JP2022114656A - 圧力センサ及び位置検出装置 - Google Patents

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規之 望月
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Abstract

Figure 2022114656000001
【課題】複数の圧力印加位置の中から実際に外力が印加された位置を精度良く特定できるようにする。
【解決手段】基板と、下部電極と、下部電極の上に圧電体が形成されている第1圧電体層と、第1圧電体層の上に形成されている中間電極と、中間電極の上に第1圧電体層とは異なる厚さを有する圧電体が形成されている第2圧電体層と、第2圧電体層の上に形成されている上部電極と、上部電極の上に形成されている圧力印加部と、下部電極及び中間電極から出力された第1検出信号と、中間電極及び上部電極から出力された第2検出信号とを受け取る信号受信部と、第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、圧力印加部に加わった外力の大きさを特定する外力特定部とを備え、第1圧電体層及び第2圧電体層の少なくとも一方は、厚さが一定の圧電体が形成されている、圧力センサ。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧力センサ及び位置検出装置に関する。
従来、圧電体を2つの電極で挟み、圧電体を歪ませるように外力を印加することで、2つの電極間に電圧を発生させる圧電効果を用いたセンサ素子が知られている。そして、このようなセンサ素子を複数並べることにより、外力が印加された位置を検出する位置検出装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2018-163531号公報
このような位置検出装置は、検出したい位置ごとにセンサ素子を配置していた。この場合、検出したい位置の増加に伴ってセンサ素子の数が増加するので、位置検出装置が複雑になってしまうという問題が生じていた。
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、複数のセンサ素子を配置することなく、複数の圧力印加位置の中から実際に外力が印加された位置を精度良く特定できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様においては、基板と、基板の上に形成されている下部電極と、前記下部電極の上に圧電体が形成されている第1圧電体層と、前記第1圧電体層の上に形成されている中間電極と、前記中間電極の上に前記第1圧電体層とは異なる厚さを有する圧電体が形成されている第2圧電体層と、前記第2圧電体層の上に形成されている上部電極と、前記上部電極の上に形成されており、外部から圧力が印加される圧力印加部と、前記下部電極及び前記中間電極から出力された第1検出信号と、前記中間電極及び前記上部電極から出力された第2検出信号とを受け取る信号受信部と、前記信号受信部が受信した前記第1検出信号及び前記第2検出信号に基づいて、前記圧力印加部に加わった外力の大きさを特定する外力特定部とを備え、前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層の少なくとも一方は、厚さが一定の圧電体が形成されている、圧力センサを提供する。
前記外力特定部は、前記第1検出信号を基準信号として前記第2検出信号を正規化するか、又は、前記第2検出信号を基準信号として前記第1検出信号を正規化することにより、前記圧力印加部に加わった外力を正規化した大きさを特定してもよい。
前記圧力印加部は、前記上部電極の上に複数形成されており、前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層の一方は、前記基準信号を生成するための基準圧電体層として圧電体の厚さが一定に形成されており、前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層の前記基準圧電体層とは異なる他方は、検出用圧電体層として形成されており、前記検出用圧電体層は、前記基板と平行な面において、単位面積あたりの圧電体の体積が前記圧力印加部の位置によって異なるように圧電体が形成されており、前記信号受信部は、複数の前記圧力印加部のうち外力が加わった前記圧力印加部に基づいて発生した前記第1検出信号及び前記第2検出信号を受け取ってもよい。
前記検出用圧電体層の厚さは、前記圧力印加部の位置によって異なってもよい。前記検出用圧電体層は、前記基板と平行な面における前記圧力印加部に対応する領域内の面積が、前記圧力印加部の位置によって異なってもよい。
前記検出用圧電体層は、複数の前記圧力印加部に対応する複数の圧電体領域を有しており、複数の前記圧電体領域のそれぞれと他の圧電体領域との間に、圧電体が形成されていない隙間領域が設けられていてもよい。
前記検出用圧電体層には、圧電体が形成されていない複数の空隙部が形成されており、第1圧力印加部に対応する前記検出用圧電体層の第1圧電体領域が有する前記空隙部の体積は、前記第1圧力印加部とは異なる第2圧力印加部に対応する前記検出用圧電体層の第2圧電体領域が有する前記空隙部の体積とは異なっていてもよい。
本発明の第2の態様においては、第1の態様の前記圧力センサと、前記基板と平行な面における複数の前記圧力印加部の位置と、当該圧力印加部に圧力がそれぞれ印加された場合に検出される外力の大きさの基準値とが関連付けられた圧力印加部データを記憶する記憶部と、前記外力特定部が特定した外力の大きさと前記圧力印加部データとに基づいて、外力が加わった前記圧力印加部の位置を特定する位置特定部とを備える、位置検出装置を提供する。
本発明によれば、複数のセンサ素子を配置することなく、複数の圧力印加位置の中から実際に外力が印加された位置を精度良く特定できるという効果を奏する。
比較対象の位置検出装置10の構成例を示す。 比較対象の位置検出装置100の第1構成例を示す。 比較対象の位置検出装置100の第2構成例を示す。 本実施形態に係る位置検出装置100の第1構成例を示す。 本実施形態に係る位置検出装置100の第2構成例を示す。
