JP2022104601A - 着果確率推定方法及び情報出力方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】温室18内における果実の着果確率を精度よく算出する。【解決手段】ソース強度算出部36は、温室18内の環境情報と、温室18内で生育する作物の葉の生育状態を示す情報とに基づき、過去の所定期間ごとのソース強度Srを算出する。また、シンク強度算出部34は、温室18内の環境情報と、調査対象の株における着果有無とに基づき、シンク強度Snを算出する。そして、着果確率算出部38は、ソース強度Srとシンク強度Snの比RSSを用いて、予め定めた式から、温室18内に生育する作物における果実の着果確率PFSを算出する。【選択図】図10

Description

本発明は、着果確率推定方法及び情報出力方法に関する。
トマトやパプリカ等の作物の収量は、温室などの施設内で栽培する場合であっても環境要因により変動する。特にパプリカは収量の増減が大きく、出荷量が多くなれば売れ残りが発生し、出荷量が少なければ販売機会を喪失するおそれがある。また、出荷量が変動することで生産者の信用が低下したり、作業人員配置が適正に行えないおそれもある。
したがって、契約出荷により計画的に売り上げを得るため、あるいは収穫作業を行う人員の配置を適正に行うために、作物の収量を正確に予測することが望まれている。
従来においては、温室などの施設において栽培する作物の収量予測は作業者の経験や勘により行われることが多かった。また、最近では、圃場の空撮画像と農作物の特定の成育ステージにおける時系列気象データを用いて収量を推定する技術が知られている(例えば特許文献1等参照)。また、定植時期と積算気温に応じて成育のステージを推測する技術が知られている(例えば特許文献2等参照)。
特開2015-49号公報 特開2015-53927号公報
しかしながら、従来においては、将来における着果の成否を確率的に予測することはできないため、収量予測を精度よく行えない可能性が高い。
本発明は、作物における果実の着果確率を精度よく算出することが可能な着果確率算出方法、及び作物における収穫可能数に関する適切な情報を出力することが可能な情報出力方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の着果確率算出方法は、所定範囲に生育する作物における果実の着果確率を算出する着果確率算出方法であって、前記所定範囲の環境情報と、前記作物の葉の生育状態を示す情報とに基づき、過去の所定期間ごとの前記作物のソース強度を算出し、前記所定範囲の環境情報と、前記作物の一部である調査株における着果情報とに基づき、前記作物のシンク強度を算出し、算出した前記ソース強度及び前記シンク強度に基づいて、前記所定範囲に生育する前記作物における果実の着果確率を算出する、処理をコンピュータが実行する着果確率算出方法である。
本発明の第2の着果確率算出方法は、所定範囲に生育する作物における果実の着果確率を算出する着果確率算出方法であって、前記所定範囲の環境情報と、前記作物の一部である調査株における着果情報とに基づき、前記作物のシンク強度を算出し、算出した前記シンク強度に基づいて、前記所定範囲に生育する前記作物における果実の着果確率を算出する、処理をコンピュータが実行する着果確率算出方法である。
本発明の第1の情報出力方法は、本発明の着果確率算出方法により、前記所定範囲に生育する前記作物における果実の着果確率を算出し、前記着果確率と、前記所定範囲の環境情報と、に基づいて、前記所定範囲における将来の収穫可能数を推定し、推定した前記将来の収穫可能数に関する情報を出力する、処理をコンピュータが実行する情報出力方法である。
本発明の第2の情報出力方法は、作物が生育する所定範囲の過去及び将来の環境情報と、前記作物の葉の生育状態を示す情報とに基づき、過去及び将来の所定期間ごとの前記作物のソース強度を算出し、前記所定範囲の過去及び将来の環境情報と、前記作物の着果情報とに基づき、過去及び将来の所定期間ごとの前記作物のシンク強度を算出し、前記将来の所定期間ごとの前記ソース強度と前記シンク強度との比が予め定めた範囲に含まれるように前記作物の着果情報を調整し、調整後の着果情報に基づいて、摘果に関する情報を出力する、処理をコンピュータが実行する情報出力方法である。
本発明の着果確率算出方法は、作物における果実の着果確率を精度よく算出することができるという効果を奏する。また、本発明の情報出力方法は、作物における収穫可能数に関する適切な情報や摘果に関する適切な情報を出力することができるという効果を奏する。
第1の実施形態に係る農業システムの構成を示す図である。 第1の実施形態の制御装置のハードウェア構成を示す図である。 第1の実施形態の制御装置の機能ブロック図である。 第1の実施形態の制御装置の処理を示すフローチャートである。 シンク強度計算表を示す図(その1)である。 図6(a)は、品種「アルテガ」の積算気温に対する1果あたりの乾物重の散布と、回帰曲線を示す図であり、図6(b)は、図6(a)を微分した結果を示す図である。 シンク強度計算表を示す図(その2)である。 品種「アルテガ」の、ソースシンク比率と着果確率の関係を示す図である。 収穫予測表を示す図(その1)である。 収穫予測表を示す図(その2)である。 シンク強度計算表を示す図(その3)である。 収穫予測表を示す図(その3)である。 シンク強度計算表を示す図(その4)である。 収穫予測表を示す図(その4)である。 図15(a)は、品種「ナガノ」の積算気温に対する1果あたりの乾物重の散布と、回帰曲線を示す図であり、図15(b)は、品種「ナガノ」のソースシンク比率と着果確率の関係を示す図である。 図16(a)は、品種「ネスビット」の積算気温に対する1果あたりの乾物重の散布と、回帰曲線を示す図であり、図16(b)は、品種「ネスビット」のソースシンク比率と着果確率の関係を示す図である。 図17(a)は、品種「トリロッソ」の積算気温に対する1果あたりの乾物重の散布と、回帰曲線を示す図であり、図17(b)は、品種「トリロッソ」のソースシンク比率と着果確率の関係を示す図である。 図18(a)~図18(d)は、品種「アルテガ」、「ナガノ」、「ネスビット」、「トリロッソ」について、定植後120~130日の着果確率を予測した結果と、実測した結果とを示すグラフである。 図19(a)~図19(d)は、品種「アルテガ」、「ナガノ」、「ネスビット」、「トリロッソ」それぞれについて、定植後日数ごとの着果確率の変化と、収量の変化とを示すグラフである。 変形例1に係る制御装置の機能ブロック図である。 変形例2に係る収穫予測表を示す図である。 第2の実施形態におけるソースシンク比率と着果確率の関係について説明するための図である。 第2の実施形態における制御装置の機能ブロック図である。 第2の実施形態の制御装置の処理を示すフローチャートである。 図25(a)は、過去及び将来のソースシンク比率の算出結果を示すグラフであり、図25(b)は、摘果すると判定された場合にシンク強度計算表から摘果する果実の情報を削除する例を示す図である。 図26(a)は、1つ摘果した場合の過去及び将来のソースシンク比率の算出結果を示すグラフであり、図26(b)は、2つ摘果した場合の過去及び将来のソースシンク比率の算出結果を示すグラフである。 3つ摘果した場合の過去及び将来のソースシンク比率の算出結果を示すグラフである。 図28(a)、図28(b)は、摘果により収量をコントロールできたことを説明するための図である。
