JP2022094118A - 計画支援装置、再生可能エネルギーシステム、計画支援方法、および計画支援プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】運転計画を最適化することが可能な計画支援装置を提供する。【解決手段】一実施形態に係る計画支援装置は、再生可能エネルギーを予測し、再生可能エネルギーから生成可能な需要エネルギーを予測し、エネルギーを生成、貯蔵、および利用するエネルギー装置群の状態を予測する予測部と、予測部の予測値を用いて、エネルギー装置群の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、運転評価値に基づいてエネルギー装置群の運転計画を補正する補正計画部と、補正計画部の補正結果を表示する表示部と、を備える。【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、計画支援装置、再生可能エネルギーシステム、計画支援方法、および計画支援プログラムに関する。
化石燃料の枯渇、および大気中への二酸化炭素の放出による地球温暖化への対策が様々な産業分野で推進されている。化石燃料によらないエネルギー源として、太陽光や風力などに代表される再生可能エネルギーが利用されている。
再生可能エネルギーは時間変動があり、時間変動を抑制するには大容量のエネルギー貯蔵システムが必要となる。このようなエネルギー貯蔵システムの一つに、水素エネルギーを利用した再生可能エネルギーシステムがある。再生可能エネルギーシステムは、再生可能エネルギーが需要よりも大きい時間帯に、水または水蒸気を電気分解して水素を製造して貯蔵する。また、再生可能エネルギーシステムは、再生可能エネルギーが需要よりも小さい時間帯に、貯蔵した水素エネルギーを、例えば燃料電池のような水素発電装置で電気と熱エネルギーにして利用する。
再生可能エネルギーシステムには、水素エネルギーを効率的に制御する技術、エネルギー需要を予測して運転計画を作成する技術、および需要を予測して優先度の高い装置から順番に定期検査を計画する技術が提案されている。
再生可能エネルギーシステムの保守期間には、通常通りエネルギーを生成、貯蔵、および利用できない。そのため、再生可能エネルギーシステムの運転計画を作成する際、エネルギーを生成、貯蔵、および利用する各装置の保守期間を考慮しないと、システム全体の効率が低下し、また、エネルギー貯蔵が不足するといった事態が起こり得る。
本発明が解決しようとする課題は、運転計画を最適化することが可能な計画支援装置、再生可能エネルギーシステム、計画支援方法、および計画支援プログラムを提供することである。
一実施形態に係る計画支援装置は、再生可能エネルギーを予測し、再生可能エネルギーから生成可能な需要エネルギーを予測し、エネルギーを生成、貯蔵、および利用するエネルギー装置群の状態を予測する予測部と、予測部の予測値を用いて、エネルギー装置群の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、運転評価値に基づいてエネルギー装置群の運転計画を補正する補正計画部と、補正計画部の補正結果を表示する表示部と、を備える。
本実施形態によれば、運転計画を最適化することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。下記の実施形態は、本発明を限定するものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る再生可能エネルギーシステムの構成を示すブロック図である。図1に示す再生可能エネルギーシステム1は、エネルギー装置群10と、監視制御装置20と、計画支援装置30と、を備える。エネルギー装置群10は、再生可能エネルギー発電装置11と、電力貯蔵装置12と、水素製造装置13と、水素貯蔵装置14と、水素発電装置15と、熱貯蔵装置16と、水素利用装置17と、熱利用装置18と、電力利用装置19と、を有する。なお、エネルギー装置群10は、水素利用装置17、熱利用装置18、および電力利用装置19の全てを有する必要はなく、少なくとも1つを有していればよい。
図1は、第1実施形態に係る再生可能エネルギーシステムの構成を示すブロック図である。図1に示す再生可能エネルギーシステム1は、エネルギー装置群10と、監視制御装置20と、計画支援装置30と、を備える。エネルギー装置群10は、再生可能エネルギー発電装置11と、電力貯蔵装置12と、水素製造装置13と、水素貯蔵装置14と、水素発電装置15と、熱貯蔵装置16と、水素利用装置17と、熱利用装置18と、電力利用装置19と、を有する。なお、エネルギー装置群10は、水素利用装置17、熱利用装置18、および電力利用装置19の全てを有する必要はなく、少なくとも1つを有していればよい。