<比較対象の位置検出装置10の構成例>
図1は、比較対象の位置検出装置10の構成例を示す。本実施形態において、直交する3つの軸をX軸、Y軸、Z軸として示す。位置検出装置10は、圧力センサ20と信号処理部30とを備える。圧力センサ20は、圧力印加部40と、基板50と、センサ素子60と、下地層70と、保護膜80と、配線90とを有する。
圧力印加部40は、位置検出装置10に複数設けられており、外部から圧力が印加される。図1は、第1圧力印加部40A、第2圧力印加部40B、および第3圧力印加部40Cの3つの圧力印加部40が位置検出装置10に設けられている例を示す。圧力印加部40は、例えば、ユーザ等の操作によって圧力が印加される。一例として、圧力印加部40は、ユーザの指先によって押圧される。圧力印加部40は、例えば、押ボタン、キーボタンの形状に形成されている。これに代えて、複数の圧力印加部40は、弾性を有する板状又はフィルム状の部材の上面に印刷等によって区分けされている複数の領域であってもよい。圧力印加部40は、例えば、不図示の筐体等に取り付けられている。
基板50は、XY面と略平行な面を有し、当該面上にセンサ素子60等の部材が形成されている。基板50は、位置検出装置10の強度を保つための部材であることが望ましい。基板50は、例えば、屈曲させることが可能な材料で形成されている。この場合、基板50は、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、PET(ポリエチレンテレフタラート)フィルム、フレキシブル基板等である。
センサ素子60は、基板50の上に複数形成されている。なお、センサ素子60は、基板50の上面に形成されている下地層70の上面に形成されていてもよい。下地層70は、一例として、架橋PVP(ポリビニルピロリドン)膜である。センサ素子60は、外部から加わった圧力を検出する。1つのセンサ素子60は、1つの圧力印加部40に対応して設けられており、1つの圧力印加部40が押圧されたことを検出できるように配置されている。図1は、3つの圧力印加部40に対応して、3つのセンサ素子60が基板50の上に形成されている例を示す。センサ素子60は、下部電極62、上部電極64、及び圧電体層66を有する。
下部電極62及び上部電極64は、導電性の材料で形成されている。下部電極62及び上部電極64は、金属の材料を含むことが望ましい。下部電極62及び上部電極64は、圧電体層66を挟んで形成されている。
圧電体層66は、下部電極62の上面に圧電体が形成されている部位である。圧電体は、圧電効果を有する強誘電体性を有する材料である。圧電体は、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のポリマー、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスである。
保護膜80は、複数のセンサ素子60を覆うように形成されている。保護膜80は、樹脂等である。保護膜80は、例えば、パリレン等のポリマーである。なお、圧力印加部40は、保護膜80の上に設けられている。圧力印加部40は、押圧されていない状態において、保護膜80と接触するように設けられていてもよく、これに代えて、保護膜80との間には空隙があるように設けられていてもよい。
配線90は、センサ素子60の下部電極62及び上部電極64と信号処理部30とを電気的に接続する。配線90は、センサ素子60ごとに設けられている。信号処理部30は、センサ素子60から生じた電圧を検出して、複数のセンサ素子60のうち圧力が印加されたセンサ素子60を特定する。また、信号処理部30は、特定したセンサ素子60に対応する圧力印加部40を外力が印加された圧力印加部40として特定できる。
以上のように、圧力センサ20は、圧力印加部40が押圧されると、圧電体層66に圧力が加わるようにセンサ素子60が圧力印加部40の位置に対応して配置されている。そして、センサ素子60は、圧電効果により、圧電体層66に加わった圧力に応じた電圧を下部電極62及び上部電極64の間に生じさせる。
センサ素子60は、例えば、図1に示す検出波形の例のように、ユーザが指で圧力印加部40を押圧すると、定常状態の電圧よりも大きい電圧を発生させる。また、センサ素子60は、ユーザが指で圧力印加部40を押圧した状態から指を圧力印加部40から離すと、定常状態の電圧よりも小さい電圧を発生させる。信号処理部30は、例えば、このような検出波形の最大振幅値を検出することにより、圧力が印加されたセンサ素子60を特定する。
以上の位置検出装置10は、ユーザの操作入力を検出する入力デバイスとして機能することができる。位置検出装置10は、例えば、ユーザが指で第1圧力印加部40Aを押圧したことに応じて、センサ素子60Aが電圧を発生させる。したがって、信号処理部30は、センサ素子60Aに接続されている配線90から所定の電圧値が発生したことに応じて、センサ素子60Aに対応する位置の第1圧力印加部40Aが押圧されたことを検出できる。信号処理部30は、検出した圧力印加部40の情報を外部の回路、装置等に出力する。
これにより、位置検出装置10は、例えば、タッチパネル、テンキー、キーボード等の入力デバイスとして構成される。位置検出装置10は、圧電効果を利用しているので、静電容量を利用する入力デバイスと比較して、水滴や埃が介在しても誤検出を低減することができる。
このような位置検出装置10において、位置の検出分解能を向上させたい場合、入力可能な圧力印加部40の数を増加させたい場合等が生じることがある。この場合、圧力センサ20の圧力を検出したい位置ごとに、センサ素子60を配置しなければならない。しかしながら、センサ素子60を増加させることにより、センサ素子60の配置、配線90の配置、信号処理部30の回路等が複雑になってしまい、位置検出装置10を製造すること、保守、点検等が困難になってしまうことがあった。そこで、比較対象の位置検出装置100は、複数のセンサ素子60等を配置することなく、複数の圧力印加部40の中から実際に圧力が加わった圧力印加部40の位置を検出できるようにする。
