JP2022073838A - 皮膚における抗光老化剤及びこれを用いた皮膚老化防止・改善剤 - Google Patents

皮膚における抗光老化剤及びこれを用いた皮膚老化防止・改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、新規な成分を有効成分とする抗光老化剤を提供することを目的とする。【解決手段】 上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。1. オランダビユ抽出物を有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤。2.バクチオールを有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤。3.オランダビユ抽出物を有効成分とするコラーゲンゲル収縮能増加剤。4.バクチオールを有効成分とするコラーゲンゲル収縮能増加剤。5.オランダビユ抽出物を有効成分とするインテグリンα1増加剤。6.バクチオールを有効成分とするインテグリンα1増加剤。7.上記1.~上記6.のいずれかに記載の剤を有効成分とする抗光老化剤。【選択図】なし

Description

特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年9月2日に食品開発展出展社プレゼンテーション(2020年) https://www.informa-japan.com/hi/seminar/presen.php?currentYear=2020&_ga=2.239832963.1225989251.1607317609-2120769288.1607317609 にて発表
本発明は、抗光老化剤及びこれを用いた皮膚老化防止・改善剤に関する。本発明は、食品(機能性表示食品、特定保健用食品等の健康食品を含む)、医薬品、医薬部外品、化粧料、皮膚外用剤等に広く用いられる。
老化とは生物学的には時間の経過とともに生物の個体に起こる変化のことであり、その中でも特に生物が死に至るまでの間に起こる機能低下やその過程であると言える。特に皮膚は外的環境である紫外線に晒されているので、必然的に生理学的老化に加えて環境要因である光老化も同時に起こっていることになる。
生理学的老化は加齢によっておこる皮膚の老化であり、肉眼的には細かいしわや乾燥が特徴となる。皮膚は薄くなり、新陳代謝が低下し、皮膚ターンオーバー速度が遅くなる。これは、真皮にあるコラーゲン量が少なくなったり、弾性繊維であるエラスチンの弾力の低下が要因であり、コラーゲンやエラスチンなどの蛋白質は、活性糖と結合しメイラード反応(糖化反応)を起こすために、水分保持能力や肌弾性が低下する。また汗や天然の保湿因子が減少するために表皮のバリア機能が低下する。これは角質の水分量が減少し、乾燥に繋がる。
光老化は主に紫外線による皮膚の変化であり、生理学的老化と比べるとしわが深くできるのが特徴である。これは表皮細胞自体の変化、弾性線維の変性や表皮と真皮層の接着性の減少による剥離などが原因である。真皮層は、細胞外マトリックス(コラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸など)とその生産者である線維芽細胞で構成されている。これらの物質は、真皮層にまで届く紫外線(UVA)によって、減少・消失することが確認されている。また色素沈着、俗にいうしみも紫外線によりメラニン色素が表皮内に定着することが主な原因となる。
また、シワの種類として、真皮に由来する深いシワと表皮に由来する浅いシワとがある。
これらのうち、真皮に由来する深いシワやたるみの原因は真皮の細胞外マトリックスや線維芽細胞の影響で起こるものがほとんどである。
さらに、UVAを線維芽細胞に照射すると細胞骨格が委縮し、それに伴う細胞の不活化(コラーゲン産生量の低下、MMP1(コラーゲン分解酵素))活性化が起こることが報告されている(非特許文献1)。これにより、細胞骨格が委縮することが真皮に由来する深いシワの原因の一つであるといわれている。
また、真皮は主にコラーゲンで構成されている。このコラーゲンを生産するのが線維芽細胞で、真皮内で強く結合している。その際、細胞とコラーゲンの接着剤として機能しているのがインテグリンという細胞膜表面に存在するタンパク質である。インテグリンは、コラーゲンだけでなく後述するラミニン5やエラスチンなどにも接着することが報告されている。このインテグリンは、UVAを照射すると減少し、細胞とコラーゲンなどの細胞外マトリックスの結合が弱くなることが報告されている(非特許文献2)。その結果、皮膚のたるみや真皮に由来する深いシワの原因となる。
また、コラーゲンゲル中で線維芽細胞を培養すると、コラーゲンゲルの収縮が確認される。しかし、UVAを照射することで収縮能が減少することが報告されており、収縮能の低下は、前述した接着能の低下によっておこる現象である。そこで、前述した接着能の低下を抑制するためにコラーゲンゲルの収縮能の低下を抑制する、あるいは収縮能を増加させる必要がある。
また、通常の線維芽細胞培養条件下、線維芽細胞をコラーゲンゲル中に埋包培養するとコラーゲンゲルは収縮する(非特許文献3) 。コラーゲンゲルの収縮は、細胞数によっても培地中の血清量によっても異なり、またゲル中の線維芽細胞数が多いほど、培地中の血清量が多いほど顕著となる。しかし、このような収縮は、線維芽細胞の存在しないコラーゲンのみのゲルや、リンパ球など浮遊性の細胞を埋包したゲルでは全く起こらない。
さらに、皮膚の老化に関しては、老齢者由来の線維芽細胞では若年者由来の細胞と比較してコラーゲンゲルの収縮が低下することが知られており、老化によりゲルの収縮能が低下することが明らかとなっている(非特許文献4) 。すなわち、コラーゲンゲルの収縮能が低下することは、皮膚の真皮結合組織が収縮力を失い、さらには強度、弾力性を失い、結果として真皮に由来する深いシワやタルミに至ることを示すと考えられる。従って、線維芽細胞を埋包したコラーゲンゲルの収縮能を高め、さらにはゲルの形成強度を高めることができれば、真皮結合組織をより収縮させ、引き締め、強度を増加させることができ、ひいては、老化による皮膚のタルミや、真皮に由来する深いシワの形成を抑制し、低下した皮膚の弾力性およびハリが改善され、皮膚を引き締めることができると考えられる(特許文献1)。
また、真皮に由来する深い皮膚のシワやたるみは、真皮層の細胞外マトリックスの減少や変性によっておこる現象である。エラスチンは、線維芽細胞から生産されるフィブリリン1、トロポエラスチン、フィブリン4, 5などが重合することによって形成される。
さらに、フィブリン4は、弾性繊維を形成する中で足場となるフィブリリンとトロポエラスチンをつなぎ留め、杭のような働きを持つことが知られている。フィブリン4の発現を促進することによって、真皮に由来する深いシワを改善することができる。
さらに、表皮と真皮は表皮基底膜構造によって密着に接している。皮膚を摩擦しても表皮と真皮が解離しない理由は、表皮基底膜が正常に機能しているからである(非特許文献5)。この基底膜構造が減弱すると、表皮と真皮の接着性が弱くなり、これが表皮に起因する浅いシワなどの原因となる。この接着剤としての役割を果たすタンパク質がラミニン5である。これにより、ラミニン5の発現を促進することにより、表皮基底膜が正常に機能させることができ、これにより、表皮に由来する浅いシワを改善することができる。
Yamada H., et al, Experimental dermatology, 25 (Suppl. 3), P45-51 (2016). Wongnapa N., et al, Photochemistry and Photobiology, 94(4) (2018). E. Bell et al. J. Invest. Dermatol.,81,2s(1983) M. Yamato, et al. Mech. Ageing Dev.67,149(1993) 清水 宏、新しい皮膚科学 第2版、中山書店 特開2014-34567号公報
