JP2022092147A - 薬液注入コントローラ - Google Patents

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Abstract

【課題】作動の信頼性の向上や使用前の準備の迅速化等を実現することができる、新規な構造の薬液注入コントローラを提供すること。【解決手段】薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラ10であって、ハウジング12には、サブリザーバー14への薬液流入側の流路64に設けられた制限流路70と、制限流路70をバイパスするプライミング流路74と、プライミング流路74を遮断する閉止弁72とが収容されており、閉止弁72と一体的な操作スイッチ80が、ハウジング12の周壁部16を貫通して貫通方向へ移動可能に取り付けられており、操作スイッチ80から押圧操作による移動方向へ延び出す係止片88が、操作スイッチ80の移動によってハウジング12の係止部160に係止されて、操作スイッチ80の押圧操作による移動方向と反対側への移動を制限するロック機構が、係止片88と係止部160の係止によって構成される。【選択図】図3

Description

本発明は、薬液の持続投与を行う薬液投与装置において自己操作による薬液の急速注入を実行可能とする薬液注入コントローラに関するものである。
従来から、持続的な薬液投与を行う薬液投与装置が知られており、例えば鎮痛剤や麻酔剤などを少量ずつ持続的に体内へ投与する際に用いられている。また、薬液投与装置は、自己操作によって薬液の急速投与を行う薬液注入コントローラを備える場合がある。薬液注入コントローラは、薬液を貯留するサブリザーバーを備えており、例えば、患者が押圧操作部材を押し込むなどの自己操作をすることにより、サブリザーバーに貯留された薬液が、メインラインから分岐したサブラインを通じて患者の体内へ急速投与されるようになっている。
ところで、薬液注入コントローラは、所定量の薬液を確実に投与するために、作動の信頼性と安定性が高度に要求される。また、薬液注入コントローラは、多忙な医療の現場で用いられることから、使用前の準備を速やかに完了可能であることも求められている。
しかしながら、従来の薬液注入コントローラでは、作動の信頼性及び安定性の向上や使用可能状態への速やかな準備等に関して、未だ改善の余地があった。
本発明の解決課題は、作動の信頼性及び安定性の向上や使用前の準備の迅速化等を高度に実現することができる、新規な構造の薬液注入コントローラを提供することにある。
以下、本発明を把握するための好ましい態様について記載するが、以下に記載の各態様は、例示的に記載したものであって、適宜に互いに組み合わせて採用され得るだけでなく、各態様に記載の複数の構成要素についても、可能な限り独立して認識及び採用することができ、適宜に別の態様に記載の何れかの構成要素と組み合わせて採用することもできる。それによって、本発明では、以下に記載の態様に限定されることなく、種々の別態様が実現され得る。
第1の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁とが収容されており、該ハウジングが筒状の周壁部を有し、該閉止弁と一体的に設けられた操作スイッチが、該周壁部の軸方向中間部分を貫通して押圧操作によって該ハウジングに対して貫通方向へ移動可能に取り付けられており、該操作スイッチから押圧操作による該操作スイッチの移動方向に向けて延び出す係止片が、該操作スイッチが押圧操作されて移動することによって該ハウジングに設けられた係止部に係止されて、押圧操作による該操作スイッチの移動方向と反対側において該操作スイッチの移動を制限するロック機構が、該係止片と該係止部の係止によって構成されるものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、操作スイッチが押圧操作されると、操作スイッチの係止片がハウジングの係止部に係止されてロック機構が構成されることにより、操作スイッチがハウジングに対して押圧操作後の位置に位置決めされる。これにより、操作スイッチと一体的に設けられた閉止弁が、プライミング流路に押し付けられて、プライミング流路を遮断する状態に保持される。それ故、プライミング流路の閉止弁による遮断状態が安定して維持されて、プライミング流路を通じたサブリザーバーへの薬液の過剰な供給が回避される。
第2の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁と、該サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流出側の流路を連通状態と遮断状態に切り替える開閉弁とが、収容されており、該閉止弁と該開閉弁が該ハウジングに対してそれぞれ移動可能とされて、該閉止弁と該開閉弁の該ハウジングに対する移動方向が相互に平行とされ、該閉止弁と該開閉弁は相互に近接して該ハウジングに対する移動を案内する相互案内部を備えているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、閉止弁と開閉弁の移動方向が相互に平行とされて、閉止弁と開閉弁が相互案内部においてハウジングに対する移動を相互に案内し合うことにより、閉止弁と開閉弁の作動の安定化が図られる。
第3の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を流路長方向と直交する方向に押し潰して遮断する閉止弁とが、収容されており、該閉止弁が該プライミング流路の流路長方向へ突出する突部を備え、該ハウジングが該閉止弁の移動方向に延びるガイド壁部を備え、該ガイド壁部が該突部の突出先端面に近接して配されているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、閉止弁に設けられた突部が、ハウジングのガイド壁部に沿って案内されることにより、閉止弁がプライミング流路の流路長方向において傾斜や位置ずれを生じ難く、閉止弁の作動の安定化が図られる。
第4の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーを備えており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記メインラインが前記サブリザーバーに対する薬液流入側の流路と薬液流出側の流路を接続して該サブリザーバーを経ずに持続的な薬液投与を可能とする流量制御部を備え、該流量制御部の両端部分は、該薬液流入側の流路と該薬液流出側の流路からそれぞれ突出する筒状の分岐ポート部に挿入されて該薬液流入側の流路と該薬液流出側の流路に接続されているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、薬液注入コントローラに流量制御部が設けられていることにより、薬液注入コントローラに接続される外部流路には流量制御部を設ける必要がなく、外部流路の構成をシンプルにすることができる。
薬液流入側と流出側の各流路にそれぞれ設けられた分岐ポート部に、小径チューブ状とされた流量制御部の両端部分が挿入されることにより、流量制御部を薬液流入側の流路と薬液流出側の流路に対して容易に接続することができる。また、分岐ポート部が薬液流入側の流路と薬液流出側の流路から突出しており、流量制御部の両端部分が分岐ポート部に挿入されていることから、流量制御部における流動抵抗等を必要に応じて設定しつつ、小径チューブ状とされた流量制御部が露出する範囲を狭くすることができる。
第5の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記サブラインが前記サブリザーバーに対する薬液流入側の流路と薬液流出側の流路とを備え、それら薬液流入側の流路と薬液流出側の流路の少なくとも一方は、流路長方向に対する交差方向に突出する筒状の分岐ポート部を備え、該薬液流入側の流路と該薬液流出側の流路の少なくとも一方と前記ハウジングとを相互に位置決めする位置決め部が、該分岐ポート部を含んで構成されているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、薬液流入側の流路と薬液流出側の流路の少なくとも一方が、分岐ポート部においてハウジングに対して位置決めされている。それ故、流路に対して弁の当接などによって力が加わるなどしても、流路のハウジングに対する位置ずれが防止される。例えば、制限流路とプライミング流路の分岐部分やメインラインとサブラインの分岐部分等に設けられる分岐ポート部を利用して、流路をハウジングに対して位置決めすることにより、構造の簡略化が図られる。
第6の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁とが収容されており、該ハウジングが筒状の周壁部を有し、該周壁部の軸方向中間部分を貫通する操作スイッチが、押圧操作によって該ハウジングに対して貫通方向へ移動可能に取り付けられており、該閉止弁が該操作スイッチと一体的に設けられて、該操作スイッチの押圧面と該閉止弁が該操作スイッチの押圧操作による移動方向において重なる位置に配置されているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、操作スイッチを押圧操作して閉止弁によってプライミング流路を遮断する際に、操作スイッチの押圧面に及ぼされる力を閉止弁へ効率的に伝達させることができる。それ故、比較的に小さな力を操作スイッチの押圧面に及ぼすことにより、プライミング流路を閉止弁によって確実に遮断することができる。また、プライミング流路から閉止弁に及ぼされる当接反力によるモーメントが、操作スイッチを傾動させ難く、操作スイッチの傾動によるハウジング等への引っ掛かりが問題となり難い。
