JP2022077393A - 電力変換装置 - Google Patents

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Maharjan Laxman
宏二 丸山
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Abstract

【課題】本発明は、セル変換器に対するバイパス要求があった場合に速やかに定格運転を再開できる電力変換装置を提供することを目的とする。【解決手段】電力変換装置1は、コンデンサCを有する主回路301、一対の入出力端子303,304、及び一対の入出力端子303,304を短絡可能に設けられたバイパススイッチ302をそれぞれ有し、直列に接続された複数のセル変換器31,32,33,34,35と、制御部5とを備え、制御部5は、複数のセル変換器31,32,33,34,35のうちの少なくとも1つである対象セル変換器に設けられたバイパススイッチ302をオフ状態からオン状態に切り替える切替期間において、当該対象セル変換器に流れる電流が上限値を超えている場合には当該電流を上限値以下に低減する。【選択図】図1

Description

本発明は、直列に接続された複数のセル変換器を備える電力変換装置に関する。
大容量・高圧用途に適した次世代トランスレス電力変換器として、モジューラーマルチレベルカスケード変換器(Modular Multilevel Converter:MMC)が注目されている。特許文献1には、MMCが開示されている。MMCは、リアクトルとN台のセル変換器の直列体から構成される。一般的に、MMCの信頼性の向上を目的に、N台のセル変換器のそれぞれがバイパススイッチを有するとともに、N台のセル変換器の中にM台の冗長セル変換器が含まれる。このように、M台の冗長セル変換器を設けることによって、セル変換器のいずれかM台まで故障した場合でも、故障したセル変換器それぞれのバイパススイッチがオン状態とされる。これにより、バイパススイッチに電流が流れるので、故障したセル変換器に電流が流れなくなり、残りの健全なセル変換器のみで電力変換器の定格運転が継続される。
特許第5800154号 特許第6559387号
J. Rodriguez, P.W. Hammond, J. Pontt, R. Musalem, P. Lezana and M.J. Escobar, "Operation of medium-voltage drive under faulty conditions," in IEEE Trans. Ind. Electron., vol. 52, no. 4, Aug. 2005, pp. 1080-1085.
非特許文献1に開示された方法では、セル変換器が故障した場合、MMCが一旦停止する。その後、故障したセル変換器のバイパススイッチがオン状態に切り替えられ、残りの健全なセル変換器のみで運転が再開される。この方法は、MMCが一旦停止されるため、運転再開までの時間が長くなり、セル変換器の故障後すぐに復旧が求められるシステムには適用し難いという問題がある。
セル変換器の故障後運転再開までの時間が短い方法として、セル変換器の故障が発生した場合に故障したセル変換器でのスイッチング動作のみ停止し、残りの健全なセル変換器でのスイッチング動作を継続する方法が提案されている(例えば特許文献2)。しかし、この方法では、セル変換器に故障が発生してからバイパススイッチの投入完了までの期間に故障したセル変換器の直流電圧が上昇する場合があるという問題を有している。特に、機械スイッチがバイパススイッチとして使用されている場合、バイパススイッチの投入時間が長くなるので、故障したセル変換器の直流電圧が上昇した場合、故障したセルに直流の過電圧が発生するという問題がある。
本発明の目的は、セル変換器に対するバイパス要求があった場合に速やかに定格運転を再開できる電力変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による電力変換装置は、系統交流電源との間で入出力する電力を生成するためのコンデンサを有する主回路、前記電力が入出力される一対の入出力端子、及び前記一対の入出力端子を短絡可能に設けられた機械スイッチをそれぞれ有し、前記一対の入出力端子が直列に接続された複数のセル変換器と、前記複数のセル変換器に設けられたそれぞれの前記主回路及び前記機械スイッチを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記複数のセル変換器のうちの少なくとも1つに設けられた前記機械スイッチである対象機械スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える切替期間において、前記対象機械スイッチが設けられた前記セル変換器である対象セル変換器に流れる電流が上限値を超えている場合には該電流を前記上限値以下に低減する。
本発明の一態様によれば、セル変換器に対するバイパス要求があった場合に速やかに定格運転を再開できる。
本発明の一実施形態による電力変換装置の概略構成を示す回路ブロック図である。 本発明の一実施形態による電力変換装置に備えらえた制御部の概略構成を示すブロック線図である。 比較例による電力変換装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。 比較例による電力変換装置と系統交流電源との間で入出力される電力に関する電圧及び電流のシミュレーション結果を示している。 本発明の一実施形態による電力変換装置の動作の一例を示すタイミングチャートである。 本発明の一実施形態による電力変換装置と系統交流電源との間で入出力される電力に関する電圧及び電流のシミュレーション結果を示している。
本発明の一実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
(電力変換装置の構成)
本発明の一実施形態による電力変換装置について図1から図6を用いて説明する。まず、本実施形態による電力変換装置の概略構成について図1及び図2を用いて説明する。以下、本実施形態による電力変換装置1について、電力系統に連系することができる単相モジュラーマルチレベル変換器(MMC)を例にとって説明する。本実施形態による電力変換装置1は、無効電力補償装置に適用することができる。
図1に示すように、本実施形態による電力変換装置1は、系統交流電源9に接続されている。電力変換装置1は、系統交流電源9との間で入出力する電力を生成するためのコンデンサCを有する主回路301、当該電力が入出力される一対の入出力端子303,304、及び一対の入出力端子303,304を短絡可能に設けられたバイパススイッチ(機械スイッチの一例)302をそれぞれ有し、一対の入出力端子303,304が直列に接続された複数のセル変換器31,32,33,34,35を備えている。セル変換器31,32,33,34,35によって単相クラスタ3が構成されている。電力変換装置1は、複数のセル変換器31~35に設けられたそれぞれの主回路301及びバイパススイッチ302を制御する制御部5を備えている。
セル変換器31~35のそれぞれは、セル変換器31~35のうちのいずれか4個の組み合わせによって系統交流電源9との間で交流電力の入出力ができる駆動能力を有している。このため、電力変換装置1は、セル変換器31~35の全てが故障していない健全な状態では、駆動能力を低減させた状態(本実施形態では、最大駆動能力の4/5の駆動能力)でセル変換器31~35を動作させる。また、電力変換装置1は、セル変換器31~35のうちのいずれか1つが故障した場合には、残余のセル変換器を最大の駆動能力で動作させて、単相クラスタ3と系統交流電源9との間で交流電力を入出力することができる。このように、セル変換器31,32,33,34,35のうちの1つ(例えばセル変換器35)は、冗長用のセル変換器として設けられている。
電力変換装置1は、5個のセル変換器31~35を備えているが、セル変換器の個数は5個に限られず、2個から4個又は6個以上のセル変換器を備えていてもよい。また、電力変換装置1では、複数のセル変換器のうち、2個以上のセル変換器が冗長用のセル変換器として設けられていてもよい。
電力変換装置1は、セル変換器31と系統交流電源9との間に配置されたリアクトルLを備えている。リアクトルLは、例えば単相クラスタ3に流れる電流を平滑化するために設けられている。また、リアクトルLは、例えば単相クラスタ3に過電流が流れることを防止するために設けられている。
ここで、セル変換器31~35の構成について説明する。セル変換器31~35は、互いに同様の構成を有している。このため、セル変換器31~35の構成についてセル変換器31を例にとって説明する。
図1に示すように、セル変換器31に設けられた主回路301は、直列に接続された半導体スイッチQ1(第一半導体スイッチの一例)及び半導体スイッチQ2(第二半導体スイッチの一例)と、直列に接続された半導体スイッチQ3(第三半導体スイッチの一例)及び半導体スイッチQ4(第四半導体スイッチの一例)とを有している。半導体スイッチQ1~Q4は、例えばMOS型電界効果トランジスタ(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)で構成されている。
半導体スイッチQ1及び半導体スイッチQ2と、半導体スイッチQ3及び半導体スイッチQ4と、コンデンサCとは、並列に接続されている。入出力端子303(一対の入出力端子の一方の一例)は、半導体スイッチQ1及び半導体スイッチQ2の接続部に接続され、入出力端子304(前記一対の入出力端子の他方の一例)は、半導体スイッチQ3及び半導体スイッチQ4の接続部に接続されている。
主回路301は、半導体スイッチQ1、半導体スイッチQ2、半導体スイッチQ3及び半導体スイッチQ4のそれぞれに逆並列接続された還流用ダイオードD1,D2,D3,D4(ダイオードの一例)を有している。
本実施形態では、半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4は、パワー半導体素子で構成され、例えばn型のSiC-MOSFETで構成されている。半導体スイッチQ1のドレイン端子は、還流用ダイオードD1のカソード端子、半導体スイッチQ3のドレイン端子及び還流用ダイオードD3のカソード端子に接続されている。半導体スイッチQ1のソース端子は、還流用ダイオードD1のアノード端子、半導体スイッチQ2のドレイン端子及び還流用ダイオードD2のカソード端子に接続されている。半導体スイッチQ1のゲート端子は、制御部5に接続されている。これにより、半導体スイッチQ1のゲート端子には制御部5から出力される制御信号Sg1が入力され、半導体スイッチQ1のオン(導通)/オフ(非導通)が制御される。
