JP2022082250A - レール破断の検知装置及びレール破断の検知方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な処理でレール破断を車両側から検知させることが可能なレール破断の検知装置を提供する。【解決手段】レール破断を車両側から検知させるレール破断の検知装置である。そして、レール2の不連続箇所を検知させるために車両1に取り付けられる加速度センサ3と、レール破断の検査区間に存在する事前に登録されたレールの不連続箇所の数を算出するカウント部と、加速度センサによる検出数とカウント部による算出数とを比較して未知のレール破断箇所21の有無を判定する判定部とを備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、レール破断を車両側から検知させるレール破断の検知装置及びレール破断の検知方法に関するものである。
鉄道におけるレール破断は、繰り返しの車両走行によってレールが損傷することで発生し、車両の走行安全性を著しく低下させる。そのため、特許文献1に開示されているように、鉄道事業者は軌道回路と呼ばれる車両の位置検知を目的としたレールに流している信号電流によって、レール破断を検知している。
軌道回路を利用した検知方法は、レールが破断した際に、破断したレールが開口して電流が短絡することで検知する方法である。軌道回路は、レールに信号電流を流すことで実現しているシステムであるため、その信号電流をき電する装置や、電車線から車両へ電力を供給し、その下のレールを使って変電所に返す電流等の軌道回路の信号電流と異なる電流を回路で分ける役割があるインピーダンスボンド等の地上設備のメンテナンスに、多大なコストを要している。
一方、車両の位置検知を無線で行う技術の開発が進んでおり、軌道回路を維持する必要性が低下している。そして、特許文献2,3に開示されているように、軌道回路を利用しないレール破断の検知方法が開発されつつある。
例えば特許文献2には、地上側にレールを伝搬する超音波を受信する超音波トランスデューサを設け、レール破断が発生した際に生じる衝撃振動を超音波トランスデューサが受信した場合に警報信号を出力する鉄道レール破断検出装置が開示されている。また、特許文献3にも、地上側に設けるレール破断検知装置が開示されている。
国際公開第2017/175439号公報 特開2014-80133号公報 特開2012-91671号公報
しかしながら、延長が長大となるレールに対して、地上側にレール破断の検知装置を設けるとなれば、特許文献2,3に開示されているような様々な工夫がなされたとしても、大幅なコスト削減は難しいという現実がある。
一方、レール破断は、レールの継目や欠線部などの不連続箇所と状態が類似しているため、レール破断か健全な継目等なのかを判定するためには、複数種類のセンサを取り付けたり複雑なデータ処理をしたりして判定することが求められる。
そこで、本発明は、簡単な処理でレール破断を車両側から検知させることが可能なレール破断の検知装置及びレール破断の検知方法を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明のレール破断の検知装置は、レール破断を車両側から検知させるレール破断の検知装置であって、レールの不連続箇所を検知させるために車両に取り付けられる検知センサと、レール破断の検査区間に存在する事前に登録されたレールの不連続箇所の数を算出するカウント部と、前記検知センサによる検出数と前記カウント部による算出数とを比較して未知のレール破断箇所の有無を判定する判定部とを備えたことを特徴とする。
ここで、前記検知センサには、加速度センサ、集音センサ又は超音波センサを使用することができる。
また、レール破断の検知方法の発明は、レール破断を車両側から検知させるレール破断の検知方法であって、レールの不連続箇所を検知させるための検知センサを備えた車両を検査区間のレールに沿って走行させることで測定データを取得するステップと、前記検査区間に存在する事前に登録されたレールの不連続箇所の数を既知数として算出するステップと、前記測定データに基づいて検出されたレールの不連続箇所の検出数と前記既知数とを比較して未知のレール破断箇所の有無を判定するステップとを備えたことを特徴とする。
このように構成された本発明のレール破断の検知装置は、レールの不連続箇所を検知させるために車両に取り付けられる検知センサによる検出数と、検査区間に存在する事前に登録されたレールの不連続箇所の算出数を、判定部において比較して未知のレール破断箇所の有無を判定する。
