JP2022107348A - テイルシッター型電動航空機 - Google Patents
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Abstract
【課題】回転翼モードにおける機体の姿勢の安定性を向上させると共に、電気モータへ繋がる配線やその接続部が破損することを抑制できるテイルシッター型電動航空機を提供する。【解決手段】機首を上方へ向けた回転翼モードで離着陸するために必要な揚力を発生させることができる第1プロペラ4を備えるテイルシッター型電動航空機10であって、互いに異なる方向へ向かう推力を回転翼モードで略水平な方向へ向かって発生させることができる複数の第2プロペラ9が、機体の側面に設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、プロペラを電気モータで回転させるテイルシッター型の電動航空機に関する。
近年、大量の旅客を輸送する旅客機ではなく、個人又は小規模な積み荷の運搬などを目的とする小型飛行モビリティに注目が集まっている。有人機では、自動車に代わるエアタクシーが移動手段に利用されることで、将来的には都市部の渋滞緩和に貢献することが期待されている。一方、無人機では、既に農薬散布や空撮などの利用が広がっている。今後も、無人機は、災害監視や警備、インフラの点検、物流など様々な分野での利用の拡大が期待されている。
無人機に関しては、複数のプロペラを電動駆動することにより揚力を得るマルチロータ型航空機が、特許文献1及び特許文献2に開示されている。これらのマルチロータ型航空機には、固定翼を備えた航空機よりも飛行速度及び飛行距離が劣るという欠点がある。
そのため、ヘリコプター及びマルチロータ型航空機と同様に滑走路が不要で垂直離着陸が可能であり、固定翼型航空機と同様に高速かつ長距離の飛行が可能なVTOL機(Vertical Take-Off and Landing aircraft)が着目されている。VTOL機の一種であるテイルシッター型航空機が、特許文献3に開示されている。特許文献3に開示されているテイルシッター型航空機は、4基のプロペラを備えている。
図6及び図7に、テイルシッター型航空機の例を示す。図6に示すように、テイルシッター型航空機は、離着陸時に機首を上方へ向け機体Aを鉛直方向に立てて、マルチロータ型航空機と同様に、回転するプロペラPが生み出す揚力により機体Aを浮上させる。このように機体Aを鉛直方向に立ててプロペラPが揚力を生み出す状態を、回転翼モードと呼ぶ。そして、図7に示すように、テイルシッター型航空機は、離陸後、着陸を開始する前までの間は、機体Aを水平に倒して、プロペラPの回転により生み出す力を、機体Aを前方へ進ませる推力として利用する状態で運用される。このように機体Aを水平に倒してプロペラPが機体を前方へ進ませる推力を生み出す状態を、固定翼モードと呼ぶ。固定翼モードでは、機体Aに備えた固定翼Wから発生する揚力を用いて機体Aを浮上させる。したがって、固定翼モードでは、プロペラPが生み出す推力の全てを機体Aの前進のために利用できるため、回転翼モードよりも長距離を高速で移動することが可能となる。
また、2つのロータを備える2重ロータ構造の電気モータが特許文献4に開示されている。このような2重ロータ構造の電気モータを電動航空機に搭載し、電動航空機の2基のプロペラを1つの電気モータで回転させることができれば、2基のプロペラをそれぞれ個別の電気モータで回転させる電動航空機と比較して、搭載スペースや重量やコストの増大を抑制することができる。
テイルシッター型航空機の回転翼モードでは、マルチロータ型航空機と同様に、横風などの外乱に対して、いかに機体の姿勢を安定させるかが大きな課題となる。特許文献1及び特許文献2で開示されているマルチロータ型航空機は、回転する複数のプロペラの回転速度を制御することにより、機体の姿勢を制御している。しかし、特許文献1及び特許文献2に開示されているように、実用化されているマルチロータ型航空機の多くはプロペラを4基しか備えておらず、3次元空間内で機体の位置及び姿勢を制御するには、本来であれば6基以上のプロペラが必要であるため、機体の位置及び姿勢の制御に必要なアクチュエータの数が不足している。
