JP2022110301A - スイッチング電源用回路及びスイッチング電源装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】トランジスタの寄生ダイオードに電流が流れることを抑制する。【解決手段】入力電圧から出力電圧を生成するためのスイッチング電源用回路は、第1及び第2トランジスタ(ハイサイド及びローサイドトランジスタ)の直列回路から成る出力段回路と、出力電圧に応じた帰還電圧に基づき第1及び第2トランジスタを交互にオン、オフさせる基本スイッチング制御を実行可能な制御回路と、当該スイッチング電源用回路の外部からスイッチ端子を通じ所定の逆流閾値以上の電流が出力段回路に向けて流れる逆流状態を検出する検出回路と、を備える。制御回路は、基本スイッチング制御により第2トランジスタがオンとされているときにおいて逆流状態が検出されたとき、基本スイッチング制御に優先して第1トランジスタをオンとする強制ハイ制御を実行し、所定の解除条件が成立すると強制ハイ制御を解除する。【選択図】図16
Description
本開示は、スイッチング電源用回路及びスイッチング電源装置に関する。
ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタから成るハーフブリッジ回路に入力電圧を供給し、各トランジスタを交互にオン、オフすることで生じる矩形波状の電圧をインダクタ及び出力コンデンサにて整流及び平滑化することで出力電圧を得るスイッチング電源装置がある。
この種のスイッチング電源装置において、ハイサイドトランジスタ及びローサイドトランジスタはMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)にて構成されることが多い。各MOSFETには寄生ダイオードが付加される。
上記スイッチング電源装置において、通常は、インダクタ電流が、ハイサイドトランジスタ又はローサイドトランジスタのチャネルを通過するよう各トランジスタの状態が制御される。しかし、状況によっては、ハイサイドトランジスタの寄生ダイオード又はローサイドトランジスタの寄生ダイオードにインダクタ電流が流れることもあり得る。寄生ダイオードにインダクタ電流が流れると寄生動作による不具合が発生するおそれがある。寄生動作による不具合発生を防止するべくチップレイアウトで各素子の配置ケアを行う対応も検討されるが、この対応では、フロアプランの自由度が小さくなり、多重ガードリンク及びサブコンタクトによる対策が必須となる。結果、レイアウト設計の難度があがると共にレイアウト面積の増大を招く。
本開示は、寄生ダイオードに電流が流れることの抑制に寄与するスイッチング電源用回路及びスイッチング電源装置を提供することを目的とする。
本開示に係るスイッチング電源用回路は、入力電圧から出力電圧を生成するためのスイッチング電源用回路であって、前記入力電圧を受けるべき第1端子と、前記第1端子よりも低電位側に設けられる第2端子と、スイッチ端子と、前記第1端子及び前記スイッチ端子間に設けられる第1トランジスタと前記スイッチ端子及び前記第2端子間に設けられる第2トランジスタとの直列回路を有する出力段回路と、前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づき前記第1及び第2トランジスタを交互にオン、オフさせる基本スイッチング制御を実行可能な制御回路と、当該スイッチング電源用回路の外部から前記スイッチ端子を通じ所定の逆流閾値以上の電流が前記出力段回路に向けて流れる逆流状態を検出する検出回路と、を備え、前記制御回路により、前記出力段回路の状態は、前記第1トランジスタがオン且つ前記第2トランジスタがオフとなる出力ハイ状態、前記第1トランジスタがオフ且つ前記第2トランジスタがオンとなる出力ロー状態、又は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが共にオフとなる両オフ状態に設定され、前記制御回路は、前記基本スイッチング制御により前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときにおいて、前記逆流状態が検出されたとき、前記基本スイッチング制御に優先して前記出力段回路を前記出力ハイ状態に設定する強制ハイ制御を実行し、所定の解除条件が成立すると前記強制ハイ制御を解除する構成(第1の構成)である。
上記第1の構成に係るスイッチング電源用回路において、 前記制御回路は、所定周期にて第1レベル又は第2レベルの信号レベルを交互にとる特定信号を生成する特定信号生成回路を有し、前記特定信号の信号レベルにおける前記第1レベルから前記第2レベルへの変化により、前記解除条件が成立する構成(第2の構成)であっても良い。
上記第2の構成に係るスイッチング電源用回路において、前記制御回路は、前記特定信号に同期したデジタル信号である第1制御信号及び前記誤差電圧に応じたデジタル信号である第2制御信号を生成し、前記基本スイッチング制御において、前記第1制御信号の第1所定レベル変化を契機に前記出力段回路を前記出力ハイ状態に設定し、その後、前記第2制御信号の第2所定レベル変化を契機に前記出力段回路を前記出力ロー状態に設定するスイッチング動作を繰り返し、そのスイッチング動作の繰り返しの中で、前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときに前記逆流状態が検出されると、前記基本スイッチング制御に優先して前記強制ハイ制御を実行し、その後、前記特定信号の信号レベルにおける前記第1レベルから前記第2レベルへの変化を契機に前記強制ハイ制御を解除して前記基本スイッチング制御に戻る構成(第3の構成)であっても良い。
上記第3の構成に係るスイッチング電源用回路において、前記制御回路は、前記帰還電圧と所定の基準電圧との差分に応じた誤差電圧を生成するエラーアンプ、及び、前記第1トランジスタに流れる電流に応じたスロープ電圧を生成するスロープ電圧生成部を有して、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に基づき、前記第2制御信号を生成する構成(第4の構成)であっても良い。
上記第1~第4の構成の何れかに係るスイッチング電源用回路において、前記検出回路は、前記スイッチ端子を通じ所定の向きに流れる電流が減少を経てゼロに至る又は所定値以下となるゼロクロスを検出可能であり、前記所定の向きは、前記出力段回路から当該スイッチング電源用回路の外部に向かう向きであり、前記制御回路は、所定の停止条件が成立したとき前記基本スイッチング制御を停止して前記出力段回路を前記出力ロー状態に設定し、その後、前記ゼロクロスの検出を契機に前記出力段回路を前記両オフ状態に設定する構成(第5の構成)であっても良い。
上記第5の構成に係るスイッチング電源用回路において、前記検出回路は、前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときの前記スイッチ端子の電圧を閾電圧と比較する比較器と、前記停止条件の成否に応じて前記閾電圧を第1閾電圧又は第2閾電圧に切り替え設定する電圧設定部と、を有し、前記停止条件が成立しているときには前記閾電圧に前記第1閾電圧を設定することで前記比較器の比較結果から前記ゼロクロスを検出し、前記停止条件が成立していないときには前記閾電圧に前記第2閾電圧を設定することで前記比較器の比較結果から前記逆流状態を検出する構成(第6の構成)であっても良い。
上記第5又は第6の構成に係るスイッチング電源用回路において、前記出力電圧を生成するための動作の実行又は非実行を指定するイネーブル信号を受けるべきイネーブル端子を備え、前記イネーブル信号が当該動作の非実行を指定する状態にあるとき、前記停止条件が成立する構成(第7の構成)であっても良い。
上記第5又は第6の構成に係るスイッチング電源用回路において、所定の異常を検出する異常検出部を備え、前記異常検出部により前記異常が検出されたとき、前記停止条件が成立する構成(第8の構成)であっても良い。
上記第1~第8の構成の何れかに係るスイッチング電源用回路において、 前記スイッチ端子にインダクタの一端を接続可能であって、前記スイッチ端子に前記インダクタの一端が接続されるときに前記インダクタの他端に前記出力電圧が発生する構成(第9の構成)であっても良い。
上記第1~第9の構成の何れかに係るスイッチング電源用回路において、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、MOSFETにより構成される構成(第10の構成)であっても良い。
本開示に係るスイッチング電源装置は、上記第1~第10の構成の何れかに係るスイッチング電源用回路と、前記スイッチ端子に生じる電圧を整流及び平滑化することで前記出力電圧を生成する整流平滑回路と、前記出力電圧に基づき前記帰還電圧を生成する帰還電圧生成回路と、を備えた構成(第11の構成)である。
本開示によれば、寄生ダイオードに電流が流れることの抑制に寄与するスイッチング電源用回路及びスイッチング電源装置を提供することが可能となる。
以下、本開示の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量、素子又は部位等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量、素子又は部位等の名称を省略又は略記することがある。例えば、後述の“M1”によって参照されるハイサイドトランジスタは(図1参照)、ハイサイドトランジスタM1と表記されることもあるし、トランジスタM1と略記されることもあり得るが、それらは全て同じものを指す。
まず、本開示の実施形態の記述にて用いられる幾つかの用語について説明を設ける。ラインとは電気信号が伝播又は印加される配線を指す。グランドとは、基準となる0V(ゼロボルト)の電位を有する基準導電部を指す又は0Vの電位そのものを指す。基準導電部は金属等の導体にて形成される。0Vの電位をグランド電位と称することもある。本開示の実施形態において、特に基準を設けずに示される電圧は、グランドから見た電位を表す。
レベルとは電位のレベルを指し、任意の注目した信号又は電圧についてハイレベルはローレベルよりも高い電位を有する。任意のデジタル信号はハイレベル又はローレベルの信号レべルをとる。任意の注目した信号又は電圧について、信号又は電圧がハイレベルにあるとは厳密には信号又は電圧のレベルがハイレベルにあることを意味し、信号又は電圧がローレベルにあるとは厳密には信号又は電圧のレベルがローレベルにあることを意味する。信号についてのレベルは信号レベルと表現されることがあり、電圧についてのレベルは電圧レベルと表現されることがある。任意の注目した信号について、当該信号がハイレベルであるとき、当該信号の反転信号はローレベルをとり、当該信号がローレベルであるとき、当該信号の反転信号はハイレベルをとる。
