以下、図面を参照して、本実施形態に係る遊技機について説明する。なお、本実施形態では、遊技機としてパチスロ機を例に挙げて説明する。
[1.パチスロ機の構造]
まず、図1及び図2を参照して、パチスロ機1の構造について説明する。なお、図1は、パチスロ機1の外部構造を示す図であり、図2は、パチスロ機1の内部構造を示す図である。また、説明の便宜上、以下の外部構造の説明において、内部構造の一部を説明する場合があり、内部構造の説明において、外部構造の一部を説明する場合がある。
[1-1.外部構造]
[1-1-1.筐体]
パチスロ機1は、矩形箱状の筐体2により構成されている。また、筐体2は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DDとを有している。
キャビネットGは、中間支持板G1と、左右一対の側面壁G2と、背面壁G3と、上面壁G4と、底面壁G5とを有している。なお、図1及び図2においては、背面壁G3及び底面壁G5の図示を省略している。また、キャビネットGの上面壁G4には、左右方向に所定の間隔を空けて、上下方向に貫通する2つの開口G4aが形成されている。そして、この2つの開口G4aそれぞれを塞ぐように木製の板部材G4bが上面壁G4に取付けられている。
なお、板部材G4bは、パチスロ機1を遊技店に設置する際に遊技島(不図示)に固定するために用いられるが、このような固定の方法が確保される限り、金属材や樹脂材で構成することもできるし、上面壁G4と一体に形成することもできる。また、キャビネットGについて一定の強度が確保される限り、各構成部材の一部又は全部を木材や樹脂材で構成することもできる。
また、キャビネットGは、その内部において、中間支持板G1を挟んで上側に、前方に開口する上側開口部G101が形成されており、中間支持板G1を挟んで下側に、前方に開口する下側開口部G102が形成されている。すなわち、キャビネットG内は、中間支持板G1を挟んで上部空間と下部空間とに仕切られており、中間支持板G1は、キャビネットG内を上部空間と下部空間とに仕切る仕切板として機能している。上部空間は、キャビネットG内の上ドア機構UDの後側となる空間であり、後述のメイン表示装置210等が収容される。また、下部空間は、キャビネットG内の下ドア機構DDの後側となる空間であり、後述のリールユニットRUや主制御基板71等が収容される。
なお、キャビネットGは、必ずしも中間支持板G1を含んで構成されていなくともよい。すなわち、キャビネットG内において各装置等が適切に収容される限り、上部空間と下部空間を仕切らない構成としてもよい。また、キャビネットGは、単に「箱体」や「本体」と称することもできるし、上ドア機構UD及び下ドア機構DDを支持、あるいは固定する枠体として機能するため、「本体枠」、「支持体」、「支持枠」、あるいは「固定枠」等と称することもできる。
[1-1-2.前面扉]
上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、キャビネットGの開口の形状及び大きさに対応するように形成され、キャビネットGにおける開口の上部空間及び下部空間を閉塞可能に設けられている。すなわち、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、パチスロ機1の前面側に設けられた前面扉(フロントドア)として機能している。
また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのそれぞれは、例えば、左側の側面壁G2に設けられたヒンジ等の開閉機構(不図示)によって、キャビネットGに対して開閉自在に取付けられている。なお、上ドア機構UD及び下ドア機構DDのいずれか一方については上述の開閉機構によって開閉自在とし、他方については一方のドア機構が開放状態となったときにのみ着脱可能となるように構成することもできる。
上ドア機構UDは、その中央部に設けられた演出表示窓UD1と、演出表示窓UD1の上部に設けられた上部ランプ23とを有している。演出表示窓UD1は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、その背面側に設けられた後述のメイン表示装置210を構成するスクリーン装置Cに表示された演出画像を視認可能としている。なお、本実施形態では、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を、メイン演出表示部21として説明する場合がある。
下ドア機構DDは、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRUとを有している。
リールユニットRUは、3個のリール3L(左リール),3C(中リール),3R(右リール)を主体に構成されている。各リール3L,3C,3Rは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3L,3C,3Rは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3L,3C,3Rの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3L,3C,3Rの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3L,3C,3Rが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の左側に設けられたサブ演出表示部22と、メイン表示窓4の右側に設けられた演出用ボタン10bとを有している。サブ演出表示部22は、後述のサブ表示装置220に表示された演出画像を表示する。なお、サブ演出表示部22をタッチパネルとして構成し、演出表示を行う機能のみならず、演出用ボタンの1つとして機能させることもできる。演出用ボタン10bは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4の下方に形成された略水平面の台座部において、左側に設けられたMAXベットボタン6a,1ベットボタン6b,精算ボタン9と、略中央部に設けられた演出用ボタン10aと、右側に設けられたメダル投入口5とを有している。
MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bは、パチスロ機1の内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者の遊技操作(ベット操作。「投入操作」や「掛け操作」等と称することもできる)を受付ける操作部である。MAXベットボタン6aが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数(例えば、3枚)未満であり、クレジットされているメダルがその差分以上ある場合には、最大ベット数のメダルがベットされる。一方、クレジットされているメダルがその差分以上ない場合には、メダルはベットされない。また、1ベットボタン6bが操作された場合、現在のベット数が最大ベット数未満であり、クレジットされているメダルが1枚以上ある場合には、1枚のメダルがベットされる。
精算ボタン9は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の遊技操作(精算操作)を受付ける操作部である。なお、クレジットされているメダルがない状態で精算ボタン9が操作された場合、投入され、あるいは払出されるメダルに関し、クレジット可能数(例えば、50枚)の範囲内において、当該メダルをクレジットするクレジットモード(Cモード)と、当該メダルをクレジットしないペイモード(Pモード)とのいずれかのモードを選択可能とするための遊技者の遊技操作(C/Pモード選択操作)を受付可能としてもよい。すなわち、精算ボタン9をいわゆるC/Pボタンとして機能させることもできる。演出用ボタン10aは、遊技者の演出用の操作(演出操作)を受付ける操作部である。
メダル投入口5は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受入れる。受入れたメダルは、後述のセレクタ31によって検出されるとともに、適正なメダルであるか否かが判定される。受入れた1枚のメダルが適正なものでない場合、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。また、受入れた1枚のメダルが適正なものである場合、現在のベット数が最大ベット数未満である場合には、1枚のメダルがベットされる。現在のベット数が最大ベット数であり、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達していない場合には、1枚のメダルがクレジットされる。一方、クレジットされているメダルがクレジット可能数に到達している場合には、受入れたメダルが後述のメダル払出口11から返却される。
また、下ドア機構DDは、メイン表示窓4と上述の台座部との間に設けられた情報表示装置14を有している。情報表示装置14は、複数のランプ(LED)や7セグメントLEDを含んで構成され、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、左側に設けられたスタートレバー7と、略中央部に設けられた3個のストップボタン8L,8C,8Rと、右側に設けられた施錠機構15とを有している。スタートレバー7は、所定の角度範囲で傾動自在に取付けられ、遊技を開始させるための遊技者の遊技操作(開始操作)を受付ける操作部である。各ストップボタン8L,8C,8Rは、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
施錠機構15は、例えば、キーシリンダー錠から構成され、下ドア機構DDが閉鎖状態であるとき、遊技店側の管理者(例えば、遊技店の店員等。以下同じ)が鍵穴にドアキー(不図示)を挿入した状態で右に回すと解錠し、下ドア機構DDが開放状態となる。なお、施錠機構15には、ドア機構の開閉を管理する機能のみならず、リセットスイッチとしての機能をもたせてもよい。例えば、遊技店側の管理者が鍵穴にドアキーを挿入した状態で左に回した場合には、後述のリセットスイッチ53と同様のリセット操作を検出可能としてもよい。また、本実施形態では、下ドア機構DDが開放状態となったとき、これに連動して上ドア機構UDも開放状態となるように構成することもできるし、上ドア機構UDに対応する施錠機構を別途設けるようにし、それぞれ独立して開閉を管理可能とすることもできる。
また、下ドア機構DDは、その下部の中央部に設けられた腰部パネル13と、腰部パネル13の下方に設けられたメダル受皿12と、メダル受皿12の上方に設けられたメダル払出口11と、メダル払出口11の左右に設けられた透音孔24a,24bとを有している。
腰部パネル13は、例えば、機種の名称を表すロゴやモチーフを表すキャラクタ等の機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための光源(後述のランプ・LED類に含まれる腰部ランプ)から構成される。メダル受皿12は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留する。メダル払出口11は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出する。なお、メダル払出口11から排出されるメダルは、後述のホッパー装置32から払出されたものと、後述のセレクタ31からキャンセルシュート(不図示)を通って返却されたものとがある。透音孔24a,24bは、それぞれの背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたスピーカ35a,35b(スピーカ35aは図2において符号省略)から出力される効果音やBGM等の音声をパチスロ機1の前面側に向かって透過する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DDを設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DDは、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[1-1-3.変動表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4を備える。各リール3L,3C,3Rは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3L,3C,3Rは、各ストップボタン8L,8C,8Rが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51L,51C,51Rが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3L,3C,3R及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3L,3C,3Rの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×3列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×3列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大27通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。
なお、例えば、リール3Lの中段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの中段領域を結ぶラインは「センターライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの上段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「トップライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの下段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「ボトムライン」、リール3Lの下段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの上段領域を結ぶラインは「クロスアップライン」、リール3Lの上段領域、リール3Cの中段領域、及びリール3Rの下段領域を結ぶラインは「クロスダウンライン」等と称され、これらは各列の各領域を一直線で結ぶラインであることから、これらのうちの一又は複数通りのラインが有効ラインとして定義されることが多い。もっとも、上述のとおり、各列の各領域を折れ線で結ぶ、いわゆる変則ラインを有効ラインとして定義することもできる。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。例えば、上述の「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」の3通りのラインが有効ラインとして定義されているとした場合、前者の場合には、ベット数が1~3のいずれであっても「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。一方、後者の場合には、ベット数が1であれば「センターライン」のみが有効化され、ベット数が2であれば「センターライン」及び「トップライン」が有効化され、ベット数が3(最大ベット数)であれば「センターライン」、「トップライン」、及び「ボトムライン」が有効化されるようにする。
なお、本実施形態では、変動表示部が、3個のリール3L,3C,3Rと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×3列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、あるいは4個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3L,3C,3Rを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、後述のメイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[1-1-4.メダル投入口]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者によって外部からパチスロ機1に投入されるメダルを受け入れるメダル投入口5を備える。なお、メダル投入口5及び後述のセレクタ31は、MAXベットボタン6aや1ベットボタン6bと同様に、1回の遊技に必要なメダル数をベットする機能を有することから、このような投入動作は、例えば、ベット操作と換言することもできる。したがって、メダル投入口5は、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)であるともいえる。なお、メダル投入口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
なお、本実施形態では、遊技に使用し、あるいは遊技結果に応じて付与される遊技価値として、遊技媒体としてのメダルを用いることを一例として説明しているが、このように用いられる遊技価値はこれに限られない。例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を用いることもできる。また、遊技価値は、単に「価値」、あるいは「遊技用価値」等と称することもできる。
[1-1-5.操作部]
パチスロ機1は、遊技者が操作可能な操作部として、例えば、以下に示す各操作部を備える。なお、以下に示す各操作部はあくまで一例であって、これらとは異なる操作部を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない操作部については、これを備えない構成としてもよい。
[1-1-5-1.ベットボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、その内部に預けられている(クレジットされている)メダルを使用するための遊技者のベット操作を受付けるMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを備える。また、このようなベット操作は、後述のベットスイッチ6Sによって検出される。したがって、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6b、並びにベットスイッチ6Sは、遊技者のベット操作を検出可能なベット操作検出部(手段)を構成する。なお、ベットボタンは、あくまで遊技者のベット操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、MAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bを設けているが、1ベットボタン6bを設けることなくMAXベットボタン6aのみを設けるようにしてもよい。また、2枚のメダルがベットされる2ベットボタンを別途設けるようにしてもよい。
[1-1-5-2.スタートレバー]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を開始させるための遊技者の開始操作を受付けるスタートレバー7を備える。また、このような開始操作は、後述のスタートスイッチ7Sによって検出される。したがって、スタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、遊技者の開始操作を検出可能な開始操作検出部(手段)を構成する。なお、スタートレバーは、あくまで遊技者の開始操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-3.ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、各リール3L,3C,3Rに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8L,8C,8Rを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8L,8C,8R及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-4.精算ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、クレジットされているメダルを返却(精算)するための遊技者の精算操作(返却操作)を受付ける精算ボタン9を備える。また、このような精算操作は、後述の精算スイッチ9Sによって検出される。したがって、精算ボタン9及び精算スイッチ9Sは、遊技者の精算操作を検出可能な精算操作検出部(手段)を構成する。なお、精算ボタンは、あくまで遊技者の精算操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[1-1-5-5.演出用ボタン]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技者の演出操作を受付ける演出用ボタン10a,10bを備える。なお、このような演出操作は、それぞれの演出用ボタンに対応して設けられた検出スイッチ(不図示)によって検出される。したがって、演出用ボタン10a,10b及び当該検出スイッチは、遊技者の演出操作を検出可能な演出操作検出部(手段)を構成する。なお、演出用ボタンは、あくまで遊技者の演出操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、本実施形態では、2個の演出用ボタン10a,10bを設けているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出用ボタンを設けるように構成することもできる。
なお、演出用ボタンの主な用途としては、特定の演出(例えば、後述の操作連動演出)実行時に演出態様を変化させること、後述のユーザーメニューにおいて選択・決定操作を行うこと等である。したがって、用途に応じた演出用ボタンを設けるように構成することもできる。例えば、前者の用途では演出用ボタン10a,10bが使用されるものとし、後者の用途では上述のタッチパネルを使用するように構成することもできる。なお、後者の用途で用いるために、別の演出用ボタンとして、選択・決定操作を受付可能なジョグダイヤルや十字キー等を設けるように構成することもできる。
[1-1-6.メダル払出口]
上述のとおり、パチスロ機1は、パチスロ機1の内部から払出される(あるいは返却される)メダルを外部に排出するメダル払出口11を備える。なお、入賞が発生してメダルを払出す場合、メダル払出口11は、後述のホッパー装置32から払出されたメダルを遊技者に付与するものであることから、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、メダル払出口の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-7.メダル受皿]
上述のとおり、パチスロ機1は、メダル払出口11から払出されたメダルを貯留するメダル受皿12を備える。すなわち、メダル受皿12は、付与された遊技価値を貯留可能な貯留部(手段)を構成する。なお、メダル受皿の形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-1-8.腰部パネル]
上述のとおり、パチスロ機1は、例えば、機種情報が描かれた装飾パネルと、この装飾パネルを背面側から照明するための腰部ランプから構成される腰部パネル13を備える。なお、腰部パネル13は、基本的にはそのパチスロ機1がどういった機種であるかを遊技者にわかりやすく示すものであるが、例えば、腰部ランプの点灯態様により、あるいは、腰部パネル13そのものを画像表示装置等で構成することにより演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成することもできる。
[1-1-9.情報表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、その点灯態様により遊技に関する情報を表示する情報表示装置14を備える。すなわち、情報表示装置14は、遊技に関する情報を表示可能な情報表示部(手段)を構成する。
情報表示装置14は、例えば、インサートランプと、スタートランプと、リプレイランプと、ベット数ランプと、クレジットランプと、払出数ランプと、指示モニタと、リミットランプ等を含んで構成される。
インサートランプは、点灯することでメダルの投入が可能であることを表示する。スタートランプは、点灯することでスタートレバー7の操作にともなって遊技の開始が可能であることを表示する。リプレイランプは、点灯することで再遊技の作動によりメダルが自動投入されたことを表示する。ベット数ランプは、点灯することでベットされたメダル数を表示する。クレジットランプは、その点灯態様によりクレジットされているメダル数を表示する。払出数ランプは、その点灯態様により遊技結果に応じて払出されたメダル数(払出数)を表示する。
また、指示モニタは、報知ランプ(停止操作表示部)と、区間ランプ(状態表示部)と、を含んで構成される。報知ランプは、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下(例えば、AT状態)において、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で点灯することで、停止操作の情報を表示する。なお、「報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様」とは、例えば、押し順(本実施形態では、これを「打順」として説明する場合がある)「1st(第1停止操作をリール3Lに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「1」を表示し、押し順「2nd(第1停止操作をリール3Cに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「2」を表示し、押し順「3rd(第1停止操作をリール3Rに対して行うこと)」を報知する場合には指示モニタに数値「3」を表示する等の態様のことである。なお、報知ランプは、クレジットランプや払出数ランプとは必ずしも別に設けられていなくともよい。例えば、クレジットランプ又は払出数ランプのいずれかを用いて、停止操作の情報を表示してもよい。
このように、本実施形態では、遊技者に対して停止操作の情報が報知される状況下においては、後述の副制御回路200によって制御されるサブ側報知手段(例えば、メイン演出表示部21)のみならず、後述の主制御回路100によって制御されるメイン側報知手段としての指示モニタにおいても停止操作の情報が報知される。なお、メイン側報知手段における報知の態様と、サブ側報知手段における報知の態様とは、互いに異なる態様であってもよい。すなわち、メイン側報知手段では、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない。例えば、押し順「1st」を報知する場合、指示モニタにおいて数値「1」が表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もある。一方、サブ側報知手段では、停止操作の情報を直接的に報知すればよい。例えば、押し順「1st」を報知する場合、メイン演出表示部21では、リール3Lに対して第1停止操作を行わせるための指示情報を直接的に報知すればよい。
また、区間ランプは、点灯することで現在の状態が後述の有利区間中であることを表示する。区間ランプは、例えば、後述の非有利区間から有利区間に移行するとき、当該有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯し、当該有利区間が終了して非有利区間に移行するとき、当該非有利区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで消灯する。なお、区間ランプの点灯タイミングはこれに限られない。例えば、非有利区間又は有利区間における後述の演出区間(通常有利区間)から最初に有利区間における後述の増加区間(AT状態)に移行するとき、当該増加区間の遊技が開始されるまでの任意のタイミングで点灯するものとしてもよい。すなわち、区間ランプは、演出区間であるか増加区間であるかを問わず有利区間中であることを報せるものであってもよいし、少なくとも最初の増加区間の開始からこれを含めた有利区間が終了するまでの期間を報せるものであってもよい。
また、リミットランプは、その点灯態様により後述のリミット処理が実行されたこと、あるいはその可能性を表示する。例えば、リミット処理が実行された場合に点灯することで遊技者に有利な状態(例えば、AT状態)がリミット処理の実行によって強制的に終了されたことを報せる。また、例えば、リミット処理の実行が近い場合に点滅することで当該有利な状態がリミット処理の実行によって強制的に終了される可能性が高いことを報せる。なお、これら以外にも点灯、点滅又は消灯の契機を設けることで、リミット処理に関するその他の情報を適宜報せることもできる。
[1-1-10.演出表示部]
上述のとおり、パチスロ機1は、演出画像を表示するメイン演出表示部21及びサブ演出表示部22を備える。メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22は、演出表示を行うことが可能な演出表示部(手段)を構成する。また、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。
メイン演出表示部21は、演出表示窓UD1を介して演出表示を行うメイン表示装置210を含んで構成される。また、メイン表示装置210は、キャビネットG内の中間支持板G1上に交換可能に載置された表示ユニットAと、画像表示用の照射光を出射する照射ユニットBと、照射ユニットBからの照射光が照射されることにより画像を出現させるスクリーン装置Cとを有するいわゆるプロジェクションマッピング装置として構成される。なお、本実施形態では、メイン表示装置210をこのように構成することで、高度で、かつ迫力のある演出表示を可能としているが、メイン表示装置210の構成はこれに限られない。すなわち、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能であればよく、液晶表示装置や有機EL等の画像表示装置や7セグメントLED等の表示装置として構成することもできるし、サブリール等の変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、例えば、いわゆる出目によって楽しませることを主体とする遊技性である等の場合には、メイン演出表示部21を設けないように構成することもできる(サブ演出表示部22も同様)。
サブ演出表示部22は、サブ表示装置220を含んで構成される。また、サブ表示装置220は、液晶表示装置として構成される。なお、サブ表示装置220もメイン表示装置210と同様に、他の画像表示装置や表示装置として構成することができるし、変動表示装置やドット表示装置として構成することもできる。また、このような観点より、その形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。また、メイン演出表示部21は、大画面で構成されていることから、押し順の報知や当り報知、あるいは連続演出等といった今回の遊技と密接に関連する演出を主として表示し、サブ演出表示部22は、小画面で構成されていることから、遊技履歴等といった今回の遊技とはそこまで密接に関連しない演出を主として表示するといったように、目的に応じて表示内容を分けて表示することが可能である。また、本実施形態では、メイン演出表示部21及びサブ演出表示部22の2個の演出表示部を設けるように構成しているが、これらのいずれも設けることなく構成することもできるし、これらのうちいずれかのみを設けるように構成することもできる。また、3個以上の演出表示部を設けるように構成することもできる。
[1-1-11.ランプ]
上述のとおり、パチスロ機1は、一例として挙げた上部ランプ23のように、その発光態様(点灯、点滅、あるいは消灯のみならず、フルカラーLEDとして構成される場合にはその輝度や発光色を含む)によって演出を行うことが可能な一又は複数のランプ(発光手段)を備える。また、このような発光手段は、遊技者に対し視覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
なお、後述のランプ・LED類に含まれるその他のランプとしては、例えば、上ドア機構UDの両側端面や下ドア機構DDの両側端面に設けられたサイドランプや各操作部内に設けられた操作部ランプ等を挙げることができる。なお、後者は、それぞれの操作部が操作可能であるか否かを遊技者に報せる機能を含むことから、このような機能を発揮させる場合には演出内容に応じて発光態様を変動させず、一義的な発光態様によって発光するように制御することができる。
[1-1-12.スピーカ]
上述のとおり、パチスロ機1は、効果音やBGM等の音声を出力するスピーカ35a,35bを備える。スピーカ35a,35bは、音声の出力によって演出を行うことが可能な音声出力手段を構成する。また、遊技者に対し聴覚的な観点での演出を実行可能な演出実行手段の1つとして構成される。なお、このような観点より、その数、形状、配置及び大きさ等も適宜変更可能である。
[1-1-13.その他演出装置]
なお、パチスロ機1では、上述の各種演出装置(演出実行手段)以外の演出装置を設けることもできる。例えば、いわゆる役物といった可動演出装置、振動により演出を行う振動演出装置、あるいは空気を噴射することで演出を行うエアー演出装置等の演出装置を設け、演出を実行することも可能である。すなわち、遊技者の五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)のいずれかに訴えかけることができる(遊技者に演出が実行されていることを認識可能とさせる)演出を実行可能な演出装置であれば、それらのうちいずれを用いることもできる。したがって、本実施形態において「演出を実行する」とは、特段の説明がない限り、上述の各種演出装置(演出実行手段)のうち、一又は複数の演出装置のいずれの演出装置を用いて演出を実行してもよいこと示している。
[1-2.内部構造]
[1-2-1.セレクタ]
セレクタ31(図2において符号省略)は、メダル投入口5から投入されたメダルの流下路であって、下ドア機構DDの背面側に設けられている。セレクタ31は、例えば、後述のメダルセンサ31Sと、振分装置とを有している。
メダルセンサ31Sは、メダル投入口5から投入されたメダルを検出するとともに、検出されたメダルが適切なメダルであるか否かを判定する。振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルであると判定された場合であって、メダルの受入れが可能な状態である場合、当該メダルが後述のホッパー装置32側に案内されるように駆動制御される。なお、この場合、ベット数あるいはクレジット数が1加算される。一方、振分装置は、メダルセンサ31Sにより、検出されたメダルが適切なメダルでないと判定された場合、及びメダルの受入れが可能な状態でない場合、当該メダルがキャンセルシュートを通ってメダル払出口11から返却されるように駆動制御される。メダルセンサ31Sによるメダルの検出に異常が発生した場合にはセレクタエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、セレクタ31は、投入された遊技媒体を検出可能な遊技媒体検出部(手段)を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正であるか否かを判定可能な判定手段を構成する。また、セレクタ31は、投入された遊技媒体が適正である場合には内部に貯留する一方、投入された遊技媒体が適正でない場合には外部に排出する振分手段を構成する。また、セレクタ31の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-2.ホッパー装置]
ホッパー装置32は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。ホッパー装置32は、例えば、メダル投入口5から投入され、セレクタ31によって案内されたメダルを貯留するバケット部と、バケット部の底部に設けられ、バケット部に貯留されたメダルを撹拌するとともに、1枚ずつ排出部に案内するディスク部と、ディスク部によって案内されたメダルを1枚ずつ排出する排出部と、排出部から排出されたメダルをカウントするカウントセンサとを有している。
バケット部は、一定数のメダルを貯留可能に構成される。一定数を超えたメダルは、上面側に設けられた案内通路を通って後述のメダル補助収納庫33に案内される。なお、バケット部に貯留されたメダルが空となった場合にはホッパーエンプティエラーが発生する。なお、この場合、メダルを補充した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
ディスク部は、中心から放射状にメダル形状のくり抜き部が複数形成され、駆動信号にしたがって中心軸が回転駆動されることで、くり抜き部に嵌ったメダルを1枚ずつ排出部に案内する。なお、ディスク部が回転することでバケット部に貯留されたメダルが撹拌される。また、ディスク部の回転に異常が発生した場合にはホッパージャムエラーが発生する。なお、この場合、異常の発生要因(例えば、メダル詰まり)を解消した上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
カウントセンサは、排出部から排出されたメダルを検出するとともに、その枚数をカウントする。例えば、1枚のメダルを払出す場合、ディスク部が回転を開始し、続いてカウントセンサが1枚のメダルの払出をカウントしたことに応じてディスク部の回転が停止する。このようにして、適正枚数のメダルが払出されるようにしている。
すなわち、ホッパー装置32は、遊技媒体を払出可能な遊技媒体払出部(手段)を構成する。また、上述のとおり、遊技者に特典を付与する特典付与手段の一部であるともいえる。また、ホッパー装置32の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-3.メダル補助収納庫]
メダル補助収納庫33は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。メダル補助収納庫33は、例えば、ホッパー装置32のバケット部から案内されたメダルを収納する収納部と、収納部の近傍に設けられ、収納部に収納されたメダルの容量を検出するメダル補助収納庫スイッチ33Sとを有している。
収納部は、一定数のメダルを収納可能に構成される。メダル補助収納庫スイッチ33Sにより、当該一定数以上のメダルが収納されたと判定された場合にはメダル補助収納庫エラーが発生する。なお、この場合、収納部に収納されたメダルを少なくとも一定数未満に減らした上で、リセット操作が行われると当該エラー状態が解除される。
すなわち、メダル補助収納庫33は、余剰の遊技媒体を貯留可能な余剰遊技媒体貯留部(手段)を構成する。なお、メダル補助収納庫33の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。また、パチスロ機1が、後述のメダルレス遊技機として構成される場合には、必ずしも必須の構成とはならない。
[1-2-4.電源装置]
電源装置34は、キャビネットG内の下部空間に設けられている。電源装置34は、例えば、電源基板34aと、電源スイッチ34bとを有しており、電源スイッチ34bがオンされることに応じてパチスロ機1に電力を供給する。なお、電源装置34は、家庭用電気製品等と同じく電源ケーブル(不図示)から供給された交流電圧100Vの電力を各部で必要な直流電圧の電力に変換して、変換した電力を各部へ供給する。すなわち、電源装置34は、必要な電力を遊技機に供給可能な電源部(手段)を構成する。なお、電源装置34の構成、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
なお、本実施形態では、後述の設定用鍵型スイッチ52やリセットスイッチ53が主制御基板71(より詳細には後述の主制御基板ケース上)に設けられるように構成しているが、これらのスイッチを電源装置34に設けるように構成することもできる。
[1-2-5.基板]
パチスロ機1は、各種制御に必要な基板として、例えば、以下に示す各基板を備える。なお、以下に示す各基板はあくまで一例であって、これらとは異なる基板を備える構成としてもよいし、これらのうち必ずしも必須のものでない基板については、これを備えない構成としてもよい。
[1-2-5-1.主制御基板]
主制御基板71は、キャビネットG内において、リールユニットRUの背面側に取付けられている。なお、主制御基板71は、遊技に関する制御を行う遊技制御基板であり、その状態が視認可能となるように透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製の主制御基板ケース(不図示)内に収容されている。主制御基板71の電気的構成については後述する。
なお、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、基本的に各種電子部品がDIP実装されて構成されるものとなっているが、各種電子部品の一部又は全部についてSMT実装(表面実装)されて構成されるものとしてもよい。また、この場合、テスターやオシロスコープを用いて動作確認を行うためのテストポイントを設けるようにしてもよい。また、各種電子部品の一部又は全部について6平方mmを超えない小さい電子部品を使用してもよい。また、主制御基板71の基板面を多層化して構成してもよい。
[1-2-5-2.副制御基板]
副制御基板72は、キャビネットG内において、中間支持板G1の裏面側に取付けられている。なお、副制御基板72は、演出に関する制御を行う演出制御基板であり、樹脂製の副制御基板ケース(不図示)内に収容されている。なお、副制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成することもできるし、不透明(あるいは略不透明)に構成された他の材料を用いたケースとして構成することもできる。副制御基板72の電気的構成については後述する。
[1-2-5-3.その他基板]
(主中継基板)
主中継基板73(図2において符号省略)は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、主中継基板73に接続された各種デバイス等と主制御基板71との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、主中継基板73は、制御効率や配線効率の便宜から主制御基板71とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ主中継基板73の機能を全て主制御基板71にもたせ、主中継基板73を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、主中継基板73をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、主中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(副中継基板)
副中継基板74は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下ドア機構DDの背面側)に取付けられており、副中継基板74に接続された各種デバイス等と副制御基板72との間、及び主制御基板71と副制御基板72との間を中継するための中間制御基板である。なお、副中継基板74は、制御効率や配線効率の便宜から副制御基板72とは別の基板として構成されたものであるため、特段の支障がなければ副中継基板74の機能を全て副制御基板72にもたせ、副中継基板74を設けない構成とすることもできる。また、このような観点より、副中継基板74をさらに複数の中継基板に分割し、制御効率や配線効率の向上を図るようにしてもよい。すなわち、副中継基板として複数の基板を設けるようにしてもよい。
(外部集中端子板)
外部集中端子板55は、キャビネットG内の特定位置(例えば、下部空間の奥側)に取付けられており、例えば、メダル投入信号、メダル払出信号、外部信号1~4及びセキュリティ信号等の信号をパチスロ機1の外部へ出力する。なお、外部信号1~4は、その出力開始条件及び出力終了条件を適宜設定可能であり、その遊技性に応じてパチスロ機1の内部状態(例えば、ボーナス状態やAT状態)の遷移を外部に報せることを可能としている。そして、外部集中端子板55は、通常、外部のデータ表示機やホールコンピュータに接続されることから、これらの機器においても、パチスロ機1におけるメダルの投入・払出状況やエラーの発生状況のみならず、そのような内部状態の遷移状況が認識可能となっている。
(試験機用インターフェースボード)
試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302は、ともにパチスロ機1の検定試験(試射試験)において、遊技に関する各種信号を試験機に出力する際に用いられる中継基板である(なお、販売用のリリース製品としてのパチスロ機1にはこれらの中継基板は搭載されていないので、販売用の主制御基板71には、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302に接続するために必要な各種電子部品もまた実装されていない)。例えば、遊技に係る主要な動作(例えば、内部抽籤、リール停止制御等)を制御するための試験信号は、試験機用第1インターフェースボード301を介して出力され、また、主制御基板71で決定された押し順ナビに係る試験信号等は、試験機用第2インターフェースボード302を介して出力される。
[2.パチスロ機の電気的構成]
続いて、図3を参照して、パチスロ機1の電気的構成について説明する。なお、図3は、パチスロ機1の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機1は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71と主中継基板73、主中継基板73と副中継基板74、及び副中継基板74と副制御基板72は、それぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板71と副制御基板72は、主中継基板73及び副中継基板74を介して、主制御基板71から副制御基板72に対して一方向のシリアル通信が可能となるように電気的に接続されている。
主制御基板71には、遊技に関する制御を行う遊技制御部としての主制御回路100が実装されている。主制御回路100は、例えば、メインCPU101、メインROM102、メインRAM103、クロックパルス発生回路(不図示)、乱数回路(不図示)等を含んで構成される。メインROM102には、メインCPU101により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、副制御回路200に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM103には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。クロックパルス発生回路は、メインCPU101作動用のクロックパルス信号を生成する。乱数回路は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~65535又は0~255等)を発生させる。メインCPU101は、生成されたクロックパルス信号に基づいて各種制御プログラムを実行する。また、発生された乱数の中から必要に応じて一又は複数の値を乱数値として抽出する。このようにして、遊技動作全般に係る制御を行う。
副制御基板72には、演出に関する制御を行う演出制御部としての副制御回路200が実装されている。副制御回路200は、例えば、サブCPU201、サブRAM203等を含んで構成される。また、副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202が接続されている。ロムカートリッジ基板202には、サブCPU201により実行される各種制御プログラム、各種データテーブル、各種演出データ(例えば、メイン表示装置210に係る映像データや駆動データ、サブ表示装置220に係る映像データ、ランプ・LED群に係るランプデータ、スピーカ群に係るサウンドデータ等)等が記憶される。サブRAM203には、制御プログラムの実行により決定された演出内容や各種演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される各種制御指令(コマンド)に係るデータを格納する格納領域等が設けられる。なお、演出に係る演出用乱数値については、予め定められた範囲の乱数(例えば、0~32767等)の中から、サブCPU201内で発生及び抽出が行われるようにしてもよいし、主制御回路100と同様に乱数回路を設けることでその発生及び抽出が行われるようにしてもよい。また、ロムカートリッジ基板202ではなく、副制御回路200内にサブROMが含まれるようにし、各種制御プログラム等はサブROMに記憶されるように構成してもよい。また、ロムカートリッジ基板202に各種演出データを記憶させ、副制御回路200内のサブROMに各種制御プログラム及び各種データテーブルを記憶させるように構成してもよい。また、副制御回路200には、GPU等の画像専用のマイクロプロセッサ(例えば、「VDP」とも称される)が含まれるようにし、これによってメイン表示装置210やサブ表示装置220で表示される映像を生成(編集)するように構成してもよい。
主制御基板71には、ステッピングモータ51L,51C,51R、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
なお、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14、試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
各ステッピングモータ51L,51C,51Rは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3L,3C,3Rに接続され、その駆動により各リール3L,3C,3Rを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3L,3C,3Rが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51L,51C,51Rに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3L,3C,3Rの図柄位置を管理する。また、各リール3L,3C,3Rには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
設定用鍵型スイッチ52は、パチスロ機1の設定値(例えば、6段階の設定1~設定6)を変更するとき(設定変更)、もしくは、パチスロ機1の設定を確認するとき(設定確認)に使用される。ここで、設定値は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示すものであり、通常は、設定値が低いほど(例えば、設定1に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に低くなり、設定値が高いほど(例えば、設定6に近いほど)遊技者の有利さの度合いが相対的に高くなる。設定用鍵型スイッチ52は、例えば、遊技店側の管理者が鍵穴に設定キー(不図示)を挿入して初期位置から左に回すとオン状態となり、左に回した状態から初期位置に戻すとオフ状態となる。なお、パチスロ機1の電源がオフ状態のとき、設定用鍵型スイッチ52をオン状態としてから電源をオン状態とすると設定変更が可能な状態となり、パチスロ機1の電源がオン状態のままで設定用鍵型スイッチ52をオン状態とすると設定確認が可能な状態となる。
リセットスイッチ53は、遊技店側の管理者によるリセット操作を検出可能としている。リセット操作は、各種のエラー状態を解除するための操作である。また、リセットスイッチ53は、設定変更が可能な状態において、遊技店側の管理者による設定値決定操作を検出可能としている。なお、設定変更が可能な状態においてリセットスイッチ53が操作されると、操作される度に設定値が順次1ずつ増加する(設定6まで到達すると次は設定1に戻る)。このようにして、設定値決定操作が行えるようになっている。また、このように決定された設定値は、その後スタートレバー7が1回操作されると確定する。すなわち、スタートスイッチ7Sは、遊技店側の管理者による設定値確定操作を検出可能としている。このように、設定変更を行う場合には、設定用鍵型スイッチ52をオン状態とし、リセットスイッチ53を操作して設定値を選択し、スタートレバー7を操作して選択した設定値を確定させた後、設定用鍵型スイッチ52をオフ状態とするといった設定変更操作が必要となっている。なお、これは、設定変更操作の一例であり、他の操作によって設定変更を行い得るように構成することもできる。また、設定変更や設定確認に際しては、例えば、上述のクレジットランプあるいは払出数ランプにおいて現在の設定値が表示されるものすればよい。
役比モニタ装置54は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、主制御基板ケースの内部に設けられる。役比モニタ装置54は、メインCPU101によって集計・算出された遊技に関する各種割合情報を順次表示する。これらの割合情報は、遊技店の管理者がパチスロ機1に不正改造がないかを確認する際等に使用される。なお、役比モニタ装置54は、主制御基板71上に実装されるようにしてもよいし、主制御基板71に接続された他の基板(例えば、割合表示基板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、主制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、役比モニタ装置54における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に上述の各種割合情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14を役比モニタ装置54と兼用して用いる構成としてもよい。また、電源投入直後又は電源投入から所定時間(例えば、10秒程度。主制御回路100及び副制御回路200の立ち上げに要する時間を考慮したバッファとなる時間)の経過後に、役比モニタ装置54の4桁の7セグメントLEDが正常に機能していることを確認可能とするため、例えば、「8.8.」といったようなテストパターン(全てのセグ及びデシマルのLEDが点灯するパターン)で所定期間点灯(ないし点滅)させる構成とすることが望ましい。
役比モニタ装置54では、例えば、上位2桁にはその割合情報の種類が表示され、下位2桁にはその割合情報を示す値(%)が表示される。ここで、役比モニタ装置54に表示される各種割合情報には、例えば、累計の特定区間割合情報、直近6000ゲーム間の連続役物割合情報及び役物割合情報、累計の連続役物割合情報及び役物割合情報等がある。
特定区間割合情報とは、対象の遊技数(例えば、「累計」であれば175000ゲーム。「直近6000ゲーム」であれば6000ゲーム。以下同じ)の遊技区間のうち、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)の遊技数(あるいは、単に有利区間中の遊技数であってもよい)の割合を示す情報である。また、連続役物割合情報とは、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)の作動中(第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む)に払出されたメダル数の割合を示す情報である。また、役物割合情報は、対象の遊技数の遊技区間において払出されたメダル数のうち、第一種特別役物(RB)、第二種特別役物(CB)、及び普通役物(SB)の作動中に払出されたメダル数の割合を示す情報であり、ここでの第一種特別役物(RB)の作動中とは、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)が作動している状態における第一種特別役物(RB)の作動中を含む概念であり、また、第二種特別役物(CB)の作動中とは、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)が作動している状態における第二種特別役物(CB)の作動中を含む概念である。
なお、遊技者に有利な停止操作の情報の報知が行われていた遊技区間(例えば、AT状態)を役物の作動中、あるいは役物連続作動装置の作動中としてとらえ、それぞれの割合情報において集計・算出の対象とすることもできる。すなわち、役比モニタ装置54は、必要な割合情報を適切に表示するものであればよく、表示可能な各種割合情報はこれらに限定されない。また、例えば、第一種特別役物(RB)が搭載されていない機種において連続役物割合情報を表示する場合、あるいは有利区間機能(AT機能)が搭載されていない機種において特定区間割合情報を表示する場合等、該当する数値情報(対応情報)が存在しない機種においては、当該項目の表示時に、4桁の7セグメントLEDのうちの数値情報(割合を示す%情報)を表示する下2桁の7セグメントLEDにおいて、例えば、「- -」といったように、中央の縦棒2本を点灯表示させる等の非対応情報用識別表示を行うことで、対応情報が存在しない機種である点を確認者が一目で認識可能とすることが望ましい。
ドア開閉監視スイッチ56は、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの背面側に設けられるように構成してもよいし、キャビネットG側に設けられるように構成してもよい。また、上ドア機構UDにも同様のドア開閉監視スイッチが設けられるように構成してもよい。ドア開閉監視スイッチ56は、下ドア機構DDが開放状態となったときにオン状態となり、閉鎖状態となったときにオフ状態となることで、下ドア機構DDの開閉を監視する。なお、ドア開閉監視スイッチ56がオン状態となるとドア開放エラーが発生する。この場合、下ドア機構DDを閉鎖状態とすると当該エラー状態が解除される。
副制御基板72には、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220が電気的に接続されている。また、副制御基板72には、副中継基板74を介して、24hドア監視ユニット61、演出用ボタン10a,10b等の演出用ボタン群、上部ランプ23等のランプ・LED類、スピーカ35a,35b等のスピーカ群が電気的に接続されている。
なお、ロムカートリッジ基板202、メイン表示装置210、サブ表示装置220、演出用ボタン群、ランプ・LED類及びスピーカ群についてはすでに説明したため、ここでの説明は省略する。
24hドア監視ユニット61は、ドア開閉監視スイッチ56と同様に、例えば、下ドア機構DDの開閉側(右側)に設けられる。なお、下ドア機構DDの開閉を監視するという機能を有する点においてはドア開閉監視スイッチ56と同じであるが、このような監視を副制御回路200側でも行い得るようにすることで、さらに下ドア機構DDの開閉履歴を一定期間保存することができるようにしている。なお、この開閉履歴は、後述のホールメニューから確認することができる。したがって、例えば、営業時間外であって、遊技店の管理者が退出した後に開放履歴があった場合や、営業時間内において長時間にわたって開放された開閉履歴があった場合には、これにより不正行為が行われた可能性が高いことを認識できるようになっている。
[3.パチスロ機の機能フロー]
続いて、図4を参照して、パチスロ機1の機能フローについて説明する。なお、図4は、パチスロ機1の機能フローを説明するための図である。
遊技者によりパチスロ機1にメダルが投入され(ベット操作が行われ)、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、予め定められた範囲(例えば、0~65535)の乱数から1つの乱数値(本実施形態では、これを「内部抽籤用乱数値」として説明する場合がある)が抽出される。
内部抽籤手段(後述の内部抽籤処理を行うメインCPU101)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、有効ライン上に表示されることが許可される図柄の組合せが事前に決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「はずれ」に係るものとが設けられる。なお、メダルの払い出しに係る役を「小役」と称し、再遊技(リプレイ)の作動に係る役を「リプレイ役」と称し、ボーナス(ボーナス状態)の作動に係る役を「ボーナス役」と称する。また、内部当籤し得る役(すなわち、成立が許可される図柄の組合せ)は、単に「役」と称されることがある。また、内部当籤役は、「当籤役」、「事前決定結果」、あるいは「導出許容条件」等と称されることがある。また、内部抽籤手段は、「役決定手段」、「当籤役決定手段」、「事前決定手段」、あるいは「導出許容条件決定手段」等と称されることがある。
また、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりリール(各リール3L,3C,3R)に対応するストップボタン(各ストップボタン8L,8C,8R)が操作される(停止操作が行われる)と、リール停止制御手段(後述のリール停止制御処理を行うメインCPU101)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミング(あるいはその押し順を含む)とに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。なお、開始操作を行うための操作手段は、スタートレバー7のようにレバー形状をしたものに限られず、遊技者が開始操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。また、停止操作を行うための操作手段は、各ストップボタン8L,8C,8Rのようにボタン形状をしたものに限られず、遊技者が停止操作を行うことが可能であれば、どのような操作手段であってもよい。
パチスロ機1では、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転にともなって移動する図柄の数を「滑り駒数」という。そして、本実施形態では、規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4駒分)の規定時間内に、その図柄の組合せが有効ライン上に極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが有効ライン上に表示されないようにリールの回転を停止させる。なお、リールの回転が停止したときに表示された図柄は、「停止表示」、あるいは「表示結果」等と称されることがある。また、リールの回転が停止したときに図柄が表示されることは、「停止表示の導出」、あるいは「表示結果の導出」等と称されることがある。
また、リール停止制御手段は、リールが回転してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合には、遊技者が停止操作を行っていない場合でも、自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしてもよい。この場合には、遊技者の停止操作を介さずにリールが停止することとなるため、いずれかの内部当籤役が決定されている場合であっても、いずれの入賞に係る図柄の組合せも有効ラインに沿って表示されていないようにリールの回転を停止させることが望ましい。
このようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述の入賞作動判定処理を行うメインCPU101)は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)であるか否かの判定を行う。すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立したか否かの判定を行う。そして、表示された図柄の組合せが、入賞判定手段により入賞に係るもの(あるいは、その他予め定められたもの)である(すなわち、入賞に係る図柄の組合せ(あるいは、その他予め定められた図柄の組合せ)が成立した)と判定されると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられ、あるいは、それを契機として各種の制御が行われる。パチスロ機1では、一例として、以上のような一連の流れで1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、入賞判定手段は、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、単に予め定められた複数の図柄の組合せのうちのいずれかの図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよいし、内部抽籤手段によって決定された内部当籤役に係る図柄の組合せに該当するか否かを判定するものであってもよい。すなわち、前者では、内部当籤役と切り離して、入賞に係る図柄の組合せであるか否かを判定するものであってもよい。この場合、リール停止制御手段によって適切に停止制御が行われる限り、誤入賞の発生の防止は十分に担保され得ることから、誤入賞検知に係る制御負担を低減させることが可能となる。一方、後者では、入賞に係る図柄の組合せが、入賞が許可されていた図柄の組合せであるか否かも判定可能とすることで、リールの不具合等により誤入賞が発生した場合に、その誤入賞を検知することができるため、セキュリティ性を向上させることが可能となる。
また、パチスロでは、前述した一連の遊技動作の流れの中で、表示装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220等)による映像の表示、各種ランプ(例えば、上部ランプ23等)による光の出力、スピーカ(例えば、スピーカ35a,35b等)による音の出力、或いは、これらの組合せを利用して様々な演出が行われる。すなわち、これらは演出を実行する演出実行手段である。なお、演出実行手段により実行される演出の内容は、主制御回路100側(メイン側)で決定される場合もあれば、副制御回路200側(サブ側)で決定される場合もある。すなわち、これらはそのいずれもが演出内容決定手段となり得る。
例えば、スタートレバー7が操作される(開始操作が行われる)と、内部抽籤用乱数値とは別に、演出用乱数値が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応付けられた複数種類の演出内容の中から今回実行する演出を抽籤によって(あるいは予め定められた決定条件にしたがって)決定する。
次いで、演出内容決定手段により演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、例えば、内部当籤役に対応付けられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(狙うべき図柄の組合せや操作すべき押し順等と換言することもできる)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[4.パチスロ機の遊技性に関する基本仕様]
続いて、パチスロ機1の遊技性に関する基本仕様について説明する。
[4-1.図柄配置]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数の図柄が変動表示及び停止表示されることで遊技が行われる仕様となっている。したがって、主制御回路100は、各リール3L,3C,3Rにおいて、どの図柄がどの位置に配置されているかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、少なくとも各リール3L,3C,3Rそれぞれの各図柄位置にある図柄の種類を識別するためのデータが記憶されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄配置テーブル(図9参照)を用いている。
図柄配置テーブルには、各リール3L,3C,3Rそれぞれの回転方向における各図柄位置を示す図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)が規定されている。また、各図柄位置データに対して図柄の種類を特定するためのデータ(例えば、図柄コード)が対応付けられている。また、図柄配置テーブルでは、リールインデックスが検出されたときにメイン表示窓4の枠内における各リールの中段領域に位置する図柄の位置を「0」と規定している。なお、各列の図柄数、図柄の種類数、あるいは最大滑り駒数等は適宜変更して規定可能である。
[4-2.図柄組合せ]
上述のとおり、パチスロ機1では、表示された図柄の組合せが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、表示された図柄の組合せに応じて、各種特典を付与したり、現在の状態から相対的に有利な状態に移行させたり、現在の状態から相対的に不利な状態に移行させたりすることを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような図柄の組合せについて把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような図柄の組合せを特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の図柄組合せテーブル(図11~図14参照)を用いている。
図柄組合せテーブルには、有効ライン上に表示され得る図柄の組合せのうちで予め定められた複数の図柄の組合せの種類を示すデータ(例えば、「表示役」あるいは「入賞作動フラグ」)が規定されている。なお、それぞれの図柄の組合せを構成する図柄は、例えば、上述の図柄コード等を用いて特定することができる。また、各図柄の組合せに対して特典等の種類を示すデータ(例えば、「払出等」)が対応付けられている。また、図柄組合せテーブルは、基本的に後述の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域(図17参照)と対応するデータ構成となっている。なお、図柄の組合せの種類数、あるいは特典の付与内容等は適宜変更して規定可能である。
[4-3.内部当籤役]
上述のとおり、パチスロ機1では、いずれの図柄の組合せが表示されることが許可されるか(事前に決定されるか)が遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、遊技者の停止操作に先立って(事前に)、内部当籤役(すなわち、表示され得る図柄の組合せの種類(あるいは、付与され得る特典の種類))を決定することを可能としている。したがって、主制御回路100は、このような内部当籤役について把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような内部当籤役を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として後述の内部抽籤テーブル(図10参照)を用いている。
内部抽籤テーブルには、予め定められた複数の内部当籤役の種類を示すデータ(例えば、「No.」あるいは「当籤番号」)と、各遊技状態において各内部当籤役が決定される抽籤値とが規定される。なお、抽籤値は、設定された設定値によっても変動する場合がある。また、各内部当籤役に対して表示が許可される(対応する)図柄の組合せの種類が対応付けられている。なお、パチスロ機1では、1つの内部当籤役に対して複数の図柄の組合せを対応付けることを可能としており、このような内部当籤役が決定された場合、いずれの図柄の組合せが表示されるかは停止制御によって決定されるものとなっている。
ここで、例えば、本実施形態の後述の内部抽籤処理(図26参照。より詳細には、S64の内部当籤役決定処理)では、まず、乱数回路によって予め定められた数値の範囲(例えば、0~65535)から抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次加算更新する。次いで、抽籤結果(抽籤値+乱数値)が65535を超えたか否か(抽籤結果がオーバーフローしたか否か)の判定を行う。そして、所定の内部当籤役において、当該判定の結果が65535を超えた場合、当該内部当籤役に当籤させる(当該内部当籤役を決定する)。もっとも、全ての内部当籤役について当該判定を行っても65535を超えるものがなかった場合、今回の遊技における内部当籤役は「はずれ」となる。なお、これはあくまで内部抽籤処理の一例であり、抽籤値(当籤確率)に応じて適切な抽籤が行われる限り、その抽籤処理の手法は種々の手法を採用することができる。例えば、抽出された乱数値を、各内部当籤役に対応して規定された抽籤値で順次減算更新し、次いで、減算結果(抽籤結果)が0を下回ったか否か(抽籤結果がアンダーフローしたか否か)を判定して、内部当籤役を決定してもよい。
このように、内部抽籤テーブルにおいては、規定されている抽籤値の数値が大きい内部当籤役ほど決定される確率(当籤確率)が高くなる。なお、各内部当籤役の当籤確率は、「各当籤番号に規定された抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(乱数分母:65536)」によって表すことができる。
[4-4.停止制御]
上述のとおり、パチスロ機1では、内部当籤役の決定によって表示されることが許可された図柄の組合せのうち、遊技者の停止操作によって最終的にいずれの図柄の組合せを表示させるかが遊技結果に影響を与える仕様となっている。すなわち、パチスロ機1は、決定された内部当籤役の種類のみならず、遊技者の停止操作タイミングや押し順(「停止操作態様」や「停止操作手順」とも称される)によって最終的に表示される図柄の組合せの種類を変動させる(決定する)制御(停止制御)を行うことを可能としている。したがって、主制御回路100は、各内部当籤役に対して、遊技者の停止操作態様に応じてどのような態様で停止制御を行うかを把握可能に構成されている必要がある。このため、メインROM102には、このような停止制御の態様を特定するためのデータが規定されている。なお、このような目的が達成される限り、そのデータ構成は種々の構成を採用することができるが、本実施形態では、その一例として停止テーブルや引込優先順位テーブル(不図示)等を用いている。
停止テーブルには、各リール3L,3C,3Rの各図柄位置データに対して、図柄の移動量を示すデータ(例えば、「滑り駒数」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の停止テーブルが選択されたとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置(停止操作が行われたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データ)が「0」であったとする。そして、所定の停止テーブルにおいて、図柄位置データ「0」に規定された滑り駒数が「4」であったとする。そうすると、主制御回路100は、4図柄分移動した図柄位置(図柄位置データ「4」の位置)でリール3Lを停止させる(停止予定位置が「4」となる)ように制御を行う。このように、停止テーブルには、停止させる位置を直接的に決定することを可能とするデータ(滑り駒数)が規定されている。なお、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような停止テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「テーブル制御」と称される。
引込優先順位テーブルには、表示されることが許可された図柄の組合せが複数ある場合に、いずれの図柄の組合せを優先的に表示させるか(引込むか)を示すデータ(例えば、「引込優先順位」)が規定されている。例えば、所定の内部当籤役が決定された遊技において所定の引込優先順位テーブルが選択されたとする。ここで、所定の内部当籤役は、図柄組合せAと図柄組合せBの表示を許可するものとし、所定の引込優先順位テーブルは、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるように引込優先順位が規定されているものとする。次いで、回転中のリール3Lに対して停止操作が行われたとする。このとき、停止開始位置が「0」であったとする。
そうすると、主制御回路100は、停止開始位置を含めた最大滑り駒数(例えば、「4」)の範囲内の各図柄位置について、図柄組合せAを構成する図柄と図柄組合せBを構成する図柄があるかどうかを検索する。双方の図柄がなければ、予め定められたルール(例えば、より近い位置で停止させる、より遠い位置で停止させる等)にしたがって停止させる位置を決定する。図柄組合せAを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。図柄組合せBを構成する図柄のみがあれば、当該図柄に対応する位置で停止させることを決定する。双方の図柄があれば、図柄組合せAよりも図柄組合せBを優先的に表示させるのであるから、図柄組合せBを構成する図柄に対応する位置で停止させることを決定する。なお、引込優先順位は、選択された引込優先順位テーブルにしたがって、対象となるリールの回転中に全図柄位置について格納されるようにしてもよいし、対象となるリールに対して停止操作が行われたときに、停止開始位置を含めた最大滑り駒数の範囲内の各図柄位置について格納されるようにしてもよい。また、このようなデータ構成もあくまで一例である。また、このような引込優先順位テーブルを用いて停止制御を行うことは、一般的に「コントロール制御」と称される。
なお、本実施形態では、「テーブル制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできるし、「コントロール制御」のみを行うことによって停止制御を実行する構成とすることもできる。あるいは、まず「テーブル制御」を行うことによって停止させる位置を仮決定し、次に「コントロール制御」を行うことによってより適切な停止位置があるかを検索し、検索結果によっては停止させる位置を変更することを可能とする停止制御を実行する構成とすることもできる。
このように、パチスロ機1では、最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せがどの図柄の組合せとなるかは、例えば、以下の3つの要素に基づいて決定される。
第1の要素は、決定された内部当籤役(内部抽籤処理の抽籤結果)である。例えば、内部抽籤処理の結果が「はずれ」であった場合、いずれかのリプレイ役に係る図柄の組合せ、小役に係る図柄の組合せ又はボーナス役に係る図柄の組合せが最終的に有効ライン上に表示されることはない。なお、「はずれ」は、内部当籤役の1つであると捉えることもできるし、内部当籤役が決定されなかった抽籤結果であると捉えることもできる。
第2の要素は、遊技者の停止操作タイミング(遊技者がいずれかのストップボタンを操作したときの図柄の位置(押下位置))である。例えば、本実施形態においては、最大滑り駒数として図柄4個分が定められているため、内部抽籤処理の結果、いずれかの内部当籤役に当籤していたとしても、表示が許可されている図柄の組合せを構成する図柄が有効ライン(複数ある場合には各有効ライン)に対して図柄4個分を超えて配置されていた場合には、遊技者の停止操作タイミングによっては当該図柄の組合せが表示されない場合がある。これをいわゆる「取りこぼし」という。
第3の要素は、遊技者の押し順(遊技者がストップボタンを操作した順番)である。例えば、本実施形態においては、複数の図柄の組合せが対応付けられた内部当籤役が決定される場合があり、この場合には、遊技者の押し順に応じて最終的に有効ライン上に表示される図柄の組合せが変動する場合がある。なお、このような内部当籤役を「押し順役」といい、それがリプレイ役の場合には「押し順リプレイ」と称されることがあり、小役の場合には「押し順小役」と称されることがある。
[4-5.遊技状態]
パチスロ機1では、遊技者の有利度合いを変動させるため、あるいは企図した遊技性とするために、遊技を行う状態として種々の遊技状態を設けることが可能となっている。以下、その遊技状態の一例について説明する。
[4-5-1.ボーナス状態]
パチスロ機1では、ボーナス役に当籤し、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合に、ボーナス状態に移行させる(ボーナス状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなボーナス状態を設けないように構成することもできる。また、複数種類のボーナス役を設けることで、複数のボーナス状態を設けるように構成することもできる。ボーナス役に当籤すると、当該ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまで複数回の遊技にわたって当該ボーナス役が内部当籤役として持越された状態(持越状態)が発生する。このようなボーナス役は「持越役」と称されることがある。また、このような持越状態は「(ボーナス)フラグ間」や「(ボーナス)内部中」等と称されることがある。
ボーナス状態は、ボーナス状態が作動していない状態(非ボーナス状態)に対して小役の抽籤態様(当籤確率やその内容、あるいは停止制御の態様等も含む。以下同じ)を変動させることが可能な状態となっている(リプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態ともなっているため、ボーナス状態を後述のRT状態の一態様として捉えることもできる)。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、ボーナス状態は非ボーナス状態よりも不利な遊技状態となる。
ボーナス役としては、例えば、第一種特別役物(RB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)、第二種特別役物(CB)(ただし持越役ではない)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)、及び普通役物(SB)(ただし持越役ではない)等を挙げることができる。また、例えば、各ボーナス役に対応するボーナス状態は以下のように構成される。RB状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は285枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。
CB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。MB状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は153枚)を超えるメダルの払出があった場合、あるいはMB状態中にRBやSBに当籤した場合に終了する遊技状態として構成される。SB状態は、1回の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。
なお、ボーナス状態の作動条件は、ボーナス役に係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことのみに限られない。例えば、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動中においては、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)の作動開始時、第一種特別役物の作動中ではない場合の遊技開始時、あるいは第一種特別役物の作動終了時等において自動的に第一種特別役物(RB)を作動させるように構成することもできる。すなわち、RBに係る図柄の組合せを規定することなく、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御することもできる。ここで、BB作動中のRBは「JAC」等と称されることがあり、このように自動的にBB作動中のRBが作動する仕様は「オートJAC」等と称されることがある。また、BBの作動中においては、規定されたRBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってRBの作動中となるように制御することもできる。このように対応する図柄の組合せの表示に基づいてRBが作動する仕様は「マニュアルJAC」等と称されることがある。また、第二種特別役物に係る役物連続作動装置(MB)と、第二種特別役物(CB)との関係も同様である。すなわち、CBに係る図柄の組合せを規定することなく、MBの作動中は常にCBの作動中となるように制御することもできるし、MBの作動中においては、規定されたCBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示されたことをもってCBの作動中となるように制御することもできる。
[4-5-2.RT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、RT状態に移行させる(RT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなRT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のRT状態を設けるように構成することもできる。RT状態は、RT状態が作動していない状態(非RT状態)に対してリプレイ役の抽籤態様を変動させることが可能な状態となっている。したがって、このような抽籤態様が遊技者に相対的に有利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも有利な遊技状態となる。一方、このような抽籤態様が遊技者に相対的に不利な抽籤態様となる場合には、RT状態は非RT状態よりも不利な遊技状態となる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。なお、この場合、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に有利なRT状態は「高RT状態」や「高確率再遊技状態」等と称され、リプレイ役の抽籤態様(特に、当籤確率)が遊技者に相対的に不利なRT状態は「低RT状態」や「低確率再遊技状態」等と称されることがある。
RT状態は、例えば、以下のいずれの移行条件の成立によって移行させることができる。また、複数のRT状態を設ける場合、当該複数のRT状態間についても同様である。
(1)RB、BB又はMBに当籤したとき
(2)RB、BB又はMBに係る図柄の組合せが表示されたとき
(3)RB状態、BB状態又はMB状態が終了したとき
(4)RB、BB又はMBに当籤しておらず(持越されておらず)、RB状態、BB状態又はMB状態中でもない場合において、特定の図柄の組合せが表示されたとき
(5)(3)又は(4)の移行条件成立後に予め定められた回数の遊技が行われたとき
[4-5-3.AT状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、AT状態に移行させる(AT状態を作動させる)ことが可能となっている。なお、このようなAT状態を設けないように構成することもできる。また、複数のAT状態を設けるように構成することもできる。AT状態は、例えば、上述の押し順役に当籤したときに、遊技者に有利な停止操作の情報が報知されることにより、AT状態が作動していない状態(非AT状態)よりも有利な状態として構成される遊技状態である。
なお、複数のAT状態を設ける場合、それぞれのAT状態の遊技期間(当該期間の延長(あるいは「上乗せ」ともいう。以下同じ)を可能とする場合には延長のされやすさ等を含む)、停止操作の情報が報知される報知対象役の種類、あるいは停止操作の情報の報知が発生する発生確率等をそれぞれ異なるものとすることで、遊技者の有利度合いを変動させることができる。また、AT状態の移行条件及び終了条件は、遊技性に応じて適宜設定可能である(ただし後述のリミット処理の実行による終了を除く)。また、AT状態は、あたかも上述のボーナス状態と同様に扱われる場合があり、この場合には「疑似ボーナス状態」等と称されることがある。
また、AT状態の遊技期間は、当該期間が適切に管理される限り、ゲーム数(遊技回数)によって管理されるようにしてもよく(ゲーム数管理)、所定ゲーム数を1セットとし、セット数によって管理されるようにしてもよい(セット数管理)。また、AT状態中の払出数や純増数(差枚数)によって管理されるようにしてもよい(払出数管理、差枚数管理)。また、AT状態においてメダルの払出に影響を与える報知(例えば、押し順小役当籤時の押し順ナビ)を行った回数(ナビ回数)によって管理されるようにしてもよい(ナビ回数管理)。また、AT状態が延長される場合も同様である。また、AT状態に移行したときに付与される遊技期間と、AT状態が延長されるときに付与される遊技期間とは異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。また、複数のAT状態を設ける場合、同じ管理手法によって管理されるようにしてもよく、異なる管理手法によって管理されるようにしてもよい。
[4-5-4.ART状態]
パチスロ機1では、予め定められた移行条件が成立した場合に、上述の高RT状態とAT状態を組合せたART状態に移行させる(ART状態を作動させる)ことが可能となっている。すなわち、ART状態とは、高RT状態において行われるAT状態を意味するものであるから、RT状態として少なくとも低RT状態と高RT状態とを設け、高RT状態に移行させる(あるいは低RT状態に移行することが回避される)制御が行われる点でAT状態と相違するものの、基本的な制御はAT状態と同様である(遊技者に有利な停止操作の情報が報知される結果として高RT状態に移行する(あるいは低RT状態に移行することが回避される)ものであれば、AT状態と同義であるともいえる)。なお、ART状態の移行条件が成立した場合、まずAT状態に移行し、その後高RT状態に移行することでART状態に移行するものであってもよいし、高RT状態及びAT状態に同時(あるいは略同時)に移行することでART状態に移行するものであってもよい。
[4-5-5.その他遊技状態]
なお、パチスロ機1では、上述の各種遊技状態以外の遊技状態を設けることもできる。例えば、後述の有利区間中の各モード(図5及び図6参照)であるが、これらも遊技者が遊技を行う状態であって、疑似ボーナス状態としてのAT状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得るものであることから、これらを遊技状態として捉えることができる。また、同様の観点より、例えば、ボーナス状態に移行するか否かの有利度合いを変動させ得る遊技状態を設けることができる。例えば、ボーナス役に当籤している(持越されている)場合に、停止制御によってボーナス役に係る図柄の組合せが表示されやすい遊技状態と、これよりも当該ボーナス役に係る図柄の組合せが相対的に表示されにくい遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。また、例えば、ボーナス役が所定の確率で当籤する(当籤しやすい)遊技状態と、当該ボーナス役が当該所定の確率よりも低い確率で当籤する(相対的に当籤しにくい)遊技状態とを設けることで、遊技者の有利度合いを変動させ得るように構成することもできる。
また、AT状態に移行するか否か(AT状態において当該AT状態の遊技期間を延長するか否かも含み得る。以下同じ)の有利度合いを変動させ得る手法としては、以下のような手法を採用することもできる。例えば、内部当籤役として「特定役」が決定され得るようにする。当該特定役は、遊技者の停止操作態様(停止操作タイミングであってもよいし、押し順であってもよいし、これらの組合せであってもよい)に応じて付与されるメダル数が変動するものとする(例えば、停止操作態様が適切(正解)であれば8枚の払出、不適切(不正解)であれば1枚の払出又は払出なし)。
そして、特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技においてAT状態に移行するか否かの有利度合いを有利なものに変動させるか否かの決定(直接AT状態に移行させるか否か、あるいは直接当該AT状態の遊技期間を延長するか否かの決定も含み得る。以下「有利決定」として説明する)を行わない。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。あるいは、上述の特定の遊技状態において当該特定役に当籤した場合、8枚の払出があった場合には今回の遊技において当該有利決定を行う。一方、8枚の払出がなかった場合には今回の遊技において当該有利決定を行わない。
このように、遊技者が特定の遊技方法で遊技を行った場合に、その遊技結果として今回の遊技において有利決定が行われる場合と、当該有利決定が行わない(有利決定が行われることが制限される)場合とがあるように構成することもできる。なお、今回の遊技と次回の遊技で遊技者が替わる場合もあり、このような制限が次回の遊技以降も継続する場合には、(次の)遊技者が著しい不利益を被るおそれがあることから、このような制限は今回の遊技限りとし、次回の遊技以降には継続しないものとすることが望ましい。また、このような制限は「ペナルティ」と称されることがある。
[4-6.遊技区間]
パチスロ機1では、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、上述の遊技状態とは異なる概念で遊技を行う状態として種々の遊技区間を設けることが可能となっている。以下、その遊技区間の一例について説明する。なお、遊技区間は、大別すると非有利区間と有利区間から構成される。
(非有利区間)
非有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能でない遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことはできない。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することはできない。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、初期状態として非有利区間が設定される。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合(すなわち、有利区間中の遊技の進行にともなって更新される所定値(例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタや有利区間払出数カウンタの値)が規定値(例えば、1500ゲームや2400枚)となった場合)、初期状態として非有利区間が設定される。なお、当該所定値を参照し、当該所定値が規定値となる前であっても特定の更新値となっている場合にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。また、有利区間中に所定終了条件が成立して終了決定された場合(例えば、有利区間終了抽籤が行われるように構成した場合であって、これに当籤した場合等)にはそれを条件として非有利区間が設定されるようにしてもよい。
(4)非有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間に移行させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能であって、導出された結果表示(図柄の組合せ)や非有利区間(あるいは移行前の有利区間)中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことはできない。なお、いずれの内部当籤役が決定されたかは、当籤番号等の直接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできるし、内部当籤役のデータから生成あるいは変換されたサブフラグ(複数の役を1つの判定対象データとしたもの)等の間接的に内部当籤役を示すデータを参照することもできる。