このような構成であれば、地上側に何の設備を設けなくても、レール破断を車両側から検知させることができる。また、数の比較という簡単な処理で、レール破断箇所の有無を判定することができる。
そして、レール破断の検知方法の発明は、検知センサを備えた車両を検査区間のレールに沿って走行させることで測定データを取得し、事前に登録されたレールの不連続箇所の既知数と測定データに基づいて検出された不連続箇所の検出数とを比較して、未知のレール破断箇所の有無を判定する。すなわち、地上側に何の設備を設けなくても、簡単な処理でレール破断を車両側から検知させることができる。
本実施の形態のレール破断の検知装置の構成を模式的に示した説明図である。 異常のないレールを走行させたときの加速度波形を説明するための図で、(a)はレールの状態とその上を走行する車両の台車の構成を示した説明図、(b)は加速度センサによって測定された加速度データを例示した図である。 レール破断が起きているときの加速度波形を説明するための図で、(a)はレール破断によって沈み込みが起きている状態を示した説明図、(b)は加速度センサによって測定された加速度データを例示した図である。 継目部と開口部とがある軌道の状態を示した説明図である。 加速度データとバンドパスフィルタ処理を施した結果とを併せて表示した説明図である。 本実施の形態のレール破断の検知方法の処理の流れを説明するフローチャートである。 加速度データからレールの不連続箇所を検出する際に使用する閾値を例示した説明図である。 実施例1のレール破断の検知装置の構成を模式的に示した説明図である。 音の発生源と集音センサとの位置関係を説明するための図で、(a)はレール上を走行する車両と集音センサの取り付け位置を示した側面図、(b)は平面図である。 集音センサで測定される音圧データに関する説明をするための図で、(a)は集音センサによって測定された音圧データと閾値とを例示した図、(b)は車両の走行速度と音圧レベルとの関係を示した説明図である。 実施例2のレール破断の検知装置の構成を模式的に説明する図で、(a)はレールに不連続箇所がないときの超音波の伝搬状況を示した説明図、(b)はレール破断箇所があるときの超音波の伝搬状況を示した説明図である。 超音波センサで測定された超音波データと閾値とを例示した説明図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、本実施の形態のレール破断の検知装置の構成を模式的に示した説明図である。
軌道を構成するレール2は、レール2に沿って走行する車両1の車輪12との接触が繰り返されることで、レール破断が起きることがある。レール破断箇所21として開口が生じると、状態によっては図3(a)に示すような沈み込み箇所211となる場合もある。レール2は、まくらぎ22上に差し渡されて締結装置23で固定されているが、まくらぎ22間にレール破断が起きると、片持ち梁状となったレール2が沈み込み箇所211となることがある。
一方、車両1は、保守用車両であっても、列車などを構成する一般的な鉄道車両であってもよい。以下では、直方体状の箱型の車体に前後方向に間隔を置いて台車11が配置される車両1を例に説明する。
台車11は、平面視長方形状の台車枠111を備え、一対のレール2のそれぞれを走行する車輪12が車軸によって連結されている。また、1台の台車11には、前後方向に2組の車輪12及び車軸の組み合わせ(輪軸)が設けられる。さらに、車軸の端部には、軸箱112及び軸箱支持装置が設けられる。
このように構成された台車11の台車枠111及び軸箱支持装置などの少なくとも1箇所には、レールの不連続箇所を検知させるための検知センサとなる加速度センサ3が取り付けられる。ここで、「レールの不連続箇所」とは、レール破断箇所21などの開口部、継目、欠線部などのレール2に隙間が生じて連続でなくなっている箇所をいう。
加速度センサ3は、上下方向の加速度(上下加速度)が測定できるように取り付けられる。加速度センサ3は、有線又は無線によって車両1に搭載されたデータレコーダ4に接続される。データレコーダ4は、加速度センサ3によって測定された加速度データを記録する記憶部となる。
そして、データレコーダ4に記録された加速度データは、パーソナルコンピュータなどの演算装置5によって解析される。この演算装置5は、車両1に搭載されていてもよいし、車両1とは別の管理棟などに設置されていてもよい。また、演算装置5が車両1以外にある場合は、データレコーダ4からリアルタイム又は定期的にデータが転送される構成であってもよいし、データレコーダ4又はそれに挿し込まれたフラッシュメモリ等の記憶媒体を接続したときにデータが転送される構成であってもよい。