任意の注目した信号又は電圧において、ローレベルからハイレベルへの切り替わりをアップエッジ(或いはライジングエッジ)と称し、ローレベルからハイレベルへの切り替わりのタイミングをアップエッジタイミング(或いはライジングエッジタイミング)と称する。同様に、任意の注目した信号又は電圧において、ハイレベルからローレベルへの切り替わりをダウンエッジ(或いはフォーリングエッジ)と称し、ハイレベルからローレベルへの切り替わりのタイミングをダウンエッジタイミング(或いはフォーリングエッジタイミング)と称する。
MOSFETを含むFET(電界効果トランジスタ)として構成された任意のトランジスタについて、オン状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が導通している状態を指し、オフ状態とは、当該トランジスタのドレイン及びソース間が非導通となっている状態(遮断状態)を指す。FETに分類されないトランジスタについても同様である。MOSFETは、特に記述無き限り、エンハンスメント型のMOSFETであると解される。MOSFETは“metal-oxide-semiconductor field-effect transistor”の略称である。以下に示される任意のMOSFETについて、特に記述無き限り、バッグゲートはソースに接続されているものとする。
任意のスイッチを1以上のFET(電界効果トランジスタ)にて構成することができ、或るスイッチがオン状態のときには当該スイッチの両端間が導通する一方で或るスイッチがオフ状態のときには当該スイッチの両端間が非導通となる。以下、任意のトランジスタ又はスイッチについて、オン状態、オフ状態を、単に、オン、オフと表現することもある。任意のトランジスタ又はスイッチについて、トランジスタ又はスイッチがオン状態となっている期間をオン期間と称することがあり、トランジスタ又はスイッチがオフ状態となっている期間をオフ期間と称することがある。ハイレベル又はローレベルの信号レベルをとる任意の信号について、当該信号のレベルがハイレベルとなる期間をハイレベル期間と称し、当該信号のレベルがローレベルとなる期間をローレベル期間と称する。ハイレベル又はローレベルの電圧レベルをとる任意の電圧についても同様である。
任意の回路素子、配線(ライン)、ノードなど、回路を形成する複数の部位間についての接続とは、特に記述なき限り、電気的な接続を意味する。
図1は、本開示の実施形態に係るスイッチング電源装置APの全体構成図である。図1のスイッチング電源装置APは、入力電圧VINから入力電圧VINよりも低い出力電圧VOUTを生成する降圧型DC/DCコンバータとして構成されている。入力電圧VIN及び出力電圧VOUTは正の直流電圧である。スイッチング電源装置APは、スイッチング電源用回路としての半導体装置1と、後述のスイッチ電圧VSWを整流及び平滑化することで出力電圧VOUTを生成する整流平滑回路2と、出力電圧VOUTに基づき帰還電圧VFBを生成する帰還電圧生成回路3と、を備える。半導体装置1は、いわゆる電源ICである。整流平滑回路2はインダクタL1及び出力コンデンサC1から成る。帰還電圧生成回路3は帰還抵抗R1及びR2から成る。
図2に半導体装置1の外観の例を示す。半導体装置1は、半導体基板上に形成された半導体集積回路を有する半導体チップと、半導体チップを収容する筐体(パッケージ)と、筐体から半導体装置1の外部に対して露出する複数の外部端子と、を備えた電子部品である。半導体チップを樹脂にて構成された筐体(パッケージ)内に封入することで半導体装置1が形成される。尚、図2に示される半導体装置1の外部端子の数及び半導体装置1の筐体の種類は例示に過ぎず、それらを任意に設計可能である。
半導体装置1に設けられる複数の外部端子の一部として、図1には外部端子IN、SW、GND、FB及びEEが示されている。外部端子INは入力電圧VINを受けるべき入力端子であり、外部端子GNDはグランドに接続されるべきグランド端子である。スイッチング電源装置APにおいて、入力端子INに入力電圧VINが印加され、グランド端子GNDはグランドに接続される。入力電圧VINは正の直流電圧値を有するので、グランド端子GNDは入力端子INよりも低電位側に設けられることになる。外部端子SWは後述のノードND1に接続されるスイッチ端子である。外部端子FBは帰還電圧VFBを受けるべき帰還端子であり、外部端子EEはイネーブル信号ENを受けるべきイネーブル端子である。スイッチング電源装置APにおいて、帰還端子FBに帰還電圧VFBが入力され、イネーブル端子EEにイネーブル信号ENが入力される。
イネーブル信号ENは“0”又は“1”の値をとる二値化信号であり、イネーブル信号ENにより出力電圧VOUTを生成するための動作の実行又は非実行が指定される。“1”の値を持つイネーブル信号ENは出力電圧VOUTを生成するための動作の実行を指定し(当該動作を実行すべきことを指定し)、“0”の値を持つイネーブル信号ENは出力電圧VOUTを生成するための動作の非実行を指定する(当該動作を非実行とすることを指定する)。半導体装置1はイネーブル信号ENの指定内容に従う。尚、半導体装置1にイネーブル端子EEが設けられない場合もあり、この場合にはイネーブル信号ENは存在しない。
半導体装置1は、制御回路10と、出力段回路20と、逆流/ゼロクロス検出回路30と、異常検出部40と、内部電源回路50と、を備える。
出力段回路20は、出力トランジスタとして機能するハイサイドトランジスタM1と、同期整流トランジスタとして機能するローサイドトランジスタM2と、を備える。トランジスタM1及びM2は互いに直列接続されている。即ち、出力段回路20はトランジスタM1及びM2の直列回路を有する。スイッチング電源装置APは、トランジスタM1及びM2を用いて同期整流方式にて直流-直流変換を行う。トランジスタM1及びM2はNチャネル型のMOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)として構成されている。図1において、DM1はトランジスタM1に付加される寄生ダイオードを表し、DM2はトランジスタM2に付加される寄生ダイオードを表す。寄生ダイオードDM1はトランジスタM1のソースからドレインに向かう方向に順方向を持ち、寄生ダイオードDM2はトランジスタM2のソースからドレインに向かう方向に順方向を持つ。尚、トランジスタM1をPチャネル型のMOSFETとして構成する変形も可能である。
トランジスタM1のドレインは入力端子INに接続され、従って入力電圧VINの入力を受ける。トランジスタM1のソースとトランジスタM2のドレインはノードND1にて共通接続される。トランジスタM2のソースはグランド端子GNDに接続される(従ってグランドに接続される)。ノードND1に生じる電圧をスイッチ電圧と称し、記号“VSW”にて表す。半導体装置1の内部においてスイッチ端子SWはノードND1に接続され、半導体装置1の外部においてスイッチ端子SWはインダクタL1の一端に接続される。故に、インダクタL1の一端とノードND1との間にスイッチ端子SWが介在する。インダクタL1の他端はノードND2に接続される。ノードND2に出力電圧VOUTが生じる。ノードND2とグランドとの間に出力コンデンサC1が接続される。また、ノードND2とグランドとの間に帰還抵抗R1及びR2の直列回路が設けられる。従って、帰還抵抗R1及びR2間の接続ノードには出力電圧VOUTの分圧である帰還電圧VFBが生じる。帰還抵抗R1及びR2間の接続ノードが帰還端子FBに接続されることで、帰還端子FBに帰還電圧VFBが加わる。尚、トランジスタM1をPチャネル型のMOSFETとして構成する場合にあってはトランジスタM1のソース及びドレインの関係が、上述したものと逆になる(即ち、トランジスタM1のソース、ドレインが、夫々、入力端子IN、ノードND1に接続されることになる)。
図1において、“LD”は、ノードND2とグランドとの間に接続される負荷を表している。負荷LDは出力電圧VOUTに基づき駆動する任意の負荷(マイクロコンピュータ等)である。ノーND2から負荷LDに流れる、負荷LDの消費電流を負荷電流と称し、記号“ILD”にて表す。また、インダクタL1に流れる電流をインダクタ電流と称し、記号“IL”にて表す。
制御回路10は、出力電圧VOUTの情報(即ち帰還電圧VFB)と、インダクタ電流ILの情報とに基づき、トランジスタM1及びM2のオン/オフを制御し、これによって出力電圧VOUTを所定の目標電圧VTG(例えば5V)に安定化させる。即ち、図1の制御回路10では、所謂カレントモード制御方式にてトランジスタM1及びM2を駆動することが可能となっている。ここでは、トランジスタM1のオン期間においてトランジスタM1に流れる電流IM1を、インダクタ電流ILの情報として用いる。
制御回路10は、トランジスタM1のゲートにゲート信号G1を供給することでトランジスタM1の状態を制御し、トランジスタM2のゲートにゲート信号G2を供給することでトランジスタM2の状態を制御する。トランジスタM1は、ゲート信号G1のハイレベル期間においてオン状態となり、ゲート信号G1のローレベル期間においてオフ状態となる。トランジスタM2は、ゲート信号G2のハイレベル期間においてオン状態となり、ゲート信号G2のローレベル期間においてオフ状態となる。制御回路10により、出力段回路20の状態は、出力ハイ状態、出力ロー状態及び両オフ状態の何れかに制御及び設定される。出力ハイ状態では、トランジスタM1がオン状態であり且つトランジスタM2がオフ状態である。出力ロー状態では、トランジスタM1がオフ状態であり且つトランジスタM2がオン状態である。両オフ状態では、トランジスタM1及びM2が共にオフ状態である。トランジスタM1及びM2が共にオン状態とされることは無い。制御回路10は、クロックブロック110、制御信号生成ブロック120、PWMブロック130及びドライバブロック140を備えるが、それらのブロックの構成及び動作については後述される。
逆流/ゼロクロス検出回路30は、スイッチ端子SW及びグランド端子GNDに接続され、スイッチ電圧VSWに基づいて、インダクタ電流ILに関する逆流状態の検出とゼロクロスの検出とを行う。検出回路30の検出結果を示す信号SDETが検出回路30から制御回路10に出力される。
