JP2022109778A - 情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被検体の解剖学的部位における領域ごとに適した方法で特徴を取得する技術を提供する。【解決手段】情報処理装置であって、被検体の検査画像から解剖学的部位の所定領域を抽出する抽出手段と、前記解剖学的部位の運動に関する前記所定領域の第一の特徴量を取得する第一の特徴量取得手段と、前記運動に関する前記所定領域の第二の特徴量を取得する第二の特徴量取得手段と、前記所定領域を分割する分割手段と、前記分割手段による分割結果に基づいて前記第一の特徴量と前記第二の特徴量とを統合する統合手段とを備える。【選択図】 図1

Description

本発明は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
医療現場では、X線CT装置、PET装置などの医用画像撮影装置により、患者が撮影されている。ここで、CTはComputed Tomographyの略、PETはPositron Emission Tomographyの略である。そして撮影された医用画像を詳細に観察することで、患者の体内における様々な種類の臓器(解剖学的部位)の解剖学的構造やその機能情報を得て、その情報を診断や治療に活用している。
人体を構成する様々な種類の臓器の中には、周囲の臓器に対して動く種類の臓器がある。例えば、肺は呼吸運動によって動くし、心臓は血液を体内に循環させるために動く。そして、同じ臓器であってもその構造や病変の有無等により、臓器内または表面の位置(以下、臓器内位置と称する)によって、動き(移動の方向や移動の量)が異なることが知られている。ここで、医用画像から対象とする臓器の臓器内位置による移動の方向や移動の量(以下、移動情報)の違いを可視化する(すなわち移動の方向や量の分布を可視化する)ことで、異常な動きを有する臓器内位置を認識し、機能障害や病変を発見したいというユーザ(医師等)の要望がある。例えば、肺の表面の位置の違いにおける肺の呼吸運動による移動情報の違いを可視化することで、肺の表面における癒着位置を医用画像から特定したいという要望がある。
特許文献1では、肺の表面における癒着と関連の深い、呼吸運動による表面位置の滑り量を算出する技術が開示されている。
特開2016-67832号公報
しかし、従来の技術では、被検体(例えば人体)の解剖学的部位(例えば肺)における領域毎に、その領域に適した方法で特徴を取得することが難しいという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、被検体の解剖学的部位における領域ごとに適した方法で特徴を取得する技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本発明に係る情報処理装置は、
被検体の検査画像から解剖学的部位の所定領域を抽出する抽出手段と、
前記解剖学的部位の運動に関する前記所定領域の第一の特徴量を取得する第一の特徴量取得手段と、
前記運動に関する前記所定領域の第二の特徴量を取得する第二の特徴量取得手段と、
前記所定領域を分割する分割手段と、
前記分割手段による分割結果に基づいて前記第一の特徴量と前記第二の特徴量とを統合する統合手段と、
を備えることを特徴とする。
本発明によれば、被検体の解剖学的部位の領域ごとに適した方法で特徴を取得することが可能となる。
第一実施形態に係る情報処理システムの機器構成の一例を示す図である。 第一実施形態における全体の処理手順を示すフローチャートである。 第一実施形態におけるS1020の処理を詳しく説明する図である。 第一実施形態におけるS1020の処理手順を示すフローチャートである。 第一実施形態におけるS1030の処理を詳しく説明する図である。 第一実施形態におけるS1030の処理手順を示すフローチャートである。 第一実施形態におけるS1040の処理を詳しく説明する図である。 第二実施形態に係る情報処理システムの機器構成の一例を示す図である。 第二実施形態における全体の処理手順を示すフローチャートである。 一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものでない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る情報処理システムは、医療機関における医師や技師などのユーザに対して、検査対象である被検体(患者)の胸膜の癒着状態を把握し、診断を支援する機能を提供する。より具体的には、被検体の肺を撮影した3次元の動画像を解析することで、肺の運動の状態を取得し、その特徴量を算出する。そして、これに基づいてユーザが容易に視認できる観察画像を生成する機能を提供する。なお、本実施形態に係る情報処理システムは、被検体の肺とその周囲の部位との相対的な移動量から算出する滑りに関する特徴量と、肺の絶対的な移動量から算出する動きに関する特徴量とを算出する。そして、これらの特徴量を肺の部位に基づいて統合した観察画像を生成する。
<情報処理システムの構成>
図1は、第一実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。情報処理システムは、情報処理装置10、検査画像データベース30、検査画像撮影装置40、表示装置60を含み、これらの装置は、通信部を介して互いに通信可能に接続されている。本実施形態においては、通信部はLAN(Local Area Network)50で構成されるが、WAN(Wide Area Network)であってもよい。また、通信部の接続方法は有線接続であってもよいし、無線接続であってもよい。
検査画像データベース30は、複数の患者に関する複数の検査画像とその付帯情報を保持する。検査画像とは、例えばCTやMRI等の画像診断装置で撮影した医用画像であり、2次元画像や3次元画像、または3次元画像の動画像である4次元画像などが対象となりうる。ここで、CTはComputed Tomographyの略であり、MRIはMagnetic Resonance Imagingの略である。
また、各画像はモノクロームやカラーなどの様々な様態の画像が対象となりうる。本実施形態における検査画像データベース30は被検体の4次元のCT(4DCT)データを保持する。検査画像データベース30は、検査画像の付帯情報として、患者名(患者ID)や検査日情報(検査画像を撮影した日付)、検査画像の撮影モダリティ名などを保持する。また、各々の検査画像およびその付帯情報には、他との識別を可能にするために、固有の番号(検査画像ID)が付され、それに基づいて情報処理装置10による情報の読み出しが行える。また、検査画像データベース30は、正常症例の胸膜の標準的な動き量および標準的な滑り量(動き量、滑り量の具体例は後に詳述)のマップを保持する。ここで正常症例とは、胸膜に癒着が無い症例のことである。
<情報処理装置の機能構成>
情報処理装置10は、検査画像データベース30が保持する情報を、LAN50を介して取得する。情報処理装置10は、輪郭抽出部110、動き特徴量算出部120、滑り特徴量算出部130、輪郭分割部140、統合マップ生成部150、及び表示制御部160を備えている。
データ取得部100は、検査画像撮影装置40が撮影し、検査画像データベース30が保持している被検体の検査画像および正常症例の胸膜の標準的な動き量および標準的な滑り量(後に詳述)のマップを取得する。
輪郭抽出部110は、被検体の検査画像から肺の輪郭を抽出する。動き特徴量算出部120は、データ取得部100が取得した検査画像を解析し、輪郭抽出部110が抽出した輪郭における胸膜の動き量のマップを算出する。滑り特徴量算出部130は、データ取得部100が取得した検査画像を解析し、輪郭抽出部110が抽出した輪郭における胸膜の滑り量のマップを算出する。
