JP2022121006A - 安定化回路 - Google Patents

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Atsushi Shibuya
清春 清野
Kiyoharu Kiyono
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Abstract

【課題】半導体素子を用いた半導体装置の安定化を図るための安定化回路を提供する。【解決手段】安定化回路12は第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との第1の直列回路8と、第1の抵抗10と第2のインダクタ9との第2の直列回路11とを並列接続して構成したものである。このように第1の抵抗10に第2のインダクタ9を接続する事により、第1の抵抗10の配置位置が著しく緩和され、安定化回路12を実現する上での設計の自由度が大幅に増大する。【選択図】図1

Description

この開示は、FET(Field effect transistor)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等の半導体素子を用いた半導体装置の安定化回路に関するものである。
レーダ機器、通信機器、観測機器では増幅器、発振器等の半導体装置が広く用いられている。一般にFET、HEMT等の半導体素子自身の特性として低周波になるほど動作が不安定となる。このため半導体装置では特に低周波で安定動作させるための安定化回路が用いられる。
このような安定化回路として、キャパシタとインダクタとの直列共振回路と、この直列共振回路に並列接続された抵抗とから構成され、半導体素子の入力端子に直列に接続されたものがある(例えば特許文献1参照)。
特開2005-217753号公報
しかし、安定化回路をマイクロ波集積回路で実現するような場合、従来の安定化回路では、抵抗の配置位置に制約を受け、設計の自由が制約されてしまう課題があった。
この開示の安定化回路は、第1のインダクタと第1のキャパシタとの第1の直列回路と、この第1の直列回路に並列接続され、第1の抵抗と第2のインダクタとの第2の直列回路とで構成され、安定化回路を半導体素子の入力端子あるいは出力端子の少なくとも1つの端子に直列に装荷したものである。
この開示の安定化回路によれば、第1の抵抗に第2のインダクタを直列に装荷する事で、かならずしも主線路間に第1の抵抗を装荷する必要がなく、第1の抵抗を主線路から離れた場所に形成する事も可能となり第1の抵抗の形成位置が大きく緩和される。このため、実現する上で耐電力と半導体装置の中心周波数とからの制約が著しく緩和され、設計の自由度が増える効果がある。
この開示の実施の形態1による安定化回路を用いた半導体装置の構成を示す図である。 この開示の実施の形態1による安定化回路を、マイクロ波集積回路を用いて実現した場合の一例である。 比較例の安定化回路の等価回路および比較例の安定化回路をマイクロ波集積回路を用いて実現した場合の構成の一例である。 この開示の実施の形態1による安定化回路の他の実施例を示す構成を示す図である。 この開示の実施の形態2による安定化回路の簡易的な等価回路である。 この開示の実施の形態2による安定化回路の通過特性の一例である。 この開示の実施の形態2による安定化回路を適用した増幅器の利得および安定係数特性例である。 この開示の実施の形態3による安定化回路を用いた半導体装置の構成を示す図である。 この開示の実施の形態3による安定化回路の簡易的な等価回路を示す図である。 この開示に係る実施の形態3による安定化回路の通過特性を示す図である。 この開示の形態3による安定化回路の他の実施例の構成を示す図である。 この開示の形態3による安定化回路のさらに他の実施例の構成を示す図である。 この開示の実施の形態1~実施の形態3による安定化回路を用いた半導体装置の他の実施例の構成を示す図である。
実施の形態1.
