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Description
本発明の一側面としての光学系は、表示素子からの光束を射出瞳に導く光学系であって、透過面と、反射透過面と、反射面とを有する第一光学素子と、前記射出瞳に向かって凹形状の面を含む負レンズとを有し、前記表示素子からの光束は、前記透過面、前記反射透過面、前記反射面、前記反射透過面、及び前記負レンズを順に介して前記射出瞳へ向かい、前記負レンズのd線における屈折率をnn、前記第一光学素子のd線における屈折率をnm、前記負レンズの光学パワーをφ
n
、前記光学系の光学パワーをφ
A とするとき、nn>nm
、φ
n
/φ
A
<-0.05なる条件式を満足する。
各実施例の説明において、絶対座標系のXYZ軸を、射出瞳(瞳中心)を原点、観察者が観察する画角(観察画角)の中心となる光束を中心画角光束として、以下のように定義する。中心画角光束の主光線と一致する軸をZ軸(中心画角光束の主光線に沿った直線で、射出瞳から第一面に向かう方向を正)、Z軸を原点を中心に(図1の断面内で)反時計回りに90度回転させた軸をY軸、原点を通ってZ軸およびY軸と直交する軸をX軸とする。
〔実施例1〕
まず、図1および図12を参照して、本発明の実施例1における接眼光学系および表示装置について説明する。図1は、本実施例における接眼光学系を有する表示装置の構成図である。図12は、本実施例に対応する数値実施例1の説明図である。101は表示装置(観察装置、画像表示装置)である。表示装置101は、接眼光学系(光学系)と画像表示素子(表示素子)105を有する。接眼光学系は、画像表示素子105からの光束を射出瞳Sに導く光学系である。
まず、図1および図12を参照して、本発明の実施例1における接眼光学系および表示装置について説明する。図1は、本実施例における接眼光学系を有する表示装置の構成図である。図12は、本実施例に対応する数値実施例1の説明図である。101は表示装置(観察装置、画像表示装置)である。表示装置101は、接眼光学系(光学系)と画像表示素子(表示素子)105を有する。接眼光学系は、画像表示素子105からの光束を射出瞳Sに導く光学系である。
102は、第一光学素子である。第一光学素子102は、入射面である透過面102Cと、反射透過面102Aと、反射面102Bとを有し、その内部が屈折率n>1の媒質で満たされている。103は、2つの屈折面である透過面1103B、103Aで構成された第二光学素子(プリズム)である。104は凹レンズ(負レンズ)である。凹レンズ104は、第一光学素子102と射出瞳Sとの間に配置されており、射出瞳Sに向かって凹形状の面(凹面)を有する。本実施例において、第一光学素子102、第二光学素子103、および凹レンズ104の3つの光学素子により接眼光学系が構成される。また本実施例において、接眼光学系および画像表示素子105により表示装置101が構成される。画像表示素子105からの光束は、第一光学素子102および凹レンズ104を介して射出瞳Sを形成する。すなわち画像表示素子105からの光束は、第一光学素子102の入射面としての透過面102C、反射透過面102A、反射面102B、反射透過面102A、および凹レンズ104を順に介して射出瞳Sへ向かう。
以下、各光学素子内部での光線の動きを記載する。画像表示素子105に表示された画像から発した光は、第一光学素子の入射面としての透過面102Cより第一光学素子102に入射する。第一光学素子102に入射した光は、反射透過面102Aで全反射され、反射面102Bで反射されて第一光学素子102内の光路が折り畳まれた状態となる。その後、反射透過面102Aを通って光学素子102を射出する。光学素子102を射出した光は、第二光学素子103の透過面103B、103Aを通って凹レンズ104に入射する。そして凹レンズ104を射出後、接眼光学系の射出瞳Sに導かれ、射出瞳Sの近傍に瞳孔を置いた観察者に対し、画像表示素子105に表示された画像を射出瞳Sから遠方の拡大虚像として提示する。
ここで、第二光学素子103の屈折面である透過面103Bは、特許文献1に開示されているように、反射透過面102Aを透過する際に生じる屈折をキャンセルする働きをする。これにより、反射透過面102Aで発生した収差をキャンセルすることが可能となる。このため、反射透過面102Aと屈折面である透過面103Bが同一形状かつ、第一光学素子102と同じ材料であることが望ましい。また、これらの第一光学素子102および第二光学素子103は、光学樹脂で構成することが望ましい。この理由は後程説明する。なお、反射透過面102Aと屈折面である透過面103Bは同一形状であることが望ましいが、これに限定されるものではなく、透過面103Bの形状は反射透過面102Aを透過する際に発生する収差をキャンセルするに十分な形状であればよい。
