JP2022119240A - イオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法 - Google Patents

イオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法 Download PDF

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浩尚 岡田
Hironao Okada
有貴 岡本
Yuki Okamoto
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Abstract

【課題】長期測定時の安定性などの信頼性に優れ、小型化されたイオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法を提供する。【解決手段】イオン感応性を有する第一の電極1と、イオン感応性を有する第二の電極2と、第一の電極と第二の電極の間に温度差を与えるように電極の温度を変更する温度変更手段3と、第一の電極と第二の電極の間のイオン感応性の差を測定する手段5と、を有する。温度を変更することによるイオン感応性の差に基づき被測定液のイオン濃度を決定する。【選択図】図1

Description

本開示は、イオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法に関する。
従来、測定対象溶液(以下、被測定液ともいう)のpH(potential of Hydrogen)を測定するセンサとして、ガラス電極などの指示電極と、指示電極との間に生じた電位差(起電力)を測定するための基準用電極を備えるpHセンサが知られている。基準用電極は、参照電極、照合電極、比較電極などとも称される(以下、総称して「比較電極」という)。
指示電極としては、例えば、水素イオンに反応する膜を持つセンサである、ガラス電極やイオン感応性電界効果トランジスタ(ISFET;Ion-Sensitive Field Effect Transistor)などが知られている。
比較電極としては、例えば、銀/塩化銀などの内部電極と、塩化カリウム溶液などの内部液と、該内部液を被測定液に漏出させるための液絡部と、を有する電極が一般的に用いられている。この比較電極においては、液絡部を通じて漏出された内部液により、比較電極の内部電極と被測定液が電気的に接続される。
しかしながら、このような内部液を有するタイプの比較電極を用いるpHセンサにおいては、比較電極の内部液の変質や枯渇、被測定液が液絡部を通じて内部液に侵入することによる被測定液の汚染、および、比較電極の内部電極と被測定液が反応して生じ得る沈殿物による液絡部の詰まりなどへの対策が課題になる。また、液体と、それを封入する容器を必要とするため、pHセンサとして小型化することが困難という課題もある。
非特許文献1では、従来の内部液を有するタイプの比較電極ではなく、ISFETの水素イオンに反応する膜を水素イオンへの反応性が低いポリ塩化ビニリデン膜に置換した、イオン感応性電界効果トランジスタ(REFET;Reference Ion Sensitive Field Effect Transistor)を比較電極として有し、測定溶液の電位を固定する白金電極を有するpHセンサが開示されている。また、非特許文献1では、通常のISFETを指示電極として、REFETを比較電極として用いるpH測定方法が開示されている。
Chao-Sung Lai, et.al., "Optimization of a PVC Membrane for Reference Field Effect Transistors", Sensors, vol.9, (2009), 2076-2087
しかしながら、非特許文献1に記載されているようなREFETでは、水素イオンへの反応性が低い膜として、ポリ塩化ビニリデンのほか、パリレンやテフロン(いずれも登録商標)などの有機薄膜が用いられており、長期測定時の安定性などの信頼性に課題がある。
本開示は、上記課題を鑑みてなされたものであり、長期測定時の安定性などの信頼性に優れ、小型化されたイオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法を提供するものである。
本開示のイオン濃度センサは、
イオン感応性を有する第一の電極と、
イオン感応性を有する第二の電極と、
前記第一の電極と前記第二の電極の間に温度差を与えるように前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する温度変更手段と、
前記第一の電極と前記第二の電極の間のイオン感応性の差を測定する手段と、
を有することを特徴とする。
また、本開示のイオン濃度の測定方法は、
本開示のイオン濃度センサを用いて被測定液のイオン濃度を測定する方法であって、前記方法が、