そのため、特許文献3で開示されているテイルシッター型航空機は、4基のプロペラの回転速度の制御に加え、ジンバル機構によってプロペラの生み出す推力の方向を変更することにより、機体の姿勢を制御している。
しかし、特許文献3で開示されているテイルシッター型航空機は、回転翼モードにおける機体の姿勢の制御に必要なアクチュエータの数は足りているものの、全てのプロペラを真上へ向けた状態では、一種の特異姿勢となり、マルチロータ型航空機と同様に、水平方向に向けた推力を発生させることができないため、横風などの外乱への対応が遅れる欠点がある。
この特異姿勢について図8及び図9を用いて説明する。図8及び図9は、ジンバル機構Gを備えたホバリング中のテイルシッター型電動航空機を側面から見た図である。図8及び図9におけるX軸方向は鉛直方向であり、Z軸方向は水平方向である。図8では、ジンバル機構GによってプロペラPが傾けられており、プロペラPの推力がX軸とZ軸の両方向に向けられているため、機体AをZ軸の方向へ傾けることが可能である。しかし、図9では、プロペラPの推力が全てX軸方向に向けられているため、機体Aを即座にZ軸の方向へ傾けることはできない。したがって、図9に示す状態でZ軸方向から外乱が加えられた場合、外乱に対応するには、ジンバル機構GによりプロペラPの向きを図8のように傾ける必要がある。しかし、回転翼モードで離着陸するために必要な揚力を発生させるために設けられたプロペラP及び電気モータMは、重量や回転慣性値が大きいため、ジンバル機構GでプロペラPの推力の向きを素早く変更することは困難であり、外乱への対応が遅れてしまう。したがって、テイルシッター型航空機の機体の姿勢の安定性を高めるためには、特異姿勢がないことが望ましい。
更に、ジンバル機構を備えたテイルシッター型電動航空機は、図8及び図9に示すようにジンバル機構GとプロペラPの間に電気モータMが配置されると、ジンバル機構Gの動作によって電気モータMへ電力や指令を与える配線が引っ張られたり、折り曲げられたりするため、配線やその接続部が破損する原因となる点も問題となる。
そこで、本発明は、回転翼モードにおける機体の姿勢の安定性を向上させると共に、電気モータへ繋がる配線やその接続部が破損することを抑制できるテイルシッター型電動航空機を提供することを目的とする。
本発明に係るテイルシッター型電動航空機は、機首を上方へ向けた回転翼モードで離着陸するために必要な揚力を発生させることができる第1プロペラを備えるテイルシッター型電動航空機であって、互いに異なる方向へ向かう推力を前記回転翼モードで略水平な方向へ向かって発生させることができる複数の第2プロペラが、機体の側面に設けられていることを特徴とする。
本発明は、回転翼モードで略水平の方向へ向かう推力を発生させることができる複数の第2プロペラを備えることにより、回転翼モードにおける特異姿勢を無くし、外乱に対して素早く対応することができるため、回転翼モードにおける機体の姿勢の安定性を向上させることができる。更に、本発明は、第2プロペラを用いて回転翼モードにおける機体の姿勢を制御することが可能であり、特許文献3に開示されているテイルシッター型航空機とは異なり、ジンバル機構が不要となるため、電気モータへ繋がる配線やその接続部が破損することを抑制できる。
本発明に係るテイルシッター型電動航空機の一態様において、前記第1プロペラの動力源である第1電気モータと、前記第2プロペラの動力源である第2電気モータと、を備え、前記第2プロペラ及び前記第2電気モータの体格及び出力が、前記第1プロペラ及び前記第1電気モータの体格及び出力よりも小さくてもよい。
この態様によれば、機体の姿勢制御に用いられる第2プロペラ及び第2電気モータの体格及び出力は、機体を離着陸するために必要な揚力を発生させる第1プロペラ及び第1電気モータの体格及び出力よりも小さいため、第2プロペラ及び第2電気モータを設けず第1プロペラ及び第1電気モータの基数を増やすことにより機体の姿勢の安定性を向上させた機体構成と比較して、機体全体の体格や重量やコストの増大を抑制することができる。
本発明に係るテイルシッター型電動航空機の一態様において、第1ロータ及び第2ロータを備える2重ロータ構造の電気モータが動力源として搭載され、前記第1ロータが前記第1プロペラに連結され、前記第2ロータが前記第2プロペラに連結されていてもよい。