以下、図を用いてこの開示に係る実施の形態1について説明する。
図1は実施の形態1の安定化回路を用いた半導体装置の構成を示す図である。ここでは半導体装置として増幅器の場合について示している。
この増幅器は入力端子1と出力端子2との間に入力整合回路4、FET(Field effect transistor)、HEMT(High Electron Mobility Transistor)等の半導体素子3、実施の形態1による安定化回路12および出力整合回路5を順次配置した構成のものである。
また、安定化回路12は第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との第1の直列回路8に、第2のインダクタ9と第1の抵抗10との第2の直列回路11を並列接続した構成となっており、半導体素子の出力端子3bと出力整合回路5との間に装荷したものである。
図1に示す安定化回路12は第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7と第2のインダクタ9と第1の抵抗10との4素子のみで構成されている。
半導体素子3の入力端子3aはゲート端子であり入力整合回路4と接続されている。
半導体素子3の出力端子3bはドレイン端子であり安定化回路12と接続されている。
半導体素子3のソース端子は接地されている。
入力整合回路4は入力端子1に接続される電源インピーダンスと半導体素子3の入力インピーダンスとを整合させるために設けられている。出力整合回路5は出力端子2に接続される負荷インピーダンスと半導体素子3の出力インピーダンスとを整合させるために設けられている。また、安定化回路12は増幅器の所要帯域における特性への影響を極力小さく抑え、かつ、不安定動作の原因となる半導体素子3からの低周波帯の不要波を吸収し、増幅器の安定化を図るものである。
このような構成にする事により入力端子1からのマイクロ波帯の信号を半導体素子3で所望のレベルまで増幅し、その後、出力端子2を介して負荷へ供給するような増幅器が得られる。
図2はマイクロ波集積回路を用いてこの開示の安定化回路12を実現した場合一例である。
図2の(a)はセラミック基板上に薄膜で形成され、間隔Gを置いて付き合うように2つの主線路S1、S2を直線状に配置し、一方の主線路S1の側面に薄膜で形成した第1の抵抗10の一端を接続し、他端をマイクロストリップ線路でL字形状に形成された第2のインダクタ9を介してもう一方の主線路S2の端部側面に接続するとともに、もう一方の主線路S2の端部にチップ状の第1のキャパシタ7を装着し、かつ、第1のキャパシタ7と一方の主線路S1の端部とを金ワイヤからなる第1のインダクタ6で接続したものである。
このように第1の抵抗10に第2のインダクタ9を接続することにより、第1の抵抗10を形成する位置に余裕ができる。このため半導体装置の帯域中心周波数と第1の抵抗10の面積から制約されることなく、安定化回路12を実現するための設計の自由度が増加する利点がある。
図2の(b)はセラミック基板上に薄膜で形成され、間隔Gを置いて付き合うように2つの主線路S1、S2を直線状に配置し、2つの主線路S1、S2の間隔Gの側面に2つの主線路S1、S2の間隔Gと同じ長さの第1の抵抗10を形成し、2つの主線路S1、S2の端部側面から、主線路の方向に対して垂直方向であって第1の抵抗10が形成された方向にそれぞれ第2のインダクタ9a、9bを直線状に形成し、これらのインダクタ9a、9b間に第1の抵抗10を装荷したものである。第2のインダクタ9を9aと9bに分割することにより、第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との共振周波数を維持しつつ、抵抗の面積に左右されることなく第1の抵抗10の形成位置にさらに余裕ができ、さらに設計の自由度が増える利点がある。
図2の(c)は図2の(b)と基本的な構成は同じであるが、対向して配置した2つの主線路S1、S2の間隔Gを狭くした場合である。図2の(c)は、2つの主線路S1、S2の間隔Gの側面に2つの主線路S1、S2の間隔Gより長い第1の抵抗10を形成し、一方の主線路S1の端部側面から、主線路の方向に対して垂直方向であって第1の抵抗10が形成された方向に第2のインダクタ9aを直線状に形成し、もう一方の主線路S2の端部側面から、主線路の方向に対して垂直方向であって第1の抵抗10が形成された方向に鍵型、クランク型又はZ字型の第2のインダクタ9bを形成し、これらのインダクタ9a、9b間に第1の抵抗10を装荷したものである。このような構成にする事で第1のインダクタ6を形成する金ワイヤ長を短くできる。
これにより、第1の抵抗10の面積を維持しつつ第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との共振周波数を上げる事ができる。即ち、耐電力を維持しつつ、より高い周波数帯の増幅器に対応できるため、さらなる設計の自由度が増える利点がある。
