JP2022109339A - オルニチン脱炭酸酵素変異型及びそれを用いたプトレシンの生産方法 - Google Patents

オルニチン脱炭酸酵素変異型及びそれを用いたプトレシンの生産方法 Download PDF

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Abstract

【課題】プトレシンの生産性、生産効率または生産選択性を増大させ、副反応を抑制して、プトレシン精製時のコストを減少させるプトレシン生産方法の提供。【解決手段】特定のアミノ酸配列を有する変異型オルニチン脱炭酸酵素、前記酵素をコーディングするポリヌクレオチド、前記酵素を含む微生物、及び、前記微生物を用いてプトレシン、ポリアミドを生産する方法。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 1.2018年3月8日に、オルニチン脱炭酸酵素の基質特異性を高めた変異体に関する記事をエルスヴィア ビー ヴイが発行するジャーナル オブ バイオテクノロジーの編集部に提出。 2.2018年7月17日に、エルスヴィア ビー ヴイのウェブサイト https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0168165618305522において、ジャーナル オブ バイオテクノロジーの第281巻175~182頁(2018年)において公表。
本発明は、オルニチン脱炭酸酵素変異型、オルニチン脱炭酸酵素変異型を暗号化する遺伝子、オルニチン脱炭酸酵素変異型を含む微生物及びそれを用いたプトレシン合成に関する。
本願は、2018年12月27日付のPCT国際特許出願第PCT/KR2018/016764号と2018年12月28日付の台湾特許出願第107147749号に基づいた優先権の利益を主張し、当該特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
プトレシン(putrescine;1,4-diamino-butane)は、腐敗した有機体から発生する悪臭を誘発する物質であるが、4,6-ナイロン合成に活用されうるという点で工業的に生産されている。現在、プトレシンは、石油資源によって年当たり10,000トン以上が生産されているが、石油価格の頻繁な変動によって、原料需給が不安定であるという問題点がある。また、生産過程で生成される多量の毒性物質によって、環境汚染を誘発することができるという問題点がある。
このような問題点を解決するために、最近、バイオ由来プトレシン合成についての研究が活発に進められている。例えば、バイオ由来オルニチンからプトレシンを合成するか、糖を用いて微生物からプトレシンを量産する方法に関する研究が進められている。
微生物からプトレシンを生産する方法において、プトレシンの生産量を増加させるための多様な生物学的エンジニアリング方法が使われた。前記方法は、例えば、プトレシン生合成に関与する酵素の活性をプロモーターで調節するか、プトレシンが細胞外に放出が容易になるように逆輸送体を過発現するか、プトレシンを分解する経路を遮断するものである。そのうちでも、微生物内のプトレシン生合成に関与する酵素の活性を調節することが、プトレシンの生産量の増加に大きく寄与することができると知られている。
オルニチン脱炭酸酵素は、オルニチンの末端カルボキシル基を切断してプトレシンを合成する酵素であって、プトレシン生合成で重要な役割を行う酵素の1つである。しかし、オルニチン脱炭酸酵素は、オルニチンからプトレシンを合成するだけではなく、リジンからカダベリン(1,5-diamino-pentane)に合成する活性(副反応)を同時に有するために、その活性を高める場合、プトレシンと共にカダベリンが共に生成されて、プトレシンの生産量を低下させることができる。前記カダベリンは、プトレシン精製時にも多くの問題点をもたらしうる。具体的には、微生物培養液を蒸留方法で精製する過程でプトレシン(HN(CHNH)とカダベリン(HN(CHNH)との構造が非常に類似しているために、それを選択的に精製するために、多くのコスト及び時間がかかる。
したがって、オルニチン脱炭酸酵素の活性を調節しようとする場合、オルニチンからプトレシンを合成する活性は保持しながら、リジンからカダベリンに合成する活性(副反応)は低下させることが非常に重要である。
これにより、本発明者らは、新規なオルニチン脱炭酸酵素を掘り出し、前記オルニチン脱炭酸酵素は、カダベリンの合成活性は低く、プトレシンの合成活性は高いということを確認することにより、本発明を完成した。
本発明は、オルニチン脱炭酸酵素またはその変異型を提供する。
本発明は、また、前記オルニチン脱炭酸酵素またはその変異型をコーディングするポリヌクレオチドを提供する。
本発明は、前記オルニチン脱炭酸酵素またはその変異型を含むプトレシンを生産する微生物を提供することである。
本発明の他の目的は、前記微生物を培地で培養する段階を含むプトレシンの生産方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記微生物を培地で培養する段階を含むプトレシンの純度を増加させる方法を提供することである。
本発明のさらに他の目的は、前記微生物を培地で培養する段階を含むカダベリンに対するプトレシンの比率を増加させる方法を提供することである。
また、本発明のさらに他の目的は、前記プトレシンのポリアミド系高分子合成の用途を提供することである。
それを具体的に説明すれば、次の通りである。一方、本発明で開示されたそれぞれの説明及び実施形態は、それぞれの他の説明及び実施形態にも適用可能である。すなわち、本発明で開示された多様な要素のあらゆる組合わせが、本発明の範疇に属する。また、下記記述された具体的な叙述によって、本発明の範疇が制限されるものではない。
本発明の1つの態様は、配列番号1のアミノ酸配列内の1つ以上のアミノ酸置換を含むプトレシン生産活性を有するオルニチン脱炭酸酵素の変異型を提供する。
具体的に、本発明は、配列番号1のアミノ酸配列で、i)713番目のアミノ酸であるアラニンが他のアミノ酸に置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸が他のアミノ酸に置換されたタンパク質の変異型を提供する。前記アミノ酸置換は、i)713番目のアミノ酸であるアラニンがロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、トリプトファン及びグルタミンから選択されるアミノ酸に置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸がアスパラギン酸に置換されるものを含みうる。
本発明において、用語、「プトレシン」は、オルニチンのジカルボキシル化反応やアグマチンの加水分解によって生成される物質であって、腐敗物にも存在するが、生体に正常な成分で広く分布する。ポリアミンの一種でリボソームを構成し、細胞の生長を促進するか、RNA合成を促進する機能を有する。特に、産業的には、ナイロン4、6を含むポリアミド4、6の生産のための重要な原料物質に当該し、量産のための研究の必要性が続いている物質である。
プトレシンは、オルニチンを基質として使用する方法で生産することができる。また、オルニチンの前駆体になる物質を基質として使用してオルニチンを合成した後、これよりプトレシンを生産することができる。オルニチンの合成は、当業者が容易に選択することができるものであれば、制限なしに使用することができる。
本発明において、用語、「オルニチン」は、オルニチン回路で重要な役割を行う塩基性アミノ酸であって、特に、L-オルニチンは、植物、動物、微生物で広く見つけられる。一般的に、オルニチン回路を有した生体内では、尿素生産と関係して代謝上重要な役割を果たす。また、生体内でアルギニン、グルタミン酸、プロリンと互いに変換され、ケトン酸、グリオキサール酸とアミノ基の伝達を行う。オルニチン脱炭酸酵素によって、アミン(プトレシン)を生成する基質としてそれを通じてポリアミンにまで合成される。本発明では、特に、オルニチン脱炭酸酵素の基質として使われるL-オルニチンでもある。
本発明において、用語、「オルニチン脱炭酸酵素(ornithine decarboxylase、ODC)」は、ポリアミンを合成するに当たって、最初段階でありながら、プトレシン生産経路のうち、最終段階である下記反応式を触媒する酵素である。本発明において、オルニチン脱炭酸酵素は、オルニチンデカルボキシラーゼ(ornithine decarboxylase)として混用されて使われる。ODCは、L-オルニチンを基質としてプトレシンを生産するが、ピリドキサールリン酸(Pyridoxal phosphate、PLP)が補助因子(co-factor)として作用する。
[反1]
L-オルニチン<=>プトレシン+CO
図1には、オルニチン脱炭酸酵素を用いてオルニチンを基質としてプトレシンを合成する過程の化学反応式を示した。また、抑制しなければならないオルニチン脱炭酸酵素の副反応であるカダベリン(cadaverine)の合成経路を示した。
本発明において、ODCを確保する方法は、当該分野でよく知られた多様な方法が適用可能である。その方法の例としては、酵素発現に通常広く用いられる微生物で酵素を高効率で確保できるように、コドン最適化が含まれた遺伝子合成技術、そして、微生物の大量誘電体情報に基づいて生物情報学的方法によって有用酵素資源のスクリーニング方法を通じて確保し、これに制限されるものではない。
本発明において、配列番号1は、プトレシン生産活性を有するオルニチン脱炭酸酵素のアミノ酸配列を意味する。前記配列番号1のアミノ酸配列は、公知のデータベースであるNCBIのGenBankでその配列が得られる。一例として、オルニチン脱炭酸酵素は、ラクトバシラス属(Lactobacillus sp.)、サッカロミセス属(Saccharomyces sp.)、または大腸菌(Escherichia coli、E.coli)由来であり、具体的に、ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri)由来であり得るが、これに制限されず、前記アミノ酸配列を含むタンパク質と同じ活性を有するタンパク質のアミノ酸配列であれば、制限なしに含まれる。また、本発明でのプトレシン生産活性を有するオルニチン脱炭酸酵素として配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質を記載したが、配列番号1のアミノ酸配列前後への無意味な配列追加または自然的に発生する突然変異、あるいは、その潜在性突然変異(silent mutation)を除くものではなく、配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質と互いに同一または相応する活性を有する場合であれば、本発明のプトレシン活性を有するタンパク質に当該することは当業者に自明である。具体的な例を挙げて、本発明のプトレシン生産活性を有するタンパク質は、配列番号1のアミノ酸配列またはそれと80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以上の相同性または同一性を有するアミノ酸配列で構成されるタンパク質でもある。また、このような相同性または同一性を有し、前記タンパク質に相応する効能を示すアミノ酸配列であれば、一部配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質も、本発明の変異対象となるタンパク質の範囲内に含まれることは自明である。
すなわち、本発明において、「特定配列番号で記載されたアミノ酸配列を有するタンパク質またはポリペプチド」、「特定配列番号で記載されたアミノ酸配列を含むタンパク質またはポリペプチド」と記載されているとしても、当該配列番号のアミノ酸配列からなるポリペプチドと同一あるいは相応する活性を有する場合であれば、一部配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質も、本発明で使われることは自明である。例えば、「配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド」は、配列番号1に相応する配列であるか、それと同一あるいは相応する活性を有する配列である場合であれば、「配列番号1のアミノ酸配列からなるポリペプチド」に属することができることは自明である。例えば、前記変異型タンパク質と同一あるいは相応する活性を有する場合であれば、前記アミノ酸配列前後にタンパク質の機能を変更しない配列追加、自然的に発生する突然変異、その潜在性突然変異または保存的置換を除くものではなく、このような配列追加あるいは突然変異を有する場合にも、本発明の範囲内に属することが自明である。
