JP2022120857A - 異常検査装置及び異常検査方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022120857000001
【課題】 電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスにおける断線等の異常を検査する異常検査装置及び異常検査方法を提供する。
【解決手段】 ワイヤーハーネスの一端側に接続される入力波送信器と、入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出器と、反射波検出器で検出された反射波の周波数特性から特徴量を抽出する特徴量抽出部と、ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの反射波の周波数特性から得た特徴量によって生成された異常判定モデルとを有する異常判定装置であって、異常判定モデルに基づいて、特徴量抽出部で抽出された特徴量から、ワイヤーハーネスの異常を判定する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気機械装置に組み込まれるワイヤーハーネスにおける断線等の異常を検査する異常検査装置及び異常検査方法に関する。
自動車や産業機械はモジュール単位で品質検査等されることが多く、例えば自動車のドアモジュールは自動車に組み付けられる前の段階で、ドアモジュール単体として品質検査を行うことが求められる。かかるモジュールに代表される電気機械装置は、その内部にワイヤーハーネスが組み込まれており、電気機械装置の信頼性を確保するためにはワイヤーハーネスの断線やコネクタの接続不良など、様々な異常を検出することが必要となっている。
また、一定期間使用した電気機械装置は、電線の腐食や疲労による一部断線、振動による緩みなどが生じている可能性があり、これらの異常を精度良く検出することで、故障を未然に防ぐことも必要である。
ここで、ワイヤーハーネスとは、電力の供給や通信に用いられる複数の電線の束であって、電線の端部には端子やコネクタが設けられ、他の機器やワイヤーハーネス同士で接続して利用されるものである。
従来のワイヤーハーネスの異常検査は、電線の両端に直流電圧や交流電圧を印加し、その電線のレジスタンスやインピーダンスを計測し、健全時の値と比較することで、異常を判断する方法が簡便であった。しかし、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの場合は、装置全体を分解しない限り、ワイヤーハーネスの両端を利用することができない。そこで、電気機械装置を分解することなく、ワイヤーハーネスの一端のみを利用して、異常検査を行う技術開発が望まれている。
特許文献1には、電線の一端から断線を検出する方法として、電線にパルス信号を印加し、そのとき電線に流れる電流を計測し、その電流波形を参照用の電流波形と比較し、その波形の差から断線を検出することを特徴とする電線の断線検出方法が開示されている。
特許文献1の断線検出方法によると、電線の一端からパルス信号を印加すると、そのパルス信号は断線箇所などのインピーダンスが変化する箇所で反射することから、その反射波の波形を見ることで、断線の有無や断線箇所を特定することが可能となる。
しかしながら、図8に示す通り、近年の電気機械装置に組み込まれているワイヤーハーネスは、長さが不揃いの多芯ケーブルであり、途中で分岐や結合を繰り返す複雑な構成となっているため、反射波の波形も極めて複雑な形状となり、異常の有無やその位置を読み取ることは困難である。具体的に図8の場合は、6カ所からの反射波が重畳して観測されることになる。
また、複数の断線箇所が存在する場合は、パルス信号を印加した一端から最も近い箇所からの反射波だけが観測されることになり、より遠方の異常を見逃すおそれがあった。
さらに、電線の導通は確保されているものの、電線(撚線)を構成する素線の一部劣化やコネクタの接続不良などは、インピーダンスの変化が小さいことから、反射波形の変化も僅かであり、これらの異常を反射波形から特定することは困難であった。
特開2006-23105号公報
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、解決しようとする課題は、電気機械装置を分解することなく、組み込まれたワイヤーハーネスの一端側のみから、当該ワイヤーハーネスの異常を高精度に検査する異常検査装置と異常検査方法を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査装置であって、ワイヤーハーネスの一端側に接続される入力波送信器と、ワイヤーハーネスの一端側に接続され、入力波送信器によってワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出器と、反射波検出器で検出された反射波の周波数特性から特徴量を抽出する特徴量抽出部と、ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの反射波の周波数特性から得た特徴量によって生成された異常判定モデルと、当該異常判定モデルに基づいて、特徴量抽出部で抽出された特徴量から、ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定部とを有することを特徴とする異常検査装置である。