前記温度変更手段により、前記第一の電極と、前記第二の電極の間に温度差を与えるように前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する工程、
前記第一の電極および前記第二の電極を前記被測定液に浸漬する工程、
前記第一の電極および前記第二の電極のイオン感応性の差を測定する工程、および、
前記イオン感応性の差に基づき被測定液のイオン濃度を決定する工程、
を有することを特徴とする。
本開示によれば、長期測定時の安定性などの信頼性に優れ、小型化されたイオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法を提供することができる。
イオン濃度センサの一例を示す図 電極の温度によるイオンの感度の変化を示す模式図 実施例1のイオン濃度センサおよびフタル酸塩pH標準液により測定された、ISFETの温度の経時変化を示すグラフ 実施例1のイオン濃度センサにより測定された電位差を示すグラフ
以下、本開示のイオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法の構成要件について詳細に説明する。
(第一の電極および第二の電極)
イオン濃度センサは、イオン感応性を有する第一の電極およびイオン感応性を有する第二の電極を有する。後述する、第一の電極と第二の電極の間のイオン感応性の差を測定する手段を用いて、被測定液に浸漬された第一の電極および第二の電極のイオン感応性の差を測定することにより、被測定液のイオン濃度を測定する。
第一の電極および第二の電極が感応性を有するイオンは特に制限されず、ナトリウムイオン、カリウムイオン、水素イオンなどであり得る。
第一の電極としては、濃度を測定する対象であるイオンの種類に応じて、公知の電極を特に制限なく用いることができる。第一の電極として使用し得る電極の具体例としては、例えば、ガラス電極、イオン感応性電界効果トランジスタ(以下、単にISFETという)などが挙げられる。該ガラス電極としては、従来指示電極として用いられる公知のガラス電極を用いることができ、例えば、塩化カリウム溶液やpH緩衝液などの内部液と、銀/塩化銀などの内部電極と、ガラス薄膜と、を有するガラス電極を用いることができるが、このような構成のガラス電極に限定されるものではない。
第一の電極として使用し得るISFETとしては、公知のISFETを特に制限なく用いることができる。ISFETの具体例としては、シリコン基板のゲート領域上に酸化絶縁膜である二酸化ケイ素膜が形成され、該酸化絶縁膜の上にイオン感応性薄膜として五酸
化タンタルなどの無機物を含む薄膜が被覆されているISFETを挙げることができるが、このような構成のISFETに限定されるものではない。
第二の電極としては、第一の電極と同様の電極を用いることができる。第二の電極は、第一の電極と同種の電極としてもよく、第一の電極とは異種の電極を用いてもよい。
(温度変更手段)
イオン濃度センサは温度変更手段を有する。該温度変更手段が、第一の電極と第二の電極の間に温度差を与えるように、第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する。
ガラス電極の水素イオンへの感度は、下記ネルンストの式で表されるように、測定液の温度に依存する。電極が水素イオン以外のイオンへの感応性を有する場合も同様である。すなわち、電極のイオンへの感度は温度依存性を有する。
Figure 2022119240000002
式中、Eg0はガラス電極の不斉電位を表し、αはガラス電極の勾配係数を表し、pHxは被測定液のpHを表し、pHsはガラス電極内部液のpHを表す。
上記のネルンストの式は電極としてガラス電極を用いた場合のものであるが、電極がISFETである場合も同様に、ネルンストの式に基づいて電極のイオンへの感度が決定される。
温度変更手段によって第一の電極と第二の電極の間に温度差が与えられると、第一の電極のイオンへの感度と第二の電極のイオンへの感度に差が生じる。かかる感度の差に起因するイオン感応性の差を測定することで、被測定液のイオン濃度を測定することができる。
温度変更手段によって第一の電極と第二の電極の間に温度差が与えられる(温度変更手段が第一の電極と第二の電極の間に温度差を与える)場合の具体例としては、例えば、温度変更手段によって第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度が直接変更されたり、温度変更手段によって第一の電極と第二の電極のそれぞれのイオン感応部に対してイオン濃度測定に影響を与える被測定溶液間に温度差が与えられたりする場合が挙げられる。
また、「電極のイオン感応部」は、例えば、該電極がガラス電極である場合にはガラス薄膜のことをいい、該電極がISFETである場合にはイオン感応性薄膜のことをいう。