<比較対象の位置検出装置100の第1構成例>
図2は、比較対象の位置検出装置100の第1構成例を示す。比較対象の位置検出装置100において、図1に示された比較対象の位置検出装置10の動作と略同一のものには同一の符号を付け、重複する説明を省略する。位置検出装置100は、圧力センサ110と信号処理部150とを備える。圧力センサ110は、圧力印加部40、基板50、下地層70、保護膜80、配線90、下部電極120、上部電極130、及び圧電体層140を有する。
下部電極120は、基板50の上に形成されている。図2は、下部電極120が下地層70の上面に形成されている例を示す。下部電極120は、一体に形成されていることが望ましい。上部電極130は、圧電体層140の上に形成されている。上部電極130は、圧電体層140の上面に形成されていることが望ましい。上部電極130は、一体に形成されていることが望ましい。下部電極120及び上部電極130は、導電性の材料で形成されている。
圧電体層140は、下部電極120の上に圧電体が形成されている部位である。圧電体層140は、下部電極120の上面に形成されていることが望ましい。圧電体は、圧電効果を有する強誘電体性を有する材料である。圧電体は、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)等のポリマー、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電セラミックスである。
以上のように、比較対象の位置検出装置100は、比較対象の位置検出装置10の複数のセンサ素子60の代わりに、下部電極120、上部電極130、及び圧電体層140が形成されている。言い換えると、位置検出装置100は、共通の下部電極120と共通の上部電極130が圧電体層140を挟んで形成されている。そして、圧力印加部40が、保護膜80を介して上部電極130の上に形成されている。
圧電体層140は、基板50と略平行な面(XY面)において、単位面積あたりの圧電体の体積が圧力印加部40の位置によって異なるように圧電体が形成されている。図2は、圧電体層140の厚さが圧力印加部40の位置によって異なる例を示す。圧電体層140の圧電効果は、圧電体に同じ圧力が加わっても、圧力が加わった圧電体の体積に応じて、発生させる電圧が異なる。
例えば、第1圧力印加部40Aに外力が印加された場合に、第1圧力印加部40Aの直下の第1圧力印加部40Aに対応して圧力が加わる圧電体層140の一部を第1圧電体領域141とする。また、第2圧力印加部40Bに外力が印加され、第2圧力印加部40Bの直下の第2圧力印加部40Bに対応して圧力が加わる圧電体層140の一部を第2圧電体領域142とする。同様に、第3圧力印加部40Cに外力が印加された場合に圧力が加わる圧電体層140の一部を第3圧電体領域143とする。
図2の場合、第1圧電体領域141の基板50に垂直な方向(Z軸方向)の厚さは、第2圧電体領域142の厚さよりも薄く形成されているので、第1圧電体領域141の体積は、第2圧電体領域142の体積よりも小さい。同様に、第2圧電体領域142の体積は、第3圧電体領域143の体積よりも小さい。
圧電体の体積が大きければ大きいほど、圧電体から出力される電荷の量が増える。したがって、図2に示す構造を有する圧力センサ110の場合、ある大きさの外力が第1圧力印加部40A、第2圧力印加部40B及び第3圧力印加部40Cのそれぞれに印加された場合に圧電体層140が発生する電圧は、互いに異なっている。例えば、ある大きさの外力が第1圧力印加部40Aに加わって第1圧電体領域141から発生する電圧の大きさは、当該外力と略同一の大きさの外力が第2圧力印加部40Bに加わって第2圧電体領域142から発生する電圧の大きさよりも小さい。したがって、共通の下部電極120及び上部電極130に発生する電圧の値を検出することにより、どこの圧力印加部40に外力が印加したかを判断することができる。
配線90は、このように下部電極120及び上部電極130に発生する電圧を検出信号として信号処理部150に伝送する。信号処理部150は、圧力センサ110から出力された検出信号の波形(例えば振幅)に基づいて、外力が加わった圧力印加部40を特定する。信号処理部150は、信号受信部160と、特定部170と、記憶部180とを有する。
信号受信部160は、上部電極130及び下部電極120から出力される検出信号を受け取る。信号受信部160は、例えば、増幅回路、A/D変換回路等を含み、受信した検出信号をデジタル信号に変換する。信号受信部160は、変換したデジタル信号を特定部170に供給する。
特定部170は、信号受信部160が受信した検出信号と圧力印加部データとに基づいて、外力が加わった圧力印加部40の位置を特定する。圧力印加部データは、基板50と平行な面における複数の圧力印加部40の位置と、当該圧力印加部40に圧力がそれぞれ印加された場合の検出信号の基準値とが関連付けられたデータである。
例えば、第1圧力印加部40Aを指で押圧して第1圧電体領域141から発生する電圧の最大振幅値の平均値をV1ave、誤差の許容値をΔVとする。この場合、第1圧力印加部40Aに対応する検出信号の基準値ST1は、平均値から誤差の許容値を差し引いた値(V1ave-ΔV)である。同様に、第2圧力印加部40Bに対応する検出信号の基準値ST2は、第2圧力印加部40Bを指で押圧して第2圧電体領域142から発生する電圧の最大振幅値の平均値から誤差の許容値を差し引いた値(V2ave-ΔV)である。また、第3圧力印加部40Cに対応する検出信号の基準値ST3も同様にV3ave-ΔVである。
この場合、特定部170は、例えば、検出信号の最大振幅値が基準値ST2よりも小さく、かつ、基準値ST1以上となったことに応じて、外力が加わった圧力印加部40が第1圧力印加部40Aであることを特定する。同様に、特定部170は、検出信号の最大振幅値が基準値ST3よりも小さく、かつ、基準値ST2以上となったことに応じて、外力が加わった圧力印加部40が第2圧力印加部40Bであることを特定する。また、特定部170は、検出信号の最大振幅値が基準値ST3以上となったことに応じて、外力が加わった圧力印加部40が第3圧力印加部40Cであることを特定してもよい。
