JP2022108509A - 全固体電池、及び全固体電池の製造方法 - Google Patents

全固体電池、及び全固体電池の製造方法 Download PDF

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寛和 小松
Hirokazu Komatsu
隆行 平尾
Takayuki Hirao
和之 依田
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Abstract

【課題】充放電時の固体電解質層へのダメージを低減可能な全固体電池、及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の全固体電池100(単電池9)は、一対の集電体(正極集電体2、負極集電体3)の間に、正極層11、固体電解質層12、及びリチウム合金若しくはリチウム金属を含む負極層(析出層13)が積層された発電要素部1が配置され、さらに発電要素部1の外周を覆うように弾性体4が配置されている。弾性体4は固体電解質層12よりもヤング率の低い材料で形成されるとともに、発電要素部1から離間して配置されている。【選択図】図4

Description

本発明は、全固体電池、及びその製造方法に関する。
全固体電池は、一対の集電板の間に正極層、固体電解質層、負極層を積層した構造体を挟み込み加熱圧縮することで形成されるが、その際に固体電解質層が軟化して外部に漏洩する虞があることが知られている。
上記問題に関して、特許文献1は、一対の集電板の間に構造体の外周を覆うように耐熱性の絶縁部材を配置して加熱圧縮して形成することで、固体電解質層の漏洩を低減する全固体電池を開示している。
特許第5131283号公報
特許文献1の構成では、構造体が絶縁部材に接合している。一方、全固体電池は、充放電を繰り返すことで負極層が厚み方向に膨張・収縮し、これに追従するように構造体も厚み方向に膨張・収縮する。しかし、固体電解質層と絶縁部材のヤング率(膨張収縮度合い)が異なると絶縁部材が固体電解質層に応力を印加してダメージを与える虞がある。
本発明は、充放電時の固体電解質層へのダメージを低減可能な全固体電池、及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明による全固体電池は、一対の集電体の間に、正極層、固体電解質層、及びリチウム合金若しくはリチウム金属を含む負極層が積層された発電要素部が配置され、さらに発電要素部の外周を覆うように弾性体が配置された全固体電池である。当該全固体電池において、弾性体は固体電解質層よりもヤング率の低い材料で形成されるとともに、発電要素部から離間して配置されている。
本発明によれば、弾性体は固体電解質層よりもヤング率が低いものが適用されるので、充放電時の発電要素部の膨張・収縮に伴い弾性体も膨張・収縮することができる。その際、固体電解質層は弾性体とは離間しているため、弾性体から応力を受けることはなく、固体電解質層へのダメージを低減できる。
図1は、第1実施形態の全固体電池が備える単電池を説明する模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。 図2は、第1実施形態の全固体電池が備える単電池において弾性体の配置を説明するための模式図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。 図3は、第1実施形態の全固体電池が備える単電池において弾性接着剤の配置を説明するための模式図であり、図2(3)は平面図、図3(b)は断面図である。 図4は、第1実施形態の全固体電池が備える単電池の断面図であり、一点鎖線よりも左側が充電前、右側が充電後である。 図5は、比較例の全固体電池が備える単電池の断面図であり、一点鎖線よりも左側が充電前、右側が充電後である。 図6は、固体電解質層に亀裂が発生する場合の模式図である。 図7は、固体電解質層が受ける応力と固体電解質層に発生する亀裂との関係を示す図である。 図8は、第2実施形態の全固体電池が備える単電池の断面図であり、一点鎖線よりも左側が充電前、右側が充電後である。 図9は、第3実施形態の全固体電池の断面図である。 図10は、第3実施形態の全固体電池を充電したときの断面図である。 図11は、第4実施形態の全固体電池の断面図である。
