JP2022104093A - 基板処理装置 - Google Patents

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貴大 林田
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Abstract

【課題】基板の乾燥処理を安定的に行うのに有利な技術を提供する。【解決手段】基板処理装置は、基板を内側に収容する処理容器と、処理容器の内側の保持位置において基板を保持する保持部と、処理容器の内側に向けて処理流体を吐出する供給開口部を有する流体供給部と、供給開口部と保持位置との間において供給開口部と対向し、供給開口部からの処理流体を、供給開口部の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する供給案内部材と、を備える。【選択図】図8

Description

本開示は、基板処理装置に関する。
処理液が付着した半導体ウェハなどの基板を、超臨界状態の処理流体を使って乾燥させる技術が知られている(特許文献1参照)。
特開2013-251550号公報
超臨界状態の処理流体を小径の開口から勢いよく噴出させる場合、処理流体の渦流が生じたり、処理流体の滞留が生じたりすることがある。そのような場合、必ずしも効率的には処理流体を基板(特に乾燥対象面)の周囲に導くことができず、結果的に、基板の乾燥処理に長時間を要することがある。また開口から勢いよく噴出した処理流体が基板に吹き付けられることで、意図せずに基板から液体が飛散してしまうことがある。
このため、基板表面全体の乾燥処理を安定的に行うことができない。
本開示は、基板の乾燥処理を安定的に行うのに有利な技術を提供する。
本開示の一態様は、液体が付着した基板を、超臨界状態の処理流体を用いて乾燥させる基板処理装置であって、基板を内側に収容する処理容器と、処理容器の内側の保持位置において基板を保持する保持部と、処理容器の内側に向けて処理流体を吐出する供給開口部を有する流体供給部と、供給開口部と保持位置との間において供給開口部と対向し、供給開口部からの処理流体を、供給開口部の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する供給案内部材と、を備える基板処理装置に関する。
本開示によれば、基板の乾燥処理を安定的に行うのに有利である。
図1は、基板処理装置の一例を示す平面図である。 図2は、乾燥ユニット及び供給ユニットの具体的な構成例を示す図である。 図3は、第1実施形態に係る乾燥ユニットの一例を示す側方図である。 図4は、第1実施形態に係る乾燥ユニットの一例を示す側方図である。 図5は、第1実施形態に係る乾燥ユニットの一例を示す側方図である。 図6は、第1実施形態に係る乾燥ユニットの一例を示す正面図である。 図7は、第1実施形態に係る乾燥ユニットの一例を示す正面図である。 図8は、第1実施形態に係る乾燥ユニットの一例の断面を上方から見た図である。 図9は、供給案内部材の第1構造例を示す拡大断面図である。 図10は、供給案内部材の第2構造例を示す拡大断面図である。 図11は、供給案内部材の第3構造例を示す拡大断面図である。 図12は、供給案内部材の第4構造例を示す拡大断面図である。 図13は、供給案内部材の第5構造例を示す拡大断面図である。 図14は、供給案内部材の第6構造例を示す拡大断面図である。 図15は、供給案内部材の第7構造例を示す拡大断面図である。 図16は、第3実施形態に係る乾燥ユニットの一例の断面を上方から見た図である。 図17は、第3実施形態に係る乾燥ユニットの一例の断面を側方から見た図である。 図18は、第1変形例に係る乾燥ユニットの一例の断面を側方から見た図である。
以下、図面を参照して本開示の一実施形態について説明する。本開示は、以下に説明される形態及び各図面に示される形態には限定されない。
各図面には各要素が簡略化されて例示的に示されている。したがって各要素の形態(例えば形状やサイズ)や要素間の寸法比は、図面間で必ずしも一致していない。
図1は、基板処理装置1の一例を示す平面図である。図面に示されたX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向はお互いに対して垂直な方向である。X軸方向及びY軸方向は水平方向であり、Z軸方向は重力が作用する鉛直方向に沿う高さ方向である。
図1に示す基板処理装置1は、X軸方向に並んで設けられる搬入出ステーション2及び処理ステーション3を備える。
搬入出ステーション2は、X軸方向に並んで設けられる載置台21、搬送部22及び受渡部23を有する。
載置台21上には複数のキャリアCが設けられる。各キャリアCは複数の基板Wを収容する。搬送部22には、1又は複数の基板Wを搬送することができる可動式の第1搬送装置22aが設けられている。受渡部23には、1又は複数の基板Wを一時的に保持するトランジション装置23aが設けられている。各キャリアCとトランジション装置23aとの間における基板Wの搬送は、第1搬送装置22aによって行われる。
基板Wは限定されないが、典型的には半導体基板(例えばシリコンウェハや化合物半導体ウェハ)やガラス基板である。基板Wの表面には、電子回路などのデバイスが設けられていてもよく、微細凹凸パターンが形成されていてもよい。
処理ステーション3は、搬送ブロック31及び処理ブロック32を有する。
搬送ブロック31は、受渡部23に対してX軸方向に隣り合うように設けられている。搬送ブロック31には、基板Wを搬送することができる可動式の第2搬送装置31aが設けられている。第2搬送装置31aは、トランジション装置23aと処理ブロック32の各ユニットとの間において、及び、処理ブロック32の各ユニット間において、基板Wを搬送する。
処理ブロック32は、搬送ブロック31に対してY軸方向に隣り合うように設けられている。処理ブロック32の数は限定されない。図1に示す例では、2つの処理ブロック32が、搬送ブロック31をY軸方向に挟むように設けられている。なお、複数の処理ブロック32がZ軸方向に並べられていてもよい。
各処理ブロック32は、液膜形成ユニット32a、乾燥ユニット32b及び供給ユニット32cを有する。液膜形成ユニット32a、乾燥ユニット32b及び供給ユニット32cの各々の数は限定されない。図1に示す例では、各処理ブロック32において、液膜形成ユニット32a、乾燥ユニット32b及び供給ユニット32cが2つずつ設けられている。
液膜形成ユニット32aは、基板Wに液体を付与し、基板Wの上面に液膜を形成する。液膜形成ユニット32aの具体的な構成は限定されない。一例として、液膜形成ユニット32aは、基板Wを回転可能に保持するスピンチャックと、基板Wの上面に向けて液体を吐出するノズルと、を有する。基板Wに付与される液体は限定されない。一例として、薬液(SC1(アンモニア及び過酸化水素の水溶液)やDHF(希フッ酸)等)、リンス液(脱イオン水等)及び乾燥液(IPA(イソプロピルアルコール)などの有機溶剤等)を、この順番でノズルから吐出して基板Wに供給してもよい。
乾燥ユニット32bは、液膜形成ユニット32aで基板W上に形成された液膜を超臨界状態の処理流体に置換することで、基板Wを乾燥させる。超臨界状態の処理流体は、臨界温度以上の温度を有し、且つ、臨界圧力以上の圧力を有する。超臨界状態の処理流体を使うことによって、基板W上の液体の表面張力に起因する基板Wの凹凸パターンの倒壊を抑制しつつ、基板Wを乾燥させることができる。処理流体は限定されず、例えば二酸化炭素(CO)を処理流体として用いることが可能である。
供給ユニット32cは、乾燥ユニット32bに流体を供給する。供給ユニット32cの具体的な構成は限定されない。乾燥ユニット32b及び供給ユニット32cの具体的な構成例については後述する(図2等参照)。
基板処理装置1は、基板処理装置1の各構成要素を制御する制御装置4を更に備える。図1に示す制御装置4は、例えばコンピュータによって構成され、演算処理部41及び記憶部42を備える。