インダクタ電流ILの向きとして、正の向きと、負の向きと、がある。インダクタ電流ILの向きにおいて、出力段回路20から(即ちノードND1)からスイッチ端子SW及びインダクタL1を通じノードND2に向かう向きが、正の向きであるとする。そして、正の向きと逆の向き(即ち、ノードND2からインダクタL1及びスイッチSW端子を通じ出力段回路20に流れるインダクタ電流ILの向き)が負の向きであるとする。インダクタ電流ILが正の向きに流れるときインダクタ電流ILは正の値を有し、インダクタ電流ILが負の向きに流れるときインダクタ電流ILは負の値を有するものとする。そして、負のインダクタ電流IL(即ち負の向きに流れるインダクタ電流IL)を逆流電流と称する。逆流電流が少しでも流れる状態が逆流状態であると考えることもできるが、ここでは、所定の逆流閾値ITH_RV以上の大きさを持つインダクタ電流ILが負の向きに流れる状態を逆流状態と定義する。ここで、逆流閾値ITH_RVは正の値を持つ。逆流閾値ITH_RVの具体的な数値は任意であるが、例えば1.5A(アンペア)又は2.0Aである。
インダクタ電流ILに関してゼロクロスとは、インダクタ電流ILが正の向きに流れている状態を起点に、“IL>0”を保ちつつ、インダクタ電流ILの減少を経て、インダクタ電流ILがゼロに至ること又はインダクタ電流ILが所定のゼロクロス閾値ITH_ZR以下になることを指す。ゼロクロス閾値ITH_ZRは正の微小電流値である。ゼロクロスは、インダクタ電流ILの向きが正の向きから負の向きへ反転することを指す、と考えることもできる。
異常検出部40は所定の異常を検出する(詳細は後述)。内部電源回路50は、入力電圧VINから所定の内部電源電圧VREGを生成する。制御回路10、検出回路30及び異常検出部40は内部電源電圧VREGに基づいて駆動する。内部電源電圧VREGは複数あっても良い。
[クロックブロック]
図3にクロックブロック110の内部構成を示す。クロックブロック110は、クロック生成回路111及びワンショットパルス生成回路112を備える。図4に、回路111にて生成されるクロック信号CLK及び回路112にて生成されるワンショットクロック信号CLK_OSHTの関係を示す。信号CLK及びCLK_OSHTは、何れも、ローレベル及びハイレベルの信号レベルを交互にとる矩形波信号(デジタル信号)である。
図3にクロックブロック110の内部構成を示す。クロックブロック110は、クロック生成回路111及びワンショットパルス生成回路112を備える。図4に、回路111にて生成されるクロック信号CLK及び回路112にて生成されるワンショットクロック信号CLK_OSHTの関係を示す。信号CLK及びCLK_OSHTは、何れも、ローレベル及びハイレベルの信号レベルを交互にとる矩形波信号(デジタル信号)である。
クロック信号CLKは、所定のクロック周波数fCLKを有し且つ所定のデューティ(例えば90%)を有する。回路112は、クロック信号CLKにアップエッジが生じたとき、クロック信号CLKにアップエッジに同期してワンショットパルスを信号CLK_OSHTに発生させる。即ち、回路112は、信号CLK_OSHTを原則としてローレベルとし、クロック信号CLKにアップエッジが発生したとき、クロック信号CLKのアップエッジに同期して信号CLK_OSHTにアップエッジを生じさせ、微小時間の後、信号CLK_OSHTにダウンエッジを生じさせる。信号CLK_OSHTに含まれる、微小時間だけハイレベルとなるパルス信号がワンショットパルスである。クロック信号CLKでは所定のクロック周波数fCLKの逆数の間隔でアップエッジが生じるため、信号CLK_OSHTにおいても所定のクロック周波数fCLKの逆数の間隔でアップエッジが生じる。
[制御信号生成ブロック]
図5に制御信号生成ブロック120の内部構成を示す。制御信号生成ブロック120は、エラーアンプ121、基準電圧源122、位相補償部123、スロープ電圧生成部124、メインコンパレータ125、信号生成部126及びセット/リセット発行部127を備える。位相補償部123は抵抗123a及びコンデンサ123bを備える。
図5に制御信号生成ブロック120の内部構成を示す。制御信号生成ブロック120は、エラーアンプ121、基準電圧源122、位相補償部123、スロープ電圧生成部124、メインコンパレータ125、信号生成部126及びセット/リセット発行部127を備える。位相補償部123は抵抗123a及びコンデンサ123bを備える。
エラーアンプ121は電流出力型のトランスコンダクタンスアンプである。エラーアンプ121の反転入力端子には帰還端子FBに加わる帰還電圧VFBが供給される。基準電圧源122は所定の正の直流電圧である基準電圧VREFを生成する。基準電圧VREFはエラーアンプ121の非反転入力端子に入力される。エラーアンプ121の出力端子はブロック120内の配線であるライン128に接続される。尚、半導体装置1にソフトスタート機能が設けられる場合には、エラーアンプ121に対しソフトスタート電圧も入力されるが、ソフトスタート機能の説明は割愛する。
エラーアンプ121は、負側対象電圧と正側対象電圧との差分に応じた誤差電圧VCMPを生成する。ソフトスタート機能を無視した場合、負側対象電圧、正側対象電圧は、夫々、帰還電圧VFB、基準電圧VREFである。エラーアンプ121は、負側対象電圧と正側対象電圧との差分に応じた誤差電流信号による電荷をライン128に対して入出力することで、ライン128に誤差電圧VCMPを生じさせる。具体的にはエラーアンプ121は、正側対象電圧が負側対象電圧よりも高いときには誤差電圧VCMPが高くなるようにライン128に向けて誤差電流信号による電流を出力し、負側対象電圧が正側対象電圧よりも高いときには誤差電圧VCMPが低くなるようにライン128からエラーアンプ121に向けて誤差電流信号による電流を引き込む。負側対象電圧と正側対象電圧との差分の絶対値が増大するにつれて、誤差電流信号による電流の大きさも増大する。
ライン128とグランドとの間には抵抗123a及びコンデンサ123bの直列回路が接続される。当該直列回路は位相補償部123として機能し、エラーアンプ121と協働してライン128に誤差電圧VCMPを生じさせる。具体的には抵抗123aの一端がライン128に接続され、抵抗123aの他端がコンデンサ123bを介してグランドに接続される。抵抗123aの抵抗値及びコンデンサ123bの静電容量値を適切に設定することにより誤差電圧VCMPの信号位相を補償して出力帰還ループの発振を防ぐことができる。尚、抵抗123a及びコンデンサ123bの双方又は一方は、半導体装置1の外部に設けられて、半導体装置1に対して外付け接続されるものであっても良い。
スロープ電圧生成部124は、トランジスタM1のオン期間においてトランジスタM1に流れる電流IM1に応じたスロープ電圧VSLPを生成する。電流IM1にインダクタ電流ILの情報が含まれる。
メインコンパレータ125は、スロープ電圧VSLPと誤差電圧VCMPとを比較して、その比較結果を示すデジタル信号である信号(第2制御信号)RST1を出力する。スロープ電圧VSLPが誤差電圧VCMPより高いとき、信号RST1はハイレベルとなり、スロープ電圧VSLPが誤差電圧VCMPより低いとき、信号RST1はローレベルとなる。スロープ電圧VSLPが誤差電圧VCMPと一致するとき、信号RST1はハイレベル又はローレベルとなる。
信号生成部126は、信号CLK_OSHTに同期したデジタル信号である信号(第1制御信号)SET1を生成及び出力する。信号SET1は、信号CLK_OSHT内のワンショットパルスに同期したパルスを有する。即ち例えば、信号生成部126は、図6(a)に示す如く、信号CLK_OSHTのダウンエッジに同期して信号SET1にアップエッジを生じさせ、その後、信号SET1を微小時間だけハイレベルに維持してから信号SET1をローレベルに戻す。このように、信号生成部126は、信号SET1を原則としてローレベルとし、信号CLK_OSHTのダウンエッジに同期して信号SET1に微小時間だけハイレベルとなるパルスを生じさせて良い。或いは例えば、信号生成部126は、図6(b)に示す如く、信号CLK_OSHTのアップエッジに同期して信号SET1にアップエッジを生じさせ、且つ、信号CLK_OSHTのダウンエッジに同期して信号SET1にダウンエッジを生じさせても良い。この場合、信号SET1は信号CLK_OSHTと同じ波形を持つ。
尚、パルス等について述べられる微小時間は、本開示において特に有意な長さを持たない。このため、以下の説明では、微小時間は十分に短い時間であるとして適宜ゼロとみなされる。
セット/リセット発行部127は、信号SET1に基づいて信号SET2を生成し、信号RST1に基づいて信号RST2を生成する。信号SET2及びRST2も、信号SET1及びRST1と同様に、デジタル信号である。ハイレベルの信号SET2は、出力段回路20の状態を出力ハイ状態に設定するための又は出力ハイ状態に切り替えるためのセット信号として機能する。ローレベルの信号SET2は、ノンアクティブ状態にあり、セット信号として機能しない。ハイレベルの信号RST2は、出力段回路20の状態を出力ロー状態に設定するための又は出力ロー状態に切り替えるためのリセット信号として機能する。ローレベルの信号RST2は、ノンアクティブ状態にあり、リセット信号として機能しない。信号SET2のアップエッジに同期して出力段回路20の状態が出力ハイ状態に切り替えられた後、信号RST2のアップエッジに同期して出力段回路20の状態が出力ロー状態に切り替えられるというスイッチング動作が、原則として、制御回路10により繰り返し実行される(例外については後述)。
ここで、スロープ電圧VSLPについて説明を補足する。トランジスタM1のオン期間中においてトランジスタM1に流れる電流は、トランジスタM1のオン期間中におけるインダクタ電流ILに等しいため、スロープ電圧VSLPはトランジスタM1のオン期間中におけるインダクタ電流ILの情報を示している。即ち、スロープ電圧VSLPは、トランジスタM1のオン期間中におけるトランジスタM1又はインダクタL1の電流情報を含んでいる。当該電流情報を含むスロープ電圧VSLPの生成方法として公知の任意の方法を利用できる。