半導体スイッチQ2のソース端子は、還流用ダイオードD2のアノード端子、半導体スイッチQ4のソース端子及び還流用ダイオードD4のアノード端子に接続されている。半導体スイッチQ2のゲート端子は、制御部5に接続されている。これにより、半導体スイッチQ2のゲート端子には制御部5から出力される制御信号Sg2が入力され、半導体スイッチQ2のオン(導通)/オフ(非導通)が制御される。
半導体スイッチQ3のソース端子は、還流用ダイオードD3のアノード端子、半導体スイッチQ4のドレイン端子及び還流用ダイオードD4のカソード端子に接続されている。半導体スイッチQ3のゲート端子は、制御部5に接続されている。これにより、半導体スイッチQ3のゲート端子には制御部5から出力される制御信号Sg3が入力され、半導体スイッチQ3のオン(導通)/オフ(非導通)が制御される。
半導体スイッチQ4のゲート端子は、制御部5に接続されている。これにより、半導体スイッチQ4のゲート端子には制御部5から出力される制御信号Sg4が入力され、半導体スイッチQ4のオン(導通)/オフ(非導通)が制御される。
コンデンサCの一方の電極は、半導体スイッチQ1のドレイン端子、還流用ダイオードD1のカソード端子、半導体スイッチQ3のドレイン端子及び還流用ダイオードD3のカソード端子に接続されている。コンデンサCの他方の電極は、半導体スイッチQ2のソース端子、還流用ダイオードD2のアノード端子、半導体スイッチQ4のソース端子及び還流用ダイオードD4のアノード端子に接続されている。
半導体スイッチQ1のソース端子、還流用ダイオードD1のアノード端子、半導体スイッチQ2のドレイン端子及び還流用ダイオードD2のカソード端子は、入出力端子303及びバイパススイッチ302の一端子に接続されている。半導体スイッチQ3のソース端子、還流用ダイオードD3のアノード端子、半導体スイッチQ4のドレイン端子及び還流用ダイオードD4のカソード端子は、入出力端子304及びバイパススイッチ302の他端子に接続されている。このように、入出力端子303,304及びバイパススイッチ302は、半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4の端子同士が接続された接続部のうちのコンデンサCが接続されていない接続部に接続されている。
セル変換器31に設けられた入出力端子303及びバイパススイッチ302の一端子は、リアクトルLの一端子に接続されている。リアクトルLの他端子は、系統交流電源9の正極側端子に接続されている。セル変換器31に設けられた入出力端子304及びバイパススイッチ302の他端子は、セル変換器32に設けられた入出力端子303及びバイパススイッチ302の一端子に接続されている。
セル変換器32に設けられた入出力端子304及びバイパススイッチ302の他端子は、セル変換器33に設けられた入出力端子303及びバイパススイッチ302の一端子に接続されている。セル変換器33に設けられた入出力端子304及びバイパススイッチ302の他端子は、セル変換器34に設けられた入出力端子303及びバイパススイッチ302の一端子に接続されている。
セル変換器34に設けられた入出力端子304及びバイパススイッチ302の他端子は、セル変換器35に設けられた入出力端子303及びバイパススイッチ302の一端子に接続されている。セル変換器35に設けられた入出力端子304及びバイパススイッチ302の他端子は、系統交流電源9の負極側端子に接続されている。
図1に示すように、制御部5は、半導体スイッチQ1のスイッチングを制御する制御信号Sg1をセル変換器31~35に設けられた主回路301のそれぞれに個別に出力する。制御部5は、半導体スイッチQ2のスイッチングを制御する制御信号Sg2をセル変換器31~35に設けられた主回路301のそれぞれに個別に出力する。制御部5は、半導体スイッチQ3のスイッチングを制御する制御信号Sg3をセル変換器31~35に設けられた主回路301のそれぞれに個別に出力する。制御部5は、半導体スイッチQ4のスイッチングを制御する制御信号Sg4をセル変換器31~35に設けられた主回路301のそれぞれに個別に出力する。
制御部5は、セル変換器31に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd1をセル変換器31に出力する。制御部5は、セル変換器32に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd2をセル変換器32に出力する。制御部5は、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd3をセル変換器33に出力する。制御部5は、セル変換器34に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd4をセル変換器34に出力する。制御部5は、セル変換器35に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd5をセル変換器35に出力する。
セル変換器31は、セル変換器31が故障した場合に故障情報信号Sb1を制御部5に出力する。セル変換器32は、セル変換器32が故障した場合に故障情報信号Sb2を制御部5に出力する。セル変換器33は、セル変換器33が故障した場合に故障情報信号Sb3を制御部5に出力する。セル変換器34は、セル変換器34が故障した場合に故障情報信号Sb4を制御部5に出力する。セル変換器35は、セル変換器35が故障した場合に故障情報信号Sb5を制御部5に出力する。セル変換器31~35の故障として例えば、入力される制御信号Sg1~Sg4の信号レベルによらずに半導体スイッチQ1~Q4の少なくとも1つが短絡状態又は開放状態を維持する故障が挙げられる。
電力変換装置1は、半導体スイッチQ1~Q4のそれぞれのドレイン・ソース間電圧及びコンデンサCの直流電圧Vc1,Vc2,Vc3,Vc4,Vc5がセル変換器31~35から制御部5に入力されるように構成されている。制御部5は、このドレイン・ソース間電圧を故障情報信号Sb1~Sb5として用いてもよい。この場合、制御部5は、制御信号Sg1~Sg4に基づく制御によって得られる半導体スイッチQ1~Q4のドレイン・ソース間電圧と、セル変換器31~35から入力されるドレイン・ソース間電圧との一致度が規定値を満しているか否かを判定する。制御部5は、当該規定を満たしていないドレイン・ソース間電圧を出力する半導体スイッチが故障していると判定し、当該半導体スイッチを有するセル変換器を故障したセル変換器(以下、「故障セル変換器」と称する場合がある)と認定する。
また、制御部5は、コンデンサCの直流電圧Vc1~Vc5を故障情報信号Sb1~Sb5として用いてもよい。この場合、制御部5は、セル変換器31~35のそれぞれに設けられたコンデンサCの直流電圧の指令値と、セル変換器31~35のそれぞれから入力される直流電圧Vc1~Vc5との一致度が規定値を満しているか否かを判定する。制御部5は、当該規定を満たしていない直流電圧のコンデンサが故障していると判定し、当該コンデンサを有するセル変換器を故障セル変換器と認定する。
電力変換装置1は、セル変換器31,32,33,34,35のそれぞれに設けられたバイパススイッチ302がオフ状態からオン状態への切り替えが完了したことを示すスイッチ投入完了信号Sss1,Sss2,Sss3,Sss4,Sss5がセル変換器31から制御部5に入力されるように構成されている。スイッチ投入完了信号Sss1は、セル変換器31に設けられたバイパススイッチ302の切り替え完了を示す信号である。スイッチ投入完了信号Sss2は、セル変換器32に設けられたバイパススイッチ302の切り替え完了を示す信号である。スイッチ投入完了信号Sss3は、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302の切り替え完了を示す信号である。スイッチ投入完了信号Sss4は、セル変換器34に設けられたバイパススイッチ302の切り替え完了を示す信号である。スイッチ投入完了信号Sss5は、セル変換器35に設けられたバイパススイッチ302の切り替え完了を示す信号である。
図示は省略するが、バイパススイッチ302には、補助接点が設けられている。補助接点は、バイパススイッチ302がオン状態の場合にはオン状態となり、バイパススイッチ302がオフ状態の場合にはオフ状態となる。制御部5は、セル変換器31に設けられたバイパススイッチ302の補助接点の電圧をスイッチ投入完了信号Sss1として用い、セル変換器32に設けられたバイパススイッチ302の補助接点の電圧をスイッチ投入完了信号Sss2として用いるように構成されている。また、制御部5は、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302の補助接点の電圧をスイッチ投入完了信号Sss3として用い、セル変換器34に設けられたバイパススイッチ302の補助接点の電圧をスイッチ投入完了信号Sss4として用いるように構成されている。さらに、制御部5は、セル変換器35に設けられたバイパススイッチ302の補助接点の電圧をスイッチ投入完了信号Sss5として用いるように構成されている。
次に、制御部5の要部の構成について図1を参照しつつ図2を用いて説明する。制御部5は、複数のセル変換器31,32,33,34,35のうちの少なくとも1つである対象セル変換器に設けられたバイパススイッチ302をオフ状態からオン状態に切り替える切替期間において、当該対象セル変換器に流れる電流が上限値を超えている場合には当該電流を当該上限値以下に低減するように構成されている。
ここで、対象セル変換器は、オフ状態からオン状態への切り替えを制御部5から要求されたバイパススイッチ302を有するセル変換器である。本実施形態では、制御部5は、セル変換器31~35のうち、故障したと判定したセル変換器に設けられたバイパススイッチ302に対してオフ状態からオン状態への切り替えを要求する。このため、本実施形態では、セル変換器31~35のうちの故障セル変換器が対象セル変換器となる。
また、当該上限値は、対象セル変換器に設けられたコンデンサCの容量及び定格電圧と、切替期間の長さと、対象セル変換器に設けられたバイパススイッチ302の切り替え前における当該対象セル変換器の動作電圧に対する過電圧のレベルとに基づいて決定される。
図2に示すように、制御部5は、対象セル変換器に流れる電流を必要に応じて上限値以下に低減するために設けられた構成として、故障情報処理部50、バイパススイッチ駆動部51、スイッチング指令処理部52、パルス幅変調(Pulse Width Modulation:PWM)制御部53、バイパススイッチ状態処理部54、キャリア生成部55、電流指令減衰部56、電流制御部57、直流電圧制御部58及び電圧指令生成部59とを有している。
