JP2022116426A - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP2022116426A
JP2022116426A JP2021012585A JP2021012585A JP2022116426A JP 2022116426 A JP2022116426 A JP 2022116426A JP 2021012585 A JP2021012585 A JP 2021012585A JP 2021012585 A JP2021012585 A JP 2021012585A JP 2022116426 A JP2022116426 A JP 2022116426A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
switch
game
power
bet
executed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021012585A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2022116426A5 (ja
Inventor
俊 石原
Takashi Ishihara
彬雄 伊達
Akio Date
謙太 青木
Kenta Aoki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sammy Corp
Original Assignee
Sammy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sammy Corp filed Critical Sammy Corp
Priority to JP2021012585A priority Critical patent/JP2022116426A/ja
Publication of JP2022116426A publication Critical patent/JP2022116426A/ja
Publication of JP2022116426A5 publication Critical patent/JP2022116426A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Game Rules And Presentations Of Slot Machines (AREA)
  • Display Devices Of Pinball Game Machines (AREA)

Abstract

【課題】ボーナス状態へ移行する可能性が極めて高いことを示す確定演出又はATの上乗せ表示について、遊技者の注意を引き付け且つ遊技者が所定態様であると認識しやすい表示態様を提供する。【解決手段】ボーナス等への移行やAT上乗せを示す文字群の表示態様として所定態様で表示する場合には、文字群を構成する各文字が複数色を有して表示される場合があるように構成する。【選択図】図71

Description

遊技機に関する。
回胴式遊技機(スロットマシン)は、所定数の遊技メダルが投入された後にスタートレバーが操作されたことに基づいて遊技が開始されて、複数の図柄が外周上に配置された複数列の回胴(リール)を回転させ、回転を停止させるためのストップボタンが操作されたことに基づいて回胴を停止させた結果、有効ライン上に所定の図柄組合せ(例えば「7図柄揃い」等のボーナス役)が並んだ場合には、通常遊技よりも遊技者にとって利益率の高い特別遊技(通常時よりも小役等の抽選確率が上昇する遊技状態)に移行する仕様が一般的である。ここで、回胴式遊技機においては、このような基本的な遊技に加えて各種演出を行うことにより、全体として趣向性の向上が図られている。
また、近年のぱちんこ遊技機としては、遊技盤面(遊技領域)上の始動入賞口に遊技球が入球したことを契機として所定確率の特別図柄抽選がなされ、特別図柄抽選にて大当りに当選した場合には大当り遊技状態(特別遊技状態)へと移行し、遊技盤面に備えられた大入賞口が開放して大量の賞球を獲得できるぱちんこ遊技機が主流である。このように構成されたぱちんこ遊技機の内には、特別図柄抽選における当選確率を上昇させる確率変動機能や特別図柄抽選における抽選結果を報知するための図柄変動の効率を上昇させる変動時間短縮機能等を備え、これらの機能の作動状態が組み合わされて実行される特定遊技状態によって遊技者にとって有利な遊技進行状態を創り出すことで遊技の興趣性を高める遊技機も存在している。
各種のぱちんこ遊技機のうち、ぱちんこ遊技機が遊技されていない状況下において、遊技者の遊技開始を誘致するための遊技待機デモ演出の実行中に、遊技中に発生した高期待度予告演出を実行することを可能とするぱちんこ遊技機が従来技術として知られている。
特開2015-181620号公報 特開2004-215803号公報 特開2014-171710号公報 特開2006-263138号公報 特開2015-181620号公報
この種の遊技機においては、その性能の向上が望まれている。
演出を表示する表示装置と、
遊技の進行の制御を行う主制御手段と、
演出に関する制御を行う演出制御手段と
を備え、
所定の遊技状態へ移行し得る又は所定の遊技状態が継続することを示すための文字群が表示装置に表示され得る構成であって、
主制御手段により所定の遊技状態へ移行すること又は特定の遊技状態が継続することが決定された場合において、演出制御手段により前記文字群の表示パターンが決定され、
前記文字群の表示パターンの所定態様では、前記文字群を構成する各文字が複数色を有して表示される場合を備える
遊技機。
本発明によれば、遊技機の性能を向上させることができる。
スロットマシンPS1の筐体外斜視を示す図である。 フロントパネルPS2の裏面を示す図である。 キャビネットPS3の内面を示す図である。 機能ブロックを示す図である。 プログラム開始処理を示すフローチャートである。 電源断処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 電源断復帰処理を示すフローチャートである。 遊技進行メインを示すフローチャートである。 設定変更処理を示すフローチャートである。 有利区間クリアカウンタ管理処理を示すフローチャートである。 プッシュボタン演出の一例である。 プッシュボタン演出実行時の表示装置の表示態様の一例である。 通常演出状態におけるステップアップ予告の一例である。 通常演出状態におけるセリフ予告の一例である。 連続演出中におけるセリフ予告の一例である。 フロントパネルPS2が開放している状況での演出用スイッチ画像の一例である。 デモ画面中の演出用スイッチ画像の一例である。 デモ画面中の演出用スイッチ画像の一例である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関するリール配列を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する図柄組合せ1/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する図柄組合せ2/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する図柄組合せ3/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する図柄組合せ4/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する条件装置1/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する条件装置2/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する条件装置3/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する条件装置4/4を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する非RTの内部抽せん置数1/3を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する非RTの内部抽せん置数2/3を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する非RTの内部抽せん置数3/3を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関するRT変動契機を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関するRTの内部抽せん置数1/3を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関するRTの内部抽せん置数2/3を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関するRTの内部抽せん置数3/3を示す図である。 本発明に係る遊技機の仕様1に関する有利区間遷移を示す図である。 払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行わなかった場合を説明する図である。 払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行った場合を説明する図である。 払出処理終了後に精算スイッチによる精算操作を行った場合を説明する図である。 精算処理終了後に遊技メダルの投入を行わなかった場合を説明する図である。 精算処理終了後に遊技メダルの投入を行った場合を説明する図である。 正常に払出が行われた場合を説明する図である。 正常に払出が行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)を説明する図である。 正常に払出が行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)を説明する図である。 正常に払出が行われた場合の表示画面の一例を示す図である。 正常に払出が行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)の表示画面の一例を示す図である。 正常に払出が行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)の表示画面の一例を示す図である。 割込み禁止、割込み許可を示すプログラム例を示す図である。 8ビットカウンタとタイマ割込み処理のタイムチャートを示す図である。 タイマ割込み処理の実行タイミングを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の正面図である。 上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の正面方向の斜視図である。 上記ぱちんこ遊技機の枠部材を開放した状態の背面方向の斜視図である。 前提とするぱちんこ遊技機に取り付けられた遊技盤を示す斜視図である。 前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロック図である。 前提とするぱちんこ遊技機の遊技状態の遷移を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の電源投入処理を示す図である。 上記電源投入処理中の遊技停止状態設定処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の主制御基板の割込み処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の当否抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の当り図柄抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の低ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の高ベース状態中における変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の限定的な期間に参照される特殊変動パターン抽選テーブルを示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の電源投入処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の演出制御基板の割込み処理を示す図である。 前提とするぱちんこ遊技機の通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機の大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機において大当り遊技を実行している状態の遊技演出を表した図である。 前提とするぱちんこ遊技機の特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。 本発明に係る確定演出のイメージ図である。 本発明に係る確定演出とエラー報知の発生タイミングを示す図である。 本発明に係る確定演出とエラー報知の発生タイミングを示す図である。 本発明に係る楽曲変更が可能である場合の表示画面を示す図である。 本発明に係る楽曲変更と音量変更の可/不可のタイミングを示す図である。 本発明に係る楽曲変更と音量変更の可/不可の遷移を示すイメージ図である。 本発明に係る回胴式遊技機における電源ラインの一例を示す図である。 本発明に係るぱちんこ遊技機における電源ラインの一例を示す図である。 本発明に係る回胴式遊技機における電源ラインの一例を示す図である。 本発明に係るぱちんこ遊技機における電源ラインの一例を示す図である。 本発明に係る回胴式遊技機における電源ラインの一例を示す図である。 本発明に係るぱちんこ遊技機における電源ラインの一例を示す図である。
初めに、本発明の前提とする回胴式遊技機及びぱちんこ遊技機について説明する。なお、前提とする回胴式遊技と前提とするぱちんこ遊技機の双方を含む場合には、「前提とする遊技機」「前提技術」「前提技術における遊技機」等として説明する場合もある。
<<回胴式遊技機(スロットマシン)>>
<用語の説明>
「メダル(メダル数)」、「遊技媒体(遊技媒体数)」、及び「遊技価値」は同義である。遊技媒体に関する「ベット」、「BET」、及び「投入」は同義であり、何れも遊技媒体を賭ける行為である。16進数の数値を表す場合は「0x〇〇」又は「〇〇h」と記載しており、数字の前後に特に記載のない場合は10進数で表している。「リール」を「回胴」と称する場合があり、何れも同義である。「記憶手段」を「RWM」、「RAM」、又は「記憶領域」と称する場合があり、何れも同義である。「遊技媒体の付与」、又は「得点の付与」等で使用する「付与」は、「払出」と称す場合があり、何れも同義である。「設定/リセットスイッチ」を機能ごとに「設定変更スイッチ」、「リセットスイッチ」と称する場合があるがいずれの場合も同一のスイッチを指し示している。なお、「設定変更スイッチ」、「リセットスイッチ」は、それぞれ異なるスイッチとして設けていてもよい。操作態様により払出の多い小役か払出の少ない小役が停止する場合は、払出の多い小役を高目(高目ベル、高目小役も同義)と称し、払出の少ない小役を安目(安目ベル、安目小役も同義)と称する場合がある。なお、このとき払出のない図柄組合せが停止した場合はこぼし目(取りこぼし目も同義)と称する場合がある。
以下、図面を参照しながら、前提とするスロットマシンPS1を詳細に説明する。
<スロットマシンPS1の説明>
前提とするスロットマシンPS1の構成要素に関して、図1乃至図3に基づいて説明する。
スロットマシンPS1は大きく分けてフロントパネルPS2側とキャビネットPS3側にそれぞれ必要な部品、基板が取付けられる。スロットマシンPS1のフロントパネルPS2とキャビネットPS3の各々側面側はヒンジ装置と施錠装置によって接合され、フロントパネルPS2に設けられた施錠装置に錠前キーが差し込まれ、特定方向に回動操作されることにより施錠装置側を開放状態とすることができる。つまり、キャビネットPS3に対してフロントパネルPS2が扉として機能している。
<フロントパネルPS2>
フロントパネルPS2(前扉PS2、前面扉PS2、またはフロントドアPS2とも称する)は、意匠が施された板部材で構成され、前側(遊技者側)には表示窓4、操作指示ランプ24、ベット数表示ランプ25、クレジット数表示器26、獲得枚数表示器27、操作パネル11、下部パネル5、上部または両側部演出ランプ等が設けられ、裏側にはメダルセレクタ34(以下、単に「セレクタ」と称する場合がある)、表示装置32、サブ制御基板1000、各種基板等、設定表示LED(以下、設定値表示LED、設定表示器、設定値表示器、設定表示装置、設定値表示装置と称する場合がある)が設けられる。
<表示窓4>
表示窓4は、フロントパネルPS2に備えられている領域であり、フロントパネルPS2を閉鎖した状態でリールに描かれた図柄が視認可能となる。左リール8a、中リール8b、右リール8cの各リールリム部に固定される各リールテープの外周面に印刷された図柄は、前側(遊技者側)から表示窓4を通して視認可能となるように構成されている。そして、リールが停止しているときは、21個(仕様に応じて20個や16個等自由に設計してもよい)の図柄のうち、連続する3つの図柄が視認可能となっている。すなわち、表示窓4からは、3[図柄]×3[リール]=合計9つの図柄が視認可能となる。ここで、左リール8a、中リール8b、右リール8cがそれぞれ3つの図柄を停止する停止位置のうち、最も上側の停止位置を上段、中央の停止位置を中段、最も下側の停止位置を下段とする。
<有効ライン>
有効ラインは、左リール8a、中リール8b、右リール8cが停止したときに入賞判定処理(後述する)の対象となる図柄組合せラインである。前提とするスロットマシンPS1における有効ラインは、表示窓4から視認可能であり、各リールの中段を通過する図柄組合せライン(中段水平ライン)によって構成されている。有効ライン上に停止した図柄組合せが入賞判定処理により、いずれかの役に対応していたと判定されたときは、停止した図柄組合せに応じた処理を行う。一例としては、ベル等の小役に対応した図柄組合せが停止したと判定されたときは遊技メダル(以下、メダル、遊技媒体、遊技価値と称する場合がある)の払出処理やクレジットの加算処理が実行され、リプレイに対応した図柄組合せが停止したと判定されたときは自動ベット処理が実行される。
また有効ラインはスロットマシンPS1によっては上段水平ライン、中段水平ライン、下段水平ライン、右上がりライン、右下がりラインの5ライン分が設定されたり、一直線でない略山形(左リール8a下段、中リール8b上段、右リール8c下段)、略谷型(左リール8a上段、中リール8b下段、右リール8c上段)、略L字型(左リール8a上段、中リール8b下段、右リール8c下段)を含めて6ライン分以上が設定されたり、賭け枚数によって有効ラインが変化するように設定されたり、スロットマシンPS1の仕様に応じて自由に設計できる。また、有効ライン以外の一直線のラインを無効ラインと称する場合がある。
<操作指示ランプ24>
操作指示ランプ24は、表示窓4の周辺に設けられており、左リール8a、中リール8b、右リール8cが回転しているときに、遊技者に対してストップスイッチ13(後述する)の操作順序を指示するものである。すなわち、左操作指示ランプ24aが点灯(中操作指示ランプ24bと右操作指示ランプ24cは消灯)しているときは左ストップスイッチ13aを操作すべきであることを示し、中操作指示ランプ24bが点灯(左操作指示ランプ24aと右操作指示ランプ24cは消灯)したときは中ストップスイッチ13bを操作すべきであることを示し、右操作指示ランプ24cが点灯(左操作指示ランプ24aと中操作指示ランプ24bは消灯)したときは右ストップスイッチ13cを操作すべきであることを示している。
<ベット数表示ランプ25>
ベット数表示ランプ25(掛け数表示ランプ25、掛け枚数表示ランプ25、賭け数表示ランプ25、賭け枚数表示ランプ25)は、操作パネル11上に設けられており、遊技者の操作による賭け枚数を表示する機能を有している。また、1ベットランプ25a(図示せず)、2ベットランプ25b(図示せず)、3ベットランプ25c(図示せず)から構成されている。メダルが1枚賭けられると1ベットランプ25aが点灯し、メダルが累計で2枚賭けられると1ベットランプ25aと2ベットランプ25bが点灯し、メダルが累計で3枚賭けられると1ベットランプ25aと2ベットランプ25bと3ベットランプ25cが点灯するようになっている。また、図示しないが、リプレイに関する図柄組合せが表示された後は、自動ベット処理が実行される際に、当該リプレイが当選した遊技での使用したベット数に対応するベット数表示ランプ25を点灯させるとともに、リプレイランプを点灯するようになっている。なお、ベット数表示ランプ25の点灯タイミングとリプレイランプの点灯タイミングとは同時であってもよいし、いずれかが先に点灯するよう構成してもよい。
<クレジット数表示器26>
クレジット数表示器26は、操作パネル11上に設けられおり、7セグメントとドットポイント(DP)から構成されている主にクレジット数の上位桁を表示するセグメント表示器26a(図示せず)、7セグメントとドットポイント(DP)から構成されている主にクレジット数の下位桁を表示するセグメント表示器26b(図示せず)から構成されている。なお、クレジット数とはスロットマシンPS1にクレジット(電気的に貯留)されているメダルの枚数を意味しており、最大で50まで貯留可能となっている。また、エラーを検知したときのように通常の遊技が進行できないときには当該エラーに関する表示を行ってもよい。
<獲得枚数表示器27>
獲得枚数表示器27は、操作パネル11上に設けられており、7セグメントとドットポイント(DP)から構成されている主に獲得枚数の上位桁を表示するセグメント表示器27a(図示せず)、7セグメントとドットポイント(DP)から構成されている主に獲得枚数の下位桁を表示するセグメント表示器27b(図示せず)から構成されている。なお、獲得枚数とはスロットマシンPS1において遊技の結果に応じて遊技者へ払い出される(クレジット数表示器26への貯留も含む)メダルの枚数を意味する。また、エラーを検知したときのように通常の遊技が進行できないときには当該エラーに関する表示を行ってもよい。
クレジット数表示器26と獲得枚数表示器27はセグメント表示器26a、26b、27a、27bにより各々の情報を表示するほかに、DPの点灯の有無により、クレジット数に関する情報や獲得枚数に関する情報とは異なる情報を表示することも考えられる。例えば、有利区間(後述する)に滞在していることを示す情報や所定の外部信号が出力されていることを示す情報などをいずれかのセグメント表示器のDPを点灯させることで報知することが挙げられる。また、獲得枚数表示器27の上位桁の表示部と下位桁の表示部を用いて押し順報知を行う性能を有していてもよい。獲得枚数表示器27を用いて押し順報知を行う場合は獲得枚数表示器27のことを指示モニタと称する場合がある。
<操作パネル11>
操作パネル11は、フロントパネルPS2の略中央部設けられている。操作パネル11は略水平な水平部と当該水平部の先端部から略鉛直下方に延びる鉛直部とで段差状に設けられており、鉛直部には、後述するスタートスイッチ12、ストップスイッチ13が設けられており、水平部には、後述するメダル投入口17、複数のベットスイッチ(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)、サブスイッチ20、サブ十字キースイッチ21、イジェクトスイッチ22、精算スイッチ、演出用スイッチが設けられている。
<スタートスイッチ12>
スタートスイッチ(スタートレバーとも称す)12は、操作パネル11の鉛直部上に設けられている。レバー形状の操作部からなり、非操作時はスタートスイッチセンサがONとなっており、操作時にスタートスイッチセンサがOFFとなることで、スタートスイッチが操作されたと判定するような機構となっている。スタートスイッチ12は、賭け枚数が規定数となると操作が有効となり、スタートスイッチ12の操作を受け付けると内部抽せん処理、指示機能に係る処理、又はリール回転処理等を実行する。また、前提とするスロットマシンPS1においては、入力信号をローアクティブにしているため、非操作時にスタートスイッチセンサがONとなっている場合はスタートスイッチ入力信号がOFFとなり、操作時にスタートスイッチセンサがONからOFFとなった場合はスタートスイッチ入力信号がONとなるよう構成している。これに限られずスタートスイッチセンサのONのときにスタートスイッチ入力信号がONとなるように構成してもよい。
以下、単に「スタートスイッチがON(オン)」、または「スタートスイッチが操作され」と称した場合は、スタートスイッチセンサがONからOFFとなったことであり、スタートスイッチ入力信号がOFFからONとなったことを表す。
<ストップスイッチ13>
ストップスイッチ13は、操作パネル11上に設けられている。前提とするスロットマシンPS1の場合、左リール8aには左ストップスイッチ13a、中リール8bには中ストップスイッチ13b、右リール8cには右ストップスイッチ13cがそれぞれ対応している。また、ストップスイッチ13の操作が可能な時にはストップスイッチ13の本体に備えられているランプ、またはその周辺のランプの色を変更させることでストップスイッチ13が有効であることを示唆する。例えば、ストップスイッチ13の操作が可能な時には青色で点灯し、操作が不可能な時には赤色で点灯することが挙げられる。また例えば、ストップスイッチ13の操作が可能な時には点灯し、操作が不可能な時には消灯することが挙げられる。
<メダル投入口17>
メダル投入口17は、操作パネル11上に設けられている。メダルをメダル投入口に投入させるための開口部を有し、規格サイズ以上のメダルの投入を制限する。メダル投入口17は、複数種類のメダルの規格サイズに応じて複数種類製造されているが、操作パネル11に各種メダル投入口17の取り付けを共通で行えるように、各種メダル投入口17の取り付け規格を同一にしている。
遊技媒体の投入に関して、遊技媒体は上述したメダルに限定されず、例えば、ぱちんこ遊技機で用いられる遊技球(所謂パロット)、又は磁気カードやフラッシュメモリ等電気的記憶媒体に記憶された遊技媒体情報が遊技機に入力され、入力された遊技媒体情報に基づいてベット数の設定や入賞時の加算等するものであってもよい。
<ベットスイッチ(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)>
ベットスイッチは、操作パネル11上に設けられている。クレジットに貯留メダルがあるときにベットスイッチが操作されると、ベット処理が実行されメダル投入口17にメダルを投入する行為と同等のベット数の設定処理が行われる。ただし、クレジットにメダルが貯留されていない場合にベットスイッチが操作されてもベット処理は無効となる(ベットスイッチの操作を受け付けない)。また、MAXベットスイッチ18は、遊技者が操作する押下部と、押下部の操作を検知する検知部と、押下部を光らせる発光部(MAXベットランプとも称す)とから構成されており、1ベットスイッチ19は、遊技者が操作する押下部と、押下部の操作を検知する検知部とから構成されている(1ベットスイッチ19には発光部がない)。
MAXベットランプは、MAXベットスイッチが操作されるとベット処理が実行可能であることを遊技者に報知するものであり、報知態様としてMAXベットランプを所定色で点灯させたり、MAXベットランプを所定周期で点滅させたり、様々な態様が考えられる。反対に、MAXベットスイッチが操作されてもベット処理が実行できないときは、MAXベットランプを特定色で点灯させたり、MAXベットランプを点灯させなかったり、する態様が考えられる。
また、スロットマシンPS1毎に設定された最大枚数(前提とするスロットマシンPS1では3枚)を賭けることができるMAXベットスイッチ18と、1枚を賭けることができる1ベットスイッチ19とが備えられており、MAXベットスイッチ18の操作を受け付けるとMAXベット処理を実行し、1ベットスイッチ19の操作を受け付けると1ベット処理を実行するよう構成されている。MAXベット処理は、クレジット数と現在ベットされているベット数の和が3以上であり、且つ現在ベットされているベット数が3未満の状況で実行可能となり、また、MAXベット処理は、クレジット数と現在ベットされているベット数の和が3未満になる状況(換言すれば、MAXベットスイッチ18を操作しても、ベット数が3未満になる状況)、すでに3ベットされている状況では実行できないようになっている。1ベット処理は、クレジット数が1以上であり、且つ現在ベットされているベット数が3未満の状況で実行可能となり、すでに3ベットされている状況では実行できないようになっている。
また、1ベットスイッチ19は操作されるごとに1ベット処理を実行し、ベットされていない状況から3回分1ベットスイッチ19が操作されると3ベットとなり、1ベットスイッチ19の3回分の操作はMAXベットスイッチ18の1回分の操作に相当する。
また、1ベットスイッチ19は3ベットされている状況では無効となる実施形態を説明したが、3ベットされている状況で1ベットスイッチ19が1回分操作されると1ベット状態になり、クレジットに2枚返却するように構成されていてもよい。
また、MAXベットスイッチ18が操作されることにより実行されるMAXベット処理はベット数が3未満になる状況では実行されない実施形態を説明したが、現在ベットできる最大数をベットする処理も考えられる。換言すると、ベットされておらず、且つクレジット数が2の状況でMAXベットスイッチ18が操作されると2ベットされる処理も考えられる。
なお、ベット可能な最大枚数は遊技状態によって相違するよう構成してもよく、非ボーナス中はベット可能な最大枚数が3であり、ボーナス中はベット可能な最大枚数が2である態様であってもよい。
<サブスイッチ20>
サブスイッチ20は、操作パネル11上に設けられており、遊技者に直接操作させるための透光性の有する部材から構成されている押下部と、押下部が操作されたことを検知する検知部と、サブスイッチの押下部を光らせるためのサブスイッチランプと、から構成されている。このサブスイッチ20は、主に後述する表示装置32にメニュー画面を表示させるためのスイッチである。また、サブ制御基板1000で管理する入力手段としてサブスイッチ20の他、サブ十字キースイッチ21(上スイッチ、下スイッチ、左スイッチ、右スイッチ)や演出用スイッチ(遊技中に指示を用いて操作させるスイッチ)を設けている。また、サブスイッチ20は後述する携帯端末との連動システム(以下、携帯連動システムとも称す)を起動させる契機として機能させることもできる。なお、サブスイッチ20をメニュー表示機能、演出用スイッチを遊技中の操作用として分けているが、共通のスイッチとしてもよい。
メニュー画面には、役構成項目、リール配列項目、音量調整項目、光量調整項目、携帯連動システム関連項目が表示され、サブ十字キースイッチ21の上スイッチ、又は下スイッチが操作されることで、項目を選択しているカーソルが上下に移動するように制御される。また、各項目の何れかにカーソルがあっている状況でサブスイッチ20が操作されると該項目の詳細が表示されるようになっている。例えば、カーソルが音量調整項目上にあったときにサブスイッチ20が操作されると、音量調整画面が表示され、サブ十字キースイッチ21の左スイッチ、又は右スイッチで音量を調整できるようになっている。
また、メニュー画面は遊技終了後のベットがされていない状況でサブスイッチ20が操作されることで表示可能となっている。このときの演出状態として、通常演出、連続演出、AT演出、又はデモ画面(遊技終了後から60秒経過すると表示される画面で、メーカ名や演出紹介を動画像で表示する画面)の何れの状況であってもサブスイッチ20が操作されることでメニュー画面が表示されるようになっている。ただし、この実施形態に限られず連続演出中やAT演出中にサブスイッチ20が操作されてもメニュー画面を表示できない態様であってもよい。
<演出用スイッチ>
演出用スイッチは、操作パネル11上に設けられており、遊技者に直接操作させるための透光性の有する部材から構成されている押下部と、押下部が操作されたことを検知する検知部と、演出用スイッチの押下部を光らせるための演出用スイッチランプと、から構成されている。演出用スイッチの操作が有効な状況で演出用スイッチが操作されると操作に基づいた演出が実行される。例えば、表示装置(以後、単に「液晶」と称することもある)32に連続演出が実行されているときに連続演出の最終遊技で特典の付与を意味する「成功」表示(以下、成功演出と称する場合がある)か、特典が付与されないことを意味する「失敗」表示(以下、失敗演出と称する場合がある)かの何れかを表示する際に、演出用スイッチが操作されることによって「成功」又は「失敗」を表示するといった態様が考えられる。
また、演出用スイッチの操作が有効な状況では、演出用スイッチランプが点灯することで、演出用スイッチの操作が有効であることを遊技者に報知可能となっている。演出用スイッチの点灯態様として、演出用スイッチの操作が無効な状況では非点灯とし、演出用スイッチの操作が有効な状況では点灯する態様が考えられる。演出用スイッチの操作が有効な状況の点灯態様として他にも、一定の周期で点灯と消灯を繰り返す態様であってもよい。
また、演出用スイッチの操作が有効な状況では、液晶に演出用スイッチを模した表示を行うことで演出用スイッチの操作が有効であることを報知している。液晶に演出用スイッチを模した表示を行う場合は、主制御手段100から受信したコマンドに基づいて表示する。例えば、スタートスイッチ受付コマンドに基づいて演出用スイッチを模した表示を行ったり、全回胴停止コマンドに基づいて演出用スイッチを模した表示を行ったり、する態様が考えられる。
<精算スイッチ>
精算スイッチは、操作パネル11上に設けられている。遊技が終了した後に操作されることで、ベットされている遊技媒体数や、クレジットに貯留されている遊技媒体数を遊技者に払い出す処理(精算処理)を実行する。なお。前提とするスロットマシンPS1では、ベットされており、且つクレジットに遊技媒体が貯留されている状況下で精算スイッチが操作されると、ベットされている遊技媒体を先に払い出した後、続けてクレジットに貯留されている遊技媒体を払い出すよう構成されているが、これに限らず、ベットされている遊技媒体数が0のときのみクレジットに貯留されている遊技媒体を払い出す処理を実行してもよい。すなわち、ベットされている状況下で精算スイッチが操作されるとベットされている遊技媒体のみを払い出し、その後、再度精算スイッチが操作されるとクレジットに貯留されている遊技媒体を払い出すよう構成されてもよい。
<下部パネル5>
下部パネル5は、フロントパネルPS2の下方に設けられている。透明樹脂が2枚合わさって構成され、合わせた樹脂の間にはデザインシートが挟まれ、デザインシートはスロットマシンPS1毎の特色を表す印刷が施される。
<メダル払出口45>
メダル払出口45は、下部パネル5の下方に設けられている。後述するホッパ44(ホッパーとも称す)より払い出されたメダルをスロットマシンPS1の外(受け皿28)に放出させるための出口である。また、後述するメダルセレクタ34から排除されたメダルをスロットマシンPS1の外に放出させる返却口を兼ねている。
<受け皿28>
受け皿28は、下部パネル5の下方に設けられている。メダル払出口45から放出されたメダルを受止め、貯蔵できるように略凹構造を有しており、貯蔵したメダルを遊技者が確認できるように遊技者側に突出して設けられている。
また、受け皿28はその他の機能としてタバコ用灰皿29と、組合許諾証シール、特許証紙シール、型式シールが貼り付けられた樹脂シートを収容し、遊技者側に表示する開口部を有したシール収容部30も設ける。
<スピーカS>
スピーカSは、フロントパネルPS2の上部、及び下部に設けられている。サブ制御基板1000とハーネス(図示しない)で繋がれており、スピーカSからは演出に合わせた効果音の他、エラーが発生した事を知らせるエラー音や警告音を出力する。
<表示装置32>
表示装置32は、フロントパネルPS2の上方に設けられている。画像を表示可能な装置であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなど様々な装置を用いることができる。サブ制御基板1000と電気的に接続され、様々な演出画像のほか、遊技中にストップスイッチ13の押し順や目押し位置を指示する遊技指示画像(押し順のみを表示する場合は押し順ナビ画像(押し順画像、操作順番画像、操作順画像とも称す)、目押し位置のみを表示する場合は目押しナビ画像(目押し画像、操作位置画像とも称す)、又は押し順且つ押し位置を表示する場合及び押し順や押し位置の上位概念として操作態様ナビ画像(操作態様画像とも称す)と称する場合がある。)、エラー発生時のエラー画像等を表示する。また、機種によっては表示装置32を搭載しないスロットマシンPS1もある。
<ドットディスプレイ、可動役物などのその他演出装置>
ドットディスプレイ、可動役物などのその他演出装置は、表示窓4の周辺、上下パネル部などフロントパネルPS2の任意の位置に設けられている。その他演出装置は、サブ制御基板1000と電気的に接続され、様々な演出画像、演出動作のほか、遊技中にストップスイッチ13の押し順や目押し位置を指示する遊技指示画像や動作、エラー発生時のエラー画像の表示や動作を行う。その他演出装置は、スロットマシンPS1の機種に合わせて任意に搭載される。また、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、プロジェクタなど様々な装置をその他演出装置として用いることもできる。特にその他演出装置である液晶を補助的に備えた遊技機においては、表示装置32をメイン表示装置と称し、その他演出装置である液晶をサブ表示装置と称する場合がある。この場合、メイン表示装置の方がサブ表示装置よりも表示領域が大きく構成される。
<メダルセレクタ34>
メダルセレクタ34は、フロントパネルPS2背面側の遊技機内部にあり、かつ、メダル投入口17の下方の流下通路に設けられている。メダルセレクタ34は、遊技者より投入されたメダルの枚数を流下通路上に設けられたセンサでカウントするメダルカウント機能、投入された規格外のメダルを受け皿28に導くメダル排除機能、フロントパネルPS2前面に設けたイジェクトスイッチが操作されることによりメダルセレクタ34内に詰まったメダルを排除するイジェクト機能、及びメダル受付け時以外に投入されたメダルを電気的に駆動される阻止部材(ブロッカとも称す)で流下通路上から排除するブロッカ機能を有している。また、メダルセレクタ34は、メダル受付け時に投入されたメダルが正規なメダルである場合は、メダルを下流に位置するホッパ44へ排出する。
メダルセレクタ内の各種センサは、通路センサ、投入センサ1、投入センサ2、シュートセンサから構成されている。通路センサは、メダル投入口から投入されたメダルを最初に検知するセンサであり、投入メダルと排出メダルの数をカウントするために設けられている。投入センサ1、投入センサ2は通路センサ、及びブロッカの下流に位置しており、投入センサ1、投入センサ2を通過するメダルの通過時間を判断して正常通過、または異常通過を判断するために設けられている。なお、投入センサ2は投入センサ1よりも下流に位置している。シュートセンサは、投入センサ2よりも下流に位置しており、投入メダルと排出メダルの数をカウントするために設けられている。通路センサとシュートセンサは機能が重複しているためどちらか一方のみを設けてもよい。
メダルセレクタ内のブロッカは、ONとなっている場合は遊技メダルの通過を許可する態様となり、OFFとなっている場合は遊技メダルの通過を不許可とする態様となる。遊技メダルの通過を許可するとは、メダル投入口から投入された遊技メダルがホッパ44に導かれることであり、遊技メダルの通過を不許可とするとは、メダル投入口から投入された遊技メダルがホッパ44に導かれないことである。
以下にスロットマシンPS1における、キャビネットPS3側の構成要素について説明する。
<キャビネットPS3>
キャビネットPS3は方形箱形の一面に開口部を有した形状で構成され、内部にはリールユニット6、ホッパ44、補助タンク46、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38(以下、単に「リセットスイッチ」、または「設定スイッチ」と称する場合がある)、電源装置39、メイン制御基板100、外部出力端子板47等が設けられる。
<メイン制御基板100>
メイン制御基板100は、メイン制御基板ケース本体とメイン制御基板ケースカバーを合わせたときにできる内部空間に収納しており、メイン制御基板ケース本体とメイン制御基板ケースカバーとはカシメによって容易に開閉できないようになっている(封印されている)。メイン制御基板100はキャビネットPS3内のメイン制御基板ケースブラケットに固定される。
<リールユニット6>
リールユニット6は、主に、リール枠体、左リール8a、中リール8b、右リール8cから構成されている。リールユニット6はキャビネットPS3中央内部のリールベース7に取り付けられ、係止部材(ビスやリベット)によって固定される。
リール(左リール8a、中リール8b、右リール8c)は、リール基部と、リール基部の外周に貼り付けられた複数種類の図柄が描かれたリールテープと、リール基部に軸支されているステッピングモータと、ステッピングモータを固定しリールユニットと軽視されるモータ固定ベースとから構成されている。リールテープにはリール毎に異なる図柄配列が描かれている。
遊技者によりスタートスイッチ12が操作されるとリールの加速処理を行い、一定速度(約80回転/分)に到達後、1割込みごとにステッピングモータを1ステップ移動させる定速回転状態を維持した後(定速回転)、遊技者によるストップスイッチ13の操作に応じて、対応するリールを停止操作受付位置毎に定められた停止位置にリールを定速回転で移動させ、停止位置までリールを移動させた後はブレーキをかけ(4相励磁信号を出力し)リールの回転を停止させて励磁出力を終了する。
また、各リールのリール基部に設けられているスポーク部にはインデックスが設けられており、各リールのモータ固定ベースに備えられたインデックスセンサがインデックスを検知することで1周ごとに回転中の基準図柄(初期図柄とも称す)の位置を判断している。なお、前提とするスロットマシンPS1におけるリールの駆動源であるステッピングモータのステップ数は336ステップとなっており、定速回転中は336回のタイマ割込み処理で1周するようになっている。また、定速回転中においてタイマ割込み処理が2回実行されるごとに回転不良検出カウンタをインクリメントし、回転不良検出カウンタのカウンタ値が180となった場合に回転不良と判断する。換言すると、360回のタイマ割込み処理を実行してもリールが1回転しない場合に回転不良と判断する。回転不良検出カウンタはインデックスを検知したときに0に設定することで、定速回転処理が正常であれば回転不良検出カウンタが180に到達する前に0となるように構成されている。
前提とするスロットマシンPS1においては、定速処理中にインデックスを検知したか否かの判断を行い、加速処理中はインデックスを検知したか否かの判断を行わないが、これに限らず、定速処理中と加速処理中にインデックスを検知したか否かの判断を行うようにしてもよい。このような構成によれば、より早く遊技者に対して停止受付が可能な状態にすることが可能となる。
また、各リールのモータ固定ベースにはバックランプユニットが設けられており、リールが停止した後に停止した図柄を強調するために点灯させたり、リール回転中に図柄の視認性を向上させるために点灯させたりしている。
<ホッパ44>
ホッパ44とは、主に遊技者が投入したメダルを貯留する装置である。ホッパ44は、キャビネットPS3の底板に設けられたレールと係合して載置され、レールに沿って前後にスライド移動が可能となっている。ホッパ44は、メダルセレクタ34から遊技機内部に導かれたメダルを受け入れ貯留する貯留タンク部と、ホッパ駆動手段から駆動信号が入力されることで駆動するホッパモータと、ホッパモータと軸支され、貯留タンク部内のメダルを整列させる回転盤と、回転盤を回転させることでメダルを1枚ずつ受け皿28に排出するための排出機構を設けたメダル払出部と、メダル払出部によりメダルを排出するメダル排出口、メダル排出口から排出されるメダルを検知する払出センサと、によって構成されている。
<補助タンク46>
補助タンク46は、メダルを貯留可能に構成されており、ホッパ44の貯留タンク部の許容量を超えて貯留されたメダルは、貯留タンク部に設けられた下り傾斜となっているレール部を通って補助タンク46に貯留される。補助タンク46は、方形箱形構造となっており、キャビネットPS3内に設置された状態においては、少なくとも一側面に設けられた貫通孔からキャビネットPS3に取り付けられた2本の満杯検知電極が補助タンク46内に露出するように設けられ、メダル投入口から投入されたメダルが一定量以上貯留されると2本の満杯検知電極がメダルを介して通電状態となり、ホッパ44、及び補助タンク46が満杯であると判断する。なお、満杯検知電極は2本のみには限定されず、3本設けるなど満杯検知電極の本数を変更してもよい。また、満杯検知の方法は満杯検知電極を使用する方法のみには限定されず、所定の位置に設けたセンサがメダルを検出することで満杯検知を可能に構成してもよい。
<設定キースイッチ37>
設定キースイッチ37は、スロットマシンPS1の内部に設けられた前面に開閉扉が設けられている設定キースイッチユニットに設けられている。フロントパネルPS2を開放後、設定キースイッチユニットの開閉扉を開放することでアクセスが可能となる。設定キースイッチ37がオンとなるには、設定キーを差し込み、右方向に90度回転させる。メダル受付けが可能な状態で設定キースイッチ37がオンとなると現在の設定値を確認でき、電源投入時の電源断復帰処理(電源投入処理とも称す)で設定キースイッチ37がオンであると判断すると設定変更処理(後述する)を実行する。
<電源装置39>
電源装置39は、キャビネットPS3の正面視左下方に設けられている。電源装置39は、方形箱形構造になっており、外部には電源スイッチ40が設けられており、内部には電圧を生成する電源基板が設けられている。電源装置39は、ハーネス(図示しない)を介して回胴装置基板、サブ制御基板1000へそれぞれ個別に接続されており、回胴装置基板から更にハーネスを介してメイン制御基板100へ接続され、メイン制御基板100に電源を供給している。
電源装置39は、電源スイッチ40がオンとなった場合、スロットマシンPS1の外部より電力を取込んだ後、それぞれ所定の電圧を生成し、メイン制御基板100、サブ制御基板1000に対しそれぞれ所定の電圧を取込ませるよう構成されており、電源スイッチ40がオフとなった場合、スロットマシンPS1の外部より電力を取込まないよう構成されている。
<外部出力端子板47>
外部出力端子板47(外部集中端子板47とも称す)は一般的にスロットマシンPS1のキャビネットPS3内部に取付けられており、メイン制御基板100から出力された遊技の結果に関する信号を予め定められた形式の信号に変換しスロットマシンPS1の外部に送信する。遊技の結果の内容として投入枚数、払出枚数、ボーナス回数(ビッグボーナス回数、レギュラーボーナス回数)、ドア開放信号等がある。その他の外部に信号を送信するための条件は、AT状態となったとき、特定の図柄組合せが表示されたとき、遊技に関するカウンタの値が所定値となったときなど、メイン制御基板100が制御するあらかじめ定められた情報をもとに設定できる。
<機能ブロック図>
前提とするスロットマシンPS1の機能ブロック図に関して図4に基づいて説明する。
<メイン制御基板100>
前提とするスロットマシンPS1は、一般的な遊技の流れを司るメイン制御基板100(メイン制御手段100、主制御基板100、主制御手段100とも称す)から、サブ制御基板1000(サブ制御手段1000、副制御基板1000、副制御手段1000とも称す)、ドア中継基板(中央表示基板とも称す)、回胴装置基板、リセット/設定スイッチ38、設定キースイッチ等と電気的に接続されていることで、データ通信を可能としている。ただし、メイン制御基板100とサブ制御基板1000は双方向通信を不可能とし、メイン制御基板100からサブ制御基板1000への一方向通信でデータ通信を可能としている。
メイン制御基板100には主制御チップが搭載されている。主制御チップには、主制御CPU,主制御ROM、主制御RAM等がバスによって互いにデータ通信が可能となっている。また、主制御チップには、主制御内蔵レジスタを有しており、主制御内蔵レジスタと主制御CPUがバスによって互いにデータ通信が可能となっている。さらにまた、主制御チップには、主制御CPUが演算等で使用可能な汎用レジスタ(例えば、Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ、Lレジスタ)や、呼び出し命令(例えば、CALL命令)によるプログラムを実行した後の復帰命令(例えば、RET命令)後のプログラム(戻り番地)を記憶するPCレジスタ、マスカブル割込みの許可状態や禁止状態を管理する割込みレジスタ(例えば、IFF1レジスタ、IFF2レジスタ)を有する。
主制御チップの制御により、役抽選(内部抽せんとも称す)、リールの駆動制御(リール制御とも称す)、払出制御等を各種基板へと適宜データ通信を行う。また、サブ制御基板1000に対しては、内部抽せんの結果、択役(AT役、AT対象役、押し順役、目押し役、押し順役と目押し役の双方を含む操作手順役とも称す)に当選し、択役の表示に関する情報(押し順、操作タイミング)を主制御手段100側で報知する場合に副制御手段側でも報知可能にするために択役情報(択役グループ情報、択役の表示に関する情報)を送信することで、副制御手段側でも択役の表示に関する情報を報知することが可能となる。なお、ATへの移行やAT遊技数の延長や、押し順報知等、ATに関する全ての処理を含んで指示機能に係る(関する)処理と称することもある。なお、押し順役とは、停止させるリールの順序(押し順)によって、停止する図柄組合せや遊技者に付与される遊技メダルが相違する条件装置であり、目押し役とは、停止ボタンの操作を受け付けるタイミングによって、停止する図柄組合せや遊技者に付与される遊技メダルが相違する条件装置である。
メイン制御基板100に搭載されている主制御ROMの記憶容量は「16KB以下」となっており、「7.5KB以下」の使用領域(第1プログラム領域とも称す)とそれ以外の使用領域外(第2プログラム領域とも称す)とを有している。使用領域には、メイン制御基板100が実行するプログラムが記憶されている「4.5KB以下」の制御領域(第1制御領域とも称す)と、プログラム以外の情報(例えば、内部抽せんテーブル情報)のみが記憶され、または記憶されることとなる「3.0KB以下」のデータ領域(第1データ領域とも称す)とを有している。使用領域外には使用領域と同様に制御領域(第2制御領域とも称す)とデータ領域(第2データ領域とも称す)とを有している。使用領域には遊技の進行に関するプログラムが記憶されており、使用領域外には不正対策に関するプログラムや遊技機試験に用いるプログラムが記憶されている。
メイン制御基板100に搭載されている主制御RAMの記憶容量は「1024B以下」となっており、「512B以下」の使用領域(第1作業領域とも称す)とそれ以外の使用領域外(第2作業領域とも称す)とを有している。第1作業領域は遊技の進行に応じて書き換え可能な記憶領域となっており、第2作業領域は不正対策や遊技機試験のプログラム実行時に書き換え可能な記憶領域となっている。
主制御チップに内蔵されている主制御RAMの記憶領域としては、打止切換スイッチのオン/オフ、自動精算スイッチのオン/オフの状態を示すスイッチ状態フラグの記憶領域、設定される1~6の何れかの値を示す設定値情報の記憶領域、複数のRT状態のうち何れのRT状態かを示すRT状態情報の記憶領域、ボーナスなどの特定の条件装置の当選状態を示す特定の条件装置の記憶領域、その他、遊技を進行させるのに必要な情報が記憶される遊技情報の記憶領域、使用されていない未使用の記憶領域、レジスタから退避したデータが格納されるスタックエリアの記憶領域、電源投入時にセットされる仮スタックエリアの記憶領域がある。
主制御RAMを初期化する契機は設定変更手段による設定変更処理時、電源断復帰処理時と毎遊技の開始時とがあり、それぞれの場合によって初期化する主制御RAMの記憶領域の初期化する範囲は異なる。
設定変更処理時において、電源断復帰が正常に行えない場合、または復帰不可能状態の場合はスイッチ状態フラグの記憶領域を除くRAMエリアにデータ0をセット(初期化)する。つまり設定変更前の状態を引き継ぐものはスイッチ状態フラグしかなく、例えばRT状態や、条件装置フラグなどはクリアされ引き継がない。
また、設定変更処理時であって、電源断復帰が正常に行える場合と、または復帰不可能状態以外の場合のいずれか一方、つまり、正常に設定変更処理を行う場合はスイッチ状態フラグの記憶領域、設定値情報の記憶領域、RT状態情報の記憶領域、特定条件装置の記憶領域が記憶される領域を除くRAMエリアにデータ0をセットする。つまり、設定変更前の遊技状態を維持したまま、設定変更後の設定値で遊技が可能となるようにRT状態、設定値データ、条件装置フラグを引き継ぐ。設定値データは設定変更前の情報を引き継ぎ、その後の設定変更処理において新たな設定値が設定されるため、サブ制御基板1000において、設定変更がされたのかを判定するために用いられる。
さらに、電源断復帰処理時、毎遊技の開始時はRAMエリアの未使用の記憶領域と電源断復帰処理時は電源断復帰時RAM初期化時の最大使用領域を除くスタックエリアの記憶領域にデータ0をセットする。
主制御チップに内蔵されている主制御内蔵レジスタとは、主制御チップに内蔵されている各周辺回路(例えば、タイマ回路等)の動作設定や、その機能を制御するためのものである。
例えば、主制御ROMに記憶されているプログラムにより主制御内蔵レジスタの所定の記憶領域にデータを書き込む(セット、記憶とも称する)ことにより、主制御ROMに記憶されているプログラムの1つであるマスカブル割込み処理(例えば、タイマ割込み処理)に関する設定(タイマ回路の設定)を行うことができる。
<サブ制御基板1000>
サブ制御基板1000は、副制御チップが搭載されている。副制御チップには、副制御CPU,副制御ROM、副制御RAM等がバスによって互いにデータ通信を可能としている。サブ制御基板1000は演出制御基板と双方向通信が可能であり、スピーカS、LEDランプ、サブスイッチ20、演出用スイッチ等に出力する演出を指定したデータを送信する。表示装置32への情報は画像制御基板へデータを送信する。また、サブ制御基板1000は電源基板から直接電力が供給される。
<回胴装置基板>
回胴装置基板は、リールモータ、リールセンサ、ドアスイッチ、払出センサ、外部出力端子板47(外部集中端子板47とも称す)等とメイン制御基板100との間のデータ通信を行う中継基板である。リールモータはリールの駆動を制御する。リールセンサは、リールが正常な動作を行っているかを判定するセンサであり、突出片(インデックスとも称する)がセンサを通過した際に回胴装置基板へデータ送信を行う。ドアスイッチは、前扉PS2が開放されたか否かを判定するセンサである。払出センサはメダルがホッパ44から払い出される際に適切に通過しているかを判定するセンサである。外部集中端子板は遊技機外のホールコンピュータへデータを送信するための中継基板である。また、回胴装置基板は電源基板から直接電力が供給される。
<ドア中継基板>
ドア中継基板は、入力される情報として、セレクタ内の各種センサ情報(投入センサ1,投入センサ2、通路センサ、シュートセンサ)、ベットスイッチ情報、ストップスイッチ情報、精算スイッチ情報があり、出力する情報として、ブロッカ情報、クレジット数情報、ベット数情報、リプレイ図柄組合せ表示情報、払出数情報がある。ドア中継基板は、セレクタ、ベットスイッチ、ストップスイッチ、精算スイッチ、クレジット数表示器26、払出数表示器、リプレイランプ、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプ、スタートランプ、メダル投入可ランプ、有利区間ランプと電気的に接続されている。
<演出制御基板>
演出制御基板(演出制御手段とも称す)は、サブスイッチ20、サブ十字キースイッチ21、演出用スイッチ、可動役物、スピーカS、バックランプ、フロントパネルPS2に設けられているLEDランプ、表示装置32の表示内容を制御する画像制御基板と電気的に接続される。
演出制御手段は、サブ制御手段1000と双方向通信が可能なように構成されており、サブ制御手段1000から受信した演出コマンドに基づいて演出装置への演出の出力を制御する。
演出制御手段は、内部抽せん手段による役の抽選結果に基づいて演出内容を選択する。前提とするスロットマシンPS1では、複数種類の演出内容が予め設けられており、演出制御手段は、遊技の開始時等に、内部抽せん手段による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって演出内容を選択する。
また、演出内容は、役抽選の結果だけでなくフリーズ抽選の結果や遊技状態(RT状態、フリーズ状態)等に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。具体的には、ボーナス当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等に対応し、それぞれ複数種類の演出内容が設けられている。
演出内容は、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ12の操作時や各ストップスイッチ13の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプをどのように点灯、点滅、または消灯させるか、スピーカSからどのようなサウンドを出力するか、及び表示装置32にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
また、演出制御手段によって出力される演出の発生を遊技者による操作に応じて行うようにすることも可能である。例えば、メイン制御基板100に操作信号が入力されるスタートスイッチ12、ストップスイッチ13、メダル投入口17、ベットスイッチ(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)、精算スイッチ等の操作信号に応じてメイン制御基板100から送信されるサブ制御コマンドに基づいてサブ制御基板1000の演出制御手段により演出を発生させることも考えられるし、サブ制御基板1000に操作信号が入力されるサブスイッチ20、サブ十字キースイッチ21、演出用スイッチ等のサブ入力スイッチ操作手段に応じて直接サブ制御基板1000より演出を発生させることも考えられる。また、サブ制御基板1000と演出制御基板をそれぞれ別の基板としたが、1つの基板で構成してもよい。その場合は演出制御基板が有する機能や処理をサブ制御基板1000が備え、サブ制御基板1000にサブスイッチ20、サブ十字キースイッチ21、演出用スイッチ、可動役物、スピーカS、バックランプ、フロントパネルPS2に設けられているLEDランプ、表示装置32の表示内容を制御する画像制御基板を電気的に接続してもよい。
<画像制御基板>
画像制御基板(画像制御手段とも称す)は、表示装置32に演出内容を具体的に表示するための画像制御ROM、サウンドROM、冷却ファン等が設けられている。
<電源基板>
前提とするスロットマシンPS1は、電源スイッチ40の操作に基づいて、電源基板から回胴装置基板及びサブ制御基板へと電力を供給する。回胴装置基板に供給された電力は、メイン制御基板100、ドア中継基板へと電力を供給する。そして、供給された電力は各部品へと供給されることで電気的に接続される。サブ制御基板1000に供給された電力は、演出制御基板へと電力を供給し、そして画像制御基板へと電力を供給する。供給された電力は各部品へと供給されることで電気的に接続される。
遊技機の遊技を制御するメイン制御基板100の制御について説明する。
<エラーの種類>
エラーには復帰可能エラーと復帰不可能エラーに大別される。
<復帰可能エラー>
復帰可能エラーとは、セレクタに関するエラー(メダル滞留エラー、メダル逆流エラー、メダル通過時間エラー)、ホッパ44に関するエラー(ホッパ滞留エラー、ホッパエンプティエラー、異常検知エラー)、ドア開放エラー、ハーネス抜けエラー等を示すエラーであり、復帰可能エラーが設定されると各種復帰可能エラーの要因を取り除いた後にリセットスイッチの操作を受け付けると、電源を再投入しなくても遊技に復帰できるよう構成されている。復帰可能エラー中は、何のエラーが発生しているかを遊技者に報知するために、表示装置32、払出数表示器、各種ランプで発生しているエラーに関する情報を表示する。
遊技中に復帰可能エラーを検知した場合は、検知した時点で遊技の進行を停止してもよいし、復帰可能エラーを検知した遊技の終了後に遊技の進行を停止してもよい。復帰可能エラー中に遊技の進行を停止することで、不正による復帰可能エラーの発生であっても遊技場管理者への被害を抑えることができる。復帰可能エラー状態から復帰する条件としては、エラーの要因を取り除いたことにより自動的に復帰するように構成されていてもよく、電源を再投入せずに復帰可能なエラーを復帰可能エラーと称している。
<復帰不可能エラー>
前提とするスロットマシンPS1では復帰不可能エラーが発生すると割込みを禁止し、出力ポートの出力をクリアするなど遊技の進行を制限するとともに、クレジット数表示器26でエラーの種類に応じた表示をするなど復帰不可能状態であることの報知を行う。
また、復帰可能エラーが設定される場合、リセットスイッチ(図示せず)の操作を受け付けると復帰可能エラーが解除されるが、一度復帰不可能エラーが設定されると、リセットスイッチの操作受付や、電源を再投入しただけでは復帰不可能エラーは解除されない。この場合は、設定変更処理を行うことで復帰不可能エラーが解除されるよう構成されている。復帰不可能エラー時に電源を再投入したときは、電源断復帰処理の一部を実行した後、復帰不可能エラー表示を繰返し実行することで以降の遊技処理を実行しないように制御される。
復帰不可能エラーとしては、役抽選時に賭け枚数が規定数以外である場合、設定値エラーチェックにおいて値が正常範囲にない場合、電源断復帰時に電源断処理が正常に行われていないと判定した場合、水晶発振器の周波数異常が示されるなど乱数異常と判定された場合、入賞判定処理において有効ライン上に当選していない役に対応した図柄組合せが停止されている場合などがある。
また、復帰不可能エラーとなると遊技中、遊技待機中(遊技が終了した後から次の遊技が開始されるまで)に関わらず、遊技の進行が停止される。
<遊技方法、遊技の流れ>
スロットマシンPS1で遊技を行うために、まずメダル投入口17からメダルを投入するか、予め貯留されているメダルをベット(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)操作されることで予め規定されているメダルの賭け枚数(規定数とも称す)を設定する。なお、前提とするスロットマシンPS1は規定数として3枚が設定されている。メダルの賭け枚数を設定することで有効ラインが有効に設定され遊技が可能な状態となる。
メダルの賭け枚数が上限に設定されている状況で新たなメダル投入口からメダルが投入された場合は、クレジットに記憶される遊技メダル数が増加する。クレジットに記憶される最大枚数は50枚を上限としている。賭け枚数の上限(3枚)と貯留分の上限(50枚)を超えるメダルがメダル投入口から投入された場合(54枚目)は、メダルセレクタのブロッカをオフ(メダルの遊技機内への投入を防ぐ状態)にして、受け皿に返却されるようになっている。即ち、賭け枚数が上限でありクレジットの貯留枚数が上限である場合にはブロッカがオフとなる(セレクタ内のホッパ44への通路が形成されなくなる)よう構成されている。
メダルが投入されたときに賭け枚数が加算される状況としては、賭け枚数が3枚未満(メダルが投入されたときの遊技状態における最大賭け枚数未満)のときである。また、メダルが投入されたときにクレジットに貯留可能となる状況としては、賭け枚数が3枚(メダルが投入されたときの遊技状態における最大賭け枚数)であり、かつクレジットが50未満(クレジットに貯留可能な上限数未満)のときである。つまり、賭け枚数とクレジットの貯留数の和が53未満のときは、メダル投入口からメダルが投入されると遊技機内部にメダルが入ることになる。なお、メダルが投入されたときにメダルを遊技機内部に入るための条件として、遊技待機中(遊技終了から次遊技の開始までの期間)であることも挙げられる。例えば、リプレイに係る図柄組合せが表示され、自動ベット処理が実行されたあとの遊技待機中でもメダル投入可能要件を満たす。この場合は自動ベットで3枚ベットされている状態であるため、クレジットの貯留数が50未満であればメダル投入可能要件を満たすことになる。
次に、スタートスイッチ12の操作を受け付けると、内部抽せん処理を実行し、内部抽せん処理の結果(役抽選結果、条件装置番号とも称す)を定めた後に、最小遊技時間(ウエイト時間(期間)、または4.1秒タイマとも称す)が経過しているか否かを判断しウエイト時間が経過している場合は各リールの回転を開始し、ウエイト時間が経過していない場合はウエイト時間が経過するまで各リールを回転せず待機する。
次に、ストップスイッチ13(左ストップスイッチ13a、中ストップスイッチ13b、右ストップスイッチ13c)のいずれかのストップスイッチの操作(停止操作)を受け付けると、役抽選結果と停止操作を受け付けたタイミングに応じて操作されたストップスイッチ13に対応するリールが停止する。全てのリールが停止(全停とも称す)すると各リールの停止受付時に決定した各停止図柄が異常でないか否かを判定し、異常でない場合、停止した図柄組合せが何れの図柄組合せであるかを検索し、検索結果に該当する図柄組合せに応じて、メダルの払い出し(クレジットへの加算を含む)、リプレイの設定(自動ベット処理)、ボーナス状態の設定、ボーナス状態の終了、RT状態の設定、RT状態の終了などの処理が行われ、1遊技が終了する。
<フリーズ処理>
遊技の進行を所定期間一時停止状態にして遅延させるフリーズ処理(フリーズ演出とも称す)としては、例えば、遊技の進行に関わる機能である、遊技媒体の受付け、予めクレジットされた遊技媒体の賭け枚数を定めるためのベットスイッチの操作の受付け、遊技を開始するためのスタートスイッチ12の操作の受付け、またはリールの停止操作の受付けに関する機能を一時停止状態にすることが挙げられる。なお、フリーズ処理(フリーズ演出)はメイン制御基板100が制御する処理となっている。
フリーズ演出としては、前述した遊技の進行に関わる全ての機能に関して一時停止状態にしてもよいし、一部の機能に関してのみ一時停止状態にしてもよい。
遊技の進行を一時停止状態にする態様としては、遊技者の操作に基づく制御処理(ブロッカ制御によりメダルがホッパ44に導かれる通路を形成する処理、ベットスイッチの操作に基づいた賭け枚数設定処理、スタートスイッチ12の操作に基づいたリール回転処理または内部抽せん処理、ストップスイッチ13の操作に基づいたリール停止処理)を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出によって遊技の進行を一時停止している期間中に遊技者の操作に基づいた入力信号が発せられたときは、入力信号に基づく制御処理を行わない、入力信号を受付けない、入力信号の送信を所定期間が経過するまで遅延させるなどの処理を行うことで、フリーズ演出を行わない場合と比べ1回の遊技における遊技終了タイミングが遅延することになる。
スタートスイッチ12の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、スタートスイッチ12が操作されたときに所定期間はリールの回転を行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されたときに所定期間は内部抽せんとリールの回転を行わずに所定期間の経過後に内部抽せんとリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されたときに所定期間は内部抽せんを行うがリールの回転は行わずに所定期間の経過後にリールの回転を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されて内部抽せんが行われた後に所定期間を設定し所定期間中はリールの回転や停止を行う場合や、スタートスイッチ12が操作されて内部抽せん、及びリールの回転を行った後に所定期間を設定し所定期間はストップスイッチ13の停止受付を無効にする場合等が挙げられる。
ストップスイッチ13の操作に基づいて行われるフリーズ演出に関しては、ストップスイッチ13の操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出とストップスイッチ13の操作の結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出において、フリーズ演出の制御処理が異なる。
ストップスイッチ13の操作の受付けに基づいて行うフリーズ演出の制御処理として、例えば、全リール回転中において左ストップスイッチ13aが操作されてフリーズする場合は、左ストップスイッチ13aに対応する左リールが停止した後に中ストップスイッチ13b、及び右ストップスイッチ13cの停止受付を無効にすることが挙げられる。これにより所定期間においては、遊技者は回転している中リール、及び右リールを停止できなくなるが、所定期間が経過した後に中ストップスイッチ13b、及び右ストップスイッチ13cの停止受付を有効にするため、1回の遊技における遊技終了までのタイミングを遅延させることができる。
ストップスイッチ13の操作を受け付けた結果、特定の図柄がリール上に停止表示されたことに基づいて行うフリーズ演出の制御処理として、最後に停止されるストップスイッチ13以外のストップスイッチ13の操作を受け付けたことで特定の図柄が各リール上に停止表示されたときは、最後に停止されるストップスイッチ13の停止受付を無効にする場合や、最後に停止されるストップスイッチ13の操作を受け付けたことで特定の図柄が各リール上に停止表示されたことに基づいて、次の遊技を開始するベットスイッチの操作に基づいた賭け枚数設定処理、通過センサによる遊技媒体の投入検出処理、またはリプレイが有効ライン上に停止したときに行う自動ベット処理に基づく制御処理等を行わないことが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、遊技者の操作に基づく遊技進行制御を一時停止させるが、遊技の進行に関わらない遊技機動作は実行可能である。例えば、ストップスイッチ13の操作に基づく停止制御処理は行わない場合であってもリールの回転態様は通常通りの回転態様で回転させたり、通常よりも低速、または高速に回転させたり等任意に設定することができる。
所定期間におけるリールの回転態様として、リールを通常回転とは逆方向に回転すること(所謂逆回転)、リールを所定図柄数回転し特定の図柄組合せを停止すること、複数のリールのうち所定のリールを停止状態にして他のリールを回転状態にすること、リールの回転速度を変化すること、または遊技者の操作に起因してリールの動作を変化することが挙げられる。
フリーズ演出を行う所定期間は、所定の条件によって変化させることができる。ここで、所定の条件とは、遊技者による各種スイッチに対する操作受付状況(スタートスイッチ12、ベットスイッチ、ストップスイッチ13、または精算スイッチ等の操作状況)に基づく信号の検出や、フリーズ抽せんによる抽せん結果が挙げられる。また、変化させることとは遊技の進行が一時停止となるフリーズ演出を行う所定期間を短くしたり、長くしたり、リールの回転態様を切り替えたりすることが挙げられる。
一時停止期間を短くする制御処理として、一時停止期間を強制終了すること、または一時停止期間よりも短い期間に書き換えることが挙げられる。そして、一時停止期間を長くする制御処理として、一時停止期間の後に他の期間を加算すること、または一時停止期間をより長い期間に書き換えることが挙げられる。また、フリーズ演出に基づく一時停止期間は、上限時間が定められなくてもよく、操作受付けの結果に基づいて一定の結果となるまで継続してもよい。
フリーズ演出を行う一時停止期間は、ウエイト期間の経過後に設定してもよいし、ウエイト期間を含んで設定してもよい。ウエイト期間を含んだ場合は、ウエイト期間とフリーズ演出期間とを比較して、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了する場合は、ウエイト期間中にフリーズ演出を実行し、ウエイト期間中にフリーズ演出が終了しない場合は、ウエイト期間後にフリーズ演出期間を設定したり、フリーズ演出終了後に残りのウエイト期間を再開したりすることが挙げられる。また、予めウエイト期間よりも長い期間のフリーズ演出期間しかなければ、ウエイト期間とフリーズ演出期間とを比較する処理を省略し、スタートスイッチ12の操作後(内部抽せん処理の後)にフリーズ演出を開始することも可能である。
フリーズ演出として、あたかも通常の遊技を進行しているかのようなフリーズ演出(疑似遊技とも称す)を加速処理中に行うことも可能である。疑似遊技では、スタートスイッチ12が操作され、内部抽せんが行われた後のリールの加速処理中に疑似遊技期間を定め、疑似遊技期間中は、通常の遊技のようにリール回転制御を行い(疑似遊技開始に基づくスタートスイッチの操作に基づいてリール回転制御を行い)、ストップスイッチ13の操作に基づいてリール停止制御を行う。また、疑似遊技期間中のスタートスイッチ12の操作により再度リールを回転するよう構成されていてもよい。但し、スタートスイッチ12の操作に基づく内部抽せん処理やストップスイッチ13の操作に基づく入賞判定処理または払出制御処理は行わない。
また、疑似遊技では、ストップスイッチ13が操作されたことによりリールが停止したときや、リール演出として自動的にリールを停止したときには、停止したリールを上下に揺動させる(所謂揺れ変動)。これにより、遊技者がストップスイッチ13を操作した際に通常の遊技なのか疑似遊技なのかを判別することができる。
<技術介入を必要としない図柄組合せ>
技術介入を必要としない図柄組合せとは、リールが回転している時にどのタイミングでストップスイッチ13が操作されても、当選している役の図柄組合せを必ず有効ライン上に停止表示可能な図柄組合せを意味する。例えば、全リール3図柄間隔でベル図柄が配置されたときはベル-ベル-ベルが必ず停止(引込率が100%)するため、技術介入を必要としない図柄組合せといえる。以下、引込率が100%のことをPB=1と称し、全リール引込率が100%となっている当選役をPB=1役と称する場合がある。
反対に、PB≠1とは、リールが回転している時にストップスイッチ13の停止タイミングによっては、当選役の図柄組合せが停止しないことを意味する。例えば、引き込み範囲内に当選役に関する図柄が存在しない箇所(5図柄分離れている等)がある場合はPB≠1であり、当該当選役をPB≠1役と称する場合がある。
<小役優先制御、ボーナス優先制御>
小役優先制御とは、小役とボーナスの重複当選時、またはボーナス内部中の小役当選時に小役に関する図柄とボーナスに関する図柄の両方とも引き込める場合は、小役に関する図柄を引き込むことである。
ボーナス優先制御とは、小役とボーナスの重複当選時、またはボーナス内部中の小役当選時に小役に関する図柄とボーナスに関する図柄の両方とも引き込める場合は、ボーナスに関する図柄を引き込むことである。
また、リプレイは最も優先度が高く、取りこぼしできないため、リプレイと小役、またはリプレイとボーナスの条件装置フラグが同時にオン状態となったときは、リプレイに関する図柄を必ず引き込むようになっている。
<通常区間>
通常区間とは、指示機能に係る処理ができない区間である。通常区間で押し順役に当選したときは、どの押し順に当選したかをマスクした情報(演出グループ番号)をサブ制御手段1000に送信する処理を実行する。また、通常区間で押し順役に当選したときは、押し順(正解押し順と不正解押し順の両方)の報知を指示モニタに表示させない。これにより、通常区間では、メイン制御手段100、及びサブ制御手段1000ともに押し順役が当選しても押し順を報知しないため、通常区間で押し順役が当選しても常に正解か不正解かはわからないようになっている。
<有利区間>
有利区間とは、指示機能に係る処理を実行可能な区間であり、ATによる過剰なメダル獲得を抑制するために有利区間を設けている。通常区間で実行する有利区間移行抽せんに当選すると有利区間に移行することができる。有利区間では、ATへの移行抽選を行うことができるが、先に述べた過剰なメダル獲得を抑制するために、有利区間を一定の条件に基づいて終了し通常区間へ移行させるように設計している。
具体的には、
1)一の有利区間に移行した次遊技から1500ゲームの遊技を消化したとき
2)一の有利区間に移行した次遊技から2400枚を超えるメダルを獲得したとき
3)任意の条件を満たしたとき
が挙げられる。これらにより、過剰なメダル獲得を抑制することができる。なお、3)の任意の条件とは、例えば、一のATが終了したとき、特定の図柄組合せが表示されたときなどが挙げられる。
<有利区間ランプ>
有利区間に滞在していることをメイン側で示す情報として、有利区間ランプを設けている。これにより、遊技者は有利区間に滞在しているか否かを確認するときは有利区間ランプの点灯/非点灯で容易に判断することができる。具体的には、クレジット数表示器26のDPが点灯であると有利区間に滞在していることを示しており、クレジット数表示器26のDPが非点灯であると有利区間に滞在していないことを示している。なお、有利区間ランプの点灯タイミングは、全リール停止後、ベットスイッチ操作受付後、手入れで投入した1枚目のメダル検出時、手入れで投入した2枚目のメダル検出時、手入れで投入した3枚目のメダル検出時、スタートスイッチ受付後、または内部抽せんによる択役当選後等が挙げられる。また、必ず点灯させる条件として、有利区間に滞在していること、かつ択役の操作手順情報を報知し、当該報知遊技の出玉率(最大の出玉率)が1を超えている場合(増加する場合)が挙げられる。
また、仕様上押し順小役が搭載されていないことで出玉率が1を超えないがリプレイ確率の高いRTへのRT移行押し順を報知する場合においても有利区間ランプを点灯させるよう構成されている。これは遊技者にとって有利な状態であることを有利区間ランプで教えるためであり、遊技者が遊技機の仕様がわからないことで損害を被ることを防ぐ目的がある。
なお、上記のような有利区間ランプを必ず点灯させる条件を満たしていない場合には、新たに有利区間に移行した後の有利区間ランプを点灯させるタイミングは任意としても問題ない。
なお、有利区間ランプを一度点灯させた場合は、有利区間が終了するまで点灯を維持し続け、有利区間が終了した遊技の次の遊技のスタートスイッチの操作の受け付けより前(全リール停止後、ベットスイッチ操作受付後、手入れで投入した1枚目のメダル検出時、手入れで投入した2枚目のメダル検出時、または手入れで投入した3枚目のメダル検出時)に有利区間ランプを非点灯にする。
このように構成することで、有利区間ランプが点灯していなくても有利区間である場合があり、有利区間ランプが非点灯であっても指示機能に係る処理を実行される期待感を遊技者に与えることができる。これにより、従来は通常区間であれば、有利区間に移行させることを待つだけのゲームになっていたが、前提とするスロットマシンPS1であれば、通常区間でもAT移行抽選等がなされている可能性があるため遊技のモチベーションを維持させることが可能となる。
また、有利区間種別が1であるときは必ず有利区間であるとは限られない。これは、通常区間(有利区間種別が0)であり、有利区間移行抽せんに当選して有利区間種別が1となる遊技においては、有利区間種別が1であるがまだ有利区間に移行する前であるため遊技状態としては通常区間となっているためである。試験信号として有利区間か通常区間かを送信するための処理を実行する際に、有利区間種別を参照すると通常区間であるのに有利区間の信号を送ることになってしまうため、本来の状態とは異なる信号を送信してしまう。
この状況を防ぐために、試験信号として有利区間か通常区間かを送信する際は、有利区間クリアカウンタの値を参照するよう構成されている。有利区間クリアカウンタの値が0のときは通常区間であることを示す試験信号を出力するための処理を実行し、有利区間クリアカウンタの値が0でない(有利区間クリアカウンタの値が1~1500)のときは有利区間であることを示す試験信号を出力するための処理を実行する。このように構成することで試験信号を出力するための処理としては、有利区間クリアカウンタの値が0か否かを判断するのみで、状態が正確に特定できるため、プログラム容量の圧迫を解消し、且つプログラム実行速度を向上させることができる。なお、有利区間を任意の終了条件で終了させる場合も前述したとおり、有利区間クリアカウンタの値に1を入れるため、試験信号を出力するための処理では、有利区間が終了する遊技においても有利区間であることを正確に出力することができる。
<AT>
ATとは、アシストタイムの略称であり、報知期間とも称し、遊技者が役抽選により当選した役の入賞を容易にする(以下、報知と称する)ための期間である。一般的に、AT中で報知する手段としては、ストップスイッチの操作タイミング、ストップスイッチの操作順番、ストップスイッチの操作タイミングかつストップスイッチの操作順番が挙げられ、操作手順や操作態様とも称する。
<択役のグループ化>
メイン制御手段100は、非AT中の択役当選時は択役が当選したことを示す演出グループ番号をサブ制御手段1000に送信し、AT中の択役当選時は演出グループ番号と操作手順情報をサブ制御手段1000に送信する。換言すると、非AT中は操作手順情報がサブ制御手段1000に送信されないため、サブ制御手段1000は操作手順を報知できないようになっている。これにより、サブ制御手段1000側では、非AT中はどの操作手順で操作されると遊技者に有利な図柄組合せが表示できるかは不明であり、AT中は遊技者に有利な図柄組合せが表示できる操作手順情報が送信されるため、サブ制御手段1000側の液晶表示装置や操作指示ランプで操作手順を報知することができる。これにより、遊技者は操作手順を容易に認識することができ、さらに非AT中に操作手順情報を不正に取得されることを抑制することができる。
<指示機能に係る処理>
指示機能に係る処理は、AT移行抽せん、AT上乗せ抽せん、AT終了条件の更新(AT遊技数の加算/減算、AT実行報知回数の加算/減算)などATに関する抽せんのみならず、AT状態の管理に関する処理を含む概念である。この指示機能に係る処理は遊技状態ごとにあらかじめ決められたベット数において実行可能であり、ある遊技状態において複数のベット数が規定数として設定されている場合は何れか1のベット数のときのみ処理を実行するよう構成されている。例えば、ボーナス内部中状態において2枚ベットと3枚ベットが可能な場合は、3枚ベットでの遊技でのみ指示機能に係る処理を実行可能とし、2枚ベットでの遊技では指示機能に係る処理を実行不可能とする。つまり、2枚ベットでの遊技では、AT抽選対象役に当選してもAT抽選を実施しなかったり、遊技の進行に応じてAT遊技数を更新しなかったりする。また、1遊技で終了するSB、またはCBが2枚ベット遊技専用であり、SB、またはCBが終了した後の遊技では2枚ベット、3枚ベットである場合、SB、またはCBでリプレイが当選して自動ベットされる枚数が2枚であればSB、またはCB終了後の遊技で指示機能に係る処理が実行不可能になってしまう(3枚ベットで指示機能に係る処理を実行可能としている)ため、SB、またはCBでリプレイが当選したときに自動投入で投入されるベット数を3枚に設定しておく。このようにすることで、SB、またはCBでリプレイが当選した後の遊技においても指示機能に係る処理が実行可能になるため、遊技者にとって不利な遊技をなくすことができる。なお、上述した通り有利区間に係る処理に関してはベット数に関係なく実行されるよう構成されている。
<指示モニタ>
AT中は、押し順役の操作手順に関する情報を報知する際、獲得枚数表示器を用いて操作手順情報を報知することがある。具体的には、押し順役A(左中右正解)の場合は指示モニタに「1」を表示し、押し順役B(左右中正解)の場合は指示モニタに「2」を表示し、押し順役C(中左右正解)の場合は指示モニタに「3」を表示し、押し順役D(中右左正解)の場合は指示モニタに「4」を表示し、押し順役E(右左中正解)の場合は指示モニタに「5」を表示し、押し順役F(右中左正解)の場合は指示モニタに「6」を表示する。
このような構成により、遊技者は指示モニタを確認することで正解の押し順を知ることができる。また、指示モニタはメイン制御基板での制御になるためサブ制御基板を不正改造されたとしても正確に押し順を報知することができる。
また、指示モニタを獲得枚数表示器と兼用する場合は、下位桁に上述した数字(1~6)を表示し、上位桁に識別子として「=」を表示してもよい。この場合は、獲得枚数表示器が獲得枚数を表示しているのか、押し順を表示しているのかを識別子で判断させることができるため、遊技者の認識を妨げないようにできる。
