JP2022111857A - 衛星測位システム及びサーバ装置 - Google Patents

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Risa Saito
正道 田中
Masamichi Tanaka
繁則 佐藤
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和樹 境
Kazuki Sakai
雅嗣 荒井
Masatsugu Arai
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Abstract

【課題】測位精度を高めることができる衛星測位システム及びサーバ装置を提供する。【解決手段】衛星測位システム1は、複数の測位衛星20からの信号を受信して位置を測定するGNSS受信機11が搭載された建設機械10と、該建設機械10と通信可能に構成されるとともに建設機械10の測位精度を算出するサーバ装置30とを備える。サーバ装置30は、GNSS受信機11により測定された建設機械10の位置情報と、GNSS受信機11が受信した測位衛星20の信号に含まれた測位衛星20の軌道情報と、建設機械10の周辺環境情報とに基づき、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定し、特定した障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外して測位精度を算出する。【選択図】図2

Description

本発明は、衛星測位システム及びサーバ装置に関する。
建設業界では、衛星測位システムを用いた情報化施工が推進されている。情報化施工では、3次元測量、3次元図面に対する建設機械の自動コントロール(いわゆるマシンコントロール)などのように3次元データを活用した施工が行われるので、衛星測位を利用した測量や測位が欠かせないものとなっている。例えば特許文献1では、GNSS(Global Navigation Satellite System)といった衛星測位に基づくGNSSアンテナを用いてグローバル座標系における油圧ショベルの位置を算出する内容が開示されている。
特開2019-116733号公報
しかし、衛星測位では各種の誤差要因によって測位誤差が生じる場合がある。誤差要因として、衛星電波の伝搬遅延や受信機側のノイズなどが挙げられる。衛星電波の伝搬の遅延は、電離層の電子密度の変動による影響、乾燥空気や水蒸気の影響、気圧の変動の影響などによって生じている。受信機側のノイズとしては、ケーブルとコネクタの接続不良、アンテナケーブルのくびれやくぼみ、超高圧送電線や雷によってGNSS受信機での受信障害が生じることが挙げられる。また、建設機械周囲の建造物、崖、斜面などの地上物によって衛星からの電波が反射してGNSS受信機に到達する現象(マルチパス)も挙げられる。マルチパスが生じると、測位精度を低下させるのみならず、施工作業の停止を招く場合がある。
上述の事情に鑑みて、本発明は、測位精度を高めることができる衛星測位システム及びサーバ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る衛星測位システムは、複数の測位衛星からの信号を受信して位置を測定するGNSS受信機が搭載された建設機械と、該建設機械と通信可能に構成されるとともに前記建設機械の測位精度を算出するサーバ装置と、を備える衛星測位システムであって、前記サーバ装置は、前記GNSS受信機により測定された前記建設機械の位置情報と、前記GNSS受信機が受信した前記測位衛星の信号に含まれた前記測位衛星の軌道情報と、前記建設機械の周辺環境情報とに基づき、前記建設機械に対して前記測位衛星を遮る障害物を特定し、特定した前記障害物によって遮られた測位衛星の信号を除外して前記建設機械の測位精度を算出することを特徴としている。
本発明に係る衛星測位システムでは、サーバ装置は、GNSS受信機により測定された建設機械の位置情報と、GNSS受信機が受信した測位衛星の信号に含まれた測位衛星の軌道情報と、建設機械の周辺環境情報とに基づき、建設機械に対して測位衛星を遮る障害物を特定し、特定した障害物によって遮られた測位衛星の信号を除外して建設機械の測位精度を算出する。このため、障害物に起因するマルチパスの影響を抑制できるので、建設機械の測位精度を高めることができる。
本発明によれば、測位精度を高めることができる。
実施形態に係る衛星測位システムを示す概略構成図である。 実施形態に係る衛星測位システムを示す構成ブロック図である。 広角カメラにより撮像された半球画像を示すイメージ図である。 半球画像内の地上物をマスクしたイメージ図である。 サーバ装置により算出された位置精度低下率と建設機械のコントローラにより算出された位置精度低下率との比較を示すイメージ図である。 端末装置及びモニタに表示される位置精度低下率を示すイメージ図である。 半球画像内の地上物をマスクしたイメージ図である。