本発明において、用語「保存的置換(conservative substitution)」は、1つのアミノ酸を類似した構造的及び/または化学的性質を有するさらに他のアミノ酸に置換させることを意味する。前記変異体は、1つ以上の生物学的活性を依然として保有しながら、例えば、1つ以上の保存的置換を有しうる。このようなアミノ酸置換は、一般的に残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性及び/または両親媒性(amphipathic nature)での類似性に基づいて発生する。例えば、電荷を帯びる側鎖(electrically charged amino acid)を有するアミノ酸のうち、正に荷電された(塩基性)アミノ酸は、アルギニン、リシン、及びヒスチジンを、負に荷電された(酸性)アミノ酸は、グルタミン酸及びアスパラギン酸を含み;電荷を帯びない側鎖(uncharged amino acid)を有するアミノ酸のうち、非極性アミノ酸(nonpolar amino acid)は、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン及びプロリンを含み、極性(polar)または親水性(hydrophilic)アミノ酸は、セリン、トレオニン、システイン、チロシン、アスパラギン及びグルタミンを含み、前記非極性アミノ酸のうち、芳香族アミノ酸は、フェニルアラニン、トリプトファン及びチロシンを含む。
本発明において、用語、「変異型(variant)」は、1つ以上のアミノ酸が保存的置換及び/または変形(modification)において、前記列挙された配列(the recited sequence)と異なるが、前記タンパク質の機能(functions)または特性(properties)が保持されるタンパク質を称する。変異型は、数個のアミノ酸置換、欠失または付加によって識別される配列(identified sequence)と異なる。このような変異型は、一般的に前記タンパク質のアミノ酸配列のうち、1つ以上のアミノ酸を変形し、前記変形されたタンパク質の特性を評価して識別される。すなわち、変異型の能力は、天然タンパク質(native protein)に比べて増加するか、変わらないか、または減少しうる。また、一部変異体は、N末端リーダー配列または膜転移ドメイン(transmembrane domain)のような1つ以上の部分が除去された変異型を含みうる。他の変異型は、成熟タンパク質(mature protein)のN及び/またはC末端から一部が除去された変異型を含みうる。前記用語「変異型」は、変異体、変形、変異されたタンパク質、変異型ポリペプチド、変異などの用語(英文表現としては、modification、modified protein、modified polypeptide、mutant、mutein、divergent、variantなど)が使われ、変異された意味として使われる用語であれば、これに制限されるものではない。本発明の目的上、前記変異型は、天然の野生型または非変型タンパク質に比べて、変異されたタンパク質の活性が増加したものであり得るが、これに制限されるものではない。
また、変異型は、ポリペプチドの特性と2次構造に最小限の影響を有するアミノ酸の欠失または付加を含みうる。例えば、ポリペプチドは、翻訳同時に(co-translationally)または翻訳後に(post-translationally)タンパク質の移転(transfer)に関与するタンパク質N末端のシグナル(または、リーダー)配列とコンジュゲートすることができる。また、前記ポリペプチドは、ポリペプチドを確認、精製、または合成できるように、他の配列またはリンカーとコンジュゲートされる。
本発明のタンパク質変異型は、オルニチン脱炭酸酵素変異型でもある。本発明において、用語、「オルニチン脱炭酸酵素変異型」は、「変異型ODCタンパク質、ODC変異型、変異型オルニチン脱炭酸酵素、変異型オルニチンデカルボキシラーゼ、変異型ODCタンパク質、ODC変異型、変異型ODC酵素タンパク質、変異型ODC酵素」などと混用されて使われる。
前記変異型は、配列番号1のアミノ酸配列で713番目及び698番目のアミノ酸のうち何れか1つ以上のアミノ酸が置換前アミノ酸と他のアミノ酸に置換されたものである。
前記「他のアミノ酸に置換」は、置換前のアミノ酸と他のアミノ酸であれば、制限されるものではない。例えば、配列番号1のアミノ酸配列の713番目のアミノ酸であるアラニンが、アラニン以外の疎水性アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸、中性アミノ酸または芳香族性アミノ酸に置換されるものを含みうる。すなわち、配列番号1のアミノ酸配列の713番目のアミノ酸であるアラニンが、アラニン以外の他のアミノ酸残基に、または698番目のアミノ酸であるグルタミン酸が、グルタミン酸以外の他のアミノ酸残基に置換されたものであれば、制限されるものではない。一方、本発明において、「特定アミノ酸が置換された」と表現する場合、他のアミノ酸に置換されたと別途に表記しないとしても、置換前のアミノ酸と他のアミノ酸に置換されることは自明である。
具体的に、前記変異型は、配列番号1のアミノ酸配列で、i)713番目のアミノ酸であるアラニンが他のアミノ酸に置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸が他のアミノ酸に置換された変異型でもある。前記他のアミノ酸への置換は、i)713番目のアミノ酸であるアラニンがロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、トリプトファン及びグルタミンから選択されるアミノ酸に置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸がアスパラギン酸に置換されるものである。より具体的に、前記変異型は、i)713番目のアミノ酸であるアラニンがロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、トリプトファン及びグルタミンから選択されるアミノ酸に置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸がアスパラギン酸に置換された変異型でもある。
配列番号1のアミノ酸配列で、i)713番目のアミノ酸であるアラニンがロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、トリプトファン及びグルタミンから選択されるアミノ酸に置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸がアスパラギン酸に置換された変異型は、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号19から配列番号23のうちから選択される何れか1つのアミノ酸配列を含むものであり、具体的には、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号19から配列番号23のうち何れか1つのアミノ酸配列で必須的に構成される(consisting essentially of)ものであり、より具体的には、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号19から配列番号23のうち何れか1つのアミノ酸配列からなるものであり得るが、これに制限されるものではない。
前記変異型は、配列番号1の713番目及び/または698番目の位置に相応する位置で他のアミノ酸への置換を含み、配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以上、100%未満の配列相同性を有し、プトレシン生産活性を有するものである。
また、前記変異型は、配列番号4、配列番号8、配列番号9、及び配列番号19から配列番号23のうち何れか1つのアミノ酸配列または前記アミノ酸配列と80%以上の相同性または同一性を有するアミノ酸配列を含みうるが、これに制限されるものではない。具体的に、本発明の変異型は、配列番号4、配列番号8、配列番号9、及び配列番号19から配列番号23のうち何れか1つのアミノ酸配列と少なくとも80%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%の相同性または同一性を有するポリペプチドを含みうる。また、このような相同性または同一性を有し、前記タンパク質に相応する効能を示すアミノ酸配列であれば、713番目または698番目のアミノ酸位置の以外に、一部配列が欠失、変形、置換または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質も、本発明の範囲内に含まれることは自明である。
本発明において、用語「相同性(homology)」または「同一性(identity)」は、2つの与えられたアミノ酸配列または塩基配列と関連した程度を意味し、百分率で表示される。用語、相同性及び同一性は、度々相互交換的に用いられうる。
保存された(conserved)ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの配列相同性または同一性は、標準配列アルゴリズムによって決定され、使われるプログラムによって確立されたデフォルトギャップぺナルティーが共に用いられうる。実質的に、相同性を有するか(homologous)、または同一の(identical)配列は、一般的に配列全体または全体長さの少なくとも約50%、60%、70%、80%または90%によって、中間または高い厳格な条件(stringent conditions)でのハイブリッドが可能である。ハイブリッド化は、ポリヌクレオチドでコドンの代わりに、縮退コドンを含有するポリヌクレオチドも考慮される。
任意の2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列が、相同性、類似性または同一性を有するかどうかは、例えば、Pearson et al(1988)[Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85]:2444でのようなデフォルトパラメータを用いて、「FASTA」プログラムのような公知のコンピュータアルゴリズムを用いて決定される。または、EMBOSSパッケージのニードルマンプログラム(EMBOSS:The European Molecular Biology Open Software Suite,Rice et al.,2000,Trends Genet.16:276-277)(バージョン5.0.0または以後バージョン)で行われるような、ニードルマン-ウンシュ(Needleman-Wunsch)アルゴリズム(Needleman and Wunsch、1970,J.Mol.Biol.48:443-453)が使われて決定される(GCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al,Nucleic Acids Research 12:387(1984))、BLASTP、BLASTN、FASTA(Atschul,[S.][F.,][ET AL,J MOLEC BIOL 215]:403(1990);Guide to Huge Computers,Martin J.Bishop,[ED.,]Academic Press,San Diego,1994、及び[CARILLO ETA/.](1988)SIAM J Applied Math 48:1073を含む)。例えば、国立生物工学情報データベースセンターのBLAST、またはClustalWを用いて相同性、類似性または同一性を決定することができる。
ポリヌクレオチドまたはポリペプチドの相同性、類似性または同一性は、例えば、Smith and Waterman,Adv.Appl.Math(1981)2:482に公知の通りに、例えば、Needleman et al.(1970),J Mol Biol.48:443のようなGAPコンピュータプログラムを用いて配列情報を比較することで決定される。要約すれば、GAPプログラムは、2つの配列のうち、さらに短いものでの記号の全体数で、類似した配列された記号(すなわち、ヌクレオチドまたはアミノ酸)の数を割った値と定義する。GAPプログラムのためのデフォルトパラメータは、(1)二進法比較マトリックス(同一性のために、1、そして、非同一性のために、0の値を含有する)及びSchwartz and Dayhoff,eds.,Atlas Of Protein Sequence And Structure,National Biomedical Research Foundation,pp.353-358(1979)によって開示された通りに、Gribskov et al(1986)Nucl.Acids Res.14:6745の加重された比較マトリックス(または、EDNAFULL(NCBI NUC4.4のEMBOSSバージョン)置換マトリックス);(2)各ギャップのための3.0のぺナルティー及び各ギャップで各記号のための追加の0.10ぺナルティー(または、ギャップ開放ぺナルティー10、ギャップ延長ぺナルティー0.5);及び(3)末端ギャップのための無ぺナルティーを含みうる。したがって、本発明で使われたものであって、用語「相同性」または「同一性」は、配列間の関連性(relevance)を示す。
