JP2022076359A - トルク計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減し、回転トルクを高精度で計測する。【解決手段】トルク計測装置1に、円盤形状を有するベースプレート10と、円環形状を有し、ベースプレート10の中央部に、ベースプレート10の中心と同心に配置される内側フランジ11と、円環形状を有し、ベースプレート10の外周部に、ベースプレート10の中心と同心に配置される外側フランジ17と、内側フランジ11と外側フランジ17との間に配置され、ベースプレート10よりも剛性が低く設定された起歪部14と、起歪部14に設置され、起歪部14の歪みを検出する歪み検出手段20と、外側フランジ17と起歪部14との間を横切るように円周方向に沿って延在しつつ、ベースプレート10の板面から板厚方向の何れかへ突出する内側突条部13と外側突条部15と、を設ける。【選択図】図4

Description

本発明は、回転伝達系にて伝達されるトルクを測定するトルク計測装置に関する。
従来から、自動車のエンジンからトランスミッションに伝達される回転トルクのような、回転伝達系にて伝達されるトルクを測定することが行われている。
たとえば、特許文献1には、トルクを検出する素子として歪みゲージを備え、円盤状に構成されたトルク計測装置を用いて計測する手法が提案されている。
特表2019-526799公報
ところで、近年では、自動車のトランスミッションの性能評価、および更なる効率改善を行ううえで、実機と同様の形態でエンジンとトランスミッションを連結し、伝達される回転トルクを計測することが求められている。
このような要求に対して、特許文献1のトルク計測装置では、実車と同様の形態で駆動側のエンジンと、従動側のトランスミッションを連結しつつ、回転トルクを計測することは、考慮されていない。つまり、特許文献1のトルク計測装置は、エンジンハウジング内の限られた空間に収まらない構成のため、実車と同様な状態でのトルク計測には適用することができない。
実車と同様な状態でのトルク計測の方法として、トランスミッションの前段に備わるドライブプレート部でトルクを計測する方法があり、以下、これをドライブプレートトルク計と称する。
従来より、ドライブプレートトルク計を用いたエンジントルク測定は実施されているが、エンジンハウジング内という極めて過酷な環境で使用されるため、誤差源が多く、高精度な測定を実施することは難しいとされていた。
誤差源は、具体的には、温度の影響、締結による寄生応力の影響、遠心力の影響などがあげられる。締結による寄生応力の影響について、トルク以外の力、例えば、締結体(トルクコンバータ)の寄生応力やスラスト力により、測定精度の悪化を招いていた。
特にドライブプレートは厚み2~3mm程度と非常に薄いため、曲げやねじれ方向の剛性が小さく、ドライブプレート自体が変形することで、トルク受感部である起歪部についても変形が発生してしまい、それがトルク測定精度の悪化につながっていた。
たとえば、ドライブプレートが締結される、締結体(トルクコンバータ)についてもそりが発生するため、これが原因となって、ドライブプレートトルク計の締結部に軸応力が発生する。この軸応力は、前述のように、ドライブプレートトルク計の起歪部をねじれ(変形)させる。ねじれは、起歪部の形状(断面二次モーメント)を変えるため、印加トルクに対して生じるひずみの量が変化してしまう。
本発明は、このような問題を解決するためのものであり、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減し、回転トルクを高精度で計測できるトルク計測装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明のトルク計測装置は、円盤形状を有するベースプレートと、円環形状を有し、前記ベースプレートの中央部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される内側フランジと、円環形状を有し、前記ベースプレートの外周部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される外側フランジと、前記内側フランジと前記外側フランジとの間に配置され、前記ベースプレートよりも剛性が低く設定された起歪部と、前記起歪部に設置され、前記起歪部の歪みを検出する歪み検出手段と、前記外側フランジと前記起歪部との間を横切るように円周方向に沿って延在しつつ、前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出する突条部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明のトルク計測装置は、円盤形状を有するベースプレートと、円環形状を有し、前