図2に示すように、安定化回路12は、間隔G(ギャップ又は隙間)介して端部が向き合って配置された2つの主線路S1、S2を有し、第1の抵抗10を間隔G以外の位置に配置し、2つの主線路S1、S2の少なくとも一方又は両方と第1の抵抗10とを第2のインダクタ9で接続しているものである。
なお、実際に安定化回路12を実現するには半導体素子の出力端子3bと安定化回路12との間、安定化回路12と出力整合回路5との間には図2に示すようにマイクロ波信号が伝搬する主線路が必要となるが、図1ではこれらの主線路は省略している。
図3は参考までに比較例の安定化回路の等価回路および比較例の安定化回路をマイクロ波集積回路を用いて実現した場合の構成の一例である。比較例の安定化回路は図3の(a)に示すようにインダクタとキャパシタとの直列共振回路に抵抗を並列接続したものである。このような安定化回路を実現するには図3の(b)に示すように2つ主線路S1、S2の端部間に薄膜で形成した抵抗を装荷し、一方の主線路S1の端部上にチップ状のキャパシタを装着するとともに、抵抗を跨ぐようにキャパシタともう一方の主線路S2の端部間を金ワイヤからなるインダクタで接続する構成のものである。
一般に抵抗の耐電力は抵抗の面積に依存し、高耐電力を得るには広い面積ものが必要となる。一方、直列共振回路の共振周波数はキャパシタとインダクタとで決まり、キャパシタを固定するには増幅器の帯域中心周波数が高い場合は金ワイヤ長を短くし、帯域中心周波数が低い場合は金ワイヤ長を長くすることが必要である。
耐電力向上のため広い面積の抵抗を採用し、かつ、増幅器の中心周波数が高い場合、抵抗を跨ぐ金ワイヤ長さが抵抗の長さより短くなってしまい実現できない場合が生じる。また、抵抗を跨ぐ所望の長さの金ワイヤを採用するには直列共振周波数に対応したキャパシタを選択する必要がある。
このように比較例の安定化回路では耐電力と直列共振回路の共振周波数とから実現できる回路定数が決まり、設計の自由が制約されてしまう。
図4は実施の形態1による安定化回路の他の実施例を示す構成図である。図1の安定化回路12は第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との第1の直列回路8と、第1の抵抗10と第2のインダクタ9との第2の直列回路11とを並列接続して構成のものである。
これに対し、図4の(a)は1個の第1の直列回路8に、2つの第2の直列回路11を並列接続した場合である。このような構成にすることで、1つの第1の抵抗10の面積を必要以上に広げること無く安定化回路の耐電力向上が図れる。
図4の(b)は第1のインダクタ6を2個のインダクタ6a、6bに分割し、これらのインダクタ6a、6bをそれぞれ第1のキャパシタ7の両側に接続したものである。これにより第1のキャパシタ7の配置にも余裕ができ、設計の自由度がさらに増す。
***実施の形態1の効果***
実施の形態1の安定化回路12は、増幅器、発振器等の半導体装置の安定化を図るための安定化回路であり、半導体装置に用いる半導体素子3の入力端子3aあるいは出力端子3bの少なくとも一方の端子又は両方の端子に直列に接続され、第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との第1の直列回路8と、第1の直列回路8に並列接続され、第1の抵抗10と第2のインダクタ9との第2の直列回路11とからなることを特徴とする。
この開示の安定化回路12では第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7との第1の直列回路8に、第1の抵抗10と第2のインダクタ9との第2の直列回路11を並列接続する構成とし、第1の抵抗10に第2のインダクタ9を装荷する事で第1の抵抗10の形成位置に余裕ができる。
このため、耐電力を決める抵抗の面積と、増幅器の帯域を決める第1の直列回路8とはそれぞれ独立に設計する事が可能となり、著しく設計の自由度が増す利点がある。
実施の形態2.
以下、主に実施の形態1と異なる点について説明する。
図5はこの開示の実施の形態2による安定化回路の簡易的な等価回路である。この実施の形態2の安定化回路の構成は図1のものと同じであるが、半導体装置の帯域への影響を極力減らすとともに低周波帯の特定の周波数で大きな減衰量を得るための回路定数を限定したものである。
この等価回路では第1のインダクタ6、第1のキャパシタ7、第2のインダクタ9および第1の抵抗10の値をそれぞれL1、C1、L0、Rとし、L1とC1との直列共振周波数を半導体装置の帯域中心周波数f0に設定する。また、この図5には比較例の安定化回路の簡易等価回路も合わせて示してある。