演算処理部41は、記憶部42に記憶されているプログラムを適宜読み出して実行することにより、基板処理装置1の各構成要素を制御して各種処理を行う。記憶部42には、基板処理装置1で行われる各種処理のためのプログラム及びデータが記憶される。制御部93の記憶部に記憶されるプログラム及びデータは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されたものであって、当該記憶媒体から記憶部にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)及びメモリカードなどがある。
図2は、乾燥ユニット32b及び供給ユニット32cの具体的な構成例を示す図である。
図2に示す例において、処理流体の供給ラインは、上流側供給ライン50、第1供給ライン51及び第2供給ライン52を含む。
上流側供給ライン50は、第1流体供給源55、第1供給ライン51及び第2供給ライン52に接続される。第1流体供給源55は、処理流体の供給源であり、例えば処理流体を貯蔵するタンクである。処理流体は、第1流体供給源55から、上流側供給ライン50を通って、第1供給ライン51及び第2供給ライン52に供給される。
上流側供給ライン50には、上流から下流に向かって順に、バルブ101、ヒータ102、圧力センサ103、オリフィス104、温度センサ105及びフィルタ106が設けられる。ここで言う上流及び下流の用語は、基板Wの乾燥処理における処理流体の通常の流れ方向を基準とする。
バルブ101は、第1流体供給源55からの処理流体の供給をオン及びオフするバルブであり、開状態で下流側の供給ライン(すなわち上流側供給ライン50)への処理流体の流入を許容し、閉状態で下流側の供給ラインに処理流体を流入させない。ヒータ102は、上流側供給ライン50を流れる処理流体を加熱する。圧力センサ103は、ヒータ102とオリフィス104との間において上流側供給ライン50を流れる処理流体の圧力を検出する。オリフィス104は、下流に送り出される処理流体の圧力を所望圧力(例えば16MPa程度)に調整する。温度センサ105は、オリフィス104とフィルタ106との間において上流側供給ライン50を流れる処理流体の温度を検出する。フィルタ106は、上流側供給ライン50を流れる処理流体から異物を取り除く。
図2に示す上流側供給ライン50には、第1流体供給源55だけではなく、第2流体供給源56及び第3流体供給源57も接続される。第2流体供給源56は、IPAの供給源であり、上流側供給ライン50のうちバルブ101とヒータ102との間の部分にバルブ107を介して接続される。第3流体供給源57は、不活性ガス(例えばN)の供給源であり、上流側供給ライン50のうちバルブ101とヒータ102との間の部分にバルブ108を介して接続される。
第1供給ライン51には、上流から下流に向かって順に、バルブ111、オリフィス112、圧力センサ113及び温度センサ114が設けられる。
バルブ111は、第1供給ライン51における処理流体の流通をオン及びオフする。オリフィス112は、下流に送り出される処理流体の圧力を所望圧力に調整する。圧力センサ113は、第1供給ライン51を流れる処理流体の圧力を検出する。温度センサ114は、第1供給ライン51を流れる処理流体の温度を検出する。
第1供給ライン51のうち温度センサ114よりも下流側の部分に、パージライン54に接続される。パージライン54は、第1供給ライン51に接続されるとともに、パージガス供給源121に接続される。パージガス供給源121は、パージガス(例えばN等の不活性ガス)の供給源であり、例えばパージガスを貯蔵するタンクである。パージライン54には、パージガス供給源121から第1供給ライン51に向かって順に、チェックバルブ122及びバルブ123が設けられる。バルブ123は、パージライン54におけるパージガスの流通をオン及びオフする。パージガスは、例えば乾燥ユニット32bの処理空間への処理流体の供給が停止している間、パージガス供給源121からパージライン54及び第1供給ライン51を介して乾燥ユニット32bの処理空間に供給される。
第2供給ライン52は、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bを含む。第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bは、上流側供給ライン50が接続される部分からお互いに異なる方向に延びるが、乾燥ユニット32bの供給ヘッダー(特に供給案内路(例えば図8の符号「66」参照))に接続される。第1分岐供給ライン52aにはバルブ131が設けられ、第2分岐供給ライン52bにはバルブ132が設けられる。バルブ131及びバルブ132は、供給ヘッダーへの処理流体の供給をオン及びオフするバルブである。
乾燥ユニット32bには温度センサ141が設けられる。温度センサ141は、乾燥ユニット32bにおける処理空間の温度を検出する。
排出ライン53は、第1分岐排出ライン53a、第2分岐排出ライン53b及び下流側排出ライン53cを有する。第1分岐排出ライン53a及び第2分岐排出ライン53bは、乾燥ユニット32bの処理空間からの気体(処理流体を含む)の排出路(例えば図8の符号「70」参照)に接続されるとともに、下流側排出ライン53cに接続される。
第1分岐排出ライン53aには、上流から下流に向かって順に、温度センサ151、圧力センサ152及びバルブ153が設けられる。温度センサ151は、第1分岐排出ライン53aを流れる処理流体の温度を検出する。圧力センサ152は、第1分岐排出ライン53aを流れる処理流体の圧力を検出する。バルブ153は、第1分岐排出ライン53aにおける処理流体の流通をオン及びオフするバルブである。第2分岐排出ライン53bにはバルブ154が設けられ、バルブ154が第2分岐排出ライン53bにおける処理流体の流通をオン及びオフする。
下流側排出ライン53cには、上流から下流に向かって順に、圧力調整バルブ155、圧力センサ156、温度センサ157及びバルブ158が設けられる。圧力調整バルブ155は、下流側排出ライン53cを流れる処理流体の圧力を調整するバルブである。圧力調整バルブ155の開度は、乾燥ユニット32bの処理空間の圧力に応じて、制御装置4の制御下で適応的に調整される。圧力センサ156は、下流側排出ライン53cを流れる処理流体の圧力を検出する。温度センサ157は、下流側排出ライン53cを流れる処理流体の温度を検出する。バルブ158は、下流側排出ライン53cにおける処理流体の流通をオン及びオフする。処理流体を外部に排出する場合にはバルブ158が開かれ、処理流体を外部に排出しない場合にはバルブ158が閉じられる。
上述の各圧力センサ及び各温度センサの計測結果は、制御装置4に送信され、基板処理装置1の構成要素(すなわち上述のバルブ、ヒータ102、圧力調整バルブ155及びその他のデバイス)の制御のための処理において、必要に応じて使われる。
図2に示す乾燥ユニット32b及び供給ユニット32cの上述の構成は一例に過ぎず、乾燥ユニット32b及び/又は供給ユニット32cは他の構成を有していてもよい。例えば、乾燥ユニット32bの処理空間に処理流体を供給するラインとして、第1供給ライン51及び第2供給ライン52のうちの一方のみが設けられていてもよい。また第2供給ライン52は、乾燥ユニット32bの処理空間に接続される3以上の分岐供給ラインを含んでいてもよいし、単一ラインであってもよい。同様に、排出ライン53は、乾燥ユニット32bの処理空間に接続される3以上の分岐排出ラインを含んでいてもよいし、単一ラインであってもよい。また第2流体供給源56及び第3流体供給源57は設けられていなくてもよい。
次に、乾燥ユニット32bにおける基板Wの乾燥処理の典型例について説明する。以下に説明する基板乾燥処理(基板処理方法)に含まれる各工程は、詳細な説明は省略するが、基板処理装置1の構成要素(例えば各バルブ)が制御装置4の制御下で適宜駆動することで行われる。
まず、第2搬送装置31a(図1参照)を介し、乾燥ユニット32bの処理空間に基板Wが配置され、当該処理空間が密閉される(搬入処理工程)。ここで言う「密閉」は、処理空間が外部から気密に遮断されている状態を指すが、厳密な気密状態(すなわち完全な気密状態)を必ずしも指すものではない。処理空間は、密閉された状態であっても、処理流体Fの流路(供給路及び排出路)が接続されており、当該流路を介して乾燥ユニット32bの外側に設けられるラインやデバイスとつながっている。