記ベースプレートの中央部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される内側フランジと、円環形状を有し、前記ベースプレートの外周部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される外側フランジと、前記内側フランジと前記外側フランジとの間に配置され、前記ベースプレートよりも剛性が低く設定された起歪部と、前記起歪部に設置され、前記起歪部の歪みを検出する歪み検出手段と、前記内側フランジと前記歪み検出手段との間を横切るように円周方向に沿って延在しつつ、前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出する突条部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減し、回転トルクを高精度で計測できるトルク計測装置を提供できる。
本発明の第1実施形態のトルク計測装置を示す正面図である。 本発明の第1実施形態のトルク計測装置を示す背面図である。 本発明の第1実施形態のトルク計測装置を示す斜視図である。 図1におけるIV-IV線に沿った断面図である。 図1におけるV部拡大図である。 本発明のトルク計測装置の機能評価を行う試験装置の概要図である。 試験装置上でトルク計測装置と吸収側アダプタが撓む様子を表した模式図である。 従来と第1実施形態のトルク計測装置の感度変化量を比較したグラフである。 従来のトルク計測装置を示す断面図である。 本発明の第2実施形態のトルク計測装置を示す断面図である。 本発明の第3実施形態のトルク計測装置を示す断面図である。 本発明の第4実施形態のトルク計測装置を示す断面図である。 本発明の第4実施形態のトルク計測装置を示す斜視図である。
<第1実施形態>
以下、図面を用いて本発明に係るトルク計測装置1の第1実施形態について説明する。
本実施形態のトルク計測装置1は、エンジン(図示せず)からトランスミッション(図示せず)に入力されるトルクを計測するものである。
本実施形態のトルク計測装置1は、実際のドライブプレート(図示せず)に代わって設置され、エンジンを構成するクランクシャフト(図示せず)と、トランスミッションを構成するトルクコンバータ(図示せず)とを連結する。
トルク計測装置1は、図1~5に示すように、ベースプレート10、歪み検出手段20を備えている。
図1と図2に示すようにベースプレート10は、ドライブプレートに倣った円盤形状を有し、ドライブプレートに代わってクランクシャフトとトルクコンバータとを連結する。
また、ベースプレート10には、中心部から径方向外側に向かって順に、内側フランジ11、内側突条部13、起歪部14、外側突条部15、外側特性調整部16、外側フランジ17が形成されている。
内側フランジ11は、ベースプレート10とエンジンのクランクシャフトとを連結するために設定されている。
図1と図2に示すように、内側フランジ11は、ベースプレート10の中央部に、ベースプレート10の中心と同心に配置され、円環形状を有している。
内側フランジ11には、貫通孔からなる内側ボルト孔11aが8個開口している。
各内側ボルト孔11aは、ベースプレート10の中心から同一半径、かつ等角度間隔で配置されている。
そして、内側フランジ11は、各内側ボルト孔11aに挿通されるボルト(図示せず)を介して、エンジンのクランクシャフトに連結される。
内側突条部13(突条部)は、ベースプレート10の曲げやそり方向の変形を吸収して、板厚方向の撓みを低減し、起歪部14で検出される歪みの誤差を低減するために設定されている。
内側突条部13は、ベースプレート10の起歪部14が設けられた板面から板厚方向の何れかへ突出し、ベースプレート10とともに、その断面がL字形状のリブを形成している。ここで内側突条部13は、図3と図4に示すように、起歪部14が設けられた板面から手前側に突出している。また、内側突条部13の突出側端部は、内側フランジ11の径方向外側周縁部に連続している。
つまり、図4に示すように、本実施形態のトルク計測装置1は、内側フランジ11と内側突条部13とベースプレート10の起歪部14が設けられた板面とで、断面がクランク形状に形成されている。
また、図1と図2に示すように、内側突条部13は、このベースプレート10の軸方向から見て、ベースプレート10の中心と同心、かつ円周方向に連続した円環形状を備えている。
つまり、内側突条部13は、内側フランジ11と後述する歪み検出手段20との間を横切るように円周方向に沿って延在している。
さらに、図3に示すように、内側突条部13におけるベースプレート10の起歪部14が設けられた板面からの突出寸法は、円周のどの部位でも同一となるように設定されている。
つまり、内側突条部13は、内側フランジ11がベースプレート10に対して、板厚方向に平行にオフセットするように形成されている。