また、指示モニタを専用の表示器として構成する場合は、3桁の7セグメント表示器を用いてもよい。3桁にする理由としてはリールの数と対応しているためである。そして、押し順役A(左中右正解)の場合は指示モニタに「123」を表示し、押し順役B(左右中正解)の場合は指示モニタに「132」を表示し、押し順役C(中左右正解)の場合は指示モニタに「213」を表示し、押し順役D(中右左正解)の場合は指示モニタに「312」を表示し、押し順役E(右左中正解)の場合は指示モニタに「231」を表示し、押し順役F(右中左正解)の場合は指示モニタに「321」を表示する。このような構成であれば、指示モニタの押し順が直感的に把握しやすくなり、遊技者が押し順と指示モニタの表示との対応関係を容易に把握することができる。
指示モニタに押し順を表示させるタイミングとしては、有利区間であり、且つスタートスイッチの操作に基づいて実行される内部抽せんによって押し順役が当選した後からストップスイッチが操作可能となるまでの何れかのタイミングとすることが好適である。このような構成であれば、遊技者がストップスイッチを操作する前に押し順を報知できるため、不正解の押し順で停止操作をしてしまうことを抑制することができる。
<状態表示モニタ(役比モニタ)>
役比モニタとは、累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率(遊技機の仕様に応じて選択可能)、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率を4800ms毎に切り替えて表示する表示装置であり、7セグメントLED(DPあり)を4個用いることで4桁の数字を表示可能となっている。4個の7セグメントLEDで表示する4桁の数字のうち上位2桁を識別セグ、下位2桁を比率セグと称す。
役物比率における「役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)、第2種特別役物(所謂CB)、及び普通役物(所謂SB)を指しており、「役物比率」とは、役物作動中の払出÷総払出×100で算出される比率である。なお、第1種特別役物連続作動装置(所謂BB)や第2種特別役物連続作動装置(所謂MB)の作動における払出も「役物作動中の払出」に含まれるが、BB中の一般遊技やMB中の一般遊技での払出は「役物作動中の払出」に含まれない。
連続役物比率における「連続役物」とは、第1種特別役物(所謂RB)を指しており、「連続役物比率」とは、第1種特別役物作動中の払出÷総払出×100で算出される比率である。なお、第1種特別役物連続作動装置(所謂BB)の作動における払出も「役物作動中の払出」に含まれるが、BB中の一般遊技での払出は「役物作動中の払出」に含まれない。
指示込役物比率における「指示込役物」とは、上述した「役物」に指示機能が作動した遊技(所謂AT)における払出を含んだものであり、「指示込役物比率」とは、(指示機能作動中の払出、または役物作動中の払出)÷総払出×100で算出される比率である。ここで、(指示機能作動中の払出、または役物作動中の払出)とは、指示機能作動中、且つ役物が作動した遊技の払出を指すのではなく、指示機能が作動した遊技の払出数と役物が作動した遊技の払出の合算を指す。仮に、指示機能が作動した遊技が、役物が作動した遊技であった場合には、2つの払出数を合算するのではなく、その遊技の払出数が(指示機能作動中の払出、または役物作動中の払出)となる。なお、ATが作動した遊技で遊技者がストップスイッチの操作態様を間違えた場合、最大の払出を得られないことがあるが、この場合は実際の払出に基づいて算出される。
役比モニタに表示する情報のうち識別セグに表示する情報は、累計の有利区間比率、累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率のうちどの比率を表示しているかを識別するための情報であり、それぞれ、「7U.」、「7P.」、「6Y.」、「7Y.」、「6A.」、「7A.」、「5H.」と表示する。例えば、識別セグに「7U.」と表示されている場合は、累計の有利区間比率であることを示し、識別セグに「6Y.」と表示されている場合は、最新の6000ゲーム間の連続役物比率であることを示している。
役比モニタに表示する情報のうち比率セグに表示する情報は、各種比率の算出結果を視認できるための情報であり、2個の7セグメントLEDを用いて2桁の数字で表示する。例えば、算出結果が70となった場合は、比率セグに「70」と表示する。なお、算出した結果のうち小数点以下は切り捨てて表示する。また、算出結果が100となった場合は、「99」と表示する。また、累計のゲーム数が400ゲームに満たない場合は、比率セグは「00」と表示する。
識別セグは、累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合は識別セグを点滅態様で表示する。基準ゲーム数は各種比率に応じて定まっており、累計の有利区間比率の場合は175,000ゲームであり、累計の指示込役物比率の場合は175,000ゲームであり、最新の6000ゲーム間の連続役物比率の場合は6,000ゲームであり、最新の6000ゲーム間の役物比率の場合は6,000ゲームであり、累計の連続役物比率の場合は17,500ゲームであり、累計の役物比率の場合は17,500ゲームであり、累計の役物等状態比率の場合は175,000ゲームである。
比率セグは、表示数値が閾値以上の場合は比率セグを点滅態様で表示する。閾値は各種比率に応じて定まっており、累計の有利区間比率の場合は70であり、累計の指示込役物比率の場合は70であり、最新の6000ゲーム間の連続役物比率の場合は60であり、最新の6000ゲーム間の役物比率の場合は70であり、累計の連続役物比率の場合は60であり、累計の役物比率の場合は70であり、累計の役物等状態比率の場合は50である。なお、累計のゲーム数が400ゲームに満たないで場合であって算出の結果は閾値以上となるが比率セグには「00」と表示する場合は、比率セグは点灯態様で表示する。
役比モニタが正常な動作が可能であるかを確認するために、電源が投入されてタイマ割込み処理が起動してから4800ms間は、識別セグと比率セグにはテストパターンを表示する。テストパターンとしては、役比モニタを構成する4個の7セグメントLEDのうち全てのセグメント(DP含む)を点滅態様で表示する。例えば、「8.8.8.8.」を点滅態様で表示することが挙げられる。なお、テストパターンは電源投入後のタイミングで表示する場合の他に、設定変更中、設定確認中、RWM(RAM)異常エラー中の何れかのタイミングで表示してもよい。
識別セグにおいて累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合、比率セグにおいて表示数値が閾値以上の場合、識別セグ、及び比率セグにおいてテストパターンを表示する場合のそれぞれの場合においてセグメントを点滅態様で表示するが、具体的には、点灯300ms→消灯300ms→点灯300ms→消灯300ms→・・・といったように300ms毎に点灯と消灯とを切り替えて点滅態様を表示している。また、各種比率情報を切り替えたときは点灯から開始するようにしており、これにより各種比率情報の表示期間が点灯と点滅のタイミングで長くなったり短くなったりしないようにしている。
上述したように、役比モニタに表示する、累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率、最新の6000ゲーム間の連続役物比率、最新の6000ゲーム間の役物比率、累計の連続役物比率、累計の役物比率、累計の役物等状態比率は、4800ms毎に表示内容を切り替えるよう構成しているが、この4800msを点灯と点滅の1セットである600msの倍数に設定していることで、役比モニタに表示している各種比率の切り替えタイミングでは点滅態様で表示する場合であっても7セグメントLEDの何れかのLEDが必ず点灯しているように構成することが可能となる。
このように構成することで、各種比率情報が切り替わるタイミングであっても点灯から開始するので、点滅周期がずれないことによる違和感のない表示を継続して表示することが可能となる。
また、上述した電源投入後のテストパターンの表示期間も4800msとしているため、テストパターンを4800ms表示し終わった時点では7セグメントLEDは消灯となり、次のタイマ割込み処理で累計の有利区間比率または累計の指示込役物比率に関する情報を点灯から表示することが可能となる。
続いて、役比モニタにおける点滅表示に関する制御方法を説明する。
役比モニタの表示態様を点滅させるために、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)を有している。点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は2バイトの記憶領域であり、タイマ割込み処理毎に1を加算する処理を実行する。点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)は、電源投入時に初期化され(0が記憶され)、その後タイマ割込み処理を実行する毎に0~299の値を循環する。換言すると299の次の値は0となる。
例1)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「0」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「1」となる。このとき、キャリーフラグ=1となる(「0-299」を演算した結果、桁下がりが発生するためキャリーフラグ=1となる)。
例2)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「298」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「299」となる。このとき、キャリーフラグ=1となる(「298-299」を演算した結果、桁下がりが発生するためキャリーフラグ=1となる)。
例3)点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「299」のときに更新処理を行うと、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が「0」となる。このとき、キャリーフラグ=0となる(「299-299」を演算した結果、桁下がりが発生しないためキャリーフラグ=0となる)。
上述したように、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が0~298のうちの何れかの値である場合は、キャリーフラグ=1となり、点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)が299である場合はキャリーフラグ=0となる。換言すると300ms毎にキャリーフラグ=0となる。
キャリーフラグ=0となったときは、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を更新するよう構成されている。点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)は、電源が投入されると初期化され(0が記憶され)、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に0が記憶されているときは役比モニタを点灯させ、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に1が記憶されているときは役比モニタを消灯させる。換言すると、300ms毎にキャリーフラグ=0となるため、300ms毎に点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)に0と1とを繰り返し記憶することにより、役比モニタの表示態様が300ms毎に点灯態様と消灯態様とを繰り返し表示(点滅表示)することが可能となる。
役比モニタの表示を点滅態様で表示する場合は、識別セグにおいて累計ゲーム数が基準ゲーム数に満たない場合、比率セグにおいて表示数値が閾値以上の場合、識別セグ、及び比率セグにおいてテストパターンを表示する場合の何れかの場合であるため、これらの場合以外の場合は、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照せずに点灯態様で表示するようにしている。ただし、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照するか否かに関わらず点灯と消灯を切り替える時間を管理するための記憶領域(_TM_CHG_FLS)はタイマ割込み処理毎に更新されているため、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)も随時更新されており、点滅切り替えフラグ(_FL_CHG_FLS)を参照しない状態から参照する状態に切り替わったときであっても点灯と消灯とのタイミングと各種比率表示の切り替えタイミングがずれることなく表示することが可能となる。
<プログラム開始処理フロー>
前提とするスロットマシンPS1のメイン制御基板100が実行するプログラム開始処理に関して、図5のフローチャートを用いて説明する。
メイン制御基板100は、電源が投入されると、遊技機の動作に関する初期設定を行う。具体的には、割り込みモードのセット、メインCPUの機能設定、電源断復帰データを作成するRAMチェック処理を行う。RAMチェック処理は全RAMのチェックサムが正常か否かを判定し、条件を満たす場合は電源断復帰データが正常と判定し、条件を満たさない場合は電源断復帰データが異常と判定する。
次に、設定キースイッチ信号及びドア開放検知スイッチ信号の状態をチェックし、設定キースイッチ37及びドア開放検知スイッチがオンか否かを判定する。
設定キースイッチ37及びドア開放検知スイッチがオンである場合は、電源断復帰データが正常、または復帰可能状態か否かを判定する。電源断復帰データが正常、または復帰可能状態である場合は、設定変更処理における初期化処理で初期化する第1の初期化範囲を設定して、図10の設定変更処理へ移行する。電源断復帰データが正常、または復帰可能状態でない場合は、設定変更処理における初期化処理で初期化する第2の初期化範囲を設定して、図10の設定変更処理へ移行する。そして、設定変更処理の後は図9の遊技進行メインへ移行する。
設定キースイッチ37及びドア開放検知スイッチがオンでない場合は、RAMチェック処理で作成する電源断復帰データが正常か否かを判定する。電源断復帰データが異常又は復帰不可能状態である場合は復帰不可能エラー報知を行いスロットマシンPS1の遊技の進行を停止する復帰不可能エラー処理へ移行する。一方、電源断復帰データが異常又は復帰不可能状態でない場合は図8の電源断復帰処理へ移行する。そして、電源断復帰処理の後は図9の遊技進行メインへ移行する。なお、電源断復帰処理の後は電源断を検知したときに退避した状態を復帰するため、遊技進行メインの初めから処理が実行されるとは限らない。
なお、復帰不可能エラー処理では、割込みを禁止し、出力ポートの出力(サブ制御コマンドの出力、ステッピングモータへの励磁信号の出力など)をクリアする。そして、獲得枚数表示器27においてエラーの表示(報知)を繰返す。
<電源断処理>
前提とするスロットマシンPS1のメイン制御基板100が実行する電源断処理について図6のフローチャートを用いて説明する。
前提とするスロットマシンPS1では、電源スイッチ40のオフ操作や、停電などの電源の供給が断たれる事象が発生(電源断の発生とも称す)するとスロットマシンPS1を稼動させるための動作電圧が降下し、当該動作電圧が閾値を下回った場合に電圧監視回路が電源断を検知して電源断検知信号を生成し主制御チップの入力ポートに電源断検知信号が入力される。そして、タイマ割込み処理の電源断検知信号が入力されているか否かを判断する判断処理で、電源断検知信号が入力されていると判断したときに電源断処理を実行する。なお、タイマ割込み処理で電源断検知信号が入力されているか否かを判断する場合、1回のタイマ割込み処理で判断してもよいし、2回以上の複数回のタイマ割込み処理で判断してもよい。換言すると複数回のタイマ割込み処理で電源断か否かを判定するときは、1回目で電源断検知信号が入力されていると判定しても2回目で電源断検知信号が入力されていないと判定した場合は電源断処理を実行しない。これは、ノイズや瞬断(一瞬だけ電圧が閾値を下回ったがすぐに閾値を上回った状態)が発生した場合に、電源断処理を実行しないようにするためである。
電源断処理では、出力ポートをクリアし、定期的に実行されている割込みが発生するのを禁止し、電源断時の割込み禁止/許可状態を保存する。次いで、使用レジスタの退避及びスタックポインタを保存する。保存すると電源断処理を行ったことを示す電源断処理済フラグをオンに保存し、全RAMエリアのチェックサムデータを算出し保存する。そしてRAMの書込みを禁止し、リセット待ちとなる。なお、保存されるスタックポインタのアドレス範囲、電源断処理済フラグの有無、全RAMエリアのチェックサムが正常か否かは、電源断復帰処理時に判定する。
<タイマ割込み処理>
前提とするスロットマシンPS1のメイン制御基板100が実行するタイマ割込み処理について図7のフローチャートを用いて説明する。
前提とするスロットマシンPS1においてタイマ割込み処理は2.235ms(ミリ秒)毎に定期的に発生するよう構成されている。
タイマ割込み処理を開始すると、レジスタに記憶されている必要なデータを対比し、電源断検知信号を受信したときは電源断処理を実行し、各種センサ、操作スイッチの入力を判定する入力ポートの読込みを行い、各種タイマ(フリーズ期間計測用タイマ、ウエイト期間計測用タイマなど)の計測を行い、リール駆動制御として、各リールが加速中、定速回転中、減速開始中、減速中、停止中のいずれの駆動状態に応じた制御及び駆動状態の更新を行う。次いで、出力ポートごとに出力するデータ(ステッピングモータへの励磁信号やホッパ44の駆動信号など)を作成し出力するポート出力処理を行い、各種異常が発生しているか否かのチェックを行う。各種異常とは、現在の設定値が正常な値か否か、投入・払出センサの動作パターンが正常か否かが挙げられる。次いで、ホールコンピュータなど外部のシステムへ出力するボーナス信号、ART信号、セキュリティ信号などの外部信号、メダル投入信号及びメダル払出信号をセット(オン/オフを制御)する外部信号出力を行う(S304)。
次に制御コマンド送信処理ではセットされたサブ制御コマンドがある場合、サブ制御基板1000へサブ制御コマンドを出力し、各種LEDの点灯に関する制御を行い、ストップスイッチの操作音やメダル投入音などサブ制御基板に送信する報知データ出力し、性能試験に係る信号を出力し、レジスタを復帰させ、割り込み許可フラグをオンに保存することでタイマ割込み処理を終了する。
なお、サブ制御コマンドの種類としては、スタートスイッチが操作されたことによるスタートコマンド、内部抽せんの結果を示す当選情報コマンド、リールの加速が開始したことによる回胴回転開始コマンド、回転中のリールを停止するための各ストップスイッチが操作されたことによる左回胴停止コマンド、中回胴停止コマンド、右回胴停止コマンド、全回胴停止コマンド等様々有する。
また、タイマ割込み処理内で、タイマ計測の処理を行っても良い。
タイマ計測では、RWM(RAM)に記憶されているタイマ(時間)に関する情報を更新する制御処理を行う。例えば、1回の最小遊技時間(4.1秒)を監視(管理)するRWMの記憶領域(以下、タイマ領域Aとも称す)に記憶されている値を更新する処理(例えば、1減算する処理)を行う。なお、最小遊技時間を監視するRWMの記憶領域だけでなく、投入ボタンによる遊技メダルの投入を監視(管理)するRWMの記憶領域(以下、タイマ領域Bとも称す)、外部信号の出力時間を監視(管理)するRWMの記憶領域(以下、タイマ領域Cとも称す)等、複数のタイマに関するRWMの記憶領域を有していても良い。
この場合、タイマ計測では、タイマ領域Aに記憶された値を1減算する処理、タイマ領域Bに記憶された値を1減算する処理、タイマ領域Cに記憶された値を1減算する処理など、タイマに関する情報を記憶しているRWMの記憶領域(以下、タイマ領域とも称す)に記憶されている値を1減算する処理を実行する。また、或るタイマ領域に記憶されている値が「0」のときにタイマ計測を行った場合には、或るタイマ領域に記憶されている値は「0」となるように構成されている。
なお、RWMに記憶されているタイマに関する情報を更新する制御処理として、タイマ領域に記憶されている値を1減算する処理を例として挙げたが、タイマ領域に記憶されている値を1加算する処理としても良い。
ここで、投入ボタンによる遊技メダルの投入を監視(管理)について説明を行う。
投入ボタンによる遊技メダルの投入を監視(管理)とは、1ベットスイッチ19が操作されたことに基づくベット処理が実行されてから計時するタイマであって、当該タイマの値が「0」となるまで、次の1ベットスイッチ19が操作されたか否かを判断する処理を実行しないようにするためのタイマである。
例えば、クレジット数が所定値以上ある所定の状況下(例えば、ベット数が0であり、クレジット数が3であり、1ベットスイッチ19の操作によりベットが可能な状況下)において、1ベットスイッチ19が操作されたことに基づくベット処理が実行された後にタイマ領域Bに「20」を記憶する。その後、タイマ割込み処理のタイマ計測によって、タイマ領域Bに記憶されている値を「1」減算する。そして、タイマ割込み処理が20回実行されたときに、タイマ領域Bに記憶されている値が「0」となる。なお、タイマ領域Bに記憶されている値が「0」でない場合(タイマ領域Bに記憶されている値が「1」~「20」の何れかの場合)は、遊技進行メイン処理において、1ベットスイッチ19が操作されたか否かの判断をしない。つまり、タイマ領域Bに記憶されている値が「0」でない場合に1ベットスイッチ19が操作されても、ベット処理が実行されない。その後、タイマ領域Bに記憶されている値が「0」となった後は、1ベットスイッチ19が操作されたときにベット処理が実行可能となる。
このように構成することによって、1ベットスイッチ19を1回操作したにも関わらず、誤作動により複数回のベット処理が実行されてしまうことを防止することができる。また、悪意のある遊技者が、1ベットスイッチ19を連打することによって、1ベットスイッチ19の操作に基づくベット処理が複数回実行され、ベット処理の実行に基づくコマンドが連続してサブ制御手段1000に送信されてしまうことを防止することができる。
<電源断復帰処理>
前提とするスロットマシンPS1のメイン制御基板100が実行する電源断復帰処理について図8のフローチャートを用いて説明する。
前提とするスロットマシンPS1では、電源スイッチ40のオン操作により電源が投入された時に、メイン制御基板100が、各種データを電源断前の状態に復帰するための電源断復帰処理を実行する。
電源断復帰処理では、スタックポインタを復帰し、サブ制御基板1000へ送信するサブ制御コマンドに係る出力データを復帰する。その後、設定されている設定値データが正常範囲内か否かを判断する。判断の結果、異常(値が定められた範囲外)の場合は復帰不可能エラー処理に移行する。一方、正常(値が定められた範囲内)の場合は、未使用RAM領域を初期化し、定期的に実行される割込みを起動し、入力ポートを読み込む。その後、電源断処理済みフラグのクリアし、使用レジスタの復帰、電源断時の割込み禁止/許可状態の復帰を行い、電源断復帰処理を終了する。なお、電源断復帰処理を終了すると電源断が発生する前の状態に復帰し、復帰しない場合(設定変更時)は遊技進行メインの制御処理を始めから行う。
前提とするスロットマシンPS1では電源断復帰処理内の所定のタイミングで割込みを起動しているが、プログラム開始処理の電源断復帰処理後に割込みを起動してもよい。
<遊技進行メインの説明>
前提とするスロットマシンPS1のメイン制御基板100が実行する遊技進行メインの制御処理について図9のフローチャートを用いて説明する。
メイン制御基板100は、前回遊技以前に保存されたフリーズ演出番号の値を参照し、保存されているフリーズ演出番号がフリーズ演出を実行すべき番号に対応する場合はフリーズ演出を実行し、保存されているフリーズ演出番号がフリーズ演出を実行すべき番号に対応しない場合はフリーズ演出を実行せずに次の処理に進む。フリーズ演出を実行しないときはフリーズ演出番号を保存しないように構成してもよく、その場合はフリーズ演出番号が保存されているか否かを判定し、保存されていない場合は次の処理に進むよう構成してもよい。
次に、メダル投入口17から遊技メダルが投入されると、ベット数若しくはクレジット数を更新する(遊技メダル投入処理)。次に、遊技が実行可能となるベット数がベットされているかを判定し、ベットされていると判定した場合は、スタートスイッチ12が操作されたか否かを判定し、ベットされていないと判定した場合は、遊技メダルの投入、またはクレジットに貯留されている状態であればベットスイッチの操作受付(クレジットに貯留されている状態の場合)を待つ。遊技が実行可能となるベット数がベットされており、スタートスイッチ12が操作された(スタートスイッチ信号がオンと判定された)場合は、内部抽せん処理を行い、スタートスイッチ12が操作されていない(スタートスイッチ信号がオンと判定されていない)場合は、スタートスイッチ12の操作受付を待つ。
内部抽せん処理では、内部抽せん用乱数を生成して取得した内部抽せん用乱数値を用いて所定の演算処理を実行し、当選役(条件装置番号)を決定する。当選役を決定した後は、各ストップスイッチの停止タイミングに対応した停止制御テーブルを予め作成し、リール回転後のストップスイッチ操作受付を許可した直後にストップスイッチの操作を受け付けても停止制御が実行可能なように準備しておく。
スロットマシンPS1に設けられている当選役の種類は、大別して、ボーナス、小役、リプレイがある。
ボーナスは、予め定められた場合に作動する役物を意味している。一般的には、表示窓4の有効ライン上に「7・7・7」や「7・7・バー」の図柄組合せを停止表示させたときに作動する。ボーナスに関する役物の作動により、規定数ごとの入賞に係る図柄組合せの数が変化したり、規定数ごとの入賞に係る図柄組合せの条件装置作動確率が変更されたりする。ボーナスには、RB、BB、CB、MB、SBに分けられる。
RBは、レギュラーボーナスの略称であり、第1種特別役物とも称される。RBは、一般的には8回の小役入賞か12回の遊技結果を得ることを終了条件として設定され、RB中は小役の当選確率を通常役抽選テーブルよりも高く設定したRB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。
BBはビッグボーナスの略称であり、第1種特別役物に係る連続作動装置とも称される。BBは、小役入賞に係る285枚を超える遊技メダルの払い出しが終了条件として設定され、BB中は小役(後述する)の当選確率を通常役抽選テーブルよりも高く設定したBB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。なお、BB中はBB中役抽選テーブルを設けなくてもよい。例えば、後述するRB中役抽選テーブルをBBの終了条件を満たすまで連続作動させるものをBB中役抽選テーブルと称してもよい。
CBは、チャレンジボーナスの略称であり、第2種特別役物とも称される。CBには、役抽選の結果に関わらず少なくともすべての小役が当選した状態に設定することができる。また、CB中は、予め定められたリールに関し、通常の停止制御とは異なる停止制御を行う。例えば、左リール8aを190ミリ秒から75ミリ秒以内に停止するように制御することが考えられる。
CBは、上述したように少なくともすべての小役が当選した状態となるため操作手順に応じて表示可能となる図柄組合せが表示できない(取りこぼしとも称す)構成にしてもよい。例えば、CB中は、左リール8aを190ミリ秒から75ミリ秒以内に停止するように制御することで、190ミリ秒以内に停止する場合は任意の操作タイミングで特定の図柄を有効ライン上に表示することができたが、75ミリ秒以内に停止する場合は特定の操作タイミングでは特定の図柄を表示できない場合を有してもよい。
MBは、ミドルボーナスの略称であり、第2種特別役物に係る連続作動装置とも称される。MBには、小役入賞に係る153枚を超えるメダルの払い出し、RB当選、または後述するSBの当選を終了条件として設定される。
SBは、シングルボーナスの略称であり、普通役物とも称される。SBには、1回の遊技の結果が得られることが終了条件として設定される。SB中は小役の当選確率を通常役抽選テーブルとりも高く設定したSB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。
前提とするスロットマシンPS1におけるBBは、BB中役抽選テーブルを用いて役抽選を行うとしたが、これに限られず、BB中は通常役抽選テーブルと小役の当選確率が同一の確率に設定されているとともにRBの当選確率が上昇したBB一般役抽選テーブルと、小役の当選確率を通常役抽選テーブルよりも高く設定したRB中役抽選テーブルを用いて遊技を行ってもよい。この場合であっても、BBでは、小役入賞に係る285枚のメダルを超える払い出しを終了条件として設定していることに変わりはない。また、これらボーナスに関する制御を司るものを総称して特別遊技制御手段という。
小役は、当選した小役に基づく図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、入賞判定処理(後述する)により入賞と判定したときに、停止表示した図柄組合せに基づくメダルの払い出しを行う役である。
リプレイ(再遊技役とも称す)は、当選したリプレイに基づく図柄組合せが有効ライン上に停止表示され、入賞判定処理により入賞と判定したときに、再遊技(新たにメダルを投入しなくても自動ベットにより次の遊技を行うことが可能となる遊技)を付与する役である。リプレイは当選した遊技において取りこぼすことはないため、リプレイが当選した次遊技は必ず再遊技となる。
役抽選の抽選結果において、ボーナス、小役、及び、リプレイのいずれの役にも当選しなかったときは、ハズレとなり、後述する入賞処理を行わない。ハズレとなったときは有効ラインにいずれの役にも係らない図柄組合せを停止表示する。
役抽選により抽選が行われる役のうち、BB、RB、及び、MBに関して、当選した遊技で図柄組合せが有効ライン上に停止表示されなかったときは、次遊技以降に当選フラグを持越すことができる(特別役持越手段)。当選フラグ持越し中は、当選フラグ持越し前の役抽選テーブルを用いて役抽選を行ってもよいし、当選フラグに応じた持越中役抽選テーブル(内部中内部抽せんテーブルや内部中役抽選テーブルとも称す)を用いて役抽選を行ってもよい。持越中役抽選テーブルを用いているときに、当選したBB、RB、またはMBに基づく図柄組合せが有効ライン上に停止表示した場合は、役抽選テーブルの移行条件を満たすと判断し、持越中役抽選テーブルから当選フラグに対応する役抽選テーブルに移行する。
役抽選テーブルには、複数種類の役に対する当選確率が定められており、遊技状態に応じて複数種類の役抽選テーブルを設けている。例えば、BB中に使用するBB中役抽選テーブルや、MB中に使用するMB中役抽選テーブル等が該当する。
役抽選テーブルには、1種類の図柄組合せが有効ライン上に停止表示可能な単独当選役や、複数の図柄組合せが1または複数の有効ライン上に停止表示可能な重複当選役を役抽選の抽選結果に応じて設定する。
重複当選役として設定している複数の図柄組合せは、全ての図柄組合せを操作態様に応じて一の当選役を停止表示可能に設定してもよいし、一部の図柄組合せを停止表示不可能に設定してもよい。この重複当選した役の内、一部の停止表示不可能な図柄組合せに対応する役のことを制御用役と称することもある。
制御用役の役割としては、複数の役抽選結果として同一の図柄組合せを有効ラインに停止表示可能な場合であっても、重複当選役として設定している制御用役の種類に応じて停止表示する有効ラインを異ならせるように制御することができる役割を担っている。
当選フラグ制御手段は、役抽選の抽選結果でいずれかの役が当選したときに、当選した役に対応するフラグをオンにする。そして、遊技者によって全てのストップスイッチ13が操作され、当選した役に係る入賞処理を終了するときに当選した役に対応するフラグをオフにする。
また、上述したBB、RB、及び、MBに関しては、当選した遊技でフラグをオンにするが、全てのストップスイッチ13が操作されたときに当選したBB、RB、またはMBの図柄組合せが有効ライン上に停止表示していない場合は、次遊技以降にフラグをオンの状態で持越し、上述した持越中役抽選テーブルを設定し、当選したBB、RB、またはMBの図柄組合せが停止表示して当選役に係る入賞処理を終了したことにより、BB、RB、またはMBに対応するフラグをオフにする。
また、役抽選テーブルには、RT役抽選テーブルを設ける。RTとは、役抽選においてリプレイの当選確率が通常役抽選テーブルと比べて異なる遊技状態であり、リプレイタイムの略称である。
RTの具体的な使用例として、通常役抽選テーブルのハズレの領域をリプレイに置換えてリプレイの当選確率を増加するようにしてもよいし、通常役抽選テーブルのリプレイの領域をハズレに置き換えてリプレイの当選確率を減少するようにしてもよい。
さらに、通常役抽選テーブルとリプレイの領域は同一であるが、リプレイの領域内で当選するリプレイの種類を異ならせるようにしてもよい。
スロットマシンPS1では、複数のRT役抽選テーブルを設けており、それぞれ所定の移行条件を満たすと他のRT状態に移行するように構成している。
RT役抽選テーブルの移行条件は、以下を挙げることができる。移行条件1は特定の図柄組合せ(ボーナスに関する図柄組合せ、RT移行図柄組合せ)が停止表示したときであり、移行条件2はボーナスが当選したときであり、移行条件3はボーナスのうちBB、RB、またはMBが終了したときであり、移行条件4は特定の図柄組合せ(RT移行図柄組合せ)が停止表示されてから規定回数の遊技を消化したときであり、移行条件5は、BB、RB、またはMBが終了してから規定回数の遊技を消化したときである。これらのRT役抽選テーブルの移行条件は遊技性に応じて適宜設定できる。
置数とは、内部抽せん手段による内部抽せんテーブルに定められている各抽せん結果の当選個数であり、各置数を65536で割ると当選確率となる。また、各置数を合計すると65536となる。例えば置数4の抽せん結果の当選確率は、1/16384となる。
また、上述したRT役抽選テーブルの移行条件1~5の何れかの条件を満たした場合にリプレイに関する置数を変更することができる。例えば、RT1のリプレイ確率が1/7.3であり、RT1からRT2に移行したときはRT2のリプレイ確率を1/1.5に変更するようにしてもよい。これにより、リプレイ確率が高い状態に移行することでメダルの減少を抑制し、遊技性に興趣を与えることができる。
次に、前回遊技でセットされた最小遊技時間(4.1秒に相当)が経過したかチェックする。最小遊技時間が経過したと判定した場合(最小遊技時間タイマの値が0であると判定した場合)は、最小遊技時間を新たにセットし、最小遊技時間が経過したと判定していない場合(最小遊技時間タイマの値が0であると判定していない場合)は、最小遊技時間タイマの値をデクリメントした後最小遊技時間が経過したか否かをチェックする。この最小遊技時間のチェック処理は最小遊技時間が経過したと判定するまで実行され、最小遊技時間の判定処理と最小遊技時間を新たにセットする処理の間に遊技進行メイン処理として他の処理は実行しないよう構成されている。これにより、最小遊技時間が他の処理で延びることがないため遊技者の遊技時間をいち早く可能にできる。即ち、遊技者を待たせることなく遊技を間延びさせることを防止できる。
しかし、これに限らず、最小遊技時間の判定処理と最小遊技時間を新たにセットする処理の間に遊技進行メイン処理として他の処理を実行するよう構成されていてもよい。この場合の他の処理としては、RWMアドレスをクリアする処理や、他のデータをRWMに記憶する処理や、処理時間の短いその他の命令であってもよい。これらの処理は処理時間が極めて短いため最小遊技時間の延長をユーザが体感できないレベルとなっている。最小遊技時間を新たにセットした後はリール回転開始準備処理を実行する。
リール回転開始準備処理では、前回遊技で保存した回胴停止に係るデータを初期化し、今回の遊技で使用する停止テーブルをセットし、全リールの回転開始の出力を要求し、リールの回転開始を示すサブ制御コマンド(リール回転開始コマンド)をセットする。
停止テーブルとは、内部抽せん手段による役抽選の結果で定まる図柄制御番号に対応して設けられており、ストップスイッチ13の操作タイミングに対応したリールの停止位置を予め定めたものである。
リール回転開始準備処理が終了した後は、フリーズ演出(例えば、リール回転前のリール演出)に関する処理を実行する。フリーズ演出では、リールを少しだけ動かしたり、リールを逆回転させたりして、主に当選役の期待度を示唆するために実行する。
フリーズ演出が実行されない場合や、フリーズ演出が実行されて当該フリーズ演出の実行が終了した後は、リールを回転させる処理(リール回転処理、リール回転開始処理、又は回胴回転開始処理とも称す)を実行する。リールの回転状態として、加速状態、定速回転状態、停止準備状態、停止状態の4つの状態があり、リールを回転させるときは加速状態をセットする。加速状態ではタイマ割込み処理によりステッピングモータを徐々に回転させていく処理を実行する。
加速状態で実行される加速処理とは、リールの回転が停止している状態から定速回転処理を行うまでに実行する処理である。定速回転処理では1回のタイマ割込み処理毎にステッピングモータを1ステップ移動させる処理を実行するが、リールが停止している状態でいきなり定速回転処理を実行するとトルクが足りなくなり脱調する可能性が高くなる。このため、徐々にリールを回転するために加速処理が必要となる。なお、前提とするスロットマシンPS1における加速処理では最初に50回のタイマ割込み処理後にステッピングモータを1ステップ移動させ、次に30回のタイマ割込み処理後にステッピングモータを1ステップ移動させ、次に10回のタイマ割込み処理後にステッピングモータを1ステップ移動させ、次に5回のタイマ割込み処理後にステッピングモータを1ステップ移動させ、次に2回のタイマ割込み処理後にステッピングモータを1ステップ移動させ、次に1回のタイマ割込み処理後にステッピングモータを1ステップ移動させる。その後1回のタイマ割込み処理毎にステッピングモータを1ステップ移動させる定速回転処理に繋げる。
定速回転処理を実行しているときは上述した回転不良検出カウンタの値をタイマ割込み処理毎にインクリメントし回転不良を検出している。なお、回転不良検出カウンタの初期値を0としたためタイマ割込み処理毎にインクリメントしているが、回転不良検出カウンタの初期値を180とした場合は、タイマ割込み処理毎に回転不良検出カウンタの値をデクリメントし、0となったタイミングで回転不良を検出したと判定してもよい。
また、定速回転状態ではストップスイッチの停止受付を許可し、ストップスイッチの操作を待つ。ストップスイッチの停止受付を許可したときはストップスイッチのランプを青色に点灯させストップスイッチが有効であることを遊技者に報知する(ストップスイッチの停止受付を許可していないときは赤色に点灯)。このストップスイッチランプの点灯制御に関しては、メイン制御手段100の処理でもよいしサブ制御手段1000の処理でもよい。また、ストップスイッチのランプの点灯制御として、押し順ナビを実行する場合に、ストップスイッチのランプを点滅させるなどして、遊技者に停止操作すべきストップスイッチを認識し易いよう構成してもよい。
また、リールが回転開始したことを示すコマンドをサブ制御手段1000に送信し、サブ制御手段1000が当該コマンドを受信したときは、リールの回転時間を計測するリール回転時間計測タイマをセットしカウントをスタートする。そして、リール回転時間計測タイマの値が所定値に到達(3分相当の時間)した場合は、液晶上に「リールを止めてください」(リール停止警告画像)と表示させ、遊技者にリールの回転を促す。リール回転時間計測タイマはストップスイッチが操作されると(ストップスイッチの操作を受け付けると)初期化し、未だ回転しているリールがあれば再度カウントを実行する。こうして全てのリールが停止するまではリール回転時間計測タイマを更新し続ける。
なお、リール停止警告画像は、押し順ナビと同時期に表示されている場合は押し順ナビよりも前面に表示することで、リール停止警告画像と押し順ナビとの表示領域が重複した場合にも、リール停止警告画像の視認性が担保され、遊技者に対してストップスイッチの操作を明確に促すことができる。また、このときに押し順ナビが見え難くなってどのリールを停止すればわからなくなる虞があるため、サブスイッチや演出用スイッチ等が操作されることでリール停止警告画像を消して(若しくはリール停止警告画像を小さく、または移動して)押し順ナビを認識できるようにしてもよい。
遊技進行メイン処理にてストップスイッチの操作受付を有効にした後は、ストップスイッチが操作されるまでストップスイッチの操作受付の判定処理(リール停止受付チェック処理)を繰り返す。いずれかのストップスイッチが操作されたと判定した場合は、操作されたストップスイッチに対応するリールの停止制御(すべり制御とも称す)を実行する。このとき操作されたストップスイッチに対応するリールは定速回転状態から停止準備状態に移行する。停止準備状態では、定速回転のまま目的の停止位置までリールを回転させる。そして、目的の停止位置に到達したときは停止状態に移行し、4相励磁が全てONとなりブレーキをかける。なお、すべり制御はストップスイッチ13の操作から190ミリ秒以内の間に行われる。前提とするスロットマシンPS1では、ストップスイッチ13の操作受付時は4図柄先までの図柄を引き込むことが可能である。
ここで、目的の停止位置とは、現在通過している図柄番号と停止位置として保存されている図柄番号が一致しているか否かで判断し、一致していると判断した場合は目的の停止位置として4相励磁を全てONにする。また、現在通過している図柄番号とは、上述したインデックスセンサがインデックスを検知した瞬間(インデックス信号の立ち上がり時)に初期図柄番号がセットされそこからタイマ割込み処理で1図柄分移動したときに初期図柄番号の次の図柄番号がセットされることで判断している。
リール停止受付チェック処理を実行した後は全リールが停止しているかチェックする。全リールが停止している場合は入賞判定処理を実行してから入賞処理を実行し、全リールが停止していない場合は回転中のリールに対応するストップスイッチの停止操作受付待ち処理を実行する。そして、全リールが停止した後は状態表示モニタの表示内容を更新し、有利区間クリアカウンタ管理処理へ移行する。そして、RT状態等の更新を行う遊技終了チェック処理を行い、遊技進行メインの一連の流れを終了する。なお、リールの回転を開始してから停止操作受付までの期間にソフト乱数の更新処理を行ってもよい。
入賞判定処理とは、有効ライン上に役を構成する図柄組合せが停止表示したか否かを判定する処理である。ストップスイッチの操作を受け付けたときに決定した停止図柄が異常であるか否かを判定するため、実際に有効ライン上に停止した図柄組合せで判定しているわけではない。入賞判定処理により有効ライン上に役を構成する図柄組合せが停止表示したと判定された後は入賞処理を行い、入賞判定処理により有効ライン上に役を構成する図柄組合せが停止したと判定しなかったときは、ハズレに基づく処理を行う。
入賞処理とは、有効ライン上に停止させる図柄組合せに基づいて、遊技者に特典を付与する処理である。小役に基づく図柄組合せを停止させるときの入賞処理としては、停止させた図柄組合せに基づくメダルの払い出しや、停止させた図柄組合せに基づいて遊技状態を移行する処理であり、リプレイに基づく図柄組合せを停止させたときの入賞処理としては、リプレイの権利を与えることや、停止させた図柄組合せに基づいて遊技状態を移行する処理であり、ボーナスに基づく図柄組合せを停止させたときの入賞処理としては、停止させた図柄組合せに基づいて遊技状態を移行する処理である。なお、ハズレの場合は入賞処理を行わない。
しかし、これに限らず、入賞判定処理の結果がハズレとなったときには、ハズレに基づく入賞処理を行い、入賞処理の結果として遊技者に特典を付与しないという処理を行ってもよい。また、ハズレに基づく入賞処理として、ハズレとなったときの操作態様に応じて遊技状態を移行してもよい。例えば、ハズレとなったときに予め定めた操作順番に応じて全てのストップスイッチ13が操作されたときは、フリーズ当選確率が異なる遊技状態に移行することが挙げられる。また、小役の取りこぼしによる見た目上のハズレの場合であっても、払い出しを行わずに、RT状態の移行など遊技状態の移行制御を行うなどの入賞処理を行うこともできる。さらに、ボーナスに基づく入賞処理として停止表示した図柄組合せに基づくメダルの払い出しやリプレイの権利を与えることを付加してもよい。
遊技状態を移行する処理とは、移行する遊技状態に応じた役抽選テーブルを設定すること、移行する遊技状態に応じたリール制御を設定すること、移行する遊技状態に応じたフリーズ当選確率を設定すること、またはこれらの組合せである。
入賞判定処理は、入賞した図柄組合せを判定すると、有効ラインに停止表示された入賞図柄組合せ情報(停止出目情報)、及び、役抽選結果情報をサブ制御基板1000に送信する。一方、サブ制御基板1000はこれらの情報を受信すると、入賞図柄組合せ情報、及び、役抽選結果情報に応じた演出を表示装置32、ランプ、またはスピーカSを用いて出力することができる。
入賞判定処理は、全ての有効ラインにおいて入賞の判定を行い、判定の結果、複数の有効ライン上に、重複当選役に基づく図柄組合せが複数停止表示したときは、停止表示した複数の図柄組合せの各々に対して入賞処理を行う。
例えば、払い出し枚数として2枚と設定した小役と、払い出し枚数として10枚と設定した小役が、複数の有効ラインに停止表示しているときの入賞処理としては、2枚と設定した小役に基づく払い出し枚数と10枚と設定した小役に基づく払い出し枚数とを合算して、12枚の払い出しを行う。
そして、1回の払い出し枚数には上限を設定し、複数の小役に基づく図柄組合せを有効ライン上に停止表示したときに、払い出し枚数の上限値を超えるときは、上限値の枚数を払い出す。
例えば、払い出し枚数の上限値を15枚に設定して、払い出し枚数として12枚と設定した小役と、払い出し枚数として10枚と設定した小役が複数の有効ラインに停止表示しているときの入賞処理としては、12枚と設定した小役と10枚と設定した小役の合算値が上限値を超えるときは、上限値である15枚の払い出しを行う。
前提とするスロットマシンPS1では、小役に対してのみメダルを払い出すように設定しているが、リプレイに基づく入賞処理として、賭け枚数分のメダルを払い出してもよいし、ボーナスに基づく入賞処理として予め設定している枚数のメダルを払い出してもよい。
<有利区間クリアカウンタ管理処理>
前提とするスロットマシンPS1の遊技進行メインが実行する処理のうち、有利区間の管理に関する有利区間クリアカウンタ管理処理に関して、図11を基に説明する。
有利区間クリアカウンタRWMアドレスをセットする。
続いて、2バイト減算処理を実行する。
続いて、減算前の有利区間クリアカウンタの値が0か否かを判断し、減算前の有利区間クリアカウンタの値が0である場合は、有利区間種別が0か否かを判断する処理に移行し、減算前の有利区間クリアカウンタの値が0でない場合は、減算した後の有利区間クリアカウンタの値が0か否かを判断する。なお、有利区間種別=0とは、有利区間ではない区間であり通常区間であることを意味しており、有利区間種別=1とは、有利区間であることを意味している。
続いて、減算した後の有利区間クリアカウンタの値が0か否かを判断し、減算した後の有利区間クリアカウンタの値が0である場合は、RWM初期化処理に移行し、減算した後の有利区間クリアカウンタの値が0でない場合は、MYカウンタの値を取得する処理に移行する。
続いて、MYカウンタの値を取得する処理では、現在のMYカウンタの値を取得する。
続いて、MYカウンタの値を取得する処理を実行した後は、再遊技作動図柄が停止表示したか否かを判断し、再遊技作動図柄が停止表示したと判断した場合は、MYカウンタの値が上限値(2400)を超えたか否かの判断処理に移行し、再遊技作動図柄が停止表示していないと判断した場合は、払出枚数バッファのデータを取得する処理に移行する。払出枚数バッファのデータとは、入賞に係る払出枚数、はずれ又は小役の取りこぼし時の払出なし(払出枚数としては0)を示すデータである。
続いて、払出枚数バッファのデータを取得する処理では、当該遊技の払出数を取得する。
続いて、MYカウンタに取得した払出枚数バッファのデータ(OUT枚数)を加算する処理を実行する。
続いて遊技メダル枚数データを取得する処理を実行する。遊技メダル枚数データとは、投入枚数に対応しているデータである。
続いて、MYカウンタにIN枚数(投入枚数)を減算する処理を実行する。
続いて、MYカウンタにIN枚数を減算した結果、MYカウンタの値が0未満であると判断した場合は、MYカウンタに初期値をセットしてMYカウンタに保存する。また、MYカウンタにIN枚数を減算した結果、MYカウンタの値が0未満でないと判断した場合は、MYカウンタからIN枚数を減算した値をMYカウンタに保存する。なお、MYカウンタの初期値とは0のことであり、MYカウンタの値が0未満となった場合は0に補正することを意味している。また、MYカウンタの値が0未満か否かはキャリーフラグが0か否かで判断している。キャリーフラグとは、減算処理の結果負の値となった場合は1となり、減算処理の結果負の値とならなかった場合は0となるフラグである。
続いて、MYカウンタの値を保存した後は、MYカウンタの値が上限値(2400)を超えたか否かの判断処理を実行する。MYカウンタの値が上限値(2400)を超えた場合は、RWM初期化処理を実行し有利区間種別の判断処理に移行し、有利区間種別の判断処理で、有利区間種別が0の場合は有利区間クリアカウンタ管理処理を終了し、有利区間種別が0でない場合は有利区間クリアカウンタに初期値(1500)をセットして有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。また、MYカウンタの値が上限値(2400)を超えたか否かの判断処理でMYカウンタの値が上限値(2400)を超えていない場合は、有利区間クリアカウンタ管理処理を終了する。
減算前の有利区間クリアカウンタの値が0か否かを判断して、減算前の有利区間クリアカウンタの値が0であって、有利区間種別が0でない場合とは、有利区間開始時に通る処理であり、有利区間開始時以外は、当該処理を通らない。有利区間クリアカウンタに記憶する1500は有利区間を実行可能な最大遊技数に対応しており、有利区間を最大でも1500遊技実行すると次の遊技から通常区間がセットされる。これは、のめりこみを防止するためであり、1日中メダルが増え続けるという状態を抑制し、射幸心を著しく煽らないようにしている。
なお、有利区間種別を1にセットするタイミングとしては、スタートスイッチ受付時からリール回転開始までの間にある有利区間移行抽せん処理で実行する。有利区間移行抽せん処理では抽選の対象となる条件装置番号を選出したときに通る処理であり、有利区間移行抽せんに当選すれば有利区間種別に1をセットし、有利区間移行抽せんに非当選であれば有利区間種別を0(通常区間)にセットする。
MYカウンタの値が上限値を超えた後に実行するRWM初期化処理では、指示機能に係る性能へ影響を与えるパラメータをすべて0に更新する。指示機能に係る性能へ影響を与えるパラメータとは、ATゲーム数やATに関する遊技状態が挙げられる。そして、有利区間種別を0に更新することで、有利区間ではない通常区間となり、MYカウンタの値が2400以下のときは、有利区間を維持したまま本処理を終了する。なお、有利区間でリプレイが当選した場合は、MYカウンタの更新処理は実行しないが、MYカウンタが2400を超えているか否かの判断処理は通るようにしている。リプレイの場合、投入枚数と同じ枚数が自動的にベットされるため、OUT-INは常に0となる。しかし、ノイズや不正行為によりMYカウンタの値が本来の処理とは異なるタイミングで更新される可能性があるため、リプレイ時においてもMYカウンタの上限値に到達したか否かを判定している。
また、有利区間の終了契機は1500遊技の経過、またはMY2400を超える以外にも遊技機ごとに任意のタイミングで終了させることができる。例えば、所定役が当選したときの終了抽せんに当選したときや、任意の遊技数(1500遊技未満)を実行したときが該当する。このように任意の終了契機で有利区間を終了するときは、有利区間クリアカウンタ管理処理を実行するより前(全リール停止後に実行するATに係る処理が望ましい)に有利区間クリアカウンタの値に1をセットすることで、有利区間クリアカウンタ管理処理を実行したときに有利区間クリアカウンタの減算前が1であり、有利区間クリアカウンタの減算結果が0となり、有利区間クリアカウンタ管理処理にて有利区間を終了させることができる。即ち、有利区間クリアカウンタの値に1をセットした後、カウンタ値を1減算することによって、有利区間クリアカウンタの値が0となって有利区間を終了させることができる。これにより、任意の終了条件を達成したときに別の有利区間終了モジュールを用いなくても同じモジュール内で処理することが可能となる。
また、有利区間クリアカウンタ管理処理での有利区間クリアカウンタ減算処理は、いずれのベット数(遊技機として複数の規定数が設定されている場合)、いずれの遊技状態においても実行するよう構成されている。
<設定変更処理>
前提とするスロットマシンPS1のメイン制御基板100が実行する設定変更処理について図10のフローチャートを用いて説明する。
設定変更モードが起動すると、現在の設定値が正常範囲か否かを判定し、正常範囲内であったときは、現在の設定値を取得し、正常範囲外であったときは、設定値として「1」を保存し、設定値「1」を取得する。
設定値を取得した後は、設定値表示データを保存する。設定値表示データを保存した後はタイマ割込み処理であるダイナミック点灯制御により、5割込みごとに設定値表示データを参照して点灯制御を行う。
その後、スタートスイッチ12がオフからオンになったか否かを判定する。スタートスイッチ12がオフからオンになっていないと判定したときは、設定スイッチがオフからオンになったか否かを判定する。
ここで、設定スイッチがオフからオンになっていないと判定したときは、再度スタートスイッチ12がオフからオンになったか否かを判定し、設定スイッチがオフからオンになったと判定したときは、設定値が最大設定値以上(設定6)か否かを判定する。
設定値が最大値以上でなければ、現在の設定値にインクリメントする処理を行い、設定値が最大値以上であれば、現在の設定値に初期値(0)を保存し、さらにインクリメントする処理を行う。設定値をインクリメントした後は、更新した設定値を表示し、スタートスイッチ12がオフからオンになったか否かを判定する処理まで戻る。
その後、スタートスイッチセンサが検知され、スタートスイッチ12がオフからオンになったと判定したときは、設定値の確定処理を行い、設定キースイッチがオンからオフなったと判定するまで待機し、設定キースイッチがオンからオフになったと判定したときには決定した設定値を主制御RAMに保存して設定表示LEDを消灯し、メダルセレクタ34に設けられたブロッカをオンにする(メダルがホッパ44へ流下するための通路を形成する)ことで設定変更モードを終了する。
ここで、設定変更モードとは、1から6の設定値(表示上は1~6の設定値)のうち何れかの設定値を決定する手段である。何れかの設定値を決定した後は、次に設定変更手段による設定値の変更が行われるまで、決定した設定値に対応する内部抽せんテーブル(役抽選テーブルとも称す)を設定し続ける。なお、設定値ごとに内部抽せんによる抽せん結果の決定確率(役の当選確率)が異なる役抽選テーブルが設けられている。
設定変更手段は、スロットマシンPS1の電源が投入されていない状態において、遊技場の管理者により設定変更に用いる設定キーが回転操作され、設定キースイッチ信号がオンになる回転位置に設定キーを保持された状態でスロットマシンPS1の電源が投入されると、スロットマシンPS1の電源投入を契機として設定キースイッチ信号をオンにする。前提とするスロットマシンPS1において、設定キースイッチ信号のオンとは、立ち上がりのオン(オフ→オンとなること)であり、電源断が発生する前に設定キーがオンとなっていた場合は、電源投入後には立ち上がりのオンは検出されないため、設定変更モードに移行しないよう構成されているが、設定キースイッチ信号のオンをレベルのオンとし、電源断が発生する前にオンとなっていた場合であっても電源の再投入時に設定キーがオンの場合設定変更モードに移行するよう構成してもよい。
設定変更手段は、設定キースイッチ信号がオンであり、ドア開放信号がオンであり、かつ、設定変更可能フラグがオンであると判定したときは、スロットマシンPS1の設定値を変更可能な設定変更モードを起動する。
設定変更可能フラグは遊技状態に応じてオンとオフを切り替える。例えば、スタートスイッチ12が操作されてから遊技が終了するまでの期間は、設定変更可能フラグをオフにして、それ以外の期間は設定変更可能フラグをオンにする態様が考えられる。しかし、この態様のみに限らず特定のボーナス遊技が開始したとき、または特定のボーナス内部中となっているときのみ設定変更可能フラグをオフにしてもよいし、設定変更可能フラグを設けないことでどの状態でも設定変更可能となるように構成されていてもよい。
設定変更モードを起動すると、メダルセレクタ34に設けられたブロッカをオフにして、メダル投入による遊技の開始を行うことができないようにする。設定変更モードで変更できる設定値データは、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の6段階あり、設定値が高くなるごとに、出玉率の高い役抽選テーブルを設定する。
設定変更モードを起動した後は、設定変更モードであることを報知するために、フロントパネルPS2の背面に備えられた設定表示LEDを点灯する。そして、セットした設定値データを表示するための設定値表示データをセットして、スロットマシンPS1のフロントパネルPS2前面に配置したクレジット数表示器26と、スロットマシンPS1のフロントパネルPS2裏面に配置された設定表示LED(図示しない)を点灯して、設定値を表示する。設定値データが「1」の場合の設定値表示は「1」を表示し、設定値データが「2」の場合の設定値表示は「2」を表示し、設定値データが「3」の場合の設定値表示は「3」を表示し、設定値データが「4」の場合の設定値表示は「4」を表示し、設定値データが「5」の場合の設定値表示は「5」を表示し、設定値データが「6」の場合の設定値表示は「6」を表示する。
なお、設定値データ記憶領域に記憶されている設定値データを「0」~「5」の6段階で記憶するときは、設定値データが「0」の場合の設定値表示は「1」を表示し、設定値データが「1」の場合の設定値表示は「2」を表示し、設定値データが「2」の場合の設定値表示は「3」を表示し、設定値データが「3」の場合の設定値表示は「4」を表示し、設定値データが「4」の場合の設定値表示は「5」を表示し、設定値データが「5」の場合の設定値表示は「6」を表示する。
設定変更モードを起動した後は、スタートスイッチ12のセンサ信号がオンであるか否かを判定し続け、スタートスイッチ12が操作されてスタートスイッチ12のセンサ信号がオンになったと判定したときは、設定値を決定し設定表示LEDに現在の設定値を表示する。換言すると、設定変更モード中にスタートスイッチ12のセンサ信号がオンになったと判定した場合は設定スイッチが操作されても設定値が変更されないようになっている。
一方、スタートスイッチ12のセンサ信号がオンであると判定していない状態で、設定スイッチ信号がオンになったと判定したときは、設定スイッチ立ち上がりデータをクリアして、現在の設定値が最大設定値(設定値データ「6」)以上であるか否かを判定して、現在の設定値が最大設定値(設定値データ「6」)以上であると判定したときは設定値データをクリア(設定値データを「1」にする)して、現在の設定値が最大設定値未満(設定値「1」~「5」)であると判定したときは現在の設定値にインクリメントする。なお設定値データを0~5の6段階とした場合の設定変更モードの処理としては、現在の設定値が最大設定値(設定値データ「5」)以上であるか否かを判定して、現在の設定値が最大設定値(設定値データ「5」)以上であると判定したときは設定値データをクリア(設定値データを「0」にする)して、現在の設定値が最大設定値未満(設定値「0」~「4」)であると判定したときは現在の設定値にインクリメントするようにすればよい。
なお、設定変更モードを起動した後にスタートスイッチ12のセンサ信号がオンであると判定された場合の設定表示LEDの設定値表示態様として、設定値が変更できないことを示すために設定表示LEDに「0」と表示したり、設定表示LEDに「_X」(「X」は確定後の設定値)と表示したり等のように設定変更可能時の設定値表示の態様と異なる態様で設定値を表示してもよい。
<前提とするスロットマシンPS1の各種スイッチ押下中の電源断に対応する制御>
フロントパネルPS2が閉鎖状態であり、遊技終了後であり、3ベットされておらず(自動ベットされていない状況も含む)、且つクレジット数として3ベット可能な数以上の数が記憶されている(例えば、ベットされていない状況のクレジット数は3以上、又は1ベットされている状況のクレジット数は2以上)状況下(以下、MAXベット可能状態と称す)では、MAXベットスイッチ18が操作(押下)されるとMAXベット処理が実行されることでベット数として3が記憶され、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプが点灯する(MAXベットスイッチ18が押下される前は1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプは消灯している)。
なお、フロントパネルPS2が閉鎖状態である状況下だけでなく、フロントパネルPS2が開放状態である状況下であっても、遊技終了後であり、3ベットされておらず(自動ベットされていない状況も含む)、且つクレジット数として3ベット可能な数以上の数が記憶されている(例えば、ベットされていない状況のクレジット数は3以上、又は1ベットされている状況のクレジット数は2以上)状況下であれば、MAXベットスイッチ18が操作(押下)されるとMAXベット処理が実行されることでベット数として3が記憶され、1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプが点灯する(MAXベットスイッチ18が押下される前は1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプは消灯している)ように構成してもよい。なお、以下では特に記載のない限り、電源投入時は、フロントパネルPS2が閉鎖している状況であるが、フロントパネルPS2が開放している状況でも同様の挙動をするよう構成されていてもよい。
また、MAXベット可能状態には、ベットされていない状況、1ベットされている状況、2ベットされている状況が含まれるがMAXベットスイッチ18が操作されて1ベットランプ、2ベットランプ、3ベットランプが新たに点灯するのはベットされていない状況であるMAXベット可能状態のことであり、1ベットされている状況であるMAXベット可能状態では、すでに1ベットランプが点灯している状況で新たに2ベットランプ、3ベットランプが点灯し、2ベットされている状況であるMAXベット可能状態では、すでに1ベットランプ、2ベットランプが点灯している状況で新たに3ベットランプが点灯するようになっている。
また、MAXベット可能状態では、MAXベットランプが点灯しており、遊技者にMAXベットスイッチ18の操作が有効であることを報知している。そして、MAXベット可能状態においてMAXベットランプが点灯しているときにMAXベットスイッチ18が押下されると(MAXベットスイッチ18を検知するセンサがOFFからONとなると)MAXベットランプが消灯する。換言すると、MAXベットスイッチ18が押下中(MAXベットスイッチ18が押下されて離されていない状態であり、MAXベットスイッチ18のセンサがONを維持している状態)であってもMAXベットランプは消灯する。
また、MAXベット可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18が押下され、MAXベットスイッチ18の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理は実行されないようになっている。また、MAXベットスイッチ18が押下中のため、新たにMAXベットスイッチ18の押下によるMAXベット処理もできない。換言すると、MAXベットスイッチ18が押下中(MAXベットスイッチのセンサ信号がオンの状態)であるため、MAXベットスイッチ18の押下ができずMAXベット処理もできない。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18の操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18の上に手を置いている状況等)があっても、ベットされてしまうことを防ぐことが可能となり、またそのような場合でもMAXベットスイッチ18の操作が有効であることをMAXベットランプの点灯態様で正確に報知することができる。このため、MAXベットスイッチ18の操作が有効であると認識した遊技者は、押下していたMAXベットスイッチ18を一旦離した後に(MAXベットスイッチ18のセンサがONからOFFになった後に)、再度MAXベットスイッチ18を押下することで(MAXベットスイッチ18のセンサがOFFからONとなることで)、MAXベットを行う(MAXベット処理を行わせる)ことができる。
また、例えば、電源断の前後でMAXベットスイッチ18の戻りバネやセンサに不具合が生じ、MAXベットスイッチ18の押下状態が解消されない事態となったときに、MAXベットランプを点灯させることで、MAXベット処理ができなくてもソフトの不具合ではないことを管理者に報知することが可能となる。
また、MAXベット可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18が押下され、MAXベットスイッチ18の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理は実行されないようになっているが、新たに1ベットスイッチ19が操作(押下)されることで(1ベットスイッチ19を検知するセンサがOFFからONとなることで)1ベット処理が実行可能となっている。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18の操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18の上に手を置いている状況等)があっても、MAXベットランプの点灯態様によりベット処理は可能であることを報知し1ベットスイッチ19が操作可能であることを示唆できるようになっている。また、このような場合であっても1ベットスイッチ19の操作が有効であることから遊技を進行させることができるようになっている。
また、MAXベット可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18が押下され、MAXベットスイッチ18の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベット処理は実行される態様であってもよい。この場合は電源投入後にMAXベットランプが点灯していても消灯していてもよい。電源投入後にMAXベットランプが点灯している場合は、1ベットスイッチ19が操作可能であることを示唆し、1ベットスイッチ19が操作されると3ベット状態から1ベット状態になって、クレジットに差分の「2」が戻されるようになっている(3ベット状態でクレジット数が50の場合は差分をクレジットに戻すことができないため1ベットスイッチ19が操作されても1ベット状態にならず3ベット状態を維持するため電源投入後にMAXベットランプは点灯しない(消灯している))。電源投入後にMAXベットランプが消灯している場合は、MAXベット処理が実行されたことを示唆することが可能となっている。また、電源投入後にMAXベットランプが点灯している場合でも消灯している場合でも電源投入時に3ベット音(1ベット音を3回分)を出力することでMAXベット処理が実行されたことを報知することが可能となる。
続いて、MAXベット可能状態(ベットされていない状況)で、1ベットスイッチ19が操作(押下)されるとベット数として1が記憶され、1ベットランプが点灯する。また、まだMAXベットスイッチ18の操作が有効であることからMAXベットランプも点灯している。
また、MAXベット可能状態(ベットされていない状況)で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、1ベットスイッチ19が押下され、1ベットスイッチ19の押下中に電源が投入された場合(1ベットスイッチ19のセンサがONを維持している状態で、電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、1ベット処理は実行されないようになっている。また、1ベットスイッチ19が押下中のため、新たに1ベットスイッチ19の押下による1ベット処理もできない。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しない1ベットスイッチ19の操作がなされている状況(1ベットスイッチ19の上に手を置いている状況等)があっても、ベットされてしまうことを防ぐことが可能となり、またそのような場合でもMAXベットランプの点灯態様によりベット処理は可能であることを報知し1ベットスイッチ19が操作可能であることを示唆することが可能となっている。このため、MAXベットスイッチ18や1ベットスイッチ19の操作が有効であると認識した遊技者は、押下していた1ベットスイッチ19を一旦離した後に(1ベットスイッチ19のセンサがONからOFFになった後に)、再度1ベットスイッチ19を押下すること、または、押下していた1ベットスイッチ19を離さずに(1ベットスイッチ19のセンサがONを維持している状態)、MAXベットスイッチ18を押下することで(MAXベットスイッチ18のセンサがOFFからONとなることで)、1ベット処理またはMAXベット処理を行わせることができる。
また、MAXベット可能状態(ベットされていない状況)で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、1ベットスイッチ19が押下され、1ベットスイッチ19の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、1ベット処理は実行されないようになっているが、新たにMAXベットスイッチ18が操作(押下)されることでMAXベット処理が実行可能となっている。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しない1ベットスイッチ19の操作がなされている状況(1ベットスイッチ19の上に手を置いている状況等)があっても、MAXベットランプの点灯態様によりベット処理は可能であることを報知しMAXベットスイッチ18が操作可能であることを示唆できるようになっている。また、このような場合であってもMAXベットスイッチ18の操作が有効であることから遊技を進行させることができるようになっている。
また、MAXベット可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、1ベットスイッチ19が押下され、1ベットスイッチ19の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、1ベット処理は実行される態様であってもよい。この場合は電源投入後にMAXベットランプが点灯しており、MAXベットスイッチ18が操作可能であることを示唆し、MAXベットスイッチ18が操作されると1ベット状態から3ベット状態になる。また、電源投入時に1ベット音を出力することで1ベット処理が実行されたことを報知することが可能となる。
また、MAXベット可能状態(ベットされていない状況)で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18が押下され(フロントパネルPS2が開放していない状況であっても、既に開放している状況であってもよい)、フロントパネルPS2が開放している状況でMAXベットスイッチ18の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理は実行されないようになっているが、当該MAXベットスイッチ18の押下を継続している状況下で新たに1ベットスイッチ19が操作(押下)されることで1ベット処理が実行可能となっている。また、MAXベット可能状態(ベットされていない状況)で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18が押下され(フロントパネルPS2が開放していない状況であっても、既に開放している状況であってもよい)、フロントパネルPS2が開放している状況でMAXベットスイッチ18の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理は実行されないようになっているが、MAXベットスイッチ18を離し、新たにMAXベットスイッチ18が操作(押下)されることでMAXベット処理が実行可能となっている。なお、この場合において、新たに1ベットスイッチ19又はMAXベットスイッチ18が押下されて、1ベット処理又はMAXベット処理が実行されたとしても、1ベット音や3ベット音を出力しないように構成されていてもよいし、新たに1ベットスイッチ19又はMAXベットスイッチ18が押下されて、1ベット処理又はMAXベット処理が実行されることにより、3ベットされておりフロントパネルPS2が開放している状況下では、スタートスイッチ12が操作(押下)されるとリール回転処理が実行され、各リールが回転するが、スタート音は出力しないように構成されていてもよい。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18の操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18の上に手を置いている状況等)があっても、ベットされてしまうことを防ぐことが可能となり、またそのような場合でもMAXベットスイッチ18の操作が有効であることをMAXベットランプの点灯態様で正確に報知することができる。
また、例えば、電源断の前後でMAXベットスイッチ18の戻りバネやセンサに不具合が生じ、MAXベットスイッチ18の押下状態が解消されない事態となったときに、MAXベットランプを点灯させることで、MAXベット処理ができなくてもソフトの不具合ではないことを管理者に報知することが可能となる。
また、フロントパネルPS2が開放していても1ベットスイッチ19による1ベット処理を有効にすることで、フロントパネルPS2が開放している状況で管理者が行う作業(例えば、設定確認や管理者メニューの設定等)とあわせて、正常に1ベット処理が可能か否かの動作確認をすることが可能となる。なお、遊技店での遊技において、フロントパネルPS2が開放した状況での遊技は正常ではないため、あえて1ベット音を出力しないことで、遊技者に対して正常でないことを認識させることが可能となる。
また、MAXベット可能状態(ベットされていない状況)で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18が押下され(フロントパネルPS2が開放していない状況であっても、既に開放している状況であってもよい)、フロントパネルPS2が開放している状況でMAXベットスイッチ18の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯せず、MAXベット処理は実行されず、新たに1ベットスイッチ19が操作(押下)されても1ベット処理が実行されず、その後、MAXベットスイッチ18の操作(押下)が継続している状況でフロントパネルPS2を閉鎖する(閉鎖を検知する)とMAXベットランプが点灯し、新たに1ベットスイッチ19が操作(押下)されると1ベット処理が可能となる態様であってもよい。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18の操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18の上に手を置いている状況等)があっても、ベットされてしまうことを防ぐことが可能となり、また、MAXベットランプを点灯させないことで遊技者に対して遊技の進行ができない状態であることを認識させることが可能となる。さらにまた、フロントパネルPS2を閉鎖すると、MAXベットスイッチ18の操作(押下)が継続していても、1ベットスイッチ19でのベット操作を有効にすることで、できる限り遊技の進行を阻害しないようにすることが可能となる。
また、MAXベット可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19が押下され、MAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理と1ベット処理は実行されないようになっている。また、この場合において、1ベットスイッチ19の押下を継続している状況でMAXベットスイッチ18を離し、新たにMAXベットスイッチ18を操作(押下)するとMAXベット処理が実行可能となっている。同様に、MAXベット可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19が押下され、MAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理と1ベット処理は実行されないようになっているが、MAXベットスイッチ18の押下を継続している状況で1ベットスイッチ19を離し、新たに1ベットスイッチ19を操作(押下)すると1ベット処理が実行可能となっている。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19の操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19の上に手を置いている状況等)があっても、ベットされてしまうことを防ぐことが可能となり、また、そのような場合でもMAXベットスイッチ18の操作が有効であることをMAXベットランプの点灯態様で正確に報知することができる。また、このような場合であってもMAXベットスイッチ18と1ベットスイッチ19の操作が有効であることから遊技を進行させることができるようになっている。
フロントパネルPS2が閉鎖状態であり、遊技終了後であり、1ベットもされておらず(再遊技が作動していない)、且つ通常演出表示中(連続演出やAT演出以外の演出状態)又はデモ画面表示中の状況下(以下、メニュー画面表示可能状態と称す)では、サブスイッチ20が操作(押下)されると(サブスイッチ20を検知するセンサがOFFからONとなると)メニュー画面の表示処理が実行され、表示装置32にメニュー画面が表示される。
また、メニュー画面表示可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、サブスイッチ20が押下され、サブスイッチ20の押下中に電源が投入された場合(サブスイッチ20のセンサがONを維持している状態で、電源断復帰処理が実行された場合)は、サブスイッチランプは点灯し、メニュー画面は表示されない。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないサブスイッチ20の操作がなされている状況(サブスイッチ20の上に手を置いている状況等)があっても、意図しないメニュー画面を表示させず、サブスイッチランプの点灯態様によりメニュー画面の表示処理は可能であることを報知しサブスイッチ20が操作可能であることを示唆できるようになっている。このため、サブスイッチ20の操作が有効であると認識した遊技者は、押下していたサブスイッチ20を一旦離した後に(サブスイッチ20のセンサがONからOFFになった後に)、再度サブスイッチ20を押下することで(サブスイッチ20のセンサがOFFからONとなることで)、メニュー画面の表示処理を行わせることができる。
また、メニュー画面表示可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、サブスイッチ20が押下され、サブスイッチ20の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、サブスイッチランプは点灯し、メニュー画面が表示される態様であってもよい。この場合は、サブスイッチ20の押下意思を反映して、電源投入後即座にメニュー画面を表示でき、さらにサブスイッチランプを点灯することで、メニュー画面中の各項目の決定操作は有効であることを示唆することができる。
また、MAXベット可能状態であり、且つ、メニュー画面表示可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18とサブスイッチ20が押下され、MAXベットスイッチ18とサブスイッチ20の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理は実行されず、サブスイッチランプは点灯し、メニュー画面は表示されないようになっている。また、MAXベットスイッチ18が押下中のため、新たにMAXベットスイッチ18の押下によるMAXベット処理もできない。換言すると、MAXベットスイッチ18が押下中(MAXベットスイッチのセンサ信号がオンの状態)であるため、MAXベットスイッチ18の押下ができずMAXベット処理もできない。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18とサブスイッチ20の操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18とサブスイッチ20の上に手を置いている状況等)があっても、意図せずベットされてしまうこと及びメニュー画面を表示することを防ぐことが可能となり、またそのような場合でもMAXベットスイッチ18の操作が有効であることをMAXベットランプの点灯態様で正確に報知することができるとともに、サブスイッチランプの点灯態様によりメニュー画面の表示処理は可能であることを報知しサブスイッチ20が操作可能であることを示唆できるようになっている。
また、例えば、電源断の前後でMAXベットスイッチ18の戻りバネやセンサに不具合が生じ、MAXベットスイッチ18の押下状態が解消されない事態となったときに、MAXベットランプを点灯させることで、MAXベット処理ができなくてもソフトの不具合ではないことを管理者に報知することが可能となる。
また、MAXベット可能状態であり、且つ、メニュー画面表示可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18とサブスイッチ20が押下され、MAXベットスイッチ18とサブスイッチ20の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理は実行されず、サブスイッチランプは点灯し、メニュー画面が表示される態様であってもよい。この場合は、サブスイッチ20の押下意思を反映して、電源投入後即座にメニュー画面を表示でき、さらにサブスイッチランプを点灯することで、メニュー画面中の各項目の決定操作は有効であることを示唆することができる。なお、この場合はメニュー画面を表示したあともMAXベットランプの点灯を継続し、MAXベット処理が実行可能であることを報知する。
フロントパネルPS2が閉鎖状態であり、遊技終了後であり、1ベットもされておらず(再遊技が作動していない)、且つクレジット数が1以上の状況下(以下、精算可能状態と称す)では、精算スイッチが操作(押下)されると精算処理が実行され、クレジットに貯留されているメダルが受け皿28に払い出される。
また、精算可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、精算スイッチが押下され(精算スイッチを検知するセンサがOFFからONとなり)、精算スイッチの押下中に電源が投入された場合(精算スイッチのセンサがONとなっている状態で、電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、精算処理は実行されない。また、精算スイッチ押下中はMAXベットスイッチ18が押下されてもMAXベット処理は実行されない。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しない精算スイッチの操作がなされている状況(精算スイッチの上に手を置いている状況等)があっても、意図しない精算処理を実行させず、また、MAXベットランプの点灯態様によりクレジットにメダルが残っていることを報知できるため、遊技者がクレジットを残したまま離席してしまうことを防ぐことが可能となっている。
また、精算可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、精算スイッチが押下され、精算スイッチの押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、精算処理は実行されないが、精算スイッチ押下中にMAXベットスイッチ18が押下されるとMAXベット処理は実行する態様であってもよい。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しない精算スイッチの操作がなされている状況(精算スイッチの上に手を置いている状況等)があっても、意図しない精算処理を実行させず、また、MAXベットスイッチの操作が有効であることにより、遊技の進行をできる限り阻害しないことで遊技の興趣を下げないようにすることができる。