また、任意の2つのポリヌクレオチドまたはポリペプチド配列が、相同性、類似性または同一性を有するかどうかは、定義された厳格な条件下でサザン混成化実験によって配列を比較することで確認し、定義される適切な混成化条件は、当該技術範囲内であり、当業者によく知られた方法(例えば、J.Sambrook et al.,Molecular Cloning,A Laboratory Manual,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory press,Cold Spring Harbor,New York,1989;F.M.Ausubel et al.,Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons,Inc.,New York)で決定される。
本発明において、用語、「オルニチン脱炭酸酵素の変異型」は、プトレシン生産能を有するオルニチン脱炭酸酵素の変異型ポリペプチド、オルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型、オルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型ポリペプチド、オルニチン脱炭酸酵素変異型ポリペプチド、オルニチン脱炭酸酵素の変異体、オルニチン脱脱酸酵素タンパク質の変異体、変異型オルニチン脱炭酸酵素、変異型オルニチン脱炭酸酵素タンパク質などと混用されて使われる。また、前記オルニチン脱炭酸酵素は、ラクトバシラス属、サッカロミセス属、または大腸菌(E.coli)由来であり得るが、これに制限されるものではない。
前記オルニチン脱炭酸酵素の変異型は、配列番号1のアミノ酸配列で713番目及び/または698番目の位置で変異を含み、配列番号1にアミノ酸が付加、欠失したアミノ酸配列であるとしても、配列番号1のN末端から713番目及び/または698番目のアミノ酸に相応する位置のアミノ酸が置換された変異型であれば、本発明の範囲に含まれる。
アミノ酸残基位置と関連して、本発明に記載の用語「相応する(corresponding to)」は、タンパク質またはペプチドで列挙される位置のアミノ酸残基であるとか、またはタンパク質またはペプチドで列挙される残基と類似または同一であるか、相同のアミノ酸残基を称する。本発明に使われた「相応領域」は、一般的に関連タンパク質またはレファレンスタンパク質での類似した位置を称する。
前記オルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型は、配列番号1のアミノ酸配列で713番目及び/または698番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたものであり、配列番号1のアミノ酸配列を含むか、野生型微生物由来変異前オルニチン脱炭酸酵素に比べて、強化された活性を有する変異型オルニチン脱炭酸酵素タンパク質でもある。このようなオルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型は、前述した配列番号1のアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以上の相同性または同一性を有するアミノ酸で配列番号1の713番目または698番目に相応する位置のアミノ酸が変異されたことを意味する。
前記713番目及び/または698番目のアミノ酸変異は、i)713番目のアミノ酸であるアラニンがロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、トリプトファンまたはグルタミンに置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸がアスパラギン酸に置換されるものである。
具体的に、前記オルニチン脱炭酸酵素の変異型は、配列番号1のアミノ酸配列で、i)713番目のアミノ酸であるアラニンがロイシン、イソロイシン、バリン、アルギニン、アスパラギン酸、トリプトファンまたはグルタミンに置換、及び/またはii)698番目のアミノ酸であるグルタミン酸がアスパラギン酸に置換されたものであり、前記配列番号1のアミノ酸配列を含むタンパク質または野生型微生物由来変異前オルニチン脱炭酸酵素タンパク質に比べて、強化された活性を有するものである。
本発明の目的上、前記オルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型を含む微生物の場合、プトレシンの生産量が増加するか、プトレシンの純度が増加するか、プトレシン生産の選択性が増加することを特徴とする。本発明のタンパク質変異型は、天然の野生型または非変異オルニチン脱炭酸酵素に比べて、プトレシン生産能、プトレシンの純度またはプトレシン生産の選択性が増加するように遺伝子調節活性を有することを特徴とする。特に、本発明のタンパク質変異型が導入された微生物を通じてオルニチン脱炭酸酵素の副反応の1つであるカダベリンの合成を阻害し、プトレシンの生産量を増加させることができるということに意義がある。
本発明の他の1つの態様は、前記オルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型をコーディングするポリヌクレオチドを提供する。
配列番号1のアミノ酸配列を含むオルニチン脱炭酸酵素タンパク質及びその変異型については、前述した通りである。
本発明において、用語、「ポリヌクレオチド」は、ヌクレオチド単位体(monomer)が共有結合によって長く鎖状に繋がったヌクレオチドの重合体(polymer)であって、一定の長さ以上のDNAまたはRNA鎖であって、より具体的には、前記変異体をコーディングするポリヌクレオチド断片を意味する。
本発明のオルニチン脱炭酸酵素の変異型をコーディングするポリヌクレオチドは、本発明のプトレシン生産活性を有する変異型ポリペプチドをコーディングするポリヌクレオチド配列であれば、制限なしに含まれる。本発明において、オルニチン脱炭酸酵素タンパク質のアミノ酸配列をコーディングする遺伝子は、例えば、speC、odc、spe1またはspeF遺伝子であり、前記遺伝子は、ラクトバシラス属、サッカロミセス属、または大腸菌(E.coli)由来であり得るが、これに制限されるものではない。また、前記遺伝子は、配列番号1、配列番号4、配列番号8、配列番号9、配列番号19から配列番号23のうち何れか1つのアミノ酸配列をコーディングする塩基配列であり、より具体的には、配列番号10、配列番号13、配列番号17、配列番号18及び配列番号24から配列番号28のうち何れか1つの塩基配列を含む配列であり得るが、これに制限されるものではない。
具体的に、本発明のポリヌクレオチドは、コドンの縮退性(degeneracy)によって、または前記ポリペプチドを発現させようとする生物で好まれるコドンを考慮して、ポリペプチドのアミノ酸配列を変化させない範囲内でコーディング領域に多様な変形がなされうる。具体的に、配列番号1のアミノ酸配列で713番目及び/または698番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたオルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型をコーディングするポリヌクレオチド配列であれば、制限なしに含みうる。
また、公知の遺伝子配列から調剤されるプローブ、例えば、前記塩基配列の全体または一部に対する相補配列と厳格な条件下にハイブリッド化して、配列番号1のアミノ酸配列で713番目及び/または698番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換されたプトレシン生産活性を有するオルニチン脱炭酸酵素タンパク質をコーディングする配列であれば、制限なしに含まれる。前記「厳格な条件」とは、ポリヌクレオチド間の特異的混成化を可能にする条件を意味する。このような条件は、文献(例えば、J.Sambrook et al.,上同)に具体的に記載されている。例えば、相同性または同一性が高い遺伝子どうし、40%以上、具体的には、90%以上、より具体的には、95%以上、さらに具体的には、97%以上、特に具体的には、99%以上の相同性または同一性を有する遺伝子どうしでハイブリッド化し、それより相同性または同一性が低い遺伝子どうしでハイブリッド化しない条件、または、通常のサザンハイブリッド化(southern hybridization)の洗浄条件である60℃、1×SSC、0.1% SDS、具体的には、60℃、0.1×SSC、0.1% SDS、より具体的には、68℃、0.1×SSC、0.1% SDSに相当する塩濃度及び温度で、1回、具体的には、2~3回洗浄する条件を列挙することができる。
混成化は、たとえ混成化の厳格度によって塩基間のミスマッチ(mismatch)が可能であるとしても、2つの核酸が相補的配列を有することを要求する。用語、「相補的」は、互いに混成化が可能なヌクレオチド塩基間の関係を記述するのに使われる。例えば、DNAに関して、アデノシンは、チミジンに相補的であり、シトシンは、グアニンに相補的である。したがって、本発明は、また、実質的に類似した核酸配列だけではなく、全体配列に相補的な単離された核酸断片を含みうる。
具体的に、相同性または同一性を有するポリヌクレオチドは、55℃のTm値で混成化段階を含む混成化条件を使用し、前述した条件を使用して探知することができる。また、前記Tm値は、60℃、63℃または65℃であり得るが、これに制限されるものではなく、その目的によって、当業者によって適切に調節される。
ポリヌクレオチドを混成化する適切な厳格度は、ポリヌクレオチドの長さ及び相補性程度に依存し、変数は、当該技術分野によく知られている(Sambrook et al.,supra,9.50-9.51,11.7-11.8参照)。
本発明の他の1つの態様は、オルニチン脱炭酸酵素変異型をコーディングするポリヌクレオチドを含むベクターを提供する。
配列番号1のアミノ酸配列を含むオルニチン脱炭酸酵素、その変異型及び前記ポリヌクレオチドについては、前述した通りである。
本発明で使われた用語「ベクター(vector)」は、適した宿主内で目的ポリペプチドを発現させるように、適した調節配列に作動可能に連結された前記目的ポリペプチドをコーディングするポリヌクレオチドの塩基配列を含有するDNA製造物を意味する。前記調節配列は、転写を開始することができるプロモーター、そのような転写を調節するための任意のオペレーター配列、適したmRNAリボソーム結合部位をコーディングする配列、及び転写及び解毒の終結を調節する配列を含みうる。ベクターは、適当な宿主細胞内に形質転換された後、宿主ゲノムと無関係に複製されるか、機能し、ゲノムそれ自体に統合される。
本発明で使われるベクターは、特に限定されず、当業者に知られている任意のベクトルを利用することができる。通常使われるベクターの例としては、天然状態であるか、組み替えられた状態のプラスミド、コスミド、ウイルス及びバクテリオファージが挙げられる。例えば、ファージベクターまたはコスミドベクターとして、pWE15、M13、MBL3、MBL4、IXII、ASHII、APII、t10、t11、Charon4A、及びCharon21Aなどを使用し、プラスミドベクターとして、pBR系、pUC系、pBluescriptII系、pGEM系、pTZ系、pCL系及びpET系などを使用することができる。具体的には、pDZ、pACYC177、pACYC184、pCL、pECCG117、pUC19、pBR322、pMW118、pCC1BACベクターなどを使用することができる。
一例として、細胞内の染色体挿入用ベクターを通じて染色体内に目的ポリペプチドをコーディングするポリヌクレオチドを染色体内に挿入することができる。前記ポリヌクレオチドの染色体内への挿入は、当業者に知られている任意の方法、例えば、相同組替え(homologous recombination)によってなされうるが、これに限定されるものではない。前記染色体挿入如何を確認するための選別マーカー(selection marker)をさらに含みうる。選別マーカーは、ベクターに形質転換された細胞を選別、すなわち、目的核酸分子の挿入如何を確認するためのものであって、薬物耐性、栄養要求性、細胞毒性剤に対する耐性または表面ポリペプチドの発現のような選択可能表現型を付与するマーカーが使われる。選択剤(selective agent)が処理された環境では、選別マーカーを発現する細胞のみ生存するか、他の表現形質を表わすので、形質転換された細胞を選別することができる。