図7(a)にスロープ電圧生成部124の構成の例を示し、図7(b)にスロープ電圧VSLPに関与する電流及び電圧の波形を示す。図7(a)のスロープ電圧生成部124は、IV変換部124aと、ランプ電圧生成部124bと、加算部124cと、備える。IV変換部124aは、トランジスタM1のオン期間中にトランジスタM1に流れる電流IM1(即ちトランジスタM1のオン期間中におけるインダクタ電流IL)を電圧に変換することにより、当該電流に比例したセンス電圧VSNSを生成する。ランプ電圧生成部124bは、トランジスタM1のオン期間中において0Vを起点に徐々に増加する鋸波状のランプ電圧VRMPを生成する。加算部124cは、センス電圧VSNSとランプ電圧VRMPの和の電圧をスロープ電圧VSLPとして生成する。トランジスタM1のオン期間以外の期間においてスロープ電圧VSLPは0Vである(但し、所定のバイアス電圧値を有していても良い)。周知の如く、ランプ電圧VRMPの加算により、カレントモード制御における出力帰還ループの発振を抑制することができる。
[基本スイッチング期間、基本スイッチング制御]
イネーブル信号ENが“1”の値を持ち、且つ、異常検出部40にて一切の異常が検出されておらず、且つ、検出回路30にて逆流状態もゼロクロスも検出されていない期間を、便宜上、基本スイッチング期間と称する。制御回路10は、基本スイッチング期間においては基本スイッチング制御を実行する。
イネーブル信号ENが“1”の値を持ち、且つ、異常検出部40にて一切の異常が検出されておらず、且つ、検出回路30にて逆流状態もゼロクロスも検出されていない期間を、便宜上、基本スイッチング期間と称する。制御回路10は、基本スイッチング期間においては基本スイッチング制御を実行する。
図8及び図9を参照して基本スイッチング制御を説明する。図8は、基本スイッチング制御におけるPWMブロック130及びドライバブロック140の入出力信号を表す。図9は、基本スイッチング制御における各種信号等の波形を示す。基本スイッチング制御では、信号SET2は信号SET1と同じ波形を有し、信号RST2は信号RST1と同じ波形を有する(但し論理回路における遅延を無視)。PWMブロック130は、信号SET2及びRST2に基づいて信号PWMを生成する。信号PWMはデジタル信号である。ドライバブロック140は信号PWMに基づいてゲート信号G1及びG2を生成及び出力し、これによってトランジスタM1及びM2を個別にオン又はオフする。
基本スイッチング制御において、信号SET1は原則としてローレベルであり、信号CLK_OSHTのアップエッジに同期して信号SET1が微小時間だけハイレベルとなる(図6(a)及び(b)参照)。基本スイッチング制御において、セット/リセット発行部127は、信号SET1のアップエッジに同期して信号SET2にもアップエッジを発生させ、PWMブロック130は、信号SET2のアップエッジに同期して信号PWMにアップエッジを生じさせる。
基本スイッチング制御に係るドライバブロック140は、信号PWMのハイレベル期間において、ゲート信号G1をハイレベルとし且つゲート信号G2をローレベルとすることで出力段回路20の状態を出力ハイ状態とする。基本スイッチング制御に係るドライバブロック140は、信号PWMのローレベル期間において、ゲート信号G1をローレベルとし且つゲート信号G2をハイレベルとすることで出力段回路20の状態を出力ロー状態とする。
出力段回路20が出力ハイ状態にあるとき、インダクタ電流ILが時間経過と共に増加し、出力段回路20が出力ロー状態にあるとき、インダクタ電流ILが時間経過と共に減少する。出力段回路20が出力ハイ状態にあるときのインダクタ電流ILの増加により、“VSLP<VCMP”の成立状態から“VSLP≧VCMP”の成立状態へ変化すると、信号RST1にアップエッジが生じる。基本スイッチング制御において、セット/リセット発行部127は、信号RST1のアップエッジに同期して信号RST2にもアップエッジを発生させ、PWMブロック130は、信号RST2のアップエッジに同期して信号PWMにダウンエッジを生じさせる。
出力段回路20が出力ハイ状態にあるとき、入力電圧VINと実質的に同じ電圧がスイッチ端子SWに加わり、出力段回路20が出力ロー状態にあるとき、スイッチ端子SWの電圧は実質的に0Vとなる。故に、出力段回路20が出力ハイ状態及び出力ロー状態間で交互に切り替わる過程において、スイッチ電圧VSWは矩形波状の電圧となる。この矩形波状のスイッチ電圧VSWが整流平滑回路2(図1参照)にて整流及び平滑されることで出力電圧VOUTが得られる。
このように、基本スイッチング制御では、信号SET1及びSET2のアップエッジに同期して出力段回路20の状態が出力ハイ状態に切り替えられた後、信号RST1及びRST2のアップエッジに同期して出力段回路20の状態が出力ロー状態に切り替えられるというスイッチング動作が、繰り返し実行される。
[異常検出部]
図10に異常検出部40の構成を示す。異常検出部40は、UVLO回路41、TSD回路42、OVP回路43及びSCP回路44を備える。図10に示される保護信号生成回路48は、半導体装置1内であって且つ制御回路10外に設けられる。但し、保護信号生成回路48は制御回路10内に設けられていると考えても良い。保護信号生成回路48は異常検出部40の構成要素に含まれていても良い。UVLO回路41、TSD回路42、OVP回路43、SCP回路44、保護信号生成回路48、夫々、信号UVLO、TSD、OVP、SCP、PREPROTONを出力する。信号UVLO、TSD、OVP、SCP及びPREPROTONの夫々は、“1”又は“0”の値をとる二値化信号である。異常検出部40にて検出の対象となる異常は、以下に示す低電圧異常、高温異常、過電圧異常、及び、短絡異常を含む。
図10に異常検出部40の構成を示す。異常検出部40は、UVLO回路41、TSD回路42、OVP回路43及びSCP回路44を備える。図10に示される保護信号生成回路48は、半導体装置1内であって且つ制御回路10外に設けられる。但し、保護信号生成回路48は制御回路10内に設けられていると考えても良い。保護信号生成回路48は異常検出部40の構成要素に含まれていても良い。UVLO回路41、TSD回路42、OVP回路43、SCP回路44、保護信号生成回路48、夫々、信号UVLO、TSD、OVP、SCP、PREPROTONを出力する。信号UVLO、TSD、OVP、SCP及びPREPROTONの夫々は、“1”又は“0”の値をとる二値化信号である。異常検出部40にて検出の対象となる異常は、以下に示す低電圧異常、高温異常、過電圧異常、及び、短絡異常を含む。
半導体装置1の仕様において入力電圧VINに対し適正な電圧範囲が定められている。UVLO回路41は、その電圧範囲の下限よりも低い所定のUVLO判定電圧と入力電圧VINを比較し、入力電圧VINがUVLO判定電圧以下であるとき、“1”の値を持つUVLO信号を出力し、そうでないとき、“0”の値を持つUVLO信号を出力する。入力電圧VINがUVLO判定電圧以下である状態は入力電圧VINが低すぎる低電圧異常である。“0”の値を持つUVLO信号と“1”の値を持つUVLO信号の内、“1”の値を持つUVLO信号のみが、低電圧異常が検出されたことを示す(換言すれば、低電圧異常があると検出されたことを示す、或いは、低電圧異常の発生を示す)。
TSD回路42は、半導体装置1の内部温度(詳細には半導体装置1における半導体チップ上の所定位置の温度)を所定の上限温度(例えば175℃)と比較し、半導体装置1の内部温度が上限温度以上であるとき、“1”の値を持つTSD信号を出力し、そうでないとき、“0”の値を持つTSD信号を出力する。半導体装置1の内部温度が上記の上限温度以上である状態は、半導体装置1の内部温度が高すぎる高温異常である。“0”の値を持つTSD信号と“1”の値を持つTSD信号の内、“1”の値を持つTSD信号のみが、高温異常が検出されたことを示す(換言すれば、高温異常があると検出されたことを示す、或いは、高温異常の発生を示す)。
OVP回路43は、帰還電圧VFBを、基準電圧VREF(図5参照;例えば0.8V)も高い所定のOVP判定電圧(例えば1.04V)と比較し、帰還電圧VFBがOVP判定電圧を超えるとき、“1”の値を持つOVP信号を出力し、そうでないとき、“0”の値を持つOVP信号を出力する。帰還電圧VFBがOVP判定電圧を超える状態は、帰還電圧VFBが高すぎる(従って出力電圧VOUTが高すぎる)過電圧異常である。“0”の値を持つOVP信号と“1”の値を持つOVP信号の内、“1”の値を持つOVP信号のみが、過電圧異常が検出されたことを示す(換言すれば、過電圧異常があると検出されたことを示す、或いは、過電圧異常の発生を示す)。
SCP回路44は、帰還電圧VFBを、基準電圧VREF(図5参照;例えば0.8V)も低い所定のSCP判定電圧(例えば0.56V)と比較する。SCP回路44は、SCP信号の値を原則として“0”とし、帰還電圧VFBがSCP判定電圧を下回る状態が所定時間(例えば1ミリ秒)以上継続すると“1”の値を持つSCP信号を出力する。帰還電圧VFBがSCP判定電圧を下回る状態は、帰還電圧VFBが低すぎる(従って出力電圧VOUTが低すぎる)短絡異常であり、出力電圧VOUTが加わるノードND2等のグランドへの短絡が疑われる異常である。“0”の値を持つSCP信号と“1”の値を持つSCP信号の内、“1”の値を持つSCP信号のみが、短絡異常が検出されたことを示す(換言すれば、短絡異常があると検出されたことを示す、或いは、短絡異常の発生を示す)。
保護信号生成回路48に対して信号EN、UVLO及びTSDが入力される。保護信号生成回路48は、信号EN、UVLO及びTSDに基づき、図11に如く信号PREPROTONを出力する。即ち、信号ENが“1”の値を有し且つ信号UVLO及びTSDが共に“0”の値を有するときに限り、信号PREPROTONは“0”の値を有する。信号ENが“0”の値を有するときには、信号UVLO及びTSDに依らず、信号PREPROTONは“1”の値を有する。信号ENが“1”の値を有していても、信号UVLO及びTSDの内、少なくとも一方の信号が“1”の値を有している場合にも、信号PREPROTONは“1”の値を有する。
