JP2022086106A - 異形を有する偏光板の製造方法 - Google Patents

異形を有する偏光板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】異形を有し、かつ、クラックが抑制された偏光板の簡便安価な製造方法を提供すること。【解決手段】本発明の実施形態による異形を有する偏光板の製造方法は、レーザー照射により偏光板に異形を形成すること;および、異形が形成された偏光板を、レーザー照射により枚葉状に切断すること;を含む。1つの実施形態においては、当該製造方法は、異形が形成された偏光板を、直線状のレーザー照射により枚葉状に切断することを含む。1つの実施形態においては、当該異形は平面視した場合に凹部となる形状である。【選択図】図5

Description

本発明は、異形を有する偏光板の製造方法に関する。
近年、液晶表示装置およびエレクトロルミネセンス(EL)表示装置(例えば、有機EL表示装置、無機EL表示装置)に代表される画像表示装置が急速に普及している。画像表示装置の画像形成方式に起因して、画像表示装置の少なくとも一方には偏光板が配置されている。近年、偏光板を矩形以外に加工すること(異形加工:例えば、ノッチおよび/または貫通穴の形成)が望まれる場合がある。しかし、偏光板の異形加工部においては、クラックが発生しやすいという問題がある。
特開2018-159911号公報
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、異形を有し、かつ、クラックが抑制された偏光板の簡便安価な製造方法を提供することにある。
本発明の実施形態による異形を有する偏光板の製造方法は、レーザー照射により偏光板に異形を形成すること;および、該異形が形成された偏光板を、レーザー照射により枚葉状に切断すること;を含む。
1つの実施形態においては、上記製造方法は、上記異形が形成された偏光板を、直線状のレーザー照射により枚葉状に切断することを含む。
1つの実施形態においては、上記異形は平面視した場合に凹部となる形状である。1つの実施形態においては、上記異形はU字ノッチまたはV字ノッチである。
1つの実施形態においては、上記レーザー照射はオーバーランを含み、該オーバーランの量は0.5mm~50mmである。
1つの実施形態においては、上記異形の形成と上記枚葉状の切断とは、1秒以上の間隔をあけて行われる。
1つの実施形態においては、上記偏光板は位相差層をさらに有する。1つの実施形態においては、上記位相差層は環状オレフィン系樹脂を含み、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、そのNz係数は0.3~0.7であり、および、その面内位相差Re(550)は250nm~350nmである。
本発明の実施形態によれば、異形を有する偏光板の製造方法において、レーザー照射により偏光板に異形を形成した後に、当該異形が形成された偏光板をレーザー照射により枚葉状に切断することにより、異形を有するにもかかわらずクラックが抑制された偏光板を簡便安価に製造することができる。
本発明の実施形態による製造方法に用いられ得る偏光板の一例を説明する概略断面図である。 本発明の実施形態による製造方法に用いられ得る偏光板の別の例を説明する概略断面図である。 本発明の実施形態による製造方法により得られる偏光板における異形または異形加工部の一例を説明する概略平面図である。 本発明の実施形態による製造方法により得られる偏光板における異形または異形加工部の変形例を説明する概略平面図である。 図5(a)および図5(b)は、それぞれ、本発明の実施形態による製造方法における異形加工および枚葉状の切断の詳細を説明する概略平面図である。 本発明の実施形態により得られる効果のメカニズムを説明するための概念図である。
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。なお、見やすくするために図面は模式的に表されており、さらに、図面における長さ、幅、厚み等の比率、ならびに角度等は、実際とは異なっている。
(用語および記号の定義)
本明細書における用語および記号の定義は下記の通りである。
(1)屈折率(nx、ny、nz)
「nx」は面内の屈折率が最大になる方向(すなわち、遅相軸方向)の屈折率であり、「ny」は面内で遅相軸と直交する方向(すなわち、進相軸方向)の屈折率であり、「nz」は厚み方向の屈折率である。
(2)面内位相差(Re)
「Re(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した面内位相差である。例えば、「Re(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した面内位相差である。Re(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Re(λ)=(nx-ny)×dによって求められる。
(3)厚み方向の位相差(Rth)
「Rth(λ)」は、23℃における波長λnmの光で測定した厚み方向の位相差である。例えば、「Rth(550)」は、23℃における波長550nmの光で測定した厚み方向の位相差である。Rth(λ)は、層(フィルム)の厚みをd(nm)としたとき、式:Rth(λ)=(nx-nz)×dによって求められる。
(4)Nz係数
Nz係数は、Nz=Rth/Reによって求められる。
(5)角度
本明細書において角度に言及するときは、当該角度は基準方向に対して時計回りおよび反時計回りの両方を包含する。したがって、例えば「45°」は±45°を意味する。
(6)実質的に直交または実質的に平行