また、精算可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、精算スイッチが押下され、精算スイッチの押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、精算処理が実行される態様であってもよい。
これにより、例えば遊技場の開店前に電源投入作業を行う場合、精算スイッチの操作がなされている状況(精算スイッチの上に手を置いている状況等)で電源投入作業を行うと、電源投入後すぐに精算処理が実行可能となるため、開店前の電源投入作業とクレジットに残っているメダルの精算作業が簡略化できる。
また、精算可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、精算スイッチが押下され、精算スイッチの押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、精算処理が実行される態様であっても精算処理が実行されない態様であっても、サブスイッチ20のランプは点灯し、サブスイッチ20の操作は有効となっている(サブスイッチ20の操作を受け付けることでメニュー画面を表示可能となっている)。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しない精算スイッチの操作がなされている状況であってもサブスイッチの20の操作によりメニュー画面を表示でき、メニュー画面で遊技履歴の確認や音量調整等の遊技に役立つ情報を閲覧したり、変更したりすることができる。また、このときに遊技の進行に関する操作を全て有効にすることで、精算以外の遊技は全て実行可能となる。精算処理は遊技の終了時にしか使用することはなく、また、精算処理を実行しなくても投入メダル数を調整することで、遊技者が不利になることはないため、遊技の進行をできるだけ妨げることなく実行させることが可能となっている。
また、MAXベット可能状態であり、且つ、精算可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、MAXベットスイッチ18と精算スイッチが押下され、MAXベットスイッチ18と精算スイッチの押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、MAXベットランプは点灯し、MAXベット処理と精算処理は実行されないようになっている。また、この場合において、精算スイッチの押下を継続している状況でMAXベットスイッチ18を離し、新たにMAXベットスイッチ18を操作(押下)するとMAXベット処理が実行可能となっており、MAXベットスイッチ18の押下を継続している状況で精算スイッチを離し、MAXベットスイッチ18の押下を継続している状況で新たに精算スイッチを操作(押下)すると精算処理が実行可能となっている。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないMAXベットスイッチ18と精算スイッチの操作がなされている状況(MAXベットスイッチ18と精算スイッチの上に手を置いている状況等)があっても、ベットされてしまうこと及び精算処理を防ぐことが可能となる。また、MAXベットランプの点灯態様によりクレジットにメダルが残っていること及びMAXベットスイッチ18の操作が有効であることを正確に報知できる。
フロントパネルPS2が閉鎖状態であり、遊技終了後であり、3ベットされている(再遊技が作動している場合も含む)状況下(以下、リール回転可能状態と称す)では、スタートスイッチ12が操作(押下)されるとリール回転処理が実行され、各リールが回転する。なお、リール回転処理が実行されるのは最小遊技時間が経過した後となっている。
また、リール回転可能状態で電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、スタートスイッチ12が押下され、スタートスイッチ12の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、スタートランプは点灯するが、何れのリールも回転しない。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないスタートスイッチ12の操作がなされている状況(スタートスイッチ12の上に手を置いている状況等)があっても、意図しないリールの回転が実行されず、ベットされている遊技媒体を遊技者が意図せず使用してしまうことを防ぐことが可能となり、また、そのような場合でもスタートスイッチ12の操作が有効であることをスタートランプの点灯態様で正確に報知することができる。
また、リール回転可能状態で電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、スタートスイッチ12が押下され、スタートスイッチ12の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、スタートランプは点灯せず、何れのリールも回転しない態様であってもよい。このような場合はスタートスイッチ12の操作を終了すると(スタートスイッチ12のセンサ信号がオフになると)、スタートランプは点灯する態様であるとよい。
これにより、例えば停電が発生した後の電源投入時に意図しないスタートスイッチ12の操作がなされている状況(スタートスイッチ12の上に手を置いている状況等)があっても、意図しないリールの回転が実行されず、ベットされている遊技媒体を遊技者が意図せず使用してしまうことを防ぐことが可能となり、また、そのような場合にスタートランプを点灯させないことで、一度スタートスイッチ12の操作を終了してからでないとリールが回転しないことを遊技者に認識させることが可能であり、スタートスイッチ12の操作を終了するとスタートランプが点灯することでスタートスイッチ12の操作が有効であることを正確に報知することができる。
また、リール回転可能状態で電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、スタートスイッチ12が押下され、スタートスイッチ12の押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、全てのリールが回転する態様であってもよい。
これにより、リール回転可能状態で電源断が発生して瞬間的に動作電圧が閾値を下回り、その後動作電圧が閾値を上回って自動的に電源投入されるまでの間にスタートスイッチ12が操作され、スタートスイッチ12が操作されている状態で自動的に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)、電源が投入された後に全てのリールが回転するので、遊技者がどのようなタイミングでスタートスイッチ12を操作しても遊技を進行(全てのリールを回転)させることが可能となり、遊技者の手間の軽減や遊技テンポの改善が可能となる。
フロントパネルPS2が閉鎖状態であり、全てのリールが回転しており、ストップスイッチ13の操作の受け付けが有効となっている状況下(以下、リール停止可能状態と称す)では、ストップスイッチ13が操作(押下)されると(左ストップスイッチ13a、中ストップスイッチ13b、右ストップスイッチ13cを検知するそれぞれのセンサのいずれかがOFFからONとなると)、操作されたストップスイッチ13に対応するリールに対して停止制御処理が実行され、操作されたストップスイッチ13に対応するリールが停止する。なお、リール停止可能状態は全てのリールが回転している状況に限られず、何れか一つのリールが回転している状況であってもリール停止可能状態と称することができる。
リール停止可能状態では、ストップスイッチ13を構成するLEDが有効であることを示す点灯態様となっており、ストップスイッチ13が操作されてもリールが停止できないリール停止不可能状態では、ストップスイッチ13を構成するLEDが無効であることを示す点灯態様となっている。
ここで、リール停止不可能状態とは、リールが回転しているにもかかわらずストップスイッチ13の操作を受け付けない状態(回転不良検出中や主制御手段100が管理する他のスイッチが操作されているとき等)でもよいし、リールが回転していない状態(全てのリールが停止している状態や左リールが停止しているときに左ストップスイッチ13aが操作されたとき等)でもよい。
また、ストップスイッチ13を構成するLEDが有効であることを示す点灯態様とは、白色で点灯する態様や赤色等の色で点灯する態様であり、ストップスイッチ13を構成するLEDが無効であることを示す点灯態様とは、無灯(消灯)となっている態様や有効であることを示す点灯色とは異なる点灯色(例えば青色等)で点灯する態様である。
また、リール停止可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、左ストップスイッチ13aが押下され、左ストップスイッチ13aの押下中に電源が投入された場合(左ストップスイッチ13aのセンサがONを維持している状態で、電源断復帰処理が実行された場合)は、左リールに対して、停止制御処理は実行されない。また、左ストップスイッチ13aの押下中に電源が投入された場合においては、ストップスイッチ13を構成するLEDは無効であることを示す点灯態様となっている。
これにより、例えば、左ストップスイッチ13aが最終停止操作に対応するストップスイッチであり、左リール停止可能状態にて停電が発生した後、電源投入時に意図しない左ストップスイッチ13aの操作がなされている状況であっても左ストップスイッチ13aの操作により左リールの回転を停止させないため、目押しの必要な小役を取りこぼす等遊技者に不利益を与えてしまうことを防ぐことが可能となる。また、押し順により遊技者に有利な図柄組合せが停止する内部抽せん結果(所謂、押し順役)が当選した際の正解押し順とは異なる押し順でストップスイッチ13が操作受付しまうことを防ぐことも可能となる。
また、リール停止可能状態で、電源断が発生して動作電圧が閾値を下回り、遊技機が動作できなくなった状況において、左ストップスイッチ13aが押下され、左ストップスイッチ13aの押下中に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)は、左リールに対して、停止制御処理が実行される態様であってもよい。この場合においても、左ストップスイッチ13aの押下中に電源が投入された場合においては、ストップスイッチ13を構成するLEDは無効であることを示す点灯態様となっている。
これにより、例えば遊技中に電源断が発生して瞬間的に動作電圧が閾値を下回り、その後動作電圧が閾値を上回って自動的に電源投入されるまでの間に左ストップスイッチ13aが押下され、左ストップスイッチ13aが押下されている状態で自動的に電源が投入された場合(電源断復帰処理が実行された場合)、電源が投入された後に左リールが停止するので、遊技者がどのようなタイミングでストップスイッチ13を押下しても遊技を進行(対応するリールの停止)させることが可能となり、遊技者の手間の軽減や遊技テンポの改善が可能となる。なお、電源投入後に押下されているストップスイッチ13に対応するリールを停止させるときは、当該リールが加速中であっても停止させるよう構成することで、本来遊技者が停止させたかったタイミングに近づけることが可能となる。ただし、電源投入後に押下されているストップスイッチ13が複数ある場合は、何れのリールも停止させないよう構成されている。
<前提とするスロットマシンPS1のすべり制御中の電源断に対応する制御>
スタートスイッチ12が操作されてリールが回転している状況でストップスイッチ13の操作を受け付けると、ストップスイッチ13の受付位置から停止位置までリールを回転させ(所謂すべり制御)停止位置までリールが回転するとリールが停止するようになっている。このすべり制御中に電源断処理が実行されるとすべり制御が実行できなくなるため停止位置にリールを停止することができなくなってしまう。
また、ストップスイッチ13を受け付けた時点で停止位置を決定しており、決定した停止位置に基づいて入賞判定処理を実行するため、実際にリールが停止しているか否かに関わらず停止位置に基づいて小役が入賞したと判定されたときは小役に基づくメダルの払出が実行される。
このため、内部抽せん処理により小役が当選した遊技において、小役に対応する図柄が停止可能なタイミングでストップスイッチ13の操作を受け付けたときのすべり制御中に電源断処理が実行され、電源断復帰後に小役に対応する図柄が有効ラインに停止していなくても全てのリールが停止した後の入賞判定処理により小役に対応する図柄組合せが停止されたと判定されて停止された図柄組合せに応じたメダルの払出が行われるようになっている。
これは、以下の理由による。すなわち、遊技者がメダルの払出を受けるタイミングで停止操作をしたにもかかわらず、メダルの払出を受けられない状況がないようにする効果がある一方で、どの図柄組合せに基づくメダルの払出なのか認識できないという問題もあった。この問題を解決するために、内部抽せん処理により小役が当選した遊技において、小役に対応する図柄が停止可能なタイミングでストップスイッチ13の操作を受け付けたときのすべり制御中(停止受付からすべり制御が終わるまで)に電源断処理が実行され、電源断復帰後にリールを回転させてインデックスを検知させ、検知したインデックス情報に基づいて停止位置までリールを回転させてから停止位置で停止させる制御を行い、その後メダルを払い出す。
このように構成することで、すべり制御中に電源断処理が実行されても、電源復帰後に再度停止する予定であった停止位置まで回転させることで、何の図柄組合せが停止されたかを遊技者に視認させることが可能となるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理でインデックスを検知した後、予定していた停止位置まで移動する間に同一の図柄が存在していたとしても予定していた停止位置まで移動する。仮に予定していた停止位置の手前の同一図柄で停止すると遊技中に停止することのない停止禁止系の停止表示となる可能性もあるため、停止禁止か否かの判断処理が必要となるが、再回転処理中の処理負担を軽減するために予定していた位置まで移動させるようにしている。
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理では、通常の回胴回転開始処理と同様に加速処理と定速処理を実行する。なお、これに限らず、通常とは異なる加速処理と定速処理を実行してもよい。例えば、加速時間が短くなっていたり、加速時間が長くなっていたり、定速回転の速度が遅くなっていたり、定速回転の速度が速くなっていたり、する態様が考えられる。このように通常とは加速態様、又は定速態様を変化させることで、通常とは異なる回転であることを遊技者に認識させることができる。
また、再回転中に定速回転をしているときに停止受付位置と同じ位置まで回転した場合は、通常の回転処理と同様に停止操作を受け付けたとしてすべり制御となり、予定していた停止位置まで回転すると、リールを駆動しているステッピングモータに全相励磁信号を出力し(4相ステッピングモータの場合は4相励磁信号を出力する)再回転しているリールを停止する。
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中においては、遊技者に再回転中であることを認識させるために、液晶上に「再回転中」と表示したり、音声で「再回転中です」と出力したり、エラー表示器にエラー表示をさせたり、する態様が考えられる。この態様によって通常とは異なる回転であることを遊技者に認識させることができる。
また、すべり制御中に電源断処理が実行されたときは、すべり制御が完了していないことに関するフラグを所定の記憶領域に記憶し、電源投入時に所定の記憶領域をチェックしてフラグが立っていた場合は再回転処理を実行するようにする。当該フラグは再回転処理を実行した結果停止したときに初期化することで、通常の電源投入では再回転処理が実行されないようになっている。なお、すべり制御が完了していないことに関するフラグはエラーフラグであってもよいし、遊技状態フラグであってもよい。
また、すべり制御中に電源断処理が実行されたときは、電源復帰後に自動的に再回転処理を実行してもよいし、電源復帰後にエラーが発生してリセットスイッチにより解除した後に再回転処理を実行してもよい。以降の実施形態の再回転処理においては何れの態様も当てはまるようになっている。
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中においては、加速中と定速中、又は定速中に回転不良検出カウンタの更新を実行してもよい。そして、回転不良検出カウンタが所定値(例えば、上述した180)に達した場合に再度加速処理を実行する。この場合に発生し得る回転不良の要因としては、リールを手で押さえている、モータの不調による脱調、又は部材の経年劣化等が考えられる。
この場合は、電源投入時の初期化処理で回転不良検出カウンタを初期化し、再回転処理の実行とともに回転不良検出カウンタの更新(カウント)を開始する。そして電源投入後最初にインデックスを検知した後、回転不良検出カウンタの値を0に更新して再び回転不良検出カウンタの更新を開始し、リール制御手段は停止位置までリールを回転させて停止させる。このように最初にインデックスを検知した後に回転不良検出カウンタをクリアすることで、電源断処理により停止したリールの位置がインデックス通過直後の位置であって、停止位置がインデックス通過直前の位置であっても回転不良を検出することなく停止位置まで停止することができる。換言すると、電源投入後からリール停止まで約2周分回転するが、回転不良と判断されることはないようになっている。
なお、回転不良検出カウンタを初期化するタイミングは電源投入時としたがこれに限らず、ストップスイッチ13を受け付けたときに回転不良検出カウンタを初期化する態様や、リールの状態が定速状態となったときに回転不良検出カウンタを初期化する態様であってもよい。
このように、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中に回転不良を検出することで、再回転中においても脱調等により停止位置がずれることを防ぎ、予定している停止位置に停止させることが可能となる。また、なお、通常のすべり制御中は回転不良を検出しないため、通常のすべり制御中の脱調等の発生では再加速処理は実行しない。
続いて、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中においてエラー(復帰可能エラー)を検知した場合は、再回転処理の終了後にエラー報知を行う。このときに検知するエラーとしては、メダル滞留エラー、メダル逆流エラー、メダル通過時間エラー、ホッパ滞留エラー、ホッパエンプティエラー、異常検知エラー、ドア開放エラー、ハーネス抜けエラー等の何れかのエラーとなっている。また、エラー報知は、獲得枚数表示器27で表示するエラーコードの他に、液晶で報知する態様や、スピーカSで報知する態様や、上部または両側部演出ランプ、演出用スイッチランプを所定色(例えば、赤や青といった視認性が高く目立つ色)で点灯させる態様などが考えられる。なお、エラー報知はいずれか一のエラー報知だけで行ってもよいし、複数のエラー報知を組み合わせて行ってもよい。
このように、エラー報知を再回転処理が終了した後にすることで、再回転中の報知なのかエラーの報知なのかを遊技者や遊技場関係者に認識させやすくすることが可能となる。なお、再回転中に再回転報知をしている場合は、再回転終了後に再回転報知を終了させ、エラー報知に切り替えるよう構成されている。なお、再回転中はエラー報知は行われないし、エラー報知ではない再回転に関する報知も実行しない。
上述した再回転処理中のエラー態様はこれに限らず、検知するエラーは一部のエラーでもよいし(例えば、ホッパ滞留エラーは検知するが、メダル滞留エラーは検知しない等)、エラーの報知態様として、エラー検知後は獲得枚数表示器27でエラー報知し、再回転処理が終了してリールが停止したときに液晶、又はスピーカSでエラー報知する態様や、エラー検知後に獲得枚数表示器27、液晶、又はスピーカSでエラー報知する態様であってもよい。
続いて、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中においては、ストップスイッチ13のランプの点灯態様が無効態様となっており、ストップスイッチ13が操作されても対応するリールは停止しないようになっている。
電源投入時にリールが回転する状況として、すべり制御中における電源断後の電源復帰以外にも通常のリール回転中における電源断後の電源復帰もある。通常のリール回転中における電源断後の電源復帰では、リールが停止可能であり、ストップスイッチ13のランプの点灯態様が有効態様となっている。このため、電源投入時にリールが回転する場合にストップスイッチ13のランプの点灯態様を確認することでもリール再回転処理中なのか、通常のリール回転中なのかを判別することが可能となる。
また、他の電源投入時にリールが回転する状況として、リールが回転するフリーズ中における電源断後の電源復帰も考えられる。リールが回転するフリーズの種類として、ストップスイッチ13の操作により仮停止制御を行う疑似遊技と、ストップスイッチ13の操作を受け付けてもリールの回転が停止しないリール演出と、がある。
疑似遊技中はストップスイッチ13のランプの点灯態様は有効態様となっており、疑似遊技中における電源断後の電源復帰では、ストップスイッチ13のランプの点灯態様が有効態様となるため、電源投入時にリールが回転する場合にストップスイッチ13のランプの点灯態様を確認することでもリール再回転処理中なのか、通常のリール回転中なのかを判別することが可能となる。
リール演出中はストップスイッチ13のランプの点灯態様は無効態様となっており、リール演出中における電源断後の電源復帰では、ストップスイッチ13のランプの点灯態様が無効態様となるため、電源投入時にリールが回転する場合にストップスイッチ13のランプの点灯態様ではリール演出中なのか再回転処理中なのか判別できないが、この場合は、液晶やエラー表示等の表示装置を確認することで判別可能となっている。なお、リール演出中にストップスイッチのランプの点灯態様は無効態様であっても、他のメイン系スイッチ(主制御手段100で管理するスイッチ)の操作を有効にする場合は、他のメイン系スイッチのランプの点灯態様は有効態様となっているため、他のメイン系スイッチのランプの点灯態様を確認することで、リール演出中なのか再回転処理中なのかを判別することが可能となる。
また、疑似遊技中、又はリール演出中における電源断後の電源復帰では、リールを回転させない態様であってもよく、この場合は、電源復帰でリールが回転しないため、再回転処理中か否かはリールの回転態様で容易に判別可能となる。
続いて、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行された場合は、電源復帰後にインデックスを検知するまで回転させ、再度予定している停止位置まで移動して停止する。なお、インデックスを検知する直前に電源断処理が実行され、電源復帰後の加速中にインデックスを検知しない場合にインデックスを検知できず再度インデックス検知タイミングまで回転させる場合もインデックスを検知するまで回転させるといえる。
このように再回転処理中における電源断後の電源復帰であっても再回転処理を実行できるため、電源断が複数回発生し得る不安定な状況であっても遊技者に対して停止図柄を表示することが可能となる。
ここで、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行されるタイミングとして、再回転処理中にインデックスを検知する前と、再回転処理中にインデックスを検知した後と、が考えられる。
<パターン1>
すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行されるタイミングとして再回転処理中にインデックスを検知する前であった場合は、電源復帰後の2回目の再回転処理でインデックスを検知するまで回転させ、その後予定していた停止位置まで回転させて停止する態様が考えられる。
この場合は、1回目の再回転処理でインデックスを検知しておらず、基準図柄位置が記憶されていないため、2回目の再回転処理で基準図柄位置が記憶されていないことを判断して再度インデックスを検知させるための回転を実行し、予定していた停止位置で停止可能なようにしている。
<パターン2-1>
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行されるタイミングとして再回転処理中にインデックスを検知した後(センサがインデックスを検知していれば良く、センサがインデックスを検知した瞬間のタイミングも含む。以後同じ。)であった場合は、電源復帰後に電源断前に検知したインデックスによる基準図柄位置に基づいて予定していた停止位置まで回転させて停止する態様が考えられる。
この場合は、1回目の再回転処理でインデックスを検知しているため、記憶されている基準図柄位置に基づいて予定していた停止位置に停止できるため、インデックスを検知するまでの時間分、遊技再開までの時間を短縮することが可能となる。
上述した、パターン2-1において、1回目の再回転処理中のインデックスを検知した後から予定している停止位置まで回転してブレーキをかけるまで(4相励磁を出力するまで)の間に電源断処理が実行された場合は、電源断処理が実行されたタイミングが停止受付位置まで回転していなかった場合であっても、停止受付位置まで回転していた場合であっても、電源復帰後にインデックスを再度検知せずに記憶している基準図柄位置に基づいて再回転処理、又は停止制御を実行する。
このように、最初の電源断処理の直前に受け付けた停止受付位置に関わらず、2回目の電源復帰後に同一の再回転処理、又は停止制御を実行できるので、処理が複雑にならずプログラムの高速化が実現できる。
<パターン2-2>
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行されるタイミングとして再回転処理中にインデックスを検知した後であった場合は、電源復帰後に再度インデックスを検知してから予定していた停止位置まで回転させて停止する態様が考えられる。
この場合は、2回目の電源断後から電源復帰までにリールが移動している可能性を考慮して、再度インデックスを検知するまで再回転を行うため、より正確に予定していた停止位置まで回転させることが可能となる。
上述した、パターン2-2において、1回目の再回転処理中のインデックスを検知した後から予定している停止位置まで回転してブレーキをかけるまで(4相励磁を出力するまで)の間に電源断処理が実行された場合は、電源断処理が実行されたタイミングが停止受付位置まで回転していなかった場合であっても、停止受付位置まで回転していた場合であっても、電源復帰後にインデックスを再度検知するための再回転処理を実行して予定していた停止位置まで図柄を移動させて停止させる。
このように、最初の電源断処理の直前に受け付けた停止受付位置に関わらず、2回目の電源復帰後に同一の再回転処理、又は停止制御を実行できるので、処理が複雑にならずプログラムの高速化が実現できる。
<パターン2-3>
また、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行されるタイミングとして再回転処理中にインデックスを検知した後であって停止受付位置まで回転していなかった場合は、電源復帰後にインデックスを再度検知せずに記憶している基準図柄位置に基づいて再回転処理、又は停止制御を実行し、すべり制御中に電源断処理が実行され、電源復帰後の再回転処理中において再度電源断処理が実行されるタイミングとして再回転処理中にインデックスを検知した後であって停止受付位置まで回転していた場合は、電源復帰後にインデックスを再度検知するための再回転処理を実行して予定していた停止位置まで図柄を移動させて停止させる態様が考えられる。
このように、最初の電源断処理の直前に受け付けた停止受付位置を基準電源復帰後の制御をきめ細かく制御できるため、電源断処理が実行された状況に応じた適切な処理が実行可能となる。
<前提とするスロットマシンPS1の演出用スイッチを用いた演出態様の制御>
演出用スイッチを用いた演出(プッシュボタン演出とも称する場合がある)として図12を用いて説明する。図12はスタートスイッチ12の操作から左ストップスイッチ13aの操作、中ストップスイッチ13bの操作、右ストップスイッチ13cの操作を経て演出用スイッチを操作させる旨の演出を行い、演出用スイッチが操作されて演出が実行される過程を示している。また、図12中の「PUSH」と表示されている箇所は演出用スイッチを表している(ただし、図12の中下の図の上側にある「PUSH」表示は液晶上の表示としている)。
図12の左上の図では、遊技を開始するためのスタートスイッチ12が操作されたこと(より具体的には、主制御手段100からスタートスイッチ受付コマンドの受信、又は回胴回転開始コマンドの受信)に基づいて実行された「じゃんけんに勝て!!」という演出が液晶に表示されている。このときはまだ演出用スイッチの操作は無効であるため、演出用スイッチは消灯している。
続いて図12の中上の図では、左リールを停止させるための左ストップスイッチ13aが操作されたこと(より具体的には、主制御手段100から左ストップスイッチ受付コマンドの受信)に基づいて実行された「じゃ~ん!」という演出が液晶に表示されている。このときはまだ演出用スイッチの操作は無効であるため、演出用スイッチは消灯している。
続いて図12の右上の図では、中リールを停止させるための中ストップスイッチ13bが操作されたこと(より具体的には、主制御手段100から中ストップスイッチ受付コマンドの受信)に基づいて実行された「け~ん!」という演出が液晶に表示されている。このときはまだ演出用スイッチの操作は無効であるため、演出用スイッチは消灯している。
続いて図12の左下の図では、右リールを停止させるための右ストップスイッチ13cが操作されたこと(より具体的には、主制御手段100から右ストップスイッチ受付コマンドの受信)に基づいて実行された「ぽん!」という演出が液晶に表示されている。このときはまだ演出用スイッチの操作は無効であるため、演出用スイッチは消灯している。
続いて図12の中下の図では、全てのリールが停止されたこと(より具体的には、主制御手段100から全回胴停止コマンドの受信)に基づいて実行された演出用スイッチを模したスイッチの画像(以下、演出用スイッチ画像、操作促進画像、又は操作促進演出と称す場合がある。)が液晶に表示されている。また、第3停止である右ストップスイッチ13cが操作されたとき表示した「ぽん!」という演出が薄暗く(明度を下げて)表示されている。このときは演出用スイッチの操作は有効であるため、演出用スイッチは点灯している。なお、画像を薄暗く表示するときは明度を下げる他にも輝度を下げる態様や、画像に灰色の半透明の表示を重ねる態様であってもよい。いずれにしても画像を薄暗く表示する場合は視認性が下がると表現することも可能である。
続いて図12の右下の図では、演出用スイッチが操作されたこと(より具体的には、演出用スイッチに関する入力信号が入力ポートに入力)に基づいて実行された「勝利!」という画像(以下、操作応答画像、又は操作応答演出と称す場合がある。)が液晶に表示されている。このときは演出用スイッチの操作は無効であるため、演出用スイッチは消灯している。
図12の中下の図のように、演出用スイッチの操作を促す演出として、演出用スイッチ画像を液晶に表示する場合、実際の演出用スイッチの大きさよりも演出用スイッチ画像の方が大きくなるようにする。このように表示することで、遊技者が注視する液晶表示に演出用スイッチを効果的に表示でき、遊技者に演出用スイッチの操作を直感的に促すことが可能となる。
また、演出用スイッチ画像では演出用スイッチの点灯態様を表した画像表現(以下、点灯態様画像と称する場合がある。)も行う。演出用スイッチが有効な場合は演出用スイッチランプが点灯しており(点滅しない)、点灯態様画像の表現としては所定周期で点灯と消灯を繰り返す点滅態様で表現されている。このような構成によれば、演出用スイッチ画像が明るくなったり暗くなったりを繰り返すので、演出用スイッチ画像を目立たせ、ひいては演出用スイッチの操作を効果的に促すことが可能となる。
また、演出用スイッチが有効な場合は演出用スイッチランプが特定周期で点灯と消灯を繰り返す点滅態様で点灯されており、点灯態様画像の表現としては所定周期で点灯と消灯を繰り返す点滅態様で表現されている態様であってもよい。この場合、演出用スイッチランプの特定周期よりも点灯態様画像の所定周期の方が短くなるようにすることで点灯態様画像を目立たせることが可能となる。なお、この場合、演出用スイッチランプが消灯しているタイミングであっても演出用スイッチの操作(押下)が有効であるようにしており、このタイミングで演出用スイッチが操作されたことに基づいて、薄暗く「ぽん!」と表示された状態(図12の中下の図の状態)から、「勝利!」と表示された状態(図12の右下の図の状態)に切り替わるというように、演出の切り替えが行われるようになっている。
また、エコモード(エコモードに設定されている場合は、エコモードに設定されていない場合よりも、上部または両側部演出ランプの明るさを下げたり又は消灯させたり、下部パネルの明るさを下げたり又は消灯させたり、また、液晶表示の明るさを下げたり又は消灯させたりする)を搭載した場合であっても、エコモード中にプッシュボタン演出を実行する際に演出用スイッチを点灯させる場合の演出用スイッチの明るさと、エコモードでないときにプッシュボタン演出を実行する際に演出用スイッチを点灯させる場合の演出用スイッチの明るさとが同等になるようにしている。これにより、演出用スイッチの操作(押下)を遊技者に効果的に促すことが可能となる。
なお、エラー報知を、上部または両側部演出ランプや演出用スイッチランプを所定色(赤や青等の視認性が高く目立つ色)で点灯又は点滅させる態様で行う場合においても、エコモード中とエコモードでないときとで上部または両側部演出ランプや演出用スイッチランプの明るさが同等となるようにするとよい。
また、点灯態様画像として、消灯を示す画像表示をする際は、演出用スイッチ画像の明度を低くして表示するが、黒色となるまでは明度を下げずに少し点灯しているような表現にする。一方演出用スイッチランプが消灯するときは、点灯していない。このように演出用スイッチランプと点灯態様画像の消灯態様の表現を異ならせることで、点灯態様画像を目立たせることが可能となる。また、演出用スイッチの周囲よりも演出用スイッチ画像の周囲の方が明るいため、演出用スイッチの画像の点灯態様画像の明度を黒になるまで下げないことにより、周囲との明るさの差を小さくしている。このように構成することで演出用スイッチ画像を目立たせつつ遊技中の疲労を軽減させることが可能となる。
また、図12の中下の図のように演出用スイッチ画像を直前の画像の前に表示する場合、直前の画像の明度を下げているが、演出用スイッチ画像の点灯態様画像の一番低い明度よりも直前の画像の方が明度が低くなるようにしている。このように構成することで、演出用スイッチ画像の明度が最も低い状態でも周囲の画像よりも明度が高いため演出用スイッチ画像を目立たせることが可能となる。
図12の中下の図について図13を用いてさらに説明する。演出用スイッチ画像は演出用スイッチが操作されるまでは時間経過によって変化するものとなっている。変化態様として、演出用スイッチの初期位置と押下位置の進退を表す演出を演出用スイッチ画像を用いて表現している。
図13の最も左の図は、演出用スイッチ画像が初期位置であることを表しており、左から2番目の図は演出用スイッチ画像が押下位置であることを表しており、左から3番目の図は演出用スイッチ画像が初期位置であることを表しており、左から4番目の図は演出用スイッチ画像が押下位置であることを表している。このように、演出用スイッチ画像が初期位置にある状態と押下位置にある状態とを繰り返して示すように構成することで、演出用スイッチの押下を遊技者に効果的に促すことが可能となる。
演出用スイッチ画像の初期位置と押下位置は一定周期で変化しており、点灯態様画像の点灯と消灯を表す所定周期よりも演出用スイッチ画像の初期位置と押下位置を表す周期の方が長くなるように構成されている。このように構成することで、演出用スイッチ画像を目立たせることが可能となり、且つ演出用スイッチを連打させることを想起させないことが可能となる。現在市場にある遊技機において演出用スイッチを連打させることで連続的に演出を変化させるものが多くあり、演出用スイッチ画像の変化態様を早く変化させすぎると連打演出と勘違いしてしまう虞があり、遊技の興趣を低下させてしまう可能性がある。このため、点灯態様の周期よりも初期位置と押下位置とに変化する周期を長くすることで、演出用スイッチを押下させることを意識させつつ、連打ではないことを直感的に表現することが可能となる。
また、演出用スイッチを連打させる演出が表示されている状況では、点灯態様の周期よりも初期位置と押下位置とに変化する周期を短くすることで、遊技者に対して演出用スイッチを連打させることを直感的に表現することが可能となる。なお、これに限らず、演出用スイッチ画像の位置は変化しないが点灯態様画像の切り替え周期を演出用スイッチが1回操作されると終了するときの周期よりも短くすることで連打を意味する演出態様であってもよい。
また、演出用スイッチ画像を初期位置と押下位置とに一定周期で変化させない態様であってもよい。この場合は、液晶の表示領域を小さくできるので、代わりに「PUSHボタンを押せ」などの演出用スイッチを押下させる旨の文字を表示することが可能となる。
液晶に演出用スイッチを操作させるための演出用スイッチ画像が表示されているときに演出用スイッチが操作されると、エフェクトを伴わずに演出用スイッチ画像が消去されるよう構成されている。換言すると演出用スイッチ画像が表示されているときに演出用スイッチが操作されると、演出用スイッチ画像はすぐに消去され演出用スイッチの押下に基づいた演出をすぐに実行するようになっている。このときは演出用スイッチの操作を受け付けた直後の描画処理で演出用スイッチ画像を消去するように構成してもよいし、演出用スイッチの操作を受け付けた直後から所定期間後に実行する描画処理で演出用スイッチ画像を消去するように構成してもよい。
このように構成することで、演出用スイッチが押下されてどのような結果となったかに対して遊技者に興味を抱かせることが可能となり、演出用スイッチが押下されたか否かの情報を目立たなくさせることが可能となる。
また、液晶に演出用スイッチを操作させるための演出用スイッチ画像を表示しているときに、フロントパネルPS2が開放した場合であっても、演出用スイッチ画像の表示を継続し、演出用スイッチが操作されると、エフェクトを伴わずに演出用スイッチ画像が消去され演出用スイッチの押下に基づいた演出をすぐに実行するよう構成されている。このときは上述した通り、演出用スイッチの操作を受け付けた直後の描画処理で演出用スイッチ画像を消去するように構成してもよいし、演出用スイッチの操作を受け付けた直後から所定期間後に実行する描画処理で演出用スイッチ画像を消去するように構成してもよい。
このようにフロントパネルPS2の開閉状態にかかわらず演出用スイッチの押下に基づいた演出を実行することで、意図せずフロントパネルPS2が開放してしまった場合でも遊技の進行を阻害しないようにすることが可能となる。
なお、フロントパネルPS2が開放している状況で、液晶に演出用スイッチを操作させるための演出用スイッチ画像を表示する場合における演出用スイッチの点灯態様は、フロントパネルPS2が閉鎖している状況で、液晶に演出用スイッチを操作させるための演出用スイッチ画像を表示する場合における演出用スイッチの点灯態様とは異なるよう構成されている。例えば、フロントパネルPS2が閉鎖状態では点灯させる一方で開放状態では点滅又は消灯させたり、開放状態よりも閉鎖状態の方が点滅周期を早くしたり、また、開放状態と閉鎖状態とで点灯色を異なるせることが挙げられる。また、フロントパネルPS2が開放している状況では、図17に示す通り、演出用スイッチ画像の少なくとも一部と重なる位置にフロントパネルPS2が開放していることを示す画像を表示してもよい(なお、演出用スイッチ画像およびフロントパネルPS2が開放していることを示す画像のそれぞれの視認性を向上させるために、これらの画像が互いに重ならないような位置に、フロントパネルPS2が開放していることを示す画像を表示するようにしてもよい)。さらにまた、フロントパネルPS2が開放している状況では、フロントパネルPS2が開放していることを示す音声(例えば「扉が開いています」)を出力してもよく、この場合には、演出用スイッチ画像の表示に伴う演出音や演出用スイッチの押下に基づいた演出に伴う演出音を出力しないようにしてもよい。これにより、フロントパネルPS2が開放していることを正確に報知することができる。一方、フロントパネルPS2が開放していることを示す音声を出力している状況でも、演出用スイッチ画像の表示に伴う演出音や演出用スイッチの押下に基づいた演出に伴う演出音を出力してもよい。これにより、フロントパネルPS2が開放していることを正確に報知しながらも遊技の進行を阻害しないことができる。
また、液晶に演出用スイッチを操作させるための演出用スイッチ画像を表示しているときに、フロントパネルPS2が開放した場合には、演出用スイッチ画像に替えてフロントパネルPS2が開放していることを示す画像を表示し、演出用スイッチの押下を無効にし、その後フロントパネルPS2を閉鎖するとフロントパネルPS2が開放していることを示す画像を消去し、演出用スイッチ画像を再度表示してもよい。なお、演出用スイッチ画像に重ねてフロントパネルPS2が開放していることを示す画像を表示することで演出用スイッチ画像を視認不可にし、その後フロントパネルPS2を閉鎖するとフロントパネルPS2が開放していることを示す画像を消去し、演出用スイッチ画像を再度視認できるようにしてもよい。この場合にも上述したようにフロントパネルPS2の開放の前後で演出用スイッチの点灯態様を異ならせることで、フロントパネルPS2が開放していることを正確に報知することができる。
また、演出用スイッチが操作されると遊技者に特典を付与することを意味する演出(成功演出)を実行する場合は、エフェクトを伴わずに演出用スイッチ画像が消去されるが、演出用スイッチが操作されると遊技者に特典を付与しないことを意味する演出(失敗演出)を実行する場合は、エフェクトを伴って演出用スイッチ画像が消去される態様であってもよい。なお、失敗演出となる場合のエフェクトとは演出用スイッチ画像が爆発する態様や演出用スイッチ画像の明度が最も暗い状態で維持される態様(周期で明度が変化しない態様)などが考えられる。
このように構成することで、演出用スイッチを操作した結果失敗演出が表示されたことを遊技者に示唆することが可能となり、遊技者への納得感を醸成し、次遊技以降の興趣を低下させないようにすることが可能となる。
また、全回胴(全リール)停止時に演出用スイッチ画像を表示する場合は、次遊技のスタートスイッチ12が操作されると演出用スイッチが操作されたときに表示する画像ではなく、スタートスイッチ12の操作に基づいた画像を表示する。さらに、スタートスイッチ12の操作に基づいた画像を表示する際は、演出用スイッチ画像は消去される。このときの演出用スイッチ画像の消去態様としてはエフェクトを伴わずに消去される。
このように構成することで、スタートスイッチ12の操作に基づいて実行された演出を邪魔することがなく、遊技者の操作に対して適切な演出を実行することが可能となる。演出用スイッチ画像をスタートスイッチ12の操作でスキップする遊技者は、事前に期待度の低い状態を把握しているか、演出用スイッチを用いた演出自体に興味がない可能性が高く、エフェクトを伴わずに消去させることで遊技の興趣が低下してしまうことを防ぐことが可能となる。
また、演出用スイッチ画像が表示されている状況で演出用スイッチが操作されて成功演出が表示されるときの演出用スイッチの操作受け付けから演出用スイッチ画像が消去されるまでの時間と、押し順ナビ画像が表示されている状況で押し順正解に対応するストップスイッチ13が操作されて成功演出が表示されるときのストップスイッチ13の操作受け付けから押し順ナビ画像が消去されるまでの時間と、を比較したときに演出用スイッチ画像が消去されるまでの時間の方を長くしている。
このように構成することで、各種スイッチが操作されたときに実行されるリアクション演出までの時間を変化させることが可能となり、各種スイッチとリアクション演出実行までの時間差で異なった面白みを与えることが可能となる。例えば、押し順を失敗すると利益が直接なくなる押し順ナビ画像は次の情報を即座に表示した方が遊技者の興趣を高めることができ、演出用スイッチは操作から演出まで少しの間を持たせることで、成功演出が表示されるのか失敗演出が表示されるのかを期待させることができる。
演出用スイッチがメニュー画面を表示するためのスイッチを兼ねている場合は、全回胴停止後に一定期間(例えば、T1)が経過すると演出用スイッチランプが点灯するよう構成されている。このときの演出用スイッチランプの点灯態様は、全回胴停止後に演出用スイッチの操作で演出が実行されるときの演出用スイッチランプの点灯態様とは異なる。
このように構成することで、演出用スイッチランプの点灯態様によって演出用スイッチが操作されたときにメニュー画面が表示されるのか、成功又は失敗演出が表示されるのかを示唆することが可能となる。
また、全回胴停止後に図12の中下の図のように演出用スイッチ画像を表示する場合は、全回胴停止後にメニュー画面が表示可能となるT1が経過しても演出用スイッチランプの点灯態様はメニュー画面を表示するときの点灯態様とはならずに、演出用スイッチ画像に対応した点灯態様となっている。そして、全回胴停止後からT1経過後に演出用スイッチの操作を受け付けると演出用スイッチ画像は消去され、成功又は失敗演出を実行し、演出用スイッチランプは消灯を維持する状態になる。そして、演出用スイッチの操作を受け付けてからT1が経過したときも演出用スイッチランプは消灯を維持しており、演出用スイッチが操作されてもメニュー画面は表示されない。さらに全回胴停止後からデモ画面が表示されるためのT2が経過した場合においても、デモ画面は表示されず音量が低下し、演出用スイッチランプは消灯を維持している。この場合は、精算スイッチの操作受け付けにより精算処理が実行されるか、次遊技の終了後(演出用スイッチ画像が表示されない遊技の終了後)まで遊技が実行されるかによって全回胴停止後からT1経過でメニュー画面が表示可能となり、また全回胴停止後からT2経過でデモ画面が表示されるようになる。
このように構成することで、演出用スイッチ画像が表示されている遊技では演出用スイッチが操作されることにより、メニュー画面が表示されるのか成功又は失敗演出が表示されるのかを遊技者が悩む必要がなくなり遊技に対する興趣の低下を防ぐことが可能となる。なお、精算処理が実行されてもメニュー画面が表示可能とならないように構成されていてもよく、この場合は当該遊技では失敗演出が表示されたが次遊技に成功演出が表示される所謂復活演出が実行されるか否かまで期待感を維持させることが可能となる。
また、演出用スイッチランプがメニュー画面を表示可能な点灯態様で点灯しているときは、液晶に演出用スイッチ画像が表示されていない。換言するとメニュー画面が表示されるか否かは演出用スイッチランプの点灯態様でのみ確認可能となっている。
このように構成することで、遊技の進行とは直接関係のないメニュー画面表示可能状態の報知を演出用スイッチランプの点灯態様のみで実行できるため、仮に液晶に演出用スイッチ画像が表示される場合と比べて、演出用スイッチの操作に期待感を持たせてしまう可能性を低くすることが可能となり、また遊技者が期待感をもって演出用スイッチを操作したにも関わらずメニュー画面が表示されてしまうことで遊技の興趣を低下させることを防ぐことが可能となる。
なお、遊技が進行していないということを遊技者が容易に認識できるデモ画面においてはプッシュボタン演出で表示される演出用スイッチ画像とは異なる位置、及び小さいサイズで演出用スイッチ画像を表示してもよい。この場合は、遊技者がプッシュボタン演出と混同する可能性は低く、さらに遊技者にメニュー画面の表示を効果的に表示することが可能となる。これは、メニュー画面を表示するタイミングとしては遊技を開始する際に表示するタイミングが最も多く当該タイミングにおいては、遊技されていない状況であることからデモ画面を表示している可能性が高いということに基づくものである。
なお、演出用スイッチ画像の表示位置として、プッシュボタン演出中は液晶の中央に演出用スイッチ画像を表示し、デモ画面中は液晶の端(例えば、図18に示す通り、液晶下部や液晶の左下等の目立ちにくい位置)に表示している。また、上述した通り、デモ画面中の演出用スイッチ画像は、プッシュボタン演出中の演出用スイッチ画像よりも小さいサイズで表示している。換言すれば、デモ画面中の演出用スイッチ画像と、プッシュボタン演出中の演出用画像とは、その表示領域および大きさの少なくとも一方が異なるようにしているともいえる。さらに、プッシュボタン演出中の演出用スイッチ画像とデモ画面中の演出用スイッチ画像とは、表示態様を異ならせるとよい(例えば、プッシュ演出中の演出用スイッチ画像は所定周期で点灯と消灯を繰り返す点滅態様で表示し、デモ画面中の演出用スイッチ画像は点灯態様で表示する等)。これにより、演出の一環として演出用スイッチを押させたい状況と、演出用スイッチを押してもよい状況とを遊技者が直感的に区別することが可能となる。
なお、デモ画面中の演出用スイッチ画像は、図19に示す通り、「PUSHでメニュー表示」のようなテロップを流すような態様であってもよい。
プッシュボタン演出が実行されるタイミングは、全回胴停止後としたがスタートスイッチ12の受付後でもよい。スタートスイッチ12の受付後に演出用スイッチ画像が表示される場合は、第1停止操作(何れかのストップスイッチ13の操作)によって演出用スイッチ画像を消去してもよいし、全回胴停止後も演出用スイッチ画像の表示を維持してもよい。全回胴停止後に演出用スイッチ画像の表示を維持している場合は演出用スイッチの操作の有効期間も維持しており、演出用スイッチが操作されると成功又は失敗演出が実行される。なお、デモ画面に移行するための時間が経過したこと、精算処理が実行されること、ベット処理が実行されること、次遊技が開始したことの何れかによって演出用スイッチが操作されていなくても演出用スイッチ画像は消去される。
また、演出用スイッチが操作されたことにより操作応答演出が実行されるか否かは、主制御手段100からの所定のコマンドの受信に基づいて所定のタイマ値をカウンタにセットし、タイマ割込み処理等によって所定間隔でカウンタの値をデクリメントしていき、カウンタの値が0となった場合に演出用スイッチの操作を有効にしている(演出用スイッチが操作されたことにより操作応答演出が実行される)。このときに演出用スイッチ画像も所定のコマンドの受信から所定のタイマ値に相当する期間が経過した後に描画処理が実行されるようになっているが、描画処理を実行する画像制御基板と演出制御基板との通信の遅延等で、演出用スイッチ画像が表示される前に演出用スイッチが有効となる場合がある。このように演出用スイッチ画像が表示される前に演出用スイッチが操作されても、応答演出を実行可能なように構成している。
<<表示装置に適用可能な予告等>>
次に、前提とする遊技機に適用可能な予告について説明する。前提とするスロットマシンPS1の表示装置32(前提とするぱちんこ遊技機Pの演出表示装置P80)に表示可能な演出種(予告種別)として、段階的に複数の表示態様を表示可能な第1演出種(例:ステップアップ予告)と、所定のタイミング(例:演出開始時、演出開始から1秒後等)で第1表示態様(例:白セリフ)とは異なる第2表示態様(例:赤セリフ)が表示されることで有利な状態となる可能性を示唆し得る第2演出種(例:セリフ予告)とを備えている点である。ボーナスやATとなる可能性が低い第1演出状態(通常演出状態ともいう)では第1演出種と第2演出種とが少なくとも実行され得るが、ボーナスやATとなる可能性が高い第2演出状態(例:連続演出や前兆演出)では、第1演出種は実行されず、第2演出種は実行され得るよう構成されている。なお、以降に記載する各構成は、阻害要因がない限り適宜組み合わせ可能である。
[第1演出種]
第1演出種には、段階的に複数回の表示が行われる予告が含まれる。例えば、所謂ステップアップ予告等が含まれる。具体的な示唆態様としては、ステップ1(白色)<ステップ2(青色)<ステップ3(黄色)<ステップ4(緑色)<ステップ5(赤色)の順に所定の期待度(例えば、小役当選、前兆突入、AT突入、ボーナス当選等の期待度)を示唆可能となっており、1遊技において、ステップ1(白色)→ステップ2(青色)→ステップ3(黄色)、のように、複数回の表示が可能である予告が含まれる。また、複数の遊技において、ステップ1(白色)→ステップ2(青色)→ステップ3(黄色)、のように、段階的に予告パターンが表示される場合も含まれる。つまり、第1演出種の予告は段階的に表示されるため、最終的に表示され得る表示態様を遊技者が認識し得るまでに要する時間が比較的長くなっている。
[第2演出種]
第2演出種には、1遊技において、予告の表示開始時点から通常態様(第1表示態様)とは異なる変化後態様(第2表示態様)で表示が開始される、又は、1遊技において、第1表示態様から第2表示態様に1回のみ変化が可能である予告が含まれる。また、サブ入力ボタンの操作により可動役物が可動したり何らかの予告画像が表示される予告(所謂ボタン予告)も含まれる。つまり、所謂セリフ予告、所謂タイトル予告、所謂ボタン予告、バトル演出におけるキャラクタ名・技名の表示等が含まれる。具体的な示唆態様としては、白色<緑色<赤色の順に所定の期待度(例えば、小役当選、前兆突入、AT突入、ボーナス当選等の期待度)を示唆可能となっている。より詳細には、予告開始時点でセリフが緑文字や赤文字で表示される(当該遊技で最初から緑文字や赤文字で表示されて変化しない)、バトル演出におけるキャラクタ名・技名が白文字から赤文字に変化する(当該遊技で白文字から赤文字に変化する)等である。つまり、色等の変化がない、あるいは文字の色が変化するだけの第2演出種において最終的に表示され得る表示態様を遊技者が認識し得るまでに要する時間が、予告パターンが段階的に変化する第1演出種と比較して短くなっている。
[第1演出状態]
第1演出状態とは、ボーナスやATの当選の可能性が低い演出状態である。所謂連続演出や所謂前兆に発展していない演出状態(通常演出状態)である。
[第2演出状態]
第2演出状態とは、ボーナスやATの当選の可能性が第1演出状態よりも高い演出状態である。所謂連続演出や前兆が含まれる。
第1演出状態は、ボーナスやATの当選があまり期待できない状態であり、主に連続演出や前兆に移行することを期待している状態である。つまり、表示装置32に表示される予告が淡泊であると遊技者は飽きてしまい遊技を継続しなくなってしまう。そのため、第1演出状態では、連続演出や前兆に移行するために複数段階の表示が必要である。つまり、予告として時間がかかる第1演出種を実行したとしても、遊技者はそれほど煩わしく感じることはない。
他方、第2演出状態では、ボーナスやATの当選が第1演出状態よりも期待できる連続演出や前兆を表示装置32にて見せることが遊技としての主目的であり、連続演出や前兆の表示を遮るような比較的時間のかかる予告はなるべく避けた方がよい。また、ボーナスやATの当選が期待できる第2演出状態で予告が行われると、遊技者はボーナスやATの当選であることが報知されることを強く望む。つまり、第2演出状態において実行され得る予告として、予告の内容(期待度等)を遊技者が把握するまでに比較的要する時間が長い第1演出種は適切ではなく、予告の内容(期待度等)を遊技者が把握するまでに比較的要する時間が短い第2演出種の方が適切である。
(第1演出状態におけるステップアップ予告)
次に、図14を用いて、第1演出状態において実行され得る第1演出種の予告であるステップアップ予告について説明する。なお、以下に時間経過に沿ってt1~t7を説明するが、これらは図14におけるt1~t7であり、他の図面における同記号とは独立していることを補足しておく。
まず、t1においてスタートレバー12(以後、単に「スタートレバー」と称することもある。)の操作がされる。次に、t2においてステップアップ1(キャラクタA)の表示が開始される。遊技者はこのタイミングでステップアップ予告の表示が開始されたことを把握することが可能である。しかし、この後にチャンスアップするか否か、つまり、ステップアップ2以降が表示されるか否かを把握することはできない。
次に、t3においてステップアップ2(キャラクタB)の表示が開始される。このタイミングで遊技者はステップアップ予告がチャンスアップしたことを把握することができる。しかし、未だ最終的にいずれの段階までチャンスアップするかを把握することはできない。
次に、t4においてステップアップ3(キャラクタC)の表示が開始される。ここでも未だ最終的にいずれの段階までチャンスアップするかを把握することはできない。
次に、t5においてステップアップ3でステップアップ予告が終了する。ここで遊技者は当該ステップアップ予告の最終的な表示態様を把握することができる。
その後、t6において第1停止ボタンの操作、t7において第2停止ボタンの操作、t8において第3停止ボタンの操作が行われ、t9において遊技が終了する。
このように、第1演出状態における第1演出種であるステップアップ予告では、当該ステップアップ予告における最終的な表示態様を把握するまでにt2からt5までの期間を要する。また、第1停止ボタンの操作前にチャンスアップした表示態様にて表示する期間が終了するように構成されている。
なお、レバーオンによる遊技の開始からステップアップ予告が開始されるまでの期間(図14におけるt1からt2までの期間T1、約1秒)は、ステップアップ予告が1段階チャンスアップするために要する期間(図14におけるt2からt3までの期間T2)、約0.5秒)よりも長くなっていてもよいし、レバーオンによる遊技の開始からステップアップ予告が開始されるまでの期間(上記期間T1、約1秒)は、ステップアップ予告が1段階チャンスアップするために要する期間(上記期間T2、約1.2秒)よりも短くなっていてもよい。なお、図14においては、後者の例を模式的に示している。
(第1演出状態におけるセリフ予告)
次に、図15を用いて、第1演出状態において実行され得る第2演出種の予告であるセリフ予告について説明する。なお、以下に時間経過に沿ってt1~t8を説明するが、これらは図15におけるt1~t8であり、他の図面における同記号とは独立していることを補足しておく。
まず、t1においてスタートレバーの操作がされる。次に、t2においてセリフ予告が緑色の「チャンスだよ」の文字で開始される。遊技者はこのタイミングから当該セリフ予告がチャンスアップの表示態様であること及び当該セリフ予告の最終的な表示態様を把握することが可能である。実際にチャンスアップの表示態様であることを把握するには多少の期間を要するため、セリフ予告においては、図15におけるt2からt3の期間T2が最終的な表示態様を把握するまでに要する期間といえる。
その後、t4において第1停止ボタンの操作、t5において第2停止ボタンの操作、t6において第3停止ボタンの操作が行われ、t7において遊技が終了する。
次に、t8において次ゲームのベット操作が行われると、セリフ予告の表示が終了する。
このように、第1演出状態における第2演出種であるセリフ予告では、当該セリフ予告における最終的な表示態様を把握するまでに図15におけるt2からt3までの期間T2を要する。また、第3停止ボタンが操作されて遊技終了となった時点で、当該遊技のチャンスアップを示唆する意味はなくなるが、次ゲームのベット操作が行われるまでチャンスアップした表示態様の表示が継続するように構成されている。これにより、前遊技の演出等を初期化する処理が行われるベット処理にて前遊技のチャンスアップを終了させることができ、第3停止後の遊技終了処理でチャンスアップを消去する処理を行わずに済むため、制御処理の負担の軽減を図ることができる。
なお、セリフ予告において、例えば、t2にて白色の「チャンスだよ」の文字(第1表示態様)で開始された後、t3からt8の前までのいずれかのタイミングにて赤色の「チャンスだよ」の文字(第2表示態様)に変化するようにしてもよい(当該遊技で第1表示態様から第2表示態様に変化するようにしてもよい)。この場合、レバーオンからセリフ予告が開始されるまでの期間(図15におけるt1からt2までの期間T3)は、セリフ予告が第1表示態様から第2表示態様に変化する場合の変化するために要する期間(図15におけるt3からt4乃至t8の前までのいずれかまでの期間TA)よりも短くなっている。
(ある第2演出状態におけるセリフ予告)
次に、図16を用いて、ある連続演出(ある第2演出状態)において実行され得る第2演出種の予告であるセリフ予告について説明する。なお、以下に時間経過に沿ってt1~t14を説明するが、これらは図16におけるt1~t14であり、他の図面における同記号とは独立していることを補足しておく。
まず、t1においてスタートレバーの操作がされ、連続演出の1ゲーム目が開始される。次に、t2においてセリフ予告が緑色の「アツイ」の文字で開始される。遊技者はこのタイミングから当該セリフ予告がチャンスアップの表示態様であること及び当該セリフ予告の最終的な表示態様を把握することが可能である。実際にチャンスアップの表示態様であることを把握するには多少の期間を要するため、第2演出状態におけるセリフ予告においては、図16におけるt2からt3の期間T2が最終的な表示態様を把握するまでに要する期間といえる。
その後、t4において第1停止ボタンの操作、t5において第2停止ボタンの操作、t6において第3停止ボタンの操作が行われ、t7において遊技が終了(つまり、払出処理が完了し、次遊技を開始可能な状態)する。
次に、t8において次ゲーム(連続演出の2ゲーム目)のベット操作が行われると、セリフ予告の表示が終了する。
このように、第2演出状態における第2演出種であるセリフ予告では、当該セリフ予告における最終的な表示態様を把握するまでにt2からt3までの期間を要する。また、第3停止ボタンが操作されて遊技終了となった時点で、当該遊技のチャンスアップを示唆する意味はなくなるが、次ゲームのベット操作が行われるまでチャンスアップした表示態様の表示が継続するように構成されている。これにより、前遊技の演出等を初期化する処理が行われるベット処理にて前遊技のチャンスアップを終了させることができ、第3停止後の遊技終了処理でチャンスアップを消去する処理を行わずに済むため、制御処理の負担の軽減を図ることができる。
連続演出の第2ゲーム目では、スタートレバーの操作後にセリフ予告が表示されていない。
次に、t9において第1停止ボタンの操作、t10において第2停止ボタンの操作、t11において第3停止ボタンの操作が行われ、t12においてセリフ予告が緑色の「アツイ」の文字で開始される。
次に、t13で遊技が終了する。次に、t14において次ゲームのベット操作が行われると、セリフ予告の表示が終了する。
このように、連続演出の1ゲーム目と2ゲーム目とで、第2演出種の表示タイミングを異ならせるようにしているが、同じタイミングで表示するようにしてもよい。
次に、前提とする遊技機に適用可能な構成を列挙する。以下に列挙する各構成はそれぞれ、あくまでも一例であり、以下に列挙する構成に限定されるものではない。また、以下に列挙する各構成については、互いに組み合わせることに矛盾が生じない限り、適宜組み合わせることが可能であることを付言しておく。
(構成1)
第1演出状態では、第1演出種及び第2演出種の双方が実行され得るよう構成し、ある第2演出状態では、第1演出種は実行されず、第2演出種は実行され得るよう構成する。
このように構成することで、連続演出時は、瞬間的にチャンスアップを判断可能な予告のみを発生させることで、遊技者は連続演出に集中することができる演出状態にあった適切な予告を実行することができる。
また、ある第2演出状態において実行され得る予告は、複数種類であってもよいし、1種類のみであってもよい。
例えば、ある連続演出においては、タイトル予告とセリフ予告とが実行され得るように構成してもよい。
第2演出種が複数種類実行され得るとしても、それぞれが短時間で予告の内容を遊技者が把握できるものであるため、煩わしさを感じることはない。例えば、ある連続演出(バトル演出)の開始時にキャラクタ名が表示され(色による期待度示唆あり)、ある連続演出の途中にセリフ予告が実行される場合などである。
また、ある連続演出では特定の予告(例えば、ある1種類の予告)のみが発生し得るようにすることで、連続演出と発生する予告とが明確になり、遊技者は連続演出と予告との双方に注目したとしても、ボーナスやAT当選を示す態様を容易に把握することもできる。
(構成1-1)
さらに、ある第2演出状態において実行され得る第2予告には複数種類あり、
1度の第2演出状態において複数種類の第2予告が実行され得るよう構成されており、
1回の遊技回で実行され得る第2予告は1種類のみである。
具体的には、1回の連続演出において、複数種類の第2予告(例:セリフ予告、タイトル予告)が実行され得るよう構成されており、さらに、1回の遊技回では、1種類の第2予告(例えば、1遊技目はタイトル予告、2遊技目はセリフ予告)が実行され得るよう構成されている。
このように、ある連続演出中(ある第2演出状態)には、1遊技回には1種類の予告のみしか実行されないため、予告表示が複雑になり、期待度が把握しづらい状況を防止することができる。
(構成1-2)
さらに、ある第2演出状態において実行され得る予告が複数種類である場合には、遊技者によるサブボタン操作を要しない予告と遊技者によるボタン操作を要するボタン予告とを備えるように構成してもよい。なお、第2演出状態は第1演出状態よりもボーナスやAT当選が近い状態(期待できる状態)であるため、遊技者がサブボタンを操作する意欲も高い。そのため、第2演出状態では、サブボタンの操作を要しないある予告よりもサブボタンの操作を要するボタン予告の方が発生する割合を高くすることもできる。
(構成1-3)
全ての第2演出状態で第1演出種が実行されず、第2演出種のみが実行され得るよう構成してもよい。
このように構成することで、全ての第2演出状態において予告の内容が短時間で把握可能な第2演出しか実行されないので、全体として第2演出状態に実行される予告に煩わしさを感じることがない。
上述した第2演出種としてセリフ予告を備える場合、第2演出状態が味方キャラクタと敵キャラクタとが対決するバトル連続演出である場合におけるセリフ予告は、以下のように構成することができる。
1.味方キャラクタのセリフのみが第2表示態様となり得る
この場合、味方キャラのセリフにのみ注目すればよいためチャンスアップを把握しやすい。
2.敵キャラクタのセリフのみが第2表示態様となり得る
この場合、敵キャラのセリフにのみ注目すればよいためチャンスアップを把握しやすい。
3.味方キャラクタと敵キャラクタの両方のセリフが第2表示態様となり得る
この場合、チャンスアップが表示されるタイミングが多くなるため、遊技者に対してより期待感をもたらすことができる。
(構成2)
第1演出状態において実行され得る第1演出種の1の予告と、第2演出状態において実行され得る第2演出種の1の予告とにおいて用いられるキャラクタ数が異なるよう構成されている。
例えば、第1演出状態における第1演出種の1の予告はステップアップ予告であり、第2演出状態において実行され得る第2演出種の1の予告はセリフ予告である場合において、それぞれに用いられるキャラクタ数が異なるように構成される。
図14に示す、第1演出状態における第1演出種の1の予告であるステップアップ予告では、キャラクタA(ステップ1)、キャラクタB(ステップ2)、キャラクタC(ステップ3)、キャラクタD(ステップ4)、キャラクタ(ステップ5)の5種類のキャラクタが用いられる。
図15に示す、ある第2演出状態(例:バトル連続演出)における第2演出種の1の予告であるセリフ予告では、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタFの3種類のキャラクタが用いられ得る。
このように、第1演出状態における第1演出の1の予告では、キャラクタ数を多くすることにより、遊技者が飽きないように予告バリエーションを多くし、ある第2演出状態における第2演出の1の予告では、ある第2演出状態(例:実行されているバトル連続演出)に関係するキャラクタのみにして、遊技者が第2演出状態の流れを把握しやすいようにしている。
また、第1演出状態は遊技していて多くの時間滞在する状態であるため、第1演出状態における第1演出の1の予告であるステップアップ予告の発生頻度は、ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告よりも高い。したがって、発生頻度の高い予告ほど用いるキャラクタ数を多くして予告バリエーションを豊富にしている。
なお、キャラクタ数は、
第1演出状態における第1演出の1の予告であるステップアップ予告<ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告、であってもよく、また、
第1演出状態における第1演出の1の予告であるステップアップ予告=ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告、であってもよい。
(構成3)
第1演出状態において実行され得る第2演出種の1の予告と、第2演出状態において実行され得る第2演出種の1の予告とにおいて用いられるキャラクタ数が異なるよう構成されている。
例えば、第1演出状態における第2演出種の1の予告はセリフ予告であり、第2演出状態において実行され得る第2演出種の1の予告もセリフ予告である場合において、それぞれに用いられるキャラクタ数が異なるように構成される。
図15に示す、第1演出状態における第2演出種の1の予告であるセリフ予告では、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタC、キャラクタD、キャラクタEの5種類のキャラクタが用いられる。
ある第2演出状態(例:バトル連続演出)における第2演出種の1の予告であるセリフ予告では、キャラクタA、キャラクタB、キャラクタFの3種類のキャラクタが用いられる。
このように、第1演出状態における第2演出の1の予告では、キャラクタ数を多くすることにより、遊技者が飽きないように予告バリエーションを多くし、ある第2演出状態における第2演出の1の予告では、ある第2演出状態(例:実行されているバトル連続演出)に関係するキャラクタのみにして、遊技者が第2演出状態の流れを把握しやすいようにしている。
また、第1演出状態は遊技していて多くの時間滞在する状態であるため、第1演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告の発生頻度は、ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告よりも高い。したがって、発生頻度の高い予告ほど用いるキャラクタ数を多くして予告バリエーションを豊富にしている。
なお、キャラクタ数は、
第1演出状態における第1演出の1の予告であるセリフ予告<ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告、であってもよくまた、
第1演出状態における第1演出の1の予告であるセリフ予告=ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告、であってもよい。
また、第1演出状態における第1演出の1の予告であるステップアップ予告、第1演出状態における第1演出の1の予告であるセリフ予告、ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告、で用いられるキャラクタの数を以下のような対応関係としてもよい。
1.第1演出状態における第1演出の1の予告であるステップアップ予告>第1演出状態における第1演出の1の予告であるセリフ予告>ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告
2.第1演出状態における第1演出の1の予告であるセリフ予告>第1演出状態における第1演出の1の予告であるステップアップ予告>ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告
上記のいずれの場合であっても、予告の発生頻度の高い方がキャラクタ数を多く備える構成となっている。
(構成4)
第1演出状態において実行され得る第1演出種のうちの1の予告に用いられるキャラクタと、ある第2演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告に用いられるキャラクタとに、同一キャラクタが用いられる構成である。
第1演出状態における第1演出の1の予告であるセリフ予告と、ある第2演出状態における第2演出の1の予告であるセリフ予告とに共通で用いられるキャラクタは、主要キャラクタである。
このように、開発者はストーリーを把握しやすくするために主要キャラクタを多く表示するよう設計し、遊技者はキャラクタの表示頻度により主要キャラクタや主要キャラクタの関連性を把握しやすくなる。
そのため、主要キャラクタは、表示時間が長い(例えば、連続演出が継続しやすい)、表示頻度が多い、期待度が高い、キャラクタとなる。
しかし、表示頻度が多いことと期待度が高いこととは相反する構成であるため、例えば、予告頻度の高い第1演出状態のステップアップ予告やセリフ予告では、主要キャラクタの頻度が高くなるようにステップ1等に設定する構成とし、第2演出状態では、期待度の高いキャラクタとして用いる構成とするのが適切である。
その他のキャラクタとして、主要キャラクタではあるがレアキャラクタであり、表示時間が短い、表示頻度が少ない、期待度が高い、といったキャラクタを設けることもできる。例えば、第1演出状態におけるセリフ予告や、第2演出状態におけるセリフ予告で当該キャラクタが表示されることで、ボーナスやAT当選の期待度が高いことが示唆される。
このように構成することで、主要キャラクタが表示される機会を多くすることができ、さらに、キャラクタ毎の期待度を遊技者が把握しやすくなる。
なお、第1演出状態において実行され得る第1演出種のうちの1の予告に用いられるキャラクタと、ある第2演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告に用いられるキャラクタとに共通に用いられるキャラクタは、主要キャラクタでなくてもよい。例えば、主要キャラクタでないレアキャラクタ(期待度高)であってもよい。
(構成5)
第1演出状態において実行され得る第1演出種のうちの1の予告(例:ステップアップ予告)においてキャラクタの音声が出力され得るよう構成され、
第1演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告(例:セリフ予告)においてもキャラクタの音声が出力され得るよう構成されている。
(構成5-1)
他方、
第2演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告(例:セリフ予告)においては、キャラクタの音声が出力されないよう構成されている。
このように構成することで、第1演出状態においては、キャラクタの音声が出力されるため、キャラクタのセリフに注意を向けやすくなる一方、第2演出状態においては、連続演出等のBGMが出力されており、連続演出中であることに期待感を持たせたいため、キャラクタのセリフの音声にあまり注意が向かないようにすることができる。
(構成5変更例)
第1演出状態において実行され得る第1演出種のうちの1の予告(例:ステップアップ予告)においてキャラクタの音声が出力され得ないよう構成され、
第1演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告(例:セリフ予告)においてもキャラクタの音声が出力され得ないよう構成されている。
このように、第1演出状態においては、キャラクタの音声が出力されないように構成することで、例えば、ステップアップ予告やセリフ予告が他の予告と重複して実行されるよう構成されている場合に、ステップアップ予告やセリフ予告によって他の予告による音声(効果音)をかき消してしまうことがない。
(構成6)
ある第2演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告は、音量調整表示と重複しないよう構成されており、
ある第2演出状態において、遊技停止中及び遊技中のいずれの状況下でも音量調整が可能であり、かつ、音量調整表示が表示された場合であっても、ある第2演出状態を示す演出表示の明暗度が低下することがない構成である。
具体的には、遊技者がサブボタンや十字ボタン等を操作することで音量や光量を調整することができるように構成されている場合に、音量調整や光量調整が行われると、設定されている音量状況を示す音量調整表示や、光量状況を示す光量調整表示が表示装置32に表示される。
つまり、第2演出状態においても音量調整が可能である構成であり、ある第2演出状態(ある連続演出)において第2演出種であるセリフ予告が表示された場合には、音量調整表示とは重複しないように表示される構成となっている。
このため、セリフ予告と音量調整表示のいずれも遊技者が明確に視認できるようになっている。
さらに、ある第2演出状態(ある連続演出)では、遊技停止中(リール停止中)及び遊技中(リール回転中)のいずれの状況下でも音量調整が可能であるが、音量調整表示が表示された場合であっても、ある第2演出状態(ある連続演出)における演出表示(背景画像)の明暗度が低下することがない構成されているため、ある連続演出の画像(ムービー)も見やすいままである。
(構成6変更例1)
ある第2演出状態において実行され得る第2演出種のうちの1の予告は、音量調整表示と重複するように構成されており、
ある第2演出状態において、遊技停止中及び遊技中のいずれの状況下でも音量調整が可能であり、かつ、音量調整表示が表示された場合であっても、ある第2演出状態における表示画面の明暗度が低下することがない構成である。
つまり、第2演出状態においても音量調整が可能である構成であり、ある第2演出状態(ある連続演出)において第2演出種であるセリフ予告が表示された場合には、音量調整表示と重複するように表示される構成となっている。
しかし、ある第2演出状態(ある連続演出)では、遊技停止中(リール停止中)及び遊技中(リール回転中)のいずれの状況下でも音量調整が可能であるが、音量調整表示が表示された場合であっても、ある第2演出状態(ある連続演出)における表示画面(背景画像)の明暗度が低下することがない構成されているため、ある連続演出の画像(ムービー)も見やすいままである。
なお、音量調整表示が表示されている状況でセリフ予告が表示された場合であっても、セリフ予告が表示されている状況で音量調整表示が表示された場合のいずれの場合であっても、音量調整表示がセリフ予告よりも前面側に表示される。
(構成6-1)
音量調整又は光量調整は、遊技停止中及び遊技中のいずれも可能であり、
遊技停止中において音量調整又は光量調整の操作がされた場合と遊技中において音量調整又は光量調整の操作がされた場合とにおいて、音量調整表示又は光量調整表示の表示位置が変わらない構成である。
通常遊技状態では、遊技停止中及び遊技中のいずれの状況であっても音量調整又は光量調整が可能であり、表示装置32に表示される音量調整表示又は光量調整表示の表示位置は変化しないように構成されてもよい。
また、ボーナス中やAT中は、通常遊技状態と同様に遊技停止中及び遊技中のいずれも音量調整又は光量調整が可能であり、音量調整表示又は光量調整表示が変わらないようにしてもよい。
さらにまた、通常遊技状態とボーナス中やAT中とは、音量調整表示又は光量調整表示が異なるようにしてもよい。
(構成7)
遊技者による操作部材の操作が可能な第3演出(サブ入力ボタンの操作による演出)を備え、
第1演出状態(例えば、通常演出状態)において実行され得る第3演出では、操作部材が操作された場合、所定の期待度(例えば、小役期待度、前兆突入期待度)を示す複数の実行態様のうちの所定の実行態様にて演出が行われる割合が高く構成されており、
第2演出状態(例えば、連続演出)において実行され得る第3演出では、操作部材が操作された場合、特別遊技(例えば、ボーナス、AT)となるか否かが報知される割合が高く構成されている。
つまり、通常演出状態のボタン演出では、当該遊技における当選役や前兆への突入期待度を示すパターンが実行されやすく、ボーナスやATに当せんしたことを示すパターンは実行され難い。他方、連続演出中のボタン演出では、ボーナスやATに当せんしたことを示すパターンが実行されやすく、当該遊技における当選役や前兆への突入期待度を示すパターンは実行され難い。
このように、遊技状況(第1演出状態であるか第2演出状態であるか)によってボタン演出が示唆する内容の割合が異なるように構成することができる。これにより、ボタン演出が示唆する内容を遊技状況に適した内容にすることができる。
(構成7変更例)
遊技者による操作部材の操作が可能な第3演出(サブ入力ボタンの操作による演出)を備え、
第2演出状態(例えば、連続演出)において実行され得る第3演出では、操作部材が操作された場合、所定の期待度(例えば、小役期待度、前兆突入期待度)を示す複数の実行態様のうちの所定の実行態様にて演出が行われる割合よりも、特別遊技(例えば、ボーナス、AT)となるか否かが報知される割合の方が高くなるように構成されている。
つまり、連続演出中のボタン操作では、特別遊技(例えば、ボーナス、AT)となるか否かが報知される割合が高く、所定の期待度(例えば、小役期待度、前兆突入期待度)を示す複数の実行態様のうちの所定の実行態様にて演出が行われる割合が低くなるように構成されてもよい。
これにより、ボタン演出が示唆する内容を遊技状況に適した内容にすることができる。
(構成8)
第1遊技状態(非有利状態)と第2遊技状態(有利状態)とを少なくとも備え、
第2遊技状態では第2演出状態が発生し得ないよう構成されている。
具体的には、AT中(第2遊技状態)には連続演出(第2演出状態)にならずに特別遊技(ボーナス)となることが報知される。なお、第1遊技状態は非有利状態であり、通常遊技状態や非有利区間であってもよく、第2遊技状態は有利状態であり、AT状態や有利区間であってもよい。
有利状態(AT中)はなるべく短時間で多くの出玉を獲得させたいため、このように、有利状態(AT中)に連続演出を備えない構成とすることですぐにボーナスを実行させることができる。
(構成9)
第1表示装置(例えば、第1の液晶表示装置)とは異なる第2表示装置(例えば、第2の液晶表示装置)を備え、
第2表示装置に音量調整表示が表示され、
第2演出状態(連続演出中)であり、且つ、リール停止中は、音量調整ができる一方、
第2演出状態(連続演出中)であり、且つ、リール回転中は、音量調整ができないよう構成されている。
つまり、演出の大半が行われる表示装置32とは別の表示装置を備えており、第2表示装置に音量調整表示を表示することで、音量調整表示が表示装置32に表示される演出と重複して表示されることがないため、音量調整表示が表示装置32に表示される演出の視認性を低下させることがない。
第2表示装置(表示装置32とは別の表示装置)は、タッチパネルを備える液晶表示装置であり、タッチパネルの操作により音量調整が可能であってもよい。また、音量調整だけでなく、光量調整も同様であってもよい。
(構成10)
第1演出状態(通常ステージで連続演出等が発生していない状態)、第2演出状態(例えば、連続演出)及び第3演出状態(例えば、前兆)を備え、
第1演出状態の後に複数変動にわたって実行され得る第3演出状態となり、その後第2演出状態となり得るよう構成されており、
第1演出状態では、第1演出種及び第2演出種が実行され得るよう構成され、
第2演出状態では、第2演出種のみ実行され得るよう構成され、
さらに、
第3演出状態では、第1演出種及び第2演出種の双方とも実行され得るよう構成されている。
つまり、第1演出状態だけでなく、第3演出状態(例えば、前兆状態)であっても、第1演出種(例えば、ステップアップ予告)と第2演出種(例えば、セリフ予告)が実行され得るよう構成されている。
なお、第1演出状態において実行され得る第1演出種及び第2演出種の演出内容と、第3演出状態において実行され得る第1演出種及び第2演出種の演出内容とは、異なっていてもよい。
前兆はまだ有利状態(ボーナスやAT)への移行可否を報知する演出ではないことが多いため、通常の状態と同様に、第1演出種と第2演出種の双方を実行可能とすることで、演出バリエーションを豊富にすることができ、前兆中の期待感を損なわないようにすることができる。
(構成11)
第1演出状態で第2演出種が実行された場合において、第2表示態様が表示されなかった場合に所定期間内に第3演出状態となる割合と第2表示態様が表示された場合に所定期間内に第3演出状態となる割合との差と、
第2演出状態で第2演出種が実行された場合において、第2表示態様が表示されなかった場合に特定期間内に有利な状態となる割合と第2表示態様が表示された場合に特定期間内に有利な状態となる割合との差では、
第2演出状態で第2演出種が実行された場合に、第2表示態様が表示されなかった場合に特定期間内に有利な状態となる割合と第2表示態様が表示された場合に特定期間内に有利な状態となる割合との差の方が大きくなるよう構成されている。
つまり、