このような背景の下、本発明者はオランダビユ抽出物およびその主成分であるバクチオールにおいて、線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制作用を評価した結果、線維芽細胞の細胞委縮抑制作用を有すること見出し、本発明を完成させた。
また、線維芽細胞をコラーゲンゲル中で培養することで真皮の3Dモデルを作成し、 in vitroで評価した結果、オランダビユおよびバクチオールにコラーゲンゲル収縮能の増強作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
さらに、線維芽細胞におけるインテグリンタンパク質量を評価した結果、インテグリンα1の増加作用を有することを見出し、発明を完成させた。
また、高齢者由来の線維芽細胞(TIG-103)を用いてフィブリン4遺伝子発現量を評価し、さらには、正常ヒト表皮角化(NHEK)細胞を用いて、ラミニン5発現量を評価した結果、これらの発現促進作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、新規な成分を有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤、コラーゲンゲル収縮能の増加剤、及びインテグリンα1増加剤並びにこれらを用いた抗光老化剤を提供することを目的とする。
また、新規な成分を有効成分とするフィブリン4遺伝子発現促進剤、ラミニン5発現促進剤を提供することができ、これにより、真皮に由来する深いシワと、表皮由来する浅いシワの両方の形成を抑制する皮膚老化防止・改善剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1. オランダビユ抽出物を有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤。
2.バクチオールを有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤。
3.オランダビユ抽出物を有効成分とするコラーゲンゲル収縮能増加剤。
4.バクチオールを有効成分とするコラーゲンゲル収縮能増加剤。
5.オランダビユ抽出物を有効成分とするインテグリンα1増加剤。
6.バクチオールを有効成分とするインテグリンα1増加剤。
7.上記1.~上記6.のいずれかに記載の剤を有効成分とする抗光老化剤。
8.オランダビユ抽出物を有効成分とするフィブリン4遺伝子発現促進剤。
9.オランダビユ抽出物を有効成分とするラミニン5発現促進剤。
10.バクチオールを有効成分とするラミニン5発現促進剤。
11.オランダビユ抽出物を有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
12.オランダビユ抽出物及びバクチオールのうちの少なくとも1種を有効成分とするシワ改善剤。
13.上記シワ改善剤は真皮に由来する深いしわと表皮に由来する浅いシワの両方を改善するものであることを特徴とする上記12.に記載のシワ改善剤。
14.上記シワ改善剤は経口用または塗布用のいずれかであることを特徴とする上記12.に記載のシワ改善剤。
15.上記12.または上記13.に記載の剤からなる経口用シワ改善剤。
16.上記1.~上記14.に記載の剤を有効成分とする皮膚老化防止・改善剤。
17.オランダビユの無極性溶媒抽出物であって、前記オランダビユの無極性溶媒抽出物は、ソラレンを除去したものであることを特徴とするオランダビユ抽出物。
本発明によれば、 オランダビユ抽出物及びバクチオールは線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制作用を有する。
これにより、オランダビユ抽出物及びバクチオールは細胞骨格の委縮に伴う細胞の不活化(例えばコラーゲン産生量の低下、MMP1(コラーゲン分解酵素))の活性化を抑制することが期待できる。以上によりオランダビユ抽出物及びバクチオールは抗光老化剤として用いることができ、特に紫外線により形成される真皮に由来する深いシワの形成を抑制する。したがって、皮膚老化防止・改善剤として有用である。
また、本発明によれば、オランダビユ抽出物及びバクチオールは、細胞とコラーゲンの接着剤として機能しているインテグリンα1増加作用を有する。これにより、細胞とコラーゲンなどの細胞外マトリックスの結合が弱くなることを防止することができ、コラーゲンゲル収縮を増加させることができる。したがって、UVAを照射することが原因で起こるコラーゲンゲル収縮能低下を抑制する。以上により、皮膚のたるみや真皮に由来する深いシワの形成を防止できるので、抗光老化剤として用いることができ、皮膚老化防止・改善剤として有用である。
さらに、本発明によれば、オランダビユ抽出物は、真皮層の細胞外マトリックス形成に重要な役割を果たす、エラスチンの生成に重要なたんぱく質であって弾性繊維を形成する中で足場となるフィブリリンとトロポエラスチンをつなぎ留め、杭のような働きを有するフィブリン4の遺伝子発現促進作用を有するため、真皮層の細胞外マトリックスの減少や変性を効果的に防止することができる。これにより、オランダビユ抽出物は、真皮に由来する深いシワを改善することができ、したがって、皮膚老化防止・改善剤として有用である。
また、オランダビユ抽出物及びバクチオールは、真皮と表皮を密着させる表皮基底膜構造を正常に機能させるラミニン5発現を促進する。これにより、表皮と真皮の接着機能を向上させるので、皮膚のたるみや表皮に由来する浅いシワを改善することができる。したがって、皮膚老化防止・改善剤として有用である。
さらに、本発明によれば、オランダビユ抽出物は、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するので、皮膚老化防止・改善剤として有用である。
UVA照射による正常二倍体線維芽細胞(NB1RGB細胞)の細胞委縮の状態を示す顕微鏡写真(β-アクチンの蛍光免疫染色)である。 UVA照射による細胞委縮の抑制作用の評価結果を示す顕微鏡写真(β-アクチンの蛍光免疫染色、100倍)及びグラフである。 UVA照射による細胞委縮の抑制作用の評価結果を示す顕微鏡写真(β-アクチンの蛍光免疫染色、400倍)及びグラフである。 オランダビユ抽出物およびバクチオールが真皮3Dモデルでのコラーゲンゲル面積値に与える影響グラフである。 オランダビユ抽出物およびバクチオールが真皮3Dモデルでのインテグリンα1(蛍光免疫染色の蛍光強度)に与える影響を示すグラフである。 オランダビユ抽出物におけるフィブリン4遺伝子発現促進作用の評価結果を示すグラフである。 オランダビユ抽出物及びバクチオールにおけるラミニン5発現促進作用の評価結果を示すグラフである。 オランダビユ抽出物におけるヒアルロニダーゼ阻害作用の評価結果を示すグラフである。 2次抽出物と本実施例のオランダビユ抽出物のHPLCチャートの比較を示す図である。 シワグレードを説明するための写真である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は オランダビユ(Psoralea corylifolia L.)抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
オランダビユ(Psoralea corylifolia L.)はマメ科の一年生草本で、全体が黄白色の毛および黒褐色の腺点におおわれている。温暖で湿潤な気候に生息しており、主産地は、四川、河南(中国)である。その果実(種子)は果皮に包まれており、独特な香りを持つ。種子の含有成分としては、主成分のモノテルペンフェノール誘導体のバクチオールが報告されている。
本発明で使用するオランダビユの部位は特に限定されず、例えば、果実、種子、葉等を用いることができるが果実を用いることが好ましい。
上記抽出物を製造するときに用いる抽出溶媒としては、ヘキサン、アセトン、酢酸エチル等の非極性溶媒を使用することができる。これらの溶媒を2種以上混合してもよい。
望ましくは、ヘキサンを抽出溶媒として用いると、有効成分が効率よく抽出される。
