指示する制御情報を生成する。すなわち、上段の文字等から構成される文章領域301と、中段の略矩形の枠の中に描かれたイラストから構成される非文章領域401と、を有する画面201を含む表示画面101である。この制御情報は表示部5の表示を第1状態に遷移させるものである。
また、前述したとおり、ユーザが表示画面101の点A1に指で触れ、このままX1方向にスワイプする第1操作を行った場合、表示制御部31は、以下のように第2状態への遷移を指示する制御情報を生成する。すなわち、第2状態は、図1(b)および図1(c)に示すように、それまで表示部5に表示されていた第1頁が、文書体の頁めくりと同様のイメージで3次元的にめくられる。そして、めくられた頁の背後に第1頁に隣接する第2頁の一部が視認できる表示画面102および103が表示される。
ここで第1頁および第2頁は具体的には13頁および14頁である。ただし、第1頁および第2頁は特定の頁を指すものではなく、文書体の中で互いに隣接する2頁を意味するに過ぎない。
また、第1頁がめくり終わり、第2頁だけが表示部5に表示される第2状態の間に、ユーザが点A2でタップ操作等の第2操作を行った場合は、表示制御部31は以下のように第3状態への遷移を指示する制御情報を生成する。すなわち、第3状態は、図1(d)に示すように、第1頁がめくり終わり第2頁が表示される第1状態に遷移する。その後、図2(a)に示すように、第2頁を漸次めくりながら第2頁のめくり方向にさらに後続する第3頁の一部が表示部5に表示される。この状態から、第2頁がめくり終わり第3頁が表示部5に表示される状態に至る遷移を、第2頁および第3頁をさらに後続の頁にそれぞれ置換しながら所定条件を満たすまで連続的に繰り返す第3状態に遷移可能である。
ここで、第3頁は具体的には15頁であり、14頁、15頁および16頁の後続の頁は、それぞれ15頁、16頁および17頁を指す。これらについても特定の頁を指すものでないことは上述のとおりである。
すなわち、13頁のめくりが終わって背後の14頁が表示される状態である第1状態で動作が止まらず、引き続き14頁がめくられる第2状態および背後の14頁が表示される第1状態への遷移が連続的に進行する。さらには15頁がめくられる第2状態および背後の16頁が表示される第1状態への遷移、並びに16頁がめくられる第2状態および背後の17頁が表示される第1状態への遷移、が順次、連続的に進行する。このような表示部5の表示の遷移をどの頁まで進行させるかは、表示端末1にあらかじめ設定された条件、またはユーザが任意の設定した条件である所定条件として定めることができる。
これにより、第3状態では、表示端末1の表示部5に表示される画面201が頁めくりとともに順次、画面202,203、204および205に切り替わり、蝶のイラストを含む非文章領域401も順次、非文章領域402、403、404および405に切り替わる。このため、表示部5には、紙媒体の書籍等の頁を連続的にめくり続けたときと同様の効果として、非文章領域のイラストの蝶が羽を動かしながら飛ぶ動作が疑似的に視認され得る。
なお、上述した例示では、表示端末1の表示部5の表示が、表示している頁を裏返してめくるように、表示している頁の反転コンテンツである次頁のコンテンツ表示領域を画面端から順次拡大しながら別の頁に対応付けられたコンテンツへと切り替えることを説明した。しかし、コンテンツの頁構成はこれに限らず、次頁は表示している頁とは別のコンテンツであり、別の頁に対応付けられたコンテンツはさらに異なるコンテンツであってもよい。この例について、図11および図12に基づいて説明する。
図11(a)は、図1(a)と同様の表示画面101を表示する図であるが、当該コンテンツは、図11(c)に示すような文書体Bの見開き頁の右側頁である13頁を、ウインドウW1で切り取って表示部5に表示したものである。ここで、表示画面101上の点A1において、左方向であるX1方向に沿って点A2までスワイプしたとき、表示している13頁を裏返してめくるように、表示している頁とは別のコンテンツである14頁のコンテンツ表示領域が一部視認できる状態に遷移する。これは図11(d)に示すような文書体Bの見開き頁の右側頁である13頁を左側にめくっている状況をウインドウW2で切り取って模す表示である。
そして、14頁のコンテンツを画面端から順次拡大しながら図12(a)に示すような14頁を前面に表示する表示画面104が表示部5に表示される。さらに、別の頁である15頁に対応付けられたコンテンツへと切り替わり、表示画面105が表示部5に表示される。これは、図12(c)に示すような文書体Bの見開き頁の左側頁である14頁をウインドウW3で切り取って表示し、その後、図12(d)に示すような右側頁である15頁をウインドウW4で切り取って表示する状況を模している。
一方、操作受付部32は、ユーザが操作部6に対して行った操作を受け付け、その受け付けた操作内容を表示制御部31に伝達する。操作受付部32は、受け付けたユーザの操作を表示制御部31に対する特定のコマンド情報に変換して表示制御部31に伝達してもよい。または、単に操作部6に対して行われた操作信号をそのまま表示制御部31に伝達してもよい。さらには、あらかじめ操作部6に対して行われた操作内容と表示制御部31に対するコマンド情報との関連付けがされたデータテーブルを記憶部4等に記憶しておき、操作受付部32または表示制御部31が、当該データテーブルを参照して表示制御部31に対するコマンド情報を特定してもよい。
なお、コマンド情報は、表示制御部31が表示部5に対する制御情報を生成する上での条件付けとなる命令または指示を示す情報である。例えば、コマンド情報が表示部5を第3状態に遷移させる命令である場合は、表示制御部31は第3状態への遷移のための表示部5に対する制御情報を生成する。
(iv)表示部および操作部