《第1の実施形態》
以下、第1の実施形態について、図1~図14に基づいて詳細に説明する。図1には、第1の実施形態に係る農業システム100の構成が概略的に示されている。本実施形態の農業システム100は、トマトやパプリカなどの作物を栽培する施設(例えば温室)において、果実の着果確率を算出し、将来における収穫可能数を推定し出力するシステムである。
農業システム100は、図1に示すように、制御装置10と、屋外センサ12と、温室18内に設置された温室内センサ14と、温室18内の環境を調整する環境制御機器(以下、制御対象機器と呼ぶ)16と、を備える。制御装置10、屋外センサ12、温室内センサ14、及び制御対象機器16は、インターネットなどのネットワークを介して接続されており、各装置間において情報のやり取りが可能となっている。
制御装置10は、温室18内で作物(パプリカとする)を栽培する作業者が利用可能な情報処理装置であり、屋外センサ12や温室内センサ14において取得される環境情報や、作業者が入力した情報に基づいて、時期ごと(本実施形態では週ごと)のパプリカの予測収穫可能数(収穫できる果実の数)を推定し、出力(表示等)する。また、制御装置10は、制御対象機器16を制御することもできる。なお、制御装置10の構成や処理の詳細については後述する。
屋外センサ12は、温室18の外の気温を検出する温度センサや日射を検出する日射センサを含み、検出結果を制御装置10に対して入力する。
温室内センサ14は、温室18内の気温を検出する温度センサ、温室18内の日射を検出する日射センサ、温室18内のCO2濃度を検出するCO2濃度センサを含み、検出結果を制御装置10に対して入力する。
制御対象機器16は、ヒートポンプ、換気窓、暖房機、CO2施用機、遮光・保温カーテン等を含む。ヒートポンプは、温室18内の温度を下げる機器であり、換気窓は、温室18内に外気を取り入れる窓である。暖房機は、温室18内の温度を上げる機器であり、CO2施用機は、温室18内のCO2濃度を調整する機器である。また、遮光・保温カーテンは、温室18内の日射や温度を調整するカーテンである。制御対象機器16は、制御装置10の指示に応じた動作を実行することが可能であるものとし、制御対象機器16の動作により温室18内の環境が調整される。
ここで、制御装置10の構成や処理について詳細に説明する。図2には、制御装置10のハードウェア構成が概略的に示されている。図2に示すように、制御装置10は、CPU90、ROM92、RAM94、記憶部(ここではHDD)96、ネットワークインタフェース97、表示装置としての表示部93、入力部95、及び可搬型記憶媒体用ドライブ99等を備えている。表示部93は、液晶ディスプレイ等を含み、入力部95は、キーボードやマウス、タッチパネル等を含む。これら制御装置10の構成各部は、バス98に接続されている。制御装置10では、ROM92あるいはHDD96に格納されているプログラム、或いは可搬型記憶媒体用ドライブ99が可搬型記憶媒体91から読み取ったプログラムをCPU90が実行することにより、図3に示す各部の機能が実現される。なお、図3の各部の機能は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
図3には、制御装置10の機能ブロック図が示されている。制御装置10においては、CPU90がプログラムを実行することにより、図3に示すように、入力受付部30、環境情報取得部32、シンク強度算出部34、ソース強度算出部36、着果確率算出部38、収穫可能数推定部40、情報出力部42としての機能が実現されている。
入力受付部30は、作業者が入力部95を介して入力した情報を取得して、シンク強度算出部34に送信する。作業者が入力する情報には、各エリアにおいて栽培されているパプリカの株のうち、予め定められている調査対象の株(調査株)のいずれにおいて着果したかの情報が含まれる。また、作業者が入力する情報には、調査対象の株の葉の生育状態に関する情報(葉面積又は葉面積を求めるために必要な情報など)が含まれる。なお、着果の情報や葉の生育状態に関する情報は、作業者が入力しなくてもよい。例えば、温室18内を巡回するロボットがカメラ等を用いて着果した株の情報を取得できる場合には、入力受付部30は、ロボットから入力された情報を取得するようにすればよい。
環境情報取得部32は、屋外センサ12や温室内センサ14の検出結果を取得し、シンク強度算出部34やソース強度算出部36に送信する。また、環境情報取得部32は、将来の環境情報として、過去のデータ(平年値等)及び予測データ(気象予測メッシュ等)を外部サーバなどから取得し、収穫可能数推定部40に送信する。
シンク強度算出部34は、入力受付部30が取得した情報と、環境情報取得部32が取得した情報と、に基づいて、温室18内の作物(パプリカ)のシンク強度(着果負担)を算出する。
ソース強度算出部36は、環境情報取得部32が取得した情報と、葉の生育状態に関する情報とに基づいて、温室18内の作物(パプリカ)のソース強度(物質生産)を算出する。
着果確率算出部38は、シンク強度算出部34が算出したシンク強度と、ソース強度算出部36が算出したソース強度と、に基づいて、温室18内の作物(パプリカ)の着果確率を算出する。なお、着果確率の算出方法の詳細については後述する。
収穫可能数推定部40は、着果確率算出部38が算出した着果確率に基づいて、将来の時期ごと(本実施形態では週ごと)の温室18内における収穫可能な果実の数(予測収穫可能数)を推定する。
情報出力部42は、収穫可能数推定部40が推定した予測収穫可能数を含む画面を生成し、作業者の求めに応じて、表示部93上に生成した画面を表示(出力)する。
(制御装置10の処理について)
次に、制御装置10の処理について、図4のフローチャートに沿って、その他図面を適宜参照しつつ詳細に説明する。
図4の処理の前提として、環境情報取得部32は、現在における温室18内外の環境情報と、過去のデータ(平年値等)、予測データ(気象予測メッシュ等)を取得し、シンク強度算出部34、ソース強度算出部36及び収穫可能数推定部40に送信しているものとする。
