JP2022092387A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022092387000001
【課題】画像濃度の段差を解消する画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100は、感光ドラム1から中間転写ベルト7にトナー像を転写する一次転写ローラ5と、中間転写ベルト7に転写されたトナー像を記録材Pに転写する二次転写ローラ8と、一次転写ローラ5に一次転写バイアスを印加して、一次転写ローラ5にトナー像を転写させる一次転写電源部E1と、二次転写ローラ8に二次転写バイアスを印加して、二次転写ローラ8にトナー像を転写させる二次転写電源部E2と、を備える。画像形成装置100は、中間転写ベルト7の長手方向の電流が偏っていると推定される場合に、トナー像の転写をともなわずに、一次転写電源部E1と二次転写電源部E2との少なくとも一つにより一次転写ローラ5と二次転写ローラ8との少なくとも一つにバイアスを印加させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、 複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ、印刷装置、複合機等の電子写真方式による画像形成装置に関する。
フルカラーの画像形成が可能な画像形成装置には、中間転写方式や直接転写方式を用いるものがある。中間転写方式は、例えば感光体に形成されたトナー像を一旦中間転写体に転写しておき、その後、中間転写体から記録材にトナー像を転写する方式である。直接転写方式は、例えば感光体に形成されたトナー像を記録材に直接転写する方式である。中間転写方式は、多様な記録材に画像が形成可能であるために、直接転写方式よりも記録材の選択性を高めることができる。
感光体から中間転写体へのトナー像の転写、中間転写体から記録材へのトナー像の転写、及び感光体から記録材へのトナー像の転写には、それぞれ転写部が用いられる。トナー像の転写の際に、転写部には転写電圧が印加される。転写電圧により生じる電場とトナーの極性により、トナー像の転写が行われる。画像形成装置は、転写電圧を最適に調整するためにATVC(Auto Transfer Voltage Control)を行う。特許文献1には、ATCVにより最適な転写電圧の調整を行う画像形成装置が開示される。この画像形成装置は、画像形成の開始前に転写電源から出力する電圧を変化させて、そのときの電流値(転写電流)に基づいて転写電圧を設定する。
特開2012―242516号公報
中間転写体は、例えば無端状ベルトにより構成され、回転することでトナー像を感光体からの転写位置から記録材への転写位置へ搬送する。このような中間転写体を用いる場合、ATCVにより最適な転写電圧を設定しても、以下のような場合には最適な画像形成が困難になる可能性がある。
例えば、中間転写体のトナー像が転写される面に弾性層のような厚みのある抵抗層を有する場合、中間転写体の抵抗に段差が発生することがある。例えば、中間転写体の回転方向に直交する方向(長手方向)のサイズが中間転写体に比べて小さいサイズの記録材を連続して通紙する場合、中間転写体の通紙部分と非通紙部分とで、中間転写体の抵抗に段差が生じる。また、画像比率が中間転写体の長手方向に偏った画像を連続して転写する場合、長手方向の画像比率が高い領域と低い領域とで、中間転写体の抵抗に段差が生じる。連続して通紙する場合、非通紙部分や画像比率の低い領域では、それ以外の領域に対して相対的に大きな転写電流が流れ、領域毎の転写電流の差が生じる。これは、中間転写体の内部における抵抗調整材としての導電材の存在を傾かせることになる。これが中間転写体の領域による抵抗の段差となる。
中間転写体の領域毎に抵抗の段差が生じた状態で長手方向のサイズが中間転写体と同等のサイズの記録材に均一な画像濃度のベタ画像やハーフトーン画像を形成する場合、最適な転写電圧が設定されていても、抵抗の段差により転写電流の段差が生じる。そのために、結果として記録材に形成された画像の画像濃度に段差が生じてしまう。
本発明は、上記の問題に鑑み、中間転写体の領域毎の抵抗の段差を解消して、画像濃度の段差を解消する画像形成装置を提供することを主たる課題とする。
本発明の画像形成装置は、トナー像が形成される像担持体と、前記像担持体から前記トナー像が転写される転写体と、前記像担持体から前記転写体に前記トナー像を転写する一次転写手段と、前記転写体に転写された前記トナー像を記録材に転写する二次転写手段と、前記一次転写手段に一次転写バイアスを印加して、前記一次転写手段に前記トナー像を転写させる第1電源手段と、前記二次転写手段に二次転写バイアスを印加して、前記二次転写手段に前記トナー像を転写させる第2電源手段と、前記転写体の所定方向の電流が偏っていると推定される場合に、前記トナー像の転写をともなわずに、前記第1電源手段と前記第2電源手段との少なくとも一つにより前記一次転写手段と前記二次転写手段との少なくとも一つにバイアスを印加させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、中間転写体の領域毎の抵抗の段差を解消して、画像濃度の段差を解消することが可能となる。
画像形成装置の構成説明図。 コントローラの説明図。 画像領域の説明図。 一次転写電流の説明図。 体積抵抗率の説明図。 一次転写電流の説明図。 体積抵抗率の変化の様子の説明図。 一次転写電流の説明図。 一次転写電流の説明図。 通電空回転を実行するタイミングの説明図。 通電空回転処理を表すフローチャート。 二次転写電流の説明図。 通電空回転を実行するタイミングの説明図。 通電空回転処理を表すフローチャート。 (a)、(b)は、中間転写ベルトの長手方向の抵抗の段差の説明図。 通電空回転を行う場合の閾値の説明図。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態の画像形成装置の構成説明図である。この画像形成装置100は、中間転写方式を採用しており、電子写真方式を用いてフルカラーの画像を記録材Pに形成可能である。