[第1実施形態の概要]
本発明の第1実施形態に係る全固体電池100について説明する。
図1は、第1実施形態の全固体電池100が備える単電池9(第1実施形態の全固体電池100の製造方法により製造される単電池9)を説明する模式図であり、図1(a)は平面図、図1(b)は断面図である。なお、図1(a)では、図1(b)の上側に配置されているラミネート層5を省略している。
本実施形態の全固体電池100は、本実施形態の全固体電池100は複数回充放電が可能な二次電池である。全固体電池100は、その内部に、以下に説明する単電池9が複数積層した構造体(図9等参照)を電池外装材であるラミネート層5で封止した状態で収容するいわゆる積層型の全固体電池100である。積層型とすることで、電池をコンパクトにかつ高容量化することができる。
ただし、本発明が適用される全固体電池100が収容する単電池9は必ずしも複数層である必要はなく、単層であってもよい。なお、単電池9は、電池外装材に収容される前の状態において例えば円形又は矩形のシート状に構成される。また、本実施形態の全固体電池100の外観、及び内部における電気的な接続状態(電極構造)は特に限定されない。
全固体電池100の外観は、平面視で、円、楕円、矩形形状が適用できる。或いは、単層、又は複数層の単電池9を巻き回して収容する円筒形状型であってもよい。また、全固体電池100の電極構造は、いわゆる非双極型(内部並列接続タイプ)、及び双極型(内部直列接続タイプ)のいずれが採用されてもよい。すなわち、以下に説明する単電池9の構成以外に関しての全固体電池100の態様は、公知あるいは非公知に関わらず、特に制限されない。
単電池9は、互いに対向する一対の集電体(負極集電体3、正極集電体2)の間に、負極層、固体電解質層12、正極層11が積層した発電要素部1が挟まれた構成を有している。また単電池9では、一対の集電体(負極集電体3、正極集電体2)の間に、発電要素部1(正極層11、固体電解質層12、負極層(析出層13(図4)))の周囲を覆うように弾性体4が配置されている。
負極集電体3は、矩形形状を有するとともに、矩形の一辺からフレキシブルな引き出し電極31が延出している。引き出し電極31の先端にはリジットな端子となる負極タブ32(タブ)が取り付けられている。
負極層は、単電池9の充電時に負極集電体3の正極集電体2に対向する面に析出層13として形成され、単電池9を放電すると消失するものが適用される。負極層(析出層13)は、少なくともリチウム合金、又はリチウム金属を包含する負極活物質により構成される。このように、単電池9を充放電すると負極層(析出層13)が出現・消失するので、厚み方向の寸法が変化する。なお、負極層の他の形態として、リチウム金属、又はリチウム合金を包含する固体電解質を当該負極層として負極集電体3の正極集電体2に対向する面に配置してもよい。
正極集電体2は、矩形形状を有するとともに、矩形の一辺からフレキシブルな引き出し電極21が延出している。引き出し電極21の先端にはリジットな端子となる正極タブ22(タブ)が取り付けられている。
正極層11は、正極集電体2の負極集電体3に対向する面に形成されている。正極層11は、硫黄を含む正極活物質を含むことが好ましい。硫黄を含む正極活物質の種類としては、特に制限されないが、硫黄単体(S)のほか、有機硫黄化合物又は無機硫黄化合物の粒子又は薄膜が挙げられ、硫黄の酸化還元反応を利用して、充電時にリチウムイオンを放出し、放電時にリチウムイオンを吸蔵することができる物質であればよい。
