JP2022114000A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】尿素水と還元触媒を用いる排気浄化システムにおいて、NOxを浄化する還元触媒が1つで済み、かつ還元触媒の下流側に酸化触媒を配置する必要がなく、大気に放出されるアンモニア量をより抑制することができる、内燃機関の排気浄化システムを提供する。【解決手段】尿素水添加弁19と、一方端が還元触媒46よりも下流側の分岐個所30Aに接続され、他方端が還元触媒よりも上流側の合流個所30Bに接続された排気循環管31と、排気循環管に設けられた循環ポンプ33と、排気循環管と分岐個所と合流個所のいずれかの位置に設けられた流量調整弁32と、制御装置60とを有し、制御装置は、尿素水添加弁から噴霧したが還元触媒で用いられることなく還元触媒の下流側に流出したアンモニアスリップ量に関するパラメータであるアンモニアスリップ量関連パラメータに基づいて、循環ポンプと流量調整弁を制御する、還元触媒循環制御部61Aを有する。【選択図】図1

Description

本発明は、NOx(窒素酸化物)を浄化する還元触媒を有する、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関の1つであるディーゼルエンジンの排気ガス中には、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、微粒子状物質、NOx(窒素酸化物)等が含まれている。そしてディーゼルエンジンを搭載した車両は、排気浄化装置として、HCとCOを浄化する酸化触媒、微粒子状物質を捕集するDPF(Diesel Particulate Filter)、NOxを浄化する還元触媒(Selective Catalytic Reduction)等を搭載している。
還元触媒を用いてNOxを浄化する場合、高温の排気ガス中に尿素水(還元剤)を噴霧し、尿素水からアンモニアを生成させ、アンモニアを還元触媒に吸着させ、還元触媒上でアンモニアを用いてNOxをN2(窒素)とH2O(水)に還元している。しかし、還元触媒が負荷の増大等により急激に昇温した場合、還元触媒に吸着していたアンモニアが脱離し(いわゆるアンモニアスリップが発生し)、脱離したアンモニアが大気に放出される可能性があり、大気に放出されるアンモニアを抑制する排気浄化装置が所望されている。
従来の車両には、大気に放出されるアンモニアを低減するために、還元触媒の下流側に、アンモニアを浄化する酸化触媒(HC、COを浄化する酸化触媒とは別の酸化触媒)をさらに搭載しているものがある。
また、例えば特許文献1には、尿素水が噴霧された排気管の先を二股に分岐し、分岐した排気管の一方に第1還元触媒を配置し、他方に第2還元触媒を配置し、第1還元触媒の下流と第2還元触媒の下流とを合流させ、合流個所の下流に酸化触媒(脱離したアンモニアを浄化する)を配置した排気浄化装置が記載されている。また第1還元触媒の上流側には第1還元触媒への排気ガス流入量を調整する第1弁が設けられており、第2還元触媒の上流側には第2還元触媒への排気ガス流入量を調整する第2弁が設けられている。そして特許文献1に記載の排気浄化装置では、ECU(制御装置)を用いて、排気ガスの温度と、各温度での第1還元触媒のアンモニア最大吸着量及び第2還元触媒のアンモニアの最大吸着量とに応じて、第1弁と第2弁の開度を調整して第1還元触媒への排気ガスの流入量と第2還元触媒への排気ガスの流入量とを調整するとともに尿素水の噴霧量を調整することで、アンモニアスリップ量を抑制している。
特開2010-185434号公報
特許文献1に記載の排気浄化装置は、二股に分岐した排気管を用いて並列に配置した第1還元触媒と第2還元触媒を有し、還元触媒が1つの場合と比較して、搭載スペースと重量が増加している。また、第1還元触媒及び第2還元触媒の下流側に酸化触媒を有しているので、さらに搭載スペースと重量が増加しており、好ましくない。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、尿素水と還元触媒を用いる排気浄化システムにおいて、NOxを浄化する還元触媒が1つで済み、かつ還元触媒の下流側に酸化触媒を配置する必要がなく、大気に放出されるアンモニア量をより抑制することができる、内燃機関の排気浄化システムを提供することを課題とする。
