(基本説明)
まず、パチンコ遊技機1の基本的な構成及び制御について説明する。
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bと、が設けられている。図1に示す例では、遊技領域の右側方に設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとは、それぞれ、複数種類の特別識別情報としての特別図柄の可変表示を行うことができる。特別図柄は、「特図」ともいう。特別図柄の可変表示は、「特図ゲーム」ともいう。第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとは、いずれも7セグメントのLEDなどを用いて構成される。特別図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を変動可能に表示することである。演出図柄や小図柄、普通図柄など、他の図柄についても、「可変表示」は同じく複数種類の図柄を変動可能に表示することである。演出図柄は、飾り図柄あるいは装飾図柄ともいう。可変表示は、変動表示、あるいは単に、変動ともいう。変動としては、複数の図柄の更新表示、複数の図柄のスクロール表示、1以上の図柄の変形、拡大、縮小などがある。変動には、ある図柄を点滅表示する態様が含まれてもよい。特別図柄や普通図柄の可変表示では、複数種類の特別図柄または普通図柄が更新可能に表示される。演出図柄の可変表示では、複数種類の演出図柄がスクロール表示または更新表示されたり、1以上の演出図柄が変形、拡大、縮小されたりする。任意の図柄の可変表示において、最後には表示結果として所定の図柄が停止表示される。停止表示は、導出表示、あるいは単に、導出ともいう。可変表示において最終的に停止表示される図柄は、最終停止図柄あるいは確定図柄ともいう。特図ゲームにおける最終停止図柄は、確定特別図柄ともいう。可変表示の表示結果は、特別図柄の表示結果を含み、可変表示結果ともいう。特別図柄の表示結果は、特図表示結果ともいう。可変表示の実行時間は、特別図柄の変動時間である特図変動時間を含み、可変表示時間ともいう。
第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄は「第1特図」ともいう。第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄は「第2特図」ともいう。第1特図を用いた特図ゲームは「第1特図ゲーム」ともいう。第2特図を用いた特図ゲームは「第2特図ゲーム」ともいう。特別図柄の可変表示を行う特別図柄表示装置は1種類であってもよい。
遊技盤2の所定位置には、普通図柄表示器20が設けられている。図1に示す例では、遊技領域の左側方に設けられている。普通図柄表示器20は、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄の可変表示を行うことができる。普通図柄は、「普図」ともいう。普通図柄の可変表示は、「普図ゲーム」ともいう。普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどを用いて構成される。普通図柄は、「0」~「9」を示す数字や「-」などの点灯パターンなどにより表される。普通図柄には、複数のLEDにおける一部または全部を点灯したパターンや、複数のLEDを全て消灯したパターンが、含まれてもよい。普図ゲームにおける最終停止図柄は、確定普通図柄ともいう。普通図柄の表示結果は、普図表示結果ともいう。普図ゲームにおいて普通図柄が可変表示される実行時間は、普図変動時間ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)、有機EL(Electro Luminescence)、プロジェクタおよびスクリーンのうち、いずれかを用いて構成されたものであればよい。その他、任意の画像を形成可能な機構を用いて画像表示装置5が構成されてもよい。画像表示装置5は、各種の演出画像を表示可能である。また、画像表示装置5は、演出画像に限定されず、検査用画像や設定用画像といった、任意の制御関連画像を表示可能である。
例えば、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄は、数字などを示す表示図柄であり、特別図柄や普通図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報となる。図1に示す画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rが設けられ、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームに同期して、例えば演出図柄が上下方向のスクロール表示や更新表示されることにより、演出図柄の可変表示が行われる。同期して実行される特図ゲームおよび演出図柄の可変表示は、総称して単に、可変表示ともいう。可変表示の同期は、図柄の変動が開始されるタイミングと、その変動が終了して図柄が最終的に停止表示されるタイミングとが、異なる種類の図柄について共通のタイミングとなるものであればよい。演出図柄の可変表示における最終停止図柄は、確定演出図柄、確定飾り図柄、確定装飾図柄ともいう。演出図柄の可変表示は第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期するので、演出図柄の可変表示時間は、特図変動時間と同じになる。
画像表示装置5の画面上には、実行が保留されている可変表示に対応する保留表示と、実行中の可変表示に対応するアクティブ表示とを、表示するための表示エリアが設けられていてもよい。保留表示およびアクティブ表示は、可変表示に対応する可変表示対応表示とも総称される。保留表示を行う表示エリアは、保留表示エリアともいう。アクティブ表示を行う表示エリアは、アクティブ表示エリアともいう。保留されている可変表示の数は、保留記憶数ともいう。第1特図ゲームに対応する保留記憶数は、第1保留記憶数ともいう。第2特図ゲームに対応する保留記憶数は、第2保留記憶数ともいう。第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値は、合計保留記憶数ともいう。図1に示す第1特別図柄表示装置4Aおよび第2特別図柄表示装置4Bの上方には、複数のLEDを含んで構成された第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられる。第1保留表示器25Aは、LEDの点灯個数によって、第1保留記憶数を表示する。第2保留表示器25Bは、LEDの点灯個数によって、第2保留記憶数を表示する。図1に示す普通図柄表示器20の上方には、複数のLEDを含んで構成された普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、LEDの点灯個数によって、普図保留記憶数を表示する。普図保留記憶数は、普図ゲームに対応する保留記憶数である。
画像表示装置5の下方には、入賞球装置6Aと、可変入賞球装置6Bと、が設けられている。入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって、常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときに、例えば3個といった、所定個の賞球が払い出され、第1特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立し得る。可変入賞球装置6Bは、普通電動役物として、図2に示す普通電動役物ソレノイド81により閉鎖状態と開放状態とに変化可能な第2始動入賞口を形成する。可変入賞球装置6Bは、例えば一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物を備え、普通電動役物ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる。可変入賞球装置6Bが閉鎖状態になることは、第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。可変入賞球装置6Bは、普通電動役物ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる。可変入賞球装置6Bが開放状態になることは、第2始動入賞口が開放状態になるともいう。第2始動入賞口に遊技球が進入したときに、例えば3個といった、所定個の賞球が払い出され、第2特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立し得る。なお、可変入賞球装置6Bは、閉鎖状態と開放状態とに変化可能なものであればよく、電動チューリップ型役物を備えるものに限定されない。
入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に遊技球が進入することは、第1始動入賞ともいう。可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に遊技球が進入することは、第2始動入賞ともいう。第1始動入賞口に進入した遊技球は、図2に示す第1始動口スイッチ21Aによって検出される。第2始動入賞口に進入した遊技球は、図2に示す第2始動口スイッチ21Bによって検出される。第1始動入賞の発生にもとづいて、第1保留記憶数の加算更新が可能になり、第1特図ゲームとして、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示が実行可能になる。第2始動入賞の発生にもとづいて、第2保留記憶数の加算更新が可能になり、第2特図ゲームとして、第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示が実行可能になる。
遊技盤2の所定位置には、所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口10が設けられる。図1に示す例では、遊技領域の左下方2箇所に一般入賞口10が設けられている。一般入賞口10のいずれかに遊技球が進入したときに、例えば10個といった、所定個の賞球が払い出される。
遊技盤2が形成する遊技領域においては、遊技球が流下する流下経路として、第1経路と、第2経路と、が設けられている。第1経路は、正面から見て画像表示装置5よりも左側の領域に主に設けられている。第2経路は、正面から見て画像表示装置5よりも右側の領域に主に設けられている。画像表示装置5の左側領域は、左側遊技領域あるいは左遊技領域ともいう。画像表示装置5の右側領域は、右側遊技領域あるいは右遊技領域ともいう。左側遊技領域と右側遊技領域とは、例えば遊技領域における画像表示装置5の端面や、遊技釘の配列などにより区分けされていればよい。第1経路に遊技球を流下させるために左側遊技領域に向けて遊技球を発射させることは、左打ちともいう。第2経路に遊技球を流下させるために右側遊技領域に向けて遊技球を発射させることは、右打ちともいう。第1経路は、左打ち経路ともいう。第2経路は、右打ち経路ともいう。第1経路と第2経路とは、別の経路により構成されてもよく、一部が共通化された経路であってもよい。
打球発射装置が備える打球操作ハンドルの操作に応じて、遊技球が打球発射装置から発射されて遊技領域に打ち込まれる。遊技領域に打ち込まれた遊技球は、左側遊技領域へと誘導されて第1経路を流下する場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、右側遊技領域における第2経路へは誘導不可能または誘導困難となる。遊技領域に打ち込まれた遊技球は、右側遊技領域へと誘導されて第2経路を流下する場合に、例えば遊技釘の配列に沿って誘導されることにより、左側遊技領域における第1経路へは誘導不可能または誘導困難となる。
入賞球装置6Aは、左側遊技領域における第1経路に設けられ、第1経路を流下する遊技球が進入可能となる。可変入賞球装置6Bは、右側遊技領域における第2経路に設けられ、第2経路を流下する遊技球が進入可能となる。なお、可変入賞球装置6Bは、左側遊技領域における第1経路を流下する遊技球が進入可能となってもよい。可変入賞球装置6Bは、左側遊技領域における第1経路を流下する遊技球よりも、右側遊技領域における第2経路を流下する遊技球の方が、進入しやすくなるように配置されてもよい。
右側遊技領域における第2経路には、通過ゲート41と、特別可変入賞球装置50と、が設けられている。通過ゲート41は、遊技球が通過可能な通過領域を形成する。通過ゲート41を通過した遊技球は、図2に示すゲートスイッチ21によって検出される。遊技球が通過ゲート41を通過したことにもとづいて、普通保留記憶数の加算更新が可能になり、普図ゲームとして、普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示が実行可能になる。
特別可変入賞球装置50は、特別電動役物として、大入賞口ソレノイド82により閉鎖状態と開放状態とに変化可能な大入賞口を形成する。特別可変入賞球装置50の上部は、遊技球が通過可能な程度に前後方向の通路幅を有する誘導通路が形成されている。この誘導経路は、右側から左側へと向けて下降するように傾斜し、延在した通路の両側となる手前側および奥側に壁部が設けられる。誘導通路の中央部には、大入賞口となる役物進入口が形成されている。特別可変入賞球装置50において、大入賞口を開閉可能な位置には、大入賞口開閉部材として、前後方向に移動可能な可動部材52が設けられている。特別可変入賞球装置50において、誘導通路の大入賞口が形成されていない部分は、固定された通路を形成する固定部材53が設けられている。
可動部材52は、大入賞口ソレノイド82により駆動され、大入賞口となる役物進入口を開閉するための進退動作が可能である。特別可変入賞球装置50において、大入賞口から内部に進入した遊技球は、カウントスイッチ23によって検出される。特別可変入賞球装置50の内部には、遊技球が通過可能な入賞領域として、特定領域となるV入賞領域51が設けられている。また、特別可変入賞球装置50の内部には、V入賞領域51とは異なる通常領域が設けられている。V入賞領域51の上部には、V入賞口開閉部材として、V入賞領域51を開放状態と閉鎖状態とに切替え可能な板状の振分部材が設けられている。振分部材は、特定領域ソレノイド83により駆動され、V入賞領域51を開閉するための進退動作が可能である。V入賞領域51は、開放状態であるときに遊技球が通過可能であり、閉鎖状態であるときに遊技球が通過不可能である。V入賞領域51を通過した遊技球は、特定領域スイッチ24によって検出される。V入賞領域51を通過しなかった遊技球は、通常領域を通過する。V入賞領域51を通過した遊技球と、V入賞領域51を通過せずに通常領域を通過した遊技球とは、いずれも排出口スイッチ26によって検出された後に、特別可変入賞球装置50の外部へと排出される。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車および多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、遊技領域周辺部には、点灯演出用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。遊技盤2の所定位置には、演出に応じて動作する可動体32が設けられている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドルが設けられている。打球操作ハンドルは、操作ノブともいう。遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持する打球供給皿が設けられている。打球供給皿は、上皿ともいう。上皿の下方には、上皿満タン時に払い出された賞球が流下して貯留される賞球貯留皿が設けられている。賞球貯留皿は、下皿ともいう。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、スティックコントローラ31Aと、プッシュボタン31Bと、が設けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持して傾倒操作を可能であり、遊技者が押引操作を可能なトリガボタンが設けられている。スティックコントローラ31Aに対する操作は、図2に示すコントローラセンサユニット35Aによって検出される。プッシュボタン31Bは、遊技者が押下操作を可能である。プッシュボタン31Bに対する操作は、図2に示すプッシュセンサ35Bによって検出される。パチンコ遊技機1では、遊技者の操作などの動作を検出する検出手段として、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bが用いられるが、これら以外の検出手段が用いられてもよい。
(遊技の進行の概略)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技球が通過ゲート41を通過すると、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。なお、前回の普図ゲームの実行中の期間などである場合に、遊技球が通過ゲート41を通過しても当該通過にもとづく普図ゲームを直ちに実行できないので、当該通過にもとづく普図ゲームは、例えば「4」といった所定の上限数まで保留される。普図ゲームでは、普図当り図柄といった、特定の普通図柄が確定普通図柄として停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる。これに対し、確定普通図柄として、普図ハズレ図柄といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示された場合に、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる。「普図当り」である場合に、可変入賞球装置6Bを所定期間において開放状態とする開放制御が行われる。このときに、第2始動入賞口が開放状態になる。
入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過して進入した場合に、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図ゲームが開始可能になる。可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過して進入した場合に、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが開始可能になる。なお、特図ゲームを実行中の期間や、大当り遊技状態または小当り遊技状態に制御されている期間などである場合に、遊技球が始動入賞口に進入して始動入賞が発生しても当該始動入賞にもとづく特図ゲームを直ちに実行できないので、当該始動入賞にもとづく特図ゲームは、例えば「4」といった所定の上限数まで保留される。特図ゲームでは、大当り図柄といった、特定の特別図柄が確定特別図柄として停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「大当り」となる。これに対し、確定特別図柄として、小当り図柄といった、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄が停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「小当り」となる。また、確定特別図柄として、ハズレ図柄といった、大当り図柄や小当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「ハズレ」となる。さらに、確定特別図柄として、時短図柄といった、大当り図柄、小当り図柄、ハズレ図柄とは異なる特別図柄が停止表示された場合に、特別図柄の表示結果が「時短」となることがあってもよい。特別図柄は、時短図柄を含まないものであってもよい。すなわち、特別図柄の表示結果は、「時短」を含まないものであってもよい。
特図ゲームにおいて、特別図柄の表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利な有利状態として大当り遊技状態に制御される。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置50に形成された大入賞口が所定の態様で開放状態となることができる。このときの開放状態は、例えば29秒間や1.8秒間など、所定期間の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数に達するタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。大入賞口を開放状態に制御可能な所定期間は、1ラウンドにおいて大入賞口を開放することができる上限期間であり、開放上限期間ともいう。大当り遊技状態において大入賞口が開放状態となる1のサイクルは、ラウンドあるいはラウンド遊技という。大当り遊技状態では、このようなラウンドを、例えば15回や2回など、所定の上限回数に達するまで繰り返し実行可能となっている。大当り遊技状態において、遊技者は、遊技球を大入賞口に進入させることで、賞球を得ることができる。したがって、大当り遊技状態は、遊技者にとって有利な有利状態となる。大当り遊技状態におけるラウンド数が多い程、また、開放上限期間が長い程、遊技者にとって有利になる。
特別図柄の表示結果が「大当り」になる場合は、複数の大当り種別を含んでいる。例えば、ラウンド数や開放上限期間といった大入賞口の開放態様、通常状態や時短状態や確変状態といった大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、複数種類の異なる設定とし、各設定に対応して大当り種別が指定される。複数の大当り種別は、多くの賞球を得ることができる大当り種別や、賞球の少ない大当り種別、または、ほとんど賞球を得ることができない大当り種別のうち、一部または全部を含んでいてもよいし、獲得可能な賞球に関しては同程度の大当り種別を含んでいてもよい。特別図柄の表示結果が「大当り」であることにもとづいて大当り遊技状態に制御されることは、図柄大当り、特別図柄による大当り、可変表示大当り、あるいは直撃大当りともいう。
特図ゲームにおいて、特別図柄の表示結果が「小当り」になった後には、小当り遊技状態に制御される。小当り遊技状態では、特別可変入賞球装置50に形成された大入賞口が所定の開放態様で開放状態となることができる。例えば、小当り遊技状態では、一部の大当り種別のときの大当り遊技状態と同様の開放態様で大入賞口が開放状態となってもよい。大入賞口は、開放回数や開放期間が共通することにより、同様の開放態様にできればよい。あるいは、小当り遊技状態において、大当り遊技状態とは異なる開放態様で大入賞口が開放状態となってもよい。大当り種別と同様に、特別図柄の表示結果が「小当り」になる場合にも、複数の小当り種別が含まれてもよい。大当り種別や小当り種別は、当り種別とも総称される。小当り遊技状態において大入賞口を開閉させる動作は、始動動作ともいう。小当り遊技状態であるときに、特別可変入賞球装置50の大入賞口となる役物進入口が開放され、遊技球がV入賞領域51を通過して特定領域スイッチ24によって検出されると、大当りの発生条件が成立し、大当り遊技状態に制御可能となる。小当り遊技状態において遊技球がV入賞領域51を通過することによるV入賞の発生にもとづいて大当り遊技状態に制御されることは、小当り経由大当りともいう。
大当り遊技状態が終了した後に、大当り種別と対応して、遊技状態を時短状態や確変状態に制御可能である。また、特図ゲームにおいて、特別図柄の表示結果が「時短」になった後には、大当り遊技状態に制御されずに、遊技状態が時短状態に制御される。時短状態は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図ゲームが通常状態よりも実行されやすい遊技状態である。通常状態よりも第2特図ゲームが実行されやすい遊技状態は、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過して進入しやすい遊技状態である。第2始動入賞口を遊技球が通過しやすいか否かの制御は、ベース制御ともいう。通常状態におけるベース制御は、通常ベース制御あるいは低ベース制御ともいう。時短状態におけるベース制御は、高ベース制御を含んでいる。高ベース制御に加えて、時短状態が中ベース制御を含んでいてもよい。中ベース制御は、低ベース制御よりも第2始動入賞口を遊技球が通過しやすい一方で、高ベース制御よりも第2始動入賞口を遊技球が通過しにくいベース制御である。中ベース制御が行われる遊技状態は、中ベース状態ともいう。高ベース制御が行われる遊技状態は、高ベース状態ともいう。高ベース制御は、高開放制御ともいう。
通常状態である場合と、中ベース状態である場合と、高ベース状態である場合とで、いずれも特別図柄の表示結果として時短図柄の停止表示が可能である。ただし、中ベース状態である場合と、高ベース状態である場合とでは、特別図柄の表示結果として時短図柄が停止表示されたとしても、その時短図柄にもとづくベース制御は行われず、中ベース状態や高ベース状態に移行する新たな制御は開始されない。時短状態では、平均的な可変表示時間を通常状態よりも短縮させる時短制御が可能である。これにより、時短状態は、時間短縮状態ともいう。
時短状態は、特に第2特別図柄といった、特別図柄の変動効率が向上する状態であるので、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別状態に含まれる。遊技状態が確変状態であるときに、時短制御に加えて、表示結果が「大当り」となる確率が通常状態よりも高くなる確変制御が可能である。これにより、確変状態は、確率変動状態ともいう。確変状態は、特別図柄の変動効率が向上することに加えて「大当り」となりやすい状態であるので、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な特別状態に含まれる。時短状態や確変状態は、所定回数の特図ゲームが実行されたこと、次回の大当り遊技状態に制御されたことなど、予め定められた終了条件のいずれか1つが先に成立するまで継続する。所定回数の特図ゲームが実行されたことが終了条件となるものを、回数切りともいう。回数切りの時短状態は、回数切り時短ともいう。回数切りの確変状態は、回数切り確変ともいう。
通常状態となる遊技状態は、遊技者にとって有利な大当り遊技状態などの有利状態、小当り遊技状態などの所定状態、時短状態や確変状態などの特別状態には含まれない遊技状態である。通常状態は、普図ゲームにおける表示結果が「普図当り」となる確率、特図ゲームにおける表示結果が「大当り」となる確率などが、パチンコ遊技機1の初期設定状態と同一に制御される遊技状態である。パチンコ遊技機1の初期設定状態は、例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復旧処理を実行せずに初期設定処理を実行した後の制御状態である。
確変制御が実行されている状態を高確状態、確変制御が実行されていない状態を低確状態ともいう。時短制御が実行されている状態を高ベース状態、時短制御が実行されていない状態を低ベース状態ともいう。これらを組み合わせて、時短状態は低確高ベース状態、確変状態は高確高ベース状態、通常状態は低確低ベース状態などともいわれる。高確状態かつ低ベース状態は高確低ベース状態ともいう。なお、パチンコ遊技機1は、遊技状態として確変状態を含まないものであってもよい。
小当り遊技状態が終了した後に、V入賞の発生にもとづいて大当り遊技状態に制御される場合と、V入賞が発生せずに小当り遊技状態となる前の遊技状態が変更されない場合と、がある。ただし、特図ゲームの表示結果が「小当り」となり、回数切りにおける所定回数の特図ゲームが実行された場合に、時短状態や確変状態の制御が終了して、通常状態となることがある。なお、パチンコ遊技機1は、遊技状態として小当り遊技状態を含まないものであってもよい。すなわち、特別図柄の表示結果は、「小当り」を含まないものであってもよい。
可変表示の実行回数にもとづく時短条件が成立した場合に、遊技状態を時短状態に制御可能であってもよい。このような時短状態は、救済時短ともいう。時短条件は、パチンコ遊技機1への電源投入後や、大当り発生後、特図ゲームの表示結果が「時短」となった後に、特定回数の可変表示を実行しても新たな大当り遊技状態や時短状態への制御が行われなかった場合に、成立可能な条件であればよい。
(演出の進行など)
パチンコ遊技機1では、遊技の進行にあわせて種々の演出を実行可能である。この演出は、遊技の進行状況を報知する演出と、遊技を盛り上げる演出と、を含む。これらの演出は、画像表示装置5に各種の演出画像を表示すること、スピーカ8L、8Rから効果音を出力すること、遊技効果ランプ9を点灯すること、可動体32を動作させること、スティックコントローラ31Aやプッシュボタン31Bを振動させること、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含み、任意の演出装置を用いて実行可能なものであればよい。
遊技の進行にあわせて実行可能な演出は、演出図柄の可変表示を含む。第1特図ゲームまたは第2特図ゲームが開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて、演出図柄の可変表示が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて表示結果となる確定特別図柄が停止表示されるときに、演出図柄の可変表示において表示結果となる確定演出図柄が停止表示される。確定演出図柄は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに対応した3つの演出図柄の組合せで構成される。演出図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間に、演出図柄の可変表示における表示態様がリーチ態様となることがある。リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止した演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに、未だ停止していない演出図柄について変動が継続している態様などである。演出図柄の可変表示における表示態様がリーチ態様となることは、リーチが成立するともいう。
演出図柄の可変表示がリーチ態様となったことに対応して、リーチ演出を実行可能である。パチンコ遊技機1は、演出態様が異なる場合に、可変表示の表示結果が「大当り」となる割合が異なるように、複数種類のリーチ演出を実行可能である。演出態様に対応する「大当り」の割合は、大当り信頼度、大当り期待度ともいう。リーチ演出は、例えば、ノーマルリーチと、ノーマルリーチよりも大当り信頼度が高いスーパーリーチと、を含む。その他、リーチ演出の実行時間に対応して、ショートリーチと、ショートリーチよりも実行時間が長いロングリーチと、を含むものとしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「大当り」となるときに、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定演出図柄が、演出図柄の表示結果として停止表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに、例えば「7」の数字を示す演出図柄といった、同一の演出図柄が揃って所定の有効ライン上に停止表示される。大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御される「確変大当り」である場合に、例えば「7」の数字を示す演出図柄など、奇数の演出図柄が揃って停止表示されてもよい。大当り遊技状態の終了後に確変状態に制御されない「非確変大当り」である場合に、例えば「6」の数字を示す演出図柄など、偶数の演出図柄が揃って停止表示されてもよい。「非確変大当り」は、「通常大当り」ともいう。この場合に、奇数の演出図柄は、確変図柄ともいう。偶数の演出図柄は、非確変図柄あるいは通常図柄ともいう。非確変図柄でリーチ態様となった後に、最終的に「確変大当り」となる昇格演出を実行するようにしてもよい。
特図ゲームの表示結果が「小当り」となるときに、画像表示装置5の画面上において、予め定められた小当り組合せとなる確定演出図柄が、演出図柄の表示結果として停止表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに、例えば「7」以外の数字を示す演出図柄といった、同一の演出図柄が揃って所定の有効ライン上に停止表示されてもよい。特図ゲームの表示結果が「大当り」になるときと「小当り」になるときとで、共通の確定演出図柄が停止表示されてもよい。
特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となるときに、演出図柄の可変表示においてリーチ態様とならずに、表示結果が停止表示される場合がある。この場合に、演出図柄の表示結果として、非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される。リーチ態様とならずに非リーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される表示結果は、非リーチハズレともいう。特図ゲームの表示結果が「ハズレ」となるときに、演出図柄の可変表示においてリーチ態様となり、リーチ演出が実行された後に表示結果が停止表示される場合がある。この場合に、演出図柄の表示結果として、大当り組合せや小当り組合せではないリーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される。リーチ態様となった後にリーチ組合せの確定演出図柄が停止表示される表示結果は、リーチハズレともいう。
パチンコ遊技機1が実行可能な演出は、保留表示やアクティブ表示などの可変表示対応表示を含む。その他に、例えば、大当り信頼度を予告する予告演出などを、演出図柄の可変表示中に実行可能である。予告演出は、実行中の可変表示に対応した大当り信頼度を予告する当該変動予告演出と、実行が保留されている実行前の可変表示に対応した大当り信頼度を予告する先読み予告演出と、を含んでもよい。先読み予告演出は、例えば保留表示やアクティブ表示などの可変表示対応表示の表示態様を、通常とは異なる態様に変化させる変化演出を実行可能であってもよい。
画像表示装置5の画面上において、演出図柄の可変表示中に演出図柄を一旦仮停止させた後に、可変表示を再開させることで、1回の可変表示を擬似的に複数回の可変表示のように見せる擬似連演出を実行可能であってもよい。擬似連演出は、演出図柄を一旦仮停止させた後に可変表示を再開させる再変動回数が多い場合の方が、再変動回数が少ない場合よりも大当り信頼度が高くなるように設定されてもよい。演出図柄の可変表示において、リーチ態様となるより前に擬似連演出が実行される場合と、リーチ態様となった後に擬似連演出が実行される場合と、が含まれてもよい。その他、演出図柄の可変表示において、複数のタイミングで擬似連演出を実行可能であってもよい。
大当り遊技状態の制御中に、大当り遊技状態を報知する大当り中演出を実行可能である。大当り中演出は、ラウンド数を報知する演出と、大当り遊技状態の有利度が向上することを示唆または報知する昇格演出と、を含んでいてもよい。小当り遊技状態の制御中に、小当り遊技状態を報知する小当り中演出を実行可能である。大当り遊技状態の制御中と、小当り遊技状態の制御中とで、共通の演出を実行することで、現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか小当り遊技状態であるかを、遊技者が認識不可能または認識困難となるようにしてもよい。
特図ゲームなどの実行がなく、遊技が進行していない非遊技状態では、画像表示装置5の画面上にデモンストレーション用の演出画像を表示可能である。デモンストレーション用の演出画像は、デモ画像ともいう。デモ画像の表示は、デモ表示ともいう。デモ表示による演出は、客待ちデモ演出ともいう。
(基板構成)
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15、電源基板17などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1の背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板など、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御可能な機能を有する。遊技の進行は、保留の管理を伴う特図ゲームの実行、保留の管理を伴う普図ゲームの実行、大当り遊技状態、小当り遊技状態、時短状態、確変状態など、各種遊技の実行や遊技状態の移行を含む。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100と、スイッチ回路110と、ソレノイド回路111と、を備える。
主基板11が備える遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105と、を含んで構成可能である。ROM101、RAM102、乱数回路104の一部または全部は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に対して外付可能な構成であってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵された構成であってもよい。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。遊技球検出用の各種スイッチは、例えばゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22Aや第2始動口スイッチ22Bといった始動口スイッチ、カウントスイッチ23、特定領域スイッチ24、排出口スイッチ26を含む。検出信号は、遊技球が通過または進入してスイッチがオンになったことなどを示す。検出信号の伝送により、遊技球の通過または進入が検出されたことになる。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物ソレノイド81と、大入賞口ソレノイド82と、特定領域ソレノイド83と、に供給可能である。ソレノイド駆動信号は、各ソレノイドをオンする信号などであればよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100において、ROM101は、遊技制御に用いられるコンピュータプログラムやデータを記憶する不揮発性記憶装置である。ROM101が記憶するデータは、変動パターン、演出制御コマンド、その他の各種設定や判定、決定に用いられるテーブルを構成するテーブルデータなどを含む。RAM102は、遊技制御に用いられるワークエリアやデータを退避するためのスタックを提供する一時記憶装置である。RAM102は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止した場合でも、所定期間内であれば記憶領域の一部または全部における記憶内容を復旧可能となるように保存するバックアップRAMとなっていればよい。RAM102は、RWM(Read/Write Memory)ともいう。RAM102のワークエリアは、カウンタ、タイマ、バッファ、その他の各種コードや数値の格納領域など、遊技制御に用いられる各種データを記憶可能な記憶領域を含んでいる。CPU103は、ROM101に記憶されたプログラムに対応する処理を実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御可能である。乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技の進行を制御するときに使用される乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数の一部または全部は、専用回路を用いてハードウェアにより更新されるものであってもよいし、CPU103が実行するコンピュータプログラムなどのソフトウェアにより更新されるものであってもよい。I/O105は、各種信号が入力される入力ポートと、各種信号が出力される出力ポートと、を含んで構成される。I/O105の入力ポートに入力される各種信号は、スイッチ回路110を介して伝送される各種スイッチからの検出信号を含んでいればよい。I/O105の出力ポートから出力される各種信号は、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御する信号と、普通電動役物ソレノイド81、大入賞口ソレノイド82、特定領域ソレノイド83などを駆動するソレノイド駆動信号と、を含んでいればよい。
主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100により、遊技の進行を制御する動作の一部として、遊技の進行に応じた演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信可能に出力する。演出制御コマンドは、遊技の進行状況などを指定または通知するコマンドである。主基板11から出力された演出制御コマンドは、中継基板15により中継され、演出制御基板12に供給される。演出制御コマンドは、例えば特図ゲームの表示結果、当り種別、変動パターンなど、主基板11における各種の決定結果を指定するコマンドと、例えば可変表示の開始や終了、大入賞口の開放状況、入賞の発生、保留記憶数、遊技状態など、遊技の状況を指定するコマンドと、エラーの発生などを指定するコマンドと、を含むものであればよい。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドにもとづいて演出を制御可能な機能を有する。演出制御基板12において制御可能な演出は、例えば可動体32の駆動など、遊技の進行に応じた種々の演出であり、その他に、エラー報知、電断復旧の報知など、各種報知を含む。演出制御基板12は、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125と、を備える。
