JP2022097399A - 流体移動加圧装置のための作動機構 - Google Patents

Abstract

【課題】バルーンカテーテルのための流体移動加圧装置おける作動流体の移動及び加圧を制御する、ねじプランジャ作動・駆動機構を提供する。【解決手段】流体移動加圧装置１９は、シリンジ本体８と、前記シリンジ本体８内へと延在し、ねじ山及び長手方向軸を備えるプランジャ１と、前記シリンジ本体８とシール状態で接触する前記プランジャ１上のピストンと、前記プランジャ１内へ押し込み可能な制御ボタン１２と、ねじ山を備えるのねじ付きシリンダ５と、前記制御ボタン１２が押されるかどうかに応じて、前記プランジャ１のねじ山と前記ねじ付きシリンダ５のねじ山とを選択的に係脱する一対の制御ブレードと、を備える。前記ねじ山が離脱されると、前記プランジャ１は、前記シリンジ本体８に対する前記プランジャ１のマクロ移動をもたらすように前記シリンジ本体８内へ押し込み可能となるとともに、前記シリンジ本体８から引き出し可能となる。【選択図】図１

Description

本発明は、一般に、バルーンカテーテルなどのための流体移動加圧装置に関し、より詳細には、作動流体の移動及び加圧を制御するための改良されたねじプランジャ作動・駆動機構に関する。

血管内の血管形成バルーン処置又は他のタイプのバルーンカテーテル処置で使用されるバルーンカテーテルの膨張に使用するためなど、密閉体積の流体に対して測定圧力を選択的に印加及び解放するようになっている流体移動加圧装置がこれまで開発されてきた。

カテーテルを挿入されたバルーン装置を膨張及び収縮させるための従来技術の装置の幾つかの例は、米国特許第４，８３８，８６４号、米国特許第５，０４７，０１５号、米国特許第５，１６８，７５７号、米国特許第６，７９６，９５９号、及び、米国特許第９，４９２，６４３号に開示される。

米国特許第４，８３８，８６４号に開示される膨張装置は、ねじ付きプランジャと、ねじ付きプランジャと選択的にねじ係合及びねじ係合解除するように構成される解放要素とを使用する。プランジャは、装置内でピストンを移動させるためのハンドルを含む。しかしながら、解放要素はハンドルの一部ではないため、装置は片手で使用するように構成されない。

米国特許第５，０４７，０１５号に開示される膨張装置は、ねじ山のないプランジャを使用するという点で独特である。ねじ山を含むプランジャの代わりに、装置は、展開して周囲の嵌め合いねじ山と係合するように設計される狭い関節式ねじ支持インサートストリップを使用する。狭いねじ支持インサートストリップは、部分的に、負荷の下で係合を維持するためにばねからの力に依存する。したがって、加圧中にプランジャの負荷を支えるためにばねが求められる。これは、ばねに対するプランジャの負荷に耐えるためにばねが大きくなければならないため、理想的ではない。プランジャが大型ピストン又は高圧装置からの負荷を扱うためには、ばねが３００～５００ｌｂＦのプランジャ負荷に耐えなければならない。’０１５特許に開示される従来技術の装置は、プランジャに作用する負荷がばねを押してプランジャの中心に向かって斜めに横断する狭いねじ付きインサートによって実際に支持されるように設計されている。プランジャ負荷は、インサートを係合ではなく係合解除の方向に（すなわち、プランジャの近位側に及び中心に向かって）押す。したがって、プランジャにかかる負荷は、強い戻しばねによって抵抗されなければならない。更に、ねじ山は、プランジャが斜め内向きに横断するように負荷から解放されるときにプランジャを遠位方向（加圧方向）に吊るさない又は押さないように、そのねじ面角度に対して中立な経路内で引き込むべく設計されなければならない。更にまた、この横断角度は、ねじインサートを外側に楔留めすることによって戻しばねにある程度の機械的利点をもたらすものでなければならない。したがって、ねじ山は、プランジャの軸に対してより垂直な反対側のねじ面ではなく加圧負荷を支えるために、より大きな傾斜面、すなわち、その斜めの引き込み角度と平行な面を有することによって理想とは全く逆に設計されなければならない。理想的な負荷対応のため、そのようなねじ山設計は、最良の実施に完全に反する。プランジャに直接にねじ山を設けるのではなくねじ付きインサートを使用する装置の結果として、装置は実質的なプランジャ負荷に耐えることができない。（前述したような）ねじインサートの幾何学的制限を考慮すると、ストリップがより多くの圧力に対処する唯一の方法は、非実用的である又は手動で操作することが不可能であるほど大きいばねを用いることである。

米国特許第５，１６８，７５７号、米国特許第６，７９６，９５９号、及び、米国特許第９，４９２，６４３号は、改良された注入及び加圧制御を行なう装置を開示する。３つの特許は全て、本発明の譲受人によって所有されており、これにより、参照によってその全体が本明細書に組み込まれる。これらの特許は、プランジャの急速な前進を可能にするとともにもう１つの方法としてバルーンカテーテルの最終加圧中に精密な制御を達成するためにねじ支持プランジャのユーザ制御可能なねじ係合を可能にする急速作動機構を開示する。

’７５７号特許及び’９５９号特許のいずれも、ナット部材がねじ付きプランジャとねじ係合する及びねじ係合解除するように移動されるようにする同様の装置を開示する。プランジャはハンドルを有し、また、プランジャのハンドルと、ナット部材をねじ付きプランジャと係合させるための作動機構とは、別個の機構である。結果として、いずれの装置も片手使用のために構成されない。加えて、装置は、ナット部材とねじ付きプランジャとの間のねじ係合の小さな表面積しか有さず、その結果、はるかに大きな係合表面積がある場合と比較して、ねじごとの負荷がより大きくなる。

’６４３特許は、片手操作用に構成される装置を開示する。しかしながら、装置は、ねじ係合の小さな表面積しかもたらさないという点で、’７５７号特許及び’９５９号特許に開示される装置と同様である。

米国特許第４，８３８，８６４号 米国特許第５，０４７，０１５号 米国特許第５，１６８，７５７号 米国特許第６，７９６，９５９号 米国特許第９，４９２，６４３号

本発明の一実施形態の目的は、一体型シリンジ本体内のねじ付き部材内で動作可能な可動ねじ付きプランジャを迅速且つ選択的に解放又は係合するための新規な作動機構を提供することである。

本発明の一実施形態の他の目的は、治療用の医用バルーンカテーテルの加圧、減圧、及び、排出などの目的で高圧医用シリンジを制御するように構成される機構を提供することである。

本発明の一実施形態の更に他の目的は、シリンジ内に収容される作動流体を保持、移動、加圧、減圧、又は、排出するために操作者の要求通りに、プランジャの迅速な手動による往復動、プランジャのある場所でのロック、又は、プランジャ回転による正確なねじ制御されたプランジャ前進をもたらす機構を提供することである。