図4の処理では、まず、ステップS10において、入力受付部30が、当日を含む1週間における着果有無の情報の入力があるまで待機する。作業者が調査対象の株の着果有無の情報を入力すると、入力受付部30は、入力された情報を取得して、シンク強度算出部34及びソース強度算出部36に送信する。
ステップS10において着果有無の情報の入力があると、ステップS12に移行し、シンク強度算出部34は、着果情報と、積算気温に基づいて、現在の(当日を含む週における各日の)シンク強度Snを算出する。図5には、シンク強度の計算に用いる表(シンク強度計算表)が示されている。図5の左側の表には、各週における着果有無の情報(着果有=1、着果無=0)と、着果後の果実の積算気温が示されている。着果した果実にはノード番号(Node No.)が付与される。図5では、3週目にNode No.=1の果実の着果が確認され、当該果実の積算気温が130℃であることが示されている。
ここで、シンク強度算出部34は、以下のようにしてシンク強度Snを算出する。
シンク強度Snは、次式(1)にて表すことができる。
Sn={g(fr1)+g(fr2)+g(fr3)+…+g(frn)}・Sd
…(1)
上式(1)において、g(frn)は、Node No.=nの果実のシンク強度(g/fruit)を意味し、Sdは、茎密度(stems/m2)を意味し、栽植密度(plant/m2)に1個体あたりの茎数(stems/plant)を乗じて算出する。なお、1個体あたりの茎数は、パプリカでは2、3、4(stems/plant)であることが多く、どれを選ぶかは農場によって異なる。トマトの場合は1(stems/plant)が多いが、2~4(stems/plant)を混在させることもある。
図6(a)には、積算気温に対する1果あたりの乾物重、すなわち、g(frn)の散布図と、回帰曲線が示されている。図6(a)の散布図は、パプリカの品種アルテガについてロックウール栽培により試験した結果から得られたものである。g(frn)については、次式(2)にて表される。
g(frn)=K・b・e-c.・xn …(2)
ここで、K、b、cは品種ごとに定まる係数である。なお、xnは積算気温である。
上式(2)を微分すると、g(frn)’は、図6(b)のような曲線で表される。g(frn)’は、次式(2)’のように表される。
g(frn)’=(K・b・e-c.・xn)’ …(2)’
品種アルテガの場合、上式(2)’の係数は、K=10.8、b=1.5×10-3、c=3.1×10-3である。したがって、上式(2)’は、次式(2)”のように表すことができる。
g(frn)’=(10.8×1.5×10-3×e-3.1×10-3・xn)’ …(2)”
したがって、シンク強度算出部34は、3週目に着果有りの情報が入力された場合には、次式(3)のように、上式(2)”を積算気温(xn)0℃~130℃の間で積分することにより、g(fr1)を求める。
Figure 2022104601000002
上式(3)の結果、g(frn)(1週間におけるシンク強度(Sn/stem/week))は、0.14…となるので、シンク強度算出部34は、当日を含む週の各日のシンク強度(Sn/stem/d)を、0.14…/7≒0.02と求める。そして、シンク強度算出部34は、図5のシンク強度計算表を、図7に示すように更新する。図7においては、太線で示す欄に、第3週のシンク強度と、第3週の各日のシンク強度が格納されている。
なお、図6(a)、図6(b)の曲線は、以下のような試験により得られたものである。
研究温室:(幅9m、奥行18m、軒高4.8m、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門内)
播種:2019年6月4日
定植:2019年7月10日
ロックウール栽培、定植より246日間
計測項目:気象データ(気温、CO2濃度、日射量)
着果データ(開花日、落果日、収穫日)
生体データ(LAI)
次いで、ステップS14では、ソース強度算出部36が、調査対象の株のソース強度を算出する。ソース強度は、各週の各日における総乾物生産量を意味する。
ソース強度算出部36は、まず、環境情報取得部32から取得した平均気温から展開葉数を算出する。展開葉数とは、展開した(広がった)葉の数を意味し、過去の展開葉数と平均気温の関係を示すデータと、取得した平均気温の値とから、現在の展開葉数を算出(推定)することができる。なお、展開葉数としては、作業者が実際に葉数を計数して利用者端末70に入力した値を用いることとしてもよい。
また、ソース強度算出部36は、利用者端末70から入力された、葉長(mm/leaf)、葉幅(mm/leaf)から個葉面積(平均的な大きさ及び形状の葉1枚の面積)を計算する。この場合、ソース強度算出部36は、葉長と葉幅の積に所定の係数をかけた値を個葉面積(m2/leaf)とすることができる。なお、所定の係数は、過去に得られた葉のデータから予め求めておくなどすればよい。
次いで、ソース強度算出部36は、展開葉数と個葉面積から茎あたり葉面積(m2/stem)および個体あたり葉面積(茎あたりの葉面積×個体あたりの茎数、m2/plant)を計算する。この場合、ソース強度算出部36は、展開葉数と個葉面積の積を茎あたりの葉面積とする。次いで、ソース強度算出部36は、が、個体あたり葉面積と茎密度(stems/m2)から葉面積指数(LAI:Leaf Area Index)を計算する。ここで、葉面積指数は、単位土地面積(1m2)に対する作物の全葉面積(m2)を意味する。すなわち、葉面積指数(m2/m2)は、個体あたり葉面積と栽植密度の積であるといえる。
次いで、ソース強度算出部36は、葉面積指数(LAI)、積算日射量(MJ/m2)、吸光係数から一日の積算受光量を計算する。具体的には、ソース強度算出部36は、次式(4)に基づいて一日の積算受光量(MJ/(m2・d))を算出する。なお、次式(4)の「ILp」は、定植後p日目の積算受光量であり、「k」は、吸光係数であり、「LAIp」は、定植後p日目の葉面積指数であり、「SRp」は、定植後p日目の屋外全天日射である。
ILp=(1-e-k・LAIp)・0.55・0.5・SRp …(4)
ここで、0.55は、施設内(ハウス内)の光透過係数を意味し、0.5は、光合成有効放射(PAR:photosynthetically active radiation)に換算するための係数を意味する。
次いで、ソース強度算出部36は、平均CO2濃度から光利用効率を計算する。具体的には、ソース強度算出部36は、次式(5)に基づいて、光利用効率(g/MJ)を算出する。なお、次式(5)の「LUEp」は、p日目の光利用効率であり、「CO2p」は、p日目の日中CO2濃度(p日目の平均CO2濃度)である。また、「m」、「o」は、実測値から得られた係数である。
LUEp=m・CO2p-o …(5)