演出制御用CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、表示制御部123とともに演出の実行を制御するための処理を行う。この処理は、演出制御基板12の諸機能を実現するための処理であり、実行する演出の決定などを含む。演出制御用CPU120は、各種テーブルのデータなど、ROM121が記憶する各種データを用いるとともに、RAM122をメインメモリとして使用する。演出制御用CPU120は、コントローラセンサユニット35Aやプッシュセンサ35Bからの検出信号にもとづいて、演出の実行を表示制御部123に指示することもある。ここでの検出信号は、遊技者による操作を検出したときに出力される信号であり、操作内容を適宜示す信号であればよい。
表示制御部123は、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などを含み、演出制御用CPU120からの演出の実行指示にもとづいて、主に表示に関する演出を実行可能に制御する。表示制御部123は、実行する演出に応じた映像信号を画像表示装置5に供給することにより、演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させる。表示制御部123は、さらに、音指定信号を音声制御基板13に供給したり、ランプ信号をランプ制御基板14に供給したりする。音指定信号は、スピーカ8L、8Rにて出力される音声を指定する。ランプ信号は、遊技効果ランプ9の点灯態様や消灯態様を指定する。音指定信号やランプ信号の供給により、演出画像の表示に同期して、スピーカ8L、8Rの音声出力や、遊技効果ランプ9の点灯または消灯が可能になる。表示制御部123は、可動体32を動作させる信号を、可動体32のモータやソレノイドに、または可動体32を駆動するドライバ回路に、供給可能であってもよい。演出制御基板12とは別に、可動体32を駆動するためのドライバ基板が設けられてもよい。
乱数回路124は、各種演出の実行を制御するときに使用される各種の乱数値を示す数値データを更新可能にカウントする。演出の実行を制御するときに使用される乱数は、演出用乱数ともいう。演出用乱数は、演出制御用CPU120が実行するコンピュータプログラムなどのソフトウェアにより更新されるものであってもよい。I/O125は、例えば主基板11から伝送された演出制御コマンドなどを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートと、を含んで構成される。I/O125の入力ポートは、コントローラセンサユニット35Aから供給される検出信号の入力端子と、プッシュセンサ35Bから供給される検出信号の入力端子と、を含んでいればよい。I/O125の出力ポートは、画像表示装置5に供給される映像信号の出力端子と、音声制御基板13に供給される音指定信号の出力端子と、ランプ制御基板14に供給されるランプ信号の出力端子と、を含んでいればよい。
音声制御基板13は、スピーカ8L、8Rを駆動する各種回路を搭載しており、表示制御部123からの音指定信号にもとづいてスピーカ8L、8Rを駆動し、音指定信号が指定する音声をスピーカ8L、8Rから出力させる。ランプ制御基板14は、遊技効果ランプ9を駆動する各種回路を搭載しており、表示制御部123からのランプ信号にもとづいて遊技効果ランプ9を駆動し、ランプ信号が指定する態様で遊技効果ランプ9を点灯または消灯する。このようにして、スピーカ8L、8Rからの音声出力と、遊技効果ランプ9の点灯や消灯とは、表示制御部123からの信号にもとづいて制御することができる。なお、音指定信号やランプ信号の供給など、音声出力およびランプの点灯や消灯の制御と、可動体32を動作させる信号の供給など、可動体32の制御とは、演出制御用CPU120が一部または全部を実行するようにしてもよい。演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、主基板11以外の基板は、サブ基板ともいう。図2に示す構成例のように、サブ基板が機能別に複数設けられていてもよいし、図2に示す構成例とは異なり、1のサブ基板が複数の機能を有するように構成してもよい。
電源基板17は、商用電源などの外部電源におけるAC100Vといった交流電源からの電力を、主基板11や演出制御基板12などの各種制御基板を含めた電気部品に供給可能である。電源基板17は、例えば交流(AC)を直流(DC)に変換するための整流回路、所定の直流電圧を特定の直流電圧(例えば直流12Vや直流5Vなど)に変換するための電源回路などを備えている。パチンコ遊技機1は、電源スイッチ91の操作により、電源投入の開始と終了とを切替可能である。主基板11のスイッチ回路110には、電源基板17からのリセット信号、電源断信号、クリア信号が取り込まれて遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送される。リセット信号は、遊技制御用マイクロコンピュータ100などの制御回路を動作停止状態とするための動作停止信号であり、電源監視回路、ウォッチドッグタイマ内蔵IC、システムリセットICのいずれかを用いて出力可能であればよい。電源断信号は、パチンコ遊技機1において用いられる所定電源電圧が所定値を超えるとオフ状態となり、所定電源電圧が所定値以下になった期間が電断基準時間以上まで継続したときにオン状態となる。クリア信号は、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92に対する押下操作などに応じてオン状態となる。
(動作)
次に、パチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
(主基板11の主要な動作)
まず、主基板11における主要な動作を説明する。パチンコ遊技機1に対して電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理が実行される。
図3は、主基板11においてCPU103が実行する遊技制御メイン処理を示すフローチャートである。図3に示す遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、まず、割込み禁止に設定する(ステップS1)。これにより、以後は割込み許可となるまで、他の処理が実行されない。続いて、内蔵デバイスレジスタの設定を行う(ステップS2)。内蔵デバイスレジスタの設定では、例えば内蔵デバイスレジスタ設定テーブルを用いて、指定された内蔵デバイスアドレスに内蔵デバイスレジスタ設定値を格納する。内蔵デバイスレジスタは、例えばタイマ回路であるタイマカウンタとしてのPTC(Programmable Timer Counter)、乱数回路104、I/O105の入力ポート、シリアル通信回路、RWMアクセス制御回路など、各種回路や電子部品に対応して設けられたものであればよい。また、スタックポインタの初期設定や割込みベクタの設定などが行われてもよい。
続いて、RWMチェック処理(ステップS3)を実行し、予め定められた復旧条件が成立したか否かを判定する(ステップS4)。復旧条件は、クリアスイッチ92の操作に対応したクリア信号がオフ状態であり、バックアップデータがあり、バックアップRAMとしてのRAM102における記憶内容が正常である場合に、成立可能である。パチンコ遊技機1の電源投入時に、例えば電源基板17に設けられたクリアスイッチ92が押下操作されていれば、オン状態のクリア信号が遊技制御用マイクロコンピュータ100に入力される。このようなオン状態のクリア信号が入力されている場合に、ステップS4にて復旧条件が成立していないと判定すればよい。バックアップデータは、遊技制御用のバックアップRAMとなるRAM102に保存可能であればよい。ステップS3のRWMチェック処理は、チェックサム算出処理を含み、処理結果として得られたチェックサムデータを、チェックサムバッファの記憶データと比較して、両者のデータが合致した場合に、RAM102における記憶内容が正常であると判断する。ステップS4では、ステップS3のRWMチェック処理によりバックアップデータの有無やデータ誤りの有無などを確認あるいは検査した結果にもとづいて、復旧条件が成立し得るか否かを判定すればよい。
復旧条件が成立した場合に(ステップS4;Yes)、復旧用の設定が行われる。復旧用の設定は、バックアップ時コマンド送信テーブルの指定(ステップS5)と、バックアップ時設定テーブルの指定(ステップS6)と、を含んでいる。バックアップ時コマンド送信テーブルは、バックアップデータを用いた復旧が行われたことを指定する停電復旧指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するためのテーブルデータを含んでいる。バックアップ時設定テーブルは、バックアップデータを用いた復旧が行われた場合に、ワークエリアの初期設定に用いられるテーブルデータを含んでいる。テーブルの指定は、ROM101に記憶されたテーブルの先頭アドレスに対応する値を、汎用ポインタまたはテーブルポインタに格納する。他のテーブルについても同様である。
復旧条件が成立しない場合に(ステップS4;No)、初期化用の設定が行われる。初期化用の設定は、RWM初期設定処理(ステップS7)と、初期化時コマンド送信テーブルの指定(ステップS8)と、初期化時設定テーブルの指定(ステップS9)と、を含んでいる。RWM初期設定処理は、RAM102におけるワークエリアとなる所定領域にクリアデータを格納することにより、ワークエリアを初期化する処理が含まれている。初期化時コマンド送信テーブルは、電源投入時の初期設定が行われたことを指定する電源投入指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するためのテーブルデータを含んでいる。初期化時設定テーブルは、電源投入時の初期設定が行われた場合に、ワークエリアの初期設定に用いられるテーブルデータを含んでいる。例えば、初期化時設定テーブルは、特定回数カウンタの計数値を、特定回数初期値に設定するためのテーブルデータを含んでいる。また、初期化時設定テーブルは、特定回数コマンドバッファの格納値を、特定回数コマンド上限値に設定するためのテーブルデータを含んでいる。特定回数は、大当り遊技状態や時短状態に制御されない期間が継続した場合に、遊技状態を通常状態から時短状態に移行させる時短条件となる可変表示の実行回数である。
その後、コマンドセット処理(ステップS10)と、データセット処理(ステップS11)と、を実行する。コマンドセット処理は、コマンド送信テーブルにおいて指定されたコマンドデータを、シリアル通信データレジスタに格納することにより、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための処理が含まれる。データセット処理は、ポインタにより指定されたデータ設定テーブルを用いて、テーブルデータが示すアドレスに指定値を格納する処理と、テーブルデータが示すアドレスの記憶内容をクリアする処理と、が含まれる。
そして、ウェイト処理(ステップS12)を実行した後に、特定回数コマンド送信処理(ステップS13)を実行する。ウェイト処理は、所定期間が経過するまで待機することにより、演出制御基板12などのサブ基板が確実に起動可能となる。特定回数コマンド処理は、電源投入時に特定回数カウンタの計数値を指定する演出制御コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための処理である。特定回数カウンタは、RAM102の所定アドレスに設けられ、可変表示の実行回数が時短条件に対応する特定回数となるまでの残り回数を計数可能であればよい。
ステップS13の特定回数コマンド送信処理に続いて、割込み初期設定(ステップS14)を行い、例えば4ミリ秒といった、所定時間ごとに定期的なタイマ割込みが発生するようにPTCカウンタ出力値を設定して、ループ処理に入る。このループ処理では、割込み禁止(ステップS15)、初期値決定用乱数更新処理(ステップS16)、割込み許可(ステップS17)が、繰り返し実行される。以後、PTCから割込み要求信号がCPU103へ送出されるごとに、CPU103はタイマ割込み処理を実行可能になる。これにより、CPU103は、例えば4ミリ秒といった、所定時間ごとにタイマ割込み処理を実行することができる。
図4(A)は、遊技制御用タイマ割込み処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、PTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けることで、遊技制御用タイマ割込み処理を実行可能である。図4(A)に示す遊技制御用タイマ割込み処理は、電源断処理(ステップS21)と、スイッチ処理(ステップS22)と、メイン側エラー処理(ステップS23)と、遊技用乱数更新処理(ステップS24)と、特別図柄プロセス処理(ステップS25)と、普通図柄プロセス処理(ステップS26)と、情報出力処理(ステップS27)と、賞球処理(ステップS28)と、メイン側表示制御処理(ステップS29)と、を含んでいる。
ステップS21の電源断処理は、電源基板17から伝送される電源断信号を確認して、電源断の発生有無を判定する処理などが含まれる。電源断が発生した場合に、チェックサム算出処理を実行し、チェックサムデータをチェックサムバッファに設定した後、RWMアクセス禁止など、電源断時の設定が行われる。ステップS22のスイッチ処理は、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23など、スイッチ回路110を介して入力される各種スイッチからの検出信号について、受信の有無を判定する処理が含まれる。検出信号の受信結果は、スイッチオンバッファに設定される。ステップS23のメイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理が含まれる。ステップS24の遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する処理が含まれる。
図4(B)は、遊技用乱数の一例を示している。遊技用乱数は、特別図柄判定用の乱数MR1と、当り図柄選択用の乱数MR2と、MR2初期値決定用の乱数MR3と、変動パターン種別選択用の乱数MR4と、変動パターン決定用の乱数MR5と、普通図柄当り判定用の乱数MR6と、MR6初期値決定用の乱数MR7と、を含んでいる。特別図柄判定用の乱数MR1は、特別図柄の表示結果を「大当り」にするか否か、特別図柄の表示結果を「小当り」にするか否かなど、特別図柄の表示結果を判定するときに使用する。当り図柄選択用の乱数MR2は、特別図柄の表示結果を「大当り」にする場合の大当り図柄や、特別図柄の表示結果を「小当り」にする場合の小当り図柄など、確定特別図柄を複数の特別図柄から選択するときに使用する。MR2初期値決定用の乱数MR3は、乱数MR2の初期値を作成するために使用する。変動パターン種別選択用の乱数MR4は、特別図柄の変動パターン種別選択に使用する。変動パターン決定用の乱数MR5は、変動パターン種別に対応した変動パターンの決定に使用する。普通図柄当り判定用の乱数MR6は、普通図柄の表示結果を「普図当り」にするか否かという、普通図柄の表示結果を判定するときに使用する。MR6初期値決定用の乱数MR7は、乱数MR6の初期値を作成するために使用する。MR2初期値決定用の乱数MR3と、MR6初期値決定用の乱数MR7は、ステップS24の遊技用乱数更新処理だけでなく、図3に示されたステップS16の初期値決定用乱数更新処理においても更新可能であればよい。
変動パターンは、変動パターン種別選択用の乱数MR4の値にもとづいて選択された変動パターン種別に含まれる1または複数の変動パターンのうちから、今回の可変表示における使用パターンとなるものが、変動パターン決定用の乱数MR5の値を用いて決定される。変動パターンは、特図ゲームの実行時間である特図変動時間と、演出図柄の可変表示の態様と、演出図柄の可変表示中の演出内容と、を含む各種の変動設定事項を指定する。特図変動時間は、演出図柄の可変表示における実行時間ともなる。演出図柄の可変表示の態様は、リーチの有無などを含む。演出図柄の可変表示中の演出内容は、リーチ演出の種類などを含む。変動パターンは、可変表示パターンともいう。変動パターン種別は、例えば演出図柄の可変表示中における演出態様などにもとづいて、予め分類された1または複数の変動パターンが含まれるグループである。
図4(A)に示すステップS25の特別図柄プロセス処理は、特図ゲームの実行および保留の管理や、大当り遊技状態および小当り遊技状態の制御、遊技状態の制御など、特別図柄の可変表示と遊技状態に関する処理が含まれる。ステップS26の普通図柄プロセス処理は、ゲートスイッチ21からの検出信号にもとづく普図ゲームの実行および保留の管理や、「普図当り」にもとづく可変入賞球装置6Bの開放制御など、普通図柄の可変表示と第2始動入賞口の状態制御に関する処理が含まれる。ステップS27の情報出力処理は、情報出力信号の設定を行う。情報出力信号は、大当り情報、始動情報、確率変動情報など、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される情報に対応した信号である。大当り情報は、大当りの発生回数などを示す。始動情報は、始動入賞の回数などを示す。確率変動情報は、確変状態となった回数などを示す。ステップS28の賞球処理は、賞球コマンド出力カウンタ加算処理と、賞球制御処理と、が含まれる。賞球コマンド出力カウンタ加算処理は、賞球個数テーブルを使用してスイッチのオン判定を行い、オン検出時に、賞球コマンド出力カウンタの更新、入賞情報出力カウンタの更新を行う。賞球制御処理は、賞球プロセスコードに対応した処理を選択して、遊技球の検出にもとづく賞球を払出可能に制御する。ステップS29のメイン側表示制御処理は、第1特別図柄の表示設定と、第2特別図柄の表示設定と、を含んでいる。第1特別図柄の表示設定は、特別図柄制御処理の実行により、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特別図柄の表示を更新可能に制御するための設定である。第2特別図柄の表示設定は、特別図柄制御処理の実行により、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特別図柄の表示を更新可能に制御するための設定である。
図5(A)は、特別図柄プロセス処理として、図4(A)に示すステップS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、特別図柄プロセス処理において、まず、始動入賞判定処理(ステップS101)を実行する。始動入賞判定処理は、始動入賞の発生を検出し、RAM102の所定領域に保留情報を格納して保留記憶数を更新する処理が含まれる。始動入賞の発生が検出された場合に、保留記憶数が上限値未満であれば、表示結果、当り種別、変動パターンなどの決定に用いられる乱数値が抽出される。抽出された乱数値は、保留情報として記憶される。また、抽出された乱数値にもとづいて、表示結果や変動パターンを先読み判定する処理が実行されてもよい。保留情報の記憶や保留記憶数を更新した後に、演出制御基板12に対して、始動入賞の発生、保留記憶数、先読み判定などの判定結果を指定する演出制御コマンドを送信するためのコマンド設定が行われる。こうしたコマンド設定により、始動入賞時の演出制御コマンドは、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
CPU103は、ステップS101の始動入賞判定処理を実行した後に、RAM102の所定アドレスに記憶された特図プロセスコードを読み出す(ステップS102)。特図プロセスコードは、00[H]~0B[H]のいずれかに更新設定が可能であり、特別図柄プロセスコードともいう。[H]は16進数であることを示す。CPU103は、特図プロセスコードの読出値に対応する処理を、選択して実行する(ステップS103)。これにより、特別図柄の可変表示に関する遊技の進行を制御可能になる。
図5(B)は、特別図柄プロセス処理において、特図プロセスコードに対応して実行可能な処理の一例を示している。特別図柄プロセス処理は、特図プロセスコードに対応して実行可能な処理として、特図プロセスコードが00[H]に対応する特別図柄通常処理と、特図プロセスコードが01[H]に対応する特別図柄変動処理と、特図プロセスコードが02[H]に対応する特別図柄停止処理と、特図プロセスコードが03[H]に対応する小当り開放前処理と、特図プロセスコードが04[H]に対応する小当り開放中処理と、特図プロセスコードが05[H]に対応する小当り開放後処理と、特図プロセスコードが06[H]に対応する小当り排出球待機処理と、特図プロセスコードが07[H]に対応する小当り終了処理と、特図プロセスコードが08[H]に対応する大入賞口開放前処理と、特図プロセスコードが09[H]に対応する大入賞口開放中処理と、特図プロセスコードが0A[H]に対応する大入賞口開放後処理と、特図プロセスコードが0B[H]に対応する大当り終了処理と、を含んでいる。
特別図柄通常処理は、記憶された保留情報の有無などにもとづいて、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームを開始するか否かを判定可能な処理を含む。特別図柄通常処理は、特別図柄判定用の乱数MR1の値にもとづいて、特別図柄の表示結果を「大当り」とするか否かや「小当り」とするか否か、さらに、「時短」とするか否かなどを、判定可能な処理を含む。特別図柄通常処理は、表示結果の判定に対応して、特別図柄の可変表示において停止表示する確定特別図柄を決定する処理を含む。特別図柄通常処理は、変動パターンを決定する処理を含む。このように、特別図柄通常処理では、特別図柄の可変表示が開始される場合に、その表示結果が導出表示される以前に、可変表示に関する各種の判定や決定(事前決定)が行われるとともに、特図プロセスコードが01[H]に更新される。
CPU103は、乱数値にもとづいて各種の判定や決定を行う場合に、各種のテーブルをROM101から読み出して参照する。主基板11における乱数値を用いた他の判定や決定についても同様である。乱数値を用いない場合でも、必要なテーブルをROM101から読み出して参照し、各種の判定や決定、設定などが行われてもよい。演出制御基板12においては、各種のテーブルをROM121から読み出して参照し、各種の判定や決定、設定などができればよい。
特別図柄通常処理では、第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるという、特図2優先消化の制御が行われてもよい。あるいは、特別図柄通常処理では、第1始動入賞口と第2始動入賞口に遊技球が入賞した順序と対応して、その入賞順に特図ゲームの開始条件を成立させるという、入賞順消化の制御が行われてもよい。
特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測し、変動パターンに対応する特図変動時間が経過したか否かを判定する処理が含まれる。特図変動時間が経過した場合に、確定特別図柄を停止表示する図柄停止時間を設定し、各種カウンタの計数値を更新するとともに、特図プロセスコードが02[H]に更新される。特別図柄停止処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄が変動を停止してからの経過時間を計測し、特別図柄変動処理にて設定された図柄停止時間が経過したか否かを判定する処理が含まれる。図柄停止時間が経過した場合に、可変表示の表示結果に対応して、特図プロセスコードの更新や各種設定が行われる。例えば、可変表示の表示結果が「大当り」である場合に、特図プロセスコードは08[H]に更新される。可変表示の表示結果が「小当り」である場合に、特図プロセスコードは03[H]に更新される。可変表示の表示結果が「時短」や「ハズレ」である場合に、特図プロセスコードはクリアされて初期値である00[H]に更新される。また、可変表示の表示結果が「大当り」である場合に、大当り遊技状態の開始に対応した設定が行われる。可変表示の表示結果が「小当り」である場合に、小当り遊技状態の開始に対応した設定が行われる。可変表示の表示結果が「時短」である場合に、遊技状態を時短状態に制御するための設定が行われる。
小当り開放前処理は、可変表示の表示結果が「小当り」であることにもとづいて、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行い、特図プロセスコードを04[H]に更新する。小当り開放中処理は、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測し、小当り用開放時間が経過したか否かを判定する処理が含まれる。小当り用開放時間が経過した場合に、大入賞口を閉鎖状態とするための設定とともに、特図プロセスコードが05[H]に更新される。小当り開放後処理は、小当り遊技状態における大入賞口の入賞検出を行い、所定時間の経過後に、特図プロセスコードを06[H]に更新する。小当り排出球待機処理は、大入賞口排出球エラーの設定、V入賞領域51の通過判定、大入賞口の排出完了判定を行う処理が含まれる。大入賞口の排出完了と判定された場合に、小当り終了前の設定とともに、特図プロセスコードが07[H]に更新される。小当り終了処理は、特定領域通過フラグによりV入賞領域51の通過有無を判定する処理が含まれる。特定領域通過フラグは、V入賞領域51を通過した遊技球があった場合に、オン状態に対応する指定値01[H]が設定される。特定領域通過フラグがオンである場合に、大当りの開始設定とともに、特図プロセスコードが08[H]に更新される。特定領域フラグがオフである場合に、小当りの終了設定とともに、特図プロセスコードがクリアされて初期値である00[H]に更新される。
大入賞口開放前処理は、大入賞口開放回数カウンタの更新や大入賞口の作動設定を含めた大入賞口開放時の設定など、大入賞口を開放状態に制御するための設定を行い、特図プロセスコードを09[H]に更新する。大入賞口開放中処理は、大当り遊技状態において大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測するとともに、大入賞口の入賞検知を行い、大入賞口入賞個数最大値に達した場合や、大当り用開放時間が経過した場合に、大入賞口を閉鎖状態とするための設定とともに、特図プロセスコードを0A[H]に更新する。大入賞口開放後処理は、大入賞口排出球不一致エラーの設定を行った後に、大入賞口開放後時間の終了判定を行い、開放終了時と判定された場合に、大入賞口開放回数カウンタの計数値を判定する処理が含まれる。大入賞口開放回数カウンタの計数値が大入賞口開放回数最大値未満である場合に、特図プロセスコードを08[H]に更新して、次回のラウンドを開始可能に制御する。大入賞口開放回数カウンタの計数値が大入賞口開放回数最大値である場合に、大当り終了演出時間の設定を含めた開放終了時の設定とともに、特図プロセスコードを0B[H]に更新する。大当り終了処理は、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する処理が含まれる。大当り終了演出時間が経過した場合に、大当り終了時の遊技状態設定を含めた大当りの終了設定とともに、特図プロセスコードがクリアされて初期値である00[H]に更新される。
特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理は、特別図柄大当り判定処理と、特別図柄小当り判定処理と、を含んでいる。また、特別図柄通常処理は、特別図柄時短判定処理を含んでいてもよい。これらの判定処理では、特別図柄判定用バッファから読み出した特別図柄判定用の乱数MR1の値を用いて、その値がいずれの判定範囲に含まれるかという、特別図柄判定値チェックが行われる。例えば、特別図柄判定用の乱数MR1の値が大当り判定範囲に含まれる場合に、特別図柄大当り判定処理により特別図柄の表示結果を「大当り」にすると判定される。また、特別図柄判定用の乱数MR1の値が小当り判定範囲に含まれる場合に、特別図柄小当り判定処理により特別図柄の表示結果を「小当り」にすると判定される。特別図柄判定用の乱数MR1の値が時短判定範囲に含まれる場合に、特別図柄時短判定処理により特別図柄の表示結果を「時短」にすると判定されてもよい。
図6は、特別図柄の表示結果である特図表示結果の判定例を示している。始動口入賞指定値は、第1始動入賞口に遊技球が進入したことによる第1始動入賞の場合に対応して「1」が設定され、第2始動入賞口に遊技球が進入したことによる第2始動入賞の場合に対応して「2」が設定される。すなわち、始動口入賞指定値が「1」の場合に、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームである第1特図ゲームが実行される。これに対し、始動口入賞指定値が「2」の場合に、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームである第2特図ゲームが実行される。特別図柄大当り判定処理、特別図柄小当り判定処理、特別図柄時短判定処理では、始動口入賞指定値が「1」である場合と「2」である場合とに対応して、特図表示結果が「大当り」、「小当り」、「時短」、「ハズレ」のいずれかに決定されるように、乱数MR1の値と比較されるMR1判定値が設定される。特図表示結果が「大当り」に割り当てられたMR1判定値は、大当り判定値ともいう。特図表示結果が「小当り」に割り当てられたMR1判定値は、小当り判定値ともいう。特図表示結果が「時短」に割り当てられたMR1判定値は、時短判定値ともいう。大当り判定値の設定による大当り確率は、特図ゲームにより大当りとなる割合を示す。小当り判定値の設定による小当り確率は、特図ゲームにより小当りとなる割合を示す。時短判定値の設定による時短確率は、特図ゲームによりベース制御が変更可能な割合を示す。
(演出制御基板12の主要な動作)
次に、演出制御基板12における主要な動作を説明する。演出制御基板12では、電源基板17などから電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、演出制御メイン処理を実行する。
図7は、演出制御基板12において演出制御用CPU120が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。図7に示す演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、初期化処理(ステップS71)を実行する。初期化処理は、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたタイマ回路用のレジスタ設定などを含む。このときに、初期動作制御処理(ステップS72)を実行する。初期動作制御処理は、可動体32を駆動して初期位置に戻す制御、所定の動作確認を行う制御など、可動体32の初期動作を行う制御が含まれる。その後、タイマ割込みフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS73)。タイマ割込みフラグは、例えばタイマ回路用のレジスタ設定にもとづいて、2ミリ秒といった所定時間が経過するごとに、オン状態にセットされる。タイマ割込みフラグがオフである場合に(ステップS73;No)、ステップS73を繰り返して待機する。
タイマ割込みフラグがオンである場合に(ステップS73;Yes)、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS74)、コマンド解析処理(ステップS75)を実行する。コマンド解析処理は、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などの処理が含まれる。例えば、どの演出制御コマンドを受信したか、あるいは、演出制御コマンドが特定する内容などを、演出制御プロセス処理などで確認できるように、読み出された演出制御コマンドをRAM122の所定領域に格納したり、RAM122に設けられた受信フラグをオンしたりする。演出制御コマンドが遊技状態を特定する場合に、その遊技状態に対応する背景の表示を表示制御部123に指示してもよい。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理(ステップS76)を実行する。演出制御プロセス処理は、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDといった装飾発光体における点灯動作、可動体32の駆動動作といった、各種の演出装置を動作させる制御が含まれる。各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンドなどにもとづいた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理(ステップS77)を実行する。演出用乱数更新処理は、演出制御基板12の側で用いられる演出用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新する。その後、ステップS73に戻る。ステップS73に戻る前に、他の処理が実行されてもよい。
図8(A)は、演出制御プロセス処理として、図7に示すステップS76にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理において、まず、先読み演出設定処理(ステップS151)を実行する。先読み演出設定処理は、例えば、主基板11から送信された始動入賞時の演出制御コマンドにもとづいて、先読み予告演出の実行に関する判定や決定、設定などの処理が含まれる。また、当該演出制御コマンドから特定される保留記憶数にもとづいて保留表示を表示するための処理が含まれる。
演出制御用CPU120は、先読み演出設定処理を実行した後に、RAM122の所定アドレスに記憶された演出プロセスコードを読み出す(ステップS152)。演出プロセスコードは、00[H]~0A[H]のいずれかに更新設定が可能であり、演出制御プロセスコードともいう。演出制御用CPU120は、演出プロセスコードの読出値に対応する処理を、選択して実行する(ステップS153)。これにより、演出図柄の可変表示を含めた演出の実行を制御可能になる。
図8(B)は、演出制御プロセス処理において、演出プロセスコードに対応して実行可能な処理の一例を示している。演出制御プロセス処理は、演出プロセスコードに対応して実行可能な処理として、演出プロセスコードが00[H]に対応する変動パターンコマンド待ち処理と、演出プロセスコードが01[H]に対応する演出図柄変動開始処理と、演出プロセスコードが02[H]に対応する演出図柄変動中処理と、演出プロセスコードが03[H]に対応する演出図柄変動停止処理と、演出プロセスコードが04[H]に対応する小当り表示処理と、演出プロセスコードが05[H]に対応する小当り開放中処理と、演出プロセスコードが06[H]に対応する小当り終了演出処理と、演出プロセスコードが07[H]に対応する大当り表示処理と、演出プロセスコードが08[H]に対応するラウンド中処理と、演出プロセスコードが09[H]に対応するラウンド後処理と、演出プロセスコードが0A[H]に対応する大当り終了演出処理と、を含んでいる。
変動パターンコマンド受信待ち処理は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から伝送された変動パターン指定コマンドを受信したか否かを判定可能な処理を含む。例えば、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがオンであるか否かにより、受信有無を判定可能である。変動パターン指定コマンドの受信ありと判定された場合に、演出プロセスコードが01[H]に更新される。変動パターン指定コマンドの受信なしと判定された場合に、デモ表示の制御が行われる。演出図柄変動開始処理は、特図ゲームに対応する変動時演出が開始されるように制御する処理を含む。例えば、受信した変動パターンコマンドに対応して、変動時演出の演出パターンを選択し、演出実行時間を計測する演出プロセスタイマの計時値について更新を開始させ、演出プロセスコードが02[H]に更新される。演出図柄変動中処理は、演出パターンを構成する各演出要素の切替えタイミングなどを制御するとともに、演出プロセスタイマの計時値にもとづいて演出実行時間が経過したか否かを判定可能な処理を含む。演出実行時間が経過したと判定された場合に、演出プロセスコードが03[H]に更新される。演出図柄変動停止処理は、演出実行時間が経過したこと、または演出図柄確定コマンドを受信したことなど、変動時演出の終了条件が成立したことにもとづいて、変動時演出の終了制御を行い、確定特別図柄に対応した演出結果を表示可能に制御する処理を含む。そして、可変表示の表示結果に対応して、演出プロセスコードの更新や各種設定が行われる。例えば、可変表示の表示結果が「大当り」である場合に、演出プロセスコードは07[H]に更新される。可変表示の表示結果が「小当り」である場合に、演出プロセスコードは04[H]に更新される。可変表示の表示結果が「時短」や「ハズレ」である場合に、演出プロセスコードはクリアされて初期値である00[H]に更新される。
小当り表示処理は、小当りが発生したときに、小当りファンファーレ演出を行うための設定処理を含む。小当りファンファーレ演出は、画像表示装置5の画面上に小当りの発生を報知する演出画像が表示される小当り表示を含み、小当りファンファーレ演出時間が経過するまで実行可能である。小当りファンファーレ演出時間が経過したときに、小当りファンファーレ演出の終了制御とともに、演出プロセスコードが05[H]に更新される。小当り開放中処理は、小当り遊技状態において大入賞口の開放中に対応して、小当り開放中演出を行うための設定を行い、演出プロセスコードを06[H]に更新する。小当り終了演出処理は、画像表示装置5の画面上に小当り遊技状態の終了を報知する演出画像を表示可能に制御する処理を含む。また、小当り遊技状態において、特定領域スイッチ24により遊技球が検出され、V入賞が発生したと判定された場合に、V入賞の発生を報知するV入賞演出の実行制御が行われる。小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合に、演出プロセスコードは07[H]に更新される。小当り遊技状態においてV入賞が発生しなかった場合に、演出プロセスコードはクリアされて初期値である00[H]に更新される。
大当り表示処理は、大当りが発生したときに、ファンファーレ演出を行うための設定処理を含む。ファンファーレ演出は、画像表示装置5の画面上に大当りの発生を報知する演出画像が表示される大当り表示を含み、ファンファーレ演出時間が経過するまで実行可能である。ファンファーレ演出時間が経過したときに、ファンファーレ演出の終了制御とともに、演出プロセスコードが08[H]に更新される。ラウンド中処理は、大当り遊技状態におけるラウンド中の表示設定を含む。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドの終了でなければ、演出プロセスコードを09[H]に更新し、最終ラウンドの終了であれば、演出プロセスコードを0A[H]に更新する。ラウンド後処理は、大当り遊技状態におけるラウンド間の表示設定を含む。そして、ラウンド開始条件が成立したときに、演出プロセスコードを08[H]に更新する。大当り終了演出は、画像表示装置5の画面上に大当り遊技状態の終了を報知する演出画像を表示可能に制御する処理を含む。その後、大当り終了の報知時間が経過したときに、演出プロセスコードはクリアされて初期値である00[H]に更新される。
(基本説明の変形例)
パチンコ遊技機1は、基本説明における構成、機能、処理、動作に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。上記実施の形態において、下位概念となる事項が記載されている場合に、同族的事項や同類的事項を用いた上位概念の発明、あるいは、共通する性質を用いた上位概念の発明は、本願発明として包含され、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構造や特性を備えたものであってもよい。
パチンコ遊技機1は、入賞の発生にもとづいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機であってもよいし、遊技媒体を封入し入賞の発生にもとづいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。
特別図柄の可変表示中に表示されるものは、例えば、「-」を示す記号など、1種類の図柄だけとして、この図柄の表示と消灯とを繰り返す可変表示を行うようにしてもよい。可変表示中に1種類の図柄が表示され、可変表示の停止時に、この図柄が表示されなくてもよい。例えば、表示結果としては「-」を示す記号が表示されず、特別図柄の表示がない非表示状態としてもよい。
パチンコ遊技機1は、複数の設定値に対応して大当りの当選確率や出玉率が変わる構成を備えてもよい。例えば、特別図柄プロセス処理の特別図柄通常処理において、設定されている設定値ごとに異なる大当り判定値を用いることにより、大当りの当選確率や出玉率を変更可能であってもよい。具体的な一例として、設定値は1~6の6段階からなり、6が最も大当りの当選確率が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど大当りの当選確率が低くなる。この場合に、設定値として6が設定されていれば遊技者にとって最も有利度が高く、6、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。設定値に応じて大当りの当選確率が変われば、出玉率も設定値に応じて変わってもよい。大当りの当選確率は設定値にかかわらず一定であるのに対し、大当り遊技状態におけるラウンド数が設定値に応じて変わってもよい。パチンコ遊技機1は、遊技者にとっての有利度が異なる複数の設定値のうちいずれかを設定可能に構成されていればよい。パチンコ遊技機1において設定されている設定値は、主基板11の側から演出制御基板12の側へ設定値指定コマンドが送信されることにより通知されてもよい。可変表示の実行中には、所定割合でパチンコ遊技機1における設定値を示唆する設定示唆演出を実行可能であってもよい。パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆は、パチンコ遊技機1における設定値を示唆するものに限定されず、例えばパチンコ遊技機1における設定値が変更されたか否かを示唆するものであってもよい。設定示唆演出は、任意の演出によって大当り期待度を示唆するとともに、パチンコ遊技機1の設定値に関する示唆を行うことができるようにしてもよい。