故障情報処理部50は、セル変換器31~35のそれぞれから入力される故障情報信号Sb1~Sb5に基づいて、セル変換器31~35の状態を判定する。故障情報処理部50は、セル変換器31~35の状態の判定結果を示す故障判定信号Sbd1,Sbd2,Sbd3,Sbd4,Sbd5をスイッチング指令処理部52、バイパススイッチ駆動部51、キャリア生成部55、電流指令減衰部56及び電圧指令生成部59に出力する。
故障情報処理部50は、セル変換器31が故障していると判定した場合には電圧レベルが高レベルの故障判定信号Sbd1を出力し、セル変換器31が故障していない(健全である)と判定した場合には電圧レベルが低レベルの故障判定信号Sbd1を出力する。故障情報処理部50は、セル変換器32が故障していると判定した場合には電圧レベルが高レベルの故障判定信号Sbd2を出力し、セル変換器32が故障していない(健全である)と判定した場合には電圧レベルが低レベルの故障判定信号Sbd2を出力する。故障情報処理部50は、セル変換器33が故障していると判定した場合には電圧レベルが高レベルの故障判定信号Sbd3を出力し、セル変換器33が故障していない(健全である)と判定した場合には電圧レベルが低レベルの故障判定信号Sbd3を出力する。故障情報処理部50は、セル変換器34が故障していると判定した場合には電圧レベルが高レベルの故障判定信号Sbd4を出力し、セル変換器34が故障していない(健全である)と判定した場合には電圧レベルが低レベルの故障判定信号Sbd4を出力する。故障情報処理部50は、セル変換器35が故障していると判定した場合には電圧レベルが高レベルの故障判定信号Sbd5を出力し、セル変換器35が故障していない(健全である)と判定した場合には電圧レベルが低レベルの故障判定信号Sbd5を出力する。
スイッチング指令処理部52は、制御部5に入力される運転指令信号Soと、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd1~Sbd5とに基づいて、セル変換器31~35のスイッチング指令信号Ssw1,Ssw2,Ssw3,Ssw4,Ssw5を決定する。スイッチング指令処理部52は、決定したスイッチング指令信号Ssw1~Ssw5をPWM制御部53に出力する。
運転指令信号Soは、電力変換装置1の運転の開始又は停止を指令するための信号である。電力変換装置1は、制御部5に接続されたスイッチ(不図示)を備えている。電力変換装置1の運転を操作する操作者が電力変換装置1の運転を開始するために当該スイッチをオン状態とすることにより、電圧レベルが高レベルの運転指令信号Soがスイッチング指令処理部52に入力される。一方、当該操作者が電力変換装置1の運転を停止するために当該スイッチをオフ状態とすることにより、電圧レベルが低レベルの運転指令信号Soがスイッチング指令処理部52に入力される。
図2に示すように、スイッチング指令処理部52は、故障判定信号Sbd1が入力される論理否定(NOT)ゲート520と、NOTゲート520の出力信号及び運転指令信号Soが入力される論理積(AND)ゲート521とを有している。ANDゲート521は、NOTゲート520の出力信号及び運転指令信号Soを論理積した信号をスイッチング指令信号Ssw1としてPWM制御部53に出力する。
スイッチング指令処理部52は、故障判定信号Sbd2が入力される論理否定(NOT)ゲート522と、NOTゲート522の出力信号及び運転指令信号Soが入力される論理積(AND)ゲート523とを有している。ANDゲート523は、NOTゲート522の出力信号及び運転指令信号Soを論理積した信号をスイッチング指令信号Ssw2としてPWM制御部53に出力する。
スイッチング指令処理部52は、故障判定信号Sbd3が入力される論理否定(NOT)ゲート524と、NOTゲート524の出力信号及び運転指令信号Soが入力される論理積(AND)ゲート525とを有している。ANDゲート525は、NOTゲート524の出力信号及び運転指令信号Soを論理積した信号をスイッチング指令信号Ssw3としてPWM制御部53に出力する。
スイッチング指令処理部52は、故障判定信号Sbd4が入力される論理否定(NOT)ゲート526と、NOTゲート526の出力信号及び運転指令信号Soが入力される論理積(AND)ゲート527とを有している。ANDゲート527は、NOTゲート526の出力信号及び運転指令信号Soを論理積した信号をスイッチング指令信号Ssw4としてPWM制御部53に出力する。
スイッチング指令処理部52は、故障判定信号Sbd5が入力される論理否定(NOT)ゲート528と、NOTゲート528の出力信号及び運転指令信号Soが入力される論理積(AND)ゲート529とを有している。ANDゲート529は、NOTゲート528の出力信号及び運転指令信号Soを論理積した信号をスイッチング指令信号Ssw5としてPWM制御部53に出力する。
図2に示すように、バイパススイッチ駆動部51は、セル変換器31,32,33,34,35に設けられたバイパススイッチ302をそれぞれ駆動する駆動部511,512,513,514,515を有している。駆動部511は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd1の例えば電圧レベルに基づいて制御信号Ssd1を生成し、生成した制御信号Ssd1をセル変換器31に設けられたバイパススイッチ302に出力する。駆動部511は、故障判定信号Sbd1の電圧レベルが例えば高レベルの場合(セル変換器31が故障している場合)にバイパススイッチ302をオン状態とする電圧レベル(例えば高レベル)の制御信号Ssd1を生成する。一方、駆動部511は、故障判定信号Sbd1の電圧レベルが例えば低レベルの場合(セル変換器31が故障していない場合)にバイパススイッチ302をオフ状態とする電圧レベル(例えば低レベル)の制御信号Ssd1を生成する。
駆動部512は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd2に基づく点を除いて、駆動部511と同様に動作して制御信号Ssd2を生成し、生成した制御信号Ssd2をセル変換器32に設けられたバイパススイッチ302に出力する。駆動部513は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd3に基づく点を除いて、駆動部511と同様に動作して制御信号Ssd3を生成し、生成した制御信号Ssd3をセル変換器33に設けられたバイパススイッチ302に出力する。
駆動部514は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd4に基づく点を除いて、駆動部511と同様に動作して制御信号Ssd4を生成し、生成した制御信号Ssd4をセル変換器34に設けられたバイパススイッチ302に出力する。駆動部515は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd5に基づく点を除いて、駆動部511と同様に動作して制御信号Ssd5を生成し、生成した制御信号Ssd5をセル変換器35に設けられたバイパススイッチ302に出力する。
図2に示すように、バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器31~35に設けられたバイパススイッチ302が短絡状態及び開放状態のいずれの状態であるのかを示す状態情報信号Ssi1,Ssi2,Ssi3,Ssi4,Ssi5をキャリア生成部55及び電流指令減衰部56に出力する。バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器31から入力されるスイッチ投入完了信号Sss1の例えば電圧レベルに基づいて状態情報信号Ssi1を生成し、生成した状態情報信号Ssi1をキャリア生成部55及び電流指令減衰部56に出力する。バイパススイッチ状態処理部54は、スイッチ投入完了信号Sss1の電圧レベルが例えば高レベルの場合にセル変換器31に設けられたバイパススイッチ302がオフ状態であってスイッチ投入が完了していないと判定する。バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器31に設けられたバイパススイッチ302のスイッチ投入が完了していないと判定すると、当該バイパススイッチ302の投入が完了していないことを示す電圧レベル(例えば低レベル)の状態情報信号Ssi1を生成する。一方、バイパススイッチ状態処理部54は、スイッチ投入完了信号Sss1の電圧レベルが例えば低レベルの場合にセル変換器31に設けられたバイパススイッチ302がオン状態であってスイッチ投入が完了していると判定する。バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器31に設けられたバイパススイッチ302のスイッチ投入が完了していると判定すると、当該バイパススイッチ302の投入が完了したことを示す電圧レベル(例えば高レベル)の状態情報信号Ssi1を生成する。
バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器32から入力されるスイッチ投入完了信号Sss2に基づく点を除いて、状態情報信号Ssi1と同様の方法で状態情報信号Ssi2を生成し、生成した状態情報信号Ssi2をキャリア生成部55及び電流指令減衰部56に出力する。バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器33から入力されるスイッチ投入完了信号Sss3に基づく点を除いて、状態情報信号Ssi1と同様の方法で状態情報信号Ssi3を生成し、生成した状態情報信号Ssi3をキャリア生成部55及び電流指令減衰部56に出力する。
バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器34から入力されるスイッチ投入完了信号Sss4に基づく点を除いて、状態情報信号Ssi1と同様の方法で状態情報信号Ssi4を生成し、生成した状態情報信号Ssi4をキャリア生成部55及び電流指令減衰部56に出力する。バイパススイッチ状態処理部54は、セル変換器35から入力されるスイッチ投入完了信号Sss5に基づく点を除いて、状態情報信号Ssi1と同様の方法で状態情報信号Ssi5を生成し、生成した状態情報信号Ssi5をキャリア生成部55及び電流指令減衰部56に出力する。