これに代えて、検出信号の基準値は、1つの圧力印加部40に対して、電圧値の範囲を示す2つの値が設定されていてもよい。例えば、第1圧力印加部40Aに対応する検出信号の基準値は、平均値から誤差の許容値を差し引いた値ST1m(V1ave-ΔV)と平均値に誤差の許容値を加算した値ST1p(V1ave+ΔV)である。
この場合、特定部170は、例えば、検出信号の最大振幅値が基準値ST1pよりも小さく、かつ、基準値ST1m以上となったことに応じて、外力が加わった圧力印加部40が第1圧力印加部40Aであることを特定する。特定部170は、このように統計的な手法により定められた基準値、又は、設計値等から定められた基準値等を用いることにより、外力が加わった圧力印加部40をより正確に特定することができる。
特定部170は、例えば、特定した外力の加わった位置の情報を外部の回路、装置等に供給する。また、特定部170は、特定した外力の加わった位置の情報を表示部等に表示してもよい。特定部170は、特定した外力の加わった位置の情報を記憶部180に記憶してもよい。このような特定部170は、例えば、CPU等である。
記憶部180は、複数の圧力印加部40の位置と検出信号の基準値とが関連付けられた圧力印加部データを記憶する。記憶部180は、特定部170が動作に用いる設定値、閾値、及びパラメータ等を記憶してもよい。記憶部180は、CPU等が少なくとも特定部170の一部として動作する場合、CPU等が実行するプログラムの情報を格納してもよい。また、記憶部180は、当該プログラムの実行時に参照されるデータベースを含む種々の情報を格納してもよい。
記憶部180は、一例として、BIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)、及び作業領域となるRAM(Random Access Memory)を含む。これにより、CPU等は、記憶部180に記憶されたプログラムを実行することによって特定部170として機能する。
以上のように、比較対象の圧力センサ110は、圧電体層140の圧電体の単位面積あたりの体積が圧力印加部40の位置によって異なっているので、外力が印加した場合に発生する検出信号の最大振幅値が圧力印加部40の位置に応じて異なる。したがって、位置検出装置100は、圧力センサ110の検出信号の最大振幅値と複数の基準値とを比較することにより、検出信号が発生した圧電体層140の領域に対応する圧力印加部40の位置を特定できる。
このような圧電体層140を有する圧力センサ110は、複数のセンサ素子60を設けることなく、圧電体層140を挟む共通の下部電極120及び上部電極130を用いた簡便な構成とすることができる。そして、位置検出装置100は、このような簡便な構成の圧力センサ110を用いることで、配線90の数を低減させることができる。また、位置検出装置100は、共通の下部電極120及び上部電極130から出力された検出信号をデジタル信号に変換してデジタル処理するだけで、複数の圧力印加部40の中から実際に外力が印加された圧力印加部40の位置を簡便に特定することができる。
以上の比較対象の圧力センサ110において、圧電体層140の厚さが圧力印加部40の位置によって異なる例を説明したが、これに限定されることはない。圧力センサ110においては、圧電体層140の圧電体の単位面積あたりの体積が圧力印加部40の位置によって異なっていればよく、圧電体層140は、基板50と平行な面における圧力印加部40に対応する領域内の面積が、圧力印加部40の位置によって異なるように形成されていてもよい。
例えば、基板50と平行な平面における平面視で、第1圧力印加部40Aに対応する第1圧電体領域141の面積は、第2圧力印加部40Bに対応する第2圧電体領域142の面積よりも小さくなるように形成されていてもよい。同様に、平面視で、第2圧力印加部40Bに対応する第2圧電体領域142の面積は、第3圧力印加部40Cに対応する第3圧電体領域143の面積よりも小さくなるように形成されていてもよい。
これにより、圧力印加部40の位置によって、圧電体層140の圧電体の単位面積あたりの体積を異ならせることができる。なお、基板50の垂直方向の圧電体層140の厚さは、略一定の厚さに形成されていてもよい。この場合、上部電極130及び下部電極120は、略一定の厚さの圧電体層140を挟んで略平行に形成される。このような上部電極130及び下部電極120は、階段状に形成する部分がないので、製造しやすく、また、段切れ等によって電気的な特性に悪影響を及ぼす欠陥を生じにくくすることができる。
なお、圧電体層140の複数の圧電体領域は、隙間等によって分離されて形成されてもよい。また、圧電体層140の複数の圧電体領域は、空隙等によって体積がそれぞれ異なるように形成されていてもよい。このような圧力センサ110aを有する位置検出装置100について、次に説明する。
<比較対象の位置検出装置100の第2構成例>
図3は、比較対象の位置検出装置100の第2構成例を示す。比較対象の第2構成例の圧力センサ110aが有する圧電体層140は、複数の圧力印加部40に対応する複数の圧電体領域を有しており、複数の圧電体領域のそれぞれと他の圧電体領域との間に、圧電体が形成されていない隙間領域144が設けられている例を示す。このように、複数の圧電体領域を分離することにより、1つの圧電体領域に圧力が加わった場合に、隣接する圧電体領域にも圧力が加わることを防止でき、検出信号の雑音成分を低減することができる。
また、圧電体層140には、圧電体が形成されていない複数の空隙部146が更に形成されている。そして、第1圧力印加部40Aに対応する圧電体層140の第1圧電体領域141が有する空隙部146の体積は、第1圧力印加部40Aとは異なる第2圧力印加部40Bに対応する圧電体層140の第2圧電体領域142が有する空隙部146の体積とは異なるように圧電体層140が形成されている。