本明細書において「実質的に直交」および「略直交」という表現は、2つの方向のなす角度が90°±7°である場合を包含し、好ましくは90°±5°であり、さらに好ましくは90°±3°である。「実質的に平行」および「略平行」という表現は、2つの方向のなす角度が0°±7°である場合を包含し、好ましくは0°±5°であり、さらに好ましくは0°±3°である。さらに、本明細書において単に「直交」または「平行」というときは、実質的に直交または実質的に平行な状態を含み得るものとする。
本発明の実施形態による異形を有する偏光板の製造方法は、レーザー照射により偏光板に異形を形成すること;および、該異形が形成された偏光板を、レーザー照射により枚葉状に切断すること;を含む。便宜上、まず、本発明の実施形態による製造方法に用いられ得る偏光板および当該製造方法により得られる偏光板の具体的な構成を説明し、次いで、本発明の実施形態による異形を有する偏光板の製造方法について説明する。
A.偏光板
図1は、本発明の実施形態による製造方法に用いられ得る偏光板の一例を説明する概略断面図である。図示例の偏光板10は、偏光子11と、偏光子の一方の側(図示例では視認側)に設けられた第1の保護層12と、偏光子のもう一方の側(図示例では視認側と反対側)に設けられた第2の保護層13と、を有する。目的および偏光板の構成に応じて、第1の保護層12または第2の保護層13のいずれか一方は省略されてもよい。偏光板は、必要に応じて、図2に示すように位相差層をさらに有する位相差層付偏光板であってもよい。図示例の位相差層付偏光板100は、偏光板10の視認側と反対側に位相差層20をさらに有する。位相差層20は、任意の適切な接着層(例えば、接着剤層、粘着剤層:図示せず)を介して偏光板10(図示例では第2の保護層13)に貼り合わせられている。位相差層20の光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)、厚み、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。位相差層20は、代表的には、屈折率特性がnx>nz>nyの関係を示す。このような位相差層を有する位相差層付偏光板において、本発明の実施形態による効果が顕著になり得る。なお、本明細書においては、偏光板および位相差層付偏光板をまとめて偏光板と称する。
本発明の実施形態による製造方法により得られる偏光板は、異形を有する。本明細書において「異形を有する」とは、偏光板の平面視形状が矩形以外の形状を有することをいう。異形は、代表的には、異形加工された異形加工部である。したがって、「異形を有する偏光板」は、偏光板全体(すなわち、フィルムの平面視形状を規定する外縁)が矩形以外である場合のみならず、矩形の偏光板の外縁から内方に離間した部分に異形加工部が形成されている場合も包含する。異形(異形加工部)としては、例えば図3および図4に示すように、隅部の面取り、貫通穴、平面視した場合に凹部となる切削加工部が挙げられる。凹部の代表例としては、船形に近似した形状、バスタブに近似した形状、V字ノッチ、U字ノッチが挙げられる。言うまでもなく、異形(異形加工部)の形状は図示例に限定されない。例えば、貫通穴の形状は、図示例の略円形以外に目的に応じて任意の適切な形状(例えば、楕円形、三角形、四角形、五角形、六角形、八角形)が採用され得る。また、貫通穴は、目的に応じて任意の適切な位置に設けられる。貫通穴は、図4に示すように、矩形状の偏光板の長手方向端部の略中央部に設けられてもよく、長手方向端部の所定の位置に設けられてもよく、偏光板の隅部に設けられてもよく;図示していないが、矩形状の偏光板の短手方向端部に設けられてもよい。さらに、貫通穴は3つ以上形成されてもよい。加えて、図示例の形状を目的に応じて適切に組み合わせてもよい。例えば、図3の異形偏光板の任意の位置に貫通穴を形成してもよく;図3の異形偏光板の外縁の任意の適切な位置にV字ノッチおよび/またはU字ノッチを形成してもよい。このような異形偏光板は、自動車のメーターパネル、スマートフォン、タブレット型PCまたはスマートウォッチ等の画像表示装置に好適に用いられ得る。
偏光板は、その他の光学機能層をさらに含んでいてもよい。偏光板に設けられ得る光学機能層の種類、特性、数、組み合わせ、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。例えば、偏光板は、導電層または導電層付等方性基材をさらに有していてもよい(いずれも図示せず)。導電層または導電層付等方性基材は、代表的には、視認側と反対側に設けられる。導電層または導電層付等方性基材が設けられる場合、偏光板は、画像表示パネルと偏光板との間にタッチセンサが組み込まれた、いわゆるインナータッチパネル型入力表示装置に適用され得る。また例えば、偏光板は、別の位相差層をさらに含んでいてもよい。別の位相差層の光学的特性(例えば、屈折率特性、面内位相差、Nz係数、光弾性係数)、厚み、配置位置等は、目的に応じて適切に設定され得る。
偏光板は、実用的には、視認側と反対側の最外層として粘着剤層(図示せず)が設けられ、偏光板は画像表示パネルに貼り付け可能とされている。さらに、粘着剤層の表面にはセパレーター(図示せず)が剥離可能に仮着されている。セパレーターを仮着することにより、粘着剤層を保護するとともに、偏光板のロール形成が可能となる。さらに、偏光板は、実用的には、視認側に表面保護フィルムが仮着され、搬送、運搬および/または画像表示パネルへの貼り合わせにおけるキズ等の発生が防止されている。表面保護フィルムは、代表的には基材フィルムと粘着剤層とを有し、粘着剤層を介して偏光板の視認側表面に仮着されている。
以下、偏光板の構成要素である偏光子、保護層および位相差層について説明する。
A-1.偏光子
偏光子は、代表的には、二色性物質(代表的には、ヨウ素)を含む樹脂フィルムで構成される。樹脂フィルムとしては、偏光子として用いられ得る任意の適切な樹脂フィルムを採用することができる。樹脂フィルムは、代表的には、ポリビニルアルコール系樹脂(以下、「PVA系樹脂」と称する)フィルムである。樹脂フィルムは、単層の樹脂フィルムであってもよく、二層以上の積層体であってもよい。