本発明の一実施形態の他の目的は、ねじ係合の大きな表面積をもたらすねじ付きプランジャ形態を組み込む装置を提供することである。

本発明の一実施形態の更に他の目的は、ねじ部材間の動作負荷がねじ山を有するプランジャによって直接的に伝達されて何らかの中間構成要素を介して間接的に伝達されないように構成される装置を提供することである。

手短に言えば、本発明の一実施形態は、かなりの量のねじ係合をもたらすとともに、設定された充填容積の維持、迅速な充填及び変位、並びに、バルーン減圧中の排出位置決めの加圧及び保持を含む全ての動作上の操作のための片手制御をもたらす流体移動加圧装置を提供する。装置は、一方の手を使用して、装置をマイクロ移動制御からマクロ移動制御に移行させるだけでなく、プランジャのハンドルを回転させ、押し、又は、引くことも可能にする。

実施形態は、シリンジ本体と、シリンジ本体内へと延在するねじ付きプランジャと、シリンジ本体内のねじ付き部材と、制御ブレードと、プランジャの端部のハンドルと、ハンドル内の制御ボタンとを備える。制御ボタンが押されないとき、制御ブレードは、ねじ付き部材をねじ付きプランジャと係合させる。そのとき、プランジャのハンドルは、プランジャのマイクロ移動をもたらすように回転可能である。ハンドル内のボタンは、プランジャのシリンジ本体への押し込み又はシリンジ本体からの引き抜きによるプランジャのマクロ移動を可能にするために、制御ブレードがシリンジ本体内のねじ付きプランジャからねじ付き部材を離脱させるようにするべく押圧可能である。

本発明の構造及び動作の編成及び態様は、その更なる目的及び利点と共に、添付図面に関連して解釈される以下の説明を参照することによって最も良く理解することができ、図面中、同様の参照番号は同様の要素を特定する。

本発明の第１の実施形態に係る流体移動加圧装置の斜視図である。 図１に示される流体移動加圧装置の分解斜視図である。 ねじ付きシリンダとのねじ係合状態へとロックされたプランジャを示す、図１及び図２に示される装置の一部の断面図である。 図３と同様であるが、ねじ付きシリンダとのねじ係合から移動されたプランジャを示す。 流体移動加圧装置の端部のボタンが押されるときの流体移動加圧装置の特定の構成要素を示す。 図５と同様であるが、流体移動加圧装置の端部のボタンが押されないときの構成要素を示す。 流体移動加圧装置の動作中の制御ブレードの動きを効果的に示す。 流体移動加圧装置の動作中の制御ブレードの動きを効果的に示す。 図１及び図２に示される流体移動加圧装置の断面図である。 図９に示される部分の一部の拡大図である。 図３と同様の断面図であるが、加圧された装置を示す、本発明の第２の実施形態に関する。 図１１の一部をより詳細に示す。 図４と同様の断面図であるが、解放された圧力を示す、本発明の第２の実施形態に関する。 図１３の一部をより詳細に示す。

この発明は様々な形態の実施形態を受け入れる余地があり得るが、本開示が本発明の原理の例示と見なされるべきであって本発明を例示されたものに限定しようとするものでないことを理解しつつ、特定の実施形態を図面に示してここで詳細に説明する。

図１は、本発明の第１の実施形態に係る流体移動加圧装置１９を示す。図示のように、好ましくは、プランジャ１のハンドル１３が流体移動加圧装置１９の一端部にあり、一方、流体移動加圧装置１９の反対側の端部は、高圧流体送出ホース４９と係合する（すなわち、従来のホース係合ソケットなどを介して係合する）ように構成される。図示のように、例えば、嵌め合いバルーンカテーテル（図示せず）又は他の何らかの治療用医療機器に接続可能なルアーコネクタ４８が、高圧流体送出ホース４９の端部にあってもよい。

好ましくは、流体移動加圧装置１９は一体型シリンジ本体８を含み、プランジャ１が一体型シリンジ本体８内で延在する。本明細書中で後により詳細に説明するように、流体移動加圧装置１９は、プランジャのハンドル１３を押す又は引くこと或いはプランジャのハンドルを回転させることのいずれかによってプランジャ１が一体型シリンジ本体８に対して並進可能であるように構成される。プランジャの並進は、高圧流体送出ホース４９の端部にあるルアーコネクタ４８に接続される嵌め合いバルーンカテーテル（又は他の治療用医療機器）の加圧又は減圧をもたらす。

好ましくは、一体型シリンジ本体は、バレル７を有しており、バレル７内の作動流体の量を監視するとともに使用に備えて流体充填及び捕捉されて取り込まれる空気のパージの両方を容易にするために（少なくともバレル７において）完全に透明である。図１に示されるように、バレル７は、その上に体積表示を有してもよい。

一般に、先に参照された先行技術の特許に開示されるような医用流体加圧装置は、圧力監視機能を備える。最も一般的には、それらの装置は従来の機械的な圧力計を備える。これらのタイプの自己完結型圧力計は、一般に、それら自体のねじ付きスピゴット、保護ケース、及び、レンズを有し、それらは、殆どの場合、ねじ付きソケット又はスナップリング保持機構によって装置に固定される。更に、それらは、使用中の回転を防止するために、それらの一次保持手段にかかわらず、接着剤で定位置に保持されなければならないことが多い。

これに対し、本明細書中に開示される医用流体加圧装置１９は、ゲージモジュール３０の形態を成す圧力監視機構を備えることが好ましい。好ましくは、ゲージモジュール３０は、単にブルドン管、時計仕掛け機構、インジケータ針、文字盤、及び、流体連通ポートから構成される機械式ゲージの最も基本的な構成要素を備える。好ましくは、ゲージモジュールは、任意の形態のねじ付きソケット、ハウジング、又は、保護レンズも備えておらず、一旦設置されると回転を防止するためにいかなる結合剤の使用も必要としない。

代わりに、好ましくは、ゲージハウジング３１がゲージモジュール３０の作動要素を保護し、また、ゲージハウジング３１は、一体型シリンジ本体８の一体的な特徴として設けられることが好ましい。好ましくは、図２に示されるように、ゲージモジュール３０は、セルフタッピング保持ねじ３３によってこのハウジング３１内に固定され、また、レンズ３２が、ゲージモジュール３０の文字盤を保護するために、ゲージモジュールハウジング３１上の所定の位置にスナップ係合するように構成される。