この開示の安定化回路12では帯域中心周波数f0ではスルー、帯域低域端flでは第1の直列回路8の等価的なキャパシタC’と第2の直列回路11との並列回路、帯域高域端fhでは第1の直列回路8の等価的なインダクタL’と第2の直列回路11との並列回路とで表される。また、帯域外の低周波帯では第1の直列回路8の等価的なキャパシタC0と第2の直列回路11との並列回路で表され、DC(Direct Current)近傍では第1の抵抗10であるRのみと表される。
これに対して比較例の安定化回路では帯域中心周波数f0ではスルー、flではC’と抵抗Rとの並列回路、fhではL’とRとの並列回路とで表される。また、帯域外の低周波帯ではC0とRとの並列回路で表され、DC近傍ではRのみとなる。
即ち、実施の形態2の安定化回路12と比較例のものとはf0およびDC近傍にける簡易的な等価回路は同じになる。しかし、帯域の両端の周波数flおよびfhでは第1の抵抗10に接続された第2のインダクタ9の効果により、比較例の抵抗のみよりはインピーダンスを高くなる。このため、flおよびfhにおける第1の抵抗10での減衰量は比較例の安定化回路よりも低くなる。即ち、このような回路定数の安定化回路12を増幅器に適用することにより、DC近傍における不要波の減衰量を維持しつつ、増幅器の広帯域化が可能となる。
また、この開示の安定化回路12の低周波帯における簡易的な等価回路ではC0と第2の直列回路11との並列回路となるため、C0と並列共振するような第2のインダクタ9を選ぶ事により、低周波帯の特定の周波数frでより多くの不要波を減衰させる事ができる。このような第2のインダクタ9の定数L0は以下のように求める事ができる。
ここでL1とC1とが半導体装置の中心周波数ωoで直列共振するようC1=1/(ωoL1)に設定した場合、安定化回路12のインピーダンスZは式1で表される。ここでωo=2πf0である。
式1
Z={jL1(ω-ωo)(R+jωL0)}/{(jL1(ω-ωo)+ω(R+jωL0)}
また、R<ωL0とすれば式1から近似的に式2が求まる。
式2
Z={-ωL1L0(ω-ωo)}/{(jL1(ω-ωo)+jωL0)}
この式より、低周波帯のある周波数ωrで安定化回路が並列共振するためのL0とL1の関係は式3で求めることができる。ここでωr=2πfrである。
式3
L0=L1(ωo/ωr-1)
このように半導体装置の帯域中心周波数ω0、減衰量が最大となる低周波帯の特定の周波数ωr、第1のインダクタ6を与えると式3より第2のインダクタ9のL0が求める。
例えばf0=1.6GHz、fr=0.8GHz、L1=8nHとすれば式3よりL0=24nHが求まる。また、C1についてはf0でL1と直列共振する条件よりC1=1.25pFが求まる。
L0=L1(ωo/ωr-1)
=L1((2πf0)/(2πfr)-1)
=L1((2π・1.6)/(2π・0.8)-1)
=8((2π・1.6)/(2π・0.8)-1)
≒8(100/25-1)
=8(100/25-1)
=24nH
C1=1/(ωoL1)
=1/((2πf0)L1)
=1/((2π・1.6)・8)
≒1/(100・8)
=0.00125nF
=1.25pF
図6は実施の形態2による安定化回路の通過特性の一例である。図6の(c)において、実線は図6の(a)に示すこの開示の安定化回路12の通過特性であり、点線は図6の(b)に示す比較のため比較例の安定化回路の通過特性である。ここで示した素子値は前述で求めた値を用い、L0を除く比較例の安定化回路の素子値はこの開示の安定化回路12のものと同じにしている。
この開示の安定化回路12は比較例のものに比べ、f0である1.6GHzでの損失は両者一致するものの低域端1.5GHzおよび高域端1.7GHzではこの開示のものの方は低損失である。一方、損失最大となる低周波帯の周波数は0.79GHzであり、比較例のものより約9dB大きい損失13dBが得られる。また、DC近傍では両者一致する。
なお、損失最大となる周波数は0.79GHzに対して式3で求めた0.8GHzと若干の相違はあるが、式3では抵抗Rの影響が非常に小さいと仮定した場合である。L0を微調すること、すなわちL0≒L1(ωo/ωr-1)とすることで0.8GHzに合わせる事が容易である。
図7は実施の形態2に係わる安定化回路を適用した増幅器の利得および安定係数の特性例である。
図中、実線はこの開示の安定化回路12を適用した場合、点線は比較のため比較例の安定化回路を適用した場合である。
なお、図7の特性例は、この開示の安定化回路12および比較例の安定化回路の素子値を図6のものとし、図7の(a)に示すように半導体素子3と出力整合回路5との間に安定化回路12を装荷した場合の特性例である。
図7の(b)に示すように比較例の安定化回路に比べこの開示の安定化回路を用いた方が帯域1.5GHz~1.7GHzにわたって利得が高く、かつ、低周波帯の特定の周波数0.8GHzで約9dBの低利得化が実現できる。また、図7の(c)に示すように0.8GHz近傍の安定係数も改善できる。