その後、第1流体供給源55からの処理流体を乾燥ユニット32bの処理空間に供給することによって当該処理空間の圧力が上昇させられ、その結果、当該処理空間に超臨界状態の処理流体が供給されるようにする(昇圧処理工程)。
その後、乾燥ユニット32bの処理空間の圧力を処理流体の超臨界状態が維持される圧力に保ちつつ、処理空間において基板Wの表面に沿うように流れる処理流体の層流が形成される(流通処理工程)。これにより、基板Wに付着した液体(例えば凹凸パターン間のIPA液体)が徐々に超臨界状態の処理流体に置換され、基板Wから液体が徐々に取り除かれる。
基板Wから液体が十分に取り除かれた後、乾燥ユニット32bの処理空間への処理流体の供給を停止しつつ当該処理空間から処理流体が排出され、当該処理空間の圧力が所望圧力(例えば大気圧)まで徐々に下げられる(減圧処理工程)。
その後、第2搬送装置31a(図1参照)を介し、乾燥ユニット32bの処理空間から基板Wが取り出される(搬出処理工程)。
基板Wは、上述の一連の工程を経て、乾燥させられる。
次に、乾燥ユニット32bの具体例について説明する。
[第1実施形態]
図3~図5は、第1実施形態に係る乾燥ユニット32bの一例を示す側方図である。図6及び図7は、第1実施形態に係る乾燥ユニット32bの一例を示す正面図である。図8は、第1実施形態に係る乾燥ユニット32bの一例の断面を上方から見た図である。
図3~図8に示される例では、上述の第1供給ライン51(図2参照)が設けられていない。すなわち、乾燥ユニット32bの処理空間Sには、第1供給ライン51が接続されておらず、第2供給ライン52(第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52b)のみから処理流体Fが供給される。ただし以下で説明する技術は、乾燥ユニット32bに第1供給ライン51が接続されて第1供給ライン51及び第2供給ライン52の両方から処理空間Sに処理流体Fが供給される装置及び方法に対しても、適用可能である。
上述のように乾燥ユニット32bは、液体が付着した基板Wを、超臨界状態の処理流体Fを用いて乾燥させる基板処理装置として機能する。図3~図8に示す乾燥ユニット32bは、処理空間Sを有する圧力容器(処理容器)60と、処理空間Sへの処理流体Fの供給のための供給ヘッダー61と、処理空間Sからの処理流体Fの排出のための排出ヘッダー62と、を有する。
圧力容器60は中空構造であり、内側に処理空間Sを有する。処理空間Sは圧力容器60により外側から覆われて区画されるが、処理空間Sの水平方向(Y軸方向)の両端部は圧力容器60により覆われることなく開口する。処理空間Sの両端部の開口は、相互に対向し、処理空間Sにおいて保持位置に配置される基板Wを挟むように位置する。
本例の圧力容器60には、図8に示すように、2つの容器排出路70が貫通形成されている。これらの容器排出路70は、それぞれ第1分岐排出ライン53a及び第2分岐排出ライン53bに接続され、後述のように処理流体Fの排出路の一部を構成する。
処理空間Sに基板Wが導入及び配置されることで、圧力容器60は乾燥対象の基板Wを内側に収容する。当該基板Wは、保持部65(図7参照)によって、圧力容器60の内側の保持位置において保持される。
保持部65の具体的な構造は限定されない。本例の保持部65は、処理空間Sにおいて上方に延びる複数のピンにより構成される。各ピンは、圧力容器60に対して固定的に設けられていてもよし、圧力容器60に対して移動可能に設けられていてもよく、例えば高さ方向に進退可能に設けられていてもよい。これらのピンに基板Wが載せられることで、当該基板Wは複数のピンによって下方から支持される。
供給ヘッダー61は、処理空間Sの一方側の開口を覆うように設けられる。供給ヘッダー61は、圧力容器60の内側の処理空間Sに向けて処理流体Fを吐出する複数の供給開口部67を有し、処理空間Sに処理流体Fを供給する流体供給部として機能する。
供給ヘッダー61と圧力容器60との間には封止部材(図示省略)が設けられており、当該封止部材によって、供給ヘッダー61と圧力容器60との間における処理空間Sの気密性が確保される。
供給ヘッダー61の具体的な構造は限定されない。本例の供給ヘッダー61は、図8に示すように、供給本体部61aと、供給本体部61aに形成される空間によって構成される供給案内路66、複数の供給開口部67及び供給凹部63と、を有する。
供給案内路66は、水平方向(本例ではX軸方向)に延びる。供給案内路66の両端の開口部には、それぞれ第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bが接続される。供給案内路66には、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bを介して処理流体Fが供給される。
複数の供給開口部67は、供給案内路66に沿って水平方向(本例ではX軸方向)に並んで設けられ、供給案内路66及び供給凹部63の各々に接続される。図8に示す例では、X軸方向に関し、保持位置に配置される基板Wの全体範囲を覆う範囲にわたって、複数の供給開口部67が分散配置される。
複数の供給開口部67の具体的な配置形態は限定されない。例えば、複数の供給開口部67は、水平方向(特にX軸方向)にお互いに異なる位置に一列に設けられてもよい。また水平方向(X軸方向)に並べられる2以上の供給開口部67により構成される供給開口部列が、高さ方向(Z軸方向)に2以上並べられてもよい。
図8に示す構造の場合、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bからの距離に応じて、各供給開口部67からの処理流体Fの噴出状態が変わりうる。例えば第1分岐供給ライン52aからの処理流体Fと第2分岐供給ライン52bからの処理流体Fとが合流する供給案内路66の中央部分に対面する供給開口部67から、処理流体Fが、より勢いよく噴出される傾向がある。
そこで、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bからの距離に応じて、各供給開口部67の数密度、穴径及び/又は穴形状が変えられてもよい。これにより、例えば、複数の供給開口部67からの処理流体Fの噴出状態(例えば噴出速度や噴出量等)を均一化することが可能である。
或いは、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bからの距離によらず、各供給開口部67の数密度、穴径及び/又は穴形状が決められてもよい。例えば、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bからの距離によらず、各供給開口部67の数密度、穴径及び/又は穴形状が均一であってもよい。この場合、処理空間Sにおける処理流体Fの流れを、意図的に不均一化することが可能である。また必要に応じて、複数の供給開口部67の一部を封止し、処理空間Sの一部に向かってのみ供給ヘッダー61から処理流体Fを噴出してもよい。
供給凹部63は、処理空間Sに開口する横方流体吐出部71を構成する。処理流体Fは、横方流体吐出部71から処理空間Sに向けて吐出され、保持位置に配置される基板Wの周囲を通って、排出ヘッダー62に至る。
このように本例では、保持位置に配置されている基板Wから水平方向に離れて位置付けられる供給ヘッダー61(供給案内路66、各供給開口部67及び供給凹部63)によって、処理流体Fを処理空間Sに導く供給路が構成される。
供給凹部63には、供給案内部材(第1供給案内部材)80の少なくとも一部が位置付けられている。
供給案内部材80は、複数の供給開口部67と、処理空間Sにおいて基板Wが位置付けられる保持位置との間に位置し、各供給開口部67と対向する。供給案内部材80は、各供給開口部67から供給凹部63に流入した処理流体Fを案内して、横方流体吐出部71から処理空間Sに向けて流出させる。