この演算装置5には、設備データベース51が接続される。演算装置5と設備データベース51との接続は、有線によるものに限定されるものではなく、無線による接続であってもよい。また、設備データベース51は、インターネットなどのネットワークを介して演算装置5に接続されるサーバなどに設けられていてもよい。
設備データベース51には、検査が行われる軌道の設備台帳となる情報が記録されている。例えば、継目の位置や数に関する情報、欠線部の位置や数に関する情報などが記録されている。また、過去に検知されたレール破断箇所21の情報も、修繕済みか否かの最新状況を含めて記録しておくことができる。この場合、「事前に登録されたレールの不連続箇所」には、継目や欠線部に加えて、検知済みで修繕前のレール破断箇所21も含まれることになる。
演算装置5では、測定データである加速度データに、バンドパスフィルタ処理や高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)などの演算処理を施すことができる。例えば、高周波バンドパスフィルタによって、車輪12がレール2に接触することで衝撃的に発生する応答(加速度)を抽出することができる。一方、低周波バンドパスフィルタであれば、輪軸の質量と軸ばね及び軌道ばねとに起因して発生する応答(加速度)を抽出することができる。
ここで、図2は、異常のないレール(健全部)に沿って車両1を走行させたときの加速度波形を説明するための図である。図2(a)は、健全部のレールの状態と、その上を走行する車両1の台車11に加速度センサ3が取り付けられた状態を示している。
そして、図2(b)は、レール2の健全部を走行した車両1の加速度センサ3によって測定された加速度データを例示した図である。この図には、加速度データによって作成される加速度波形RDと振幅中心RD1とを示している。
鉄道の軌道には、継目や欠線部や分岐器などが存在し、このような箇所を車両1が走行した際に、健全部と異なる応答を軸箱支持装置や台車枠111の上下加速度として示すことになる。
図3は、レール破断が起きているときの加速度波形を説明するための図である。図3(a)は、レール破断によって沈み込み箇所211が発生している状態を示している。また、図3(b)は、沈み込み箇所211を走行した車両1の加速度センサ3によって測定された加速度データを例示した図である。
上述した継目等だけでなく、レール破断箇所21や沈み込み箇所211を車両1が走行した際にも、健全部と異なる応答が軸箱支持装置や台車枠111の上下加速度として示されることになる。レール破断を検知するためには、こういった様々な応答からレール破断部の応答を抜き出す必要がある。
高周波領域の波形は、レール破断部を車両1が走行した場合に、車輪12がレール2に接触することで衝撃的に発生する応答である。この波形は、レール破断部だけでなく、継目等を走行した際にも同様な波形が表れる。
図4は、不連続箇所となる開口部P1と継目部P2とがある軌道の状態を示した図である。そして図5には、この軌道を列車速度30km/hで走行させた際に測定された加速度データとバンドパスフィルタ処理を施した結果とを併せて表示している。
詳細には、軸箱支持装置の加速度センサ3によって測定された上下加速度の加速度データ(加速度波形RD)を、横軸を測定時刻、縦軸を振幅(単位はG)にして示した。そして、高周波バンドパスフィルタ処理を施した結果(高周波処理波形HD)を併せて表示した。
また図中には、予め設定された閾値(例えば1.0G)を図示し、高周波処理波形HDと比較できるようにしている。閾値(1.0G)と比較した結果、高周波処理波形HDが閾値(1.0G)を超えた箇所は、開口部P1(レール破断箇所)又は継目部P2のいずれかであるという判定が行えることがわかる。
次に、本実施の形態のレール破断の検知方法について、図6に示したフローチャートを参照しながら説明する。
まず上述したように、検知センサとなる加速度センサ3を車両1の台車11の台車枠111の側面や軸箱112まわりの軸箱支持装置に取り付ける。加速度センサ3は、少なくとも1箇所に、上下加速度が測定できるように取り付けられていればよい。加速度センサ3は、車両1に搭載されたデータレコーダ4に接続される。
ステップS1では、車両1をレール2に沿って走行させることで、軸箱支持装置の上下加速度である軸箱加速度、台車11(台車枠111)の上下加速度である台車加速度などの加速度データを検出させる。
