JP2022074696A - 二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイレート劣化の進行を抑制する。【解決手段】二次電池1は、セパレータを挟んで積層された正負の電極シート35を捲回してなる電極体10と、この電極体10を収容するケースと、を備える。各電極シート35は、シート状の集電体と、この集電体上に積層された電極活物質層32とを備える。また、ケースの側面には、櫛歯状に並ぶ複数のリブ61を有した拘束部材60が押し当てられる。更に、この拘束部材60には、その各リブ61が電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる交差方向リブ延設部64が設けられるとともに、電極体10には、この交差方向リブ延設部64に押圧される交差方向リブ押圧領域αが形成される。そして、二次電池1は、その交差方向リブ押圧領域αが形成される位置において電極体10に設けられた電極活物質層32の厚みが薄い薄肉部70を備える。【選択図】図8

Description

本発明は、二次電池に関するものである。
従来、セパレータを挟んで積層された正負の電極シートを捲回してなる電極体を備えた二次電池がある。例えば、特許文献1に記載の二次電池は、電極体に非水性の電解液を含浸させたリチウムイオン二次電池としての構成を有している。
また、上記のような電極体を備える二次電池においては、大きな電流が流れるハイレート充放電時、その電極体及び電解液が膨張することで、この電極体に含浸された電解液が、その捲回軸方向端部から外部に流出する。そして、その後、この電極体の外部に流出した電解液が、再び、その捲回軸方向端部から電極体に吸い上げられる。
しかしながら、ハイレート充放電時の排出量は、その後の吸い上げ量を上回りやすい傾向がある。そして、これにより、その電極体に含浸された電解液の濃度にムラが生じることで内部抵抗が増大し、その結果、充放電性能が劣化するという問題がある。
この点を踏まえ、上記特許文献1に記載の二次電池においては、その負極を構成する電極シートの電極活物質層に、その電極体の捲回軸に沿った捲回軸方向全域に亘って延在する複数の溝部が設けられている。更に、これらの各溝部は、それぞれ、電極体の高さ方向において、その捲回軸方向中央部分よりも、その捲回軸方向端部に開口する両端部分の方が高い略V字状の溝形状を有している。そして、この従来技術の二次電池においては、これにより、その捲回軸方向端部から電極体に吸い上げられた電解液の捲回軸方向中央部分への浸透性を高める構成になっている。
特開2016-76296号公報
しかしながら、上記のような二次電池においては、常に、更なる性能の向上が求められている。そして、上記従来技術もまた、その進化する性能要求に応え得るとは必ずしも言えないことから、より効果的に、ハイレート劣化の進行を抑制することのできる新たな技術の創出が望まれていた。
上記課題を解決する二次電池は、セパレータを挟んで積層された正負の電極シートを捲回してなる電極体と、前記電極体を収容するケースと、を備え、前記各電極シートは、シート状の集電体と、該集電体上に積層された電極活物質層と、を有し、前記電極体は、該電極体の捲回軸が前記ケースの底部に沿う方向に延在する状態で前記ケースに収容され、前記電極体の捲回軸方向に延在する前記ケースの側面には、櫛歯状に並ぶ複数のリブを有した拘束部材が押し当てられ、前記拘束部材には、前記ケースの側面に押し当てられる前記各リブが前記電極体の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる交差方向リブ延設部が設けられるとともに、前記電極体には、前記ケースを介して前記拘束部材の前記交差方向リブ延設部に押圧される交差方向リブ押圧領域が形成されるものであって、前記交差方向リブ押圧領域が形成される位置において前記電極体に設けられた前記電極活物質層の厚みが薄い薄肉部を備える。
上記構成によれば、電極体の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる各リブに押圧される交差方向リブ押圧領域においても、その電極体を構成する電極シートに設けられた薄肉部が凹部となることで、この電極シートとセパレータとの間の隙間が確保される。即ち、このような薄肉部が形成する隙間は、その電極体に作用する各リブの押圧力によっても潰れ難い。そして、これにより、その捲回軸方向端部から電極体に吸い上げられた電解液の戻りを促進することができる。その結果、電極体に含浸された電解液に濃度のムラが生じ難くなることで、効果的に、そのハイレート劣化の進行を抑制することができる。
加えて、薄肉部は、捲回軸方向端部への開口を必須の構成要件としない。つまりは、電極体の捲回軸方向端部に開口しなくとも、その電解液の戻り促進効果が生ずる。このため、従来技術にみられるような電極体の捲回軸方向全域に亘って溝部を延設する構成との比較において、その薄肉部の形成による電極活物質の減少量を小さく抑えることができる。そして、これにより、その大きな電池容量を確保することができるという利点がある。
上記課題を解決する二次電池において、前記電極体は、前記ケースの側面に沿って前記各電極シートが平板状に配置される扁平部を有するものであって、前記薄肉部は、前記扁平部に設けられていることが好ましい。
即ち、各リブの押圧力が扁平部に作用することで、その電極シートとセパレータとの間の隙間が潰れやすい。従って、この扁平部に薄肉部を設けて、その電極シートとセパレータとの間の隙間を確保することにより、効果的に、その捲回軸方向端部から電極体に吸い上げられた電解液の戻りを促進することができる。