抽出温度としては、20~80℃、望ましくは20~50℃程度で行うとよい。抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくくなり、抽出温度が高すぎると、有効成分が分解し、生理活性(健康機能性)が低下するためである。
抽出方法としては、撹拌抽出、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出、超臨界抽出など任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。
具体的な抽出方法を示すと、抽出溶媒を満たした処理槽に原料(オランダビユの果実等)を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒としてヘキサンを用いる場合には、抽出原料の2~100倍量程度(重量比)の抽出溶媒を使用し、30分~2時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって抽出液を得る。
その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、精製、乾燥等の処理を施し、本発明による皮膚老化防止・改善剤とする。
上記オランダビユ抽出物は、ソラレンやイソソラレン等のクマリン類を除去したものを用いることが好ましい。
線維芽細胞に対し細胞毒性を有するため、これらを含まないほうがより優れた抗光老化剤を得ることができるからである。
オランダビユ抽出物からクマリン類を除去する方法は特に限定されず、例えば、吸着剤を用いる方法等(例えば、特開平10-316991号公報、特開昭57-005794号公報、特開56-070096号公報、特開昭63-089594号公報等)の公知の方法で行うことができる。
また、本発明は、バクチオールを有効成分とすることを特徴とする。
バクチオールとは、下記化学式(1)に示される化合物である。
Figure 2022073838000001
上記バクチオールを得る方法は特に限定されないが、オランダビユ(Psoralea corylifolia L.)から得ることができる。即ち、オランダビユ(Psoralea corylifolia L.)、抽出物を濃縮、精製、乾燥等の処理を施すことにより得ることができる。具体的には本願明細書の実施例の方法にて、得ることが好ましい。
本発明の皮膚老化防止・改善剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の皮膚老化防止・改善剤を適宜配合するとよい。
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L-アスコルビン酸、dl-α-トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤の食品素材を使用することができる。
具体的な製法としては、皮膚老化防止・改善剤を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。また、前記皮膚における赤み改善剤を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
本発明の皮膚老化防止・改善剤を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1~20wt%以下であるのが好ましい。
本発明の皮膚老化防止・改善剤は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の皮膚老化防止・改善剤を適宜配合して製造することができる。本発明の皮膚老化防止・改善剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
本発明の皮膚老化防止・改善剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、局所組織内投与、皮内、皮下、筋肉内および静脈内注射などによることができる。また、坐剤などの形態としてもよい。更に、点眼薬として投与することができる。
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として0.5~5000mg、子供では通常0.5~3000mg程度投与することができる。
皮膚老化防止・改善剤の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3~15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01~10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
本発明の皮膚老化防止・改善剤は、皮膚外用剤(化粧品、医薬品および医薬部外品を含む)として用いても、皮膚老化防止・改善剤作用を期待することができる。
本発明の皮膚老化防止・改善剤を配合しうる皮膚外用剤の形態としては、例えば、乳液、石鹸、洗顔料、入浴剤、クリーム、乳液、化粧水、オーデコロン、ひげ剃り用クリーム、ひげ剃り用ローション、化粧油、日焼け・日焼け止めローション、おしろいパウダー、ファンデーション、香水、パック、爪クリーム、エナメル、エナメル除去液、眉墨、ほお紅、アイクリーム、アイシャドー、マスカラ、アイライナー、口紅、リップクリーム、シャンプー、リンス、染毛料、分散液、洗浄料等が挙げられる。また、本発明の皮膚老化防止・改善剤を配合しうる医薬品または医薬部外品の形態としては、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等が挙げられる。
上記形態の皮膚外用剤には、本発明による皮膚老化防止・改善剤の他に、その皮膚老化防止・改善作用を損なわない範囲で化粧品、医薬部外品などの皮膚外用剤に配合される成分、油分、高級アルコール、脂肪酸、紫外線吸収剤、粉体、顔料、界面活性剤、多価アルコール・糖、高分子、生理活性成分、溶媒、酸化防止剤、香料、防腐剤等を配合することができる。例を以下に羅列するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(1)油分の例
エステル系の油相成分:トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、2-エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸エチル、パルミチン酸オクチル、イソステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、ネオペンタン酸イソアラキル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、カプリル酸セチル、ラウリン酸デシル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸セチル、ステアリン酸ステアリル、オレイン酸デシル、リシノレイン酸セチル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、パルミチン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イソセチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オクチルドデシル、リノール酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、2-エチルヘキサン酸セトステアリル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソステアリン酸ヘキシル、ジオクタン酸エチレングリコール、ジオレイン酸エチレングリコール、ジカプリン酸プロピレングリコール、ジ(カプリル・カプリン酸)プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリカプリル酸グリセリル、トリウンデシル酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、オクタン酸イソステアリル、イソノナン酸オクチル、ネオデカン酸ヘキシルデシル、ネオデカン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソステアリル、イソステアリン酸オクチルデシル、ポリグリセリンオレイン酸エステル、ポリグリセリンイソステアリン酸エステル、炭酸ジプロピル、炭酸ジアルキル(C12-18)、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソアラキル、クエン酸トリイソオクチル、乳酸ラウリル、乳酸ミリスチル、乳酸セチル、乳酸オクチルデシル、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、クエン酸アセチルトリブチル、クエン酸トリオクチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ヒドロキシステアリン酸2-エチルヘキシル、コハク酸ジ2-エチルヘキシル、アジピン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジオクチル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、イソステアリン酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソセチル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸ステアリル、12-ステアロイルヒドロキシステアリン酸イソステアリル等が挙げられる。
炭化水素系の油相成分:スクワラン、流動パラフィン、α-オレフィンオリゴマー、イソパラフィン、セレシン、パラフィン、流動イソパラフィン、ポリブテン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等が挙げられる。
動植物油とその硬化油、および天然由来のロウ:牛脂、硬化牛脂、豚脂、硬化豚脂、馬油、硬化馬油、ミンク油、オレンジラフィー油、魚油、硬化魚油、卵黄油等の動物油およびその硬化油、アボカド油、アルモンド油、オリーブ油、カカオ脂、キウイ種子油、杏仁油、ククイナッツ油、ゴマ油、小麦胚芽油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サフラワー油、シアバター、大豆油、月見草油、シソ油、茶実油、ツバキ油、トウモロコシ油、ナタネ油、硬化ナタネ油、パーム核油、硬化パーム核油、パーム油、硬化パーム油、ピーナッツ油、硬化ピーナッツ油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ホホバ油、硬化ホホバ油、マカデミアナッツ油、メドホーム油、綿実油、硬化綿実油、ヤシ油、硬化ヤシ油等の植物油およびその硬化油、ミツロウ、高酸価ミツロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬化ラノリン、液状ラノリン、カルナバロウ、モンタンロウ等のロウ等が挙げられる。
シリコーン系の油相成分:ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルポリシロキサン、デカメチルポリシロキサン、ドデカメチルシクロシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、ジメチルシロキサン・メチルセチルオキシシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチルステアロキシシロキサン共重合体、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性シリコーン油、アミノ変性オルガノポリシロキサン、ジメチコノール、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等が挙げられる。
フッ素系の油相成分:パーフルオロポリエーテル、フッ素変性オルガノポリシロキサン、フッ化ピッチ、フルオロカーボン、フルオロアルコール、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン等が挙げられる。
(2)高級アルコールの例
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベヘニルアルコール、2-エチルヘキサノール、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等が挙げられる。
(3)脂肪酸の例
カプリル酸、カプリン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキン酸、アラキドン酸、ベヘン酸、エルカ酸、2-エチルヘキサン酸等が挙げられる。
(4)紫外線吸収剤の例
パラアミノ安息香酸、パラアミノ安息香酸アミル、パラアミノ安息香酸エチルジヒドロキシプロピル、パラアミノ安息香酸グリセリル、パラアミノ安息香酸エチル、パラアミノ安息香酸オクチル、パラアミノ安息香酸オクチルジメチル、サリチル酸エチレングリコール、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ホモメンチル、ケイ皮酸ベンジル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ2-エチルヘキサン酸グリセリル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシヒドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩、ジイソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチル、ヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸及びその塩、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、ジヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ヒドロキシオクトキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2、4、6-トリアニリノ-p-(カルボ-2-エチルヘキシル-1-オキシ)-1、3、5-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、メチル-O-アミノベンゾエート、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3、3-ジフェニルアクリレート、フェニルベンゾイミダゾール硫酸、3-(4-メチルベンジリデン)カンフル、イソプロピルジベンゾイルメタン、4-(3、4-ジメトキシフェニルメチレン)-2、5-ジオキソ-1-イミダゾリジンプロピオン酸2-エチルヘキシル等、およびこれらの高分子誘導体やシラン誘導体等が挙げられる。
(5)粉体・顔料の例