次いで、ソース強度算出部36は、一日の積算受光量ILpと光利用効率LUEpから一日の総乾物生産量を計算する。具体的には、ソース強度算出部36は、次式(6)に基づいて、一日(p日目)の総乾物生産量DMp(g/(m2・d))を計算する。
DMp=ILp・LUEp …(6)
そして、ソース強度算出部36は、ソース強度Srを予め定められている関係式fを用いて、次式(7)から算出する。
Sr=f(DMp) …(7)
なお、第3週における各日のソース強度Sr(第3週の各日の平均ソース強度(Sr/stem/d))は、Sr=0.42であったとする。
次のステップS16では、着果確率算出部38が、シンク強度Snとソース強度Srの比(ソースシンク比率)RSSを次式(8)から求める。
SS=Sr/Sn …(8)
例えば、第3週においては、Sn=0.02であり、Sr=0.42であったため、RSSは、0.42/0.02=21.0と求められる。
次いで、ステップS18では、着果確率算出部38は、着果確率PFSを次式(9)から算出する。
FS=0.2455×ln(RSS)+0.1769 …(9)
なお、上式(9)の係数は作物の種類、品種、栽培方法ごとに予め定められる。例えば、上式(9)は、品種「アルテガ」について事前に行った試験から得られた、図8に示すようなシンク強度Snとソース強度Srの比RSS(横軸:ソースシンク比率)と、着果確率PFS(縦軸)の関係を示す回帰曲線の式である。
上式(9)からは、RSS=21.0の場合、PFS=0.924と求めることができる。
次いで、ステップS20では、収穫可能数推定部40が、着果確率PFSに基づいて、予想着果数を算出する。ここで、予想着果数は、着果情報の計測範囲を1plotとし、1plotに茎が40本(stem)あるとしたときに、第3週に着果して後日収穫できる果実の個数を意味する。収穫可能数推定部40は、着果確率PFSが0.924であれば、1plotにおける予想着果数を40×0.924=37.0と算出する。
図9の表(収穫予測表)には、各週における、積算気温(実測値及び予測値)ΣTw、算出したSr、Sn、RSS、各ノード(果実)の情報(着果確率PFS、予想着果数(Fr/plot)、果実の積算気温ΣT)がまとめて格納される。また、図9の収穫予測表には、各週における1plotごとの予測収穫可能数、1エリアごとの予測収穫可能数(本実施形態では、1つの温室18における予測収穫可能数)も格納される。第3週においては、図9に示すように、収穫予測表には、第3週のデータまでが入力されることになる。
次いで、ステップS22では、収穫可能数推定部40が、将来の各週における積算気温の予測値に基づいて、今週(第3週)に着果した果実の収穫可能週を特定する。図9の例では、収穫可能数推定部40は、図10に示すように第4週以降の積算気温ΣTwを積算してNode1のΣTの欄に順次入力し、ΣTが予め定めた温度(例えば1000℃)に達した週を収穫可能週として特定する。図10の場合、第3週目に着果した果実の収穫可能週は、第10週目と特定される。
次いで、ステップS24では、収穫可能数推定部40は、将来の各週における予測収穫可能数を特定する。図10の例では、第10週において、1plotにつき37.0個収穫できると予測されたため、これに基づいて、温室18内における予測収穫可能数を特定する。例えば、温室18内に茎が1000本存在するならば、温室18内には1000/40=25plot分の茎が存在しているため、温室18内における予測収穫可能数は、37.0×25=925.0となる。なお、この第10週の予測収穫可能数は、第3週時点での暫定の値であるため、週を追うごとに(着果が確認されるごとに)第10週の予測収穫可能数は変動する。
その後は、ステップS10に戻り、上記処理が繰り返し実行されることになる。
例えば、第4週にNode No.=2の果実の着果が確認されたとする。この場合、シンク強度算出部34は、図11のシンク強度計算表に示すように、Node No.=1、2の積算気温を用いて、次式(10)、(11)より、g(fr1)、g(fr2)を求める。
Figure 2022104601000003
そして、シンク強度算出部34は、g(fr1)、g(fr2)の合計(例えば、0.62…)を1週間におけるシンク強度とし、1日のシンク強度(Sn/stem/d)を、0.62…/7≒0.09と求める(ステップS12)。
また、ソース強度算出部36は、上記と同様にソース強度Srを求める(ステップS14)。例えば、第4週における各日のソース強度Sr(Sr/stem/d)が0.71であったとする。
更に、着果確率算出部38は、RSSをRSS=0.71/0.09≒8.0と求め、着果確率PFSを上式(9)から求める(ステップS16、S18)。ここでは、PFS≒0.69であったとする。
そして、収穫可能数推定部40は、着果確率PFSに基づいて、1plotにおける予想着果数を27.5(≒40×0.69)と算出する。更に、収穫可能数推定部40は、第5週以降の積算気温を用いて、第4週に着果した果実の収穫可能週を特定する。ここでは、第4週に着果した果実の収穫可能週が、第10週と特定されたとする。
この場合、図10の収穫予測表は、第4週において、図12に示すように更新される。なお、Node1の果実とNode2の果実はともに、第10週に収穫されると予測されているので、第10週の予測収穫可能数は、Node1、Node2の果実の収穫予測果実数が合算された状態となっている。
更に、例えば、第6週に図13に示すような表が得られたとする。この場合、シンク強度算出部34は、次式(12)~(15)によりg(fr1)、g(fr2)、g(fr3)、g(fr4)を算出する。
Figure 2022104601000004
この場合、g(fr1)=1.49、g(fr2)=1.13、g(fr3)=0.59、g(fr4)=0.18であったとすると、これらの合計値=3.39が、第6週のシンク強度となり、第6週の各日のシンク強度(Sn/stem/d)は、3.39/7≒0.48と求められる(ステップS12)。
また、ソース強度算出部36は、上記と同様にソース強度Srを求める(ステップS14)。例えば、第6週における各日のソース強度Sr(Sr/stem/d)が0.97であったとする。
更に、着果確率算出部38は、RSSをRSS=0.97/0.48≒2.0と求め、着果確率PFSを上式(9)から求める(ステップS16、S18)。ここでは、PFS≒0.35であったとする。
そして、収穫可能数推定部40は、着果確率PFSに基づいて、1plotにおける予想着果数を13.9(≒40×0.35)と算出する。更に、収穫可能数推定部40は、第7週以降の積算気温を用いて、第6週に着果した果実の収穫可能週を特定する。ここでは、第6週に着果した果実の収穫可能週が、第12週と特定されたとする。