固体電解質層12は、固体電解質を主成分として含有し、上記した負極層(析出層13)と正極層11との間に介在する層である。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質や酸化物固体電解質が挙げられるが、硫化物固体電解質であることが好ましい。
ラミネート層5は、単電池9(特に発電要素部1)を封止するものである。ラミネート層5の封止態様は後述の図8に示す封止態様と同様である。ラミネート層5は、発電要素部1の破損を抑制し、また固体電解質層12、負極層、正極層11を大気中の水分から保護するために用いられる。また固体電解質層12が硫化物である場合、水分との反応により硫化水素が発生する可能性がある。よって、ラミネート層5は当該硫化水素のガスを単電池9の外部に拡散することを防止する役割を有する。
図2は、第1実施形態の全固体電池100が備える単電池9において弾性体4の配置を説明するための模式図であり、図2(a)は平面図、図2(b)は断面図である。
弾性体4は、例えばポリイミド(例えばカプトン(登録商標))、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の絶縁性の樹脂により形成されたものである。弾性体4は、発電要素部1が平面視で矩形の場合は矩形の枠形状に形成され、発電要素部1が平面視で円形の場合は円形のリング形状に形成される。弾性体4を発電要素部1の全周を覆うように配置されるので、発電要素部1の外部への漏洩を防止できる。また、弾性体4は、平面視で発電要素部1から離間するように配置されている。なお、弾性体4は、上記の材料を含め、ヤング率(縦弾性係数)が5Gpa以下のものが好適である。
図3は、第1実施形態の全固体電池100が備える単電池9において弾性接着剤42の配置を説明するための模式図であり、図2(3)は平面図、図3(b)は断面図である。
弾性接着剤42は、アクリル変性シリコーン樹脂系弾性接着剤(例えばセメダイン株式会社製:スーパーX(登録商標) No.8008、スーパーXG No.777、SX720W)、二液混合硬化型エポキシ・変性シリコーン系弾性接着剤(例えばセメダイン株式会社製:EP001K)等の樹脂系の接着剤、その他エポキシ樹脂又はシリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が適用される。図3に示すように、弾性接着剤42は、弾性体4の両面に塗布される。
[単電池9の製造工程]
単電池9の製造工程としては、(1)正極層11の形成、(2)負極層の形成、(3)弾性体4の配設、(4)加熱圧縮、(5)タブ溶接等の順で行う。
(1)正極層11の形成
正極集電体2及び正極の引き出し電極21の材料としてアルミ箔(厚さ10~20μm)を用意する。正極層11の材料として、ニッケルコバルトマンガン酸リチウムと、Li2S-P25系の硫化物固体電解質と、バインダ(PVDF:ポリフッ化ピニリデン)と、を用意し、これらを遊星型ボールミルに投入して粉砕・混合させて混合物を形成する。当該混合物をアルミ箔に塗工し、ホットプレートを用いて80℃で溶媒が蒸発するまで乾燥を行う。その後、所望の線圧、温度制御を行いロールプレスした後、所定のサイズに裁断(打ち抜き)して正極層11(正極集電体2)とする。
(2)負極層/固体電解質層12の形成
負極集電体3及び負極の引き出し電極31の材料としてステンレス箔(又は銅箔)を用意し、これリチウム析出型の負極層(析出層13が負極層として析出する負極集電体3)として利用する。そして、ステンレス箔上にリチウム金属(又はリチウム合金)を包含するLi2S-P25系の硫化物固体電解質、バインダ(SBR:スチレンブタジエンゴム)、溶媒から構成されるスラリーを用意する。当該スラリーをステンレス箔に塗工・乾燥させたのち、所望の線圧、温度制御を行いロールプレスし、所定のサイズに裁断(打ち抜き)して固体電解質層12が配置された負極層(負極集電体3)とする。
(3)弾性体4の配設