単層の樹脂フィルムから構成される偏光子の具体例としては、PVA系樹脂フィルムにヨウ素による染色処理および延伸処理(代表的には、一軸延伸)が施されたものが挙げられる。上記ヨウ素による染色は、例えば、PVA系フィルムをヨウ素水溶液に浸漬することにより行われる。上記一軸延伸の延伸倍率は、好ましくは3~7倍である。延伸は、染色処理後に行ってもよいし、染色しながら行ってもよい。また、延伸してから染色してもよい。必要に応じて、PVA系樹脂フィルムに、膨潤処理、架橋処理、洗浄処理、乾燥処理等が施される。例えば、染色の前にPVA系樹脂フィルムを水に浸漬して水洗することで、PVA系フィルム表面の汚れやブロッキング防止剤を洗浄することができるだけでなく、PVA系樹脂フィルムを膨潤させて染色ムラなどを防止することができる。
積層体を用いて得られる偏光子の具体例としては、樹脂基材と当該樹脂基材に積層されたPVA系樹脂層(PVA系樹脂フィルム)との積層体、あるいは、樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子が挙げられる。樹脂基材と当該樹脂基材に塗布形成されたPVA系樹脂層との積層体を用いて得られる偏光子は、例えば、PVA系樹脂溶液を樹脂基材に塗布し、乾燥させて樹脂基材上にPVA系樹脂層を形成して、樹脂基材とPVA系樹脂層との積層体を得ること;当該積層体を延伸および染色してPVA系樹脂層を偏光子とすること;により作製され得る。本実施形態においては、好ましくは、樹脂基材の片側に、ハロゲン化物とポリビニルアルコール系樹脂とを含むポリビニルアルコール系樹脂層を形成する。延伸は、代表的には積層体をホウ酸水溶液中に浸漬させて延伸することを含む。さらに、延伸は、必要に応じて、ホウ酸水溶液中での延伸の前に積層体を高温(例えば、95℃以上)で空中延伸することをさらに含み得る。加えて、本実施形態においては、好ましくは、積層体は、長手方向に搬送しながら加熱することにより幅方向に2%以上収縮させる乾燥収縮処理に供される。代表的には、本実施形態の製造方法は、積層体に、空中補助延伸処理と染色処理と水中延伸処理と乾燥収縮処理とをこの順に施すことを含む。補助延伸を導入することにより、熱可塑性樹脂上にPVAを塗布する場合でも、PVAの結晶性を高めることが可能となり、高い光学特性を達成することが可能となる。また、同時にPVAの配向性を事前に高めることで、後の染色工程や延伸工程で水に浸漬された時に、PVAの配向性の低下や溶解などの問題を防止することができ、高い光学特性を達成することが可能になる。さらに、PVA系樹脂層を液体に浸漬した場合において、PVA系樹脂層がハロゲン化物を含まない場合に比べて、ポリビニルアルコール分子の配向の乱れ、および配向性の低下が抑制され得る。これにより、染色処理および水中延伸処理など、積層体を液体に浸漬して行う処理工程を経て得られる偏光子の光学特性を向上し得る。さらに、乾燥収縮処理により積層体を幅方向に収縮させることにより、光学特性を向上させることができる。得られた樹脂基材/偏光子の積層体はそのまま用いてもよく(すなわち、樹脂基材を偏光子の保護層としてもよく)、樹脂基材/偏光子の積層体から樹脂基材を剥離し、当該剥離面に目的に応じた任意の適切な保護層を積層して用いてもよい。このような偏光子の製造方法の詳細は、例えば特開2012-73580号公報、特許第6470455号に記載されている。これらの公報は、その全体の記載が本明細書に参考として援用される。
偏光子の厚みは、例えば1μm~30μmであり、また例えば3μm~20μmであり得る。
偏光子は、好ましくは、波長380nm~780nmのいずれかの波長で吸収二色性を示す。偏光子の単体透過率は、好ましくは41.5%~46.0%であり、より好ましくは43.0%~46.0%であり、さらに好ましくは44.5%~46.0%である。偏光子の偏光度は、好ましくは97.0%以上であり、より好ましくは99.0%以上であり、さらに好ましくは99.9%以上である。
A-2.保護層
第1の保護層12および第2の保護層13は、それぞれ、偏光子の保護層として使用できる任意の適切なフィルムで形成される。当該フィルムの主成分となる材料の具体例としては、トリアセチルセルロース(TAC)等のセルロース系樹脂や、ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリエーテルスルホン系、ポリスルホン系、ポリスチレン系、ポリノルボルネン系、ポリオレフィン系、(メタ)アクリル系、アセテート系等の透明樹脂等が挙げられる。また、(メタ)アクリル系、ウレタン系、(メタ)アクリルウレタン系、エポキシ系、シリコーン系等の熱硬化型樹脂または紫外線硬化型樹脂等も挙げられる。この他にも、例えば、シロキサン系ポリマー等のガラス質系ポリマーも挙げられる。また、特開2001-343529号公報(WO01/37007)に記載のポリマーフィルムも使用できる。このフィルムの材料としては、例えば、側鎖に置換または非置換のイミド基を有する熱可塑性樹脂と、側鎖に置換または非置換のフェニル基ならびにニトリル基を有する熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物が使用でき、例えば、イソブテンとN-メチルマレイミドからなる交互共重合体と、アクリロニトリル・スチレン共重合体とを有する樹脂組成物が挙げられる。当該ポリマーフィルムは、例えば、上記樹脂組成物の押出成形物であり得る。好ましくは、(メタ)アクリル系樹脂が用いられ得る。
(メタ)アクリル系樹脂は、Tg(ガラス転移温度)が、好ましくは115℃以上、より好ましくは120℃以上、さらに好ましくは125℃以上、特に好ましくは130℃以上である。耐久性に優れ得るからである。上記(メタ)アクリル系樹脂のTgの上限値は特に限定されないが、成形性等の観点から、好ましくは170℃以下である。
