JP2022122950A - 新規の使用 - Google Patents

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JP2022122950A JP2022088025A JP2022088025A JP2022122950A JP 2022122950 A JP2022122950 A JP 2022122950A JP 2022088025 A JP2022088025 A JP 2022088025A JP 2022088025 A JP2022088025 A JP 2022088025A JP 2022122950 A JP2022122950 A JP 2022122950A
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エー ラザー ラドゥ
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Jiahao Huang
アール ムシンロイ ゴードン
R Mcinroy Gordon
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Abstract

Figure 2022122950000001
【課題】核酸合成方法における特定のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素の使用、核酸の合成方法、及び核酸合成方法における該酵素を含むキットの使用を提供する。
【解決手段】固体支持体上に固定化されたイニシエーターオリゴヌクレオチドを提供する工程、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)の存在下、3'-ブロックヌクレオチドを該イニシエーターオリゴヌクレオチドに付加する工程であって、該ヌクレオチドが3'-O-アジドメチル基、3'-アミノキシ基、又は3'-O-アリル基のいずれかによりブロックされる工程、該イニシエーターオリゴヌクレオチドからの全ての試薬の除去工程、切断剤の存在下で該ヌクレオチドから該ブロック基を切断する工程、該切断剤の除去工程、を含む、核酸合成方法とする。
【選択図】図1

Description

(発明の分野)
本発明は、核酸合成方法における特定のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフ
ェラーゼ(TdT)酵素の使用、核酸合成方法、及び核酸合成方法における該酵素を含むキ
ットの使用に関する。また本発明は、鋳型非依存的核酸合成方法における、ターミナルデ
オキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ及び3'-ブロックヌクレオチド三リン酸の使用
に関する。
(発明の背景)
核酸合成は、現代のバイオテクノロジーに不可欠である。バイオテクノロジーの領域に
おける急速なペースの発展は、科学コミュニティのDNA、RNA、及びタンパク質を人工合成
する能力により可能とされてきた。
人工DNA合成は10億ユーロの成長中の市場であり、バイオテクノロジー及び製薬企業が
様々なペプチド治療薬、例えば糖尿病治療用のインスリンを開発することを可能にする。
人工DNA合成は、研究者が細胞タンパク質を特徴づけ、我々の高齢化する集団が今日直面
する疾患、例えば心疾患及び癌の治療のための新たな低分子療法を開発することを可能に
する。Venter研究所が人工合成ゲノムを細菌細胞内に配置した2010年に示したように、人
工DNA合成は、生命の創造に至る道を開きさえする。
しかしながら、現在のDNA合成技術はバイオテクノロジー産業の需要を満たしていない
。DNA合成の利益は多大であるが、しばしば言及される問題により人工DNA合成産業の、従
ってバイオテクノロジー分野のさらなる発展が妨げられる。成熟した技術であるにもかか
わらず、200ヌクレオチド超の長さのDNA鎖を合成することは実際上不可能であり、ほとん
どのDNA合成を行う企業は最大120ヌクレオチドまでしか提供しない。比較すると、平均の
タンパク質をコードする遺伝子は2000~3000ヌクレオチドの大台であり、平均の真核生物
ゲノムは数十億ヌクレオチドに達する。そのため、遺伝子合成を受託する全ての主要な企
業は今日、40~60 merの重複を有する断片を合成してPCRにより一つに綴じ合わせる「合
成と綴じ合わせ」技術の変法に頼っている(Young, L.らの文献、(2004) Nucleic Acid R
es. 32, e59を参照されたい)。遺伝子合成産業によって提供される最新の方法は一般に
、ルーチンの生産で最大3 kbの長さを可能とする。
一度に120~200ヌクレオチドを超えるDNAを合成できない理由は、DNAを生成する最新の
方法論に起因しており、ここではDNAを作製するのに一度に1つのヌクレオチドを連結させ
る合成化学(すなわち、ホスホロアミダイト技術)が使用される。各ヌクレオチド連結工
程の効率は95.0~99.5%の効率であるため、200ヌクレオチドより長いDNAを許容し得る収
量で合成することは数学的に不可能である。Venter研究所は、4年の歳月と2000万USDを費
やして比較的小さな細菌ゲノムを合成することによって、この労力を要す過程を示した(
Gibson, D. G. らの文献、(2010) Science 329, 52-56を参照されたい)。
DNA配列決定の公知の方法では、3'に可逆的に終結させたヌクレオチドを、成長する二
本鎖基質に付加する鋳型依存的DNAポリメラーゼが使用される(Bentley, D. R.らの文献
、(2008) Nature 456, 53-59を参照されたい)。「合成による配列決定」過程においては
、各々の付加されるヌクレオチドは色素を含み、使用者が鋳型鎖の正確な配列を特定する
ことを可能にする。二本鎖DNAではあるが、この技術は500~1000 bpの長さの鎖を生産す
ることができる。しかしながら、この技術は鋳型としての役割を果たす既存の核酸鎖を要
求するために、一からの核酸合成には不適である。
制御された一からの一本鎖DNA合成のために、ターミナルデオキシヌクレオチジルトラ
ンスフェラーゼを使用する様々な試みがなされてきた(Ud-Dean, S. M. M.の文献、(2009
) Syst Synth Boil 2, 67-73、US 5,763,594、及びUS 8,808,989を参照されたい)。制御
されていない一からの一本鎖DNA合成は、制御された合成とは反対に、一本鎖DNA上でのTd
Tのデオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)の3'牽引特性を利用して、例えば次世代配列
決定法ライブラリの調製のためのホモポリマーアダプタ配列を生成する(Roychoudhury R
.らの文献、(1976) Nucleic Acids Res 3, 101-116、及びWO 2003/050242を参照されたい
)。可逆的デオキシヌクレオチド三リン酸終結技術は、dNTPの成長するDNA鎖の3'末端へ
の制御されていない付加を妨げることに利用される必要がある。TdTを通じた制御された
一本鎖DNA合成方法の開発は、それが無水環境の必要性を取り除き、有機溶媒に不適合な
様々なポリマーの使用を可能とするために、遺伝子アセンブリ又はハイブリダイゼーショ
ンマイクロアレイのためのインサイチュDNA合成に非常に役に立つであろう(Blanchard,
A. P.の文献、(1996) Biosens Bioelectron 11, 687-690、及びUS 7,534,561を参照され
たい)。
しかしながら、TdTが、一からの合成サイクルに必要な、初めの一本鎖DNA鎖を築く3'-O
可逆的終結部分を含むヌクレオチド三リン酸を効率的に付加することは、示されていない
。3'-O可逆的終結部分は、TdTのようなターミナルトランスフェラーゼが、成長するDNA鎖
の3'末端と、到来するヌクレオチド三リン酸の5'三リン酸の間のヌクレオチドトランスフ
ェラーゼ反応を触媒するのを妨げるであろう。広く市販される仔ウシ胸腺由来の組換えTd
Tが、3'-O-終結ヌクレオチド三リン酸を定量的に付加することができないことを示すデー
タが、本明細書に提示されている(図3を参照されたい)。過去の報告では、具体的に言
及されたTdTは仔ウシ胸腺由来の組換えTdTであるか(Ud-Dean, S. M. M.の文献、(2009)
Syst Synth Boil 2, 67-73, US 5,763,594 and US 8,808,989を参照されたい)、又はデ
オキシリボース部分の3'末端には位置しない異なる可逆的終結機構を使用する(US 8,808
,989を参照されたい)。
多くのDNAポリメラーゼ及びRNAポリメラーゼは、デオキシリボース及びリボースのヌク
レオチド三リン酸基質を厳格に識別する、高度に選択的な糖立体配置ゲートを含む(Joyc
e C. M.の文献、(1997) Proc Natl Acad Sci 94, 1619-22を参照されたい)。この糖立体
配置ゲートがある結果、合成による配列決定のようなバイオテクノロジーの理由から、糖
バリアントを受け入れるポリメラーゼを見出し、かつ/又はそのようなポリメラーゼを操
作することが非常に大きな困難となる(Metzker M. L.の文献、(2010) Nat Rev Genet 11
, 31-46、及びUS 8,460,910を参照されたい)。3'-O可逆的終結ヌクレオチドを受け入れ
るポリメラーゼを見出すことの困難は非常に大きく、ポリメラーゼの終結機構が終結ヌク
レオチドの窒素を含む塩基上に位置する、可逆的終結ヌクレオチドを生成するための様々
な試みがなされてきた(Gardner, A. F.の文献、(2012) Nucleic Acids Res 40, 7404-15
及びUS 8,889,860を参照されたい)。
従って、現在利用可能な方法に関連する問題を克服することができる、改善された核酸
合成方法を提供するために、3'-O可逆的終結ヌクレオチドを容易に取り込むターミナルデ
オキシヌクレオチジルトランスフェラーゼを同定し、該ターミナルデオキシヌクレオチジ
ルトランスフェラーゼが3'-O可逆的終結ヌクレオチドを、バイオテクノロジー及び一本鎖
DNA合成過程に有用な様式で取り込むように改変することのニーズが存在する。
(発明の概要)
本発明の第一の態様に従って、核酸合成方法における:
(a) 配列番号:1~5及び8のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の
