JP2022109488A - 内部短絡検知方法および電源システム - Google Patents

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真也 水杉
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Abstract

【課題】亜鉛電池を含む組電池における内部短絡を確実に検出すること。【解決手段】実施形態の内部短絡検知方法は、亜鉛電池を含む電池5の内部短絡の有無を検知する方法であって、電池5の充電を制御する充電ステップと、電池5を所定の充電状態となるまで放電するように制御する第1の放電ステップと、電池5を両端を開放した状態で所定時間放置する休止ステップと、電池5を所定時間ほど所定の電流値で放電するように制御する第2の放電ステップと、第2の放電ステップにおける電池5の両極間電圧を測定し、両極間電圧の時間的な変化に基づいて内部短絡の有無を判定する測定ステップと、を含む。【選択図】図5

Description

本発明は、亜鉛電池を含む組電池を対象にした内部短絡検知方法および電源システムに関する。
特許文献1には、リチウムイオン電池等の二次電池の内部状態を検出する装置が開示されている。この文献に開示された装置は、二次電池の電圧値もしくは電圧値と電流値を計測し、計測結果を基礎データと比較して短絡等の二次電池の内部状態を検出している。
特開2002-50410号公報
上述した従来技術においては、二次電池を複数直列に接続して構成される組電池を対象とした場合には、組電池の電圧を計測するため、二次電池の内部短絡を確実に検出することは困難である。特に、亜鉛電池は充電状態の変化による電圧の変動が比較的小さいため、上記従来技術によっては、亜鉛電池を対象にした内部短絡の検出は困難である。
そこで、亜鉛電池を含む組電池における内部短絡を確実に検出可能な内部短絡検知方法および電源システムを提供することを目的とする。
実施形態の一側面に係る内部短絡検知方法は、亜鉛電池を含む組電池の内部短絡の有無を検知する方法であって、組電池の充電を制御する充電ステップと、組電池を所定の充電状態となるまで放電するように制御する第1の放電ステップと、組電池を、両端を開放した状態で所定時間放置する休止ステップと、組電池を、所定時間ほど所定の電流値で放電するように制御する第2の放電ステップと、第2の放電ステップにおける組電池の両極間電圧を測定し、両極間電圧の時間的な変化に基づいて内部短絡の有無を判定する測定ステップと、を含む。
実施形態の一側面に係る電源システムは、亜鉛電池を含む組電池と、組電池の充電及び放電を制御する制御部と、亜鉛電池の状態を検知する検知部と、を備え、制御部は、組電池の充電後に組電池を所定の充電状態となるまで放電するように制御した後に、組電池を、両端を開放した状態で所定時間放置し、その後に、組電池を所定時間ほど所定の電流値で放電するように制御し、検知部は、所定の電流値での放電時における組電池の両極間電圧を測定し、両極間電圧の時間的な変化に基づいて内部短絡の有無を判定する。
これらの内部短絡検知方法及び電源システムでは、組電池が所定の充電状態になるように設定された後に所定時間放置され、その後に所定時間ほど所定の電流値で組電池が放電される。さらに、所定の電流値での放電時に組電池の両極間電圧の時間的な変化を検出することにより、組電池における内部短絡の有無が判定される。これにより、内部短絡が生じている亜鉛電池のみ充電電荷量が急速に低下する状態を検出できるため、組電池内の亜鉛電池の内部短絡の有無を確実に判定することができる。
ここで、測定ステップでは、ステップ状の時間的な変化が所定電圧値以上の場合に内部短絡が有りと判定してもよい。一般に、亜鉛電池における、充電状態と両極間電圧との関係は、充電状態に対して両極間電圧の変化が少ない広い平坦領域を有する。このような性質を有する亜鉛電池を含む組電池を対象にした場合に、組電池中の亜鉛電池における内部短絡の有無をより確実に検知することができる。
また、測定ステップでは、時間的な変化の値と所定電圧値とを比較し、組電池中で内部短絡が生じている亜鉛電池の個数を判定してもよい。この場合、組電池における内部短絡の有無に加えて、内部短絡の生じている亜鉛電池の個数を精度よく判定することができる。