具体的には、供給案内部材80は、各供給開口部67からの処理流体Fを、処理空間S(特に保持位置に配置されている基板W)に向けて案内しつつ、各供給開口部67の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する。これにより、流れが均一化された処理流体Fを、基板W(特に基板Wの上面)の周囲に向けて送り出すことができ、基板Wの乾燥処理を安定化させることができる。
なお、ここで言う「面積」は、例えば、Y軸方向(水平方向)に垂直な面(XーZ平面)を基準とすることができる。処理流体Fの範囲が供給案内部材80により拡げられる具体的な方向は限定されない。供給案内部材80によって、Y軸を基準とした1又は複数の放射方向に、処理流体Fの範囲が拡げられてもよい。例えば、処理流体Fの範囲は、X軸方向に拡げられてもよいし、Z軸方向に拡げられてもよいし、X軸方向及びZ軸方向の両者に対して傾斜する方向に拡げられてもよい。
このように図8に示す供給案内部材80は、各供給開口部67と保持位置との間において、保持位置に配置されている基板Wから水平方向に離れて位置付けられる。
供給案内部材80の具体的な構造は限定されず、供給案内部材80の具体的な構造例が後述される(図9~図12参照)。
排出ヘッダー62は、処理空間Sの他方側の開口を覆うように設けられる。排出ヘッダー62は、圧力容器60の内側の処理空間Sから処理流体Fが流入する複数の排出開口部68を有し、処理空間Sからの処理流体Fの排出を促す流体排出部として機能する。
排出ヘッダー62の具体的な構造は限定されない。本例の排出ヘッダー62は、排出本体部62aと、排出本体部62aに取り付けられる排出回転軸部62b及び排出路形成部62cと、を有する。図3~図8に示す排出本体部62a、排出回転軸部62b及び排出路形成部62cは、同一部材によって、一体的に構成されている。
排出ヘッダー62は移動可能に設けられ、処理空間Sの他方側の開口を覆う閉鎖位置と、処理空間Sの他方側の開口を覆わない開放位置とに配置可能である。具体的には、制御装置4(図1参照)の制御下で、開閉駆動装置(図示省略)からの動力が排出回転軸部62bに伝えられることによって、排出ヘッダー62全体が水平移動及び回転移動を行う。
例えば排出ヘッダー62は、閉鎖位置(図3及び図6参照)から水平方向(本例ではY軸方向)に移動して、圧力容器60から離れる(図4参照)。そして排出ヘッダー62は、圧力容器60と接触又は衝突しないように排出回転軸部62bを中心に回転させられることで、開放位置に配置される(図5及び図7参照)。
一方、排出ヘッダー62を開放位置から閉鎖位置に移動させる場合には、上述の「閉鎖位置から開放位置に移動させるための一連の動作」とは逆の順序で一連の動作が行われる。
排出ヘッダー62が閉鎖位置に配置されている状態で、排出ヘッダー62と圧力容器60との間には封止部材(図示省略)が位置付けられる。当該封止部材によって、排出ヘッダー62と圧力容器60との間における処理空間Sの気密性が確保される。
排出ヘッダー62が開放位置に配置される場合、図7に示すように、処理空間Sは水平方向に開放される。本例の排出路形成部62cは、コの字状断面を有する。これにより、排出ヘッダー62が開放位置に配置されている状態で、排出路形成部62cは、処理空間Sの一部又は全体を水平方向から覆わない。
処理空間Sへの基板Wの搬入の工程及び処理空間Sからの基板Wの搬出の工程の各々は、排出ヘッダー62が開放位置に配置されている状態で行われる。すなわち第2搬送装置31a(図1参照)は、基板Wとともに水平方向に移動して、処理空間Sの水平開放された開口を介して処理空間Sに進入し、保持部65に当該基板Wを渡す。また第2搬送装置31aは、処理空間Sの水平開放された開口を介して処理空間Sに進入し、保持部65から基板Wを受け取って、当該基板Wとともに水平方向に移動して処理空間Sから退避する。
このように排出ヘッダー62を可動式に設けることによって、処理空間Sに対する基板Wの搬入及び搬出のための適切なクリアランスが確保される。なお、排出ヘッダー62に加えて或いは排出ヘッダー62の代わりに、供給ヘッダー61が移動可能に設けられてもよい。これらの場合にも、処理空間Sに対する基板Wの搬送のための適切なクリアランスを確保することが可能である。
排出路形成部62cは、図8に示すように、複数の排出開口部68及び排出案内路69を有する。
複数の排出開口部68は、排出案内路69に沿って水平方向(本例ではX軸方向)に並べられ、排出案内路69に接続される。図8に示す例では、X軸方向に関し、保持位置に配置される基板Wの全体範囲を覆う範囲にわたって、複数の排出開口部68が分散配置される。排出案内路69は、水平方向(本例ではX軸方向)に延びる。
排出ヘッダー62が閉鎖位置に配置されている状態で、排出路形成部62cは、圧力容器60の内側(すなわち処理空間S)に位置する。当該状態で、複数の排出開口部68は処理空間S及び排出案内路69に接続され、排出案内路69の両端の開口部はそれぞれ容器排出路70に接続される。その結果、各排出開口部68、排出案内路69及び各容器排出路70がお互いにつながる。
そのため処理流体Fは、各排出開口部68を介して処理空間Sから排出案内路69に流入し、その後、容器排出路70を介して排出案内路69から第1分岐排出ライン53a及び第2分岐排出ライン53bに流出することが可能になる。
このように本例では、排出ヘッダー62(各排出開口部68及び排出案内路69)及び圧力容器60(各容器排出路70)によって、処理流体Fを圧力容器60内の処理空間Sから圧力容器60外に導く排出路が構成される。
上述の構成を有する乾燥ユニット32bにおける基板Wの乾燥処理は、例えば以下のように行われる。
まず排出ヘッダー62が開放位置に配置されている状態で、基板Wが処理空間Sに搬入されて、保持位置において保持部65により保持される(搬入処理工程)。
その後、排出ヘッダー62が閉鎖位置に配置される。これにより処理空間Sは、圧力容器60、供給ヘッダー61及び排出ヘッダー62によって閉じられる。ただし処理空間Sは、供給路(供給凹部63、各供給開口部67及び供給案内路66)を介し、第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bにつながっている。また処理空間Sは、排出路(各排出開口部68、排出案内路69及び各容器排出路70)を介し、第1分岐排出ライン53a及び第2分岐排出ライン53bにつながっている。
そして第1分岐供給ライン52a及び第2分岐供給ライン52bを介して送られてくる処理流体Fが、供給案内路66、各供給開口部67及び供給凹部63に流入する(昇圧処理工程及び流通処理工程)。処理流体Fは、排出開口部68により整流された後に横方流体吐出部71から処理空間Sに吐出され、層流の状態で基板Wの周囲を通って排出ヘッダー62に向かう。そして処理流体Fは、各排出開口部68、排出案内路69及び各容器排出路70を通って、第1分岐排出ライン53a及び第2分岐排出ライン53bに流出する。
このようにして基板Wの周囲を連続的に流れる処理流体Fにより、基板Wは乾燥される。特に、処理流体Fは、供給案内部材80により渦流や滞留が防がれた状態で基板Wの周囲を流れるため、基板Wの乾燥処理を安定的に行うことができる。その結果、基板Wの凹凸パターンの倒壊やパーティクルの発生を抑制することができる。
基板Wが十分に乾燥された後、処理空間Sの圧力が下げられる(減圧処理工程)。
そして、排出ヘッダー62が開放位置に配置され、処理空間Sから基板Wが搬出される(搬出処理工程)。
次に、第1実施形態に係る供給案内部材80の具体的な構造例を説明する。
[供給案内部材の第1構造例]
図9は、供給案内部材80の第1構造例を示す拡大断面図である。
本例では、複数の供給開口部67が、水平方向(特にX軸方向)にお互いに異なる位置に一列に設けられる。
供給案内部材80は、水平方向(特にX軸方向)に延びる一体構造を有し、これらの供給開口部67と対向する。供給案内部材80は、ネジ、ボルト或いはビス等の固定具(図示省略)によって供給本体部61aに固定される。
供給案内部材80は、各供給開口部67から噴出された処理流体Fの拡散及び流速を調整しつつ、処理流体Fの流れの均一化に寄与する任意の形状を有することができる。供給案内部材80の形状は、実際の設計条件や用途に応じて決められることが好ましい。
