JP2022073156A - エネルギー線管 - Google Patents

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Ginji Sugiura
亮迪 清水
akimichi Shimizu
淳 石井
Atsushi Ishii
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Abstract

Figure 2022073156000001
【課題】内部空間の封止状態が損なわれることが抑制され得るエネルギー線管を提供する。
【解決手段】エネルギー線管3は、窓部50と、筐体部40と、接合部70とを備えている。窓部50は、エネルギー線を透過する窓53を含んでいる。筐体部40は、窓部50に覆われた開口40aが形成されている。接合部70は、窓部50を筐体部40に対して固定している。接合部70は、第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72とを含んでいる。第一接合部71は、開口40aの縁に沿って枠状に連続して配置されていると共に筐体部40と窓部50とに囲まれた内部空間Rを封止している。少なくとも一つの第二接合部72は、第一接合部71に沿って配置されている。第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72との間には離間部75が配置されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、エネルギー線管に関する。
エネルギー線を照射又は入射するエネルギー線管が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1には、エネルギー線を放出させる透過型のエネルギー線管が記載されている。このエネルギー線管は、筐体部と筐体部に設けられた窓部とを備えている。窓部は、エネルギー線を透過する。
特開2002-042705号公報
エネルギー線管において、筐体部の内部空間は封止されている。上記エネルギー線管において内部空間は、真空状態に保たれている。しかし、内部空間の封止状態は、様々な要因によって生じる応力によって損なわれるおそれがある。例えば、真空封止する際においては、加熱工程が行われる場合が多い。この加熱工程において、エネルギー線管は高温に加熱された後に常温に戻される。この際、窓部と筐体部との熱膨張係数との差に起因した熱応力が、窓部を筐体部に固定する固定部分に生じる場合がある。この場合、熱応力によって、上記固定部分に歪みが生じるおそれがある。上記固定部分における歪みの発生によって、当該固定部分が破損し、内部空間の封止状態が損なわれるおそれがある。例えば、製造時において封止状態が損なわれれば、生産効率の低下が生じ得る。
本発明の一つの態様は、内部空間の封止状態が損なわれることが抑制され得るエネルギー線管を提供することを目的とする。
本発明の一つの態様におけるエネルギー線管は、窓部と、筐体部と、接合部とを備えている。窓部は、エネルギー線を透過する窓を含んでいる。筐体部は、窓部に覆われた開口が形成されている。接合部は、窓部を筐体部に対して固定している。接合部は、第一接合部と少なくとも一つの第二接合部とを含んでいる。第一接合部は、開口の縁に沿って枠状に連続して形成されていると共に、筐体部と窓部とに囲まれた内部空間を封止している。少なくとも一つの第二接合部は、第一接合部に沿って形成されている。第一接合部と少なくとも一つの第二接合部との間には離間部が配置されている。
上記一つの態様において、少なくとも一つの第二接合部は、内部空間を封止する第一接合部に沿って配置されている。第一接合部と少なくとも一つの第二接合部との間には離間部が配置されている。このため、少なくとも一つの第二接合部によって、筐体部と窓部との間における固定部分の強度が確保される。例えば、第二接合部に亀裂等の損傷が生じたとしても、第一接合部と第二接合部との間に配置された離間部によって、第二接合部に生じた損傷が第一接合部に影響を及ぼしにくい。したがって、内部空間の封止状態が損なわれ難い。
上記一つの態様において、少なくとも一つの第二接合部は、開口の開口方向から見た場合に、第一接合部によって囲われている領域の外側に配置されていてもよい。この場合、第一接合部における封止状態が損なわれることがさらに抑制される。
上記一つの態様において、少なくとも一つの第二接合部は、内部空間の外側において、第一接合部の縁に沿って枠状に連続して配置されていてもよい。この場合、枠状に連続して配置された第二接合部によって第一接合部に付与される応力が均等に低減され得る。この結果、第一接合部及び第二接合部の形成が容易な構造でありながら、内部空間の封止状態が損なわれることがさらに抑制され得る。
上記一つの態様において、少なくとも一つの第二接合部は、第一接合部の縁に沿って配置されていると共に互いに離間している複数の第二接合部を含んでいてもよい。この場合、複数の第二接合部が互いに離間しているため、第二接合部に生じた損傷が広範囲に連続して発生することが防止されている。換言すれば、ある第二接合部に損傷が発生したしても、この損傷が他の第二接合部における損傷の発生に影響を与え難い。
上記一つの態様において、接合部は、第一接合部と少なくとも一つの第二接合部とを連結する連結部をさらに含んでいてもよい。この場合、第一接合部、第二接合部、及び、離間部の形成が容易な構造が実現されている。
上記一つの様態において、少なくとも一つの第二接合部の幅は、開口の開口方向から見た場合に、第一接合部の幅よりも小さくてもよい。この場合、第一接合部よりも前に、第二接合部に損傷が生じる。このため、真空封止している第一接合部において損傷が発生し難く、内部空間の封止状態が損なわれることが抑制され得る。