上記課題を解決する二次電池は、前記交差方向リブ押圧領域内における前記拘束部材の前記各リブに前記電極体が押圧される位置に、前記薄肉部が設けられていることが好ましい。
即ち、ケースを介して拘束部材の各リブが電極体を押圧する位置には、その各リブの延伸方向に沿って、線状に延びる電極シートとセパレータとの間の隙間が小さい領域が形成される。更に、交差方向リブ押圧領域内においては、電極体を押圧する拘束部材の各リブが、その電極体の捲回軸方向に対して交差する方向に延びている。そして、これにより、電極体を押圧する拘束部材の各リブが、その電極体の捲回軸方向における電解液の移動、つまりは、その捲回軸方向端部から電極体に吸い上げられた電解液の戻りを大きく阻害することになる。
しかしながら、上記構成によれば、電極シートに設けられた薄肉部が、その電極体の捲回軸方向に対して交差する方向に延在する電極シートとセパレータとの間の隙間が小さい領域を分断するかたちで、これらの電極シートとセパレータとの間に隙間を形成する。そして、これにより、効果的に、その電解液の戻りを促進することができる。
上記課題を解決する二次電池においては、前記拘束部材には、前記交差方向リブ延設部と、前記ケースの側面に押し当てられる前記各リブが前記電極体の捲回軸方向に延びている軸方向リブ延設部と、が設けられ、前記電極体には、前記交差方向リブ押圧領域と、前記ケースを介して前記拘束部材の前記交差方向リブ延設部に押圧される軸方向リブ押圧領域と、が形成されるものであって、前記交差方向リブ押圧領域と前記軸方向リブ押圧領域との境界位置に、前記薄肉部が設けられていることが好ましい。
即ち、拘束部材に設けられた各リブの押圧力がケース内の電極体に作用する構成においては、この電極体に形成された交差方向リブ押圧領域と軸方向リブ押圧領域との境界位置において、その電極体に含浸された電解液の濃度が大きく変化する傾向がある。従って、上記構成によれば、効果的に、電解液の戻りを促進して、その濃度にムラが生じ難くすることができる。
上記課題を解決する二次電池は、前記薄肉部は、前記電極体の捲回軸方向に沿って延設された溝部としての構成を有することが好ましい。
上記構成によれば、溝部としての構成を有する薄肉部が、電極シートの表面に電極体の捲回軸方向に延びる凹部を形成することで、その捲回軸方向に電解液が移動しやすくなる。そして、これにより、効果的に、その電解液の戻りを促進することができる。
上記課題を解決する二次電池は、前記電極体の捲回軸方向における中央部分に、前記交差方向リブ押圧領域が形成されることが好ましい。
即ち、捲回軸方向における中央部分に近い位置ほど、その捲回軸方向端部から電極体に吸い上げられた電解液の戻りが弱くなる。そして、この位置に交差方向リブ押圧領域が形成されることで、より一層、その電解液の戻りが弱められる。従って、このような構成に上記何れかの構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
上記課題を解決する二次電池は、負極を構成する前記電極シートに前記薄肉部が設けられていることが好ましい。
即ち、負極を構成する電極シートは、リチウムイオンの脱挿入による膨張収縮が大きい。このため、負極を構成する電極シートの方が、正極を構成する電極シートよりも、その捲回軸方向端部を介した電解液の出入量が多くなる。従って、上記構成を採用することで、より顕著な効果を得ることができる。
本発明によれば、効果的にハイレート劣化の進行を抑制することができる。
二次電池の斜視図。 電極体の分解図。 二次電池の側面図。 複数の単電池が束ねられた組電池の平面図。 組電池を構成する単電池間に介在されるスペーサの斜視図。 二次電池のケースに押し当てられる櫛歯状のリブを有するスペーサの側面図。 電極体を構成する電極シートの電極活物質層に設けられた薄肉部を示す電極シートの断面図。 薄肉部の配置を示す電極体の模式図。 第2の実施形態における薄肉部の配置を示す電極体の模式図。 電極体に含浸された電解液の濃度分布と各リブの配置との関係を示す説明図。 二次電池の充放電性能に関する試験結果を示す説明図。 薄肉部の配置についての別例を示す電極体の模式図。
[第1の実施形態]
以下、二次電池に関する第1の実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、二次電池1は、正極3、負極4、及びセパレータ5を一体化した電極体10と、この電極体10を収容するケース20と、を備えている。そして、本実施形態の二次電池1は、そのケース20内の電極体10に、図示しない非水性の電解液を含浸させたリチウムイオン二次電池としての構成を有している。
詳述すると、本実施形態の二次電池1において、正極3、負極4、及びセパレータ5は、シート状の外形を有して積層される。そして、これら正極3及び負極4、及びセパレータ5の積層体を捲回することにより、正極3と負極4との間にセパレータ5を挟み込む状態で、その径方向に正負の電極とセパレータ5とが交互に並ぶ電極体10が形成されている。
また、本実施形態のケース20は、扁平略四角箱状のケース本体21と、このケース本体21の開口端21xを閉塞する蓋部材22と、を備えている。そして、本実施形態の電極体10は、径方向外側から押圧されることにより、そのケース20の箱形状に対応する扁平した外形を有するものとなっている。
さらに詳述すると、図2に示すように、本実施形態の二次電池1において、正極3及び負極4は、それぞれ、シート状の外形を有した集電体31と、この集電体31上に積層された電極活物質層32と、を備えた電極シート35としての構成を有する。