通常演出時(第1演出状態)にセリフ予告(第2演出種)が実行された場合において、チャンスアップせず(第2表示態様が表示されなかった場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)になる割合と、チャンスアップして(第2表示態様が表示された場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)になる割合との差は、
連続演出中(第2演出状態)にセリフ予告(第2演出種)が実行された場合において、チャンスアップせず(第2表示態様が表示されなかった場合)に4G以内(特定期間内)にボーナス、AT等(有利な状態)になる割合と、チャンスアップして(第2表示態様が表示された場合)に4G以内(特定期間内)にボーナス、AT等(有利な状態)になる割合との差よりも、
小さくなるように構成されている。
(構成11-1)
さらに、
第1演出状態で第1演出種が実行された場合において、第2表示態様が表示されなかった場合に所定期間内に第3演出状態となる割合と第2表示態様が表示された場合に所定期間内に第3演出状態となる割合との差が、
第1演出状態で第2演出種が実行された場合において、第2表示態様が表示されなかった場合に所定期間内に第3演出状態となる割合と第2表示態様が表示された場合に所定期間内に第3演出状態となる割合との差よりも、
小さくなるように構成されている。
つまり、
通常演出時(第1演出状態)にステップアップ予告(第1演出種)が実行された場合において、1段階チャンスアップせず(第2表示態様が表示されなかった場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)となる割合と、1段階チャンスアップして(第2表示態様が表示された場合に)32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)となる割合との差は、
通常演出時(第1演出状態)にセリフ予告(第2演出種)が実行された場合において、チャンスアップせず(第2表示態様が表示されなかった場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)になる割合と、チャンスアップして(第2表示態様が表示された場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)になる割合との差よりも、
小さくなるように構成されており、
通常演出時(第1演出状態)にセリフ予告(第2演出種)が実行された場合において、チャンスアップせず(第2表示態様が表示されなかった場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)になる割合と、チャンスアップして(第2表示態様が表示された場合)に32G以内(所定期間内)に前兆(第3演出状態)になる割合との差は、
連続演出中(第2演出状態)にセリフ予告(第2演出種)が実行された場合において、チャンスアップせず(第2表示態様が表示されなかった場合)に4G以内(特定期間内)にボーナス、AT等(有利な状態)になる割合と、チャンスアップして(第2表示態様が表示された場合)に4G以内(特定期間内)にボーナス、AT等(有利な状態)になる割合との差よりも、
小さくなるように構成されている。
ステップアップ予告の期待度が、1段階<2段階<3段階<4段階<5段階であり、セリフ予告の期待度が、白色<緑色<赤色<虹色、である場合を用いてより具体的に示すと、
<通常演出時>
ステップアップ予告、1段階、32G以内に前兆演出になる割合:1%
ステップアップ予告、2段階、32G以内に前兆演出になる割合:2%
⇒差:1%
セリフ予告、白、32G以内に前兆演出になる割合:1%
セリフ予告、緑、32G以内に前兆演出になる割合:5%
⇒差:4%
<連続演出中>
セリフ予告、白、4G以内にボーナスになる割合:5%
セリフ予告、緑、4G以内にボーナスになる割合:10%
⇒差:5%
となるように構成してもよい。
このように、演出の表示態様が1段階のみチャンスアップした場合であっても、演出状態によってアップする期待度の割合が異なるように構成することで、1段階チャンスアップすることへの期待感をより遊技者が楽しむことができる。
(構成11変更例)
ステップアップ予告の期待度が、1段階<2段階<3段階<4段階<5段階であり、セリフ予告の期待度が、白色<緑色<赤色<虹色、である場合を用いて、さらに下から2番目の期待度と下から3番目の期待度の差を示すと、
<通常演出中>
ステップアップ予告、1段階、32G以内に前兆演出になる割合:1%
ステップアップ予告、2段階、32G以内に前兆演出になる割合:2%
ステップアップ予告、3段階、32G以内に前兆演出になる割合:10%
⇒SU2とSU3の差:8%
セリフ予告、白、32G以内に前兆演出になる割合:1%
セリフ予告、緑、32G以内に前兆演出になる割合:5%
セリフ予告、赤、32G以内に前兆演出になる割合:15%
⇒緑と赤の差:10%
<連続演出中>
セリフ予告、白、4G以内にボーナスになる割合:5%
セリフ予告、緑、4G以内にボーナスになる割合:10%
セリフ予告、赤、4G以内にボーナスになる割合:22%
⇒緑と赤の差:12%
となるように構成してもよい。
(構成12)
第2演出状態(連続演出)において第2演出種のうちの1の予告が実行された場合において、
当該ある予告が第2表示態様となると、当該ある予告において以降で第1表示態様となることがないように構成されている。
つまり、連続演出においてセリフ予告が赤文字で表示された場合において、当該連続演出では、セリフ予告が白文字になることなく赤文字で表示される。
例えば、連続演出の1遊技目では赤文字が表示されたにもかかわらず、連続演出の2遊技目では白文字が表示された場合には、遊技者は期待度が高いのか低いのかわからなくなってしまう虞がある。そのため、一の連続演出中におけるセリフ予告の期待度を統一して示すようにすることで、遊技者が期待度に混乱することがないようにすることができる。
(構成12変更例)
第2演出状態(連続演出)において第2演出種のうちの1の予告が実行された場合において、
当該ある予告が第2表示態様となった場合であっても、当該ある予告において以降で第1表示態様となり得るように構成されている。
つまり、連続演出においてセリフ予告が赤文字で表示されたとしても、当該連続演出において白文字になることがある。
このように構成することで、1遊技ごとに第2表示態様(例、チャンスアップ:赤文字)が表示されるか否かに興味を持たせることができる。
なお、連続演出のうち、所定タイミング(例えば、連続演出の1遊技目)でのみ第2表示態様(例、チャンスアップ:赤文字)が表示され得るように構成しておけば、予告については、所定タイミングのみに集中することができ、それ以外の遊技では連続演出の内容に集中することができる。
(構成13)
第1演出状態において実行され得る第1演出種の1の予告(例えば、ステップアップ予告)及び第2演出種の1の予告(例えば、セリフ予告)は、
所定の停止ボタン(例えば、第2停止ボタン)の操作によって表示がキャンセルされない。
つまり、スタートレバーの操作や第1停止ボタンの操作により表示が開始されたステップアップ予告やセリフ予告が、第2停止ボタンの操作があった際にキャンセルされずに進行する。
(構成14)
第1演出状態において実行され得る第1演出種の1の予告又は第2演出種の1の予告の表示は、第3停止ボタンの操作があった際には、スタートレバーの操作や第1停止ボタンの操作により開始された表示がキャンセルされ、第3停止ボタンの操作による表示が開始され、
遊技待機状態に移行した場合には待機画面が表示され、
第3停止ボタンの操作による表示は、新たなベット操作やスタートレバーの操作(次遊技の開始)があった際若しくは待機画面に移行することにより消去されるように構成される。
(構成15)
第2演出状態(連続演出)において第2演出種の1の予告が表示された場合には、
第3停止ボタンの操作がされた際であっても当該1の予告が表示は消去されず、
遊技待機状態に移行した場合には待機画面が表示され、
当該1の予告が表示は、新たなベット操作やスタートレバーの操作(次遊技の開始)があった際若しくは待機画面に移行することにより消去されるように構成される。
このように、連続演出中においてセリフ予告が表示された際に、第3停止ボタンが操作され、セリフ予告が最後まで表示されても表示自体は消去されずに表示され続ける。一方、新たなベット操作やスタートレバーの操作があった際、もしくは待機画面に移行することによりセリフ予告の表示が消去されるように構成されている。また、連続演出の表示も消去される。
(構成16)
第1演出状態において遊技が開始され、第1演出種のうちの1の予告の表示が開始される場合の第1予告表示開始タイミングと、
第1演出状態において遊技が開始され、第2演出種のうちの1の予告の表示が開始される場合の第2予告表示開始タイミングとが、
略同じ(例:1秒以内)であるように構成されている。
つまり、通常演出時(第1演出状態)では、スタートレバーの操作から1秒程度でステップアップ予告(第1演出種のうちの1の予告)が開始され、セリフ予告(第2演出種のうちの1の予告)もスタートレバーの操作から1秒程度で開始されるように構成されている。
なお、第1予告表示開始タイミングと第2予告表示開始タイミングはほぼ同じでなく、異なっていてもよく、第1予告表示開始タイミングの方が早くなるように構成してもよいし、第2予告表示開始タイミングの方が早くなるように構成してもよい。
なお、ステップアップ予告(第1演出種のうちの1の予告)とセリフ予告(第2演出種のうちの1の予告)は、一の遊技において必ず双方が表示されなければならないわけではない。
(構成17)
第1演出状態において遊技が開始され、第1演出種のうちの1の予告又は第2演出種のうちの1の予告の表示が開始される場合の第1予告表示開始タイミングと、
第2演出状態において遊技が開始され、第2演出種のうちの1の予告の表示が開始される場合の第2予告表示開始タイミングとが、
略同じ(例:1秒以内)であるように構成されている。
つまり、通常演出時(第1演出状態)では、スタートレバーの操作から1秒程度でステップアップ予告(第1演出種のうちの1の予告)やセリフ予告(第2演出種のうちの1の予告)が開始され、連続演出中(第2演出状態)にも、スタートレバーの操作から1秒程度でセリフ予告(第2演出種のうちの1の予告)が開始されるように構成されている。
なお、第1予告表示開始タイミングと第2予告表示開始タイミングはほぼ同じでなく、異なっていてもよく、第1予告表示開始タイミングの方が早くなるように構成してもよいし、第2予告表示開始タイミングの方が早くなるように構成してもよい。
(構成18)
第1遊技状態(通常遊技状態)と第2遊技状態(AT中)とを備え、
第2遊技状態において、
第1演出状態では第1演出種及び第2演出種とが発生し得る一方、
第2演出状態では第2演出種のみ発生し得るよう構成されている。
つまり、AT中(第2遊技状態)において、連続演出等が発生していない状態(第1演出状態)では、ステップアップ予告等(第1演出種)とセリフ予告等(第2演出種)が実行され得るが、連続演出中(第2演出状態)では、ステップアップ予告等(第1演出種)は実行されず、セリフ予告等(第2演出種)は実行され得る。
(構成18-1)
第1遊技状態(通常遊技状態)と第2遊技状態(AT中)とを備え、
第1遊技状態と第2遊技状態のいずれの遊技状態においても、
第1演出状態では第1演出種及び第2演出種とが発生し得る一方、
第2演出状態では第2演出種のみ発生し得るよう構成されている。
つまり、通常遊技状態(第1遊技状態)とAT中(第2遊技状態)のいずれであっても、連続演出等が発生していない状態(第1演出状態)では、ステップアップ予告等(第1演出種)とセリフ予告等(第2演出種)が実行され得るが、連続演出中(第2演出状態)では、ステップアップ予告等(第1演出種)は実行されず、セリフ予告等(第2演出種)は実行され得る。
(構成19)
遊技者による操作部材の操作が可能な第3演出(例えば、ボタン演出)を備え、
第3演出が実行されずに第2演出状態(例えば、連続演出)となる場合と第3演出が実行されて第2演出状態となる場合とがあり、
第3演出が実行されて第2演出状態となった場合は、第3演出が実行されずに第2演出状態となった場合よりも、第2演出状態において第2演出種の1の予告(セリフ予告)が第2表示態様(例えば、緑文字、赤文字)にて表示される割合が高くなるよう構成されている。
つまり、遊技者がボタン操作可能なボタン演出があり、ボタン演出なしで連続演出へ移行した場合よりも、ボタン演出ありで連続演出へ移行した場合の方が、連続演出においてセリフ予告が緑セリフや赤セリフで表示される割合が高くなるよう構成されている。
このように構成することで、第2演出状態(連続演出)へ発展する前にボタン演出があるか否かについて注目するようになる。
(構成20)
所定のエラー(例えば、扉開放エラー)が発生した場合、表示装置(例えば、液晶表示装置)にエラーの発生を示すエラー表示が行われ、
エラー表示は、第1演出種の1の予告(例えば、ステップアップ予告)と重複し得ない構成である。
なお、エラー表示が、第1演出種の1の予告(例えば、ステップアップ予告)と重複する構成であってもよい。
また、エラー表示は、第1演出状態(通常ステージで連続演出等が発生していない状態)において実行され得る第2演出種の1の予告(例えば、セリフ予告)とは重複し得るが、第2演出状態(連続演出中)において実行され得る第2演出種の1の予告(例えば、セリフ予告)とは重複し得ない構成であってもよい。
(構成21)
第2演出種の1の予告(例えば、セリフ予告)において音声が出力されるよう構成されており、
所定のエラー(例えば、扉開放エラー)が発生した場合、エラーの発生を示すエラー音が出力され、
エラー音の出力中は、第2演出種の1の予告(例えば、セリフ予告)の音声は出力されない又は音量0で出力されるよう構成される。
(構成21変更例)
第1演出種の1の予告(例えば、ステップアップ予告)において音声が出力されるよう構成されており、
所定のエラー(例えば、扉開放エラー)が発生した場合、エラーの発生を示すエラー音が出力され、
エラー音の出力中は、第1演出種の1の予告(例えば、ステップアップ予告)の音声は出力されない又は音量0で出力されるよう構成される。
このように、エラー音と予告の音声が重複する場合には、遊技者やホール店員がエラー音をしやすいように構成されている。
(構成22)
第1演出状態において実行され得る第1演出種のある予告の表示態様の種類と、第3演出状態において実行され得る第2演出種のある予告の表示態様の種類とが異なるよう構成されている。
具体的には、通常ステージで連続演出等が発生していない状態(第1演出状態)で実行され得るステップアップ予告(第1演出種のある予告)の表示態様は、期待度が低い方から順に、青色<黄色<緑色<赤色の4パターンで表示され得るが、前兆中(第3演出状態)において実行され得る小物の色が変化し得る小物予告(第2演出種のある予告)の表示態様は、期待度が低い方から順に、白色<青色<黄色<緑色<橙色<赤色<紫色の7パターンで表示され得るよう構成されている。
なお、通常ステージで連続演出等が発生していない状態(第1演出状態)で実行され得る小物予告等(第2演出種のある予告)では、通常ステージで連続演出等が発生していない状態(第1演出状態)で実行され得るステップアップ予告(第1演出種のある予告)の表示態様と同様に、青色<黄色<緑色<赤色の4パターンが備えられていてもよい。
このように、演出状態によって異なる表示パターンを備えることで、前兆中のチャンス中等に遊技者の興味を維持させやすくすることができる。
<前提とするスロットマシンPS1における遊技機の仕様1>
前提とするスロットマシンPS1における遊技機の仕様1(以下、仕様1と称す)として、図20に示すようなリール配列となっている。図20の第1回胴は左リール8aに相当し、第2回胴は中リール8bに相当し、第3回胴は右リール8cに相当する。図20に示す通り、仕様1のリールに描かれている図柄は、「赤セブン」、「バー」、「月A」、「月B」、「リプレイ」、「チェリー」、「ラクダ」、「ブランクA」、「ブランクB」、「ブランクC」の10種類ある。
仕様1の表示窓からは縦3×横3の9図柄が視認可能となっており、有効ラインは、左リール8aにおいては上段であり、中リール8bにおいては中段であり、右リール8cにおいては中段であり、屈曲の1ラインとなっている。
図21~図24は図柄の組合せを示しており、規定数3枚のときはCBが作動していないときの規定数であり、規定数2枚のときはCBが作動しているときの規定数である。図21~図24の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」の欄の「2種BB」とはMBのことであり、「再遊技」とはリプレイのことであり、「入賞」とは小役のことである。
図25は、ボーナスに係る条件装置一覧表である。例えば、ボーナス条件装置番号「1」の条件装置「2種BB-A条件装置」は構成要素「2種BB01」から構成されており、「2種BB01」は、図21の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「2種BB01作動図柄」と対応しており、より具体的には「月A-リプレイ-赤セブン」、「月A-リプレイ-バー」、「月A-リプレイ-ラクダ」、「月B-リプレイ-赤セブン」、「月B-リプレイ-バー」、「月B-リプレイ-ラクダ」の6個の図柄組合せが対応している。
図26~図28は、入賞、又は再遊技に係る条件装置一覧表である。「入賞再遊技」の項目は、条件装置番号が記載されており、「条件装置」の項目は、条件装置名称が記載されており、「通称」の項目は、条件装置の通称が記載されており、「構成要素」の項目は、条件装置を構成する図柄組合せが記載されており、「制御関連」の項目は、遊技状態毎の停止操作順番と入賞可能な図柄組合せが記載されている。
例えば、条件装置番号「1」の条件装置「再遊技-A条件装置」は構成要素「再遊技01、05~06」から構成されており、「再遊技01」は、図21の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「再遊技01作動図柄」と対応しており、より具体的には「月A-リプレイ-リプレイ」、「月B-リプレイ-リプレイ」の2個の図柄組合せが対応している。また、「再遊技05」は、図21の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「再遊技05作動図柄」と対応しており、より具体的には「リプレイ-赤セブン-赤セブン」の1個の図柄組合せが対応している。また、「再遊技06」は、図21の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「再遊技06作動図柄」と対応しており、より具体的には「リプレイ-バー-赤セブン」、「リプレイ-ブランクA-赤セブン」、「リプレイ-ブランクB-赤セブン」の3個の図柄組合せが対応している。さらに、右リール8cに対応する右ストップスイッチ13c以外が最初に停止操作されると再遊技01が停止表示され、右リール8cに対応する右ストップスイッチ13cが最初に停止操作されると停止受付位置に応じて再遊技01、再遊技05、再遊技06の何れかが停止表示されることが記載されている。
また、例えば、条件装置番号「15」の条件装置「入賞-A9条件装置」は構成要素「入賞03~04、07~08、11~12、15~16、19、56」から構成されており、「入賞03」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞03入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月A-ラクダ-リプレイ」、「月B-ラクダ-リプレイ」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞04」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞04入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月A-赤セブン-月A」、「月A-バー-月A」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞04」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞04入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月A-赤セブン-月A」、「月A-バー-月A」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞07」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞07入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月A-ブランクA-月B」、「月A-ブランクB-月B」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞08」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞08入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月B-赤セブン-月A」、「月B-バー-月A」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞11」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞11入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月B-ブランクA-月B」、「月B-ブランクB-月B」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞12」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞12入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月A-赤セブン-ブランクC」、「月A-バー-ブランクC」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞15」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞15入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月A-ブランクA-ブランクA」、「月A-ブランクB-ブランクA」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞16」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞16入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月B-赤セブン-ブランクC」、「月B-バー-ブランクC」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞19」は、図22の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞19入賞図柄」と対応しており、より具体的には「月B-ブランクA-ブランクA」、「月B-ブランクB-ブランクA」の2個の図柄組合せが対応している。また、「入賞56」は、図20の「入賞図柄・作動図柄・パターン図柄名称」における「入賞56入賞図柄」と対応しており、より具体的には「赤セブン-リプレイ-リプレイ」、「チェリー-リプレイ-リプレイ」の2個の図柄組合せが対応している。さらに、右リール8cに対応する右ストップスイッチ13cが最初に停止操作され、左リール8aに対応する左ストップスイッチ13aが2番目に停止操作され、中リール8bに対応する中ストップスイッチ13bが3番目に停止操作されると入賞03が停止表示され、右リール8cに対応する右ストップスイッチ13cが最初に停止操作され、中リール8bに対応する中ストップスイッチ13bが2番目に停止操作され、左リール8aに対応する左ストップスイッチ13aが3番目に停止操作されると入賞56が停止表示され、これ以外の停止順番で停止操作されると停止受付位置に応じて1/2で入賞04、07、08又は11が停止表示され、1/2で小役を取りこぼすことが記載されている。換言すれば、各リールのそれぞれの停止受付位置をランダムとした場合(いわゆる適当打ち、フリー打ちと称される打ち方をした場合)、3番目に操作されるストップスイッチの押下タイミングに対応した停止受付位置に応じて1/2の確率で入賞04、07、08又は11のいずれかに対応した図柄組合せが停止表示されて小役が入賞することとなり、1/2の確率で「入賞-A9条件装置」のどの構成要素に対応した図柄組合せも停止表示されずに、小役の取りこぼしが発生することが記載されている。
図29~図31は、非RT状態における内部抽せんデータとなっている。図中の「R1」~「R6」は「設定値1」~「設定値6」にそれぞれ対応している。また、例えば図29のR1における2種BB-Aに対応する位置に「3240」と数値があるが、これはR1における2種BB-Aの置数であり、全体の置数が65536であるため、R1における2種BB-Aの当せん確率は3240/65536となることを示している。また、図29~図31は条件装置毎に分けた内部抽せんデータであるため、「2種BB-A」から「入賞Q」までの置数を足しても65536にはならない。これは、「2種BB-A」~「2種BB-I」が他の条件装置と重複しているためである。なお、「再遊技-A」~「入賞Q」までの置数を合計した置数である「64788」と図示していない「はずれ」の置数である「748」を合計すると「65536」となる。
図32は、RTの開始条件と終了条件が表された図である。例えば、RWM初期化後は「非RT」状態に移行し、「非RT」状態では、「2種BB-A条件装置」~「2種BB-E条件装置」が作動したときにRT1に移行することが記されている。換言すると非RT中に2種BB-A、2種BB-B、2種BB-C、2種BB-D、2種BB-Eの何れかが当せんするとRT1に移行する。
2種BB-A~Fの作動図柄が表示されたときは、11枚を超える払い出しで2種BB-A~Fが終了し、非RT状態に移行する。また、2種BB-Gの作動図柄が表示されたときは、7枚を超える払い出しで2種BB-Gが終了し、非RT状態に移行する。また、2種BB-H、Iの作動図柄が表示されたときは、1枚を超える払い出しで2種BB-H、Iが終了し、非RT状態に移行する。また、2種BB-A~IはPB=1役であり、停止タイミングに関わらず停止表示可能になっている。
仕様1では、図29に示す通り、非RT中の2種BBの当せん置数が36620であり、非RTの滞在遊技数は平均で2ゲーム程度となっている。そして各2種BBのうちRT1に移行する2種BB-A~Eの当せん置数が17820であり、RT1に滞在する可能性が高くなっている。
図33~32はRT1状態における内部抽せんデータとなっている。各項目の説明は図29~図31と同様のため省略する。
仕様1のメイン遊技状態の遷移について図36を基に説明する。
RWMが初期化された後は、メイン遊技状態番号=0に移行する。メイン遊技状態=0は、通常区間と対応しており、有利区間移行抽せんに当選した場合は、メイン遊技状態番号=1、メイン遊技状態番号=2、メイン遊技状態番号=3、又はメイン遊技状態番号=4の何れかに移行する。
メイン遊技状態番号=1は、仕様1において、押し順ベル当せん時に遊技者に有利な操作態様を報知するAT状態であるAC、このACとは異なるAT状態であるSAC、又はACおよびSACとは異なるAT状態であるBB(所謂サブボーナス)へ移行するか否かの期待感を演出する前兆状態となっている。メイン遊技状態番号=1では、事前に決定されている移行先(メイン遊技状態=0、メイン遊技状態番号=2、メイン遊技状態番号=3、又はメイン遊技状態番号=5の何れか)に移行する。
メイン遊技状態番号=2は、ACに対応する遊技状態となっている。ACでは、押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると遊技者に有利な押し順を報知する遊技状態となっている。ACはゲーム数で管理されており、初期ゲーム数としてAC遊技カウンタに30がセットされる。そして遊技毎に減算し、AC遊技カウンタの値が0となった場合は、AC中の遊技状態抽せん結果に応じてメイン遊技状態=1、メイン遊技状態番号=3、又はメイン遊技状態番号=5の何れかに移行する。なお、AC中は内部抽せん結果に応じてAC遊技カウンタの値が増加すること(所謂ゲーム数上乗せ)もあり得る。
メイン遊技状態番号=3は、SACに対応する遊技状態となっている。SACでは、ACと同様に押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると遊技者に有利な押し順を報知する遊技状態となっている。SACはゲーム数で管理されており、初期ゲーム数としてAC遊技カウンタセット抽せんで当選した値がAC遊技カウンタにセットされる。そして遊技毎に減算し、AC遊技カウンタの値が0となった場合は、SAC中の遊技状態抽せん結果に応じてメイン遊技状態=1、メイン遊技状態番号=2、又はメイン遊技状態番号=5の何れかに移行する。なお、SAC中は内部抽せん結果に応じてAC遊技カウンタの値が増加すること(所謂ゲーム数上乗せ)もあり得る。また、AC遊技カウンタセット抽せんでは、期待値として30以上の値が当選する可能性が高いためSACはACよりも有利な状態であるといえる。
メイン遊技状態番号=4は、BB(所謂サブボーナス)に対応する遊技状態となっている。BBでは、AC、及びSACと同様に押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると遊技者に有利な押し順を報知する遊技状態となっている。BBは払出枚数で管理されており、初期枚数としてBB枚数カウンタに100がセットされる。そして遊技の結果、入賞毎に払出枚数分を減算し、BB枚数カウンタの値が0となった場合は、BB中の遊技状態抽せん結果に応じてメイン遊技状態=0、メイン遊技状態番号=2、又はメイン遊技状態番号=3の何れかに移行する。なお、BB中は内部抽せん結果に応じてBB枚数カウンタの値が増加すること(所謂枚数上乗せ)もあり得る。
メイン遊技状態番号=5は、エンディングに対応する遊技状態となっている。エンディングでは、AC、SAC、及びBBと同様に押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると遊技者に有利な押し順を報知する遊技状態となっている。エンディングはMYカウンタが2200、又は有利区間クリアカウンタが50の何れかのときに移行し、MYカウンタが2400以上、又は有利区間クリアカウンタが0となるまで継続する。そしてMYカウンタが2400以上、又は有利区間クリアカウンタが0となった場合は、メイン遊技状態=0に移行する。
メイン遊技状態番号=6は、確定画面に対応する遊技状態となっている。確定画面では、押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると遊技者に有利な押し順を報知する場合と報知しない場合がある遊技状態となっている。これは、確定画面で判定フラグが0のときは入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると遊技者に有利な押し順を報知し、確定画面で判定フラグが1のときは入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選しても遊技者に有利な押し順を報知しないことを意味する。また、確定画面が終了した後はBBが開始するため、確定画面ではBBフラグに1が記憶されている。
確定画面では再遊技-A~Fの何れかが当選したときに液晶に「右から赤セブンを狙え」と表示させ、且つ指示モニタに「7」と表示させ、第1停止を右リール8cの赤セブン図柄(図20の第3回胴の4番)、第2停止を中リール8bの赤セブン図柄(図20の第2回胴の4番)、第3停止を左リール8aの赤セブン図柄(図20の第1回胴の4番)を狙って操作させることを報知する。再遊技-A~Fの何れかが当選したときに、指示された通り操作された場合は、再遊技05作動図柄(図21の45番)が有効ラインに表示され赤セブン図柄が中段一直線に停止表示されることとなる。そして、再遊技05作動図柄が停止表示された場合は、判定フラグに0を記憶し、BBフラグに0を記憶し、メイン遊技状態番号に4を記憶する。なお、判定フラグは初期値として0が記憶されており、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当選して、指示通り停止操作されて再遊技05作動図柄が停止表示された場合も、判定フラグに0を記憶するため、指示通り停止操作されたときは判定フラグが1になることはない。
また、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが当選したときに液晶に「右から赤セブンを狙え」と表示させ、且つ指示モニタに「7」と表示させたときに、遊技者が指示通りに停止操作しなかった場合(押し順を指示通りに停止操作しなかった場合や、押し順は指示通りに停止操作したが赤セブン図柄を狙わなかった場合)は、再遊技05作動図柄は停止表示せず、判定フラグに1を記憶する。
判定フラグに1が記憶されている場合(遊技者が指示通りに停止操作しなかった場合)は、メイン遊技状態番号=6(確定画面)のままとなり、メイン遊技状態番号=4(BB)へは移行しない。このため、再度、再遊技-A~Fの何れかが当せんして再遊技05作動図柄が停止表示するまで、メイン遊技状態番号=6(確定画面)が維持されることとなる。なお、確定画面で2回目以降の再遊技-A~Fの何れかが当せんしたときにも液晶に「右から赤セブンを狙え」と表示させ、且つ指示モニタに「7」と表示させるようにしている。
このように構成することで、遊技者の目押し技量に応じてBBを開始できるため、BBが当選した後にBB図柄を狙わせるという遊技性を提供することが可能となる。
さらに判定フラグに1が記憶されている間は、押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選しても有利な操作態様を報知しないため、遊技者は1/6の確率でしか高目の小役を取得することができなくなる。このため、確定画面において判定フラグに1が記憶されている場合と、確定画面において判定フラグに0が記憶されている場合とを比較すると、確定画面において判定フラグに1が記憶されている場合の方が遊技者に不利な状態といえる。なお、押し順ベル群に当選したときの押し順ナビ率を100%未満にすればよく、押し順ナビ率が0%である必要はない。例えば、出玉率が100%(現状維持)となるような押し順ナビ率に設定してもよい。
このように構成することで、確定画面で再遊技-A~Fが当せんしたときに遊技者の技量に応じてその後有利不利を生じさせることができ、目押しによる遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当せんしたときに再遊技05作動図柄が表示された後の遊技状態(メイン遊技状態番号=4(BB))と、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当選したときに再遊技05作動図柄が表示されなかった後の遊技状態(メイン遊技状態番号=6(確定画面))と、を比較すると、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当選したときに再遊技05作動図柄が表示されなかった後の遊技状態(メイン遊技状態番号=6(確定画面))の方が押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選しても有利な操作態様を報知しないため、遊技者に不利な状態といえる。なお、押し順ベル群に当選したときの押し順ナビ率を100%未満にすればよいため、押し順ナビ率が0%である必要はない。
このように構成することで、確定画面で再遊技-A~Fが当せんしたときに遊技者の技量に応じてその後有利不利を生じさせることができ、目押しによる遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、判定フラグに1が記憶されている間は、押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると有利な操作態様を報知するが、再度、再遊技-A~Fが当せんして再遊技05作動図柄が停止表示した後に開始するBB中において実行可能な所定の抽せん(押し順ナビ率抽せん、セットストック抽せん、ループ率抽せん、又はゲーム数上乗せ抽せん等の遊技者に有利な抽せん)の抽せんレベルを最も低いレベルに設定し、BB中の有利度を最も低くする態様であってもよい。抽せんレベルとは、所定の抽せんを実行した時に遊技者に有利な結果となる確率が異なるものであり、最も低いレベルとは所定の抽せんを実行した時に遊技者に有利な結果となる確率が最も低いものである。また、このとき判定フラグに0が記憶されている間は押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当選すると有利な操作態様を報知し、再度、再遊技-A~Fが当せんして再遊技05作動図柄が停止表示した後に開始するBB中において実行可能な所定の抽せんの抽せんレベルを冷遇しない(わざと最も低いレベルの抽せんレベルをセットしない)ようにしている。このため、確定画面において判定フラグに1が記憶されている場合と、確定画面において判定フラグに0が記憶されている場合とを比較すると、確定画面において判定フラグに1が記憶されている場合の方が遊技者に不利な状態といえる。
なお、この場合は、押し順ベル群である入賞A1~A12、入賞B1~B12、入賞C1~C12、入賞D1~D12、入賞E1~E12、入賞F1~F12が当せんしても有利な操作態様を報知しない態様であってもよい。また、確定画面で判定フラグに0が記憶されている状況で押し順ベル群が当選したときに有利な操作態様を報知し、その後判定フラグに1が記憶されている状況でも押し順ベル群が当選したときに有利な操作態様を報知する場合は、遊技者がわざと確定画面を延命して押し順ベルを取得する可能性があるので、確定画面開始から10ゲーム間は判定フラグに関わらず押し順ベル群が当せんしたときに有利な操作態様を報知するが、確定画面開始から11ゲーム以降は判定フラグに関わらず押し順ベル群が当せんしたときに有利な操作態様を報知しない態様であってもよい。この10ゲームの目安としては再遊技-A~Fの何れかが少なくとも1回以上当せんする確率を約80%として設定しているが、長すぎなければ任意に設定可能である。
このように構成することで、確定画面で再遊技-A~Fが当せんしたときに遊技者の技量に応じてその後有利不利を生じさせることができ、目押しによる遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当せんしたときに再遊技05作動図柄が表示された後の遊技状態(メイン遊技状態番号=4(BB))と、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当選したときに再遊技05作動図柄が表示されなかった後の遊技状態(メイン遊技状態番号=6(確定画面))と、を比較すると、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当選したときに再遊技05作動図柄が表示されなかった後の遊技状態(メイン遊技状態番号=6(確定画面))の方が、再度、再遊技-A~Fが当せんして再遊技05作動図柄が停止表示した後に開始するBB中において実行可能な所定の抽せん(押し順ナビ率抽せん、セットストック抽せん、ループ率抽せん、又はゲーム数上乗せ抽せん等の遊技者に有利な抽せん)の抽せんレベルを最も低いレベルに設定し、BB中の有利度を最も低くする態様であってもよい。この場合、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当選したときに再遊技05作動図柄が表示されなかった後の遊技状態の方が、確定画面で再遊技-A~Fの何れかが初めて当せんしたときに再遊技05作動図柄が表示された後の遊技状態よりも遊技者に不利な状態といえる。なお、この態様の場合も押し順ベル群が当せんしたときは、遊技者に有利な操作態様を報知してもよいし、報知しなくてもよい。また、有利な操作態様を報知する場合も10ゲーム程度で報知を終了するよう構成してもよい。
このように構成することで、確定画面で再遊技-A~Fが当せんしたときに遊技者の技量に応じてその後有利不利を生じさせることができ、目押しによる遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、再遊技-A~Fの何れもRT移行の契機とはならないとともに、その抽せん結果(当せん結果)が次遊技以降に持ち越すことのできない条件装置であり、再遊技05作動図柄が停止表示されたときもRT状態自体は移行することはない(換言すれば、再遊技05作動図柄が停止表示されたときもRT状態が維持されるため、再遊技に係る作動確率(当せん確率)も、入賞A1~A12等の入賞に係る作動確率も変わらない)。なお、赤セブンが一直線に表示される条件装置は再遊技に限らず入賞に係る条件装置でもよく、その場合は赤セブンが揃わなくても他の入賞に係る図柄組合せが停止表示するようなPB=1の条件装置が適している。また、入賞に係る条件装置で赤セブンを一直線に表示させる場合の払出数はできるだけ少ない払出数がよく1枚が適している。これは、赤セブンが一直線に揃う条件装置を現実的に当選しやすい置数にしないと確定画面で赤セブンを揃えられなくなり、払出数を多く設定(例えば15枚)してしまうと赤セブンを一直線に揃えたくないときも不要な払出が生じてしまい出玉の自由度が制限されてしまうためである。
このように構成することで、ボーナス条件装置やRT移行契機の条件装置を用いることなく、遊技者の技量に応じて有利不利を生じさせることができるため、遊技状態を変えることなく目押しによる遊技性を高めることが可能となる。とりわけ、ボーナス内部中で遊技をさせる仕様においては、ボーナス条件装置やRT移行契機の条件装置を用いたゲーム性はできないため目押しによる新しいゲーム性を提供することが可能となる。
また、再遊技-A~Fの何れかが当せんしたときに停止表示可能な再遊技05作動図柄は右リールを最初に停止させること(右中左の順番、又は右左中の順番で停止操作させること)で停止表示可能となっているが、この右リールを最初に停止させる操作態様は、左中右の操作順番、左右中の操作順番、中左右の操作順番、中右左の操作順番、右左中の操作順番、右中左の操作順番の6種類の操作順番の中で、通常時のベースが最も低くならない操作順番となっている。
ここで、通常時のベースとは、規定数3(投入数3)における払出数の期待値となっている。図26~図28、図33~図35によると、設定1のRT1における左中右の操作順番の規定数3における払出数の期待値として、例えば、2種BB-Aの期待枚数(作動図柄表示時の払出数)が0、置数が0であるため、期待値は0となり、再遊技-Aの期待枚数が3(再遊技は、規定数3のため払出数を3として計算する)、置数が864であるため、期待値は0.03955となり、入賞-A1の期待枚数が12(左中右が正解押し順のため)、置数が900であるため、期待値は0.16479となり、はずれの期待枚数が0、置数が452であるため、期待値は0となる。このような計算で各条件装置の期待値を算出し、全ての条件装置の期待値を合算すると1.66857となり、この期待値の合算に規定数である3で除算すると、左中右の操作順番の規定数3における払出数の期待値は0.55619(但し、入賞-Gは2枚取得、入賞-Mは1枚取得で期待値を計算している)であることが導かれる。
また、設定1のRT1における左右中の操作順番、中左右の操作順番、又は中右左の操作順番の規定数3における払出数の期待値は、設定1のRT1における左中右の操作順番の規定数3における払出数の期待値と同一であり、0.55619となっている。
また、設定1のRT1における右左中の操作順番の規定数3における払出数の期待値として、例えば、2種BB-Aの期待枚数(作動図柄表示時の払出数)が0、置数が0であるため、期待値は0となり、再遊技-Aの期待枚数が3(再遊技は、規定数3のため払出数を3として計算する)、置数が864であるため、期待値は0.03955となり、入賞-A1の期待枚数が0.5(左中右は不正解押し順であり、1/2で1枚取得のため)、置数が900であるため、期待値は0.00686となり、入賞-A11の期待枚数が1(右中左で1枚取得のため)、置数が900であるため、期待値は0.01373となり、はずれの期待枚数が0、置数が452であるため、期待値は0となる。このような計算で各条件装置の期待値を算出し、全ての条件装置の期待値を合算すると1.69375となり、この期待値の合算に規定数である3で除算すると、左中右の操作順番の規定数3における払出数の期待値は0.56458(但し、入賞-Gは2枚取得、入賞-Mは1枚取得で期待値を計算している)であることが導かれる。
また、設定1のRT1における右中左の操作順番の規定数3における払出数の期待値は、設定1のRT1における右左中の操作順番の規定数3における払出数の期待値と同一であり、0.56458となっている。
このように、右リールを最初に停止させる操作順番(右左中、右中左)の通常時のベースはその他の操作順番(左中右、左右中、中左右、中右左)よりも通常時のベースが高くなっている。そして、右リールを最初に停止させる操作順番では、AT当せん期待度をその他の操作順番よりも低くすることで総合的な出玉率をその他の操作順番よりも低くしている。このように、右リールを最初に停止させる操作順番は通常時のベースはその他の操作順番よりも高いが、結果的に不利な操作順番となっているため、通常時において遊技者は右リールを最初に停止させる操作順番で操作しにくい状況となっている。換言すると、右リールを最初に停止させる操作順番はペナルティ押し順となっており、遊技者に事前に周知させることで操作させないようにしている。このような構成により、遊技者が右リールを最初に停止させる操作順番で操作する可能性を下げることで、通常時に再遊技-A~Fが当選しても再遊技05作動図柄が表示されにくくなり、仕様上意図しない赤セブン図柄が揃うことによる遊技者に過度な期待感を創出させること防ぐことができる。
<本発明に係る試験信号の出力に関する説明>
本発明の遊技機は、遊技機試験のためにスタートスイッチ12の操作受け付けで内部抽せん処理を実行し、回胴回転開始処理を実行する前までに試験信号を出力するための処理を実行する。
遊技機は遊技者にとって最適な打ち方を指示する第1の試験信号(IF2試験信号とも称す)と、遊技者にとって通常時のベースが最低となる打ち方を指示する第2の試験信号(IF3試験信号とも称す)と、をそれそれ出力するための処理を実行する。
IF2試験信号を出力するための処理として、内部抽せん処理の結果に応じてROMに記憶されているテーブルデータから出力するデータ(操作順番、左リール8a停止受付位置、中リール8b停止受付位置、右リール8c停止受付位置)をセットする。例えば、図28の入賞-G条件装置が当選した場合、押し順はどの押し順でも小役取得率は変わらないが、右リール8cの「ブランクC」、「赤セブン」を目押ししないと、2枚の払出は受けられず1枚の払出になってしまうため、IF2試験信号として指示する内容は、押し順はランダム、左リール8aは3番図柄で停止受付、中リール8bは10番図柄で停止受付、右リール8cは2番図柄で停止受付とする。この指示通りに操作されると、入賞63の図柄組合せ「リプレイ」-「チェリー」-「赤セブン」(図24参照)が停止表示され2枚役の払出を受けることが可能となる。
また、ROMに記憶されているテーブルデータは、例えば、ROMアドレス「2C60H」に記憶されている押し順情報である「00H」、ROMアドレス「2C61H」に記憶されている左リール8aの停止受付位置である「03H」、ROMアドレス「2C62H」に記憶されている中リール8bの停止受付位置である「0AH」、ROMアドレス「2C63H」に記憶されている右リール8cの停止受付位置である「02H」となっており、IF2試験信号を出力するための処理としてテーブルデータから各情報を取得する。
また例えば、AT状態において図26の入賞-A1条件装置が当選した場合(指示モニタに指示番号を表示する場合)、停止受付位置はどの位置でも小役取得率は変わらないが、押し順は左中右の順番で操作されないと、12枚の払出は受けられず1枚の払出、又は払出なしになってしまうため、IF2試験信号として指示する内容は、押し順は左中右の順番、左リール8aの停止受付位置はランダム、中リール8bの停止受付位置はランダム、右リール8cの停止受付位置はランダムとする。この指示通りに操作されると、入賞03の図柄組合せ「月A」-「ラクダ」-「リプレイ」、又は「月B」-「ラクダ」-「リプレイ」(図22参照)が停止表示され12枚役の払出を受けることが可能となる。なお、非AT状態における入賞-A1条件装置が当選した場合は、押し順も停止受付位置もランダムでIF2試験信号を出力する。
また、ROMに記憶されているテーブルデータは、例えば、ROMアドレス「2C64H」に記憶されている押し順情報である「01H」、ROMアドレス「2C65H」に記憶されている左リール8aの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2C66H」に記憶されている中リール8bの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2C67H」に記憶されている右リール8cの停止受付位置である「7FH」となっており、IF2試験信号を出力するための処理としてテーブルデータから各情報を取得する。なお「7FH」は停止受付位置が不問の場合に記憶されるデータであり、図柄数以上の値(14H)であれば任意の値でよい。
続いて、IF3試験信号を出力するための処理として、内部抽せん処理の結果に応じてROMに記憶されているテーブルデータから出力するデータ(操作順番、左リール8a停止受付位置、中リール8b停止受付位置、右リール8c停止受付位置)をセットする。例えば、上述した仕様1では右リール8cを最初に停止させる操作順番以外の操作順番が通常時のベースが最も低くなるため、IF3試験信号として指示する内容は、押し順は左中右の順番、左リール8aの停止受付位置はランダム、中リール8bの停止受付位置はランダム、右リール8cの停止受付位置はランダムとする。この指示通りに操作されると、通常時のベースが最も低い押し順で停止操作され、停止受付位置はランダムのため目押しが必要な条件装置が当選したときは、小役を高目で取得する場合と、小役を安目で取得する場合と、小役を取りこぼす場合と、が生じるようになる。
また、ROMに記憶されているテーブルデータは、例えば、ROMアドレス「2D60H」に記憶されている押し順情報である「01H」、ROMアドレス「2D61H」に記憶されている左リール8aの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2D62H」に記憶されている中リール8bの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2D63H」に記憶されている右リール8cの停止受付位置である「7FH」となっており、IF3試験信号を出力するための処理としてテーブルデータから各情報を取得する。
また例えば、AT状態において図26の入賞-A1条件装置が当選した場合(指示モニタに指示番号を表示する場合)、停止受付位置はどの位置でも小役取得率は変わらないが、押し順は左中右の順番で操作されないと、12枚の払出は受けられず1枚の払出、又は払出なしになってしまうため、IF3試験信号として指示する内容は、押し順は左中右の順番、左リール8aの停止受付位置はランダム、中リール8bの停止受付位置はランダム、右リール8cの停止受付位置はランダムとする。この指示通りに操作されると、入賞03の図柄組合せ「月A」-「ラクダ」-「リプレイ」、又は「月B」-「ラクダ」-「リプレイ」(図22参照)が停止表示され12枚役の払出を受けることが可能となる。なお、非AT状態における入賞-A1条件装置が当選した場合は、押し順は左中右の順番、停止受付位置はランダムでIF3試験信号を出力する。
また、ROMに記憶されているテーブルデータは、例えば、ROMアドレス「2D64H」に記憶されている押し順情報である「01H」、ROMアドレス「2D65H」に記憶されている左リール8aの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2D66H」に記憶されている中リール8bの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2D67H」に記憶されている右リール8cの停止受付位置である「7FH」となっており、IF3試験信号を出力するための処理としてテーブルデータから各情報を取得する。なお「7FH」は停止受付位置が不問の場合に記憶されるデータであり、図柄数以上の値(14H)であれば任意の値でよい。
また例えば、メイン遊技状態番号=6(確定画面)において図26の再遊技-A1条件装置が当選した場合(指示モニタに指示番号を表示する場合)、停止受付位置はどの位置でも小役取得率は変わらないが、押し順は右左中の順番で操作されないと、「赤セブン」図柄組合せが一直線に揃うことがないため、IF3試験信号として指示する内容は、押し順は右左中の順番、左リール8aの停止受付位置はランダム、中リール8bの停止受付位置はランダム、右リール8cの停止受付位置はランダムとする。この指示通りに操作されると、再遊技05の図柄組合せ「リプレイ」-「赤セブン」-「赤セブン」(図21参照)が停止表示される可能性があり、「赤セブン」図柄組合せが一直線に揃うことが可能となる。なお、非AT状態における再遊技-A1条件装置が当選した場合は、押し順は左中右の順番、停止受付位置はランダムでIF3試験信号を出力する。
また、ROMに記憶されているテーブルデータは、例えば、ROMアドレス「2E64H」に記憶されている押し順情報である「06H」、ROMアドレス「2E5H」に記憶されている左リール8aの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2E66H」に記憶されている中リール8bの停止受付位置である「7FH」、ROMアドレス「2E67H」に記憶されている右リール8cの停止受付位置である「7FH」となっており、IF3試験信号を出力するための処理としてテーブルデータから各情報を取得する。なお「7FH」は停止受付位置が不問の場合に記憶されるデータであり、図柄数以上の値(20図柄の場合14H以上の値)であれば任意の値でよい。
各データをセットした後は、操作順番、左リール8a停止受付位置、中リール8b停止受付位置、右リール8c停止受付位置の順番でIF2試験信号を出力するための処理を実行した後、操作順番、左リール8a停止受付位置、中リール8b停止受付位置、右リール8c停止受付位置の順番でIF3試験信号を出力するための処理を実行する。
このように構成することで、IF2試験信号とIF3試験信号とを正確に試験用IF基板に向けて送信することが可能となる。
<前提とするスロットマシンPS1に適用可能な入賞演出、精算演出と投入演出の説明>
次に、前提とするスロットマシンPS1に適用可能な入賞演出、精算演出と投入演出の関係について説明する。
以下に記載する前提とするスロットマシンPS1に適用可能な演出においては、押し順役などの小役入賞に基づく遊技メダルの払出処理に伴う入賞演出や、精算処理に伴う精算演出とベット操作に伴う投入演出の両方を同時に出力可能とすることで、精算が正常に行われなかった、投入が正常に行われなかったなどの誤った認識を防ぎ、遊技機として正常に機能していることを遊技者に認識させることを目的とする。
前提とするスロットマシンPS1に適用可能な入賞演出、精算演出と投入演出に関連する構成に関して以下に説明する。
<主制御手段>
主制御手段が有する主な処理は前提とするスロットマシンPS1で説明した通りであるが、前提とするスロットマシンPS1の説明では省略した処理の詳細について以下に説明する。
<遊技メダル投入時の処理>
遊技メダルが投入可能な状態になっている場合は、遊技メダルが投入されると、賭け枚数が上限に設定されていなければ、投入された枚数分の賭け設定(ベットとも称す)を行い、上限に設定されていればクレジットに投入された枚数分加算する。また、賭け枚数が上限に設定されておらず、クレジットに賭け設定が可能な枚数が貯留されていれば、ベットスイッチ(MAXベットスイッチ18、1ベットスイッチ19)の操作に応じて賭け設定を行う。ここで遊技メダルが投入されるとは、メダル投入口17に入れた遊技メダルがメダルセレクタ34を正常に通過することと同意である。
なお、遊技メダルが賭け設定されている、又はクレジットに貯留されている状態で遊技を開始する前(必要な賭け枚数を設定後であってスタートレバーを操作する前)であれば精算スイッチが操作されると精算処理が可能となっている。
また主制御手段(主制御基板100)は遊技メダルが投入された場合にメダル投入コマンドを副制御手段(副制御基板1000、演出制御手段とも称す)へ送信し、ベットスイッチが操作された場合に賭け設定された枚数に応じた貯留投入コマンドを副制御手段へ送信する。これらのコマンドに基づいて副制御手段では遊技メダルの投入音の出力などの投入演出が実行可能となっている。
<入賞処理(払出処理)>
入賞処理(以下、払出処理とも称す)は、入賞判定処理により小役が入賞したと判定したときに、入賞した小役(停止表示した図柄組合せ)に応じて予め定められた遊技メダルを払い出す処理である。ここで遊技メダルを払い出すとは、クレジットの貯留が上限に達していなければクレジットに加算を行い、クレジットの貯留が上限に達している場合は、遊技メダルをホッパ44から払い出すことである。主制御手段は、入賞に基づく払い出し(クレジットの加算であっても、ホッパ44からの払い出しであっても)を開始する場合に払出開始コマンドを副制御手段に送信し、入賞に基づく払い出しを終了する際に払出終了コマンドを副制御手段に送信する。払出開始コマンド、払出終了コマンドに基づいて副制御手段は、遊技メダルの払出音の出力、バックランプ演出(BL演出とも称す)の実行などの入賞演出が実行可能となっている。なお払出開始コマンドは払い出す遊技メダルの枚数情報を含んで構成され、払出開始コマンド及び、払出終了コマンドは払い出しがない場合(ハズレ時、再遊技入賞時)にも送信される。ハズレ時、再遊技入賞時は払い出す遊技メダルの枚数情報を0枚として送信し、続いて払出終了コマンドを送信する。
<精算処理>
遊技が行われていない状態で精算スイッチが操作されると、賭け設定されているベット数や、クレジットの貯留数に対応する数の遊技メダルをホッパ44から遊技者に払い出す(精算)処理を実行する。精算処理が開始されると主制御手段は副制御手段に精算開始コマンドを送信し、精算処理が終了すると主制御手段は副制御手段に精算終了コマンドを送信する。副制御手段は精算開始コマンド、精算終了コマンドに基づいて、精算音の出力などの精算演出が実行可能となっている。
<副制御手段>
遊技の進行状況に応じて各種の演出が実行可能であり、役の抽選結果(内部抽せんの結果)に基づいて演出を実行したり、AT中は押し順ナビ演出を実行したり、投入演出、入賞演出、精算演出等を実行する。
<投入演出>
遊技メダルが投入されたり、ベットスイッチが操作された際に実行される演出であり、主制御手段から送信されたメダル投入コマンド、貯留投入コマンドに基づいて投入音を出力する。主制御手段では、貯留投入コマンドとして、賭け設定された枚数に応じて、貯留投入コマンド(1枚)、貯留投入コマンド(2枚)、貯留投入コマンド(3枚)の何れかが設定され、設定された貯留投入コマンドが副制御手段へ送信される。貯留投入コマンド(1枚)を受信した時は、1枚ベットされたことを示す投入音Aを1度出力し(例えばダという音を出力)、1枚ベットされたことを遊技者に報知する。貯留投入コマンド(3枚)を受信した時は、投入音Aを3度出力し、3枚ベットされたことを遊技者に報知する。メダル投入コマンドを受信したときは、投入された遊技メダルが賭け設定されたなら、投入音Aを1度出力し、貯留されたなら1枚貯留されたことを示す投入音Bを1度出力し(例えばヂという音を出力)、遊技者にベット又は貯留されたことを報知する。
なお、貯留投入コマンド(3枚)を受信した時に、投入音Aを3度出力せずに、3枚ベットされたことを示す投入音Cを出力してもよいし、賭け設定された場合と、貯留された場合とで同じ音(例えば全ての状態で投入音Aを出力)を出力してもよい。また、通常時(非AT中)とAT中とで異なる音(投入音D)を出力してもよい。
<入賞演出>
遊技メダルの払い出しが行われる際に実行される演出であり、払出開始コマンドと払出終了コマンドに基づいて実行され、遊技メダルが払い出されていることを示す払出音の出力及び、バックランプ演出が実行される。
<払出音の出力>
遊技メダルの払出処理の実行中に出力される遊技メダルの払出音は互いに異なる音である払出音Aと払出音Bとがある。払出音Aは通常時(非AT中)に押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払出が行われる際に出力される払出音である。払出音BはAT中に押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払い出しが行われる際に出力される払出音である。正解押し順で操作しなかった場合に、不正解図柄組合せが停止して不利な払い出しが行われる場合があるが、その場合には払出音の出力は行われない。払出音Aは払出開始コマンドを受信したときに開始し、払出終了コマンドを受信するまで特定の音(例えばヅという音)の出力を繰り返し、払出終了コマンドを受信するとその後、第1特定時間(例えば1秒)の間特定の音の出力を繰り返して終了する払出音である。払出音Aは実際の払い出しが行われている期間(払出処理が行われる期間)より長い所定の払出音期間(実際の払い出しが行われている期間に上記第1特定時間を加算した期間)に亘って音の出力を行うことで、遊技者に払い出しが行われていることを認識しやすくすることができる。また、払出音の出力を払い出しが行われている期間より長い所定の払出音期間に亘って出力することで、払出音の出力が行われている期間は払い出しが行われているように遊技者に認識させ、次遊技の開始時期を遅らせることが期待できる結果、内部抽せんの結果に応じた演出などが一定時間をかけて行われている場合などに途中でキャンセルされずに実行されやすくなる。
払出音Bは払出開始コマンドを受信したときに開始し、払出終了コマンドを受信するまで所定の音(例えばデという音)の出力を繰り返し、払出終了コマンドを受信するとその後、第2特定時間(例えば2秒)の間所定の音の出力を繰り返して終了する払出音である。すなわち、払出音Bは実際の払い出しが行われている期間より長い特定の払出音期間(実際の払い出しが行われている期間に上記第2特定時間を加算した期間)に亘って音の出力を行っており、この特定の払出音期間は、払出音Aの所定の払出音期間よりも長い。このように、払出音Bは、払出音Aより長い期間に亘って払出音の出力を行うことで、より多くの遊技メダルが付与されているかのように認識させることができる。また、AT中に払出音Aと異なる払出音Bを出力することで通常とは異なる有利な状態であることを認識しやすくすることができる。
なお、払出終了コマンドを受信してから所定時間や特定時間経過まで払出音を出力したが、払出開始コマンドを受信したら、払出終了コマンドを契機にすることなく、払い出し開始から払い出し終了するまでにかかる時間(クレジットの加算と遊技メダルの払い出しで比べ長い方)に所定時間や特定時間を加えた時間だけ払出音の出力を行うようにしてもよい。また、通常時の払出音AとAT中の払出音Bとで払出音を異なるようにしたが、同じ払出音を出力するようにしてもよい。
<バックランプ演出>
バックランプ演出には、互いに異なるバックランプ演出Aとバックランプ演出Bとがある。バックランプ演出Aは通常時(非AT中)に押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払出が行われる際に出力されるバックランプ演出である。バックランプ演出BはAT中に押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払い出しが行われる際に実行されるバックランプ演出である。正解押し順で操作しなかった場合に、不正解図柄組合せが停止する場合があるが、その場合にはバックランプ演出は実行されない。バックランプ演出Aは払出開始コマンドを受信したときに開始し、払出終了コマンドを受信するまで特定のパターンでバックランプの点灯、消灯を繰り返し、払出終了コマンドを受信するとその後、第1特定時間(例えば1秒)に亘って特定のパターンでバックランプの点灯、消灯を繰り返して終了する。バックランプ演出Aは実際の払い出しが行われている期間より長い所定のバックランプ演出期間(実際の払い出しが行われている期間に上記第1特定時間を加算した期間)に亘って実行することで、遊技者に払い出しが行われていることを認識しやすくすることができる。また、バックランプ演出Aの実行(出力)を払い出しが行われている期間より長い所定の演出期間実行(出力)することで、バックランプ演出Aが実行されている期間は払い出しが行われているかのように遊技者に認識させ、次遊技の開始時期を遅らせることが期待でき、さらに、内部抽せんの結果に応じた演出などが一定時間をかけて行われている場合などに途中でキャンセルされずに実行されやすくなる。
バックランプ演出Bは払出開始コマンドを受信したときに開始し、払出終了コマンドを受信するまで所定のパターンでバックランプの点灯、消灯を繰り返し、払出終了コマンドを受信するとその後、第2特定時間(例えば2秒)に亘って所定のパターンでバックランプの点灯、消灯を繰り返して終了する。すなわち、バックランプ演出Bは実際の払い出しが行われている期間より長い特定のバックランプ演出期間(実際の払い出しが行われている期間に上記第2特定時間を加算した期間)に亘って点灯、消灯を繰り返しており、この特定のバックランプ演出期間は、所定のバックランプ演出期間よりも長い。このように、バックランプ演出Bは、バックランプ演出Aより長い時間バックランプ演出を実行することで、より多くの遊技メダルが付与されているかのように認識させることができる。また、AT中にバックランプ演出Aと異なるバックランプ演出Bを実行することで通常とは異なる有利な状態であることを認識しやすくすることができる。
なお、払出終了コマンドを受信してから第1特定時間や第2特定時間経過までバックランプ演出を実行したが、払出開始コマンドを受信したら、払出終了コマンドを契機にすることなく、払い出し開始から払い出し終了するまでにかかる時間(クレジットの加算と遊技メダルの払い出しで比べ長い方)に第1特定時間や第2特定時間を加えた時間だけバックランプ演出を実行するようにしてもよい。また、通常時とAT中とでバックランプ演出を異なるようにしたが、同じバックランプ演出を実行するようにしてもよい。また、一定のパターンでバックランプの点灯、消灯を繰り返すとしたが、バックランプ演出の開始から終了にかけて、一連の点灯、消灯パターンを定め出力するようにしてもよい。また、バックランプ演出Aの「所定のバックランプ演出期間」と、払出音Aの「所定の払出音期間」とはともに、実際の払い出しが行われている時間に第1特定時間を加えた期間であり、いずれも同一の期間となっているが、これらの「所定のバックランプ演出期間」及び「所定の払出音期間」とは互いに異なる期間であっても良い。これについては、バックランプ演出Bの「特定のバックランプ演出期間」と、払出音Bの「特定の払出音期間」との関係についても同様である。要するに、払出音A及びBの「所定の払出音期間」及び「特定の払出音期間」、バックランプ演出A及びBの「所定のバックランプ演出期間」及び「特定のバックランプ演出期間」はそれぞれ、実際の払い出しが行われている期間よりも長く、かつ、「所定の払出音期間」<「特定の払出音期間」、「所定のバックランプ演出期間」<「特定のバックランプ演出期間」という関係にあれば、これらの期間については適宜設定可能である。
<精算演出>
遊技メダルの精算が行われる際に実行される演出であり、精算開始コマンドと精算終了コマンドに基づいて実行され、遊技メダルが払い出されていることを示す精算音(精算演出)の出力と精算が終了した旨の音声の出力が行われる。精算音は精算開始コマンドを受信したときに開始し、払出終了コマンドを受信するまで払出音と異なる音(例えばドという音)の出力を繰り返し、払出終了コマンドを受信するとその後、第3特定期間(例えば5秒)で「精算が終了しましたと」など精算が終了した旨を示す音声の出力を行い終了する。すなわち、精算演出では実際の払い出しが行われている期間(精算処理が行われている期間)より長い所定の精算演出期間(実際の払い出しが行われている期間に上記第3特定時間を加算した期間)に亘って音の出力を行っている。
以下図37~図41を参照しながら遊技の進行状況に応じて実行される各種演出を説明する。図37は払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行わなかった場合のタイムチャートであり、図38は払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行った場合のタイムチャートであり、図39は払出処理終了後に精算スイッチによる精算操作を行った場合のタイムチャートであり、図40は精算処理終了後に遊技メダルの投入を行わなかった場合のタイムチャートであり、図41は精算処理終了後に遊技メダルの投入を行った場合のタイムチャートである。なお、図37~図41では説明の便宜上ONとOFFを用いて記載しているが、対応する処理や演出の状況は括弧内に記載する。具体的には、払出処理/精算処理/BL演出/精算演出は、ONは実行している状態を示し、OFFは実施していない状態を示し、OFFからONとなると処理等を開始し、ONからOFFとなると終了することを意味する。払出音/投入音は、ONは出力している状態を示し、OFFは出力していない状態を示す。MAXベットランプ/メダル投入可ランプはONは点灯している状態を示し、OFFは消灯している状態を示す。MAXベットスイッチ操作/精算スイッチ操作は、ONが操作されたことを示し、OFFは操作されていないことを示す。メダル投入は、ONは投入された遊技メダルがメダルセレクタ34を通過したことを(メダルセレクタ34が遊技メダルを検知)示し、OFFは遊技メダルが投入されていないことを示す。
<払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行わなかった場合>
図37に示すとおり、時刻t0のタイミングにて主制御手段は払出処理を開始し、副制御手段は受信した払出開始コマンドに基づいて払出音A(図では払出音と記す、以下同じ。)の出力及びバックランプ演出A(図ではBL演出と記す、以下同じ。)を開始する。時刻t1のタイミングにて主制御手段は払出処理を終了し、副制御手段に払出終了コマンドを送信する。副制御手段は、払出終了コマンドに基づいて入賞演出として払出音Aの出力、バックランプ演出AをT1期間(第1特定時間)の間継続させる。主制御手段は、時刻t1のタイミングにおいて払出処理が終了した後は、RT状態の更新等の処理(遊技終了チェック処理)を行い、ブロッカをONとすることで遊技メダルを投入可能な状態とする。主制御手段は、時刻t2のタイミングでは遊技メダルが投入可能な状態となったことに基づいてMAXベットランプを点灯させる。MAXベットランプはMAXベットスイッチの操作が行われなかったため、点灯している状態を継続している。時刻t5のタイミングでは、時刻t1のタイミングからT1期間が経過したため、副制御手段は、払出音Aの出力及び、バックランプ演出Aを終了させる。すなわち、時刻t0からt5までの期間が、所定の払出音期間及び所定の演出期間ともいえる。以上のように、時刻t1以降のタイミングでは払出音Aの出力やバックランプ演出Aを継続しつつ、MAXベットランプを点灯させるといった各種の状況が複合した場合でも円滑な制御が可能であり、払出音Aの出力を継続することで払い出しが行われたことを遊技者に認識させると共に、MAXベット操作により賭け設定が可能なことも適切に認識させることができ、遊技機の性能の向上を図ることができる。
<払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行った場合>
図38に示すとおり、時刻t2のタイミングまでは、払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行わなかった場合と同様であり、時刻t3のタイミングではMAXベットスイッチによる投入操作が行われる。MAXベットスイッチの操作が行われたことにより、主制御手段は、MAXベットランプの点灯を終了(消灯)し、副制御手段は、バックランプ演出Aを終了し、時刻t3から時刻t4のタイミングにかけて(T2期間の間で)投入演出として投入音A(図では投入音と記す、以下同じ。)を3度出力する。時刻t3移行のタイミングにおいて、払出音Aの出力を行いつつ、投入音Aの出力を行うといった各種の状況が複合した場合でも円滑な制御が可能であり、これにより、払い出しが行われたことを遊技者に認識させつつ、MAXベットスイッチが操作され、賭け設定が行われたことも認識させることができ、遊技機の性能の向上を図ることができる。また、時刻t3のタイミングでは払出音Aの出力は継続するが、バックランプ演出Aを終了させることにより、払い出しが行われたことを音により遊技者に認識させつつ、視覚により賭け設定が行われたことを認識させることができる。なお、図38ではMAXベットスイッチによる投入操作で説明をしたが、1ベットスイッチによる投入操作、メダル投入を行っても同様に投入音を出力する。
<払出処理終了後に精算ボタンによる精算操作を行った場合>
図39に示すとおり、時刻t2のタイミングまでは、払出処理終了後にMAXベットスイッチによる投入操作を行った場合と同様であり、時刻t3のタイミングではMAXベットスイッチの操作に替わって精算ボタンが操作される。時刻t3のタイミングにおいては、主制御手段は、精算ボタンが操作されたことに基づいて精算処理を開始し、MAXベットランプの点灯を終了(消灯)する。そして、副制御手段は、払出音Aの出力とバックランプ演出AをT1期間の経過を待たずに、時刻t3のタイミングにて終了する。その後、精算開始コマンドに基づいて精算演出として精算音の出力を開始する。時刻t6のタイミングにおいては、主制御手段は精算処理を終了し、副制御手段へ精算終了コマンドを送信する。副制御手段は、精算終了コマンドを受信すると精算音の出力に変えて精算が終了した旨の音声の出力をT3期間(第3特定時間)に亘り実行する。精算処理が開始された際に、払出音Aの出力と精算音の出力が同時行われると遊技者を混乱させてしまうため、精算処理が開始されたことにより、T1期間継続する予定であった払出音Aの出力とバックランプ演出Aを終了させることで、払出処理と異なる精算処理が行われていることを的確に遊技者に認識させることができる。
<精算処理終了後に遊技メダルの投入を行わなかった場合>
図40に示すとおり、時刻t8のタイミングにて主制御手段は精算処理を開始し、副制御手段は受信した精算開始コマンドに基づいて精算演出として精算音の出力を開始する。ここで、精算時にはバックランプ演出を実行(出力)しないようになっており、払い出し処理と精算処理を視覚的に異なる処理とすることができる。時刻t9のタイミングにて主制御手段は精算処理を終了し、副制御手段に精算終了コマンドを送信する。副制御手段は、精算終了コマンドを受信すると精算音の出力に変えて精算が終了した旨の音声の出力をT3期間に亘り実行する。主制御手段は、時刻t9のタイミングにおいて精算処理が終了した後は、ブロッカをONとすることで遊技メダルを投入可能な状態とする。主制御手段は、時刻t10のタイミングでは遊技メダルが投入可能な状態となったことに基づいてメダル投入可ランプを点灯させる。その後はメダル投入が行われなかったため、点灯している状態を継続している。時刻T13のタイミングでは、時刻t9のタイミングからT3期間が経過したため、副制御手段は、精算が終了した旨の音声の出力を終了させる。以上のように、時刻t10以降のタイミングでは精算演出が実行されているが、メダル投入が可能な状態となっている。
<精算処理終了後に遊技メダルの投入を行った場合>
図41に示すとおり、時刻t10のタイミングまでは、精算処理終了後に遊技メダルの投入を行わなかった場合と同様であり、主制御手段は時刻t11のタイミングにおいては遊技メダルが投入され1枚の賭け設定が行われ、副制御手段へメダル投入コマンドが送信される。副制御手段はメダル投入コマンドを受信したことに基づいて投入演出として投入音Aの出力を1度出力し、時刻t11のタイミングから時刻t12のタイミングにかけて出力が行われる。時刻t11以降のタイミングにおいて、精算が終了した旨の音声の出力を行いつつ、投入音Aの出力を行うといった各種の状況が複合した場合でも円滑な制御が可能であり、これにより、精算処理が終了したことを遊技者に認識させつつ、メダル投入が行われ、賭け設定が行われたことも認識させることができ、遊技機の性能の向上を図ることができる。なお、図37~図41については、払出音を払出音Aとし、BL演出をバックランプ演出Aとした例にて説明したが、これらの図37~図41において、払出音を払出音Bとし、BL演出をバックランプ演出Bとしてもよい(この場合、図37、38のT1期間は、第2特定時間と読み替えることは言うまでもない)。この場合であっても、上述と同様な作用効果を奏する。
<態様の変更>
払出処理や精算処理が行われている最中は終了するまでの期間、同じ音を繰り返し出力する構成を説明したが、上記したコマンドに加え、払い出しが行われる毎に主制御手段から副制御手段へ1枚払い出されたことを示すコマンドや、残りの払い出し枚数を識別できるコマンドを送信し、副制御手段では主制御手段から送信されたこれらのコマンドを受信したことに基づいて1枚払い出される毎に払出音や精算音を出力するようにしてもよい。
また、精算音は払出音と異なる音としたが、払出音と同じ音としてもよい。同じ音とすることで音データを少なくすることができ、データ容量の削減となる。同じ音とした場合は、バックランプ演出の有無により、払出処理と精算処理を区別することができ遊技者に、払出処理の直後に精算処理を行った場合でも、遊技者に適切に精算処理が行われていることを認識させることができる。
また、精算音はエラー音と同じ音としてもよい。この場合も音データを少なくすることができ、データ容量の削減となる。
また、AT中は払出音Bを出力するようにしたが、払出処理開始から払出音Bの出力に加え、「ゲット」や「よっしゃー」などといった押し順正解を示す音声を払出処理開始から払出処理が終了し第2特定時間(2秒)が経過するより短い時間で出力してもよい。押し順正解を示す音声を出力することで、ストップスイッチを正しく操作できたことを認識することができると共に、払出音の出力を押し順正解を示す音声より長い時間出力することで、遊技メダルも適切に払い出されたことを遊技者は認識することができる。
また、MAXベットランプの点灯、消灯を主制御手段で行うとしたが、主制御手段は、MAXベットスイッチが操作可能な状態か否かを副制御手段に送信することで、副制御手段において点灯、消灯を行うとしてもよい。
また、投入演出として、投入音の出力を行うと説明したが、投入音の出力に加えて表示装置32で投入を示す画像を表示したり、演出用のLEDランプを用いて投入された旨の報知を行ってもよい。
また、入賞演出として、払出音の出力とバックランプ演出を実行するとしたが、表示装置32で入賞したことを示す画像(例えば、GETと表示)を表示したり、演出用のLEDランプを用いて入賞した旨の報知を行ってもよい。その際、投入演出を実行する際に、入賞演出としての表示装置32の表示を終了したり、LEDランプでの報知を終了してもよいし、投入演出としての表示装置32の表示、LEDランプでの報知を実行しないとしてもよい。
また、精算演出として、精算音の出力と精算が終了した旨を示す音声の出力を行うとしたが、表示装置32で精算処理を行っていること示す画像(例えば、精算中と表示)を表示したり、演出用のLEDランプを用いて精算を行っている旨の報知を行ってもよい。その際、投入演出を実行する際に、精算演出としての、表示装置32の表示を終了したり、LEDランプでの報知を終了してもよいし、投入演出としての表示装置32の表示、LEDランプでの報知を実行しないとしてもよい。
また、押し順役において払出演出を実行するとしたが、他の小役(スイカ役、押し順不問のベル役やチェリー役など)においても払出演出を行うようにしてもよい。他の小役においては押し順役と異なる払出音の出力や、押し順役と異なるバックランプ演出を実行することで、押し順役と異なる役が入賞したことを容易に認識させることができる。
また、前提とするスロットマシンPS1における時刻や期間の長さは一例であり、種々変更が可能である。
<前提とするスロットマシンPS1に適用可能なホッパ44に関するエラーと入賞演出の説明>
次に、前提とするスロットマシンPS1に適用可能なホッパ44に関するエラーと入賞演出の関係について説明する。
以下に記載する前提とするスロットマシンPS1に適用可能な演出においては、払出処理の開始に伴う入賞演出や、リール停止後の演出をした際に、ホッパエンプティエラーが発生したとしても、その発生前に当該遊技の結果や演出の結果等を遊技者に認識させることを目的とする。
前提とするスロットマシンPS1に適用可能なホッパ44に関するエラーと入賞演出に関連する構成に関して以下に説明する。
<主制御手段>
主制御手段が有する主な処理は前提とするスロットマシンPS1及び前提とするスロットマシンPS1に適用可能な入賞演出、精算演出と投入演出の説明等に記載した通りであるが、前提とするスロットマシンPS1の記載では省略した処理の詳細について以下に説明する。
<入賞処理(払出処理)>
払出処理は、入賞判定処理により小役が入賞したと判定したときに、入賞した小役(停止表示した図柄組合せ)に応じて予め定められた遊技メダルを払い出す処理である。ここで遊技メダルを払い出すとは、クレジットの貯留が上限に達していなければクレジットに加算を行い、クレジットの貯留が上限に達している場合は、遊技メダルをホッパ44から払い出すことである。遊技メダルをホッパ44から払い出すために、主制御手段(主制御基板100)はホッパモータに駆動信号を入力(ON状態)することでホッパモータを駆動させ、回転盤を回転させることで遊技メダルを1枚ずつ排出させ、払出センサで遊技メダルを所定時間(通過開始から通過終了までの時間が3ms~200msの間)検出すると1枚の遊技メダルを払出したと判断する。また、主制御手段は、入賞に基づく払い出し(クレジットの加算であっても、ホッパ44からの払い出しであっても)を開始する場合に払出開始コマンドを副制御手段(副制御基板1000)に送信し、終了する際に払出終了コマンドを副制御手段に送信する。払出開始コマンドに基づいて副制御手段は、獲得数の表示、累積数の表示などの入賞演出が実行可能となっている。なお払出開始コマンドは払い出す遊技メダルの枚数情報を含んで構成され、払出開始コマンド及び、払出終了コマンドは払い出しがない場合(ハズレ時、再遊技入賞時)にも送信される。ハズレ時、再遊技入賞時は払い出す遊技メダルの枚数情報を0枚として送信し、続いて払出終了コマンドを送信する。
<ホッパ44に関するエラー>
ホッパ44に関するエラーとして、ホッパ滞留エラーとホッパエンプティエラーと異常検知エラーを検出可能である。ホッパ滞留エラーは遊技メダルが払い出される際にホッパ44の払出口に遊技メダルが詰まったと判断した場合のエラーであり、ホッパエンプティエラーはホッパ内の遊技メダルが空と判断した場合のエラーであり、異常検知エラーはホッパ44の払出センサに異常入力があったと判断した場合のエラーである。
主制御手段は、エラーを検出し、エラー報知を行う際に、副制御手段へエラーの種別情報を含んだエラー報知開始コマンドを送信し、エラーが解除されるとエラー復帰コマンドを送信する。副制御手段は、エラー報知開始コマンドに基づき、表示装置32に検出したエラーの種別に対応するエラー情報の表示(エラー画面)を行い、エラー復帰コマンドに基づきエラー画面表示を終了して、エラー発生前の表示へ復帰する。
また、主制御手段は異常検知エラーを検出したタイミングでエラーを検知したことを示すエラー検知コマンドを送信し、副制御手段は、エラー検知コマンドに基づき異常検知が発生したことを表示する。
<ホッパ滞留エラー>
遊技メダルをホッパ44から払い出す際に、ホッパモータに駆動信号を入力し、回転盤を回転させる遊技メダルの払出動作を行い、払出センサが一定時間(201ms)以上検出した状態を継続すると遊技メダルが詰まったと判断し、ホッパ滞留エラーが設定される。
<ホッパエンプティエラー>
遊技メダルをホッパ44から払い出す際に、ホッパモータに駆動信号を入力し、回転盤を回転させる遊技メダルの払出動作を行っても、一定時間(3.5秒)払出センサにより遊技メダルが検出されなかった場合は、ホッパ44内の遊技メダルが空と判断し、ホッパエンプティエラーが設定される。
<異常検知エラー>
遊技メダルを払出す状況でない場合に、払出センサが一定時間(3ms)以上検出すると払出センサに異常入力があったと判断し、異常検知エラーが設定される。エラー表示は遊技が行われていない状態(遊技メダルの投入待ちの状態、スタートレバーの受付待ちの状態)で行われる。
<副制御手段>