弾性体4の材料としてカプトン(登録商標)又はPTFEを用意し、正極層11が内側に配置されるように当該材料を枠形状に加工して弾性体4を形成する。正極集電体2と負極集電体3の間に弾性体4を配置した部材を組み上げ、アンダーフィル法により、弾性接着剤42(例えば熱硬化性樹脂)を正極集電体2と弾性体4の間及び負極集電体3と弾性体4の間に注入する。そして、硬化温度を100~150℃、硬化時間を1~2時間として弾性接着剤42を硬化させる。
(4)加熱圧縮
前記の部材を1~2時間圧縮して単電池9を形成する。このとき、100~150℃で加熱することで弾性接着剤42の接着強度を確保する。
(5)タブ溶接等
形成された単電池9において、引き出し電極21の先端に正極タブ22(厚さ200~400μm)を取り付け、引き出し電極31の先端に負極タブ32(厚さ200~400μm)を取り付け、単電池9をラミネート層5によりラミネート真空封止を行うこことで単電池9が完成する。
[比較例の単電池9]
図5は、比較例の全固体電池100が備える単電池9の断面図であり、一点鎖線よりも左側が充電前、右側が充電後である。図6は、固体電解質層12に亀裂121が発生する場合の模式図である。図7は、固体電解質層12が受ける応力と固体電解質層12に発生する亀裂121との関係を示す図である。
前記のように、単電池9を充電すると、リチウムが負極側に析出することが知られている。この場合、リチウムは固体電解質層12側に析出して発電要素部1において析出層13として出現し、当該析出層13の分だけ発電要素部1が厚み方向に膨張する(図5右)。
図5に示す比較例は、上記の特許文献1と同様の構造である。比較例においては、発電要素部1と弾性体4が接触(接合)した状態となっている。比較例においても充放電を繰り返すと発電要素部1が厚み方向に膨張・収縮するので、これに追従して弾性体4が厚み方向に膨張・収縮する。ここで、弾性体4のヤング率(縦弾性係数)が発電要素部1の固体電解質層12と異なる場合、発電要素部1の膨張・収縮の大きさと弾性体4の膨張・収縮の大きさが異なるため、弾性体4が固体電解質層12の側面に応力(特に引っ張り応力)を印加し、これが固体電解質層12に例えば亀裂121という形でダメージを与えるおそれがある。
本願発明者らは、比較例を用いて、充電時に発生する応力、固体電解質層12に発生し得る亀裂121について検討した。まずは、単電池9の充電率が0%のときの弾性体4(及び発電要素部1)の厚さとし、単電池9の充電率が100%のときの弾性体4の厚さがL+ΔLとなった場合の応力について検討する。充電率が0%のときの弾性体4の厚さが128.6μmの単電池9を用意した。そして当該単電池9を充電すると弾性体4の厚さが21.5μm増加することを確認した。なお、充電完了後の単電池9の開放電圧は4.25Vであった。このとき、弾性体4に印加されるひずみεは21.5/128.6=0.168となる。
図6に示すように、発電要素部1の厚さが弾性体4の厚さと等しいと仮定し、増加分ΔLが析出層13の発生に起因し、発電要素部1のうち固体電解質層12及び正極層11の厚みの変化を無視して考える。
すると、弾性体4に接続(接合)する固体電解質層12が弾性体4から受けるひずみ応力σは、固体電解質(Argyoridite)のヤング率を23Gpaとすると、σ=0.168×23=3.853Gpaとなる。
一方、弾性体4としてPTFEを適用した場合、そのヤング率は0.5Gpaとなるので、弾性体4が発電要素部1から受けるひずみ応力(引張応力)σ=0.168×0.5=0.084Gpaとなる。また弾性体4としてカプトン(登録商標)を適用した場合、そのヤング率は3.3Gpaとなるので、弾性体4が発電要素部1から受けるひずみ応力σは、σ=0.168×3.3=0.554Gpaとなる。
いずれの場合でも、固体電解質層12に印加されるひずみ応力が、弾性体4に印加されるひずみ応力よりも大きい場合に、固体電解質層12に亀裂121(劈開)が発生する。
固体電解質は、セラミックやガラスのように靭性の低い材料であり、当該材料の破面(劈開面)は平坦で塑性変形が起こった痕跡はほとんどない。このように塑性変形が起こらずに亀裂121が進展する機構を理解するには、亀裂121の先端より前方の局所的な応力上昇を考える必要がある。
