JP2022078825A - 絶縁診断装置および絶縁診断方法 - Google Patents

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直喜 岡田
Naoki Okada
秀人 大木
Hideto Oki
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Abstract

【課題】微少部分放電を検出できる絶縁診断装置を提供する。【解決手段】絶縁診断装置(1)は、部分放電を検出する部分放電検出センサ(11)からの検出信号を受信し、診断対象周波数ごとに所定時間の波形データを複数取得する波形取得部(23)と、複数の波形データを加算した加算波形を求める加算部(24)と、加算波形のうち、商用電源の電圧の第1位相に対応する第1信号レベルに基づいて、部分放電の有無を判断する絶縁診断部(26)と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は絶縁診断装置に関する。
ガス絶縁機器や電力用トランスなどの電力用電気機器においては、絶縁異常時に商用電源と同期して、商用電源のピーク時に部分放電が発生し、この部分放電によって2次的に電磁波が発生する。電気機器の絶縁破壊を未然に防ぐために、部分放電の段階における電磁波を検出することにより、運転中の電気機器の内部に絶縁異常が発生しているか否かを診断する絶縁診断装置が提案されている。
絶縁診断装置では、周期的な電磁波ピーク点と、その電磁波ピーク点から商用電源の周期の1/4サイクル点(商用電源のゼロクロス点に相当する)とを比較することで、部分放電を検出することが一般的である。
このような絶縁診断装置では、商用電源または商用電源のn倍の周波数に変調された周波数(高周波)でも部分放電と判断してしまう。この問題に対して、当該周波数を意図的に検出しないようにフィルタリングする技術が特許文献1に開示されている。
特開2010-276365号公報
しかしながら、上述のような従来技術は、部分放電が外部ノイズに埋もれるような微少部分放電であった場合、部分放電の判断が困難である。
本発明の一態様は、上述した問題を鑑みなされたものであり、微少部分放電を検出できる絶縁診断装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る絶縁診断装置は、部分放電を検出する部分放電検出センサからの検出信号を受信する受信部と、前記検出信号から、診断対象周波数の信号レベルを抽出する信号抽出部と、所定期間の前記信号レベルを波形データとして複数取得する波形取得部と、複数の前記波形データを加算した加算波形を求める加算部と、前記加算波形のうち、商用電源の電圧の第1位相に対応する第1信号レベルに基づいて、部分放電の有無を判断する絶縁診断部と、を備える。
上記の構成によれば、微少部分放電の信号強度と同等なレベルの商用電源に非同期な外部ノイズを埋没させ、部分放電を強調させることができ、微少部分放電を検出することができる。
前記第1位相は、前記加算波形のピーク期間であってもよい。
前記絶縁診断部は、(1)前記第1信号レベルと、前記第1位相以外の期間の第2信号レベルとを比較すること、または(2)前記第1信号レベルと、所定の閾値とを比較することで、部分放電の有無を判断してもよい。
上記の構成によれば、第1信号レベルに基づき、部分放電を判定できる。
前記波形取得部は、商用電源の電圧と同期した所定期間の波形を取得してもよい。
上記の構成によれば、波形データは商用電源を同期した波形とすることができ、複数の波形を同じ時間軸で比較検討することができる。
前記波形取得部は、商用電源の電圧の少なくとも1サイクルの期間の前記信号レベルを取得してもよい。
上記の構成によれば、少なくとも商用電源の電圧1サイクルを波形データとすることで、波形データ1つを確認するだけで、周期的に発生している信号があった場合に、商用電源に同期している信号と判断し易くなる。
前記加算部は、前記複数の前記波形データを商用電源の電圧と同期させて、加算してもよい。
上記の構成によれば、複数の波形データを商用電源の電圧と同期して加算することにより、外部ノイズを埋没させて、部分放電を強調させることができる。
前記加算部は、加算波形を加算した波形の個数で除算してもよい。
上記の構成によれば、複数の波形データを加算することにより、全体的に波形のレベルは高くなる。部分放電か否かを判定する閾値が固定値であった場合、加算する波形データの数によって誤検出することが考えられる。そのため、固定の閾値で判定できるように、波形データを同期して加算平均することが考えられる。