以下、図面を参照して本発明に係る衛星測位システム及びサーバ装置の実施形態について説明する。実施形態の説明に先立ち、衛星測位システムを簡単に説明する。
衛星測位システムは、航空機や船舶等の航法支援用として開発されたものであって、米国のGPS、日本の準天頂衛星(QZSS)、ロシアのGLONASS、欧州連合のGalileo、中国のBeiDou等の衛星を利用した測位計測手法である。測位手法には、単独測位方式と相対測位方式に大きく分けられている。
単独測位方式では、上空約2万kmを周回する4基の測位衛星が電波を出した時刻と地上のGNSS受信機が電波を受信した時刻とから、測位衛星とGNSS受信機との距離を求め、測位衛星の位置関係と測位衛星からの距離によってGNSS受信機の位置を求める。ここで、3次元的な位置を特定するためには、時間を一つの変数としているので、4基の測位衛星が必要となる。単独測位方式では、電波の遅延が誤差要因となる。
一方、相対測位方式では、2つ以上のGNSS受信機で同時に4基以上の測位衛星を捕捉する。この際、測位衛星の位置を基準として、測位衛星からの電波がそれぞれのGNSS受信機に到達する時間差を求め、2以上のGNSS受信機での相対的な位置関係を求める。各GNSS受信機で同じ測位衛星の電波を受信しているので、測位衛星からの電波が地上に届くまでの気象条件等が同じとなり、測位衛星の位置誤差や電波の対流圏又は電離層による遅延が消去される。また、相対測位方式では、測位衛星からの電波が各GNSS受信機に到達するまでの時間の差を、電波の位相の差によって求める。この際、位相(衛星との距離)には、波数分(2πの整数分)の不確定(整数値バイアス)が含まれるので、これを取り除く複雑な計算が必要である。
相対測位方式には、複数のGNSS受信機にて単独測位を行ってそれぞれの位置情報から相対位置を求めるD-GPS(Differential GPS)と、複数のGNSS受信機と測位衛星との距離から、各GNSS受信機間の相対位置を求めるRTK-GPS(Real-Time Kinematic GPS、干渉測位方式)とがある。D-GPSは、電波に含まれるコード情報を利用して測位する(言い換えれば、位置を測定する)。RTK-GPSは、電波の位相データを利用して測位する。D-GPS及びRTK-GPSでは、位置の分かっている基準局と、位置を求めたい測定点とにおいて、同時に測位衛星からの電波を受信し、基準局で測定した位相データを無線等により測定点へリアルタイムに送信し、測定点の位置を高精度に求める手法である。
また、D-GPSでは、基準局における基準位置と測定された座標値の差を求め、測定点に補正情報として送信する。一方、RTK-GPSでは、基準局(ベース)及び測定点(ローバ)で位相データを求め、基準局で求めた位相データを測定点に送信し、測定点のGNSS受信機では、受信データと基準局から送信されたデータをリアルタイムで解析することにより、測定点の位置を求める。なお、RTK-GPSでは、6基以上の衛星の電波(搬送波)の波数と位相を用いて衛星までの距離を測るのが一般的である。さらに、RTK-GPSでは、ネットワーク型RTK-GPSと呼ばれる方式がある。この方式では測定点に含まれる誤差を電子基準点のリアルタイム測量データ等を利用して補正するものである。D-GPS及びRTK-GPSでは、各種の誤差要因が消去されることから、D-GPSの位置精度が数m程度、RTK-GPSの位置精度が数cm程度となる。
図1は実施形態に係る衛星測位システムを示す概略構成図であり、図2は実施形態に係る衛星測位システムを示す構成ブロック図である。本実施形態の衛星測位システム1は、建設機械の情報化施工に用いられたものであって、測位衛星20からの信号を受信して位置を測定するGNSS受信機11が搭載された建設機械10と、該建設機械10と通信可能に構成されたサーバ装置30と、サーバ装置30の出力指示に従って各出力を表示できる端末装置40とを備えている。
測位衛星20は、上述したように米国のGPS、日本の準天頂衛星(QZSS)、ロシアのGLONASS、欧州連合のGalileo、中国のBeiDou等の衛星測位システムを構成する人工衛星である。図1において測位衛星20を1基のみ示しているが、実際に複数の測位衛星20が地球を周回している。
端末装置40は、サーバ装置30と通信可能に接続され、サーバ装置30から送信された測位精度の状態を施工業者等に提示するタブレット又はPC等の装置である。端末装置40は、サーバ装置30から送信された測位精度の状態等の情報を表示する表示画面41を備えている。