大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部に代えて、あるいは、大当り遊技状態の制御に関する示唆の一部または全部とともに、大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な状態の制御に関する示唆を行うものであってもよい。例えば、大当り遊技状態の終了後に制御される確変状態に関する示唆を行うものであってもよい。その他、有利状態として、遊技者にとって有利な任意の遊技価値が付与される状態に関して、制御されるか否かなどに応じた示唆を行うものであってもよい。
遊技機に関する発明は、パチンコ遊技機1に限定されず、スロットマシンにも、適宜、適用することができる。スロットマシンは、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるゲームを実行可能である。スロットマシンにおいて、遊技者にとって有利な有利状態は、例えば、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、RT、AT、ART、CZといった、いわゆるボーナスのうち1以上のものを含んでいればよい。
遊技の進行や演出の実行を含めた各種の制御を実現するためのプログラムおよびデータは、パチンコ遊技機1などの遊技機に含まれるコンピュータ装置に対して、着脱自在の記録媒体により配布と提供が可能なものであってもよいし、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にインストールしておくことで配布と提供が可能なものであってもよい。また、通信回線などを介してネットワーク上の外部機器に接続可能な通信処理部を備え、その外部機器からプログラムやデータをダウンロードすることにより配布や提供が可能なものであってもよい。遊技や演出の実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行可能なものであってもよいし、通信回線などを介してダウンロードしたプログラムおよびデータを、内部メモリなどに一旦格納することにより実行可能なものであってもよいし、通信回線などを介して接続されたネットワーク上の外部機器におけるハードウェア資源を用いて直接実行が可能なものであってもよいし、他のコンピュータ装置などとネットワークを介してデータの交換を行うことにより遊技や演出を実行可能なものであってもよい。
処理やデータの決定割合、演出の実行割合など、各種割合を比較する場合に、「高い」、「低い」、「異なる」などの表現は、一方が「0%」または「100%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方の決定結果や実行内容について、「0%」の割合で決定や実行がない場合を含んでもよいし、「100%」の割合で必ず決定や実行がある場合を含んでもよい。
(特徴部22AKに関する説明)
図9-1は、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるメモリ領域のアドレスマップである。図9-1に示すように、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるメモリ領域は、ROM101に割り当てられたアドレス0000[H]からアドレス2FFF[H]までのメモリ領域と、RAM102に割り当てられたアドレスF000[H]からアドレスF3FF[H]までのメモリ領域と、を含んでいる。
ROM101のメモリ領域は、遊技制御に関する遊技プログラムが記憶される遊技プログラム領域(アドレス0000[H]~0BD5[H])と、遊技プログラムに用いられる遊技データが記憶される遊技データ領域(アドレス1000[H]~1B7C[H])と、遊技制御とは異なる各種制御に関する非遊技プログラムが記憶される非遊技プログラム領域(アドレス2000[H]~250F[H])と、非遊技プログラムに用いられる非遊技データが記憶される非遊技データ領域(2510[H]~25A1[H])と、未使用領域等(アドレス0BD6[H]~0FFF[H]、1B7D[H]~1FFF[H]、25A2[H]~2FFF[H])と、を含む。
RAM102のメモリ領域は、遊技制御に関するワークエリアとして用いられる遊技ワーク領域(アドレスF000[H]~F0DE[H])と、遊技プログラムがデータを退避する遊技スタック領域(アドレスF1EC[H]~F1FF[H])と、遊技制御とは異なる各種制御に関するワークエリアとして用いられる非遊技ワーク領域(アドレスF300[H]~F331[H])と、非遊技プログラムがデータを退避する非遊技スタック領域(アドレスF3F2[H]~F3FF[H])と、未使用領域等(アドレスF0DF[H]~F1EB[H]、F200[H]~F2FF[H]、F332[H]~F3F1[H])と、を含む。
図9-2は、主基板11から演出制御基板12に対して送信される演出制御コマンドの構成例を示している。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はコマンドの種別を示すMODEデータとなり、2バイト目はコマンドの具体的内容を示すEXTデータとなる。MODEデータとEXTデータは、総称してコマンドデータともいう。MODEデータの先頭ビットは必ずビット値「1」が設定され、EXTデータの先頭ビットは必ずビット値「0」が設定される。これにより、演出制御基板12における受信データが演出制御コマンドの1バイト目であるか2バイト目であるかを、明確かつ簡易に区別することができる。
コマンド80XX[H]は、変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。コマンドデータにおいて、XX[H]は、不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指定内容に対応して任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドは、変動パターンの指定内容などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンド8CXX[H]は、可変表示の表示結果を指定する演出図柄指定コマンドである。演出図柄指定コマンドは、演出図柄情報バッファの格納値などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。演出図柄情報バッファは、可変表示の表示結果として、停止表示される演出図柄の種類を示す値が格納される。コマンド8D01[H]は、第1特別図柄の変動開始を指定する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8D02[H]は、第2特別図柄の変動開始を指定する第2変動開始指定コマンドである。変動パターン指定コマンドと、演出図柄指定コマンドと、第1変動開始指定コマンドおよび第2変動開始指定コマンドとは、可変表示の開始に対応して送信される変動開始時コマンドに含まれる。ただし、第1変動開始指定コマンドと、第2変動開始指定コマンドとは、第1特図ゲームの実行が開始される場合と第2特図ゲームの実行が開始される場合とに対応して、いずれか一方が送信されて他方が送信されない。
コマンド8FXX[H]は、演出図柄の確定表示となる停止表示を指定する演出図柄確定コマンドである。演出図柄確定コマンドは、複数種類の図柄停止時設定に対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンド9002[H]は、電源投入時にRWM初期化を指定する電源投入指定コマンドである。コマンド91XX[H]は、電源投入時に特定回数カウンタの計数値を指定する第1特定回数指定コマンドである。第1特定回数指定コマンドは、特定回数カウンタの計数値に対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンド9202[H]は、電源投入時にRWMバックアップ復旧を指定する停電復旧指定コマンドである。コマンド94XX[H]は、遊技制御中に特定回数コマンドバッファの格納値を指定する第2特定回数指定コマンドである。第2特定回数指定コマンドは、特定回数コマンドバッファの格納値に対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンド95XX[H]は、背景画面の表示色を指定する背景色指定コマンドである。背景色指定コマンドは、背景画面の表示色などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンド9F03[H]は、遊技停止中となる非遊技状態におけるデモンストレーション表示を指定する客待ちデモコマンドである。
コマンドA0XX[H]は、大当り遊技状態における遊技である大当り遊技の開始に対応して送信され、ファンファーレ表示を指定可能な大当り開始指定コマンドである。大当り開始指定コマンドは、ファンファーレ表示の設定などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンドA1XX[H]は、大当り遊技の終了に対応して送信され、大当り終了表示を指定可能な大当り終了指定コマンドである。大当り終了指定コマンドは、大当り終了表示の設定などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンドA6XX[H]は、小当り遊技状態における遊技である小当り遊技の開始に対応して送信され、小当りファンファーレ表示を指定可能な小当り開始指定コマンドである。小当り開始指定コマンドは、小当りファンファーレ表示の設定などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンドA7XX[H]は、小当り遊技の終了に対応して送信され、小当り終了表示を指定する小当り終了指定コマンドである。小当り終了指定コマンドは、小当り終了表示の設定などに対応して、異なるEXTデータを設定可能である。
コマンドAE00[H]は、特別可変入賞球装置50の内部に設けられた特定領域となるV入賞領域51を遊技球が通過したことに対応して送信され、V入賞表示を指定可能な特定領域通過コマンドである。コマンドC0XX[H]は、第1演出記憶情報数としての第1保留記憶数を指定可能な第1演出記憶情報指定コマンドである。第1演出記憶情報指定コマンドは、第1保留記憶数に対応して、異なるEXTデータを設定可能である。コマンドC1XX[H]は、第2演出記憶情報数としての第2保留記憶数を指定可能な第2演出記憶情報指定コマンドである。第2演出記憶情報指定コマンドは、第2保留記憶数に対応して、異なるEXTデータを設定可能である。
図9-3は、RWM初期設定処理の一例を示すフローチャートである。例えば図3に示された遊技制御メイン処理のステップS7では、CPU103がROM101から読み出したプログラムにもとづいて、図9-3に示すようなRWM初期設定処理が実行される。図9-3に示すRWM初期設定処理において、CPU103は、転送元アドレスをF000[H]に設定するとともに(ステップAKS011)、転送先アドレスをF001[H]に設定し(ステップAKS012)、転送回数を02FF[H]に設定する(ステップAKS013)。そして、転送元アドレスにクリアデータを格納してから(ステップAKS014)、ブロック転送命令を実行する(ステップAKS015)。
ステップAKS011にて設定されるアドレスF000[H]は、RAM102に割り当てられた先頭アドレスであり、その記憶領域が図9-1に示す遊技ワーク領域に含まれている。ステップAKS012にて設定されるアドレスF001[H]は、転送元アドレスとして設定されたアドレスF000[H]の次アドレスであり、アドレスが連続した記憶領域に同一値を示すデータの書込みを可能にする。ステップAKS013にて設定される転送回数の02FF[H]は、図9-1に示す遊技ワーク領域や遊技スタック領域を含むメモリ領域のサイズに対応している。したがって、ステップAKS014にてクリアデータを格納した後に、ステップAKS015にてブロック転送命令を実行することにより、遊技ワーク領域および遊技スタック領域を含むメモリ領域に、クリアデータが書き込まれることで初期化される。このようなRWM初期設定処理によるメモリ領域の初期化は、電源投入時の初期設定ともいう。
図9-4は、コマンドセット処理の一例を示すフローチャートである。コマンドセット処理が実行される場合に、呼出元の処理において、コマンド送信テーブルの先頭アドレスに対応する値がポインタに格納される。コマンドセット処理で用いるポインタは、コマンド送信テーブルにおいてテーブル読出位置となるアドレス値を保持する。コマンドセット処理で用いるポインタは、例えばCPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれるHLレジスタなどを用いて構成すればよい。HLレジスタは、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるHレジスタと、同じく汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるLレジスタとを、組み合わせたペアレジスタであり、16ビット長の演算などに用いたり、メモリ領域のアドレスを指定するポインタとして用いることができる。
コマンドセット処理において、CPU103は、まず、テーブル先頭データを処理数に設定する(ステップAKS021)。例えば、ポインタの格納値に対応するアドレスから読み出したテーブルデータを、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるBレジスタに格納する。コマンドセット処理において、Bレジスタは処理数に対応する値が格納される。次に、ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS022)。ここでのワークエリア参照ビットは、ステップAKS021により読み出した1バイト構成のテーブルデータにおける先頭ビットであればよい。
ステップAKS022に対応して、ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「1」であり「0」でない場合に(ステップAKS022;No)、例えばBレジスタの格納値を変更することにより、処理数を「1」に上書き設定する(ステップAKS023)。ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「0」である場合に(ステップAKS022;Yes)、ポインタの格納値を1加算更新することにより、テーブル読出位置を更新する(ステップAKS024)。
その後、コマンド上位バイト用データを読み出す(ステップAKS025)。例えば、ポインタの格納値に対応するアドレスから読み出したテーブルデータを、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるAレジスタに格納する。ステップAKS022にてワークエリア参照ビットにおけるビット値が「1」であった場合に、ステップAKS024を実行せずにステップAKS025に進むので、テーブル先頭データがコマンド上位バイト用データとして読み出されることになる。続いて、シリアル通信データレジスタに、ステップAKS025による読出データを格納する(ステップAKS026)。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路は、シリアル通信データレジスタの格納データを順次に読み出して、演出制御基板12に向けてシリアル通信方式で送信出力する。したがって、ステップAKS025、AKS026により、コマンド上位バイトであるMODEデータを、演出制御基板12に向けて送信することができる。
ステップAKS026の次に、ポインタの格納値を1加算更新することにより、テーブル読出位置を更新する(ステップAKS027)。そして、コマンド下位バイト用データを読み出す(ステップAKS028)。コマンド下位バイト用データは、ワークエリア参照ビットとなる1ビットの先頭ビットと、ワークエリア参照ビット以外の7ビットのデータビットと、を含む8ビットで構成される。続いて、ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS029)。
ステップAKS029に対応して、ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「1」であり「0」でない場合に(ステップAKS029;No)、コマンド拡張データアドレステーブルを指定する(ステップAKS030)。例えば、コマンド送信テーブルのアドレスを、汎用レジスタに含まれるDEレジスタなどに退避してから、ポインタとなるHLレジスタに、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスに対応する値を格納する。そして、コマンド拡張データを読み出す(ステップAKS031)。このときに、ワークエリア参照ビットにおけるビット値をクリアして「0」としたデータが、コマンド拡張データアドレステーブルにおける読出位置を指定するオフセット値を示す。コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスに対し、オフセット値を加算して得られる読出位置のテーブルデータを、コマンド下位バイト読出アドレスの下位バイトとする。また、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、特殊レジスタに含まれるQレジスタには、遊技ワーク領域に割り当てられたアドレスの上位バイトに対応したF0[H]が格納されている。こうした特殊レジスタの格納値をコマンド下位バイト読出アドレスの上位バイトとすることで、コマンド下位バイト読出アドレスから取得したデータは、送信対象となるコマンド下位バイトに用いるために、コマンド拡張データとしてAレジスタに格納される。
ステップAKS029に対応してワークエリア参照ビットにおけるビット値が「0」である場合や(ステップAKS029;Yes)、ステップAKS031の後に、シリアル通信データレジスタに読出データを格納する(ステップAKS032)。ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「0」であれば、ステップAKS028により読み出したコマンド下位バイト用データを、そのまま送信するコマンドの下位バイトとして用いて、シリアル通信データレジスタに格納する。ワークエリア参照ビットにおけるビット値が「1」であれば、ステップAKS031により読み出したコマンド拡張データを、送信するコマンドの下位バイトとして用いて、シリアル通信データレジスタに格納する。これにより、コマンド下位バイトであるEXTデータを、演出制御基板12に向けて送信することができる。
次に、処理数を1減算更新する(ステップAKS033)。このときに、更新後の処理数が「0」となったか否かを判定する(ステップAKS034)。ステップAKS034に対応して処理数が「0」以外である場合に(ステップAKS034;No)、ステップAKS024に進み、次のテーブルデータなどを用いた演出制御コマンドの送信を可能に制御する。これに対し、処理数が「0」である場合に(ステップAKS034;Yes)、コマンドセット処理を終了する。
図9-5は、コマンド送信テーブルの構成例を示している。このうち、図9-5(A)は、送信コマンド数が「2」以上である場合のコマンド送信テーブルAKT01である。図9-5(B)は、送信コマンド数が「1」である場合のコマンド送信テーブルAKT02である。コマンド送信テーブルAKT01は、テーブル先頭アドレスのテーブルデータにより処理数が指定される。これに対し、コマンド送信テーブルAKT02は、処理数を指定するテーブルデータを含んでいない。コマンド送信テーブルに処理数を指定するテーブルデータが含まれるか否かは、テーブル先頭アドレスのテーブルデータにおけるワークエリア参照ビットのビット値から特定可能である。
図9-5(A)に示す送信コマンド数が「2」以上である場合のコマンド送信テーブルAKT01は、テーブル先頭アドレスのテーブルデータにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「0」に設定されている。これに対し、図9-5(B)に示す送信コマンド数が「1」である場合のコマンド送信テーブルAKT02は、テーブル先頭アドレスのテーブルデータにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「1」に設定されている。図9-4に示されたコマンドセット処理のステップAKS022では、ステップAKS021において読み出されたテーブル先頭データを用いて、ワークエリア参照ビットのビット値が「0」であるか否かを判定する。そして、ワークエリア参照ビットのビット値が「1」であり「0」でない場合に、ステップAKS023により処理数を「1」に上書き設定する。これにより、送信コマンド数が「1」の場合に、コマンド送信テーブルは処理数を指定するテーブルデータを含むことなく、コマンドセット処理において処理数を「1」に設定できるので、コマンド送信テーブルのデータ容量を削減することができる。
また、コマンド送信テーブルにおいて、コマンド下位バイト用データとなるテーブルデータは、ワークエリア参照ビットのビット値により、コマンド拡張データアドレステーブルを参照するか否かを指定可能である。例えば、コマンド拡張データアドレステーブルを参照してコマンド下位バイトとなるコマンド拡張データを読み出す場合に、コマンド下位バイト用データにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「1」に設定されている。図9-5(A)に示すコマンド送信テーブルAKT01では、第2コマンド下位バイト用データにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「1」に設定されているので、コマンド拡張データアドレステーブルを参照してコマンド下位バイトを設定するためのコマンド拡張データを読み出すことになる。これに対し、コマンド拡張データアドレステーブルを参照せずにコマンド下位バイト用データをそのまま送信するコマンドの下位バイトとして用いる場合に、コマンド下位バイト用データにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「0」に設定されている。図9-5(A)に示すコマンド送信テーブルAKT01では、第1コマンド下位バイト用データにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「0」に設定されているので、コマンド拡張データアドレステーブルを参照せずにコマンド下位バイト用データをそのままコマンドの下位バイトとして用いることになる。コマンド拡張データアドレステーブルを参照するときに、コマンド下位バイト用データにおけるワークエリア参照ビット以外のビット値を、コマンド拡張データアドレステーブルの先頭アドレスに対するオフセット値とすることで、コマンド拡張データアドレステーブルにおける読出位置を指定することができる。このように、コマンド下位バイト用データに含まれるワークエリア参照ビットのビット値が「0」である場合と「1」である場合とで、コマンド拡張データアドレステーブルを参照するか否かを異ならせることにより、コマンド送信テーブルのデータ容量が増大することを防止しつつ、多様なデータを柔軟に用いてコマンド下位バイトの送信設定が可能になる。
図9-6は、コマンド拡張データアドレステーブルAKT11の構成例を示している。コマンド拡張データアドレステーブルは、コマンド送信用参照データ下位アドレスADU01~ADU05といった、複数の参照データ下位アドレスを示すテーブルデータにより構成されている。図9-4に示されたコマンドセット処理のステップAKS031では、ステップAKS028において読み出されたコマンド下位バイト用データを用いて、コマンド拡張データアドレステーブルAKT11における読出位置が特定される。その読出位置から読み出されたテーブルデータは、コマンド拡張データの読出アドレスにおける下位バイトを構成する。例えば、コマンド送信用参照データ下位アドレスADU01~ADU05を示すテーブルデータは、いずれもコマンド拡張データの読出アドレスにおける下位バイトを構成可能である。こうして取得されたコマンド拡張データを、コマンドセット処理のステップAKS032によりシリアル通信データレジスタに格納する。これにより、コマンド拡張データをコマンド下位バイトであるEXTデータとして、演出制御基板12に向けて送信することができる。
図9-7は、データセット処理の一例を示すフローチャートである。データセット処理が実行される場合に、呼出元の処理において、データ設定テーブルの先頭アドレスに対応する値がポインタに格納される。データセット処理で用いるポインタは、データ設定テーブルにおいてテーブル読出位置となるアドレス値を保持する。データセット処理で用いるポインタは、例えばCPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれるHLレジスタなどを用いて構成すればよい。
データセット処理において、CPU103は、まず、テーブル先頭データを処理数に設定する(ステップAKS041)。例えば、ポインタの格納値に対応するアドレスから読み出したテーブルデータを、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるBレジスタに格納する。データセット処理において、Bレジスタは処理数に対応する値が格納される。次に、処理数が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS042)。
ステップAKS042に対応して、処理数が「0」以外である場合に(ステップAKS042;No)、設定先アドレスと設定用データを読み出す(ステップAKS043)。例えば、ポインタの格納値に対応するアドレスの次アドレスから読み出したテーブルデータを、設定先アドレスの下位バイトとして、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるEレジスタに格納する。また、ポインタの格納値より2大きい値に対応するアドレスから読み出したテーブルデータを、設定用データとして、Aレジスタに格納する。その後、ポインタの格納値を2加算更新することにより、テーブル読出位置を更新する(ステップAKS044)。CPU103は、ステップAKS043、AKS044に対応する処理を、2バイト構成の1命令として用意されたINLD命令により実行可能であってもよい。
ステップAKS044の後に、設定用データを設定先アドレスに格納する(ステップAKS045)。例えば、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれる8ビットレジスタであるDレジスタには、遊技ワーク領域に割り当てられたアドレスの上位バイトに対応したF0[H]が格納されている。そして、DEレジスタの格納値から得られるデータ設定アドレスに、Aレジスタの格納データを記憶させることで、設定先アドレスのデータ設定が可能になる。このときに、処理数を1減算更新し(ステップAKS046)、更新後の処理数が「0」となったか否かを判定する(ステップAKS047)。ステップAKS047に対応して処理数が「0」以外である場合に(ステップAKS047;No)、ステップAKS043に戻り、次のテーブルデータなどを用いたデータ設定を可能に制御する。
ステップAKS042、AKS047のいずれかに対応して処理数が「0」である場合に(ステップAKS042;Yes、ステップAKS047;Yes)、ポインタの格納値を1加算更新することにより、テーブル読出位置を更新する(ステップAKS048)。そして、読出位置データを処理数に設定する(ステップAKS049)。例えば、ポインタの格納値に対応するアドレスから読み出したテーブルデータを、Bレジスタに格納する。次に、処理数が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS050)。ステップAKS050に対応して処理数が「0」である場合に(ステップAKS050;Yes)、データセット処理を終了する。
ステップAKS050に対応して処理数が「0」以外である場合に(ステップAKS050;No)、ポインタの格納値を1加算更新することにより、テーブル読出位置を更新する(ステップAKS051)。そして、ワークアドレス下位バイトを読み出す(ステップAKS052)。例えば、ポインタの格納値に対応するアドレスから読み出したテーブルデータを、ワークアドレス下位バイトとして、Eレジスタに格納する。その後、ワークアドレスのデータクリアを行う(ステップAKS053)。例えば、DEレジスタの格納値から得られるワークアドレスの記憶領域をクリアすることで、ワークアドレスのデータクリアが可能になる。このときに、処理数を1減算更新し(ステップAKS054)、更新後の処理数が「0」となったか否かを判定する(ステップAKS055)。ステップAKS055に対応して処理数が「0」以外である場合に(ステップAKS055;No)、ステップAKS051に戻り、次のテーブルデータなどを用いたデータクリアを可能に制御する。ステップAKS055に対応して処理数が「0」である場合に(ステップAKS055;Yes)、データセット処理を終了する。
図9-8は、特定回数コマンド送信処理の一例を示すフローチャートである。例えば図3に示された遊技制御メイン処理のステップS13では、CPU103がROM101から読み出したプログラムにもとづいて、図9-8に示すような特定回数コマンド送信処理が実行される。図9-8に示す特定回数コマンド送信処理は、電源投入時に、可変表示の実行回数が時短条件に対応する特定回数となるまでの残り回数に関して、第1特定回数指定コマンドを送信するための処理である。RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに、特定回数カウンタが設けられている。特定回数カウンタは、計数値を示す2バイトデータを格納可能であり、可変表示の実行回数が特定回数に達するまでの残り回数を特定可能に計数する。特定回数カウンタの計数値は、可変表示が実行されることにもとづいて更新可能な数値情報となる。
特定回数コマンド送信処理において、CPU103は、まず、第1特定回数指定コマンド上位バイトを設定する(ステップAKS061)。例えば、第1特定回数指定コマンドの上位バイトとなるコマンド種別データとして、91[H]をAレジスタに格納する。また、特定回数カウンタ下位バイトを読み出す(ステップAKS062)。このときに、読み出した特定回数カウンタの下位バイトのうち、上位4ビットをBレジスタに格納し、下位4ビットをCレジスタに格納することで、16進数で示される計数値を1桁ごとに異なるレジスタに格納しておく。Cレジスタは、Bレジスタと同様に、CPU103に設けられた内蔵レジスタのうち、汎用レジスタに含まれた8ビットレジスタであり、Bレジスタと組み合わせたペアレジスタとしてのBCレジスタを構成することができる。こうして、ステップAKS062では、特定回数カウンタ下位バイトの読出アドレスから読み出したカウンタデータを、BCレジスタに格納する。続いて、シリアル通信データレジスタに、第1特定回数指定コマンドの上位バイトを格納する(ステップAKS063)。その後、シリアル通信データレジスタに、第1送信データを格納する(ステップAKS064)。第1送信データは、例えばCレジスタの格納データであればよい。
ステップAKS064の次に、第2送信データ設定を行う(ステップAKS065)。ここでは、例えばBレジスタの格納データにおいて、特定回数コマンド識別ビット位置として、ビット番号「0」~「7」のうち、ビット番号「4」におけるビット値が「1」にセットされる。そして、シリアル通信データレジスタに、第1特定回数指定コマンドの上位バイトを格納する(ステップAKS066)。その後、シリアル通信データレジスタに、第2送信データを格納する(ステップAKS067)。なお、ステップAKS066を先に行い、ステップAKS065を後に行うようにしてもよい。
さらに、特定回数カウンタ上位バイトを読み出す(ステップAKS068)。このときに、特定回数カウンタ上位バイトの読出アドレスから読み出したカウンタデータを、Cレジスタに格納する。特定回数カウンタ上位バイトは、1バイト構成のカウンタデータであればよい。続いて、第3送信データ設定を行う(ステップAKS069)。ここでは、例えばCレジスタの格納データにおいて、特定回数コマンド識別ビット位置として、ビット番号「0」~「7」のうち、ビット番号「5」におけるビット値が「1」にセットされる。そして、シリアル通信データレジスタに、第1特定回数指定コマンドの上位バイトを格納する(ステップAKS070)。その後、シリアル通信データレジスタに、第3送信データを格納する(ステップAKS071)。なお、ステップAKS070を先に行い、ステップAKS069を後に行うようにしてもよい。
このように、特定回数コマンド送信処理において、CPU103は、第1特定回数指定コマンドの上位バイトとなるコマンド種別データとともに、第1送信データ、第2送信データ、第3送信データについて、それぞれが作成されるごとに、シリアル通信データレジスタに格納する。例えば、特定回数コマンド送信処理では、シリアル通信データレジスタに対して、ステップAKS063にて第1特定回数指定コマンドの上位バイトを格納した後に、ステップAKS064にて第1送信データを格納し、ステップAKS066にて第1特定回数指定コマンドの上位バイトを格納した後に、ステップAKS067にて第2送信データを格納し、ステップAKS070にて第1特定回数指定コマンドの上位バイトを格納した後に、ステップAKS071にて第3送信データを格納する。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路は、シリアル通信データレジスタの格納データを順次に読み出して、演出制御基板12に向けてシリアル通信方式で送信出力する。こうして、特定回数コマンド送信処理において、第1特定回数指定コマンドの送信に用いられるデータが作成されるごとに、シリアル通信データレジスタに格納されて演出制御基板12に向けて送信されることにより、第1特定回数指定コマンドを安定的に送信することができる。したがって、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
特定回数コマンド送信処理は、図3に示された遊技制御メイン処理のステップS13にて実行されるので、ステップS4にて復旧条件が成立した場合でも成立しない場合でも、第1特定回数指定コマンドを送信可能に制御する。これにより、パチンコ遊技機1の設計が容易になることで、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-9は、第1特定回数指定コマンドの構成例を示している。第1特定回数指定コマンドは、電源投入時の特定回数コマンド送信処理により送信され、特定回数までの残り回数に関する第1コマンドとなる。特定回数までの残り回数は、RAM102の所定アドレスにおける特定回数カウンタの計数値により示される。特定回数カウンタの計数値は、2バイト構成のデータを用いて、02AD[H]を上限値とする特定回数までの残り回数を特定可能に示す。例えば、図3に示された遊技制御メイン処理のステップS9により指定する初期化時設定テーブルは、特定回数カウンタにおけるカウンタ初期値として、特定回数初期値に対応した02AD[H]を設定するためのテーブルデータを含んでいる。
特定回数コマンド送信処理のステップAKS063、AKS064では、図9-9(A)に示す1セット目AKC01の第1特定回数指定コマンドが送信される。1セット目AKC01の第1特定回数指定コマンドは、コマンド種別データと、第1送信データと、を含んでいる。第1特定回数指定コマンドのコマンド種別データは、コマンド種別が第1特定回数指定コマンドであることを示す1バイトの第1制御データであり、第1特定回数指定コマンドのMODEデータとして91[H]を示す。第1送信データは、特定回数カウンタの計数値における1桁目として1[H]の位における値を示し、計数値に関する1バイトの第2制御データとなる。第1送信データにおいて、最下位ビットから最上位ビットへと向けて割り当てられたビット番号「0」~「7」のうち、ビット番号「4」および「5」におけるビット値が、いずれも「0」に設定されることにより、1セット目AKC01の第1特定回数指定コマンドであることを識別可能にする。
特定回数コマンド送信処理のステップAKS066、AKS067では、図9-9(B)に示す2セット目AKC02の第1特定回数指定コマンドが送信される。2セット目AKC02の第1特定回数指定コマンドは、コマンド種別データと、第2送信データと、を含んでいる。コマンド種別データは、1セット目AKC01の場合と同様に91[H]を示す。第2送信データは、特定回数カウンタの計数値における2桁目として10[H]の位における値を示し、計数値に関する1バイトの第2制御データとなる。第2送信データにおいて、第1送信データと同様に割り当てられたビット番号「0」~「7」のうち、ビット番号「4」におけるビット値が「1」に設定され、ビット番号「5」におけるビット値が「0」に設定されることにより、2セット目AKC02の第1特定回数指定コマンドであることを識別可能にする。
特定回数コマンド送信処理のステップAKS070、AKS071では、図9-9(C)に示す3セット目AKC03の第1特定回数指定コマンドが送信される。3セット目AKC03の第1特定回数指定コマンドは、コマンド種別データと、第3送信データと、を含んでいる。コマンド種別データは、1セット目AKC01および2セット目AKC02と同様に91[H]を示す。第3送信データは、特定回数カウンタの計数値における3桁目として100[H]の位における値を示し、計数値に関する1バイトの第2制御データとなる。第3送信データにおいて、第1送信データや第2送信データと同様に割り当てられたビット番号「0」~「7」のうち、ビット番号「4」におけるビット値が「0」に設定され、ビット番号「5」におけるビット値が「1」に設定されることにより、3セット目AKC03の第1特定回数指定コマンドであることを識別可能にする。
このように、第1特定回数指定コマンドは、1セット目AKC01から3セット目AKC03までが各2バイト構成で、あわせて3セットあることにより合計6バイトの演出制御コマンドとして、主基板11から演出制御基板12に対して送信される。また、第1特定回数コマンドは、第1制御データであるコマンド種別データと、特定回数カウンタの計数値に対応して設定される第2制御データである第1送信データから第3送信データまでのいずれかと、を組み合わせたコマンドデータが、1セット目AKC01から3セット目AKC03までの合計3セットといった、所定数あることで構成されている。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図3に示された遊技制御メイン処理のステップS13において、図9-8に示すような特定回数コマンド送信処理を実行することにより、第1特定回数指定コマンドを作成する。