表示部5は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ、電子ペーパー等により構成され、表示素子への電圧駆動を制御する表示ドライバを備える。表示部5はコンテンツの情報である文章情報や非文章情報等を制御部3からの指示に基づき、ユーザに視認できるように画面上に表示させる機能を有している。また、表示部5は、各種操作を受け付けるためのメニュー画面を表示させることができ、表示部5を構成するタッチパネルを操作部6として、これをユーザの指で触ることにより様々な操作入力が行える。
操作部6であるタッチパネルは静電容量方式、電磁誘導方式、赤外線方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式等の公知の技術により形成できる。よって、タッチパネルを通じて操作を行う場合、表示部5がその一部として操作部6の機能を兼ね備える。ただし、表示端末1は表示部5のタッチパネルではなく、あるいはタッチパネルの機能に加えて別個にプッシュボタンや切り替えスイッチ等の操作部6を備えてもよい。また、手で操作するものに限らず、ジェスチャー等による加速度検知や傾き検知を操作入力とする操作部6を備えてもよい。
(v)電源部
表示端末1は、さらに各部を駆動するための電力を供給するために電源部7を有する。電源部7は、例えばリチウムイオン二次電池や二次固体電池等、繰り返し充電できるものであることが好ましい。
(b)コンテンツの表示形態の変更方法
次に、本実施形態に係る表示端末1を使用した場合のコンテンツの表示形態の変更方法について、主として図1、図2および図4に基づいて説明する。まず、ユーザは表示端末1の電源を入れたり所定の設定をすることで、表示端末1を電子書籍等のコンテンツを読める状態にする。このとき、表示端末1は、各種の制御情報を生成する表示制御部31の指示により、例えば記憶部4から電子書籍データ等であるコンテンツ41を読み出して、文書体の頁単位の文字等により構成される表示画面を表示部5に表示させる。これにより、ユーザが当該コンテンツを第1頁として視認できる第1状態に遷移する(ステップS401)。
第1状態において、所定頁のコンテンツを読み終えたユーザは、図1(a)に示すように、表示画面101の点A1でのスワイプ操作を通じて、表示端末1の表示部5が兼用するタッチパネルの操作部6に対して頁めくりの指示である第1操作を実施する(ステップS402)。これを操作受付部32が受け付けることにより、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第1頁を漸次めくりながら第1頁に隣接する第2頁の一部が表示部5に表示される第2状態に遷移する(ステップS403)。
ユーザが、操作部6に対して第1操作をしない場合は、表示部5は第1状態のまま第1頁を表示し続ける(ステップS402およびステップS401)。なお、ユーザが第1操作を実施して第2状態へ遷移した後、第2操作をせずに頁めくりが完了した場合は、第2頁が表示部5に表示される第1状態に戻る(ステップS404およびステップS401)。
ここで、第1状態においてユーザが第1操作を実施した場合、第1頁の頁めくりは図1(b)、図1(c)および図1(d)に示すような表示画面102、103および104を経て行われる。すなわち第1頁である13頁が、第1操作のX1方向へのスワイプに合わせて右端から左端に向けて3次元的に漸次めくられていく画面201と、めくられた頁の背後に第2頁である14頁の一部である画面202が同時に視認できる表示画面102、103または104が表示される。
このとき、3次元的にめくられる13頁は左側が表面側画面201aとして表示され、右側が折れ曲がった文書体の紙面の裏面を見せる裏面側画面201bとして表示される。裏面側画面201bには、反転した状態である13頁のコンテンツの文字等が紙面を透けているように視認できる。このような表示とすることで、実際の紙媒体の文書体の頁をめくっているような臨場感をユーザに与えることができる。
一方、ユーザが第1操作を実施して第2状態へ遷移した後、第1状態に戻る前、すなわち頁めくりが完了する前に第2操作をした場合は、以下のようになる。すなわち、第2操作を操作受付部32が受け付けることにより、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、表示端末1が第3状態に遷移する(ステップS406およびステップS407)。すなわち、図2(a)に示すように、第2頁である14頁がめくられる第2状態への遷移を経て第3頁である15頁が表示される第1状態に遷移する。さらに、図2(b)および図2(c)に示すように、15頁がめくられる第2状態への遷移を経て16頁が表示される第1状態、および16頁がめくられる第2状態への遷移を経て17頁が表示される第1状態、に順次遷移する(ステップS408)。
なお、第3状態における頁めくりおよびその後に表示される頁の表示の遷移の方向は、その前の第2状態の起点となる第1操作の頁のめくり方向によって定められる。すなわち、本実施形態のように13頁をめくって後続の頁として14頁を表示するようにして第2状態に至った場合は、第3状態における連続的な頁めくりの方向は文書体の頁の後方に向かう。その逆に、例えば13頁をめくって後続の頁として12頁を表示するようにして第2状態に至った場合は、第3状態における連続的な頁めくりの方向は文書体の頁の前方に向かう。
こうすることにより、第3状態にする前の第2状態の起点となる第1操作の頁めくり方向を選択することで、第3状態におけるコンテンツの連続的なめくり方向を正逆に変更でき、表示部5に連続的に表示される非文章領域のイラストの動作を多面的に視認することができる。ただし、第3状態における頁めくりおよびその後に表示される頁の表示の遷移の方向は、その前の第2状態の起点となる第1操作の頁のめくりの方向に関わらず、常に文書体の頁の後方または前方に向かうように固定的に定められてもよい。