(5)非有利区間は基本的に1の状態であり、非有利区間内で複数の状態を設定することはできない。例えば、有利区間終了後の非有利区間を非有利区間A、設定変更後の非有利区間を非有利区間Bというように異なる状態として設定することはできない。
(有利区間)
有利区間は、遊技者に有利な停止操作態様の報知が可能である遊技期間として構成され、以下の要件を備える。なお、以下の要件はあくまで一例であり、少なくともいずれかの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。
(1)遊技者に対して有利な停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)を行うことができる。したがって、上述のAT状態やART状態に制御することができる。
(2)設定値が変更(設定変更)された場合、あるいは後述の「RAM異常」等の初期化条件が成立した場合、その初期状態として有利区間を設定することはできない。
(3)有利区間において後述のリミット処理が実行された場合、当該有利区間を終了させる必要がある。
(4)有利区間では、有利区間に関する処理(例えば、有利区間中に遊技状態(モード)を移行させるか否か、あるいは特定の遊技状態(モード)を延長させるか否かの判定処理等)は、決定された内部当籤役を参照した処理のみならず、導出された結果表示(図柄の組合せ)や有利区間中のゲーム数等の内部当籤役以外の各種パラメータを参照した処理を行うことができる。なお、参照可能な各種パラメータの他の例としては、例えば、上述の各種パラメータに応じて付与可能なポイント等の特典情報、ボーナス状態の種類、RT状態の種類、いずれかのリールの停止操作タイミング、あるいは押し順等を挙げることができる。
(5)有利区間内で複数の状態を設定することができる。例えば、遊技者にとって不利な通常状態、AT状態へ移行しやすいCZ状態、あるいは報知にしたがって停止操作を行った場合にメダル増加の期待値がプラスとなるAT状態等の状態を設定可能である。また、例えば、通常状態においてCZ状態移行が決定されたことに応じ、実際にCZ状態に移行するまでの待機状態として設定され、CZ状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るCZ前兆状態、あるいは通常状態若しくはCZ状態においてAT状態移行が決定されたことに応じ、実際にAT状態に移行するまでの待機状態として設定され、AT状態への移行が示唆される前兆演出が行われ得るAT前兆状態等の状態も遊技性に応じて設定可能である。
(6)非有利区間及び有利区間のいずれの区間であるかを報知可能な区間ランプ(状態表示部)の点灯により、有利区間中であることを報知することができる(区間ランプが消灯していれば非有利区間中であることを報知することができる)。なお、区間ランプの点灯開始タイミングについては、上述のとおり、ある程度任意のタイミングに設定することが可能である。基本的に非有利区間から有利区間に移行したときに点灯を開始し、非有利区間に移行するまで点灯を継続するものとしてもよいし、非有利区間から有利区間に移行した(有利区間が開始された)が、移行した有利区間が通常状態であれば点灯を開始せず、最初にAT状態となったときから点灯を開始するものとしてもよい。なお、移行した有利区間がAT状態であれば、そのときから点灯を開始すればよい。
[4-7.リミッタ]
パチスロ機1では、有利区間が長く継続し過ぎることに起因して射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制するために、有利区間が連続して継続する期間について上限(制限)を設けることが可能となっている。このような上限は「リミッタ」と称される。また、本実施形態では、このようなリミッタにより有利区間を終了することを、リミット処理の実行、あるいはリミッタの作動として説明している。以下、そのリミッタの一例について説明する。
(ゲーム数リミッタ)
ゲーム数リミッタは、有利区間中のゲーム数(遊技回数)が「1500」回となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、1回の遊技が消化される度に1ずつカウントを加算していく。そして、有利区間ゲーム数カウンタの値が規定値(例えば、「1500」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、ゲーム数リミッタが作動するゲーム数は、上限である「1500」回以下のゲーム数であれば任意のゲーム数を設定可能である。また、このようなゲーム数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のゲーム数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
(払出数リミッタ)
払出数リミッタは、有利区間中のメダルの払出数が「2400」枚となったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成されている。例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間が開始されたときからカウントを開始し、メダルの払出がある度に対応する枚数分(より詳細には、払出数からベット数を減じた純増数分)カウントを加算していく。そして、有利区間払出数カウンタの値が規定値(例えば、「2400」以上)となったことに基づいて(例えば、AT状態の遊技期間が残存する場合であっても)有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。なお、払出数リミッタが作動する払出数は、上限である「2400」枚以下の払出数であれば任意の払出数を設定可能である。また、このような払出数リミッタの要件について緩和ないし厳格化される場合には、それにともなって適宜変更可能である。また、有利区間中のメダルの払出数に応じて段階的に射幸性を抑制していくものであってもよい。
また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、有利区間の開始時から最もメダル数の絶対値が減った地点を最下点(起点)として、直近の最下点からのプラス分をカウントする(すなわち、払出がなかった場合にはカウントを減算していく等)ように構成してもよい。すなわち、払出数リミッタは、有利区間中においてメダルが増加することとなったとき(例えば、AT状態が開始されたとき)から最大「2400」枚のメダルの払出があったときにリミット処理が実行されるリミッタとして構成することもできる。また、例えば、後述の有利区間払出数カウンタは、上述の純増数ではなく、単に実払出数(すなわち、払出数からベット数を減じないもの)をカウントするものであってもよい。
なお、パチスロ機1は、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[4-8.外部信号]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類の外部信号を外部に出力可能な仕様となっている。例えば、ボーナス状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、ボーナス状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したボーナス状態中演出を行うことができる。また、例えば、BB状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、BB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、MB状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、MB状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のボーナス状態中演出を行うのみならず、ボーナス回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、AT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においてもこれに連動したAT状態中演出を行うことができる。また、例えば、所定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、所定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号1をオフ状態とし、特定のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号2をオン状態とし、特定のAT状態が終了されたことに基づいて当該外部信号2をオフ状態とすれば、外部のデータ表示機においても上述のAT状態中演出を行うのみならず、AT回数をその種類別にカウントすることができる。
また、例えば、AT状態をセット数管理のAT状態として構成し、最初の1セット目のAT状態が開始されたことに基づいて外部信号1をオン状態とし、2セット目以降は当該セットが開始される度に外部信号2をオン状態とすれば、外部のデータ表示機においてもAT状態の初当り回数と、AT状態の延長回数とをカウントすることができる。なお、各外部信号についてオン状態とするタイミングとオフ状態とするタイミングは適宜設定可能である。すなわち、外部のデータ表示機やホールコンピュータ等によって状況が適切に認識される限り、各外部信号の出力態様は適宜設定可能である。例えば、オフ状態からオン状態となって再度オフ状態なるまでの期間は、所定時間、1回の遊技の間、状態が変化するまで等の種々の条件を採用することができる。
[4-9.コマンド]
上述のとおり、パチスロ機1では、複数種類のコマンドを主制御回路100から副制御回路200に送信可能な仕様となっている。なお、パチスロ機1では、主制御回路100と副制御回路200とが相互に通信を行うことはできず、主制御回路100から副制御回路200の一方向にのみ通信を行うことが要件となっている。したがって、主制御回路100は、パチスロ機1における状態の変化等を報せるための情報(コマンド)を適時副制御回路200に送信する必要がある。以下にこのようなコマンドの一例について説明する。
主制御回路100は、副制御回路200に対し、例えば、設定変更操作が行われたときには初期化コマンドを送信する。初期化コマンドは、設定値や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ベット操作が行われたときにはメダル投入コマンドを送信する。メダル投入コマンドは、ベット数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。また、例えば、開始操作が行われたときにはスタートコマンドを送信する。スタートコマンドは、内部当籤役や遊技状態等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、ロック演出が行われるときにはロックコマンドを送信する。ロックコマンドは、ロック演出の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、各リール3L,3C,3Rの回転が開始するときにはリール回転開始コマンドを送信する。リール回転開始コマンドは、リールの回転が開始されたこと等を特定するパラメータを含んで構成される。
また、例えば、停止操作が行われたときにはリール停止コマンドを送信する。リール停止コマンドは、停止されるリールや当該リールが停止される位置等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、全てのリールが停止され、表示役(入賞作動フラグ)が確定したときには入賞作動コマンドを送信する。入賞作動コマンドは、表示役の種類や付与される特典の内容等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を開始するときには有利区間開始コマンドを送信する。有利区間開始コマンドは、有利区間を開始することやモード(遊技状態)等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、有利区間を終了するときには有利区間終了コマンドを送信する。有利区間終了コマンドは、有利区間を終了することやその終了要因等を特定するパラメータを含んで構成される。また、例えば、精算操作が行われたときには精算コマンドを送信する。精算コマンドは、返却数等を特定するためのパラメータを含んで構成される。なお、これらはあくまで一例であり、これら以外のコマンドを必要に応じて送信することもできるし、これらのうち不要なコマンドについては送信しないようにすることもできる。
[4-10.演出]
上述のとおり、パチスロ機1では、遊技の興趣を高めるため、有益な情報を遊技者に報せるため、あるいは企図した遊技性とするために、種々の演出を種々の演出装置を用いて実行することが可能となっている。以下、そのような演出の一例について説明する。
[4-10-1.メイン側演出]
パチスロ機1では、主制御回路100側(メイン側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、指示モニタによって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(ロック演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技の進行を所定期間停止させる(遊技者の遊技操作を所定期間無効にする)演出を行い得る。このような演出は、「ロック演出(あるいは単に「ロック」)」と称される他、「フリーズ演出(あるいは単に「フリーズ」)」等とも称される。なお、このようなロック演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のロック演出を行い得るように構成することもできる。
また、無効とする対象の遊技操作は、例えば、開始操作であってもよいし、停止操作であってもよいし、他の操作であってもよい。例えば、開始操作が所定期間無効にされる場合には、全ての停止操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、例えば、停止操作が所定期間無効にされる場合には、開始操作が行われた後の所定期間において遊技の進行が停止される。また、複数種類のロック演出を設ける場合には、ロック演出ごとに、遊技の進行が停止される期間(遊技者の遊技操作を無効にする期間)や無効とする遊技操作の種類等が設定されるようにすればよい。
(リール演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において各リール3L,3C,3Rの演出表示態様(変動表示態様のみならず、停止表示態様との組合せを含む)による演出を行い得る。このような演出は、「リール演出」と称される他、「図柄演出」等とも称される。なお、このようなリール演出が行われないように構成することもできるし、複数種類のリール演出を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えてリール演出が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれるものとする。
リール演出は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作によらずして各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。したがって、回転速度や最大滑り駒数等を考慮することなく、このような演出動作を行わせる動作パターンを設定することができる。また、動作パターンを複数設定すれば、複数種類のリール演出を設けることができる。また、複数種類のリール演出と複数種類のロック演出との組合せによって、さらに多岐にわたる演出パターンを設定することができる。なお、リール演出に用いられるのは、各リール3L,3C,3Rのうちの任意の1個のみでもよいし、任意の2個であってもよいし、3個全てであってもよい。
(疑似遊技)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、上述のロック演出の実行中において疑似的な遊技を行わせる演出を行い得る。このような演出は、「疑似遊技」と称される。なお、このような疑似遊技が行われないように構成することもできるし、複数種類の疑似遊技を行い得るように構成することもできる。また、「ロック演出を行う(実行する)」という場合には、これに加えて疑似遊技が行われる場合と行われない場合のいずれもが含まれる。
疑似遊技は、要するに、遊技者の遊技操作を無効とした期間中において、遊技者の遊技操作を疑似的に受付け、これによって各リール3L,3C,3Rを回転させたり、停止(仮停止)させたりすることで演出を行うものである。すなわち、上述のリール演出について、さらに遊技者の遊技操作を介在させて演出を行うものである。なお、例えば、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、スタートレバー7、各ストップボタン8L,8C,8R、及び精算ボタン9等は、基本的に遊技操作に使用されること目的として設けられるものであることから、これ以外の目的で使用されることは本来的には望ましくない。しかしながら、疑似遊技においては、実際の遊技中であると遊技者が誤認しないための措置がなされることを前提として、これらの操作を受付けることを可能としている。
ここで、疑似遊技の流れについて、一例を挙げて説明する。疑似遊技は、例えば、以下のような流れで行われる。
(1)遊技者の実際の開始操作(ここで実行条件が成立して疑似遊技開始)
(2)疑似的に各リールが回転(疑似遊技中)
(3)疑似的に停止操作を受付け、これによって各リールが仮停止(疑似遊技中)
(4)ランダム遅延処理を経てから実際に各リールが回転開始(疑似遊技が終了して実際の遊技開始)
なお、ランダム遅延処理とは、例えば、上述の(3)の状況で特定の図柄が並んで表示された状態となり、そのまま上述の(4)の状況で各リールが通常回転を開始すると、遊技者が特定の図柄を目印として停止操作しやすくなってしまう(いわゆる「目押し」の補助となってしまう)場合があることから、これを是正するために各リールそれぞれに対してランダムに遅延期間を発生させてから回転を開始させるための処理である(このような遅延期間は「再配置期間」とも称される)。また、上述の(3)及び(4)の状況で各リールが仮停止している場合には、完全に停止していると誤認されないように、各ステッピングモータの励磁制御における位相信号は必ず所定時間(例えば、500ms)未満としてリールを順方向と逆方向とに交互に変化させるようにすることが望ましい。
上述の措置の1つとしては、例えば、上述の(3)の状況で任意の図柄の組合せが仮停止した場合(3個目のリールが仮停止して全てのリールが仮停止した場合)、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、各リールを上下に微振動させる(揺動させる)ことが挙げられる。なお、位相信号が上述の所定時間未満で変化するものである限り、1個目のリールが仮停止したとき、2個目のリールが仮停止したときには、このような揺動は行われないようにしてもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技ランプを設け、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、当該疑似遊技ランプを点灯させることが挙げられる。なお、疑似遊技ランプは、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に設置されることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、他の用途に使用しない独立したランプであり、当該疑似遊技ランプの表示部全体は単色の縁で覆われていることが望ましい。また、疑似遊技ランプは、当該疑似遊技ランプの説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超え、かつ表面積が642平方mmを超えること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技ランプの説明部分は、当該疑似遊技ランプが疑似遊技中であることを報せるためのランプであることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、このような記載部分は、表面積の1/3以上を占めることが望ましい。なお、疑似遊技ランプを制御するのは、主制御回路100であってもよいし、副制御回路200であってもよい。
また、上述の措置の1つとしては、例えば、疑似遊技中であることを報せるための疑似遊技中表示を、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間、メイン表示装置210又はサブ表示装置220(あるいはその双方)で行うことが挙げられる。なお、疑似遊技中表示は、遊技者の遊技操作を受付ける操作部よりも上方、かつ遊技中に視認可能な位置に表示されることが望ましい(本実施形態では、メイン表示装置210及びサブ表示装置220のいずれもが操作部よりも上方となっているため、いずれを使用してもよい)。また、疑似遊技中表示は、その説明部分を含めた表示範囲が一定の表面積(例えば、1辺が10mmを超えること、表示画面が7インチ未満である場合には表面積が642平方mmを超えること、表示画面が7インチ以上である場合には表面積が画面全体の8.2%以上となること等)を有することが望ましい。また、疑似遊技中表示の説明部分は、当該疑似遊技中表示が疑似遊技中であることを報せるための表示であることが認識できる記載(例えば、「FREEPLAY」、「疑似遊技演出中」、あるいは「リール自動演出中」等の記載)であることが望ましく、また、隠蔽等されることなく遊技者が読み取れる大きさであることが望ましい。
また、例えば、疑似遊技中(例えば、上述の(1)の状況で疑似遊技が開始されてから、上述の(4)の状況でランダム遅延処理が開始されるまでの間)は、指示モニタにおいて停止操作の情報が報知されないように構成する(当該遊技で指示モニタに停止操作の情報を表示する必要がある場合には、ランダム遅延処理が開始されるタイミングで表示を開始する)ことが望ましい。このようにすれば、疑似遊技中において実際の遊技中であると遊技者が誤認してしまうことをさらに抑制することができる。なお、上述のいずれかの措置がなされていれば、疑似遊技中において、サブ側の演出装置(例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220)では停止操作の情報が報知されるようにしてもよい。また、同様に、疑似遊技中において、サブ側の演出装置では疑似遊技の遊技結果にしたがった(疑似的な遊技操作に連動した)演出が行われるようにしてもよい。
また、実際の遊技では、試験機用第1インターフェースボード301を介して遊技者の遊技操作、あるいは当該遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号が出力されるが、疑似遊技中は、遊技者の疑似的な遊技操作あるいは当該疑似的な遊技操作が可能な状態となったことに対応する試験信号は出力されない。したがって、疑似遊技中は、試験機側で疑似遊技中であることを認識可能とするための試験信号(疑似遊技信号)が出力されるようにしてもよい。なお、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御基板71から疑似遊技信号を受信した場合、疑似遊技進行制御用の信号を主制御基板71に出力することで、主制御基板71側で疑似遊技が進行されるようにしてもよい(すなわち、試験機用第1インターフェースボード301に疑似遊技進行機能をもたせてもよい)。また、試験機用第1インターフェースボード301にこのような疑似遊技進行機能をもたせる場合、当該機能のオン・オフを切替え可能な切替スイッチを設けるようにしてもよい。これにより、パチスロ機1の検定試験(試射試験)において、疑似遊技の演出内容を確認するか否かを任意に設定することが可能となる。
[4-10-2.サブ側演出]
パチスロ機1では、副制御回路200側(サブ側)の制御により、例えば、以下のような演出を行い得る。なお、上述のとおり、パチスロ機1では、メイン表示装置210等によって停止操作の情報の報知を行うことを可能としているが、これも広義の意味において演出に含まれる。
(通常演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、今回の遊技において完結する(すなわち、1ゲームで終了する)演出を行い得る。このような演出は、「通常演出」と称される他、「単発演出」等とも称される。なお、このような通常演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の通常演出を行い得るように構成することもできる。
(連続演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、複数回の遊技にわたって連続する(すなわち、複数ゲームの間継続する)演出を行い得る。このような演出は、「連読演出」と称される他、「継続演出」等とも称される。なお、このような連続演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の連続演出を行い得るように構成することもできる。
(操作連動演出)
パチスロ機1では、予め定められた実行条件が成立した場合に、遊技者の演出操作に応じて演出内容を変化させることが可能な演出を行い得る。このような演出は、「操作連動演出」と称される他、「ボタン演出」等とも称される。なお、このような操作連動演出が行われないように構成することもできるし、複数種類の操作連動演出を行い得るように構成することもできる。また、操作連動演出は、通常演出として構成することもできるし、連続演出として構成することもできる。また、演出操作は、演出用ボタン群に対する操作のみならず、各種遊技操作を含むものとすることができる。
なお、上述の各種演出は、種々の用途に用いることができる。例えば、設定値、内部当籤役、遊技状態、遊技区間、特典の付与内容、特典が付与されるまでの期間等の示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの有利度合いの示唆ないし報知を行うために用いることができる。また、これらの用途もあくまで一例である。
(その他演出)
パチスロ機1では、上述の各種演出以外の演出を行うこともできる。例えば、上述の用途以外に用いられるものとして、遊技者又は遊技店に対する各種の報知(例えば、のめり込み防止報知や忘れ物防止報知、エラー状態報知、デモ状態報知等)も広義の意味において演出に含まれる。なお、のめり込み防止報知は、例えば、有利区間が終了したときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、忘れ物防止報知は、例えば、有利区間が終了したときや精算操作が行われたときに、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、エラー状態報知は、エラーが発生してから解消されるまで、その旨を示す警告等が報知されるものとすることができる。また、デモ状態報知は、遊技されていない期間が所定期間となったときや精算操作が行われたときに、空き台であること等が報知されるものとすることができる。
[5.第1の遊技機]
続いて、図5~図22を参照して、パチスロ機1の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第1の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第1の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
まず、第1の遊技機では、有効ラインが、上述の「センターライン」の1ラインのみと定義される。また、第1の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「F_2BB」(2枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「2BB」として説明する場合がある)が持越されている2BBフラグ間と、後述の「F_3BB」(3枚ベット状態でのみ当籤可能なボーナス役。以下、単に「3BB」として説明する場合がある)が持越されている3BBフラグ間と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。また、ボーナス状態は、2BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する2BB状態と、3BBに係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行する3BB状態とを含んで構成される。
また、第1の遊技機では、2枚のメダルをベットした状態(2枚ベット状態)と、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)とで遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が2枚又は3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから2枚又は3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に2枚又は3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[5-1.第1の遊技機の遊技性]
続いて、図5~図8を参照して、第1の遊技機における遊技の流れについて説明する。なお、図5は、第1の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図であり、図6は、第1の遊技機における各モードの一例を説明するための図であり、図7及び図8は、第1の遊技機における各種テーブルの一例を示す図である。
図5に示すように、第1の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに演出区間(有利区間・通常遊技)及び増加区間(有利区間・疑似ボーナス)が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。演出区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、モード移行が行われる点において非有利区間とは異なる。
すなわち、非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態であり、演出区間は、モード移行等によって増加区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。
一方、増加区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、増加区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。なお、演出区間と増加区間とはともに有利区間であり、これらの区間を相互に移行することで一連の有利区間として構成されるものである。
なお、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、非有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての非有利区間サブフラグが決定される。なお、サブフラグは、主制御回路100による遊技性に関する各種抽籤(有利区間に関連する各種処理)において、同様の役割(抽籤対象役であるか否かやその当籤確率等)を担う内部当籤役をグループ化して同じ情報を割り当てることで、そのグループを識別可能とするための情報である。これにより、内部当籤役ごとに各種データテーブルを設ける必要がなくなることから、データ量を圧縮することができ、メインROM102の容量の圧迫を回避することができる。非有利区間では、この非有利区間サブフラグを用いた抽籤が行われる。
非有利区間サブフラグ「リプベル」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)、「F_リプレイB」(No.「4」)、及び「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。非有利区間サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。非有利区間サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。なお、非有利区間においても、有利区間と同様に、当籤時サブフラグと入賞時サブフラグが決定され得るように構成することもできる。また、これらの対応関係も上述のものに限られない。
また、第1の遊技機では、図7の(a)に示すように、有利区間において、内部当籤役(後述の図10参照)に応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間当籤時サブフラグが決定される。さらに、有利区間においては、表示された図柄の組合せに応じた二次情報(サブフラグ)としての有利区間入賞時サブフラグが決定される。有利区間では、これらの有利区間当籤時サブフラグ及び有利区間入賞時サブフラグを用いた抽籤が行われる。
有利区間当籤時サブフラグ「ベル」は、内部当籤役が「F_ベル123A1」~「F_ベル321B2」(No.「10」~No.「33」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「弱チェ」は、内部当籤役が「F_チェリー」(No.「5」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「スイカ」は、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「確定役」は、内部当籤役が「F_確定チェリー」(No.「6」)及び「F_リーチ目」(No.「8」)のいずれかであるときに決定される。有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」は、内部当籤役が「F_中段チェリー」(No.「7」)であるときに決定される。
有利区間入賞時サブフラグ「通リプ1」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「右上がりリプ」である場合)に決定される。有利区間入賞時サブフラグ「通リプ2」は、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)及び「F_リプレイB」(No.「4」)のいずれかであるとき、「平行リプ」の図柄の組合せが表示された場合(すなわち、入賞役が「平行リプ」である場合)に決定される。
ここで、第1の遊技機では、後述するように、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示され、2BBフラグ間及び非フラグ間では、「平行リプ」の図柄の組合せが表示されるようになっている。
すなわち、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定され、2BBフラグ間及び非フラグ間では有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定されるようになっている。そして、第1の遊技機では、このように有利区間入賞時サブフラグが異なる場合、後述する各種抽籤(例えば、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルを用いた疑似ボーナス移行抽籤や図8(f)に示すモード移行抽籤テーブルを用いたモード移行抽籤)における有利度合いを変動させるようにしている。
なお、第1の遊技機では、例えば、3BBフラグ間であるか、あるいは2BBフラグ間であるかに応じて、有利区間入賞時サブフラグが変動する役として「F_リプレイA」(No.「3」)を例に挙げて説明しているが、有利区間入賞時サブフラグが変動する態様はこれに限られない。例えば、後述するように、内部当籤役が「F_ベル123B1」(No.「12」)であるとき、3BBフラグ間である場合と、2BBフラグ間である場合とで停止制御を異ならせることにしているので、このような役に当籤した場合、メダルの払出数を変動させず(あるいは変動させるようにしてもよい)、表示される図柄の組合せが異なるようにし、これによって異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、後述するように、内部当籤役が「F_スイカ」(No.「9」)であるとき、いずれのフラグ間(非フラグ間)であるかにかかわらず、押下位置(停止操作タイミング)が適切であれば「スイカ」の図柄の組合せが表示され、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生して「スイカこぼし」の図柄の組合せが表示されるようにしているので、このような役に当籤した場合、取りこぼしが発生することなく入賞させることができた場合と、取りこぼしが発生した場合とで異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
また、例えば、内部当籤役が「F_リプレイA」(No.「3」)であるとき、3BBフラグ間では、停止操作が特定の態様(この特定の態様は、例えば、停止操作が予め定義された打順(正解押し順)で行われる態様、押下位置(停止操作のタイミング)が適切である態様、及びこれらの組合せの態様、いずれの態様であってもよい)で行われた場合には「平行リプ」の図柄の組合せが表示され、特定の態様で行われなかった場合には「右上がりリプ」の図柄の組合せが表示されるようにし、これにより異なる有利区間入賞時サブフラグが決定されるようにしてもよい。そして、有利区間入賞時サブフラグが異なることに応じて、後述する各種抽籤における有利度合いを変動させるようにすればよい。
すなわち、第1の遊技機では、特定役に関し、ベット数、遊技状態、停止操作の態様、あるいはこれらのうちいずれかの組合せによって、最終的な停止表示態様が異なる場合があることを可能とし、異なった停止表示態様に応じて異なる二次情報を決定可能とし、それによって有利度合いを変動可能とする態様全てを適用することができる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行抽籤が行われる。具体的には、図7の(b)に示す有利区間移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて非有利区間サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、非遊技区間サブフラグに応じて、移行先モード等が決定される。なお、この決定に際しては、有利区間に移行した際のモードの種別のみが決定される場合(図5中、「有利区間開始」)と、当該モードの種別のみならず疑似ボーナスに移行することも決定される場合(図5中、「有利区間開始+疑似ボーナス開始」)とがある。もっとも、非有利区間においては、疑似ボーナスに移行することが決定されない仕様とすることもできる。
ここで、図6を参照して、第1の遊技機における各モードについて説明する。第1の遊技機において、モードは、演出区間(通常遊技)における増加区間(疑似ボーナス)移行(付与)の期待度を変動させるための制御情報(遊技状態や制御状態と言い換えてもよい)であり、演出区間(通常遊技)においては、このモードにしたがって、疑似ボーナス移行の有無が決定されたり、有利区間を維持させたり、有利区間を終了させて非有利区間に移行させることが決定されたりするようになっている。
スタートモードは、非有利区間から有利区間(演出区間)に移行するときに滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、図示は省略しているが、スタートモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。天井ゲーム数は、疑似ボーナスに移行しない期間が一定期間となったとき、強制的に疑似ボーナスに移行させるために用いられる。それゆえ、天井ゲーム数が少ないほど遊技者に有利であり、天井ゲーム数が多いほど遊技者に不利となる。
通常Aモードは、遊技者が遊技を行う上で最も滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Aモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。また、図6中、「疑似ボーナス後約999G」とあるのは、疑似ボーナス終了後に、後述の終了Aモード又は終了Bモードに移行し、当該モードにて疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われ、一度非有利区間に移行した後、非有利区間から有利区間に移行する際にこの通常Aモードが選択された場合、見かけ上の天井ゲーム数は、「965ゲーム」+終了Aモード又は終了Bモードでの遊技期間「32ゲーム」+非有利区間から有利区間に移行するのに要したゲーム数となるため、これを表現したものである。以下、通常Bモード、天国準備モード、チャンスモードにおいても同様である。
通常Bモードは、遊技者が遊技を行う上で比較的滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、通常Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。なお、通常Bモードでは、天井ゲーム数が「965ゲーム」に設定される。
天国準備モードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低い(後述の図7の(c)参照)ものの、天井ゲーム数は「466ゲーム」に設定され、また、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後は天国モードに移行することが確定するため(後述の図8の(f)参照)、その意味において相対的に有利なモードとなっている。
チャンスモードは、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「222ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。
終了Aモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は最も低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Aモードでは、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。
終了Bモードは、疑似ボーナスに移行した場合、その終了後に天国モード(天国準備モードを含む)に移行しない場合に滞在しやすく、相対的に不利なモードではあるが、終了Aモードよりは有利なモードとなっており、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に低く(後述の図7の(c)参照)、また、より有利なモードに移行する期待度も相対的に低い(後述の図8の(f)参照)。当該終了Bモードでは、終了Aモードと同様、疑似ボーナス終了後に疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が行われると、有利区間そのものが終了し、非有利区間に移行する。なお、終了Aモード及び終了Bモードは、「終了モード」と総称することもできる。
保障モードは、天国Cモードが終了した場合に滞在するモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定されているため、その意味において相対的に有利なモードとなっている。もっとも、天国モードに移行する期待度は高いものとはなっていない(後述の図8の(f)参照)。すなわち、天国Cモードが終了したとき、それによる興趣の低下を防止するため、一定期間は相対的に有利な状態を維持(保障)しようするモードとして位置付けられる。
天国Aモードは、疑似ボーナスが連荘する(AT状態が、AT状態中に延長(上乗せ)の決定が行われることによって継続する仕様の場合には、当該延長(上乗せ)することも含み得る。以下同じ)ことが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が中程度に設定された相対的に有利なモードとなっている。なお、図6においては図示を省略しているが、例えば、この天井モードループ率には設定差を設けるようにすることもできる。例えば、設定値が奇数(1,3,5)であるとき、天井モードループ率が75%程度となり、設定値が偶数(2,4,6)であるとき、天井モードループ率が67%程度となるように抽籤値を設定することもできるし、単に設定値が高いほど天井モードループ率も高くなるように抽籤値を設定することもできる。後述の天国Bモード及び天国Cモードにおいても同様であり、天井モードループ率に設定差を設けることもできる。
天国Bモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)が高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモードよりもさらに有利なモードとなっている。
天国Cモードは、疑似ボーナスが連荘することが期待できるモードであり、疑似ボーナスに移行する期待度は相対的に高く(後述の図7の(c)参照)、天井ゲーム数は「32ゲーム」に設定され、また、天井モードが維持される確率(天国モードループ率)がかなり高く設定された相対的に有利なモードとなっている。すなわち、天井モードループ率の点で、天国Aモード及び天国Bモードよりもさらに有利なモードとなっている。なお、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードは、「天国モード」と総称することができる。
なお、上述の各モードは、あくまでも一例を示すものであり、モードの構成はこれに限られない。上述の各モード以外のモードを設定することもできるし、上述の各モードのうち一部のモードを設定しないようにすることもできる。
また、ここまで、非有利区間は有利区間に比べて相対的に有利度が低い状態として説明したが、非有利区間と有利区間との関係はこのような態様に限定されない。例えば、非有利区間である場合のほうが、有利区間において少なくとも1つ以上のモードが設定されている場合よりも増加区間への移行割合が高かったり、増加区間への移行に要する平均ゲーム数が短くしたりする等の仕様、あるいは非有利区間が最も増加区間にしやすい仕様とすることもできる。このようにすることで、設定変更後等の非有利区間であることが確定する状態においても遊技を行うインセンティブが生まれるため、開店時からでも遊技を開始する動機づけとなる。また、疑似ボーナス終了後32ゲームを経過したときに区間ランプの点灯が終了した場合であっても、最も不利な状態となることが確定しないため、このようなときでも遊技が継続される動機づけとなる。また、ここまで、演出区間は遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態であるとして説明したが、増加区間と比べて不利な態様(例えば、報知の頻度を下げたり、報知の対象となる役を変更したりする等)であれば、停止操作の情報が報知される遊技状態とすることもできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。演出区間(通常遊技)では、まず、遊技毎に、有利区間当籤時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、内部当籤役が決定され、当該内部当籤役に応じて有利区間当籤時サブフラグが決定された以降の当該遊技中の所定のタイミングで、有利区間当籤時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。なお、図7の(c)中、「非当籤」は、疑似ボーナスに移行させないことを意味し、「当籤(今回遊技)」は、今回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味し、「当籤(次回遊技)」は、次回の遊技から疑似ボーナスに移行させることを意味する。
なお、第1の遊技機では、「当籤(今回遊技)」が決定された場合には今回遊技の開始時に、「当籤(次回遊技)」が決定された場合には次回遊技の開始時に、遊技操作(停止操作)が一定期間無効とされるとともに、当該無効期間において、メイン表示窓4に「赤7」図柄が揃って表示されるリール演出(「赤7揃い」演出)が行われた後、疑似ボーナスが開始され、「赤7揃い」演出が行われた遊技で、停止操作の情報を報知する必要がある場合には、少なくとも当該無効期間が終了して遊技操作(停止操作)が有効となるとき(それ以前でもよいが、上述のランダム遅延処理が開始されるよりも前のタイミングではないとき)に、停止操作の情報の報知が行われるようになっている。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(当籤時)が行われた場合、後述の疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)、モード移行抽籤(入賞時)、及びモード移行抽籤(天井時)は行われない。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、有利区間入賞時サブフラグを参照して、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルが参照され、入賞役が決定され、当該入賞役に応じて有利区間入賞時サブフラグが決定された以降の当該遊技中(次回遊技開始前)の所定のタイミングで、有利区間入賞時サブフラグに応じて、疑似ボーナスに移行させるか否かが決定される。
なお、図7の(c)に示す疑似ボーナス移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、疑似ボーナスに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で疑似ボーナスに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。また、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定され、モード移行抽籤(入賞時)が行われた場合、後述のモード移行抽籤(天井時)は行われない。
なお、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルでは、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合よりも、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合のほうが、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定される割合が高くなっている。もっとも、「通リプ2」を「通リプ1」よりも優遇させる態様はこれに限られない。例えば、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ2」が決定された場合には、所定確率で遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得るが、有利区間入賞時サブフラグとして「通リプ1」が決定された場合には、遊技者に相対的に有利なモードに移行させることが決定され得ないようにしてもよい。
演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)の結果、疑似ボーナスに移行させることが決定されなかった場合、天井ゲーム数を更新し(加算方式でも減算方式でもよい)、天井ゲーム数が現在のモードに対応付けられた(あるいは、有利区間移行時等において予め決定された)天井ゲーム数に達した場合には、疑似ボーナスに移行させることが決定される。この場合、必ず「当籤(今回遊技)」が決定されるようにすることもできるし、必ず「当籤(次回遊技)」が決定されるようにすることもできる。また、抽籤によりこれらのいずれが決定されるようにすることもできる。
演出区間(通常遊技)において、天井ゲーム数の到達により、疑似ボーナスに移行させることが決定された場合、モード移行抽籤(天井時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、移行先モードが決定される。なお、この移行先モードは、疑似ボーナス中を含めたモードであってもよいし、疑似ボーナス終了後のモードであってもよい。
なお、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)及び疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。また、モード移行抽籤(当籤時)及びモード移行抽籤(入賞時)に係る処理は、サブフラグの種類が異なるだけで、あとは同一の処理内容であることから、同一の抽籤テーブルや制御フローを用いて制御することができる。
また、仮に、疑似ボーナスの当籤の種類として「当籤(今回遊技)」を設けないのであれば、有利区間入賞時サブフラグが決定されるタイミングでは、有利区間当籤時サブフラグも決定済みであり、また、天井ゲーム数も更新済みとすることができるため、疑似ボーナス移行抽籤(当籤時)、疑似ボーナス移行抽籤(入賞時)及び天井到達時の疑似ボーナス移行処理を1回の処理でまとめて行うこともできる。また、同様に、モード移行抽籤(当籤時)、モード移行抽籤(入賞時)及びモード移行抽籤(天井時)を1回の処理でまとめて行うこともできる。
第1の遊技機の遊技性の説明に戻る。上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、疑似ボーナスに移行させることが決定され、疑似ボーナスが開始された場合(図5中、「疑似ボーナス開始」)、増加区間(疑似ボーナス)に移行する。また、上述のとおり、演出区間(通常遊技)において、終了Aモード又は終了Bモードに制御され、疑似ボーナスに移行することなく32ゲームの遊技が消化された場合(図5中、「有利区間終了(終了A・B経由)」)、非有利区間に移行する。また、後述の図16に示すリミット処理の条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「有利区間終了(リミット処理)」)、その結果、非有利区間に移行する。
増加区間(疑似ボーナス)では、当該疑似ボーナスが開始されるときに、天井短縮抽籤が行われる。具体的には、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルが参照され、現在のモードに応じて、当該疑似ボーナス終了後の天井ゲーム数を短縮するか否かが決定される。なお、図8の(e)中、「非当籤」は、天井ゲーム数を短縮させないことを意味し、「当籤(天井ゲーム数=0更新)」は、当該疑似ボーナス終了後、モードにかかわらず、セットされる天井ゲーム数を「0」とする(短縮させる)ことを意味する。なお、天井短縮抽籤は、疑似ボーナスが開始されるときのみならず、疑似ボーナス中は毎遊技行われるようにすることもできる。
天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させないことが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、後述の1G連ストックも保有していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。一方、天井短縮抽籤の結果、天井ゲーム数を短縮させることが決定された場合、疑似ボーナスが終了したときに、天井ゲーム数として「0ゲーム」がセットされる。これにより、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、天井ゲーム数の到達により疑似ボーナスが開始されたことになるため、上述のモード移行抽籤(天井時)が行われる。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」又は「中チェ」が決定された遊技において)、モード移行抽籤(当籤時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、上記以外の有利区間当籤時サブフラグが決定された場合にも、移行先モードが決定されるようにしてもよいが、この場合、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに(より詳細には、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」に当籤した遊技において)、モード移行抽籤(入賞時)が行われる。具体的には、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間入賞時サブフラグに応じて、移行先モードが決定される。なお、この場合、上記と同様、原則として現在のモードよりも相対的に不利なモードが移行先モードとして決定されないようにするため、図8の(f)に示すモード移行抽籤テーブルとは抽籤値が異なる別のモード移行抽籤テーブルが参照されるようにしてもよい。
増加区間(疑似ボーナス)では、遊技ごとに、1G連抽籤が行われる。具体的には、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルが参照され、現在のモード及び有利区間当籤時サブフラグ又は有利区間入賞時サブフラグに応じて、1G連を発生させるか否かが決定される。なお、図7の(d)中、「非当籤」は、1G連を発生させないことを意味し、「当籤(1G連+1)」は、1G連を発生させる権利(1G連ストック)が1個付与される(1G連ストックカウンタが1加算される)ことを意味する。なお、1G連ストックは、1G連ストックカウンタによって複数個(最大255個)ストック(貯留)されることが可能となっている。したがって、1回の疑似ボーナス中に複数個の1G連ストックが付与される場合もある。また、1回の1G連抽籤で、複数個の1G連ストックが付与され得るように、1G連抽籤テーブルを構成することもできる。
疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上である場合(すなわち、1G連ストックを保有している場合)には、1G連ストックが1つ消化され(1G連ストックカウンタが1減算され)、疑似ボーナス終了後の次回遊技から再度疑似ボーナスが開始されることとなる。なお、この場合、1G連ストックという権利に応じた疑似ボーナスの開始となるため、上述のモード移行抽籤は行われない。一方、疑似ボーナスが終了したときに、1G連ストックカウンタの値が1以上でない場合(すなわち、1G連ストックを保有していない場合)、上述の天井短縮抽籤にも当籤していない場合には、現在のモードに応じて天井ゲーム数がセットされ(終了モードの場合には、32ゲーム経過後に有利区間が終了する(これにともなってクリアされる)ためセットされないが、ここで天井ゲーム数が仮セットされるようにしてもよい)、疑似ボーナスが終了し(図5中、「疑似ボーナス終了」)、演出区間(通常遊技)に移行する。
なお、天井短縮抽籤に当籤し、1G連ストックも保有している場合、天井短縮抽籤の結果が優先され、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行された後、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよいし、1G連ストックが優先され、1G連ストックに応じた疑似ボーナスが実行された後、天井短縮に応じた疑似ボーナスが実行されるようにしてもよい。後者の場合、天井短縮があることを持越せる情報を別途記憶しておけばよい。
第1の遊技機では、増加区間(疑似ボーナス)の構成として、「55ゲーム」間継続し、最大275枚獲得可能としたものを一例として挙げているが、疑似ボーナスの構成はこれに限られない。例えば、当該疑似ボーナスを「疑似BB(ビッグボーナス)」として構成し、他に「22ゲーム」間継続し、最大110枚獲得可能とした疑似ボーナスである「疑似RB(レギュラーボーナス)」を搭載するようにしてもよい。この場合、上述の疑似ボーナス移行抽籤、天井到達時、1G連抽籤において、疑似ボーナスに移行させること(権利を付与すること)が決定される際には、その種類(例えば、「疑似BB」とするのか、「疑似RB」とするのか)が所定確率(例えば、50%ずつ)で決定されるようにすればよい。なお、「疑似RB」は、「疑似BB」との間で価値が異なる(より詳細には、「疑似BB」よりも価値が低い)ものとすればよいため、例えば、継続ゲーム数は「疑似BB」と同じであるが、ベルナビ率(停止操作の情報が報知される報知確率)を低いものとすることで、最大獲得可能枚数に差をつけ、価値が異なるようにすることもできる。また、「疑似RB」を開始させる際には、メイン表示窓4に「BAR」図柄が揃って表示されるリール演出、あるいは「赤7-赤7-BAR」が表示されるリール演出が行われるようにすればよい。さらに、増加区間は疑似ボーナスとして構成されるものに限られない。例えば、継続する遊技数(遊技期間)を変化させることが可能なAT状態やART状態として構成することもできる。
また、疑似ボーナス中に、後述の図16に示すリミット処理の実行条件が成立した場合には、有利区間は強制的に終了されることになり(図5中、「リミット処理による有利区間終了」)、その結果、非有利区間に移行する。
なお、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に3枚ベット状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合、2枚ベット状態ではメダルが増加しないように構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない。すなわち、第1の遊技機では、2枚ベット状態で遊技を行うと基本的に遊技者は不利となるように構成されている。
ここで、2枚ベット状態で遊技が行われる場合には、有利区間(AT)に関する抽籤(例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤)や処理(例えば、天井ゲーム数の更新等)は行われないものの、上述のゲーム数リミッタ用の有利区間ゲーム数カウンタや、上述の払出数リミッタ用の有利区間払出数カウンタの更新は行われるものとすることが望ましい。これらのリミッタは、有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を制限することで射幸性を適切に抑制する機能を有するものであることから、仮に、2枚ベット状態ではこれらのカウンタが更新されないものとすると、2枚ベット状態での遊技が介在することで設定された有利区間の滞在ゲーム数や獲得枚数の上限を超えてしまう場合が生じ、その結果適切に射幸性を抑制できない場合が生じ得るためである。それゆえ、リミッタ用のカウンタは、ベット数不問で毎ゲーム更新可能に構成されることが望ましい。
また、第1の遊技機において、上述の遊技の流れは、基本的に非ボーナス状態で遊技が行われることを前提としたものである。したがって、ボーナス状態(2BB状態及び3BB状態)で遊技が行われる場合には、例えば、図7の(a)~(d)、図8の(e)及び(f)等を用いた各種抽籤は行われず、また、天井ゲーム数も更新されない。また、疑似ボーナス中にボーナス状態となった場合、ボーナス状態は非ボーナス状態(より詳細には非ボーナス状態の3枚ベット状態)よりもメダルの増加期待値が低い状態として構成されていることから、疑似ボーナス中が増加区間とはならない場合もある。すなわち、第1の遊技機では、ボーナス状態で遊技を行うと遊技者は不利となる場合があるように構成されている。
それゆえ、第1の遊技機では、2BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行うことが推奨される構成となっている(本実施形態では、2BBフラグ間の3枚ベット状態を「推奨遊技状態」として説明し、その他の状態を「非推奨遊技状態」として説明する場合がある)。すなわち、第1の遊技機では、2BBは2枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、2BBフラグ間において2BBに係る図柄の組合せは2枚ベット状態でのみ入賞し、3枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、3BBは3枚ベット状態でのみ当籤するボーナス役であり、3BBフラグ間において3BBに係る図柄の組合せは3枚ベット状態でのみ入賞し、2枚ベット状態では入賞しない構成となっている。また、2BBフラグ間では3BBが当籤する場合はなく、3BBフラグ間では2BBが当籤する場合はない構成となっている。
そして、第1の遊技機では、これらの構成を用いて、例えば、非フラグ間の2枚ベット状態で2BBを当籤させて(2BBを入賞させず)2BBフラグ間とした後、3枚ベット状態で遊技を行えば、ボーナス役を入賞させるか否かを気にすることなく、上述の推奨遊技状態で遊技を行うことが可能となっている。
上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、天井短縮抽籤が行われる。ここで、図8の(e)に示す天井短縮抽籤テーブルをみると、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるとき、1/8(32/256)の確率で天井短縮抽籤に当籤する一方、その他のモードであるときには天井短縮抽籤に当籤しないようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合には、その「32ゲーム」が「0ゲーム」に短縮される場合があり、天井ゲーム数がそれよりも多いモードの場合には、天井ゲーム数が短縮される場合がないようになっている。
なお、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードの場合であっても、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードの場合よりも低い確率(例えば、1/64)で、天井ゲーム数が短縮されることが決定されるようにしてもよい。
また、天井ゲーム数を短縮する態様も上述のものに限られない。例えば、「32ゲーム」をそれより少ない所定ゲーム(0~31ゲーム)に短縮すれば、同様の作用効果を発揮できることから、天井短縮抽籤に当籤したときに短縮するゲーム数がさらに決定されるようにしてもよいし、天井短縮抽籤において、何ゲーム分短縮するのかを予め決定するようにしてもよい。
また、天井短縮抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス中には、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。また、有利区間(通常遊技)において、現在のモードが、保障モード、天国Aモード、天国Bモード、及び天国Cモードのいずかのモードであるときには、遊技ごとに天井短縮抽籤が行われるようにしてもよい。これらの場合には、有利区間当籤時サブフラグや有利区間入賞時サブフラグが参照されて、天井短縮抽籤に当籤するか否かが決定されるようにすればよい。
また、上述のとおり、第1の遊技機では、疑似ボーナス中において、1G連抽籤が行われる。ここで、図7の(d)に示す1G連抽籤テーブルをみると、現在のモードがいずれのモードであっても、1G連ストックが付与される場合があるようになっている。すなわち、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるか否かにかかわらず、疑似ボーナスを継続させるための権利が付与可能となっている。
なお、当該権利を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、天井ゲーム数が「32ゲーム」であるモードであるときには、天井短縮抽籤が行われることを考慮して1G連抽籤が行われないようにし、天井ゲーム数が「32ゲーム」よりも多いモードであるときに1G連抽籤が行われるようにすることで、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制してもよい。
また、1G連抽籤が行われる契機も上述のものに限られない。例えば、疑似ボーナス以外の有利区間(演出区間)においても、1G連抽籤が行われるようにし、その結果ストックされた1G連ストックは、次の疑似ボーナスにおいて消化されるようにしてもよい。
なお、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、疑似ボーナスの開始時、あるいは疑似ボーナス中において、現在のモードが天国モードであるとき、有利な状態であることを示唆するための特別ボーナス中演出が所定確率で実行されるようになっている。したがって、特別ボーナス中演出が実行された場合、天井短縮抽籤が実行されることを期待させることができる。また、この特別ボーナス中演出は、天井短縮抽籤に当籤したときには100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、疑似ボーナスの開始時に特別ボーナス中演出が実行された場合、少なくとも天国モードに滞在していることが示唆され、さらに天井短縮抽籤にも当籤したかもしれないとの期待感を抱かせることができる。また、この特別ボーナス中演出は、疑似ボーナス中に1G連抽籤に当籤したときにも、所定確率であるいは100%の確率で実行されるようにしてもよい。このようにすれば、(1)天国モードのみ、(2)天国モード+天井短縮当籤、(3)天国モード+1G連当籤、(4)天国モード+天井短縮当籤+1G連当籤、(5)1G連当籤のみ、等の様々な可能性を示唆することでき、遊技の興趣を向上させることができる。
このように、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)が終了してから所定期間(例えば、32ゲーム)内に再度有利状態に制御されることが確定している場合(例えば、天国モードの場合)、その期間をさらに短縮できる場合があることから、一連の有利区間の遊技期間が制限される場合(例えば、リミット処理が実行される場合)であっても、遊技者がなるべく有利度合いの高い状態で遊技を行えるようにして遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態が終了してから所定期間内に再度有利状態に制御されることが確定していない場合(例えば、終了モードの場合)であっても、権利(例えば、1G連ストック)の付与によって再度有利状態が開始される場合があることから、遊技者の期待感を高めて遊技の興趣を向上させることができる。
また、図5~図8においては図示を省略しているが、第1の遊技機では、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合(すなわち、「F_確定チェリー」又は「F_リーチ目」が内部当籤役として決定された場合)であって、上述のモード移行抽籤の結果、天国Cモードに移行することが決定された場合には、1/2の確率(この確率は任意である)で特別ロック演出が実行可能となっている。なお、遊技者は、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合(すなわち、「F_中段チェリー」が内部当籤役として決定された場合)にも、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様の恩恵を受けることができることから、有利区間当籤時サブフラグ「中チェ」が決定された場合には、有利区間当籤時サブフラグとして「確定役」が決定された場合と同様に、特別ロック演出を実行可能としてもよい。
ここで、「確定役」は、疑似ボーナス移行も確定する役であることから(図7の(c)参照)、遊技者は特別ロック演出が実行されると、疑似ボーナス移行及び天国Cモード移行があったことが認識できるようになっており、遊技者にとって非常に興趣が高まるようになっている。特別ロック演出は、例えば、遊技開始時に約20秒間にわたって遊技操作(停止操作)が無効とされる演出として構成される。なお、この間には、各リールが振動したり、逆回転したりする特別リール演出が行われるようにしてもよいし、メイン演出表示部21において、通常は表示されない特別映像等が表示されるようにしてもよい。また、通常は出力されない特別楽曲が出力されるようにしてもよい。むろん、これらの組合せによって演出を行うこともできる。また、遊技操作は無効とされないが、遊技者が次の遊技操作を行うまで、これらの演出が行われるようにすることもできる(すなわち、演出を最後まで実行させるか、あるいは中途でキャンセルして遊技を進行させるかの決定を遊技者に委ねることもできる)。
ただし、第1の遊技機では、後述の図16に示すように、例えば、天国Cモードに滞在していたとしても、リミット処理の実行によって有利区間が強制的に終了される場合があることから、上述の特別ロック演出を何度も実行することが望ましくない場合もある。
そこで、第1の遊技機では、同じ一連の有利区間内では、特別ロック演出は一度しか実行されないようになっている。具体的には、一連の有利区間内において、最初に特別ロック演出を実行することが決定された場合には特別ロック演出が実行されるが、それ以降同じ一連の有利区間内では、同じ条件が成立した場合であっても特別ロック演出が実行されないように制御する。なお、手法としては、一度特別ロック演出が実行された場合、その旨を示す情報を格納しておき、それ以降同じ一連の有利区間内において当該情報が格納されている場合には、そもそも特別ロック演出を実行するか否かの決定が行われないようにしてもよいし、当該決定は行われるが、当該情報が格納されている場合にはその決定結果が実行することを示すものであっても、実行しないことを示すものに書き換えるようにしてもよい。そして、格納された当該情報は、有利区間が終了するときにクリアされるようにすればよい。
なお、特別ロック演出の実行が制限される態様は上述のものに限られない。例えば、特別ロック演出の実行が制限される上限の回数を「1回」ではなく、「2回」や「3回」として定めてもよい。すなわち、特別ロック演出の実行は制限されるが、その上限は複数回として定めてもよい。これは、特別ロック演出1回あたりの出玉の期待値に応じて適宜設定することができる。
また、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件も上述のものに限られない。すなわち、上記では、「確定役」の当籤を契機として、モード移行が行われ、当該モードが天国Cモードであったことを条件として、特別ロック演出が実行されるか否かの決定を行うようにしているが、例えば、「確定役」の当籤以外の契機によっても天国Cモードに移行する場合があることから(図8の(f)参照)、これらの場合にも特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、所定確率(「確定役」の当籤を契機とする場合と同じ確率であってもよいし、異なる確率であってもよい)で特別ロック演出が実行されることが決定されるようにしてもよい。
また、例えば、「確定役」の当籤を契機として、まず、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われるものとし、特別ロック演出が実行されることが決定された場合に、天国Cモードに移行させるようにしてもよい。すなわち、天国Cモードに移行することが決定されたことに応じて特別ロック演出が実行されるようにしてもよいし、特別ロック演出が実行されることが決定されたことに応じて天国Cモードに移行させるようにしてもよい。
また、例えば、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われる条件として、有利区間中の遊技の進行度合いを採用してもよい。例えば、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」未満であるとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」未満であるときには、上記のように特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われ、後述の有利区間ゲーム数カウンタないし制御用ゲーム数カウンタの値が「750」以上となったとき、あるいは後述の有利区間払出数カウンタないし制御用払出数カウンタの値が「1201」以上となったときには、以降同じ一連の有利区間においては、特別ロック演出が実行されるか否かの決定が行われないようにすることもできる。
このように、第1の遊技機では、一連の有利区間の遊技期間が一定期間に制限される(後述の図16参照)。そして、同じ一連の有利区間内においては、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が複数回設定される場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、一連の有利区間内においては、特定役(例えば、「確定役」)の当籤を契機として、有利状態(例えば、疑似ボーナス)に制御されることが確定するとともに、遊技者にとって有利度合いの高い制御情報(例えば、天国Cモード)が設定される場合がある。そして、同じ一連の有利区間内においては、このような場合が複数回発生する場合であっても、その都度特別演出(例えば、特別ロック演出)が行われることがないように制御される。したがって、遊技の射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に応じた二次情報(例えば、有利区間当籤時サブフラグ)を決定可能であるとともに、表示される図柄の組合せに応じた二次情報(例えば、有利区間入賞時サブフラグ)を決定可能とし、それぞれ決定された二次情報に応じて、遊技者の停止操作に関する情報が報知される有利状態(例えば、疑似ボーナス)を付与するか否かを決定可能としている。
このように、第1の遊技機では、内部当籤役が決定された際のみならず、図柄の組合せが表示された際にも有利状態の付与に関する期待感を与えることができるため、有利状態の付与に関する遊技性を多様化することができる。
また、第1の遊技機では、決定された内部当籤役に対応する情報と、表示された図柄の組合せに対応する情報と、をともに共通の二次情報として管理しているため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制することができる。
また、第1の遊技機では、ベットされた遊技価値が第1の量(例えば、3枚)である場合、第1特別役(例えば3BB)を当籤可能とする一方、第2特別役(例えば、2BB)を当籤可能としない。また、ベットされた遊技価値が第2の量(例えば、2枚)である場合、第2特別役を当籤可能とする一方、第1特別役を当籤可能としない。また、特定役(例えば、「F_リプレイA」)に当籤した場合、第1特別許可状態(例えば3BBフラグ間)であれば所定図柄の組合せ(例えば、「右上がりリプ」)を表示させ、第2特別許可状態(例えば2BBフラグ間)であれば特定図柄の組合せ(例えば、「平行リプ」)を表示させることを可能としている(後述の図15参照)。
そして、第1の遊技機では、所定図柄の組合せが表示された場合と、特定図柄の組合せが表示された場合と、で異なる二次情報を決定可能としている。すなわち、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性をさらに多様化することができる。
また、第1の遊技機では、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能とする。
ここで、第1の遊技機では、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとは、ともに再遊技に係る図柄の組合せであることから、いずれが表示された場合であっても再遊技の作動という同じ特典が付与されることとなる。
なお、同じ特典を付与する態様は上述のものに限られない。例えば、特定役を遊技価値の付与に係る特定小役として構成する。そして、特定小役に当籤した場合、例えば、第1特別許可状態であれば、1枚(この値は任意であり、ベットされた遊技価値以下の他の値であってもよいし、ベットされた遊技価値を超える値であってもよい)の遊技価値が付与される所定図柄の組合せ(「右上がりリプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させ、第2特別許可状態であれば、所定図柄の組合せが表示された場合と同数の遊技価値が付与される特定図柄の組合せ(「平行リプ」に相当する遊技価値の付与に係る図柄の組合せ)を表示させるようにしてもよい。
また、所定図柄の組合せと特定図柄の組合せとをともに「はずれ」の図柄の組合せ(もっとも、有利状態を付与するか否かを決定可能とするため、純粋な「はずれ」の場合とは異なる図柄の組合せであることは識別可能な図柄の組合せとする)として構成するようにしてもよい。この場合であっても、価値が同じである点にかわりはない。
このように、第1の遊技機では、いずれの特別許可状態となっているかに応じて、同じ特定役が決定された場合であっても有利状態の付与に関する決定内容を変動させることができるため、有利状態の付与に関する制御負荷や情報量が増大してしまうことを抑制しつつ、その遊技性を多様化することができる。また、特定役が決定された遊技では、いずれの特別許可状態となっていても同じ特典が付与されることから、遊技性を変動させる場合であっても、遊技者が直接的な不利益を被ってしまうこと防止することができる。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させることを可能とし、特定の態様で停止操作が行われないときには特定図柄の組合せを表示させることを可能しないように構成してもよい。
そして、少なくとも特定役に当籤した場合であって特定図柄の組合せが表示された場合に、有利状態を付与するか否かを決定可能としてもよい。特定役が内部当籤役として決定された場合、特定図柄の組合せが表示されたときと、特定図柄の組合せが表示されなかったときとで有利状態の付与に関する有利度を異ならせることを可能としてもよい。
また、特定役に当籤した場合、第1特別許可状態である場合には、停止操作態様にかかわらず所定図柄の組合せを表示させ、第2特別許可状態である場合に、特定の態様で停止操作が行われるときには特定図柄の組合せを表示させ、特定の態様で停止操作が行われないときには所定図柄の組合せを表示させるようにしてもよい。
この場合、特定役は、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(本実施形態では、これを「押下位置○」や「押下位置正解」等として説明する場合がある)に特定図柄の組合せが表示され、停止操作のタイミングが適切でない場合(本実施形態では、これを「押下位置×」や「押下位置不正解」等として説明する場合がある)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、上述のとおり、特定役は特定小役として構成することも可能であり、この場合、少なくとも1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが適切である場合(押下位置○の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、停止操作のタイミングが適切でない場合(押下位置×の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(のタイミング)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、停止操作のタイミングが適切となるタイミングも限定されてしまうため、停止操作のタイミングが適切となるタイミングが異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、1つのリールにおいて、停止操作のタイミングが第1のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第1のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミングとは異なる第2のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第2のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、停止操作のタイミングが第1のタイミング及び第2のタイミングとは異なる第3のタイミングであるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、第3のタイミング以外のタイミングであるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役と、が設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
また、この場合、特定役は、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されるものとして構成することができる。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役は、上述のとおり特定小役として構成することも可能であり、この場合、打順が適切である場合(正解押し順の場合)に特定図柄の組合せが表示されて所定数の遊技価値が付与され、打順が適切でない場合(不正解押し順の場合)に所定図柄の組合せが表示されて特定数の遊技価値が付与されるものとして構成することができる。なお、この場合、所定数は特定数と同じ(すなわち、同じ特典)としてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも多い遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、所定数のほうが特定数よりも少ない遊技価値が付与されるものとしてもよい。また、特定図柄の組合せ及び所定図柄の組合せの少なくともいずれかを、取りこぼしが発生したときの図柄の組合せとしてもよい。すなわち、所定数及び特定数のいずれかを「0」に設定するようにしてもよい。これにより、遊技者の停止操作(の手順)に起因して有利状態の付与に関する有利度を変動させることができるのみならず、直接的な特典の内容も変動させることができるため、遊技者はより遊技に集中することとなり、また遊技性をさらに多様化させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、特定役が1種類であると、適切となる打順も限定されてしまうため、適切となる打順が異なる複数の特定役を設けることが望ましい。例えば、左第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、中・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第1特定役と、中第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・右第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第2特定役と、右第1停止であるとき、適切な停止操作となって特定図柄の組合せが表示され、左・中第1停止であるとき、適切な停止操作とならずに特定図柄の組合せは表示されない第3特定役とが設けられ、これらが同じ当籤確率で当籤するようにすればよい。
ここまで、特定役に当籤した単位遊技において、停止操作態様(停止操作のタイミングや打順のうち、少なくとも一方又は両方)に起因して、非有利区間における有利区間への移行判定処理や、有利区間における有利状態の付与に関する判定処理(疑似ボーナス移行抽籤やモード移行抽籤、その他有利区間における遊技状況の有利度を変化させるための処理を含む)を変化させることを述べたが、このような変化のうち、遊技者に相対的に不利となる(結果的に不利となる場合がある)変化は上述のペナルティと捉えることができる。したがって、そのような変化が発生した場合には、注意喚起をするための任意の演出(警告報知)を発生可能な構成としてもよい。
また、第1の遊技機では、特定役に当籤した場合、所定図柄の組合せが表示された場合よりも、特定図柄の組合せが表示された場合のほうが、有利状態が付与される可能性が高くなっている。すなわち、3枚ベットすることを前提とすれば、第2特別許可状態(例えば、2BBフラグ間)は、第1特別許可状態(例えば、3BBフラグ間)よりも有利状態の付与が優遇される状態である。
また、第1の遊技機では、所定役(例えば、後述の「押し順ベルB」)に当籤した場合、第1特別許可状態であれば打順不問で付与図柄の組合せ(例えば、8枚の払出となる図柄の組合せ)が表示される一方、第2特別許可状態であれば、打順が予め定義された正解押し順であった場合には付与図柄の組合せが表示されるが、打順が予め定義された正解押し順でなかった場合には付与図柄の組合せは表示されず、遊技価値が付与されない取りこぼしとなるか、又は付与図柄の組合せが表示された場合よりも少ない量の遊技価値しか付与されない図柄の組合せ(例えば、1枚の払出となる図柄の組合せ)が表示されるように構成されている。すなわち、有利状態の作動を考慮しなければ、第1特別許可状態は、第2特別許可状態よりも遊技価値の付与が優遇される状態である。
すなわち、遊技者が、非推奨遊技状態であっても3BBフラグ間の3枚ベット状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されないものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されるため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に少ない状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくいといった状態は、例えば、「安定状態」と定義することができる。
一方、遊技者が、推奨遊技状態で遊技を行えば、有利状態の付与確率は優遇されるものの、有利状態が作動していないときの遊技価値の付与確率は優遇されないため、有利状態が作動しているときと作動していないときとの傾斜値の差が相対的に多い状態で遊技を進めることができる。このように、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすいといった状態は、例えば、「荒波状態」と定義することができる。
ここで、安定状態と荒波状態の2つの状態を創出する手法は上述のものに限られない。例えば、「安定状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「荒波状態」よりも高める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「荒波状態」よりも低める。また、「荒波状態」では、上述の疑似ボーナス移行抽籤において、疑似ボーナスの移行確率を「安定状態」よりも低める一方、上述のモード移行抽籤において、天国モードの移行確率を「安定状態」よりも高める。このようにすれば、「安定状態」では、疑似ボーナスに初当りしやすいが、連荘しにくいという状態を創出でき、「荒波状態」では、疑似ボーナスに初当りしにくいが、連荘しやすいという状態を創出できる。なお、所定役の停止制御については、上述のとおり、2BBフラグ間と3BBフラグ間とで変動するものとしてもよいし、これとは異なる(すなわち、3BBフラグ間で優遇しない)ものとしてもよい。
[5-2.第1の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図9を参照して、第1の遊技機の図柄配置構成について説明する。図9は、第1の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図9に示すように、第1の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「スイカ」、「チェリー」、「赤ブランク」、「黄ブランク」、「白ブランク1」及び「白ブランク2」の10種類の図柄が、各リール3L,3C,3Rそれぞれにおいて図9に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[5-3.第1の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図10~図15を参照して、第1の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図10は、第1の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図11~図14は、第1の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図15は、第1の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第1の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第1の遊技機では、後述の内部抽籤処理(図26参照)において、図10に示す各内部当籤役が、図10に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図10中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図11~図14中、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「REP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「FRU」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_2BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、2枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、3枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。2枚ベット状態で、「F_2BB」が当籤した遊技、あるいは2BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB01」が表示され、2BB状態(2BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、2BBフラグ間であっても3枚ベット状態では「BB01」が表示される場合はない。
「F_3BB」は、非ボーナス状態(より詳細には、非フラグ間)において、3枚ベット状態で遊技が行われた場合に内部当籤役として決定可能である一方、2枚ベット状態で遊技が行われた場合には内部当籤役として決定されないように構成されている。3枚ベット状態で、「F_3BB」が当籤した遊技、あるいは3BBフラグ間で「はずれ」となった遊技において、各リールについて押下位置○であれば「BB02」が表示され、3BB状態(3BBに基づくボーナス状態)に移行する。一方、3BBフラグ間であっても2枚ベット状態では「BB02」が表示される場合はない。
なお、2BB状態及び3BB状態では、図10中、「ボーナス状態」の列の抽籤値が参照され、内部当籤役が決定される(遊技開始可能枚数は3枚ベットのみ)。2BB状態及び3BB状態中は、常に第一種特別役物であるRBが作動している状態(RB状態)に制御される。なお、RB状態は、作動してから2回の入賞が発生又は2回の遊技が行われた場合に一旦終了して再び作動するといった制御が繰り返される。また、第1の遊技機において、2BB状態の終了条件は、2BB状態において1枚を超えるメダルが払出されたことと規定されており、3BB状態の終了条件は、3BB状態において176枚を超えるメダルが払出されたことと規定されている。