温度変更手段は、第一の電極と第二の電極の間に温度差を与えるように前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更することができれば特に制限されない。例えば、温度変更手段としてニクロム線などの加熱器を用い、第一の電極および第二の電極の一方や被測定液が該加熱器により加熱されてもよい。電極としてISFETを用いる場合、ISFETの基板と同一の基板上に、白金や金などで形成したヒーターを作製して、該ヒーターを温度変更手段として用いることもできる。
また、温度変更手段としてヒートポンプなどの冷却器を用い、第一の電極および第二の電極の一方や被測定液が該冷却器により冷却されてもよい。
さらに、前記第一の電極および前記第二の電極の一方が該加熱器により加熱され、前記第一の電極および前記第二の電極の他方が該冷却器により冷却されてもよい。
温度変更手段として熱電素子を用いることも好ましい態様である。該熱電素子としては、ペルチェ素子などの公知の熱電素子を特に制限なく用いることができる。温度変更手段として熱電素子を用いる場合、該熱電素子に流す電流は、被測定液の種類や用いる電極の
種類に応じて適宜選択することができる。
温度変更手段としてペルチェ素子を用いる場合、例えば、第一の電極、第二の電極およびペルチェ素子を、第一の電極および前記第二の電極の一方がペルチェ素子の高温側に接し、第一の電極および第二の電極の他方がペルチェ素子の低温側に接するように配置することで、第一の電極の温度と第二の電極の間に温度差を与えるように温度制御を行うことができる。
また、第一の電極および第二の電極の一方がペルチェ素子の低温側または高温側に接し、第一の電極および第二の電極の他方はペルチェ素子に接しないように配置することもできる。
なお、第一の電極および第二の電極の一方とペルチェ素子などの温度変更手段は、接する場合に限られず、近接する場合も本開示に含まれる。
(イオン感応性の差を測定する手段)
イオン濃度センサは、第一の電極と第二の電極の間のイオン感応性の差を測定する手段(以下、単に「測定手段」とも称する。)を有する。該測定手段としては、第一の電極と第二の電極の間のイオン感応性の差を測定することができれば特に制限されず、例えば、第一の電極と前記第二の電極の間の電位差を測定する公知の電圧計とすることができる。また、電極としてISFETを用いる場合、ゲート電位が変わることで変動するソース・ドレイン間の電流値を測定する公知の電流計を該測定手段として用いることができる。
該電圧計および該電流計としては、当業者が選択し得るものであれば特に制限なく使用することができる。該測定手段として電圧計を用いる場合、該電圧計としては、例えばアジレント製34410Aを用いることができる。
測定手段により測定された第一の電極と第二の電極の間のイオン感応性の差は、該測定手段によって表示されてもよく、該測定手段とは別個独立した測定結果表示手段によって表示されてもよい。
(温度センサ)
イオン濃度センサは、第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定する温度センサをさらに有していてもよい。イオン濃度センサが温度センサをさらに有することで、第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定し、モニタリングしながら被測定液のイオン濃度を測定することが可能となり、より高い精度でのイオン濃度測定が可能となる。
ここで、「電極の温度を測定する」とは、具体的には例えば、第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の該イオン感応部の温度を測定したり、該イオン感応部に対してイオン濃度測定に影響を与える被測定溶液の温度を測定したりすることをいう。
より好ましくは、イオン濃度センサは、第一の電極の温度を測定する第一の温度センサおよび第二の電極の温度を測定する第二の温度センサをさらに有する。
該温度センサとしては特に制限されないが、例えば、電極としてISFETを用いる場合には、該ISFETと同じSi基板に作りこまれたダイオード構造の順方向電圧の温度依存性を利用したものを温度センサとして使用することができる。
イオン濃度センサは、必要に応じて被測定液の電位を固定する第三の電極をさらに有していてもよい。また、第一の電極および第二の電極がISFETである場合、該第三の電極をさらに有する。該第三の電極としては、例えば、公知の白金電極や金電極、公知の液体を用いた比較電極(例えば、塩化カリウム溶液を内部液として使用し、銀/塩化銀を内部電極として使用した通常比較電極として用いる電極(非限定的な具体例としては、EUTECH INSTRUMENTS製PHSENSOE03DJ))などを使用することができるが、これらに限定されない。
また、該測定手段が第一の電極と第二の電極の間の電位差を測定する手段である場合、