図2に示すように、キャリア生成部55は、セル変換器31~35のそれぞれの主回路301に設けられた半導体スイッチQ1~Q4(図1参照)をPWM制御するための三角波キャリア信号を生成する。キャリア生成部55は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd1~Sbd5及びバイパススイッチ状態処理部54から入力される状態情報信号Ssi1~Ssi5の両方又は片方のみを使用して、セル変換器31~35のうちの健全なセル変換器(以下、「健全セル変換器」と称する場合がある)のための三角波キャリア信号が等間隔になるように位相シフト量を決定する。例えば、セル変換器31~35のいずれも健全な(故障していない)場合には、キャリア生成部55は、セル変換器31~35のための三角波キャリア信号が等間隔となるように位相シフト量を決定する。また例えば、セル変換器33が故障し、セル変換器31,32,34,35が故障していない場合には、キャリア生成部55は、セル変換器31,32,34,35のための三角波キャリア信号が等間隔となるように位相シフト量を決定する。
図2に示すように、電流指令減衰部56は、故障情報処理部50から入力されセル変換器31~35の状態の判定結果を示す故障判定信号Sbd1~Sbd5及びバイパススイッチ状態処理部54から入力されてセル変換器31~35に設けられたバイパススイッチ302の状態を示す状態情報信号Ssi1~Ssi5に基づいて、切り替え期間中の電流指令の減衰係数Kを決定する。
電流指令減衰部56は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd1と、バイパススイッチ状態処理部54から入力される状態情報信号Ssi1との排他的否定論理和の論理演算を実行する排他的否定論理和(XNOR)ゲート561を有している。電流指令減衰部56は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd2と、バイパススイッチ状態処理部54から入力される状態情報信号Ssi2との排他的否定論理和の論理演算を実行する排他的否定論理和(XNOR)ゲート562を有している。電流指令減衰部56は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd3と、バイパススイッチ状態処理部54から入力される状態情報信号Ssi3との排他的否定論理和の論理演算を実行する排他的否定論理和(XNOR)ゲート563を有している。
電流指令減衰部56は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd4と、バイパススイッチ状態処理部54から入力される状態情報信号Ssi4との排他的否定論理和の論理演算を実行する排他的否定論理和(XNOR)ゲート564を有している。電流指令減衰部56は、故障情報処理部50から入力される故障判定信号Sbd5と、バイパススイッチ状態処理部54から入力される状態情報信号Ssi5との排他的否定論理和の論理演算を実行する排他的否定論理和(XNOR)ゲート565を有している。
電流指令減衰部56は、XNORゲート561~565のそれぞれから入力される演算結果信号の論理積演算を実行する論理積(AND)ゲート566を有している。電流指令減衰部56は、制御部5に設けられた電流指令値生成部(不図示)から入力される電流指令値IsにANDゲート566から入力される演算結果信号である減衰係数Kを積算する積算部567を有している。積算部567は、電流指令値Isに減衰係数Kを積算した積算結果信号Iskを電流制御部57に出力する。
例えば、セル変換器31~35のいずれも故障していない場合には、故障判定信号Sbd1~Sbd5及び状態情報信号Ssi1~Ssi5のそれぞれは、電圧レベルが低レベルの信号となる。このため、XNORゲート561~565のそれぞれは、電圧レベルが高レベルの演算結果信号をANDゲート566に出力する。その結果、ANDゲート566は電圧レベルが高レベルの減衰係数Kを出力するので、積算部567は、電流指令値生成部(不図示)から入力される電流指令値Isと同じ信号を積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力する。
また例えば、セル変換器31~35のうちのいずれか1つ(例えばセル変換器33とする)が故障し、かつ故障したセル変換器33に設けられたバイパススイッチ302がオン状態に切り替わっていない(スイッチ投入が完了していない)とする。この場合、セル変換器33から出力される故障判定信号Sbd3は電圧レベルが高レベルの信号となり、状態情報信号Ssi3は、電圧レベルが低レベルの信号となり、故障判定信号Sbd1,Sbd2,Sbd4,Sbd5及び状態情報信号Ssi1,Ssi2,Ssi4,Ssi5のそれぞれは、電圧レベルが低レベルの信号となる。このため、XNORゲート563は、電圧レベルが低レベルの演算結果信号をANDゲート566に出力し、XNORゲート561,562,564,565のそれぞれは、電圧レベルが高レベルの演算結果信号をANDゲート566に出力する。その結果、ANDゲート566は電圧レベルが低レベルの減衰係数Kを出力するので、積算部567は、減衰係数Kに応じて電流振幅が減衰された電流指令値Isを積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力する。
また、故障したセル変換器33に設けられたバイパススイッチ302がオン状態に切り替わった(スイッチ投入が完了した)とする。この場合、セル変換器33から出力される故障判定信号Sbd3は高レベルの電圧レベルが維持され、状態情報信号Ssi3は、電圧レベルが高レベルの信号となり、故障判定信号Sbd1,Sbd2,Sbd4,Sbd5及び状態情報信号Ssi1,Ssi2,Ssi4,Ssi5のそれぞれは、低レベルの電圧レベルが維持される。その結果、ANDゲート566は電圧レベルが高レベルの減衰係数Kを出力するので、積算部567は、電流指令値生成部から入力される電流指令値Isと同じ信号を積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力する。
本実施形態における減衰係数Kは、バイパススイッチの切替期間では電圧レベルが低レベル(例えばK=0)となり、切替期間以外の期間では電圧レベルが高レベル(例えばK=1)となる。このため、本実施形態では、電流指令減衰部56は、バイパススイッチの切替期間では電圧レベルが低レベル(例えば0V)の積算結果信号Iskを電流制御部57に出力し、切替期間以外の期間では電流指令値Isと同じ信号を積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力する。
このように、電流指令減衰部56は、故障したセル変換器(対象セル変換器の一例)に設けられたバイパススイッチをオフ状態からオン状態に切り替える切替期間において、電流振幅レベルが減衰された電流指令値Isを積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力し、切替期間以外の期間において電流指令値Isを同じ信号を積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力するように構成されている。故障したセル変換器に設けられたバイパススイッチは、制御部5に制御されて切り替えられる。このため、切替期間は、制御部5が例えば故障したセル変換器(対象セル変換器の一例)に設けられたバイパススイッチに切り替えを要求してから当該バイパススイッチの接点が閉じるまでの期間である。したがって、電流指令減衰部56は、バイパススイッチ駆動部51が故障したセル変換器(対象セル変換器の一例)に設けられたバイパススイッチに切り替えを要求してから、バイパススイッチ状態処理部54が当該バイパススイッチの投入が完了したと判定するまでの期間において、電流振幅レベルが減衰された電流指令値Isを積算結果信号Iskとして電流制御部57に出力する。
電流指令減衰部56は、図2に示す構成に限られず、故障セル変換器に設けられたコンデンサCの容量及び定格電圧と、切替期間の長さと、故障セル変換器に設けられたバイパススイッチ302の切り替え前における当該故障セル変換器の動作電圧に対する過電圧のレベルとに基づいて減衰係数Kを決定するように構成されていてもよい。この場合、故障セル変換器を含む単相クラスタ3には、故障セル変換器に設けられたコンデンサCの直流電圧が上記過電圧のレベルを超えない程度の電流が切替期間中に流れる。
図2に示すように、電流制御部57は、電流指令減衰部56から入力される積算結果信号Iskに基づいて、複数のセル変換器31~35に流れる電流Isが追従される電圧指令値を生成する。電流制御部57は、生成した電圧指令値を電圧指令生成部59に出力する。
図2に示すように、直流電圧制御部58は、セル変換器31~35のうちの健全セル変換器に設けられたコンデンサCの直流電圧が制御部5に設けられた直流電圧指令値生成部(不図示)から入力される直流電圧指令値Vcに追従するように制御する。直流電圧制御部58は、健全セル変換器に設けられたコンデンサCの直流電圧を直流電圧指令値Vcに追従させるために各健全セル変換器に有効電力の授受を発生させる電圧補正指令値を生成し、生成した電圧補正指令値を電圧指令生成部59に出力する。
図2に示すように、電圧指令生成部59は、故障情報処理部50から入力される故障情報信号Sb1~Sb5、電流制御部57から入力される電圧指令値及び直流電圧制御部58から入力される電圧補正指令値に基づいて、セル変換器31~35の主回路301に設けられた半導体スイッチQ1~Q4をPWM制御するための電圧指令値を生成する。電圧指令生成部59は、生成した電圧指令値をPWM制御部53に出力する。電圧指令生成部59は、セル変換器31~35ごとに電圧指令値を生成する。
詳細は後述するが、電力変換装置1は、セル変換器31~35のいずれか1つに故障セル変換器が含まれている場合、故障セル変換器のバイパススイッチをオフ状態からオン状態に切り替える切替期間おける当該故障セル変換器のコンデンサの直流電圧の上昇を防止するために、当該切替期間では故障セル変換器に電流を流さないように制御する。つまり、セル変換器31~35のいずれか1つに故障セル変換器が含まれている場合には、電圧指令生成部59は、当該切替期間において故障セル変換器に電流を流さない(すなわち単相クラスタ3(換言すれば複数のセル変換器31~35)に電流を流さない)ように健全セル変換器をPWM制御するための電圧指令値を生成する。
上述のとおり、電圧指令生成部59が生成する電圧指令値は、電流制御部57から入力される電圧指令値に基づいて生成される。当該電圧指令値は、スイッチ投入完了信号Sss1,Sss2,Sss3,Sss4,Sss5に基づく状態情報信号Ssi1,Ssi2,Ssi3,Ssi4,Ssi5を用いて生成された積算結果信号Iskに基づいて生成されている。したがって、制御部5は、複数のセル変換器31~35のそれぞれから入力されてバイパススイッチ302がオン状態か否かを示す信号(例えばスイッチ投入完了信号Sss1,Sss2,Sss3,Sss4,Sss5)に基づいて、切替期間において故障セル変換器(対象セル変換器の一例)に流れる電流を低減する。