配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片;あるいは
(b) 配列番号:6の修飾誘導体、のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む、ター
ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素の使用が提供される。
本発明の第二の態様に従って、
(a) イニシエーター配列を提供する工程;
(b) 本発明の第一の態様記載のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)の存在下、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を該イニシエーター配列に付加する
工程;
(c) 該イニシエーター配列からの全ての試薬の除去工程;
(d) 切断剤の存在下で該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸からブロック基を切断する
工程;
(e) 該切断剤の除去工程、を含む、核酸合成方法が提供される。
本発明のさらなる態様に従って、核酸合成方法におけるキットの使用であって、該キッ
トが、任意にイニシエーター配列、1以上の3'-ブロックヌクレオチド三リン酸、出芽酵母
(Saccharomyces cerevisiae)由来の精製組換え無機ピロホスファターゼのような無機ピ
ロホスファターゼ、及び切断剤から選択される1以上の構成要素と組合わせて;
さらに任意に本明細書に記載の任意の方法に従う該キットの取扱説明書とともに、本発
明の第一又は第二の態様に記載されたTdTを含む、前記キットの使用が提供される。
本発明のさらなる態様に従って、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が式(I)、(II)
、(III)、又は(IV)の化合物:
Figure 2022122950000002
(式中、
R1は、NRaRbを表し(式中、Ra及びRbは独立に、水素又はC1-6アルキルを表す)、
R2は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又はCOOHを表し、
Xは、C1-6アルキル、NH2、N3、又は-OR3を表し、
R3は、C1-6アルキル、CH2N3、NH2、又はアリルを表し、
Yは、水素、ハロゲン、又はヒドロキシルを表し、かつ
Zは、CR4又はNを表す(式中、R4は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又は
COOHを表す)から選択される、鋳型非依存的核酸合成方法における3'-ブロックヌクレオ
チド三リン酸の使用が提供される。
本発明のさらなる態様に従って、核酸合成方法における無機ピロホスファターゼの使用
が提供される。
(図面の簡単な説明)
酵素的DNA合成過程の概略図。図式の最上部から開始し、脱保護された3'末端を有する固定化されたDNA鎖は、TdT、塩基指定3'-ブロックヌクレオチド三リン酸、無機ピロリン酸塩の集積を低下させる無機ピロホスファターゼ、及び最適な酵素活性及び安定性のための適当な緩衝液/塩から構成される伸長混合物に曝露される。該タンパク質は固定化されたDNA鎖に1つの保護されたヌクレオチドを付加する(図式の最下部)。続いて洗浄混合物により伸長混合物が除かれ、任意に再利用される。続いて固定化された(n+1)DNA鎖は切断混合物で洗浄されて3'-保護基を切断させ、次のサイクルにおける反応が可能となる。該切断混合物中に変性試薬を存在させて、あらゆる二次構造を破壊させてもよい。この工程の間、温度を上げて切断及び二次構造の破壊を助長してもよい。固定化されたDNAを洗浄混合物で処理し、残留する切断混合物を除く。所望のオリゴヌクレオチド配列が得られるまで、適当なヌクレオチド三リン酸を用いて工程1~4を繰り返すことができる。 TdTは3'が不可逆的にブロックされたヌクレオチド三リン酸をイニシエーター鎖に付加する。(A) 一本鎖DNAイニシエーターを15 Uウシ(Bos taurus)TdT、要求される塩(50 mM酢酸カリウム、20 mMトリス酢酸塩 pH 7.9、1 mM塩化コバルト)、及び3'-O-メチルdTTPとともに、37℃で示された時間インキュベートした。3'が不可逆的にブロックされたヌクレオチド三リン酸を1 mMの濃度とし、該DNAイニシエーターを1:5000の比で200 pMとし、ヌクレオチド付加を促進させた。EDTA(0.5 M)で反応を停止させた。(B) 3'-ブロックヌクレオチド三リン酸として3'-アジドdTTPを使用したこと以外は、(A)と同様の手順をとった。 様々なTdTのオルソログは、イニシエーター鎖に3'が可逆的に保護された(3'-O-アジドメチル)ヌクレオチド三リン酸をウシTdTよりも最大3.8倍の速さで付加する。(A) 一本鎖DNAイニシエーターを、示された種のTdTとともに上記の緩衝液中、上記の反応条件下60分間インキュベートした。反応物を続いてキャピラリー電気泳動により分析した。クロマトグラムのサブセットが示されている。(B) DNAイニシエーター鎖のフラクションは、1時間でN+1種(3'-O-アジドメチルdTTPの付加)に変換された。(C) 3種のTdTオルソログを3'-O-アジドメチルdTTP及び3'-O-アジドメチルdCTPと、20分間反応させた。スポッテッドガー(Lepisosteus oculatus)及びタスマニアデビル(Sarcophilus harrisii)のTdTは、一貫してウシTdTと比較して良好に機能する。dTTP及びdCTPのヌクレオチド類似体の両方を付加するTdTオルソログの能力は、DNA配列特異性の制御を示している。 スポッテッドガーTdTの操作されたバリアントは、野生型スポッテッドガーTdTを上回る向上した活性を示す。DNAイニシエーター鎖を、前述の要求される塩とともに1 mM 3'-可逆的ブロックdNTPと、37℃で20分間インキュベートした。dNTPの付加をPAGEにより測定し、野生型TdTに対する相対的な変換をプロットした。 スポッテッドガーの操作されたバリアントは、野生型TdT(図3を参照されたい)及び市販のウシTdTを上回る大きく向上した活性を示す。TdTをDNAイニシエーター及び3'-可逆的ブロックdNTPと、前述と同様の様式でインキュベートした。スポッテッドガーTdTの操作されたバリアントはPAGEゲルにおいて示されているように、ウシTdTを上回る性能を示した。 無機ピロリン酸塩は、TdTが仲介する一からの配列指定DNA合成に必要である。核酸イニシエーターを、50 mM酢酸カリウム、20 mMトリス酢酸塩 pH 7.9、1.5 mM塩化コバルト中、ウシTdTとともに、出芽酵母無機ピロホスファターゼを加えて、及び加えないで、37℃でインキュベートした。3'-O-アジドメチルdTTP(N3Me-dTTP)を1 mMで導入し、ジデオキシTTP(ddTTP)を100 μMで導入した。反応物をPAGEにより分析した。無機ピロホスファターゼを加えない場合、鎖の不均化が支配的になり、壊滅的な配列特異性の喪失が生じる。 DNA合成において使用されるカラムベースフロー装置の単純化された概略図。コンピュータ(302)が2つのポンプ及び溶液混合チャンバ(311)を制御する。ポンプ1(304)は伸長溶液(301)、洗浄溶液(305)、又は切断溶液(310)を該混合チャンバに選択的に送り込む。ポンプ2(306)は、3'-ブロックA(アデニン)TP(303)、T(チミン)TP(307)、G(グアニン)TP(308)、又はC(シトシン)TP(309)のいずれかを含む単一3'-ブロックヌクレオチド三リン酸(TP)の溶液を、該チャンバに選択的に送り込む。続いて、コンピュータ制御混合チャンバは、適当な溶液比をポンプ1及びポンプ2からカラムベースのDNA合成チャンバ(312)へと通す。加熱要素(313)は、DNA合成カラムが合成過程が起こるのに必要な温度に留まることを保証する。DNA合成チャンバを出る際に、反応溶液は後の使用のための再利用容器(314)に入るか、廃棄物容器(316)に入るか、又は結果として生じるDNAを増幅するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)工程(315)に進むかのいずれかをとる。PCRの完了により、最終生産物(317)を得る。
(発明の詳細な説明)
本発明の第一の態様に従って、核酸合成方法における
(a) 配列番号:1~5及び8のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の
配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片;あるいは
(b) 配列番号:6の修飾誘導体、のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む、ター
ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素の使用が提供される。
言及され得る本発明の特定の一態様に従って、核酸合成方法における:
(a) 配列番号:1~5のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の配列相
同性を有するその機能的等価物若しくは断片;あるいは
(b) 配列番号:6の修飾誘導体、のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む、ター
ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素の使用が提供される。
本発明は、驚くべきことに大きな3'-O可逆的終結部分を有するデオキシヌクレオチド三
リン酸を取り込む能力を有する、過去研究されたことのないターミナルデオキシヌクレオ
チジルトランスフェラーゼの同定に関する。
仔ウシ胸腺由来の市販の組換えTdTは容易に3'-O可逆的終結ヌクレオチドを取り込まな
いため、本発明者らが3'-O可逆的終結ヌクレオチド、例えば3'-O-アジドメチルで修飾さ
れたdNTPを受け入れるDNAポリメラーゼである、ターミナルデオキシヌクレオチジルトラ
ンスフェラーゼを突き止めたことは、全く予期せぬことである。
さらに、本発明は3'-O可逆的終結部分を含むdNTPの取り込み速度の大きな増加を達成し
、一本鎖DNAの制御された一からの合成に有用である、操作されたターミナルデオキシヌ