画像形成装置100は、タンデム型であり、一定の間隔をおいて一列に配置された4つの画像形成部SY、SM、SC、SKを備える。画像形成部SYはイエローの画像形成に用いられる。画像形成部SMはマゼンタの画像形成に用いられる。画像形成部SCはシアンの画像形成に用いられる。画像形成部SKはブラックの画像形成に用いられる。各画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、使用するトナーの色が異なることを除けば実質的に同じである。以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを示す符号末尾のY、M、C、Kは省略して、当該要素について総括的に説明する。
画像形成部Sは、像担持体としてドラム形状の電子写真感光体である感光ドラム1を備える。感光ドラム1は、矢印R1方向に回転駆動される。感光ドラム1の周囲には、回転方向に沿って順に、ローラ状の帯電部材である帯電ローラ2、露光器3、現像器4、ローラ状の一次転写部材である一次転写ローラ5、及びドラムクリーナ6が配置される。感光ドラム1と、これに作用する帯電ローラ2、現像器4、及びドラムクリーナ6とは、画像形成装置100の本体に一体に着脱可能なプロセスカートリッジ12を構成している。
感光ドラム1と一次転写ローラ5との間には、中間転写体である中間転写ベルト7の一部が挟持される。中間転写ベルト7は、無端状ベルトであり、感光ドラム1からトナー像が転写される被転写体の一例である。中間転写ベルト7は、複数の張架ローラ(支持ローラ)である駆動ローラ71、テンションローラ72、及び二次転写対向ローラ73に、所定の張力をもって張架され、その内面が支持されている。駆動ローラ71が回転駆動されることによって、中間転写ベルト7は矢印R2方向に回転駆動される。
一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7の内周面側に対応する感光ドラム1に対向して配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト7を介して感光ドラム1側に付勢されており、中間転写ベルト7と感光ドラム1とが接触する一次転写部(一次転写ニップ部)N1を形成している。中間転写ベルト7の外周面側には、二次転写対向ローラ73に対向する位置に、ローラ状の二次転写部材である二次転写ローラ8が配置されている。二次転写ローラ8は、中間転写ベルト7を介して二次転写対向ローラ73側に付勢されており、中間転写ベルト7と二次転写ローラ8とが接触する二次転写部(二次転写ニップ部)N2を形成している。中間転写ベルト7の外周面側で駆動ローラ71に対向する位置には、静電方式のベルトクリーナ10が配置されている。
中間転写ベルト7は、基層(裏面の層)、弾性層(中間層)、及び表層で構成されている。基層は、ポリイミド、ポリカーボネート等の樹脂又は各種ゴム等に帯電防止剤としてカーボンブラックを適当量含有させ、厚みを0.05~0.15[mm]としたものが用いられている。弾性層は、CRゴム(クロロプレンゴム)、ウレタンゴム、シリコーンゴム等の各種ゴム等にイオン導電剤を適当量含有させ、厚みを0.1~0.500[mm]としたものが用いられている。表層は、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の樹脂で厚みを0.0002~0.020[mm]としたものが用いられている。中間転写ベルト7の体積抵抗率は、5E+8~1E+14[Ω・cm](23[℃]、50[%RH])であり、硬度はMD1硬度で60~85°(23[℃]、50[%RH])である。中間転写ベルト7の静止摩擦係数は、0.15~0.6(23[℃]、50[%RH])である。また、中間転写ベルト7の幅(回転方向に対して垂直方向である長手方向の長さ)は300[mm]である。
画像形成部Sは、画像形成時に、回転駆動される感光ドラム1の表面を、帯電ローラ2により略一様に帯電する。このとき帯電ローラ2は、図示しない帯電電源から所定の帯電バイアスが印加される。帯電した感光ドラム1の表面は、各画像形成部Sに対応した画像データに応じて変調されたレーザ光を用いて露光器3によって走査露光される。画像データは、形成する画像を表しており、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの色毎に用意される。これにより感光ドラム1の表面に静電像(静電潜像)が形成される。感光ドラム1に形成された静電像は、現像器4によって各画像形成部Sに対応した色のトナーを用いてトナー像として現像される。
露光器3には、例えば画像データに応じて変調したレーザ光を感光ドラム1の回転軸方向(長手方向)に沿って走査するレーザスキャナ装置を用いることができる。レーザ光が走査する感光ドラム1の長手方向が主走査方向となる。主走査方向に直交する方向が副走査方向となる。そのために、中間転写ベルト7の回転方向が副走査方向となり、中間転写ベルト7の長手方向が主走査方向となる。
現像器4には、例えば現像剤として主に非磁性トナー粒子(トナー)と磁性キャリア粒子(キャリア)とからなる2成分現像剤を用いる2成分現像方式を採用した2成分現像器を用いることができる。現像器4は、回転可能な現像剤担持体として現像スリーブ41を有する。現像スリーブ41は、現像剤を感光ドラム1との対向部(現像部)に搬送する。現像スリーブ41に現像バイアスが印加されることで、現像スリーブ41上の現像剤からトナーが感光ドラム1の静電像へ転移する。現像スリーブ41には、図示しない現像電源から、負極性の直流電圧成分Vdcに交流電圧成分が重畳された現像バイアスが印加される。現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)は負極性である。現像器4は、反転現像方式により、トナー像を形成する。反転現像方式とは、一様に帯電させた後に画像データに応じて露光されて電位の絶対値が低下した感光体の表面の露光部に、感光体の帯電極性と同極性に帯電したトナーを供給してトナー像を形成する現像方式である。現像器4Y、4M、4C、4Kには、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーが収納されている。