赤色104号、赤色201号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、黄色4号ALレーキ、黄色203号BAレーキ等のレーキ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタンパウダー、テフロン(登録商標)パウダー、シリコーンパウダー、ポリメタクリル酸メチルパウダー、セルロースパウダー、デンプン、シリコーンエラストマー球状粉体、ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、板状硫酸バリウム等の体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等の無機粉体、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、ラウリン酸亜鉛、ウンデシレン酸亜鉛等の金属セッケン、ベントナイト、スメクタイト、窒化ホウ素等が挙げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、燐片状、紡錘状等)および粒子径に特に制限はない。なおこれらの粉体は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理、シリコーン処理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N-アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属セッケン処理、アミノ酸処理、レシチン処理、無機化合物処理、プラズマ処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されていてもいなくても構わない。
(6)界面活性剤の例
アニオン性界面活性剤:脂肪酸セッケン、α-アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩、POEアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルリン酸塩、POEアルキルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N-アシルアミノ酸塩、POEアルキルエーテルカルボン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸ナトリウム、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤:塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化セトステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、ラノリン誘導体第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性界面活性剤:カルボキシベタイン型、アミドベタイン型、スルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸塩型、イミダゾリン誘導体型、アミドアミン型等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤:プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビタン脂肪酸エステル、POEソルビット脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POEアキルエーテル、POE脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油、POEヒマシ油、POE・POP共重合体、POE・POPアルキルエーテル、ポリエーテル変性シリコーンラウリン酸アルカノールアミド、アルキルアミンオキシド、水素添加大豆リン脂質等が挙げられる。
天然系界面活性剤:レシチン、サポニン、糖系界面活性剤等が挙げられる。
(7)多価アルコール、糖の例
エチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、3-メチル-1、3-ブタンジオール、1、3-ブチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、ラフィノース、エリスリトール、グルコース、ショ糖、果糖、キシリトール、ラクトース、マルトース、マルチトール、トレハロース、アルキル化トレハロース、混合異性化糖、硫酸化トレハロース、プルラン等が挙げられる。またこれらの化学修飾体等も使用可能である。
(8)高分子の例
アクリル酸エステル/メタクリル酸エステル共重合体(プラスサイズ、互応化学社製)、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体(レジン28-1310、NSC社製)、酢酸ビニル/クロトン酸/ビニルネオデカネート共重合体(28-2930、NSC社製)、メチルビニルエーテルマレイン酸ハーフエステル(ガントレッツES、ISP社製)、T-ブチルアクリレート/アクリル酸エチル/メタクリル酸共重合体(ルビマー、BASF社製)、ビニルピロリドン/ビニルアセテート/ビニルプロピオネート共重合体(ルビスコールVAP、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸共重合体(ルビセットCA、BASF社製)、ビニルアセテート/クロトン酸/ビニルピロリドン共重合体(ルビセットCAP、BASF社製)、ビニルピロリドン/アクリレート共重合体(ルビフレックス、BASF社製)、アクリレート/アクリルアミド共重合体(ウルトラホールド、BASF社製)、ビニルアセテート/ブチルマレエート/イソボルニルアクリラート共重合体(アドバンテージ、ISP社製)、カルボキシビニルポリマー(カーボポール、BFGoodrich社製)、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体(ペミュレン、BF Goodrich社製)等のアニオン性高分子化合物や、ジアルキルアミノエチルメタクリレート重合体の酢酸両性化物(ユカフォーマー、三菱化学社製)、アクリル酸オクチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル共重合体(AMPHOMER、NSC社製)等の両性高分子化合物、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの4級化物(GAFQUAT、ISP社製)、メチルビニルイミダゾリウムクロリド/ビニルピロリドン共重合体(ルビコート、BASF社製)等のカチオン性高分子化合物、ポリビニルピロリドン(ルビスコールK、BASF社製)、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体(ルビスコールVA、BASF社製)、ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマー937、ISP社製)、ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体(コポリマーVC713、ISP社製)等のノニオン性高分子化合物等がある。また、セルロースまたはその誘導体、ケラチン及びコラーゲンまたはその誘導体、アルギン酸カルシウム、プルラン、寒天、ゼラチン、タマリンド種子多糖類、キサンタンガム、カラギーナン、ハイメトキシルペクチン、ローメトキシルペクチン、グアーガム、アラビアゴム、結晶セルロース、アラビノガラクタン、カラヤガム、トラガカントガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、カードラン、ジェランガム、デキストラン等の天然由来高分子化合物も好適に用いることができる。
(9)生理活性成分の例