遊技の進行状況に応じて各種の演出が実行可能であり、役の抽選結果(内部抽せんの結果)に基づいて演出を実行したり、エラー報知を実行したり、AT中は押し順ナビ演出を実行したり、入賞演出、リザルト画面の表示、結果告知演出等を実行する。
<入賞演出>
遊技メダルの払い出しが行われる際に実行される演出であり、所定数の遊技メダルが払い出されることを示す獲得表示演出と、遊技者が獲得した遊技メダルが累積して所定数となることを示す累積表示演出とを含む。副制御手段が払出開始コマンドを受信したことに基づいて獲得表示演出と累積表示演出が実行される。
<獲得表示演出>
獲得表示演出はAT中に押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払い出しが行われる際に実行される演出である。獲得表示演出の態様としては、払い出される遊技メダルを特定せずに「GET」と表示してもよいし、具体的に12枚の遊技メダルが払い出されることを特定できるように「12枚GET」と表示してもよい。AT中に押し順役が当選し、正解押し順で操作しなかった結果、不正解図柄組合せが停止して不利な払い出し(1枚払い出しなど正解図柄組合せに比べ少ない遊技メダル数の払い出し)が行われる場合があるが、その場合には獲得表示演出は実行されない。
獲得表示演出は、払出開始コマンドを受信したときに開始し、実際の払い出しが行われている期間(払出処理が行われている期間)より短い所定の獲得表示演出期間(1秒)実行される。そのため、実際に遊技者に払い出される全ての遊技メダルが払出されていなくても実行される。これは全て払い出された後に獲得表示演出を実行すると、次遊技開始により演出がキャンセルされたり、次遊技の結果と混同してしまうことを防ぐためである。また、全ての遊技メダルが払い出されていなくても獲得表示演出を実行することで、事前に当該遊技の結果(払い出しを得ることを)を遊技者に認識させることもできる。
<累積表示演出>
累積表示演出はAT中に遊技者が獲得した遊技メダルの累積数(総遊技メダル数とも称す)が規定数毎(500枚、1000枚、1500枚、2000枚)に初めて超えた場合に実行される演出である。具体的には、1回のAT中にAT開始後から獲得枚数の累積数を計数し、遊技メダルの払出しにより累積数が500枚を超えると判断できる場合に累積表示演出が実行(開始)される。その後、累積数が500枚を下回り再度500枚を超えても累積表示演出は実行されない。累積表示演出の態様としては、規定数に応じて「500枚GET」等のように表示される。
累積表示演出は、払出開始コマンド受信し、累積数が当該払い出しにより規定数を超えると判断できる場合に開始され、実際の払い出しが行われている期間(払出処理が行われている期間)より短い所定の累積表示演出期間(1秒)実行される。獲得表示演出と同様、実際に遊技者に払い出された遊技メダルが規定数を超えていなくても実行される。これは実際に規定数を超えたタイミングで累積表示演出を実行すると、累積表示演出を実行するタイミングがばらつき、次遊技開始により演出がキャンセルされたり、次遊技の結果と混同してしまうことを防ぐためである。また、規定数を超えていなくても累積表示演出を実行することで、事前に当該遊技の結果(規定数を超えること)を遊技者に認識させることもできる。
なお、獲得表示演出と累積表示演出は1の遊技で両方の演出の実行条件を満たすことがあるが、本例では、累積表示演出が実行可能な遊技では、原則的に獲得表示演出を実行せずに、累積表示演出のみ実行する。ただし、原則と異なり、獲得表示演出を実行する場合については後述する。
<リザルト画面の表示>
本例で表示されるリザルト画面はATが終了する際に表示する画面であって、AT中に獲得した総遊技メダル数や、ATの実行期間を示すゲーム数等を表示する画面である。リザルト画面を表示する際には、注意喚起のための表示(のめり込み防止表示)も併せて表示される。ATの最終遊技が終了する際(全回胴停止コマンドを受信)に、リザルト画面の表示を開始し、次の遊技が開始されるまでリザルト画面の表示が継続される。なお、最終遊技でリザルト画面の表示中は獲得表示演出のみが実行可能となっており、最終遊技で何れかの規定数を超えた場合であっても累積表示演出は実行されない。例えば、押し順役に当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払い出しが行われ、規定数の500枚を超える場合において、最終遊技でなければ累積表示演出が実行されるが、最終遊技であればリザルト画面が表示されるため累積表示演出が実行されずに獲得表示演出が実行される。これは、リザルト画面において、AT中に獲得した総遊技メダル数が表示されるため、累積表示演出も実行してしまうと類似する情報が重ねて表示され遊技者が困惑してしまうためである。
<結果告知演出>
結果告知演出は、遊技者にとって有利な結果が得られたことを告知するための演出であって、連続演出の最終遊技に実行される演出である。具体的には、ボーナス当選や、ATの残りゲーム数等の上乗せの当選、上乗せの機会が高まる特化ゾーンの当選など遊技者にとって有利な結果が得られたか否かを遊技者に告知するための演出であって、一例として、バトル演出等での勝負の結果によって有利な結果が得られたか否か告知される。有利な結果が得られた場合は、成功や勝利を示す画像が表示され、有利な結果が得られなかった場合は失敗や敗北を示す画像が表示される。バトル演出では、レバー操作を契機に味方キャラと敵キャラが対峙する画面を表示し、全てのリールが停止した後(全回胴停止コマンドの受信により)に味方キャラと敵キャラの競い合いが行われ一定時間を経過した演出分岐タイミング以降に成功や勝利を示す画像か、失敗や敗北を示す画像が表示される。演出分岐タイミングは払出処理開始後2.7秒後のタイミングであり、結果告知演出が終了するのは成功や勝利を示す画像か、失敗や敗北を示す画像が表示されるタイミングであり、払出処理開始後3秒となっている。これにより、結果告知演出はホッパエンプティエラーが発生(検知)してエラー画面が表示される前に終了し、遊技者は有利な結果の有無をエラーの発生によらずに確認することができる。なお、全回胴停止コマンドと、払出開始コマンドは略同タイミングで送信されるため、上記の払出処理開始を全てのリールが停止した後と置き換えてもよい。
以下図42~図47を参照しながら遊技の進行状況に応じて実行される各種演出を説明する。図42は、正常に払い出しが行われた場合のタイムチャートであり、図43は、正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)のタイムチャートであり、図44は、正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)のタイムチャートであり、図45は、正常に払い出しが行われた場合の表示画面の一例であり、図46は、正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)の表示画面の一例であり、図47は、正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)の表示画面の一例である。
なお、図42~図44では説明の便宜上ONとOFFを用いて記載しているが、対応する処理や演出の状況は括弧内に記載する。具体的には、払出処理のONは実行している状態を示し、OFFは実施していない状態を示し、OFFからONとなると処理等を開始し、ONからOFFとなると終了することを意味する。払出のONは遊技メダルが1枚払い出されたことを示し、OFFは遊技メダルが払い出されていないことを示す。獲得表示演出、累積表示演出のONは演出を実行している(表示している)状態を示し、OFFは実行していない(表示していない)ことを示す。結果告知演出のONは実行している(演出が進行している)状態を示し、OFFは実行していない(演出が終了し、結果を告知する画面で表示が停止している)状態を示す。エラー(ホッパエンプティ)、エラー(ホッパ滞留)のONは、エラーが発生している(エラーを検知し、エラーを設定した)状態を示し、OFFはエラーが発生していない状態を示す。エラー表示のONは、エラーが発生したことに基づき、主制御手段によるエラーコードの表示や、副制御手段によりエラー画面が表示されている状態を示し、OFFはエラーコードの表示やエラー画面の表示が行われていない状態を示す。
図45~図47は獲得表示演出が実行される場合であり、累積表示演出が実行される場合は、図中の獲得表示演出で表示される「12枚GET」の表記が、累積表示演出で表示される「500枚GET」の表記となる。
先に説明した入賞演出、精算演出と投入演出とも組合せ可能であり、図37~図39の時刻t0、t1と、図42の時刻t0、t1は同じタイミングである。図37、図38の時刻t5は図42の時刻t1より遅いタイミング且つ、時刻t15より早いタイミングである。
<正常に払い出しが行われた場合>
図42に示すとおり、時刻t0のタイミングにて主制御手段は払出処理を開始し、副制御手段は受信した払出開始コマンドに基づいて獲得表示演出又は累積表示演出を開始する。1秒後の時刻t14のタイミングにて副制御手段は獲得表示演出又は累積表示演出を終了する。その後時刻t1のタイミングにて主制御手段は払出処理を終了し、副制御手段に払出終了コマンドを送信する。払出処理に係る時間は正常に実行された(本例では12枚の遊技メダルを正常に払出す)場合は1.5秒程度となっており、払出処理の枚数や、払出処理がクレジットの加算のみなのか、ホッパからの遊技メダルの払い出しを含むのかにより若干必要な時間は変動する。獲得表示演出は払出処理が開始されるタイミングで開始され、払出処理が終了するよりも前のタイミングで終了する。これにより、遊技者は払出処理が完了する前に、遊技メダルを獲得することや獲得した遊技メダルの累積数が所定数を超えることを認識することができる。結果告知演出は、遊技の開始から実行されているため、払出処理を開始するタイミングではすでに実行中となっている。時刻t15のタイミングでは、結果告知演出は演出分岐タイミングとなり、このタイミング以降の表示が、成功や勝利を示す画像を表示する場合と、失敗や敗北を示す画像を表示する場合とで異なる。時刻t16のタイミングでは、実行していた結果告知演出が終了する。時刻t15は払出処理を開始してから2.7秒後のタイミングであり、時刻t16は払出処理を開始してから3秒後のタイミングとなっている。
<正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)>
図43に示すとおり、時刻t0のタイミングにて主制御手段は払出処理を開始し、副制御手段は受信した払出開始コマンドに基づいて獲得表示演出又は累積表示演出を開始する。時刻t10のタイミング以降、払出処理が実行されるが、ホッパ44内の遊技メダルがないため、遊技メダルの払い出しが行われず、回転盤の回転が継続される。そして、時刻t17のタイミングで主制御手段は、ホッパ44内の遊技メダルが空と判断し、払出処理を終了し、ホッパエンプティエラーを設定する。ホッパエンプティエラーが発生したことに基づいて主制御手段は、エラーコードの表示を行い、副制御手段は、エラー画面の表示を行う。他の時刻t14、t15、t16のタイミングでは図42と同様に、時刻t14のタイミングでは、獲得表示演出又は累積表示演出を終了し、時刻t15のタイミングでは、演出分岐タイミングとなり、時刻t16のタイミングでは結果告知演出が終了する。獲得表示演出、累積表示演出を実行する期間や結果告知演出を終了するまでの期間は、払出処理が開始されホッパエンプティエラーが発生するまでの期間より短く設定されているため、ホッパエンプティエラーが発生し、エラー画面が表示される前に獲得表示演出、累積表示演出、結果告知演出の内容を確認することが可能となる。
なお、図43では、払出処理を開始してから1枚も払い出されずホッパエンプティエラーが発生する場合を示しており、複数枚の遊技メダルを払い出したあとにホッパエンプティエラーが発生する場合は、ホッパエンプティエラーが発生するタイミングは時刻t17より複数枚の遊技メダルを払い出す分遅いタイミングとなる。
<正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)>
図44に示すとおり、時刻t0のタイミングにて主制御手段は払出処理を開始し、副制御手段は受信した払出開始コマンドに基づいて獲得表示演出又は累積表示演出を開始する。時刻t0のタイミング以降、払出処理が実行されるが、ホッパ44の排出口に遊技メダルが詰まっているため遊技メダルの払い出しが実行されていない。そして、時刻t18のタイミングでは払出処理開始からホッパ44の払出センサが201ms以上継続して検出したため、主制御手段は、遊技メダルが詰まったと判断し、払出処理を終了し、ホッパ滞留エラーを設定する。同じく時刻t18のタイミングでは、ホッパ滞留エラーが発生したことに基づいて主制御手段は、エラーコードの表示を行い、副制御手段は、実行していた獲得表示演出又は累積表示演出、同じく実行していた結果告知演出をキャンセルして(表示を終了して)、エラー画面の表示を行う。獲得表示演出又は、累積表示演出は払出処理開始タイミングから実行されるため、払出処理を開始してホッパ滞留エラーが発生する前に実行されているため、エラー画面が表示される前に、獲得表示演出、累積表示演出の内容を確認することが可能となる。
なお、図44では、払出処理を開始してから1枚も払い出されずホッパ滞留エラーが発生する場合を示しており、複数枚の遊技メダルを払い出したあとにホッパ滞留エラーが発生する場合は、ホッパ滞留エラーが発生するタイミングは時刻t18より複数枚の遊技メダルを払い出す分遅いタイミングとなり、獲得表示演出、累積表示演出、結果告知演出を実行する期間が長くなる。
獲得表示演出、累積表示演出、結果告知演出は、演出の実行自体をキャンセルして表示が行われないとしたが、演出自体は実行しつつ、エラー画面を演出に重ねて表示することで演出を視認できないようにしてもよい。この場合は、演出実行中にエラーが解除された場合には、解除されたタイミングから実行中の演出が視認可能となる。ただし、エラー解除にはリセットスイッチの操作が必要であり、リセットスイッチは筐体内にあるため、施錠装置を解錠し、フロントパネルPS2を開く必要がある。通常はエラーを解除する前に、払出処理開始から結果告知演出が終了するまでに要する3秒を超える時間を必要とするため、ホッパ滞留エラーが発生して最短時間でホッパ滞留エラーを解除したとしても獲得表示演出、累積表示演出、結果告知演出の実行中には復帰することはなく、全ての演出が終了した後の画面で復帰する。
<正常に払い出しが行われた場合の表示画面>
図45に、正常に払い出しが行われた場合の表示画面の一例を示す。図45は、ATが残り11ゲームで且つ、遊技メダルの総獲得枚数が230枚で実行された遊技であって、バトル演出(結果告知演出)が実行されている場面である。画面左上には残りゲーム数が表示され(残り11ゲームで実行された遊技であるので1減算されて10G(ゲーム)と表示されている。画面右上にはATで獲得した総遊技メダル数が230枚と表示されている。画面中央に対して左側に味方キャラ(丸型の頭で示されるキャラクタ)と右側に敵キャラ(星型の頭で示されるキャラクタ)が表示されている。
図45(a)は、バトル演出実行中に全リールが停止したタイミング(全回胴停止コマンド受信)の画面であって、このタイミング以降結果を告知するために演出が進行する。図45(b)は、図42の時刻t0のタイミングであって、払出処理が開始されたタイミングを示す画面である。遊技メダルが1枚払い出され総遊技メダル数が230枚から1枚加算され231枚となり、画面右側から獲得表示演出として12枚の遊技メダルが払い出されることを特定できるように「12枚GET」の表示が中央に向かって移動している。画面中央では、味方キャラと敵キャラの競い合いが開始されている。図45(c)は、遊技メダルが3枚払い出されたタイミングであって、画面中央に大きく獲得表示演出として12枚の遊技メダルが払い出されることを特定できるように「12枚GET」の表示が行われている。味方キャラと敵キャラの競い合いは継続して行われている。
同図(d)は、遊技メダルが8枚払い出されたタイミングであって、画面中央に大きく表示されていた「12枚GET」の表示が獲得表示演出の終了に向けて画面左側に向かって移動している。同図(e)は、図42の時刻t15のタイミングであって、遊技メダルの払い出しが終了し、演出分岐タイミングとなっている。遊技メダルの払い出しが終了しているため、総遊技メダル数は242枚と表示されている。画面中央では、味方キャラと敵キャラの競い合いは継続して行われている。同図(f)は、演出分岐タイミング後のタイミングであって、成功を示す画像を表示する過程が表示されている。味方キャラと敵キャラの競い合いから味方キャラが拡大表示されて、成功となることが認識できる状態となっている。同図(g)は、図42の時刻t16のタイミングであって、バトル演出が終了するタイミングとなっている。画面右下には「成功」と表示され、成功を示す演出であったことが明確に表示されている。同図(g)で表示されている画像は演出としては終了するが、次遊技が開始するまで継続して表示される。同図(h)は演出分岐タイミング後のタイミングであって、失敗を示す画像を表示する過程が表示されている。味方キャラと敵キャラの競い合いから敵キャラが拡大表示されて、失敗となることが認識できる状態となっている。同図(i)は、図42の時刻t16のタイミングであって、バトル演出が終了するタイミングとなっている。画面右下には「失敗」と表示され、失敗を示す演出であったことが明確に表示されている。同図(i)で表示されている画像は演出としては終了するが、次遊技が開始するまで継続して表示される。
<正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)の表示画面>
図46に、正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパエンプティエラー発生時)の表示画面の一例を示す。同図(a)~(i)までは、図45と獲得表示演出、累積表示演出、結果告知演出の流れは同じである。ただし、払出処理開始後に、遊技メダルの払い出しが行われていないため、画面右上の総遊技メダル数は230枚のまま更新されていない。同図(j)は、図43の時刻t17のタイミングであって、払出処理開始後に遊技メダルが3.5秒間検出されなかったため、主制御手段において、ホッパエンプティエラーが設定され、副制御手段において、ホッパエンプティエラーを示すエラー画面が表示されるタイミングである。ホッパエンプティエラーが発生する前に、成功を示す画像が表示されていても、失敗を示す画像が表示されていても同じ画像が表示される。
<正常に払い出しが行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)の表示画面>
図47に、正常に払出が行われなかった場合(ホッパ滞留エラー発生時)の表示画面の一例を示す。同図(a)~(c)までは、図45と獲得表示演出、累積表示演出、結果告知演出の流れは同じである。ただし、払出処理開始後に、遊技メダルの払出しが行われていないため、画面右上の総遊技メダル数は230枚のまま更新されていない。同図(k)は、図44の時刻t18のタイミングであって、主制御手段においてホッパ滞留エラーが設定され、副制御手段においてホッパ滞留エラーを示す画面が表示されるタイミングである。払出処理開始後にホッパ44の払出センサが201ms以上継続して検出すると、主制御手段は、遊技メダルが詰まったと判断し、ホッパ滞留エラーを設定する。主制御手段は、ホッパ滞留エラーを設定すると、ホッパ滞留エラーの発生を示すコマンドを副制御手段へ送信する。副制御手段は、ホッパ滞留エラーの発生を示すコマンドを受信すると、ホッパ滞留エラーを示す画面を表示装置32に表示する。
<態様の変更>
獲得表示演出及び、累積表示演出を行う期間は正常に払出処理が実行された際に掛かる期間(1.5秒)より短い期間(1秒)としたが、長い期間としてもよい。具体的には、1.5秒より長く、ホッパエンプティエラーを検出するまでの期間(3.5秒)より短い期間としてよい。払出処理が実行された際に掛かる期間より長くすることで、より遊技者に獲得表示演出及び、累積表示演出を視認させることができる。
また、獲得表示演出及び、累積表示演出は何れか一方のみ実行するとしたが、両方の演出を実行するための条件を満たしているときは、獲得表示演出を実行した後に、累積表示演出を実行してもよい。獲得表示演出は払出処理開始後1秒で終了し、その後1秒間、累積表示演出が実行されるため、ホッパエンプティエラーが発生したとしても、累積表示演出の内容を遊技者は認識することができる。
また、獲得表示演出はAT中に押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払い出し(12枚払い出し)が行われる際に実行される演出としたが、押し順役でなく他の役が当選した際にも実行してもよい。具体的には、押し順に関わらず有利な払い出し(12枚払い出し)が実行される押し順不問役(所謂共有ベル)に当選し、押し順不問役に対応する図柄組合せ(正解図柄組合せ)が停止した際に実行してもよい。
獲得表示演出は有利な払い出し(12枚払い出し)が実行される際に、複数種類の態様を備えてよい。具体的には、「12枚GET」と表示される際の、色や、フォントを状態に応じて異ならせて良い。より具体的には、ATの上乗せに当選し易い状態か否かによって色やフォントを異ならせたり、連続演出が発生する前兆中や、上乗せ特化ゾーン移行する前兆中に色やフォントを異ならせる。獲得表示演出の態様を異ならせることで遊技者に遊技メダルを獲得することを知らせると共に、次遊技以降に有利な状況が発生するかもしれないと期待させることができる。また、「12枚GET」と表示される際の、色や、フォントを遊技機に設定されている設定値に応じて異ならせても良い。獲得表示演出が実行される毎に遊技機に設定されている設定値を推測するための情報を提供できる。
また、累積表示演出は規定数毎以外に、特定の設定値が設定されている場合のみ表示可能な態様を備えてもよい。具体的には、設定値「2」か「4」か「6」が設定されている際に、遊技メダルの累積数が初めて246枚を超える場合に、「246枚GET」と表示を行う。246枚を超える場合に、必ず表示してもよいし、表示を行うか抽選を行い当選した場合に表示してもよい。累積表示演出で表示される内容で設定示唆を行うことで、累積数を遊技者に報知するだけでなく、遊技機に設定されている設定値を推測するための情報も提供できる。設定値「6」が設定されている場合にのみ、遊技メダルの累積数が初めて666枚を超える場合に、「666枚GET」と表示してもよい。また、規定数毎の表示態様を色やフォント等が異なる複数種類備え、表示される表示態様によって遊技機に設定されている設定値や、状態を示唆するようにしてもよい。
獲得表示演出、累積表示演出はAT中に実行可能であり、リザルト画面表示中のみ遊技メダルの累積数が規定数を超えたとしても累積表示演出を実行せずに、獲得表示演出を実行するが、獲得表示演出、累積表示演出を実行しない状況を他に備えてもよい。具体的には、所謂疑似ボーナスといわれる状況では、獲得表示演出、累積表示演出を実行しなくてもよい。また、AT中に実行される疑似ボーナス中の状況では獲得表示演出は実行せず、累積表示演出のみ実行するとしてもよい。また、ATを開始する前の準備期間中や、AT開始画面や、AT中に実行される連続演出や、連続演出の前兆中などの状況では、獲得表示演出、累積表示演出を実行しなくてもよい。有利区間が終了する前に実行可能なエンディング状態では、獲得表示演出、累積表示演出を実行しなくてもよい。主制御手段で管理される遊技状態や、副制御手段で管理される演出の状態に応じて、実行する場合と、実行しない場合を備えることで、必要な情報を適切に遊技者に報知することができる。
累積表示演出は、AT中に遊技者が獲得している遊技メダルの累積数と、払出処理によって払い出される遊技メダル数に基づいて実行するか判断していたが、MYカウンタの値を用いて判断してもよい。具体的には、MYカウンタの値は、遊技終了チェック後と、レバー操作時に主制御手段から副制御手段へMYカウンタの値を示すコマンドを送信する。遊技終了チェック後のMYカウンタの値は払出処理後の値を示し、レバー操作時のMYカウンタの値は賭け数分減算した値を示す。レバー操作時のMYカウンタの値に遊技の結果として払出開始コマンドを受信したタイミングで払出開始コマンドに含まれる遊技メダルの枚数情報を加算し、加算した合計値が規定数を超えるか判断を行う。AT中の累積数としてMYカウンタの値に基づく値を表示すれば、遊技者は有利区間が終了するまでに獲得可能な遊技メダル数を把握することが可能となる。
結果告知演出は、連続演出の最終遊技で実行されるバトル演出としたが、連続演出でなく、1遊技で実行される演出としてもよい。また、味方キャラと敵キャラが競い合うようなバトル演出に限らず、くじ引きで一等を引くか否か、あみだくじで当りとなるか否かなど演出の結果と遊技者に有利な結果とを関連付けられる他の演出としてもよい。
結果告知演出は全回胴停止から時間経過により演出分岐タイミングを経て結果を表示するとしたが、演出ボタンの操作によって結果を表示するようにしてもよい。具体的には演出分岐タイミング(時刻t15のタイミング)において、演出スイッチを模したスイッチの画像(操作促進画像、操作促進演出とも称す)を表示し、遊技者が演出スイッチを操作することで、成功を示す画像か失敗を示す画像を表示する。演出分岐タイミングにおいて、操作促進画像を表示することで、ホッパエンプティエラーが発生してエラー画面が表示されてしまう状況であっても、エラー画面が表示されるより前に、操作促進画像が表示されることを認識することができる。
また、全てのリールが停止した後(全回胴停止後)に、演出のステージチェンジや、ATの残りゲーム数の上乗せ数を告知するためにPUSHボタン演出を実行してもよい。具体的には、全てのリールが停止した後であって、ホッパエンプティエラーが発生する前の時刻t17となる前に、演出スイッチを模したスイッチの画像を表示し、遊技者が操作することによって、演出のステージチェンジを行ったり、上乗せ数を告知する。ホッパエンプティエラーが発生する(エラー画面が表示される)前に演出スイッチを模したスイッチの画像が表示される(PUSHボタン演出が実行される)ことを認識できる。また、演出スイッチを模したスイッチの画像を表示する前に、演出スイッチを模したスイッチの画像の画像が表示されるか煽ってもよく、エラー画面が表示される前に、煽った結果、演出スイッチを模したスイッチの画像の画像が表示されることを認識することができる。
結果告知演出、PUSHボタン演出以外に、コメント演出等の、最終リールのストップスイッチの操作や全てのリールを停止したことを契機とする演出を実行してもよい。これらの演出もホッパエンプティエラーが発生する前の時刻t17となる前(一例として時刻t15のタイミングや、時刻t1のタイミングなど)に実行することで、演出の内容をホッパエンプティエラーが発生する前に認識することができる。
また、押し順役が当選し、正解押し順で操作した結果、正解図柄組合せが停止し、有利な払い出し(12枚払い出し)が行われる際に実行される演出としたが、押し順役でなく他の役が当選した際にも実行してもよい。具体的には、押し順に関わらず有利な払い出し(12枚払い出し)が実行される押し順不問役(所謂共有ベル)に当選し、押し順不問役に対応する図柄組合せ(正解図柄組合せ)が停止した際に実行してもよい。
また、上記実施形態で記載した時間や期間の長さは一例であり、適時変更可能である。
次に、タイマ割込み処理を実行するための各種設定について説明する。
図5の遊技機の動作に関する初期設定において、割込みモードのセットを行う。この割込みモードのセットとは、タイマ割込み処理を実行可能とするための各種設定(主制御内蔵レジスタの設定)を行うことである。
そこでまず始めに、タイマ割込み処理を実行可能とするための主要な主制御内蔵レジスタについて説明を行う。
<PTCプリスケーラ設定レジスタ>
PTCプリスケーラ設定レジスタは、主制御内蔵レジスタの1つであり、主制御チップのタイマ回路の動作設定を司るレジスタである。
PTCプリスケーラ設定レジスタに値を設定することにより、後述する8ビットカウンタPTCへ供給するクロックを設定することができる。具体的には、システムクロック(SCK)を「何」分周したものを8ビットカウンタPTCへ供給するかを設定することができる。例えば、システムクロックが16MHZである場合において、「143」をPTCプリスケーラ設定レジスタに設定した場合には、16MHz/143=約111.8881KHZが8ビットカウンタPTCのクロック源となる。
なお、PTCプリスケーラ設定レジスタの初期値(電源がオフからオンとなったときの値)は「250」である。
<PTCカウンタ設定レジスタ>
PTCカウンタ設定レジスタは、主制御内蔵レジスタの1つであり、主制御チップのタイマ回路の動作設定を司るレジスタである。
PTCカウンタ設定レジスタに値を設定することにより、8ビットカウンタPTCのカウント値を設定することができる。具体的には、PTCプリスケーラ設定レジスタからのクロック数が、何回入力された場合に、タイマ割込み処理を実行するかを設定することができる。例えば、システムクロックが16MHzであり、PTCプリスケーラ設定レジスタに「143」を設定し、PTCカウンタ設定レジスタに「125」を設定した場合には、約111.8881KHzのクロック(1周期が約8.9375μsのクロック)が125回入力された場合(8ビットカウンタPTCがタイムアウトした場合)に、割込みフラグがセットされ、後述する割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。そして、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されているときには、割込み待ちモニタレジスタからCPUに対して割込み要求通知信号が出力可能となり、割込み許可状態であるとき(後述するIFF1レジスタが「1」であるとき)タイマ割込みが実行可能となる。
換言すると、システムクロックが16MHzであり、PTCプリスケーラ設定レジスタに「143」を設定し、PTCカウンタ設定レジスタに「125」を設定した場合は、1/16MHz×143×125=約1.117ms(ミリ秒)の周期でタイマ割込み処理が実行可能となる。
また、8ビットカウンタPTCの値は、PTCカウンタ設定レジスタに値を設定した後からPTCプリスケーラ設定レジスタからのクロックに基づいて更新(例えば、1ずつ減算)が開始される。
なお、8ビットカウンタPTCの初期値(電源がオフからオンとなったときの値)は「0」である。
<割込み待ちモニタレジスタ>
割込み待ちモニタレジスタは、主制御内蔵レジスタの1つである。
割込み待ちモニタレジスタは、1バイト(8ビット)の記憶領域であり、そのうち、8ビットカウンタPTCがタイムアウトし、主制御チップのタイマ回路から出力された割込み要求信号を受信した場合には、割込み待ちモニタレジスタの所定ビット(例えば、1ビット目)が「1」となる。このように、割込み待ちモニタレジスタの所定ビットが「1」となることを、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶する等と称し、割込み待ちモニタレジスタの所定ビットを「0」とすることを、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報をクリアする等と称する。
割込み待ちモニタレジスタは、割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶すると、CPUに対して割込み要求通知信号を出力することが可能となる。換言すると、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶している状況では、CPUに対して割込み要求通知信号が出力可能となり、割込み許可状態であるとき(後述するIFF1レジスタが「1」であるとき)タイマ割込みが実行可能となる。そして、割込み要求通知信号に応じたタイマ割込み処理を実行する際(タイマ割込み処理を実行する前、タイマ割込み処理を実行すると同時、タイマ割込み処理を実行した後の何れでも良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報をクリアする。
一方、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶している状況であっても、割込み禁止状態であるとき(後述するIFF1レジスタが「0」であるとき)は、CPUに対して割込み要求通知信号を出力するが、タイマ割込み処理は実行しないように構成されている。このように、割込み禁止状態(後述するIFF1レジスタが「0」)であったためタイマ割込み処理が実行できなかった場合には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報は保持する(クリアされない)。また、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶しているときは、CPUに対して割込み要求通知信号を出力し続ける。割込み禁止状態(後述するIFF1レジスタが「0」)であったためタイマ割込み処理が実行できなかった場合には、割込み許可状態(後述するIFF1レジスタが「1」)となり、割込み要求通知信号に応じたタイマ割込み処理を実行する際(タイマ割込み処理を実行する直前、タイマ割込み処理を実行すると同時、タイマ割込み処理を実行した直後の何れでも良い)に、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報をクリアする。
なお、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている情報の初期値(電源がオフからオンとなったときの値)は「0」である(割込み待ちモニタレジスタには割込み要求信号の発生があったことを示す情報は記憶されていない状況である)。
次に、割込み禁止状態、割込み許可状態を管理する割込みレジスタについて説明を行う。
<割込みレジスタ>
割込みレジスタは、主制御チップ(例えば主制御CPU)が有するレジスタである。
割込みレジスタによって、割込みに関する状態(割込み状態とも称す)である「割込み禁止状態(割込み禁止区間、割込み禁止期間とも称す)」と「割込み許可状態(割込み許可区間、割込み許可期間とも称す)」を管理する。具体的には、割込みレジスタとして、IFF1レジスタとIFF2レジスタを有し、IFF1レジスタの値によって、割込み禁止状態、割込み許可状態を管理する。そのため、IFF2レジスタに関する説明は省略する。また、特段言及しない場合には、割込みレジスタとは、IFF1レジスタを指すこととする。
IFF1レジスタが「0」のときは、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶され、CPUに対して割込み要求通知信号が出力された場合にはタイマ割込み処理を実行可能である。
IFF1レジスタが「1」のときは、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶され、CPUに対して割込み要求通知信号が出力された場合であってもタイマ割込み処理を実行しない。
換言すると、割込み禁止状態のときとはIFF1レジスタが「0」であることを指し、割込み許可状態のときとはIFF1レジスタが「1」であることを指す。
IFF1レジスタは、割込みを禁止する命令(例えば、「DI」命令)を実行した場合には「0」となる。
IFF1レジスタは、割込みを許可する命令(例えば、「EI」命令)を実行した場合には「1」となる。
IFF1レジスタは、タイマ割込み処理を実行する際(タイマ割込み処理を実行する直前、タイマ割込み処理を実行すると同時、タイマ割込み処理を実行した直後の何れでも良い)には「0」となる。
つまり、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態とは、割込みを禁止する命令の実行から割込みを許可する命令の実行までの状態を指し、タイマ割込み処理の実行にともなう割込み禁止状態とは、タイマ割込み処理を実行から割込みを許可する命令の実行までの状態を指す。
なお、IFF1レジスタの初期値(電源がオフからオンとなったときの値)は「0」である。そのため、電源がオンとなった後から割込みを許可する命令の実行までの状態も割込み禁止状態であると言える。
一方、割込み許可状態とは、割込み禁止状態ではない状態のことを指す。
それでは、説明を図5の遊技機の動作に関する初期設定における、割込みモードのセットに戻す。割込みモードのセットでは、PTCプリスケーラ設定レジスタに値を記憶(セット)する。例えば、PTCプリスケーラ設定レジスタに「143」を記憶する。次に、PTCカウンタ設定レジスタに値を記憶(セット)する。例えば、PTCカウンタ設定レジスタに「125」を記憶する。
このように、割込みモードのセットにおいて、PTCカウンタ設定レジスタに「125」を記憶した後から、8ビットカウンタPTCの値は、「125」→「124」→・・・→「2」→「1」→「125」→「124」→・・・のように、「125」~「1」を循環して更新するように構成されている。なお、図5の遊技機の動作に関する初期設定における割込みモードのセット後は、他のプログラム(処理・命令)を実行しているときであっても8ビットカウンタPTCの値は、更新され続けるように構成されている。また、8ビットカウンタPTCの値が、「1」→「125」になるタイミングを8ビットカウンタPTCの値がタイムアウトした(する)と称することとする。
割込みモードのセットを実行した後、実際にタイマ割込み処理が実行され得るのは、割込みを許可する命令がなされた後である。ここで、割込みを許可する命令は、RAMチェック処理によって全RAMのチェックサムが正常か否かを判定した後(図5の電源断復帰データ正常又は復帰可能状態の後)が好ましい。例えば、割込みを許可する命令を図8の「割込み処理を起動」で実行することや、図10の「保存された設定値表示データを設定値表示LEDに点灯」で実行すること等が考えられる。
このように、RAMチェック処理(電源断前のRAMと電源復帰後のRAMが同じか否かの判定)前から8ビットカウンタの更新を開始するように構成した場合には、RAMチェック処理後に8ビットカウンタの更新を開始する場合と比べて早期に8ビットカウンタをタイムアウトさせることができる(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶できる)ので、RAM異常判定後に実行される割込みを許可する命令を行った際に遅滞なくタイマ割込み処理を実行することができる。
なお、前提とするスロットマシンPS1では、割込みモードのセットにおいて、PTCプリスケーラ設定レジスタに「143」を記憶したが、PTCプリスケーラ設定レジスタに値を記憶する処理を実行しなくても良い。具体的には、PTCプリスケーラ設定レジスタの初期値が「250」であること(初期値が「0」でないこと)を利用して割込み周期を設定することも可能である。
例えば、システムクロックを16MHzで構成した場合、PTCプリスケーラ設定レジスタの初期値が「250」であるため、PTCカウンタ設定レジスタに任意の値を記憶することによって、タイマ割込み処理の周期を適宜決定することができる。以下に、PTCカウンタ設定レジスタに記憶する値に応じたタイマ割込み処理の周期について例示する。
ア)PTCカウンタ設定レジスタに「0」を記憶した場合は、タイマ割込み処理の周期を4ms(ミリ秒)に設定することができる。
イ)PTCカウンタ設定レジスタに「128」を記憶した場合は、タイマ割込み処理の周期を2ms(ミリ秒)に設定することができる。
ウ)PTCカウンタ設定レジスタに「64」を記憶した場合は、タイマ割込み処理の周期を1ms(ミリ秒)に設定することができる。
このように、PTCプリスケーラ設定レジスタに値を記憶する処理をしない場合であっても、PTCカウンタ設定レジスタに値を記憶する処理を実行することによって、8ビットカウンタPTCの値の更新を開始することができる。換言すると、PTCプリスケーラ設定レジスタに初期値とは異なる値を記憶したい場合には、PTCカウンタ設定レジスタに値を記憶する処理よりも前にPTCプリスケーラ設定レジスタに値を記憶することが好ましい。例えば、PTCカウンタ設定レジスタに値を記憶した後にPTCプリスケーラ設定レジスタに初期値とは異なる値を記憶してしまった場合には、最初は、PTCプリスケーラ設定レジスタの初期値(250)に応じた周波数に基づいて8ビットカウンタPTCの値の更新し、その後、PTCプリスケーラ設定レジスタに記憶した初期値とは異なる値を記憶した場合には、PTCプリスケーラ設定レジスタに記憶した初期値とは異なる値に応じた周波数に基づいて8ビットカウンタPTCの値の更新がなされることとなる。このような場合には、8ビットカウンタPTCの値の更新周期が一定でなくなるため、主制御チップの故障につながる。そのため、PTCプリスケーラ設定レジスタに値を記憶する処理を実行する場合には、PTCカウンタ設定レジスタに値を記憶する処理よりも前にPTCプリスケーラ設定レジスタに値を記憶することにより、主制御チップの故障を抑制することができる。
次に図48を用いて、割込み許可状態及び割込み禁止状態と、IFF1レジスタの関係について、簡単なプログラム例を用いて説明する。
図48の(A)は、遊技進行メイン処理のプログラムを表している。「DI」命令は、マスカブル割込み処理(例えば、タイマ割込み処理)を禁止するための命令(割込みを禁止する命令と称す)である。また、「EI」命令は、マスカブル割込み処理(例えば、タイマ割込み処理)を許可するための命令(割込みを許可する命令と称す)である。
また、「AAAA」、「BBBB」、「CCCC」は、任意の命令(プログラム)である。
図48の(A)において、「DI」命令が実行されると、IFF1レジスタが「0」となり割込み禁止状態となる。
その後の、「AAAA」、「BBBB」、「・・」の命令を実行しているときには、IFF1レジスタが「0」のままとなっている。
その後、「EI」命令が実行されると、IFF1レジスタが「1」となり、割込み許可状態となる。
つまり、「DI」命令から「EI」命令までの期間が、割込み禁止状態となる。
しかしながら、タイマ割込み処理が実行可能となるのは、「EI」命令が実行された直後ではなく、「EI」命令を基準として1つ先の命令である「CCCC」命令を実行した後となるように構成されている。
例えば、「DI」命令から「EI」命令までの期間の所定のタイミングにて、8ビットカウンタPTCがタイムアウトし、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶した場合には、「CCCC」命令を実行した後にタイマ割込み処理が実行可能となるように構成されている。なお、「DI」命令から「EI」命令までの期間の所定のタイミングにて、8ビットカウンタPTCがタイムアウトし、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶した場合(すぐに割込み処理が開始されない場合)であっても、8ビットカウンタのカウンタ値は継続して更新を行っている。
このように構成することにより、割込みを許可する命令「EI」が実行されても、次の命令(この例では「CCCC」)を実行するまでは、割込み処理を実行しないようにすることによって、割込みを許可する命令「EI」後の命令を確実に実行することができる。具体的には、割込みを許可する命令「EI」後の命令として、「RET」命令等の復帰命令(戻り番地のプログラムを実行するための命令)を使うことがあり、割込みを許可する命令があったとしても、次の命令を実行するまでは、タイマ割込み処理を実行しないようにすることによって、割込みを許可する命令「EI」後の命令を確実に実行することができる。
なお、遊技進行メイン処理において、割込みを禁止する命令と割込みを許可する命令を設ける例としては、
ア)主制御手段から副制御手段に対しコマンドを送信する際において、割込みを禁止する命令を行った後に、コマンドをRAMの記憶領域に書き込む処理等を実行した後に割込みを許可する命令を実行する場合
イ)ブロッカをON(メダル受付け許可状態)にする際において、割込みを禁止する命令を行った後に、ブロッカをONにするための情報をRAMの記憶領域に書き込む処理とメダル投入可ランプを点灯させるための情報をRAMの記憶領域に書き込む処理等を実行した後に割込みを許可する命令を実行する場合
ウ)ブロッカをOFF(メダル受付け拒否状態)にする際において、割込みを禁止する命令を行った後に、ブロッカをOFFにするための情報をRAMの記憶領域に書き込む処理とメダル投入可ランプを消灯させるための情報をRAMの記憶領域に書き込む処理等を実行した後に割込みを許可する命令を実行する場合
等が挙げられる。
なお、割込みを禁止する命令と割込みを許可する命令を設ける場合は、上述したア)乃至ウ)に限られるものでなく、適宜、割込みを禁止する命令と割込みを許可する命令を設けて良い。
このような遊技進行メイン処理における割込み禁止状態は、例えば、複数の命令(命令A、命令B、・・・、命令Z)によって構成される処理を実行している間に、タイマ割込み処理の実行により、RAMのデータが変更されてしまうことやRAMのデータに基づいた不具合を伴う処理の実行を防止するために設けられている。
なお、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態は、割込みを禁止する命令(例えば、DI命令)により割込み禁止状態となり、割込みを許可する命令(例えば、EI命令)により割込み許可状態とするようにしたが、上記のDI命令に限らず他の命令によって割込みを禁止し得るようにしても良いし、上記のEI命令に限らず他の命令によって割込みを許可し得るようにしても良い。
図48の(B)は、割込み処理のプログラムを表している。図48(A)と同様に、「EI」命令は、マスカブル割込み処理(例えば、タイマ割込み処理)を許可するための命令(割込みを許可する命令と称す)であり、「AAAA」、「BBBB」、「CCCC」、「・・」は、任意の命令(プログラム)である。なお、「RETI」命令とは、タイマ割込み処理を終了する際の命令(復帰命令)であり、例えば図7の「RETURN」に相当する。
タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)に、IFF1レジスタが「0」となる。これにより、タイマ割込み処理中に、次のタイマ割込み処理を実行することがないようにすることができる。なお、タイマ割込み処理を開始する際には、「DI」命令は不要である。
また、タイマ割込み処理を終了する際には、割込み禁止状態から割込み許可状態にするため、割込み処理の直前、すなわち「RETI」命令の直前に「EI」命令を実行する。この「EI」命令により、IFF1レジスタが「1」となる。なお、当該「EI」命令は、図7の「割込み許可フラグをONに保存」に相当する。
そして、「EI」命令の後の「RETI」命令においても、IFF1レジスタが「1」となっている。
つまり、タイマ割込み処理の開始から「EI」命令までの期間が、割込み禁止状態となる。
しかしながら、タイマ割込み処理が実行可能となるのは、「EI」命令が実行された直後ではなく、「EI」命令を基準として1つ先の命令である「RETI」命令を実行した後となるように構成されている。
例えば、タイマ割込み処理の開始から「EI」命令までの期間の所定のタイミングにて、8ビットカウンタPTCがタイムアウトし、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶した場合には、「RETI」命令を実行した後にタイマ割込み処理が実行可能となるように構成されている。なお、タイマ割込み処理の開始から「EI」命令までの期間の所定のタイミングにて、8ビットカウンタPTCがタイムアウトし、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶した場合(すぐに割込み処理が開始されない場合)であっても、8ビットカウンタのカウンタ値は継続して更新を行っている。
このように、「RETI」命令後において、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶している場合にはタイマ割込み処理が実行可能となり、「RETI」命令後において、割込み待ちモニタレジスタが割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶していない場合には遊技進行メイン処理が実行可能となるように構成されている。よって、割込みを許可する命令「EI」が実行されても、次の命令である「RETI」を実行するまでは、割込み処理を実行しないようにすることによって、タイマ割込み処理中に次のタイマ割込み処理が実行されることを防止することができる。
次に図49の(1)を用いて、遊技進行メイン処理において割込み禁止状態がない場合におけるタイマ割込み処理と8ビットカウンタPTCの関係について説明を行う。
PTCカウンタ設定レジスタに値として「m(mは数値)」を記憶したときは、8ビットカウンタPTCに「m」が記憶され、その後、更新周期が到来すると、「m-1」、・・・、「2」、「1」、「m」、「m-1」、「m-2」、・・・、のように8ビットカウンタPTCの値を1ずつ更新する。このように、8ビットカウンタPTCの値は「m」~「1」の間を循環する。
t1のタイミングで、8ビットカウンタPTCの値が「1」から「m」になる。つまり、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。
その後、8ビットカウンタPTCがタイムアウトしたことに基づいて(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて)タイマ割込み処理を実行することができる。これは、IFF1レジスタが「1」であるためである。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t2のタイミングで、タイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
また、8ビットカウンタPTCの値は、タイマ割込み処理を実行している間であっても、8ビットカウンタPTCの更新周期が到来した場合には更新可能に構成されている。このように構成することによって、タイマ割込み処理に要した時間にかかわらず、8ビットカウンタPTCを更新するため、一定の周期でタイマ割込み処理を実行することができる。
次に図49の(2)を用いて、遊技進行メイン処理において割込み禁止状態がある場合におけるタイマ割込み処理と8ビットカウンタPTCの関係について説明を行う。
t1のタイミングで、遊技進行メイン処理において割込みを禁止する命令がなされ、IFF1レジスタが「1」(割込み許可状態)から「0」(割込み禁止状態)となる。
t2のタイミングで、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。しかしながら、遊技進行メイン処理は割込み禁止状態であるため、タイマ割込み処理を実行することができない。そのため、割込み待ちモニタレジスタには、割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶している状況が継続する。また、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときが割込み禁止状態であっても、その後も、8ビットカウンタは継続して更新する。
t3のタイミングで、遊技進行メイン処理において割込みを許可する命令がなされ、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となる。
なお、t3のタイミングにおいて、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることから、遊技進行メイン処理の割込みを許可する命令を基準として遊技進行メイン処理の命令を1命令実行した後に、タイマ割込み処理を実行可能となる。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t4のタイミングで、タイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
図49(1)と同様に、8ビットカウンタPTCの値は、タイマ割込み処理を実行している間であっても、8ビットカウンタPTCの更新周期が到来した場合には更新可能に構成されている。このように構成することによって、タイマ割込み処理に要した時間にかかわらず、8ビットカウンタPTCを更新するため、一定の周期でタイマ割込み処理を実行することができる。
また、8ビットカウンタPTCの値は、遊技進行メイン処理が割込み禁止状態であっても、8ビットカウンタPTCの更新周期が到来した場合には更新可能に構成されている。このように構成することによって、遊技進行メイン処理が割込み禁止状態であっても、8ビットカウンタPTCを更新するため、一定の周期でタイマ割込み処理を実行することができる。
次に図50の<タイマ割込み処理の実行タイミングを示す例(1)>を用いて、遊技進行メイン処理において割込み禁止状態であるときに8ビットカウンタPTCがタイムアウトした際の割込み周期について説明を行う。なお、タイマ割込み処理の正常の周期(8ビットカウンタPTCがタイムアウトしてから、次に8ビットカウンタPTCがタイムアウトまでの期間)を「T」とする。なお、PTCカウンタ設定レジスタに値を記憶してから「T」に係る計測(8ビットカウンタPTCの更新)が開始される。
t1のタイミングで、遊技進行メイン処理において割込みを禁止する命令がなされ、IFF1レジスタが「1」(割込み許可状態)から「0」(割込み禁止状態)となる。
t2のタイミングで、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。しかしながら、遊技進行メイン処理は割込み禁止状態であるため、タイマ割込み処理を実行することができない。そのため、割込み待ちモニタレジスタには、割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶している状況が継続する。また、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときが割込み禁止状態であっても、その後も、8ビットカウンタは継続して更新する。
t3のタイミングで、遊技進行メイン処理において割込みを許可する命令がなされ、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となる。
なお、t3のタイミングにおいて、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることから、遊技進行メイン処理の割込みを許可する命令を基準として遊技進行メイン処理の命令を1命令実行した後に、タイマ割込み処理を実行可能となる。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t4のタイミングで、タイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
t5のタイミングで、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。
その後、8ビットカウンタPTCがタイムアウトしたことに基づいて(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて)タイマ割込み処理を実行することができる。これは、IFF1レジスタが「1」であるためである。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t6のタイミングで、タイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
t7のタイミングで、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。
その後、8ビットカウンタPTCがタイムアウトしたことに基づいて(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて)タイマ割込み処理を実行することができる。これは、IFF1レジスタが「1」であるためである。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t8のタイミングで、タイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
ここで、t2のタイミングからt5のタイミングまでの期間はTとなる。同様に、t5のタイミングからt7のタイミングまでの期間はTとなる。 例えば、t2のタイミングを「n×T(「n」は、自然数)」としたとき、t5のタイミングは、「(n+1)×T」として表すことができる。また、t7のタイミングは、「(n+2)×T」として表すことができる。
また、t3のタイミングは、「「n×T」の後であって「(n+1)×T」の前の特定タイミング」として表すことができる。
まず始めに、t3のタイミングで実行されるタイマ割込み処理について着目する。t3のタイミングで実行されるタイマ割込み処理は、本来であれば、タイマ割込み処理の実行周期であるt2で実行されるはずだった。換言すると、t2のタイミングが遊技進行メイン処理における割込み禁止状態でなければ、t2のタイミングでタイマ割込み処理が実行されるはずであった。つまり、t2のタイミングが遊技進行メイン処理における割込み禁止状態であったため、その後、割込み許可状態となったt3のタイミングで、タイマ割込み処理を実行した。
次に、t5のタイミングで実行されるタイマ割込み処理について着目する。t5のタイミングで実行されるタイマ割込み処理は、t3のタイミングから「T」を経過する前に実行している。換言すると、t3のタイミングから割込み周期である「T」の計測を開始してはいない。t5のタイミングで実行されるタイマ割込み処理は、t2のタイミングからTが経過したときにタイマ割込み処理が実行されるように構成されている。つまり、タイマ割込み処理が実行されなくてもカウントを更新し続けている8ビットカウンタPTCがタイムアウトしたことに基づいて(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて)実行されるように構成されている。
このように、t2のタイミングを「n×T」とし、t3のタイミングを「「n×T」の後であって「(n+1)×T」よりも前の特定タイミング」とし、t4のタイミングを「(n+1)×T」としたとき、t5のタイミングで、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶することができる。換言すると、t5のタイミングでタイマ割込み処理が実行可能となるように構成される。
同様に、t7のタイミングで実行されるタイマ割込み処理も、8ビットカウンタPTCがタイムアウトしたことに基づいて(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて)実行されるように構成されている。
このように、t2のタイミングを「n×T」とし、t3のタイミングを「「n×T」の後であって「(n+1)×T」よりも前の特定タイミング」とし、t4のタイミングを「(n+1)×T」とし、t7のタイミングを「(n+2)×T」としたとき、t7のタイミングで、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶することができる。換言すると、t7のタイミングでタイマ割込み処理が実行可能となるように構成される。
以上のとおり、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態により、本来のタイマ割込み処理の周期(n×T)でタイマ割込み処理が実行できなかった場合であっても、当該タイマ割込み処理以降のタイマ割込み処理は、本来のタイマ割込み処理の周期が到来したとき(x×T(「x」は、自然数))にタイマ割込み処理を実行することができる状況に戻すことができる。これによって、例えば、タイマ割込み処理内で実行するタイマ計測に及ぼす影響(タイマ計測のタイミングが長く)を少なくすることができる。
次に、IFF1レジスタが0の状況下において、8ビットカウンタPTCが複数回タイムアウトした際のタイマ割込み処理について図50の<タイマ割込み処理の実行タイミングを示す例(2)>を用いて説明を行う。
<タイマ割込み処理の実行タイミングを示す例(2)>では、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態中に、遊技進行メイン処理が暴走したり、遊技進行メイン処理に想定外の時間を要した場合について表したものである。なお、このような場合であっても、システムクロックが正常である場合には、8ビットカウンタPTCの値は、正常の周期で更新されるようにすることができる。
t1のタイミングで、遊技進行メイン処理において割込みを禁止する命令がなされ、IFF1レジスタが「1」(割込み許可状態)から「0」(割込み禁止状態)となる。
t2のタイミングで、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。しかしながら、遊技進行メイン処理は割込み禁止状態であるため、タイマ割込み処理を実行することができない。そのため、割込み待ちモニタレジスタには、割込み要求信号の発生があったことを示す情報を記憶している状況が継続する。また、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときが割込み禁止状態であっても、その後も、8ビットカウンタは継続して更新する。
t3のタイミングで、再度、8ビットカウンタPTCがタイムアウトする。しかしながら、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されている状況であるため、再度、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶するようなことはしない。なお、その後も、8ビットカウンタは継続して更新する。
t4のタイミングで、遊技進行メイン処理において割込みを許可する命令がなされ、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となる。
なお、t4のタイミングにおいて、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることから、遊技進行メイン処理の割込みを許可する命令を基準として遊技進行メイン処理の命令を1命令実行した後に、タイマ割込み処理を実行可能となる。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t5のタイミングで、タイマ割込み処理が終了とタイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
t6のタイミングで、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした(する)ときに、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶される。
その後、8ビットカウンタPTCがタイムアウトしたことに基づいて(割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて)タイマ割込み処理を実行することができる。これは、IFF1レジスタが「1」であるためである。なお、タイマ割込み処理を実行する際(実行する際とは、実行する前(「前」には「直前」を含む)、実行するのと同時、実行する後(「後」には「直後」を含む)の何れであっても良い)には、割込み待ちモニタレジスタに記憶されている割込み要求信号の発生があったことを示す情報がクリアされる。なお、先述した通り、タイマ割込み処理を実行している間は、IFF1レジスタは「0」(割込み禁止状態)となる。
t7のタイミングで、タイマ割込み処理を終了する。具体的には、タイマ割込み処理内の割込みを許可する命令の実行によって、IFF1レジスタが「0」(割込み禁止状態)から「1」(割込み許可状態)となり、次の命令である復帰命令(RETI命令)によってタイマ割込み処理を終了する。
このように、t1のタイミングからt4のタイミングの間で、8ビットカウンタPTCは2回(複数回)タイムアウトした場合であっても、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されるのは1回である。なお、図50では、割込み禁止状態中に8ビットカウンタPTCが2回タイムアウトした例を挙げたが、割込み禁止状態中に8ビットカウンタPTCが3回タイムアウトした場合、4回タイムアウトした場合も、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されるのは1回である。そして、割込み禁止状態が終了した後、割込み待ちモニタレジスタに割込み要求信号の発生があったことを示す情報が記憶されていることに基づいて実行されるタイマ割込み処理は1回である。なお、割込み禁止状態中に8ビットカウンタPTCが複数回タイムアウトした場合であっても、タイムアウトした回数はカウントしていない。
以上のとおり、割込み禁止状態中に8ビットカウンタPTCが「n」(「n」は、2以上))回タイムアウトした場合において、割込み禁止状態から割込み許可状態となった後に、タイマ割込み処理が「n」回連続して(繰り返して)実行されないように構成されている。
このように構成することによって、割込み許可状態から割込み許可状態となった後にタイマ割込み処理が複数回連続して繰り返され、その間に遊技進行メイン処理が実行できなくなってしまうことを防止することができる。
なお、図50の<タイマ割込み処理の実行タイミングを示す例(2)>では、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態中に、遊技進行メイン処理が暴走したり、遊技進行メイン処理に想定外の時間を要した場合について表したものであるが、同様に、タイマ割込み処理における割込み禁止状態中に、タイマ割込み処理が暴走したり、タイマ割込み処理に想定外の時間を要し、タイマ割込み処理における割込み禁止状態中に、8ビットカウンタPTCが「n」(「n」は、2以上))回タイムアウトした場合であっても、割込み禁止状態から割込み許可状態となった後に、タイマ割込み処理が「n」回連続して(繰り返して)実行されないように(1回だけ実行されるように)構成されている。
<プログラムの設計上の処理時間>
プログラムとは、複数の命令によって構成されたものをいう。このとき、或るプログラムの開始から或るプログラムの終了までの設計上の処理時間とは、或るプログラムの開始に係る命令(例えばA命令)から或るプログラムの終了に係る命令(例えばZ命令)までの命令の種類から算出することができる。
まず、1つの命令を実行するのに要する時間は、1つの命令を実行するのに要するステート数と、システムクロックの周波数から算出することができる。具体的には、1/システムクロック周波数×ステート数によって、1つの命令を実行するのに要する時間を算出することができる。なお、ステート数とは、クロック数と読み替えることができる。
以下では、16MHZのシステムクロックを用いた場合において具体的な命令を用いて、1つの命令を実行するのに要する時間について説明する。
(ア)DI
命令の内容:割込み処理を禁止する命令
ステート数:4ステート
命令を実行するのに要する時間:1/16MHZ×4=0.25μS(マイクロ秒)
(イ)EI
命令の内容:割込み処理を許可する命令
ステート数:4ステート
命令を実行するのに要する時間:1/16MHZ×4=0.25μS(マイクロ秒)
(ウ)DEC(HL)
命令の内容:HLレジスタが示すアドレスに記憶されている値を1減算する。
ステート数:11ステート
命令を実行するのに要する時間:1/16MHZ×11=0.6875μS(マイクロ秒)
このように、同じシステムクロックの周波数を用いている場合であっても、1つの命令を実行するのに要する時間は、命令の種類によって異なる場合を有するように構成されている。また、異なる命令であっても、1つの命令を実行するのに要する時間が同じ場合を有するように構成されている。なお、上記の命令は複数ある命令の一部であって、上記の命令以外にも多数の命令が存在する。
なお、遊技進行メイン処理を実行する際のシステムクロックの周波数と、タイマ割込み処理を実行する際のシステムクロック数は同じである。そのため、例えば、遊技進行メイン処理において「EI」命令を実行する際に要する時間と、タイマ割込み処理において「EI」命令を実行する際に要する時間は同じである。
つまり、或るプログラムの設計上の処理時間とは、或るプログラムの開始から或るプログラムの終了までの複数の命令の合計のステート数から算出することができる。具体的には、1/システムクロック周波数×合計のステート数を算出することによって算出することができる。換言すると、システムクロックの周波数は、一の遊技機においては一律であることから、合計のステート数の多いプログラムの方が、合計のステート数の少ないプログラムよりも、設計上の処理時間が長くなることとなる。
<タイマ割込み処理の設計上の処理時間>
タイマ割込み処理の設計上の処理時間とは、タイマ割込み処理が開始してから終了するまで(例えば、RETI命令を実行するまで)の時間である。ただし、RWMに記憶されている情報の相違や、遊技の進行状況の相違によって実行する命令が異なるため、正常にタイマ割込み処理が実行された場合であっても、タイマ割込み処理の処理時間には、多少バラつきが生じる。換言すると、タイマ割込み処理で実行する命令が必ずしも全てのタイマ割込み処理で同一でないため、1回のタイマ割込み処理を実行した場合の合計のステート数が異なる。そのため、正常にタイマ割込み処理が実行された場合であって、タイマ割込み処理が開始してから終了するまでの平均の時間を、タイマ割込み処理の設計上の処理時間とする。なお、タイマ割込み処理の設計上の処理時間を、タイマ割込み処理に係る時間とも称することもある。
<タイマ割込み処理の設計上の最大処理時間>
タイマ割込み処理の設計上の最大時間とは、タイマ割込み処理が開始してから終了するまでの時間であるという点においては、タイマ割込み処理の設計上の処理時間と同様である。また、先述したとおり、正常にタイマ割込み処理を実行した場合であっても、タイマ割込み処理の処理時間には、多少バラつきが生じる。そこで、1回のタイマ割込み処理を開始してから終了するまでに最も合計のステート数が多い命令を実行した場合に要する時間をタイマ割込み処理の設計上の最大処理時間とする。なお、タイマ割込み処理の設計上の最大処理時間を、タイマ割込み処理に係る最大時間とも称することもある。
<遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間>
遊技進行メイン処理における割込み禁止状態が1つしかない場合においては、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間とは、割込みを禁止する命令(例えば、DI命令)から、割込みを許可する命令(例えば、EI命令)までの時間(遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の処理時間とも称する)である(電源がオンとなった後から割込みを許可する命令の実行までの状態は除く)。ただし、RAMに記憶されている情報の相違や、遊技の進行状況の相違によって実行する命令が異なるため、正常に遊技進行メイン処理が実行された場合であっても、合計のステート数が異なる場合がある。そのため、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の処理時間は、多少バラつきが生じる。換言すると、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態で実行する命令が必ずしも同一でないため、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の処理を実行した場合の合計のステート数が異なる。そこで、正常に遊技進行メイン処理が実行された場合であって、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の処理時間の平均の時間を、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間とする。
また、遊技進行メイン処理における割り込み禁止状態を少なくとも2つ備えている場合は、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間をそれぞれ算出し、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間が最も長い時間を、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間とする。なお、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間を、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態に係る時間とも称することもある。
<遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の最大処理時間>
遊技進行メイン処理における割込み禁止状態が1つしかない場合においては、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態が開始してから割込み禁止状態が終了するまでに最も合計のステート数が多い命令を実行した場合に要する時間を、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の最大処理時間とする。
また、遊技進行メイン処理における割り込み禁止状態を少なくとも2つ備えている場合は、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の最大処理時間をそれぞれ算出し、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の最大処理時間が最も長い時間を、遊技進行メイン処理における割込み禁止区間の設計上の最大処理時間とする。なお、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の最大処理時間を、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態に係る最大時間とも称することもある。
<タイマ割込みの周期と、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間の関係>
タイマ割込み処理の周期(8ビットカウンタPTCがタイムアウトする周期)を「T」とし、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間を「S´」としたとき、T>S´を満たすように構成することが好ましい。
このように構成することによって、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態を実行している間に、タイマ割込みの周期が複数回到来することを極力防止することができる。換言すると、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の影響により、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした回数よりタイマ割込み処理を実行した回数と異なる(タイマ割込み処理を実行する回数が少なくなる)ということを防止することができる。
<タイマ割込みの周期と、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の最大処理時間の関係>
タイマ割込み処理の周期(8ビットカウンタPTCがタイムアウトする周期)を「T」とし、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間を「S」としたとき、T>Sとすることが好ましい。
このように構成することによって、T>S´(S´は、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の設計上の処理時間)と構成した場合と比較して、より一層、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態を実行している間に、タイマ割込みの周期が複数回到来することを極力防止することができる。換言すると、遊技進行メイン処理における割込み禁止状態の影響により、8ビットカウンタPTCがタイムアウトした回数よりタイマ割込み処理を実行した回数と異なる(タイマ割込み処理を実行する回数が少なくなる)ということを防止することができる。
<タイマ割込みの周期と、タイマ割込み処理の設計上の処理時間の関係>
タイマ割込み処理の周期(8ビットカウンタPTCがタイムアウトする周期)を「T」とし、タイマ割込み処理の設計上の処理時間「t´」としたとき、T/2>t´とすることが好ましい。つまり、タイマ割込み処理の設計上の処理時間をタイマ割込み処理の周期の半分未満の期間に構成することが好ましい。
このように構成することによって、タイマ割込み処理の周期が到来したときにタイマ割込み処理を実行し、その後、次のタイマ割込み処理の周期が到来するまでに、遊技進行メイン処理をT/2よりも長い期間実行することができる。換言すると、タイマ割込み処理の実行によってメイン処理が実行できる期間が短くなり過ぎないようにすることができる。
<タイマ割込みの周期と、タイマ割込み処理の設計上の最大処理時間の関係>
タイマ割込み処理の周期(8ビットカウンタPTCがタイムアウトする周期)を「T」とし、タイマ割込み処理の設計上の最大処理時間「t」としたとき、T/2>tとすることが好ましい。つまり、タイマ割込み処理の設計上の最大処理時間をタイマ割込み処理の周期の半分未満の期間に構成することが好ましい。
このように構成することによって、T/2>t´(t´は、タイマ割込み処理の設計上の処理時間)と構成した場合と比較して、より一層、タイマ割込み処理の周期が到来したときにタイマ割込み処理を実行し、その後、次のタイマ割込み処理の周期が到来するまでに、遊技進行メイン処理をT/2よりも長い期間実行することができる。換言すると、タイマ割込み処理の実行によってメイン処理が実行できる期間が短くなり過ぎないようにすることができる。
<<ぱちんこ遊技機>>
次に、以降に説明する本発明を適用可能なぱちんこ遊技機について説明する。なお、本例に係るぱちんこ遊技機の実施形態におけるステップ番号、符号、用語等は、本例に係る回胴式遊技機の実施形態におけるステップ番号、符号、用語等とは異なるものであり、同一のステップ番号、符号、用語等を用いていても同一のもの(処理、機能、部材など)ではないことを補足しておく。つまり、回胴式遊技機とぱちんこ遊技機において、それぞれ独立したステップ番号、符号、用語等として説明する。
(前提技術)
以下、本発明の前提とするぱちんこ遊技機(以下「前提技術」とも称する)について図面を用いて説明する。前提技術に係るぱちんこ遊技機の代表例として、ぱちんこ遊技機を図51および図53に示すとともに、このぱちんこ遊技機に設けられる遊技盤を図54に示しており、まず、これらの図を参照して、ぱちんこ遊技機の機械構成について説明する。なお、以降の説明においては、便宜上、図52の各矢印で示す方向をそれぞれ、前後方向、左右方向、上下方向と称して説明する。
[ぱちんこ遊技機の機械構成]
始めに、ぱちんこ遊技機Pの正面側の基本構造を説明する。ぱちんこ遊技機Pは、図51および図52に示すように、外郭方形に構成され、遊技施設において固定される外枠P1の開口前面に、外枠P1の開口に合わせたサイズで方形に構成された前枠P2が互いの正面左側縁部に配設された上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)により横開き開閉および着脱が可能に取り付けられる。
前枠P2には、遊技盤P5とガラス枠P3とが着脱可能にセットされている。ガラス枠P3は方形状であり、前枠P2の前面側に上下のヒンジ機構(上ヒンジ部10、下ヒンジ部20)を利用して横開き開閉および着脱可能に組み付けられて保持される。遊技盤P5は、前枠P2の前面側に着脱可能にセットされ、閉鎖保持されるガラス枠P3のガラスP301を通して遊技盤P5の正面側に設けられた遊技領域P501を遊技者が視認可能に構成されている。また前枠P2およびガラス枠P3は、ぱちんこ遊技機Pの正面右側縁部に設けられた施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入し、左右方向のいずれかに回転させることで、回転方向に応じて、外枠P1と前枠P2の施錠が解除または前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除される。具体例としては、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して右方向に回転させると外枠P1と前枠P2の施錠が解除され、施錠部P30の鍵穴に鍵を挿入して左方向に回転させると前枠P2とガラス枠P3の施錠が解除されるようになっている。
ガラス枠P3の下部には、遊技球を貯留する上下の球皿P340(上球皿P341及び下球皿P342)が設けられる。またガラス枠P3には、遊技の展開状況に応じて発光する演出ランプP350や、遊技の展開状況に応じて効果音などの音を出力可能なスピーカP370が設けられている。ガラス枠P3の下部中央には、所定の演出操作を行うための演出操作手段P380が取り付けられ、前提技術として示す本ぱちんこ遊技機が有する演出操作手段P380は、押下入力式のボタンP381と傾倒操作式のレバーP382とを備えており、ボタンP381は常時遊技者操作を可能とする一方、レバーP382はガラス枠に備えられた可動物(枠可動役物P360)の1つであり、操作手段自体が上方に突出した状態(入力許可状態)に変位した場合に操作入力を可能とする(1の演出操作手段にて、複数の操作が可能となっている)。
前枠P2の右下部には、遊技球の発射操作および発射強度の調整を行うハンドルP204が設けられている。前枠P2の下部には、さらに発射装置ユニットP240を備え、図示を省略するが、上球皿P341に貯留された遊技球を1球ずつ送り出す球送り機構P241、この球送り機構から送り出された遊技球を遊技領域P501へ向けて打ち出す発射機構(ロータリーソレノイドで駆動される打球槌)を有する発射装置P242、球送り機構P241や発射装置P242の作動を同期的に制御する発射制御基板P243などが設けられている。
遊技盤P5(遊技盤ユニット)は、図54に示すように、透明な合成樹脂や木材を用いて矩形の平板状に形成された基材をベースとして構成されている。なお、図51は遊技盤P5を含むぱちんこ遊技機Pを前面側から見た正面図であり、図54は遊技盤ユニットP5の斜視図を示す。図54は遊技盤ユニットに備えられた演出役物P560(「可動演出装置」「演出可動体」「演出可動役物」「演出可動物」等とも呼ぶ)が動作している状態を図示している。遊技盤P5の前面には、左下部から右上部にかけて配設された円弧状の外レールP502と、遊技盤の下部中央付近から外レールP502の内側における左下部から左上部にかけて配設された円弧状の内レールP503と、右上部の外レールP502の端部から該盤面の下部までの間に配設されて左向きに開く湾曲形状に形成されたレール飾りP504とを備えており、外レールP502と内レールP503とレール飾りP504とで囲まれた内側に略円形の遊技領域P501が区画形成されている。この遊技領域P501は、略中央に配設される後述のセンター役物P540を基準として、センター役物P540の左側の領域である左側領域P501L(左打ち領域)と、センター役物の右側の領域である右側領域P501R(右打ち領域)とを有している。また、外レールと内レールとにより、発射装置ユニットP240により打ち出された遊技球を遊技領域P501へ案内するための案内通路が形成される。
遊技領域P501には、図示しない多数本の遊技釘P510や風車P511とともに、第1始動入賞口P711(第1始動口)、第2始動入賞口P721(第2始動口)、一般入賞口P731、普図作動口P741(普図作動ゲート装置)、大入賞口P751(アタッカー)、等の各種入球装置(賞球が発生する場合は「入賞装置」と称する)が配設されている。なお、大入賞口は1つとしてもよいし、複数有するよう構成してもよい。また、本明細書において、入球装置の構成上、遊技球が入球装置に入球した後に排出されるもの、入球装置に入球した後にさらに遊技領域P501を流下するもの(ゲートタイプ)に対し、遊技球が内部の検出スイッチで検出されることを「入球」「入賞(特に賞球が発生するもの)」と称し、ゲートタイプの入球口のように下流の遊技領域に流下するものついては、特に「通過」と区別して記載する場合を有する。また、入球装置を入球口、入賞装置を入賞口と称することがある。