イオン濃度センサは該電位差を増幅するための計装アンプなどを必要に応じて有していてもよい。さらに、イオン濃度センサは、第一の電極と第二の電極の間の温度差ごとのイオン感応性とイオン濃度の検量線を予め記憶させて該イオン感応性と該検量線に基づき被測定液のイオン濃度を計算する手段や、該計算結果を表示する手段をさらに有していてもよい。
図1に、本開示のイオン濃度センサの非限定的な一例を示す。
図1に示すイオン濃度センサ10においては、防水用ビニール袋(図示せず)に包んだペルチェ素子3を、第一の電極1および第二の電極2で挟み、これを被測定液であるpH緩衝液8に浸漬している。ペルチェ素子3を第一の電極1および第二の電極2で挟んだものは、ピンセット(図示せず)で挟んで固定されている。
イオン濃度センサ10は、温度センサ4として、第一の電極の温度を測定する第一の温度センサ4aおよび第二の電極の温度を測定する第二の温度センサ4bをさらに備える。また、第一の電極1および第二の電極2は、計装アンプ6および電圧計5に接続され、接地されている。さらに、イオン濃度センサ10は測定溶液の電位を固定するための塩化カリウム溶液に浸漬された銀・塩化銀電極である第三の電極7をさらに有している。
(イオン濃度の測定方法)
次に、図1に示すイオン濃度センサ10を用いて被測定液のイオン濃度を測定する方法について説明する。以下、水素イオン濃度の測定方法を例にとって説明するが、以下の測定方法に限定されない。また、水素イオン以外のイオンであっても、水素イオンと同様の方法で測定することができる。
イオン濃度の測定方法は、必要に応じて、第一の電極および第二の電極の、イオン感度の温度依存性を測定する工程を有する。該工程としては、具体的には例えば、pH標準液を被測定液として、電極の温度を一定としたときの被測定液の水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットし、これを第一の電極および第二の電極についてそれぞれいくつかの異なる温度で測定を行うことにより、電極の温度依存性を測定する工程が挙げられる。被測定液としてpHの異なるpH標準液を二種以上使用し、被測定液の水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットすることができる。
得られたプロットから、検量線を作成してもよい。
pH標準液としては、例えば次のようなものを使用することができるが、これらに限定されない。pH標準液としては、当業者が選択し得るものであれば特に制限なく使用することができる。
酸性のpH標準液としては、例えばフタル酸塩pH標準液を使用することができる。中性のpH標準液としては、例えば中性リン酸塩pH標準液を使用することができる。アルカリ性のpH標準液としては、例えば炭酸塩pH標準液を使用することができる。具体的には、例えば、和光純薬製中性リン酸塩pH標準液、和光純薬製フタル酸塩pH標準液、和光純薬製炭酸塩pH標準液などを使用することができる。
用いるpH標準液は、pHの異なる二種以上であれば特に制限されず、酸性のpH標準液および中性のpH標準液を使用してもよく、酸性のpH標準液および中性のpH標準液を使用してもよく、酸性のpH標準液およびアルカリ性のpH標準液を使用してもよい。また、酸性のpH標準液、中性のpH標準液およびアルカリ性のpH標準液を使用してもよい。
第一の電極および第二の電極の、イオン感度の温度依存性を測定する工程としては、例えば以下のような方法が挙げられる。
まず、ある一定の温度の第一の電極を用いて、酸性のpH標準液を被測定液として、水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットする。次いで、被測定液を中性のpH標準液に変えて同様に水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットする
。さらに、被測定液をアルカリ性のpH標準液に変えて同様に水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットする。
その後、第一の電極を、第一の電極とは異なる温度である第二の電極に変えて、同様に複数のpH標準液を用いて、水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットする。
このように作成される、第一の電極および第二の電極の、温度によるイオンの感度の変化を示す模式図を図2に示す。
第一の電極と、該第一の電極との間に温度差が与えられた第二の電極と、を用いて水素イオン濃度とイオン感応性(例えば電位)をプロットする工程は、上記のように該第一の電極と該第二の電極について別々に行ってもよく、該第一の電極と該第二の電極について同時に行ってもよい。
