JP2022120465A - 殺菌装置 - Google Patents

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修一 松本
Shuichi Matsumoto
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Abstract

【課題】モーターを不要とし、空調機や送風機などのように不快なノイズとなり得るモーター音が発生しない、利便性を向上させた殺菌装置の提供。【解決手段】殺菌装置1は、下部と上部が開口され、上下に伸縮可能なダクト本体10と、ダクト本体10の下部に設けられ、ダクト本体10の下部から入り込んだ空気を熱して上昇気流を起こす熱源11と、ダクト本体10の内部に設けられ、殺菌機能を持つ殺菌部12と、を含む。また、ダクト本体10の内部は反射材121で覆われており、殺菌部12は紫外線ランプである。【選択図】図1

Description

本発明は、屋内に設置され、屋内の空気を殺菌しつつ循環させることで、屋内の空気を清浄化させる殺菌装置に関するものである。
近年、感染症の予防のため、会社や公共施設、または一般家庭などでも殺菌や除菌に対する意識が高まっている。そして、手や被服、ドアノブや机といった物に対する殺菌や除菌だけでなく、感染リスクを減らすため、空気に対しても殺菌装置や殺菌方法が求められている。
このような空気の殺菌装置に関する先行技術として、特許文献1,2に記載されているものがある。例えば、特許文献1には、殺菌剤を加熱してガス化し別に設置した空調機や送風機の動力を利用して殺菌対象屋内に導くようにした殺菌装置が記載されている。
また、特許文献2には、屋内に設けた収納用筐体と、両閉型給湯コンセントに接続する一対の耐熱保温ホースを有する該筐体内の乾燥と屋内暖房用の温水放熱器と送風機、筐体内と屋内への温風吹出しの切替ダンパと筐体の下部に設けた屋内排気ダクトに接続可能な排気孔とからなることを特徴とする屋内乾燥機が記載されている。
なお、特許文献3にはEHD技術が記載されており、このEHD技術の詳細な内容については後述する。
実開平3-7833号公報 実開昭63-101787号公報 特開第2013-45591号公報
しかし、特許文献1,2に記載されているような装置の場合、屋内に設置して、屋内で利用すると、空調機や送風機などのモーター音がうるさくて、日常生活に支障が出る場合がある。そして、このような空気を殺菌する装置は、仕事中や就寝中などを始め、屋内に人が居る場合に長時間利用されるものであり、特に屋内が狭い場合は当該装置と人との距離も近くなり、モーター音は不快なノイズとなり得る。
よって、本発明は、モーターを不要とし、より利便性を向上させた殺菌装置を提供することを目的とする。
本発明の殺菌装置は、下部と上部が開口され、上下に伸縮可能なダクト本体と、ダクト本体の下部に設けられ、ダクト本体の下部から入り込んだ空気を熱して上昇気流を起こす熱源と、ダクト本体の内部に設けられ、殺菌機能を持つ殺菌部と、を含む。これにより、ダクト本体の下部から入り込んだ空気が熱源により熱せられて上昇し、ダクト本体内を通過する際に殺菌部により殺菌される。
また、ダクト本体の内部は反射材で覆われており、殺菌部は紫外線ランプであることが望ましい。これにより、紫外線ランプで照射された紫外線が反射材で反射され、ダクト本体内を通過する空気に当該反射された紫外線が当たる。
また、ダクト本体の内部の表面には酸化チタン光触媒が保持されていることが望ましい。これにより、空気は、ダクト本体内を通過する際に殺菌機能や脱臭機能を有する酸化チタン光触媒に触れる。
また、ダクト本体の上部には、当該ダクト本体内を通過する空気を排出するファンが設けられることが望ましい。これにより、ダクト本体内を通過する空気の排出が促進される。