クレオチジルトランスフェラーゼに関する。
制御された一からの一本鎖DNA合成は付加過程であるため、遺伝子アセンブリ又はハイ
ブリダイゼーションマイクロアレイのような用途に使用するための、最終一本鎖DNA生産
物の実用的な収量を得るためには、連結効率がきわめて重要である。従って、本発明は3'
-O可逆的終結ヌクレオチドを付加することができるTdTオルソログ、及びまた、3'-O可逆
的終結ヌクレオチドを、一本鎖DNA合成過程に実用的である定量的な様式で付加するTdTオ
ルソログの操作されたバリアントの同定に関する。
本明細書に記載される使用は、顕著な利点、例えば高収量を維持しながら、毒性有機溶
媒を一切使用することなく、長大なDNAを迅速に生産する能力を有する。
一実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT
)酵素は、配列番号:1~5及び8のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20
%の配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片から選択されるアミノ酸配列を含
む。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号:1~5のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20
%の配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片から選択されるアミノ酸配列を含
む。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号:1から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:1のアミノ
酸配列は、タスマニアデビル由来のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラー
ゼ(TdT)配列(UniProt: G3VQ55)である。タスマニアデビル(タスマニアデビル(Tasm
anian devil)としても知られる)はフクロネコ科の肉食性の有袋動物であり、現在野生
にはオーストラリア島のタスマニア州でのみ見出される。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号:2から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:2のアミノ
酸配列は、スポッテッドガー由来のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラー
ゼ(TdT)配列(UniProt: W5MK82)である。スポッテッドガー(スポッテッドガー(spot
ted gar)としても知られる)はレピソステウス科の原始的な淡水魚であり、Lake Erie及
びsouthern Lake Michigan流域(drainage)から南へのびるMississippi River流域(bas
in)からGulf Slope流域まで、Floridaのlower Apalachicola RiverからTexasのNueces R
iverまで(USA)の北アメリカに固有である。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号:3から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:3のアミノ
酸配列は、チンチラ(Chinchilla lanigera)由来のターミナルデオキシヌクレオチジル
トランスフェラーゼ(TdT)配列である(NCBI参照配列: XP_005407631.1; http://www.nc
bi.nlm.nih.gov/protein/533189443)。チンチラ(オナガチンチラ、チリ、沿岸種、コモ
ンチンチラ、又はレッサーチンチラとしても知られる)はチンチラ属由来の2種のげっ歯
類の1種であり、もう一方の種はチンチラ(Chinchilla chinchilla)である。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は配列番号:4から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:4のアミノ酸
配列は、キタオオガラゴ(Otolemur garnettii)由来のターミナルデオキシヌクレオチジ
ルトランスフェラーゼ(TdT)配列(UniProt: A4PCE6)である。キタオオガラゴ(キタオ
オガラゴ(northern greater galago)、ガーネットオオガラゴ(Garnett's greater gal
ago)、コミミオオガラゴ(small-eared greater galago)としても知られる)は、アフ
リカに固有な夜行性、樹上性の霊長類である。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(
TdT)酵素は配列番号:5から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:5のアミノ酸配
列は、イノシシ(Sus scrofa)由来のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラ
ーゼ(TdT)配列(UniProt: F1SBG2)である。イノシシ(野生イノシシ(wild boar)、
野生ブタ(wild swine)、又はユーラシア野生ブタ(Eurasian wild pig)としても知ら
れる)はユーラシア、北アフリカ、及び大スンダ列島のほとんどに固有のイノシシ(suid
)である。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号:8から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:8のアミノ
酸配列は、活性を向上させるためにアミノ酸配列を変化させることにより操作された配列
番号:2のバリアントである。データは実施例3及び図4に提供されており、これらは配列
番号:8のような操作されたバリアントの、野生型配列番号:2を上回る利益を実証する。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号1、2、又は8から選択されるアミノ酸配列を含む。
さらなる実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)酵素は、配列番号:1又は2から選択されるアミノ酸配列を含む。データは実施例2
及び図3に提供されており、これらはウシ由来の天然の組換えTdT酵素を上回る有益な結果
を実証する。
代替の実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(
TdT)酵素は、配列番号:6の修飾誘導体(すなわち、非天然の、突然変異を有する配列番
号:6の誘導体)から選択されるアミノ酸配列を含む。配列番号:6のアミノ酸配列は、ウ
シ由来のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)配列(UniProt:
P06526)である。ウシ(ウシ(cattle)、又は口語ではウシ(cow)としても知られる)
は、最も一般的な種類の大型家畜化有蹄類である。ウシはウシ亜科(subfamily Bovinae
)の傑出した現代の成員であり、ウシ属の最も広くに生息する種である。
本明細書で言及される「TdT」は、ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラ
ーゼ(TdT)酵素を指し、該酵素の精製された組換え形態の言及を含む。また、TdTはDNTT
(DNAヌクレオチジルエキソトランスフェラーゼ)として一般に知られており、あらゆる
そのような用語は互換的に使用されるべきである。
本明細書で言及される「核酸合成方法」は、DNA(デオキシリボ核酸)又はRNA(リボ核
酸)の長さを合成する方法を含み、ここで核酸の鎖(n)はさらなるヌクレオチドの付加
により伸長される(n+1)。一実施態様において、該核酸はDNAである。代替の実施態様
において、該核酸はRNAである。
本明細書における「DNA合成方法」の言及は、DNA鎖の合成方法を指し、ここでDNA鎖(n
)がさらなるヌクレオチドの付加により伸長される(n+1)。本明細書に記載される方法
は、本発明のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ及び3'-可逆的ブロ
ックヌクレオチド三リン酸の、一からのDNA鎖合成において逐次的にヌクレオチドを付加
するための新たな使用を提供し、該使用は、現在当該分野で公知のDNA合成方法を上回る
いくつかの利点を有する。
配列指定的DNAを形成するためにヌクレオチドを連結させる現在の合成方法は、漸近的
な長さの限界に到達し、従って一からDNA合成する新たな方法が要求されている。合成DNA
の合成方法はまた、環境に有害な毒性有機溶媒及び添加剤(例えば、アセトニトリル、無
水酢酸、トリクロロ酢酸、ピリジンなど)を使用するという欠点を有する。
代替の酵素的核酸合成方法が望ましい。DNAポリメラーゼのような天然の酵素は解離す
るまでに50,000ヌクレオチドを付加することができる。しかしながら、DNAポリメラーゼ
は鋳型鎖を要求し、それにより一からの鎖合成の目的を失敗させる。
しかしながら、鋳型非依存的にDNA合成を行えるTdTと呼ばれるDNAポリメラーゼが、脊
椎動物に見出されている。遊離3'末端及びヌクレオチド三リン酸があるならば、ウシ及び
マウス(Mus musculus)由来の組換えTdTは、DNA鎖の3'末端に10~数百ヌクレオチドを付
加することが示された。Basu, M.らの論文、(Biochem. Biophys. Res. Commun. (1983) 1
11, 1105-1112)に示されているように、TdTはDNA鎖の3'末端に制御不可能にヌクレオチド
三リン酸を付加するであろう。しかしながら、この制御不可能な付加は、配列指定のオリ
ゴヌクレオチドが要求される、制御された一からの鎖合成には適さない。従って、市販の
組換えTdTは、主に分子生物学者がDNAを有用な化学タグで標識するためのツールとして使
用されている。