輪郭分割部140は、輪郭抽出部110が抽出した輪郭を、胸郭側輪郭と縦郭側輪郭とに分割する。統合マップ生成部150は、動き特徴量算出部120が算出した動き量のマップと、滑り特徴量算出部130が算出した滑り量のマップとを、輪郭分割部140による輪郭の分割の結果に基づいて統合した統合マップを生成する。表示制御部160は、統合マップ生成部150が生成した統合マップ(統合結果)を表示装置60に表示するための制御を行う。
なお、図1に示す情報処理システムの構成はあくまで一例である。例えば、情報処理装置10が不図示の記憶部を有し、検査画像データベース30の機能を具備しても良い。また、情報処理装置10が表示装置60を備える構成であってもよい。
<情報処理装置のハードウェア構成>
続いて、情報処理装置10のハードウェア構成について、図10を用いて説明する。情報処理装置10は、CPU511、ROM512、RAM513、補助記憶装置514、操作部515、通信I/F516、及びバス517を有する。
CPU511は、ROM512やRAM513に格納されているコンピュータプログラムやデータを用いて情報処理装置10の全体を制御することで、図1に示す情報処理装置10の各機能を実現する。なお、情報処理装置10がCPU511とは異なる1又は複数の専用のハードウェアを有し、CPU511による処理の少なくとも一部を専用のハードウェアが実行してもよい。専用のハードウェアの例としては、ASIC(特定用途向け集積回路)、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、およびDSP(デジタルシグナルプロセッサ)などがある。ROM512は、変更を必要としないプログラムなどを格納する。RAM513は、補助記憶装置514から供給されるプログラムやデータ、及び通信I/F516を介して外部から供給されるデータなどを一時記憶する。補助記憶装置514は、例えばハードディスクドライブ等で構成され、画像データや音声データなどの種々のデータを記憶する。
操作部515は、例えばキーボードやマウス、ジョイスティック、タッチパネル等で構成され、ユーザによる操作を受けて各種の指示をCPU511に入力する。
通信I/F516は、情報処理装置10の外部の装置との通信に用いられる。例えば、情報処理装置10が外部の装置と有線で接続される場合には、通信用のケーブルが通信I/F516に接続される。情報処理装置10が外部の装置と無線通信する機能を有する場合には、通信I/F516はアンテナを備える。バス517は、情報処理装置100の各部をつないで情報を伝達する。
本実施形態では操作部515が情報処理装置10の内部に存在するものとするが、情報処理装置10の外部に別の装置として存在していてもよい。この場合、CPU511が、操作部515を制御する操作制御部として動作してもよい。
<処理>
次に図2を用いて、本実施形態における情報処理装置10による全体の処理手順を詳細に説明する。また、以下では、例として検査画像としてCTデータを用いる場合を例として説明するが、本発明の実施はこれに限定されるものではない。例えば、肺を撮影した時系列の3次元ボリュームデータであれば、MRI画像であってもよいし、超音波画像であってもよい。
(ステップS1000:データの取得)
ステップS1000において、データ取得部100は、検査画像データベース30から被検体の肺野を撮影した4DCTデータを取得する。本実施形態における4DCTデータとは、時系列の3次元ボリュームデータであり、被検体の呼吸による動態を撮影したデータである。より具体的には、被検体の吸気位(例えば最大吸気位)と呼気位(例えば最大呼気位)の2時点の3DCTデータで構成される4DCTデータを取得する。本実施形態では吸気位の3DCTデータをI_insと表し、呼気位の3DCTデータをI_expと表す。またこれらを含む4DCTデータをIと表す。本実施形態におけるこれらの3DCTデータには、被検体の肺の全体が撮影されているものとする。
なお、本実施形態では上述のように吸気位と呼気位の2時点の3DCTデータを使用する場合を例として説明するが、これに限らない。被検体の呼吸による肺野の運動が捉えられるのであれば、他の呼吸状態の2時点の3DCTデータを使用しても良い。例えば、吸気位の画像と、それに隣接する時相の画像などであっても良い。または2時相の画像を用いる場合に限らず、3時相以上の画像を取得するようにしても良い。3時相以上の画像を取得して運動を評価する場合には、例えば各時相のうちから複数2時点のペアを選択して後述する運動量や滑り量の評価を行い、各ペアから得られた運動量や滑り量の統計値(平均値、中央値、最大値など)を用いることとしてもよい。
また、データ取得部100は、検査画像データベース30から、胸膜に癒着の無い正常症例の胸膜の標準的な動き量である標準動き量マップと、同じく標準的な滑り量である標準滑り量マップとを夫々取得する。本実施形態では、標準動き量マップおよび標準滑り量マップは、被検体の3DCTデータと同程度に離散化されたボリュームデータとして取得されるものとする。本実施形態では標準動き量マップをRm(x)、標準滑り量マップをRs(x)と表す。Rm(x)およびRs(x)はそれぞれ、マップ内における位置を表す座標値xを引数とし、当該位置の標準動き量および標準滑り量を返す関数である。
(ステップS1010:肺輪郭の抽出)
ステップS1010において、輪郭抽出部110は、ステップS1000で取得した被検体の吸気位の3DCTデータI_insを解析し、肺の輪郭を抽出する処理を実行する。この処理は医用画像の処理として公知のセグメンテーション手法により実行することができる。本処理ステップの結果として輪郭抽出部110は、肺輪郭マスクL(x)を取得する。ここで肺輪郭マスクL(x)は3DCTデータI_insにおける位置を表す座標値xを引数とし、当該位置が肺の輪郭であれば1を、それ以外であれば0を返す関数である。
(ステップS1020:肺輪郭の動き解析)
ステップS1020において、動き特徴量算出部120は、4DCTデータIを処理することで被検体の肺の運動を解析して、呼吸による肺の輪郭部における動き特徴量を算出して取得する(第一の特徴量取得)。本実施形態では、被検体の右肺に関する動き特徴量を算出する場合を例として説明する。ただし、これに限らず、左肺を対象としても良いし、左右の肺の両方を対象としても良い。呼吸による肺の移動(動き)について、図3を用いて説明する。図3は、肺の吸気位および呼気位の肺のコロナル断面を表す図である。同図の200は、吸気位の肺の輪郭形状を表す。また、202は呼気位の肺の輪郭形状である。このように吸気位と呼気位とでは肺の輪郭形状が異なる。図中の矢印210は、肺輪郭の各位置における、呼吸による吸気位から呼気位への肺の移動(動き)を表す。本処理ステップでは、この肺輪郭の各位置における肺の移動(動き)を表す特徴量として、肺輪郭の各位置における動き特徴量を算出する。
ここで、本処理ステップの詳細な処理手順について、図4のフローチャートを用いてより詳しく説明する。
(ステップS10202:肺野内の画像間位置合わせ)
ステップS10202において、動き特徴量算出部120は、ステップS1000で取得した吸気画像I_insと呼気画像I_expとの間の肺野内の位置合わせ処理を実行する。これにより、吸気画像I_insの各位置から、呼気画像I_expの対応する位置への変位ベクトル場V1(x)を取得する。より具体的には、吸気から呼気に至る間に被検体の肺野内に生じる各位置の移動を捉える位置合わせを行う。この位置合わせ処理は公知のいかなる画像間の位置合わせ処理により実行しても良いが、対象の変形を捉えられる変形位置合わせを行うのが望ましい。