この場合、収穫予測表は、第6週において、図14に示すように更新される。
以上の処理を繰り返すことにより、週ごとに収穫予測表が更新される。ここで、情報出力部42は、作業者からの求めに応じて、収穫予測表の一部または全部を含む画面を生成して、表示部93上に表示(出力)する。これにより、作業者は、温室18において何週目にどの程度の収穫量が見込めるかを確認することができる。
以上、詳細に説明したように、本第1の実施形態によると、ソース強度算出部36は、温室18内の環境情報と、温室18内で生育する作物の葉の生育状態を示す情報とに基づき、過去の所定期間ごとのソース強度Srを算出し、シンク強度算出部34は、温室18内の環境情報と、調査対象の株における着果有無とに基づき、シンク強度Snを算出する。そして、着果確率算出部38は、ソース強度Srとシンク強度Snの比RSSを用いて、上式(9)より、温室18内に生育する作物における果実の着果確率PFSを算出する。このように、本実施形態では、着果確率を、作物の状態や環境情報から得られるソース強度とシンク強度から求めるため、精度よく着果確率を求めることができる。
また、本実施形態では、着果確率算出部38が着果確率を求める際には、作物の種類、品種、栽培方法ごとに予め定められている算出式を用いて着果確率を算出する。これにより、各作物の種類や栽培方法に応じた算出式から、精度よく着果確率を算出することができる。
また、本実施形態では、収穫可能数推定部40は、着果確率算出部38が算出した着果確率PFSと、積算気温と、に基づいて、温室18内における将来の各週における予測収穫可能数を特定し、情報出力部42は、当該予測収穫可能数を表示する画面を生成し、表示部93に表示する。これにより、作業者は、将来の各週における予測収穫可能数を確認することができるため、出荷量を正確に把握することができる。また、作業者は、収穫作業を行う人員配置を適切に調整することが可能となる。また、本実施形態では、調査対象の株の着果有無を入力すれば、着果確率及び予測収穫可能数を算出することができるため、調査対象の株が少なかったり、調査の回数が少なくても、精度よく温室18全体の予測収穫可能数を推定することができる。
なお、図6(a)は、パプリカの品種「アルテガ」についてロックウール栽培により試験した結果得られた、積算気温に対する1果あたりの乾物重と、回帰曲線であり、図8は、品種「アルテガ」についての、ソースシンク比率RSSと着果確率PFS(縦軸)の関係を示す図であるが、他の品種についても同様の試験結果が得られているので、以下説明する。
なお、図15(a)、図15(b)、図16(a)、図16(b)、図17(a)、図17(b)の曲線は、以下のような試験により得られたものである。
研究温室:(幅18m、奥行14m、軒高5.1m、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 野菜花き研究部門内)
播種:2020年7月17日
定植:2020年8月20日
ロックウール栽培、定植より245~250日間
計測項目:気象データ(気温、CO2濃度、日射量)
着果データ(開花日、落果日、収穫日)
生体データ(LAI)
図15(a)は、パプリカの品種「ナガノ」の、積算気温に対する1果あたりの乾物重と、回帰曲線を示す図である。この回帰曲線も上式(2)(g(frn)=K・b・e-c.・xn)により表され、パラメータK,b,cは、図15(a)に示すように、K=12.7、b=8.3×10-5、c=4.0×10-3であることが分かった。したがって、品種「ナガノ」の場合、上式(2)のパラメータK,b,cとして、図15(a)の値を用いることとすればよい。
図15(b)は、品種「ナガノ」について事前に行った試験から得られた、シンク強度Snとソース強度Srの比RSS(横軸:ソースシンク比率)と、着果確率PFS(縦軸)の関係を示す図である。したがって、品種「ナガノ」の場合、上式(9)に代えて、次式(9a)を用いることとすればよい。
FS=0.109×RSS-0.075 …(9a)
図16(a)は、パプリカの品種「ネスビット」の、積算気温に対する1果あたりの乾物重と、回帰曲線を示す図である。この回帰曲線も上式(2)により表され、パラメータK,b,cは、図16(a)に示すように、K=15.0、b=3.1×10-6、c=4.0×10-3であることが分かった。したがって、品種「ネスビット」の場合、上式(2)のパラメータK,b,cとして、図16(a)に示す値を用いることとすればよい。
図16(b)は、品種「ネスビット」についての、シンク強度Snとソース強度Srの比RSS(横軸:ソースシンク比率)と、着果確率PFS(縦軸)の関係を示す図である。したがって、品種「ネスビット」の場合、上式(9)に代えて、次式(9b)を用いることとすればよい。
FS=0.176×ln(RSS)+0.0055 …(9b)
図17(a)は、パプリカの品種「トリロッソ」の、積算気温に対する1果あたりの乾物重と、回帰曲線を示す図である。この回帰曲線も上式(2)により表され、パラメータK,b,cは、図17(a)に示すように、K=8.6、b=2.7×10-4、c=3.6×10-3であることが分かった。したがって、品種「トリロッソ」の場合、上式(2)のパラメータK,b,cとして、図17(a)に示す値を用いることとすればよい。
図17(b)は、品種「トリロッソ」についての、シンク強度Snとソース強度Srの比RSS(横軸:ソースシンク比率)と、着果確率PFS(縦軸)の関係を示す図である。したがって、品種「トリロッソ」の場合、上式(9)に代えて、次式(9c)を用いることとすればよい。
FS=0.259×ln(RSS)+0.199 …(9c)
図18(a)~図18(d)には、品種「アルテガ」、「ナガノ」、「ネスビット」、「トリロッソ」について、定植後120~130日の着果確率を上記の方法で予測した結果と、実測した結果とを示すグラフである。図18(a)~図18(d)に示すように、いずれの品種においても精度よく(予測誤差±10%程度以下で)着果確率を予測することができた。図19(a)~図19(d)には、品種「アルテガ」、「ナガノ」、「ネスビット」、「トリロッソ」それぞれについて、定植後日数ごとの着果確率の変化と、収量の変化とが示されている。図19(a)~図19(d)に示すように、品種ごとに着果特性は異なり、また着果特性の違いに起因して各品種の収量も異なっている。本実施形態では、品種間において着果特性の違いに起因する収量の違いがある場合でも、精度よく着果確率を予測できるので、収量についても精度よく予測することが可能となる。
(変形例1)
なお、上記第1の実施形態においては、収穫可能数推定部40が推定した予測収穫可能数に基づいて、温室18内の環境が適切な環境になるように調整するようにしてもよい。図20には、本変形例1における制御装置10の機能ブロック図が示されている。図20に示すように、本変形例1に係る制御装置10は、図3の構成に加えて、調整部44と、機器制御部46とを有している。
