JP2022088260A - 肌色の表現方法、肌色チャート、及び肌色の表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】測定された肌色を客観的に認識するための、新たな技術を提供すること。【解決手段】被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を、前記色成分値を軸とする座標空間にポイントで表示する。この表示方法は、被験者の肌色を表現する肌色チャートであって、座標空間を示す2以上の軸線と、前記座標空間に存在し、前記被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を表示する複数のポイントと、前記座標空間に存在する補助図形、記号及び/又は文字と、を有し、前記ポイントは、前記被験者の肌色を示す前記色成分値の組み合わせで着色されており、前記補助図形、記号及び/又は文字は、前記複数のポイントの関係性を示す表示を含むものである。【選択図】図3
Description
本発明は、肌色の表現方法、肌色チャート、及び肌色の表示装置に関する。
近年、医療・美容診断における肌の状態を測定するために、肌の色、しみ、赤み、シワ、たるみ等の検出が行われている。このうち、肌の色(以下、単に肌色ともいう)は、加齢の度合いや、メーキャップの効果を評価する際に測定されている。
肌色を測定する方法として、一般的には、肌から得られた反射光を測色計等で測定し、肌色を検出する方法が採用されている。また、肌を含む画像を取得し、得られた肌画像から肌色を抽出することもできる。例えば、特許文献1には、カラービデオカメラなどのカラー画像入力手段を用いた測色装置が記載されている。
このように測定された肌色を、化粧料の選択の指標として用いる方法も提案されている。特許文献2には、明度、色相等の色情報を示す軸を有する肌マップが開示されており、当該肌マップに表示された色情報に基づいて被験者の肌に適用可能なファンデーションを選択する方法が記載されている。
上記先行技術のあるところ、本発明は、測定された肌色を客観的に認識するための新たな技術を提供することを課題とする。特に、本発明は、肌色の変化について、変化の程度を視覚的に認識可能な新規の技術を提供することを課題とする。
上記課題を解決する本発明は、被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を、前記色成分値を軸とする座標空間にポイントで表示することにより、被験者の肌色を表現する方法である。
このような方法を用いることで、被験者の肌色を客観的に表現することができる。
このような方法を用いることで、被験者の肌色を客観的に表現することができる。
本発明の好ましい形態では、前記色成分値は3つであり、前記座標空間は3次元である。
色成分値を3次元座標空間上に表示することで、3つの色成分値に基づく客観的な肌色を表現することができる。
色成分値を3次元座標空間上に表示することで、3つの色成分値に基づく客観的な肌色を表現することができる。
本発明の好ましい形態では、前記組み合わせ座標は、第1の時点における色成分値の組み合わせ座標と、前記第1の時点より後の第2の時点における色成分値の組み合わせ座標を含み、各組み合わせ座標を、同一の前記座標空間に第1のポイントと第2のポイントで表示する。
このような形態とすることで、肌色の経時的な変化を同一座標空間に表示することができ、肌色の変化を容易に認識することができる。
このような形態とすることで、肌色の経時的な変化を同一座標空間に表示することができ、肌色の変化を容易に認識することができる。
本発明の好ましい形態では、さらに、前記第1のポイントと前記第2のポイントの間に、前記第1のポイントから前記第2のポイントへの方向を示す図形を表示する。
このような図形を表示することで、被験者の肌色の変化の順序を視覚的に捉えやすくなる。
このような図形を表示することで、被験者の肌色の変化の順序を視覚的に捉えやすくなる。
本発明の好ましい形態では、前記色成分値は、被験者の肌の所定領域の肌色の代表値である。
このような形態とすることで、被験者の肌の色ムラに左右されない、平均的な肌色を検出することができる。
このような形態とすることで、被験者の肌の色ムラに左右されない、平均的な肌色を検出することができる。
本発明の好ましい形態では、前記色成分値は、分光測色計又は三刺激値直読型色差計を用いて取得される。