上記課題を達成するため、第1の発明は、内燃機関の排気浄化システムであって、排気管内を流れる排気ガス中のNOxを浄化する還元触媒と、前記還元触媒よりも上流側の前記排気管に設けられて、前記排気管内に尿素水を噴霧する尿素水添加弁と、一方端が前記還元触媒よりも下流側の前記排気管に設定された分岐個所に接続され、他方端が前記還元触媒よりも上流側の前記排気管に設定された合流個所に接続された排気循環管と、前記排気循環管に設けられて前記分岐個所から前記排気管内の排気ガスの一部を吸引し、吸引した排気ガスを前記合流個所に吐出することが可能な循環ポンプと、前記排気循環管、前記分岐個所、前記合流個所、のいずれかの位置に設けられて、前記循環ポンプが動作している場合には前記排気循環管への排気ガスの流入を許容し、前記循環ポンプが停止している場合には前記排気循環管への排気ガスの流入を禁止することが可能な流量調整弁と、前記内燃機関の運転状態を検出して前記尿素水添加弁と前記循環ポンプと前記流量調整弁を制御する制御装置と、を有する。そして、前記制御装置は、前記尿素水添加弁から噴霧した尿素水に基づいたアンモニアであって前記還元触媒で用いられることなく前記還元触媒の下流側に流出したアンモニアの量であるアンモニアスリップ量に関するパラメータであるアンモニアスリップ量関連パラメータに基づいて、前記循環ポンプと前記流量調整弁を制御する、還元触媒循環制御部を有する、内燃機関の排気浄化システムである。
次に、第2の発明は、上記第1の発明に係る内燃機関の排気浄化システムであって、前記アンモニアスリップ量関連パラメータは、前記内燃機関の運転状態に基づいて推定した前記アンモニアスリップ量である、内燃機関の排気浄化システムである。
次に、第3の発明は、上記第1の発明または第2の発明に係る内燃機関の排気浄化システムであって、前記循環ポンプは、吐出流量を調整可能であり、前記流量調整弁は、前記排気循環管の開度を調整可能である、内燃機関の排気浄化システムである。
次に、第4の発明は、上記第3の発明に係る内燃機関の排気浄化システムであって、前記制御装置は、前記還元触媒循環制御部にて、前記分岐個所から前記合流個所へと前記排気管内を流れる排気ガスの一部を戻す場合、前記内燃機関からの排気ガスの流量である全排気ガス流量と、前記アンモニアスリップ量関連パラメータと、前記分岐個所から前記合流個所へと戻すべきアンモニアの量である目標アンモニア循環量と、に基づいて求めた前記循環ポンプの吐出流量と前記流量調整弁の開度に基づいて、前記循環ポンプと前記流量調整弁を制御する、内燃機関の排気浄化システムである。
次に、第5の発明は、上記第1の発明~第4の発明のいずれか1つに係る内燃機関の排気浄化システムであって、前記制御装置は、前記還元触媒循環制御部にて、前記分岐個所から前記合流個所へと前記排気管内を流れる排気ガスの一部を戻している場合、前記内燃機関からの排気ガスの流量である全排気ガス流量と、前記アンモニアスリップ量関連パラメータと、前記分岐個所から前記合流個所へと戻している排気ガスの流量である循環排気ガス流量と、に基づいて、前記分岐個所から前記合流個所へと戻している排気ガス中のアンモニアの量である循環アンモニアスリップ量を推定し、推定した前記循環アンモニアスリップ量に基づいて、前記尿素水添加弁から噴霧する尿素水の量を減量する、内燃機関の排気浄化システムである。
第1の発明によれば、アンモニアスリップ量関連パラメータに基づいて循環ポンプと流量調整弁を制御して、還元触媒の下流側の排気ガス(スリップしたアンモニアを含む)の一部を、排気循環管を介して還元触媒の上流側へ戻す。つまり、還元触媒で用いられることなくスリップしたアンモニア(及び浄化されなかったNOx)を大気に放出せずに、還元触媒への吸着を繰り返して何度も試みる。従って、NOxを浄化する還元触媒が1つで済み、かつ還元触媒の下流側に酸化触媒を配置する必要がなく、大気に放出されるアンモニア量をより抑制することができる。
第2の発明によれば、循環ポンプと流量調整弁の制御に用いるアンモニアスリップ量関連パラメータは、運転状態に基づいて推定したアンモニアスリップ量の値である。つまり、アンモニアスリップ量の推定値が所定量に減少するまで循環ポンプと流量調整弁を制御することで、還元触媒の下流側に酸化触媒を配置する必要がなく、大気に放出されるアンモニア量をより抑制することができる。また、NOxを浄化する還元触媒は1つで済む。
第3の発明によれば、アンモニアスリップ量関連パラメータに応じて循環ポンプの吐出流量や流量調整弁の開度を制御するので、大気に放出されるアンモニア量を適切に抑制することができる。
第4の発明によれば、循環ポンプの吐出流量と、流量調整弁の開度を、具体的かつ適切に設定することができる。
第5の発明によれば、分岐個所から合流個所へと戻す排気ガスにはスリップしたアンモニアが含まれているので、このアンモニアの分だけ減量した尿素水を尿素水添加弁から噴霧する。従って、アンモニアが供給過剰になることを回避し、大気に放出されるアンモニア量をより抑制することができる。
排気浄化システムを備えた内燃機関システム全体の概略構成の例を説明する図である。 制御装置の[全体処理]の処理手順の例を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートにおける[還元触媒循環制御の停止中の処理]の詳細を説明するフローチャートである。 図2に示すフローチャートにおける[還元触媒循環制御の実行中の処理]の詳細を説明するフローチャートである。 アンモニアの量に関する、第1所定量、第2所定量、第3所定量、目標アンモニア循環量、を説明する図である。 循環ポンプ回転数・吐出流量特性の例を説明する図である。 流量調整弁開度・流量特性の例を説明する図である。 還元触媒循環制御を停止中の場合において、排気管の各個所を流れる排気ガス流量、NOx流量、アンモニア量などを説明する図である。 還元触媒循環制御を実行中の場合において、排気管及び排気循環管の各個所を流れる排気ガス流量、NOx流量、アンモニア量などを説明する図である。 流量調整弁を分岐個所(または合流個所)に設ける場合の流量調整弁の概略構造の例であって、当該流量調整弁の開度を100[%]とした場合の例を説明する図である。 流量調整弁を分岐個所(または合流個所)に設ける場合の流量調整弁の概略構造の例であって、当該流量調整弁の開度を0[%]とした場合の例を説明する図である。