また、被検体の肺野内の移動をより正確に捉えるために、肺野内の画像特徴を強調したり、逆に肺野外の画像特徴を減弱したりした画像を生成し、その画像を用いて位置合わせを行うようにしても良い。例えば、ステップS1010で抽出した肺輪郭マスクL(x)に基づいて、肺野外の画素値をマスキングした画像を生成して位置合わせに用いても良い。または、肺野内と肺野外の画素値の分布に基づき、肺野内の画素値の分布が強調されるようにウィンドウ変換(所定の画素値の範囲外を飽和させる画素値変換)した画像を生成し、その画像を位置合わせに用いても良い。
以上説明した位置合わせ処理により、吸気画像I_insの各位置から、呼気画像I_expの対応する位置への肺野内の変位ベクトル場V1(x)を取得する。ここでV1(x)は、吸気画像上の座標値xを引数とし、吸気位から呼気位への被検体の肺の各位置の変位を表す3次元のベクトルを返す関数である。より具体的には3DCTデータと同程度に離散化された各位置における各軸の変位量を夫々保持したボリュームデータである。
なお、上記の説明では、変形位置合わせの対象として吸気位の画像と呼気位の画像とを用いる場合を例として説明したが、これに限らず、呼吸に伴う肺野の各位置の移動が取得できれば何れの時相の画像を用いても良い。例えば、吸気位の画像と、それに隣接する時相の画像などであっても良い。またはステップS1000で3時相以上の画像を取得し、それらの画像を数珠繋ぎに位置合わせして呼吸による肺野の各位置の移動を取得するようにしても良い。これは後述するステップS1030の処理として実行する位置合わせにおいても同様である。
(ステップS10204:動き量の算出)
ステップS10204において、動き特徴量算出部120は、ステップS10202で算出した変位ベクトル場V1(x)および、ステップS1010で算出した肺輪郭L(x)に基づいて、肺輪郭上の動き量(スカラ値)を算出する処理を実行する。具体的には、動き量としてV1(x)のノルムを算出する。本実施形態では被検体の肺の輪郭の全体に渡り、所定の間隔(例えば1mm)で動き量を算出する場合を例として説明する。
本実施形態では、動き量を算出する輪郭上の位置をP1_i(1≦i≦N)、算出した動き量をM_i (1≦i≦N) と表記する。ここでiは複数の輪郭上の位置を識別するインデックスであり、Nは輪郭上の位置の総数である。本実施形態では、N個の動き量M_iを動き量マップM(x)として保持する。動き量マップM(x)は吸気位の3DCTデータの画像座標系での位置xを引数として、当該位置における動き量を返す関数である。より具体的には3DCTデータと同程度に離散化されたボリュームデータとして保持する。なお、動き量マップM(x)は、輪郭以外の位置を引数とした場合に無効値(例えば負値などの識別可能な値)を返す。
(ステップS10206:動き特徴量(標準動き量との差異)の算出)
ステップS10206において、動き特徴量算出部120は、ステップS10204で算出した肺輪郭の各位置における動き量と、夫々の位置における標準動き量との差異(乖離度)を表す情報として、肺輪郭の各位置における動き特徴量を算出する。本実施形態において、動き特徴量は動き特徴量マップM'(x)として保持される。具体的には、例えば、M'(x)=M(x)/Rm(d(x))として算出することができる。ここでd(x)は、標準動き量マップRm(x)と動き量マップM(x)との間の位置の関係を補正する変位関数である。具体的には、両マップの間の肺輪郭や肺尖位置、肺底位置などを一致させる補正関数である。d(x)は、例えば肺輪郭の形状間の差異をコスト関数とし、それを最小化する剛体位置合わせやアフィン位置合わせ、FFE(Free Form Deformation)等を用いた任意の非線形位置合わせなどによって取得できる。これにより、被検体の肺の動き量と、胸膜に癒着の無い正常例の標準的な動き量との相対的な関係を表す動き特徴量マップM'(x)を算出する。
なお、上記の説明では、動き量マップM(x)と標準動き量マップRm(x)との比により動き特徴量マップM'(x)を算出する場合を例として説明したが、これに限らない。例えば、動き量マップM(x)と標準動き量マップRm(x)との差演算M'(x)=M(x)-Rm(d(x))として動き特徴量マップを算出するようにしても良い。すなわち、ある位置の動き量に対して、当該位置の標準動き量との差異(乖離度)を数値化できる方法であれば、いずれの方法で算出しても良い。また、標準動き量との差異(乖離度)ではなく、動き量自体を動き特徴量としても良い。すなわちM'(x)=M(x)としても良い。この場合は、ステップS1000において標準動き量マップRm(x)の取得処理は不要である。
以上の処理により、被検体の吸気位における肺の輪郭の各位置における動き特徴量が算出される。一般に、胸膜癒着が生じている被検体の場合には、当該癒着箇所において動き特徴量が小さくなる傾向がある。なお、上記の方法による動き特徴量の算出処理は、被検体の肺野の外側に画像特徴(例えばエッジやコーナー等の画素値のパターン)が乏しい場合であっても、肺野の内側に画像特徴があれば、処理を安定的に行うことができる。そのため、比較的に画像特徴が乏しい縦郭側と接する肺野の輪郭付近においては、後述する滑り特徴量と比べて、癒着の有無をより的確にとらえた特徴量を算出することができる。なお、上記の方法に限らず、肺の輪郭の各位置における動き特徴量の算出は、任意の方法で行ってもよい。
(ステップS1030:肺輪郭の滑り解析)
図2に戻り、ステップS1030において、滑り特徴量算出部130は、4DCTデータIを処理することで被検体の肺の輪郭部における運動を解析して、呼吸による滑り量を算出して取得する(第二の特徴量取得)。本実施形態では、被検体の右肺に関する滑り量を算出する場合を例として説明する。呼吸による肺の輪郭部における滑り量について、図5を用いて説明する。
図5は、図3と同様に、肺の吸気位および呼気位の肺のコロナル断面を表す図である。同図の200、202、210は夫々、図3と同様に、吸気位の肺の輪郭形状、呼気位の肺の輪郭形状、肺輪郭の各位置における呼吸による吸気位から呼気位への肺の移動を表す。また矢印212は、肺輪郭の各位置における呼吸による吸気位から呼気位への胸壁の移動を表す。図の矢印210と矢印212の方向および大きさが示すように、肺輪郭の各位置では呼吸により肺野側と胸壁側との間の胸膜の位置において滑りを伴う運動が生じる。本処理ステップでは、この肺輪郭の各位置における滑りの大きさを表す特徴量として、輪郭の各位置における滑り特徴量を算出する。
本処理ステップの詳細な処理手順について、図6のフローチャートを用いてより詳しく説明する。
(ステップS10302:肺野内の画像間位置合わせ)
ステップS10302において、滑り特徴量算出部130は、ステップS1000で取得した吸気画像I_insと呼気画像I_expとの間の肺野内の位置合わせ処理を実行する。これにより、吸気画像I_insの各位置xから、呼気画像I_expの対応する位置への変位ベクトル場V21(x)を取得する。この処理は、上述したステップS10202の処理と同一であり、ここでは詳細な説明は省略する。また、本処理ステップを実行する代わりに上述したステップS10202の処理結果を取得するようにしても良い。すなわちV21(x)=V1(x)として良い。以上説明した方法により、吸気画像I_insの各位置xから、呼気画像I_expの対応する位置への変位ベクトル場V21(x)を取得する。
(ステップS10304:肺野外の画像間位置合わせ)