さらに、第3状態において、第2頁、第3頁およびその後の後続する頁がめくられる速度、並びにめくり終わった後の第3頁およびその後の後続する頁が表示される時間の少なくともいずれかは、以下のように定めてもよい。すなわち、これらの速度や時間の少なくともいずれかは、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、操作受付部32が第2操作を受け付ける前の第1操作を受け付けたときの第1操作の速度条件に対応付けて定められてもよい。
例えば、図1(b)のように第1状態にて第1操作による13頁をめくるためのスワイプをするとき、スワイプ速度、すなわちユーザが指を点A1から点A2まで移動させる速度を第1速度とする。この場合は、その後の第2操作による第3状態への遷移時の頁めくり後の第1状態での14乃至17頁等の表示部5への表示時間は第1表示時間となる。一方、第1操作による13頁のスワイプ速度を第1速度よりも速い第2速度とする。この場合は、その後の第2操作による第3状態への遷移時の頁めくり後の第1状態での14乃至17頁等の表示部5への表示時間は、第1表示時間よりも短い第2表示時間となる。
あるいは、第1操作による13頁のスワイプ速度が上記の第1速度であるとき、その後の第2操作による第3状態への遷移時の第2状態での13乃至16頁等の頁めくりに係る時間を第1めくり時間とする。一方、第1操作による13頁のスワイプ速度が上記の第2速度であるとき、その後の第2操作による第3状態への遷移時の第2状態での13乃至16頁等の頁めくりに係る時間は第1めくり時間よりも短い第2めくり時間となる。なお、スワイプ速度が第1速度または第2速度であるときに、上記表示時間と上記めくり時間とが、ともに第1表示時間および第1めくり時間であり、またはともに第2表示時間および第2めくり時間であってもよい。
このように、第1操作の速度条件に応じて、その後の第3状態における頁めくり時間や頁表示時間を変化させることにより、疑似的な動画状画像の変化の速度をユーザの操作内容によって適宜調整できる。よって、ユーザの希望する画面変化の速度条件で当該疑似的な動画状画像を視認することができる。
一方、第3状態への遷移後(ステップS406~ステップS408)、頁めくり後の後続頁が最終頁に達する等、所定条件を満たした場合(ステップS409)は、所定の終了処理がされない限り、頁めくりのない特定頁が表示された第1状態に戻る(ステップS401)。第3状態における表示部5の表示の遷移をどの頁まで進行させるかは、表示端末1にあらかじめ設定された条件、またはユーザが任意の設定した条件である所定条件として定めることができる。例えば、連続的な頁めくりの方向が文書体の頁の後方に向かう場合は、最終頁に達する場合としてもよく、文書体の頁の前方に向かう場合は、先頭頁に達する場合としてもよい。また、設定した一定の頁数分だけめくられるものとしてもよい。
なお、第1状態に戻る際の特定頁は、第3状態となったときのめくり後に表示されていた頁でもよく、その前の第2状態でめくられる頁であってもよく、第3状態で連続的なめくりが終わったときの後続の頁であってもよい。このように第3状態から所定条件を満たして第1状態に復帰した際の表示頁は、あらかじめユーザが表示端末1の操作部6等を通じて設定できてもよい。
これに対して、第3状態への遷移後(ステップS406~ステップS408)、所定条件を満たす前に、ユーザが表示部5の画面上の特定位置をタップする等の第3操作をした場合には(ステップS411)、これを操作受付部32が受け付ける。これにより、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第3状態のまま、最初の第3状態への遷移時の最初の頁めくりの対象頁に戻って、繰り返し、連続的な頁めくりおよび後続頁の表示がされる(ステップS407)。すなわち、図1(b)、図1(c)および図1(d)に示すように、13頁がめくられる第2状態への遷移を経て14頁が表示される第1状態に遷移する。
そして、めくる頁とその後に表示される頁との表示の遷移をさらに後続の頁にそれぞれ置換しながら所定条件に達するまで連続的に繰り返す。一方、第3状態への遷移後(ステップS406~ステップS408)、所定条件を満たす前であって、かつ、ユーザが第3操作をしなければ、そのまま頁めくりと後続頁の表示が繰り返される(ステップS408)。
その結果、ユーザは、第3状態で画面が連続的に変わる状態の表示端末1に第3操作を行うことで、第3状態で画面が連続的に変わる一連の頁めくりおよび頁表示の動作を表示部5が繰り返し行うことができる。よってユーザは、例えば非文章領域のイラストの蝶が羽を動かしながら飛んでいる動作を繰り返して確認することができ、コンテンツを読むことについての満足感や理解度をさらに向上させることができる。
また、頁めくりおよび後続頁表示後に当該後続頁が所定条件を満たした場合であって、第1状態への遷移前に電源を切る等の終了処理をした場合は、表示部の表示が消去され、表示端末1の終了処理が行われる。また、終了処理はこの場合に限らず、どのような表示状態のときでも割り込み処理として実施することができる。
(c)第1実施形態の表示端末について
以上、説明したように、第1実施形態のコンテンツを表示する表示端末1は、頁毎に対応付けた複数のコンテンツを表示する表示部5と、表示部5の表示を変化させる操作を受け付ける操作受付部32とを備える。また表示端末1は、操作受付部32が受け付けた操作に対応する、表示部5の表示に関する制御情報を生成する表示制御部31を備える。そして表示端末1は、操作受付部32が受け付けた操作に応じて、表示している頁を裏返してめくるように次頁のコンテンツ表示領域を画面端から順次拡大しながら別の頁に対応付けられたコンテンツへと切り替えることができる。