オフセット寸法(内側突条部13の突出寸法)は、エンジンとトランスミッションの連結部において、許容される最大の寸法に設定されている。
図1と図2に示すように、起歪部14は、入力側の内側フランジ11から出力側の外側フランジ17との間に配置され、内側フランジ11から外側フランジ17へ伝達される回転トルクを計測する部位として設定されている。この起歪部14は、ベースプレート10上の他の部位よりも剛性が低く設定されている。
起歪部14は、回転トルクによって生じる歪みをより検出しやすくするために、その形状が構成されている。
なお、本実施形態のトルク計測装置1では、同一形状の起歪部14が12ヶ所に設定されている。
各起歪部14は、ベースプレート10の中心から同一半径、かつ等角度間隔で配置されている。
図4に示すように、起歪部14は、板厚方向の中央部に薄板状に形成されている。このような薄板形状とするために、ベースプレート10の一方の板面側と他方の板面側の両方、つまり表裏の両面に同一深さの凹部14aが形成されている。
また、図5に示すように、各凹部14aは、このベースプレート10の軸方向から見て、長辺が半径方向に沿うように設定された長方形形状を備えている。
そして、各起歪部14には、歪み検出手段20が設置される。
歪み検出手段20は、設置された箇所の歪みを電気信号に変換して出力し、起歪部14の歪みを検出する。
歪み検出手段20には、ひずみゲージを採用している。
そして、歪み検出手段20が出力した電気信号は、無線で変換器(図示せず)へ送信され、信号を受信した変換器が温度補正を行いつつ、トルク値を算出する。
なお、歪み検出手段(ひずみゲージ)20への電力供給は、図示しない供給手段を介して、非接触による手法を用いて行われている。
また、隣り合う起歪部14の間には、肉抜き孔18が開口している。
図1と図2に示すように、肉抜き孔18は、ベースプレート10を板厚方向に貫通する貫通孔で構成され、起歪部14と同一半径上に配置されている。
各肉抜き孔18は、同一形状に形成され、円周方向に沿った長円形状を有している。
肉抜き孔18を設けることで、起歪部14が内側フランジ11側と外側フランジ17側とを繋ぐ連結部分になる。
このような構成にすることで、回転トルクが、内側フランジ11から外側フランジ17へ起歪部14を介して伝わるため、起歪部14での回転トルクの計測をより高精度で行うことができる。また、起歪部14は、内側突条部13と外側突条部15で周方向に囲われている。リブ構造は、曲げやそり方向の変形を吸収する効果があるため、締結部の寄生応力により発生してしまう起歪部の変形を抑制することができる。
外側突条部15(突条部)は、板厚方向の撓みを受ける役割を果たし、起歪部14で検出される歪みの誤差を低減するために設定されている。
外側突条部15は、その断面がコの字形状のリブを形成しつつ、ベースプレート10における内側突条部13と同一の板面から板厚方向の何れかへ突出している。
そして、外側突条部15の断面がコの字形状のリブであることから、突出する面の裏側に溝15aが形成されている。リブ構造は曲げやそり方向の変形を吸収し、締結部の寄生応力により発生してしまう起歪部14の変形を抑制することができる。なお、リブ構造により高められた曲げ剛性は、外側特性調整部16で調整を行うことで、実際のドライブプレートの機械特性に合わせ込み、ドライブプレートをトルク計測装置1に交換することによる車両特性の変化を最小限にすることができる。
外側突条部15は、外側突条部15の径方向内側に連続する起歪部14と、外側突条部15の径方向外側に連続する外側特性調整部16とが、同一平面上に配置されるように、断面形状が設定されている。
また、外側突条部15は、このベースプレート10の軸方向から見て、ベースプレート10の中心と同心、かつ円周方向に連続した円環形状を形成している。
つまり、外側突条部15は、歪み検出手段20と後述する外側フランジ17との間を横切るように円周方向に沿って延在している。
外側突条部15におけるベースプレート10の板面からの突出寸法は、円周方向のどの部位でも同一となるように設定されている。
また、外側突条部15におけるベースプレート10の板面からの突出寸法は、エンジンとトランスミッションの連結部において、許容される最大の寸法に設定されている。
外側特性調整部16(特性調整部)は、ベースプレート10における外側突条部15よりも径方向外側の部位に、外側フランジ17の部分を含め、設定されている。
外側特性調整部16は、その剛性が、ベースプレート10上の他の部位よりも剛性が低くなるように設定されている。
具体的には、図4における、外側特性調整部16の板厚方向の寸法D16が、ベースプレート10の板厚寸法D10よりも小さく(薄板に)設定されており、よってベースプレート10上の他の部位よりも剛性が低く設定されている。