具体的には、アルミニウム等を素材とする正極集電体31P上に、正極活物質となるリチウム遷移金属酸化物を含んだスラリーを塗工することにより、その正極活物質層32Pを備えた正極3用の電極シート35Pが形成される。また、銅等を素材とする負極集電体31N上に、負極活物質となる炭素系材料を含んだスラリーを塗工することにより、その負極活物質層32Nを備えた負極4用の電極シート35Nが形成される。更に、本実施形態の二次電池1において、これら正負の電極シート35P,35Nは、帯状に整形される。そして、本実施形態の電極体10は、セパレータ5を挟んで積層された正負の電極シート35P,35Nが、その帯形状の幅方向(図2中、左右方向)に延びる捲回軸L周りに捲回された構造を有している。
尚、図2中においては、その正極3を構成する電極シート35Pを内側に捲き込むかたちで、セパレータ5及び各電極シート35が捲回されているが、この図は、電極体10の構造を示す一例であり、その負極4を構成する電極シート35Nを内側に捲き込むかたちで、これらのセパレータ5及び各電極シート35が捲回される場合もある。そして、これにより、その電極体10の最外殻に配置される電極シート35が、正極3を構成する電極シート35Pであるか、又は負極4を構成する電極シート35Nであるかが決定される。
また、図1に示すように、ケース20の蓋部材22には、ケース20の外側に突出する正極端子37及び負極端子38が設けられている。更に、図2に示すように、各電極シート35には、それぞれ、その集電体31上に電極活物質層32が形成されていない未塗工部39が形成されている。そして、本実施形態の二次電池1は、これらの未塗工部39を利用して、その正極3を構成する電極シート35Pと正極端子37とが電気的に接続され、及び、その負極4を構成する電極シート35Nと負極端子38とが電気的に接続される構成となっている。
具体的には、図1及び図2に示すように、本実施形態の電極体10は、その捲回軸Lが長尺略矩形板状をなす蓋部材22の長手方向(図1中、左右方向)に沿う状態で、ケース本体21内に収容される。また、この電極体10は、その捲回軸Lの一端側(図2中、左側の端部)に正極3を構成する電極シート35Pの未塗工部39Pを有し、他端側(同図中、右側の端部)に負極4を構成する電極シート35Nの未塗工部39Nを有している。更に、本実施形態の二次電池1においては、この状態で、その正極3を構成する電極シート35Pの未塗工部39Pと正極端子37とが接続部材37xを介して接続されるとともに、その負極4を構成する電極シート35Nの未塗工部39Nと負極端子38とが接続部材38xを介して接続される。そして、本実施形態の二次電池1は、その後、ケース本体21の開口端21xに対して蓋部材22を接合することにより、その正極3と正極端子37、及び負極4と負極端子38とが電気的に接続された状態で、この電極体10をケース20内に封缶する構成となっている。
尚、本実施形態の二次電池1において、ケース本体21及び蓋部材22は、例えば、アルミニウム合金やステンレス鋼等の金属材料を用いて形成される。そして、これらのケース本体21及び蓋部材22は、例えば、レーザー溶接等を用いて液密に接合される。
また、図3に示すように、二次電池1は、その電極体10とともにケース20内に収容される絶縁フィルム41を備えている。更に、この絶縁フィルム41は、ケース本体21の開口端21x側に開口する袋形状を有してケース20内に収容される。そして、本実施形態の二次電池1は、この絶縁フィルム41の袋形状内に電極体10を配置することで、その電極体10とケース20とが絶縁される構成になっている。
更に、図1に示すように、本実施形態の二次電池1においては、蓋部材22に設けられた注入口42を介して、そのケース20内に電解液が注入される。即ち、リチウムイオン二次電池としての構成を有する二次電池1の電解液には、有機溶媒中に支持塩となるリチウム塩を溶解させたものが用いられる。そして、本実施形態の二次電池1は、これにより、そのケース20内に封缶された電極体10に対して電解液が含浸される構成になっている。
尚、本実施形態の二次電池1において、注入口42は、長尺略矩形板状をなす蓋部材22の長手方向略中央部分に形成された安全弁43の近傍に設けられている。そして、本実施形態の二次電池1は、電解液の注入後、例えば、レーザー溶接等によって、その注入口42が封止される構成となっている。
また、図3に示すように、ケース20内には、その含浸により電極体10に保持させる液量を超えた余剰の電解液44が注入される。そして、本実施形態の二次電池1は、この余剰分の電解液44、つまりは余剰液45が、そのケース20の底部46に溜まる構成となっている。
具体的には、図2及び図3に示すように、本実施形態の電極体10は、その捲回軸Lが、ケース20の底部46に沿う方向(図3中、左右方向)に延在する状態で、この底部46の近傍に下端部10bが配置される。また、電極体10は、ケース20内に収容された状態における高さ方向(図3中、上下方向)の中央部分に、その扁平した捲回体形状に基づいて、正負の電極シート35P,35N及びセパレータ5が略平板状に積層された状態で配置された扁平部47を備えている。更に、この電極体10は、その上端部10a及び下端部10bに、正負の電極シート35P,35N及びセパレータ5が半円筒状に湾曲した状態で配置される湾曲部48を備えている。そして、本実施形態の二次電池1は、この二次電池1が製品として出荷される状態において、そのケース20内に収容された電極体10が、この電極体10における下端部10b側の湾曲部48よりも僅かに上方の高さ位置まで、そのケース20の底部46に貯留された余剰液45に浸る構成となっている。