図3に示された遊技制御メイン処理では、ステップS3のRWMチェック処理を実行した後に、ステップS4において復旧条件が成立したか否かを判定することで、バックアップRAMとなるRAM102の記憶情報が正常であるか否かを判定する判定処理を、実行可能である。そして、ステップS4において復旧条件が成立することで、判定処理による判定結果が正常である場合に、ステップS7のRWM初期設定処理が実行されない。これにより、RAM102の記憶情報は、パチンコ遊技機1の電源投入前から変更されないので、特定回数カウンタの計数値も電源投入前からRAM102に記憶されたものとなる。この場合に、ステップS13の特定回数コマンド処理は、RAM102に記憶された数値情報となる特定回数カウンタの計数値にもとづいて実行される。これに対し、ステップS4において復旧条件が成立せず、判定処理による判定結果が正常でない場合に、ステップS7のRWM初期設定処理が実行され、その後、ステップS9により指定された初期化時設定テーブルを参照して、ステップS11のデータセット処理が実行される。これにより、RAM102の記憶情報は、パチンコ遊技機1の電源投入時に初期設定され、特定回数カウンタの計数値は、特定回数初期値に対応するカウンタ初期値としての02AD[H]に設定される。こうして、判定処理による判定結果が正常でない場合に、設定された特定回数初期値に対応する数値情報となる特定回数カウンタのカウンタ初期値にもとづいて、ステップS13の特定回数コマンド処理を実行する。遊技制御メイン処理のステップS4において復旧条件が成立した場合は、パチンコ遊技機1がRAM102に記憶されたバックアップ情報にもとづいてホットスタートされる。遊技制御メイン処理のステップS4において復旧条件が成立しない場合は、パチンコ遊技機1がステップS7のRWM初期設定処理などにより初期設定されたRAM102の記憶情報にもとづいてコールドスタートされる。遊技制御メイン処理において、ステップS13の特定回数コマンド処理は、ステップS4の判定処理による判定結果が正常である場合にも正常でない場合にも実行可能なので、ホットスタートの場合にもコールドスタートの場合にも、特定回数までの残り回数を特定可能になるように、第1特定回数指定コマンドを電源投入時に主基板11から演出制御基板12に向けて送信することができる。したがって、パチンコ遊技機1の設計が容易になり、複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図3に示された遊技制御メイン処理では、ステップS1により割込み禁止に設定した後に、ステップS13の特定回数コマンド送信処理が実行され、その後のステップS17により割込み許可となることで、タイマ割込みなどにもとづく他の処理が実行可能になる。したがって、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、ステップS13の特定回数コマンド送信処理を実行中に、他の処理を実行しない。これにより、第1特定回数指定コマンドを送信するための制御が行われるときに、特定回数カウンタの計数値が更新されてしまうことを防止できるので、特定回数までの残り回数を特定可能な第1特定回数指定コマンドを、電源投入時に安定した状況下で主基板11から演出制御基板12に向けて送信することができ、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図3に示された遊技制御メイン処理では、ステップS12のウェイト処理を実行した後に、ステップS13の特定回数コマンド送信処理が実行される。そのため、特定回数コマンド処理は、電源投入から所定期間が経過したときに実行される。また、ステップS12のウェイト処理を実行する前に、ステップS10のコマンドセット処理が実行される。ステップS10のコマンドセット処理は、ステップS4の判定処理による判定結果が正常である場合と正常でない場合とに対応して、ステップS5により指定されたバックアップ時コマンド送信テーブルまたはステップS8により指定された初期化時コマンド送信テーブルを参照し、判定処理による判定結果に対応する演出制御コマンドを送信可能に制御する。このように、ステップS10のコマンドセット処理は、ステップS12のウェイト処理による所定期間の経過より前に、判定処理による判定結果に対応する演出制御コマンドを送信可能に制御する。ステップS13の特定回数コマンド送信処理は、ホットスタートの場合にもコールドスタートの場合にも、特定回数までの残り回数を特定可能になるように、第1特定回数指定コマンドを電源投入時に主基板11から演出制御基板12に向けて送信可能に制御する。このときに、バックアップ時コマンドとなる演出制御コマンドや、初期化時コマンドとなる演出制御コマンドと、第1特定回数指定コマンドとを、間断なく送信してしまうと、演出制御基板12の側において正常に演出制御コマンドを受け取れないおそれがある。そこで、ステップS13の特定回数コマンド送信処理により第1特定回数指定コマンドを送信可能とする前に、ステップS12のウェイト処理を実行して、演出制御基板12の側における受信準備を可能にすることで、それぞれの演出制御コマンドを確実に送受信することができ、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-10(A)は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS101)。例えば、始動口入賞バッファ記憶カウンタの計数値が「0」であるか否かを判定する。始動口入賞バッファ記憶カウンタは、始動口入賞バッファにおける始動口入賞指定値の記憶数を計数するカウンタであり、その計数値が合計保留記憶数を示している。
ステップAKS101に対応して合計保留記憶数が「0」以外である場合に(ステップAKS101;No)、合計保留記憶数を1減算更新する(ステップAKS102)。また、始動口入賞バッファの記憶内容をシフトさせる(ステップAKS103)。始動口入賞バッファは、図5(A)に示された特別図柄プロセス処理のステップS101における始動入賞判定処理により、始動入賞の発生にもとづいて保留記憶数が更新されるときに、始動入賞指定値を示すデータが、合計保留記憶数に対応するバッファ番号の格納領域に格納される。始動口入賞指定値は、第1始動入賞と第2始動入賞のいずれが発生したかを示す値であり、第1始動入賞に対応して「1」が設定され、第2始動入賞に対応して「2」が設定される。ステップAKS103では、例えば、バッファ番号「0」の始動口入賞バッファのアドレスを転送先アドレスに設定するとともに、バッファ番号「1」の始動口入賞バッファのアドレスを転送元アドレスに設定し、また、転送回数を「8」に設定して、ブロック転送命令を実行する。これにより、RAM102の連続するアドレスにおける始動口入賞バッファのバッファ番号「0」~「8」が割り当てられた各格納領域の記憶内容を、1ずつ前のアドレスに転送することでシフトさせればよい。その後、バッファ番号「8」の始動口入賞バッファをクリアして、記憶内容を初期化しておく。
ステップAKS103に続いて、第2特別図柄判定制御テーブルを指定する(ステップAKS104)。例えば、第2特別図柄判定制御テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納する。そして、始動口入賞指定値が「1」であるか否かを判定する(ステップAKS105)。例えば、バッファ番号「0」の始動口入賞バッファに格納された始動口入賞指定値を読み出し、その値が「1」であるか否かを判定する。始動口入賞指定値が「1」である場合に(ステップAKS105;Yes)、第1特別図柄判定制御テーブルを指定し直す(ステップAKS106)。例えば、第1特別図柄判定制御テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納することにより、ポインタの値を上書き設定する。このように、特別図柄通常処理では、ステップAKS104により第2特別図柄判定制御テーブルを指定してから、ステップAKS105において始動口入賞指定値が「1」である場合に、ステップAKS106では第1特別図柄判定制御テーブルを上書き設定により設定し直す。これにより、第2特別図柄判定制御テーブルの使用頻度が第1特別図柄判定制御テーブルの使用頻度よりも高い場合に、テーブル設定に用いる格納命令のプログラム容量を削減でき、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。また、第2特別図柄判定制御テーブルの使用頻度が第1特別図柄判定制御テーブルの使用頻度よりも高い場合に、分岐命令による処理を簡素化して、設計段階での確認が容易になり、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS105に対応して始動口入賞指定値が「2」であり「1」でない場合や(ステップAKS105;No)、ステップAKS106の後に、特別図柄判定処理(ステップAKS107)と、変動パターン設定処理(ステップAKS108)と、を実行してから、特別図柄通常処理を終了する。
ステップAKS101に対応して合計保留記憶数が「0」である場合に(ステップAKS101;Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS109)。デモ表示フラグは、デモンストレーション表示を実行中であることを示すフラグである。デモ表示フラグがオンである場合に(ステップAKS109;Yes)、特別図柄通常処理は終了する。
ステップAKS109に対応してデモ表示フラグがオフである場合に(ステップAKS109;No)、デモ表示フラグをオン状態にセットし(ステップAKS110)、待機時コマンド送信テーブルを指定した後に(ステップAKS111)、コマンドセット処理を実行してから(ステップAKS112)、特別図柄通常処理は終了する。
図9-10(B)は、待機時コマンド送信テーブルAKT15の構成例を示している。待機時コマンド送信テーブルAKT15は、テーブル先頭データとして、処理数を示すデータを含んでいる。待機時コマンド送信テーブルAKT15では、処理数として「3」が指定されればよい。待機時コマンド送信テーブルAKT15は、処理数を示すテーブル先頭データの他に、第2特定回数指定コマンドと、背景色指定コマンドと、客待ちデモコマンドと、を送信するためのテーブルデータを含んでいる。待機時コマンド送信テーブルAKT15を用いて送信可能に制御される演出制御コマンドは、待機時コマンドともいう。待機時コマンド送信テーブルAKT15において、第2特定回数指定コマンド送信用のテーブルデータは、第2特定回数指定コマンドの上位バイトとしてMODEデータの94[H]を指定するコマンド種別データと、コマンド拡張データアドレステーブルAKT11において特定回数コマンドバッファに対応する参照データ下位アドレスを取得するための下位バイト用データと、を含んでいる。ここでの下位バイト用データは、ビット値が「1」のワークエリア参照ビットと、ワークエリア参照ビット以外により特定回数コマンドバッファオフセット値を示すビットと、を含んでいる。
特定回数コマンドバッファは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられている。特定回数コマンドバッファの格納値は、特定回数までの残り回数が「127」以上である場合に7F[H]となり、特定回数までの残り回数が「127」未満である場合に当該残り回数を示す16進数となる。例えば、図3に示された遊技制御メイン処理のステップS9により指定する初期化時設定テーブルは、特定回数コマンドバッファにおけるバッファ初期値として、上限値に対応した7F[H]を設定するためのテーブルデータを含んでいる。このように、第2特定回数指定コマンドは、第1制御データであるコマンド種別データと、特定回数コマンドバッファの格納値に対応して設定される第2制御データである特定回数コマンドデータと、を組み合わせた1セットのコマンドデータで構成されている。
待機時コマンド送信テーブルAKT15において、背景色指定コマンド送信用のテーブルデータは、背景色指定コマンドの上位バイトとしてMODEデータの95[H]を指定するコマンド種別データと、コマンド拡張データアドレステーブルAKT11にいて特別図柄状態指定バッファに対応する参照データ下位アドレスを取得するための下位バイト用データと、を含んでいる。ここでの下位バイト用データは、ビット値が「1」のワークエリア参照ビットと、ワークエリア参照ビット以外により特別図柄状態指定バッファオフセット値を示すビットと、を含んでいる。特別図柄状態指定バッファは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられ、特別図柄の状態表示を示す値が格納される。例えば、遊技状態が通常状態であるときに特別図柄状態指定バッファの格納値は00[H]、03[H]のいずれかに設定され、遊技状態が時短状態であるときに特別図柄状態指定バッファの格納値は02[H]に設定される。遊技状態が通常状態であるときのうち、大当り遊技状態の終了にもとづく時短状態が終了した場合に、特図ゲームの実行回数に対応した特別期間において、特別図柄状態指定バッファの格納値は03[H]に設定される。その他の遊技状態が通常状態であるときに、特別図柄状態指定バッファの格納値は00[H]に設定される。
待機時コマンド送信テーブルAKT15において、客待ちデモコマンド送信用のテーブルデータは、客待ちデモコマンドの上位バイトとしてMODEデータの9F[H]を指定するコマンド種別データと、客待ちデモコマンドの下位バイトとしてEXTデータの03[H]を指定するコマンド下位バイトデータと、を含んでいる。ここでのコマンド下位バイトデータは、ビット値が「0」のワークエリア参照ビットを含めて、客待ちデモコマンドの下位バイトである03[H]を示すデータとなっている。
図9-10(A)に示された特別図柄通常処理では、ステップAKS101において合計保留記憶数が「0」であるか否かを判定することで、保留記憶情報が記憶されているか否かを判定する保留記憶判定処理を、実行可能である。保留記憶情報は、例えば特別図柄判定用の乱数MR1を含めた遊技用乱数の値を示すデータを含み、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられた特別図柄バッファに格納して記憶可能である。特別図柄通常処理のステップAKS101において合計保留記憶数が「0」であることで、保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、ステップAKS111にて指定された待機時コマンド送信テーブルを参照し、ステップAKS112のコマンドセット処理により、第2特定回数指定コマンドを含めた待機時コマンドとなる演出制御コマンドが送信される。このときに、ステップAKS112のコマンドセット処理において、特定回数コマンドバッファの格納値が読み出され、シリアル通信データレジスタに第2特定回数指定コマンドの上位バイトと下位バイトとを、順次に格納することにより、第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御する。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路は、シリアル通信データレジスタの格納データを順次に読み出して、演出制御基板12に向けて第2特定回数指定コマンドを送信出力する。こうして、保留記憶判定処理において、保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、格納情報となる特定回数コマンドバッファの格納値を用いて、第2特定回数指定コマンドが送信可能に制御される。このように、特別図柄通常処理の保留記憶判定処理として、ステップAKS101にもとづいて保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、ステップAKS112のコマンドセット処理を実行して第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御するので、保留記憶情報が記憶されていないための特図ゲームが開始されないときに、特定回数までの残り回数に関する第2特定回数指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に向けて送信することができる。これにより、特図ゲームなどによる可変表示の実行に対応して送信する第2特定回数指定コマンドを、安定して送信可能に制御することで、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-10(B)に示された待機時コマンド送信テーブルAKT15を用いて送信される演出制御コマンドは、遊技停止中となる非遊技状態におけるデモンストレーション表示を指定する客待ちデモコマンドを含んでいる。特別図柄通常処理のステップAKS101において合計保留記憶数が「0」であることで、保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、ステップAKS111にて指定された待機時コマンド送信テーブルを参照し、ステップAKS112のコマンドセット処理により、第2特定回数指定コマンドとともに、客待ちデモコマンドを送信可能に制御する。こうして、保留記憶判定処理において、保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、格納情報となる特定回数コマンドバッファの格納値を用いた第2特定回数指定コマンドとともに、非遊技状態に関する客待ちデモコマンドを送信可能に制御する。このように、第2特定回数指定コマンドと客待ちデモコマンドとを、まとめて送信することにより、演出制御基板12の側で演出制御コマンドに関する処理や制御の設計が容易になり、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-11は、特別図柄判定処理として、図9-10(A)のステップAKS107にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄判定処理において、CPU103は、特別図柄バッファシフト制御テーブルを指定する(ステップAKS201)。例えば特別図柄バッファシフト制御テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納する。特別図柄バッファシフト制御テーブルは、RAM102の遊技ワーク領域において所定アドレスが割り当てられた特別図柄バッファの記憶内容をシフトするときに使用される制御テーブルである。特別図柄バッファは、図5(A)に示された特別図柄プロセス処理のステップS101における始動入賞判定処理により、始動入賞の発生にもとづいて第1保留記憶数または第2保留記憶数が更新されるときに、抽出された各種乱数の値を示すデータが、更新後の第1保留記憶数または第2保留記憶数に対応するバッファ番号の格納領域に格納される。特別図柄バッファは、第1特別図柄と第2特別図柄とのそれぞれに対応して用意される。ステップAKS201では、図9-10(A)に示されたステップAKS104により指定された第2特別図柄判定制御テーブルの場合と、ステップAKS106により指定された第1特別図柄判定制御テーブルの場合とで、異なる特別図柄バッファシフト制御テーブルが指定される。例えば、始動口入賞指定値が「1」に対応して第1特図ゲームが実行される場合に、第1特別図柄バッファシフト制御テーブルが指定される。これに対し、始動口入賞指定値が「2」に対応して第2特図ゲームが実行される場合に、第2特別図柄バッファシフト制御テーブルが指定される。
ステップAKS201の次に、特別図柄バッファシフト処理を実行する(ステップAKS202)。そして、特別図柄判定用の乱数MR1の値を読み出す(ステップAKS203)。続いて、特別図柄大当り判定(ステップAKS204)と、特別図柄小当り判定(ステップAKS205)と、特別図柄情報設定(ステップAKS206)と、を行う。この実施の形態では、特図ゲームにおける特別図柄の表示結果が、「大当り」、「小当り」、「ハズレ」のいずれかに決定され、「時短」には決定されない。
ステップAKS204の特別図柄大当り判定は、ステップAKS203により読み出した特別図柄判定用の乱数MR1の値を、大当り判定値と比較することにより、特図表示結果を「大当り」とするか否かを判定する。特別図柄大当り判定において特図表示結果を「大当り」とする判定がなされた場合に、大当り指定値となる01[H]が、当りフラグにセットされる。ステップAKS205の特別図柄小当り判定は、ステップAKS203により読み出した特別図柄判定用の乱数MR1の値を、小当り判定値と比較することにより、特図表示結果を「小当り」とするか否かを判定する。特別図柄小当り判定において特図表示結果を「小当り」とする判定がなされた場合に、小当り指定値となる02[H]が、当りフラグにセットされる。
ステップAKS206の特別図柄情報設定は、特図ゲームにおける特別図柄の表示結果となる確定特別図柄について、特図表示結果が「大当り」である場合における大当り図柄の設定と、特図表示結果が「小当り」である場合における小当り図柄の設定と、特図表示結果が「ハズレ」である場合におけるハズレ図柄の設定と、を含んでいる。確定特別図柄を示すデータは、特別図柄バッファに格納して記憶される。特別図柄バッファは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられ、図9-10(A)に示された特別図柄通常処理のステップAKS104にて指定した第2特別図柄判定制御テーブルまたはステップAKS106により指定した第1特別図柄判定制御テーブルを参照することにより、第1特別図柄または第2特別図柄に対応した特別図柄バッファのアドレスを特定可能である。また、ステップAKS206の特別図柄情報設定は、特図表示結果が「大当り」である場合に、当り図柄選択用の乱数MR2の値を用いた振り分けにより、大当り図柄指定値を設定可能である。さらに、ステップAKS206の特別図柄情報設定は、特定表示結果が「小当り」である場合に、当り図柄選択用の乱数MR2の値を用いた振り分けにより、小当り図柄指定値を設定可能である。加えて、ステップAKS206の特別図柄情報設定は、背景色指定コマンドを送信するための変動開始前コマンド送信設定を含む。ステップAKS206に続いて、判定後ワーク設定テーブルを指定した後に(ステップAKS207)、データセット処理(ステップAKS208)を実行してから、特別図柄判定処理は終了する。
図9-12(A)は、特別図柄バッファシフト処理として、図9-11のステップAKS202にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄バッファシフト処理において、CPU103は、転送元、転送先、転送回数の設定を行う(ステップAKS301)。例えば、バッファ番号「1」の特別図柄バッファのアドレスを転送元アドレスに設定するとともに、バッファ番号「0」の特別図柄バッファのアドレスを転送先アドレスに設定し、また、第1保留記憶数や第2保留記憶数の上限値に対応した「4」と各特別図柄バッファのバッファサイズとの乗算値を転送回数に設定する。その後、ブロック転送命令を実行する(ステップAKS302)。これにより、RAM102の連続するアドレスにおける特別図柄バッファのバッファ番号「0」~「4」が割り当てられた各格納領域の記憶内容を、1ずつ前のバッファ番号に対応する格納領域へと転送することでシフトさせればよい。また、始動口入賞記憶カウンタの計数値を1減算更新するとともに(ステップAKS303)、特別図柄バッファにおいてバッファ番号「4」が割り当てられた最終バッファをクリアする(ステップAKS304)。
ステップAKS304の次に、特定回数指定コマンド送信テーブルを指定した後に(ステップAKS305)、コマンドセット処理(ステップAKS306)を実行する。これにより、第1特図ゲームまたは第2特図ゲームの開始に対応して、第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御する。続いて、演出記憶情報指定コマンド送信テーブルを指定した後に(ステップAKS307)、コマンドセット処理(ステップAKS308)を実行してから、特別図柄バッファシフト処理は終了する。特別図柄バッファシフト処理は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示の実行に対応して、第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御するためのステップAKS305、AKS306を含んでいる。
図9-12(B)は、特定回数指定コマンド送信テーブルAKT21の構成例を示している。特定回数指定コマンド送信テーブルAKT21は、テーブル先頭データとして、処理数を示すデータを含んでいない。特定回数指定コマンド送信テーブルAKT21を用いて第2特定回数指定コマンドを送信するときに、送信コマンド数は「1」になるので、テーブル先頭データにおけるワークエリア参照ビットのビット値が「1」であることに対応して、ステップAKS306のコマンドセット処理において処理数が「1」に設定される。そして、特定回数指定コマンド送信テーブルAKT21のテーブル先頭データは、第2特定回数指定コマンドの上位バイトとしてMODEデータの94[H]を指定するコマンド種別データとなる。また、特定回数指定コマンド送信テーブルAKT21におけるテーブル先頭データの次アドレスに対応したテーブルデータは、コマンド拡張データアドレステーブルAKT11において特定回数コマンドバッファに対応する参照データ下位アドレスを取得するための下位バイト用データとなる。この下位バイト用データは、ビット値が「1」のワークエリア参照ビットと、ワークエリア参照ビット以外により特定回数コマンドバッファオフセット値となる12[H]を示すビットと、を含んでいる。これにより、下位バイト用データは、オフセット値の12[H]と、ワークエリア参照ビットのビット値が「1」に対応した80[H]と、を加算した92[H]を示すものとなる。
図9-12(C)は、第2特定回数指定コマンドの構成例AKC11を示している。第2特定回数指定コマンドは、コマンド種別データと、特定回数コマンドデータと、を含んでいる。第2特定回数指定コマンドのコマンド種別データは、コマンド種別が第2特定回数指定コマンドであることを示す1バイトの第1制御データであり、第2特定回数指定コマンドのMODEデータとして94[H]を示す。特定回数コマンドデータは、特定回数コマンドバッファの格納値に対応して設定可能な1バイトの第2制御データである。特定回数コマンドデータは、先頭ビットのビット値が「0」であり、残りの7ビットを用いて00[H]から7F[H]までの特定回数コマンドバッファ格納値を指定可能である。このように、特定回数コマンドデータは、最小値が00[H]を示し、最大値が7F[H]を示す。また、第2特定回数指定コマンドは、2バイト構成の演出制御コマンドである。
図9-12(A)に示された特別図柄バッファシフト処理では、ステップAKS305にて指定された特定回数指定コマンド送信テーブルを参照し、ステップAKS306のコマンドセット処理により、第2特定回数指定コマンドが送信される。特別図柄バッファシフト処理は、図9-10(A)に示された特別図柄通常処理において、ステップAKS101により合計保留記憶数が「0」以外であると判定されたことにより、保留記憶情報となる遊技用乱数の値を示すデータなどが記憶されている場合に、ステップAKS107にて実行される特別図柄判定処理に含まれている。この場合に、特別図柄バッファには、例えば特別図柄判定用の乱数MR1を示すデータといった、保留記憶情報に含まれる各種乱数の値を示すデータが記憶されている。図9-11に示された特別図柄判定処理では、ステップAKS202にて特別図柄バッファシフト処理を実行することにより、特別図柄バッファの記憶内容をシフトする。この特別図柄バッファシフト処理では、ステップAKS306のコマンドセット処理において、特定回数コマンドバッファの格納値が読み出され、シリアル通信データレジスタに第2特定回数指定コマンドの上位バイトと下位バイトとを、順次に格納することにより、第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御する。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるシリアル通信回路は、シリアル通信データレジスタの格納データを順次に読み出して、演出制御基板12に向けて第2特定回数指定コマンドを送信出力する。こうして、特別図柄バッファシフト処理において、格納情報となる特定回数コマンドバッファの格納値を用いて、第2特定回数指定コマンドが送信可能に制御される。このように、特別図柄通常処理の特別図柄判定処理が実行されるときに、特別図柄バッファシフト処理においてコマンドセット処理を実行して第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御するので、特図ゲームにおける特別図柄の変動が開始されるタイミングにて、特定回数までの残り回数に関する第2特定回数指定コマンドを主基板11から演出制御基板12に向けて送信することができる。したがって、開始される特図ゲームと特定回数までの残り回数との対応関係が明確になり、特定回数までの残り回数に関する設計や制御が容易になり、時短状態を含む複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-13は、図柄指定値決定例を示している。このうち、図9-13(A)は、特図表示結果が「大当り」の場合における決定例AKD01である。図9-13(B)は、特図表示結果が「小当り」の場合における決定例AKD02である。図9-11に示された特別図柄判定処理では、ステップAKS206の特別図柄情報設定において、特図表示結果が「大当り」である場合に、当り図柄選択用の乱数MR2の値を用いて大当り図柄の設定を行う。例えば、当りフラグが01[H]に設定されて大当り指定値を示す場合に、当り図柄選択用の乱数MR2の値を示すデータが特別図柄バッファに格納され、また、始動口入賞指定値が「1」である場合と「2」である場合とに対応した大当り状態設定用テーブルを指定する。その後、当り図柄選択用の乱数MR2の値を、指定された大当り状態設定用テーブルのテーブルデータが示す振り分け判定値と比較することにより、決定例AKD01に示す決定割合により大当り図柄指定値を決定する。大当り図柄指定値は、大当り図柄判定バッファに格納される。また、ステップAKS206の特別図柄情報設定において、特図表示結果が「小当り」である場合に、当り図柄選択用の乱数MR2の値を用いて小当り図柄の設定を行う。例えば、当りフラグが02[H]に設定されて小当り指定値を示す場合に、当り図柄選択用の乱数MR2の値に64[H]を加算した値を示すデータが特別図柄バッファに格納され、また、始動口入賞指定値が「1」である場合と「2」である場合とに対応した小当り状態設定用テーブルを指定する。続いて、当り図柄選択用の乱数MR2の値を、指定された小当り状態設定用テーブルのテーブルデータが示す振り分け判定値と比較することにより、決定例AKD02に示す決定割合により小当り図柄指定値を決定する。小当り図柄指定値は、小当り図柄判定バッファに格納される。その他、ステップAKS206の特別図柄情報設定において、特図表示結果が「ハズレ」である場合に、ハズレ図柄パターン指定値となるF1[H]が特別図柄バッファに格納される。
図9-14は、大入賞口開放回数設定例を示している。このうち、図9-14(A)は、特図表示結果が「大当り」の場合における設定例AKE01である。図9-14(B)は、特図表示結果が「小当り」の場合における設定例AKE02である。図9-11に示された特別図柄判定処理では、ステップAKS206の特別図柄情報設定において、特図表示結果が「大当り」である場合に、大当り図柄指定値を用いて大入賞口開放回数最大値の設定を行う。例えば、当りフラグが01[H]に設定されて大当り指定値を示す場合に、特図表示結果が「大当り」に対応した大入賞口開放回数最大値テーブルを指定する。特図表示結果が「大当り」に対応した大入賞口開放回数最大値テーブルは、大当り図柄指定値と、大入賞口開放回数最大値と、を対応付けるテーブルデータを含んでいる。このような大入賞口開放回数最大値テーブルを参照して、大当り図柄指定値に対応した大入賞口開放回数最大値を決定する。このときに決定された大入賞口開放回数最大値を示すデータは、大入賞口開放回数最大値バッファに格納される。また、特図表示結果が「小当り」である場合に、小当り図柄指定値を用いて大入賞口開放回数最大値を設定可能である。例えば、特図表示結果が「小当り」に対応した大入賞口開放回数最大値テーブルを参照して、小当り図柄指定値に対応した大入賞口開放回数最大値を決定する。このときに決定された大入賞口開放回数最大値を示すデータは、大入賞口開放回数最大値バッファに格納される。なお、特図表示結果が「小当り」である場合に、大入賞口開放回数最大値は、小当り遊技状態において遊技球がV入賞領域51を通過することによるV入賞が発生したときに、決定されてもよい。
図9-15は、変動パターン設定処理として、図9-10(A)のステップAKS108にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップAKS221)。例えば、当りフラグの値を読み出し、その読出値が大当り指定値である01[H]の場合に、特図表示結果が「大当り」であると判定すればよい。特図表示結果が「大当り」である場合に(ステップAKS221;Yes)、大当り図柄指定値を読み出す(ステップAKS222)。大当り図柄指定値は、特図表示結果が「大当り」である場合に設定された大当り図柄の指定値であり、演出図柄バッファに格納されている。また、演出状態選択指定値を読み出す(ステップAKS223)。演出状態選択指定値は、演出状態選択バッファの格納値であり、00[H]~0E[H]のいずれかに設定される。ステップAKS223の後に、大当り時変動パターン種別選択テーブルを指定する(ステップAKS224)。大当り時変動パターン種別選択テーブルは、特図表示結果が「大当り」である場合に変動パターン種別を選択するためのテーブルであり、ステップAKS222により読み出した大当り図柄指定値と、ステップAKS223により読み出した演出状態選択指定値と、に対応して異なるテーブルを指定可能であればよい。
ステップAKS221に対応して特図表示結果が「大当り」でない場合に(ステップAKS221;No)、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップAKS225)。例えば、当りフラグの値を読み出し、その読出値が小当り指定値である02[H]の場合に、特図表示結果が「小当り」であると判定すればよい。特図表示結果が「小当り」である場合に(ステップAKS225;Yes)、小当り図柄指定値を読み出す(ステップAKS226)。小当り図柄指定値は、特図表示結果が「小当り」である場合に設定された小当り図柄の指定値であり、演出図柄バッファに格納されている。また、演出状態選択指定値を読み出す(ステップAKS227)。その後、小当り時変動パターン種別選択テーブルを指定する(ステップAKS228)。小当り時変動パターン種別選択テーブルは、特図表示結果が「小当り」である場合に変動パターン種別を選択するためのテーブルであり、ステップAKS226により読み出した小当り図柄指定値と、ステップAKS227により読み出した演出状態選択指定値と、に対応して異なるテーブルを指定可能であればよい。
ステップAKS225に対応して特図表示結果が「小当り」でない場合に(ステップAKS225;No)、例えばバッファ番号「0」の始動口入賞バッファから始動口入賞指定値を読み出す(ステップAKS229)。また、演出状態選択指定値を読み出す(ステップAKS230)。その後、ハズレ時変動パターン種別選択テーブルを指定する(ステップAKS231)。ハズレ時変動パターン種別選択テーブルは、特図表示結果が「ハズレ」である場合に変動パターン種別を選択するためのテーブルであり、ステップAKS229により読み出した始動口入賞指定値と、ステップAKS230により読み出した演出状態選択指定値と、に対応して異なるテーブルを指定可能であればよい。さらに、ハズレ時変動パターン種別選択テーブルは、始動口入賞指定値が「1」である場合の第1保留記憶数、あるいは、始動口入賞指定値が「2」である場合の第2保留記憶数、に対応して異なるテーブルを指定可能であってもよい。
ステップAKS224、AKS228、AKS231の後に、変動パターン種別選択用の乱数MR4の値を読み出す(ステップAKS232)。変動パターン種別選択用の乱数MR4の値を示すデータは、特別図柄バッファにおいてバッファ番号「0」が割り当てられた格納領域に含まれる変動パターン種別選択用バッファに記憶されていればよい。続いて、変動パターン種別選択用の乱数MR4の値により、変動パターン種別を選択する(ステップAKS233)。次に、変動パターン決定テーブルを指定する(ステップAKS234)。ステップAKS234では、ステップAKS233により選択された変動パターン種別に対応して異なる変動パターン決定テーブルを指定可能であればよい。そして、変動パターン決定用の乱数MR5の値を読み出す(ステップAKS235)。変動パターン決定用の乱数MR5の値を示すデータは、特別図柄バッファにおいてバッファ番号「0」が割り当てられた格納領域に含まれる変動パターン決定用バッファに記憶されていればよい。さらに、変動パターン決定用の乱数MR5の値により、変動パターンを決定する(ステップAKS236)。
ステップAKS236に続いて、変動コマンド送信テーブルを指定し(ステップAKS237)、コマンドセット処理(ステップAKS238)を実行する。変動コマンド送信テーブルは、特図ゲームにおける特別図柄の変動開始に対応して、変動開始時の演出制御コマンドを送信するためのテーブルデータを含んでいる。例えば、第1特図ゲームに対応して指定される変動コマンド送信テーブルは、処理数を示すテーブル先頭データの他に、演出図柄指定コマンドと、第1変動開始指定コマンドと、変動パターン指定コマンドと、を送信するためのテーブルデータを含んでいる。これに対し、第2特図ゲームに対応して指定される変動コマンド送信テーブルは、処理数を指定するテーブル先頭データの他に、演出図柄指定コマンドと、第2変動開始指定コマンドと、変動パターン指定コマンドと、を送信するためのテーブルデータを含んでいる。
ステップAKS238の後に、特別図柄変動時間テーブルを指定し(ステップAKS239)、特別図柄変動時間を設定する(ステップAKS240)。特別図柄変動時間テーブルは、変動パターンの決定結果に対応して、特図変動時間などの可変表示時間を示す時間データを設定するためのテーブルデータを含んでいる。ステップAKS240では、ステップAKS239により指定された特別図柄変動時間テーブルを参照して、時間データ展開処理を実行することにより、変動パターンの決定結果に対応した時間データがHLレジスタに格納される。こうして取得された時間データなどを、変動時間データとして特別図柄プロセスタイマにおけるタイマ初期値として設定すればよい。
そして、変動パターン設定後ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS241)、データセット処理(ステップAKS242)を実行してから、変動パターン設定処理は終了する。変動パターン設定後ワーク設定テーブルは、特別図柄プロセスコードを、特別図柄変動処理に対応した値である01[H]に更新するためのテーブルデータを含んでいる。また、変動パターン設定後ワーク設定テーブルは、特別図柄変動中表示バッファの格納値を01[H]に更新するためのテーブルデータを含んでいる。特別図柄変動中表示バッファは、第1特別図柄や第2特別図柄の変動中における表示図柄を指定する値が格納され、第1特別図柄に対応した第1特別図柄変動中表示バッファと、第2特別図柄に対応した第2特別図柄変動中表示バッファと、を含んでいる。ステップAKS242のデータセット処理では、ステップAKS241により指定された変動パターン設定後ワーク設定テーブルを参照して、第1特図ゲームを開始する場合に第1特別図柄変動中表示バッファの格納値を01[H]に更新し、第2特図ゲームを開始する場合に第2特別図柄変動中表示バッファの格納値を01[H]に更新すればよい。さらに、変動パターン設定後ワーク設定テーブルは、変動パターンの決定などに用いた乱数が格納された乱数値バッファをクリアして、格納値を初期化するためのテーブルデータを含んでいる。
図9-16は、特図表示結果が「大当り」の場合における変動パターン決定例AKD11を示している。変動パターン決定例AKD11では、演出状態選択指定値と大当り図柄指定値との組合せに対応して、決定可能パターン種別や決定可能パターンが異なる設定となる。図9-15に示された変動パターン設定処理では、ステップAKS221にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合に、ステップAKS222にて読み出した大当り図柄指定値と、ステップAKS223にて読み出した演出状態選択指定値とに対応して、ステップAKS233では決定可能パターン種別のうちから変動パターン種別が選択されて決定され、ステップAKS236では決定可能パターンのうちから変動パターンが決定される。例えば、ステップAKS224により指定される大当り時変動パターン種別選択テーブルは、大当り図柄指定値と演出状態選択指定値との組合せに対応して、決定可能パターン種別ごとの振り分け判定値を示す変動パターン種別選択テーブルが、予め用意された複数テーブルのうちから選択されたものであればよい。また、ステップAKS234により指定される変動パターン決定テーブルは、ステップAKS233による変動パターン種別の選択結果に対応して、決定可能パターンごとの振り分け判定値を示す変動パターン決定テーブルが、予め用意された複数テーブルのうちから選択されたものであればよい。
図9-17は、特図表示結果が「小当り」の場合における変動パターン決定例AKD12を示している。変動パターン決定例AKD12では、演出状態選択指定値と小当り図柄指定値との組合せに対応して、決定可能パターン種別や決定可能パターンが異なる設定となる。図9-15に示された変動パターン設定処理では、ステップAKS225にて特図表示結果が「小当り」であると判定された場合に、ステップAKS226にて読み出した小当り図柄指定値と、ステップAKS227にて読み出した演出状態選択指定値とに対応して、ステップAKS233では決定可能パターン種別のうちから変動パターン種別が選択されて決定され、ステップAKS236では決定可能パターンのうちから変動パターンが決定される。例えば、ステップAKS228により指定される小当り時変動パターン種別選択テーブルは、小当り図柄指定値と演出状態選択指定値との組合せに対応して、決定可能パターン種別ごとの振り分け判定値を示す変動パターン種別選択テーブルが、予め用意された複数テーブルのうちから選択されたものであればよい。また、ステップAKS234により指定される変動パターン決定テーブルは、ステップAKS233による変動パターン種別の選択結果に対応して、決定可能パターンごとの振り分け判定値を示す変動パターン決定テーブルが、予め用意された複数テーブルのうちから選択されたものであればよい。
図9-18は、特別図柄変動処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動処理において、CPU103は、特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS121)。ここでの特別図柄プロセスタイマには、図9-15に示された変動パターン設定処理のステップAKS240にて、変動パターンの決定結果に対応する変動時間データがタイマ初期値として設定されたものである。特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」以外である場合に(ステップAKS121;No)、特別図柄プロセスタイマの計時値を1減算更新して(ステップAKS122)、特別図柄変動処理は終了する。
ステップAKS121に対応して特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」である場合に(ステップAKS121;Yes)、特図プロセスコードを、特別図柄停止処理に対応した値である02[H]に更新する(ステップAKS123)。また、特別図柄停止時間設定処理(ステップAKS124)を実行した後に、カウンタ減算処理(ステップAKS125)を実行してから、特別図柄変動処理は終了する。
