JP2022072887A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 演出を好適に実行可能な遊技機を提供する。【解決手段】 遊技機において、操作部材を押圧する握り操作(所定の入力操作)を実行可能であり、回転(移動)が可能な左入力レバーや右入力レバーを備えており、両手参加型の殻割りミッション演出が発生した場合であって、左入力レバーや右入力レバーが所定の位置(左端配置や右端配置)から中央配置側に移動した位置に配置されている場合に、一部の握り操作(時刻ti4,時刻ti5,時刻ti6)に連動して、前後方向への移動(異なる動作)をすることで、左入力レバー及び右入力レバーが移動する感触を遊技者の手に伝達する出力動作が実行される。【選択図】 図39

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2011-31031号公報
しかしながら、従来の遊技機において通常遊技状態や特別遊技状態で様々な演出がなされるものの、当該演出を実行する構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
本発明は、上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、移動可能な操作部と、
前記操作部の移動を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合に前記操作部を移動させる移動制御手段と、
前記操作部の移動に伴い前記操作部と共に移動可能であり、視覚とは異なる感覚により識別できる所定の出力を行う出力動作を実行可能な出力動作部と、
前記出力動作部を制御し、前記操作部の移動に伴い前記出力動作部が所定の位置から移動した位置に配置されている場合に前記出力動作を実行させる出力制御手段とを備えることを特徴としている。
本発明によれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 左可動部材と右可動部材との作動状態を示す遊技盤の正面図 遊技盤の斜視図 図7のXM-XM線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す部分切断斜視図及び断面図 図7のXD-XD線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す部分切断斜視図及び断面図 図7のXU-XU線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す部分切断斜視図及び断面図 反射装飾部を設けた遊技盤の正面図 反射装飾部による演出に関与する主要部の相対位置を示す遊技盤の正面図 図18のY1-Y1を含む切断面による反射装飾体の近傍を示す斜視断面図 環状配置光源からの光が反射装飾部に照射される形態を説明するために、図18のY1-Y1を含む切断面による反射装飾体の近傍を模式的に示す断面図 中央装飾体の発光に用いられる光源からの光が反射装飾体に照射される形態を説明するために、図18のY1-Y1を含む切断面による反射装飾体の近傍を模式的に示す断面図 特典領域に遊技球が進入可能なラウンドにおける上進入規制機構及び振分機構の動作制御を模式的に示すタイミングチャート 図7のY2-Y2線を含む切断面による断面により、上進入規制機構及び振分機構の動作形態を示す断面図 特典領域へ遊技球が進入可能となるラウンドにおける演出の制御を示すタイミングチャート 特典領域へ遊技球が進入可能となるラウンドにおける演出の推移を模式的に示す説明図 図5のX1-X1を含む切断面により入力操作装置の配置、構造及び動作を模式的に示す説明図 確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 片手参加型の演出の推移を模式的に示す説明図 時短予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャート 図5のX1-X1を含む切断面により右入力操作装置及び左入力操作装置の配置、構造及び動作を模式的に示す説明図 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図 時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態の両手参加型の演出に遊技者が参加する場合以外における両手参加型の演出の推移を模式的に示す説明図 図5のX1-X1を含む切断面により左入力レバー及び右入力レバーの前後方向の動作を模式的に示す説明図 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図33に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 左入力レバーや右入力レバーが回転移動する場合の動作制御を示す説明図 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図34に示す場合とは別の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図 時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図35に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図36に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャート
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1~図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1~図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。外枠101、前ブロック102、中間ブロック103、および後ブロック104は、後述する遊技盤400を着脱可能に取り付けるための枠体を構成する。以下においては、パチンコ機100における外枠101、前ブロック102、中間ブロック103、および後ブロック104の組み合わせを総称して「枠体」と称することがある。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠部材であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としてもよい。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としてもよい。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A~150Cには、回転操作が可能な回動片151A~151Cが設けられている。回動片151A~151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A~151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A~151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としてもよいし、一定方向に移動する構成としてもよいし、移動と回転との組合せにより動作する構成としてもよい。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A~151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271~275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271~275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271~275が設置されている。
枠発光装置271~275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271~275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、図1及び図5に示すように、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。また、図5に示すように、前ブロック102には、発射操作や入力操作装置260に対する入力操作とは別の入力操作が遊技者によって可能な左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rが設けられている。なお、図1~図4及び図8において、左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rについては、図示を省略している。
これら操作装置261~263,801L,801Rにより、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271~275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域409内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域409内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域409に到達し、遊技領域409内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域409は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域409は、概ね、外レール402と内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域409に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしてもよい。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容されている。副制御装置390は、遊技盤400の背面側に取り付けられている。
本実施形態のパチンコ機100においては、中間ブロック103は、主制御基板920にバックアップ用の電力を供給するバックアップ電源601(図10参照)を備えている。バックアップ電源601は、コンデンサや充電可能な電池等によって構成されてバックアップ用の電力を蓄えることが可能な電源部と、電源部へ充電用電圧を供給したり、電源部に加えられた電力(電荷)を放電する等の制御を行うための電気回路とを組み合わせて構成されている。バックアップ電源601は、電源部901(図10参照)から供給された充電用電圧の電力を、例えば、コンデンサに充電し、充電によって当該コンデンサに蓄えられた電力をバックアップ用の電力として主制御基板920(図10参照)に供給する。バックアップ電源601は、遊技盤400の背面側に取り付けられている。なお、バックアップ電源601の電力を蓄えたり、放電をしたりするための電気回路は、必ずしもバックアップ電源601の電源部と一体的に設ける(例えば、1つのプリント基板上に設ける)必要はなく、他の箇所に設けてもよく、枠体側に設けられる電源・発射制御基板900の一部として設けてもよいし、主制御基板920の一部として設けてもよい。
ここで、遊技盤400において、遊技領域409に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、上大入賞装置434の内部に形成された非特定通路(非特典領域409N)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(特典領域409V)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域409に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域409の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されてもよいし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域409に再び放出される入球口としてもよい。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けてもよい。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成してもよいし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成してもよい。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制モータ464(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、上大入賞装置434に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構437と、振分機構437の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える振分ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。また、上大入賞装置434に進入した遊技球は、振分機構437が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構437が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路や非特定通路は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであればよい。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としてもよい。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制モータ464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、それらの抽選に当選した場合には、振分ソレノイド465も作動し、振分機構437は、所定の回数に亘り所定の時間だけ誘導姿勢をとる。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としてもよい。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471~473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476~478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としてもよい。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
また、遊技盤400には、バックアップ電源601の残量(電気量、電荷の量)に対応する情報を表示する残量表示部611(図10参照)が、遊技盤400の一部に相当する右下部分の前方側から視認可能な位置(例えば、中央構造体420の一部であって装飾図柄表示装置479の隣)に設けられている。なお、図7においては、残量表示部611の図示を省略している。
本実施形態のパチンコ機100においては、残量表示部611は、1の発光部から構成され、バックアップ電源601の残量に応じて発光部の点灯態様が変化される。例えば、バックアップ電源601の残量がゼロである場合、発光部は連続的に消灯され、充電によって当該残量が増加して最大容量に至るまでの間、発光部は点滅し(間欠的に点灯し)、当該残量が最大容量に達すると、発光部は連続的に点灯する。
なお、残量表示部611を複数の発光部から構成し、バックアップ電源601の残量に応じて点灯する発光部の数が増える構成であってもよく、残量表示部611を7セグメントLEDや液晶表示装置などの表示部によって構成し、バックアップ電源601の残量を数字によるパーセント表示で表示する構成であってもよい。また、1または複数の発光部から構成される残量表示部611において、発光部の点灯態様や点灯する発光部の数の変化に代えて、また、当該変化に加えて、バックアップ電源601の残量に応じて発光部の色が変化する構成であってもよい。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(上大入賞装置434の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としてもよいし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成してもよいし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としてもよいし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としてもよい。
また、特別遊技状態への移行契機は、特別図柄抽選において当選した場合に限られる必要はなく、当該構成に加えて、または、当該構成に代えて、通常遊技状態において遊技球が遊技領域内に予め定めた特定領域(所謂V領域)に進入した場合に特別遊技状態に移行する構成としてもよい。
例えば、特別図柄抽選において非当選の一種である所定の小当りが選択された場合に通常遊技状態において上大入賞装置434を開放し、上大入賞装置434に進入した遊技球が非特定通路(非特定領域409N)と特定通路(特定領域409V)とを振り分ける振分機構437によって特定通路に誘導されたことで当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。また、特別遊技状態で作動する大入賞装置とは別の開閉可能な入口を有する役物装置の内部に非特定通路と特定通路とが設けられたパチンコ機において、所定の入賞口に遊技球が進入した場合に当該役物装置の入口を開放し、開放された入口から当該役物装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されたことで当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。
本実施形態のパチンコ機100においては、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)の設定を変更できる設定変更機能を備える構成とされている。詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100は、初当り確率と確変継続率との組み合わせが異なる複数種類(例えば、9種類)の遊技態様の中から1の遊技態様を設定可能であるとともに、設定する遊技態様を必要に応じて変更可能に構成され、遊技態様の設定を変更することによって(設定変更することによって)、パチンコ機100の出球率の設定を変更できるよう構成される。設定された遊技態様に対応する情報(以下において、「設定対応情報」とも称す)は、主制御基板920のRAM922の所定領域に記憶される。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAM922(図10参照)の所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位遊技優位制御が実行される構成であってもよいし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であってもよい。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
ここで、装飾図柄の変動表示は、装飾図柄表示装置479の表示画面上で識別情報としての数字やキャラクタによって構成される図柄が縦方向や横方向或いはL字形などの所定の経路に沿って並んでスクロールする図柄列を用いて実行してもよいし、図柄が一定の箇所で回転しつつ別の図柄に更新されるような図柄列を用いて実行してもよい。また、装飾図柄の変動表示としては、図柄の変動表示に限らず、キャラクタの見た目を異ならせて行われる演出表示によって識別情報の変動表示を構成してもよい。また、装飾図柄表示装置479の表示画面の複数箇所に、識別情報の変動表示を実行する部分を設けてもよく、例えば、中央部分に大きく表示される識別情報としての図柄と、表示画面の角部分に小さく表示される別の図柄とを用いて変動表示を行うようにしてもよい。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAM922の所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域409の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
また、図9に示すように、パチンコ機100の背面側には、背面設定スイッチ905が設けられている。背面設定スイッチ905は、本パチンコ機100の出球率を予め定めた複数段階(例えば、6段階や9段階など)のいずれか1段階に設定するための設定操作を有効化するための設定有効化装置である。
背面設定スイッチ905に所定のキー(図示せず)を挿入して所定位置(本実施形態では、初期位置から時計回りに略90°回転させた位置)まで回転させることで出球率の設定変更を有効化(許容)することができる。出球率の設定変更がこのように有効化された状態で所定の設定操作(本実施形態においては、初期化スイッチ907の押下)を行うことで出球率の設定変更が有効に行われる。
出球率の設定変更が有効に行われた場合、設定された各段階に応じて所定の遊技態様が変更される。つまり、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更は、遊技態様の設定変更であるともいえる。
本実施形態のパチンコ機100においては、出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)により設定された各段階に応じて、初当り確率(本実施形態においては、第1特別図柄抽選の当選確率)と、確変継続率(本実施形態においては、確変遊技状態において第2特別図柄抽選を経由して特別遊技状態へ移行した場合に当該特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する確率)との組み合わせが異なる9種類の遊技態様のいずれかを選択することができる。よって、出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合には、設定された段階に応じた初当り確率および継続確率となるよう第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の各当選確率を変化させる(すなわち、各当選確率に応じた確率抽選データを使用する)ことで出球率の調整が行われる。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100においては、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプと、初当り確率が中程度であり確変継続率も中程度であるミドルタイプと、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いボトムタイプとを選択できる。さらに、これらの各タイプにおいて、各タイプの初当り確率が、各タイプ間の初当り確率の幅よりも小幅に細分化された3段階の確率状態(以下、確率設定状態ともいう)、すなわち、3段階の中で初当り確率が最も低い第1段確率と、2番目に低い初当り確率である第2段確率と、初当り確率が最も高い第3段確率とを選択できる。
トップタイプにおいて、中始動入賞装置431および右始動入賞装置432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少ないが、上大入賞装置434及び下大入賞装置433への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多くなっている。一方、ボトムタイプにおいて、中始動入賞装置431および右始動入賞装置432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多いが、上大入賞装置434及び下大入賞装置433への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少なくなっている。
ここで、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも賞球数は同一の数に設定してもよい。これにより、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれの設定であるのか遊技者が賞球数から判定することを不能とし、いずれのタイプであるかの設定を推測する遊技性を長時間にわたって付加することができる。
また、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも確率設定状態の段階に応じて遊技者にとっての利益率は変化するが、いずれのタイプであっても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されている。このため、タイプの変更によって確率の設定を変更しても、遊技場側が獲得する一定期間(例えば、1日)当たりの利益は予測しやすく、遊技場の管理をし易くすることができる。
なお、出球率の設定変更によって変更する遊技態様としては、上述したような、初当り確率と確変突入率との組合せであることに必ずしも限定される必要はなく、例えば、初当り確率または確変突入率のいずれかであってもよい。また、初当り確率および確変突入率以外の抽選確率、例えば、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の当選確率、普通図柄抽選の当選確率や、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において小当りが選択される確率や、確変突入率(本実施形態においては、第2特別図柄抽選での当選を経由する確変遊技状態への突入率)や、特別遊技状態後に移行した確変遊技状態が終了する確率(例えば、確変遊技状態中に図柄の変動表示が実行される毎に行われる転落抽選において確変遊技状態の終了が選択される確率)などであってもよく、これらの各遊技態様の2つ以上の組合せであってもよい。
背面設定スイッチ905より上方には、設定表示装置906が設けられている。背面設定スイッチ905の操作によって出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合、現在設定されている遊技態様に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。設定表示情報は、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせから構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプを、それぞれ、「T」、「M」および「B」の英字で表す。また、各タイプの確率設定状態は、第1段確率を「1」で表し、第2段確率を「2」で表し、第3段確率を「3」で表す。
よって、例えば、トップタイプの第1段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「T1」であり、ミドルタイプの第3段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「M3」であり、ボトムタイプの第2段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「B2」である。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10においては、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。
また、図10においては、理解を容易にする目的で、閉じた一点鎖線Xを図示することによって、遊技盤400を構成する部品と、前ブロック102や中間ブロック103(例えば、基枠301)や後ブロック104(例えば、基体501)などの遊技盤400とは異なる枠体を構成する部品とを区別可能に図示している。具体的に、遊技盤400の構成部品(例えば、主制御基板920や副制御基板940など)を一点鎖線Xの内側に図示し、基体501に取り付けられて枠体を構成する部品(例えば、電源・発射制御基板900や電源監視基板910や払出制御基板930など)を一点鎖線Xの外側に図示している。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、図10に示すように、電源監視基板910が枠体を構成する部品の一つである構成(すなわち、電源監視基板910が一点鎖線Xの外側に図示される構成)を例示したが、電源監視基板910が遊技盤400の構成部品の一つである構成であってもよい。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAM922の内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
なお、電源部901は、外部電力から変換された内部電力をコンデンサ(図示せず)に充電するとともに、充電によって当該コンデンサに蓄えられた電力をバックアップ用電圧の電力として供給する機能(以下において「バックアップ電源機能」とも称す)を備えている。つまり、電源部901は、バックアップ電源機能によってバックアップ用電圧の電力を生成する。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ用電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ用電圧の電力が、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、電源部901は、バックアップ電源601を充電するための充電用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力を内部電力から生成し、バックアップ電源601に対し、充電用電圧を供給する。
電源部901には、オン状態とオフ状態を切り替えるための電源スイッチ909が接続されている。電源スイッチ909が操作されてオン状態に切り替えられると、外部電力の取り込みが開始され、電源スイッチ909が操作されてオフ状態に切り替えられると、外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、停電状態が発生した場合、主制御基板920に対して、電源部901またはバックアップ電源601のいずれか一方からバックアップ用電圧の電力が供給されている場合に、主制御基板920のRAM922の内容が保持される。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAM922に保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、バックアップ電源601へオン状態の信号を出力する。バックアップ電源601には、バックアップ用のコンデンサの充電と放電とを、初期化スイッチ907の押下有無によって切り替える回路が備えられている。バックアップ電源601は、信号中継部903から出力されたオン状態の信号の受信に応じて、電源部901から供給された充電用電圧の電力の充電を開始する。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
また、図10に示すように、信号中継部903には、背面設定スイッチ905および設定表示装置906が接続されている。信号中継部903は、背面設定スイッチ905が所定のキー(図示せず)により時計回りに略90°回転された場合に主制御基板920へ出力されるオン状態の設定信号を中継する。主制御基板920においては、背面設定スイッチ905からオン状態の設定信号を受信したことに応じて遊技態様の変更を許容する。また、信号中継部903は主制御基板920から設定表示装置906へ出力された設定表示信号を中継する。設定表示装置906は、受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM922とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
主制御基板920のRAM922は、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900の電源部901またはバックアップ電源601から供給されたバックアップ用電圧の電力によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。具体的に、初期化スイッチ907が押下された状態で電源スイッチ909がオフ状態にされたことで発生した停電状態においては、主制御基板920に対し、電源部901とバックアップ電源601とからバックアップ用の電力が供給され、それ以外の停電状態においては、主制御基板920に対し、電源部901のみからバックアップ用の電力が供給される。
バックアップ電源601は、電源スイッチ909がオン状態である状況(すなわち、電源部901に外部電力が供給されている状況)において信号中継部903からオン状態の信号を受信した場合に、電源部901から供給された充電用電圧の電力の充電を開始する。つまり、電源部901に外部電力が供給されている状況で初期化スイッチ907を押下することによって、バックアップ電源601への電力(充電用電圧の電力)の充電を開始することができる。
バックアップ電源601は、当該バックアップ電源601への電力の充電が上記のように開始された後、電源スイッチ909がオン状態からオフ状態に切り替えられた場合に、充電によって当該バックアップ電源601に蓄えられた電力をバックアップ用電圧の電力として供給する。
つまり、初期化スイッチ907を押下したまま電源スイッチ909をオフ状態に切り替える(すなわち、電源部901への外部電力の供給が停止する)ことによって、充電によってバックアップ電源601に蓄えられた電力をバックアップ用電圧の電力として供給することができる。これにより、バックアップ電源601からバックアップ用電圧の電力を主制御基板920に供給することができる。
なお、バックアップ電源601の電気容量は、枠体(すなわち、外枠101、前ブロック102、中間ブロック103、および後ブロック104)から取り外した(より詳細には、中間ブロック103の基枠301から取り外した)遊技盤400、あるいは、遊技盤400を取り外した状態の枠体に対する検査や点検などを行うのに十分とされる期間(例えば、約1時間)に亘ってバックアップ用電圧の電力を出力可能な容量とされることが好ましい。また、バックアップ電源601の電気容量は、主制御基板920に対する不正防止等の観点から、大きすぎないようにすることが好ましく、例えば、6時間などの1日よりも短時間で、主制御基板920のRAM922が正常にはバックアップできなくなるようにすることが好ましい。
また、バックアップ電源601の回路は、電源スイッチ909がオン状態である場合には、当該電源部901とバックアップ電源601との間の電源供給路が接地されるよう構成される。このため、電源スイッチ909がオン状態となっている間は、バックアップ電源601に残存する電力は当該接地によって消費(放電)される。よって、パチンコ機100の停電状態が解消された場合(すなわち、パチンコ機100の内部への電力の供給が開始された場合)、バックアップ電源601の残量は、放電によりゼロとなる。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAM922と同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としてもよいし、主制御基板920のRAM922とは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としてもよい。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260と左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rとは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
遊技盤400に取り付けられる各部品(以下において、便宜上「遊技盤側部品」とも称す)と、前ブロック102や中間ブロック103や後ブロック104などの遊技盤400とは異なる部材に取り付けられる各部品(以下において、便宜上「他部材側部品」とも称す)との間には、遊技盤側部品と他部材側部品との間を電気的に接続したり、情報通信を可能に接続するためのコネクタ(例えば、コネクタC1~C3)が設けられている。
例えば、図10に示すように、主制御基板920またはバックアップ電源601と、電源監視基板910または電源・発射制御基板900(より詳細には、電源部901および信号中継部903)との間には、コネクタC1が設けられている。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、電源監視基板910が枠体を構成する部品の一つである構成としたが、電源監視基板910が遊技盤400の構成部品の一つである構成であってもよく、かかる構成においては、コネクタC1が、主制御基板920と電源監視基板910との間でなく、電源監視基板910と電源・発射制御基板900との間に設けられる構成であってもよい。
また、副制御基板940と、音響装置281,282、枠発光装置271~275、入力操作装置260、左入力操作装置801L、及び、右入力操作装置801Rとの間には、コネクタC2が設けられている。主制御基板920と払出制御基板930との間には、コネクタC3が設けられている。なお、各コネクタC1~C3は、必ずしも、1のコネクタから構成される必要はなく、コネクタC1~C3のうち少なくとも1のコネクタが、複数に分割されたコネクタによって構成されていてもよい。
コネクタ(図10に示す例では、コネクタC1~C3)は、メスコネクタ(図示せず)と、当該メスコネクタに対して着脱可能なオスコネクタ(図示せず)とにより構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、遊技盤側部品にメスコネクタが接続され、他部材側部品にオスコネクタが接続される。
メスコネクタに対しオスコネクタを装着した状態においては、遊技盤側部品と他部材側部品とが電気的に接続されるとともに情報通信可能に接続される。一方、メスコネクタからオスコネクタを取り外した状態においては、遊技盤側部品と他部材側部品との間の電気的な接続および情報通信可能な接続が解除される。
なお、遊技盤400が中間ブロック103の基枠301(図3参照)から取り外される場合には、基本的に、オスコネクタがメスコネクタから取り外され、それによって、コネクタC1~C3などのコネクタによる遊技盤側部品と他部材側部品との間の接続(電気的な接続および情報通信可能な接続)が解除される。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001~乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAM922の一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAM922の一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAM922の一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタ(RAM922の一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAM922の一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の背面設定スイッチ905からの設定信号の出力状態の判定処理S2001が行われる。判定処理S2001において、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態であると判定された場合には(S2001:N)、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAM922の一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAM922の保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAM922の一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAM922の所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAM922の保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAM922の初期設定(判定処理S1004~初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAM922の一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
一方、判定処理S2001において、背面設定スイッチ905からの設定信号が、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていることを示すオン状態であると判定された場合(S2001:Y)、RAM922の実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S2002が実行される。具体的には、RAMクリア処理S2002においては、RAM922に格納されている設定対応情報を除く実質的にすべての領域の情報が消去される。
なお、設定対応情報は、予め定めた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様の各々に対応する情報であり、設定中の遊技態様に対応する設定態様情報がRAM922に格納されている。よって、RAMクリア処理S2002により、主制御基板920のRAM922における設定対応情報の記憶領域を除く実質的にすべての領域の情報が消去され、設定変更を許可する状態となる。
設定変更を許可する状態となると、RAM922に格納されている設定対応情報に対応する遊技態様を識別する設定表示信号が設定表示装置906に出力される。設定表示装置906は、主制御基板920から受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。つまり、設定表示装置906には、RAM922に格納されている設定対応情報に対応する設定表示情報が表示される。
次いで、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となるまで遊技態様の設定を変更する設定変更処理S2003が実行される。なお、背面設定スイッチ905からの設定信号は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていない状態においてオフ状態となる。
遊技態様の設定変更は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において初期化スイッチ907を押下することによって行われる。具体的に、当該状態において、主制御基板920が初期化スイッチ907の押下に基づく初期化信号を受信する毎に、設定対応情報が順次変更される。具体的には、予め定められた9種類の遊技態様を循環的に選択する順序(例えば、・・・→T1→T2→T3→M1→M2→M3→B1→B2→B3→T1→T2→・・・)が予め決められており、選択される遊技態様は、初期化スイッチ907が押下される毎に当該順序に従って順次変更される。
当該変更が行われる毎に選択中の遊技態様に対応する値が設定対応情報としてRAM922に格納される。RAM922に格納される設定対応情報が変更される毎に、当該設定対応情報に対応する設定表示信号が設定表示装置906に出力され、変更後の設定対応情報に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。
よって、遊技場の管理者等の設定変更者は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において、本パチンコ機100に対して設定したい遊技態様を選択されるまで初期化スイッチ907の押下を繰り返した後、中始動入賞装置431に遊技球を入賞させることで、遊技態様の選択を完了させることができる。よって、設定変更処理S2003は、初期化スイッチ907の押下による遊技態様の選択後に、中始動入賞装置431に遊技球が入賞されたことで終了する。
背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となった場合(S2004:Y)、遊技態様の設定に係る情報(すなわち、設定対応情報)を除く各種の情報を新たにRAM922に初期設定するRAM変更設定処理S2005が実行される。これにより、実質的に主制御基板920の立ち上げが終了し、RAM922に格納された設定対応情報に対応する遊技態様で遊技が進行することが確定する。