ワイヤーハーネスの異常は、その異常の原因(断線、接続不良など)に応じて、レジスタンス(純抵抗)R、インダクタンスL、キャパシタンスCのそれぞれに変化を与えることから、ワイヤーハーネスの異常はインピーダンスの変化として捉えることができる。
また、特性インピーダンスは周波数依存性を有していることから、反射波の周波数特性から特徴量を抽出することで、既存のTDR測定法による反射波の波形を観察する方法では得ることのできなかった、コネクタの接続不良に起因するミリ単位の長さの変化や、電線(撚線)を構成する素線の一部断線などの異常を的確に捉えることができる。
上記課題を解決するための請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の異常検査装置であって、入力波送信器は、正弦波信号を周波数掃引しながらワイヤーハーネスに送信し、反射波の周波数特性は、ネットワークアナライザによって得られる散乱パラメータS11の信号情報であり、異常判定モデルは、反射波の周波数特性から抽出した特徴量を教師データとして機械学習により生成された学習済みモデルであることを特徴とする異常検査装置である。
入力波送信器と反射波検出器を包含するネットワークアナライザを用いることで、反射波の周波数特性を簡便な構成で分析することが可能であり、ワイヤーハーネスを対象とする検査においては散乱パラメータS11の信号情報を用いることで、特徴量が得やすくなる。
前述の通り、近年のワイヤーハーネスは複雑な構成をしていることから、検査することで得られる散乱パラメータS11の信号情報と、実際のワイヤーハーネスの異常の有無やその態様とを対応付ける異常判定モデルは極めて複雑なものとなる。反射波の周波数特性から抽出した特徴量を教師データとして機械学習により異常判定モデルを生成することで、モデル生成に要する時間の短縮と高精度化を実現することが可能となる。
上記課題を解決するための請求項3に記載の発明は、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査装置であって、ワイヤーハーネスの一端側から入力波を送信する入力波送信器と、ワイヤーハーネスの一端側に接続され、入力波送信器によってワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出器と、反射波検出器で検出された、ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの反射波の信号情報を教師データとして、ディープラーニング手法によって生成した異常判定モデルと、当該異常判定モデルに基づいて、反射波検出器で検出された反射波の信号情報から、ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定部とを有することを特徴とする異常検査装置である。
反射波の信号情報として、例えば反射波の波形画像を教師データとして、ディープラーニング手法によって異常判定モデルを生成することが可能である。これにより、モデル生成に要する時間の短縮と高精度化を実現することが可能となる。
上記課題を解決するための請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の異常検査装置であって、入力波送信器は、正弦波信号を周波数掃引しながらワイヤーハーネスに送信し、反射波の信号情報は、ネットワークアナライザによって得られる散乱パラメータS11の信号情報であることを特徴とする異常検査装置である。
入力波送信器と反射波検出器を包含するネットワークアナライザを用いることで、反射波の周波数特性を簡便な構成で分析することが可能であり、ワイヤーハーネスを対象とする検査においては散乱パラメータS11の信号情報を用いることで、特徴量を得やすくなる。
上記課題を解決するための請求項5に記載の発明は、請求項1から4に記載の異常検査装置であって、入力波送信器には、ワイヤーハーネスの一端に入力波を送信するプローブが接続されており、プローブは、入力波を伝送する信号導体と、接地導体からなる伝送線路を有し、プローブの先端部には、信号導体に接続される信号端子が設けられており、プローブの伝送線路と先端部の特性インピーダンスは等しく設計されていることを特徴とする異常検査装置である。
ワイヤーハーネスの検査工程では、ワイヤーハーネスの一端に入力波を入力する際の接点において、不要な反射波が生じる場合があり、この不要な反射波が正確な分析を阻害する。伝送線路と先端部の特性インピーダンスが等しく設計されているプローブを用いることにより、不要な反射波を生じさせることなく、より正確な異常検査を実現することが可能となる。