図１に示されるように、流体移動加圧装置１９は制御ボタン１２を含み、また、制御ボタン１２は、プランジャ１のハンドル１３における流体移動加圧装置１９の端部に設けられることが好ましい。以下でより詳細に説明するように、制御ボタン１２を押すと、流体移動加圧装置１９がマイクロ移動制御（すなわち、プランジャハンドル１３を回転させることによって達成される）からマクロ移動制御（すなわち、プランジャ１が一体型シリンジ本体８内へ更に並進する又は一体型シリンジ本体８から並進して更に出るようにハンドル１３を押す又は引くことによって達成される）に移行する。

図２は、流体移動加圧装置１９の分解図を与える。図示のように、流体移動加圧装置１９は、好ましくはねじ付きシリンダの形態を成すねじ付き部材５、複数の制御ブレード（具体的には、ねじ山制御ブレード３及び推力制御ブレード４）、ばね１４、一対のロックキー３６、ピストン６、及び、好ましくはゴム製Ｏリングの形態を成すシールリング２９も含む。

図３～図９に示されるように、ピストン６はプランジャ１の端部と係合され、また、シールリング２９は、ピストン６に配置されて、（図３及び図４に示されるように）一体型シリンジ本体８のバレルの内壁に対してシールする。

一体型シリンジ本体８は、ねじ付きシリンダ５を保持して、ねじ付きシリンダ内で動作可能なプランジャ１を案内し該プランジャと係合するように構成される。プランジャ１は、好ましくは、その作動長さ全体に沿って固定ねじ山２を含む。

この開示は、一体型シリンジ本体８内の固定雌ねじ付きシリンダ５内で動作可能な可動ねじ付きプランジャ１を迅速且つ選択的に解放又は係合するための新規な作動機構を含む流体移動加圧装置１９を記載する。この機構は、治療用の医用バルーンカテーテルを加圧する、減圧する、及び、排出するなどの目的で高圧医用シリンジを制御するのに特に適している。この機構は、一体型シリンジ本体８のバレル部を横断するように一端部に設置されるピストン６を有するねじ付きプランジャ１と、プランジャ１の他端部（すなわち、ピストン６の反対側）にある制御ボタン１２を伴うハンドル１３と、プランジャ１内に位置される制御ボタン１２を操作することによって操作者がねじ付きプランジャ１をねじ付きシリンダ５から選択的に係脱（ｅｎｇａｇｅ ａｎｄ ｄｉｓｅｎｇａｇｅ）できるようにするべくプランジャ１内に設けられる手段とを含む。この機構は、シリンジ内に収容される作動流体を保持、移動、加圧、減圧、又は、排出するために操作者の要求通りに、プランジャ１の迅速な手動による往復動、プランジャ１のある場所でのロック、又は、プランジャ回転による正確なねじ制御されたプランジャ前進をもたらす。

流体移動加圧装置１９は、プランジャ１にねじが切られ、プランジャ１が単に推力制御ブレード４によって係合状態へと駆動されるようにし、推力制御ブレード４は、最初に、そのカム従動子がカムを通過するまで軸方向に横断し、その後、プランジャのねじ係合を解放するべくプランジャの中心に向かって内側に移動する。その複雑な動きは、ねじ付きインサートでは不可能である。

先に引用された米国特許で参照される先行技術のシリンジ装置とは異なり、本明細書中に開示されて図１に示される流体移動加圧膨張装置１９は、ハーフナットの任意の形態の移動する、プランジャ内のねじ支持インサートストリップの突没、又は、ねじ付きセグメントの拡張に依存しない新規のユーザ選択可能なプランジャ制御機構を利用する。代わりに図２に示されるようなこの機構は、その作動長さ全体に沿って固定ねじ山２を有する硬質の耐負荷プランジャ１と、一対の制御ブレード３，４とを利用し、一対の制御ブレード３，４は、その外縁がプランジャ１の長手方向軸と平行であるとともに、プランジャ１のねじ山２をねじ付きシリンダ５におけるねじ山１５と選択的に係合可能又は離脱可能にするように構成される。制御ブレード３，４は、プランジャ１のねじ山２とねじ付きシリンダ５内のねじ山１５（図３及び図４参照）との間のねじ係合の解放を選択的にもたらす、維持する、又は、容易にするように位置される。

制御ブレード３，４は、一体型シリンジ本体８のシリンジバレルボア７内の所望の位置にプランジャ１及びその取り付けられたピストン６をロックしてねじ支援マイクロ移動をもたらす又はこの係合を解放してマクロ移動を可能にすることができる。プランジャ１がねじ付きシリンダ５とのねじ係合状態へと（特徴をより良く示すために中心から外れて切断される図３に示されるように）ロックされる時点で、プランジャ１の正確に制御されたマクロ前進及び後退がプランジャ回転によって（すなわち、ハンドル１３を回転させることによって）利用可能になる。一方、制御ボタン１２が押されるときはいつでも（図５参照）、制御ブレード３は、プランジャ１の自由なマクロ移動（すなわち、ハンドル１３を押す又は引くことによる移動）を容易にするために（特徴をより良く示すために中心から外れて切断される図４に示されるように）プランジャねじ山２とねじ付きシリンダ５のねじ山１５との係合を解放して防止する。

一般に互いから１８０°且つプランジャ１のねじ長全体に沿って位置される制御ブレード３，４には、好ましくは、プランジャ１のハンドル部１３内に存在する制御ボタン１２のフック１１と係合するためのタブ９，１０が設けられる。更に、図６に示されるように、制御ボタン１２は、制御ボタン１２を外側に駆動することによって制御ブレード３及び４を定位置に配置してプランジャ１と周囲のねじ付きシリンダ５のねじ山１５とのねじ係合を維持するためにハンドル１３に当接するばね１４を含む。

制御ブレード３，４はそれぞれ、それらが果たす目的に特有の固有且つ特殊な特徴並びに幾つかの共通の特徴を含むとともに、プランジャ１内のそれ自体の専用且つ固有の長手方向ガイド溝内にそれぞれ存在する。具体的には、図７に示されるように、推力制御ブレード４は、プランジャ１のねじ山２の反対側に位置されて、ガイド溝１７内で動作する。一方、ねじ山制御ブレード３は、プランジャ１上のねじ山２の中心に沿って位置されて、ガイド溝１６内で動作する。好ましくは、両方の制御ブレード３，４は、制御ボタン１２の位置に応じてねじ山２の深さに等しい距離にわたってプランジャ１から横方向外側に並進するように設計される。

図８に示されるように、プランジャ１のシャフトは、長手方向軸を通って配置される長手方向幾何学的平面（破線を使用して図８に示される）によって２つのゾーン（Ｚ１及びＺ２）に幾何学的に分割可能であり、この場合、２つのゾーンの第１のゾーン（Ｚ１）にはプランジャ１の前記ねじ山２が設けられ、２つのゾーンの第２のゾーン（Ｚ２）はねじ山を含まない。