RAM変更設定処理S2005の後、RAM922の設定完了を示す設定済コマンドを払出制御基板930に出力する設定済コマンド出力処理S2006が実行される。払出制御基板930は、主制御基板920が出力した設定済コマンドを受信したことにより、主制御基板920が通常の遊技処理に移行することを認識できると共に、いずれの遊技態様で動作するかを認識できる。設定済コマンド出力処理S2006の後は、特別遊技状態復帰準備処理S1015以降の処理が実行される。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202~外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208~外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAM922の一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAM922の所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAM922の状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としてもよいし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としてもよい。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制モータ464、振分ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAM922の一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAM922の一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAM922の所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAM922の所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAM922の所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAM922の所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAM922の所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<複数の可動部材による演出>
次に、特典領域409V(図7参照)へ遊技球を進入させることが可能な場合に実行される複数の可動部材による演出について、図13を参照して説明する。図13は、左可動部材10と右可動部材20との動作を示す遊技盤400の正面図である。
特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合には、左可動部材10と右可動部材20との2つ(複数)の可動部材を用いた演出が実行される。左可動部材10と右可動部材20とは、それらが離間して配置された姿勢(離間姿勢:図13中の一点鎖線)から、離間姿勢に比べて近接した姿勢(近接姿勢:図13中の実線)に変化する動作を行う構成としている。また、左可動部材10と右可動部材20とは、それらを近接姿勢とした場合に、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する配置(特典領域指示配置)をとる構成としている。これにより、別箇所に配置された左可動部材10や右可動部材20の姿勢を変化させることによって、この演出の発生を遊技者に気づかせ易くできる。また、連続して配置された左可動部材10と右可動部材20との全体によって、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側に、遊技者の注意を引くことが可能になる。
遊技盤400には、その左方側において、左可動部材10が、一点鎖線で示す離間姿勢と実線で示す近接姿勢との間で姿勢を変化させる移動が可能に設けられる。また、左可動部材10より右側において、右可動部材20が、離間姿勢と近接姿勢との間で姿勢を変化させる移動が可能に設けられる。なお、左可動部材10や右可動部材20は、遊技盤400に設けられる構成に限らず、遊技盤400が取り付けられる中間ブロック103(図1及び図3参照)に設けられる構成や、中間ブロック103の前側に配置される前ブロック102(図1及び図3参照)に設けられる構成としてもよい。
具体的には、左可動部材10と右可動部材20とは、左可動部材10の入口部分409Eとは反対側の端部と、右可動部材20における特典領域409Vとは反対側の端部とが近接し、全体として入口部分409Eの近傍から特典領域409Vの近傍へ向けて連続する形状をなすように配置される。このため、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側であって連続した形状が指す方向側に位置する特典領域409Vや、その特典領域409Vの形成された上大入賞装置434に、遊技者の注意を引くことが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢において、それらが一体物として遊技者に認識させ得る程度に接近しているが僅かに離間した状態となる構成としてもよいし、当接した状態となる構成としてもよい。また、特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合に実行される演出において、左可動部材10と右可動部材20との2つの可動部材を用いる構成に限らず、3つ以上の可動部材を用い、各可動部材を他の少なくとも1つの可動部材と近接させる構成としてもよい。
また、左可動部材10は、遊技盤400の中央側から、中央構造体420の左側を通して遊技球を流下させる左流下領域409L(所定の第1領域)における入口部分409Eの近傍の領域の背後に亘る範囲に配置される。右可動部材20は、遊技盤400の中央側から、中央構造体420の右側を通して遊技球を流下させる右流下領域409R(所定の第2領域)における特典領域409Vの近傍の領域の背後に亘る範囲に配置される。この配置において、左可動部材10と右可動部材20とは、全体として、遊技盤400の中央側における遊技球の流下できない領域を跨いで、遊技球が流下可能な2つの領域を繋ぐように位置する。このため、左可動部材10と右可動部材20との大部分が遊技球の流下できない領域に配置されていても、それらの全体が遊技球の流下に関すること、例えば、入口部分409Eから遊技領域409に進入させる遊技球を特典領域409Vに進入させるべきであることや、特典領域409Vの設けられた左流下領域409Lに流下させるべきことを遊技者に想起させ易くすることが可能になる。なお、左可動部材10は、左流下領域409Lの背後まで延びるが入口部分409Eの背後までは至らない構成としたが、この構成に限らず、入口部分409Eの背後に至る構成としてもよいし、左流下領域409Lの背後まで至らない構成としてもよい。同様に、右可動部材20は、右流下領域409Rまで延びるが特典領域409Vの背後までは至らない構成としたが、この構成に限らず、特典領域409Vの背後に至る構成としてもよいし、右流下領域409Rの背後まで至らない構成としてもよい。
また、左可動部材10は、外形が概ね細長い長方形(例えば、長辺が短辺よりも2倍以上長い長方形)の形状(以下、単に、長方形状と称す)に形成され、その長手方向を入口部分409Eの近傍に向けて配置される。詳細には、左可動部材10は、その上側の長辺に対する入口部分409E側への延長線と、その下側の長辺に対する入口部分409E側への延長線との間に、入口部分409Eが位置するように配置される。このため、この左可動部材10の長手方向の先にある入口部分409Eを遊技者に意識させ易くすることが可能になる。また、左可動部材10は、その上側の長辺に対する特典領域409V側への延長線と、その下側の長辺に対する特典領域409V側への延長線との間に、特典領域409Vの少なくとも一部(例えば、特典領域409Vの入口)が位置するように配置される。このため、この左可動部材10は、単独でも、その長手方向の先に位置する特典領域409Vや、特典領域409Vを内部に設けた上大入賞装置434に、遊技者の注意を引くことが可能になる。なお、左可動部材10は、その外形が長方形状である構成に限らず、遊技領域409の中央側や入口部分409Eに向けて先細る台形状や三角形状である構成としてもよい。
また、右可動部材20は、長方形状の左可動部材10と同様に、外形が概ね細長い長方形の形状に形成され、その長手方向を特典領域409Vの近傍に向けて配置されている。詳細には、右可動部材20は、その上側の長辺に対する特典領域409V側への延長線とその下側の長辺に対する特典領域409V側への延長線との間に、特典領域409Vの形成された上大入賞装置434の一部(例えば、上大入賞装置434の入口に設けられる上進入規制機構454)が位置するように配置される。このため、この右可動部材20の長手方向の先にある上大入賞装置434やその内部に形成された特典領域409Vを遊技者に意識させ易くすることが可能になる。なお、右可動部材20は、その外形が長方形状である構成に限らず、その短手方向の幅が遊技領域409の中央側や特典領域409Vに向けて先細る台形状や三角形状である構成としてもよい。
また、長方形状の左可動部材10と長方形状の右可動部材20とは、それらの長手方向が入口部分409Eの近傍から特典領域409Vの近傍に向かう方向と同一の方向を向くように配置される。このため、左可動部材10と右可動部材20とが連続する方向側が、それらの長手方向の指す一方向であると、遊技者に認識させ易くすることができ、特典領域409Vやそれが形成された上大入賞装置434に、遊技者の注意を引き易くすることが可能になる。
また、長方形状の左可動部材10と長方形状の右可動部材20とは、折れ線形状をなすように配置されている。詳細には、左可動部材10と右可動部材20とは、全体として、左可動部材10の下側の長辺に対する延長線と、右可動部材20の上側の長辺に対する延長線との間に、入口部分409Eのと、特典領域409Vの形成された上大入賞装置434の概ね全体が位置するように配置される。このため、左可動部材10と右可動部材20とが連続する方向側において、それらの各幅(短手方向の長さ)よりも広い範囲に、遊技者の注意を引くことが可能になる。よって、特典領域409Vのみならず、特典領域409Vが形成された上大入賞装置434の動作(上進入規制機構454の開閉動作)や上大入賞装置434に進入する又は進入した遊技球の挙動にも、遊技者に注目させ易くすることが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、全体として折れ線形状をなす構成に限らず、例えば、全体として直線形状をなす構成や、全体として入口部分409E又は特典領域409Vの形成側に向かって先細る形状をなす構成や、全体として遊技盤400の中央側から入口部分409E及び特典領域409Vの形成側に向かって先細る構成や、入口部分409Eの形成側及び特典領域409Vの形成側から遊技盤400の中央側に向かって先細る構成としてもよい。
特典領域409Vは、遊技球が流下可能な遊技領域409のうち通常遊技状態において遊技球を流下させる左流下領域409L(所定の第1領域)とは別に設けられる右流下領域409R(所定の第2領域)に形成され、特典領域409Vには、右流下領域409Rに遊技球を流下させることによって遊技球を入球させることが可能な構成とする。また、遊技盤400において、入口部分409Eは、内レール403の上側の先端において戻り球防止機構404が設けられた左上側に形成される。
具体的には、遊技盤400には、遊技領域409として左流下領域409Lと右流下領域409Rとが設けられ、特典領域409Vは、右流下領域409Rに形成される。左流下領域409Lと右流下領域409Rとのいずれに遊技球を流下させるかは、遊技者による遊技球の発射操作、例えば、遊技球の発射強度の調整によって切り替え可能である。遊技者は、通常遊技状態においては、左流下領域409Lに遊技球を流下させ、通常遊技状態において後述する所定の条件を満たし、特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合には、右流下領域409Rに遊技球を流下させる。詳細には、上大入賞装置434に遊技球が進入可能であり、かつ、振分機構437が誘導姿勢をとる特典入球可能状態では、右流下領域409Rに遊技球を流下させる。なお、特典領域409Vを右流下領域409Rに設け、通常遊技状態において左流下領域409Lに、特典入球可能状態において、右流下領域409Rに遊技球を流下させる構成に限らず、特典領域409Vを左流下領域409Lに設け、通常遊技状態において右流下領域409Rに、特典入球可能状態において左流下領域409Lに遊技球を流下させる構成としてもよい。また、遊技領域409を左右側に分けて、遊技者による遊技球の発射操作によって打ち分けが可能な2つの流下領域(左流下領域409L及び右流下領域409R)を設ける構成に限らず、打ち分けが可能な2つの流下領域を、例えば、遊技領域409の上側と下側とに分けて設けたり、遊技領域409の左上側と右下側に分けて設けたりする構成としてもよい。また、遊技領域409を遊技者による遊技球の発射操作によって打ち分けが可能な2つの流下領域に分ける構成に限らず、3つ以上の流下領域に分ける構成としてもよい。
また、特典領域409Vは、遊技盤400の左上側に形成される入口部分409Eに対して、遊技盤400の中央側を挟んで対角側に位置する遊技領域409の右下側に設けられる。なお、特典領域409Vは、遊技盤400の右下側に設けられる構成に限らず、入口部分409Eの水平方向の右側(遊技盤400の右上側)等の他の箇所に設けられる構成としてもよい。
長方形状の左可動部材10は、離間姿勢において、その長辺方向が左流下領域409Lの上側部分に沿って上下方向に向くように配置され、長方形状の右可動部材20は、離間姿勢において、その長辺方向が右流下領域409Rの上側部分に沿って上下方向を向くように配置される。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢において、それらの長手方向が上下方向に向くように配置される構成に限らず、例えば、それらの長手方向が左右方向に向くように配置される構成や、それらの一方の長手方向が上下方向に向き、他方の長手方向が左右方向に向くように配置される構成としてもよい。更に、左可動部材10と右可動部材20とは、それらの長手方向が斜め方向に向くように配置される構成としてもよい。
長方形状の左可動部材10は、遊技盤400の左方側であって入口部分409Eの近傍を中心として、回転による移動が可能に支持される。このため、左可動部材10を離間姿勢から近接姿勢へ変化させる際に、回転中心から離れた一端側の部分(以下において、可動側端部とも称す)を右可動部材20に近づけるように右上側に移動させることができる。また、長方形状の右可動部材20は、遊技盤400の右方側であって特典領域409Vの近傍を中心として、回転による移動が可能に支持される。このため、右可動部材20を離間姿勢から近接姿勢へ変化させる際に、可動側端部を左可動部材10に近づけるように左下側に移動させることができる。なお、左可動部材10や右可動部材20は、回転によって、離間姿勢をとる配置と近接姿勢をとる配置との間の移動が可能に支持された構成に限らず、回転移動に代えて又は加えてスライド移動(傾きを変化させない直線的や曲線的な移動)により移動が可能な構成としてもよい。
長方形状の左可動部材10は、上側部分が入口部分409Eの近傍の背後に重なって配置され、下側部分が上側中始動入賞装置431Aの近傍に遊技球を誘導する中央構造体420に形成されたワープ通路421よりも下側に位置するように配置される。上側中始動入賞装置431Aの上方側には、遊技球を転動させつつ、一部の遊技球を上側中始動入賞装置431Aに進入させることが可能な上ステージ426が設けられ、ワープ通路421は、中央構造体420の左側に設けられる入口から上ステージ426に遊技球を案内する通路によって構成される。
また、長方形状の左可動部材10は、入口部分409Eの近傍の背後から、下側中始動入賞装置431Bの近傍に遊技球を誘導する誘導通路422の背後に亘って配置される。この誘導通路422は、左流下領域409Lの一部であって中央構造体420の左下側を経由して、下側中始動入賞装置431Bに向かう遊技球の通路部分によって構成される。
ここで、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bは、遊技球の入球によって識別情報の変動表示の契機を与える装置であり、通常遊技状態において、遊技者は、この上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bへ遊技球を入球させることを目指して、左流下領域409Lに遊技球を流下させる。左可動部材10がワープ通路421や誘導通路422の背後まで至る長さに設定した場合、左可動部材10の可動側端部を、ワープ通路421や誘導通路422を横断するように、また、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bの近傍を通過するように移動させることが可能になる。これにより、遊技者は、通常遊技状態において主たる演出を実行する装飾図柄表示装置479ではなく、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bに向かって流下する遊技球の挙動に注目していたとしても、左可動部材10の離間姿勢から近接姿勢への移動に気付き易くなる。
左可動部材10と右可動部材20とは、装飾図柄表示装置479(表示手段)によって大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ(所定の表示結果)が確定表示された場合に動作する構成とする。また、この場合に、左流下領域409L(第1領域)とは別に設けられる右流下領域409R(第2領域)に遊技球を流下させることによって特典領域409V(所定の特典領域)に遊技球を入球させることが可能な構成とする。すなわち、左可動部材10と右可動部材20とは、特典入球可能状態となる場合に動作する構成とする。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、同時に動作を開始する構成としても、開始時期や終了時期をずらして動作を開始する構成としてもよい。
具体的には、遊技盤400には、左可動部材10や右可動部材20を動作させる動作手段が設けられる。遊技盤400には、図示しないが、動作手段として、左可動部材10を移動可能とする駆動機構と、この駆動機構に動力を供給する動力源とが設けられる。また、遊技盤400には、図示しないが、動作手段として、右可動部材20を移動可能とする駆動機構と、この駆動機構に動力を供給する動力源とが設けられる。なお、これらの駆動源としては、例えば、回転力を発生させるモータや、一直線方向への動力を発生させるソレノイドが利用できる。
また、駆動源は、副制御基板940に電気的に接続され、副制御基板940によって制御される。このため、左可動部材10と右可動部材20との動作は、副制御基板940による駆動源の制御によって、駆動機構を介して制御される。なお、左可動部材10や右可動部材20は、その動作を副制御基板940によって制御される構成に限らず、例えば、主制御基板920によって制御される構成としてもよい。
装飾図柄表示装置479は、遊技盤400の中央部分に配置され、装飾図柄(識別情報)の変動表示を行うと共に、変動表示の後に、装飾図柄の組み合わせを確定表示する構成とする。この装飾図柄表示装置479(表示手段)によって表示される表示内容は、副制御基板940によって制御される。
具体的には、装飾図柄の変動は、通常遊技状態において左流下領域409Lを流下させた遊技球が、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bに進入することを契機として行われる。また、確定表示される装飾図柄の組み合わせは、その進入を契機とする抽選(第1特別図柄抽選)の結果に応じて決定される。詳細には、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bへの遊技球の進入の検知や、その進入を契機とする抽選は、主制御基板920で実行されるが、副制御基板940は、主制御基板920からその検知に関するコマンドや抽選の結果に関するコマンドを受信可能に接続されており、それらのコマンドに基づいて、装飾図柄の変動表示や確定表示を制御する。なお、特典入球可能状態となる契機であって、左可動部材10と右可動部材20とが動作する契機は、装飾図柄の大当りに対応する組み合わせの確定表示に限らず、例えば、装飾図柄の小当りに対応する組み合わせの確定表示としてもよい。また、その契機は、装飾図柄表示装置479による表示結果とする構成に限らず、その表示結果に代えて又は加えて、装飾図柄表示装置479とは別の表示装置、例えば、第1特別図柄を変動表示したり確定表示したりする第1の特別図柄表示装置471や、第2特別図柄を変動表示したり確定表示したりする第2の特別図柄表示装置472による表示結果とする構成としてもよい。
また、特典領域409Vは、装飾図柄表示装置479によって大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示された場合に動作する上大入賞装置434の内部に形成される。このため、上大入賞装置434が動作し、上大入賞装置434が進入許容状態となる場合、詳細には、上大入賞装置434の入口に設けられた上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる場合に、特典領域409Vに遊技球が入球可能になる。
なお、特典領域409Vは、上大入賞装置434の内部に形成される構成に限らず、例えば、下大入賞装置433などの他の装置に形成される構成としてもよい。また、特典領域409Vは、上大入賞装置434の内部などの遊技球の流下が常には許容さない位置に形成された振分機構437によって特典領域409Vへの入球が規制される構成に限らず、遊技球の流下が常に可能な位置に形成された振分機構437によって規制される構成としてもよい。例えば、振分機構437を上進入規制機構454とする上大入賞装置を設ける構成や、特典領域409Vや振分機構437を大入賞装置434とは別体で右流下領域409Rに設ける構成としてもよい。
また、左可動部材10と右可動部材20とは、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示された後であって、上大入賞装置434の動作開始前(上進入規制機構454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢への変化を開始する前)に、離間姿勢から近接姿勢への動作を開始する。このため、遊技者は、左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢となったことを見届けた後であって、上大入賞装置434が動作を開始する前に、遊技球の流下先を左流下領域409Lから右流下領域409Rに変更することが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示された後に動作する構成に限らず、確定表示と同時に動作する構成としてもよい。また、左可動部材10と右可動部材20とは、上大入賞装置434の動作開始前に限らず、上大入賞装置434の動作開始後に動作する構成、例えば、上大入賞装置434が進入許容状態となってから所定の期間に亘り特典領域409Vに遊技球が入球しない場合に動作する構成としてもよい。
また、左可動部材10と右可動部材20とは、特典領域409Vへ遊技球が入球した場合に、近接姿勢から離間姿勢への動作を開始する。このため、特典領域409Vへ遊技球が入球したことを、実際に遊技球が入球する挙動を見落としたとしても、左可動部材10と右可動部材20との動作によって知ることが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、それらの近接姿勢から離間姿勢への動作が特典領域409Vへ遊技球が入球した場合に実行される構成に限らず、上大入賞装置434が初回の進入許容状態である期間が終了した場合に実行される構成や、上大入賞装置434が動作開始から所定の時間(初回の進入許容状態の期間より短い又は長い時間)が経過した場合に実行される構成としてもよい。
特典領域409Vに遊技球が入球した場合には、特典領域409Vに遊技球が入球しない場合に比べて遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移する構成としている。
具体的には、遊技盤400には、特典領域409Vに進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448が設けられる。また、この特定通路スイッチ448は、主制御基板920に電気的に接続され、特定通路スイッチ448による検出は、主制御基板920で検知される。主制御基板920において、この特定通路スイッチ448による検出に基づいて、特典領域409Vに遊技球が入球しない場合の遊技状態の制御と、特典領域409Vに遊技球が入球した場合の遊技状態の制御とを切り替える。
また、主制御基板920は、特典領域409Vに1球の遊技球が入球した場合に、その入球がない場合よりも有利な遊技状態へ遷移させる。なお、主制御基板920は、特典領域409Vに1球の遊技球を入球させることで有利な遊技状態へ遷移させる制御を行う構成に限らず、1以上の規定数の遊技球を入球させることで有利な遊技状態へ遷移させる制御を行う構成であってもよい。この構成の場合、左可動部材10と右可動部材20とは、規定数の遊技球が入球するまで近接姿勢を維持する構成としてもよいし、遊技球が入球するごとに、例えば、近接姿勢から離間姿勢に戻す又は離間姿勢までは戻さないまでもそれらを所定の間隔だけ離間させた姿勢とすることで近接姿勢を解除した後、再度近接姿勢とする構成としてもよい。
また、主制御基板920は、特典領域409Vに遊技球が入球しなかった場合に、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態へ遷移させ、特典領域409Vに遊技球が入球した場合には、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態より早期の大当りを期待でき、賞球の獲得に関して有利な確変遊技状態に遷移させる。このため、遊技者は、確変遊技状態へ遷移させるために、特典入球可能状態において特典領域409Vに遊技球を入球させる必要があり、その特典入球可能状態となる場合に実行される左可動部材10と右可動部材20との動作によって確変遊技状態への遷移を確保し易くなる。なお、主制御基板920は、特典領域409Vへの入球の有無によって特別遊技状態後に確変遊技状態又は時短遊技状態に遷移させる構成に限らず、例えば、特別遊技状態における継続回数(ラウンド数)を異ならせるなどによって、特典領域409Vに遊技球が入球した場合には、賞球の獲得に関して特典領域409Vに遊技球が入球しなかった場合よりも有利な特別遊技状態に遷移させる構成としてもよい。また、主制御基板920は、特典領域409Vに遊技球が入球した場合に、賞球の獲得に関して有利遊技状態に遷移させる構成に限らず、例えば、プレミアム画像や映像の発生させる頻度を異ならせるなど、賞球の獲得に関する利益以外の利益を与える遊技状態に遷移させる構成としてもよい。更に、この遊技状態の遷移は、主制御基板920によらず、副制御基板940による制御によって実行される構成としてもよい。
上記のパチンコ機100において、左可動部材10と右可動部材20とは、左流下領域409Lに遊技球を流下させる通常遊技状態で装飾図柄表示装置479によって大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示され、右流下領域409Rへの遊技球を流下させることで特典領域409Vへ遊技球を入球させることが可能な場合に動作し、互いに離間した離間姿勢をとる配置から、離間姿勢と比べて近接した近接姿勢をとる配置であって、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する特典領域指示配置に変化させる構成としている。この構成であれば、特典領域指示配置をとる左可動部材10と右可動部材20とによって、それらが連続する方向側に遊技者の注意を引き易くすることを可能にするばかりでなく、それらを離間した異なる箇所から移動させることによって、それらの少なくとも一方の動作を遊技者に気付かせ易くすることも可能にすることができる。これにより、左可動部材10と右可動部材20とが連続する方向側に設けた特典領域409Vに遊技球を入球させるべきこと、また、そのために遊技球の流下先を左流下領域409Lから右流下領域409Rに切り替えることを遊技者に知らせ、特典領域409Vへ遊技球を入球させることで得られる利益が損なわれてしまうことを抑制できる。したがって、特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合に、左可動部材10と右可動部材20との動作により、好適な演出を実行できる。
更に、左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢において、それらが連続する形状(例えば、上記の折れ線形状)や、それらの個別の形状(例えば、上記の細長い長方形状)によって、特典領域409Vの近傍(特典領域409Vそのものや特典領域409Vへの遊技球の進入に関与する上大入賞装置434)を指し示すことも可能になり、遊技者の意識を向かわせたりすることも可能になる。これにより、左可動部材10と右可動部材20とは、それらが連続する方向によって遊技球を右流下領域409Rに流下させるべきことを遊技者に気づかせたり、左可動部材10と右可動部材20との長手方向が指し示す特典領域409Vそのものや特典領域409Vが形成された上大入賞装置434に遊技者の意識を向かわせたりすることが可能になる。
ここで、左可動部材10と右可動部材20とによる好適な演出に関する他の特徴的な構成について説明する。
左可動部材10と右可動部材20には、それらの近接姿勢において、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ並び、その方向側に沿って順次に発光する発光手段が設けられる。
具体的には、発光手段として、左可動部材10には、その長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子19が設けられ、また、右可動部材20にも、同様に複数の発光素子29が設けられる。左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢の配置となった場合に、左可動部材10の複数の発光素子19を左上側から右下側に向けて順次に発光させ、複数の発光素子19の発光に引き続き、右可動部材20の複数の発光素子29を左上側から右下側に向けて順次に発光させる。このため、単に左可動部材10と右可動部材20とを近接姿勢の配置とする場合に比べて、左可動部材10と右可動部材20との一体感を高め、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側に遊技者の意識を更に好適に向かわせることが可能になる。特に、右可動部材20より右下側であって複数の発光素子29による順次の発光により示される方向に配置された特典領域409Vや上大入賞装置434に遊技者の意識を向かわせることが可能になる。
なお、複数の発光素子19や複数の発光素子29は、左可動部材10や右可動部材20の長手方向に沿って一列に配置した構成に限らず、その長手方向とは異なる方向に沿って一列に配置する構成としてもよい。また、複数の発光素子19の配列方向と複数の発光素子29の配列方向とは、左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢の配置である場合に同一方向となる構成に限らず、それらの配列方向が異なる方向となる構成としてもよい。また、左可動部材10や右可動部材20には、一列に配列した複数の発光素子19や複数の発光素子29を設ける構成に限らず、複数列を形成するように発光素子を設ける構成としてもよい。また、直線的に配列した複数の発光素子19及び複数の発光素子29を順次に発光させることにより、特定の方向を直線的に指示する構成に限らず、特定方向を折れ線又は曲線に沿う順次に発光させることにより指示することが可能に、複数の発光素子19及び複数の発光素子29を配列する構成としてもよい。
左可動部材10には、複数の発光素子19とは別に左可動部材10を全体的に発光させる多数の発光素子(図示せず)を設けられる。また、通常遊技状態のように遊技球を左流下領域409Lで流下させるべき場合には、離間姿勢である左可動部材10をその多数の発光素子により発光させる。このため、離間姿勢において左流下領域409Lにおける遊技球の流下方向に沿うように配置された左可動部材10の全体的な発光によって、遊技球を左流下領域409Lに流下させて遊技を行うように遊技者に注意喚起を行うことが可能になる。
同様に、右可動部材20には、複数の発光素子29とは別に右可動部材20を全体的に発光させる多数の発光素子(図示せず)を設け、特別遊技状態のように遊技球を右流下領域409Rで流下させるべき場合には、離間姿勢である右可動部材20をその多数の発光素子により発光させる。このため、離間姿勢において右流下領域409Rにおける遊技球の流下方向に沿うように配置された右可動部材20の全体的な発光によって、遊技球を右流下領域409Rに流下させて遊技を行うように遊技者に注意喚起を行うことが可能になる。
<同一の光源による複数の装飾部への光照射の形態>
次に、光源30から一の装飾部に向けて出力された光の一部を他の装飾部に向けて方向転換させることで同一の光源30からの光に基づく光を他の装飾部に照射し、また、他の装飾部に向けて方向転換された光の一部を一の装飾部に向けて更に方向転換させ、少なくとも一の装飾部に対して他の装飾部に向けて方向転換される前の光と共にその後に進行する光を照射することで、複数の装飾部による好適な演出を実行する構成について、図14~図16を参照して説明する。図14は、遊技盤400の斜視図である。図15は、図7のXM-XM線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す斜視図及び断面図である。図16は、図7のXD-XD線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す斜視図及び断面図である。なお、図15(A)及び図16(A)の斜視図においては、複数の装飾部のうち前方側に配置される装飾部(前方側装飾部50)の一部を除去した状態が図示されている。また、図15(B)、図15(C)、図16(B)及び図16(C)の断面図には、要部のみを簡素化し、第1の装飾部や第2の装飾部に照射される光の経路を例示している。また、後に参照する図17(A)~(C)についても同様である。
図14に示すように、複数の装飾部として、遊技盤400の左側であって上下方向の中央部分に、前方側装飾部50(第1の装飾部)と、左可動部材10の一部で構成され、前方側装飾部50よりも後方側(遊技盤400の前後方向の後方側)に位置する後方側装飾部11(第2の装飾部)とが設けられる。前方側装飾部50は、遊技盤400の基体401の裏側に一部が重なるようにして設けられるものの、基体401が透明な樹脂で構成されることにより、基体401の背面側に重なる前方側装飾部50の一部分も遊技者から視認可能となっている。
前方側装飾部50と後方側装飾部11とによる演出は、前方側装飾部50より後方側であるが後方側装飾部11よりも前方側に配置された光源30(図15も参照)から出力された光を用い、前方側装飾部50や後方側装飾部11を発光した状態となるようにして実行される。このとき、前方側装飾部50は、光源30から出力された光が後方側から照射されることで発光した状態となり、一方、後方側装飾部11は、前方側装飾部50の裏面50B(後方側出力手段)で反射された光が前方側から照射されることで発光した状態となる。また、前方側装飾部50は、前方部材41の背後に取り付けられる後方部材42の一部で構成され、前方側装飾部50と後方側装飾部11との間に位置する後方窓61(別方向反射手段)における反射により方向転換された光が照射されることでも発光した状態となる。これにより、前方側装飾部50と後方側装飾部11とによる演出において、光源30の個数を減らして製造コストを低減しつつも、その限られた数の光源30を用いて前方側装飾部50と後方側装飾部11との双方を発光した状態とすることができる。
前方側装飾部50は、光源30のLED素子32L,32Rから出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な構成とする。
具体的には、前方側装飾部50は、光源30より前方側に位置し、前方部材41の一部として構成される平板状の前方窓51と、前方窓51の背面に当接して設けられ、絵柄(遊技のモチーフとなるキャラクタ等)が描かれた装飾板52とで構成される。前方窓51を構成する前方部材41は無色透明の材料で形成され、また、装飾板52は、光透過性の材料で形成される。このため、光源30から出力された光であって前方側装飾部50で反射する前の光(以下、1次光とも称す)を裏面50B側から照射することで、装飾板52を発光した状態にでき、その発光を前方窓51を通して遊技者が位置する表面側から視認することができる。また、前方窓51を無色透明の材料で形成することで、前方窓51による光の吸収を抑制して効率的な照射を可能にしている。なお、前方窓51は、無色透明に形成される構成に限らず、有色透明に形成される構成としてもよい。前方側装飾部50を有色透明に形成する場合には、その色は、均一な単色である構成や、同一の色でグラデーションをつける構成や、部位によって配色を異ならせる構成としてもよい。また、前方窓51や装飾板52は、その厚みが略均一な板状の構成に限らず、その厚みが均一でない構成としてもよい。
光源30は、電子部品が搭載される発光基板31と、発光基板31の一面側に設けられ、斜め前側(所定の方向側)に向けて光を出力する向きに配置された複数のLED素子32L,32R(発光手段)とを備える構成とする。
具体的には、光源30は、発光基板31の一面(以下、素子面)に、上下方向に所定の間隔で並ぶ7つのLED素子32L(図14においては6つのみが示されている)と、7つのLED素子32Lよりも遊技盤400の中央側において上下方向に所定の間隔で並ぶ7つのLED素子32Rとを備えている。各LED素子32L,32Rは、発光基板31の素子面に垂直な方向を最も輝度の高い方向(以下、主方向とも称す:図15(B)等における破線)とし、所定の角度範囲(例えば、15度)で広がる光を出力する。なお、発光基板31に設けられるLED素子32L,32Rの個数や配置は、上記の構成に限らず、適宜に設計できる。
図15(A)や図15(B)等に示すように、発光基板31は、遊技盤400の上下方向の上方から見て(以下、上方視)、その素子面が遊技盤400の前後方向に対して所定の角度をなす方向を向くように配置され、各LED素子32L,32Rからの1次光は、その主方向が前方窓51や装飾板52の背面に対して90度とは異なる所定の角度で前方側装飾部50に照射される。このため、後方側に出力される光の量を、90度をなす方向に配置する場合に比べて大きくできる。この所定の角度は、後方側装飾部11の位置や、前方側装飾部50の前方側に出力すべき光の量とその後方側に出力すべき光の量との分配を考慮して設定されている。
なお、光源30と前方側装飾部50との間には、後方部材42の一部を構成する無色透明の平板状の光進入窓62が設けられるが、光進入窓62は、上方から見て、各LED素子32L,32Rに基づく1次光の主方向に対して90度で交差するように配置し、光進入窓62での反射による光の量の減少が最小となるようにしている。また、光進入窓62の厚みを略均一とし、光進入窓62を通過する前後で光の進行方向を変化させない構成としているが、光進入窓62における前方側装飾部50側の面が光源30側の面に対して所定の角度で傾斜する板状の形状とし、光進入窓62を通過する前後で屈折により光の進行方向を一律に変化させる構成としてもよい。また、光進入窓62は、各LED素子32L,32Rに基づく1次光が内部を光進入窓62を形成する後方部材42の内部を通過する構成としているが、この構成に限らず、光進入窓62に開口や切り欠きを設け、1次光が後方部材42の内部ではなく開口や切り欠きを通して通過する構成としてもよい。更に、光進入窓62を設けず、各LED素子32L,32Rからの1次光を直接に前方側装飾部50に照射する構成としてもよい。
前方側装飾部50は、その裏面50B側にて、光源30の複数のLED素子32L,32Rから出力される前方側とは逆の後方側へ光を出力する裏面50B(後方側光出力手段)を備える構成とする。
具体的には、前方側装飾部50は、その裏面50Bが平坦で滑らかな平面とされる。このため、各LED素子32L,32Rに基づく1次光の一部を前方側装飾部50を通過させ、また、その一部を前方側装飾部50で反射させ、後方側へ光(以下において、2次光とも称す)を出力することができる。この2次光は、前方側装飾部50を構成する装飾板52の背面で反射したり、装飾板52と前方窓51との境界面で反射したりすることで、前方側装飾部50の裏面50B側に出力される。なお、装飾板52や前方窓51は、その背面が平坦で滑らかな平面とする構成に限らず、その背面が滑らかな円弧形状や湾曲形状等の曲面に形成する構成としてもよい。この構成の場合、平面で反射させる場合に比べて、2次光の広がりを曲面の形状により大きくしたり、小さくしたりすることも可能になる。また、前方側装飾部50は、装飾板52が前方窓51に当接する構成に限らず、離間させる構成としてもよい。また、前方側装飾部50は、装飾板52を前方窓51の背面側に配置する構成に限らず、装飾板52を前方窓51の前面側に配置する構成としてもよい。装飾板52を前方窓51の前面側に配置する場合、装飾板52により光が吸収される前に2次光を出力でき、装飾板52を前方窓51の背面側に配置する場合に比べて、2次光の強度を相対的に大きくすることも可能になる。更に、前方側装飾部50によりその後方側へ光を出力可能な構成に限らず、例えば、装飾板52の裏面側に前方窓51や装飾板52とは別体の反射部(図示せず)を設ける構成としてもよい。この構成の場合、反射部によって、前方窓51や装飾板52の配置や形状に依らず2次光を所定の方向に出力することや、別体の反射部の裏面を凹面として2次光を所定の方向に集まるように又はその裏面を凸面として2次光を広がるように出力させたりすることも可能になる。
後方側装飾部11は、前方側装飾部50の裏面(後方側光出力手段)から出力された光が照射される部位に、前方側装飾部50(第1の装飾部)とは別に設けられ、光源30を構成する発光基板31より後方側に設けられる構成とする。
具体的には、後方側装飾部11は、左可動部材10の一部として設けられ、左可動部材10が離間姿勢である場合に、前方側装飾部50と離間し、1次光は照射されないが2次光は照射される部位に位置する。詳細には、後方側装飾部11は、その上側の部分が前方側装飾部50と前後に重ならず、その中央側の部分が前方側装飾部50と部分的に前後に重なり、その下側の部分が前方側装飾部50と前後に重なるように配置され、着席した遊技者の視点で、その中央側の部分が左右方向の全体に亘り視認可能に、また、その下側の部分が、左右方向の少なくとも一部を視認可能に配置されている。このため、遊技者は、後方側装飾部11と前方側装飾部50との隙間を通して、2次光が照射された後方側装飾部11を視認することができる。また、1次光の前方側装飾部50への照射を阻害することなく、2次光を後方側装飾部11に照射することができる。以下において、後方側装飾部11は、左可動部材10が離間姿勢をとる場合の位置に配置されているとして説明する。なお、後方側装飾部11は、左可動部材10の一部として移動可能に設けられる構成に限らず、移動不能に設けられる構成としてもよい。更に、前方側装飾部50についても、移動不能に設けられる構成としても、移動可能に設けられる構成としてもよく、前方側装飾部50と後方側装飾部11とが特定の位置に配置されている状態において、光源30からの1次光によって前方側装飾部50が照明され、その2次光によって後方側装飾部11が照明できる構成であればよい。
また、後方側装飾部11は、その一部が前後方向に(正面視で)前方側装飾部50と重なる位置に設けられ、少なくともその重なる部分が2次光によって照明される。このため、その重なる部分であって外光(例えば、パチンコ機100を設置する空間に設けられた照明機器からの光)によって照明されない又は照明され難い部分を、光源30からの光によって照明でき、この光による照明がない場合に比べて、後方側装飾部11の全体に対する照明の均一性を向上させることが可能になる。なお、後方側装飾部11は、その一部が前後方向に前方側装飾部50と重なる位置に設けられる構成に限らず、その全体が前後方向に前方側装飾部50と重なる位置に設けられる構成や、前方側装飾部50とは前後方向に重ならない位置に設けられる構成としてもよい。