また、所定の充電状態は、放電容量に対する充電電荷量の割合が所定値に至った状態であってよい。この場合、所定値を亜鉛電池の両極間電圧の変化の生じやすい充電状態に対応するように設定することにより、より確実に組電池における内部短絡の有無を判定することができる。
また、第1の放電ステップでは、組電池の開回路電圧を基に所定の充電状態を検出してもよい。この場合、組電池の充電状態を簡易に検出することができ、組電池の内部短絡の有無を簡易に検出することができる。
また、第1の放電ステップでは、組電池の放電電流の積算値を基に所定の充電状態を検出してもよい。この場合も、組電池の充電状態を簡易かつ高精度に検出することができる。
実施形態の一側面によれば、亜鉛電池を含む組電池における内部短絡を確実に検出できる内部短絡検知方法及び電源システムを提供することができる。
電源システム1の構成の一例を模式的に示す図である。 制御装置8のハードウェア構成例を示す図である。 電池5を構成するセルの放電時における、充電率と開回路電圧との関係の一例を示すグラフである。 制御装置8によって制御される放電電流の時間変化を示すグラフである。 電源システム1により実行される状態検知処理の手順を示すフローチャートである。 状態検知処理を動作させた際に制御装置8によって解析された電池5の両極間電圧の時間変化を示すグラフである。 図4に示す時間変化に従った充放電制御のサイクルを繰り返し実行させた際の電池5の両極間電圧の時間変化を示すグラフである。 電池5を対象に図4に示す時間変化に従った充放電制御のサイクルを繰り返し実行させた後に充放電を休止させた際の電池5の両極間電圧の時間変化を示すグラフである。 図8の測定結果におけるそれぞれのサイクル数に対応した40時間の休止後の降下電圧を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら本発明による亜鉛電池の内部短絡検知方法および電源システムの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。以下の説明において、亜鉛電池とは、ニッケル亜鉛電池、空気亜鉛電池、及び銀亜鉛電池等、負極に亜鉛を用いる電池の概念である。本実施形態にかかる亜鉛電池には、ニッケル亜鉛電池を採用する。
図1は、電源システム1及びその周辺の構成の一例を模式的に示す図である。電源システム1は、蓄電池の充放電を制御しながらその蓄電池の内部短絡状態を監視し、監視結果をユーザに通知する。電源システム1が適用される場面は限定されず、例えば、電源システム1は固定物にも移動体にも適用可能である。固定物への適用の例として、電源システム1は、UPSとして家庭、オフィス、工場、農場等の様々な場所で利用され得る。電源システム1の充放電の制御対象としては、単一の亜鉛電池であるセルが複数直列に接続された組電池が好適に使用される。なお、図1においては、電気的な接続経路を矢印なしの実線で示し、検出信号及び制御信号の伝達経路を矢印付きの実線で示している。
電源システム1は、電圧検出回路2、温度検出回路3、電流検出回路4、組電池である電池5、充電制御回路6、放電制御回路7、及び制御装置8を備える。電圧検出回路2、温度検出回路3、電流検出回路4、及び制御装置8は、電池5の状態を検知する検知部を構成し、充電制御回路6、放電制御回路7、及び制御装置8は、電池5の充放電(充電及び放電)を制御する制御部を構成する。
電池5は、充電制御回路6から提供される電力を化学エネルギに変えて蓄える装置であり、充放電が可能である。電池5は、直列に接続された複数のセル(亜鉛電池)を含んで構成される。電池5は、複数のセルが1つの筐体内に収納されて構成される。
電圧検出回路2は、電池5の両極間の電圧(電位差)をセンシング(測定)するセンサユニットである。電圧検出回路2は、互いに直列に接続された複数のセルを含む電池5の両極間の電圧をセンシングするように、電池5の正極及び負極に接続されている。これにより、電圧検出回路2は、電池5に含まれる複数のセルの両極間の電圧を合計した電圧をセンシングすることとなる。電圧検出回路2は、センシングした電圧の値を示す検出信号(例えば、電圧信号)を制御装置8に出力可能なように、制御装置8に接続されている。
温度検出回路3は、電池5の周辺温度をセンシング(測定)するセンサユニットである。温度検出回路3は、例えば、電池5の筐体の側面に設けられ、電池5の周辺の温度をセンシングする。この温度検出回路3は、電池5の含む複数のセルのうちのいずれかのセルの周辺に設けられてもよいし、それらの複数のセルの周辺に複数で設けられてもよい。また、温度検出回路3は、電池5の周辺の温度をセンシングできればよく、電池5の筐体から離れて設けられていてもよい。温度検出回路3は、センシングした周辺温度の値を示す検出信号(例えば、電圧信号)を制御装置8に出力可能なように、制御装置8に接続されている。