本発明のさらに他の1つの態様として、本発明は、前記オルニチン脱炭酸酵素またはその変異型を含むか、前記酵素をコーディングするポリヌクレオチドを含み、プトレシンを生産する微生物を提供することである。
本発明において、用語「変異型ポリペプチドを含む微生物」、または「オルニチン脱炭酸酵素の変異型を含む微生物」とは、本発明のタンパク質変異型を含み、プトレシンを生産することができる微生物であれば、いずれも可能であるが、これに制限されるものではない。例えば、本発明のタンパク質変異型を含む微生物は、天然の野生型微生物またはプトレシンを生産する微生物に、本発明のタンパク質変異型が発現されて、プトレシン生産能、プトレシン生産純度またはプトレシン生産の選択性が増加した組換え微生物でもある。前記組換え微生物は、天然の野生型微生物または非変型微生物に比べて、プトレシン生産能、生産純度またはプトレシン生産の選択性が増加した微生物であり得るが、これに制限されるものではない。
具体的に、前記微生物は、配列番号1のアミノ酸配列内の1つ以上のアミノ酸変異を含むオルニチン脱炭酸酵素の変異型を発現する微生物であって、前記アミノ酸変異は、N末端から713番目及び/または698番目のアミノ酸の他のアミノ酸への置換を含むものである。また、前記微生物は、配列番号1のアミノ酸配列で713番目または698番目のアミノ酸が他のアミノ酸に置換され、プトレシン生産活性を有する変異型ポリペプチドを発現する微生物であり得るが、これに制限されるものではない。
前記プトレシン、配列番号1のアミノ酸配列を含むオルニチン脱炭酸酵素タンパク質及びその変異型については、前述した通りである。
本発明において、用語、タンパク質が「発現されるように/される」は、目的タンパク質が微生物内に導入されるか、微生物内で発現されるように変形された状態を意味する。前記目的タンパク質が微生物内に存在するタンパク質である場合、内在的または変形前に比べて、その活性が強化された状態を意味する。本発明の目的上、「目的タンパク質」は、前述したプトレシン生産能を有するオルニチン脱炭酸酵素タンパク質の変異型でもある。
具体的に、「タンパク質の導入」は、微生物が本来有していなかった特定タンパク質の活性を示すこと、または当該タンパク質の内在的活性または変形前活性に比べて向上した活性を示すことを意味する。例えば、特定タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドが微生物内の染色体に導入されるか、特定タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含むベクターが微生物内に導入されて、その活性が表われるものである。また、「活性の強化」は、微生物が有した特定タンパク質の内在的活性または変形前活性に比べて、活性が向上したことを意味する。前記「内在的活性」は、自然的、または人為的要因による遺伝的変異で微生物の形質が変化する場合、形質変化前、母菌株が本来有していた特定タンパク質の活性を言う。
具体的に、本発明の活性強化は、本発明のタンパク質変異型をコーディングする遺伝子の細胞内のコピー数の増加、前記タンパク質変異型を暗号化する遺伝子の発現調節配列に変異を導入する方法、オルニチン脱炭酸酵素タンパク質変異型を暗号化する遺伝子発現調節配列を活性が強力な配列に取り替える方法、染色体上のオルニチン脱炭酸酵素の野生型タンパク質をコーディングする遺伝子を前記タンパク質変異型を暗号化する遺伝子に代替する方法、前記タンパク質変異型の活性が強化されるように、前記オルニチン脱炭酸酵素タンパク質を暗号化する遺伝子に変異を追加的に導入させる方法、及び微生物にタンパク質変異型を導入する方法からなる群から選択される何れか1つ以上の方法でなされうるが、これに制限されるものではない。
前記で、遺伝子のコピー数の増加は、特にこれに制限されるものではないが、ベクターに作動可能に連結された形態で行われるか、宿主細胞内の染色体内に挿入されることで行われる。具体的に、本発明のタンパク質をコーディングするポリヌクレオチドが作動可能に連結された宿主と無関係に複製され、機能することができるベクターが宿主細胞内に導入されるものである。または、前記ポリヌクレオチドが作動可能に連結された宿主細胞内の染色体内に前記ポリヌクレオチドを挿入させることができるベクターが宿主細胞の染色体内に導入されるものである。前記ポリヌクレオチドの染色体内への挿入は、当業者に知られている任意の方法、例えば、相同組替えによってなされうる。
ポリヌクレオチドの発現が増加するように発現調節配列を変形することは、特にこれに制限されるものではないが、前記発現調節配列の活性をさらに強化するように核酸配列を欠失、挿入、非保全的または保全的置換またはこれらの組合わせで配列上の変異を誘導して行うか、さらに強い活性を有する核酸配列に取り替えることによって行われる。前記発現調節配列は、特にこれに制限されるものではないが、プロモーター、オペレーター配列、リボソーム結合部位をコーディングする配列、転写及び解毒の終結を調節する配列などを含みうる。
前記ポリヌクレオチド発現単位の上部には、本来のプロモーターの代わりに、強力なプロモーターが連結され、これに限定されるものではない。公知の強力なプロモーターの例には、cj1からcj7プロモーター(大韓民国登録特許第10-0620092号)、lacプロモーター、trpプロモーター、trcプロモーター、tacプロモーター、ラムダファージPRプロモーター、PLプロモーター、tetプロモーター、gapAプロモーター、SPL7プロモーター、SPL13(sm3)プロモーター(大韓民国登録特許第10-1783170号)、O2プロモーター(大韓民国登録特許第10-1632642)、tktプロモーター及びyccAプロモーターなどがあるが、これに限定されるものではない。
染色体上のポリヌクレオチド配列の変形は、特にこれに制限されるものではないが、前記ポリヌクレオチド配列の活性をさらに強化するように核酸配列を欠失、挿入、非保全的または保全的置換またはこれらの組合わせで発現調節配列上の変異を誘導して行うか、さらに強い活性を有するように改良されたポリヌクレオチド配列に取り替えることによって行われる。
このようなタンパク質活性の導入及び強化は、相応するタンパク質の活性または濃度が野生型や非変型微生物菌株でのタンパク質の活性または濃度を基準にして、一般的に最小1%、10%、25%、50%、75%、100%、150%、200%、300%、400%または500%、最大1000%または2000%まで増加するものであり得るが、これに制限されるものではない。
本発明において、前記オルニチン脱炭酸酵素の変異型を含むか、それをコーディングするポリヌクレオチドを含む微生物は、前記ポリヌクレオチドを含むベクターに形質転換によって製造される組換え微生物であり得るが、これに制限されるものではない。
本発明において、用語「形質転換」は、標的タンパク質をコーディングするポリヌクレオチドを含むベクターを宿主細胞内に導入して宿主細胞内に前記ポリヌクレオチドがコーディングするタンパク質を発現させることを意味する。形質転換されたポリヌクレオチドは、宿主細胞内に発現しうるものであれば、宿主細胞の染色体内に挿入されて位置するか、染色体外に位置するかに関係なく、これらいずれもを含みうる。また、前記ポリヌクレオチドは、標的タンパク質をコーディングするDNA及びRNAを含む。前記ポリヌクレオチドは、宿主細胞内に導入されて発現されるものであれば、如何なる形態で導入されるものでも関係ない。例えば、前記ポリヌクレオチドは、自体的に発現されるのに必要なあらゆる要素を含む遺伝子構造体である発現カセット(expression cassette)の形態で宿主細胞に導入される。前記発現カセットは、通常前記ポリヌクレオチドに作動可能に連結されているプロモーター(promoter)、転写終結信号、リボソーム結合部位及び翻訳終結信号を含みうる。前記発現カセットは、自体複製が可能な発現ベクターの形態でもある。また、前記ポリヌクレオチドは、それ自体の形態で宿主細胞に導入されて宿主細胞で発現に必要な配列と作動可能に連結されているものでもあり、これに限定されるものではない。
また、前記で、用語「作動可能に連結」されたとは、本発明の目的ポリペプチドをコーディングするポリヌクレオチドの転写を開始及び媒介させるプロモーター配列と前記遺伝子配列とが機能的に連結されていることを意味する。
本発明の用語、「非変型微生物」は、天然型菌株自体であるか、本発明のタンパク質変異型を含まない微生物、または、本発明のタンパク質変異型をコーディングするポリヌクレオチドを含むベクターに形質転換されていない微生物を意味する。
本発明の「微生物」は、プトレシンを生産することができる微生物であれば、原核微生物及び真核微生物如何なるものも含まれる。
本発明において、用語、「プトレシンを生産する微生物」は、自然的にプトレシン生産能を有している野生型微生物や、プトレシン生産能がないか、著しく少ない母菌株に野生型または変異型の導入を通じてプトレシン生産能を有している微生物を意味する。具体的に、自然的または人為的に遺伝的変形が起こった微生物をいずれも含み、外部遺伝子が挿入されるか、内在的遺伝子の活性が強化されるか、不活性化されるなどの原因によって、特定機作が弱化または強化された微生物であって、所望のプトレシン生産のために遺伝的変異が起こったり、活性を強化させたりした微生物でもある。本発明の目的上、本発明の微生物は、本発明のタンパク質変異型を含み、所望のプトレシンの生産能、生産純度またはプトレシン生産の選択性が増加したものである。具体的に、本発明の微生物は、プトレシン生合成経路内の遺伝子一部が強化または弱化されるか、プトレシン分解経路内の遺伝子一部が強化または弱化された微生物でもある。本発明の目的上、プトレシンを生産する微生物は、前記オルニチン脱炭酸酵素の変異型を含み、培地中の炭素源から所望のプトレシンを野生型や非変型微生物と比較してプトレシンの生産量が増加するか、プトレシンの純度が増加するか、プトレシン生産の選択性が増加することを特徴とする微生物を意味する。本発明において、前記「プトレシンを生産する微生物」は、「プトレシン生産能を有する微生物」または「プトレシン生産微生物」と混用されて使われる。
前記プトレシンを生産する微生物は、組換え微生物でもある。前記組換え微生物は、前述した通りである。
前記プトレシンを生産する微生物は、プトレシンを生産することができるならば、その種類が特に制限されるものではないが、具体的に、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、エシェリキア(Escherichia)属、エンテロバクター(Enterbacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、セラチア(Serratia)属、プロビデンシア(Providencia)属及びブレビバクテリウム(Brevibacterium)属に属する微生物であり、より具体的に、コリネバクテリウム属またはエシェリキア属に属する微生物でもある。
さらに具体的には、エシェリキア属微生物は、大腸菌であり、コリネバクテリウム属微生物は、コリネバクテリウム・グルタミカム(Corynebacterium glutamicum)、コリネバクテリウム・アンモニアゲネス(Corynebacterium ammoniagenes)、コリネバクテリウム・クルジラクチス(Corynebacterium crudilactis)、コリネバクテリウム・デセルティ(Corynebacterium deserti)、コリネバクテリウム・エフィシエンス(Corynebacterium efficiens)、コリネバクテリウム・カルナエ(Corynebacterium callunae)、コリネバクテリウム・スタティオニス(Corynebacterium stationis)、コリネバクテリウム・シングラレ(Corynebacterium singulare)、コリネバクテリウム・ハロトレランス(Corynebacterium halotolerans)、コリネバクテリウム・ストリアトゥム(Corynebacterium striatum)、コリネバクテリウム・ポルティソリ(Corynebacterium pollutisoli)、コリネバクテリウム・イミタンス(Corynebacterium imitans)、コリネバクテリウム・テスツディノリス(Corynebacterium testudinoris)またはコリネバクテリウム・フラベッセンス(Corynebacterium flavescens)などであり、コリネバクテリウム・グルタミカムであり得るが、オルニチン脱炭酸酵素タンパク質が導入または強化されてプトレシンの生産量が増加するか、プトレシンの純度が増加するか、プトレシン生産の選択性が増加するコリネバクテリウム属またはエシェリキア属に属する微生物は制限なしに含まれる。