これにより、圧電体の単位面積あたりの体積が圧力印加部40の位置によって異なるように圧電体層140を形成することができる。また、圧電体の厚さを略一定にすることができ、上部電極130及び下部電極120を、一定の厚さの圧電体層140を挟んで平行に形成することもできる。このような隙間領域144、空隙部146等は、例えば、エッチング等によって容易に形成することができる。したがって、比較対象の第2構成例の位置検出装置100も、簡便に製造することができ、また、複数のセンサ素子を配置することなく、複数の圧力が印加される位置の中から実際に外力が印加された位置を特定することができる。
以上のように、比較対象の圧力センサ110は、外力が印加された圧力印加部40の位置に対応して最大振幅値が異なる検出信号を出力する。なお、圧力センサ110は、印加された外力の大きさが変わると、外力の大きさに応じて最大振幅値が異なる検出信号を出力する。したがって、以上の圧力センサ110は、印加される外力の大きさが予め定められた範囲内であれば、外力が加わった圧力印加部40を正確に特定できるセンサである。
例えば、第1圧力印加部40Aに通常よりも大きな外力が印加した場合、圧力センサ110は、第2圧力印加部40Bに通常と同程度の大きさの外力が印加された場合に出力する検出信号の最大振幅値と同じ程度の最大振幅値の検出信号を出力することがある。この場合、特定部170は、外力が加わった圧力印加部40を第2圧力印加部40Bと特定してしまう。圧力センサ110において、このような外力の大きさによる検出精度の変動は、低減できることが望ましい。そこで、外力の大きさが変動しても、検出精度が低減できる圧力センサ110について次に説明する。
<位置検出装置100の第1構成例>
図4は、本実施形態に係る位置検出装置100の第1構成例を示す。第1構成例の位置検出装置100において、図2に示された比較対象の位置検出装置100の動作と略同一のものには同一の符号を付け、説明を省略する。第1構成例の位置検出装置100は、圧力センサ110が第1圧電体層210、中間電極220、及び第2圧電体層230を備え、特定部170が外力特定部240及び位置特定部250を備える。
第1圧電体層210は、下部電極120の上に圧電体が形成されている部位である。第1圧電体層210は、下部電極120の上面に形成されていることが望ましい。圧電体は、図2で説明した圧電体層140と同様の材料である。第1圧電体層210は、基準信号を生成するための基準圧電体層として形成されている。第1圧電体層210は、厚さが一定の圧電体が形成されている。第1圧電体層210の厚さは、予め定められた厚さに形成されていてもよい。
中間電極220は、第1圧電体層210の上に形成されている。中間電極220は、第1圧電体層210の上面に形成されていることが望ましい。中間電極220は、一体に形成されていることが望ましい。中間電極220は、例えば、下部電極120及び上部電極130と同様の材料で形成されている。
第2圧電体層230は、中間電極220の上に第1圧電体層210とは異なる厚さを有する圧電体が形成されている部位である。第2圧電体層230は、検出用圧電体層として形成されている。検出用圧電体層は、基板と平行な面において、単位面積あたりの圧電体の体積が圧力印加部40の位置によって異なるように圧電体が形成されている。言い換えると、第2圧電体層230は、図2で説明した圧電体層140と同様の部位である。
そして、上部電極130は、第2圧電体層230の上に形成されている。上部電極130は、第2圧電体層230の上面に形成されていることが望ましい。以上のように、第3構成例の圧力センサ110は、比較対象の第1構成例の圧力センサ110に厚さが一定の第1圧電体層210と中間電極220が加わった構成となっている。
信号受信部160は、下部電極120及び中間電極220から出力された第1検出信号と、中間電極220及び上部電極130から出力された第2検出信号とを受け取る。第1検出信号は、基準信号として用いられる。また、第2検出信号は、図2で説明した検出信号となる。
外力特定部240は、信号受信部160が受信した第1検出信号及び第2検出信号に基づいて、圧力印加部40に加わった外力の大きさを特定する。外力特定部240は、例えば、第1検出信号を基準信号として第2検出信号を正規化する。この場合、外力特定部240は、第2検出信号の最大振幅値を第1検出信号の最大振幅値で除算することにより、第2検出信号を正規化する。外力特定部240は、第2検出信号の実効値を第1検出信号の実効値で除算することにより、第2検出信号を正規化してもよい。
第2圧電体層230は、圧力印加部40の位置に応じて単位面積あたりの圧電体の体積が異なるため、上述のように、第2検出信号の振幅値は、外力が印加された圧力印加部40の位置に応じて異なる値となる。また、第2検出信号の振幅値は、印加された外力の大きさに応じて異なる値となる。
これに対し、第1圧電体層210は、圧電体の厚さが略一定なので、外力の大きさが略一定であれば当該外力が印加された圧力印加部40の位置が異なっていても、第1検出信号の振幅値は略一定の値となる。その一方で、第1検出信号の振幅値は、第2検出信号の振幅値と同様に、印加された外力の大きさに応じて異なる値となる。
例えば、第1圧力印加部40Aに大きさFの外力が印加された場合に圧力センサ110が出力する第1検出信号の最大振幅値をH11、第2検出信号の最大振幅値をH21とする。この場合、外力特定部240は、H21/H11を正規化した外力の大きさとする。
また、第1圧力印加部40Aに大きさn・Fの外力が印加された場合に圧力センサ110が出力する第1検出信号の最大振幅値をH1n、第2検出信号の最大振幅値をH2nとする。ここで、nは正の整数である。この場合、第1圧力印加部40Aに大きさFのn倍の大きさの外力が印加された例であり、第1検出信号の最大振幅値H1nは、n・H11と近似でき、第2検出信号の最大振幅値H2nは、n・H21と近似できる。したがって、外力特定部240は、正規化した外力の大きさとしてH21/H11と略同一の値を算出できる。
このように、外力特定部240は、第1検出信号を用いて第2検出信号を正規化することにより、異なる大きさの外力が同一の圧力印加部40に印加された場合に、略同一の大きさの正規化した外力の大きさを特定することができる。したがって、外力特定部240は、圧力印加部40に印加された外力の大きさが異なっても、外力が印加された圧力印加部40の位置に対応する外力の正規化した大きさを特定できる。