図9-19は、特別図柄停止時間設定処理として、図9-18のステップAKS124にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止時間設定処理において、CPU103は、まず、図柄停止時設定SZA1を行う(ステップAKS251)。例えば、図柄停止時設定SZAに対応する図柄停止時データ選択テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納する。そして、特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップAKS252)。例えば、当りフラグに01[H]が設定されて大当り指定値を示す場合に、特図表示結果が「大当り」であると判定される。特図表示結果が「大当り」でない場合に(ステップAKS252;No)、当り終了後演出指定値が00[H]であるか否かを判定する(ステップAKS253)。当り終了後演出指定値を示すデータは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられた当り終了後演出指定バッファに格納され、00[H]、01[H]、03[H]、05[H]、08[H]、09[H]のいずれかに設定される。電源投入時に、図3に示された遊技制御メイン処理のステップS4にて復旧条件が成立しない場合に、ステップS7のRWM初期設定処理が実行されることにより、当り終了後演出指定バッファを含めた遊技ワーク領域がクリアされ、当り終了後演出指定値が00[H]に設定される。
ステップAKS253に対応して当り終了後演出指定値が00[H]でない場合に(ステップAKS253;No)、特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達するか否かを判定する(ステップAKS254)。ステップAKS254では、特定回数カウンタの計数値を示すデータが、DEレジスタに格納される。その後、DEレジスタの格納値を1減算更新したときに、更新後の値が「0」となるか否かを判定する。このように、特定回数カウンタの到達判定値は「0」に対応する0000[H]であるが、ステップAKS254では、特定回数カウンタの計数値そのものを更新するのではなく、その計数値を示すデータを特定回数カウンタとは異なるDEレジスタなどの格納領域に格納し、その格納値を1減算更新することで、特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達するか否かを判定する。特定回数カウンタの計数値そのものは、カウンタ減算処理において更新可能である。
ステップAKS254に対応して特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達する場合に(ステップAKS254;Yes)、図柄停止時設定SZA3を上書き設定により設定し直す(ステップAKS255)。例えば、図柄停止時設定SZA3に対応する図柄停止時データ選択テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに上書きして格納する。特定回数カウンタの計数値は、電源投入時や大当り遊技状態の終了時に、特定回数初期値に対応したカウンタ初期値として02AD[H]が設定される。その後、特図ゲームが実行されて特図表示結果が「大当り」でない場合に、特定回数カウンタの計数値が1減算更新される。そして、特定回数カウンタの計数値が0000[H]となる場合に、ステップAKS254にて到達判定値に達すると判定される。そのため、特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達する特定条件が成立したと判定される割合は、そのような特定条件が不成立であると判定される割合よりも、十分に低い割合となる。そこで、特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS251にて図柄停止時設定SZA1を行ってから、ステップAKS254において特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達する場合に、ステップAKS255では図柄停止時設定SZA3を上書き設定により設定し直す。これにより、図柄停止時設定SZA1の設定頻度が図柄停止時設定SZA3の設定頻度よりも高い場合に、テーブル設定などに用いる格納命令のプログラム容量を削減でき、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。また、図柄停止時設定SZA1の設定頻度が図柄停止時設定SZA3の設定頻度よりも高い場合に、分岐命令による処理を簡素化して、設計段階での確認が容易になり、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS254に対応して特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達しない場合に(ステップAKS254;No)、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップAKS256)。例えば、当りフラグに02[H]が設定されて小当り指定値を示す場合に、特図表示結果が「小当り」であると判定される。特図表示結果が「小当り」でない場合に(ステップAKS256;No)、第1時短カウンタの計数値が終了判定値に達するか否かを判定する(ステップAKS257)。ステップAKS257では、第1時短カウンタの計数値を示すデータが、DEレジスタに格納される。その後、DEレジスタの格納値を1減算更新したときに、更新後の値が「0」となるか否かを判定する。このように、第1時短カウンタの終了判定値は「0」に対応する0000[H]であるが、ステップAKS257では、第1時短カウンタの計数値そのものを更新するのではなく、その計数値を示すデータを第1時短カウンタとは異なるDEレジスタなどの格納領域に格納し、その格納値を1減算更新することで、第1時短カウンタの計数値が終了判定値に達するか否かを判定する。第1時短カウンタは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられ、2バイトデータを格納して、時短状態において実行可能な第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数を、残り回数のカウントダウンにより計数可能である。第1時短カウンタの計数値そのものは、カウンタ減算処理において更新可能である。
ステップAKS257に対応して第1時短カウンタの計数値が終了判定値に達しない場合に(ステップAKS257;No)、始動口入賞指定値が「1」であるか否かを判定する(ステップAKS258)。このとき、始動口入賞指定値が「2」であり「1」でない場合に(ステップAKS258;No)、第2時短カウンタの計数値が終了判定値に達するか否かを判定する(ステップAKS259)。ステップAKS259では、第2時短カウンタの計数値を示すデータが、DEレジスタに格納される。その後、DEレジスタの格納値を1減算更新したときに、更新後の値が「0」となるか否かを判定する。このように、第2時短カウンタの終了判定値は「0」に対応する0000[H]であるが、ステップAKS259では、第2時短カウンタの計数値そのものを更新するのではなく、その計数値を示すデータを第2時短カウンタとは異なるDEレジスタなどの格納領域に格納し、その格納値を1減算更新することで、第2時短カウンタの計数値が終了判定値に達するか否かを判定する。第2時短カウンタは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられ、2バイトデータを格納して、時短状態において実行可能な第2特図ゲームの回数を、残り回数のカウントダウンにより計数可能である。第2時短カウンタの計数値そのものは、カウンタ減算処理において更新可能である。
ステップAKS257に対応して第1時短カウンタの計数値が終了判定値に達する場合や(ステップAKS257;Yes)、ステップAKS259に対応して第2時短カウンタの計数値が終了判定値に達する場合に(ステップAKS259;Yes)、図柄停止時設定SZA2を上書き設定により設定し直す(ステップAKS260)。例えば、図柄停止時設定SZA2に対応する図柄停止時データ選択テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに上書きして格納する。第1時短カウンタや第2時短カウンタの計数値は、大当り遊技状態の終了時に、時短中変動回数に対応したカウンタ初期値が設定される。その後、時短状態において特図ゲームが実行された場合に、第1時短カウンタと第2時短カウンタのうち、少なくともいずれか一方の計数値が1減算更新される。そして、第1時短カウンタの計数値が0000[H]になる場合に、ステップAKS257にて終了判定値に達すると判定される。また、第2時短カウンタの計数値が0000[H]になる場合に、ステップAKS259にて終了判定値に達すると判定される。そのため、第1時短カウンタや第2時短カウンタの計数値が終了判定値に達する特定条件が成立したと判定される割合は、そのような特定条件が不成立であると判定される割合よりも、十分に低い割合となる。そこで、特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS251にて図柄停止時設定SZA1を行ってから、ステップAKS257において第1時短カウンタの計数値が終了判定値に達する場合や、ステップAKS259において第2時短カウンタの計数値が終了判定値に達する場合に、ステップAKS260では図柄停止時設定SZA2を上書き設定により設定し直す。これにより、図柄停止時設定SZA1の設定頻度が図柄停止時設定SZA2の設定頻度よりも高い場合に、テーブル設定などに用いる格納命令のプログラム容量を削減でき、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。また、図柄停止時設定SZA1の設定頻度が図柄停止時設定SZA2の設定頻度よりも高い場合に、分岐命令による処理を簡素化して、設計段階での確認が容易になり、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS252に対応して特図表示結果が「大当り」である場合(ステップAKS252;Yes)、ステップAKS253に対応して当り終了後演出指定値が00[H]である場合(ステップAKS253;Yes)、ステップAKS256に対応して特図表示結果が「小当り」である場合(ステップAKS256;Yes)、ステップAKS258に対応して始動口入賞指定値が「1」である場合(ステップAKS258;Yes)、あるいは、ステップAKS259に対応して第2時短カウンタの計数値が終了判定値に達しない場合(ステップAKS259;No)、ステップAKS251による図柄停止時設定SZA1にもとづいて、コマンドセット処理(ステップAKS261)と、データセット処理(ステップAKS262)と、を実行して特別図柄停止時間設定処理は終了する。ステップAKS255の後に、図柄停止時設定SZA3にもとづいて、コマンドセット処理(ステップAKS261)と、データセット処理(ステップAKS262)と、を実行して特別図柄停止時間設定処理は終了する。ステップAKS260の後に、図柄停止時設定SZA2にもとづいて、コマンドセット処理(ステップAKS261)と、データセット処理(ステップAKS262)と、を実行して特別図柄停止時間設定処理は終了する。
図9-20は、図柄停止時設定例AKE11を示している。特別図柄停止時間設定処理では、図柄停止時設定SZA1~SZA3のいずれかにもとづいて、ステップAKS261のコマンドセット処理を実行することにより、下位バイトとなるEXTデータが異なる演出図柄確定コマンドを送信可能に制御する。また、特別図柄停止時間設定処理では、図柄停止時設定SZA1~SZA3のいずれかにもとづいて、ステップAKS262のデータセット処理を実行することにより、異なるタイマ初期値を特別図柄プロセスタイマに対して設定可能に制御する。例えば、特別図柄プロセスタイマは、図柄停止時設定SZA1の場合にタイマ初期値として007D[H]が設定され、図柄停止時設定SZA2の場合にタイマ初期値として05DC[H]が設定され、図柄停止時設定SZA3の場合にタイマ初期値として4F7E[H]が設定される。これらのタイマ初期値が設定された特別図柄プロセスタイマは、その後に遊技制御用マイクロコンピュータ100のタイマ割込みが発生するごとに、特別図柄停止処理において計時値が「0」になるまで1減算更新される。
遊技制御用マイクロコンピュータ100のタイマ割込みは、例えば4ミリ秒の周期で発生する。これにより、図柄停止時設定SZA1の場合に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が実行された後の特別図柄を停止表示する図柄停止時間は、007D[H]×4=500ミリ秒に設定される。図柄停止時設定SZA1の図柄停止時間は、通常停止時間である。また、図柄停止時設定SZA2の場合に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が実行された後の特別図柄を停止表示する図柄停止時間は、05DC[H]×4=6000ミリ秒に設定される。図柄停止時設定SZA3の場合に、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が実行された後の特別図柄を停止表示する図柄停止時間は、4F7E[H]×4=81400ミリ秒に設定される。図柄停止時設定SZA3の図柄停止時間は、通常停止時間とは異なる特定停止時間となる。図柄停止時設定SZA3は、図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理のステップAKS254にて特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達した場合に、ステップAKS255により行われる設定である。特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達するときに、特図ゲームの実行回数にもとづく時短条件が成立して、遊技状態が通常状態から時短状態に移行する。このとき、図柄停止時設定SZA3に対応して、特図変動時間が経過した後の停止時間として通常停止時間とは異なる特定停止時間に設定する。
演出図柄確定コマンドの下位バイトは、図柄停止時設定SZA1の場合に00[H]が設定され、図柄停止時設定SZA2の場合に01[H]が設定され、図柄停止時設定SZA3の場合に02[H]が設定される。特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が実行される特図変動時間が経過したときに、ステップAKS261のコマンドセット処理により演出図柄確定コマンドが送信可能に制御され、その下位バイトに対応して、演出制御基板12の側において図柄停止時間を特定可能になる。例えば、図柄停止時設定SZA3に対応して、図柄停止時間が通常停止時間とは異なる特定停止時間となることを特定可能になる。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、下位バイトが02[H]の演出図柄確定コマンドを受信したことに対応した演出制御を実行することにより、特定停止時間にもとづいて、時短状態に制御される旨を報知する報知演出を実行可能にすればよい。
図9-21は、カウンタ減算処理として、図9-18のステップAKS125にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。カウンタ減算処理において、CPU103は、まず、特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップAKS271)。例えば、当りフラグに01[H]が設定されて大当り指定値を示す場合に、特図表示結果が「大当り」であると判定される。特図表示結果が「大当り」でない場合に(ステップAKS271;No)、特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達したか否かを判定する(ステップAKS272)。ステップAKS272では、既に特定回数カウンタの計数値が「0」であれば、その計数値が到達判定値に達したものではないと判定する。これに対し、特定回数カウンタの計数値が「0」以外であれば、その計数値を1減算更新した後に「0」となったか否かを判定する。更新後の計数値が「0」以外であれば、到達判定値に達しないと判定する。更新後の計数値が「0」であれば、到達判定値に達したと判定する。ステップAKS272では、ポインタとなるHLレジスタに特定回数カウンタのアドレスに対応する値が格納され、そのアドレスにおける記憶値を1減算更新することにより、特定回数カウンタの計数値そのものを更新可能である。このように、特定回数カウンタの計数値は、可変表示の実行にもとづいて、カウンタ減算処理により更新可能である。ステップAKS272に対応して特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達した場合に(ステップAKS272;Yes)、到達時ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS273)、データセット処理(ステップAKS274)を実行する。
ステップAKS272による判定は、特図表示結果が「大当り」である場合に行われない。ステップAKS272による判定は、未だ特定回数カウンタの計数値が「0」でない場合に、その計数値を1減算更新する処理を含んでいる。特定回数カウンタの計数値は、可変表示が実行されることにもとづいて、ステップAKS272により更新可能な数値情報となる。ステップAKS271では、実行された特図ゲームにおける特別図柄の可変表示にもとづいて、特図表示結果が「大当り」に対応する有利状態としての大当り遊技状態に制御するか否かの有利判定が行われる。特図表示結果が「大当り」であることに対応して、このような有利判定の判定結果が有利状態に制御する旨の判定である場合に、数値情報となる特定回数カウンタの計数値について更新を行わない。これに対し、有利判定の判定結果が有利状態に制御しない旨の判定である場合に、数値情報となる特定回数カウンタの計数値について更新を行うことにより到達判定値に達したと判定されたときは、数値情報が特定回数に対応する特定値となる。こうして、例えば特図ゲームの実行にもとづいて特定回数カウンタの計数値を1減算更新して「0」になるといった、数値情報が特定回数に対応する特定値となるときに、ステップAKS273、AKS274では、遊技状態を時短状態に制御することを含めたデータ設定の処理が行われる。
ステップAKS272において特定回数カウンタの計数値を1減算更新して「0」になるという、数値情報が特定回数に対応する特定値となる場合に、図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS254により特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達すると判定されたことにより、ステップAKS255の図柄停止時設定SZA3にもとづいて、ステップAKS261のコマンドセット処理が実行される。このとき、図9-20に示された図柄停止時設定SZA3に対応する演出図柄確定コマンドの送信により、演出制御基板12の側では、数値情報が特定回数に対応する特定値となった場合に、時短状態に制御される旨を特定することができる。また、数値情報が特定回数に対応した特定値となった場合に、時短状態に制御される旨は、背景色指定コマンドや第2特定回数指定コマンドの送信によっても特定可能である。
特図表示結果が「大当り」に対応する有利状態としての大当り遊技状態に制御される場合に、数値情報となる特定回数カウンタの計数値を更新してしまうと、大当り遊技状態に制御される特図ゲームであるにもかかわらず、数値情報の更新によって時短状態の開始に対応した演出が実行されてしまうおそれがある。これに対し、カウンタ減算処理では、ステップAKS271にて特図表示結果が「大当り」である場合に、ステップAKS272の判定を行わない。これにより、特図表示結果が「大当り」に対応する有利状態としての大当り遊技状態に制御される場合に、数値情報となる特定回数カウンタの計数値を更新しないので、時短状態の開始に対応した演出を適切に実行可能として遊技興趣を向上させ、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
その一方で、ステップAKS272による判定は、特図表示結果が「小当り」である場合に行うことができる。そして、数値情報となる特定回数カウンタの計数値について更新を行うことにより到達判定値に達したと判定されたときは、数値情報が特定回数に対応する特定値となる。このときに、ステップAKS273、AKS274では、遊技状態を時短状態に制御することを含めたデータ設定の処理が行われる。したがって、数値情報となる特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達する場合の特図ゲームにおいて、特図表示結果が「小当り」となる場合に、小当り遊技状態においてV入賞が発生しなければ、小当り遊技状態が終了した後に、遊技状態が時短状態に制御されることになる。あるいは、この小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合に、特図ゲームの終了にもとづいて時短状態に制御する設定が行われてから、大当り遊技状態に制御されることになるので、時短状態における大当りとして扱われる。
ステップAKS271に対応して特図表示結果が「大当り」である場合(ステップAKS271;Yes)、ステップAKS272に対応して特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達しない場合(ステップAKS272;No)、またはステップAKS274のデータセット処理を実行した後に、特定回数コマンドデータを特定回数コマンド上限値に設定する(ステップAKS275)。特定回数コマンドデータは、カウンタ減算処理において第2特定回数指定コマンドの下位バイトとなる第2制御データを作成するためのデータであり、例えばAレジスタといった、データ作成用の格納領域に格納される。特定回数コマンド上限値は、第2特定回数指定コマンドの下位バイトにより指定可能な特定回数コマンドデータの最大値であり、例えば7F[H]を示す。ステップAKS275では、例えばポインタとなるHLレジスタに格納された特定回数カウンタのアドレスから2バイトデータを読み出して、DEレジスタに格納した後に、Aレジスタに7F[H]を格納する。
ステップAKS275の次に、特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値であるか否かを判定する(ステップAKS276)。例えば、特定回数カウンタの計数値が007F[H]よりも大きい値である場合に、上限判定値よりも大きい値であると判定する。特定回数カウンタの計数値が上限判定値以下の値であり上限判定値よりも大きい値でない場合に(ステップAKS276;No)、特定回数コマンドデータとして特定回数カウンタの計数値における下位バイトを上書き設定により設定し直す(ステップAKS277)。例えば、DEレジスタに格納された特定回数カウンタの計数値のうち、Eレジスタに格納された下位バイトとなる値を、Aレジスタに上書きして格納することにより、特定回数コマンドデータが再設定される。特定回数カウンタの計数値は、電源投入時や大当り遊技状態の終了時に、特定回数初期値に対応したカウンタ初期値として02AD[H]が設定される。その後、特図ゲームが実行されて特図表示結果が「大当り」でない場合に、特定回数カウンタの計数値が1減算更新される。そして、特定回数カウンタの計数値が007F[H]になった以降に、ステップAKS276にて上限判定値よりも大きい値でないと判定される。そのため、特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値でないと判定される割合は、上限判定値よりも大きい値であると判定される割合よりも、十分に低い割合となる。そこで、カウンタ減算処理では、ステップAKS275にて特定回数コマンドデータを特定回数コマンド上限値に設定してから、ステップAKS276において特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値ではない場合に、ステップAKS277では特定回数カウンタの計数値における下位バイトを特定回数コマンドデータとして上書き設定により設定し直す。これにより、特定回数コマンドデータとして、特定回数コマンド上限値の設定頻度が特定回数カウンタの計数値における下位バイトの設定頻度よりも高い場合に、特定回数コマンドデータの設定などに用いる格納命令のプログラム容量を削減でき、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。また、特定回数コマンドデータとして、特定回数コマンド上限値の設定頻度が特定回数カウンタの計数値における下位バイトの設定頻度よりも高い場合に、分岐命令による処理を簡素化して、設計段階での確認が容易になり、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS276に対応して特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値である場合(ステップAKS276;Yes)、またはステップAKS277の後に、特定回数コマンドバッファに特定回数コマンドデータを格納する(ステップAKS278)。ステップAKS275により特定回数コマンドデータに設定された特定回数コマンド上限値は、ステップAKS276による判定に用いられる上限判定値に対応した7F[H]である。ステップAKS276による判定に用いられる上限判定値は、特定回数カウンタの計数値と比較される判定情報となる。特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値である場合には、ステップS275により設定された特定回数コマンド上限値の7F[H]が、ステップAKS278にて特定回数コマンドバッファに格納される。また、特定回数カウンタの計数値が上限判定値と等しい場合に、ステップAKS277では特定回数カウンタの計数値における下位バイトとして、特定回数コマンド上限値と同一の7F[H]が、特定回数コマンドデータに設定し直され、その後にステップAKS278にて特定回数コマンドバッファに格納される。このように、特定回数カウンタの計数値が上限判定値以上であるときに、判定情報となる上限判定値に等しい7F[H]を示すデータが、特定回数コマンドバッファに格納される。特定回数コマンドバッファの格納値は、図9-12(A)に示された特別図柄バッファシフト処理のステップAKS308にてコマンドセット処理を実行するときに読み出されて、第2特定回数指定コマンドにおける特定回数コマンドデータとして用いられる。したがって、ステップAKS278では、特定回数カウンタの計数値が上限判定値以上であるときに、第2特定回数指定コマンドの第2制御データとなる特定回数コマンドデータとして、判定情報となる上限判定値に対応する7F[H]を特定回数コマンドバッファに格納する。
ステップAKS277にて特定回数カウンタの計数値における下位バイトを特定回数コマンドデータとして設定した場合に、ステップAKS278では特定回数コマンドデータを特定回数コマンドバッファに格納することにより、特定回数カウンタの計数値における下位バイトと同一の値が、特定回数コマンドバッファに格納される。特定回数カウンタの計数値は、可変表示が実行されることにもとづいて、ステップAKS272により更新可能な数値情報となる。特定回数コマンドバッファの格納値は、図9-12(A)に示された特別図柄バッファシフト処理のステップAKS308にてコマンドセット処理を実行するときに読み出されて、第2特定回数指定コマンドにおける特定回数コマンドデータとして用いられる。したがって、ステップAKS278では、特定回数カウンタの計数値が上限判定値未満であるときに、第2特定回数指定コマンドの第2制御データとなる特定回数コマンドデータとして、数値情報となる特定回数カウンタの計数値における下位バイトと同一の値を特定回数コマンドバッファに格納する。これにより、可変表示の実行に対応して送信される第2特定回数指定コマンドについて、データ容量の増大を防止して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
こうして、特定回数コマンドバッファの格納値は、特定回数カウンタの計数値が007F[H]以上に対応して、特定回数までの残り回数が「127」以上である場合に7F[H]となる。また、特定回数コマンドバッファの格納値は、特定回数カウンタの計数値が007F[H]未満に対応して、特定回数までの残り回数が「127」未満である場合に当該残り回数を示す値となる。ただし、特定回数コマンドバッファは、1バイトデータを格納可能であり、特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値でない場合に、特定回数カウンタの計数値における下位バイトを示す特定回数コマンドデータが格納される。第2特定回数指定コマンドは、第1制御データであるコマンド種別データと、特定回数コマンドバッファの格納値に対応して設定される第2制御データである特定回数コマンドデータと、を組み合わせた1セットのコマンドデータにより、2バイト構成の演出制御コマンドとなる。そして、特定回数カウンタの計数値を更新するカウンタ減算処理において、第2特定回数指定コマンドの第2制御データである特定回数コマンドデータを作成する。このように、可変表示の実行に対応して送信される第2特定回数指定コマンドは、2バイト構成とすることができるので、データ容量の増大を防止して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-10(A)に示された特別図柄通常処理のステップAKS111、AKS112や、図9-12(A)に示されたステップAKS305、AKS306では、特定回数コマンドバッファの格納値を用いて、第2特定回数指定コマンドを送信可能に制御する。これらの場合に、特定回数コマンドバッファの格納値を読み出して、第2特定回数指定コマンドにおける特定回数コマンドデータとして設定可能である。特定回数コマンドバッファの格納値は、特定回数カウンタの計数値とは別個の格納領域に格納され、特定回数カウンタの計数値にもとづいて更新可能であるとともに、そのまま第2特定回数指定コマンドにおける特定回数コマンドデータとして使用可能である。そのため、第2特定回数指定コマンドを送信するときには、特定回数カウンタの計数値に関する判定などが不要になるので、第2特定回数指定コマンドを送信するときの処理負担を軽減して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。特に、特定回数カウンタの計数値が上限判定値以上である場合に、特定回数コマンドバッファの格納値は7F[H]になる。そのため、第2特定回数指定コマンドを送信するときには、ステップAKS276のように特定回数カウンタの計数値が上限判定値よりも大きい値であるか否かを判定したとしても、大きい値であると判定される期間が、大きい値でないと判定される期間よりも長くなりやすい。このような判定の処理負担を増やしてまで、第2特定回数指定コマンドを送信するときに特定回数コマンドデータを作成する実益は小さい。そこで、カウンタ減算処理において特定回数コマンドデータを作成し、特定回数コマンドバッファに格納しておくことにより、第2特定回数指定コマンドを送信するときの処理負担を軽減して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS278の後に、第1時短カウンタを指定し(ステップAKS279)、時短減算処理(ステップAKS280)を実行する。ステップAKS279では、例えば第1時短カウンタのアドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納する。続いて、始動口入賞指定値が「1」であるか否かを判定する(ステップAKS281)。このとき、始動口入賞指定値が「2」であり「1」でない場合に(ステップAKS281;No)、第2時短カウンタを指定し(ステップAKS282)、時短減算処理(ステップAKS283)を実行する。次に、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップAKS284)。そして、特図表示結果が「小当り」である場合に(ステップAKS284;Yes)、第3時短カウンタを指定し(ステップAKS285)、時短減算処理(ステップAKS286)を実行する。
ステップAKS281に対応して始動口入賞指定値が「1」である場合(ステップAKS281;Yes)、ステップAKS284に対応して特図表示結果が「小当り」でない場合(ステップAKS284;No)、またはステップAKS286の時短減算処理を実行した後に、第1当り終了後変動カウンタを指定する(ステップAKS287)。第1当り終了後変動カウンタは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられている。第1当り終了後変動カウンタは、大当り遊技状態が終了するときに、時短状態において実行可能な特図ゲームに対応したカウンタ初期値が設定される。ステップAKS287では、例えば第1当り終了後変動カウンタのアドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納する。続いて、第1当り終了後演出選択テーブルを指定する(ステップAKS288)。そして、遊技状態指定コードが00[H]であるか否かを判定する(ステップAKS289)。遊技状態指定コードは、遊技状態が時短状態であるか否かを示す1バイトデータであり、時短状態でないときに00[H]が設定され、時短状態であるときに01[H]が設定される。なお、ステップAKS289では、例えば時短チェック処理を実行して時短機能フラグの値を読み出し、その値が時短作動指定値である01[H]である場合に、遊技状態指定コードが00[H]でない場合と同様の判定が行われてもよい。
ステップAKS289に対応して遊技状態指定コードが00[H]である場合に(ステップAKS289;Yes)、第2当り終了後変動カウンタを指定する(ステップAKS290)。第2当り終了後変動カウンタは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられている。第2当り終了後変動カウンタは、大当り遊技状態が終了するときに、時短状態の終了後に実行可能な特別回数の特図ゲームに対応したカウンタ初期値が設定される。ステップAKS290では、例えば第2当り終了後変動カウンタのアドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納する。続いて、第2当り終了後演出選択テーブルを指定する(ステップAKS291)。その後、ステップAKS287またはステップAKS290により指定した当り終了後変動カウンタの計数値が「0」に対応する00[H]であるか否かを判定する(ステップAKS292)。このとき、当り終了後変動カウンタの計数値が00[H]であれば(ステップAKS292;Yes)、カウンタ減算処理は終了する。
ステップAKS292に対応して当り終了後変動カウンタの計数値が00[H]以外である場合に(ステップAKS292;No)、時短制御中であるか否かを判定する(ステップAKS293)。ステップAKS293では、例えば時短チェック処理を実行して、時短機能フラグが01[H]に設定されて時短作動指定値である場合に、時短制御中であると判定する。なお、ステップAKS293では、例えば遊技状態指定コードが01[H]であり00[H]でない場合に、時短制御中であると判定してもよい。そして、時短制御中である場合に(ステップAKS293;Yes)、始動口入賞指定値が「1」であるか否かを判定する(ステップAKS294)。このとき、始動口入賞指定値が「1」であれば(ステップAKS294;Yes)、カウンタ減算処理は終了する。
ステップAKS293に対応して時短制御中でない場合(ステップAKS293;No)、またはステップAKS294に対応して始動口入賞指定値が「2」であり「1」でない場合に(ステップAKS294;No)、当り終了後変動カウンタ減算処理(ステップAKS295)を実行し、カウンタ減算処理を終了する。ステップAKS295の当り終了後変動カウンタ減算処理は、ステップAKS287またはステップAKS290により指定した当り終了後変動カウンタの計数値を、1減算更新する処理を含んでいる。その後、当り終了後演出指定値を当り終了後演出指定バッファから読み出す。そして、ステップAKS288またはステップAKS291により指定した当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値に対応する演出設定テーブルを選択する。演出設定テーブルは、カウンタ判定値と、特別図柄状態指定コードと、演出状態選択指定値と、を示すテーブルデータを含んでいる。ステップAKS295の当り終了後変動カウンタ減算処理では、当り終了後変動カウンタの計数値と、演出設定テーブルに示されるカウンタ判定値とを比較し、両者が合致した場合に、そのカウンタ判定値と対応付けられた特別図柄状態指定コードおよび演出状態選択指定値が設定される。特別図柄状態指定コードは、特別図柄の状態表示を示す値であり、00[H]~03[H]のいずれかに設定される。演出状態選択指定値は、演出状態選択バッファに格納され、図9-15に示された変動パターン設定処理における変動パターンの決定に用いられる。
カウンタ減算処理では、ステップAKS272の判定が行われるときに、特定回数カウンタの計数値を更新可能であり、ステップAKS275~AKS277により特定回数コマンドデータが作成される。このとき作成された特定回数コマンドデータは、ステップAKS278により特定回数コマンドバッファに格納され、図9-10(A)に示された特別図柄通常処理のステップAKS111、AKS112や、図9-12(A)に示されたステップAKS305、AKS306において、特定回数コマンドバッファの格納値を用いた第2特定回数指定コマンドの送信が可能になる。第2特定回数指定コマンドは、特図ゲームの開始に対応して送信されるので、特定回数カウンタの計数値も、特図ゲームの開始に対応して更新することが考えられる。しかしながら、特図ゲームの開始時には、特別図柄大当り判定、特別図柄小当り判定、特別図柄情報設定、変動パターン種別の選択や変動パターンの決定など、多くの判定や設定、選択や決定が必要になり、処理負担が増大しやすい。そこで、特定回数カウンタの計数値は、特図ゲームにおける表示結果が停止表示されるときに、特別図柄変動処理に含まれるカウンタ減算処理にて更新可能に制御する。これにより、特図ゲームの開始時における処理負担の増大を防止して、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。また、時短カウンタや当り終了後変動カウンタなど他のカウンタとともに、カウンタ減算処理により特定回数カウンタの計数値を更新可能に制御することで、設計負担の増大を防止して、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
カウンタ減算処理では、ステップAKS272の判定が行われるときに、特定回数カウンタの計数値を更新可能であり、ステップAKS280、AKS283、AKS285の時短減算処理が実行されるときに、時短カウンタの計数値を更新可能である。これに対し、図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理では、特定回数カウンタや時短カウンタの計数値そのものを更新しない。これにより、図柄停止時間を設定する処理と、各種カウンタの計数値を更新する処理と、を明確に分離して、パチンコ遊技機1の設計が容易になることで、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。なお、特別図柄停止時間設定処理などの図柄停止時間を設定する処理において、特定回数カウンタや時短カウンタの計数値そのものを更新してもよいし、カウンタ減算処理といった各種カウンタの計数値を更新する処理において、図柄停止時間の設定を行うようにしてもよい。
図9-22は、到達時データ設定例AKE21を示している。図9-21に示されたカウンタ減算処理では、ステップAKS273により到達時ワーク設定テーブルを指定した後に、ステップAKS274のデータセット処理を実行することにより、特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達した場合のデータ設定を行う。このデータ設定は、到達時データ設定例AKE21のような各種設定を含んでいる。到達時データ設定例AKE21では、遊技状態指定コードを01[H]に設定し、特別図柄状態指定コードを02[H]に設定し、演出状態選択指定値を0C[H]に設定し、時短機能フラグを01[H]に設定し、第1時短カウンタのカウンタ初期値として02AD[H]を設定し、第2時短カウンタのカウンタ初期値として0000[H]を設定し、第3時短カウンタのカウンタ初期値として0001[H]を設定し、特定回数到達指定値として01[H]に設定し、特定回数コマンドバッファをクリアして格納値を00[H]に初期化する。ここで、時短機能フラグを01[H]に設定することにより、遊技状態は通常状態から時短状態に制御される。また、第1時短カウンタのカウンタ初期値として02AD[H]を設定することにより、時短状態の終了条件として、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数が「625」に達することが設定される。第2時短カウンタのカウンタ初期値は0000[H]に設定されるので、時短状態の終了条件が第2特図ゲームの回数だけにもとづいて成立することはない。第3時短カウンタのカウンタ初期値として0001[H]を設定することにより、時短状態の終了条件として、特図表示結果が「小当り」となる特図ゲームの回数が「1」となることが設定される。特定回数指定値として01[H]を設定することにより、特図ゲームの実行回数が特定回数に達したことにもとづく時短状態であることを特定可能になる。特定回数指定値は、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられた特定回数到達フラグにセットされる。