また、ダクト本体の内部に、当該ダクト本体内を通過する空気を加速する加速手段であり、電気流体力学(EHD:Electrоhydrоdynamics)ファンである加速手段を含むことが望ましい。なお、加速手段は、ダクト本体の中心部に直線状の電極が、およびダクト本体の内部の対向する面に、それぞれグランド電極が設けられたものであることが望ましい。さらに、加速手段は、直線状の電極とグランド電極間に高電圧が印加されることによりコロナ放電を生じさせ、当該コロナ放電に誘起されるオゾンを発生することが望ましい。これらにより、ダクト本体内を通過する空気の流れが促進され、さらに、ダクト本体内を通過する空気は、発生されたオゾンにより殺菌される。
(1)本発明の殺菌装置は、下部と上部が開口され、上下に伸縮可能なダクト本体と、前記ダクト本体の下部に設けられ、ダクト本体の下部から入り込んだ空気を熱して上昇気流を起こす熱源と、ダクト本体の内部に設けられ、殺菌機能を持つ殺菌部と、を含む構成により、ダクト本体の下部から入り込んだ空気が熱源により熱せられて上昇し、ダクト本体内を通過する際に殺菌部により殺菌されるため、モーターを不要とした、空気の殺菌装置を提供することができる。
(2)また、ダクト本体の内部は反射材で覆われており、殺菌部は紫外線ランプである構成により、紫外線ランプで照射された紫外線が反射材で反射され、ダクト本体内を通過する空気に当該反射された紫外線が当たるため、ダクト本体内を通過する空気をより効果的に殺菌することができる。
(3)また、ダクト本体の内部の表面には酸化チタン光触媒が保持されている構成により、空気は、ダクト本体内を通過する際に殺菌機能や脱臭機能を有する酸化チタン光触媒に触れるため、ダクト本体内を通過する空気をさらに効果的に殺菌することができる。
(4)また、ダクト本体の上部には、当該ダクト本体内を通過する空気を排出するファンが設けられる構成により、ダクト本体内を通過する空気の排出が促進されるため、さらに利便性の高い空気の殺菌装置を提供することができる。
(5)また、ダクト本体の内部に、当該ダクト本体内を通過する空気を加速する加速手段であり、電気流体力学(EHD)ファンである加速手段を含むことが望ましい。なお、加速手段は、ダクト本体の中心部に直線状の電極が、およびダクト本体の内部の対向する面に、それぞれグランド電極が設けられたものであることが望ましい。さらに、加速手段は、直線状の電極とグランド電極間に高電圧が印加されることによりコロナ放電を生じさせ、当該コロナ放電に誘起されるオゾンを発生することが望ましい。これらより、ダクト本体内を通過する空気の流れが促進され、さらに、ダクト本体内を通過する空気は、発生されたオゾンにより殺菌されるため、さらに十分な殺菌効果を得ることができつつ、かつ利便性の高い空気の殺菌装置を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る殺菌装置の概略断面図である。 本発明の実施の形態に係る加速手段の例を示す図である。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、各図面において、共通の構成要素については同一符号を付し、その詳細な説明を一部省略する。
[殺菌装置]
図1は、本発明の実施の形態に係る殺菌装置の概略断面図である。殺菌装置1は、ダクト本体10、熱源11、殺菌部12を含む。
ダクト本体10は、軽量パネル材などから構成され、図1に示すように、本発明の実施の形態においてダクト本体10の形状は直方体状である。そして、上部と下部が開口されている。具体的には、ダクト本体10は、下部に開口部101と上部に開口部102とを有する。
また、ダクト本体10は、上下に伸縮可能な構造を有している。当該上下に伸縮可能な構造は、ダクト本体10を、ダクト本体10Aとダクト本体10Aの内径よりも小さい外径のダクト本体10Bとで構成し、ダクト本体10Aおよびダクト本体10Bが接続される部分(ダクト本体10Aおよびダクト本体10Bが重なり合った部分)を、ビスBやネジ(図示せず)などで固定する伸縮部111を設けることで、伸縮可能な構造となっている。