建設機械10としては、油圧ショベル、クレーン、ホイールローダ、ブルドーザ、ダンプトラックなどが挙げられるが、ここでは下部走行体10a、上部旋回体10b及びフロント作業機(作業装置)10cを備える油圧ショベルを例に挙げて示している。建設機械10は、GNSS受信機11のほか、建設機械10全体の制御を行うコントローラ12と、サーバ装置30と通信する通信機13と、コントローラ12の処理結果や建設機械10の動作状態などの情報を表示するモニタ14と、建設機械10の周辺及び上空を撮像する広角カメラ15とを備えている。
GNSS受信機11は、衛星情報取得部111と、位置測定部112とを有する。衛星情報取得部111は、建設機械10の上部に取り付けられた2つのGNSSアンテナ16(図2参照)を介して受信した測位衛星20の電波から、衛星情報を取得する。衛星情報には、測位衛星20の識別番号、軌道、位置、及び電波の発信時刻等に関する情報が含まれている。衛星情報は、NMEAフォーマットに準拠して取得されて良い。NMEAフォーマットは、音波探査機、ソナー、風速計(風向風速計)等の海上電子装置おける仕様であり、米国海洋電子機器協会により規定されたものである。衛星情報取得部111は、取得された衛星情報を位置測定部112及びコントローラ12へ出力する。位置測定部112は、衛星情報取得部111から出力された衛星情報に基づいて、上述のRTK-GPS方式で建設機械10の位置を測定し、測定した結果をコントローラ12に出力する。
広角カメラ15は、いわゆる魚眼カメラ、全方位カメラ、又は全天球カメラであって、例えば180度以上の画角を有する広角レンズが備えられている。この広角カメラ15は、例えば建設機械10の上部に取り付けられ、建設機械10の周囲及び上方を撮像することで建設機械10の周辺環境情報を取得し、取得した周辺環境情報をコントローラ12に出力する。
本実施形態において、建設機械10の周辺環境情報とは、建設機械10の周辺の地形、並びに、建造物及び樹木などの地上物の位置及び形状に関する情報を意味する。従って、建設機械10の周辺環境情報には、建設機械10の周辺環境を示す地図情報や画像情報などが含まれている。また、該周辺環境情報は、2次元のデータであっても良く、3次元のデータであっても良い。
コントローラ12は、例えば演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、演算のためのプログラムを記録した二次記憶装置としてのROM(Read Only Memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によって建設機械10全体の制御を行う。
例えば、コントローラ12は、GNSS受信機11の位置測定部112によって測定された位置と、予め記憶された3次元設計データ又は該3次元設計データから生成された3次元施工データとに基づいて、下部走行体10a、上部旋回体10b又はフロント作業機(作業装置)10cの動作を制御して施工を行う。また、コントローラ12は、各制御結果や建設機械10の動作状態などの情報をモニタ14に表示させることで、建設機械10のオペレータに知らせる。
また、コントローラ12は、GNSS受信機11の衛星情報取得部111から出力された測位衛星20の衛星情報に基づいて、建設機械10の測位精度を算出する。具体的には、コントローラ12は、算出条件設定部121と、測位精度算出部122と、送信処理部123とを有する。
算出条件設定部121は、測位精度の算出条件を測位精度算出部122に設定する。測位精度の算出条件として、対象である建設機械10の位置情報及び測位衛星20の衛星情報、並びに、従前に算出された測位精度の情報及び算出条件などが挙げられる。
測位精度算出部122は、衛星情報を含む上記算出条件に基づいて建設機械10の測位精度を算出し、算出した測位精度の結果を送信処理部123へ出力する。本実施形態では、測位精度算出部122は、測位精度として位置精度低下率(PDOP:Position Dilution Of Precision、測位精度劣化係数ともいう)を算出する。PDOPは、HDOP(Horizontal Dilution Of Precision)と、VDOP(Vertical Dilution Of Precision)とを用いて、式(1)のように算出される。
Figure 2022111857000002
HDOP及びVDOPは、それぞれ、PDOPの水平成分及び垂直成分を指標化したものであり、GNSS受信機11から出力された衛星情報から取得され得る。PDOPは、その値が大きいほど測位精度が低く、その値が小さいほど測位精度が高いことを示している。PDOPの値が1である場合、測位精度が最も高い。HDOP及びVDOPについても同様に、それぞれの値が大きいほど測位精度が低く、それぞれの値が小さいほど測位精度が高いことを示している。