本発明者らは、3'-可逆的保護ヌクレオチド三リン酸と連結する場合、DNAを制御された
様式で合成することができるいくつかのウシTdTのオルソログを発見した。ウシTdTはおそ
らくそのTdT活性部位における立体問題が原因で、3'-保護基を有するヌクレオチド三リン
酸の取り込みを効率的に行わない。ウシTdTのオルソログ、例えば本発明の第一の態様の
精製組換えTdT(特に、配列番号:1及び2)が、3'-OHのブロックされたヌクレオチド三リ
ン酸の取り込みをずっと効率的に行い、それにより核酸鎖の鋳型非依存的、配列指定的合
成が可能となることを実証するデータが、本明細書の実施例2及び図3に提示されている。
酵素的アプローチは、該方法が現在の合成DNA合成方法の120~200ヌクレオチドという
限界を超えるDNA鎖を生産することができるという特定の利点を有することを意味する。
さらに、この酵素的方法は、環境に有害となり得る強い有機溶媒の使用の必要性を回避す
る。
用語「機能的等価物」は、本発明の第一の態様のTdTの厳密な配列とは異なるが、同じ
機能を果たす、すなわち、ヌクレオチド三リン酸のDNA鎖の3'-末端への鋳型依存的な様式
での付加を触媒することができるポリペプチドを指すことが理解されよう。
一実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT
)はTdTの非天然誘導体、例えば本発明の第一の態様のTdTの機能的断片又はホモログであ
る。
本明細書における「断片」の言及は、例えば、C-末端切断を有する機能的断片、又はN-
末端切断を有する機能的断片を含む。断片は、好適には10アミノ酸長超であり、例えば、
15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、12
0、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、250、260、270、28
0、290、300、310、320、330、340、350、360、370、380、390、400、410、420、430、44
0、450、460、470、480、490、又は500アミノ酸長超である。
本明細書における「相同性」の言及は、2つのタンパク質配列、例えば:配列番号:X及
び配列番号:Yの間の同一性のパーセンテージを意味し、該同一性は整列された配列、配
列番号:X及び配列番号:Yの間の共通のアミノ酸の和を、配列番号:X及び配列番号:Yの
いずれか短い方の長さで除算し、パーセンテージとして表したものであると理解されるべ
きであることが認識されよう。
一実施態様において、該ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT
)は、本発明の第一の態様のTdTとの少なくとも25%の相同性を有し、例えば、少なくと
も30%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、
97%、98%、又は99%の相同性を有する。
本発明の第二の態様に従って、
(a) イニシエーター配列を提供する工程;
(b) 本発明の第一の態様に記載のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラー
ゼ(TdT)の存在下、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を該イニシエーター配列に付加す
る工程;
(c) 該イニシエーター配列からの全ての試薬の除去工程;
(d) 切断剤の存在下で該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸からブロック基を切断する
工程;
(e) 該切断剤の除去工程、を含む、核酸合成方法が提供される。
一実施態様において、工程(c)はデオキシヌクレオチド三リン酸及びTdT、例えばTdTの
除去を含む。従って、本発明の特定の一態様に従って、
(a) イニシエーター配列を提供する工程;
(b) 本発明の第一の態様に記載のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラー
ゼ(TdT)の存在下、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を該イニシエーター配列に付加す
る工程;
(c) TdTの除去工程;
(d) 切断剤の存在下で該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸からブロック基を切断する
工程;
(e) 該切断剤の除去工程、を含む、核酸合成方法が提供される。
所望の長さのDNA又はRNA鎖を生産するために、該方法の工程(b)~(e)を、複数回繰り返
すことができることは、理解されよう。従って、一実施態様において、1ヌクレオチド超
をイニシエーター配列に付加する、例えば、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、1
00、110、又は120ヌクレオチド超を、工程(b)~(e)を繰り返すことにより、イニシエータ
ー配列に付加する。さらなる実施態様において、200ヌクレオチド超、例えば、300、400
、500、600、700、800、900、1000、1250、1500、1750、2000、2250、2500、2750、3000
、4000、5000、6000、7000、8000、9000、又は10000ヌクレオチド超を付加する。
(3'-ブロックヌクレオチド三リン酸)
本明細書における「ヌクレオチド三リン酸」への言及は、3つのリン酸基が結合したヌ
クレオシド(すなわち、デオキシリボース又はリボース糖分子に塩基が結合したもの)を
含む分子を指す。デオキシリボースを含むヌクレオチド三リン酸の例は、デオキシアデノ
シン三リン酸(dATP)、デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)、デオキシシチジン三リン
酸(dCTP)、又はデオキシチミジン三リン酸(dTTP)である。リボースを含むヌクレオチ
ド三リン酸の例は、アデノシン三リン酸(ATP)、グアノシン三リン酸(GTP)、シチジン
三リン酸(CTP)、又はウリジン三リン酸(UTP)である。他の種類のヌクレオシド、例え
ば天然に存在する修飾ヌクレオシド及び人工ヌクレオシドが3つのリン酸に結合し、ヌク
レオチド三リン酸を形成することができる。
従って、本明細書における「3'-ブロックヌクレオチド三リン酸」への言及は、ヌクレ
オチドのさらなる付加を妨げる追加の基を3'末端上に有する、すなわち、3'-OH基を保護
基に置換することにより、3'末端上に追加の基を有する、ヌクレオチド三リン酸(例えば
、dATP、dGTP、dCTP、又はdTTP)を指す。
本明細書における「3'-ブロック」、「3'-ブロック基」、又は「3'-保護基」への言及
は、さらなるヌクレオチドの付加を妨げるヌクレオチド三リン酸の3'末端に結合する基を
指すことが理解されよう。本法は、切断により除去され、さらなるヌクレオチドを付加さ
せることが可能な可逆的3'-ブロック基を使用する。対照的に、不可逆的3'-ブロック基は
、3'-OH基が曝露も、切断による脱被覆もされることのできないdNTPを指す。
いくつかの文献に記載された可逆的保護基、例えばアジドメチル、アミノキシ、及びア
リルが存在し、これらは本明細書に記載の方法に適用することができる。好適な保護基の
例は、「グリーン有機合成における保護基(Greene's Protective Groups in Organic Sy
nthesis)」(Wuts, P.G.M.及びGreene, T.W.の文献、(2012) 第4版, John Wiley & Sons
)に記載されている。
一実施態様において、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸は可逆的保護基によりブロ
ックされる。代替の実施態様において、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸は、不可逆
的保護基によりブロックされる。
従って、一実施態様において、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸は、3'-O-メチル、
3'-アジド、3'-O-アジドメチル、3'-アミノキシ、又は3'-O-アリル基のいずれかによりブ
ロックされる。さらなる実施態様において、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸は、3'-
O-アジドメチル、3'-アミノキシ、又は3'-O-アリル基のいずれかによりブロックされる。
代替の実施態様において、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸は、3'-O-メチル又は3'-
アジド基のいずれかによりブロックされる。
(切断剤)
本明細書における「切断剤」への言及は、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸から3'-
ブロック基を切断することのできる物質を指す。
本明細書に記載される3'-ブロック基は全て、切断剤として使用され得る文献記載の化
合物を含む水溶液中で定量的に除去することができる(例えば、Wuts, P.G.M.及びGreene
, T.W.の文献、(2012) 第4版, John Wiley & Sons; Hutter, D.らの文献、(2010) Nucleo
sides Nucleotides Nucleic Acids 29, 879-895; EP 1560838、及びUS 7,795,424を参照
されたい)。
一実施態様において、該切断剤は、化学的切断剤である。代替の実施態様において、該
切断剤は、酵素的切断剤である。
当業者であれば、切断剤の選択は、使用される3'-ヌクレオチドブロック基の種類に依
存して決まることが理解されよう。例えば、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TC
EP)は、3'-O-アジドメチル基を切断するのに使用することができ、パラジウム錯体は、3
'-O-アリル基を切断するのに使用することができ、又は亜硝酸ナトリウムは、3'-アミノ
キシ基を切断するのに使用することができる。従って、一実施態様において、該切断剤は
、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、パラジウム錯体、又は亜硝酸ナトリ