上記一つの様態において、少なくとも一つの第二接合部の接合領域の面積は、開口の開口方向から見た場合に、第一接合部の第一接合部の接合領域の接合領域の面積よりも小さくてもよい。この場合、第一接合部よりも前に、第二接合部に損傷が生じる。このため、真空封止している第一接合部において損傷が発生し難く、内部空間の封止状態が損なわれることが抑制され得る。
上記一つの態様において、第一接合部及び少なくとも一つの第二接合部は、ロウ材によって形成されていてもよい。この場合、内部空間が製造容易な構成において封止され得る。
上記一つの態様において、窓部は、隙間に面している溝を含んでいてもよい。この場合、第一接合部と第二接合部との間における隙間の形成が容易な構造が実現されている。
上記一つの態様において、開口の縁に沿って設けられていると共に筐体部に溶接によって固定されている枠部をさらに備えていてもよい。接合部は、窓部を枠部に固定していてもよい。この場合、内部空間が容易に封止され得る。
上記一つの態様において、枠部は、離間部に対向している溝を含んでいてもよい。この場合、第一接合部と第二接合部との間における離間部の形成が容易な構造が実現されている。
上記一つの態様において、枠部は、開口の開口方向から見た場合に、窓部よりも外側において筐体部に固定されていてもよい。この場合、枠部と筐体部とが容易に溶接され得る。
上記一つの態様において、筐体部は、開口を画定する縁部を含んでいてもよい。窓部は、開口の開口方向において縁部に対向している端部を含んでいてもよい。この場合、窓部と筐体部との間における変位が抑制される。このため、内部空間の封止状態が損なわれ難い。
本発明の一つの態様は、内部空間の封止状態が損なわれることが抑制され得るエネルギー線管を提供できる。
本実施形態におけるエネルギー線発生装置を示す断面図である。 エネルギー線管を示す断面図である。 エネルギー線管の一部を示す図である。 エネルギー線管の部分拡大図である。 (a)~(c)は接合部の構成を示す模式図である。 (a)及び(b)は接合部の構成を示す模式図である。 (a)及び(b)は本実施形態の変形例におけるエネルギー線管の部分拡大図である。 エネルギー線管の製造工程を示す図である。 エネルギー線管の製造工程を示す図である。 エネルギー線管に付与される応力を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有している要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態におけるエネルギー線管の構成を説明する。図1は、本実施形態におけるエネルギー線発生装置の構成を示す概略図である。図2は、本実施形態におけるエネルギー線管の縦断面図である。図1及び図2に示されるように、エネルギー線発生装置100は、例えば、X線を照射するX線発生装置である。X軸方向、Y軸方向、Z軸方向は、互いに直交している。本実施形態において、X線は、Z軸方向に照射される。エネルギー線発生装置100は、装置筐体1と、電源部2と、エネルギー線管3とを備えている。
装置筐体1は、筒部材10と、電源部ケース20と、を備える。筒部材10は、金属により形成されている。筒部材10は、その一方の端部に開口10aが形成され、他方の端部に開口10bが形成されている円筒状を呈する。筒部材10は、開口10aにエネルギー線管3の一部が挿入されている。
筒部材10の一方の端部には、エネルギー線管3の取付フランジ3aが当接され且つネジ等で固定されている。エネルギー線管3は、筒部材10の開口10aにて固定され、開口10aを封止している。筒部材10の内部には、液状の電気絶縁性物質である絶縁油11が封入されている。
電源部2は、エネルギー線管3に電力を供給する。電源部2は、上述した電源部ケース20に加えて、絶縁ブロック21と、昇圧回路22と、制御基板23と、を有している。電源部ケース20は、絶縁ブロック21と、昇圧回路22と、制御基板23とを収容している。絶縁ブロック21は、モールド成形された固形の絶縁材料、例えば絶縁樹脂であるエポキシ樹脂からなる。昇圧回路22は、絶縁ブロック21中にモールドされている。昇圧回路22は、高電圧Vを発生させる。絶縁ブロック21は、昇圧回路22を絶縁材料により封止している。制御基板23は、エネルギー線発生装置100の動作を制御する。制御基板23は、エネルギー線の発生に関する制御を行う。制御基板23は、例えばエネルギー線管3に供給する電圧又は電流の制御、及び、昇圧回路22の駆動を制御する。制御基板23は、絶縁ブロック21中にモールドされた内部基板23aと、絶縁ブロック21の外部に配置された外部基板23bとを有している。
電源部2には、筒部材10の他方の端部が固定されている。それにより、筒部材10の開口10bが封止され、絶縁油11が筒部材10の内部に気密に封入される。開口10bは、開口10aの反対側に位置する。
エネルギー線発生装置100は、高電圧給電部4をさらに備えている。高電圧給電部4は、絶縁ブロック21上に配置されている。高電圧給電部4は、昇圧回路22及び制御基板23に電気的に接続された円筒状のソケットを含んでいる。エネルギー線管3は、高電圧給電部4を介して電源部2に電気的に接続されている。これと共に、高電圧給電部4は、昇圧回路22及び制御基板23に電気的に接続された状態で絶縁ブロック21に固定されている。
エネルギー線管3は、後述する内部空間Rにおいて発生したX線を外部に照射するX線管である。エネルギー線管3は、絶縁バルブ6とヘッド部7とを備えている。絶縁バルブ6は、絶縁性材料により形成されている。絶縁性材料としては、例えばガラス、セラミック等が挙げられる。絶縁バルブ6は、例えば、ガラス又はセラミックからなる。絶縁バルブ6は、筒部材10に挿入されている。ヘッド部7は、金属を含んでいる。金属材料としては、例えばステンレス鋼、コバール等が挙げられる。ヘッド部7は、例えば、ステンレス鋼又はコバールからなる。絶縁バルブ6とヘッド部7とは、内部空間Rを形成している。内部空間Rは、真空空間となるように封止されている。エネルギー線管3は、内部空間R内に、電子銃110をさらに備えている。電子銃110は、電位的にエネルギー線管3の陰極に相当し、電子ビームBを発生、出射する。