送信処理部123は、GNSS受信機11から出力された建設機械10の位置情報及び測位衛星20の衛星情報と、測位精度算出部122により取得された測位精度情報と、広角カメラ15の撮像画像とを、通信機13を介してサーバ装置30へ送信する。
一方、サーバ装置30は、建設機械10を管理するクラウドサーバであり、例えば無線局(図示せず)を介して建設機械10と通信可能に接続されている。サーバ装置30は、例えば演算を実行するCPU(Central Processing Unit)と、演算のためのプログラムを記録した二次記憶装置としてのROM(Read Only Memory)と、演算経過の保存や一時的な制御変数を保存する一時記憶装置としてのRAM(Random Access Memory)とを組み合わせてなるマイクロコンピュータにより構成されており、記憶されたプログラムの実行によって建設機械10の管理などを行う。
本実施形態において、サーバ装置30は、GNSS受信機11により測定された建設機械10の位置情報と、GNSS受信機11が受信した測位衛星20の信号に含まれた測位衛星20の軌道情報と、建設機械10の周辺環境情報とに基づき、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定し、特定した障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外して該建設機械10の測位精度を算出する。具体的には、本実施形態のサーバ装置30は、記憶部31、障害物特定部32、測位精度算出部33及び表示情報生成部34を備えている。
記憶部31は、建設機械10から送信された各情報や建設機械10を管理する各種情報を記憶する記憶装置である。例えば記憶部31は、建設機械10から送信された建設機械10の位置情報、測位衛星20の衛星情報、測位精度情報、及び、広角カメラ15の撮像画像を記憶する。記憶部31は、建設機械10から送信されたこれらの情報として、現在送信された情報を記憶するだけでなく、過去に送信された情報も蓄積している。
また、記憶部31は、建設機械10の周辺環境の位置及び形状を示す周辺環境情報、並びに、建設機械10の施工内容を示す施工情報を記憶する。建設機械10の周辺環境情報は、上述したように、建設機械10の施工現場を含む建設機械10の周辺の地形、並びに、建造物及び樹木などの地上物の位置及び形状に関する情報である。この周辺環境情報には、建設機械10の周辺環境の地図情報が含まれている。また、周辺環境情報は2次元のデータであっても良く、3次元のデータであっても良い。一方、建設機械10の施工情報には、3次元設計データ又は3次元施工データ等の施工対象に関する情報の他、建設機械10の施工計画、施工の進捗及び施工精度に関する情報が含まれている。
障害物特定部32は、GNSS受信機11により測定された建設機械10の位置情報と、GNSS受信機11が受信した測位衛星20の信号に含まれた測位衛星20の軌道情報と、建設機械10の周辺環境情報とに基づき、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定する。
ここで、障害物特定に用いられる建設機械10の周辺環境情報は、上記記憶部31に記憶された3次元の地図情報又は地形情報であっても良く、建設機械10の広角カメラ15によって撮像された画像に基づいて得られた地上物に関する情報であっても良い。以下、図3及び図4を基に、周辺環境情報が広角カメラ15によって撮像された画像に基づいて得られた地上物に関する情報である場合について説明する。
図3は広角カメラにより撮像された半球画像を示すイメージ図である。上述した通り、広角カメラ15により撮像された半球画像は、通信機13を介してサーバ装置30に送信される。サーバ装置30の障害物特定部32は、まず、送信された半球画像を解析し、画像内に存在する建造物、樹木などの地上物を認識する。例えば図3に示す例では、半球画像内に存在する建造物151a、151b、151c及び樹木152a、152bがそれぞれ認識される。画像から物体を認識する方法として、既に周知された技術を用いることができるので、その詳細な説明を省略する。
続いて、障害物特定部32は、GNSS受信機11により測定された建設機械10の位置情報と、GNSS受信機11が受信した測位衛星20の信号に含まれた測位衛星20の軌道情報とを基に、測位衛星20の位置を上記半球画像と重ね合わせる。これによって、図3に示すように、測位衛星20と上記認識された建造物及び樹木との位置関係を把握することが可能になる。更に、建設機械10に対して測位衛星20の配置位置が偏るか否かも把握することができる。