前記絶縁診断装置は、前記加算波形が、定常的に所定の閾値を超すか否かを判定し、所定の閾値を超す場合に、前記加算波形をノイズと見なすノイズ判定部をさらに備えてもよい。
上記の構成によれば、放送波のように特定の周波数帯において定常的に信号レベルが強くなることがある。このように加算波形での信号レベルが定常的に強い場合は部分放電を検出しているのではなく、外部ノイズを検出したと判定することができる。
他の一態様に係る絶縁診断方法は、部分放電を検出する部分放電検出センサからの検出信号を受信する受信ステップと、前記検出信号から、診断対象周波数の信号レベルを抽出する信号抽出ステップと、所定期間の前記信号レベルを波形データとして複数取得する波形取得ステップと、複数の前記波形データを加算した加算波形を求める加算ステップと、前記加算波形のうち、商用電源の電圧ピーク期間の第1信号レベルと、商用電源の前記電圧ピーク期間以外の期間の第2信号レベルとを比較することで、部分放電の有無を判断する絶縁診断ステップと、を含む。
本発明の一態様によれば、絶縁診断装置において、微少部分放電を検出できる。
実施形態1に係る絶縁診断装置の要部の構成を示すブロック図である。 信号抽出部によって取得されたある期間における3D波形の一例である。 波形取得部によって取得されたある期間における特定周波数帯での2D波形の一例である。 加算部の動作の一例を示す概略図である。 加算3D波形の一例である。 加算2D波形の一例である。 実施形態1に係る絶縁診断装置の動作を表すフローチャートである。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(絶縁診断装置1の構成)
図1は、実施形態1に係る絶縁診断装置1の要部の構成を示すブロック図である。図1に示すように、絶縁診断装置1は、部分放電センサ11と、商用電源入力部12と、通知部13と、制御部20と、を備える。制御部20は、各部を統括して制御する機能をもつ。制御部20は、受信部21と、信号抽出部22と、波形取得部23と、加算部24と、ノイズ除去部25と、絶縁診断部26とを備える。
部分放電センサ11(部分放電検出センサ)は、部分放電により発生する物理量(電磁波、振動、電流、または超音波など)を検出するためのセンサであり、検出した物理量を表す部分放電信号(検出信号)を受信部21に送信する。部分放電センサ11としては、電磁波センサ、振動センサ、電流センサ、または超音波センサなどが利用できる。例えば、診断対象の電気機器を構成する密閉容器内部で生じた部分放電に伴い、電磁波が発生する。電磁波センサが部分放電センサ11として利用される場合、部分放電に伴い発生する電磁波が、電磁波センサに放射されやすいように、電気機器のブッシング部や絶縁スペーサに対応する位置に、電磁波センサを設置する。
商用電源入力部12は、診断対象の電気機器にも供給される商用電源が入力され、商用電源の周期の1サイクルを判断する機能をもつ。商用電源入力部12を用いることで、部分放電信号を処理する過程で立上りゼロクロス点または立下りゼロクロス点から所定サイクル分サンプリングすることが可能になり、正確に同期した信号を比較検討することができ、高精度な部分放電の検出が可能になる。商用電源入力部12に変わり、制御部20が、内部のタイマによって、予め設定した商用電源の周波数ごとに1サイクルを判断してもよい。
受信部21は、AD変換された部分放電信号を部分放電センサ11から受信する。受信部21は、受信したデジタル信号(部分放電信号)を信号抽出部22に出力する。
信号抽出部22は、入力した部分放電信号に対し、フィルタをかけて、診断対象周波数ごとの時系列の信号レベルを抽出する。フィルタとしては、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタまたは、FFT(高速フーリエ変換、Fast Fourier Transform)などを用いてよい。その後、信号抽出部22は、診断対象周波数ごとの時系列の信号レベルを示すデータを波形取得部23に出力する。
図2は、信号抽出部22によって取得されたある期間における3D波形51の一例である。3D波形51は、3次元グラフであり、第1軸は周波数であり、第2軸は時間であり、第3軸は信号強度である。例えば3D波形51は、第1軸には、300~800MHzまでの周波数を抽出しており、第2軸では、400μsecおきにサンプリングを100回繰り返したデータ(商用電源周波数50Hzにおいて2サイクル、合計40msec分)である。