好ましくは、制御ブレード３は、制御ブレード４よりも単純であり、４つの機能、すなわち、ａ）ねじ付きシリンダ５上の嵌め合いねじ山１５とのねじ係合からのプランジャねじ山２の解放を支援する機能、ｂ）これらのねじ山の望ましくない再係合を防止する機能、ｃ）ねじ付きシリンダ５内のねじ山１５からのプランジャ１上のねじ山２からの離脱中にプランジャ１の回転軸をねじ付きシリンダ５の中心軸と整列しないようにシフトさせる機能、及び、ｄ）プランジャ１の回転軸をプランジャ１の端部にあるピストン６の中心軸と整列しないようにシフトさせる機能を効果的に有する。

ねじ付きシリンダ５の中心軸との整列から離れるプランジャ１の回転軸のシフトは、制御ボタン１２のユーザの圧縮によって開始されるとともに、プランジャ１の遠位端部とピストン６との間に設けられる横方向に摺動するカップリングによって対応される。このカップリングは、ピストン６の近位端部にある嵌め合いＴスロットレセプタクル４２と係合するプランジャ１の遠位端部にある「Ｔ」形状の機能部４１から成る（本明細書中で使用される遠位という用語は、操作者から最も遠いポイントを指し、一方、近位という用語は、操作者に最も近いポイントを指す）。ねじ山制御ブレード３がピストンＴスロットレセプタクル４２の閉鎖端部４４を押すことによって駆動される軸外シフトは必要である。これは、プランジャのねじ山２をねじ付きシリンダ５のねじ山１５から離脱させるために、プランジャのねじ山２の深さに等しい量だけ、プランジャ１全体を横方向にシフトさせなければならないからである。

図８に示されるように、リフタチップ（ｌｉｆｔｅｒ ｔｉｐ）４３が制御ブレード３のチップに位置され、このリフタチップ４３は、リフタチップ４３がプランジャ１の「Ｔ」形状の機能部４１をＴスロットレセプタクル４２の閉鎖端部４４から離れるように押すときにはいつでも、プランジャ１とピストン６との間のこの横方向のシフトをもたらすように位置される。制御ブレード３，４の位置に対するプランジャ１のこの軸外シフトもまた、図５に示されるように、制御ボタン１２によって対応されなければならない。制御ボタン１２は、プランジャハンドル１３内に収容されるが、厳密な長手方向の軸方向移動に制約されない。代わりに、制御ボタン１２は、プランジャハンドル１３の範囲内で浮動するように構成され、したがって、制御ボタン１２がねじ山を離脱させるときはいつでもねじ山２及びねじ山１５が軸外位置に係合された状態でプランジャ１が軸上位置からシフトするときは常に制御ブレード３及び４に取り付けられたままであり、制御ブレード３及び４と共に追従する。

逆に、プランジャ１とねじ山１５及びピストン６の中心軸との間の軸方向整列の回復は、推力制御ブレード４がねじ山１５のチップ４６（図３及び図４を参照）を押すときに起こる。制御ボタン１２が押されてしまった後に解放されるときはいつでも、推力制御ブレード４（２つの制御ブレード３，４からより複雑に構成される）は、図３に示されるようにプランジャ１の中心から離れるように外方に押し進み、それにより、ねじ山制御ブレード３をプランジャ１の中心に向かって内方に引き出す。この動作は、プランジャ１の中心軸をピストン６及びねじ山１５の中心軸との同心整列状態へとシフトさせ、それにより、ねじ山制御ブレード３がプランジャ１（図３に示す）の中心に向かって後退するにつれて、プランジャ１のねじ山２を嵌め合いねじ山１５とのロック係合状態へともたらす。また、制御ブレード４は、配備された時点で、膨張装置１９内の作動圧力までピストン６をシリンダボア７内へと遠位側に駆動させるべくプランジャ１が回転されるときなど、これらの嵌め合わされたねじ山により生成されるサイド推力に対抗する役目も果たす。制御ブレード４には、好ましくは、負荷下でねじ山１５のチップ４６に嵌合ねじ山のサイド推力を送達する幅広い支持面４５が設けられる。操作者が制御ボタン１２を解放する間の制御ブレード４の作用から生じるプランジャ１の横方向シフトは、ピストン６のＴスロットレセプタクル４２とプランジャ１の遠位端部に位置されるＴ字形機能部４１との間の摺動可能なカップリングによって対応される。推力制御ブレード４及びねじ山制御ブレード３は互いに同期して動作するため、操作者が制御ボタン１２を解放すると、リフタチップ４３がピストンＴスロットレセプタクル４２の閉鎖端部４４から同時に引き離される。

制御ブレード３，４間の同期動作関係を確保するために、ねじ山制御ブレード３及び推力制御ブレード４は、ブレード３，４にそれぞれ応じて、一連の傾斜フィンガ１８，２０（図７及び図９に示される）の端部に設けられるインターロック機能部２５によって互いに接合されることが好ましい。傾斜フィンガ１８，２０のインターロックは、対向するブレードが制御ボタン１２によって作用されるときはいつでも一体で動作するようにする。これらの接合可能なフィンガは、両方の制御ブレード３，４がそれらの指定されたガイド溝１６，１７に完全に挿入されてそれらのそれぞれの傾斜フィンガ１８，２０がプランジャ１内でそれらのために設けられた傾斜受け入れスロット２１（図１０参照）の配列内で合流するときにインターロック関係へと嵌め合わされる。受け入れスロット２１は、好ましくは、十分な圧縮組み立て力が各制御ブレードの外縁部に加えられてしまうことによりそれらが係合されるようになるときに傾斜フィンガ１８，２０のインターロック機能部２５が互いに迂回するのに十分なクリアランス及び弾性を伴って構成される。受け入れスロット２１の緊密嵌合範囲内で互いにスナップ係合された時点で、好ましくは、傾斜フィンガのインターロック機能部２５の相互接続は、それらが最初に挿入されたフィンガ受け入れスロット２１の緊密嵌合によって維持される。

フィンガ受け入れスロット２１のそれぞれを分離してガイド溝１６，１７を接合するプランジャ１のソリッドウェブ４０は、制御ブレード３，４のインターロックされた傾斜フィンガ１８，２０と平行に延びる。ソリッドウェブ４０の近位縁部２４及び遠位縁部２３は、受け入れスロット２１の境界を形成するとともに、ランプとしての機能を果たし、制御ブレード３，４が長手方向で前方又は後方に、すなわち、プランジャ１の軸に沿って移動されるときはいつでも、組み立てられた傾斜フィンガ１８，２０の遠位縁部２７及び近位縁部２６がそれぞれ移動中にランプ上で案内される。