第7の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングにおいて薬液の急速投与の実行時に押圧操作される押圧操作部材が往復移動可能に組み付けられており、該押圧操作部材の押圧操作に際して該サブリザーバーを圧迫するプランジャが設けられ、該プランジャが該サブリザーバーの底部に対して該押圧操作部材の移動方向において重ね合わされていると共に、該サブリザーバーの該底部から突出する位置決め突部が該プランジャを貫通する挿通孔に対して該押圧操作部材の移動方向において挿通されているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、サブリザーバーの底部から突出する位置決め突部がプランジャの挿通孔に挿通されていることにより、サブリザーバーの底部とプランジャが押圧操作部材の移動方向と直交する方向において相互に位置決めされる。これにより、押圧操作部材の押圧操作による薬液の急速投与に際して、プランジャによるサブリザーバーの圧迫位置が安定して、サブリザーバーの変形態様を安定させることができる。その結果、サブリザーバーから排出される薬液の流量や流速等が安定して、目的とする薬液の急速投与を高い信頼性で実現することができる。
第8の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁とが収容されていると共に、該ハウジングが筒状の周壁部を有し、該周壁部の軸方向後端には薬液の急速投与の実行時に押圧操作される押圧操作部材が軸方向で往復移動可能に組み付けられており、該閉止弁と一体的に設けられた操作スイッチが該周壁部の軸方向中間部分を貫通して該ハウジングに取り付けられ、該操作スイッチが押圧操作によって該ハウジングに対して貫通方向へ移動可能とされていると共に、該周壁部の軸方向前端から該周壁部の軸方向全長の1/3だけ離れた点を含んで該操作スイッチが該周壁部の軸方向に伸びる形状とされているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、操作スイッチがハウジングの周壁部に対して使用者の手指による操作性に適した軸方向の適切な位置に配される。それ故、押圧操作部材を手指によって押し込んで薬液の急速投与を実行する場合と同じようにハウジングの周壁部を把持しながら、操作スイッチを操作することができる。これにより、操作スイッチを押圧操作する際に、ハウジングを安定して保持することができて、操作スイッチをハウジングに対してスムーズに移動させることができ、操作スイッチの作動の安定化が図られる。
第9の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁と、該サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流出側の流路を連通状態と遮断状態に切り替える開閉弁とが、収容されており、該プライミング流路と該薬液流出側の流路の材質が相互に異ならされて、該薬液流出側の流路の弾性復元力が該プライミング流路の弾性復元力よりも大きくされているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、開閉弁の押し付けによる遮断状態と開閉弁の押し付けの解除による連通状態との切り替えが繰り返される薬液流出側の流路と、プライミング後に閉止弁よって遮断された後は遮断状態のままで保持される薬液流入側の流路とにおいて、材質が相互に異ならされて、弾性復元力が相互に異ならされている。そして、形状の変化を繰り返す薬液流出側の流路に大きな弾性復元力が設定されていることによって、薬液流出側の流路が遮断状態から連通状態へ切り替えられる際の形状復元性の向上が図られて、薬液流出側の流路の遮断状態から連通状態への切替作動が高い信頼性をもって実現される。また、プライミング完了後に閉止弁によって遮断された状態に保持される薬液流入側の流路は、薬液流出側の流路よりも弾性復元力が小さくされていることから、遮断状態を比較的に小さな力によって維持することができる。
第10の態様は、薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、前記メインラインと前記サブラインを薬液で満たすプライミングに際して、該メインラインと該サブラインにおける前記ハウジングに収容された部分の全体が連通状態とされているものである。
本態様に従う構造とされた薬液注入コントローラによれば、プライミングに際して、薬液注入コントローラにおけるメインラインとサブラインを構成する流路が全て連通状態とされることにより、薬液注入コントローラに設けられた流路の全体においてプライミングを実施することができると共に、プライミングを迅速に完了することができる。
本発明によれば、薬液注入コントローラにおいて、作動の信頼性の向上や使用前の準備の迅速化等を高度に実現することができる。
本発明の第1の実施形態としての薬液注入コントローラを示す斜視図 図1に示す薬液注入コントローラにおいてハウジングの上半部分を取り除いて示す斜視図 図1に示す薬液注入コントローラの断面図であって、図4のIII-III断面に相当する図 図3のIV-IV断面図 図3のV-V断面図 図3のVI-VI断面図 図3のVII-VII断面図 図1に示す薬液注入コントローラを構成する弁体の斜視図 図3のIX-IX断面図 図3に示す薬液注入コントローラにおいて、プライミングが完了した準備状態を示す断面図であって、図12のX-X断面に相当する図 図10のXI-XI断面図 図10のXII-XII断面図 図3に示す薬液注入コントローラにおいて、プッシュボタンが押圧操作された状態を示す断面図であって、図15のXIII-XIII断面に相当する図 図13のXIV-XIV断面図 図13のXV-XV断面図 図3に示す薬液注入コントローラにおいて、急速の薬液投与が完了した状態を示す断面図 本発明の第2の実施形態としての薬液注入コントローラを、ハウジングの下半部分を取り除いて示す斜視図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1には、本発明の第1の実施形態としての薬液注入コントローラ10が示されている。薬液注入コントローラ10は、使用者である患者が自己操作によって急速の薬液投与を行う際に使用されるものであって、図2~7に示すように、ハウジング12内にサブリザーバー14が収容状態で組み込まれた構造を有している。なお、薬液注入コントローラ10の内部構造を見易くするために、図2においてハウジング12の上半部分の図示が省略されている。以下の薬液注入コントローラ10の説明において、原則として、上下方向とは図4中の左右方向を、前後方向とは図3中の上下方向を、左右方向とは図3中の左右方向を、それぞれ言う。
より具体的には、ハウジング12は、硬質の合成樹脂などで形成されている。ハウジング12は、筒状の周壁部16を有しており、全体として前後方向を長手とされた中空形状、より具体的には略有底筒状とされている。周壁部16は、後端部分を除く部分が扁平な中空断面形状を有しており、本実施形態では中空の略長円形断面を有している。これにより、ハウジング12は、断面における長手方向である長軸方向が上下方向とされていると共に、短軸方向が左右方向とされている。ここで言う扁平な断面形状は、長円形断面のみに限定されるものではなく、例えば、扁平な多角形断面などであってもよい。好適には、ハウジング12は、患者が片手で掴むことができる外径寸法とされており、周壁部16の外周面が患者によって把持される把持面18を備えている。周壁部16の後端部分は、略円筒形状とされて、上下方向と左右方向の幅寸法が相互に略同じとされている。本実施形態のハウジング12は、上方へ向けて開口する略半円筒状の下半部分と、下方へ向けて開口する略半円筒状の上半部分とを組み合わせて構成された分割構造体とされている。
また、ハウジング12には、サブリザーバー14が収容されている。サブリザーバー14は、図3~6に示すように、カップ状とされたダイヤフラム部20の開口がベース部材22で覆蓋されることによって構成されている。
ダイヤフラム部20は、ゴムや樹脂エラストマーなどで形成されて可撓性を有している。ダイヤフラム部20は、外力の作用しない静置状態において略カップ状とされている。ダイヤフラム部20の開口部分には、外周へ突出するフランジ状の挟持部24が、全周に亘って一体形成されている。ダイヤフラム部20の底部26は、ダイヤフラム部20の周壁部よりも厚肉とされており、変形剛性が大きくされている。
ダイヤフラム部20の底部26は、内周部分の前面が球冠状の湾曲面とされている。また、ダイヤフラム部20の底部26における球冠状の突出部分は、前面の曲率が、ベース部材22の後面を構成する凹面の曲率よりも小さくされている。これにより、収縮状態のサブリザーバー14において薬液の残留量が低減されると共に、ダイヤフラム部20の底部26がベース部材22の後面に張り付き難くなっている。