次に、図2を参照して、本実施例の接眼光学系の特徴を説明する。図2は、本実施例の接眼光学系の説明図である。接眼光学系の画角を大きくするには、接眼光学系の焦点距離を短くする必要がある。このとき、射出瞳Sから接眼光学系の最終面までの距離(アイレリーフ)は、観察者の観察のしやすさを考慮して、15~30mm程度の値に設定される。しかし、画像表示素子105の大きさが小さい場合に広い画角を得るには、アイレリーフの値よりも、接眼光学系の焦点距離を短くする必要がある。第一光学素子102の大きさは、アイレリーフ長と画角からほぼ決定される。すなわちアイレリーフを大きくするほど第一光学素子102は大きくなる。第一光学素子102が大型化した結果、接眼光学系の焦点距離が短い場合、接眼光学系の焦点面は入射面としての透過面102Cに近付く。
ここで、画像表示素子105と第一光学素子102との間にメカ部品が配置される場合や、例えば画像表示素子105が自発光素子であり、放熱が必要な場合、第一光学素子102と画像表示素子105の間は一定以上の距離の確保が必要となる。しかし、接眼光学系の焦点面が第一光学素子102の近傍にある場合、例えば図2(A)に示されるように、第一光学素子102と画像表示素子105との間隔(バックフォーカス)が狭くなる。その結果、十分なスペースが確保できないことや素子同士がぶつかってしまう可能性がある。
これを回避するには、接眼光学系の像側主平面位置を、より画像表示素子105側に移動させ、焦点面を第一光学素子102から離す必要がある。像側主平面を移動させる手段の一つとして、特許文献1で射出瞳Sと第一光学素子102に相当するプリズムとの間に、負の光学パワー(屈折力)を持つ面を有する第二光学素子を挿入する技術が開示されている。第二光学素子103を射出瞳Sと第一光学素子102との間に配置することで、接眼光学系全体の焦点距離を短くしつつ、像側主平面位置を画像表示素子側に移動させ、画像表示素子105と第一光学素子102との間に十分なスペースを確保できる(図2(B)参照)。
接眼光学系の像面側主平面を移動させ、バックフォーカスを大きくするには、少なくとも数mmの像面移動量が必要である。この移動量を実現するには、凹レンズの光学パワーが接眼光学系の光学パワーに比べて一定以上の大きさが必要である。このた め本実施例において、凹レンズ104の光学パワーをφn、接眼光学系の光学パワーをφAとするとき、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
φn/φA<-0.08 ■(4)
条件式(4)を満足することで、像面を十分に移動させ、第一光学素子102と画像表示素子105との間隔を十分に確保することができる。本実施例において、φn/φA=-0.26である。このように十分な強さの負の光学パワーを凹レンズ104に与えることで、本実施例では約5mmの像面の移動を実現している。
条件式(4)を満足することで、像面を十分に移動させ、第一光学素子102と画像表示素子105との間隔を十分に確保することができる。本実施例において、φn/φA=-0.26である。このように十分な強さの負の光学パワーを凹レンズ104に与えることで、本実施例では約5mmの像面の移動を実現している。
第一光学素子102の各光学面は、光線が斜めに入射する影響を減らすために非回転対称面(自由曲面)を用いることが多い。このような自由曲面を用いた光学系の場合、第一光学素子102は製造の容易さによるコスト低減効果から、光学樹脂を用いた型加工で製造されることが多い。用いる光学樹脂としては、例えばアクリル樹脂やポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂などが挙げられる。また、本実施例では第二光学素子103も同じ光学材料を使用している。これは、第一光学素子102の反射透過面102Aで発生する収差を、第二光学素子の入射面である透過面103Bでキャンセルするためで、2つの面は同一形状かつ同一材料で構築している。これら樹脂を材料とした型加工を用いることで、複雑な形状の光学素子を製造可能となるが、油脂や水分などに弱く腐食や膨張を報じる、素材そのものが柔らかいためキズが入りやすいなどの材料由来の課題も存在する。これらの課題に対し、保護用のガラス窓を配置する、樹脂表面に保護コーティングを施すなどの対策があるが、部品点数や工程の増加の原因となってしまう。
本実施例の接眼光学系は、第一光学素子402と画像表示素子405との間に配置された凸レンズ(正レンズ)406を有する。凸レンズ406は、第一光学素子402に向かって凸形状の面(強い凸面)406Aを有する。また、射出瞳Sが形成される面に垂直な方向を第1の方向とするとき、凸レンズ406の内部において、第1の方向における最も反射面402Bの側を通る光束の光路長は、第1の方向における最も反射透過面402Aの側を通る光束の光路長よりも長い。すなわち、Z軸方向において最も反射面側の最軸外光束(表示面の最端部からの光束)の光路長は、最も反射透過面側の最軸外光束の光路長よりも長い。本実施例によれば、実施例1に比べて、画像表示素子を小さく(0.5型)しながら更なる広画角化(50°)を実現することができる。また、観察者が透過像と表示画像とを重畳して観察することが可能である。
画像表示素子405に表示された画像から発した光は、凸レンズ406を通り第一光学素子402に入射後、複数回の内面反射を経て第一光学素子402を射出し、第二光学素子403に入射する。光束は第二光学素子403を射出後、凹レンズ404に入射、凹レンズ404を射出した後、接眼光学系の射出瞳Sに導かれ、射出瞳Sの近傍に瞳孔を置いた観察者に対し、画像表示素子405に表示された画像を射出瞳Sから遠方の拡大虚像として提示する。