続いて、図4に示すように、障害物特定部32は、上記認識した建造物151a、151b、151c及び樹木152a、152bをそれぞれマスク(言い換えれば、遮蔽)する(図4の灰色部分参照)。なお、マスクの範囲について、建造物の場合は建設機械10から見た該建造物の輪郭であり、樹木の場合は建設機械10から見た該樹木の輪郭をカバーできる範囲である。一方、例えば樹木152bと建造物151cとが重なった場合、最も輪郭が大きい建造物151cの輪郭をマスクの範囲とする。
続いて、障害物特定部32は、マスクした地上物と測位衛星20との位置関係に基づいて、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定する。図4に示す例では、測位衛星20a、20bと建造物151bとが重なり合い、測位衛星20a、20bは建造物151bによって遮られ、測位衛星20cと建造物151cとが重なり合い、測位衛星20cは建造物151cによって遮られているため、障害物特定部32は該建造物151b、151cを障害物として特定し、特定した結果を測位精度算出部33に出力する。
一方、上述したように、建設機械10の周辺環境情報は、記憶部31に記憶された3次元の地図情報又は地形情報を用いても良い。3次元の地図情報又は地形情報には、崖、山の斜面、街中の建造物などの地上物に関するデータが含まれている。障害物特定部32は、これらの地上物の3次元のデータと、GNSS受信機11により測定された建設機械10の位置情報と、GNSS受信機11が受信した測位衛星20の信号に含まれた測位衛星20の軌道情報とに基づき、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定する。
具体的には、例えば障害物特定部32は、建設機械10の位置情報に含まれた位置座標と、建造物の高さに関する情報とを基に仰角閾値を算出し、算出した仰角閾値以下の地上物を障害物として特定する。そして、障害物特定部32は、特定した結果を測位精度算出部33に出力する。
測位精度算出部33は、障害物特定部32からの特定結果に基づき、特定した障害物(すなわち、建造物151b、151c)によって遮られた測位衛星20a、20b、20cの信号を除外し、残りの測位衛星20の信号を用いて建設機械10の測位精度を算出する。測位精度算出部33による測位精度の算出には、コントローラ12の測位精度算出部122による測位精度の算出と同じ方法が用いられるが、障害物に遮られた測位衛星20の信号を除外するかしないかで異なっている。
上述したように、建造物、崖、山の斜面などの地上物によって測位衛星20からの電波が反射されるのでマルチパスが発生する。発生したマルチパスの影響で高精度な位置情報を計算できないタイミング又は測位値がジャンプアップするタイミングが生じ、測位精度に影響を与えてしまう。また、樹木の葉や枝が張り出している場所では、風などにより測位衛星20の電波が遮られ、サイクルスリップという観測データが不連続となり、欠落したデータにより測位結果に誤差が生じる場合もある。本実施形態において、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定し、特定した障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外して測位精度を算出するので、測位精度の誤差要因を低減し、測位精度を高めることができる。
ここでは、障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外し、且つ残りの捕捉する測位衛星20(言い換えれば、遮られない測位衛星20)が少なくとも4基以上である場合、建設機械10にとって仰角の低い位置に配置された測位衛星20よりも建設機械10の真上に配置された測位衛星20を利用するのが好ましい。これは、建設機械10の真上に配置された測位衛星20は、地上物による電波の反射等の影響を受けないので、衛星測位の精度をより高める効果を期待できる。
図5はサーバ装置により算出された位置精度低下率と建設機械のコントローラにより算出された位置精度低下率との比較を示すイメージ図である。図5において、横軸は時間であり、縦軸は位置精度低下率(PDOP)である。折れ線グラフ401は、コントローラ12の測位精度算出部122によって算出された結果に基づいてプロットしたものであり、すなわち、障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外しない状態での算出結果である。一方、折れ線グラフ402は、サーバ装置30の測位精度算出部33によって算出された結果に基づいてプロットしたものであり、すなわち、障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外した状態での算出結果である。これらの折れ線グラフを比較すると、障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外した場合の測位精度が高くなるのが分かる。