また、遊技領域P501の右下には、第1特別図柄表示装置P51、第2特別図柄表示装置P52、普通図柄表示装置P53など、後述の主制御基板にて点灯制御される主制御表示装置P50が集約的に配設されている。遊技領域P501の略中央にはセンター役物P540が配設されており、このセンター役物P540の開口を通して演出表示装置P80の画面が視認可能に設けられている。このセンター役物P540の上部等には、遊技の展開状況に応じた演出動作を行う演出役物P560(可動役物装置)が設けられている。遊技領域P501の下端部には、各種入球装置の入賞口に入球せずに流下した遊技球が通過可能なアウト口P790が設けられている。各種入賞装置の入賞口に入球した遊技球又はアウト口P790に流入した遊技球は、遊技盤P5に前後貫通して形成された貫通孔(図示せず)を通じて遊技盤P5の後面側へ流下し、前枠P2下部の回収流路(遊技済み球通路)に収集され、発射した遊技球の総数を検出するための前枠下部に備えられたアウト球センサP792(発射球数センサ)を通過したのち遊技機外へ排出される。
第1始動入賞装置P710は、第1特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第1始動入賞装置P710には、遊技球が入球可能な第1始動入賞口P711が設けられている。第1始動入賞口P711への遊技球の入球は、第1特別図柄に係る抽選に使用される乱数の取得契機となっており、第1始動入賞口P711への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第1特別図柄に係る抽選が実行される。
第2始動入賞装置P720は、第2特別図柄遊技に対応する始動入賞装置として設けられている。この第2始動入賞装置P720には、遊技球が入球可能な第2始動入賞口P721および後述する普通図柄抽選に当選した場合に第2始動入賞口P721への入球を容易となる状態に切り替える可動体である普通電動役物P770が設けられている。第2始動入賞口P721への遊技球の入球は、第2特別図柄に係る抽選に使用される乱数の契機となっており、第2始動入賞口P721への遊技球の入球に基づいて入球直後のタイミングまたは保留期間を経過した後に第2特別図柄に係る抽選が実行される。第2始動入賞装置P721は、普通電動役物P770の作用により遊技球が第2始動入賞口P721へ入球可能又は入球容易な開状態と、遊技球が第2始動入賞口P721へ入球不能又は入球困難な閉状態とに変化する。つまり、第2始動入賞装置P720は、開状態に変位しなければ遊技球が第2始動入賞口へ入球し難い構造となっており、後述の所定の契機(普通図柄抽選に当選する契機)で開状態となると遊技球の入球容易性が高くなる。なお、普通電動役物P770の構造は様々な態様が知られており、可動体P771が開くことによる入球容易性の変化がなされる構造ではない場合があるため、「開状態」「閉状態」をそれぞれ「入球容易状態(入球容易態様)」「入球困難状態(入球困難態様)」と表記する場合を有する。
一般入賞装置P730は、左打ち領域P501Lに配置された左側一般入賞装置P730Lと、右打ち領域P501Rに配置された右側一般入賞装置P730Rとを有している。本前提技術におけるぱちんこ遊技機Pにおいては、左側一般入賞装置P730Lとして、3つの一般入賞口P731La~P731Lcが1のユニットとして構成されている一方、右側一般入賞装置P730Rは後述する大入賞装置P750の一部として構成されている。一般入賞口P731への遊技球の入球は、他の入賞装置と同じく賞球払出の契機となる。なお、前提とするぱちんこ遊技機の一般入賞口P731の個数や位置はあくまで一例であり、右打ち領域P501Rにのみ配置されるよう構成する等としてもよい。
普図作動ゲート装置P740(普図作動口)は、普通図柄遊技に対応する始動入球口として設けられている。この普図作動ゲート装置P740には、遊技球が通過可能な作動ゲートP741が設けられており、入球した遊技球は遊技盤の遊技領域の下流をさらに流下可能に構成されている。作動ゲートP741への遊技球の通過は、第2始動入賞装置P720を開状態とするか否か、すなわち普通電動役物P770を作動させるか否かを決定するための普通図柄抽選の契機となる。なお、変形例として普通図柄抽選の契機となる機能を前述した一般入賞口P731に備えるように構成することも可能であり、この場合には、普通図柄抽選を実行する機能に加えて、賞球を発生させる機能を1の入賞装置として設けることも可能である(普図作動入賞口)。
大入賞装置P750は、第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選の抽選結果が大当りや小当りとなった場合に開閉動作する大入賞口P751(特別電動役物P755)を有して構成されており、「アタッカー(装置)」などと呼称する場合を有する。大入賞装置P750は、遊技球が大入賞口P751へ入球可能又は入球容易な開状態(例として特別電動役物が作動P755した状態)と、遊技球が大入賞口P751へ入球不能又は入球困難な閉状態(例として特別電動役物P755が非作動の状態)とに変化する。大当り遊技においては、大入賞口P751の開閉動作を伴う複数回のラウンド遊技(単位遊技)が行われる。なお、特別電動役物P755が作動した状態であっても、一連の作動パターン(「開放パターン」とも呼ぶ)により、大入賞口P751を構成する可動体P756が入球困難な閉態様となる場合を有する。
また、大入賞装置P750には、遊技機の仕様(スペック)によっては、遊技球が通過可能な特定領域P760(「Vゾーン」、「V領域」と呼ばれ、機能によっては「確率変動機能作動領域」、「継続領域」などと呼ぶ)が設けられる場合を有する。この「特定領域」に関する機能として、(ア)大当り遊技中の特定領域に対する通過を契機として大当り遊技の後に確率変動機能(後述)を作動させること、(イ)小当り遊技中の特定領域の通過を契機として役物連続作動装置(特別電動役物を連続的に作動させるためのフラグ)を作動させ、大当り遊技を実行する権利を付与すること、(ウ)大当り遊技中の特定のラウンドにおいて特定領域を通過したか否かに基づいて、後続のラウンドの実行を確定的としたり、実行しないものとしたりすること、などが例として挙げられる。なお、「特定領域」に対し、通過の容易性を変化させるための構造体である開閉部材P761(弁部材)が設けられてもよく、開閉部材P761の作用により流下経路を振り分けられることで、特定領域P760又はそれ以外の非特定領域を通過するように構成してもよい。また、大当り遊技中や小当り遊技中において、特定領域P761の遊技球の通過が有効となる期間と無効となる期間とを有してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて、大入賞装置P750は、遊技領域P501における右側領域P501R(右打ち領域)に設けられている。そのため、大当り遊技又は小当り遊技では、遊技領域P501に向けて遊技球を発射する際に、右側領域P501Rを狙って打つ、いわゆる右打ちを行うことで大入賞口P751への入球が容易となっている。
続いて、前提とするぱちんこ遊技機Pの背面側の基本構造を説明する。前枠の背面側には、中央に遊技盤ユニットP5を取り付けるために前後連通する窓口を有した裏セットユニットP4が取り付けられている。裏セットユニットP4には、遊技施設側から供給される多数個の遊技球を貯留する貯留タンクP401、貯留タンクP401からの遊技球を流下させる樋部材P402、樋部材により導かれた遊技球を払い出す賞球払出ユニットP410、賞球払出ユニットP410から払い出された遊技球を上球皿P341又は下球皿P342へ流下させる裏側通路部材P403などが設けられている。また、貯留タンクP401から球皿P340までの遊技球流下経路上には、球抜き機構(球抜き操作レバーP405、操作レバーに連動して遊技球を流路上から排除する流路を形成する弁部材P406)が設けられている。
遊技盤P5の背面側には、ぱちんこ遊技機Pの遊技進行を統括的に制御する主制御基板P40や、主制御基板P40の制御に伴う遊技進行に合わせた演出全般の制御を行う演出制御基板P41、遊技展開に応じた画像表示の制御を行う画像制御基板P42などが取り付けられている。なお、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41および画像制御基板P42は、演出表示装置P80(液晶表示装置)と一体化されたアッセンブリ状態で演出表示ユニットを構成している。これに対して、裏セットユニットP4の背面側には、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板P43や、遊技施設側から受電して各種制御基板や電気・電子部品に電力を供給する電源基板P44(図示せず)などが取り付けられている。なお、これらの制御基板は、不正改造防止のため、カシメ構造及び封印シール構造を有する透明樹脂製の基板ケースに収容されたアッセンブリ状態で遊技盤P5の背面又は裏セットユニットP4の背面の所定位置にそれぞれ配設される。これらの制御基板とぱちんこ遊技機各部の電気・電子部品とがハーネス(コネクタケーブル)を介して相互に接続されて、ぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行や、演出の実行が可能に構成されている。
[機能ブロック]
図55は、前提とするぱちんこ遊技機の機能ブロックを示す。
ぱちんこ遊技機は、遊技機外部から供給される交流電源に基づいて遊技機内で使用する電源を生成する電源基板P44と、遊技の基本動作や遊技の進行を制御する主制御基板P40(主制御CPU)と、賞球の払出しや遊技球の発射を制御する枠制御装置としての払出制御基板P43(払出制御CPU)と、演出的な動作や処理を制御する演出制御基板P41とに機能を分担させた形態で構成される。なお、図中に示す矢印は機能別に、上方の送受信の関係を実線矢印で示し、電気的接続の関係を破線矢印にて示している。
電源基板P44は、基板上に設けられた電源スイッチP47を操作することによって、後述する主制御基板P40、演出制御基板P41、払出制御基板P43、並びにそれらに電気的に接続する各種遊技用装置に対し、動作に必要となる電力を生成して供給する。詳細は後述するが、電源スイッチP47の電源投入操作は、遊技機の設定に係る情報の処理の開始契機となるスイッチ操作であるため、電源スイッチは不正な操作を防止するため開閉カバーに覆われた状態で保護されている。
主制御基板P40は、第1始動入賞口P711(特図1始動口スイッチP712)、第2始動入賞口P721(特図2始動口スイッチP722)、大入賞口P751(大入賞口スイッチP752)、普図作動口P741(普図作動口スイッチP742)や、その他の検出スイッチである一般入賞口P731(左側一般入賞口,右側一般入賞口)、アウト口P790などの各種の遊技進行に係る検出スイッチや、設定キースイッチP49、振動検知センサP72、磁石センサP73などの各種遊技の管理や不正監視に用いられるスイッチやセンサと接続される。主制御基板は、これらのスイッチから各種の遊技状態の発生に係る情報の入力を得て、遊技進行に係る制御内容の決定をするとともに、ソレノイド等で構成され、大当りや小当りの際に大入賞口P751を拡開させるために駆動される特別電動役物駆動手段P70や、普通図柄抽選に当選した場合に普通電動役物P770を入球容易状態とするために駆動される普通電動役物駆動手段P71といった遊技用装置に対して、駆動態様に係る情報の出力を行う。
主制御基板P40に接続するセンサ等は、主制御基板上の入力ポートと呼ばれる端子に接続して、センサ検出に基づく各種遊技状態の発生の有無を主制御基板P40に情報として通知し、特別電動役物駆動手段P70や、普通電動役物駆動手段P71、その他、発射装置P242に対する発射許可信号などを出力ポートと呼ばれる端子から出力された情報を受け取ってそれぞれの装置、デバイスを制御する。
また、主制御基板P40は、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示を行う特別図柄表示装置P51、P52や大当りや小当りの種類(ラウンド数)を報知するラウンド表示灯P54、遊技状態を報知する状態表示灯P55などの各種表示を行う主制御表示装置P50や、遊技機の性能(例えば通常遊技中におけるベース値、すなわち発射総数に対する賞球数の割合)を表示する性能表示装置P59などと接続する。なお、「ベース値」に関して、始動入賞口P711等の入賞を除外して計上するデータなど、他の計上方法も多種存在するが、本件発明にて必要な場合に別途説明を行い、前提とするぱちんこ遊技機の説明では詳細は割愛する。
主制御基板P40は、上記の他に外部情報出力端子P77や試験端子P78等により遊技機外部の装置と電気的に接続可能に構成されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、主制御基板P40は、遊技機内の他の制御基板である演出制御基板P41、払出制御基板P43とも電気的に接続している。
払出制御基板P43は、主制御基板P40から送信される賞球払出や主制御基板の制御状態を示す信号等に基づいて、払出装置P410による賞球の払出を制御するほか、遊技者によるハンドルP204の操作を受けて発射装置ユニットP240による遊技球の発射に係る制御を行う。払出装置P410は、一例として払出モータP411と球計数センサP412有するものであり、払出モータP411の回転により、遊技球を1球ずつ払出可能に構成される。発射装置(発射装置ユニット)P240は、球皿P340(上球皿P341)に滞留している遊技球を1球ずつ球送りユニットP241によって発射可能位置へ移動させた後、打球槌を遊技球にぶつけることで遊技球を発射させるよう構成されている。なお、払出制御基板P43には、主として遊技機の初期化や、遊技中に発生したエラーの解除に用いられるラムクリアスイッチP48が配設されており、払出制御基板P43と主制御基板P40の接続に使用されるハーネスやコネクタを介して、ラムクリアスイッチP48の操作情報が主制御基板に入力されるようになっている。
演出制御基板P41は、演出表示装置P80、演出可動役物P560の駆動源や位置検出センサ(例えば、駆動モータや、初期位置検出センサ、演出位置検出センサ)、スピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出入力装置ユニットP380(例えば演出操作手段P81である演出ボタンP381、演出レバーP382、十字キーP383など)、演出ランプP82(「装飾ランプ」「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」とも称する)と電気的に接続されており、各々との間で各種制御信号を送受信する。また、演出制御基板P42と、演出表示装置P80の接続は、演出表示装置P80(例えば液晶表示装置などの画像を表示する装置)の表示制御を行う画像制御基板P42(VDP)などを介して接続するものであってもよい。また、本前提とするぱちんこ遊技機では、スピーカP83を演出制御基板P41にて制御するように構成するものであるが、音声制御用のIC等を備えた音声制御基板を別途設けてスピーカP83を制御するように構成してもよい。
主制御基板P40と演出制御基板P41の間におけるデータの送受信は主制御基板P40から演出制御基板P41への一方向となるよう一方向でのデータ送受信にて行われる。主制御基板P40から演出制御基板P41へのデータ送信の一方向性が保たれるため、演出制御基板P41に含まれる構成から主制御基板P40に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、演出制御基板P41は、主制御基板P40で生成された情報が送信されない限りその情報を参照することはできない。なお、本前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、主制御基板P40と払出制御基板P43の間は、双方向でデータ送受信がなされる。ただし、主制御基板P40と演出制御基板P41の間と同様、主制御基板P40から払出制御基板P43への一方向でのデータ送受信とする構成にしてもよい。
[基本遊技進行]
次に、以上のように構成される前提技術としてのぱちんこ遊技機Pにおける、基本的な遊技進行および遊技方法に関して遊技状態別に説明する。「遊技状態」としては大別して「通常遊技状態」と、通常遊技状態と比して遊技球を獲得することが容易な「特別遊技状態」とがある。「通常遊技状態」は、「特別遊技状態」への移行権利の獲得を目指す状態であり、通常遊技状態の中でも、特別遊技状態への移行権利の獲得に関して遊技者にとって有利度合いが異なる遊技状態が複数設けられており、複数の通常遊技状態の中でも、遊技者にとって比較的特別遊技状態への移行権利が獲得容易な状態(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも遊技者にとって有利な状態)に関して「特定遊技状態」と表現する。「特別遊技状態」は、いわゆる「大当り遊技」と「小当り遊技」が該当し、主制御基板P40によって特別電動役物駆動手段P70が駆動され大入賞口P751が開口した状態となり遊技球の獲得が容易となる状態のことを意味している。
[通常遊技状態(低確率/低ベース状態)]
まず、通常遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。なお、ここで記載する通常遊技状態は特定遊技状態を除く「通常遊技状態(低確率/低ベース状態)」(図56参照)に関する説明であり、一般的に遊技者が遊技を開始する状況における遊技状態について説明するものであり、特定遊技状態における遊技方法、遊技の進行、および「低(高)確率」、「低(高)ベース」の用語の意味に関しては後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における、遊技の方法として、まず、遊技者はハンドルP204を操作して遊技盤P5に設けられた遊技領域P501に向けて遊技球を発射する。前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において、遊技者はハンドルP204の操作量を遊技球が遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に向かって発射されるように操作して遊技を行う。
遊技者によって遊技領域の左側領域P501Lに遊技球が発射されると、発射された遊技球は、遊技領域P501を流下し、図示しない遊技釘P510(「障害釘」、「釘」とも呼ぶ)や、風車P511によって流下方向を変位させながら、「ヘソ」などと呼ばれる遊技盤の遊技領域P501における略中央下位置に配置された第1始動入賞口P711、あるいは左側一般入賞装置の一般入賞口P731Lに入球(入賞)するか、いずれの入賞口にも入球せず、遊技済み遊技球としてアウト口P790へ入球する。第1始動入賞口P711あるいは、一般入賞口P731へ入球すると、主制御基板P40は、払出制御基板P43に対し入賞口毎に定められた賞球数の賞球をさせるための情報(制御コマンド)を出力し、遊技者は賞球払出により新たな遊技球を獲得する。
ここで第1始動入賞口P711の内部には特図1始動口スイッチP712が配置されており、遊技者が遊技領域における左側領域P501Lに遊技球を発射して生じ得る遊技状態(遊技結果)として、第1始動入賞口P711への入球がなされた場合において、主制御基板P40に特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報が入力される。
主制御基板P40は、特図1始動口スイッチP712の遊技球検出情報の入力を受けると、予め定められた賞球数の遊技球の払い出しを行うほか、第1特別図柄の制御に係る抽選を行うための乱数値を取得する。乱数値の取得は、遊技球の検出に基づいて、電気回路上で乱数生成回路の生成する乱数値を取得するもの(ハードラッチ)や、主制御基板P40の制御装置がソフト上の処理にて遊技球の検出情報を確認した際に乱数値を先の乱数生成回路から取得する処理を実行したり、ソフト的に更新されている乱数値を取得したりするもの(ソフトラッチ)などの手法があり、取得する乱数値に応じて使い分けてもよいし、組み合わせて使用することも可能である。なお、一般入賞口に入球した場合には、特別図柄に係る乱数は取得されず、賞球の払い出しのみが行われる。
第1特別図柄の制御に係る抽選は、「特別図柄抽選」であり、「特別図柄抽選」には、「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」が含まれる。「当否抽選」は、取得した乱数値を用いた抽選結果が「大当り」であるか「はずれ」であるかを決定する処理である(遊技機の仕様によっては抽選結果に「小当り」を含む)。「当り図柄抽選」(単に「図柄抽選」と呼ぶ場合もある)は、主制御表示装置P50における特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選結果を示す停止表示図柄の表示パターンを決定する処理であり、1の抽選結果(大当り、小当り)に対し、複数の停止表示図柄から1の図柄を決定可能であり、ここで決定された停止表示図柄に応じて、「大当り」、「小当り」における特別遊技の実行態様を異ならしめることを可能としている。「変動パターン抽選」は、特別図柄表示装置P51(P52)において当否抽選の結果を示す停止表示図柄をどのタイミングで表示させるかを決定する処理であり、特別図柄表示装置P51(P52)において特別図柄抽選が実行されたことを示す変動表示がなされる時間(「変動表示時間」、「変動パターン」と呼ぶ)を決定するものである。「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」に使用される乱数値は異なるものを使用するのが一般的であり、それぞれ「当否抽選乱数」、「図柄乱数」、「変動パターン乱数」と呼ばれる。なお、特図2始動口スイッチP722の遊技球を検出することに基づいて行われる第2特別図柄の制御に係る抽選もまた、同様の「特別図柄抽選」である。また、「特別図柄抽選」に関する説明は後述する。
通常遊技状態(低確率/低ベース状態)における遊技方法の説明に戻って説明すると、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射し、第1始動入賞口P711へ遊技球を入球させ、第1特別図柄に係る抽選(特別図柄抽選)を実行させ、特別図柄表示装置において「大当り」(「小当り」)を示す特別図柄の停止表示図柄が表示されることにより、特別遊技の実行権利の獲得を目指す遊技が行われる。
なお、遊技者が特別図柄抽選を受ける過程において、変動パターン抽選により決定された時間に応じて特別図柄の変動表示がなされる点について上述しているが、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、この特別図柄の変動表示期間において、新たに始動入賞口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721)に入球があった場合には、予め定められた回数の特別図柄抽選の実行権利に対応する乱数値を一時的に記憶する保留機能を備えている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第1始動入賞口P711の入賞に基づく特別図柄抽選に対応する保留機能として、最大4回の特別図柄抽選を保留することを可能としている。なお、保留機能は特別図柄毎に設定可能であり、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、第1特別図柄の保留とは別に、第2特別図柄に対する特別図柄抽選の保留機能も、最大4回の特別図柄抽選に使用する乱数値を保留しておくことを可能としている。
このように、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)においては、遊技者は、遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射して、第1特別図柄に係る特別図柄抽選を実行させる。そして、特別図柄抽選において、「大当り」や「小当り」などの特別遊技状態となる抽選結果に当選し、特別遊技状態への移行の権利を獲得したことが特別図柄表示装置に表示されると、ぱちんこ遊技機Pの遊技状態は特別遊技状態へ移行する。
[特別遊技状態]
続いて、特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明を行う。特別遊技状態には「大当り(遊技)」と、「小当り(遊技)」とが存在するが、ともに特別電動役物P755が作動して、すなわち主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して駆動信号が出力されて大入賞口P751が入球容易状態となる状態であり、その相違点として、「大当り」が複数回の特別電動役物P755を連続して作動させる役物連続作動装置の作動に基づくものであるのに対し、「小当り」が1回の特別電動役物の作動により終了する点が大きな相違点である。その他の相違点としては、役物連続作動装置の作動に基づく特別電動役物の作動(大当り)では、特別電動役物P755の作動に関し、より遊技者に有利な作動態様とすることを可能とする点にあり、具体的には、役物連続作動装置の作動状態(大当り)における大入賞口P751の総開放時間は、30秒まで許容される一方、小当りにおける大入賞口P751の総開放時間は1.8秒までに制限される点がある。以下の特別遊技状態における遊技方法および遊技の進行に関する説明では、大当りを例に説明を行う。
前提技術のぱちんこ遊技機Pにおける特別遊技の遊技進行は、時系列に沿って、「特別遊技開始デモ」(大当りの場合は「大当り開始デモ」、「役連作動開始デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り開始デモ」)と呼ばれる遊技者に各種特別遊技を獲得した旨を報知するための演出期間と、「ラウンド(遊技)」(「単位遊技」とも称する)と呼ばれる1回の特別電動役物P755の作動期間と、「特別遊技終了デモ」(大当りの場合は「大当り終了デモ」、「役連作動終了デモ」などと称し、小当りの場合は「小当り終了デモ」)と呼ばれる主に特別遊技中における遊技結果(獲得遊技球数など)および移行先の通常遊技状態(特定遊技状態を含む)の種類に係る報知を行うための期間とによって構成される。
次に上述した各特別遊技の期間における遊技の方法について説明を行う。まず、「特別遊技開始デモ」期間において、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、大入賞口P751が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に配置されており、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の左側領域P501Lに遊技球を発射しても大入賞口P751の入球がほとんど期待できないため、特別遊技において大入賞口P751が入球容易状態となるラウンド遊技が開始する前に、遊技者に対して遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射することを促す右打ち報知演出を演出表示装置P80やスピーカ(下スピーカP141、上スピーカP370)、演出ランプP82を用いて実行する。遊技者は、右打ち報知演出に従って、ハンドルP204の操作量を増やし遊技球の発射強度を高めるよう調整し、遊技球を遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に流下するよう発射位置を変更する(右打ちを実行する)。
「ラウンド(遊技)」期間になると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、主制御基板P40から特別電動役物駆動手段P70に対して出力される駆動信号により大入賞口P751が入球容易状態または入球困難状態となり、特別遊技の実行期間に合わせて大当り(小当り)を獲得したことを祝福するような演出や、特別遊技が終了した後に移行する通常遊技状態が遊技者にとってより有利な特定遊技状態となるかを示唆する演出などの演出を実行する。遊技者は、大入賞口P751に遊技球を入球させて多数の遊技球を得るべく、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する。
1回の「ラウンド(遊技)」期間は、大当り(小当り)の種類に基づいて定められた大入賞口の開放パターン(特別電動役物の作動態様)が完遂する(開放時間が経過する)か、予め定められた「規定個数」(「カウント」「C」などと表現する場合を有する)の遊技球が入球することによって終了する。そして、実行中の特別遊技状態の種類(大当り、小当りの種類)に応じて、実行すべきラウンド遊技が全て終了したとき「特別遊技終了デモ」の状態へ移行する。
続いて「特別遊技終了デモ」期間となると、前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、今回の特別遊技状態の期間において獲得した遊技球数や、後述する特定遊技期間と連続して行われた複数回の特別遊技状態において獲得した(通常遊技状態(低確率/低ベース状態)に移行せずに獲得した)累計の獲得遊技球数を報知する演出を行ったり、特別遊技状態の後に移行する通常遊技状態の種類の報知および移行先の遊技状態における遊技方法に係る報知(前述した右打ち報知演出など)の演出が実行される。遊技者は、実行されている演出より、移行先の通常遊技状態の種類に応じた遊技に備えて、ハンドルの操作を行う。
前提とする多くのぱちんこ遊技機Pにおいては、一部の例外を除いて、特別遊技状態としての大当り遊技が実行されると、通常遊技状態として「特定遊技状態」と呼ばれる遊技者にとって特別遊技状態への移行権利が獲得しやすい状態へ移行し、特定遊技状態と特別遊技状態とを連続して繰り返す、いわゆる「連荘」を楽しむ遊技性となっている。
[特定遊技状態]
続いて、「特定遊技状態」に関する説明を行う。図56に示すように特定遊技状態には、大きく分けて3つの特定遊技状態が存在する。そして、それらの種類を分ける要素として「確率状態」と「ベース状態」とがあり、それらの組み合わせによって特定遊技状態を構成する。
(確率状態)
「確率状態」は、特別図柄抽選における当否抽選において、抽選結果が「大当り」となる確率を変動させる機能である「確率変動機能」(「確変」とも言う)の作動状態に基づき、確率変動機能が作動し、作動していない場合よりも高い確率で特別図柄抽選における当否抽選が「大当り」となる場合について「高確率(状態)」(「確変状態」、「確率変動状態」と表現する場合もある)と表現し、確率変動機能が作動していない状態について「低確率(状態)」と表現する。「高確率(状態)」は、1回の特別図柄抽選に対し大当りとなる確率が高いという点で、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)より有利な遊技状態となっている。
(ベース状態)
「ベース状態」は、「ベース」すなわち「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合(の期待値)」に関する状態であり、一般的には、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易(有利)となっている状態を「高ベース(状態)」(「電チューサポート(電サポ)状態」とも言う)と呼ぶ。なお、遊技機仕様によっては、「電チューサポート機能」が作動した状態でなくとも、推奨される遊技球の発射位置が切り替わることにより、「所定個数の遊技球を発射した場合に賞球として得られる遊技球の割合」が高まるのであれば「高ベース状態」と表現する場合も有する。「高ベース(状態)」は、特別遊技状態を獲得するまでの期間において、遊技球が賞球として払い出される数が多くなる(払い出されやすくなる)ことにより、遊技球の消費を抑えながら特別遊技状態の獲得を狙うことができる点で遊技者にとって有利となる遊技状態である。
「電チューサポート機能」は、普通電動役物P770の作動が通常遊技状態(低確率/低ベース状態)よりも容易となっている状態であるが、主として3つの機能の組み合わせ(少なくとも1を備える)によって構成される。「電チューサポート機能」を構成する3つの機能とは、「普通図柄確変」、「普通図柄時短」、「(普通電動役物の)開放延長」の3つである。「普通図柄確変」は、「普通図柄抽選」において普通電動役物を作動させる結果となる確率が高い状態を指す。「普通図柄時短」は、主制御表示装置P50における普通図柄表示手段P53において、普通図柄抽選を実行してから普通図柄抽選の結果を表示するまでの時間が短縮される状態のことを指す。「普通電動役物の開放延長」は、普通図柄抽選で当選した当りの種類に対して、普通電動役物P770に係る入賞口に対し遊技球が入球しやすい態様にて普通電動役物を作動させるように変更することを指しており、一例として、普通電動役物を入球容易状態とする総時間を延長して長くすることが該当する。
「普通図柄抽選」は、上述した特別図柄抽選が特別電動役物P755の作動に関する抽選であるのに対し、普通図柄抽選は対象が普通電動役物P770の作動に関する抽選である点、および抽選の実行契機が普図作動ゲート装置P740に対する遊技球の入球である点で相違するが、当否、図柄、変動パターンを抽選により決定する点や保留機能を有する点でほぼ同じである。普通図柄抽選に関する当否、図柄、変動パターンの抽選について特に表現する場合には「普図当否抽選」、「普図図柄抽選」、「普図変動パターン抽選」というように「普図」(または「普通図柄」)を先頭につけて表現する。
「特定遊技状態」の種類を区別する要素として、「確率状態」、「ベース状態」とを説明したが、特定遊技状態を構成する要素として、他に「時短状態」(「変動時間短縮状態」、「変動時間短縮機能」が作動した状態、ともいう)がある。一般的に「時短状態」は特別図柄の1回当りの変動表示時間(変動パターン)が短縮されて、単位時間あたりの特別図柄抽選の実行回数が増加する状態のことを指し、遊技者にとってより単位時間あたりに多くの特別図柄抽選を受けられる点で有利な状態である。「時短状態」(変動時間短縮状態)は、上述した「高確率状態」や「電チューサポート状態」と同時に制御されていることが多く、それのみで特定遊技状態を構成することは少ない。
[特定遊技状態1:低確率/高ベース状態]
「特定遊技状態」に係る説明に戻り、最初に図56に示す特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)への移行は、図56の(1)、(8)、(12)に示す遊技状態遷移により移行する。図56の(1)、(8)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(8)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態1から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態1へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図56の(2)、(7)、(11)のように遷移する。これら(2)、(7)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態1でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(2)のみ)が挙げられる。なお、「遊技回数」とは、一例として「特別図柄抽選の実行回数」のことを指す。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、前述した「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」の双方が作動した状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されており、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行うことで容易に普通図柄抽選および特別図柄抽選を受けられる。また、前提とするぱちんこ遊技機Pは、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)において、前述した「時短状態」にも制御されようになっている。
より詳細に遊技の進行に関して説明すると、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)となった場合、遊技者は遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射し、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)させることを第1の手順として行い、普図作動ゲート装置P740への入球(通過)により、主制御基板P40において普通図柄抽選を受ける。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)における普通図柄抽選は、普図確変機能の作動により高確率(約1/1)で当りとなるため、普図作動ゲート装置P740へ遊技球が1球入球(通過)すると、1回の普通電動役物P770の作動が発生する。普通電動役物P770が作動すると、前提とするぱちんこ遊技機Pでは第2特別図柄に係る特別図柄抽選の契機となる第2始動入賞口P721が入球容易状態となり、遊技者は続く第2の手順として第2始動入賞口P721へ向けて遊技球を発射する。第2始動入賞口P721へ遊技球が入球した場合、検出情報が主制御基板P40に入力され、第2特別図柄に係る特別図柄抽選が実行され、特別遊技(大当り、小当り)の実行権利の獲得に係る抽選が実行される。
特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。小当り遊技の獲得の場合は、特定遊技状態が終了しないものとすることが多いが、遊技機の仕様によっては、小当り遊技の獲得(又は複数回の小当り遊技の獲得、特定の種類の小当り遊技の獲得)によって終了するように設計される場合もある。特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態2:高確率/高ベース状態]
次に図56に示す特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)への移行は、図56の(3)、(7)、(9)に示す遊技状態遷移により移行する。図56の(3)、(7)、(9)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得することである。図示はしていないが、特定遊技状態2から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態2へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図56の(4)、(8)、(10)のように遷移する。これら(4)、(8)、(10)の遊技状態遷移条件としては、(イ)特定遊技状態2でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(ウ)所定遊技回数が経過することが挙げられる。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に対し、さらに「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」である点で相違する。特定遊技状態2における遊技の進行および遊技の方法としては、特定遊技状態1と同様であり、遊技者にとっては特別図柄抽選において大当りの当選確率が高い分より早期に大当りを獲得し得る点で相違する。
特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態2は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)や、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行する。
[特定遊技状態3:高確率/低ベース状態]
続いて図56に示す特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)における遊技の進行及び遊技方法に関する説明を行う。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)への移行は、図56の(5)、(10)、(11)に示す遊技状態遷移により移行する。図56の(5)、(10)、(11)の遊技状態遷移条件としては、(ア)それぞれの状態で大当り遊技を獲得すること、(イ)所定遊技回数が経過すること(※(10)のみ)などがある。図示はしていないが、特定遊技状態3から大当り遊技を経由して再び特定遊技状態3へ移行する場合も有する。一方で特別遊技状態が終了する条件を満たした場合、図56の(6)、(9)、(12)のように遷移する。これら(6)、(9)、(12)の遊技状態遷移条件としては、(ウ)特定遊技状態3でそれぞれの遊技状態に移行することとなる種類の大当り遊技を獲得すること、(エ)所定遊技回数が経過すること(※(6)のみ)が挙げられる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)へ移行すると、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、「確率変動機能」が作動した「高確率(状態)」となり、特定遊技状態1および特定遊技状態2とは異なり「電チューサポート機能」、「変動時間短縮機能」は作動していない状態となる。前提とするぱちんこ遊技機Pの遊技盤P5における各入賞装置の配置構成では、遊技領域の右側領域P501(右打ち領域)に普図作動ゲート装置P740、および普通電動役物に係る第2始動入賞口P721が配置されているが、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)において遊技者が遊技領域の右側領域P501R(右打ち領域)に遊技球を発射する「右打ち」を行ったとしても普通図柄抽選にて当りに当選する確率は低く、右打ちを行う優位性が存在しない。
そのため、遊技者は遊技領域の左側領域P501L(左打ち領域)に遊技球を発射する「左打ち」にて遊技を進めることとなり、高確率状態であるため特別図柄抽選にて大当りとなる確率が高いため早期に大当り遊技が獲得できること以外は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技方法、遊技進行となる。
特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、当該状態に移行することとなった遊技状態遷移条件(例えば、大当りの実行であれば実行された大当りの種類、等)によって予め定められた遊技回数(特別図柄抽選を受けた回数)が経過するか、新たに大当り遊技を獲得することによって終了する(なお、大当り遊技後に再び本状態に移行する場合を有する)。特定遊技状態3は小当り遊技の獲得の場合は終了しないものとするのが一般的である。特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が遊技回数によって終了する場合は、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)へ移行する。
なお、特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)は、前提とするぱちんこ遊技機Pとして記載した図56の盤面配置構成とは異なり、右側領域P501R(右打ち領域)に普通電動役物P770を有しないタイプの第3始動入賞口を配置し、「時短状態」を作動させることにより、短時間に多くの特別図柄抽選が受けられるように構成するなど、遊技盤上の入賞装置の配置構成及び時短状態の制御によっては「右打ち」が推奨される遊技状態となる場合も有する。
以上で説明したように、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、複数の遊技状態によって遊技進行が行われるものであるが、前述した全ての遊技状態を必ずしも備える必要はない。そこで、複数の遊技状態の組み合わせ等によって構成される遊技機仕様のうち、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用可能な遊技機仕様(「スペック」と称することがある)を以下に例示する。
代表的な遊技機仕様(「スペック」)に関し、特別図柄抽選の確率変動機能の作動に係る遊技機仕様の種類の一例としては、「(次回まで)確変」、「ST(回数切り確変)」、「V確変(「球確」、「アタックラウンドシステム」ともいう)」、「潜伏確変」を採用可能である。この確率変動機能の差による遊技機仕様の違いを、「本遊技機は『○○機(例:ST機)』である」などと表現することがある。また、確率変動機能を有しない遊技機において、小当り遊技中に大入賞口P751内部の特定領域P760を通過することにより、その後役物連続作動装置が作動する(すなわち大当り遊技に移行する)こととなる「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様なども存在する。
[(次回まで)確変]
まず始めに「(次回まで)確変」について説明する。「次回まで確変」は、一般的には、ぱちんこ遊技機Pに備わった複数の特定遊技状態の中で、前述した特定遊技状態の内の最も有利とする遊技状態として、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。換言すると、「次回まで確変」の遊技機は、次回の大当り遊技の権利を獲得するまでは特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が継続し、図柄変動回数などによっては終了しないよう構成されている。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、「特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)が次回の大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続するぱちんこ遊技機」においても、確率変動機能が次回大当りまで継続するという意味で「次回まで確変」と呼称する場合もあるが、ベース状態が「低ベース状態」であり、電チューサポート機能に関して通常遊技状態(低確率/低ベース状態)と同様の遊技が求められる場合があるため、このように電チューサポート機能が作動していない次回まで確変であることから「潜伏確変」と切り分けて表現する。
[ST(回数切り確変)]
続いて「ST(回数切り確変)」について説明する。「ST」は、「Special Time」の略語であり、一般的には、「特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が予め定められた回数の特別図柄抽選を行う(予め定められた回数の図柄変動が実行される)か、大当り遊技の権利を獲得するまでの間継続することとなるぱちんこ遊技機」についての遊技機仕様を示す。
なお、大当りの種類によっては、特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)や特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に制御される場合を有していてもよい。また、前述した「次回まで確変」と同様に、遊技状態が特定遊技状態3(高確率/低ベース状態)に予め定められた回数の特別図柄抽選を行うか、大当り遊技の権利を獲得するまで制御されることとなる場合について、「潜伏確変(潜伏ST)」と称する状態を有するように構成することも可能である。
また、「ST(回数切り確変)」であっても、遊技状態がSTに制御される期間を、特別図柄抽選の抽選が「10000回行われるまで」とする場合など、高確率状態で実質的に次回までの大当りが保証されているといえる遊技機仕様であれば「次回まで確変」と表現する場合もある。
ここまで述べたように、「次回まで確変」と「ST(回数切り確変)」は、特別図柄抽選の確率変動機能の終期が異なる点で、遊技機仕様としての「確変状態」を区別するものである。一方で以下に説明する「V確変(「球確」「アタックラウンドシステム」)」のように、特定遊技状態における特別図柄抽選の確率変動機能の作動の有無、すなわち確率変動機能の実行開始に関し、特殊な条件を必要することで遊技機仕様(「スペック」)を表現する場合もある。
[V確変]
続いて、「V確変」と呼ばれる遊技機仕様に関して説明する。「V確変」は、遊技状態が特定遊技状態へ移行する前の大当り遊技中において、大入賞口P751内に設けられた「特定領域P750」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)に対し、予め定められた条件下(特定の大当りラウンドの実行中など)で遊技球の通過(「V入賞」)が検出された場合に、大当り遊技後に確率変動機能の作動を伴う特定遊技状態(特定遊技状態1や特定遊技状態3)へ移行させる制御を行うぱちんこ遊技機の遊技機仕様を示す。「V確変」に使用する「特定領域」に関し、特に「確率変動機能作動領域」と称する場合もある。
前述したように「V確変」は、確率変動機能の作動有無が大当り遊技中の遊技結果に依存する(遊技球が特定領域P760を通過するか否かに依存する)ことを示す遊技機仕様であり、作動した確率変動機能が、先に説明した「次回まで確変」と同等制御にて終了するか、「ST」と同等の制御にて終了するかの際によって「V確変(V-ループ)」や「V-ST」と異なる遊技機仕様を示す表現が用いられる。
なお、遊技機仕様として「V確変」を採用するぱちんこ遊技機Pにおいては、大当り遊技中においてV入賞しなかった場合においては、大当り遊技後に確率変動機能が作動せず、通常遊技状態や特定遊技状態1(低確率/高ベース状態)に制御される。また、このようにV入賞した場合としなかった場合とで大当り遊技後に確率変動機能の作動する遊技状態となるか否かを切り替えるとともに、同時に電チューサポート機能の作動態様についても変更可能である。一例として「V確変(V-ループ)」機では、V入賞した場合、確率変動機能および電チューサポート機能が次回大当りを獲得するまで継続し、V入賞しなかった場合、確率変動機能は作動せず、電チューサポート機能も特別図柄抽選が100回行われるまでに制限されるようにすることが挙げられる。
[小当りV]
次に、確率変動機能を持たずに大当り獲得に関して遊技者に有利な遊技状態を提供しうる遊技機仕様として「小当りV」と呼ばれる遊技機仕様(スペック)に関して説明する。
「小当りV」は、特別図柄抽選の結果が小当りとなった際に実行される小当り遊技中(特別電動役物の作動中)に、大入賞口P751内部に設けられた「特定領域P760」(「Vゾーン」、「V領域」などと称することがある)を通過した場合に、小当り遊技に続いて役物連続作動装置を作動させる、すなわち大当り遊技を開始する遊技機仕様である。言い換えると、小当り中に特定領域P760を通過させることによって、特別図柄抽選の結果として大当りとなる結果を獲得することなく大当り遊技を獲得することができる遊技機仕様である。
「小当りV」は特別図柄抽選の結果として役物連続作動装置や特別電動役物を作動させる「1種(ぱちんこ)」の遊技性に、役物連続作動装置非作動中の特別電動役物作動中(大入賞口P751の開放中)において特定領域P760を通過した場合に役物連続作動装置を作動させる仕様であり、「1種小当りV」と表す場合もある一方、従来のぱちんこ遊技機におけるいわゆる「2種ぱちんこ」の遊技機仕様に近い遊技性を有していることから「1種2種混合機」などと表現される場合を有する。
一般的に「小当りV」を遊技機仕様として採用するぱちんこ遊技機においては、確変機能(確率変動機能)を有さず、電チューサポート機能の有無によって有利度合いを変更させる。すなわち、電チューサポート機能が作動した場合に入賞しやすくなる普通電動役物P770に係る入賞口を小当りに当選しやすい特別図柄(例えば1/2で小当りに当選する)の変動契機となる始動入賞口で構成することで、電チューサポート機能が作動している状況下では小当りに当選しやすく、小当り遊技中のV入賞で大当りを狙うことを可能とする。このようにすることで、確変機能のように大当りとなる乱数値範囲を増やすのではなく、小当りにより大当りの獲得可能性を増やす遊技性となっている。
[その他の遊技機仕様(スペック)]
以上に記載した、遊技機仕様は代表的なものであり、その他にも特徴的な遊技機仕様がいくつか知られているため、それらに関して以下に簡易的に説明を行う。
(リミッタ)
「リミッタ」は、確率変動機能や電チューサポート機能が作動する特定遊技状態が、大当り遊技の実行を挟んで繰り返し行われる状態(いわゆる「連荘」状態)が発生した場合であって、予め定められた繰り返し回数(連荘回数)に到達した場合に、本来確率変動機能や電チューサポート機能が作動するはずの大当り遊技が実行された場合であっても、確率変動機能あるいは電チューサポート機能の作動を制限する機能である。リミッタ機能として「確率変動機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「確変リミッタ」と呼び、「電チューサポート機能」を連続回数に基づいて制限する機能を「時短リミッタ(電サポリミッタ)」と呼ぶ。そして、リミッタ機能を備える遊技機を「リミッタ機」と呼称する。
(転落)
「転落」は、特別図柄抽選の確率変動機能が作動している期間において、特別図柄抽選が行われる度に、確率変動機能を終了させるか否かを決定する「転落抽選」を実行する遊技機仕様を示す。確率変動機能とともに電チューサポート機能が作動している状況において、転落抽選に当選した場合は、確率変動機能の終了に合わせて電チューサポート機能の作動が終了する場合や、確率変動機能のみが終了し電チューサポート機能の作動は継続する場合とがある。
なお、上述した遊技機仕様は複数組み合わせることが可能であり、例えば、「ST」と「転落」を組み合わせた場合には、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)である場合に、(1)転落抽選に当選した、(2)予め定められた回数の特別図柄抽選を行った、(3)大当り遊技の権利を獲得した、のいずれかを充足した場合に、特定遊技状態2(高確率/高ベース状態)が終了する(他の遊技状態に移行する)こととなる。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技の進行を司る主制御基板P40の制御に関する説明を行う。なお、ぱちんこ遊技機の仕様(スペック)として、「ST(回数切り確変)」を採用しているぱちんこ遊技機を前提として説明を行う。なお、実施形態の説明において、図中の処理ステップを示す「P-s〇〇」の表記は、本文中において「ステップ〇〇」と表記して説明を行う。
[主制御基板の電源投入処理(主制御基板メインループ処理)]
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40は、ぱちんこ遊技機Pの電源が投入されることにより、最初に電源投入処理(ステップ1000)を実行する。ここで、電源投入処理について図57に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの主制御基板P40において電源投入処理が開始されると、主制御基板P40上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定が行われる(ステップ1002)。初期設定は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛する。
CPU初期設定が終了すると、続いて入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)を実行し、これらの処理内容を受けて遊技停止状態設定処理(ステップ1008)に関する処理を行う。
より詳細に説明すると、入力ポート確認処理(ステップ1004)は、ぱちんこ遊技機Pの特別図柄抽選の有利度合い(特に役物連続作動装置の作動確率、すなわち大当り確率)を変更するための「設定値」を変更可能な「設定変更処理」を行う状態であるか否かのフラグ、「設定値」を確認するための「設定確認処理」を行う状態であるか否かのフラグについて、当該処理の後に行われる遊技停止状態設定処理で成立させるか否か(オンにするか否か)を決定するための情報を生成する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、枠開放スイッチP131(前枠が外枠に対して開放していることを検出するスイッチ)の検出状況、ラムクリアスイッチP48が遊技者に操作されているかの検出状況、設定キースイッチP49が回転操作されているかの検出状況を示すデータを含むデータを1バイトデータとして生成する。
続く電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)では、前回電源を切ったとき、ぱちんこ遊技機Pが正常に電源断を行い、電源断が発生したときの遊技状態に係る制御データを正常に主制御基板P40のCPUの記憶領域に正常に退避、記憶しているかを確認する処理であり、正常なデータでない場合には、エラーとして後述する遊技停止状態設定処理(ステップ1008)にて遊技を停止するようにするフラグを立てる(オンにする)処理である。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)は、電源投入処理における処理が終了し、遊技を開始すべくメインループ処理に移行した後、実際に遊技者が遊技できる状況としないためのフラグを設定する処理であり、入力ポートの確認処理(ステップ1004)と電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果に基づいて、「設定変更状態」、「設定確認状態」、「復帰不可能エラー状態」のいずれかの遊技進行不許可状態へ移行させるフラグを立てる処理である。「遊技停止状態設定処理」の詳細は図58に記載しており、図58の記載に基づいて説明を行う。
遊技停止状態設定処理では、まず枠開放中であるかを、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータを基に判断する(ステップ1100)。電源投入時にぱちんこ遊技機Pの前枠P2が外枠P1に対して開放した状態であれば(ステップ1100でYESとなる状況)、1バイトデータの特定のビットが「1」となっている状況であるため、続くステップ1102の処理を省略する。一方で、ぱちんこ遊技機の電源投入時に枠開放中でない場合は、設定変更処理を実行するための必須操作の一部が充足していないとし、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータから設定キースイッチの操作情報をオフデータにとなるように演算する。なお、不図示であるが、ステップ1102でYESとなる場合、NOとなる場合のいずれにおいても、1バイトデータ中から枠開放中のビットもオフデータとなるように演算される。
続くステップ1104では、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータが「設定変更操作あり」と判断可能な情報となっているか否かを判断する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは「設定変更操作あり」と判断される状況は、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)であり、(2)設定キースイッチP49がオンであり(回転操作されている)、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、の3つの状態を必要としている。前述したように1バイトデータの内、枠開放スイッチP131の情報はオフに設定されており、(2)(3)の双方を満たすか否かを本ステップにて判断している。例えば特定の2つのビットデータが「1」である場合に設定変更操作ありと判断する(なお、2つのスイッチがオンであることを示すアクティブデータが必ずしも「1」である必要はなく、いずれか1つのデータが「0」であってもよい)。そして、設定変更操作があったと判断した場合、すなわちステップ1104でYESと判断した場合には、遊技停止状態フラグとして「設定変更中」を示すデータを記憶し、遊技停止状態設定処理を終了する(ステップ1106、ステップ1118)。一方、ステップ1104でNOと判断した場合には続くステップ1108の処理へ移行する。なお、主制御基板P40のラム(RAM=Random Access Memory)に記憶されている設定値情報が異常データである場合(復帰不可能エラー状態からの復帰操作である場合)には、初期設定値として設定値「1」に対応するデータを、設定値を記憶する領域にセットする(ステップ1118)。
次にステップ1108において、遊技停止エラーの発生の判断を行う。遊技停止エラーは、例えばチェックサム異常(ラム異常)や、設定値異常など、遊技の進行を行うことができない状況に陥ったときに、ラムクリアおよび設定値の設定(変更)処理を要する場合のエラーのことを指す。ステップ1108の判断は、電源断情報確認/チェックサム処理(ステップ1006)の処理結果や、前回の電源断処理時に記憶しているエラー情報を基に遊技停止状態として設定すべきか否かを判断する。エラー状態とすべきと判断した場合(ステップ1108でYESと判断した場合)には、遊技停止状態フラグを「復帰不可能エラー状態」として遊技停止状態設定処理を終了し(ステップ1110、ステップ1118)、エラーが発生していないと判断した場合には続くステップ1112の処理へ移行する。
続くステップ1112においては、ラムクリアスイッチP48の操作の有無を判断する。遊技停止状態設定処理において、当該ステップまで進行する場合の状態として、
(ア)設定確認状態へ移行する操作が行われているとき、換言すると、「設定変更操作あり」の判断の内、(1)枠開放スイッチP131がオン(電源投入時に枠開放中)である、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足し、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足していないとき、
(イ)データクリアのためのラムクリア操作が行われたとき、換言すると、(2)設定キースイッチP49がオンである、を充足しておらず、(3)ラムクリアスイッチP48がオンである、を充足しているとき、
(ウ)「設定変更操作」、「設定確認操作」、「ラムクリア操作」などの操作が何ら行われず電源を投入したとき、
のいずれかの状況である。そして、これらの状態において入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、(ア)設定キースイッチP49のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(イ)ラムクリアスイッチP48の操作検出状態のオンオフを示すビットデータが「1(オンデータ)」、(ウ)1バイトデータが全てオフデータ(例えば全ビット「0」)のいずれかの状況である。
そして、ステップ1112においてラムクリアスイッチP48の操作があったか否かを判断し、ラムクリア操作があった場合(ステップ1112でYESと判断する場合)には、ぱちんこ遊技機は、ラムクリアをしたのち遊技可能状態へ移行させるため、遊技停止状態フラグをクリアする処理を行う(ステップ1114)。一方、ラムクリア操作がなされた状況以外では、現在の1バイトデータをそのまま設定することとなり、この時、遊技停止状態フラグは「設定確認状態」へ移行する操作がなされているときは(ステップ1112でNOと判断する場合)、設定キースイッチP49の操作状況を示すビットデータが「1」となっており、遊技停止状態フラグを示す1バイトデータに「設定確認中」を示すデータとして記憶される(ステップ1118)。また、ラムクリア操作も設定確認状態への移行操作もない場合には、入力ポートの確認処理(ステップ1004)で生成した1バイトデータは、もともと遊技停止状態フラグとして遊技停止なしを示すデータであり、遊技停止なし情報としてセットされる。
「遊技停止状態設定処理」(ステップ1008)にて設定された遊技停止状態フラグについて、何らかの停止状態を示す値が記憶されている場合は、電源投入処理(ステップ1000)における遊技許容状態であるメインループ(ステップ1028~ステップ1036)への移行後に実行される遊技進行制御の主体となる割込み処理(ステップ2000)において、停止状態を示す値が参照され、「基本遊技進行」として記載した遊技の進行ができない状態となるが、これらの制御については後述する割込み処理の説明において記載する。
図57の電源投入処理の説明に戻り、続く処理を説明する。遊技停止状態設定処理(ステップ1008)が終了すると、ラムクリア操作があったか否かを判断する(ステップ1010)。ラムクリア操作は、ぱちんこ遊技機Pの電源投入時にラムクリアスイッチP48が操作されることである。なお、設定キースイッチP49がオフの場合にもオンの場合にも本処理は実行される。ステップ1010においてラムクリア操作ありと判断した場合には、主制御基板P40のラムの記憶領域より、予め定められた部分の記憶領域を初期化する。
続くステップ1014からステップ1020の処理では、電源投入時に主制御基板P40から演出制御基板P41に対して遊技機の状態を認識させるための演出制御コマンド(演出コマンド)をセットする処理を行う。より詳細には、ステップ1014において、前回電源が切断したとき(電源断が発生したとき)において未送信となっていた演出制御コマンドを記憶領域からクリアする処理を行う。そして、ステップ1016において電源投入後に復帰した主制御基板P40の現在の遊技状態に関する情報を演出制御コマンドとして生成し、ステップ1018において遊技停止状態でないと判断した場合には、ステップ1020において、生成した復帰した遊技状態を示す演出制御コマンドを演出制御コマンドの送信データを記憶する領域にセットする。
電源投入時における演出制御コマンドのセットに係る処理が終了すると、大入賞口P751(特別電動役物P755)や普通電動役物P770を電源断発生前の状態に戻すべく、必要なデータ(駆動信号)を特別電動役物駆動手段P70および普通電動役物駆動手段P71に対して出力ポートから出力する。(ステップ1022)
そして、電源投入処理におけるステップ1022までの処理が終了すると、主制御基板P40のCPUに対して、割込み処理時間の発生間隔を設定する処理を行う(ステップ1024)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する割込み処理(図59、ステップ2000)を実行する間隔を4ms(ミリ秒)としている。本処理が終了すると、遊技者が遊技可能な状態であるメインループと呼ばれる循環処理に移行し、電源断が発生するまでメインループ中の循環処理の実行を繰り返す。
(メインループ)
主制御基板のメインループの処理は、図57に示すように、まずステップ1026にて割込み処理の発生を禁止する処理を行い、メインループの処理が完了するまで(ステップ1036にて割込みを許可するまで)割込み処理の実行を制限する。
割込みが禁止されると、続くステップ1028では、ウォッチドッグタイマと呼ばれる主制御基板P40のCPUの暴走(処理がループしてしまったりして、進まなくなってしまう状況など)の発生を監視するための計時情報を記憶している領域をクリア(初期化)する。
そしてステップ1030では、電源断が発生しているか(例えば電源基板P44から電圧が低下したことに基づいて送られる電源断信号が主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力されているか)を判断し、電源断が発生している状況であれば、現在の遊技状態を記憶し、電源断情報およびチェックサム情報を記憶して主制御基板P40のCPUとしての処理を停止する電源断処理(ステップ1032)を実行する。電源断が発生していない状況であれば続く処理へ移行する。
ステップ1034では、特別図柄抽選に使用する乱数や、普通図柄抽選に使用する乱数値を更新する処理を行う。なお、これらの乱数値の更新は後述する割込み処理において更新するものもあり、割込み処理においてのみ乱数が更新されることで乱数更新周期が一定になってしまうことを防止するための処理である。なお、割込み処理において、不定期に実行されるような処理があれば、それらの処理に合わせて乱数値を更新するなどの手法を採用することにより、乱数更新周期の一定化を防止することもできるため、メインループ内に乱数更新処理を設けることは必須ではない。
ステップ1036はメインループ中の最後の処理であり、割込みを許可する処理を行う。直後にメインループ中の最初の処理であるステップ1026の割込み禁止に戻ることになるが、割込み許可を行うステップ1036の処理が行われたときに、割込み実行周期(前回割込み処理の発生から4ms経過した状態)を示す入力が主制御基板P40のCPUにあれば、後述する割込み処理が実行されることとなる。
[割込み処理]
続いて主制御基板P40のCPUで行われる割込み処理(「タイマ割込み処理」とも呼ぶ)について図59を参照しながら説明する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、割込み処理(ステップ2000)により遊技の進行に関する大部分が制御されており、遊技機仕様(スペック)によって変更可能に設けられたサブモジュールプログラムを、汎用的に一定の順序で読みだして制御するように構成されている。それらのサブモジュールに関する処理を以下に簡易的に説明する。
(ウォッチドッグタイマクリア)
割込み処理の最初には、ウォッチドッグタイマクリアの処理が設けられている。本処理は、前述した主制御基板P40のCPUが実行するメインループ処理(図57、ステップ1026~ステップ1036)におけるウォッチドッグタイマクリア処理と同じ処理である。(ステップ2002)
(入力ポート確認処理)
入力ポート確認処理は、主制御基板P40のCPUの入力ポートに入力される情報を確認することにより、以降の処理において判断に必要な情報としての入力情報があったか否かを識別可能とする情報を生成する処理である。(ステップ2004)
入力ポートに入力される情報としては、ラムクリアスイッチP48や設定キースイッチP49の操作状況を示す入力信号や、ハンドルP204の操作状況(タッチ有無)を示す入力信号等の人為的な操作に係る入力信号、特図1始動口スイッチP712や大入賞口スイッチP752等の遊技球の検出による遊技結果を示す入力信号、磁気センサP73やドア開放センサP131、振動検知センサP72など不正監視のために設けられたセンサの検出状況を示す入力信号などがある。
入力ポート確認処理では、これらの入力ポートの入力信号を10μs(マイクロ秒)で3回読み込み、全ての読み込みで同一データ(同一ビット)となったデータを今回割込みにおける入力データ(「レベルデータ」という)として主制御基板P40のラムに記憶する。なお、3回読み込んだデータのうち全ての読み込みで同一データとならなかった部分については、前回の割込み処理(4ms前の割込み処理)において確定したデータをレベルデータとして採用することとなり、すなわち今回割込みにおいて正常にデータが読み取れなかった場合は前回割込みで記憶したデータを更新しないこととなる。
そして今回割込みにおける入力データ(レベルデータ)が確定すると、前回割込みにおける入力データとの比較演算を行い、「立ち上がりデータ」(入力データがオフからオンに変わったビットを特定するデータ)を生成し、今回割込みでオン入力に切り替わったスイッチを特定するデータを記憶する。
(乱数更新処理)
乱数更新処理は、特別図柄抽選に係る当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数や、普通図柄抽選の普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数などの各種乱数の内、ソフト的に更新される乱数値であるいわゆるソフト乱数を更新する処理である(ステップ2006)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選や普通図柄抽選に使用する乱数は、乱数生成回路にて回路上の更新周期にて乱数を更新するものと、ソフト的な周期で更新されるものを有する仕様としており、それらを組み合わせることで、乱数取得時の各種乱数のランダム性を保つように構成している。
乱数更新処理においては、前述したようにソフト乱数を更新する処理を行うものであるが、更新の方法としては、
(ア)乱数をインクリメント(+1)あるいはデクリメント(-1)して更新し、乱数範囲の上限(又は下限)を超えた場合に下限値(または上限値)とするもの、
(イ)乱数に対して任意の素数を減算(または加算)し、乱数範囲を超える場合に乱数範囲+1(または乱数範囲-1)の値を加算(または減算)するもの、
(ウ)初期値として設定した乱数からインクリメント(またはデクリメント)を繰り返し、1周期の更新が終わった場合に、別途更新している「初期値乱数」を新たな初期値として設定し同様の更新を繰り返すもの(初期値更新型乱数ともいう)、
といった各種の更新方法が例示できる。なお、例示したものに限らず更新方法は乱数のランダム性が保てる手法であれば、どのような手法を採用してもよい。
(設定制御処理)
設定制御処理は、主制御基板P40のCPUにおける電源投入処理(図57参照)中で設定した遊技停止フラグが「設定変更中」、または「設定確認中」である場合の処理を行う。(ステップ2008)
設定制御処理では、最初に電源投入処理中にて遊技停止フラグとして格納したデータの設定キー操作中を示すビットデータがオンデータであるか否かを判定し、オンデータでない、すなわちぱちんこ遊技機の電源投入時に設定キーがオン操作されていなかった場合、本処理を抜けるように構成されている。
一方で、遊技停止フラグ中の設定キー操作中を示すビットデータがオンデータである場合には、「設定変更中」、「設定確認中」を終了させるか否かを判定するため、現在の割込み処理における設定キースイッチP49の入力情報(前述した入力ポート確認処理にて生成)を参照し、設定キースイッチP49がオフとなった場合に遊技停止フラグをクリアし、遊技可能な状態とした後、「設定変更状態」、「設定確認状態」のいずれからの復帰であるかに応じて、演出制御基板に演出を復帰(または開始)させるための演出制御コマンドを設定する。
また、電源投入処理(図57参照)において、遊技停止フラグが「設定変更中」である場合、設定キースイッチP49がオフとなるまでの期間において、本割込みタイミングにおける「設定変更スイッチ」の役割を果たすラムクリアスイッチP48(設定値を変更するために操作するスイッチ)の操作状況を確認する。遊技停止フラグが「設定変更中」の時、今回割込みにおいて、設定変更スイッチP48の操作にかかる立ち上がりデータが生成されている場合において、「設定値」を予め定められた変更順序の内の次の設定値となるようデータの変更を行う。例えば、設定が1から6まで順に切り替わるような設定値データを有するぱちんこ遊技機Pであれば、設定変更スイッチ(ラムクリアスイッチP48)の操作に基づく立ち上がりデータがあるたびに、本設定制御処理において設定値を「1」増加させる処理(操作前の設定値が6のときは、次の値として1に変更)を行う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、設定変更状態や設定確認状態における処理を割込み処理中(図59参照)に設けることによって、設定キースイッチや設定変更スイッチの操作を割込み処理の周期で監視するとともに、後述するLED出力処理にて表示装置に対しての表示データの出力を可能とし、別途割込み処理の設定ができていない電源投入処理中(図57参照)において、周期的な監視のためのプログラムを設定することを省略可能としている。なお、電源投入処理中において、設定変更や設定確認に関するスイッチの監視や表示装置の制御、設定値の更新処理を行うように構成してもよい。
(遊技停止監視処理)
遊技停止監視処理は、主制御基板のCPUがぱちんこ遊技機の電源投入時に実行した電源投入処理(図57参照)中にて生成した遊技停止フラグのデータを読みだして遊技停止中であるか否かを確認する処理である。(ステップ2010)
遊技停止監視処理において、読みだされた遊技停止フラグのデータに何らかの遊技停止情報(遊技停止フラグ)が記憶されていた場合、例えば、遊技停止フラグのデータが0でなくいずれかのビットが「1」である場合は遊技停止状態(遊技停止が必要な状態)と判断し、遊技停止中として、割込み処理中の一部の処理(図59における「タイマ減算処理(ステップ2014)」から「特別電動役物制御処理(ステップ2028)」まで)を省略する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、遊技停止が必要な状態として、すなわち遊技者が遊技をすることが不可能な状態として、「設定変更中」、「設定確認中」、「復帰不可能エラーの発生中」といった状態が例示できる。
(タイマ減算処理)
タイマ減算処理は、遊技の進行に関する時間の管理に使用されるタイマデータを更新する処理である(ステップ2014)。
タイマデータの更新処理の例として、特別図柄の変動表示が開始された場合に設定される変動表示時間の管理や、大当り遊技中の特別電動役物P755の作動時間(大入賞口P751の開放時間)などの遊技進行を契機としたタイマデータの更新処理や、球詰まりを検出する等のエラー判定のための計時処理、特別図柄表示装置P51、P52などの主制御表示装置P50におけるLEDの点灯パターンを切り替えるための切り替え時間を計時するための処理、外部情報出力端子P77等から外部機器(ホールコンピュータなど)に対する情報の出力を行う期間を計時する処理などが例示できる。
タイマ更新処理で更新されるタイマデータは、主制御基板P40の記憶領域(ラム記憶領域)に、「1バイトタイマ」、「2バイトタイマ」などのタイマデータの種類ごとに分けられて、連続した記憶領域にそれぞれ記憶されている。
タイマ更新処理では、それらの個別のタイマデータの種類を記憶した記憶領域に対し、「1バイトタイマ更新処理」、「2バイトタイマ更新処理」といった処理を行い、各種タイマの時間値を更新する処理を行う。タイマの更新処理は、記憶領域に記憶されているタイマデータをデクリメント(-1)する処理を行う。なお、記憶されているタイマデータが既に「0」である場合には、処理後においても「0」となるように処理される(負の値になった場合に「0」にすることや、「0」の場合にデクリメントをしない、など)。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、1割込みの周期が4msであるため、1バイトタイマのデータである場合には、最大255回の更新(約1秒)で終了する管理対象のみが制御可能となるが、1秒以内でのみ管理される遊技情報がない場合(少ない場合)には、2バイトタイマデータのみで構成し、1バイトタイマ更新処理を有さないように構成することも可能である。また、2バイトタイマでも管理できないような時間値の管理が必要となる場合は、「3バイトタイマ」などより長時間を管理できるタイマデータを持つように構成してもよい。
(有効期間設定処理)
有効期間設定処理は、入球容易態様または入球困難態様に変化可能な入賞口(主として大入賞口P751や普通電動役物P770に係る入賞口が該当)に関し、入球容易態様に制御する期間および有効延長期間において有効期間を設定し、それ以外の期間(入賞口が入球困難態様であり有効延長期間以外のとき)について、無効期間を設定する処理である。(ステップ2016)
前提とするぱちんこ遊技機では、大入賞装置としての大入賞口P751と、普通電動役物P770が備えられている第2始動入賞装置P720である第2始動入賞口P721の入賞を有効期間として設定する処理となる。
なお、有効延長期間は大入賞口P751や普通電動役物P770が入球困難態様へ移行する直前のタイミングで入球した遊技球を有効入賞として扱うために、大入賞口P750(特別電動役物P755)や普通電動役物P770などの電動役物に対して開放制御を実行させる制御期間が経過した後においても有効期間として扱うため、電動役物の構造に応じて適宜設定される一定時間の制御期間である。
また、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)を有する場合には、特定領域P760に関する遊技球の通過に対する有効延長期間も設定されることがあり、そのような場合には、本処理において特定領域の有効期間の設定も行われる。
(入賞監視処理)
入賞監視処理は、ぱちんこ遊技機における各種入賞口(大入賞口P751、始動口P711、P721、一般入賞口P731)に対する遊技球の入賞を基に、有効入賞であるか否かを判定し、賞球や始動口入球に対する特別図柄抽選の権利の発生(保留の発生)の処理が行われる契機となる情報を生成する処理である。(ステップ2018)
処理内容としては、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータを基に予め定められた順序で各種入賞口毎に(ア)入賞の有無を検出(イ)有効期間を有する入賞口の場合は有効期間中における入賞であるかの判断、各種入賞口に対する有効入賞が発生した場合には更に、(ウ)演出制御基板P41に送信する各種入賞口毎の入賞情報をしめす演出制御コマンドの設定、(エ)各種入賞口毎の入賞に基づく動作契機の発生回数を記憶するためのカウンタ値(「入賞カウンタ」と呼ぶ)を更新する(言い換えると、各種入賞口の検出に基づく動作の内で未処理の動作の回数を記憶するカウンタ値を更新する)処理を行う。
なお、入賞監視処理においては、各種入賞口に対する入賞の発生のみでなく、アウト球を計数するために設けられたアウト球検出スイッチP792、普通図柄抽選の契機となる作動口スイッチP742や、遊技機仕様によっては特定領域P760(V領域)に対する遊技球の入球および通過についても判定するようになっており、賞球の発生や特別図柄抽選の契機の発生以外にも遊技機の動作(例えば、演出制御基板P41に対して、作動口スイッチP742や特定領域P760を通過した旨の情報を送信する処理)に必要となる遊技球の検出の有無を本処理において行う。
(作動口監視処理)
作動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、普図作動口スイッチP742の立ち上がりデータが生成されている場合に、普通図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2020)
より具体的には、普図作動口スイッチP742の検出があった場合に、普通図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
(普通図柄制御処理)
普通図柄制御処理は、普通図柄抽選、普通図柄の変動表示、普通電動役物P770の作動に係る処理を行う(ステップ2022)。これらの処理は、普通図柄ステイタスと呼ばれる普通図柄、普通電動役物の制御状態を示すデータがいずれであるかに応じて、異なるサブモジュール処理に移行して、状態に応じた制御を行う。普通図柄のステイタスとしては、「0:普通図柄待機中」、「1:普通図柄変動中」、「2:普通図柄停止表示中」、「3:普通電動役物作動中」、「4:普通電動役物終了デモ中」があり、それぞれの状態に応じた処理を行う。
《普通図柄変動開始監視制御処理》
普通図柄変動開始監視制御処理は、普通図柄ステイタスが「0:普通図柄待機中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動開始監視制御処理では、まず、普通図柄抽選に係る保留数が「0」であるか否かを確認する。「0」である場合には、普通図柄の変動権利は発生していないため、普通図柄制御処理を抜ける。一方、普通図柄抽選に係る保留数が「0」でない場合は、普通図柄の変動権利が発生している状態であり、普通図柄の変動開始条件を満たしていると判断して普通図柄の変動の開始に係る処理を実行する。
普通図柄の変動を開始すると判断すると、普通図柄抽選に係る保留数情報を記憶する領域より、保留数情報を-1した後、普図当否乱数、普図図柄乱数、普図変動パターン乱数をそれぞれ呼び出して普図当否抽選、普図図柄抽選、普図変動パターン抽選をそれぞれ行い、抽選結果を主制御基板の記憶領域に格納するとともに、今回使用した乱数情報をクリアし保留数情報の記憶領域を記憶した順番に処理されるようにシフトする処理を行うとともに、普通図柄ステイタスを「1:普通図柄変動中」に更新する。なお、普通図柄抽選に関しては、前述した「ベース状態」(普通図柄の確率変動機能、普通図柄の変動時間短縮機能)の作動状況に応じて異なる抽選テーブルが使用され、高ベース状態では当りとなりやすく、普通図柄の変動表示時間は短いものが決定されやすい傾向にある。
《普通図柄変動中処理》
普通図柄変動中処理は、普通図柄ステイタスが「1:普通図柄変動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄変動中処理では、普通図柄変動開始監視制御処理中にて決定した普通図柄の変動パターンに応じた普通図柄の変動表示時間が経過するまで、すなわち普通図柄の変動表示を管理するタイマ(普通図柄変動表示タイマ)がタイマ更新処理において0となるまで、普通図柄表示装置P53において、普通図柄の変動表示を実行させる処理である。