インターロックされた傾斜フィンガ１８，２０が配列される角度（図９に示される）、すなわち、フィンガ角４７は、制御ボタン１２の長手方向の操作者適用移動に応じて、ねじ付きシリンダ５におけるねじ山１５からプランジャねじ山２を離脱させるために制御ブレード３，４によって得られる横方向変位量を決定する。

この角度の選択は、所定の操作者入力に望まれる出力応答によってもたらされる。フィンガ角４７は、好ましくは２２．５°～６７．５°の範囲とすることができ、この場合、４５°に近い角度が最も好ましい。傾斜フィンガ１８，２０並びにそれらのそれぞれのフィンガ受け入れスロット２１をプランジャの長手方向軸に対して４５°に位置決めすることは、例えば、制御ボタン１２の長手方向移動に横方向で等しい制御ブレード３，４の並進移動を生じさせるとともに、（摩擦又は制御ボタンばね１４の力にかかわらず）負荷がかかっている間にプランジャねじ山２によって発生するサイド推力に等しいボタン入力力を必要とする。プランジャ１の軸に対して４５°よりも鋭い角度、例えば２２．５°などの角度は、（摩擦及びばね１４の力にもかかわらず）負荷がかかっているときにプランジャ１によって与えられるサイド推力の半分に等しい制御ボタン１２に作用するユーザの力を必要とするが、制御ブレード３，４の必要な横方向並進移動を得るために制御ボタン１２の長手方向移動の２倍も必要とする。プランジャ１の軸に対して４５°よりも鋭くない角度、例えば６７．５°などの角度は、（摩擦及びばね１４の力にもかかわらず）負荷がかかっているときにプランジャ１によって与えられるサイド推力の３／２に等しい制御ボタン１２に作用するユーザの力を必要とするが、制御ブレード３，４の必要な横方向並進移動を得るために制御ボタン１２の長手方向移動の２／３も必要とする。したがって、傾斜フィンガ１８，２０並びに受け入れスロット２１の角度配置は、ユーザの期待又は要件を受け入れるように選択されてもよい。この角度の選択に影響を与える他の要因は、プランジャ１が加圧負荷下に置かれるときに推力ブレード４を局所的に支持するのに必要な傾斜フィンガの相互接続の量、傾斜フィンガ１８，２０の幅、及び、プランジャ強度要件を満たすのに必要なウェブ４０のサイズである。

ばね１４を快適な使用のために十分に軽くできるようにするため、ばねは、プランジャねじ山２が装置の加圧中に作動負荷を受けるときはいつでも生じる推力制御ブレード４に作用する反負荷力から分離されなければならない。したがって、図３に最も良く示されるように、好ましくは、プランジャ１には、一連の推力ブレード制御カム２８をもたらすガイド溝１７があり、好ましくは、推力ブレード４は、嵌め合う推力ブレード制御カム２８に乗り上げてこれと当接（ｂｅａｒ）するように適切に位置された一連のカム従動子２２を含む。カム及びカム従動子のこの配置は、ねじ付きシリンダねじ山１５のねじ山チップ４６と接触している間に、支持面４５に隣接する位置で推力制御ブレード４に剛性の局所的な支持を与える。これにより、プランジャ１は横方向の圧縮下に置かれ、これにより、プランジャ１が装置加圧中に負荷下に置かれるときに、ばね１４が推力制御ブレード４によって受けられる任意の反作用負荷を支える必要がなくなる。

膨張装置１９の加圧中、ねじ付きシリンダ５は、プランジャ１（したがって、ピストン６及び圧力シール２９も）をシリンジバレルボア７に沿って遠位側に駆動するために（ねじ付きシリンダ５のねじ山１５内のプランジャねじ山２の回転係合によって）依拠される。このタイプの加圧から生じるねじ付きシリンダ５に対するプランジャ１の力は、ねじ付きシリンダ５を操作者に向かって近位側に駆動させようとする。したがって、ねじ付きシリンダ５を一体型シリンジ本体８に固定するとともに結果として生じるねじ駆動加圧の負荷を一体型シリンジ本体８に直接に伝達する手段が含まれなければならない。

この目的のため、ロックキー３６を利用して、ねじ付きシリンダ５のロックキー切り欠き３７を、一体型シリンジ本体８の側面に沿って設けられた対応するロックキー受け入れポート３８と係合させることが好ましい。ロックキー３６は、好ましくは、一体型シリンジ本体８のロックキー受け入れポート３８内の定位置にしっかりとスナップ係合するように構成される。また、ロックキー３６は、図２に示されるようなロックキー取り付けグリップ３９などの更なる機能部を組み込むための理想的なプラットフォームをもたらすこともできる。この単純なタイプのグリップ（或いは更にはより大きくより複雑なハンドル形態）を含めて、ユーザが操作中及び取り扱い中に膨張装置１９をしっかりと把持できるようにすることができる。

本明細書中に開示されるタイプの加圧シリンジの本体及びバレルは、様々な独自の樹脂から形成され得るが、最も典型的には、高い透明性、高い耐衝撃性、殆どの他の透明樹脂と比較して優れた強度、及び、それらの性能特性に照らして妥当なコストを有する一般的に入手可能で射出成形可能なポリカーボネート樹脂から製造される。しかしながら、便利なセルフタッピングねじの使用は、多くの場合、そのような締結具によって生み出される樹脂中の内部応力に起因して、これらのエンジニアリング樹脂で形成されたアセンブリに設計上の課題をもたらす。ポリカーボネート樹脂の１つの重大な欠点は、一般にセルフタッピング締結具の使用に伴う負荷下での長期の応力に耐えることができないことである。したがって、ポリカーボネート樹脂は、セルフタッピングねじの使用が望まれるときはいつでも望ましくない樹脂選択であることが多い。そのような場合、多くの場合、より高いコスト及びより低い強度の代替材料を使用することができるが、これらの代替物を利用すると、一般に、設計者は、材料特性及びコストのあまり望ましくない妥協を受け入れることを強いられる。本発明の実施形態の設計（及びその意図された性能特性）は、ポリカーボネート樹脂を選択材料にする。しかしながら、ゲージモジュール３０を固定するためにセルフタッピング保持ねじ３３の使用を可能にするために、代替の解決策が必要とされる。一選択肢は、ゲージ受け入れ構造３５にねじ山を成形することであるが、このタイプの構成要素に小さいねじ山を成形するには、非常に複雑で費用がかかり、メンテナンス集約的な金型構造が必要である。他の代替形態（本明細書で前述したもの）は、例えばセルフタッピングねじからの応力に耐えるこれらの材料の強化された種類を含むＡＢＳ、ナイロン、コポリエステルなどの材料から形成されるゲージモジュール保持インサート３４の使用である。このインサートは、そのような材料で形成されると、ロバスト性が高く、セルフタッピングねじの応力の影響を受けない。したがって、ゲージモジュール保持インサート３４は、膨張装置１９の本体のためのポリカーボネート樹脂などの他の望ましい材料の使用を可能にする。セルフタッピングねじ用のアンカーを設けること以外に、ゲージモジュール保持インサート３４は、保護ゲージハウジングの一部としての機能を果たすことができる。更に、ゲージモジュール保持インサート３４は、それが様々な色で製造可能であるため、膨張装置１９のための独自の装飾的且つ差別化する機能部としての役目を果たすこともできる。