図5は、接眼光学系の説明図であり、第三光学素子407の配置を示す。図5に示されるように、第一光学素子の反射面402Bの反射率を低くし(例えば反射率50%)、第三光学素子407を加える。これにより、接眼光学系の射出瞳Sの近傍に眼を置いた観察者は、凹レンズ404、第二光学素子403、第一光学素子402、および第三光学素子407を通して外界像を観察することができる。このとき、第三光学素子407の外側の面407Bは正の光学パワーを持ち、凹レンズ404の負の光学パワーを凡そ打ち消し、全体としてはノンパワー、もしくは非常に弱い光学パワーを有するようにして、外界像の観察を可能にする。
-0.4<φn/φA ■(7)
条件式(7)において、φnは凹レンズ404の光学パワー、φAは表示装置401の 接眼光学系の全系の光学パワーである。条件式(7)の下限を下回ると、面407Bの光 学パワーが強くなりすぎ、外界像の観察が困難になる。一方、条件式(7)の値が大きすぎると、凹レンズ404の光学パワーが不足し、画像表示素子405と凸レンズ406との間の距離が小さくなり、画像表示素子405の配置が困難になる。すなわち、条件式(7)と実施例1における条件式(3)とから、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
条件式(7)において、φnは凹レンズ404の光学パワー、φAは表示装置401の 接眼光学系の全系の光学パワーである。条件式(7)の下限を下回ると、面407Bの光 学パワーが強くなりすぎ、外界像の観察が困難になる。一方、条件式(7)の値が大きすぎると、凹レンズ404の光学パワーが不足し、画像表示素子405と凸レンズ406との間の距離が小さくなり、画像表示素子405の配置が困難になる。すなわち、条件式(7)と実施例1における条件式(3)とから、以下の条件式(8)を満足することが好ましい。
-0.35<φn/φA<-0.08 ■(9)
なお本実施例において、φn/φA=-0.17である。ここで、凹レンズ404の屈折率と第二光学素子403の屈折率との間に着目する。実施例1で述べたように、凹レンズ404の屈折率を上げることにより、第二光学素子403上に負の光学パワーを設けるより大きな負の光学パワーを与え、像側主平面位置を大きく移動させている。この負の光学パワーは、凹レンズ404の射出面404Aと空気との界面で発生するものであることから、(nn-1)が(nO-1)に比べ十分に大きくなることで、凸レンズ406と画像表示素子405の間隔を離すことができるようになる。このことから、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
なお本実施例において、φn/φA=-0.17である。ここで、凹レンズ404の屈折率と第二光学素子403の屈折率との間に着目する。実施例1で述べたように、凹レンズ404の屈折率を上げることにより、第二光学素子403上に負の光学パワーを設けるより大きな負の光学パワーを与え、像側主平面位置を大きく移動させている。この負の光学パワーは、凹レンズ404の射出面404Aと空気との界面で発生するものであることから、(nn-1)が(nO-1)に比べ十分に大きくなることで、凸レンズ406と画像表示素子405の間隔を離すことができるようになる。このことから、以下の条件式(10)を満足することが好ましい。
この像面湾曲を補正するため、強い正の光学パワーを持つ素子を配置し、そのサグ量を利用して補正を行う方法がある。正の光学パワーを与える面としては、第一光学素子402の入射面としての透過面402Cを用いる方法が考えられる。しかし、観察画角が広画角化すると、射出瞳S側から光線をトレースしたとき、周辺画角の光束が入射面としての透過面402Cで全反射を起こしてしまい、画像の観察ができなくなる。このため、第一光学素子402の入射面としての透過面402Cに強い正のパワーを与えるのは望ましくない。
そこで、正のパワーとして凸レンズ406を第一光学素子402と画像表示素子405との間に配置する。またそのとき、強い正のパワーを持つ凸面406Aを第一光学素子402側に向け配置する。これにより、広画角化を行っても透過面402Cにおいて全反射を起こさず、画像の観察が可能になる。
またこのとき、反射面402Bで発生するサグ量に対し、凸レンズ406の透過面のサグ量による光路差で補正を行うため、凸レンズ406の正のパワーの凸面406Aには強い曲 率が必要になる。このため、中心画角光束の主光線(Z軸に沿った画像中心と射出瞳Sの中心とを結ぶ線)との交点における反射面402Bの曲率半径をRB、第一光学素子402と対向している凸レンズ406の凸面406Aの曲率半径をRPとするとき、以下の条件式(12)を満足する。
-5.0<RB/RP<-1.5 …(13)
このように曲率半径を設定することで、凹レンズ404および第一光学素子402で発生する像面湾曲を補正することができる。本実施例において、RB/RP=-3.68である。