分光測色計又は三刺激値直読型色差計を用いることで、測定環境の影響を受けずに色成分値を取得することができる。
分光測色計又は三刺激値直読型色差計を用いることで、測定環境の影響を受けずに色成分値を取得することができる。
本発明の好ましい形態では、前記色成分値は、被験者の肌画像から取得される。
肌画像を用いることで、撮像した画像内で、色成分値の取得範囲を自由に設定することができる。
肌画像を用いることで、撮像した画像内で、色成分値の取得範囲を自由に設定することができる。
本発明の好ましい形態では、前記色成分値はL*値、a*値、b*値である。
色成分値をL*値、a*値及びb*値とすることで、肌色を適切に表現することができる。
色成分値をL*値、a*値及びb*値とすることで、肌色を適切に表現することができる。
本発明の好ましい形態では、前記ポイントを、前記被験者の肌色の代表色で示される色に着色する。
このような形態とすることで、被験者の肌色を座標空間のみで表現する場合であっても、被験者の実際の肌色を同時に確認することができる。
このような形態とすることで、被験者の肌色を座標空間のみで表現する場合であっても、被験者の実際の肌色を同時に確認することができる。
本発明の好ましい形態では、前記ポイントは円状又は楕円状であり、前記被験者の肌色の代表色で示される色に基づいて、前記ポイントが立体的に見えるように、陰影を付すように着色される。
このような形態とすることで、座標空間に表示されたポイントの視認性が向上する。
このような形態とすることで、座標空間に表示されたポイントの視認性が向上する。
本発明の好ましい形態では、さらに、前記被験者の肌画像を、前記座標空間と並べて表示する。
このような形態とすることで、肌画像を目視して得られる肌色と、座標空間の表示から得られる客観的かつ一義的な肌色を比較することができる。また、肌画像と座標空間の表示を同時に視認可能とすることで、肌画像を目視して得られる感覚的な色の情報に、座標空間の表示から得られる色の情報を裏付けすることができ、肌色の視認性が向上する。
このような形態とすることで、肌画像を目視して得られる肌色と、座標空間の表示から得られる客観的かつ一義的な肌色を比較することができる。また、肌画像と座標空間の表示を同時に視認可能とすることで、肌画像を目視して得られる感覚的な色の情報に、座標空間の表示から得られる色の情報を裏付けすることができ、肌色の視認性が向上する。
また、本発明は、被験者の肌色を表現する肌色チャートであって、
座標空間を示す2以上の軸線と、
前記座標空間に存在し、前記被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を表示する複数のポイントと、
前記座標空間に存在する補助図形、記号及び/又は文字と、を有し、
前記ポイントは、前記被験者の肌色を示す前記色成分値の組み合わせで着色されており、
前記補助図形、記号及び/又は文字は、前記複数のポイントの関係性を示す表示を含むものである。
上記肌色チャートは、肌色を示す複数のポイントの関係性を一目で認識することができる。
座標空間を示す2以上の軸線と、
前記座標空間に存在し、前記被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を表示する複数のポイントと、
前記座標空間に存在する補助図形、記号及び/又は文字と、を有し、
前記ポイントは、前記被験者の肌色を示す前記色成分値の組み合わせで着色されており、
前記補助図形、記号及び/又は文字は、前記複数のポイントの関係性を示す表示を含むものである。
上記肌色チャートは、肌色を示す複数のポイントの関係性を一目で認識することができる。
また、本発明は、被験者の肌色を示す色成分値を取得する色成分値取得部と、
前記色成分値取得部により取得した前記色成分値の組み合わせ座標を座標空間に表示する肌色表示部と、を備える、肌色の表示装置である。
前記色成分値取得部により取得した前記色成分値の組み合わせ座標を座標空間に表示する肌色表示部と、を備える、肌色の表示装置である。
本発明によれば、被験者の肌の色を客観的に認識可能な新規の技術を提供することができる。特に、肌色の変化を客観的に把握することができ、肌色の変化の程度を視覚的に認識可能な新規の技術を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明の被験者の肌色を表現する方法(以下、単に肌色の表現方法ともいう)は、被験者の肌から検出された色成分値の組み合わせ座標を、各色成分値を座標軸とした座標空間に表示する方法である。また、本発明は、前記肌色の表現方法の実施に係る、肌色チャート、及び肌色の表示装置にも関する。