上記をさらに具体的に言い換えると、表示部5にコンテンツの仮想的な文書体の頁単位の情報である第1頁が表示される第1状態のときに操作受付部32が第1操作を受け付けた場合は、表示部5は以下のような第1状態に遷移可能である。すなわち、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第1頁を漸次めくりながら第1頁に隣接する第2頁の一部が表示部5に表示される第2状態を経て、第1頁がめくり終わり第2頁が表示部5に表示される。
また、第2状態のときに操作受付部32が第2操作を受け付けた場合は、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、表示部5は第1頁がめくり終わり第2頁が表示される第1状態に遷移する。その後、第2頁を漸次めくりながら第2頁のめくり方向にさらに後続する第3頁の一部が前記表示部に表示される状態から、第2頁がめくり終わり第3頁が表示部5に表示される状態に表示部5が遷移する。さらにこの遷移を、第2頁および第3頁をさらに後続の頁にそれぞれ置換しながら所定条件を満たすまで連続的に繰り返す第3状態に遷移可能である。
したがって、本実施形態の表示端末1により、仮想的な文書体の頁を模した頁めくりおよび後続の頁の表示を連続的に行う。これにより、紙媒体の書籍等の頁を連続的にめくるときと同様の、疑似的に動画のような画像をユーザが視認できる効果が得られる。しかも、表示端末1が扱うコンテンツ自体は動画情報を含まず静止画情報をベースとできるため、コンテンツの複雑化やそのデータ量の増加および表示端末の表示用のアプリケーションプログラムの複雑化を抑制しつつ、動きのある疑似的な画像を表示することが可能となる。
また、表示端末1が表示部5に直接、動画を表示する場合と比べて、ユーザに対する素朴感等の独特の視覚効果を与えることができる。さらに、本実施形態のコンテンツは頁単位で静止画となる非文書領域に対して、少しずつ形態の変化を与えたイラストや写真画面を用意すれば足りる。すなわち、手書きのイラストや写真をもとに、ユーザ自身でも容易にコンテンツを作成可能であるため、高度な動画作成やアニメーション作成技術を用いなくても、変化する静止画の連続表示により低コストで簡易に疑似的な動画を視認可能なコンテンツが作成可能である。このような表示端末1を用いることで、例えば、静止画を見たり読むだけでは興味や理解が得られにくい特に幼児や年少者向けの動画教材としての利用が容易に図れる。
2.第2実施形態
次に、本開示の表示端末の第2実施形態について説明する。第2実施形態に係る表示端末1aは、図5に示すように、制御部3aが非文章領域検出部33をさらに備えていることが第1実施形態とは異なる。本実施形態では、第1実施形態と同様の、所定頁の全体が表示部5に表示される第1状態と、頁めくり状態が一緒に表示される第2状態に加えて、以下のような表示ができる。
すなわち、第3状態において第2頁のめくり方向に隣接する頁に非文章領域が非文章領域検出部33によって検出されない場合は、当該隣接する頁にさらに隣接する頁の非文章領域の検出を順次繰り返す。そして非文章領域検出部33により、最初に非文章領域が検出された頁が特定される。その後、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、上記の特定された頁が後続する頁として表示部5に表示される。
例えば、あるコンテンツの13乃至21頁までの間には、非文章領域の画面を含む頁として、13、14、16、18および21頁が含まれるとする。このとき、表示端末1は、このコンテンツの13頁を表示部5に表示しており、ユーザはこの状態で頁めくりの第1操作と第3状態への遷移の起点となる第2操作を行ったとする。この場合、13頁をめくった後に14頁が表示され、さらに14頁がめくられる。
しかし、14頁に隣接する15頁は、非文章領域検出部33によって非文章領域が検出されない。また、15頁に隣接する16頁は、非文章領域検出部33によって非文章領域が検出される。よって、表示部5は、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、14頁がめくられた後の背後の頁を15頁ではなく、16頁として表示部5に表示する。同様に、16頁がめくられた後の背後の頁を、17頁ではなくて非文章領域検出部33によって非文章領域が検出された18頁として表示する。さらに、18頁がめくられた後の背後の頁を、19頁や20頁ではなく21頁として表示する。
(a)非文章領域検出部の構成
非文章領域検出部33は、コンテンツの仮想的な文書体の各頁について、非文章領域を検出する機能を備える部位である。非文章領域検出部33が所定の頁に非文章領域を検出する方法としては、種々の方法をとり得る。例えば、コンテンツがあらかじめ、各頁についての非文章領域の含有、非含有に関するフラグ情報をその属性情報として備えていてもよい。非文章領域検出部33は、このフラグをチェックすることにより、コンテンツにおける頁ごとの非文章領域の検出を容易にできる。あるいは、図1(a)の表示画面101において、画像処理により、矩形状の枠線の輪郭形状を有する領域をエッジ検出等の手法で特定し、これを非文章領域の区画線であると推定してもよい。
さらには、表示画面101における文字等の配置情報をコンテンツの属性データ等から特定し、当該文字等の配置される領域を文章領域であると推定して、それ以外の領域を非文章領域であると推定してもよい。また、表示画面101の画面情報についてOCR処理を行って文字等部分を特定し、当該文字等の配置される領域を文章領域であると推定して、 それ以外の領域を非文章領域であると推定してもよい。なお、文章領域内の単なる余白部分を非文章領域であると誤検出しないように、文章領域ではない領域が一定以上の面積あるいは矩形状等の所定形状を有している場合に限り、当該領域が非文章領域であると判断してもよい。