ダイヤフラム部20の底部26には、中央から後方へ向けて突出する位置決め突部としての嵌合突起28が一体形成されている。嵌合突起28は、棒状とされており、先端部が先端に向けて小径となるテーパ部30とされている。テーパ部30の大径側端部は、テーパ部30を外れた嵌合突起28の基端部よりも大径とされて、段差が形成されている。
ベース部材22は、硬質の合成樹脂などで形成されて、略円板形状とされている。ベース部材22は、筒状の薬液流入部32と薬液流出部34とが貫通状態で形成されている。ベース部材22には、複数の係合突起36が後方(図7中の上方)へ向けて突出している。それら係合突起36によって、ベース部材22がガイド部材38に連結されている。
ガイド部材38は、硬質の合成樹脂などで形成されて、略円筒形状とされている。ガイド部材38は、前側の端部において外周へ向けて突出するフランジ状の係合部40が設けられている。そして、ベース部材22の係合突起36が、係合部40に対して引っ掛けられることにより、ベース部材22とガイド部材38が軸方向に連結されている。ガイド部材38の係合部40には、係止爪としての係止フック42が、周方向の2箇所にそれぞれ設けられている。係止フック42は、係合部40から後方へ延び出す板状の延出部と、当該延出部の先端から外周へ向けて突出する爪部とを、一体で備えている。係止フック42の後面は、外周へ向けて前方へ傾斜する傾斜形状とされている。
このガイド部材38の内周側に、ダイヤフラム部20が差し入れられている。そして、ダイヤフラム部20の挟持部24が、ベース部材22とガイド部材38の軸方向(前後方向)間で挟まれて支持されることにより、ダイヤフラム部20がそれらベース部材22及びガイド部材38に組み付けられている。このような組付け状態において、ダイヤフラム部20の開口がベース部材22によって液密に塞がれて、サブリザーバー14が構成されている。更に、サブリザーバー14の内部空間に対して、ベース部材22を貫通する薬液流入部32と薬液流出部34の各内腔が連通されている。
そして、ベース部材22とガイド部材38がハウジング12に取り付けられることにより、サブリザーバー14がハウジング12に対して位置決めされている。ダイヤフラム部20は、底部26がハウジング12に対して前後方向に移動可能とされており、前後方向の伸縮変形を許容されている。ダイヤフラム部20の外周への膨出変形は、ガイド部材38によって制限されている。
また、ダイヤフラム部20の底部26には、プランジャ44が重ね合わされている。プランジャ44は、ハウジング12に対して前後方向に移動可能とされており、ハウジング12内においてサブリザーバー14よりも後方に配されて、サブリザーバー14の底部26に後方から重ね合わされている。プランジャ44は、図3~6に示すように、プランジャ本体46と外周ガイド部48が後端部において一体的につながった構造を有している。
プランジャ本体46は、後方に向けて開口する略有底円筒形状とされている。プランジャ本体46の前壁部には、中央部分を前後方向に貫通する挿通孔としての嵌合孔50が形成されている。嵌合孔50に対してダイヤフラム部20の嵌合突起28が前後方向で挿通されることにより、プランジャ44とダイヤフラム部20の底部26を相互に位置決めする位置決め機構が構成されている。
外周ガイド部48は、円筒形状とされて、プランジャ本体46の外周を囲むように設けられている。外周ガイド部48は、周上の2箇所の前側端部において、外周へ突出する係止解除部52がそれぞれ形成されている。係止解除部52は、前方へ向けて外周へ傾斜しており、内周側の面が傾斜面とされている。係止解除部52は、後述するプッシュボタン54の係止孔60に挿入されている。係止解除部52,52は、周方向においてガイド部材38の係止フック42,42と対応する位置に設けられており、係止フック42,42の内周面よりも外周まで突出している。
また、プランジャ44は、押圧操作部材としてのプッシュボタン54に内挿されている。プッシュボタン54は、前方へ向けて開口する略有底円筒形状とされている。プッシュボタン54の開口部分がハウジング12の後端部分に対して軸方向後方から差し入れられており、プッシュボタン54がハウジング12に対して長手方向である前後方向に往復移動可能に組み付けられている。プッシュボタン54の底壁部側は、ハウジング12の後端開口から軸方向後方へ突出している。ハウジング12から露出したプッシュボタン54の後面が押圧操作面56とされており、使用者である患者がハウジング12の把持面18を握りながら押圧操作面56を親指で押圧することが可能とされている。
プッシュボタン54の底壁部の内周部分には、小径筒状の第1スプリング支持部58が一体形成されている。第1スプリング支持部58は、後述する第1コイルスプリング62の内周形状に対応する外周形状を備えており、プッシュボタン54の底壁部から前方へ向けて突出している。
プッシュボタン54の周壁部には、周方向の2箇所において係止孔60がそれぞれ形成されている。係止孔60は、プッシュボタン54の周壁部を径方向に貫通して、前後方向に直線的に延びている。
プランジャ44とプッシュボタン54の軸方向間には、第1コイルスプリング62が配設されている。第1コイルスプリング62は、前端部分がプランジャ本体46の内周に差し入れられている。第1コイルスプリング62は、後端部分がプッシュボタン54の第1スプリング支持部58に外挿されて、プッシュボタン54に対して軸直角方向で位置決めされている。これにより、第1コイルスプリング62は、プランジャ44とプッシュボタン54の前後方向間に延びる所定の配設状態に安定して保持されている。そして、プランジャ44とプッシュボタン54は、第1コイルスプリング62の弾性変形を伴って、前後方向で相対変位可能とされている。また、第1コイルスプリング62のばね力が、プランジャ44とプッシュボタン54の間に及ぼされるようになっている。即ち、第1コイルスプリング62が圧縮された状態において、第1コイルスプリング62の弾性に基づく反発力が、プランジャ44とプッシュボタン54を相対的に離隔させる方向で、プランジャ44とプッシュボタン54の間に及ぼされる。
サブリザーバー14のベース部材22には、図3に示すように、サブリザーバー14に対する薬液流入側の流路である流入流路64と、サブリザーバー14に対する薬液流出側の流路である流出流路66とが、接続されている。流入流路64と流出流路66は、それぞれハウジング12に収容されて前後方向へ延びており、左右方向に並んで設けられている。
流入流路64は、サブリザーバー14に接続される可撓性チューブ68と、制限流路を構成する小径チューブ70とを、有している。
可撓性チューブ68は、前後方向に直線的に延びている。可撓性チューブ68は、軟質の合成樹脂材料等によって形成されており、外力の作用による断面形状の変化が許容されている。可撓性チューブ68は、前端がハウジング12に挿通されてハウジング12の前面に露出していると共に、後端がサブリザーバー14のベース部材22に接続されている。
小径チューブ70は、制限流路を構成する内腔の断面積が可撓性チューブ68の内腔の断面積よりも小さくされている。小径チューブ70の両端は、可撓性チューブ68における後述する閉止弁72で遮断される部分の両側において、可撓性チューブ68に接続されている。可撓性チューブ68における閉止弁72によって遮断される部分は、小径チューブ70による制限流路をバイパスするプライミング流路74とされている。プライミング流路74が閉止弁72によって遮断された状態において、流入流路64を流れる薬液の流量(流速)は、小径チューブ70によって制限される。
小径チューブ70の両端部分は、流入流路64に設けられた一対の第1分岐ポート部76,76に挿入されている。第1分岐ポート部76は、略円筒状とされており、プライミング流路74の流路長方向である前後方向の両側において、プライミング流路74の流路長方向と直交する下方へ向けて突出している。ベース部材22には、前方へ向けて突出するポート保持部78が設けられている。ポート保持部78の前端には、上下方向に延びる溝が形成されている。そして、ポート保持部78前端の溝に後述する第1分岐ポート部76が嵌め入れられることにより、流入流路64をベース部材22ひいてはハウジング12に対して位置決めする位置決め部が構成されている。なお、第1分岐ポート部76がポート保持部78の溝に嵌め入れられることにより、可撓性チューブ68が周方向において適切な向きでサブリザーバー14に接続される。
可撓性チューブ68は、中間部分に設けられたプライミング流路74において、閉止弁72による連通状態から遮断状態への切り替えが可能とされている。閉止弁72は、図5,9に示すように、プライミング流路74の長さ方向である前後方向と交差して広がる略板状とされており、プライミング流路74に押し付けられることによってプライミング流路74を押し潰して遮断可能とされている。閉止弁72は、前後方向に対して略直交して広がっており、上部が略一定の左右方向幅寸法で上下方向に延びていると共に、下部の左右方向の端面が傾斜面とされて、下部の左右方向幅寸法が下方に向けて次第に小さくなっている。閉止弁72は、ハウジング12に対して、下向きに移動可能とされている。