本発明の被験者の肌色を表現する方法(以下、単に肌色の表現方法ともいう)は、被験者の肌から検出された色成分値の組み合わせ座標を、各色成分値を座標軸とした座標空間に表示する方法である。また、本発明は、前記肌色の表現方法の実施に係る、肌色チャート、及び肌色の表示装置にも関する。
<1>肌色の表現方法
本発明の肌色の表現方法では、被験者の肌から色成分値を測定し、測定された色成分値の組み合わせ座標を決定する。本発明における色成分値とは、色を構成する種々のパラメータを示す。このような色成分値としては、CIE表色系、マンセル表色系、オストワルト表色系、NCS(ナチュラル・カラー・システム)、PCCS等の表色系を構成する成分が挙げられる。本発明においては、光源色を反映した値であるという観点から、特にCIE表色系にて色成分値を取得することが好ましい。
本発明の肌色の表現方法では、被験者の肌から色成分値を測定し、測定された色成分値の組み合わせ座標を決定する。本発明における色成分値とは、色を構成する種々のパラメータを示す。このような色成分値としては、CIE表色系、マンセル表色系、オストワルト表色系、NCS(ナチュラル・カラー・システム)、PCCS等の表色系を構成する成分が挙げられる。本発明においては、光源色を反映した値であるという観点から、特にCIE表色系にて色成分値を取得することが好ましい。
CIE表色系としては、RGB表色系、XYZ表色系、L*u*v*表色系、L*a*b*表色系が挙げられ、本発明においてはL*a*b*表色系にて色成分値を取得することが好ましい。
本発明の肌色の表現方法では、肌の任意の部位から色成分値を取得すればよいが、顔の一部、例えば頬、額等から色成分値を取得することが好ましい。また、色成分値は、素肌から取得しても良いし、メーキャップ等の化粧料を塗布した肌から取得してもよい。
色成分値は、被験者の肌に任意の光を照射し、その反射光を分光測色計又は三刺激値直読型色差計等の測色計によって測定することができる。好ましくは、工業規格に定める基準(JIS Z-8722 物体色の測定方法)に沿った測色計を用いる。
また、肌の測定領域は特に限定されるものではなく、任意の1つの領域から肌色を測定しても良いし、複数の領域から肌色を測定しても良い。例えば、測定径MAV(7~11mm)の分光測色計を用いて肌色を測定する場合、肌の任意の1点からのみ測色してもよいし、所定の測定範囲を設定し、当該測定範囲内の複数点から測色してもよい。
測色計等より肌色を測定する場合には、実際の見た目の印象に近い肌色を検出するために、複数の領域から肌色を測定することが好ましく、その測定領域は好ましくは1~13ヶ所であり、より好ましくは2~8ヶ所であり、さらに好ましくは4~5ヶ所である。
また、肌の異なる領域から肌色を複数箇所測定しても良く、例えば、額から1~3ヶ所、片頬から4~5ヶ所ずつの計9~13ヶ所測定しても良いし、一方の片頬から4~5ヶ所測定してもよい。
また、肌の異なる領域から肌色を複数箇所測定しても良く、例えば、額から1~3ヶ所、片頬から4~5ヶ所ずつの計9~13ヶ所測定しても良いし、一方の片頬から4~5ヶ所測定してもよい。
複数点から測色した場合、得られた複数の色成分値から色成分値の代表値を算出することにより、本発明に用いる色成分値を決定することができる。色成分値の代表値は、各色成分値の平均値、中央値、最頻出値等を用いることができ、特に色成分値の平均値を用いることが好ましい。
なお、任意の1つの領域のみから測色する場合は、測定された色成分値がそのまま色成分値の代表値となる。
なお、任意の1つの領域のみから測色する場合は、測定された色成分値がそのまま色成分値の代表値となる。
肌の測定範囲の面積は、特に限定されるものではないが、肌色を正確に検出するという観点から、総面積(複数の測定領域から測定される場合はその合計面積)を好ましくは0.05cm2以上、より好ましくは0.2cm2以上、さらに好ましくは0.5cm2以上とすることが好ましい。
また、色成分値の取得は、肌画像から色成分値を抽出することにより行うこともできる。画像は、デジタルカメラ、デジタル式マイクロスコープ、デジタルビデオあるいはスキャナー等の通常の撮像装置を用いて取得することができる。
色成分値の抽出は、既存の画像処理ソフトウェア等によって行うことが可能である。画像処理ソフトウェアは、Photoshop(登録商標)(Adobe社製)など公知の何れのソフトウェアを用いてもよい。