生理活性成分としては、皮膚に塗布した場合に皮膚に何らかの生理活性を与える物質が挙げられる。例えば、美白成分、免疫賦活剤、老化防止剤、紫外線防御剤、スリミング剤、ひきしめ剤、抗酸化剤、発毛剤、育毛剤、保湿剤、血行促進剤、抗菌剤、殺菌剤、乾燥剤、冷感剤、温感剤、ビタミン類、アミノ酸、創傷治癒促進剤、刺激緩和剤、鎮痛剤、細胞賦活剤、酵素成分等が挙げられる。これらの好適な配合成分の例としては、例えばアシタバエキス、アボカドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キナエキス、キューカンバ-エキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セ-ジエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、デオキシリボ核酸、ムコ多糖類、ヒアルロン酸ナトリウム、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜などの生体高分子、アミノ酸、加水分解ペプチド、乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシンなどの保湿成分、スフィンゴ脂質、セラミド、フィトスフィンゴシン、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質などの油性成分、ε-アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β-グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコールチゾン等の免疫賦活剤、ビタミンA、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド、ビタミンCエステル等のビタミン類、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分、トコフェロール、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸などの細胞賦活剤、γ-オリザノール、ビタミンE誘導体などの血行促進剤、レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤、アルブチン、コウジ酸、プラセンタエキス、イオウ、エラグ酸、リノール酸、トラネキサム酸、グルタチオン等の美白剤、セファランチン、カンゾウ抽出物、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、DL-α-トコフェロール、酢酸DL-α-トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D-パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエストラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、L-メントール、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ-アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ジンクピリチオン、ヒドロコールチゾン、ミノキシジル、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、ハッカ油、ササニシキエキス等の育毛剤などが挙げられる。
(10)酸化防止剤の例
亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、チオジプロピオン酸ジラウリル、トコフェロール、トリルビグアナイド、ノルジヒドログアヤレチン酸、パラヒドロキシアニソール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、ステアリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、没食子酸オクチル、没食子酸プロピル、カロテノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン、リンゴエキスやチョウジエキスなどの酸化防止効果の認められる植物エキス等が挙げられる。
(11)溶媒の例
精製水、エタノール、低級アルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N-メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
本発明の皮膚老化防止・改善剤は、飲食品用組成物、薬品組成物、皮膚外用剤の原料として用いることができる。
これらに配合しうる製剤原料としては、上述した皮膚老化防止・改善剤に用いたものと同様のものを用いることができ、製造方法、投与方法も皮膚老化防止・改善剤と同様の方法を用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる皮膚老化防止・改善剤の各種作用・効果等の確認のために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。
実施例:オランダビユ抽出物及びバクチオールの調製
粉砕した乾燥果実をその重量に対して5倍量のn-ヘキサンで、20~40℃、撹拌1時間の条件で油を抽出した。この操作を2回繰り返し、1、2次抽出物を得た。その後、ろ紙を用いて固液分離を行い、吸着剤処理にてソラレン及びイソソラレン等のクマリン類を除去した。その後、ヘキサンを蒸留し、減圧、160℃の条件で脱臭および脱ヘキサンを行い本実施例のオランダビユ抽出物を得た。本実施例のオランダビユ抽出物をHPLCで分析した結果、オランダビユ抽出物からソラレンが除去されていていることが確認された(図9)。
また、本実施例のオランダビユ抽出物から、下記方法にてバクチオールを単離した。
即ち、上記2次抽出物全量をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(2L, 山善株式会社)に付し,ヘキサン:酢酸エチル[1:9 (5分)→(5分)→3:7 (5分)→(5分)→5:5(5分)→(5分)→0:10(5分)]で溶出した。検出はUV:260 nmで行った。フラクション10~14 [ヘキサン:酢酸エチル(3:7)溶出部]を濃縮し,粗バクチオール分画を得た。粗バクチ―ル分画(1.5 g)をHPLC(Cosmosil C18 ARII,90%メタノール,260 nm)で精製し,バクチオール(85 mg)を得た。
試験例1: UVA照射による細胞委縮の抑制作用の評価
(1)ヒト新生児皮膚由来の正常二倍体線維芽細胞(NB1RGB細胞)の培養方法
理化学研究所より購入したヒト新生児由来線維芽細胞株NB1RGB(RCB 0222)細胞を培養して実験に供した。培地は、Dulbecco's Modified Eagles Medium(1000 mg/L グルコース含有、DMEM)に10 (v/v) % FBS(Fetal bovine serum)及び100 units/mL penicillin G、100 mg/mL streptomycinを添加して使用した。細胞の培養は、75 cm2 培養フラスコ中で行い、5%CO2存在下37℃にて行った。継代操作は、培養した細胞をPBS (-) で2回洗浄した後、フェノールレッド含有0.25 w/v% Trypsin-1 mM EDTA・4Na溶液でフラスコから剥離し、実験に使用した。その結果を図1に示す。
(2)UVA照射による細胞委縮の抑制作用の評価方法
NB1RGB細胞を ibidi 8-well plateに播種(9000 cells/well)し、1日培養後、被験物質を含む血清不含有のDMEMにて培地交換し、1日培養しました。培養後、PBS (-) にて培地交換を行い、プレートの蓋を外しCL-1000 UV Crosslinker(Analytik Jena AG、ドイツ)を用いて、UVAを照射した(10 J/cm2)。照射後、血清不含有DMEMにて培地交換をし、3 時間培養した。その後、βアクチンおよび核の蛍光免疫染色を定法に従い実施した。蛍光免疫染色後の蛍光強度および細胞数(核の数)の解析は、Image J で行った。尚、陽性対照としてビタミンA誘導体である酢酸レチノールを使用した。蛍光免疫染色後の発光強度および細胞数(核の数)の解析は、Image J で行った。その結果を図2(100倍)及び図3(400倍)に示す。
測定結果及び試験例1における実施例の効果