図9-23は、時短減算処理の一例を示すフローチャートである。図9-21に示されたカウンタ減算処理では、ステップAKS280、AKS283、AKS286において時短減算処理を実行可能である。時短減算処理では、カウンタ減算処理により指定された時短カウンタの計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS321)。例えばステップAKS280の時短減算処理では、ステップAKS279により指定された第1時短カウンタの計数値が「0」に対応した0000[H]であるか否かを判定する。ステップAKS283の時短減算処理では、ステップAKS282により指定された第2時短カウンタの計数値が「0」に対応した0000[H]であるか否かを判定する。ステップAKS286の時短減算処理では、ステップAKS285により指定された第3時短カウンタの計数値が「0」に対応した0000[H]であるか否かを判定する。そして、時短カウンタの計数値が「0」である場合に(ステップAKS321;Yes)、時短減算処理は終了する。
ステップAKS321に対応して時短カウンタの計数値が「0」でない場合に(ステップAKS321;No)、指定された時短カウンタの計数値を1減算更新し(ステップAKS322)、その後に時短カウンタの計数値が「0」になったか否かを判定する(ステップAKS323)。ここで、時短カウンタの計数値が「0」でない場合に(ステップAKS323;No)、時短減算処理は終了する。これに対し、ステップAKS323に対応して時短カウンタの計数値が「0」になった場合に(ステップAKS323;Yes)、第1時短終了時ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS324)、データセット処理(ステップAKS325)を実行する。
ステップAKS325のデータセット処理に続いて、特定回数到達フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS326)。例えば、特定回数指定フラグに01[H]が設定されて特定回数到達指定値を示す場合に、特定回数到達フラグがオンと判定すればよい。特定回数到達フラグがオフである場合に(ステップAKS326;No)、時短減算処理は終了する。これに対し、特定回数到達フラグがオンである場合に(ステップAKS326;Yes)、第2時短終了時ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS327)、データセット処理(ステップAKS328)を実行してから、時短減算処理は終了する。
図9-24は、時短減算処理における設定クリア対象を示している。このうち、図9-24(A)は、時短減算処理のステップAKS324、AKS325による第1時短終了時クリア対象AKE31である。図9-24(B)は、時短減算処理のステップAKS327、AKS328による第2時短終了時クリア対象AKE32である。図9-23に示された時短減算処理において、ステップAKS324により第1時短終了時ワーク設定テーブルを指定した後に実行されるステップAKS325のデータセット処理は、時短カウンタの計数値が「0」に達した場合のデータクリア処理を含んでいる。このデータクリア処理により、第1時短終了時クリア対象AKE31に含まれる各種データがクリアされ、それぞれが「0」に対応する値に初期化される。また、図9-23に示された時短減算処理において、ステップAKS327により第2時短終了時ワーク設定テーブルを指定した後に実行されるステップAKS328のデータセット処理は、ステップAKS325のデータセット処理に追加して実行され、特定回数到達フラグがオンである場合のデータクリア処理を含んでいる。このデータクリア処理により、第2時短終了時クリア対象AKE32に含まれる各種データがクリアされ、それぞれが「0」に対応する値に初期化される。
第1時短終了時クリア対象AKE31は、時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタ、遊技状態指定コード、第1当り終了後変動カウンタ、を含んでいる。ステップAKS325のデータセット処理では、これらの格納領域がクリアされ、それぞれの格納値などが「0」に対応する値に初期化される。第2時短終了時クリア対象AKE32は、特別図柄状態指定コード、演出状態選択指定値、を含んでいる。ステップAKS328のデータセット処理では、これらの格納領域がクリアされ、それぞれの格納値などが「0」に対応する値に初期化される。ステップAKS328のデータセット処理は、特定回数到達フラグがオンである場合に対応して、ステップAKS325のデータセット処理に追加して実行される。第2時短終了時クリア対象AKE32は、演出状態選択指定値を含むので、例えば演出状態選択バッファがクリアされ、その格納値が「0」に対応した00[H]に初期化される。演出状態選択指定値が00[H]である場合は、電源投入時にステップS7のRWM初期設定処理が実行された場合と、同一の値になっている。したがって、特図ゲームの実行回数が特定回数に達したことにもとづく時短状態が終了した場合に、演出状態選択指定値は、電源投入後の初期設定と共通の設定となり、変動パターン設定処理における変動パターンの決定も、電源投入後の初期設定と共通の選択用データを用いて決定される。
図9-21に示されたカウンタ減算処理では、ステップAKS279にて第1時短カウンタを指定し、ステップAKS280の時短減算処理を実行する。ステップAKS280の時短減算処理では、ステップAKS321にて第1時短カウンタの計数値が「0」でない場合に、ステップAKS322にて第1時短カウンタの計数値を1減算更新し、ステップAKS323にて更新後の計数値が「0」であれば、ステップAKS324の指定にもとづくステップAKS325のデータセット処理が実行される。これにより、第1時短終了時クリア対象AKE31に含まれる時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタなどがクリアされることで、時短状態を終了させる。図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS279、AKS280は、始動口入賞判定値が「1」の場合にも「2」の場合にも実行可能である。したがって、第1時短カウンタは、時短状態において実行可能な第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数を、残り回数のカウントダウンにより計数可能である。また、ステップAKS280の時短減算処理において、ステップAKS323による判定は、時短状態中における第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数が第1回数になった第1条件が成立したか否かを判定する第1時短終了判定処理となる。
図9-21に示されたカウンタ減算処理では、ステップAKS282にて第2時短カウンタを指定し、ステップAKS283の時短減算処理を実行する。ステップAKS283の時短減算処理では、ステップAKS321にて第2時短カウンタの計数値が「0」でない場合に、ステップAKS322にて第2時短カウンタの計数値を1減算更新し、ステップAKS323にて更新後の計数値が「0」であれば、ステップAKS324の指定にもとづくステップAKS325のデータセット処理が実行される。これにより、第1時短終了時クリア対象AKE31に含まれる時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタなどがクリアされることで、時短状態を終了させる。図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS282、AKS283は、ステップAKS281にて始動口入賞指定値が「2」である場合に実行可能であり、始動口入賞指定値が「1」の場合には実行されない。したがって、第2時短カウンタは、時短状態において実行可能な第2特図ゲームの回数を、残り回数のカウントダウンにより計数可能である。また、ステップAKS283の時短減算処理において、ステップAKS323による判定は、時短状態中における第2特図ゲームの回数が第2回数になった第2条件が成立したか否かを判定する第2時短終了判定処理となる。カウンタ減算処理において、ステップAKS281による判定は、始動口入賞指定値が「2」に対応して、第2特図ゲームにおける第2特図の可変表示が実行されたか否かを判定する可変表示判定処理となる。
図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS279、AKS280よりも後に、ステップAKS281~AKS283が実行される。図9-23に示された時短減算処理では、ステップAKS323にて時短カウンタの計数値が「0」である場合に、ステップAKS324により指定した第1時短終了時ワーク設定テーブルにもとづいてステップAKS325のデータセット処理を実行することで、第1条件と第2条件とのいずれが成立した場合でも、時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタなどをクリアする。そのため、ステップAKS280の時短減算処理において、第1条件が成立して時短状態を終了させる設定が行われた後、ステップAKS283の時短減算処理では、既に第2時短カウンタがクリアされて「0」に対応する値に初期化されているから、ステップAKS321にて時短カウンタの計数値が「0」と判定され、ステップAKS323の判定は行われずに、ステップAKS283の時短減算処理が終了する。このように、第1条件が成立するか否かの第1時短終了判定処理が実行され、第1条件が成立すると判定された場合に、第2時短終了判定処理による第2条件が成立するか否かの判定を行わない。その一方で、ステップAKS280の時短減算処理が実行された後に、ステップAKS281による判定が行われるので、第2時短終了判定処理が実行されないときでも、可変表示判定処理は実行される。なお、第1時短終了判定処理により第1条件が成立すると判定された場合に、第2時短終了判定処理による第2条件が成立するか否かの判定だけでなく、可変表示判定処理による第2特図の可変表示が実行されたか否かの判定も、行わないようにしてもよい。
時短状態を終了するための第1条件は、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数により成立可能なので、特図ゲームが実行されるごとに第1時短カウンタが減算更新され、成立の有無が判定される。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの実行回数は、多くの組合せがあり得るので、遊技の経過にかかわらず成立しやすくなる。これに対し、時短状態を終了するための第2条件は、第2特図ゲームが実行されたか否かを判定する可変表示判定処理が付随する。そこで、第1時短終了判定処理による第1条件の判定を先に行い、第1条件が成立すると判定された場合に、第2時短終了判定処理による第2条件の判定を行わないようにすることで、時短状態の制御に関する処理負担を軽減して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS279、AKS280よりも後に、ステップAKS281~AKS283が実行される。図9-23に示された時短減算処理では、ステップAKS323にて時短カウンタの計数値が「0」である場合に、ステップAKS324により指定した第1時短終了時ワーク設定テーブルにもとづいてステップAKS325のデータセット処理を実行することで、第1条件と第2条件とのいずれが成立した場合でも、時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタなどをクリアする。そのため、ステップAKS280の時短減算処理において、第1時短カウンタの計数値を更新する計数値更新処理を行い、第1条件が成立して時短状態を終了させる設定が行われた後、ステップAKS283の時短減算処理では、既に第2時短カウンタがクリアされて「0」に対応する値に初期化されているから、ステップAKS321にて時短カウンタの計数値が「0」と判定され、時短カウンタの計数値を1減算更新するステップAKS322には進まずに、ステップAKS283の時短減算処理が終了する。このように、第1時短カウンタの計数値を更新する計数値更新処理を行い、第1条件が成立する場合に、時短状態の終了に関する処理を行い、第2時短カウンタの計数値を更新する計数値更新処理を行わない。
時短状態を終了するための第1条件は、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数により成立可能なので、特図ゲームが実行されるごとに第1時短カウンタが減算更新され、成立の有無が判定される。また、第1特図ゲームと第2特図ゲームとの実行回数は、多くの組合せがあり得るので、遊技の経過にかかわらず成立しやすくなる。そこで、第1時短カウンタの計数値を更新する計数値更新処理を先に行い、第1条件が成立すると判定された場合に、第2時短カウンタの計数値を更新する計数値更新処理を行わないようにすることで、時短状態の制御に関する処理負担を軽減して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-23に示された時短減算処理では、ステップAKS323にて時短カウンタの計数値が「0」である場合に、ステップAKS324により指定した第1時短終了時ワーク設定テーブルにもとづいてステップAKS325のデータセット処理を実行することで、第1条件と第2条件とのいずれが成立した場合でも、時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタなどをクリアする。図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS280の時短減算処理は、第1時短カウンタの計数値を1減算更新する計数値減算処理を含む。この計数値減算処理により、更新後の計数値が「0」である場合に、第1条件の成立に対応して、時短状態の終了に関する処理として、図9-23に示された時短減算処理におけるステップAKS324の指定にもとづくステップAKS325のデータセット処理が実行される。また、図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS283の時短減算処理は、第2時短カウンタの計数値を1減算更新する計数値減算処理を含む。この計数値減算処理により、更新後の計数値が「0」である場合に、第2条件の成立に対応して、時短状態の終了に関する処理として、図9-23に示された時短減算処理におけるステップAKS324の指定にもとづくステップAKS325のデータセット処理が実行される。したがって、第1条件が成立する場合と、第2条件が成立する場合とは、いずれの場合においても、時短状態の終了に関する処理において、第1時短カウンタおよび第2時短カウンタの計数値が初期化される。これにより、時短状態を終了する第1条件または第2条件のうち、一方の条件が成立した場合に、他方の条件に対応する時短カウンタの計数値が残存することで発生するおそれのある不具合を防止して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-25は、当り終了後演出設定例AKE41を示している。図9-21に示されたカウンタ減算処理では、ステップAKS295の当り終了後変動カウンタ減算処理において、ステップAKS288またはステップAKS291により指定した当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値に対応する演出設定テーブルを選択する。例えばステップAKS288の後にステップAKS291を実行しない場合に、ステップAKS288により指定した第1当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値に対応して、演出設定テーブルAKT31~AKT34のいずれかを選択する。これに対し、ステップAKS288の後にステップAKS291を実行した場合に、ステップAKS291により指定した第2当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値に対応して、演出設定テーブルAKT41、AKT42のいずれかを選択する。
こうした当り終了後演出設定例AKE41において、第1当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値が03[H]の場合に、演出設定テーブルAKT31が選択される。また、第1当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値が05[H]の場合に、演出設定テーブルAKT32が選択される。第1当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値が08[H]の場合に、演出設定テーブルAKT33が選択される。第1当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値が09[H]の場合に、演出設定テーブルAKT34が選択される。また、当り終了後演出設定例AKE41において、第2当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値が01[H]の場合に、演出設定テーブルAKT41が選択される。図9-25の当り終了後演出設定例AKE41において、第2当り終了後演出選択テーブルを参照し、当り終了後演出指定値が03[H]、05[H]、08[H]、09[H]のいずれかである場合に、演出設定テーブルAKT42が選択される。
図9-26は、演出設定テーブルの構成例を示している。このうち、図9-26(A1)は演出設定テーブルAKT31を示し、図9-26(A2)は演出設定テーブルAKT32を示し、図9-26(A3)は演出設定テーブルAKT33を示し、図9-26(A4)は演出設定テーブルAKT34を示している。また、図9-26(B1)は演出設定テーブルAKT41を示し、図9-26(B2)は演出設定テーブルAKT42を示している。いずれの演出設定テーブルも、カウンタ判定値に対応付けて、特別図柄状態指定コードと、演出状態選択指定値と、を設定するためのテーブルデータを含んでいる。
例えば、図9-26(A1)に示す演出設定テーブルAKT31は、カウンタ判定値が05[H]に対応して、特別図柄状態指定コードを02[H]に設定し、演出状態選択指定値を05[H]に設定するためのテーブルデータと、カウンタ判定値が02[H]に対応して、特別図柄状態指定コードを02[H]に設定し、演出状態選択指定値を06[H]に設定するためのテーブルデータと、カウンタ判定値が00[H]に対応して、特別図柄状態指定コードを02[H]に設定し、演出状態選択指定値を07[H]に設定するためのテーブルデータと、を含んでいる。図9-21に示されたカウンタ減算処理では、ステップAKS287により指定した第1当り終了後変動カウンタの計数値を、ステップAKS295の当り終了後変動カウンタ減算処理において1減算更新した後に、更新後の計数値と、選択された演出設定テーブルAKT31が示すカウンタ判定値のうち、例えば05[H]とが合致した場合に、そのカウンタ判定値に対応して、特別図柄状態指定コードを02[H]に設定し、演出状態選択指定値を05[H]に設定する。ステップAKS290により第2当り終了後変動カウンタを指定した場合や、ステップAKS295の当り終了後変動カウンタ減算処理において他の演出設定テーブルを設定した場合、他のカウンタ判定値と合致した場合にも同様に、合致したカウンタ判定値に対応して、特別図柄状態指定コードの設定と、演出状態選択指定値の設定と、が行われる。これにより、大当り遊技状態が終了した後の時短状態である期間や、その時短状態が終了した後に特図ゲームの実行回数が特別回数に達するまでの期間において、演出状態選択指定値の設定に対応して、異なる変動パターンを選択して決定可能になる。
図9-27は、特別図柄停止処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS141)。ここでの特別図柄プロセスタイマは、図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理において、図柄停止時設定SZA1~SZA3のいずれかに対応したタイマ初期値が設定されたものである。特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」以外である場合に(ステップAKS141;No)、特別図柄プロセスタイマの計時値を1減算更新して(ステップAKS142)、特別図柄変動処理は終了する。これにより、図柄停止時設定SZA1~SZA3のいずれかに対応した図柄停止時間が経過するまで待機する。
ステップAKS141に対応して特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」である場合に(ステップAKS141;Yes)、特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップAKS143)。特図表示結果が「大当り」である場合に(ステップAKS143;Yes)、大当り開始設定処理(ステップAKS144)を実行してから、特別図柄停止処理は終了する。
ステップAKS143に対応して特図表示結果が「大当り」でない場合に(ステップAKS143;No)、特図表示結果が「小当り」であるか否かを判定する(ステップAKS145)。特図表示結果が「小当り」である場合に(ステップAKS145;Yes)、小当り図柄指定値を読み出し(ステップAKS146)、小当り開始コマンド送信テーブルを指定するとともに(ステップAKS147)、小当り開始前ワーク設定テーブルを指定した後に(ステップAKS148)、コマンドセット処理(ステップAKS149)と、データセット処理(ステップAKS150)と、を実行してから、特別図柄停止処理は終了する。
ステップAKS145に対応して特図表示結果が「小当り」でない場合に(ステップAKS145;No)、ハズレ停止後ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS151)、データセット処理(ステップAKS152)を実行してから、特別図柄停止処理は終了する。
図9-28は、特別図柄停止処理におけるデータ設定例および設定クリア対象を示している。このうち、図9-28(A)は、特図表示結果が「小当り」である場合に対応して、特別図柄停止処理のステップAKS148、AKS150による小当り開始前データ設定例AKE51である。図9-28(B)は、特図表示結果が「ハズレ」である場合に対応して、特別図柄停止処理のステップAKS151、AKS152によるハズレ停止後設定クリア対象AKE52である。図9-27に示された特別図柄停止処理において、ステップAKS148による小当り開始前ワーク設定テーブルを指定した後に実行されるステップAKS150のデータセット処理は、特図表示結果が「小当り」の特図ゲームを実行して表示結果となる確定特別図柄を停止表示した場合のデータ設定を行う。このデータ設定は、小当り開始前データ設定例AKE51のような各種設定を含んでいる。また、図9-27に示された特別図柄停止処理において、ステップAKS151によるハズレ停止後ワーク設定テーブルを指定した後に実行されるステップAKS152のデータセット処理は、特図表示結果が「ハズレ」の特図ゲームを実行して表示結果となる確定特別図柄を停止表示した場合のデータクリア処理を含んでいる。このデータクリア処理により、ハズレ停止後設定クリア対象AKE52に含まれる各種データがクリアされ、それぞれが「0」に対応する値に初期化される。
小当り開始前データ設定例AKE51では、特別図柄プロセスコードを03[H]に設定し、大当り発生経緯バッファの格納値を01[H]に設定し、役物ソレノイド制御コードを01[H]に設定し、当りフラグをクリアして格納値を00[H]に初期化し、不正入賞報知無効タイマをクリアして格納値を0000[H]に初期化する。ここで、特別図柄プロセスコードを03[H]に設定することにより、次回のタイマ割込み発生に対応して、特別図柄プロセス処理において小当り開放前処理を選択して実行可能になる。また、大当り発生経緯バッファの格納値を01[H]に設定することにより、小当り経由大当りであることを特定可能に記憶する。役物ソレノイド制御コードを01[H]に設定することにより、小当り遊技状態において、例えば特定領域ソレノイド83などの役物ソレノイドを、所定の駆動制御パターンに従い駆動可能に制御する。なお、特別図柄プロセスタイマに、小当り開放前待機時間に対応するタイマ初期値を設定してもよい。不正入賞報知無効タイマは、小当り終了処理において、不正入賞の検出を無効にする時間に対応するタイマ値が格納される。
ハズレ停止後設定クリア対象AKE52は、特別図柄プロセスコード、デモ表示フラグ、始動口入賞指定値、を含んでいる。ステップAKS152のデータセット処理では、これらの格納領域がクリアされ、それぞれの格納値などが「0」に対応する値に初期化される。ハズレ停止後設定クリア対象AKE52は、特別図柄プロセスコードを含むので、これがクリアされて00[H]に初期化されることにより、次回のタイマ割込み発生に対応して、特別図柄プロセス処理において特別図柄通常処理を選択して実行可能になる。また、デモ表示フラグをクリアすることにより、合計保留記憶数が「0」である場合に、第2特定回数指定コマンドを含む待機時コマンドを送信可能に制御する。さらに、特図ゲームの終了に対応して、第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかを特定可能な始動口入賞指定値がクリアされて「0」に対応する00[H]に初期化される。
図9-29(A)は、大当り開始設定処理として、図9-27のステップAKS144などにて実行可能な処理の一例を示すフローチャートである。大当り開始設定処理では、ファンファーレ演出初期値となるタイマ初期値を、特別図柄プロセスタイマに設定する(ステップAKS401)。ファンファーレ演出初期値は、特別図柄プロセス処理により選択される大入賞口開放前処理において、ファンファーレ演出の実行にあわせて待機するためのファンファーレ演出待機時間に対応したタイマ初期値である。大入賞口開放前処理では、ファンファーレ演出初期値が設定された特別図柄プロセスタイマのタイマ値が「0」になるまで、タイマ割込みの発生ごとに1減算更新することにより、ファンファーレ演出待機時間が経過するまで待機する。
ステップAKS401に続いて、ファンファーレコマンド送信テーブルを指定するとともに(ステップAKS402)、大入賞口初回開放前ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS403)、コマンドセット処理(ステップAKS404)と、データセット処理(ステップAKS405)と、を実行してから、大当り開始設定処理は終了する。
図9-29(B)は、大入賞口初回開放前設定クリア対象AKE53を示している。大当り開始設定処理において、ステップAKS403により大入賞口初回開放前ワーク設定テーブルを指定した後に実行されるステップAKS405のデータセット処理は、大当り遊技状態に制御する場合のデータクリア処理を含んでいる。このデータクリア処理により、大入賞口初回開放前設定クリア対象AKE53に含まれる各種データがクリアされ、それぞれが「0」に対応する値に初期化される。大入賞口初回開放前設定クリア対象AKE53は、当りフラグ、時短機能フラグ、第1時短カウンタ、第2時短カウンタ、第3時短カウンタ、第1当り終了後変動回数カウンタ、第2当り終了後変動回数カウンタ、特定領域通過フラグ、当り終了後演出指定バッファ、特定回数カウンタ、特定回数到達フラグ、を含んでいる。このうち、時短機能フラグと、第1時短カウンタと、第2時短カウンタと、第3時短カウンタと、がクリアされることにより、遊技状態を時短状態とするための制御が終了する。また、特定回数カウンタと、特定回数到達フラグと、がクリアされることにより、特図ゲームの実行回数にもとづいて時短状態に移行するための制御が終了する。
図9-30(A)は、小当り終了処理の一例を示すフローチャートである。小当り終了処理において、CPU103は、まず、特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS161)。ここでの特別図柄プロセスタイマは、特別図柄プロセス処理により選択される小当り排出球待機処理において、小当り終了時間に対応したタイマ初期値が設定されたものである。特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」以外である場合に(ステップAKS161;No)、特別図柄プロセスタイマの計時値を1減算更新して(ステップAKS162)、処理を終了する。
ステップAKS161に対応して特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」である場合に(ステップAKS161;Yes)、特定領域通過フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS163)。特定領域通過フラグは、RAM102の遊技ワーク領域における所定アドレスに設けられる。特定領域通過フラグは、特定領域通過なし指定値となる00[H]が設定された場合にオフ状態であり、小当り遊技状態においてV入賞領域51を通過した遊技球が検出された場合に、特定領域通過あり指定値となる01[H]が設定されることにより、オン状態となる。特定領域通過フラグがオンである場合に(ステップAKS163;Yes)、大当り開始設定処理(ステップAKS164)を実行してから、小当り終了処理は終了する。ステップAKS164にて実行される大当り開始設定処理は、図9-27に示された特別図柄停止処理のステップAKS144と共通の処理であればよい。このように、特図表示結果が「大当り」である場合と共通の大当り開始設定処理を、小当り遊技状態においてV入賞が発生した場合にも実行可能なので、プログラム容量の増大を防止して、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS163に対応して特定領域通過フラグがオフである場合に(ステップAKS163;No)、小当り終了後ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS165)、データセット処理(ステップAKS166)を実行してから、処理を終了する。小当り終了後ワーク設定テーブルは、特別図柄プロセスコード、デモ表示フラグ、変動コマンド指定バッファ、小当り図柄判定バッファ、大入賞口入賞個数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大当り発生経緯バッファ、大当り図柄判定バッファ、バッファ番号「0」の始動口入賞バッファ、役物遊技中入賞個数カウンタを、クリアするためのテーブルデータを含んでいればよい。
図9-30(B)は、小当り終了後設定クリア対象AKE54を示している。小当り終了処理において、ステップAKS165により小当り終了後ワーク設定テーブルを指定した後に実行されるステップAKS166のデータセット処理は、V入賞が発生せずに小当り遊技状態が終了する場合のデータクリア処理を含んでいる。このデータクリア処理により、小当り終了後設定クリア対象AKE54に含まれる各種データがクリアされ、それぞれが「0」に対応する値に初期化される。小当り終了後設定クリア対象AKE54は、特別図柄プロセスコード、デモ表示フラグ、変動コマンド指定バッファ、小当り図柄指定値、大入賞口入賞個数カウンタ、大入賞口開放回数カウンタ、大当り発生経緯バッファ、大当り図柄指定値、始動口入賞指定値、を含んでいる。ステップAKS166のデータセット処理では、これらの格納領域がクリアされ、それぞれの格納値などが「0」に対応する値に初期化される。小当り終了後設定クリア対象AKE54は、特別図柄プロセスコードを含むので、これがクリアされて00[H]に初期化されることにより、次回のタイマ割込み発生に対応して、特別図柄プロセス処理において特別図柄通常処理を選択して実行可能になる。また、デモ表示フラグをクリアすることにより、合計保留記憶数が「0」である場合に、第2特定回数指定コマンドを含む待機時コマンドを送信可能に制御する。さらに、特図ゲームの終了に対応して、第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかを特定可能な始動口入賞指定値がクリアされて「0」に対応する00[H]に初期化される。
図9-31は、大当り終了処理の一例を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、まず、特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS181)。ここでの特別図柄プロセスタイマは、特別図柄プロセス処理により選択される大入賞口開放後処理において、最終大当り演出時間に対応したタイマ初期値が設定されたものである。特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」以外である場合に(ステップAKS181;No)、特別図柄プロセスタイマの計時値を1減算更新して(ステップAKS182)、処理を終了する。これにより、最終大当り演出時間が経過するまで待機する。
ステップAKS181に対応して特別図柄プロセスタイマの計時値が「0」である場合に(ステップAKS181;Yes)、第1大当り終了時状態設定テーブルを指定するとともに(ステップAKS183)、小当り図柄指定値を読み出す(ステップAKS184)。小当り図柄指定値は、小当り図柄判定バッファの格納値である。また、小当り経由大当りであるか否かを判定する(ステップAKS185)。例えば、大当り発生経緯バッファの格納値を読み出し、その読出値が01[H]の場合に、小当り経由大当りであると判定すればよい。小当り経由大当りでない場合に(ステップAKS185;No)、第2大当り終了時状態設定テーブルを指定し直し(ステップAKS186)、大当り図柄指定値を読み出す(ステップAKS187)。大当り図柄指定値は、大当り図柄判定バッファの格納値である。ステップAKS186では、例えば第2大当り終了時状態設定テーブルの先頭アドレスに対応する値を、ポインタとなるHLレジスタに格納することにより、ポインタの値を上書き設定する。このように、大当り終了処理では、ステップAKS183により第1大当り終了時状態設定テーブルを指定してから、ステップAKS185において小当り経由大当りでない場合に、ステップAKS186では第2大当り終了時状態設定テーブルを上書き設定により指定し直す。これにより、第1大当り終了時状態設定テーブルの使用頻度が第2大当り終了時状態設定テーブルの使用頻度よりも高い場合に、テーブル設定に用いる格納命令のプログラム容量を削減でき、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。また、第1大当り終了時状態設定テーブルの使用頻度が第2大当り終了時状態設定テーブルの使用頻度よりも高い場合に、分岐命令による処理を簡素化して、設計段階での確認が容易になり、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
ステップAKS185に対応して小当り経由大当りである場合(ステップAKS185;Yes)、またはステップAKS187の後に、大当り終了時状態設定を行う(ステップAKS188)。大当り終了時状態設定は、ステップAKS183~AKS187の実行結果にもとづいて、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を時短状態などに制御するための設定を含んでいる。その後、大当り終了時ワーク設定テーブルを指定し(ステップAKS189)、データセット処理(ステップAKS190)を実行してから、処理を終了する。
図9-32は、大当り終了時状態設定例を示している。このうち、図9-32(A)は、大当り終了処理のステップAKS183、AKS184にもとづく第1大当り終了時状態設定例AKE61である。図9-32(B)は、大当り終了処理のステップAKS186、AKS187にもとづく第2大当り終了時状態設定例AKE62である。大当り終了処理では、ステップAKS188の大当り終了時状態設定において、ステップAKS183またはステップAKS185により指定した大当り終了時状態設定テーブルを参照し、大当り終了時状態設定種別を設定する。例えばステップAKS183の後にステップAKS185を実行しない場合に、ステップAKS183により指定した第1大当り終了時状態設定テーブルを参照し、ステップAKS184により読み出した小当り図柄指定値に対応して、大当り終了時状態設定種別SX2、SX3、SX5、SX8のいずれかを選択する。これに対し、ステップAKS183の後にステップAKS185を実行した場合に、ステップAKS185により指定した第2大当り終了時状態設定テーブルを参照し、ステップAKS186により読み出した大当り図柄指定値とともに、遊技状態指定コードから特定される時短制御の有無に対応して、大当り終了時状態設定種別SX1~XS4、SX6、SX7のいずれかを選択する。
第1大当り終了時状態設定例AKE61において、小当り図柄指定値が00[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX8が選択され、小当り図柄指定値が01[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX3が選択され、小当り図柄指定値が02[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX5が選択され、小当り図柄指定値が03[H]~06[H]のいずれかである場合に大当り終了時状態設定種別SX2が選択される。また、第2大当り終了時状態設定例AKE62において、時短制御なしの場合のうち、大当り図柄指定値が00[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX6が選択され、大当り図柄指定値が01[H]、02[H]のいずれかである場合に大当り終了時状態設定種別SX1が選択され、大当り図柄指定値が03[H]、04[H]、07[H]~09[H]のいずれかである場合に大当り終了時状態設定種別SX2が選択され、05[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX3が選択され、大当り図柄指定値が06[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX4が選択される。第2大当り終了時状態設定例AKE62において、時短制御ありの場合のうち、大当り図柄指定値が00[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX6が選択され、大当り図柄指定値が01[H]、02[H]のいずれかである場合に大当り終了時状態設定種別SX7が選択され、大当り図柄指定値が03[H]、04[H]、07[H]~09[H]のいずれかである場合に大当り終了時状態設定種別SX2が選択され、05[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX3が選択され、大当り図柄指定値が06[H]の場合に大当り終了時状態設定種別SX4が選択される。
図9-33は、大当り終了時状態設定種別に対応する設定内容を示している。大当り終了処理のステップAKS188における大当り終了時状態設定では、大当り終了時状態設定種別SX1~SX8の選択結果にもとづいて、遊技状態指定コード、特別図柄状態指定コード、演出状態選択指定値、第1当り終了後変動カウンタ初期値、第2当り終了後変動カウンタ初期値、当り終了後演出指定値、時短機能フラグ、第1時短カウンタ初期値、第2時短カウンタ初期値、第3時短カウンタ初期値、が設定される。ここで、大当り終了時状態設定種別SX8を除き、遊技状態指定コードが01[H]に設定されることにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態が時短状態であることが示される。これに対応して、時短機能フラグが01[H]に設定されるとともに、第1時短カウンタ初期値、第2時短カウンタ初期値、第3時短カウンタ初期値が0000[H]以外の値に設定される。また、演出状態選択指定値が00[H]以外の値に設定されることにより、変動パターン設定処理において、電源投入後の初期設定とは異なる決定可能パターン種別や決定可能パターンから、変動パターン種別や変動パターンを決定可能になる。当り終了後演出指定値が00[H]以外の値に設定されるとともに、第1当り終了後変動カウンタ初期値や第2当り終了後変動カウンタ初期値の設定にもとづいて、図9-21に示されたカウンタ減算処理ではステップAKS295の当り終了後変動カウンタ減算処理を実行可能になり、特図ゲームの実行回数や時短状態であるか否かなどに対応して、特別図柄状態指定コードや演出状態選択指定値を更新することができる。
こうして、大当り終了時の状態設定では、演出状態選択指定値や当り終了後演出指定値が00[H]以外の値に設定されるとともに、第1当り終了後変動カウンタ初期値や第2当り終了後変動カウンタ初期値の設定にもとづいて、電源投入後の初期設定とは異なる変動パターン決定テーブルを選択して、変動パターンを決定することができる。電源投入後の初期設定に対応して選択可能な変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータは、通常パターン選択用データともいう。電源投入後の初期設定とは異なる変動パターン決定テーブルを構成するテーブルデータは、特殊パターン選択用データともいう。