外側フランジ17は、ベースプレート10とトランスミッションのトルクコンバータとを連結するために設定されている。
外側フランジ17は、ベースプレート10の周縁部に、ベースプレート10の中心と同心に配置され、円環形状を有している。
外側フランジ17には、貫通孔からなる外側ボルト孔17aが6個開口している。
各外側ボルト孔17aは、ベースプレート10の中心から同一半径、かつ等角度間隔で配置されている。
そして、外側フランジ17は、各外側ボルト孔17aに挿通されるボルト(図示せず)を介して、トランスミッションのトルクコンバータに連結される。
<機能評価>
次に、本実施形態のトルク計測装置1の機能評価を行う試験装置40について説明する(図6~8参照)。
試験装置40は、駆動部41、支持部42を備えている。
駆動部41は、トルク計測装置1の内側フランジ11に連結されるとともに、トルク計測装置1に対して一定の大きさの回転トルクを発生する。
支持部42は、トルク計測装置1の外側フランジ17に連結されるとともに、駆動部41が発生する回転トルクによってトルク計測装置1が回転しないように支持する。
支持部42は、吸収側アダプタ43を備えている。
吸収側アダプタ43は、円盤形状を有するとともに、周縁部分にボルト孔(図示せず)が形成されている。
吸収側アダプタ43は、このボルト孔とトルク計測装置1の外側ボルト孔17aとに挿通されるボルト(図示せず)によって、トルク計測装置1と締結される。
このため、吸収側アダプタ43は、トルク計測装置1と同様に、駆動部41が発生する回転トルクによって波打つように板厚方向に撓み変形する(図7参照)。
そして、吸収側アダプタ43は、板厚寸法D43が小さいほど剛性が低くなり、撓み量が増加する。なお、板厚寸法D43がおよそ100mmを超えると撓みが見られなくなることが明らかになっている。
吸収側アダプタ43の剛性は、板厚寸法D43が30mmの場合、トルクコンバータの剛性に相当することを事前に確認している。
そこで、駆動部41から出力された回転トルクに対して、板厚寸法D43が30mmの吸収側アダプタ43に連結したトルク計測装置1が検出したトルク値を基準値に設定し、評価する。
駆動部41が発生する回転トルクとトルク計測装置1が検出するトルク値とを比較し、入力された回転トルクに対して、トルク計測装置1の検出誤差が、どの程度の割合なのかを感度変化量として表す。
つまり、感度変化量が大きければ大きいほど、検出誤差が大きいことを示している。
そして、吸収側アダプタ43の板厚寸法D43を30mmから増減させて、各板厚寸法D43における感度変化量を算出する。
吸収側アダプタ43の板厚寸法D43を増減させて、各板厚寸法D43における感度変化量を算出する理由として、検査対象の1つであるエンジンは、回転トルクを一定の大きさで出力できず、ばらついてしまうことが挙げられる。
このため、想定よりも大きな回転トルクが入力される等、板厚方向に撓みやすい状況であっても、より小さな誤差で検出することが求められる。
前述の手順に基づき、従来のトルク計測装置U1と、本実施形態のトルク計測装置1とについて、感度変化量を算出するとともに、比較を行う(図8参照)。
なお、従来のトルク計測装置U1は、図9に示すように、内側突条部、および外側突条部に相当する構成を備えていない。このため、従来からのトルク計測装置U1は、特性調整部が設定されておらず、平板状の円盤形状を有している。
図8は、従来と第1実施形態のトルク計測装置の感度変化量を比較したグラフである。グラフの縦軸は、30mmを基準とした感度変化量を示している。グラフの横軸は、吸収側アダプタの厚みを示している。
吸収側アダプタ43の板厚寸法D43が20mm、10mmのどちらの場合についても、感度変化量は、従来のトルク計測装置よりも本実施形態のトルク計測装置の方が低減されている。
これによって、本実施形態のトルク計測装置の構成にすることで、従来のトルク計測装置よりも検出誤差が低減されることが確認された。
<作用効果>
次に、本実施形態のトルク計測装置1の作用効果について説明する。
本実施形態のトルク計測装置1は、内側フランジ11と歪み検出手段20との間に内側突条部13を備え、外側フランジ17と歪み検出手段20との間に外側突条部15を備えている。
このような構成にすることで、ベースプレート10に対して板厚方向に作用する曲げ応力によって生じる撓み変形を内側突条部13、および外側突条部15に集中(吸収)させることができる。
そして、板厚方向の撓み変形が吸収され、起歪部14の板厚方向の変形が抑制されることで、起歪部14に設置された歪み検出手段20の検出値に含まれる誤差が低減され、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減できるので、回転トルクをより高精度で計測できる。