[内燃機関システム1の全体構成と排気浄化システム2の構成(図1)]
図1を用いて、本発明に係る排気浄化システム2を備えた内燃機関システム1の全体構成について説明する。なお、図1の例における内燃機関10は、ディーゼルエンジンである。また排気浄化システム2は、後述する還元触媒46、尿素水添加弁19、排気循環管31、循環ポンプ33、流量調整弁32、制御装置60等を有している。
図1に示すように、内燃機関10には吸気管12と排気管14が接続されており、吸気管12及び排気管14には、種々の検出装置、アクチュエータ、触媒等が設けられている。以下、内燃機関10の吸気の流れ、及び排気の流れの順に、各検出装置等について説明する。
吸気管12には、吸入空気流量検出装置20が設けられている。吸入空気流量検出装置20(例えば、吸気流量センサ)は、内燃機関10が吸入した空気の流量に応じた検出信号を制御装置60に出力する。
アクセル踏込量検出装置22(例えば、アクセル踏込量センサ)は、運転者が操作するアクセルペダルの踏込量(すなわち、運転者の要求負荷)に応じた検出信号を制御装置60に出力する。
内燃機関10には、クランク回転検出装置24A、カム回転検出装置24B、クーラント温度検出装置25等が設けられている。クランク回転検出装置24A(例えば、回転センサ)は、内燃機関10のクランクシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置60に出力する。カム回転検出装置24B(例えば、回転センサ)は、内燃機関10のカムシャフトの回転角度に応じた検出信号を制御装置60に出力する。制御装置60は、クランク回転検出装置24Aからの検出信号に基づいてクランクシャフトの回転数(すなわち、内燃機関10の回転数)を検出可能であり、クランク回転検出装置24A及びカム回転検出装置24Bからの検出信号に基づいて、特定気筒の圧縮上死点位置等を検出可能である。クーラント温度検出装置25(例えば、温度センサ)は、内燃機関10の冷却に用いられるクーラントの温度に応じた検出信号を制御装置60に出力する。
また内燃機関10の各気筒には、燃料を噴射するインジェクタ16が設けられており、各インジェクタ16は制御装置60からの制御信号にて駆動される。
内燃機関10の排気側には排気管14が接続されており、排気管14には排気ガス浄化装置40が設けられている。図1に示す排気ガス浄化装置40は、酸化触媒42(DOC:Diesel Oxidation Catalyst)、粒子状物質捕集フィルタであるDPF44(Diesel Particulate Filter)、還元触媒46(Selective Catalytic Reduction)、等を有している。内燃機関10からの排気ガスは、酸化触媒42、DPF44、還元触媒46を経由して大気へと導かれる。
酸化触媒42は、排気ガスに含まれている一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)等を酸化して除去する触媒である。
DPF44は、排気ガスに含まれている粒子状物質(PM)を捕集し、排気ガスのみを下流側へと流出させるフルタである。
還元触媒46は、尿素水添加弁19により添加された尿素水(還元剤溶液)を用いて、排気ガスに含まれている窒素酸化物(NOx)を還元して無害化する触媒である。
燃料添加弁18と排気温度検出装置26A(例えば、排気温度センサ)は、酸化触媒42の上流側に設けられている。排気温度検出装置26Aは、自身が設けられている個所の排気ガスの温度に応じた検出信号を制御装置60に出力する。燃料添加弁18は、制御装置60からの制御信号にて駆動され、微粒子が堆積したDPF44を再生する際(粒子状物質を燃焼焼却する際)に、酸化触媒42内で排気ガスと反応させて排気ガスの温度を上昇させるための燃料を噴射する。
排気温度検出装置26B(例えば、排気温度センサ)は、酸化触媒42の下流側、かつ、DPF44の上流側に設けられている。また排気温度検出装置26C(例えば、排気温度センサ)は、DPF44の下流側、かつ、還元触媒46の上流側の排気管14Bに設けられている。さらに排気温度検出装置26D(例えば、排気温度センサ)は、還元触媒46の下流側、かつ、分岐個所30Aの下流側の排気管14Bに設けられている。排気温度検出装置26B、26C、26Dのそれぞれは、それぞれが設けられている個所の排気ガスの温度に応じた検出信号を制御装置60に出力する。なお分岐個所30Aは、還元触媒46の下流側の排気管14Bに設定されている。