また、光源30が遊技盤400の左端近傍に設けられ、前方側装飾部50が光源よりも右側に設けられ、後方側装飾部11は、光源30や前方側装飾部50よりも遊技盤400の中央側に設けられる。このため、遊技盤400の中央側の前側(遊技者の視線)から見て、2次光が照射された後方側装飾部11を、後方側装飾部11と前方側装飾部50との隙間を通して視認し易くすることが可能になる。なお、光源30と、前方側装飾部50と、後方側装飾部11とをこの順で左端近傍から中央側に向けてずらして配置する構成に限らず、それらを右端近傍や上端近傍や下端近傍から中央側にずらして配置する構成としてもよい。
前方側装飾部50(後方側光出力手段)によって後方側へ出力された光を後方側装飾部11(第2の装飾部)とは別の方向側へ反射可能な後方窓61(別方向反射手段)を備える構成とする。
具体的には、図15(B)及び図16(B)等に示すように、前方側装飾部50と後方側装飾部11との間に、前方窓51より後方に位置する後方窓61を設け、後方窓61における前面61F(前方側装飾部側の面)において、前方側装飾部50から後方側装飾部11へ向かう2次光の一部を通過させ、その2次光の一部を前面61Fで反射させる構成とする。後方窓61を構成する後方部材42は、無色の光透過性の材料(例えば、透明樹脂)で形成される。このため、前方側装飾部50によって後方側へ出力された光の一部を通過させ、また、その光の一部を反射させることができる。なお、後方窓61は、無色の光透過性の材料で形成される構成としているが、この構成に限らず、有色の光透過性の材料で形成される構成であってもよい。
また、後方窓61は、概ね平板形状に形成され、上方視で前方側装飾部50に対して、前方側装飾部50との間隔が光源30から遠ざかるにつれて狭くなるように傾斜させて配置する。また、後方窓61は、後方窓61の前面61Fに垂直な方向がLED素子32L,32Rに基づく2次光の主方向に対して垂直とは異なる所定の角度(例えば、30度の角度範囲)で傾斜させて配置する。このため、後方窓61を通して2次光の一部を通過させつつ、前方側装飾部50から後方窓61に向かって来た経路を逆戻りし、前方側装飾部50において1次光で照射される箇所と、後方窓61で反射した光(以下、3次光とも称す)で照射される箇所が同一となることを抑制できる。
ここで、具体例に基づいて説明する。図15(B)に示すように、LED素子32Lから出力される光であって経路ML1(実線)で進行する光は、前方側装飾部50の裏面50Bの反射点P1で、その一部が前方側装飾部50を通過し、その一部が後方側装飾部11に向けて進行する。後方窓61の前面61Fに到達した光は、その一部が後方窓61を通過して後方側装飾部11に照射され、また、その一部は後方窓61の前面61Fで反射して、後方側装飾部11に向けて進行する。また、LED素子32Lから出力される光であって経路ML2(一点鎖線)も同様であるが、経路ML1の光は、反射点P1よりも左側の反射点P2に向かい更に反射や通過を繰り返し、経路ML2の光は、反射点P1よりも右側の反射点P3に向かい更に反射や通過を繰り返す。これにより、LED素子32Lから出力された光によって、1次光で照射される箇所と3次光で照射される箇所とを異ならせることができ、更に、1次光で照射される箇所に対して左右の両側を照射することもできる。これは、図15(C)に示すLED素子32Rから出力される光についても同様であり、前方側装飾部50における反射点P4で反射した光は、その一部が反射点P4より左側の反射点P5に照射され、反射点P6で反射した光は、その一部が反射点P6よりも右側に照射される。これにより、前方側装飾部50を左右方向の全体に亘って1次光を照射できなくても、1次光と3次光とによって、前方側装飾部50の全体に光を照射することが可能になる。また、3次光は、1次光よりも長い経路を辿った後に、前方側装飾部50に照射されるので、その照射範囲が大きくなり、前方側装飾部50の全体に照射され易くなる。
後方窓61は、上方視の断面において、その前面61Fが僅かに凹むように湾曲し、3次光を、前方側装飾部50におけるLED素子32Rに基づく1次光の照射位置よりも左側に向けて出力し、LED素子32Rに基づく3次光を、前方側装飾部50におけるLED素子32Lに基づく1次光による照射位置よりも右側に向けて出力しやすい形状としている。
また、図16(A)~(C)に示すように、前方側装飾部50が後方側装飾部11を前後方向に覆う範囲が図16(A)~(C)に示す場合より大きい場合には、前方側装飾部50の右側への突出量に応じて、後方窓の傾斜が小さくなる構成としている。このため、図16(B)及び図16(C)に示すように、前方側装飾部50の背面と後方窓61の前面61Fとで繰り返しの反射により、前方側装飾部50の左端側に光(経路DL1)を進行させ易くできたり、また、右端側に光(経路DL2,経路DR)を進行させ易くできたりする。したがって、前方側装飾部50の左右方向の長さが大きくなったとしても、その全体に、各LED素子32L,32Rからの光を照射することが可能になる。
また、後方窓61は、前方側装飾部50の前方窓51を形成する前方部材41とは別の後方部材42で形成される。このため、前方側装飾部50の装飾板52を前方窓51の背面に固定した後に、前方窓51を構成する前方部材41と後方窓61を形成する後方部材42とを組み付けることで、装飾板52を後方窓61と前方窓51との間に簡単に配置することができる。なお、後方窓61は、前方側装飾部50を形成する部材と同一の部材に形成される構成としてもよい。
上記で説明したように、パチンコ機100において、所定の方向側に向けて光を出力するLED素子32LやLED素子32Rからの光を遊技者が位置する前方側へ通過可能な前方側装飾部50と、前方側装飾部50の背面にて、遊技者が位置する前方側とは逆の後方側へLED素子32LやLED素子32Rから発光された光を出力する前方側装飾部50の裏面50Bと、その裏面50Bから出力された光の一部が照射される部位に前方側装飾部50とは別に設けられる後方側装飾部11とを備える構成としている。これにより、LED素子32LやLED素子32Rから出力された光によって前方側装飾部50を発光させると共に、同一のLED素子32L,32Rに基づく光であって前方側装飾部50の裏面50Bから出力された光によって後方側装飾部11を発光させることができ、装飾部ごとに専用の光源を設ける場合に比べて部品数を減らし製造コストを抑えることができる。
また、パチンコ機100において、後方側装飾部11は、光源30の発光基板31より後方側に設ける構成としている。これにより、LED素子32L,32Rからの光が直接には照射されない場所に配置された後方側装飾部11に対して、前方側装飾部50をその裏面50B側に照射される光によって発光させるのとは異なり、表面側から照射される光によって発光させることで、同一のLED素子32L,32Rに基づく光によって発光させたとしても、前方側装飾部50と後方側装飾部11とで発光の仕方を異ならせることができる。
また、前方側装飾部50の背面によって後方側へ出力された光を後方側装飾部11とは別の方向側へ反射可能な構成としている。これにより、前方側装飾部50の背面で反射した後の光を、例えば、前方側装飾部50の背面での反射を介さずに前方側装飾部50や後方側装飾部11に照射される光とは異なる照射位置や照射角度で照射するなど、各LED素子32L,32Rから所定の方向側に向けて出力した光を多様な形態で前方側装飾部50や後方側装飾部11に照射することで、前方側装飾部50と後方側装飾部11との発光の見栄えを向上させることが可能になる。
したがって、前方側装飾部50や後方側装飾部11による演出において、限られた数のLED素子32L,32Rを用いたとしても、遊技者に対して、あたかも、実際に用いたLED素子32L,32Rの個数(14個)よりも多数のLED素子からの光が前方側装飾部50や後方側装飾部11に照射されているかのように見せることができ、前方側装飾部50や後方側装飾部11による好適な演出を実行することができる。
以下において、前方側装飾部50及び後方側装飾部11への光の照射に関する更なる特徴的な構成について、図17を参照して説明する。図17は、図7のXU-XU線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す斜視図及び断面図である。
図17(A)~(C)に示すように、光進入窓62は、その前面62F(前方側装飾部50が位置する側の面)が、後方窓61の前面61Fから出力された3次光が照射される部位であって前方側装飾部50と光源30のLED素子32L,32Rとの間に設けられ、3次光の少なくとも一部を前方側装飾部50が設けられる側に反射可能な構成とする。また、前方部材41と後方部材42とを組み付けることにより、前方側装飾部50の裏面50Bと後方窓61の前面61Fと光進入窓62の前面62Fとで周辺部分が囲まれる空間であって、光源30から所定の方向に出力された光を、それらの3面で繰り返し反射させることが可能な空間(以下において、発光空間40とも称す)を形成する構成とする。例えば、図17(B)や図17(C)に示すように、発光空間40は、その内側において、光源30から出力された1次光が、前方側装飾部50の裏面と後方窓61の前面61Fとで反射した後、光進入窓62の裏面62B(光源30が位置する側の面)で更に反射して、前方側装飾部50に再度照射される進行経路UL1,UR1を辿ることを可能にする構成とする。これにより、後方窓61の裏面50Bで前方側装飾部50に向かうように反射されなかった光であっても、光進入窓62の前面62Fでの反射によって前方側装飾部50に再度向かわせることも可能になり、光進入窓62を設けない又は光進入窓62の前面62Fが反射性を有さない構成とする場合に比べて、光進入窓62を通して発光空間40に進入した光を前方側装飾部50や後方側装飾部11に効率よく照射することが可能になる。
具体的には、発光空間40は、後方窓61の左端と光進入窓62の右端が連続し、また、光進入窓62の左端と前方側装飾部50の左端とが左接続部63を介して連続し、また、前方側装飾部50の右端と後方窓61の右端とが右接続部64を介して連続し、断面視で周辺部分の全体が囲まれる閉鎖した空間に形成する。前方側装飾部50と後方窓61との間を接続する左接続部63や前方側装飾部50と光進入窓62との間を接続する右接続部64を設けることで、それらの接続部を設けない場合に比べて、前方側装飾部50と後方窓61や光進入窓62との間から発光空間40の外部に放出され前方側装飾部50や後方側装飾部11の発光に寄与しない光を抑制できる。なお、前方側装飾部50と後方窓61とは、それらが右接続部64を介して連続する構成に限らず、それらが右接続部64を介さずに連続する構成としてもよい。同様に、前方側装飾部50と光進入窓62とは、それらが左接続部63を介して連続する構成に限らず、それらが左接続部63を介さずに連続する構成としてもよい。
発光空間40は、前方側装飾部50や後方側装飾部を効率よく発光させる観点からは断面視で閉鎖された空間に形成される構成であることが好ましいが、これに限らず、右接続部64を設けずに前方側装飾部50と後方窓61との間に隙間を形成したり、左接続部63を設けずに前方側装飾部50と光進入窓62との間に隙間を形成したりするなど、断面視で完全には閉鎖されていない空間を形成する構成であってもよい。また、光進入窓62を通して発光空間40の外部に放出される光は、前方側装飾部50や後方側装飾部11の発光には寄与しないために、光進入窓62は、その前面62F又は裏面62Bに光源30からの光が通過する範囲を除き反射シートを設けるなどして光進入窓62における発光空間40側への反射率を高める構成としてもよい。
また、発光空間40は、その内側において、光源30から出力された1次光が、前方側装飾部50の裏面50Bと後方窓61の前面61Fとで反射した後、左接続部63の右面63Lで更に反射して、前方側装飾部50に再度照射される進行経路UL2,UR2を辿ることを可能にする構成とする。これにより、光進入窓62の前面62Fを反射可能に構成した場合と同様の理由により、光進入窓62を通して発光空間40に進入した光を前方側装飾部50や後方側装飾部11に効率よく照射することが可能になる。また、右接続部64についても、左接続部63と同様である。
なお、発光空間40は、その周辺部分を囲う窓であって前方側装飾部50とは異なる装飾部(後方側装飾部11)を発光させる光が通過する窓を、遊技者が視認可能でない向きに配置された後方窓61を備え、後方窓61を通過した光を後方側装飾部11の前面側から照射可能な構成としている。しかし、この構成に限らず、後方窓61や後方側装飾部11に代えて又は加えて、前方側装飾部50とは異なる装飾部を発光させる光が通過する窓を、遊技者が視認可能な向きに配置し、当該遊技者が視認可能な向きに配置された視認可能窓に重なるように、装飾板52と同様の他の装飾板などの装飾部品を設け、当該装飾板を背面側からの光照射により発光した状態とする構成としてもよい。この構成において、他の装飾板は、視認可能窓の表面側に当接して又は離間させて配置する構成としてもよいし、視認可能窓の裏面側に当接して又は離間させて配置する構成としてもよい。
<光を反射可能な装飾部による演出>
次に、光を反射する装飾部による演出について、図18~図22を主に参照して説明する。図18は、装飾部としての反射装飾部711を設けた遊技盤700の正面図である。また、図19は、反射装飾部711による演出に関与する主要部の相対位置を模式的に示す遊技盤700の正面図である。
パチンコ機100は、図7に示す遊技盤400を、図18に示す別の遊技盤700に入れ替えることで、別の機種として利用することができ、以下においては、この遊技盤700を備えたパチンコ機100の装飾部について説明する。遊技盤700は、演出用の各種の部材や装置に関連する構成が異なること以外は、上記した図7に示す遊技盤400と同一の構成である。このため、遊技盤700において、遊技盤400と同様の役割を果たす部材については、同一参照符号を付して説明を省略し、相違部分についてのみ説明する。
パチンコ機100の遊技盤700は、図18に示すように、光を反射する装飾が施された反射装飾部711を有する反射装飾体710(反射手段)を備える。また、遊技盤700は、反射装飾体710とは別に設けられる環状形状の環状装飾体740(図19も参照:別装飾手段)と、遊技盤700の中央側に設けられる中央装飾体750(図19も参照:別装飾手段)とを備える。具体的には、反射装飾体710は、遊技盤700の下端側において、左右方向の中央近傍から左側に位置するように、遊技盤700の基体401の裏面側に設けられる。また、環状装飾体740は、正面視で、装飾図柄表示装置479(表示手段)の表示部479aの周縁を囲むように、基体401の裏面側に設けられる。また、中央装飾体750は、表示部479aの下方側において、基体401の裏面側に設けられる。
なお、パチンコ機100において、反射装飾体710、環状装飾体740及び中央装飾体750の全てを備えた構成としているが、これら全てを備える必要はなく、一部のみを備えるようにしてもよく、また、図7に示した遊技盤400に、反射装飾体710、環状装飾体740及び中央装飾体750の少なくとも一部が設けられてもよい。
パチンコ機100は、図19に示すように、環状装飾体740の背後に重なるように環状に配置された複数の環状配置光源720(発光手段)と、中央装飾体750の背後に重なるように配置された中央光源730(発光手段)とを備える。パチンコ機100は、反射装飾部711による演出において、複数の環状配置光源720の少なくとも1つから出力される光や中央光源730から出力される光を反射装飾部711に照射することで、その演出の効果を向上させる。
ここで、反射装飾部711と、反射装飾部711による演出に関与する他の各種の部材との配置関係について、図20を参照して説明する。図20は、図18のY1-Y1線を含む切断面による反射装飾体710の近傍を示す斜視断面図である。なお、図20において、反射装飾体710による演出に関与する主要部の位置関係を明示するために、中央構造体420は輪郭(図中の一点鎖線)のみ示している。
図20に示すように、反射装飾体710は、遊技盤700の基体401の裏面側に設けられる。また、基体401は、無色透明の樹脂で形成される。このため、遊技者は、座席に着席した姿勢(以下において、通常姿勢とも称す)で遊技盤700を見る場合、基体401を透して反射装飾部711を視認することができる。また、遊技盤700の中央付近に設けられた中央構造体420を構成する部材であって、下ステージ427を形成する部材等の多くの部材は、無色透明の樹脂で形成される。このため、遊技者は、通常姿勢よりも前屈みに着席した姿勢(以下において、前傾姿勢とも称す)や、遊技するパチンコ機100を選ぶため等で立った姿勢で遊技盤700を見る場合には、中央構造体420を構成する無色透明の部材を透して反射装飾部711を視認することができる。
なお、基体401等の反射装飾部711を透かし見るための部材は、無色透明な樹脂で形成された構成としているが、この構成に限らず、有色透明な樹脂でもよく、無色又は有色の透明性(透過性)を有する素材であれば樹脂以外の素材で形成される構成としてもよい。以下において、無色又は有色の透明性を有する樹脂やその他の素材を光透過性素材とも称す。また、反射装飾部711は、他の部材を透かして間接的に視認可能な位置に設けられた構成としているが、この構成に限らず、基体401や中央構造体420の開口の近傍において基体401や中央構造体420の後方側に突出させて配置する等、それらの開口を通して直接的に視認可能な位置に設ける構成としてもよい。また、反射装飾部711は、遊技者の姿勢によらず、間接的に視認可能な構成としているが、この構成に限らず、遊技者の姿勢によっては間接的に視認可能であったり直接的に視認可能であったりする位置に設けられる構成や、遊技者の姿勢によらず直接的にのみ視認可能な位置に設けられる構成としてもよい。また、反射装飾部711は、基体401に対して固定され、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が常に照射可能な位置に設けられる構成としているが、この構成に限らず、移動可能に設けられ、反射装飾部711が所定の位置に移動した場合に、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が照射されるように設けられる構成としてもよい。また、反射装飾体710は、基体401の裏面側に設けられる構成に限らず、その前面側に設けられる構成や、遊技盤700を構成する部材とは別の部材、例えば、中間ブロック103を構成する遊技盤700以外の部材や前ブロック102を構成する部材や後ブロック104を構成する部材に設けられる構成としてもよい。
反射装飾部711は、複数の環状配置光源720(図19参照)の一部をなす下左光源720a(発光手段)や中央光源730(発光手段)から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な構成とされる。ここで、複数の環状配置光源720は、下側で左右に配置される下左光源720aと下右光源720bとを一組として、5組が下側、左上側、左下側、右上側及び右下側に位置するように円環形状に配列され、円環形状の環状装飾体740の全体を発光した状態にできる。
下左光源720aは、電子部品(図示せず)が搭載される下左基板721a(発光基板)と、下左基板721aの一面側に、前方側(所定の方向側)に向けて光を出力する向きに配置された複数のLED素子722a(発光手段)を備える構成とされる。また、中央光源730は、環状配置光源720と同様に、中央装飾部751と概ね同一の外形である中央基板731(発光基板)に複数のLED素子732(発光手段)を設けた構成とされる。なお、反射装飾体710は、下左基板721aに設けられた複数のLED素子722aの各々から出力される光で照射可能な位置に配置されても、それらの一部のみから出力される光で照射可能な位置に配置されてもよい。また、反射装飾部711は、主に、複数の環状配置光源720のうちの1つの下左光源720aから出力される光で照射可能な位置に配置された構成としているが、この構成に限らず、反射装飾部711の長さを長くし、2以上の環状配置光源720から出力される光で照射可能としたり、反射装飾体710を正面視で円環形状とし、全ての環状配置光源720から出力される光で照射可能としたりする位置に配置される構成としてもよい。また、反射装飾部711は、環状装飾体740及び中央装飾体750の各装飾体に対応して設けられた光源(下左光源720a及び中央光源730)の双方からの光を照射可能な位置に配置された構成としているが、この構成に限らず、環状装飾体740及び中央装飾体750の一方の装飾体に対応して設けられた光源からの光で照射可能な位置に配置される構成としてもよい。また、反射装飾部711は、下左光源720a及び中央光源730に加えて又は代えて他の装飾体への光の照射に兼用されない専用の光源からの光を照射可能な構成としてもよい。
反射装飾部711は、所定の装飾が施され、遊技者側から視認可能な構成とされる。具体的には、反射装飾部711は、透過性を有する板状に形成され、下左光源720aのLED素子722aや中央光源730のLED素子732から出力された光が通過する通過部712を備える。また、反射装飾部711は、通過部712に対して下側(光が通過した後に出力される側)に重なるように設けられ、通過部712を通過した光を反射可能な反射部713を備える。反射部713は、通過部712より下方側に配置され、一旦通過部712を通過した光を反射して上前方に出力する。また、通過部712の上面(反射部713とは反対側となる面)には、凹凸(起伏した形状)による装飾が施され、この上面が装飾面712Sとなる。なお、反射装飾部711は、通過部712における反射部713と反対側の面に装飾が施された構成に限らず、その面に加えて又は代えて、通過部712における反射部713側の面に装飾を施す構成としてもよい。また、反射装飾部711は、通過部712の表面に形成された凹凸により装飾が施された構成に限らず、通過部712の表面に装飾用のシールや板等の装飾部材を、通過部712に当接して又は離間させて配置することで、装飾を施す構成としてもよい。また、反射装飾部711は、通過部712と反射部713とを備え、通過部712に装飾が施された構成としているが、この構成に限らず、通過部712を設けず、反射部713の上面に凹凸を形成したり、その上面に装飾部材を設けたりすることで、装飾を施す構成としてもよい。また、反射装飾部711は、単一の部材で形成された通過部712を備えた構成としているが、この構成に限らず、色の異なる透過性の材料で形成された部材を組み合わせて、上面に平坦な又は起伏する装飾面を有する通過部を備える構成としてもよい。また、反射装飾部711は、通過部712に実際に装飾を施した構成としているが、この構成に限らず、通過部712に実際には装飾を施さずに表面を単に平坦な面とし、その平坦な面に、例えば、回動装飾部742などの他の装飾部による装飾を映し込むことで、通過部712や反射部713に擬似的に装飾を施す構成としてもよい。
反射装飾部711は、下左基板721aや中央基板731とは前後方向において重ならない位置に配置される。具体的には、反射装飾体710は、遊技盤700の上下方向及び左右方向の中央に設けられた装飾図柄表示装置479の表示部479aよりも下方側であって、図20に示すように、下左基板721aや中央基板731よりも前方側かつ下方側(以下において、下前方側とも称す)に配置される。このため、反射装飾部711における反射によって、標準姿勢で座視する遊技者の目の位置(概ね、表示部479aの中心から前後方向に所定の間隔で離間した位置)から遠ざかるように下前方側に進行する光を、その位置に近づくように前方側かつ上方側(以下において、上前方側とも称す)に進行させることができる。なお、反射装飾体710を表示部479aよりも下方側に設け、反射装飾体710によって光を上方側に反射させる構成としているが、この構成に限らず、表示部479aよりも上方側に設けて光を下方側に反射させる構成としてもよく、また、表示部479aよりも右方側に設けて光を左方側に反射させる構成としたり、表示部479aよりも左方側に設けて光を右方側に反射させたりする構成としてもよい。
装飾面712Sは、遊技者側から見て傾斜する向きに配置された構成とされる。具体的には、板状の通過部712が、表示部479aより下方側に離れた位置で、遊技盤700の基体401に略垂直な方向に突出させて設けられている。このため、通過部712の上面である装飾面712Sは、標準姿勢で座視する遊技者から見て所定の角度(例えば、40°)で傾斜する向きに配置され、遊技者によって視認される装飾面712Sの大きさを所定の範囲に確保しつつ、装飾面712Sを明るく遊技者に視認させることができる。なお、装飾面712Sは、その垂線の方向が標準姿勢で座視する遊技者の視線(斜め下側を向く視線)に対して垂直ではなく、所定の角度で傾斜する向きに配置される構成であればよく、その視線に対して10°~80°の角度範囲内の角度で傾斜する向きに配置される構成であることが好ましく、25°~60°の角度範囲で配置される構成であることが更に好ましい。また、装飾面712Sは、基体401に対して垂直に突出するように配置された構成に限らず、基体401に対して傾斜する向きに突出するように配置する構成としてもよい。この構成において、通過部712の基体401に対する傾斜は、厚さの略均一な通過部712の設置角度を調整することによって変化させてもよいし、通過部712の厚さを均一とせず、基体401の裏面からの距離に応じた厚みを調整することによって変化させてもよい。また、装飾面712Sは、基体401に対して一定の角度で傾斜する向きに配置する構成としているが、この限らず、装飾面712Sの部位によってその角度が変化する構成としてもよい。装飾面712Sの傾斜は、遊技盤700において配置される位置や下左光源720aや中央光源730との相対位置を勘案して、遊技者が装飾面712Sを所定の大きさで、かつ、所定の明るさで視認できる角度に設定することが好ましい。例えば、装飾面712Sを図18に示す位置よりも下側に設ける場合には、装飾面712Sを基体401の裏面から離れるにつれて下側に傾斜するように突出させ、反射装飾部711で反射した光を遊技者の目の位置に向けて進行させることが好ましい。
ここで、環状配置光源720(下左光源720a)から出力された光に基づく反射装飾部711からの光の出力について、図21を参照して説明する。図21は、環状配置光源720(下左光源720a)からの光を反射装飾部711へ照射する形態を説明するために、図18のY1-Y1線を含む切断面による反射装飾体710の近傍を示す断面図である。
図21に示すように、下左光源720aから出力された光(例えば、実線及び一点鎖線で示す経路の光)は、反射装飾体710とは別に設けられた環状装飾体740を通過して反射装飾部711に照射される。この照射によって、反射装飾部711は、遊技者側に光を出力する。なお、以下において、反射装飾部711への光の照射形態の説明に先立ち、環状装飾体740の構成について説明する。
環状装飾体740は、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が照射される装飾部として、装飾図柄表示装置479の表示部479aの中心側に向けて移動可能な下左可動装飾部741aを備える。下左可動装飾部741aは、複数の環状配置基板721に1つずつ対応して設けられた複数の可動装飾部741の1つであり、下左基板721aに対応して設けられる。また、環状装飾体740は、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が照射される装飾部として、全ての可動装飾部741を前方側で覆い、遊技盤700の前後方向を回転軸として回動可能な円環形状の回動装飾部742を備える。下左基板721aは、左下可動装飾部741と一体化され、左下可動装飾部741と回動装飾部742とを基体401に支持する環状装飾支持部749を介して、基体401に支持される。また、下左可動装飾部741aや回動装飾部742は、下左基板721aのLED素子722aから出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能である。このため、反射装飾部711には、下左可動装飾部741aと回動装飾部742とを通過させた光を照射できる。この照射によって、遊技者は、装飾面712Sの装飾を視認できるようになる。
なお、左下可動装飾部741や回動装飾部742は、全体が光を通過させる構成である必要はなく、一部分のみが光を通過させる構成であってもよい。また、反射装飾部711は、左下可動装飾部741と回動装飾部742との2つの装飾部を通過した光が照射される位置に設けた構成としているが、この構成に限らず、いずれか一方の装飾部を通過した光が照射される位置に設ける構成としてもよい。また、反射装飾部711は、左下可動装飾部741と回動装飾部742との2つの装飾部を通過した光が照射される位置に設けた構成としているが、遊技盤700に反射装飾部711とは別に3つ以上の装飾部を設け、それらの装飾部を通過する光が照射される位置に設ける構成としてもよい。また、反射装飾部711は、左下可動装飾部741や回動装飾部742を形成する部材を通過した光が照射される構成としているが、この構成に限らず、左下可動装飾部741や回動装飾部742に開口を設け、その開口を通して光を進行させるなど、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が直接に照射される構成としてもよい。また、反射装飾部711には、左下可動装飾部741や回動装飾部742を通過した光が照射される構成としているが、この構成に限らず、遊技盤700に光ファイバや導光板等の所定の方向に光を誘導する導光部材を設け、その導光部材により誘導された光を反射装飾部711に照射する構成としてもよい。
反射装飾部711に形成される装飾は、無色透明な樹脂で形成される。このため、その装飾は、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が照射されない場合には視認困難又は視認不能であり、その光が照射された場合に視認できるようになる。したがって、反射装飾部711を、光で照射されていない状態から照射された状態に変化させることで、反射装飾部711における装飾が出現するように遊技者に見せることができる。なお、反射装飾部711における装飾は、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が照射されない場合に視認困難又は視認不能な構成としているが、この構成に限らず、その光が照射されない場合でも視認可能な構成としてもよい。
下左可動装飾部741a及び回動装飾部742の裏面(下左光源720aの配置側)は、連続的に凹凸が形成された形状とされる。このため、下左可動装飾部741aや回動装飾部742を通過した光を多様な方向に進行させる(散乱させる)ことができ、下左可動装飾部741aや回動装飾部742の全体に、下左基板721aに点在させたLED素子722aから出力される光を照射できる。更に、可動装飾部741a及び回動装飾部742を通過した光を多様な角度で反射装飾部711に照射することも可能になる。このように、反射装飾部711に多様な角度で光を照射できることで、反射装飾部711で反射した光も遊技者側に向けて多様な角度で進行させることができる。したがって、その反射した光を遊技者が視認できる角度範囲を大きくすることができ、遊技者の座高の違いにより目の位置が異なる場合であっても、また、遊技者が標準姿勢から前傾姿勢や後傾姿勢に変化させることで目の位置が変化したとしても、遊技者に反射装飾部711の装飾を視認させ易くできる。
ここで、下左基板721aのLED素子722aから出力された光の反射装飾部711における反射について説明する。反射装飾部711の通過部712は、無色透明の樹脂で形成され、また、反射部713は、通過部712の下面に貼着されたアルミニウム製の箔や膜や板などの表面に光沢のある金属部材で形成されている。このため、反射装飾部711に照射された光は、通過部712の上面である装飾面712Sと、反射部713の上面(装飾面712Sと反射部713の界面)とで反射する。装飾面712Sの上面で反射した光と、反射部713の上面で反射した光とは、装飾面712Sの異なる部位に照射されるために、装飾面712Sにおいて明るく視認できる範囲を拡大することが可能になる。更に、それらの光は遊技者によって同時に視認されるために、装飾面712Sの装飾をずれた位置で重なるように視認させることができる。遊技者が視認する装飾のずれは、通過部712の厚みで調整でき、そのずれによって、装飾面712Sの装飾を立体的に視認させることも可能になる。
なお、通過部712は、無色透明の樹脂で形成された構成としているが、この構成に限らず、有色透明の樹脂で形成される構成や、光を通過可能な樹脂以外の無色又は有色の材料で形成される構成としてもよい。また、反射部713は、通過部712に金属部材を貼着することで設けられた構成としているが、この構成に限らず、通過部712に金属材料等を蒸着することで膜状に設けられる構成としてもよい。反射部713は、通過部712に当接して設けられた構成としているが、この構成に限らず、通過部712から離間させて設ける構成としてもよい。この構成の場合、遊技者が視認する装飾のずれは、通過部712と反射部713との間隔で調整することもできる。
装飾面712Sは、反射部713とは反対側となる面側に起伏した形状部分を含む構成とされる。具体的には、装飾面712Sを形成する板状の通過部712を、略均一な厚さの平坦領域712aと、平坦領域712aの上面より所定の僅かな突出量(例えば、1mm以下)で突出させて、所定の図形を象る突出装飾領域712bとで形成することで、通過部712の上面である装飾面712Sは、起伏した形状部分を含む形状とされる。この装飾面712Sを下左基板721aのLED素子722aから出力される光を照射した場合、装飾が実際の突出量よりも高く突出しているように、遊技者に視認させることが可能になる。このため、装飾面712Sの装飾を目立たせることができ、反射装飾部711による演出の効果を高めることができる。
なお、突出装飾領域712bの上面は、平坦領域712aの上面に対して一定の高さである構成としているが、この構成に限らず、部位によって高さが異なる構成としてもよい。また、通過部712は、装飾としての所定の図形を平坦領域712aより反射部713の反対側に突出させる構成に限らず、平坦領域712aに対して反射部713側に陥没させる構成としてもよい。この場合、装飾が実際の陥没量よりも深く陥没しているように、遊技者に視認させることも可能になる。また、平坦領域712aは、同一の厚さとする構成としているが、この構成に限らず、基体401から遠ざかるにつれて厚さが厚くなる又は薄くなる構成であってもよい。この構成であれば、平坦領域712aの厚さの変化によって、遊技者側から見た装飾面712Sの傾斜を所定の角度に設定することもできる。
下左可動装飾部741aや回動装飾部742には、下左基板721aのLED素子722aの発色とは異なる複数の色を用いた装飾が形成されている。このため、下左基板721aのLED素子722aの発色とは異なる色の光を反射装飾部711に照射することができ、また、反射装飾部711を部位によって異なる色で発色させることもできる。更に、回動装飾部742を回動させることで、反射装飾部711の同じ部位を異なる色で発色させることもできる。
ここで、中央光源730から出力された光に基づく反射装飾部711からの光の出力について、図22を参照して説明する。図22は、中央光源730からの光を反射装飾体710へ照射する形態を説明するために、図18のY1-Y1線を含む切断面による反射装飾体710の近傍を示す断面図である。
図22に示すように、中央光源730から出力された光は、反射装飾体710とは別に設けられた中央装飾体750で反射して反射装飾部711に照射される。なお、以下において、反射装飾部711への光の照射形態の説明に先立ち、中央装飾体750の構成について説明する。
中央装飾体750は、中央基板731のLED素子732から出力された光が照射される飾部として、装飾が施された装飾部材753と、装飾部材753と中央基板731との間に配置され、中央基板731のLED素子732から出力された光を多様な方向に散乱させる散乱部材754とで構成された中央装飾部751を備える。中央基板731は、中央装飾部751と一体化され、中央装飾部751を支持する中央装飾支持部759を介して、基体401に支持される。また、装飾部材753は有色透明の樹脂で形成され、また、散乱部材754は無色透明の樹脂で形成されている。このため、装飾部材753や散乱部材754は、中央基板731のLED素子732から出力された光の一部を遊技者が位置する前方側へ通過可能であり、またその一部を反射可能である。
なお、装飾部材753や散乱部材754は、樹脂で形成された構成としているが、この構成に限らず、光を通過可能な樹脂以外の無色又は有色の材料で形成される構成としてもよい。また、中央装飾部751は、装飾部材753とは別に散乱部材754を備え、散乱部材754の裏面(中央基板731側の面)に形成された凹凸で光を散乱させる構成としているが、この構成に限らず、散乱部材754を設けず、装飾部材753の裏面側に凹凸を形成することで光を散乱させる構成としてもよい。
中央装飾体750は、中央装飾部751の周縁を囲う枠部752を備える。枠部752は、中央装飾部751と共に中央装飾支持部759を介して基体401に支持されている。また、枠部752は、散乱部材754において反射装飾部711の位置する下端部分754Bの前方側の一部のみを覆う。また、枠部752は、蒸着により形成された反射膜(図示せず)で表面が覆われた透明樹脂で形成されている。このため、中央基板731のLED素子732から出力された光であって散乱部材754の裏面で反射した光(例えば、図22に実線又は一点鎖線で示す経路で進行する光)を、枠部752の下端部分752Bで覆われない下端部分754Bを通過させて反射装飾部711側に出力することができる。
なお、中央装飾部751は、中央基板731のLED素子732から出力された光を反射させ、その反射した光を、枠部752の下端部分752Bで覆われない散乱部材754の下端部分754Bを通過させて反射装飾部711側に出力する構成としているが、この構成に限らず、中央基板731のLED素子732から出力された光を、散乱部材754で反射させずに、下端部分752Bで覆われない下端部分754Bを通過させ反射装飾部711側に出力する構成としてもよい。例えば、中央基板731に設けられる少なくとも1つのLED素子732を垂直な方向に対して下側(反射装飾部711側)に傾斜する方向に向けて出力する向きに配置し、LED素子732から出力された光を図22に二点鎖線で示す経路で進行させる構成としてもよい。また、中央装飾部751は、LED素子732から出力された光を下端部分754Bにおいて通過させ、反射装飾部711側に出力する構成としているが、この構成に限らず、下端部分754Bに開口や切り欠きを設け、開口や切り欠きを通して反射装飾部711側に出力する構成としてもよい。また、中央装飾部751は、枠部752の下端部分753Bの表面に反射膜を設け、下端部分754Bを通過して反射装飾部711側に出力される光を下端部分752Bで制限する構成としているが、この構成に限らず、枠部752の下端部分753Bの表面に反射膜を設けず、下端部分752Bと下端部分754Bとが重なる部分からも、光を反射装飾部711側に出力する構成としてもよい。
中央装飾体750は、基体401に対して中央装飾部751を支持する中央装飾支持部759を備える。中央装飾支持部759は、散乱部材754の下端部分754Bや反射装飾部711の装飾面712Sの後方側であって、下端部分754Bと装飾面712Sとの間の高さ位置に形成された壁759Bを含む。壁759Bは、中央装飾支持部759と一体成形され、無色透明の樹脂で形成されている。このため、壁759Bは、散乱部材754で反射して後方側に向けて下端部分754Bを通過した光の一部を前方側に反射し、反射装飾部711に出力することができる。なお、壁759Bは、照射された光の一部を照射された部位に依らずに通過させる構成としているが、この構成に限らず、壁759Bの表面の一部に、下左基板721aのLED素子722aから出力された光の通過を大幅に制限しない範囲で、光を反射可能な反射部材を設け、光が通過可能な範囲を制限する構成としてもよい。この構成の場合、中央基板731のLED素子732から出力された光の反射率を高めることができ、装飾面712Sを更に効率よく遊技者側に光を出力させることができる。
中央基板731のLED素子732から出力された光の反射装飾部711における反射については、下左基板721aのLED素子722aから出力された光の反射の場合と同様の効果を奏し、装飾面712Sの装飾をずれた位置で重なるように視認させることができる。
枠部752の下端部分752Bが散乱部材754の下端部分754Bを覆う被覆範囲は、中央基板731のLED素子732から出力された光が、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が照射される角度範囲(以下において照射角度範囲とも称す)と重複しない角度範囲で照射されるように設定される。このため、装飾面712Sを明るく視認できる角度範囲を拡大することができる。例えば、遊技者が前傾姿勢で、又は、遊技するパチンコ機を選ぶ場合のように立った姿勢で装飾面712Sを見た場合であっても、遊技者に装飾面712Sの装飾を明るく視認させることもできる。また、照射角度範囲が重複しないように設定することで、照射角度範囲が重複する場合のように装飾面712Sの装飾が4つのずれた位置に重なって視認され、立体的に見え難くなってしまうことを防止できる。したがって、LED素子722aやLED素子732から出力された光によって遊技者が装飾面712Sを明るく視認できる場合には、装飾面712Sの装飾を遊技者に立体的に視認させることが可能になる。
中央装飾部751が、可動装飾部741や回動装飾部742とは異なる色で発色するように着色される。このため、遊技者が、例えば標準姿勢から前傾姿勢に姿勢を変化させた場合、下左基板721aのLED素子722aや中央基板731のLED素子732の発光色を変化させていないにも関わらず、装飾面712Sの発光色を変化させることもできる。なお、枠部752の下端部分752Bによる散乱部材754の下端部分754Bの被覆範囲は、照射角度範囲が重複しない設定とする構成に限らず、照射角度範囲の少なくとも一部が重複するように設定する構成としてもよい。
中央装飾体750は、中央基板731に設けられた各LED素子732から出力された光の一部を枠部752の下端部分752Bで覆われない散乱部材754の下端部分754Bに向けて反射させる構成であってもよいし、中央基板731に設けられた一部のLED素子732のみからの光の一部を下端部分752Bで覆われない下端部分754Bに向けて反射させる構成であってもよい。
散乱部材754は、その裏面が下方側に向かうにつれて前方側へ突出するように傾斜させて配置される。このため、中央基板731のLED素子732からの光を、枠部752の下端部分752Bで覆われない散乱部材754の下端部分754Bに向けて反射させ易くすることができる。
上記のパチンコ機100において、下左基板721aに設けられたLED素子722aから所定の方向側に向けて出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部711を有する反射装飾体710を備える。更に、反射装飾部711に形成される装飾面712Sは、下左基板721aとは前後方向において重ならない位置において遊技者側から見て傾斜する向きに配置する。
これにより、反射装飾部711で反射させた光を遊技者の目の位置などの所定の位置に向けて進行させ、遊技者が視認する装飾面712Sの大きさが過度に小さくなることを抑制しつつ、遊技者が装飾面712Sを明るく視認できるようにすることが可能になる。また、中央基板731に設けられたLED素子732から出力される光によっても同様の効果を奏する。
また、装飾面712Sに、下左基板721aのLED素子722aと中央基板731のLED素子732との双方からの光を照射することで、発光した装飾面712Sを遊技者が視認できる角度範囲を、それらの一方のみの光を照射する場合に比べて拡大することも可能になる。
また、上記のパチンコ機100において、下左基板721aに設けられたLED素子722aから所定の方向側に向けて出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部711を有する反射装飾体710を備える。また、反射装飾体710は、LED素子722aから出力された光が通過する板状の通過部712と、通過部712に対してそれを通過した光が出力される側に重なる反射部713とで形成されている。更に、装飾面712Sは、通過部712において反射部713とは反対側となる面側に形成されている。
これにより、通過部712を通過せずに通過部712の表面で反射した光により視認される装飾面712Sの装飾と、通過部712を通過して反射部713で反射した後に更に通過部712を通過した光により視認される装飾面712Sの装飾とがずれた位置で重ね合わさった状態に視認させることができる。このため、装飾面712Sを突出装飾領域712bの突出量が小さく平面的に形成したとしても、突出装飾を立体的に視認させることが可能になる。
以下に、反射装飾体710による装飾に関する他の特徴的な構成について説明する。
図18に示すように、装飾面712Sは、装飾図柄表示装置479(表示手段)において装飾図柄(識別情報)が表示される表示部479aが設けられる側が内側となるように湾曲した形状に構成される。遊技者の視界の外縁は概ね横長の楕円となるために、遊技進行に応じた主たる演出が実行される表示部479aを見ている場合に、装飾面712Sの全体を視界の範囲内に納め易くできる。また、下左基板721aのLED素子722aや中央基板731のLED素子732から出力された光が、反射装飾部711のいずれの部位に照射されたとしても、反射装飾部711で反射した光を、遊技者の目の位置に近づく方向に進行させ易くなる。また、遊技者の視線と装飾面712Sの各部位とのなす角を一定にし易くなり、装飾面712Sが歪んで見えることを抑制可能になる。