図2に示すように、PWM制御部53は、セル変換器31~35に対して、電圧指令生成部59から入力される電圧指令値と、キャリア生成部55より入力される三角波キャリア信号とに基づいて、セル変換器31~35それぞれに対する制御信号Sg1~Sg4を生成する。
PWM制御部53は、セル変換器31をPWM制御するPWM部531と、セル変換器32をPWM制御するPWM部532と、セル変換器33をPWM制御するPWM部533と、セル変換器34をPWM制御するPWM部534と、セル変換器35をPWM制御するPWM部535とを有している。
PWM部531は、キャリア生成部55から入力されてセル変換器31用の三角波キャリア信号と、電圧指令生成部59から入力されてセル変換器31用の電圧指令値とに基づいて、セル変換器31の主回路301に設けられた半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4のゲート端子に入力される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4を生成する。PWM部531で生成される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4は、例えばパルス信号である。
電力変換装置1が運転中であってセル変換器31が故障していない場合、スイッチング指令処理部52に設けられたANDゲート521から出力されるスイッチング指令信号Ssw1は、電圧レベルが高レベルの信号である。この場合、PWM部531は、セル変換器31の主回路301をPWM制御するために、生成した制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器31に出力する。一方、電力変換装置1が運転中であってセル変換器31が故障している場合、スイッチング指令処理部52に設けられたANDゲート521から出力されるスイッチング指令信号Ssw1は、電圧レベルが低レベルの信号である。この場合、PWM部531は、セル変換器31の主回路301をPWM制御しない(すなわちセル変換器31のスイッチング動作を停止する)ために、生成した制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4ではなく例えば電圧レベルが低レベルで一定の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器31に出力する。これにより、スイッチング指令信号Ssw1は、セル変換器31の動作を規制することができる。
PWM部532は、キャリア生成部55から入力されてセル変換器32用の三角波キャリア信号と、電圧指令生成部59から入力されてセル変換器32用の電圧指令値とに基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作してセル変換器32の主回路301に設けられた半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4のゲート端子に入力される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4を生成する。PWM部532で生成される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4は、例えばパルス信号である。
電力変換装置1が運転中であってセル変換器32が故障していない場合、スイッチング指令処理部52に設けられたANDゲート523から出力されるスイッチング指令信号Ssw2は、電圧レベルが高レベルの信号である。一方、電力変換装置1が運転中であってセル変換器32が故障している場合、ANDゲート523から出力されるスイッチング指令信号Ssw2は、電圧レベルが低レベルの信号である。PWM部532は、ANDゲート523から出力されるスイッチング指令信号Ssw2に基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作する。これにより、PWM部532は、セル変換器32が故障していない場合にはパルス状の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器32に出力し、セル変換器32が故障している場合には、例えば電圧レベルが低レベルで一定の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器32に出力する。これにより、スイッチング指令信号Ssw2は、セル変換器32の動作を規制することができる。
PWM部533は、キャリア生成部55から入力されてセル変換器33用の三角波キャリア信号と、電圧指令生成部59から入力されてセル変換器33用の電圧指令値とに基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作してセル変換器33の主回路301に設けられた半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4のゲート端子に入力される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4を生成する。PWM部533で生成される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4は、例えばパルス信号である。
電力変換装置1が運転中であってセル変換器33が故障していない場合、スイッチング指令処理部52に設けられたANDゲート523から出力されるスイッチング指令信号Ssw3は、電圧レベルが高レベルの信号である。一方、電力変換装置1が運転中であってセル変換器33が故障している場合、ANDゲート523から出力されるスイッチング指令信号Ssw3は、電圧レベルが低レベルの信号である。PWM部533は、ANDゲート523から出力されるスイッチング指令信号Ssw3に基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作する。これにより、PWM部533は、セル変換器33が故障していない場合にはパルス状の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器33に出力し、セル変換器33が故障している場合には、例えば電圧レベルが低レベルで一定の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器33に出力する。これにより、スイッチング指令信号Ssw3は、セル変換器33の動作を規制することができる。
PWM部534は、キャリア生成部55から入力されてセル変換器34用の三角波キャリア信号と、電圧指令生成部59から入力されてセル変換器34用の電圧指令値とに基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作してセル変換器34の主回路301に設けられた半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4のゲート端子に入力される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4を生成する。PWM部534で生成される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4は、例えばパルス信号である。
電力変換装置1が運転中であってセル変換器34が故障していない場合、スイッチング指令処理部52に設けられたANDゲート525から出力されるスイッチング指令信号Ssw4は、電圧レベルが高レベルの信号である。一方、電力変換装置1が運転中であってセル変換器34が故障している場合、ANDゲート525から出力されるスイッチング指令信号Ssw4は、電圧レベルが低レベルの信号である。PWM部534は、ANDゲート525から出力されるスイッチング指令信号Ssw4に基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作する。これにより、PWM部534は、セル変換器34が故障していない場合にはパルス状の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器34に出力し、セル変換器34が故障している場合には、例えば電圧レベルが低レベルで一定の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器34に出力する。これにより、スイッチング指令信号Ssw4は、セル変換器34の動作を規制することができる。
PWM部535は、キャリア生成部55から入力されてセル変換器35用の三角波キャリア信号と、電圧指令生成部59から入力されてセル変換器35用の電圧指令値とに基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作してセル変換器35の主回路301に設けられた半導体スイッチQ1,Q2,Q3,Q4のゲート端子に入力される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4を生成する。PWM部535で生成される制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4は、例えばパルス信号である。
電力変換装置1が運転中であってセル変換器35が故障していない場合、スイッチング指令処理部52に設けられたANDゲート525から出力されるスイッチング指令信号Ssw5は、電圧レベルが高レベルの信号である。一方、電力変換装置1が運転中であってセル変換器35が故障している場合、ANDゲート525から出力されるスイッチング指令信号Ssw5は、電圧レベルが低レベルの信号である。PWM部535は、ANDゲート525から出力されるスイッチング指令信号Ssw5に基づく点を除いて、PWM部531と同様に動作する。これにより、PWM部535は、セル変換器35が故障していない場合にはパルス状の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器35に出力し、セル変換器35が故障している場合には、例えば電圧レベルが低レベルで一定の制御信号Sg1,Sg2,Sg3,Sg4をセル変換器35に出力する。これにより、スイッチング指令信号Ssw5は、セル変換器35の動作を規制することができる。
(電力変換装置の動作)