調整部44は、収穫可能数推定部40の推定結果(予測収穫可能数)を目標値(目標収穫数)に近づけるために設定温度を調整する。なお、目標収穫数は、作業者が入力部95を介して事前に入力しているものとする。調整部44は、設定温度を変更した場合、環境情報取得部32に通知する。この結果、各週の積算温度(収穫予測表のΣTw)が変更されるため、収穫可能数推定部40により推定される各週の予測収穫可能数が修正されるようになっている。
機器制御部46は、調整部44により調整された設定温度を制御対象機器16に出力し、制御対象機器16を制御する。この場合、機器制御部46は、屋外センサ12や温室内センサ14の検出結果に基づいて、制御する制御対象機器16及び制御方法を決定し、制御対象機器16を制御する。
ここで、調整部44は、具体的には、以下のようにして設定温度を調整する。
(1)調整部44は、予測収穫可能数が目標値を上回る場合で、調整対象の週の収穫数を前の週に移動したい場合には、調整対象の週の設定温度を上げるようにする。
(2)調整部44は、予測収穫可能数が目標値を上回る場合で、調整対象の週の収穫数を後の週に移動したい場合には、調整対象の週の設定温度を下げるようにする。
(3)調整部44は、予測収穫可能数が目標値を下回る場合で、調整対象の週よりも後の週に収穫のピークがある場合には、調整対象の週の設定温度を上げるようにする。
(4)調整部44は、予測収穫可能数が目標値を下回る場合で、調整対象の週よりも前の週に収穫のピークがある場合には、調整対象の週よりも前の週の設定温度を下げるようにする。
本変形例1においては、上述したように、予測収穫可能数に基づいて制御情報を調整し、制御対象機器16に対して制御情報を出力することとしているので、目標収穫数になるように、制御対象機器16を精度よく制御することができる。これにより、出荷の過不足、売れ残りや販売機会の喪失が抑制され、信用の低下を防止することができる。
なお、上記変形例1では、調整部44が、予測収穫可能数が目標値に近づくように設定温度を調整する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、作業者は、収穫可能数推定部40が推定した予測収穫可能数を参照して、予測収穫可能数が目標値に近づくように、制御対象機器16の設定を適宜手動で調整するようにしてもよい。
(変形例2)
なお、上記第1の実施形態では、着果確率算出部38は、シンク強度とソース強度の比RSSを算出し、RSSを用いて、着果確率PFSを算出する場合について説明したが、これに限られるものではない。例えば、シンク強度Snから着果確率PFSを算出することとしてもよい。
例えば、図13に示すようにして、第6週目までのシンク強度Snが求められていたとすると、着果確率算出部38は、着果確率PFSとシンク強度Snとの関係を示す式(例えば、次式(16))に基づいて、着果確率PFSを求めてもよい。
FS=-0.191×ln(Sn)+0.2248 …(16)
この場合、PFSは、約0.36と求めることができる。なお、上式(16)は、予め着果確率とシンク強度の関係を調査した結果から導き出した式であり、作物の種類、品種、栽培方法ごとに定められた式である。
図21には、本変形例を用いて予測収穫可能数を求めた結果(収穫予測表)が示されている。このように、着果確率PFSを求める際にシンク強度と着果確率の関係式を用いることとしても、予測収穫可能数を求めることが可能である。
《第2の実施形態》
以下、第2の実施形態について説明する。
本発明者は、将来のソースシンク比率RSSが低下傾向にある場合において、適度に摘果を実施することで、将来のソースシンク比率RSSを適切な値に操作することが可能であり、そのような操作を行うことで、着果確率を制御できることに着目した。例えば、品種「アルテガ」について試験を行ったところ、非摘果区においては、着果確率(実測値)が0.45のときのソースシンク比率が2.6であった。一方、摘果区においては、着果確率(実測値)が0.56のときのソースシンク比率が3.7であった。このソースシンク比率の変化に対する着果確率の変化の挙動は、上式(9)の式で表される曲線(図22)のカーブと近いことが分かった。したがって、本発明者は、この曲線(図22)を指標として、着果確率PFSが目標値となるようなソースシンク比率RSSの調整目標値を定め、これに基づいて摘果を行えば、着果確率PFSを精度よく目標値に近づけることができるとの考えに至った。
例えば、着果確率PFSの目標値が52%である場合、上式(9)からは、
0.52=0.2455×ln(RSS)+0.1769
SS≒4.0
となり、ソースシンク比率RSSの調整目標値は、4.0となる。なお、RSSの調整目標値は、品種や着果確率の目標値などに応じて異なる値となる。例えば、品種「ナガノ」、「ネスビット」、「トリロッソ」であれば、上式(9)に代えて、上式(9b)、(9c)、(9d)を用いることになるからである。
本第2の実施形態の農業システムは、上記のような知見に基づくものであり、作物(例えばパプリカ)の将来のソースシンク比率RSSを推定し、推定した結果に基づいて、将来の着果確率が適切な値(目標値付近)となるように、摘果に関する情報を出力することを目的とするものである。
本第2の実施形態の農業システムのシステム構成やハードウェア構成は、第1の実施形態と同様である。図23には、本第2の実施形態における制御装置10の機能ブロック図が示されている。本第2の実施形態の制御装置10は、図23に示すように、図3の各機能に加えて、ソースシンク比率算出部37Aと、摘果判定部37Bと、を有する。なお、以下においては、第1の実施形態で説明した内容と共通する事項については、説明を省略又は簡略化するものとする。
シンク強度算出部34は、入力受付部30が取得した情報と、環境情報取得部32が取得した情報と、に基づいて、過去の所定期間ごとのシンク強度及び将来の所定期間ごとのシンク強度を算出する。なお、将来の所定期間ごとのシンク強度を算出する際には、新たに着果する果実は小さくシンク強度への影響が少ないと考えられるため、新たに着果する果実はない(考慮しない)ものとして扱う。ただし、これに限らず、新たな果実の着果タイミングを、例えば積算気温等により予測してもよい。
ソース強度算出部36は、環境情報取得部32が取得した情報と、葉の生育状態に関する情報とに基づいて、過去の所定期間ごとのソース強度及び将来の所定期間ごとのソース強度を算出する。
ソースシンク比率算出部37Aは、過去の所定期間ごとのシンク強度と、過去の所定期間ごとのソース強度とから、過去の所定期間ごとのソースシンク比率RSSを算出する。また、ソースシンク比率算出部37Aは、将来の所定期間ごとのシンク強度と、将来の所定期間ごとのソース強度とから、将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSを算出する。