まず、エネルギー装置群10に含まれる各装置について説明する。再生可能エネルギー発電装置11は、再生可能エネルギーを電気エネルギーに変換する。電気エネルギーは、需要エネルギーの一例である。再生可能エネルギー発電装置11は、自然エネルギー由来の発電設備であり、例えば太陽光を用いた太陽光発電装置(PV:Photovoltaics)や、風力を用いて発電する風力発電装置などである。
電力貯蔵装置12は、再生可能エネルギー発電装置11で生成された電気エネルギーを貯蔵する。電力貯蔵装置12は、例えば蓄電池である。電力貯蔵装置12は、監視制御装置20の制御に基づいて、電力不足の場合に放電する一方で、電力余剰の場合に充電する。これにより、電力網101の電圧および周波数が制御される。
水素製造装置13は、水または水蒸気を電気分解して水素を製造する。水素の化学エネルギーも需要エネルギーの一例である。本実施形態では、水素製造装置13は、電力貯蔵装置12から電力網101を介して供給された電気エネルギーを用いて、水または水蒸気を電気分解して水素を製造する。水素製造装置13は、情報網102を介して監視制御装置20と接続され、監視制御装置20の制御に基づいて水素を製造する。
水素貯蔵装置14は、水素製造装置13によって製造された化学エネルギーになる水素または水素化物を貯蔵する。水素貯蔵装置14は、情報網102を介して監視制御装置20と接続され、監視制御装置20の制御に基づいて、貯蔵された水素を水素発電装置15または水素利用装置17へ供給する。
水素発電装置15は、水素貯蔵装置14から供給される水素の化学エネルギーを用いて、電気エネルギーおよび熱エネルギーを生成する。熱エネルギーも需要エネルギーの一例である。水素発電装置15は、情報網102を介して監視制御装置20と接続され、監視制御装置20の制御に基づいて、酸素および水素を用いて発電する。この発電に伴って、熱エネルギーが生成される。水素発電装置15の発電に用いる酸素は、空気中に含まれる酸素を利用してもよいし、酸素貯蔵装置(不図示)に貯蔵された酸素を利用してもよい。この酸素貯蔵装置は、水素製造装置13が水素製造時に出力する酸素を貯蔵する。
熱貯蔵装置16は、水素発電装置15で生成された熱エネルギーを貯蔵する。熱貯蔵装置16は、情報網102を介して監視制御装置20に接続され、監視制御装置20の制御に基づいて、熱エネルギーを熱利用装置18へ供給する。
水素利用装置17は、水素貯蔵装置14から供給された水素の化学エネルギーを利用する。水素利用装置17は、情報網102を介して監視制御装置20に接続され、監視制御装置20の制御に基づいて例えば燃料電池車両へ水素を供給する。
熱利用装置18は、熱貯蔵装置16から供給された熱エネルギーを利用する。熱利用装置18は、情報網102を介して監視制御装置20に接続され、監視制御装置20の制御に基づいて例えば熱エネルギーで水を温める温水器として機能する。
電力利用装置19は、電力貯蔵装置12から供給された電気エネルギーを利用する。電力利用装置19は、情報網102を介して監視制御装置20に接続され、監視制御装置20の制御に基づいて例えば電気エネルギーで駆動する電力機器として機能する。
次に、監視制御装置20について説明する。監視制御装置20は、計画値に基づいて、エネルギー装置群10の各装置(電力貯蔵装置12~電力利用装置19)を個別に制御する。また、監視制御装置20は、エネルギー装置群10の各装置に設置された種々のセンサで計測されたセンシングデータを定期的に取得する。
本実施形態では、監視制御装置20は、以下に説明する方法で運転計画を作成する。
監視制御装置20は、再生可能エネルギー、エネルギー需要、およびエネルギー装置群10の各装置の状態の長期的な予測を行う。また、監視制御装置20は、各装置の状態の長期的な予測結果に基づいて各装置の保守期間を計画する。さらに、監視制御装置20は、再生可能エネルギーおよびエネルギー需要の予測結果や保守計画に基づいて各装置の長期的な運転計画を作成する。
以下、再生可能エネルギーの長期予測について説明する。監視制御装置20は、例えば、年間の予測総発電量に対して月間の予測発電比率を用いることで、月間の予測発電量を計算する。月間の予測発電比率は、月間の需給パターンに基づいて、過去の実績から概ね予測することができる。そのため、監視制御装置20は、先に求めた年間の予測総発電量を月間の予測発電比率で案分することにより、月間の予測発電量を算出する。