図19に示すように、反射装飾部711の装飾面712Sは、正面視で、概ね、環状装飾体740の回動装飾部742の外輪郭に沿う湾曲形状とされている。また、装飾面712Sには、装飾として、複数の所定の図形を象る突出装飾領域712b(図20参照)が、回動装飾部742の外輪郭に沿って形成されている。また、回動装飾部742には、装飾として、所定の模様(図18参照)が全体に亘って形成されている。下左基板721aのLED素子722aからの光が出力された場合、回動装飾部742が発光した状態となり、回動装飾部742を通過した光が反射装飾部711に照射される。このとき、遊技者は、装飾面712Sに形成された装飾を視認できると共に、装飾面712Sに映り込んだ回動装飾部742の装飾を視認できる。このため、装飾面712Sに複雑な装飾を施しているかのように、遊技者に見せることが可能になる。
なお、反射装飾部711の装飾と回動装飾部742との装飾を全体的に重ね合わせて遊技者に見せる構成としているが、この構成に限らず、例えば、回動装飾部742に、装飾面712Sに形成された1つの図形を強調可能な所定の模様を局所的に施し、回動装飾部742の回動に伴い強調される図形が変化するように遊技者に見せる構成としてもよい。また、例えば、反射装飾部711には、草原を模した装飾を施し、回動装飾部742には、動物を模した装飾を施して、回動装飾部742の回動に伴い動物が草原を駆け抜けるように見せる構成としてもよい。
反射装飾部711の少なくとも一部は、図18に示すように、下側中始動入賞装置431Bの近傍であって、下側中始動入賞装置431Bへ左側から進入する可能性のある遊技球が通過する通過領域の近傍に配置される。具体的には、反射装飾部711の少なくとも一部が、正面視で、下側中始動入賞装置431Bの近傍の左側の通過領域の僅かに下側に位置するように配置される。下側中始動入賞装置431Bの近傍での遊技球の挙動は遊技者が注目する箇所の1つである。このため、下側中始動入賞装置431Bの近傍での遊技球の挙動に遊技者が注目している場合に、その注目箇所を反射装飾部711による演出で彩ることができる。また、遊技球の挙動が装飾面712Sによる装飾の中で行われているかの如く見せることもできる。
なお、反射装飾部711は、その少なくも一部が中央構造体420の下端部分に形成された下ステージ427の近傍に位置するように配置される構成としてもよい。ここで、下ステージ427は、上ステージ426から落下してきた遊技球を左右に繰り返し転動させて、下側中始動入賞装置431Bの上方側の近傍から遊技球を落下させる。下ステージ427での遊技球の挙動は遊技者が注目する箇所の1つであり、その注目箇所を反射装飾部711による演出で彩ることができる。また、反射装飾部711は、その少なくも一部が遊技者によって注目される箇所の1つである上ステージ426の近傍に位置するように配置される構成としてもよい。
遊技盤700には、図18及び図19に示すように、反射装飾部711と同様の構造であるが、正面視での形状が異なる他の反射装飾部711を有する他の反射装飾体710を備える。他の反射装飾部711による演出は、環状配置光源720の1つである下右光源720bからの光が照射されること以外は、反射装飾部711による演出の場合と同様に実行され、同様の効果を奏する。また、他の反射装飾体710の少なくとも一部は、図18に示すように、下側中始動入賞装置431Bの近傍であって、下側中始動入賞装置431Bへ右側から進入する可能性のある遊技球が通過する通過領域の近傍に配置される。このため、反射装飾部711と他の反射装飾部711とによる演出によって、下側中始動入賞装置431Bの近傍の左右全体を彩ることができる。
なお、パチンコ機100において、環状配置光源720や中央光源730からの光を装飾面712Sに照射することで、装飾面712Sを明るく視認させる構成としているが、装飾面712Sに施された装飾を直接的に視認した場合と、その装飾が反射部713で反射したものを間接的に視認した場合とで、装飾がずれた位置で重なった状態に遊技者から視認可能である限りにおいて、環状配置光源720や中央光源730からの光が照射されない構成としてもよい。更に、環状配置光源720や中央光源730等のパチンコ機100に設けられた各種の光源からの光が照射されず、室内照明等からの光のみが照射される構成であってもよい。
<特典領域409Vへの遊技球の進入制御>
次に、特典領域409V(特定通路)への遊技球の進入を好適に制御可能な構成について、図7と共に、図23及び図24を参照して説明する。
特典領域409Vへの遊技球の進入は、特典領域409Vの入口に設けられた振分機構437(図7参照)と、振分機構437よりも遊技球の流下方向の上流側に設けられた上進入規制機構454(図7参照)との動作制御に基づいて制御される。具体的には、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選による大当りの当選の一部(第1の種類の大当り)に基づき移行する特別遊技状態において、右打ち遊技手法によって遊技を継続する限り、遊技球が特典領域409Vに進入するように、振分機構437と上進入規制機構454との動作制御が実行される。一方、第1の種類の大当りとは別の種類の大当りの当選(第2の種類の大当り)に基づき移行する特別遊技状態においては、遊技球が特典領域409Vに進入しないように、振分機構437と上進入規制機構454(切替機構)との動作制御が実行される。以下において、第1の種類の大当りに基づいて実行され、特典領域409Vへの遊技球の進入により確変遊技状態へ移行することが予定された特別遊技状態を、確変予定の特別遊技状態とも称し、第2の種類の大当りの当選に基づいて実行され、特典領域409Vへの遊技球の進入がないことにより時短遊技状態へ移行することが予定された特別遊技状態を、時短予定の特別遊技状態とも称す。
パチンコ機100は、確変予定の特別遊技状態において、所定のラウンドが開始された場合には、振分機構437(振分機構)が進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454(切替機構)が進行可能状態となって、所定のラウンドにおいて特典領域409Vへ遊技球が進入可能に構成されている。ここで、振分機構437の進入可能状態とは、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態である。また、上進入規制機構454の進行可能状態とは、振分機構437側に遊技球が進行可能な状態であり、具体的には、上進入規制機構454から振分機構437に向けて遊技球を案内する案内通路494に遊技球を進入させることが可能な状態である。所定のラウンドが開始された場合に、振分機構437を進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454を進行可能状態とすることで、所定のラウンドの開始から所定の時間経過してから、案内通路494へ遊技球を進入させることができるようになる。
上進入規制機構454と振分機構437とは、複数回のラウンドを組み合わせて構成される確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態で動作する。上進入規制機構454は、それらの特別遊技状態の全てのラウンドにおいて動作するが、振分機構437は、少なくとも一部のラウンドにおいて動作する。具体的には、振分機構437は、確変予定の特別遊技状態においても、時短予定の特別遊技状態においても、複数回のラウンド(例えば、15ラウンド)のうち第1回目に実行されるラウンド(以下においては、第1ラウンドとも称す)において動作する。以下において、上進入規制機構454と共に振分機構437が動作するラウンドであって、特別遊技状態の後に移行する遊技状態が決定されるラウンドを、移行先決定ラウンドとも称す。
上進入規制機構454は、進入規制シャッタ454A(図24参照)の姿勢を変化させる上進入規制モータ464(図10参照)として、ステッピングモータを備えている。上進入規制モータ464は、上進入規制機構454に動力を与える回転軸の順方向への回転により、上進入規制機構454(進入規制シャッタ454A)を進入禁止姿勢(図24(A)に一点鎖線で示す姿勢を参照)から進入許容姿勢(図24(C)に示す姿勢を参照)に姿勢変化させることができ、また、順方向とは反対の逆方向への回転により、進入許容姿勢から進入禁止姿勢に姿勢変化させることができる。また、上進入規制モータ464は、回転軸の所定の速度での回転により、上進入規制機構454を所定の通常形態で姿勢変化させることができ、また、所定の回転速度よりも低速度(例えば、所定の回転速度の100分の1程度の速度)での回転により、上進入規制機構454を通常形態よりも遅く姿勢変化させることができる。なお、上進入規制モータ464としては、ステッピングモータに限らず、DCモータを用いる構成としてもよい。
また、上進入規制機構454を通常形態よりも遅く姿勢変化させるための上進入規制モータ464の回転速度は、第1ラウンドが開始されてから上進入規制機構454が進行可能状態となるまでの時間が、第1ラウンドが開始されてから振分機構437が進入可能状態となるまでの時間よりも長くなる速度に設定されている。このため、上進入規制モータ464の回転速度の設定によって、移行先決定ラウンドである第1ラウンドが開始された場合に、振分機構437の進入可能状態への移行後に、上進入規制機構454を進行可能状態となる形態(以下において、遅延形態とも称す)で姿勢変化させることができる。なお、上進入規制機構454の姿勢変化の速度を振分機構437の姿勢変化よりも遅くし、振分機構437が進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454を進行許可状態とする構成であるが、この構成に限らず、上進入規制機構454の姿勢変化の速度によらず、上進入規制機構454の姿勢変化の開始を、振分機構437が進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454を進行許可状態となるように、第1ラウンドの開始から遅らせる構成としてもよい。上進入規制機構454の姿勢変化の開始を遅らせる構成の場合、上進入規制モータ464に代えて、上進入規制機構454の姿勢変化の速度が一定の駆動装置を用いてもよく、例えば、電磁式のソレノイドを用いることもできる。
ここで、上進入規制機構454及び振分機構437の動作制御について説明する。図23は、特典領域409Vに遊技球が進入可能なラウンド(移行先決定ラウンド)での上進入規制機構454及び振分機構437の動作制御を模式的に示すタイミングチャートである。なお、図23において、図中の上側部分に、確変予定の特別遊技状態での動作を示し、図中の下側部分に、時短予定の特別遊技状態での動作であって確変予定の特別遊技状態と相違する動作も示している。
確変予定の特別遊技状態において第1ラウンドが開始される場合、図23に示すように、ラウンド中フラグがオン状態となり、第1ラウンド(図中の丸括弧付きの数字)が開始される(時刻t1)。ラウンド中フラグは、ラウンド中であるか否かを識別する情報であり、主制御基板920のRAM922(図10参照)に記憶されている。ラウンド中フラグは、第1ラウンドの開始から最大継続時間TA(所定の経過時間:29.5秒)が経過した場合に、一点鎖線で示すように、オフ状態となる(時刻ta10)。ラウンド中フラグがオフ状態となることで、第1ラウンドが終了する。また、詳細は後述するが、上大入賞カウンタの値が第1ラウンドの規定数(10個)に到達した場合には(t8)、実線で示すように、その検知から所定の期間(例えば3.0秒)の経過を待ってオフ状態となる(時刻t10)。また、ラウンド中フラグは、第1ラウンドが終了した後に、所定の時間(例えば、3.0秒)が経過した場合に、次のラウンドを開始するために、オン状態となる(時刻ta11)。
時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいては、ラウンド中フラグは、オン状態となってから(時刻tb1)、確変予定の特別遊技状態での最大継続時間TAよりも短い最大継続時間TI(例えば、4.0秒)が経過した場合に、オフ状態となる。
第1ラウンドの開始からの経過時間は、主制御基板920のRAM922に記憶されているラウンド制御タイマ(図示せず)で計測される。主制御基板920は、第1ラウンドラウンド制御タイマに、主制御基板920のROM(図示せず)に記憶された第1ラウンドの最大継続時間TAに対応する値を初期設定する。主制御基板920のROM(図示せず)には、最大継続時間TAに対応する値と共に、時短予定の特別遊技状態における第1ラウンドの最大継続時間TIに対応する値も記憶されており、主制御基板920は、実行中の特別遊技状態に応じて選択する。ラウンド制御タイマは、主制御基板920で実行される一定間隔(例えば、2ms)のタイマ割り込みごとに、その値が1ずつ減少するように更新される。これにより、主制御基板920は、ラウンド制御タイマの値が「0」に戻ることを検知することで、最大継続時間の経過によりラウンド中フラグをオフ状態とし(時刻ta9)、第1ラウンドを終了させることができる(ラウンド時間終了手段)。なお、主制御基板920は、第1ラウンド以外の各ラウンドの最大継続時間に対応する値も記憶しており、実行されるラウンドに応じて選択する。
また、第1ラウンドの開始に伴い、上大入賞カウンタが、「0」に初期設定される。上大入賞カウンタは、主制御基板920のRAM922に記憶され、各ラウンド内で上大入賞スイッチ444(図7参照)により検出された遊技球の個数を計数するもので、上大入賞スイッチ444により遊技球が検出される毎に「1」ずつ増加するように更新される。
主制御基板920は、上大入賞カウンタの値が主制御基板920のROMに記憶された規定数(10個)であるかを判定し、上大入賞カウンタの値が規定数に達した場合に(時刻t8)は、最大継続時間TAが経過する前であっても、上進入規制機構454の動作を中断させ、また、振分機構437の動作を中断させた後に(時刻t9)、第1ラウンドを終了させる(時刻t10)。なお、第1ラウンド以外の他のラウンドも同様である。各ラウンドは、最大継続時間TAが経過する前に、上大入賞カウンタの値が規定数となることで終了する構成であるが、この構成は必須の構成ではなく、例えば、各ラウンドを所定の継続時間の経過のみによって終了させる構成としてもよい。
また、第1ラウンドの開始に伴い、回転方向指定情報(図示せず)が、上進入規制機構454を進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ姿勢変化させるため順方向の回転を指定する「1」に設定される。回転方向指定情報は、上進入規制機構454を駆動するステッピングモータの回転方向を指定する情報であり、主制御基板920のRAM922に記憶されている。回転方向指定情報の値は、「1」以外に、上進入規制機構454をから進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ姿勢変化させるため逆方向の回転を指定する「2」をとり、また、ステッピングモータの回転の停止を指定する「0」をとる。主制御基板920は、ステッピングモータの回転状態を変化させるタイミングを指定する情報と、そのタイミングごとに選択する回転方向指定情報の値とを関連づけてROMに記憶している。
主制御基板920は、例えば、ラウンド制御タイマの値がタイミングを指定する値となったことを検知すると、そのタイミングに関連付けられた回転方向を指定する値を回転方向指定情報に設定する。例えば、主制御基板920は、一点鎖線で示すように、上進入規制機構454を進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ姿勢変化させる8回のタイミング(例えば、時刻t1や時刻t6)に対応付けて「1」、上進入規制機構454を進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ姿勢変化させる8回のタイミング(時刻t5や時刻t7)に対応付けて「2」を記憶している。また、上進入規制機構454の姿勢変化を停止させるために、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化を停止させる8回のタイミング(例えば、時刻t6直後や時刻t4)と、進入許容姿勢から進入禁止姿勢変化への姿勢変化を停止させる8回のタイミング(例えば、時刻t5直後や時刻t7直後)の16回のタイミングに対応付けて「0」を記憶している。
また、第1ラウンドの開始に伴い、上進入規制機構454を遅延形態(低速)で姿勢変化させるために、回転速度指定フラグがオン状態となる。回転速度指定フラグは、上進入規制機構454を通常形態(高速)で姿勢変化させるか遅延形態で姿勢変化させるかを、ステッピングモータの回転速度で指定する情報であり、主制御基板920のRAM922に記憶されている。回転速度指定フラグは、所定の時間(時間TB+TE)が経過し、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化の完了によって、オフ状態となる(時刻t4)。また、回転速度指定フラグは、確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態において、移行先決定ラウンドである第1ラウンド以外のラウンドにおいて設定されることはない。
主制御基板920は、ステッピングモータの高速での回転速度に対応する値と低速での回転速度に対応する値をROMに記憶している。主制御基板920は、回転速度指定フラグがオン状態である場合には、低速での回転速度に対応する値を選択し、ステッピングモータを低速で回転させ、回転速度指定フラグがオフ状態である場合には、高速での回転速度に対応する値を選択し、ステッピングモータを高速で回転させる。
上進入規制機構454の姿勢変化は、回転方向指定情報と回転速度指定フラグとの設定状態に基づいて決定され、第1ラウンドの開始に伴って開始される姿勢変化は、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への低速での姿勢変化(遅延形態の姿勢変化)となる。また、進入禁止姿勢から進入許容姿勢へのその他の姿勢変化(通常形態の姿勢変化)や、進入許容姿勢から進入禁止姿勢への姿勢変化は、遅延形態の場合よりも高速での姿勢変化となる。また、時短予定の特別遊技状態においては、回転速度指定フラグが確変予定の特別遊技状態の場合より早くオフ状態となり、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化の途中で、遅延形態の姿勢変化から通常形態の姿勢変化となる。
また、ステッピングモータの低速での回転速度に対応する値は、上進入規制機構454の遅延形態での姿勢変化に要する時間が振分機構437の姿勢変化に要する時間(非誘導姿勢から誘導可能姿勢に姿勢変化するまでの時間よりも遅くなる範囲の値に設定されている。これにより、上進入規制機構454を、振分機構437が進入可能状態へ移行した後に、振分機構437側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とすることができる(切替制御手段)。
また、第1ラウンドの開始に伴い、振分ソレノイド作動フラグ(図示せず)がオン状態となる。振分ソレノイド作動フラグは、振分ソレノイド465を作動するか否かを指定するフラグであり、主制御基板920のRAM922に記憶されている。振分ソレノイド作動フラグがオン状態となると、振分ソレノイド465への通電が開始されて作動し、振分機構437は、非誘導姿勢から誘導姿勢への姿勢変化を開始する。振分機構437は、誘導姿勢へ変化した後、振分ソレノイド465への通電が維持された状態で、誘導姿勢で維持される。一方、振分ソレノイド作動フラグがオフ状態となると、振分ソレノイド465への通電が停止され、振分機構437は、誘導姿勢から非誘導姿勢への姿勢変化を開始する。振分機構437は、非誘導姿勢となった後は、非誘導姿勢に維持される。主制御基板920は、振分ソレノイド465へ通電するタイミングを指定する情報と、その通電を停止するタイミングを指定する情報とをROMに記憶している。主制御基板920は、例えば、一点鎖線で示すように、ラウンド制御タイマの値が振分ソレノイド465へ通電する2回のタイミング(時刻t1,時刻t4)やその通電を停止する2回のタイミング(時刻t2,時刻t9)を指定する値となったことを検知すると、振分ソレノイド作動フラグの状態を切り替える。
ここで、移行先決定ラウンドにおける上進入規制機構454及び振分機構437の動作形態について、図24を参照して説明する。図24は、図7のY2-Y2線を含む切断面による断面により、上進入規制機構454及び振分機構437の動作形態を示す断面図である。図24(A)が図23における時刻t1の直後、図24(B)が時刻t3、図24(C)が時刻t4における上進入規制機構454及び振分機構437の姿勢を示す。なお、図24(A)においては、一点鎖線で、図23における時刻t1における上進入規制機構454及び振分機構437の姿勢も示している。また、図24(A)においては、上進入規制機構454の上面に沿ってY2-Y2線を含む切断面より下流側(紙面裏側:図7における右側)を流下中の遊技球を、図24(B)においては、案内通路494に進入中の遊技球も示している。
図24(A)に示すように、振分機構437は、基体401の前後方向(図24(A)等の左右方向)に移動可能な板状の振分シャッタ437Aを備える。振分シャッタ437Aは、振分機構437が非誘導姿勢(一点鎖線で示す姿勢)である場合に、遊技盤400の前側(図24(A)等では右側)への遊技球の移動を制限する前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径よりも狭い間隔D1となる位置に配置される。このため、振分シャッタ437Aは、特典領域409Vへの遊技球の進入を阻止し、振分シャッタ437Aの上面に接触した遊技球を非特典領域409N(図7参照)に進入させることができる。
振分シャッタ437Aは、振分機構437が誘導姿勢である場合には、図24(C)に示すように、非誘導姿勢であるときより基体401側に引き込まれ、前壁481と振分シャッタ437Aの先端との間隔が遊技球の直径より広い位置に配置される。このため、振分シャッタ437Aに向けて案内通路494を進行してきた遊技球は、特典領域409Vに進入することができる。
振分機構437は、非誘導姿勢から誘導姿勢に移行する過程において、図24(A)に示すように、前壁481と振分シャッタ437Aの先端との間隔が遊技球の直径と略同一で、案内通路494に遊技球を進入させることができる位置に配置される姿勢(以下、誘導可能姿勢とも称す)をとる。振分機構437が誘導可能姿勢から誘導姿勢までの範囲の姿勢をとる状態が、振分機構437の進入可能状態である。
また、図24(A)に示すように、上進入規制機構454は、基体401の前後方向に移動可能な板状の進入規制シャッタ454Aを備える。進入規制シャッタ454Aは、上進入規制機構454が進入禁止姿勢(一点鎖線で示す姿勢)である場合に、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径よりも狭い間隔D1となる位置に配置される。このため、進入規制シャッタ454Aは、案内通路494への遊技球の進入を阻止し、進入規制シャッタ454Aの上面に沿って遊技球を進行させる。
また、進入規制シャッタ454Aは、図24(C)に示すように、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合に、進入禁止姿勢であるときより基体401側に引き込まれ、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径より広い位置に配置される。このため、上進入規制機構454に向けて流下してきた遊技球は、案内通路494に進入することができる。
上進入規制機構454は、進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行する過程において、図24(B)に示すように、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径と略同一で、案内通路494に遊技球を進入させることができる位置に配置される進入可能姿勢をとる。上進入規制機構454が進入可能姿勢から進入許容姿勢までの範囲内の姿勢をとる状態が、上進入規制機構454の進行可能状態である。
進入規制シャッタ454Aは、上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合に、その先端と前壁481との間隔が、非誘導姿勢をとる振分シャッタ437Aの先端と前壁481との間隔と同一の間隔となる位置に配置されている。このため、上進入規制機構454が進入禁止姿勢から進入可能姿勢に移行するまでに必要な振分シャッタ437Aの移動距離は、振分機構437が非誘導姿勢から誘導可能姿勢になるまでに必要な移動距離と同一の距離D2である。したがって、進入規制シャッタ454Aと振分シャッタ437Aとが同時に移動を同時に開始したとしても、進入規制シャッタ454Aの移動の速度が振分シャッタ437Aの移動の速度よりも遅いために、上進入規制機構454が進入可能姿勢となるまでの時間を振分機構437が誘導可能姿勢となるまでの時間より遅らせることができる。
なお、上進入規制機構454は、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の半径と同一である姿勢となった後も、低速の移動速度で移動する構成であるが、この構成に限らず、回転速度指定フラグのオン状態の期間が時間TB+時間TEよりも短く設定され、その間隔が遊技球の半径と同一となる前に、上進入規制機構454の姿勢変化が遅延形態から通常形態に戻る構成であってもよい。この場合、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間で、遊技球の下端が進入規制シャッタ454Aの上面よりも低い位置に入り込むことで、進入規制シャッタ454Aに沿った遊技球の流下を円滑に行えなくなることを抑制できる。
また、進入規制シャッタ454Aや振分シャッタ437Aは、前後方向に移動する構成であるが、この構成に限らず、前後方向を軸とする所定の角度で回転により左右方向に傾斜する構成としてもよいし、左右方向を軸とする所定の角度で回転により前後方向に傾斜するように移動する構成としてもよい。また、上進入規制機構454や振分機構437は、板状の可動部材で進入先を振り分ける構成であるが、羽根状の可動部材によって進入先を振り分ける構成としてもよい。
ここで、図23の説明に戻り、振分機構437は、時刻t2の直後(例えば、0.01秒)に誘導可能姿勢となってから所定の時間TC(例えば、0.05秒)後であって、上進入規制機構454が進入可能姿勢となる前に(時刻t3)、非誘導姿勢に戻る(時刻t2)。その後、振分機構437は、所定の時間TD(例えば、9.0秒)の間、非誘導姿勢に維持される。振分機構437が再び非誘導姿勢から誘導姿勢への移行を開始するまでの時間TDは、進入規制シャッタ454Aの上流端側で案内通路494に進入してから振分シャッタ437Aに到達するまでの平均時間(以下において、平均進行時間とも称す:例えば、1.5秒)よりも十分に長く設定されている。
振分機構437は、一旦非誘導姿勢に戻った後に、再度、誘導姿勢への姿勢変化を開始し(時刻t4)、1回目の期間(時刻t1~時刻t2)の場合よりも長い時間に亘って誘導姿勢に維持される。なお、詳細は後述するが、振分機構437は、一旦、誘導姿勢に移行した後に、所定の時間TDに亘り非誘導姿勢をとることで、時短予定の特別遊技状態において、遊技球が特典領域に進入してしまうことを防止することが可能になる。
振分機構437が2回目の誘導姿勢に維持されている間に、上大入賞カウンタの値が規定数(図23では「10」)となった場合(時刻t8)、振分機構437は、所定の時間TH(例えば、2.5秒)の経過を待って、非誘導姿勢に戻る(時刻t9)。時間THは、案内通路494に対する平均進行時間よりも長く設定される。これは、後述するように、上大入賞カウンタの値が規定数(図23においては10個)となった場合に、上進入規制機構454は進入許容姿勢であれば進入禁止姿勢に戻されるが、進入禁止姿勢に戻される直前に案内通路494に進入した遊技球が特典領域409Vに進入しなくなることを抑制するためである。更に、振分機構437が非誘導姿勢に戻ってから所定の時間(0.5秒)の後に、ラウンド中フラグがオフ状態となり、第1ラウンドが終了する(時刻t10)。振分機構437が非誘導姿勢に戻ってからラウンド中フラグがオフ状態となるまでの時間は、振分機構437が非誘導姿勢に戻る直前に進入した遊技球が特定通路スイッチ448にて検出される前に、第1ラウンドが終了してしまうことを抑制するためである。
また、振分機構437は、上大入賞カウンタの値が規定数とならない場合には、一点鎖線で示すように、2回目の誘導姿勢への姿勢変化の開始(時刻t4)から所定の時間TGの経過によって非誘導姿勢に戻る(時刻ta9)。更に、振分機構437が非誘導姿勢に戻ってから所定の時間の後に、ラウンド中フラグがオフ状態となり、第1ラウンドが終了する。
上進入規制機構454は、回転速度指定フラグがオン状態であるために、遅延形態で姿勢変化を開始する。このため、上進入規制機構454は、振分機構437が誘導可能姿勢となった場合(時刻t1の直後)に、まだ進入可能姿勢とはならず(図24(A)も参照)、振分機構437が誘導可能姿勢となってから所定の時間TB後に、進入可能姿勢となる(時刻t3)。時間TBや時間TEは、ステッピングモータの進入許容用の励磁パターンに沿って励磁状態を移行させる時間間隔の設定を変更することで変化させることができる。
上進入規制機構454は、進入可能姿勢となってから所定の時間TE(例えば、2.5秒)の後であって、振分機構437が2回目の誘導姿勢への移動を開始すると略同時に(時刻t4)、進入許容姿勢となり、所定の時間TF(例えば、0.8秒)に亘り進入許容姿勢に維持される(時刻t5)。その後、上進入規制機構454は、回転速度指定フラグがオフ状態であるために、通常形態の姿勢変化を開始し、所定の時間(例えば、0.02秒)後に、進入禁止姿勢に戻る。このため、上進入規制機構454が1回目の進行可能状態である期間(概ね時刻t3~時刻t5)に、案内通路494に進入した遊技球であっても、特典領域409Vに進入させることができる。なお、上進入規制機構454が進入可能姿勢となってから振分機構437が2回目の誘導姿勢への移動を開始するまでの時間TEは、案内通路494における遊技球の平均進行時間よりも長く設定される構成であるが、時間TEを平均進行時間よりも短く設定して、案内通路494に進入した遊技球を特典領域409Vに進入させる確実性を向上させる構成としてもよい。更に、振分機構437が2回目の誘導姿勢への移動を開始した後に、上進入規制機構454が進入可能姿勢となる構成としてもよい。この場合、案内通路494に進入した遊技球を特典領域409Vに確実に進入させることができる。
上進入規制機構454は、1回目の進行可能状態を発生させる動作(時刻t1~t5)から所定の時間TK(例えば、1.2秒)後に、進入許容姿勢への移動を開始し(時刻t6)、その姿勢を所定の時間TFに亘り継続する(時刻t7)。その後、上進入規制機構454は、進入禁止姿勢に戻る。この上進入規制機構454による2回目の進行可能状態を発生させる動作(時刻t6~時刻t7)は、振分機構437が2回目の進入可能状態である期間(時刻t4~時刻ta9)に行われる。また、上進入規制機構454は、この2回目の進行可能状態を発生させる動作と同じ動作を、更に最大で6回(都合7回)繰り返す。
上進入規制機構454が、規定回数(8回)の進行可能状態を発生させる動作を完了する前に、上大入賞カウンタの値が規定数(10個)となった場合に、上進入規制機構454は、進行可能状態を発生させる動作中であれば、進入禁止姿勢に戻る(時刻t9)。
なお、確変予定の特別遊技状態において、上進入規制機構454による進行可能状態を発生させる動作を複数回(8回)に分けて行う構成であるが、この構成に限らず、その動作を1回のみ行う構成、例えば、時刻t4で進入許容姿勢となった上進入規制機構454の姿勢を継続させる構成としてもよい。同様に、確変予定の特別遊技状態において、振分機構437による進入可能状態を発生させる動作を複数回(2回)に分けて行う構成であるが、この構成に限らず、その動作を1回のみ行う構成、例えば、第1回目の進行可能状態を発生させる動作を行わない構成としてもよい。
また、振分機構437が長く進入可能状態である期間(時刻t4~時刻ta9)において、上進入規制機構454による進行可能状態を発生させる動作を複数回(7回)に分けることで、特典領域409Vへの遊技球の進入を制限する構成であるが、この構成に限らず、上進入規制機構454が進行可能状態である期間において、振分機構437による進入可能状態を発生させる構成、例えば、時刻t4で進入許容姿勢となった上進入規制機構454の姿勢を継続させ、時刻t4~時刻ta9に振分機構437による進入可能状態を発生させる動作を複数回繰り返す構成としてもよい。
ここで、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおける上進入規制機構454及び振分機構437の動作について説明する。時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいては、振分機構437に対して、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドと同じ制御が主制御基板920によって実行される。また、時短予定の特別遊技状態における第1ラウンドの最大継続時間TIは、振分機構437が2回目の誘導姿勢(進入可能状態)への変化を開始するまでの時間(時間TC+時間TD)より短く設定されている。このため、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、振分機構437は、1回の誘導姿勢への姿勢変化が行われるだけで、2回目の誘導姿勢への姿勢変化は行われない。
また、上進入規制機構454は、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドの開始(時刻tb1)に伴い、確変予定の特別遊技状態の場合と同様に回転速度指定フラグがオン状態であるため、遅延形態で姿勢変化を開始する。しかし、回転速度指定フラグが設定されている時間が、確変予定の特別遊技状態における時間(時間TB+時間TE)よりも短い時間TJ(例えば、0.8秒)に設定されている。このため、上進入規制機構454が進入許容姿勢へ変化している途中で回転速度指定フラグがオフ状態となり(時刻tb3)、上進入規制機構454の姿勢変化が通常形態の速度変化に戻る。この場合、第1ラウンドが開始してから所定の時間TJまでは、確変予定の特別遊技状態の場合と同じ遅延形態で姿勢変化するため、第1ラウンドの開始直後に、上進入規制機構454の動作形態の相違によって確変予定の特別遊技状態であるか時短予定の特別遊技状態であるかが遊技者によって識別されることを抑制できる。
また、時間TJが経過した後には、上進入規制機構454は、進入可能姿勢を経て進入許容姿勢となる。上進入規制機構454は、所定の時間TFに亘り進入許容姿勢に維持された後、通常形態で進入禁止姿勢に戻る(時刻tb5)。その後は、上進入規制機構454が時刻ta8から時刻ta10の場合と同様に動作し、第1ラウンドが終了する(時刻tb10)。第1ラウンドの終了から所定の間隔を隔てて、第2ラウンドが開始される(時刻tb11)。
ここで、時短予定の特別遊技状態においては、振分機構437がラウンドの開始後に一旦進入可能状態となってから進入禁止状態に戻った後、上進入規制機構454が進行可能状態に移行する。このため、振分機構437が進入可能状態である状況において振分機構437に遊技球が到達することはなく、特典領域409Vに進入することがない。また、時刻tb5から時刻tb10までの時間が、案内通路494に対する平均進行時間より十分に長い4倍程度に設定されている。このため、進入許容動作により遊技球が案内通路494に進入したとしても、案内通路494に進入した遊技球が進入可能状態でない振分機構437に到達し、特典領域409Vに進入してしまうことを防止できる。また、上進入規制機構454が進行可能状態でなくなってから第1ラウンドの終了まで、振分機構437が進入可能状態となることがないため、上進入規制機構454による1回目の進行可能状態となる動作によって球噛みが発生し、その遊技球と新たに流下してきた遊技球が衝突して、挟まれた遊技球が案内通路494に進入すると共に衝突した後続の遊技球が噛まれるといった現象が連続し、遊技球が案内通路494に進入してしまうような事態(以下において、球噛み連鎖通過と称す)が発生したとしても、特典領域409Vに進入してしまうことはない。したがって、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、遊技球が特典領域409Vに流入することを防止できる。
このように、上記のパチンコ機100であれば、確変予定の特別遊技状態の移行先決定ラウンド(第1ラウンド)が開始された場合に、振分機構437が誘導可能姿勢(進入可能状態)となった後に、上進入規制機構454が進入可能姿勢(進行可能状態)となる。このような場合であっても、上進入規制機構454が進行可能状態となるタイミングを遅らせることで、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、特典領域409Vに少なくとも1球の遊技球を確実に進入させることが可能になる。また、第1ラウンドの開始から所定の期間の経過後に振分機構437が進入可能状態でない期間が設けられ、その期間に球噛み連鎖通過等の異常事態が発生することを抑制できる。
また、確変予定の特別遊技状態においては、振分機構437は、一旦、短時間(略時間TC)だけ進入可能状態となった後に、所定の時間TDの非誘導姿勢を経て、1回目よりも長時間に亘り進入可能状態となる。このため、振分機構437が2回目に進入可能状態である期間(時刻t4~時刻t9)には遊技球を特典領域409Vにほぼ確実に流入させることができる。
また、時短予定の特別遊技状態において、振分機構437が短時間だけ進入可能状態となってから非誘導姿勢に戻った後に、上進入規制機構454が進行可能状態となる。このため、時短予定の特別遊技状態の移行先決定ラウンドにおいて遊技球が特典領域409Vに進入しないようにできる。また、球噛み連鎖通過によって振分機構437の側へ遊技球が進行したとしても、非誘導姿勢をとった振分機構437に到達することとなり、特典領域409Vに遊技球が進入してしまうことを防止できる。
また、確変予定の特別遊技状態と、時短予定の特別遊技状態とにおいて、いずれも上進入規制機構454と振分機構437とが同時に動作を開始する。これにより、時短予定の特別遊技状態であっても、振分機構437の動作によって、あたかも遊技球を特典領域409Vに進入させることができるかのような演出を実現することができる。
また、上記のパチンコ機100において、移行先決定ラウンドが第1ラウンドに設定されている。このため、移行先決定ラウンドより前に、上進入規制機構454が動作するラウンドがなく、球噛みが発生した状態で移行先決定ラウンドが開始されることを抑制できる。なお、第1ラウンドを移行先決定ラウンドとする構成に限らず、特別遊技状態を構成する複数回のラウンドのいずれか1つ又は複数のラウンドで動作する構成としてもよい。また、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態において、移行先決定ラウンドを同一のラウンドとする構成に限らず、それらの特別遊技状態で異なるラウンドを移行先決定ラウンドとする構成や、それらの特別遊技状態において実行される移行先決定ラウンドの回数が異なる構成としてもよい。確変予定の特別遊技状態において、移行先決定ラウンドを複数回行う場合には、各移行先決定ラウンドにおいて特典領域409Vに進入させることができる確率を異ならせる構成や、その確率を段階的に変化させる構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機100において、確変予定や時短予定の特別遊技状態において、上大入賞装置434のみを作動させる構成について説明したが、この構成に限らず、例えば、移行先決定ラウンドが上大入賞装置434で実行され、その他のラウンドの一部又は全部を下大入賞装置433で実行される構成としてもよい。このように、上大入賞装置434と下大入賞装置433との連携により、特別遊技状態の複数のラウンドが実行される構成であれば、他のラウンドの全部が下大入賞装置433で実行されることが好ましい。この場合、上大入賞装置434において、移行先決定ラウンドのみが実行されるために、他のラウンドにおいて上大入賞装置434で遊技球の球噛みが発生することを防止でき、確変予定の特別遊技状態において球噛み連鎖通過によって特典領域409Vに遊技球を進入させられなかったといった事態の発生を防止できる。
また、上記のパチンコ機100において、移行先決定ラウンドより前に、他のラウンドが実行されない構成としているが、この構成に限らず、他のラウンドが実行される構成としてもよい。この場合、移行先決定ラウンドに先行する他のラウンドにて球噛みが発生し、球噛み連鎖通過に起因して確変予定の特別遊技状態において特典領域409Vに遊技球を進入させられなかったといった事態が発生し易くなるために、球噛みの発生又はその可能性を検出することでその事態を抑制する構成とすることが好ましい。
球噛みの発生又はその可能性は、例えば、進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ向かう上進入規制機構454の作動の停止後において、ステッピングモータの駆動軸の位置を検出することや、その停止から所定の時間が経過しても、上大入賞スイッチ444で遊技球が検出されること等によって認定することができる。
なお、球噛み連鎖通過等の異常事態に対応可能な構成としては、上記した動作制御の構成に限らず、上記した動作制御の構成に代えて、または、上記した動作制御の構成に加えて、例えば、以下のような構成を付加して抑制したり、防止したりできる。例えば、移行先決定ラウンドの直前のラウンドの終了時に球噛みと認定されている場合に、遊技球の発射を停止するよう装飾図柄表示装置479で遊技者に報知し、その報知を、移行先決定ラウンドで初めて上進入規制機構454が進入可能姿勢や進入許容姿勢となるタイミングで解除する。このとき、移行先決定ラウンドまでの時間を延長して移行先決定ラウンドの開始を遅らせ、その開始後に、直前のラウンドで発射された遊技球が上進入規制機構454に到達してしまうことを防止したり、遊技球の発射の停止が確認されるまで移行先決定ラウンドが開始されないようにしたりしてもよい。また、移行先決定ラウンドの直前のラウンドの終了時に球噛みと認定されている場合に、移行先決定ラウンドを開始する前に、エラー制御を実行する構成としてもよい。
<特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出>
次に、特典領域409V(特定通路)へ遊技球が進入可能となるラウンド(移行先決定ラウンド)の演出について、図13と共に、図25~図26を参照して説明する。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出は、図13に示す左可動部材10(演出手段)及び右可動部材20(演出手段)と共に、図13に示す装飾図柄表示装置479(表示手段)によって実行される。ここで、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドは、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で第1の種類の大当りに当選(所定の当選条件の成立)した場合に移行する複数回のラウンドで構成される確変予定の特別遊技状態(図23を参照して説明した確変予定の特別遊技状態と同一)における第1ラウンド(所定のラウンド)として発生する。この第1ラウンドにおいて、上進入規制機構454が進行可能状態へ移行して遊技球が振分機構437側へ進行し、振分機構437が進入可能状態となる期間(進入可能期間)において遊技球が特典領域409Vへ進入可能となる。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(確変予定の特別遊技状態の第1ラウンド)の演出は、第1ラウンドが開始される前において、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で当選した大当りに対応する停止図柄の組合せの表示が装飾図柄表示装置479によってなされた後に実行される。また、その第1ラウンドの演出は、装飾図柄表示装置479とは別の左可動部材10(演出手段)及び右可動部材20(演出手段)による演出動作によって実行される。したがって、装飾図柄表示装置479による表示によって、その表示よりも後に左可動部材10及び右可動部材20の演出動作が実行されることを予告して遊技者の注意を喚起した上で、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作を実行でき、その演出動作によって、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となること(例えば、進入可能期間の開始や、進入可能期間に特典領域409Vへ遊技球を進入させるために遊技球を発射するタイミング)を遊技者に知らせることができる。