波形取得部23は、商用電源入力部12から商用電源の周期の1サイクル単位の切れ目を取得し、診断対象周波数ごとに、複数の所定期間の信号レベルを複数の波形データとして取得する。各所定期間は、商用電源の電圧と同期している。例えば、波形取得部23は、時系列の信号レベルを示すデータから、所定のサンプリング周期ごとに所定期間の信号レベルを示すデータを波形データとして取得する。所定のサンプリング周期は、商用電源の周期の自然数倍の期間であり、かつ、所定期間以上の期間である。所定期間は、少なくとも商用電源の電圧ピーク期間と電圧ピーク期間以外の期間とを含む。所定期間は、少なくとも商用電源の周期以上の期間であることが好ましい。典型的には、波形取得部23は、時系列の信号レベルを示すデータを商用電源の1周期(または1周期の自然数倍)ごとに分割することで、複数の波形データを取得する。すなわち、波形取得部23は、商用電源の周期の自然数倍の期間(所定のサンプリング周期)ごとに、商用電源の1周期の期間(所定期間)の波形データを取得する。その後、波形取得部23は、加算部24に複数の波形データを出力する。すなわち、波形取得部23は、商用電源の電圧と同期した所定期間の波形を取得する。
図3は、波形取得部23によって取得されたある期間における特定周波数帯での2D波形61の一例である。2D波形61は、2次元グラフであり、横軸は時間であり、縦軸は信号強度である。例えば2D波形61は、3D波形51の周波数帯300~550MHzの信号を抽出したものの一例である。2D波形61は波形データの一例である。
加算部24は、入力された複数の波形データを加算し、加算波形とする。すなわち、波形取得部23によって、波形データは商用電源に同期した複数の波形データに加工されているため、加算部24は、複数の波形データを商用電源に同期して加算する同期加算を行う。その後、加算部24は、絶縁診断部26に加算波形を出力する。
ここで、同期加算とは、複数の波形データについて、商用電源の同じ位相に対応する信号レベルを足し合わせることを意味する。例えば、商用電源の電圧の立ち上がりゼロクロス点から2サイクルの波形データが複数あった場合に、加算部24は、商用電源の同じ位相ごとに、複数の波形データの信号レベルを足し合わせ加算波形とする。
図4は、加算部24の動作の一例を示す概略図である。図5は、加算3D波形54の一例である。図6は、加算2D波形64の一例である。例えば図4では、1回目データである3D波形51と2D波形61と、2回目データである3D波形52と2D波形62と、・・・N回目データである3D波形53と2D波形62とをそれぞれ足し合わせ、加算3D波形54と加算2D波形64とを生成している。加算2D波形64は、加算波形の一例である。2D波形61、62、63は、波形データの一例である。
ノイズ除去部25(ノイズ判定部)は、加算波形に混入した外部ノイズ(ノイズ)を除去し、絶縁診断部26に絶縁診断対象の加算波形を出力する。ノイズ除去部25は、ある診断対象周波数の加算波形において、一定レベル以上の信号が定常的にある場合、商用電源に同期しない通信などの外部ノイズが混入していると判断し、当該加算波形を、絶縁診断対象から除外する。また、ノイズ除去部は、ある診断対象周波数の加算波形において、一定レベル以上の信号が定常的にはない場合、診断対象周波数の加算波形を絶縁診断対象と認定する。
例えば、図5における周波数71に示す、3D波形54において信号強度が定常的に非常に大きくなっている周波数帯が、外部ノイズが混入していると判断された周波数帯になる。ノイズ除去部25は、当該外部ノイズが混入している周波数帯(または周波数)を絶縁診断対象から除外する。
絶縁診断部26は、入力された加算波形に対し、絶縁診断処理を行う。絶縁診断部26は、商用電源の電圧ピーク期間の加算波形のレベル(第1信号レベル)と、商用電源の電圧ピーク期間以外の期間の加算波形のレベル(第2信号レベル)とを比較することで、部分放電の有無を判断する。その後、絶縁診断処理の結果を通知部13に出力する。
絶縁診断処理は例えば次の手順で行う。
(1)除外されていない絶縁診断対象の加算波形に対し、加算波形のレベルがピークとなる商用電源の電圧の第1位相を求める。ここで、第1位相は、商用電源の電圧の波形形状によって定まる値ではなく、任意の位相である。特に、第1位相は、加算波形のピーク期間であってもよい。第1の位相から商用電源の周期の1/4サイクル分だけ位相をずらした第2の位相を求める。
(2)第1の位相における加算波形のレベル(第1信号レベル)から、第2の位相付近数点における加算波形のレベル(第2信号レベル)を平均したレベルを減算した値が所定の閾値を超していた場合、部分放電有りと判定する。この時、閾値は、加算部24において加算した波形データの数に応じて変更しても構わない。例えば、絶縁診断部26は、図6におけるピーク72において、微少部分放電が発生していると判定する。