電子銃110は、絶縁バルブ6に固定されている。絶縁バルブ6は、エネルギー線管3の管軸に沿って延在する円筒状を呈している。絶縁バルブ6は、ヘッド部7に対向する底部6aを有している。底部6aには、電子銃110の給電等に用いるステムピンSが設けられている。ステムピンSは、底部6aを貫通しており、内部空間Rの所定位置で電子銃110を支持する。ステムピンSは、エネルギー線管3の絶縁バルブ6の底部6aから内部空間Rの外部に突出し、高電圧給電部4に電気的に接続されている。
電子銃110は、ヒータ111と、カソード112と、第1グリッド電極113と、第2グリッド電極114と、を有している。ヒータ111は、通電によって発熱するフィラメントにより形成されている。カソード112は、ヒータ111による加熱によって電子を放出する。第1グリッド電極113は、カソード112から放出される電子の量を制御する。第2グリッド電極114は、第1グリッド電極113を通過した電子をターゲットTに向けて集束する。第2グリッド電極114は、円筒状を呈している。第1グリッド電極113は、カソード112と第2グリッド電極114との間に配置されている。エネルギー線管3は、筒部材10の一方の端部に固定されている。
ヘッド部7は、電位的にエネルギー線管3の陽極に相当する。ヘッド部7は、X線の出射方向軸と同軸の円筒状を呈する。X線の出射方向軸は、Z軸に相当する。ヘッド部7には、内部空間Rの一部を構成する中空部7aが形成されている。ヘッド部7は、中空部7aの電子銃110側において、出射方向軸と同軸の絶縁バルブ6と連通している。本実施形態においては、ヘッド部7を接地電位とし、電源部2からはマイナスの高電圧が高電圧給電部4を介してエネルギー線管3の電子銃110に供給される。電源部2によってエネルギー線管3に付与される電圧は、例えば-10kV~-500kVである。
次に、図2から図4を参照して、エネルギー線管の構造についてさらに詳細に説明する。図3は、エネルギー線管3のヘッド部7を示している。図4は、ヘッド部7の部分拡大図である。図3及び図4に示されているように、ヘッド部7は、筐体部40と窓部50と枠部60とを備えている。内部空間Rは、筐体部40と窓部50とに囲まれている。筐体部40と窓部50と枠部60とは、内部空間Rの一部を形成している。
筐体部40は、筒状を呈している。例えば、筐体部40は、円筒状を呈している。筐体部40は、Z軸方向に延在している。筐体部40には、一方の端部側に開口40aが形成され、他方の端部側に開口40bが形成されている。筐体部40は、開口40aを画定する縁部41を含んでいる。縁部41は、筐体部40の一方側端面において、全周にわたり、深さdとなるようにザグリ加工された円環状の平面部である。縁部41は、エネルギー線管3の管軸方向と交わる方向に沿って延びる平面状の底面45と、エネルギー線管3の管軸方向に沿って延びる側面46とを含んでいる。本実施形態において、エネルギー線管3の管軸方向は、Z軸方向に相当する。開口40a,40bは、Z軸方向に開口している。換言すれば、開口40a,40bの開口方向は、Z軸方向である。筐体部40の開口40a,40bは、内部空間Rに連続している。開口40aは、内部空間Rの縁に位置している。筐体部40は、金属を含んでいる。筐体部40は、主に金属材料によって形成されている。金属材料としては、例えばステンレス鋼が挙げられる。筐体部40は、例えばステンレス鋼からなる。
窓部50は、エネルギー線を透過する窓を構成する。窓部50は、Z軸方向から見た場合に開口40aを覆っている。窓部50は、端部51と、中央部52とを含んでいる。端部51は、縁端領域である。中央部52は、端部51に囲まれており、後述する窓53が配置される中央領域である。窓部50には、中央部52の略中心に貫通孔Hが形成されている。貫通孔Hは、電子ビームBの通過孔である。中央部52は、端部51に連続している。端部51は、枠状の領域であって、Z軸方向から見た場合に、縁部41に対向している。例えば、端部51は、円環状を呈している。中央部52は、Z軸方向から見た場合に、開口40aを覆っている。本実施形態においては、端部51と中央部52とは一体の部材であり、厳密な境界をもって区分されるものではなく、窓部50におけるおおよその領域を定義したものである。中央部52は、Z軸方向において縁部41に面していない。窓部50は、ターゲットTと、窓53と、窓保持部材54とを含んでいる。図2に示されているように、ターゲットTは、窓53の内部空間R側の面上に設けられており、電子銃110からの電子ビームBの照射によってX線を発生する。ターゲットTは、例えば金属材料からなる。金属材料としては、例えばタングステン等が挙げられる。ターゲットTは、例えばタングステンからなる。
窓53は、エネルギー線を透過する。窓53は、中央部52に配置されている。窓53は、貫通孔Hを塞いで、封止している。換言すれば、窓53は、中央部52の一部を構成している。窓53は、円板形状を呈している。窓53は、内部空間R側においてターゲットTを保持している。本実施形態において、エネルギー線管3は、透過型のX線管であり、ターゲットTにおいて発生したX線は、窓53を透過して外部に照射される。窓53は、例えば、エネルギー線に対して透過性の高い材料で形成されている。窓53の材料としては、例えば、ベリリウム、ダイヤモンド等が挙げられる。窓53は、例えば、ベリリウム又はダイヤモンドからなる。