NOx検出装置27A(例えば、NOxセンサ)は、還元触媒46の上流側の排気管14A、かつ、尿素水添加弁19の上流側に設けられている。またNOx検出装置27B(例えばNOxセンサ)は、還元触媒46の下流側の排気管14B、かつ、分岐個所30Aの上流側に設けられている。NOx検出装置27A、27Bのそれぞれは、それぞれが設けられている個所のNOxに応じた検出信号を制御装置60に出力する。
尿素水添加弁19は、還元触媒46の上流側の排気管14A、かつ、NOx検出装置27Aの下流側、かつ、合流個所30Bの上流側に設けられている。尿素水添加弁19は、制御装置60からの制御信号にて駆動され、排気管14A内の排気ガス中に適量の尿素水(還元剤溶液)を添加(噴霧)する。尿素水添加弁19は、図示しない供給管、尿素水ポンプ等を介して尿素水タンク(還元剤タンク)に連結されている。なお合流個所30Bは、還元触媒46の上流側の排気管14Aに設定されている。
排気循環管31は、一方端が還元触媒46の下流側の排気管14Bに設定された分岐個所30Aに接続され、他方端が還元触媒46の上流側の排気管14Aに設定された合流個所30Bに接続されている。
循環ポンプ33は、排気循環管31に設けられている。循環ポンプ33は、制御装置60からの制御信号にて駆動され、排気管14B内を流れる排気ガスの一部を分岐個所30Aから吸引して合流個所30Bへと吐出する。
流量調整弁32は、排気循環管31に設けられている。流量調整弁32は、制御装置60からの制御信号にて駆動され、排気循環管31の開度を調整する。流量調整弁32が閉鎖状態の場合、合流個所30Bから排気ガスが排気循環管31内へ流入することが禁止される。また制御装置60は、循環ポンプ33を駆動する場合、流量調整弁32を適切な開度に制御することで、所望する流量の排気ガスを、分岐個所30Aから合流個所30Bへと戻すことができる。従って、流量調整弁32は、循環ポンプ33が動作している場合には適切な開度に制御されて、排気循環管31への排気ガスの流入を許容し、循環ポンプ33が停止している場合には閉鎖状態に制御されて、排気循環管31への排気ガスの流入を禁止することが可能である。
制御装置60には、吸入空気流量検出装置20、アクセル踏込量検出装置22、クランク回転検出装置24A、カム回転検出装置24B、クーラント温度検出装置25、排気温度検出装置26A、26B、26C、26D、NOx検出装置27A、27Bの検出信号が入力されているが、これらに限定されず、図示省略した種々の検出装置からの検出信号が入力されている。
そして、制御装置60は、これらの入力された検出信号に基づいて内燃機関10の運転状態を検出することができる。また、制御装置60は、検出した内燃機関10の運転状態や、アクセル踏込量検出装置22からの検出信号に応じて、インジェクタ16から噴射する燃料量、燃料添加弁18から添加(噴霧)する燃料量、尿素水添加弁19から添加(噴霧)する尿素水の量などに係る制御信号を出力する。なお、制御装置60には、図示省略した種々のアクチュエータが接続されており、制御装置60は、検出した運転状態に基づいて、これらのアクチュエータを制御する。
制御装置60は、CPU61、RAM62、記憶装置63、タイマ64等を有している。制御装置60(CPU61)には種々の装置からの検出信号が入力され、制御装置60(CPU61)は種々のアクチュエータへの制御信号を出力する。なお、制御装置60の入出力は、上述した種々の検出装置やアクチュエータに限定されるものではない。また、記憶装置63は、例えばFlash-ROM等の記憶装置であり、種々のプログラムやデータ等が記憶されている。また制御装置60(CPU61)は、還元触媒循環制御部61Aを有しているが、還元触媒循環制御部61Aの詳細については後述する。
[還元触媒46によるNOxの浄化動作]
尿素水添加弁19から添加(噴霧)された尿素水は、排気ガスの熱によって排気管14A内で加水分解され、その際、アンモニア(NH3)が生成される。生成されたアンモニアは還元触媒46に吸着する。そして、還元触媒46を排気ガスが通過する際に、還元触媒46に吸着したアンモニアによって排気ガス中の窒素酸化物(NOx)が選択的に還元浄化される。
還元触媒46にてアンモニアによるNOxの還元浄化が行われる際、アンモニアがNOxと反応しきれずに余剰となると、その余剰アンモニアが還元触媒46の下流側の排気管14Bへと流出する。また、還元触媒46の負荷の増大等により還元触媒46が急激に昇温した場合、還元触媒46に吸着していたアンモニアの一部が還元触媒46から脱離し(いわゆるアンモニアスリップが発生し)、脱離した(スリップした)アンモニアが排気管14Bへと流出する。本実施の形態にて説明する内燃機関の排気浄化システムでは、上記の余剰アンモニアやスリップしたアンモニアを、排気循環管を介して還元触媒46の上流側に戻し、大気に放出されるアンモニアの量を低減する。これにより、還元触媒46の下流側に流出するアンモニアの量を充分低減することができるので、還元触媒46の下流側に、流出したアンモニアを酸化して浄化する酸化触媒を設ける必要が無い。なお、以降の説明では、上述した余剰アンモニアの量とスリップしたアンモニアの量を区別せず、還元触媒46の下流側に流出したアンモニアの量をまとめて「アンモニアスリップ量」としている。