ここで、2BB状態又は3BB状態が終了したときには、特殊モード移行処理が行われる。例えば、ボーナス状態に移行したとき(ボーナス状態中は、モード移行が行われないため、ボーナス状態が終了したときと同義)のモード、すなわち、現在のモードが「スタートモード」であれば、移行先のモードは「スタートモード」となる。また、現在のモードが「通常Aモード」「通常Bモード」「天国準備モード」「チャンスモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「通常Aモード」となる。また、現在のモードが「終了Aモード」「終了Bモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「終了Aモード」となる。また、現在のモードが「保障モード」「天国Aモード」「天国Bモード」「天国Cモード」のいずれかであれば、移行先のモードは「保障モード」となる。
「F_リプレイA」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、非フラグ間及び2BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP64」~「REP72」のいずれか(これらは、「リプレイ」図柄を下段一直線、あるいは中段一直線に表示させるものであることから、これらを「平行リプ」と総称することができる。また、「REP64」~「REP71」は、「下段リプ」と総称することができ、「REP72」は、「中段リプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、3BBフラグ間では、停止操作態様にかかわらず「REP73」(これは、「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ」と称することができる)が表示され、再遊技が付与される。
「F_リプレイB」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、いずれの状態であっても停止操作態様にかかわらず「平行リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP28」、「REP60」~「REP63」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであることから、これらを「チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP57」~「REP59」)が表示され、再遊技が付与される。
「F_確定チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP42」~「REP56」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を下段に表示させるものであって、例えば、「REP42」のように、他のリールにおいて遊技者が期待を高めることができる図柄も表示されることから、これらを「確定チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、上述の「チェリーリプ」や「REP29」~「REP41」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_中段チェリー」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、少なくとも左リール3Lについて押下位置○であれば「REP15」~「REP19」のいずれか(これらは、左リール3Lにおいて「チェリー」図柄を中段に表示させるものであることから、これらを「中段チェリーリプ」と総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。一方、押下位置×であれば、その他リプ(例えば、「REP20」~「REP27」)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_リーチ目」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、3枚ベット状態では内部当籤役として決定可能であるが、2枚ベット状態では内部当籤役として決定されないように構成することもできる。内部当籤役として決定された場合、2枚ベット状態では停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。3枚ベット状態では、押し順が「打順1」~「打順4」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「REP01」~「REP14」のいずれか(これらは、慣習上、遊技者にとって有利な状態への移行を確定報知する(ないし示唆する)ことが可能な図柄の組合せとして構成されており、これらを「リーチ目リプ」を総称することができる)が表示され、再遊技が付与される。また、押し順が「打順5」及び「打順6」のいずれかである場合、停止操作態様にかかわらず「中段リプ」が表示され、再遊技が付与される。
「F_スイカ」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、各リールについて押下位置○であれば、「FRU10」~「FRU12」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示させるものであることから、これらを「スイカ」と総称することができる)が表示され、3枚ベット状態であれば3枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば、「FRU08」及び「FRU09」のいずれか(これらは、「スイカ」図柄を並んで表示されるものでないため、これらを「スイカこぼし」と総称することができる)が表示され、1枚のメダルが払出される。なお、押下位置×の場合、取りこぼしを発生させてメダルの払出が0枚となるように構成することもできる。
「F_ベル123A1」、「F_ベル123A2」、「F_ベル132A1」、「F_ベル132A2」、「F_ベル213A1」、「F_ベル213A2」、「F_ベル231A1」、「F_ベル231A2」、「F_ベル312A1」、「F_ベル312A2」、「F_ベル321A1」、及び「F_ベル321A2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルA」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルA」は6択(「打順1」~「打順6」のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「右下がりベル」(「FRU03」)、「上段ベル」(「FRU01」及び「FRU02」)、「中段ベル」(「FRU04」)、「右上がりベル」(「FRU05」)、「小山ベル」(「FRU06」)、及び「下段ベル」(「FRU07」)のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」(「FRU13」~「FRU116」)のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_ベル123B1」、「F_ベル123B2」、「F_ベル132B1」、「F_ベル132B2」、「F_ベル213B1」、「F_ベル213B2」、「F_ベル231B1」、「F_ベル231B2」、「F_ベル312B1」、「F_ベル312B2」、「F_ベル321B1」、及び「F_ベル321B2」は、非ボーナス状態において、ベット数にかかわらず内部当籤役として決定可能に構成されている。なお、これらは、「押し順ベルB」と総称することができる。
図15に示すように、「押し順ベルB」は、2枚ベット状態、及び3枚ベット状態の3BBフラグ間においては押し順小役となっていない。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、3枚ベット状態であれば8枚のメダルが払出され、2枚ベット状態であれば2枚のメダルが払出される。
また、図15に示すように、「押し順ベルB」は、3枚ベット状態の3BBフラグ間以外の状態(3枚ベット状態の非フラグ間、3枚ベット状態の2BBフラグ間)においては押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、第1停止操作が正解していれば、残りの停止操作において1/2の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。また、第1停止操作が正解していなければ、残りの停止操作において1/8の確率で押下位置○となり、押下位置○であれば当籤している「1枚役」のうちいずれが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、押下位置×であれば取りこぼしが発生してメダルは払出されない。
「F_RB役8枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「ベル」が表示され、8枚のメダルが払出される。
「F_RB役1枚」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず上述のいずれかの「1枚役」(より詳細には、「FRU117」~「FRU120」が追加されている)が表示され、1枚のメダルが払出される。
なお、図10に示す内部抽籤テーブル、図11~図14に示す図柄組合せテーブル、及び図15に示す内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係はあくまで一例であり、これらに示した態様に限定されるものではない。
例えば、第1の遊技機では、純粋な「はずれ」のとき、「BB01」が表示可能な2ベット状態において、「BB01」を取りこぼして「はずれ」となったとき、「BB02」が表示可能な3ベット状態において、「BB02」を取りこぼして「はずれ」となったとき、2BBフラグ間において3ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、3BBフラグ間において2ベット状態であることに起因して「はずれ」となったとき、「押し順小役」を取りこぼして「はずれ」となったとき等、様々な状態で「はずれ」が発生することがある。そこで、これらのうち一部又は全部の場合にそれぞれ「はずれ」として表示される図柄の組合せを異ならせるため、これら異なる図柄の組合せを図柄組合せテーブルにおいて予め規定しておき、決定された内部当籤役に応じてこれらも「対応する図柄の組合せ」として表示が許可されるようにすることで、状態等に応じて表示される「はずれ」に係る図柄の組合せを異ならせるようにすることもできる。
[5-4.第1の遊技機のリミット処理構成]
続いて、図16を参照して、第1の遊技機のリミット処理構成について説明する。図16は、第1の遊技機における各リミット処理の一例を説明するための図である。図16に示すように、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)、通常リミット処理(払出数)、特殊リミット処理(ゲーム数)、特殊リミット処理(払出数)、準リミット処理(ゲーム数)、及び準リミット処理(払出数)の各リミット処理が実行されるようになっている。なお、これは、実行可能なリミット処理の一例であり、これらの各リミット処理以外のリミット処理が実行されるようにすることもできるし、これらの各リミット処理のうち一部のリミット処理は実行されないようにすることもできる。
通常リミット処理(ゲーム数)は、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1500回行われたとき)に実行される。なお、有利区間ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間ゲーム数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚のいずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間ゲーム数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。
通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、有利区間に関する情報(例えば、演出区間や増加区間に制御するための情報、現在のモードに係る情報、疑似ボーナスの遊技期間に係る情報、天井ゲーム数や天井短縮の有無に係る情報、1G連ストックカウンタの値等の当該有利区間中に得られた各種情報や当該有利区間を制御するために必要であった各種情報)も全てクリア(初期化)される。
通常リミット処理(払出数)は、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2400枚を超えたとき)に実行される。なお、有利区間払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、有利区間払出数カウンタは、ベット数が2枚及び3枚いずれの場合にもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、2BB状態及び3BB状態においてもその計数を行う。また、有利区間払出数カウンタは、例えば、有利区間中に「はずれ」や「取りこぼし」が発生した際、実払出数(例えば、「-2枚」又は「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。したがって、有利区間が開始してからメダルが増加せず減少していった等の場合には、負の値となることもある(あるいは、負の値となる場合には常に「0」が維持されるように構成することもできる)。すなわち、有利区間払出数カウンタは、有利区間中の払出されたメダル数の最下点から定義された最高点(差枚数:2400枚)までを計数することが可能となっている。
通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、演出区間中であるか、増加区間(疑似ボーナス)中であるかにかかわらず、有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
特殊リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上となったとき(すなわち、有利区間中の遊技が連続して1445回行われたとき)に実行される。なお、制御用ゲーム数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから遊技回数の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用ゲーム数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用ゲーム数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。もっとも、制御用ゲーム数カウンタを、有利区間ゲーム数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(ゲーム数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)有利区間ゲーム数カウンタの値は「1500」であるのに対し、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「1445」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大遊技数(継続可能期間)は「55ゲーム」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の遊技可能期間が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(ゲーム数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制期間分の遊技が行われた場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(ゲーム数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感等を抱き、遊技の興趣を低下させてしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間2回あたりの継続可能期間(55ゲーム×2セット=110ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+猶予期間(2ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、疑似ボーナスに移行する前に前兆状態を経由する等の仕様の場合であって、この前兆状態の最大遊技数が「4ゲーム」である場合、通常リミット処理(ゲーム数)が実行される遊技よりも、増加区間1回あたりの継続可能期間(55ゲーム)+最大前兆期間(4ゲーム)分手前の遊技で特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(ゲーム数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
特殊リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上となったとき(すなわち、有利区間中に払出されたメダル数が2125枚を超えたとき)に実行される。なお、制御用払出数カウンタは、有利区間(演出区間を含む)が開始されたときから払出されたメダル数(ここでは、例えば、「純増数(差枚数)」)の計数を開始し、有利区間が終了されたとき(当該リミット処理の作動による終了を含む)にその計数を終了してクリア(初期化)されるようになっている。また、制御用払出数カウンタは、ベット数が3枚であるときにその計数を行い、ベット数が2枚であるときにはその計数を行わない。また、制御用払出数カウンタは、非ボーナス状態であるときにその計数を行い、2BB状態及び3BB状態であるときにはその計数を行わない。
また、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「はずれ」が発生した際、実払出数(例えば、「-3枚」等)にしたがって適宜計数する値が減算される。もっとも、制御用払出数カウンタは、有利区間中に「取りこぼし」発生した際(少なくとも、メダルの払出数の最大値から差分が発生した際)には、「取りこぼし」(あるいは、差分)が生じなかったものとして、メダルの払出数を計数する。具体的には、例えば、3枚ベットで「押し順ベルA」に当籤した遊技において、打順が適切である場合にはメダルの払出数(最大値)は「8枚」(差枚数としては「+5枚」)となる一方、打順が適切でない場合、押下位置が適切であればメダルの払出数は「1枚」(差枚数としては「-2枚」)となり、押下位置が適切でなければ取りこぼしが発生してメダルの払出数は「0枚」(差枚数としては「-3枚」)となるが、制御用払出数カウンタは、当該遊技においていずれの場合であっても、差枚数「+5枚」を計数する。
また、例えば、2BB状態や3BB状態が作動する等して、有利区間払出数カウンタの値が制御用払出数カウンタの値よりも大きくなった場合には、制御用払出数カウンタの値は、有利区間払出数カウンタの値に補正される。なお、制御用払出数カウンタを、有利区間払出数カウンタと同様の構成とすることもできる。
特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、疑似ボーナス中であれば(すなわち、増加区間中であれば)、当該疑似ボーナスを途中で強制的に終了させることなく、疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
一方、疑似ボーナス中でなければ(すなわち、演出区間中であれば)、まず、疑似ボーナスに強制的に移行させる。すなわち、疑似ボーナス移行抽籤に当籤しなくとも、この特殊リミット処理(払出数)の実行によって疑似ボーナスに移行させる。そして、移行させた疑似ボーナスが終了されたときにそれにしたがって有利区間を強制的に終了させ、非有利区間に移行させる。また、このとき、上述の有利区間に関する情報も全てクリア(初期化)される。
ここで、通常リミット処理(払出数)が実行される(作動する)有利区間払出数カウンタの値は「2401」であるのに対し、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)制御用ゲーム数カウンタの値は「2126」である点に着目すると、第1の遊技機では、疑似ボーナス中の最大獲得枚数(付与可能遊技価値量)は「275枚」となっていることから(図5参照)、この差は、疑似ボーナス中の付与可能遊技価値量が考慮されたものとなっている。
すなわち、通常リミット処理(払出数)は、遊技の射幸性が過度に高くなってしまう抑制するため、有利区間において予め定められた規制遊技価値量分の遊技価値が付与された場合に実行されるものであるが、例えば、疑似ボーナスが開始された直後やその途中にこの通常リミット処理(払出数)が実行されてしまうと、遊技者は不信感や喪失感を抱き、遊技の興趣が低下してしまう場合がある。そこで、第1の遊技機では、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)を実行することで、疑似ボーナスが途中で終了して遊技者が不信感や喪失感を抱いてしまうことを防止している。
なお、このような観点からは、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは上述のものに限られない。例えば、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間2回あたりの付与可能遊技価値量(275枚×2セット=550枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(払出数)が実行されるようにしてもよい。また、例えば、若干の猶予期間を与えるために、通常リミット処理(払出数)が実行される遊技価値量よりも、増加区間1回あたりの付与可能遊技価値量(275枚)+猶予期間に相当する遊技価値量(8枚)分少ない遊技価値量が付与されたときに特殊リミット処理(ゲーム数)が実行されるようにしてもよい。すなわち、特殊リミット処理(払出数)が実行される(作動する)タイミングは、通常リミット処理(払出数)が実行されるタイミングよりも前のタイミングであればいずれのタイミングであってもよく、個別の遊技仕様等に応じて適宜設定可能であるものとする。
準リミット処理(ゲーム数)は、制御用ゲーム数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「55」(すなわち、疑似ボーナスの継続可能期間)を乗じた値を加算し、加算結果が「1390」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「55×2=110」となるから、制御用ゲーム数カウンタの値が「1280」となったときに準リミット処理(ゲーム数)が実行される(作動する)こととなる。
準リミット処理(払出数)は、制御用払出数カウンタの値に、1G連カウンタの値(天井短縮抽籤に当籤して「天井短縮あり」となっている場合にはさらに「1」を加算する)に「275」(すなわち、疑似ボーナスの付与可能遊技価値量)を乗じた値を加算し、加算結果が「1851」以上となったときに実行される。例えば、1G連カウンタの値が「1」であり、「天井短縮あり」となっている場合、後者の値は「275×2=550」となるから、制御用払出数カウンタの値が「1301」となったときに準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)こととなる。なお、準リミット処理(ゲーム数)と準リミット処理(払出数)とは、ともに同じ内容の規制を行うものであるから、一方の作動条件が成立して作動した後は、もう一方の作動条件が成立したとしても重複して作動する必要ないものとなっている。
準リミット処理(ゲーム数)、又は準備リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、疑似ボーナス中は、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤が実行されなくなる。すなわち、増加区間における遊技期間の延長が抑制される。なお、増加区間における遊技期間の延長が抑制される手法はこれに限られない。例えば、上述の1G連抽籤において、1G連の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよいし、上述の天井短縮抽籤において、天井短縮の当籤確率が通常よりも低くなるようにしてもよい。すなわち、上述の1G連抽籤及び天井短縮抽籤そのものは実行されるが、これらの抽籤に当籤しにくくなるようにしてもよい。また、例えば、準リミット処理(ゲーム数)の実行後の演出区間では、疑似ボーナス移行抽籤において当籤となる抽籤値を低くして、疑似ボーナスに移行しにくくしてもよい。あるいは、モード移行抽籤において遊技者に有利なモード移行が決定される抽籤値を低くして、疑似ボーナスが連荘しにくくしてもよい。
また、準リミット処理(ゲーム数)、又は準リミット処理(払出数)が実行される(作動する)と、以後の一連の有利区間において、演出区間中は、「確定役」(図7の(a)参照)の当籤時に特殊処理が行われるようになっている。以下、この特殊処理について、「確定役」が「F_確定チェリー」(以下、単に「確定チェリー」として説明する場合がある)である場合を例に挙げて説明する。
準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において「当籤(次回遊技)」が決定される(図7の(c)参照)。また、第1の遊技機では、左リール3Lの「チェリー」図柄が遊技者にとって期待度の高い図柄となっているので、停止操作の情報が報知されない遊技にあっては、遊技者は左第1停止で、かつ「チェリー」図柄を狙って(目安として「BAR」図柄を狙って)して停止操作を行うことが一般的な手順となっている。したがって、一般的な手順で遊技が行われる場合、「確定チェリー」当籤時には、まず、左第1停止で左リール3Lの下段に「チェリー」図柄が停止される。なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」が当籤した場合には、左第1停止(「打順1」及び「打順2」)をすべき旨の報知が行われるようにしてもよい。また、「当籤(次回遊技)」は、次回遊技から疑似ボーナスが開始されるものに限られず、次回遊技以降の遊技から疑似ボーナスが開始されるものであってもよい。
ここで、技量のある遊技者は、さらに「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別するために、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいても「BAR」図柄を狙って停止操作を行う。その結果、各リールの中段に「BAR」図柄が揃い、「確定チェリー」に当籤したことが認識できる(例えば、図11中、「REP42」参照)。一方、技量のない遊技者は、例えば、中リール3C及び右リール3Rにおいて「BAR」図柄を狙って停止操作を行わない、あるいは行えないことにより、停止表示態様からは「弱チェ」であるか「確定チェリー」であるかを判別できない場合がある(例えば、図11中、「REP28」参照)。
なお、第1の遊技機では、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合、特別入賞音が出力されるようになっている。また、「確定チェリー」に当籤した場合であって、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せは表示されなかったが、「チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合にも、特別入賞音が出力されるようになっている。なお、特別入賞音の出力は、100%の確率で行われるようにしてもよいし、所定確率(例えば、50%の確率)で行われるようにしてもよい。
いずれにしても、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないとき、「確定チェリー」に当籤した場合には、次回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
一方、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、演出区間中(増加区間中であってもよい)に「確定チェリー」が当籤すると、疑似ボーナス移行抽籤において一旦、「当籤(次回遊技)」は決定されるものの(図7の(c)参照)、特殊処理の実行により、この決定結果が「当籤(今回遊技)」に書き換えられる。そして、今回遊技の開始時において「赤7揃い」演出が行われて疑似ボーナスが開始されることが報知され、疑似ボーナスが開始されることとなる。
このとき、今回遊技においては、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せ(「チェリーリプ」の図柄の組合せを含む)を表示させず、「中段リプ」の図柄の組合せを表示させるための停止操作の情報の報知(特殊報知)が行われる。例えば、第1の遊技機では、右第1停止(「打順5」及び「打順6」)をすべき旨の特殊報知が行われる(図15参照)。これにより、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれも作動していないときには、「確定チェリーリプ」表示→次回遊技から疑似ボーナス開始といった遊技の流れであったものが、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかの作動後にあっては、今回遊技から疑似ボーナス開始→特殊報知にしたがって停止操作が行われることにより「中段リプ」表示という遊技の流れに変更される。なお、特殊報知は、メイン(主制御基板71)側の制御によって行われるようにしてもよいし、結果として疑似ボーナスに移行することにかわりなく遊技者が不利益を被らないという観点から、サブ(副制御基板72)側のみの制御によって行われるようにしてもよい。
なお、準リミット処理(ゲーム数)及び準リミット処理(払出数)のいずれかが作動した後、「確定チェリー」に当籤した場合であって、特殊報知が行われたにもかかわらず、「確定チェリーリプ」の図柄の組合せが表示された場合には、特別入賞音は出力さない。
また、第1の遊技機では、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合、基本的には停止操作の手順が報知されない。このため、停止操作の手順が報知されて「中段リプ」が表示されるのが上述の特殊報知が行われた場合のみであるとすると、このような状態が発生した場合には、いずれかの準リミット処理が作動したことを遊技者に明確に認識されてしまい、その結果遊技の興趣を低下させてしまう可能性もある。したがって、有利区間中においては、いずれかの準リミット処理が作動しているか否かにかかわらず(あるいは、いずれかの準リミット処理の作動後からであってもよい)、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に、所定確率で特殊報知と同様の報知が行われるようにしてもよい。このようにすれば、特殊報知が行われることに対して遊技者が不自然に感じてしまうこと防止することができる。また、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合に特殊報知と同様の報知が行われるのは、疑似ボーナス移行抽籤に当籤した場合としてもよい。また、この場合、「F_リプレイA」又は「F_リプレイB」が内部当籤役として決定された場合の疑似ボーナス移行抽籤では、所定確率で「当籤(今回遊技)」が決定され得るようにしてもよい。
ここまで、通常リミット処理、特殊リミット処理、及び準リミット処理を作動させるため、「ゲーム数」及び「払出数」を用いて有利区間の遊技期間を監視することを例に挙げて説明したが、各リミット処理が実行される条件は上述のものに限られず、適宜変更可能であるものとする。例えば、各リミット処理が実行されるとした、有利区間ゲーム数カウンタの値、有利区間払出数カウンタの値、制御用ゲーム数カウンタの値、制御用払出数カウンタの値、並びに1G連カウンタの値及び天井短縮の有無(すなわち、準リミット処理を作動させるための変数)等は、遊技仕様や市場動向等に応じて適宜変更可能である。
また、有利区間の遊技期間を監視するための手法も上述のものに限られない。例えば、有利区間の遊技期間を監視するために「ナビ回数」を用いるとしたならば、上記と同様に、通常リミット処理(ナビ回数)や特殊リミット処理(ナビ回数)、あるいは準リミット処理(ナビ回数)が実行されるようにすることもできる。すなわち、有利区間の遊技期間を監視するために値を計数可能な要素(パラメータ)であればどのような要素も採用することができ、採用した要素に対して、通常リミット処理が実行される値と、特殊リミット処理が実行される値と、準リミット処理が実行される値と、を規定することで、上述のものと同様に、各リミット処理が実行されるものとすることができる。
上述のとおり、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態である場合には、特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、有利状態(例えば、疑似ボーナス)及び特定状態(例えば、演出区間)は一連の有利区間として制御され、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間(例えば、有利区間ゲーム数カウンタの値が「1500」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量(例えば、有利区間払出数カウンタの値が「2401」以上)となったときには、この一連の有利区間が強制的に終了されるが、この一連の有利区間における遊技期間が所定期間よりも短い特定期間(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が「1445」以上)となったとき、又はこの一連の有利区間において付与された遊技価値量が所定量よりも少ない特定量(例えば、制御用払出数カウンタの値が「2126」以上)となったときに、有利状態でない場合には有利状態に移行させ、移行させた有利状態が終了して特定状態に移行するときに、一連の有利区間を終了させるようにしている。
すなわち、第1の遊技機では、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。また、このようにして一連の有利区間を終了させる際には、有利状態でなければ有利状態に移行させた上で終了させるようにしている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、特定期間又は特定量は、有利状態の継続可能期間(例えば、「55ゲーム」)又は付与可能遊技価値量(例えば、「275枚」)を考慮して設定されているため、遊技者の感情に配慮しつつも、遊技者に付与される遊技価値量が極端に規制されることを防止することができる。
また、第1の遊技機では、有利状態は付与された権利(例えば、「1G連ストック」及び「天井短縮」)によって延長される場合があるが、一連の有利区間における遊技期間が、特定期間よりも短く、付与された権利数に応じて設定された特別期間となったとき(例えば、制御用ゲーム数カウンタの値が準リミット処理(ゲーム数)が実行される値となったとき)、又は一連の有利区間において付与された遊技価値量が、特定量よりも少なく、付与された権利数に応じて設定された特別量となったとき(例えば、制御用払出数カウンタの値が準リミット処理(払出数)が実行される値となったとき)には、以後の一連の有利区間において権利の付与が抑制されるようになっている。これにより、例えば、遊技者が消費しきれないほどの権利が付与され、このような状態で一連の有利区間が強制的に終了される結果、遊技者が不信感や喪失感等を抱いてしまうことを防止できるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、上述の「特定量」や「特別量」を計数する上では、例えば、遊技者の操作ミスや指示の無視等に起因して、本来付与されるはずであった遊技価値量と実際に付与された遊技価値量との間で差分が生じた場合であっても、この差分を考慮せず、本来付与されるはずであった遊技価値量を基準として計数が行われるようになっている。これにより、このような遊技者の行為によって一連の有利区間が必要以上に延長されてしまうことや、このような行為を行った遊技者と行っていない遊技者との間で不公平が生じてしまうことを防止することができるので、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されている状態(例えば、準リミット処理作動後の状態)において有利状態への移行が確定する確定役(例えば、「確定チェリー」)に当籤したときには、この確定役の当籤が明確に認識できる特別図柄の組合せ(例えば、「確定チェリーリプ」)を表示させないための特殊報知が行われるようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特殊報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、特殊報知が行われる場合、本来次回遊技から開始されるはずであった有利状態を、今回遊技から開始するようにしている。これにより、遊技者に自然な流れで特殊報知にしたがった停止操作を行わせることができるので、このような特殊報知を行う場合であっても、遊技者が違和感等を抱いてしまうことを防止できる。
また、第1の遊技機では、権利の付与が抑制されていない状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知(例えば、特別入賞音の出力)を行うことを可能とする一方、権利の付与が抑制されている状態で、確定役に当籤して特別図柄の組合せが表示された場合には特別報知を行うことを可能としないようになっている。これにより、例えば、確定役の当籤が無駄な当籤であった等といった感情を遊技者が抱いてしまうことを防止できる。すなわち、権利の付与が抑制されている状態では有利状態が開始された契機を遊技者に明確に認識させないようにすることで、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。なお、特別報知を行うのはいずれの演出実行手段を用いてもよい。
また、第1の遊技機では、確定役に当籤したか否か、特別図柄の組合せが表示されたか否か、及び特殊報知が行われたか否かに応じて、特別報知を行うか否かを決定するようにしている。これにより、特別報知が行われる状況をより適切に管理することができる。
また、第1の遊技機では、有利区間ゲーム数カウンタ及び有利区間払出数カウンタは、ベットされた遊技価値量にかかわらず計数を行う結果、3枚ベット状態のみならず2枚ベット状態においても、通常リミット処理(ゲーム数)及び通常リミット処理(払出数)が実行されることを可能としている。
また、第1の遊技機では、制御用ゲーム数カウンタ及び制御用払出数カウンタは、3枚ベット状態では計数を行うが、2枚ベット状態では計数を行わない。したがって、3枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としているが、2枚ベット状態では、特殊リミット処理(ゲーム数)及び特殊リミット処理(払出数)が実行されることを可能としていない。したがって、2枚ベット状態では、通常リミット処理(ゲーム数)又は通常リミット処理(払出数)の実行によって、疑似ボーナス中であっても一連の有利区間が強制的に終了してしまう場合がある。
なお、第1の遊技機では、3枚ベット状態と2枚ベット状態とでは、例えば、小役の当籤確率、及びメダルの払出数が異なる結果(図10~図15参照)、3枚ベット状態で遊技を行う場合よりも2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが、遊技者に不利となっている。もっとも、このように、2枚ベット状態で遊技を行う場合のほうが遊技者に不利となる手法はこれに限られない。例えば、疑似ボーナス中に2枚ベット状態で遊技が行われた場合には、停止操作の手順が報知されないようすることで、遊技者に不利となるように構成してもよい。
このように、第1の遊技機では、第1の量(例えば、「3枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了されることがなく、有利状態の終了にともなった自然な流れで一連の有利区間を一定期間内に終了させることを可能としている。これにより、射幸性が過度に高くなってしまうことを抑制しつつも、遊技者が不信感や喪失感等を抱くことを防止することができるので、遊技者の感情にも配慮することを可能としている。一方、第2の量(例えば、「2枚」)の遊技価値がベットされて遊技が行われた場合には、有利状態の途中で一連の有利区間が強制的に終了される場合があることから、これによって遊技者に企図された遊技方法で遊技を行わなかったことを気付かせることができるので、遊技者に対して企図された遊技方法で遊技を行うことを促すことができる。
なお、一連の有利区間において、第1の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合よりも、第2の量の遊技価値がベットされて遊技が行われる場合のほうが、遊技者にとって不利となっているので、このような注意喚起を可能にすることで、遊技者により有利な状態で遊技を行うべきであることも促すことができ、遊技者が企図しない遊技方法で遊技を行うことに起因して遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
[5-5.第1の遊技機の格納領域構成]
続いて、図17~図22を参照して、第1の遊技機の格納領域構成について説明する。図17は、第1の遊技機の当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域の一例を示す図である。また、図18は、第1の遊技機の持越役格納領域の一例を示す図である。また、図19は、第1の遊技機の遊技状態フラグ格納領域の一例を示す図である。また、図20は、第1の遊技機のモードフラグ格納領域の一例を示す図である。また、図21は、第1の遊技機の作動ストップボタン格納領域の一例を示す図である。また、図22は、第1の遊技機の押下順序格納領域の一例を示す図である。
(当籤フラグ格納領域、入賞作動フラグ格納領域、及び図柄コード格納領域)
まず、図17を参照して、当籤フラグ格納領域(内部当籤役格納領域)、入賞作動フラグ格納領域(表示役格納領域)、及び図柄コード格納領域の構成について説明する。なお、第1の遊技機では、当籤フラグ格納領域と、入賞作動フラグ格納領域と、図柄コード格納領域とが同じデータ構成となっている。
上述の各格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1~26で構成される。なお、各格納領域に格納されるデータは、図17中の「データ」欄の1バイトデータのみであるが、図17では、説明の便宜上、各格納領域のビットに対応付けられた図柄組合せを示す「コンビネーション」(図17中では、リール3Lの図柄、リール3Cの図柄及びリール3Rの図柄の順で記載)及びその内容(図11~図14参照)も併せて記載する。
当籤フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、内部当籤役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において表示されることが許可された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに当籤した場合(持越されている場合)、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
入賞作動フラグ格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、表示役に対応する図柄の組合せの種類(すなわち、今回の遊技において有効ライン上に表示された図柄の組合せの種類)を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示された場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
図柄コード格納領域に格納されるデータは、メインCPU101が、少なくともいずれかのリールの回転中において、今回の遊技において未だ有効ライン上に表示可能となっている図柄の組合せの種類を識別可能とするために用いられる。例えば、今回の遊技において少なくともいずれかのリールが回転しているときに、2BBに係る図柄の組合せが有効ライン上に表示され得るものとなっている場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。
(持越役格納領域)
続いて、図18を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。持越役格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。
内部抽籤処理の結果、「F_2BB」(2BB)又は「F_3BB」(3BB)のボーナス役が内部当籤役として決定されたときには、これらのボーナス役は、持越役として持越役格納領域に格納される(対応するビットに「1」が格納される)。持越役格納領域に格納された持越役は、対応する図柄の組合せが有効ライン上に表示されるまでクリアされずに保持される。また、持越役格納領域に持越役が格納されている間、内部抽籤処理によって決定された内部当籤役(小役・リプレイ役)に加えて、持越役(ボーナス役)が当籤フラグ格納領域に格納される。
(遊技状態フラグ格納領域)
続いて、図19を参照して、遊技状態フラグ格納領域の構成について説明する。遊技状態フラグ格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。例えば、現在の遊技状態が2BB状態である場合、格納領域のビット0に「1」が格納される。
なお、第1の遊技機では、RT状態が設けられていないので、図19に示す遊技状態フラグ格納領域にはRT状態の種類を示す領域は設けられていないが、例えば、RT状態が設けられている場合には、現在のRT状態に対応する格納領域のビットに「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、有利区間中の遊技状態(モード)の種類を示すデータを別途後述のモードフラグ格納領域に格納するものとしているが、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、非有利区間及び有利区間の遊技区間についても同様である。図示しない有利区間フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。また、AT状態やART状態等の遊技状態についても同様である。図示しないAT状態(ART状態)フラグ格納領域を設けて管理することもできるし、この遊技状態フラグ格納領域において格納して管理することもできる。
(モードフラグ格納領域)
続いて、図20を参照して、モードフラグ格納領域の構成について説明する。モードフラグ格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される格納領域1及び格納領域2で構成される。例えば、現在のモードがスタートモードである場合、格納領域1のビット0に「1」が格納される。また、例えば、現在のモードが天国Aモードである場合、格納領域2のビット0に「1」が格納される。なお、第1の遊技機では、疑似ボーナス状態もモードの1つとして管理している。
(作動ストップボタン格納領域)
次に、図21を参照して、作動ストップボタン格納領域の構成について説明する。作動ストップボタン格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、作動ストップボタン格納領域のビット0~2は、すでに操作されたストップボタンの種類(停止したリールの種類)を示すデータを格納し、ビット4~6は、未だ操作されていないストップボタンの種類(回転中のリールの種類)を示すデータを格納する。
例えば、ストップボタン8Lが今回押されたストップボタン、すなわち、作動ストップボタンである場合には、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納される。また、例えば、ストップボタン8Lが未だ押されていないストップボタン、すなわち、有効ストップボタンである場合には、ビット4に「1」が格納される。メインCPU101は、作動ストップボタン格納領域に格納されているデータに基づいて、今回押されたストップボタンと未だ押されていないストップボタンとを識別する。
(押下順序格納領域)
次に、図22を参照して、押下順序格納領域の構成について説明する。押下順序格納領域は、1バイトのデータにより表される格納領域で構成される。なお、押下順序は、ストップボタンが押された順序、すなわち、押し順(打順)を示すものである。
例えば、全てのリールが回転中であるときには、押下順序格納領域のビット0~5に「1」が格納される。次いで、ストップボタン8Lが押されたときには(「左」第1停止であるから)、ビット0及び1には「1」が格納されたままとなるが、ビット2~5には「0」が格納されるようになる。次いで、ストップボタン8Cが押されたときには(「左」第1停止、「中」第2停止であることから)、ビット0には「1」が格納されたままとなるが、ビット1には「0」が格納されるようになる。メインCPU101は、押下順序格納領域に格納されているデータに基づいて、今回の遊技の押し順を識別する。
[6.主制御回路による処理]
続いて、図23~図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101が各プログラムを用いて実行する各種処理の内容について説明する。なお、以下に示す各種処理の説明では、第1の遊技機の仕様を用いてその処理内容の一具体例を説明する場合があるが、以下に示す各種処理の処理内容はこれに限定されるものではない。
[6-1.メイン処理]
まず、図23を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行されるメイン処理(主要動作処理)について説明する。なお、図23は、メイン処理の手順の一例を示すフローチャートである。また、図23においては、メイン処理の開始に先立って実行される電源投入時処理についても併せて示している。
まず、メインCPU101は、パチスロ機1に電力が供給されると(電源が投入されると)、電源投入時処理を行う(S1)。この処理では、電源投入時に必要な各種処理を行う。なお、電源投入時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、当籤フラグ格納領域や入賞作動フラグ格納領域等の1回の単位遊技(ゲーム)ごとにデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、例えば、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、及びスタートスイッチ7S等の入力状態をチェックし、遊技開始時に必要な各種処理を行う。なお、メダル受付・スタートチェック処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、乱数値取得処理を行う(S4)。この処理では、内部抽籤用乱数値(例えば、0~65535の範囲)や遊技性に関する各種抽籤で用いられる演出用乱数値(その他抽籤用乱数値)(例えば、0~65535の範囲、あるいは0~255の範囲)等を抽出し、抽出した各種乱数値をメインRAM103に設けられた乱数値格納領域(不図示)に格納する。なお、各種乱数値の取得態様は上述のものに限られない。それぞれ予め定められた数値範囲(例えば、0~65535の範囲、0~32767の範囲、0~255の範囲、あるいは0~127の範囲等)から必要な個数の乱数値を適宜取得することができる。
続いて、メインCPU101は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、現在の遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルや内部抽籤用乱数値に基づいて内部当籤役を決定するために必要な各種処理を行う。なお、内部抽籤処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時状態制御処理を行う(S6)。この処理では、各種遊技状態について、遊技を開始するときに、(例えば、決定された内部当籤役等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技開始時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、スタートコマンド生成格納処理を行う(S7)。この処理では、副制御回路200に送信するスタートコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域(不図示)に格納する。なお、通信データ格納領域に格納されたデータは、後述の通信データ送信処理(図32のS204参照)において主制御回路100から副制御回路200に送信される。また、その他のコマンドのデータの生成、格納、及び送信手法も基本的に同様である。
続いて、メインCPU101は、遊技開始時メイン側演出制御処理を行う(S8)。この処理では、遊技を開始するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技開始時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、例えば、AT状態であって指示モニタによって停止操作の情報を報知する場合にはその報知態様を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止初期設定処理を行う(S9)。この処理では、内部当籤役や遊技状態等に基づいて、今回の遊技で使用する停止テーブルの種類や引込優先順位テーブルの種類等の停止制御に必要な各種情報を設定する。
続いて、メインCPU101は、リール回転開始処理を行う(S10)。この処理では、全てのリールの回転開始を要求する。そして、全てのリールの回転開始が要求されると、後述のリール制御処理(図32のS203参照)により、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動が制御され、各リール3L,3C,3Rの回転が開始される。回転を開始した各リールは、その回転速度が一定速度に達するまで加速制御され、その後、当該一定速度が維持される。また、詳細は省略するが、この処理においてはリール回転開始コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S11)。この処理では、回転中のリール(この場合は全てのリール)の各図柄(図柄位置)に対して、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域(不図示)に格納する。なお、図示は省略するが、この処理に先立って後述の図柄コード格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、リール停止制御処理を行う(S12)。この処理では、決定された内部当籤役(あるいはこれに応じて設定された各種停止制御に係る情報)と各ストップボタン8L,8C,8Rの停止操作態様と基づいて該当するリールの回転を停止させるために必要な各種処理を行う。なお、リール停止制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、入賞作動判定処理を行う(S13)。この処理では、有効ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されたいずれかの図柄の組合せであるか否かを判定する。例えば、入賞作動フラグ格納領域において「1」が格納されているビットがあるか否かを判定する。また、詳細は省略するが、この処理においては入賞作動コマンド生成格納処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、メダル払出・再遊技作動処理を行う(S14)。この処理では、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せが、小役に係る図柄の組合せであればこれに対応するメダル数を払出し、リプレイ役に係る図柄の組合せであれば次回の遊技において再遊技を作動させるために必要な各種処理を行う。なお、例えば、上述の入賞作動判定処理において判定された図柄の組合せがリプレイ役に係る図柄の組合せである場合には、今回の遊技におけるベット数と同数の値を後述の自動投入メダルカウンタにセットする処理を行う。また、この処理では、払出すメダル数に応じたメダル払出信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時状態制御処理を行う(S15)。この処理では、各種遊技状態について、遊技が終了するときに、(例えば、表示された図柄の組合せ等に基づいて)移行条件が成立する場合には成立した移行条件にしたがって遊技状態を移行させるため、あるいは現在の遊技状態の遊技期間を管理するために必要な各種処理を行う。なお、遊技終了時状態制御処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、遊技終了時メイン側演出制御処理を行う(S16)。この処理では、遊技が終了するときに、主制御回路100側(メイン側)の制御による各種演出を行う場合、当該演出を行うために必要な各種処理を行う。例えば、遊技終了時にロック演出が行われる場合には当該ロック演出の実行を制御する。また、これが疑似遊技を含むものであれば当該疑似遊技の進行(あるいは疑似遊技に関する報知)を制御する。また、詳細は省略するが、ロック演出が行われる場合には、この処理においてロックコマンド生成格納処理が行われる。
このように、パチスロ機1では、上述のS2~S16の処理が行われることで1回の単位遊技が制御され、また、これらの処理が繰り返されることで遊技の進行が制御される。なお、必要に応じてこれらの処理以外の処理が適宜行われるように構成することもできるし、これらの処理のうち一部の処理については行われないように構成することもできる。すなわち、上述の各種処理はあくまで一例である。
(電源投入時処理)
続いて、図24を参照して、上述のメイン処理のS1において行われる電源投入時処理について説明する。なお、図24は、電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、図示しない電源投入時の初期化処理を行った後、メインRAM103の書込みテストを行い、当該テストの結果、メインRAM103への書込みが正常に行われたか否かを判定する(S21)。すなわち、メインCPU101は、メインRAM103に異常が発生していないか否かを判定する。
メインCPU101は、メインRAM103への書込みが正常に行われたと判定した場合(S21がYES)、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であるか否かを判定する(S22)。すなわち、メインCPU101は、設定変更が可能な状態であるか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオン状態であると判定した場合(S22がYES)、設定変更時の初期化処理を行う(S23)。この処理では、メインRAM103における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでの指定格納領域は、例えば、持越役格納領域、遊技状態フラグ格納領域やモードフラグ格納領域等の設定変更時にデータの消去が必要な格納領域である。
続いて、メインCPU101は、初期化コマンド生成格納処理を行う(S24)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が開始されたことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。
続いて、メインCPU101は、設定変更処理を行う(S25)。この処理では、上述の設定値決定操作や設定値確定操作を受付けることにより、メインRAM103が初期化された後、新たな設定値がメインRAM103の設定値格納領域(不図示)に設定(格納)される。続いて、メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったか否かを判定する(S26)。すなわち、メインCPU101は、新たに設定値が設定された後、設定変更が可能な状態が終了したか否かを判定する。
メインCPU101は、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となっていないと判定した場合(S26がNO)、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となるまで処理を待機する。一方、設定用鍵型スイッチ52がオフ状態となったと判定した場合(S26がYES)、初期化コマンド生成格納処理を行う(S27)。この処理では、副制御回路200に送信する設定変更処理が終了したことを示す初期化コマンドのデータを生成し、生成したデータを通信データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S22において、設定用鍵型スイッチ52がオン状態でないと判定した場合(S22がNO)、バックアップデータが正常であるか否かを判定する(S28)。すなわち、メインCPU101は、パチスロ機1への電力の供給が断たれたとき(電断時)にバックアップされた各種情報が正常であるか否かを判定する。
メインCPU101は、バックアップデータが正常であると判定した場合(S28がYES)、遊技復帰処理を行う(S29)。この処理では、パチスロ機1を電断前の状態に復帰させる処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、電源投入時処理を終了する。
メインCPU101は、S21において、メインRAM103への書込みが正常に行わなかったと判定した場合(S21がNO)、及びS28において、バックアップデータが正常でないと判定した場合(S28がNO)、電源投入時エラー処理を行う(S30)。なお、この電源投入時エラー処理によって発生したエラーは、上述のリセット操作によっては解消されず、新たに設定値が設定されたことに応じて解消するものとなっている。したがって、メインCPU101は、電源投入時エラー処理の後、一度パチスロ機1の電源がオフとなり、その後、新たに設定値が設定されるまで(上述のS22~S26の処理が行われるまで)通常の処理(図23のS2以降)に移行しない。
(メダル受付・スタートチェック処理)
続いて、図25を参照して、上述のメイン処理のS3において行われるメダル受付・スタートチェック処理について説明する。なお、図25は、メダル受付・スタートチェック処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S41)。すなわち、メインCPU101は、前回の単位遊技でリプレイ役に入賞したか(再遊技が作動したか)否かを判定する。
メインCPU101は、自動投入メダルカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S41がNO)、自動投入処理を行う(S42)。この処理では、前回の単位遊技で投入されたメダルと同数のメダルが自動投入される。また、詳細は省略するが、自動投入が行われる場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
メインCPU101は、S41において、自動投入メダルカウンタの値が「0」であると判定した場合(S41がYES)、及びS42の処理の後、メダル補助収納庫スイッチチェック処理を行う(S43)。この処理では、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっているか(すなわち、メダル補助収納庫33に一定数以上のメダルが収納されているか)否かを判定し、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていると判定した場合にはメダル補助収納庫エラーを発生させる。この場合、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。また、メダル補助収納庫スイッチ33Sがオン状態となっていないと判定した場合には、この処理を終了する。
続いて、メインCPU101は、メダル投入状態チェック処理を行う(S44)。この処理では、現在のベット数やクレジット数のチェックを行うとともに、メダルの受付が禁止されているか、あるいはセレクタエラーが発生しているか等も判定し、メダルの受付が可能であれば、メダルの受付が可能な状態(ベット操作を受付可能な状態)とする(メダルの受付を許可する)。なお、セレクタエラーが発生している場合には、当該エラーが解消されるまで処理が待機される。
続いて、メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であるか否かを判定する(S45)。メインCPU101は、メダルの受付が可能な状態であると判定した場合(S45がYES)、メダル投入チェック処理を行う(S46)。この処理では、メダルセンサ31Sの検出結果やベットスイッチ6Sの検出結果に基づいてベット数やクレジット数を更新する。また、詳細は省略するが、ベット操作が行われた場合には、この処理においてメダル投入コマンド生成格納処理が行われる。また、この処理では、メダル投入信号を外部集中端子板55から出力する。
続いて、メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であるか否かを判定する(S47)。すなわち、メインCPU101は、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっていないか否かを判定する。メインCPU101は、メダルの投入又はクレジットが可能な状態でない(すなわち、ベット数が「3」枚であって、かつクレジット数も「50」枚となっている)と判定した場合(S49がNO)、メダルの受付を禁止する(S48)。すなわち、メインCPU101は、メダルの受付が可能でない状態(ベット操作を受付可能としない状態)とする。
メインCPU101は、S45において、メダルの受付が可能な状態でないと判定した場合(S45がNO)、S47において、メダルの投入又はクレジットが可能な状態であると判定した場合(S47がYES)、及びS48の処理の後、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判定する(S49)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、現在のベット数が「2」又は「3」枚であるか否かが判定される。
メインCPU101は、投入枚数が遊技開始可能枚数であると判定した場合(S49がYES)、スタートスイッチ7Sがオン状態となったか否かを判定する(S50)。すなわち、メインCPU101は、遊技者によって開始操作が行われたか否かを判定する。
メインCPU101は、スタートスイッチ7Sがオン状態となったと判定した場合(S50がYES)、メダルの受付を禁止する(S51)。そして、メインCPU101は、この処理の後、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
メインCPU101は、S49において、投入枚数が遊技開始可能枚数でないと判定した場合(S49がNO)、及びS50において、スタートスイッチ7Sがオン状態となっていないと判定した場合(S50がNO)、処理をS44に戻す。
(内部抽籤処理)
続いて、図26を参照して、上述のメイン処理のS5において行われる内部抽籤処理について説明する。なお、図26は、内部抽籤処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、設定値・メダル投入枚数チェック処理を行う(S61)。この処理では、今回の単位遊技における設定値及びベット数のチェックを行う。続いて、メインCPU101は、設定値、ベット数及び遊技状態等に応じた内部抽籤テーブルをセットする(S62)。続いて、メインCPU101は、乱数値格納領域から内部抽籤用乱数値を取得する(S63)。すなわち、メインCPU101は、上述のメイン処理のS4で取得した内部抽籤用乱数値のデータを取得する。なお、この処理において、設定値が「1」~「6」以外又はベット数が「1」~「3」以外であると判定された場合には、メインCPU101は、重篤なエラーが発生したと判断し、上述の電源投入時エラー処理(図24のS30参照)を実行する。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役決定処理を行う(S64)。この処理では、取得した内部抽籤用乱数値を、セットされた内部抽籤テーブルに規定された各内部当籤役の抽籤値を用いて順次更新(例えば、加算更新)し、更新結果が所定結果となったか(例えば、オーバーフローしたか)否かを判定する。所定結果となった場合にはその内部当籤役を今回の単位遊技の内部当籤役として決定する。なお、全ての内部当籤役について判定しても所定結果とならなかった場合には、今回の単位遊技の結果は「はずれ」となる(内部当籤役として「はずれ」が決定される)。
続いて、メインCPU101は、内部当籤役が決定されたか否かを判定する(S65)。メインCPU101は、内部当籤役が決定されなかったと判定した場合(S65がNO)、処理をS64に戻す。すなわち、メインCPU101は、判定対象となる内部当籤役を順次更新し(内部抽籤用乱数値も順次更新し)、全ての内部当籤役について判定が行われるまで(あるいは、その中途で内部当籤役が決定されるまで)S64の処理を繰り返す。
メインCPU101は、内部当籤役が決定されたと判定した場合(S65がYES)、決定された内部当籤役が持越非対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役でなく、小役又はリプレイ役であるか)否かを判定する(S66)。メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越非対象役であると判定した場合(S66がYES)、当籤フラグ格納領域を更新する(S67)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて当籤フラグ格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、当籤フラグ格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S66において、決定された内部当籤役が持越非対象役でないと判定した場合(S66がNO)、及びS67の処理の後、決定された内部当籤役が持越対象役であるか(すなわち、持越役であるボーナス役であるか)否かを判定する(S68)。
メインCPU101は、決定された内部当籤役が持越対象役であると判定した場合(S68がYES)、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S69)。すなわち、メインCPU101は、未だいずれのボーナス役も持越されていないか否かを判定する。メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S69がYES)、持越役格納領域を更新する(S70)。この処理では、S64の処理で決定された内部当籤役に基づいて持越役格納領域のデータを更新する。すなわち、メインCPU101は、持越役格納領域において、決定された内部当籤役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S68において、決定された内部当籤役が持越対象役でないと判定した場合(S68がNO)、S69において、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S69がNO)、及びS70の処理の後、再度、持越役格納領域のデータが「0」であるか否かを判定する(S71)。
メインCPU101は、持越役格納領域のデータが「0」でないと判定した場合(S71がNO)、当籤フラグ格納領域を更新する(S72)。この処理では、持越役格納領域に格納されているデータを当籤フラグ格納領域のデータに反映させる。すなわち、メインCPU101は、ボーナス役が持越されている(あるいは今回の単位遊技で当籤した)場合、当籤フラグ格納領域において、当該ボーナス役に対応して表示が許可される図柄の組合せに対応するデータにビットに「1」を格納する。
メインCPU101は、S71において、持越役格納領域のデータが「0」であると判定した場合(S71がYES)、及びS72の処理の後、サブフラグ等設定処理を行う(S73)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、内部当籤役に基づいて非有利区間サブフラグや有利区間当籤時サブフラグが設定される。なお、この処理では、例えば、AT状態であるとき、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報等が設定されるようにしてもよい。そして、メインCPU101は、この処理の後、内部抽籤処理を終了する。
(遊技開始時状態制御処理)
続いて、図27を参照して、上述のメイン処理のS6において行われる遊技開始時状態制御処理について説明する。なお、図27は、遊技開始時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S81)。この処理では、遊技を開始するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定のボーナス役に当籤したことに基づいて所定のRT状態としてのフラグ間に移行させる場合、この処理において所定のボーナス役に当籤したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、フラグ間はRT状態として(すなわち、遊技状態フラグ格納領域に格納される遊技状態として)構成されていないため、ここでのチェックは不要となる。また、例えば、特定の移行条件の成立から特定の遊技数の遊技を行ったことにより開始又は終了する特定のRT状態がある場合、この処理においてこの特定の遊技数を管理することもできる。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S82)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S82がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S83)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S84)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。
メインCPU101は、S82において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S82がNO)、及びS84の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S85)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S85がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S86)。この処理では、遊技を開始するときに、非有利区間から有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の開始条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤を行い、この抽籤結果が有利区間を開始させるものであるか否かがチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S87)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S87がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S87がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S88)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を開始させる(セットする)。この処理では、有利区間が開始したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)のカウントを開始する(すなわち、一連の有利区間の遊技期間の監視を開始する)等の設定処理を適宜行う。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S89)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述の有利区間移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S90)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、セットされた移行先モードにしたがい、疑似ボーナスに移行する場合にはその遊技期間として「55ゲーム」が設定され、終了モードに移行する場合にはその遊技期間として「32ゲーム」が設定され、それ以外のモードに移行する場合にはそれぞれに対応する天井ゲーム数が設定される。また、各種抽籤(図7及び図8等参照)における抽籤値(抽籤テーブル)が設定される。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。
メインCPU101は、S85において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S85がNO)、有利区間中遊技開始時処理を行う(S91)。なお、有利区間中遊技開始時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S92)。この処理では、遊技を開始するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S93)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S93がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S94)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技開始時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S93がNO)、遊技開始時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技開始時処理)
続いて、図28を参照して、上述の遊技開始時状態制御処理のS91において行われる有利区間中遊技開始時処理について説明する。なお、図28は、有利区間中遊技開始時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技開始時)を行う(S101)。この処理では、例えば、有利区間中のゲーム数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、1ゲームにつき1ずつ減算(加算)する等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S102)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S102がYES)、AT期間管理処理(遊技開始時)を行う(S103)。この処理では、例えば、遊技開始時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS101の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
続いて、メインCPU101は、ナビ設定処理を行う(S104)。この処理では、指示モニタによって報知される停止操作の情報に対応する情報やスタートコマンドに含ませる停止操作の情報に対応する情報等を設定する。なお、この処理では、ナビを発生させるか否かを決定可能としてもよい。すなわち、AT状態において報知対象役が当籤した場合に、必ずしもナビが発生しない場合があってもよく、この処理においてナビ発生の可否を所定条件(例えば、報知対象役の種類や予め定められたナビ発生確率)にしたがって決定するようにしてもよい。
メインCPU101は、S102において、特定モード中でないと判定した場合(S102がNO)、及びS104の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S105)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S105がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S106)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間当籤時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S107)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS90の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技開始時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S105がNO)、有利区間中遊技開始時処理を終了する。
なお、図27に示す遊技開始時状態制御処理と図30に示す遊技終了時状態制御処理、及び図28に示す有利区間中遊技開始時処理と図31に示す有利区間中遊技終了時処理は、基本的にほとんど同様の処理構成となっている。これは、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで処理を行ってもよいもの(例えば、遊技状態やモードの移行等、決定された内部当籤役を参照する処理であるが、処理結果が今回の遊技が終了するまで(あるいは、次回の遊技が開始されるまで)に反映されればよい処理等)については、いずれか一方で行われればよいことを意味し、双方で同様の処理が重複して行われることを意味するものではない。したがって、このような処理については、遊技を開始するとき、又は遊技が終了するときのいずれで行われるようにしてもよい。
これに対し、遊技を開始するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、上述のナビ設定処理等)については、遊技を開始するときに行われるものとし、また、遊技が終了するときに処理が行われる必要があるもの(例えば、表示された図柄の組合せを参照する処理等)については、遊技が終了するときに行われるものとすればよい。また、例えば、遊技開始後であって遊技終了前の所定時期に処理が行われる必要があるもの、あるいは処理を行ったほうがよいもの(例えば、第1停止操作の停止操作態様を参照する処理等)については、そのときに行われるものとすればよい。
(リール停止制御処理)
続いて、図29を参照して、上述のメイン処理のS12において行われるリール停止制御処理について説明する。なお、図29は、リール停止制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、全てのリールの回転速度が所定の一定速度(例えば、80回転/1分)に到達したか(すなわち、定速回転しているか)否かを判定する(S111)。メインCPU101は、全てのリールが定速回転していないと判定した場合(S111がNO)、全てのリールが定速回転するまで処理を待機する。一方、全てのリールが定速回転していると判定した場合(S111がYES)、各リールの停止を許可する(S112)。すなわち、メインCPU101は、各ストップボタンを有効化する。また、これにともなって作動ストップボタン格納領域が更新される(第1の遊技機の場合、例えば、作動ストップボタン格納領域のビット4~6に「1」が格納される)。
続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたか否かを判定する(S113)。メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されていないと判定した場合(S113がNO)、有効なストップボタンが操作されるまで処理を待機する。なお、自動停止制御を行う場合には、この待機時間を計測し、計測結果が所定時間となったときに自動停止制御を行うように構成することができる。
メインCPU101は、有効なストップボタンが操作されたと判定した場合(S113がYES)、作動ストップボタン格納領域及び押下順序格納領域を更新する(S114)。なお、第1の遊技機の場合、例えば、リール3Lに対して第1停止操作が行われた場合(ストップボタン8Lが押された場合)には、この処理では、作動ストップボタン格納領域のビット0に「1」が格納され、ビット4が「0」に更新される。また、押下順序格納領域のビット2~5が「0」に更新される。
続いて、メインCPU101は、作動ストップボタンから制御対象リールを決定する(S115)。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、リール3Lを制御対象リールとして決定する。
続いて、メインCPU101は、図柄カウンタから停止開始位置を格納する(S116)。図柄カウンタは、図柄位置データ(例えば、「0」~「19」)を把握するためのカウンタとして構成される。この処理では、例えば、ストップボタン8Lが押された場合、ストップボタン8Lが押されたときのリール3Lの中段領域の図柄位置データを停止開始位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、滑り駒数決定処理を行う(S117)。この処理では、例えば、上述の停止テーブルに規定された滑り駒数や上述の引込優先順位データ格納領域のデータ等を参照し、最も適切な滑り駒数(図柄の移動量)を決定する。
続いて、メインCPU101は、停止開始位置及び滑り駒数から停止予定位置を格納する(S118)。この処理では、上述のS116の処理で格納された停止開始位置と、上述のS117の処理で決定された滑り駒数から最終的に図柄が停止する位置の図柄位置データを停止予定位置として格納する。
続いて、メインCPU101は、リール停止コマンド生成格納処理を行う(S119)。この処理では、副制御回路200に送信するリール停止コマンドコマンドのデータを生成し、生成したデータをメインRAM103に設けられた通信データ格納領域に格納する。なお、リール停止コマンドは、停止予定位置のみならず、停止開始位置や滑り駒数が特定できるパラメータを含んで構成することができる。
続いて、メインCPU101は、図柄コード格納処理を行う(S120)。この処理では、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類(図柄コード)も参照しながら、図柄コード格納領域を更新する。続いて、メインCPU101は、有効なストップボタンがあるか否かを判定する(S121)。すなわち、メインCPU101は、未だ回転中のリールがあるか(全てのリールに対して停止操作が行われていないか)否かを判定する。
メインCPU101は、有効なストップボタンがあると判定した場合(S121がYES)、制御変更処理を行う(S122)。この処理では、ここまでの遊技者の停止操作態様に応じて、例えば、上述のリール停止初期設定処理で設定された停止テーブルや引込優先順位テーブル等の変更が必要である場合に、このような停止制御に必要な各種情報を再設定する。
続いて、メインCPU101は、引込優先順位格納処理を行う(S123)。この処理では、回転中のリールの各図柄(図柄位置)に対して、すでに停止予定位置が決定されたリールにおける停止予定位置の図柄の種類も参照しながら、設定された内部当籤役と設定された引込優先順位テーブルとを参照して引込優先順位を示すデータを取得し、引込優先順位データ格納領域に格納する。そして、メインCPU101は、この処理の後、処理をS113に戻す。また、メインCPU101は、有効なストップボタンがないと判定した場合(S121がNO)、リール停止制御処理を終了する。
(遊技終了時状態制御処理)
続いて、図30を参照して、上述のメイン処理のS15において行われる遊技終了時状態制御処理について説明する。なお、図30は、遊技終了時状態制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、遊技状態移行条件成立チェック処理を行う(S131)。この処理では、遊技が終了するときに、いずれかの遊技状態からいずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かのチェックを行う。例えば、所定の図柄の組合せが表示されたことに基づいて所定のRT状態や所定のボーナス状態に移行させる場合、この処理において所定の図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、所定のRT状態や所定のボーナス状態である場合、この処理においてこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示されたか否かのチェックを行う。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合、メダルの払出によってこれらの遊技状態の終了条件が成立したか否かのチェックを行う。
続いて、メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したか否かを判定する(S132)。メインCPU101は、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立したと判定した場合(S132がYES)、遊技状態フラグ格納領域を更新する(S133)。すなわち、メインCPU101は、成立した移行条件にしたがって遊技状態をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB又は3BBに係る図柄の組合せが表示された場合、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1に「1」を格納し、2BB状態又は3BB状態をセットする。また、例えば、2BB状態又は3BB状態である場合に、これらの遊技状態の終了条件が成立した場合には、遊技状態フラグ格納領域のビット0又はビット1を「0」に更新する。
続いて、メインCPU101は、セットされた遊技状態に応じた設定処理を行う(S134)。この処理では、遊技状態が移行したことに応じて、例えば、当該遊技状態の遊技期間を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、2BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「1」を設定し、3BB状態がセットされた場合であればその終了条件としての払出数に「176」を設定する。
メインCPU101は、S132において、いずれかの遊技状態に移行させるための移行条件が成立していないと判定した場合(S132がNO)、及びS134の処理の後、現在の遊技区間が非有利区間であるか否かを判定する(S135)。メインCPU101は、現在の遊技区間が非有利区間であると判定した場合(S135がYES)、有利区間開始条件成立チェック処理を行う(S136)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS86の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したか否かを判定する(S137)。メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立していないと判定した場合(S137がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の開始条件が成立したと判定した場合(S137がYES)、有利区間開始時の設定処理を行う(S138)。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS88の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、モードフラグ格納領域を更新する(S139)。すなわち、メインCPU101は、開始された有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS89の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S140)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、上述のとおり、非有利区間では決定された内部当籤役を参照した処理のみが可能となっているため、この処理は上述のS90の処理(遊技開始時状態制御処理)と同様となる。
メインCPU101は、S135において、現在の遊技区間が非有利区間でない(すなわち、有利区間である)と判定した場合(S135がNO)、有利区間中遊技終了時処理を行う(S141)。なお、有利区間中遊技終了時処理の詳細については後述する。
続いて、メインCPU101は、有利区間終了条件成立チェック処理を行う(S142)。この処理では、遊技が終了するときに、有利区間から非有利区間に移行させるための移行条件(有利区間の終了条件)が成立したか否かのチェックを行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理の作動条件を満たしたか(図16参照)、あるいは現在のモードが終了モードである場合において32ゲームが経過したか等がチェックされる。
続いて、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したか否かを判定する(S143)。メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立したと判定した場合(S143がYES)、有利区間終了時の初期化処理を行う(S144)。すなわち、メインCPU101は、有利区間を終了させて非有利区間をセットする。この処理では、有利区間が終了したことに応じて、例えば、各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中のモード(遊技状態)、及び当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)等に関する情報(すなわち、有利区間に関する情報)を全てクリアする初期化処理を行う。そして、メインCPU101は、この処理の後、遊技終了時状態制御処理を終了する。また、メインCPU101は、有利区間の終了条件が成立していないと判定した場合(S143がNO)、遊技終了時状態制御処理を終了する。
(有利区間中遊技終了時処理)
続いて、図31を参照して、上述の遊技終了時状態制御処理のS141において行われる有利区間中遊技終了時処理について説明する。なお、図31は、有利区間中遊技終了時処理の手順の一例を示すフローチャートである。
まず、メインCPU101は、各種カウンタ更新処理(遊技終了時)を行う(S151)。この処理では、例えば、有利区間中の払出数に基づいて各種リミット処理に係る各種カウンタ(図16参照)、有利区間中の各種モード(遊技状態)等の遊技期間を管理する各種カウンタ、あるいはその他有利度合いを管理する各種カウンタを所定の更新条件(例えば、払出数、所定の図柄の組合せの表示回数や停止操作態様等)にしたがって更新する。