本発明において、オルニチン脱炭酸酵素タンパク質または前記タンパク質の変異型が発現されるように変形されたプトレシンを生産する微生物の母菌株は、プトレシンを生産する微生物であれば、特に制限されるものではない。
コリネバクテリウム属微生物には、プトレシン生合成経路がないが、外部からオルニチンデカルボキシラーゼ(ODC)を導入すれば、プトレシンが合成される。
また、前記プトレシンを生産する微生物は、特にこれに制限されるものではないが、追加的にオルニチンでアルギニン合成に関与するオルニチンカルバモイルトランスフェラーゼ(ornithine carbamoyltransfrase、ArgF)、グルタメートの排出に関与するタンパク質(NCgl1221)が不活性化されたものである。
また、前記プトレシンを生産する微生物は、特にこれに制限されるものではないが、例えば、グルタメートからオルニチンまでの生合成経路を強化するために、グルタメートをアセチルグルタミン酸(N-acetylglutamate)に転換するアセチルグルタミン酸シンターゼまたはアセチルオルニチンをオルニチンに転換するオルニチンアセチルトランスフェラーゼ(ArgJ)、アセチルグルタミン酸をアセチルグルタミルリン酸(N-acetylglutamyl phosphate)に転換するアセチルグルタミン酸キナーゼ(ArgB)、アセチルグルタミルリン酸をアセチルグルタメートセミアルデヒド(N-acetylglutamate semialdehyde)に転換するアセチルγグルタミルリン酸レダクターゼ(ArgC)、アセチルグルタメートセミアルデヒドをアセチルオルニチン(N-acetylornithine)に転換するアセチルオルニチンアミノトランスフェラーゼ(ArgD)の活性が内在的活性に比べて、強化されてプトレシンの生合成原料として使われるオルニチンの生産性が向上したものである。
また、前記プトレシンを生産する微生物は、特にこれに制限されるものではないが、追加的にプトレシンアセチルトランスフェラーゼの活性が弱化されたプトレシン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物でもある。また、前記プトレシンを生産する微生物は、特にこれに制限されるものではないが、プトレシン排出タンパク質の活性が強化されたものであり得るが、これに制限されるものではない。
本発明において、用語「強化/増加」は、内在的活性に比べて活性が増加することをいずれも含む概念である。
このような遺伝子活性の強化または増加は、当該分野によく知られた多様な方法の適用で達成される。前記方法の例として、遺伝子の細胞内のコピー数の増加;遺伝子の発現調節配列に変異を導入する方法;遺伝子発現調節配列を活性が強力な配列に取り替える方法;遺伝子の活性が強化されるように、当該遺伝子に変異を追加的に導入させる方法;及び微生物に外来遺伝子を導入する方法からなる群から選択される何れか1つ以上の方法でなされ、これらの組合わせでも果たすことができるが、前記例によって、特に制限されるものではない。
本発明において、用語、「不活性化」は、内在的活性に比べて活性が弱化されるか、または活性がないことをいずれも含む概念である。
このような遺伝子活性の不活性化は、当該分野によく知られた多様な方法の適用で達成される。前記方法の例として、前記遺伝子の活性が除去された場合を含み、染色体上の遺伝子の全体または一部を欠失させる方法;当該タンパク質の活性が減少するように突然変異された遺伝子に、染色体上の前記タンパク質をコーディングする遺伝子を代替する方法;前記タンパク質をコーディングする染色体上の遺伝子の発現調節配列に変異を導入する方法;前記タンパク質をコーディングする遺伝子の発現調節配列を活性が弱いか、ない配列に取り替える方法(例えば、前記遺伝子のプロモーターを内在的プロモーターよりも弱いプロモーターに取り替える方法);前記タンパク質をコーディングする染色体上の遺伝子の全体または一部を欠失させる方法;前記染色体上の遺伝子の転写体に相補的に結合して、前記mRNAからタンパク質への翻訳を阻害するアンチセンスオリゴヌクレオチド(例えば、アンチセンスRNA)を導入する方法;前記タンパク質をコーディングする遺伝子のSD配列前端にSD配列と相補的な配列を人為的に付加して2次構造物を形成させて、リボソーム(ribosome)の付着が不可能に作る方法及び当該配列のORF(open reading frame)の3'末端に逆転写されるようにプロモーターを付加するRTE(Reverse transcription engineering)方法などがあり、これらの組合わせでも果たすことができるが、前記例によって、特に制限されるものではない。本発明において、用語、「内在的活性」は、自然的、または人為的要因による遺伝的変異で微生物の形質が変化する場合、形質変化前、母菌株が本来有していた特定タンパク質の活性を言う。
本発明のさらに他の1つの態様として、前記プトレシンを生産する微生物を培地で培養する段階を含むプトレシンの生産方法を提供する。
前記プトレシン、配列番号1のアミノ酸配列を含むオルニチン脱炭酸酵素、その変異型、タンパク質の発現、及び微生物については、前述した通りである。
本発明において、用語、「培養」は、前記微生物を適当に調節された環境条件で生育させることを意味する。本発明の培養過程は、当業者に知られている適当な培地と培養条件とによってなされうる。このような培養過程は、選択される菌株によって、当業者が容易に調整して使用することができる。具体的に、前記培養は、回分式、連続式及び流加式であり得るが、これに制限されるものではない。
本発明において、用語、「培地」は、前記微生物を培養するために必要とする栄養物質を主成分として混合した物質を意味し、生存及び発育に不可欠な水を含めて、栄養物質及び発育因子などを供給する。具体的に、本発明の微生物の培養に使われる培地及びその他の培養条件は、通常の微生物の培養に使われる培地であれば、特別な制限なしに如何なるものも使用することができるが、本発明の微生物を適当な炭素源、窒素源、リン源、無機化合物、アミノ酸及び/またはビタミンなどを含有した通常の培地内で好気性条件下で温度、pHなどを調節しながら培養することができる。
前記方法において、前記微生物を培養する段階は、特にこれに制限されるものではないが、公知の回分式培養方法、連続式培養方法、流加式培養方法などによって行われる。この際、培養条件は、特にこれに制限されるものではないが、塩基性化合物(例:水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたはアンモニア)または酸性化合物(例:リン酸または硫酸)を使用して適正pH(例えば、pH5~pH9、具体的には、pH6~pH8、最も具体的には、pH6.8)を調節し、酸素または酸素含有ガス混合物を培養物に導入させて好気性条件を保持することができる。培養温度は、20~45℃、具体的には、25~40℃を保持し、約10~160時間培養することができるが、これに制限されるものではない。前記培養によって生産されたプトレシンは、培地中に分泌されるか、細胞内に残留することができる。
また、使われる培養用培地は、炭素供給源としては、糖及び炭水化物(例:グルコース、スクロース、ラクトース、フルクトース、マルトース、モラセス、澱粉及びセルロース)、油脂及び脂肪(例:大豆油、ヒマワリ種子油、ピーナッツ油及びココナッツ油)、脂肪酸(例:パルミチン酸、ステアリン酸及びリノール酸)、アルコール(例:グリセロール及びエタノール)及び有機酸(例:酢酸)などを個別的に使用するか、または混合して使用することができるが、これに制限されるものではない。窒素供給源としては、窒素含有有機化合物(例:ペプトン、酵母抽出液、肉汁、麦芽抽出液、トウモロコシ浸漬液、大豆粕粉及びウレア)、または無機化合物(例:硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、リン酸アンモニウム、炭酸アンモニウム及び硝酸アンモニウム)などを個別的に使用するか、または混合して使用することができるが、これに制限されるものではない。リン供給源としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二カリウム、これに相応するナトリウム含有塩などを個別的に使用するか、または混合して使用することができるが、これに制限されるものではない。また、培地には、その他の金属塩(例:硫酸マグネシウムまたは硫酸鉄)、アミノ酸及びビタミンのような必須成長促進物質を含みうる。
本発明の前記培養段階で生産されたプトレシンを回収する方法は、培養方法によって、当該分野に公知の適した方法を用いて培養液から所望のアミノ酸を収集することができる。例えば、遠心分離、濾過、陰イオン交換クロマトグラフィー、結晶化及びHPLCなどが使われ、当該分野に公知の適した方法を用いて培地または微生物から所望のプトレシンを回収することができる。前記プトレシンを回収する方法は、精製段階をさらに含みうる。
本発明のさらに他の1つの態様として、前記プトレシンを生産する微生物を培養する段階を含むプトレシンの純度を高める方法を提供する。また、前記プトレシンを生産する微生物を培養する段階を含むカダベリンに対するプトレシンの比率を増加させる方法を提供する。前記プトレシン及び微生物については、前述した通りである。
本発明のさらに他の1つの態様として、前記プトレシンを生産する微生物を培養して製造されたプトレシンのポリアミドの製造のための用途を提供する。また、前記プトレシンを生産する微生物を含むポリアミド製造用組成物を提供する。前記プトレシン及び微生物については、前述した通りである。
前記プトレシンを生産する微生物は、配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を含む。また、前記プトレシンを生産する微生物を培養する段階は、配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を培養する段階を含む。
前記ポリアミドは、多様な素材に活用される物質であって、アミド結合間の水素結合によって、耐熱性、耐薬品性などに優れて、多様な素材の材料として開発されている。例えば、前記ポリアミドは、繊維原料であり、具体的には、ナイロンの原料でもある。ポリアミド繊維は、高強度、耐磨耗性、ソフト性、光沢特性、染色鮮明性などにおいて、優れた特徴を有しており、パンティストッキングなどのレッグウェア(leg wear)、インナーウェア(inner wear)、スポーツウェア(sports wear)などの衣類製品に使われる。また、前記ポリアミドは、医薬品、界面活性剤、フィルム、プラスチックなどの原料でもある。例えば、ポリアミドを用いてフィルムを製造する場合、優れた光学的物性及び機械的物性を具現することができると同時に、柔軟性まで備えて、多様な成形品の材料として使われ、前記ポリアミドフィルムは、ディスプレイ用基板、ディスプレイ用保護フィルム、タッチパネル、フォルダブル機器のウィンドウカバーなどに適用可能である。
本発明のオルニチン脱炭酸酵素は、プトレシンの生産性または生産効率を増大させ、副反応を抑制することができる。特に、本発明は、オルニチン脱炭酸酵素の副反応の1つであるカダベリンの合成を阻害する効果があって、プトレシン精製/分離工程の簡便化及び生産コスト節減の効果を達成する。
また、本発明は、プトレシンの量産を通じて高分子前駆体、医薬品、化学添加剤などの多様な活用が可能である。