このように曲率半径を設定することで、凹レンズ404および第一光学素子402で発生する像面湾曲を補正することができる。本実施例において、RB/RP=-3.68である。
凸レンズ406を配置することにより像面湾曲の補正を行えるが、強い正のパワーが配置されることによる色収差が発生してしまう。この色収差を補正するには、凸レンズ406を分割し色消しレンズ化する、もしくは凹レンズ404の屈折率、分散を適切にすることで補正を行う方法が考えられる。
ここで、φnは凹レンズ404の光学パワー、φpは凸レンズ406の光学パワー、vnは凹レンズ404のアッベ数、vpは凸レンズ406のアッベ数である。hn、hpはそれぞれ観察者が観察した際に、上下左右の画角中心を通る光束を中心画角光束と定義したとき、中心画角光束の凹レンズ404、凸レンズ406上における光束半径である。また、ここでは第一光学素子402による色収差は小さいものとして無視する。
凹レンズ404と凸レンズ406とが隣接する場合、条件式(14)のhn、hpは略同じ値になる。このため、φn/vnとφp/v p の絶対値も略同じになるため、必然的にφnも大きな値が必要になる。しかし、像面湾曲補正には大きな正のパワーが必要であるのに対し、凹レンズのパワーも強くなると、像面湾曲の補正効果を小さくしてしまう。
さらにここで、第二光学素子403の屈折面である透過面403Bは、反射透過面402Aを透過する際に生じる屈折をキャンセルする働きをする。屈折面である透過面403Bが反射透過面402Aと同一形状かつ、第二光学素子403が第一光学素子402と同じ材料であることが望ましい。ただし、屈折面である透過面403Bと反射透過面402Aが必ずしも同一形状である必要は無く、反射透過面402Aを透過する際に発生する収差を十分にキャンセルできる形状であれば構わない。収差をキャンセルさせるための条件として、第一光学素子の射出面である反射透過面402Aと中心画角光束の主光線の交点における面法線とZ軸とがなす角をα1、屈折面である透過面403Bと中心画角光束の主光線の交点における面法線とZ軸とがなす角をα2とするとき、以下の条件式(16)を満足する。
1.40>nn/nm>1.10 …(18)
〔実施例3〕
次に、図7および図16を参照して、本発明の実施例3における接眼光学系および表示装置について説明する。図7は、本実施例における接眼光学系を有する表示装置の構成図である。図16は、本実施例に対応する数値実施例3の説明図である。画像表示装置(表示装置)701は、接眼光学系(光学系)と画像表示素子(表示素子)705を有する。接眼光学系は、画像表示素子705からの光束を射出瞳Sに導く光学系である。
〔実施例3〕
次に、図7および図16を参照して、本発明の実施例3における接眼光学系および表示装置について説明する。図7は、本実施例における接眼光学系を有する表示装置の構成図である。図16は、本実施例に対応する数値実施例3の説明図である。画像表示装置(表示装置)701は、接眼光学系(光学系)と画像表示素子(表示素子)705を有する。接眼光学系は、画像表示素子705からの光束を射出瞳Sに導く光学系である。
本実施例では、実施例1の接眼光学系に対し、第二光学素子を外すことで、第一光学素子702の反射面の位置を射出瞳Sに近付け、第一光学素子702の大きさを小さくしている。このような構成にすることで、画像表示素子705を小型化しても凹レンズ703の光学パワーを実質的に変化させることなく、広画角化を実現することができる。
画像表示素子705に表示された画像から発した光は、第一光学素子702に入射後、複数回の内面反射を経て第一光学素子702を射出し、凹レンズ703に入射する。凹レンズ703を射出した後、接眼光学系の射出瞳Sに導かれ、射出瞳Sの近傍に瞳孔を置いた観察者に対し、画像表示素子705に表示された画像を瞳Sから遠方の拡大虚像として提示する。
本実施例では、凹レンズ703と第一光学素子702とは隣接している。すなわち、アイレリーフの長さは保ったまま第一光学素子702を瞳に近付けたと言える。このため、第一光学素子702の大きさが小さくなり、結果として接眼光学系の像側主平面から第一光学素子702の入射面である透過面702Cまでの距離も小さくなるため、バックフォーカスの確保が容易になる。
逆に、凹レンズ703と第一光学素子702の反射面702Bの距離が大きくなると、第一光学素子702の大きさは大きくなってしまい、第二光学素子を外した効果が得られない。このため、凹レンズ703の射出面703Aと第一光学素子702の反射面702Bの間の距離に対して、以下の条件式(19)を満足する。
LPB/fL<0.75 …(19)
ここで、LPBは射出瞳Sにおける中心画角光束の主光線の向きをZ軸としたとき、凹レンズ703の射出面703Aと第一光学素子702の反射面702BのZ軸上における距離、fLは接眼光学系の焦点距離である。このように凹レンズ703と第一光学素子702を隣接させ、反射面702Bを射出瞳Sに近付けることで、凹レンズ703の光学パワーをやや弱めながら広画角化を実現している。本実施例においては、LPB=8.0mm、fL =18.4mm、LPB/fL=0.43である。