窓保持部材54は、窓部50の本体部を構成し、窓53を保持している。窓保持部材54によって、窓53が位置決めされる。窓保持部材54は、円板形状を呈している。本実施形態においては、窓保持部材54は、端部51と中央部52とによって構成されている。つまり、窓保持部材54は、Z軸方向から見た場合に、端部51において縁部41に対向しており、中央部52において、開口40aを覆っている。窓保持部材54は、例えば、金属材料からなる。金属材料としては、例えばモリブデン等が挙げられる。窓保持部材54は、例えば、モリブデンからなる。
枠部60は、窓部50を筐体部40に固定する。枠部60は、縁部41に沿って連続して設けられており、枠状を呈している。枠部60は、分断されることなく枠状に連続して形成されている。例えば、枠部60は、円環状を呈している。図4に示されているように、枠部60は、窓部50の窓保持部材54と筐体部40の縁部41とに固定されている。この結果、内部空間Rは、気密に封止されている。枠部60は、例えば、金属材料からなる。金属材料としては、コバール等が挙げられる。枠部60は、例えば、コバールからなる。筐体部40の熱膨張係数は、窓部50の熱膨張係数よりも大きい。少なくとも筐体部40の縁部41の熱膨張係数は、窓53、窓保持部材54、及び枠部60の熱膨張係数よりも大きい。枠部60の熱膨張係数は、窓保持部材54の熱膨張係数とほぼ等しい。窓53の熱膨張係数は、筐体部40、窓保持部材54及び枠部60のいずれの熱膨張係数よりも小さい。
枠部60は、第一枠部61と、第二枠部62とを含んでいる。本実施形態において、第一枠部61と第二枠部62とは、それぞれ、枠状を呈しており、一体に形成されている。第一枠部61と第二枠部62とは、Z軸方向に直交する方向に沿った同一平面上に位置している。
第一枠部61は、筐体部40の縁部41に固定されている。第一枠部61は、エネルギー線管3の管軸から離れる方向側の端部において、枠部60の外縁61aを形成している。縁部41は、第一枠部61の他方側の面と対向する底面45と、外縁61aと対向する側面46とを有している。第一枠部61は、例えば、溶接によって筐体部40に接合されている。第一枠部61は、外縁61a側の端部領域において、例えば、レーザ溶接によって筐体部40に接合されている。第一枠部61の少なくとも一部は、Z軸方向から見た場合に、窓部50よりも外側に位置している。外縁61a側の端部領域は、Z軸方向から見た場合に、窓部50よりも外側に位置している。第一枠部61の少なくとも一部は、Z軸方向から見た場合に、窓部50に覆われることなく、露出している。よって、レーザ溶接において、レーザが窓部50に遮られることなく溶接部に照射される。
第二枠部62は、Z軸方向から見た場合に、中央部52と重なるように配置されている。換言すれば、第二枠部62は、Z軸方向から見た場合に、開口40aと重なる領域内に配置されている。第二枠部62は、Z軸方向から見た場合に、縁部41と重なっていない。第二枠部62は、窓部50に固定されている。第二枠部62は、内部空間R側における窓部50の表面50aのうち、中央部52に相当する部位に接合されている。表面50aは、窓部50の表面50aのうち開口40aに対向する面である。
本実施形態において、ヘッド部7は、接合部70をさらに備えている。接合部70は、内部空間Rを封止すると共に枠部60と窓部50とを固定している。接合部70は、第二枠部62と窓部50との間に配置されている。接合部70は、第二枠部62の一方側の面と窓部50の表面50aとを接合している。接合部70は、第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72とを含んでいる。第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72との間には、離間部75が配置されている。離間部75は、第一接合部71と第二接合部72とを離間させている。離間部75は、第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72と間に形成された隙間である。離間部75は、第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72とによって画定されている。第一接合部71及び第二接合部72は、例えば、ロウ付けによって形成されている。換言すれば、枠部60は、例えば、ロウ付けによって窓部50に接合されている。第一接合部71及び第二接合部72は、ロウ材によって構成されている。ロウ材としては、例えば、合金が挙げられる。例えば、合金としては、銀ロウが挙げられる。
図5(a)~図5(c)、及び、図6(a)~図6(b)は、接合部70の構成を示す模式図である。図5(a)は、本実施形態における接合部70を示している。図5(a)に示されている構成において、接合部70は、第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72とを含んでいる。
第一接合部71は、筐体部40と窓部50とに囲まれた内部空間Rを気密に封止する封止部である。第一接合部71は、開口40aの縁に沿って枠状に連続して配置されている。第一接合部71は、表面50aのうち開口40aの縁に沿った枠状の領域α1において、枠部60と窓部50とを固定している。換言すれば、第一接合部71は、分断されることなく連続してエネルギー線管3の管軸を囲っている。第一接合部71は、例えば、円環形状を呈している。
第二接合部72は、第一接合部71に沿って配置されている。第二接合部72は、第一接合部71による窓部50と枠部60との接合を補強する補強部である。第二接合部72は、Z軸方向から見た場合に、第一接合部71によって囲われている領域71aの外側に配置されている。