閉止弁72は、操作スイッチとしてのスイッチ部材80と一体的に設けられて、ハウジング12に収容されている。スイッチ部材80は、周壁部16の軸方向の両端から離れた中間部分においてハウジング12の上半部分を上下方向に貫通して設けられており、例えば上端面である押圧面82を手指によって下向きに押し込むことにより、ハウジング12に対して貫通方向である下方へ向けて移動可能とされている。スイッチ部材80は、周壁部16の周方向よりも軸方向に長く伸びる略矩形の全体形状とされており、周壁部16の軸方向中央に対して前方へ偏倚して配置されている。好適には、スイッチ部材80(押圧面82)は、その少なくとも一部がハウジング12における周壁部16の前端から周壁部16の軸方向長さの1/3の位置に配されて、当該1/3の位置を含んで軸方向に伸びており、周壁部16を把持した手の指でスイッチ部材80の押圧面82を押圧操作し易くなっている。押圧面82は、閉止弁72に対して、スイッチ部材80の移動方向である上下方向において重なる位置に配されていることが望ましい。閉止弁72は、好適には押圧面82の前後方向の中央部分に位置して設けられる。スイッチ部材80の一方の左右側面には、閉止弁72が突出して設けられており、スイッチ部材80の他方の左右側面84には、段差86が設けられている。また、スイッチ部材80は、下方へ延び出す係止片88を備えている。係止片88は、左右方向において弾性を有する板状の基部と、基部の下端において左右方向の片側へ突出する爪部89とを、有している。
スイッチ部材80における閉止弁72の接続部分は、図2に示すように、上下方向に延びる板状であって、閉止弁72から前後方向の両側へ突出する突部90,90を有している。突部90,90は、ハウジング12の下壁内面から上方へ向けて延びる一対のガイド壁部92,92の対向面間に配されている。一対のガイド壁部92,92は、それぞれ前後方向に対して略直交して広がっており、前後方向において相互に対向して配されている。そして、一対のガイド壁部92,92が閉止弁72の前後へ突出する突部90,90の突出先端面に近接して配されており、閉止弁72が下方へ移動する際に、閉止弁72のハウジング12に対する傾動や位置ずれ等が前後方向において防止される。なお、本実施形態の一対のガイド壁部92,92は、左右一方の端部が後述するガイド筒部124に一体的につながっていることによって補強されている。
流出流路66は、サブリザーバー14に接続される弾性チューブ94と、弾性チューブ94の下流側に接続された下流ライン接続部材96とを、備えている。
弾性チューブ94は、プライミング流路74を含む流入流路64の可撓性チューブ68とは異なる材質とされている。これにより、流出流路66は、少なくとも弾性チューブ94によって構成された部分において、変形状態からの弾性復元力がプライミング流路74よりも大きくされている。弾性チューブ94は、特に径方向の変形に対する弾性復元力が流入流路64よりも大きくされており、径方向に押し潰された状態から元の形状に復元し易くなっている。このように、弾性チューブ94は、弾性的な形状復元性に優れた材質であることが好適であり、例えば、シリコンによって形成される。
下流ライン接続部材96は、可撓性チューブ68及び弾性チューブ94よりも硬く(変形剛性が大きく)、弾性チューブ94と後述する下流側の外部ライン154とをつなぐチューブ状の部分を有している。下流ライン接続部材96は、前後方向に直交して広がる板状位置決め部98を有しており、下流ライン接続部材96が板状位置決め部98によってハウジング12に対して位置決めされている。板状位置決め部98は、下部において前方へ突出するチューブ保持部100を備えている。下流ライン接続部材96は、後端において弾性チューブ94に接続されていると共に、前端においてハウジング12を貫通して前方へ露出している。
流出流路66は、弾性的な形状復元力に優れた弾性チューブ94と、弾性チューブ94よりも硬質とされて形状安定性に優れた下流ライン接続部材96という独立した2部品を接続して構成されている。そして、弾性チューブ94において後述する急速投与弁102による繰り返しの開閉作動が安定して実現されると共に、下流ライン接続部材96において、ハウジング12に対する流出流路66の高精度な位置決めが実現される。
流出流路66上には、開閉弁としての急速投与弁102が設けられており、急速投与弁102によって流出流路66を連通状態と遮断状態に切り替えることが可能とされている。急速投与弁102は、急速投与用の弁体104と、弁付勢手段としての第2コイルスプリング106とを、含んで構成されている。
弁体104は、図8に示すように、弁本体部108と一対の従動片110,110とを、一体で備えている。弁本体部108は、略有底円筒形状とされており、図6にも示すように、前後中央部分において下方へ突出する板状のクランプ突起112が、前後方向に対して略直交して広がるように設けられている。クランプ突起112は、先端部が先端に向けて徐々に薄肉とされている。弁本体部108は、図8に示すように、スイッチ部材80へ向けて左右方向の外方へ突出する係合突部114が、周方向の一部に一体形成されている。
また、弁本体部108には、上面の中央位置に開口する位置決め凹所116が形成されている。位置決め凹所116には、図6,9に示すように、第2コイルスプリング106が差し入れられている。第2コイルスプリング106は、下端部分が位置決め凹所116に差し入れられていると共に、上端部分がハウジング12の上壁部の内面から下方へ向けて突出する第2スプリング支持部118に外挿されている。これにより、第2コイルスプリング106の軸方向の両端部は、弁体104とハウジング12の各一方に対して位置決めされている。第2コイルスプリング106は、弁体104の中心軸L(図6参照)上に配置されている。本実施形態において、第2コイルスプリング106の中心軸は、弁体104の移動方向である上下方向に延びる中心軸Lと略一致している。要するに、弁体104と第2コイルスプリング106は、共通の中心軸をもって上下方向に延びるように配置されている。
第2コイルスプリング106は、弁本体部108とハウジング12の上壁部との間に圧縮状態で配されている。そして、弁本体部108には、第2コイルスプリング106による下向きの付勢力が作用している。第2スプリング支持部118の直径(外径)は、位置決め凹所116の内法(内径)よりも小さくされており、第2スプリング支持部118が位置決め凹所116へ入り込み可能なサイズ及び形状とされている。
弁体104の一対の従動片110,110は、図7~9に示すように、上下方向に延びる板状とされて、弁本体部108から下向きに延び出している。各従動片110の下面は、前部が上下方向に対して直交して広がっていると共に、後部が後方に向けて上傾する従動側傾斜面120とされている。一対の従動片110,110は、左右方向で相互に所定の距離を隔てて配されている。一対の従動片110,110の対向面は、互いに略平行に広がる平面とされている。それら一対の従動片110,110の間には、クランプ突起112が設けられている。クランプ突起112は、一対の従動片110,110と一体形成されており、左右両端が一対の従動片110,110につながっている。
弁体104の外周面122は、図3,8に示すように、弁体104の移動方向である上下方向に延びる中心軸回りの円形状を有している。弁体104は、外周面122の横断面形状が略円形とされている。弁体104は、弁本体部108と一対の従動片110,110の何れにおいても、略円形断面の外周面122を有している。なお、一対の従動片110,110の間には、前後方向に貫通する溝が形成されている。これにより、弁体104の外周面122は、下部において左右に分割されているが、全体として中心軸回りの円形状とされた横断面形状を有している。
急速投与弁102の弁体104は、図3,7に示すように、一対の従動片110,110を含む下部が、ハウジング12の下壁部から上向きに延び出すガイド筒部124に差し入れられている。ガイド筒部124は、円筒形状とされており、弁体104の外周面122に対応する円形断面の内周面126を備えている。これにより、弁体104は、ハウジング12に対する上下方向の移動が、弁体104の外周面122がガイド筒部124の内周面126によって案内されながら許容される。弁体104は、前後方向及び左右方向の移動が、ガイド筒部124によって規制される。
ガイド筒部124は、周壁において前後方向で対向する部分には、前後方向に貫通する切欠き128が形成されている。切欠き128は、ガイド筒部124の上部に形成されて、ガイド筒部124の上端まで達している。切欠き128の底には、図6,9に示すように、ガイド筒部124の軸方向である上下方向に対して略直交して広がる流路受部130が、前後方向に延びて設けられている。流路受部130の左右方向の両端部には、図3,9に示すように、上方へ向けて立ち上がる保持壁部132がそれぞれ設けられている。これにより、切欠き128は、底部分が溝状とされており、切欠き128に差し入れられた流出流路66の弾性チューブ94が、保持壁部132,132の間で流路受部130によって支持されている。