続いて、メインCPU101は、特定モード(AT状態)中であるか否かを判定する(S152)。メインCPU101は、特定モード中であると判定した場合(S152がYES)、AT期間管理処理(遊技終了時)を行う(S153)。この処理では、例えば、遊技終了時において、AT状態の遊技期間の延長(例えば、ゲーム数延長やセット数上乗せ等)を可能とする場合に、このような延長の実行条件が成立するか否かを判定したり、この判定結果に基づいて当該遊技期間を延長したりする等の処理を行う(仮に、AT状態の遊技期間短縮を可能とする場合には当該短縮に関する処理を行う)。また、この処理では、延長されるか否かにかかわらずAT状態の遊技期間を管理してもよいし、AT状態の遊技期間は上述のS151の処理において管理し、この処理では延長に関する処理のみが行われるようにしてもよい。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づいて上述の1G連抽籤が行われ、この抽籤結果にしたがって疑似ボーナスを延長させるための処理が行われる。
メインCPU101は、特定モード中でないと判定した場合(S152がNO)、及びS153の後、モード移行条件が成立したか否かを判定する(S154)。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって移行先モードが決定されたか否かを判定する。
メインCPU101は、モード移行条件が成立したと判定した場合(S154がYES)、モードフラグ格納領域を更新する(S155)。すなわち、メインCPU101は、移行した有利区間中のモード(遊技状態)をセットする。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、有利区間入賞時サブフラグに基づく上述のモード移行抽籤の抽籤結果にしたがって決定された移行先モードがセットされる。
続いて、メインCPU101は、セットされたモードに応じた設定処理を行う(S156)。この処理では、セットされたモードに応じて、当該モードの遊技期間(天井ゲーム数等も含む)を設定したり、内部抽籤処理以外の各種抽籤処理における抽籤値(抽籤テーブル)を設定したりする必要がある場合に、このような設定処理を適宜行う。なお、第1の遊技機の場合、この処理では、例えば、上述のS140の処理と同様の処理が行われる。そして、メインCPU101は、この処理の後、有利区間中遊技終了時処理を終了する。また、メインCPU101は、モード移行条件が成立していないと判定した場合(S154がNO)、有利区間中遊技終了時処理を終了する。
[6-2.定期割込処理]
まず、図32を参照して、主制御回路100のメインCPU101により実行される定期割込処理について説明する。なお、図32は、定期割込処理の手順の一例を示すフローチャートである。
ここで、本実施形態では、定期割込処理の周期(1割込時間)を「1.1172ms」としている。もっとも、定期割込処理の周期はこれに限られない。例えば、これとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよいし、あるいは、これと同じ周期が設定されていても、一部又は全部の処理について実際に処理が行われる割込回数を「2」以上とすることにより、結果的にこれとは異なる周期で定期割込処理が実行されるようにしてもよい。
まず、メインCPU101は、レジスタの退避処理を行う(S201)。続いて、メインCPU101は、入力ポートチェック処理を行う(S202)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)各種センサやスイッチの入力状態(オン状態又はオフ状態)のチェックを行う。例えば、前回の割込時の入力状態と今回の割込時の入力状態とを比較し、入力状態に変化があったか否かのチェックを行い、入力状態に変化があった場合、メインRAM103の入力ポート格納領域0(不図示)にその変化を格納し、変化にかかわらない入力状態についてはそのままメインRAM103の入力ポート格納領域1(不図示)に格納する。
続いて、メインCPU101は、リール制御処理を行う(S203)。この処理では、各ステッピングモータ51L,51C,51Rの駆動を制御し、各リール3L,3C,3Rの回転及び停止を制御する。続いて、メインCPU101は、通信データ送信処理を行う(S204)。この処理では、通信データ格納領域に格納された各コマンドの各パラメータを副制御回路200に送信する。なお、この処理では、通信データ格納領域にコマンドデータが格納されていない場合、入力ポート格納領域0及び入力ポート格納領域1に格納されているデータを入力状態コマンドとして副制御回路200に送信する。
なお、本実施形態では、各種コマンドデータが一旦通信データ格納領域に格納された後、定期割込処理において副制御回路200に送信する構成としているが、例えば、各種コマンドデータを通信データ格納領域に格納することなく、主制御回路100内に設けられた通信回路(不図示)に直接格納して副制御回路200に送信する構成としてもよい。また、本実施形態では、詳細な説明は省略しているが、各種コマンドデータがシリアル通信によって副制御回路200に送信される構成としているが、例えば、各種コマンドデータがパラレル通信によって副制御回路200に送信される構成としてもよい。
続いて、メインCPU101は、7セグLED駆動処理を行う(S205)。この処理では、主制御基板71に接続された(主中継基板73を介して接続されたものを含む)、例えば、情報表示装置14等の表示内容を制御する。続いて、メインCPU101は、タイマ更新処理を行う(S206)。この処理では、主制御回路100で管理される各種タイマを更新する。
続いて、メインCPU101は、エラー検知処理を行う(S207)。この処理では、上述のS202でチェックされた入力状態等に基づいて、各種エラー状態が発生しているか否かを検知する。続いて、メインCPU101は、ドア開閉チェック処理を行う(S208)。この処理では、例えば、ドア開閉監視スイッチ56の入力状態に基づいて、下ドア機構DD開閉状態のチェックを行う。なお、各種エラー状態が発生している場合、及びドア開閉監視スイッチ56の入力状態が開状態(オフ状態)の場合、外部集中端子板55からセキュリティ信号が出力される。
続いて、メインCPU101は、レジスタの復帰処理を行う(S209)。そして、メインCPU101は、この処理の後、定期割込処理を終了する。
[7.副制御回路による処理]
続いて、図33を参照して、副制御回路200のサブCPU201が各プログラムを用いて実行するサブ側制御処理の概要について説明する。図33は、サブ側制御処理の概要の一例を示すフローチャートである。
なお、パチスロ機1では、不正行為や不正改造防止の観点より、主制御回路100側(主制御基板71及び主制御基板ケースを含む)には種々の制約が設けられているが、副制御回路200側(副制御基板72及び副制御基板ケースを含む)にはそれほどの制約は設けられていない。したがって、副制御基板72(及び副制御回路200)は、接続される演出装置の種類、その数、あるいはその演出装置によって行われる演出の種類等と、製造コスト等との兼ね合いに応じて種々の構成を用いることが可能となっている。図33において「概要」としているのはそのためである。
まず、サブCPU201は、電源投入時にはメインCPU101と同様、電源投入時処理を行う(S301及びS302)。この処理では、電源投入時に異常が発生しているか否かを検知したり、サブRAM203に格納されているデータを初期化したり、また、後述の各種演出実行制御処理を行うために必要な各種タスクを起動させたりする等の処理が行われる。
また、サブCPU201は、主制御回路100から送信されたコマンドを受信した場合、コマンド受信時演出実行制御処理を行う(S303及びS304)。この処理では、例えば、初期化コマンドを受信した場合、受信した初期化コマンドのパラメータの情報を参照し、設定変更がされていればサブ側でも適宜初期化処理が実行され、設定変更されていなければサブ側でも電断前の状態に復帰させる処理が実行される。
また、例えば、スタートコマンドを受信した場合、受信したスタートコマンドのパラメータの情報を参照し、非AT状態であれば、内部当籤役や遊技状態等を示唆ないし報知する演出の内容を(必要に応じて抽籤により)決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、AT状態であれば、これに加え、有利な停止操作態様を報知する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、例えば、ロックコマンドを受信した場合、受信したロックコマンドのパラメータの情報を参照し、ロック演出の内容と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、リール停止コマンドを受信した場合、受信したリール停止コマンドのパラメータの情報を参照し、停止開始位置や停止予定位置(あるいは、単に何番目の停止操作が行われたか等)と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。また、例えば、入賞作動コマンドを受信した場合、受信した入賞作動コマンドのパラメータの情報を参照し、特典が付与される場合に、付与される特典と連動する演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
また、サブCPU201は、副制御基板72に接続された(副中継基板74を介して接続されたものを含む)、例えば、演出用ボタン10a,10bが操作された場合、演出ボタン操作時演出実行制御処理を行う(S305及びS306)。この処理では、例えば、操作連動演出の実行中に、当該演出に沿った演出用ボタンが操作された場合、操作連動演出の内容が変化するように各種演出装置を制御する。また、例えば、非遊技中に、後述のユーザーメニュー呼出のために演出用ボタンが操作された場合、ユーザーメニューを表示するための制御を行う。また、ユーザーメニューの表示中に、選択・決定操作のために演出用ボタンが操作された場合、これらの操作にしたがった制御を行う。
また、サブCPU201は、上述の契機以外の契機が成立した場合、その他演出実行制御処理を行う(S307)。この処理では、例えば、遊技に関する操作及びユーザーメニューに関する操作が行われていない非操作期間が所定期間(例えば、30秒程度)となった場合、デモ状態報知に係る演出の内容を決定し、決定した内容の演出が実行されるように各種演出装置を制御する。
[8.パチスロ機のその他の機能]
上述のとおり、パチスロ機1は、遊技を制御する各種機能及び演出を制御する各種機能、並びにこれらの機能を実現するための各種構成を備えるものであるが、例えば、以下に示すようなその他の機能を備えることもできる。なお、以下では、遊技者側のその他の機能の一例と、遊技店側のその他の機能の一例について説明する。
[8-1.遊技者側]
例えば、遊技者の演出操作によってユーザーメニューが表示され、当該ユーザーメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「配列・配当表」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における図柄配列と、規定された図柄組合せ及びその入賞時の配当(特典の内容)等を示す遊技情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「音量・光量調整」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種表示装置の輝度、スピーカ群から出力される音の音量、あるいはランプ・LED群の光量等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「カスタム」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における演出態様(例えば、演出に用いられるキャラクタの種類(当該キャラクタ(表示態様)自体の種類、当該キャラクタに対応する音声の種類、あるいは当該キャラクタに係る衣装やアイテム(個別表示態様)の種類等も含む)、演出発生確率(演出発生時の期待度の種類等も含む)、あるいは示唆ないし報知の態様(演出実行タイミング等も含む)等)が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「ユニメモ」が選択・決定された場合には、遊技者の携帯端末(例えば、携帯電話やスマートフォン等)を利用した情報提供サービスを受けること可能となっている。このような情報提供サービスでは、例えば、遊技者がログイン操作して遊技を開始し(ログイン操作なしに遊技を開始させた場合でもよい)、遊技終了時にログアウト操作することで、遊技履歴情報(例えば、累計何ゲーム遊技したか、有利な遊技状態を何回発生させたか、最高獲得枚数は何枚かなど種々の遊技の結果に応じた情報)を確認、あるいは取得できる。
また、例えば、遊技履歴情報には、遊技の結果(開放条件の成立)に応じて、遊技中に表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報、遊技者の携帯端末上で表示可能となったキャラクタの種類や出力可能となった楽曲の種類を示す情報など、付帯する特典に関する情報も含まれる。
なお、このような情報提供サービスにおけるログイン・ログアウトの手法は種々の手法を採用することができる。例えば、遊技者の端末を利用し、遊技者に演出表示部上に表示される二次元コードを読み取らせることでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよいし、また、遊技者にパスワードを入力させ、あるいはパスワードを記憶させる(具体的には、例えば、遊技終了時のログアウト時には、二次元コードにかえて、4ケタ~10ケタ程度の文字列を次回入力用パスワードとして表示可能とし、それを遊技者が紙媒体でメモしたり、携帯端末で写真として撮影したり等によって取得可能とし、次回の遊技開始前のログイン時には、このようにして取得されたパスワードを入力可能とする)ことでログイン・ログアウトが行われるようにしてもよい。また、これらの手法を適宜組み合わせてログイン・ログアウトが行われるようにすることもできる。
[8-2.遊技店側]
例えば、遊技店側の管理者の設定確認操作(設定変更操作、あるいは遊技店側の管理者によるその他の操作であってもよい)によってホールメニューが表示され、当該ホールメニューにおいて所望のメニューが選択され、さらに、選択されたメニューについて適宜選択・決定操作が行われると、遊技店側の管理者は各種情報を得たり、各種設定を行ったりすることが可能となっている。
例えば、「時刻設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における日時等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、日時は、例えば、上述のサブ側電源投入時処理(図33のS302参照)において自動的に更新されるように構成することもできる。
また、例えば、「トータルメダル情報」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の投入枚数及び払出枚数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。
また、例えば、「設定変更・確認履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)の設定変更操作及び設定確認操作回数等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「エラー情報履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のエラー発生日時やその内容等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「監視履歴」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における所定期間内(例えば、7営業日分の各営業日)のドア開放日時やその期間等を示す履歴情報が確認可能となる情報画面が演出表示部において表示される。また、例えば、「警告設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における各種警告報知の態様や頻度等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。
また、例えば、「省電力モード設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における省電力機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、このようなメニューは、ユーザーメニューにおけるメニューとして構成することもできる。また、このような設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。
また、例えば、「打ち止め設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における打ち止め機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、打ち止め機能は、所定の作動条件が成立した場合に、遊技店の管理者の解除操作(例えば、リセット操作)がなされるまで遊技不能状態とする機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、打ち止め機能がオン状態に設定された場合、これに連動して後述の自動精算機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
また、例えば、「自動精算設定」が選択・決定された場合には、パチスロ機1における自動精算機能を作動させるか否か等が設定可能となる設定画面が演出表示部において表示される。なお、自動精算機能は、所定の作動条件が成立した場合に、自動的にクレジットが精算される(すなわち、クレジットされていた遊技価値全てが自動的に返却される)機能をいう。また、所定の作動条件は、例えば、有利区間が上述のリミット処理の実行によって強制的に終了したときに成立するようにしてもよいし、特定の状態(例えば、ボーナス状態や増加区間、あるいは有利区間(演出区間を含む)のいずれか)が終了したときに成立するようにしてもよい。また、自動精算機能がオン状態に設定された場合、これに連動して上述の打ち止め機能もオン状態に設定されるようにしてもよい。
なお、打ち止め機能や自動精算機能の設定時においては、より詳細な設定を可能とするため、あるいはより簡単に設定に係る操作の受付を可能とするため、遊技者の遊技操作を受付ける各種操作部を、当該設定に係る操作を受付ける操作部(すなわち、演出操作を受付ける操作部)の一部として使用することができるものとする。もっとも、この場合、いたずらに受付可能とする操作部を増加させることも望ましくないので、特定の操作部(例えば、ストップボタン)のみを当該設定に係る操作を受付ける操作部の一部として使用することができるものとしてもよい。
[9.拡張例]
ここまで、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機として、パチスロ機1を一例に挙げて説明したが、本実施形態に係る発明が適用可能な遊技機はこれに限定されない。例えば、いわゆる「パチンコ機」や「スロットマシン」等と称される遊技機にも適用可能であり、同様の作用効果が得られる。すなわち、本実施形態に係る発明は、遊技者の遊技動作(操作)に応じて遊技を行う(遊技制御を行う)ことが可能な遊技機であれば、その全てに適用することができる。また、パチスロ機1を含む遊技機について、その構成やその機能等も上述のものに限定されず、種々の変更・拡張が可能である。以下、あくまで一例であるが、このような拡張例について説明する。
(パチンコ機)
パチンコ機は、例えば、遊技球が転動流下可能な遊技領域を有する遊技盤、遊技領域を外部から視認可能としつつ保護する保護ガラスを含むガラスドア、遊技領域の所定領域に設けられる演出表示装置(遊技領域外に設けられるものであってもよい)、遊技球を払出す払出ユニット、及び、遊技や演出に関する各種制御を行う各種制御基板を含む基板ユニット等を有し、これらは枠体(単に「枠」等と称される場合もある)によって支持される。
また、パチンコ機の前面側には、例えば、遊技者の操作手段の一つとしての発射ハンドル、遊技に供する遊技球を貯留可能な上皿、及び、払出された遊技球を貯留可能な下皿等が設けられている。なお、上述した演出用ボタンや可動演出装置が設けられているものも多い。また、遊技領域には、例えば、遊技球が通過可能な始動領域(「始動口」等と称される場合もある)や特定領域(「V入賞口」等と称される場合もある)、遊技球が入賞しやすい状態と入賞しにくい状態との間で変移可能な可変入賞装置(「大入賞口」等と称される場合もある)、及び、識別情報(「図柄」等と称される場合があり、「特別図柄」と「普通図柄」を含む)を可変表示可能な可変表示装置等が設けられる。
そして、パチンコ機では、遊技者は発射ハンドルを操作し、遊技球を遊技領域に発射することで遊技を行う。例えば、発射された遊技球が始動領域を通過すると、可変表示が開始される。また、このとき、現在の状態(例えば、当り確率が相対的に高い確変遊技状態であるか等)や始動領域の種類等に応じた確率で、遊技状態を移行させるか否か(例えば、遊技者に有利な大当り遊技状態や小当り遊技状態に移行させるか否か)が決定される(すなわち、遊技状態を移行させるか否かが抽籤(あるいは、判定)される)。その後、可変表示の停止条件(例えば、設定された変動時間が終了したこと)が成立すると、上記決定結果に応じた停止態様で可変表示が停止する。このとき、上記決定結果が遊技状態を移行させるもの(当り)であれば、停止される停止態様も当該当りに対応する表示結果となり、当該表示結果が表示されたことに応じて当該当りに対応する遊技状態に移行する。一方、上記決定結果が遊技状態を移行させないもの(はずれ)であれば、停止される停止態様もはずれに対応する表示結果となり、遊技状態は移行しない。なお、例えば、発射された遊技球が特定領域を通過すると(特定領域は、通常は遊技球の通過が困難な状態におかれていることが多い)、可変表示装置によらず、遊技状態を移行させることが決定される。
すなわち、パチスロ機1は、必要なメダルをベットし、遊技者が開始操作することを開始契機として遊技が開始されるのに対し、パチンコ機は、遊技者が必要な遊技球を発射ハンドルの操作によって発射し、例えば、これによって始動領域を遊技球が通過したことを開始契機として遊技が開始される点においては異なるものの、ともに遊技者の遊技動作によって遊技が開始される点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、その開始契機が成立したときに、最終的に表示が許可される停止態様(換言すれば、付与される特典の内容)が決定される点において共通する。
また、パチスロ機1は、基本的には遊技者の停止操作によって可変表示が停止されるのに対し、パチンコ機は、停止条件が成立したことによって(遊技者の停止操作によらずして)可変表示が停止される点においては異なるものの、ともに事前の決定結果にしたがって可変表示を停止させ、停止した停止態様に応じた特典を付与する点においては共通する。また、パチスロ機1とパチンコ機とは、遊技に関連する演出を実行可能な点において共通する。例えば、上記演出表示装置は、上述した演出表示部や情報表示部として機能する。また、パチンコ機においても、上述したランプ、スピーカ、あるいはその他演出装置等の演出実行手段を設け、これらによって演出を実行してもよいことはもちろんである。
なお、パチンコ機では、上記演出表示装置において、装飾図柄(これも「識別情報」等と称される場合がある)が変動表示されるものが多い。上述のとおり、本来の遊技結果は上記可変表示装置にて表示されるものであるが、上記可変表示装置は小型に構成され、また、その表示結果も複数個のLEDの点灯パターンで表示されるため、遊技者が遊技結果を認識し難くなっているものが多い。このため、パチンコ機では、上記可変表示装置の可変表示に連動するように、上記演出表示装置上で装飾図柄を変動表示(及び停止表示)させることで遊技を行うようにしたものが主流である。そして、このような装飾図柄の変動表示は、(演出上、開始契機が成立したときに一定期間遅延してから変動表示を開始したり、あるいは停止条件の成立前に仮停止したりする場合もあるが)基本的には上記可変表装置と同様、遊技の進行にしたがって識別情報を変動表示あるいは停止表示するものである(例えば、当りの場合には装飾図柄が特別停止態様(例えば、図柄揃い)で停止表示される一方、はずれの場合には装飾図柄が非特別停止態様(例えば、バラケ目)で停止表示される)ことから、これを上述した変動表示部の一態様であるとして、本実施形態に係る発明を適用することも可能である。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の外部構造あるいは内部構造の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、メダルを必須とし、遊技球には置き換えできないもの等)を除き、パチンコ機の外部構造あるいは内部構造の構成として適用することができる。
また、パチンコ機においても、遊技に関する各種制御は、主制御基板に実装された遊技制御部としての主制御回路によって行われ(一部、払出に関する制御は、主制御基板に電気的に接続された払出制御基板に実装された払出制御回路によって行われる場合があるが、これを含む)、演出に関する各種制御は、副制御基板に実装された演出制御部としての副制御回路によって行われることから、パチスロ機1の電気的構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、停止操作に関するもの等)を除き、パチンコ機の電気的構成として適用することができる。
また、パチスロ機1においては、上述のとおり、遊技者に相対的に有利な(あるいは、その構成内容によっては不利となる場合もあり得るが)遊技状態として、ボーナス状態、RT状態、AT状態、これらを組み合わせたART状態等を設けることが可能となっている。例えば、ボーナス状態では、小役の抽籤態様を非ボーナス状態よりも有利とすることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能とし、RT状態では、リプレイ役の抽籤態様を非RT状態よりも有利とすることで、はずれが発生しにくい(結果として、メダルが減少しにくい)状態を一定期間継続させることを可能とし、AT状態では、有利な停止操作態様が報知されることで、メダルが付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。
これに対し、パチンコ機においても、これらと同様の性質を有する各種遊技状態を設けることが可能となっている。例えば、大当り遊技状態や小当り遊技状態では、上記可変入賞装置について通常とは異なる制御が行われることで、遊技球が入賞しやすい状態に変移することを可能とし、これによって遊技球が付与されやすい(増加する)状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、時短遊技状態(「電サポ状態」等と称される場合がある)では、普通図柄について通常とは異なる制御が行われることで、始動領域を遊技球が通過しやすい状態とすることを可能とし、これによって上記可変表示装置による抽籤頻度を高めるとともに、遊技球が減少しにくい状態を一定期間継続させることを可能としている。また、例えば、確変遊技状態では、特別図柄について通常とは異なる制御が行われることで、上記可変表示装置による当籤確率が高まる(結果として、遊技球が増加しやすい)状態を一定期間継続させることを可能としている。
すなわち、本実施形態において、パチスロ機1の遊技性として、遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として説明する各種事項は、パチスロ機1独特の性質があるもの(例えば、遊技区間の移行をともなうもの等)を除き、パチンコ機の遊技状態の遷移(あるいは、移行)に関する制御の構成として適用することができる。また、パチスロ機1の遊技性として他に説明する各種事項についても同様である。
なお、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中の遊技回数が規定回数となったことに応じて、時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、天井機能(有利状態(例えば、大当り遊技状態)に移行することなく不利状態(例えば、通常遊技状態)が所定期間(例えば、900ゲーム(回転))継続した場合に、ハマリ救済として有利状態(例えば、時短遊技状態)に移行させることができる機能)を搭載することができるため、パチスロ機1の天井機能に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の天井機能に関する構成として適用することができる。
また、時短遊技状態であるが、パチンコ機においても、非時短遊技状態(通常遊技状態)中において、上記可変表示装置の停止態様が特定のはずれに対応する表示結果となった場合には、これを契機として時短遊技状態に移行することが可能となっている。すなわち、パチンコ機においても、特定の表示結果(特定の図柄の組合せ)の表示による(大当り遊技状態等への移行を契機としない)遊技状態の遷移(移行)が可能となっているため、例えば、パチスロ機1の特定の図柄の組合せの表示によるRT状態の遷移(移行)に関する構成として説明する各種事項は、パチンコ機の特定の表示結果の表示による時短遊技状態の遷移(移行)に関する構成として適用することができる。
(メダルレス遊技機)
本実施形態のパチスロ機1では、遊技者のベット操作(すなわち、手持ちのメダルをメダル投入口5に対して投入してベットする操作、あるいは、クレジットされたメダルをMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してベットする操作)があることを開始条件の1つとして遊技を開始し、遊技が終了したときにメダルの払出がある場合には、ホッパー装置32を駆動させてメダル払出口11からメダルを払出し、あるいは、クレジットされる形態について説明したが、パチスロ機1の構成はこれに限られない。
例えば、遊技者によって遊技に必要な遊技価値がベットされ、それに基づいて遊技が行われ、その遊技の結果に基づいて特典が付与(例えば、遊技価値が付与される)形態全てについて、本実施形態に係る発明を適用可能である。すなわち、遊技者の動作によって物理的にメダルが投入され(掛けられ)、メダルが払出される形態のみならず、パチスロ機1の内部で、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理し(あるいは、電磁的でなくとも、少なくとも遊技者が遊技価値に直接接触できない態様で管理し)、メダルレスで遊技を可能とするものにも適用可能である。ここでは、このようなパチスロ機1を「メダルレス遊技機」と称する。なお、メダルレス遊技機は、「管理遊技機」や「封入式遊技機」等と称されることがある。
なお、遊技者が保有する遊技価値を電磁的に管理するのは、主制御回路100(主制御基板71)自体であってもよいし、主制御回路100(主制御基板71)に装着される(接続される)遊技価値管理装置(以下では、このような管理装置を「メダル数制御基板」として説明する場合がある)であってもよい。以下では、この遊技価値管理装置が設けられる一例を説明する。
遊技価値管理装置は、少なくともROM及びRWM(あるいは、RAM)を備え、パチスロ機1に設けられる装置であって、通信装置(以下では、このような通信装置を「接続端子板」として説明する場合がある)を介して外部の遊技価値提供装置(以下では、このような遊技価値提供装置を「通信専用ユニット」として説明する場合がある)と双方向通信可能に接続される。遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置との間で必要な通信を行うことにより、遊技価値の貸出動作(すなわち、遊技者が遊技価値のベット操作を行う上で必要な遊技価値を提供する動作)、遊技価値の付与動作(すなわち、遊技価値の付与に係る役に入賞(当該役が成立)した等の場合に遊技者に対して付与に係る遊技価値を提供する動作)、及びこれらの動作によって提供された遊技価値を電磁的に記録する動作等を行い得るものとする。なお、遊技価値提供装置は、「遊技価値(遊技媒体)取扱装置」、「遊技価値(遊技媒体)貸出装置」あるいは「サンド」等と称されることがある
また、外部の遊技価値提供装置は、外部の出玉管理装置(出玉管理サーバ)に接続されており、遊技価値管理装置は、外部の出玉管理装置に対し、通信装置及び外部の遊技価値提供装置を介して出玉管理情報を送信可能に構成される。ここで、出玉管理情報は、外部の出玉管理装置が出玉の管理を可能とするために必要な各種の情報で構成される。なお、出玉管理情報の一例については後述する。また、外部の遊技価値提供装置と外部の出玉管理装置との間は、例えば、インターネット回線によって接続される。
ここで、「出玉」とは、直接的には払出された遊技媒体数を意味するものであるが、本実施形態では、例えば、払出数からベット数を減じた差枚数(純増数)等の遊技者に対する特典の付与度合い(例えば、遊技者がどの程度プラスとなったか(遊技店がどの程度マイナスとなったか))、あるいは遊技者がどの程度マイナスとなったか(遊技店がどの程度プラスとなったか等)や、有利状態(例えば、ボーナス状態、AT状態、あるいは一連の有利区間等)の継続度合い、あるいはこれらの組合せによって想定される射幸性の程度等も含む概念となっている。
また、例えば、パチスロ機1の前面側に、保有する遊技価値数を表示する保有遊技価値数表示装置(不図示)を設けることとし、遊技価値管理装置は、その遊技価値数の管理結果に基づいてこの保有遊技価値数表示装置に表示される遊技価値数を管理するようにしてもよい。すなわち、遊技価値管理装置は、遊技者が遊技の用に供することができる遊技価値の総数を電磁的方法により記録するのみならず、当該記録結果の表示を制御可能なものとして構成してもよい。なお、この場合、遊技価値管理装置は、遊技者が、記録された遊技価値数を示す信号を外部の遊技価値提供装置に対して自由に送信させることできる性能を有し、また、遊技者が直接操作する場合以外には記録された遊技価値数を減ずることができない性能を有し、また、記録された遊技価値数を示す信号は、通信装置を介してでなければ送信できない性能を有することが望ましい。
なお、遊技価値管理装置は、外部の遊技価値提供装置を用いて遊技者の遊技価値を電磁的に管理する機能のみならず、遊技者の物理的動作によってベットされる遊技価値数やパチスロ機1の物理的動作によって払出される遊技価値数を管理する機能を有していてもよい。すなわち、従来のパチスロ機1における実際のメダルの投入や払出の管理をも可能とするものであってもよい。このようにすれば、パチスロ機1を従来の手法によって制御することもできるし、上述のメダルレス遊技機のような手法によって制御することもできるため、パチスロ機1がいずれの仕様となった場合であっても共通の構成とすることができる。また、この場合、遊技価値管理装置が、上述のセレクタ31やホッパー装置32を直接的に制御する方式を採用することもできるし、これらが主制御回路100(主制御基板71)によって制御され、その制御結果が送信されることにより間接的に制御する方式を採用することもできる。
また、パチスロ機1には上記の他、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却(精算)操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい。また、遊技価値提供装置には、紙幣等の有価価値の投入口、記録媒体(例えばICカード)の挿入口、携帯端末から電子マネー等の入金を行うための非接触通信アンテナ等の各種装置に加え、遊技者が操作可能な貸出操作手段や返却操作手段等のメダルレス遊技機の動作に必要な各種操作手段が設けられるものとすればよい(いずれも不図示)。なお、挿入可能な記録媒体には、遊技店で当日発行される非会員記録媒体のみならず、遊技店の会員が保有する会員記録媒体も含まれる。非会員記録媒体に記録された遊技価値は当日限り有効となる(翌日以降は無効となる)が、会員記録媒体に記録された遊技価値は翌日以降も有効となる。
この場合の遊技の流れの一例を説明する。例えば、まず、遊技者は遊技価値提供装置に対しいずれかの方法で有価価値を入金する。遊技価値提供装置は、遊技者のいずれかの貸出操作手段への操作に応じて、所定数の有価価値を減算し、減算した有価価値に対応する遊技価値をパチスロ機1に提供する。そして、遊技者は遊技を行い、さらに遊技価値が必要となった場合には上記操作を繰り返し行う。その後、遊技の結果によって所定数の遊技価値を獲得してから遊技を終了する際には、遊技者はいずれかの返却操作手段を操作する。遊技価値管理装置は、遊技者のいずれかの返却操作手段への操作に応じて、遊技価値提供装置に対し遊技価値数を送信する。遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録した記録媒体を排出する。遊技価値管理装置は、遊技価値数を送信したときに自身が記憶する遊技価値数をクリアする。遊技者は、排出された記録媒体を景品に交換するために景品交換所等に持っていくこともできるし、また、排出された記録媒体を他のパチスロ機1に対応する遊技価値提供装置に挿入することで、台移動して遊技を続けることもできる。また、排出された記録媒体が会員記録媒体であれば、翌日以降も有効であるため、ここで遊技をやめることもできる。
なお、上記の一例では、遊技者の返却操作に応じて、遊技価値管理装置が遊技価値提供装置に対して全遊技価値数を送信するものとしていたが、遊技者の返却操作の態様により、遊技者が所望する遊技価値数のみを送信可能に構成してもよい。すなわち、遊技者が保有する遊技価値を分割できるようにしてもよい。また、遊技価値提供装置は、送信された遊技価値数を記録媒体に記録して排出するものとしていたが、上述の非接触通信アンテナ等を用いて遊技者の携帯端末にこれと同様の価値となる情報を送信してもよいし、また、同等の価値となるものを遊技者に提供するものである限り、例えば、現金又は現金等価物を排出するようにしてもよい。
また、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、遊技者が操作可能なロック操作手段を設け、このロック操作手段への操作に応じて、遊技価値管理装置と遊技価値提供装置との間で通信できない状態(ロック状態)に制御可能としてもよい。なお、この場合、パチスロ機1又は遊技価値提供装置において、例えば、暗証番号の設定(及び設定した暗証番号の入力)、ワンタイムパスワードの発行(及び発行したワンタイムパスワードの入力)、あるいは生体認証等の認証処理が行い得るようにし、当該認証処理の結果が正常である場合に当該ロック状態が解除されるように構成すればよい。
ここまで説明したメダルレス遊技機によれば、遊技媒体が物理的に遊技に供される場合と比べて、例えば、メダル投入口5やメダル払出口11等の一部の外部構造、あるいはセレクタ31やホッパー装置32等の一部の内部構造についてはこれを設ける必要がなくなることから、遊技機の原価や製造コストを削減することができるのみならず、遊技機の消費電力を減らすことができる。また、遊技機の内部にアクセスすることがより困難となることから、遊技機に対する不正行為を防止することができる。さらに、遊技者が遊技媒体に直接的に接触しないことから、遊技環境が改善し、騒音も減らすことができる。すなわち、遊技機をとりまく種々の環境を改善することができる遊技機を提供することが可能となる。
(メダルレス遊技機の構成例)
続いて、図34を参照して、パチスロ機1をメダルレス遊技機として構成した場合の構成例について説明する。図34は、メダルレス遊技機の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、メダル数制御基板(遊技価値管理装置)が設けられた場合の構成例について説明する。
上述のとおり、メダル数制御基板は、主制御基板71に接続され、遊技者が保有するメダル数(遊技価値数)を管理する。また、メダル数制御基板は、接続端子板(通信装置)を介して通信専用ユニット(遊技価値提供装置)に接続される。また、メダル数制御基板は、接続端子板及び通信専用ユニットを介し、出玉管理装置に対して出玉管理情報を送信する。また、メダル数制御基板には、メダル数制御回路(不図示)が搭載される。また、メダル数制御回路は、例えば、メダル数制御CPU(不図示)と、メダル数制御ROM(不図示)と、メダル数制御RWM(不図示)とを含んで構成される。
なお、出玉管理装置は、例えば、遊技機メーカが加入する組合(の情報センタ)が管理する出玉管理用のサーバであり、送信された出玉管理情報が出玉管理装置に蓄積されることで、各遊技機の射幸性が適切なものであるか否か(出玉性能)を監視可能にする目的で設けられるものである。
したがって、このような観点より、メダル数制御基板及び接続端子板は、主制御基板71と同様にパチスロ機1において重要な機能を担うものであることから、不正行為や不正改造を防止できる態様でパチスロ機1の内部に設けられている必要がある。図34に示す構成例1及び構成例2は、そのような態様の一例を示している。
<構成例1>
図34に示す構成例1は、メダル数制御基板及び接続端子板が、主制御基板71と同様に、主制御基板ケース内に収容されていることを示している。ここで、主制御基板ケースには、通常、その開放(あるいは取り外し)を困難とするため、あるいは開放された痕跡(あるいは開放された回数)を認識できるようにするための種々の封印処理が施されている(例えば、かしめによる封印や封印シールの貼付、あるいはかしめを切断した記録を記載するかしめシールの貼付等)。
したがって、メダル数制御基板及び接続端子板を主制御基板ケース内に収容すれば、主制御基板71と同様のセキュリティ効果を得ることができ、不正行為や不正改造を適切に防止できる。
<構成例2>
図34に示す構成例2は、メダル数制御基板及び接続端子板が、上述の構成例1とは異なり、主制御基板ケースとは別体に設けられたメダル数制御基板ケース内に収容されていることを示している。なお、メダル数制御基板ケースは、主制御基板ケースと同様に透明(あるいは略透明)に構成された樹脂製のケースとして構成されるものとし、その内部に収容されたメダル数制御基板及び接続端子板が、容易に視認可能な状態で収容されるものとする。
ここで、構成例2のメダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様の封印処理が施される構成とすることもできるし、少なくともその一部の封印処理のみが施される構成とすることもできる。例えば、メダル数制御基板ケースでは、主制御基板ケースと同様にかしめによる封印は行われるが、封印シールは貼付されないといった構成としてもよい。また、例えば、主制御基板ケースでは、予め定められたかしめシールを使用することが義務付けられるが、メダル数制御基板ケースでは、かしめシールとして任意のシールを使用することができるようにしてもよい。
<蓄積データ例>
図34に示す蓄積データ例は、出玉管理装置に蓄積される各種データの一例を示している。すなわち、メダル数制御基板が、接続端子板及び通信専用ユニットを介して出玉管理装置に送信する出玉管理情報の一例を示している。なお、これはあくまで一例であり、図34に示す各種の情報のうち、その一部を送信しない構成とすることもできるし、図34に示す各種の情報以外の情報を送信する構成とすることもできる。
また、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングも任意であるし、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングも任意である。出玉管理装置により、少なくとも一単位(例えば、遊技店の1営業日)ごとに各遊技機の出玉性能を監視可能とする態様であれば、いずれのタイミングで送信されるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングと、通信専用ユニットが出玉管理装置に情報を送信するタイミングとは異なるタイミングであってもよい。また、例えば、メダル数制御基板が通信専用ユニットに情報を送信するタイミングは、情報の種類に応じて異なるタイミングであってもよい。
蓄積データ「総投入枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積投入枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によってベットされたものを除き、遊技者のベット操作によってベットされた遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、再遊技の作動によって付与されたものを除き、遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「MY」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位中に発生した最大差枚数(要するに、一単位中において最も遊技価値が増加した期間で得られた差枚数。これを「MY」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、このような最大差枚数を算出し、算出した情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、各種役物の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、各種役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、各種役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「連続役物総払出枚数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積払出枚数であって、かつ、連続役物(RB。BB作動中のRBを含む)の作動中に払出された累積払出枚数である。例えば、メダル数制御基板は、連続役物の作動中に遊技機の払出処理によって付与された遊技価値数の情報を所定のタイミング(例えば、連続役物の作動中の単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
また、メダル数制御基板は、役比モニタ装置54に表示可能な各種の情報を所定のタイミング(例えば、役比モニタ装置54での算出時点)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報を所定のタイミング(例えば、メダル数制御基板からの送信時点)で出玉管理装置に送信する。なお、蓄積データ「役物比率」は、例えば、上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「連続役物比率」は、例えば、上述の連続役物割合情報に相当し、蓄積データ「有利区間比率」は、例えば、上述の特定区間割合情報に相当し、蓄積データ「指示込役物比率」は、例えば、AT状態中も集計・算出の対象とした上述の役物割合情報に相当し、蓄積データ「役物等状態比率」は、例えば、各種役物の作動中も集計・算出の対象とした上述の特定区間割合情報に相当するものである。
蓄積データ「遊技回数」は、各遊技機の電源が投入されてからの一単位あたりの累積遊技回数である。例えば、メダル数制御基板は、遊技が行われた遊技数の情報を所定のタイミング(例えば、単位遊技ごと)で通信専用ユニットに送信し、通信専用ユニットは、当該情報の累計を所定のタイミング(例えば、遊技店の営業終了時点)で出玉管理装置に送信する。
蓄積データ「主制御チップID番号」は、各遊技機の主制御回路100の個体識別番号(「CPUID」ともいう。これを「チップID番号」と称する)である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップメーカコード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。
蓄積データ「主制御チップ製品コード」は、各遊技機の主制御回路100のメインROM102の管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。
蓄積データ「メダル数制御チップID番号」は、各遊技機のメダル数制御回路の個体識別番号である。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この個体識別番号を含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの個体識別番号を含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップメーカコード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録されたメーカコードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、このメーカコードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこのメーカコードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
蓄積データ「メダル数制御チップ製品コード」は、各遊技機のメダル数制御回路のメダル数制御ROMの管理エリアに記録された製品コードである。例えば、メダル数制御基板は、通信専用ユニットに各種情報を送信する際、この製品コードを含む情報を送信し、通信専用ユニットは、出玉管理装置に各種情報を送信する際、送信されたこの製品コードを含む情報を送信する。なお、メダル数制御基板を設けることなく、主制御基板71によって各種情報が通信専用ユニットに送信されるように構成した場合、当該情報は「0」となる。
このように、出玉管理装置は、遊技機から送信された各種の情報(出玉管理情報)を蓄積可能としている。また、出玉管理情報には、遊技機の個体を識別可能な複数の個体識別情報(例えば、上述の「主制御チップID番号」~「メダル数制御チップ製品コード」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの個体識別情報によって送信元の遊技機を特定することができるとともに、例えば、あるときから、「主制御チップID番号」と「メダル数制御チップID番号」との対応関係が異なるものとなった場合には、いずれかの制御基板が交換された可能性(すなわち、不正行為や不正改造が行われた可能性)を認識することができる。
また、出玉管理情報には、一単位あたりの出玉性能を識別可能な複数の出玉情報(例えば、上述の「総投入枚数」~「遊技回数」)が含まれる。したがって、出玉管理装置は、これらの出玉情報によって送信元の遊技機の射幸性が適切な範囲のものとなっているかを認識することができる。例えば、あるときから、「総払出枚数」や「指示込役物比率」が著しく高い値となった場合には、不正行為や不正改造が行われた可能性、あるいはそもそもの仕様設計に何らかの不備があった可能性等を認識することができる。
そして、出玉管理装置によって上述のような可能性が認識された場合には、遊技店あるいは遊技機メーカ等にその結果が知らされ、適切な対処が行われることが期待できる。すなわち、複数の管理遊技機と、管理遊技機から送信された出玉管理情報を出玉管理装置に送信する遊技価値提供装置(通信専用ユニット)と、送信された出玉管理情報に基づいて各管理遊技機の出玉性能を管理する出玉管理装置とを含む管理システムが構築されることで、管理下にある全ての管理遊技機を適切に管理することを可能としている。
<変形例1>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板によって、遊技者の保有する遊技価値数が管理されるように構成することができる。したがって、このような管理状況、あるいはその他の情報を遊技店の管理者が把握できるように、メダル数制御基板には、メダル数モニタ装置(不図示)が設けられるようにしてもよい。
メダル数モニタ装置は、例えば、4桁の7セグメントLEDにより構成され、メダル数制御基板ケースの内部に設けられる。メダル数モニタ装置は、メダル数制御CPU(あるいは、メインCPU101であってもよい)によって集計・算出された遊技価値数に関する各種の情報(例えば、上述の出玉管理情報の一部又は全部)を順次表示する。なお、メダル数モニタ装置によって役比モニタ装置54の表示内容が全て表示されるのであれば、役比モニタ装置54を設けないようにしてもよい。あるいは、役比モニタ装置54をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
また、メダル数モニタ装置は、メダル数制御基板上に実装されるようにしてもよいし、メダル数制御基板に接続された他の基板(例えば、接続端子板)上に実装されるようにしてもよい。また、キャビネットG内であれば、他の場所に設けられるようにしてもよい。例えば、メダル数制御基板ケース上に設けられるようにしてもよい。また、メダル数モニタ装置における表示を開始させ、あるいはその内容を切替えるための管理スイッチをキャビネットG内に設けるようにし、これが操作された場合に各種の情報が表示されるようにしてもよい。また、このような管理スイッチを使用することを前提として、例えば、情報表示装置14をメダル数モニタ装置と兼用して用いる構成としてもよい。
なお、メダル数モニタ装置は、自身に関連する各種エラー状態が発生したとき、発生したエラー状態の種類を表示するものとしてもよい。例えば、主制御基板71との通信エラーが発生した場合、接続端子板との通信エラーが発生した場合、遊技価値提供装置との通信エラーが発生した場合、あるいはメダル数制御RWMに異常が発生した場合等の場合には、これに対応する数値を表示するものとしてもよい。なお、この場合、表示された数値がいずれのエラー状態に対応するものであるかを遊技店の管理者が容易に認識可能とするため、メダル数制御基板ケース又はその近傍に、その対応関係を示す説明部(シールの貼付や印字等)を設けるようにすればよい。
<変形例2>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、メダル数制御基板は接続端子板を介して外部に出玉管理情報を送信するように構成することができる。ここで、本実施形態では、外部に情報を送信するものとして他に外部集中端子板55が設けられている。したがって、接続端子板と外部集中端子板55とを、例えば、以下のように構成することができる。
例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを共通の端子板として構成する。これにより、部品点数を削減することができるのみならず、外部に向けた配線も削減することができるため、セキュリティ効果を高めることができる。
また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを1つのユニットとして構成する。また、例えば、接続端子板と外部集中端子板55とを少なくともキャビネットG内において近傍に配置する。これにより、接続時の作業効率を高めることができる。また、配線の長さを一定のものとすることができ、また、配線箇所を限定することもできるため、セキュリティ効果を高めることができる。
<変形例3>
上述のとおり、メダルレス遊技機では、出玉管理装置に対して出玉管理情報が送信されるように構成することができる。また、出玉管理装置では、送信された出玉管理情報によって各メダルレス遊技機の出玉性能を適切に管理することができる。したがって、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
また、出玉性能を適切に管理する機能をメダル数制御基板にもたせるようにし、このようにして出玉性能が適切に管理され得ることを前提として、上述のリミッタを設けないようにしてもよい。すなわち、一定の規制条件が成立したことに基づいて有利区間を強制的に終了させる機能を有しないものとしてもよい。
例えば、メダル数制御基板が、出玉監視用RWM(上述のメダル数制御RWMであってもよいし、別のRWMであってもよい)を含んで構成されるようにする。出玉監視用RWMは、例えば、設定変更時には初期化されるが、有利区間終了時には初期化されないようにして出玉を監視する。そして、監視した出玉が一定の閾値を超えた場合には、例えば、有利区間自体は強制的に終了させないが、ナビ発生確率を低下させたり、AT状態が延長される確率を低下させたり、あるいはAT状態自体は終了させたりして出玉性能を低下させる制御を行い得るものとする。このようにしても、出玉性能を適切に管理することが可能となる。なお、この場合、このような制御結果を出玉管理情報として出玉管理装置に送信可能としてもよい。すなわち、メダル数制御基板と出玉管理装置との双方において、各メダルレス遊技機の出玉性能を管理し得る構成としてもよい。
(パチスロ機の主制御基板の構成例)
続いて、図35を参照して、パチスロ機1の主制御基板71の構成例について説明する。図35は、主制御基板71の構成の一例を示す図である。なお、以下では、主として、主制御基板71のリユース(再利用)の構成例について説明する。
上述のとおり、パチスロ機1では、主制御基板71の仕様には種々の制約があり、その1つとして、主制御基板71上には、製造業者名及び基板管理番号を印字することが必要となっている。製造業者名は、パチスロ機1を製造する遊技機メーカ名であり、管理番号は、主制御基板71の型式を特定するための番号である。
<構成例1>
図35に示す構成例1は、主制御基板71において、製造業者名及び基板管理番号を従来のように文字にて印字していることを示している。ここで、図35に示す構成例1では、まず、株式会社BBによって当該主制御基板71が搭載されたパチスロ機1(以下、「機種A」として説明する)が製造されたものとする。このとき、当初は、下段の製造業者名「株式会社BB」及び基板管理番号「BB-00-11-22」しか印字されていない。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種B」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社AAは、印字されていた下段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号(例えば、図35に示す構成例1の上段の製造業者名「株式会社AA」及び基板管理番号「AA-00-11-22」)を新たに印字しなければならない。
そして、その後、機種Bが遊技店から撤去され、仮に、例えば、株式会社BBが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1(以下、「機種C」として説明する)を製造しようとした場合、株式会社BBは、印字されていた上段の製造業者名及び基板管理番号をレーザー刻印で削除し、違うスペースに自社に係る製造番号及び基板管理番号を新たに印字しなければならないわけであるが、図35に示す構成例1ではもう空きスペースがないため、ハードウェア的にはまだ十分にリユースが可能であるにもかかわらず、上述のような制約のために当該主制御基板71をリユースできない場合があるという問題があった。
なお、これは、当初から複数の製造業者名及び基板管理番号を印字していた場合であっても同様である。例えば、株式会社AAと株式会社BBの双方に係る製造番号及び基板管理番号が予め印字されていたとしても、機種Aを製造する時点で株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号はレーザー刻印で削除されてしまうからである。よって、株式会社BBではリユースできる可能性はあるものの、株式会社AAではリユースできなくなってしまう。これに対し、以下の構成例2及び構成例3では上述のような問題を解消することが期待できる。すなわち、主制御基板71のような遊技の制御に用いる基板について、そのリユース性を高めることができる。
<構成例2>
図35に示す構成例2は、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号の一例として、二次元コードであるQRコード(登録商標)を用いているが、JANコード(バーコード)や他のコードを用いることができる。すなわち、符号(コード)は、確認者が何らかの手段(例えば、携帯端末等)によって一義的に製造業者名及び基板管理番号を特定可能な情報を含むものであれば、どのようなものであってもよい。
図35に示す構成例2では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号が印刷される。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号が印刷され、右から1番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号が印刷され、右から2番目の符号はレーザー刻印で削除される。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から3番目の符号をレーザー刻印で削除し、右から4番目の符号を印刷し、右から4番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれるようにすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
すなわち、図35に示す構成例2では、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することで、主制御基板71の表面において、製造業者名及び基板管理番号の1個あたりの印字(印刷)スペースを節約することができるので、図35に示す構成例1と比べて、そのリユース性を高めることが可能となっている。
<構成例3>
図35に示す構成例3は、上述の構成例2と同様に、製造業者名及び基板管理番号を含む符号を印刷することを示している。なお、図35に示す構成例3では、当初から複数(例えば、4個)の符号が印刷されている。例えば、株式会社AA分及び株式会社BB分がそれぞれ2個ずつ印刷されているものとする。また、主制御基板71の表面(あるいは、これに対応する主制御基板ケース上であってもよい)において、各符号に対応する箇所を、例えば、帯状部材等によってかしめることにより、符号を読み取り不可能な状態に固定することを可能としている。また、例えば、帯状部材等を切断することにより、固定を解除して符号を読み取り可能な状態とすることを可能としている。
図35に示す構成例3では、まず、株式会社BBによって機種Aが製造されたものとしたとき、右から1番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から2番目~4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から1番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Aが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが機種Bを製造しようとしたとき、右から2番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、3番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から2番目の符号には、株式会社AAに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。
その後、機種Bが遊技店から撤去され、例えば、株式会社BBが機種Cを製造しようとしたとき、右から3番目の符号のみが読み取り可能な状態とされ、右から1番目、2番目及び4番目の符号は読み取り不可能な状態とされる。右から3番目の符号には、株式会社BBに係る製造番号及び基板管理番号を特定可能な情報が含まれる。その後、機種Cが遊技店から撤去され、例えば、株式会社AAが当該主制御基板71をリユースして異なるパチスロ機1を製造しようとしたときであっても、株式会社AAは、右から4番目の符号のみを読み取り可能な状態とし、右から1番目~3番目の符号を読み取り不可能な状態とすれば、さらに新たなパチスロ機1に当該主制御基板71をリユースすることが可能となる。
また、図35に示す構成例3では、少なくとも1つの符号を読み取り可能な状態とし、それ以外の符号読み取り不可能な状態とすればよいのであるから、さらなるリユースも可能であり、また、より多くの遊技機メーカでリユースすることも可能である。なお、図35に示す構成例3においても、かしめ穴だけを設けておき、リユースの度にかしめ穴に対応する箇所に符号を印刷していくように構成することもできる。
[10.第2の遊技機]
続いて、図36~図120を参照して、パチスロ機400の遊技性に関する仕様の他の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、以下では、第2の遊技機は、3BET専用のパチスロ機であるとして説明する。すなわち、第2の遊技機においてスタートレバー7及びスタートスイッチ7Sは、3枚のメダルがベットされることで開始操作の検出が可能になる。
[パチスロ機の構造]
まず、図36を参照しながら、第2の遊技機であるパチスロ機400の構造について説明する。なお、図36は、パチスロ機400の外部構造を示す図である。
[筐体]
図36に示すパチスロ機400の筐体500は、遊技機本体として前面側に矩形状の開口を有する金属製のキャビネットGと、キャビネットGの前面上部に配置された上ドア機構UDと、キャビネットGの前面下部に配置された下ドア機構DD2とを有している。キャビネットGと上ドア機構UDは、上述のパチスロ機1(図1参照)と同じであるため、説明を省略する。
下ドア機構DD2は、その上部の略中央部に設けられたメイン表示窓4と、メイン表示窓4の背面側であって、キャビネットGの内部側に取付けられたリールユニットRU2とを有している。
リールユニットRU2は、4個のリール3A(第1リール),3B(第2リール),3C(第3リール),3D(第4リール)を主体に構成されている。各リール3A,3B,3C,3Dは、例えば、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のリール帯から構成され、リール帯には、複数(例えば、20個)の図柄がリールの回転方向に沿って所定の間隔を空けて描かれている。また、各リール3A,3B,3C,3Dは、それぞれが縦方向に一定の速度で回転できるように並列状態(横一列)に配設される。メイン表示窓4は、例えば、樹脂製の透明パネルとして構成され、各リール3A,3B,3C,3Dの周面上の図柄について少なくとも一部(例えば、3個)を視認可能としている。また、各リール3A,3B,3C,3Dの内部には、少なくともメイン表示窓4から図柄が視認される位置に光源(後述のランプ・LED類に含まれるリールランプ)が設けられ、少なくとも各リール3A,3B,3C,3Dが回転中であるときにはこれらを内部から一定の輝度で照明することで、図柄の視認性を確保している。
また、下ドア機構DDは、上述の台座部の下方において、略中央部に設けられた4個のストップボタン8A,8B,8C,8Dを有している。各ストップボタン8A,8B,8C,8Dは、各リール3A,3B,3C,3Dに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の遊技操作(停止操作)を受付ける操作部である。
サブ演出表示部22、演出用ボタン10b、MAXベットボタン6a、1ベットボタン6b、精算ボタン9、演出用ボタン10a、メダル投入口5、情報表示装置14、スタートレバー7、施錠機構15、腰部パネル13、メダル受皿12、メダル払出口11、及び透音孔24a,24bは、上述のパチスロ機1(図1参照)と同じであるため、説明を省略する。
なお、本実施形態では、キャビネットG内が上部空間と下部空間とに仕切られていることに対応して上ドア機構UD及び下ドア機構DD2を設けることとしているが、キャビネットGにおける開口を適切に開閉可能とする限り、単一のドア機構として構成することもできるし、3つ以上のドア機構として構成することもできる。また、前後方向に二重に構成されたドア機構(例えば、外扉と内扉等)として構成することもできる。また、上ドア機構UD及び下ドア機構DD2は、単に「扉」や「ドア」と称することもできるし、キャビネットGにおける開口を開閉可能とする部材として機能するため、「開閉部材」、「扉部材」、あるいは「ドア部材」等と称することもできる。
[変動表示部]
各リール3A,3B,3C,3Dは、スタートレバー7が操作されると(遊技者によって開始操作が行われると)、後述のステッピングモータ51A,51B,51C,51Dが駆動制御されることにより回転を開始する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が変動表示される。また、各リール3A,3B,3C,3Dは、各ストップボタン8A,8B,8C,8Dが操作されると(遊技者によって停止操作が行われると)、後述のステッピングモータ51A,51B,51C,51Dが駆動制御されることによりそれぞれの回転を停止する。これにより、メイン表示窓4に表示される図柄が停止表示される。
すなわち、各リール3A,3B,3C,3D及びメイン表示窓4は、複数の図柄を複数列に変動表示(及び停止表示)可能な変動表示部(手段)、あるいは複数の図柄を変動表示(及び停止表示)可能な複数の変動表示部(手段)を構成する。なお、変動表示部(手段)は、「図柄表示部(手段)」や「可変表示部(手段)」等と称することもできる。また、図柄は、「絵柄」や「柄」等と称することもできるし、遊技者が視認により識別可能な情報であればよいことから、その意味において「識別情報」等と称することもできる。
また、メイン表示窓4は、各リール3A,3B,3C,3Dの回転が停止されたとき、それぞれについて連続して配置された3個の図柄がその枠内に表示されるように構成されている。すなわち、メイン表示窓4は、各列において上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する(メイン表示窓4の枠内には、3行×4列の態様で図柄が表示される)。なお、メイン表示窓4は、「図柄表示領域」や「窓部」等と称されることがある。
また、メイン表示窓4には、有効ラインが定義される。有効ラインは、遊技者の停止操作に応じて全ての列の図柄が停止表示されたときに、規定された図柄の組合せが表示されたか否かを判定するためのラインである。その意味において、有効ラインは、「入賞ライン」や「判定ライン」等と称することもできる。また、有効ラインは、各列の各領域のいずれかを結ぶラインとして構成される。すなわち、メイン表示窓4が3行×4列の態様で図柄を表示するように構成される場合、最大81通りの有効ラインを定義することが可能である。もっとも、実際には、そのうちの一又は複数通りのラインを有効ラインとして定義し、他のラインは有効ラインではない無効ラインとして定義することができる。第2の遊技機では、有効ラインが、第1リール3Aの中段領域、第2リール3Bの中段領域、第3リール3Cの中段領域、及び第4リール3Dの下段領域を結ぶライン(中-中-中-下)のみと定義される。
また、有効ラインが有効化されるためには、遊技者の開始操作に先立って、今回の遊技に必要な分の(遊技開始可能枚数分の)メダルがベットされている必要があるが、有効化される有効ライン数は、ベット数にかかわらず同じであってもよいし、ベット数に応じて変動してもよい。
なお、本実施形態では、変動表示部が、4個のリール3A,3B,3C,3Dと、各列において3個ずつの図柄を表示可能とするメイン表示窓4とを有することで、3行×4列の態様で図柄を表示するものとしていたが、変動表示部における図柄表示態様はこれに限られない。例えば、リール数を1個、2個、3個、あるいは5個以上とし、また、例えば、各列における図柄の表示数を1個、2個、あるいは4個以上とすることで上述の態様とは異なる態様で図柄を表示することもできる。また、この場合、定義可能な有効ライン数も適宜増減する。
また、本実施形態では、変動表示部が、各リール3A,3B,3C,3Dを回転させることによって図柄を変動表示するものとしていたが、変動表示部の構成はこれに限られない。例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220と同様の画像表示装置を用いた構成としてもよいし、その他の表示装置(例えば、有機ELや7セグメントLED等)を用いた構成としてもよい。また、例えば、その他の物理的装置(例えば、ベルト等)を用いた構成としてもよい。また、変動表示部の配置や大きさ等は適宜変更可能である。
また、本実施形態では、変動表示部が、後述の主制御回路100によって制御される、遊技に直接関連するメイン側表示部として機能とするものとしていたが、これとともに、後述の副制御回路200によって制御される、遊技に直接関連しない演出に関連するサブ側表示部としての変動表示部を設けるようにしてもよい。なお、サブ側表示部は、例えば、メイン表示装置210やサブ表示装置220を用いた構成とすることができる。すなわち、遊技者の開始操作(あるいは、その他開始条件の成立)に応じて図柄を変動表示させ、遊技者の停止操作(あるいは、その他停止条件の成立)に応じて図柄を停止表示させる変動表示部として、メイン側表示部のみならず、サブ側表示部を設けるようにしてもよい。なお、この場合、遊技者が変動表示部について遊技に直接関連するものであるか否かを識別可能とするため、メイン側表示部の近傍には、「回胴」ないし「メインリール」といった文字が表示された識別表示を付しておき、当該変動表示部がメイン側表示部であることを識別可能とすればよい。なお、このような識別表示は、メイン表示装置210やサブ表示装置220において表示されるようにしてもよい。
[ストップボタン]
上述のとおり、パチスロ機400は、各リール3A,3B,3C,3Dに対応して設けられ、それぞれの回転を停止させるための遊技者の停止操作を受付ける各ストップボタン8A,8B,8C,8Dを備える。また、このような開始操作は、後述のストップスイッチ8Sによって検出される。したがって、各ストップボタン8A,8B,8C,8D及びストップスイッチ8Sは、遊技者の停止操作を検出可能な停止操作検出部(手段)を構成する。なお、ストップボタンは、あくまで遊技者の停止操作を検出可能であればよく、その形状、配置及び大きさ等は適宜変更可能である。
[パチスロ機の電気的構成]
続いて、図37を参照して、パチスロ機400の電気的構成について説明する。なお、図37は、パチスロ機400の電気的構成を示すブロック図である。
上述のとおり、パチスロ機400は、主制御基板71と、副制御基板72と、主中継基板73と、副中継基板74とを有している。主制御基板71、副制御基板72、主中継基板73、及び副中継基板74は、上述のパチスロ機1(図1参照)と同じであるため、説明を省略する。
主制御基板71には、ステッピングモータ51A,51B,51C,51D、設定用鍵型スイッチ52、リセットスイッチ53、役比モニタ装置54、外部集中端子板55、ホッパー装置32、メダル補助収納庫スイッチ33S、電源装置34が電気的に接続されている。また、主制御基板71には、主中継基板73を介して、ドア開閉監視スイッチ56、メダルセンサ31S、ベットスイッチ6S、スタートスイッチ7S、ストップスイッチ8S、精算スイッチ9S、情報表示装置14が電気的に接続されている。なお、仮に試験機用第1インターフェースボード301及び試験機用第2インターフェースボード302が搭載される場合には、例えば、主中継基板73を介して主制御基板71に電気的に接続される。
ステッピングモータ51A,51B,51C,51Dは、それぞれ所定の減速比をもったギアを介して各リール3A,3B,3C,3Dに接続され、その駆動により各リール3A,3B,3C,3Dを回転及び停止させる。なお、各ステッピングモータ51A,51B,51C,51Dに対して1回のパルスが出力されるごとに、各リール3A,3B,3C,3Dが一定の角度で回転することから、メインCPU101は、各ステッピングモータ51A,51B,51C,51Dに対してパルスを出力した回数をカウントし、このカウント結果に基づいて各リール3A,3B,3C,3Dの図柄位置を管理する。また、各リール3A,3B,3C,3Dには、このような管理を行うための初期位置を定めるリールインデックス(不図示)と、リールインデックスの位置を検出するためのインデックスセンサ(不図示)が設けられる。
[第2の遊技機]
続いて、図38~図120を参照して、パチスロ機400の遊技性に関する仕様の一具体例について、これを「第2の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第2の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する各種の仕様や機能等については、その一部又は全部を、本実施形態において第1の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
第2の遊技機では、遊技状態として、非ボーナス状態と、ボーナス状態とが設けられる。また、非ボーナス状態は、後述の「RB」(レギュラーボーナス)が持越されているRBフラグ間状態と、後述の「BB」(ビッグボーナス)が持越されているBBフラグ間状態と、いずれのボーナス役も当籤していない(持越されていない)非フラグ間とを含んで構成される。なお、非フラグ間は、一般状態とする。また、ボーナス状態は、「RB」に係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行するRB作動状態と、「BB」に係る図柄の組合せが表示されたことに応じて移行するBB作動状態とを含んで構成される。
また、第2の遊技機では、3枚のメダルをベットした状態(3枚ベット状態)で遊技を行うことが可能となっている。なお、「ベット」とは、遊技に供するため、遊技者が3枚のメダルをメダル投入口5に対して投入すること、遊技者がMAXベットボタン6a又は1ベットボタン6bを操作してクレジットから3枚分のメダルを掛けること、及びリプレイ役の入賞によって自動的に3枚分のメダルが掛けられることのいずれもが含まれる。
[RT状態の遷移]
続いて、図38を参照して、第2の遊技機におけるRT状態の遷移を説明する。図38は、第2の遊技機におけるRT状態の遷移を説明するための図である。
図38に示すように、第2の遊技機では、RT状態として、リプレイの内部当籤役の種別及びその当籤確率が互いに異なる、RT0状態~RT3状態の4種類の状態を設ける。設定変更操作による初期化が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に、RT状態は、RT0状態にセットされる。
第2の遊技機では、ボーナス役として、第一種特別役物(RB)と、第一種特別役物に係る役物連続作動装置(BB)とを設けている。RB作動状態は、予め定められた任意の入賞回数(例えば、上限は8回)又は予め定められた任意の遊技回数(例えば、上限は12回)の遊技が行われた場合に終了する遊技状態として構成される。BB作動状態は、予め定められた任意の払出数(例えば、上限は55枚)を超えるメダルの払出があった場合に終了する遊技状態として構成される。また、BB作動状態では、RBが自動的に作動するように構成され、BBの作動中は常にRBの作動中となるように制御される。なお、第2の遊技機では、BBとRBとを設けているが、RBのみを設けるようにしてもよい。
RT0状態において、「RB」に当籤してRBフラグ間状態になると、RT状態は、RT0状態からRT2状態に移行する。RT2状態であって、後述の有利区間である場合は、「RB」に係る図柄の組合せの表示を回避する停止操作態様の報知(例えば、押し順ナビ等)をメイン表示装置210及び指示モニタで行う。また、RT0状態において、「BB」に当籤してBBフラグ間状態になると、RT0状態からRT2状態に移行する。BBフラグ間状態は、出玉(第1の遊技機において説明された「出玉」と同じ)に係る抽籤を行わない。一般状態において、「BB」に当籤した場合は、BBの作動及び終了、RBフラグ間状態に移行するまで、メイン表示装置210で準備中又は待機中等の表示を行い、RBフラグ間状態に移行すると、準備中又は待機中の表示を終了させる。
「RB」に係る図柄の組合せが表示されてRB作動状態に移行すると、RT状態は、RT2状態からRT3状態に移行する。また、「BB」に係る図柄の組合せが表示されてBB作動状態に移行すると、RT状態は、RT2状態からRT3状態に移行する。
RB作動状態又はBB作動状態が終了すると、一般状態に移行し、RT状態は、RT2状態からRT1状態に移行する。その後、設定変更操作による初期化が行われる、又はその他の初期化条件が成立するまで、RT0状態に移行することは無い。すなわち、RT1状態において、「RB」に当籤してRBフラグ間状態になると、RT状態は、RT1状態からRT2状態に移行する。また、RT1状態において、「BB」に当籤してBBフラグ間状態になると、RT1状態からRT2状態に移行する。
なお、設定変更操作による初期化は、遊技状態、及び、リセットスイッチ53のオン・オフ状態に応じて、指定格納領域の全てのデータをクリアするか、一部の遊技状態をクリアするかを決定するようにしてもよい。また、設定用鍵型スイッチ52及びリセットスイッチ53がオン状態で電源が立ち上げられた場合は、遊技状態にかかわらず全てのデータをクリアするようにしてもよい。また、設定用鍵型スイッチ52がオン状態、かつ、リセットスイッチ53がオフ状態で電源が立ち上げられた場合に、RBフラグ間状態であるとRB持ち越しフラグを初期化しないようにしてもよく、また、BBフラグ間状態であるとBB持ち越しフラグも含めて全てのデータをクリアするようにしてもよい。
[第2の遊技機の図柄配置構成]
続いて、図39を参照して、第2の遊技機の図柄配置構成について説明する。図39は、第2の遊技機の図柄配置テーブルの一例を示す図である。図40に示すように、第2の遊技機では、「赤7」、「BAR」、「リプレイ」、「ベル」、「巻物」、「チェリー」、「ブランク1」、「ブランク2」、「上シンボル」及び「下シンボル」の10種類の図柄が、各リール3A,3B,3C,3Dそれぞれにおいて図39に示す位置に配置されている。また、図柄コード表に示すように、各図柄には図柄コード1~10が割り当てられている。
[第2の遊技機の内部当籤役構成]
続いて、図40~図49を参照して、第2の遊技機の内部当籤役構成について説明する。図40及び図41は、第2の遊技機の内部抽籤テーブルの一例を示す図である。また、図42及び図43は、第2の遊技機の図柄組合せテーブルの一例を示す図である。また、図44~図49は、第2の遊技機の内部当籤役と停止操作態様と表示役等との対応関係の一例を示す図である。すなわち、以下では、第2の遊技機において抽籤される内部当籤役の種類や、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に停止操作態様(すなわち、打順や停止操作タイミング等)に応じていずれの図柄の組合せ(表示役、入賞役、停止表示態様、表示結果等と換言することもできる)が表示されるのか等について説明する。
まず、第2の遊技機では、内部抽籤処理において、図40及び図41に示す各内部当籤役が、図40及び図41に示す確率(抽籤値/確率分母:65536)で当籤する。なお、それぞれの内部当籤役に当籤した場合に表示が許可される図柄の組合せは、図40及び図41中、「対応する図柄組合せ」に示したとおりである。また、図42及び図43中、「内容」に示す「RB」、「BB」はボーナス役に係る図柄の組合せを示し、「RP」は、リプレイ役に係る図柄の組合せを示し、「NM」は、小役に係る図柄の組合せを示している。
「F_通常リプ1」は、非ボーナス状態(RT0、RT1、RB内部中(RBフラグ間状態)、BB内部中(BBフラグ間状態))において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_通常リプ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作が第1リール3A(リールA)であれば、「RP01」(CLリプ)又は「RP04」(XUリプ)が表示され、再遊技が付与される。また、第1停止操作が第2リール3B(リールB)、第3リール3C(リールC)、又は第4リール3D(リールD)であれば、「RP02」(TLリプ)、「RP03」(TLリプ)、[RP05](XDリプ)、「RP06」(XDリプ)のいずれかが表示され、再遊技が付与される。
「RP01」は、第1リール3A~第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を中段一直線に表示させるものであることから「中段リプ(CLリプ)」と称することができる。また、「RP04」は、第1リール3A~第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を右上がりに表示させるものであることから、これを「右上がりリプ(XUリプ)」と称することができる。「RP02」、「RP03」は、第1リール3A~第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を上段一直線に表示させるものであることから、これを「上段リプ(TLリプ)」と総称することができる。[RP05]、「RP06」は、第1リール3A~第3リール3Cにおいて「リプレイ」図柄を右下がりに表示させるものであることから、これを「右下がりリプ(XDリプ)」と総称することができる。
「F_通常リプ2」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_通常リプ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールAであれば、「RP01」(CLリプ)が表示され、再遊技が付与される。また、第1停止操作がリールB、リールC、又はリールDであれば、「RP02」(TLリプ)、「RP03」(TLリプ)、[RP05](XDリプ)、「RP06」(XDリプ)のいずれかが表示され、再遊技が付与される。
「F_通常リプ3」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_通常リプ3」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールAであれば、「RP01」(CLリプ)が表示され、再遊技が付与される。また、第1停止操作がリールB、リールC、又はリールDであれば、「RP02」(TLリプ)、「RP03」(TLリプ)のいずれかが表示され、再遊技が付与される。
「F_RB中1枚」は、ボーナス状態(RB作動状態及びBB作動状態)において、内部当籤役として決定可能に構成されている。ボーナス状態である場合に、「F_RB中1枚」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM30」~「NM80」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_RB中ベル」は、ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。ボーナス状態である場合に、「F_RB中ベル」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM01」~「NM29」のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_共通ベル」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_共通ベル」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM13」~「NM15」のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_打順ベル01」~「F_打順ベル24」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_打順ベル01」~「F_打順ベル24」は、第1、第2、第3停止操作の選択で構成される24択(24個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、内部当籤役として決定された場合、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「NM01」~「NM12」のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、「NM30」~「NM58」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。例えば、「F_打順ベル01」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールB、第3停止操作がリールCであれば、正解押し順となり、「NM01」(C_12ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。一方、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールB、第3停止操作がリールCでなければ、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM34」(S_打順ミス03)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_中段チェ1」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_中段チェ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM17」(S_中段チェ1)、「NM18」(S_中段チェ2)のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールBであれば、「NM04」(C_21ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。また、第1停止操作がリールCであれば、「NM09」(C_34ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_中段チェ2」は、非ボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図44、図46、図48に示すように、「F_中段チェ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM16」(S_確定役)、「NM17」(S_中段チェ1)、「NM18」(S_中段チェ2)のいずれかが表示され、15枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールBであれば、「NM04」(C_21ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。また、第1停止操作がリールCであれば、「NM09」(C_34ベル)が表示され、15枚のメダルが払出される。
「F_弱チェ」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。「F_弱チェ」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず「NM19」(C_弱チェA)、「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示される。図45、図47に示すように、ボーナス状態又はRB内部中である場合に、第1停止操作がリールA、リールB、又はリールCであれば、19/20の確率で「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払い出され、1/20の確率で「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。第1停止操作がリールDであれば、18/20の確率で「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払い出され、2/20の確率で「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。なお、本実施形態では、押し順が第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDに対する停止操作が下段にチェリーが表示される押下タイミングであった場合は、「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。図49に示すように、BB内部中である場合は、停止操作態様にかかわらず1/2の確率で「NM20」(S_弱チェB)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM47」(S_打順ミス11)、「NM55」(S_打順ミス19A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払い出され、1/2の確率で「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出される。
「F_強チェ1」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強チェ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM21」(S_強チェ1)、「NM22」(S_強チェ2)、「NM23」(S_強チェ3)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM20」(S_弱チェB)、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM47」(S_打順ミス11)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_強チェ2」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強チェ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM22」(S_強チェ2)が表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM20」(S_弱チェB)、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM47」(S_打順ミス11)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_弱スイカ1」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_弱スイカ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM26」(C_BLスイカ1)、「NM28」(C_CLスイカ1)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_弱スイカ2」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_弱スイカ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM24」(C_XUスイカ1)、「NM28」(C_CLスイカ1)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_強スイカ1」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強スイカ1」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM26」(C_BLスイカ1)、「NM27」(C_BLスイカ2)、「NM28」(C_CLスイカ1)、「NM29」(C_CLスイカ2)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_強スイカ2」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_強スイカ2」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「NM24」(C_XUスイカ1)、「NM25」(C_XUスイカ2)、「NM28」(C_CLスイカ1)、「NM29」(C_CLスイカ2)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。第1停止操作がリールB又はリールCであれば、「NM30」(S_打順ミス01)が表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47に示すように、RB内部中である場合に、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」は、第1停止操作の選択で構成される4択(4個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順小役となっており、対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、「NM30」~「NM33」、「NM56」~「NM61」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった(不正解の押し順で停止操作が行われた)場合には、「RB」(C_RB)が表示される場合がある。例えば、「F_RB1枚01」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールAであれば、正解押し順となり、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM56」(C_打順ミス19B)、「NM59」(C_打順ミス20B)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。一方、第1停止操作がリールAでなければ、不正解の押し順となり、1/3の確率で「NM30」(S_打順ミス01)、「NM56」(C_打順ミス19B)、「NM59」(C_打順ミス20B)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。「NM30」、「NM56」、「NM59」のいずれも表示できなかった場合は、「RB」(C_RB)が表示される。