ウムから選択される。
一実施態様において、該切断剤は、尿素、塩化グアニジニウム、ホルムアミド、又はベ
タインのような変性試薬を含む切断溶液の存在下で加えられる。変性試薬の追加は、DNA
のあらゆる望ましくない二次構造を破壊させることができるという利点を有する。さらな
る実施態様において、該切断溶液は、1以上の緩衝液を含む。当業者であれば、緩衝液の
選択は、厳密な切断化学及び要求される切断剤に依存して決まることを理解するであろう
(イニシエーター配列)
本明細書における「イニシエーター配列」への言及は、該3'-ブロックヌクレオチド三
リン酸が結合することのできる遊離3'-末端を有する短いオリゴヌクレオチドを指す。一
実施態様において、該イニシエーター配列は、DNAイニシエーター配列である。代替の実
施態様において、該イニシエーター配列は、RNAイニシエーター配列である。
本明細書における「DNAイニシエーター配列」への言及は、3'-ブロックヌクレオチド三
リン酸が結合することのできるDNAの小配列を指す。すなわち、DNAは該DNAイニシエータ
ー配列の末端から合成されることとなる。
一実施態様において、該イニシエーター配列は、5~50ヌクレオチド長であり、例えば5
~30(すなわち、10~30)ヌクレオチド長、詳細には5~20ヌクレオチド長(すなわち、
およそ20ヌクレオチド長)、より詳細には5~15ヌクレオチド長、例えば10~15ヌクレオ
チド長、特に12ヌクレオチド長である。
一実施態様において、該イニシエーター配列は、以下の配列を有する:
Figure 2022122950000003
一実施態様において、該イニシエーター配列は、一本鎖である。代替の実施態様におい
て、該イニシエーター配列は、二本鎖である。当業者であれば、3'-オーバーハング(す
なわち、遊離3'-末端)は効率的な付加を可能とすることが理解されよう。
一実施態様において、該イニシエーター配列は、固体支持体上に固定化される。このこ
とは、TdT及び該切断剤が、合成核酸を洗い流すことなく除去される(それぞれ工程(c)及
び(e))ことを可能とする。該イニシエーター配列は、水性条件下で安定な固体支持体に
結合することができる結果、該方法をフロー構成を介して容易に実施することができる。
一実施態様において、該イニシエーター配列は、可逆的相互作用部分、例えば化学的に
切断可能なリンカー、抗体/免疫原エピトープ、ビオチン/ビオチン結合タンパク質(例え
ばアビジン又はストレプトアビジン)、又はグルタチオン-GSTタグを介して固体支持体上
に固定化される。従って、さらなる実施態様において、該方法はさらに、結果として生じ
る核酸を、該イニシエーター配列中の可逆的相互作用部分を除去することにより、例えば
プロテイナーゼKとインキュベートすることにより抽出することを含む。
さらなる実施態様において、該イニシエーター配列は、化学的に切断可能なリンカー、
例えばジスルフィド、アリル、又はアジドでマスクされたへミアミナールエーテルリンカ
ーを介して固体支持体上に固定化される。従って、一実施態様において、該方法はさらに
、結果として生じる核酸を、ジスルフィドリンカーについてはトリス(2-カルボキシエチ
ル)ホスフィン(TCEP)若しくはジチオスレイトール(DTT);アリルリンカーについては
パラジウム錯体;又はアジドでマスクされたへミアミナールエーテルリンカーについては
TCEPを加えることを通じて、化学的リンカーを切断することにより抽出することを含む。
一実施態様において、結果として生じる核酸は固体支持体に結合している核酸を鋳型と
して用いるポリメラーゼ連鎖反応により抽出され、かつ増幅される。該イニシエーター配
列は従って、合成可能な適当なフォワードプライマー配列及び適当なリバースプライマー
を含むことができる。
代替の実施態様において、固定化されたイニシエーター配列は、少なくとも1つの制限
酵素部位を含む。従って、さらなる実施態様において、該方法は結果として生じる核酸を
、制限酵素を用いることにより抽出することをさらに含む。
制限酵素及び制限酵素部位を使用して核酸を指定の位置で切断することは、当該技術分
野で周知である。制限酵素部位及び制限酵素の選択は、所望の特性、例えば「平滑」末端
と「付着」末端のいずれが要求されているかに依存して決めることができる。制限酵素の
例には:AluI、BamHI、EcoRI、EcoRII、EcoRV、HaeII、HgaI、HindIII、HinfI、NotI、Ps
tI、PvuII、SalI、Sau3A、ScaI、SmaI、TaqI、及びXbaIがある。
代替の実施態様において、該イニシエーター配列は、少なくとも1つのウリジンを含む
。ウラシル-DNAグリコシラーゼ(UDG)による処理は、脱塩基部位を生成する。適当な基
質上での脱プリン塩基/脱ピリミジン塩基(AP)部位エンドヌクレアーゼによる処理によ
り、核酸鎖が抽出される。
(核酸合成方法)
一実施態様において、本発明のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ
(TdT)は、1以上の緩衝液(例えば、トリス又はカコジル酸塩)、1以上の塩(例えば
、Na+、K+、Mg2+、Mn2+、Cu2+、Zn2+、Co2+など、全て、Cl-のような適当な対イオンとと
もに)、及び無機ピロホスファターゼ(例えば、出芽酵母ホモログ)を含む伸長溶液の存
在下で加えられる。緩衝液及び塩の選択は、最適な酵素活性及び安定性に依存して決まる
ことが理解されよう。
無機ピロホスファターゼの使用は、TdTによるヌクレオチド三リン酸の加水分解に起因
するピロリン酸塩の集積を低下させる助けとなる。従って、無機ピロホスファターゼの使
用は、(1) 逆反応及び(2) TdT鎖の不均化の速度を低下させるという利点を有する。従っ
て、本発明のさらなる態様によって、核酸合成方法における無機ピロホスファターゼの使
用が提供される。核酸合成中の無機ピロホスファターゼの使用による利益を実証するデー
タが、本明細書の実施例5及び図6において提示されている。一実施態様において、該無機
ピロホスファターゼは、出芽酵母由来の精製組換え無機ピロホスファターゼを含む。
一実施態様において、工程(b)は、5~10のpH範囲で実施される。従って、pH 5~10の緩
衝範囲を有する任意の緩衝液、例えばカコジル酸塩、トリス、HEPES、又はトリシン、特
にカコジル酸塩又はトリスを使用することができることが、理解されよう。
一実施態様において、工程(d)は、99℃未満、例えば95℃、90℃、85℃、80℃、75℃、7
0℃、65℃、60℃、55℃、50℃、45℃、40℃、35℃、又は30℃未満の温度で実施される。
最適温度が、利用される該切断剤に依存することは、理解されよう。使用される温度は、
切断を助長し、ヌクレオチドの付加の間に形成されるあらゆる二次構造を破壊する助けと
なる。
一実施態様において、工程(c)及び(e)は、洗浄溶液を適用することにより実施される。
一実施態様において、該洗浄溶液は、本明細書に記載される伸長溶液中で使用されるもの
と同じ緩衝液及び塩を含む。このことは、該洗浄溶液が工程(c)の後で回収され、方法工
程が繰り返される場合に工程(b)における伸長溶液として再利用されることを可能とする
という利点を有する。
一実施態様において、該方法は、図7に示されるフロー装置、例えば微量流体フロー装
置又はカラムベースフロー装置内で実施される。本明細書に記載される方法は、該方法の
使用を単純にするフロー構成において容易に実施することができる。市販のDNA合成装置
の例(例えば、BioAutomation社製MerMade 192E又はK&A社製H-8 SE)は、要求される反応
条件について最適化され、本明細書に記載の方法を実施するために使用することができる
ことが、理解されよう。
一実施態様において、該方法は、プレート又はマイクロアレイ構成上で実施される。例
えば、ヌクレオチドは圧電噴出及び熱噴出を含む任意の適用可能な噴出技術を使用する一
連の微量分配ノズルを介して個別に対処することができる。この高度に並列的な方法を使
用して、ハイブリダイゼーションマイクロアレイを作製することができ、また標準的な分
子生物学技術を通じたDNA断片アセンブリも容易に扱える。
一実施態様において、該方法は、結果として生じる核酸を増幅することをさらに含む。
DNA/RNAを増幅する方法は、当該技術分野で周知である。例えば、さらなる実施態様にお
いて、増幅はポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により実施される。この工程は結果として生
じる核酸を全て、一工程で抽出し、かつ増幅することができるという利点を有する。
本明細書に記載の鋳型非依存的核酸合成方法は、イニシエーター配列に規定された組成
及び長さの核酸配列を付加する能力を有する。従って、当業者であれば、本明細書に記載
の方法は、核酸ライブラリにアダプター配列を導入する新規方法として使用することがで
きることが理解されよう。
該イニシエーター配列が1つの規定された配列ではないが、その代りに核酸断片のライ
ブラリ(例えば、ゲノムDNAの超音波処理によって生成された、又は例えばメッセンジャ
ーRNA)である場合、この方法は、全ての断片上に「アダプター配列」を一から合成する
ことが可能である。アダプター配列の設置は、次世代ライブラリ核酸配列決定法用のライ
ブラリ調製の不可欠な部分であるが、これは該方法が、フローセル/固体支持体へのハイ
ブリダイゼーション及び配列決定プライマーのハイブリダイゼーションを可能とする配列
情報を含んでいるためである。
現在使用される方法には一本鎖ライゲーションがあるが、この技術はライゲーション効
率が、断片長の増加とともに大きく減少するために、制限される。結果として、現在の方
法は100ヌクレオチド長より長い配列を結合させることができない。従って、本明細書に
記載の方法は、現在可能な様式に対して改善された様式でのライブラリ調製を可能とする
従って、一実施態様において、アダプター配列が、該イニシエーター配列に付加される
。さらなる実施態様において、該イニシエーター配列は、核酸断片のライブラリ由来の核
酸とすることができる。
(キット)
本発明のさらなる態様に従って、核酸合成方法におけるキットの使用であって、該キッ
トが、任意にイニシエーター配列、1以上の3'-ブロックヌクレオチド三リン酸、出芽酵母
由来の精製組換え無機ピロホスファターゼのような無機ピロホスファターゼ、及び切断剤
から選択される1以上の構成要素と組み合わせて;さらに任意に本明細書に規定される任