なお、第一の電極および第二の電極として、温度依存性が既知の電極を用いる場合には、第一の電極および第二の電極の温度依存性を測定する工程を省略することができる。
また、イオン濃度の測定方法は、温度変更手段により、第一の電極と、第二の電極の間に温度差を与えるように前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する工程を有する。すなわち、イオン濃度の測定方法は、温度変更手段により、第一の電極の温度と第二の電極の間に前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する工程を有する。
さらに、イオン濃度の測定方法は、第一の電極および第二の電極を被測定液に浸漬する工程を有する。
さらにまた、イオン濃度の測定方法は、第一の電極および第二の電極のイオン感応性の差を測定する工程を有する。
イオン濃度の測定方法が上記温度を変更する工程を有することにより、第一の電極と第二の電極の間に温度差を与えることができ、該温度差によって第一の電極のイオンへの感度と第二の電極のイオンへの感度に差が生じる。このような状態で上記イオン感応性の差(例えば電位差)を測定する工程を行うことで、かかるイオン感応性の差(例えば電位差)に基づき被測定液のイオン濃度を決定する工程を経ることで被測定液のイオン濃度を測定することができる。
イオン濃度の測定方法は、第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定する温度センサをさらに有するイオン濃度センサを用い、該温度センサにより第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定する工程をさらに有することが好ましい。イオン濃度の測定方法が該工程を有することにより、上記の通り第一の電極および第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定し、モニタリングしながら被測定液のイオン濃度を測定することが可能となり、より高い精度でのイオン濃度測定が可能となる。
より好ましくは、第一の電極の温度を測定する第一の温度センサおよび第二の電極の温度を測定する第二の温度センサをさらに有するイオン濃度センサを用い、該第一の温度センサにより第一の電極の温度を測定し、該第二の温度センサにより第二の電極の温度を測定する工程を有する。
これまで述べたイオン濃度の測定方法にかかる各工程の順序は特に制限されず、任意の順序とすることができる。
以下、実施例を用いて本開示のイオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法を説明するが、本開示のイオン濃度センサおよびイオン濃度の測定方法は各実施例の記載に限定されず、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で幾多の変形が可能である。
(実施例1)
実施例1のイオン濃度センサに用いた材料は以下の通りである。
・ISFET:Nチャンネル、デプレッション型、ゲート酸化膜:二酸化ケイ素、イオン感応膜:五酸化タンタル(アイスフエトコム株式会社製ISFET-F20)
・ペルチェ素子:15mm×15mm×4.3mm(Adaptive製ET-031-10-20)
・測定溶液の電位を固定する電極(第三の電極):塩化カリウム溶液を内部液として使用し、銀/塩化銀を内部電極として使用した通常比較電極として用いる電極(EUTECH
INSTRUMENTS製PHSENSOE03DJ)
・pH標準液:pH4の標準液としてフタル酸塩pH標準液(pH=4.01)、pH7の標準液として中性リン酸塩pH標準液(pH=6.86)、pH10の標準液として炭酸塩pH標準液(pH=10.01)、それぞれ和光純薬製中性リン酸塩pH標準液、和光純薬製フタル酸塩pH標準液、和光純薬製炭酸塩pH標準液
・温度センサ:ISFETと同じSi基板に作りこまれたダイオード構造の順方向電圧の温度依存性を利用したものを温度センサとして使用した
・計装アンプ:Analog Devices製LT1167、電位差を100倍に増幅するようにした
・電圧計:アジレント製34410A
まず、温度センサを有するISFETを2つ用意し、一方のISFET(以下、ISFET‐1ともいう)がペルチェ素子の高温側に接し、他方のISFET(以下、ISFET‐2ともいう)がペルチェ素子の低温側に接するように配置し、ISFET‐1、ISFET‐2およびペルチェ素子をピンセットで固定した。
次に、フタル酸塩pH標準液(pH=4.01)を被測定液として、固定したISFET‐1、ISFET‐2およびペルチェ素子を被測定液に浸漬した。その後、ペルチェ素子に70mAの電流を流し、ISFET‐1の温度の経時変化を温度センサにより測定した。
次いで、ISFET‐1が室温に戻った後、再度ペルチェ素子に70mAの電流を流し、ISFET‐2の温度の経時変化を温度センサにより測定した。