加速度センサ3によって検出された加速度データは、距離程などの位置情報に換算できる情報とともにデータレコーダ4に記録される(ステップS2)。例えば一定速度で車両1を走行させる場合は、加速度データに測定時刻を紐付けておくことで、位置データに変換することができる。また、GPS(Global Positioning System)に基づく位置データを、測定された加速度データに紐付けることもできる。
データレコーダ4に記録された加速度データは、演算装置5に転送される。そしてステップS3では、車両の位置データから検査区間を設定する。この検査区間の設定は、車両1を走行させた全長が検査区間となる場合は省略することができる。他方、任意の区間を抜き出して検査区間とする場合には、設定が行われる。
ステップS4では、加速度センサ3によって測定された加速度データ(測定データ)に対して、分析処理が行われる。分析処理としては、上述したようなバンドパスフィルタ処理や高速フーリエ変換などの演算処理が行われる。この分析処理は、検査区間の測定データに対してのみ行ってもよいし、検査区間以外の測定データについてもまとめて行ってもよい。
分析処理した結果は、閾値を基準にしたレールの不連続箇所(レール破断箇所21、継目、欠線部)の検出に使用される。そこで、閾値の設定方法について説明する。一例として、軸箱支持装置に取り付けられた加速度センサ3の測定データ(軸箱加速度)に基づいて、継目部P2及び開口部P1での衝撃音が入ったデータを切り出す際の閾値の設定方法について説明する。
軸箱加速度の閾値は、速度依存性を考慮する必要があるので、例えば走行試験によって4つの継目部P2を異なる速度で通過させて、それぞれの速度における第1軸の軸箱加速度の測定データを取得する。
そして、走行速度vのべき乗、すなわちavbの式でフィッティングした値を閾値として用いる。図7に、走行試験結果のプロットと、それらをフィッティングした曲線(破線)を示した。閾値とするフィッティングした曲線は、抽出漏れが起きないように全加速度データを下回る値となっていることが望ましい。図7に破線で例示した曲線は、a=0.069、b=1.78となる。
ステップS5では、このようにして設定された閾値を使って、測定データを分析処理した結果から不連続箇所を検出する。例えば、図5の高周波処理波形HDからは、3箇所の不連続箇所(P2,P1,P2)が検出されるので、検出数A=3とカウントされる。
一方、ステップS3で設定された検査区間の継目及び欠線部の数は、設備データベース51に予め登録されている。そこで、ステップS6では、検査区間の継目と欠線部に関する登録データを演算装置5に読み込ませる。
そして、演算装置5のカウント部において、登録データから検査区間にある継目と欠線部を抽出して、算出された算出数を既知数Bとして記憶させる(ステップS7)。図4に示した軌道であれば、登録データに記録されている不連続箇所は、2箇所の継目部(P2,P2)だけなので、既知数B=2となる。
ステップS8では、演算装置5の判定部において、検出数Aと既知数Bとの比較が行われる。検出数Aが既知数Bより多い場合は、設備台帳で予め把握している不連続箇所の数より多くの不連続箇所が検出されたことになり、レール破断が起きたと推定することができる(ステップS9)。一方、検出数Aと既知数Bとが同じであれば、検出された不連続箇所は、すべて登録している継目等であると判定することができる(ステップS10)。
次に、本実施の形態のレール破断の検知装置及びレール破断の検知方法の作用について説明する。
このように構成された本実施の形態のレール破断の検知装置は、車両1に取り付けられた加速度センサ3によって測定された加速度データを利用し、検査区間に存在する事前に登録された継目等の不連続箇所の算出数(既知数B)を、加速度データに基づく検出数Aと判定部において比較して、未知のレール破断箇所の有無を判定する。
このような構成であれば、地上側に何の設備を設けなくても、レール破断を車両1側から検知させることができる。また、数の比較という簡単な演算処理で、レール破断箇所21の有無を判定することができる。
さらに、加速度センサ3は、車両1の軸箱支持装置や台車11などに取り付けることができ、これらの位置にレール破断検知以外の目的で予め取り付けられている加速度センサ3があれば、それを利用することもできる。
また、加速度データが位置情報に関するデータとともにデータレコーダ4に記録されていれば、車両走行後にデータレコーダ4に記録された加速度データを検証してレール破断が検知された場合でも、距離程などで軌道の位置を特定することができ、補修などの対応を迅速にとることができる。