意の方法に従う該キットの取扱説明書とともに、本発明の第一又は第二の態様に規定され
るTdTを含む、前記使用が提供される。
また、適当には本発明によるキットは、本明細書に規定される伸長溶液、洗浄溶液、及
び/又は切断溶液の群から選択される1以上の構成要素を、任意に本明細書に規定される任
意の方法に従う該キットの取扱説明書とともに含むことができる。
(3'-ブロックヌクレオチド三リン酸の使用)
本発明のさらなる態様に従って、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が、式(I)、(II)、
(III)、又は(IV)の化合物から選択される、鋳型非依存的核酸合成方法における該3'-ブロ
ックヌクレオチド三リン酸の使用が提供される:
Figure 2022122950000004
(式中、
R1は、NRaRbを表し(式中、Ra及びRbは独立に、水素又はC1-6アルキルを表し)、
R2は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又はCOOHを表し、
Xは、C1-6アルキル、NH2、N3、又は-OR3を表し、
R3は、C1-6アルキル、CH2N3、NH2、又はアリルを表し、
Yは、水素、ハロゲン、又はヒドロキシルを表し、かつ
Zは、CR4又はNを表す(式中、R4は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又は
COOHを表す))。
本明細書における「鋳型非依存的核酸合成方法」への言及は、鋳型DNA/RNA鎖を要求し
ない核酸合成方法(すなわち、核酸は一から合成することができる)を指す。
一実施態様において、該核酸は、DNAである。本明細書における「鋳型非依存的DNA合成
方法」への言及は、鋳型DNA鎖を要求しないDNA合成方法(すなわち、該DNAは一から合成
することができる)を指す。代替の実施態様において、該核酸は、RNAである。
本明細書に示される構造中の「PPP」は、三リン酸基を表すことが理解されよう。
基として、又は基の一部として本明細書で使用される用語「C1-6 アルキル」への言及
は、1~6個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖飽和炭化水素基を指す。そのような基の例と
しては、メチル、エチル、ブチル、n-プロピル、イソプロピルなどがある。
本明細書で使用される用語「C1-6 アルコキシ」への言及は、単結合を介して酸素と結
合したアルキル基(すなわち、R-O)を指す。そのような言及には、1~6個の炭素原子を
含む直鎖及び分岐鎖アルキル鎖を有する基、例えばメトキシ(すなわちメチルオキシ)エ
チルオキシ、n-プロピルオキシ、イソプロピルオキシ、n-ブチルオキシ、及び2-メチルプ
ロピルオキシがある。
本明細書で使用される用語「アリル」への言及は、構造式RCH2-CH=CH2(式中、Rは分子
の残りの部分である)を有する置換基を指す。該アリルは、ビニル基(-CH=CH2)に結合
したメチル基(-CH2-)からなる。
用語「COOH」又は「CO2H」への言及は、カルボニル基(C=O)及びヒドロキシル基(O-H
)からなるカルボキシル基(又はカルボキシ)を指す。用語「COH」への言及は、水素に
結合したカルボニル基(C=O)からなるホルミル基を指す。
用語「N3」(構造は-N=N+=N-として描かれる)は、アジド基を指す。
一実施態様において、Ra及びRbは両方とも水素を表す(すなわち、R1はNH2を表す)。
代替の実施態様において、Raは水素を表し、かつRbはメチルを表す(すなわち、R1はNH
CH3を表す)。
一実施態様において、R2は水素、メチル、又はメトキシを表す。さらなる実施態様にお
いて、R2は水素を表す。代替の実施態様において、R2はメチルを表す。尚さらに代替の実
施態様において、R2はメトキシを表す。
一実施態様において、Xは-OR3を表し、かつR3はC1-6アルキル、CH2N3、NH2、又はアリ
ルを表す。
代替の実施態様において、XはC1-6アルキル(例えば、メチル)又はN3を表す。
一実施態様において、Yは水素又はヒドロキシルを表す。
一実施態様において、Yは水素を表す。
代替の実施態様において、Yはヒドロキシルを表す。
代替の実施態様において、Yはハロゲン、例えばフッ素を表す。
一実施態様において、ZはNを表す。
代替の実施態様において、ZはCR4を表す。
一実施態様において、R4はC1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又はCOOHを表す。
さらなる実施態様において、R4はメトキシ、COOH、又はCOHを表す。尚さらなる実施態
様において、R4はメトキシを表す。代替の実施態様において、R4はCOOHを表す。尚さらに
代替の実施態様において、R4はCOHを表す。
一実施態様において、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸は、以下から選択される:
Figure 2022122950000005
Figure 2022122950000006
Figure 2022122950000007
(表中、「X」は、本明細書において先に規定されている)。
以下の試験及びプロトコルは、本明細書に記載の方法の実施態様を例示する:
(比較実施例1:3'-不可逆的ブロックヌクレオチド三リン酸をDNAイニシエーターに付加
するための、ウシTdTの使用)
一本鎖DNAイニシエーター(配列番号:7)を、15 UウシTdT(Thermo Scientific)、要
求される塩(50 mM酢酸カリウム、20 mMトリス酢酸塩 pH 7.9、1 mM塩化コバルト)及び3
'-O-メチルdTTP(TriLink)と、37℃で最大1時間インキュベートした。3'が不可逆的にブ
ロックされたヌクレオチド三リン酸を1 mMの濃度とし、該DNAイニシエーターを1:5000の
比で200 pMとし、ヌクレオチド付加を促進させた。様々な間隔をおいて反応をEDTA(0.5
M)により停止させた。結果を図2(A)に示す。
3'-O-メチルdTTPの代わりに3'-アジドdTTPを3’が不可逆的にブロックされたヌクレオ
チド三リン酸として使用したことを除き、該実験を繰り返した。様々な間隔をおいて反応
をEDTA(0.5 M)により停止させた。結果を図2(B)に示す。
これらの試験は、市販のウシTdTが不可逆的ブロックヌクレオチド、具体的には3'-O-メ
チルdTTP及び3'-アジドdTTPをDNAイニシエーター鎖に付加することを示している(図2)
。さらに、一本鎖DNAイニシエーターへの3'-ブロックヌクレオチド三リン酸の付加は、n
鎖のn+1鎖へ90%超の変換で完了する。
(実施例2:制御された鋳型非依存的DNA合成のためのウシTdT以外のTdTオルソログの使用

一本鎖DNAイニシエーター(配列番号:7)を、精製組換えTdTオルソログ、要求される
塩(50 mM酢酸カリウム、20 mMトリス酢酸塩 pH 7.9、1.5 mM塩化コバルト、出芽酵母無
機ピロホスファターゼ)及び3'-O-アジドメチルdTTPと、37℃で60分間インキュベートし
た。3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を1 mMの濃度とし、該DNAイニシエーターを200 nM
とし、図3(A)に示すようにキャピラリー電気泳動で分析した。反応物を60分後に定量した
。結果を図3(B)に示す。
3'-O-アジドメチルdTTP及び3'-O-アジドメチルdCTPの両方を3'-ブロックヌクレオチド
三リン酸として使用したことを除き、該実験を繰り返した。20分後に反応を停止させ、キ
ャピラリー電気泳動で分析した。定量化した反応物を図3(C)に示す。
ウシTdTは不可逆的ブロックヌクレオチドを効率的に付加するのみであるが、該不可逆
的ブロックヌクレオチドは制御された酵素的一本鎖DNA合成に有用ではない。本実施例は
、ウシTdT以外の天然に存在するTdTオルソログが、顕著により良好に3'-可逆的ブロック
ヌクレオチド三リン酸の付加を実施することを実証する。N+1付加の割合から判定される
性能がより優れているために(図3)、達成可能な長さがより長くなり、核酸配列特異性
の制御がより高度となる。
(実施例3:操作されたTdTオルソログは、野生型タンパク質に対し向上した機能を示す)
一本鎖DNAイニシエーター(配列番号:7)を、精製野生型スポッテッドガーTdT又は操
作された形態の精製組換えスポッテッドガーTdT(配列番号:8)のいずれか、要求される
塩、塩化コバルト、出芽酵母無機ピロホスファターゼ、及び3'-O-アジドメチルdTTPと、3
7℃で20分間インキュベートした。
操作されたバリアント(配列番号:8)は、3'-可逆的ブロックdCTP、dGTP、又はdTTPを
供給された場合の、長さnのイニシエーター鎖を長さn+1の鎖へと変換する能力の向上に
よって実証されるように、野生型スポッテッドガーTdTを上回る性能を示した。
(実施例4:鋳型非依存的かつ配列指定DNA合成のための操作されたTdTオルソログの使用

一本鎖DNAイニシエーター(配列番号:7)を、操作された形態の精製組換えスポッテッ
ドガーTdT、要求される塩、塩化コバルト、出芽酵母無機ピロホスファターゼ、及び3'-O-
アジドメチルdTTPと、37℃で10分間インキュベートした。
操作されたスポッテッドガーTdTのバリアントは、図5において変性PAGEゲルによって実
証されるように、ウシTdTを上回る性能を示した。本実施例は、操作された形態のスポッ
テッドガーTdTが、(1) 野生型スポッテッドガーTdTよりも良好に、かつ(2) ウシTdTより
もずっと良好に3'-可逆的ブロックヌクレオチドを取り込むことを実証する(図2~5を参
照されたい)。
(実施例5:核酸配列特異性を制御するための無機ピロホスファターゼの使用)
一本鎖DNAイニシエーター(配列番号:7)を、ウシTdTと、出芽酵母無機ピロホスファ
ターゼの濃度が変更されたことを除いて先に示された反応緩衝液の下、37℃で60分間イン
キュベートした。ジデオキシTTP(ddTTP)が使用される場合、NTPの濃度は0.1 mMとした
。反応物はPAGEにより分析した。それを図6に示す。
TdTを用いた無機ピロホスファターゼ試験は、核酸配列特異性を制御するためには、TdT
仲介DNA合成は無機ピロホスファターゼを利用しなければならないことを実証する。
(実施例6:TdTを用いるDNA合成方法の例)
1. 固定化された一本鎖DNAイニシエーターを、TdT;塩基指定3'-ブロックヌクレオチド