比較例の安定化回路は周波数が低くなるに従い直列共振回路のインピーダンスが高くなるため、抵抗で吸収される不要波も徐々に増加し、DC(Direct Current)近傍で最大となる。
しかし、半導体素子が不安定になる周波数帯はDC近傍とは限らず、例えば1/2倍波発振のようにf0/2近傍の低周波帯で半導体素子が不安定動作する場合がある。このような場合、DC近傍の不要波よりもf0/2近傍の不要波をより多く抵抗で吸収させる必要がある。
比較例の安定化回路では低周波帯の特定の周波数fr帯で十分に不要波を吸収できない場合があり、この周波数帯で半導体素子が不安定動作したり、発振したりする場合がある。
実施の形態2ではこの開示の安定化回路の第1のインダクタ6と第1のキャパシタ7とからなる第1の直列回路8の直列共振周波数を半導体装置の帯域中心周波数f0に、かつ、第1の直列回路8の低周波帯の特定の周波数frで第1の直列回路8の等価的なキャパシタと並列共振するような第2のインダクタ9選ぶ事により、比較例の安定化回路に比べ半導体装置の広帯域化が図れる。
例えばfrをf0/2に選ぶ事により1/2倍波発振の原因となる低周波帯の不要波をより多く減衰させる事ができ増幅器のより高安定化を図る事ができる。
なお、上記、実施例で帯域のf0/2の周波数帯の不要波を吸収する場合について説明したが、この開示の安定化回路12では第2のインダクタ9を任意に選ぶ事により、それ以外の低周波帯の不要発振にも対応できる。
***実施の形態2の効果***
以上のように、実施の形態2の安定化回路12によれば、比較例の安定化回路のDC近傍における抵抗での不要波の吸収量を維持しつつ、低周波帯の特定の周波数fr帯でより多くの不要波を吸収させることができ、例えばf0/2発振を著しく抑圧できる。また、帯域内の両端においても安定化回路の損失を低減することができ、半導体装置の広帯域化も可能となる。
実施の形態3.
以下、主に実施の形態1、2と異なる点について説明する。
以上述べた実施の形態では第1の直列回路8と第2の直列回路11とを並列接続して構成した安定化回路12を図1のように半導体素子の出力端子3aと出力整合回路5との間に直列に装荷した場合について述べた。
このように装荷された安定化回路12は半導体素子3側を見た電源インピーダンスZgあるいは出力整合回路5側を見た負荷インピーダンスZlに大きく影響を受ける。
一般に出力整合回路5は増幅器の帯域で半導体素子3の出力インピーダンスと出力端子2に接続される負荷インピーダンスとが整合するように設計される。しかし、不安定動作が起こり易い低周波帯での整合については考慮されない場合が多い。
このため第1の抵抗10で吸収される不要波の減衰量はZg、Zlに大きく依存し、これらのZg、Zlのインピーダンスによっては減衰すべき不要波がほとんど減衰されない場合がある。このような問題を解決する安定化回路の構成について以下に述べる。
図8はこの開示の実施の形態3による安定化回路を用いた半導体装置の構成を示す図である。この図においても半導体装置として増幅器の場合について示している。ここで示す安定化回路12は実施の形態1、2で示した安定化回路12の一端と接地との間に第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20を装荷したものである。
図8の安定化回路12は、第1の直列回路8と第2の直列回路11とを並列接続して構成した並列接続回路(実施の形態1、2で示した安定化回路12)の出力整合回路5側の端子と接地との間に、第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との2素子のみからなる並列回路20を装荷し、かつ、並列回路20の並列共振周波数を半導体装置の帯域中心周波数f0に設定したものである。
ここで第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との素子値をそれぞれC2、L2とし、これらの素子値は半導体装置の帯域中心周波数f0で並列共振するようにC2=1/(ωoL2)に選ばれる。
また、この並列回路20から出力整合回路5側を見たインピーダンスをZl ’とする。
図9はこの開示に係る実施の形態3による安定化回路の簡易的な等価回路を示す図である。なお、図8と同一あるいは相当部分には同一符号を付してある。
この開示の安定化回路12を構成する第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20は帯域近傍で開放、また、flで等価的なインダクタLa、fhで等価的なキャパシタCaとして表される。一方、低周波帯では等価的なインダクタLa’となり、DC近傍では短絡となる。
一般に低周波帯における等価的なインダクタLa’は非常に小さいため、並列回路20を含むインピーダンスZl ’はZlに影響されにくく、ほぼ一定の低インピーダンスとなる。