図49に示すように、BB内部中である場合に、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」が内部当籤役として決定された場合は、停止操作態様にかかわらず「NM30」~「NM33」、「NM56」~「NM61」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。例えば、「F_RB1枚01」が内部当籤役として決定された場合は、「NM30」(S_打順ミス01)、「NM56」(C_打順ミス19B)、「NM59」(C_打順ミス20B)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
「F_排他1枚1」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47、図49に示すように、「F_排他1枚1」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、1/3の確率で「NM31」(C_打順ミス02A)、「NM37」(C_打順ミス06A)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。また、2/3の確率でいずれの表示役も表示されない。
「F_排他1枚2」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47、図49に示すように、「F_排他1枚2」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、1/3の確率で「NM32」(C_打順ミス02B)、「NM38」(C_打順ミス06B)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。また、2/3の確率でいずれの表示役も表示されない。
「F_排他1枚3」は、RB内部中、又はBB内部中において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図47、図49に示すように、「F_排他1枚3」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、1/3の確率で「NM33」(C_打順ミス02C)、「NM39」(C_打順ミス06C)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。また、2/3の確率でいずれの表示役も表示されない。
「F_共通1枚A」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_共通1枚A」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、「NM31」(C_打順ミス02A)、「NM32」(C_打順ミス02B)、「NM33」(C_打順ミス02C)、「NM37」(C_打順ミス06A)、「NM38」(C_打順ミス06B)、「NM39」(C_打順ミス06C)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。
「F_共通1枚B」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47、図49に示すように、「F_共通1枚B」が内部当籤役として決定された場合、停止操作態様にかかわらず、「NM34」(S_打順ミス03)、「NM40」(C_打順ミス07A)、「NM41」(C_打順ミス07B)、「NM42」(C_打順ミス07C)のいずれかが表示されて1枚のメダルが払出される。
「F_打順BB01」~「F_打順BB10」は、RB内部中、BB内部中、又はボーナス状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。図45、図47に示すように、RB内部中又はボーナス状態である場合に、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」が内部当籤役として決定された場合は、停止操作態様にかかわらず「NM40」、「NM41」、「NM44」、「NM45」、「NM62」~「NM80」のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。例えば、「F_打順BB01」が内部当籤役として決定された場合は、「NM44」(C_打順ミス08B)、「NM45」(S_打順ミス09)、「NM62」(C_BBFLW)、「NM63」(C_BBK1A)、「NM64」(C_BBK1B)、「NM65」(C_BBK1C)「NM76」(C_BBK共通2)のいずれかが表示され、1枚のメダルが払出される。
図49に示すように、BB内部中である場合に、「F_打順BB01」~「F_打順BB09」が内部当籤役として決定された場合は、第1、第2停止操作の選択で構成される12択(12個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順BBとなっている。対応する正解押し順で停止操作が行われた場合には、3/4の確率で「BB」(C_BB)が表示され、1/4の確率で「NM41」、「NM44」、「NM45」、「NM63」~「NM72」、「MN75」~「MN80」のいずれかが表示される。一方、対応する正解押し順で停止操作が行われなかった場合には、1/4の確率で「NM41」、「NM44」、「NM45」、「NM63」~「NM72」、「MN75」~「MN80」のいずれかが表示され、3/4の確率でいずれの表示役も表示されない。例えば、「F_打順BB01」が内部当籤役として決定された場合、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールBであれば、正解押し順となり、3/4の確率で「BB」(C_BB)が表示され、1/4の確率で「NM44」、「NM45」、「NM62」~「NM65」、「MN76」のいずれかが表示される。一方、第1停止操作がリールA、第2停止操作がリールBでなければ、1/4の確率で「NM44」、「NM45」、「NM62」~「NM65」、「MN76」のいずれかが表示され、3/4の確率でいずれの表示役も表示されない。
図49に示すように、BB内部中である場合に、「F_打順BB10」が内部当籤役として決定された場合は、第1停止操作の選択で構成される4択(4個の打順のうちいずれか1つの打順が正解押し順となっている)の押し順BBとなっている。対応する正解押し順(第1停止操作がリールD)で停止操作が行われた場合には、9/16の確率で「BB」(C_BB)が表示され、7/16の確率で「NM40」、「NM62」、「NM73」、「MN74」のいずれかが表示される。一方、対応する正解押し順以外(第1停止操作がリールD以外)で停止操作が行われた場合には、1/4の確率で「NM44」、「NM45」、「NM62」~「NM65」、「MN76」のいずれかが表示され、3/4の確率でいずれの表示役も表示されない。
「RB+F_弱チェ」、「RB+F_強チェ1」、「RB+F_強チェ2」、「RB+F_弱スイカ1」、「RB+F_弱スイカ2」、「RB+F_強スイカ1」、「RB+F_強スイカ2」、「BB+F_RB1枚01」~「BB+F_RB1枚12」、「RB+F_排他1枚1」、「RB+F_排他1枚2」、「RB+F_排他1枚3」、「RB+F_共通1枚A」、「BB+F_共通1枚B」、「RB+F_打順BB01」~「RB+F_打順BB10」は、RT0状態、又はRT1状態において、内部当籤役として決定可能に構成されている。すなわち、一般状態(RT0状態、RT1状態)である場合に、「RB」は、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_排他1枚1」、「F_排他1枚2」、「F_排他1枚3」、「F_共通1枚A」、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」のいずれかと重複して当籤する。
図45に示すように、「RB+F_弱チェ」、「RB+F_強チェ1」、「RB+F_強チェ2」、「RB+F_弱スイカ1」、「RB+F_弱スイカ2」、「RB+F_強スイカ1」、「RB+F_強スイカ2」、「RB+F_排他1枚1」、「RB+F_排他1枚2」、「RB+F_排他1枚3」、「RB+F_共通1枚A」、「RB+F_打順BB01」~「RB+F_打順BB10」の停止操作態様と表示役との対応関係は、図47に示す「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_排他1枚1」、「F_排他1枚2」、「F_排他1枚3」、「F_共通1枚A」、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」の停止操作態様と表示役との対応関係と同じである。すなわち、一般状態(RT0状態、RT1状態)において、「RB」が、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_排他1枚1」、「F_排他1枚2」、「F_排他1枚3」、「F_共通1枚A」、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」のいずれかと重複して当籤した遊技では、停止操作態様にかかわらず、「RB」に係る図柄の組合せが表示されない(図45参照)。
一方、RB内部中(RBフラグ間状態)において、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した遊技では、「RB」に係る図柄の組合せが表示される場合がある(図47参照)。すなわち、RB内部中(RBフラグ間状態)において、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した遊技では、正解押し順で停止操作が行われると、「RB」に関わる図柄の組合せは表示されず、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示される。そして、正解押し順で停止操作が行われない場合は、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示されない場合に、「RB」に関わる図柄の組合せが表示される。
また、一般状態(RT0状態、RT1状態)である場合に、「BB」は、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」、「F_共通1枚B」のいずれかと重複して当籤する。図45に示すように、「BB+F_RB1枚01」~「BB+F_RB1枚12」、「BB+F_共通1枚B」の停止操作態様と表示役との対応関係は、図47に示す「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」、「F_共通1枚B」の停止操作態様と表示役との対応関係と同じである。すなわち、一般状態(RT0状態、RT1状態)において、「BB」が、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」、「F_共通1枚B」のいずれかと重複して当籤した遊技では、停止操作態様にかかわらず、「BB」に係る図柄の組合せが表示されない(図45参照)。
一方、BB内部中(BBフラグ間状態)において、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」のいずれかが当籤した遊技では、「BB」に係る図柄の組合せが表示される場合がある(図49参照)。すなわち、BB内部中において、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」のいずれかが当籤した遊技では、正解押し順で停止操作が行われると、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示されない場合に、「BB」に関わる図柄の組合せが表示される。そして、正解押し順で停止操作が行われない場合は、「BB」に関わる図柄の組合せは表示されず、1枚のメダルが払出される図柄の組合せが表示される場合がある。
[第2の遊技機の遊技性]
続いて、図50を参照して、第2の遊技機における遊技の流れについて説明する。図50は、第2の遊技機における非有利区間及び有利区間における遊技状態の遷移フローの一例を示す図である。
[遊技状態の遷移]
図50に示すように、第2の遊技機では、遊技者が遊技を行う状態として、非有利区間及び有利区間に大別され、有利区間には、さらに通常区間、疑似ボーナス区間、及び連チャンゾーン区間が設けられる。非有利区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である。非有利区間は、有利区間での遊技が終了したとき、設定変更操作が行われたとき、その他の初期化条件が成立したとき、あるいは工場出荷時等の場合に制御される初期状態としての制御状態である。
通常区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、マップ種別の決定が行われる点において非有利区間とは異なる。通常区間は、マップ種別等によって疑似ボーナス区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。疑似ボーナス区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知される遊技状態(AT状態)であり、遊技者にとって有利な遊技状態である。すなわち、疑似ボーナス区間は、遊技者がメダルを増加させることができる有利状態としての制御状態である。
また、連チャンゾーン区間は、遊技者にとって有利な停止操作の情報が報知されない遊技状態(非AT状態)であり、遊技者にとって不利な遊技状態である点は非有利区間と同様であるが、後述するように、マップ移行が行われる点において非有利区間とは異なる。連チャンゾーン区間は、マップ種別等によって疑似ボーナス区間移行(付与)の期待度を変動可能とし、遊技者が通常遊技を行う通常状態としての制御状態である。また、連チャンゾーン区間では、通常区間とは異なるマップ種別を決定可能であり、通常区間よりも疑似ボーナス区間移行(付与)の期待度が高い。
非有利区間では、遊技毎に、有利区間移行条件が満たされたか否かが判断される。有利区間移行条件が満たされた場合は、非有利区間から有利区間に移行する。第2の遊技機において、有利区間移行条件は、所定の内部当籤役が決定されることである。そして、所定の内部当籤役は、「不当せん(RB・BB中のみ)」、「F_通常リプ2」、「F_通常リプ3」、「F_RB中1枚」、及び「F_RB中ベル」以外の役としている。なお、非有利区間から有利区間への移行は、RBフラグ間状態、BBフラグ間状態、RB作動状態、BB作動状態においても可能である。
また、非有利区間では、所定の内部当籤役が決定された場合に、疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。この場合に決定可能な疑似ボーナスの種別は、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。また、非有利区間において所定の内部当籤役が決定され、「REGボーナス」が決定された場合は、疑似ボーナスの種別を「BIGボーナス」に変更する。なお、非有利区間において所定の内部当籤役が決定され、「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定された場合は、疑似ボーナスの種別を変更しない。しかし、非有利区間において所定の内部当籤役が決定され、「BIGボーナス」が決定された場合に、疑似ボーナスの種別を「超BIGボーナス」に変更したり、その他の特典を付与したりしてもよい。
有利区間に移行したゲームの次のゲーム(以下、「有利区間移行の次ゲーム」とする。)には、後述するテーブル種別抽籤が行われ、そのときのRT状態に応じてテーブル種別が決定される。決定されたテーブル種別は、疑似ボーナスが決定されるまで基本的に変更されない。また、有利区間の通常区間及び連チャンゾーン区間では、テーブル種別に応じてマップ種別が決定され、決定されたマップ種別に応じて疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。疑似ボーナスの当籤が決定された場合は、疑似ボーナス区間への移行が決定される。
有利区間の1G目におけるRT状態がRT0状態である場合は、RT1~RT3状態である場合よりも、遊技者にとって有利なテーブル種別が決定され易い。遊技者にとって有利なテーブル種別は、疑似ボーナスの当籤に有利なマップ種別が決定され易い。したがって、有利区間の1G目におけるRT状態がRT0状態である場合は、RT1、RT2状態である場合よりも、疑似ボーナスに当籤する確率が高くなる。
(通常区間)
非有利区間から直接疑似ボーナス区間に移行する場合を除き、有利区間移行時は、基本的に通常区間から開始される。通常区間には、高確率ゾーンと、BIG確ゾーンが設けられている。通常区間では、所定期間(約200G)毎に、マップ種別が決定される。また、通常区間では、マップ種別に応じて疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。高確率ゾーンは、通常区間の1~200Gまでに設定されている。高確率ゾーンにおいて決定可能な疑似ボーナスの種別は、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。高確率ゾーンは、BIG確ゾーンよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高い。高確率ゾーンにおいて、疑似ボーナスが決定される際に、「REGボーナス」が決定される確率と、「BIGボーナス」が決定される確率は、ほぼ同じに設定されている。なお、本発明の係る遊技機としては、疑似ボーナスに当籤する際に「REGボーナス」が決定される確率と、「BIGボーナス」が決定される確率を異ならせてもよい。例えば、高確率ゾーンにおいて疑似ボーナスが決定されることが特定回連続し、疑似ボーナスの種別が全て「REGボーナス」であった場合に、「REGボーナス」が決定される確率よりも、「BIGボーナス」が決定される確率を高くしてもよい。
高確率ゾーンにおいて疑似ボーナスの種別が決定されると、前兆G(ゲーム)数が決定され、その前兆G数の最終ゲームにおいて、決定(付与)された疑似ボーナスの種別が報知される。以下、疑似ボーナスが決定された際に決定される前兆G数を本前兆G数とし、本前兆G数に到達するまでの遊技を本前兆中とする。高確率ゾーン中に「REGボーナス」が決定し、本前兆中にBIG確ゾーンに移行した場合は、決定していた「REGボーナス」を「BIGボーナス」に変更する。一方、高確率ゾーン中に「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定し、本前兆G数の遊技を消化中にBIG確ゾーンに移行した場合は、決定した疑似ボーナスの種別を変更しない。
BIG確ゾーンは、通常区間の201G~天井まで設定されている。BIG確ゾーンの天井は、951G+前兆G数である。すなわち、有利区間の951Gにおいて「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定し、そのときに決定された前兆G数の最終ゲームにおいて疑似ボーナスの決定(付与)、及び疑似ボーナスの種別が報知される。BIG確ゾーンにおいて決定可能な疑似ボーナスの種別は、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。すなわち、有利区間において200Gまでに疑似ボーナスに当籤しなかった場合は、その後に当籤する疑似ボーナスは、必ず「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」になる。
通常区間では、フェイク前兆を決定可能である。フェイク前兆が決定された場合は、フェイク前兆G数が決定され、そのフェイク前兆G数の最終ゲームにおいて、疑似ボーナスの決定(付与)が行われないことを報知する。以下、フェイク前兆G数に到達するまでの遊技をフェイク前兆中とする。通常区間では、フェイク前兆中に、疑似ボーナスを決定可能である。フェイク前兆中に疑似ボーナスが決定(付与)されたとき、残りのフェイク前兆G数が所定数以上である場合は、前兆G数を変えずに、フェイク前兆を本前兆に書き換える。この場合は、決定されていた前兆G数の最終ゲームにおいて、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知する。また、フェイク前兆中に疑似ボーナスが決定(付与)されたとき、残りのフェイク前兆G数が所定数未満である場合は、前兆G数を延長して、フェイク前兆を本前兆に書き換える。この場合は、延長された前兆G数の最終ゲームにおいて、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知する。
(疑似ボーナス区間)
疑似ボーナス区間には、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」が設けられている。「REGボーナス」は、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知した次の遊技から開始される。「REGボーナス」の終了条件は、押し順小役当籤時の押し順ナビが第1規定数に達することである。本実施形態に係る「REGボーナス」は、約75枚のメダルを獲得することができる。「REGボーナス」が終了すると、疑似ボーナス区間及び有利区間が終了し、非有利区間に移行する。
「BIGボーナス」は、決定(付与)された疑似ボーナスの種別を報知した次の遊技から開始される。「BIGボーナス」の終了条件は、押し順小役当籤時の押し順ナビが第2規定数に達することである。本実施形態に係る「BIGボーナス」は、約500枚のメダルを獲得することができる。「BIGボーナス」が終了すると、連チャンゾーン区間が開始される。また、「BIGボーナス」中は、「1G連」抽籤を行う。「1G連」抽籤に当籤した場合は、「BIGボーナス」がストックされる。「BIGボーナス」がストックされると、連チャンゾーン区間の1G目において、「BIGボーナス」の当選(付与)がメイン表示装置210等によって報知される。そして、次のゲームから「BIGボーナス」が開始される。「1G連」抽籤は、「強チェ」(「F_強チェ1」、「F_強チェ2」)当籤時に行われ、非当籤であったときは「打順ミス」に係る図柄の組合せが表示される押し順(打順ナビ)が表示され、「強チェ」に当籤したことが遊技者に分からないようする。一方、「強チェ」当籤時の「1G連」抽籤が当籤であったときは、押し順(打順ナビ)を表示しない。すなわち、「強チェ」当籤時の「1G連」抽籤に当籤した場合は、第1停止操作がリールA又はリールDであれば、「強チェ」に係る図柄の組合せ(NM21~NM23)が表示される。これにより、「1G連」抽籤に当籤したことを遊技者に示唆することができる。また、「1G連」抽籤は、「RB1枚」(「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」)当籤時に行われ、この場合は、当籤、非当籤にかかわらず、正解押し順(打順ナビ)を表示する。なお、既に「1G連」抽籤に当籤していて「BIGボーナス」がストックされているときは、「強チェ」又は「RB1枚」に当籤しても「1G連」抽籤を行わない。
「超BIGボーナス」は、疑似ボーナスの決定(付与)、及び疑似ボーナスの種別を報知した次の遊技から開始される。「超BIGボーナス」は、「BIGボーナス」の当籤と、さらに「BIGボーナス」のストックが決定されることである。すなわち、「超BIGボーナス」の決定(付与)がメイン表示装置210等によって報知されると、次の遊技から「BIGボーナス」が開始され、その「BIGボーナス」が終了すると、連チャンゾーン区間に移行する。そして、連チャンゾーン区間の1G目において、「BIGボーナス」の決定(付与)がメイン表示装置210等によって報知され、その次の遊技から「BIGボーナス」が開始される。したがって、本実施形態に係る「超BIGボーナス」は、約1000枚のメダルを獲得することができる。
疑似ボーナス(AT)中に「RB」、「BB」が作動状態になった場合は、疑似ボーナスを一時中断して、特殊状態を開始する。特殊状態では、「RB」、「BB」の作動中において減ったメダルの枚数をカウントする。そして、「RB」、「BB」の作動の終了後に、ナビ(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報を報知)を行うことにより、減った分のメダルを還元する。具体的には、「RB」、「BB」の作動中に減ったメダル枚数を12で割った値(余りは切り捨て)をナビ回数に設定する。また、特殊状態中は、メイン表示装置210等に「状態復帰中」を表示し、疑似ボーナスが一時中断されていることを遊技者に報知する。特殊状態は、設定したナビ回数のナビ(減った分のメダルの還元)が終了し、且つ、RB内部中(持越し中)である場合におけるゲームの停止操作が終了したときに終了し、これにより、疑似ボーナスに復帰する。
(連チャンゾーン区間)
連チャンゾーン区間は、「BIGボーナス」の終了後から最大100Gまでに設定されている。連チャンゾーン区間の1G目には、テーブル種別が決定され、テーブル種別に応じたマップ種別が決定される。連チャンゾーン区間のテーブル種別は、有利区間の残りの期間(遊技数)に応じて、或いは疑似ボーナスが決定されているか否かに応じて決定される。また、連チャンゾーン区間では、マップ種別に応じて疑似ボーナスの当籤・非当籤が決定される。
連チャンゾーン区間において決定可能な疑似ボーナスの種別は、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」である。すなわち、連チャンゾーンにおいて疑似ボーナスが決定された場合は、疑似ボーナス区間の終了後に連チャンゾーン区間に移行することが決定される。連チャンゾーン区間は、高確率ゾーン及びBIG確ゾーンよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高い。なお、連チャンゾーン区間に移行する前に疑似ボーナスの当籤が決定されている場合は、連チャンゾーン区間において疑似ボーナスの当籤は決定されない。
連チャンゾーン区間では、フェイク前兆を決定可能である。フェイク前兆が決定された場合は、フェイク前兆G数が決定され、そのフェイク前兆G数に亘るフェイク前兆演出が行われる。フェイク前兆演出では、最終ゲームにおいて、疑似ボーナスの決定(付与)が行われないことを報知する。フェイク前兆が終了すると、連チャンゾーン区間が終了し、有利区間が終了する。その結果、有利区間から非有利区間へ移行する。また、連チャンゾーン区間としては、開始と同時にフェイク前兆演出が開始されるもの(即前兆)がある。この場合は、フェイク前兆演出が終了しても、連チャンゾーン区間が終了せず、有利区間も終了しない。なお、本実施形態では、連チャンゾーン区間の終了条件を、フェイク前兆の終了としたが、本発明に係る連チャンゾーン区間の終了条件は、適宜設定することができる。例えば、連チャンゾーン区間に移行した際に、連チャンゾーン区間のゲーム数を決定するようにしてもよい。また、連チャンゾーン区間のゲーム数を予め定められた固定値にしてもよい。
(有利区間上限処理)
第2の遊技機では、上述の第1の遊技機(図1参照)と同様に、リミット処理を実行する。リミット処理としては、上述のゲーム数リミッタ(1500ゲーム)及び払出数リミッタ(2400枚)を採用している。第2の遊技機では、通常区間において、有利区間中のメダルの払出数が第1特定数(例えば、「1400」)以上となったとき、或いは有利区間ゲーム数カウンタの値が第1特定値(例えば、「1350」)以上となった場合に、「超BIGボーナス」及び「1G連」の抽籤を行わない。すなわち、遊技者が「超BIGボーナス」や「1G連」の恩恵を十分に享受できずにないリミット処理が行われる可能性がある場合に、「超BIGボーナス」や「1G連」の当籤を決定しないようにすることができる。これにより、遊技者に不快感を抱かせないようにすることができる。また、通常区間において、有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値(例えば、「1479」)以下、且つ有利区間中のメダルの払出数が第2特定数(例えば、「2200」)以上となった場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値になった場合に、「BIGボーナス」を決定(付与)し、「BIGボーナス」の決定(付与)をメイン表示装置210等によって報知する。
疑似ボーナス区間において、有利区間中のメダルの払出数が払出数リミッタ(2400枚)を超えた場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値がゲーム数リミッタ(1500ゲーム)となった場合は、疑似ボーナス(有利区間)を終了し、メイン表示装置210等によって疑似ボーナス(有利区間)の終了を報知する。また、疑似ボーナス区間において、有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値(例えば、「1479」)以下、且つ有利区間中のメダルの払出数が第2特定数(例えば、「2200」)以上となった場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値が第2特定値になった場合に、メイン表示装置210等によってエンディングを告知するエンディング演出が実行される。エンディング演出が行われた疑似ボーナスが終了すると、連チャンゾーン区間には移行せず、有利区間を終了する。なお、エンディング演出が行われた疑似ボーナス中に、有利区間中のメダルの払出数が払出数リミッタ(2400枚)を超えた場合、又は有利区間ゲーム数カウンタの値がゲーム数リミッタ(1500ゲーム)となった場合は、疑似ボーナスの途中であっても、疑似ボーナスを終了し、有利区間を終了する。また、疑似ボーナス(AT)、且つ「RB」、「BB」の作動中に有利区間の上限に達した場合は、次のゲームの開始操作が行われたときに、有利区間の終了をメイン表示装置210等によって報知する。
なお、第2の遊技機としては、ゲーム数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、払出数リミッタのみを用いて有利区間のリミット処理を実行してもよく、ゲーム数リミッタと払出数リミッタの双方を用いて有利区間のリミット処理を実行してもよい。なお、双方のリミッタを用いる場合、有利区間が開始してから何れか一方のリミッタの作動条件を満たした場合に、有利区間を終了させることが望ましい。
また、リミッタの種類も、上述のゲーム数リミッタ及び払出数リミッタのみに限られない。例えば、AT状態中の押し順小役のナビ回数(すなわち、メダルの払出に係る役について遊技者に有利な停止操作の情報が報知された回数)が所定回数(例えば、「400」回)となったときにリミット処理が実行されるナビ回数リミッタを設けるようにしてもよい。すなわち、射幸性を適切に抑制することができる限り、遊技に関する各種の条件を用いてリミット処理を実行することが可能である。
[高確率ゾーン・BIG確ゾーンのテーブル]
次に、図51及び図52を参照して、高確率ゾーン、及びBIG確ゾーンのテーブルについて説明する。図51は、第2の遊技機に係る高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブル一覧表である。図52は、第2の遊技機に係る高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブルとゾーンの対応表である。
図51に示すように、高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブル種別は、テーブルA~テーブルEである。上述したように、高確率ゾーン、BIG確ゾーンのテーブル種別は、有利区間移行の次ゲームで行われるテーブル種別抽籤によって決定される。テーブル種別が決定されると、疑似ボーナス(REGボーナス、BIGボーナス、超BIGボーナス)に当籤するまで基本的に変更されない。そして、テーブル種別に応じてMAP種別が決定される。MAP種別は、疑似ボーナスに当籤する期待度を左右する。
図51に示すように、テーブルAは、基本テーブルであり、テーブルB~テーブルEよりも決定され易いテーブル種別である。テーブルAが決定される場合は、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が最も多い。図52に示すように、テーブルAが決定された場合は、有利区間の51~100Gにおいて、疑似ボーナスが決定される期待度(以下、「AT当籤期待度」とする。)が「低」となる。AT当籤期待度は、「空白」、「低」、「中」、「高」、「確定」があり、AT当籤期待度「空白」が最も期待度が低く、「空白」、「低」、「中」、「高」、「確定」の順で期待度が高くなる。なお、AT当籤期待度「確定」の期間(ゾーン)は、疑似ボーナスが必ず決定される。テーブルAが決定された場合は、有利区間の951~1000Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、必ず疑似ボーナスが決定される。また、テーブルAが決定された場合は、有利区間の151~200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の951~1000Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルBは、テーブルAよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高いチャンステーブルAとされている。テーブルBが決定される場合は、テーブルAが決定される場合よりも、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が少ない。図52に示すように、テーブルBが決定された場合は、有利区間の751~800Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルBが決定された場合は、有利区間の151~200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の751~800Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルCは、テーブルAよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高いチャンステーブルBとされている。テーブルCが決定される場合は、テーブルBが決定される場合よりも、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が少ない。図52に示すように、テーブルCが決定された場合は、有利区間の551~600Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルCが決定された場合は、有利区間の151~200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の551~600Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルDは、テーブルAよりも疑似ボーナスが決定される期待度が高いチャンステーブルCとされている。テーブルDが決定される場合は、テーブルCが決定される場合よりも、疑似ボーナスが必ず決定されるまでの遊技数(天井)が少ない。図52に示すように、テーブルDが決定された場合は、有利区間の351~400Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルDが決定された場合は、有利区間の151~200Gにおいて、AT当籤期待度「高」となり、有利区間の351~400Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
図51に示すように、テーブルEは、200ゲーム以内に疑似ボーナスが決定されるテーブルである。図52に示すように、テーブルEが決定された場合は、有利区間の151~200Gにおいて、AT当籤期待度「確定」となり、疑似ボーナスが必ず決定される。また、テーブルEが決定された場合は、有利区間の51~100Gにおいて、AT当籤期待度「低」となり、有利区間の151~200Gを除くその他の期間よりも、疑似ボーナスが決定される確率が高くなる。
有利区間移行の次ゲームにおいて、RT状態がRT0状態である場合は、テーブルAが決定されず、テーブルB~テーブルEが決定される。なお、決定されるテーブルはテーブルD又はテーブルEが決定されるようにしてもよく、また、テーブルEのみが決定されるようにしてもよい。一方、RT状態がRT1、RT2状態である場合は、テーブルAが決定され易い。したがって、RT状態がRT0状態である場合は、RT1、RT2状態である場合よりも、疑似ボーナスが決定される期待度が高い。
例えば、設定変更操作による初期化後の非有利区間において、「RB」に当籤し、且つ、当該ゲームで「RB」に係る図柄組合せが表示されなかった場合は、当該ゲームにおいてRB内部中(RBフラグ間状態)に移行するため、RT状態は、RT0状態からRT2状態に移行し、且つ、当該ゲームにおいて有利区間に移行する。したがって、有利区間移行の次ゲームにおいて、RT状態はRT2状態となるため、RT0状態に応じたテーブル種別抽籤は行われない。
一方、設定変更操作による初期化後の非有利区間において、「RB」や「BB」と重複当籤せず、且つ、有利区間に移行することが可能な内部当籤役に当籤した場合は、RT状態はRT0状態から変化せず、且つ、当該ゲームにおいて有利区間に移行する。その後、有利区間移行の次ゲームで、「RB」や「BB」に当籤した場合は、RT状態がRT0状態からRT2状態に移行するため、本来であればRT2状態に応じたテーブル種別抽籤が行われるところであるが、本実施形態では、有利区間に移行したゲームにおけるRT状態がRT0状態であったことを考慮して、RT0状態に応じたテーブル種別抽籤を行うようにしている。
また、設定変更操作による初期化後の非有利区間において、「BB」に当籤し、且つ、当該ゲームで「BB」に係る図柄組合せが表示されなかった場合は、当該ゲームにおいてBB内部中(BBフラグ間状態)に移行し、且つ、当該ゲームにおいて有利区間に移行する。上述したように、BBフラグ間状態は、出玉に係る抽籤(例えば、AT抽籤(疑似ボーナス抽籤))を行わない。そのため、遊技者に不手際が無いにもかかわらず、遊技者にとって不利な状態になる。しかも、BBフラグ間状態(RT2状態)であるため、本来ならばRT0状態に応じたテーブル種別抽籤も受けられない。そこで、本実施形態では、BBフラグ間状態は、テーブル種別抽籤を行わず、BB作動状態に移行してからBB作動中に応じたテーブル種別抽籤を行う。BB作動中に応じたテーブル種別抽籤は、RT0状態に応じたテーブル種別抽籤と同じように、テーブルB~テーブルEが決定されるようにする。
[連チャンゾーンのテーブル]
次に、図53を参照して、連チャンゾーンのテーブルについて説明する。図53は、第2の遊技機に係る連チャンゾーンのテーブル一覧表である。
図53に示すように、連チャンゾーンのテーブル種別は、テーブルF~テーブルIである。連チャンゾーンのテーブル種別は、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、又は後述する「フリーズ」が決定された場合に、疑似ボーナスの種別、有利区間の残りの期間(遊技数)に応じて決定される。テーブルFは、疑似ボーナスの種別が「BIGボーナス」であり、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間(例えば、500G)以上である場合に決定される。テーブルGは、疑似ボーナスの種別が「BIGボーナス」であり、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合に決定される。テーブルGが決定される場合は、連チャンゾーン区間において、「BIGボーナス」が決定されるまでの遊技数が最大100Gとなるマップ種別が決定されない。一方、テーブルFが決定される場合は、連チャンゾーン区間において、「BIGボーナス」が決定されるまでの遊技数が最大100Gとなるマップ種別が決定される。したがって、テーブルGが決定される場合は、テーブルFが決定される場合よりも、連チャンゾーン区間において、「BIGボーナス」が決定されるまでの遊技数が少なくなる(メダルが減少する期間が短くなる)。
テーブルHは、疑似ボーナスの種別が「フリーズ」である場合に決定される。「フリーズ」は、「超BIGボーナス」を決定すると共に、1G連に当籤する確率を高くする疑似ボーナスである。「フリーズ」は、確定役である「中段チェリー」(F_中段チェ1、F_中段チェ2)に当籤した場合、或いは、後述のAT種別抽籤で「フリーズ」に当籤した場合に決定される。「フリーズ」が決定された場合は、次のゲームにおいてロック演出が行われ、「超BIGボーナス」が決定(付与)されたことが報知される。テーブルIは、後述する特殊モードである場合に決定される。
[テーブル種別抽籤テーブル]
次に、図54~図59を参照して、テーブル種別抽籤テーブルについて説明する。テーブル種別抽籤テーブルは、有利区間移行の次ゲームで行われるテーブル種別抽籤のために参照され、設定値ごとにテーブル種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図54~図59に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図54は、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。図54に示すように、RT状態がRT0状態である場合は、テーブルAが当籤せず、テーブルBが当籤し易い。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態である場合は、少なくとも有利区間の751~800Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易い。なお、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0である場合に、テーブルEを決定するようにしてもよい。この場合、有利区間の151~200Gで疑似ボーナスが決定されるため、設定変更後の状態が、遊技者にとってより有利となる。
図55は、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態以外である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。本実施形態では、RB作動状態(RT3状態)と、BB作動状態(RT3状態)に参照されるテーブル種別抽籤テーブルを設けている。そのため、RT状態がRT0状態以外である場合とは、実質的にRT1状態と、RT2状態のことである。図55に示すように、RT状態がRT0状態以外である場合は、テーブルAが当籤し易く、テーブルB~テーブルEは相対的に当籤し難い。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRT状態がRT0状態以外である場合は、少なくとも有利区間の951~1000Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易い。
図56は、有利区間移行の次ゲームにおいてRB作動状態(RT3状態)である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。RB作動状態(RT3状態)である場合は、設定値が高くなるにつれてテーブルCに当籤し易くなる。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRB作動状態(RT3状態)である場合は、設定値が高くなるにつれて、少なくとも有利区間の551~600Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易くなる。
図57は、有利区間移行の次ゲームにおいてBB作動状態(RT3状態)である場合に参照されるテーブル種別抽籤テーブルである。BB作動状態(RT3状態)である場合は、テーブルAが当籤せず、比較的テーブルBが当籤し易い。また、設定値が高くなるにつれてテーブルCに当籤し易くなる。すなわち、有利区間移行の次ゲームにおいてRB作動状態(RT3状態)である場合は、少なくとも有利区間の751~800Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに比較的当籤し易く、設定値が高くなるにつれて、少なくとも有利区間の551~600Gで疑似ボーナス(AT)が決定されるテーブルに当籤し易くなる。
[各ゾーンとMAP種別]
次に、図58及び図59を参照して、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、及び連チャンゾーン区間のMAP種別について説明する。図58は、第2の遊技機に係るゾーンとMAPレベルの対応表である。図59は、第2の遊技機に係るMAPレベルと疑似ボーナスの当籤率の対応表である。
図58に示すように、高確率ゾーンのマップ種別は、高確_通常A、高確_通常B、高確_通常C、高確_天国である。高確率ゾーンのマップ種別は、有利区間移行の次ゲームで行われる通常マップ抽籤によって決定される。また、高確率ゾーンは、有利区間の1~200Gであり、4つのブロックに分けられている。高確率ゾーンの第1ブロックは1~50Gであり、第2ブロックは51~100Gであり、第3ブロックは101~150Gであり、第4ブロックは151G~200Gである。高確率ゾーンの各マップ種別は、ブロック毎にMAPレベルを規定している。例えば、高確率ゾーンのマップ種別として、高確_通常Aが決定される場合は、第1ブロックがMAPレベル0、第2ブロックがMAPレベル1、第3ブロックがMAPレベル0、第4ブロックがMAPレベル2となる。
BIG確ゾーンのマップ種別は、BIG_通常A、BIG_通常B、BIG_通常C、BIG_天国である。BIG確ゾーンのマップ種別は、BIG確ゾーンにおいて200G毎に行われる通常マップ抽籤によって決定される。BIG確ゾーンは、有利区間の201~1000Gであり、200G毎に4つのブロックに分けられている。例えば、BIG確ゾーンの第1ブロックは、201~250G、401~450G、601~650G、801~850Gである。BIG確ゾーンのマップ種別は、第1ブロック(4つ)の1G目で行われる通常マップ抽籤によって決定される。BIG確ゾーンの各マップ種別は、ブロック毎にMAPレベルを規定している。例えば、BIG確ゾーンのマップ種別として、BIG_通常Aが決定される場合は、第1ブロックがMAPレベル0、第2ブロックがMAPレベル0、第3ブロックがMAPレベル0、第4ブロックがMAPレベル1となる。
連チャンゾーン区間のマップ種別は、連_通常A、連_通常B、連_通常C、連_通常D、連_通常E、連_通常F、連_即弱前兆A、連_即弱前兆B、連_即弱前兆C、連_即強前兆A、連_強前兆B、連_強前兆C、連_特殊である。連チャンゾーン区間は、疑似ボーナス終了後から最大100Gであり、2つのブロックに分けられている。連チャンゾーン区間の第1ブロックは疑似ボーナス終了後の1~50Gであり、第2ブロックは疑似ボーナス終了後の51~100Gである。
連チャンゾーン区間のマップ種別は、第1ブロックの1G目で行われる連チャンゾーンマップ抽籤によって決定される。なお、連チャンゾーンマップ抽籤において参照されるテーブル種別は、連チャンゾーン区間に移行する前に行われていた「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、又は「フリーズ」が決定された場合に決定されている。連チャンゾーン区間の各マップ種別は、ブロック毎にMAPレベルを規定している。例えば、連チャンゾーン区間のマップ種別として、連_通常Aが決定される場合は、第1ブロックがMAPレベル0、第2ブロックがMAPレベル1となる。なお、連_特殊は、後述する特殊モードである場合に決定可能なマップ種別である。
図59に示すように、第2の遊技に係るMAPレベルとしては、MAPレベル0~MAPレベル6が設けられている。MAPレベル0のブロックは、疑似ボーナス当籤率「低」となる。疑似ボーナス当籤率「低」は、疑似ボーナスが決定される期待値が最も低い。MAPレベル0のブロックでは、抽籤によって前兆(前兆は、本前兆、及びフェイク前兆を含む)を行うか否かが決定される。また、MAPレベル0のブロックでは、抽籤によって強制前兆G数抽籤を行うか否かが決定される。強制前兆G数抽籤が行われた場合は、強制前兆G数が決定され、決定された強制前兆G数のゲームが行われると、MAPレベルに応じたAT抽籤が行われる。
MAPレベル1のブロックは、疑似ボーナス当籤率「通常」となる。疑似ボーナス当籤率「通常」は、疑似ボーナス当籤率「低」よりも疑似ボーナスが決定される期待値が高い。MAPレベル1のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。例えば、マップ種別がBIG_通常Aである場合は、第1~第3ブロックがMAPレベル0であり、第4ブロックがMAPレベル1である。そのため、マップ種別がBIG_通常Aである場合は、第4ブロックにおいて必ず前兆が行われる。
MAPレベル2のブロックは、疑似ボーナス当籤率「高」となる。疑似ボーナス当籤率「高」は、疑似ボーナス当籤率「通常」よりも疑似ボーナスが決定される期待値が高い。MAPレベル2のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。例えば、マップ種別が高確_通常A、高確_通常B、高確_通常Cである場合は、第4ブロックがMAPレベル2である。そのため、マップ種別が高確_通常A、高確_通常B、高確_通常Cである場合は、第4ブロックにおいて、疑似ボーナスが決定される期待値が高くなる。
MAPレベル3のブロックは、疑似ボーナス当籤率「確定」となる。疑似ボーナス当籤率「確定」は、疑似ボーナスの当籤が確定する。MAPレベル3のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。例えば、マップ種別が高確_天国、BIG_天国A、BIG_天国Bである場合は、第4ブロックがMAPレベル3である。そのため、マップ種別が高確_天国、BIG_天国A、BIG_天国Bである場合は、第4ブロックにおいて、疑似ボーナスの当籤が確定する。
MAPレベル4のブロックは、疑似ボーナス当籤率「高」となる。MAPレベル4のブロックでは、開始時に前兆が開始される。また、MAPレベル4のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われない。例えば、マップ種別が連_即弱前兆A、連_即弱前兆B、連_即強前兆A連_即強前兆Bである場合は、第1ブロックがMAPレベル4である。そのため、マップ種別が連_即弱前兆A、連_即弱前兆B、連_即強前兆A連_即強前兆Bである場合は、第1ブロックの開始時(「BIGボーナス」終了後)に前兆が開始され、疑似ボーナスが決定される期待値が高くなる。
MAPレベル5のブロックは、疑似ボーナス当籤率「確定」となる。MAPレベル5のブロックでは、開始時に疑似ボーナスに当籤し、本前兆が開始される。また、MAPレベル5のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われる。例えば、マップ種別が連_即弱前兆C、連_即強前兆Cである場合は、第1ブロックがMAPレベル5である。そのため、マップ種別が連_即弱前兆C、連_即強前兆Cである場合は、第1ブロックの開始時(「BIGボーナス」終了後)に本前兆が開始される。
MAPレベル6のブロックは、疑似ボーナス当籤率「激低」となる。疑似ボーナス当籤率「激低」は、疑似ボーナス当籤率「低」よりも疑似ボーナスが決定される期待値が低い。MAPレベル6のブロックでは、強制前兆G数抽籤が行われるため、必ず前兆が行われる。MAPレベル6は、マップ種別が連_特殊である場合の第2ブロックのみに規定されている。
[通常マップ抽籤テーブル]
次に、図60~図84を参照して、通常マップ抽籤テーブルについて説明する。本実施形態では、有利区間の1~200Gをゾーン0と称し、201~400Gをゾーン1と称する。また、有利区間の401~600Gをゾーン2と称し、601~800Gをゾーン3と称し、801~1000Gをゾーン4と称する。通常マップ抽籤テーブルは、有利区間におけるゾーン0~ゾーン4の1G目(200G毎)に行われる通常マップ抽籤のために参照され、設定値ごとにマップ種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図60~図84に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図60は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図61は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図62は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図63は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図64は、ゾーン0においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図60~図64に示すように、有利区間の1~200Gであるゾーン0では、テーブル種別がテーブルA、テーブルBである場合に、マップ種別として高確_通常Aが当籤する。また、テーブル種別がテーブルDである場合は、マップ種別として高確_通常Cが当籤可能であり、テーブルEである場合は、マップ種別として高確_天国が当籤する。
図65は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図66は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図67は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図68は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図69は、ゾーン1においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図65~図69に示すように、有利区間の201~400Gであるゾーン1では、テーブル種別がテーブルA、テーブルEである場合に、マップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。また、テーブルB、テーブルCである場合は、マップ種別としてBIG_通常A、BIG_通常Bが当籤可能であり、テーブルDである場合は、マップ種別としてBIG_天国A、BIG_天国Bが当籤可能である。
図70は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図71は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図72は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図73は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図74は、ゾーン2においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図70~図74に示すように、有利区間の401~600Gであるゾーン2では、テーブル種別がテーブルB、テーブルD、テーブルEである場合に、マップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。また、テーブルAである場合は、マップ種別としてBIG_通常A、BIG_通常Bが当籤可能であり、テーブルCである場合は、マップ種別としてBIG_天国A、BIG_天国Bが当籤可能である。
図75は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図76は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図77は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図78は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図79は、ゾーン3においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図75~図79に示すように、有利区間の601~800Gであるゾーン3では、テーブル種別がテーブルA、テーブルC~テーブルEである場合に、マップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。また、テーブルBである場合は、マップ種別としてBIG_天国A、BIG_天国Bが当籤可能である。
図80は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルAである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図81は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルBである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図82は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルCである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図83は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルDである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図84は、ゾーン4においてテーブル種別がテーブルEである場合に参照される通常マップ抽籤テーブルである。図80~図84に示すように、有利区間の801~1000Gであるゾーン4では、テーブル種別がテーブルAである場合に、マップ種別としてBIG_天国Aが当籤する。また、テーブルB~テーブルEである場合は、マップ種別としてマップ種別としてBIG_通常Aが当籤する。
[連チャンゾーンマップ抽籤テーブル]
次に、図85~図88を参照して、連チャンゾーンマップ抽籤テーブルについて説明する。連チャンゾーンマップ抽籤テーブルは、有利区間における連チャンゾーンの1G目に行われる連チャンゾーンマップ抽籤のために参照され、設定値ごとにマップ種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図85~図88に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図85は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルFである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。図86は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルGである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。図87は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルHである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。図88は、連チャンゾーンにおいてテーブル種別がテーブルIである場合に参照される連チャンゾーンマップ抽籤テーブルである。
上述したように、テーブルFは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間以上である場合に決定される。そして、図85に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルFである場合は、マップ種別として、連_通常A、連_通常B、連_通常Cが当籤し易い。連_通常A、連_通常B、連_通常Cは、連チャンゾーン区間の第1ブロックより第2ブロックの方が疑似ボーナスに当籤する期待値が高い(図58参照)。一方、テーブルGは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合に決定される。そして、図86に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルGである場合は、マップ種別として、連_通常D、連_通常E、連_通常Fが当籤し易い。連_通常D、連_通常E、連_通常Fは、連チャンゾーン区間の第2ブロックより第1ブロックの方が疑似ボーナスに当籤する期待値が高い(図58参照)。このように、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合は、テーブルGを決定することにより、テーブルFを決定する場合よりも比較的早く疑似ボーナスに当籤するようにしている。その結果、メダルが増加する疑似ボーナス区間と疑似ボーナス区間の間の連チャンゾーン区間(メダルが減少する区間)を短くすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
上述したように、テーブルHは、疑似ボーナスの種別が「フリーズ」である場合に決定される。図87に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルHである場合は、マップ種別として、連_即強前兆B、連_即強前兆Cが当籤する。したがって、疑似ボーナスの種別が「フリーズ」である場合は、その後の連チャンゾーン区間のマップ種別として、連_即強前兆B、又は連_即強前兆Cが当籤する。また、テーブルIは、後述する特殊モードである場合に決定される。図88に示すように、連チャンゾーンにおいてテーブルIである場合は、マップ種別として、連_特殊が当籤する。したがって、特殊モードである場合は、連_特殊が当籤する。
[AT抽籤(疑似ボーナス抽籤)]
続いて、第2の遊技機に係るAT抽籤について説明する。第2の遊技機では、強制前兆G数到達時AT抽籤と、通常AT抽籤と、ATポイント到達時AT抽籤の3つのAT抽籤が設けられている。また、第2の遊技機では、当籤役が「中段チェリー」である場合に、AT抽籤を行わずに疑似ボーナス(AT)の当籤を決定する。上述したように、「中段チェリー」は、確定役であり、上述の「F_中段チェ1」、「F_中段チェ2」に対応する。
(強制前兆G数到達時AT抽籤)
強制前兆G数到達時AT抽籤は、有利区間の高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間において実行可能である。第2の遊技機では、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間における各ブロック(50G刻み)の1G目に強制前兆G数抽籤を行うか否かが決定される。MAPレベル0のブロックでは、MAPレベル0時強制前兆突入抽籤によって強制前兆G数抽籤を行うか否かが決定される。また、MAPレベル1~3、MAPレベル5、MAPレベル6のブロックでは、強制前兆G数抽籤を行うことが決定される。そして、MAPレベル4のブロックでは、強制前兆G数抽籤を行わないことが決定される。
強制前兆G数抽籤によって決定された強制前兆G数は、強制前兆ゲーム数カウンタにセットされる。強制前兆ゲーム数カウンタは、1ゲーム毎に1減算され、強制前兆ゲーム数カウンタの値が「0」になったゲームにおいて、強制前兆G数到達時AT抽籤が行われる。強制前兆G数到達時AT抽籤では、非当籤、フェイク当籤、本前兆当籤のいずれかが決定される。非当籤が決定された場合は、前兆は行われない。
フェイク当籤が決定された場合は、フェイク前兆ゲーム数が決定され、決定されたフェイク前兆ゲーム数に亘ってフェイク前兆演出が行われる。フェイク前兆演出の最終ゲームでは、疑似ボーナス(AT)に当籤していないことがメイン表示装置210等によって報知される。また、フェイク前兆演出が行われるゲームでは、フェイク前兆中AT抽籤が行われる。フェイク前兆中AT抽籤では、フェイク当籤を本前兆当籤に変更するか否かが決定される。なお、フェイク当籤を本前兆当籤に変更する場合は、疑似ボーナス(AT)の種別として「BIGボーナス」が決定される。また、フェイク当籤を本前兆当籤に変更する場合は、残りのフェイク前兆ゲーム数を本前兆ゲーム数にするか、残りのフェイク前兆ゲーム数に適当なゲーム数を加算して本前兆ゲーム数にするか否かが決定される。そして、本前兆ゲーム数に亘って本前兆演出が行われる。
本前兆当籤が決定された場合は、AT種別抽籤が行われる。AT種別抽籤では、「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、「フリーズ」のいずれかが決定される。AT種別抽籤によって「REGボーナス」、「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」が決定された場合は、本前兆ゲーム数が決定され、決定された本前兆ゲーム数に亘って本前兆演出が行われる。一方、AT種別抽籤によって「フリーズ」が決定された場合は、本前兆演出が行われず、次ゲームにおいて、「超BIGボーナス」に当籤したことがメイン表示装置210等により報知される。
本前兆演出が行われるゲームでは、本前兆中AT種別昇格抽籤が行われる。本前兆中AT種別昇格抽籤では、「REGボーナス」を「BIGボーナス」に昇格するか否か、又は「BIGボーナス」を「超BIGボーナス」に昇格するか否かが決定される。AT種別抽籤において「超BIGボーナス」が決定されている場合は、本前兆中AT種別昇格抽籤を行わない。本前兆演出の最終ゲームでは、当籤した(最終的に決定された)疑似ボーナス(AT)の種別が、メイン表示装置210等により報知される。
(通常AT抽籤)
通常AT抽籤は、非有利区間と有利区間において行われる。非有利区間では、有利区間に移行可能な当籤役(「不当せん(RB・BB中のみ)」、「F_通常リプ2」、「F_通常リプ3」、「F_RB中1枚」、及び「F_RB中ベル」以外の役)が決定された場合に通常AT抽籤を行う。一方、有利区間では、非前兆中に通常AT抽籤を行う。通常AT抽籤では、非当籤、当籤のいずれかが決定される。通常AT抽籤により当籤が決定された場合の遊技の流れは、上述した本前兆当籤が決定された場合と同じである。一方、通常AT抽籤により非当籤が決定された場合は、疑似ボーナスに当籤せず、フェイク前兆突入抽籤が行われる。フェイク前兆突入抽籤では、非当籤、当籤のいずれかが決定される。フェイク前兆突入抽籤により非当籤が決定された場合は、フェイク前兆演出は行われない。フェイク前兆突入抽籤により当籤が決定された場合の遊技の流れは、上述したフェイク当籤が決定された場合と同じである。
(ATポイント到達時AT抽籤)
第2の遊技機では、有利区間、且つRB内部中において、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した遊技では、「RB」に係る図柄の組合せの表示を回避する停止操作態様(正解押し順)が報知される。そして、回避する停止操作態様で停止操作が行われると、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」に係る図柄の組合せが表示される。また、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」のいずれかが当籤した場合は、ATポイントとして1ポイントが付与される。付与されたATポイントカウンタに加算される。そして、ATポイントカウンタの値が所定値(本実施形態では12ポイント)に達した場合に、ATポイント到達時AT抽籤を行う。詳しく説明すると、ATポイントカウンタの値が所定値に到達した次のゲーム以降において、連チャンゾーン区間ではなく、非前兆中であって、且つ「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」以外の内部当籤役が当籤した場合に、ATポイント到達時AT抽籤を行う。このとき、ATポイントカウンタの値が所定値より大きければ、ATポイントカウンタの値から所定値を減算し、残ったポイントは、持ち越される。ATポイント到達時AT抽籤では、非当籤、当籤のいずれかが決定される。ATポイント到達時AT抽籤により当籤が決定された場合の遊技の流れは、上述した本前兆当籤が決定された場合と同じである。一方、通常AT抽籤により非当籤が決定された場合は、疑似ボーナスに当籤せず、フェイク前兆ゲーム数が決定され、決定されたフェイク前兆ゲーム数に亘ってフェイク前兆演出が行われる。また、ATポイントカウンタは、非有利区間移行時にリセットされる。なお、「BIGボーナス」及び「超BIGボーナス」の当籤時又は終了時においてATポイントカウンタをリセットするようにしてもよい。
[MAPレベル0時強制前兆突入抽籤テーブル]
次に、図89を参照して、MAPレベル0時強制前兆突入抽籤テーブルについて説明する。MAPレベル0時強制前兆突入抽籤テーブルは、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間における各ブロック(50G刻み)の1G目がMAPレベル0である場合に行われるMAPレベル0時強制前兆突入抽籤のために参照され、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図89に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
[強制前兆ゲーム数抽籤テーブル]
次に、図90を参照して、強制前兆ゲーム数抽籤テーブルについて説明する。強制前兆ゲーム数抽籤テーブルは、高確率ゾーン、BIG確ゾーン、連チャンゾーン区間における各ブロック(50G刻み)の1G目で行う強制前兆ゲーム数抽籤のために参照され、設定値ごとに強制前兆ゲーム数の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図90に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
[強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブル]
次に、図91~図97を参照して、強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルについて説明する。強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルは、強制前兆ゲーム数カウンタの値が「0」になったゲームで行う強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤のために参照され、設定値ごとに非当籤、フェイク当籤、本前兆当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図91~図97に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図91は、MAPレベル0である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。図91に示すように、MAPレベル0である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、本前兆当籤が決定され易い。すなわち、MAPレベル0である場合にMAPレベル0時強制前兆突入抽籤により強制前兆ゲーム数抽籤が行われることが決定されると、本前兆当籤が決定され易い。図92は、MAPレベル1である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル1である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、フェイク当籤が決定され易い。図93は、MAPレベル2である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル2である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、MAPレベル1である場合よりも本前兆当籤が決定され易い。
図94は、MAPレベル3である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル3である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、本前兆当籤が決定される。したがって、図58に示すように、MAPレベル3が規定されているマップ種別が決定されると、必ず疑似ボーナス(AT)が当籤(確定)する。図95は、MAPレベル4である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル4である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、非当籤が決定される。なお、MAPレベル4である場合は、強制前兆ゲーム数抽籤が行われないため、基本的に強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤は行われない。
図96は、MAPレベル5である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル5である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、非当籤が決定される。図58に示すように、MAPレベル5が規定されているマップ種別が決定されると、必ず疑似ボーナス(AT)が当籤(確定)する。本実施形態では、MAPレベル5である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、疑似ボーナスに当籤せず、通常AT抽籤において、疑似ボーナス(AT)に必ず当籤するように設定されている。図97は、MAPレベル6である場合に参照される強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤テーブルである。MAPレベル6である場合の強制前兆ゲーム数到達時AT抽籤では、フェイク当籤が決定される。
[通常AT抽籤テーブル]
次に、図98~図105を参照して、通常AT抽籤テーブルについて説明する。通常AT抽籤テーブルは、非前兆中のゲームで行う通常AT抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図98~図105に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。また、図98以降に示す当籤役の「リプレイ」は、「F_通常リプ1」~「F_通常リプ3」に対応し、「RB1枚」は、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」に対応する。「弱チェ」は、「F_弱チェ」に対応し、「弱スイカ」は、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」に対応する。「強チェ」は、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」に対応し、「強スイカ」は、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」に対応する。
図98は、テーブル種別無し(非有利区間)である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。テーブル種別無しである場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」、であるとき、疑似ボーナス(AT)が決定される。図99は、MAPレベル0である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル0である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、約1/10の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。図100は、MAPレベル1である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル1である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、約1/3の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。図101は、MAPレベル2である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル2である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、約3/4の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。
図102は、MAPレベル3である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル3である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、255/256の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。図103は、MAPレベル4である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル4である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「弱チェ」、「弱スイカ」、「強チェ」、「強スイカ」のいずれであっても、疑似ボーナス(AT)が決定される。図104は、MAPレベル5である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル5である場合の通常AT抽籤では、いずれの当籤役であっても、疑似ボーナス(AT)が決定される。図105は、MAPレベル6である場合に参照される通常AT抽籤テーブルである。MAPレベル6である場合の通常AT抽籤では、例えば、当籤役が「強チェ」であるとき、2/256の確率で疑似ボーナス(AT)が決定される。
[ATポイント到達時AT抽籤テーブル]
次に、図106を参照して、ATポイント到達時AT抽籤テーブルについて説明する。ATポイント到達時AT抽籤テーブルは、ATポイントカウンタの値が所定値(本実施形態では12ポイント)に達した際に行うATポイント到達時AT抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図106に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
[フェイク前兆中AT抽籤テーブル]
次に、図107を参照して、フェイク前兆中AT抽籤テーブルについて説明する。フェイク前兆中AT抽籤テーブルは、フェイク前兆中(フェイク前兆演出中)のゲームで行うフェイク前兆中AT抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図107に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。フェイク前兆中AT抽籤により疑似ボーナスの当籤が決定された場合は、AT種別抽籤を行わずに、疑似ボーナスの種別として「BIGボーナス」が決定される。
[本前兆中AT種別昇格抽籤テーブル]
次に、図108及び図109を参照して、本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルについて説明する。本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルは、本前兆中(本前兆演出中)のゲームで行う本前兆中AT種別昇格抽籤のために参照され、当籤役と、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図108及び図109に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図108は、決定されている疑似ボーナスの種別が「REGボーナス」である場合に参照される本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルである。図109は、決定されている疑似ボーナスの種別が「BIGボーナス」である場合に参照される本前兆中AT種別昇格抽籤テーブルである。図108及び図109に示すように、「BIGボーナス」から「超BIGボーナス」の昇格よりも、「REGボーナス」から「BIGボーナス」の昇格の方が決定され易い。
[AT種別抽籤テーブル]
次に、図110~図114を参照して、AT種別抽籤テーブルについて説明する。AT種別抽籤テーブルは、各種AT抽籤により疑似ボーナス(AT)の当籤が決定された場合に行うAT種別抽籤のために参照され、設定値ごとに疑似ボーナスの種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図110~図114に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図110は、連チャンゾーン区間である場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図110に示すように、連チャンゾーン区間である場合は、疑似ボーナスの種別として「REGボーナス」は決定されず、「BIGボーナス」又は「超BIGボーナス」が決定される。図111は、有利区間の201G以降である場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図111に示すように、連チャンゾーン区間である場合は、疑似ボーナスの種別として「REGボーナス」は決定されない。図112は、特殊ON時(特殊モード)である場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図112に示すように、特殊ON時(特殊モード)である場合は、「超BIGボーナス」は決定されない。図113は、有利区間の1~100Gである場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図114は、有利区間の101~200Gである場合に参照されるAT種別抽籤テーブルである。図113及び図114に示すように、有利区間の1~100Gである場合は、「REGボーナス」と「BIGボーナス」がほぼ同じ確率で決定される。
[中段チェリー時AT種別抽籤テーブル]
次に、図115~図116を参照して、中段チェリー時AT種別抽籤テーブルについて説明する。中段チェリー時AT種別抽籤テーブルは、「中段チェリー」当籤により疑似ボーナス(AT)の当籤が決定された場合に行う中段チェリー時AT種別抽籤のために参照され、設定値ごとに疑似ボーナスの種別の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図115~図116に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図115は、連チャンゾーン区間以外(通常)で「中段チェリー」に当籤した場合に参照される中段チェリー時AT種別抽籤テーブルである。図116は、連チャンゾーン区間で「中段チェリー」に当籤した場合に参照される中段チェリー時AT種別抽籤テーブルである。図115及び図116に示すように、中段チェリー時AT種別抽籤では、「REGボーナス」は当籤しない。また、連チャンゾーン区間以外(通常)で「中段チェリー」に当籤した場合は、「フリーズ」に当籤する可能性があるが、連チャンゾーン区間で「中段チェリー」に当籤した場合は、「フリーズ」には当籤しない。
[安定状態(特殊モード)・荒波状態(非特殊モード)]
第2の遊技機では、有利区間の制御状態(遊技状態やモードや内部状態と言い換えてもよい)として、「安定状態」と「荒波状態」を設ける。「安定状態」は、上述した「特殊モードON」であり、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくい。また、「荒波状態」は、「特殊モードOFF」であり、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすい。なお、第2の遊技機では、内部状態として「安定状態」と「荒波状態」を設けたが、内部状態の数は、2つに限定されるものではなく、3つ以上であってもよい。本発明に係る内部状態としては、例えば、「第1安定状態」、「第2安定状態」、「第1荒波状態」、及び「第2荒波状態」を設けてもよい。
第2の遊技機では、第4ブロック(151G~200G)のフェイク前兆(演出)が開始されるゲームにおいて、特殊書き換え抽籤を行う。特殊書き換え抽籤では、特殊モードのON・OFFに応じてフェイク前兆を本前兆に書き換えるか否かを決定する。特殊書き換え抽籤時に「安定状態」(特殊モードON)である場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)である場合よりも、本前兆に書き換えられやすい。また、「安定状態」(特殊モードON)で通常AT抽籤を行う場合は、そのときのMAPレベルが「MAPレベル1」又は「MAPレベル2」であると、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照する。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合は、フェイク前兆中AT抽籤を行わない。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合は、AT種別抽籤において「超BIGボーナス」及び「フリーズ」が当籤しない(図112参照)。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合に疑似ボーナスの種別として「BIGボーナス」が決定された場合は、連チャンゾーン区間のテーブル種別として、「テーブルI」を決定する。また、「安定状態」(特殊モードON)である場合は、MAPレベル0において強制前兆G数抽籤を行わない。すなわち、MAPレベル0においてMAPレベル0時強制前兆突入抽籤(図89参照)を行わずに、強制前兆G数抽籤を行わないことを決定する。
第2の遊技機では、有利区間への移行時に「安定状態」(特殊モードON)にする。そして、第2の遊技機では、有利区間の通常区間であり、且つ遊技状態がBB内部中以外であり、且つ非前兆中であり、且つ「F_弱チェ」に当籤した場合にチェリーナビ抽籤を行う。チェリーナビ抽籤では、特殊モードのON・OFFに応じてチェリーナビの当籤・非当籤を決定する。チェリーナビ抽籤時に「安定状態」(特殊モードON)である場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)である場合よりも、チェリーナビの当籤が決定されやすい。チェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定された場合は、指示モニタに停止操作の情報(例えば、「27」)を表示すると共に、通常とは異なる演出パターンを実行する。このとき、指示モニタに表示された停止操作の情報に対応する特定の停止操作態様(例えば、第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDの下段にチェリーが表示される押下タイミング)であった場合に、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出される。一方、特定の停止操作態様が行われなかった場合は、「NM19」(C_弱チェA)が表示されず、1枚のメダルが払い出される図柄の組合せ(「NM20」(S_弱チェB))、又は取りこぼしの表示態様が表示される。第2の遊技機では、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出された場合に、「安定状態」(特殊モードON)を維持し、「NM19」(C_弱チェA)が表示されず、1枚のメダルが払い出される、又は、メダルが払い出されなかった場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)に切り替える。なお、第2の遊技機では、2枚のメダルが払い出されるか否かで、状態(モード)の遷移を決定しているが、枚数に限らず「NM19」(C_弱チェA)が表示されるか否かで、状態(モード)の遷移を決定するようにしてもよい。
このように、「安定状態」(特殊モードON)では、「超BIGボーナス」や「フリーズ」に当籤不可能であるが、チェリーナビの当籤が決定されやすいことにより、「F_弱チェ」に当籤した場合に2枚のメダルを獲得することが可能になる。そのため、「安定状態」(特殊モードON)では、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は少なくなるものの、遊技者の遊技価値が減りにくい。一方、「荒波状態」(特殊モードOFF)では、「超BIGボーナス」や「フリーズ」に当籤可能であるが、チェリーナビの当籤が決定されにくいことにより、「F_弱チェ」に当籤した場合に2枚のメダルを獲得することが難しい。そのため、「荒波状態」(特殊モードOFF)では、遊技者が急激に遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすい。
図117は、通常(チェリーナビ抽籤で非当籤時)の巻物演出の演出パターンを説明する図である。また、図118は、チェリーナビ抽籤に当籤した場合の巻物演出の演出パターンを説明する図である。図117に示すように、通常(チェリーナビ抽籤で非当籤時)の巻物演出の演出パターンが実行された場合は、メイン表示装置210の表示画面における左端に巻物が表示され、その後右端に向かって巻物を開くことにより、当籤役を示唆する表示が行われる。一方、図117に示すように、チェリーナビ抽籤に当籤時の巻物演出の演出パターンが実行された場合は、メイン表示装置210の表示画面における右端に巻物が表示され、その後左端に向かって巻物を開くことにより、当籤役を示唆する表示が行われる。これにより、メイン表示装置210を用いた演出によって特定の停止操作態様を示唆する。この示唆或いは指示モニタの表示に気が付いた遊技者が、「安定状態」(特殊モードON)を維持したければ、特定の停止操作態様を行って「NM19」(C_弱チェA)を表示させる。また、この示唆或いは指示モニタの表示に気が付いた遊技者が、「荒波状態」(特殊モードOFF)に切り替えたければ、特定の停止操作態様を行わずに「NM19」(C_弱チェA)を表示させない。また、特定の停止操作態様は、遊技者が通常行う停止操作態様とは異なることが好ましい。これにより、遊技者がメイン表示装置210の演出による示唆或いは指示モニタの表示に気が付かない場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)に切り替わるようにすることができる。
なお、第2の遊技機としては、「F_弱チェ」に当籤した場合に、「NM19」(C_弱チェA)を表示させて2枚のメダルが払い出されると、次の遊技において「安定状態」(特殊モードON)に遷移する処理が行われるようにした。しかし、本発明の遊技機としては、さらにチェリーナビ抽籤で当籤することを、「安定状態」(特殊モードON)に遷移する処理を行う条件に加えてもよい。すなわち、チェリーナビ抽籤において当籤が決定された場合に、内部状態を移行可能にしてもよい。これにより、通常(チェリーナビ抽籤で非当籤時)の巻物演出の演出パターンが実行された場合に、特定の停止操作態様を行って「NM19」(C_弱チェA)を表示させても、「安定状態」(特殊モードON)に移行しないようにすることができる。その結果、「安定状態」(特殊モードON)へ移行させることが難しくなり、「安定状態」(特殊モードON)を希少なものにすることができる。
図119は、従来の状態(モード)遷移処理のタイミングと、第2の遊技機(本発明)の状態(モード)遷移処理のタイミングを説明するための簡略図である。例えば、図119に示す1G目のレバー時の処理において、「F_弱チェ」に当籤したとする。従来の1G目のリール全停止時の処理では、払出し枚数を検出し、「NM19」(C_弱チェA)が表示されて2枚のメダルが払い出されていれば、特殊モードに係るフラグをONにする。一方、「NM19」(C_弱チェA)が表示されず、2枚のメダルが払い出されていなければ、特殊モードに係るフラグをOFFにする(特殊モードOFF)。そして、2G目のレバー時処理では、特殊モードに係るフラグがONであるか否かを判別し、特殊モードに係るフラグがONである場合に「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理が行われる。一方、特殊モードに係るフラグがOFFである場合は、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理が行われる。
第2の遊技機における1G目のリール全停止時の処理では、特殊モードに係るフラグのON・OFFは行わない。そして、2G目のレバー時処理では、1G目(前回)の当籤役が「F_弱チェ」である場合に、払出し枚数を検出し、2枚のメダルが払い出されていれば、特殊モードに係るフラグをONにすると共に、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理を行う。一方、2枚のメダルが払い出されていなければ、特殊モードに係るフラグをOFFにすると共に、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理を行う。これにより、判別処理を削減して、状態(モード)遷移処理の効率化を図ることができる。