次に、本実施形態による電力変換装置1の動作について図1及び図2を参照しつつ図3から図6を用いて説明する。電力変換装置1の動作を説明する前に、比較例としての電力変換装置の動作及び当該電力変換装置の問題点について図3及び図4を用いて説明する。比較例としての電力変換装置は、制御部が電流指令減衰部を有さない点、及び電流制御部には電流指令値が直接入力される点を除いて、電力変換装置1と同様の構成を有している。このため、比較例としての電力変換装置の動作について、図1及び図2を参照しつつ必要に応じて電力変換装置1に設けられた構成要件と同じ名称及び参照符号を用いて説明する。
図3は、比較例としての電力変換装置の動作の一例であって直列に接続された複数(本比較例では5個)のセル変換器のうちの1つのセル変換器が故障した場合のタイミングチャートである。本例では、直列に接続された5個のセル変換器うちの中央(3個目)のセル変換器が故障したと仮定する。図3中の「Sb3」は、故障セル変換器の故障情報信号(例えば図2中に示す故障判定信号Sb3に相当する)を示している。図3中の「Sb1,Sb2,Sb4,Sb5」は、健全セル変換器の故障情報信号(例えば図2中に示す故障情報信号Sb1,Sb2,Sb4,Sb5に相当する)を示している。図3中の「Ssw3」は、故障セル変換器のスイッチング動作を規制するスイッチング指令信号(例えば図2中に示すスイッチング指令信号Ssw3に相当する)を示している。図3中の「Ssw1,Ssw2,Ssw4,Ssw5」は、健全セル変換器のスイッチング動作を規制するスイッチング指令信号(例えば図2中に示すスイッチング指令信号Ssw1,Ssw2,Ssw4,Ssw5に相当する)を示している。
図3中の「Ssd3」は、故障セル変換器に設けられたバイパススイッチのスイッチングを制御する制御信号(例えば図2中に示す制御信号Ssd3に相当する)を示している。図3中の「Ssd1,Ssd2,Ssd4,Ssd5」は、健全セル変換器に設けられたバイパススイッチのスイッチングを制御する制御信号(例えば図2中に示す制御信号Ssd1,Ssd2,Ssd4,Ssd5に相当する)を示している。図3中の「Sss3」は、故障セル変換器に設けられたバイパススイッチの投入が完了したことを示すスイッチ投入完了信号(例えば図2中に示すスイッチ投入完了信号Sss3に相当する)を示している。図3中の「Sss1,Sss3,Sss4,Sss5」は、健全セル変換器に設けられたバイパススイッチの投入が完了したことを示すスイッチ投入完了信号(例えば図2中に示すスイッチ投入完了信号Sss1,Sss3,Sss4,Sss5に相当する)を示している。
図3中の「0」は、各信号の電圧レベルのうちの低レベルを示し、図3中の「1」は、各信号の電圧レベルのうちの高レベルを示している。図3中の「NOM」は、全てのセル変換器が故障せずに運転されている通常運転モードを示している。図3中の「Pc」は、故障セル変換器に設けられたバイパススイッチをオフ状態からオン状態に切り替える切替期間を示している。図3中の「BOM」は、故障セル変換器以外の健全セル変換器が運転されている故障運転モードを示している。
図4は、比較例としての電力変換装置と系統交流電源との間で入出力される電力に関する電圧及び電流のシミュレーション結果を示している。図4中の「Vs」は、比較例としての電力変換装置に連係された系統交流電源の電圧波形(例えば図1中に示す交流電圧Vsに相当する)を示している。図4中の「Vi」は、複数のセル変換器のそれぞれの交流出力電圧(図1中に示す交流出力電圧V1,V2,V3,V4,V5に相当する)を合計した単相クラスタの交流出力電圧(例えば図1中に示す単相クラスタ3の交流出力電圧Viに相当する)を示している。図4中の「Is」は、複数のセル変換器に流れる交流電流、すなわち単相クラスタに流れる交流電流(図1中に示す交流電流Isに相当する)を示している。図4中の「Vc1、Vc2,Vc3,Vc4,Vc5」は、複数のセル変換器に設けられたそれぞれのコンデンサの直流電圧(例えば図1に示すセル変換器31~35のそれぞれに設けられたコンデンサCの直流電圧Vc1、Vc2,Vc3,Vc4,Vc5に相当する)を示している。
図4中の「V0」は、各信号の基準電圧レベル(例えば0V)を示している。図4中の「I0」は、交流電流Isの基準電流レベル(例えば0A)を示している。図4中の「NOM」、「Pc」及び「BOM」は、図3中の「NOM」、「Pc」及び「BOM」と同内容を示している。
図3に示すように、比較例としての電力変換装置の通常運転モードNOMかつ5個のセル変換器に故障が発生していない期間(時刻t1よりも前の期間)では、全てのセル変換器の故障情報信号Sb1~Sb5の電圧レベルは、セル変換器に故障が発生していないことを示す低レベルである。また、当該期間では、5個のセル変換器に設けられた主回路のスイッチング動作が規制されていないため、5個のセル変換器のそれぞれに対応するスイッチング指令信号Ssw1~Ssw5の電圧レベルは、高レベルである。また、当該期間では、セル変換器に故障が発生していないため、バイパススイッチのスイッチングを制御する制御信号Ssd1~Ssd5の電圧レベルは低レベルであり、バイパススイッチのスイッチ投入完了信号Sss1~Sss5の電圧レベルも低レベルである。
このため、図4に示すように、比較例としての電力変換装置の通常運転モードNOMかつ5個のセル変換器に故障が発生していない期間(時刻t1よりも前の期間)では、比較例としての電力変換装置に設けられた単相クラスタ(図1中に示す単相クラスタ3に相当する)のすべてのセル変換器がPWM制御される。図4に、当該期間の系統交流電源の交流電圧Vs及び電力変換器の交流出力電圧Vi、交流電流Isの一例を示す。また、当該期間では、5個のセル変換器に設けられたコンデンサ(図1中に示すコンデンサCに相当する)の直流電圧Vc1~Vc5は、互いにほぼ同じ値となり、かつほぼ一定値となる。
時刻t1において、3個目のセル変換器が故障するとする。ここで、3個目のセル変換器の半導体スイッチQ1~Q4のいずれか開放故障すると仮定する。すると、3個目のセル変換器の故障情報信号Sb3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わる。これにより、制御部(図1中に示す制御部5に相当する)は、3個目のセル変換器(図1中に示すセル変換器33に相当する)のスイッチング動作(より具体的には、当該セル変換器に設けられた主回路(図1中に示すセル変換器33の主回路301に相当する)のスイッチング動作)を規制するためにスイッチング指令信号(図3中に示すスイッチング指令信号Ssw3に相当する)の電圧レベルを高レベルから低レベルに切り替える。その結果、当該セル変換器のスイッチング動作が停止する。
さらに、当該制御部は、当該セル変換器に設けられたバイパススイッチ(図1中に示すセル変換器33のバイパススイッチ302に相当する)をオフ状態からオン状態に切り替えるための切り替え要求として、当該バイパススイッチのスイッチングを制御する制御信号Ssd3の電圧レベルを低レベルから高レベルに切り替える。これにより、バイパススイッチをオフ状態からオン状態に切り替える切替期間Pcが開始される。故障情報信号Sb3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わってから制御信号Ssd3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わるまでの間には、所定の遅延時間が生じるが、当該遅延時間は、切替期間Pcの時間と比較して極めて短い。このため、図3では、当該遅延時間の図示は省略され、故障情報信号Sb3の電圧レベルの切り替わりの開始から制御信号Ssd3の電圧レベルの切り替わりの終了までの動作が、時刻t1において実行されているように図示されている。
切替期間Pcが開始された後も4個の健全セル変換器は、通常運転モードNOMの時と同様にPWM制御によって動作している。
切替期間Pcが開始された後も4個の健全セル変換器が動作しているため、当該単相クラスタと系統交流電源との間で電流が入出力される。ただし、当該期間は故障セル変換器の入出力端子に現れる交流電圧が電力変換器の電流制御において外乱となり、電流制御の性能が低下する場合がある。このため、図4に示すように、電力変換器に流れる電流は、通常運転モードNOMの時とは異なる電流波形となる場合がある。故障セル変換器である3個目のセル変換器の主回路はスイッチング動作をしていないが、主回路に設けられた還流用ダイオードを通って当該電流が3個目のセル変換器に設けられたコンデンサに流れる。その結果、当該コンデンサの直流電圧Vc3が上昇する。一方、図4に示すように、当該残余のセル変換器に設けられたコンデンサのそれぞれの直流電圧Vc1,Vc2,Vc4,Vc5は減少する場合がある。
時刻t2において3個目のセル変換器に設けられたバイパススイッチがオン状態となってスイッチ投入が完了すると、当該バイパススイッチのスイッチ投入完了信号Sss3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わる。これにより、比較例としての電力変換装置は、時刻t2以降では故障運転モードBOMで動作する。
故障運転モードBOMでは、3個目のセル変換器(故障セル変換器)に設けられた主回路のスイッチング動作がなされず、かつ当該セル変換器に設けられたバイパススイッチがオン状態となっている。このため、故障運転モードBOMでは、系統交流電源との間での電力の入出力は4個のセル変換器によって制御される。これにより、図4に示すように、4個のセル変換器のそれぞれの出力電圧(図1中に示す出力電圧V1,V2,V4,V5に相当する)を合計した単相クラスタの交流出力電圧Viは、通常運転モードNOMの時とほぼ同じ電圧となる。
また、故障運転モードBOMでは、3個目のセル変換器(故障セル変換器)に設けられたバイパススイッチがオン状態となっているので、通常運転モードNOM及び切替期間Pcと異なり、単相クラスタに流れる電流は、3個目のセル変換器に設けられたコンデンサには流れずに当該バイパススイッチに流れる。すなわち、単相クラスタに流れる電流は、健全な4個のセル変換器によって制御される。このため、図4に示すように、健全な4個のセル変換器によって制御されて単相クラスタに流れる交流電流Isは、通常運転モードNOMの時とほぼ同じ電流となる。
また、故障運転モードBOMでは、3個目のセル変換器に設けられたコンデンサには電流が流れないので、図4に示すように、3個目のセル変換器に設けられたコンデンサの直流電圧Vc3は、時刻t2時点に放電し始める。一方、健全な4個のセル変換器に設けられたそれぞれのコンデンサには、PWM制御に基づく電流が流れるため、時刻t2時点での電圧値から徐々に上昇し、最終的に通常運転モードNOMでの電圧とほぼ同じ電圧値となる。