感光ドラム1に形成されたトナー像は、一次転写ニップ部N1において、一次転写ローラ5の作用によって、回転駆動されている中間転写ベルト7に転写(一次転写)される。このとき一次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、対応する一次転写電源部E1Y、E1M、E1C、E1Kから、現像時のトナーの帯電極性とは逆極性(本実施形態では正極性)の直流電圧である一次転写バイアスが印加される。一次転写電源部E1Y、E1M、E1C、E1Kは、高電圧の一次転写バイアスを印加する高圧回路である。フルカラーの画像形成時には、各画像形成部Sの各感光ドラム1に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト7に順次に重ね合わせるようにして転写される。
一次転写ローラ5は、長手方向(回転軸方向)の長さが300[mm]である。一次転写ローラ5は、直径が8[mm]のステンレス製の芯金の周囲に、弾性層としての発泡スポンジが設けられている。一次転写ローラ5は、例えば、体積抵抗値が1×107~1×108[Ω]で、直径が18[mm]のローラとして構成される。
中間転写ベルト7に転写されたトナー像は、二次転写ニップ部N2において、二次転写ローラ8の作用により記録用紙等の記録材Pに転写(二次転写)される。このとき、二次転写ローラ8には、二次転写電源部E2から、現像時のトナーの帯電極性とは逆極性(本実施形態では正極性)の直流電圧である二次転写バイアスが印加される。二次転写電源部E2は、高電圧の二次転写バイアスを印加する高圧回路である。なお、記録材Pは、記録材供給ローラ11により給送されて、転写前ガイド部材13により、中間転写ベルト7上のトナー像と同期がとられて二次転写ニップ部N2に搬送される。
二次転写ローラ8は、長手方向(回転軸方向)の長さが300[mm]である。二次転写ローラ8は、直径が12[mm]のステンレス製の芯金の周囲に、弾性層としての発泡スポンジが設けられている。二次転写ローラ8は、例えば、体積抵抗値が5×107~1×108[Ω]で、直径が24[mm]のローラとして構成される。
トナー像が転写されて二次転写ローラ8から分離された記録材Pは、定着器9へ搬送される。定着器9は、定着ローラ9aと加圧ローラ9bとを備える。定着器9は、定着ローラ9aと加圧ローラ9bとの間の定着ニップ部N3でトナー像が転写された記録材Pを加圧及び加熱することで、記録材Pにトナー像を定着させる。トナー像が定着された記録材Pは、画像形成装置100の外部に排出される。
以上のような構成の画像形成装置100では、感光ドラム1及び中間転写ベルト7に形成されるトナー像の搬送速度が264[mm/s]である。記録材Pの搬送速度の264[mm/s]である。1分当たりのA4サイズ相当の記録材Pの搬送能力は60枚である。
なお、一次転写ニップ部N1において中間転写ベルト7に転写されずに感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、ドラムクリーナ6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。二次転写ニップ部N2において記録材Pに転写されずに中間転写ベルト7上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーナ10によって中間転写ベルト7上から除去されて回収される。
ベルトクリーナ10は、静電ファーブラシ10a、10bを備える。静電ファーブラシ10a、10bは、繊維の抵抗値が3E+5~1E+9[Ω/cm]、繊維太さが2~15デニールのカーボン分散型ナイロン繊維、アクリル繊維、又はポリエステル繊維が金属ローラ上に植毛された導電性のファーブラシローラである。植毛密度は、例えば5万本~50万本/inch2である。
静電ファーブラシ10a、10bは、不図示の駆動モータにより、中間転写ベルト7に対する相対速度を保ちながら回転するよう構成されている。静電ファーブラシ10a、10bは、クリーニング電源部ECa、ECaから直流電圧であるクリーニングバイアスが印加されることで、二次転写後の中間転写ベルト7上の残留トナーを除去する。静電ファーブラシ10aには、現像時のトナーの帯電極性と同極性(本実施形態では負極性)のクリーニングバイアスが、クリーニング電源部ECaから印加される。静電ファーブラシ10bには、現像時のトナーの帯電極性と逆極性(本実施形態では正極性)のクリーニングバイアスが、クリーニング電源部ECbから印加される。クリーニング電源部ECa、ECbは、高電圧のクリーニングバイアスを印加する高圧回路である。
(コントローラ)
図2は、画像形成装置100の動作を制御するコントローラの説明図である。コントローラ110は、CPU(Central Processing Unit)111及びメモリ112を備えている。メモリ112は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を含む記憶媒体である。RAMには、コントローラ110に入力された情報、検知された情報、演算結果等が格納されている。ROMには制御プログラム、予め求められたデータテーブル等が格納されている。CPU111とメモリ112とは互いにデータの転送や読込みが可能となっている。
CPU111は、メモリに格納された制御プログラムを実行することで、画像形成装置100の各部の動作を統括的に制御する。コントローラ110は、画像読取装置やパーソナルコンピュータ等の外部のホスト装置(図示せず)から画像形成信号(画像データ、制御指令)等を取得する。コントローラ110は、取得した画像形成信号に応じて画像形成装置100の各部の動作を制御して、記録材Pへの画像形成処理を行う。ここでは、コントローラ110が一次転写電源部E1Y、E1M、E1C、E1K、二次転写電源部E2、及びクリーニング電源部ECa、ECbの動作を制御する構成について説明する。