図9-25に示された当り終了後演出設定例AKE41では、第2当り終了後演出選択テーブルに対応して、演出設定テーブルAKT41、AKT42のいずれかを設定可能である。第2当り終了後演出選択テーブルは、大当り遊技状態の終了にもとづいて制御可能な時短状態が終了した後の通常状態において、特図ゲームの実行回数が特別回数に達するまでの所定期間において設定可能である。大当り遊技状態の終了にもとづいて制御可能な時短状態は、第1時短状態ともいう。こうした第1時短状態が終了した後の通常状態では、演出設定テーブルAKT41が設定された場合に、演出状態選択指定値が01[H]に設定可能となる。また、第1時短状態が終了した後の通常状態では、演出設定テーブルAKT42が設定された場合に、演出状態選択指定値が02[H]に設定可能となる。
図9-23に示された時短減算処理では、ステップAKS323にて時短カウンタの計数値が「0」であると判定され、なおかつ、ステップAKS326にて特定回数到達フラグがオンであると判定された場合に、ステップAKS327にて指定された第2時短終了時ワーク設定テーブルにもとづいて、ステップAKS328のデータセット処理が実行される。このときに、図9-24(B)に示す第2時短終了時クリア対象AKE32は、演出状態選択指定値を含むので、その値がクリアされて「0」に対応する00[H]に初期化される。このような設定は、特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達したことにもとづいて制御可能な時短状態が終了するときに行われる。数値情報となる特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達したことにもとづいて制御可能な時短状態は、第2時短状態ともいう。こうした第2時短状態が終了した後の通常状態では、演出状態選択指定値が電源投入時の初期設定と共通の00[H]に設定される。
図9-16に示された大当り時の変動パターン決定例AKD11では、演出状態選択指定値が00[H]である場合と、01[H]または02[H]である場合とで、決定可能パターンが異なっている。例えば、演出状態選択指定値が01[H]である場合の決定可能パターンは、変動パターンPB57および変動パターンPB67を含む。これに対し、演出状態選択指定値が00[H]である場合の決定可能パターンは、変動パターンPB67を含むものの、変動パターンPB57を含まない。また、演出状態選択指定値が02[H]である場合の決定可能パターンは、変動パターンPB57および変動パターンPB68を含む。その一方で、演出状態選択指定値が00[H]である場合の決定可能パターンは、変動パターンPB57と変動パターンPB68のいずれも含まない。電源投入後の初期設定では、演出状態選択指定値が00[H]なので、通常パターン選択用データを用いて選択可能な変動パターンは、演出状態選択指定値が00[H]に対応する決定可能パターンとなる。第1時短状態が終了した後の通常状態において、演出状態選択指定値が01[H]または02[H]の場合に、通常パターン選択用データとは異なる特殊パターン選択用データを用いて変動パターンを選択する。第2時短状態が終了した後の通常状態において、演出状態選択指定値が00[H]になるので、通常パターン選択用データを用いて変動パターンを選択する。そして、通常パターン選択用データを用いて選択可能な変動パターンである決定可能パターンは、特殊パターン選択用データを用いて選択可能な変動パターンである決定可能パターンの一部または全部を含まないように設定される。このように、大当り遊技状態にもとづく第1時短状態が終了した後の通常状態では、特殊パターン選択用データを用いて特有の演出を実行可能にする一方で、特図ゲームの実行回数にもとづく第2時短状態が終了した後の通常状態では、電源投入後の初期設定と共通の通常パターン選択用データを用いることで、特有の演出が実行されないように規制する。これにより、特図ゲームの実行回数にもとづく第2時短状態が終了した場合に、過剰な演出の実行を抑制して、遊技興趣の低下を防止することで、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
特殊パターン選択用データを用いて選択可能な変動パターンは、通常パターン選択用データを用いて選択可能でない変動パターンのみを含んでもよいし、通常パターン選択用データを用いて選択可能でない少なくとも1の変動パターンを含んでもよい。図9-17に示された小当り時の変動パターン決定例AKD12では、演出状態選択指定値が00[H]である場合と、01[H]または02[H]である場合とで、変動パターンPB68のみが異なっている。すなわち、変動パターンPB68は、演出状態選択指定値が02[H]であり、小当り図柄指定値が01[H]~06[H]の範囲内である場合に決定可能パターンとなる。これに対し、変動パターンPB68は、演出状態選択指定値が00[H]である場合に、小当り図柄指定値が00~06[H]のいずれであっても決定可能パターンに含まれない。変動パターンPB67および変動パターンPB84は、演出状態選択指定値が00[H]である場合と、01[H]または02[H]である場合とで、決定可能パターンに含まれる。このように、特殊パターン選択用データを用いて選択可能な変動パターンである決定可能パターンは、通常パターン選択用データを用いて選択可能な変動パターンである決定可能パターンの一部または全部を含むように設定されてもよい。
図9-34は、大当り終了時データ設定例AKE71を示している。図9-31に示された大当り終了処理では、ステップAKS189により大当り終了時ワーク設定テーブルを指定した後に、ステップAKS190のデータセット処理を実行することにより、大当り遊技状態が終了する場合の最終データ設定を行う。このデータ設定は、大当り終了時データ設定例AKE71のような各種設定を含んでいる。大当り終了時データ設定例AKE71では、特定回数カウンタ初期値として02AD[H]を設定し、特定回数コマンドバッファの格納値を7F[H]に設定する。また、大当り終了時データ設定例AKE71では、特別図柄プロセスコード、デモ表示フラグ、変動コマンド指定バッファ、大入賞口開放回数最大値バッファ、大当り発生経緯バッファ、始動口入賞指定値、をクリアすることで、それぞれの格納値などを「0」に対応した値に初期化する。ここで、特定回数カウンタ初期値を02AD[H]に設定することにより、大当り遊技状態の終了後に、特図ゲームの実行回数にもとづく時短条件として、第1特図ゲームおよび第2特図ゲームの合計回数が特定回数である「625」に達することが設定される。特定回数コマンドバッファの格納値を7F[H]に設定することにより、特定回数までの残り回数が「127」以上である場合に対応した第2特定回数指定コマンドの第2制御データとなる特定回数コマンドデータを作成する。特別図柄プロセスコードがクリアされて00[H]に初期化されることにより、次回のタイマ割込み発生に対応して、特別図柄プロセス処理において特別図柄通常処理を選択して実行可能になる。また、デモ表示フラグをクリアすることにより、合計保留記憶数が「0」である場合に、第2特定回数指定コマンドを含む待機時コマンドを送信可能に制御する。さらに、大当り遊技状態の終了に対応して、第1特図ゲームであるか第2特図ゲームであるかを特定可能な始動口入賞指定値がクリアされて「0」に対応する00[H]に初期化される。
大当り遊技状態における大入賞口開放回数最大値や、大当り遊技状態が終了した後の時短状態において実行可能な特図ゲームの回数は、小当り図柄指定値や大当り図柄指定値に対応して、異なる設定が可能である。例えば、図9-14(A)に示された特図表示結果が「大当り」の場合における大入賞口開放回数設定例AKE01において、大当り図柄指定値が01[H]、02[H]、09[H]のいずれかである場合に大入賞口開放回数最大値は03[H]に設定され、大当り図柄指定値が00[H]、03[H]~06[H]のいずれかである場合に大入賞口開放回数最大値は0A[H]に設定される。また、図9-14(B)に示された特図表示結果が「小当り」の場合における大入賞口開放回数設定例AKE02において、小当り図柄指定値が00[H]、06[H]のいずれかである場合に大入賞口開放回数最大値は03[H]に設定され、小当り図柄指定値が01[H]~03[H]のいずれかである場合に大入賞口開放回数最大値は0A[H]に設定される。大入賞口開放回数最大値が異なる複数種類の大当り遊技状態のうち、例えば大入賞口開放回数最大値が03[H]に設定される大当り遊技状態のように、大入賞口開放回数最大値が比較的に小さい値に設定される大当り遊技状態を、第1有利状態とする。これに対し、大入賞口開放回数最大値が異なる複数種類の大当り遊技状態のうち、例えば大入賞口開放回数最大値が0A[H]に設定される大当り遊技状態のように、大入賞口開放回数最大値が比較的に大きい値に設定される大当り遊技状態を、第2有利状態とする。第1有利状態に制御される場合の特図ゲームにおける特別図柄の表示結果は、第1有利結果ともいう。第2有利状態に制御される場合の特図ゲームにおける特別図柄の表示結果は、第2有利結果ともいう。すなわち、可変表示の表示結果が第1有利結果となる場合に、有利状態としての大当り遊技状態のうちで第1有利状態となる大当り遊技状態に制御可能である。可変表示の表示結果が第2有利結果となる場合に、有利状態としての大当り遊技状態のうちで第2有利状態となる大当り遊技状態に制御可能である。
図9-32(B)に示された第2大当り終了時状態設定例AKE62では、時短制御なしのうち、例えば大当り図柄指定値が00[H]である場合に大当り終了時状態設定種別SX6が選択され、大当り図柄指定値が01[H]、02[H]のいずれかである場合に大当り終了時状態設定種別SX1が選択され、大当り図柄指定値が05[H]である場合に大当り終了時状態設定種別SX3が選択され、大当り図柄指定値が06[H]である場合に大当り終了時状態設定種別SX4が設定される。大当り終了時状態設定種別SX1は、第1時短カウンタ初期値が0006[H]であり、第2時短カウンタ初期値が0001[H]である。大当り終了時状態設定種別SX3、SX4、SX6は、いずれも第1時短カウンタ初期値および第2時短カウンタ初期値が02AD[H]である。大当り遊技状態の終了にもとづいて制御可能な時短状態は、第1時短カウンタ初期値や第2時短カウンタ初期値の設定が異なる複数種類の時短状態として、大当り終了時状態設定種別SX1に対応する時短状態と、大当り終了時状態設定種別SX3、SX4、SX6に対応する時短状態と、を含む。大当り終了時状態設定種別SX1に対応する時短状態は、第1時短カウンタ初期値が0006[H]であり、第2時短カウンタ初期値が0001[H]であることにより、実行可能な特図ゲームの回数が比較的に少ない第1特別状態となる。大当り終了時状態設定種別SX3、SX4、SX6に対応する時短状態は、第1時短カウンタ初期値および第2時短カウンタ初期値が02AD[H]であることにより、実行可能な特図ゲームの回数が比較的に多い第2特別状態となる。大当り図柄指定値が01[H]、02[H]である特別図柄は、第1有利結果に含まれ、特図ゲームの表示結果となる場合に、第1有利状態に制御可能である。大当り図柄指定値が00[H]、05[H]、06[H]である特別図柄は、第2有利結果に含まれ、特図ゲームの表示結果となる場合に、第2有利状態に制御可能である。そして、第1有利状態が終了する場合に、時短状態のうちの第1特別状態となる時短状態として、大当り終了時状態設定種別SX1に対応する時短状態に制御可能である。第2有利状態が終了する場合に、時短状態のうちの第2特別状態となる時短状態として、大当り終了時状態設定種別SX3、SX4、SX6に対応する時短状態に制御可能である。
図9-31に示された大当り終了処理では、例えばステップAKS186にて第2大当り終了時状態設定テーブルを指定するとともに、ステップAKS187にて大当り図柄指定値を読み出した後に、ステップAKS188の大当り終了時状態設定により、大当り終了時状態設定種別SX1~SX8に対応した時短状態に関する設定が可能である。例えば、大当り図柄指定値が01[H]、02[H]に対応して第1有利状態が終了する場合に、ステップAKS188の大当り終了時状態設定により、第1特別状態として大当り終了時状態設定種別SX1に対応する時短状態に関する設定が可能である。大当り図柄指定値が00[H]、05[H]、06[H]に対応して第2有利状態が終了する場合に、ステップAKS188の大当り終了時状態設定により、第2特別状態として大当り終了時状態設定種別SX3、SX4、SX6に対応する時短状態に関する設定が可能である。その後、ステップAKS190のデータセット処理では、ステップAKS189により指定した大当り終了時ワーク設定テーブルにもとづいて、大当り終了時状態設定種別SX1~SX8のいずれである場合にも、特定回数カウンタ初期値を02AD[H]に設定する。したがって、大当り図柄指定値が01[H]、02[H]に対応して第1有利状態が終了する場合と、大当り図柄指定値が00[H]、05[H]、06[H]に対応して第2有利状態が終了する場合とは、それぞれ、ステップAKS190のデータセット処理により特定回数カウンタを用いて更新される数値情報の初期値として、共通の特定回数カウンタ初期値が設定される。このように、ステップAKS188の大当り終了時状態設定では、例えば大当り終了時状態設定種別SX1の場合と大当り終了時状態設定種別SX3、SX4、SX6の場合といった、異なる種別に対応する時短状態に関する設定を行い、その後にステップAKS190のデータセット処理では、複数種別に共通の数値情報に関する設定を行うので、プログラム容量を削減して、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-35は、演出側カウンタ更新処理の一例を示すフローチャートである。演出制御基板12の側では、演出制御用CPU120が演出側カウンタ更新処理を実行することにより、演出の制御に用いられる各種カウンタの計数値を更新可能である。演出側カウンタ更新処理は、例えば図7に示された演出制御メイン処理のステップS73にてタイマ割込みフラグがオンであると判定されるごとに、ステップS76の演出制御プロセス処理などにて実行される処理であればよい。演出の制御に用いられるカウンタは、示唆演出カウンタと、回数表示用カウンタと、を含み、いずれもRAM122の演出ワーク領域における所定アドレスに設けられていればよい。示唆演出カウンタは、特定回数までの残り回数にもとづいて時短状態に制御されることを示唆する示唆演出を制御するために用いられる。また、示唆演出カウンタは、時短状態に制御されるまでの残り回数をカウントダウンして報知するカウントダウン演出を制御するためにも用いられる。回数表示用カウンタは、特定回数までの残り回数を示す示唆表示を、画像表示装置5の画面上にて実行可能とする制御に用いられる。
演出側カウンタ更新処理において、演出制御用CPU120は、まず、電源投入時であるか否かを判定する(ステップAKS501)。例えば、主基板11から伝送される電源投入指定コマンドまたは停電復旧指定コマンドを受信した場合に、電源投入時であると判定すればよい。電源投入時である場合に(ステップAKS501;Yes)、電源投入対応フラグをオン状態にセットしてから(ステップAKS502)、第1特定回数指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップAKS503)。第1特定回数指定コマンドは、電源投入に対応して送信されるので、何らかの異常がなければ、ステップAKS501にて電源投入時であると判定された場合に、ステップAKS503にて受信があったと判定される。
ステップAKS503に対応して、第1特定回数指定コマンドの受信があった場合に(ステップAKS503;Yes)、特定回数コマンドデータを取得する(ステップAKS504)。例えば、1セット目AKC01から3セット目AKC03までの第1特定回数指定コマンドについて、下位バイトである第1送信データと第2送信データと第3送信データとを、順次に取得して、RAM122の所定アドレスに設けられた特定回数コマンドデータバッファなどに格納して記憶させればよい。このときに、取得データを示唆演出カウンタに設定する(ステップAKS505)。例えば、第1送信データから第3送信データまでの下位4ビットを組み合わせて得られる3桁の特定回数指定値を、示唆演出カウンタに格納することで、示唆演出カウンタのカウンタ初期値を設定する。このように、示唆演出カウンタは、第1特定回数指定コマンドにもとづいて特定回数までの残り回数を示すカウンタ初期値を設定可能である。
ステップAKS501に対応して電源投入時でない場合(ステップAKS501;No)、ステップAKS503に対応して第1特定回数指定コマンドの受信がない場合(ステップAKS503;No)、またはステップAKS505の後に、可変表示開始であるか否かを判定する(ステップAKS506)。例えば、主基板11から伝送される第1変動開始指定コマンドまたは第2変動開始指定コマンドのいずれかを受信した場合に、可変表示開始であると判定すればよい。可変表示開始である場合に(ステップAKS506;Yes)、電源投入対応フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS507)。電源投入対応フラグがオフである場合に(ステップAKS507;No)、回数表示用カウンタの計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS508)。回数表示用カウンタの計数値が「0」でない場合に(ステップAKS508;No)、回数表示用カウンタを1減算更新する(ステップAKS509)。ステップAKS509による回数表示用カウンタの更新は、電源投入対応フラグがオンである場合に行われない。したがって、パチンコ遊技機1における電源投入後の所定期間において、回数表示用カウンタの計数値は更新されず、それに対応して、特定回数までの残り回数を示す示唆表示は、特定回数までの残り回数を認識しにくい特殊態様となる。
ステップAKS507に対応して電源投入対応フラグがオンである場合(ステップAKS507;Yes)、ステップAKS508に対応して回数表示用カウンタの計数値が「0」である場合(ステップAKS508;Yes)、またはステップAKS509の後に、第2特定回数指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップAKS510)。なお、第2特定回数指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示が開始されるときに送信可能なので、第2特定回数指定コマンドの受信があったか否かの判定にもとづく各種処理は、可変表示の開始時に実行されてもよい。第2特定回数指定コマンドの受信があった場合に(ステップAKS510;Yes)、特定回数コマンドデータを取得する(ステップAKS511)。例えば、第2特定回数指定コマンドの構成例AKC11において、第2制御データとなる下位バイトの特定回数コマンドデータを取得して、特定回数コマンドデータバッファなどに格納して記憶させればよい。このとき、取得データが7F[H]を示すか否かを判定する(ステップAKS512)。取得データが7F[H]以外を示す場合に(ステップAKS512;No)、取得データにより示唆演出カウンタを更新する(ステップAKS513)。
ステップAKS510に対応して第2特定回数指定コマンドの受信がない場合(ステップAKS510;No)、またはステップAKS512に対応して取得データが7F[H]である場合に(ステップAKS512;Yes)、示唆演出カウンタの計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS514)。示唆演出カウンタの計数値が「0」以外である場合に(ステップAKS514;No)、示唆演出カウンタの計数値を1減算更新してから(ステップAKS515)、更新後の計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS516)。そして、更新後の計数値が「0」である場合に(ステップAKS516;Yes)、到達時演出フラグをセットする(ステップAKS517)。
ステップAKS506に対応して可変表示開始でない場合(ステップAKS506;No)、ステップAKS514に対応して示唆演出カウンタの計数値が「0」である場合(ステップAKS514;Yes)、ステップAKS516に対応して更新後の計数値が「0」でない場合(ステップAKS516;No)、またはステップAKS513、AKS517のいずれかに続いて、大当り終了であるか否かを判定する(ステップAKS518)。例えば、主基板11から伝送される大当り終了指定コマンドを受信した場合に、大当り終了であると判定すればよい。大当り終了でない場合に(ステップAKS518;No)、演出側カウンタ更新処理は終了する。
ステップAKS518に対応して大当り終了である場合に(ステップAKS518;Yes)、電源投入対応フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS519)。このとき、電源投入対応フラグがオンである場合に(ステップAKS519;Yes)、電源投入対応フラグをクリアする(ステップAKS520)。
ステップAKS519に対応して電源投入対応フラグがオフである場合(ステップAKS519;No)、またはステップAKS520の後に、回数表示用カウンタに02AD[H]を設定するとともに(ステップAKS521)、示唆演出カウンタに02AD[H]を設定してから(ステップAKS522)、演出側カウンタ更新処理は終了する。
このような演出側カウンタ更新処理では、ステップAKS503にて第1特定回数指定コマンドの受信ありと判定された場合に、ステップAKS504により取得した特定回数コマンドデータを、ステップAKS505により示唆演出カウンタに設定する。示唆演出カウンタは、RAM122の演出ワーク領域における所定アドレスに設けられ、第1特定回数指定コマンドにもとづく特定回数までの残り回数を記憶する。また、演出側カウンタ更新処理では、ステップAKS510にて第2特定回数指定コマンドの受信ありと判定された場合に、ステップAKS511により特定回数コマンドデータを取得し、ステップAKS512により取得データが7F[H]を示すか否かを判定する。そして、取得データが7F[H]を示す場合に、ステップAKS515では、取得データにもとづくことなく示唆演出カウンタの計数値を1減算更新する。これに対し、取得データが7F[H]を示さない場合に、ステップAKS513では、取得データにより示唆演出カウンタの計数値を更新する。第2特定回数指定コマンドにおいて第2制御データとなる特定回数コマンドデータは、7F[H]を示す場合に特定回数カウンタの計数値との比較判定に用いられる判定情報となり、7F[H]以外を示す場合に特定回数カウンタの計数値を示す数値情報となる。これにより、第2特定回数指定コマンドが送信された場合に、第2制御データである特定回数コマンドデータとして判定情報が送信されたときは、示唆演出カウンタの計数値を第2特定回数指定コマンドの受信結果にもとづいて更新せず、第2制御データである特定回数コマンドデータとして数値情報が送信されたときは、示唆演出カウンタの計数値を第2特定回数指定コマンドの受信結果にもとづいて更新する。したがって、示唆演出カウンタの計数値は、別個の記憶領域を用意せずに最新の信頼できる情報にもとづいて更新などの管理ができるので、データ容量の増大を防止しつつ適切な演出を実行して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
演出側カウンタ更新処理のステップAKS510にて受信有無が判定される第2特定回数指定コマンドは、図9-10(A)に示された特別図柄通常処理のステップAKS111、AKS112により待機時コマンドに含まれて送信される場合と、図9-12(A)に示された特別図柄バッファシフト処理のステップAKS305、AKS306により特図ゲームの開始に対応して送信される場合と、がある。これらの第2特定回数指定コマンドは、受信されるごとに特定回数コマンドデータが所定の格納領域に上書き保存により格納されてもよい。第2特定回数指定コマンドが待機時コマンドに含まれて送信されることに対応して、デモンストレーション表示が実行される期間などにおいて、特定回数までの残り回数に対応した待機中示唆演出を実行可能にしてもよい。また、第2特定回数指定コマンドは、待機時コマンドに含まれて送信されるとともに、特図ゲームの開始に対応して送信されるので、いずれか一方のタイミングにおいて第2特定回数指定コマンドを正常に受信できなかった場合に、他方のタイミングにおいて第2特定回数指定コマンドを正常に受信していれば、正常に受信した第2特定回数指定コマンドにもとづいて演出を実行することができる。
図9-36は、回数示唆制御処理の一例を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、例えば図7および図8(A)に示されたステップS76の演出図柄プロセス処理において、演出プロセスコードが01[H]に対応して演出図柄変動開始処理が実行される場合に、回数示唆制御処理を実行可能であればよい。回数示唆制御処理では、可変表示開始であるか否かを判定し(ステップAKS531)、可変表示開始でない場合に(ステップAKS531;No)、処理を終了する。演出図柄変動開始処理に回数示唆制御処理が含まれる場合には、可変表示を開始するときに処理を実行可能なので、ステップS531による判定が不要である。
ステップAKS531に対応して可変表示開始である場合に(ステップAKS531;Yes)、時短制御中であるか否かを判定し(ステップAKS532)、時短制御中であれば(ステップAKS532;Yes)、処理を終了する。この実施形態において実行を制御する演出は、時短状態に制御されることなどを示唆するための演出である。そのため、時短制御中であれば、演出の実行が不要であり、そのまま処理を終了すればよい。
ステップAKS532に対応して時短制御中でない場合に(ステップAKS532;No)、電源投入対応フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS533)。電源投入対応フラグがオンである場合に(ステップAKS533;Yes)、回数不明表示用プロセステーブルを選択する(ステップAKS534)。回数不明表示用プロセステーブルは、画像表示装置5の画面上における示唆表示を、特定回数までの残り回数を認識しにくい特殊態様に制御するための演出制御プロセステーブルである。電源投入対応フラグは、電源投入時に対応してオン状態にセットされ、大当り終了時に対応してクリアされオフ状態となる。したがって、画像表示装置5の画面上における示唆表示は、電源投入後に、大当り遊技状態が終了するまでの期間において、特定回数までの残り回数を認識しにくい特殊態様となるように制御される。
ステップAKS534の次に、示唆演出カウンタの計数値が示唆演出に対応して予め定められた実行判定値となったか否かを判定する(ステップAKS535)。実行判定値は、例えば特定回数までの残り回数が「100」の倍数になる値といった、特図ゲームの実行回数に関する設定値であればよい。示唆演出カウンタの計数値が実行判定値でない場合に(ステップAKS535;No)、回数示唆制御処理は終了する。示唆演出カウンタの計数値が実行判定値である場合に(ステップAKS535;Yes)、示唆演出用プロセステーブルを選択して(ステップAKS536)、回数示唆制御処理は終了する。示唆演出用プロセステーブルは、演出図柄の可変表示を実行中に、特定回数までの残り回数を示唆する示唆演出を実行するための演出制御プロセステーブルである。ステップAKS536により示唆演出用プロセステーブルが選択された場合に、演出制御プロセス処理の演出図柄変動中処理では、示唆演出を実行可能に制御する。
ステップAKS533に対応して電源投入対応フラグがオフである場合に(ステップAKS533;No)、回数表示用カウンタの計数値が「0」であるか否かを判定する(ステップAKS537)。回数表示用カウンタの計数値が「0」でない場合に(ステップAKS537;No)、回数報知表示用プロセステーブルを選択する(ステップAKS538)。回数報知表示用プロセステーブルは、画像表示装置5の画面上における示唆表示を、特定回数までの残り回数を認識しやすい報知態様に制御するための演出制御プロセステーブルである。したがって、ステップAKS533にて電源投入対応フラグがオフである場合に、ステップAKS537にて回数表示用カウンタの計数値が「0」以外であれば、特定回数までの残り回数を認識しやすい報知態様にて示唆表示を可能に制御する。ステップAKS537にて回数表示用カウンタの計数値が「0」であれば、ステップAKS538に進まないので、示唆表示が実行されない。
ステップAKS537に対応して回数表示用カウンタの計数値が「0」である場合(ステップAKS537;Yes)、またはステップAKS538の後に、示唆演出カウンタの計数値はカウントダウン範囲内であるか否かを判定する(ステップAKS539)。カウントダウン範囲は、例えば「0」から「10」までの範囲といった、カウントダウン演出を実行可能にする計数値の範囲として、予め設定されていればよい。示唆演出カウンタの計数値がカウントダウン範囲内でない場合に(ステップAKS539;No)、回数示唆制御処理は終了する。これに対し、示唆演出カウンタの計数値がカウントダウン範囲内である場合に(ステップAKS539;Yes)、カウントダウン演出用プロセステーブルを選択する(ステップAKS540)。カウントダウン演出用プロセステーブルは、演出図柄の可変表示を実行中に、特定回数までの残り回数を報知する所定演出として、カウントダウン演出を実行するための演出制御プロセステーブルである。ステップAKS540によりカウントダウン演出用プロセステーブルが選択された場合に、演出制御プロセス処理の演出図柄変動中処理では、カウントダウン演出を実行可能に制御する。
ステップAKS540の後に、到達時演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップAKS541)。到達時演出フラグは、図9-35に示された演出側カウンタ更新処理のステップAKS517により、示唆演出カウンタの計数値が「0」となったときにセットされてオン状態となる。到達時演出フラグがオフである場合に(ステップAKS541;No)、回数示唆制御処理は終了する。これに対し、到達時演出フラグがオンである場合に(ステップAKS541;Yes)、時短突入演出用プロセステーブルを選択し(ステップAKS542)、到達時演出フラグをクリアしてから(ステップAKS543)、回数示唆制御処理は終了する。時短突入演出用プロセステーブルは、演出図柄の可変表示において表示結果となる確定演出図柄が停止表示された期間において、特定回数に到達したことにより救済時短としての時短状態に制御される旨を報知する報知演出として、時短突入演出を実行するための演出制御プロセステーブルである。ステップAKS543により時短突入演出用プロセステーブルが選択された場合に、演出制御プロセス処理の演出図柄変動中処理または演出図柄変動停止処理では、時短突入演出を実行可能に制御する。
図9-37は、示唆表示となる回数表示の制御例を示している。このうち、図9-37(A)は、電源投入対応フラグがオフの場合における制御例AKF01である。図9-37(B)は、電源投入対応フラグがオンの場合における制御例AKF02である。画像表示装置5の画面上には、小図柄表示エリア5Kの他に、回数表示部5Zが設けられ、特定回数までの残り回数を示す示唆表示として、回数表示における演出画像を表示可能である。
図9-36に示された回数示唆制御処理において、ステップAKS533により電源投入対応フラグがオフであると判定されるとともに、ステップAKS537にて回数表示用カウンタの計数値が「0」でないと判定された場合に、ステップAKS538により回数報知表示用プロセステーブルが選択される。回数表示用カウンタは、図9-35に示された演出側カウンタ更新処理において、例えばステップAKS518における大当り終了にもとづくステップAKS521にてカウント初期値となる02AD[H]が設定された後に、ステップAKS506における可変表示開始にもとづいて、ステップAKS509により計数値が1減算更新される。これにより、有利状態となる大当り遊技状態の終了後に、特図ゲームの実行回数が特定回数に達するまでの期間において、制御例AKF01のように、特定回数までの残り回数を認識しやすい報知態様の示唆表示となる回数表示を、回数表示部5Zにおいて行うことができる。
図9-36に示された回数示唆制御処理において、ステップAKS533により電源投入対応フラグがオンであると判定された場合に、ステップAKS534により回数不明表示用プロセステーブルが選択される。電源投入対応フラグは、図9-35に示された演出側カウンタ更新処理において、ステップAKS501により電源投入時であると判定された場合に、ステップAKS502によりセットされてオン状態となる。その後、ステップAKS518にて大当り終了であることにもとづいて、ステップAKS520により電源投入対応フラグがクリアされてオフ状態となる。これにより、電源投入後において、制御例AKF02のように、有利状態である大当り遊技状態の終了後とは異なる態様であって、特定回数までの残り回数を認識しにくい特殊態様の示唆表示となる回数表示を、回数表示部5Zにおいて行うことができる。
図9-38は、示唆演出、カウントダウン演出、時短突入演出の実行例を示している。図9-36に示された回数示唆制御処理において、ステップAKS534により回数不明表示用プロセステーブルが選択された後に、ステップAKS535では示唆演出カウンタの計数値が実行判定値であることにもとづいて、ステップAKS536により示唆演出用プロセステーブルが選択される。回数不明表示用プロセステーブルは、特定回数までの残り回数を認識しにくい特殊態様の示唆表示となる回数表示に対応している。ステップAKS535における実行判定値は、例えば「100」の倍数であればよい。これにより、示唆表示が特殊態様であるときに、特定回数までの残り回数を示唆する示唆演出を実行することができる。図9-35に示された演出側カウンタ更新処理では、ステップAKS503における第1特定回数指定コマンドの受信ありにもとづいて、ステップAKS504により取得した特定回数コマンドデータが、ステップAKS505により示唆演出カウンタに設定され、その後にステップAKS515などにより可変表示の終了時に計数値を更新可能である。これにより、示唆演出は、第1特定回数指定コマンドにもとづいて実行される。図9-38(A)は、特定回数までの残り回数が「200」であるときに対応した示唆演出の実行例AKG01である。また、図9-38(B)は、特定回数までの残り回数が「100」であるときに対応した示唆演出の実行例AKG02である。これらの場合に、回数表示部5Zでは、図9-37(B)に示された制御例AKF02と同様に、特定回数までの残り回数を特定しにくい特殊態様の示唆表示となる回数表示が行われる。このように、特殊態様の回数表示とともに、特定回数までの残り回数を示唆する示唆演出を実行可能なので、電源投入後に大当り遊技状態となるまでの遊技興趣を向上させて、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-36に示された回数示唆制御処理では、ステップAKS539において示唆演出カウンタの計数値がカウントダウン範囲内である場合に、ステップAKS540によりカウントダウン演出用プロセステーブルが選択される。カウントダウン演出用プロセステーブルは、示唆演出カウンタの計数値に対応して、特定回数までの残り回数を報知できるように、複数種類の演出制御テーブルが用意されていればよい。ステップAKS540では、示唆演出カウンタの計数値に対応したカウントダウン演出用プロセステーブルを選択すればよい。図9-35に示された演出側カウンタ更新処理では、ステップAKS510における第2特定回数指定コマンドの受信ありにもとづいて、ステップAKS511により取得した特定回数コマンドデータが、ステップAKS512にて7F[H]を示すか否かを判定する。カウントダウン範囲は、例えば「0」から「10」までの範囲といった、第2特定回数指定コマンドから取得される特定回数コマンドデータが7F[H]でない範囲に含まれていればよい。この場合に、示唆演出カウンタは、ステップAKS513にて第2特定回数指定コマンドから取得した特定回数コマンドデータにより更新される。したがって、所定演出となるカウントダウン演出は、第2特定回数指定コマンドの第2制御データとして、数値情報となる特定回数カウンタの計数値が送信されたことにもとづいて実行可能に制御される。図9-38(C)は、示唆演出カウンタの計数値が「10」であるときに対応したカウントダウン演出の実行例AKG03である。図9-38(D)は、示唆演出カウンタの計数値が「9」であるときに対応したカウントダウン演出の実行例AKG04である。図9-38(E)は、示唆演出カウンタの計数値が「1」であるときに対応したカウントダウン演出の実行例AKG05である。図9-38(F)は、示唆演出カウンタの計数値が「0」であるときに対応したカウントダウン演出の実行例AKG06である。このように、第2特定回数指定コマンドにより数値情報となる特定回数カウンタの計数値が送信されたことにもとづいて、所定演出となるカウントダウン演出を実行可能なので、適切な演出により遊技興趣を向上させて、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-36に示された回数表示制御処理では、ステップAKS541にて到達時演出フラグがオンである場合に、ステップAKS542により時短突入演出用プロセステーブルが選択される。時短突入演出用プロセステーブルは、演出図柄の可変表示における表示結果となる確定演出図柄が停止表示された期間において、時短突入演出を実行可能に制御するために用いられる。到達時演出フラグは、図9-35に示された演出側カウンタ更新処理のステップAKS517により、示唆演出カウンタの計数値が「0」となったときにセットされてオン状態となる。示唆演出カウンタは、特定回数までの残り回数を計数するので、計数値が「0」となったときに、特定回数の特図ゲームが実行されたことにもとづく時短状態に制御される。図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS254にて特定回数カウンタの計数値が到達判定値であることにもとづいて、ステップAKS255の図柄停止時設定SZA3に対応した特定停止時間が設定される。特定回数到達時における報知演出としての時短突入演出は、図柄停止時設定SZA3に対応した特定停止時間にもとづいて、実行可能に制御される。図9-38(G)は、時短突入演出の開始時における実行例AKG07である。図9-38(H)は、時短突入演出の開始後における実行例AKG08である。
このような時短突入演出に加えて、あるいは、時短突入演出に代えて、特定回数に到達した特図ゲームの実行中には、特定コマンドにもとづいて時短状態に制御される旨を報知する報知演出を実行可能に制御してもよい。特定コマンドは、数値情報となる特定回数カウンタの計数値が特定値としての「0」に達した場合に、時短状態に制御する旨を特定可能な演出制御コマンドであり、背景色指定コマンドや第2特定回数指定コマンドを用いることができる。背景色指定コマンドまたは第2特定回数指定コマンドにもとづいて、特図ゲームの開始時に報知演出を実行することが決定された場合に、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示などにより、時短状態に制御される旨を報知する報知演出を実行可能に制御する。具体的な一例として、回数表示部5Zにおいて示唆表示となる回数表示を行うための画像表示が、点滅表示となる制御が行われてもよい。あるいは、画像表示装置5とは別個に設けられた専用の特定回数カウンタ表示器において、特定回数までの残り回数を示す表示が、点滅表示となる制御が行われてもよい。このような報知演出により、特図ゲームの実行回数にもとづいて時短状態に制御されることを認識しやすく報知でき、遊技興趣を向上させて、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS255の図柄停止時設定SZA3に対応した特定停止時間を設定可能である。その一方で、電源投入時に、図3に示された遊技制御メイン処理のステップS4にて復旧条件が成立しない場合に、ステップS7のRWM初期設定処理が実行されることにより、当り終了後演出指定バッファを含めた遊技ワーク領域がクリアされ、当り終了後演出指定値が00[H]に設定される。図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS253にて当り終了後演出指定値が00[H]であることにもとづいて、ステップAKS254による特定回数カウンタの計数値が到達判定値となるか否かの数値判定を行わずに、ステップAKS251の図柄停止時設定SZA1に対応した通常停止時間を設定可能である。そのため、電源投入時の初期設定が行われた後には、特定回数カウンタの計数値が到達判定値となるはずの特図ゲームであっても、通常停止時間が設定される。これにより、電源投入時の初期設定が行われた後に、遊技の履歴にもとづいて遊技の公正性が損なわれることを防止して、時短状態を含めた複数の状態を備えるパチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
このような電源投入時の初期設定が行われることにより通常停止時間を設定可能である一方で、電源投入時の初期設定が行われない場合に、図柄停止時設定SZA3に対応した特定停止時間にもとづいて、特定回数到達時において時短状態に制御される旨を報知する報知演出としての時短突入演出を実行可能に制御してもよい。図柄停止時設定SZA3は、図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理のステップAKS254にて特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達した場合に、ステップAKS255により行われる設定である。特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達するときに、特図ゲームの実行回数にもとづく時短条件が成立して、遊技状態が通常状態から時短状態に移行する。このとき、図柄停止時設定SZA3に対応して、特図変動時間が経過した後の停止時間として通常停止時間とは異なる特定停止時間に設定する。特定停止時間にもとづいて、時短突入演出といった、時短状態に制御される旨を報知する報知演出が実行されてもよい。