ステップS10304において、滑り特徴量算出部130は、ステップS1000で取得した吸気画像I_insと呼気画像I_expとの間の肺野外の位置合わせ処理を実行する。これにより、吸気画像I_insの各位置xから、呼気画像I_expの対応する位置への変位ベクトル場V22(x)を取得する。より具体的には、吸気から呼気に至る間に被検体の肺野外に生じる各位置の移動を捉える位置合わせを行う。この位置合わせ処理は、公知のいかなる画像間の位置合わせ処理により実行しても良いが、対象の変形を捉えられる変形位置合わせを行うのが望ましい。また、被検体の肺野外の移動をより正確に捉えるために、肺野外の画像特徴を強調したり、逆に肺野内の画像特徴を減弱したりした画像を生成し、その画像を用いて位置合わせを行うようにしても良い。例えば、ステップS1010で抽出した肺輪郭マスクL(x)に基づいて、肺野内の画素値をマスキングした画像を生成して位置合わせに用いても良い。または、肺野内と肺野外の画素値の分布に基づいて、肺野外の画素値の分布が強調されるようにウィンドウ変換した画像を生成して位置合わせに用いても良い。
以上の位置合わせ処理により、吸気画像I_insの各位置から、呼気画像I_expの対応する位置への肺野外の変位ベクトル場V22 (x)を取得する。ここでV22(x)は、吸気画像上の座標値xを引数とし、吸気から呼気への位置の変位を表す3次元のベクトルを返す関数である。より具体的には3DCTデータと同程度に離散化されたボリュームデータとして各軸の変位量を夫々保持する。
(ステップS10306:滑り量算出)
ステップS10306において、滑り特徴量算出部130は、ステップS10302及びS10304で取得した変位ベクトル場V21(x)、V22(x)及びステップS1010で算出した肺輪郭L(x)に基づいて、肺輪郭上の滑り量を算出する処理を実行する。ここで、滑り量とは、具体的には差分ベクトルV21(x)-V22(x)のノルムである。本実施形態では被検体の肺の輪郭の全体に渡り、所定の間隔(例えば1mm)で滑り量を算出する場合を例として説明する。
本実施形態では、滑り量を算出する輪郭上の位置をP2_i(1≦i≦N)、算出した滑り量をS_i (1≦i≦N) と表記する。ここでiは複数の輪郭上の位置を識別するインデックスであり、Nは輪郭上の位置の総数である。本実施形態では、N個の滑り量S_iを滑り量マップS(x)として保持する。滑り量マップS(x)は吸気位の3DCTデータの画像座標系での位置xを引数として、当該位置における滑り量を返す関数である。より具体的には3DCTデータと同程度に離散化したボリュームデータとして保持する。なお、滑り量マップS(x)は、動き量マップM(x)と同様に、輪郭以外の位置を引数とした場合に無効値(例えば負値などの識別可能な値)を返す。
(ステップS10308:滑り特徴量(標準滑り量との差異)算出)
ステップS10308において、滑り特徴量算出部130は、ステップS10306で算出した肺輪郭の各位置における滑り量と、夫々の位置における標準滑り量との差異(乖離度)を表す情報として、肺輪郭の各位置における滑り特徴量を算出する。本実施形態において、滑り特徴量は滑り特徴量マップS'(x)として保持される。具体的には、例えば、S'(x)=S(x)/Rs(d(x))として算出することができる。ここでd(x)は、ステップS10206の処理で説明した補正関数である。これにより、被検体の肺の滑り量と、胸膜に癒着の無い正常例の標準的な滑り量との相対的な関係を表す滑り特徴量マップS'(x)を算出する。
なお、滑り特徴量マップS'(x)の算出方法は上記の方法に限らない。例えば、ステップS10206で説明した動き特徴量マップM'(x)の算出方法と同様に、滑り量マップS(x)と標準滑り量マップRs(x)との差演算により滑り特徴量マップS'(x)を算出しても良い。すなわち、ある位置の滑り量に対して、当該位置の標準滑り量との差異(乖離度)を数値化できる方法であれば、いずれの方法で算出しても良い。また、標準滑り量との差異(乖離度)ではなく、滑り量自体を滑り特徴量としても良い。すなわちS'(x)=S(x)としても良い。この場合は、ステップS1000において標準滑り量マップRs(x)の取得処理は不要である。
以上説明したステップS10302からステップS10308の処理により、ステップS1030の処理が実行される。これにより、被検体の吸気位における肺の輪郭の各位置における滑り特徴量が算出される。一般に、胸膜癒着が生じている被検体の場合には、当該癒着箇所において滑り特徴量が小さくなる傾向がある。また、上記の方法による滑り特徴量の算出処理は、被検体の肺野の内側と外側の両方の移動の特性によって特徴量を算出するため、前述の動き特徴量に比べて、癒着の有無をより的確に捉えた特徴量を算出することができる。ただし、肺野の外側に画像特徴が乏しい部位では、処理を安定的に行うことができないため、比較的に画像特徴が乏しい縦郭側と接する肺野の輪郭付近では、前述の動き特徴量の方が癒着の有無を的確にとらえた特徴量となる。なお、上記の方法に限らず、肺の輪郭の各位置における滑り特徴量の算出は、任意の方法で行ってもよい。例えば、特許文献1に開示されている方法を用いてもよい。
(ステップS1040:肺輪郭の分割)
図2に戻り、ステップS1040において、輪郭分割部140は、ステップS1010で抽出した肺輪郭L(x)に基づき、この肺輪郭を縦郭側肺輪郭と胸郭側肺輪郭とに分割する処理を実行する。図7に具体例を示す。
図7は、吸気画像I_insの任意の位置のアキシャル断面を表す図である。このアキシャル断面上には体表輪郭400、右肺輪郭410、左肺輪郭420が描出されている。本処理では、対象とする右肺輪郭410を縦郭側輪郭450および胸郭側輪郭440に分割する処理を実行する。具体的な処理の一例について説明する。まず同被検体の正中線位置430を起点として、矢印460に示すように複数の方位に起点から離れる方向に探索を行う。そして、各方向において、最初に右肺輪郭410と交差する位置を縦郭側輪郭450とする。このとき、右肺輪郭410と交差することなく体表輪郭400や左肺輪郭420と交差した場合には、当該方向の探索を打ち切ってもよい。
そして、右肺輪郭410のうち、縦郭側輪郭450ではない位置を胸郭側輪郭440とする。上記の処理を吸気画像I_insの全てのアキシャル断面において実行する。そして、これらの結果に基づき、分割後肺輪郭マスクL'(x)を生成する。分割後肺輪郭マスクL'(x)は、より具体的には、縦郭側肺輪郭450の位置で1、胸郭側肺輪郭の位置では2、それ以外の位置では0を返す関数である。本実施形態では、L'(x)を3DCTデータと同程度に離散化したボリュームデータとして保持する。なお、上記に説明した方法において、正中線位置430は必ずしも人体の解剖学的な意味での正中線の位置である必要は無い。例えば体表輪郭400の重心位置や、右肺輪郭410の重心位置と左肺輪郭420の重心位置との中点などを算出して正中線位置430として用いても良い。
なお、分割後肺輪郭マスクL'(x)の算出方法は上記の方法に限らない。例えば右肺輪郭410の各位置における輪郭の法線の方向(肺野内から肺野外へ向かう方向)と、各位置から正中線位置430に向かう方向との関係に基づいて縦郭側輪郭450と胸郭側輪郭440とに分割するようにしても良い。具体的には法線の方向と、正中線位置430に向かう方向とが所定の角度以内の場合には当該位置を縦郭側輪郭450とし、それ以外を胸郭側輪郭440とすることができる。同様に、縦郭側輪郭と胸郭側輪郭の位置や面の向きなど幾何的な差異に基づく任意の判別方法を用いることができる。
また、それ以外にも、例えば体表輪郭400や不図示の心臓など、肺の周囲の他の部位との隣接関係に基づいて縦郭側輪郭と胸郭側輪郭を判別して分割するようしてもよい。より具体的には、右肺輪郭410の各位置において、当該位置から体表輪郭400までの距離d1、当該位置から心臓の輪郭までの距離d2として算出する。そして、d1>d2である場合には当該位置を縦郭側輪郭450とし、それ以外を胸郭側輪郭440とすることができる。