[制御装置60の処理手順(図2~図4)]
次に、図2~図4に示すフローチャートを用いて、制御装置60の処理手順の例を説明する。制御装置60は、例えば所定時間毎に(例えば数[ms]~数10[ms]の時間間隔にて)、図2に示す処理を起動し、ステップS010に処理を進める。なお、循環ポンプ33の初期状態は停止状態、流量調整弁32の初期設定は閉鎖状態、とされている。
ステップS010にて制御装置60は、上述した種々の検出装置からの検出信号や種々のアクチュエータの制御状態などに基づいて、内燃機関の運転状態を検出し、ステップS015へ処理を進める。
ステップS015にて制御装置60は、検出した運転状態に基づいて、尿素水噴射条件が成立しているか否かを判定する。なお尿素水噴射条件は、既存の条件と同じであるので、詳細については説明を省略する。制御装置60は、尿素水噴射条件が成立している場合(Yes)はステップS020へ処理を進め、尿素水噴射条件が成立していない場合(No)はステップS090へ処理を進める。
ステップS090へ処理を進めた場合、制御装置60は、ステップS040の[還元触媒循環制御の停止中の処理]及びステップS070の[還元触媒循環制御の実行中の処理]にて求める尿素噴射量、要求アンモニア量、消費アンモニア量、アンモニアスリップ量、のそれぞれを0(ゼロ)に初期化して、図2に示す処理を終了する。
ステップS020に処理を進めた場合、制御装置60は、内燃機関10からの排気ガスの流量である全排気ガス流量を推定して記憶し、ステップS025へ処理を進める。制御装置60は、検出した運転状態(吸気流量、内燃機関の回転数、排気ガス温度、排気ガス圧力など)に基づいて、内燃機関10から排気管14へ吐出される排気ガスの流量(全排気ガス流量)を推定することができる。
ステップS025にて制御装置60は、内燃機関10からの全排気ガス流量に含まれているNOx流量である全NOx流量を推定して記憶し、ステップS030へ処理を進める。制御装置60は、検出した運転状態(NOx検出装置27Aを用いて検出したNOxの量)と、全排気ガス流量などに基づいて、内燃機関10から排気管14へ吐出される排気ガスに含まれているNOxの流量(全NOx流量)を推定することができる。
ステップS030にて制御装置60は、循環ポンプ33が停止中であるか否かを判定する。制御装置60は、循環ポンプ33が停止中である場合(Yes)は還元触媒循環制御を停止中であると判定してステップS040へ処理を進め、循環ポンプ33が停止中でない場合(No)はステップS035へ処理を進める。
ステップS035に処理を進めた場合、制御装置60は、流量調整弁32が閉鎖中(開度=0[%])であるか否かを判定する。制御装置60は、流量調整弁32が閉鎖中である場合(Yes)は還元触媒循環制御を停止中であると判定してステップS040へ処理を進め、流量調整弁32が閉鎖中でない場合(No)はステップS030での判定(循環ポンプ33が駆動中)も含め、還元触媒循環制御を実行中であると判定してステップS070へ処理を進める。
ステップS040へ処理を進めた場合、制御装置60は、[還元触媒循環制御の停止中の処理]を実行してステップS045へ処理を進める。なお、[還元触媒循環制御の停止中の処理]の詳細については後述する。
ステップS045にて制御装置60は、ステップS040の[還元触媒循環制御の停止中の処理]にて推定したアンモニアスリップ量が第1所定量以上であるか否かを判定する。なお第1所定量は、図5に示すように、大気への放出が許容されている許容アンモニア量よりも低い適切な値に設定されている。制御装置60は、アンモニアスリップ量が第1所定量以上である場合(Yes)はステップS050へ処理を進めて還元触媒循環制御を開始し、アンモニアスリップ量が第1所定量未満である場合(No)はステップS080へ処理を進めて還元触媒循環制御を停止する。
ステップS050へ処理を進めた場合、制御装置60は、目標アンモニア循環量(還元触媒46の下流側から上流側へと戻すべきアンモニア量)を算出して記憶し、ステップS055へ処理を進める。例えば制御装置60は、図5に示すように、アンモニアスリップ量を、第1所定量及び第2所定量よりも低い第3所定量へと低減するように、アンモニアスリップ量から第3所定量を減算した値を目標アンモニア循環量として設定する(目標アンモニア循環量=アンモニアスリップ量-第3所定量)。還元触媒46の下流側に流出したアンモニアスリップ量のうち、目標アンモニア循環量を還元触媒46の上流側に戻す。
ステップS055にて制御装置60は、全排気ガス流量(ステップS020にて推定)、アンモニアスリップ量(アンモニアスリップ量関連パラメータであり、ステップS040にて推定)、目標アンモニア循環量、に基づいて目標循環排気ガス流量(還元触媒の下流側から上流側へと戻すべき排気ガス流量)を算出して記憶し、ステップS060へ処理を進める。例えば制御装置60は、アンモニアスリップ量に対する目標アンモニア循環量の割合を求め、求めた割合*全排気ガス流量を求めることで、目標循環排気ガス流量を算出する。