流出流路66の弾性チューブ94が切欠き128に挿通された状態で、弁体104がガイド筒部124に差し入れられることにより、流出流路66は、図6,9に示すように、ガイド筒部124の流路受部130と弁体104の弁本体部108との上下間に配されている。即ち、弁体104の弁本体部108は、流路受部130よりも上側に配置されている。弁体104の一対の従動片110,110は、流路受部130の左右両側においてガイド筒部124に差し入れられている。これらにより、弁体104は、弁本体部108が流路受部130で支持された流出流路66の上側に位置していると共に、一対の従動片110,110が流出流路66を幅方向である左右方向で挟んだ両側に配置されている。従って、弁体104は、流路受部130上を延びる流出流路66を跨いで配置されている。
弁体104がガイド筒部124によって案内されながら上下方向へ移動可能とされていることにより、弁体104の弁本体部108が、流出流路66に対して側方から接近方向と離隔方向に移動可能に配されている。なお、弁本体部108が流出流路66に対して側方から接近及び離隔するとは、弁本体部108が流出流路66の長さ方向に対する交差方向で流出流路66に接近及び離隔することを言う。本実施形態においては、流出流路66の長さ方向が、弁本体部108が接近及び離隔する部分において前後方向とされており、弁本体部108が前後方向と直交する上下方向において流出流路66に接近及び離隔するように移動可能とされている。
流出流路66上に配された弁体104は、流入流路64上に配されたスイッチ部材80に対して左右方向で相互に並んでいる。弁本体部108の係合突部114は、図8,9に示すように、スイッチ部材80に向けて左右方向において突出している。係合突部114は、上下方向に延びるスイッチ部材80の側面84と近接しており、それら係合突部114とスイッチ部材80の側面84とによって、弁体104とスイッチ部材80を相互に上下方向へ案内する相互案内部が構成されている。なお、弁体104の係合突部114は、スイッチ部材80の側面84に設けられた段差86に対して、少なくとも一部が上下方向において重なる位置に配されている。
なお、流入流路64と流出流路66における閉止弁72及び急速投与弁102よりも前方には、図3に示すように、それら流入流路64と流出流路66をサブリザーバー14を経ずに相互に連通する流量制御部134が接続されている。流量制御部134は、流入流路64及び流出流路66よりも流路断面積が小さくされており、薬液の流量(流速)を制限するようになっている。流量制御部134は、小径のチューブとされており、両端部分が流入流路64に設けられた流入側の第2分岐ポート部136aと流出流路66に設けられた流出側の第2分岐ポート部136bに挿入されて接続されている。流入側の第2分岐ポート部136aは、可撓性チューブ68から下方へ突出している。流出側の第2分岐ポート部136bは、下流ライン接続部材96から下方へ突出している。両端部分が第2分岐ポート部136a,136bに接続された流量制御部134は、下部が湾曲したU字形状となっており、下流ライン接続部材96に設けられたチューブ保持部100の下方を延びている。
流入流路64の第2分岐ポート部136aは、下流ライン接続部材96に設けられた板状位置決め部98と前後方向において重なっており、流入流路64が下流ライン接続部材96ひいてはハウジング12に対して前後方向で位置決めされている。このように、本実施形態では、流入側の第2分岐ポート部136aとハウジング12に組み付けられた下流ライン接続部材96の板状位置決め部98とによって、流入流路64をハウジング12に対して位置決めする位置決め部が構成されている。また、流入流路64の可撓性チューブ68は、板状位置決め部98を貫通しており、可撓性チューブ68において左右方向へ突出する突起が、板状位置決め部98の後面に重ね合わされている。そして、第2分岐ポート部136aが板状位置決め部98に対して前方から重ね合わされていると共に、上記突起が板状位置決め部98に対して後方から重ね合わされていることによって、流入流路64が流出流路66に対して前後両側において位置決めされている。
ガイド筒部124は、図7に示すように、周壁の下端部に開口する貫通孔138を備えている。貫通孔138は、ガイド筒部124の周壁における後方部分を前後方向に貫通して設けられている。本実施形態では、後述する主動部材140の一対の当接片142,142に対応する一対の貫通孔138,138が形成されている。
ガイド筒部124の貫通孔138は、主動部材140の先端部が挿通可能とされている。主動部材140は、ポリプロピレンやポリアミドなどの合成樹脂によって形成された硬質の部材であって、例えば合成樹脂の射出成形品とされている。主動部材140は、図8,9に示すように、左右方向で対向して相互に平行に広がる一対の当接片142,142を備えている。当接片142は、前面の上部が上方に向けて後傾する主動側傾斜面144とされている。一対の当接片142,142は、基端が本体部146によって相互に連結されている。本体部146には、後方へ向けて突出する入力部148が設けられている。入力部148は、ハウジング12の周壁に沿って湾曲して広がる板状とされている。本実施形態では、主動部材140がハウジング12の左右方向の中央に対して図3中の右側へ外れた位置に配置されることから、入力部148が左右方向で傾斜している。
主動部材140の本体部146には、図6,7に示すように、戻しばね150が一体形成されている。戻しばね150は、板状とされており、前後方向に弾性変形可能とされている。戻しばね150は、一対の当接片142,142の間において、本体部146の前端から前方へ延び出している。戻しばね150は、前後方向の中間部分が屈曲した板形状とされており、屈曲部分の変形によって弾性的に変形可能とされている。
プッシュボタン54及び弁体104に対して別体とされた主動部材140は、プッシュボタン54よりも前側に配置されている。主動部材140の一対の当接片142,142は、ガイド筒部124の貫通孔138に対して前後方向で抜き差し可能な位置に位置決めされている。主動部材140の入力部148は、プッシュボタン54の前端に対して前後方向で少なくとも一部が重なる位置に配されている。主動部材140の戻しばね150は、先端部がガイド筒部124における一対の貫通孔138,138の間に対して後方に位置している。
薬液注入コントローラ10は、例えば、ハウジング12に収容される流路64,66や弁72,102等の部品を、ハウジング12の下半部分に対してセットした後、ハウジング12の上半部分をハウジング12の下半部分に対して上方から組み付けることにより、簡単に製造することができる。この場合に、流路64,66が予めサブリザーバー14に接続された状態でハウジング12の下半部分に組み込まれるようにすれば、流路64,66とサブリザーバー14との接続作業が容易になって、製造の更なる容易化が図られ得る。
このような構造とされた薬液注入コントローラ10は、図2,3に示すように、流入流路64に上流側の外部ライン152が接続されると共に、流出流路66に下流側の外部ライン154が接続されることによって、薬液投与装置を構成する。上流側の外部ライン152と流入流路64と流量制御部134と流出流路66と下流側の外部ライン154とによって、メインライン156が構成されている。メインライン156は、サブリザーバー14を経由せずに、図示しないメインリザーバーと、患者側の留置針などに接続される図示しない投与ポートとをつなぐ流路である。また、流入流路64における流量制御部134の接続部分よりも下流側と、流出流路66における流量制御部134の接続部分よりも上流側とによって、サブライン158が構成されている。サブライン158は、メインライン156から分岐してサブリザーバー14に接続される流路である。
使用前の薬液注入コントローラ10は、例えば、図3~6に示すように、薬液が充填されていないサブリザーバー14が、前後方向で収縮している。サブリザーバー14の底部26に位置決めされたプランジャ44は、前方に位置している。プッシュボタン54は、プランジャ44の係止解除部52,52が係止孔60,60の前端縁に係止されることで、前方に位置している。使用前の薬液注入コントローラ10において、プランジャ44とプッシュボタン54は、前後方向で最も離れた相対位置に配置されており、プランジャ44とプッシュボタン54の間に配された第1コイルスプリング62の圧縮変形量が小さくされている。なお、プッシュボタン54がガイド部材38の係止フック42,42よりも後方に位置しており、係止フック42,42は係止孔60,60に差し入れられていない。
薬液注入コントローラ10を備える薬液投与装置は、投薬の開始前に、メインライン156とサブライン158を薬液(プライミング液)で満たすプライミングが実施される。即ち、閉止弁72と急速投与弁102が何れも開放されて、ハウジング12内に収容されたメインライン156とサブライン158の全体が連通された薬液注入コントローラ10の初期状態(図3~7に示す状態)において、図示しないメインリザーバーから薬液が送り込まれる。これにより、メインライン156とサブライン158を含む薬液流路と、サブリザーバー14とが、薬液によって満たされて、プライミングが完了する。薬液流路とサブリザーバー14内の空気は、プライミングに際して薬液によって下流側へ押し出されて、図示しない投与ポートなどから外部へ排出される。本実施形態では、プライミングに際して、メインライン156とサブライン158におけるハウジング12に収容された部分の全体が連通状態とされていることから、ハウジング12内の流路全体がプライミング液で満たされる。更に、制限流路(小径チューブ70)をバイパスするプライミング流路74を通じて下流側へプライミング液を速やかに供給することにより、プライミングを短時間で完了することができる。