(メタ)アクリル系樹脂として、高い耐熱性、高い透明性、高い機械的強度を有する点で、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が特に好ましい。ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂としては、特開2000-230016号公報、特開2001-151814号公報、特開2002-120326号公報、特開2002-254544号公報、特開2005-146084号公報などに記載の、ラクトン環構造を有する(メタ)アクリル系樹脂が挙げられる。
偏光板は、代表的には画像表示装置の視認側に配置され、第1の保護層12は、その視認側に配置される。したがって、第1の保護層12には、必要に応じて、ハードコート処理、反射防止処理、スティッキング防止処理、アンチグレア処理等の表面処理が施されていてもよい。
第1の保護層の厚みは、好ましくは30μm以上であり、より好ましくは30μm~100μmであり、さらに好ましくは30μm~60μmである。なお、第1の保護層に表面処理が施されて表面処理層が形成される場合、第1の保護層の厚みは、表面処理層を含めた厚みである。
第2の保護層13は、光学的に等方性であることが好ましい。本明細書において「光学的に等方性である」とは、面内位相差Re(550)が0nm~10nmであり、厚み方向の位相差Rth(550)が-10nm~+10nmであることをいう。第2の保護層の厚みは、好ましくは5μm~80μmであり、より好ましくは10μm~60μmであり、さらに好ましくは15μm~45μmである。
A-3.位相差層
位相差層は、代表的には上記のとおり、屈折率特性がnx>nz>nyの関係を示す(以下、このような位相差層または位相差フィルムをZフィルムと称する場合がある)。位相差層がこのような屈折率特性を有することにより、位相差層付偏光板を適用する画像表示装置の斜め方向の色相を良好に改善することができる。さらに、このような斜め方向の色相改善は、位相差層と斜め方向の光学補償を行う層とを別個に設けることなく行うことができるので、位相差層付偏光板(結果として、画像表示装置)の薄型化に貢献し得る。加えて、このような位相差層(位相差フィルム)はクラックが発生しやすいところ、本発明の実施形態によれば、このような位相差層が異形加工される場合であっても当該異形加工部のクラックを顕著に抑制することができる。
位相差層のNz係数は、好ましくは0.3~0.7であり、より好ましくは0.4~0.6であり、さらに好ましくは0.45~0.55である。Nz係数がこのような範囲であれば、斜め方向の色相をさらに良好に改善することができる。
位相差層の面内位相差Re(550)は、好ましくは250nm~350nmであり、より好ましくは260nm~330nmであり、さらに好ましくは270nm~290nmである。位相差層の面内位相差Re(550)がこのような範囲であれば、ポアンカレ球上での移動距離が短いので優れた色相および輝度特性が実現され、かつ、画像表示パネルのカラーシフトおよびTFTの位相差成分によるずれも小さくなる。
位相差層は、位相差値が測定光の波長に応じて大きくなる逆分散波長特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長に応じて小さくなる正の波長分散特性を示してもよく、位相差値が測定光の波長によってもほとんど変化しないフラットな波長分散特性を示してもよい。位相差層は、代表的には、フラットな波長分散特性を示す。
位相差層は、その光弾性係数の絶対値が好ましくは15×10-12/N以下であり、より好ましくは10×10-12/N以下である。光弾性係数の絶対値の下限は、例えば1.0×10-12/Nであり得る。位相差層の光弾性係数の絶対値がこのような範囲であれば、画像表示装置の表示ムラを良好に抑制することができる。
位相差層は、代表的には、上記特性を実現し得る任意の適切な樹脂で形成された位相差フィルムである。この位相差フィルムを形成する樹脂としては、例えば、環状オレフィン系樹脂、ポリアリレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリアリールエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリエステルイミド、ポリビニルアルコール、ポリフマル酸エステル、ポリエーテルサルフォン、ポリサルフォン、ポリカーボネート樹脂、セルロース樹脂およびポリウレタンが挙げられる。これらの樹脂は、単独で用いてもよく組み合わせて用いてもよい。好ましくは、環状オレフィン系樹脂である。環状オレフィン系樹脂の代表例としては、ノルボルネン系樹脂が挙げられる。
上記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系モノマーを重合単位として重合される樹脂である。当該ノルボルネン系モノマーとしては、例えば、ノルボルネン、およびそのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、例えば、5-メチル-2-ノルボルネン、5-ジメチル-2-ノルボルネン、5-エチル-2-ノルボルネン、5-ブチル-2-ノルボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン等、これらのハロゲン等の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3-ジヒドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナフタレン、そのアルキルおよび/またはアルキリデン置換体、およびハロゲン等の極性基置換体、例えば、6-メチル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