上記課題を解決するための請求項6に記載の発明は、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査方法であって、ワイヤーハーネスの一端側から入力波を送信する入力波送信工程と、ワイヤーハーネスの一端側に、入力波送信工程によってワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出工程と、反射波検出工程で検出された反射波の周波数特性から特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの反射波の周波数特性から得た特徴量によって生成された異常判定モデルを準備する工程と、異常判定モデルに基づいて、特徴量抽出工程で抽出された特徴量から、ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定工程と、を有することを特徴とする異常検査方法である。
上記課題を解決するための請求項7に記載の発明は、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査方法であって、ワイヤーハーネスの一端側から入力波を送信する入力波送信工程と、ワイヤーハーネスの一端側に、入力波送信工程によってワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出工程と、反射波検出工程で検出された、ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの反射波の信号情報を教師データとして、ディープラーニング手法によって生成した異常判定モデルを準備する工程と、異常判定モデルに基づいて、反射波検出工程で検出された反射波の信号情報から、ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定工程と、を有することを特徴とする異常検査方法である。
本発明に係る第1の実施形態を示す概略図である。 第1の実施形態におけるワイヤーハーネスの構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る第3の実施形態を示す概略図である。 プローブの構成を示す図である。 本発明に係る第4の実施形態を示す概略図である。 本発明に係る第5の実施形態を示す概略図である。 従来の検査方法をワイヤーハーネスに適用した場合の説明図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る異常検査装置の第1の実施形態を示す概略図である。
異常検査装置1は電気機械装置10に組み込まれたワイヤーハーネス20の異常を検査する装置である。電気機械装置10に組み込まれたワイヤーハーネス20はその一端に接続されたコネクタ30からアクセスが可能であり、他端は電気機械装置を分解しないとアクセスができない。
入力波送信器50から送信される入力波は、整合回路40、コネクタ30を介してワイヤーハーネス20に送信される。入力波としては、パルス波、正弦波、矩形波などを目的に応じて利用することが可能である。
整合回路40は、一般的なインピーダンス整合回路を用いることができ、入力側の特性インピーダンスの値を、ワイヤーハーネス側の特性インピーダンスの値に一致させることで、反射が無いように接続する役割を担う。具体的には可変抵抗、可変容量、可変インダクタで構成され、検査対象に応じて調整可能な態様とすることが望ましい。
入力波送信器50から送信された入力波は、ワイヤーハーネス20内のインピーダンス変化点で反射し、反射波検出器60で検出される。ここで検出される反射波には、ワイヤーハーネス20の異常に伴うインピーダンスの変化が反映されている。すなわち、ワイヤーハーネスの断線や接続不良などの状態に応じたレジスタンス(純抵抗)R、インダクタンスL、キャパシタンスCの変化があり、それらの変化はインピーダンスの変化として現れ、インピーダンスの変化は入力波に対して反射を生じさせる。
信号処理器70の特徴量抽出部71は、反射波検出器60で取得した反射波の周波数特性から特徴量を抽出する。周波数解析を行うことで時間領域での解析では困難な信号の成分分析が可能となる。周波数解析には一般的なスペクトラムアナライザや、入力波送信器50と反射波検出器60とを包含するネットワークアナライザなどを用いることが可能である。
特徴量抽出部71で抽出する特徴量は、ワイヤーハーネスの異常によって影響を受ける特徴量であればよく、具体的には、反射波スペクトルのピーク電力やその周波数、入力波と反射波の電力の比、ネットワークアナライザの散乱パラメータS11から得られる共振周波数や反射係数などを挙げることが可能であり、検査対象の特性に応じて、適宜使い分けることができる。
異常判定モデル72は、検査の実施に先立って準備するモデルであり、様々な入力波に対する、正常なワイヤーハーネスの反射波や既知の異常を有するワイヤーハーネスの反射波の周波数特性から得た特徴量に基づいて生成される。
異常判定部73は、特徴量抽出部71で抽出した特徴量と異常判定モデル72に基づいて、ワイヤーハーネス20の異常の有無と、異常がある場合の異常の位置や態様を判定する。