また、第2の遊技機では、状態(モード)遷移処理の後に疑似ボーナス(AT)の抽籤を行うようにしている。例えば、「荒波状態」(特殊モードOFF)、かつ、「MAPレベル1」の場合に、チェリーナビ抽籤に当籤し、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出されたとする。次ゲームのレバー時の処理で「安定状態」(特殊モードON)への遷移が行われた後、疑似ボーナス(AT)の抽籤が行われる。上述したように、「安定状態」(特殊モードON)で通常AT抽籤を行う場合は、そのときのMAPレベルが「MAPレベル1」又は「MAPレベル2」であると、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルが参照される。したがって、現在のMAPレベルが「MAPレベル1」であるため、通常AT抽籤を行う場合は、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照して疑似ボーナス(AT)の抽籤が行われる。なお、状態(モード)遷移処理の前に疑似ボーナス(AT)の抽籤を行うようにしてもよい。例えば、「荒波状態」(特殊モードOFF)、かつ、「MAPレベル1」の場合に、チェリーナビ抽籤に当籤し、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出されたとする。次ゲームのレバー時の処理で、通常AT抽籤を行う場合は、「MAPレベル1」の通常AT抽籤テーブルを参照して疑似ボーナス(AT)の抽籤が行われた後、「安定状態」(特殊モードON)への遷移が行われる。
なお、リール全停止時のメダルの払出し枚数を判別する処理を削減し、次レバー時の処理で払出し枚数を検出して処理を実行することは、状態遷移処理に限らず以下の変形例のような場合においても用いることが可能である。
(変形例1)
通常区間の非前兆中では、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたか否かを検出し、通常AT抽籤テーブルを変更させる。「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、MAPレベルが「MAPレベル5」以外である場合は、「MAPレベル5」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われ、また、MAPレベルが「MAPレベル5」である場合は、変更されずに「MAPレベル5」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われる。なお、「MAPレベル5」に限らず、「MAPレベル3」や「MAPレベル4」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われるようにしてもよい。また、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われる。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、「MAPレベル5」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われ、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、「MAPレベル6」の通常AT抽籤テーブルを参照して通常AT抽籤が行われるようにしてもよい。
(変形例2)
「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたか否かを検出し、疑似ボーナス(AT)に当籤しているかを煽る煽り演出を実行するか否かを決定する。「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行する。また、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行しない。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行し、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、メイン表示装置210で煽り演出を実行しないようにしてもよい。
また、煽り演出は、メイン表示装置210による演出に限らず、スピーカ35a,35bや上部ランプ23等による演出であってもよい。例えば、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、通常スタート音とは異なる特殊スタート音を実行し、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、通常スタート音を実行するようにしてもよい。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、特殊スタート音を実行し、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、通常スタート音を実行するようにしてもよい。
(変形例3)
「BIGボーナス」中において、1G連に当籤する確率は内部当籤役に応じて異なり、「強チェ」(「F_強チェ1」又は「F_強チェ2」)に当籤した場合は64/256、「RB1枚」(「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」)に当籤した場合は1/256、その他の内部当籤役に当籤した場合は0/256の確率で1G連に当籤する。
「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたか否かを検出し、1G連に当籤する確率を変更する。「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を128/256に変更する。なお、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を256/256に変更するようにしてもよい。また、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を0/256に変更する。なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚のメダルが払い出されていなかったことを検出した場合、1G連に当籤する確率を変更しないようにしてもよい。
なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次ゲームにおいて、「F_弱チェ」に当籤したゲームで2枚又は1枚のメダルが払い出されたことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を128/256に変更し、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、内部当籤役に関わらず1G連に当籤する確率を0/256に変更するようにしてもよい。なお、「F_弱チェ」に当籤したゲームでメダルの払い出しが無かった(取りこぼした)ことを検出した場合、1G連に当籤する確率を変更しないようにしてもよい。
[特殊書き換え抽籤テーブル]
次に、図120~図121を参照して、特殊書き換え抽籤テーブルについて説明する。特殊書き換え抽籤テーブルは、第4ブロック(151G~200G)のフェイク前兆(演出)が開始されるゲームにおいて行う特殊書き換え抽籤のために参照され、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図120~図121に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図120は、特殊モードOFFである場合に参照される特殊書き換え抽籤テーブルである。図120に示すように、特殊モードOFFである場合は、特殊書き換え抽籤の当籤がほぼ決定されない。したがって、特殊モードOFFである場合は、第4ブロックにおいてフェイク前兆(演出)が行われても、特殊書き換え抽籤による本前兆への書き換えが行われにくい。なお、特殊モードOFFである場合は、フェイク前兆中AT抽籤が行われる。なお、特殊モードOFFである場合、特殊書き換え抽籤に当籤する確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じて特殊書き換え抽籤に当籤する確率を変更するようにしてもよい。図121は、特殊モードONである場合に参照される特殊書き換え抽籤テーブルである。図121に示すように、特殊モードONである場合は、特殊書き換え抽籤の当籤がほぼ決定される。したがって、特殊モードONである場合は、第4ブロックにおいてフェイク前兆(演出)が行われると、特殊書き換え抽籤による本前兆への書き換えが行われやすい。なお、特殊モードOFFである場合は、フェイク前兆中AT抽籤は行われない。なお、特殊モードONである場合、特殊書き換え抽籤に非当籤となる確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じて特殊書き換え抽籤に当籤する(非当籤となる)確率を変更するようにしてもよい。
[チェリーナビ抽籤テーブル]
次に、図122~図123を参照して、チェリーナビ抽籤テーブルについて説明する。チェリーナビ抽籤テーブルは、有利区間の通常区間であり、且つ遊技状態がBB内部中以外であり、且つ非前兆中であり、且つ「F_弱チェ」に当籤した場合に行うチェリーナビ抽籤のために参照され、設定値ごとに当籤・非当籤の抽籤結果についての抽籤値の情報を規定する。なお、図122~図123に示す抽籤値の確率分母は、「256」である。
図122は、特殊モードOFFである場合に参照されるチェリーナビ抽籤テーブルである。図122に示すように、特殊モードOFFである場合は、チェリーナビ抽籤の当籤がほぼ決定されない。したがって、特殊モードOFFである場合は、指示モニタに停止操作の情報が表示されにくく、また、特定の停止操作態様を示唆する演出(図118参照)が行われにくい。なお、特殊モードOFFである場合、チェリーナビ抽籤に当籤する確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じてチェリーナビ抽籤に当籤する確率を変更するようにしてもよい。図123は、特殊モードONである場合に参照されるチェリーナビ抽籤テーブルである。図123に示すように、特殊モードONである場合は、チェリーナビ抽籤の当籤がほぼ決定される。したがって、特殊モードONである場合は、指示モニタに停止操作の情報が表示されやすく、また、特定の停止操作態様を示唆する演出(図118参照)が行われやすい。なお、特殊モードONである場合、チェリーナビ抽籤に非当籤となる確率は設定値に関わらず1/256となっているが、設定値に関わらず0/256となるようにしてもよい。また、設定値に応じてチェリーナビ抽籤に当籤する(非当籤となる)確率を変更するようにしてもよい。
[有利区間移行時のテーブル決定]
上述したように、第2の遊技機では、有利区間移行の次ゲームにおいて、通常区間に用いるテーブル種別を決定する。そして、テーブル種別に応じてマップ種別を決定する。また、マップ種別は各ブロックにおけるMAPレベルを規定しており、通常区間におけるAT(疑似ボーナス)抽籤では、MAPレベルと当籤役に応じて当籤・非当籤が決定される。したがって、有利区間移行の次ゲームにおいてテーブル種別を決定することは、その後のAT(疑似ボーナス)抽籤に影響する。
有利区間移行の次ゲームにおいて、通常区間に用いるテーブル種別を決定する際は、そのときのRT状態の種別が参照される。RT状態としては、RT0状態~RT3状態の4種類が設けられている(図38)。RT0状態は、設定変更操作による初期化が行われたときにセットされ、RT1状態は、ボーナス(RB、BB)の作動が終了した際に移行する。RT2状態は、ボーナス(RB、BB)内部中となった場合に移行し、RT3状態は、ボーナス(RB、BB)作動中となった場合に移行する。有利区間移行の次ゲームにおいて、RT状態がRT0状態である場合は、テーブルAが決定されず、テーブルB~テーブルEが決定される。テーブルAが決定されている場合の通常区間は、テーブルB~テーブルEが決定されている場合の通常区間よりも、疑似ボーナスが決定される期待度が低い。したがって、テーブルAが決定されないこと(テーブルB~テーブルEが決定されること)は、遊技者にとっての特典となる。なお、RB1状態やRB2状態では、テーブルAが決定される可能性があり、かつ、テーブルAが決定される確率が、テーブルB~テーブルEが決定される確率よりも高い。
このように、第2の遊技機では、ボーナス(RB、BB)に当籤する前に(RT0状態で)非有利区間から有利区間へ移行させることができると、テーブルAよりも有利な抽籤が受けられるテーブルB~テーブルEが決定される。一方、ボーナス(RB、BB)の作動が終了した場合は、RT1状態へ移行される。したがって、有利区間の終了直前に意図的にボーナス(RB、BB)を入賞及び作動させても、RT状態をRT0状態に移行させることはできない。その結果、意図的に遊技状態を遷移させることにより特典(有利な抽籤)が受けられるようにすることを防ぐことができる。なお、本発明に係る特典は、有利な抽籤を受けることに限定されず、例えば、所定の状態(例えば、AT当籤の期待値が高くなるCZ(チャンスゾーン))へ移行すること、AT(疑似ボーナス)のゲーム数の増加すること等、適宜設定することができる。
第2の遊技機では、「RB」は、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」のいずれかと重複して当籤する。この場合は、停止操作態様にかかわらず、「F_弱チェ」、「F_強チェ1」、「F_強チェ2」、「F_弱スイカ1」、「F_弱スイカ2」、「F_強スイカ1」、「F_強スイカ2」、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」に係る図柄組合せが表示され、「RB」に係る図柄の組合せが表示されない(図45参照)。これにより、「RB」の入賞を容易に回避させることができる。
第2の遊技機では、RB内部中に、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」が当籤した場合は、正解押し順で停止操作が行われると、「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」に係る図柄組合せが表示される(図47参照)。一方、正解押し順で停止操作が行われない場合は、停止操作のタイミングによって「RB」に係る図柄組合せが表示される場合がある。そこで、第2の遊技機では、RB内部中、且つ有利区間中に「F_RB1枚01」~「F_RB1枚12」が当籤した場合に、正解押し順をメイン表示装置210等によって報知する。これにより、RB内部中(持越し中)を維持することができる。
第2の遊技機では、有利区間移行の次ゲームにおけるRT状態がRT0状態である場合に、設定値に関わらずにテーブル種別を決定する(図54参照)。これにより、RT0状態である場合は、設定値に左右されずに、テーブルB~テーブルEを決定することができ、特典の付与が被平等にならないようにすることができる。また、第2の遊技機では、有利区間移行の次ゲームにおけるRT状態がRT0状態以外(RT1状態、RT2状態)である場合は、設定値に応じてテーブル種別を決定する(図55参照)。これにより、RT0状態以外(RT1状態、RT2状態)である場合は、テーブルA~テーブルEが決定される確率を設定値に応じて異ならせることができ、決定されたテーブル種別を遊技状態から予想しにくくすることができる。
[払出枚数を参照する処理]
第2の遊技では、「F_弱チェ」に当籤したゲームにおいて、リール3A~3Dが全て停止したとき、特殊モードに係るフラグのON・OFFは行わない。そして、「F_弱チェ」に当籤したゲームの次のゲームにおいて、前のゲームで2枚のメダルが払い出されているか否かを判別し、2枚のメダルが払い出されていれば、特殊モードに係るフラグをONにすると共に、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理を行う。一方、2枚のメダルが払い出されていなければ、特殊モードに係るフラグをOFFにすると共に、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理を行う。これにより、従来は行われる特殊モードに係るフラグがONであるか否かの判断処理を削減し、「F_弱チェ」に当籤したゲームにおける判断処理を削減することができる。その結果、状態(モード)遷移処理の効率化を図ることができる。
「F_弱チェ」に当籤した場合は、特定の停止操作態様(例えば、第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDの下段にチェリーが表示される押下タイミング)であった場合に、「NM19」(C_弱チェA)が表示され、2枚のメダルが払い出される。また、特定の停止操作態様が行われなかった場合は、「NM20」(S_弱チェB)が表示されて1枚のメダルが払い出される、又は取りこぼしの表示態様が表示される。これにより、停止操作態様によって遷移する状態(モード)を選択することができる。また、停止操作態様に応じてメダルの減りやすさを異ならせることができる。また、第2の遊技機では、特定の停止操作態様が行われなかった場合に、「NM20」(S_弱チェB)を表示可能である。そのため、表示態様が「NM19」(C_弱チェA)であるか、「NM20」(S_弱チェB)であるかを確認することにより、状態(モード)遷移先を遊技者に認識させることができる。
第2の遊技機では、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理を行った場合は、MAPレベル6の通常AT抽籤テーブルを参照し、疑似ボーナス当籤率「激低」となる。したがって、「安定状態」(特殊モードON)、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理を行うことにより、AT(疑似ボーナス)への移行抽籤の確率を異ならせることができ、AT(疑似ボーナス)への移行抽籤を多様なものにすることができる。また、第2の遊技機では、チェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定された場合は、指示モニタに停止操作の情報(例えば、「27」)を表示する。これにより、「F_弱チェ」に当籤したことを指示モニタの表示を用いて示唆することができる。また、第2の遊技機では、チェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定された場合は、巻物演出の演出態様(演出パターン)を通常とは異なる演出態様にする。これにより、「F_弱チェ」に当籤したことを、巻物演出の通常とは異なる演出態様で示唆することができる。
第2の遊技機では、「安定状態」(特殊モードON)においてチェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定される確率は、「荒波状態」(特殊モードOFF)においてチェリーナビ抽籤によりチェリーナビの当籤が決定される確率よりも高い(図122、図123参照)。これにより、「安定状態」(特殊モードON)である場合には、「F_弱チェ」が決定されたことの示唆が行われやすくなり、「安定状態」(特殊モードON)を維持することが容易になる。一方、「荒波状態」(特殊モードOFF)である場合には、「F_弱チェ」が決定されたことの示唆が行われにくくなり、「荒波状態」(特殊モードOFF)から「安定状態」(特殊モードON)への移行が難しくなる。また、第2の遊技機では、「荒波状態」(特殊モードOFF)が「安定状態」(特殊モードON)よりも、疑似ボーナス(AT)への移行抽籤が優遇される。これにより、「荒波状態」(特殊モードOFF)を、メダルを増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者のメダルが減りやすい状態にすることができる。
第2の遊技機における「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理は、本発明に係る第1処理に対応し、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理は、本発明に係る第2処理に対応する。しかし、本発明に係る第1処理及び第2処理は、「安定状態」及び「荒波状態」への遷移処理に限定されない。本発明に係る第1処理及び第2処理は、遊技に関する制御を行うメイン処理であれば、適宜設定することができ、例えば、内部状態を移行させるための抽籤処理、出玉に係る抽籤処理(AT抽籤等)、遊技に関するポイントを付与する処理、管理情報(例えば、テーブルA~テーブルE)や有利度情報(例えば、マップ種別)を変更する処理であってもよい。また、第2の遊技機では、「F_弱チェ」に当籤したゲームにおいて2枚のメダルが払い出された場合と2枚のメダルが払い出されなかった場合の両方において、それぞれ処理を行うようにした。しかし、本発明の遊技機としては、一方の判断結果の場合に遊技に関する制御を行うメイン処理を行い、他方の判断結果の場合に遊技に関する制御を行うメイン処理を行わないようにしてもよい。
[有利区間の残りゲーム数とテーブル決定]
第2の遊技機では、連チャンゾーン区間で用いるテーブルFは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間以上である場合に決定される。一方、テーブルGは、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合に決定される。図85及び図86に示すように、連チャンゾーンマップ抽籤では、例えば、「連_通常D」と、「連_通常D」よりも疑似ボーナス(AT)への移行期待度が高い「連_通常F」とが当籤可能である。そして、連チャンゾーン区間においてテーブルGが決定されている場合は、テーブルFが決定されている場合よりも、「連_通常F」が決定されやすい。したがって、テーブルGが決定されている場合は、テーブルFが決定されている場合よりも早く疑似ボーナスに当籤(移行)しやすい。そして、有利区間の残りの期間(遊技数)が所定期間未満である場合は、テーブルGを決定することにより、テーブルFを決定する場合よりも比較的早く疑似ボーナスに当籤するようにしている。その結果、メダルが増加する疑似ボーナス区間と疑似ボーナス区間の間の連チャンゾーン区間(メダルが減少する区間)を短くすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
第2の遊技機では、疑似ボーナスの種別として「BIGボーナス」、「超BIGボーナス」、「フリーズ」が決定された場合に、疑似ボーナス区間の終了後に開始される連チャンゾーン区間において用いるテーブルの種別を決定する。これにより、連チャンゾーン区間が開始される前に連チャンゾーン区間で用いるテーブルの種別が決定される。その結果、連チャンゾーン区間の最初のゲームから管理情報を用いることができる。また、第2の遊技機では、連チャンソーン区間において、テーブル種別に応じてマップ種別を決定する。マップ種別は、各ブロックにおけるMAPレベルを規定している。そして、連チャンソーン区間におけるAT(疑似ボーナス)抽籤では、MAPレベルと当籤役に応じて当籤・非当籤が決定される。これにより、連チャンソーン区間における疑似ボーナス(AT)への移行抽籤を多様なものにすることができる。また、第2の遊技機では、マップ種別に応じて疑似ボーナス(AT)への移行期待度が異なるため、移行期待度を多様にして遊技の興趣を向上させることができる。
第2の遊技機では、疑似ボーナス(AT)への移行期待度が高いマップ種別(例えば、「連_通常F」)が決定される確率が、設定値に応じて異なる。これにより、設定値に応じて疑似ボーナス(AT)への移行期待度を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[付記1]
従来の遊技機において、非有利区間と有利区間とを設定し、有利区間においてAT状態に設定可能であり、所定の終了条件が満たされることで、有利区間から非有利区間へと移行させる遊技機が知られている(例えば、特開2017-185099号公報参照)。
このような遊技機には、非有利区間から有利区間へと移行する際に、遊技状態がボーナス内部中か一般中かで有利な抽籤が受けられるか否かが決定されるようなものがある。例えば、設定変更時にボーナスフラグを初期化し、ボーナスに当籤する前に非有利区間から有利区間へ移行させることができると有利な抽籤が受けられるようにする。しかしながら、有利区間の終了直前に意図的にボーナスを入賞させ、ボーナスを消化して遊技状態を一般中にしてから、有利区間へ移行させることで、設定変更時以外においても有利な抽籤が受けられてしまうという問題が生じる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利区間終了直前に意図的にボーナスを入賞させて有利な抽籤(特典)が受けられるようにすることを防ぐ遊技機を提供することを目的とする。
予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、
複数の表示列によって構成され、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、リール8A~8D)と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ8S)と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、
遊技者に有利な停止操作態様を報知可能な報知手段(例えば、メイン表示装置210)と、
前記報知手段による停止操作態様の報知が可能でない非有利区間と、前記報知手段による停止操作態様の報知が可能な有利区間との区間の遷移を制御する区間制御手段(例えば、遊技状態の遷移を行うメインCPU101)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、持ち越し可能な特別役(例えば、RB)を決定可能であり、
遊技状態の種別として、前記特別役を持ち越していない第1状態(例えば、RT0状態)と、前記特別役を持ち越している第2状態(例えば、RT2状態)と、前記特別役に係る図柄組合せの導出により開始される特別遊技後に移行される第3状態(例えば、RT1状態)とを有し、
前記非有利区間から前記有利区間への移行が決定された場合に、前記遊技状態の種別に応じて特典(例えば、テーブルAを決定しないこと)を付与するか否かを決定する特典決定手段(例えば、テーブル種別抽籤テーブル(RT0中)を参照してテーブル種別抽籤を行うメインCPU101)をさらに備える
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、有利区間の終了直前に意図的に特別役(「RB」)を入賞させて遊技状態を遷移させることにより特典(有利な抽籤)が受けられるようにすることを防ぐことができる。また、特定の遊技状態で非有利区間から有利区間への移行が決定された場合に、遊技者に対して特典が付与される状態にすることができる。
前記非有利区間から前記有利区間への移行が決定された場合に、前記遊技状態が前記第1状態である場合は、前記遊技状態が前記第3状態である場合よりも、前記特典を付与される割合が高い
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利区間の終了直前に意図的に特別役(「RB」)を入賞させて遊技状態を第3状態に遷移させても、第1状態よりも特典(有利な抽籤)が受けられる割合が低くなる。したがって、有利区間の終了直前に意図的に遊技状態を遷移させることにより特典(有利な抽籤)が受けられる割合を第1状態である場合よりも高くすることができない。また、第1状態で非有利区間から有利区間への移行が決定された場合に、遊技者に対して特典が付与される割合を第3状態よりも高くすることができる。
前記特別役は、特定役(例えば、「F_打順BB01」~「F_打順BB10」)と重複して当籤可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特別役が当籤した遊技において、特定役に係る図柄組合せを表示させることが可能になり、容易に特別役を持ち越している第2状態にすることができる。
所定の遊技情報(例えば、指定格納領域のデータ)を初期化可能な初期化手段(例えば、設定用鍵型スイッチ52及びリセットスイッチ53)を備え、
前記遊技状態は、前記初期化手段により前記所定の遊技情報が初期化されるまで前記第1状態に移行されない
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の遊技情報が初期化された場合に、遊技者に対して特典が付与される状態にすることを可能にすることができる。そのため、特典の付与が頻繁に行われないようにすることができ、特典の価値を高めることができる。
遊技者にとって有利な有利状態(例えば、疑似ボーナス(AT))に移行させるか否かの決定を管理する複数の管理情報(例えば、テーブルA~テーブルE)を有する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利状態へ移行する難易度を多様なものにすることができる。
前記複数の管理情報から1つの管理情報を決定する管理情報決定手段(例えば、テーブル種別抽籤を行うメインCPU101)を備え、
前記管理情報決定手段は、前記非有利区間から前記有利区間へ移行した次の遊技の開始操作が行われた場合に、前記遊技状態の種別を参照して前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、管理情報の種別を決定することを、特典を付与するか否かを決定することに対応させることができる。
前記特典は、前記有利状態への移行期待度が低い所定管理情報(例えば、テーブルA)が選択されないことである
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、非有利区間から有利区間への移行が決定された場合の遊技状態の種別に応じて、有利状態への移行期待度を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記管理情報の種別が決定された場合に、前記有利状態に移行させるか否かの決定に関わる有利度情報(例えば、マップ種別)を決定する有利度情報決定手段(例えば、通常マップ抽籤を行うメインCPU101)を備える
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利状態への移行期待度を多様にすることができる。
前記管理情報決定手段は、前記第1状態において、前記有利区間への移行が決定された場合は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値に関わらず前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1状態である場合には、設定値に左右されずに、特典の付与に対応する管理情報の種別を決定することができる。
前記管理情報決定手段は、前記第2状態又は前記第3状態において、前記有利区間への移行が決定された場合は、遊技に関する遊技者の有利さの度合いを示す設定値に応じて前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第2状態又は第3状態である場合には、各管理情報が決定される確率を設定値に応じて異ならせることができ、決定された管理情報の種別を遊技状態から予想することを難しくすることができる。
[付記2]
従来の遊技機において、内部当籤役として決定された役に係る図柄組合せを表示させるように、或いは決定された役に係る図柄組合せの表示を取りこぼすことが無いように、遊技者にとって有利な情報を報知するAT機能を備えたものが知られている(例えば、特開2016-104425号公報参照)。
このような遊技機では、遊技の興趣を高めるため、例えば、有利状態(AT(assist time)状態)の付与や遷移などに関する遊技性をより多様化しようとする工夫がなされている。しかし、遊技性を多様化することにより、遊技性が複雑化することがある。その結果、遊技に関する制御を行うメイン処理に負担がかかるといった問題が生じる。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、遊技に関する制御を行うメイン処理を効率化することを目的とする。
予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、
複数の表示列によって構成され、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、リール8A~8D)と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ8S)と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、を備え、
前記内部当籤役決定手段は、特定の停止操作態様(例えば、第4リールD、第3リールC、第2リールB、第1リールAの順序であり、第4リールDの下段にチェリーが表示される押下タイミング)で停止操作が行われると、特定の表示態様(例えば、「NM19」(C_弱チェA))を導出可能な特定役(例えば、「F_弱チェ」)を決定可能であり、
前記特定の表示態様が導出された場合は、特定量(例えば、2枚)の遊技価値(例えば、メダル)が付与され、
前記特定役が決定された遊技の次の遊技の開始操作が行われた場合に、前記特定役が決定された遊技において前記特定量の遊技価値が付与されたか否かに応じて異なる処理(例えば、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理と、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理)を実行する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、特定役が決定された遊技の次の遊技において、特定役が決定された遊技において付与された遊技価値の量に基づく判断処理を行うため、特定役が決定された遊技における判断処理を削減することができる。その結果、遊技に関する制御を行うメイン処理を効率化することができる。
前記特定役が決定された遊技において前記特定の停止操作態様で停止操作が行われなかった場合は、前記特定量以上の遊技価値は付与されない
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定の停止操作態様で停止操作が行われる場合と、特定の停止操作態様で停止操作が行われない場合とで遊技価値の減りやすさを異ならせることができる。
前記特定役が決定された遊技の次の遊技の開始操作が行われたときに、前記特定役が決定された遊技において前記特定量の遊技価値が付与されている場合は第1処理(例えば、「安定状態」(特殊モードON)への遷移処理)を実行し、前記特定役が決定された遊技において前記特定量の遊技価値が付与されていない場合は第2処理(例えば、「荒波状態」(特殊モードOFF)への遷移処理)を実行する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定役が決定された遊技において付与された遊技価値が特定量であるか否かに基づいて、第1処理と第2処理のいずれを行うかを決定することができる。
第1状態(例えば、「安定状態」)及び第2状態(例えば、「荒波状態」)を含む複数の内部状態を有し、
前記第1処理は、前記第1状態への移行処理、及び有利状態への移行が決定される割合を変化させる処理であり、
前記第2処理は、前記第2状態への移行処理である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定役が決定された遊技において特定量の遊技価値が付与されている場合に、有利状態への移行が決定される割合を変化させることができ、有利状態への移行決定を多様なものにすることができる。また、特定の停止操作態様を行うか否かを選択することにより、内部状態の移行先を選択することができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記特定の停止操作態様が行われなかった場合は、所定の表示態様(例えば、「NM20」(S_弱チェB))を導出可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、特定の停止操作態様であるか、所定の表示態様であるかを確認することにより、その後に行われる処理がいずれであるかを遊技者に認識させることができる。
停止操作態様の情報を表示可能な表示手段(例えば、指示モニタ)と、
前記特定役が決定された場合に、所定の決定(例えば、チェリーナビ抽籤に当籤)を行う所定決定手段(例えば、チェリーナビ抽籤を行うメインCPU101)と、を備え、
前記表示手段は、前記所定の決定が行われた場合に、停止操作態様の情報を表示可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の情報を表示することにより、特定役が決定されたことを示唆することができる。
演出を実行可能な演出実行手段(例えば、メイン表示装置210)を備え、
前記演出実行手段は、
前記特定役が決定された場合に、所定の演出(例えば、巻物演出)を実行可能であり、
前記所定の決定が行われたか否かに応じて前記所定の演出の態様を異ならせる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の演出の態様により、特定役が決定されたことを示唆することができる。
前記所定の決定が行われた場合に、前記内部状態を移行可能である
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、内部状態の移行を難しくすることができ、内部状態の移行を希少なものにすることができる。
前記所定の決定が行われる割合は、前記内部状態に応じて異なる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、内部状態に応じて内部状態を移行しやすくしたり、内部状態を移行しにくくしたりすることができる。
前記第1状態において前記所定の決定が行われる割合は、前記第2状態において前記所定の決定が行われる割合よりも高い
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第1状態である場合には、特定役が決定されたことの示唆が行われやすくなる。したがって、特定役が決定された遊技において特定量の遊技価値が付与されている場合に第1状態への移行処理を行う場合は、第1状態を維持することを容易にすることができる。また、第2状態である場合には、特定役が決定されたことの示唆が行われにくくなる。したがって、特定量の遊技価値が付与されていない場合に第2状態への移行処理を行う場合は、第2状態から第1状態への移行を難しくすることができる。
前記第2状態は、前記第1状態よりも有利状態(例えば、疑似ボーナス(AT))への移行が決定されやすい
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第2状態を、遊技価値を増加させることができる可能性は高くなるものの、遊技者の遊技価値が減りやすい状態にすることができる。
[付記3]
従来の遊技機において、非有利区間と有利区間とを設定し、有利区間においてAT状態に設定可能であり、所定の終了条件が満たされることで、有利区間から非有利区間へと移行させるものが知られている(例えば、特開2017-185099号公報参照)。
このような遊技の有利区間において、停止操作の押し順を報知(ナビ)することにより遊技価値の増加が期待できる増加区間(疑似ボーナス)と、停止操作の押し順を報知(ナビ)しないことにより遊技価値が減少する減少区間とを繰り返すゲーム性が知られている。また、有利区間の終了条件の1つとしては、例えば、1500G(ゲーム)のリミッタがある。上記のようなゲーム性である場合、有利区間の消化G数が1500Gに近づくにつれて、減少区間を消化することが遊技者にとって不満となり、遊技の興趣の低下につながるおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、有利区間に関して遊技者が抱く不満を解消することが可能な遊技機を提供することを目的とする。
予め定められた確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、内部抽籤処理を行うメインCPU101)と、
複数の表示列によって構成され、遊技に必要な図柄を変動表示する変動表示手段(例えば、リール8A~8D)と、
遊技者による停止操作の検出を行う停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ8S)と、
前記内部当籤役決定手段の決定結果と前記停止操作検出手段による停止操作の検出とに基づいて、前記図柄の変動表示を停止させる停止制御手段(例えば、リール停止制御処理を行うメインCPU101)と、
遊技者に有利な停止操作態様を報知可能な報知手段(例えば、メイン表示装置210)と、
前記報知手段による停止操作態様の報知が可能でない非有利区間と、前記報知手段による停止操作態様の報知が可能な有利区間との区間の遷移を制御する区間制御手段(例えば、遊技状態の遷移を行うメインCPU101)と、を備え、
前記有利区間において、前記停止操作態様の報知により遊技価値を増加させることが可能な有利状態(例えば、疑似ボーナスの「BIGボーナス」)と、前記有利状態の終了後に移行し、前記停止操作態様の報知により遊技価値を増加させることが可能でない所定状態(例えば、連チャンソーン区間)と、を有し、
所定管理情報(例えば、テーブルF)と、前記所定管理情報よりも有利な特定管理情報(例えば、テーブルG)と、を少なくとも含む複数の管理情報(例えば、テーブルF~テーブルI)から前記所定状態で用いる1つの前記管理情報を決定する管理情報決定手段(例えば、テーブル種別抽籤を行うメインCPU101)をさらに備え、
前記特定管理情報が決定されている場合に前記有利状態へ移行するまでに要する遊技回数は、前記所定管理情報が決定されている場合に前記有利状態へ移行するまでに要する遊技回数よりも短くなり、
前記管理情報決定手段は、所定の条件(例えば、有利区間中の残りゲーム数が所定期間未満)を満たす場合に前記特定管理情報を決定する
ことを特徴とする遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、遊技価値を増加させることが可能でない所定状態を短くすることができる。その結果、所定の条件を満たすか否かにより、所定状態が行われる期間を異ならせることができ、遊技の興趣を高めることができる。
前記有利区間は、当該有利区間中のゲーム数が規定数(例えば、1500)となった場合に終了し、
前記所定の条件は、前記有利区間中の残りゲーム数が閾値未満(例えば、500G未満)のときに前記有利状態への移行が決定されることである
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、有利区間が残り少なくなった場合に、遊技価値を増加させることが可能でない所定状態を短くすることができる。その結果、有利状態を享受できる期間が短くならないようにすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
前記有利状態は、少なくとも第1有利状態(例えば、「BIGボーナス」)と第2有利状態(例えば、「REGボーナス」)とを有し、
前記所定状態は、少なくとも第1所定状態(例えば、高確率ゾーン)と第2所定状態(例えば、連チャンソーン区間)とを有し、
前記区間制御手段は、前記第1所定状態において前記第2有利状態に移行した場合、または、特定期間(例えば、100G)に達するまでに前記第2所定状態において前記第1有利状態への移行が決定されなかった場合に前記有利区間から前記非有利区間へ移行させる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、特定期間に達するまでに第1有利状態への移行が決定されやすくすることができる。
前記所定管理情報と前記特定管理情報は、前記第2所定状態において用いられる
ことを特徴とする上記に記載の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、第2所定状態から第1有利状態へ移行するまでに要する遊技回数を短くすることができる。これにより、有利区間の残りのゲーム数が少なくても、有利状態を享受する期間を確保することができる。
前記第1所定状態は、前記非有利区間から前記有利区間に移行した場合に開始され、
前記第2所定状態は、前記第1有利状態の終了後に開始される
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、遊技価値が増加する第1有利状態間に行われる第2所定状態を短くすることができ、遊技者が抱く不満を解消することができる。
前記管理情報決定手段は、前記第1有利状態への移行が決定された場合に、当該第1有利状態の終了後の前記第2所定状態における前記管理情報の種別を決定する
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、第2所定状態が開始される前に、管理情報の種別が決定されているため、第2所定状態の最初の遊技から管理情報を用いることができる。
前記所定状態において、前記有利状態に移行させるか否かの決定に関わる複数の有利度情報(例えば、マップ種別)を有し、
前記管理情報に応じて複数の有利度情報から1つの有利度情報を決定する有利度情報決定手段(例えば、連チャンゾーンマップ抽籤を行うメインCPU101)を備える
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定状態における有利状態への移行抽籤を多様なものにすることができる。
前記有利度情報の種別に応じて前記有利状態への移行期待度が異なる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定状態における有利状態への移行期待度を多様にすることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
前記複数の有利度情報は、所定有利度情報(例えば、連_通常D)と、前記所定有利度情報よりも前記有利状態への移行期待度が高い特定有利度情報(例えば、連_通常F)とを有し、
前記特定管理情報が決定されている場合は、前記所定管理情報が決定されている場合よりも前記特定有利度情報が決定されやすい
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、所定の条件を満たした場合に、特定有利度情報が決定されやすくすることができ、所定の条件を満たしていない場合よりも有利状態への移行期待度を高めることができる。
前記有利状態への移行期待度が高い有利度情報が決定される確率は、設定値に応じて異なる
ことを特徴とする上記の遊技機。
このような遊技機によれば、設定値に応じて有利状態への移行期待度を異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[11.第3の遊技機]
続いて、図124~図145を参照して、パチスロ機の制御系の他の一具体例について、これを「第3の遊技機」として説明する。なお、本実施形態において第3の遊技機として説明する制御系の構成については、その一部又は全部を、本実施形態において他の遊技機として説明するものに適用可能であり、また、本実施形態において他の遊技機として説明する制御系の構成については、その一部又は全部を、本実施形態において第3の遊技機として説明するものに適用可能である。すなわち、これらを適宜組合せたものを本実施形態に係る発明とすることができる。
[11-1.パチスロ機の制御系の構成]
まず、図124を参照して、第3の遊技機(パチスロ機)が備える制御系の構成について説明する。図124は、第3の遊技機(パチスロ機)の制御系の構成を示すブロック図である。なお、図124に示す第3の遊技機の制御系内の構成部において、上記図3及び図37でそれぞれ説明した第1及び第2の遊技機の制御系内の構成部と同じ構成部には同じ符号を付し、その構成部の説明を省略する。
第3の遊技機(パチスロ機)は、図124に示すように、主制御部600と、副制御部620と、主制御部600に制御信号線(図124中の実線矢印)により接続された複数の周辺装置と、を含む。
主制御部600は、遊技の進行を制御する構成部であり、主制御基板601と、回胴装置基板602(中継基板)と、ドア中継基板603(中継基板)とを有する。なお、これらの各基板の内部構成については、後で詳述する。
主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間は、光ファイバーケーブル(図124中の二重線矢印)で接続される。具体的には、主制御基板601に設けられた光通信出力用コネクタAが、光ファイバーケーブルを介して回胴装置基板602に設けられた光通信入力用コネクタDに接続され、回胴装置基板602に設けられた光通信出力用コネクタEが、光ファイバーケーブルを介してドア中継基板603に設けられた光通信入力用コネクタFに接続され、ドア中継基板603に設けられた光通信出力用コネクタGが、光ファイバーケーブルを介して主制御基板601に設けられた光通信入力用コネクタBに接続される。
そして、主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間での通信は、一方向通信とし、主制御基板601から送信されたデータは、回胴装置基板602及びドア中継基板603の順に伝送され、最後には、ドア中継基板603から主制御基板601に伝送される。すなわち、主制御基板601から送信されたデータは、回胴装置基板602及びドア中継基板603をこの順で巡回して、主制御基板601に戻る。また、各基板間におけるデータの通信は、同期シリアル通信であり、後述のメインCPU(後述の図131参照)で行われる定期割込処理の周期(1割込時間:1.1172ms)以下の間隔で実施される。
なお、第3の遊技機では、主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間を光ファイバーケーブルで接続する例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、接続可能な通信ケーブル(ハーネス)を用いて、これらの3つの基板間を接続してもよい。また、第3の遊技機では、上述のように、伝送データが、主制御基板601から回胴装置基板602及びドア中継基板603をこの順で巡回して、主制御基板601に戻る例を説明するが、本発明はこれに限定されず、伝送データが、主制御基板601からドア中継基板603及び回胴装置基板602をこの順で巡回して、主制御基板601に戻るような構成にしてもよい。この場合には、図124に示すブロック図において、主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間を接続する二重線矢印の方向(光ファイバーケーブルを介する通信方向)が逆になるように、光ファイバーケーブルの各基板への接続態様を適宜変更する。
副制御部620は、主制御部600からの指令に応じて図示しない各種演出装置(例えば、表示装置、スピーカ、ランプ、役物等)を制御する構成部であり、サブ中継基板621と、サブ制御基板622と、VDP基板623とを有する。なお、副制御部620の内部構成については、後で詳述する。
第3の遊技機では、主制御基板601に設けられた光通信出力用コネクタCが、光ファイバーケーブル(図124中の二重線矢印)を介してサブ中継基板621に設けられた光通信入力用コネクタHに接続され、主制御部600と副制御部620との間の通信は、主制御部600から副制御部620への一方向通信である。また、主制御部600及び副制御部620間におけるデータの通信は、非同期シリアル通信である。なお、第3の遊技機では、主制御部600及び副制御部620間を光ファイバーケーブルで接続する例を説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、接続可能な通信ケーブルを用いて、主制御部600及び副制御部620間を接続してもよい。
複数の周辺装置には、主制御部600に接続される、ホッパー装置32(メダル補助収納庫33を含む)、設定用鍵型スイッチ52、外部集中端子板55が含まれる。また、複数の周辺装置には、回胴装置基板602に接続される、左リール3L(第1回胴)、中リール3C(第2回胴)、右リール3R(第3回胴)が含まれる。さらに、複数の周辺装置には、ドア中継基板603に接続される、情報表示装置14(LED状態表示装置)、メダルセンサ31S(メダルセレクタ)、ストップスイッチ8S(停止スイッチ基板)、精算スイッチ9S(精算ボタン9)、スタートスイッチ7S(スタートレバー7)、エラー解除スイッチ57(リセットスイッチ53)、ドア開閉監視スイッチ56が含まれる。
第3の遊技機では、図124に示すように、主制御基板601、回胴装置基板602、ドア中継基板603及びサブ中継基板621には、それぞれ、第1HB-LSI(Hybrid‐Large Scale Integration)611、第2HB-LSI612、第3HB-LSI613及び第4HB-LSI614が実装される。各HB-LSIは、通信機能、データのポート入出力機能、乱数発生機能、LED駆動機能等の複数種の機能を備えるLSI(ASIC:Application Specific Integrated Circuit(特定用途向け集積回路))である。
そして、第3の遊技機では、第1HB-LSI611、第2HB-LSI612、第3HB-LSI613及び第4HB-LSI614として、同じ構成(仕様)のHB-LSIを使用する。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、実装される基板の種別に応じて、基板毎に異なる構成(仕様)のHB-LSIを使用してもよい。
第3の遊技機では、上述した主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間の通信態様から、主制御基板601に設けられた第1HB-LSI611はマスター設定され、第2HB-LSI612及び第3HB-LSI613はスレーブ設定される。また、第3の遊技機では、主制御部600と副制御部620との間の通信は、主制御部600から副制御部620への一方向通信であるので、サブ中継基板621に設けられた第4HB-LSI614もスレーブ設定される。なお、第3の遊技機で用いられるHB-LSIの内部構成については、後で詳述する。
また、第3の遊技機では、主制御部600(主制御基板601)は、試射試験用の制御信号線(図124中の破線矢印)により、パチスロ機の検定試験(試射試験)に用いられる試験機用第1インターフェースボード301(中継基板)に接続される。さらに、主制御部600(主制御基板601)は、試験機用第1インターフェースボード301とは別個に、試験内容に応じて、試験機用第2インターフェースボード302、又は、試験機用第3インターフェースボード303に接続される。試験機用第2インターフェースボード302は最大出玉試験用の中継基板であり、試験機用第3インターフェースボード303は最小出玉試験用の中継基板であり、この両基板が、同時に主制御部600に接続されることは無い。なお、いずれの試験内容においても、試験機用第1インターフェースボード301は、主制御部600に接続される。
なお、第3の遊技機の制御系は、メダルレス遊技機にも適用可能であり、第3の遊技機がメダルレス遊技機である場合には、メダル数制御基板650が中継基板として設けられ、メダル数制御基板650は、制御信号線(図124中の一点鎖線矢印)により主制御部600の主制御基板601に接続される。メダル数制御基板650の構成及び主制御部600との接続態様(図124中の一点鎖線矢印)は、上記第1の遊技機(図34参照)で説明したメダル数制御基板(遊技価値管理装置)のそれらと同様である。
また、第3の遊技機がメダルレス遊技機である場合には、メダルセレクタ及びホッパー装置32(メダル補助収納庫33を含む)は、設けられない、又は、設けられていても主制御部600に接続されない。さらに、第3の遊技機がメダルレス遊技機である場合には、図124には示さないが、メダル数制御基板650は、「サンド」と称される遊技価値提供装置に接続される。この場合、遊技価値提供装置を制御するためのメダル数制御用のマイクロプロセッサ(不図示)を、メダル数制御基板650に設けてもよいし、主制御基板601に設けてもよい。後者の場合、主制御基板601は、遊技制御用のマイクロプロセッサ610及びメダル数制御用のマイクロプロセッサの両方が実装されたメダルレス遊技機専用の主制御基板となる。
[11-2.情報表示装置の構成]
次に、図125及び図126を参照しながら、第3の遊技機で用いられる情報表示装置14の具体的な構成例について説明する。図125は、遊技機が通常(メダルレスでない)の遊技機である場合に用いられる情報表示装置14の一構成例を示す図である。図126は、遊技機がメダルレス遊技機である場合に用いられる情報表示装置14の一構成例を示す図である。
(通常の遊技機で用いられる情報表示装置)
通常の遊技機で用いられる情報表示装置14には、図125Aに示すように、遊技の動作状態を示す各種ランプ(状態表示ランプ)として、「INSERT」ランプ、「START」ランプ、「REPLAY」ランプ、並びに、「1BET」、「2BET」及び「3BET」と表記されたベット数表示用ランプが設けられる。各状態表示用ランプは、1つのLED(Light Emitting Diode)で構成される。
「INSERT」ランプは、メダル投入が可能であるときに点灯するランプであり、「START」ランプは、遊技開始可能となったときに点灯するランプであり、「REPLAY」ランプは、前回の単位遊技でリプレイ役が入賞したことにより再遊技可能である場合に点灯するランプである。また、「1BET」、「2BET」及び「3BET」ランプは、遊技価値(遊技媒体又は貯留)のベット数(遊技価値の投入又はMAXベットボタン6a及び1ベットボタン6bの押下による賭け数)に応じて点灯するランプである。
また、通常の遊技機で用いられる情報表示装置14には、7桁の7セグメントLED(以下、「7セグLED」と称する)が設けられる。なお、各7セグLEDは、図125Bに示す態様で配列された7つのセグメントa~gのLEDで構成される。
7桁の7セグLEDのうち、図中の左側(「CREDIT」表記上)の2桁の7セグLEDで構成されるランプは、パチスロ機の内部に預けられている遊技価値の貯留数(クレジット数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するためのクレジット表示ランプである。
7桁の7セグLEDのうち、図中の右側(「PAY」表記上)の2桁の7セグLEDで構成されるランプは、遊技価値の払出数(付与数)の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための払出表示ランプである。なお、払出表示ランプを構成する2桁の7セグLEDは、エラー発生及びエラー種別の情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するためのエラー表示ランプとしても用いられる。
また、7桁の7セグLEDのうち、中央の3桁の7セグLEDで構成されるランプは、決定された内部当籤役に応じた図柄組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知するための指示モニタである。この指示モニタでは、報知する停止操作の情報と一義的に対応する態様で、3桁の7セグLEDを点灯、点滅又は消灯することにより、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。
なお、指示モニタ(3桁の7セグLED)での停止操作の情報の表示態様は任意であるが、例えば、3桁の7セグLEDのうち、図125A上で、最も左側(3桁目)に位置する7セグLEDで表示される情報を左リール3Lの停止操作に関する情報とし、中央(2桁目)に位置する7セグLEDで表示される情報を中リール3Cの停止操作に関する情報とし、最も右側(1桁目)に位置する7セグLEDで表示される情報を右リール3Rの停止操作に関する情報としてもよい。
具体的には、リールの停止順序が中リール3C、右リール3R及び左リール3Lである場合、指示モニタ(3桁の7セグLED)の中央(2桁目)に位置する7セグLEDにおいて、第1停止対象となる中リール3Cの停止操作(ストップボタン8Cの押下示唆)に関する情報として「1」を表示し、右側(1桁目)に位置する7セグLEDにおいて、第2停止対象となる右リール3Rの停止操作(ストップボタン8Rの押下示唆)に関する情報として「2」を表示し、左側(3桁目)に位置する7セグLEDにおいて、第3停止対象となる左リール3Lの停止操作(ストップボタン8Lの押下示唆)に関する情報として「3」を表示する。
また、例えば、指示モニタ(3桁の7セグLED)の中央(2桁目)に位置する7セグLEDのみを使用して、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの停止操作に関する情報を表示してもよい。具体的には、中央(2桁目)に位置する7セグLEDにおいて、例えば、「1」と表示した場合には、その情報を左リール3Lに対する停止操作(ストップボタン8Lの押下示唆)に関する情報とし、「2」と表示した場合には、その情報を中リール3Cに対する停止操作(ストップボタン8Cの押下示唆)に関する情報とし、「3」と表示した場合には、その情報を右リール3Rに対する停止操作(ストップボタン8Rの押下示唆)に関する情報とする。
(メダルレス遊技機で用いられる情報表示装置)
メダルレス遊技機で用いられる情報表示装置14は、図126に示すように、状態表示モニタ14aと、指示モニタ14bとを有する。なお、第3の遊技機では、状態表示モニタ14a及び指示モニタ14bは、遊技機の台座部上において、それぞれ別体として配置される。
状態表示モニタ14aには、遊技の動作状態を示す状態表示ランプとして、「START」ランプ、「REPLAY」ランプ、「1BET」ランプ、「2BET」ランプ及び「3BET」ランプが設けられる。なお、各ランプは一つのLED(セグメント)で構成される。さらに、状態表示モニタ14aには、遊技価値の貯留数(クレジット数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示(報知)するための5桁の7セグLEDが設けられる。なお、遊技価値の払出数(付与数)は、クレジット数に加算され、加算結果が5桁の7セグLEDに表示される。
指示モニタ14bは、3桁の7セグLEDで構成され、決定された内部当籤役に応じた図柄組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する。なお、指示モニタ14bの構成は、上述した通常の遊技機で用いられる指示モニタの構成と同様であり、指示モニタ14bを構成する各桁の7セグLEDの構成も、通常の遊技機のそれ(図125A参照)と同様である。
[11-3.HB-LSIの構成]
次に、第3の遊技機で用いられるHB-LSI(第1HB-LSI611~第4HB-LSI614)の構成例について説明する。なお、上述のように、第3の遊技機で用いられる第1HB-LSI611~第4HB-LSI614は、互いに同じ構成のLSIであるので、ここでは、説明の便宜上、これらのHB-LSIをHB-LSI700と記す。
図127は、HB-LSI700の内部構成を示すブロック図である。HB-LSI700(入出力通信手段)は、図127に示すように、シリアルバス通信回路701(第1通信部)と、非同期シリアル通信回路702(第2通信部)と、LED駆動回路703(表示駆動部)と、7セグ用キャラクタデータ記憶部704と、PIO(Parallel Input/Output)回路705(信号入出力部)と、コントローラ706と、外部バスインターフェース707(以下では、「外部バスI/F」と称する)と、乱数発生回路708(乱数発生部)と、を有する。そして、HB-LSI700を構成するこれらの各部は内部バス709を介して互いに接続されている。
(シリアルバス通信回路)
シリアルバス通信回路701は、シリアルバス通信回路701が実装された基板と外部の基板との間において同期式のシリアルバス通信を行う際に、データの通信(送受信)動作を制御する回路である。第3の遊技機では、同期式の通信方式として、クロック同期式による2線式(I2C準拠)のシリアル通信方式を採用するが、クロック同期式による3線式(SPI準拠)のシリアル通信方式を採用してもよい。
シリアルバス通信回路701は、HB-LSI700の「OP_I」端子(入力端子)及び「OP_O」端子(出力端子)に接続される。「OP_I」端子(入力端子)は、HB-LSI700が実装された基板において同期シリアル通信で使用される光通信入力用コネクタに接続可能であり、「OP_O」端子(出力端子)は、当該基板において同期シリアル通信で使用される光通信出力用コネクタに接続可能である(後述の図131~図133参照)。例えば、HB-LSI700が主制御基板601に実装された第1HB-LSI611(マスター)である場合には、第1HB-LSI611のシリアルバス通信回路701の「OP_I」端子は、主制御基板601の光通信入力用コネクタBに接続され、「OP_O」端子は、主制御基板601の光通信出力用コネクタAに接続される(後述の図131参照)。
(非同期シリアル通信回路)
非同期シリアル通信回路702(UART:Universal Asynchronous Receiver Transmitter)は、非同期シリアル通信回路702が実装された基板と外部の基板との間において非同期式のシリアル通信を行う際に、データの通信(送受信)動作を制御する回路である。具体的には、非同期シリアル通信回路702は、主に、調歩同期方式により、シリアル信号をパラレル信号に変換する処理、及び、その逆方向の信号変換処理を行う。また、第3の遊技機では、非同期シリアル通信回路702は、固定長データの送受信だけでなく、可変長データの送受信にも対応可能である。なお、非同期シリアル通信回路702の内部構成及び各種機能については、後で詳述する。
非同期シリアル通信回路702は、HB-LSI700の「O_RX」端子(受信端子)及び「O_TX」端子(送信端子)に接続される。「O_RX」端子(受信端子)は、HB-LSI700が実装された基板において非同期シリアル通信で使用される光通信入力用コネクタに接続可能であり、「O_TX」端子(送信端子)は、当該基板において非同期シリアル通信で使用される光通信出力用コネクタに接続可能である(後述の図131及び図134参照)。
なお、第3の遊技機では、上述のように、主制御部600(主制御基板601)と副制御部620(サブ中継基板621)との間で、非同期シリアル通信を行うので、非同期シリアル通信回路702は、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611(マスター)、及び、サブ中継基板621に実装された第4HB-LSI614(スレーブ)において使用される。それゆえ、第1HB-LSI611(マスター)の非同期シリアル通信回路702は、第1HB-LSI611の「O_TX」端子を介して主制御基板601の光通信出力用コネクタC(後述の図131参照)に接続される。また、第4HB-LSI614(スレーブ)の非同期シリアル通信回路702は、第4HB-LSI614の「O_RX」端子を介して、サブ中継基板621の光通信入力用コネクタHに接続される(後述の図134参照)。
(LED駆動回路、7セグ用キャラクタデータ記憶部)
LED駆動回路703は、外部に設けられたLED装置(7セグLED、1つのLEDで構成されたランプを含む)を制御するためのLEDドライバ回路である。なお、第3の遊技機では、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613のLED駆動回路703が、ドア中継基板603に接続された情報表示装置14に設けられた7セグLEDや状態表示ランプの表示動作を制御する際に使用される。
LED駆動回路703は、HB-LSI700の「POa」~「POg」端子及び「AS0」~「AS15」端子に接続され、これらの端子は、制御対象となる外部のLED装置(第3の遊技機では、情報表示装置14)に接続される。具体的には、「POa」~「POg」端子は、LED装置(情報表示装置14)に含まれる各7セグLEDを構成するセグメントa~セグメントg(図125B参照)のカソード、及び、各状態表示ランプ(図125A及び図126参照)のカソードに接続され、「AS0」~「AS15」端子は、各LEDのアノードに接続される(カソードコモン接続方式)。そして、「POa」~「POg」端子には、7セグLEDで実際に表示する情報(数字や文字)の態様に対応するデータ(キャラクタデータ)や、各状態表示ランプのオン/オフデータがセットされ、「AS0」~「AS15」端子には、制御対象となる外部の7セグLED装置をダイナミック制御方式で制御する際のアノード選択用の制御信号がセットされる。なお、「POa」~「POg」端子及び「AS0」~「AS15」端子を介する、第3HB-LSI613のLED駆動回路703と情報表示装置14との接続態様は、遊技機がメダルレス遊技機であるか否かに応じて変化するが、その接続態様については後で詳述する。
7セグ用キャラクタデータ記憶部704は、HB-LSI700がシリアルバス通信回路701を介して取得した表示データを、7セグLEDで実際に表示される情報(数字や文字)の態様、すなわち、各7セグLEDを構成するセグメントa~セグメントgの点灯/消灯態様に対応するキャラクタデータに変換するためのデータが記憶される。具体的には、シリアルバス通信回路701を介して取得した表示データ(例えば、後述の図144中の「7セグ表示データ」等)と、7セグLEDでの実際の表示態様に対応するキャラクタデータとの対応関係が7セグ用キャラクタデータ記憶部704に格納されている。
なお、第3の遊技機では、HB-LSI700において、シリアルバス通信回路701を介して取得された2バイトの表示データを、2桁の7セグLED表示用のキャラクタデータに変換する。それゆえ、7セグ用キャラクタデータ記憶部704内には、取得された2バイトの表示データと、2桁の7セグLED表示用のキャラクタデータとの対応関係を規定したデータテーブル(不図示:以下、「対応データテーブル」と称する)が格納されている。
例えば、シリアルバス通信回路701を介して取得する2バイトの表示データ「0AH」と、2桁の7セグLEDで「10」という数字を表示するためのキャラクタデータとが対応付けられて対応データテーブルに格納されているものとする。この場合、HB-LSI700(シリアルバス通信回路701)において7セグLED表示用の2バイトの表示データとして「0AH」を受信すれば、HB-LSI700では、対応データテーブルに基づいて、この2バイトの表示データを、2桁の7セグLEDで「10」という数字を表示させるためのキャラクタデータに変換する。
また、例えば、シリアルバス通信回路701を介して取得する2バイトの表示データ「75H」と、2桁の7セグLEDで「EE」という文字を表示するためのキャラクタデータとが対応付けられて対応データテーブルに格納されているものとする。この場合、HB-LSI700(シリアルバス通信回路701)において7セグLED表示用の2バイトの表示データとして「75H」を受信すれば、HB-LSI700では、対応データテーブルに基づいて、この2バイトの表示データを、2桁の7セグLEDで「EE」という文字を表示させるためのキャラクタデータに変換する。
また、例えば、シリアルバス通信回路701を介して取得する2バイトの表示データ「01H」と、2桁の7セグLEDで「 1」(1桁目が「1」、2桁目が「ブランク」)という文字を表示するためのキャラクタデータとが対応付けられて対応データテーブルに格納されているものとする。この場合、HB-LSI700(シリアルバス通信回路701)において7セグLED表示用の2バイトの表示データとして「01H」を受信すれば、HB-LSI700では、対応データテーブルに基づいて、この2バイトの表示データを、2桁の7セグLEDで「 1」という文字を表示させるためのキャラクタデータに変換する。
また、図127には示さないが、HB-LSI700には、シリアルバス通信回路701を介して取得する2バイトの表示データ(後述の図144中の「7セグ表示データ」、「状態表示データ」)を格納するための複数のセグレジスタが設けられる。具体的には、5つの2バイト長の第1セグレジスタ0~4と、3つの2バイト長の第2セグレジスタ0~2とが、HB-LSI700に設けられる。各セグレジスタでは、最大2桁分の7セグLEDの表示データを格納可能である。
第1セグレジスタ0~4は、主に、通常の遊技機用の2バイトの表示データが格納されるセグレジスタであり、第2セグレジスタ0~2は、メダルレス遊技機用の2バイトの表示データが格納されるセグレジスタである。すなわち、第3の遊技機では、HB-LSI700は、通常の遊技機用の情報表示装置14(図125参照)だけでなく、メダルレス遊技機用の情報表示装置14(図126参照)にも対応可能な構成となっている。なお、後述するように、第1セグレジスタ2及び3には、情報表示装置14に含まれる指示モニタの点灯/消灯を制御するための表示データがセットされ、第1セグレジスタ4には、情報表示装置14に含まれる各状態表示ランプ(LED)の点灯/消灯を制御するための表示データがセットされるので、第1セグレジスタ2~4は、通常の遊技機及びメダルレス遊技機の両方において兼用される。
ここで、第3の遊技機で実行される7セグLED用キャラクタデータへの変換動作から7セグLED用キャラクタデータのセット動作までの流れを簡単に説明する。第3の遊技機では、まず、HB-LSI700(第3HB-LSI613)のシリアルバス通信回路701を介して取得した7セグLED用の表示データ(2バイト)は、第1セグレジスタ又は第2セグレジスタにセットされる。この際、遊技機が通常の遊技機である場合には、シリアルバス通信回路701を介して取得した7セグLED用の表示データ(2バイト)は、第1セグレジスタ0~3のいずれかにセットされる。一方、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、シリアルバス通信回路701を介して取得した7セグLED用の表示データ(2バイト)は、第1セグレジスタ2~3及び第2セグレジスタ0~2のいずれかにセットされる。
次いで、コントローラ706の制御により、7セグ用キャラクタデータ記憶部704に格納された対応テーブルデータに基づいて、第1セグレジスタ又は第2セグレジスタにセットされた表示データが、7セグLEDで実際に表示される情報(数字や文字)に対応するキャラクタデータに変換される。そして、変換されたキャラクタデータが、LED駆動回路703を介してHB-LSI700(第3HB-LSI613)の「POa」~「POg」端子にセットされる。なお、この際、HB-LSI700の「AS0」~「AS15」端子には、現時点における7セグLEDのダイナミック制御状態に対応するアノード選択用の制御信号がセットされる。
(PIO回路)
PIO回路705は、HB-LSI700の「PI0」~「PI15」端子(入力端子)、「PO0」~「PO15」端子(出力端子)及び「S0」~「S2」端子(アドレス設定用の入力端子)に接続され、これらの端子を介して信号(情報)の入力及び出力を行うポート入出力回路である。
「PI0」~「PI15」端子は、外部装置、スイッチ、基板等の周辺装置(入力周辺装置)からPIO回路705に信号が入力される際に使用される端子であり、「PO0」~「PO15」端子は、PIO回路705から外部装置、基板等の周辺装置(出力周辺装置)に信号を出力する際に使用される端子である。
また、「S0」~「S2」端子には、5V電源又はGND(グランド)に接続される。「S0」端子は、HB-LSI700が主制御部600(メイン側)のLSIであるか、副制御部620(サブ側)のLSIであるかを設定するための端子(メイン・サブ切り替え端子)であり、メイン側のHB-LSI700の「S0」端子に5V電源及びGNDの一方を接続(メイン設定)した場合には、サブ側のHB-LSI700の「S0」端子には5V電源及びGNDの他方が接続(サブ設定)される。また、「S1」及び「S2」端子は、HB-LSI700のアドレス設定用端子であり、「S1」に設定された5V電源又はGNDと、「S2」端子に設定された5V電源又はGNDとの組み合わせによりアドレス設定が行われる。
スレーブ設定されたHB-LSI700において、マスター設定されたHB-LSI700からシリアルバス通信回路701で受信したデータを周辺装置に出力する場合には、PIO回路705は、シリアルバス通信回路701で受信したデータをポート出力データとして「PO0」~「PO15」端子にセットして出力する。また、スレーブ設定されたHB-LSI700において、周辺装置から「PI0」~「PI15」端子を介して入力されたデータをマスター設定されたHB-LSI700に送信する場合には、PIO回路705は、「PI0」~「PI15」端子を介して入力されたデータ(ポート入力データ)をシリアルバス通信回路701の送信データとしてセットする。
なお、第3の遊技機では、マイクロプロセッサ610のメインCPUと、マスター設定されたHB-LSI700(第1HB-LSI611)との間は、HB-LSI700に内蔵の外部バスI/F707、後述のバス606(データバス、アドレスバス等を含む)及びメインCPUに内蔵の外部バスI/Fを介して接続されている。それゆえ、メインCPUは、HB-LSI700内の「PI0」~「PI15」端子及び「PO0」~「PO15」端子に対してデータのポート入出力を行うことが可能である。すなわち、メインCPUは、HB-LSI700をPIO回路として使用することが可能である。
(コントローラ)
コントローラ706は、HB-LSI700が内蔵する各回路の動作(機能)を制御するための制御装置である。
(外部バスI/F)
外部バスI/F707は、データバス、アドレスバス等を含み、ホスト側の装置(メインCPU、サブCPU)と、バスを介して、データの入出力制御を行うための回路である。外部バスI/F707は、HB-LSI700に設けられた「D0」~「D7」端子及び「A0」~「A15」端子に接続される。「D0」~「D7」端子は、外部の装置等と外部バスI/F707を介してデータの入出力を行う際に使用される端子であり、「A0」~「A15」端子は、外部の装置等と外部バスI/F707を介してアドレスデータの入出力を行う際に使用される端子である。
なお、ここでは、外部バスI/F707において、データの入出力に使用する端子(データバスの端子)の数を8個(8ビット分の入出力端子)とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、データの入出力に使用する端子(データバスの端子)の数を16個(16ビット分の入出力端子)としてもよい。また、ここでは、外部バスI/F707において、アドレスデータの入出力に使用する端子(アドレスバスの端子)の数を16個(16ビット分の入出力端子)とする例を説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、アドレスの入出力に使用する端子(データバスの端子)の数を32個(32ビット分の入出力端子)としてもよい。
(乱数発生回路)
乱数発生回路708は、16ビットの乱数値を発生させるための回路である。第3の遊技機では、乱数発生回路708が使用されるHB-LSI700は、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611であり、第1HB-LSI611の乱数発生回路708では、内部当籤役の抽籤で使用される乱数値を発生させる。なお、乱数発生回路708の内部構成及び動作内容については、後で詳述する。
(HB-LSIの特徴のまとめ)
従来の遊技機のメイン側の各基板では、乱数発生回路、PIO回路、及び、マスター・スレーブ間のシリアルバス通信回路を備えるASIC(マスター)、PIO回路、マスター・スレーブ間のシリアルバス通信回路、及び、LED駆動回路を備えるASIC(スレーブ)、並び、メイン・サブ間の非同期シリアル通信回路(暗号化通信回路)を備えるASIC(セキュリティLSI)がそれぞれ別個に設けられている。それに対して、第3の遊技機のメイン側の各基板では、上述のように、乱数発生回路708、PIO回路705、マスター・スレーブ間のシリアルバス通信回路701、LED駆動回路703、及び、メイン・サブ間の非同期シリアル通信回路702(可変長データに対応可能)を、一つのHB-LSI700内に搭載する。
すなわち、第3の遊技機のメイン側の各基板では、HB-LSI700の構成は、従来の3種類のASICを一つにまとめた構成となる。また、第3の遊技機では、HB-LSI700のマスター及びスレーブの設定切り替えは、PIO回路705の「S0」~「S2」端子に入力される信号(電圧)の組み合わせ(電圧の印加態様)により行われる。
[11-3-1.非同期シリアル通信回路の内部構成]
第3の遊技機では、上述のように、HB-LSI700が内蔵する非同期シリアル通信回路702は、メイン・サブ間の通信(通信速度:230400bps~460800bps)で使用される通信回路である。それゆえ、非同期シリアル通信回路702は、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611(マスター)、及び、サブ中継基板621に実装された第4HB-LSI614(スレーブ)において使用される。
なお、主制御部600から副制御部620に、非同期シリアル通信で送信されるデータ(コマンドデータ)は、遊技の状況に関する各種データ(後述の図137中の「d1」~「dn」:以下、「遊技制御データ」と称する)と、送信データのスタートを示すデータ(後述の図137中の「STX(Start of Text)」:以下、「スタートデータ」と称する)と、送信データのエンドを示すデータ(後述の図137中の「ETX(End of Text)」:以下、「エンドデータ」と称する)と、遊技制御データの転送に伴い発生する異常を検出するための誤り検出符号データ(後述の図137中の「CRC(Cyclic Redundancy Check:巡回冗長検査)16」)と、で構成される。
また、第3の遊技機では、送信データ(コマンドデータ)の生成において、遊技制御データに対してDLE(Data Link Escape)制御を行う機能(データ変換機能)が設けられている。遊技制御データが、スタートデータ(7EH)又はエンドデータ(7FH)と同じである場合には、遊技制御データにDLE制御(変換)が適用され、変換前の遊技制御データは、DLE制御されたことを示すデータ(7DH:以下、「DLEデータ」と称する)と変換後の遊技制御データとの組み合わせで置き換えられる。また、第3の遊技機では、遊技制御データがDLEデータ(7DH)である場合にも、遊技制御データに対してDLE制御(変換)が行われる。なお、コマンドデータの構成及びDLE制御の内容については、後で詳述する。
図128は、非同期シリアル通信回路702の内部構成を示すブロック図である。非同期シリアル通信回路702は、図128に示すように、第1データセットレジスタ711(第1レジスタ)と、第2データセットレジスタ712(第2レジスタ)と、データリードレジスタ713と、ステータス監視回路714と、ボーレート生成回路715と、オプション付与/チェック回路716と、CRC16生成/チェック回路717と、送信データバッファ718(データバッファ)と、送信シフトレジスタ719と、受信シフトレジスタ720と、受信データバッファ721と、を有する。
(第1データセットレジスタ、第2データセットレジスタ、データリードレジスタ)
第1データセットレジスタ711は、外部に送信する遊技制御データを格納(セット)し、格納した遊技制御データを送信データバッファ718に出力して書き込むレジスタである。第1データセットレジスタ711には、送信する1パケットの遊技制御データ群に含まれる複数の遊技制御データのうち、最初に送信される遊技制御データ(以下、「最初の遊技制御データ」と称する)から最後に送信される遊技制御データ(以下、「最後の遊技制御データ」と称す)の一つ前に送信される遊技制御データまでの各遊技制御データが順次格納される。なお、第1データセットレジスタ711への遊技制御データのセット処理は、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により制御される。
第2データセットレジスタ712もまた、第1データセットレジスタ711と同様に、外部に送信する遊技制御データを格納し、格納したデータを送信データバッファ718に出力して書き込むレジスタである。第2データセットレジスタ712には、送信する1パケットの遊技制御データ群に含まれる最後の遊技制御データが格納される。なお、第2データセットレジスタ712への遊技制御データのセット処理は、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により制御される。
また、第3の遊技機では、第2データセットレジスタ712に最後の遊技制御データが格納されたことにより1パケットの遊技制御データ群の書き込み完了が判断される。それゆえ、第2データセットレジスタ712による遊技制御データの格納及び送信データバッファ718への書き込みにより、送信されるコマンドデータ(遊技制御データ+スタートデータ+エンドデータ+誤り検出符号データ)のデータ長が確定する。なお、第3の遊技機では、非同期シリアル通信回路702で送受信される1パケットの遊技制御データ群のデータ長を可変長とすることができ、その最大データ長は32バイトである。
なお、第3の遊技機では、送信データバッファ718へ書き込まれる1パケットのデータサイズを格納(カウント)する送信パケットデータカウンタ(不図示)が、送信データバッファ718に書き込まれたパケット数分、設けられる。そして、送信パケットデータカウンタは、第2データセットレジスタ712により最後の遊技制御データが送信データバッファ718に書き込まれた時点で、第1データセットレジスタ711により送信データバッファ718に遊技制御データが書き込まれた回数(バイト数)に第2データセットレジスタ712により送信データバッファ718に遊技制御データが書き込まれた回数(1回)を加算した回数がセットされる。また、この際、次に送信する1パケットの送信データで使用される送信パケットデータカウンタが初期化(「0」がセット)される。例えば、送信データバッファ718に5パケット分の遊技制御データが書き込まれている場合、5つ目の送信パケットデータカウンタに1パケットのデータサイズがセットされると、6つ目の送信パケットデータカウンタが初期化される。
そして、送信パケットデータカウンタの値は、対応する1パケットの送信データ内の1バイトの遊技制御データが送信される度に、1減算(更新)される。なお、送信データバッファ718に書き込まれた遊技制御データがDLE制御対象のデータである場合には、DLEデータの送信時には送信パケットデータカウンタの値は減算されず、DLE制御(変換)後の遊技制御データの送信時に送信パケットデータカウンタの値は1減算される。
第3の遊技機では、遊技制御データ群の最小サイズを2バイトとする例を説明し、また、例えば、5バイトの遊技制御データ群を、送信データバッファ718に書き込む場合、1バイト目~4バイト目の遊技制御データを第1データセットレジスタ711にセットして送信データバッファ718へ書き込み、5バイト目の遊技制御データを第2データセットレジスタ712にセットして送信データバッファ718に書き込む構成例を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技制御データ群の最小サイズを1バイトとしてもよく、この場合には、1バイトの遊技制御データ群を送信データバッファ718に書き込む際、第1データセットレジスタ711を使用することなく、第2データセットレジスタ712に遊技制御データをセットして、送信データバッファ718に書き込む構成になる。
データリードレジスタ713は、外部から受信した遊技制御データを受信データバッファ721から読み出して格納(セット)するレジスタである。なお、データリードレジスタ713にセットされた受信データは、ホスト(第3の遊技機ではサブCPU615)により読み出される。
(ステータス監視回路)
ステータス監視回路714は、非同期シリアル通信回路702での通信状態を監視する回路である。具体的には、ステータス監視回路714は、送信データバッファ718、受信データバッファ721等の状態を監視する。例えば、受信データバッファ721から受信データが全て読み込まれるとステータス監視回路714により監視される受信データの有/無の監視結果は無しになる。
ステータス監視回路714には、送信状態(送信動作)に関する各種情報が格納される1バイト長のステータスレジスタTと、受信状態(受信動作)に関する各種情報が格納される1バイト長のステータスレジスタRとが設けられる。ステータスレジスタTは、送信データバッファ718の状態に関する各種情報をビット毎に格納し、ステータスレジスタRは、受信データバッファ721の状態に関する各種情報をビット毎に格納する。
図129A及び図129Bは、それぞれ、ステータスレジスタT及びステータスレジスタRの構成を示す図である。ステータスレジスタTには、図129Aに示すように、送信状態に関する情報として、「バッファレディ」と称する情報がビット0にセットされ、「バッファエンプティ1」と称する情報がビット1にセットされ、「バッファエンプティ2」と称する情報がビット2にセットされ、「バッファフル」と称する情報がビット3にセットされ、「転送エラー」と称する情報がビット4にセットされ、「アクセスプロテクト」と称する情報がビット5にセットされ、そして、「アクティブ」と称する情報がビット6にセットされる。なお、ステータスレジスタTのビット7は未使用である。
なお、第3の遊技機では、ステータスレジスタTに格納される送信状態に関する各種情報の確認(読み出し)及び設定(書き込み)は、送信動作のホストとなるメインCPUにより実行可能である。ただし、メインCPUは、ステータスレジスタT内のビット0~ビット4に対しては確認(読み出し)のみを行うことができるが(図129A中の「R/-」表記参照)、ビット5~ビット6に対しては確認(読み出し)及び設定(書き込み)の両方を行うことができる(図129A中の「R/W」表記参照)。
ステータスレジスタT内の「バッファレディ」(ビット0)には、送信データバッファ718へのデータの転送(書き込み)受付状態の情報が格納される。受付不可の場合には、「0」(オフ)が「バッファレディ」(ビット0)にセットされ、受付可の場合には、「1」(オン)が「バッファレディ」(ビット0)にセットされる。
ステータスレジスタT内の「バッファエンプティ1」(ビット1)には、送信データバッファ718の状態(空状態であるか否か)の情報が格納される。送信データバッファ718に1パケット(又は1バイト)以上のデータがある場合には、「0」(オフ)が「バッファエンプティ1」(ビット1)にセットされ、送信データバッファ718に1パケット(又は1バイト)のデータもない場合には、「1」(オン)が「バッファエンプティ1」(ビット1)にセットされる。
ステータスレジスタT内の「バッファエンプティ2」(ビット2)には、送信データバッファ718の状態(空状態が一定時間(送信周期=8ms)以上経過したか否か)の情報が格納される。送信データバッファ718に空きが無い、又は、送信データバッファ718が空き状態になってから一定時間経過していない場合には、「0」(オフ)が「バッファエンプティ2」(ビット2)にセットされ、送信データバッファ718が空き状態になってから一定時間経過している場合には、「1」(オン)が「バッファエンプティ2」(ビット2)にセットされる。なお、ステータスレジスタT内の「バッファエンプティ2」(ビット2)を「1」(オン)にセットする条件は、前回、送信データバッファ718に格納された情報を送信してから一定時間(送信周期=8ms)以上経過し、且つ、送信データバッファ718の空き容量が1パケットの最大バイト数(32バイト)以上である、としてもよい。
ステータスレジスタT内の「バッファフル」(ビット3)には、送信データバッファ718に1パケット以上の空きが無いか否かの情報が格納される。送信データバッファ718に1パケット以上の空きがある場合には、「0」(オフ)が「バッファフル」(ビット3)にセットされ、送信データバッファ718に1パケット以上の空きが無い(空きが1パケット未満である)場合には、「1」(オン)が「バッファフル」(ビット3)にセットされる。
なお、「バッファフル」(ビット3)に「1」(オン)がセットされる条件は、次のような各種条件がある。
(1)送信データバッファ718の空き容量が1パケットの最大バイト数(32バイト)未満である場合
(2)送信データバッファ718の空き容量が所定数(16バイト)未満である場合
(3)送信データバッファ718が256バイト分のデータが書き込まれた状態
(4)送信データバッファ718の空き容量が1パケットの最小バイト数(2バイト)未満である場合
第3の遊技機では、条件(1)がバッファフル(ビット3)に「1」(オン)がセットされる条件になるが、ステータス情報として、条件(1)~(4)に対して個々にビットを割り当ててもよい。例えば、ステータスレジスタT以外にステータスレジスタT2を設け、条件(1)をステータスレジスタT2のビット0に割り当て、条件(2)をビット1に割り当て、条件(3)をビット2に割り当て、条件(4)をビット3に割り当ててもよい。この場合、条件(1)~(4)のいずれかの条件が成立した場合、ステータスレジスタTの「バッファフル」(ビット3)に「1」(オン)がセットされ、続いて、ステータスレジスタT2内において、発生した条件(1)~(4)に対応するビットに「1」(オン)がセットされる。このような構成を採用した場合、例えば、メインCPUは、ステータスレジスタT内の「バッファフル」(ビット3)に「1」(オン)がセットされていても、送信したい遊技制御データのサイズが2バイトであれば、ステータスレジスタT2内のビット0(条件1)~2(条件3)に「1」(オン)がセットされていても、ビット3(条件4)が「0」(オフ)であれば、送信データバッファ718に遊技制御データを書き込むことができる。
ステータスレジスタT内の「転送エラー」(ビット4)には、送信データバッファ718へのデータの転送(書き込み)でエラーの発生状態である(転送異常がある)か否かの情報が格納される。転送異常が無い場合には、「0」(オフ)が「転送エラー」(ビット4)にセットされ、転送異常がある場合には、「1」(オン)が「転送エラー」(ビット4)にセットされる。なお、送信データバッファ718に異常がある状態で、遊技制御データの書き込みを行えば、転送異常が発生し、「転送エラー」(ビット4)に「1」(オン)がセットされる。また、送信データバッファ718に異常が無くても、ステータスレジスタT内の「アクセスプロテクト」(ビット5)に「1」(オン)がセットされた状態で、遊技制御データの書き込みを行った場合にも「転送エラー」(ビット4)に「1」(オン)がセットされる。
ステータスレジスタT内の「アクセスプロテクト」(ビット5)には、送信データバッファ718へのアクセス制限の情報が、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により設定(Write)される。アクセス不可の場合には、「アクセスプロテクト」(ビット5)に「0」(オフ)が設定され、アクセス可の場合には、「アクセスプロテクト」(ビット5)に「1」(オン)が設定される。なお、送信データバッファ718へのアクセス可/不可をホスト(メインCPU)が確認(Read)する場合には、ステータスレジスタT内の「アクセスプロテクト」(ビット5)の情報が、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により読み出される。
また、ステータスレジスタT内の「アクティブ」(ビット6)には、送信データバッファ718への送信の有効(送信解除)/無効(送信禁止)の情報が、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により設定(Write)される。送信禁止の場合には、「アクティブ」(ビット6)に「0」(オフ)が設定され、送信解除の場合には、「アクティブ」(ビット6)に「1」(オン)が設定される。なお、送信データバッファ718への送信の有効/無効をホスト(メインCPU)が確認(Read)する場合には、ステータスレジスタT内の「アクティブ」(ビット6)の情報が、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により読み出される。また、メインCPUは、電源投入(電断復帰)時に、一定時間(サブCPU615の起動に要する時間)、ステータスレジスタT内の「アクティブ」(ビット6)を「0」(オフ)に設定し、主制御部600の状態を電断発生前の状態に戻す直前に、「アクティブ」(ビット6)を「1」(オン)に設定して、サブCPU615の起動の安定化を図る。