-エチル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-エチリデン-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-クロロ-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-シアノ-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-ピリジル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン、6-メトキシカルボニル-1,4:5,8-ジメタノ-1,4,4a,5,6,7,8,8a-オクタヒドロナフタレン等;シクロペンタジエンの3~4量体、例えば、4,9:5,8-ジメタノ-3a,4,4a,5,8,8a,9,9a-オクタヒドロ-1H-ベンゾインデン、4,11:5,10:6,9-トリメタノ-3a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10a,11,11a-ドデカヒドロ-1H-シクロペンタアントラセン等が挙げられる。上記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン系モノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
位相差層(位相差フィルム)は、上記樹脂から形成されたフィルムの延伸フィルムである。延伸フィルムの作製方法としては、任意の適切な方法を採用し得る。代表的には、樹脂フィルムの片面または両面に収縮性フィルムを貼り合わせて、加熱延伸する方法が挙げられる。当該収縮性フィルムは、加熱延伸時に延伸方向と直交する方向に収縮力を付与するために用いられる。そのような収縮力を付与することによりnzを大きくすることができ、結果として、Zフィルムを作製することができる。収縮性フィルムに用いられる材料としては、例えば、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等が挙げられる。収縮均一性、耐熱性が優れる点から、ポリプロピレンフィルムが好ましく用いられる。
上記延伸方法としては、上記樹脂フィルムの延伸方向への張力と、当該延伸方向とフィルム面内で直交する方向への収縮力とを付与し得る限り、任意の適切な延伸方法を採用し得る。延伸温度は、好ましくは、上記樹脂フィルムのガラス転移温度(Tg)以上である。得られる延伸フィルムの位相差値が均一になり易く、また、フィルムが結晶化(白濁)しにくいからである。延伸温度は、より好ましくは上記高分子フィルムのTg+1℃~Tg+30℃、さらに好ましくはTg+2℃~Tg+20℃、特に好ましくはTg+3℃~Tg+15℃、最も好ましくはTg+5℃~Tg+10℃である。延伸温度をこのような範囲とすることにより、均一な加熱延伸を行い得る。さらに、延伸温度は、フィルム幅方向で一定であることが好ましい。位相差値のバラツキが小さい良好な光学均一性を有する延伸フィルムを作製し得るからである。
上記延伸時の延伸倍率は、任意の適切な値に設定され得る。好ましくは1.05~2.00倍、さらに好ましくは1.10~1.50倍、特に好ましくは1.20~1.40倍である。延伸倍率をこのような範囲とすることにより、フィルム幅の収縮が少なく、機械的強度に優れた延伸フィルムが得られ得る。
位相差層の厚みは、好ましくは80μm~200μmであり、より好ましくは90μm~150μmであり、さらに好ましくは110μm~150μmである。このような厚みであれば、所望の面内位相差値が得られ得る。
B.異形を有する偏光板の製造方法
本発明の実施形態による異形を有する偏光板の製造方法は、上記のとおり、レーザー照射により偏光板に異形を形成すること;および、該異形が形成された偏光板を、レーザー照射により枚葉状に切断すること;を含む。以下、各工程を説明する。
B-1.異形の形成
まず、レーザー照射により偏光板に異形を形成する。偏光板は、原反ロールであってもよく、所定サイズに裁断された中間体であってもよい。当該中間体は、最終の偏光板を1枚のみ切断できるサイズであってもよく、所定の複数枚(例えば、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚)を切断できるサイズであってもよい。本発明の実施形態においては、代表的には、最終の偏光板を2枚または3枚切断できるサイズの中間体が用いられ得る。以下、一例として、異形として隅部の面取り形状、平面視した場合のバスタブ形状の凹部およびU字ノッチが形成された偏光板の製造方法を具体的に説明する。
図5(a)は、本発明の実施形態による製造方法における異形加工を説明する概略平面図である。図5(a)に示すように、偏光板に異形を形成する。異形の形成は、上記のとおりレーザー照射により行われる。レーザー照射により異形を形成することにより、異形を形成した後に枚葉状に打ち抜くことが可能となる。その結果、異形加工部のクラックを抑制することができる。レーザー照射は、異形を形成し得る限りにおいて任意の適切な条件で行われ得る。以下、レーザー照射の詳細について説明する。
レーザー光源としては、代表的には、発振するレーザー光の波長が赤外域の9μm~11μmであるCOレーザー光源を含む赤外線レーザーが採用され得る。このようなレーザー光源は、高い生産性を実現することができる。赤外線レーザーは、数10W級のパワーを容易に得ることができ、さらに、偏光板を赤外線吸収に伴う分子振動によって効率的に発熱させることで、物質の相転移に伴うエッチングを起こすことが可能である。