図2に、実験に用いたワイヤーハーネスの構成を示す。ワイヤーハーネス20は、No.1からNo.6の6本の電線からなり、それぞれ長さが異なったり、途中で分岐したりしている。これらの電線の一端はコネクタ30に接続されており、他端は開放状態である。実験では、開放状態にある他端に5mmから15mmの延長電線を接続することで、反射波の変化を測定した。表1にその測定結果を示す。
Figure 2022120857000002
表1は、ワイヤーハーネスに含まれる電線No.1~No.6の長さを変化させた場合の共振周波数の変化(周波数シフト)を示している。電線長の変化が0mmのパターンは、ワイヤーハーネスに異常がない正常時の共振周波数であり、この情報が異常判定モデルを形成する。電線長に変化(+5mm,+10mm,+15mm)があるパターンでは共振周波数のシフト量を示している。なお、電線長に変化が生じるワイヤーハーネスの異常としては、具体的にはコネクタの接続不良などが想定される。
実験によると、電線長の変化が+5mm,+10mm,+15mmと大きくなるにつれて、共振周波数の低下を見ることができ、共振周波数とその下がり方は、電線No.1~No.6でそれぞれ異なっていることがわかる。これらの情報を正常時(電線長の変化が0mm)の共振周波数で生成される異常判定モデルと比較することで、2.5m先の5mmの電線長の変化を捉えることが可能となる。
次に、18本の素線からなる電線(撚線)を用いて、全ての素線が正常に導通している場合と、17本が断線して1本のみ導通している場合と、全ての素線が断線している場合におけるネットワークアナライザの散乱パラメータS11から得られる共振周波数(MHz)と反射係数(dB)の分析を行った。表2にその結果を示す。
Figure 2022120857000003
全ての素線が導通の場合(正常時)と、素線1本のみ導通し他の17本が断線している場合を比較すると、共振周波数の差はほとんどないものの、反射係数に差を見ることができる。また、全ての素線が断線している場合は、共振周波数と反射係数の両方に変化を見ることができる。
この場合も、反射波の周波数特性から得た特徴量と、全素線が導通している正常時の共振周波数や反射係数で生成される異常判定モデルとを比較することで導通の異常を検出することが可能となる。これによって、電線(撚線)の一部の素線が断線しているような、ケーブルの信頼性に影響を与える異常を確実に捉えることが可能となる。
図3は、本発明に係る異常検査装置の第2の実施形態を示す概略図である。
電気機械装置10に組み込まれたワイヤーハーネス20、コネクタ30、整合回路40、入力波送信器50、反射波検出器60、異常判定部73は、第1の実施の形態と同じ構成となっている。
信号処理器70における異常判定モデル72は、反射波検出器60で検出された正常なワイヤーハーネスの反射波や既知の異常を有するワイヤーハーネスの反射波の信号情報を教師データとして、ディープラーニング手法によって生成される。ここで、反射波の信号情報とは、オシロスコープで取得できる反射波の波形であってもよいし、スペクトラムアナライザで取得できるスペクトル波形やネットワークアナライザで得られる散乱パラメータS11の測定波形でもよい。
異常判定モデル72を生成するためのディープラーニングのプロセスにおいては、特徴量の抽出を自動で行える場合もあるが、必要に応じて特徴量を事前に設計することも可能である。
図4は、本発明に係る異常検査装置の第3の実施形態を示す概略図である。
入力波送信器50には、コネクタ30を介してワイヤーハーネス20に入力波を送信するプローブ100が接続されている。図4では反射波検出器や信号処理器は省略している。
図5に示す通り、入力波送信機50と、プローブ100はコネクタ130を介して接続されている。コネクタ130から伸びる同軸ケーブルが伝送線路110を構成しており、この伝送線路110は信号導体111と接地導体112からなる。プローブ100の先端部120には信号導体111に導通している針状の信号端子121が設けられ、この信号端子121がワイヤーハーネスのコネクタ30に接続されることで、ワイヤーハーネスと信号を授受することが可能となる。
プローブ100の先端部120には、信号導体111と接地導体112とを接続するインピーダンス整合回路122が設けられ、伝送線路110と先端部120の特性インピーダンスは等しく設計されている。本実施の形態においては、伝送線路110の特性インピーダンスは50Ωであり、インピーダンス整合回路122を200Ωのリード線抵抗4本並列接続で構成することで、50Ω終端のプローブとしている。
このようなプローブ100の構成を採用することで、入力波送信器50から入力される入力波がプローブ先端で反射されることを防止し、かつ、プローブ100の先端部120から被測定物であるワイヤーハーネス20までの距離を最短にすることが可能となる。異常検査の際にこのプローブ100を用いることで、不要な反射波の発生を抑えることが可能となり、反射波の解析と異常の判定がより高精度に実施できる。
図6は本発明に係る第4の実施形態を示す概略図である。本実施の形態は、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を検査する異常検査方法に関する。