また、電源投入時の初期設定が行われることにより通常停止時間を設定可能である一方で、図9-19に示された特別図柄停止時間設定処理では、ステップAKS251により図柄停止時設定SZA1を行った後に、ステップAKS254において特定回数カウンタの計数値が到達判定値に達する場合に、ステップAKS255により図柄停止時設定SZA3を上書き設定してもよい。あるいは、電源投入時の初期設定が行われることにより通常停止時間を設定可能である一方で、図9-21に示されたカウンタ減算処理において、ステップAKS279、AKS280よりも後に、ステップAKS281~AKS283が実行されることにより、時短状態を終了するための第1条件が成立するか否かの第1時短終了判定処理が実行され、第1条件が成立すると判定された場合に、第2時短終了判定処理による第2条件が成立するか否かの判定を行わないようにしてもよい。
第1特定回数指定コマンドや第2特定回数指定コマンドは、時短状態に制御される時短条件に対応して、特定回数までの残り回数を指定可能なものに限定されず、時短状態が終了する時短終了条件に対応して、時短回数までの残り回数を指定可能なものであってもよい。例えば、第1時短カウンタの計数値にもとづいて、第1特定回数指定コマンドや第2特定回数指定コマンドにおける特定回数コマンドデータが設定されてもよい。
以上に説明したように、パチンコ遊技機1において、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、図9-21に示されたカウンタ減算処理のステップAKS273、AKS274、図9-23に示された時短減算処理のステップAKS324、AKS325、図9-31に示された大当り終了処理のステップAKS188などにより、遊技状態を通常状態と時短状態とに移行可能である。また、図9-21に示されたカウンタ減算処理のステップAKS272により、数値情報となる特定回数カウンタの計数値を更新可能である。そして、ステップAKS272にて特定回数カウンタの計数値が到達判定値であることにもとづいて、ステップAKS274のデータセット処理を実行することにより、数値情報にもとづいて遊技状態を移行可能である。そして、電源投入時に、図9-8に示された特定回数コマンド送信処理を実行することにより、特定回数までの残り回数に関して第1コマンドとなる第1特定回数指定コマンドを送信する。その一方で、例えば図9-12(A)に示された特別図柄バッファシフト処理のステップAKS306にてデータセット処理を実行することにより、可変表示の実行に対応して、特定回数までの残り回数に関して第1コマンドとは異なる第2コマンドとしての第2特定回数指定コマンドを送信する。第1特定回数指定コマンドは、図9-9に示されたように、1セット目AKC01から3セット目AKC03までの合計6バイトである。第2特定回数指定コマンドは、図9-12(C)に示されたように、2バイト構成の演出制御コマンドである。このように、第1特定回数指定コマンドは、第2特定回数指定コマンドよりも多いバイト数を有する。第1特定回数指定コマンドは、1セット目AKC01の第1送信データ、2セット目AKC02の第2送信データ、3セット目AKC03の第3送信データを用いて、特定回数までの残り回数が例えば7F[H]未満の第1回数である場合と、第1回数よりも多い例えば7F[H]以上の第2回数である場合とで、それぞれの残り回数を特定可能である。これに対し、第2特定回数通知コマンドは、特定回数コマンドデータにより00[H]~7F[H]を設定可能なので、特定回数までの残り回数が第1回数である場合に、その残り回数を特定可能である一方で、第1回数よりも多い第2回数である場合に、その残り回数を特定可能でない。これにより、電源投入時には特定回数までの残り回数を正確に特定可能な第1特定回数指定コマンドが送信され、可変表示の実行に対応してバイト数が少ない第2特定回数指定コマンドが送信されるので、電源投入時に正確な情報を伝達可能にしつつ、可変表示の実行に対応した処理負担を軽減して、パチンコ遊技機1の商品性を高めることができる。
(特徴部22AKの課題解決手段および効果)
可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、遊技制御手段からのコマンドにもとづいて、演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、遊技制御手段は、遊技状態を通常状態と特別状態とに移行可能な状態制御手段と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報を更新可能な更新手段と、コマンドを送信可能な送信手段と、を含み、状態制御手段は、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となることにもとづいて遊技状態を移行可能であり、送信手段は、電源投入時に、特定回数までの残り回数に関して第1コマンドを送信し、可変表示の実行に対応して、特定回数までの残り回数に関して第1コマンドとは異なる第2コマンドを送信し、第1コマンドは、第2コマンドよりも多いバイト数を有し、特定回数までの残り回数が第1回数である場合と、特定回数までの残り回数が第1回数よりも多い第2回数である場合とで、それぞれの残り回数を特定可能であり、第2コマンドは、特定回数までの残り回数が第1回数である場合に、当該残り回数を特定可能である一方で、特定回数までの残り回数が第2回数である場合に、当該残り回数を特定可能でない。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。演出制御手段は、例えば演出制御用CPU120などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS325、AKS188を実行するCPU103などであればよい。数値情報は、例えば特定回数カウンタの計数値などであればよい。更新手段は、例えばステップAKS272を実行するCPU103などであればよい。送信手段は、例えば特定回数コマンド送信処理、コマンドセット処理を実行するCPU103などであればよい。特定値は、例えば「0」などであればよい。電源投入時に第1コマンドを送信することは、例えば特定回数コマンド送信処理の実行などであればよい。可変表示の実行に対応して第2コマンドを送信することは、例えばステップAKS308におけるコマンドセット処理の実行などであればよい。第2コマンドよりも多いバイト数は、例えば2バイト構成の第2特定回数指定コマンド94XX[H]に対し、第1特定回数指定コマンド91XX[H]の1セット目AKC01から3セット目AKC03までの合計6バイトなどであればよい。第1回数は、例えば7F[H]未満などであればよい。第2回数は、例えば7F[H]以上などであればよい。
このような構成によれば、コマンドを送信する処理負担やプログラム容量を減らして、遊技機の商品性を高めることができる。
[1] 第1コマンドは、コマンド種別を示す1バイトの第1制御データと、更新手段により更新した数値情報に関する1バイトの第2制御データと、を組み合わせたコマンドデータが所定数あることで構成され、遊技制御手段は、特定コマンド処理の実行により第1コマンドを作成してもよい。ここで、第1制御データは、例えばコマンド種別データなどであればよい。第2制御データは、例えば第1送信データから第3送信データなどであればよい。所定数は、例えば1セット目AKC01から3セット目AKC03までの合計3セットなどであればよい。特定コマンド処理は、例えば特定回数コマンド送信処理などであればよい。
このような構成においては、数値情報に関する正確なコマンドを電源投入時に送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[2] 送信手段は、データ格納領域に格納されたコマンドデータにもとづいてコマンドを送信し、遊技制御手段は、特定コマンド処理の実行により第1コマンドを構成するコマンドデータが作成されるごとに、該特定コマンド処理においてデータ格納領域に格納してもよい。ここで、データ格納手段は、例えばシリアル通信データレジスタなどであればよい。特定コマンド処理においてデータ格納領域に格納することは、例えばステップAKS063、AKS064、AKS066、AKS067、AKS070、AKS071の部分などであればよい。
このような構成においては、コマンドを安定的に送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[3] 制御情報を記憶可能な記憶手段を備え、遊技制御手段は、記憶手段の記憶情報が正常であるか否かを判定する判定処理を実行可能であり、判定処理による判定結果が正常である場合に、記憶された数値情報にもとづいて特定コマンド処理を実行し、判定処理による判定結果が正常でない場合に、記憶手段の初期設定処理を行うことで、初期値に対応する数値情報が設定され、該初期値に対応する数値情報にもとづいて特定コマンド処理を実行してもよい。ここで、記憶手段は、例えばRAM102などであればよい。判定処理は、例えばステップS3のRWMチェック処理およびステップS4の部分などであればよい。記憶された数値情報にもとづいて特定コマンド処理を実行することは、ステップS4にてYesの場合にステップS13の特定回数コマンド送信処理を実行する部分などであればよい。初期値に対応する数値情報にもとづいて特定コマンド処理を実行することは、ステップS4にてNoの場合にステップS13の特定回数コマンド送信処理を実行する部分などであればよい。
このような構成においては、記憶情報が正常である場合でも正常でない場合でも数値情報に関するコマンドを送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[4] 遊技制御手段は、特定コマンド処理の実行中に他の処理を実行しなくてもよい。例えばステップS1の後にステップS13の特定回数コマンド送信処理を実行する部分などであればよい。
このような構成においては、数値情報に関する正確なコマンドを送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[5] 制御情報を記憶可能な記憶手段を備え、遊技制御手段は、記憶手段の記憶情報が正常であるか否かを判定する判定処理を実行可能であり、電源投入から所定期間が経過したときに特定コマンド処理を実行し、所定期間の経過より前に、判定処理による判定結果に対応するコマンドを送信可能に制御してもよい。ここで、記憶手段は、例えばRAM102などであればよい。判定処理は、例えばステップS3のRWMチェック処理およびステップS4の部分などであればよい。電源投入から所定期間が経過したときは、例えばステップS12のウェイト処理を実行したときなどであればよい。判定結果に対応するコマンドを送信可能に制御することは、例えばステップS6、S9の後にステップS10のコマンドセット処理を実行する部分などであればよい。
このような構成においては、確実にコマンドを送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[6] 第2コマンドは、コマンド種別を示す1バイトの第1制御データと、更新手段により更新した数値情報に関する1バイトの第2制御データと、を組み合わせた1セットのコマンドデータで構成され、遊技制御手段は、更新手段により数値情報を更新する更新処理において第2制御データを作成してもよい。ここで、第1制御データは、例えばコマンド種別データなどであればよい。第2制御データは、例えば特定回数コマンドデータなどであればよい。更新処理は、例えばステップAKS125のカウンタ減算処理などであればよい。
このような構成においては、第2コマンドの容量が増大することを防止して、遊技機の商品性を高めることができる。
[7] 遊技制御手段は、可変表示時間が経過した場合に、更新処理を実行可能であり、更新処理の実行により更新手段が更新した数値情報と特定判定値を示す判定情報とを比較し、数値情報が特定判定値以上であるときに、第2コマンドの第2制御データとして判定情報をコマンド情報格納領域に格納し、数値情報が特定判定値未満であるときに、第2コマンドの第2制御データとして更新手段により更新される数値情報をコマンド情報格納領域に格納してもよい。ここで、可変表示時間が経過した場合は、例えば特別図柄変動処理のステップAKS125においてカウンタ減算処理が実行される場合などであればよい。特定判定値は、例えば特定回数コマンド上限値に対応する上限判定値などであればよい。判定情報をコマンド情報格納領域に格納することは、例えばステップAKS275の部分などであればよい。数値情報をコマンド情報格納領域に格納することは、例えばステップAKS277の部分などであればよい。
このような構成においては、第2コマンドの容量を削減して、遊技機の商品性を高めることができる。
[8] 未だ開始されていない可変表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段を備え、遊技制御手段は、保留記憶手段に保留記憶情報が記憶されている場合に、記憶情報シフト処理を実行可能であり、記憶情報シフト処理において、コマンド情報格納領域の格納情報を用いて、第2コマンドを送信可能に制御してもよい。ここで、保留記憶手段は、例えば特別図柄バッファなどであればよい。記憶情報シフト処理は、例えばステップAKS202の特別図柄バッファシフト処理などであればよい。第2コマンドを送信可能に制御することは、例えばステップAKS305、AKS306の部分などであればよい。
このような構成においては、第2コマンドを適切に送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[9] 未だ開始されていない可変表示に関する情報を保留記憶情報として記憶可能な保留記憶手段を備え、遊技制御手段は、保留記憶手段に保留記憶情報が記憶されているか否かを判定する保留記憶判定処理を実行可能であり、保留記憶判定処理において、保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、コマンド情報格納領域の格納情報を用いて、第2コマンドを送信可能に制御してもよい。ここで、保留記憶手段は、例えば特別図柄バッファなどであればよい。保留記憶判定処理は、例えばステップAKS101を含む特別図柄通常処理などであればよい。保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に第2コマンドを送信可能に制御することは、例えばステップAKS111、AKS112の部分などであればよい。
このような構成においては、第2コマンドを安定的に送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[10] 遊技制御手段は、保留記憶判定処理において、保留記憶情報が記憶されていないと判定された場合に、コマンド情報格納領域の格納情報を用いた第2コマンドとともに、非遊技状態に関するコマンドを送信可能に制御してもよい。例えばステップAKS111により待機時コマンド送信テーブルAKT15を指定して、ステップAKS112のコマンドセット処理を実行すればよい。
このような構成においては、コマンドを適切に送信して、遊技機の商品性を高めることができる。
[11] 制御情報を記憶可能な記憶手段を備え、遊技制御手段は、電源投入時に、記憶手段の記憶情報が正常であるか否かを判定する判定処理を実行可能であり、判定処理による判定結果が正常である場合に、記憶された数値情報を用いて制御可能であり、判定処理による判定結果が正常でない場合に、記憶手段の初期設定処理を行うことで、初期値に対応する数値情報が設定され、該初期値に対応する数値情報を用いて制御可能であり、演出制御手段は、特定回数までの残り回数を示す示唆表示が可能であり、電源投入後に、有利状態の終了後とは異なる態様であって、特定回数までの残り回数を認識しにくい特殊態様にて示唆表示を可能に制御する示唆表示制御手段と、示唆表示が特殊態様であるときに、特定回数までの残り回数を示唆する示唆演出を実行可能に制御する示唆演出制御手段と、を含み、示唆演出制御手段は、第1コマンドにもとづいて示唆演出を実行してもよい。ここで、記憶手段は、例えばRAM102などであればよい。判定処理は、例えばステップS3のRWMチェック処理およびステップS4の部分などであればよい。記憶された数値情報を用いて制御可能であることは、ステップS6にて指定されるバックアップ時設定テーブルを用いたデータ設定が特定回数カウンタの初期値設定を含まないことなどであればよい。初期値に対応する数値情報を用いて制御可能であることは、ステップS9にて指定される初期化時設定テーブルを用いたデータ設定が特定回数カウンタの初期値設定を含むことなどであればよい。示唆表示は、例えば回数表示部5Zにおける表示などであればよい。特殊態様は、例えば回数不明態様などであればよい。示唆演出は、例えば残回数示唆演出などであればよい。示唆演出制御手段は、例えばステップAKS535、AKS536を実行する演出制御用CPU120などであればよい。
このような構成においては、示唆表示や示唆演出により遊技興趣を向上させて、遊技機の商品性を高めることができる。
[12] 演出制御手段は、第2コマンドの第2制御データとして更新手段により更新される数値情報が送信されたことにもとづいて、特定回数までの残り回数を報知する所定演出を実行可能に制御する所定演出制御手段を含んでもよい。ここで、所定演出は、例えばカウントダウン演出などであればよい。所定演出制御手段は、例えばステップAKS539、AKS540を実行する演出制御用CPU120などであればよい。
このような構成においては、所定演出により遊技興趣を向上させて、遊技機の商品性を高めることができる。
[13] 演出制御手段は、第1コマンドが送信された場合に、該第1コマンドにもとづく特定回数までの残り回数を回数記憶領域に記憶させ、第2コマンドが送信された場合に、該第2コマンドの第2制御データとして判定情報が送信されたときは、回数記憶領域の記憶内容を第2コマンドの受信結果にもとづいて変更せず、該第2コマンドの第2制御データとして更新手段により更新される数値情報が送信されたときは、回数記憶領域の記憶内容を第2コマンドの受信結果にもとづいて変更してもよい。ここで、回数記憶領域は、例えば示唆演出カウンタなどであればよい。回数記憶領域の記憶内容を変更することは、例えばステップAKS512、AKS513の部分などであればよい。
このような構成においては、特定回数までの残り回数を適切に記憶させて、遊技機の商品性を高めることができる。
[14] 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、遊技制御手段は、通常状態とは異なる特別状態に制御可能な状態制御手段と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報を更新可能な更新手段と、可変表示時間が経過した後の停止時間において可変表示の表示結果を停止表示可能に制御する可変表示制御手段と、を含み、状態制御手段は、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となることにもとづいて特別状態に制御可能であり、有利状態の終了にもとづいて特別状態に制御可能であり、可変表示制御手段は、更新手段により更新する数値情報が特定回数に対応する特定値とならない場合に、停止時間として通常停止時間を設定し、更新手段により更新する数値情報が特定回数に対応する特定値となる場合に、停止時間として特定停止時間を設定し、演出制御手段は、特定停止時間にもとづいて、特別状態に制御される旨を報知する報知演出を実行可能に制御する報知演出制御手段を含んでもよい。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。演出制御手段は、例えば演出制御用CPU120などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。数値情報は、例えば特定回数カウンタの計数値などであればよい。更新手段は、例えばステップAKS272を実行するCPU103などであればよい。停止時間は、例えば特別図柄停止時間などであればよい。可変表示制御手段は、例えば特別図柄変動処理を実行するCPU103などであればよい。特定値は、例えば「0」などであればよい。有利状態の終了にもとづいて特別状態に制御可能であることは、例えばステップAKS188の部分などであればよい。通常停止時間は、例えば図柄停止時設定SZA1に対応して特別図柄プロセスタイマの初期値が007D[H]に設定される場合の特別図柄停止時間などであればよい。特定停止時間は、例えば図柄停止時設定SZA3に対応して特別図柄プロセスタイマの初期値が4F7E[H]に設定される場合の特別図柄停止時間などであればよい。報知演出は、例えば時短突入演出などであればよい。報知演出制御手段は、例えばステップAKS541、AKS542を実行する演出制御用CPU120などであればよい。
このような構成においては、容量増大を防止しつつ報知演出により遊技興趣を向上させて、遊技機の商品性を高めることができる。
[15] 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段を備え、遊技制御手段は、可変表示時間が経過した後の停止時間において可変表示の表示結果を停止表示可能に制御する可変表示制御手段を含み、遊技制御手段は、停止時間を設定する設定処理において、停止時間として通常停止時間を設定する通常設定を行い、通常設定の後に、特定条件に関する特定判定を行い、特定判定による判定結果が特定条件の成立であると判定された場合に、停止時間として該特定条件に対応する特定停止時間を設定する上書き設定を行い、該上書き設定により設定された特定停止時間にもとづいて制御を行い、特定判定による判定結果が特定条件の成立でないと判定された場合に、通常設定により設定された通常停止時間にもとづいて制御を行ってもよい。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。停止時間は、例えば特別図柄停止時間などであればよい。可変表示制御手段は、例えば特別図柄変動処理を実行するCPU103などであればよい。通常停止時間は、例えば図柄停止時設定SZA1に対応して特別図柄プロセスタイマの初期値が007D[H]に設定される場合の特別図柄停止時間などであればよい。通常設定は、例えばステップAKS251の部分などであればよい。特定条件は、例えば当り終了後演出指定値が00[H]であることなどであればよい。特定判定は、例えばステップAKS253の部分などであればよい。特定停止時間は、例えば図柄停止時設定SZA3に対応して特別図柄プロセスタイマの初期値が4F7E[H]に設定される場合の特別図柄停止時間などであればよい。上書き設定は、例えばステップAKS255の部分などであればよい。
このような構成においては、プログラム容量の増大を防止して、遊技機の商品性を高めることができる。
[16] 第1可変表示を行う第1可変表示手段と、第2可変表示を行う第2可変表示手段とを備え、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段を備え、遊技制御手段は、第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい特別状態に制御可能な状態制御手段と、可変表示時間が経過した後の停止時間において可変表示の表示結果を停止表示可能に制御する可変表示制御手段と、を含み、状態制御手段は、少なくとも、特別状態中における第1可変表示および第2可変表示の合計回数が第1回数になった第1条件と、特別状態中における第2可変表示の回数が第2回数になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことにもとづいて特別状態を終了させ、遊技制御手段は、停止時間を設定する設定処理において、第1条件が成立するか否かの第1条件判定を行い、第1条件が成立する場合に、第1条件の成立に対応して停止時間を設定し、第2可変表示が実行されたか否かの可変表示判定を行い、第2可変表示が実行された場合に、第2条件が成立するか否かの第2条件判定を行い、第2条件が成立する場合に、第2条件の成立に対応して停止時間を設定し、第1条件判定により第1条件が成立すると判定された場合に、可変表示判定および第2条件判定を行わなくてもよい。ここで、第1可変表示手段は、例えば第1特別図柄表示装置4Aなどであればよい。第2可変表示手段は、第2特別図柄表示装置4Bなどであればよい。有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。停止時間は、例えば特別図柄停止時間などであればよい。可変表示制御手段は、可変表示制御手段は、例えば特別図柄変動処理を実行するCPU103などであればよい。第1条件は、例えば第1時短カウンタの計数値が「0」に更新されることなどであればよい。第2条件は、例えば第2時短カウンタの計数値が「0」に更新されることなどであればよい。第1条件の成立に対応して停止時間を設定することは、例えばステップAKS257にてYesの場合にステップAKS260にて図柄停止時設定SZA2を行う部分などであればよい。可変表示判定は、例えばステップAKS258などであればよい。第2条件の成立に対応して停止時間を設定することは、例えばステップAKS259にてYesの場合にステップAKS260にて図柄停止時設定SZA2を行う部分などであればよい。
このような構成においては、特別状態を制御するための処理負担を軽減して、遊技機の商品性を高めることができる。
[17] 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、遊技制御手段は、通常状態とは異なる特別状態に制御可能な状態制御手段と、可変表示時間が経過した後の停止時間において可変表示の表示結果を停止表示可能に制御する可変表示制御手段と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報を更新可能な更新手段と、有利状態の終了に対応して計数情報を設定可能な計数手段と、を含み、演出制御手段は、計数手段が設定した計数情報が第1指定値である場合と第2指定値である場合とで、異なる演出態様の可変表示演出を実行可能に制御し、状態制御手段は、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となることにもとづいて特別状態に制御可能であり、有利状態の終了にもとづいて特別状態に制御可能であり、可変表示制御手段は、計数手段により設定した計数情報が電源投入後の初期設定値とは異なる場合に、更新手段により更新する数値情報が特定回数に対応する特定値となるか否かの数値判定を行い、特定回数に対応する特定値とならないときに、停止時間として通常停止時間を設定し、特定回数に対応する特定値となるときに、停止時間として特定停止時間を設定し、計数手段により設定した計数情報が初期設定値と合致する場合に、数値判定を行わずに停止時間として通常停止時間を設定し、演出制御手段は、特定停止時間にもとづいて、特別状態に制御される旨を報知する報知演出を実行可能に制御する報知演出制御手段を含んでもよい。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。演出制御手段は、例えば演出制御用CPU120などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。停止時間は、例えば特別図柄停止時間などであればよい。可変表示制御手段は、可変表示制御手段は、例えば特別図柄変動処理を実行するCPU103などであればよい。数値情報は、例えば特定回数カウンタの計数値などであればよい。更新手段は、例えばステップAKS272を実行するCPU103などであればよい。計数情報は、例えば当り終了後演出指定値などであればよい。計数手段は、例えば当り終了後演出指定バッファなどであればよい。第1指定値は、例えば00[H]などであればよい。第2指定値は、例えば00[H]以外の値などであればよい。異なる演出態様の可変表示演出は、例えば演出状態選択指定値に対応して決定可能パターンが異なることなどであればよい。特定値は、例えば「0」などであればよい。有利状態の終了にもとづいて特別状態に制御可能であることは、例えばステップAKS188の部分などであればよい。初期設定値は、例えば00[H]などであればよい。数値判定は、例えばステップAKS254などであればよい。通常停止時間は、例えば図柄停止時設定SZA1に対応して特別図柄プロセスタイマの初期値が007D[H]に設定される場合の特別図柄停止時間などであればよい。特定停止時間は、例えば図柄停止時設定SZA3に対応して特別図柄プロセスタイマの初期値が4F7E[H]に設定される場合の特別図柄停止時間などであればよい。計数情報が初期設定値と合致する場合は、例えばステップAKS253にてYesの場合などであればよい。報知演出は、例えば時短突入演出などであればよい。報知演出制御手段は、例えばステップAKS541、AKS542を実行する演出制御用CPU120などであればよい。
このような構成においては、遊技の公正を保持しつつ報知演出により遊技興趣を向上させて、遊技機の商品性を高めることができる。
[18] 第1可変表示を行う第1可変表示手段と、第2可変表示を行う第2可変表示手段とを備え、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段を備え、遊技制御手段は、第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい特別状態に制御可能な状態制御手段を含み、状態制御手段は、少なくとも、特別状態中における第1可変表示および第2可変表示の合計回数が第1回数になった第1条件と、特別状態中における第2可変表示の回数が第2回数になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことにもとづいて特別状態を終了させ、遊技制御手段は、第1条件に対応する第1計数手段と、第2条件に対応する第2計数手段と、を含み、第1計数手段による計数値を更新する計数値更新処理を行い、第1条件が成立する場合に、特別状態の終了に関する処理を行い、第2計数手段による計数値を更新する計数値更新処理を行い、第2条件が成立する場合に、特別状態の終了に関する処理を行い、第1計数手段による計数値を更新する計数値更新処理を行い、第1条件が成立する場合に、第2計数手段による計数値を更新する計数値更新処理を行わなくてもよい。ここで、第1可変表示手段は、例えば第1特別図柄表示装置4Aなどであればよい。第2可変表示手段は、第2特別図柄表示装置4Bなどであればよい。有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。第1条件は、例えば第1時短カウンタの計数値が「0」に更新されることなどであればよい。第2条件は、例えば第2時短カウンタの計数値が「0」に更新されることなどであればよい。第1計数手段は、例えば第1時短カウンタなどであればよい。第2計数手段は、例えば第2時短カウンタなどであればよい。計数値更新処理は、例えば時短減算処理などであればよい。第1条件が成立する場合は、例えばステップAKS280の時短減算処理によりステップAKS323にてYesの場合などであればよい。
このような構成においては、特別状態を制御するための処理負担を軽減して、遊技機の商品性を高めることができる。
[19] 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段と、遊技制御手段からのコマンドにもとづいて、演出を制御可能な演出制御手段と、を備え、遊技制御手段は、通常状態とは異なる特別状態に制御可能な状態制御手段と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報を更新可能な更新手段と、遊技の進行に応じてコマンドを送信可能な送信手段と、を含み、更新手段により数値情報を更新可能な数値更新処理において、実行された可変表示にもとづいて有利状態に制御するか否かの有利判定を行い、有利判定の判定結果が有利状態に制御する旨の判定である場合に、更新手段による数値情報の更新を行わず、有利判定の判定結果が有利状態に制御しない旨の判定である場合に、更新手段による数値情報の更新を行い、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となることにもとづいて特別状態の制御に関する処理を行い、送信手段は、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となった場合に、特別状態に制御する旨を特定可能な特定コマンドを送信し、演出制御手段は、特定コマンドにもとづいて特別状態に制御される旨を報知する報知演出を実行可能に制御する報知演出制御手段を含んでもよい。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。演出制御手段は、例えば演出制御用CPU120などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。数値情報は、例えば特定回数カウンタの計数値などであればよい。更新手段は、例えばステップAKS272を実行するCPU103などであればよい。送信手段は、コマンドセット処理を実行するCPU103などであればよい。数値更新処理は、例えばカウンタ減算処理などであればよい。有利判定は、例えばステップAKS271などであればよい。有利状態に制御する旨の判定である場合は、例えばステップAKS271にてYesの場合などであればよい。有利状態に制御しない旨の判定である場合は、例えばステップAKS271にてNoの場合などであればよい。特別状態の制御に関する処理は、例えばステップAKS273、AKS274などであればよい。特定コマンドは、例えば特別図柄状態指定コマンド、第2特定回数指定コマンドなどであればよい。報知演出は、例えば時短突入演出などであればよい。報知演出制御手段は、例えばステップAKS541、AKS542を実行する演出制御用CPU120などであればよい。
このような構成においては、報知演出の適切な実行により遊技興趣を向上させて、遊技機の商品性を高めることができる。
[20] 第1可変表示を行う第1可変表示手段と、第2可変表示を行う第2可変表示手段とを備え、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、遊技の進行を制御可能な遊技制御手段を備え、遊技制御手段は、第2可変表示が通常状態よりも実行されやすい特別状態に制御可能な状態制御手段を含み、状態制御手段は、少なくとも、特別状態中における第1可変表示および第2可変表示の合計回数が第1回数になった第1条件と、特別状態中における第2可変表示の回数が第2回数になった第2条件とのいずれか一方の条件が成立したことにもとづいて特別状態を終了させ、遊技制御手段は、第1条件に対応する第1計数手段と、第2条件に対応する第2計数手段と、を含み、第1計数手段による計数値を更新する計数値更新処理を行い、第1条件が成立する場合に、特別状態の終了に関する処理を行い、第2計数手段による計数値を更新する計数値更新処理を行い、第2条件が成立する場合に、特別状態の終了に関する処理を行い、第1条件が成立する場合と、第2条件が成立する場合とは、いずれの場合においても、特別状態の終了に関する処理において、第1計数手段および第2計数手段による計数値を初期化してもよい。ここで、第1可変表示手段は、例えば第1特別図柄表示装置4Aなどであればよい。第2可変表示手段は、第2特別図柄表示装置4Bなどであればよい。有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。遊技制御手段は、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。第1条件は、例えば第1時短カウンタの計数値が「0」に更新されることなどであればよい。第2条件は、例えば第2時短カウンタの計数値が「0」に更新されることなどであればよい。第1計数手段は、例えば第1時短カウンタなどであればよい。第2計数手段は、例えば第2時短カウンタなどであればよい。計数値更新処理は、例えば時短減算処理などであればよい。特別状態の終了に関する処理は、例えばステップAKS324、AKS327などであればよい。
このような構成においては、特別状態を適切に制御して、遊技機の商品性を高めることができる。
[21] 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、通常状態とは異なる特別状態に制御可能な状態制御手段と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報を更新可能な更新手段と、パターン選択用データを用いて可変表示パターンを選択可能なパターン選択手段と、を備え、状態制御手段は、有利状態の終了にもとづいて特別状態のうちの第1特別状態に制御可能であり、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となることにもとづいて特別状態のうちの第2特別状態に制御可能であり、パターン選択手段は、第1特別状態が終了した後の通常状態において、特殊パターン選択用データを用いて可変表示パターンを選択し、第2特別状態が終了した後の通常状態において、電源投入後の初期設定と共通の通常パターン選択用データを用いて可変表示パターンを選択し、通常パターン選択用データを用いて選択可能な可変表示パターンは、特殊パターン選択用データを用いて選択可能な可変表示パターンを含まなくてもよい。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。数値情報は、例えば特定回数カウンタの計数値などであればよい。更新手段は、例えばステップAKS272を実行するCPU103などであればよい。パターン選択用データは、例えば大当り時変動パターン種別選択テーブル、小当り時変動パターン種別選択テーブル、ハズレ時変動パターン種別選択テーブル、変動パターン決定用テーブルなどであればよい。パターン選択手段は、例えばステップAKS108の変動パターン設定処理を実行するCPU103などであればよい。特殊パターン選択用データは、例えば演出状態選択指定値が01[H]、02[H]に対応する大当り時変動パターン種別選択テーブル、変動パターン決定テーブルなどであればよい。通常パターン選択用データは、例えば演出状態選択指定値が00[H]に対応する大当り時変動パターン種別選択テーブル、変動パターン決定テーブルなどであればよい。特殊パターン選択用データを用いて選択可能な可変表示パターンは、例えば演出状態選択指定値が01[H]、02[H]の場合に決定可能パターンとなる変動パターンPB57、PB68などであればよい。
このような構成においては、特別状態が終了した後に適切な可変表示パターンを選択可能として、遊技機の商品性を高めることができる。
[22] 可変表示を行い、遊技者にとって有利な有利状態に制御可能な遊技機であって、通常状態とは異なる特別状態に制御可能な状態制御手段と、可変表示が実行されることにもとづいて数値情報を更新可能な更新手段と、有利状態に制御可能な有利制御手段と、を備え、有利制御手段は、可変表示の表示結果が第1有利結果となる場合に、有利状態のうちの第1有利状態に制御可能であり、可変表示の表示結果が第2有利結果となる場合に、有利状態のうちの第2有利状態に制御可能であり、状態制御手段は、第1有利状態が終了する場合に、特別状態のうちの第1特別状態に制御可能であり、第2有利状態が終了する場合に、特別状態のうちの第2特別状態に制御可能であり、更新手段により更新した数値情報が特定回数に対応する特定値となることにもとづいて特別状態のうちの第3特別状態に制御可能であり、第1有利状態が終了する場合と、第2有利状態が終了する場合とは、いずれの場合においても、第1処理および第2処理を行い、第1有利状態が終了する場合に、第1処理により第1特別状態に関する設定が可能であり、第2有利状態が終了する場合に、第1処理により第2特別状態に関する設定が可能であり、第1有利状態が終了する場合と、第2有利状態が終了する場合とは、それぞれ、第2処理により更新手段が更新する数値情報の初期値が設定されてもよい。ここで、有利状態は、例えば大当り遊技状態などであればよい。遊技機は、例えばパチンコ遊技機1などであればよい。特別状態は、例えば時短状態などであればよい。状態制御手段は、例えばステップAKS273およびAKS274、AKS324およびAKS327、AKS188を実行するCPU103などであればよい。数値情報は、例えば特定回数カウンタの計数値などであればよい。更新手段は、例えばステップAKS272を実行するCPU103などであればよい。有利制御手段は、例えば大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大入賞口開放後処理、大当り終了処理を実行するCPU103などであればよい。第1有利結果は、例えば大当り図柄指定値が01[H]、02[H]の場合などであればよい。第1有利状態は、例えば大入賞口開放回数最大値が03[H]の大当り遊技状態などであればよい。第2有利結果は、例えば大当り図柄指定値が00[H]、05[H]、06[H]の場合などであればよい。第2有利状態は、例えば大入賞口開放回数最大値が0A[H]の大当り遊技状態などであればよい。第1特別状態は、例えば大当り終了時状態設定種別SX1に対応して第1時短カウンタの初期値が0006[H]であり第2時短カウンタ初期値が0001[H]となる時短状態などであればよい。第2特別状態は、例えば大当り時状態設定種別SX3、SX4、SX6に対応して第1時短カウンタの初期値が02AD[H]となる時短状態などであればよい。第1処理は、例えばステップAKS188などであればよい。第2処理は、例えばステップAKS190のデータセット処理などであればよい。
このような構成においては、プログラム容量の増大を防止して、遊技機の商品性を高めることができる。