具体的には、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出は、確変予定の特別遊技状態の開始後(装飾図柄表示装置479による停止図柄の組合せの表示後)であって、第1ラウンドの開始前から始まる連続した演出とされる。また、その演出は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となる進入可能期間の開始後であって、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に終わる。このため、その演出が進入可能期間の開始時を跨いで実行され、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となることを進入可能期間の開始の直前に、又は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となったことを、進入可能期間の直後にタイミング良く遊技者に知らせることができる。また、その演出を、第1ラウンドの開始前から始めることで、第1ラウンドの開始時又はその後に始める場合に比べて、長く遊技者に楽しませることができる。また、その演出を、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に終わらせることで、特別遊技状態の後に確変遊技状態へ移行することを、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作によって確認することができる。
なお、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出が、第1ラウンドの開始前から始まる構成であるが、この構成に限らず、その演出は、第1ラウンドの開始時又は開始後に始まる構成としてもよい。また、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出が、進入可能期間の開始後であって特典領域409Vに遊技球が進入した場合に終了する構成であるが、この構成に限らず、その演出は、特典領域409Vに遊技球が進入した否かに関わらず、進入可能期間から所定の時間後に終わる構成や、進入可能期間の終了時又はその後に終了する構成としてもよく、また、進入可能期間の前に終了する構成としてもよい。また、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドが、第1ラウンドに設定される構成としているが、この構成に限らず、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドは、確変予定の特別遊技状態を構成する複数回のラウンドのうち第1ラウンドとは異なるラウンドに設定される構成や、第1ラウンドを含む又は含まない2回以上のラウンドに設定される構成としてもよい。
第1ラウンドが開始される前において装飾図柄表示装置479に表示される停止図柄の組合せとして、確変予定の特別遊技状態に移行する第1の種類の大当りとは別の第2の種類の大当りの場合にも表示される共通の停止図柄の組合せが含まれている。具体的には、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選の抽選対象として、確変予定の特別遊技状態においては特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドである所定回目のラウンド(第1ラウンド)が、特典領域409Vへ遊技球が進入可能ではない時短予定の特別遊技状態(図23を参照して説明した時短予定の特別遊技状態と同一)に移行する第2の種類の大当りが含まれている。また、第1の種類の大当りに当選した場合の選択対象である複数の停止図柄の組合せと、第2の種類の大当りに当選した場合の選択対象である複数の停止図柄の組合せとに、共通の停止図柄の組合せ(例えば、「333」の数字図柄の組合せ)が含まれている。このため、装飾図柄表示装置479に表示される停止図柄の組合せによっては、その表示後に、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドが実行されるか否かを判別不能にできる。これにより、遊技者は、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作の発生に注目させることができ、また、その発生を期待しつつ遊技することができる。
また、時短予定の特別遊技状態において、確変予定の特別遊技状態における特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出と途中まで同一である演出が実行される。このため、その演出の途中まで遊技者は確変予定の特別遊技状態であるか時短予定の特別遊技状態であるかを判別できず、遊技者は、時短予定の特別遊技状態であっても、その演出の共通部分が終了するまで期待を維持しつつ遊技することができる。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出は、左可動部材10及び右可動部材20による演出動作のみならず、左可動部材10及び右可動部材20の発光や、装飾図柄表示装置479の表示をも援用して実行される。このため、その演出を左可動部材10及び右可動部材20による演出動作のみで実行する場合よりも、その演出を目立たせることができ、遊技者がその演出を見落とすことを抑制できる。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出に用いられる左可動部材10と右可動部材20とは、互いに離間して配置される離間姿勢(図13において一点鎖線で示す姿勢)と、離間姿勢よりも近接する位置に配置される近接姿勢(図13において実線で示す姿勢)との間で移動可能である。
具体的には、遊技盤400には、左可動部材10の左上側に設けられた回転軸(図示せず)の周りに左可動部材10を回転させることを可能とする左回転機構(図示せず)と、左回転機構を駆動する左回転駆動モータ(図示せず)とが設けられている。また、遊技盤400には、回転軸と共に左可動部材10を斜め方向に移動させることを可能とする左斜め移動機構(図示せず)と、左斜め移動機構を駆動する左斜め移動駆動モータ(図示せず)とが設けられている。左可動部材10を左回転駆動モータの順方向の回転により所定の角度(例えば、43度)だけ回転させ、かつ、左斜め駆動モータの順方向の回転により所定の距離だけ右斜め上方に移動させることで、左可動部材10は、上下方向を向く離間姿勢から右斜め下方向を向く近接姿勢に変化する。
また、遊技盤400には、右可動部材20の右下側に設けられた回転軸(図示せず)の周りに右可動部材20を回転させることを可能とする右回転機構(図示せず)と、右回転機構を駆動する右回転駆動モータ(図示せず)とが設けられている。また、遊技盤400には、回転軸と共に右可動部材20を斜め方向に移動させることを可能とする右斜め移動機構(図示せず)と、右斜め移動機構を駆動する右斜め移動駆動モータ(図示せず)とが設けられている。右可動部材20を右回転駆動モータの順方向の回転により左可動部材10と同一の角度(例えば、43度)だけ回転させ、かつ、右斜め駆動モータの順方向の回転により左可動部材10と同一の距離だけ左斜め下方に移動させることで、右可動部材20は、上下方向を向く離間姿勢から左斜め上方向を向く近接姿勢に変化する。
左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢において、それらの長手方向が同一方向に傾斜し、所定の間隔以下で近接する配置をとる。また、左可動部材10と右可動部材20とは、左回転駆動モータと左斜め駆動モータとを逆方向に回転させ、また、右回転駆動モータと右斜め駆動モータとを逆方向に回転させることで、近接姿勢から離間姿勢へと変化する。なお、左可動部材10や右可動部材20の回転や斜め移動には個別のモータからの動力を個別の機構によって伝達し、それらの動作を独立して行える構成であるが、この構成に限らず、例えば、左回転機構と左斜め移動機構とが連結されておりそれらを単一のモータで駆動する構成や、左回転機構と右回転機構とが連結されておりそれらを単一のモータで駆動する構成としてもよい。
左可動部材10には、その背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子と、左可動部材10の長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子19が設けられる。また、右可動部材20にも、その背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子と、右可動部材20の長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子29が設けられる。
以下において、確変予定の特別遊技状態においては特典領域409Vへ遊技球が進入可能であるが、時短予定の特別遊技状態においては特典領域409Vへ遊技球が進入可能でない第1ラウンドにおける左可動部材10及び右可動部材20の演出動作の制御や、装飾図柄表示装置479による表示の制御について、図25及び図26を参照して説明する。
図25は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)における演出の制御を示すタイミングチャートである。なお、図25において、上側部分に、確変予定の特別遊技状態における演出の制御を示すと共に、下側部分に、時短予定の特別遊技状態における演出の制御であって確変予定の特別遊技状態と相違する制御を示す。また、図25において、ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
図26は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)における演出の推移を模式的に示す説明図である。図26(A)は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通の殻割り演出の開始直後(図25の時刻tc2直後)を示し、図26(B)は、殻割り演出中(図25の時刻tc5直後)を示し、図26(C)は、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出の開始直後(図25の時刻tc8直後)を示し、図26(D)は、時短予定の特別遊技状態における殻割れず演出の開始直後(図25の時刻td8直後)を示す。
第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選により第1の種類の大当りに当選した単位遊技において、図25に示すように、装飾図柄表示装置479における装飾図柄による変動表示(図25において変動演出)の後に、第1の種類の大当りに対応する停止図柄の組合せが確定表示される。これにより、図柄変動期間が終了する。このとき、装飾図柄表示装置479に表示される停止図柄の組合せは、確変予定の特別遊技状態に移行する第1の種類の大当りと、時短予定の特別遊技状態に移行する第2の種類の大当りとで共通で選択可能な停止図柄の組合せであり、この停止図柄の組合せによってはいずれの特別遊技状態に移行するのかを遊技者は判別できないとして説明する。装飾図柄表示装置479による変動表示や確定表示は、主制御基板920からの指示に基づき、副制御基板940によって実行される。具体的には、主制御基板920は、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選の抽選結果、変動表示や確定表示の開始のタイミングなどを副制御基板940に通知し、副制御基板940は、通知された抽選結果に基づいて装飾図柄による変動表示や確定表示の具体的な内容を決定し、それらの表示の進行を、通知された変動表示や確定表示の開始のタイミングに基づいて、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示や確定表示と同期させて管理する。
装飾図柄表示装置479において装飾図柄による停止図柄の組合せが表示された後の時刻tc1に、確変予定の特別遊技状態が開始される。具体的には、役連作動スイッチ445により遊技球が検出された場合に、確変予定の特別遊技状態が開始される。確変予定の特別遊技状態の開始により、装飾図柄表示装置479において、特別遊技状態の開始を示すオープニング演出(図25におけるOP演出)が開始される。確変予定の特別遊技状態において、その開始から第1ラウンドの開始までの間に、所定の期間(図25におけるオープニング期間)が設けられている。
オープニング期間中であって、オープニング演出が終了する時刻tc2に、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作と共に、その動作に連携する装飾図柄表示装置479における表示を伴う演出が開始される。具体的には、左可動部材10と右可動部材20とが、装飾図柄表示装置479に表示された宝卵482の殻を挟んで割るかのように見せる演出(図26(A)及び図26(B)参照:以下において、殻割りミッション演出とも称す)が開始される。殻割りミッション演出(時刻tc1~時刻tc10,時刻td1~時刻td10)において、宝卵482の殻を割ろうとする殻割り演出(時刻tc1~時刻tc8,時刻td1~td8)に引き続き、宝卵482の殻が割れて宝483が出現した場合の宝出現演出(時刻tc8~時刻tc10)、又は、宝卵482の殻が割れない場合の殻割れず演出(時刻td8~時刻td10)が実行される。殻割り演出は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とに共通で実行されるが、宝出現演出は、確変予定の特別遊技状態で実行され、一方、殻割れず演出は、時短予定の特別遊技状態で実行される。このため、殻割り演出における左可動部材10及び右可動部材20の演出動作は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるか否かを示唆し、宝出現演出の表示と宝出現演出における左可動部材10及び右可動部材20の演出動作は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となることを明確に遊技者に知らせる動作となる。
殻割り演出の開始に伴い、左可動部材10を回転させる左回転駆動モータ(図25の回転駆動モータ)と、右可動部材20を回転させる右回転駆動モータ(図25の回転駆動モータ)とが順方向の回転を開始する。殻割りミッション演出の全体に亘り、左可動部材10を回転させる場合には、右可動部材20も、左可動部材10と同一の回転角度だけ、離間姿勢の場合とのなす角(回転後の左可動部材10や右可動部材20の長手方向と離間姿勢の場合の長手方向となす角)の増減が同一となる方向に、同時に回転させる制御が実行される。したがって、以下において、左回転駆動モータと右回転駆動モータとを識別することなく、図25に示すように、それらを纏めて回転駆動モータと称して説明する。
回転駆動モータは、副制御基板940によって制御される。具体的には、副制御基板940のROMには、順方向の回転(図25における順回転)、逆方向の回転(図25における逆回転)又は回転の停止(図25における停止)を指定する回転駆動情報が、それらの動作を切り替えるタイミング(例えば、順方向の回転を指定する時刻tc2及び時刻tc5;逆方向の回転を指定する時刻tc6、停止を指示する時刻tc3、時刻tc7)と関連づけて記憶されている。
また、副制御基板940のRAMには、演出時間の経過を計測する演出タイマの値を記憶している。演出タイマの値は、主制御基板920からの特別遊技状態の開始(オープニング期間の開始)や各ラウンドの開始の通知に応じて、オープニング期間や各ラウンドの最大継続時間(最大継続時間TA,最大継続時間TI)に対応する値に設定され、一定間隔(例えば、2ms)で1ずつ減少するように更新される。このため、演出タイマは、副制御基板940において演出時間の経過を計測するが、主制御基板920からの適宜の通知(特別遊技状態の開始や各ラウンドの開始の通知)に基づいて設定されるために、主制御基板920と同期させることができる。
副制御基板940は、演出タイマの値に基づいて、左回転駆動モータや右回転駆動モータの動作を切り替えるタイミングを判定し、そのタイミングに関連付けられた回転駆動情報に基づいて、左回転駆動モータや右回転駆動モータを順方向に回転させたり、逆方向に回転させたり、停止させたりする。
また、殻割り演出の開始に伴い、装飾図柄表示装置479において、回転している左可動部材10の上端に沿って転がるように宝卵482が出現する表示が行われる。
殻割り演出が開始される時刻tc2から所定の時間(例えば、0.2秒)後であって、オープニング期間中(第1ラウンドの開始前)である時刻tc3に、回転駆動モータの回転が停止され、左可動部材10及び右可動部材20の回転が停止する。これにより、図26(A)に示すように、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢とのなす角が、離間姿勢と近接姿勢とのなす角(例えば、43度)よりも小さい角度(例えば、38度)である姿勢をとる。このとき、左可動部材10や右可動部材20は、その大部分が装飾図柄表示装置479の表示部479aの前側に配置される。また、装飾図柄表示装置479において、左可動部材10の上端に沿って転がってきた宝卵482が、左可動部材10の可動側端部(回転軸側とは反対側の端部)と右可動部材20の可動側端部とで挟まれて固定されるような表示が行われる。
時刻tc3から所定の時間(例えば、0.1秒)後であって、オープニング期間中(第1ラウンドの開始前)である時刻tc4に、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。また、回転駆動モータは、時刻tc4から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻tc5に逆方向の回転に切り替わり、更に、時刻tc5から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻tc6に停止する。時刻tc4から時刻tc6の回転駆動モータの動作によって、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢とのなす角が、図26(A)に示す宝卵482を挟む姿勢の場合よりも大きく、離間姿勢と近接姿勢とのなす角と同一の角度である図26(B)に示す姿勢へと変化した後に、宝卵482を挟む姿勢に戻る。また、装飾図柄表示装置479において、図26(B)に示すように、左可動部材10と右可動部材20との姿勢変化で可動側端部の間隔が狭くなるにつれて、左可動部材10と右可動部材20とで宝卵482が圧迫されて変形する表示が行われ、その後、宝卵482が挟まれた元の形に戻る表示が行われる。また、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫する姿勢をとる場合に、図26(B)に示すように、宝卵482にひびが入る表示が行われる。
時刻tc6の後に、図25に示すように、時刻tc4から時刻tc6で実行される回転駆動モータの動作が、所定の時間(例えば、0.2秒)を隔てて、第1ラウンドの開始後の時刻tc8まで繰り返され、第1ラウンドの開始後に殻割り演出が終了する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とが、あたかも、装飾図柄表示装置479に表示された宝卵482を割ろうとして、宝卵482を圧迫しているかのように見せる演出を行える。また、装飾図柄表示装置479において、左可動部材10と右可動部材20との動作回数が多くなるほど、宝卵482に入るひびが大きくなる表示が行われる。これにより、宝卵482が割れて進入可能期間が発生することへの期待感を増幅することができる。
なお、殻割り演出において、回転駆動モータが、一定の時間間隔で左可動部材10と右可動部材20との間隔を狭めたり広げたりさせる動作を繰り返す構成であるが、この構成に限らず、回転駆動モータは、例えば、繰り返し回数が増加するにつれて繰り返しの時間間隔が短くなる等、繰り返しの時間間隔を異ならせて左可動部材10と右可動部材20との間隔を狭めたり広げたりさせる動作を繰り返す構成としてもよい。また、例えば、回転駆動モータは、繰り返し回数が増加するにつれ、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を挟む姿勢に維持される時間が長くなる等、回転駆動モータが順方向の回転から逆方向の回転への切り替えの間に回転駆動モータを停止させる時間を設け、その時間を繰り返し回数によって変化させた動作を繰り返す構成としてもよい。また、殻割り演出において、回転駆動モータは、左可動部材10と右可動部材20との間隔を狭めたり広げたりさせる動作を遊技者の意思に関わらず自動的に実行する構成であるが、パチンコ機100に既存の押圧操作装置261の操作等又は新たに設けられる装置に対する遊技者の入力操作に応じて、その動作を実行する構成としてもよい。例えば、時刻tc4~時刻tc8の期間が押圧操作装置261に対する遊技者の入力操作が可能な期間(操作可能期間)として設けられ、その期間における入力操作の回数が規定の回数以上となった場合に、殻割り演出が終了する構成としてもよい。
殻割り演出の途中の時刻t1において、ラウンド中フラグがオン状態となり、第1ラウンドが開始される。ラウンド中フラグについては、図23を参照した上記の説明を参照することとし、その概要について説明する。ラウンド中フラグは、確変予定の特別遊技状態にあっては所定の最大継続時間TAの後に、また、時短予定の特別遊技状態にあっては所定の最大継続時間TIの後に、オフ状態となり、第1ラウンドが終了する。また、上大入賞スイッチ444で検出される遊技球の個数が規定数となった場合には、最大継続時間TAの経過前であってもオフ状態となり、第1ラウンドが終了する。
また、第1ラウンドが開始されると、上進入規制機構454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化を開始する。上進入規制機構454の動作については、図23を参照した上記の説明を参照することとし、その概要について説明する。上進入規制機構454は、第1ラウンドが開始される時刻t1の後、時刻t3に進入可能姿勢を経て、時刻t4に進入許容姿勢となる。その後、上進入規制機構454は、時刻t5に進入許容姿勢から進入禁止姿勢への姿勢変化を開始し、進入可能姿勢を経て進入禁止姿勢に戻る。このため、上進入規制機構454は、概ね時刻t3~時刻t5(時間TE+時間TF)において進行可能状態をとる。また、上進入規制機構454は、概ね時刻t6~時刻t7において進行可能状態をとり、更に、図示しないが、時刻t6~時刻t7における進入可能状態と同様に、所定の時間TKを隔てて、所定回数だけ進行可能状態をとる(図23参照)。
また、第1ラウンドが開始されると、振分機構437が非誘導姿勢から誘導姿勢への姿勢変化を開始する。振分機構437の動作については、図23を参照した上記の説明を参照することとし、その概要について説明する。第1ラウンドが開始される時刻t1の直後に、誘導可能姿勢を経て誘導姿勢となる。時刻t1から所定の時間TC後の時刻t2に、振分機構437は、誘導姿勢から非誘導姿勢への姿勢変化を開始し、誘導可能姿勢を経て非誘導姿勢に戻る。振分機構437は、概ね時刻t1~時刻t2において進入可能状態となるが、この進入可能状態をとる期間に案内通路494を通して遊技球が案内されることはなく、この期間は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状態ではなく、進入可能期間とはならない。
また、時刻t2から所定の時間TD後に、振分機構437は、再度、非誘導姿勢から誘導姿勢への姿勢変化を開始する。その後、所定の時間(図23における時間TG)後に、誘導姿勢から非誘導姿勢への姿勢変化を開始し、誘導可能姿勢を経て非誘導姿勢に戻る。このため、振分機構437は、時刻t4直後から2回目の進入可能状態となる。この2回目の進入可能状態である期間には、上進入規制機構454が進行可能状態である場合に案内通路494に進入した遊技球が進行してくるため、この2回目の進入可能状態である期間は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能であり、進入可能期間となる。
時刻tc8において、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。このため、図26(C)に示すように、左可動部材10と右可動部材20とは、宝卵482を挟む姿勢から宝卵482を圧迫する姿勢へと変化する。また、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れて宝483(図中はダイヤモンド)が出てくる宝出現演出の表示が開始される。この宝出現演出における宝483の表示が、確変移行の特別遊技状態への移行に対応し、装飾図柄表示装置479において、第1の種類の大当りに当選したことが判り易く明示される。宝483が表示された後、装飾図柄表示装置479において左可動部材10と右可動部材20との間から宝483が移動する表示が行われる。
また、宝出現演出の開始時期において、右打ち遊技手法の開始を遊技者に促すために、装飾図柄表示装置479において、右打ち遊技手法で遊技を行うことを指示する操作情報(例えば、図26(A)等における表示部479aの右上の「右打ち」)が表示される。この操作情報の表示は、必ずしも宝出現演出の開始時期において表示される必要はなく、殻割り演出中においても操作情報が表示される構成としてもよい。
ここで、宝出現演出において、宝卵482からはその種類や色や大きさや個数が異なる宝483を出現させる表示を実行するが、それらの宝483が出現する割合は、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作により設定可能な3段階の確率状態によって異ならせている。このため、宝卵482から出現した宝によって現在設定されている確率状態を示唆することができ、遊技者は、現在設定されている確率状態を推測することができる。なお、宝卵482から出現する宝483によって確率状態を示唆する構成であるが、この構成に限らず、例えば、プレミアム演出を発生させるといった特典を得るためのポイントを付与する構成としてもよい。また、宝出現演出が進入可能期間の開始を知らせると共に、確率状態を示唆する構成であるが、確率状態を示唆する構成は必ずしも必要な構成ではない。
左可動部材10と右可動部材20との間から宝483が移動する表示が行われた後の時刻tc9に、左可動部材10を右上側に移動させる左斜め移動駆動モータ(図25の斜め移動駆動モータ)と、右可動部材20を左下側に移動させる右斜め移動駆動モータ(図25の斜め移動駆動モータ)とが順方向の回転を開始する。タイマ殻割りミッション演出の全体に亘り、左可動部材10を斜め移動させる場合には、右可動部材20も、左可動部材10と同一の移動量だけ、離間姿勢に対して遠ざかる方向及び近づく方向のうち左可動部材10と同一の方向に、同時に移動させる制御が実行される。したがって、以下において、左斜め移動駆動モータと右斜め移動駆動モータとを識別することなく、図25に示すように、それらを纏めて斜め移動駆動モータと称して説明する。
移動駆動モータは、副制御基板940によって制御される。具体的には、副制御基板940のROMには、順方向の回転(図25における順回転)、逆方向の回転(図25における逆回転)又は回転の停止(図25における停止)を指定する斜め移動駆動情報が、それらの動作を切り替えるタイミング(例えば、順方向の回転を指定する時刻tc9;逆方向の回転を指定する時刻tc11;停止を指定する時刻tc8及び時刻tc12)と関連づけて記憶されている。
時刻tc9から所定の時間(例えば、0.2秒)後であって、上進入規制機構454が進行可能状態となる時刻t3と略同じ時刻tc10に、斜め移動駆動モータが停止する。このため、左可動部材10と右可動部材20とが、近接姿勢となる。この近接姿勢において、左可動部材10と右可動部材20とは、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する配置(特典領域指示配置)をとる。これにより、特典領域409Vに遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることができる。左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢となることで、宝出現演出が終了し、殻割りミッション演出も終了する。なお、殻割りミッション演出が、左可動部材10や右可動部材20の演出動作と装飾図柄表示装置479における表示とで実行される構成であるが、この構成に限らず、殻割りミッション演出は、左可動部材10及び右可動部材20の少なくとも一方の演出動作のみで実行される構成や、左可動部材10及び右可動部材20の少なくとも一方の演出動作に代えて又は加えて、パチンコ機100に既存の又は新たに設けられる別の可動部材の動作で実行される構成としてもよい。左可動部材10や右可動部材20とは別の可動部材を用いる場合には、遊技盤400に設けられる可動部材のみならず、例えば、前ブロック102に設けられる可動部材を動作させる構成であってもよい。また、殻割りミッション演出は、左可動部材10及び右可動部材20の少なくとも一方の演出動作と共に、装飾図柄表示装置479の表示に代えて又は加えて、装飾図柄表示装置とは別のパチンコ機100に既存の又は新たに設けられる装置による表示や、既存の枠発光装置271~275(図10参照)や盤面発光装置490等又は新たに設けられる装置による発光や、既存の音響装置281,282(図3参照)や新たに設けられる装置による音響で実行される構成としてもよい。
殻割りミッション演出の終了に伴って、引き続き、特典領域409Vに遊技球を進入させるように遊技球の発射操作をすることを、文字情報を用いて具体的に指示する特定発射操作演出としてのVを狙え演出が開始される。Vを狙え演出が開始されると、左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢をとる状態のままで、装飾図柄表示装置479において、特典領域409Vに遊技球を進入させるように文字で指示する表示が行われる。このVを狙え演出は、特典領域409Vに進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448によって遊技球が検出されるまで継続される。特定発射操作演出の開始時期は、特典領域409Vに遊技球が進入可能な期間(時間TE)の開始と同時であってもよいし、その時間TEの開始後であってもよい。なお、特定発射操作演出の開始時期を、時間TEの開始前としてもよいが、少なくとも時短移行の特別遊技状態であることが振分機構437の動作で確認可能となる時間TJの経過後とすることが好ましい。
Vを狙え演出の開始後の時刻tc11に、特定通路スイッチ448によって特典領域409Vへ進入した遊技球が検出されると、斜め移動駆動モータが逆方向の回転を開始すると共に、回転駆動モータも逆方向の回転を開始する。このため、左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢から離間姿勢への姿勢変化を開始する。斜め移動駆動モータについてはtc11から所定の時間(例えば、0.2秒)後の時刻tc12に、回転駆動モータについてはtc11から所定の時間(例えば、0.2秒)後の時刻tc13に、逆方向の回転が停止される。これにより、時刻tc13以降、左可動部材10と右可動部材20とは近接姿勢に維持される。
ここで、左可動部材10や右可動部材20の発光形態について説明する。左可動部材10や右可動部材20は、殻割り演出や宝出現演出やVを狙え演出等の各種の演出の進行に応じた形態で発光する。
左可動部材10や右可動部材20が離間姿勢から宝卵482を挟む姿勢への変化を開始する時刻tc2から左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫するような動作を開始する前の時刻tc4までの期間において、左可動部材10の背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子(図示せず)と、右可動部材20の背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子(図示せず)とが点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が点灯する形態(図25における点灯)で発光する。
また、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫するような動作を開始する前の時刻tc4からその繰り返しの動作を終了する時刻tc8までの期間においては、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を挟む姿勢よりも近づいた姿勢をとっている場合に、左可動部材10と右可動部材20との背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子が点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が動作に合わせて点滅する形態(図25における可動部材連動の点滅)で発光する。
また、宝出現演出が実行される時刻tc8から時刻tc10までの期間において、左可動部材10と右可動部材20との背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子が所定の間隔(例えば、0.1秒)で点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が点滅する形態(図25における高速点滅)で発光する。
また、Vを狙え演出が実行される時刻tc10から時刻tc11までの期間において、左可動部材10と右可動部材20との長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子29が、左可動部材10の回転軸側端部から可動側端部に向けて順次に点灯し、それに引き続き、右可動部材20の可動側端部から回転軸側端部に向けて順次に点灯する。このため、左可動部材10の回転軸側端部から特典領域409Vの近傍に位置する右可動部材20の回転軸側端部に向けて光が流れる形態(図25における流れ点滅)で発光する。
ここで、時短予定の特別遊技状態における演出について説明する。時短予定の特別遊技状態において、時刻td1~時刻td8までは、確変予定の特別遊技状態における時刻tc1~時刻tc8までと同一の演出が実行される。
上進入規制機構454は、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドが開始される時刻tb1に、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化を開始する。上進入規制機構454は、時刻tb3の直後に進入可能姿勢を経て、進入許容姿勢となる。その後、上進入規制機構454は、時刻tb4に進入許容姿勢から進入禁止姿勢への姿勢変化を開始し、進入可能姿勢を経て、進入禁止姿勢に戻る。このため、上進入規制機構454は、概ね時刻tb3~時刻tb5(時間TF)において進行可能状態をとる。
また、振分機構437は、振分機構437は、確変予定の特別遊技状態と同様に、概ね時刻tb1~時刻tb2において進入可能状態となるが、この進入可能状態である期間に案内通路494を通して遊技球が案内されることはなく、この進入可能状態である期間は、特典領域409Vへ遊技球を進入可能な期間(進入可能期間)とはならない。また、振分機構437は、最大継続時間TIが確変予定の特別遊技状態のような時刻t4以降の2回目の進入可能状態が発生するまでの時間よりも短く設定されているため、2回目の進入可能状態をとることはない。したがって、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、特典領域409Vに遊技球を進入可能な期間(進入可能期間)は発生しない。
時刻td8において、確変予定の特別遊技状態と同様に、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。このため、左可動部材10と右可動部材20とは、宝卵482を挟む姿勢から宝卵482を圧迫する姿勢へと変化する。これにより、殻割れず演出が開始される。しかし、確変予定の特別遊技状態とは異なり、図26(D)に示すように、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、図26(C)に示す宝483(図中はダイヤモンド)が出てこない表示が開始される。
時刻td8から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻td13に、回転駆動モータが逆方向の回転を開始する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とは、宝卵482を圧迫する姿勢から、宝卵482を挟む姿勢を通り越して、姿勢離間姿勢への姿勢変化を開始する。また、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が圧迫されるが割れず、あたかも宝卵482が左可動部材10と右可動部材20とを跳ね除けるように元の形に戻る表示が行われる。また、左可動部材10と右可動部材20との姿勢離間姿勢への姿勢変化により、宝卵482の支えがなくなり落下するような表示が行われる。殻割れず演出は、装飾図柄表示装置479において左可動部材10と右可動部材20との間から宝卵482が下方に移動する表示が行われた後であって、第1ラウンド中の時刻tc10に終了する。
また、殻割れず演出が実行される時刻tc8から時刻tc10までの期間において、左可動部材10と右可動部材20との背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子が、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出の場合よりも長い所定の間隔(例えば、0.5秒)で点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が宝出現演出の場合より低頻度で点滅する形態(図25における低速点滅)で発光する。
なお、殻割れず演出が第1ラウンドの途中で終了する構成であるが、この構成に限らず、殻割れず演出は、第1ラウンドの終了と同時(時刻tb10)に終了する構成や、第1ラウンド後に終了する構成としてもよい。殻割れず演出が第1ラウンド後に終了する構成の場合には、殻割れず演出は、第2ラウンドの開始前までに終了することが好ましい。
殻割れず演出の後の時刻td10から時刻td14まで、装飾図柄表示装置479において、進入可能期間が発生しないことを示す残念演出が実行される。残念演出が開始されると、装飾図柄表示装置479において、進入可能期間が発生しないことを示す表示(例えば、残念との文字表示)が行われる。また、特別遊技状態の開始時から右打ち遊技手法による遊技を促す流下位置情報(図26(D)の右上の「右打ち」)が表示されているが、残念演出が開始された場合に、その流下位置情報の表示は、線幅を太くしたり、大きくしたり、点滅させたりする等、強調して表示される。これにより、結果に落胆して遊技球の発射を停止してしまったり、遊技球の発射を停止して結果を見守っていた場合に遊技球の発射を再開せず又は発射が遅れてしまったりすることで、第2ラウンド以降で不利益を受けないように、遊技者に注意を喚起することができる。
以上で説明したパチンコ機100によれば、確変予定の特別遊技状態において第1ラウンドが開始されて進入可能期間へ移行する場合に、装飾図柄表示装置479によって、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドの開始前に所定の表示情報(宝483)が表示され、その表示後に所定の演出動作(近接姿勢への変化)が行われる。そして、所定の演出動作の後には、特典領域409Vに遊技球が進入し、確変遊技状態へと移行する。このため、進入可能期間を生じる確変予定の特別遊技状態が発生する場合において、装飾図柄表示装置479による宝483の表示により、予告として左可動部材10や右可動部材20の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、左可動部材10や右可動部材20の近接姿勢への変化によって、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となったことを遊技者に知らせることが可能になる。したがって、左可動部材10や右可動部材20の所定の演出動作を見逃して、特典領域409Vに遊技球を進入させて確変遊技状態を発生させる機会を失うといった不具合の発生を抑制することが可能になる。また、動作による左可動部材10や右可動部材20の報知の方が、表示による装飾図柄表示装置479の報知よりも目立たせることが可能になり、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となる機会を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状況は、装飾図柄表示装置479による所定の表示情報の表示と、その表示情報の表示後における装飾図柄表示装置479より遊技者に近い前側に配置される可動部材10,20の姿勢変化とによって遊技者に示される。このため、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状況が時間的に近づいていることを、遊技者に近い部材(装置)を用いて、より判り易く遊技者に示唆することができる。
<特典領域409Vへ遊技球を好適に進入させることが可能な演出>
次に、特典領域409Vへ遊技球を好適に進入させることが可能な演出について、図5と共に、図27~図31を参照して説明する。特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合に実行される演出の一種として、後述する右入力操作装置801Rの右入力レバー810Rを遊技者が操作することで演出に参加可能な片手参加型の演出が実行される。片手参加型の演出においては、遊技者が発射操作装置250による発射操作を操作している手を右入力レバー810Rへ移動することで、右入力レバー810Rの操作を行い易く構成される。
片手参加型の演出は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状態となるラウンドの実行中であって進入可能期間となる前に実行される。片手参加型の演出が実行されると、遊技者が発射操作をしない可能性が高まり、発射操作がされない分、遊技球が振分機構437の設けられる上大入賞装置434の側へ進行することを抑制することができる(図7参照)。このため、例えば、上記したような球噛み連鎖通過が発生する状況であっても、進入可能期間の開始前に、上大入賞装置434に多数の遊技球が進入して進入可能期間が発生しなくなる事態を抑制することができる。これにより、進入可能期間において遊技球を特典領域409Vへ進入できなくなる事態を防止し易くすることができる。
片手参加型の演出では、入力操作装置として、前ブロック102の右端に設けられる右入力操作装置801R(図5参照)が用いられる。右入力操作装置801Rは、遊技者が手で握る操作をすることで入力を行える右入力レバー810Rを備えている。右入力レバー810Rは、図5に示すように、前ブロック102の右端であって、台座251に設けられた発射ハンドル252を回転操作することで遊技球の発射を調節可能な発射操作装置250の上方側に配置されている。また、右入力レバー810Rは、前面装飾体210の開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とする中央パネル220よりも前方側(遊技者側)に突出して配置される。このため、発射操作装置250による発射操作(発射ハンドル252の回転操作)を行う右手の方が左手よりも右入力レバー810Rに近く、その分、右入力レバー810Rの操作を右手で行い易くすることができる。
図27は、図5のX1-X1を含む切断面により右入力レバー810Rの配置及び構造を模式的に示す断面図である。右入力レバー810Rは、図27に示すように、装飾図柄表示装置479や、遊技盤400の後方側に設けられた左可動部材10及び右可動部材20や、遊技盤400の前面側に形成された遊技領域409(右流下領域409R)よりも前方側に配置されている。
右入力レバー810Rは、遊技者によって握られる右握り壁811Rと、右操作部材812Rとを備えている。右操作部材812Rは、遊技者側から見て右握り壁811Rの左斜め前側に突出した突出位置(図27(A)の実線で示す位置)と、突出位置より右斜め後側に移動し、右握り壁811Rに少なくとも一部が埋没する埋没位置(図27(B)の破線で示す位置)とをとる。右操作部材812Rは、遊技者による操作が行われていない状況においては、突出位置に配置される。
右操作部材812Rは、右入力レバー810Rを握る操作に基づいて、右斜め後側(図27における右下側)へ押圧されて移動する。右操作部材812Rの移動は、右握り壁811Rの内部空間に設けられた右握り操作検出スイッチ(図示せず)によって検出される。右握り操作検出スイッチによる右入力レバー810Rを握る操作の検出は、副制御基板940によって監視され、その操作に応じて装飾図柄表示装置479の表示内容の制御等が副制御基板940によって行われる。