コントローラ110には、一次転写バイアス制御部130Y、130M、130C、130K、二次転写バイアス制御部120、及びクリーニングバイアス制御部140a、140bが接続される。一次転写バイアス制御部130Yは、一次転写電源部E1Yに接続される。一次転写バイアス制御部130Mは、一次転写電源部E1Mに接続される。一次転写バイアス制御部130Cは、一次転写電源部E1Cに接続される。一次転写バイアス制御部130Kは、一次転写電源部E1Kに接続される。二次転写バイアス制御部120は、二次転写電源部E2に接続される。クリーニングバイアス制御部140aは、クリーニング電源部ECaに接続される。クリーニングバイアス制御部140bは、クリーニング電源部ECbに接続される。
一次転写バイアス制御部130は、コントローラ110の制御に基づいて、一次転写電源部E1が一次転写ローラ5に印加する一次転写バイアスの電圧値や印加タイミング等を制御する。二次転写バイアス制御部120は、コントローラ110の制御に基づいて、二次転写電源部E2が二次転写ローラ8に印加する二次転写バイアスの電圧値や印加タイミング等を制御する。クリーニングバイアス制御部140a、140bは、コントローラ110の制御に基づいて、クリーニング電源部ECa、ECbが静電ファーブラシ10a、10bに印加するクリーニングバイアスの電圧値や印加タイミング等を制御する。
(分割ビデオカウント値)
本実施形態の画像形成装置100のビデオカウント値は、主走査方向に画像領域を分割し、分割した領域毎に色毎の濃度値を積算した積算値として取得される。ビデオカウント値は、主走査方向の画像領域毎のトナーの載り量の算出に用いられる。
図3は、画像領域の説明図である。図3では、A4サイズの画像を表す画像データが主走査方向に32分割されている。画像データの32分割された各領域が画像領域S1~S32である。メモリ112には、各画像領域S1~S32の画像データが保存される。CPU111は、メモリ112に保存した画像データに基づく濃度値を画像領域S1~S32毎に積算して、ビデオカウント値を算出する。
外部のホスト装置から取得される画像データは、画素毎にR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の輝度値を含む。CPU111は、この画像データの輝度値をイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の濃度値に変換する。CPU111は、濃度値であるCMYKデータに変換された画像データにより、各画素の色成分毎の多値データを所定単位で積算する。多値データは、画像データの1画素当たりの色成分を複数ビットで表現するデータである。
例えば、8ビット(0~255)の階調を有する各色成分において、1画素目のYデータ(イエローの濃度値)が「100」、2画素目のYデータが「50」の場合、1画素目と2画素目の積算値が「150」となる。A4サイズで600dpi(dot per inch)の画像を表す画像データは、1ページ当たり、主走査方向に7015画素、副走査方向に4962画素であり、合計34808430画素である。
CPU111は、32の各画像領域S1~S32のそれぞれの全画素の色成分毎にビデオカウント値を積算する。CPU111は、ビデオカウント値の積算量に応じて各画像領域のトナーの載り量を算出する。
(画像濃度の段差)
中間転写ベルト7は、転写時に発生する電流電流が、中間転写ベルト7の所定方向で偏ってしまうことがある。この電流の偏りは、形成した画像の画像濃度の段差として表される。図4は、主走査方向に偏った画像濃度で画像形成を行った場合に、一次転写バイアスにより一次転写ニップ部N1に流れる一次転写電流の説明図である。この図は、主走査方向の中央部に画像がなく(ベタの白色の画像)、両端部から4.64[mm]の領域にイエロー及びマゼンタの二色のベタ画像51を有するチャート画像50を一次転写する場合の一次転写電流を表す。一次転写ニップ部N1の一次転写電流は、矢印で表される。
一次転写電源部E1から一次転写ローラ5に印加された一次転写バイアスにより流れる一次転写ニップ部N1の一次転写電流は、画像が形成されない中央部よりも、ベタ画像51が形成された両端部の方が、単位面積当たりの電流量が小さい。つまり、主走査方向(中間転写ベルト7の長手方向)で一次転写電流に偏りが発生している。これは、中間転写ベルト7の長手方向の両端部ではトナー層(ベタ画像51)に相当する分だけ一次転写電流の経路の抵抗が中央部と比較して高いために、両端部に流れる単位面積当たりの電流が相対的に小さくなるためである。
図5は、図4に示すチャート画像50を大量に形成した場合の中間転写ベルト7の体積抵抗率の説明図である。この場合、一次転写ニップ部N1で図4に示すような一次転写電流が流れる状態で、長時間の画像形成が行われる。中間転写ベルト7の体積抵抗率は、画像形成を行った枚数に応じて上昇する。中間転写ベルト7の抵抗の上昇は、大量の画像形成による一次転写電流の通電により、中間転写ベルト7内において含有された導電材が偏在してしまうことで発生する。
中間転写ベルト7の長手方向の中央部と両端部の体積抵抗紙率はそれぞれ上昇するが、中央部の体積抵抗率の上昇傾向の方が、両端部の体積抵抗率の上昇傾向よりも大きい。これは図4で説明したように、中央部における単位面積当たりの一次転写電流量の方が、両端部における単位面積当たりの一次転写電流量よりも大きいことで、中央部の方が導電材の偏在が進行するためである。
図6は、図5の枚数P1(10000枚)のタイミングで全面均一な画像濃度の画像(ここではブラックのベタ画像)の画像形成を行った場合の一次転写電流の説明図である。形成する画像の画像濃度は均一であるが、中央部の方が両端部よりも単位面積当たりに流れる一次転写電流が小さいために、長手方向に電流差が生じている。これは、図5に示したように、枚数P1では中間転写ベルト7の長手方向に抵抗段差が存在するためである。枚数P1時に形成された全面均一な画像濃度を有する画像は、一次転写電流の電流差により、長手方向の中央部と両端部とで転写性に差が生じる。そのために、中央部と両端部との境界(ここでは、両端部から4.64[cm]にある位置B1、B2)で画像濃度に段差が発生してしまう。
(通電空回転)