図5(a)に示されている構成において、第二接合部72は、1つの枠形状を呈している。第二接合部72は、開口40aの縁に沿って枠状に連続して配置されている。第二接合部72は、表面50aのうち開口40aの縁に沿った枠状の領域α2において、枠部60を窓部50に固定している。換言すれば、第二接合部72は、分断されることなく連続してエネルギー線管3の管軸を囲っている。Z軸方向から見た場合に、領域α2は、領域α1を囲っている。換言すれば、Z軸方向から見た場合に、第二接合部72は、第一接合部71を囲っている。第二接合部72は、例えば、円環形状を呈している。第二接合部72の幅は、開口40aの開口方向から見た場合に、第一接合部71の幅よりも小さい。第一接合部71の幅、第二接合部72の幅、及び離間部75の幅は、それぞれ、Z軸方向と直交する方向において連続して延在する長さである。第二接合部72の接合領域の面積は、開口40aの開口方向から見た場合に、第一接合部71の接合領域の面積よりも小さい。第一接合部71の接合領域の面積、第二接合部72の面積、及び、離間部75の接合領域の面積は、それぞれ、Z軸方向から見た場合の接合領域の面積である。第一接合部71の接合領域は、第一接合部71と窓部50とが接合する領域、又は、第一接合部71と枠部60とが接合する領域である。第二接合部72の接合領域は、第二接合部72と窓部50とが接合する領域、又は、第二接合部72と枠部60とが接合する領域である。
本実施形態において、離間部75は、第一接合部71及び第二接合部72の縁に沿って配置されている。離間部75は、枠状に連続して配置されている。離間部75は、分断されることなく連続して第一接合部71を囲っている。第一接合部71の幅は、第二接合部72の幅よりも大きい。離間部75の幅は、第一接合部71の幅、及び、第二接合部72の幅よりも小さい。離間部75の幅は、Z軸方向の断面における、Z軸方向と直交する方向において延在する長さである。
図5(b)~図5(c)、及び、図6(a)~図6(b)は、それぞれ、本実施形態の変形例における接合部70A,70B,70C,70Dを示している。接合部70A,70B,70C,70Dの構成は、概ね、上述した実施形態における接合部70と類似又は同じである。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
図5(b)及び図5(c)に示されている接合部70A,70Bの構成は、第一接合部71と第二接合部72とが連結部76によって連結されている点のみにおいて、図5(a)に示されている接合部70の構成と異なる。接合部70A,70Bは、複数の連結部76によって連結されている。複数の連結部76は、Z軸方向から見た場合に、第一接合部71の外縁の一部と連結されるとともに、第二接合部72の内縁の一部と連結されている。接合部70A,70Bにおいて、第一接合部71と第二接合部72と連結部76とが、複数の離間部75を形成している。第一接合部71と第二接合部72と複数の連結部76とは、一体に形成されている。
図5(b)に示されている接合部70Aの構成は、連結部76を含んでいる点のみにおいて、図5(a)に示されている接合部70の構成と異なる。接合部70Aにおいて、第一接合部71と第二接合部72との間の領域は、複数の連結部76によって分割されている。第一接合部71と第二接合部72と複数の連結部76とによって、同一形状の複数の離間部75が形成されている。接合部70Aは、例えば、2つの連結部76を含んでいる。2つの連結部76は、同一直線状に位置している。
図5(c)に示されている接合部70Bの構成は、複数の第二接合部72と複数の連結部76とによって複数の円形状の離間部75が形成されている点のみにおいて、図5(a)に示されている接合部70の構成と異なる。1つの第二接合部72と1つの連結部76とによって、1つの円形状の離間部75が画定されている。1つの第二接合部72と1つの連結部76は、1つの円環形状部分を形成している。複数の第二接合部72は、互いに離間しており、第一接合部71を介して互いに連結されている。複数の連結部76は、互いに離間しており、第一接合部71と、対応する第二接合部72とを介して互いに連結されている。複数の第二接合部72と複数の連結部76は、例えば、第一接合部71の外縁に沿って等間隔に配置されている。1つの第二接合部72の接合領域の面積は、開口40aの開口方向から見た場合に、第一接合部71の接合領域の面積よりも小さい。第一接合部71の接合領域の面積及び1つの第二接合部72の接合領域の面積は、それぞれ、Z軸方向から見た場合の接合領域の面積である。
図6(a)及び図6(b)に示されている接合部70C,70Dの構成は、接合部70C,70Dが、互いに離間している複数の第二接合部72を含んでいる点のみにおいて、図5(a)に示されている接合部70の構成と異なる。複数の第二接合部72は、互いに離間している。複数の第二接合部72の間には、間隙77が配置されている。各第二接合部72は、例えば、同一形状に形成されている。各第二接合部72は、例えば、第一接合部71の外縁に沿って等間隔に配置されている。
図6(a)に示されている接合部70Cの構成において、複数の第二接合部72は、互いに離間しており、断続的に枠状に配置されている。複数の第二接合部72は、互いに離間している。接合部70Cは、例えば、4つの第二接合部72を含んでいる。4つの第二接合部72は、例えば、等間隔に配置されている。4つの第二接合部72は、例えば、4つの間隙77を形成している。各間隙77は、互いに隣り合う2つの第二接合部72によって形成されている。各間隙77は、離間部75に連続している。例えば、互いに隣り合う第二接合部72の間隔、すなわち間隙77の幅は、各第二接合部72の幅よりも小さい。
図6(b)に示されている接合部70Dの構成において、複数の第二接合部72は、第一接合部71を囲う枠状の領域に配置されている。接合部70Dにおいても複数の第二接合部72は、互いに離間している。複数の第二接合部72は、互いに独立して配置されている。複数の第二接合部72は、例えば、等間隔に配置されている。各第二接合部72は、例えば、円形状を呈している。各間隙77は、互いに隣り合う2つの第二接合部72によって形成されている。各間隙77は、離間部75に連続している。互いに隣り合う第二接合部72の間隔、すなわち間隙77の幅は、例えば、各第二接合部72の径以下である。