三リン酸;無機ピロホスファターゼ(例えば、出芽酵母ホモログ);及び任意の要求され
る緩衝液(例えば、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)、カコジル酸塩、
又は緩衝範囲がpH 5~10である任意の緩衝液)、及び塩(例えば、Na+、K+、Mg2+、Mn2+
、Cu2+、Zn2+、Co2+,など、全てCl-のような適当な対イオンとともに)から構成される伸
長溶液に曝露し、かつ最適化された濃度、時間、及び温度で反応させる。3'-ブロックヌ
クレオチド三リン酸は、含窒素塩基アデニン、グアニン、シトシン、又はチミンのうちの
1つを含むこととなる。
2. 伸長混合物は、続いて洗浄混合物により除去されて再利用される。洗浄混合物はTdT
及び3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を含まない伸長混合物である。
3. 固定化(n+1)DNA鎖を、適当な緩衝液、変性試薬(例えば、尿素、塩化グアニジニ
ウム、ホルムアミド、ベタインなど)、及び切断剤(例えば、3’-O-アジドメチル基を脱
ブロックするためにはトリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP);3’-O-アリル基
を脱ブロックするためにはパラジウム錯体;又は3’-アミノキシ基を脱ブロックするため
には亜硝酸ナトリウム)から構成される切断混合物で処理する。温度を最大99℃まで上昇
させ、切断及び二次構造の破壊を助長することができる。最適温度は利用される切断剤に
依存する。
4. 固定化された脱ブロック(n+1)DNA鎖を、洗浄混合物で処理し、切断混合物を除去
する。
5. 塩基指定3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を用いて、所望のオリゴヌクレオチド配
列が達成されるまでサイクル1~4を繰り返す。
6. 一度所望の配列が達成されたら、DNA生産物に特異的なプライマーを用いたポリメラ
ーゼ連鎖反応を使用して直接該生産物を「抽出し」、かつ増幅させる。
6. 一度所望の配列が達成されたら、DNA生産物に特異的なプライマーを用いたポリメラ
ーゼ連鎖反応を使用して直接該生産物を「抽出し」、かつ増幅させる。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
核酸合成方法における:
(a) 配列番号:1~5及び8のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の配
列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片;あるいは
(b) 配列番号:6の修飾誘導体、のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む、ター
ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素の使用。
(構成2)
前記ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素が配列番号:1
~5及び8のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列との少なくと
も20%の配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片を含む、構成1記載の使用。
(構成3)
前記ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素が配列番号:1
、2、若しくは8から選択されるアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の
配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片を含む、構成1又は2記載の使用。
(構成4)
(a) イニシエーター配列を提供する工程;
(b) 構成1~3のいずれか1項記載のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラ
ーゼ(TdT)の存在下、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を該イニシエーター配列に付加
する工程;
(c) 該イニシエーター配列からの全ての試薬の除去工程;
(d) 切断剤の存在下で該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸からブロック基を切断する
工程;
(e) 該切断剤の除去工程、を含む、核酸合成方法。
(構成5)
1を超えるヌクレオチドが工程(b)~(e)を繰り返すことにより付加される、構成4記載の
方法。
(構成6)
前記3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が、3'-O-アジドメチル基、3'-アミノキシ基、
又は3'-O-アリル基のいずれかによりブロックされる、構成4又は5記載の方法。
(構成7)
前記ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)が、トリス又はカ
コジル酸塩のような1以上の緩衝液、1以上の塩、及び出芽酵母由来の精製組換え無機ピロ
ホスファターゼのような無機ピロホスファターゼを含む伸長溶液の存在下で追加される、
構成4~6のいずれか1項記載の方法。
(構成8)
工程(b)が、5~10のpH範囲で実施される、構成4~7のいずれか1項記載の方法。
(構成9)
前記切断剤が、化学的切断剤である、構成4~8のいずれか1項記載の方法。
(構成10)
前記切断剤が、酵素的切断剤である、構成4~9のいずれか1項記載の方法。
(構成11)
前記切断剤が、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、パラジウム錯体、又
は亜硝酸ナトリウムから選択される、構成4~10のいずれか1項記載の方法。
(構成12)
前記切断剤が、尿素、塩化グアニジニウム、ホルムアミド、又はベタインのような変性
試薬、及び1以上の緩衝液を含む切断溶液の存在下で追加される、構成4~11のいずれか1
項記載の方法。
(構成13)
工程(d)が、99℃未満の温度で実施される、構成4~12のいずれか1項記載の方法。
(構成14)
工程(c)及び(e)が、洗浄溶液を適用することにより実施される、構成4~13のいずれか1
項記載の方法。
(構成15)
前記方法が、微量流体フロー装置又はカラムベースフロー装置のようなフロー装置内で
実施される、構成4~14のいずれか1項記載の方法。
(構成16)
前記方法が、プレート又はマイクロアレイ構成内で実施される、構成4~14のいずれか1
項記載の方法。
(構成17)
前記イニシエーター配列が、5~50ヌクレオチド長、例えば10~30ヌクレオチド長、特
に約20ヌクレオチド長である、構成4~16のいずれか1項記載の方法。
(構成18)
前記イニシエーター配列が、一本鎖又は二本鎖である、構成4~17のいずれか1項記載の
方法。
(構成19)
前記イニシエーター配列が、固体支持体上に固定化されている、構成4~18のいずれか1
項記載の方法。
(構成20)
前記イニシエーター配列が、可逆的相互作用部分を介して固定化されている、構成19記
載の方法。
(構成21)
前記可逆的相互作用部分を除去することにより、結果として生じる核酸を抽出すること
をさらに含む、構成20記載の方法。
(構成22)
前記可逆的相互作用部分が、化学的に切断可能なリンカー、例えばジスルフィド、アリ
ル、又はアジドでマスクされたヘミアミナールエーテルである、構成20記載の方法。
(構成23)
前記化学的に切断可能なリンカーを切断することにより、例えばトリス(2-カルボキシ
エチル)ホスフィン(TCEP)、ジチオスレイトール(DTT)、又はパラジウム錯体を追加す
ることにより、結果として生じる核酸を抽出することをさらに含む、構成22記載の方法。
(構成24)
前記イニシエーター配列が、少なくとも1つの制限酵素部位を含む、構成4~19のいずれ
か1項記載の方法。
(構成25)
制限酵素を用いることにより、結果として生じる核酸を抽出することをさらに含む、構
成24記載の方法。
(構成26)
前記イニシエーター配列が、少なくとも1つのウリジンを含む、構成4~25のいずれか1
項記載の方法。
(構成27)
前記結果として生じる核酸を、例えばPCRによって、増幅することをさらに含む、構成4
~26のいずれか1項記載の方法。
(構成28)
核酸合成方法におけるキットの使用であって、該キットが、任意にイニシエーター配列
、1以上の3'-ブロックヌクレオチド三リン酸、出芽酵母由来の精製組換え無機ピロホスフ
ァターゼのような無機ピロホスファターゼ、及び切断剤から選択される1以上の構成要素
と組合わせて;
さらに任意に構成4~27のいずれか1項記載の方法に従う該キットの取扱説明書とともに
、構成1~3のいずれか1項記載のTdTを含む、前記使用。
(構成29)
伸長溶液、洗浄溶液、及び/又は切断溶液の群から選択される1以上の構成要素をさらに
含む、構成28記載の使用。
(構成30)
鋳型非依存的核酸合成方法における3'-ブロックヌクレオチド三リン酸の使用であって
、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が式(I)、(II)、(III)、又は(IV)の化合
物から選択される、前記使用:
(化1)
Figure 2022122950000016
(式中、
R 1 は、NR a R b を表し(式中、R a 及びR b は独立に、水素又はC 1-6 アルキルを表す)、
R 2 は、水素、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルコキシ、COH、又はCOOHを表し、
Xは、C 1-6 アルキル、NH 2 、N 3 、又は-OR 3 を表し、
R 3 は、C 1-6 アルキル、CH 2 N 3 、NH 2 、又はアリルを表し、
Yは、水素、ハロゲン、又はヒドロキシルを表し、かつ
Zは、CR 4 又はNを表す(式中、R 4 は、水素、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルコキシ、COH、又は
COOHを表す))。
(構成31)
R a 及びR b の両方が水素を表すか、又はR a が水素を表し、かつR b がメチルを表す、構成30