プライミングの完了によって、サブリザーバー14は、図10に示すように、薬液で満たされて膨らんだ状態とされる。これにより、プランジャ44がダイヤフラム部20によって押されることで後方へ移動する。プッシュボタン54は、プランジャ44と共に後方へ移動して、ハウジング12の後端から後方へ突出する。
プライミングが完了した後、閉止弁72と一体形成されたスイッチ部材80が下向きに押し込まれることにより、スイッチ部材80と一体の閉止弁72が下方へ移動する。これにより、図10,11に示すように、閉止弁72がプライミング流路74に流路直交方向で押し付けられて、プライミング流路74が閉止弁72を押し当てられた部分で押し潰されて遮断される。流入流路64は、閉止弁72による遮断部分に対する上流側と下流側が、小径チューブ70によって構成された制限流路によって連通されており、薬液の単位時間当たりの流量が制限流路によって制限されている。
下方へ押し込まれて移動したスイッチ部材80は、図11に示すように、係止片88が弾性変形しながらハウジング12の係止部160を乗り越えて、係止片88の下端に設けられた爪部89が係止部160の下面に係止される。これにより、スイッチ部材80は、上方への移動を制限するロック機構が構成されており、例えば、スイッチ部材80の押圧面82に及ぼした押圧操作力を解除しても、スイッチ部材80と一体の閉止弁72が、上方へ移動することなく、プライミング流路74へ押し付けられた状態に保持される。
スイッチ部材80が下方へ移動することによって、図11に示すように、スイッチ部材80の段差86と急速投与弁102の弁体104の係合突部114との上下方向での係合が解除されて、急速投与弁102の下方への移動が許容される。これにより、弁体104が第2コイルスプリング106の付勢力によってスイッチ部材80に追従して下方へ移動し、弁体104を構成する弁本体部108のクランプ突起112が、流出流路66に対して流出流路66の流路直交方向で側方から押し付けられる。その結果、図10~12に示すように、流出流路66が弁本体部108によって部分的に押し潰されて、流出流路66が急速投与弁102によって部分的に閉塞されることから、サブリザーバー14からの薬液の流出が防止される。
スイッチ部材80と上下方向において係合される弁体104の係合突部114は、左右方向においてスイッチ部材80へ向けて突出している。そして、閉止弁72に一体で設けられたスイッチ部材80の側面84と、弁体104の係合突部114とが、相互に近接していることにより、本実施形態の相互案内部が構成されており、閉止弁72及び弁体104の上下方向の移動において、相互に案内作用を発揮し、スムーズな移動が実現される。
流出流路66は、クランプ突起112が押し付けられる部分が、ガイド筒部124の流路受部130によって支持されている。これにより、弁体104が第2コイルスプリング106の付勢力で下方へ移動すると、流出流路66は、弁本体部108のクランプ突起112と流路受部130との間で上下方向に挟み込まれる。それ故、クランプ突起112の押付けに対する流出流路66の下方への逃げが流路受部130によって防止されて、流出流路66が弁体104によって安定して遮断される。
流路受部130の左右両側に保持壁部132,132が立ち上げるように設けられており、流出流路66が流路受部130上において保持壁部132,132の間で前後方向に直線的に延びている。これにより、左右方向に延びる板状とされたクランプ突起112が、流出流路66の長さ方向と略直交して広がる状態で流出流路66に押し付けられる。それ故、流出流路66がクランプ突起112によって押し潰される箇所において、より確実に遮断される。
図11,12に示すように、弁体104と第2コイルスプリング106は、各中心軸が互いに略同一直線上に位置するように配されており、第2コイルスプリング106の弾性に基づく付勢力が、弁体104に対して周方向でバランスよく作用する。それ故、第2コイルスプリング106から及ぼされる力のアンバランスに起因する弁体104の傾動などが回避され易くなって、弁体104の移動がスムーズに実現される。
弁体104は、下方へ移動する際に、外周面122がガイド筒部124の内周面126に摺接することで、傾動などの不要な動きが抑えられる。このように、ガイド筒部124によって弁体104が案内されることにより、弁体104の上下方向の移動が効率的に実現される。弁体104の外周面122とガイド筒部124の内周面126が互いに対応する円形状とされていることにより、外周面122と内周面126の摺接による力が、弁体104に対して周方向でバランスよく作用する。それ故、弁体104の傾動などが回避され易くなって、弁体104の安定した移動が実現される。
スイッチ部材80の側面84と弁体104の係合突部114の近接による相互案内作用は、弁体104の上下方向の移動についても発揮される。即ち、弁体104が上下方向へ移動する際に、係合突部114がスイッチ部材80の側面84によって案内されることにより、弁体104の移動時のブレなどが抑えられて、弁体104の作動がより安定する。
閉止弁72と急速投与弁102が閉じた状態において、上流側の外部ライン152から流入流路64へ入った薬液は、流量制御部134を通じて、流出流路66に接続された下流側の外部ライン154へ流出する。これにより、薬液は、メインライン156と下流側の外部ライン154に接続された図示しない留置針などとを通じて、患者の体内へ少量ずつ持続的に投与される。なお、患者の体内へ持続投与される薬液の単位時間当たりの量は、流量制御部134の流量によって調節されている。
患者は、薬液の投与量を一時的に増やす急速投与を行う場合に、薬液注入コントローラ10のプッシュボタン54を押し込む自己操作を実行する。プッシュボタン54が患者によって押し込まれると、図13に示すように、プッシュボタン54とプランジャ44の間で、第1コイルスプリング62が圧縮される。これにより、プランジャ44は、圧縮された第1コイルスプリング62の弾性に基づく前向きの付勢力が及ぼされる。
プッシュボタン54が押し込まれて前進することにより、ガイド部材38の係止フック42,42が、プッシュボタン54の係止孔60,60に差し入れられて、係止孔60,60の前端内面に対して軸方向で係止される。これにより、プッシュボタン54が第1コイルスプリング62の付勢力に抗して押し込まれた位置に保持されて、第1コイルスプリング62の付勢力がプランジャ44に対して効率的に及ぼされる。
プッシュボタン54が押し込まれて前進することにより、図14に示すように、プッシュボタン54の前端が、主動部材140の入力部148に押し当てられる。これにより、主動部材140がプッシュボタン54と一体的に前進して、図15に示すように、主動部材140の一対の当接片142,142が、急速投与弁102における弁体104の一対の従動片110,110に押し当てられる。一対の当接片142,142と一対の従動片110,110は、各主動側傾斜面144と従動側傾斜面120において相互に当接する。それ故、プッシュボタン54に対して前向きに入力された力が、主動部材140から一対の従動片110,110へ伝達される際に上向きの力に変換されて、一対の従動片110,110を備える弁体104に及ぼされる。その結果、弁体104が第2コイルスプリング106の付勢力に抗して上側へ移動して、急速投与弁102による流出流路66の遮断が解除される。
第2コイルスプリング106が弁体104に対して同一中心軸上に配置されていることにより、第2コイルスプリング106の付勢力が弁体104に対して周方向でバランスよく作用している。これにより、弁体104は、第2コイルスプリング106の付勢力に抗して上側へ移動する際に、第2コイルスプリング106から及ぼされる付勢力の不均衡による傾動などを生じ難い。従って、弁体104の上側への移動が安定して、急速投与弁102の開作動による流出流路66の開放がスムーズに実現される。
弁体104は、上方へ移動する際にも、外周面122がガイド筒部124の内周面126に摺接することで、傾動などの不要な動きが抑えられる。これにより、弁体104の上側への移動が安定して、流出流路66の開放が効率的に実現される。弁体104の外周面122とガイド筒部124の内周面126が互いに対応する円形状とされていることにより、摺接による力が弁体104に対して周方向でバランスよく作用する。それ故、弁体104の傾動などが回避され易くなって、弁体104の安定した移動が実現される。
また、弁体104が上側へ移動して、第2コイルスプリング106が弁体104とハウジング12の上壁部との間でより大きく圧縮される際に、ハウジング12の第2スプリング支持部118が、弁体104の位置決め凹所116へ入り込むようになっている。これにより、ハウジング12内において弁体104の上下方向の移動ストロークを効率的に確保することができる。