測位精度算出部33は、算出した測位精度の結果を表示情報生成部34に出力する。
表示情報生成部34は、測位精度算出部33の算出結果を端末装置40及び建設機械10のモニタ14に表示するための情報を生成し、生成した情報を端末装置40及び建設機械10にそれぞれ送信する。また、表示情報生成部34は、測位精度算出部33によって算出された位置精度低下率(測位精度の状態)を施工業者やオペレータ等に提示するため、算出された位置精度低下率を一方の軸にとり、時間を他方の軸にとったグラフを作成し、作成したグラフを端末装置40及びモニタ14に出力する。
そして、施工業者やオペレータ等に測位精度の状態をより分かり易く提示するため、表示情報生成部34は、上記一方の軸の正負方向を反転させてグラフを作成する。更に、施工業者やオペレータ等に測位精度の状態を視覚的に把握させるため、位置精度の低下率の変化をビジュアル化にする。以下、図6を基に詳細に説明する。
図6は端末装置及びモニタに表示される位置精度低下率を示すイメージ図であり、表示情報生成部34によって作成されたものである。図6において、横軸は時間であり、縦軸は測位精度算出部33によって算出された位置精度低下率(PDOP)である。
上述したように、位置精度低下率は値が大きくなると測位精度が低下し、値が小さくなると測位精度が高い。このため、位置精度低下率を縦軸にとり、時間を横軸にとったグラフは、通常、図6中の破線で示す折れ線グラフ403のように、上方に凸出する部分は測位精度が低く、下方に凹む部分は測位精度が良くなるように表示されている。しかし、人間の直感としては、上方に凸出する部分(言い換えれば、プラス方向)が良好を示し、下方に凹む部分(言い換えれば、マイナス方向)が良好でないことを示すという傾向が強い。
これに対し、本実施形態の表示情報生成部34は、縦軸の正負方向を反転させてグラフを作成する。すなわち、表示情報生成部34は、折れ線グラフ403の向きを上下逆転させ、図6中の実線で示す折れ線グラフ404を作成し、作成した折れ線グラフ404のみを出力する。このようにすることで、プラス方向が良好を示し、マイナス方向が良好でないことを示すといった人間の直感とマッチすることができるので、施工業者やオペレータ等が表示された折れ線グラフ404を見て、測位精度の良し悪しを直感的に把握することが可能になる。
また、図6に示すように、グラフの上方には、晴れマーク、曇りマーク及び雨マークといった天気予報の記号を表示する記号欄405が設けられている。これは、上下逆転して作成された折れ線グラフ404に合わせ、測位精度が良好な場合に晴れマーク、良好でない場合に雨マーク、両者間の場合に曇りマークをそれぞれ付けることで、測位精度をビジュアル的に表示するものである。なお、測位精度に対応した記号は、例えばPDOP<2の場合は晴れマーク、2≦PDOP<4の場合は曇りマーク、4≦PDOPの場合は雨マークがそれぞれ自動的に付与される。
測位精度が良好でない原因として、建設機械10にとって測位衛星20が仰角の低い位置に配置されること、捕捉できる測位衛星20の数が少ない等の原因が考えられる。すなわち、障害物によって遮られる測位衛星20の電波を除外した結果、遮られない測位衛星20の数が少ない原因によって、測位精度が低くなる場合がある。また、遮られない測位衛星20であっても、該測位衛星20が建設機械10の真上に配置されずに建設機械10にとって仰角の低い位置に配置された場合、仰角の低い測位衛星20からの電波はマルチパスの影響を受け易いので、測位精度が低くなる場合がある。
本実施形態では、任意の場所、任意の時刻での測位精度を天気予報のごとく表示することで、施工業者やオペレータ等が測位精度の状態を容易に把握することができるので、施工作業を事前に計画的に行うことができる。その結果、施工作業を中断することなく高効率、短時間な施工作業が可能になる。
また、施工業者が衛星測位システムを用いた施工実施の判断や計画を練る際に、端末装置40の表示画面41に表示されたグラフを見て、施工現場における測位精度の状態を視覚的に分かりやすく把握できる。例えば、施工業者が端末装置40の操作画面を介し施工現場内のある区画を選択し、選択された区画に対応した測位精度が天気マークで表示されるので、施工計画と照らし合わせて測位精度の状態を容易に把握することができる。なお、ここでは、端末装置40の表示画面41には、選択された区画での作業内容も表示されるようにしても良い。
更に、図6に示すグラフは建設機械10のモニタ14にも表示されることが好ましい。このとき、広角カメラ15によって撮像された半球カメラ画像もモニタ14に表示されるのが更に好ましい。このようにすれば、建設機械10のオペレータは、モニタ14を介して作業中に測位精度と建設機械10の周辺の様子を確認しつつ、施工作業を行うことができる。