上記の例では体表輪郭400と心臓の輪郭を用いる場合を例として説明したが、これに限らず、体表輪郭400の代わりに不図示の肋骨輪郭を用いても良い。また心臓の輪郭の代わりに心臓の領域の重心位置を用いるようにしても良い。
(ステップS1050:統合マップの生成)
ステップS1050において、統合マップ生成部150は、ステップS1020で算出した動き特徴量マップM'(x)と、ステップS1030で算出した滑り特徴量マップS'(x)とを統合した統合マップF(x)を生成する処理を実行する。ここで統合マップF(x)は、縦郭側の輪郭位置には動き特徴量マップM'(x)の値を持ち、胸郭側の輪郭位置には滑り特徴量マップS'(x)の値を持つマップである。より具体的には、式(1)に示す条件付きの代入演算により統合マップF(x)を生成する。
Figure 2022109778000002
以上の処理により、肺輪郭の位置毎に、その位置に適した方法で算出した特徴量を統合したマップを生成することができる。特に肺輪郭の各位置における他の臓器等の解剖学的部位との隣接関係に基づき、隣接する解剖学的部位の画像特徴の特性等に応じて、各位置に適した方法で算出した特徴量を統合したマップを生成することができる。なお、統合マップの生成の方法は上記の方法に限らず、例えば縦郭側と胸郭側とが隣接する輪郭上の境界位置において、動き特徴量マップと滑り特徴量マップとがスムーズに統合されるような処理を行っても良い。具体的には、両マップの値を境界位置からの距離に応じて重みを付けて混合した値によって統合マップを生成するようにしても良い。
(ステップS1060:表示・保存)
ステップS1060において、表示制御部160は、ステップS1050で生成した統合マップF(x)を表示装置60に表示させるための制御を行う。具体的には、統合マップF(x)を観察するための観察画像を生成し、その画像を表示装置60に表示させるように制御を行う。観察画像は、例えば、被検体の肺野輪郭の3次元形状上に、統合マップF(x)をグレースケールやカラーマップなどで階調変換したサーフェースレンダリング画像として生成することができる。このとき、統合マップF(x)の値が無効値となる位置を透過画素として、それ以外の位置を描画するようにレンダリングしてもよい。そして、レンダリングの視点位置や視線方向、スケーリング、階調変換などの条件をユーザが操作可能に構成してもよい。例えば操作部515を用いて条件の入力を受け付けてもよい。これ以外にも、吸気画像I_insのボリュームレンダリング画像を生成し、その画像にサーフェースレンダリング画像を重畳して観察画像を生成しても良い。これ以外にも、ユーザの操作等に応じて吸気画像I_insや任意の時相の3DCTデータから任意の断面画像を生成し、その断面画像の肺輪郭の位置に、統合マップF(x)をカラーマップなどで階調変換した画素値を重畳して観察画像を生成しても良い。
また、統合マップ F(x)を表示するだけでなく、ステップS1030で算出した動き特徴量マップM'(x)とステップS1030で算出した滑り特徴量マップS'(x)を表示するように観察画像を生成しても良い。この場合、統合マップF(x)、動き特徴量マップM'(x)、滑り特徴量マップS'(x)のいずれかを、ユーザ操作に基づいて切り替えて表示するように観察画像を生成しても良い。または、各マップ、またはその一部を並べたり、または重畳したりした観察画像を生成するようにしても良い。なお、上述の方法は一例に過ぎず、如何なる方法で観察画像を生成しても良い。
なお、本処理ステップにおいて、情報処理装置10はさらに、統合マップF(x)を検査画像データベース30に記録するようにしても良い。この場合、観察画像の生成や表示を行わなくてもよい。同様に動き量マップM(x)、動き特徴量マップM'(x)、滑り量マップS(x)、滑り特徴量マップS'(x)を、検査画像データベース30に記録するようにしても良い。なお、これらの情報は、ステップS1000で取得した4DCTデータIと対応付けて保存されることが望ましい。また、検査画像データベース30に記録する各マップの情報は、本処理の終了後に任意のビューア等で観察できる形態であってもよい。
以上説明した方法により、本実施形態おける情報処理装置10の処理が実行される。本実施形態では、被検体の検査画像から解剖学的部位(例えば肺)の所定領域(例えば肺の輪郭)を抽出し、その解剖学的部位の運動に関する所定領域の第一の特徴量(例えば動き特徴量)と、第二の特徴量(滑り特徴量)とを取得する。また、所定領域を分割し、その分割結果に基づいて第一の特徴量と第二の特徴量とを統合する。
これにより、被検体の解剖学的部位の領域ごとに適した方法で特徴を取得することが可能となる。よって、被検体の肺輪郭の部位毎に、その部位に適した方法で算出した特徴の解析結果を統合した結果(例えば各特徴量マップを統合した統合マップ)をユーザに提供することができる。
(変形例1-1:縦郭/胸郭で分ける以外の方法)
本実施形態のステップS1040の説明では、被検体の肺輪郭を縦郭側輪郭と胸郭側輪郭とに分割する場合を例として説明したが、これに限らない。例えば、肺輪郭を肺底部(横隔膜が接する肺の部位)の輪郭と、それ以外の輪郭(肺底部以外の輪郭)とに分割するようにしても良い。または、肺輪郭を肺尖部(被検体の頭側に近い肺の部位)の輪郭とそれ以外の輪郭とに分割するようにしても良い。
また、肺輪郭を2つに分割する場合に限らず、縦郭側輪郭、肺底部の輪郭、肺尖部の輪郭、それ以外の輪郭など3つ以上に分割する場合にも本実施形態を適用することができる。この場合、ステップS1050で実行する統合マップの生成処理において、分割した夫々の輪郭に対して、胸膜の癒着の状態をより適切に表すマップを割り当てて統合するのが望ましい。例えば、縦郭側輪郭、肺底部の輪郭、肺尖部の輪郭には動き特徴量マップを割り当て、それ以外の輪郭には滑り特徴量マップを割り当てるなどの方法をとりうる。つまり、縦郭側輪郭、肺底部の輪郭、肺尖部の輪郭など、肺野の外側に画像特徴が乏しい部位には、当該部位でも安定的に癒着の有無を捉えられる動き特徴量マップを割り当てる。そして、それ以外の部位では、肺野の内側と外側の両方の移動の特性を用いて、より癒着の有無を的確に捉えられる滑り特徴量マップを割り当てる。
これにより、各部位とその周辺の画像特徴の特性に応じて、より適した方法で算出した特徴量を統合したマップを生成することができる。
また肺輪郭の分割方法は、上記のように解剖学的な部位の種別や隣接する他部位との隣接関係に基づく方法に限らない。例えば、ステップS10304で処理する肺野外の位置合わせの信頼度に基づいて分割するようにしても良い。より具体的には、肺輪郭上の各位置における肺野外の位置合わせの信頼度が所定の閾値よりも小さい位置ではL'(x)=1とし、それ以外の輪郭の位置ではL'(x)=2とすることができる。
ここで位置合わせの信頼度は、例えば、位置合わせ結果の画像間の局所的な類似度に基づいて算出することができる。具体的には、該画像間の類似度が所定の値よりも低い(類似していない)輪郭の位置ではL'(x)=1とし、それ以外の輪郭の位置では、L'(x)=2とすることができる。これ以外にも、位置合わせ対象の画像の肺野外における画像特徴(例えば画像エッジ等)の有無や程度に基づいて信頼度を算出することができる。他にも、繰り返し最適化を伴う位置合わせ処理を行う場合であれば、該繰り返し計算の最中における暫定解の安定性や収束性に基づいて算出することができる。これにより、信頼度の低い位置合わせ結果を用いずに統合マップを生成できるため、より適切な統合マップを生成することができる。