ここで、LPBは射出瞳Sにおける中心画角光束の主光線の向きをZ軸としたとき、凹レンズ703の射出面703Aと第一光学素子702の反射面702BのZ軸上における距離、fLは接眼光学系の焦点距離である。このように凹レンズ703と第一光学素子702を隣接させ、反射面702Bを射出瞳Sに近付けることで、凹レンズ703の光学パワーをやや弱めながら広画角化を実現している。本実施例においては、LPB=8.0mm、fL =18.4mm、LPB/fL=0.43である。
凹レンズ703の焦点距離は特許文献1の実施例1の負の面の焦点距離-94.3mmと略同等である。このような構成をとることで、0.6型と特許文献1に比べ小さい画像表示素子を用いながら、45°の広画角化を実現している。なお、像面の移動量は約4mmである。
凹レンズ703を光学ガラス製とした場合、光学面として自由曲面などの特殊な形状を持たせることは高コスト化などに繋がってしまうため、共軸の光学素子とすることが望ましい。このため、特許文献1で示されている第一光学素子の射出面と第二光学素子の第一面を同一形状とし、収差をキャンセルさせることは、凹レンズ703では難しい。そこで、凹レンズ703を、第一光学素子702の射出面である反射透過面702Aに合わせ傾けることで、面形状の差による影響を減らす。具体的には、第一光学素子702の反射透過面702Aの、画角中心光束の主光線(図1中の線A)と反射透過面702Aとの交点における面法線と、Z軸とのなす角をα1、凹レンズ703の光軸とZ軸とのなす角をα3とするとき、以下の条件式(20)を満足する。
|α1-α3|<5 …(20)
条件式(20)を満足することにより、第一光学素子702から射出する光束に対し収差をキャンセルすることができる。本実施例における光学系の場合、|α1-α3|=1.6である。
条件式(20)を満足することにより、第一光学素子702から射出する光束に対し収差をキャンセルすることができる。本実施例における光学系の場合、|α1-α3|=1.6である。
また、図7のX軸方向においても第一光学素子702の射出面である反射透過面702Aと凹レンズ703で収差のキャンセルを行うため、以下の条件式(21)を満足する。
0.3<RAX/RMX<2.0 …(21)
ここで、RAXは第一光学素子702の反射透過面702Aと中心画角光束主光線との交点における、紙面垂直方向の曲率半径、RMXは凹レンズ703の入射面703Bの曲率半径である。換言すると、RMXは画像表示素子から射出瞳Sに至る中心画角光束主光線を含む断面に垂直な断面における凹レンズ703の凸面である入射面703Bの曲率半径である。また、RAXは該断面における第一光学素子702の射出面と中心画角光束の主光線との交点における第一光学素子702の射出面の曲率半径である。このように2つの面の曲率を近付けることで、2つの面での収差をキャンセルする。本実施例において、RAX=-48.8、RMX=-67.7、RAX/RMX=0.72である。なお本実施例において、凹レンズ703はメニスカスレンズであるが、これに限定されるものではない。
ここで、RAXは第一光学素子702の反射透過面702Aと中心画角光束主光線との交点における、紙面垂直方向の曲率半径、RMXは凹レンズ703の入射面703Bの曲率半径である。換言すると、RMXは画像表示素子から射出瞳Sに至る中心画角光束主光線を含む断面に垂直な断面における凹レンズ703の凸面である入射面703Bの曲率半径である。また、RAXは該断面における第一光学素子702の射出面と中心画角光束の主光線との交点における第一光学素子702の射出面の曲率半径である。このように2つの面の曲率を近付けることで、2つの面での収差をキャンセルする。本実施例において、RAX=-48.8、RMX=-67.7、RAX/RMX=0.72である。なお本実施例において、凹レンズ703はメニスカスレンズであるが、これに限定されるものではない。
〔実施例4〕
次に、図8および図18を参照して、本発明の実施例4における接眼光学系および表示装置について説明する。図8は、本実施例における接眼光学系を有する表示装置の構成図である。図18は、本実施例に対応する数値実施例4の説明図である。画像表示装置(表示装置)801は、接眼光学系(光学系)と画像表示素子(表示素子)804を有する。接眼光学系は、画像表示素子804からの光束を射出瞳Sに導く光学系である。本実施例は、実施例3の画像表示素子を小さくしたこと、観察者が透過像と表示画像とを重畳して観察できるように構成されている。
次に、図8および図18を参照して、本発明の実施例4における接眼光学系および表示装置について説明する。図8は、本実施例における接眼光学系を有する表示装置の構成図である。図18は、本実施例に対応する数値実施例4の説明図である。画像表示装置(表示装置)801は、接眼光学系(光学系)と画像表示素子(表示素子)804を有する。接眼光学系は、画像表示素子804からの光束を射出瞳Sに導く光学系である。本実施例は、実施例3の画像表示素子を小さくしたこと、観察者が透過像と表示画像とを重畳して観察できるように構成されている。