信号PREPROTONは制御回路10に入力される。また、信号OVP及びSCPも制御回路10に入力される。“0”の信号ENによって信号PREPROTONが“1”の値を有するとき、制御回路10は、“0”の信号ENに従いシャットダウン処理を行う。“1”の信号UVLOによって信号PREPROTONが“1”の値を有するとき、制御回路10は、半導体装置1を低電圧異常による誤動作から保護すべく、シャットダウン処理を行う。“1”の信号TSDによって信号PREPROTONが“1”の値を有するとき、制御回路10は、半導体装置1を高温異常から保護すべく、シャットダウン処理を行う。シャットダウン処理の実行により、少なくとも、ゲート信号G1及びG2が共にローレベルとされることで出力段回路20が両オフ状態に設定され、更にクロックブロック110の動作も停止される。但し、シャットダウン処理において出力段回路20が両オフ状態に設定される前に、寄生ダイオードDM2に電流が流れることを防止すべく、一時的に出力段回路20が出力ロー状態に設定される(詳細は後述)。
[逆流/ゼロクロス検出回路]
図12に逆流/ゼロクロス検出回路30の内部構成を示す。検出回路30は、双方向スイッチ31、比較器32、可変電圧源33及びOR回路34を備える。
図12に逆流/ゼロクロス検出回路30の内部構成を示す。検出回路30は、双方向スイッチ31、比較器32、可変電圧源33及びOR回路34を備える。
双方向スイッチ31は、第1端、第2端及び制御端を備える。双方向スイッチ31の第1端はライン35に接続され、双方向スイッチ31の第2端はライン36に接続される。ライン35はスイッチ電圧VSWが加わる配線である。ライン36は比較器32の非反転入力端子に接続される配線である。双方向スイッチ31の制御端に対し信号M2_ONが入力される。信号M2_ONは、トランジジスタM2のオン期間においてハイレベルを有し且つトランジジスタM2のオフ期間においてローレベルを有するデジタル信号である。信号M2_ONは、ゲート信号G2(図1参照)そのものであっても良いし、ゲート信号G2に基づいて生成された信号であっても良い。信号M2_ONがハイレベルであるときに、双方向スイッチ31がオンとなって双方向スイッチ31の第1端及び第2端間が導通し、信号M2_ONがローレベルであるときに、双方向スイッチ31がオフとなって双方向スイッチ31の第1端及び第2端間が遮断される。従って、トランジジスタM2のオン期間においてのみスイッチ電圧VSWが比較器32の非反転入力端子に加わる。
比較器32は、非反転入力端子に加えて、反転入力端子及び出力端子を備える。可変電圧源33は、比較器32の反転入力端子に対して閾電圧VTHが加える。比較器32の出力端子から信号SDETが出力される。比較器32は、双方向スイッチ31のオン期間において、スイッチ電圧VSWを閾電圧VTHと比較し、スイッチ電圧VSWが閾電圧VTHより高いときにはハイレベルの信号SDETを出力する一方、スイッチ電圧VSWが閾電圧VTHより低いときにはローレベルの信号SDETを出力する。双方向スイッチ31のオン期間において、スイッチ電圧VSWが閾電圧VTHと一致するときにはハイレベル又はローレベルの信号SDETが出力される。尚、配線36は可変電圧源33の負側出力端にプルダウンされており、双方向スイッチ36のオフ期間においては常に信号SDETがローレベルとなるよう、検出回路30が構成されているものとする。
OR回路34は3入力の論理和回路であり、信号PREPROTON、OVP及びSCPの論理和信号を信号CNTVTHとして出力する。信号PREPROTON、OVP及びSCPが全て“0”の値を有しているときに限り、信号CNTVTHは“0”の値を有し、信号PREPROTON、OVP及びSCPの内、任意の1以上の信号が“1”の値を有しているとき、信号CNTVTHは“1”の値を有する。
可変電圧源33は、閾電圧VTHを閾電圧VTH1及びVTH2間で切り替え可能に構成されており、信号CNTVTHの値に応じて閾電圧VTHを切り替え設定する。閾電圧VTH1及びVTH2は、互いに異なる所定の電圧値を有する。
図13に示す如く、信号PREPROTON、OVP及びSCPの内、任意の1以上の信号が“1”の値を有することで、信号CNTVTHが“1”の値を有するとき、可変電圧源33は、閾電圧VTHに閾電圧VTH1を設定する。“VTH=VTH1”であるとき、検出回路30はゼロクロスを検出するための回路として機能する。このため、閾電圧VTH1はゼロクロスの検出に適した所定の電圧値を有する。閾電圧VTH1は典型的には0Vである。但し、閾電圧VTH1は、正の微小電圧(例えば+50mV)又は負の微小電圧(例えば-50mV)であっても良い。“VTH=VTH1”である期間において、ハイベルの信号SDETはゼロクロスが検出されたことを示す(換言すれば、ゼロクロスの発生が検出されたことを示す)。
図14に示す如く、信号PREPROTON、OVP及びSCPが全て“0”の値を有することで、信号CNTVTHが“0”の値を有するとき、可変電圧源33は、閾電圧VTHに閾電圧VTH2を設定する。“VTH=VTH2”であるとき、検出回路30は逆流状態を検出するための回路として機能する。このため、閾電圧VTH2は逆流状態の検出に適した所定の電圧値(例えば0.5V)を有する。閾電圧VTH2は閾電圧VTH1よりも高い。“VTH=VTH2”である期間において、ハイベルの信号SDETは逆流状態が検出されたことを示す(換言すれば、逆流状態の発生が検出されたことを示す)。
[ゼロクロス対応処理、逆流対応処理]
制御回路10は、基本スイッチング制御を実行しているときにおいて所定の停止条件が成立したとき、ゼロクロス対応処理を実行する。
制御回路10は、基本スイッチング制御を実行しているときにおいて所定の停止条件が成立したとき、ゼロクロス対応処理を実行する。
停止条件は、イネーブル信号ENの値が“0”であるとき成立する。即ち、イネーブル信号ENが、出力電圧VOUTを生成するための動作の非実行を指定する状態にあるとき、停止条件が成立する。尚、上述したように、半導体装置1にイネーブル端子EEが設けられない場合もあり、この場合にはイネーブル信号ENは存在しないので、当然、イネーブル信号ENに基づき停止条件が成立することは無い。また、停止条件は、異常検出部40により異常が検出された場合にも成立する。より具体的には、異常検出部40により、低電圧異常、高温異常、過電圧異常及び短絡異常の何れかが検出されたとき(低電圧異常、高温異常、過電圧異常及び短絡異常の何れかの発生が検出されたとき)、停止条件が成立する。停止条件が成立しているときには、信号CNTVTHが“1”の値を有するので“VTH=VTH1”となり(図13参照)、検出回路30はゼロクロスを検出するための回路として機能する。停止条件の非成立期間では、信号CNTVTHが“0”の値を有するので“VTH=VTH2”となり(図14参照)、検出回路30は逆流状態を検出するための回路として機能する。可変電圧源33及びOR回路34は、停止条件の成否に応じて閾電圧VTHを閾電圧VTH1及びVTH2間で切り替える電圧設定部を構成する、と言える。
図15にゼロクロス対応処理の概要を示す。ここでは停止条件の成立時において“IL>0”であることを想定している。停止条件の成立に伴うゼロクロス対応処理では、基本スイッチング制御を停止して出力段回路20の状態を出力ロー状態に設定し、その後、ゼロクロスの検出を契機に(即ち、“VTH=VTH1”であるときの比較器32の出力信号SDETのアップエッジを契機に)出力段回路20を両オフ状態に設定する。即ち、停止条件の成立時において“IL>0”であるとき、出力段回路20を出力ロー状態に設定することでトランジスタM2のチャネルにインダクタ電流ILを通過させ、インダクタ電流ILがゼロ又はゼロ近辺に減少してから出力段回路20を両オフ状態とする。
尚、基本スイッチング制御により出力段回路20が出力ハイ状態に設定されているタイミングにおいて停止条件が成立したときには、停止条件の成立を契機に出力段回路20の状態が出力ハイ状態から出力ロー状態に切り替えられるが(出力段回路20の状態の切り替えを伴って出力段回路20が出力ロー状態に設定されるが)、基本スイッチング制御により出力段回路20が出力ロー状態に設定されているタイミングにおいて停止条件が成立したときには、停止条件の成立後も出力段回路20の状態が出力ロー状態に維持される(出力段回路20の状態の切り替えを伴わずに出力段回路20が出力ロー状態に設定される)。
停止条件の非成立期間では上述の基本スイッチング制御が実行される。但し、停止条件の非成立期間での基本スイッチング制御により出力段回路20が出力ロー状態に設定されているときにおいて、逆流状態が検出されたとき、制御回路10は逆流対応処理を実行する。
図16に逆流対応処理の概要を示す。逆流状態の検出に伴う逆流対応処理では、基本スイッチング制御に優先して出力段回路20を出力ハイ状態に設定する強制ハイ制御を実行し、所定の解除条件が成立すると強制ハイ制御を解除して基本スイッチング制御に戻る(基本スイッチング制御が実行される状態に戻る)。基本スイッチング制御に優先して出力段回路20を出力ハイ状態に設定するとは、信号SET1及びRST1に依らず、出力段回路20を出力ハイ状態に設定することを指す。図16では、強制ハイ制御の実行中にインダクタ電流ILの極性が負から正に反転することが想定されている。従って、強制ハイ制御を経て戻った基本スイッチング制御により出力段回路20が出力ハイ状態から出力ロー状態に切り替えられる際、“IL>0”となっている。但し、強制ハイ制御を経て戻った基本スイッチング制御により出力段回路20が出力ハイ状態から出力ロー状態に切り替えられる際、“IL<0”であることもある。
解除条件は、特定信号の信号レベルにおける第1レベルから第2レベルへの変化により、成立する。本実施形態において、信号CLK_OSHTが特定信号として機能し、このため回路112(図3参照)は特定信号生成回路として機能する。信号CLK_OSHTについて、第1レベルはローレベルに対応し、第2レベルはハイレベルに対応する。従って、逆流対応処理では、信号CLK_OSHTにアップエッジが発生することで解除条件が成立して強制ハイ制御が解除されることになる。つまり、逆流状態が検出されたとき、信号CLK_OSHT又は信号CLKに次のアップエッジが生じるまでは強制ハイ制御により出力段回路20を強制的に出力ハイ状態に設定される。強制ハイ制御の解除後、信号RST2にアップエッジが生じることで出力段回路20が出力ハイ状態から出力ロー状態に切り替えられる。
基本スイッチング制御を実行しているときにおいて停止条件が成立したとき、イネーブル信号ENに従うべく又は半導体装置1を異常から保護すべく、シャットダウン処理等により、出力段回路20を即時両オフ状態に設定するという方法(以下、参考ゼロクロス対応方法と称する)も考えられる。しかしながら、参考ゼロクロス対応方法では、両オフ状態への設定に伴い、これまで流れていたインダクタ電流IL(IL>0)がトランジスタM2の寄生ダイオードDM2に流れて寄生動作による不具合が発生するおそれがある。