図9に示す供給案内部材80は、翼形状を有し、供給開口部67からの処理流体Fを高さ方向(Z軸方向)に拡げるように案内する。供給案内部材80は、翼の前縁部が供給開口部67に対向し且つ翼の後縁部が処理空間S(保持位置に配置される基板W)に向けられるように、配置される。供給案内部材80の上面及び下面は、滑らかな表面形状を有し、供給開口部67から処理空間S(特に保持位置に配置される基板W)に向かう処理流体Fの流れを阻害しない。
供給凹部63における処理流体Fの流路は、供給本体部61a及び供給案内部材80により区画される。図9に示す供給案内部材80は、供給開口部67から処理空間Sに向かう方向(Y軸方向)に関し、高さ方向に徐々に大きくなった後、高さ方向に徐々に小さくなる。そのため、供給凹部63における処理流体Fの流路は、供給開口部67から処理空間Sに向かう方向(Y軸方向)に関し、高さ方向に徐々に狭まった後、高さ方向に徐々に拡大する。
このような翼形状を有する供給案内部材80は、各供給開口部67から基板W(保持位置)に向かう方向(Y軸方向)への処理流体Fの流れを確保しつつ、Y軸方向に垂直な方向へ処理流体Fを拡げるように案内するのに有効である。ただし、供給案内部材80の具体的な翼形状(例えば翼弦長、中心線、最大翼厚及び最大キャンパ)は限定されない。
処理流体Fは、供給案内部材80により案内され、供給案内部材80の後方(すなわち保持位置に配置されている基板W側)に進むに従い、段階的に供給案内部材80から剥離する。早い段階で供給案内部材80から剥離した処理流体Fは、横方流体吐出部71の高さ方向端部(上下端部)に向かって進行する傾向が強い。遅い段階で供給案内部材80から剥離した処理流体Fは、横方流体吐出部71の高さ方向中央部に向かって進行する傾向が強い。
最適な翼断面(エアフォイル)を有する供給案内部材80を使って処理流体Fを処理空間Sに吐出することで、処理空間Sにおける処理流体Fの流速分布を改善し、初期昇圧時の基板Wからの液体の飛散や局所的な乾燥を抑制することができる。
供給凹部63は、各供給開口部67から遠ざかるに従って(すなわち処理空間S(特に保持位置に配置される基板W)に近づくに従って)、徐々に開口面積が大きくなる。処理流体Fは、各供給開口部67から吐出された直後に供給案内部材80に衝突して拡散させられ、処理流体Fの流速分布が平滑化される。
具体的には、処理流体Fは、供給案内路66によってX軸方向(水平方向)に拡散され、その後、各供給開口部67から噴出されて供給案内部材80に衝突することでZ軸方向に拡散される。その後、供給凹部63のうち供給本体部61aと供給案内部材80との間で局所的に狭められた部分において、処理流体FのY軸方向(水平方向)への流速が均一化される。その後、供給案内部材80の表面からの処理流体Fの段階的剥離によって、処理流体Fは、再びZ軸方向に拡散される。
処理流体Fは、これらの多段階の拡散工程を経て、X軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の各々に流れが均一化された後、横方流体吐出部71から処理空間Sに流入する。
このように本構造例の供給案内部材80によれば、処理流体Fは各供給開口部67からの噴出直後に流速が低減されて勢いが抑制され、流れ状態が一様化された状態で横方流体吐出部71から処理空間Sに送り出される。そのため、超臨界状態の処理流体Fが基板W(特に上面)の全体にわたって均一な状態で導かれ、基板Wの乾燥の局所的な進行を抑えて、基板Wの全体の乾燥処理を安定的に行うことができる。
また本構造例の供給案内部材80は、少なくとも部分的に、供給ヘッダー61の内側(すなわち供給凹部63)に配置される。これにより、供給ヘッダー61及び供給案内部材80をユニット化することができ、圧力容器60の構成を簡素化しうる。また省スペース構造の供給ヘッダー61及び供給案内部材80を用いることができる。
[シミュレーション結果]
本件発明者は、コンピュータを使ったシミュレーションを実際に行って、図9に示す第1構造例の供給ヘッダー61及び供給案内部材80を使った場合の処理流体Fの流れ状態のシミュレーション結果を考察した。
その際、図9に示す供給ヘッダー61を具備するが、供給案内部材80を具備しない乾燥ユニット32bについても、基本的に同じ条件下でシミュレーションを行った。
乾燥ユニット32bが供給案内部材80を具備しない場合、供給開口部67に対面する箇所と、供給開口部67に対面しない箇所との間における、処理流体Fの流速差が大きかった。そのため、隣り合う供給開口部67の間に対応する箇所(すなわち供給開口部67に対面しない箇所)で、処理流体Fの渦流や滞留が生じやすいことが確認された。
なお、供給案内部材80を設けない場合であっても、横方流体吐出部71の断面積(特に高さ方向サイズ)を小さくすることによって、供給凹部63における処理流体Fの渦流や滞留の発生を低減しうることが分かった。ただしこの場合、処理流体Fが横方流体吐出部71から勢いよく吐出するため、処理空間Sのうち横方流体吐出部71に対面しない箇所で、処理流体Fの渦流や滞留が生じやすいことが確認された。
このように、乾燥ユニット32bが供給案内部材80を具備しない場合には、処理流体Fの渦流や滞留が発生し、処理流体Fの流れが均一化及び安定化しにくいことが分かった。
一方、乾燥ユニット32bが供給案内部材80を具備する場合、処理流体Fの渦流や滞留の発生が有効に低減され、処理流体Fが基板Wの周囲を淀みなくスムーズに流れ、処理流体Fの流れの均一化及び安定化が促されることが分かった。
[供給案内部材の第2構造例]
本構造例において、上述の第1構造例と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図10は、供給案内部材80の第2構造例を示す拡大断面図である。
供給凹部63には、複数の供給案内部材80が設けられている。各供給案内部材80は、翼形状を有し、供給凹部63のX軸方向全体にわたって延び、供給本体部61aに固定されている。
これらの供給案内部材80は、各供給開口部67から保持位置に向かう方向(Y軸方向)に、多段的に設けられている。すなわちY軸方向に関する第1配置位置に1以上の供給案内部材80が設けられ、Y軸方向に関して第1配置位置とは異なる第2配置位置に1以上の供給案内部材80が設けられる。
図10に示す例では、Y軸方向に関して前段(すなわち供給開口部67側)に位置する供給案内部材80に対して高さ方向の上側及び下側の各々に、別の供給案内部材80が位置する。これにより、前段の供給案内部材80によって上下方向に拡散された処理流体Fが、後段(すなわち保持位置側)の供給案内部材80によって更に上下方向に拡散される。その結果、各供給開口部67から基板W(保持位置)に向かう方向(Y軸方向)への処理流体Fの流れを確保しつつ、高さ方向に関する処理流体Fの拡散をより一層効果的に促すことができる。
なお図10には複数の供給案内部材80が簡略化されて示されており、供給案内部材80の数、形状及び配置位置は限定されない。
このように本構造例の複数の供給案内部材80によれば、処理流体Fを複数段階にわたって高さ方向に拡散して、より均一な流れ状態で横方流体吐出部71から吐出することができる。
[供給案内部材の第3構造例]
本構造例において、上述の第1構造例と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図11は、供給案内部材80の第3構造例を示す拡大断面図である。
供給案内部材80は、各供給開口部67からの処理流体Fの案内の状態を変えるように可動に設けられている。図11に示す翼形状の供給案内部材80は、実線及び二点鎖線で示されるように、供給凹部63において回転移動(揺動)する。
供給案内部材80は、制御装置4の制御下で図示しない駆動装置により動かされてもよいし、手動的に操作者が供給案内部材80を回転させて供給案内部材80の向きを調整してもよい。
本構造例の供給案内部材80によれば、高さ方向に関し、処理流体Fの流速(流量)のバランスを適宜変えることが可能である。
[供給案内部材の第4構造例]