入力波送信工程250は、入力波を生成してワイヤーハーネスに送信する工程である。入力波としては、パルス波、正弦波、矩形波などを目的に応じて利用することが可能である。反射波検出工程260は、ワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する工程である。
信号処理工程270の特徴量抽出工程271は、反射波検出工程260で取得した反射波の周波数特性から特徴量を抽出する工程である。周波数解析には一般的なスペクトラムアナライザや、入力波送信工程250と反射波検出工程260とを一体として行うネットワークアナライザなどを用いることが可能である。
特徴量抽出工程271で抽出する特徴量は、ワイヤーハーネスの異常によって影響を受ける特徴量であればよく、具体的には、反射波スペクトルのピーク電力やその周波数、入力波と反射波の電力の比、ネットワークアナライザの散乱パラメータS11から得られる共振周波数や反射係数などを挙げることが可能であり、検査対象の特性に応じて、適宜使い分けることができる。
異常判定モデル272は、検査の実施に先立って準備するモデルであり、様々な入力波に対する、正常なワイヤーハーネスの反射波や既知の異常を有するワイヤーハーネスの反射波の周波数特性から得た特徴量に基づいて生成される。
異常判定工程273は、特徴量抽出工程271で抽出した特徴量と異常判定モデル272に基づいて、ワイヤーハーネスの異常の有無と、異常がある場合の異常の位置や態様を判定する工程である。
本実施の形態によって得られる効果の詳細は、第1の実施の形態で説明した通りである。
図7は本発明に係る第5の実施形態を示す概略図である。本実施の形態は、電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を検査する異常検査方法に関する。
入力波送信工程250、反射波検出工程260、異常判定工程273は、第4の実施の形態と同じ構成となっている。
信号処理工程270における異常判定モデル272は、反射波検出工程260で検出された正常なワイヤーハーネスの反射波や既知の異常を有するワイヤーハーネスの反射波の信号情報を教師データとして、ディープラーニング手法によって生成される。ここで、反射波の信号情報とは、オシロスコープで取得できる反射波の波形であってもよいし、スペクトラムアナライザで取得できるスペクトル波形やネットワークアナライザで得られる散乱パラメータS11の測定波形でもよい。
異常判定モデル272を生成するためのディープラーニングのプロセスにおいては、特徴量の抽出を自動で行える場合もあるが、必要に応じて特徴量を事前に設計することも可能である。
本実施の形態によって得られる効果の詳細は、第1、第2の実施の形態で説明した通りである。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。本願で開示した技術的思想の範囲において、様々な変更や修正を加えた例に想到し得ることは当業者にとって明らかである。
1 異常検査装置
10 電気機械装置
20 ワイヤーハーネス
30 コネクタ
40 整合回路
50 入力波送信器
60 反射波検出器
70 信号処理器
71 特徴量抽出部
72 異常判定モデル
73 異常判定部
100 プローブ
110 伝送線路
111 信号導体
112 接地導体
120 先端部
121 信号端子
122 インピーダンス整合回路
130 コネクタ
200 異常検査方法
250 入力波送信工程
260 反射波検出工程
270 信号処理工程
271 特徴量抽出工程
272 異常判定モデル
273 異常判定工程

Claims (7)

  1. 電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、当該ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査装置であって、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側に接続される入力波送信器と、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側に接続され、前記入力波送信器によって前記ワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出器と、
    当該反射波検出器で検出された前記反射波の周波数特性から特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの前記反射波の周波数特性から得た特徴量によって生成された異常判定モデルと、
    当該異常判定モデルに基づいて、前記特徴量抽出部で抽出された特徴量から、前記ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定部と、
    を有することを特徴とする異常検査装置。
  2. 請求項1に記載の異常検査装置であって、