レーザー光源として、発振するレーザー光の波長が約5μmであるCOレーザー光源を用いてもよい。さらに、レーザー光源として、近赤外線(NIR)、可視光(Vis)および紫外線(UV)パルスレーザー光源を用いてもよい。NIR、VisおよびUVパルスレーザー光源としては、発振するレーザー光の波長が1064nm、532nm、355nm、349nmまたは266nm(Nd:YAG、Nd:YLF、またはYVOを媒質とする固体レーザー光源の高次高調波)であるもの、発振するレーザー光の波長が351nm、248nm、222nm、193nmまたは157nmであるエキシマレーザー光源、発振するレーザー光の波長が157nmであるF2レーザー光源を例示できる。
レーザー光源の発振形態としては、偏光板の熱ダメージを抑制する観点から、連続波(CW)よりもパルス発振が好ましい。パルス幅は10フェムト秒(10-14秒)~1ミリ秒(10-3秒)の範囲で適宜設定され得る。パルスの繰り返し周波数は、好ましくは1kHz~1,000kHzであり、より好ましくは10kHz~500kHzである。2種類以上のパルス幅を設定して加工することも可能である。
レーザー光の偏光状態に関する制限はない。具体的には、直線偏光、円偏光、ランダム偏光のいずれであっても適用可能である。レーザー光の空間強度分布にも制限はない。レーザー光は、好ましくはガウシアンビームである。良好な集光性を示し、小スポット化が可能であり、生産性向上が期待できるからである。レーザー光は、目的に応じて、回折光学素子や非球面レンズ等を用いてフラットトップビームに整形されていてもよい。
レーザー光の照射回数は、目的に応じて適切に設定され得る。所望の形状に切断加工できるのであればレーザー光を目的の形状に沿って1回のみ照射してもよく、複数回照射することにより所望の切断深さを達成してもよい。レーザー光を複数回照射する場合には、各回の条件は同一であってもよく異なっていてもよい。
レーザー光の走査様式は、目的に応じて適切に設定され得る。具体例としては、XY精密ステージなどのステージ駆動系、ガルバノスキャナやポリゴンスキャナなどの光スキャン系、あるいはそれらの組み合わせ(多軸同期制御)が挙げられる。これらを適切に選択および/または組み合わせることにより、ワーク(偏光板)とレーザー光の相対位置を所定の速度で変更することができる。さらに、メカシャッターやAOM(音響光学素子)などを利用してレーザー照射をオン・オフ制御することにより、所望の形状に加工することが可能となる。レーザー光の走査速度は、目的(例えば、所望の切断深さ)に応じて適切に設定され得る。
レーザー光の集光スポット径(結果として、切断幅)は、目的に応じて適切に設定され得る。集光スポット径は、例えばFθレンズなどの対物レンズによってレーザー光を集光することにより、所望の径または範囲に調整され得る。このような構成であれば、加工効率を向上させることができ、かつ、熱ダメージを抑制することができる。集光スポット径は、好ましくは500μm以下であり、より好ましくは300μm以下であり、さらに好ましくは200μm以下であり、特に好ましくは100μm以下である。集光スポット径は、例えば、ピーク強度値と比べて1/eの強度まで減衰した位置におけるレーザー光の径として定義され得る。なお、ガルバノスキャナを用いる場合は、ワーク(偏光板)に対して垂直にレーザー光を落射する目的で、テレセントリックFθレンズを用いることが好ましい。また、所望の集光スポット径(結果として、切断幅)を得るために、レーザー発振器出射端から対物レンズの光路までの間に、ビーム径を調整するビームエキスパンドユニットが用いられてもよい。
レーザー出力は、加工対象となる偏光板の厚みや性状に応じて適切に設定され得る。例えばレーザー光源としてCOレーザーを用いる場合、出力は、好ましくは5W~300Wであり、より好ましくは20W~200Wである。
レーザー照射には、2種類以上のレーザーを用いてもよい。この場合、2種類以上のレーザーを同時に照射してもよく、逐次的に照射してもよい。
異形の形成順序は特に限定されない。例えば、隅部の面取りを行った後、バスタブ形状の凹部およびU字ノッチをこの順に形成してもよく;また例えば、隅部の面取りを行った後、U字ノッチおよびバスタブ形状の凹部をこの順に形成してもよく;また例えば、バスタブ形状の凹部およびU字ノッチをこの順に形成した後、隅部の面取りを行ってもよく;また例えば、U字ノッチおよびバスタブ形状の凹部をこの順に形成した後、隅部の面取りを行ってもよく;また例えば、偏光板の外周に沿って異形を形成してもよい(例えば、右上隅の面取り、バスタブ形状の凹部の形成、左上隅の面取り、左下隅の面取り、U字ノッチの形成、および右下隅の面取りをこの順に行ってもよい)。 偏光板の外周に沿って異形を形成する場合、その開始位置は任意の適切な位置に設定され得る。具体的には、開始位置は右上隅、右下隅、左上隅または左下隅のいずれであってもよく、バスタブ形状の凹部の形成位置であってもよく、U字ノッチの形成位置であってもよく、長辺または短辺の直線部分の任意の位置であってもよい。偏光板の外周に沿って異形を形成する場合、時計回りに異形を形成してもよく、図示例のように反時計回りに異形を形成してもよい。
1つの実施形態においては、レーザー照射は、形成されるべき異形の手前から行われ、および/または、当該異形に続く所定の位置(当該異形の奥)まで行われる。本明細書においては、このような異形の手前からのレーザー照射および/または異形の奥までのレーザー照射を「レーザー照射のオーバーラン」と称する。オーバーランの量は、手前側および奥側のそれぞれについて、好ましくは0.5mm~50mmであり、より好ましくは0.5mm~5mmであり、さらに好ましくは1mm~3mmである。このような範囲でオーバーランを行うことにより、異形加工部のクラックを良好に抑制することができる。好ましくは、オーバーランは、少なくとも奥側に設定され得る。
B-2.枚葉状の切断