連続体弾性論によれば、鋭い亀裂121の先端付近では応力集中が起こり、その局所的な応力はσLocal=σ(1+(a/(2r))1/2)となることが知られており、図7に示す曲線で表現される。ここで、σは材料全体に印加される平均引張応力、aは亀裂121の長さ、rは亀裂121の先端からの距離である。
図7に示すように、σLocalは亀裂121の先端近傍では急激に上昇するが、セラミックスやガラスのような材料では降伏強度が高く塑性変形は容易には発生しないので、亀裂121の先端近傍で引張応力が理想強度を超え材料内の原子間結合を断ち切る。そしてこの原子間血結合の断ち切りが連続的に発生すると材料は劈開する。なお、充放電を繰り返すと、亀裂121はさまざまな方向に伸展して負極層(析出層13)及び正極層11に到達する。そして当該亀裂121にリチウム金属(リチウムデンドライト)が進入すると負極層と正極層11が当該リチウム金属を介して短絡する虞がある。
図4は、第1実施形態の全固体電池100が備える単電池9の断面図であり、左側が充電前、右側が充電後である。
一方、図4に示すように、本実施形態の全固体電池100(単電池9)では、弾性体4は固体電解質層12よりもヤング率が低いものが適用されるので、充放電時の発電要素部1の膨張・収縮に追従して弾性体4(及び弾性接着剤42)も膨張・収縮することができる。ここでは、析出層13の厚みの分だけ弾性体4(及び弾性接着剤42)が厚み方向に膨張する。よって、発電要素部1、正極集電体2、負極集電体3は少なくとも厚み方向以外には変形しないので、充放電を繰り返すことに伴う経年劣化を抑制できる。また、発電要素部1の膨張の際(収縮の際も同様)、固体電解質層12は弾性体4とは離間しているため、弾性体4から引張応力を受けることはなく、固体電解質層12へのダメージ(亀裂121)を低減できる。また上記に付随して、充電時に析出するリチウム金属が亀裂121に進入することに起因する正極層11と負極層の間の短絡も抑制できる。
[第1実施形態の効果]
第1実施形態の全固体電池100(単電池9)によれば、一対の集電体(正極集電体2、負極集電体3)の間に、正極層11、固体電解質層12、及びリチウム合金若しくはリチウム金属を含む負極層(析出層13)が積層された発電要素部1が配置され、さらに発電要素部1の外周を覆うように弾性体4が配置された全固体電池100において、弾性体4は固体電解質層12よりもヤング率の低い材料で形成されるとともに、発電要素部1から離間して配置されている。
また、第1実施形態の全固体電池100(単電池9)の製造方法によれば、一対の集電体(正極集電体2、負極集電体3)の間に、正極層11、固体電解質層12、及びリチウム合金若しくはリチウム金属を含む負極層(析出層13)を積層した発電要素部1を配置し、さらに発電要素部1の外周を覆うように弾性体4を配置する全固体電池100の製造方法において、弾性体4を固体電解質層12よりもヤング率の低い材料で形成するとともに、発電要素部1から離間して配置する。
上記構成・方法により、弾性体4は固体電解質層12よりもヤング率が低いものが適用されるので、充放電時の発電要素部1の膨張・収縮に伴い弾性体4も膨張・収縮することができる。その際、固体電解質層12は弾性体4とは離間しているため、弾性体4から応力(特に引張応力)を受けることはなく、固体電解質層12へのダメージ(亀裂121)を低減できる。また上記に付随して、充電時に析出するリチウム金属が亀裂121に進入することに起因する正極層11と負極層の間の短絡も抑制できる。
第1実施形態において、弾性体4と集電体(正極集電体2、負極集電体3)との間に弾性接着剤42が配置されている。これにより、弾性体4と集電体(正極集電体2、負極集電体3)を安定的に固定することができる。また、発電要素部1変形時の発生応力を緩和(吸収)することができる。このように弾性接着剤42を用いることで、弾性体4と集電体(正極集電体2、負極集電体3)を固定しながら充放電時の発電要素部1の膨張・収縮に追従して膨張・収縮することができる。