図7は、図4に示すチャート画像50を連続して形成する際に通電空回転を行った場合の中間転写ベルト7の体積抵抗率の変化の様子の説明図である。通電空回転は、画像形成した枚数が所定枚数毎(ここでは120枚毎)に所定時間(ここでは60秒間)行われる。図7では、中間転写ベルト7の長手方向の中央部と両端部との抵抗上昇の様子を説明する。「通電空回転」とは、トナー像の転写をともなわずに、一次転写ローラ5に一次転写バイアスを印加して、感光ドラム1、中間転写ベルト7、及び一次転写ローラ5を回転させる動作である。そのために、感光ドラム1と中間転写ベルト7との間にトナー像によるトナー層が存在しない。通電空回転は、コントローラ110が通電空回転モードで動作するときに行われる。
図7に示すように、通電空回転を行うことで、中間転写ベルト7の中央部と両端部の抵抗の差分が図5の場合と比較して小さくなる。これは、図4に示すチャート画像50を中間転写ベルト7の長手方向に電流の偏りがある状態で連続して画像形成する際に、通電空回転を行うことで、央部と両端部の抵抗段差をなくす方向に抵抗が均されていることを示している。つまり、中間転写ベルト7の長手方向に電流の偏りがあると推定される場合に、通電空回転が行われる。
図8は、図4に示すチャート画像50を120枚連続して形成した後に通電空回転を行った場合の一次転写電流の説明図である。図8は、トナー層が無い状態の一次転写ニップ部N1の一次転写電流の様子を示している。チャート画像50を120枚形成したことで、中間転写ベルト7の中央部が両端部よりも高抵抗になっている(図5参照)。そのために、中間転写ベルト7の中央部における単位面積当たりの電流量が両端部よりも小さくなっている(図6参照)。通電空回転を行うことで、中間転写ベルト7にわずかに発生した抵抗段差をなくす方向に抵抗が均されている。
このように、図4に示すチャート画像50を連続して形成した後であっても、一定間隔で通電空回転を行うことで、図7の枚数P1(本実施形態では10000枚)のタイミングで中間転写ベルト7の長手方向の抵抗段差をほぼ解消することができる。すなわち、このタイミングで画像濃度が全面均一な画像を形成した場合であっても、画像濃度の段差の発生を防止することができる。
ここで、図4に示すチャート画像50は、連続して形成した枚数が120枚のときに60秒間の通電空回転を行うことが、画像濃度の段差の発生を防止するために必要である。また、チャート画像の両端部の画像比率が低い場合、すなわち単位面積当たりのトナー載り量が少ない場合には、120枚よりも多くの枚数を連続して画像形成した後に通電空回転を行っても枚数P1時点の画像濃度の段差の発生を防止することができる。
図9は、主走査方向に偏った画像濃度で画像形成を行った場合の一次転写バイアスにより一次転写ニップ部N1に流れる一次転写電流の説明図である。この図は、主走査方向の中央部に画像がなく(ベタの白色の画像)、両端部から4.64[mm]の領域にイエロー単色のベタ画像53を有するチャート画像52を一次転写する場合の一次転写電流を表す。このチャート画像52は、図4に示すチャート画像50とは、両端部にマゼンタのベタ画像が形成されない点で異なる。一次転写ニップ部N1の一次転写電流は、矢印で表される。
一次転写電源部E1より一次転写ローラ5に印加された一次転写バイアスにより流れる一次転写ニップ部N1の一次転写電流は、画像が形成されない中央部よりも、ベタ画像が形成された両端部の方が、単位面積当たりの電流量が小さい。しかし、図4と比較すると、両端部の単位面積当たりの電流量は、図9の方が大きい。中間転写ベルト7の長手方向の両端部では、トナー層に相当する分だけ一次転写電流の経路の抵抗が中央部と比較して高い。しかし、図9では単位面積当たりのトナーの載り量が図4よりも少ないために、図9の両端部の抵抗が図4の両端部の抵抗よりも低いことに起因している。すなわち図9における中間転写ベルト7の中央部と両端部の単位面積当たりに流れる電流の差は、図4における電流差よりも小さい。そのために図9では、その分だけ中間転写ベルト7に抵抗段差が発生しづらい。
よって、図9に示すチャート画像52を連続して形成した場合、図4に示すチャート画像50を連続して形成した場合よりも画像濃度の段差が発生しづらい。図9の場合、本実施形態では、図4の場合よりも少ない所定枚数毎(ここでは240枚毎)に通電空回転を所定時間(ここでは60秒間)行うことで、図7と同様な中間転写ベルト7の抵抗段差となり、画像濃度の段差の発生を防止することができる。
図10は、画像濃度に段差を発生させないための通電空回転を実行するタイミングの説明図である。ここでは、上記した中間転写ベルト7の長手方向に細分化された領域毎(画像領域毎:図3参照)にビデオカウントを行う分割ビデオカウント機能を用いる。隣接する画像領域のビデオカウント値(濃度値の積算値)の差分に基づいて、通電空回転の実行タイミングが決定される。図3の画像領域S1と画像領域S31とで画像濃度の濃度差が発生した場合よりも、隣接する画像領域S1と画像領域S2とで同様の画像濃度の濃度差が発生した場合の方が視認されやすい。そのために通電空回転の実行タイミングは、隣接する画像領域のビデオカウント値の差分に基づいて決定されている。
上記したとおり、A4サイズで600dpiの画像を表す画像データは、1ページ当たり、主走査方向に7015画素、副走査方向に4962画素であり、合計34808430画素である。各画素で4色分のデータが保有可能であるため、各画像領域S1~S32のビデオカウント値の最大値は、それぞれ4351053画素である。
図7で説明したように、図4に示す両端部に2色のベタ画像を含むチャート画像50を120枚連続して形成した後に60秒間の通電空回転を行うと、画像濃度の段差が解消される。このことから、その時点のビデオカウント値の差である261063225画素が、隣接する画像領域のビデオカウント値の差から、通電空回転の実行タイミングを決定する閾値となる。
図10では、ビデオカウント値(積算値)から、通電空回転を行うか否かを判定する。32分割された画像領域S1~S32の各々について、隣接する画像領域とのビデオカウント値(積算値)の差(差分値)が算出される。算出した差分値の中で最も大きな差分値(最大差分値)が、閾値以上、すなわち上記した261063225(閾値P_limit)以上である場合に、通電空回転が60秒間行われる。