色成分値の抽出範囲は、任意の形状とすることができ、例えば、測定部位等に応じて、矩形状、正方形状、円状、楕円状、又はフリーハンドで描いた形状とすることができる。なお、当該抽出範囲は、1つの領域のみを設定してもよいし、離れた複数の領域を設定してもよい。
また、色成分値の抽出範囲の総面積は、特に限定されるものではないが、好ましくは0.05cm2以上、より好ましくは0.5cm2以上、より好ましくは1cm2以上、さらに好ましくは2cm2以上である。
このように色成分値の抽出範囲を決定することで、実際の見た目の印象に近い肌色を検出することができる。
このように色成分値の抽出範囲を決定することで、実際の見た目の印象に近い肌色を検出することができる。
画像から色成分値を取得する場合、抽出した色成分値の代表値を、座標空間に表示する組み合わせ座標とすることができる。すなわち、画像の色成分値の抽出範囲を任意の区画に分割し、各区画の色成分値を抽出し、抽出された複数の色成分値に基づいて算出された代表値を、本発明で用いる色成分値とすることができる。ここで、色成分値の代表値は、各色成分値の平均値、中央値、最頻出値等を用いることができ、特に色成分値の平均値を用いることが好ましい。
また、ほくろ、傷跡等の創傷など、肌色の検出の際に除くべき部分を避けて色成分値を取得することが好ましい。なお、画像から色成分値を取得する場合には、肌画像取得後に肌の任意領域を除去した上で、肌の色成分値を取得してもよい。
本発明の肌色の表現方法では、上述の色成分値を組み合わせて、被験者の肌色を座標空間に表示する。すなわち、各色成分値は、それぞれの座標軸の値を示し、肌色は色成分値の組み合わせ座標(以下、単に組み合わせ座標ともいう)として座標空間に表示される。
例えば、CIEL*a*b*表色系を用いて肌色を測定した場合、色成分値はL*値、a*値、b*値の3つであり、組み合わせ座標は、L*値、a*値、b*値のそれぞれの値から成る3次元座標空間の1点(例:組み合わせ座標=(L*:71.76、a*:12.69、b*:20.38))を表す。
例えば、CIEL*a*b*表色系を用いて肌色を測定した場合、色成分値はL*値、a*値、b*値の3つであり、組み合わせ座標は、L*値、a*値、b*値のそれぞれの値から成る3次元座標空間の1点(例:組み合わせ座標=(L*:71.76、a*:12.69、b*:20.38))を表す。
また、本発明の肌色の表現方法では、選択する色成分値を2以上とし、2次元以上の座標空間に組み合わせ座標を表示すればよいが、好ましくは3次元座標空間に組み合わせ座標を表示する。座標空間を3次元とすることで、3つの色成分値で構成されるCIE表色系を用いて、被験者の肌色を正確に表現することができる。
本発明の肌色の表現方法では、2種類以上の組み合わせ座標を同一座標内に表示する形態とすることができる。2種類以上の組み合わせ座標は、異なる肌領域の肌色を示すものであってもよく、同一の肌領域において異なる時点の肌色を示すものであっても良い。
例えば、同一の肌領域において異なる時点の肌色を示す場合、所定の肌領域からある時点(第1の時点)の肌色を測定し、その後(すなわち、第2の時点)に同一の肌領域から再び肌色を測定し、両者の組み合わせ座標を同一座標空間に表示することで、特定の肌領域の色の変化を表現することができる。
ここで、本発明の肌色の表現方法は、第1の時点及び第2の時点の組み合わせ座標を、1組のみ表示する形態に限られず、2組以上の第1の時点及び第2の時点の組み合わせ座標を表示するものであってもよい。すなわち、被験者の同一領域の肌色を2回以上経時的に測定し、当該組み合わせ座標をすべて同一座標空間に表示しても良い。
このように、同一の肌領域について経時的に肌色を測定し、抽出した複数の組み合わせ座標を並べて表示することで、肌色の経時的変化を視覚的に捉えることが可能となる。当該表示方法は、スキンケア製品、医薬品等を継続的に肌に塗布した場合に、肌色に変化が生じているかを表示する場合等に利用することができる。
上記実施形態の例として、化粧料使用前の肌色と、化粧料使用後の肌色を比較する表示が挙げられる。すなわち、化粧料を使用する前(第1の時点)の肌から肌色を測定し、化粧料使用後(第2の時点)に同一の肌領域について肌色を測定し、両者の組み合わせ座標を同一座標空間に表示することで、化粧料の使用による肌色の変化を表現することができる。
また、化粧料の使用前、使用1週間後、使用2週間後といった複数の時点の肌からそれぞれ肌色を測定し、各々の肌色を示す組み合わせ座標を同一座標空間に表示することで、化粧料の使用による肌色の経時的変化を表現することができる。