この態様によれば、第1プロペラが連結される第1ロータと第2プロペラが連結される第2ロータとを備える2重ロータ構造の電気モータを搭載することにより、第1プロペラ用と第2プロペラ用にそれぞれ個別の電気モータを搭載した機体構成と比較して、機体全体の体格や重量やコストの増大を抑制することができる。
本発明に係るテイルシッター型電動航空機の一態様において、前記第2ロータが傘歯車を介して前記第2プロペラに連結されていてもよい。
この態様によれば、第2ロータが傘歯車を介して第2プロペラに連結されることにより、第1プロペラの回転軸と交差する回転軸で第2プロペラが回転するため、2重ロータ構造の電気モータを第1プロペラ及び第2プロペラの動力源とする機体構造でも、第1プロペラが発生させる推力とは異なる方向へ第2プロペラが推力を発生させることが可能となり、回転翼モードにおける特異姿勢を無くすことができるため、機体の姿勢の安定性を向上させることができる。
本発明は、回転翼モードにおける機体の姿勢の安定性を向上させると共に、電気モータへ繋がる配線やその接続部が破損することを抑制できるテイルシッター型電動航空機を提供することができる。
<第1の実施形態>
以下、図1、図2及び図3を参照しながら、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10について説明する。図1及び図2において、X軸方向は鉛直方向であり、Y軸方向とZ軸方向は水平方向であり、X軸とY軸とZ軸は互いに直交する。
以下、図1、図2及び図3を参照しながら、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10について説明する。図1及び図2において、X軸方向は鉛直方向であり、Y軸方向とZ軸方向は水平方向であり、X軸とY軸とZ軸は互いに直交する。
テイルシッター型電動航空機10は無人機であって、図1、図2及び図3に示すように、機体として1つの胴体1及び4つのハウジング2a~2dを備え、略直方体の形状を有する胴体1の中に荷物を搭載することによって、荷物を輸送することができる。4つのハウジング2a~2dは、いずれも機体を着陸させた状態で上下方向に延びる筒状の形状を有し、上部で外径が狭まっている。4つのハウジング2a~2dは、図3に示すように、胴体1の上面視における四隅の位置でそれぞれ胴体1に固定されている。
図1、図2及び図3に示すように、テイルシッター型電動航空機10は、4つのハウジング2a~2dのそれぞれの機首の先端部分に、第1電気モータ3及び第1プロペラ4を1つずつ備える。第1電気モータ3は、第1プロペラ4の動力源である。4つの第1プロペラ4は、機首を上方へ向けた回転翼モードで機体を離着陸するために必要な揚力を発生させることができる。テイルシッター型電動航空機10は、特許文献3に開示されたテイルシッター型航空機とは異なり、ジンバル機構を採用せず、第1電気モータ3は4つのハウジング2a~2dのそれぞれの機首の先端部分に固定されている。
テイルシッター型電動航空機10は、主翼5及び主翼6を備える。主翼5は、ハウジング2a及びハウジング2bの両方に連結する中央翼5aと、ハウジング2aに連結しハウジング2bとは反対側の方向へ向かって延びる右翼5bと、ハウジング2bに連結しハウジング2aとは反対側の方向へ向かって延びる左翼5cによって構成される。主翼6は、ハウジング2c及びハウジング2dの両方に連結する中央翼6aと、ハウジング2cに連結しハウジング2dとは反対側の方向へ向かって延びる右翼6bと、ハウジング2dに連結しハウジング2cとは反対側の方向へ向かって延びる左翼6cによって構成される。テイルシッター型電動航空機10は、固定翼モードでは、4つのハウジング2a~2dを水平に倒して、主翼5及び主翼6を水平にした状態で飛行する。そして、固定翼モードでは、第1プロペラ4が機体を前進させるために必要な推力を生み出し、主翼5及び主翼6が機体を水平飛行させるために必要な揚力を発生させる。
4つのハウジング2a~2dの尾部の周囲には、それぞれ4枚の尾翼7が90度間隔で設けられている。固定翼モードで飛行する際には、これらの尾翼7が水平尾翼又は垂直尾翼として機能する。なお、図3では、固定翼モードで飛行する際に水平尾翼として機能する尾翼7は、主翼5又は主翼6の陰に隠れて表示されておらず、固定翼モードで飛行する際に垂直尾翼として機能する尾翼7のみが表示されている。