本実施形態に係る衛星測位システム1では、サーバ装置30の障害物特定部32は、GNSS受信機11により測定された建設機械10の位置情報と、GNSS受信機11が受信した測位衛星20の信号に含まれた測位衛星20の軌道情報と、建設機械10の周辺環境情報とに基づき、建設機械10に対して測位衛星20を遮る障害物を特定する。サーバ装置30の測位精度算出部33は、特定した障害物によって遮られた測位衛星20の信号を除外して建設機械10の位置精度低下率を算出する。このため、障害物に起因するマルチパスの影響を抑制できるので、建設機械10の測位精度を高めることができる。
なお、本実施形態において、建設機械10を構成する各部位の構造体が測位衛星20を遮るときに、障害物特定部32は建設機械10の該構造体を障害物として特定することが好ましい。例えば図7に示すように、広角カメラ15により撮像された半球画像内に樹木152a、152bが存在し、樹木152aによって測位衛星20fが遮られている。また、該半球画像内に、建設機械10のフロント作業機(作業装置)10cからなる構造体153(例えば油圧ショベルのブーム、クレーンのアームなど)が存在し、該構造体153によって測位衛星20d、20eが遮られている。従って、障害物特定部32は、樹木152aに加えて更に構造体153を障害物として特定する。なお、図7で樹木152a、152b、構造体153は上述の方法によりマスクされた状態である。このようにすれば、建設機械10自身の構造体に起因したマルチパスの影響を低減し、測位精度を高めることができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
1 衛星測位システム
10 建設機械
11 GNSS受信機
12 コントローラ
13 通信機
14 モニタ
15 広角カメラ
16 GNSSアンテナ
20、20a、20b、20c、20d、20e、20f 測位衛星
30 サーバ装置
31 記憶部
32 障害物特定部
33 測位精度算出部
34 表示情報生成部
40 端末装置
41 表示画面
111 衛星情報取得部
112 位置測定部
121 算出条件設定部
122 測位精度算出部
123 送信処理部

Claims (6)

  1. 複数の測位衛星からの信号を受信して位置を測定するGNSS受信機が搭載された建設機械と、該建設機械と通信可能に構成されるとともに前記建設機械の測位精度を算出するサーバ装置と、を備える衛星測位システムであって、
    前記サーバ装置は、前記GNSS受信機により測定された前記建設機械の位置情報と、前記GNSS受信機が受信した前記測位衛星の信号に含まれた前記測位衛星の軌道情報と、前記建設機械の周辺環境情報とに基づき、前記建設機械に対して前記測位衛星を遮る障害物を特定し、特定した前記障害物によって遮られた測位衛星の信号を除外して前記建設機械の測位精度を算出することを特徴とする衛星測位システム。
  2. 前記建設機械には、該建設機械の周囲及び上方を撮像する広角カメラが搭載され、
    前記建設機械の周辺環境情報は、前記広角カメラにより撮像された画像に基づいて得られた地上物に関する情報である請求項1に記載の衛星測位システム。
  3. 前記建設機械の構造体が前記測位衛星を遮るときに、前記サーバ装置は、前記建設機械の構造体を障害物として特定する請求項2に記載の衛星測位システム。
  4. 前記建設機械の周辺環境情報は、前記サーバ装置に記憶された3次元の地図情報又は地形情報である請求項1に記載の衛星測位システム。
  5. 前記サーバ装置は、前記建設機械の測位精度として位置精度低下率を算出し、算出した位置精度低下率を一方の軸にとり、時間を他方の軸にとったグラフを出力する際に、前記一方の軸の正負方向を反転させて前記グラフを出力する請求項1~4のいずれか一項に記載の衛星測位システム。
  6. 複数の測位衛星からの信号を受信して位置を測定するGNSS受信機が搭載された建設機械と通信可能に構成されるサーバ装置であって、
    前記サーバ装置は、前記GNSS受信機により測定された前記建設機械の位置情報と、前記GNSS受信機が受信した前記測位衛星の信号に含まれた前記測位衛星の軌道情報と、前記建設機械の周辺環境情報とに基づき、前記建設機械に対して前記測位衛星を遮る障害物を特定し、特定した前記障害物によって遮られた測位衛星の信号を除外して前記建設機械の測位精度を算出することを特徴とするサーバ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7384320B1 (ja) * 2022-11-01 2023-11-21 住友電気工業株式会社 処理装置、処理方法、システムおよびコンピュータプログラム

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