上述の化粧料としては、スキンケアに用いる化粧水、乳液、美容液等の基礎化粧料や、ファンデーション、下地等のメーキャップ化粧料の何れを用いても良いが、本発明は、基礎化粧料の使用前後の肌色の変化を表示するために用いることが好ましい。すなわち、素肌の肌色の変化を表示するために用いることが好ましい。
また、本発明の肌色の表示方法は、異なる肌領域の肌色について表示する際にも用いることができる。例えば、所定の肌領域(第1の肌領域)から肌色を測定し、第1の肌領域と異なる肌領域(第2の肌領域)から肌色を測定し、両者の組み合わせ座標を同一座標空間に表示することで、肌領域ごとの色を対比させて表示することができる。
本発明における組み合わせ座標は、座標空間の位置を占めるポイントで表示される。前記ポイントは、何れの図形又は記号であっても良いが、好ましくは円状又は楕円状の形状である。図1(a)~(c)は、本発明における円状のポイントの実施形態を示す。
前記ポイントは、その輪郭及び/又は内部が、被験者の肌色の代表色で着色されていることが好ましい。ここで、肌色の代表色は、座標空間への表示のために取得された色成分値の組み合わせ座標に基づく色をそのまま用いても良いし、被験者から取得した肌画像をから、別途肌色の代表色を取得しても良い。肌画像から肌色の代表色を別途取得する場合は、上述の肌画像から肌色の代表値を抽出する場合と同様に、肌画像の一定領域における色成分値の平均値、中央値、又は最頻出値等を算出して肌色の代表値を求め、該色成分値の代表値の組み合わせで表される色を、肌色の代表色とすることができる。
ポイントを被験者の肌色の代表色で着色することで、座標空間の表示のみで被験者の実際の肌色を確認することができる。
ポイントを被験者の肌色の代表色で着色することで、座標空間の表示のみで被験者の実際の肌色を確認することができる。
また、前記ポイントは、図1(a)に示すように平面的に見えるように単色で着色されていても良いし、図1(b)及び(c)に示すように陰影を付して立体的に着色されていても良い。前記ポイントを立体的な表示とすることで、座標空間におけるポイントの視認性が向上する。
本発明においては、前記ポイントは、被験者の肌色で着色された円に陰影が付された立体的な形状であることが好ましく、具体的には、球状となるよう陰影を付したもの(図1(b))や、球を押しつぶしたように陰影を付したもの(図1(c))であることが好ましい。
前記ポイントを、球を押しつぶしたように陰影を付した円状とすることで、ポイントの立体感を維持したまま陰影を付す部分が抑えられ、ポイント内部に表示される測定された肌色が、より明確に認識できるようになる。
前記ポイントを、球を押しつぶしたように陰影を付した円状とすることで、ポイントの立体感を維持したまま陰影を付す部分が抑えられ、ポイント内部に表示される測定された肌色が、より明確に認識できるようになる。
複数の組み合わせ座標を同一座標空間に表示する場合、組み合わせ座標を示すポイントの間又は周辺に、各ポイントの関係を示す図形、記号、及び/又は文字(以下、単に補助図形等ともいう)を付しても良い。
例えば、同一の肌領域に係る2以上のポイントを表示し、当該ポイントが肌の色の変化を示す場合には、各ポイントの間に変化の時系列を示す矢印等の記号を付すことができる。一方、異なる肌領域に係る2以上のポイントを表示し、当該ポイントどうしの対比を行う場合には、各ポイントにおける肌色検出部位(例えば、額、小鼻、頬、顎等)を示す文字又は記号等を、各ポイントの周辺に表示することができる。
例えば、同一の肌領域に係る2以上のポイントを表示し、当該ポイントが肌の色の変化を示す場合には、各ポイントの間に変化の時系列を示す矢印等の記号を付すことができる。一方、異なる肌領域に係る2以上のポイントを表示し、当該ポイントどうしの対比を行う場合には、各ポイントにおける肌色検出部位(例えば、額、小鼻、頬、顎等)を示す文字又は記号等を、各ポイントの周辺に表示することができる。
また、本発明の肌色の表示方法では、座標空間は、紙又はディスプレイ上の二次元平面に表示することが好ましい。
さらに、座標空間は、各色成分値と対応させた軸線を表示することで、座標空間の方向を表現する。座標空間内の前記ポイントの分布を明確にするため、必要に応じて座標空間内に一定の間隔で各軸線と平行な補助線を設けても良い。