また、非文章領域検出部33が非文章領域を検出した頁を無条件に第3状態における表示部5への表示対象頁としなくてもよい。このとき、他方が一方の後続頁として抽出されているときに、両頁の非文章領域の画面の類似性を判定し、当該画面に一定以上の類似性がある場合に限って表示対象頁とすることもできる。これは、例えば両頁の非文章領域の画面同士の輝度情報を画素ごとに比較して全体としての一致度を算出する公知のパターンマッチングの手法により行うことができる。このように、互いに関連性のある画面、すなわち類似性のある画面である非文章領域を含む頁のみを非文章領域検出部33が抽出することにより、以下の利点が得られる。すなわち、仮想的な文書体の頁を模して頁めくりおよび後続の頁の表示を連続的に行う際に、無関係な頁が混在して動きのある連続画像がうまく形成できなくなることが抑制される。
(b)コンテンツの表示形態の変更方法
次に、本実施形態に係る表示端末1aを使用した場合の、コンテンツの表示形態の変更方法の要点について主として図5および図6に基づいて説明する。図6は、図4のフロー図のステップS406以降について抜き出したものであり、第1実施形態との相違点を明示するものである。非文章領域の画面を含む頁が、13、14、16、18および21頁である前述の例に従うと、第3状態に遷移後、13頁の背後の14頁が表示部5に表示される(ステップS420)。ここでは最終頁が21頁であり、所定条件が最終頁に達することであるとする。
非文章領域検出部33は、14頁に後続する表示部5への表示対象頁候補として、隣接する15頁を抽出し、これに対する非文章領域の有無を確認する(ステップS421)。この場合は15頁に非文章領域が検出されないため、所定条件を満たすかどうかが判定される(ステップS427)。15頁は最終頁ではないため、所定条件を満たさず、第3操作もされていない(ステップS427およびステップS428)ので、さらに後続頁である16頁以降が探索される(ステップS429)。非文章領域検出部33は、16頁において非文章領域を検出するため(ステップS421)。この場合は14頁が第2状態としてめくられてその後に16頁が第1状態として表示される(ステップS422)。
16頁は最終頁ではないので所定条件を満たさず、第3操作もされていないので(ステップS423およびステップS425)、さらに後続頁である17頁以降が探索される(ステップS426)。非文章領域検出部33は、17頁において非文章領域を検出せず、さらに後続の頁である18頁において非文章領域を検出するため(ステップS421)、この場合、16頁が第2状態としてめくられてその後に18頁が第1状態として表示される(ステップS422)。さらに、非文章領域検出部33は、同様の手順により、19頁および20頁において非文章領域を検出せず、さらに後続の頁である21頁において非文章領域を検出する(ステップS421)。この場合、18頁が第2状態としてめくられてその後に21頁が第1状態として表示される(ステップS422)。
ここで、21頁は最終頁であり、所定条件を満たすので(ステップS423)、ユーザが終了処理をしない場合は、第1状態に遷移し(ステップS429)、終了処理をした場合は、表示部5の一連の処理が終了する。ちなみに、第3状態において表示された頁が所定条件を満たさず、さらに後続頁を探索する前にユーザが第3操作をした場合は(ステップS425またはステップS428)、処理Aに引き継がれる。すなわち、この操作を操作受付部32が受け付け、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、第3状態のまま、最初の第3状態への遷移時の最初の頁めくりの対象頁に戻る。そして、繰り返し頁めくりと後続頁の表示がされる(ステップS420およびそれ以降の一連のステップ)。
(c)変形例
次に、本実施形態の変形例について説明する。第2実施形態の表示端末1aは、制御部3aが非文章領域検出部33を備え、頁めくりおよび頁表示の対象となるコンテンツの頁ごとの非文章領域の検出を行う。ここで、非文章領域検出部33は、頁めくりした当該頁に隣接する頁について非文章領域を探索し、非文章領域が検出できない場合はさらに隣接する頁について非文章領域を探索する。そして、最初に非文章領域が検出できた頁を、めくった後の後続頁として表示部5に表示する、という作業を逐次行う。このとき、ユーザが頁めくりおよび後続の頁の連続的な表示を高速で行いたいと希望しても、頁ごとの非文章領域の検出動作に時間を要し、このような高速の動作が困難である場合がある。
これに対し、本変形例では、あらかじめ連続的な頁めくりおよび後続頁の表示の対象となる頁に関する非文章領域検出部33による非文章領域の検出をすべて完了させ、その後、必要な頁めくりおよび後続の頁の連続的な表示を行う。これにより、最初の非文章領域検出部33による非文章領域の検出にはある程度の時間が掛かるもの、連続的な頁めくり時間や後続頁の表示時間については、任意に早めることが可能であり、より速い動きを伴うダイナミックな疑似的動画をユーザに視認させることが可能となる。
本変形例におけるコンテンツの表示形態の変更方法の要点について主として図7に基づいて説明する。図7は、図6に対応する図4のフロー図のステップS406以降について抜き出したものである。前述のとおり、非文章領域の画面含む頁が、13、14、16、18および21頁である前述の例に従う。このとき、最終頁が21頁であり、所定条件が最終頁に達することであるとする。表示端末1aは第3状態に遷移後、13頁の背後の14頁が表示部5に表示される(ステップS440)。