通常、線維芽細胞を単層上に培養すると図1の左側のように細胞骨格(β-アクチン)を広げる。しかし、UVAを照射すると図1右側のように骨格が委縮することが確認された。そこで、オランダビユ抽出物およびバクチオールがどのような影響を与えるか検討した結果、オランダビユおよびバクチオールにUVA照射による線維芽細胞委縮を抑制することを明らかにした(図2倍率×100、図3倍率×400)。UVAを照射すると、線維芽細胞の細胞骨格の委縮だけでなく細胞死(絶対数)の減少も認められた。グラフには、写真内の細胞骨格(アクチン)の蛍光強度を細胞核の数で割り、補正した結果を反映させているので細胞あたりのアクチン発光強度を算出している。
この結果から、オランダビユ抽出物およびバクチオールに線維芽細胞委縮抑制作用を有することが確認され、これにより、線維芽細胞の不活化(例えばコラーゲン産生量の低下、MMP1(コラーゲン分解酵素))活性化を抑制することが示唆された。
以上により、オランダビユ抽出物およびバクチオールは、UVA照射による細胞委縮の抑制剤として有用であり、抗光老化剤として有用であることが確認された。
試験例2:真皮3Dモデル(コラーゲンゲル)を用いたコラーゲンゲルの収縮度合いおよびインテグリンα1増加作用の評価
試験方法
NB1RGB細胞をI型コラーゲンゲル(PureCol(登録商標))中で培養することで真皮の3Dモデルを作成し、 in vitroで評価した。すなわちNB1RGB細胞の懸濁液に、Hanks緩衝液を添加したコラーゲン溶液(pH 7.4)を混合し、24-well plateに播種(1.2×105 cells/well)した。その後、10% FBS含有DMEMをゲル上に添加(500 μL/well)し1日培養した。続いて、被験物質を含む10%FBS含有DMEMにて培地交換を行った。2日間培養後、10%FBS含有DMEMにて培地交換を行い、さらに5日間培養した(2日毎に培地交換)。その後、コラーゲンゲルの面積値およびインテグリンα1の蛍光免疫染色を実施し、蛍光強度を測定した。(Image Jを用いて算出)。
結果及び試験例2における実施例の効果
図4に示されるように、オランダビユ抽出物およびバクチオールにコラーゲンゲル収縮能の増加作用を有することが確認された(図4)。さらに、そのコラーゲンゲルを用いて、インテグリンα1の蛍光免疫染色を実施した結果、図5に示されるように、バクチオール1、3 μMの濃度においてインテグリンα1の増加作用を有することが確認された(図5)。これらの結果より、オランダビユ抽出物およびバクチオールにコラーゲンゲル収縮能が認められ、同時にインテグリンα1の増加も確認された。よって、オランダビユ抽出物およびバクチオールに細胞とコラーゲンゲルの接着能の増加による皮膚弾力の増加および抗シワ作用があることが確認された。
試験例3:高齢者由来線維芽細胞(TIG 103)を用いたエラスチン関連遺伝子(フィブリン4)発現促進作用の評価試験
JCRB Cell Bankより購入したTIG-103(JCRB0528)細胞を12-well plate に播種(1.0×105 cells/well/1 mL)し、1日培養した。その後、被験物質を含む10% FBS含有DMEMで培地交換を行った。2日間培養後、RNA抽出を行い、RT-PCRを実施した。※培養方法については、NB1RGBと同様である。その結果を図6に示す。
結果及び試験例3における実施例の効果
図6に示されるように、オランダビユ抽出物はTIG103細胞において濃度依存的なフィブリン4遺伝子発現量の増加が認められた(図6)。これにより、オランダビユ抽出物はフィブリン4遺伝子発現促進剤として有用であることが確認された。
試験例4正常ヒト表皮角化(NHEK)細胞を用いたラミニン5発現促進作用の評価
(1)正常ヒト表皮角化(NHEK)細胞の培養方法
NHEK細胞を培養して実験に供した。培地は、正常ヒト表皮角化細胞増殖用培地(HuMedia-KG2)を使用した。細胞の培養は、コラーゲンコーティングした75 cm2培養フラスコ中で行い、5% CO2下37℃にて行った。継代操作は、培養した細胞をPBS (-) で2回洗浄した後、フェノールレッド含有0.05 (w/v) % トリプシン-0.53 mmol/l EDTA・4Na溶液により細胞を剥離し、実験に使用した。
(2)ラミニン5発現促進作用の評価方法
正常ヒト表皮角化(NHEK)細胞を6-well plate(コラーゲンコーティング)に播種し(2.0×105 cells/well/1 mL)、1日培養した。その後、被験物質を含むヒト表皮細胞専用培地(HuMedia-KG2)にて培地交換した。2日間培養後、タンパク抽出を行い、Western Blottingを定法に従い実施した。
結果及び試験例4における実施例の効果
図7に示される陽性対照であるレチノイン酸および被験物質であるオランダビユ抽出物、バクチオールにラミニン5発現量の増加傾向が認められた。バクチオールに関しては陽性対照と同等の作用であることが認められた。この結果から、オランダビユ抽出物、バクチオールはラミニン5発現促進剤として有用であり、オランダビユ抽出物およびバクチオールは、表皮と真皮の接着性が高まり、抗たるみ、抗シワ作用を有することが確認され、これにより、皮膚老化防止・改善剤として有用であることが確認された。
試験例5:ヒアルロニダーゼ阻害作用の評価
緩衝液には、0.1 M酢酸緩衝液(pH 4.0)を使用した。
96-well plateにCompound 48/80溶液(20 μL/well、0.5 mg/mL)、ヒアルロニダーゼ溶液(10μL/well、400 units/mL)、被験物質を含む緩衝液(20 μL/well)およびヒアルロン酸溶液(50 μL/well、400μg/mL)を添加し、37℃で40分反応させた。その後、酵素反応を停止させるためにNaOH溶液(20 μL/well、0.4 N)を添加し、速やかにプレートを氷上に放置した。次に、ホウ酸溶液(pH 9.1、20 μL/well、0.8 M)を添加し、プレートを3分間煮沸(90℃)した。煮沸後、氷上で放置し、新しい96-well plate に反応溶液を50μL/wellで移行し、P-DMBA溶液(10 N 塩酸:酢酸 = 1:8で混合した溶液で4-Dimethyl aminobenzaldehyde を溶解した×10 100 mg/mL P-DMAB溶液を作成し、実験にはこの溶液を酢酸で10倍希釈したものを使用)を添加(200 μL/well)し、37℃で20分間発色反応させた。その後、マイクロプレートリーダーにてO.D.値を測定した(585 nm)。その結果を図8に示す。
結果及び試験例5における実施例の効果
図8に示されるように、オランダビユ抽出物にヒアルロニダーゼ阻害作用が認められた(図8)。オランダビユ抽出物はヒアルロニダーゼ阻害剤として有用であることが確認された。
試験例6:オランダビユ抽出物の抗シワ作用の臨床試験による評価
試験方法
(1)試験デザイン
本試験は,健常人男女20名を対象としたオープン試験とし,試験品を4週間継続摂取させた。摂取前,4週後における目尻のシワの写真撮影,目尻のシワレプリカによるシワ解析、アンケートで評価した。
(2)試験品
試験品として,本実施例のバクチオール3%を含むオランダビユ抽出物35 mgと多孔質化した吸油性のあるデキストリン(日澱化学社製:オイルQ-50)とを150 mgの割合で配合し,充てんしたハードカプセルを用いた。被験者には4週間の摂取期間中,1日1カプセルを自由に経口摂取するように依頼した。
(3)被験者
被験者は、本試験についての説明を行った後,同意の上で試験に参加してもらった。被験者の基準は健常な成人男女とし,(1) ホルモン療法を受けている者,(2) 妊娠中,授乳中の者,(3) 被験品に対してアレルギー反応を示す者,(4) 被験部位に影響を与えるような美容医療の経験がある者は除外対象とした。
(4)測定項目
試験前後の目尻の写真撮影および目尻シワレプリカ(正方形)採取およびレプリカの3次元解析
測定は摂取前(0W),4週間後(4W)の計2回行った。被験者には測定室への入室15分前に顔のメイクを落としてもらい,温度25±1℃,湿度65%±5%の部屋にて15分間の馴化を行った後に測定を実施した。