本発明でオルニチンを基質としてオルニチン脱炭酸酵素を利用したプトレシン合成の図式図を示す。また、抑制しなければならないオルニチン脱炭酸酵素の副反応であるカダベリン合成経路を示す。 多様な由来のオルニチン脱炭酸酵素活性を確認したものであって、オルニチンを基質として使用した時の反応性及びリジンを基質として使用した時の反応性(副反応)の相対的な活性度を示す。ODC_Lbは、Lactobacillus saerimneri(inducible)から、ODC_Scは、saccharomyces cerevisiae(inducible)から、ODC_Ecは、E.coli(constitutive)から、ODC_Efは、E.coli(inducible)から由来する。 精製されたラクトバシラス由来の野生型オルニチン脱炭酸酵素と、野生型オルニチン脱炭酸酵素の696番目のアラニンがグルタミン酸に(A696E)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の702番目のバリンがグリシンに(V702G)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに(A713L)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の696番目のアラニンと713番目のアラニンとがグルタミン酸とロイシンとに(A696E/A713L)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の702番目のバリンと713番目のアラニンとがグリシンとロイシンとに(V702G/A713L)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の696番目のアラニンと702番目のバリンと713番目のアラニンとがグルタミン酸とグリシンとロイシンとに(A696E/V702G/A713L)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の698番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に(E698D)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の698番目のグルタミン酸と713番目のアラニンとがアスパラギン酸とロイシンとに置換された変異型(E698D/A713L)を用いて、(ア)オルニチン固有活性度と、(イ)リジン固有活性度のそれぞれを定量後、比較した図面である。 精製されたラクトバシラス由来の野生型オルニチン脱炭酸酵素と野生型オルニチン脱炭酸酵素の698番目のグルタミン酸がアスパラギン酸に(E698D)、野生型脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに(A713L)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の698番目のグルタミン酸と713番目のアラニンとがアスパラギン酸とロイシンとに置換された変異型(E698D/A713L)を用いて、リジンとオルニチンとに対する動力学的係数を比較した図面である。 多様な条件で生転換反応を比較した図面である。(ア)オルニチン基質としてプトレシン合成を定量し、精製されたラクトバシラス由来の野生型オルニチン脱炭酸酵素を0.37M濃度バッファで反応した時(●参照)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに置換された変異型を0.37M濃度バッファで反応した時(○参照)、野生型オルニチン脱炭酸酵素を0.1M濃度バッファで反応した時(◆参照)、野生型脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに置換された変異型を0.1M濃度バッファで反応した時(◇参照)の図面である。(イ)リジンを基質としてカダベリン合成を定量し、精製されたラクトバシラス由来の野生型オルニチン脱炭酸酵素を0.37M濃度バッファで反応した時(●参照)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに置換された変異型を0.37M濃度バッファで反応した時(○参照)、野生型オルニチン脱炭酸酵素を0.1M濃度バッファで反応した時(◆参照)、野生型オルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに置換された変異型を0.1M濃度バッファで反応した時(◇参照)の図面である。 4種の菌株から由来の組換えオルニチン脱炭酸酵素遺伝子の発現量を示した図面である。ODC_e.coli_SpeCは、E.coli(constitutive)から、ODC_e.coli_SpeFは、E.coli(inducible)から、ODC_Lactobacillusは、Lactobacillus saerimneri(inducible)から、ODC_saccharomyces cerevisiaeは、saccharomyces cerevisiae(inducible)から由来する。
以下、本発明を実施例によってより詳細に説明する。しかし、これら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであって、本発明の範囲が、これら実施例によって制限されるものではなく、当業者にとって明白である。
実施例1.多様な由来のオルニチン脱炭酸酵素の活性比較遂行
4種の微生物から由来するオルニチン脱炭酸酵素の基質反応性を比較した。ラクトバチルス・サエリムネリ(Lactobacillus saerimneri(inducible))、サッカロミセス・セレビシエ(saccharomyces cerevisiae(inducible))、イコライ(E.coli(constitutive))、イコライ(E.coli(inducible))から由来の野生型のオルニチン脱炭酸酵素を対象とし、それをそれぞれODC_Lb、ODC_Sc、ODC_Ec、ODC_Efと表記した。前記酵素に該当する遺伝子をpET24maベクターに挿入後、大腸菌BL21(DE3)を用いて0.1MM IPTG及び18℃の条件でタンパク質を発現した。以後、10%細胞抽出物を用いて45℃で初期反応速度を比較した。基質として4mMオルニチンを使用した場合と4mMリジンを使用した場合とをそれぞれ比較した。
図2に、前記4種の微生物由来のODC酵素の活性を示した。具体的に、オルニチンを基質として使用してプトレシンを生産したものであるオルニチン脱炭酸酵素活性と、リジンを基質として使用してカダベリンを生産したものであるリジン脱炭酸酵素活性と、を示した。リジン脱炭酸酵素活性は、いずれも類似しているが、オルニチン脱炭酸酵素活性は、ラクトバシラス由来のオルニチン脱炭酸酵素(ODC_Lb)が最も優れた。すなわち、ODC_Lbにおいて、オルニチン脱炭酸酵素活性に対するリジン脱炭酸酵素活性、すなわち、副反応の生成比率が最も低く表われるので、このような内容に基づいて変異型製作を行った。
実施例2.オルニチン脱炭酸酵素の変異位置の選択
ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素は、結晶構造が知られており、構造分析を通じて基質が酵素に出入りするトンネル予測が可能である。予測されたトンネル部分のうち、飽和変異を行う機能的残基(functional residues)を選択するために、生物情報学の配列情報を利用した多数配列整列(multiple sequence alignment)を行い、本発明で利用するオルニチン脱炭酸酵素アミノ酸配列のN末端からA696、V702、A713、E698の位置を変異位置として選定した。
タンパク質構造内に特定位置のアミノ酸残基を保存している残基は、そのタンパク質において、構造と機能上、非常に重要な役割を行い、特に、触媒過程において、直接的な役割を行う可能性が高いために、これらは、変異残基として排除した。
実施例3.オルニチン脱炭酸酵素の機能的残基に対する飽和変異遂行及び変異型探索
飽和変異(saturation mutagenesis)は、遺伝子の指定された位置に多様な塩基配列の変化を導入することを言う。飽和変異は、鋳型鎖に結合する相補的な配列のプライマー(primer)上に、変異させようとする配列の代わりに、NNKコドン(codon)を挿入してPCRを通じて変異を挿入させることを言う。この際、NNKコドンで、Nは、ヌクレオチドのA、T、G、Cを意味し、Kは、T、Gを意味する。
選択された機能的残基に対してNNKコドンを使用して飽和変異を行った後、変異型ライブラリーに対してスクリーニングを行った。あらゆるライブラリーは、1次及び2次スクリーニングを前細胞反応を通じて進行した。前記前細胞反応は、特定酵素を含む細胞を破砕して細胞内容物を利用するか、または酵素を分離精製せずに、完全な細胞全体を利用した反応を意味する。1次スクリーニングは、オルニチン前細胞反応を通じて進行し、野生型と比較した時、類似しているか、さらに速い活性を示す変異型を吸光度の変化で選択した。2次スクリーニングは、リジン前細胞反応を通じて進行し、1次で選別された変異型に対して、リジンに対する反応性が野生型よりも低ければ、選択した。
選別された変異型酵素に対して、オルニチンまたはリジンを基質として使用した時の固有活性度を測定した。固有活性度(specific activity)は、酵素精製を通じて不純物及び他のタンパク質を除去した純粋なタンパク質の単位量当たり活性を示すことであって、通常1分間に1μmolの基質変化を触媒する酵素の量を1単位として1mg当たり単位数で表示する。具体的に、ラクトバシラス由来野生型及び変異型のオルニチン脱炭酸酵素を大腸菌BL21(DE3)に形質転換して50mLの培養体積でインデューサであるIPTGを用いて発現した以後、Ni-NTAカラムを用いて純粋タンパク質のみを精製した。まず、タンパク質発現以後、音波破砕機で細胞を破砕し、遠心分離後、細胞抽出液を得た。300mM塩化ナトリウムが添加された50mMホスフェート(phosphate)緩衝溶液(pH8.0)で平衡化させたカラムに細胞抽出液を入れて、0℃で1時間ニッケル樹脂(resin)と結合させた。以後、樹脂に結合することができなかったタンパク質を流し、50mMイミダゾールが含まれたトリス緩衝溶液で非特異的に結合された他のタンパク質を除去した。最後に、250mMイミダゾールが含まれたトリス緩衝溶液で所望のタンパク質のみを溶出した。溶出されたタンパク質からイミダゾールを除去するために、濾過カラムを利用した脱塩過程を行って、最終的に活性があるタンパク質のみを得た。以後、ブラッドフォード(Bradford)タンパク質定量キットを使用してタンパク質量を測定し、同量のタンパク質を使用して固有活性度を測定した。
オルニチンまたはリジンを基質として使用した時のラクトバシラス由来野生型及び変異型のオルニチン脱炭酸酵素の固有活性度は、HPLC(High-performance liquid chromatography)分析技法を通じて測定した。反応は、50℃で30~300分間行って、三回の実験の平均値で求めた。10~25%の転換収率を示した時の初期反応速度を測定した。陽イオン交換カラムを使用し、移動相は、0.6g/Lクエン酸、4g/L酒石酸、1.4g/Lエチルジアミン、5%メタノール及び95%水で構成した。使われたpHのバッファ溶液は、pH5.0の場合、クエン酸塩緩衝液(citric-sodium citrate buffer)を使用した。野生型及び変異型のオルニチン脱炭酸酵素の固有活性度は、図3に示した。
図3の(ア)及び図3の(イ)に示されているように、野生型及び変異型(A696E、V702G、A713L、A696E/A713L、V702G/A713L、A696E/V702G/A713L、E698D及びE698D/A713L)酵素の固有活性度を確認した結果、前記機能的残基(A696、V702、A713、E698)は、いずれも活性部位(active site)または基質接近トンネルに位置することを確認した。
具体的に、オルニチンを基質として使用した時、変異型(A696E、V702G、A713L、A696E/A713L、V702G/A713L、A696E/V702G/A713L、E698D、E698D/A713L)の固有活性度は、野生型の固有活性度に対して、それぞれ19.9%、4.3%、89.4%、12.8%、4.9%、0.1%、75.6%、74.4%と確認された(図3の(ア))。
リジンを基質として使用した時、変異型(A696E、V702G、A713L、A696E/A713L、V702G/A713L、A696E/V702G/A713L、E698D、E698D/A713L)酵素の固有活性度は、野生型酵素の固有活性度に対して、それぞれ16.9%、0.6%、42.4%、4.4%、0.9%、0.7%、50.8%、29.2%であって、副反応が抑制されることを確認した(図3の(イ))。
実施例4.オルニチン脱炭酸酵素の機能的残基に対する動力学的係数確認
前記実施例3で使われたオルニチン脱炭酸酵素の変異型のうち、70%以上の固有活性度を有する変異型であるA713L、E698D、及びE698D/A713Lの特性をさらに綿密に確認しようとした。前記変異型及び野生型の動力学的係数(Kinetic parameter)を比較するために、多様な濃度条件のリジンを利用した。動力学的係数は、互いに異なる濃度を有した基質溶液を用いて酵素の基質親和度及び基質転換能力数値を示す。
具体的に、タンパク質精製を済ませた野生型及び変異型のオルニチン脱炭酸酵素のリジンに対する動力学的係数を確認するために、0.45~140mMのリジン濃度を使用した。pHのバッファ溶液は、pH5.0クエン酸塩緩衝液を使用し、反応体積は、200μlで進行した。分析は、前記明示されたHPLC分析方法を通じて進行し、三回の実験の平均値で求めた。野生型及び変異型のリジン脱炭酸酵素の動力学的係数は、図4に示した。