ペルチェ素子に電流を流してから44秒後の、ISFET‐1およびISFET‐2の温度差は0.88℃であった。実施例1のイオン濃度センサおよびフタル酸塩pH標準液により測定された、ISFETの温度の経時変化を示すグラフを図3に示す。
ISFET‐1およびISFET‐2がいずれも室温に戻った後、ペルチェ素子に70mAの電流を流してISFET‐1とISFET‐2の電位差の経時変化を電圧計により測定した。ペルチェ素子に電流を流してから44秒後の、計装アンプで100倍された後の該電位差の経時変化を測定した。
被測定液を中性リン酸塩pH標準液または炭酸塩pH標準液に変更した以外は、フタル酸塩pH標準液を被測定液として用いた上記工程と同様にして、ISFET‐1およびISFET‐2の温度および電位差の経時変化を測定した。pHごとに得られた電位差の経時変化を示すグラフを図4に示す。これにより、pH4.01とpH6.86の比較においては、24mVの電位差があるため、感度は約8mV/pHであることがわかった。このようにISFET-1,およびISFET-2の温度差と被測定液のpHの関係は測定可能であり、あらかじめこの関係を把握しておくことにより、未知の溶液のpHも測定可能となる。
なお、本実施例においては、ペルチェ素子に電流を流したときのISFETの温度の変化が、ISFETの温度の経時変化を測定するときと、ISFET‐1とISFET‐2の電位差の経時変化を測定するときと、で同一であるとみなし、ISFETの温度の経時変化とISFET‐1とISFET‐2の電位差の経時変化を別々に測定したが、ISF
ETの温度の経時変化とISFET‐1とISFET‐2の電位差の経時変化は同時に測定することもできる。
1:第一の電極
2:第二の電極
3:温度変更手段
4(4a、4b):温度センサ
5:電圧計
6:計装アンプ
7:第三の電極
8:pH緩衝液
10:イオン濃度センサ

Claims (10)

  1. イオン感応性を有する第一の電極と、
    イオン感応性を有する第二の電極と、
    前記第一の電極と前記第二の電極の間に温度差を与えるように前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する温度変更手段と、
    前記第一の電極と前記第二の電極の間のイオン感応性の差を測定する手段と、
    を有する、イオン濃度センサ。
  2. 前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定する温度センサをさらに有する、請求項1に記載のイオン濃度センサ。
  3. 前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極が、イオン感応性電界効果トランジスタである、請求項1又は2に記載のイオン濃度センサ。
  4. 前記第一の電極および前記第二の電極が、イオン感応性電界効果トランジスタであり、
    被測定液の電位を固定する第三の電極をさらに有する、請求項3に記載のイオン濃度センサ。
  5. 前記温度変更手段が、熱電素子である、請求項1~4のいずれか1項に記載のイオン濃度センサ。
  6. 前記熱電素子が、ペルチェ素子である、請求項5に記載のイオン濃度センサ。
  7. 前記第一の電極および前記第二の電極の一方が前記ペルチェ素子の高温側に接し、前記第一の電極および前記第二の電極の他方が前記ペルチェ素子の低温側に接する、請求項6に記載のイオン濃度センサ。
  8. 請求項1~7のいずれか1項に記載のイオン濃度センサを用いて被測定液のイオン濃度を測定する方法であって、前記方法が、
    前記温度変更手段により、前記第一の電極と、前記第二の電極の間に温度差を与えるように前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を変更する工程、
    前記第一の電極および前記第二の電極を前記被測定液に浸漬する工程、
    前記第一の電極および前記第二の電極のイオン感応性の差を測定する工程、および、
    前記イオン感応性の差に基づき被測定液のイオン濃度を決定する工程
    を有する、イオン濃度の測定方法。
  9. 前記第一の電極および前記第二の電極の、イオン感度の温度依存性を測定する工程をさらに有する、請求項8に記載のイオン濃度の測定方法。
  10. 前記イオン濃度センサが、前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定する温度センサをさらに有し、
    前記方法が、前記温度センサにより前記第一の電極および前記第二の電極の少なくとも一の電極の温度を測定する工程をさらに有する、請求項8または9に記載のイオン濃度の測定方法。
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