より具体的には、普通図柄変動表示タイマが0でない場合には、本処理が実行されるたびに最大値が「5」である普図表示切り替えカウンタを更新し、普図表示切り替えカウンタが「5」となるタイミングで、普通図柄表示装置P53を構成するLEDの発光パターンを指定するためのデータを格納する記憶領域に、次の発光パターンに関する情報を記憶する処理を行う。なお、普図表示切り替えカウンタは最大値である「5」となるタイミングで初期値である「0」にリセットされる。すなわち、普通図柄の変動表示は5回の割込み(4ms×5=20ms)間隔で普通図柄表示装置P53の点灯パターンが切り替えられることとなる。なお、切替間隔は適宜設定可能であり、例えば普図表示切り替えカウンタの最大値を25とすれば、25割込みに1回(100msに1回)の間隔で普通図柄表示装置P53の表示パターンが切り替えられる。
普通図柄の変動表示時間が終了する、すなわち普通図柄変動表示タイマが「0」となっている場合、本処理では普図図柄抽選で決定した普通図柄の停止表示図柄の表示パターンが主制御表示装置P50における普通図柄表示装置P53に停止表示されるよう、停止表示態様を示すLED点灯パターンを指定するためのデータを普通図柄表示装置P53のLED点灯パターンを記憶する記憶領域に格納する。そして、普通図柄の図柄固定時間(停止表示図柄を表示する時間)を普通図柄停止表示タイマに記憶するとともに、普通図柄ステイタスを「2:普通図柄停止表示中」に更新する。
《普通図柄停止表示中処理》
普通図柄停止表示中処理は、普通図柄ステイタスが「2:普通図柄停止表示中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通図柄停止表示中処理では、普通図柄変動中処理の終了時に図柄固定時間が設定された普通図柄停止表示タイマの値が「0」であるかの確認を行い、「0」となったタイミングにて、次の遊技動作に移るための設定を行う処理が行われる。
普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「当り」であった場合、当り図柄およびベース状態(普通電動役物の延長機能)の作動状態に応じて、普通電動役物P770の作動パターンを呼び出し、動作パターンを設定や、普通電動役物P770に係る入賞カウンタをクリアする等の設定をするとともに、普通図柄ステイタスを「3:普通電動役物作動中」に更新する。
一方、普通図柄停止表示タイマが「0」となったとき、今回の普通図柄抽選の結果が「はずれ」であった場合には、普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
《普通電動役物作動中処理》
普通電動役物作動中処理は、普通図柄ステイタスが「3:普通電動役物作動中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動中処理では、普通図柄停止表示中処理において設定された普通電動役物P770の動作パターンに基づいて、普通電動役物の開放動作(入球容易態様への変化)および閉鎖動作(入球困難態様への変化)を制御するとともに、普通電動役物の作動終了条件の成立を監視する。普通電動役物P770の作動終了は、(ア)普通電動役物の終了条件として設定された規定数の普通電動役物入賞が発生した場合、(イ)予め設定された動作パターンの動作が終了した場合(普通電動役物の開放動作期間が終了した場合)である。
普通電動役物の作動終了条件が成立すると、普通電動役物の有効延長期間を記憶するタイマ領域に、予め普通電動役物P770の構造に対応して定められた一定時間の延長期間を計時する時間をセットする。そして、普通電動役物の作動終了デモに係る時間値を普通電動役物作動終了デモタイマにセットし、普通図柄ステイタスを「4:普通電動役物終了デモ中」に設定する。
《普通電動役物作動終了デモ処理》
普通電動役物作動終了デモ処理は、普通図柄ステイタスが「4:普通電動役物終了デモ中」である場合に普通図柄制御処理より呼び出されるサブモジュール処理である。
普通電動役物作動終了デモ処理では、普通電動役物作動中処理にて設定した普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となるまで待機し、普通電動役物作動終了デモタイマが「0」となった場合に普通図柄ステイタスを「0:普通図柄待機中」に更新する処理を行う。
(始動口監視処理)
始動口監視処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したデータより、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の立ち上がりデータが生成されている場合に、特別図柄抽選に係る保留の発生に係る処理を行う。(ステップ2024)
より具体的には、特図1始動口スイッチP712および特図2始動口スイッチP722の検出があった場合に、特別図柄抽選に係る保留の数を確認して、保留数が上限に満たない場合は、新たな保留として乱数を記憶可能であるため、保留数を格納している記憶領域のデータをインクリメント(+1)して保留数情報を1個増やした後、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を乱数生成回路から取得、あるいは現在の対応するソフト乱数を取得して保留として記憶する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄として、第1特別図柄(特図1と称することがある)と第2特別図柄(特図2と称することがある)との2種類の特別図柄を設けているため、遊技盤P5に設けられた始動口のそれぞれに対し、対応する特別図柄の保留数および始動口スイッチのデータを呼び出して、始動口毎に保留数の加算、乱数の取得の処理が行われる。
また、処理対象とする始動口が、普通電動役物に係る始動口(電チュー)で構成される場合には、前述した有効期間設定処理にて普通電動役物P770に係る始動口入賞が有効期間内に行われたか否かを判断した上で有効期間である場合には前述した処理を行う。
なお、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数を記憶する際、取得した乱数情報を事前に予告判定値テーブルを用いて、保留される各種乱数に基づく変動が実行される際の変動内容が事前に推測可能となる情報を生成し、演出制御基板P41に対して演出制御コマンドとして通知する(「事前判定コマンド」、「事前判定情報」、「先読み判定コマンド」と呼ぶ)。事前判定コマンドは、当否乱数、図柄乱数、変動パターン乱数それぞれに対して生成され、演出制御基板P41に送信されると、演出制御基板P41において、後述する「先読み演出」の実行に係る抽選に利用される。
(特別図柄制御処理)
特別図柄制御処理(ステップ2026)は、特別図柄ステイタス(「特図ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別図柄を管理するための状態情報と、特別電動役物ステイタス(「特電遊技ステイタス」ともいう)と呼ばれる特別電動役物の作動状態を管理するための状態情報とによって、特別図柄の変動開始の管理(特別図柄変動開始監視制御処理)、特別図柄変動中処理、特別図柄停止図柄表示中処理のいずれかの処理を実行する。
特別図柄ステイタスには、「0:特別図柄変動待機中」、「1:特別図柄変動中」、「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」の状態を有し、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有する。なお、遊技機仕様によっては小当りを有しない場合もあり、その場合には小当りに関連したステイタスデータを持たない。そして、これらのステイタスに基づく制御は後述する。
特別図柄制御処理は、特別図柄を複数有する場合には、予め定められた順序(優先順位)に基づいて処理が行われる。予め定められた順序として、第2特別図柄を優先して制御する処理を行い、第1特別図柄および第2特別図柄の双方の保留が存在する状況下では、第2特別図柄の変動が先に開始される(第2特別図柄が優先して変動する)よう処理される遊技機仕様について、「第2特別図柄(特図2)優先消化制御」と呼び、前提とするぱちんこ遊技機Pの実施形態に係る説明では、このタイプのものに関する処理について例示して説明する。
特別図柄制御処理では、まず、第2特別図柄の制御を行う。第2特別図柄の制御を開始すると、まず第1特別図柄の特別図柄ステイタスと、特別電動役物ステイタスの情報を参照する。特別電動役物ステイタスが大当り遊技中または小当り遊技中を示すデータの場合(特別電動役物ステイタスが「0:当り待ち中」以外のとき)、第1特別図柄が変動中でありの第1特別図柄の特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」以外の場合には、処理を行うことなく処理を完了する。
第2特別図柄の制御を実行する状況である場合には、第2特別図柄に係る制御のタイマ値を更新する処理が実行される。タイマの更新は、タイマを記憶する記憶領域のデータをデクリメント(-1)する処理にて行われ、デクリメントした結果が負の値となる場合には「0」がセットされる。そして、タイマの更新が終了すると特別図柄2に対応する特別図柄ステイタスに基づいて、後述するサブモジュール処理が呼び出され実行される。なお、割込み処理中にもタイマ減算処理を有しているが、タイマ減算処理にて更新されるタイマに特別図柄制御処理にて更新されるタイマデータは含まれておらず、特別図柄制御処理において特別図柄に係る制御のためのタイマデータを管理している。
《特別図柄変動開始監視制御処理》
特別図柄変動開始監視制御処理は、特別図柄ステイタスが「0:特別図柄変動待機中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動開始監視制御処理では、対象として処理している特別図柄の保留があるか否かを確認し、保留が無ければ処理を終え、保留がある場合には続く処理が実行される。続く処理は、変動を開始する際に行われる特別図柄抽選である。特別図柄抽選は、まず設定値として格納しているデータを読みだして検査し、適切な設定値情報であるか否かを判定する。適切な設定値である場合には、遊技状態等を示す各フラグを記憶した領域のデータを参照して適宜抽選テーブルを選択し、当否抽選および図柄抽選、変動パターン抽選が実行され、抽選結果が記憶領域に格納されたのち、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」に更新される。また、特別図柄抽選によって決定された内容は、演出制御基板P41に演出制御コマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)として送信され、特別図柄の変動表示に合わせて実行される変動演出の内容の決定処理(抽選処理)のための情報として利用される。なお、特別図柄抽選に関する詳細は後述する。
《特別図柄変動中処理》
特別図柄変動中処理は、特別図柄ステイタスが「1:特別図柄変動中」である場合に移行するサブモジュール処理である。
特別図柄変動中処理では、変動パターン抽選で決定した特別図柄の変動時間が経過するまで特別図柄の変動表示時間を管理するタイマを監視するとともに、残り変動時間が「0」になるまで、毎割込み更新される特別図柄表示切替タイマ(最大値「24」)により、25割込みごとに特別図柄の変動表示を示すために特別図柄表示装置(第2特別図柄表示装置P52(特図1の制御の時は第1特別図柄表示装置P51))の点灯表示パターンの切り替え処理を行う。
特別図柄の残り変動表示時間が「0」となると、ぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンタ―やホールコンピュータなど)に対して、特別図柄の変動表示が1回実行されたことを示す外部信号を出力するための情報の設定と、特別図柄の停止表示図柄を固定表示するための図柄固定時間を設定する処理と、当否抽選、図柄抽選の結果決定された停止表示図柄を示す停止表示図柄を特別図柄表示装置P52(P51)に表示させるための点灯パターンデータの設定とを行う。そして、当否抽選結果に応じて特別図柄ステイタスを「2:はずれ図柄停止表示中」、「3:大当り図柄停止表示中」、「4:小当り図柄停止表示中」のいずれかに設定する。
《特別図柄はずれ図柄停止表示中処理》
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「2:はずれ図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄はずれ図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)の残り遊技回数を更新するとともに終了条件成立に関する確認し、遊技状態移行条件の成立時には遊技状態の移行に係る制御(フラグオフなど)を行う。
《特別図柄大当り図柄停止表示中処理》
特別図柄大当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「3:大当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、特別図柄変動中処理において設定した図柄固定時間を管理するタイマの値が「0」となったかを確認し、「0」となった場合に処理対象となっている特別図柄の特別図柄ステイタスを「0:特別図柄変動待機中」に更新するとともに、特別電動役物ステイタスを「2:大入賞口閉鎖中」に更新する。さらに、特別図柄抽選に係る遊技状態(確率変動機能、電チューサポート機能、変動時間短縮機能)を終了させるために、それぞれの残り回数情報格納領域および作動フラグ格納領域をクリアする処理を実行する。そして、大当り図柄に応じた大当り遊技を実行させるべく、大当り図柄情報より、前回大当り遊技中にデータとして使用していた各種記憶領域の情報を初期化し、大当り遊技中における特別電動役物P755の制御内容データのセットを行う。
特別図柄大当り図柄停止表示中処理では、さらに、演出制御基板P41に対して大当り遊技の演出(大当り開始デモ演出)を実行させるための演出制御コマンドを送信する処理を実行する。また、これらの処理に合わせて、主制御表示装置P50の構成要素の一つである右打ち表示灯P56(遊技領域の右側を狙って遊技球を発射させる右打ち遊技が推奨される遊技状態の時に点灯させるLED)を点灯させるための点灯パターンデータの設定も行われる。
《特別図柄小当り図柄停止表示中処理》
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄ステイタスが「4:小当り図柄停止表示中」の場合に移行する処理である。
特別図柄小当り図柄停止表示中処理は、特別図柄大当り図柄停止表示中処理と同様、図柄固定時間の終了とともに、特別電動役物P755の作動に係るデータの設定、右打ち表示灯P56の点灯に係る設定処理を行う。また、本前提技術のぱちんこ遊技機Pでは、小当り遊技の実行時(小当り図柄の停止表示)では、大当り図柄が停止したときとは異なり、特別図柄抽選に係る遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を終了させる処理を有さず、特別図柄はずれ図柄停止表示中処理の処理と同様に、それぞれの遊技状態に対して終了条件を満たしたか否かの判定結果を基に遊技状態を制御する。また、これらの処理に合わせて特別電動役物ステイタスを「5:小当り閉鎖中」に更新する。なお、遊技機仕様によっては、変形例として、小当り遊技の実行に際して、大当り図柄停止時と同様に遊技状態(高確率状態または高ベース状態)を強制的に終了させる処理を有する仕様として設計することも可能である。
以上のサブモジュール処理の内いずれかの処理が選択的に実施されると、第2特別図柄の処理に続いて第1特別図柄の処理が行われる。第1特別図柄の処理については第2特別図柄の処理と参照する情報が相違するのみ(例えば、変動開始可能かどうかについて、第1特別図柄の特別図柄ステイタスではなく第2特別図柄の特別図柄ステイタスを参照して判断するなど)でほぼ同じ処理が繰り返されるのみであるため説明を割愛する。
《入球順消化制御、並列制御》
また、前述した特別図柄制御処理の説明においては、「第2特別図柄優先消化制御」に係る処理に基づいて説明したが、本前提とするぱちんこ遊技機と異なる遊技機仕様を採用する場合にあっては、異なる処理にて特別図柄制御処理を進行することも可能である。以下にその代表的なものについて簡単に説明する。
「入球順消化制御」は、第1特別図柄および第2特別図柄のそれぞれに対応する保留情報が発生した順番に1つずつ処理される遊技機仕様である。一方の図柄の変動中に他方の変動表示が行われることは無く、ある遊技状態において第1特別図柄に対応する保留球と第2特別図柄に対応する保留球との双方の保留球の発生が見込まれる場合に採用されることが多い仕様である。
「並列制御(並列消化)」は、前述した「第2特別図柄優先消化制御」や「入球順消化」とは異なり、同時に第1特別図柄と第2特別図柄の双方の変動表示を同時に行うことができるタイプの遊技機仕様である。2つの図柄を同時に消化することができるため、単位時間当たりの特別図柄抽選回数を増加させることが可能となる。なお、1の特別図柄の停止表示に伴い特別電動役物P755が作動する場合(大当り、小当りが実行される場合)、他方の図柄は強制的にはずれとして図柄を停止したり、変動表示の残り時間の減算を一時中断するような仕様が適宜採用される。一例として、1の特別図柄が大当りとなった場合には、他方の特別図柄を強制的にはずれとして停止表示する仕様や、1の特別図柄が大当りや小当りとなった場合には、他方の特別図柄の変動表示を一時中断する仕様を採用可能である。
(特別電動役物制御処理)
特別電動役物制御処理は、特別電動役物ステイタス(特電遊技ステイタスと称することがある)のデータ内容(値)によって、特別電動役物P755の作動に係るサブモジュール処理を実行し、特別電動役物の作動を管理する処理である(ステップ2028)。言い換えると、大当り遊技や小当り遊技を実行するに際して、大当り遊技、小当り遊技状態における各状態の制御を行い、大入賞口P751の開閉に係る制御を行う処理である。
前述したように、特別電動役物ステイタスには、「0:当り待ち中」、「1:特別電動役物作動中」、「2:大入賞口閉鎖中」、「3:大当り終了デモ中」、「4:小当り特電作動中」、「5:小当り閉鎖中」、「6:小当り終了デモ中」の状態を有している。
これら特別電動役物ステイタスのうち、「0:当り待ち中」のステイタス状態である場合には、遊技者の遊技によって未だ大当り遊技または小当り遊技の実行権利の獲得がなされていない状況であるため、特別電動役物制御処理は処理を行うことなく終了する。
そして、特別電動役物ステイタスが、「0:当り待ち中」以外である場合には、ステイタスに応じて後述するそれぞれの処理のいずれかが実行されることとなる。
《特別電動役物作動中処理》
特別電動役物作動中処理は、特別電動役物ステイタスが「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技(単位遊技)が実行されている状態(大入賞口P751が開放制御され得る状態)の処理である。
特別電動役物作動中処理では、まずラウンド遊技(単位遊技)の終了条件を充足したか否かを判断する処理が行われる。ラウンド遊技の終了条件としては、(ア)作動した特別電動役物に応じた規定個数(「カウント」とも呼ぶ)の入賞数が行われたか、(イ)実行される特別電動役物の作動パターンとしてセットされた開放時間(開放パターン)が終了したか、のいずれかを満たす場合に終了したものとして判断する。これらの条件を満たさない場合は、以後の処理を行うことなく今回の割込み処理における特別電動役物制御処理を終了する。なお、特別電動役物P755の作動パターン(開放パターン)の中には、複数回大入賞口P751を開閉させるパターンを有しており、これらのパターンが実行される場合には、1回のラウンド遊技中で(イ)の判断に使用するタイマが複数回「0」となる一方で、1回のラウンド遊技中の次の作動データがあるか否かを確認した上で、条件(ウ)「今回の単位遊技における次作動パターンデータなし」と判断した場合に上記(イ)を満たしたものと判断することとなる。
一方、ラウンド遊技の終了条件の上記(ア)、(イ)のいずれかを満たした場合には、続く処理として、大入賞口閉鎖時間を特別電動役物の閉鎖時間管理用タイマに記憶するとともに、特別電動役物ステイタスをインクリメントし「2:大入賞口閉鎖中」とする。そして演出制御基板P41に対し演出制御コマンドとしてラウンド遊技が終了したことを通知するためのコマンドデータをセットして終了する。
《大入賞口閉鎖中処理》
大入賞口閉鎖中処理は、特別電動役物ステイタスが「2:大入賞口閉鎖中」または「5:小当り閉鎖中」である場合に実行される処理である。本処理は、特別遊技において、いわゆるラウンド遊技とラウンド遊技との間である「ラウンド間」に制御されている状態の処理である他、大当り遊技や小当り遊技の開始時における初回ラウンドの開始前の状態である「大当り開始デモ(期間)」、「小当り開始デモ(期間)」に制御される状態のとき、あるいは最終ラウンドのラウンド遊技が終了した後に後述する当り終了デモ中処理が実行されることとなるまで待機する期間に制御されている状態のときに係る処理である。
大入賞口閉鎖中処理では、まず、特別電動役物作動中処理にて設定した大入賞口閉鎖時間が経過したか否かを判定し、閉鎖時間管理用タイマが「0」でない、すなわち閉鎖時間が経過していない場合は、今回割込みにおける特別電動役物制御処理を終了する。
大入賞口閉鎖時間が経過した場合、続いて先に作動が終了した特別電動役物P755の作動(ラウンド遊技)が、今回の当り遊技(大当り遊技、小当り遊技)における最終のラウンド遊技であったか否かを判断し、最終ラウンド遊技の終了時と、最終ラウンド以外のラウンド遊技終了時(または当り開始デモ時)とで異なる処理を実行する。なお、最終のラウンド遊技であったか否かを判断は、今回の当り遊技中に作動した特別電動役物P755の作動回数の累計データが、今回の当り遊技における特別電動役物P755の最大作動回数データを超えているか否かに基づいて判断するものであり、当り開始デモ時には特別電動役物P755の作動回数の累計データは「0」である。
大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技の終了時と判断した場合には、当りの種類(大当り、小当りを開始することとなった特別図柄の種類)に応じて当り終了デモの実行パターン(主として当り終了デモ時間データ)を読みだして設定する。そして、特別電動役物ステイタスをインクリメントし、「3:大当り終了デモ中」または「6:小当り終了デモ中」とし、演出制御基板P41に当り終了デモ演出を実行させるための演出コマンドをセットしてする。さらに、大入賞口P751の有効延長期間を設定するため有効延長期間として定められた時間値データを大入賞口P751の有効延長期間を管理するタイマに格納して終了する。
一方、大入賞口閉鎖中処理において、最終ラウンド遊技以外の終了時(または当り開始デモ時)と判断した場合には、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとして、次回のラウンド遊技が何ラウンド目であるかを識別可能とする情報(Nラウンド開始デモコマンド ※Nは整数)と、当り遊技中の推奨発射位置(前提とするぱちんこ遊技機では、遊技盤の右側領域P501R(右打ち領域))を指示するための情報(右打ちコマンド)を送信する。
そして、特別電動役物ステイタスをデクリメントして「1:特別電動役物作動中」または「4:小当り特電作動中」に更新し、ラウンド遊技中の大入賞口P751への遊技球の入賞数をカウントするためのデータ領域のデータを初期化する。そして、ラウンド遊技中の大入賞口P751の一回目の開放(またはラウンド遊技開始直後の閉鎖)に係る時間値を、ラウンド遊技における大入賞口P751(特別電動役物P755)の作動パターンデータをセットし、特別電動役物P755の累計作動回数に関する記憶領域のデータをインクリメントする。
(賞球制御処理)
賞球制御処理は、遊技盤P5に配置された入賞口に対する遊技球の入賞に対して、遊技者に賞球として遊技球を付与するための処理である。処理内容としては、次に示す3つのサブモジュール処理を実行する構成である。(ステップ2030)
《払出データ受信監視処理》
払出データ受信監視処理は、払出制御基板P43から主制御基板P40に対して送信される賞球払出の実行に係る制御コマンドの有無を確認し、送信されたコマンドを受信(記憶)する処理である。主制御基板P0は、払出制御基板P43から送信された情報を2つのレジスタ(記憶領域)に格納している。そして1のレジスタは、ステイタスレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された情報があるか、および送信された情報が正常に送信されたものであるか否かを判断するための情報が格納されている。そして他方のレジスタは、データレジスタと呼ばれ、払出制御基板P43から送信された払出制御に関する制御内容の情報が格納されており、ステイタスレジスタが異常でなければデータレジスタのデータを払出制御情報として記憶領域に記憶する。
《払出コマンド要求処理》
払出コマンド要求処理では、入賞監視処理(ステップ2018)で記憶した、各種入賞口の入賞回数データを記憶する入賞口毎の入賞カウンタデータを確認し、未払出の入賞の有無を確認する。当該確認処理は入賞口毎に予め定められた順序で確認し、1の入賞口に対して入賞カウンタのデータが「0」でないと判断した場合に、該当する入賞口の賞球数に応じて、払出制御基板P43に対して遊技球の払出を実行させるための制御コマンドを送信する処理を行う。この処理によって、複数の入賞口に対する入賞カウンタデータが「0」でない場合であっても、1割込みで払出制御基板P43に対して送信される払出制御コマンドは1つに制限される。
《払出コマンド制御処理》
払出コマンド制御処理では、正常に払出数に関する情報を払出制御基板P43が受信したか否かのチェックが行われ、この処理にて正常にコマンドを受信するか、何らかの異常で通信エラーと判断されることとなる。払出コマンド制御処理にて、コマンドの受信状況が確定する(正常に受信完了したかエラーであるか判断される)までは、払出コマンド要求処理における次の払出制御コマンドの送信は、払出コマンド要求処理および払出コマンド制御処理内でそれぞれオンオフの設定がされるフラグデータにより一時中断される。
(異常検知処理)
異常検知処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて不正検出のために設けられたセンサの情報より異常の発生有無を確認する処理である。(ステップ2032)
より具体的には、振動センサP72、磁気センサP73、電波検知センサP74、枠開放センサP131といったセンサの入力に関し、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成した入力情報を基に異常の発生している状況であるか否かについて判断する処理である。また、各種センサ以外にも電気的な接続のためのハーネスが抜去されていたり、配線上の短絡(ショート)なども検出対象として有している。
そして、いずれかの判断情報に対し異常データが存在する場合には、対応するエラーフラグをオンとするようにして記憶した後、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドとしてエラー情報を通知するコマンドをセットする。
(センサ検出判定処理)
センサ検出判定処理は、入力ポート確認処理(ステップ2004)にて生成したセンサやスイッチの検出データ(レベルデータ)より、センサやスイッチの検出が連続して行われた期間を判断し、処理を行うフラグを成立させる処理である。(ステップ2034)
センサ検出判定処理では、対象のセンサ、スイッチの検出データ情報のレベルデータがオンである場合に、対応するスイッチの連続オン入力期間をカウントするためのデータをインクリメントして更新し、各種処理の実行開始条件を満たしたか否かを判定し、条件が成立した場合に監視対象のスイッチに応じた処理が実行される。監視対象のスイッチがオンデータでなくなった場合、連続入力期間をカウントしているデータを初期化する(「0」に更新する)。
例えば、入賞口に設けられた入賞口検出スイッチにおいて連続的にスイッチがオン状態である旨を検出している場合は、球詰まりが発生していると判断して、エラー状態に制御し、演出制御コマンドとして演出制御基板P41に対しエラー報知を行わせるためのコマンド情報をセットする処理や、外部装置(ホールコンピュータ等)にエラーの発生を報知するための信号データの生成および出力要求を行う。
なお、本処理において検出対象とするスイッチは、ハンドルP204に設けられたタッチセンサスイッチや、不正検出のためのスイッチなどもあり、人為的操作によるものか電気的なノイズによるものかを判別するために一定期間のオンデータの入力が必要なセンサ等についても対象としている。
(遊技状態表示処理)
遊技状態表示処理は、主制御表示装置P50において遊技の進行に関する情報を表示するための点灯データを生成する処理である。なお、表示処理という名称であるものの、主制御表示装置P50に対する表示内容の出力は本処理ではなく後述するLED出力処理にて行っている。(ステップ2036)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、一例としてエラー状態であることを示すエラー表示灯(状態表示灯P55)、特別図柄抽選に係る保留数を表示する特別図柄保留表示灯(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62)、普通図柄抽選に係る保留数を表示する普通図柄保留表示灯P63などの点灯データ(点灯パターン)を生成して、LED出力処理にて出力されるデータとして格納する。
なお、遊技状態表示処理において、点灯制御されるLED表示灯に関し、点滅表示が必要な場合には、対応するLEDに関する表示切り替えカウンタの更新およびカウンタ値と閾値との比較による点灯パターンの切り替え処理が行われる。例えば、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特別図柄抽選の保留数は、最大4つまで保留可能であるものの、2つのLED表示灯で特別図柄保留表示灯が構成(特図1保留表示灯P61、特図2保留表示灯P62のそれぞれに2つずつのLEDを備える)されるため、3以上の保留数がある場合には、少なくとも1のLEDに関して連続的な点灯表示ではなく、点滅表示を行う仕様となっている。
(出力ポート出力処理)
出力ポート出力処理は、主制御基板P40に接続した遊技盤P5上の動作デバイスである電動役物や、払出制御基板P43などに遊技動作に関する信号を送信する設定を行う処理である。(ステップ2038)
より具体的には、普通図柄制御処理中や特別電動役物制御処理中に、普通電動役物ないし特別電動役物の作動パターンが設定されると、出力ポート出力処理中の処理によって、普通電動役物駆動手段P71、特別電動役物駆動手段P72(前提とするぱちんこ遊技機では、ソレノイド)に対し、各電動役物を開放動作(あるいは閉動作)させるための信号データが出力される。
また、払出制御基板P43に対しては、遊技者のハンドル操作に基づく遊技球の発射を許可あるいは禁止するための制御信号(発射許可信号)を出力ポート出力処理にて生成して出力する。発射許可信号は、払出制御基板P43との通信状態や、遊技停止を要するエラーの発生状況に応じて出力内容が設定される。
(演出制御コマンド送信処理)
演出制御コマンド送信処理は、演出制御基板P41に対し演出制御コマンドを出力する処理であり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンド送信処理においてのみ演出制御コマンドが演出制御基板P41に対して送信される仕様となっている(ステップ2040)。なお、送信する演出制御コマンドの設定に関しては、他の処理中において未送信演出制御コマンドとして所定の記憶領域に設定(セット)されるものとなっている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、未送信の演出制御コマンドを記憶する領域として、リングバッファと呼ばれる記憶先を循環参照する記憶領域を用いている。リングバッファと呼ばれる記憶領域では、演出制御コマンドの書き込み(セット)と演出制御コマンドの読み込み(送信)とのそれぞれの処理によって更新される、「書き込みポインタ」、「読み込みポインタ」と呼ばれる次回の処理においてコマンドを書き込む記憶領域のアドレスおよびコマンドを読み込む記憶領域のアドレスを算出するための情報を用いて演出制御コマンドの書き込みおよび読み込みを実行する仕様となっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御コマンドの構成がコマンドの種類を示すMODEデータと、コマンドの内容を示すEVENTデータの2つのデータにより構成されている。
演出制御コマンド送信処理の具体的な処理内容の説明に戻り説明を行う。演出制御コマンド送信処理では、まず前述した書き込みポインタと読み込みポインタの情報が一致しているか否かを確認し、一致している場合は送信する演出制御コマンドはないと判断して処理を終了する。一方で、書き込みポインタと読み込みポインタのデータが一致しない場合、送信すべき演出制御コマンドが存在すると判断して次の処理へ移行する。
送信すべき演出制御コマンドがあると判断した場合、読み込みポインタのデータから算出される主制御基板P40の記憶領域のアドレスよりMODEデータおよびEVENTデータを呼び出し、それぞれ主制御基板P40のCPUにおけるレジスタに一時格納し、読み出し先のリングバッファにおける演出制御コマンドをクリアした後、読み出しポインタの値を次の処理時に使用する値に更新する。
演出制御コマンドとして、主制御基板P40のレジスタに格納されたMODEデータおよびEVENTデータは、順番に演出制御基板に送信P41されることとなる。まずMODEデータを、演出制御基板P41に対する演出制御コマンドを送信するための出力ポートである演出コマンド出力ポートにセットし、演出制御基板P41に読み取り動作を行わせるためのストローブ信号を出力する。主制御基板P40は、続いてEVENTデータを出力することとなるが、MODEデータを演出制御基板P41が受け取るまでに十分な期間を確保するため26μsの待機時間を挟む処理を行った後、MODEデータ送信時と同様に、EVENTデータの出力ポートへの設定およびストローブ信号の出力を行う。演出制御基板P41は、ストローブ信号を確認すると演出制御コマンド受信割込みを発生させ、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドを受信する。
(外部情報出力処理)
外部情報出力処理は、前提とするぱちんこ遊技機Pに接続する外部機器(データカウンターやホールコンピュータ)に対し、外部情報出力端子77より遊技状況に関する情報や、エラー発生などセキュリティに関する情報を信号として出力する処理である(ステップ2042)。外部情報出力端子77より出力される信号は、主制御基板P40の出力ポートにセットされたデータに基づいて出力され、信号出力の契機が発生した場合に一定期間のオン電位であるパルス信号を送信するものや、信号出力が終了する条件を満たすまでオン電位を出力し続けるもの等がある。
外部情報出力処理では、まず、遊技状態に関する信号を生成する。遊技状態に関する信号として、特定遊技状態の種類を識別可能とするために、前提とするぱちんこ遊技機Pでは確率変動機能の作動状態(確率状態)、電チューサポート機能の作動状態(ベース状態)に対応する情報と、特別遊技中(大当りや小当り)であることを示す情報とを参照し、各遊技状態に制御されている場合には、対応するデータが送信されるよう、外部出力データを更新する。なお、ここで例示したものに限らず、遊技機の仕様によっては、変動時間短縮機能の有無を示す情報や、特定の種類の大当りの場合であることを示す情報を基に出力信号を生成する場合があってもよい。
また外部情報出力処理で出力される出力信号として、遊技状態に係る信号のみでなく、予め定めた遊技結果の発生に基づいた情報が出力される。例えば、特別図柄の変動表示が実行され、停止表示されるたびに送信される信号(「図柄固定信号」とも呼ぶ)や、始動口スイッチ(特図1始動口スイッチP712、特図2始動口スイッチ722)や大入賞口スイッチP752など各種入賞口に対する遊技球の入球の検出がなされる度、あるいは、各種入賞口に対する入球に基づく賞球の払い出しが所定個数(例えば10個)に到達する度に、外部出力データにデータがセットされ、外部機器に対して送信される信号などがある。これらの信号は主にパルス信号で構成され、1の信号を128msのオン電位が続くパルス信号で送信するものであるが、複数回の遊技結果が連続して発生した場合には、1回のパルス信号の出力が終わった後、一定期間のオフ電位出力を挟んだ後、再度パルス信号を出力する仕様となっている。
また、外部信号出力処理では、前述した異常検知処理(ステップ2032)で確認した結果としてのエラーフラグを記憶した記憶領域のデータと、セキュリティ報知の必要なエラーの発生有無を確認するための比較データとを演算、比較してセキュリティ信号を出力する必要があると判断した場合は、外部出力データのセキュリティ信号に対応するビットをオンとするよう、出力ポートにセットする出力データを更新する。
(LED出力処理)
LED出力処理は、主制御表示装置P50を構成する複数のLEDに対し、点灯パターンを示すデータを出力して、LEDを発光させ、遊技の進行状況、遊技状態を表示するための処理である。(ステップ2044)
主制御表示装置P50を構成するLEDは、第1特別図柄表示装置P51(LED8個)、第2特別図柄表示装置P52(LED8個)、第1特別図柄保留表示灯P61(LED2個)、第2特別図柄保留表示灯P62(LED2個)、普通図柄表示装置P53(LED2個)、普通図柄保留表示灯P63(LED2個)の他、ラウンド表示灯P54、状態表示灯P55、右打ち表示灯(合計8個のLED)の計32個のLED表示部を有する。
なお、状態表示灯P55とは、複数の遊技状態に関する表示灯を一括であらわしたものであり、詳細には確率変動機能の作動有無を示す特図確変表示灯や、普通図柄の確変機能の作動有無(電チューサポート機能の作動有無)を示す普図確変表示灯、エラー状態を示すエラー表示灯などの表示灯のことを指す。
LED出力処理では、主制御表示装置における表示部の点灯データを割込み処理毎に1バイト分ずつ出力ポートにセットして主制御表示装置P50を点灯するよう構成しており、割込み処理毎に更新されるデジットカウンタという値に基づいて、今回の割込みで点灯させる主制御表示装置P50のLEDを選択し、遊技状況に応じた点灯パターンデータを選択し、表示データとしてセットして各LEDを点灯制御するようになっている。
すなわち、前提とするぱちんこ遊技機Pでは主制御表示装置P50を32個のLEDに対し、少なくとも4回の割込み処理を使って順番に点灯データを出力するダイナミック点灯方式にて主制御表示装置P50を制御している。
また、LED出力処理では、上記の主制御表示装置P50として遊技者が視認すべきLED表示以外に、遊技停止フラグが設定変更状態、設定確認状態、復帰不可能エラー状態である場合にのみ点灯制御されるLED表示の点灯制御も行っている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいては、遊技停止フラグに何らかの遊技停止状態を示すフラグが格納されている場合、主制御表示装置P50に対する点灯パターンデータの設定は省略されるようになっており、設定変更中、設定確認中、復帰不可能エラー中は主制御表示装置を構成するLEDは全消灯状態となっている。変形例として、遊技停止フラグのセットの際に、各状態に対して設定される固定的な点灯パターンを用いて発光表示を行ってもよく、例えば設定変更中である期間に主制御表示装置P50を構成するLEDを全点灯させるように構成してもよい。
(領域外制御処理)
領域外制御処理は、ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行う試験信号出力処理(ぱちんこ遊技機の試験に利用する信号の出力を行うための処理)と、性能表示装置の表示に係る制御を行う処理によって構成される(ステップ2046)。「領域外」の意味として、ぱちんこ遊技機の規則に定めるプログラム記憶領域の容量の計算に含まれない記憶領域のプログラムによって実行される処理であることを示す。
試験信号出力処理では、ぱちんこ遊技機Pの試験端子P78から外部の試験用機器に対して出力するための遊技結果や遊技状態に係る情報を出力ポートにセットする処理が行われる。性能表示処理では、遊技状態の確認処理を行い、アウト球の計数、アウト球と賞球の数との比率(ベース)を計算して、表示データとして更新し、性能表示装置P59に対して表示出力を行う処理である。
[特別図柄抽選]
続いて、主制御基板P40のCPUにて実行される特別図柄抽選に関し、図60から図64を用いてその詳細を説明する。「特別図柄抽選」は、主として「当否抽選」、「当り図柄抽選」、「変動パターン抽選」にて構成される。
(当否抽選)
「当否抽選」は、実行される特別図柄抽選の結果に基づき特別電動役物P755を作動させる結果となるか否かを決定する抽選であり、より簡単に説明すれば、特別図柄の抽選結果として、「大当り」、「小当り」、「はずれ」のいずれであるかを決定する抽選である。なお、ぱちんこ遊技機Pの仕様によっては、当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないものも存在する。また、第1特別図柄と第2特別図柄とを有するよう構成した場合、一方の特別図柄に関する当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しており、他方の当否抽選の抽選結果として「小当り」を有しないよう構成してもよい。
当否抽選は、始動口(第1始動入賞口P711、第2始動入賞口P721など)に遊技球が入球した際に取得され記憶される乱数のうち、「当否乱数」と呼ばれる乱数値を用いて抽選を行う。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、当否乱数の取り得る乱数値の範囲(乱数値範囲)は、「0」から「65535」までの65536通りであり、いわゆる2バイト乱数で構成されている。当否抽選が行われる場合、この乱数値の値と、遊技状態や設定値に応じた当否抽選に使用する抽選テーブル(「当否抽選テーブル」と呼ぶ)との比較により、当否抽選の結果を決定する処理を行う。
図60には、当否抽選に使用する抽選テーブルをいくつか例示している。図60の(A)は設定値「1」かつ低確率状態における当否抽選テーブルを示し、図60(B)は設定値「1」かつ高確率状態における当否抽選テーブルを示す。図60の(C)、(D)は、それぞれ設定値「6」であるときの低確率状態、高確率状態における当否抽選テーブルを示している。
例えば、図60(A)の当否抽選テーブルを使用して当否抽選を実行する状況において、今回の特別図柄抽選における当否乱数が、第1特別図柄(特図1)に対応する乱数であり、乱数値が「1500」であったと仮定し、当否抽選の流れを説明する。
まず、最初の当否抽選結果として大当りの乱数値範囲(「0」から「327」)に属するか否かを判定する。具体的には、今回の当否乱数の乱数値「1500」から、判定対象の大当りの乱数値範囲「328」を減算する処理を行う。このとき、減算結果は「1172」であり、負の値とはならないため、今回の当否乱数は、大当りの乱数値範囲には属さないと判定する。
続く処理として、先の大当り判定の演算後の乱数値「1172」と、当否抽選テーブルの続く当否抽選結果の判定領域として、はずれの乱数値範囲(「328」から「65370」)の比較を行う。より具体的には、当否乱数の一次データ「1172」から、判定対象のはずれの乱数値範囲「65043」を減算する。このとき、演算結果は負の値となるため、当否抽選結果として、「はずれ」の結果に対応した情報が記憶される。
仮に、今回の当否乱数「1500」について、高確率状態において特別図柄抽選が行われた場合には、図60(B)に示す当否抽選テーブルにて抽選されることとなり、最初の大当りの乱数値範囲(「0」から「1639」)に属するか否かを判定する。このときは、当否乱数と乱数値範囲との比較演算(減算)の結果は、負の値となるため、当否抽選結果は「大当り」であると判定される。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このように、乱数値として取得したデータと、抽選テーブルの抽選結果に応じた乱数値範囲を順次比較していく手法により、抽選結果を判定する手法を採用しており、後述する当り図柄抽選および変動パターン抽選についても同様の抽選方法を採用するものである。なお、抽選方法は、上記した例に限らず、大当りとなる乱数値と一致するか否かを取得した乱数値と直接判定するような手法を採用してもよく、抽選内容ごとに異なる抽選方式を採用するものであってもよい。
(当り図柄抽選)
「当り図柄抽選」は、前述した特別図柄抽選の当否抽選結果を受けて、その後の特別電動役物P755の作動に係る制御内容や、後述する変動パターン抽選の抽選テーブル(図62から図64参照)の切り替えに必要な抽選結果としての特別図柄の停止表示図柄を決定する処理である。
図61には、当否抽選結果が「大当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される大当り図柄抽選テーブル(図61(A)参照)や、当否抽選結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選で使用される小当り図柄抽選テーブル(図61(B)参照)や、当否抽選結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選で使用されるはずれ図柄抽選テーブル(図61(C)参照)が示されている。
当り図柄抽選に使用される、「図柄乱数」は、乱数値範囲を「1000」(「0」から「999」)として構成しており、2バイトデータで表現した場合に、上位1バイトが「0」から「3」、下位1バイトが「0」から「255」で表現されるデータである。
当り図柄抽選を具体例にて説明すると、例えば、当否抽選結果が大当りである場合において、図柄乱数が「400」(上位バイトが「1」、下位バイトが「144」)の時の第1特別図柄に対する当り図柄抽選の場合には、図61(A)に示す上位1バイト「1」の抽選テーブルを用い、下位バイト「128」から「191」に該当する「5R(5ラウンド)確変2」が抽選結果として得られることとなり、特別図柄の変動表示にあたって、停止表示図柄として「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51(第2特別図柄抽選の場合は、第2特別図柄表示装置P52)に停止表示される。
そして、「5R確変2」図柄が第1特別図柄表示装置P51に停止表示された場合、「5R確変2」図柄に対応した大当り遊技が実行されることとなる。このとき、第1特別図柄表示装置に「5R確変2」が停止表示図柄として表示された場合と、「5R確変1」が停止表示図柄として表示された場合とで、5ラウンドの大当り遊技の各ラウンド遊技の内容(大入賞口P751の開放パターンや開放時間など)を停止表示図柄に基づいて異ならせてもよく、また大当り遊技後に移行する特定遊技状態における制御内容を異ならせるよう制御することも可能である。これらの大当り遊技、特定遊技状態における制御の割り当ては、ぱちんこ遊技機Pごとに仕様(スペック)に応じて遊技性を実現するために適宜定められるものであり、その詳細な説明は割愛する。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図61(A)に示した抽選によって、大当りの種類ごとにまとめた図柄を表示するように記載しているが、例えば先の例において、抽選結果「5R確変2」という、大当りの種類を決定した後、さらに該当する種別の大当りを実行することとなる停止表示図柄を複数のパターンから別の抽選を行って決定するように、大当りの種別の決定、停止表示図柄の決定と2段階で当り図柄抽選が実行されるものであってもよい。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図61(A)に示すように、第1特別図柄と第2特別図柄のそれぞれに関する特別図柄抽選において、当り図柄抽選にて大当り図柄を決定する場合に、決定され得る当り図柄の種類が異なるように構成されている。より具体的には、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄の大当りでは、「10R確変5」ないし「10R確変8」が決定される可能性が増えており、第1特別図柄の当り図柄抽選よりも、ラウンド数の大きな大当りに当選しやすく、特定遊技状態として高確率/高ベース状態へ移行することとなる大当りに当選しやすい仕様となっていると言える。
図61(B)には、小当り図柄抽選テーブルが例示されている。小当り図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「小当り」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様である。
図61(B)に図示した小当り図柄抽選テーブルでは、そのほとんどが「小当り1」図柄に当選するものとなっており、第2特別図柄の当否抽選結果として「小当り」となった場合の一部において「小当り2」が決定され得るようになっている。なお、小当り図柄に関しては1種類であってもよいし、3種類以上の図柄を決定可能に構成してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pのように、小当り図柄を複数設けることの目的の一例としては、単純に小当り遊技中の大入賞口P751の開放態様を変更することで獲得可能な遊技球数を異ならせたり、例えば小当りVを遊技機仕様(スペック)として採用するぱちんこ遊技機Pにおいて、特定領域にV入賞しやすい小当り遊技とV入賞が困難となる小当り遊技とを切り分けるために小当り図柄を差別化したり、V入賞後の大当り遊技の実行後に移行する特定遊技の種類を切り分けるために小当り図柄を異ならせるなどの態様が実行されることを目的とすることが挙げられる。
図61(C)には、はずれ図柄抽選テーブルが例示されている。はずれ図柄抽選テーブルは、特別図柄抽選の当否抽選の結果が「はずれ」である場合に、当り図柄抽選にて参照されるテーブルであり、抽選の手法は、第1特別図柄に関して前述した大当り図柄抽選テーブルの時と同様であり、第2特別図柄に関しては異なる手法となっている。
より具体的には、図61(C)には、第1特別図柄に対するはずれ図柄抽選テーブルのみが表されており、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、はずれ図柄抽選テーブルとして第1特別図柄である場合のみ抽選処理を行い、停止表示図柄として「はずれ1」または「はずれ2」のいずれかを停止表示図柄として決定する。
「はずれ2」図柄は、第1特別図柄のはずれ時において、およそ6.4%の確率で当選するはずれ図柄であり、「はずれ2」が当選している場合、変動パターン抽選において、リーチとなりやすい特殊な抽選テーブル(不図示)を参照して、変動パターン(変動時間)を決定しやすくするよう構成されている。そのため「はずれ2」に関し、「リーチはずれ図柄」などと称する場合もある。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、第2特別図柄のはずれ図柄抽選テーブルを有さず、いかなる図柄乱数である場合においても1のはずれ図柄が決定されるようになっており、図柄乱数とテーブルの比較処理自体を省略し、1のはずれ図柄を記憶するよう構成している。なお、必ず1の図柄に当選する抽選テーブルを用いてはずれ図柄に当選するように構成してもよい。
(変動パターン抽選)
「変動パターン抽選」は、特別図柄の抽選結果である停止表示図柄を停止表示するまでの変動表示時間を抽選により決定する処理である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80において大当りであるか否か、大当りである場合について大当りの種類は何かに関する演出報知を行うため必要な演出時間として特別図柄抽選において、特別図柄の変動表示時間を後述する変動パターンテーブルを使用して決定する処理を行っている。
図62には、主として通常遊技状態(低確率/低ベース中)、低ベース状態(非電チューサポート状態)、すなわち前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて遊技盤の左側領域P501Lに遊技球を発射することが推奨される状態の「低ベース中変動パターン抽選テーブル」を表している。
図62に示される、「ID」は、変動パターン抽選を行った結果として記憶される情報を表しており、「変動パターン」は、同IDが当選した場合に演出表示装置P80にて表示される変動の演出の態様の代表例を示している。「変動時間」は、対象の変動パターン抽選の結果(変動パターンID)における特別図柄の変動表示時間値であり、特別図柄が変動表示してから停止表示されるまでの時間を表している。
図62における「保1変動」から「保4変動」は、特別図柄抽選の実行条件を満たした状況における保留数を示しており、当否抽選結果が「はずれ」であり、対象の特別図柄(ここでは第1特別図柄)の保留球がN個であったとき、「保N変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。すなわち、低ベース状態における第1特別図柄の変動パターン抽選は、保留数に依存して使用する変動パターンテーブルを異ならせるように構成されている。なお、保留がない状態において、始動入賞口へ遊技球が入球した場合は、処理上一旦保留として格納されるため、「保1変動」の変動パターンテーブルを使用して変動パターン抽選が実行される。
一方図62中に示すように第2特別図柄に対応する変動パターン抽選は保留数に非依存であり、いかなる保留数である場合においても共通の抽選テーブルを使用するよう構成されている。なお、不図示ではあるが、図柄抽選の結果「はずれ2(リーチはずれ図柄)」が決定されている場合は、第1特別図柄の変動パターン抽選であっても、保留数に依存しない1の変動パターンテーブル(はずれ2用変動パターンテーブル)を使用して変動パターン抽選を行うよう構成されている。
図62における「10R確変」、「5R確変」、「10R通常」、「5R通常」は、低ベース状態における、大当り時の変動パターン抽選に使用する変動パターンテーブルを示すものであり、当否抽選結果が「大当り」となり、図柄抽選結果がいずれの図柄であるかに応じて適宜変動パターンテーブルを選択して抽選が行われることを表している。図62では、第2特別図柄は低ベース状態における遊技の主体でないために、大当り変動パターンテーブルを大当り図柄に依存しない形で決定するように表現しているが、第2特別図柄の大当りについても、大当りの種別に応じて複数パターン有していてもよい。
ここで、図62を用いて、低ベース状態における変動パターン抽選の具体例を説明する。具体例として、第1特別図柄の抽選であって、変動パターン乱数が「30000」、変動開始時の保留球数が3個である状況(変動開始後は保留数2個となる状況)であって当否抽選結果および当り図柄抽選が「はずれ1」となる状況について説明する。
まず、変動開始時の保留数が「3」であることから「保3変動」の変動パターンテーブルを使用する。抽選処理は前述した当否抽選における抽選処理と同様、変動パターン乱数と、各抽選結果の変動パターンIDに対応する乱数値範囲を比較演算(減算)し、同範囲に乱数が属するか否かを判定する。本処理を行うことによってID「2」の通常変動Bのタイミングで、変動パターン乱数と乱数値範囲との比較演算を繰り返した結果が負の値となり、同IDが変動パターン抽選として決定され、特別図柄の変動表示として7秒の変動表示が行われた後、第1特別図柄表示装置P51にはずれ図柄1が表示されることとなる。
続いて、図63を用いて高ベース状態における変動パターンテーブルについて説明する。高ベース状態における変動パターンテーブルの構成は、図62に示した低ベース状態における変動パターンテーブルと対象的な構成となっており、第2特別図柄に対して保留数依存となるはずれ時の変動パターンテーブル、大当り時の大当り図柄別テーブルを有するように構成されている。なお、図62と図63にて、多くの変動パターンが共通して決定され得るように構成されているが、これは説明を簡略化する目的でもあり、低ベース状態と高ベース状態とで決定される変動パターンの重複はごく少数であったり、全く重複しないように構成することも可能である。
また、高ベース状態における変動パターンテーブルの特徴として、はずれ時の第2特別図柄の「保3変動」および「保4変動」の抽選結果として、前提とするぱちんこ遊技機Pの最短変動時間となる2秒変動(変動パターンID「12」)が決定可能に構成されている。
さらに高ベース状態における変動パターンの特徴点として、第1特別図柄の抽選については、必ず変動パターンID「4」の10秒変動が決定されるよう構成されている。第1特別図柄を10秒の変動で構成する理由として、図61に示した大当り図柄抽選テーブルにて、大当りした場合の遊技者利益が大きい(実行ラウンドが多いことによる獲得出玉期待値が高いこと、特定遊技状態として確率変動状態に移行する大当り図柄が多いこと)ことに起因しており、第2特別図柄に対応する変動表示を優先して数多く実施することで、遊技者により有利な大当りを獲得可能とすることを目的としている。また、第1特別図柄と第2特別図柄の大当り遊技の有利度合いに差がほとんどない場合であっても、第2特別図柄優先消化制御を採用していることに基づいて、第1特別図柄が変動表示されることを避け、有利な状態である特定遊技状態(高ベース状態)が終了するまで、通常遊技状態(低ベース状態)にて成立した保留を保持しやすく、高ベース状態において第2特別図柄の保留を発生するのに使用する遊技球の量に対し、低ベース状態で第1特別図柄の保留を生起させるために多量の遊技球を要することを避ける目的もある。
図64は、限定期間における特殊テーブルを示す図であり、特定の期間において参照される特殊な変動パターンテーブルを表している。図64には、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられる特殊な変動パターンテーブルの一例として、3つの期間の特殊な変動パターンテーブルを包括して記載している。
より具体的には、図64には、大当り後の1変動目から4変動目までの期間(大当り時に存在する4つの保留で大当りとなる、いわゆる「保留連」(保留内連荘)と呼ばれる期間)に参照する「保留内連荘テーブル」(ID「51」、「71」が対象)と、大当り後のn回目からm回目の変動において参照され、55秒となるリーチ変動が選択されやすい高頻度リーチテーブル(ID「52」、「53」、「54」、「72」が対象)と、高ベース状態の最後の変動表示にて参照され、主に後述する「リザルト演出」が実行されることとなる「リザルト変動テーブル」(ID「55」、「73」が対象)が、前提とするぱちんこ遊技機Pに備えられていることが示されている。
このように、限定的な期間に参照される特殊な変動パターンテーブルのことを、「特殊変動パターンテーブル」や「限定頻度(パターンテーブル)」などと称する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、限定頻度パターンテーブルの参照期間を、大当り遊技(特別電動役物の作動、言い換えると役物連続作動装置の作動)の後の定められた期間において参照可能に構成している。これらの参照期間について、大当りの種類(大当り図柄)によって、参照有無を異ならせたりすることも可能であり、小当り遊技に基づく特別電動役物の作動後の特定の期間において、参照する期間を異ならせるように構成することも可能である。いかなる状況でどのような特殊変動パターンテーブルを参照するかは、ぱちんこ遊技機毎に適宜設定可能なものであり、例示したものに限らず、必要があればその詳細を別途の記載で説明することとする。
次に、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける演出動作に係る制御を行う演出制御基板P41の制御に関する説明を行う。なお、演出制御基板P41の動作制御は、遊技機の型式試験上における制約は少なく、主制御基板P40の制御と比較して設計の自由度が高いものであるため、以下の説明で説明される処理のみに制限されるものでなく、処理が行われるタイミングについても適宜変更可能である。
[演出制御基板の電源投入処理~メインループ処理]
前提とするぱちんこ遊技機Pは、遊技機の電源が投入されると演出制御基板P41のCPUにおいて、電源投入処理(ステップ4000)が実行する。ここで、演出制御基板P41の電源投入処理に関し図65に沿ってその詳細を説明する。
前提とするぱちんこ遊技機Pの演出制御基板P41において電源投入処理(ステップ4000)が開始されると、演出制御基板P41上に設けられた演算装置であるCPUの動作に係る初期設定処理が行われる(ステップ4002)。初期設定処理は、この後のCPUの動作に必要な設定を適宜行うものであり、その詳細は割愛するが、前回の電源断が発生した状態で実行されていた演出に関し、主制御基板P40の電源投入処理(図57)と演出制御基板の電源投入処理(図65)の完了には時間差が生じるため、電源復帰後に電断前の演出に復帰してしまうと、主制御基板P40の動作とずれが発生する恐れがあることから、演出制御基板P41の電断復帰時の初期処理では、電断前に実行していた演出が実行されないよう演出情報などを初期化することが多い(「演出制御基板リセット」、「サブリセット」と呼ぶ)。
(演出制御基板のメインループ)
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、初期設定処理の後にメインループ処理へ移行する。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出表示装置P80(画像表示装置)に対して接続する画像制御基板P42において演出画像を描画する周期(フレーム)の時間が、1秒間に30回描画するよう1周期約33ms(30FPS)に設定されるため、そのおよそ半分の周期である16msの周期にてメインループ処理のループを1回行うように構成されている(ステップ4002からステップ4016)。
演出制御基板P41のメインループ処理では、まずCPUの暴走の検出を行うためのウォッチドッグタイマのクリア処理を行う(ステップ4004)。
続いて、演出制御乱数データを更新する処理(ステップ4006)を行い、演出抽選を実行する契機が発生した場合に使用する各種の演出制御乱数を更新する。
次に、入力ポート監視処理を実行する(ステップ4008)。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、後述する演出制御基板P41の割込み処理中においても入力ポートの監視を実行する仕様となっているが、メインループ処理における入力ポートの監視処理は、16ms周期の監視となるため、システム上必要な監視対象であるスイッチなどの入力の監視にとどまり、演出可動役物P560の演出制御に必要なセンサ類などの入力の監視は省略される。なお、変形例として、演出上監視すべき対象であるセンサ類に関し、メインループ処理内の入力ポート監視処理にて確認を行ってもよい。
入力ポート監視処理で実行する内容は、主制御基板の入力ポート確認処理と同様、各種センサの入力データより、レベルデータを生成して記憶したり、立ち上がり(立ち下がり)データを記憶する処理が実行される。
続いて、演出制御基板P41は、演出装置制御処理(ステップ4010)を行い、演出表示装置P80(画像表示)以外の演出動作に関する制御を実行する。本処理において制御される演出装置として、ランプP82(「盤ランプ(P550)」「枠ランプ(P350)」)やスピーカP83(上スピーカP370、下スピーカ141)、演出可動役物P560などがあり、これらの演出装置に対して後述する演出制御処理(ステップ4012)などの処理によって実行が決定された演出内容に応じた演出動作命令を各演出装置に送信して演出動作を実行させる。
演出装置制御処理(ステップ4010)における各種演出装置に対する演出動作命令の出力は、演出表示装置P80(画像表示装置)にて表示される演出画像と同期して実行(開始)される必要があるため、演出表示装置P80の制御を行っている画像制御基板P42から演出制御基板P41に対して一定間隔で送信される信号や、強制的に同期を図る信号を受信したこと(前述した入力ポート監視処理での受信)を契機として、演出表示装置P80の演出切り替わりタイミングとの同期を図り、各種演出装置に対して演出動作命令の出力を行う。
なお、演出装置の内、演出可動役物P560の動作制御に関しては、演出可動役物P560の駆動手段に対して、より短い周期での制御が必要となることから、本処理において設定された演出動作命令にて実行されることとなる演出可動役物P560の動作パターンについて、後述する演出制御基板P41の割込み処理中(図66参照)においてもセンサの監視、動作切り替えが実行される。
次に、演出制御基板P41のメインループ処理で実行される演出制御処理(ステップ4012)に関して説明する。演出制御処理は、後述する演出制御コマンド解析処理で主制御基板P40から受信した演出制御コマンドを解析した結果に基づき成立したフラグや受信した演出制御コマンド自体の情報(特別図柄抽選の抽選結果IDなど)、入力ポート監視処理(ステップ4008)、割込み処理(図66)等の他の処理中に成立したフラグを基に、各種演出装置で実行する演出内容を抽選したり選択することで決定する処理である。
演出制御処理は、各フラグ情報やコマンド解析情報を基に実行すべき演出決定の処理を選択し、対応する演出決定のためのサブモジュール処理を呼び出して実行する。ここで決定される演出内容の例として、特別図柄抽選の実行結果に係るコマンド(当否コマンド、図柄コマンド、変動パターンコマンド)を基に1回の特別図柄の変動に対応する変動演出を決定する処理(予告やリーチの内容、停止する装飾図柄の決定などを行う処理)や、保留が発生した際に送信される保留数情報や事前判定情報を基に新たに発生した保留に対し先読み演出(「事前判定演出」とも呼ぶ)を実行するか否かを決定する先読み抽選処理や、特別遊技(大当りや小当り)の実行に際し演出制御コマンドとして送信された情報に基づき特別遊技中の演出内容を決定する特別遊技演出内容決定処理などがある。
また、演出制御処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドに対する処理のみでなく、演出制御基板P41でエラーを検出した場合のエラー表示内容の決定処理(主制御基板から送信されたエラー情報に基づくエラー表示内容の決定処理を含む)や、遊技者によって演出操作手段P81である演出ボタンP381、十字キーP383などの入力操作に基づいてスピーカP83から出力される音量の調整や、ランプP82の発光輝度を変更する光量調整、演出内容および演出内容決定傾向のカスタマイズといった演出内容の決定も実行する。
なお、演出制御処理で呼び出されるサブモジュール処理にて行われる各種の演出内容の決定処理については、遊技機毎に固有の仕様を用いられることが多いため、説明を割愛し、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pにおいて特徴を有する処理を実行する場合には、発明の対象となるぱちんこ遊技機Pの実施例の説明にてその詳細を説明することとする。
演出制御基板のメインループ処理の説明に戻り、メインループ処理の最後の処理として演出制御コマンド解析処理(ステップ4014)を説明する。
演出制御コマンド解析処理は、主制御基板P40から送信された演出制御コマンドとして記憶されている情報を基に、前述した演出制御処理において演出内容の決定に使用するための演出制御コマンドに対応する情報の記憶や、フラグの設定を行う。本処理は、主制御基板P40から送信されたコマンドに応じて処理内容を決定する必要があり、演出制御コマンドであるMODEデータ、EVENTデータの内容より処理内容を決定して、演出制御コマンドに応じた処理が実行される。
なお演出制御コマンドは、主制御基板P40の割込み処理毎(4ms毎)に1のコマンド(MODEデータとEVENTデータ)が送信される可能性があるため、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41のメインループ処理の周期(16ms)が経過するまでの間、処理可能な限り演出制御コマンドの解析を繰り返し実行する(ステップ4016)。
[演出制御基板の割込み処理]
次に、演出制御基板P41のCPUにおいて実行される割込み処理に関して説明する。演出制御基板P41における割込み処理は、主制御基板の割込み処理とは異なり、異なる実行契機で開始される複数の割込み処理を有している(図66(A)および(B)を参照)。なお、これらの複数の割込み処理には、優先度が設定されており、より上位の優先度の割込みが発生した場合には、割込み処理の実行中であっても上位の割込み処理を実行するように制御される。本説明においては、代表して演出制御タイマ割込み処理(図66(A))と、演出制御コマンド受信割込み(図66(B))とについて説明を行う。
(演出制御タイマ割込み処理)
演出制御タイマ割込み処理(図66(A))は、演出制御基板P41のCPUにおいて、1ms周期で実行される割込み処理である。
ポート入出力処理(ステップ5002)は、演出制御基板P41の入力ポートより、演出可動役物P560の位置検出のために設けられたセンサや、他のセンサ(演出操作手段P81の入力センサ)の入力からレベルデータ、立ち上がりデータを生成して記憶する処理や、出力ポートより、演出装置制御処理にて設定された動作パターンに従って演出可動役物P560の駆動手段(ソレノイドやステッピングモータなど)に対して駆動信号を出力する処理が実行される。また、出力ポートからデータ出力を行った際には、必要があれば出力回数をカウントするカウンタ(記憶領域)のデータを更新する。
タイマ更新処理(ステップ5004)は、演出動作の切り替えタイミングを計るタイマの減算や加算を行う処理である。各タイマに関し更新処理が終了すると、比較値との比較演算を行い、演出動作の切り替え条件が発生したか否かを判断し、演出制御処理(ステップ4012)において演出内容の決定に必要な情報やフラグを記憶領域に記憶する処理を行う。
センサ監視処理(ステップ5006)は、ポート入出力処理にて生成したセンサの検出データより、演出可動役物P560の演出動作切り替え条件が成立したか否かなど、演出動作の切り替えに係るセンサ検出情報の発生有無を判断し、動作パターンのテーブルを切り替える処理を行ったり、演出制御処理(ステップ4012)にて演出内容を決定するための条件フラグを立てる処理を行う。
演出ボタン監視処理(ステップ5008)は、演出操作手段P81である演出ボタンP381やレバーP382、十字キーP383などの入力に基づく演出の切り替え条件の成立有無を判断する処理である。演出ボタン監視処理では、ポート入出力処理(ステップ5002)において生成された各入力装置の入力状態を示すレベルデータや立ち上がりデータ(前回オフから今回オンへレベルデータが変化したことを示すデータ)より演出操作手段P81に対する操作有無、操作態様を判断する。
例えば、演出操作手段P81に対する入力情報として、立ち上がりデータが生成されている場合には演出操作手段P81に対する遊技者操作があったものとして、対応する演出の実行のためのフラグなどの情報を記憶する。なお、立ち上がりデータのみで入力を判断すると電気的なノイズにより誤検出して演出動作の切り替えが行われる可能性があるため、立ち上がりデータの発生後、複数回のレベルデータ(オンデータ)の入力が連続したことを契機として演出操作手段P81に対する遊技者操作(「単押し(単引き)操作」、「一撃操作」と表現する場合がある)と判断してもよい。
また、オン入力のレベルデータが連続して500回検出された場合、すなわち0.5秒に渡って演出操作手段P81が操作されたと判断した場合、「長押し(長引き)」操作と判断し、特殊な操作として扱うよう構成している。なお、「長押し(長引き)」操作の有無、継続の判断において立ち下がりデータ(前回オンから今回オフへレベルデータが変化したことを示すデータ)が電気的にノイズとして検出される場合があるが、この場合も前述した誤検出防止の対策と同様に立ち下がりデータの検出後、複数回のレベルデータ(オフデータ)の入力を検出したことに基づいて、「長押し(長引き)」操作の入力終了を判断するものとしてもよい。
そして、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、実行中の演出内容によっては、演出ボタンP381に対する「長押し」操作の実行により、一定周期毎(例えば0.3秒毎)に1回の演出操作手段P81の「単押し(単引き)」入力操作があったと見做す処理を繰り返して行わせることを可能としており、このように「長押し(長引き)」操作などの特殊な操作を契機として、「単押し」操作が行われたと見做して繰り返し処理が実行されることを「オート連打」操作と呼ぶ。なお、「オート連打」操作は、例示した操作内容に限らず、複数の演出操作手段P81を同時操作するものや、演出ボタンとは異なるスイッチとして設けられたディップスイッチなどのオンオフ操作することで、演出ボタンP381の入力に基づき「オート連打」操作が実行されたと見做す手法を採用することも可能である。
なお、演出操作手段P81に対する入力は、演出の実行状況によって、有効操作として扱う期間(「操作有効期間」)と、無効操作として扱う期間(「操作無効期間」)とが存在する。
マルチタスク処理(ステップ5010)は、演出制御タイマ割込み処理が実行される毎に更新されるタスクカウンタ(値「0」~「15」の間で更新)の値に応じて、今回発生した演出制御タイマ割込み処理中で実行する処理内容を異ならせて行う処理である。タスクカウンタが16ms周期で循環するように構成されており、メインループ処理の1周期とほぼ同期して各カウンタ値における処理が実行されるように構成されている。各タスクにおける処理の一例としては、画像制御基板P42の動作が実行できるか否かを画像制御基板P42から送信される信号(ポート入出力処理にて入力情報を生成)を基に判断し、画像制御基板P42の動作状況を監視する処理が行われる。
画像制御コマンド送信処理(ステップ5012)は、画像制御基板P42のCPUに対して演出制御処理P41にて決定した演出内容に応じた画像表示を実行させるべく、画像制御コマンド(「サブ間コマンド」と呼ぶ場合もある)を画像制御基板P42のCPUに対して送信する処理である。なお、画像制御基板P42と演出制御基板P41は同一の基板で構成してもよいが、本明細書内では便宜的に画像制御基板P42として記載する。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御基板P41は、画像制御コマンドを表示内容の種類を示す第1コマンドと、表示内容のパターンを指定する第2コマンドとで構成し、画像制御基板P42に送信する構成となっている。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、演出制御タイマ割込み処理にて画像制御コマンドを送信する構成となっているが、演出制御基板P41と画像制御基板P42との間におけるコマンドの送受信に関して、別途割込み処理を設けて送受信を行うように構成することも可能である。
(演出制御コマンド受信割込み)
演出制御コマンド受信割込み(図66(B))は、主制御基板P40の割込み処理(図59)中の演出制御コマンド送信処理(ステップ2040)においてストローブ信号が出力され、当該ストローブ信号を演出制御基板P41が受信した場合に発生させる割込み処理である。
演出制御基板P41は、演出制御コマンド受信割込みを開始すると、主制御基板P40の出力ポートより送信される演出制御コマンド(MODEデータまたはEVENTデータ)を読み取り、一時バッファデータを更新して記憶する(ステップ5502、ステップ5504)。
一時バッファデータの更新が終了すると、1の演出制御コマンド(MODEデータとEVENTデータの組み合わせ)の受信が完了したか否かを判断する(ステップ5506)。なお、主制御基板P40から送信される演出制御コマンドは、1バイトデータのうち、特定のビットが「1」「0」で構成されている。
前述したステップ5504の一時バッファデータ(2バイトデータ記憶領域)の更新に際しては、通常下位の1バイトの記憶領域に今回受信した演出制御コマンドの内容を記憶する処理を行う。このとき、更新前に現在の一時バッファデータの記憶領域の下位1バイトのうち特定のビットの部分がMODEデータであることを示す場合、一時バッファデータの記憶データを上位の1バイト記憶領域にシフトさせて記憶させた後、今回受信したEVENTデータを一時バッファデータの下位の1バイトの記憶領域に記憶する処理が行われる。
そしてステップ5506の演出制御コマンドの受信完了の判断においては、一時バッファデータの下位1バイトのうちの特定のビットがEVENTデータを示すデータであるか否かを判断し、EVENTデータであると判断した場合には、1の演出制御コマンドの受信が完了したもの(ステップ5506YES)として次の処理に進み、MODEデータであると判断した場合(ステップ5506NO)には、主制御基板P40からEVENTデータの送信に基づくストローブ信号を受信するまで、演出制御コマンド受信割込みを抜け、他の処理を行って待機する。
ステップ5506において、演出制御コマンドの受信が完了したと判断した場合、送られた演出制御コマンドが正常なものであったか否かを判断する(ステップ5508)。この処理は、例えば、主制御基板P40から送信され得る演出制御コマンドの一覧データの中に一致するデータが存在するか否かを基に判断される。そして、正常なコマンドであると判断された場合には、演出制御タイマ割込み処理中の演出制御コマンド解析処理にて解析されるように受信した演出制御コマンドを記憶するための記憶領域に記憶し、異常データの場合には一時バッファデータを破棄する。
[基本的な画像表示の演出例]
次に、図67から図70を用いて、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける基本的な演出に関して説明を行う。図67は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図であり、図68は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。図69は、大当り遊技を実行している状態を表した図であり、図70は特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。
(通常遊技状態の演出表示例)
《装飾図柄》
図67は、通常遊技中(低確率/低ベース中)の図柄変動表示(装飾図柄の停止表示中)を表した図である。画面の略中央領域に3つの数字が遊技者に対して明瞭に確認できる態様にて表示されている。この3つの図柄は「装飾図柄(P801)」(「装図」とも呼ぶ)と呼ばれており、特別図柄抽選の結果に対応して表示される演出的な表示物であり、特別図柄の変動表示に合わせて変動表示される。なお、図67中では数字のみで表現しているが、各数字にキャラクタ画像などの装飾画像を伴って表示される場合もある。また、各数字に装飾画像を伴って表示するよう構成する場合には、遊技状態によって装飾画像や各数字の表示態様を相違させてもよい。そのように構成することによって、遊技者は現在の遊技状態を判別し易くなる。
装飾図柄P801は、特殊な演出を行っている場合を除いて特別図柄の変動表示1回(特別図柄抽選1回)に対して、1度の演出としての変動表示が行われる。なお、不図示であるが、装飾図柄P801の変動表示が行われる際には、装飾図柄が高速で変動表示(場合によっては透過表示や非表示となる)され、アニメーションや演出効果の画像による「予告」と呼ばれる演出により、大当り遊技の権利獲得の期待感を高める演出を行う。
図67に示す装飾図柄P801は、変動表示が開始されると上下方向(上から下方向)にスクロール表示された後、左図柄(P801a)、右図柄(P801c)、中図柄(P801b)の順に図柄列毎に、演出制御基板P41で決定された停止表示図柄が停止表示される。一般的には、3つの装飾図柄P801が同一の態様(ぞろ目)で停止表示された場合に、大当りであることを演出的に報知するものとなっている。また、1の図柄が変動表示を行う一方で他の図柄が表示されている状態、例えば、最後に停止する図柄(「最終停止図柄」とも呼ぶ)である中図柄P801bが停止する前に左図柄および右図柄が同一の図柄で表示(仮停止表示)されている状態のことを「リーチ」(「リーチ状態」「リーチ態様」)と呼ぶ。
装飾図柄P801の変動表示は、上下方向(上から下方向)にスクロール表示する態様で表示されることが多いが、変動表示の態様は上下方向に限らず、左右方向や奥行きを使って前後(斜め)方向にスクロール表示動作を行うものであってもよいし、スクロールせずにその場で回転動作を行うとともに順番に切り替え表示がされるものであってもよい。
また、装飾図柄P801は1回の特別図柄の変動表示中において、複数回の停止表示を行う場合を有している。この時、複数回の停止表示に際して、特別抽選の結果を示す停止表示は、特別図柄の停止表示図柄が特別図柄表示装置に停止表示されるタイミングと同時期に表示される停止表示であり、それ以外のタイミングにおける停止表示を「仮停止(表示)」という。なお、特別図柄の停止表示と同時期の停止表示ついては、「本停止」と表現する場合がある。
装飾図柄P801の仮停止が行われた際には、最終的な図柄の停止表示(本停止)と区別するため、装飾図柄P801を完全に固定せず、固定したと認められない程度に一時停止させたり、上下あるいは左右などの方向に動作したり、1の回転軸を中心に揺れ動作を行ったりするように構成される。このような状態のことを仮停止の他に「揺れ変動」などと表現する場合がある。
装飾図柄P801が仮停止表示された後は、再び変動表示を繰り返す場合があり、一般的に大当り図柄以外の図柄が仮停止した状態からの再変動を「擬似変動(擬似連)」演出と呼び、大当り図柄の停止後に停止表示される大当り図柄を変更する場合がある再変動を「昇格(変動)」演出と呼ぶ。なお、昇格演出を実行する場合には、停止した大当り図柄よりも不利な大当り図柄には変更しないよう構成したり、ハズレ図柄に変更しないよう構成してもよい。
また、装飾図柄P801の停止表示に際して、通常の変動表示中は表示されておらず、一部の演出を実行する場合にのみ表示される特殊な装飾図柄の一種があり、これを「特殊装図(P804)」(特殊図柄)と呼ぶ。特殊装図は、それぞれの図柄に意味があり、例えば特定の大当りが実行されることを示唆したり、前述した擬似変動演出を行うことを示唆したり、特定のリーチ演出(リーチ態様となった場合に表示される予告演出)が実行されることを示唆するものなどが挙げられる。特殊図柄を用いる場合には、最後に仮停止する装飾図柄(中図柄P801b)として特殊図柄を仮停止させてもよいし、左図柄P801a、中図柄P801b、右図柄P801cのすべてを代用する1つの装飾図柄として特殊図柄を仮停止させてもよい。
《簡易装図(ミニ装図)》
画面右上には、装飾図柄P801と同一の態様にて表示される3つの数字が表示されている。この図柄は「簡易装図(P802)」(「簡易図柄」)や「ミニ装図」とも呼ばれ、前述した「装飾図柄」同様特別図柄の変動表示に合わせて、特別図柄の抽選結果を示す表示物として表示される。
簡易装図P802(ミニ装図)は、「装飾図柄」と異なり、装飾図柄P801が停止表示されない特殊な演出が行われている場合であっても、特別抽選の結果を示す特別図柄が特別図柄表示装置P51、P52に表示されるのに合わせて、特別図柄抽選1回に対して必ず1回の停止表示を行う。
また、簡易装図P802の変動表示は、前述した装飾図柄P801がリーチ態様となった場合に、同一のリーチ態様を形成するように構成してもよいし、特別図柄抽選の結果を報知するという最低限の目的を達成するために、装飾図柄P801とは無関係に特別図柄の変動表示が停止表示状態となるまで一定の表示切り替えを行う、といった簡略的な変動表示とする方法を採用してもよい。
《保留表示領域》
図67の下部領域には、保留表示領域P810が設けられている。保留表示領域P810には、遊技者が獲得した特別図柄抽選の権利として、未行使の権利に対応する保留(乱数値)に対応した保留オブジェクトP811が表示される。図67の例では、特別図柄抽選の権利が3つ保留されている状態を示している。
図67の例では、特別図柄抽選の実行時期が早い保留(すなわち先に発生した保留)であるほど、画面下部の略中央方向に近い位置に表示されるようになっており、保留表示領域P810の最も右側に位置する保留オブジェクトの表示位置を「保1(表示領域)」と呼び、画面左側に向かうにつれて「保2(表示領域)」、「保3(表示領域)」、「保4(表示領域)」と呼ぶ。
また、保留表示領域P810の右側近傍には、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と略同一態様のオブジェクトが一段高い位置に保留オブジェクトP811より大サイズに表示されている。本表示領域は、現在の特別図柄変動表示の開始契機となった乱数値に対応した保留表示を保留表示領域から継続して表示するものであり、「当該変動オブジェクト表示領域(P812)」と称する。また、当該変動オブジェクト表示領域P812に表示されるオブジェクトを「当該変動オブジェクト(P813)」と呼ぶが、「当該保留表示」などと称する場合があり、保留表示領域P810の保留オブジェクトP811と差別化するために「当該」という頭文字をつけている。