摘果判定部37Bは、将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSに基づいて、摘果の要否を判定する。具体的には、将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSが、予め定めた範囲に含まれていない場合には、1つの未熟果(肥大途中の果実であり、例えば70~140g程度の果実)を摘果する必要があると判定する。摘果判定部37は、判定結果を、シンク強度算出部34、着果確率算出部38、情報出力部42に送信する。
着果確率算出部38は、摘果判定部37Bが摘果不要と判断した段階におけるソースシンク比率RSSに基づいて、作物の着果確率を算出する。収穫可能数推定部40は、上記第1の実施形態と同様である。
情報出力部42は、収穫可能数推定部40が推定した予測収穫可能数を含む画面を生成し、作業者の求めに応じて、表示部93上に生成した画面を表示(出力)する。また、情報出力部42は、摘果判定部37Bが摘果必要と判定した未熟果の個数を示す画面を表示する。
(制御装置10の処理について)
次に、本第2の実施形態の制御装置10の処理について、図24のフローチャートに沿って説明する。
図24の処理が開始される前提として、入力受付部30は、過去における作物の情報(調査対象の株の着果情報など)を取得しているものとする。また、環境情報取得部32は、過去及び将来の環境情報を取得しているものとする。
図24の処理においては、まず、ステップS102において、ソース強度算出部36が、過去の所定期間ごと(例えば各週)のソース強度を算出するとともに、将来の所定期間ごと(例えば各週)のソース強度を算出する。このステップS102におけるソース強度の算出方法は、第1の実施形態と同様である。
次いで、ステップS104では、シンク強度算出部34が、過去の所定期間ごとのシンク強度を算出する。また、ステップS106では、シンク強度算出部34が、将来の所定期間ごとのシンク強度を算出する。これらステップS104,106におけるシンク強度の算出方法は、第1の実施形態と同様である。
次いで、ステップS108では、ソースシンク比率算出部37Aが、過去の所定期間ごとのソースシンク比率RSS、及び将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSを上式(8)を用いて算出する。
次いで、ステップS110では、摘果判定部37Bが、摘果の必要性について判定する。例えば、現在において、過去及び将来のソースシンク比率RSSが図25に示すように算出されたとする。このとき、将来のソースシンク比率RSSが4.0付近となるようにするために、ソースシンク比率RSSが予め定めた範囲(例えば閾値=3.5以上)に含まれる必要があると定められているとする。この場合、摘果判定部37Bは、将来のソースシンク比率RSSと閾値を比較し、閾値以上である場合には、摘果の必要性が無いと判断する(ステップS110:肯定)。一方、摘果判定部37Bは、将来のソースシンク比率RSSが閾値以上でない場合(図25(a)のような場合)には、摘果の必要性があると判断し(ステップS110:否定)、ステップS112に移行する。
ステップS112に移行すると、摘果判定部37Bは、未熟果1つを摘果すると判定し、シンク強度算出部34にその旨を通知する。その後は、ステップS106に戻る。
ステップS106に戻ると、シンク強度算出部34は、1つの未熟果をシンク強度計算表から削除して、将来のシンク強度を再度計算する。例えば、図13のシンク強度計算表の場合であれば、図25(b)に示すように、1つの未熟果を削除して、シンク強度を再計算する。
次いで、ステップS108では、ソースシンク比率算出部37Aが、将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSを上式(8)を用いて再度算出する。その結果として、図26(a)に示すような結果が得られたとする。
次いで、ステップS110では、摘果判定部37Bが、将来のソースシンク比率RSSが閾値=3.5以上であるかを判断する。図26(a)の場合、ステップS110の判断は否定されるので、摘果判定部37Bは、ステップS112に移行し、未熟果1つを更に摘果すると判定し、シンク強度算出部34にその旨を通知する。その後は、ステップS106に戻る。
ステップS106に戻ると、シンク強度算出部34は、更に1つの未熟果をシンク強度計算表から削除して、将来のシンク強度を再度計算する。
次いで、ステップS108では、ソースシンク比率算出部37Aが、将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSを上式(8)を用いて再度算出する。その結果として、図26(b)に示すような結果が得られたとする。
次いで、ステップS110では、摘果判定部37Bが、将来のソースシンク比率RSSが閾値=3.5以上であるかを判断する。図26(b)の場合、ステップS110の判断は否定されるので、摘果判定部37Bは、ステップS112に移行し、未熟果1つを更に摘果すると判定し、シンク強度算出部34にその旨を通知する。その後は、ステップS106に戻る。
ステップS106に戻ると、シンク強度算出部34は、更に1つの未熟果をシンク強度計算表から削除して、将来のシンク強度を再度計算する。
次いで、ステップS108では、ソースシンク比率算出部37Aが、将来の所定期間ごとのソースシンク比率RSSを上式(8)を用いて再度算出する。その結果として、図27に示すような結果が得られたとする。
次いで、ステップS110では、摘果判定部37Bが、将来のソースシンク比率RSSが閾値=3.5以上であるかを判断する。図27の場合、ステップS110の判断は肯定されるので、摘果判定部37Bは、ステップS114に移行する。
ステップS114に移行すると、摘果判定部37Bは、これ以上の摘果は不要と判定し、これまでの摘果数を着果確率算出部38や情報出力部42に通知する。
次いで、ステップS116では、着果確率算出部38が、上記第1の実施形態と同様に、過去及び将来の着果確率PFSを算出する。次いで、ステップS118では、収穫可能数推定部40が、上記第1の実施形態と同様に、着果確率PFSに基づいて予想着果数を算出する。
次いで、ステップS120では、情報出力部42が、情報を出力する。例えば、情報出力部42は、図25(a)、図26(a)、図26(b)、図27を一覧表示するとともに、未熟果を3つ摘果することで、ソースシンク比率を適切な値に近づけることができることや、これにより、収量を適切にコントロールできることなどの情報を出力する。また、情報出力部42は、第1の実施形態と同様に、収穫可能数推定部40が推定した予測収穫可能数を含む画面を生成し、出力する。