このように、比較例としての電力変換装置では、切替期間Pcにおいて故障セル変換器に設けられたコンデンサの直流電圧が上昇する場合がある。特に、セル変換器に設けられたバイパススイッチが機械スイッチで構成されている場合、スイッチの投入期間(オフ状態からオン状態に切り替わる期間)が例えば数十ミリ秒と、半導体スイッチの切替期間と比較して長くなる。このため、比較例としての電力変換装置は、故障セル変換器に設けられたコンデンサの直流電圧が上昇した場合に直流過電圧が発生し、当該コンデンサの直流電圧が絶対最大定格電圧を超えてしまう可能性があるという問題を有している。
次に、本実施形態による電力変換装置1の動作について図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施形態による電力変換装置1の動作の一例であってセル変換器31~35のうちのセル変換器33が故障した場合のタイミングチャートである。図5中の「Sbd3」は、セル変換器31の故障判定信号Sbd3を示している。図5中の「Sb1,Sb2,Sb4,Sb5」は、健全なセル変換器31,32,34,35の故障情報信号Sb1,Sb2,Sb4,Sb5を示している。図5中の「Ssw3」は、セル変換器33のスイッチング動作を規制するスイッチング指令信号Ssw3を示している。図5中の「Ssw1,Ssw2,Ssw4,Ssw5」は、健全なセル変換器31,32,34,35のスイッチング動作を規制するスイッチング指令信号Ssw1,Ssw2,Ssw4,Ssw5を示している。
図5中の「Ssd3」は、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd3を示している。図5中の「Ssd1,Ssd2,Ssd4,Ssd5」は、健全なセル変換器31,32,34,35に設けられたバイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd1,Ssd2,Ssd4,Ssd5を示している。図5中の「Sss3」は、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302の投入が完了したことを示すスイッチ投入完了信号Sss3を示している。図5中の「Sss1,Sss3,Sss4,Sss5」は、健全なセル変換器31,32,34,35に設けられたバイパススイッチ302の投入が完了したことを示すスイッチ投入完了信号Sss1,Sss3,Sss4,Sss5を示している。
図5中の「K」は、電流指令減衰部56に設けられたANDゲート566から出力される減衰係数Kを示している。図5中の「Is」は、電流指令減衰部56に設けられた積算部567に入力される電流指令値Isを示している。図5中の「Isk」は、積算部567から出力される積算結果信号Iskを示している。図5中の「0」、「1」、「NOM」「Pc」及び「BOM」は、図3中に示す「0」、「1」、「NOM」「Pc」及び「BOM」と同内容を示している。
図6は、本実施形態による電力変換装置1と系統交流電源9との間で入出力される電力に関する電圧及び電流のシミュレーション結果を示している。図6中の「Vs」は、電力変換装置1に連係された系統交流電源9の交流電圧Vsを示している。図6中の「Vi」は、セル変換器31~35のそれぞれの出力電圧V1,V2,V3,V4,V5を合計した単相クラスタ3の交流出力電圧Viを示している。図6中の「Is」は、セル変換器31~35に流れる交流電流、すなわち単相クラスタ3に流れる交流電流Isを示している。図6中の「Vc1、Vc2,Vc3,Vc4,Vc5」は、セル変換器31~35に設けられたそれぞれのコンデンサCの直流電圧Vc1、Vc2,Vc3,Vc4,Vc5を示している。図6中の「V0」、「I0」、「NOM」、「Pc」及び「BOM」は、図4中の「V0」、「I0」、「NOM」、「Pc」及び「BOM」と同内容を示している。
図5に示すように、電力変換装置1の通常運転モードNOMかつセル変換器31~35に故障が発生していない期間(時刻t1よりも前の期間)では、セル変換器31~35の故障判定信号Sbd1~Sbd5の電圧レベルは、セル変換器31~35に故障が発生していないことを示す低レベルである。また、当該期間では、セル変換器31~35に設けられた主回路301のスイッチング動作が規制されていないため、セル変換器31~35のそれぞれに対応するスイッチング指令信号Ssw1~Ssw5の電圧レベルは、高レベルである。また、当該期間では、セル変換器31~35に故障が発生していないため、バイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd1~Ssd5の電圧レベルは低レベルであり、バイパススイッチ302のスイッチ投入完了信号Sss1~Sss5の電圧レベルも低レベルである。
また、当該期間では、セル変換器31~35に故障が発生していないため、減衰係数Kの電圧レベルは高レベルとなる。さらに、当該期間では、例えば電流指令値Isの電圧レベルは高レベルのであるので、積算結果信号Iskの電圧レベルも高レベルとなる。
このため、図6に示すように、電力変換装置1の通常運転モードNOMかつセル変換器31~35に故障が発生していない期間(時刻t1よりも前の期間)では、電力変換装置1に設けられた単相クラスタ3のすべてのセル変換器がPWM制御される。図6に、当該期間の系統交流電源の交流電圧Vs及び電力変換器の交流出力電圧Vi、交流電流Isの一例を示す。また、当該期間では、セル変換器31~35に設けられたコンデンサCの直流電圧Vc1~Vc5は、互いにほぼ同じ値となり、かつほぼ一定値となる。
時刻t1において、セル変換器33が故障するとする。ここで、3個目のセル変換器の半導体スイッチQ1~Q4のいずれか開放故障すると仮定する。すると、セル変換器33の故障情報信号Sb3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わる。これにより、制御部5は、セル変換器33のスイッチング動作(より具体的には、セル変換器33に設けられた主回路301のスイッチング動作)を規制するためにスイッチング指令信号Ssw3の電圧レベルを高レベルから低レベルに切り替える。その結果、セル変換器33のスイッチング動作が停止する。
さらに、制御部5は、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302をオフ状態からオン状態に切り替えるための切り替え要求として、当該バイパススイッチ302のスイッチングを制御する制御信号Ssd3の電圧レベルを低レベルから高レベルに切り替える。これにより、当該バイパススイッチ302をオフ状態からオン状態に切り替える切替期間Pcが開始される。故障判定信号Sbd3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わってから制御信号Ssd3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わるまでの間には、所定の遅延時間が生じる。しかし、当該遅延時間は、切替期間Pcの時間と比較して極めて短い。このため、図5では、当該遅延時間の図示は省略され、故障判定信号Sbd3の電圧レベルの切り替わりの開始から制御信号Ssd3の電圧レベルの切り替わりの終了までの動作が、時刻t1において実行されているように図示されている。
切替期間Pcが開始された後も健全なセル変換器31,32,34,35は、通常運転モードNOMの時と同様にPWM制御によって動作している。
図5に示すように、切替期間Pcが開始されると、セル変換器33の状態を示す故障情報信号Sb3の電圧レベルが高レベルになるため、故障情報処理部50から出力されてセル変換器33の状態の判定結果を示す故障判定信号Sbd3(図2参照)の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わる。これにより、図5に示すように、電流指令減衰部56に設けられたANDゲート566から出力される減衰係数Kの電圧レベルは、高レベルから低レベルに切り替わる。その結果、電流指令減衰部56に設けられた積算部567から出力される積算結果信号Iskの電圧レベルは、高レベルから低レベルに切り替わる。
このため、電圧指令生成部59は、単相クラスタ3に電流を流さないための電圧指令値をPWM制御部53に出力する。これにより、健全なセル変換器31,32,34,35は、単相クラスタ3に電流を流さないように制御される。その結果、図6に示すように、切替期間Pcが開始されると、単相クラスタ3の交流電流Isは、上限値以下に低減される。本実施形態では、単相クラスタ3の交流電流Isは0Aに低減される。セル変換器31~35は、直列に接続されているので、動作していないセル変換器33にも電流が流れることが防止される。
このように、切替期間Pcが開始されると、セル変換器31~35には電流が流れなくなるので、図6に示すように、セル変換器31~35のそれぞれに設けられたコンデンサCの直流電圧Vc1~Vc5は、ほぼ一定となる。図5に示すように、減衰係数Kの電圧レベルは、切替期間Pcにおいて低レベルを維持する。このため、電力変換装置1は、上述の比較例としての電力変換装置とは異なり、切替期間Pcにおける故障セル変換器に設けられたコンデンサの直流電圧の上昇を防止し、切替期間Pcが開始される直前の直流電圧を維持できる。その結果、電力変換装置1は、切替期間Pcにおいて故障セル変換器に設けられたコンデンサの直流電圧が絶対最大定格電圧を超えてしまうことを防止できる。
時刻t2においてセル変換器33に設けられたバイパススイッチ302がオン状態となってスイッチ投入が完了すると、当該バイパススイッチ302のスイッチ投入完了信号Sss3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わる。これにより、電力変換装置1は、時刻t2以降では故障運転モードBOMで動作する。
切替期間Pcが終了すると、故障セル変換器であるセル変換器33に対応するスイッチ投入完了信号Sss3の電圧レベルが低レベルから高レベルに切り替わる。これにより、図5に示すように、電流指令減衰部56に設けられたANDゲート566から出力される減衰係数Kの電圧レベルは、低レベルから高レベルに切り替わる。その結果、電流指令減衰部56に設けられた積算部567から出力される積算結果信号Iskの電圧レベルは、低レベルから高レベルに切り替わる。このため、電圧指令生成部59は、電流指令値Isに基づく電流を単相クラスタ3に流すための電圧指令値をPWM制御部53に出力する。これにより、故障運転モードBOMでは、健全なセル変換器31,32,34,35のPWM制御により交流電流Isが制御される。