第1構成例の記憶部180は、正規化した外力の大きさの基準値を記憶する。記憶部180は、例えば、基板と平行な面における複数の圧力印加部40の位置と、当該圧力印加部40に圧力がそれぞれ印加された場合に検出される外力の大きさの基準値とが関連付けられた圧力印加部データを記憶する。外力の大きさの基準値は、図2の例と同様に、予め特定した外力の正規化した大きさの平均値から誤差の許容値を差し引いた値でよく、これに代えて、平均値から誤差の許容値を差し引いた値と平均値に誤差の許容値を加算した値の組み合わせでもよい。また、外力の正規化した大きさの基準値は、設計値等から定められた値でもよい。
位置特定部250は、外力特定部240が特定した外力の大きさと記憶部180が記憶している圧力印加部データとに基づいて、外力が加わった圧力印加部40の位置を特定する。位置特定部250は、外力の正規化した大きさと基準値とを比較することにより、外力が印加された圧力印加部40の位置を特定する。位置特定部250は、例えば、外力の正規化した大きさが1組の基準値の範囲内であることに応じて、当該1組の基準値に対応する圧力印加部40の位置を特定する。
以上のように、本実施形態に係る外力特定部240が特定した外力の大きさは、圧力印加部40に印加された外力の大きさが変動しても、当該変動にはほとんど影響されることがないので、位置特定部250は、精度良く圧力印加部40の位置を特定できる。したがって、第1構成例の位置検出装置100は、複数のセンサ素子を配置することなく、複数の圧力印加部40の中から実際に外力が印加された位置を精度良く特定できる。
以上の第1構成例の位置検出装置100において、検出用の圧電体層である第2圧電体層230が図2で説明した圧電体層140と同様の部位である例を説明したが、これに限定されることはない。これに代えて、第2圧電体層230は、図3で説明した圧電体層140と同様の部位であってもよい。
<位置検出装置100の第2構成例>
図5は、本実施形態に係る位置検出装置100の第2構成例を示す。第2構成例の位置検出装置100は、圧力センサ110bの検出用圧電体層である第2圧電体層230が略一定の厚さに形成されている。この場合、検出用圧電体層は、基板50と平行な面における圧力印加部40に対応する領域内の面積が、圧力印加部40の位置によって異なっていてもよい。
また、検出用圧電体層は、複数の圧力印加部40に対応する複数の圧電体領域を有しており、複数の圧電体領域のそれぞれと他の圧電体領域との間に、圧電体が形成されていない隙間領域144が設けられていてもよい。更に、検出用圧電体層には、圧電体が形成されていない複数の空隙部146が形成されており、第1圧力印加部40Aに対応する検出用圧電体層の第1圧電体領域が有する空隙部146の体積は、第1圧力印加部40Aとは異なる第2圧力印加部40Bに対応する検出用圧電体層の第2圧電体領域が有する空隙部146の体積とは異なっていてもよい。
以上のように、検出用圧電体層である第2圧電体層230が略一定の厚さに形成されていても、圧力印加部40の位置に応じて単位面積あたりの圧電体の体積が異なるように形成することができる。これにより、第2構成例の位置検出装置100も、第1構成例の位置検出装置100と同様に、第1検出信号および第2検出信号を用いることで、外力が加わった圧力印加部40の位置を精度良く特定できる。
以上の第1構成例及び第2構成例の位置検出装置100において、検出用圧電体層が第2圧電体層230である例を説明したが、これに限定されることはない。検出用圧電体層は、第1圧電体層210であってもよい。この場合、第1圧電体層210は、図2又は図3で説明した圧電体層140と同様の構成を有する検出用圧電体層として形成されていてもよい。そして、第1圧電体層210の上に、中間電極220と、厚さが一定の圧電体が形成されている第2圧電体層230と、上部電極130とが、基準信号を生成するための基準圧電体層として設けられる。
この場合、第2検出信号が基準信号となるので、外力特定部240は、第2検出信号を基準信号として第1検出信号を正規化することにより、圧力印加部40に加わった外力の大きさを特定する。このように、第1構成例及び第2構成例の位置検出装置100において、第1圧電体層210の構成と第2圧電体層230の構成とを逆にした位置検出装置100であっても、同様に、複数の圧力印加部40の中から実際に外力が印加された位置を精度良く特定できる。
以上の第1構成例及び第2構成例の位置検出装置100において、外力特定部240が、第1検出信号及び第2検出信号のうちの一方を基準信号とし、第1検出信号及び第2検出信号のうちの他方を正規化することにより、外力の大きさを特定する例を説明したが、これに限定されることはない。外力特定部240は、例えば、第1検出信号及び第2検出信号の差分を算出することで、外力の大きさを特定してもよい。
例えば、第1圧力印加部40Aに大きさFの外力が印加された場合に圧力センサ110が出力する第1検出信号の最大振幅値をH11、第2検出信号の最大振幅値をH21とする。この場合、外力特定部240は、第1検出信号及び第2検出信号の差分を(H11-H21)と算出する。
そして、第1圧力印加部40Aに大きさF+ΔFの外力が印加された場合に圧力センサ110が出力する第1検出信号の最大振幅値をH11+ΔF・ΔH11、第2検出信号の最大振幅値をH21+ΔF・ΔH21とする。ΔH11及びΔH21は、印加した外力の大きさの変化ΔFに対応して振幅値が変化する値の割合を示す。この場合、外力特定部240は、第1検出信号及び第2検出信号の差分を(H11-H21)+ΔF・(ΔH11-ΔH21)と算出する。
外力が印加された圧力印加部40の位置に対応する第1圧電体層210の厚さと第2圧電体層230の厚さとの差が比較的小さい場合、(ΔH11-ΔH21)を零と近似することができる。このように、外力特定部240は、第1検出信号及び第2検出信号の差分を算出することにより、外力の大きさがFからF+ΔFに変化しても、当該外力が印加された圧力印加部40の位置に応じた略一定の値(ΔH11-ΔH21)を算出できる。