また、図1及び図4に示すように、本実施形態の二次電池1は、そのケース20内に電極体10が封缶された状態で単電池50を形成する。更に、複数の単電池50を束ねることにより組電池51が形成される。そして、本実施形態の二次電池1は、これにより、その充放電容量及び出力電圧が高められた状態で、例えば、電動車両の電源等に用いられる構成となっている。
詳述すると、図4に示すように、組電池51は、予め設定された所定数の単電池50と、これらの各単電池50の間に介在される複数のスペーサ52と、を備えている。本実施形態の組電池51において、各単電池50は、それぞれ、その内側に収容する電極体10の捲回軸方向(図4中、左右方向)に延在するケース20の側面20s間にスペーサ52を挟み込む状態で配置される。更に、これにより交互に並んで配置された各単電池50及びスペーサ52は、これらの各単電池50及びスペーサ52が並ぶ方向(図4中、上下方向)の両端位置に配置された一対のエンドプレート53,53間に挟み込まれる。そして、本実施形態の組電池51は、これにより、その各スペーサ52及び各エンドプレート53を拘束部材60として、複数の単電池50が束ねられる構成となっている。
また、図5及び図6に示すように、本実施形態の組電池51において、拘束部材60を構成する各スペーサ52は、それぞれ、その単電池50のケース20に押し当てられる二面の押し当て面52s,52sのうち、一方側の押し当て面52saに設けられた櫛歯状に並ぶ複数のリブ61を備えている。
具体的には、これらの各リブ61は、押し当て面52saに直交する板形状を有して、その押し当て面52saに突設されている。更に、これらの各リブ61は、互いに間隔を空けて、その押し当て面52saの広がり方向に延設されている。そして、組電池51は、これにより、これらの各リブ61が形成する各スペーサ52と各単電池50のケース20との間の隙間を、その各単電池50を冷却するための通風路に利用する構成となっている。
詳述すると、本実施形態の各スペーサ52は、それぞれ、その押し当て面52saに設けられた櫛歯状の各リブ61が、これらの各リブ61が押し当てられる単電池50のケース20内に収容された電極体10の捲回軸方向(図4中、左右方向)に延びる軸方向リブ延設部63を有している。また、これらの各スペーサ52は、それぞれ、その各リブ61が、ケース20内に収容された電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる交差方向リブ延設部64を有している。本実施形態の各スペーサ52において、この交差方向リブ延設部64は、その電極体10の捲回軸方向における中央部分に設けられている。そして、本実施形態の各スペーサ52は、それぞれ、その電極体10の捲回軸方向における両端部分に軸方向リブ延設部63,63を有している。
換言すると、本実施形態の各スペーサ52は、それぞれ、その各リブ61が押し当てられる単電池50のケース20内に収容された電極体10の捲回軸方向を長手方向とする矩形状の押し当て面52saを備えている。そして、これらの各スペーサ52は、それぞれ、その押し当て面52saの長手方向両端部分に設けられた軸方向リブ延設部63,63と、その押し当て面52saの長手方向中央部分に設けられた交差方向リブ延設部64と、を備えている。
さらに詳述すると、本実施形態の各スペーサ52は、その櫛歯状に配置されたリブ61として、各軸方向リブ延設部63,63内に延設された直線的に延びる複数の短リブ65と、その軸方向リブ延設部63,63と交差方向リブ延設部64とに跨る態様で延設された複数の長リブ66と、を備えている。
本実施形態の各スペーサ52において、各長リブ66は、それぞれ、交差方向リブ延設部64においては、押し当て面52saの下端側から上方(図6中、下側から上側)に向かって直線的に延びた後、その長手方向端部側に向かって湾曲して延びている。また、これらの各長リブ66は、それぞれ、軸方向リブ延設部63においては、その押し当て面52saの長手方向(図6中、左右方向)に沿って直線的に延びている。更に、各短リブ65は、これらの各長リブ66の間の位置において、その押し当て面52saの長手方向に沿って直線的に延びている。そして、本実施形態の組電池51は、これらの各短リブ65及び各長リブ66が形成する通風路を利用して、その組電池51の下方側から各単電池50と各スペーサ52との間に導入された冷却風が、その組電池51の側方(図4中、左右方向の両端部)から排出される構成になっている。
尚、本実施形態の組電池51においては、各スペーサ52とともに拘束部材60を構成するエンドプレート53,53の一方側にも、その単電池50のケース20に押し当てられる各スペーサ52と同様に複数のリブ61が設けられている。そして、本実施形態の組電池51は、これにより、その各単電池50の冷却性能を確保する構成となっている。
(ハイレート劣化の抑制構造)
次に、本実施形態の二次電池1において、その電極体10に形成されたハイレート劣化の抑制構造について説明する。
図7及び図8に示すように、本実施形態の二次電池1は、そのケース20内に収容された電極体10を構成する電極シート35に設けられた電極活物質層32の厚みDが薄い薄肉部70を備えている。
詳述すると、図6及び図8に示すように、本実施形態の二次電池1においては、ケース20の側面20sに拘束部材60の各リブ61が押し当てられることにより、そのケース20を介して電極体10が押圧される。また、これにより、電極体10には、その拘束部材60に設けられた交差方向リブ延設部64に押圧される交差方向リブ押圧領域αと、その拘束部材60に設けられた軸方向リブ延設部63に押圧される軸方向リブ押圧領域βと、が形成される。そして、本実施形態の二次電池1は、その交差方向リブ押圧領域αが形成される位置において、その電極体10に設けられた薄肉部70を備えている。