ステップS060にて制御装置60は、目標循環排気ガス流量に基づいて、循環ポンプ33の回転数と流量調整弁の開度を求め、求めた回転数となるように循環ポンプ33を制御し、求めた開度となるように流量調整弁32を制御して、図2に示す処理を終了する。例えば循環ポンプ33は吐出流量を調整可能であり、循環ポンプ33の回転数と吐出流量の関係は、例えば図6の[循環ポンプ回転数・吐出量特性]に示すとおりである。また流量調整弁32は排気循環管31の開度を調整可能であり、流量調整弁32の開度と流量の関係は、例えば図7の[流量調整弁開度・流量特性]に示すとおりである。例えば目標循環排気ガス流量が図6に示すQ1である場合、制御装置60は、Q1の流量を確保するために、循環ポンプ33の回転数をN1に設定するとともに、流量調整弁32の開度を50[%]に設定する。
ステップS070へ処理を進めた場合、制御装置60は、[還元触媒循環制御の実行中の処理]を実行してステップS075へ処理を進める。なお、[還元触媒循環制御の実行中の処理]の詳細については後述する。
ステップS075にて制御装置60は、ステップS070の[還元触媒循環制御の実行中の処理]にて推定したアンモニアスリップ量が第2所定量以下であるか否かを判定する。なお第2所定量は、図5に示すように、大気への放出が許容されている許容アンモニア量よりも低い適切な値であって、第1所定量と第3所定量の間の値に設定されている。制御装置60は、アンモニアスリップ量が第2所定量以下である場合(Yes)はステップS080へ処理を進めて還元触媒循環制御を停止し、アンモニアスリップ量が第2所定量よりも大きい場合(No)はステップS050へ処理を進めて還元触媒循環制御を継続する。なおステップS050、S055、S060の処理についてはすでに説明しているので省略する。
ステップS080へ処理を進めた場合、制御装置60は、循環ポンプ33を停止するとともに流量調整弁32を閉鎖して(開度=0[%]にして)、還元触媒循環制御を停止して、図2に示す処理を終了する。
上述したステップS040~S080の処理を実行している制御装置60(CPU61)は、尿素水添加弁19から噴霧した尿素水に基づいたアンモニアであって還元触媒46で用いられることなく還元触媒46の下流側に流出したアンモニアの量であるアンモニアスリップ量に関するパラメータであるアンモニアスリップ量関連パラメータ(この場合、アンモニアスリップ量)に基づいて、循環ポンプ33と流量調整弁32を制御する、還元触媒循環制御部61A(図1参照)に相当している。
[還元触媒循環制御の停止中の処理(図3)]
次に図3を用いて、図2に示すフローチャートのステップS040の[還元触媒循環制御の停止中の処理]の詳細を説明する。なお[還元触媒循環制御の停止中の処理]にて用いる排気管の各位置での各種の流量等については図8に示すとおりである。図2に示すフローチャートのステップS040に処理を進めた場合、制御装置60は図3に示すステップS110へ処理を進める。
ステップS110にて制御装置60は、内燃機関10からの全NOx流量(ステップS025にて推定)に基づいて全要求アンモニア量を算出して記憶する。なお全要求アンモニア量は、全NOx流量のNOxを浄化するために必要なアンモニア量である。そして制御装置60は、全要求アンモニア量に基づいて、尿素水の濃度等を考慮して尿素水噴射量を算出して記憶し、尿素水噴射量に応じた尿素水を尿素水添加弁19から噴射(噴霧)する。そして制御装置60は、ステップS115へ処理を進める。
ステップS115にて制御装置60は、還元触媒46でのNOx浄化率を推定して記憶し、ステップS120へ処理を進める。例えば制御装置60は、吸入空気流量検出装置20を用いて検出した吸入空気流量、排気温度検出装置26C、26Dを用いて検出した排気温度から推定した還元触媒46の温度、尿素水添加弁19からの全要求アンモニア量(分子量)/全NOx流量(分子量)、などからNOx浄化率を推定する。あるいは制御装置60は、すでに尿素水添加弁19から尿素水を噴射した後である場合、NOx検出装置27A(還元触媒46の上流側)を用いて検出したNOx量、NOx検出装置27B(還元触媒46の下流側)を用いて検出したNOx量、全排気ガス流量、全NOx流量などからNOx浄化率を推定する。
ステップS120にて制御装置60は、還元触媒46にて消費したアンモニア量である消費アンモニア量を推定して記憶し、ステップS125へ処理を進める。例えば制御装置60は、全NOx流量*NOx浄化率にて算出されたNOx浄化流量に対応するアンモニア量を、消費アンモニア量として算出して記憶する。
ステップS125にて制御装置60は、還元触媒46で用いられることなく還元触媒46の下流側に流出されたアンモニア量であるアンモニアスリップ量を推定して記憶し、図3に示す処理を終了し、図2に示すステップS040の下へリターンする。例えば制御装置60は、全要求アンモニア量から消費アンモニア量を減算することでアンモニアスリップ量を求める(アンモニアスリップ量=全要求アンモニア量-消費アンモニア量)。