また、逆流状態が検出されたとき、トランジスタM2を保護すべく(比較的大きな逆流電流がトランジスタM2に流れ続けることによるトランジスタM2の過大な発熱を回避すべく)、出力段回路20を即時両オフ状態に設定するという方法(以下、参考逆流対応方法と称する)も考えられる。しかしながら、参考逆流対応方法では、両オフ状態への設定に伴い、これまで流れていたインダクタ電流IL(IL<0)がトランジスタM1の寄生ダイオードDM1に流れて寄生動作による不具合が発生するおそれがある。
寄生ダイオードDM1及びDM2はトランジスタM1及びM2のサブストレート(バックゲート)を含んで形成され、トランジスタM1及びM2のサブストレートは、半導体装置1の各回路が形成される半導体基板に面している。このため、寄生ダイオードDM1又はDM2に比較的大きな電流が流れると、その電流が半導体基板上の他の回路に流れ込んで、予期せぬ誤動作が発生することがある。このような誤動作は寄生動作による不具合の一種である。参考ゼロクロス対応方法又は参考逆流対応方法を採用する半導体装置では、チップレイアウトで各素子の配置ケアを行うことで、寄生動作による不具合発生を防止する必要がある。このため、フロアプランの自由度が小さく、多重ガードリンク及びサブコンタクトによる対策が必須となる。結果、レイアウト設計の難度があがると共にレイアウト面積の増大を招く。
本実施形態に係るゼロクロス対応処理及び逆流対応処理を用いれば、寄生ダイオードDM1及びDM2に電流が流れることを抑制できる。このため、寄生動作による不具合の発生を抑制できる。また、寄生ダイオードDM1及びDM2の電流が抑制されることから、フロアプランの自由度が高まる。結果、レイアウト設計が容易となり、レイアウト面積の低減も期待される。
また、ゼロクロスを検出するための回路と逆流状態を検出するための回路とを共通の回路(30)にて構成することで、簡素な回路でゼロクロス検出と逆流状態検出を実現できる。
図17にゼロクロス対応処理及び逆流対応処理を担う要部の構成を示す。図17の構成において、セット/リセット発行部127(図5参照)は、OR回路127a及び127cと、インバータ回路127dと、AND回路127eと、逆流対応用ラッチ回路127bと、を備える。逆流対応用ラッチ回路127bは、NOR回路127b_1及び127b_2を備える。また、制御回路10にはゼロクロス対応用ラッチ回路160が設けられる。ゼロクロス対応用ラッチ回路160は、NOR回路161及び162を備える。
OR回路127aは、信号CLK_OSHT及びPREPROTONを2つの入力信号として受ける論理和回路であり、信号CLK_OSHT及びPREPROTONの内、少なくとも一方がハイレベルであるとき、ハイレベルの信号を出力し、信号CLK_OSHT及びPREPROTONの双方がローレベルであるとき、ローレベルの信号を出力する。図17の構成において、“1”の値を有する信号PREPROTONの信号レベルはハイレベルであり、“0”の値を有する信号PREPROTONの信号レベルはローレベルである。
逆流対応用ラッチ回路127bは、比較器32からのハイレベルの信号SDETを受けてセット状態となり、OR回路127aからのハイレベルの出力信号を受けてリセット状態となるRSラッチ回路である。ラッチ回路127bは、セット状態においてはハイレベルの信号SET3を出力し、リセット状態においてはローレベルの信号SET3を出力する。
具体的には、NOR回路127b_1は、比較器32の出力信号SDET及びNOR回路127b_2の出力信号を2つの入力信号として受ける否定論理和回路であり、比較器32の出力信号SDET及びNOR回路127b_2の出力信号の内、少なくとも一方がハイレベルであるとき、ローレベルの信号を出力し、比較器32の出力信号SDET及びNOR回路127b_2の出力信号の双方がローレベルであるとき、ハイレベルの信号を出力する。NOR回路127b_2は、NOR回路127b_1の出力信号及びOR回路127aの出力信号を2つの入力信号として受ける否定論理和回路であり、NOR回路127b_1の出力信号及びOR回路127aの出力信号の内、少なくとも一方がハイレベルであるとき、ローレベルの信号を出力し、NOR回路127b_1の出力信号及びOR回路127aの出力信号の双方がローレベルであるとき、ハイレベルの信号を出力する。NOR回路127b_2の出力信号が逆流対応用ラッチ回路127bの出力信号SET3である。
OR回路127cは、ラッチ回路127bからの信号SET3と、上述の信号SET1(図5参照)とを、2つの入力信号として受ける論理和回路であり、OR回路127cの出力信号は信号SET2である。OR回路127cは、信号SET3及びSET1の内、少なくとも一方がハイレベルであるとき、ハイレベルの信号SET2を出力し、信号SET3及びSET1の双方がローレベルであるとき、ローレベルの信号SET2を出力する。信号SET2はPWMブロック130に入力される。
インバータ回路127dは信号SET3の反転信号を出力する。AND回路127eは、インバータ回路127dの出力信号と、上述の信号RST1(図5参照)とを、2つの入力信号として受ける論理積回路であり、AND回路127eの出力信号は信号RST2である。AND回路127eは、信号SET3はローレベルであって且つ信号RST1がハイレベルである期間においてのみハイレベルの信号RST2を出力し、それ以外の期間ではローレベルの信号RST2を出力する。信号RST2はPWMブロック130に入力される。
ゼロクロス対応用ラッチ回路160は、ハイレベルの信号SDETを受けてセット状態となり、ハイレベルの信号PWMを受けてリセット状態となるRSラッチ回路である。ラッチ回路160は、セット状態においてはハイレベルの信号L_MSKを出力し、リセット状態においてはローレベルの信号L_MSKを出力する。
具体的には、NOR回路161は、比較器32の出力信号SDET及びNOR回路162の出力信号を2つの入力信号として受ける否定論理和回路であり、比較器32の出力信号SDET及びNOR回路162の出力信号の内、少なくとも一方がハイレベルであるとき、ローレベルの信号を出力し、比較器32の出力信号SDET及びNOR回路162の出力信号の双方がローレベルであるとき、ハイレベルの信号を出力する。NOR回路162は、NOR回路161の出力信号及びPWMブロック130の出力信号PWMを2つの入力信号として受ける否定論理和回路であり、NOR回路161の出力信号及びPWMブロック130の出力信号PWMの内、少なくとも一方がハイレベルであるとき、ローレベルの信号を出力し、NOR回路161の出力信号及びPWMブロック130の出力信号PWMの双方がローレベルであるとき、ハイレベルの信号を出力する。NOR回路162の出力信号がゼロクロス対応用ラッチ回路160の出力信号L_MSKである。
信号L_MSKはドライバブロック140に入力される。ハイレベルの信号L_MSKはローサイドマスク信号として機能し、信号L_MSKがハイレベルであるとき、ドライバブロック140においてローサイドマスク処理を実行される。ローサイドマスク処理では、信号PWMがローレベルであっても、ゲート信号G2をローレベルとすることでトランジスタM2をオフとする。従って、信号PWMがローレベルであって且つ信号L_MSKがハイレベルであるとき、ドライバブロック140は出力段回路20を両オフ状態とする。ローレベルの信号L_MSKは無効であり、信号L_MSKのローレベル期間においてローサイドマスク処理は実行されない。
基本スイッチング期間における、図17の回路の動作を説明する。基本スイッチング期間では図9を参照して説明した基本スイッチング制御が実行される。基本スイッチング期間では、信号SDET及びPREPROTONはローレベルに維持され、信号OVP及びSCPは“0”の値を持つ。このため、基本スイッチング期間において、信号SET3はローレベルに維持され、故に、信号SET2は信号SET1と同じ波形を有すると共に信号RST2は信号RST1と同じ波形を有する(但し論理回路における遅延を無視)。加えて、基本スイッチング期間では信号L_MSKがローレベルに維持される。このため、図9を参照して上述した通りの信号PWMが信号SET2及びRST2に基づいて生成されると共に、図9を参照して上述した通りのゲート信号G1及びG2が信号PWMに基づいて生成される。
次に、停止条件の成立に伴う、図17の回路の動作を説明する。信号PREPROTONが“1”の値を有するとき(従って信号PREPROTONがハイレベルであるとき)、信号CLK及びCLK_OSHTの生成及び出力動作は停止され、信号SET1、RST1及びPWMはローレベルに固定される。信号PREPROTONが“0”の値を有する一方で信号OVP又はSCPが“1”の値を有するときには、信号CLK及びCLK_OSHTの生成及び出力動作は停止されず、信号SET1及びRST1も夫々にハイレベル及びローレベル間で変動しうるが、“1”の信号OVPに基づく過電圧保護動作により又は“1”の信号SCPに基づく短絡保護動作により信号PWMはローレベルに固定される。
このように、信号PREPROTON、OVP又はSCPの値が“0”から“1”に変化すると、信号SET2及びRST2に依らずPWMブロック130は信号PWMをローレベルに設定し、以後、信号PWMをローレベルに固定する。但し、信号PREPROTON、OVP及びSCPの内、信号OVPの値のみが“0”から“1”に変化することで信号PWMがローレベルに設定された場合には、過電圧状態の解消により、信号PWMのローレベルでの固定は解除される。信号PREPROTON、OVP及びSCPの内、信号SCPの値のみが“0”から“1”に変化することで信号PWMがローレベルに設定された場合には、その設定から所定の短絡保護時間の経過後に信号SCPの値が“1”から“0”に戻され、信号SET2及びRST2に基づき信号PWMのレベルが変化する状態へ復帰する。この短絡保護時間は、後述の時刻tA2及びtA3間の時間よりも十分に大きい(図18参照)。
図18に、信号PREPROTONの値が“0”から“1”に変化する時刻tA2を含む期間のタイミングチャートを示す。図18において、時刻tA1は時刻tA2よりも前の時刻であり、時刻tA3は時刻tA2よりも後の時刻である。時刻tA1までは基本スイッチング制御が継続実行されている。時刻tA1において、信号CLK_OSHTのアップエッジに同期して信号SET1にアップエッジが生じ且つ信号SET2にもアップエッジが生じる。時刻tA1での信号SET2のアップエッジに同期して信号PWMにアップエッジが生じ、出力段回路20の状態が出力ロー状態から出力ハイ状態に切り替わる。その後、図18の例では、信号PWMがハイレベルであるときの時刻tA2において信号PREPROTONの値が“0”から“1”に変化する。