なお、この方法を用いた場合、位置合わせの信頼度によっては統合マップ全体が動き特徴量マップまたは滑り特徴量マップのいずれか一方になる場合もありうる。また、L'(x)=1とL'(x)=2となる領域の大きさが所定の割合となるように信頼度に対する閾値を適応的に変動させるようにしても良い。
また肺輪郭の分割方法は上記の方法に限らず、例えば不図示のマウスやキーボードなどの操作部515を介してユーザ入力を取得できるように構成し、取得したユーザ入力に基づいて上記の分割を行うようにしても良い。具体的には、ステップS1010で抽出した肺輪郭の形状を表示装置60に表示し、その輪郭のうちL'(x)=1とする輪郭をユーザのマウス操作(例えば輪郭位置のトレースや、領域選択の操作等)によって取得するようにしてもよい。
また肺輪郭の分割方法は上記の方法に限らず、例えば、縦郭側の肺輪郭と胸郭側の肺輪郭とが区別された標準的な肺の輪郭モデルを取得し、この標準的な肺の輪郭モデルを、被検体の肺の輪郭と対応づける(マッピングする)ことで輪郭を分割しても良い。
この場合、標準的な肺の輪郭モデルは、標準動き量マップRm(x)や標準滑り量マップRs(x)と同様にステップS1000の処理として検査画像データベース30から取得することができる。また、ステップS10206または、ステップS10308の処理と同様に、標準的な肺の輪郭モデルにおける肺輪郭や肺尖位置、肺底位置などを一致させる補正関数により被検体の肺の輪郭と対応づけることができる。以上の方法によれば、縦郭側と胸郭側の肺輪郭を、より安定的に分割することが可能となる。
(変形例1-2:肺以外(心臓)の場合)
本実施形態の説明では、被検体の肺を処理対象とする場合を例として説明したが、これに限らない。例えば、被検体の心臓などの別の解剖学的部位を処理対象としても良い。この場合、ステップS1000は被検体の拍動する心臓を撮影した画像を取得する。具体的には、心臓の拍動の位相の異なる複数の画像を取得する。そして、異なる位相間での心臓の輪郭や、心筋の運動を複数の方法で解析することができる。そして、これらの複数の方法で解析した結果を統合したマップを生成することができる。
例えば肺と横隔膜との隣接関係や冠動脈との位置関係などに応じて、複数のマップを切り替えて統合することができる。ここで心臓の輪郭や心筋の運動の解析方法としては、例えば、局所的な伸縮を捉えた特徴量マップや、動きの速度の特徴量マップを生成する方法などを含んでも良い。より具体的には、冠動脈とその周辺の位置の輪郭では、局所的な伸縮を捉えた特徴量マップを算出し、それ以外の輪郭では、動き特徴量マップを生成することができる。これにより、心臓の機能解析と周辺部位との間の癒着の有無を同時に観察できるマップを生成することができる。
また、これに限らず、人体の他の臓器や部位を対象としても良いし、人体以外の生物の臓器や部位、または非生物の部位等であっても良い。
(変形例1-3:特徴量の種類のバリエーション)
本実施形態の説明では、動き特徴量マップと滑り特徴量マップとを算出する場合を例として説明したが、これに限らない。例えば、肺輪郭上の局所的な体積変化(膨張・収縮)や、輪郭面の局所的な面積の変化(伸縮)など、動き特徴量や滑り特徴量以外のマップを算出する場合にも本実施形態を適用できる。例えば、胸膜付近の病変が胸膜外へ浸潤しているか否かの違いが上記の特徴に表れることがある。この場合、肺輪郭上の病変の位置に応じて、病変に近い輪郭上とそれ以外の輪郭上とで異なる特徴量マップを統合することができる。例えば病変位置に近い輪郭上では局所的な体積変化から特徴量マップを算出し、それ以外の輪郭上では動き特徴量または滑り特徴量からマップを算出することができる。これにより、病変の胸膜外への浸潤と、それ以外の輪郭の癒着の有無を同時に観察できるマップを生成することができる。
また上記以外にもステップS10206やステップS10308で実行する標準的な特徴量との比較演算の有無を違えて算出した複数の特徴量を統合して統合マップを生成するようにしても良い。例えば、肺輪郭を肺尖部の輪郭とそれ以外の輪郭とに分割する場合、肺尖部の輪郭では滑り特徴量マップM'(x)の値を持ち、それ以外の輪郭では滑り量マップM(x)の値を持つように統合マップを生成するようにしても良い。これにより、滑り特徴量マップの生成を行う際の、標準滑り量マップとの比較演算を、部位によって選択的に行うことができる。
上記に例示した肺尖部は、他の部位と比べて相対的に滑り量が小さい部位であるため、以下の効果がある。すなわち、肺尖部に対しては正常症例との比較演算によって、正常症例との差異を強調した特徴量マップが生成でき、肺尖部以外の部位に対しては、入力画像から解析される物理的な計測値に近い特徴量マップを生成することができる。
また上記以外にも例えば、ステップS1030の処理を、実行条件を変えて複数回実行し、夫々の結果を縦郭側輪郭と胸郭側輪郭とに夫々割り当てて統合マップを生成するようにしても良い。具体例としては、ステップS10302やステップS10304の位置合わせ処理において、位置合わせの正則化条件(位置合わせ結果を滑らかにする度合いの条件)が互いに異なる条件で位置合わせを実行するようにしても良い。
例えば、呼吸による肺の輪郭の移動や滑りが比較的小さい腹側に近い肺の輪郭や肺尖に近い輪郭、移動や滑りの特性が比較的複雑な縦郭側の輪郭では弱い正則化(より細かな滑りの違いを捉える)条件で位置合わせを実行することができる。これにより、解析対象の部位の移動の特性に基づいて適切な方法で解析した結果を統合したマップを生成することができる。
(変形例1-4:表示形態のバリエーション)
本実施形態の説明では、ステップS1050の処理として動き特徴量マップと滑り特徴量マップとを統合した統合マップを生成し、ステップS1060において、統合マップを表示する場合を例として説明したが、これに限らない。例えば、統合マップの生成は実行せずに、ステップS1060において、動き特徴量マップおよび滑り特徴量マップを並べた観察画像を生成し、それを表示するようにしても良い。または、動き特徴量マップと滑り特徴量マップのいずれかをユーザが指定する仕組みを備え、その指定に基づいて観察画像を生成して表示するようにしても良い。
また、統合マップを表示する場合において、ステップS1040で実行した輪郭の分割の結果を統合マップ上で視認できるように表示しても良い。例えば、縦郭側輪郭と胸郭側輪郭との領域同士の間に境界線などを表示するようにしても良い。または、縦郭側輪郭上の動き特徴量マップと胸郭側輪郭の滑り特徴量マップとで表示形態を変えて観察画像を生成するようにしても良い。例えば、縦郭側輪郭上の動き特徴量マップはカラーマップとし、胸郭側輪郭の滑り特徴量マップはグレースケールにしても良い。他にも縦郭側輪郭上の動き特徴量マップと胸郭側輪郭の滑り特徴量マップとを互いに配色の異なるカラーマップとして観察画像を生成するようにしても良い。これにより、各解析方法に適した表示形態で表示できるだけでなく、解析方法の異なる領域をユーザが容易に区別して認識できる形態で統合マップを表示できる。
解析方法の異なる領域をユーザが容易に区別できる形態としては、他にも各領域にアノテーションを付記する方法や、点滅・点灯を違えて表示する方法、不透明度を変えて表示する方法など、様々な方法が考えられる。また上記以外の方法であっても、本実施形態を適用できる。
[第二実施形態]
第一実施形態では、検査対象である被検体の肺全体について、滑り特徴量と動き特徴量とを算出し、肺の部位に応じて統合する場合を例として説明したが、これに限らない。第二実施形態では、動き特徴量や滑り特徴量の算出に先立って肺輪郭の分割を行い、分割した領域の夫々について滑り特徴量または動き特徴量を算出する場合を例として説明する。