具体的には、図2及び図7に示すように、本実施形態の電極体10において、薄肉部70は、ケース20の側面20sに沿って、その電極体10を構成する各電極シート35が略平板状に配置される扁平部47に設けられている。また、この薄肉部70は、正負の電極シート35P,35Nのうち、その負極4を構成する電極シート35Nに設けられている。更に、この薄肉部70は、電極体10の捲回軸方向に沿って延設された溝部71としての構成を有している。換言すると、この薄肉部70は、その集電体31上に積層された電極活物質層32の厚みD1が、他の部分の厚みD0よりも薄い(D1<D0)、溝状に延びる凹部72としての構成を有している。そして、本実施形態の電極体10は、そのセパレータ5とともに正負の電極シート35P,35Nを捲回する前に、レーザー加工や金型加工等によって、その負極4を構成する電極シート35Nに薄肉部70を形成する構成となっている。
さらに詳述すると、図6及び図8に示すように、本実施形態の二次電池1においては、電極体10の捲回軸方向における中央部分に、その交差方向リブ押圧領域αが形成される。そして、本実施形態の電極体10は、その交差方向リブ押圧領域α内において、この電極体10が、そのケース20を介して拘束部材60の各リブ61に押圧される位置に設けられた複数の薄肉部70を備えている。
具体的には、本実施形態の電極体10において、これらの各薄肉部70は、その拘束部材60側の交差方向リブ延設部64を構成する各長リブ66が、電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延在する範囲、つまりは、その高さ方向(各図中、上下方向)の直線部分、及び湾曲部分に沿うように並んで配置されている。そして、これらの各薄肉部70は、それぞれ、電極体10の捲回軸方向において、その各長リブ66の押圧位置に跨るように、その溝部71としての長さXが設定されている(図7参照)。
次に、本実施形態の作用について説明する。
即ち、ハイレート充放電時、その捲回軸方向端部10eから電極体10の外部に流出した電解液44は、その後、再び、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられる。そして、この捲回軸方向端部10eから吸い上げられた電解液44が電極体10の中央部分まで戻り難いことで、この電極体10に含浸された電解液44の濃度にムラが生ずる。
更に、ケース20を介して拘束部材60の各リブ61に電極体10が押圧されることで、この電極体10を構成する各電極シート35とセパレータ5との間の隙間が小さくなる。そして、これにより、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の捲回軸方向中央側への移動、つまりは、その電解液44の戻りが阻害されることで、より一層、この電極体10に含浸された電解液44の濃度にムラが生じやすくなる。
しかしながら、電極体10を構成する電極シート35に電極活物質層32の厚みDが薄い薄肉部70を設けることにより、拘束部材60の各リブ61に押圧される位置においても、この薄肉部70が電極シート35の表面35sに凹部72を形成することで、その電極シート35とセパレータ5との間の隙間が確保される。即ち、このような薄肉部70が形成する隙間は、その電極体10に作用する各リブ61の押圧力によっても潰れ難い。そして、この隙間が、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の戻りを促進することで、この電極体10に含浸された電解液44の濃度ムラが抑制される。
更に、そのケース20を介して電極体10を押圧する拘束部材60の各リブ61が電解液44の戻りを阻害する現象は、これらの各リブ61が電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びている領域、つまりは、交差方向リブ押圧領域αにおいて、より顕著なものとなる。従って、このような交差方向リブ押圧領域αに薄肉部70を設けることで、効果的に、その電解液44の戻りが促進される。そして、これにより、ハイレート充放電に起因した二次電池1の劣化が抑制される。
次に、本実施形態の効果について説明する。
(1)二次電池1は、セパレータ5を挟んで積層された正負の電極シート35を捲回してなる電極体10と、この電極体10を収容するケース20と、を備える。各電極シート35は、シート状の集電体31と、この集電体31上に積層された電極活物質層32とを備える。また、電極体10は、この電極体10の捲回軸Lがケース20の底部46に沿う方向に延在する状態でケース20に収容されるとともに、このケース20の側面20sには、櫛歯状に並ぶ複数のリブ61を有した拘束部材60が押し当てられる。更に、この拘束部材60には、その各リブ61が電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる交差方向リブ延設部64が設けられるとともに、電極体10には、この交差方向リブ延設部64に押圧される交差方向リブ押圧領域αが形成される。そして、二次電池1は、その交差方向リブ押圧領域αが形成される位置において電極体10に設けられた電極活物質層32の厚みDが薄い薄肉部70を備える。
上記構成によれば、電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる各リブ61に押圧される交差方向リブ押圧領域αにおいても、その電極体10を構成する電極シート35に設けられた薄肉部70が凹部72となることで、この電極シート35とセパレータ5との間の隙間が確保される。そして、これにより、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の戻りを促進することができる。その結果、電極体10に含浸された電解液44に濃度のムラが生じ難くなることで、効果的に、そのハイレート劣化の進行を抑制することができる。