右入力レバー810Rは、右操作部材812R及び右握り壁811Rの前方側、左方側、下方側、上方側及び後方側を覆う被覆壁(以下において、右被覆壁813Rとも称す)を備えている。このため、遊技者が右入力レバー810Rを掴んで右操作部材812Rを操作しようとする場合に、右方側から右入力レバー810Rを掴むように制限できる。このように、右入力レバー810Rに対しての右操作部材812Rの操作は左手より右手の方が容易に行える構成とされていることで、右入力レバー810Rへの入力操作が可能な期間(有効期間TL)において、遊技者が発射操作装置250の発射操作を止めて遊技球の発射が停止され易くすることができる。
具体的には、右被覆壁813Rは、右握り壁811Rの左方側において右握り壁811Rの後端部分よりも後側に延びる左壁814Lと、右握り壁811Rの前端部分と左壁814Lの前端部分とに繋がり、右操作部材812Rの前方側を覆う前壁814Fとを備えている。左壁814Lと前壁814Fは、遊技者側から見て左手前側からの右操作部材812Rへの接触操作を不能とする部位であり、これにより、発射操作をしていない左手を用いた右操作部材812Rに対する操作を困難にすることができる。
また、右被覆壁813Rは、左壁814Lの下端部分から右握り壁811R側に延びて右握り壁811Rや前壁814Fの下端部分に繋がり、右操作部材812Rの下方側を覆う下壁814Dと、左壁814Lの上端部分から右握り壁811R側に延びて右握り壁811Rや前壁814Fの上端部分に繋がり、右操作部材812Rの上方側を覆う上壁819U(図5参照)とを備えている。このため、発射操作をしていない左手を利用して、右入力レバー810Rの下方側や上方側から右操作部材812Rを操作することを困難にすることができる。
また、右被覆壁813Rは、左壁814Lの後端部分から右握り壁811R側に延びて、下壁814Dや上壁814Uの後端部分に繋がり、右操作部材812Rの後方側を覆う後壁814Bを備えている。このため、発射操作をしていない左手の指を利用し、左壁814Lや下壁814Dや上壁814Uの後方側の隙間部分から指を回り込ませての右操作部材812Rに対する操作を困難にすることができる。
左壁814Lは、右操作部材812Rの右端から指先を挿入可能な空間が右入力レバー810Rの内部に形成される距離だけ隔てて設けられ、また、後壁814Bは、右握り壁811Rの後端部分から指を挿入可能な距離だけ隔てて設けられる。このため、遊技者は、右握り壁811Rの後側に形成された右側に開口した部分から右手の指先を入れることで、右操作部材812Rに指先を容易に接触させることができる。また、遊技者は、右握り壁811Rの右端に手のひらを当て、また、右操作部材812Rの左端に親指以外のいずれかの指先を接触させて手を握ることで、右操作部材812Rを右斜め後側(右握り壁811R側)に容易に押圧できる。
なお、左手による右操作部材812Rの操作を困難にする右被覆壁813Rによって必ずしも常に左手による操作を困難にする必要はない。例えば、右被覆壁813Rの少なくとも一部分が他の部分に対して変位動作可能に設けられ、当該一部分の相対位置を変化させることで、左手による右操作部材812Rの操作を一時的に許容可能にする構成としてもよい。例えば、左壁814Lが他の壁とは別部材によって移動可能に設けられ、左壁814Lが前後方向や上下方向に移動することで、右入力レバー810Rの左側に開口が形成されるようにし、左手による右入力レバー810Rを握る操作を一時的に可能にしたり困難にしたりする構成としてもよい。また、右被覆壁813Rに代えて、右入力レバー810Rとは別体であり、前ブロック102に設けられる移動可能な部材が、右操作部材812Rの左方側や前方側を覆うように移動してきて、左手で右操作部材812Rを握る操作を制限する構成としてもよい。また、右入力レバー810Rに設けられる右被覆壁813Rのすべてを設ける必要はなく、右被覆壁813Rを構成する壁の少なくとも一部(例えば、下壁814Dや後壁814B)を設けない構成としてもよい。また、右入力レバー810Rが前ブロック102の右端に設けられた構成としているが、この構成に限らず、前ブロック102の中央側や左側にレバーを設ける構成としてしてもよく、この構成の場合であっても、右側に開口した部分に指先を差し込んで操作部材を操作させる構成とするなど、左手では操作できない又は操作し難い形状の入力レバーを採用することが好ましい。
右入力レバー810Rは、前ブロック102の基枠201に設けられた支持機構によって移動可能に支持されている。また、右入力レバー810Rを握る操作は、右入力レバー810Rの移動が右レバー移動規制装置804Rによって規制されている場合に行えるように構成される。
ここで、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、右入力レバー810Rを用いる片手参加型の演出として実行される片手参加型の殻割りミッション演出の推移について説明する。図28は、確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図28において、ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
図29は、確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図である。図29(A)は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通である殻割り演出の実行中(図28の時刻tc3直後)を示し、図29(B)は、殻割り演出に引き続き実行される宝出現演出の実行中(図28の時刻tc8直後)を示す。また、図29(C)は、時短予定の特別遊技状態において殻割り演出に引き続き実行される殻割れず演出の実行中(図28の時刻td8直後)を示し、図29(D)は、殻割り演出に引き続き実行されるV出現演出中(図28の時刻tc8直後)を示す。
以下においては、図28に示す片手参加型の殻割りミッション演出の制御において、図26に示す殻割りミッション演出の制御との相違部分についてのみ説明する。以下において、図26に示す殻割りミッション演出を、片手参加型の殻割りミッション演出と明確に区別するため、非参加型の殻割りミッション演出とも称す。なお、参加型の殻割りミッション演出と、非参加型の殻割りミッション演出とは、遊技者が、いずれの演出を実行するかを予め選択可能に構成してもよく、例えば、遊技の実行を待機するデモ画面の表示中において選択操作を可能としてもよいし、パチンコ機100の副制御基板940における抽選によっていずれの演出を実行するかを選択してもよく、参加型の演出が複数種類設定されている場合においても、予め選択可能としてもよいし、抽選で演出の内容が選択されるようにしてもよい。
片手参加型の殻割りミッションと非参加型の殻割りミッションとの主な相違部分は、以下の3つである。第1に、片手参加型の殻割りミッション演出の制御においては、殻割り演出が実行される期間(時刻tc2~時刻tc8:図26に示す場合と同一の期間)の少なくとも一部に、右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付ける有効期間TLが設定される。以下において、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが設定される殻割り演出を、片手参加型の殻割り演出とも称す。第2に、片手参加型の殻割りミッション演出の制御においては、第1ラウンドが開始される前のオープニング演出(OP演出)が実行される期間(時刻tc1~時刻tc2:図26に示す場合と同一の期間)に、装飾図柄表示装置479において、遊技者の操作(例えば、右入力レバー810Rを握る操作や発射ハンドル252を回転させる操作)に関する各種の情報(以下において、入力操作関連情報とも称す)が表示される。また、第3に、片手参加型の殻割り演出が実行される期間において、左可動部材10と右可動部材20とが、副制御基板940によって制御される規定の動作ではなく、遊技者による右入力レバー810Rを握る操作に応じて動作する。以下において、片手参加型の殻割り演出において遊技者が右入力レバー810Rを握る操作を行う場合には、発射操作装置250から右手を離して、右手で右入力レバー810Rを握る操作を行うものとして説明する。
確変予定の特別遊技状態が開始される時刻tc1であって、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLよりも前において、オープニング演出(図28のOP演出)が実行され、装飾図柄表示装置479に、右入力レバー810Rを握る操作の準備として、入力操作関連情報の一種であり、右入力レバー810Rを掴む動作を指示する操作準備指示情報(例えば、「右入力レバーを掴め」との文字情報)が表示される。なお、操作準備指示情報は、文字情報である構成であるが、この構成に限らず、これに代えて、又は、これに加えて、右入力レバー810Rの掴み方や右操作部材812Rの動き方などにより、右入力レバー810Rの操作方法を画像情報として表示する構成としてもよいし、音声により操作方法を出力する構成としてもよい。また、操作準備指示情報を出力する構成は必須の構成ではなく、省略してもよい。
また、オープニング演出が開始される時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、図示しないが、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLの開始タイミングを示唆する開始示唆情報(例えば、数字のカウントダウン表示やメーターの減少表示)が表示される。なお、開始示唆情報についても、文字表示、画像表示、音声のいずれか又は、組合せを出力してもよいし、開始示唆情報を出力する構成を省略してもよい。
また、オープニング演出が開始される時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、操作指示演出において、遊技球を打ち出さなくてもよいことを遊技者に知らせる発射不要情報(「球の打ち出しは不要だよ!」との文字情報:図29(A)参照)が表示される。これにより、遊技者は、発射操作装置250から手を離してもよいことを知ることができ、発射操作装置250を握っている右手を戸惑うことなく右入力レバー810Rに移動させ、右入力レバー810Rを右手で掴むことができる。発射不要情報は、操作指示演出に引き続き実行される殻割り演出が終了する時刻tc8まで継続して表示される。なお、発射不要情報についても、文字表示、画像表示、音声のいずれか又は、組合せを出力してもよいし、発射不要情報を出力する構成を省略してもよい。
また、オープニング演出に引き続き片手参加型の殻割り演出が開始される時刻tc2に、装飾図柄表示装置479において、操作準備指示情報に代えて、右入力レバー810Rを握る操作を指示する右握り操作指示情報484S(例えば、「右入力レバー連続で握れ」との文言:図29(A)参照)が表示される。右握り操作指示情報484Sは、オープニング演出に引き続き実行される片手参加型の殻割り演出が終了する時刻tc8まで継続して表示される。なお、右握り操作指示情報484Sは、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、右操作部材812Rが連続して動作している状態や右入力レバー810Rを右手で連続して握る状態を示す画像などにより、右入力レバー810Rの操作方法を画像で表示する構成としてもよく、音声出力をしてもよく、省略してもよい。
オープニング演出に引き続き実行される片手参加型の殻割り演出中の時刻te1に、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLであるか右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付けない期間であるかを識別する右握り操作有効フラグがオン状態となる。右握り操作有効フラグは、副制御基板940のRAMに記憶されている。右握り操作有効フラグがオン状態である期間において、右入力レバー810Rを握る操作に基づき、右握り操作検出スイッチによって右操作部材812Rの移動が検出された場合、副制御基板940は、当該検出を有効なものと判断して受け付ける。一方、右握り操作有効フラグがオフ状態である期間においては、右握り操作検出スイッチによって右操作部材812Rの移動が検出されたとしても、副制御基板940は当該検出を無効なものと判断して受け付けない。
右握り操作有効フラグがオン状態となると、副制御基板940の演出タイマに、副制御基板940のROMに記憶された右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLの長さに対応する値が初期設定される。右握り操作有効フラグは、殻割り演出が実行される期間に亘ってオン状態に維持され、殻割り演出の終了時(時刻tc8)であって第1ラウンドが開始(時刻t1)された後に、オフ状態となる。
ここで、右入力レバー810Rは、装飾図柄表示装置479(操作可能表示手段)によって右握り操作指示情報484S(図29(A)参照:所定の操作情報)が表示された場合に、手で握る操作(所定の入力操作)を実行可能に構成されている。そして、右入力レバー810Rを握る操作を有効に受け付ける有効期間TLの開始と同時又は開始の前に、装飾図柄表示装置479によって、右入力レバー810Rを握る操作を遊技者に指示する右握り操作指示情報484Sが表示される。また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLは、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの少なくとも一部を含む期間に設定されている。このため、遊技者が発射操作装置250に対する発射操作を止めて右入力レバー810Rを握る操作を行う場合には、たとえ上進入規制機構454(図29(A)参照)による球噛みに起因する球噛み連鎖通過が発生したとしても、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間に、上進入規制機構454の設置箇所に到達し、振分機構437側に進行してしまう遊技球の個数を減らす又は無くすことができる。
また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLは、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始まで期間において、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TL外である時間(以下において、無効時間とも称す)が、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間に規定数を乗じた時間未満となる長さとなるように設定されることが好ましく、無効時間が、発射間隔に相当する時間に規定数より2以上小さい数を乗じた時間未満となる長さとなるように設定されることが更に好ましい。第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までにおける右入力レバー810Rを握る操作の無効時間が短くなるにつれて、球噛み連鎖通過が発生したとしても振分機構437側に進行する遊技球の個数を減らすことができ、無効時間が発射間隔に相当する時間に規定数より2以上小さい数を乗じた時間未満に設定した場合には、球噛み連鎖通過により進行した遊技球の個数が規定数まで到達してしまうことをほぼ確実に防止できる。
第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間(時刻t1~時刻t4:概ね9.0秒)において右握り操作有効フラグがオフ状態である時間(右入力レバー810Rを握る操作の無効時間)は、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間(例えば、0.6秒)に規定数(例えば、10個)を乗じた時間(例えば、6.0秒)よりも十分に短い時間(例えば、2.5秒)となるように、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLの終端は設定されている。このため、進入可能期間が開始される前に、たとえ遊技球の球噛み連鎖通過が発生したとしても、規定数以上の遊技球が案内通路494に進入して上大入賞スイッチ444で検出されてしまうことを防止できる。
また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが終了してから上進入規制機構454の1回目の進行可能状態が終了(概ね時刻t5)するまでの時間が、遊技領域409に向けて発射された遊技球が上進入規制機構454の設置箇所に到達するまでの平均的な時間(例えば、2.0秒:以下において、上進入規制機構454への平均到達時間とも称す)よりも長くなるように、有効期間TL(例えば、2.5秒)の終端は設定されている。このため、有効期間TLの直後に発射された遊技球を、上進入規制機構454が1回目の進行可能状態である期間内に上進入規制機構454に到達させることが可能となり、有効期間TLに亘り遊技球の発射が停止されたとしても、遊技者に不利益を与えることを防止できる。
また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが終了してから進入可能期間が開始されるまでの時間が、上進入規制機構454への平均到達時間に、案内通路494に対する平均進行時間(例えば、1.5秒)を加えた時間(例えば、3.5秒)よりも短くなるように、有効期間TLの終端は設定されている。このため、有効期間TLが終了した後に遊技者が遊技球の発射を再開したとしても、有効期間TLの直後に発射され、案内通路494に進入した遊技球を特典領域409Vに進入させることが可能となり、有効期間TLに亘り遊技球の発射が停止されたとしても、遊技者に不利益を与えることを防止できる。
なお、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLは第1ラウンドの開始前に開始される構成であるが、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間は、第1ラウンドの開始後に開始される構成としてもよい。この場合には、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間において、有効期間TLの前後で右握り操作有効フラグがオフ状態である時間の総和が、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間に規定数を乗じた時間より短くなるように、有効期間TLの始端や終端が設定されていることが好ましい。
右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLにおいて、右入力レバー810Rを握る操作が行われ、右握り操作検出スイッチがオン状態となると(例えば、時刻te4)、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。また、回転駆動モータは、時刻te4から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻te5に逆方向の回転に切り替わり、更に、時刻te5から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻te6に停止する。時刻te4から時刻te6の回転駆動モータの動作によって、左可動部材10と右可動部材20とは、図29(A)に示す宝卵482を挟む姿勢から宝卵482を圧迫する姿勢(図26(B)参照)へ変化した後に、宝卵482を挟む姿勢に戻る。時刻te4から時刻te6の動作は、右握り操作検出スイッチがオン状態となるたびに実行される(図28においては9回動作する場合が示されている)。
右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLにおいて、右入力レバー810Rを握る操作が所定の回数(例えば、6回)以上、右握り操作検出スイッチで検出された場合に、片手参加型の殻割り演出に引き続き宝出現演出が実行される。一方、有効期間TLにおいて、右入力レバー810Rを握る操作を行わない、又は、右入力レバー810Rを握る操作を行うもの所定の回数未満しか行わない場合には、装飾図柄表示装置479において、片手参加型の殻割り演出に引き続き、図29(D)に示すように、進入可能期間の発生を前もって告知するV前告知情報486(図29(D)のV球)が宝卵482から出現する表示が行われるV出現演出が実行される。
なお、有効期間TLにおける右入力レバー810Rを握る操作が所定の回数以上行われたことを条件として、殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成としているが、この構成に限らず、有効期間TLを分割した複数の分割期間(例えば、1秒ごとの9つの期間)を設け、各判定期間において右入力レバー810Rを握る操作が少なくとも1回行われたことを条件として、殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成とすることが好ましい。この好ましい構成の場合には、長時間(有効期間TLの全体)に亘って、連続して右入力レバー810Rを握る操作を行うように、遊技者を誘導することが可能になる。このため、たとえ球噛み連鎖通過が発生したとしても、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までに上大入賞スイッチ444で検出される遊技球の個数を減少させる効果を、有効期間TLの一部又は全部で右入力レバー810Rを握る操作が実行されない場合に比べて向上させることができる。
片手参加型の殻割り演出に引き続き実行される宝出現演出(時刻tc8~時刻tc10)において、回転駆動モータは、順方向の回転をし、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫する姿勢をとる(時刻te14)。装飾図柄表示装置479には、宝卵482が圧迫された表示が行われ、その後に、特典領域409Vへ遊技球が進入可能状態が開始されることを遊技者に知らせる情報であり、かつ、現在設定されている確率状態を推測可能な情報である図29(B)に示すような宝483が宝卵482から出現する表示が行われる。
次に、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンド(確変予定の特別遊技状態における特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドに対応するラウンド)において、右入力レバー810Rを用いる片手参加型の演出として実行される片手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図29(C)と共に、図30を参照して説明する。図30は、時短予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。
図30に示すように、オープニング演出(OP演出)が実行される時刻td1~時刻td2においては、図28に示す確変予定の特別遊技状態の時刻tc1~時刻tc2と同様(同一)の表示演出の制御が行われる。また、片手参加型の殻割り演出が実行される時刻td2~時刻td8において、図28に示す確変予定の特別遊技状態の時刻tc2~時刻tc8と同様(同一)の表示演出の制御が行われる。
片手参加型の殻割り演出において、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが設けられ、その有効期間TLにおいて遊技者は、確変予定の場合と同様に右入力レバー810Rを握る操作をすることができる。時短予定の特別遊技状態においては、片手参加型の殻割り演出の後に引き続き、殻割れず演出が実行される。殻割れず演出において、図29(C)に示すように、装飾図柄表示装置479に、宝卵482が割れずに下方へ移動する表示が行われる。すなわち、殻割れず演出では、図29(B)に示すような宝483が出現しない表示が行われる。
次に、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドで実行される片手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加しない場合に対する片手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図29(D)と共に、図31を参照して説明する。図31は、確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図31において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。以下において、図28に示す片手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合の制御との相違部分についてのみ説明する。
殻割り演出中であって右握り操作有効フラグがオン状態である期間(右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TL)において、右入力レバー810Rが操作されないために、回転駆動モータは停止された状態に維持される。
殻割り演出に引き続き、宝出現演出に代えて、装飾図柄表示装置479に宝卵482からV前告知情報486が出現する表示が行われるV出現演出が実行される(時刻tc8~時刻tc10)。V前告知情報486の出現は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状態が開始されることを遊技者に知らせる情報ではあるが、現在設定されている確率状態を推測可能な情報ではない。
確変予定の特別遊技状態において、右入力レバー810Rを握る操作によって参加型の演出としての殻割りミッション演出(具体的には、殻割り演出)に参加した場合には、現在設定されている確率状態を推測可能な情報が与えられる(宝483の出現)が、殻割りミッション演出に参加しない場合には、現在設定されている確率状態を推測可能な情報は与えられない。現在設定されている確率状態は遊技の勝敗に関与するため多くの遊技者にとって関心事であるため、確率状態を推測可能な情報が与えられる可能性がある参加型の演出には、遊技の勝敗に関与しない情報(プレミアム演出を発生させるといった特典を得るためのポイント)が与えられる参加型の演出の場合に比べて多くの遊技者を演出に参加させることが可能になる。なお、必ずしも参加型の演出に参加しない場合に、確率状態を推測可能な情報を表示しない構成とする必要はなく、参加した場合の方が参加しない場合より高確率で確率状態を推測可能な情報を表示する構成とし、参加しない場合においても確率状態を推測可能な情報を表示してもよく、参加した場合においても一定の確率で確率状態を推測不能なV前告知情報486を表示するようにしてもよい。
以上で説明したパチンコ機100であれば、参加型の演出を実行することで右入力レバー810Rを握る操作を遊技者に促すことができ、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間の少なくとも一部において、発射操作装置250(発射ハンドル252)を操作している右手を右入力レバー810Rへ移動し遊技球の発射を停止するように遊技者を誘導することが可能になる。これにより、第1ラウンドの実行中であって進入可能期間となる前に、規定数以上の遊技球が振分機構437側へ進行してしまい、確変予定の特別遊技状態が発生したにも関わらず、確変遊技状態に移行させられなくなったといった事態の発生を抑制可能となる。
また、右入力レバー810Rを左手では操作し難い形状とすることで、発射操作装置250を操作する右手によって右入力レバー810Rを操作させ易くでき、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間の少なくとも一部における遊技球の発射の停止を促進することができる。
<特典領域409Vへ遊技球が進入可能なラウンドの両手参加型の演出>
次に、特典領域409Vへ遊技球を進入可能なラウンドにおいて、好適な演出を実行可能な構成について、図5と共に、図32~図37を参照して説明する。特典領域409Vへ遊技球が進入可能なラウンドで実行される演出の一種として、右入力操作装置801Rと、右入力操作装置801Rよりも左側に設けられる後述の左入力操作装置801Lとを、遊技者が両手で操作することで演出に参加可能な両手参加型の演出が実行される。
以下において、両手参加型の演出としての両手参加型の殻割りミッション演出の推移の説明に先立ち、両手参加型の殻割りミッション演出で用いる右入力操作装置801Rや左入力操作装置801Lについて説明する。図32は、図5のX1-X1を含む切断面により右入力操作装置801R及び左入力操作装置801Lの配置及び構造を模式的に示す断面図である。
右入力操作装置801Rは、遊技球が流下する遊技領域409(右流下領域409R)や装飾図柄表示装置479の前側に位置するように設けられている。具体的には、パチンコ機100は、右入力レバー810Rを移動可能に支持する右支持機構802Rを備え、右入力操作装置801Rの一部をなす右入力レバー810Rが、図5に示すように、前ブロック102の右端に位置する右端配置(実線で示す配置)と、前ブロック102の中央側に位置する中央配置(一点鎖線で示す配置)との間で移動可能である。このため、右入力レバー810Rは、右操作部材812Rを握る操作により情報を入力する装置として機能すると共に、遊技領域409の前側や装飾図柄表示装置479の前側における右入力レバー810Rを移動させる操作により情報を入力する装置として、更に、遊技領域409の前側や装飾図柄表示装置479の前側において右入力レバー810R自体が移動することにより演出を実行する装置としても機能する。
右入力レバー810Rは、右端配置において、遊技領域409の一部である右流下領域409Rを流下する遊技球を流下位置に寄らずに視認できるように位置している。また、右入力レバー810Rは、中央配置において、装飾図柄表示装置479の前側に位置する。このため、右入力レバー810Rを装飾図柄表示装置479の前側において移動することができ、装飾図柄表示装置479における演出よりも目立つ演出や迫力のある演出を実行することが可能になる。
また、右入力レバー810Rは、右端配置と中央配置との間の移動において、装飾図柄表示装置479の前側や右流下領域409Rの前側(2点鎖線で示す配置)に配置される状態をとる。このため、装飾図柄表示装置479における演出や、遊技盤400に設けられた左可動部材10や右可動部材20等による演出などの遊技盤400における演出よりも目立つ演出や迫力のある演出を、右入力レバー810Rによって実行することが可能になる。
また、右入力レバー810Rは、装飾図柄表示装置479や遊技領域409の前側に移動した位置で操作可能である。このため、装飾図柄表示装置479や遊技領域409における演出よりも目立つ位置で、右入力レバー810の操作を実行することが可能になる。
また、パチンコ機100は、図5に示すように、右入力操作装置801Rよりも左側に設けられた左入力操作装置801Lを備えている。左入力操作装置801Lは、遊技球が流下する遊技領域409や装飾図柄表示装置479の前側に位置するように設けられた左入力レバー810Lを備えている。
具体的には、左入力操作装置801Lは、図5に示すように、発射操作装置250(発射ハンドル252)の設置側と反対側の前ブロック102の左端において、前ブロック102の前方側(遊技者側)に突出するように設けられた左入力レバー810Lと、左入力レバー810Lを移動可能に支持する左支持機構802Lとを備えている。
左入力レバー810Lは、図5に示すように、右入力レバー810Rと左右対称な形状であり、右握り壁811Rと同様の左握り壁811Lと、右操作部材812Rと同様の左操作部材812Lと、右被覆壁813Rと同様の左被覆壁813Lを備えている。また、左支持機構802Lも、図5に示すように、右支持機構802Rと左右対称な形状であり、左入力レバー810Lは、前ブロック102の左端に位置する左端配置(実線で示す配置)と、前ブロック102の中央側であって装飾図柄表示装置479の前側に位置する中央配置(一点鎖線で示す配置)との間で移動可能である。
左入力レバー810Lは、左端配置と中央配置との間の移動において、遊技領域409の一部である左流下領域409Lの前側に配置される状態をとる。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方を中央配置に移動させる操作に基づく動作によって、装飾図柄表示装置479や遊技盤400における演出よりも目立つ演出や迫力のある演出を実行することが可能になる。
また、左入力レバー810Lは、装飾図柄表示装置479や左流下領域409L(遊技領域409)の前側に移動した位置で操作可能である。このため、装飾図柄表示装置479や遊技領域409における演出よりも目立つ位置で、右入力レバー810の操作を実行することが可能になる。
なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、装飾図柄表示装置479の前側に配置された場合に、正面視で左入力レバー810Lの一部や右入力レバー810Rの一部が装飾図柄表示装置479と重なる構成であるが、この構成に限らず、正面視で左入力レバー810Lの全体や右入力レバー810Rの全体が装飾図柄表示装置479と重なる構成としてもよい。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが装飾図柄表示装置479の前側に配置される中央配置をとる場合に、正面視で左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの全体によって装飾図柄表示装置479の一部が覆われる構成であるが、この構成に限らず、正面視で左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの全体によって装飾図柄表示装置479の全体が覆われる構成としてもよい。
また、右入力レバー810Rは、遊技領域409と装飾図柄表示装置479との双方の前側に配置可能に設けられる構成であるが、この構成に限らず、遊技領域409や装飾図柄表示装置479の一方の前側に配置可能に設けられる構成としてもよい。これは、左入力レバー810Lについても同様である。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が、遊技領域409の前側に配置可能に設けられる構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一方が遊技領域409の前側に配置可能に設けられる構成としてもよい。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が、装飾図柄表示装置479の前側に配置可能に設けられる構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一方が装飾図柄表示装置479の前側に配置可能に設けられる構成としてもよい。
右入力レバー810Rを移動可能に支持する右支持機構802Rは、右入力レバー810Rが取り付けられる支持台(以下において、右支持台820Rとも称す)を備えている。右支持台820Rは、上下方向に延びる垂直部分と、垂直部分の下端から前方側に延びる水平部分とを有する側面視でL字形状をなす形状であり、水平部分で右入力レバー810Rの下端を支持する。
また、右支持機構802Rは、前ブロック102の基枠201の右上隅部分に固定された固定回転軸(以下において、右外側固定回転軸821Rとも称す)と、右支持台820Rの右端側の中央部分に固定された可動回転軸(以下において、右外側可動回転軸822R)と、右外側固定回転軸821Rと右外側可動回転軸822Rとを連結する支持腕(以下において、右外側支持腕823Rとも称す)とを備えている。
また、右支持機構802Rは、前ブロック102の基枠201において右外側固定回転軸821Rの左上側に固定された固定回転軸(以下において、右内側固定回転軸824Rとも称す)と、右支持台820Rの左端の上側部分に固定された可動回転軸(以下において、右内側可動回転軸825R)と、右内側固定回転軸824Rと右内側可動回転軸825Rとを連結する支持腕(以下において、右内側支持腕826Rとも称す)とを備えている。
右外側固定回転軸821Rに対する右内側固定回転軸824Rの位置と、右外側可動回転軸822Rに対する右内側可動回転軸825Rの位置とは、相対的に同一の位置であり、右外側支持腕823Rと右内側支持腕826Rとは、同一の長さである。すなわち、右支持機構802Rは、平行リンク機構を形成する。このため、右支持台820Rに設けられることで右支持機構802Rに支持された右入力レバー810Rは、右端配置と中央配置との間の移動において、回転することなく姿勢を一定に保ちながら移動する。したがって、遊技者が右入力レバー810Rを握る操作する場合と同様に右入力レバー810Rを掴んでいたとしても手首を捻ったりすることなく、右入力レバー810Rを円滑に移動させることができる。
左支持機構802Lは、右支持機構802Rと左右対称な形状であるため、左支持台220L(右支持台220Rに相当)と、左外側固定回転軸821L(右外側固定回転軸821Rに相当)と、左外側可動回転軸822L(右外側可動回転軸822Rに相当)と、左外側支持腕823L(右外側支持腕823Rに相当)と、左内側固定回転軸824L(右内側固定回転軸824Rに相当)と、左内側可動回転軸825L(右内側可動回転軸825Rに相当)と、左内側支持腕826L(右内側支持腕826Rに相当)とを備え、平行リンク機構を形成している。このため、右入力レバー810Rの場合と同様に、左入力レバー810Lについても、左入力レバー810Lの姿勢を変化させることなく、移動操作を円滑に行うことができる。なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、平行リンク機構を用いて姿勢が変化することなく移動する構成であるが、この構成に限らず、平行リンク機構を用いることなく姿勢が変化しないで移動する構成としてもよいし、平行リンク機構を用いないで姿勢が変化しながら移動する構成としてもよい。
左入力レバー810Lが左端配置をとり、右入力レバー810Rが右端配置をとる場合に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、所定の間隔(例えば、40cm以上:指先を最大限開いた状態における一般成人男性の親指の先から中指の先までの長さ以上の長さ)を隔てて位置している。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が片手で操作されることを防止できる。
左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが中央配置をとる場合、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとがほぼ隙間なく配置される。このため、左入力レバー810Lが装飾図柄表示装置479を覆う領域と、右入力レバー810Rが装飾図柄表示装置479を覆う領域とが連続した領域となり、装飾図柄表示装置479における連続した広い領域を覆うことができる。
右入力操作装置801Rは、右外側固定回転軸821Rを中心として右外側支持腕823Rを回転させることで、右入力レバー810Rを移動させる右レバー回転駆動モータ831Rを備えている。右レバー回転駆動モータ831Rは、双方向に回転可能であり、所定の方向に回転することで、右入力レバー810Rを右端配置側から中央配置側に移動させることができ、また、所定の方向とは逆の方向に回転することで、右入力レバー810Rを中央配置側から右端配置側に移動させることができる。以下において、右入力レバー810Rを右端配置側から中央配置側に移動させる右レバー回転駆動モータ831Rの回転方向(正面視で右回転)を順方向とも称し、その逆を逆方向とも称す。
左入力操作装置801Lは、左外側固定回転軸821Lを中心として左外側支持腕823Lを回転させることで、左入力レバー810Lを移動させる左レバー回転駆動モータ831Lを備えている。左レバー回転駆動モータ831Lは、双方向に回転可能であり、所定の方向に回転することで、左入力レバー810Lを左端配置側から中央配置側に移動させることができ、また、順方向とは逆の方向に回転することで、左入力レバー810Lを中央配置側から右端配置側に移動させることができる。以下において、左入力レバー810Lを右端配置側から中央配置側に移動させる左レバー回転駆動モータ831Lの回転方向(正面視で左回転)を順方向とも称し、その逆を逆方向とも称す。
右入力操作装置801Rは、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作に基づく右入力レバー810Rの右端配置から中央配置側への移動を検出する右連結操作検出スイッチ838Rを備えている。具体的には、右入力操作装置801Rは、右連結操作検出スイッチ838Rとして、右入力レバー810Rが右端配置である場合に、右外側支持腕823Rに接触してオン状態をとり、右入力レバー810Rが右端配置から中央配置側へ移動することで、右外側支持腕823Rから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lの左端配置から中央配置側への移動を検出する左連結操作検出スイッチ838Lを備えている。具体的には、左入力操作装置801Lは、左連結操作検出スイッチ838Lとして、左入力レバー810Lが左端配置である場合に、左外側支持腕823Lに接触してオン状態をとり、左入力レバー810Lが左端配置から中央配置側へ移動することで、左外側支持腕823Lから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
右入力操作装置801Rは、右入力レバー810Rの右端配置側から中央配置への移動を検出する右連結状態検出スイッチ839Rを備えている。具体的には、右入力操作装置801Rは、右連結状態検出スイッチ839Rとして、右入力レバー810Rが中央配置に移動することで、右外側支持腕823Rに接触してオン状態をとり、右入力レバー810Rが中央配置に移動するまでは、右外側支持腕823Rから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lの右端配置側から中央配置への移動を検出する左連結状態検出スイッチ839Lを備えている。具体的には、左入力操作装置801Lは、左連結状態検出スイッチ839Lとして、左入力レバー810Lが中央配置に移動することで、左外側支持腕823Lに接触してオン状態をとり、左入力レバー810Lが中央配置に移動するまでは、左外側支持腕823Lから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
右入力操作装置801Rは、右入力レバー810Rの移動を規制する右レバー移動規制装置804Rを備えている。具体的には、右レバー移動規制装置804Rは、前後方向に移動可能な右レバー規制部材841Rを備えている。右レバー規制部材841Rは、右支持台820Rの垂直部分に形成された陥没穴(図示せず)に挿入され、右支持台820Rの移動を制限することで、右入力レバー810Rの右端配置からの移動を規制する規制位置(図27(A)参照)と、陥没穴から抜け出し、右入力レバー810Rの右端配置からの移動を許容する許容位置(図32(A))とをとる。また、右レバー移動規制装置804Rは、右レバー規制部材841Rを駆動する移動駆動ソレノイド(図示せず)を備えている。右レバー移動駆動ソレノイドの動作は、副制御基板940によって制御される。
左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lの左端配置からの移動を規制する左レバー移動規制装置804Lを備えている。具体的には、左レバー移動規制装置804Lは、右レバー移動規制装置804Rと同一の構造であり、右レバー規制部材841Rと同様の左レバー規制部材841Lと、右レバー移動駆動ソレノイドと同様の左レバー移動駆動ソレノイド(図示せず)を備えている。
左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rには、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結可能な装置を備えている。具体的には、右入力レバー810Rには、右被覆壁813Rの左端において上下に離間して配置された上側電磁石818Rと下側電磁石819Rとが設けられている。また、左入力レバー810Lには、左被覆壁813Lの右端において上下に離間する上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとが設けられている。
左入力レバー810Lの上側電磁石818Lは、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置である場合に、右入力レバー810Rの上側電磁石818Rと対向する位置に配置され、また、左入力レバー810Lの下側電磁石819Lは、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置である場合に、右入力レバー810Rの下側電磁石819Rと対向する位置に配置される。このため、例えば、上側電磁石818Lの右側がN極となり、上側電磁石818Rの左側がS極となるように、上側電磁石818Lと上側電磁石818Rとが励磁されることで、図32(C)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを引き付けて連結し、連結された状態で維持することが可能になる。一方、例えば、上側電磁石818Lの右側がN極となり、上側電磁石818Rの左側もN極となるように、上側電磁石818Lと上側電磁石818Rとが励磁されることで、図31(B)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを反発させ、離間した状態で維持することが可能になる。