電流検出回路4は、電池5に供給される充電電流、あるいは、電池5から出力される放電電流をセンシング(測定)するセンサユニットである。電流検出回路4は、例えば、電池5の両極間に電気的に接続された電流計である。この電流検出回路4は、電池5全体に供給される充電電流あるいは放電電流をセンシングできればよく、電池5を構成する複数のセルのうちいずれかのセルの両極に接続されて設けられてもよいし、電池5の両極に接続されて設けられてもよい。電流検出回路4は、センシングした電流の値を示す検出信号(例えば、電圧信号)を制御装置8に出力可能なように、制御装置8に接続されている。
充電制御回路6は、電池5に充電電流を供給する回路ユニットである。充電制御回路6は、制御装置8から受信した制御信号(例えば、電圧信号)に応じて、電池5を定電圧で充電させることが可能なように、制御装置8に接続されている。放電制御回路7は、電池5から出力される放電電流を可変に制御する回路ユニットである。放電制御回路7は、制御装置8から受信した制御信号(例えば、電圧信号)に応じて、電池5から出力される放電電流の大きさを設定可能なように、制御装置8に接続されている。また、充電制御回路6及び放電制御回路7は、制御装置8からの制御信号に応じて、電池5の両極間を高抵抗に設定することで、電池5の両極間を開放させることも可能に構成されている。
制御装置8は、電池5の充電及び放電を制御するとともに電池5の内部短絡の有無を検知するコンピュータ(例えばマイクロコンピュータ)である。図2は、制御装置8のハードウェア構成例を示す図である。この図に示すように、制御装置8は、プロセッサ11、メモリ12、通信インターフェース13、及び出力インターフェース14を有する。プロセッサ11は例えばCPUであり、メモリ12は例えばフラッシュメモリで構成されるが、制御装置8を構成するハードウェア装置の種類はこれらに限定されず、任意に選択されてよい。制御装置8の各機能は、プロセッサ11が、メモリ12に格納されているプログラムを実行することで実現される。例えば、プロセッサ11は、メモリ12から読み出したデータ、または通信インターフェース13を介して受信した検出信号に基づくデータに対して、所定の演算を実行し、その演算結果を通信インターフェース13及び出力インターフェース14を介して他の装置に出力することで、該他の装置を制御する。例えば、他の装置としては、充電制御回路6、放電制御回路7、ディスプレイ、スピーカ、ランプ、バイブレータ、警報装置等が挙げられる。あるいは、プロセッサ11は受信したデータまたは演算結果をメモリ12に格納する。制御装置8は1台のコンピュータで構成されてもよいし、複数のコンピュータの集合(すなわち分散システム)で構成されてもよい。
例えばUPS等である電源システム1は、電池5の電力を必要としない平常時においては、電池5の充電状態を維持しつつ停電発生時まで待機させる(待機状態)。その際、制御装置8は、充電制御回路6を制御することにより、電池5の充電状態を維持させるように充電を制御する(充電ステップ)。また、制御装置8は、待機状態中の任意のタイミング(例えば、予め設定されたタイミング、あるいは、制御装置8に対して通信インターフェース13を介してコマンドが入力されたタイミング)において、電池5の内部短絡の有無を検知する状態検知処理を起動させる。以下、状態検知処理の原理及び処理手順の詳細を説明する。
図3は、電池5を構成するセルの放電時における、放電容量に対する充電電荷量の割合である充電率(SOC:State Of Charge)と開回路電圧(OCV:Open Circuit Voltage)との関係の一例を示すグラフである。このグラフに示すように、亜鉛電池であるセルにおいては、SOCに対するOCVの変化の特性が広い平坦領域を有するため、特開2002-50410号公報に記載されたような放電も充電も行わない休止時においてOCVの低下を判定する手法によっては、内部短絡の有無を精度よく判定することはできない。また、電池5は直列に接続された複数のセルを含んでいるため、電池5の両極間電圧の変化によっては内部短絡の有無を精度よく判定することはできない。一方、本発明者らは、内部短絡が生じているセルにおいては、SOCが30%程度より低く低下した状態では、放電時に急激に両極間電圧が低下する現象を見出し、その現象を利用して内部短絡の有無を検出する手法を考案した。