非文章領域検出部33は、14頁に後続する表示部5への表示対象頁候補として、隣接する15頁を抽出し、これに対する非文章領域の有無を確認する(ステップS441)。この場合は15頁に非文章領域が検出されないため、所定条件を満たすかどうかが判定される(ステップS448)。15頁は最終頁ではないため、所定条件を満たさず、第3操作もされていない(ステップS448およびステップS449)ので、さらに後続頁である16頁以降が探索される(ステップS450)。非文章領域検出部33は、16頁において非文章領域を検出するため(ステップS441)、16頁を頁めくりおよび表示対象頁として特定する(ステップS442)。
ここで、16頁は最終頁ではないので所定条件を満たさず、第3操作もされていないので(ステップS443およびステップS446)、さらに後続頁である17頁以降が探索される(ステップS447)。非文章領域検出部33は、17頁において非文章領域を検出せず、さらに後続の頁である18頁において非文章領域を検出するため(ステップS441)、18頁を16頁の後続頁として、頁めくりおよび表示対象頁に特定する(ステップS442)。以後、同様の手順で21頁を18頁の後続頁として、頁めくりおよび表示対象頁に特定する(ステップS442)。ここで、21頁は最終頁であり、所定条件を満たすので(ステップS443)、特定された14、16,18および21頁について、まず14頁を表示部5に表示し、続けて順次頁めくりおよび後続頁の表示を21頁まで連続的に行う(ステップS444)。
その後、ユーザが終了処理をしない場合は、第1状態に遷移し(ステップS451)、終了処理をした場合は、表示部5の一連の処理が終了する。ちなみに、第3状態において表示された頁が所定条件を満たさず、さらに後続頁を探索する前にユーザが第3操作をした場合は(ステップS446またはステップS449)処理Bに引き継がれる。これは前述の処理Aと同様である。
3.第3実施形態
次に、本開示の表示端末の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る表示端末は第2実施形態の表示端末1aと同様に、制御部3aが非文章領域検出部33を備えている。第2実施形態では、非文章領域検出部33が頁めくりおよび頁表示の対象となるコンテンツの頁ごとの非文章領域の検出を行う。これより、第3状態において非文章領域を含まない頁をスキップして非文章領域を含む頁のみを頁めくりおよび頁表示の対象とすることで、疑似的な動画をより効果的にユーザに視認させることが可能となる。
本実施形態では、非文章領域検出部33がコンテンツの各々の頁の非文章領域を検出することに加えて、当該コンテンツの各々の頁の非文章領域の位置を検出することが可能な点が第2実施形態とは異なる。すなわち、表示端末は、非文章領域検出部33の検出により、第3状態において第2頁のめくり方向にさらに後続する頁が非文章領域を有し、かつ非文章領域の位置である第1位置を特定する。そして、この第1位置が、その直前に表示部5に表示された頁の非文章領域の位置である第2位置と異なる場合は、表示制御部31が生成した制御情報に基づいて、以下のように表示がされる。すなわち、第1位置が第2位置に近づくように後続する頁の画面レイアウトが補正されて後続する頁が表示部5に表示される。
このように、連続的に頁めくりと頁表示が行われる第2頁と後続頁とが、互いに含む非文章領域の位置が近づくように後続頁の画面レイアウトを補正して表示することにより、連続的な頁めくりによる疑似的な動画をより効果的にユーザに視認させることが可能となる。すなわち、連続的な頁めくりにおいて、表示対象として隣接する2頁の表示画面の非文章領域の位置が極端にずれていると、これを疑似的な動画としてユーザが視認する際に不自然な印象を与え、動画のようなスムーズなイラスト等の動きを認識できなくなるおそれがある。しかし、本実施形態のように、両頁の文章領域の位置が互いに近づくように後続頁側の文章領域の位置をその前の頁の文章領域の位置に補正すれば、ユーザが視認する際の違和感を低減し、効果的な疑似的動画を視認できる。
上記について図8に基づいて説明する。表示制御部31は初期状態において、例えば図8(a)に示すように、文書体の頁単位のコンテンツとして以下のような表示画面108を表示部5に表示することを指示する制御情報を生成する。すなわち、上段の文字等から構成される文章領域306と、下段のやや右寄りの略矩形の枠の中に描かれたイラストから構成される非文章領域406と、を有する画面206を構成する表示画面108である。この制御情報は表示部5の表示を第1状態に遷移させるものである。
ユーザは初期の表示画面において所定のスワイプによる第1操作を行った場合、表示制御部31は、第1頁である13頁をめくり、隣接する第2頁である14頁を背後に表示するよう制御情報を生成する。この時の第2頁である14頁が表示されているのが、図8(a)の表示画面108である。この前の第1頁がめくり終わる前にユーザが所定のタップ操作等の第2操作を行った場合は、表示部5が第3状態に遷移する。すなわち、後続の頁が非文章領域を含むか否かを非文章領域検出部33が確認し、最初に非文章領域が検出された頁を、めくられた頁の表示対象となる後続頁として特定する。
この例示では第3頁となる後続の15頁が、図8(b)に示すような表示画面109を有する。表示画面109は、上段の文字等から構成される文章領域307と、その下方の中段付近の中央寄りにおいて、略矩形の枠の中に描かれたイラストから構成される非文章領域407と、を有する画面207から構成される。したがって、14頁がめくられた後の表示される頁は15頁となるが、14頁および15頁では非文章領域406および407の位置が互いにずれている。ここで、非文章領域の位置については、任意の位置を定めることができる。
例えば、非文章領域の輪郭である外枠がエッジ検出等の画像処理によって検出できる場合は、この外枠の重心すなわち図心を当該非文章領域の位置としてもよい。あるいは、非文章領域にある特定の対象物に着目する場合は、非文章領域における当該対象物の輝度分布を質量分布に例えて輝度分布から求まる中心点を当該非文章領域の位置としてもよい。さらには、非文章領域にある特定の対象物を囲む最小矩形を算出し、この最小矩形の図心を当該非文章領域の位置としてもよい。