そして、4つのハウジング2a~2dの側面には、それぞれ第2電気モータ8及び第2プロペラ9が1つずつ設けられている。第2電気モータ8は、第2プロペラ9の動力源である。図3に示すように、4つの第2プロペラ9は、回転翼モードにおいて、いずれも上面視で胴体1の中心部とは反対側の方向へ向かう推力を生み出す角度で取り付けられている。そして、4つの第2プロペラ9は、テイルシッター型電動航空機10が回転翼モードで空中に浮かんだ状態で、水平方向へ向かう推力を生み出すことによって、機体の姿勢を制御するために用いることができる。そのため、テイルシッター型電動航空機10は、回転翼モードにおいて、4つの第1プロペラ4の推力差によって発生する機体傾転方向モーメントに加えて、4つの第2プロペラ9の推力が機体傾転方向モーメントを増加させることができる。なお、第2プロペラ9は、設置される位置が図1及び図2に示す機体の重心Cから遠いほど小さな推力で機体の姿勢の制御が可能となるため、テイルシッター型電動航空機10では、第2プロペラ9はハウジング2a~2dの機首の付近に設けられている。
テイルシッター型電動航空機10は、回転翼モードで揚力を発生させる第1プロペラ4だけでなく更に水平方向へ向かう推力を生み出すことができる4つの第2プロペラ9を備えるため、回転翼モードでも、常にX軸、Y軸及びZ軸の方向へ向かう推力を発生することが可能であり、特異姿勢が存在しない。そのため、テイルシッター型電動航空機10は、どの方向から外乱が機体に加えられても、遅れなく対応可能であり、機体の姿勢の安定性を向上させることができる。また、第2プロペラ9が生み出す推力は、第2プロペラ9の回転速度で制御できるため、重量や回転慣性値が大きいプロペラと電気モータの姿勢をジンバル機構で変更することによって推力の向きを変える特許文献3のテイルシッター型航空機よりも、Y軸及びZ軸の方向の推力の応答性を高めることができる点も、テイルシッター型電動航空機10の機体の姿勢の安定性の向上に寄与する。
また、テイルシッター型電動航空機10は、第2プロペラ9を用いて回転翼モードにおける機体の姿勢を制御できるため、特許文献3に開示されているテイルシッター型航空機とは異なり、ジンバル機構が不要となり、第1電気モータ3はハウジング2a~2dに固定されている。テイルシッター型電動航空機10は、このようにジンバル機構が存在せず、ジンバル機構の動作によって第1電気モータ3へ繋がる配線が引っ張られたり折り曲げられたりすることがないため、第1電気モータ3へ繋がる配線やその接続部へ負荷がかかって破損することを抑制できる。
なお、回転翼モードで離着陸やホバリングをするために必要な揚力と比較して、姿勢制御のために必要な推力は小さいため、第2プロペラ9及び第2電気モータ8が、それぞれ第1プロペラ4及び第1電気モータ3よりも体格及び出力が小さい型式であっても、機体の姿勢を安定化させることができる。そのため、テイルシッター型電動航空機10では、第2プロペラ9及び第2電気モータ8には、第1プロペラ4及び第1電気モータ3よりも体格及び出力が小さい型式が用いられている。
このように、第2プロペラ9及び第2電気モータ8には、第1プロペラ4及び第1電気モータ3よりも体格及び出力が小さい型式が用いられているため、テイルシッター型電動航空機10は、第2プロペラ9及び第2電気モータ8を設けず第1プロペラ4及び第1電気モータ3の基数を例えば6基や8基などと増やすことにより機体の姿勢の安定性を向上させた機体構成と比較して、機体全体の体格や重量やコストの増大を抑制することができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態のテイルシッター型電動航空機20について、図4及び図5を用いて説明する。第2の実施形態のテイルシッター型電動航空機20は、第1電気モータ3と第2電気モータ8の代わりに、2重ロータ構造の電気モータ11と傘歯車21を備え、第1プロペラ4及び第2プロペラ9の動力源が電気モータ11となっている点を除いて、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同一の構成を有している。そのため、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