(5)統計解析
各項目の測定値は平均値±標準偏差で示した。有意差検定は分散分析後,摂取前に対する摂取後での比較(paired t-test)を行った。
結果及び試験例6における実施例の効果
(1)脱落者の有無
試験期間を通して脱落者はいなかった。よって被験者20名で解析を行った。
ただ,シワレプリカの解析不能のため、1名解析できなかった。
(2)測定結果
(2-1)被験者全体のシワ三次元解析結果
全体(n=19)の結果を下記表1に示した。
Figure 2022073838000002
表1に示されるように,オランダビユ抽出物摂取後において、全体積率,シワ面積率,シワ体積率,シワ最大幅,シワ平均深度,シワ個数の項目で改善傾向がみられた。
(2-2) シワグレード2~3程度の層別解析結果
試験担当者が被験者のシワグレードを決め、シワグレード2~3の被験者を層別解析した結果を下記表2に示した。なお、シワグレードとは,「抗シワ製品評価ガイドライン」に定められたシワのレベル評価基準である(図10参照)。そして、シワグレード2~3では表皮に由来する浅いシワが形成されている状態である。
Figure 2022073838000003
シワグレード2~3の被験者を層別解析した結果、シワの個数において,オランダビユ抽出物を摂取することによって有意に減少した。これにより、オランダビユ抽出物を経口摂取することにより表皮に由来する浅いシワを改善することができることが確認された。
(2-3) シワグレード4以上の層別解析結果
シワグレード4以上の被験者を層別解析した結果を表3に示した。シワグレード4以上というのは真皮に由来する深いシワが形成されている状態のことをいう。
Figure 2022073838000004
上記表3に示すように、シワグレード4以上において、全体積率,シワ面積率,シワ体積率,シワ最大幅,シワ平均深度の項目において改善することが確認された。
これにより、オランダビユ抽出物は経口摂取において真皮に由来する深いシワにおいても改善する作用を有することが確認された。
本発明による皮膚における皮膚老化防止・改善剤(オランダビユ抽出物)の配合例を示す。尚、以下の配合例は本発明を限定するものではない。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
皮膚老化防止・改善剤 0.5
100.0wt%
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
皮膚老化防止・改善剤 1.0
100.0wt%
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
皮膚老化防止・改善剤 0.4
100.0wt%
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
皮膚老化防止・改善剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
配合例5:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
皮膚老化防止・改善剤 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例6:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
皮膚老化防止・改善剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
配合例7:ソフトカプセル
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
皮膚老化防止・改善剤 1.0
100.0wt%
配合例8:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
皮膚老化防止・改善剤 1.0
100.0wt%
配合例9:化粧クリーム
スクワラン 20.0wt%
ミツロウ 5.0
精製ホホバ油 5.0
グリセリン 5.0
グリセリンモノステアレート 2.0
ポリオキシエチレン(20)ソルビタン-
モノステアレート 2.0
皮膚老化防止・改善剤 2.0
防腐剤 適量
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例10:化粧水
エタノール 5.0wt%
グリセリン 2.0
1,3-ブチレングリコール 2.0
ポリエチレンオレイルエーテル 0.5
クエン酸ナトリウム 0.1
クエン酸 0.1
皮膚老化防止・改善剤 0.1
精製水 残余
100.0wt%
配合例11:ボディージェル
マカデミアナッツ油 2.0wt%
ミリスチン酸オクチルドデシル 10.0
メチルフェニルポリシロキサン 5.0
ベヘニルアルコール 3.0
ステアリン酸 3.0
バチルアルコール 1.0
モノステアリン酸グリセリル 1.0
テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソルビット
2.0
水素添加大豆リン脂質 1.0
セラミド 0.1
パルミチン酸レチノール 0.1
防腐剤 適量
ツボクサ抽出物 1.0
皮膚老化防止・改善剤 1.0
1,3-ブチレングリコール 5.0
精製水 残余
100.0wt%
配合例12:乳液
スクワラン 4.0wt%
ワセリン 2.5
セタノール 2.0
グリセリン 2.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ステアリン酸 1.0
L-アルギニン 1.0
皮膚老化防止・改善剤 0.5
水酸化カリウム 0.1
香料 微量
精製水 残余
100.0wt%
配合例13:浴用剤(液状)
プロピレングリコール 50.0wt%
エタノール 20.0
硫酸ナトリウム 5.0
皮膚老化防止・改善剤 0.5
ラノリン 0.5
アボガド油 0.5
色素 1.5
香料 22.0
100.0wt%
以上により、本発明は新規な成分を有効成分とするフィブリン4遺伝子発現促進剤、ラミニン5発現促進剤、並びにこれらを用いた皮膚老化防止・改善剤を提供することができる。

Claims (17)

  1. オランダビユ抽出物を有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤。
  2. バクチオールを有効成分とする線維芽細胞におけるUVA照射による細胞委縮抑制剤。
  3. オランダビユ抽出物を有効成分とするコラーゲンゲル収縮能増加剤。
  4. バクチオールを有効成分とするコラーゲンゲル収縮能増加剤。
  5. オランダビユ抽出物を有効成分とするインテグリンα1増加剤。
  6. バクチオールを有効成分とするインテグリンα1増加剤。
  7. 請求項1~請求項6のいずれかに記載の剤を有効成分とする抗光老化剤。
  8. オランダビユ抽出物を有効成分とするフィブリン4遺伝子発現促進剤。
  9. オランダビユ抽出物を有効成分とするラミニン5発現促進剤。
  10. バクチオールを有効成分とするラミニン5発現促進剤。
  11. オランダビユ抽出物を有効成分とするヒアルロニダーゼ阻害剤。
  12. オランダビユ抽出物及びバクチオールのうちの少なくとも1種を有効成分とするシワ改善剤。
  13. 上記シワ改善剤は真皮に由来する深いしわと表皮に由来する浅いシワの両方を改善するものであることを特徴とする請求項12に記載のシワ改善剤。
  14. 上記シワ改善剤は経口用または塗布用のいずれかであることを特徴とする請求項12に記載のシワ改善剤。
  15. 請求項12または請求項13に記載の剤からなる経口用シワ改善剤。
  16. 請求項1~請求項14のいずれか1項に記載の剤を有効成分とする皮膚老化防止・改善剤。
  17. オランダビユの無極性溶媒抽出物であって、前記オランダビユの無極性溶媒抽出物は、ソラレンを除去したものであることを特徴とするオランダビユ抽出物。
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