閾値P_limitは、記録材Pの搬送速度と、単位時間当たりの記録材Pの搬送枚数と、中間転写ベルト7の周長とに応じて設定される。例えば所定の画像形成枚数のときに単位長さ当たりの中間転写ベルト7に形成される画像の頻度が高い場合、閾値P_limitは小さくなる。単位長さ当たりの中間転写ベルト7に形成される画像の頻度が高い場合とは、中間転写ベルト7の周長が短い場合や1画像当たりの画像間隔の長さが長い場合である。
図11は、本実施形態の通電空回転処理を表すフローチャートである。この処理は、画像形成の指示に応じて画像形成処理を行っている間、繰り返し行われる。
CPU111は、外部のホスト装置や不図示の操作部から画像形成信号を取得すると(S101)、画像形成信号に含まれる画像データから、複数の画像領域毎の濃度値を取得する(S102)。CPU111は、各画像領域の濃度値を積算して積算値(ビデオカウント値)を算出する(S103)。CPU111は、隣接する画像領域間で積算値の差分値を算出する(S104)。CPU111は、算出した差分値の中から、最大となる最大差分値を抽出する(S105)。CPU111は、抽出した最大差分値を閾値P_limitと比較する(S106)。
最大差分値が閾値P_limit以上の場合(S106:Y)、CPU111は、通電空回転を実行する(S107)。CPU111は、通電空回転実行後に積算値をクリアする(S108)。積算値のクリア後、或いは最大差分値が閾値P_limitより小さい場合(S106:N)、CPU111は、画像形成信号による画像形成を継続するか否かを判断する(S109)。継続する場合(S109:Y)、CPU111は、S101以降の処理を繰り返し行う。継続しない場合(S109:N)、CPU111は、通電空回転処理を終了する。
以上のように、隣接する画像領域のビデオカウント値(積算値)の差分値が閾値を超えた場合に通電空回転を実行することで、画像濃度の段差の発生を防止することが可能となる。以上の説明では、一次転写バイアスを印加することで通電空回転を行う場合について説明したが、二次転写バイアス及びクリーニングバイアスを印加して通電空回転を行ってもよい。二次転写バイアスを用いる場合、二次転写ローラ8に対して二次転写電源部E2から二次転写バイアスが印加される。中間転写ベルト7はトナー像を担持していないために、トナー像の転写は行われず、通電空回転が行われる。これにより、中間転写ベルト7の長手方向の抵抗の段差が解消され、画像濃度の段差の発生が防止される。クリーニングバイアスを用いる場合、静電ファーブラシ10a、10bに対してクリーニング電源部ECa、ECaからクリーニングバイアスが印加される。これにより、通電空回転が行われる。そのために、中間転写ベルト7の長手方向の抵抗の段差が解消され、画像濃度の段差の発生が防止される。
閾値P_limitは、記録材Pの搬送速度と、単位時間当たりの記録材Pの搬送枚数と、中間転写ベルト7の周長に基づいて設定される。これらの条件が異なる画像形成装置では、閾値も異なる値となる。例えば、中間転写ベルト7の周長が短い場合や1画像当たりの画像間隔の長さが長い場合、単位長さ当たりの中間転写ベルト7に形成される画像の頻度が高くなり、閾値P_limitは小さくなる。
(第2実施形態)
第2実施形態の画像形成装置100の構成及びコントローラ110の構成は、第1実施形態と同様である。そのため画像形成装置100の構成及びコントローラ110の構成についての説明は省略する。第2実施形態では、記録材Pのサイズ毎(ここでは主走査方向の長さ(紙幅)毎)の通紙枚数に基づいて通電空回転を行うか否かが判断される。
図12は、紙幅が257[mm]のB4サイズの記録材Pを搬送した場合に二次転写ニップ部N2に流れる二次転写電流の説明図である。この図は、中間転写ベルト7の長手方向(主走査方向)の二次転写ニップ部N2における二次転写電流を説明する。中間転写ベルト7は、B4サイズの記録材の紙幅よりも長手方向の長さが長い。そのために、中間転写ベルト7は、B4サイズの記録材Pの通紙時に、長手方向に、記録材Pが通過する通紙と記録材Pが通過しない非通紙部とができる。記録材Pが通過する通紙部分の二次転写電流の経路の抵抗が、非通紙部分と比較して高い抵抗値となる。そのために、二次転写電源部E2から二次転写ローラ8に印加された二次転写バイアスにより通紙部に流れる単位面積当たりの二次転写電流が、非通紙部よりも小さくなる。そのために、二次転写電流の偏りが発生する。
中間転写ベルト7の長手方向の長さに対して紙幅が小さい記録材Pを用いて大量の画像形成を行った場合、二次転写ニップ部N2の二次転写電流が図12のような状態で長時間の通紙が行われる。この場合においても、第1実施形態と同様の理由で、中間転写ベルト7の長手方向(主走査方向)に抵抗の段差を生じる。中間転写ベルト7の長手方向に抵抗の段差を生じた状態で、例えばA4サイズのような長手方向の紙幅が大きい記録材Pを用いて画像濃度の均一な画像を形成すると、B4の紙幅の位置L1、L2を境に画像濃度に段差が発生する。
第2実施形態においても、中間転写ベルト7の抵抗の段差に起因した画像濃度の段差を防止するために、所定のタイミングで通電空回転を行う。ここでは、「通電空回転」が、トナー像の転写をともなわずに、二次転写ローラ8に二次転写バイアスを印加して、中間転写ベルト7及び二次転写ローラ8を回転させる動作である。そのために、中間転写ベルト7と記録材Pの間にトナー像が存在しない。通電空回転は、コントローラ110が通電空回転モードで動作するときに行われる。
図12に示すようにB4サイズの記録材Pを連続して通紙する場合、例えば360枚の通紙毎に60秒間の通電空回転が行われる。これにより、通紙部と非通紙部における抵抗の段差を抑制しつつ連続通紙を行うことができる。そのために、その後にB4サイズより大きいサイズの記録材P(例えばA4サイズ)に画像濃度が均一の画像を形成した場合であっても、画像濃度の段差の発生を防止することができる。
図13は、画像濃度に段差を発生させないための通電空回転を実行するタイミングの説明図である。第2実施形態では、記録材Pを紙幅毎に分類し、分類した紙幅毎の通紙枚数から積算通紙距離を算出し、積算通紙距離に基づいて通電空回転の実行タイミングを決定する。