次に、図7(a)及び図7(b)を参照して、本実施形態の変形例におけるエネルギー線管について説明する。図7(a)及び図7(b)は、本実施形態の変形例におけるエネルギー線管の部分拡大図である。本変形例は、概ね、上述した実施形態と類似又は同じである。図7(a)に示されている変形例は、窓部50に溝55が設けられている点において、上述した実施形態と相違する。図7(b)に示されている変形例は、枠部60に溝65が設けられている点において、上述した実施形態と相違する。以下、上述した実施形態と変形例との相違点を主として説明する。
図7(a)に示されている構成において、窓部50は、Z軸方向において、枠部60の第二枠部62に対向するように形成された溝55を含んでいる。溝55は、窓部50の厚み方向に深さを有している。窓部50の厚み方向は、Z軸方向に一致する。溝55は、枠部60に向かって開放している。本実施形態において、溝55は、例えば、枠状に連続して形成されている。
第一接合部71が配置されている領域α1と第二接合部72が配置されている領域α2とは、溝55を挟むように設けられている。換言すれば、Z軸方向から見た場合に、第一接合部71と第二接合部72とは、溝55が設けられている領域において分離されている。接合部70は、Z軸方向から見た場合に、溝55が設けられている領域に配置されていない。溝55と対向する位置には、離間部75が配置されている。換言すれば、離間部75は、溝55に沿って配置されている。
図7(b)に示されている構成において、枠部60は、Z軸方向において、窓部50の中央部52に対向するように形成された溝65を含んでいる。溝65は、窓部50の表面50aに向かって開放している。本実施形態において、溝65は、例えば、リング状に連続して形成されている。
Z軸方向から見た場合に、第一接合部71と第二接合部72とは、溝65を挟むように配置されている。換言すれば、Z軸方向から見た場合に、第一接合部71と第二接合部72とは、溝65が形成されている領域において分離されている。接合部70は、Z軸方向から見た場合に、溝65が形成されている領域に配置されていない。溝65と対向する位置には離間部75が配置されている。換言すれば、離間部75は、溝65に沿って配置されている。
次に、図8及び図9を参照して、エネルギー線管の製造方法の一部を説明する。図8及び図9は、エネルギー線管の製造工程を示す図である。
まず、図8に示されているように、ターゲットTを設けた窓53と、窓保持部材54と、枠部60とが、互いに接続される。矢印A1は、窓53が窓保持部材54に取り付けられる方向を示している。矢印A2は、窓保持部材54が枠部60に取り付けられる方向を示している。窓53は、窓保持部材54の中央部52の略中央に固定される。枠部60は、窓保持部材54に対してロウ付けによって固定される。具体的には、窓保持部材54に対して第二枠部62の一方側の面が、ロウ付けによって固定される。この際、窓53と直交する方向において、窓保持部材54と第二枠部62とが重ね合わされる。ロウ付けは、例えば、600~1000℃で行われる。
次に、窓53と、窓保持部材54と、枠部60とが互いに接続されたユニット80に対して、真空加熱処理が行われる。真空熱処理は、例えば、200~1000℃で行われる。
次に、図9に示されているように、ユニット80が筐体部40に対して固定される。矢印A3は、ユニット80が筐体部40に取り付けられる方向を示している。これによって、ユニット80が筐体部40の縁部41に嵌め込まれる。ユニット80が筐体部40の縁部41に嵌め込まれている状態において、枠部60と筐体部40とが溶接によって固定される。具体的には、枠部60の第一枠部61と筐体部40とが、レーザによって溶接される。ユニット80と筐体部40との接合は、室温で行われる。
次に、ユニット80と筐体部40とが接続されたユニット90に絶縁バルブ6などを組み合わせた後に、内部空間Rが真空引きされる。この際の加熱工程は、例えば、200~650℃で行われる。エネルギー線管3は、加熱工程によって内部空間Rが真空引きされた後に封止され、室温に冷却される。以上の工程が行われることによって、エネルギー線管3が製造される。
次に、エネルギー線管3の作用効果について説明する。図10は、比較例のエネルギー線管の一部を示している。図10に示されている構成では、エネルギー線管が接合部70の代わりに接合部210を備えている。接合部210は、離間部75が配置されていない点において接合部70と相違する。
図10において、このエネルギー線管の接合部210にかかる力が示されている。例えば、エネルギー線管が高温環境下に置かれた場合、筐体部40は、Z軸方向と直交する方向に熱膨張する。枠部60は、底面45において筐体部40に固定されている。枠部60は、領域αにおいて接合部210によって窓部50に固定されている。筐体部40の熱膨張係数が、窓部50及び枠部60の熱膨張係数よりも大きい場合、同じ加熱条件下において、筐体部40は、窓部50及び枠部60よりも相対的に大きく膨張する。換言すれば、筐体部40は、窓部50及び枠部60よりも相対的に大きく変形する。換言すれば、窓部50及び枠部60は、筐体部40よりも熱によって相対的に変形し難い。このため、筐体部40と窓部50及び枠部60との熱膨張係数差に起因した力A4及び力A5が、接合部210に付与される。
力A4及び力A5は、Z軸方向と直交する方向において互いに逆向きに生じる力である。このため、力A4,A5による応力が接合部210にかかる。この応力は、例えば剪断応力である。この応力の大きさが接合部210の機械的強度を上回る場合、接合部210において亀裂等の損傷が生じ、内部空間Rの封止状態が損なわれるおそれがあった。