次に、第2の実施形態のテイルシッター型電動航空機20について、図4及び図5を用いて説明する。第2の実施形態のテイルシッター型電動航空機20は、第1電気モータ3と第2電気モータ8の代わりに、2重ロータ構造の電気モータ11と傘歯車21を備え、第1プロペラ4及び第2プロペラ9の動力源が電気モータ11となっている点を除いて、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同一の構成を有している。そのため、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
テイルシッター型電動航空機20は、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同様に、機体として1つの胴体1及び4つのハウジング2a~2dを備え、主翼5、主翼6及び尾翼7を備える。図4は、着陸させた状態のテイルシッター型電動航空機20を図2と同じ方向から見た側面図である。図4に示すように、テイルシッター型電動航空機20は、4つのハウジング2a~2dのそれぞれの機首の先端部分に、電気モータ11及び第1プロペラ4を1つずつ備える。そして、4つのハウジング2a~2dの側面には、それぞれ第2プロペラ9が1つずつ設けられている。4つの第2プロペラ9は、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同様に、回転翼モードにおいて、いずれも上面視で胴体1の中心部とは反対側の方向を向かう推力を生み出す角度でハウジング2a~2dの側面へ回転可能に取り付けられている。
電気モータ11は第1プロペラ4及び第2プロペラ9の動力源であって、図5に示すように、第1ロータ12及び第2ロータ13を備える2重ロータ構造を有する。電気モータ11は、中空円筒状のステータ14と、ステータ14の径方向外側に隙間を空けて配置される中空円筒状の第1ロータ12と、ステータ14の径方向内側に隙間を空けて配置される円筒状の第2ロータ13とを備える。更に、電気モータ11は、同一軸上に並ぶように配置された第1ロータ軸15と第2ロータ軸16を備える。第1ロータ軸15は第1ロータ12と連結し第1ロータ12と一体となって回転し、第2ロータ軸16は第2ロータ13と連結し第2ロータ13と一体となって回転する。ステータ14と第1ロータ12の間にボールベアリング17が配置され、ステータ14と第2ロータ軸16の間にボールベアリング18が配置されているため、第1ロータ12と第2ロータ13は同軸上でそれぞれ独立に回転可能となっている。
そして、第1ロータ12及び第2ロータ13には不図示の永久磁石が埋め込まれており、ステータ14には不図示の電気コイルが埋め込まれている。そのため、電気モータ11は、第1ロータ12及び第2ロータ13のそれぞれに対応した電流をステータ14の電気コイルに流して回転磁界を作ることによって、第1ロータ12と第2ロータ13を異なる回転速度で独立に回転させることができる。
第1ロータ12は、第1ロータ軸15を介して第1プロペラ4に連結している。そして、第2ロータ13は、第2ロータ軸16を介して第2プロペラ9に連結している。そのため、テイルシッター型電動航空機20は、第1ロータ12の回転速度を調整することによって第1プロペラ4の回転速度を制御することが可能であり、第2ロータ13の回転速度を調整することによって第2プロペラ9の回転速度を制御することが可能である。
図4に示すように、第2ロータ軸16は傘歯車21を介して第2プロペラ9に連結されている。このように傘歯車21を介して連結されていることにより、第1プロペラ4の回転軸と交差する回転軸で第2プロペラ9を回転させることが可能となり、第2プロペラ9は回転翼モードで水平方向へ向かう推力を生み出すことができる。このようにテイルシッター型電動航空機20は、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10と同様に、回転翼モードで揚力を発生させる第1プロペラ4だけでなく更に水平方向へ向かう推力を生み出すことができる4つの第2プロペラ9を備えるため、回転翼モードでも、常にX軸、Y軸及びZ軸の方向へ移動することが可能であり、特異姿勢が存在しない。そのため、テイルシッター型電動航空機20は、どの方向から外乱が機体に加えられても、遅れなく対応可能であり、機体の姿勢の安定性を向上させることができる。