図4に示すように、野生型に比べて、変異型(A713L)のリジンに対するkcat値が2.16倍低くなったことを確認した。kcat値の減少によって、変異型(A713L)のリジンに対するkcat/K値が野生型に比べて、1.93倍減ったことを確認した。結論的に、変異型(A713L)がリジン脱炭酸酵素活性を減らしうるということを確認した。変異型E698D及びE698D/A713Lも、野生型に比べて、リジンに対するkcat値が2.08倍と2.59倍とにそれぞれ減ることを確認し、リジンに対するkcat/K値が1.28倍及び1.67倍減少することを確認した。すなわち、前記変異型は、副反応を低減させることができるということを確認した。
実施例5.変異型オルニチン脱炭酸酵素の特性分析
変異型のうち、最も高いオルニチン固有活性度を有する変異型であるオルニチン脱炭酸酵素(A713L)が、プトレシンまたはカダベリンの生成に及ぼす影響を調べようとした。高い濃度51.5g/L(0.39M)のオルニチンを基質として使用した場合と、濃度2.57g/L(17.6mM)のリジンを基質として使用した場合と、をそれぞれ進行した。2種の基質条件で反応を進行するに当って、適当な反応条件を取るために、pHを適正するバッファ濃度を2種の条件(0.1Mまたは0.37M)で進行した。
具体的に、タンパク質精製を済ませた野生型及び変異型酵素0.1mgを反応に使用した。基質として0.39Mのオルニチンまたは17.6mMのリジンを使用し、バッファとして0.1または0.37Mのクエン酸塩緩衝液(pH5.0)を使用した。0.1mM PLP助酵素が使われ、反応は、50℃で進行し、反応体積は、2mLで進行した。これに対する結果は、図5に示した。
図5の(ア)は、51.5g/L(0.39M)のオルニチンを基質として使用した場合である。オルニチンをプトレシンに変換する場合、0.37Mのバッファを使用した時(図5の(ア)の●及び○参照)、4時間以後、野生型及び変異型(A713L)でプトレシンをそれぞれ33.0g/L及び31.6g/L生成した。また、低い濃度のバッファ(0.1M)を使用した時(図5の(ア)の◆及び◇参照)、7時間後、野生型及び変異型(A713L)は、それぞれプトレシンを20.2g/L及び20.7g/L生成した。野生型及び変異型(A713L)のプトレシンの生産能力が類似していることを確認し、高濃度バッファ(0.37M)を使用したことが反応性に有益なことを確認した。
図5の(イ)は、2.57g/L(17.6mM)のリジンを基質として使用した場合である。リジンをカダベリンに変換する場合、0.37Mのバッファを使用した時(図5の(イ)の●及び○参照)、4時間後、野生型及び変異型(A713L)でそれぞれ0.03g/L及び0.007g/Lのカダベリンを生成した。また、0.1Mのバッファを使用した時(図5の(イ)の◆及び◇参照)、カダベリンが生成される副反応が増加し、7時間後、野生型及び変異型(A713L)でそれぞれ0.59g/L及び0.38g/Lのカダベリンを副反応で生成した。これにより、変異型(A713L)でカダベリンを生成する副反応が抑制されることを確認し、この副反応の抑制効果は、高い濃度のバッファ(0.37M)を使用した時、さらに目立つことを確認した。
実施例6.コリネ菌株で組換えODC遺伝子の発現量の比較測定
実施例1で言及された4種の微生物由来オルニチン脱炭酸酵素ODC_Lb、ODC_Sc、ODC_Ec、ODC_Efを発現させるための組換え遺伝子の製作方法は、次の通りである。
具体的に、Lactobacillus saerimneri(ACCESSION no.P43099)、Saccharomyces cerevisiae(ACCESSION no.J02777.1)、及びEscherichia coli str.K-12(ACCESSION no.BAA35349)誘電体情報を用いてオルニチン脱炭酸酵素遺伝子を表1に明記された遺伝子配列でPCRによる遺伝子コーディング領域増幅後、PCR生成物に制限酵素を処理してプラスミドに挿入した。
Figure 2022109339000001
組み替えられた遺伝子は、タンパク質C末端にHis-tagを追加翻訳することができるように製作した。大腸菌DH5 alphaをDNA操作のための宿主菌株として使用し、大腸菌BL21(DE3)をC末端His6-タグODC遺伝子発現のための宿主菌株として使用した。組換え大腸菌BL21を50mg/mLのカナマイシンを含有する50mL LB培地で37℃で成長させた。培養液がOD600条件で0.8に到達した時、0.2mM IPTGを培養液に添加した。18~30℃でタンパク質発現を誘導した後、細胞を収穫した。細胞を溶解緩衝液に再懸濁し、超音波処理して細胞を破壊させた。得られた組換えODCを4℃でQuiagen(Hilden、Germany)のNi-NTAアガロース樹脂で精製した。組換えタンパク質は、100kDaの分子質量カットオフ(cut off)と共にCentriplus YM-30(Millipore、Bedford、MA)を使用して収得した。発現結果は、図6のようである。
SDS-PAGE gel上で30℃発現誘導条件の結果を分析すれば、組換えODC_LbとODC_Ecとの発現量がODC_Sc、ODC_Efに比べて、高いことを確認することができる。但し、ODC_Ecの場合、中温条件発現時に、可溶性タンパク質量が著しく落ちることが確認された。追加的に、37℃発現を進行した時、ODC_Ecの可溶性タンパク質量は、さらに減少した。
コリネ菌株でODC_LbとODC_Ec遺伝子を発現させて、可溶性タンパク質で発現される量を比較評価しようとした。ODC_Lb遺伝子及びODC_Ec遺伝子の開始コドン前にCJ7プロモーター(KCCM10617、大韓民国登録特許第10-0620092号)を導入した。まず、CJ7プロモーター配列を含む遺伝子を得るために、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032のゲノムDNAを鋳型として表2の明記されたプライマー対を利用したPCRを行った。PCR反応は、95℃で30秒の変性、55℃で30秒のアニーリング及び72℃で30秒の伸張過程を30回繰り返して実施した。
Figure 2022109339000002
1.5%アガロースゲルを用いて電気泳動後、400basepair(bp)のサイズを有するPCR核酸結果物を確認した。得られたPCR結果物は、PCR prep kit(GeneAll、ソウル)を用いて精製した。精製されたPCR産物とpSCECベクター溶液サンプルとにBamHIとXbaIとを入れ、37℃、4時間反応で制限酵素処理し、1.5%アガロースゲルを用いて電気泳動後、400bpのサイズを有するPCR核酸産物バンドとベクターサイズのバンドとをカッティング(cutting)後、Gel prep kit(GeneAll、ソウル)を用いて核酸断片を収得した。精製された各1mgのCJ7プロモーター断片とベクターをT4 ligaseを用いてライゲーション(ligation)後、E.coli DH5 alpha菌株にエレクトロポレーション(electrophoration)した。エレクトロポレーションは、2500Vで加えた。回収された菌株を50μg/Lスペクチノマイシン(spectinomycin)を含んだLB平板培地に塗抹して、37℃で1日培養した後、耐性を示す菌株を選別した。18個の菌株を選別して、配列番号9及び配列番号10でコロニーPCR後、400bpのサイズを有するPCR結果物を確認することができた。コロニーPCR結果からCJ7プロモーターを有するpSCEC_cj7の製作を確認した。
得られたpSCEC_cj7ベクターに基づいて表3に明記されたプライマーを用いてODC_LbとODC_Ec 2個の遺伝子をPCRを通じて増幅した。
Figure 2022109339000003
前記得られたPCR産物及びpSCEC_cj7ベクターを制限酵素XbaIとSalIとに処理した。制限酵素処理された核酸をgel prepして、ODC_Lb、ODC_Ec、そして、pSCEC_cj7核酸断片をライゲーションし、E.coli DH5 alpha菌株に挿入した。挿入が確認された選別された菌株からpSCEC_cj7_ODC_Lb及びpSCEC_cj7_ODC_Ecをそれぞれ収得し、プトレシン生産コリネバクテリウム属微生物KCCM11240Pに2500Vでそれぞれエレクトロポレーションした。
50μg/Lスペクチノマイシンを含んだBHIS平板培地(Braine heart infusion 37g/L、ソルビトール91g/L、寒天2%)に、前記菌株を塗抹して培養することにより、コロニーを形成させた。前記選別された菌株が、50μg/Lスペクチノマイシンを含んだCM培地(glucose 10g/L、polypeptone 10g/L、yeast extract 5g/L、beef extract 5g/L、NaCl 2.5g/L、Urea 2g/L、pH6.8)で振盪培養が可能であることを確認した。製作された2種のコリネバクテリウム・グルタミカム変異株を3mL培養後、遠心分離して菌体を確保した。得られた菌体を超音波処理方法で細胞破砕後、遠心分離して可溶性タンパク質が含まれた溶液を確保した。
Ni-NTA Spin Columns(Hilden、Germany)を用いてHis-tagが含まれたODC_Lb、ODC_Ecタンパク質をそれぞれ精製した。Nano dropを用いて収得してタンパク質の濃度を測定した。測定値の基盤で計算された組換えタンパク質の濃度は、それぞれODC_Lb:1.282g/L、ODC_Ec:0.039g/Lであって、コリネ菌株でODC_Ecに比べて、ODC_Lbが30倍以上の可溶性タンパク質を確保することを確認した。
ODC_Lbは、中温条件で大腸菌とコリネ菌株とを宿主として使用して発現させる時、高い発現量と正常なタンパク質折り曲げで高い可溶性タンパク質の生産が可能であることを確認することができた。
実施例7.変異型オルニチン脱炭酸酵素が導入されたコリネ型プトレシン生産菌株の製造及びプトレシン生産能の測定
本発明のオルニチン脱炭酸酵素変異型が、プトレシンの生産に及ぼす影響を調べるために、プトレシン生産能が向上したコリネバクテリウム属微生物に、前記オルニチン脱炭酸酵素変異型を導入した菌株を製作した。
具体的に、前記プトレシン生産能が向上したコリネバクテリウム属微生物として、特許出願(大韓民国特許公開第2013-0082478号)に開示されたプトレシン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物(KCCM11240P)が使われた。前記プトレシン生産能を有するコリネバクテリウム属微生物(KCCM11240P)は、コリネバクテリウム・グルタミカムATCC13032から製造された微生物(ATCC 13032 ΔargF ΔNCgl1221 P(CJ7)-argCJBD bioAD:P(CJ7)-speC(Ec):KCCM11138P(大韓民国特許公開第2012-0064046号))内のNCgl1469が欠損した微生物である。
前記プトレシン生産微生物内のオルニチン脱酸山酵素を前記ラクトバシラス由来のラクトバシラス由来のオルニチン脱炭酸酵素変異型に置換するためのベクターを製作した。より具体的には、前記実施例1及び実施例3で製作したラクトバシラス由来のオルニチン脱炭酸酵素変異型のDNAを下記表4に開示したODC_Lb_start(EcoRV)_5、ODC_Lb_stop(MfeI)_3プライマーを用いて増幅した。具体的には、前記製作したpET24maベクターに野生型及び変異型(E698D、A713L)のラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素を挿入して、それをそれぞれ鋳型とし、下記表4に開示したL-odc_start(EcoRV)_5、L-odc_stop(MfeI)_3の2つのプライマーを使用してPCRを行った。
Figure 2022109339000004
PCR増幅を通じて得た遺伝子断片は、EcoRVとMfeI制限酵素で処理(37℃、3時間)して、大韓民国特許公開第2012-0064046号に開示された方法と同じ方法を用いて製作したpDZ-bioAD-P(CJ7)ベクターにラクトバシラス由来野生型及び変異型(E698D、A713L)オルニチン脱炭酸酵素の遺伝子断片を挿入した。前記方法には、EcoRVとMfeI制限酵素が使われた。前記方法で製作された染色体挿入用組換えベクター(pDZ-ODC_Lb、pDZ-ODC_Lb_E698D、pDZ-ODC_Lb_A713L)は、配列分析で確認した。
ラクトバシラス由来野生型及び変異型オルニチン脱炭酸酵素が、染色体内に挿入されたコリネ菌株を得るために、前記で製作されたpDZ-ODC_Lb、pDZ-ODC_Lb_E698D、pDZ-ODC_Lb_A713L組換えベクターのそれぞれをKCCM11240P菌株に電気穿孔法を用いて形質注入した後、BHIS平板培地(brainheart infusion 37g/L、sorbitol 91g/L、agar 2%、1L基準+kanamycin 25μg/ml)に塗抹した。