[還元触媒循環制御の実行中の処理(図4)]
次に図4を用いて、図2に示すフローチャートのステップS070の[還元触媒循環制御の実行中の処理]の詳細を説明する。なお[還元触媒循環制御の実行中の処理]にて用いる排気管の各位置での各種の流量等については図9に示すとおりである。図2に示すフローチャートのステップS070に処理を進めた場合、制御装置60は図4に示すステップS210へ処理を進める。
ステップS210にて制御装置60は、排気循環管31を介して分岐個所30Aから合流個所30B(図9参照)へと戻す排気ガスの流量である循環排気ガス流量を推定して記憶し、ステップS215へ処理を進める。例えば制御装置60は、駆動している循環ポンプ33の回転数(回転数=β)と図6に示す循環ポンプ回転数・吐出流量特性と、開状態に制御している流量調整弁32の開度(α[%])、などに基づいて循環排気ガス流量を推定して記憶する。
ステップS215にて制御装置60は、循環排気ガス流量、全排気ガス流量(ステップS020にて推定)、還元触媒46から流出したNOx流量(NOx検出装置27Bを用いて検出したNOx量、全排気ガス流量、循環排気ガス流量などから算出)、などに基づいて循環NOx流量(循環排気ガス流量に含まれているNOx量)を推定して記憶し、ステップS220へ処理を進める。
ステップS220にて制御装置60は、循環排気ガス流量、全排気ガス流量、前回の処理時のアンモニアスリップ量、などに基づいて循環アンモニアスリップ量(循環排気ガス流量に含まれているアンモニア量)を推定して記憶し、ステップS230へ処理を進める。
ステップS230にて制御装置60は、内燃機関10からの全NOx流量(ステップS025にて推定)と、排気循環管31からの循環NOx流量とに基づいて全要求アンモニア量を算出して記憶する。なお全要求アンモニア量は、全NOx流量+循環NOx流量のNOxを浄化するために必要なアンモニア量である。そして制御装置60は、全要求アンモニア量から循環アンモニアスリップ量を減量(減算)した噴射要求アンモニア量と、尿素水の濃度等に基づいて、尿素水噴射量を算出して記憶し、尿素水噴射量に応じた尿素水を尿素水添加弁19から噴射(噴霧)する。そして制御装置60は、ステップS235へ処理を進める。
ステップS235にて制御装置60は、還元触媒46でのNOx浄化率を推定して記憶し、ステップS240へ処理を進める。例えば制御装置60は、吸入空気流量検出装置20を用いて検出した吸入空気流量、排気温度検出装置26C、26Dを用いて検出した排気温度から推定した還元触媒46の温度、[尿素水添加弁19からの噴射要求アンモニア量+循環アンモニア量](分子量)/[全NOx流量+循環NOx流量](分子量)、などからNOx浄化率を推定する。あるいは制御装置60は、すでに尿素水添加弁19から尿素水を噴射した後である場合、NOx検出装置27A(還元触媒46の上流側)を用いて検出したNOx量、NOx検出装置27B(還元触媒46の下流側)を用いて検出したNOx量、全排気ガス流量+循環排気ガス流量、全NOx流量+循環NOx流量などからNOx浄化率を推定する。
ステップS240にて制御装置60は、還元触媒46にて消費したアンモニア量である消費アンモニア量を推定して記憶し、ステップS245へ処理を進める。例えば制御装置60は、[全NOx流量+循環NOx流量]*NOx浄化率にて算出されたNOx浄化流量に対応するアンモニア量を、消費アンモニア量として算出して記憶する。
ステップS245にて制御装置60は、還元触媒46で用いられることなく還元触媒46の下流側に流出されたアンモニア量であるアンモニアスリップ量を推定して記憶し、図4に示す処理を終了し、図2に示すステップS070の下へリターンする。例えば制御装置60は、全要求アンモニア量から消費アンモニア量を減算することでアンモニアスリップ量を求める(アンモニアスリップ量=全要求アンモニア量-消費アンモニア量)。
[流量調整弁32を分岐個所30Aまたは合流個所30Bに設ける場合(図10、図11)]
本実施の形態の説明では、図1に示したように、排気循環管31における循環ポンプ33から合流個所30Bまでの間に流量調整弁32を設けたが、排気循環管31における循環ポンプ33から分岐個所30Aまでの間に流量調整弁32を設けるようにしてもよい。
また、流量調整弁32を、分岐個所30Aまたは合流個所30Bに設けるようにしてもよい。例えば流量調整弁32を分岐個所30Aに設ける場合(合流個所30Bに設ける場合も同様)、図10及び図11の例に示した流量調整弁32(固定弁32Bと回転弁32Aとを有する流量調整弁32)を用いることで、排気管14Bに圧損を発生させることなく、排気循環管31の開度を調整することができる。制御装置60は、回転弁32Aの回転角度θ1を調整することで、排気循環管31の開度を0[%]から100[%]の間で調整することができる。流量調整弁32は、排気循環管31、分岐個所30A、合流個所30B、のいずれかの位置に設けられていればよい。