主動部材140がハウジング12に対して前進することによって、主動部材140の戻しばね150が、一対の貫通孔138,138の間でハウジング12のガイド筒部124に押し当てられて弾性変形する。これにより、初期位置から前進した位置にある主動部材140には、戻しばね150の弾性に基づいて、初期位置へ戻す向きである後方向きの付勢力が及ぼされている。
プッシュボタン54が押し込まれて、第1コイルスプリング62が圧縮されると、プランジャ44が、第1コイルスプリング62の付勢力によって、サブリザーバー14のダイヤフラム部20に押し付けられる。これにより、ダイヤフラム部20の底部26が、プランジャ44によって前方へ押し込まれる。その結果、プランジャ44によって圧迫されたサブリザーバー14の内圧が高まって、サブリザーバー14内に貯留された薬液が、連通状態とされた流出流路66を介して下流側の外部ライン154へ流出する。そして、下流側の外部ライン154を通じて患者の体内へ投与される薬液の量が一時的に増加して、急速の薬液投与が実行される。なお、プライミング流路74が閉止弁72で遮断されていると共に、小径チューブ70の内腔(制限流路)が極めて小径とされている。それ故、サブリザーバー14の内圧上昇に際して、サブリザーバー14内の薬液は、流入流路64へ逆流することなく、流出流路66へ送り出される。
このように、自己操作によって押し込まれたプッシュボタン54は、プランジャ44を直接的に押して力を伝達するのではなく、プランジャ44との間で第1コイルスプリング62を圧縮する。そして、圧縮された第1コイルスプリング62の反発力がプランジャ44に及ぼされて、プランジャ44がサブリザーバー14を圧迫するようになっている。これにより、サブリザーバー14に過大な圧迫力が作用するのを防ぐことができて、サブリザーバー14の耐久性の向上が図られると共に、サブリザーバー14内の薬液を効率的に押し出すことができる。
薬液注入コントローラ10は、プッシュボタン54が一度押し込まれると、薬液の投与が完了するまでプッシュボタン54が押し込まれた位置に保持される。それ故、短時間の押圧操作を1度行うことによって、サブリザーバー14に貯留された薬液の略全量が所定の時間をかけて投与される。従って、薬液注入コントローラ10を使用する患者は、プッシュボタン54を押し続けることなく、十分な量の薬液をワンプッシュで投与することができる。
本実施形態では、プランジャ44とダイヤフラム部20の底部26が嵌合突起28によって軸直角方向において相互に位置決めされている。それ故、プランジャ44の移動によって、サブリザーバー14のダイヤフラム部20が圧迫される際に、圧迫位置のずれが防止されて、ダイヤフラム部20が安定して圧迫される。
薬液の急速投与が完了すると、図16に示すように、前方へ移動したプランジャ44の係止解除部52,52が、ガイド部材38の各係止フック42に当接して、各係止フック42を左右内側へ撓ませる。これにより、プッシュボタン54の係止孔60,60の内面に対する係止フック42,42の係止が解除されて、ハウジング12に対するプッシュボタン54の後方への移動が許容される。
プッシュボタン54と主動部材140には、戻しばね150の弾性に基づく力が後方へ向けて作用している。それ故、係止フック42,42によるプッシュボタン54の移動制限が解除されると、プッシュボタン54と主動部材140は、戻しばね150が初期形状に復元する位置(図3参照)まで速やかに後方へ移動する。なお、プッシュボタン54と係止フック42,42の係止が解除された状態で、プッシュボタン54が戻しばね150の弾性によって後方へ移動することにより、係止フック42,42が係止孔60,60から抜け出してプッシュボタン54よりも前方に位置する。
プッシュボタン54が後方へ移動する際に、プランジャ44の係止解除部52,52がプッシュボタン54の係止孔60,60の内面に係止されることから、プランジャ44がプッシュボタン54と共に後方へ移動する。
戻しばね150の弾性によって主動部材140が後方へ移動すると、主動部材140の一対の当接片142,142と、急速投与弁102を構成する弁体104の一対の従動片110,110との当接が解除される。これにより、弁体104のクランプ突起112が、第2コイルスプリング106の付勢力によって流出流路66に押し付けられて、流出流路66が急速投与弁102によって遮断状態に切り換えられる。このように、主動部材140に戻しばね150の弾性力が作用していることによって、急速の薬液投与が完了した際に、流出流路66が急速投与弁102によって速やかに且つ安定して遮断される。
更にまた、プッシュボタン54が後方へ移動することにより、図示しないメインリザーバーから上流側の外部ライン152へ送り出される薬液の一部は、流入流路64及び小径チューブ70によって構成される制限流路を通じてサブリザーバー14へ充填される。なお、薬液の急速投与後に所定量の薬液をサブリザーバー14に再充填するまでの所要時間が、制限流路によって調節されており、サブリザーバー14への薬液の過剰な供給を防ぐことで、薬液の過剰投与が防止されている。
サブリザーバー14内の薬液の量が増えるに従って、プランジャ44はサブリザーバー14のダイヤフラム部20に押されて後方へ移動する。そして、サブリザーバー14内に急速投与前と略同量の薬液が充填されることにより、プランジャ44とプッシュボタン54が図10に示す急速薬液投与を実行する前の準備位置まで移動せしめられる。これにより、自己操作による薬液の急速投与を再び実行することが可能になる。
なお、図1に示すように、プランジャ44に設けられた突起部162が、目印としてハウジング12の周壁を貫通するスリット164に差し入れられている。そして、プランジャ44のハウジング12に対する軸方向での相対位置が、突起部162のスリット164内での位置によって、外部から把握できるようになっている。例えば、上側の突起部162がスリット164の後端付近まで移動した状態が、サブリザーバー14に薬液が充填された状態を示す。本実施形態のプランジャ44は、周方向で180°の回転対称形状とされており、プランジャ44を組み付ける際に、向きの制限が緩和されることで製造の容易化が図られる。
図17には、本発明の第2の実施形態としての薬液注入コントローラ170が、ハウジング12の下半部分を取り外された状態で示されている。なお、第1の実施形態と実質的に同一の部材及び部位については、図中に同一の符号を付すことで、説明を省略する。
薬液注入コントローラ170は、弁体104の一対の従動片110,110を押し上げる主動部材172が、押圧操作部材としてのプッシュボタン54と一体で設けられている。主動部材172は、有底円筒形状とされたプッシュボタン54の開口側端部から延び出す連結板部174と、連結板部174の延出先端部に設けられた一対の当接片142,142とを、備えている。
このような構造とされた薬液注入コントローラ170は、プッシュボタン54が押圧操作されて前進すると、プッシュボタン54と一体の主動部材172も前進する。これにより、一対の当接片142,142の各主動側傾斜面144が、一対の従動片110,110の各従動側傾斜面120に当接して、一対の従動片110,110を備える弁体104が押し上げられる。その結果、弁体104による流出流路66の押し潰しが解除されて、流出流路66が遮断状態から連通状態に切り替えられる。このような主動部材172とプッシュボタン54が一体とされた構造の薬液注入コントローラ170にも、本発明は適用可能である。
以上、本発明の実施形態について詳述してきたが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、弁体104において一対の従動片110,110は必須ではなく、例えば、プッシュボタン54の押圧操作に際して、弁本体部108に主動部材140などの他部材が直接当接することで弁体104が移動するようにもできる。
弁体104の外周面122は、全体が円形である必要はなく、部分的に円形以外の形状とされていてもよい。例えば、一対の従動片110,110が円形の外周面を備えて、ガイド筒部124の内周面126に摺接することで、弁体104が上下方向に案内されると共に、弁本体部108の外周面は、多角形などの円形以外の形状とされて、ガイド筒部124から離れていてもよい。
弁体104に設けられた突起が第2コイルスプリング106の軸方向一端に差し入れられることで、第2コイルスプリング106の軸方向一端が弁体104に対して位置決めされるようにしてもよい。また、ハウジング12の上壁部に下方へ向けて開口する凹所を形成して、第2コイルスプリング106の軸方向他端が該凹所に差し入れられることで、第2コイルスプリング106の軸方向他端がハウジング12に対して位置決めされるようにしてもよい。
流出流路66の弾性復元力は、例えば、流出流路66の流入流路64に対する断面形状や断面積等の材質以外の違いによって、流入流路64の弾性復元力より大きくすることもできる。