画像表示素子804を射出した光束は、凸レンズ(正レンズ)805、第一光学素子802、凹レンズ803を介して射出瞳Sを形成する。また本実施例では、実施例2と同様に、第一光学素子802の射出瞳Sとは反対側に第三光学素子806を配置する。ここで、第一光学素子の反射面802Bの反射率を100%より低く設定すると、観察者は射出瞳Sの近傍に瞳孔を置くことで凹レンズ803、第一光学素子802、および第三光学素子806を通して外界の像も観察可能になる。すなわち、観察者は外界の像と画像表示素子804に表示された画像を同時に観察できる。
本実施例の光学系は、画像表示素子804を0.5型とし、画角を50°としている。このときの接眼光学系の焦点距離は約13.5mmとなる。また、アイポイントは25mmと大きいため、図9に示されるように、凹レンズ803と第一光学素子802で発生する像面湾曲が非常に大きくなる。このため、実施例2と同様に、凸レンズ805を第一光学素子802と画像表示素子804の間に配置している。
ここで、図9を参照して、凹レンズ803および第一光学素子802で発生する像面湾曲について説明する。図9は、本実施例における像面湾曲の説明図である。901は、射出瞳Sを通った光束が凹レンズ803および第一光学素子802により結像する位置付近の結像平面である。902は、結像平面901の法線方向の軸である。903は、第一光学素子802および凹レンズ803による像面である。実施例2で説明した通り、この像面湾曲の主たる要因は、反射面802Bのサグによるものである。しかし、実際にはさらに2つの要因が加わって像面が形成される。
(要因1)
反射透過面802Aでは、入射面802Cから入射した光束を全反射させる。また、反射透過面802Aの図9における断面(YZ断面)では非常に大きな角度(全反射角以上の角度)で光束が入射するため、収差補正の面から強い光学パワーを持たず、YZ断面には強い光学パワーを持たないことが望ましい。しかし、全反射角を保つため、反射透過面802Aの上部では直線から外れ、負のパワーを有する面(反り返った面)となる。このため、図9に示されるように、反射透過面802Aの上部を通る光束は負の光学パワーの影響を受け、下側を通る光束より遠くに結像する。
反射透過面802Aでは、入射面802Cから入射した光束を全反射させる。また、反射透過面802Aの図9における断面(YZ断面)では非常に大きな角度(全反射角以上の角度)で光束が入射するため、収差補正の面から強い光学パワーを持たず、YZ断面には強い光学パワーを持たないことが望ましい。しかし、全反射角を保つため、反射透過面802Aの上部では直線から外れ、負のパワーを有する面(反り返った面)となる。このため、図9に示されるように、反射透過面802Aの上部を通る光束は負の光学パワーの影響を受け、下側を通る光束より遠くに結像する。
(要因2)
反射透過面802AのX断面方向は、実施例3で述べたようにコンセントリックに近い構成を持つため、曲率を有する面となっている。このため、反射透過面802Aは全反射する際に負のパワーを持つことになり、結果としてX断面方向ではY断面方向より強い負の像面湾曲が生じる。
反射透過面802AのX断面方向は、実施例3で述べたようにコンセントリックに近い構成を持つため、曲率を有する面となっている。このため、反射透過面802Aは全反射する際に負のパワーを持つことになり、結果としてX断面方向ではY断面方向より強い負の像面湾曲が生じる。
以上2つの要因により、凹レンズ803と第一光学素子802は、YZ断面において非対称な像面湾曲を有し、かつX軸方向に強い負の像面湾曲を有する。これらを補正するため、凸レンズ805は以下のような特徴を有する。
(1)凸レンズ805は、第一光学素子の反射面802B側を通る光束が、反射透過面802A側を通る光束より正レンズである凸レンズ805の厚い部分を通るようシフトして配置する。
(2)凸レンズ805は、射出面805A(第一光学素子802側の凸面805A)がアナモルフィックな面を有し、以下の条件式(22)を満足する。
(1)凸レンズ805は、第一光学素子の反射面802B側を通る光束が、反射透過面802A側を通る光束より正レンズである凸レンズ805の厚い部分を通るようシフトして配置する。
(2)凸レンズ805は、射出面805A(第一光学素子802側の凸面805A)がアナモルフィックな面を有し、以下の条件式(22)を満足する。
RPX<RPY …(22)
ここで、RPXは凸レンズ805の凸面805AのX軸方向の曲率半径、RPYは凸レンズ805の凸面805AのY軸方向の曲率半径である。換言すると、凸レンズ805の凸面805Aは第一光学素子802と対向しており、RPYは画像表示素子804から射出瞳Sに至る中心画角光束の主光線を含む断面における凸レンズ805の凸面805Aの曲率半径、RPXは該断面に垂直な断面における凸レンズ805の凸面805Aの曲率半径である。
ここで、RPXは凸レンズ805の凸面805AのX軸方向の曲率半径、RPYは凸レンズ805の凸面805AのY軸方向の曲率半径である。換言すると、凸レンズ805の凸面805Aは第一光学素子802と対向しており、RPYは画像表示素子804から射出瞳Sに至る中心画角光束の主光線を含む断面における凸レンズ805の凸面805Aの曲率半径、RPXは該断面に垂直な断面における凸レンズ805の凸面805Aの曲率半径である。