そして、レール破断の検知方法の発明は、加速度センサ3を備えた車両1をレール2に沿って走行させて加速度データを取得し、事前に登録された継目等の既知数Bと加速度データに基づいて検出された不連続箇所の検出数Aとを比較して、未知のレール破断箇所21の有無を判定する。
すなわち、地上側に何の設備を設けなくても、簡単な処理でレール破断を車両側から検知させることができる。さらに、加速度データが閾値を超えたときにだけ検査区間を設定するようにすることで、効率的にレール破断の検査を進めることができる。
以下、前記した実施の形態のレール破断の検知装置とは別の形態について、図8-図10を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例1では、前記実施の形態で説明した加速度センサとは異なる集音センサ6を検知センサとしたレール破断の検知装置について説明する。要するに図8に示すように、車両1の車体の車輪12に隣接する下部には、検知センサとなる集音センサ6が取り付けられる。
集音センサ6は、マイクと騒音計とによって構成され、車輪12とレール2との接触点などから発生する音(音圧レベル)を測定する。図9(b)に示すように、集音センサ6(6A,6B)は、一対のレール2A,2Bのそれぞれに近接した位置に取り付けられる。そこで以下では、総称するときは集音センサ6の符号を使用し、第1のレール2A側に取り付けられる集音センサ6Aと、第2のレール2B側に取り付けられる集音センサ6Bというような場合は、それぞれの符号を使用する。
例えば、集音センサ6Aは第1のレール2Aの真上に配置し、集音センサ6Bは第2のレール2Bの真上に配置することで、車両1の中心軸に対して線対称となるように車輪12,12に近接した位置にそれぞれ取り付けられる。
集音センサ6は、有線又は無線によって車両1に搭載されたデータレコーダ4に接続される(図8参照)。データレコーダ4は、集音センサ6によって測定された音データを記録する記憶部となる。
そして、データレコーダ4に記録された音データは、パーソナルコンピュータなどの演算装置5によって解析される。演算装置5では、集音センサ6で測定された音データから発生源の音の大きさを求めることもできる。要するに、測定された音データを使用して、音の発生源と仮定できる車輪12とレール2との接触点で発生した音(音圧レベル)の大きさを算出することができる。
図10(a)に例示するように、車両1をレール2に沿って走行させると、集音センサ6によって音データである音圧データMが連続して測定されて、波形として示される。この音圧レベル波形を見るとわかるように、レール破断箇所21や継目などの大きな音が発生しない滑らかな連続したレール2上を走行しているときにも、音圧レベルは測定されている。
そこで、一定の大きさ以上の音圧レベルがレール破断や継目等の不連続箇所であるという判定をさせるために、閾値M1を設ける。音圧レベルの閾値M1の設定は、一例として、速度依存性を考慮して、文献(末木健之,北川敏樹,川口二俊,レール継目部から発生する衝撃音の騒音・振動特性評価,鉄道総研報告,Vol.30,No.7,pp.5 - 10,2016)から、音圧レベルが速度の2.5乗に従うことと、開口量0mmのレール開口箇所を時速10km/h又は時速30km/hで走行した際に得られたマイクの音圧レベルがそれぞれ103dB,115dBであったことをもとに決定する。
図10(b)は、上述した知見に基づいて作成した車両1の走行速度と音圧レベルとの関係を示すグラフである。実際の運用上においては、レール破断箇所21でこれより小さい音圧レベルが測定される可能性が低いことから、この関係曲線を使用してレール破断の判定を行う閾値M1を設定することができる。
レール破断や継目や欠線部のようにレール2が不連続となる箇所を車輪12が通過すると、衝撃音が発生する。すなわち、衝撃音が発生したときの音の発生源は、車輪12とレール2との接触点となる。
衝撃音が発生した場合に集音センサ6のマイクで得られる音圧レベルは、単一音源から放射される音響エネルギー密度と音源からの距離とによって決定される。このことから、騒音源からの距離に応じた音響エネルギーの減衰の計算値と、各集音センサ(6A,6B)の音圧レベルとを比較することで、一対のレール2A,2Bの片側にしか現れないレール破断箇所21の有無を検知することもできるようになる。
要するに、図9(b)に示すように、接触点21Aで発生した音は、距離r2だけ離れたレール2B側の集音センサ6Bにも伝搬される。そこで、距離r1だけ離れた集音センサ6Aで測定された音圧レベルを使用して、距離減衰式から接触点21Aにおいて発生した発生音圧レベルを算出することで、音の発生源を特定することができる。