加えて、薄肉部70は、捲回軸方向端部10eへの開口を必須の構成要件としない。つまりは、電極体10の捲回軸方向端部10eに開口しなくとも、その電解液44の戻り促進効果が生ずる。このため、従来技術にみられるような電極体10の捲回軸方向全域に亘って溝部を延設する構成との比較において、その薄肉部70の形成による電極活物質の減少量を小さく抑えることができる。そして、これにより、その大きな電池容量を確保することができるという利点がある。
(2)電極体10は、拘束部材60の各リブ61が押し当てられるケース20の側面20sに沿って、その各電極シート35が平板状に配置される扁平部47を有する。そして、薄肉部70は、この扁平部47に設けられている。
即ち、各リブ61の押圧力が扁平部47に作用することで、その電極シート35とセパレータ5との間の隙間が潰れやすい。従って、この扁平部47に薄肉部70を設けて、その電極シート35とセパレータ5との間の隙間を確保することにより、効果的に、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の戻りを促進することができる。
(3)電極体10は、交差方向リブ押圧領域α内において、この電極体10が拘束部材60の各リブ61に押圧される位置に、その薄肉部70を有している。
即ち、ケース20を介して拘束部材60の各リブ61が電極体10を押圧する位置には、その各リブ61の延伸方向に沿って、線状に延びる電極シート35とセパレータ5との間の隙間が小さい領域が形成される。更に、交差方向リブ押圧領域α内においては、電極体10を押圧する拘束部材60の各リブ61が、その電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びている。そして、これにより、電極体10を押圧する拘束部材60の各リブ61が、その電極体10の捲回軸方向における電解液44の移動、つまりは、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の戻りを大きく阻害することになる。
しかしながら、上記構成によれば、電極シート35に設けられた薄肉部70が、その電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延在する電極シート35とセパレータ5との間の隙間が小さい領域を分断するかたちで、これらの電極シート35とセパレータ5との間に隙間を形成する。そして、これにより、効果的に、その電解液44の戻りを促進することができる。
(4)薄肉部70は、電極体10の捲回軸方向に沿って延設された溝部71としての構成を有する。
上記構成によれば、溝部71としての構成を有する薄肉部70が、電極シート35の表面35sに電極体10の捲回軸方向に延びる凹部72を形成することで、その捲回軸方向に電解液44が移動しやすくなる。そして、これにより、効果的に、その電解液44の戻りを促進することができる。
(5)電極体10の捲回軸方向における中央部分に、交差方向リブ押圧領域αが形成される。
即ち、捲回軸方向における中央部分に近い位置ほど、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の戻りが弱くなる。そして、この位置に交差方向リブ押圧領域αが形成されることで、より一層、その電解液44の戻りが弱められる。従って、このような構成に上記(1)~(4)の構成を適用することで、より顕著な効果を得ることができる。
(6)負極4を構成する電極シート35Nに薄肉部70が設けられている。
即ち、負極4を構成する電極シート35Nは、リチウムイオンの脱挿入による膨張収縮が大きい。このため、負極4を構成する電極シート35Nの方が、正極3を構成する電極シート35Pよりも、その捲回軸方向端部10eを介した電解液44の出入量が多くなる。従って、上記構成を採用することで、より顕著な効果を得ることができる。
[第2の実施形態]
以下、二次電池に関する第2の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図9に示すように、本実施形態の二次電池1Bは、上記第2の実施形態における二次電池1との比較において、その電極体10Bの電極シート35に設けられた薄肉部70の配置が相違する。
詳述すると、本実施形態の電極体10Bにおいては、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γに、薄肉部70が設けられている。
具体的には、電極体10Bに交差方向リブ押圧領域αを形成する位置において、そのケース20の側面20sに押し当てられる拘束部材60の各リブ61は、上記のように、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとに跨る長リブ66としての構成を有している。即ち、これらの各長リブ66は、電極体10Bの捲回軸方向中央部分においては、この電極体10Bの下端部10b側から上端部10a側に向かって直線的に延びている。更に、これらの各長リブ66は、その後、捲回軸方向端部10e側に向かって湾曲することにより、軸方向リブ延設部63においては、その押し当て面52saの長手方向に沿って直線的に延びている。そして、本実施形態の二次電池1Bにおいては、これら各長リブ66の湾曲した部分と電極体10Bの捲回軸方向に沿って直線的に延びる部分との変曲点近傍が、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γとなっている。