ここでは、記録材Pを紙幅毎に分類し、分類した紙幅毎に、その通紙枚数から積算通紙距離を算出する。積算通紙距離は、通紙枚数と記録材Pの通紙方向の長さとから算出される。記録材Pの積算通紙距離と、該記録材Pとは異なる他のすべてのサイズの記録材の積算通紙距離の合計(合計積算通紙距離)との差である突出通紙距離が算出される。突出通紙距離は、すべての紙幅の積算通紙枚数の合計のうち、所定の紙幅の積算通紙枚数が占める割合である。例えば、B4サイズ(紙幅:257[mm]、通紙方向の長さ:364[mm])の記録材Pを360枚通紙するたびに通電空回転を行う必要がある場合、閾値T_limitが131040[mm]である。突出通紙距離が閾値T_limit以上となった場合に、通電空回転が60秒間行われる。閾値T_limitは、例えば、記録材Pの搬送速度と、単位時間当たりの記録材Pの搬送枚数とに基づいて設定される値である。
図14は、本実施形態の通電空回転処理を表すフローチャートである。この処理は、画像形成の指示に応じて画像形成処理を行っている間、繰り返し行われる。
CPU111は、外部のホスト装置や不図示の操作部から画像形成信号を取得すると(S201)、紙幅毎の通紙枚数を取得する(S202)。CPU111は、例えば画像形成時に画像を形成した記録材Pの紙幅毎の枚数をカウントしており、このカウント値を通紙枚数として取得する。CPU111は、取得した通紙枚数から、紙幅毎の積算通紙距離を算出する(S203)。例えば、記録材の紙幅毎に応じた通紙方向の長さがメモリ112の保存されており、CPU111は、この通紙方向の長さと通紙枚数とを乗算して積算通紙距離を算出する。CPU111は、算出した積算通紙枚数に基づいて紙幅毎に突出通紙距離を算出する(S204)。CPU111は、算出した突出通紙距離から最大の突出通紙距離を抽出する(S205)。CPU111は、最大突出通紙距離を閾値T_limitと比較する(S206)。
最大の突出通紙距離が閾値T_limitより大きい場合(S206:Y)、CPU111は、通電空回転を実行する(S207)。CPU111は、通電空回転実行後に積算通紙枚数をクリアする(S208)。積算通紙枚数のクリア後、或いは最大の突出通紙距離が閾値T_limitより小さい場合(S206:N)、CPU111は、画像形成信号による画像形成を継続するか否かを判断する(S209)。継続する場合(S209:Y)、CPU111は、S201以降の処理を繰り返し行う。継続しない場合(S209:N)、CPU111は、通電空回転処理を終了する。
以上のように、中間転写ベルト7に対して紙幅が小さい記録材Pを通紙した枚数が閾値以上になった場合に、通電空回転を実行することで、画像濃度の段差の発生を防止することが可能となる。以上では、二次転写バイアスを印加することで通電空回転を行う場合について説明したが、一次転写バイアス及びクリーニングバイアスを印加して通電空回転を行ってもよい。一次転写バイアスを用いる場合、第1実施形態で説明したような通電空回転が行われる。クリーニングバイアスを用いる場合、静電ファーブラシ10a、10bに対してクリーニング電源部ECa、ECaからクリーニングバイアスが印加される。これにより、通電空回転が行われる。
閾値T_limitは、記録材Pの搬送速度と、単位時間当たりの記録材Pの搬送枚数とに基づいて設定される。これらの条件が異なる画像形成装置では、閾値も異なる値となる。また、通紙する記録材Pの抵抗(主に坪量に依存する)によって閾値T_limitを変更してもよい。例えば、抵抗の高い記録材を通紙する場合に、中間転写ベルト7の長手方向の通紙部と非通紙部との電流の偏りが大きくなり、閾値T_limitは小さくなる。
(第3実施形態)
第3実施形態の画像形成装置100の構成及びコントローラ110の構成は、第1実施形態と同様である。そのため画像形成装置100の構成及びコントローラ110の構成についての説明は省略する。第3実施形態では、中間転写ベルト7の耐久枚数に基づいて通電空回転を行うか否かが判断される。
図15は、中間転写ベルト7の耐久状態(画像形成枚数)による長手方向の抵抗の段差の説明図である。図15(a)は、中間転写ベルト7の初期状態で図4に示すチャート画像50を連続して形成した場合の、画像形成枚数に対する抵抗上昇を例示する。図15(a)は、中間転写ベルト7に5000枚の白ベタ画像を形成した後の状態で図4に示すチャート画像50を連続して形成した場合の、画像形成枚数に対する抵抗上昇を例示する。
図15(a)のグラフは、図5と同様の抵抗上昇を示す。図15(b)のグラフでは、ベタ白画像を5000枚形成した時点のP0からは抵抗上昇の割合が小さく、中間転写ベルト7の中央部と両端部の抵抗差が発生しづらい。これは、中間転写ベルト7の通電による抵抗上昇の割合が、耐久が進むにつれて鈍くなるためである。この要因は、耐久が進んだ中間転写ベルト7では、すでに導電材が偏在しているためである。
従って、図15(a)では、図4に示すチャート画像50を120枚連続して形成する毎に60秒間の通電空回転が行われる。図15(b)では、図15(a)ほどの間隔で通電空回転を行う必要がない。例えば、チャート画像50を240枚形成する毎に60秒間の通電空回転を行えば、画像濃度の段差を防止することができる。従って、この場合の隣接するビデオカウント値から得られる最大差分量の閾値P_limitは522126450となる。
図16は、中間転写ベルト7の耐久状態に応じて通電空回転を行う場合の閾値P_limitの説明図である。耐久状態が進んで画像形成枚数が多くなるにつれて、閾値P_limitも大きくなる。これは、耐久状態の進行した中間転写ベルト7では抵抗の段差が発生しづらいため、通電空回転を高頻度で行う必要がないためである。
以上のように、中間転写ベルト7の耐久に基づいて通電空回転の実行タイミングを設定することで、通電空回転によるダウンタイムを最小限に抑えることができる。以上では、一次転写バイアスを印加することで通電空回転を行う場合について説明したが、第1実施形態と同様に、二次転写バイアス及びクリーニングバイアスを印加して通電空回転を行ってもよい。