なお、当該変動オブジェクト表示領域P812における当該変動オブジェクトP813の表示態様は、保留オブジェクトP811と完全に同一に構成する必要はなく、変動開始に伴いある保留表示が当該変動オブジェクト表示領域P812に移動表示する際に、形状が変化したり、消失(非表示)となったりする場合があってもよい。また、当該変動オブジェクトP813についても、後述する保留変化先読みにおける保留表示と同様に表示態様が変化し得るよう構成してもよい(例えば、変動表示の途中のタイミングでオブジェクトの形状や色が変化する)。
《簡易保留表示》
画面左側の高さ方向略中央位置には、2つの数字が縦方向に並んで表示されている。この2つの数字は、現在の第1特別図柄の保留数および第2特別図柄の保留数を表しており、「簡易保留表示(P814)」と呼ばれる。図67中の例では、第1特別図柄の保留数を上に表示される数値「3」で示しており、第2特別図柄の保留数を下に表示される数値「4」で示している。
(先読み演出)
《保留変化先読み》
また、図67においては、保留表示領域P810における保3表示領域の保留オブジェクトP811が、保2、保1の表示領域における保留オブジェクトP811とは異なる態様で表示されている。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、保3の保留オブジェクトP811の表示態様の方が保2の保留オブジェクトP811の表示態様よりも大当りとなる可能性が高くなるよう構成されている。このように、特定の保留に対して、保留オブジェクトP811の表示態様を変化して表示させる演出のことを「保留変化(先読み)」と呼んでいる。
なお、図67に例示した態様のみに限らず、複数種類の変化態様を有し、そのそれぞれに対して大当りとなる可能性(期待度)が異なり得るように構成し、段階的に保留オブジェクトP811の表示態様を変化させていってもよい。
また、「保留変化(先読み)」に限らず、保留として記憶されている乱数値に対して演出の実行対象として決定した場合に、演出の実行対象となった保留に対応した変動表示が開始されるよりも前に、先んじて演出の実行対象となった保留の大当りとなる可能性が高いことを示唆する演出のことを「先読み演出」(「事前判定演出」と称する場合もある)と呼んでいる。
そして、「先読み演出」を実行する場合に、演出の実行対象となった保留として決定された保留のことを、「先読み対象保留」、「トリガ保留」、「犯人保留」などと称する場合があり、先読み対象保留に基づく特別図柄の変動表示のことを「先読み対象変動」、「トリガ変動」、「犯人変動」などと称する。
ここで、「先読み演出」として、前提とするぱちんこ遊技機Pで採用し得る代表的なものをいくつか例示する。
《チャンス目先読み》
「チャンス目先読み」は、先読み対象変動の変動が開始されるまでの装飾図柄P801の変動表示において、予め定められた法則に則った装飾図柄P801の停止表示図柄が停止表示(または仮停止表示)される演出である。チャンス目として予め定められる装飾図柄P801の停止表示態様の法則の一例としては、(ア)装飾図柄の数字部分の色合いが同一の図柄のみの組み合わせによってはずれ図柄が停止表示される場合、(イ)「1」「2」「3」や「5」「4」「3」など、装飾図柄の停止図柄が順番に並ぶ(順目、逆順目)など規則的な停止表示態様で表示される場合、(ウ)「7」などの特別な数字又は「先」などの数字とは異なる図柄が、中図柄の停止表示図柄として停止表示される場合、などが挙げられる。
《演出可動役物先読み》
「演出可動役物先読み」は、遊技盤P5または枠(ガラス枠P3)に設けられた演出可動役物P560または枠可動役物P360(前提とするぱちんこ遊技機P1のレバーP382など)を、先読み対象変動の変動表示が開始されるまでの変動、あるいは先読み対象変動まで跨いで、変動開始から演出動作パターンに従ってにぎやかし動作させる演出である。
《ゾーン移行先読み》
「ゾーン移行先読み」は、先読み対象変動が開始される前の特別図柄の変動表示において、特殊な演出モード(「ゾーン」と呼ばれる)へ移行させ、先読み対象変動となる変動表示までの間、特殊な演出モードに対応した予告演出を実行させるための予告抽選を実行することで、大当りの可能性が高いことを示唆する先読み演出である。例えば、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→大当り」となったり、「通常背景を表示→先読み時背景を表示→はずれ図柄が停止して通常背景に戻る」となる。
(リーチ演出の実行時の表示例)
続いて、図68は大当りとなる期待度が高いリーチ演出が行われている状況を表した図である。「リーチ演出」は、前述したように、1の装飾図柄(中図柄P801b)以外の装飾図柄(左図柄P801a、右図柄P801c)が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態における演出のことを言う。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、多くの場合、リーチ演出を経由して3つの装飾図柄P801が同一の停止表示態様となることで大当りを報知する仕様となっている。
図68の例では、装飾図柄の左図柄P801aと右図柄P801cが「5」で表示されており、変動中の中図柄列の図柄として「4」、「5」、「6」が表示されている状況であり、「4」図柄が激しく振動し、「5」に切り替われば大当りとなる状況を示している。
ここで、図68の例では、装飾図柄の左図柄と右図柄である「5」の表示が、図67の停止表示時の装飾図柄P801よりも小さく表示されており、変動表示中の中図柄列の装飾図柄P801bを停止表示時の装飾図柄P801よりも大きく表示し、強調表示している。この時の左図柄P801a、右図柄P801cに対応する小さく表示された装飾図柄を「退避図柄(P803)」や、「リーチ図柄」などと呼ぶ場合がある。リーチ演出では、図示した例以外にも、装飾図柄の変動表示に伴って表示される予告演出(リーチ演出)のアニメーションの結末がどのような結末になるかによって大当りとなるか否かを報知する場合もあり、すでに仮停止表示された左図柄P801a、右図柄P801cを退避図柄P803小さくして表示する(あるいは非表示とする)ことで、遊技者に注目させたい演出の視認性を高めるようにしている。
また、装飾図柄P801の表示数を3つとしない遊技機なども知られており、同時に複数列のリーチ態様を形成するマルチラインリーチなども存在するが、その詳細に係る説明は割愛する。
リーチ演出の例外として、3つの装飾図柄P801の全てが同一の態様で同期して変動表示される「全回転リーチ」と呼ばれるリーチ演出が存在する。リーチ演出の基準である「1の装飾図柄以外の装飾図柄が同一態様で表示されている状況であり、あと1つの図柄が同一態様で停止すれば大当りとなることが報知される状態」とは状況的に異なるが、全回転リーチもまたリーチ演出として当業者には認識されるものである。
また図68において、画面右下領域には、「演出設定表示領域(P850)」が表示されており、図68の例では演出設定表示として音量設定表示P851が表示されている。
演出設定表示領域P850は、遊技機PのスピーカP83から出力される音量レベルを調整する音量設定機能や、遊技機Pの装飾ランプP82の発光輝度を調整する光量調整機能、さらには、演出モードと呼ばれる発生する予告演出の種類を変更したり、予告演出の発生頻度を変更したりする演出モード変更機能の設定状況および変更状況に係る表示を行う領域である。
演出設定表示領域P850は、常時表示されているものではなく、遊技者が前述した各種演出設定(音量調整機能、光量調整機能、演出モード変更機能)に係る操作を実行した場合において、一時的に表示されるものであり、例えば十字キーP383の左右方向の操作により図68に示す音量調整機能に係る演出設定表示(音量設定表示P851)を表示させることが可能である。図68の状況において、さらに遊技者により十字キーP383の右ボタンが操作された場合には、設定されている音量レベル(図中の黒塗り領域)が増加し、音量設定値が「3」から「4」へと変化するようになっている。
また、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、光量調整を行う場合は、十字キーP383の上下方向の操作によって変更操作が行われるように構成され、演出モード変更機能は、演出ボタンの操作に応じて演出モードを予め定められた順序で切り替える例が挙げられる。なお、これらの演出設定に係る操作は、遊技中の演出の実行との関係上異なる操作態様を採用する場合もあり、例示した設定の変更方法以外にも適宜採用可能である。
また、演出設定表示領域P850の表示や、各種演出設定機能の利用に関し、遊技者の演出設定操作を有効とする期間、無効とする期間をそれぞれ設定することが可能であり、特に重要な演出が実行されるときには、演出設定表示領域P850を非表示とし、各種演出設定機能の利用を無効とするよう構成される。
(大当り遊技中の演出表示例)
続いて、図69に基づき、前提とするぱちんこ遊技機Pにおいて大当り遊技を実行している状態における演出の表示態様を説明する。
《大当りの種類を示す演出表示》
図69の画面左下および画面右上には、大当り遊技の実行契機となった装飾図柄P801の表示が行われている。画面左下は、前述したリーチ演出の実行中と同様、変動表示中の装飾図柄よりも小さい表示態様にて1の装飾図柄P801(「大当り装図(P805)」とも呼ぶ)を表示し、画面右上には、特別図柄の変動表示が終了した際に表示した簡易装図P802を引き続き表示している。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当りの発生契機となった(大当りの発生時に停止表示した)装飾図柄P801の種類によって、遊技者に実行される大当りの種類や大当り中に獲得できる遊技球数の期待度合や大当り終了後の遊技状態(通常遊技状態)を演出的に示唆している。そのためこのように大当りの実行契機となった装飾図柄(大当り装図P805、簡易図柄P802)を表示させておくことによって、大当り遊技中においても大当りの種類や、獲得が期待される遊技球数を示唆することを可能としている。
また、大当りの種類を示す表示として、図69では「ROUND6」(「ラウンド表示(P820)」と呼ぶ)という文字列の下に、五角形の盾を模したアイコン画像P821が表示されており、アイコンP821の中央に「MAX」という文字が記載されている。図中のアイコンP821では「MAX」の文字列が示唆する大当りであって、前提とするぱちんこ遊技機Pが有する最大ラウンドの大当り遊技が実行されることを示している。このアイコンP821は「大当りアイコン」や「連荘(表示)アイコン」と呼ばれ、特定遊技状態と大当り遊技が繰り返し実行される毎に、累積的に並んで表示が増加し、いわゆる「連荘」状態において何回、どのような種類の大当りを獲得したかを遊技者が理解できるように報知する演出表示である。
なお、図示はしていないが、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り開始デモ期間において実行される演出表示の「大当り開始デモ演出」において「〇〇ボーナス!」(最大ラウンド大当りを報知)や「△△チャンス」(最大ラウンドではない大当りを示唆)といった表示を行うことにより、大当りの種類を遊技者に報知する演出を実行する。
また、例えば実行されるラウンド数が少ない「△△チャンス」などの大当りであることが示唆された場合であっても、大当りラウンド中において「エクストラボーナス!+〇ラウンド」として、大当りの実行ラウンドが実は最大ラウンドの大当りであることを報知するといった「大当り昇格演出」を実行することも可能である。
なお、「大当り昇格演出」は、先に報知された大当りの種類よりも遊技者にとって有利となる特定遊技状態へ移行することとなる大当り遊技が実行されていることを示唆する場合にも使用されることがある。例えば、大当り遊技後に確率変動機能が作動しないことを示唆する大当り遊技(「非確変大当り」、「通常大当り」と呼ばれる)の演出から、大当り後に確率変動機能が作動することとなる大当り遊技(「確変大当り」、「特定大当り」と呼ばれる)の演出へと演出表示が切り替わる、というような演出表示が挙げられる。
《大当り遊技の進行状況を示す演出表示》
次に大当り遊技の実行に際して、大当り遊技の進行状況を示す演出表示に関する説明を行う。図69において、大当りの演出表示を示す演出として、画面左上の「ROUND_〇」の文字列表示で実行される「ラウンド表示(P820)」、画面右下において「TOTAL_〇〇pt」の文字列表示で実行される「獲得球数表示(P822)」、画面右側略中央の10個の円形画像オブジェクトで表示される「カウント表示(P825)」などが挙げられる。不図示ではあるが、大当り遊技中はこれらの表示に加えて「ラウンド演出」と呼ばれるアニメーションなどの画像表示が表示される。
《ラウンド表示》
「ラウンド表示(P820)」は、大当り遊技中において、実行中のラウンド遊技(単位遊技)が何ラウンド目かを示す表示である。ラウンド遊技が開始されるタイミングで「ROUND」の右側の数値が更新される。図69の例では、6ラウンド目のラウンド遊技が実行されている状況を示している。
なお、「ラウンド表示(p820)」は、必ずしも実際の大当り遊技中の実行ラウンド数に同期する必要はない。例えば、前述した「小当りV」のスペックでは、小当り遊技中を1ラウンド目としてカウントして、V入賞後に実行される大当り遊技の1ラウンド目を2ラウンド目として扱うようすることがある。また、他の例では、ラウンド遊技における大入賞口P751の開放パターンが、短時間の入球容易状態への移行で終了する場合には、「ラウンド表示」の値を更新せず、大入賞口の開放パターンが長時間の入球容易状態となる場合においてのみ、実質的に実行されたラウンド「実質ラウンド」として扱う場合などがあってもよい。
《獲得球数表示》
「獲得球数表示(P822)」は、実行中の1回の大当り遊技で累積獲得している遊技球数を表示する「大当り獲得球数表示(P823※不図示)」と、特定遊技を挟んで複数回の大当りにおいて累積的に獲得した遊技球数を表示する「累積獲得球数表示(824)」といった種類がある。図69においては、5桁の獲得球数表示である「累積獲得球数表示(P824)」が表示されている例を示している。なお、「大当り獲得球数表示(P823)」と「累積獲得球数表示(P824)」を並列的に同時表示してもよい。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」について、大当り遊技中における大入賞口P751への入球に基づく累積の賞球払出数を表示するものとしている。しかし、獲得球数表示P822の賞球払出の累積対象として、遊技盤P5の右側領域P501Rに配置された一般入賞口P731や第2始動入賞口P721に対する入球に基づく払出に関して累積して加算してもよい。
また、他の変形例として、「獲得球数表示(P822)」の表示期間は、大当り遊技中だけでなく、特定遊技の実行中に表示してもよいし、「獲得球数表示(P822)」の累積賞球払出数の加算期間についても、大当り遊技中だけでなく、特定遊技中や、小当り遊技中に拡大するよう構成してもよい。
なお、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、「獲得球数表示(P822)」の他に、累積した賞球払出数が「2500球」、「5000球」、「10000球」など、区切りとなる払出数を迎えた場合などの特殊な状況においてのみ、遊技者に「獲得球数表示」に加えて強調して報知する「区切り獲得球数表示」演出を実行可能としている(例えば、「GET10000!!」と表示する)。
《カウント表示》
「カウント表示(P825)」は、1回のラウンド遊技において大入賞口P751の閉鎖条件として設定される遊技球数まであと何球入球可能か、または今回のラウンド遊技において何球の遊技球が大入賞口P751に入球したかを表す表示である。前者は、図69において網掛け表示される円形オブジェクトで表示されており、後者は白抜きの円形オブジェクトとして画面右側略中央位置に2列のオブジェクト表示として表示されている。
図69の例では、6ラウンド目の遊技として、大入賞口へ5球入球済みであり(白抜きの円形オブジェクトで表示)、あと5球入球可能であること(網掛けの円形オブジェクトで表示)がカウント表示P825により示されている。カウント表示P825は新たなラウンドが開始されるたびに表示が初期態様にリセットされる。
大当り遊技のラウンド遊技の実行中には、遊技球の流下状況により、大入賞口P751の閉鎖条件を満たすこととなる遊技球に連続して大入賞口P751の閉鎖条件以上の遊技球数となる入賞が発生する場合があり、このような閉鎖条件以上の遊技球数の入賞が発生することを「オーバー入賞」と呼ぶ。
図示はしていないが、「オーバー入賞」が発生した場合に、カウント表示P825のオブジェクト表示等を使って特殊な演出を行ったり、演出ランプP82の特殊な発光やスピーカP83から特殊効果音を発したりして報知してもよい。また、前述した獲得球数表示P822については、「オーバー入賞」となる入賞に基づく賞球払出数を加算対象としてもよいし、加算対象外としてもよい。
《大当り遊技中のその他の演出表示》
次に、図69において演出表示が実行されている、他の演出表示について説明する。
まず、画面左側略中央位置に表示されている2つの数字は、前述した簡易保留表示P814である。
画面左下の装飾図柄(大当り装図P805)の右側に表示されている「Sound_2」という表示は、現在の大当り遊技中に再生している楽曲のタイトルを示す「選択楽曲表示(P854)」である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中において、1ラウンド目や2ラウンド目の間に演出ボタンP381や十字キーP383を操作することによって、遊技者が任意に再生する楽曲を選択可能とする仕様を有している。選択楽曲表示P854に関し、楽曲が変更可能な状況である場合には、図70に示すように選択楽曲表示P854の近傍に「(上)(下)キーで変更できます」という画像表示を行う。
なお、このような大当り遊技中における演出の選択は、楽曲変更に限らず、ラウンド演出の変更や、大当り遊技後における特定遊技中の演出(演出モード)の選択なども可能とするが(総称して「演出カスタマイズ表示(P853)」と呼ぶ)、それらの詳細な説明は割愛する。
最後に、画面右上の簡易装図P802の下部に表示されている「右打ち」および右側矢印記号は、「打ち分け報知(P830)」(「推奨発射位置報知」などとも呼ばれる)に係る画像表示である。前提とするぱちんこ遊技機Pでは、大当り遊技中は、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射することが推奨される遊技状態であるため、「右打ち報知(P832)」(「右打ち」の文字列、および右側矢印記号の表示)が実行されている。
「打ち分け報知」は、大当り遊技中に限らず、特定遊技状態における遊技中や、通常遊技状態における遊技中においても表示される場合を有する。特に、遊技状態が切り替わるような状況(大当りの発生/終了や、特定遊技状態の発生/終了)においては、図69に示す打ち分け報知P830よりも、遊技者が認識しやすいよう大きなサイズの表示を画面中央部などに一時的に表示することで、次の遊技状態での推奨される発射位置を遊技者に報知する演出が実行される。
なお、「打ち分け報知(P830)」において、遊技状態が遷移するタイミングで一時的に大きなサイズで表示されるものを「第1打ち分け報知画像」(「右打ち大表示(P831)」、「左打ち大表示(P833)」)と表現し、大当り遊技中や特定遊技状態中において、遊技状態での推奨発射位置を、遊技状態が続く期間のほぼ全てにおいて表示する表示について「第2打ち分け報知画像」(「右打ち小表示(P832)」、「左打ち小表示(P834)」)と表現する場合がある。
また、「打ち分け報知(P830)」の他の種類の演出として、推奨される発射位置以外の位置に遊技球が発射されている状況を検出した場合、例えば、大当り中に遊技領域の左側領域P501Lに遊技球を発射した場合に、遊技領域の右側領域P501Rに遊技球を発射すべきことを遊技者に対して注意喚起する「左打ち警告報知」(「右打ち注意喚起報知(P835)」)として「右打ちしてください」などのメッセージ表示)を行う。なお、推奨発射位置と遊技者の実発射位置が逆の状況では、「右打ち警告報知」(「左打ち注意喚起報知(P936)」)が実行される。
(特定遊技状態中の演出表示例)
図70は、特定遊技状態中(高確率または低確率/高ベース)である電チューサポート機能の作動中の遊技演出を表した図である。図中には多岐にわたる演出表示がなされているが、前述の説明の中で説明を行ったものに関しての説明は割愛し、これまでに説明がされていない演出表示、および前述の説明と相違点を有する演出表示に関する説明を行う。
まず、これまでに説明がされていない演出表示として、特定遊技状態中の演出表示に関する説明として「演出モード表示(P840)」と「残り遊技回数表示(P841)」に関する説明を行う。
《演出モード表示》
「演出モード表示(P840)」は、現在の演出表示態様の状態を示す表示であり、演出モードと呼ばれる状態情報によって、該当するモードに応じた予告演出が抽選されていることを示す表示である。演出モード表示が相違する場合には、遊技者に視認される予告演出の種類が、一部共通とする予告演出はあるものの、見た目に与える印象が大きく異なるように作られることが一般的である。図70では、「RUSH_MODE」という表示がなされており、前提とするぱちんこ遊技機Pにおける遊技状態が、「ST(回数切り確変)」(高確率/高ベース状態)であることを示す表示を行っている。
なお、「演出モード表示(P840)」は、特定遊技状態における演出モードを報知する以外に、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)において表示される場合があってもよいし、1の遊技状態において複数の演出モードを有する場合に、演出モードが切り替わる条件が成立するたびに表示を一時的、または演出モードが終了するまで継続して行うものであってもよい。
《残り遊技回数表示》
「残り遊技回数表示(P841)」は、特定遊技状態が終了するまでの特別図柄の変動表示の回数(特別図柄抽選の回数)や、現在の演出モードが終了するまでの特別図柄の変動表示の回数を表す表示である。図70では、画面中央上部に「残り_56」という表示が実行されており、「ST(回数切り確変)」の遊技状態が、あと56回の特別図柄抽選が実行されるまで行われることを遊技者に報知している。
次に、図70に示す特定遊技状態の演出表示例において、前述した他の遊技状態における演出表示例と相違する表示に関して説明を行う。
《装飾図柄(特定遊技状態)》
図70の画面中央には、装飾図柄P801の変動表示が表示されている。図70の通常遊技状態における演出表示例の装飾図柄P801に比して、図70の特定遊技状態における装飾図柄P801の演出表示例では、装飾図柄P801の表示が小さく表示されている。
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、特定遊技状態の演出表示として、画面上部に演出モード表示P840や、残り遊技回数表示P841、さらには大当りアイコン表示P821を行っており、画面下部には選択楽曲表示P854および獲得球数表示P824を行っている。特定遊技状態では、通常遊技状態(低確率/低ベース状態)で表示されないこのような付加的な表示を行うため、通常遊技状態と同等のサイズで装飾図柄P801を表示してしまうと、停止表示の際に一部図柄の表示が各表示の一部と重なってしまい、停止表示図柄の視認性が低下するという問題が発生する恐れがあり、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、このような問題が生じにくくなるよう装飾図柄P801の表示を小さく簡略化するものとしている。また、装飾図柄P801を簡略化して表示する例として、サイズを小さくするほか、図柄を示す数字に付帯して表示されるキャラクタ画像などの表示を行わない方法なども採用可能である。
《保留表示領域(特定遊技状態)》
前提とするぱちんこ遊技機Pでは、図70の画面左下に示すように、特定遊技状態の保留表示領域P810における保留オブジェクトP811の表示として、画面手前側から奥行き方向に向かって「保1」から「保4」の保留オブジェクトの表示領域が設けられている。なお、当該変動オブジェクト表示領域P812(及び当該変動オブジェクト表示P813)については「RUSH_MODE」の演出モード状態では表示が省略されている。
図70に示す変動表示が終了し、状態で新たな変動が開始すると、図70の最も下部に位置する保留オブジェクトP811の表示が消失し、奥に並ぶ保留オブジェクトP811の表示が手前に移動するとともに表示が大きくなるよう表示制御される。
また、図示はしないが特定遊技中において表示される演出として重要な演出である、「リザルト表示演出」に関して説明を行う。
《リザルト表示演出》
「リザルト表示演出」は、前提とするぱちんこ遊技機Pでは、主として特定遊技状態(高ベース状態)の最後の変動が実行される際、あるいは特定遊技状態中に生起した保留がなくなる際等、遊技者が「連荘」状態が終了したと認識するタイミングに行われる演出であり、いわゆる「連荘」状態において、何回の大当り遊技を獲得したかという情報や、合計で何発の遊技球を獲得したか(獲得球数表示に相当)を遊技者に報知する演出である。
<<確定演出の表示方法>>
次に、本発明に係る確定演出の表示方法について説明する。以降に説明する確定演出は、上述したスロットマシン及びぱちんこ遊技機に適用可能である。
<確定演出>
確定演出とは、ボーナス等に当選したこと等を示す演出である。ボーナスの他にも、ATへ移行すること、AT上乗せ(回数、枚数)等に用いられることもある。ぱちんこ遊技機においては、大当りに当選したこと、確変になること等を示すことができる。確定演出は、表示装置32(演出表示装置P80)に文字や所定の背景等が虹色で表示される場合や専用のキャラクタが表示される場合等がある。さらに、確定演出は、表示装置32等に画像や動画像が表示される場合だけでなく、確定演出であるサウンドがスピーカS等から出力される場合や、確定演出であるランプの発光態様が筐体ランプ(ぱちんこ遊技機では盤面のランプ、枠ランプ)で発光される場合等がある。
なお、確定演出は、ボーナス等の大当り遊技やAT等へ移行することが決定された場合、AT上乗せ(回数、枚数)や大当り遊技の連荘等が決定された場合、いずれの場合にも表示され得る構成としてもよいし、いずれかの場合で表示され得るように構成してもよい。
図71は、確定演出の1つである、文字列が虹色で表示される場合の例である。ここでは、虹色表示(必要に応じて図面参照のこと)が各文字内を移動し、さらに虹色表示が文字列全体を移動する場合を例に説明する。
まず、図71(a)を用いて、表示装置32に「チャンス」の文字が横向きに左から右へ表示された場合に、虹色表示が各文字内を左から右へ移動し、虹色表示がチャンスの文字列全体を移動するように表示される場合を説明する。
虹色表示は、赤色→橙色→黄色→緑色→青色→藍色→紫色の順に7色を用いて表示される。色の表示はループするため、紫色の後には赤色が表示される。
ここでは、「チャンス」の「チ」は、左側が赤色、中央が紫色、右側が藍色である。「ャ」は、左側が藍色、中央が青色、右側が緑色である。「ン」は、左側が黄色、中央が橙色、右側が赤色である。「ス」は、左側が赤色、中央が紫色、右側が藍色である。
虹色表示は左から右へ移動し、「ン」及び「ス」の赤色からみると、赤色→橙色→黄色→緑色→青色→藍色→紫色の順に表示されている。
各文字に表示される色に注目すると、1文字内に3種類の色が表示されている。文字列全体を虹色であることを認識させるために、1文字内に複数種類の色が表示されるのが好適であり、少なくとも1文字は3色以上表示される場合があるように構成するのが好ましい。ただし、これに限定される必要はなく、1文字内に2色や1色のみしか表示されない場合があってもよい。例えば、「チャンス」の「ャ」のような他の文字より小さな文字では、表示可能な範囲が狭いため、他の文字と比較して1文字内に表示される色の種類が2色や1色になりやすい。
また、文字が小さいと1文字に7色を表示しても、7色を有しているようには見えづらく、見た目も悪くなる可能性がある。
そのため、1文字内に7色を表示せずとも、1文字内に7色のうちの複数種類の色(例えば、3色)を表示し得る構成とすることで、文字列全体として7色を有しているように見せることができる。
なお、文字の大きさが最小の文字であっても、1文字内に、同一種類の色(同一色)が2箇所に表示されることはない。上述した通り、虹色表示は、赤色→橙色→黄色→緑色→青色→藍色→紫色の順で表示されるよう構成されているため、1文字内に同一色が複数箇所で表示されることはない。
このように、1文字内に7色を表示することなく、一つの色の表示領域を大きくしても、表示された文字列を全体的に7色(虹色)に見せることができる。
また、各文字に複数種類の色が表示されるが、隣り合う文字の同一の一端側の色は、それぞれ異なる色となるように構成される。例えば、「チャンス」の「チ」と「ャ」を比較すると、「チ」の左側は赤色であり、「ャ」の左側は藍色である。「チ」の右側は藍色であり、「ャ」の右側は、緑色である。
「チ」と「ャ」に左側の色は、赤色と藍色であるため異なる。一方、「チ」の右側と「ャ」の左側はいずれも藍色であり同じである。このように、隣り合う文字の同一の一端側(左側と左側)の色は異なるが、隣り合う文字の異なる一端側(右側と左側)の色は、虹色表示が移動するように表示するために同一の色となり得る。
上述のような構成としなければ、複数の文字による文字列において、文字列全体としてではなく文字単体での演出にみえてしまう虞がある。
したがって、文字単体ではなく、文字列全体で7色の演出に見えるように構成するのが好適である。
なお、1の遊技機において、文字列が虹色表示となる場合の全てが上述した通りに構成される必要はない。つまり、上述した例では、文字列が横並びであり、虹色表示も横方向に移動するものであるが、文字列が斜め方向に表示され、虹色表示も文字列と同様に斜め方向に移動するように表示されてもよい。また、文字列の表示方向と虹色表示が移動する方向が異なっていてもよい。例えば、文字列が横並びであり、虹色表示が縦方向に移動する場合があってもよい。
次に、図71(b)を用いて、表示装置32に「チャンス」の文字が横向きに左から右へ表示された場合に、虹色表示が文字内を下から上へ移動し、「チャンス」の文字列全体を虹色表示が移動するように表示される場合を説明する。
ここでは、「チャンス」の文字列の下段側(W1)が赤色、中段(W2)が紫色、上段側(W3)が藍色で表示されている。
図71(a)で説明した通り、虹色表示は、赤色→橙色→黄色→緑色→青色→藍色→紫色の順に表示されるため、この後は時間経過により、下段側(W1)が橙色、中段(W2)が赤色、上段側(W3)が紫色となるように変化する。
複数の文字の横方向(例:W1)に同色が表示されず、文字毎に異なる色が表示された場合、虹色に見えづらい(遊技者が認識し難い)可能性がある。したがって、見えやすい(遊技者が認識しやすい)虹色を表示するためには決まった構成(色の並び)が必要である。
そのため、複数の文字の横方向(例:W1)には同色が表示され、縦方向への色の移動を文字列全体で一致させることで、文字列全体として虹色表示であることを認識しやすくすることができる。
<虹色表示の移動速度>
虹色表示が移動する速度は、任意に定めて良いが、例えば、1回の表示で、虹色が1周することがない速度であってもよい。表示装置32に表示される演出における文字の表示時間は比較的短い(2秒~5程度)ため、文字列の表示中に、虹色表示が1周することがない移動速度とすることで、遊技者に負担なく虹色であることを認識させることができる。
<筐体ランプ(ぱちんこ遊技機においては枠ランプ、盤面のランプ)の虹色発光態様との比較>
次に、上述した文字列の虹色表示と筐体ランプの虹色発光とを比較する。具体的には、文字列の虹色表示と筐体ランプの虹色発光の開始タイミングを比較する。
文字列の虹色表示と筐体ランプの虹色発光の開始タイミングを比較すると、両者はほぼ同タイミングで開始され得るが、筐体ランプ(枠ランプ等)の虹色発光は、文字列の虹色表示よりも若干早いタイミングで開始される。
これは、筐体ランプ(枠ランプ等)は、副制御手段1000によって制御され、文字列の虹色表示は、副制御手段1000の指示に従って画像制御手段によって制御されるため、文字列の虹色表示の方が処理の開始までに時間がかかるためである。
<虹色表示中(及び虹色発光中)にエラーが発生した場合>
次に、表示装置32に文字列が虹色表示中且つ筐体ランプが虹色発光中に所定のエラー(例:リール回転不良)が発生した場合について説明する。
文字列の虹色表示中且つ筐体ランプの虹色発光中に所定のエラー(例:リール回転不良)が発生した場合、リール回転中であれば、文字列の虹色表示及び筐体ランプの虹色発光が、リールが全停止するまで継続され、リールが全停止すると表示装置32にエラー表示が行われるとともに筐体ランプがエラー発光態様に切り替わる。
具体的に、図72(a)を用いて説明する。なお、リール回転中であることを前提に説明を始める。
図72(a)では、まず、t1のタイミングで、文字列の虹色表示(以降では「レインボー文字」と称する)表示中且つ筐体ランプの虹色発光(以降では「レインボー発光態様」と称する)中である。
次に、t2のタイミングで、所定のエラーが発生する。このタイミングでは表示装置32にエラー表示が行われることはない。また、筐体ランプも同様にエラー発光態様とはならない。
次に、t3のタイミングでは、t2のタイミングでエラーが発生した後であるが、t1のときと同様に、レインボー文字の表示中(レインボー文字表示中ともいう)且つレインボー発光態様の出力中(レインボー発光態様中ともいう)である。
次に、t4のタイミングで、レインボー文字の表示期間終了タイミングとなる。
次に、t5のタイミングでは、t4のタイミングでレインボー文字の表示期間が終了しているため、レインボー文字は表示されず、レインボー発光態様のみ継続している。
次に、t6のタイミングで、リールが全停止し、表示装置32ではエラー表示が開始され、筐体ランプではエラー発光態様での出力が開始される。
このように、文字列の虹色表示(「レインボー文字」)表示中且つ筐体ランプの虹色発光(「レインボー発光態様」)中に所定のエラーが発生した場合であっても、すぐにエラー表示やエラー発光態様とするのではなく、リールが全停止してからエラー表示やエラー発光態様とすることで、1ゲームの途中でエラーとなってしまったためにボーナス等が失われてしまうかもしれないといった不安を和らげることができる。
次に、図72(b)を用いて説明する。図72(a)とはエラー発光態様の開始タイミングが異なっている。
図72(b)では、まず、t1のタイミングで、レインボー文字表示中且つレインボー発光態様中である。
次に、t2のタイミングで、所定のエラーが発生している。このタイミングでは表示装置32にエラー表示は行われないが、筐体ランプはエラー発光態様となる。
次に、t3のタイミングでは、t2のタイミングで所定のエラーが発生した後であるため、レインボー文字表示中且つエラー発光態様の出力中(エラー発光態様中ともいう)である。
次に、t4のタイミングで、レインボー文字の表示期間終了タイミングとなる。
次に、t5のタイミングでは、t4のタイミングでレインボー文字の表示期間が終了しているため、レインボー文字は表示されず、エラー発光態様のみ継続する。
次に、t6のタイミングで、リールが全停止し、表示装置32でエラー表示が開始され、筐体ランプではエラー発光態様が継続する。
このように、エラーが発生したタイミングでエラー発光態様の出力のみ開始するように構成することもできる。
これにより、ホール店員が、エラーが発生したタイミングでエラーが発生している遊技台を把握することができる。
<ぱちんこ遊技機におけるエラー発生時>
次に、図73を用いて、前提とするぱちんこ遊技機において、レインボー文字表示中且つレインボー発光態様中にエラーが発生した場合の例を説明する。なお、レインボー文字は演出表示装置P80に表示され、レインボー発光態様は枠ランプ(及び/又は盤面ランプ)で出力される。
<ぱちんこ遊技機におけるエラー発生時1>
まず、図73(a)を用いて枠開放エラーが発生した場合を説明する。なお、枠開放エラーとは、枠開放スイッチP131(前枠が外枠に対して開放していることを検出するスイッチ)がオフであることに基づいて発生するエラーである。なお、特別図柄が変動中であることを前提に説明を始める。
初めに、t1のタイミングでは、レインボー文字表示中且つレインボー発光態様中である。
次に、t2のタイミングで、枠開放エラーが発生する。このタイミングでは、レインボー文字は継続して表示されるが、枠ランプはエラーを示すエラー発光態様となり、スピーカP83からエラー音の出力が開始される。
なお、演出表示装置P80にエラー表示がレインボー文字とともに表示されてもよい。エラー表示とレインボー文字は、少なくとも一部が重複して表示されてもよいし、重複することなく別の表示領域に表示されてもよい。
次に、t3のタイミングでは、t2のタイミングで枠開放エラーが発生した後であるため、レインボー文字表示中且つエラー発光態様中且つエラー音の出力中(エラー音中ともいう)である。
次に、t4のタイミングで、レインボー文字の表示の終了タイミングとなる。
次に、t5のタイミングでは、t4のタイミングでレインボー文字の表示が終了しているため、レインボー文字は表示されず、エラー発光態様とエラー音の出力は継続する。
次に、t6のタイミングで、枠(前枠)が閉鎖する。この時点で、枠開放エラーは解消されるが、エラー発光態様及びエラー音の出力は、それぞれ予め定められた時間が経過するまでは継続して実行されるため、ここではまだエラー発光態様中及びエラー音中である。
ここで、枠開放エラーのエラー発光態様とエラー音の出力について補足する。枠開放エラーが発生すると、枠ランプでは、所定パターンのエラー発光態様が枠閉鎖まで繰り返し行われ、さらに、枠閉鎖後30秒を経過するまで継続して行われる。スピーカP83では、エラー音(「扉が開いています」の音声+「ビヨビヨ」の音)が、枠閉鎖まで繰り返し行われ、さらに、枠閉鎖後7秒を経過するまで継続して行われる。なお、演出表示装置P80にエラー表示(例:「扉が開いています」)を行う場合に、枠閉鎖を検出するとすぐにエラー表示が終了するように構成してもよい。
次に、t7のタイミングでは、枠閉鎖後7秒を経過していないため、エラー発光態様とエラー音の出力が継続する。
次に、t8のタイミングで、大当り遊技が開始される。ここで、枠閉鎖後7秒を経過していない場合であっても大当り遊技が開始されると枠ランプは大当り発光態様となる。スピーカP83の出力も同様に、枠閉鎖後30秒を経過していない場合であっても、大当り遊技が開始されるとエラー音の出力が終了し、大当り遊技のサウンドの出力が開始される。
このように、エラー解消後の所定期間(枠ランプでは枠閉鎖後7秒間、スピーカP83では枠閉鎖後30秒間)が経過する前であっても、遊技者にとって嬉しい状態である大当り遊技が開始する場合には、大当り遊技に関する出力を開始することで、遊技者の遊技意欲を継続させることができる。
なお、大当り遊技が開始されたとしても枠閉鎖後7秒を経過するまではエラー発光態様のままであってもよい。スピーカの出力も同様に、大当り遊技が開始されたとしても枠閉鎖後30秒を経過するまではエラー音のままであってもよい。この場合には、エラーが解除されていたとしても、ホール店員はエラーが発生していたことを認識しやすくなる。
<ぱちんこ遊技機におけるエラー発生時2>
まず、図73(b)を用いて磁気エラーが発生した場合を説明する。なお、磁気エラーとは、磁気センサP73がオンであることに基づいて発生するエラーである。磁気エラーは、枠開放エラーよりも重要度が高いエラーである。図73(a)と同様に、特別図柄が変動中であることを前提に説明を始める。
初めに、t1のタイミングで、磁気エラーが発生する。このタイミングでは、演出表示装置P80ではエラー表示、枠ランプではエラー発光態様、スピーカP83ではエラー音の出力が開始される。磁気エラーが発生すると、電源がオフ(電源断)になるまでエラー報知(エラー表示、エラー発光態様、エラー音)が継続される。
次に、t2のタイミングは、t1のタイミングで磁気エラーが発生した後であるため、エラー表示の表示中(エラー表示中ともいう)且つエラー発光態様中且つエラー音中である。
次に、t3のタイミングは、レインボー文字の表示開始タイミングである。
次に、t4のタイミングでは、t3のタイミングでレインボー文字の表示が開始されているため、レインボー文字表示中且つエラー表示中且つエラー発光態様中且つエラー音中となっている。なお、演出可動物のランプは、磁気エラー発生中には発光することがなく、エラー発光態様と演出による発光態様のいずれにもならず消灯する(出力されない)。エラー表示とレインボー文字表示は、重複して表示されてもよいし、重複することなく別の表示領域にて表示されてもよい。
次に、t5のタイミングで、レインボー文字の表示終了タイミングとなる。
次に、t6のタイミングでは、t5のタイミングでレインボー文字の表示が終了するため、エラー表示中且つエラー発光態様中且つエラー音中且つ演出可動物ランプ消灯、となる。
次に、t7のタイミングで、大当り遊技が開始される。
次に、t8のタイミングでは、大当り遊技が開始しているが、枠ランプ、スピーカ、演出可動物のランプでは、大当り遊技に関する出力を開始しない。つまり、エラー発光態様、エラー音出力及び演出可動物のランプの消灯が継続する。なお、演出表示装置P80では、エラー表示の表示が継続されるとともに、大当り遊技のムービーや演出の表示が開始される。
次に、t9のタイミングで、電源断復帰(電源をオフにした後に電源をオンにする)する。これにより、磁気エラーは解除される。なお、遊技状態は大当り遊技のまま復帰する。
このように、重要度の高いエラーが発生した場合で、枠ランプ、スピーカ等で大当りとなることを報知せずとも、演出表示装置P80でレインボー文字を表示することで、大当りとなることを明確に報知することができ、重要度の高いエラーが発生していることも枠ランプ、スピーカ等で報知することができる。
なお、磁気エラーが発生した場合には、遊技が停止し、電源断復帰することで磁気エラーが解除されるように構成してもよい。このように構成する場合、磁気エラーが発生した場合、表示装置32には、画面全体に例えば「磁気エラー検出中」の文字が表示され、枠ランプはエラー発光態様、スピーカからはエラー音が出力され、演出可動物のランプは出力されない。
<補足>
枠ランプ、演出可動物のランプ以外にも遊技機にはランプが設けられることがある。例えば、スロットマシンPS1のサブスイッチ20やぱちんこ遊技機Pの演出ボタンP381にランプが設けられたり、遊技機(スロットマシンPS1、ぱちんこ遊技機P)の側面にもランプが設けられることがある。大当り等となることが報知される際には、これらのランプの一部又は全てが虹色で発光しないようにしてもよい。
例えば、表示装置32(演出表示装置P80)に表示されるバトル演出で味方キャラクタが勝利する場合、レインボー文字が表示される場合、サブスイッチ20(演出ボタンP381)が操作されて大当り等を示す表示がされる場合、演出可動物が可動して大当り等を示す場合等が挙げられる。
なお、サブスイッチ20、演出ボタンP381、遊技機の側面に設けられるランプ等の一部又は全部も虹色で発光するようにしても何ら問題ない。例えば、サブスイッチ20(演出ボタンP381)が操作されて大当り等を示す表示がされる場合には、サブスイッチ20(演出ボタンP381)のランプは虹色で発光し、遊技機の側面に設けられるランプは虹色で発光しないように構成することも可能である。
<<楽曲変更が可能な期間と音量変更が可能な期間>>
次に、図74を用いて、楽曲変更が可能な期間と音量変更が可能な期間について説明する。図74は、楽曲変更が可能である場合における表示装置32に表示される表示画面の一例である。なお、上述したスロットマシンの構成を基に例示するがぱちんこ遊技機にも適用可能である。
表示画面の左下には、現在設定されている楽曲名が表示される。ここでは、楽曲名「ABC」と共に、楽曲名であることを示す「♪」が表示され、『♪:ABC』と表示されることにより、現在の楽曲が「ABC」に設定されていることを示している。
表示画面において、楽曲名の表示の上方には、楽曲変更が可能であることを示す表示がされる。ここでは、サブ十字キースイッチ21の左スイッチ又は右スイッチを操作することで楽曲を変更であることを示すため、サブ十字キースイッチ21を模した画像の左スイッチ及び右スイッチの部分が黒塗りとなった画像が表示され、「で楽曲変更できます」の文字と共に表示されている(これらを合せて以降では「楽曲変更示唆画像」と称する))。
このとき、音量変更も可能であるが、表示画面において音量変更が可能であることを示す表示はされていない。なお、音量変更が可能であることを示す表示を行ってもよい。例えば、表示画面の右下にサブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチを操作することで音量を変更であることを示すため、十字ボタンの上スイッチ及び下スイッチが黒塗りとなった画像が表示され、「で音量変更できます」の文字と共に表示されてもよい。
なお、音量変更時には上スイッチ又は下スイッチの操作毎に操作音を出力するが、楽曲変更時は左スイッチ又は右スイッチの操作毎に操作音を出力しない。言い換えると、音量変更時の上スイッチ又は下スイッチの操作音を備えているが、楽曲変更時の左スイッチ又は右スイッチの操作音は備えていない。音量変更時の操作音は、上スイッチと下スイッチとで同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、音量毎に出力される音を備えていてもよい。
次に、図75を用いて、楽曲変更が可能な期間と音量変更が可能な期間について説明する。
まず、図75(a)を用いて楽曲変更が行われた場合について説明する。
初めに、t1のタイミングで楽曲変更が行われる。
t1のタイミングで楽曲変更が行われると、その後所定期間(例えば、2秒間)を経過するまでは再度の楽曲変更ができない期間となる。しかし、所定期間の経過前であっても音量変更は可能である。
次に、t2のタイミングで所定期間が経過する。
t2のタイミングで所定期間が経過すると、再度の楽曲変更が可能となる。なお、音量変更は所定期間経過後であっても勿論可能である。
次に、図75(b)を用いて音量変更が行われた場合について説明する。
初めに、t1のタイミング音量変更が行われる。
t1のタイミングで音量変更が行われた場合には、その後所定期間(例えば、2秒間)を経過する前であっても再度の楽量変更が可能である。音量変更が行われた後では、所定期間経過前であっても楽曲変更は可能である。
次に、t2のタイミングで所定期間が経過する。
t2のタイミングで所定期間が経過した後も再度の音量変更が可能であり、また、楽曲変更も可能である。
次に、図76を用いて、楽曲変更がされる場合の表示装置32に表示される表示画面の変化、楽曲変更が可/不可である期間及び音量変更が可/不可である期間について説明する。なお、上スイッチ又は下スイッチの操作により音量変更が可能である構成として説明する。
(a)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「ABC」が表示
3:楽曲変更が可
4:音量変更が可
である。
次に、右スイッチの操作が行われると、楽曲が変更されるとともに、所定期間(例えば、2秒間)が開始される。所定期間は、図75で説明した通り、再度の楽曲変更ができない期間となる。再度の楽曲変更ができない期間(所定期間)の所定のタイミングでは、楽曲が視聴可能である。つまり、所定期間経過前に楽曲が再生されて視聴可能となる。なお、楽曲によっては視聴可能になるまでの時間が所定期間よりも長くてもよい。
具体的には(b)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「DEF」が表示
3:楽曲変更が不可
4:音量変更が可
である。つまり(b)では、(a)から楽曲が変更され、所定期間内であるため再度の楽曲変更は不可となる。ただし、楽曲変更示唆画像は消去されることなく継続して表示される。
次に、所定期間が経過する前に右スイッチの操作が行われる。しかし、引き続き所定期間中であるため楽曲は変更されない。
具体的には(c)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「DEF」が表示
3:楽曲変更が不可
4:音量変更が可
である。つまり(c)では、(b)から時間が経過しているがこれらの状態に変化はない。
次に、上スイッチの操作が行われると、音量が1段階上昇し、表示画面に音量を示す画像(以降、「音量画像」と称する)が表示される。音量画像として音量が1段階上昇した画像が表示される。
具体的には(d)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「DEF」が表示
3:楽曲変更が不可
4:音量変更が可
5:音量画像(音量5)が表示
である。つまり(d)では、(c)から音量が変更されて、新たに音量画像が表示される。なお、音量画像の表示期間は任意に設定可能であり、所定期間より短い期間(例えば、2秒)であってもよいし、所定期間と同等程度の期間(例えば、2秒間)であってもよいし、所定期間よりも長い期間(例えば、3秒)であってもよい。
次に、所定期間が経過する。なお、サブ十字キースイッチ21の操作はされていない。
具体的には(e)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「DEF」が表示
3:楽曲変更が可
4:音量変更が可
である。つまり(e)では、(d)から音量画像が消去され、再度の楽曲変更が可能となる。
次に、右スイッチの操作が行われると、楽曲が変更されるとともに、再度、所定期間(例えば、2秒間)が開始される。
具体的には(f)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「GHI」が表示
3:楽曲変更が不可
4:音量変更が可能
である。つまり(f)では、(e)から楽曲が変更され、所定期間内であるため再度の楽曲変更は不可となる。
次に、下スイッチの操作が行われると、音量が1段階減少し、表示画面に音量画像が表示される。音量画像として音量が1段階減少した画像が表示される。
具体的には(g)のとき、
1:楽曲変更示唆画像が表示
2:楽曲名「GHI」が表示
3:楽曲変更が不可
4:音量変更が可
4:音量画像(音量4)が表示
である。つまり(g)では、(f)から音量が変更されて、表示画面に新たに音量画像が表示される。また、所定期間内であるため再度の楽曲変更は不可となる。
なお、サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチを操作することで音量を変更する際には、所定操作音を出力するように構成されており、サブ十字キースイッチ21の左スイッチ又は右スイッチを操作することで楽曲を変更する際には、所定操作音が出力されないように構成されている。
また、上述した遊技状態とは別の遊技状態であり、楽曲の変更ができないとき且つサブ十字キースイッチ21の左スイッチ又は右スイッチの操作が有効なときに、サブ十字キースイッチ21の左スイッチ又は右スイッチが有効に操作された場合には操作音を出力し得る構成であってもよい。例えば、メニュー画面の表示中に、サブ十字キースイッチ21の左スイッチ又は右スイッチの操作が有効であり、このときにサブ十字キースイッチ21の左スイッチ又は右スイッチが有効に操作された場合には特定操作音を出力する構成であってもよい。
また、サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチも同様に、上述した遊技状態とは別の遊技状態であり、音量の変更ができないとき且つサブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチの操作が有効なときに、サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチが有効に操作された場合には操作音を出力し得る構成であってもよい。例えば、メニュー画面の表示中等に操作が有効であり、このときにサブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチが有効に操作された場合には特定操作音又は特定操作音とは異なる特別操作音を出力する構成であってもよい。
<特徴1>
上述した例には、以下の特徴1がある。
・楽曲変更
楽曲変更(左スイッチ又は右スイッチの操作)があった後、所定期間経過後であれば左スイッチ又は右スイッチの操作があった場合に、楽曲変更ができる。
楽曲変更(左スイッチ又は右スイッチの操作)があった後、所定期間経過前であれば左スイッチ又は右スイッチの操作があった場合であっても、楽曲変更ができない。
・音量変更
音量変更(上スイッチ又は下スイッチの操作)があった後、所定期間経過後には上スイッチ又は下スイッチの操作があった場合に、音量変更ができる。
音量変更(上スイッチ又は下スイッチの操作)があった後、所定期間経過前でも上スイッチ又は下スイッチの操作があった場合に、音量変更ができる。
つまり、楽曲変更では、1度楽曲を変更すると、所定期間を経過するまで再度の変更ができないように構成されており、音量変更では、1度音量を変更した後、所定期間を経過する前であっても再度の変更ができるように構成されている。
このように、楽曲変更のスイッチの有効化タイミングと音量変更のスイッチの有効化タイミングとを異ならせることで、操作ミスを防ぐことができる。例えば、楽曲変更後に音量変更しようと思って上スイッチ又は下スイッチを押したつもりでも、左スイッチ又は右スイッチの操作が検出されて楽曲変更されてしまうことを防止することができる。
<特徴2>
上述した例には、以下の特徴2がある。
再度の楽曲の変更ができない期間(楽曲変更~所定時間経過まで)でも楽曲名が視認可能(出力可能)となっている。また、再度の楽曲変更ができない期間(所定期間)の所定のタイミングでは、楽曲の少なくとも一部が視聴可能である。
楽曲変更において、イントロ部分を視聴可能な時間を担保することで、楽曲のタイトルを視認するだけでなく楽曲を聞くことで遊技者の楽曲の選択性を向上させることができる。
<特徴3>
上述した例には、以下の特徴3がある。
音量変更時は上スイッチ又は下スイッチの操作毎に操作音を出力するが、楽曲変更時は左スイッチ又は右スイッチの操作毎に操作音を出力しない。
楽曲変更時に左スイッチ又は右スイッチの操作音(変更音)が出力されないため、楽曲の音を妨げないようにすることができる。音量変更時には、上スイッチ又は下スイッチの操作により変更された音量で操作音(変更音)を出力することで、遊技者は音量を調整しやすくなる。
<補足>
なお、一度楽曲を変更すると所定期間は再度の楽曲変更が不可となるが、表示画面では、楽曲変更示唆画像が継続して表示される。これにより、楽曲変更示唆画像が表示されたり消えたりする煩わしさを遊技者に与えることがなくなる。また、現在の遊技状態において、楽曲変更が可能であることを明確に示すことができる。
<<付加可能な構成>>
上述した例を、以下の各構成と共に備えることもできる。なお、以下の各構成は、阻害要因がなければ組み合わせて備えてもよい。
<付加構成1>
オート連打中(サブスイッチ20や演出ボタンP381を押しっぱなしにする)に第1エラーが発生した場合であってもオート連打は中断されることなく継続するが、第2エラーが発生した場合は中断される。
第1エラーは枠開放エラー、満タン検知エラーなどの重要度が比較的低い(第1エラー<第2エラー)エラーであり、第2エラーは磁気エラーなどの重要度が比較的高いエラーである。
<付加構成2>
オート連打中に音量変更を実行可能である。
つまり、オート連打中に音量変更が行われたとしてもオート連打は継続する。
<付加構成3>
オート連打中に音量変更が行われた場合、音量画像が表示され、連打検知に基づいて音量画像は消去されない。
つまり、オート連打によって音量画像が消去されることはなく、音量画像は予め定められた期間(例:2秒)を経過した後に消去される。
<付加構成4>
音量変更後であって音量画像が表示されている状況で、オート連打可能な演出が発生しても、音量画像の表示は継続し(非表示とならず)、更にその後にオート連打が開始しても音量画像の表示は継続する(非表示とならない)。
つまり、音量画像が表示されているときにオート連打可能な演出が発生することにより、また、オート連打が開始されたことにより、音量画像の表示が消去されることはない。音量画像は予め定められた期間(例:2秒)を経過した後に消去される。
<付加構成5>
音量画像は、ボタン画像やボタン押下(連打)に伴い発生する演出よりも、表示優先度が高い。
音量画像の表示優先度がボタン画像やボタン押下(連打)に伴い発生する演出の表示優先度よりも高いため、音量画像がボタン画像やボタン押下(連打)に伴い発生する演出と同時に表示されたとしても遊技者が音量画像を視認することができるため、遊技者は所望する音量に調整しやすくなる。
<付加構成6>
音量画像は、楽曲名の表示よりも表示優先度が高い。
音量画像の表示優先度が楽曲名の表示優先度よりも高いため、音量画像が楽曲名と同時に表示されたとしても遊技者が音量画像を視認することができるため、遊技者は所望する音量に調整しやすくなる。
<付加構成7>
演出ボタン(サブスイッチ20、演出ボタンP381)を複数回操作可能なボタン連打演出を備え、ボタン連打演出は変動(ゲーム)を跨ぐことなく実行される一方、音量変更は変動(ゲーム)を跨いで実行可能である。言い換えると、変動停止時(図柄固定時、次変動待機時)やリール全停止時にも音量変更が可能であり、変動停止時やリール全停止時に開始した音量調整を、変動開始後やリール回転開始後にも引き続き行うことができる。さらに言い換えると、変動停止時やリール全停止時に音量変更が可能であり、音量変更の際に音量画像が表示され、当該音量画像は、変動開始後やリール回転開始後にも引き続き表示され得る。
このように構成することで、変動停止時やリール全停止時に音量変更を行い、その後すぐに変動開始やリール回転開始させることで遊技中の音量を確認することができ、変動開始後やリール回転開始後にも音量変更が可能であるため、所望する音量でなければさらに音量変更することができるので、遊技中の音量を好みに合わせて適宜変更することができる。
<付加構成8>
演出ボタン(サブスイッチ20、演出ボタンP381)を複数回操作可能なボタン連打演出を備え、ボタン連打演出は大当り変動と大当り遊技、ボーナス等を報知する遊技とボーナス遊技とに跨って実行されることがない一方、音量変更(音量画面)は大当り変動と大当り遊技、ボーナス等を報知する遊技とボーナス遊技とに跨って実行可能である。
このように構成することで、大当り変動やボーナス等を報知する遊技において音量変更を行い、その後大当り遊技やボーナス遊技が開始したとしても、大当り遊技やボーナス遊技においても音量変更が可能であるため、所望する音量でなければすぐに音量変更することができ、遊技中の音量を好みに合わせて適宜変更することができる。
<付加構成9>
音量変更ボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチ、十字キーP383の左ボタン又は右ボタン)を押下したまま電源を立ち上げた(電源オン)としても音量変更は行われない。
このように構成することで、瞬電等により電源がオフになり電源断復帰した際に音量変更に用いるボタンが偶然押下されてしまっていた場合に、電源断復帰するとすぐに音量が変更されてしまうことを防止することができる。
<付加構成10>
演出ボタン(サブスイッチ20、演出ボタンP381)はオート連打が有効であるが、音量変更ボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチ、十字キーP383の左ボタン又は右ボタン)はオート連打が有効ではない。
ボタン連打演出ではオート連打を有効とすることで遊技者のボタン操作の手間を省くことができる一方、音量変更でオート連打を有効としてしまうと遊技者が意図しない音量に変更されてしまう虞がある。そのため、音量変更に際してはオート連打を有効としないことで、遊技者は1段階ずつ音量を確認することができ、意図せず急に大音量になること等を防止することができる。
なお、音量変更ボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチ、十字キーP383の左ボタン又は右ボタン)や、上述した楽曲変更するためのボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチ等)においても、オート連打を有効としてもよい。この場合、演出ボタンのオート連打の検出速度は、音量変更や楽曲変更のオート連打の検出速度よりも速く構成することが想定できる。演出ボタンのオート連打ではすばやく連打される検出速度とし、音量変更や楽曲変更は遊技者が意図するところに設定できる程度の速度とすることができる。
<付加構成11>
音量変更ボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチ、十字キーP383の左ボタン又は右ボタン)には、音量を上昇させる第1ボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ、十字キーP383の右ボタン)と音量を減少させる第2ボタン(サブ十字キースイッチ21の下スイッチ、十字キーP383の左ボタン)とを有し、いずれか一方のボタンの操作を継続しているときに他方のボタンの操作をした場合、当該他方のボタンの操作が有効である。
例えば、音量を上昇させるためのサブ十字キースイッチ21の上スイッチを押下中に音量を減少させるためのサブ十字キースイッチ21の下スイッチが押下された場合には、サブ十字キースイッチ21の下スイッチの押下は有効に検出されて音量が減少する。このように構成することで、遊技者の最新のボタン操作を有効に反映させることができる。
また、演出ボタン(サブスイッチ20、演出ボタンP381)の押下中であっても、音量変更ボタン(サブ十字キースイッチ21の上スイッチ又は下スイッチ、十字キーP383の左ボタン又は右ボタン)が押下された際には、音量変更ボタンの押下を有効として音量を変更するように構成することもできる。
<付加構成12>
特定操作により、音量変更を有効とするか無効とするかを設定可能な状態となる一方、特定操作により、光量変更を有効とするか無効とするかを設定可能な状態とならない。
例えば、演出ボタンP381を押下したまま電源投入した場合、電源投入後の設定キースイッチがオンとなった場合、電源投入後の設定キースイッチがオンとなった後にさらに所定のボタン(例えば、右ストップスイッチ)が押下された場合等により管理者メニューとなり、管理者メニューにおいて音量変更の有効/無効を設定することはできるが、遊技機の所定のランプの光量を調整するための光量変更の有効/無効を設定することはできない。
つまり、光量変更は常に有効であり、遊技者は自分の好みの光量にいつでも調整することができる。したがって、遊技者は自身の体質や体調等により光量を調整することで、自らてんかん等を防止することができる。
<付加構成13>
光量変更ボタンが押下された際には、演出の際に用いられるランプパターンとは異なる所定のランプパターンにて発光される。
光量変更ボタンは、音量変更ボタンと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
光量変更の際の所定のランプパターンは、特定の演出におけるランプパターンよりも点滅速度が遅いパターン、特定の演出におけるランプパターンよりもランプの点灯数が少ないパターン、単一の発光色によるパターン等である。これにより、遊技者は演出のランプパターンと光量変更のランプパターンとを区別することができるため光量変更が容易になる。
<<電源ライン>>
次に、図77乃至図82を参照して、スロットマシンとぱちんこ遊技機のそれぞれにおける、電源装置(電源基板)から主制御基板(「第1主制御基板」と称することもある)、副制御基板(演出制御基板)、払出制御基板(ホッパ44を制御するための基板を含む。「第2主制御基板」と称することもある。)等へ電源(電圧)を供給するための電源ラインについて説明する。
<スロットマシンの電源ラインの構成1>
初めに図77を用いて、スロットマシンの電源ライン(電源ハーネス)の構成1について説明する。
電源装置39から、主制御基板100、副制御基板1000、ホッパ44等へ電源(電圧)が供給される。
電源装置39と主制御基板100は電源ラインL1により接続され、電源装置39から電源ラインL1を介して主制御基板100へ電源が供給される。
電源装置39と副制御基板1000は電源ラインL2により接続され、電源装置39から電源ラインL2を介して副制御基板1000へ電源が供給される。
電源装置39とホッパ44は電源ラインL3により接続され、電源装置39から電源ラインL3を介してホッパ44へ電源が供給される。
ここで、電源ラインL1と電源ラインL2の長さを比較すると、電源ラインL1は電源ラインL2よりも短くなっている。これは、主制御基板100は遊技の進行を制御するための基板であるため、演出を制御するための副制御基板1000よりもノイズ等に強い構成とすることが求められるからである。電源ラインの長さが短いとその分ノイズが乗るリスクが減少するため、主制御基板100と接続する電源ラインL1と副制御基板1000と接続する電源ラインL2とを比較すると、電源ラインL1を短くするよう構成するのが好ましい。
また、電源ラインL1と電源ラインL2の太さを比較すると、電源ラインL1は電源ラインL2よりも細くなっている。長さによりノイズの乗るリスクが変化するのと同様に、太さによってもノイズが乗るリスクが変化するためである。電源ラインが細いとその分ノイズが乗るリスクが減少するため、主制御基板100と接続する電源ラインL1と副制御基板1000と接続する電源ラインL2とを比較すると、電源ラインL1を細くするよう構成するのが好ましい。
さらに、電源ラインL1と電源ラインL2と電源ラインL3の長さを比較すると、短い方から順に電源ラインL3、電源ラインL1、電源ラインL2となっている。ホッパ44はメダルの払い出しを行う遊技の進行に関係する装置であるため主制御基板100(主制御CPU)により制御される。そのため、電源ラインL3もなるべく短くなるように構成するのが好ましい。したがって、遊技の進行に関する機器(主制御基板100、ホッパ44等)へ電源を供給するための電源ラインL1及びL3は、単に演出を制御するための副制御基板1000へ電源を供給するための電源ラインL2よりも短く構成するのが好ましい。
また、電源装置39と主制御基板100、電源装置39と副制御基板1000、電源装置39とホッパ44は、他のCPUが搭載された基板(以降、CPU搭載基板ともいう)を介することなく、電源ラインL1、電源ラインL2及び電源ラインL3により直接接続されている。
他のCPU搭載基板を経由する構成の場合、一部の電源ラインでノイズが発生した場合に、他のCPU搭載基板に影響が生じ、動作の不具合の要因となり得る。また、過電流等により基板に不具合が生じた場合には基板を交換する必要があるが、CPUのシリアル番号が管理されている基板(例えば、主制御基板)の交換手続きには手間と時間がかかる。遊技店ではこの交換手続きにかかる期間は営業することができないため、これは利益に直結する問題であり、なるべく早急かつ簡易に交換できる、又は、これらの手間が必要ではない構成が好ましい。
したがって、このように電源装置39とCPU搭載基板は直接接続するよう構成し、他のCPU搭載基板を経由しない構成が望ましい。なお、電源装置39とCPU搭載基板との間に別のCPU搭載基板を設ける構成としても遊技機の構成として問題はない。
<ぱちんこ遊技機の電源ラインの構成1>
ぱちんこ遊技機の電源ラインの構成1として、上述したスロットマシンの電源ラインの構成1とほぼ同様の構成とすることができる。以降に図78を参照してぱちんこ遊技機の電源ラインの構成1について説明する。
電源基板P44から、主制御基板40、演出制御基板P41、払出制御基板P43等へ電源(電圧)が供給される。
電源装置P44と主制御基板P40は電源ラインL1により接続され、電源装置39から電源ラインL1を介して主制御基板40へ電源が供給される。
電源装置P44と演出制御基板P41は電源ラインL2により接続され、電源装置39から電源ラインL2を介して演出制御基板P41へ電源が供給される。
電源装置P44と払出制御基板P43は電源ラインL3により接続され、電源装置39から電源ラインL3を介して払出制御基板P43へ電源が供給される。
ここで、電源ラインL1と電源ラインL2の長さを比較すると、電源ラインL1は電源ラインL2よりも短く構成される。これは、主制御基板P40は遊技の進行を制御するための基板であるため、演出を制御するための演出制御基板P41よりもノイズ等に強い構成とすることが求められるからである。電源ラインの長さが短いとその分ノイズが乗るリスクが減少するため、主制御基板P40と接続する電源ラインL1と演出制御基板P41と接続する電源ラインL2とを比較すると、電源ラインL1を短くするよう構成するのが好ましい。
また、電源ラインL1と電源ラインL2の太さを比較すると、電源ラインL1は電源ラインL2よりも細く構成される。長さによりノイズの乗るリスクが変化するのと同様に、太さによってもノイズが乗るリスクが変化するためである。電源ラインが細いとその分ノイズが乗るリスクが減少するため、主制御基板P40と接続する電源ラインL1と演出制御基板P41と接続する電源ラインL2とを比較すると、電源ラインL1を細くするよう構成するのが好ましい。
さらに、電源ラインL1と電源ラインL2と電源ラインL3の長さを比較すると、短い方から順に電源ラインL3、電源ラインL1、電源ラインL2となる。払出制御基板P43は遊技球の払い出し制御するため遊技の進行に関係する。そのため、電源ラインL3もなるべく短くなるように構成するのが好ましい。したがって、遊技の進行に関する機器(主制御基板P40、払出制御基板P43)へ電源を供給するための電源ラインL1及びL3は、単に演出を制御するための演出制御基板P41へ電源を供給するための電源ラインL2よりも短く構成するのが好ましい。
また、電源装置P44と主制御基板P40、電源装置39と演出制御基板P41、電源装置39と払出制御基板P43は、他のCPUが搭載された基板(CPU搭載基板)を介することなく、電源ラインL1、電源ラインL2及び電源ラインL3により直接接続される。理由についてはスロットマシンの電源ラインの構成1で説明したものと同様であるため省略する。また、電源装置P44とCPU搭載基板との間に別のCPU搭載基板を設ける構成としても遊技機の構成として問題はないことも同様である。
<スロットマシンの電源ラインの構成2>
次に図79を用いて、スロットマシンの電源ライン(電源ハーネス)の構成2について説明する。
電源装置39と主制御基板100が接続され、電源装置39と副制御基板1000が接続されるが、電源装置39と主制御基板100との間及び電源装置39と副制御基板1000の間には、中継基板500が設けられる。中継基板500は、電源を主制御基板100と副制御基板1000へ分散するために設けられており、CPUは搭載されていない。
つまり、電源装置39と主制御基板100は中継基板500を介して接続され、電源装置39と副制御基板1000も中継基板500を介して接続されており、電源装置39と中継基板500が電源ラインL0により接続され、中継基板500と主制御基板100が電源ラインL1により接続されることで電源が電源装置39から主制御基板100へ供給され、中継基板500と副制御基板1000が電源ラインL2により接続されることで電源が電源装置39から副制御基板1000へ供給される。なお、電源装置39からホッパ44への電源の供給はスロットマシンの電源ラインの構成1と同様であるため説明を省略する。
ここで、電源ラインL1と電源ラインL2の長さを比較すると、スロットマシンの電源ラインの構成1と同様に電源ラインL1は電源ラインL2よりも短く構成される。
また、太さについてもスロットマシンの電源ラインの構成1と同様に電源ラインL1は電源ラインL2よりも細く構成される。
中継基板500は、キャビネットPS3に設けられ、主制御基板100の近傍に設けられる。このように構成することにより、電源ラインL1の長さを短くすることができる。
<ぱちんこ遊技機の電源ラインの構成2>
ぱちんこ遊技機の電源ラインの構成2として、上述したスロットマシンの電源ラインの構成2とほぼ同様の構成とすることができる。以降に図80を参照してぱちんこ遊技機の電源ラインの構成2について説明する。
電源基板P44と主制御基板P40が接続され、電源基板P44と演出制御基板P41が接続されるが、電源基板P44と主制御基板P40との間及び電源基板P44と演出制御基板P41との間には、中継基板P45が設けられる。中継基板P45は、電源を主制御基板P40と演出制御基板P41へ分散するために設けられており、CPUは搭載されていない。
つまり、電源基板P44と主制御基板P40は中継基板P45を介して接続され、電源基板P44と副制御基板P41も中継基板45を介して接続されており、電源基板P44と中継基板P45が電源ラインL0により接続され、中継基板P45と主制御基板P40が電源ラインL1により接続されることで電源が電源基板P44から主制御基板P40へ供給され、中継基板P45と副制御基板P41が電源ラインL2により接続されることで電源が電源基板P44から副制御基板P41へ供給される。なお、電源基板P44から払出制御基板P43への電源の供給はぱちんこ遊技機の電源ラインの構成1と同様であるため説明を省略する。
ここで、電源ラインL1と電源ラインL2の長さを比較すると、スロットマシンの電源ラインの構成2と同様に電源ラインL1は電源ラインL2よりも短くなっている。
また、太さについてもスロットマシンの電源ラインの構成2と同様に電源ラインL1は電源ラインL2よりも細くなっている。
中継基板P45は、主制御基板P40の近傍に設けられる。このように構成することにより、電源ラインL1の長さを短くすることができる。
<スロットマシンの電源ラインの構成3>
次に図81を用いて、スロットマシンの電源ライン(電源ハーネス)の構成3について説明する。
スロットマシンの電源ラインの構成3では、電源ラインL1と電源ラインL2とがチューブTにより一纏めに束ねられている。また、電源装置39とホッパ44を制御するための払出制御基板200とが電源ラインL3により接続されている。なお、払出制御基板200は、ホッパ44の背面側に設けられている。
このように構成した場合であっても、一部の電源ラインが過電流で燃えた際のリスクを分散することができる。具体的には、主制御基板100に関する電源ラインL1と、払出制御基板200に関する電源ラインL3とを別にすることで、それぞれ他方の電源ラインの事故に巻き込まれないようにすることができる。
<ぱちんこ遊技機の電源ラインの構成3>
次に、図82を用いて、ぱちんこ遊技機の電源ライン(電源ハーネス)の構成3について説明する。
ぱちんこ遊技機の電源ラインの構成3では、電源基板P44と主制御基板P40が電源ラインL1で接続されており、主制御基板P40と演出制御基板P41が電源ラインを含むライン群LGで接続されている。なお、電源基板P44と払出制御基板P43が電源ラインL3で接続されている。
つまり、電源が、主制御基板P44へは、電源基板P44→主制御基板P40のルートで供給され、演出制御基板P41へは、電源基板P44→主制御基板P40→演出制御基板P41のルートで供給される。払出制御基板P43へは、電源基板P44→払出制御基板P43のルートで供給される。
このように、主制御基板P41に関する電源ラインL1と、払出制御基板P43に関する電源ラインL3とを別にすることで、それぞれ他方の電源ラインの事故に巻き込まれないようにすることができる。
また、主制御基板P40と演出制御基板P41が電源ライン(電源ハーネス)を含むライン群LGで接続されているが、ライン群LGには主制御基板から演出制御基板P41へ制御信号(コマンド)を送信するための信号線(信号線ハーネス)が含まれている。
電源ハーネスと信号線ハーネスは同じ太さで構成されている。遊技機における不正行為として所謂ぶら下げゴトがある。このぶら下げゴトでは、電源ラインから電源を抜き取ることで動作するように構成されている。そのため、ライン群LGの電源ハーネスと信号線ハーネスの見分けを困難にしておくことで有効なゴト対策となる。
<その他の構成>
<付加構成1>
各基板には過電流対策が施されている。特に、遊技の進行に関する主な制御を行う主制御基板(100、P40)では、他の基板(例えば、副制御基板1000(演出制御基板P41)、払出制御基板P43)よりも多くの対策がなされており、過電流対策回路や対策部品が多く導入されている。
例えば、主制御基板には他の基板と比較して、コンデンサが多く搭載されている、大容量のコンデンサが搭載されている、ヒューズが多く搭載されている等である。
一般的に、主制御基板に供給される電圧は、副制御基板(演出制御基板)に供給される電圧よりも低電圧である。それにも関わらず、主制御基板における過電流対策は、副制御基板(演出制御基板)よりも強固に施されている。
上述したように、主制御基板の交換手続きには特に手間と時間を要する。そのため、主制御基板では、故障が生じにくいように多くの対策が施されている。
<付加構成2>
次に、ぱちんこ遊技機に適用可能な電源ケーブルの構成1について図82を用いて説明する。
電源ケーブルECの電源プラグが一般的な電源コンセントに挿入されることで、電源基板P44へ電流が供給され、電源基板P44にて所定の電圧へと変換される。
図82に示すように、電源ケーブルECは、電源基板P44を起点として、電源基板P44の下方からヒンジ機構側へ延び、ヒンジ機構側の所定の位置から略鉛直上向きに延び、球タンクと略水平である位置に到達するように備えられる。
このように、鍵により外枠P1と前枠P2の施錠が解除された際に開放される側とは反対側に電源ケーブルECが備えられるため、開放される側から不正行為を行うことが困難になる。
これにより、電源ケーブルECに不正行為を行うことで電源断を発生させるようなゴト行為を行いにくくすることができる。電源断から復帰する際に設定変更が可能であるため、不正な電源断を防止することは重要なゴト対策である。
<付加構成3>
さらに、電源ケーブルECは、球タンクと略水平の位置で固定具(樹脂製又はナイロン製のクランプ等)により固定され、電源プラグを備える電源ケーブルのECの先端部が後方側へ延出するように設けられる。
遊技機の電源プラグは、遊技店の所謂島設備の上部に設けられたコンセントに挿入される。そのため、電源プラグがコンセントから抜けた場合に、球タンクに落下して球詰まりを起こす可能性がある。
上述の構成とすることで、電源プラグがコンセントから抜けた場合に、電源プラグが固定具による固定位置から後方側へ向かって落下しやすくなり、球タンクに落下し難くすることができる。
つまり、電源プラグがコンセントから抜けた場合であっても玉詰まりが発生しにくくなる。
本明細書では遊技機として、回胴式遊技機(スロットマシン)及びパチンコ遊技機の構成を主に例示したが、パロット、カジノマシン等の様々な遊技機にも適用できる。
以上、本発明を説明するために記載した各技術内容は、適宜組み合わせることができる。
PS1 :スロットマシン
PS2 :フロントパネル
PS3 :キャビネット
S :スピーカ
100 :主制御基板
1000 :副制御基板
4 :表示窓
5 :下部パネル
6 :リールユニット
7 :リールベース
8a :左リール
8b :中リール
8c :右リール
11 :操作パネル
12 :スタートスイッチ
13 :ストップスイッチ
13a :左ストップスイッチ
13b :中ストップスイッチ
13c :右ストップスイッチ
17 :メダル投入口
18 :MAXベットスイッチ
19 :1ベットスイッチ
20 :サブスイッチ
21 :サブ十字キースイッチ
22 :イジェクトスイッチ
24 :操作指示ランプ
24a :左操作指示ランプ
24b :中操作指示ランプ
24c :右操作指示ランプ
25 :ベット数表示ランプ
25a :1ベットランプ
25b :2ベットランプ
25c :3ベットランプ
26 :クレジット数表示器
26a :セグメント表示器
26b :セグメント表示器
27 :獲得枚数表示器
27a :セグメント表示器
27b :セグメント表示器
28 :受け皿
29 :タバコ用灰皿
30 :シール収容部
32 :表示装置
34 :メダルセレクタ
37 :設定キースイッチ
38 :設定スイッチ
39 :電源装置
40 :電源スイッチ
44 :ホッパ
45 :メダル払出口
46 :補助タンク
47 :外部出力端子板
P :ぱちんこ遊技機
P1 :外枠
P2 :前枠
P3 :ガラス枠
P4 :裏セットユニット
P5 :遊技盤
P40 :主制御基板
P41 :演出制御基板
P42 :画像制御基板
P43 :払出制御基板
P44 :電源基板
P47 :電源スイッチ
P48 :ラムクリアスイッチ
P49 :設定キースイッチ
P50 :主制御表示装置
P51 :第1特別図柄表示装置
P52 :第2特別図柄表示装置
P80 :演出表示装置
P81 :演出操作手段(P380 演出操作ユニット、P381 演出ボタン、 P382 レバー、 P383 十字キー)
P82 :演出ランプ(P350 枠ランプ、 P550 盤ランプ)
P83 :スピーカ(P141 幕板スピーカ,P371 上スピーカ)
P560 :演出役物
P710 :第1始動入賞装置
P720 :第2始動入賞装置
P730 :一般入賞装置
P740 :普図作動ゲート装置
P750 :大入賞口装置
P755 :特別電動役物
P770 :普通電動役物

Claims (1)

  1. 演出を表示する表示装置と、
    遊技の進行の制御を行う主制御手段と、
    演出に関する制御を行う演出制御手段と
    を備え、
    所定の遊技状態へ移行し得る又は所定の遊技状態が継続することを示すための文字群が表示装置に表示され得る構成であって、
    主制御手段により所定の遊技状態へ移行すること又は特定の遊技状態が継続することが決定された場合において、演出制御手段により前記文字群の表示パターンが決定され、
    前記文字群の表示パターンの所定態様では、前記文字群を構成する各文字が複数色を有して表示される場合を備える
    遊技機。
JP2021012585A 2021-01-29 2021-01-29 遊技機 Pending JP2022116426A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021012585A JP2022116426A (ja) 2021-01-29 2021-01-29 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021012585A JP2022116426A (ja) 2021-01-29 2021-01-29 遊技機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022116426A true JP2022116426A (ja) 2022-08-10
JP2022116426A5 JP2022116426A5 (ja) 2023-10-26

Family

ID=82749831

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021012585A Pending JP2022116426A (ja) 2021-01-29 2021-01-29 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022116426A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7299508B2 (ja) 遊技機
JP2022050720A (ja) 遊技機
JP2022116426A (ja) 遊技機
JP2022116448A (ja) 遊技機
JP2022116449A (ja) 遊技機
JP2022116447A (ja) 遊技機
JP2022116450A (ja) 遊技機
JP2022116444A (ja) 遊技機
JP2022116451A (ja) 遊技機
JP2022116446A (ja) 遊技機
JP2022116445A (ja) 遊技機
JP7239843B2 (ja) 遊技機
JP7299507B2 (ja) 遊技機
JP7299506B2 (ja) 遊技機
JP7174280B2 (ja) 遊技機
JP7174279B2 (ja) 遊技機
JP7299505B2 (ja) 遊技機
JP7266173B2 (ja) 遊技機
JP2022115113A (ja) 遊技機
JP2022127970A (ja) 遊技機
JP2022127969A (ja) 遊技機
JP2022127968A (ja) 遊技機
JP2022127972A (ja) 遊技機
JP2022115115A (ja) 遊技機
JP2022127971A (ja) 遊技機

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231018

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231109

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20231110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240426

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240528