また、テイルシッター型電動航空機20は、第2プロペラ9を用いて回転翼モードにおける機体の姿勢を制御できるため、特許文献3に開示されているテイルシッター型航空機とは異なり、ジンバル機構が不要となり、電気モータ11はハウジング2a~2dに固定されている。テイルシッター型電動航空機20は、このようにジンバル機構が存在せず、ジンバル機構の動作によって電気モータ11へ繋がる配線が引っ張られたり折り曲げられたりすることがないため、電気モータ11へ繋がる配線やその接続部へ負荷がかかって破損することを抑制できる。
また、テイルシッター型電動航空機20は、上記のように第1プロペラ4が連結される第1ロータ12と第2プロペラ9が連結される第2ロータ13とを備える2重ロータ構造の電気モータ11を搭載することにより、第1の実施形態のテイルシッター型電動航空機10のように第1プロペラ4用と第2プロペラ9用にそれぞれ個別の電気モータを搭載する機体構成と比較して、機体の体格や重量やコストの増大を抑制することができる。
<実施形態の補足>
本開示のテイルシッター型電動航空機は、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、第1プロペラの基数は4以外の数であってもよいし、第2プロペラの基数も4以外の数であってもよい。また、第2プロペラが取り付けられる位置は、機首の付近に限らず、異なる位置であってもよい。また、ハウジングを備えず、胴体に第1プロペラや第2プロペラが取り付けられた構造であってもよい。
本開示のテイルシッター型電動航空機は、上述した形態に限定されず、本開示の要旨の範囲内において種々の形態にて実施できる。例えば、第1プロペラの基数は4以外の数であってもよいし、第2プロペラの基数も4以外の数であってもよい。また、第2プロペラが取り付けられる位置は、機首の付近に限らず、異なる位置であってもよい。また、ハウジングを備えず、胴体に第1プロペラや第2プロペラが取り付けられた構造であってもよい。
1 胴体、2a,2b,2c、2d ハウジング、3 第1電気モータ、4 第1プロペラ、5,6 主翼、5a,6a 中央翼、5b,6b 右翼、5c,6c 左翼、7 尾翼、8 第2電気モータ、9 第2プロペラ、10,20 テイルシッター型電動航空機、11 電気モータ、12 第1ロータ、13 第2ロータ、14 ステータ、15 第1ロータ軸、16 第2ロータ軸、17,18 ボールベアリング、21 傘歯車。
Claims (4)
- 機首を上方へ向けた回転翼モードで離着陸するために必要な揚力を発生させることができる第1プロペラを備えるテイルシッター型電動航空機であって、
互いに異なる方向へ向かう推力を前記回転翼モードで略水平な方向へ向かって発生させることができる複数の第2プロペラが、機体の側面に設けられていることを特徴とするテイルシッター型電動航空機。 - 請求項1に記載のテイルシッター型電動航空機であって、
前記第1プロペラの動力源である第1電気モータと、前記第2プロペラの動力源である第2電気モータと、を備え、
前記第2プロペラ及び前記第2電気モータの体格及び出力が、前記第1プロペラ及び前記第1電気モータの体格及び出力よりも小さいことを特徴とするテイルシッター型電動航空機。 - 請求項1に記載のテイルシッター型電動航空機であって、
第1ロータ及び第2ロータを備える2重ロータ構造の電気モータが動力源として搭載され、前記第1ロータが前記第1プロペラに連結され、前記第2ロータが前記第2プロペラに連結されていることを特徴とするテイルシッター型電動航空機。 - 請求項3に記載のテイルシッター型電動航空機であって、
前記第2ロータが傘歯車を介して前記第2プロペラに連結されていることを特徴とするテイルシッター型電動航空機。
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