信号PREPROTONの値の“1”への変化により制御回路10においてシャットダウン処理が実行される。時刻tA2から始まるシャットダウン処理において、PWMブロック130は、“1”の信号PREPROTONに基づき信号PWMをハイレベルからローレベルに切り替え、以後、信号PREPROTONの値が“0”に戻らない限り、信号PWMをローレベルに固定する。時刻tA2において、信号PWMのダウンエッジに基づきドライバブロック140は出力段回路20を出力ハイ状態から出力ロー状態に切り替える。そうすると、時刻tA2を起点にインダクタ電流ILの大きさが“IL>0”を保ちながら単調減少してゆき、時刻tA3においてインダクタ電流ILがゼロに至る(又はインダクタ電流ILが所定のゼロクロス閾値ITH_ZR以下になる)。
つまり、時刻tA3においてゼロクロスが検出される。故に、時刻tA3以前はローレベルに保たれていた信号SDETが時刻tA3にてハイレベルに切り替わる。ハイレベルの信号SDETを受けてゼロクロス対応用ラッチ回路160の出力信号L_MSKがローレベルからハイレベルに切り替わる。ハイレベルの信号L_MSKに基づくローサイドマスク処理により、出力段回路20の状態が出力ロー状態から両オフ状態に切り替わる。出力段回路20が両オフ状態に切り替わると双方向スイッチ31がオフに切り替わるので信号SDETにダウンエッジが生じる。
このように、停止条件(図18の例では信号PREPROTONの“0”から“1”への変化)の成立に伴ってゼロクロス対応処理が実行され、当該ゼロクロス対応処理では、基本スイッチング制御を停止して出力段回路20の状態を出力ロー状態に設定し(tA2)、その後、ゼロクロスの検出を契機に出力段回路20を両オフ状態に設定する(tA3)。
図19に、逆流状態の検出を伴う他のタイミングチャートを示す。図19において、時間経過に従い、時刻tB1、tB2、tB3が、この順番で訪れる。時刻tB1以前、時刻tB1及びtB3間、時刻tB3以降の全期間において、信号PREPROTON、OVP及びSCPの各値は“0”に維持されている。時刻tB1の直前までは基本スイッチング制御が継続実行されている。
時刻tB1の直前において、信号PWMはローレベルであって、故に出力段回路20が出力ロー状態に設定されている。時刻tB1の直前においてインダクタ電流ILが負の向きに流れ、時間経過と共にインダクタ電流ILの大きさ(絶対値)が増大してゆく。そして、時刻tB1において、負のインダクタ電流ILの大きさ(絶対値)が所定の逆流閾値ITH_RV以上となり、これに連動してスイッチ電圧VSWが逆流検出用の閾電圧VTH2(図14参照)を上回ることで信号SDETにアップエッジが生じる。
時刻tB1において信号CLK_OSHT及びSET1にアップエッジが生じていないが、信号SDETのアップエッジに基づきラッチ回路127bがセット状態となるため、信号SET3のアップエッジの発生を通じて信号SET2にアップエッジが生じる。信号SDETのアップエッジに基づく信号SET2のアップエッジに基づき信号PWMがローレベルからハイレベルに切り替わり、ドライバブロック140により出力段回路20の状態が出力ロー状態から出力ハイ状態に切り替えられる。
この後、時刻tB2において信号CLK_OSHTにアップエッジが生じることで、ラッチ回路127bがリセット状態となり、信号SET3がハイレベルからローレベルに戻る。時刻tB1から時刻tB2までの信号SET3がハイレベルとされている期間では、信号SET1及びRST1に依らず出力段回路20が強制的に出力ハイ状態とされる(即ち強制ハイ制御が実行される)。信号SET3がハイレベルからローレベルに戻ることで、基本スイッチング制御が実行される状態、即ち、信号SET1のアップエッジに同期して信号SET2にアップエッジが生じ且つ信号RST1のアップエッジに同期して信号RST2にアップエッジが生じる状態に戻る。
時刻tB2の後の時刻tB3において、信号RST1にアップエッジが生じることで信号RST2にもアップエッジが生じ、結果、信号PWMのハイレベルからローレベルへの切り替わりを通じて出力段回路20が出力ハイ状態から出力ロー状態に切り替わる。以後は、基本スイッチング制御が実行される。尚、図19の例において、ゼロクロス対応用ラッチ回路160は有意に機能しない。時刻tB1における信号SDETのアップエッジに基づきラッチ回路160はセット状態となるが、その直後において、ハイレベルの信号PWMに基づきラッチ回路160はリセット状態に戻る。
このように、逆流状態の検出(tB1)に伴って逆流対応処理が実行される。逆流対応処理では、基本スイッチング制御に優先して出力段回路20を出力ハイ状態に設定する強制ハイ制御を実行し(tB1及びtB2間の期間に対応)、所定の解除条件が成立すると(信号CLK_OSHTのアップエッジが生じると)強制ハイ制御を解除して基本スイッチング制御に戻る。尚、図19の例では、強制ハイ制御が一度だけ実行されることで安定的に“IL>-|ITH_RV|”となっているが、連続的に信号SDETにパルスが発生することで強制ハイ制御が繰り返し実行されることもある。
以下、上述の構成及び動作に対する幾つかの変形例的事項を説明する。
半導体装置1において、上述のゼロクロス対応処理及び逆流対応処理の双方を行うことが望ましいが、上述のゼロクロス対応処理及び逆流対応処理の内、一方のみを行うようにしても良い。
出力電圧VOUTの情報(即ち帰還電圧VFB)とインダクタ電流ILの情報とに基づき、カレントモード制御方式で出力段回路20の状態を制御することを説明した。しかしながら、インダクタ電流ILの情報を参照することなく、出力電圧VOUTの情報(即ち帰還電圧VFB)に基づいて出力段回路20の状態を制御する方式が制御回路10にて採用されても良い。
任意の信号又は電圧に関して、上述の主旨を損なわない形で、それらのハイレベルとローレベルの関係は上述したものの逆とされ得る。
各実施形態に示されたFET(電界効果トランジスタ)のチャネルの種類は例示であり、Nチャネル型のFETがPチャネル型のFETに変更されるように、或いは、Pチャネル型のFETがNチャネル型のFETに変更されるように、FETを含む回路の構成は変形され得る。
不都合が生じない限り、上述の任意のトランジスタは、任意の種類のトランジスタであって良い。例えば、MOSFETとして上述された任意のトランジスタを、不都合が生じない限り、接合型FET、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)又はバイポーラトランジスタに置き換えることも可能である。任意のトランジスタは第1電極、第2電極及び制御電極を有する。FETにおいては、第1及び第2電極の内の一方がドレインで他方がソースであり且つ制御電極がゲートである。IGBTにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がゲートである。IGBTに属さないバイポーラトランジスタにおいては、第1及び第2電極の内の一方がコレクタで他方がエミッタであり且つ制御電極がベースである。
本開示に係るスイッチング電源用回路について付記を設ける。本開示の一側面に係るスイッチング電源用回路は構成W1を有する。構成W1に係るスイッチング電源用回路は、 入力電圧(VIN)から出力電圧(VOUT)を生成するためのスイッチング電源用回路(1)であって、前記入力電圧を受けるべき第1端子(IN)と、前記第1端子よりも低電位側に設けられる第2端子(GND)と、スイッチ端子(SW)と、前記第1端子及び前記スイッチ端子間に設けられる第1トランジスタ(M1)と前記スイッチ端子及び前記第2端子間に設けられる第2トランジスタ(M2)との直列回路を有する出力段回路(20)と、前記出力電圧に応じた帰還電圧(VFB)に基づき前記第1及び第2トランジスタを交互にオン、オフさせる基本スイッチング制御を実行可能な制御回路(10)と、当該スイッチング電源用回路の外部から前記スイッチ端子を通じ所定の逆流閾値以上の電流が前記出力段回路に向けて流れる逆流状態を検出する検出回路(30)と、を備え、前記制御回路により、前記出力段回路の状態は、前記第1トランジスタがオン且つ前記第2トランジスタがオフとなる出力ハイ状態、前記第1トランジスタがオフ且つ前記第2トランジスタがオンとなる出力ロー状態、又は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが共にオフとなる両オフ状態に設定され、前記制御回路は、前記基本スイッチング制御により前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときにおいて、前記逆流状態が検出されたとき、前記基本スイッチング制御に優先して前記出力段回路を前記出力ハイ状態に設定する強制ハイ制御を実行し、所定の解除条件が成立すると前記強制ハイ制御を解除する(図16及び図19参照)。
構成W1に係るスイッチング電源用回路において、以下の構成W2を有していても良い。構成W2に係るスイッチング電源用回路において、前記制御回路は、所定周期にて第1レベル又は第2レベルの信号レベルを交互にとる特定信号(CLK_OSHT)を生成する特定信号生成回路(112)を有し、前記特定信号の信号レベルにおける前記第1レベルから前記第2レベルへの変化により、前記解除条件が成立する(図19参照)。
特定信号において、例えば第1レベルがローレベルであって且つ第2レベルがハイレベルであるが、第1レベルがハイレベルであって且つ第2レベルがローレベルであっても構わない。
構成W2に係るスイッチング電源用回路において、以下の構成W3を有していても良い。構成W3に係るスイッチング電源用回路において、前記制御回路は、前記特定信号に同期したデジタル信号である第1制御信号(SET1)及び前記誤差電圧に応じたデジタル信号である第2制御信号(RST1)を生成し、前記基本スイッチング制御において、前記第1制御信号の第1所定レベル変化を契機に前記出力段回路を前記出力ハイ状態に設定し、その後、前記第2制御信号の第2所定レベル変化を契機に前記出力段回路を前記出力ロー状態に設定するスイッチング動作を繰り返し、そのスイッチング動作の繰り返しの中で、前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときに前記逆流状態が検出されると、前記基本スイッチング制御に優先して前記強制ハイ制御を実行し、その後、前記特定信号の信号レベルにおける前記第1レベルから前記第2レベルへの変化を契機に前記強制ハイ制御を解除して前記基本スイッチング制御に戻る。