さらに詳述すると、本実施形態の電極体10Bにおいてもまた、各薄肉部70は、電極体10Bの捲回軸方向に沿って延設された溝部71としての構成を有している。また、本実施形態の電極体10Bにおいて、上記のように交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γに設けられた薄肉部70は、その櫛歯状をなす各リブ61の間、つまりは、これらの各リブ61によって、直接的には押圧されない位置に配置されている。更に、本実施形態の二次電池1Bは、電極体10Bの下端部10b近傍については、上記のような各長リブ66の変曲点が形成されない構成となっている。このため、本実施形態の電極体10Bもまた、その下端部10b近傍については、上記第1の実施形態と同様、その交差方向リブ押圧領域α内において、この電極体10Bが拘束部材60の各リブ61に押圧される位置に、その薄肉部70を有している。
図10は、薄肉部70を有しない比較例の電極体10Cについて、この電極体10Cに含浸された電解液44に濃度のムラが生じた場合における電解液44の濃度分布と、その電極体10Cを押圧する拘束部材60の各リブ61の配置との関係を示している。
具体的には、この図10には、その捲回軸方向中央部分の濃度が高く、捲回軸方向端部10e側の濃度が低くなるような電解液44の濃度ムラが電極体10Cに生じた一例が示されている。そして、この電極体10Cに生じた電解液濃度の高い領域εaの配置と電解液濃度の低い領域εbの配置は、それぞれ、この電極体10Cにおける交差方向リブ押圧領域αの配置及び軸方向リブ押圧領域βの配置に略一致する。
このように、電極体10Cに含浸された電解液44に濃度のムラが生じた場合、その電解液の濃度は、この電極体10Cに形成された交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γにおいて大きく変化する傾向がある。即ち、ケース20を介して電極体10Cを押圧する拘束部材60は、この境界位置γから電極体10Cの捲回軸方向中央部分に向かって、その各リブ61の延伸方向、詳しくは各長リブ66の延伸方向が、電極体10Cの捲回軸方向に沿った方向から捲回軸方向に対して直交する方向に徐々に変化する。そして、これにより、その捲回軸方向端部10eから電極体10に吸い上げられた電解液44の捲回軸方向中央側への移動、つまりは電解液44の戻りが大きく阻害されることで、この電極体10Cの捲回軸方向中央部分における電解液44の濃度及び捲回軸方向端部10e側における電解液44の濃度に高低差が生ずる。
この点を踏まえ、本実施形態の電極体10Bにおいては、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γに各薄肉部70が設けることにより、電解液44の戻りを促進する。そして、本実施形態の電極体10Bは、これにより、その電極体10に含浸された電解液44に濃度のムラが生じ難い構成になっている。
図11は、本実施形態の二次電池1B(図9参照)、及び上記第1の実施形態における二次電池1(図8参照)について、その充放電性能に関する試験結果を示している。具体的には、この性能試験は、これらの各二次電池1Bについて、その電池容量及び使用による抵抗上昇率の測定を含むものとなっている。そして、これらの各二次電池1,1Bの比較例として、上記のような電極体10Cに薄肉部70を有しない二次電池1C(図10参照、比較例1)、及び略V字状をなして電極体の捲回軸方向に延設されることにより捲回軸方向端部10eに開口するようなV字溝を有した従来技術の二次電池(比較例2)についてもまた、同様の性能試験を行った。
図11に示すように、本実施形態の二次電池1Bは、上記第1の実施形態における二次電池1と略同様に、その抵抗上昇率が、電極体10Cに薄肉部70を有しない二次電池1Cよりも低い。つまりは、そのハイレート劣化の進行が抑制されている。そして、この抵抗上昇率に示されるハイレート劣化の抑制効果は、従来技術の劣化対策が施された二次電池よりも優れた値となっている。
また、従来技術の劣化対策が施された比較例の二次電池は、電極体10Cに薄肉部70を有しない二次電池1Cよりも電池容量が低下しているのに対し、本実施形態の二次電池1B及び上記第1の実施形態における二次電池1については、このような電池容量の低下は見られない。これは、従来技術の劣化対策、つまりは、その捲回軸方向の全域に亘って延在するV字状の溝部を形成することで、その電極活物質量が大きく減少するためであると推察される。つまり、本実施形態の二次電池1Bもまた、上記第1の実施形態における二次電池1と同様、その電極体10Bに形成される交差方向リブ押圧領域αに限定して薄肉部70を形成することにより、この薄肉部70の形成による電極活物質の減少量を抑えることが可能になっている。そして、これにより、本実施形態の二次電池1Bもまた、上記第1の実施形態における二次電池1と同様の効果が得られるものとなっている。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記各実施形態では、薄肉部70は、電極体10,10Bの捲回軸方向に沿って延設された溝部71としての構成を有することとしたが、その形状及び大きさは、任意に変更してもよい。例えば、その溝形状が、電極体10の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる凹部を形成するものであってもよい。そして、薄肉部70の形成する凹部が、面状の広がりを有するものであってもよい。但し、この場合においても、その薄肉部70を形成することによる電極活物質の減少を考慮することが望まれる。つまりは、その薄肉部70の形成による電解液44の戻り促進効果と電極活物質の減少に伴う電池容量の低下とをバランスさせることが好ましい。