本構造例において、上述の第1構造例と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図12は、供給案内部材80の第4構造例を示す拡大断面図である。
複数の供給開口部67は、高さ方向に異なる位置に設けられる2以上の供給開口部67を含んでいてもよい。そして供給案内部材80は、高さ方向にお互いに異なる位置に設けられる複数の供給開口部67と対向する一体構造を有していてもよい。
図12に示す例では、3つの供給開口部67が高さ方向に並べられ、翼形状の供給案内部材80が、供給凹部63においてこれらの3つの供給開口部67と対向する。
高さ方向にお互いに異なる位置に設けられる複数の供給開口部67と、供給案内部材80との間には、合流路72が設けられている。合流路72は、少なくとも部分的に、供給凹部63により構成される。複数の供給開口部67から噴出した処理流体Fは、合流路72において少なくとも部分的に合流し、その後に供給案内部材80に衝突して供給案内部材80により案内される。
本構造例によれば、高さ方向に異なる位置に設けられる複数の供給開口部67によって、処理流体Fは、供給案内部材80に到達する前に、高さ方向に拡散される。
また高さ方向に異なる位置に設けられる複数の供給開口部67から噴出される処理流体Fは、合流路72において合流することで、供給案内部材80に到達する前に、流れの均一化が促される。
[第2実施形態]
本実施形態の乾燥ユニット32bにおいて、上述の第1実施形態の乾燥ユニット32bにおける要素と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図13~図15は、第2実施形態に係る乾燥ユニット32bの一例の断面を上方から見た図であり、それぞれ第5~第7構造例の供給案内部材80を図示する。
本実施形態の供給ヘッダー61の供給本体部61aは、供給案内路66及び複数の供給開口部67を有するが、供給凹部63を有していない。そのため、処理流体Fは、各供給開口部67から噴出された直後に、処理空間Sに進入する。
供給案内部材80は、処理空間Sに設けられ、各供給開口部67と基板W(保持位置)との間において各供給開口部67と対向しつつ、保持位置に配置されている基板Wを部分的に水平方向の外側から囲む。供給案内部材80の固定方法は限定されないが、典型的には、供給案内部材80は圧力容器60によって直接的又は間接的に固定される。
本実施形態の乾燥ユニット32bにおいても、処理流体Fは、各供給開口部67から噴出された後に供給案内部材80により拡散され、処理流体Fの流れの均一化が促される。そのため、処理空間Sにおける処理流体Fの渦流や滞留の発生を抑えることができる。
また基板Wを部分的に水平方向の外側から囲むように供給案内部材80を設けることによって、供給案内部材80による整流後すぐの処理流体Fを、基板Wの周囲に流すことができる。
なお供給案内部材80は、保持位置に配置されている基板Wに処理流体Fが到達する前に処理流体Fを拡散及び整流する必要があるので、保持位置(基板W)と供給ヘッダー61(各供給開口部67)との間に設けられる。そのため処理空間Sに対する基板Wのスムーズな搬入及び搬出を行う観点から、基板Wは、排出ヘッダー62側の開口を介して処理空間Sに搬入及び搬出されることが好ましい。
また供給案内部材80の設置範囲は、処理空間Sに対する基板Wの搬入及び搬出を阻害しない範囲に設定されることが好ましい。したがって、処理空間Sにおいて基板Wの搬入及び搬出のための通路が確保されるように、保持位置(基板W)と排出ヘッダー62との間に供給案内部材80が設けられないようにすることが好ましい。
次に、第2実施形態に係る供給案内部材80の具体的な構造例を説明する。
[供給案内部材の第5構造例]
本構造例において、上述の第1構造例と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図13は、供給案内部材80の第5構造例を示す拡大断面図である。
処理空間Sに設けられる供給案内部材80は、一体構造を有し、且つ、保持位置に配置される基板Wの外周に沿う形状を有している。
この場合にも、供給案内部材80は翼形状を有することができ、供給案内部材80の前縁部を供給ヘッダー61側に位置付けつつ、供給案内部材80の後縁部を保持位置に配置されている基板W側に位置付けてもよい。
本構造例の供給案内部材80によれば、供給案内部材80によって高さ方向に拡散されて整流された直後の処理流体Fを、基板Wの周囲に流すことができる。
[供給案内部材の第6構造例]
本構造例において、上述の第5構造例と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図14は、供給案内部材80の第6構造例を示す拡大断面図である。
本構造例では、複数の供給案内部材80が、複数の供給開口部67の配列方向(図14に示す例ではX軸方向)に並べられている。
すなわち処理空間Sにおいて保持位置に配置されている基板Wは、各供給開口部67から第1水平方向(図14に示す例ではY軸方向)に離れている。そして複数の供給案内部材80は、第1水平方向と直角を成す第2水平方向(図14に示す例ではX軸方向)に並べられるように設けられている。
このようにして第2水平方向に並べられる複数の供給案内部材80の一方の端部は、各供給開口部67に近い位置で各供給開口部67に対向し、他方の端部は、保持位置に配置されている基板Wに近い位置で当該基板Wを部分的に水平方向の外側から囲む。
図14に示す例では、各供給案内部材80のうち供給ヘッダー61側の端部のY軸方向位置は、供給案内部材80間で同じである。一方、各供給案内部材80のうち基板W側(すなわち排出ヘッダー62側)の端部のY軸方向位置は、X軸方向位置に応じて決められ、供給案内部材80間で必ずしも同じにはならない。したがって、各供給案内部材80のY軸方向の長さは、X軸方向位置に応じて変わる。
本構造例の供給案内部材80によれば、処理流体Fは、各供給開口部67から吐出された直後から複数の供給案内部材80により案内され、供給案内部材80により拡散されて整流された直後の処理流体Fを、基板Wの周囲に流すことができる。
なお、図14に示す例において、各供給案内部材80は、各供給開口部67からの処理流体Fを水平方向(図14に示す例ではX軸方向)に拡げるように案内する翼形状を有する。すなわち各供給案内部材80の流線形状表面はX軸方向に向けられており、各供給案内部材80により案内される処理流体Fは、X軸方向に拡散するように供給案内部材80から剥離する。したがって、X軸方向に均一的に拡散された処理流体Fを、保持位置に配置されている基板Wの周囲に流すことができる。
[供給案内部材の第7構造例]
本構造例において、上述の第5構造例と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図15は、供給案内部材80の第7構造例を示す拡大断面図である。
本構造例では、複数の供給案内部材80が、処理空間Sにおいて、複数の供給開口部67の配列方向(X軸方向)及び複数の供給開口部67の配列方向に垂直な水平方向(Y軸方向)の両方向に並べられている。
すなわち、保持位置に配置されている基板Wは、各供給開口部67から第1水平方向(図15に示す例ではY軸方向)に離れている。複数の供給案内部材80は、第1水平方向(Y軸方向)に並べられる2以上の供給案内部材80と、第1水平方向と直角を成す第2水平方向(X軸方向)に並べられる2以上の供給案内部材80と、を含む。
保持位置に配置されている基板Wは、部分的に、第1水平方向(Y軸方向)及び第2水平方向(X軸方向)の両方に関してお互いに異なる位置に配置される2以上の供給案内部材80によって、水平方向の外側から囲まれる。
具体的には、各供給開口部67に近い位置で各供給開口部67に対向する複数の供給案内部材80だけではなく、保持位置に配置されている基板Wに近い位置で当該基板Wを部分的に水平方向の外側から囲む複数の供給案内部材80も設けられている。
なお図15には複数の供給案内部材80が簡略化されて示されており、供給案内部材80の数、形状及び配置位置は限定されない。
本構造例の供給案内部材80によれば、処理流体Fは、各供給開口部67から吐出された直後から複数の供給案内部材80により案内され、供給案内部材80により拡散されて整流された直後の処理流体Fを、基板Wの周囲に流すことができる。