以上のように、外力特定部240は、一の圧力印加部40に外力F+ΔFが印加された場合の第1検出信号及び第2検出信号の差分を算出することにより、当該一の圧力印加部40に特定の大きさFの外力が印加された場合の第1検出信号及び第2検出信号の差分を特定できる。これにより、記憶部180は、基板と平行な面における複数の圧力印加部40の位置と、当該圧力印加部40に圧力がそれぞれ印加された場合に検出される第1検出信号及び第2検出信号の差分の基準値を記憶する。これにより、位置特定部250は、特定した第1検出信号及び第2検出信号の差分と基準値とを比較することにより、外力が印加された圧力印加部40の位置を特定できる。
以上の第1構成例及び第2構成例の位置検出装置100において、外力特定部240は、圧力印加部40に印加された外力が変化しても第1検出信号及び第2検出信号を用いて略一定の値を算出するように動作する例を説明したが、これに限定されることはない。これに代えて、又は、これに加えて、外力特定部240は、圧力印加部40に実際に印加された外力の大きさを特定してもよい。
ここで、第1圧電体層210を基準圧電体層とし、第2圧電体層230を検出用圧電体層とする。外力の基準値をFとし、基準外力Fが第1圧電体層210に印加された場合に、第1圧電体層210が出力する第1検出信号(基準信号)の最大振幅値がH10となる例を考える。記憶部180は、このような最大振幅値H10を基準振幅値として基準外力Fに関連付けて記憶する。なお、基準外力Fが第2圧電体層230に印加された場合に、第2圧電体層230が出力する第2検出信号の最大振幅値をH20とする。
そして、圧力印加部40に基準外力Fとは異なる外力Fが印加された場合に、第1圧電体層210が出力する基準信号の最大振幅値をH11とし、第2圧電体層230が出力する第2検出信号の最大振幅値をH21とする。この場合、外力特定部240は、記憶部180に記憶されている基準振幅値H10と最大振幅値がH11とを比較することにより、第1圧電体層210に実際に印加された外力の大きさを特定する。外力特定部240は、例えば、基準振幅値H10及び最大振幅値H11の比に、基準外力を乗じた、F・H11/H10を算出することにより、外力Fの大きさを特定できる。
このような外力Fの大きさは、第2圧電体層230に印加された外力の大きさと略同一になるので、F=F・H21/H20が成立する。したがって、外力特定部240は、H20=H21・F/F(=H10・H21/H11)を算出することにより、基準外力Fが第2圧電体層230に印加された場合に、第2圧電体層230が出力する第2検出信号の最大振幅値H20の大きさを特定できる。ここで、記憶部180は、図2で説明した様に、圧力印加部40の位置ごとに、このような最大振幅値H20を基準振幅値として基準外力Fに関連付けて記憶してもよい。これにより、位置特定部250は、第2検出信号から算出された基準振幅値H20に対応する圧力印加部40の位置を特定できる。
以上のように、第1構成例及び第2構成例の位置検出装置100は、検出用圧電体層に加えて基準圧電体層が設けられ、検出用圧電体層及び基準圧電体層から出力される2つの検出信号を用いることで、圧力印加部40の位置を精度良く特定できる。なお、圧力センサ110は、圧力印加部40の位置に対応して検出用圧電体層及び基準圧電体層が設けられているので、正常な圧力センサ110の場合、圧力印加部40に外力が印加されると外力の大きさに応じた振幅値の第1検出信号及び第2検出信号が出力される。
これに対して、検出用圧電体層及び基準圧電体層のうちの一方の圧電体層に圧電体の欠陥、劣化、電極の短絡、配線の断線等の異常が生じていることがある。この場合、圧力印加部40に外力が印加されても、異常が生じている圧電体層の検出信号の振幅値は、外力の大きさとはほとんど無関係な値になってしまう。したがって、外力特定部240は、第1検出信号と第2検出信号とを比較することにより、圧力センサ110の異常を検知することもできる。
外力特定部240は、例えば、第1検出信号の最大振幅値と第2検出信号の最大振幅値との比が、予め定められた値の範囲外になったことに応じて、圧力センサ110の異常を特定する。これにより、位置検出装置100は、圧力センサ110が正常か異常かを特定しつつ、外力が加わった圧力印加部40の位置を特定できる。このように、圧力センサ110が正常か否かを特定する位置検出装置100の場合、圧力センサ110は1つの圧力印加部40が設けられている構成であってもよい。この場合、位置検出装置100は、圧力センサ110が正常か異常かを特定しつつ、圧力印加部40に外力が加わったか否かを特定できる。
これに代えて、圧力センサ110は、図1に示す比較対象の位置検出装置10の圧力センサ110に中間電極220と基準圧電体層とが更に設けられている構成であってもよい。この場合、位置検出装置100は、圧力センサ110が正常か異常かを特定しつつ、圧力印加部40に外力が加わった位置を特定できる。なお、上述のように、図2及び図3の比較例を用いた位置検出装置100は、図1の比較例を用いた位置検出装置100と比較して、複数のセンサ素子60等を配置することなく、複数の圧力印加部40の中から実際に圧力が加わった圧力印加部40の位置を検出できる点で更に良い。
<第1構成例の圧力センサ110の製造方法>
第1構成例の圧力センサ110を製造する方法は任意であるが、例えば以下のように圧電体をスクリーン印刷する方法により製造することができる。第1圧電体領域141、第2圧電体領域142及び第3圧電体領域143の形状に対応する領域以外の領域をマスクしたマスクパターンを準備する。
下部電極120の上面に厚さが略一定の圧電体材料を印刷した後に、印刷した圧電体を焼結させる。このようにして形成した第1圧電体層210の上面に中間電極220を形成する。中間電極220にマスクパターンを載せた状態で、第1圧電体領域141、第2圧電体領域142及び第3圧電体領域143に圧電体を印刷した後に、印刷した圧電体を焼結させる。圧電体が所定の温度に下がった後に、第2圧電体領域142及び第3圧電体領域143に圧電体を印刷する。この際に印刷する圧電体の厚みは、例えば第1圧電体領域141に印刷した圧電体の厚みと同一とする。印刷した圧電体を焼結させ、圧電体が所定の温度に下がった後、第3圧電体領域143に圧電体を印刷する。そして、印刷した圧電体を焼結させる。このようにして形成した第2圧電体層230の上面に上部電極130を形成し、下部電極120、中間電極220、及び上部電極130に配線90を接続する。以上の手順により、位置によって第2圧電体層230の厚みが異なる圧力センサ110を製造することができる。