第1実施形態において、弾性接着剤42は、アクリル変性シリコーン樹脂系弾性接着剤、又は二液混合硬化型エポキシ・変性シリコーン系弾性接着剤である。これにより、ヤング率(縦弾性係数)の低い材料となるので、充放電時の発電要素部1の膨張・収縮に追従して膨張・収縮することができる。さらに、充放電時に発電要素部1が膨張する際にも弾性体4と集電体を固定しながら弾性体4とともに膨張・収縮することができる。また。汎用性の高い接着剤材料であるので、低コストで弾性体4及び集電体(正極集電体2、負極集電体3)に塗布可能となる。
第1実施形態において、弾性体4のヤング率は5Gpa以下である。ヤング率が5Gpa以下の弾性体4、例えばカプトン(登録商標)又はPTFEを用いることで、充放電時の発電要素部1の膨張・収縮に追従して十分に膨張・収縮するので発電要素部1への応力の集中、及び亀裂121(劈開)の発生を抑制できる。
第1実施形態において、固体電解質層12は、硫化物系固体電解質材料である。硫化物系固体電解質はリチウムイオンの伝導率が高い材料であるため、内部抵抗が小さく銃砲で効率の高い全固体電池100(単電池9)となる。
[第2実施形態]
図8は、第2実施形態の全固体電池100が備える単電池9の断面図であり、一点鎖線よりも左側が充電前、右側が充電後である。図8は、図1(b)と同じ視点で単電池9を見たときの断面図であり、第2実施形態の単電池9は、第1実施形態と類似の構成を有している。なお、図8では、正極集電体2、負極集電体3の図示を省略している。
第2実施形態の単電池9は正極層11の外周が固体電解質層12に覆われた構成を有している。これにより、正極層11が漏洩して負極層と短絡するおそれを低減できる。
なお、第2実施形態において、充電すると負極側に析出層13(負極層)が現れ、析出層13の厚みの分だけ弾性体4(及び弾性接着剤42)が膨張し、単電池9の厚みも増加する。
[第3実施形態]
図9は、第3実施形態の全固体電池100の断面図である。図10は、第3実施形態の全固体電池100を充電したときの断面図である。
第3実施形態の全固体電池100は、第2実施形態(第1実施形態でもよい)のラミネート層5による封止前の単電池9を複数(図では10個)用意し、互いに隣接する単電池9において正極層11(正極集電体2)同士、又は負極層(負極集電体3)同士が対向するように表裏を交互に反転させつつ積層し、積層して得られた単電池9の積層体をラミネート層5で封止し、封止後の積層体を拘束治具6を用いて押圧したものである。
また、引き出し電極21の先端にある正極タブ22は、複数積層した状態で接続(溶接)されている。同様に、引き出し電極31の先端にある負極タブ32も、複数積層した状態で接続(溶接)されている。すなわち、第3実施形態では、全ての単電池9が並列に接続されている。ここで、正極タブ22、及び負極タブ32は厚み方向で中央となる位置に配置されている。
第3実施形態の全固体電池100において、充電すると積層体全体が厚み方向に膨張するが、厚み方向で正極タブ22、及び負極タブ32で近接する単電池9との配置関係は全固体電池100の充電の前後においてほとんど変化しない。よって、当該単電池9に関して、引き出し電極21を介して発電要素部1を正極タブ22側に引っ張る応力、及び引き出し電極31を介して発電要素部1を負極タブ32側に引っ張る応力は発生しない。
一方、拘束治具6に隣接する2つの単電池9と正極タブ22及び負極タブ32は、全固体電池100を充電することでその配置関係は大きく変化する。このため、拘束治具6に隣接する2つの単電池9に関して、引き出し電極21を介して発電要素部1を正極タブ22側に引っ張る応力、及び引き出し電極31を介して発電要素部1を負極タブ32側に引っ張る応力が強く発生する。