熱源11は、ダクト本体10の下部に設けられ、開口部101から入り込んだ空気を熱する。熱源11は、紫外線発生装置を含む100W程度までのランプ類とすることができる。また、殺菌部12は、紫外線やオゾンを発生させることにより空気を殺菌する殺菌機能を持ち、ダクト本体10の内部に設けられる。殺菌部12は、例えば、紫外線ランプとすることができる。
[殺菌装置の動作]
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態に係る殺菌装置の動作を説明する。本発明の実施の形態に係る殺菌装置1は、屋内に設置され、屋内の空気を殺菌しつつ循環させる。
殺菌装置1のダクト本体10は、下部に開口部101を有しているため、開口部101から空気が入り込む。そして、開口部101から入り込んだ空気は、ダクト本体10の下部に設けられた熱源11により熱せられる。
熱源11により熱せられた空気は、ダクト本体10の内部を上昇する。ダクト本体10の内部には殺菌機能を持つ殺菌部12が設けられているため、ダクト本体10の内部を上昇する空気は、ダクト本体10内を通過中に殺菌部12により殺菌される。例えば、殺菌部12が紫外線ランプである場合、紫外線ランプから照射された紫外線が上昇中の空気に当たり、当該空気は殺菌される。
ダクト本体10の内部を上昇しつつ殺菌された空気は、開口部102からダクト本体10の外へ排出される。その後、熱源11により熱せられた空気はやがて冷えて、屋内の下の方へ降りてくる。そして、冷えた空気は、再び開口部101からダクト本体10内へ入り込む。
つまり、殺菌装置1が設置された屋内の空気は、ダクト本体10内を通過して殺菌されつつ、屋内を循環する。
このように、本発明の実施の形態に係る殺菌装置1は、モーターを不要とし、かつ、殺菌効果を有する利便性の高いものである。また、ダクト本体10の内部は、反射材121で覆われている。反射材121は、殺菌部12(紫外線ランプ)から照射される紫外線を反射することができ、ダクト本体10の内部の四方の面に設けられる。これにより、殺菌部12(紫外線ランプ)から照射される紫外線が反射材121により反射され、ダクト本体10内を通過する空気をより効果的に殺菌することができる。
また、ダクト本体10の内部の表面には、酸化チタン光触媒が保持されている(酸化チタンが塗布されている)。酸化チタンは、紫外線を当てると、有機物を分解する性質を持ち、殺菌作用や脱臭作用を持つ触媒である。これにより、ダクト本体内を通過する空気は、通過中に殺菌機能や脱臭機能を有する酸化チタン光触媒に触れるため、空気をより効果的に殺菌することができる。
さらに、ダクト本体10は上下に伸縮可能な構造を有しているため、殺菌装置1が設置される屋内の天井の高さに合わせて、適宜ダクト本体10の高さを調整することができる。そして、ダクト本体10の高さが自由に調整可能であるため、殺菌部12の数や反射材121が設けられる面積も自由に調整することができる。例えば、ダクト本体10の高さを1.2m以上とすると、ダクト本体10に十分な数や面積の殺菌部12や反射材121を設けることができるため、当該ダクト本体10内を通過する空気も十分殺菌され、結果として十分な殺菌効果を得ることができる。
ダクト本体10の高さは、1.2m~2.5mとすることができる。
なお、ダクト本体10の上部、例えば、開口部102辺りには、ダクト本体10内の空気を排出するファン(図示せず)が設けられる。これにより、殺菌された空気の排出を促進することができ、屋内の空気の循環を促進することができる。
また、ダクト本体10の内部には、ダクト本体10内を通過する空気を加速する加速手段13が設けられる。加速手段13は、電気流体力学(EHD)ファンである。ここで用いられるEHD技術とは、例えば、特許文献3に記載されている技術であり、電気流体力学による流れを発生させる(電気的に流体を直接駆動し、流れを発生させる)技術である。
図2は、本発明の実施の形態における加速手段の例を示す図である。加速手段13は、グランドに接続され、対向して配設される1対のグランド電極131a,131bと、グランド電極131a,131bが対向している対向空間領域132内に、グランド電極131a,131bと平行に配設される直線状の電極(線電極)133と、直線状の電極133に高電圧を印加する電圧印加部134と、グランド電極131a,131bの対向両側の表面の一部であって、ダクト本体10内の空気を加速させ、ダクト本体10内を上昇する風を出力させる方向の上流側となる位置に絶縁性を有する絶縁カバー135とを備える。