しかしながら本実施例1のレール破断の検知装置では、レール破断箇所21と、継目や欠線部などを区別して検出する必要はなく、いずれもレールの不連続箇所として検出されればよい。そこで、左右の集音センサ6A,6Bで測定された音圧レベルの中から、大きい方だけを使用して不連続箇所の判定を行う。
本実施例1のレール破断の検知装置を使用したレール破断の検知方法は、前記実施の形態で説明したレール破断の検知方法と概略は同じになるので、上述した図6に示したフローチャートを参照しながら、要点のみを説明する。
本実施例1では、ステップS1で車両1に取り付けられる検知センサが、集音センサ6となる。集音センサ6で測定された音データは、演算装置5で分析処理されて、図10(a)に示すような音圧データMの波形として表示される。
そこで、ステップS5では、音圧データMの音圧レベルLpが閾値M1を超えているか否かを判定する。ここで、閾値M1を超える音圧データMが存在した場合は、レール破断箇所21、継目又は欠線部などの不連続箇所がレール2にあると判定される。
すなわち、レール破断箇所21であれば、左右のレール2A,2Bのどちらか一方で衝撃音が発生し、継目や欠線部を走行したときは、一対のレール2A,2Bの両方で衝撃音が発生する。そこで、2つの集音センサ6A,6Bの音圧データMから音圧レベルが大きくなる方を採用して閾値M1と比較させることで、レール破断箇所21、継目又は欠線部などの不連続箇所を、検出数Aとして漏れなく検出することができる。
このように構成された本実施例1のレール破断の検知装置は、車両1に取り付けられた集音センサ6によって測定された音データを利用し、検査区間に存在する事前に登録された継目等の不連続箇所の算出数(既知数B)を、音データに基づく検出数Aと判定部において比較して、未知のレール破断箇所21の有無を判定する。
このような構成であれば、地上側に何の設備を設けなくても、レール破断を車両1側から検知させることができる。また、集音センサ6が、台車11や軸箱支持装置ではなく、車体に装荷可能な構成となっていれば、メンテナンスを容易に行うことができるようになる。
さらに、音圧レベルが閾値M1を超えたときにだけ検査区間を設定するようにすることで、効率的にレール破断の検査を進めることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以下、前記した実施の形態及び実施例1のレール破断の検知装置とは別の形態について、図11,図12を参照しながら説明する。なお、前記実施の形態又は実施例1で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一用語又は同一符号を付して説明する。
本実施例2では、前記実施の形態又は実施例1で説明した検知センサとは異なる超音波センサを検知センサとしたレール破断の検知装置について説明する。超音波センサは、一対の超音波プローブによって構成される。
詳細には図11に示すように、台車11の台車枠111の一端に取り付けられる送信プローブ71と、台車枠111の他端に取り付けられる受信プローブ72とによって主に構成される。要するに、送信プローブ71が送信した超音波を受信プローブ72によって受信させる過程に存在する検査対象物の物性や状態を、受信プローブ72の受信状況によって評価することができる。ここで、超音波の振動数は、20-400kHz程度に設定される。
図11(a)に模式的に示したように、車両1の後方側の送信プローブ71から送信された超音波は、空中を伝搬してレール2に入り、レール2を伝搬した後に再び空中を伝搬して、車両1の前方側の受信プローブ72によって受信される。このため、レール2に不連続箇所がなければ、受信プローブ72で受信される超音波の強度は、一定以上の大きさで得られることになる。
これに対して図11(b)に示したように、レール2にレール破断箇所21があると、送信プローブ71から送信された超音波は、空中を伝搬してレール2に入るが、レール2内での伝搬はレール破断箇所21で遮断されて、車両1の前方側の受信プローブ72ではレール2を伝搬した超音波を受信できなくなる。要するに、レール2にレール破断箇所21、継目、欠線部などの不連続箇所があると、受信プローブ72で受信される超音波の波形は、非常に小さくなる。そこで、受信された超音波強度が閾値以下となるかを判定することで、レール2に不連続箇所があることの検出を行う。