また、本実施形態のトルク計測装置1は、内側突条部13と外側突条部15とを備えている。つまり、歪み検出手段20は、内側突条部13と外側突条部15との間に配置されている。
このような構成にすることで、歪み検出手段20が設置される起歪部14に対して内径側と外径側のそれぞれの方向から板厚方向に作用する曲げ応力による撓みの影響を抑制することができる。
また、内側突条部13は、内側フランジ11と起歪部14において、明確に機能を分離する効果がある。同様に、外側突条部15は、外側フランジ17と起歪部14において、明確に機能を分離する効果がある。その結果、トルク計測装置1全体の剛性を実際のドライブプレートと同様にする特性調整作業を起歪部14への影響を及ぼさずに行えるため、特性調整作業を簡易化することができる。
本実施形態のトルク計測装置1では、内側突条部13が、ベースプレート10の板面から板厚方向の何れかへ突出し、ベースプレート10とともに、その断面がL字形状のリブを形成している。そして、内側突条部13は、その突出側端部が、内側フランジ11の径方向外側周縁部に連続している。
つまり、本実施形態のトルク計測装置1は、内側フランジ11と内側突条部13とベースプレート10とで、その断面がクランク形状に形成されている。
また、図4に示すように、外側突条部15は、その断面がコの字形状のリブを形成しつつ、ベースプレート10における内側突条部13と同一の板面から板厚方向の何れかへ突出している。
このように、内側突条部13の断面がL字形状のリブを形成し、外側突条部15の断面がコの字形状のリブを形成することで、内側フランジ11および外側フランジ17と起歪部14との間の回転トルクが伝わる距離を延ばすことができる。
そして、回転トルクが内側フランジ11および外側フランジ17から起歪部14へ伝わるまでの距離が延長されたことによって、内側フランジ11と外側フランジ17を締結する際に発生する歪みは、拡散(平均化)効果をもたらすこともできる。
また、内側突条部13の断面がL字形状のリブを形成し、外側突条部15の断面がコの字形状のリブを形成することによって、内側フランジ11と外側フランジ17を締結する際に発生する歪みは、L字形状のリブ、およびコの字形状のリブで吸収される。
これらによって、内側フランジ11と外側フランジ17を締結したことによる起歪部14への歪みが緩和、低減され、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減できるので、トルク計測装置1は、さらに高精度で回転トルクを計測することができる。
本実施形態のトルク計測装置1は、内側突条部13と外側突条部15とは、それぞれが、円周方向に連続する円環形状を備えている。
このような構成にすることで、内側フランジ11、および外側フランジ17における円周方向の任意の部位から曲げ応力がトルク計測装置1に入力されたとしても、内側突条部13、および外側突条部15にて曲げ応力を吸収することができる。
これによって、トルク計測装置1は、内側フランジ11、または外側フランジ17に回転トルクが入力された際に、板厚方向の起歪部14の撓み変形をさらに抑制できる。
そして、板厚方向の起歪部14の撓み変形をさらに抑制することで、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減できるので、トルク計測装置1は、回転トルクをより高精度で計測できる。
なお、本実施形態のトルク計測装置1では、内側突条部13と外側突条部15の両方を備えている。
このような構成にすることで、内側突条部13と外側突条部15のどちらか一方を設ける場合に比べて、起歪部14に対して内径側と外径側のそれぞれの方向から板厚方向に作用する曲げ応力による撓みの影響を抑制することができる。
これによって、起歪部14の剛性を高めることなく、起歪部14における板厚方向の撓みをより一層低減できる。
本実施形態のトルク計測装置1は、外側突条部15よりも径方向外側の部位に、外側特性調整部16を備えている。
このような構成にすることで、内側フランジ11と外側フランジ17との間の剛性を、実際のドライブプレートと同様に設定できる。
これによって、エンジンからトランスミッションへ入力される回転トルクを高精度で計測しつつ、エンジンの回転トルクがドライブプレートを介してトランスミッションへ伝わる状況を正確に再現できる。
なお、本実施形態のトルク計測装置1では、特性調整部が外側突条部15よりも径方向外側の部位に配置されているが、このような形態に限定するものではない。
たとえば、歪み検出手段20を外側フランジ17に隣接した部位に、起歪部14を設定しなければならず、特性調整部を外側突条部15と起歪部14との間に設定できない場合が考えられる。
このような場合には、内側フランジ11を含め、内側突条部13よりも径方向内側の部位に、特性調整部(内側特性調整部12)を設定することが可能である。