成功的なベクターの染色体内の挿入は、X-gal(5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリル-β-D-ガラクトシド)を含んだ固体培地で青色を示すかの如何で判別した。1次染色体挿入された菌株を栄養培地で振盪培養(30℃、8時間)した後、それぞれ連続希釈(serial dilution)して、X-galを含んでいる固体培地に塗抹した。ほとんどのコロニーが青色を帯びるが、一方、低い比率で白色のコロニーを選別し、選別したコロニーは、2次交差(cross over)によって最終ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素変異型が染色体に導入された菌株が得られた。最終的に、菌株は、変異型の配列分析によって確認した。確認された菌株をKCCM11240P::ODC_Lb、KCCM11240P::ODC_Lb_E698D、KCCM11240P::ODC_Lb_A713Lと名付けた。
ラクトバシラス由来野生型及び変異型オルニチン脱炭酸酵素の導入によるプトレシン生産菌株のプトレシン生産能の影響を確認するために、プトレシン生産能を評価した。
具体的に、前記で製作された菌株を1mMアルギニンが含まれたCM平板培地(ブドウ糖1%、polypeptone 1%、酵母抽出物0.5%、beef extract 0.5%、NaCl 0.25%、urea 0.2%、50% NaOH 100μl、agar 2%、pH6.8、1L基準)で30℃で16時間培養した後、下記表5の組成を有する25ml力価培地に1白金耳程度接種した後、それを30℃で200rpmで24時間振盪培養した。製作されたあらゆる菌株に対して、発酵時に、培地に1mMアルギニンを添加して培養した。
Figure 2022109339000005
その結果、表6から見るように、培養12時間後、ラクトバシラス由来変異型(A713L)オルニチン脱炭酸酵素を導入した菌株で、大腸菌オルニチン脱炭酸酵素を有する菌株(KCCM11240P)に比べて、プトレシンの生産量が約115%Pほど増加した。また、A713Lオルニチン脱炭酸酵素を導入した菌株でラクトバシラス由来野生型オルニチン脱炭酸酵素を有する菌株(KCCM11240P::ODC_Lb)に比べて、約40%P増加する態様を示した。
また、A713Lオルニチン脱炭酸酵素を導入した菌株(KCCM11240P::ODC_Lb_A713L)は、KCCM11240Pに比べて、プトレシンの生産時に、副反応によるカダベリンの生産が約48%P減少し、培養液内の残留ブドウ糖の濃度で見て、同一時間内の糖消耗量が増加して、生産性が共に増加するということが分かる。
Figure 2022109339000006
前記のような結果は、ラクトバシラス由来変異型オルニチン脱炭酸酵素が導入されることによって、プトレシン生産菌株で糖消耗に比べて、既存よりも高い濃度のプトレシンを生産するだけではなく、カダベリンの低減及び生産性向上の効果を有することを示す。
実施例8.ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素の713番目のアミノ酸残基に対する飽和変異の影響性予測
選択された変異のうち、ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに置換された機能的残基(A713L)に対して、アラニン及びロイシンを除いた他のアミノ酸に置換した後、プトレシン生産菌株KCCM11240Pに導入して、プトレシンの生産に及ぼす影響を調べた。
具体的に、配列番号1のアミノ酸配列で、N末端から713番目のアミノ酸を疎水性アミノ酸を含んだ他のアミノ酸に置換した形態の変異型をプトレシン生産能が向上したコリネバクテリウム属微生物(KCCM11240P)の染色体内の大腸菌由来野生型オルニチン脱炭酸酵素の代わりに、置換させた変異菌株を製作した。さらに具体的に、疎水性アミノ酸の1つであるバリン、塩基性アミノ酸の1つであるアルギニン、酸性アミノ酸の1つであるアスパラギン酸、中性アミノ酸の1つであるグルタミン、芳香族性アミノ酸の1つであるトリプトファンに置換するベクターをそれぞれ製作するために、実施例7で製作したpDZ-ODC_Lbベクターを鋳型として、前記表4と下記表7とに開示されたプライマーを使用してPCRを行った。1次としては、変異を起こそうとする部位を中心に前側部分(5')と裏側部分(3')とに対して、それぞれPCRを進行した後、2次で2つのPCR断片を合わせるPCRを行った。例えば、713番目のアミノ酸をアラニンからバリンに置換する変異(A713V)の場合、前側部分ODC_Lb_start(EcoRV)_5とODC_Lb_A713V_3プライマーを使用してPCRで増幅し、裏側部分は、ODC_Lb_A713V_5とODC_Lb_stop(MfeI)_3プライマーを使用してPCRで増幅した。1次PCRを通じて得た2つのPCR断片を2次PCRの鋳型として使用し、ODC_Lb_start(EcoRV)_5とODC_Lb_stop(MfeI)_3プライマーを使用してPCRを進行した。最終的に得られたラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素の変異型A713V遺伝子断片は、実施例7と同じ方法でpDZ-bioAD-P(CJ7)ベクターに挿入した。それ以外の残りの変異型A713R、A713D、A713W、A713Qも、表7に開示されたプライマーを使用して、前記と同じ方法でPCRを進行してpDZ-bioAD-P(CJ7)ベクターに挿入した。製作された染色体挿入用組換えベクター(pDZ-ODC_Lb_A713V、pDZ-ODC_Lb_A713R、pDZ-ODC_Lb_A713D、pDZ-ODC_Lb_A713W、pDZ-ODC_Lb_A713Q)は、配列分析で確認した。
Figure 2022109339000007
ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンが、疎水性アミノ酸を含んだ他のアミノ酸に置換した形態の変異型が染色体内に挿入された菌株を得るために、前記で製作されたpDZ-ODC_Lb_A713V、pDZ-ODC_Lb_A713R、pDZ-ODC_Lb_A713D、pDZ-ODC_Lb_A713W、pDZ-ODC_Lb_A713Q組換えベクターのそれぞれを実施例7のような方法でKCCM11240P菌株に形質注入し、選別して最終ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素変異型が染色体に導入された菌株が得られた。最終的に、菌株は、変異型の配列分析によって確認された。確認された菌株をKCCM11240P::ODC_Lb_A713V、KCCM11240P::ODC_Lb_A713R、KCCM11240P::ODC_Lb_A713D、KCCM11240P::ODC_Lb_A713Q、KCCM11240P::ODC_Lb_A713Wと名付けた。
ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンが、疎水性アミノ酸を含んだ他のアミノ酸に置換された形態の変異型の導入によるプトレシン生産菌株のプトレシン生産能の影響を確認するために、前記実施例7のような方法でプトレシン生産能を評価した。
Figure 2022109339000008
その結果、表8から見るように、疎水性を含んだ他のアミノ酸に置換した形態のラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素変異型を導入した菌株も、培養12時間後、大腸菌由来野生型のオルニチン脱炭酸酵素を有する菌株(KCCM11240P)に比べて、プトレシンの生産量が平均約86%Pほど増加した。また、ラクトバシラス由来野生型のオルニチン脱炭酸酵素を有する菌株に比べて、平均約21%P増加する態様を示した。
また、プトレシンの生産時に、副反応によるカダベリンの生産が約41%P減少し、培養液内の残留ブドウ糖の濃度で見て、同一時間内の糖消耗量が増加して、生産性が共に増加するということが分かる。
前記のような結果は、ラクトバシラスオルニチン脱炭酸酵素の713番目のアラニンがロイシンに置換された変異型以外にも、他の疎水性アミノ酸の1つであるバリン、塩基性アミノ酸の1つであるアルギニン、酸性アミノ酸の1つであるアスパラギン酸、中性アミノ酸の1つであるグルタミン、芳香族性アミノ酸の1つであるトリプトファンに置換されることによって、プトレシン生産菌株で糖消耗に比べて、既存よりも高い濃度のプトレシンを生産するだけではなく、カダベリンの低減及び生産性向上の効果を有することを示す。
以上の説明から、当業者は、本発明のその技術的思想や必須的な特徴を変更せずとも、他の具体的な形態で実施可能であるということを理解できるであろう。それと関連して、前述した実施例は、あらゆる面で例示的なものであり、限定的ではないということを理解せねばならない。本発明の範囲は、前記の詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲の意味及び範囲、そして、その等価概念から導出されるあらゆる変更または変形された形態が、本発明の範囲に含まれると解釈されねばならない。
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Claims (16)

  1. 配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有する、オルニチン脱炭酸酵素の変異型。
  2. 前記713番目の位置のアミノ酸置換は、アラニンを除いた疎水性アミノ酸、塩基性アミノ酸、酸性アミノ酸、中性アミノ酸、または芳香族性アミノ酸への置換である、請求項1に記載のオルニチン脱炭酸酵素の変異型。
  3. 前記713番目の位置のアミノ酸置換は、A713L、A713I、A713V、A713R、A713D、A713W、またはA713Qである、請求項1に記載のオルニチン脱炭酸酵素の変異型。
  4. 前記698番目の位置のアミノ酸置換は、E698Dである、請求項1に記載のオルニチン脱炭酸酵素の変異型。
  5. 前記713番目の位置のアミノ酸置換は、A713L、A713I、A713V、A713R、A713D、A713W、またはA713Qであり、前記698番目の位置のアミノ酸置換は、E698Dである、請求項1に記載のオルニチン脱炭酸酵素の変異型。
  6. 前記オルニチン脱炭酸酵素の変異型は、配列番号4、配列番号8、配列番号9、及び配列番号19から配列番号23のうちから選択されるポリペプチドを含む、請求項1に記載のオルニチン脱炭酸酵素の変異型。
  7. 請求項1から請求項6のうち何れか一項に記載のオルニチン脱炭酸酵素の変異型をコーディングする、ポリヌクレオチド。
  8. 配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む、微生物。
  9. 前記微生物は、エシェリキア属またはコリネバクテリウム属である、請求項8に記載の微生物。
  10. 配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を培養する段階を含む、プトレシンの生産方法。
  11. 培地内にプトレシンを蓄積する段階を含む、請求項10に記載のプトレシンの生産方法。
  12. 培養された微生物または培地からプトレシンを回収する段階を含む、請求項10に記載のプトレシンの生産方法。
  13. 配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を培養する段階を含む、プトレシンの純度を増加させる方法。
  14. 配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を培養する段階を含む、カダベリンに対するプトレシンの比率を増加させる方法。
  15. プトレシンでポリアミドを製造する方法であって、前記プトレシンは、配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を培養して製造された、ポリアミドの製造方法。
  16. 配列番号1のポリペプチドを含むか、または配列番号1のa)713番目、b)698番目、またはc)713番目及び698番目に相応する位置でアミノ酸置換を含み、配列番号1のポリペプチドに少なくとも80%以上、100%未満の配列相同性を有するポリペプチドを含むオルニチン脱炭酸酵素を含む微生物を含む、ポリアミド製造用組成物。
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