上記B-1項のようにして異形が形成された偏光板は、枚葉状に切断される。このような枚葉状の切断もまた、異形の形成と同様にレーザー照射により行われる。レーザー照射により枚葉状の切断を行うことにより、複雑な形状の(特に、異形が小さい)偏光板であっても良好に切断することができる。レーザー照射は、偏光板を枚葉状に切断することができる限りにおいて任意の適切な条件で行われ得る。枚葉状の切断におけるレーザー照射の詳細は、上記の異形の形成に関して説明したとおりである。枚葉状の切断におけるレーザー照射は、上記の異形の形成と同様の条件で行われてもよく、異なる条件で行われてもよい。
切断は、代表的には図5(b)に示すように直線状のレーザー照射により行われ得る。異形加工した後に直線状にレーザー照射して切断することにより、異形加工部に残留する応力を低減することができる。その結果、異形加工部のクラックを抑制することができる。図6を参照して、このような効果が得られ得る推定メカニズムを説明する。図6の下側に示すように、枚葉状に切断した後に異形加工すると、異形加工部において応力の大部分が残留する加工端部は最終の偏光板に含まれたままとなる。その結果、加工端部の残留応力に起因して、異形加工部にクラックが発生すると推定される。これは、偏光板の外周に沿って連続的に(すなわち、いわゆる一筆書きの要領で)直線加工と異形加工とを行う場合も同様である。この場合も、異形加工部において応力の大部分が残留する加工端部は最終の偏光板に含まれたままとなる。一方、図6の上側に示すように、本発明の実施形態によれば、偏光板を異形加工した後に切断により枚葉状に切断することにより、異形加工部において応力の大部分が残留する加工端部を切り落とすことができる。その結果、最終の偏光板の異形加工部においては残留応力が小さいので、当該残留応力に起因するクラックの発生および進展が抑制されると推定される。
切断においても、直線加工部の手前および/または奥にオーバーランが設定され得る。オーバーランを設定することにより、切断開始点および切断終了点が最終の偏光板に含まれることがない。その結果、開始点および/または終了点における過剰照射に起因する形状異常を回避することができる。オーバーランの量は、手前側および奥側のそれぞれについて、好ましくは0.5mm~50mmであり、より好ましくは0.5mm~2.5mmである。図5(b)に示す例においては、4辺の直線加工すべてについて、直線加工部の手前および奥にオーバーランが設定され、かつ、オーバーランの交点が設定されている。オーバーランの設定は図5(b)の形式に限られない。例えば、隅部を面取りする前の矩形形状に沿って連続的にレーザー照射(切断)することによりオーバーランを設定してもよく(すなわち、オーバーランの交点がなくてもよく);また例えば、4つの隅部のうちの1つ、2つまたは3つについて面取りする前の矩形形状に沿って連続的にレーザー照射(切断)することによりオーバーランを設定し、残りの隅部については図5(b)に示すような形式でオーバーランを設定してもよい。
切断は、代表的には、異形の形成から所定時間以上の間隔をあけて行われる。このような間隔を設けることにより、異形加工による残留応力が緩和され得る。したがって、最終の偏光板の異形加工部における残留応力をさらに小さくすることができ、結果として、異形加工部のクラックをさらに抑制することができる。当該間隔は、好ましくは1秒以上であり、より好ましくは3秒以上であり、さらに好ましくは5秒以上である。当該間隔を過度に長くしても効果は変わらないので、当該間隔の上限は、偏光板の製造効率とのバランスを考慮して決定され得る。当該間隔の上限は、例えば60秒であり得る。
なお、上記は一例として、異形が平面視した場合に凹部となる場合を説明したが、本発明の実施形態は、例えば貫通穴の形成にも同様に適用され、同様の効果が得られ得る。すなわち、貫通穴を形成する場合も、貫通穴を形成した後に直線加工による切断を行うことにより、貫通穴近傍の残留応力を低減することができ、その結果、貫通穴近傍のクラックを抑制することができる。
以上のようにして、異形を有する偏光板が作製され得る。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。各特性の測定方法は以下の通りである。なお、特に明記しない限り、実施例および比較例における「部」および「%」は重量基準である。
(1)厚み
10μm以下の厚みは、干渉膜厚計(大塚電子社製、製品名「MCPD-3000」)を用いて測定した。10μmを超える厚みは、デジタルマイクロメーター(アンリツ社製、製品名「KC-351C」)を用いて測定した。
(2)位相差変化
実施例および比較例で用いた偏光板について、フォトロン株式会社製の位相差測定装置(製品名「WPA-KAMAKIRI」)を用いて面内位相差を測定した。面内位相差の測定波長は540nmであり、測定温度は23℃であった。これを初期位相差Reとした。次いで、この偏光板を95℃の環境下に12時間放置して加熱し、加熱後の面内位相差を上記と同様にして測定した。これを位相差Re12とした。以下の式から加熱前後の面内位相差変化量を求めた。
面内位相差変化量ΔRe=Re12-Re
(3)クラック
実施例および比較例で得られた偏光板を95℃の環境下に放置し、異形加工部近傍においてクラックが発生するまでの時間を調べた。
[実施例1]
1.偏光子の作製
厚さ45μmのポリビニルアルコールフィルムを、速度比の異なるロール間において、30℃、0.3%濃度のヨウ素溶液中で1分間染色しながら、3倍まで延伸した。その後、60℃、4%濃度のホウ酸、10%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に0.5分間浸漬しながら総延伸倍率が6倍まで延伸した。次いで、30℃、1.5%濃度のヨウ化カリウムを含む水溶液中に10秒間浸漬することで洗浄した後、50℃で4分間乾燥を行い、厚さ18μmの偏光子を得た。
2.偏光板の作製