本実施形態において、少なくとも一つの第二接合部72は、内部空間Rを封止する第一接合部71に沿って配置されている。第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72との間には、第一接合部71と第二接合部72とによって画定された離間部75が形成されている。このため、少なくとも一つの第二接合部72によって、筐体部40と窓部50との間における固定部分の強度が確保される。例えば、第二接合部72に亀裂等の損傷が生じたとしても、第一接合部71と第二接合部72との間に配置された離間部75によって、第二接合部72に生じた損傷が第一接合部71に影響を及ぼしにくい。したがって、内部空間Rの封止状態が損なわれ難い。第一接合部71と第二接合部72とによって窓部50を筐体部40に対して固定しているため、筐体部40と窓部50との間における接合部分の強度が調整され、窓部50におけるクラックも発生し難い。よって、内部空間Rの封止状態が損なわれることが抑制され得る。
少なくとも一つの第二接合部72は、開口40aの開口方向から見た場合に、第一接合部71によって囲われている領域71aの外側に配置されている。本願発明者は、鋭意な調査研究の結果、筐体部40と窓部50及び枠部60と間の熱膨張係数差に起因して接合部70に応力が生じる場合には、第一接合部71の内縁に付与される応力よりも第一接合部71の外縁に付与される応力の方が大きいことを見出した。さらなる調査研究の結果、第一接合部71によって囲われている領域71aの外側に第二接合部72が形成されることによって、第一接合部71の外縁に付与される応力が低減されることを見出した。したがって、接合部70,70A,70B,70C,70Dによれば、第一接合部71における封止状態が損なわれることがさらに抑制され得る。
接合部70,70Aにおいて、少なくとも一つの第二接合部72は、内部空間Rの外側において、第一接合部71の縁に沿って枠状に連続して配置されている。この場合、枠状に連続して形成された第二接合部によって第一接合部に付与される応力が均等に低減され得る。この結果、第一接合部71及び第二接合部72の形成が容易な構造でありながら、内部空間Rの封止状態が損なわれることと窓部50におけるクラックの発生とがさらに抑制され得る。
接合部70B,70C,70Dにおいて、少なくとも一つの第二接合部72は、第一接合部71の縁に沿って配列されていると共に互いに離間している複数の第二接合部72を含んでいる。この場合、複数の第二接合部72が互いに離間しているため、第二接合部72に生じた損傷の影響が広範囲におよぶことが防止されている。換言すれば、ある第二接合部72に損傷が発生したしても、他の第二接合部72における損傷の発生に影響が生じ難い。
接合部70A,70Bは、第一接合部71と少なくとも一つの第二接合部72とを連結する連結部76を含んでいる。この場合、第一接合部71、第二接合部72、及び、離間部75の形成が容易な構造が実現されている。
本実施形態において、少なくとも一つの第二接合部72の幅は、開口40aの開口方向から見た場合に、第一接合部71の幅よりも小さい。このため、第二接合部72の機械的強度は、第一接合部71よりも弱い。よって、接合部70に応力が付与された場合、第一接合部71よりも前に、第二接合部72に亀裂などの損傷が生じ得る。第二接合部72から離間部75を隔てて配置された第一接合部71には損傷が生じ難い。換言すれば、第二接合部72は、接合部70における犠牲結合部であり、第二接合部72が犠牲的に破壊されることによって、第一接合部71に付与される応力が緩和される。この結果、内部空間Rを気密に封止する第一接合部71が損傷することが抑制され得る。したがって、内部空間Rの封止状態が損なわれることが抑制され得る。
本実施形態において、第一接合部71の幅と第二接合部72の幅との合計は、例えば、1.0mm~20mmである。この範囲内において、内部空間の封止状態が損なわれることが抑制された。
本実施形態において、少なくとも一つの第二接合部72の接合領域の面積は、開口40aの開口方向から見た場合に、第一接合部71の接合領域の面積よりも小さい。このため、第二接合部72の機械的強度は、第一接合部71よりも弱い。よって、接合部70に応力が付与された場合、第一接合部71よりも前に、第二接合部72に亀裂などの損傷が生じ得る。第二接合部72から離間部75を隔てて配置された第一接合部71には損傷が生じ難い。換言すれば、第二接合部72は、接合部70における犠牲結合部であり、第二接合部72が犠牲的に破壊されることによって、第一接合部71に付与される応力が緩和される。この結果、内部空間Rを気密に封止する第一接合部71が損傷することが抑制され得る。したがって、内部空間Rの封止状態が損なわれることが抑制され得る。
接合部70,70A,70B,70C,70Dにおいて、第一接合部71及び少なくとも一つの第二接合部72は、ロウ材によって形成されている。この場合、内部空間Rが製造容易な構成において封止され得る。
窓部50Aは、離間部75に対向している溝55を含んでいる。この場合、第一接合部71と第二接合部72との間における離間部75の形成が容易な構造が実現されている。特に、第一接合部71及び少なくとも一つの第二接合部72がロウ材によって形成される場合、仮にロウ材が離間部75に入り込んだとしても、第一接合部71と第二接合部72とが接触することが抑制される。
枠部60は、開口40aの縁に沿って設けられていると共に筐体部40に溶接によって固定されている。接合部70は、窓部50と枠部60とを固定している。この場合、内部空間Rが容易に封止され得る。
枠部60Aは、離間部75に対向している溝65を含んでいる。この場合、第一接合部71と第二接合部72との間における離間部75の形成が容易な構造が実現されている。特に、第一接合部71及び少なくとも一つの第二接合部72がロウ材によって形成される場合、仮にロウ材が離間部75に入り込んだとしても、第一接合部71と第二接合部72とが接触することが抑制される。