本実施例2のレール破断の検知装置を使用したレール破断の検知方法も、前記実施の形態で説明したレール破断の検知方法と概略は同じになるので、上述した図6に示したフローチャートを参照しながら、要点のみを説明する。
本実施例2では、ステップS1で車両1に取り付けられる検知センサが、一対の超音波プローブ(71,72)によって構成される超音波センサとなる。受信プローブ72で測定された超音波データは、演算装置5で分析処理されて、図12に示すような超音波強度の波形として表示される。
そこで、ステップS5では、超音波データが閾値を超えているか否かを判定する。超音波強度の波形データは、列車の走行速度に依存しないため、例えば0.4などの一定の閾値を使用することができる。
そして、閾値を下回る超音波データが存在した場合は、レール破断箇所21、継目又は欠線部などの不連続箇所と判定される。図12は、事前に継目と開口部の存在が分かっている状態の軌道から取得された超音波データを使用しているため、継目と開口部との区別がされているが、これらを区別することなく不連続箇所の検出数Aとして検出できればよい。
このように構成された本実施例2のレール破断の検知装置は、車両1に取り付けられた超音波センサ(71,72)によって測定された超音波データを利用し、検査区間に存在する事前に登録された継目等の不連続箇所の算出数(既知数B)を、超音波データに基づく検出数Aと判定部において比較して、未知のレール破断箇所21の有無を判定する。
このような構成であれば、地上側に何の設備を設けなくても、レール破断を車両1側から検知させることができる。さらに、超音波強度が閾値を下回ったときにだけ検査区間を設定するようにすることで、効率的にレール破断の検査を進めることができる。
なお、他の構成及び作用効果については、前記実施の形態又は他の実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態及び実施例を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態又は実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば前記実施の形態及び実施例では、レール破断箇所21、継目、欠線部をレール2の不連続箇所として例示して説明したが、これに限定されるものではなく、分岐器がある複雑な軌道線形を有する箇所など、検知センサがレール破断箇所21と同様の応答をする箇所で、設備台帳などに登録されている箇所であれば、不連続箇所として検出させることができる。
1 :車両
2 :レール
21 :レール破断箇所(不連続箇所)
3 :加速度センサ(検知センサ)
5 :演算装置5(カウント部、判定部)
51 :設備データベース
6 :集音センサ(検知センサ)
71 :送信プローブ(検知センサ,超音波センサ)
72 :受信プローブ(検知センサ,超音波センサ)
A :検出数
B :既知数(算出数)
P1 :開口部(不連続箇所)
P2 :継目部(不連続箇所)

Claims (5)

  1. レール破断を車両側から検知させるレール破断の検知装置であって、
    レールの不連続箇所を検知させるために車両に取り付けられる検知センサと、
    レール破断の検査区間に存在する事前に登録されたレールの不連続箇所の数を算出するカウント部と、
    前記検知センサによる検出数と前記カウント部による算出数とを比較して未知のレール破断箇所の有無を判定する判定部とを備えたことを特徴とするレール破断の検知装置。
  2. 前記検知センサは加速度センサであることを特徴とする請求項1に記載のレール破断の検知装置。
  3. 前記検知センサは集音センサであることを特徴とする請求項1に記載のレール破断の検知装置。
  4. 前記検知センサは超音波センサであることを特徴とする請求項1に記載のレール破断の検知装置。
  5. レール破断を車両側から検知させるレール破断の検知方法であって、
    レールの不連続箇所を検知させるための検知センサを備えた車両を検査区間のレールに沿って走行させることで測定データを取得するステップと、
    前記検査区間に存在する事前に登録されたレールの不連続箇所の数を既知数として算出するステップと、
    前記測定データに基づいて検出されたレールの不連続箇所の検出数と前記既知数とを比較して未知のレール破断箇所の有無を判定するステップとを備えたことを特徴とするレール破断の検知方法。
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