しかし、本実施形態では、拘束治具6に隣接する単電池9の弾性体4aは他の単電池9の弾性体4よりもヤング率の高い材料が適用されている。拘束治具6に隣接する弾性体4aとしては例えばカプトン(登録商標)(3,3Gpa)が適用され、それ以外の弾性体4としては例えばPTFE(0.5Gpa)が適用される。
ヤング率の高い弾性体4aは、単電池9の厚み方向の応力のみならず、面方向の応力に対しても変位を小さくすることができる。よって、引き出し電極21を介して発電要素部1を正極タブ22側に引っ張る応力、及び引き出し電極31を介して発電要素部1を負極タブ32側に引っ張る応力をそれぞれ弾性体4aが抑制することができる。したがって、引き出し電極21を介して発電要素部1を正極タブ22側に引っ張る応力、及び引き出し電極31を介して発電要素部1を負極タブ32側に引っ張る応力をそれぞれ低減できる。
以上より、拘束治具6に隣接する単電池9の発電要素部1に関して、充放電時に発生する引張応力を低減して、発電要素部1へのダメージ、特に外周の角部122の破損を抑制することができる。
[第4実施形態]
図11は、第4実施形態の全固体電池100の断面図である。
第4実施形態の全固体電池100は、第1実施形態(第2実施形態でもよい)のラミネート層5による封止前の単電池9を複数(図では10個)用意し、互いに隣接する単電池9において正極層11(正極集電体2)同士、又は負極層(負極集電体3)同士が対向するように表裏を交互に反転させつつ積層し、積層して得られた単電池9の積層体をラミネート層5で封止し、封止後の積層体を拘束治具6を用いて押圧したものである。なお、図において単電池9の左側に現れるラミネート層5、引き出し電極31、負極タブ32の図示を省略している。
また、各単電池9の正極集電体2から延出する引き出し電極21の先端にある正極タブ22を積層して接続し、正極タブ22を図11の下部に図示されている拘束治具6側に寄せて配置している。図示は省略しているが、各単電池9の負極集電体3から延出する引き出し電極31の先端にある負極タブ32を積層して接続し、負極タブ32を図11の下部に図示されている拘束治具6側に寄せて配置している。よって、第4実施形態でも、全ての単電池9が並列に接続されている。
第4実施形態の全固体電池100において、充電すると積層体全体が厚み方向に膨張するが、厚み方向で正極タブ22、及び負極タブ32で近接する単電池9、すなわち図11の下側に図示された拘束治具6に隣接する単電池9との配置関係は全固体電池100の充電の前後においてほとんど変化しない。よって、当該単電池9に関して、引き出し電極21を介して発電要素部1を正極タブ22側に引っ張る応力、及び引き出し電極31を介して発電要素部1を負極タブ32側に引っ張る応力は発生しない。
一方、厚み方向で正極タブ22及び負極タブ32から離間している単電池9、特に図11の上側に図示された拘束治具6に隣接する単電池9は、全固体電池100を充電することで正極タブ22及び負極タブ32との配置関係は大きく変化する。このため、当該単電池9に関して、引き出し電極21を介して発電要素部1を正極タブ22側に引っ張る応力、及び引き出し電極31を介して発電要素部1を負極タブ32側に引っ張る応力が強く発生する。
しかし、第4実施形態では、図11の上側に図示された拘束治具6に隣接する単電池9の弾性体4aは他の単電池9の弾性体4よりもヤング率の高い材料が液用されている。図11の上側の拘束治具6に隣接する弾性体4aとしては、例えばカプトン(登録商標)(3,3Gpa)が適用され、それ以外の弾性体4としては例えばPTFE(0.5Gpa)を適用される。
第3実施形態と同様の理由により、第4実施形態においても、図11の上側に図示された拘束治具6に隣接する単電池9の発電要素部1に関して、充放電時に発生する引張応力を低減して、発電要素部1へのダメージ、特に外周の角部111の破損を抑制することができる。