軸の配置は、CIEL*a*b*表色系によって3次元座標空間に肌色を表現する場合、a*-b*座標が底面となるようにa*軸及びb*軸を配置し、a*-b*座標から垂直方向に延びるようにL*軸を配置することが好ましい。このように軸を配置することで、底面のa*-b*座標内のポイントの変化から肌色の彩度の変化を表現し、L*軸方向のポイントの変化から明るさの変化を表現することができる。
なお、a*-b*座標内のポイントの変化及びL*軸方向のポイントの変化についても、その変化量や変化方向を示す矢印、線などの補助図形等を付すことが好ましい。このような変化の表示を付することで、各色成分値の変化について、容易に視認することができる。
なお、a*-b*座標内のポイントの変化及びL*軸方向のポイントの変化についても、その変化量や変化方向を示す矢印、線などの補助図形等を付すことが好ましい。このような変化の表示を付することで、各色成分値の変化について、容易に視認することができる。
本発明の肌色の表現方法は、軸線、色成分値に基づいて表示されたポイント、及び補助図形等を含む座標空間の表示(以下、単に座標空間表示ともいう)によって肌色を表現すると共に、色成分値を取得した肌領域の肌画像を併せて表示する形態であっても良い。
肌画像と座標空間表示を同時に視認可能とすることで、肌画像を目視して得られる肌色と、座標空間表示から得られる客観的かつ一義的な肌色を比較することができる。さらには、肌画像を目視して得られる感覚的な色の情報に、座標空間表示から得られる色の情報を裏付けすることで、肌色表示の視認性を向上させることができる。
肌画像と座標空間表示を同時に視認可能とすることで、肌画像を目視して得られる肌色と、座標空間表示から得られる客観的かつ一義的な肌色を比較することができる。さらには、肌画像を目視して得られる感覚的な色の情報に、座標空間表示から得られる色の情報を裏付けすることで、肌色表示の視認性を向上させることができる。
また、被験者の複数の肌色を表示する場合、複数の組み合わせ座標を表示した単一の座標空間表示と、複数の肌画像を並べて表示することができる。このように、肌画像と座標空間表示を並べて表示することで、写真から認識される肌色の視覚的な変化と、座標空間表示から得られる客観的な肌色の変化を、対比して表示することができる。
同一の肌領域の肌色の変化を確認する際、肌画像を単に並べて表示するだけでは、肌色の変化を感覚的に捉えることができるのみである。そこで、肌画像を目視して得られる感覚的な肌色の変化と、座標空間表示による客観的且つ一義的な肌色の変化を共に表示し、肌画像に係る情報を座標空間表示に係る情報で裏付けすることで、肌色の変化の視認性をより向上させることができる。
<2>肌色チャート
本発明の肌色チャートは、座標空間を示す軸線、座標空間に存在し、被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を表示する複数のポイント、及び座標空間に存在する補助図形、記号及び/又は文字(すなわち、補助図形等)を含む。
本発明の肌色チャートは、座標空間を示す軸線、座標空間に存在し、被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を表示する複数のポイント、及び座標空間に存在する補助図形、記号及び/又は文字(すなわち、補助図形等)を含む。
なお、本発明の肌色チャートにおける表示形式の実施形態は、上述の<1>の記載を援用することができる。
被験者の肌色を示すポイントは、<1>に記載のように、分光測色計等によって取得された各色成分値に基づいて、座標空間に表示される。本発明においては、色成分値として、CIEL*a*b*表色系の3成分を用いることが好ましい。また、前記ポイントは、被験者の肌色の代表色で着色されていることが好ましい。
座標空間表示における軸線は、座標空間の方向を示す複数の線であり、各色成分値と対応するものである。CIEL*a*b*表色系によって3次元座標空間に肌色を表現する場合、a*-b*座標が底面となるようにa*軸及びb*軸を配置し、a*-b*座標から垂直方向に延びるようにL*軸を配置することが好ましい。
また、3次元座標空間に、前記ポイントの関係性を示す補助図形等を含んでもよい。ここで、補助図形等の表示位置は、軸線の内部に限られず、座標空間表示と一体と認められる範囲において、軸線の外部に位置していても良い。
また、本発明の肌色チャートは、座標空間表示と共に、被験者の色成分値を測定した肌領域の肌画像を表示することが好ましい。