・また、上記各実施形態では、薄肉部70は、正負の電極シート35P,35Nのうち、その負極4を構成する電極シート35Nに設けられることとしたが、正極3を構成する電極シート35Pに、その薄肉部70を有する構成であってもよい。また、正負の電極シート35P,35Nの両方に薄肉部70を有する構成であってもよい。そして、各電極シート35の電極活物質層32は、シート状をなす集電体31の片面に形成されていても両面に形成されていてもよい。
・薄肉部70は、必ずしも扁平部47に形成されていなくともよい。例えば、このような扁平部47を有しないものに適用してもよい。また、薄肉部70は、捲回軸方向の中央部分以外に形成された交差方向リブ押圧領域αにも配置してよい。そして、例えば、その拘束部材60を構成するスペーサ52が、そのケース20に押し当てられる二面の押し当て面52s,52sの両方に、それぞれ、櫛歯状に並ぶ複数のリブ61を有する構成に適用してもよい。
・上記第2の実施形態における電極体10Bは、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γに設けられた薄肉部70を有するとともに、その交差方向リブ押圧領域α内における拘束部材60の各リブ61に押圧される位置にも、その薄肉部70が設けられた構成を有することとした。
しかし、これに限らず、図12に示す二次電池1Dの電極体10Dのように、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γにのみ、その薄肉部70が設けられた構成としてもよい。このような構成を採用しても上記第1及び第2の実施形態における二次電池1,1Bと同様の効果を得ることができる。
尚、この図12に例示する二次電池1Dにおいては、交差方向リブ押圧領域α内において、その各長リブ66よりも捲回軸方向端部10e側で電極体10Dを押圧する複数の短リブ65Dが設けられている。即ち、これらの短リブ65Dは、直線的に、その電極体10Dの上下方向に延びている。そして、この別例の二次電池1Dは、これにより、電極体10Dの下端部10b近傍においても、その交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γが分かりやすくなっている。
・また、上記第2の実施形態では、交差方向リブ押圧領域αと軸方向リブ押圧領域βとの境界位置γに設けられた薄肉部70は、その櫛歯状をなす各リブ61の間に配置されることとしたが、これらの各リブ61によって、直接的に押圧される位置に配置してもよい。
1…二次電池
5…セパレータ
35…電極シート
10…電極体
L…捲回軸
20…ケース
20s…側面
31…集電体
32…電極活物質層
D…厚み
46…底部
60…拘束部材
61…リブ
64…交差方向リブ延設部
α…交差方向リブ押圧領域
70…薄肉部

Claims (7)

  1. セパレータを挟んで積層された正負の電極シートを捲回してなる電極体と、
    前記電極体を収容するケースと、を備え、
    前記各電極シートは、シート状の集電体と、該集電体上に積層された電極活物質層と、を有し、
    前記電極体は、該電極体の捲回軸が前記ケースの底部に沿う方向に延在する状態で前記ケースに収容され、
    前記電極体の捲回軸方向に延在する前記ケースの側面には、櫛歯状に並ぶ複数のリブを有した拘束部材が押し当てられ、
    前記拘束部材には、前記ケースの側面に押し当てられる前記各リブが前記電極体の捲回軸方向に対して交差する方向に延びる交差方向リブ延設部が設けられるとともに、
    前記電極体には、前記ケースを介して前記拘束部材の前記交差方向リブ延設部に押圧される交差方向リブ押圧領域が形成されるものであって、
    前記交差方向リブ押圧領域が形成される位置において前記電極体に設けられた前記電極活物質層の厚みが薄い薄肉部を備える二次電池。
  2. 前記電極体は、前記ケースの側面に沿って前記各電極シートが平板状に配置される扁平部を有するものであって、
    前記薄肉部は、前記扁平部に設けられている請求項1に記載の二次電池。
  3. 前記交差方向リブ押圧領域内における前記拘束部材の前記各リブに前記電極体が押圧される位置に、前記薄肉部が設けられている請求項1又は請求項2に記載の二次電池。
  4. 前記拘束部材には、前記交差方向リブ延設部と、前記ケースの側面に押し当てられる前記各リブが前記電極体の捲回軸方向に延びている軸方向リブ延設部と、が設けられ、
    前記電極体には、前記交差方向リブ押圧領域と、前記ケースを介して前記拘束部材の前記交差方向リブ延設部に押圧される軸方向リブ押圧領域と、が形成されるものであって、
    前記交差方向リブ押圧領域と前記軸方向リブ押圧領域との境界位置に、前記薄肉部が設けられている請求項1~請求項3の何れか一項に記載の二次電池。
  5. 前記薄肉部は、前記電極体の捲回軸方向に沿って延設された溝部としての構成を有する
    請求項1~請求項4の何れか一項に記載の二次電池。
  6. 前記電極体の捲回軸方向における中央部分に、前記交差方向リブ押圧領域が形成される請求項1~請求項5の何れか一項に記載の二次電池。
  7. 負極を構成する前記電極シートに前記薄肉部が設けられている
    請求項1~請求項6の何れか一項に記載の二次電池。
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