すなわち、制御装置8は、以下の手順で状態検知処理を実行する機能を有する。
まず、状態検知処理が起動されると、制御装置8は、所定の放電電流(例えば、“0.2C”以上“1C”以下の一定の放電電流)で所定の充電状態(SOC)に至るまで電池5を放電させるように、放電制御回路7を制御する。ここでいう放電電流“0.2C”は、電池5の満充電時の放電容量の設計値が5時間で完全放電される電流値、放電容量“1C”は、当該設計値が1時間で完全放電される電流値である。このとき、制御装置8は、電池5のSOCを電圧検出回路2によって検出された電池5のOCVによってその都度特定し、例えば、SOCが30%に至るまで電池5を放電させるように制御する。また、制御装置8は、放電開始時点のSOCを電池5のOCVを基に特定し、その後の放電電荷量を電流検出回路4によってセンシングされた放電電流を積算することによって特定し、放電開始時点のSOCと特定した放電電流を基に、電池5のSOCをその都度特定してもよい。
次に、制御装置8は、充電制御回路6及び放電制御回路7を制御することにより、電池5の両端間を開放(高抵抗の状態で保持)したままで、電池5を所定時間放置する。所定時間としては、1秒以上の任意の時間が設定されうるが、例えば、1時間以上24時間以下の時間が設定される。好適には、所定時間としては、電池5のSOCが自然放電により30%から20%程度に低下する時間が設定される。
その後、制御装置8は、所定の放電電流(例えば、“0.2C”以上“1C”以下の一定の放電電流)で所定時間(例えば、60秒)ほど電池5を放電させるように、放電制御回路7を制御する。それと同時に、制御装置8は、電圧検出回路2によって検出された電池5の両極間電圧を基に、その両極間電圧の時間的な変化を解析し、その変化を基に電池5内のセルにおける内部短絡の有無を判定する。
図4は、このときに制御装置8によって制御される放電電流の時間変化を示すグラフである。このグラフに示す例では、59秒間で“0.97C(≒1C)”に対応する77.8Aの放電電流で電池5を放電させてから、1秒間で300Aの放電電流で電池5を放電させるように放電制御回路7が制御された後に、最大100Aの充電電流で14.8Vの定電圧で電池5を充電(定電圧充電)させるように充電制御回路6が制御されている。ただし、電池5を定電圧で充電させる制御は省かれていてもよい。
制御装置8は、上記の59秒間での電池5の両極間電圧の時間変化において、ステップ状の電圧変化の幅を検出し、その幅と所定電圧値(例えば、1.5V)とを比較することにより、内部短絡の有無を判定する。具体的には、電圧変化の幅が所定電圧値を超えている場合に“内部短絡有り”と判定する。また、制御装置8は、上記のステップ状の電圧変化の幅と所定電圧値の整数倍の電圧値とを比較することにより、電池5内で内部短絡が生じているセルの個数を判定することもできる。具体的には、電圧変化の幅が所定電圧値のn倍(nは整数)の電圧値よりも大きく、かつ、電圧変化の幅が所定電圧値のn+1倍の電圧値よりも小さい場合には、内部短絡が生じているセルの個数を“n個”と判定する。
そして、制御装置8は、判定した結果を、通信インターフェース13及び出力インターフェース14を介して、ディスプレイ、スピーカ、ランプ、バイブレータ、警報装置等の他の装置に出力する。例えば、制御装置8は、内部短絡の有無及び内部短絡の生じているセルの個数を示すメッセージをディスプレイ及びスピーカに出力する。
以下、上述した電源システム1によって実行される状態検知処理の手順を説明するとともに、本実施形態にかかる内部短絡検知方法の詳細を説明する。図5は、電源システム1により実行される状態検知処理の手順を示すフローチャートである。
最初に、電池5の待機状態において状態検知処理が起動されると、制御装置8により放電制御回路7が制御されることにより、電池5の所定の放電電流での放電が開始される(ステップS1、第1の放電ステップの開始)。その後、制御装置8により放電制御回路7が制御されることにより、電池5のSOCが所定値に至ったタイミングで所定の放電電流での放電が停止される(ステップS2、第1の放電ステップの終了)。