<情報処理システムの構成> 図8は、本実施形態に係る情報処理システムの全体構成を示す図である。第一実施形態の全体構成で説明した構成要素と同一の要素については同一の番号を振り、詳細な説明は省略する。情報処理システムは、情報処理装置70、検査画像データベース30、検査画像撮影装置40、表示装置60を含み、これらの装置は、通信部を介して互いに通信可能に接続されている。
<情報処理装置の機能構成>
情報処理装置70は、検査画像データベース30が保持する情報を、LAN50を介して取得する。情報処理装置70は、データ取得部100、輪郭抽出部110、輪郭分割部140、動き特徴量算出部320、滑り特徴量算出部330、統合マップ生成部350、表示制御部160を備える。
動き特徴量算出部320は、領域分割部140の分割結果に基づき、縦郭側の胸膜における動き特徴量のマップを算出する。滑り特徴量算出部330は、領域分割部140の分割結果に基づき、胸郭側の胸膜における滑り特徴量のマップを算出する。統合マップ生成部350は、動き特徴量算出部320および滑り特徴量算出部330が算出した各特徴量のマップを統合した統合マップを生成する。
なお、情報処理装置70のハードウェア構成は、第一実施形態において図10を参照した構成と同様であるため、説明を省略する。
<処理>
次に図9を用いて、本実施形態における情報処理装置70による全体の処理手順を詳細に説明する。また、以下では、例として検査画像としてCTデータを用いる場合を例として説明するが、これに限定されるものではない。例えば、肺を撮影した時系列の3次元ボリュームデータであれば、MRI画像であってもよいし、超音波画像であってもよい。
(ステップS2000:データの取得)
ステップS2000において、情報処理装置70のデータ取得部100は、第一実施形態のステップS1000と同一の処理を実行する。詳細な説明は省略する。
(ステップS2010:肺輪郭の抽出)
ステップS2010において情報処理装置70の輪郭抽出部110は、第一実施形態のステップS1010と同一の処理を実行する。詳細な説明は省略する。
(ステップS2020:肺輪郭の分割)
ステップS2020において情報処理装置70の輪郭分割部140は、第一実施形態のステップS1040と同一の処理を実行する。詳細な説明は省略する。
(ステップS2030:肺輪郭の動き解析)
ステップS2030において、動き特徴量算出部320は、4DCTデータIを処理することで被検体の縦郭側の肺の輪郭部における運動を解析して、呼吸による動き特徴量マップM''(x)を算出する処理を実行する。具体的には、ステップS2020で算出した縦郭側の肺輪郭、すなわち、L'(x)=1となる位置の肺輪郭の運動を解析して動き量を算出する。これは、第一実施形態のステップS10202からステップS10204と同様の処理を縦郭側の肺輪郭を対象として実行することで算出できる。例えば、吸気画像I_insと呼気画像I_expを縦郭側の肺輪郭を包含するようにクロップ(切り出し)処理し、クロップ後の画像に対して処理を実行することで算出できる。
そして、第一実施形態のステップS10206と同様の処理を、縦郭側の肺輪郭を対象として実行することで、縦郭側の肺の輪郭部における動き特徴量マップM''(x)を算出する。ここでM''(x)は、縦郭側の肺輪郭の位置xにおいて動き特徴量を返す関数であり、縦郭側以外の肺輪郭および肺輪郭以外の位置xに対しては無効値を返す関数である。なお、本処理ステップは、第一実施形態のステップS1020と類似しているが、縦郭側の肺輪郭の位置に限定した処理を行う点で異なる。ただし、本処理ステップで実行する動き特徴量マップの算出方法は、第一実施形態のステップS1020と同一の方法であってもよい。
(ステップS2040:肺輪郭の滑り解析)
ステップS2040において、滑り特徴量算出部330は、4DCTデータIを処理することで被検体の胸郭側の肺の輪郭部における運動を解析して、呼吸による滑り特徴量マップS''(x)を算出する処理を実行する。具体的には、ステップS2020で算出した胸郭側の肺輪郭、すなわち、L'(x)=2となる位置の肺輪郭の運動を解析して滑り量を算出する。これは、第一実施形態のステップS10302からステップS10306と同様の処理を縦郭側の肺輪郭を対象として実行することで算出できる。例えば、吸気画像I_insと呼気画像I_expを縦郭側の肺輪郭を包含するクロップ(切り出し)処理し、クロップ後の画像に対して処理を実行することで算出できる。
そして、第一実施形態のステップS10308と同様の処理を、胸郭側の肺輪郭を対象として実行することで、胸郭側の肺の輪郭部における滑り特徴量マップS''(x)を算出する。ここでS''(x)は、胸郭側の肺輪郭の位置xにおいて滑り特徴量を返す関数であり、胸郭側以外の肺輪郭および肺輪郭以外の位置xに対しては無効値を返す関数である。なお、本処理ステップは、第一実施形態のステップS1030と類似しているが、胸郭側の肺輪郭の位置に限定した処理を行う点で異なる。ただし、本処理ステップで実行する滑り特徴量マップの算出方法は、第一実施形態のステップS1030と同一の方法であってもよい。
(ステップS2050:統合マップの生成)
ステップS2050において、統合マップ生成部350は、ステップS2030で算出した動き特徴量マップM''(x)と、ステップS2040で算出した滑り特徴量マップS''(x)とを統合した統合マップF'(x)を生成する処理を実行する。ここで統合マップF'(x)は、縦郭側の輪郭位置では動き特徴量マップM''(x)の値を持ち、胸郭側の輪郭位置では滑り特徴量マップS''(x)の値を持つマップである。より具体的には式(2)に示す演算により統合マップF'(x)を生成する。
Figure 2022109778000003
なお、M''(x)はL'(x)=1以外の位置では無効値を返す関数であり、S''(x)はL'(x)=2以外の位置では無効値を返す関数である。そのため、両関数の何れか無効値でない方の値をF'(x)に代入する処理を行い、両関数がともに無効値の場合にはF'(x)に無効値を代入するような処理を行っても、式(2)と同様の結果が得られる。また、統合マップの生成の方法は上記の方法に限らず、第一実施形態のステップS1050での説明と同様に2種類の特徴量マップをスムーズに統合する方法であっても良い。
(ステップS2060:表示・保存)
ステップS2060において、情報処理装置70の表示制御部160は、第一実施形態のステップS1060と同一の処理を実行する。詳細な説明は省略する。以上説明した方法により、本実施形態おける情報処理装置70の処理が実行される。
本実施形態では、被検体の検査画像から解剖学的部位(例えば肺)の所定領域(例えば肺の輪郭)を抽出し、所定領域を第一の領域及び第二の領域を含む複数の領域に分割する。そして、その解剖学的部位の運動に関する第一の領域における第一の特徴量(例えば動き特徴量)と、第二の領域における第二の特徴量(滑り特徴量)とを取得する。その後、第一の特徴量と第二の特徴量とを統合する。
これにより、被検体の解剖学的部位の領域ごとに適した方法で特徴を取得することが可能となる。よって、被検体の肺輪郭の部位毎に、その部位に適した方法で算出した特徴の解析結果を統合した結果(例えば各特徴量マップを統合した統合マップ)をユーザに提供することができる。また、第一実施形態と比較して、統合マップを生成するのに必要な領域に限定して各解析処理を実行できるため、より高い計算効率で同様の結果を得ることが可能となる。
(変形例2-1)
上記の説明は一例に過ぎない。例えば、ステップS2050による統合マップの生成処理を実行せずに、ステップS2030およびステップS2040で算出した各マップをステップS2060で表示・保存するようにしても良い。