また、絶縁診断処理は上記方法に限定されず、例えば、加算波形のレベルが所定の閾値73(図6)を超すタイミング(位相)があるか否かで判定してもよい。すなわち、絶縁診断部26での絶縁診断処理では、前記加算波形における商用電源の電圧の第1位相に対応する第1信号レベルに基づいて、部分放電の有無を判断すればよい。
ここで、第1の位相および第2の位相は位相区間であってもよい。すなわち、電圧ピークは商用電源の特定位相だけにあるわけではなく、ある程度の幅がある位相区間において商用電源の電圧が高まり、部分放電が発生するのを検出してもよい。この場合、第1の位相区間は、商用電源の電圧ピーク期間に対応し、第2の位相区間は第1の期間以外の期間に対応する。
通知部13は、絶縁診断部26が部分放電有りと判定した場合、部分放電が発生していることを管理者に通知する。通知する方法としては、ランプ、ブザー、警報機または通信経由で上位管理サーバに通知するなどの任意の方法であって構わない。通知部13は、加算波形を表示装置に表示させてもよい。
(絶縁診断装置1の動作)
図7は、実施形態1に係る絶縁診断装置1の動作を表すフローチャートである。
S11において、部分放電センサ11は、電磁波を計測し部分放電を含む部分放電信号を検出し、受信部21に送信する。
S12において、受信部21は、部分放電センサが検出した部分放電信号を、受信し、信号抽出部22に出力する。
S13において、信号抽出部22は、部分放電信号から、診断対象周波数ごとの時系列の信号レベルを抽出し、波形取得部23に出力する。
S14において、波形取得部23は、商用電源入力部12を用いて、商用電源の電圧の2サイクルごとに、時系列の信号レベルを示すデータから、2サイクル分の信号レベルを示すデータを波形データとして取得する。例えば、波形取得部23は、商用電源の特定位相(ゼロクロス点)を始点とする2サイクル分の波形データを複数取得する。波形取得部23は、取得した波形データを加算部24に送信する。
波形取得部23が、取得する波形データの長さは商用電源の周期2サイクルに限定されず、1サイクルでもよい。波形取得部23が、2サイクル以上で取得することにより、加算波形において、周期的な加算波形が得られ、ユーザ(管理者)は、一見して部分放電を見分けやすくなる利点がある。
S15において、加算部24は、複数の波形データを診断対象周波数ごとに加算し、加算波形とする。加算部24は、加算波形を絶縁診断部26に出力する。
S16において、ノイズ除去部25は、加算波形に外部ノイズが混入しているか否かを判定する。外部ノイズが混入しているか否かの判定は、ある周波数帯において、信号レベルが定常的に所定の閾値より高くなっているか否かで判定する。
外部ノイズが混入している場合、すなわち、信号レベルが定常的に所定の閾値より高い場合(S16においてYes)、S17に進む。外部ノイズが混入していない場合、すなわち、信号レベルが定常的には所定の閾値より高くない場合(S16においてNo)、S18に進む。
S17において、外部ノイズが混入していた当該加算波形は、絶縁診断対象波形から除外する。
S18において、外部ノイズが混入していない当該加算波形を絶縁診断対象波形として、絶縁診断を実行する。絶縁診断部26は、除外されていない絶縁診断対象の加算波形に対し、ピークとなる第1の位相を求め、第1の位相から商用電源の周期の1/4サイクル分だけ位相をずらした第2の位相を求める。その後、絶縁診断部26は、第1の位相における加算波形のレベルから、第2の位相における加算波形のレベルを減算した値が所定の閾値を超しているかを判定する。
当該減算した値が所定の閾値を超していない場合(S18においてNo)、絶縁診断部26は、部分放電無しと判定し、処理をS11に戻す。
当該減算した値が所定の閾値を超していた場合(S18においてYes)、絶縁診断部26は、部分放電有りと判定し、処理をS19に進める。
S19において、絶縁診断部26は、通知部13に判定結果を出力する。通知部13は管理者に、診断対象の電気機器において部分放電有りの旨を通知する。
(絶縁診断装置1の作用・効果)
ある波形データでは外部ノイズが混入しているが、他の波形データではタイミングがずれた外部ノイズが混入している場合、絶縁診断装置1は、これら複数の波形データを同期加算することにより、お互いの外部ノイズが相殺しあう。対して、商用電源に同期する信号は、N個の波形データを同期加算することにより、ほぼN倍されることになる。