次に、制御装置8により充電制御回路6及び放電制御回路7が制御されることにより、電池5の両端間を負荷から開放した状態で所定時間ほど電池5の充放電が休止される(ステップS3、休止ステップ)。さらに、制御装置8により放電制御回路7が制御されることにより、所定の放電電流で所定時間ほど電池5を放電させるように制御される。それと同時に、制御装置8により、電圧検出回路2によって検出された電池5の両極間電圧の時間的な変化が解析される(ステップS4、第2の放電ステップ及び測定ステップ)。
上記解析においては、制御装置8により、電池5の両極間電圧の時間的変化におけるステップ状の電圧変化の幅と所定電圧値とが比較される(ステップS5、測定ステップ)。比較の結果、電圧変化の幅が所定電圧値を超えている場合には(ステップS5;Yes)、制御装置8により、電池5において“内部短絡有り”と判定され、さらに電圧変化の幅と所定電圧値の整数倍の電圧値とが比較されることにより、内部短絡が生じているセルの個数が特定される(ステップS6、測定ステップ)。一方、ステップS5での比較の結果、電圧変化の幅が所定電圧値以下である場合には(ステップS5;No)、制御装置8により、電池5において“内部短絡無し”と判定される。
最後に、制御装置8により、他の装置に対して、内部短絡に関する判定結果に基づいたメッセージ、アラーム等が出力される(ステップS7)。以上により、状態検知処理が終了する。
図6は、8個のセルを含む電池5を対象に状態検知処理を動作させた際に制御装置8によって解析された電池5の両極間電圧の時間変化を示すグラフである。ここでは、電池5の待機時に、図4に示したような時間変化に従った充放電制御を実行させる120秒のサイクルを所定回(1回、3601回、36001回、…)繰り返した後に、状態検知処理を動作させた際の解析結果をそれぞれ示している。この解析結果に示すように、充放電制御のサイクルが比較的少ない場合においては(36001回以下)、0秒~59秒までの間の放電過程においてステップ状の電圧変化は見られていない。これに対して、充放電制御のサイクルが比較的多い場合においては(39601回以上)、0秒~59秒までの間の放電過程においてステップ状の大きな電圧変化が観測される。これは、39601回以上の充放電制御のサイクルによってセルにおいて内部短絡が発生したことによるものと考えられる。本実施形態の制御装置8によれば、上記の放電過程におけるステップ状の電圧降下を検出することにより、電池5内のセルにおける内部短絡の有無を判定することができる。
また、図7は、待機状態後の8個のセルを含む電池5を対象に、図4に示す時間変化に従った充放電制御のサイクルを繰り返し実行させた際の電池5の両極間電圧の時間変化を示すグラフである。ここでは、各サイクルにおける60秒時点の300A放電時の両極間電圧が示されている。この結果に示すように、39600サイクル目以降で、両極間電圧において電圧降下が見られることが分かり、その後の3~5サイクルで繰り返し電圧降下が見られ、それ以降は一時的に電圧降下が回復していることが分かった。この結果により、制御装置8が状態検知処理における1秒間での300Aの放電制御時の両極間電圧を解析することによっても、電池5の内部短絡の有無を判定できることの可能性が示された。
以上説明した本実施形態に係る電源システム1では、電池5が所定の充電状態になるように設定された後に所定時間放置され、その後に所定時間ほど所定の電流値で電池5が放電される。さらに、所定の電流値での放電時に電池5の両極間電圧の時間的な変化を検出することにより、電池5における内部短絡の有無が判定される。これにより、内部短絡が生じているセルのみ充電電荷量が急速に低下する状態を検出できるため、電池5内のセルの内部短絡の有無を確実に判定することができる。
ここで、制御装置8は、所定の電流値での放電時の電池5の両極間電圧における変化幅が、所定電圧値以上の場合に内部短絡が有りと判定している。一般に、亜鉛電池における、SOCとOCVとの関係は、SOCに対してOCVの変化が少ない広い平坦領域を有する。本実施形態によれば、このような性質を有する亜鉛電池をセルとして含む電池5を対象にした場合に、電池5中のセルにおける内部短絡の有無をより確実に検知することができる。
また、制御装置8は、所定の電流値での放電時の電池5の両極間電圧における変化幅と所定電圧値とを比較し、電池5中で内部短絡が生じているセルの個数を判定している。この場合、電池5における内部短絡の有無に加えて、内部短絡の生じているセルの個数を精度よく判定することができる。