なお、監視制御装置20は、月間の予測発電量を用いて日別の予測発電量を算出することもできる。日別の予測発電比率は、週間の発電パターンに基づいて、過去の実績から概ね予測することができる。そのため、監視制御装置20は、先に求めた月間の予測発電量を日別の発電比率で案分することにより日別の予測発電量を算出する。
また、監視制御装置20は、日別の予測発電量を用いて時間別の予測発電量を算出することもできる。時間別の予測発電比率は、1日の発電パターンに基づいて、過去の実績から概ね予測することができる。そのため、監視制御装置20は、先に求めた各曜日の予測発電量を時間別の発電比率で案分することによって、時間別の予測発電量を算出する。
上記のようにして算出された月間、日別および時間別の予測発電量は、監視制御装置20内に記憶される。
再生可能エネルギー発電装置11が、太陽光発電装置の場合、監視制御装置20は、例えば、太陽の仰角と、装置の発電効率と、日射量との関数を用いて発電量を予測する。太陽の仰角は、例えば日時から計算することができる。装置の発電効率は、例えば、温度の関数を用いて、気温から計算することができる。この温度の関数は、天候が晴のときの実績発電量と実績気温に基づく推定発電量との関係から計算することができる。日射量は、例えば、過去の同じ日時に計測された日射量から推定することができる。
以下、エネルギー需要の長期予測について説明する。監視制御装置20は、年間の予測エネルギー総需要量に対して、月間の予測需要比率を用いることで、月間の予測需要量を計算する。月間の予測需要比率は、月間の需給パターンに基づいて、過去の実績から概ね予測することができる。そのため、監視制御装置20は、先に求めた年間の予測需要量を月間の需要比率で案分することにより、月間の予測需要量を算出する。
なお、監視制御装置20は、月間の予測需要量を用いて日別の予測需要量も算出することができる。日別の予測需要比率は、週間の需給パターンに基づいて、過去の実績から概ね予測することができる。また、エネルギー需要量は、一週間のうち平日と休日とで大きく異なるのが一般的である。そのため、監視制御装置20は、先に求めた月間の予測需要量を一週間の日別の需要比率で案分することにより、日別の予測需要量を算出する。
また、監視制御装置20は、日別の予測需要量を用いて時間別の予測需要量も算出することができる。時間別の予測需要比率は、1日の需給パターンに基づいて、過去の実績から概ね予測することができる。そのため、監視制御装置20は、先に求めた各曜日の需要量を時間別の予測需要比率で案分することにより時間別の予測需要量を算出する。
上記のようにして算出された月間、日別および時間別の各予測需要量も、監視制御装置20内に記憶される。
以下、エネルギー装置群10の各装置の長期状態予測について説明する。各装置には、消耗品が設けられている。例えば水素製造装置13には、水に含まれる不純物を除去するためのフィルタが設けられている。このフィルタ等の寿命は、過去の実績から予測することができる。
監視制御装置20は、各装置の寿命と使用時間等から余寿命を求め、求めた余寿命から保守期間を計画する。寿命は数ケ月等とばらつきがあるのが一般的なので、マージンを持たせて、また、日単位の保守期間にも幅を持たせる。
監視制御装置20は、上述した予測需要量および保守期間に基づいてエネルギー装置群10の各装置の運転計画を作成する。監視制御装置20は、運転計画を作成する際に、再生可能エネルギー発電装置11~電力利用装置19の長期の計画値や状態を演算する。計画値の演算には、水素製造装置13の水素製造量や、水素発電装置15の水素利用量などを演算することが含まれる。また、状態の演算には、水素貯蔵装置14の水素貯蔵率や、電力貯蔵装置12の電力貯蔵率などを演算することが含まれる。このようにして作成された運転計画は、計画支援装置30に入力される。
次に、図2を参照して、計画支援装置30について説明する。図2は、計画支援装置30の構成を示すブロック図である。計画支援装置30は、監視制御装置20で作成された運転計画を補正するコンピュータであり、記憶部31と、予測部32と、補正計画部33と、表示部34と、を有する。計画支援装置30において、各部は、ハードウェアとして構成されていてもよいし、少なくとも一部がソフトウェアとして構成されていてもよい。
記憶部31には、種々のデータやプログラムが記憶されている。種々のデータは、運転計画を補正処理するために用いられる。一方、プログラムは、計画支援装置30にて行われる各処理をコンピュータによって実行するために用いられる。
図3は、計画支援装置30の処理手順を示すフローチャートである。以下、計画支援装置30の処理内容について説明する。