したがって、商用電源に非同期な外部ノイズは、同期加算により絶縁診断対象波形から取り除くことができ、商用電源に同期した信号は、同期加算により強調されることになる。すなわち、商用電源に非同期な外部ノイズが微少部分放電と同程度の信号強度であった場合であっても、複数の波形データを加算することにより、商用電源に同期した信号のみを強調することができる。
また、商用電源に同期する信号としては、部分放電と、商用電源に同期した外部ノイズとがあげられる。一般的に、商用電源に同期した外部ノイズは、商用電源の整数倍の高周波による通信波があげられ、商用電源の周期のサイクル中一部でのみ信号強度が強まるわけではなく、定常的に信号強度が強い特徴がある。そのため、定常的に信号強度が強い信号は外部ノイズと認定し、絶縁診断対象波形から取り除くことができる。したがって、絶縁診断対象波形のピークは商用電源に同期した部分放電のみになり、部分放電を検出することができる。
〔変形例〕
加算部24は、入力された複数の波形データを加算し、加算波形とするのではなく、加算波形に対し、加算した波形データの個数で除算してもよい。すなわち、加算部24は、入力された複数の波形データを商用電源の周期に同期して加算平均する同期加算平均をしてもよい。この場合、絶縁診断部26における、所定の閾値が、加算した波形データの個数によらず一定の値をとることができ、波形データの数が変動する場合であっても処理を簡略化することができる。
〔ソフトウェアによる実現例〕
絶縁診断装置1の制御ブロック(特に受信部21、信号抽出部22、波形取得部23、加算部24、ノイズ除去部25および絶縁診断部26)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、絶縁診断装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
1 絶縁診断装置
11 部分放電センサ(部分放電検出センサ)
12 商用電源入力部
13 通知部
20 制御部
21 受信部
22 信号抽出部
23 波形取得部
24 加算部
25 ノイズ除去部(ノイズ判定部)
26 絶縁診断部
51,52,53 3D波形
54 3D加算波形
61,62,63 2D波形
64 2D加算波形
71 周波数
72 ピーク
73 閾値

Claims (10)

  1. 部分放電を検出する部分放電検出センサからの検出信号を受信する受信部と、
    前記検出信号から、診断対象周波数の信号レベルを抽出する信号抽出部と、
    所定期間の前記信号レベルを波形データとして複数取得する波形取得部と、
    複数の前記波形データを加算した加算波形を求める加算部と、
    前記加算波形のうち、商用電源の電圧の第1位相に対応する第1信号レベルに基づいて、部分放電の有無を判断する絶縁診断部と、を備える絶縁診断装置。
  2. 前記第1位相は、前記加算波形のピーク期間である請求項1に記載の絶縁診断装置。
  3. 前記絶縁診断部は、前記第1信号レベルと、前記第1位相以外の期間の第2信号レベルとを比較することで、部分放電の有無を判断する請求項1または2に記載の絶縁診断装置。
  4. 前記絶縁診断部は、前記第1信号レベルと、所定の閾値とを比較することで、部分放電の有無を判断する請求項1または2に記載の絶縁診断装置。
  5. 前記波形取得部は、商用電源の電圧と同期した所定期間の波形を取得する請求項1から4のいずれか1項に記載の絶縁診断装置。
  6. 前記波形取得部は、商用電源の電圧の少なくとも1サイクルの期間の前記信号レベルを取得する請求項1から5のいずれか1項に記載の絶縁診断装置。
  7. 前記加算部は、前記複数の前記波形データを商用電源の電圧と同期させて、加算する請求項1から6のいずれか1項に記載の絶縁診断装置。
  8. 前記加算部は、加算波形を加算した波形の個数で除算する請求項1から7のいずれか1項に記載の絶縁診断装置。
  9. 前記絶縁診断装置は、前記加算波形が、定常的に所定の閾値を超すか否かを判定し、所定の閾値を超す場合に、前記加算波形をノイズと見なすノイズ判定部をさらに備える請求項1から8のいずれか1項に記載の絶縁診断装置。
  10. 部分放電を検出する部分放電検出センサからの検出信号を受信する受信ステップと、
    前記検出信号から、診断対象周波数の信号レベルを抽出する信号抽出ステップと、
    所定期間の前記信号レベルを波形データとして複数取得する波形取得ステップと、
    複数の前記波形データを加算した加算波形を求める加算ステップと、
    前記加算波形のうち、商用電源の電圧の第1位相に対応する第1信号レベルに基づいて、部分放電の有無を判断する絶縁診断ステップと、を含む絶縁診断方法。
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