ステータスレジスタRには、図129Bに示すように、受信状態に関する情報として、「バッファレディ」と称する情報がビット0にセットされ、「バッファエンプティ」と称する情報がビット1にセットされ、「バッファフル」と称する情報がビット2にセットされ、「転送エラー」と称する情報がビット3にセットされ、「受信エラー」と称する情報がビット4にセットされ、「アクセスプロテクト」と称する情報がビット5にセットされ、そして、「アクティブ」と称する情報がビット6にセットされる。なお、ステータスレジスタRのビット7は未使用である。
なお、第3の遊技機では、ステータスレジスタRに格納される受信状態に関する各種情報の確認(読み出し)及び設定(書き込み)は、受信動作のホストとなるサブCPU615により実行可能である。ただし、サブCPU615は、ステータスレジスタR内のビット0~ビット4に対しては確認(読み出し)のみを行うことができるが(図129B中の「R/-」表記参照)、ビット5~ビット6に対しては確認(読み出し)及び設定(書き込み)の両方を行うことができる(図129B中の「R/W」表記参照)。
ステータスレジスタR内の「バッファレディ」(ビット0)には、受信データバッファ721へのデータの転送(書き込み)受付状態の情報が格納される。受付不可の場合には、「0」(オフ)が「バッファレディ」(ビット0)にセットされ、受付可の場合には、「1」(オン)が「バッファレディ」(ビット0)にセットされる。
ステータスレジスタR内の「バッファエンプティ」(ビット1)には、受信データバッファ721の状態(空状態であるか否か)の情報が格納される。受信データバッファ721に1パケット(又は1バイト)以上のデータがある場合には、「0」(オフ)が「バッファエンプティ」(ビット1)にセットされ、受信データバッファ721に1パケット(又は1バイト)のデータもない場合には、「1」(オン)が「バッファエンプティ」(ビット1)にセットされる。
ステータスレジスタR内の「バッファフル」(ビット2)には、受信データバッファ721に1パケット以上の空きが無いか否かの情報が格納される。受信データバッファ721に1パケット以上の空きがある場合には、「0」(オフ)が「バッファフル」(ビット2)にセットされ、受信データバッファ721に1パケット以上の空きが無い(空きが1パケット未満である)場合には、「1」(オン)が「バッファフル」(ビット2)にセットされる。
ステータスレジスタR内の「転送エラー」(ビット3)には、受信データバッファ721へのデータの転送(書き込み)でエラーの発生状態である(転送異常がある)か否かの情報が格納される。転送異常が無い場合には、「0」(オフ)が「転送エラー」(ビット3)にセットされ、転送異常がある場合には、「1」(オン)が「転送エラー」(ビット3)にセットされる。
ステータスレジスタR内の「受信エラー」(ビット4)には、受信時のエラー発生状態である(受信異常がある)か否かの情報が格納される。受信異常が無い場合には、「0」(オフ)が「受信エラー」(ビット4)にセットされ、受信異常がある場合には、「1」(オン)が「受信エラー」(ビット4)にセットされる。「受信エラー」(ビット4)には、例えば、1バイトのデータを受信する度に発生し得るパリティエラー、フレーミングエラー、オーバーランエラー、及び、1パケット分のデータを受信した後にCRC16チェック回路により検出され得るCRCエラー等の受信異常があり、これらの受信異常のうちのいずれか一つが発生した場合に、「受信エラー」(ビット4)に「1」(オン)がセットされる。なお、1パケット分の受信データ(遊技制御データ)の全てにパリティエラー、フレーミングエラー、オーバーランエラーが無ければ、CRC16チェック回路による誤り検出符号データ(CRC)のチェック処理が行われる。
ステータスレジスタR内の「アクセスプロテクト」(ビット5)には、受信データバッファ721へのアクセス制限の情報が、ホスト(第3の遊技機ではサブCPU615)により設定(Write)される。アクセス不可の場合には、「アクセスプロテクト」(ビット5)に「0」(オフ)が設定され、アクセス可の場合には、「アクセスプロテクト」(ビット5)に「1」(オン)が設定される。なお、受信データバッファ721へのアクセス可/不可をホスト(サブCPU615)が確認(Read)する場合には、ステータスレジスタR内の「アクセスプロテクト」(ビット5)の情報が、ホスト(第3の遊技機ではサブCPU615)により読み出される。
また、ステータスレジスタR内の「アクティブ」(ビット6)には、受信データバッファ721への受信の有効(受信解除)/無効(受信禁止)の情報が、ホスト(第3の遊技機ではサブCPU615)により設定(Write)される。受信禁止の場合には、「アクティブ」(ビット6)に「0」(オフ)が設定され、受信解除の場合には、「アクティブ」(ビット6)に「1」(オン)が設定される。なお、受信データバッファ721への送信の有効/無効をホスト(サブCPU615)が確認(Read)する場合には、ステータスレジスタR内の「アクティブ」(ビット6)の情報が、ホスト(第3の遊技機ではサブCPU615)により読み出される。
なお、ホスト(第3の遊技機ではサブCPU615)がステータスレジスタR内の「アクティブ」(ビット6)に「0」(オフ)を設定すると、「O_RX」端子でホストからの伝送データを受信しても、当該受信データは受信シフトレジスタ720にセットされない、又は、当該受信データが受信シフトレジスタ720にセットされても、当該受信データが受信データバッファ721に書き込まれることはない。さらに、この場合には、オプションチェック回路も作動しない。
また、第3の遊技機では、図128には示さないが、非同期シリアル通信回路702内に、1バイトの送信データの数をカウントするための送信データカウンタと、1バイトの受信データの数をカウントするための受信データカウンタとが設けられている。
送信データカウンタは、送信データバッファ718に1バイトのデータが書き込まれる度に1加算され、1バイトのデータが送信(送信シフトレジスタ719にデータをセット、又は、送信シフトレジスタ719からデータを送信)される度に1減算される。ホストとなるメインCPUは、送信データカウンタの値を参照して送信データバッファ718の使用状況を把握し、送信データバッファ718のオーバーフロー発生の有無を判断することができる。なお、送信データバッファ718から読み出された送信データは、読み出された(送信シフトレジスタ719にセットされた)時点で、送信データバッファ718から消去される。
受信データカウンタは、1バイト単位でデータを受信(受信シフトレジスタ720にデータをセット、又は、受信シフトレジスタ720でデータを受信)し、当該1バイトのデータを受信データバッファ721に書き込む度に1加算され、データリードレジスタ713を介して受信データバッファ721から1バイト単位でデータを読み出す度に1減算される。ホストとなるサブCPU615は、受信データカウンタを参照して受信データバッファ721に受信データが有るか否かを把握して、受信データの有無を判断することができる。なお、受信データバッファ721から読み出された受信データは、読み出された時点で、受信データバッファ721から消去される。
送信データカウンタは、ステータスレジスタT(図129A)のビット1(B1)~ビット3(B3)に「1」(オン)、又は、「0」(オフ)をセットするためにも使用され、受信データカウンタは、ステータスレジスタR(図129B)のビット1(B1),ビット2(B2)に「1」(オン)、又は、「0」(オフ)をセットするためにも使用される。
(ボーレート生成回路)
ボーレート生成回路715は、HB-LSI700に供給されるクロック信号(CLK)を分周し、分周したクロック信号から送信用及び受信用のボーレートを生成する。また、ボーレート生成回路715には、生成された送信用ボーレートがセット(格納)されるボーレート設定レジスタT、及び、生成された受信用ボーレートがセットされるボーレート設定レジスタRが設けられている。そして、ボーレート設定レジスタTにセットされた送信用ボーレートは、送信シフトレジスタ719に供給され、ボーレート設定レジスタRにセットされた受信用ボーレートは、受信シフトレジスタ720に供給される。
(オプション付与/チェック回路)
オプション付与/チェック回路716は、オプション付与回路及びオプションチェック回路を有する。
オプション付与回路は、非同期シリアル通信回路702から送信する1パケットの遊技制御データ群に対して、スタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)を付与する。また、オプション付与回路は、遊技制御データに応じてDLE制御(変換)を施して変換後の遊技制御データを生成するとともに、変換後の遊技制御データに対してDLEデータ(7DH)を付与する。さらに、オプション付与回路は、送信する1パケットの遊技制御データ群に対して、後述のCRC16生成回路が生成した誤り検出符号データ(CRC16)を付与する。
オプションチェック回路は、非同期シリアル通信回路702で受信したデータからスタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)をチェック(判別)する処理を行う。また、オプションチェック回路は、非同期シリアル通信回路702で受信した遊技制御データがDLEデータ(7DH)であるか否かのチェック処理を行い、そのチェック処理でDLEデータ(7DH)を検出した場合には、DLEデータの次に受信した遊技制御データ(DLE制御(変換)された遊技制御データ)を元の遊技制御データに復元する。さらに、オプションチェック回路は、非同期シリアル通信回路702で受信したデータから誤り検出符号データ(CRC16)を検出した場合には、後述のCRC16チェック回路に対して誤り検出符号データ(CRC16)の照合(誤り判定)処理をリクエストする。
(CRC16生成/チェック回路)
CRC16生成/チェック回路717は、CRC16生成回路及びCRC16チェック回路を有する。
CRC16生成回路は、送信する1パケットの遊技制御データ群(送信データバッファ718に書き込まれた遊技制御データ群)を用いて、2バイトの誤り検出符号データ(CRC16:誤り検出用データ)を生成(算出)する。第3の遊技機では、後述するように、遊技制御データ群にDLE制御の対象となる遊技制御データが含まれる場合、送信データバッファ718には、DLE制御(変換)前の遊技制御データは書き込まれるが、DLE制御(変換)後の遊技制御データは書き込まれない。それゆえ、第3の遊技機では、誤り検出符号データ(CRC16)は、遊技制御データ群にDLE制御の対象となる遊技制御データが含まれる場合であってもDLE制御(変換)される前の遊技制御データ群を用いて生成される。
なお、本発明はこれに限定されず、遊技制御データ群にDLE制御の対象となる遊技制御データが含まれる場合に非同期シリアル通信回路702から実際に送信される1パケットの遊技制御データ群(DLE制御(変換)後の遊技制御データ及びDLEデータ(7DH)を含む遊技制御データ群:後述の図140B参照)を用いて誤り検出符号データ(CRC16)を生成してもよい。また、送信する1パケットの遊技制御データ群だけでなく、スタートデータ(STX)及びエンドデータ(ETX)を含めて誤り検出符号データ(CRC16)を生成してもよい。
CRC16チェック回路は、受信した1パケットの遊技制御データ群(受信データバッファ721に書き込まれた遊技制御データ)を用いて2バイトの誤り検出符号データ(CRC16)を生成し、当該生成した誤り検出符号データを、受信した2バイトの誤り検出符号データと照合し、照合結果から受信異常の有無をセットする。CRC16チェック回路は、受信異常(CRCエラー)を検出した場合にはステータスレジスタR内の「受信エラー」(ビット4)に「1」をセットする。また、CRC16チェック回路は、受信異常を検出しなかった場合であっても、既に、ステータスレジスタR内の「受信エラー」(ビット4)に「1」がセットされていれば、ビット4の「1」を保持する。
なお、第3の遊技機では、データ通信(転送)に伴い発生する異常のチェック方式としてCRC(巡回冗長検査)を用いる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、遊技制御データ群の通信異常を検出可能なチェック方式であれば任意の方式を採用可能である。例えば、通信異常のチェック方式として、例えば、サム値を用いてもよいし、CRCとサム値とを併用する方式を用いてもよい。
(送信データバッファ、送信シフトレジスタ、受信シフトレジスタ、受信データバッファ)
送信データバッファ718は、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)により第1データセットレジスタ711及び第2データセットレジスタ712を介して書き込まれた遊技制御データを格納する。第3の遊技機では、送信データバッファ718の容量は256バイトとする。なお、上述した送信データカウンタの値は、送信データバッファ718に1バイトの遊技制御データが書き込まれる度に1加算される。
なお、送信データバッファ718には、送信する1パケットの遊技制御データ群に付与されるスタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)、誤り検出符号データ(CRC16)は格納されない。また、第3の遊技機では、送信データバッファ718には、DLE制御(変換)前の遊技制御データは格納されるが、DLEデータ及びDLE制御(変換)後の遊技制御データは格納されない。送信データバッファ718に格納されたDLE制御対象の遊技制御データは、当該遊技制御データの送信時にオプション付与回路によりDLE制御が施され、生成されたDLEデータ及びDLE制御(変換)後の遊技制御データは、送信シフトレジスタ719に直接セットされる。また、スタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)、誤り検出符号データ(CRC16)も同様に送信データバッファ718には格納されず、オプション付与回路により送信シフトレジスタ719にセットされる。
送信シフトレジスタ719は、1バイト長のシフトレジスタで構成される。送信シフトレジスタ719には、非同期シリアル通信回路702により外部に送信するデータがセットされる。そして、送信シフトレジスタ719にセットされたデータは、非同期シリアル通信回路702が接続されたHB-LSI700の「O_TX」端子(送信端子)を介して外部に送信される。
受信シフトレジスタ720は、1バイト長のシフトレジスタで構成される。受信シフトレジスタ720には、非同期シリアル通信回路702が接続されたHB-LSI700の「O_RX」端子(受信端子)を介して受信したデータがセットされる。
受信データバッファ721は、受信シフトレジスタ720により書き込まれた遊技制御データを格納する。第3の遊技機では、受信データバッファ721の容量は256バイトとする。
なお、受信データバッファ721には、受信する1パケットの遊技制御データ群に付与されたスタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)、誤り検出符号データ(CRC16)は格納されない。また、第3の遊技機では、受信データバッファ721には、受信したDLEデータ及びDLE制御(変換)後の遊技制御データは格納されない。受信シフトレジスタ720にセットされた受信データがDLEデータである場合には、当該DLEデータの次の受信データ(遊技制御データ)をDLE制御(変換)前の遊技制御データに復元し、当該復元された遊技制御データが受信データバッファ721に格納される。
なお、第3の遊技機では、受信データバッファ721へ書き込まれる1パケットのデータサイズを格納(カウント)する受信パケットデータカウンタ(不図示)が、受信データバッファ721に書き込まれたパケット数分、設けられる。例えば、受信データバッファ721に3パケット分の遊技制御データが書き込まれた場合には、3つの受信パケットデータカウンタが設けられる。そして、受信パケットデータカウンタでは、スタートデータ(STX)を受信したタイミングを契機としてカウントが開始(受信パケットデータカウンタに「0」がセット)され、受信シフトレジスタ720にエンドデータ(ETX)がセットされた時点で、遊技制御データが書き込まれた回数(バイト数)が受信データバッファ721にセットされる。なお、上述の送信データカウンタ、受信データカウンタ、複数の送信パケットデータカウンタ及び複数の受信パケットデータカウンタは、HB-LSI700内のRAM(不図示)、又は、非同期シリアル通信回路702のRAM(不図示)に設けられている。
(非同期シリアル通信回路での送信動作)
ここで、非同期シリアル通信回路702で行われるデータの送信動作について説明する。第3の遊技機では、メインCPU(マイクロプロセッサ610)に内蔵の非同期シリアル通信回路(SCU)を使用せずに、主制御部600に内蔵のHB-LSI700(第1HB-LSI611)を用いて、主制御部600から副制御部620に遊技制御データ(コマンドデータ)を送信する。
非同期シリアル通信回路702からデータを外部に送信する場合、送信データバッファ718にセットされた遊技制御データ群(1パケット分の遊技制御データ)に対して、オプション付与回路によりスタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)、誤り検出符号データ(CRC16)を付与すると共に、必要に応じて遊技制御データ群の一部の遊技制御データに対してDLE制御を行う。そして、その後、送信データを順次、送信シフトレジスタ719にセットして、外部(第3の遊技機では副制御部620)にデータが送信される。
具体的には、まず、送信開始時に、送信データバッファ718に格納された最初の遊技制御データを送信する前に、オプション付与回路が、スタートデータ(STX)を送信シフトレジスタ719にセットして送信する。次いで、オプション付与回路が、CRC16生成回路が生成した誤り検出符号データ(CRC16)を送信シフトレジスタ719にセットして送信する。
次いで、送信データバッファ718に格納された最初の遊技制御データから順次(送信順序に従って)、遊技制御データを送信シフトレジスタ719にセットして送信する。この際、送信データバッファ718の遊技制御データが、DLEデータ(7DH)、スタートデータ(7EH)及びエンドデータ(7FH)のいずれかである場合には、オプション付与回路は、当該遊技制御データに対してDLE制御(変換)を行い、DLEデータを送信シフトレジスタ719にセットして送信し、その後、DLE制御(変換)後の遊技制御データを送信シフトレジスタ719にセットして送信する。
そして、送信データバッファ718に最後の遊技制御データが格納され(対応する送信パケットデータカウンタの値が「1」から「0」になり)、当該最後の遊技制御データが送信シフトレジスタ719にセットされて送信された後、オプション付与回路が、エンドデータ(ETX)を送信シフトレジスタ719にセットして送信する。
また、送信データバッファ718に1パケット以上の遊技制御データ群が格納されていれる場合には、8ms間隔で、上述した送信動作で、送信データバッファ718に格納された順に1パケット単位で遊技制御データ群(コマンドデータ)が送信される。
(非同期シリアル通信回路での受信動作)
次に、非同期シリアル通信回路702で行われるデータの受信動作について説明する。非同期シリアル通信回路702でデータを受信する場合、受信シフトレジスタ720にセットされた受信データに対してデータ種別のチェック処理(判別処理)が行われる。このチェック処理で、受信データが遊技制御データであれば、当該遊技制御データが受信データバッファ721に書き込まれる(受信データカウンタ及び受信パケットデータカウンタの値が1加算される)が、受信データがスタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)及び誤り検出符号データ(CRC16)である場合には、これらのデータは受信データバッファ721に書き込まれない。また、この際、受信シフトレジスタ720にセットされた受信データがDLE制御された遊技制御データであれば、復元された遊技制御データが受信データバッファ721に書き込まれる。
具体的には、まず、受信開始時に、最初に受信シフトレジスタ720(1バイト受信)にセットされた受信データに対して、オプションチェック回路が、スタートデータ(STX)であるか否かを確認し、スタートデータ(STX)であれば、その次に受信シフトレジスタ720にセットされた2バイト分の受信データをCRC16チェック回路が誤り検出符号データ(CRC16)として取得する。
次いで、誤り検出符号データ(CRC16)の受信時以降に受信シフトレジスタ720にセットされた受信データが、順次、遊技制御データとして受信データバッファ721に書き込まれる。この際、受信シフトレジスタ720にセットされた受信データがDLEデータ(7DH)である場合には、オプションチェック回路が、その次に受信シフトレジスタ720にセットされた受信データに対してDLEの復元処理を行い、復元された遊技制御データを受信データバッファ721に書き込む。
そして、オプションチェック回路が、受信シフトレジスタ720にセットされた受信データがエンドデータ(ETX)であることを検出すると、CRC16チェック回路は、受信データバッファ721に格納された遊技制御データ群からCRC16生成回路を使用して誤り検出符号データ(CRC16)を生成し、当該生成した誤り検出符号データ(CRC16)と、受信シフトレジスタ720を介して取得した誤り検出符号データ(CRC16)とを照合する。
次いで、生成した誤り検出符号データ(CRC16)と、受信した誤り検出符号データ(CRC16)との照合結果が正常であれば、スタートデータ(STX)の受信を開始契機としてカウントされた受信データバッファ721への遊技制御データの書き込み回数(バイト数)を1パケットのサイズとし、当該サイズを対応する受信パケットデータカウンタにセットする。一方、照合結果が正常でなければ、受信データバッファ721に書き込まれた遊技制御データを破棄し、ステータスレジスタR(図129B参照)のビット4(「受信エラー」)に「1」(オン)をセットする。
[11-3-2.乱数発生回路の内部構成]
次に、HB-LSI700に設けられた乱数発生回路708の内部構成について説明する。図130は、乱数発生回路708の内部構成を示すブロック図である。
乱数発生回路708は、図130に示すように、4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731、第2乱数発生回路732、第3乱数発生回路733、第4乱数発生回路734)と、乱数回路選択回路735と、乱数レジスタ736と、乱数ラッチレジスタ737と、乱数監視回路738(乱数監視部)とを有する。
第1乱数発生回路731、第2乱数発生回路732、第3乱数発生回路733及び第4乱数発生回路734はいずれも、16ビットの乱数値を発生させる回路である。各乱数発生回路は、HB-LSI700に外部から供給されるクロック信号(CLK)により動作し、当該クロック信号の周期で乱数値を発生させる。なお、ここでは、1つのHB-LSI700(乱数発生回路708)内に4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731~第4乱数発生回路734)を設ける例を説明するが、本発明はこれに限定されない。例えば、HB-LSI700の実装スペース等に応じて、1つのHB-LSI700(乱数発生回路708)内に、2個、8個、16個等の偶数個の16ビット乱数発生回路を設けてもよい。
乱数回路選択回路735は、4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731~第4乱数発生回路734)から1つの16ビット乱数発生回路を選択する回路である。また、乱数回路選択回路735は、4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731~第4乱数発生回路734)及び乱数レジスタ736に接続され、選択した16ビット乱数発生回路で発生した16ビットの乱数値を乱数レジスタ736にセットする。
乱数回路選択回路735は、HB-LSI700に外部から供給されるクロック信号(CLK)により動作し、当該クロック信号の周期で、4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731~第4乱数発生回路734)の選択切り替え動作を行う。なお、図130には示さないが、乱数回路選択回路735内には、選択切り替え動作で参照される選択カウンタが設けられ、選択カウンタの値は、外部から供給されるクロック信号(CLK)により、0~65535の範囲内で更新される。そして、乱数回路選択回路735は、クロック信号により更新される選択カウンタの値に基づいて、4つの16ビット乱数発生回路から1つの16ビット乱数発生回路を選択する。
乱数レジスタ736は、16ビット長のレジスタであり、乱数回路選択回路735により選択された1つの16ビット乱数発生回路で発生した16ビットの乱数値を格納する。
乱数ラッチレジスタ737は、乱数レジスタ736の値をラッチする。乱数のラッチは、乱数ラッチレジスタ737に割り当てられたメインRAM(後述の図131参照)内のアドレスの領域に乱数値を書き込むことにより、又は、乱数レジスタ736に割り当てられたメインRAM内のアドレスを読み込むことにより、乱数レジスタ736の値がラッチされ、乱数レジスタ736から乱数値が取得される。また、乱数ラッチレジスタ737に割り当てられたメインRAM内のアドレスの領域に乱数値を書き込むことによりラッチが解除される。なお、第3の遊技機では、第1HB-LSI611の乱数発生回路708でラッチされた乱数値(乱数レジスタ736の値)がメインCPUで取得(図23のS4等で取得)され、この乱数値は、内部当籤役の抽籤(図26のS64等)で使用される。
乱数監視回路738は、乱数発生回路708の動作状態を監視する。具体的には、乱数監視回路738は、4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731~第4乱数発生回路734)及び乱数回路選択回路735に接続され、4つの16ビット乱数発生回路の発生状態、4つの16ビット乱数発生回路に供給されるクロック信号(CLK)の状態、乱数回路選択回路735の選択状態、及び、乱数回路選択回路735に供給されるクロック信号の状態(周波数)を監視する。
乱数監視回路738には、乱数ステータスレジスタが設けられ、乱数ステータスレジスタの各ビットには、各監視情報がステータスとして格納される。なお、第3の遊技機では、メインCPUは、第1HB-LSI611内の乱数ステータスレジスタに格納された情報を、乱数ステータスレジスタに対して割り当てたメインRAMのアドレスから読み込むことができ、これにより、乱数発生回路708の動作状態を把握することができる。
乱数監視回路738は、4つの16ビット乱数発生回路(第1乱数発生回路731~第4乱数発生回路734)及び乱数回路選択回路735に供給するクロック信号(CLK)を発生させるクロック発生回路(不図示)とは別のクロック発生回路で発生させたクロック信号により動作する。
これは、乱数監視回路738のクロック信号の供給元が、4つの16ビット乱数発生回路及び乱数回路選択回路735のクロック信号の供給元と同じである場合には、4つの16ビット乱数発生回路及び乱数回路選択回路735でクロック異常が発生してクロック発生回路が停止すると、乱数監視回路738の動作も停止することになるので、このような不具合を生じさせないようにするためである。それゆえ、乱数監視回路738に供給するクロック信号の周期(周波数)は、4つの16ビット乱数発生回路及び乱数回路選択回路735に供給するクロック信号の周期(周波数)より長く(低く)してもよい。例えば、4つの16ビット乱数発生回路及び乱数回路選択回路735に供給するクロック信号の周波数を約9MHzとした場合には、乱数監視回路738に供給するクロック信号の周波数を約3MHzとすることができる。また、クロック発生回路は乱数発生回路708内に設けてもよいし、外部からクロック信号を供給する構成にしてもよい。
なお、乱数発生回路708で発生する異常の種別としては、次のようなものが挙げられる。
(1)16ビット乱数発生回路から発生する乱数値が一定時間以上の間、更新されない場合(回路異常)
(2)常時、クロック信号(CLK)をカウントし、一定時間以上カウントを更新できない場合(クロック周波数の異常)
(3)常時、クロック信号(CLK)をカウントし、クロック信号のカウントの更新が、一定の閾値(特定周期)以上の長い時間を要して更新される場合(クロック信号周波数の低下)
乱数発生回路708において上記異常が発生したときには、乱数ステータスレジスタ内の異常ビット及び異常履歴ビットがオン状態(「1」)にセットされる。また、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)は、「回路異常」又は「クロック周波数の異常」が発生した場合、重篤なエラーに対応する処理(払出表示ランプでエラー情報「88」又は「rr」を表示)を行い、全ての遊技動作を停止し、電源がオフするまで待機する。一方、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)は、「クロック信号周波数の低下」が発生した場合、クロック信号周波数が正常に戻るまで待機し、周波数が正常に戻れば、遊技動作を再開する。なお、乱数監視回路738は、「クロック信号周波数の低下」が発生した場合において、周波数が正常に戻れば、乱数ステータスレジスタ内の異常ビットはオフ状態(「0」)に戻るが、異常履歴ビットのオン状態は、電断まで保持される。具体的には、ホスト(第3の遊技機ではメインCPU)は、一定周期(例えば、メインCPUで行われる定期割込処理の周期(1.1172ms))、又は、単位遊技の開始時点或いは終了時点で、乱数ステータスレジスタの各ビットの情報を参照し、上述した乱数発生回路708の異常発生時の処理を行う。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、乱数発生回路708が正常な状態に戻るまで、マイクロプロセッサ610に内蔵された乱数発生回路(不図示)から内部当籤役の抽籤処理で使用する乱数値を取得するようにしてもよい。
[11-4.主制御基板の構成]
次に、主制御基板601の内部構成について説明する。図131は、主制御基板601の内部構成、並びに、主制御基板601と外部の基板及び周辺装置との接続関係を示す図である。
主制御基板601は、図131に示すように、マイクロプロセッサ610と、第1HB-LSI611と、役比モニタ装置54(4桁の7セグLED)と、試射試験回路605と、これらの各部を互い接続するバス606とを有する。
また、主制御基板601には、外部の基板に対して光ファイバーケーブルを用いて接続可能にする光通信出力用コネクタA、光通信入力用コネクタB及び光通信出力用コネクタCが設けられる。なお、光通信出力用コネクタA及び光通信出力用コネクタCは、電気信号を光信号に変換して出力する電光変換コネクタであり、光通信入力用コネクタBは、光信号を電気信号に変換して出力する光電変換コネクタである。
マイクロプロセッサ610(遊技制御手段)は、従来の遊技機で使用されているセキュリティ機能付きマイクロプロセッサである。それゆえ、ここでは、マイクロプロセッサ610の内部構成については詳述しないが、マイクロプロセッサ610の内部には、メインCPU(演算処理部)、メインROM(第1記憶部)、メインRAM(第2記憶部)、外部バスI/F、クロック回路、リセットコントローラ、演算回路、乱数回路、パラレルポート、割込みコントローラ、タイマ回路、複数の非同期シリアル通信回路、及び、これらの各部を互いに接続する信号バス等が設けられている。
試射試験回路605は、パチスロ機の検定試験(試射試験)に使用される回路である。なお、試射試験回路605の電子部品は、申請用(検定試験用)の主制御基板601には実装されるが、リリース用(製品版)の主制御基板601には、実装されない。しかしながら、申請用及びリリース用の主制御基板601は互いに同じ基板が用いられるので、リリース用(製品版)の主制御基板601には、試射試験回路605の電子部品の実装パターンは残る。
なお、役比モニタ装置54は、4桁の7セグLEDで構成され、主制御基板601に実装されている。役比モニタ装置54の構成は、図3で説明したものと同じ構成であり、役比モニタ装置54で表示される内容も図34の<蓄積データ例>で説明したものと同じ内容であるので、ここでは、これらの説明を省略する。また、第1HB-LSI611の構成は、図127で説明したHB-LSI700のそれと同じであるので、ここでは、その構成の説明を省略する。
次に、主制御基板601に実装される構成部間、及び、各構成部と外部の基板及び周辺装置との接続関係について説明する。
(マイクロプロセッサの接続態様)
マイクロプロセッサ610と第1HB-LSI611との間では、両者が内蔵する外部バスI/F間がアドレスバス及びデータバスを含むバス606により接続され、双方向にデータの入出力が行われる。役比モニタ装置54及び試射試験回路605は、バス606を介して、マイクロプロセッサ610に接続され、マイクロプロセッサ610は、役比モニタ装置54及び試射試験回路605にデータを出力可能である。また、試射試験回路605は、制御信号線を介して、パチスロ機の検定試験(試射試験)に用いられる試験機用第1インターフェースボード301(中継基板)に接続され、試射試験回路605と試験機用第1インターフェースボード301との間では互いにデータの出力が可能である。
マイクロプロセッサ610に内蔵の所定の非同期シリアル通信回路(不図示)に接続されたマイクロプロセッサ610の「SCU(Serial Communication Unit)2_T」端子(送信用端子)は、試験内容に応じて、試験機用第2インターフェースボード302、又は、試験機用第3インターフェースボード303に制御信号線を介して接続される。そして、マイクロプロセッサ610と、試験機用第2インターフェースボード302、又は、試験機用第3インターフェースボード303との間では、非同期シリアル通信により、マイクロプロセッサ610(所定の非同期シリアル通信回路)から試験機用第2インターフェースボード302、又は、試験機用第3インターフェースボード303に、一方向にデータが送信される。
また、第3の遊技機がメダルレス遊技機である場合には、マイクロプロセッサ610に内蔵の特定の非同期シリアル通信回路(不図示)に接続されたマイクロプロセッサ610の「SCU0_T」端子(送信用端子)及び「SCU0_R」端子(受信用端子)が、制御信号線を介して、メダル数制御基板650に接続される。そして、マイクロプロセッサ610(特定の非同期シリアル通信回路)と、メダル数制御基板650との間では、非同期シリアル通信により、双方向にデータの送受信が行われる。なお、主制御基板601とメダル数制御基板650とを近接して配置する場合や、両基板をBtoB(Board to Board)コネクタで接続する場合には、両基板間において、両基板に内蔵の外部I/F、及び、バス(アドレスバス、データバスを含む)を介して、メモリマップドIO方式によりデータの入出力を行うことができる。
(第1HB-LSIの「PO0」~「PO6」端子)
第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705に接続された第1HB-LSI611の「PO0」~「PO6」端子(出力端子)は、制御信号線を介して、外部集中端子板55に接続される。なお、第1HB-LSI611と外部集中端子板55との間は、実際には、7本の制御信号線で並列に接続されているが、図131では説明を簡略化して、7本の制御信号線を1本の太線矢印で示す。
第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705と外部集中端子板55との間では、PIO回路705から外部集中端子板55に、一方向にデータが出力される。なお、第1HB-LSI611の「PO0」~「PO6」端子のそれぞれから出力される各信号は、次の通りである。
「PO0」端子から出力される信号は、メダル投入信号であり、ベット操作(MAXベットボタン6aに対する操作、1ベットボタン6bに対する操作及びメダル投入操作)に応じて一定時間オン状態になる。なお、ベット操作が1ベットボタン6bに対する操作又はメダル1枚の投入操作であれば、その操作毎に、一定時間オン状態となるパルス信号が「PO0」端子から出力される。一方、ベット操作がMAXベットボタン6aに対する操作である場合には、当該操作により新規にベットされる遊技価値数分のパルス信号が「PO0」端子から出力される。例えば、ベット数「0」の状態でMAXベットボタン6aの操作により遊技価値数「3」が新規にベットされた(賭けられた)場合には、3つのパルス信号が所定間隔で「PO0」端子から出力され、例えば、ベット数「1」の状態でMAXベットボタン6aの操作により遊技価値数「2」が新規にベットされた場合には、2つのパルス信号が所定間隔で「PO0」端子から出力され、また、例えば、ベット数「2」の状態でMAXベットボタン6aの操作により遊技価値数「1」が新規にベットされた場合には、1つのパルス信号が「PO0」端子から出力される。
「PO1」端子から出力される信号は、メダル払出信号であり、クレジットアップ動作(クレジット数の加算動作)及びメダル払出動作に応じて出力される信号である。具体的には、クレジットアップ動作(クレジット数の加算動作)及びメダル払出動作が行われると、一定時間オン状態になるパルス信号が、払出数(クレジットアップ数)の回数分、「PO1」端子から出力される。
「PO2」端子から出力される信号は、外部信号1(RB、BB及びRTのいずれかの遊技状態を示す信号)であり、遊技機の遊技(出玉)仕様に応じて、信号が変化する。「PO3」端子から出力される信号は、外部信号2(RB、BB及びRTのいずれかの遊技状態を示す信号)であり、遊技機の遊技(出玉)仕様に応じて、信号が変化する。「PO4」端子から出力される信号は、外部信号3(RB、BB及びRTのいずれかの遊技状態を示す信号)であり、遊技機の遊技(出玉)仕様に応じて、信号が変化する。
なお、「PO2」端子、「PO3」端子及び「PO4」端子からそれぞれ出力される外部信号1、外部信号2及び外部信号3が示す遊技状態の種別は互いに異なる。すなわち、「PO2」端子、「PO3」端子及び「PO4」端子のうち、1つの所定の出力端子をRBの遊技状態を示す信号の出力端子に設定すると、残りの2つの出力端子のうち、一方の出力端子はBBの遊技状態を示す信号の出力端子に設定され、他方の出力端子はRTの遊技状態を示す信号の出力端子に設定されることがある。また、遊技機の遊技(出玉)仕様に応じて、「PO2」端子、「PO3」端子及び「PO4」端子のいずれか1つの出力端子又はいずれか2つの出力端子が遊技状態を示す信号の出力端子に設定されることもある。
「PO5」端子から出力される信号は、外部信号4(セキュリティ信号又はドアオープン信号)である。「PO5」端子がセキュリティ信号の出力端子であるときには、主制御部600のメインCPUがエラーを検出した場合に外部信号4がオフからオンに変化し、「PO5」端子がドアオープン信号の出力端子であるときには、ドア開閉監視スイッチ56の状態に応じて外部信号4がオン(開)又はオフ(閉)になる。「PO6」端子から出力される信号は、外部信号5(セキュリティ信号又はドアオープン信号)である。「PO6」端子がセキュリティ信号の出力端子であるときには、主制御部600のメインCPUがエラーを検出した場合に外部信号5がオフからオンに変化し、「PO6」端子がドアオープン信号の出力端子であるときには、ドア開閉監視スイッチ56の状態に応じて外部信号5がオン(開)又はオフ(閉)になる。
なお、「PO5」端子及び「PO6」端子からそれぞれ出力される外部信号4及び外部信号5が示す信号の種別は互いに異なる。すなわち、「PO5」端子及び「PO6」端子のうち、一方の出力端子はセキュリティ信号の出力端子に設定され、他方の出力端子はドアオープン信号の出力端子に設定される。また、ドアオープン信号がセキュリティ信号に含まれる仕様では、「PO5」端子及び「PO6」端子の一方が使用され、他方が未使用になる。そして、この構成では、主制御部600のメインCPUがエラーを検出した場合及びドア開閉監視スイッチ56のドア開(オン)状態を検出した場合に、「PO5」端子及び「PO6」端子の一方から出力される外部信号がオン状態になる。
(第1HB-LSIの「PI0」~「PI2」端子)
第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705に接続された第1HB-LSI611の「PI0」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、ホッパー装置32に設けられたカウントセンサ(不図示)に接続される。なお、カウントセンサは、ホッパー装置32から排出されたメダルをカウントするためのセンサである。第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705に接続された第1HB-LSI611の「PI1」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、ホッパー装置32の傍に設けられたメダル補助収納庫33のメダル補助収納庫スイッチ33S(図3参照)に接続される。
第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705とホッパー装置32との間では、ホッパー装置32からPIO回路705に、一方向にデータが出力される。具体的には、第1HB-LSI611の「PI0」端子に、ホッパー装置32内のカウントセンサでカウントされたカウント数のデータが入力され、第1HB-LSI611の「PI1」端子に、メダル補助収納庫スイッチ33Sで検出された信号が入力される。
第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705に接続された第1HB-LSI611の「PI2」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、設定用鍵型スイッチ52に接続される。第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705と設定用鍵型スイッチ52との間では、設定用鍵型スイッチ52からPIO回路705に、一方向にデータが出力される。具体的には、第1HB-LSI611の「PI2」端子に、設定用鍵型スイッチ52の状態(オン又はオフ)を示す信号が入力される。
なお、第1HB-LSI611の「PO0」端子~「PO6」端子及び「PI0」端子~「PI2」端子を使用したデータのポート入出力は、メインCPUにより、バス606(アドレスバス及びデータバス)を介してメモリマップドIO方式で実行制御することができる。
(第1HB-LSIの「S0」~「S2」端子)
第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705に接続された第1HB-LSI611の「S0」端子(メイン・サブ切り替え端子)は、5V電源に接続され(オン設定され)、これにより、第1HB-LSI611がメイン設定される。第1HB-LSI611に内蔵のPIO回路705に接続された第1HB-LSI611の「S1」端子及び「S2」端子は、5V電源に接続され(オン設定され)、これにより、第1HB-LSI611のアドレス設定(マスター設定)が行われる。なお、「S1」端子及び「S2」端子に対するマスター設定の接続態様は、設計者等により任意に決定することができ、他の接続態様(例えば、全て接地する態様等)でマスター設定を行ってもよい。
(第1HB-LSIの「OP_O」、「OP_I」端子)
第1HB-LSI611に内蔵のシリアルバス通信回路701に接続された第1HB-LSI611の「OP_O」端子(送信用端子)は、主制御基板601の光通信出力用コネクタAに制御信号線を介して接続され、光通信出力用コネクタAは、光ファイバーケーブルを介して回胴装置基板602の光通信入力用コネクタDに接続される。すなわち、第1HB-LSI611に内蔵のシリアルバス通信回路701は、第1HB-LSI611の光通信出力用コネクタA及び光ファイバーケーブルを介して回胴装置基板602に接続される。そして、主制御基板601及び回胴装置基板602間では、主制御基板601内の第1HB-LSI611の「OP_O」端子から回胴装置基板602に、同期シリアル通信により、後述の伝送データ(後述の図144参照)が一方向に送信される。
第1HB-LSI611に内蔵のシリアルバス通信回路701に接続された第1HB-LSI611の「OP_I」端子(受信用端子)は、主制御基板601の光通信入力用コネクタBに制御信号線を介して接続され、光通信入力用コネクタBは、光ファイバーケーブルを介してドア中継基板603の光通信出力用コネクタGに接続される。すなわち、第1HB-LSI611に内蔵のシリアルバス通信回路701は、第1HB-LSI611の光通信入力用コネクタB及び光ファイバーケーブルを介してドア中継基板603に接続される。そして、主制御基板601及びドア中継基板603間では、ドア中継基板603から主制御基板601内の第1HB-LSI611の「OP_I」端子に、同期シリアル通信により、後述の伝送データ(後述の図144参照)が一方向に送信される。
(第1HB-LSIの「O_TX」端子)
第1HB-LSI611に内蔵の非同期シリアル通信回路702に接続された第1HB-LSI611の「O_TX」端子(送信用端子)は、主制御基板601の光通信出力用コネクタCに制御信号線を介して接続され、光通信出力用コネクタCは、光ファイバーケーブルを介してサブ中継基板621の光通信入力用コネクタHに接続される。すなわち、第1HB-LSI611に内蔵の非同期シリアル通信回路702は、第1HB-LSI611の光通信出力用コネクタC及び光ファイバーケーブルを介してサブ中継基板621に接続される。そして、主制御基板601及びサブ中継基板621間では、主制御基板601内の第1HB-LSI611の「O_TX」端子からサブ中継基板621に、非同期シリアル通信により、後述のコマンドデータ(後述の図137参照)が一方向に送信される。
[11-5.回胴装置基板の構成]
次に、回胴装置基板602の内部構成について説明する。図132は、回胴装置基板602の内部構成、並びに、回胴装置基板602と外部の基板及び周辺装置との接続関係を示す図である。
回胴装置基板602は、図132に示すように、第2HB-LSI612を有する。なお、第2HB-LSI612の構成は、図127で説明したHB-LSI700のそれと同じであるので、ここでは、その構成の説明を省略する。
また、回胴装置基板602には、外部の基板に対して光ファイバーケーブルを用いて接続可能にする光通信入力用コネクタD及び光通信出力用コネクタEが設けられる。なお、光通信入力用コネクタDは、光信号を電気信号に変換して出力する光電変換コネクタであり、光通信出力用コネクタEは、電気信号を光信号に変換して出力する電光変換コネクタである。
さらに、回胴装置基板602には、左リール3L駆動用のドライバIC741、中リール3C駆動用のドライバIC742及び右リール3R駆動用のドライバIC743が設けられる。なお、本発明はこれに限定されず、各ドライバICが対応するリールの回胴基板(不図示:回胴装置基板602の外部に設けられる)に設けられていてもよい。
(第2HB-LSIの「OP_I」、「OP_O」端子)
第2HB-LSI612に内蔵のシリアルバス通信回路701に接続された第2HB-LSI612の「OP_I」端子(受信用端子)は、回胴装置基板602の光通信入力用コネクタDに制御信号線を介して接続され、光通信入力用コネクタDは、光ファイバーケーブルを介して主制御基板601の光通信出力用コネクタAに接続される。すなわち、第2HB-LSI612に内蔵のシリアルバス通信回路701は、回胴装置基板602の光通信入力用コネクタD及び光ファイバーケーブルを介して主制御基板601に接続される。そして、回胴装置基板602及び主制御基板601間では、主制御基板601から回胴装置基板602内の第2HB-LSI612の「OP_I」端子に、同期シリアル通信により、後述の伝送データ(後述の図144参照)が一方向に送信される。
第2HB-LSI612に内蔵のシリアルバス通信回路701に接続された第2HB-LSI612の「OP_O」端子(送信用端子)は、回胴装置基板602の光通信出力用コネクタEに制御信号線を介して接続され、光通信出力用コネクタEは、光ファイバーケーブルを介してドア中継基板603の光通信入力用コネクタFに接続される。すなわち、第2HB-LSI612に内蔵のシリアルバス通信回路701は、回胴装置基板602の光通信出力用コネクタE及び光ファイバーケーブルを介してドア中継基板603に接続される。そして、回胴装置基板602及びドア中継基板603間では、回胴装置基板602内の第2HB-LSI612の「OP_O」端子からドア中継基板603に、同期シリアル通信により、後述の伝送データ(後述の図144参照)が一方向に送信される。
(第2HB-LSIの「PO0」~「PO6」端子)
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PO0」端子(出力端子)は、制御信号線を介して、ホッパー装置32(メダル補助収納庫33を含む)に接続される。回胴装置基板602とホッパー装置32との間では、第2HB-LSI612の「PO0」端子からホッパー装置32に、一方向にデータが出力される。
第2HB-LSI612内のPIO回路705からホッパー装置32に出力されるデータ(信号)は、ホッパー装置32からメダルの払出しを行うために設けられたモータ(不図示)を駆動させるための駆動信号である。この駆動信号のオン/オフ制御は、主制御基板601内のメインCPUにより行われる。具体的には、メインCPUは、メダルを1枚払出す制御を行うと駆動信号をオン状態にし、ホッパー装置32内のカウントセンサ(不図示)でメダルをカウントしたことを検知すると駆動信号をオフ状態にする。そして、メインCPUは、この駆動信号のオン/オフ制御をメダルの払出数分繰り返す。なお、メインCPUは、遊技価値の払出数分、この駆動信号のオン/オフ制御を繰り返すのではなく、最初のメダルを払出す制御を行う時に、この駆動信号をオン状態にし、最後のメダルを払出す制御を行う時にホッパー装置32内のカウントセンサ(不図示)がメダルをカウントしたことを検知して駆動信号をオフ状態してもよい。
また、図132では、ホッパー装置32から主制御基板601に2本の制御信号線が接続されているが、一方の制御信号線は、ホッパー装置32内のカウントセンサ(不図示)と主制御基板601内のPIO回路705とを接続する制御信号線であり、他方の制御信号線は、ホッパー装置32の傍に配置されたメダル補助収納庫33のメダル補助収納庫スイッチ33S(図3参照)と主制御基板601内のPIO回路705とを接続する制御信号線である。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PO1」端子及び「PO2」(出力端子)は、制御信号線を介して、左リール3L駆動用のドライバIC741に接続され、ドライバIC741は、制御信号線を介して、左リール3L(第1回胴)に接続される。すなわち、第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705は、ドライバIC741を介して左リール3Lに接続される。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705と左リール3L駆動用のドライバIC741との間では、第2HB-LSI612の「PO1」及び「PO2」端子からドライバIC741に、一方向にデータが出力され、ドライバIC741と左リール3Lとの間では、ドライバIC741から左リール3Lに、一方向にデータが出力される。
第2HB-LSI612のPIO回路705から「PO1」端子を介してドライバIC741に出力されるデータ(信号)は、左リール3Lのステッピングモータ51Lを駆動するためのA相の励磁信号であり、「PO2」端子を介してドライバIC741に出力されるデータ(信号)は、左リール3Lのステッピングモータ51Lを駆動するためのB相の励磁信号である。左リール3L駆動用のドライバIC741は、入力されたA相の励磁信号からAバー相(反転相)の励磁信号を生成し、A相の励磁信号及びAバー相の励磁信号を左リール3Lに出力する。また、左リール3L駆動用のドライバIC741は、入力されたB相の励磁信号からBバー相(反転相)の励磁信号を生成し、B相の励磁信号及びBバー相の励磁信号を左リール3Lに出力する。なお、図132では説明の便宜上、ドライバIC741と左リール3Lとの間では、2本の制御信号線(太線矢印)のみを記載しているが、実際には、A相、Aバー相、B相及びBバー相の各励磁信号が並列で左リール3Lに入力されるので、ドライバIC741と左リール3Lとの間では、4本の制御信号線が設けられている。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PO3」端子及び「PO4」(出力端子)は、制御信号線を介して、中リール3C駆動用のドライバIC742に接続され、ドライバIC742は、制御信号線を介して、中リール3C(第2回胴)に接続される。すなわち、第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705は、ドライバIC742を介して中リール3Cに接続される。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705と中リール3C駆動用のドライバIC742との間では、第2HB-LSI612の「PO3」及び「PO4」端子からドライバIC742に、一方向にデータが出力され、ドライバIC742と中リール3Cとの間では、ドライバIC742から中リール3Cに、一方向にデータが出力される。
第2HB-LSI612のPIO回路705から「PO3」端子を介してドライバIC742に出力されるデータ(信号)は、中リール3Cのステッピングモータ51Cを駆動するためのA相の励磁信号であり、「PO4」端子を介してドライバIC742に出力されるデータ(信号)は、中リール3Cのステッピングモータ51Cを駆動するためのB相の励磁信号である。中リール3C駆動用のドライバIC742は、入力されたA相の励磁信号からAバー相(反転相)の励磁信号を生成し、A相の励磁信号及びAバー相の励磁信号を中リール3Cに出力する。また、中リール3C駆動用のドライバIC742は、入力されたB相の励磁信号からBバー相(反転相)の励磁信号を生成し、B相の励磁信号及びBバー相の励磁信号を中リール3Cに出力する。なお、図132では説明の便宜上、ドライバIC742と中リール3Cとの間では、2本の制御信号線(太線矢印)のみを記載しているが、実際には、A相、Aバー相、B相及びBバー相の各励磁信号が並列で中リール3Cに入力されるので、ドライバIC742と中リール3Cとの間では、4本の制御信号線が設けられている。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PO5」端子及び「PO6」(出力端子)は、制御信号線を介して、右リール3R駆動用のドライバIC743に接続され、ドライバIC743は、制御信号線を介して、右リール3R(第3回胴)に接続される。すなわち、第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705は、ドライバIC743を介して右リール3Rに接続される。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705と右リール3R駆動用のドライバIC743との間では、第2HB-LSI612の「PO5」及び「PO6」端子からドライバIC743に、一方向にデータが出力され、ドライバIC743と右リール3Rとの間では、ドライバIC743から右リール3Rへ、一方向にデータが出力される。
第2HB-LSI612のPIO回路705から「PO5」端子を介してドライバIC743に出力されるデータ(信号)は、右リール3Rのステッピングモータ51Rを駆動するためのA相の励磁信号であり、「PO6」端子を介してドライバIC743に出力されるデータ(信号)は、右リール3Rのステッピングモータ51Rを駆動するためのB相の励磁信号である。右リール3R駆動用のドライバIC743は、入力されたA相の励磁信号からAバー相(反転相)の励磁信号を生成し、A相の励磁信号及びAバー相の励磁信号を右リール3Rに出力する。また、右リール3R駆動用のドライバIC743は、入力されたB相の励磁信号からBバー相(反転相)の励磁信号を生成し、B相の励磁信号及びBバー相の励磁信号を右リール3Rに出力する。なお、図132では説明の便宜上、ドライバIC743と右リール3Rとの間では、2本の制御信号線(太線矢印)のみを記載しているが、実際には、A相、Aバー相、B相及びBバー相の各励磁信号が並列で右リール3Rに入力されるので、ドライバIC743と右リール3Rとの間では、4本の制御信号線が設けられている。
なお、第3の遊技機では、リールを駆動するステッピングモータ51L,51C,51Rは、2相励磁式のステッピングモータ、又は、1・2相励磁式のステッピングモータで構成される。ステッピングモータ51L,51C,51Rとして2相励磁式のステッピングモータを採用した場合、リールの軸にギアを設け、モータ動力を、ギアを介して伝達し、リールの回転・停止を行う。また、ステッピングモータ51L,51C,51Rとして1・2相励磁式のステッピングモータを採用した場合、リールの軸に直接モータを接続してリールの回転・停止を行う。
(第2HB-LSIの「PI0」~「PI2」端子)
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PI0」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、左リール3Lのインデックスセンサ(不図示)に接続される。第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705と左リール3Lとの間では、左リール3Lのインデックスセンサから第2HB-LSI612の「PI0」端子に、一方向にデータが出力される。具体的には、第2HB-LSI612の「PI0」端子に、左リール3Lのインデックスセンサの検知信号(オン/オフ信号)が入力される。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PI1」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、中リール3Cのインデックスセンサ(不図示)に接続される。第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705と中リール3Cとの間では、中リール3Cのインデックスセンサから第2HB-LSI612の「PI1」端子に、一方向にデータが出力される。具体的には、第2HB-LSI612の「PI1」端子に、中リール3Cのインデックスセンサの検知信号(オン/オフ信号)が入力される。
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「PI2」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、右リール3Rのインデックスセンサ(不図示)に接続される。第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705と右リール3Rとの間では、右リール3Rのインデックスセンサから第2HB-LSI612の「PI2」端子に、一方向にデータが出力される。具体的には、第2HB-LSI612の「PI2」端子に、右リール3Rのインデックスセンサの検知信号(オン/オフ信号)が入力される。
なお、各リールに設けられたインデックスセンサの検知片(不図示)は、リールの内周部に配置される。インデックスセンサの検知片の種類としては、片タイプとプレートタイプとがある。片タイプでは、小さな検知片(幅:5mm~10mm)がリールの内周部に形成され、その検出片を検出したときだけインデックスセンサの検知信号がオン状態になる。一方、プレートタイプでは、略扇形状の検知片がリールの内周部に形成される。この場合には、リールが1周する区間において、検知片が形成されている区間(90°~180°の範囲内の区間)では、インデックスセンサの検知信号がオン状態になり、残りの区間(360°-(検知片が形成されている区間))では、インデックスセンサの検知信号がオフ状態になる。
(第2HB-LSIの「S0」~「S2」端子)
第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「S0」端子(メイン・サブ切り替え端子)は、5V電源に接続され(オン設定され)、これにより、第2HB-LSI612がメイン設定される。第2HB-LSI612に内蔵のPIO回路705に接続された第2HB-LSI612の「S1」端子及び「S2」端子は、接地(GNDに接続)され(オフ設定され)、これにより、第2HB-LSI612のアドレス設定(スレーブ設定)が行われる。
[11-6.ドア中継基板の構成]
次に、ドア中継基板603の内部構成について説明する。図133は、ドア中継基板603の内部構成、並びに、ドア中継基板603と外部の基板及び周辺装置との接続関係を示す図である。
ドア中継基板603は、図133に示すように、第3HB-LSI613を有する。なお、第3HB-LSI613の構成は、図127で説明したHB-LSI700のそれと同じであるので、ここでは、その構成の説明を省略する。
また、ドア中継基板603には、外部の基板に対して光ファイバーケーブルを用いて接続可能にする光通信入力用コネクタF及び光通信出力用コネクタGが設けられる。なお、光通信入力用コネクタFは、光信号を電気信号に変換して出力する光電変換コネクタであり、光通信出力用コネクタGは、電気信号を光信号に変換して出力する電光変換コネクタである。
(第3HB-LSIの「OP_I」、「OP_O」端子)
第3HB-LSI613に内蔵のシリアルバス通信回路701に接続された第3HB-LSI613の「OP_I」端子(受信用端子)は、ドア中継基板603の光通信入力用コネクタFに制御信号線を介して接続され、光通信入力用コネクタFは、光ファイバーケーブルを介して回胴装置基板602の光通信出力用コネクタEに接続される。すなわち、第3HB-LSI613に内蔵のシリアルバス通信回路701は、第3HB-LSI613の光通信入力用コネクタF及び光ファイバーケーブルを介して回胴装置基板602に接続される。そして、ドア中継基板603及び回胴装置基板602間では、回胴装置基板602からドア中継基板603内の第3HB-LSI613の「OP_I」端子に、同期シリアル通信により、後述の伝送データ(後述の図144参照)が一方向に送信される。
第3HB-LSI613に内蔵のシリアルバス通信回路701に接続された第3HB-LSI613の「OP_O」端子(送信用端子)は、ドア中継基板603の光通信出力用コネクタGに制御信号線を介して接続され、光通信出力用コネクタGは、光ファイバーケーブルを介して主制御基板601の光通信入力用コネクタBに接続される。すなわち、第3HB-LSI613に内蔵のシリアルバス通信回路701は、光通信出力用コネクタG及び光ファイバーケーブルを介して主制御基板601に接続される。そして、ドア中継基板603及び主制御基板601間では、ドア中継基板603内の第3HB-LSI613の「OP_O」端子から主制御基板601に、同期シリアル通信により、後述の伝送データ(後述の図144参照)が一方向に送信される。
(第3HB-LSIの「POa」~「POg」端子)
第3HB-LSI613に内蔵のLED駆動回路703に接続された第3HB-LSI613の「POa」~「POg」端子(出力端子)は、制御信号線を介して、情報表示装置14に接続される。なお、第3HB-LSI613の「POa」~「POg」端子と情報表示装置14との間は、実際には7本の制御信号線が並列に接続されているが、図133では簡略化して7本の制御信号線を1本の太線矢印で示す。
第3HB-LSI613に内蔵のLED駆動回路703に接続された第3HB-LSI613の「POa」~「POg」端子から出力されるデータ(信号)は、情報表示装置14内の各7セグLEDを構成する7つのセグメントa~g(図125B参照)の点灯/消灯(オン/オフ)を制御するための7セグメント制御信号である。具体的には、第3HB-LSI613の「POa」~「POg」端子から7セグLEDを構成する7つのセグメントa~gのLEDのそれぞれのカソードに7セグメント制御信号が出力される。
また、第3HB-LSI613の「POa」~「POg」端子から出力されるデータ(信号)は、情報表示装置14内の各状態表示ランプ(図125A及び図126参照)の点灯/消灯(オン/オフ)を制御するためのLED制御信号である。なお、情報表示装置14内の各状態表示ランプでは、「INSERT」ランプのカソードに「POa」端子が接続され、「START」ランプのカソードに「POb」端子が接続され、「REPLAY」ランプのカソードに「POc」端子が接続され、「1BET」ランプのカソードに「POd」端子が接続され、「2BET」ランプのカソードに「POe」端子が接続され、「3BET」ランプのカソードに「POf」端子(図125A参照)が接続されている。
(第3HB-LSIの「AS0」~「AS15」端子)
第3HB-LSI613に内蔵のLED駆動回路703に接続された第3HB-LSI613の「AS0」~「AS15」端子(出力端子)は、制御信号線を介して、情報表示装置14に接続される。なお、第3HB-LSI613の「AS0」~「AS15」端子と情報表示装置14との間は、実際には16本の制御信号線が並列に接続されているが、図133では簡略化して16本の制御信号線を1本の太線矢印で示す。
第3HB-LSI613に内蔵のLED駆動回路703に接続された第3HB-LSI613の「AS0」~「AS15」端子から出力されるデータ(信号)は、主に、情報表示装置14内に設けられた各種7セグLEDをダイナミック制御するためのアノード選択用の制御信号である。また、第3HB-LSI613の「AS0」~「AS15」端子から出力されるデータ(信号)の出力態様は、遊技機の種別(通常の遊技機であるか、メダルレス遊技機であるか)に応じて異なる。「AS0」~「AS15」端子のそれぞれ出力される制御信号の出力態様は、次の通りである。
まず、遊技機が通常の遊技機である場合について説明する。この場合、「AS0」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内のクレジット表示ランプ(2桁の7セグLED:図125A参照)の2桁目(10の位)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS1」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内のクレジット表示ランプの1桁目(1の位)の7セグLEDのアノードに出力される。
遊技機が通常の遊技機である場合、「AS2」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の払出表示ランプ(2桁の7セグLED:図125A参照)の2桁目(10の位)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS3」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の払出表示ランプの1桁目(1の位)の7セグLEDのアノードに出力される。
遊技機が通常の遊技機である場合、「AS4」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の指示モニタ(3桁の7セグLED:図125A参照)の3桁目(図125A上で左側)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS5」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の指示モニタの2桁目(図125A上で中央)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS6」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の指示モニタの1桁目(図125A上で右側)の7セグLEDのアノードに出力される。
なお、「AS4」端子~「AS6」端子は、遊技機がメダルレス遊技機である場合にも同様に使用され、「AS4」端子~「AS6」端子から指示モニタ14b(図126参照)にアノード選択用の制御信号が出力される。すなわち、「AS4」端子~「AS6」端子は、通常の遊技機及びメダルレス遊技機の両方の指示モニタにおいて兼用される。
また、遊技機が通常の遊技機である場合、「AS7」端子から出力される制御信号は、情報表示装置14内の各状態表示ランプ(「INSERT」、「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」ランプ:図125A参照)のアノードに出力される。そして、遊技機が通常の遊技機である場合、「AS8」端子~「AS15」端子は、未使用となる。
なお、「AS7」端子は、遊技機がメダルレス遊技機である場合にも使用され、「AS7」端子から情報表示装置14内の各状態表示ランプ(「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」ランプ:図126参照)のアノードに制御信号が出力される。すなわち、「AS7」端子は、通常の遊技機及びメダルレス遊技機の両方の状態表示ランプにおいて兼用される。
次に、遊技機がメダルレス遊技機である場合について説明する。この場合、「AS8」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14(状態表示モニタ14a)内の5桁の7セグLED(図126参照)のうちの1桁目(1の位:図126上で最も右側に位置する7セグLED)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS9」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の5桁の7セグLEDのうちの2桁目(10の位)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS10」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の5桁の7セグLEDのうちの3桁目(100の位)の7セグLEDのアノードに出力される。「AS11」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の5桁の7セグLEDのうちの4桁目(1000の位)の7セグLEDのアノードに出力される。また、「AS12」端子から出力されるアノード選択用の制御信号は、情報表示装置14内の5桁の7セグLEDのうちの5桁目(10000の位:図126上で最も左側に位置する7セグLED)の7セグLEDのアノードに出力される。
また、遊技機がメダルレス遊技機である場合、上述のように、情報表示装置14内の指示モニタ14bの3桁の7セグLED(図126参照)のアノード選択用の制御信号は、「AS4」端子~「AS6」端子から出力され、情報表示装置14内の各状態表示ランプ(「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」ランプ:図126参照)の制御信号は、「AS7」端子から出力される。
そして、遊技機がメダルレス遊技機である場合、「AS0」端子~「AS3」端子、「AS13」端子~「AS15」端子は、未使用となる。なお、遊技機がメダルレス遊技機である場合、「AS13」端子から各状態表示ランプ(「START」、「REPLAY」、「1BET」、「2BET」、「3BET」ランプ)に制御信号を出力してもよく、この場合には、「AS7」端子は、未使用となる。
(第3HB-LSIの「PO0」、「PI0」~「PI7」端子)
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「PO0」端子(出力端子)及び「PI0」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、メダルセンサ31S(メダルセレクタ)に接続される。ドア中継基板603内の第3HB-LSI613とメダルセンサ31S(メダルセレクタ)との間では、双方向にデータの入出力が行われる。
第3HB-LSI613の「PO0」端子からメダルセンサ31Sに出力される信号は、メダルセレクタ内に設けられた、メダルを受付可又は不可にするメダルプレッシャをオン/オフ制御するためのソレノイドの制御信号である。一方、メダルセンサ31S(メダルセレクタ)から第3HB-LSI613の「PI0」端子に入力される信号は、メダルセンサ31Sで検出された信号である。
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「PI1」端子、「PI2」端子及び「PI3」端子の各入力端子は、制御信号線を介して、ストップスイッチ8S(停止スイッチ基板)に接続される。ドア中継基板603内の第3HB-LSI613とストップスイッチ8S(停止スイッチ基板)との間では、ストップスイッチ8Sから第3HB-LSI613に、一方向にデータが出力される。具体的には、第3HB-LSI613の「PI1」端子に、ストップボタン8Lに対応するストップスイッチ8Sで検出された信号が入力され、第3HB-LSI613の「PI2」端子に、ストップボタン8Cに対応するストップスイッチ8Sで検出された信号が入力され、第3HB-LSI613の「PI3」端子に、ストップボタン8Rに対応するストップスイッチ8Sで検出された信号が入力される。
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「PI4」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、精算スイッチ9S(精算ボタン9)に接続される。ドア中継基板603内の第3HB-LSI613と精算スイッチ9S(精算ボタン9)との間では、精算スイッチ9Sから第3HB-LSI613に、一方向にデータが出力される。具体的には、第3HB-LSI613の「PI4」端子に、精算スイッチ9Sで検出された信号が入力される。
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「PI5」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、スタートスイッチ7S(スタートレバー7)に接続される。ドア中継基板603内の第3HB-LSI613とスタートスイッチ7S(スタートレバー7)との間では、スタートスイッチ7Sから第3HB-LSI613に、一方向にデータが出力される。具体的には、第3HB-LSI613の「PI5」端子に、スタートスイッチ7Sで検出された信号が入力される。
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「PI6」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、エラー解除スイッチ57に接続される。ドア中継基板603内の第3HB-LSI613とエラー解除スイッチ57との間では、エラー解除スイッチ57から第3HB-LSI613に、一方向にデータが出力される。具体的には、第3HB-LSI613の「PI6」端子に、エラー解除スイッチ57で検出された信号が入力される。
なお、エラー解除スイッチ57は、メインCPUが検出した実際に発生中のエラーを解除するためのスイッチではなく、店舗の係員等が発生中のエラーの要因(遊技機内でのメダル詰まり、ホッパー装置32内の払出メダル用のメダル切れ等)を解消した後に押下されるスイッチであり、メインCPUは、エラー解除スイッチ57の押下(オン状態)を検出すると、メインRAM内のエラーフラグ(不図示)をクリアし、エラー検出前の処理に戻る。したがって、発生中のエラー要因を解消することなく、エラー解除スイッチ57を押下(オン状態)すると、一旦、エラーは解除されるが、メインCPUにより、即座にエラーが検出されることになる。
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「PI7」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、ドア開閉監視スイッチ56に接続される。ドア中継基板603内の第3HB-LSI613とドア開閉監視スイッチ56との間では、ドア開閉監視スイッチ56から第3HB-LSI613に、一方向にデータが出力される。具体的には、第3HB-LSI613の「PI7」端子に、ドア開閉監視スイッチ56で検出された信号が入力される。
(第3HB-LSIの「S0」~「S2」端子)
第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「S0」端子(メイン・サブ切り替え端子)は、5V電源に接続され(オン設定され)、これにより、第3HB-LSI613がメイン設定される。第3HB-LSI613に内蔵のPIO回路705に接続された第3HB-LSI613の「S1」端子は、5V電源に接続され(オン設定され)、「S2」端子は、接地され(オフ設定され)、これにより、第3HB-LSI613のアドレス設定(スレーブ設定)が行われる。
[11-7.副制御部の構成]
次に、副制御部620の内部構成について説明する。図134は、副制御部620の内部構成、並びに、副制御部620と外部の基板及び周辺装置との接続関係を示す図である。
副制御部620は、図134に示すように、サブ中継基板621と、サブ制御基板622と、VDP(Video Display Processor)基板623と、を有する。サブ中継基板621及びサブ制御基板622間、並びに、サブ制御基板622及びVDP基板623間は、それぞれBtoB接続されている。なお、サブ制御基板622とVDP基板623とは、同じケースに収納されている。また、図134には示さないが、サブCPU615が実行する制御プログラムが記憶されているサブROM(不図示)は、サブ中継基板621にBtoB接続されている。
サブ中継基板621は、第4HB-LSI614を有する。なお、第4HB-LSI614の構成は、図127で説明したHB-LSI700のそれと同じであるので、ここでは、その構成の説明を省略する。また、サブ中継基板621には、主制御基板601に対して光ファイバーケーブルを用いて接続可能にする光通信入力用コネクタHが設けられる。なお、光通信入力用コネクタHは、光信号を電気信号に変換して出力する光電変換コネクタである。
サブ制御基板622は、主制御部600(主制御基板601)から送信されたコマンドデータに応じて各種演出動作を制御するサブCPU615と、サブCPU615が実行する演出制御において作業領域として使用されるサブRAM(不図示)と、を有する。なお、図134には示さないが、サブCPU615には、複数の非同期シリアル通信回路(UART)が内蔵されている。
また、VDP基板623(画像制御基板)は、VDP616を有する。VDP616は、VDP基板623にBtoB接続されたLVDS(Low Voltage Differential Signaling)変換基板(不図示)を介して、メイン表示装置210及びサブ表示装置220(タッチパネル付き)に接続される。VDP616とメイン表示装置210及びサブ表示装置220との間では、VDP616からメイン表示装置210及びサブ表示装置220に、一方向にデータが出力される。具体的には、VDP616は、メイン表示装置210及び/又はサブ表示装置220での演出内容に応じた画像データを作成し、作成した画像データをメイン表示装置210及び/又はサブ表示装置220に出力して表示させる。
(第4HB-LSIの「O_RX」、「O_TX」端子)
第4HB-LSI614に内蔵の非同期シリアル通信回路702に接続された第4HB-LSI614の「O_RX」端子(受信用端子)は、サブ中継基板621の光通信入力用コネクタHに制御信号線を介して接続され、光通信入力用コネクタHは、光ファイバーケーブルを介して主制御基板601の光通信出力用コネクタCに接続される。すなわち、第4HB-LSI614に内蔵のシリアルバス通信回路701は、第4HB-LSI614の光通信入力用コネクタH及び光ファイバーケーブルを介して主制御基板601に接続される。そして、サブ中継基板621及び主制御基板601間では、主制御基板601からサブ中継基板621内の第4HB-LSI614の「O_RX」端子に、非同期シリアル通信により、後述のコマンドデータ(後述の図137参照)が一方向に送信される。
第4HB-LSI614に内蔵の非同期シリアル通信回路702に接続された第4HB-LSI614の「O_TX」端子(送信用端子)は、制御信号線を介して、サブCPU615(サブ制御基板622)に内蔵の所定の非同期シリアル通信回路に接続されたサブCPU615の「UART_R0」端子(受信用端子)に接続される。第4HB-LSI614及びサブCPU615間では、第4HB-LSI614に内蔵の非同期シリアル通信回路702で受信した後述のコマンドデータ(後述の図137参照)が、第4HB-LSI614の「O_TX」端子からサブCPU615の「UART_R0」端子に、非同期シリアル通信により一方向に送信される。具体的には、第4HB-LSI614は、まず、主制御基板601からの送信データを第4HB-LSI614の「O_RX」端子を介して読み込み、次いで、当該送信データに含まれる遊技制御データを受信データバッファ721(図128参照)に順次書き込み、次いで、受信データバッファ721に書き込まれた遊技制御データを送信データバッファ718(図128参照)に順次書き込むことで、第4HB-LSI614の「O_TX」端子からサブCPU615の「UART_R0」端子に主制御基板601からの送信データを送ることができる。
すなわち、第3の遊技機では、後述のコマンドデータは、主制御基板601から光ファイバーケーブルを介してサブ中継基板621の第4HB-LSI614に送信され、第4HB-LSI614の光通信入力用コネクタHで光電変換されたコマンドデータは、第4HB-LSI614に内蔵の非同期シリアル通信回路702を介してサブCPU615で受信される。
なお、本発明はこれに限定されず、サブCPU615は、主制御基板601からのコマンドデータを、第4HB-LSI614及びサブCPU615間を接続するローカルバス(バス624等)を介して、第4HB-LSI614から取得する構成にしてもよい。この場合、第4HB-LSI614の「O_TX」端子を、サブCPU615の「UART_R0」端子に接続する必要はない。また、サブ中継基板621の光通信入力用コネクタHを、制御信号線により、直接、サブCPU615の「UART_R0」端子に接続してもよい。この場合、光通信入力用コネクタHと第4HB-LSI614の「O_RX」端子との間を制御信号線で接続する必要はなく、第4HB-LSI614の「O_TX」端子を、制御信号線でサブCPU615の「UART_R0」端子に接続する必要もない。
(第4HB-LSIの「PI0」~「PI6」端子)
第4HB-LSI614に内蔵のPIO回路705に接続された第4HB-LSI614の「PI0」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、演出内容に応じて遊技者に操作されるPUSHボタン631(図3中の演出用ボタン10b)に接続される。サブ中継基板621内の第4HB-LSI614とPUSHボタン631との間では、PUSHボタン631から第4HB-LSI614に、一方向にデータが出力される。具体的には、第4HB-LSI614の「PI0」端子に、PUSHボタン631に対して実行された遊技者の操作に関する信号が入力される。
第4HB-LSI614に内蔵のPIO回路705に接続された第4HB-LSI614の「PI1」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、演出内容に応じて遊技者に操作されるチャンスボタン632(図3中の演出用ボタン10a)に接続される。サブ中継基板621内の第4HB-LSI614とチャンスボタン632との間では、チャンスボタン632から第4HB-LSI614に、一方向にデータが出力される。具体的には、第4HB-LSI614の「PI1」端子に、チャンスボタン632に対して実行された遊技者の操作に関する信号が入力される。
第4HB-LSI614に内蔵のPIO回路705に接続された第4HB-LSI614の「PI2」~「PI6」端子(入力端子)は、制御信号線を介して、演出内容に応じて遊技者に操作可能なPUSHボタン631及びチャンスボタン632以外の各種操作手段に対応して設けられた各種操作スイッチ633(例えば、十字キー(「↑」、「↓」、「→」、「←」)、エンターキー等)に接続される。サブ中継基板621内の第4HB-LSI614と各種操作スイッチ633との間では、各種操作スイッチ633から第4HB-LSI614に、一方向にデータが出力される。具体的には、第4HB-LSI614の「PI2」~「PI6」端子に、PUSHボタン631及びチャンスボタン632以外の各種操作手段に対して実行された遊技者の操作に関する信号が入力される。
(第4HB-LSIの「S0」~「S2」端子)
第4HB-LSI614に内蔵のPIO回路705に接続された第4HB-LSI614の「S0」端子(メイン・サブ切り替え端子)は、接地され(オフ設定され)、これにより、第4HB-LSI614がサブ設定される。また、第4HB-LSI614の「S1」及び「S2」端子をオープンコレクタ状態にした場合には、ノイズが入る可能性があるので、第3の遊技機では、「S1」及び「S2」端子は接地される。
(サブCPUと外部との接続形態)
サブ制御基板622内のサブCPU615は、バス624(データバス、アドレスバス等を含む)により、サブ中継基板621内の第4HB-LSI614に接続される。具体的には、サブCPU615に内蔵の外部バスI/F(不図示)と、第4HB-LSI614に内蔵の外部バスI/F707とがバス624(ローカルバス)を介して接続される。そして、第4HB-LSI614及びサブCPU615間では、バス624を介して双方向にデータが入出力される。例えば、第4HB-LSI614の「PI0」~「PI6」端子に入力された各種信号は、バス624を介してサブCPU615に入力される。それゆえ、サブCPU615は、第4HB-LSI614を通信回路としてだけでなく、外部接続回路(IC)としても使用することができる。
図134には示さないが、サブ中継基板621にBtoB接続されたサブROM(不図示)は、ローカルバスではなく、mSATA(mini Serial ATA)によりサブCPU615に接続される。なお、第3の遊技機では、サブROMをサブ中継基板621に配置する構成例を説明するが、本発明はこれに限定されず、サブROMをmSATAでサブ制御基板622に直接接続してもよい。
また、図134には示さないが、第4HB-LSI614に内蔵のPIO回路705に接続された第4HB-LSI614の「PO」端子(出力端子)に、可動役物を駆動するために実装されたドライバICを介してモータ、ソレノイド等を接続すれば、サブCPU615は、第4HB-LSI614を介して可動役物の動作(可動役物による演出)を制御することができる。
サブCPU615は、PCI Express625により、VDP基板623内のVDP616に接続され、サブCPU615及びVDP616間では、PCI Express625を介して双方向にデータの入出力が可能である。
サブCPU615に内蔵のタッチパネル用の非同期シリアル通信回路に接続されたサブCPU615の「UART_T1」端子(送信用端子)及び「UART_R1」端子(受信用端子)は、サブ表示装置220内に設けられたタッチパネルに接続される。サブCPU615及びサブ表示装置220のタッチパネル間では、非同期シリアル通信により、双方向にデータの送受信が行われ、遊技者のタッチパネルに対する操作情報をサブCPU615に送信し、サブCPU615は、タッチパネルへ設定情報等を送信する。
なお、メイン表示装置210がプロジェクタである場合には、サブCPU615に内蔵のタッチパネル用の非同期シリアル通信回路とは別の非同期シリアル通信回路を、メイン表示装置210と接続し、両者間において双方向通信を行う。そして、この場合には、サブCPU615は、プロジェクタの制御コマンドをメイン表示装置210に送信し、メイン表示装置210は送信されたプロジェクタの制御コマンドに対する返信情報をサブCPU615に送信する。
また、メイン表示装置210がプロジェクタである場合には、サブCPU615に内蔵のタッチパネル用の非同期シリアル通信回路と、メイン表示装置210(プロジェクタ)及びサブ表示装置220(タッチパネル)との間に別途、中継基板を設け、サブCPU615と、メイン表示装置210及びサブ表示装置220との間で、サブCPU615内の一つの非同期シリアル通信回路を使用して双方向通信するような構成にしてもよい。具体的には、中継基板において、サブCPU615内の一つの非同期シリアル通信回路とプロジェクタとの間を接続する形態と、一つの非同期シリアル通信回路とタッチパネルとの間を接続する形態とを切り替える構成にしてもよい。
[11-8.メイン・サブ間でのデータ送信態様]
次に、主制御部600及び副制御部620間において送信されるデータ(コマンドデータ)の送信態様、コマンドデータの構成等について説明する。
[11-8-1.メイン・サブ間でのデータ送信周期]
図135は、第3の遊技機の主制御部600及び副制御部620間で行われるコマンドデータの送信態様(タイムチャート)を示す図である。
図135には、非同期シリアル通信により、スタートコマンド、リールの回転開始コマンド、無操作コマンド、無操作コマンド、…という順で、コマンドデータが送信される例を示す。なお、図135中の「スタート」、「回転開始」、「無操作」と表記されている期間は、それぞれ、スタートコマンド、回転開始コマンド、無操作コマンドの送信期間である。また、図135中の各コマンドデータの送信期間の上部に記載されている「Data=**」は、コマンドデータに含まれる遊技制御データ群のデータ長(バイト数)を示す。例えば、スタートコマンドの「Data=6」という記載は、遊技制御データ群のデータ長が6バイトであること、すなわち、スタートコマンドに6個の遊技制御データ(通信パラメータ)が含まれることを示す。また、図135中の記載では、コマンドの送信終了から次回のコマンド送信開始までの期間に対して「サブの処理時間」と記載しているが、これは、副制御部620がコマンドを受信してから処理を行える時間であり、コマンドに対応する演出制御処理そのものの時間ではない。
第3の遊技機では、図135に示すように、主制御部600から副制御部620へのコマンドデータの送信開始から次のコマンドデータの送信開始までの間隔(送信周期)は、約8msである。なお、コマンドデータの送信周期は、この例に限定されず、例えば、遊技機の仕様、制御系の性能等に応じて適宜設定可能である。ただし、第3の遊技機では、後述するように、主制御部600から副制御部620に送信されるコマンドデータのデータ長を可変長とすることができるので、コマンドデータの送信周期は、コマンドデータに含まれる遊技制御データ群(1パケット)のサイズを最大(32バイト)にしても、図135中の「サブの処理時間」を十分に確保できる値に設定される。
なお、第3の遊技機における主制御部600及び副制御部620間でのコマンドデータの送信態様は、図135に示す例に限定されない。例えば、コマンドデータの送信終了から次のコマンドデータの送信開始までの間隔を、約8msにする構成にしてもよい。図136は、そのような例(変形例)における主制御部600及び副制御部620間でのコマンドデータの送信態様(タイムチャート)を示す図である。図136には、図135に示す例と同様に、コマンドデータが、スタートコマンド、リールの回転開始コマンド、無操作コマンド、無操作コマンド、…という順で送信される例を示す。
図136に示すコマンドデータの送信態様では、コマンドデータの送信終了から次のコマンドデータの送信開始までの間隔が約8msで一定となるが、コマンドデータの送信開始から次のコマンドデータの送信開始までの間隔は、先に送信されるコマンドデータのデータ長(コマンドデータの種別)に応じて変化し得る。なお、コマンドデータのデータ長が固定長である場合には、図136に示す例においても、コマンドデータの送信開始から次のコマンドデータの送信開始までの間隔は一定となる。
[11-8-2.メイン・サブ間の送信データの構成]
次に、主制御部600から副制御部620に、非同期シリアル通信により送信されるデータ(コマンドデータ)の構成について説明する。図137は、第3の遊技機において、主制御部600から副制御部620に送信されるコマンドデータ(非同期シリアル通信データ)の構成を示す図である。
主制御部600から副制御部620に送信されるコマンドデータは、その先頭側から、スタートデータ(STX)、誤り検出符号データ(CRC16)、遊技制御データ群(「d0」~「dn」)及びエンドデータ(ETX)がこの順で配置されて構成される。なお、誤り検出符号データ(CRC16)は、遊技制御データ群(「d0」~「dn」)とエンドデータ(ETX)との間に配置してもよく、また、エンドデータ(ETX)の後に配置してもよい。
スタートデータ(STX)は1バイトであり、誤り検出符号データ(CRC16)は2バイトであり、遊技制御データ群(「d0」~「dn」)のデータ長は2バイト~32バイトであり、エンドデータ(ETX)は1バイトである。それゆえ、第3の遊技機において、主制御部600から副制御部620に送信される1つのコマンドデータの最大データ長は、後述のDLE制御が行われない場合、36バイトとなり、最小データ長は6バイトとなる。また、遊技制御データ群のデータ長が32バイトであり、32バイトの全ての遊技制御データに対して後述のDLE制御が行われた場合には、2つのコマンドデータの最大データ長は68バイトとなる。
複数の遊技制御データからなる遊技制御データ群(「d0」~「dn」)には、遊技制御データ(通信パラメータ)として、コマンド種別を示す情報(コマンドID)、コマンド送信時における遊技状況及び遊技進行に関する各種情報等が含まれる。遊技制御データ群(「d0」~「dn」)に含まれる遊技状況及び遊技進行に関する各種情報(通信パラメータ)としては、例えば、内部当籤役に関する情報、RT状態(遊技状態)、出玉状態、ナビデータ等が挙げられるが、遊技制御データ群に含まれる情報の種別はコマンド種別に応じて変化する。それゆえ、遊技制御データ群に含まれる情報(通信パラメータ)の内容や数は、コマンド種別に応じて変化し、遊技制御データ群のデータ長は、コマンド種別に応じて変化する。
[11-8-3.DLE制御]
第3の遊技機では、遊技制御データ群(「d0」~「dn」)に、DLEデータ(DLE)、スタートデータ(STX)及びエンドデータ(ETX)のいずれかと同じ値の遊技制御データが含まれる場合には、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611内のオプション付与回路(図128参照)により、当該遊技制御データに対してDLE制御(変換)が行われ、DLE制御(変換)後の遊技制御データがDLEデータとともに副制御部620に送信される。そして、副制御部620側では、DLEデータを受信すると、サブ中継基板621に実装された第4HB-LSI614内のオプションチェック回路(図128参照)により、受信したDLE制御(変換)後の遊技制御データを元の遊技制御データに復元する。
図138は、DLE変換前の遊技制御データと、DLE変換後の遊技制御データ(送信データ)と、DLE変換時に使用される制御式と、DLE復元時に使用される制御式との対応関係を示す表である。
第3の遊技機では、図138に示すように、スタートデータ(STX)及びエンドデータ(ETX)はそれぞれ「7EH」及び「7FH」に設定されており、DLEデータ(DLE)は「7DH」に設定されている。なお、DLEデータ、スタートデータ及びエンドデータの値は、この例の値に限定されず、任意の値に設定可能である。以下、図138を参照しながら、DLE制御(変換)対象となる遊技制御データの送受信動作、並びに、その際、当該遊技制御データに対して行われるDLE制御の内容を具体的に説明する。
(遊技制御データが「7DH」である場合)