まず、予測部32が、再生可能エネルギー、エネルギー需要、およびエネルギー装置群10の各装置の状態の短期予測を行う(ステップS1~S3)。再生可能エネルギーの短期予測とは、太陽光や風力などを用いた再生可能エネルギー発電装置11の短期的な発電量を予測することである。また、エネルギー需要の短期予測とは、電力貯蔵装置12に貯蔵される電力エネルギー、水素貯蔵装置14に貯蔵される水素の化学エネルギー、および熱貯蔵装置16に貯蔵される熱エネルギーの短期的な需要量を予測することである。さらに、エネルギー装置群10の各装置の状態の短期予測とは、各装置の余寿命や、貯蔵装置(電力貯蔵装置12、水素貯蔵装置14、熱貯蔵装置16)の貯蔵率を短期的に予測することである。予測部32の予測期間は、監視制御装置20で作成される運転期間よりも短く、例えば10日程度である。以下、ステップS1~S3について詳しく説明する。
まず、再生可能エネルギーの短期予測(ステップS1)について説明する。計画支援装置30において、記憶部31は、過去の日時における気象条件(晴/曇/雨)と、再生可能エネルギー発電装置11が実際に発電した実績発電量または日射量と、を対応付けた発電実績情報を記憶している。予測部32は、記憶部31から上記発電実績情報を読み出す。続いて、予測部32は、発電実績情報を、気象条件毎、例えば晴、曇、雨の3つに分類する。続いて、予測部32は、各気象条件において再生可能エネルギー発電装置11の実績発電量の確率分布を計算し、計算結果を記憶部31に格納する。予測部32で算出される確率分布には、平均値、分散、および標準偏差等が含まれる。なお、予測部32は、日時に基づく季節毎に各気象条件において再生可能エネルギー発電装置11の実績発電量の確率分布を計算してもよい。
本実施形態では、予測部32は、予測日時により適した各気象条件において再生可能エネルギー発電装置11の実績発電量の確率分布を計算することができる。これにより、予測部32は、予測日時において再生可能エネルギー発電装置11の発電量をより正確に予測することができる。
なお、予測部32は、監視制御装置20と同様に、太陽の仰角と、再生可能エネルギー発電装置11の発電効率と、日射量との関数を用いて予測発電量を計算してもよい。太陽の仰角は、日時から計算することができる。また、発電効率は、例えば、温度の関数を用いて、気温から計算することができる。この温度の関数は、天候が晴のときの実績発電量と実績気温に基づく推定発電量との関係から計算することができる。また、日射量は、発電量の予測関数を用いて実績発電量と太陽の仰角と発電効率とから推定することができる。
日射量の確率分布は、例えば、気象条件(晴/曇/雨)が同一のときの推定日射量から計算することができる。また、発電量の確率分布は、日射量の確率分布(確率項)と太陽の仰角(確定項)と予測発電効率から計算することができる。
次に、エネルギー需要の短期予測(ステップS2)について説明する。計画支援装置30において、記憶部31は、実際のエネルギー需要量を日時や気象条件と対応付けた需要実績情報を記憶している。予測部32は、予測日時と気象条件に最も近い需要実績情報を記憶部31から読み出す。例えば、予測部32は、曜日(平日、休日)および気象条件(晴/曇/雨)が同一の需要実績情報を用いてエネルギー需要量の確率分布を計算して予測する。また、予測部32は、曜日と、気象条件または気温との関数を用いてエネルギー需要量を予測してもよい。また、予測部32は、曜日のエネルギー需要量への影響を考慮して、気象条件が同一の需要実績情報を用いて計算してもよい。また、予測部32は、気象条件のエネルギー需要量への影響を考慮して、曜日が同一の需要実績情報を用いて計算してもよい。
次に、エネルギー装置群10の各装置の短期状態予測(ステップS3)について説明する。計画支援装置30において、記憶部31は、センシングデータから得られた各装置の実際の状態を運転履歴と対応付けた状態実績情報を記憶している。予測部32は、予測時点の状態および運転履歴に最も近い状態実績情報を記憶部31から読み出す。
例えば、各装置の状態を余寿命とすると、余寿命の確率分布は、予測時点から平均的な運転(運転履歴に基づいて算出可能な平均値に標準偏差を加算または減算した運転)を行った場合に最も近い状態実績情報から予測される。
予測部32は、上述したステップS1~S3で算出した予測値を補正計画部33へ出力する。補正計画部33は、予測値を用いて、エネルギー装置群10の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し(ステップS4)、算出した運転評価値に基づいて監視制御装置20から入力された長期の運転計画を補正する(ステップS5)。以下、ステップS4およびステップS5について詳しく説明する。