また、外側特性調整部16と内側特性調整部12の両方を設定することも可能である。
このような構成の場合には、トルク計測装置1における剛性の最も高い部位と最も低い部位との差(剛性のばらつき)を小さくできる。
これによって、剛性の低い部位への応力集中が緩和され、実際のドライブプレートのようなトルク伝達を再現できる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図10を参照して詳細に説明する。
説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第2実施形態のトルク計測装置1Aが、前述の第1実施形態のトルク計測装置1と大きく異なる点は、内側突条部13の断面形状である。
なお、外側突条部15は、第1実施形態のトルク計測装置1と同様に、その断面がコの字形状のリブを形成する。
本実施形態のトルク計測装置1Aにおける内側突条部13は、ベースプレート10における外側突条部15と同一の板面から板厚方向の何れかへ突出している。
そして、本実施形態の内側突条部13は、外側突条部15と同様に、その断面がコの字形状のリブを形成する。また、内側突条部13の断面であるコの字形状のリブは、内側突条部13の径方向外側に連続する起歪部14と、内側突条部13の径方向の内側に連続する内側フランジ11とが同一平面上に配置されるように形成されている。また、起歪部14は、内側突条部13と外側突条部15で周方向に囲われている。リブ構造は、曲げやそり方向の変形を吸収する効果があるため、締結部の寄生応力により発生してしまう起歪部の変形を抑制することができる。
このような構成にすることで、本実施形態のトルク計測装置1Aでは、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減し、回転トルクを高精度で計測できる。
また、本実施形態のトルク計測装置1Aでは、内側フランジ11と外側フランジ17とが同一平面上に設定されたドライブプレートを備える構成に対してより好適である。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図11を参照して詳細に説明する。
説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第3実施形態のトルク計測装置1Bが、前述の第1、第2実施形態のトルク計測装置1,1Aと大きく異なる点は、内側突条部13と外側突条部15の断面形状である。
本実施形態のトルク計測装置1Bでは、内側突条部13と外側突条部15の断面形状がベースプレート10とともに、その断面がT字形状のリブを形成している。
本実施形態のトルク計測装置1Bでは、内側突条部13と外側突条部15のそれぞれが、このベースプレート10の軸方向から見て、ベースプレート10の中心と同心、かつ円周方向に連続した円環形状を形成している点は、第1実施形態と同様である。
内側突条部13と外側突条部15とが、ベースプレート10とともに、その断面がT字形状のリブを形成していることで、内側フランジ11と外側フランジ17とが、同一平面上に配置される。また、起歪部14は、内側突条部13と外側突条部15で周方向に囲われている。リブ構造は、曲げやそり方向の変形を抑制する効果があるため、締結部の寄生応力により発生してしまう起歪部の変形を抑制することができる。
このような構成にすることで、本実施形態のトルク計測装置1Bでは、第1実施形態と同様に、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減し、回転トルクを高精度で計測できる。
また、本実施形態のトルク計測装置1Bでは、内側フランジ11と外側フランジ17とが同一平面上に設定されたドライブプレートを備える構成に対してより好適である。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について、図12、3を参照して詳細に説明する。
説明において、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第4実施形態のトルク計測装置1Cが、前述の第1~第3実施形態のトルク計測装置1,1A,1Bと大きく異なる点は、内側突条部13と外側突条部15の構成である。
内側突条部13と外側突条部15の断面形状がベースプレート10とともに、その断面がT字形状のリブを形成している点は、第3実施形態と同様である。
本実施形態では、内側突条部13と外側突条部15のそれぞれが、このベースプレート10の軸方向から見て、ベースプレート10の中心と同心な円周上の12箇所に等間隔で点在している。