    前記入力波送信器は、正弦波信号を周波数掃引しながら前記ワイヤーハーネスに送信し、
    前記反射波の周波数特性は、ネットワークアナライザによって得られる散乱パラメータS11の信号情報であり、
    前記異常判定モデルは、前記反射波の周波数特性から抽出した特徴量を教師データとして機械学習により生成された学習済みモデルである
    ことを特徴とする異常検査装置。
  3. 電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、当該ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査装置であって、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側から入力波を送信する入力波送信器と、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側に接続され、前記入力波送信器によって前記ワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出器と、
    当該反射波検出器で検出された、前記ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの前記反射波の信号情報を教師データとして、ディープラーニング手法によって生成した異常判定モデルと、
    当該異常判定モデルに基づいて、前記反射波検出器で検出された反射波の信号情報から、前記ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定部と、
    を有することを特徴とする異常検査装置。
  4. 請求項3に記載の異常検査装置であって、
    前記入力波送信器は、正弦波信号を周波数掃引しながら前記ワイヤーハーネスに送信し、
    前記反射波の信号情報は、ネットワークアナライザによって得られる散乱パラメータS11の信号情報である
    ことを特徴とする異常検査装置。
  5. 請求項1から4に記載の異常検査装置であって、
    前記入力波送信器には、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端に入力波を送信するプローブが接続されており、
    当該プローブは、前記入力波を伝送する信号導体と、接地導体からなる伝送線路を有し、
    当該プローブの先端部には、
    前記信号導体に接続される信号端子が設けられており、
    前記プローブの前記伝送線路と前記先端部の特性インピーダンスは等しく設計されている
    ことを特徴とする異常検査装置。
  6. 電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、当該ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査方法であって、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側から入力波を送信する入力波送信工程と、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側に、前記入力波送信工程によって前記ワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出工程と、
    当該反射波検出工程で検出された前記反射波の周波数特性から特徴量を抽出する特徴量抽出工程と、
    前記ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの前記反射波の周波数特性から得た特徴量によって生成された異常判定モデルを準備する工程と、
    当該異常判定モデルに基づいて、前記特徴量抽出工程で抽出された特徴量から、前記ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定工程と、
    を有することを特徴とする異常検査方法。
  7. 電気機械装置に組み込まれたワイヤーハーネスの異常を、当該ワイヤーハーネスの一端側から検査する異常検査方法であって、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側から入力波を送信する入力波送信工程と、
    前記ワイヤーハーネスの前記一端側に、前記入力波送信工程によって前記ワイヤーハーネスに送信された入力波に起因して生じる反射波を検出する反射波検出工程と、
    当該反射波検出工程で検出された、前記ワイヤーハーネスに異常があるとき及び/又は異常がないときの前記反射波の信号情報を教師データとして、ディープラーニング手法によって生成した異常判定モデルを準備する工程と、
    当該異常判定モデルに基づいて、前記反射波検出工程で検出された反射波の信号情報から、前記ワイヤーハーネスの異常を判定する異常判定工程と、
    を有することを特徴とする異常検査方法。

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