この構造の装置のユーザにとっての利点は、設定された充填量、迅速な充填及び移動、ねじ山支援加圧、及び、バルーン減圧中の排出位置決めの保持を含む全ての動作上の操作のためのプランジャ１の片手制御を含む。米国特許第５，０４７，０１５号明細書に記載されているような従来技術の装置とは異なり、プランジャ機構による装置制御の作動は、意図された使用手順のいずれかを実行するときに容易に達成される。これは、制御ボタンの戻しばね１４が、加圧中にプランジャの負荷のいずれかを支えるように求められないからである。また、この装置構造は、ピストン６に送出し、非常に高いプランジャ力負荷を維持することもできるが、それを快適なユーザ制御入力で行なうことができる。この装置のねじ付きプランジャ形態は、ねじ係合の大きな表面積（例えば、本出願人の先に論じた従来技術の装置の表面積の２倍超）をもたらし、したがって、ねじ表面積の単位当たりのはるかに低い負荷を享受する。更に、プランジャねじ山２はプランジャ１の一部であるため、ピストン６とプランジャ１に係合する装置ハウジングのねじ付き部材５との間の動作負荷は、プランジャ１によって直接に伝達され、ねじ付きインサートストリップの場合のように取り付けられた構成要素を介して間接的に伝達されない。それにより、３００ＬｂＦを超え、潜在的に５００ＬｂＦを超えるプランジャ負荷が可能になり、新規な改良された治療用処置バルーンの必要性に対応するために大容量高圧装置を構築することが可能になる。

図１１～図１４は、本発明の第２の実施形態に関する。具体的には、図１１は、加圧された装置を示す、図３と同様の断面図であり、また、図１３は、解放された圧力を示す、図４と同様の断面図である。図１２及び図１４はそれぞれ、図１１及び図１３の一部をそれぞれより詳細に示す。

図１１～図１４に示される実施形態は、前の実施形態と非常に類似しているため、相違点のみを説明し、同様の部品を特定するために同様の部品番号を使用する。例えば、図１～図１０に示される第１の実施形態と同様に、図１１～図１４に示される第２の実施形態は、ねじ山制御ブレード３，４と、ねじ山１５を有するねじ付きシリンダ５と、制御ボタン１２と、傾斜フィンガ１８と、リフタチップ４３とを含む。

第１の実施形態と比較して、第２の実施形態は、好ましい実施形態であり、改良されたプランジャ１５１及び改良されたピストン１６１の両方を含む。これらの改良は、ユーザ制御を大幅に向上させる改良されたインタフェースを提供するとともに、シール性能を向上させるためにピストンに対するプランジャの安定性をもたらし、より高いプランジャ負荷を可能にする。

図１～図１０に示される第１の実施形態と比較して、図１１～図１４に示される第２の実施形態は、特にプランジャのねじ山がねじ付きシリンダ要素５に対して係合されて負荷されるときに、装置加圧中にピストン１６１内のプランジャ１５１のより良好な中心化をもたらす。より良好な中心化は、より高い圧力シール性能のためにより均一なシール負荷を確保するのに役立つ。先に開示されたように、プランジャのねじ山２は、推力制御ブレード４によってねじ付きシリンダ５と係合するように横方向に駆動され、これにより、この推力制御ブレード４は、係合されたプランジャの回転軸線を確立し、この回転軸線をピストンの中心軸線と位置合わせする。図１１～図１４に示される実施形態に関連する改良されたプランジャとピストンとの界面は、（図１１及び図１２に示される）装置加圧中に推力制御ブレード４によるピストン１６１のプランジャ側負荷を解放し、（図１３及び図１４に示される）装置減圧中にピストン１６１に対するねじ山制御ブレード３の移行解放移動を減少させるとともに、プランジャ１５１の回転軸がその横方向の動き全体にわたって装置の共通軸と平行のままであるようにする。更に、この界面は、加圧中のピストン１６１とプランジャ１５１との相互の軸方向の位置合わせ（図１１及び図１２に示す）、及び、プランジャ１５１とねじ付きシリンダ５とが係合される間のプランジャ１５１とねじ付きシリンダ５とのより正確な位置合わせを確保する。第２の実施形態によって提供される改良されたピストンとプランジャとの界面の剛性は、装置の動作中に生成される作動流体圧力が個々の構成要素を一緒にしっかりと圧縮することによってそれらを２つの別個の構成要素ではなく一体のユニットとして動作させるときに更に強化される。第２の実施形態に関連する改良は、装置のプランジャ及びピストン要素を含むが、これらの改良された構成要素の機能は、第１の実施形態に関して不変のままである構成要素との相互作用に依然として依存している。以下の説明で明らかになるように、２つの実施形態間の基本的な機能及び動作は変更されないままである。

第１の実施形態と同様に、第２の実施形態は、ユーザが制御ボタン１２を圧縮することによってねじ山制御ブレード３を外側に延出させ、同時に推力制御ブレード４を内側に後退させるときに、プランジャの回転軸をねじ付きシリンダ５の中心軸と整列しないようにシフトさせることによってプランジャのねじ山の離脱がもたらされることを提供する。第２の実施形態に関して、ピストン１６１によるプランジャ１５１の回転軸のシフトは、プランジャ１５１の遠位チップ１５５とピストン１６１の近位端部との間の横方向に摺動可能な接続部によって対応される。図１１及び図１２に最も良く示されるように、改良されたピストンとプランジャとの接続は、ピストン１６１の遠位レセプタクルスリーブ１６２に依存し、この場合、レセプタクルスリーブ１６２は、プランジャ１５１の遠位端部を受ける半円壁１６４によって接合される平行な平坦な側壁１６３を有する管状形態を成すことが好ましい。図示のように、好ましくは、レセプタクルスリーブ１６２の平行な平坦な側壁１６３のそれぞれには、適合する角度で配置されたレセプタクルスロット１６６が設けられる。図１１に示されるように、好ましくは、レセプタクルスリーブ１６２の底部は、レセプタクルスリーブ１６２の基部において中央に位置される対称な一対の表面が平坦な傾斜ランプ（ａｎｇｌｅｄ ｒａｍｐｓ）１６５の形態を成すプランジャ心出し機能部を伴って構成される。これらの傾斜ランプ１６５は、好ましくは、それらの平面間の小さな夾角が理想的にはプランジャねじ山１５２の推力面角度１５９の２倍以上になるように配置される。