本実施例では、図8の断面内において、最も反射透過面802A側を通る光束付近の凸レンズ805の厚さは約2.7mm、最も反射面802B側を通る光束付近の凸レンズ805の厚さは約5mmとなっている。また凸レンズ805の射出面である凸面805Aの曲率半径はそれぞれ、RPX=15.51mm、RPY=22.51mmである。
観察装置1001は、実施例4の接眼光学系801a、801b、画像表示素子804a、804b、およびそれに接続された画像表示回路1002を有する。また観察装置1001は、カメラ1003、カメラ1003により取得された画像を処理する撮像回路1004、および、撮像回路1004で処理された画像から、撮影されている物体を認識する画像認識部1005を有する。接眼光学系801a、801b、およびカメラ1003は、ヘッドセット部1006の内部に配置される。
観察者は、観察装置1001のヘッドセット部1006をメガネのように装着する。ヘッドセット部1006を装着することで、ヘッドセット部1006に搭載された接眼光学系801a、801bのそれぞれの射出瞳Sおよび射出瞳S’(不図示)の近傍に、観察者の眼の瞳(両目)が配置される。これにより、画像表示素子804a、804bに表示された画像が虚像拡大され観察者に提示される。
ここで、ヘッドセット部1006に取り付けられているカメラ1003は、観察者の観察方向の画像を取得している。カメラ1003で撮像された画像は、撮像回路1004を介して画像認識部1005に送られる。画像認識部1005では、撮像された画像中に何が映っているかを認識し、映っている物体を説明する文字情報等を画像表示回路1002に送る。画像表示回路1002は、画像認識部1005から受け取った情報に基づいて、画像表示素子804a、804bのうち、物体近傍または重なる部分に対し必要な文字情報を表示する。情報の例としては、視野内に映った飲食店の店名やメニュー情報、博物館などの展示物の詳細情報、店舗内商品の価格および生産地情報、または、地図情報やナビゲーション情報などである。これらの情報を、接眼光学系801a、801bを透過して見える外界の像に重畳して表示することにより、図11に示されるように、観察者は現実空間にこれらの情報が付与された状態で周囲の観察が可能になる。図11は、情報の重畳表示を示す図である。また、情報とは文字情報だけに限らず、動画/静止画の画像情報などでも構わない。さらに、単なる情報付与だけでなく、現実空間にゲーム画像などの別の画像や、架空の建築物画像などを重畳させた拡張現実空間を観察者に提示することも可能である。
以下、実施例1~4にそれぞれ対応する数値実施例1~4を記述する。各実施例の説明では光源側の光路から順に説明を行ったが、数値実施例では投影光学系の瞳位置側から逆に光線を追跡した形での記述とする。
表1~12に各数値実施例を記述する。記述に際して、絶対座標系の基準をGlobal原点として表記する。なお、表1~3は実施例1に、表4A~6は実施例2に、表7~9は実施例3に、表10A~12は実施例4にそれぞれ対応する。
表1~12に各数値実施例を記述する。記述に際して、絶対座標系の基準をGlobal原点として表記する。なお、表1~3は実施例1に、表4A~6は実施例2に、表7~9は実施例3に、表10A~12は実施例4にそれぞれ対応する。
Claims (20)
- 表示素子からの光束を射出瞳に導く光学系であって、
透過面と、反射透過面と、反射面とを有する第一光学素子と、
前記射出瞳に向かって凹形状の面を含む負レンズとを有し、
前記表示素子からの光束は、前記透過面、前記反射透過面、前記反射面、前記反射透過面、および前記負レンズを順に介して前記射出瞳へ向かい、
前記負レンズのd線における屈折率をnn、前記第一光学素子のd線における屈折率をnm 、前記負レンズの光学パワーをφ n 、前記光学系の光学パワーをφ A とするとき、
nn>nm
φ n /φ A <-0.05
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。 - nn/nm>1.05
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。 - 前記負レンズのアッベ数をνn、前記第一光学素子のアッベ数をνmとするとき、
15<νn<νm
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の光学系。 - 前記第一光学素子と前記表示素子との間に配置された正レンズを更に有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学系。
- 前記正レンズは前記第一光学素子と対向する凸面を有しており、中心画角主光線との交点における前記反射面の曲率半径をRB、前記凸面の曲率半径をRPとするとき、
-8.0<RB/RP<-2.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4に記載の光学系。 - 前記正レンズは前記第一光学素子と対向する凸面を有しており、前記表示素子から前記射出瞳に至る中心画角主光線を含む断面における曲率半径をRPY、該断面に垂直な断面における前記凸面の曲率半径をRPXとするとき、
RPX<RPY