本例示では、非文章領域の輪郭である外枠の図心を当該非文章領域の位置とする。このとき、14頁のめくり後に表示予定の15頁の非文章領域407の位置qは、図8(b)および図8(c)の比較によりわかるとおり、14頁の非文章領域406の位置pよりも上方向かつ左方向にずれている。また、非文章領域407の外枠のサイズは非文章領域406の外枠のサイズよりも大きい。
上記を踏まえて、本実施形態の表示端末1は、14頁のめくり後に表示される15頁の画面レイアウトを以下のように補正して表示部5に表示する。すなわち、表示予定の15頁の表示画面110は、図8(d)に示すように、非文章領域407の位置qが14頁の非文章領域406の位置pと重なるように、下方向かつ右方向に非文章領域407の位置をずらしたものとしている。さらには、表示画面110は、非文章領域407の外枠のサイズの縦方向の長さが非文章領域406の外枠のサイズの縦方向の長さと略一致するように、非文章領域407の全体のサイズを縮小したものとしている。
しかし、表示端末1は、14頁のめくり後に表示される15頁の画面レイアウトについて、非文章領域407の位置qが非文章領域406の位置pに近づくように補正するだけで、非文章領域407のサイズ自体の拡大や縮小を行わないものとしてもよい。非文章領域内の対象物の大きさの変化を許容することで、当該対象物の動きがより効果的に表現される場合があるからである。
また、14頁のめくり後に表示予定の15頁の非文章領域407の位置qは、14頁の非文章領域406の位置pと同一位置に補正する必要はなく、位置qが多少とも位置pに近づく方向に補正されていれば足りる。これにより、ユーザが視認する際の非文章領域の位置ずれによる違和感を低減し、効果的な疑似的動画を視認できるからである。さらに、非文章領域407のサイズを非文章領域406のサイズに補正する場合も同様である。すなわち、非文章領域407のサイズのいずれかの辺の長さが非文章領域406の対応する辺の長さと同一になるように拡大または縮小の補正をする必要はなく、非文章領域407のサイズが多少とも非文章領域406のサイズに近づく方向に補正されていれば足りる。
4.第4実施形態
次に、本開示の表示端末を用いたコンテンツ表示システムに係る第4実施形態について説明する。図9および図10に示すように、第4実施形態に係るコンテンツ表示システム10は、複数台の表示端末1bが通信ネットワーク20を介して管理サーバ11と通信可能に接続されて構成される。本実施形態は、例えば第1実施形態と比べた場合、表示端末1bが表示制御部31や操作受付部32を備えていない点で異なっている。一方、これらの機能は、管理サーバ11の制御部3bに表示制御部31aおよび操作受付部32aが設けられることにより代替される。なお、図9で表示端末を3台接続しているのは単なる例示であり、通信ネットワーク20に接続できる表示端末の台数は任意である。
(a)管理サーバの構成
管理サーバ11は、例えば図10に示すように制御部3b、記憶部4aおよび通信部12を備える情報処理装置である。管理サーバ11は、制御部3bや記憶部4aの機能の実現のため、最低限、CPUやMPU等の制御ユニットと、各種メモリ素子等を備えているが、例えばパーソナルコンピュータやスマートフォンを用いて構成することもできる。通信部12は管理サーバ11をネットワーク接続するための手段に過ぎず、必須の構成要素ではない。
制御部3bは表示制御部31aおよび操作受付部32aを備えており、第1実施形態等の表示制御部31や操作受付部32と同様の機能を果たす。また、表示制御部31aおよび操作受付部32aが、適切なコンテンツの表示を指示できるためのアプリケーションプログラムやデータベース、パラメータとして、記憶部4aにコンテンツ41a、コンテンツ表示アプリ42aおよび表示属性データ43aが格納されている。これも第1実施形態等の記憶部4に設けられる内容と同様のものである。
管理サーバ11は、これ以外にも、表示端末1bにコンテンツを送信したり、ウェブブラウザを介して表示端末1bからコンテンツを閲覧させる機能を有してもよい。また、このような機能を管理サーバ11とは別個のアプリケーションサーバに設けてもよい。
(b)表示端末の構成
一方、表示端末1bは主として制御部3c、通信部2、表示部5、操作部6および電源部7を備える。表示端末1bは、上述のとおり、制御部3cに表示制御部や操作受付部を備えていないが、記憶部や操作受付部を備えていてもよい。
(c)コンテンツの表示形態の変更方法
本実施形態に係る表示端末1b等を含むコンテンツ表示システム10を利用した場合のコンテンツの表示形態の変更方法について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。まず、ユーザは表示端末1bをコンテンツが読める状態にする。このとき、表示端末1bは、操作部6からの入力信号を、通信部2を介して管理サーバ11に送信する。管理サーバ11は、通信部12を介して表示端末1bからの信号を受信し、操作受付部32aにて当該信号を解読し、操作内容を表示制御部31aに伝達する。
ここで、表示制御部31aの指示により、例えば記憶部4aから電子書籍データ等であるコンテンツ41aを読み出して、コンテンツ41aとその表示態様に関する制御情報とを表示端末1bに向けて送信する。これらの情報を受信した表示端末1bは、表示制御部31aが生成した制御情報に基づいて、文書体の頁単位の文字等による、例えば図1(a)の表示画面101を表示部5に表示させる。これによりユーザが当該コンテンツを第1頁として視認できる第1状態に遷移する(図4のステップS401)。