好ましくは、プランジャ１５１の遠位チップ１５５は、レセプタクルスリーブ１６２に密接に嵌合するための一対の平坦な平行側面１５３を備え、これらの平行側面はいずれも、レセプタクルスリーブ１６２の傾斜レセプタクルスロット１６６に係合して保持するための傾斜保持鉤状部１５４を備える。好ましくは、プランジャ１５１の遠位チップ１５５は、図１１に示されるように、当接平面（ａｂｕｔｍｅｎｔ ｐｌａｎｅ）１５６及び摺動ガイド平面１５７を備える２つの斜めに配置された平面を更に備え、これらの平面はいずれも、レセプタクルスリーブ１６２内の傾斜ランプ１６５と密接に整列して係合するように配置される。これらの２つの斜めに配置された平面は、好ましくはプランジャ１５１の平坦な平行側面１５３に対して垂直に方向付けられるとともに、好ましくはプランジャ１５１の回転軸の周りに対称的に配列され、この場合、軸は、プランジャねじ山１５２がねじ付きシリンダ５のねじ山１５と係合されるときに確立される。プランジャ１５１の遠位チップ１５５の２つの平坦な端面は、好ましくは、当接平面１５６がねじ山制御ブレード３を含むプランジャ１５１の縁部に隣接するとともに摺動ガイド平面１５７がねじ山制御ブレード３の反対側のプランジャ１５１の縁部に隣接する状態で更に配置される。当接平面１５６及び摺動ガイド平面１５７は、好ましくは、プランジャ１５１の回転軸を中心とする夾角、理想的にはプランジャねじ山１５２の推力面角度１５９に等しいがそれ以上の角度で対称に配置される。したがって、当接平面１５６と摺動ガイド平面１５７との間の理想的な夾角は、プランジャねじ山１５２の推力面角度の２倍以上に等しく、全ての場合において、それらが密接に係合する傾斜ランプ１６５間の夾角と同一である。

動作中、制御ボタン１２を押すと、プランジャねじ山１５２をねじ付きシリンダ５のねじ山１５との係合から解放するために、（リフタチップ４３を伴う）ねじ山制御ブレード３が横方向に延びる。リフタチップ４３の結果として生じる横方向の移動は、図１３及び図１４に示されるように、プランジャ１５１をピストンレセプタクルスリーブ１６２の半円壁１６４から押し離し、それにより、プランジャ１５１の遠位チップ１５５の端部をピストンレセプタクルスリーブ１６２内で横断させ、ピストン１６１との軸方向一致から移動させる。この動作は、プランジャ１５１のねじ山１５２がねじ付きシリンダ５のねじ山１５に対して常に平行のままであるようにする。プランジャ１５１のねじ山１５２がねじ付きシリンダ５のねじ山１５との係合から解放されると、ピストン１６１に対するプランジャ１５１の遠位チップ１５５の移動方向は、その傾斜保持鉤状部１５４とレセプタクルスロット１６６との係合、及び、その摺動ガイド平面１５７とそれが当接する傾斜ランプ１６５の面との界面によって決定付けられる。好ましくは、傾斜保持鉤状部１５４及びそれらのそれぞれの係合レセプタクルスロット１６６はいずれも、プランジャ１５１の摺動ガイド平面１５７と平行に位置するように配置される。

ねじ山制御ブレード３のリフタチップ４３の移動方向は、ねじ山制御ブレード３の傾斜フィンガ１８によって決定付けられる。したがって、制御ボタン１２を押すことによってねじ山制御ブレード３が作動されるときにはいつでも、リフタチップ４３は、プランジャ１５１の回転軸から横方向に離れるように移動するにつれて遠位側に移動する。その結果、リフタチップ４３のこの動きは、プランジャ１５１をピストン１６１から離れるように軸方向に押そうとし、同時に、プランジャは、レセプタクルスリーブ１６２の隣接する半円壁１６４から横方向に押し離されている。プランジャ１５１及びピストン１６１は、レセプタクルスロット１６６を把持する傾斜保持鉤状部１５４の係合によって互いに保持されるため、ねじ山制御ブレード３のリフタチップ４３の長手方向動作は、レセプタクルスリーブ１６２の隣接する半円壁１６４に対して軸方向に摺動することによって対応されなければならない。半円壁１６４に対して摺動するねじ山制御ブレード３のリフタチップ４３によって生成される摩擦は、圧力解放の初期段階中に制御ボタン１２を押すのに必要なユーザ入力力を増大させる。しかしながら、図１３に示されるように、傾斜レセプタクルスロット１６６及び傾斜ランプ１６５の当接面に対して摺動するガイド平面１５７によって課される減法的な方向性に起因して、半円壁１６４に対するリフタチップ４３の全体的な長手方向摺動距離は、その全体的な長手方向延在よりも小さい。したがって、リフタチップ４３の減少した摺動距離は、装置の圧力解放を行なうときにユーザが制御ボタン１２を押すことで直面される摩擦抵抗の持続時間を減少させる。

各実施形態は、かなりの量のねじ係合をもたらすとともに、設定された充填容積の維持、迅速な充填及び変位、並びに、バルーン減圧中の排出位置決めの加圧及び保持を含む全ての動作上の操作のための片手制御をもたらす流体移動加圧装置を備える。各実施形態は、装置をマイクロ移動制御からマクロ移動制御に移行させるだけでなく、プランジャのハンドルを回転させ、押し、又は、引くことに関しても、片手の使用を可能にする。

本発明の特定の実施形態を図示して説明してきたが、当業者が本発明の思想及び範囲から逸脱することなく様々な修正を考案できることが想定される。

１ プランジャ
２ ねじ山
３ ねじ山制御ブレード
４ 推力制御ブレード
５ ねじ付きシリンダ
６ ピストン
７ バレル／シリンダボア
８ 一体型シリンジ本体
９ タブ
１０ タブ
１１ フック
１２ 制御ボタン
１３ ハンドル
１４ ばね
１５ ねじ山
１６ ガイド溝
１７ ガイド溝
１８ 傾斜フィンガ
１９ 流体移動加圧膨張装置
２０ 傾斜フィンガ
２１ 受け入れスロット
２２ カム従動子
２３ 遠位縁部
２４ 近位縁部
２５ インターロック機能部
２６ 近位縁部
２７ 遠位縁部
２８ 推力ブレード制御カム
２９ シールリング
３０ ゲージモジュール
３１ ハウジング
３２ レンズ
３３ セルフタッピング保持ねじ
３４ ゲージモジュール保持インサート
３５ ゲージ受け入れ構造
３６ ロックキー
３７ ロックキー切り欠き
３８ ロックキー受け入れポート
３９ ロックキー取り付けグリップ
４０ ウェブ
４１ 機能部
４２ Ｔスロットレセプタクル
４３ リフタチップ
４４ 閉鎖端部
４５ 支持面
４６ チップ
４７ フィンガ角
４８ ルアーコネクタ
４９ 高圧流体送出ホース
１５１ プランジャ
１５２ ねじ山
１５３ 平行側面
１５４ 傾斜保持鉤状部
１５５ 遠位チップ
１５６ 当接平面
１５７ 摺動ガイド平面
１５９ 推力面角度
１６１ ピストン
１６２ レセプタクルスリーブ
１６３ 側壁
１６４ 半円壁
１６５ 傾斜ランプ
１６６ レセプタクルスロット