本発明の内燃機関の排気浄化システムは、本実施の形態で説明した構成、構造、処理手順(フローチャート)等に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更、追加、削除が可能である。
また、以上(≧)、以下(≦)、より大きい(>)、未満(より小さい)(<)等は、等号を含んでも含まなくてもよい。また、本実施の形態の説明に用いた数値は一例であり、この数値に限定されるものではない。
1 内燃機関システム
2 排気浄化システム
10 内燃機関
12 吸気管
14、14A、14B 排気管
16 インジェクタ
18 燃料添加弁
19 尿素水添加弁
20 吸入空気流量検出装置
22 アクセル踏込量検出装置
24A クランク回転検出装置
24B カム回転検出装置
25 クーラント温度検出装置
26A、26B、26C、26D 排気温度検出装置
27A、27B NOx検出装置
30A 分岐個所
30B 合流個所
31 排気循環管
32 流量調整弁
33 循環ポンプ
40 排気ガス浄化装置
42 酸化触媒
44 DPF
46 還元触媒
60 制御装置
61 CPU
61A 還元触媒循環制御部

Claims (5)

  1. 内燃機関の排気浄化システムであって、
    排気管内を流れる排気ガス中のNOxを浄化する還元触媒と、
    前記還元触媒よりも上流側の前記排気管に設けられて、前記排気管内に尿素水を噴霧する尿素水添加弁と、
    一方端が前記還元触媒よりも下流側の前記排気管に設定された分岐個所に接続され、他方端が前記還元触媒よりも上流側の前記排気管に設定された合流個所に接続された排気循環管と、
    前記排気循環管に設けられて前記分岐個所から前記排気管内の排気ガスの一部を吸引し、吸引した排気ガスを前記合流個所に吐出することが可能な循環ポンプと、
    前記排気循環管、前記分岐個所、前記合流個所、のいずれかの位置に設けられて、前記循環ポンプが動作している場合には前記排気循環管への排気ガスの流入を許容し、前記循環ポンプが停止している場合には前記排気循環管への排気ガスの流入を禁止することが可能な流量調整弁と、
    前記内燃機関の運転状態を検出して前記尿素水添加弁と前記循環ポンプと前記流量調整弁を制御する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、
    前記尿素水添加弁から噴霧した尿素水に基づいたアンモニアであって前記還元触媒で用いられることなく前記還元触媒の下流側に流出したアンモニアの量であるアンモニアスリップ量に関するパラメータであるアンモニアスリップ量関連パラメータに基づいて、前記循環ポンプと前記流量調整弁を制御する、還元触媒循環制御部を有する、
    内燃機関の排気浄化システム。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記アンモニアスリップ量関連パラメータは、前記内燃機関の運転状態に基づいて推定した前記アンモニアスリップ量である、
    内燃機関の排気浄化システム。
  3. 請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記循環ポンプは、吐出流量を調整可能であり、
    前記流量調整弁は、前記排気循環管の開度を調整可能である、
    内燃機関の排気浄化システム。
  4. 請求項3に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記制御装置は、
    前記還元触媒循環制御部にて、前記分岐個所から前記合流個所へと前記排気管内を流れる排気ガスの一部を戻す場合、前記内燃機関からの排気ガスの流量である全排気ガス流量と、前記アンモニアスリップ量関連パラメータと、前記分岐個所から前記合流個所へと戻すべきアンモニアの量である目標アンモニア循環量と、に基づいて求めた前記循環ポンプの吐出流量と前記流量調整弁の開度に基づいて、前記循環ポンプと前記流量調整弁を制御する、
    内燃機関の排気浄化システム。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記制御装置は、
    前記還元触媒循環制御部にて、前記分岐個所から前記合流個所へと前記排気管内を流れる排気ガスの一部を戻している場合、前記内燃機関からの排気ガスの流量である全排気ガス流量と、前記アンモニアスリップ量関連パラメータと、前記分岐個所から前記合流個所へと戻している排気ガスの流量である循環排気ガス流量と、に基づいて、前記分岐個所から前記合流個所へと戻している排気ガス中のアンモニアの量である循環アンモニアスリップ量を推定し、推定した前記循環アンモニアスリップ量に基づいて、前記尿素水添加弁から噴霧する尿素水の量を減量する、
    内燃機関の排気浄化システム。
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