なお、図15に示す各供給案内部材80は、各供給開口部67からの処理流体Fを水平方向(図14に示す例ではX軸方向)に拡げるように案内する翼形状を有する。したがって、X軸方向に均一的に拡散された処理流体Fを、保持位置に配置されている基板Wの周囲に流すことができる。
また図15に示す例では、Y軸方向に関して前段に位置する供給案内部材80に対してX軸方向の一方側及び他方側の各々に、別の供給案内部材80が位置する。これにより、前段の供給案内部材80によってX軸方向に拡散された処理流体Fが、後段の供給案内部材80によって更にX軸方向に拡散される。その結果、各供給開口部67から基板W(保持位置)に向かう方向(Y軸方向)への処理流体Fの流れを確保しつつ、X軸方向に関する処理流体Fの拡散をより一層効果的に促すことができる。
[第3実施形態]
本実施形態の乾燥ユニット32bにおいて、上述の第1実施形態の乾燥ユニット32bにおける要素と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図16は、第3実施形態に係る乾燥ユニット32bの一例の断面を上方から見た図である。図17は、第3実施形態に係る乾燥ユニット32bの一例の断面を側方から見た図である。
処理空間Sに処理流体Fを供給する流体供給部として、複数の供給開口部67(第1供給開口部)を有する供給ヘッダー61(第1流体供給部)に加え、複数の下方分岐路(第2供給開口部)76を有する圧力容器60(第2流体供給部)が設けられている。
圧力容器60のうち下側に位置する部分には、下方案内路75、複数の下方分岐路76及び複数の下方供給凹部77が形成されている。下方案内路75、複数の下方分岐路76及び複数の下方供給凹部77は、保持位置に配置される基板Wから下方向に離れて位置する。
下方案内路75は、高さ方向に延びる部分と、高さ方向に接続される水平方向に延びる部分と、を含む。下方案内路75のうち高さ方向に延びる部分には、第1供給ライン51(図2参照)が接続されている。第1供給ライン51から供給される処理流体Fは、下方案内路75の高さ方向に延びる部分を経て、水平方向に延びる部分に流入する。
複数の下方分岐路76は、下方案内路75の水平方向に延びる部分に接続され、お互いに半径が異なる複数の同心円に沿ってそれぞれ設けられる。
複数の下方供給凹部77は、それぞれ、複数の下方分岐路76に接続され、お互いに半径が異なる複数の同心円に沿って設けられる。各下方供給凹部77は、処理空間Sに開口する下方流体吐出部73を構成する。
本実施形態では、案内部材として、水平方向に関して各供給開口部67と保持位置との間に位置する第1供給案内部材80aに加え、高さ方向に関してそれぞれの下方分岐路76と保持位置との間に位置する複数の第2供給案内部材80bが設けられている。
図16及び図17に示す複数の第2供給案内部材80bは、それぞれ、複数の下方供給凹部77に配置され、お互いに半径が異なる複数の同心円に沿って設けられる。各第2供給案内部材80bは、対向する下方分岐路76からの処理流体Fを、当該下方分岐路76の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する。
図16及び図17に示す例において、第1供給案内部材80aは、上述の第1構造例の供給案内部材80(図9参照)と同じ構成を有し、第2供給案内部材80bは、第1構造例の供給案内部材80と同様の翼形状を有する。
上述の昇圧処理工程において処理空間Sを急速に昇圧するためには、大量の処理流体Fを短時間に処理空間Sに送り込むことが求められる。この場合、基板Wの上面の液体の飛散や基板Wの上面の局所的乾燥の進行を防ぐため、基板Wの横方向からの処理流体Fの供給開始に先立って、基板Wの下方からの処理流体Fの供給が開始されることがある。
本実施形態では、基板Wの下方から処理空間Sに供給される処理流体Fも、案内部材(すなわち第2供給案内部材80b)によって拡散及び整流される。このように基板Wの下方から処理空間Sに供給される処理流体Fの勢いを各第2供給案内部材80bにより抑えて、均一な流れの処理流体Fを基板Wの下方から処理空間Sに送り出すことで、基板Wからの液体飛散や基板Wの局所的乾燥を抑制できる。
[第1変形例]
図18は、第1変形例に係る乾燥ユニット32bの一例の断面を側方から見た図である。
本変形例では、処理空間Sにおいて、保持部(図示省略)により、複数の基板W(図18に示す例では2つの基板W)が保持位置において高さ方向に並べられて保持される。また、それぞれの基板Wに対応する複数の供給案内部材80が、高さ方向に並べられて設けられる。また、それぞれの基板Wに対応する複数の排出案内部材83が、高さ方向に並べられて設けられる。
基板Wを保持する保持部(図示省略)は、任意の構成を有することができる。例えば、圧力容器60に固定される複数の載置部であって、対応の基板Wを下方から支持する複数の載置部が、保持部として設けられてもよい。
各供給案内部材80は、対応の基板Wの高さ方向位置に応じた高さ方向位置に設けられる。各供給案内部材80は、対応の供給開口部67に対向するように位置付けられている。
図18に示す例では、上述の図9に示す例と同様に1つの供給案内部材80に対して1つの供給開口部67が対応付けられており、2つの供給開口部67が高さ方向に並べられている。各供給開口部67は、供給本体部61aが有する供給案内路66及び対応の供給凹部63に接続されている。図18に示す例では、複数の供給開口部67に対して共通の供給案内路66が接続されているが、複数の供給開口部67は別々に設けられる供給案内路66に接続されてもよい。
各供給案内部材80は、一部又は全体が対応の供給凹部63に位置付けられている。
図18に示す各供給案内部材80は、図9に示す供給案内部材80と同様の翼形状を有するが、他の形状(例えば図10~図12参照)を有していてもよい
各排出案内部材83は、対応の基板Wの高さ方向位置に応じた高さ方向位置に設けられ、対応の排出開口部68に対向するように位置付けられている。
図18に示す例では、1つの排出案内部材83に対して1つの排出開口部68が対応付けられており、2つの排出開口部68が高さ方向に並べられている。各排出開口部68は、排出本体部62aが有する排出案内路69及び対応の排出凹部84に接続されている。図18に示す例では、複数の排出開口部68に対して共通の排出案内路69が接続されているが、複数の排出開口部68は別々に設けられる排出案内路69に接続されてもよい。
各排出案内部材83は、一部又は全体が対応の各排出凹部84に位置付けられている。各排出凹部84は、処理空間Sに開口する流体流出部85を構成する。図18に示す各排出案内部材83は、供給案内部材80と同様の翼形状を有するが、他の形状(例えば図10~図12参照)を有していてもよい。
本変形例の乾燥ユニット32bによれば、圧力容器60の内側の処理空間Sから処理流体Fが流入する排出開口部68と保持位置(基板W)との間で排出開口部68と対向する排出案内部材83によって、処理流体Fが処理空間Sから排出開口部68に案内される。そのため、保持位置に配置される基板Wから各排出開口部68に向かう処理流体Fの流れを排出案内部材83により整えることができ、処理流体Fの渦流や滞留の発生を抑制することができる。
また、高さ方向に複数の供給案内部材80を設けることによって、処理空間Sの高さ方向のサイズが大きい場合であっても、処理空間S全体における処理流体Fの流れを整えて、処理流体Fの渦流や滞留の発生を抑えることができる。
また、処理空間Sにおいて複数の基板Wが配置される場合に、それぞれの基板Wに向けて処理流体Fを案内する複数の供給案内部材80を設けることによって、流れが均一化された処理流体Fを各基板Wの周囲に向けて送り出すことができる。
なお、処理空間Sにおいて複数の基板Wが配置される上述の装置構成や排出案内部材83が設けられる上述の装置構成は、様々な装置及び方法に適用可能であり、例えば上述の各実施形態及び各構造例に対しても適用可能である。
[他の変形例]