Claims (20)

1. シリンジ本体と、
   前記シリンジ本体内へと延在するプランジャであって、前記プランジャが、ねじ山及び長手方向軸を備える、プランジャと、
   前記シリンジ本体とシール状態で接触する前記プランジャ上のピストンと、
   前記プランジャ内へ押し込み可能な制御ボタンと、
   前記シリンジ本体内のねじ付きシリンダであって、前記ねじ付きシリンダがねじ山を備える、ねじ付きシリンダと、
   前記制御ボタンが押されるかどうかに応じて、前記プランジャのねじ山と前記ねじ付きシリンダのねじ山とを選択的に係脱するように構成される一対の制御ブレードと
   を備え、
   前記ねじ付きシリンダの前記ねじ山が前記プランジャの前記ねじ山と係合されると、前記プランジャは、前記シリンジ本体に対する前記プランジャのマイクロ移動をもたらすように回転可能であり、
   前記ねじ付きシリンダの前記ねじ山が前記プランジャのねじ山から離脱されると、前記プランジャは、前記シリンジ本体に対する前記プランジャのマクロ移動をもたらすように前記シリンジ本体内へ押し込み可能であるとともに前記シリンジ本体から引き出し可能である、
   流体移動加圧装置。
2. 前記プランジャが前記長手方向軸に沿うシャフトを備え、
   前記シャフトは、前記長手方向軸を通って配置される長手方向幾何学的平面によって２つのゾーンに幾何学的に分割可能であり、
   前記２つのゾーンのうちの第１のゾーンには、前記プランジャの前記ねじ山が設けられ、
   前記２つのゾーンのうちの第２のゾーンは、ねじ山を含まない、
   請求項１に記載の流体移動加圧装置。
3. 前記一対の制御ブレードは、前記プランジャの前記長手方向軸に向かって内側に移動して、前記ねじ付きシリンダの前記ねじ山を前記プランジャの前記ねじ山から離脱させるように構成される推力制御ブレードを備える、請求項１に記載の流体移動加圧装置。
4. 前記制御ボタンは、前記制御ブレードと係合して、前記制御ブレードをガイド溝内において長手方向で近位側及び遠位側に移動させる、請求項１に記載の流体移動加圧装置。
5. ハンドルと、
   前記ハンドルに当接して前記制御ボタンを前記ハンドルから押し出すばねと
   を更に備える、請求項１に記載の流体移動加圧装置。
6. 前記プランジャがガイド溝を備え、
   前記制御ブレードが前記ガイド溝内に配置される、
   請求項１に記載の流体移動加圧装置。
7. 前記プランジャは、前記プランジャ上の前記ねじ山に沿う第１のガイド溝と、前記プランジャ上の前記ねじ山の反対側にある第２のガイド溝とを備える、請求項６に記載の流体移動加圧装置。
8. 前記装置は、前記制御ボタンが押されると、前記プランジャの回転軸を前記ねじ付きシリンダの中心軸から離れるようにシフトさせるべく構成される、請求項１に記載の流体移動加圧装置。
9. 前記ピストン及び前記プランジャは、前記プランジャの前記ねじ山を前記ねじ付きシリンダの前記ねじ山から離脱させるべく前記プランジャが前記ピストンに対してシフト可能であるように互いに結合される、請求項１に記載の流体移動加圧装置。
10. 前記ピストンに対する前記プランジャのシフトは、前記制御ブレードの少なくとも１つによってもたらされる、請求項９に記載の流体移動加圧装置。
11. 前記制御ブレードの少なくとも一方は、前記プランジャの前記シフトをもたらすリフタチップを備える、請求項１０に記載の流体移動加圧装置。
12. ハンドルを更に備え、
    前記制御ボタンは、前記ハンドル内で浮動するとともに、前記制御ボタンが前記ハンドル内に押し込まれるときに前記制御ブレードに追従する、
    請求項１に記載の流体移動加圧装置。
13. 前記制御ブレードのそれぞれが一連の傾斜フィンガを備え、
    前記制御ブレードは、前記傾斜フィンガの端部に設けられるインターロック機能部によって互いに接合される、
    請求項１に記載の流体移動加圧装置。
14. 前記プランジャは、一連の推力ブレード制御カムを形成するガイド溝を備え、
    前記推力ブレードのうちの少なくとも１つは、前記制御カムに乗り上げてこれと当接する一連のカム従動子を備える、
    請求項１に記載の流体移動加圧装置。
15. 前記ねじ付きシリンダを前記シリンジ本体に固定する少なくとも１つのロックキーを更に備える、請求項１に記載の流体移動加圧装置。
16. 前記プランジャが遠位端部を備え、
    前記ピストンは、前記プランジャの前記遠位端部を受ける半円壁によって接合される平行な平坦な側壁を有するレセプタクルスリーブを備える、
    請求項１に記載の流体移動加圧装置。
17. 前記レセプタクルスリーブの前記平行な平坦な側壁のそれぞれには、斜めに配置されるレセプタクルスロットが設けられ、
    前記レセプタクルスリーブの底部は、一対の表面が平坦な傾斜ランプを伴って構成される、請求項１６に記載の流体移動加圧装置。
18. 前記プランジャが遠位チップを備え、
    前記プランジャの前記遠位チップが一対の平坦な平行側面を備え、
    前記平坦な平行側面及び前記レセプタクルスリーブはいずれも、前記レセプタクルスリーブの傾斜レセプタクルスロットに係合して保持する傾斜保持鉤状部を備える、
    請求項１７に記載の流体移動加圧装置。
19. 前記プランジャの前記遠位チップは、当接平面及び摺動ガイド平面を備える斜めに配置された２つの平面を備え、
    前記当接平面及び前記摺動ガイド平面はいずれも、前記レセプタクルスリーブ内の前記傾斜ランプと整列して係合する、
    請求項１８に記載の流体移動加圧装置。
20. 前記斜めに配置された２つの平面は、前記プランジャの前記遠位チップの前記平坦な平行側面に対して垂直に方向付けられるとともに、前記プランジャの前記回転軸の周りに対称的に配置される、請求項１９に記載の流体移動加圧装置。
    

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