このため、Zlに影響されることなく第1の抵抗10で低周波帯の不要波を十分吸収させることができる。
図示していないが、第1の直列回路8と第2の直列回路11とを並列接続して構成した並列接続回路(実施の形態1、2で示した安定化回路12)の半導体素子3側の端子と接地との間に、第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20を装荷してもよい。
第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20は、並列接続回路(実施の形態1、2で示した安定化回路12)の少なくとも一方の端子又は両方の端子と接地との間に装荷されていればよい。
図10はこの開示に係る実施の形態3による安定化回路の通過特性を示す図である。ここではL2=4nH、C2=2.5pFとし、また、Zl、Zgをそれぞれ25Ω、50Ωおよび100Ωに選んだ場合である。このように安定化回路12の前後のインピーダンスが変化しても帯域内のfl~fhにわたって損失はほぼ0dB、また、低周波帯のfrでの損失は約17dBとインピーダンスの影響を受けにくい。従って安定化回路12の前後のインピーダンスが変化した場合であっても、安定化回路12の損失は帯域および低周波においてほぼ一定となる。
この開示の安定化回路を半導体装置に適用することにより、安定化回路12の前後のインピーダンスの影響が小さく広帯域で高安定な増幅器を得ることができる。
図11はこの開示の実施の形態3による安定化回路の他の実施例の構成を示す図である。この安定化回路12は図8に示した第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20に第2の抵抗15を直列に装荷したものである。
図11の(a)は並列接続された第1の直列回路8と第2の直列回路11との安定化回路12の一端と接地間に、並列回路20と第2の抵抗15との直列回路を装荷した場合であり、図11の(b)は並列接続された第1の直列回路8と第2の直列回路11との安定化回路の両端と接地との間にそれぞれ並列回路20と第2の抵抗15との直列回路を装荷した場合である。並列回路20と第2の抵抗15との直列回路は、第1の直列回路8と第2の直列回路11とを並列接続して構成した並列接続回路の少なくとも一方の端子又は両方の端子と接地との間に装荷されていればよい。
先に図8で示した安定化回路12では出力整合回路5側の一端がDC近傍では短絡、低周波帯でも非常に低インピーダンスとなる。このため、出力整合回路5から安定化回路12側を見たインピーダンスもDC近傍および低周波帯では非常に低くなる。このため、出力端子2から出力整合回路5を含む安定化回路12側を見たインピーダンスもDC近傍および低周波帯で低インピーダンスになる。
このため、例えば多段増幅器のような出力端子2にも後段増幅器が接続されるような場合、後段増幅器の入力インピーダンスが短絡あるいは低インピーダンスとなり、後段増幅器が不安定動作してしまう場合がある。
図11のように並列回路20に第2の抵抗15を装荷する事で、DC近傍および低周波帯における並列回路20と第2の抵抗15との直列回路はほぼ第2の抵抗15のみが接続されていると見なせる。このため、出力端子2から出力整合回路5側を見たインピーダンスは低インピーダンスとはならず、出力端子2に接続される後段増幅器の不安定動作を回避できる。
また、図11の(b)の並列接続された第1の直列回路8と第2の直列回路11との安定化回路の両端と接地との間にそれぞれ並列回路20と第2の抵抗15との直列回路を装荷するような場合は設計変更なしで入力端子1と半導体素子3との間にもそのまま適用できる利点がある。
但し、この図11の安定化回路12では帯域近傍における通過特性は第2の抵抗15の有無に係わらず同等の特性となるため、半導体装置の帯域内特性を維持しつつ、後段増幅器の安定化も図れる。
図12はこの開示の実施の形態3による安定化回路のさらに他の実施例の構成を示す図である。第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20の代わりに、一端短絡の伝送線路16を用いた場合である。
図12の(a)は第1の直列回路8と第2の直列回路11との安定化回路12の一端と接地との間に伝送線路16のみ、また、図12の(b)は第2の抵抗15と伝送線路16との2素子のみからなる直列回路を装荷した場合である。
ここで伝送線路16の長さを半導体装置の帯域中心周波数で1/4波長に設定した場合、DC近傍から増幅器の帯域近傍に至る等価回路は、図12の(a)は図8と、図12の(b)は図11の(a)とほぼ等しくなる。