基板Wは、トレイ等の保持部(図示省略)により保持された状態で、当該保持部とともに処理空間Sに対して搬入及び搬出されてもよい。そのような保持部は、例えば供給ヘッダー61及び排出ヘッダー62のうちの可動式のヘッダーに取り付けられてもよい。
例えば、排出ヘッダー62が移動可能に設けられる場合、排出ヘッダー62が開放位置に配置されている状態で、第2搬送装置31a(図1参照)によって、排出ヘッダー62に取り付けられたトレイ(図示省略)に基板Wが載せられてもよい。この場合、排出ヘッダー62が開放位置から閉鎖位置に移動することによって、基板Wはトレイとともに処理空間Sに搬入される。また、排出ヘッダー62が閉鎖位置から開放位置に移動することによって、基板Wはトレイとともに処理空間Sから搬出される。
なお、基板Wの上面に液膜Lが形成されている場合、基板Wの上面が上方に向けられた状態で、基板Wはトレイに載せられる。そして、基板Wの上面が上方に向けられた状態を維持しつつ、排出ヘッダー62が閉鎖位置と開放位置との間を移動する。
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。
また上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の基板処理装置が他の装置に応用されてもよい。また上述の基板処理方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。
32b 乾燥ユニット
60 圧力容器
61 供給ヘッダー
65 保持部
67 供給開口部
80 供給案内部材
F 処理流体
L 液膜
S 処理空間
W 基板

Claims (16)

  1. 液体が付着した基板を、超臨界状態の処理流体を用いて乾燥させる基板処理装置であって、
    前記基板を内側に収容する処理容器と、
    前記処理容器の内側の保持位置において前記基板を保持する保持部と、
    前記処理容器の内側に向けて前記処理流体を吐出する供給開口部を有する流体供給部と、
    前記供給開口部と前記保持位置との間において前記供給開口部と対向し、前記供給開口部からの前記処理流体を、前記供給開口部の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する供給案内部材と、
    を備える基板処理装置。
  2. 前記供給案内部材は、翼形状を有する請求項1に記載の基板処理装置。
  3. 前記供給案内部材は、前記供給開口部からの前記処理流体を高さ方向に拡げるように案内する請求項1又は2に記載の基板処理装置。
  4. 前記供給案内部材は、前記供給開口部からの前記処理流体を水平方向に拡げるように案内する請求項1~3のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  5. 前記流体供給部は、前記供給開口部に接続される供給凹部であって、前記供給開口部から遠ざかるに従って徐々に開口面積が大きくなる供給凹部を有し、
    前記供給案内部材の少なくとも一部は、前記供給凹部に位置付けられる請求項1~4のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  6. 前記供給案内部材は、前記供給開口部からの前記処理流体の案内の状態を変えるように可動に設けられている請求項1~5のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  7. 前記供給案内部材は、前記保持位置に配置されている前記基板を部分的に水平方向の外側から囲む請求項1~6のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  8. 前記供給開口部は複数設けられ、
    前記複数の供給開口部は、水平方向にお互いに異なる位置に設けられる2以上の供給開口部を含み、
    前記供給案内部材は、水平方向にお互いに異なる位置に設けられる2以上の供給開口部と対向する一体構造を有する請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  9. 前記供給開口部は複数設けられ、
    前記複数の供給開口部は、高さ方向にお互いに異なる位置に設けられる2以上の供給開口部を含み、
    前記供給案内部材は、高さ方向にお互いに異なる位置に設けられる2以上の供給開口部と対向する一体構造を有する請求項1~7のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  10. 前記供給案内部材は複数設けられ、
    前記複数の供給案内部材は、前記供給開口部から前記保持位置に向かう方向に関する第1配置位置に設けられる1以上の前記供給案内部材と、前記供給開口部から前記保持位置に向かう方向に関して前記第1配置位置とは異なる位置である第2配置位置に設けられる1以上の前記供給案内部材と、を含む請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  11. 前記供給案内部材は複数設けられ、
    前記保持位置に配置されている前記基板は、前記供給開口部から第1水平方向に離れており、
    前記複数の供給案内部材は、前記第1水平方向と直角を成す第2水平方向に並べられる2以上の供給案内部材を含み、
    前記第2水平方向に並べられる2以上の供給案内部材は、前記保持位置に配置されている前記基板を部分的に水平方向の外側から囲む請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  12. 前記供給案内部材は複数設けられ、
    前記保持位置に配置されている前記基板は、前記供給開口部から第1水平方向に離れており、
    前記複数の供給案内部材は、前記第1水平方向に並べられる2以上の供給案内部材と、前記第1水平方向と直角を成す第2水平方向に並べられる2以上の供給案内部材と、を含み、
    前記第1水平方向及び前記第2水平方向の両方に関してお互いに異なる位置に配置される2以上の供給案内部材は、前記保持位置に配置されている前記基板を部分的に水平方向の外側から囲む請求項1~9のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  13. 前記流体供給部として、第1供給開口部を有する第1流体供給部が設けられ、
    前記第1供給開口部は、前記保持位置に配置されている前記基板から水平方向に離れて位置付けられており、
    前記供給案内部材として、前記第1供給開口部と前記保持位置との間に位置付けられた第1供給案内部材が設けられ、
    前記第1供給案内部材は、前記第1供給開口部からの前記処理流体を、前記第1供給開口部の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する請求項1~12のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  14. 前記流体供給部として、第2供給開口部を有する第2流体供給部が設けられ、
    前記第2供給開口部は、前記保持位置に配置されている前記基板から下方向に離れて位置付けられており、
    前記供給案内部材として、前記第2供給開口部と前記保持位置との間に位置付けられた第2供給案内部材が設けられ、
    前記第2供給案内部材は、前記第2供給開口部からの前記処理流体を、前記第2供給開口部の開口面積よりも大きな面積の範囲に拡げるように案内する請求項1~13のいずれか一項に記載の基板処理装置。
  15. 前記第2供給案内部材は複数設けられ、
    前記複数の第2供給案内部材は、それぞれ、お互いに半径が異なる複数の同心円に沿って設けられる請求項14に記載の基板処理装置。
  16. 前記処理容器の内側から前記処理流体が流入する排出開口部を有する流体排出部と、
    前記保持位置と前記排出開口部との間において前記排出開口部と対向し、前記処理容器の内側からの前記処理流体を、前記排出開口部に案内する排出案内部材と、を備える請求項1~15のいずれか一項に記載の基板処理装置。
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