また、第4実施形態においては、正極タブ22及び負極タブ32をそれぞれ溶接する際に全固体電池100全体が加熱されるが、その熱により全固体電池100が厚み方向に膨張する。この場合においても、図11の上側に図示された拘束治具6に隣接する単電池9と正極タブ22及び負極タブ32との厚み方向の配置関係は大きく変化する。しかし、上記のように当該単電池9の弾性体4をヤング率の高い弾性体4aを適用することで、正極タブ22及び負極タブ32の溶接時に発生する引張応力を低減して、発電要素部1へのダメージ、特に外周の角部111の破損を抑制することができる。
第3実施形態及び第4実施形態の全固体電池100によれば、一対の集電体(正極集電体2、負極集電体3)、発電要素部1、弾性体4を備えた単電池9が複数積層されるとともに拘束治具6により単電池9が厚み方向から押圧され、集電体(正極集電体2、負極集電体3)から延出された引き出し電極(引き出し電極21、引き出し電極31)がタブ(正極タブ22、負極タブ32)により結合して形成された全固体電池100において、弾性体4のうち、拘束治具6に最も近接する単電池9の弾性体4aのヤング率、又は厚み方向でタブ(正極タブ22、負極タブ32)から離間している単電池9の弾性体4a(特に拘束治具6に最も近接する単電池9の弾性体4a)は、厚み方向でタブ(正極タブ22、負極タブ32)に隣接する単電池9の弾性体4のヤング率よりも高い。
これにより、厚み方向でタブ(正極タブ22、負極タブ32)から離間している単電池9の発電要素部1に関して、充放電時に印加される得る引張応力を低減して、発電要素部1へのダメージ、特に外周の角部122(角部111)の破損を抑制することができる。また、当該発電要素部1に関して、タブ(正極タブ22、負極タブ32)の溶接時に発生する引張応力を低減して、当該発電要素部1へのダメージ、特に外周の角部111の破損を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。また、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
100 全固体電池
1 発電要素部
11 正極層
12 固体電解質
13 析出層
2 正極集電体
3 負極集電体
4 弾性体
9 単電池

Claims (7)

  1. 一対の集電体の間に、正極層、固体電解質層、及びリチウム合金若しくはリチウム金属を含む負極層が積層された発電要素部が配置され、さらに前記発電要素部の外周を覆うように弾性体が配置された全固体電池において、
    前記弾性体は前記固体電解質層よりもヤング率の低い材料で形成されるとともに、前記発電要素部から離間して配置されている全固体電池。
  2. 前記弾性体と前記集電体との間に弾性接着剤が配置されている請求項1に記載の全固体電池。
  3. 前記弾性接着剤は、アクリル変性シリコーン樹脂系弾性接着剤、又は二液混合硬化型エポキシ・変性シリコーン系弾性接着剤である請求項2に記載の全固体電池。
  4. 前記弾性体のヤング率は5Gpa以下である請求項1から3のいずれか1項に記載の全固体電池。
  5. 前記固体電解質層は、硫化物系固体電解質材料である請求項1から4のいずれか1項に記載の全固体電池。
  6. 一対の前記集電体、前記発電要素部、前記弾性体を備えた単電池が複数積層されるとともに拘束治具により前記単電池が厚み方向から押圧され、前記集電体から延出された引き出し電極がタブにより結合して形成された全固体電池において、
    前記弾性体のうち、前記拘束治具に最も近接する前記単電池の前記弾性体のヤング率は、前記厚み方向で前記タブに隣接する前記単電池の前記弾性体のヤング率よりも高い請求項1から5のいずれか1項に記載の全固体電池。
  7. 一対の集電体の間に、正極層、固体電解質層、及びリチウム合金若しくはリチウム金属を含む負極層を積層した発電要素部を配置し、さらに前記発電要素部の外周を覆うように弾性体を配置する全固体電池の製造方法において、
    前記弾性体を前記固体電解質層よりもヤング率の低い材料で形成するとともに、前記発電要素部から離間して配置する全固体電池の製造方法。
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