例えば、送信する遊技制御データが、DLEデータ(DLE)と同じデータ「7DH」である場合、データ送信時には、主制御部600側において、「20H」と「7DH」との排他的論理和(xor)の演算が行われ、その演算結果である「5DH」がDLE変換後の遊技制御データとなる。そして、この場合には、「7DH」(DLEデータ)及び「5DH」(DLE変換後の遊技制御データ)がこの順で副制御部620に送信される。
一方、副制御部620側では、「7DH」(DLEデータ)を受信すると、その次に受信される「5DH」(DLE変換後の遊技制御データ)と、「20H」との排他的論理和(xor)の演算が行われ、その演算結果は「7DH」となり、元の遊技制御データが復元される。
(遊技制御データが「7EH」である場合)
例えば、送信する遊技制御データが、スタートデータ(STX)と同じデータ「7EH」である場合、データ送信時には、主制御部600側において、「20H」と「7EH」との排他的論理和(xor)の演算が行われ、その演算結果である「5EH」がDLE変換後の遊技制御データとなる。そして、この場合には、「7DH」(DLEデータ)及び「5EH」(DLE変換後の遊技制御データ)がこの順で副制御部620に送信される。
一方、副制御部620側では、「7DH」(DLEデータ)を受信すると、その次に受信される「5EH」(DLE変換後の遊技制御データ)と、「20H」との排他的論理和(xor)の演算が行われ、その演算結果は「7EH」となり、元の遊技制御データが復元される。
(遊技制御データが「7FH」である場合)
また、例えば、送信する遊技制御データが、エンドデータ(ETX)と同じデータ「7FH」である場合、データ送信時には、主制御部600側において、「20H」と「7FH」との排他的論理和(xor)の演算が行われ、その演算結果である「5FH」がDLE変換後の遊技制御データとなる。そして、この場合には、「7DH」(DLEデータ)及び「5FH」(DLE変換後の遊技制御データ)がこの順で副制御部620に送信される。
一方、副制御部620側では、「7DH」(DLEデータ)を受信すると、その次に受信される「5FH」(DLE変換後の遊技制御データ)と、「20H」との排他的論理和(xor)の演算が行われ、その演算結果は「7FH」となり、元の遊技制御データが復元される。
(DLE制御が行われない場合のコマンドデータの構成例)
図139は、遊技制御データに対してDLE制御(変換)が行われない場合に、主制御部600から副制御部620に送信されるコマンドデータの構成例を示す図である。
図139に示すコマンドデータの例では、送信する遊技制御データが6個であり、その遊技制御データ群(「d0」~「d5」)には、スタートデータ(STX)、エンドデータ(ETX)及びDLEデータ(DLE)のいずれかと同じになるデータ(「7DH」、「7EH」及び「7FH」のいずれか)が含まれない。それゆえ、このような遊技制御データ群に対しては、データ送信時に、DLE制御が行われないので、送信される遊技制御データ群のデータ長は6バイトになり、コマンドデータのデータ長は10バイトになる。
(DLE制御が行われる場合のコマンドデータの構成例)
図140は、遊技制御データに対してDLE制御(変換)が行われる場合に、主制御部600から副制御部620に送信されるコマンドデータの構成例を説明するための図である。図140Aは、送信する遊技制御データ群(DLE変換前)の構成例を示す図であり、図140Bは、図140Aに示す遊技制御データ群に対してDLE制御(変換)を行った後のコマンドデータの構成例を示す図である。なお、図140に示す例では、図139に示す例と同様に、送信する遊技制御データが6個である場合を説明する。
この例では、図140Aに示すように、送信する遊技制御データ群内の先頭から4バイト目の遊技制御データ「d3」の値が、DLEデータ(DLE)と同じ「7DH」となる。この場合、送信データバッファ718に書き込まれた遊技制御データ「d3」を送信する前に、DLE制御(変換)により、遊技制御データ「d3」の値「7DH」を「5DH」に変換する。そして、この場合には、DLEデータ(7DH)を送信した後、DLE変換後の遊技制御データ(「5DH」)が送信される。
その結果、図140Bに示すコマンドデータ内では、DLEデータ(「7DH」)及びDLE変換後の遊技制御データ(「5DH」)がそれぞれ、遊技制御データ群内の先頭から4バイト目の遊技制御データ「d3」及び5バイト目の遊技制御データ「d4」にセットされた構成となる。また、この際、図140Aに示すDLE変換前の遊技制御データ群内の先頭から5バイト目の遊技制御データ「d4」及び6バイト目の遊技制御データ「d5」もそれぞれ1バイト後方にずれて、遊技制御データ群内の6バイト目の遊技制御データ「d5」及び7バイト目の遊技制御データ「d6」にそれぞれセットされた構成となる。
それゆえ、図140Bに示す例では、コマンドデータ内における遊技制御データ群のデータ長が、DLE変換前の遊技制御データ群のデータ長より1バイト長くなるので、コマンドデータ全体のデータ長も1バイト長くなる。なお、図140Bに示すコマンドデータの送信動作では、4バイト目のDLEデータ(「7DH」)及び5バイト目のDLE変換後の遊技制御データ(「5DH」)の送信時に、これらのデータは、送信データバッファ718に書き込まれず、DLE制御(変換)後に直接、送信シフトレジスタ719にセットされて送信される。
[11-8-4.メイン・サブ間の送信データの格納処理例]
次に、主制御部600から副制御部620に、非同期シリアル通信により送信されるデータ(コマンドデータ)に含まれる遊技制御データ群の生成格納処理について説明する。なお、ここでは、説明を簡略化するため、送信する1パケットの遊技制御データ群には、DLE制御の対象となる遊技制御データが含まれないものとする。また、以下に説明する遊技制御データ群の生成格納処理は、主制御基板601に実装されたマイクロプロセッサ610のメインCPUにより実行制御される。
(従来の遊技機における遊技制御データ群の生成格納処理例)
まず、第3の遊技機で行われる遊技制御データ群の生成格納処理を説明する前に、その特徴をより明確にするため、従来の遊技機(HB-LSIを備えない遊技機)で行われる遊技制御データ群の生成格納処理について説明する。
また、ここでは、第3の遊技機で行われる遊技制御データ群の生成格納処理の特徴をより明確にするため、副制御部620に送信される送信データに含まれる遊技制御データ群のデータ長を7バイトの固定長とする例、すなわち、送信する遊技制御データの個数を7個とする例を説明する。さらに、ここでは、遊技制御データ群の先頭に配置される遊技制御データにはコマンド種別を示すデータ(コマンドID)がセットされ、最後に配置される遊技制御データには遊技状態に関するデータがセットされ、先頭から2番目~6番目に配置される遊技制御データ(後述の通信パラメータ1~5)には遊技状況及び遊技進行に関する各種データがセットされるものとする。
なお、従来の遊技機(HB-LSIを備えない遊技機)では、メインCPUが有するアキュームレータA(以下、「Aレジスタ」と称する)、汎用レジスタB(以下、「Bレジスタ」と称する)、汎用レジスタC(以下、「Cレジスタ」と称する)、汎用レジスタD(以下、「Dレジスタ」と称する)、汎用レジスタE(以下、「Eレジスタ」と称する)、汎用レジスタH(以下、「Hレジスタ」と称する)及び汎用レジスタL(以下、「Lレジスタ」と称する)、並びに、メインRAM内に設けられた通信データ格納領域を使用して遊技制御データ群の生成格納処理が行われる。なお、各レジスタのデータ長は1バイトである。
図141は、従来の遊技機の主制御部で実行される遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)の手順を示すフローチャートである。
まず、メインCPUは、メインRAM内に設けられた通信データ格納領域に空きがあるか否かを判別する(S401)。S401において、メインCPUが、通信データ格納領域に空きがないと判別した場合(S401がNO判定である場合)、メインCPUは、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了する。
一方、S401において、メインCPUが、通信データ格納領域に空きがあると判別した場合(S401がYES判定である場合)、メインCPUは、Aレジスタにセットされたコマンド種別を示すコマンドID(遊技制御データ「d0」)を、メインRAMの通信データ一時領域(不図示)にセット(格納)する(S402)。
次いで、メインCPUは、Bレジスタにセットされた遊技状況に関する通信パラメータ1(遊技制御データ「d1」)を、メインRAMの通信データ一時領域(不図示)にセット(格納)する(S403)。次いで、メインCPUは、Cレジスタにセットされた遊技状況に関する通信パラメータ2(遊技制御データ「d2」)を、通信データ一時領域にセットする(S404)。次いで、メインCPUは、Dレジスタにセットされた遊技状況に関する通信パラメータ3(遊技制御データ「d3」)を、通信データ一時領域にセットする(S405)。次いで、メインCPUは、Eレジスタにセットされた遊技状況に関する通信パラメータ4(遊技制御データ「d4」)を、通信データ一時領域にセットする(S406)。次いで、メインCPUは、Hレジスタにセットされた遊技状況に関する通信パラメータ5(遊技制御データ「d5」)を、通信データ一時領域にセットする(S407)。次いで、メインCPUは、Lレジスタにセットされた遊技状態に関するデータ(遊技制御データ「d6」)を、通信データ一時領域にセットする(S408)。
次いで、メインCPUは、メインRAMの通信データ一時領域にセットされたデータをメインRAM内に設けられた通信データ格納領域にセットする(S409)。次いで、メインCPUは、送信するコマンドデータのサム値(BCC)を、Aレジスタ、Bレジスタ、Cレジスタ、Dレジスタ、Eレジスタ、Hレジスタ及びLレジスタにセットされたデータを用いて生成し、当該サム値を通信データ格納領域にセットする(S410)。そして、S410の処理後、メインCPUは、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了する。
(第3の遊技機における遊技制御データ群の生成格納処理の実施例1)
次に、図141で説明した遊技制御データ群の生成格納処理で生成した遊技制御データ群と同じ遊技制御データ群を第3の遊技機で生成する場合の遊技制御データ群の生成格納処理の実施例1を説明する。図142は、第3の遊技機の主制御部600で実行される遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)の実施例1の手順を示すフローチャートである。なお、実施例1では、主制御基板601に実装されたマイクロプロセッサ610のメインCPUが、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611内の第1データセットレジスタ711、第2データセットレジスタ712及び送信データバッファ718を使用して、遊技制御データ群の生成格納処理を行う。
まず、メインCPUは、第1HB-LSI611内の送信データバッファ718に空きがあるか否かを判別する(S411)。この処理では、メインCPUは、第1HB-LSI611内のステータス監視回路714に設けられたステータスレジスタT(図129A参照)に格納された情報を参照して、送信データバッファ718に空きがあるか否かを判別する。S411において、メインCPUが、送信データバッファ718に空きがないと判別した場合(S411がNO判定である場合)、メインCPUは、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了する。
一方、S411において、メインCPUが、送信データバッファ718に空きがあると判別した場合(S411がYES判定である場合)、メインCPUは、コマンド種別を示すコマンドID(遊技制御データ「d0」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S412)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされたコマンドIDが送信データバッファ718に書き込まれる。
なお、S411において、メインCPUにより送信データバッファ718に空きがあると判別される場合は、ステータスレジスタT(図129A参照)のビット0(B0)がオン(「1」)で、且つ、ビット1(B1)がオン(「1」)又はビット2(B2)がオン(「1」)である場合に該当する。さらに、S411において、メインCPUにより送信データバッファ718に空きがあると判別される条件に、ステータスレジスタTのビット5(B5)がオン(「1」)及び/又はビット6(B6)がオン(「1」)の条件を加えてもよい。
次いで、メインCPUは、遊技状況に関する通信パラメータ1(遊技制御データ「d1」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S413)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされた通信パラメータ1が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、送信データバッファ718内において、通信パラメータ1は、コマンドIDが格納されたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。
次いで、メインCPUは、遊技状況に関する通信パラメータ2(遊技制御データ「d2」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S414)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされた通信パラメータ2が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、送信データバッファ718内において、通信パラメータ2は、通信パラメータ1が格納されたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。
次いで、メインCPUは、遊技状況に関する通信パラメータ3(遊技制御データ「d3」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S415)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされた通信パラメータ3が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、送信データバッファ718内において、通信パラメータ3は、通信パラメータ2が格納されたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。
次いで、メインCPUは、遊技状況に関する通信パラメータ4(遊技制御データ「d4」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S416)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされた通信パラメータ4が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、送信データバッファ718内において、通信パラメータ4は、通信パラメータ3が格納されたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。
次いで、メインCPUは、遊技状況に関する通信パラメータ5(遊技制御データ「d5」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S417)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされた通信パラメータ5が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、送信データバッファ718内において、通信パラメータ5は、通信パラメータ4が格納されたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。
次いで、メインCPUは、遊技状態に関するデータ(遊技制御データ「d6」)を、第2データセットレジスタ712にセットする(S418)。また、この処理により、第2データセットレジスタ712にセットされた遊技状態に関するデータが送信データバッファ718に書き込まれる。この際、送信データバッファ718内において、遊技状態に関するデータは、通信パラメータ5が格納されたアドレスの次のアドレスに書き込まれる。
なお、第3の遊技機では、上述のように、第2データセットレジスタ712には、送信する1パケットの遊技制御データ群の最後の遊技制御データが格納され、これにより1パケットの遊技制御データ群の書き込み完了が判断される。それゆえ、メインCPUは、S418の処理において第2データセットレジスタ712に遊技制御データがセットされることにより、1パケット分の遊技制御データ群の送信データバッファ718への書き込みが完了したと判断する。そして、S418の処理後、メインCPUは、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了する。
なお、上述した遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)では、メインCPUは、各遊技制御データを第1データセットレジスタ711又は第2データセットレジスタ712にセットして、送信データバッファ718に書き込む度に、ステータスレジスタT(図129A参照)のビット4(B4)がオン(「1」)にセットされているか否か(転送エラーが有るか否か)をチェックし、ステータスレジスタTのビット4(B4)がオンであれば、遊技制御データを送信データバッファ718に書き込む処理を中断してもよい。
(第3の遊技機における遊技制御データ群の生成格納処理の実施例2)
図142の実施例1では、遊技制御データ群のデータ長を固定長とする場合に適用可能な遊技制御データ群の生成格納処理を説明したが、第3の遊技機では、上述のように、遊技制御データ群のデータ長を可変長とすることができる。ここでは、遊技制御データ群のデータ長が固定長である場合だけでなく、遊技制御データ群のデータ長が可変長である場合にも適用可能な遊技制御データ群の生成格納処理(実施例2)を説明する。
図143は、第3の遊技機の主制御部600で実行される遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)の実施例2の手順を示すフローチャートである。なお、実施例2では、メインCPUは、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611内の第1データセットレジスタ711、第2データセットレジスタ712及び送信データバッファ718だけでなく、メインRAM、メインCPUが有するAレジスタ、Bレジスタ、並びに、Hレジスタ及びLレジスタを組み合わせて構成されたHLペアレジスタ(データ長は2バイト)を使用して、遊技制御データ群の生成格納処理を行う。また、実施例2では、コマンド種別(コマンドID)に応じて送信される各種遊技制御データ(遊技状況に関する通信パラメータ)が、コマンド種別(コマンドID)毎に、メインRAM内の所定領域(以下、「送信対象格納領域」と称する)において、まとめて(アドレス上連続して)格納されているものとする。例えば、スタートスイッチ7Sのオン状態を契機として送信されるスタートコマンドに対応する送信対象格納領域には、遊技制御データとして、メインRAMの内部当籤役、ロック(リール)演出の種類、フリーズ演出の種類(フリーズする時間)、RT状態、及び、遊技状態がまとめて格納される。
まず、メインCPUは、第1HB-LSI611内の送信データバッファ718に空きがあるか否かを判別する(S421)。この処理では、メインCPUは、第1HB-LSI611内のステータス監視回路714に設けられたステータスレジスタT(図129A参照)に格納された情報を参照して、送信データバッファ718に空きがあるか否かを判別する。S421において、メインCPUが、送信データバッファ718に空きがないと判別した場合(S421がNO判定である場合)、メインCPUは、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了する。
一方、S421において、メインCPUが、送信データバッファ718に空きがあると判別した場合(S421がYES判定である場合)、メインCPUは、コマンドID(遊技制御データ「d0」)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S422)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされたコマンドIDが送信データバッファ718に書き込まれる。
次いで、メインCPUは、送信する残りの遊技制御データの数(以下、「送信数」と称する)をBレジスタにセットする(S423)。なお、S423の処理でセットされる送信数は、送信する1パケットの遊技制御データ群に含まれる遊技制御データの個数「n」を1減算(コマンド種別(コマンドID)のデータ分を減算)した値となる。例えば、送信する1パケットの遊技制御データ群に含まれる遊技制御データの個数が「7」である場合には、S423の処理で、Bレジスタに送信数として「6」がセットされる。
次いで、メインCPUは、処理対象のコマンド種別(コマンドID)に対応するメインRAM内の送信対象格納領域のアドレス(先頭アドレス)を、HLペアレジスタに、セットする(S424)。
次いで、メインCPUは、現時点でHLペアレジスタにセットされている送信対象格納領域のアドレス(先頭アドレス又は更新後のアドレス)に格納されている通信パラメータ(遊技制御データ)を、第1データセットレジスタ711にセットする(S425)。また、この処理により、第1データセットレジスタ711にセットされた通信パラメータ(遊技制御データ)が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、通信パラメータ(遊技制御データ)は、送信データバッファ718内において、前回の第1データセットレジスタ711への通信パラメータのセット処理(S422又はS425)で送信データバッファ718に書き込まれた通信パラメータ(遊技制御データ)のアドレスの次のアドレスに書き込まれる。なお、S425の処理後に、メインCPUは、ステータスレジスタT(図129A参照)を読み込み、ビット4(B4)がオン(「1」)であれば、処理を中断し、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了するようにしてもよい。
次いで、メインCPUは、HLペアレジスタの値を1加算する(S426)。この処理により、通信パラメータ(遊技制御データ)の読み出し対象となる送信対象格納領域内のアドレスが更新される。次いで、メインCPUは、Bレジスタの値を1減算する(S427)。この処理により、送信数(残りの遊技制御データの数)が更新される。
次いで、メインCPUは、Bレジスタの値(送信数)が「1」であるか否かを判別する(S428)。
S428において、メインCPUが、Bレジスタの値(送信数)が「1」でないと判別した場合(S428がNO判定である場合)、メインCPUは、処理をS425に戻し、S425~S428の処理を繰り返す。
一方、S428において、メインCPUが、Bレジスタの値(送信数)が「1」であると判別した場合(S428がYES判定である場合)、メインCPUは、現時点でHLペアレジスタにセットされている送信対象格納領域内の最後のアドレスに格納されている通信パラメータ(遊技状態に関する情報:遊技制御データ「dn」)を、第2データセットレジスタ712にセットする(S429)。また、この処理により、第2データセットレジスタ712にセットされた通信パラメータ(遊技制御データ「dn」)が送信データバッファ718に書き込まれる。この際、通信パラメータ(遊技制御データ「dn」)は、送信データバッファ718内において、前回の第1データセットレジスタ711への通信パラメータのセット処理(S425)で送信データバッファ718に書き込まれた通信パラメータ(遊技制御データ「dn-1」)のアドレスの次のアドレスに書き込まれる。なお、メインCPUは、S429で第2データセットレジスタ712にセットされたことで、1パケット分の遊技制御データ群の書き込みが完了したと判断する。そして、S429の処理後、メインCPUは、遊技制御データ群の生成格納処理(通信データ格納処理)を終了する。
非同期シリアル通信回路702では、S429の処理で第2データセットレジスタ712に通信パラメータがセットされ、セットされた通信パラメータが送信データバッファ718に書き込まれることで、1パケット分の遊技制御データ群の書き込みが完了する。そして、これにより、1パケット分のデータ長が確定し、確定したデータ長が対応するパケットの送信パケットカウンタにセットされる。
[11-9.同期シリアル通信でのデータ伝送]
次に、主制御部600内において、主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間で行われるデータの同期シリアル通信について説明する。
[11-9-1.同期シリアル通信で伝送されるデータの構成例1]
(伝送データの全体構成)
図144は、主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間において、同期シリアル通信により伝送されるデータの構成例1を示す図である。なお、図144では、説明の便宜上、伝送データにセットされる周辺装置に対する入出力データについては、伝送されるデータの値(図中の「値」)だけでなく、各データの種別を示す名称(図中の「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」等)、伝送データの送信元及び最終的な受信先となるマスター(第1HB-LSI611)内における各データの格納エリア(RAMやレジスタ)のアドレス(図中の「FED0H」等)、並びに、各データが入出力さるポート(図中の「PO0」等)も記載されている。
また、図144では、説明の便宜上、伝送データにセットされる情報表示装置14の表示データについては、表示データの値(図中の「値」:「00H~FFH」)だけでなく、各表示データの種別を示す名称(図中の「7セグ表示データ1-1」等)、表示データの送信元及び最終的な受信先となるマスター(第1HB-LSI611)内における各表示データの格納エリア(RAMやレジスタ)のアドレス(図中の「FED4H」等)、並びに、各表示データで表示される7セグLED及びランプの種別(図中の「クレジット表示用2桁7セグ」等)も記載されている。
さらに、図144では、説明の便宜上、伝送データに含まれる各1バイトのデータにおいて、図面上の右側に位置するビットほど、上位側のビットとする。そえゆれ、例えば、「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」内の先頭側の1バイトのデータでは、最も左側に位置するビット(出力ポート「PO0」に対応するビット)が最下位ビット(LSB)になり、最も右側に位置するビット(出力ポート「PO7」に対応するビット)が最上位ビット(MSB)になる。
構成例1の伝送データは、図144に示すように、その先頭側から、「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」~「スレーブ4(予備)出力データ」と称する各2バイトのデータ、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」と称する各1バイトのデータ、「状態表示データ(兼用)」と称する1バイトのデータ、「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」と称する各1バイトのデータ、「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」~「スレーブ4(予備)入力データ」と称する各2バイトのデータ、及び、「CRC16」と称する2バイトのデータがこの順で配置されて構成される。すなわち、構成例1では、1つの伝送データ内のデータ部分のサイズ(データ長)は、26バイトとなる。なお、実際の伝送データは、使用する同期シリアルバス通信の通信仕様に応じたデータフォーマットで構成され、当該データフォーマットの伝送データが、マスター・スレーブ間、及び、スレーブ・スレーブ間で送受信されるが、ここでは、その通信仕様の説明は省略する。
また、第3の遊技機では、メインCPU及びマスター(第1HB-LSI611)間において、主制御基板601に設けられたマイクロプロセッサ610のメインCPUが、各スレーブに出力するデータを伝送データに書き込む際、及び、伝送データから各スレーブで入力されたデータを読み込む際に、図144に記載されているマスター内におけるデータの格納エリア(RAMやレジスタ)のアドレスを指定することにより、メモリマップドIO方式でデータの入出力が行われる。以下、伝送データ内にセットされる各種データの内容を説明する。
(スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ~スレーブ4(予備)出力データ)
「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」にセットされるデータは、回胴装置基板602に実装された第2HB-LSI612(PIO回路705)の「PO0」~「PO15」端子に出力(セット)されるデータである。すなわち、「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」には、回胴装置基板602(PIO回路705)に接続されたホッパー装置32、各リール等(図132参照)の周辺装置に出力されるデータ(制御信号)がセットされる。
「スレーブ2(第3HB-LSI)出力データ」にセットされるデータは、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613(PIO回路705)の「PO0」~「PO15」端子に出力(セット)されるデータである。すなわち、「スレーブ2(第3HB-LSI)出力データ」には、ドア中継基板603(PIO回路705)に接続されたメダルセンサ31S、ストップスイッチ8S等(図133参照)の周辺装置に出力されるデータ(制御信号)がセットされる。
なお、第3の遊技機では、「スレーブ3」及び「スレーブ4」に対応するHB-LSIは設けられていないので、2バイトの「スレーブ3(予備)出力データ」及び「スレーブ4(予備)出力データ」は未使用であり、これらの出力データには任意のデータをセットすることができる。第3の遊技機では、機能の拡張等により主制御部600内にさらにスレーブ設定されるHB-LSIが設けられた場合にも適用可能となるように、伝送データ内に、2バイトの「スレーブ3(予備)出力データ」及び「スレーブ4(予備)出力データ」が設けられている。それゆえ、主制御部600内にスレーブ設定されたHB-LSIを2個しか設けない場合には、伝送データに、「スレーブ3(予備)出力データ」及び「スレーブ4(予備)出力データ」を設けない構成にしてもよい。
「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」~「スレーブ4(予備)出力データ」のセット処理は、伝送データの送信時に、主制御基板601(第1HB-LSI611)で行われる。
(7セグ表示データ1-1、7セグ表示データ1-2)
「7セグ表示データ1-1」及び「7セグ表示データ1-2」にセットされた各1バイトの表示データは、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613に出力(セット)されるデータであり、遊技機が通常の遊技機(メダルレスでない遊技機)である場合に使用される表示データである。
「7セグ表示データ1-1」にセットされる表示データは、情報表示装置14内のクレジット表示ランプ(2桁の7セグLED:図125A参照)の点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ1-1」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS0」端子及び「AS1」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。なお、遊技機がメダルレス遊技機である場合、「7セグ表示データ1-1」は使用されないので、「7セグ表示データ1-1」には任意のデータをセットすることができる。
「7セグ表示データ1-2」にセットされる表示データは、情報表示装置14内の払出表示ランプ(2桁の7セグLED:図125A参照)の点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ1-2」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS2」端子及び「AS3」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。なお、遊技機がメダルレス遊技機である場合、「7セグ表示データ1-2」は使用されないので、「7セグ表示データ1-2」には任意のデータをセットすることができる。
「7セグ表示データ1-1」及び「7セグ表示データ1-2」のセット処理は、伝送データの送信時に、主制御基板601(第1HB-LSI611)で行われる。
(7セグ表示データ1-3(兼用)、7セグ表示データ1-4(兼用))
「7セグ表示データ1-3(兼用)」及び「7セグ表示データ1-4(兼用)」にセットされる各1バイトの表示データは、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613に出力(セット)されるデータであり、遊技機が通常の遊技機及びメダルレス遊技機にいずれであっても使用(兼用)される表示データである。
「7セグ表示データ1-3(兼用)」にセットされる表示データは、情報表示装置14内の指示モニタ(3桁の7セグLED:図125A及び図126)の3桁目(図中の左側の7セグLED:左リール3Lに対応)及び2桁目(図中の中央の7セグLED:中リール3Cに対応)の7セグLEDの点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ1-3(兼用)」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS4」端子及び「AS5」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。
「7セグ表示データ1-4(兼用)」にセットされる表示データは、情報表示装置14内の指示モニタ(3桁の7セグLED:図125A及び図126)の1桁目(図中の右側の7セグLED:右リール3Rに対応)の7セグLEDの点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ1-4(兼用)」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS6」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。なお、構成例1では、「7セグ表示データ1-4(兼用)」中の下位側4ビットに、指示モニタの1桁目の7セグLED用の表示データがセットされ、上位側4ビットは未使用となる(任意のデータをセットすることができる)。
「7セグ表示データ1-3(兼用)」及び「7セグ表示データ1-4(兼用)」のセット処理は、伝送データの送信時に、主制御基板601(第1HB-LSI611)で行われる。
(状態表示データ(兼用))
「状態表示データ(兼用)」にセットされる1バイトの表示データは、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613に出力(セット)されるデータであり、遊技機が通常の遊技機及びメダルレス遊技機にいずれであっても使用(兼用)される表示データである。「状態表示データ(兼用)」にセットされる1バイトの表示データは、情報表示装置14内に設けられた状態表示用の各種LED(図125A及び図126中の各種状態表示ランプ)の点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「状態表示データ(兼用)」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS7」端子で点灯/消灯制御される状態表示ランプ用の表示データである。
「状態表示データ(兼用)」中の最下位ビットから6ビット目までの各ビットには、それぞれ、「INSERT」ランプ、「START」ランプ、「REPLAY」ランプ、「1BET」ランプ、「2BET」ランプ及び「3BET」ランプの点灯/消灯制御用の表示データ(0(オフ)/1(オン)データ)がセットされる。なお、「状態表示データ(兼用)」中の7ビット目及び8ビット目は、未使用であり、これらのビットには任意のデータをセットすることができる。また、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、「状態表示データ(兼用)」中の最下位ビットは未使用となる。
「状態表示データ(兼用)」のセット処理は、伝送データの送信時に、主制御基板601(第1HB-LSI611)で行われる。
(7セグ表示データ2-1~7セグ表示データ2-3)
「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」にセットされる各1バイトの表示データは、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613に出力(セット)されるデータであり、遊技機がメダルレス遊技機である場合に使用される表示データである。なお、遊技機がメダルレス遊技機でない場合、「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」は使用されないので、「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」には任意のデータをセットすることができる。
「7セグ表示データ2-1」にセットされる表示データは、情報表示装置14の状態表示モニタ14a内に設けられた5桁の7セグLED(図126参照)の1桁目(1の位:図中において最も右側に位置する7セグLED)及び2桁目(10の位)の7セグLEDの点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ2-1」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS8」端子及び「AS9」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。
「7セグ表示データ2-2」にセットされる表示データは、情報表示装置14の状態表示モニタ14a内に設けられた5桁の7セグLED(図126参照)の3桁目(100の位)及び4桁目(1000の位)の7セグLEDの点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ2-2」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS10」端子及び「AS11」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。
「7セグ表示データ2-3」にセットされる表示データは、情報表示装置14の状態表示モニタ14a内に設けられた5桁の7セグLED(図126参照)の5桁目(10000の位:図中において最も左側に位置する7セグLED)の7セグLEDの点灯/消灯制御用の表示データである。すなわち、「7セグ表示データ2-3」にセットされる表示データは、第3HB-LSI613(LED駆動回路703)の「AS12」端子で点灯/消灯制御される7セグLED用の表示データである。なお、構成例1では、「7セグ表示データ2-3」中の下位側4ビットに、5桁目の7セグLEDの表示データがセットされ、上位側4ビットの表示データは未使用となる(任意のデータをセットすることができる)。
「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」のセット処理は、伝送データの送信時に、主制御基板601(第1HB-LSI611)で行われる。
なお、本実施形態では、情報表示装置14をドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613に接続する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、情報表示装置14を回胴装置基板602に実装された第2HB-LSI612に接続してもよく、この場合にも、本実施形態と同様に、上述した情報表示装置14の表示処理を適用することができる。
(スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ~スレーブ4(予備)入力データ)
「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」にセットされるデータは、回胴装置基板602に実装された第2HB-LSI612(PIO回路705)の「PI0」~「PI15」端子に入力されるデータである。すなわち、「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」には、回胴装置基板602(PIO回路705)に接続された各リール等(図132参照)の周辺装置から入力されるデータ(検出信号)がセットされる。なお、「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」のセット処理は、伝送データが回胴装置基板602で受信された後、伝送データをドア中継基板603に送信するまでの間に、回胴装置基板602(第2HB-LSI612)で行われる。
「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」にセットされる表示データは、ドア中継基板603に実装された第3HB-LSI613(PIO回路705)の「PI0」~「PI15」端子に入力されるデータである。すなわち、「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」には、ドア中継基板603(PIO回路705)に接続されたメダルセンサ31S、ストップスイッチ8S等(図133参照)の周辺装置から入力されるデータ(検出信号)がセットされる。なお、「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」のセット処理は、伝送データがドア中継基板603で受信された後、伝送データを主制御基板601に送信するまでの間に、ドア中継基板603(第3HB-LSI613)で行われる。
また、第3の遊技機では、上述のように、「スレーブ3」及び「スレーブ4」に対応するHB-LSIは設けられていないので、2バイトの「スレーブ3(予備)入力データ」及び「スレーブ4(予備)入力データ」は未使用であり(伝送途中にも更新されない)、これらの入力データには任意のデータをセットすることができる。第3の遊技機では、機能の拡張等により主制御部600内にさらにスレーブ設定されるHB-LSIが設けられた場合にも適用可能となるように、伝送データ内に、2バイトの「スレーブ3(予備)入力データ」及び「スレーブ4(予備)入力データ」が設けられている。それゆえ、主制御部600内にスレーブ設定されたHB-LSIを2個しか設けない場合には、伝送データに、「スレーブ3(予備)入力データ」及び「スレーブ4(予備)入力データ」を設けない構成にしてもよい。
(CRC16)
「CRC16」にセットされるデータは、データ通信に伴い発生する異常を検出するための2バイトの誤り検出符号データである。「CRC16」にセットされるデータは、伝送データを受信したHB-LSI700において読み出され、データ通信エラーの発生の有無の判定に使用される。
また、各基板のHB-LSI700は、伝送データを送信する際に、当該送信時点において伝送データにセットされた「CRC16」以外のデータに基づいてシリアルバス通信回路701内のCRC生成回路(不図示)を用いて誤り検出符号データを算出し、その算出結果を「CRC16」にセットする。それゆえ、回胴装置基板602からドア中継基板603に伝送データを送信する際には、誤り検出符号データの算出に使用される「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」は、回胴装置基板602で更新された「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」となる。また、ドア中継基板603から主制御基板601に伝送データを送信する際には、誤り検出符号データの算出に使用される「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」及び「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」は、それぞれ、回胴装置基板602で更新された「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」及びドア中継基板603で更新された「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」となる。
なお、各基板のHB-LSI700で伝送データを受信した際に、「CRC16」にセットされた誤り検出符号データに誤りがあるか否かのチェックは、シリアルバス通信回路701内のCRCチェック回路(不図示)により行われるが、チェック結果に誤りがあると判別された場合には、各基板のHB-LSI700は、受信した伝送データを破棄する。
上述のように、主制御部600内の基板間で伝送されるデータの構成例1では、伝送データの構成(フォーマット)を、遊技機が通常の遊技機であってもメダルレス遊技機であっても対応可能となる構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技機が通常の遊技機である場合には、図144に示す伝送データの構成において、メダルレス遊技機専用の表示データ(「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」)を除いた構成にしてもよい。また、例えば、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、図144に示す伝送データの構成において、通常の遊技機専用の表示データ(「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-2」)を除いた構成にしてもよい。
[11-9-2.同期シリアル通信でのデータ伝送動作例1]
次に、主制御部600内における構成例1(図144)の伝送データの伝送動作例1を説明する。なお、伝送データの伝送動作例1において、同期シリアル通信は、メインCPUで行われる定期割込処理の周期(1割込時間:1.1172ms)以下の間隔で実施され、コントローラ706により実行制御される。また、以下に説明する伝送データの伝送動作例1では、主制御基板601(第1HB-LSI611:マスター)で生成された伝送データのサイズ(26バイト)は送信途中で変化せず、送信途中で伝送エラーも発生しない場合を説明する。
まず、マスター設定された第1HB-LSI611において、各スレーブ(回胴装置基板602及びドア中継基板603)の出力ポートから出力する各種出力データ、及び、情報表示装置14の各種表示データを伝送データにセットする。具体的には、メインCPUは、第1HB-LSI611において、メモリマップドIO方式により、図144に示す伝送データ中の「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」、「スレーブ2(第3HB-LSI)出力データ」、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」、「状態表示データ(兼用)」及び「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」にそれぞれ対応するアドレスにデータをセットする。
この際、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」が、第1HB-LSI611内に設けられた第1セグレジスタ0~3(不図示)にそれぞれセットされ、「状態表示データ(兼用)」が、第1HB-LSI611内に設けられた第1セグレジスタ4(不図示)にセットされる。また、この際、「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」が、第1HB-LSI611内に設けられた第2セグレジスタ0~2(不図示)にそれぞれセットされる。
なお、第1HB-LSI611からの伝送データの送信時には、「スレーブ3(予備)出力データ」、「スレーブ4(予備)出力データ」、「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」、「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」、「スレーブ3(予備)及びデータ」及び「スレーブ4(予備)入力データ」に対しては、データのセット処理を行わない。それゆえ、主制御基板601(第1HB-LSI611)からのデータ送信開始時の伝送データでは、「スレーブ3(予備)出力データ」、「スレーブ4(予備)出力データ」、「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」、「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」、「スレーブ3(予備)及びデータ」及び「スレーブ4(予備)入力データ」は、その時点で格納されているデータとなる。
次いで、第1HB-LSI611でセットされた各種データを用いて2バイトの誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果が伝送データ内の「CRC16」にセットされる。そして、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、上述した伝送データのセット処理(伝送データの生成処理)が終了すると、当該生成された伝送データが、第1HB-LSI611(シリアルバス通信回路701)から、光ファイバーケーブルを介して、回胴装置基板602(第2HB-LSI612)に送信される。
次いで、回胴装置基板602の第2HB-LSI612(シリアルバス通信回路701)で、主制御基板601からの伝送データが受信されると、第2HB-LSI612において、伝送データに含まれる「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」(2バイト)が、第2HB-LSI612の「PO0」~「PO15」端子(PIO回路705の出力端子)にセットされる。また、この際、第2HB-LSI612において、「PI0」~「PI15」端子(PIO回路705の入力端子)を介して読み込まれた各種周辺装置(リール等)の検出データが、伝送データ内の「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」にセットされる。
次いで、第2HB-LSI612において、この時点で伝送データにセットされている各種データを用いて誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果が伝送データ内の「CRC16」にセットされる。これにより、伝送データ内の「CRC16」が更新される。そして、第2HB-LSI612での上記処理が終了した後、「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」に新たなデータがセットされた伝送データが、回胴装置基板602の第2HB-LSI612(シリアルバス通信回路701)から、光ファイバーケーブルを介して、ドア中継基板603(第3HB-LSI613)に送信される。
次いで、ドア中継基板603の第3HB-LSI613(シリアルバス通信回路701)で、回胴装置基板602からの伝送データが受信されると、第3HB-LSI613において、伝送データに含まれる「スレーブ2(第3HB-LSI)出力データ」(2バイト)が、第3HB-LSI613の「PO0」~「PO15」端子(PIO回路705の出力端子)にセットされる。また、この際、第3HB-LSI613において、「PI0」~「PI15」端子(PIO回路705の入力端子)を介して読み込まれた各種周辺装置(各種センサ、各種スイッチ等)の検出データが伝送データ内の「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」にセットされる。
さらに、第3HB-LSI613(シリアルバス通信回路701)で伝送データが受信されると、第3HB-LSI613において、コントローラ706の制御により、伝送データに含まれる各種7セグ表示データ及び状態表示データが、受信された順に、読み込まれる。次いで、読み込まれた各7セグ表示データ(1バイト)は、第3HB-LSI613において、コントローラ706の制御により、それぞれキャラクタデータに変換され、変換後の表示データがLED駆動回路703に入力される。また、読み込まれた状態表示データ(1バイト)も、LED駆動回路703に入力される。
なお、第3HB-LSI613で読み込まれる7セグ表示データの種別は、遊技機の種別に応じて異なる。具体的には、遊技機が通常の遊技機である場合には、伝送データに含まれる各種7セグ表示データのうち、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」が読み込まれ、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、「7セグ表示データ1-3(兼用)」、「7セグ表示データ1-4(兼用)」及び「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」が読み込まれる。また、伝送データに含まれる「状態表示データ(兼用)」は、遊技機の種別に関係なく、第3HB-LSI613で読み込まれる。
次いで、第3HB-LSI613において、この時点で伝送データにセットされている各種データを用いて誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果が伝送データ内の「CRC16」にセットされる。これにより、伝送データ内の「CRC16」が更新される。そして、第3HB-LSI613での上記処理が終了した後、「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」に新たなデータがセットされた伝送データが、ドア中継基板603の第3HB-LSI613(シリアルバス通信回路701)から、光ファイバーケーブルを介して、主制御基板601(第1HB-LSI611)に送信される。
次いで、主制御基板601の第1HB-LSI611(シリアルバス通信回路701)で、ドア中継基板603からの伝送データが受信されると、メインCPUにおいて、第1HB-LSI611からバス606(データバス及びアドレスバスを含む)を介して、伝送データ内の「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」及び「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」にセットされたデータが読み出される(取得される)。これにより、メインCPUは、外部の周辺装置(ホッパー装置、リール、各種センサ、各種スイッチ等)の状態を把握することができる。また、第1HB-LSI611で伝送データが受信された際に、メインCPUが、伝送データ内の「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」及び「スレーブ2(第3HB-LSI)出力データ」にセットされたデータを読み出すことで、正常に、第2HB-LSI612及び第3HB-LSI613の出力ポートPO0~PO15から制御信号が出力されたか否かを確認することができる。
[11-9-3.同期シリアル通信で伝送されるデータの構成例2]
主制御部600内の基板間で伝送されるデータの構成及びその伝送態様は、上述した構成例1及び伝送動作例1の態様に限定されない。例えば、マスター設定の第1HB-LSI611と、スレーブ設定の第2HB-LSI612及び第3HB-LSI613との間におけるデータの伝送を、スレーブ毎に別個に行う構成にしてもよい。この場合、送信先のHB-LSI700のアドレスを指定して、送信先毎に伝送データの送受信が行われる。なお、構成例2においても、伝送データの伝送方向は、主制御基板601から回胴装置基板602及びドア中継基板603を巡回して主制御基板601に戻る方向とする。
図145は、主制御基板601、回胴装置基板602及びドア中継基板603間において、同期シリアル通信により伝送されるデータの構成例2を示す図である。図145Aは、主制御基板601から回胴装置基板602又はドア中継基板603に同期シリアル通信により送信されるデータ(以下、「マスター送信データ」と称する)の構成を示す図であり、図145Bは、回胴装置基板602又はドア中継基板603から主制御基板601に同期シリアル通信により送信されるデータ(以下、「スレーブ送信データ」と称する)の構成を示す図である。
なお、図145においても、図144と同様に説明の便宜上、伝送データにセットされる周辺装置に対する入出力データについては、伝送されるデータの値(図中の「値」)だけでなく、各データの種別を示す名称(図中の「出力データ」、「入力データ」)、伝送データの送信元及び最終的な受信先となるマスター(第1HB-LSI611)内における各データの格納エリア(RAMやレジスタ)のアドレス(図中の「FE**H」、「FE##H」、「FE$$H」、「FE&&H」)及び各データが入出力されるポート(図中の「PO0」等)も記載されている。
図145Aにおいて、2バイトの出力データの各格納エリアのアドレスを示す「FE**H」及び「FE##H」は、出力データの送信先のスレーブの種別毎に応じて異なる。例えば、送信先となるスレーブが第2HB-LSI612(スレーブ1)である場合には、「FE**H」及び「FE##H」は、それぞれ「FED0H」及び「FED1H」となり、送信先となるスレーブが第3HB-LSI613(スレーブ2)である場合には、「FE**H」及び「FE##H」は、それぞれ「FED2H」及び「FED3H」となる(図144参照)。
また、図145Bにおいて、2バイトの入力データの各格納エリアのアドレスを示す「FE$$H」及び「FE&&H」は、入力データの送信元のスレーブの種別毎に応じて異なる。例えば、送信元となるスレーブが第2HB-LSI612(スレーブ1)である場合には、「FE$$H」及び「FE&&H」は、それぞれ「FEF0H」及び「FEF1H」となり、送信元となるスレーブが第3HB-LSI613(スレーブ2)である場合には、「FE$$H」及び「FE&&H」は、それぞれ「FEF2H」及び「FEF3H」となる(図144参照)。
また、図145では、説明の便宜上、伝送データにセットされる情報表示装置14の表示データについては、表示データの値(図中の「値」:「00H~FFH」)だけでなく、各表示データの種別を示す名称(図中の「7セグ表示データ1-1」等)、表示データの送信元及び最終的な受信先となるマスター(第1HB-LSI611)内における各表示データの格納エリア(RAMやレジスタ)のアドレス(図中の「FED4H」等)及び各表示データで表示される7セグLED及びランプの種別(図中の「クレジット表示用2桁7セグ」等)も記載されている。
(マスター送信データ)
マスター送信データは、図145Aに示すように、その先頭側から、「送信先アドレスデータ」と称する1バイトのデータ、「送信元アドレスデータ」と称する1バイトのデータ、「出力データ」と称する2バイトのデータ、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」と称する各1バイトのデータ、「状態表示データ(兼用)」と称する1バイトのデータ、「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」と称する各1バイトのデータ、及び、「CRC16」と称する2バイトのデータがこの順で配置されて構成される。すなわち、構成例2では、主制御基板601(マスター)から回胴装置基板602(スレーブ1)又はドア中継基板603(スレーブ2)に送信される1つのマスター送信データ内のデータ部分のサイズ(データ長)は、14バイトとなる。
なお、構成例2では、図145Aに示すように、送信先となるスレーブが情報表示装置14に接続されていない第2HB-LSI612(スレーブ1)である場合にも、情報表示装置14の表示データをマスター送信データに含ませているが、この理由は次の通りである。マスター送信データを受信したHB-LSI700では、スレーブの種別に関係なく、自身に内蔵されたLED駆動回路703に情報表示装置14に接続されているか否かを判断することができない。それゆえ、ここでは、送信先がスレーブ1及びスレーブ2のいずれであっても、同じフォーマットのマスター送信データで両スレーブに対応可能とするため、情報表示装置14の表示データを、送信先のスレーブの種別に関係なく、共通データとしてマスター送信データに含ませている。なお、本発明はこれに限定されず、スレーブ1用のマスター送信データとスレーブ2用のマスター送信データとをそれぞれ別個のフォーマットで構成してもよく、この場合には、スレーブ1用のマスター送信データに、情報表示装置14の表示データを含めなくてもよい。
また、構成例2では、予備の出力データ(図144中の「スレーブ3(予備)出力データ」、「スレーブ4(予備)出力データ」)がマスター送信データに含まれない例を説明するが、本発明はこれに限定されない。機能の拡張等のため、主制御部600内にスレーブ設定されるHB-LSIが増えた場合にも適用可能となるように、予備の出力データがマスター送信データに含まれていてもよい。
(送信先アドレスデータ、送信元アドレスデータ)
マスター送信データ中の「送信先アドレスデータ」及び「送信元アドレスデータ」には、各HB-LSI700(PIO回路705)の「S0」~「S2」端子に対する電圧の印加態様(3ビットのデータに対応)により設定されたアドレス(「00H」~「07H」)がセットされる。
具体的には、マスターとなる第1HB-LSI611では、「S0」~「S2」端子に5Vが印加されているので(図131参照)、第1HB-LSI611のアドレスデータは「07H」(=「111B」)となる。スレーブ1となる第2HB-LSI612では、「S0」端子に5Vが印加され、「S1」及び「S2」端子は接地されているので(図132参照)、第2HB-LSI612のアドレスデータは「04H」(=「100B」)となる。また、スレーブ2となる第3HB-LSI613では、「S0」及び「S1」端子に5Vが印加され、「S2」端子は接地されているので(図133参照)、第3HB-LSI613のアドレスデータは「06H」(=「110B」)となる。
それゆえ、主制御基板601(マスター)から回胴装置基板602(スレーブ1)にマスター送信データを送信する場合には、マスター送信データ中の「送信先アドレスデータ」には「04H」がセットされ、「送信元アドレスデータ」には「07H」がセットされる。一方、主制御基板601(マスター)からドア中継基板603(スレーブ)にマスター送信データを送信する場合には、マスター送信データ中の「送信先アドレスデータ」には「06H」がセットされ、「送信元アドレスデータ」には「07H」がセットされる。
(出力データ)
マスター送信データ中の「出力データ」には、送信先となるスレーブの種別に対応した出力データがセットされる。
例えば、主制御基板601(マスター)から回胴装置基板602(スレーブ1)にマスター送信データを送信する場合には、マスター送信データ中の「出力データ」には、図144に示す構成例1の伝送データ内の「スレーブ1(第2HB-LSI)出力データ」と同様のデータがセットされる。一方、主制御基板601(マスター)からドア中継基板603(スレーブ2)にマスター送信データを送信する場合には、マスター送信データ中の「出力データ」には、図144に示す構成例1の伝送データ内の「スレーブ2(第3HB-LSI)出力データ」と同様のデータがセットされる。
(7セグ表示データ1-1~7セグ表示データ1-4(兼用))
マスター送信データ中の「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」には、それぞれ、例えば、図144に示す構成例1の伝送データ内の「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」と同様のデータがセットされる。
すなわち、マスター送信データ中の「7セグ表示データ1-1」及び「7セグ表示データ1-2」には、遊技機が通常の遊技機である場合に使用される情報表示装置14(図125A参照)内のクレジット表示ランプ(2桁の7セグLED)及び払出表示ランプ(2桁の7セグLED)の表示データがセットされる。また、マスター送信データ中の「7セグ表示データ1-3(兼用)」及び「7セグ表示データ1-4(兼用)」には、遊技機の種別に関係なく、情報表示装置14(図125及び図126参照)内の指示モニタの表示データがセットされる。
(状態表示データ(兼用))
マスター送信データ中の「状態表示データ(兼用)」には、例えば、図144に示す構成例1の伝送データ内の「状態表示データ(兼用)」と同様のデータがセットされる。すなわち、マスター送信データ中の「状態表示データ(兼用)」には、遊技機の種別に関係なく、情報表示装置14(図125及び図126参照)内の各種状態表示ランプの表示データがセットされる。なお、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、「状態表示データ(兼用)」中の最下位ビットは未使用となる。
(7セグ表示データ2-1~7セグ表示データ2-3)
マスター送信データ中の「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」には、それぞれ、例えば、図144に示す構成例1の伝送データ内の「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」と同様のデータがセットされる。すなわち、マスター送信データ中の「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」には、遊技機がメダルレス遊技機である場合に使用される情報表示装置14(図126参照)内の5桁の7セグLEDの表示データがセットされる。
(CRC16)
マスター送信データ中の「CRC16」には、「出力データ」、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」、「状態表示データ(兼用)」及び「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」を用いて算出された2バイトの誤り検出符号データがセットされる。
上述のように、主制御部600内の基板間で伝送されるデータの構成例2では、マスター送信データの構成(フォーマット)を、遊技機が通常の遊技機であってもメダルレス遊技機であっても対応可能となる構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、遊技機が通常の遊技機である場合には、図145に示す伝送データの構成において、メダルレス遊技機専用の表示データ(「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」)を除いた構成にしてもよい。また、例えば、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、図145に示す伝送データの構成において、通常の遊技機専用の表示データ(「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-2」)を除いた構成にしてもよい。
(スレーブ送信データ)
スレーブ送信データは、図145Bに示すように、その先頭側から、1バイトの「送信先アドレスデータ」、1バイトの「送信元アドレスデータ」、「入力データ」と称する2バイトのデータ、及び、2バイトの「CRC16」がこの順で配置されて構成される。すなわち、構成例2では、回胴装置基板602(スレーブ1)又はドア中継基板603(スレーブ2)から主制御基板601(マスター)に送信される1つのスレーブ送信データ内のデータ部分のサイズ(データ長)は、6バイトとなる。
なお、構成例2では、スレーブ送信データには、予備の入力データ(図144中の「スレーブ3(予備)入力データ」、「スレーブ4(予備)入力データ」)が含まれない例を説明するが、本発明はこれに限定されない。機能の拡張等のため、主制御部600内にスレーブ設定されるHB-LSIが増えた場合にも適用可能となるように、予備の入力データがスレーブ送信データに含まれていてもよい。
(送信先アドレスデータ、送信元アドレスデータ)
スレーブ送信データ中の「送信先アドレスデータ」には、送信先となるマスター(第1HB-LSI611)のアドレスデータがセットされる。具体的には、主制御基板601(マスター)のアドレス「07H」が、スレーブ送信データ中の「送信先アドレスデータ」にセットされる。
スレーブ送信データ中の「送信元アドレスデータ」には、送信元となるスレーブ(HB-LSI)のアドレスデータがセットされる。具体的には、回胴装置基板602(スレーブ1)から主制御基板601(マスター)にスレーブ送信データを送信する場合には、第2HB-LSI612のアドレスデータ「04H」が、「送信元アドレスデータ」にセットされる。一方、ドア中継基板603(スレーブ2)から主制御基板601(マスター)にスレーブ送信データを送信する場合には、第3HB-LSI613のアドレスデータ「06H」が、「送信元アドレスデータ」にセットされる。
(入力データ)
スレーブ送信データ中の「入力データ」には、送信元となるスレーブの種別に対応した入力データがセットされる。
回胴装置基板602(スレーブ1)から主制御基板601(マスター)にスレーブ送信データを送信する場合には、伝送データ中の「入力データ」には、例えば、図144に示す構成例1の伝送データ内の「スレーブ1(第2HB-LSI)入力データ」と同様のデータがセットされる。すなわち、この場合には、第2HB-LSI612において、「PI0」~「PI15」端子(PIO回路705の入力端子)を介して読み込まれる各種周辺装置(リール等)の検出データが、スレーブ送信データ中の「入力データ」にセットされる。
一方、ドア中継基板603(スレーブ2)から主制御基板601(マスター)にスレーブ送信データを送信する場合には、伝送データ中の「入力データ」には、例えば、図144に示す構成例1の伝送データ内の「スレーブ2(第3HB-LSI)入力データ」と同様のデータがセットされる。すなわち、この場合には、第3HB-LSI613において、「PI0」~「PI15」端子(PIO回路705の入力端子)を介して読み込まれる各種周辺装置(各種センサ、各種スイッチ等)の検出データが、スレーブ送信データ中の「入力データ」にセットされる。
(CRC16)
スレーブ送信データ中の「CRC16」には、「入力データ」を用いて算出された2バイトの誤り検出符号データがセットされる。
[11-9-4.同期シリアル通信でのデータ伝送動作例2]
次に、主制御部600内における構成例2(図145)の伝送データの伝送動作例2を説明する。なお、伝送データの伝送動作例2において、同期シリアル通信は、メインCPUで行われる定期割込処理の周期(1割込時間:1.1172ms)以下の間隔で実施され、コントローラ706により実行制御される。また、以下に説明する伝送データの伝送動作例2では、伝送データの送信途中で伝送エラーが発生しない場合を説明する。
また、伝送データの伝送動作例2では、送信先がスレーブ1である場合に行うマスター送信データの送信動作、及び、送信先がスレーブ2である場合に行うマスター送信データの送信動作は連続して行われるものとする。なお、この際、前者のデータ送信動作及び後者のデータ送信動作の順序は任意とする。また、本発明はこれに限定されず、前者のデータ送信動作と後者のデータ送信動作とを連続して行わずに、それぞれ独立して定期的(定期割込処理の周期以下の間隔)に実行する構成にしてもよい。
また、伝送データの伝送動作例2では、スレーブ1からマスターへのスレーブ送信データの送信動作は、スレーブ1がマスター送信データを受信した場合に開始し、スレーブ2からマスターへのスレーブ送信データの送信動作は、スレーブ2がマスター送信データを受信した場合に開始するものとする。なお、本発明はこれに限定されず、各スレーブでのスレーブ送信データの送信動作は、マスター送信データの受信契機とは関係なく、独立して定期的(定期割込処理の周期以下の間隔)に行われるようにしてもよい。
(マスター送信データの送信先がスレーブ1である場合のデータ伝送動作)
まず、主制御基板601(マスター)から回胴装置基板602(スレーブ1)にマスター送信データを送信する場合のデータ伝送動作について説明する。
まず、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、スレーブ1(第2HB-LSI612)のアドレス(04H)が、マスター送信データ内の「送信先アドレス」にセットされ、マスター(第1HB-LSI611)のアドレス(07H)が、「送信元アドレス」にセットされる。
次いで、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、メモリマップドIO方式により、スレーブ1(第2HB-LSI612)の出力ポートから出力するデータが、マスター送信データ内の「出力データ」にセットされ、情報表示装置14の表示データが、マスター送信データ内の「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」、「状態表示データ(兼用)」及び「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」にセットされる。
この際、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」が、第1HB-LSI611内に設けられた第1セグレジスタ0~3(不図示)にそれぞれセットされ、「状態表示データ(兼用)」が、第1HB-LSI611内に設けられた第1セグレジスタ4(不図示)にセットされる。また、この際、「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」が、第1HB-LSI611内に設けられた第2セグレジスタ0~2(不図示)にそれぞれセットされる。なお、回胴装置基板602(スレーブ1)には情報表示装置14が接続されていないので、情報表示装置14の表示データには任意のデータをセットすることができる。
次いで、第1HB-LSI611でセットされた各種データを用いて2バイトの誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果がマスター送信データ内の「CRC16」にセットされる。そして、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、上述したマスター送信データのセット処理(マスター送信データの生成処理)が終了すると、当該生成されたマスター送信データが、第1HB-LSI611(シリアルバス通信回路701)から、光ファイバーケーブルを介して、回胴装置基板602(第2HB-LSI612)に送信される。
次いで、回胴装置基板602の第2HB-LSI612(シリアルバス通信回路701)で、マスター送信データが受信されると、第2HB-LSI612において、マスター送信データに含まれる「送信先アドレス」のデータが読み込まれ、自身のアドレス(04H)であるか否かの判定処理が行われる。そして、「送信先アドレス」のデータが自身のアドレスである場合には、マスター送信データに含まれる「出力データ」が読み込まれ、「送信先アドレス」のデータが自身のアドレスでない場合には、第2HB-LSI612で「出力データ」が読み込まれずに、マスター送信データは、ドア中継基板603に転送される。
今、説明している動作例では、「送信先アドレス」のデータは、自身(第2HB-LSI612)のアドレスとなるので、第2HB-LSI612において、マスター送信データに含まれる「出力データ」が読み込まれ、当該「出力データ」が第2HB-LSI612の「PO0」~「PO15」端子(PIO回路705の出力端子)にセットされる。
なお、この際、マスター送信データに含まれる表示データも、一応、第2HB-LSI612内のLED駆動回路703に読み込まれるが、第2HB-LSI612には情報表示装置14が接続されていないので、LED駆動回路703での制御は空制御となる。
また、スレーブ1宛てのマスター送信データを受信した第2HB-LSI612では、マスター(第1HB-LSI611)のアドレス(07H)が、スレーブ送信データ内の「送信先アドレス」にセットされ、自身のアドレス(04H)が、「送信元アドレス」にセットされる。次いで、第2HB-LSI612において、「PI0」~「PI15」端子(PIO回路705の入力端子)を介して読み込まれた各種周辺装置(リール等)の検出データが、スレーブ送信データ内の「入力データ」にセットされる。
次いで、第2HB-LSI612において、スレーブ送信データにセットされた各種データを用いて誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果がスレーブ送信データ内の「CRC16」にセットされる。そして、スレーブ送信データのセット処理(伝送データの生成処理)が終了すると、当該生成されたスレーブ送信データが、回胴装置基板602(第2HB-LSI612)から、光ファイバーケーブルを介して、ドア中継基板603(第3HB-LSI613)に送信される。
次いで、ドア中継基板603の第3HB-LSI613(シリアルバス通信回路701)で、回胴装置基板602からのスレーブ送信データが受信されると、第3HB-LSI613において、スレーブ送信データに含まれる「送信先アドレス」のデータが読み込まれ、自身のアドレス(06H)であるか否かの判定処理が行われる。今、説明している動作例では、「送信先アドレス」のデータは、自身(第3HB-LSI613)のアドレスではないので、第3HB-LSI613で当該スレーブ送信データに含まれる「入力データ」は読み込まれずに、当該スレーブ送信データは主制御基板601に転送される。
次いで、ドア中継基板603から転送されたスレーブ送信データが、主制御基板601の第1HB-LSI611(シリアルバス通信回路701)で受信されると、第1HB-LSI611において、スレーブ送信データに含まれる「送信先アドレス」のデータが読み込まれ、自身のアドレス(07H)であるか否かの判定処理が行われる。今、説明している動作例では、「送信先アドレス」のデータは、自身(第1HB-LSI611)のアドレスであるので、第1HB-LSI611において、当該スレーブ送信データに含まれる「入力データ」(各種周辺装置(リール等)の検出データ)が読み込まれる。
そして、メインCPUでは、第1HB-LSI611からバス606(データバス及びアドレスバスを含む)を介して、読み込まれた「入力データ」(各種周辺装置(リール等)の検出データ)が取得される。これにより、メインCPUは、回胴装置基板602に接続された各種周辺装置(リール等)の状態を把握することができる。
(マスター送信データの送信先がスレーブ2である場合の通信動作)
次に、主制御基板601(マスター)からドア中継基板603(スレーブ2)にマスター送信データを送信する場合のデータ伝送動作について説明する。
まず、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、スレーブ2(第3HB-LSI613)のアドレス(06H)が、マスター送信データ内の「送信先アドレス」にセットされ、マスター(第1HB-LSI611)のアドレス(07H)が、「送信元アドレス」にセットされる。
次いで、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、メモリマップドIO方式により、スレーブ2(第3HB-LSI613)の出力ポートから出力するデータが、マスター送信データ内の「出力データ」にセットされ、情報表示装置14の表示データが、マスター送信データ内の「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」、「状態表示データ(兼用)」及び「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」にセットされる。
次いで、第1HB-LSI611でセットされた各種データを用いて2バイトの誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果がマスター送信データ内の「CRC16」にセットされる。そして、主制御基板601(第1HB-LSI611)において、上述したマスター送信データのセット処理(マスター送信データの生成処理)が終了すると、当該生成されたマスター送信データが、第1HB-LSI611(シリアルバス通信回路701)から、光ファイバーケーブルを介して、回胴装置基板602(第2HB-LSI612)に送信される。
次いで、回胴装置基板602の第2HB-LSI612(シリアルバス通信回路701)で、マスター送信データが受信されると、第2HB-LSI612において、マスター送信データに含まれる「送信先アドレス」のデータが読み込まれ、自身のアドレス(04H)であるか否かの判定処理が行われる。今、説明している動作例では、「送信先アドレス」のデータは、自身(第2HB-LSI612)のアドレスではないので、第2HB-LSI612では、当該マスター送信データに含まれる「出力データ」が読み込まれず、当該マスター送信データはドア中継基板603に送信(転送)される。
次いで、回胴装置基板602から送信(転送)されたマスター送信データが、ドア中継基板603の第3HB-LSI613(シリアルバス通信回路701)で受信されると、第3HB-LSI613において、マスター送信データに含まれる「送信先アドレス」のデータが読み込まれ、自身のアドレス(06H)であるか否かの判定処理が行われる。
今、説明している動作例では、「送信先アドレス」のデータは、自身(第3HB-LSI613)のアドレスであるので、第3HB-LSI613において、当該マスター送信データに含まれる「出力データ」が読み込まれ、当該「出力データ」が第3HB-LSI613の「PO0」~「PO15」端子(PIO回路705の出力端子)にセットされる。
また、この際、第3HB-LSI613において、当該マスター送信データに含まれる各種表示データが読み込まれ、各種表示データが第3HB-LSI613内のLED駆動回路703に入力される。そして、第3の遊技機では、第3HB-LSI613に情報表示装置14が接続されているので、入力された各種表示データに基づいて情報表示装置14の表示動作が制御される。なお、この際、第3HB-LSI613で読み込まれる表示データの種別は、遊技機の種別に応じて異なる。具体的には、遊技機が通常の遊技機である場合には、マスター送信データに含まれる各種表示データのうち、「7セグ表示データ1-1」~「7セグ表示データ1-4(兼用)」及び「状態表示データ(兼用)」が読み込まれ、遊技機がメダルレス遊技機である場合には、「7セグ表示データ1-3(兼用)」、「7セグ表示データ1-4(兼用)」、「状態表示データ(兼用)」及び「7セグ表示データ2-1」~「7セグ表示データ2-3」が読み込まれる。
また、スレーブ2宛てのマスター送信データを受信した第3HB-LSI613では、マスター(第1HB-LSI611)のアドレス(07H)が、スレーブ送信データ内の「送信先アドレス」にセットされ、自身のアドレス(06H)が、「送信元アドレス」にセットされる。次いで、第3HB-LSI613において、「PI0」~「PI15」端子(PIO回路705の入力端子)を介して読み込まれた各種周辺装置(各種センサ、各種スイッチ等)の検出データが、スレーブ送信データ内の「入力データ」にセットされる。
次いで、第3HB-LSI613において、スレーブ送信データにセットされた各種データを用いて誤り検出符号データ(CRC16)が算出され、算出結果がスレーブ送信データ内の「CRC16」にセットされる。そして、スレーブ送信データのセット処理(伝送データの生成処理)が終了すると、当該生成されたスレーブ送信データが、ドア中継基板603(第3HB-LSI613)から、光ファイバーケーブルを介して、主制御基板601(第1HB-LSI611)に送信される。
次いで、ドア中継基板603から送信されたスレーブ送信データが、主制御基板601の第1HB-LSI611(シリアルバス通信回路701)で受信されると、第1HB-LSI611において、スレーブ送信データに含まれる「送信先アドレス」のデータが読み込まれ、自身のアドレス(07H)であるか否かの判定処理が行われる。今、説明している動作例では、「送信先アドレス」のデータは、自身(第1HB-LSI611)のアドレスであるので、第1HB-LSI611において、当該スレーブ送信データに含まれる「入力データ」(各種周辺装置(各種センサ、各種スイッチ等)の検出データ)が読み込まれる。
そして、メインCPUでは、第1HB-LSI611からバス606(データバス及びアドレスバスを含む)を介して、読み込まれた「入力データ」(各種周辺装置(各種センサ、各種スイッチ等)の検出データ)が取得される。これにより、メインCPUは、ドア中継基板603に接続された各種周辺装置(各種センサ、各種スイッチ等)の状態を把握することができる。
[11-10.第3の遊技機で得られる各種効果]
第3の遊技機では、上述のように、主制御部600内において、各中継基板に入出力ポートを設け、その入出力ポートに外部の周辺装置(リール、各種スイッチ、各種センサ等の入出力機器)が接続され、主制御基板601と各中継基板との間を通信ケーブルで接続する。それゆえ、第3の遊技機では、主制御基板601に設けられる外部の周辺装置との接続ポート(入出力ポート)の数を減らすことができ、これにより、主制御基板601のサイズを小さくすることができる。
また、第3の遊技機では、主制御基板601と各中継基板との間を通信ケーブルで接続する。それゆえ、第3の遊技機では、主制御基板601と各中継基板との間を接続するハーネスを少なくすることができる。
また、第3の遊技機では、各中継基板の入出力ポートに外部の周辺装置が接続される。それゆえ、第3の遊技機では、外部の周辺装置と、それが接続される入出力ポートとの間を繋ぐ配線ケーブルの長さを短くすることができる。
また、図141で説明したように、従来の遊技機(例えば、特開2018-027130号公報等参照)では、主制御側のRAM(メインRAM)を使用して、生成したコマンドデータを保存する必要がある。さらに、遊技機特有の制限として、主制御装置のメインRAMで使用できる容量は規則により小容量に制限されている。それゆえ、従来の遊技機のようにメインRAMを使用してコマンドデータを保存する構成では、他の処理で使用するためのメインRAMの容量が圧迫される。
それに対して、第3の遊技機では、上述のように、主制御部600から副制御部620にデータを送信(非同期シリアル通信)する場合、主制御基板601に実装された第1HB-LSI611内のデータバッファ(送信データバッファ718)に、生成したコマンドデータを保存し(図142、図142参照)、その後、コマンドデータを送信する。すなわち、第3の遊技機では、主制御基板601に実装されたマイクロプロセッサ(メインRAM)の外部に、通信に使用されるデータバッファ(送信データの格納領域)が設けられる。それゆえ、第3の遊技機では、マイクロプロセッサ内のメインRAMで、副制御部620に送信されるデータの記憶領域(格納領域)を確保する必要が無くなり、その分の領域を遊技性の処理で使用する作業領域に割り当てることができる。その結果、第3の遊技機では、遊技機特有の制限により発生する、メインRAMの容量の圧迫を軽減することができる。
また、従来の一般的な遊技機の構成では、PIO回路用のIC(Integrated Circuit)を主制御基板に必要数実装し、主制御基板が、リール、スイッチ等と直接的又は間接的(中継基板経由)に接続される。それに対して、上述した第3の遊技機の構成では、主制御基板601に設けられた1つのHB-LSI700(第1HB-LSI611)により、リール、スイッチ等と直接的又は間接的に接続されるので、従来の一般的な遊技機に比べて、構成が簡易になるとともに、コストを低減することもできる。
また、従来の遊技機のメイン側の各基板では、上述のように、乱数発生回路、PIO回路及びマスター・スレーブ間のシリアルバス通信回路を備えるASIC(マスター)、PIO回路、マスター・スレーブ間のシリアルバス通信回路及びLED駆動回路を備えるASIC(スレーブ)、並び、メイン・サブ間の非同期シリアル通信回路(暗号化通信回路)を備えるASIC(セキュリティLSI)がそれぞれ別個に設けられているが、第3の遊技機のメイン側の各基板に実装されたHB-LSI700の構成は、この従来の3種類のASICを一つにまとめた構成となる。それゆえ、第3の遊技機では、従来の一般的な遊技機に比べて、構成をより一層簡易にすることができるとともに、コストもより一層低減することができる。また、第3の遊技機では各基板に実装したHB-LSI700をすべて同じ構成(仕様)としたので、コストをさらに低減することができる。
さらに、従来、主制御部内の基板間において、マスター・スレーブ間で同期シリアル通信を行う場合、2バイトのデータ毎に1つの誤り検出符号データ(CRC)を付加する技術が提案されているが、第3の遊技機では、上述のように、1パケットの遊技制御データ群毎に1つの誤り検出符号データ(CRC16)が付加される。それゆえ、第3の遊技機では、上記従来に技術に比べて、マスター・スレーブ間の同期シリアル通信で送受信される伝送データの容量を低減することができる。
[11-11.付記]
従来の遊技機において、主制御装置のCPU(Central Processing Unit)に、入出力ポートや基礎乱数器などを、内部バスを介して接続したものが提案されている(例えば、特開2009-268481号公報参照)。
しかしながら、例えば、特開2009-268481号公報に開示の遊技機では、主制御装置に入出力ポートが設けられているので、主制御装置に、例えば、スタートレバー等の入力機器、及び、リール等の出力機器を配線ケーブル(例えば、ハーネスで接続可能なフラットケーブルと呼ばれるもの)を介して接続する必要がある。それゆえ、従来の遊技機の構成では、基板に接続する配線ケーブルの数が多くなり、主制御装置の基板のサイズが大きくなるという問題があった。また、従来の遊技機の構成では、主制御装置の基板と周辺機器との間の配線ケーブルも長くなるという問題もあった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、主制御部の基板サイズを小さくするとともに、主制御部及び周辺機器間を接続する配線ケーブルの長さも短くすることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本実施形態に係る遊技機によれば、以下のような構成の遊技機を提供することができる。
遊技の進行を制御する主制御部(例えば、主制御部600)と、
前記主制御部からの指令に応じて演出装置を制御する副制御部(例えば、副制御部620)と、
前記主制御部に接続され、前記主制御部との間で信号の入力及び/又は出力が可能な複数の周辺装置と、を備え、
前記主制御部は、少なくとも主制御基板と、複数の中継基板(例えば、回胴装置基板602、ドア中継基板603)とを有し、
前記主制御基板及び複数の前記中継基板のそれぞれには、前記信号の入出力を行う信号入出力部(例えば、PIO回路705)と、第1の通信方式で外部と通信可能な第1通信部(例えば、シリアルバス通信回路701)と、第2の通信方式で外部と通信可能な第2通信部(例えば、非同期シリアル通信回路702)とを内蔵する入出力通信手段(例えば、HB-LSI700)が実装され、
前記複数の周辺装置のそれぞれは、前記入出力通信手段の前記信号入出力部に接続可能であり、
前記主制御基板及び前記中継基板との間では、前記主制御基板の前記入出力通信手段に内蔵の前記第1通信部と、前記中継基板の前記入出力通信手段に内蔵の前記第1通信部とを接続して通信を行うことが可能である
ことを特徴とする遊技機。
前記本発明の遊技機では、前記複数の周辺装置には、遊技価値の貯留数を含む情報を表示可能な情報表示装置が含まれ、
前記入出力通信手段には、前記情報表示装置での前記情報の表示動作を実行可能な表示駆動部(例えば、LED駆動回路703)と、所定周期で乱数値を更新可能な乱数発生部(例えば、乱数発生回路708)とがさらに内蔵されているようにしてもよい。
前記本発明の遊技機では、前記第1の通信方式は、同期シリアル通信方式であり、前記第2の通信方式は、非同期シリアル通信方式であり、
前記主制御基板の前記入出力通信手段に内蔵の前記第2通信部と、前記副制御部とを接続して通信を行うことが可能であるようにしてもよい。
前記本発明の遊技機では、前記入出力通信手段に内蔵の前記信号入出力部には、当該入出力通信手段のアドレス設定用の複数の入力端子(例えば、「S0」~「S2」端子)が設けられ、
前記入出力通信手段のアドレスは、前記アドレス設定用の複数の入力端子に対する電圧値の印加態様により設定されるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記第2通信部は、送信データがセットされる第1レジスタ(例えば、第1データセットレジスタ711)及び第2レジスタ(例えば、第2データセットレジスタ712)と、前記第1レジスタ及び前記第2レジスタから送信データが書き込まれるデータバッファ(例えば、送信データバッファ718)とを有し、
1回の送信動作で送信される複数の送信データからなる送信データ群を送信する場合、当該送信データ群に含まれる複数の送信データのうち、最後に送信される送信データ以外の送信データは、前記第1レジスタにセットされた後、前記データバッファに書き込まれ、前記最後に送信される送信データは、前記第2レジスタにセットされた後、前記データバッファに書き込まれ、前記最後に送信される送信データが前記データバッファに書き込まれた後、前記データバッファに書き込まれた前記送信データ群が外部に送信されるようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記遊技機は、メダルレス遊技機であり、
前記情報表示装置は、前記情報を表示可能な5桁の7セグメントLEDを有するようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記乱数発生部は、前記乱数値の更新周期である前記所定周期を監視する乱数監視部(例えば、乱数監視回路738)を有し、
前記乱数監視部は、前記乱数値が前記更新周期より長い特定周期以上の期間で更新された場合には異常(例えば、「クロック信号周波数の低下」)が発生したと判断するようにしてもよい。
前記本発明の遊技機では、前記乱数監視部は、前記異常が発生した場合にはその旨を示す第1のステータス情報、及び、異常履歴を示す第2のステータス情報をセットし、その後、前記異常が解消された場合には、前記第1のステータス情報をクリアするが、前記第2のステータス情報をクリアせずに電源断まで保持するようにしてもよい。
また、前記本発明の遊技機では、前記第1通信部は、1回の送信動作で送信する送信データ群に対して1つの誤り検出用データ(例えば、「CRC16」)を付加するようにしてもよい。
さらに、前記本発明の遊技機では、前記主制御基板には、遊技動作を制御するための演算処理を行う演算処理部(例えば、メインCPU)と、前記演算処理部による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶された第1記憶部(例えば、メインROM)と、前記演算処理部による前記演算処理の実行に必要な情報が記憶される第2記憶部(例えば、メインRAM)とを内蔵する遊技制御手段(例えば、マイクロプロセッサ610)が、前記入出力通信手段とは別個に実装されるようにしてもよい。
上記構成の本発明の遊技機によれば、主制御部の基板サイズを小さくするとともに、主制御部及び周辺機器間を接続する配線ケーブルの長さも短くすることができる。