前記実施形態では、サブリザーバー14の底部26とプランジャ44が位置決め突部(嵌合突起28)によって軸方向に連結された構造を例示したが、例えば、位置決め突部は、サブリザーバー14の底部26とプランジャ44を連結する構造ではなくてもよい。具体的には、略一定の径寸法で軸方向に延びる円柱状とされた位置決め突部が、プランジャ44の挿通孔へ挿通されることによって、サブリザーバー14とプランジャ44が軸直角方向において相互に位置決めされていてもよい。位置決め突部は、プランジャ44の挿通孔に対して隙間をもって挿通されて、ダイヤフラム部20の底部26に対するプランジャ44の軸直角方向の相対変位量を、位置決め突部の外周面と挿通孔の内周面との当接によって制限するようにしてもよい。
前記実施形態では、流入流路64と流出流路66に設けられる第1分岐ポート部76と第2分岐ポート部136は、何れも下方へ向けて突出していたが、例えば、少なくとも1つの分岐ポート部が、上方へ向けて突出していてもよいし、左右方向へ向けて突出していてもよい。要するに、分岐ポート部の突出方向は、ハウジング12内のスペースに応じて適宜に変更され得る。なお、分岐ポート部76,136は、必ずしも流入流路64や流出流路66に対して直交している必要はなく、傾斜方向に延びていてもよい。
10 薬液注入コントローラ(第1実施形態)
12 ハウジング
14 サブリザーバー
16 周壁部
18 把持面
20 ダイヤフラム部
22 ベース部材
24 挟持部
26 底部
28 嵌合突起(位置決め突部)
30 テーパ部
32 薬液流入部
34 薬液流出部
36 係合突起
38 ガイド部材
40 係合部
42 係止フック
44 プランジャ
46 プランジャ本体
48 外周ガイド部
50 嵌合孔
52 係止解除部
54 プッシュボタン
56 押圧操作面
58 第1スプリング支持部
60 係止孔
62 第1コイルスプリング
64 流入流路(薬液流入側の流路)
66 流出流路(薬液流出側の流路)
68 可撓性チューブ
70 小径チューブ(制限流路)
72 閉止弁
74 プライミング流路
76 第1分岐ポート部
78 ポート保持部
80 スイッチ部材
82 押圧面
84 側面(相互案内部)
86 段差
88 係止片
89 爪部
90 突部
92 ガイド壁部
94 弾性チューブ
96 下流ライン接続部材
98 板状位置決め部
100 チューブ保持部
102 急速投与弁(開閉弁)
104 弁体
106 第2コイルスプリング
108 弁本体部
110 従動片
112 クランプ突起
114 係合突部
116 位置決め凹所
118 第2スプリング支持部
120 従動側傾斜面
122 外周面
124 ガイド筒部
126 内周面
128 切欠き
130 流路受部
132 保持壁部
134 流量制御部
136 第2分岐ポート部
138 貫通孔
140 主動部材
142 当接片
144 主動側傾斜面
146 本体部
148 入力部
150 戻しばね
152 上流側の外部ライン
154 下流側の外部ライン
156 メインライン
158 サブライン
160 係止部
162 突起部
164 スリット
170 薬液注入コントローラ(第2実施形態)
172 主動部材
174 連結板部

Claims (10)

  1. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁とが収容されており、
    該ハウジングが筒状の周壁部を有し、該閉止弁と一体的に設けられた操作スイッチが、該周壁部の軸方向中間部分を貫通して押圧操作によって該ハウジングに対して貫通方向へ移動可能に取り付けられており、
    該操作スイッチから押圧操作による該操作スイッチの移動方向に向けて延び出す係止片が、該操作スイッチが押圧操作されて移動することによって該ハウジングに設けられた係止部に係止されて、押圧操作による該操作スイッチの移動方向と反対側において該操作スイッチの移動を制限するロック機構が、該係止片と該係止部の係止によって構成される薬液注入コントローラ。
  2. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁と、該サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流出側の流路を連通状態と遮断状態に切り替える開閉弁とが、収容されており、
    該閉止弁と該開閉弁が該ハウジングに対してそれぞれ移動可能とされて、該閉止弁と該開閉弁の該ハウジングに対する移動方向が相互に平行とされ、
    該閉止弁と該開閉弁は相互に近接して該ハウジングに対する移動を案内する相互案内部を備えている薬液注入コントローラ。
  3. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を流路長方向と直交する方向に押し潰して遮断する閉止弁とが、収容されており、
    該閉止弁が該プライミング流路の流路長方向へ突出する突部を備え、
    該ハウジングが該閉止弁の移動方向に延びるガイド壁部を備え、
    該ガイド壁部が該突部の突出先端面に近接して配されている薬液注入コントローラ。
  4. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーを備えており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記メインラインが前記サブリザーバーに対する薬液流入側の流路と薬液流出側の流路を接続して該サブリザーバーを経ずに持続的な薬液投与を可能とする流量制御部を備え、
    該流量制御部の両端部分は、該薬液流入側の流路と該薬液流出側の流路からそれぞれ突出する筒状の分岐ポート部に挿入されて該薬液流入側の流路と該薬液流出側の流路に接続されている薬液注入コントローラ。
  5. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記サブラインが前記サブリザーバーに対する薬液流入側の流路と薬液流出側の流路とを備え、
    それら薬液流入側の流路と薬液流出側の流路の少なくとも一方は、流路長方向に対する交差方向に突出する筒状の分岐ポート部を備え、
    該薬液流入側の流路と該薬液流出側の流路の少なくとも一方と前記ハウジングとを相互に位置決めする位置決め部が、該分岐ポート部を含んで構成されている薬液注入コントローラ。
  6. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁とが収容されており、
    該ハウジングが筒状の周壁部を有し、該周壁部の軸方向中間部分を貫通する操作スイッチが、押圧操作によって該ハウジングに対して貫通方向へ移動可能に取り付けられており、
    該閉止弁が該操作スイッチと一体的に設けられて、該操作スイッチの押圧面と該閉止弁が該操作スイッチの押圧操作による移動方向において重なる位置に配置されている薬液注入コントローラ。
  7. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングにおいて薬液の急速投与の実行時に押圧操作される押圧操作部材が往復移動可能に組み付けられており、
    該押圧操作部材の押圧操作に際して該サブリザーバーを圧迫するプランジャが設けられ、該プランジャが該サブリザーバーの底部に対して該押圧操作部材の移動方向において重ね合わされていると共に、該サブリザーバーの該底部から突出する位置決め突部が該プランジャを貫通する挿通孔に対して該押圧操作部材の移動方向において挿通されている薬液注入コントローラ。
  8. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁とが収容されていると共に、該ハウジングが筒状の周壁部を有し、該周壁部の軸方向後端には薬液の急速投与の実行時に押圧操作される押圧操作部材が軸方向で往復移動可能に組み付けられており、
    該閉止弁と一体的に設けられた操作スイッチが該周壁部の軸方向中間部分を貫通して該ハウジングに取り付けられ、該操作スイッチが押圧操作によって該ハウジングに対して貫通方向へ移動可能とされていると共に、該周壁部の軸方向前端から該周壁部の軸方向全長の1/3だけ離れた点を含んで該操作スイッチが該周壁部の軸方向に伸びる形状とされている薬液注入コントローラ。
  9. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記ハウジングには、前記サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流入側の流路に設けられた制限流路と、該制限流路をバイパスするプライミング流路と、該プライミング流路を遮断する閉止弁と、該サブラインにおける該サブリザーバーへの薬液流出側の流路を連通状態と遮断状態に切り替える開閉弁とが、収容されており、
    該プライミング流路と該薬液流出側の流路の材質が相互に異ならされて、該薬液流出側の流路の弾性復元力が該プライミング流路の弾性復元力よりも大きくされている薬液注入コントローラ。
  10. 薬液を持続投与するメインラインに対してサブラインを介して接続されるサブリザーバーがハウジングに収容された構造を有しており、自己操作による該サブリザーバーからの薬液の急速投与を可能とする薬液注入コントローラであって、
    前記メインラインと前記サブラインを薬液で満たすプライミングに際して、該メインラインと該サブラインにおける前記ハウジングに収容された部分の全体が連通状態とされている薬液注入コントローラ。
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