記載の使用。
(構成32)
R 2 が、水素、メチル、又はメトキシを表す、構成30又は31記載の使用。
(構成33)
Xが、-OR 3 を表し、かつR 3 が、C 1-6 アルキル、CH 2 N 3 、NH 2 、又はアリルを表す、構成30
~32のいずれか1項記載の使用。
(構成34)
Yが、水素を表す、構成30~33のいずれか1項記載の使用。
(構成35)
Zが、CR 4 を表し、かつR 4 が、メトキシ、COH、又はCOOHを表す、構成30~34のいずれか1
項記載の使用。
(構成36)
前記3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が、E1~E11から選択される、構成30~35のいず
れか1項記載の使用。
(構成37)
核酸合成方法における、無機ピロホスファターゼの使用。
(構成38)
前記無機ピロホスファターゼが、出芽酵母由来の精製組換え無機ピロホスファターゼで
ある、構成37記載の使用。

Claims (38)

  1. 核酸合成方法における:
    (a) 配列番号:1~5及び8のいずれか1つ、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の配
    列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片;あるいは
    (b) 配列番号:6の修飾誘導体、のいずれかから選択されるアミノ酸配列を含む、ター
    ミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素の使用。
  2. 前記ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素が配列番号:1
    ~5及び8のいずれか1つから選択されるアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列との少なくと
    も20%の配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片を含む、請求項1記載の使用
  3. 前記ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)酵素が配列番号:1
    、2、若しくは8から選択されるアミノ酸配列、又は該アミノ酸配列との少なくとも20%の
    配列相同性を有するその機能的等価物若しくは断片を含む、請求項1又は2記載の使用。
  4. (a) イニシエーター配列を提供する工程;
    (b) 請求項1~3のいずれか1項記載のターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェ
    ラーゼ(TdT)の存在下、3'-ブロックヌクレオチド三リン酸を該イニシエーター配列に付
    加する工程;
    (c) 該イニシエーター配列からの全ての試薬の除去工程;
    (d) 切断剤の存在下で該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸からブロック基を切断する
    工程;
    (e) 該切断剤の除去工程、を含む、核酸合成方法。
  5. 1を超えるヌクレオチドが工程(b)~(e)を繰り返すことにより付加される、請求項4記載
    の方法。
  6. 前記3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が、3'-O-アジドメチル基、3'-アミノキシ基、
    又は3'-O-アリル基のいずれかによりブロックされる、請求項4又は5記載の方法。
  7. 前記ターミナルデオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ(TdT)が、トリス又はカ
    コジル酸塩のような1以上の緩衝液、1以上の塩、及び出芽酵母由来の精製組換え無機ピロ
    ホスファターゼのような無機ピロホスファターゼを含む伸長溶液の存在下で追加される、
    請求項4~6のいずれか1項記載の方法。
  8. 工程(b)が、5~10のpH範囲で実施される、請求項4~7のいずれか1項記載の方法。
  9. 前記切断剤が、化学的切断剤である、請求項4~8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記切断剤が、酵素的切断剤である、請求項4~9のいずれか1項記載の方法。
  11. 前記切断剤が、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)、パラジウム錯体、又
    は亜硝酸ナトリウムから選択される、請求項4~10のいずれか1項記載の方法。
  12. 前記切断剤が、尿素、塩化グアニジニウム、ホルムアミド、又はベタインのような変性
    試薬、及び1以上の緩衝液を含む切断溶液の存在下で追加される、請求項4~11のいずれか
    1項記載の方法。
  13. 工程(d)が、99℃未満の温度で実施される、請求項4~12のいずれか1項記載の方法。
  14. 工程(c)及び(e)が、洗浄溶液を適用することにより実施される、請求項4~13のいずれ
    か1項記載の方法。
  15. 前記方法が、微量流体フロー装置又はカラムベースフロー装置のようなフロー装置内で
    実施される、請求項4~14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記方法が、プレート又はマイクロアレイ構成内で実施される、請求項4~14のいずれ
    か1項記載の方法。
  17. 前記イニシエーター配列が、5~50ヌクレオチド長、例えば10~30ヌクレオチド長、特
    に約20ヌクレオチド長である、請求項4~16のいずれか1項記載の方法。
  18. 前記イニシエーター配列が、一本鎖又は二本鎖である、請求項4~17のいずれか1項記載
    の方法。
  19. 前記イニシエーター配列が、固体支持体上に固定化されている、請求項4~18のいずれ
    か1項記載の方法。
  20. 前記イニシエーター配列が、可逆的相互作用部分を介して固定化されている、請求項19
    記載の方法。
  21. 前記可逆的相互作用部分を除去することにより、結果として生じる核酸を抽出すること
    をさらに含む、請求項20記載の方法。
  22. 前記可逆的相互作用部分が、化学的に切断可能なリンカー、例えばジスルフィド、アリ
    ル、又はアジドでマスクされたヘミアミナールエーテルである、請求項20記載の方法。
  23. 前記化学的に切断可能なリンカーを切断することにより、例えばトリス(2-カルボキシ
    エチル)ホスフィン(TCEP)、ジチオスレイトール(DTT)、又はパラジウム錯体を追加す
    ることにより、結果として生じる核酸を抽出することをさらに含む、請求項22記載の方法
  24. 前記イニシエーター配列が、少なくとも1つの制限酵素部位を含む、請求項4~19のいず
    れか1項記載の方法。
  25. 制限酵素を用いることにより、結果として生じる核酸を抽出することをさらに含む、請
    求項24記載の方法。
  26. 前記イニシエーター配列が、少なくとも1つのウリジンを含む、請求項4~25のいずれか
    1項記載の方法。
  27. 前記結果として生じる核酸を、例えばPCRによって、増幅することをさらに含む、請求
    項4~26のいずれか1項記載の方法。
  28. 核酸合成方法におけるキットの使用であって、該キットが、任意にイニシエーター配列
    、1以上の3'-ブロックヌクレオチド三リン酸、出芽酵母由来の精製組換え無機ピロホスフ
    ァターゼのような無機ピロホスファターゼ、及び切断剤から選択される1以上の構成要素
    と組合わせて;
    さらに任意に請求項4~27のいずれか1項記載の方法に従う該キットの取扱説明書ととも
    に、請求項1~3のいずれか1項記載のTdTを含む、前記使用。
  29. 伸長溶液、洗浄溶液、及び/又は切断溶液の群から選択される1以上の構成要素をさらに
    含む、請求項28記載の使用。
  30. 鋳型非依存的核酸合成方法における3'-ブロックヌクレオチド三リン酸の使用であって
    、該3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が式(I)、(II)、(III)、又は(IV)の化合
    物から選択される、前記使用:
    Figure 2022122950000008
    (式中、
    R1は、NRaRbを表し(式中、Ra及びRbは独立に、水素又はC1-6アルキルを表す)、
    R2は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又はCOOHを表し、
    Xは、C1-6アルキル、NH2、N3、又は-OR3を表し、
    R3は、C1-6アルキル、CH2N3、NH2、又はアリルを表し、
    Yは、水素、ハロゲン、又はヒドロキシルを表し、かつ
    Zは、CR4又はNを表す(式中、R4は、水素、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、COH、又は
    COOHを表す)。
  31. Ra及びRbの両方が水素を表すか、又はRaが水素を表し、かつRbがメチルを表す、請求項
    30記載の使用。
  32. R2が、水素、メチル、又はメトキシを表す、請求項30又は31記載の使用。
  33. Xが、-OR3を表し、かつR3が、C1-6アルキル、CH2N3、NH2、又はアリルを表す、請求項3
    0~32のいずれか1項記載の使用。
  34. Yが、水素を表す、請求項30~33のいずれか1項記載の使用。
  35. Zが、CR4を表し、かつR4が、メトキシ、COH、又はCOOHを表す、請求項30~34のいずれ
    か1項記載の使用。
  36. 前記3'-ブロックヌクレオチド三リン酸が、E1~E11から選択される、請求項30~35のい
    ずれか1項記載の使用。
  37. 核酸合成方法における、無機ピロホスファターゼの使用。
  38. 前記無機ピロホスファターゼが、出芽酵母由来の精製組換え無機ピロホスファターゼで
    ある、請求項37記載の使用。
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