上記で得られた偏光子の一方の面にHC-TACフィルム(厚み49μm)をポリビニルアルコール系接着剤により貼り合せた。なお、HC-TACフィルムは、トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚み40μm)にハードコート(HC)層(厚み9μm)が形成されたフィルムであり、TACフィルムが偏光子側となるようにして貼り合わせた。さらに、偏光子のもう一方の面にアクリル系樹脂フィルム(厚み30μm)を上記と同様にして貼り合わせた。このようにして、保護層(HC-TACフィルム)/偏光子/保護層(アクリル系樹脂フィルム)の構成を有する偏光板を得た。
3.位相差層付偏光板の作製
厚み130μmのノルボルネン系樹脂フィルムの両側に、厚み60μmの収縮性フィルム[東レ社製 商品名「トレファンBO2873」]を、アクリル系粘着剤層(厚み15μm)を介して貼り合わせた。その後、ロール延伸機でフィルム長手方向を保持して、146℃の空気循環式オーブン内で1.38倍に延伸し、延伸後、収縮性フィルムをアクリル系粘着剤層と共に剥離して、位相差フィルムを作製した。得られた位相差フィルムは、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、Re(550)=280nm、Nz係数=0.52、光弾性係数は4.0×10-12/N、厚みは138μmであった。
この位相差フィルムを、アクリル系粘着剤(厚み20μm)を介して、上記で得られた偏光板のアクリル系樹脂フィルム側に貼り合わた。ここで、偏光板と位相差層とは、偏光子の吸収軸と位相差層の遅相軸とが実質的に直交するようにして貼り合わせた。最後に、HC層表面に表面保護フィルムを仮着し、ならびに、位相差層の表面に粘着剤層を設け、当該粘着剤層にセパレーターを仮着して、表面保護フィルム/保護層(HC-TACフィルム)/偏光子/保護層(アクリル系樹脂フィルム)/位相差層/粘着剤層/セパレーターの構成を有する位相差層付偏光板(以下、単に偏光板と称する)を得た。
4.異形加工および枚葉状の切断
上記3.で得られた偏光板に、レーザー照射により図5(a)に示すような異形を形成した。具体的には、バスタブ形状の凹部およびU字ノッチをこの順に形成した後、4つの隅部の面取りを行った。レーザー照射の条件は、出力33W、走査速度400mm/分、オーバーランの量(異形の手前および奥の両側)1mmであった。次いで、図5(b)に示すように直線状にレーザー照射を行うことにより、偏光板を200mm×67mmサイズに切断した。レーザー照射は、上記異形の形成と同様の条件で行った。ここで、偏光子の吸収軸が長辺方向となるように切断した。また、切断は、異形の形成から5秒の間隔をあけて行った(すなわち、異形加工終了から5秒後に切断を開始した)。このようにして、異形を有する偏光板を得た。得られた偏光板を上記(2)および(3)の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例1]
異形の形成と切断の順序を逆にしたこと、すなわち、偏光板を実施例1と同じサイズに切断した後に異形を形成したこと以外は実施例1と同様にして、異形を有する偏光板を作製した。異形の形成は、切断から5秒の間隔をあけて行った。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
[比較例2]
偏光板の外周に沿って連続的に(すなわち、いわゆる一筆書きの要領で)切断と異形加工とを行ったこと以外は実施例1と同様にして、異形を有する偏光板を作製した。より詳細には、右上隅の面取りから開始して、反時計回りにレーザー照射を連続的に行い、図5(a)および図5(b)に示すような偏光板を作製した。得られた偏光板を実施例1と同様の評価に供した。結果を表1に示す。
Figure 2022086106000002
[評価]
表1から明らかなように、本発明の実施例の偏光板は、高温環境下における位相差変化が小さく、異形加工部近傍におけるクラックが発生するまでの時間が比較例に比べて顕著に長いことがわかる。さらに、比較例の偏光板においては、U字ノッチの先端部分において位相差層に顕著なクラックが発生していることを確認した。すなわち、本発明の実施例の偏光板は、異形加工部におけるクラックが抑制されることがわかる。
本発明の偏光板は、液晶表示装置、有機EL表示装置および無機EL表示装置等の画像表示装置に好適に用いられる。
10 偏光板
11 偏光子
12 第1の保護層
13 第2の保護層
20 位相差層
100 位相差層付偏光板

Claims (8)

  1. レーザー照射により偏光板に異形を形成すること、および
    該異形が形成された偏光板を、レーザー照射により枚葉状に切断すること、
    を含む、異形を有する偏光板の製造方法。
  2. 前記異形が形成された偏光板を、直線状のレーザー照射により枚葉状に切断することを含む、請求項1に記載の異形を有する偏光板の製造方法。
  3. 前記異形が平面視した場合に凹部となる形状である、請求項1または2に記載の異形を有する偏光板の製造方法。
  4. 前記異形がU字ノッチまたはV字ノッチである、請求項3に記載の異形を有する偏光板の製造方法。
  5. 前記レーザー照射がオーバーランを含み、該オーバーランの量が0.5mm~50mmである、請求項1から4のいずれかに記載の異形を有する偏光板の製造方法。
  6. 前記異形の形成と前記枚葉状の切断とが、1秒以上の間隔をあけて行われる、請求項1から5のいずれかに記載の異形を有する偏光板の製造方法。
  7. 前記偏光板が位相差層をさらに有する、請求項1から6のいずれかに記載の異形を有する偏光板の製造方法。
  8. 前記位相差層が環状オレフィン系樹脂を含み、nx>nz>nyの屈折率特性を示し、そのNz係数が0.3~0.7であり、および、その面内位相差Re(550)が250nm~350nmである、請求項7に記載の異形を有する偏光板の製造方法。
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