本実施形態では、補正計画部33は、下記の式(1)を用いて運転評価値を算出する。
運転評価値=Σ(使用価値+BCP価値-運転費用-保守費用) (1)
上式(1)において、使用価値は、電気エネルギー等の使用時に発生する費用に相当し、例えば電気料金が含まれる。BCP価値は、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に関連する評価値である。BCP価値は、異常気象時等の非常事態が発生した日時に高くなるように設定されている。運転費用は、エネルギー装置群10の各装置の運転に要する費用に相当する。保守費用は、エネルギー装置群10の各装置の保守に要する費用に相当する。保守費用には、保守要員の人件費が含まれていてもよく、この人件費は、曜日ごとに異なる金額が設定されている。
運転評価値=Σ(使用価値+BCP価値-運転費用-保守費用) (1)
上式(1)において、使用価値は、電気エネルギー等の使用時に発生する費用に相当し、例えば電気料金が含まれる。BCP価値は、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に関連する評価値である。BCP価値は、異常気象時等の非常事態が発生した日時に高くなるように設定されている。運転費用は、エネルギー装置群10の各装置の運転に要する費用に相当する。保守費用は、エネルギー装置群10の各装置の保守に要する費用に相当する。保守費用には、保守要員の人件費が含まれていてもよく、この人件費は、曜日ごとに異なる金額が設定されている。
補正計画部33は、予測値を用いて、予測期間内で、例えば、製造装置や利用装置の保守期間を1日単位で変更した場合の運転評価値を算出し、運転評価値が最大となる運転計画に補正する。なお、本実施形態のように、複数の製造装置および複数の利用装置が存在する場合には、補正計画部33は、全てを組み合わせて運転評価値を計算してもよい。また、保守期間時に他の装置に振り替える場合には、補正計画部33は、振替費用が最小となる装置に限定して運転評価値を計算してもよい。
以下、補正計画の一例である製造補正計画について説明する。製造計画値には、例えば予測部32の予測値として算出された、水素製造装置13の水素製造量や再生可能エネルギー発電装置11の発電量などが含まれる。また、水素製造装置13の制限値として、水素製造率の最大値が含まれ、電力貯蔵装置12、水素貯蔵装置14、および熱貯蔵装置16の制限値として、水素貯蔵率、電力貯蔵率、および熱貯蔵率の最大値および最小値がある。
補正計画部33は、予測部32の短期予測期間内で、保守期間を1日単位で下記(1)~(4)のように変更して、運転評価値を計算する。その後、補正計画部33は、運転評価値が最大となる製造補正計画を作成する。
(1)各装置の制限値(最大値、最小値)内で、製造計画を変更する。
(2)保守期間前に貯蔵装置で、貯蔵するように変更する。
(3)保守期間前は、他の装置で製造せず、かつ貯蔵しないように変更する。
(4)保守期間中は、他の装置で、製造し、かつ貯蔵するように変更する。
(1)各装置の制限値(最大値、最小値)内で、製造計画を変更する。
(2)保守期間前に貯蔵装置で、貯蔵するように変更する。
(3)保守期間前は、他の装置で製造せず、かつ貯蔵しないように変更する。
(4)保守期間中は、他の装置で、製造し、かつ貯蔵するように変更する。
上述した製造補正計画によれば、例えば、再生可能エネルギー発電装置11が太陽光発電装置の場合、再生可能エネルギー発電装置11の運転日が雨天日に設定されてしまうと、運転費用が高くなるため、運転評価値が低くなる。そのため、再生可能エネルギー発電装置11の運転日を晴天日に設定し、保守期間を雨天日に設定すると、運転評価値が高い値となり、製造運転計画が適切に補正される。
以下、補正計画の他の一例である利用補正計画について説明する。利用計画値には、例えば、予測部32の予測値に基づいて設定された、水素発電装置15の発電量および熱供給量や、水素利用装置17の水素利用量、熱利用装置18の熱利用量、電力利用装置19の電力利用量などが含まれる。また、各利用装置の制限値として、水素発電量および熱供給量の最大値、最小値が含まれる。さらに、電力貯蔵装置12、水素貯蔵装置14、および熱貯蔵装置16の制限値として、水素貯蔵率、電力貯蔵率、および熱貯蔵率の最大値および最小値がある。