なお、本実施の形態において、ダクト本体10の形状は直方体状であり、ダクト本体の中心部に直線状の電極133と、ダクト本体10の内部の対向する面に、それぞれグランド電極131a,131bとを設けることで、容易に電気流体力学(EHD)ファンである加速手段13を構築することができる。
このように、加速手段13によりダクト本体10内で空気の流れが発生し、ダクト本体10内を通過する空気の流れが促進され、さらに屋内の空気の清浄化が促進されることとなる。そして、加速手段13はEHD技術が用いられたものであるため、モーターが不要である。そのため、低騒音・低振動を実現でき、より利便性を向上させた殺菌装置1を提供することができる。
なお、このようなEHD技術を用いて発生させた空気の流れは、モーターを備えた送風機などが発生させた空気の流れと異なり回転中心がないため、回転中心付近で発生する流れの乱れ(非一様流)を防ぐことができる。よって、ダクト本体10内を通過する空気の流れはスムーズに促進され、屋内の空気の清浄化が促進される。
さらに、加速手段13は、直線状の電極133とグランド電極131a,131b間に高電圧が印加されることによりコロナ放電を生じさせる。そして、加速手段13は、当該コロナ放電に誘起されるオゾンを発生する(特許文献3)。そのため、ダクト本体10内を通過する空気は、当該オゾンでも殺菌され、結果として、さらに十分な殺菌効果を得ることができる。
以上のように説明した殺菌装置1はあくまで一例であり、例えば、ダクト本体10の形状は円柱状や三角柱状などその他の形状でもよく、開口部101,102は、複数箇所設けられてもよい。
本発明は、屋内に設置され、屋内の空気を殺菌しつつ循環させることで、屋内の空気清浄化させる殺菌装置であり、モーターが不要であるためノイズ(モーター音)が発生せず、かつ、天井の高さによらず、会社や公共施設、または一般家庭など様々な場所で利用することができるため、産業上有用である。
1 殺菌装置
10,10A,10B ダクト本体
101,102 開口部
111 伸縮部
11 熱源
12 殺菌部
121 反射材
13 加速手段
131a,131b グランド電極
132 対向空間領域
133 直線状の電極(線電極)
134 電圧印加部
135 絶縁カバー
B ビス

Claims (7)

  1. 下部と上部が開口され、上下に伸縮可能なダクト本体と、
    前記ダクト本体の下部に設けられ、前記ダクト本体の下部から入り込んだ空気を熱して上昇気流を起こす熱源と、
    前記ダクト本体の内部に設けられ、殺菌機能を持つ殺菌部と、
    を含む殺菌装置。
  2. 前記ダクト本体の内部は反射材で覆われており、
    前記殺菌部は紫外線ランプである請求項1に記載の殺菌装置。
  3. 前記ダクト本体の内部の表面には酸化チタン光触媒が保持されている請求項1又は2に記載の殺菌装置。
  4. 前記ダクト本体の上部に、当該ダクト本体内を通過する空気を排出するファンが設けられた請求項1~3のいずれか1項に記載の殺菌装置。
  5. 前記ダクト本体の内部に、当該ダクト本体内を通過する空気を加速する加速手段であり、電気流体力学(EHD)ファンである加速手段を含む請求項1~4のいずれか1項に記載の殺菌装置。
  6. 前記加速手段は、前記ダクト本体の中心部に直線状の電極が、および前記ダクト本体の内部の対向する面に、それぞれグランド電極が設けられたものである請求項5に記載の殺菌装置。
  7. 前記加速手段は、前記直線状の電極と前記グランド電極間に高電圧が印加されることによりコロナ放電を生じさせ、当該コロナ放電に誘起されるオゾンを発生する請求項6に記載の殺菌装置。
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