<第2構成例の圧力センサ110bの製造方法>
第2構成例の圧力センサ110bも、上述の製造方法と同様に、圧電体をスクリーン印刷する方法により製造することができる。この場合、マスクパターンにおける第1圧電体領域141、第2圧電体領域142及び第3圧電体領域143に対応する領域の形状が、図5における第1圧電体領域141、第2圧電体領域142及び第3圧電体領域143の形状に対応している。
下部電極120の上面に厚さが略一定の圧電体材料を印刷した後に、印刷した圧電体を焼結させる。このようにして形成した第1圧電体層210の上面に中間電極220を形成する。中間電極220にマスクパターンを載せた状態で、第1圧電体領域141、第2圧電体領域142及び第3圧電体領域143に圧電体を印刷して形成した第2圧電体層230に上部電極130を形成し、下部電極120、中間電極220、及び上部電極130に配線90を接続することで、圧力センサ110bを製造することができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
10 位置検出装置
20 圧力センサ
30 信号処理部
40 圧力印加部
50 基板
60 センサ素子
62 下部電極
64 上部電極
66 圧電体層
70 下地層
80 保護膜
90 配線
100 位置検出装置
110 圧力センサ
120 下部電極
130 上部電極
140 圧電体層
141 第1圧電体領域
142 第2圧電体領域
143 第3圧電体領域
144 隙間領域
146 空隙部
150 信号処理部
160 信号受信部
170 特定部
180 記憶部
210 第1圧電体層
220 中間電極
230 第2圧電体層
240 外力特定部
250 位置特定部

Claims (8)

  1. 基板と、
    基板の上に形成されている下部電極と、
    前記下部電極の上に圧電体が形成されている第1圧電体層と、
    前記第1圧電体層の上に形成されている中間電極と、
    前記中間電極の上に前記第1圧電体層とは異なる厚さを有する圧電体が形成されている第2圧電体層と、
    前記第2圧電体層の上に形成されている上部電極と、
    前記上部電極の上に形成されており、外部から圧力が印加される圧力印加部と、
    前記下部電極及び前記中間電極から出力された第1検出信号と、前記中間電極及び前記上部電極から出力された第2検出信号とを受け取る信号受信部と、
    前記信号受信部が受信した前記第1検出信号及び前記第2検出信号に基づいて、前記圧力印加部に加わった外力の大きさを特定する外力特定部と
    を備え、
    前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層の少なくとも一方は、厚さが一定の圧電体が形成されている、圧力センサ。
  2. 前記外力特定部は、前記第1検出信号を基準信号として前記第2検出信号を正規化するか、又は、前記第2検出信号を基準信号として前記第1検出信号を正規化することにより、前記圧力印加部に加わった外力を正規化した大きさを特定する、請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記圧力印加部は、前記上部電極の上に複数形成されており、
    前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層の一方は、前記基準信号を生成するための基準圧電体層として圧電体の厚さが一定に形成されており、
    前記第1圧電体層及び前記第2圧電体層の前記基準圧電体層とは異なる他方は、検出用圧電体層として形成されており、
    前記検出用圧電体層は、前記基板と平行な面において、単位面積あたりの圧電体の体積が前記圧力印加部の位置によって異なるように圧電体が形成されており、
    前記信号受信部は、複数の前記圧力印加部のうち外力が加わった前記圧力印加部に基づいて発生した前記第1検出信号及び前記第2検出信号を受け取る、
    請求項2に記載の圧力センサ。
  4. 前記検出用圧電体層の厚さは、前記圧力印加部の位置によって異なる、請求項3に記載の圧力センサ。
  5. 前記検出用圧電体層は、前記基板と平行な面における前記圧力印加部に対応する領域内の面積が、前記圧力印加部の位置によって異なる、請求項3又は4に記載の圧力センサ。
  6. 前記検出用圧電体層は、複数の前記圧力印加部に対応する複数の圧電体領域を有しており、複数の前記圧電体領域のそれぞれと他の圧電体領域との間に、圧電体が形成されていない隙間領域が設けられている、請求項3から5のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  7. 前記検出用圧電体層には、圧電体が形成されていない複数の空隙部が形成されており、
    第1圧力印加部に対応する前記検出用圧電体層の第1圧電体領域が有する前記空隙部の体積は、前記第1圧力印加部とは異なる第2圧力印加部に対応する前記検出用圧電体層の第2圧電体領域が有する前記空隙部の体積とは異なる、
    請求項3から6のいずれか一項に記載の圧力センサ。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の前記圧力センサと、
    前記基板と平行な面における複数の前記圧力印加部の位置と、当該圧力印加部に圧力がそれぞれ印加された場合に検出される外力の大きさの基準値とが関連付けられた圧力印加部データを記憶する記憶部と、
    前記外力特定部が特定した外力の大きさと前記圧力印加部データとに基づいて、外力が加わった前記圧力印加部の位置を特定する位置特定部と
    を備える、
    位置検出装置。
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