補正計画部33は、予測部32の短期予測期間内で、保守期間を1日単位で下記(5)~(8)のように変更して、運転評価値を計算する。その後、補正計画部33は、運転評価値が最大となる利用補正計画を作成する。
(5)各装置の制限(最大値、最小値)内で、利用計画を変更する。
(6)保守期間中は他の装置で、利用しないように変更する。
(7)保守期間後は他の装置で、利用しないように変更する。
(8)保守期間後は利用装置で、利用するように変更する。
(5)各装置の制限(最大値、最小値)内で、利用計画を変更する。
(6)保守期間中は他の装置で、利用しないように変更する。
(7)保守期間後は他の装置で、利用しないように変更する。
(8)保守期間後は利用装置で、利用するように変更する。
上述した利用補正計画によれば、例えば、水素利用装置17の水素利用量が最も少ない日を保守期間に設定すると、運転評価値が高くなって、利用運転計画が適切に補正される。
上記のように、補正計画部33が運転計画を補正すると、補正結果を表示部34へ出力する。表示部34は、その補正結果を表示する(ステップS6)。
表示部34は、例えば、補正計画部33で算出された運転評価値や、エネルギー装置群10の各装置の補正計画を示す画像情報を作成して表示する。なお、表示部34は、オペレータの操作により、作成した画像情報を監視制御装置20へ出力してもよい。
以上説明した本実施形態によれば、補正計画部33が、エネルギー装置群10の各装置の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、その運転評価値に基づいて運転計画を補正している。また、補正計画は、表示部34によって可視化される。そのため、補正計画は、エネルギー装置群10の通常運転に対する保守期間の影響を必要最小限に抑えた運転計画となる。これにより、運転計画を最適化することが可能となる。
また、本実施形態では、BCPに関連する評価値が運転評価値含まれている。そのため、災害発生時に需要エネルギーの貯蔵が不足して利用することができないといった事態を回避することが可能となる。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る再生可能エネルギーシステムの構成を示すブロック図である。図1に示す再生可能エネルギーシステム1と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
図4は、第2実施形態に係る再生可能エネルギーシステムの構成を示すブロック図である。図1に示す再生可能エネルギーシステム1と同様の構成要素には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
上述した第1実施形態では、計画支援装置30が、情報網102を介して監視制御装置20に接続されている。一方、本実施形態では、図4に示すように、計画支援装置30は、監視制御装置20内に設けられている。
また、計画支援装置30の各部(図2参照)は、監視制御装置20の機能として、第1実施形態で説明した補正処理を行う。すなわち、本実施形態においても、補正計画部33が、第1実施形態と同様に、予測部32の予測値を用いて、エネルギー装置群10の各装置の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、その運転評価値に基づいて運転計画を補正している。さらに、表示部34は、補正計画を可視化する。
したがって、本実施形態においても、補正計画は、エネルギー装置群10の通常運転に対する保守期間の影響を必要最小限に抑えた運転計画となる。よって、運転計画を最適化することが可能となる。
さらに、本実施形態では、計画支援装置30が監視制御装置20と一体化されているため、2つの装置が情報網102を用いることなく通信できる。これにより、情報網102の通信負荷を軽減することが可能となる。
以上、いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例としてのみ提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図したものではない。本明細書で説明した新規な形態は、その他の様々な形態で実施することができる。また、本明細書で説明した形態に対し、発明の要旨を逸脱しない範囲内で、種々の省略、置換、変更を行うことができる。添付の特許請求の範囲およびこれに均等な範囲は、発明の範囲や要旨に含まれるこのような形態や変形例を含むように意図されている。
1、2:再生可能エネルギーシステム
10:エネルギー装置群
20:監視制御装置
30:計画支援装置
32:予測部
33:補正計画部
34:表示部