第3実施形態では、第1実施形態のビデオカウント値を用いた通電空回転の実行タイミングについて説明したが、第2実施形態の紙幅の積算枚数を用いて通電空回転の実行タイミングを設定してもよい。この場合にも、同様に中間転写ベルト7の耐久の進行に応じて、通電空回転の実行タイミングの間隔を空ける方向になる。
以上のように、中間転写ベルト7の長手方向に電流の偏りが発生したと推定される状態で所定枚数の画像形成が行われた場合に、中間転写ベルト7へのトナー像の転写や中間転写ベルト7からのトナー像の転写をともなわずに通電空回転を行う。通電空回転は、一次転写電源部E1、二次転写電源部E2、及びクリーニング電源部ECa、ECbの少なくとも一つによりバイアスを印加し、中間転写ベルト7を回転させることで行われる。中間転写ベルト7の長手方向に抵抗の偏りが発生は、画像データに応じたビデオカウント値、記録材Pの通紙枚数、中間転写ベルト7の耐久状態に基づいて推定される。通電空回転では、一次転写ローラ5、二次転写ローラ8、及び静電ファーブラシ10a、10bの少なくとも一つにバイアス電圧が所定時間印加される。これにより中間転写ベルト7の長手方向の抵抗の偏りが解消され、次の画像形成時の画像濃度の段差が解消される。

Claims (13)

  1. トナー像が形成される像担持体と、
    前記像担持体から前記トナー像が転写される転写体と、
    前記像担持体から前記転写体に前記トナー像を転写する一次転写手段と、
    前記転写体に転写された前記トナー像を記録材に転写する二次転写手段と、
    前記一次転写手段に一次転写バイアスを印加して、前記一次転写手段に前記トナー像を転写させる第1電源手段と、
    前記二次転写手段に二次転写バイアスを印加して、前記二次転写手段に前記トナー像を転写させる第2電源手段と、
    前記転写体の所定方向の電流が偏っていると推定される場合に、前記トナー像の転写をともなわずに、前記第1電源手段と前記第2電源手段との少なくとも一つにより前記一次転写手段と前記二次転写手段との少なくとも一つにバイアスを印加させる制御手段と、を備えることを特徴とする、
    画像形成装置。
  2. 前記転写体は、無端状ベルトであり、回転することで前記像担持体から転写された前記トナー像を前記二次転写手段の方向に搬送し、
    前記制御手段は、前記転写体の回転方向に直交する方向の電流が偏っているか否かを判定し、前記転写体の回転方向に直交する方向の電流が偏っていると推定される場合に、前記トナー像の転写をともなわずに前記転写体を回転させることを特徴とする、
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記転写体の所定方向の電流が偏っていると推定される状態で所定枚数の画像形成が行われた場合に、前記トナー像の転写をともなわずに、前記第1電源手段と前記第2電源手段との少なくとも一つにより前記一次転写手段と前記二次転写手段との少なくとも一つにバイアスを印加させ、前記転写体を回転させることを特徴とする、
    請求項2記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、形成する画像を表す画像データに基づいてトナーの載り量の算出に用いられるビデオカウント値を算出し、前記ビデオカウント値に基づいて前記転写体の所定方向の電流が偏っているか否かを判定することを特徴とする、
    請求項1~3のいずれか1項記載の画像形成装置。
  5. 前記制御手段は、1ページの画像を前記所定方向に複数に分割した画像領域毎に、前記画像データに含まれる濃度値を積算して前記ビデオカウント値を算出し、隣接する画像領域のビデオカウント値の差分値を算出し、算出した差分値の中で最大の差分値に基づいて、前記転写体の所定方向の電流が偏っているか否かを判定することを特徴とする、
    請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記制御手段は、前記最大の差分値が所定の閾値以上であれば、前記転写体の所定方向の電流が偏っていると判定することを特徴とする、
    請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記制御手段は、前記記録材の搬送速度と、単位時間当たりの記録材の搬送枚数と、転写体の周長とに基づいて前記閾値を設定することを特徴とする、
    請求項6記載の画像形成装置。
  8. 前記制御手段は、前記転写手段の耐久状態に基づいて前記閾値を設定することを特徴とする、
    請求項6又は7記載の画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、前記記録材の前記所定方向の長さ毎の通紙枚数と通紙方向の長さに基づいて、前記所定方向の長さ毎に積算通紙距離を算出し、前記積算通紙距離に基づいて前記転写体の所定方向の電流が偏っているか否かを判定することを特徴とする、
    請求項1~3のいずれか1項記載の画像形成装置。
  10. 前記制御手段は、所定の記録材の積算通紙距離と、該記録材とは異なる他のすべてのサイズの記録材の積算通紙距離の合計との差が所定の閾値以上であれば、前記転写体の所定方向の電流が偏っていると判定することを特徴とする、
    請求項9記載の画像形成装置。
  11. 前記制御手段は、前記記録材の搬送速度と、単位時間当たりの記録材の搬送枚数とに基づいて前記閾値を設定することを特徴とする、
    請求項10記載の画像形成装置。
  12. 前記制御手段は、前記転写手段の耐久状態に基づいて前記閾値を設定することを特徴とする、
    請求項10又は11記載の画像形成装置。
  13. 前記記録材に転写されずに前記転写体に残留したトナーを除去するクリーナと、
    前記クリーナにクリーニングバイアスを印加して、前記クリーナに前記トナーを除去させる第3電源手段と、をさらに備えており、
    前記制御手段は、前記転写体の所定方向の電流が偏っていると推定される場合に、前記第3電源手段により前記クリーナに前記クリーニングバイアスを印加させることを特徴とする、
    請求項1~12のいずれか1項記載の画像形成装置。
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