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4または5に記載の光学系。 - 前記射出瞳が形成される面に垂直な方向を第1の方向とするとき、前記正レンズの内部において、前記第1の方向における最も前記反射面の側を通る光束の光路長は、前記第1の方向における最も前記反射透過面の側を通る光束の光路長よりも長いことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の光学系。
- 前記正レンズの光学パワーをφp、前記負レンズの光学パワーをφn、前記正レンズのアッベ数をνp、前記負レンズのアッベ数をνnとするとき、
φpνn/φnνp<-2
なる条件式を満足することを特徴とする請求項4乃至7のいずれか一項に記載の接眼光学系。 - 表示素子からの光束を射出瞳に導く光学系であって、
透過面と、反射透過面と、反射面とを有する第一光学素子と、
前記射出瞳に向かって凹形状の面を含む負レンズとを有し、
前記反射透過面と前記負レンズとは互いに隣接しており、
前記表示素子からの光束は、前記透過面、前記反射透過面、前記反射面、前記反射透過面、および前記負レンズを順に介して前記射出瞳へ向かい、
前記負レンズのd線における屈折率をn n 、前記第一光学素子のd線における屈折率をn m とするとき、
n n >n m
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。 - 表示素子からの光束を射出瞳に導く光学系であって、
透過面と、反射透過面と、反射面とを有する第一光学素子と、
前記射出瞳に向かって凹形状の面を含む負レンズと、
前記第一光学素子と前記負レンズとの間に配置されたプリズムである第二光学素子とを有し、
前記表示素子からの光束は、前記透過面、前記反射透過面、前記反射面、前記反射透過面、および前記負レンズを順に介して前記射出瞳へ向かい、
前記負レンズのd線における屈折率をn n 、前記第一光学素子のd線における屈折率をn m とするとき、
n n >n m
なる条件式を満足することを特徴とする光学系。 - 前記第二光学素子の前記表示素子の側の面は、前記反射透過面と同一形状であることを特徴とする請求項10に記載の光学系。
- 前記第二光学素子の前記射出瞳の側の透過面は、前記負レンズの前記表示素子の側の面と同一形状であり、
前記射出瞳を原点、中心画角光束の主光線と一致する軸をZ軸、前記主光線を含む断面内でZ軸を原点を中心に反時計回りに90度回転させた軸をY軸、Z軸とY軸と直交する軸をX軸とし、前記主光線が透過する位置における前記反射透過面の法線とZ軸とのなす角をα1、前記主光線が透過する位置における前記透過面の法線とZ軸とがなす角をα2とするとき、
|α1-α2|<5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項11に記載の光学系。 - 前記第二光学素子のd線における屈折率をnOとするとき、
nn>nO
なる条件式を満足することを特徴とする請求項11または12に記載の光学系。 - (nn-1)/(nO-1)>1.3
なる条件式を満足することを特徴とする請求項13に記載の光学系。 - 前記第一光学素子の負レンズと反対側に配置された第三光学素子を更に有することを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の光学系。
- 前記負レンズの射出面と前記第一光学素子の前記反射面との間のZ軸上の距離をLPB、前記光学系の焦点距離をfLとするとき、
LPB/fL<0.75
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至15のいずれか一項に記載の光学系。 - 前記射出瞳を原点、中心画角光束の主光線と一致する軸をZ軸、前記主光線を含む断面内でZ軸を原点を中心に反時計回りに90度回転させた軸をY軸、Z軸とY軸と直交する軸をX軸とし、前記主光線が透過する位置における前記反射透過面の法線とZ軸とのなす角をα1、前記負レンズの光軸とZ軸とのなす角をα3とするとき、
|α1-α3|<5
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至16のいずれか一項に記載の接眼光学系。 - 前記負レンズは、メニスカスレンズであり、
前記表示素子から前記射出瞳に至る中心画角光束の主光線を含む断面に垂直な断面における前記負レンズの凸面の曲率半径をRMX、該断面において前記主光線が透過する位置における前記反射透過面の曲率半径をRAXとするとき、
0.3<RAX/RMX<2.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至17のいずれか一項に記載の光学系。 - 前記負レンズは、ガラス材料から成ることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の光学系。
- 請求項1乃至19のいずれか一項に記載の光学系と、表示素子とを有することを特徴とする表示装置。
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