このため第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20の代わりに伝送線路16を用いた場合であっても良好な特性を維持しつつ、負荷インピーダンスの影響を受けにくく高安定な増幅器を得る事ができる。この構成の安定化回路ではマイクロ波集積回路技術を用いれば容易に実現できため、特に、周波数の高い増幅器に用いる安定化回路12の実現する上で有利となる。
実施の形態3は、第1の直列回路8と第2の直列回路11とを並列接続して構成した並列回路の少なくとも一方の端子又は両方の端子と接地との間に、第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20あるいはこの第2のキャパシタ13と第3のインダクタ14との並列回路20と第2の抵抗15との直列回路とを装荷し、かつ、並列回路20の並列共振周波数を半導体装置の帯域中心周波数f0に設定したものである。
***実施の形態3の効果***
実施の形態3の安定化回路12によれば、設計の自由度、半導体装置の広帯域化および低周波帯の特定の周波数frでの安定化を維持しつつ、安定化回路から見た負荷インピーダンスあるいは電源インピーダンスの影響を受けにくい効果がある。
以上の実施の形態1から実施の形態3では、安定化回路12を増幅器の半導体素子3と出力整合回路5との間に適用した場合について述べた。この開示の安定化回路12はこれに限らない。
図13は安定化回路12を適用した増幅器の他の実施例の構成を示す図である。図13の(a)のように入力整合回路4と半導体素子3との間に安定化回路12を接続してもよいし、図13の(b)のように入力整合回路4と半導体素子3との間および出力整合回路5と半導体素子3との間にそれぞれ安定化回路12を接続した場合であっても効果は同じである。
安定化回路12は半導体素子の入力端子3aあるいは出力端子3bの少なくとも一方の端子又は両方の端子に接続されていればよい。
なお、以上は安定化回路を適用した半導体装置として増幅器の場合について述べた。この安定化回路は発振器、逓倍器等の半導体装置に適用しても同じである。
1 入力端子、2 出力端子、3 半導体素子、4 入力整合回路、5 出力整合回路、6 第1のインダクタ、7 第1のキャパシタ、8 第1の直列回路、9 第2のインダクタ、10 第1の抵抗、11 第2の直列回路、12 安定化回路、13 第2のキャパシタ、14 第3のインダクタ、15 第2の抵抗、16 伝送線路、20 並列回路、S1 主線路、S2 主線路、G 間隔。

Claims (6)

  1. 第1のインダクタと第1のキャパシタとの第1の直列回路と、
    上記第1の直列回路に並列接続され、第1の抵抗と第2のインダクタとの第2の直列回路とを備え、
    半導体素子の入力端子と出力端子との少なくとも一方の端子に直列に接される安定化回路。
  2. 上記第1の直列回路の直列共振周波数が上記半導体素子が用いられた半導体装置の帯域中心周波数f0に設定され、かつ、低周波帯の特定の周波数で上記第1の直列回路が持つ等価的なキャパシタと並列共振するように、上記第2のインダクタの値が設定されている請求項1に記載の安定化回路。
  3. 半導体装置の帯域中心周波数=f0
    低周波帯の特定の周波数=fr
    第1のインダクタの値=L1
    第1のキャパシタの値=C1
    第2のインダクタの値=L0
    ωo=2πf0
    ωr=2πfr
    とした場合、第1のインダクタの値と第1のキャパシタの値とは、
    C1=1/(ωoL1)
    の関係を有し、
    第1のインダクタの値と第2のインダクタの値とは、
    L0≒L1(ωo/ωr-1)
    の関係を有する請求項2に記載の安定化回路。
  4. 上記第1の直列回路と上記第2の直列回路とを並列接続して構成した並列接続回路の少なくとも一方の端子と接地との間に、第3のインダクタと第2のキャパシタとからなる並列回路を装荷するとともに、上記並列回路の並列共振周波数が半導体装置の帯域中心周波数f0に設定されている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の安定化回路。
  5. 上記第1の直列回路と上記第2の直列回路とを並列接続して構成した並列接続回路の少なくとも一方の端子と接地との間に、第3のインダクタと第2のキャパシタとからなる並列回路と第2の抵抗との直列回路を装荷した請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の安定化回路。
  6. 間隔を介して端部が向き合って配置された2つの主線路を有し、
    前記第1の抵抗を前記間隔の以外に配置し、前記2つの主線路の少なくとも一方と前記第1の抵抗とを前記第2のインダクタで接続している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の安定化回路。
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