つまり、等角度間隔に配置された12個の各起歪部14の径方向内側に、各内側突条部13が配置され、各起歪部14の径方向外側に、各外側突条部15が配置されている。また、起歪部14は、内側突条部13と外側突条部15で周方向に囲われている。リブ構造は、曲げやそり方向の変形を抑制する効果があるため、締結部の寄生応力により発生してしまう起歪部の変形を抑制することができる。
このような構成にすることで、本実施形態のトルク計測装置1Cでは、ドライブプレートに対する寄生応力の影響を軽減し、回転トルクを高精度で計測できる。
1、1A、1B、1C トルク計測装置
10 ベースプレート
11 内側フランジ
11a 内側ボルト孔
12 内側特性調整部
13 内側突条部
14 起歪部
14a 凹部
15 外側突条部
15a 溝
16 外側特性調整部
17 外側フランジ
17a 外側ボルト孔
18 肉抜き孔
20 歪み検出手段(ひずみゲージ)
40 試験装置
41 駆動部
42 支持部
43 吸収側アダプタ
D10 ベースプレートの板厚寸法
D16 外側特性調整部の板厚寸法
D43 吸収アダプタの板厚寸法

Claims (8)

  1. 円盤形状を有するベースプレートと、
    円環形状を有し、前記ベースプレートの中央部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される内側フランジと、
    円環形状を有し、前記ベースプレートの外周部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される外側フランジと、
    前記内側フランジと前記外側フランジとの間に配置され、前記ベースプレートよりも剛性が低く設定された起歪部と、
    前記起歪部に設置され、前記起歪部の歪みを検出する歪み検出手段と、
    前記外側フランジと前記起歪部との間を横切るように円周方向に沿って延在しつつ、前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出する突条部と、
    を備えた
    ことを特徴とするトルク計測装置。
  2. 前記突条部よりも径方向外側の前記ベースプレートに、前記ベースプレートよりも剛性が低く設定された特性調整部を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載のトルク計測装置。
  3. 円盤形状を有するベースプレートと、
    円環形状を有し、前記ベースプレートの中央部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される内側フランジと、
    円環形状を有し、前記ベースプレートの外周部に、前記ベースプレートの中心と同心に配置される外側フランジと、
    前記内側フランジと前記外側フランジとの間に配置され、前記ベースプレートよりも剛性が低く設定された起歪部と、
    前記起歪部に設置され、前記起歪部の歪みを検出する歪み検出手段と、
    前記内側フランジと前記起歪部との間を横切るように円周方向に沿って延在しつつ、前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出する突条部と、
    を備えた
    ことを特徴とするトルク計測装置。
  4. 前記突条部よりも径方向内側の前記ベースプレートに、前記ベースプレートよりも剛性が低く設定された特性調整部を備えた
    ことを特徴とする請求項3に記載のトルク計測装置。
  5. 前記突条部は、
    その断面がコの字形状で形成され、前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出する
    ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のトルク計測装置。
  6. 前記突条部は、
    前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出しつつ、前記ベースプレートとともに、その断面がL字形状を形成する
    ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のトルク計測装置。
  7. 前記突条部は、
    前記ベースプレートの板面から板厚方向の何れかへ突出しつつ、前記ベースプレートとともに、その断面がT字形状を形成する
    ことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のトルク計測装置。
  8. 前記突条部は、
    前記ベースプレートの中心と同心に配置され、円周方向に連続する円環形状を備える
    ことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のトルク計測装置。
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