本発明の肌色チャートは、二次元平面上に表示するものであればよく、例として、紙、プラスチック等の任意の素材に印刷する形態や、ディスプレイ等に表示する形態が挙げられる。
<3>肌色の表示装置
以下、肌色の表示装置について、図2を参照しながら説明を加える。なお、本発明の肌色の表示装置は、上記<1>の項目で説明した肌色の表現方法を実施するための装置である。したがって、上記<1>の項目の説明は、以下の装置に関しても妥当する。
以下、肌色の表示装置について、図2を参照しながら説明を加える。なお、本発明の肌色の表示装置は、上記<1>の項目で説明した肌色の表現方法を実施するための装置である。したがって、上記<1>の項目の説明は、以下の装置に関しても妥当する。
図2に示すように、本発明の肌色の表示装置1は、被験者の肌色を示す色成分値を測定する色成分値取得部12と、色成分値取得部により取得した前記色成分値の組み合わせ座標を座標空間に表示する肌色表示部13と、を備える。
色成分値取得部12は、被験者の肌から色成分値を検出する。色成分の検出は、分光測色計又は三刺激値直読型色差計等の測色計を用いることができる。また、色成分値取得部12は、予め取得した肌画像から色成分値を抽出するものであってもよい。
肌色表示部13は、色成分値取得部12で検出された組み合わせ座標を、座標空間に表示するディスプレイである。肌色表示部13は、複数の組み合わせ座標を表示するものであってもよい。
また、本発明の肌色の表示装置1は、肌画像を取得する画像取得部11をさらに備えても良い。画像取得部11は、デジタルカメラ、デジタル式マイクロスコープ、デジタルビデオあるいはスキャナー等の通常の撮像装置を用いることができる。画像取得部11は、撮像した肌画像を肌色表示部13に送信し、肌色表示部13において座標空間表示と肌画像が並べて表示されるように設定されていてもよい。
色成分値を肌画像から取得する場合、画像取得部11と色成分値取得部12が一体となった形態としてもよい。すなわち、本発明の肌色の表示装置1に、肌画像を取得し、当該肌画像から色成分値を取得する一連の工程をまとめて行う部位を設けても良い。
<肌色の変化を3次元空間に表示する方法>
分光測色計(CM-700d、測定径:MAV(8mm)、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、被験者の頬の複数の領域について色成分値を測定し、その平均値を求めた。算出した色成分値の平均値を、座標空間表示に用いる色成分値とした。色成分値として、CIEL*a*b*表色系の3成分を取得した。
分光測色計(CM-700d、測定径:MAV(8mm)、コニカミノルタ株式会社製)を用いて、被験者の頬の複数の領域について色成分値を測定し、その平均値を求めた。算出した色成分値の平均値を、座標空間表示に用いる色成分値とした。色成分値として、CIEL*a*b*表色系の3成分を取得した。
その後、被験者の肌に化粧料(美容液)を使用し、2カ月経過後、上記と同様の方法で再度同一領域から肌の色成分値を測定した。ここで、化粧料使用前後共に、肌状態を示す肌画像も併せて撮像した。
図3に、被験者の肌画像を表示する肌画像表示21と、被験者の肌色を3次元座標空間に表示する座標空間表示22を含む、肌色チャート2を示す。座標空間表示22は、3次元座標空間に、肌色の色成分値の組み合わせ座標を示すポイント221を表示する部位である。座標空間は、a*-b*座標を底面とし、a*-b*座標から垂直方向に延びる軸をL*軸となるように構成した。また、ポイント221として、化粧料使用前の肌色を示すポイント221aと、化粧料使用後の肌色を示すポイント221bを、同一空間内に表示した。
ポイント221は、陰影及びハイライトを付した球で表現し、球の内部は、上記肌画像から取得した肌色の代表色で着色した。なお、肌画像の15mm×15mmの領域からCIEL*a*b*表色系の3成分を取得し、各色成分の平均値で表される色を、肌色の代表色とした。これにより、ポイント221の表示位置と、球の色の両方で、化粧料使用による肌色の差異を表現することができる。
また、化粧料使用前のポイント221aと、化粧料使用後のポイント221bの間に、化粧料使用後のポイント221bへの変化の方向を示す矢印222aを表示した。矢印222aによって、化粧料使用前後の時系列の変化を、特段の説明を加えることなく表現することができる。
同様に、a*-b*平面における色成分値の差異を示す矢印222bを、a*-b*平面上に設けることができる。矢印222bにより、化粧料の使用による、明度(L*)を除いた色味(彩度)の変化を表現することができる。