第1制御信号の第1所定レベル変化は、例えば、第1制御信号のローレベルからハイレベルへの変化であるが、第1制御信号のハイレベルからローレベルへの変化であっても構わない。第2制御信号の第2所定レベル変化は、例えば、第2制御信号のローレベルからハイレベルへの変化であるが、第2制御信号のハイレベルからローレベルへの変化であっても構わない。
構成W3に係るスイッチング電源用回路において、以下の構成W4を有していても良い。構成W4に係るスイッチング電源用回路において(図5参照)、前記制御回路は、前記帰還電圧と所定の基準電圧(VREF)との差分に応じた誤差電圧(VCMP)を生成するエラーアンプ(121)、及び、前記第1トランジスタに流れる電流に応じたスロープ電圧(VSLP)を生成するスロープ電圧生成部(124)を有して、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に基づき、前記第2制御信号(RST1)を生成する。
構成W1~W4の何れかに係るスイッチング電源用回路において、以下の構成W5を有していても良い。構成W5に係るスイッチング電源用回路において、前記検出回路は、前記スイッチ端子を通じ所定の向きに流れる電流が減少を経てゼロに至る又は所定値(ITH_ZR)以下となるゼロクロスを検出可能であり、前記所定の向きは、前記出力段回路から当該スイッチング電源用回路の外部に向かう向きであり、前記制御回路は、所定の停止条件が成立したとき(例えば信号PREPROTONの値が“0”から“1”に変化したとき)前記基本スイッチング制御を停止して前記出力段回路を前記出力ロー状態に設定し、その後、前記ゼロクロスの検出を契機に前記出力段回路を前記両オフ状態に設定する。
構成W5に係るスイッチング電源用回路において、以下の構成W6を有していても良い。構成W6に係るスイッチング電源用回路において(図12~図14参照)、前記検出回路は、前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときの前記スイッチ端子の電圧(VSW)を閾電圧(VTH)と比較する比較器(32)と、前記停止条件の成否に応じて前記閾電圧を第1閾電圧(VTH1)又は第2閾電圧(VTH2)に切り替え設定する電圧設定部(33、34)と、を有し、前記停止条件が成立しているときには前記閾電圧に前記第1閾電圧を設定することで前記比較器の比較結果から前記ゼロクロスを検出し、前記停止条件が成立していないときには前記閾電圧に前記第2閾電圧を設定することで前記比較器の比較結果から前記逆流状態を検出する。
本開示の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本開示の実施形態の例であって、本開示ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
AP スイッチング電源装置
IN 入力端子
GND グランド端子
SW スイッチ端子
FB 帰還端子
EE イネーブル端子
1 半導体装置(スイッチング電源用回路)
2 整流平滑回路
3 帰還電圧生成回路
10 制御回路
20 出力段回路
30 逆流/ゼロクロス検出回路
40 異常検出部
50 内部電源回路
110 クロックブロック
111 クロック生成回路
112 ワンショットパルス生成回路(特定信号生成回路)
120 制御信号生成ブロック
121 エラーアンプ
122 基準電圧源
123 位相補償部
124 スロープ電圧生成部
125 メインコンパレータ
126 信号生成部
127 セット/リセット発行部
130 PWMブロック
140 ドライバブロック
31 双方向スイッチ
32 比較器
33 可変電圧源
34 OR回路
IN 入力端子
GND グランド端子
SW スイッチ端子
FB 帰還端子
EE イネーブル端子
1 半導体装置(スイッチング電源用回路)
2 整流平滑回路
3 帰還電圧生成回路
10 制御回路
20 出力段回路
30 逆流/ゼロクロス検出回路
40 異常検出部
50 内部電源回路
110 クロックブロック
111 クロック生成回路
112 ワンショットパルス生成回路(特定信号生成回路)
120 制御信号生成ブロック
121 エラーアンプ
122 基準電圧源
123 位相補償部
124 スロープ電圧生成部
125 メインコンパレータ
126 信号生成部
127 セット/リセット発行部
130 PWMブロック
140 ドライバブロック
31 双方向スイッチ
32 比較器
33 可変電圧源
34 OR回路
Claims (11)
- 入力電圧から出力電圧を生成するためのスイッチング電源用回路であって、
前記入力電圧を受けるべき第1端子と、
前記第1端子よりも低電位側に設けられる第2端子と、
スイッチ端子と、
前記第1端子及び前記スイッチ端子間に設けられる第1トランジスタと前記スイッチ端子及び前記第2端子間に設けられる第2トランジスタとの直列回路を有する出力段回路と、
前記出力電圧に応じた帰還電圧に基づき前記第1及び第2トランジスタを交互にオン、オフさせる基本スイッチング制御を実行可能な制御回路と、
当該スイッチング電源用回路の外部から前記スイッチ端子を通じ所定の逆流閾値以上の電流が前記出力段回路に向けて流れる逆流状態を検出する検出回路と、を備え、
前記制御回路により、前記出力段回路の状態は、前記第1トランジスタがオン且つ前記第2トランジスタがオフとなる出力ハイ状態、前記第1トランジスタがオフ且つ前記第2トランジスタがオンとなる出力ロー状態、又は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタが共にオフとなる両オフ状態に設定され、
前記制御回路は、前記基本スイッチング制御により前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときにおいて、前記逆流状態が検出されたとき、前記基本スイッチング制御に優先して前記出力段回路を前記出力ハイ状態に設定する強制ハイ制御を実行し、所定の解除条件が成立すると前記強制ハイ制御を解除する
、スイッチング電源用回路。 - 前記制御回路は、所定周期にて第1レベル又は第2レベルの信号レベルを交互にとる特定信号を生成する特定信号生成回路を有し、
前記特定信号の信号レベルにおける前記第1レベルから前記第2レベルへの変化により、前記解除条件が成立する
、請求項1に記載のスイッチング電源用回路。 - 前記制御回路は、前記特定信号に同期したデジタル信号である第1制御信号及び前記誤差電圧に応じたデジタル信号である第2制御信号を生成し、前記基本スイッチング制御において、前記第1制御信号の第1所定レベル変化を契機に前記出力段回路を前記出力ハイ状態に設定し、その後、前記第2制御信号の第2所定レベル変化を契機に前記出力段回路を前記出力ロー状態に設定するスイッチング動作を繰り返し、
そのスイッチング動作の繰り返しの中で、前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときに前記逆流状態が検出されると、前記基本スイッチング制御に優先して前記強制ハイ制御を実行し、その後、前記特定信号の信号レベルにおける前記第1レベルから前記第2レベルへの変化を契機に前記強制ハイ制御を解除して前記基本スイッチング制御に戻る
、請求項2に記載のスイッチング電源用回路。 - 前記制御回路は、前記帰還電圧と所定の基準電圧との差分に応じた誤差電圧を生成するエラーアンプ、及び、前記第1トランジスタに流れる電流に応じたスロープ電圧を生成するスロープ電圧生成部を有して、前記誤差電圧及び前記スロープ電圧に基づき、前記第2制御信号を生成する
、請求項3に記載のスイッチング電源用回路。 - 前記検出回路は、前記スイッチ端子を通じ所定の向きに流れる電流が減少を経てゼロに至る又は所定値以下となるゼロクロスを検出可能であり、
前記所定の向きは、前記出力段回路から当該スイッチング電源用回路の外部に向かう向きであり、
前記制御回路は、所定の停止条件が成立したとき前記基本スイッチング制御を停止して前記出力段回路を前記出力ロー状態に設定し、その後、前記ゼロクロスの検出を契機に前記出力段回路を前記両オフ状態に設定する
、請求項1~4の何れかに記載のスイッチング電源用回路。 - 前記検出回路は、前記出力段回路が前記出力ロー状態に設定されているときの前記スイッチ端子の電圧を閾電圧と比較する比較器と、前記停止条件の成否に応じて前記閾電圧を第1閾電圧又は第2閾電圧に切り替え設定する電圧設定部と、を有し、前記停止条件が成立しているときには前記閾電圧に前記第1閾電圧を設定することで前記比較器の比較結果から前記ゼロクロスを検出し、前記停止条件が成立していないときには前記閾電圧に前記第2閾電圧を設定することで前記比較器の比較結果から前記逆流状態を検出する
、請求項5に記載のスイッチング電源用回路。 - 前記出力電圧を生成するための動作の実行又は非実行を指定するイネーブル信号を受けるべきイネーブル端子を備え、前記イネーブル信号が当該動作の非実行を指定する状態にあるとき、前記停止条件が成立する
、請求項5又は6に記載のスイッチング電源用回路。 - 所定の異常を検出する異常検出部を備え、
前記異常検出部により前記異常が検出されたとき、前記停止条件が成立する
、請求項5又は6に記載のスイッチング電源用回路。 - 前記スイッチ端子にインダクタの一端を接続可能であって、前記スイッチ端子に前記インダクタの一端が接続されるときに前記インダクタの他端に前記出力電圧が発生する
、請求項1~8の何れかに記載のスイッチング電源用回路。 - 前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、MOSFETにより構成される
、請求項1~9の何れかに記載のスイッチング電源用回路。 - 請求項1~10の何れかに記載のスイッチング電源用回路と、
前記スイッチ端子に生じる電圧を整流及び平滑化することで前記出力電圧を生成する整流平滑回路と、
前記出力電圧に基づき前記帰還電圧を生成する帰還電圧生成回路と、を備えた
、スイッチング電源装置。
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