上側電磁石818L、下側電磁石819L、上側電磁石818R及び下側電磁石819Rの励磁は、副制御基板940によって制御される。
ここで、確変予定の特別遊技状態において特典領域409Vへ遊技球が進入可能となる第1ラウンドで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを用いる両手参加型の演出として実行される両手参加型の殻割りミッション演出の推移について説明する。両手参加型の殻割りミッション演出において、装飾図柄表示装置479に、画像による表示演出に加えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させる操作を指示する情報や、操作の準備や終了を指示する情報や、発射ハンドル252の回転操作を指示する情報など、遊技者による入力操作に関連する入力操作関連情報が表示される。また、両手参加型の殻割りミッション演出において、遊技者は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通で実行される殻割り演出の一部の期間で演出に参加することができる。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出における殻割り演出を、両手参加型の殻割り演出とも称す。
図33は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(殻割りミッション演出)の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図33において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出の制御において、図28に示す片手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加する場合の制御との相違部分についてのみ説明する。
また、図34は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図である。図34(A)は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通で実行される両手参加型の殻割り演出の開始直後(図33の時刻tf1)を示し、図34(B)は、殻割り演出中(図32の時刻tf4の直後)を示し、図34(C)は、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出の開始直後(図25の時刻tf16)を示し、図34(D)は、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出中(図25の時刻tf18直後)を示す。
確変予定の特別遊技状態が開始される時刻tc1に、図33に示すように、装飾図柄表示装置479において、オープニング演出(OP演出)が開始されて、表示部479aの中央の下端から上側に向かって宝卵482が出現する表示が開始される。また、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報として、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを操作する準備として左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを掴む動作を指示する操作準備指示情報が表示される。操作準備指示情報の表示は、オープニング演出が終了する時刻tc2まで継続する。操作準備指示情報は、表示を開始するタイミングや表示を終了するタイミングを指定する時間情報と共に、副制御基板940のROMに記憶されている。
オープニング演出に引き続き両手参加型の殻割り演出が開始される時刻tc2に、装飾図柄表示装置479において、操作準備指示情報に代えて、入力操作関連情報の一種であり、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを中央で連結させるように、両入力レバーを中央配置側に移動させる操作(以下において、連結操作とも称す)を指示する連結操作指示情報(例えば、図34(A)における「左右のレバーを連結して殻を割れ」との文字情報)が表示される。連結操作指示情報は、オープニング演出に引き続き実行される殻割り演出が終了する時刻tc8まで継続して表示される。なお、連結操作指示情報484Dは、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結する動作を示す画像や、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを両手で連結させる動作を示す画像などにより、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの操作方法を画像で表示する構成としてもよいし、音声により操作指示情報を出力する構成としてもよい。また、操作指示情報を出力する構成は必須の構成ではなく、省略してもよい。
操作指示演出に引き続き実行される両手参加型の殻割り演出中の時刻tf1に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を受け付ける期間(以下において、連結操作の有効期間TLとも称す)であるか連結操作を受け付けない期間であるかを識別する連結操作有効フラグがオン状態となる。連結操作有効フラグは、副制御基板940のRAMに記憶されている。連結操作有効フラグがオン状態である期間において、連結操作に基づき左入力レバー810Lの左端端配置からの移動が左連結操作検出スイッチ838Lによって検出された場合に、また、右入力レバー810Rの右端配置からの移動が右連結操作検出スイッチ838Rによって検出された場合に、副制御基板940は、左連結操作検出スイッチ838Lや右連結操作検出スイッチ838Rによる検出を有効なものと判断して受け付ける。一方、連結操作有効フラグがオフ状態である期間においては、左連結操作検出スイッチ838Lや右連結操作検出スイッチ838Rによる検出を無効なものと判断して受け付けない。
連結操作有効フラグがオン状態となると、副制御基板940の演出タイマ(図示せず)に、副制御基板940のROMに記憶された連結操作の有効期間TLの長さに対応する値が初期設定される。連結操作有効フラグは、両手参加型の殻割り演出の終了(時刻tc8)までオン状態に維持される。
第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間(時刻t1~時刻t4:概ね9.0秒)において連結操作有効フラグがオフ状態である時間(連結操作の無効時間)は、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間(例えば、0.6秒)に規定数(例えば、10個)を乗じた時間(例えば、6.0秒)よりも十分に短い時間(例えば、2.5秒)に設定される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作は両手で行う必要があり、その期間中は、発射操作装置250の発射操作は行えず、遊技球が発射されない。このため、例えば、上進入規制機構454により遊技球の球噛みが発生していたとしても、進入可能期間が開始される前に、規定数以上の遊技球が案内通路494に進入してしまうことを防止できる。
また、連結操作有効フラグがオン状態となると、左入力レバー810Lの移動を規制する左レバー規制部材841Lを駆動する左レバー移動規制ソレノイドと、右入力レバー810Rの移動を規制する右レバー規制部材841Rを駆動する右レバー移動規制ソレノイドがオン状態となる。左レバー移動規制ソレノイドと右レバー移動規制ソレノイドとは、同じタイミングでオン状態やオフ状態へ移行するため、図33において、それらのソレノイドを区別せずに移動規制ソレノイドとして示す。移動規制ソレノイドがオン状態となると左レバー規制部材841Lと右レバー規制部材841Rとが規制配置から許容配置に変化する。これにより、左入力レバー810Lを左端配置から中央配置へと変化させることが可能になり、また、右入力レバー810Rを右端配置から中央配置へと変化させることが可能になる。移動規制ソレノイドの動作は、副制御基板940のROMに記憶された移動規制ソレノイドをオン状態やオフ状態に移行するタイミングを指定する時間情報に基づいて制御される。移動規制ソレノイドは、連結操作の有効期間TLの終了後の時刻tf18にオフ状態となる。
また、連結操作有効フラグがオン状態となると、左入力レバー810Lに設けられた上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとが、右側(右入力レバー810R側)がN極となるように励磁され、右入力レバー810Rに設けられた上側電磁石818Rと下側電磁石819Rとが、左側(左入力レバー810L側)がN極となるように励磁される。左入力レバー810Lに設けられた上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとは同一タイミングで同一極性に励磁されるため、それらの電磁石を区別せずに、図33に示すように左レバー電磁石818L,819Lとも称し、同様に、右入力レバー810Rに設けられた上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとを区別せずに、図33に示すように右レバー電磁石818R,819Rとも称す。左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rが同極のN極に励磁(図33におけるN極励磁)されると、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが近接する位置に移動したとしても、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが反発し、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が阻止される(図32(B)参照)。
左レバー電磁石818L,819Lに対しては、N極励磁のみが行われるが、右レバー電磁石818R,819Rに対しては、左側をS極とする励磁(図33におけるS極励磁:時刻tf16~時刻tf17)も行われる。具体的には、副制御基板940のROMには、左レバー電磁石818L,819Lの状態を切り替えるタイミングを指定する時間情報が記憶され、副制御基板940のRAMには、励磁状態とするのか非励磁状態とするのかを指定する左励磁情報(例えば、非励磁の場合は0、励磁の場合は1)が記憶されている。また、副制御基板940のROMには、右レバー電磁石818R,819Rの状態を切り替えるタイミングを指定する時間情報が記憶され、副制御基板940のRAMには、N極励磁状態とするかS極励磁状態とするか非励磁状態とするかを指定する右励磁情報(非励磁の場合は0、N極励磁の場合は1、S極励磁の場合は2)が記憶されている。
なお、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを逆極性で励磁することで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が阻止される構成であるが、この構成に限らず、左レバー回転駆動モータ831L及び右レバー回転駆動モータ831Rの少なくとも一方を逆方向(左入力レバー810Lや右入力レバー810R中央配置から離れる方向)に回転させる駆動力を発生させる制御を行うことで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が阻止される構成としてもよい。
連結操作有効フラグがオン状態となった後、遊技者が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を開始すると(時刻tf4)、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rがオン状態となる。遊技者は左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを左右対称に移動させているとして、図33においては、左連結操作検出スイッチ838Lと右連結操作検出スイッチ838Rとを区別せず、連結操作検出スイッチとして示す。
なお、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作が行われていることを判断する構成は、上記構成に限らず、例えば、左連結操作検出スイッチ838L及び左連結操作検出スイッチ838Lの一方のみを設け、左連結操作検出スイッチ838L及び左連結操作検出スイッチ838Lの一方の検出状態に基づいて、副制御基板940で左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作が行われていると判断する構成としてもよい。
左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態となると、図示しないが、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である積算時間が計測される。具体的には、副制御基板940のRAMに記憶された左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である積算時間を計測する積算時間カウンタに、規定の判定時間TM(例えば、6.0秒)に対応する値が初期設定される。積算時間カウンタは、連結操作有効フラグがオン状態であり、かつ、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である場合、所定の時間(例えば、2ms)ごとに1ずつ減算される。副制御基板940は、積算時間カウンタが0となることによって、遊技者によって連結操作が行われたと判断する。
連結操作の有効期間TLにおいて、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態となる時間が規定の判定時間TM以上となる時刻tf15に、図示しない演出選択フラグがオン状態となる。演出選択フラグは、装飾図柄表示装置479において両手参加型の殻割り演出に引き続き実行される演出を指定する情報であり、副制御基板940のRAMに記憶されている。これにより、演出選択フラグが殻割り演出の終了時にオン状態である場合には、装飾図柄表示装置479において、両手参加型の殻割り演出に引き続き、宝卵482が割れて宝483が出現する宝出現演出が実行される。一方、有効期間TLにおいて連結操作が行われない、又は、連結操作は行われるものの規定の判定時間未満しか行われず、演出選択フラグが殻割り演出の終了時にオフ状態である場合には、詳細は後述するが、装飾図柄表示装置479において、両手参加型の殻割り演出に引き続き、宝卵482が割れず宝483が出現しない殻割れず演出が実行される。
なお、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態となる時間が規定の判定時間TM以上となったことを条件として、両手参加型の殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成としているが、この構成に限らず、例えば、有効期間TLを分割した複数の分割期間(例えば、1秒ごとの9つの期間)を設け、各判定期間の少なくとも一部において左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態であることを条件として、殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成としてもよい。また、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rに基づく条件に代えて又は加えて、後述する左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rにより左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が検出されることを条件として、両手参加型の殻割り演出に引き続き宝出現演出を行う構成としてもよい。
また、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である時間が規定の判定時間TM以上となる時刻tf15に、装飾図柄表示装置479において、連結操作指示情報484Dに加えて、連結操作を継続するように遊技者に促す情報(例えば、図34(B)における「もう少しだ!」)が表示される。これにより、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結はしないが近接した配置をとる状態を両手参加型の殻割り演出が終了するまで継続させることが可能になる。なお、連結操作を継続するように促す情報の表示時期は、規定の判定時間TM以上となる時刻に限らず、判定時間TMまでの残り時間が一定以下になった場合としてもよい。
連結操作有効フラグがオフ状態(連結操作の有効期間TLの終了)となる時刻tc8に、殻割り演出が終了し、宝出現演出(時刻tc8~時刻tc10)が開始される。
宝出現演出が開始されると、左レバー電磁石818L,819LがN極励磁状態に維持されたままで、右レバー電磁石818R,819RはS極励磁状態となる。これにより、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合い、図34(C)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されることで、装飾図柄表示装置479に表示されている宝卵482の全体が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとで覆われた状態となる。
右レバー電磁石818R,819RのS極励磁状態は、所定の時間(例えば、1.0秒)継続される。装飾図柄表示装置479において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結している状態で宝卵482の殻が割れ、宝卵482の破片が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rの背後から左右に飛び出す表示が行われる。
また、宝出現演出が開始されると、左レバー回転駆動モータ831Lが、左入力レバー810Lを左端配置側から中央配置側に向けて移動させる順方向に回転する。また、右レバー回転駆動モータが、右入力レバー810Rを右端配置側から中央配置側に向けて移動させる順回転で駆動される。左レバー回転駆動モータ831Lと右レバー回転駆動モータ831Rとは同じタイミングで同じ方向に回転させたり停止させたりするために、以下においては、図34に示すように、それらのモータを区別せずに、レバー回転駆動モータ831L,831Rとも称す。
具体的には、副制御基板940のROMには、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向(左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを中方配置側に移動させる方向)に回転させたり、順方向とは逆の逆方向(左入力レバー810Lについては左端配置側に移動させ、右入力レバー810Rについては右端配置側に移動させる方向)に回転させたり、回転を停止させたりするタイミングを指定する時間情報を記憶している。また、副制御基板940のRAMには、時間の経過と共に変化する駆動情報(例えば、順方向の回転の場合は1、逆方向の回転の場合は2、停止の場合は0)が記憶されている。これにより、副制御基板940は、レバー回転駆動モータ831L,831Rの状態を適宜に切り替え、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを移動させることができる。レバー回転駆動モータ831L,831Rの順方向の回転は、例えば、右入力レバー810Rを右端配置から中央配置に移動させるために必要な時間(例えば、0.5秒)よりも短い所定の時間(例えば、0.1秒)だけ実行される。
左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合うように励磁することに加えて、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向に回転させることで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させることができる間隔を大きくし、連結の確実性を向上させることができる。なお、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合うように励磁することに加えて、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向に回転させる構成としているが、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合うように励磁すること、又は、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向に回転させることの一方によって、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結する構成としてもよい。
左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されると、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとの双方がオン状態となる(時刻tf16)。遊技者は左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを左右対称に移動させているとして、図33においては、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとを区別せず、連結状態検出スイッチとして示す。左連結状態検出スイッチ839Lのオン状態と右連結状態検出スイッチ839Rとのオン状態は、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されている期間に亘り継続される。
左レバー電磁石818L,819Lと右連結電磁石とが消磁により非励磁状態となる時刻tf17に、レバー回転駆動モータ831L,831Rは、逆方向に回転し、回転を開始してから所定の時間(例えば、0.5秒)後に停止する。これにより、左入力レバー810Lは中央配置から左端配置に戻り、また、右入力レバー810Rは中央配置から右端配置に戻る(時刻tf18)。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されると、副制御基板940において、入力操作関連情報の一種として、連結操作指示情報484Dに代えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を終了するように遊技者に指示する操作終了指示情報487D(例えば、図34(C)における「左右のレバーを離せ!」)が表示される。これにより、レバー回転駆動モータ831L,831Rの逆方向の回転で、左入力レバー810Lを中央配置から左端配置に、また、右入力レバー810Rを中央配置から右端配置に円滑に移動させることができる。
Vを狙え演出が開始される時刻t3に、回転駆動モータは、順方向の回転を開始する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とは、互いに近接するように中央側に向けて移動する。左可動部材10と右可動部材20とが、遊技領域409の入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する特典領域指示配置(図13参照)をとる時刻tf19になると、回転駆動モータは、順方向の回転を停止する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とが特典領域指示配置をとり、特典領域409Vに遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることができる。
ここで、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)に遊技者が参加する場合の両手参加型の演出の推移について、図35と共に、図37(A)及び図37(B)を参照して説明する。図35は、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図35において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
また、図37は、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の演出に遊技者が参加する場合以外における両手参加型の演出の推移を模式的に示す説明図である。図37(A)及び図37(B)は、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出に遊技者が参加する場合であって、図37(A)が殻割れず演出の開始直後(時刻td8の直後)を示し、図37(B)が殻割れず演出中(時刻tg17)を示す。また、図37(C)及び図37(D)は、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の殻割り演出に遊技者が参加しない場合であって、図37(C)が殻割れず演出の開始直後(時刻td8の直後)を示し、図37(D)がV後告知演出中(時刻tc11)を示す。
オープニング演出(OP演出)が実行される時刻td1~時刻td2において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc1~時刻tc2と同様の表示演出が、装飾図柄表示装置479で実行される。また、両手参加型の殻割り演出が実行される時刻td2~時刻td8において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc2~時刻tc8と同様の表示が装飾図柄表示装置479で行われる。
時短予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、連結操作有効フラグがオン状態となる時刻tg1となった後、遊技者が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を開始すると(時刻tg4)、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rがオン状態となる。
時短予定の特別遊技状態においては、連結操作有効フラグがオン状態となっている期間中に、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとの双方がオン状態をとる時間が規定の判定時間TMとなったとしても(時刻tg15)、演出選択フラグは、確変予定の特別遊技状態の場合のようにオン状態とはならずオフ状態に維持される。このため、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483(図34(D)参照)が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻td8~時刻td10)が実行される。なお、時短予定の特別遊技状態においては、遊技者が連結操作を行っても、その操作時間の長さによらず殻割れず演出が実行されるため、判定時間TMの計測は行わなくてもよい。
殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、左レバー電磁石818L,819Lや右レバー電磁石818R,819Rは、N極励磁状態を維持する。このため、確変予定の特別遊技状態の場合には、右レバー電磁石818R,819RがS極励磁状態に変化することで左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されるが(図34(C)参照)、時短予定の特別遊技状態の場合には、図37(A)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは連結されない。
また、殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結を補助するためのレバー回転駆動モータ831L,831Rの順方向の回転は実行されない。
殻割れず演出が開始(時刻td8)されると、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報の一種として、連結操作指示情報484Dに代えて、図37(A)に示すように、操作終了指示情報487Dが表示される。
また、殻割れず演出が開始されると、装飾図柄表示装置479において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が失敗に終わったことを示す情報(図37(A)における「連結失敗!」との文字情報)が表示される。なお、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が失敗に終わったことを示す情報が表示されるが、この情報の表示は必須ではない。
操作終了指示情報487Dが表示された後の時刻tg17に、左レバー電磁石818L,819Lと右連結電磁石とが消磁により非励磁状態となり、また、レバー回転駆動モータ831L,831Rが逆方向に回転し、左入力レバー810Lは左端配置に戻り、また、右入力レバー810Rは右端配置に戻る(時刻tg18)。
また、時刻tg17に、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報の一種として、操作終了指示情報487Dに代えて、図37(B)に示すように、右打ち指示情報485が表示される。
レバー回転駆動モータ831L,831Rが停止した後の時刻tf18に、殻割れず演出に引き続き残念演出が実行される。
ここで、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加しない場合における両手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図36と共に、図37(C)及び図37(D)を参照して説明する。図36は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図36において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合(図34に示す場合)の制御との相違部分についてのみ説明する。
確変予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作が行われない場合、連結操作有効フラグがオン状態である期間(連結操作の有効期間TL)に亘り、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとがオフ状態に維持される。このため、演出選択フラグは、両手参加型の演出に遊技者が参加する場合のようにオン状態とはならず、オフ状態に維持される。したがって、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483(図34(D)参照)が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻tc8~時刻tc10)が実行される。このとき実行される殻割れず演出は、時短予定の特別遊技状態で実行される殻割れず演出(時刻td8~時刻td10:図35参照)と同一の演出である。したがって、両手参加型の殻割り演出が実行される期間に加えて、殻割れず演出が実行される期間においても、遊技者は、装飾図柄表示装置479の表示によって、確変予定の特別遊技状態であるのか時短予定の特別遊技状態であるのかを区別することができない。
また、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとがオフ状態に維持されているため、右レバー電磁石818R,819Rは、両手参加型の殻割り演出が終了しても(時刻tc8)、左レバー電磁石818L,819Lと同極性のN極励磁状態に維持される。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されることはない。
また、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとがオフ状態に維持されているため、レバー回転駆動モータ831L,831Rは、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結を補助するための順方向への回転が実行されない。このため、遊技者は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの動作によって、確変予定の特別遊技状態であるのか時短予定の特別遊技状態であるのかを区別することができない。
殻割れず演出の開始時(時刻tc8)に、左入力レバー810Lが左端配置をとり、かつ、右入力レバー810Rが右端配置をとるため、左入力レバー810Lを左端配置に戻したり、右入力レバー810Rを右端配置に戻したりするための逆方向への回転も実行されない。また、殻割れず演出の開始時に、左入力レバー810Lが左端配置をとり、かつ、右入力レバー810Rが右端配置をとるため、図37(C)に示すように、装飾図柄表示装置479において、操作終了指示情報487Dは表示されない。一方、殻割れず演出の開始時に、左入力レバー810Lが左端配置をとっていない場合や右入力レバー810Rが右端配置をとっていない場合には、装飾図柄表示装置479において、操作終了指示情報487Dが表示され、レバー回転駆動モータ831L,831Rの逆方向への回転が実行され、左入力レバー810Lを左端配置に戻し、右入力レバー810Rを右端配置に戻す。
殻割れず演出の終了後であって進入可能期間が開始(時刻t4)された後に、特典領域409Vに進入した遊技球が特定通路スイッチ448で検出されると(時刻th19)、確変遊技状態への移行が確定したことを遊技者に告知するV後告知演出(時刻th19~時刻tc12)が実行される。
V後告知演出において、回転駆動モータ(図示せず)が順方向の回転を開始し(時刻th19)、また、斜め移動駆動モータ(図示せず)が順方向の回転を開始し(時刻th19)、左可動部材10と右可動部材20とが離間姿勢からの移動を開始する。左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了し(時刻th20)、左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了すると(時刻th21)、左可動部材10及び右可動部材20とは、図37(D)に示すように、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する特典領域指示配置をとる。
左可動部材10と右可動部材20とが特典領域指示配置となった後の時刻tc11に、回転駆動モータ(図示せず)が逆方向の回転を開始し、また、斜め移動駆動モータ(図示せず)が逆方向の回転を開始する。左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了し(時刻tc12)、左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了すると(時刻tc13)、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢に戻る。
以上で説明したパチンコ機100であれば、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、左入力操作装置801Lの一部である左入力レバー810Lが遊技領域409(左流下領域409L)よりも前側に位置する演出が実行でき、右入力操作装置801Rの一部である右入力レバー810Rが遊技領域409(右流下領域409R)よりも前側に位置する演出が実行できる。これにより、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとによる演出を、遊技領域やその後側に設けられた部材(例えば、左可動部材10や右可動部材20)による演出よりも目立たせることが可能になる。したがって、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、パチンコ機100であれば、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、左入力操作装置801Lの一部である左入力レバー810Lが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する演出が実行でき、右入力操作装置801Rの一部である右入力レバー810Rが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する演出が実行できる。これにより、装飾図柄表示装置479による演出よりも目立たせることが可能になる。したがって、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、パチンコ機100であれば、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、左入力操作装置801Lの一部である左入力レバー810Lが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する状態での連結操作による演出が実行でき、右入力操作装置801Rの一部である右入力レバー810Rが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する状態での連結操作による演出が実行できる。これにより、装飾図柄表示装置479による演出よりも目立たせることが可能になる。したがって、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、パチンコ機100であれば、発射操作装置250と、右入力レバー810Rと、左入力レバー810Lとが設けられ、両手参加型の演出が実行された場合において右入力レバー810Rを右手で操作し、左入力レバー810Lを左手で操作した場合に、装飾図柄表示装置479によって宝483の画像が表示される表示制御が副制御基板940の制御によって実行される。このため、発射操作装置250から手を離して遊技球が発射されていない状態で、両手を用いた右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとの操作に基づいた演出を遊技者に楽しませることができ、演出への注目度を高めることができる。
また、パチンコ機100であれば、副制御基板940が装飾図柄表示装置479を制御して、片手参加型の演出実行中には、右入力レバー810Rに対して片手で操作を行う場合に対応する片手参加型の演出画像を表示し、両手参加型の演出実行中には、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとに対して両手で操作を行う場合に対応する両手参加型の演出画像を表示する制御を行う。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による入力操作手段の操作に基づいた演出を、片手参加型の演出画像とは異なる演出画像を用いた特別な演出として、遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、両手参加型の演出が実行された場合に、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lを両手で操作した場合には、装飾図柄表示装置479)によって宝483の画像が表示され、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとのいずれか一方を片方の手で操作した場合には、宝483の画像が表示されない表示制御が副制御基板940の制御によって実行される。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作に基づいた演出を稀少なものとして遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、両手参加型の演出が実行された場合に、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lを両手で操作して、装飾図柄表示装置479の正面に近い中央配置側に移動する操作をすることによって宝483の画像が表示される。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作によって装飾図柄表示装置479への関心が高められた状態で、右入力レバー810R及び左入力レバー810Lの操作と、装飾図柄表示装置479の表示演出とを組み合わせた演出を遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、発射操作装置250と、右入力レバー810Rと、左入力レバー810Lと、電磁石818R,819R,818L,819Lとが設けられ、所定の操作タイミングとしての確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出実行中に、遊技者が右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとを中央配置とした状態にて電磁石818R,819R,818L,819Lの励磁が制御され、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置にて連結された状態に維持される制御が行われる。このため、電磁石818R,819R,818L,819Lによって右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置の位置に維持される操作感を利用した演出を遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、遊技者側から見て装飾図柄表示装置479の表示画面の手前側に右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが重ならない位置から表示画面の中央部分の手前側に重なる位置まで右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとを移動可能に構成されている。このため、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lと、装飾図柄表示装置479に表示される画像とを一体的に遊技者が視認し易い演出を実現することができる。このため、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとを、表示画像に組み合わされた表示対象として関連させた演出を実行することができる。よって、装飾図柄表示装置479の前側に重なって配置される立体的な可動部材を、遊技者があたかも動作させることができるような演出を実現することができる。
次に、確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態で実行される両手参加型の殻割りミッション演出において、図33~図37に示す場合とは別の演出の推移を辿る形態について、図38~図43を参照して説明する。以下においては、新たな演出を含む両手参加型の殻割りミッション演出の推移の説明に先立ち、当該演出で利用可能な左入力操作装置801Lや右入力操作装置801Rの特性について説明する。
右入力操作装置801Rは、右入力レバー810Rを支持する右外側支持腕823Rに連結された右レバー回転駆動モータ831Rとして、サーボモータを備えている。このサーボモータは、動力を供給するACモータやDCモータやパルスモータ等の動力供給部(図示せず)と、右外側支持腕823Rの回転方向や回転位置や回転速度を検出可能なエンコーダ等の移動検出部(図示せず)とを備えている。このため、サーボモータの動力供給部の回転制御によって、右入力レバー810Rを中央配置側や右端配置側に移動させたり、一定の速度で移動させたり、回転移動位置(右端配置の場合に対する右外側支持腕823Rの回転角度)に基づいて速度を変化させながら移動させたり、時間の経過に基づいて速度を変化させながら移動させたりできる。また、右入力レバー810Rの回転移動位置をサーボモータの移動検出部で常に検出することができる。
また、右レバー回転駆動モータ831Rとしてサーボモータを用いることで、右入力レバー810Rが遊技者の操作によって移動する場合であっても、移動検出部は、右外側支持腕823Rの回転方向や回転角度や回転速度を検出可能である。このため、右入力レバー810Rが遊技者の操作によって移動する場合に、右入力レバー810Rの回転移動位置をサーボモータの移動検出部で常に検出しながら、遊技者の操作に対して一定の反力や、右入力レバー810Rの回転移動位置に基づいて変化する反力や、時間の経過に基づき変化する反力を発生させることができる。したがって、遊技者が右入力レバー810Rを操作する際に、遊技者に多様な操作感を与えることができる。