一方、故障運転モードBOMにおいて、故障セル変換器であるセル変換器33に対応する制御信号Ssd3の電圧レベルは、高レベルを維持しているため、セル変換器33に設けられた主回路301は、スイッチング動作しない。さらに、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302はオン状態となっている。このため、故障運転モードBOMでは、系統交流電源9との間での電力の入出力は健全なセル変換器31,32,34,35によって制御される。これにより、図6に示すように、セル変換器31,32,34,35のそれぞれの出力電圧V1,V2,V4,V5を合計した単相クラスタ3の交流出力電圧Viは、通常運転モードNOMの時とほぼ同じ電圧となる。
また、故障運転モードBOMでは、セル変換器33に設けられたバイパススイッチ302がオン状態となっているので、通常運転モードNOM及び切替期間Pcと異なり、単相クラスタ3に流れる交流電流Isは、セル変換器33に設けられたコンデンサCには流れずにバイパススイッチ302に流れる。すなわち、単相クラスタ3に流れる電流は、健全なセル変換器31,32,34,35によって制御される。このため、図6に示すように、健全なセル変換器31,32,34,35によって制御されて単相クラスタ3に流れる交流電流Isは、通常運転モードNOMの時とほぼ同じ電流となる。
また、故障運転モードBOMでは、セル変換器33に設けられたコンデンサCには電流が流れないので、図6に示すように、セル変換器33に設けられたコンデンサの直流電圧Vc3は、時刻t2時点に放電し始める。一方、健全なセル変換器31,32,34,35のそれぞれに設けられたコンデンサの直流電圧Vc1、Vc2,Vc4,Vc5は、通常運転モードNOMでの電圧とほぼ同じ電圧値に維持される。
このように、制御部5は、切替期間Pc及び切替期間Pcの後の期間(故障運転モードBOMの期間)において、対象セル変換器(図5及び図6に示す例では故障セル変換器であるセル変換器33)に設けられた主回路301のスイッチング動作を停止し、残余のセル変換器(図5及び図6に示す例では健全なセル変換器31,32,34,35)に設けられた主回路301のスイッチング動作を継続する。つまり、電力変換装置1は、セル変換器31~35のいずれか1つに故障が発生しても、残余のセル変換器の運転を継続できるので、セル変換器が故障した場合、電力変換装置が一旦停止する必要はない。このため、電力変換装置1は、セル変換器の故障後速やかに復帰できる。
以上、説明したように、本実施形態による電力変換装置1は、系統交流電源9との間で入出力する電力を生成するためのコンデンサCを有する主回路301、当該電力が入出力される一対の入出力端子303,304、及び一対の入出力端子303,304を短絡可能に設けられたバイパススイッチ302をそれぞれ有し、一対の入出力端子303,304が直列に接続された複数のセル変換器31,32,33,34,35と、複数のセル変換器31,32,33,34,35に設けられたそれぞれの主回路301及びバイパススイッチ302を制御する制御部5とを備え、制御部5は、複数のセル変換器31,32,33,34,35のうちの少なくとも1つである対象セル変換器に設けられたバイパススイッチ302をオフ状態からオン状態に切り替える切替期間Pcにおいて、当該対象セル変換器に流れる交流電流Isが上限値を超えている場合には当該交流電流Isを上限値以下に低減する。
本実施形態では、電力変換装置1の運転中に直列接続されたセル変換器31~35のうちの少なくとも1台(本実施形態では1台)が故障した場合、電力変換装置1の運転を停止せずに残余のセル変換器(健全セル変換器)で運転が継続される。電力変換装置1は、この運転の継続中において、故障セル変換器の故障検知から故障セル変換器のバイパススイッチの投入完了までの切替期間中に、セル変換器31~35の電流が上限値を超えている場合には、当該上限値以下まで当該電流を低減(抑制)することができる。これにより、電力変換装置1は、故障セル変換器に設けられたコンデンサの直流電圧の上昇を抑制すし、切替期間に故障セル変換器の直流過電圧の発生を防止できる。その結果、電力変換装置1は、セル変換器に対するバイパス要求があった場合に速やかに定格運転を再開できる。
本発明は、上記実施形態に限らず、種々の変形が可能である。
上記実施形態では、無効電力補償装置に適用される電力変換装置を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、電力変換装置は、インバータやコンバータにも適用できる。
上記実施形態による電力変換装置は、単相クラスタを備えているが、本発明はこれに限られない。電力変換装置は、複数(例えば三相)のクラスタを備え、各クラスタが上記実施形態における単相クラスタ3と同様の構成を有していてもよい。この場合、電力変換装置に設けられた制御部は、クラスタごとに単相クラスタ3と同様に制御する。
上記実施形態では、セル変換器に対するバイパス要求として、セル変換器が故障した場合を例にとって説明したが、本発明はこれに限られない。例えば、複数のセル変換器のうちのいずれかをメンテナンスする場合のバイパス要求における切替期間にも、本発明を適用できる。
上記実施形態による電力変換装置は、故障セル変換器の直流電圧の上昇を抑制するために、切替期間中の電流を低減するために、電流指令減衰部を有しているが、本発明はこれに限られない。電力変換装置は、電流指令減衰部とは別の方法、例えば電流指令値以外の指令値を用いて、切替期間中の電流を低減してもよい。
上記実施形態では、半導体スイッチQ1~Q4は、MOS型電界効果トランジスタで構成されているが、本発明はこれに限られない。半導体スイッチQ1~Q4は、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)やバイポーラトランジスタで構成されていてもよい。
本発明の技術的範囲は、図示され記載された例示的な実施形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらす全ての実施形態をも含む。さらに、本発明の技術的範囲は、請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、全ての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画され得る。
1 電力変換装置
3 単相クラスタ
5 制御部
9 系統交流電源
31,32,33,34,35 セル変換器
50 故障情報処理部
51 バイパススイッチ駆動部
52 スイッチング指令処理部
53 PWM制御部
54 バイパススイッチ状態処理部
55 キャリア生成部
56 電流指令減衰部
57 電流制御部
58 直流電圧制御部
59 電圧指令生成部
301 主回路
302 バイパススイッチ
303,304 入出力端子
511,512,513,514,515 駆動部
520,522,524,526,528 NOTゲート
521,523,525,527,529,566 ANDゲート
531,532,533,534,535 PWM部
561,562,563,564,565 XNORゲート
567 積算部
C コンデンサ
D1,D2,D3,D4 還流用ダイオード
Is 交流電流
Is 電流指令値
Is 電流
Isk 積算結果信号
K 減衰係数
L リアクトル
Pc 切替期間
Q1,Q2,Q3,Q4 半導体スイッチ
Sb1,Sb2,Sb3,Sb4 故障情報信号
Sbd1,Sbd2,Sbd3,Sbd4,Sbd5 故障判定信号
Sg1,Sg2,Sg3,Sg4,Ssd1,Ssd2,Ssd3,Ssd4,Ssd5 制御信号
So 運転指令信号
Ssi1,Ssi2,Ssi3,Ssi4,Ssi5 状態情報信号
Sss1,Sss2,Sss3,Sss4,Sss5 スイッチ投入完了信号
Ssw1,Ssw2,Ssw3,Ssw4,Ssw5 スイッチング指令信号
t 時刻
V1,V2,V3,V4,V5 出力電圧
Vc 直流電圧指令値
Vc1,Vc2,Vc3,Vc4,Vc5 直流電圧
Vi 交流出力電圧
Vs 交流電圧

Claims (7)

  1. 系統交流電源との間で入出力する電力を生成するためのコンデンサを有する主回路、前記電力が入出力される一対の入出力端子、及び前記一対の入出力端子を短絡可能に設けられた機械スイッチをそれぞれ有し、前記一対の入出力端子が直列に接続された複数のセル変換器と、
    前記複数のセル変換器に設けられたそれぞれの前記主回路及び前記機械スイッチを制御する制御部と
    を備え、
    前記制御部は、前記複数のセル変換器のうちの少なくとも1つである対象セル変換器に設けられた前記機械スイッチをオフ状態からオン状態に切り替える切替期間において、前記対象セル変換器に流れる電流が上限値を超えている場合には該電流を前記上限値以下に低減する
    電力変換装置。
  2. 前記切替期間は、前記制御部が前記対象セル変換器に設けられた前記機械スイッチに切り替えを要求してから該機械スイッチの接点が閉じるまでの期間である
    請求項1に記載の電力変換装置。
  3. 前記上限値は、前記コンデンサの容量及び定格電圧と、前記切替期間の長さと、前記対象セル変換器に設けられた前記機械スイッチの切り替え前における前記対象セル変換器の動作電圧に対する過電圧のレベルとに基づいて決定される
    請求項1又は2に記載の電力変換装置。
  4. 前記制御部は、前記切替期間及び該切替期間の後の期間において、前記対象セル変換器に設けられた前記主回路のスイッチング動作を停止し、残余の前記セル変換器に設けられた前記主回路のスイッチング動作を継続する
    請求項1から3までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  5. 前記制御部は、前記複数のセル変換器のそれぞれから入力されて前記機械スイッチがオン状態か否かを示す信号に基づいて、前記切替期間において前記対象セル変換器に流れる電流を低減する
    請求項1から4までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  6. 前記主回路は、直列に接続された第一半導体スイッチ及び第二半導体スイッチと、直列に接続された第三半導体スイッチ及び第四半導体スイッチとを有し、
    前記第一半導体スイッチ及び前記第二半導体スイッチと、前記第三半導体スイッチ及び前記第四半導体スイッチと、前記コンデンサとは、並列に接続され、
    前記一対の入出力端子の一方は、前記第一半導体スイッチ及び前記第二半導体スイッチの接続部に接続され、
    前記一対の入出力端子の他方は、前記第三半導体スイッチ及び前記第四半導体スイッチの接続部に接続されている
    請求項1から5までのいずれか一項に記載の電力変換装置。
  7. 前記主回路は、前記第一半導体スイッチ、前記第二半導体スイッチ、前記第三半導体スイッチ及び前記第四半導体スイッチのそれぞれに逆並列接続されたダイオードを有する
    請求項6に記載の電力変換装置。
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