10:エネルギー装置群
20:監視制御装置
30:計画支援装置
32:予測部
33:補正計画部
34:表示部
Claims (11)
- 再生可能エネルギーを予測し、前記再生可能エネルギーから生成可能な需要エネルギーを予測し、エネルギーを生成、貯蔵、および利用するエネルギー装置群の状態を予測する予測部と、
前記予測部の予測値を用いて、前記エネルギー装置群の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、前記運転評価値に基づいて前記エネルギー装置群の運転計画を補正する補正計画部と、
前記補正計画部の補正結果を表示する表示部と、
を備える計画支援装置。 - 前記需要エネルギーになる水素または水素化物が、前記エネルギー装置群に貯蔵される、請求項1に記載の計画支援装置。
- 前記需要エネルギーは、水素の化学エネルギー、電気エネルギー、熱エネルギーの少なくともその1つである、請求項1または2に記載の計画支援装置。
- 前記予測部は、前記運転計画よりも短い期間で予測する、請求項1から3のいずれか1項に記載の計画支援装置。
- 前記予測値が、確率分布に関連する値である、請求項1から4のいずれか1項に記載の計画支援装置。
- 前記予測部は、前記エネルギー装置群の余寿命およびエネルギーの貯蔵率を前記エネルギー装置群の状態として予測する、請求項1から5のいずれか1項に記載の計画支援装置。
- 前記運転評価値に、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)に関連する評価値が含まれている、請求項1から6のいずれか1項に記載の計画支援装置。
- 前記運転評価値に、前記エネルギー装置群の保守費用が含まれている、請求項1から7のいずれか1項に記載の計画支援装置。
- 再生可能エネルギーから生成可能な需要エネルギーを生成、貯蔵、および利用するエネルギー装置群と、
前記エネルギー装置群の運転計画を作成する監視制御装置と、
前記監視制御装置を支援する計画支援装置と、を備え、
前記計画支援装置が、
前記再生可能エネルギーを予測し、前記需要エネルギーを予測し、前記エネルギー装置群の状態を予測する予測部と、
前記予測部の予測値を用いて、前記エネルギー装置群の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、前記運転評価値に基づいて前記運転計画を補正する補正計画部と、
前記補正計画部の補正結果を表示する表示部と、を有する、再生可能エネルギーシステム。 - 再生可能エネルギーと、前記再生可能エネルギーから生成可能な需要エネルギーと、エネルギーを生成、貯蔵、および利用するエネルギー装置群の状態と、をそれぞれ予測し、
予測値を用いて、前記エネルギー装置群の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、
前記運転評価値に基づいて前記エネルギー装置群の運転計画を補正し、
補正結果を表示する、計画支援方法。 - 再生可能エネルギーと、前記再生可能エネルギーから生成可能な需要エネルギーと、エネルギーを生成、貯蔵、および利用するエネルギー装置群の状態と、をそれぞれ予測し、
予測値を用いて、前記エネルギー装置群の保守期間を変更した場合の運転評価値を算出し、
前記運転評価値に基づいて前記エネルギー装置群の運転計画を補正し、
補正結果を表示する、処理をコンピュータに実行させるための計画支援プログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020206955A JP2022094118A (ja) | 2020-12-14 | 2020-12-14 | 計画支援装置、再生可能エネルギーシステム、計画支援方法、および計画支援プログラム |
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JP (1) | JP2022094118A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2024024639A1 (ja) * | 2022-07-26 | 2024-02-01 | Eneos株式会社 | 情報処理装置、水素製造システム、電力供給システム、運転計画作成方法およびコンピュータプログラム |
-
2020
- 2020-12-14 JP JP2020206955A patent/JP2022094118A/ja active Pending
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