例えば、第一実施形態におけるステップS1060と同様に各マップを3次元のサーフェースレンダリングで表示するようにしても良い。この時、ユーザ操作などによって制御された視点位置・視線方向等の表示条件に基づいて、動き特徴量マップと滑り特徴量マップとを切り替えて表示するように構成してもよい。より具体的には、視点位置・視線方向から縦郭側の輪郭位置が手前側に表示される条件の場合には動き特徴量マップを表示し、それ以外の場合には滑り特徴量マップを表示するように構成してもよい。
これにより、視点位置・視線方向の操作と共に、各マップの表示の切り替えを行う機能をユーザに提供でき、また各特徴量マップを観察に適した視点位置・視線方向で観察できる仕組みを提供できる。
(変形例2-2)
上記の説明は一例に過ぎない。例えば、第一実施形態と第二実施形態との両方の機能を持つ情報処理装置も、一実施形態となりうる。この場合、何れの形態で処理を行うかをユーザが選択できるようにしたり、解析対象の画像の特性や、対象部位等の情報に基づいて、自動的に選択する構成を備えたりしても良い。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
10,70:情報処理装置、30:検査画像データベース、40:検査画像撮影装置、50:LAN、60:表示装置、100:データ取得部、110:輪郭抽出部、120,320:動き特徴量算出部、130,330:滑り特徴量算出部、140:輪郭分割部、150、350:統合マップ生成部、160:表示制御部

Claims (19)

  1. 被検体の検査画像から解剖学的部位の所定領域を抽出する抽出手段と、
    前記解剖学的部位の運動に関する前記所定領域の第一の特徴量を取得する第一の特徴量取得手段と、
    前記運動に関する前記所定領域の第二の特徴量を取得する第二の特徴量取得手段と、
    前記所定領域を分割する分割手段と、
    前記分割手段による分割結果に基づいて前記第一の特徴量と前記第二の特徴量とを統合する統合手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  2. 前記統合手段による統合結果を表示手段に表示させる表示制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記表示制御手段は、前記解剖学的部位の前記所定領域の3次元形状上に、前記統合結果をレンダリングして前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記表示制御手段は、前記分割手段により分割された領域同士の間に境界線をさらに表示させることを特徴とする請求項2又は3に記載の情報処理装置。
  5. 前記第一の特徴量、第二の特徴量、及び前記統合手段による統合結果を記憶手段に記憶する制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
  6. 前記分割手段は、前記所定領域を第一の領域と第二の領域とに分割し、
    前記統合手段は、前記第一の領域では前記第一の特徴量を用いるとともに前記第二の領域では前記第二の特徴量を用いることにより統合を行うことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の情報処理装置。
  7. 前記解剖学的部位は肺であり、前記所定領域は前記肺の輪郭であり、
    前記第一の特徴量は、呼吸による前記輪郭の動きを示す動き特徴量であり、
    前記第二の特徴量は、前記呼吸による前記輪郭の滑りの大きさを示す滑り特徴量であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  8. 前記動き特徴量は、前記肺の絶対的な移動量に基づく特徴量であり、
    前記滑り特徴量は、前記肺と当該肺の周囲の部位との相対的な移動量に基づく特徴量であることを特徴とする請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記第一の領域は縦郭側肺輪郭であり、前記第二の領域は胸郭側肺輪郭であることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
  10. 前記第一の領域は肺底部の輪郭であり、前記第二の領域は前記肺底部以外の輪郭であることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
  11. 前記第一の領域は肺尖部の輪郭であり、前記第二の領域は前記肺尖部以外の輪郭であることを特徴とする請求項7又は8に記載の情報処理装置。
  12. 前記解剖学的部位は心臓であり、前記所定領域は前記心臓の輪郭であり、
    前記第一の特徴量は、前記心臓の拍動による前記輪郭の動きを示す特徴量であり、
    前記第二の特徴量は、前記心臓の拍動による前記輪郭の局所的な伸縮を示す特徴量であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  13. 前記第二の領域は冠動脈及び当該冠動脈の周辺の位置の輪郭であり、前記第一の領域はそれ以外の輪郭であることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
  14. 前記解剖学的部位は肺であり、前記所定領域は前記肺の輪郭であり、
    前記第一の特徴量は、呼吸による前記輪郭上の局所的な体積変化を示す特徴量であり、
    前記第二の特徴量は、前記呼吸による前記輪郭の滑りの大きさを示す滑り特徴量であることを特徴とする請求項6に記載の情報処理装置。
  15. 前記第一の領域は病変位置の付近の前記肺の輪郭であり、前記第二の領域はそれ以外の輪郭であることを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 被検体の検査画像から解剖学的部位の所定領域を抽出する抽出手段と、
    前記所定領域を第一の領域と第二の領域とに分割する分割手段と、
    前記解剖学的部位の運動に関する前記第一の領域における第一の特徴量を取得する第一の特徴量取得手段と、
    前記運動に関する前記第二の領域における第二の特徴量を取得する第二の特徴量取得手段と、
    前記第一の特徴量と前記第二の特徴量とを統合する統合手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  17. 情報処理方法であって、
    被検体の検査画像から解剖学的部位の所定領域を抽出する抽出工程と、
    前記解剖学的部位の運動に関する前記所定領域の第一の特徴量を取得する第一の特徴量取得工程と、
    前記運動に関する前記所定領域の第二の特徴量を取得する第二の特徴量取得工程と、
    前記所定領域を分割する分割工程と、
    前記分割工程による分割結果に基づいて前記第一の特徴量と前記第二の特徴量とを統合する統合工程と、
    を有することを特徴とする情報処理方法。
  18. 情報処理方法であって、
    被検体の検査画像から解剖学的部位の所定領域を抽出する抽出工程と、
    前記所定領域を第一の領域と第二の領域とに分割する分割工程と、
    前記解剖学的部位の運動に関する前記第一の領域における第一の特徴量を取得する第一の特徴量取得工程と、
    前記運動に関する前記第二の領域における第二の特徴量を取得する第二の特徴量取得工程と、
    前記第一の特徴量と前記第二の特徴量とを統合する統合工程と、
    を有することを特徴とする情報処理方法。
  19. 請求項17又は18に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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