そして、明度(L*)の差異を示すために、各ポイント221から、a*-b*平面上へ向かってL*軸に平行な点線222cを表示した。各点線222cの長さを比較することで、明度の差異を表現することができる。
このように、肌画像の比較からは視認しにくい色の変化であっても、座標空間表示22によって肌色を表現することで、肌色の変化の程度を容易に認識することができる。また、肌画像表示21を共に表示することで、肌色の変化の度合いと、実際の肌色の印象を比較することができる。
本発明は、化粧、医薬の分野における肌状態の診断や、化粧効果の評価、及びこれらに用いる装置等に応用することができる。
1 肌色の表示装置
11 画像取得部
12 色成分値取得部
13 肌色表示部
2 肌色チャート
21 肌画像表示
22 座標空間表示
221 ポイント
221a 化粧料使用前のポイント
221b 化粧料使用後のポイント
222a 矢印
222b 矢印
222c 点線
11 画像取得部
12 色成分値取得部
13 肌色表示部
2 肌色チャート
21 肌画像表示
22 座標空間表示
221 ポイント
221a 化粧料使用前のポイント
221b 化粧料使用後のポイント
222a 矢印
222b 矢印
222c 点線
Claims (13)
- 被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を、前記色成分値を軸とする座標空間にポイントで表示することにより、被験者の肌色を表現する方法。
- 前記色成分値は3つであり、前記座標空間は3次元である、請求項1の方法。
- 前記組み合わせ座標は、第1の時点における色成分値の組み合わせ座標と、前記第1の時点より後の第2の時点における色成分値の組み合わせ座標を含み、各組み合わせ座標を、同一の前記座標空間に第1のポイントと第2のポイントで表示する、請求項1又は2に記載の方法。
- さらに、前記第1のポイントと前記第2のポイントの間に、前記第1のポイントから前記第2のポイントへの方向を示す図形を表示する、請求項3に記載の方法。
- 前記色成分値は、被験者の肌の所定領域の肌色の代表値である、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
- 前記色成分値は、分光測色計又は三刺激値直読型色差計を用いて取得される、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
- 前記色成分値は、前記被験者の肌画像から取得される、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
- 前記色成分値はL*値、a*値、b*値である、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
- 前記ポイントを、前記被験者の肌色の代表色で示される色に着色する、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
- 前記ポイントは円状又は楕円状であり、前記肌色の代表色で示される色に基づいて、前記ポイントが立体的に見えるように、陰影を付すように着色される、請求項9に記載の方法。
- さらに、前記被験者の肌画像を、前記座標空間と並べて表示する、請求項1~10の何れか一項に記載の方法。
- 被験者の肌色を表現する肌色チャートであって、
座標空間を示す2以上の軸線と、
前記座標空間に存在し、前記被験者の肌色を示す色成分値の組み合わせ座標を表示する複数のポイントと、
前記座標空間に存在する補助図形、記号及び/又は文字と、を有し、
前記ポイントは、前記被験者の肌色を示す前記色成分値の組み合わせで着色されており、
前記補助図形、記号及び/又は、文字は前記複数のポイントの関係性を示す表示を含むものである、肌色チャート。 - 被験者の肌色を示す色成分値を取得する色成分値取得部と、
前記色成分値取得部により取得した前記色成分値の組み合わせ座標を座標空間に表示する肌色表示部と、
を備える、肌色の表示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020200606A JP2022088260A (ja) | 2020-12-02 | 2020-12-02 | 肌色の表現方法、肌色チャート、及び肌色の表示装置 |
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