次に、第1状態においてユーザは、頁めくりの指示である第1操作を実施する(ステップS402)。この操作信号を表示端末1bが管理サーバ11に送信し、管理サーバ11の操作受付部32aがこの信号を受け付けることにより、表示制御部31aが生成した制御情報を管理サーバ11から表示端末1bに向けて送信する。表示端末1bは、当該制御情報を受信し、これに基づいて、第1頁を漸次めくりながら第1頁に隣接する第2頁の一部が表示部5に表示される、例えば図1(b)および図1(c)の表示画面102および103のような第2状態に遷移する(ステップS403)。
ここで、頁めくりが完了する前にユーザが第2操作をした場合は、この操作信号を表示端末1bから受信した管理サーバ11の操作受付部32aが受け付ける。これにより、表示制御部31aが生成した制御情報を管理サーバ11から表示端末1bに向けて送信する。表示端末1bは、当該制御情報を受信し、これに基づいて表示部5が第3状態に遷移し、以下の表示態様に変化する(ステップS406~ステップS408)。
すなわち、13頁である第1頁がめくり終わり、第2頁である14頁が表示される第1状態に遷移する。さらに続けて、図2(a)に示すように、第2頁を漸次めくりながら第2頁のめくり方向にさらに後続する15頁である第3頁の一部が表示部5に表示される。また、この状態から、第2頁がめくり終わり第3頁が表示部5に表示される状態に至る遷移を、第2頁および第3頁をさらに後続の頁にそれぞれ置換しながら所定条件を満たすまで連続的に繰り返す。すなわち、図2(b)や図2(c)に示すように、15頁がめくり終わり16頁が表示部5に表示される遷移および16頁がめくり終わり17頁が表示される遷移を以後、繰り返す第3状態に遷移する。
なお、図4のステップS409以降の処理については管理サーバ11により、表示端末1bから受信した操作信号を操作受付部32aが受け付け、表示制御部31aが生成した制御情報を管理サーバ11から表示端末1bに向けて送信すること以外は第1実施形態と共通する。
(d)第4実施形態のコンテンツ表示システムについて
以上のように、本実施形態のコンテンツ表示システムは、表示部5を備える表示端末1bと、表示端末1bとの通信が可能な管理サーバ11とを備える。管理サーバ11は、表示部5の表示を変化させる操作を受け付ける操作受付部32aと、操作受付部32aが受け付けた操作に対応する、表示部5の表示に関する制御情報を生成する表示制御部31aと、を備える。
表示部5にコンテンツの仮想的な文書体の頁単位の情報である第1頁が表示される第1状態のときに、管理サーバ11が表示端末1bから受信した情報により、操作受付部32aが第1操作を受け付ける。この場合は、以下の状態に遷移可能である。すなわち、表示端末1bが管理サーバ11から受信した、表示制御部31aが生成した制御情報に基づいて、第1頁を漸次めくりながら第1頁に隣接する第2頁の一部が表示部5に表示される第2状態に遷移可能である。
その後、第1頁がめくり終わり第2頁が表示部5に表示される第1状態に遷移可能である。また、第2状態のときに、管理サーバ11が表示端末1bから受信した情報により、操作受付部32aが第2操作を受け付けた場合は、以下の第3状態に遷移可能である。すなわち第3状態は、表示端末1bが管理サーバ11から受信した、表示制御部31aが生成した制御情報に基づいて、第1頁がめくり終わり第2頁が表示される第1状態に遷移する。その後、第2頁を漸次めくりながら第2頁のめくり方向にさらに後続する第3頁の一部が表示部5に表示される。この状態から、第2頁がめくり終わり第3頁が表示部5に表示される状態に至る遷移を、第2頁および第3頁をさらに後続の頁にそれぞれ置換しながら所定条件を満たすまで連続的に繰り返す。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、表示端末1bにより、仮想的な文書体の頁を模して頁めくりおよび後続の頁の表示を連続的に行うことにより、紙媒体の書籍等の頁を連続的にめくるときと同様に、疑似的に動画のような画像をユーザが視認できる効果が得られる。また、表示端末1bや管理サーバ11が扱うコンテンツ自体は動画情報を含まず静止画情報をベースとできるため、コンテンツの複雑化やそのデータ量の増加および表示端末1bの表示用のアプリケーションプログラムの複雑化を抑制しつつ、動きのある疑似的な画像を表示することが可能となる。
さらに、本実施形態では、操作受付部32aや表示制御部31aが、表示端末1bとは無関係に管理サーバ11の機能として設けられている。したがって、表示端末1b自体の機能を極力単純化でき、かつ多数の表示端末1bに対して1台の管理サーバ11が対応可能なため、表示端末等の装置コストが低減できる。さらに、表示態様の変更等の使用変更に対しても、個々の表示端末1bの対応が不要なため、メンテナンスも容易である。
なお、本実施形態は第1実施形態の機能を管理サーバ11も含めたコンテンツ表示システム10として実現するものとして説明したが、これに限定されず、第2および第3実施形態の機能を実現するものであってもよい。また、第1乃至第4実施形態の実施態様において、その組合せに矛盾が生じない限り、それぞれの実施形態の一部また全部を相互に組み合わせた実施態様を新たな実施形態や変形例としてもよい。これらの実施形態や変形例も当然に本開示の範囲に含まれる。
また、上述のように説明した、本開示の各実施形態に係る表示端末や管理サーバといった情報処理装置による制御部等の制御処理その他の処理は、当該実施形態の各機能の実現を図るためのソフトウェアを構成する表示プログラム等のプログラムコードを、当該情報処理装置が読み出して実行することによっても達成できる。
したがって、当該プログラムコードそれ自体や、当該プログラムコードが記録された記憶媒体も本開示を構成する。当該プログラムコードが記録される記憶媒体として、例えばハードディスク、USBメモリ、SD(登録商標)カード、CD-ROM、CD-R、ICカード等を例示することができるが、これらに限定するものではない。