枠部60は、Z軸方向から見た場合に、窓部50よりも外側において筐体部40に固定されている。この場合、枠部60と筐体部40とが容易に溶接され得る。
筐体部40は、開口40aを画定する縁部41を含んでいてもよい。窓部50は、Z軸方向において縁部41に対向している端部51を含んでいる。この場合、例えば窓部50に対して、図10に示したように筐体部40側に押し付けるような外力βが加えられても、窓部50は縁部41によって支持される。この結果、窓部50と筐体部40との間における変位が抑制される。このため、内部空間Rの封止状態が損なわれ難い。さらに、窓部50を透過するエネルギー線の出射条件の変化も抑制され得る。
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、エネルギー線管は、エネルギー線発生装置に設けられたエネルギー線管3に限定されない。例えば、エネルギー線が外部からエネルギー線管に照射されて検出を行う、エネルギー線検出管であってもよい。この場合、エネルギー線は、窓部50からエネルギー線管の内部空間Rに入射する。
本実施形態では、窓保持部材54は、枠部60を介して筐体部40に固定されている。しかし、窓保持部材54が、筐体部40に直接固定されていてもよい。この場合、筐体部40に溝65と同様の溝が形成されてもよい。
図7(a)及び図7(b)において、溝55又は溝65が形成されている構成を示した。これらの溝55,65は、接合部70の構成に応じて変形されてもよい。例えば、溝55,65は、図5(b)及び図5(c)に示されている複数の離間部75を形成するように設けられてもよい。例えば、溝55,65は、図5(c)、図6(a)、及び、図6(b)に示されているように、複数の第二接合部72を形成するように設けられてもよい。エネルギー線管3には、溝55と溝65の双方が形成されていてもよい。
3…エネルギー線管、40…筐体部、40a…開口、41…縁部、50…窓部、51…端部、53…窓、55,65…溝、60…枠部、70,70A,70B,70C,70D…接合部、71…第一接合部、72…第二接合部、75…離間部、R…内部空間、α1,α2…領域。

Claims (13)

  1. エネルギー線を透過する窓を含んでいる窓部と、
    前記窓部に覆われた開口が形成されている筐体部と、
    前記窓部を前記筐体部に対して固定している接合部と、を備え、
    前記接合部は、
    前記開口の縁に沿って枠状に連続して配置されていると共に前記筐体部と前記窓部とに囲まれた内部空間を封止している第一接合部と、
    前記第一接合部に沿って配置されている少なくとも一つの第二接合部とを含んでおり、
    前記第一接合部と前記少なくとも一つの第二接合部との間には離間部が配置されている、エネルギー線管。
  2. 前記少なくとも一つの第二接合部は、前記開口の開口方向から見た場合に、前記第一接合部によって囲われている領域の外側に配置されている、請求項1に記載のエネルギー線管。
  3. 前記少なくとも一つの第二接合部は、前記内部空間の外側において、前記第一接合部の縁に沿って枠状に連続して配置されている、請求項1又は2に記載のエネルギー線管。
  4. 前記少なくとも一つの第二接合部は、前記第一接合部の縁に沿って配列されていると共に互いに離間している複数の第二接合部を含んでいる、請求項1から3のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  5. 前記接合部は、前記第一接合部と前記少なくとも一つの第二接合部とを連結する連結部をさらに含んでいる、請求項1から4のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  6. 前記少なくとも一つの第二接合部の幅は、前記開口の開口方向から見た場合に、前記第一接合部の幅よりも小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  7. 前記少なくとも一つの第二接合部の接合領域の面積は、前記開口の開口方向から見た場合に、前記第一接合部の接合領域の面積よりも小さい、請求項1から5のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  8. 前記第一接合部及び前記少なくとも一つの第二接合部は、ロウ材によって形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  9. 前記窓部は、前記離間部に対向している溝を含んでいる、請求項1から8のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  10. 前記開口の縁に沿って設けられていると共に前記筐体部に溶接によって固定されている枠部をさらに備え、
    前記接合部は、前記窓部を前記枠部に固定している、請求項1から9のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
  11. 前記枠部は、前記離間部に対向している溝を含んでいる、請求項10に記載のエネルギー線管。
  12. 前記枠部は、前記開口の開口方向から見た場合に、前記窓部よりも外側において前記筐体部に固定されている、請求項10又は11に記載のエネルギー線管。
  13. 前記筐体部は、前記開口を画定する縁部を含んでおり、
    前記窓部は、前記開口の開口方向において前記縁部に対向している端部を含んでいる、請求項1から12のいずれか一項に記載のエネルギー線管。
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