図28(a)、図28(b)は、上記第2の実施形態の農業システムを利用して摘果を行った場合と、摘果を行わない場合とにおける収量の違いを示すグラフである。図28(a)は、2月8日における収量を示し、図28(b)は、2月12日における収量を示している。図28(a)、図28(b)からは、摘果を行うことで、パプリカの収穫果実数が集中する時期(2月上旬)の収量をコントロールすることができたことがわかる。また、就業時間内における収穫可能量には上限があることから、摘果を実施しておくことで、適切な労務管理が可能となることがわかる。
以上、詳細に説明したように、本第2の実施形態によると、制御装置10は、過去及び将来の所定期間ごとのソース強度を算出し(S102)、過去及び将来の所定期間ごとの強度を算出する(S104,S106)。そして、制御装置10は、将来の所定期間ごとのソースシンク比率を算出し、算出したソースシンク比率が予め定めた範囲(着果確率が目標値となる場合のソースシンク比率の範囲)に含まれない場合に、シンク強度計算表を調整して、再度ソースシンク比率を算出する、という処理を繰り返すこと(S106~S112)で、摘果数を求め、出力する(S120)。これにより、着果確率が目標値に近づくような摘果数を出力することができるため、作業者が出力に基づいて摘果を行えば、着果確率を精度よく適切な値にコントロールすることができる。
なお、上記第1、第2の実施形態及び変形例では、パプリカやトマトの着果確率や予測収穫可能数を算出する場合について説明したが、これに限らず、本発明は、ナス、イチゴ、メロン、スイカ等のその他の果菜類にも適用することができる。
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、処理装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体(ただし、搬送波は除く)に記録しておくことができる。
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)などの可搬型記憶媒体の形態で販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記憶媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記憶媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することもできる。また、コンピュータは、サーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することもできる。
上述した実施形態は本発明の好適な実施の例である。但し、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変形実施可能である。
10 制御装置
12 屋外センサ
14 温室内センサ
16 制御対象機器(環境制御機器)
34 シンク強度算出部
36 ソース強度算出部
38 着果確率算出部
40 収穫可能数推定部
42 情報出力部
44 調整部
46 機器制御部
90 CPU(コンピュータ)
93 表示部
100 農業システム

Claims (8)

  1. 所定範囲に生育する作物における果実の着果確率を算出する着果確率算出方法であって、
    前記所定範囲の環境情報と、前記作物の葉の生育状態を示す情報とに基づき、過去の所定期間ごとの前記作物のソース強度を算出し、
    前記所定範囲の環境情報と、前記作物の一部である調査株における着果情報とに基づき、前記作物のシンク強度を算出し、
    算出した前記ソース強度及び前記シンク強度に基づいて、前記所定範囲に生育する前記作物における果実の着果確率を算出する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする着果確率算出方法。
  2. 所定範囲に生育する作物における果実の着果確率を算出する着果確率算出方法であって、
    前記所定範囲の環境情報と、前記作物の一部である調査株における着果情報とに基づき、前記作物のシンク強度を算出し、
    算出した前記シンク強度に基づいて、前記所定範囲に生育する前記作物における果実の着果確率を算出する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする着果確率算出方法。
  3. 前記着果確率を算出する処理では、前記作物の種類、品種、栽培方法ごとに予め定められている算出式を用いて、前記着果確率を算出する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の着果確率算出方法。
  4. 請求項1~3のいずれか一項に記載の着果確率算出方法により、前記所定範囲に生育する前記作物における果実の着果確率を算出し、
    前記着果確率と、前記所定範囲の環境情報と、に基づいて、前記所定範囲における将来の収穫可能数を推定し、
    推定した前記将来の収穫可能数に関する情報を出力する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報出力方法。
  5. 前記出力する処理では、推定した前記将来の収穫可能数を予め定めた範囲に調整するのに必要な環境条件を特定し、特定した環境条件を環境制御機器に対して出力する、ことを特徴とする請求項4に記載の情報出力方法。
  6. 前記出力する処理では、前記収穫可能数に関する情報を表示装置に表示する、ことを特徴とする請求項4に記載の情報出力方法。
  7. 作物が生育する所定範囲の過去及び将来の環境情報と、前記作物の葉の生育状態を示す情報とに基づき、過去及び将来の所定期間ごとの前記作物のソース強度を算出し、
    前記所定範囲の過去及び将来の環境情報と、前記作物の着果情報とに基づき、過去及び将来の所定期間ごとの前記作物のシンク強度を算出し、
    前記将来の所定期間ごとの前記ソース強度と前記シンク強度との比が予め定めた範囲に含まれるように前記作物の着果情報を調整し、調整後の着果情報に基づいて、摘果に関する情報を出力する、
    処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報出力方法。
  8. 前記予め定めた範囲は、前記作物における着果確率が目標値となるときの、前記ソース強度と前記シンク強度との比の範囲である、ことを特徴とする請求項7に記載の情報出力方法。
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