また、制御装置8は、状態検知処理における初期の放電制御を停止するタイミングを、SOCが所定値に至った状態に設定している。この場合、所定値をセルの両極間電圧の変化の生じやすいSOCに対応するように設定することにより、より確実に電池5における内部短絡の有無を判定することができる。
また、制御装置8は、電池5のOCVを基にSOCが所定値に至ったか否かを検出している。この場合、電池5のSOCを簡易に検出することができ、電池5の内部短絡の有無を簡易に検出することができる。
また、制御装置8は、電池5の放電電流の積算値を基にSOCが所定値に至ったか否かを検出している。この場合も、電池5のSOCを簡易かつ高精度に検出することができる。
ここで、図8は、電池5を対象に図4に示す時間変化に従った充放電制御のサイクルを繰り返し実行させた後に充放電を休止させた際の電池5の両極間電圧の時間変化を示すグラフである。また、図9は、図8の測定結果におけるそれぞれのサイクル数に対応した40時間の休止後の降下電圧を示すグラフである。この測定結果に示すように、電池5の休止中の電圧降下は、充放電制御のサイクル数にほぼ比例して増加する。そのため、休止中の電圧変化の解析では内部短絡が生じたか否かを安定的に判定することはできない。これに対して、本実施形態によれば、状態検知処理における所定の電流値での放電制御時の電圧の時間変化を解析することにより、精度よく内部短絡の有無を判定することができる。
本発明による内部短絡検知方法および電源システムは、上述した実施形態の例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1…電源システム、2…電圧検出回路(検知部)、3…温度検出回路(検知部)、4…電流検出回路(検知部)、5…電池(組電池)、6…充電制御回路(制御部)、7…放電制御回路(制御部)、8…制御装置(制御部、検知部)。

Claims (7)

  1. 亜鉛電池を含む組電池の内部短絡の有無を検知する方法であって、
    前記組電池の充電を制御する充電ステップと、
    前記組電池を所定の充電状態となるまで放電するように制御する第1の放電ステップと、
    前記組電池を、両端を開放した状態で所定時間放置する休止ステップと、
    前記組電池を、所定時間ほど所定の電流値で放電するように制御する第2の放電ステップと、
    前記第2の放電ステップにおける前記組電池の両極間電圧を測定し、前記両極間電圧の時間的な変化に基づいて前記内部短絡の有無を判定する測定ステップと、
    を含む内部短絡検知方法。
  2. 前記測定ステップでは、ステップ状の前記時間的な変化が所定電圧値以上の場合に内部短絡が有りと判定する、
    請求項1に記載の内部短絡検知方法。
  3. 前記測定ステップでは、前記時間的な変化の値と所定電圧値とを比較し、前記組電池中で内部短絡が生じている前記亜鉛電池の個数を判定する、
    請求項1又は2に記載の内部短絡検知方法。
  4. 前記所定の充電状態は、放電容量に対する充電電荷量の割合が所定値に至った状態である、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の内部短絡検知方法。
  5. 前記第1の放電ステップでは、前記組電池の開回路電圧を基に前記所定の充電状態を検出する、
    請求項4に記載の内部短絡検知方法。
  6. 前記第1の放電ステップは、前記組電池の放電電流の積算値を基に前記所定の充電状態を検出する、
    請求項4又は5に記載の内部短絡検知方法。
  7. 亜鉛電池を含む組電池と、
    前記組電池の充電及び放電を制御する制御部と、
    前記亜鉛電池の状態を検知する検知部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記組電池の充電後に前記組電池を所定の充電状態となるまで放電するように制御した後に、
    前記組電池を、両端を開放した状態で所定時間放置し、
    その後に、前記組電池を所定時間ほど所定の電流値で放電するように制御し、
    前記検知部は、
    前記所定の電流値での放電時における前記組電池の両極間電圧を測定し、前記両極間電圧の時間的な変化に基づいて内部短絡の有無を判定する、
    電源システム。
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