また、左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lを支持する左外側支持腕823Lに連結された左レバー回転駆動モータ831Lとして、右レバー回転駆動モータ831Rの場合と同様のサーボモータを備えている。このため、左入力レバー810Lについても、右入力レバー810Rに関して説明したように、多様な形態で移動させたり、多様な操作感を遊技者に与えたりできる。
左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、前後方向(遊技盤400に対して近づいたり遠ざかったりする方向)に移動可能に構成されている。ここで、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを前後方向に移動可能とする構成について、図38を参照して説明する。図38は、図5のX1-X1を含む切断面により左入力レバー810L及び右入力レバー810Rの前後方向の動作を模式的に示す説明図である。図38(A)は、左入力レバー810Lが一点鎖線で示す左端配置(位置XLF)から実線で示す中央配置側(位置XL7)へ移動し、右入力レバー810Rが一点鎖線で示す右端配置(位置XRF)から実線で示す中央配置側(位置XR7)へ移動する場合を示す。また、図38(B)は、各入力レバー810L,810Rが、一点鎖線で示す中央配置側へ移動した位置において、実線で示す前後方向へ移動する場合を示している。
右入力操作装置801Rは、図38に示すように、右支持台820Rに対して右入力レバー810Rを前後方向に移動可能に連結された前後移動機構(以下において、右レバー前後移動機構851Rとも称す)と、右レバー前後移動機構851Rを介して右入力レバー810Rを前後方向に移動させる駆動力を発生する前後移動駆動モータ(以下において、右レバー前後移動駆動モータ852Rとも称す)とを備えている。また、左入力操作装置801Lは、右レバー前後移動機構851Rと同様の前後移動機構(以下において、左レバー前後移動機構851Lとも称す)と、右レバー前後移動駆動モータ852Rと同様の前後移動駆動モータ(以下において、左レバー前後移動駆動モータ852Lとも称す)を備えている。
具体的には、右入力操作装置801Rは、右レバー前後移動駆動モータ852Rとして、ACモータやDCモータやパルスモータ等の回転による駆動力を発生する駆動モータを備え、また、右レバー前後移動機構851Rとして、例えば、駆動モータの回転軸に接続されたピニオンギアと右入力レバー810Rに接続されたラックギアとを備えている。このため、駆動モータの回転による駆動力を直線方向の駆動力に変換して右入力レバー810Rに伝達することができる。左レバー前後移動機構851Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rについても同様である。
例えば、右入力操作装置801Rは、ピニオンギアやラックギアとして平歯ギア(スパーギア)が用いられ、駆動モータの回転軸の方向が右入力レバー810Rの移動する前後方向に対して垂直な左右方向となるように駆動モータが配置された構成としてもよい。また、ピニオンギアやラックギアとしてヘリカルギアが用いられ、駆動モータの回転軸の方向が前後方向となるように駆動モータが配置される構成としてもよい。なお、左入力レバーや右入力レバー810Rを前後方向に移動させる駆動源として、回転による駆動力を発生する駆動モータを備える構成であるが、この構成に限らず、ソレノイド等の直線方向の駆動力を発生する装置を動力源とする構成としてもよい。
まず、確変予定の遊技状態で実行される両手参加型の殻割りミッション演出において、当該演出に遊技者が参加する場合について、図39~図41を参照して説明する。
図39は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)の図33に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図39において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
図40は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが回転移動する場合の動作制御を示す説明図である。図40(A)及び図40(B)は、遊技者の入力操作に基づいて各入力レバー810L,810Rが移動する場合の操作感を発現させる各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御を示すグラフであり、図40(C)及び図40(D)は、遊技者の入力操作によらずに左入力レバー810L及び右入力レバー810Rが回転移動する場合の各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御を示すグラフである。
図41は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図34に示す場合とは別の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図である。
以下においては、図39~図41に示す両手参加型の殻割りミッション演出の制御における図33及び図34に示す両手参加型の殻割りミッション演出の制御との相違部分について説明する。
図39に示すように、確変予定の特別遊技状態が開始される時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、オープニング演出(OP演出)が開始される。また、時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報として、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを操作する準備として各入力レバー810L,810Rとを掴む動作を指示する操作準備指示情報(図39における「操作準備」)が表示される。
オープニング演出において、図41(A)に示すように、表示部479aの中央の下端から上側に向かって宝卵482が出現する表示が開始される。宝卵482としては、通常宝卵482N、通常宝卵482Nよりも殻が硬い硬宝卵482H及び通常宝卵482Nよりも殻が軟らかい軟宝卵482Sの3種のいずれかが出現する。
具体的には、副制御基板940は、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタをRAMに備え、乱数カウンタの値と宝卵482の種類との対応を示す種類判定情報をROMに記憶している。このため、種類判定情報を参照することで、選択された乱数カウンタの値に応じて出現する宝卵482の種類を決定することができる。また、副制御基板940は、選択された宝卵の種類を示す情報(例えば、通常宝卵:1、硬宝卵482H:0、軟宝卵482S:2)が宝卵識別情報としてRAMに記憶されており、宝卵識別情報に基づいて、通常宝卵482N、硬宝卵482H及び軟宝卵482Sの3種のいずれか1種を出現させる。種類判定情報は、例えば、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタが取り得る値が100個(例えば、0~99)である場合に、50個の値(例えば、0~49)を通常宝卵482Nに対応付け、20個の値を硬宝卵482Hに対応付け、30個の値を軟宝卵482Sに対応付ける情報であり、出現する宝卵482の種類が所定の割合(例えば、通常宝卵:硬宝卵482H:軟宝卵482S=50:20:30)となるように設定されている。
出現する宝卵482は、装飾図柄表示装置479において、種類によらず同一の表示で表示される。このため、遊技者は、出現時の表示によっては、宝卵482の種類を判別できない。宝卵482の種類は、詳細は後述するが、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを、出現した宝卵482を挟むかのように中央配置側に遊技者が移動させることで判別できる。
また、副制御基板940は、確変予定の特別遊技状態で参照される種類判定情報(以下において、確変予定時の種類判定情報とも称す)とは別に、時短予定の特別遊技状態で参照される種類判定情報(以下において、時短予定時の種類判定情報とも称す)をROMに記憶している。時短予定時の種類判定情報は、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタが取り得る値のすべてを、通常宝卵482N又は軟宝卵482Sに対応付ける情報としている。このため、時短予定の特別遊技状態においては、硬宝卵482Hは出現しないように設定されている(例えば、通常宝卵:硬宝卵482H:軟宝卵482S=65:0:35)。なお、時短予定の特別遊技状態においては、時短予定時の種類判定情報の設定によって、硬宝卵482Hが出現しない構成としているが、この構成に限らず、時短予定時の種類判定情報は、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタが取り得る値の一部が硬宝卵482Hに対応付けられるものの、対応付けられる乱数カウンタの値の個数が確変予定時の種類判定情報の場合よりも少なくなるように設定され、時短予定の特別遊技状態で硬宝卵482Hが出現する割合(例えば、通常宝卵:硬宝卵482H:軟宝卵482S=65:5:30)が確変予定の特別遊技状態の場合よりも少なくなるように設定された構成としてもよい。
オープニング演出に引き続き、図39に示すように、両手参加型の殻割り演出が開始されると(時刻tc2)、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報として、操作準備指示情報に代えて、出現した宝卵482を両入力レバー810L,810Rで挟むように、各入力レバー810L,810Rを中央配置側に移動させる操作(以下において、挟み操作とも称す)を指示する挟み操作指示情報488(図39における「挟み操作」が表示される。具体的には、図41(A)における「左右のレバーで殻を挟め!」との文字情報が表示される。挟み操作指示情報488の表示は、図39に示すように、所定の時間(例えば、2.0秒)継続され、時刻ti3に終了する。挟み操作指示情報488は、表示を開始するタイミングや表示を終了するタイミングを指定する時間情報と共に、副制御基板940のROMに記憶されている。
なお、挟み操作指示情報488は、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、両入力レバー810L,810Rが近接する動作を示す画像や、両入力レバー810L,810Rを両手で近接させる動作を示す画像などにより、各入力レバー810L,810Rの操作方法を画像で表示する構成としてもよいし、音声により挟み操作を指示する情報を出力する構成としてもよい。また、挟み操作指示情報を出力する構成は必須の構成ではなく、省略してもよい。
両手参加型の殻割り演出中の時刻tf1に、遊技者による各入力レバー810L,810Rの移動を有効なものとする有効期間(図33における連結操作の有効期間TLと同一の期間)であるか無効なものとする無効期間であるかを識別する移動操作有効フラグがオン状態となる。移動操作有効フラグは、副制御基板940のRAMに記憶されている。移動操作有効フラグがオン状態となると、副制御基板940の演出タイマ(図示せず)に、副制御基板940のROMに記憶された所定の値(期間TLに相当する値)が初期設定される。移動操作有効フラグは、両手参加型の殻割り演出が終了する時刻tc8までオン状態に維持される。
移動操作有効フラグがオン状態である期間を含み、移動規制ソレノイドがオン状態であって各入力レバー810L,810Rが移動可能な期間において、各入力レバー810L,810Rの回転移動位置が、各レバー回転駆動モータ831L,831Rとしてのサーボモータにおける移動検出部(エンコーダ)によって検出され、レバー位置情報として記憶される。レバー位置情報は、移動検出部によって検出される各外側支持腕823L,823Rの回転角度(左外側支持腕823Lの左端配置から中央配置側への回転角度や右外側支持腕823Rの右端配置から中央配置側への回転角度)に基づき、各入力レバー810L,810Rの位置を識別する情報である。レバー位置情報の値は、副制御基板940のRAMに記憶され、遊技者の操作や各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作による各入力レバー810L,810Rの移動に応じて変化する。
以下において、右入力レバー810Rの回転移動位置は、理解を容易にするために、右入力レバー810Rの左端(中央側の端)を基準とする左右方向の位置で特定する。具体的には、図41(A)や図39に示すように、右端配置をとる位置を位置XRFとし、中央配置をとる位置を位置XCとし、位置XCから等間隔で離れた位置を位置XC側から順に位置XR1~位置XR8とする。同様に、左入力レバー810Lの回転移動位置についても、左入力レバー810Lの右端の位置を基準とする左右方向の位置で特定し、左端配置をとる位置を位置XLF、中央配置をとる位置を位置XC、位置XCから等間隔で離れた位置を位置XC側から順に位置XL1~位置XL8とする。
移動操作有効フラグがオン状態となる時刻tf1に、遊技者の操作を受けて各入力レバー810L,810Rが回転移動する場合の各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御(以下において、受動制御Aと称す:図39における「受A」)が開始される。受動制御Aにおいて、各入力レバー810L,810Rを中央側(位置XC側)へ移動させる遊技者による操作力に対して、各入力レバー810L,810Rの回転移動位置に応じた反力を生じさせるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rが制御される。これにより、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの操作感を回転移動位置によって変化させることができる。
ここで、受動制御Aにおける各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御について、図41(A)を参照して説明する。以下において、両レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御は同一であるため、右レバー回転駆動モータ831Rの動作制御についてのみ具体的に説明する。
受動制御Aにおいて、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XRFに対応する値である場合、右レバー回転駆動モータ831Rは、遊技者による右入力レバー810Rに対する操作力を打ち消すように、所定の最大値(最大反力FR0)まで反力を生じさせる。最大反力FR0は、右入力レバー810Rの自重による回転移動を阻止可能な値よりも大きな値に設定されている。このため、遊技者が右入力レバー810Rを回転移動させる操作を行わなければ、右入力レバー810Rを位置XRFに維持することができる。また、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XRFに対応する値である場合に右入力レバー810Rが最大反力FR0以上の操作力で操作されると、右入力レバー810Rは位置XRFから中央側へ向けて回転移動を開始する。
レバー位置情報が位置XRFに対応する値と位置XR8に対応する値との間である場合に、右レバー回転駆動モータ831Rにより生じる最大反力は、位置XRFに対応する値から離れ位置XR8に対応する値に近づくにつれて大きくなるように設定されている。このため、右入力レバー810Rを回転移動させる操作において、回転移動の距離が大きくなるにつれて反力が大きくなり、あたかもコイルバネによる付勢を受けているかのような操作感を遊技者に与えることができる。
また、右レバー回転駆動モータ831Rにより生じる最大反力は、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合に、最大反力FR1から不連続に増加するように設定されている。このため、右入力レバー810Rが宝卵482の右側に接するように見える位置XR8まで移動した場合、あたかも右入力レバー810Rが宝卵482に物理的に衝突したかのような操作感を遊技者に与えることができる。
右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合の最大反力は、宝卵識別情報の値(選択されている宝卵482の種類)によって異なる値となるように設定されている。具体的には、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合の最大反力は、宝卵識別情報が通常宝卵482Nに対応する値である場合、実線で示すように、最大反力FR1より大きな最大反力FR2に設定される。また、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合の最大反力は、宝卵識別情報が硬宝卵482Hに対応する値である場合には、一点鎖線で示すように、最大反力FR1より大きく最大反力FR2よりも大きい最大反力FR2Hとなるに設定され、宝卵識別情報が軟宝卵482Sに対応する値である場合には、二点鎖線で示すように、最大反力FR1よりも大きいが最大反力FR2よりも小さい最大反力FR2Sに設定される。このため、右入力レバー810Rは、硬宝卵482Hが選択されている場合には、通常宝卵482Nが選択されている場合よりも大きな反力を受け、位置XR8から位置XC側に回転移動させ難くなる。また、右入力レバー810Rは、軟宝卵482Sが選択されている場合には、通常宝卵482Nが選択されている場合より小さな反力しか受けず、位置XR8から位置XC側に回転移動させ易くなる。したがって、遊技者は、装飾図柄表示装置479における表示によっては宝卵482の種類を判別することができなかったものの、右入力レバー810Rを位置XR8から位置XC側に更に移動させる際に受ける反力の相違に基づく移動のし易さによっては判別することができる。
また、右レバー回転駆動モータ831Rにより生じる最大反力は、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値から位置XCに対応する値に向かうにつれて、最大反力FRUまで増加するように設定されている。このため、右入力レバー810Rを位置XR8から位置XC側に更に回転移動させていく場合、右入力レバー810Rが位置XR8から位置XC側に向かうにつれて、右入力レバー810Rを回転移動させ難くなる。したがって、詳細は後述するが、装飾図柄表示装置479において実行される右入力レバー810Rの回転移動に伴い宝卵482が右入力レバー810Rで押圧されて変形していくような表示との連携により、宝卵482の変形が進むにつれて更なる変形が難しくなるような操作感を遊技者に与えることができる。
また、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XRFに対応する値と位置XR8に対応する値との間である場合、最大反力の増加率(最大反力FRUに到達するまでの傾斜角度)が、宝卵482の種類によって異なる値となるように設定されている。
具体的には、宝卵識別情報が硬宝卵482Hに対応する値である場合、最大反力の増加率は、宝卵識別情報が通常宝卵482Nに対応する値である場合よりも大きくなるように設定されている。このため、硬宝卵482Hが選択されている場合であって、右入力レバー810Rを位置XR8より位置XC側に回転移動させていく場合、通常宝卵482Nが選択されている場合よりも、右入力レバー810Rの移動に伴う反力の増加率が大きくなり、宝卵482が更に変形し難くなるような操作感を与えることができる。また、宝卵識別情報が軟宝卵482Sに対応する値である場合、最大反力の増加率は、宝卵識別情報が通常宝卵482Nに対応する値である場合よりも小さくなるように設定されている。このため、軟宝卵482Sが選択されている場合であって、右入力レバー810Rを位置XR8より位置XC側に回転移動させていく場合、通常宝卵482Nが選択されている場合よりも、右入力レバー810Rの移動に伴う反力の増加率が小さく、宝卵482が変形し易いような操作感を与えることができる。
例えば、遊技者が一定の操作力FMで操作している場合には、通常宝卵482Nが選択されていると、右入力レバー810Rを位置XR7まで移動させることができ、硬宝卵482Hが選択されていると、右入力レバー810Rを位置XR8と位置XR7の間までしか移動させることはできず、軟宝卵482Sが選択されていると、位置XR7を越えて位置XR6まで移動させることができる。このため、遊技者が反力FR2Hより大きな操作力で操作され、右入力レバー810Rを位置XR8から移動させる際の反力の違いによって宝卵482の種類による違いを判別できなかったとしても、位置XR8よりも位置XC側への回転移動のし易さ(宝卵482の変形し易さ)によって宝卵482の種類を判別できる。
また、受動制御Aにおいて、一旦、遊技者が右入力レバー810Rを中央配置側へ移動した後に、右入力レバー810Rから手を離すことで右入力レバー810Rの自重による右端配置側への回転移動、又は、右端配置側へ移動させる操作による右端配置側への回転移動に対して、図示しないが、右レバー回転駆動モータ831Rは、反力を生じないように制御される。また、右入力レバー810Rが最下端位置(右外側支持腕823Rが上下方向を向く位置)に回転移動した場合には、右レバー回転駆動モータ831Rは、図示しないが、最大反力FR0と同じ大きさの駆動力で、右入力レバー810Rを右端配置となる位置XRFまで回転移動させるように制御される。
また、受動制御Aにおいて、遊技者が左入力レバー810Lを左端配置から中央配置側へ回転移動させる場合に、左レバー回転駆動モータ831Lは、遊技者による右入力レバー810Rの右端配置から中央配置側への回転移動の場合と同様の反力が生じるように制御される。このため、遊技者が左入力レバー810Lを回転移動させる場合に、右入力レバー810Rの場合と同様の操作感を遊技者に与えることができる。
以下においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが遊技者によって左右対称に操作力FMで操作され、宝卵482として通常宝卵482Nが選択されている場合を説明する。
図39の説明に戻り、移動操作有効フラグがオン状態となった後の時刻tf4に、遊技者による左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの挟み操作(中央配置側への回転移動)が開始されると、各レバー位置情報が各入力レバー810L,810Rの操作量に応じて変化を開始する。
各レバー位置情報に基づき、左入力レバー810Lが宝卵482に接触するように見える位置XL8に移動し、かつ、右入力レバー810Rが宝卵482に接触するように見える位置XR8に移動したことが検出される時刻ti1に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく反力が最大反力FR1から最大反力FR2に変化する(図40(A)参照)。このため、遊技者は、あたかも左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが宝卵482に物理的に接触したかのような感触を受ける。
各入力レバー810L,810Rは、時刻ti1後も回転移動を続け、時刻ti1後の各入力レバー810L,810Rの回転移動に伴い、装飾図柄表示装置479において、あたかも、両入力レバー810L,810Rで宝卵482が挟まれ、両入力レバー810L,810Rからの圧迫によって変形していくような表示(図41(B)参照)が実行される。
時刻ti2に、各入力レバー810L,810Rは、図41(A)に実線で示すように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく反力と操作力FMとが釣り合う位置XL7,XR7まで回転移動して停止する。
ここで、各入力レバー810L,810Rが操作力FMとは異なる操作力で遊技者によって操作された場合について説明する。各入力レバー810L,810Rが操作力FMよりも小さく、かつ、最大反力FR1と最大反力FR2との間の反力に相当する操作力で挟み操作された場合には、各入力レバー810L,810Rは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく反力と操作力とが釣り合う位置XL8,XR8まで移動して停止する。装飾図柄表示装置479においては、宝卵482が変形せずに両入力レバー810L,810Rで挟まれているかのような表示が実行される。また、各入力レバー810L,810Rは、操作力FMよりも小さいが、最大反力FR2より大きい操作力で挟み操作された場合には、位置XL8,XR8を超えて回転移動するが、位置XL7,XR7までは回転移動しない。装飾図柄表示装置479においては、操作力FMの場合よりも宝卵482が小さい変形量で圧迫された表示が実行される。
また、各入力レバー810L,810Rが操作力FMよりも大きい操作力で挟み操作された場合、各入力レバー810L,810Rは、位置XL7,XR7よりも位置XC側まで回転移動し、装飾図柄表示装置479においては、操作力FMの場合よりも宝卵482が大きい変形量で圧迫された表示が実行される。また、操作力が操作力FMよりも大きいが、各レバー回転駆動モータ831L,831Rで発生可能な上限である最大反力FRUより小さい場合には、各入力レバー810L,810Rは、位置XL6,XR6と位置XL5,XR5との間の位置を越えて位置XCまで回転移動することはできない。また、各入力レバー810L,810Rが最大反力FRUより大きい操作力で挟み操作された場合、各入力レバー810L,810Rは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rに基づく反力のみによっては位置XCまで回転移動してしまうことを抑制できない。このため、各入力レバー810L,810Rが最大反力FRUより大きい操作力で挟み操作された場合であっても、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを同極性で励磁することで、各入力レバー810L,810Rを離間させる磁力を発生させて、各入力レバー810L,810Rが位置XCまで移動してしまうことを抑制可能にしている。
なお、左入力レバー810Lが位置XL8よりも位置XC側に回転移動した場合に、宝卵482の左半分が変形し、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XC側に回転移動した場合に、宝卵482の右半分が変形する表示が実行される構成であるが、例えば、左入力レバー810Lが挟み操作されず、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XC側に回転移動する挟み操作を行った場合に、右入力レバー810Rの左端に宝卵482が接した状態で左側に移動する表示が実行される構成としてもよい。
また、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの受動制御Aに基づき、各入力レバー810L,810Rの個別の位置によって反力を変化させる構成としているが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの相対位置によって反力を変化させる構成としてもよい。例えば、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rに対して左右対称でない操作がなされた場合、宝卵482に接触して見える位置に先に到達した入力レバーによって宝卵482が他方の入力レバー側に移動し、宝卵482が中心からずれた位置で両入力レバー810L,810Rに挟まれる表示がなされ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの間隔が宝卵482の幅に対応する長さよりも小さくなるにつれて各入力レバー810L,810Rに対する反力が大きくなるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御する構成としてもよい。この構成の場合には、例えば、右入力レバー810Rのみに対して挟み操作を行って左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの間隔を小さくした場合、右入力レバー810Rに対して反力(感触)が変化すると共に、左入力レバー810Lに対しても反力(感触)が変化し、一方の入力レバーの操作によって、各入力レバー810L,810Rの操作感を変化させることができる。このように、一方の入力レバーに対する操作によって、一方の入力レバーに対する操作感に加えて又は代えて、操作されなかった他方の入力レバーに対する操作感を変化させる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rを位置XCから離れる方向へ移動させる場合に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御による反力を発生させない構成としているが、この構成に限らず、両入力レバー810L,810Rによって宝卵482が挟まれる表示の後に、左入力レバー810Lが位置XL8よりも位置XLF側へ移動することや、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XRF側へ移動することを制限する反力(例えば、逆回転方向の最大反力:-FRU)を発生させるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御する構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rを位置XCから離れる方向へ移動させる場合に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御による反力を発生させない構成としているが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとによって宝卵482が挟まれる表示の後に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが宝卵482に吸着し、左入力レバー810Lが位置XL8よりも左端配置側へ移動させたり右入力レバー810Rを位置XR8よりも右端配置側へ移動させたりしようとすると、宝卵482が横方向に引っ張られて伸びる表示がなされ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの間隔が大きくなるにつれて反力が大きくなるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御する構成としてもよい。この構成の場合には、一方の入力レバーに対して操作を行うと、操作された入力レバーに対する操作感を変化させると共に、他方の入力レバーに操作が行われなかったとしても、他方の入力レバーに対する操作感を変化させることができ、画像表示による宝卵482が両入力レバー810L,810Rに吸着しているような操作感を与えることができる。
挟み操作指示情報の表示が開始される時刻tc2から所定の時間(例えば、2.0秒)後の時刻ti3に、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付ける有効期間TNであるか左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付けない無効期間であるかを識別する握り操作有効フラグがオン状態となる。左入力レバー810Lを握る操作に基づき、左握り操作検出スイッチによって左操作部材812Lの移動が検出された場合や、右入力レバー810Rを握る操作に基づき、右握り操作検出スイッチによって右操作部材812Rの移動が検出された場合に、副制御基板940は、当該検出を有効なものと判断して受け付ける。
握り操作有効フラグがオン状態となると、移動操作有効フラグの有効期間TLを計測する演出タイマとは別に副制御基板940のRAMに設けられたタイマに、副制御基板940のROMに記憶された左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TNの長さに対応する値が初期設定される。握り操作有効フラグは、有効期間TNに亘ってオン状態に維持された後にオフ状態となる。
また、握り操作有効フラグがオン状態となった時刻ti3に、装飾図柄表示装置479において、挟み操作指示情報488に代えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを同時に握る操作を指示する両握り操作指示情報489(図39における「両握り操作」:図41(B)及び図41(C)における「左右のレバーを同時に連続して握れ」との文字情報)が表示される。両握り操作指示情報489は、表示を開始するタイミングや表示を終了するタイミングを指定する時間情報と共に、副制御基板940のROMに記憶されている。
なお、両握り操作指示情報489は、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、左操作部材812Lや右操作部材812Rが連続して動作している状態や左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを両手で連続して握る状態を示す画像などにより、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの操作方法を画像で表示する構成としてもよく、音声出力をしてもよく、省略してもよい。
握り操作有効フラグの有効期間TNにおいて、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作が実行された一部の場合に、装飾図柄表示装置479において、宝卵482に亀裂が入ったり亀裂が長くなったりする表示が行われる(図41(C)参照)。宝卵482の亀裂は、左入力レバー810Lと接するように見える位置から中央側に向けて、また、右入力レバー810Rと接するように見える位置からも中央側に向けて進行する。右側から進行する亀裂は、8段階進行すると宝卵482の中央(位置XC)に到達し、宝卵482の中央を越えては進行しない。また、左側から進行する亀裂も、8段階進行すると宝卵482の中央に到達し、宝卵482の中央を越えては進行しない。
左側から進行した亀裂と右側から進行した亀裂との双方が、確変予定の特別遊技状態においては、宝卵482の中央まで到達して繋がる場合が発生するものの、時短予定の特別遊技状態においては、宝卵482の中央で繋がる場合は発生しない。このため、亀裂が宝卵482の中央で繋がった場合には、その時点で、確変予定の特別遊技状態であって進入可能期間が発生することが確定する。
左入力レバー810Lが位置XL8よりも位置XC側に位置し、かつ、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XC側に位置し、宝卵482が各入力レバー810L,810Rで挟むように表示されている状態で、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作が実行された場合にのみ、宝卵482に亀裂が入ったり亀裂が長くなったりする表示が行われる。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作によって、あたかも左入力レバー810Lや右入力レバー810Rから宝卵482に衝撃が与えられて亀裂が進行したかのような演出を実行できる。
また、一度の左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作に基づく宝卵482の亀裂の進行は、5種の進行量を識別する情報(0~4の数字:以下において、進行識別情報とも称す)の組合せで指定されるパターンによって管理され、亀裂の進行量は、選択されている宝卵482の種類によって変化する。具体的には、副制御基板940のROMには、0から4の数字の組合せで指定される亀裂進行パターン、例えば、[0040100102000030]や、[003000100000200]が複数記憶されている。
副制御基板940は、複数の亀裂進行パターンから左入力レバー810L用の亀裂進行パターンと、右入力レバー810R用の亀裂進行パターンとを選択し、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作が実行されるごとに、選択された亀裂進行パターンの値を先頭から順に進行識別情報として選択する。また、副制御基板940のRAMには、亀裂の進行が繰り返された場合の進行量の総量を識別する亀裂進行情報が記憶されている。亀裂進行情報には、亀裂進行パターンから選択された進行識別情報から宝卵の種類を識別する宝卵識別情報(硬宝卵482H:0、通常宝卵:1、軟宝卵482S:2)を減じた値(マイナスとなる場合は「0」)が記憶される。
例えば、亀裂進行パターンとして[003010010200104]が選択されると、宝卵482として硬宝卵482Hが選択されている場合には、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作に基づき、亀裂進行情報として[0030100102001040…]の順に記憶される。ここで、「…」は以後(16回目の操作後)0が続くことを意味している。また、宝卵482として通常宝卵482Nが選択されている場合には、亀裂進行情報として[0020000001000030…]の順に記憶され、宝卵482として軟宝卵482Sが選択されている場合には、亀裂進行情報として[0010000000000020…]の順に記憶される。
亀裂進行情報が「0」である場合、装飾図柄表示装置479において、亀裂が進行しない表示が行われる。また、亀裂進行情報が「1」である場合には1段階、亀裂進行情報が「2」である場合には2段階、亀裂進行情報が「3」である場合には3段階だけ亀裂が進行する表示が装飾図柄表示装置479で実行される。また、亀裂進行情報が「4」である場合は、左側から進行する亀裂と右側から進行する亀裂とが宝卵482の中央で繋がる表示が実行される。
亀裂進行情報には、亀裂進行パターンを構成する進行識別情報から宝卵識別情報を減じた値が設定される。宝卵識別情報として通常宝卵482Nに対して硬宝卵482Hよりも大きい値が設定されているために、亀裂進行情報として記憶される値は、通常宝卵482Nが選択されている場合に硬宝卵482Hが選択されている場合よりも小さくなる。このため、同一の亀裂進行パターンが選択されたとしても、通常宝卵482Nに対する亀裂の進行を硬宝卵482Hよりも遅くすることができ、また、宝卵識別情報として軟宝卵482Sに対して通常宝卵482Nよりも大きい値が設定されているために、亀裂進行情報として記憶される値は、硬宝卵482Hが選択されている場合に通常宝卵482Nが選択されている場合よりも小さくなる。このため、同一の亀裂進行パターンが選択されたとしても、軟宝卵482Sに対する亀裂の進行を通常宝卵482Nよりも遅くすることができる。
副制御基板940のROMに記憶された複数の亀裂進行パターンには、通常宝卵482Nが選択された場合であっても、軟宝卵482Sが選択された場合であっても、亀裂が宝卵482の中央まで到達しない表示がなされる第1種のパターンが含まれている。また、複数の亀裂進行パターンには、通常宝卵482Nが選択された場合には宝卵482の中央まで到達するが、軟宝卵482Sが選択された場合には到達しない表示がなされる第2種のパターンが含まれている。更に、複数の亀裂進行パターンには、通常宝卵482Nが選択された場合であっても、軟宝卵482Sが選択された場合であっても、亀裂が宝卵482の中央まで到達する表示がなされる第3種のパターンが含まれている。
副制御基板940は、確変予定の特別遊技状態にあっては、各入力レバー810L,810R用の亀裂進行パターンとして、第1種、第2種及び第3種のパターンのいずれかを選択する。このため、通常宝卵482Nが選択されている場合であっても、軟宝卵482Sが選択されている場合であっても、左側から進行する亀裂と右側から進行する亀裂とが宝卵482の中央まで到達して繋がる表示(亀裂貫通表示とも称す)や、それらの亀裂の少なくとも一方が宝卵482の中央まで到達せず繋がらない表示(非亀裂貫通表示とも称す)を装飾図柄表示装置479で実行することができる。
一方、副制御基板940は、時短予定の特別遊技状態にあっては、少なくとも一方の入力レバー用の亀裂進行パターンとして、第1種類のパターンを選択する。このため、亀裂貫通表示が実行されることを防止できる。これにより、左側から進行する亀裂と右側から進行する亀裂との双方が宝卵482の中央まで到達して繋がる表示を実行することで、現時実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態であることを、殻割りミッション演出の最終結果(宝483(図34(D)参照)の出現の有無)の表示前に、遊技者に知らせることができる。
副制御基板940は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を検出した場合であって、亀裂進行情報の値が「1」以上である場合に(例えば、時刻ti4,時刻ti5,時刻ti6)、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rを制御して、亀裂進行情報の値に応じた移動量で、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを所定の短い時間(例えば、0.01秒)内に前後に移動させる。これにより、宝卵482の亀裂が進行する場合に、亀裂を進行させる撃力を左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが与え、その撃力の反動を受けたかのような感触を左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを通して遊技者に与えることができる。
具体的には、副制御基板940は、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rを駆動するタイミングを指定する情報(以下において、前後移動駆動情報とも称す)をROMに記憶している。副制御基板940は、握り操作有効フラグの有効期間TNを測定するタイマを参照して、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの駆動を切り替える。また、副制御基板940は、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの回転方向を指定する情報をRAMに記憶している。
各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、回転方向を指定する情報(図示せず)に基づいて異なる方向に駆動される。具体的には、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、回転方向を指定する情報が「0」である場合には順方向に駆動され、回転方向を指定する情報が「1」である場合には逆方向に駆動される。各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが順方向で駆動された場合には、各入力レバー810L,810Rは前方側に移動し、逆方向で駆動された場合には、各入力レバー810L,810Rは後方側に移動する。
また、副制御基板940は、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの駆動において亀裂進行情報を参照し、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、亀裂進行情報の値に基づいて異なる回転速度で駆動される。各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、亀裂進行情報「0」である場合に、駆動中であれば停止され、駆動中でなければ停止した状態を維持する。また、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、亀裂進行情報「1」である場合には低速で、亀裂進行情報「2」である場合には中速で、亀裂進行情報「3」である場合には高速で駆動される。
例えば、時刻ti4において、左入力レバー810L用の亀裂進行情報の値が「2」である場合に、図39に示すように、左レバー前後移動駆動モータ852Lが所定の時間(例えば0.05秒)だけ中速で順回転し、その後、所定の時間(例えば、0.05秒)だけ中速で逆回転する。これにより、左入力レバー810Lは、図38(B)に示すように、基準位置ZDから位置ZMまで移動し、位置ZMで折り返して基準位置ZDに戻る。また、時刻ti4において、右入力レバー810R用の亀裂進行情報の値が「3」である場合、図39に示すように、右レバー前後移動駆動モータ852Rが所定の時間(例えば0.05秒)だけ高速で順回転し、その後、所定の時間(例えば、0.05秒)だけ高速で逆回転する。これにより、右入力レバー810Rは、図38(B)に示すように、基準位置ZDから位置ZSまで移動し、位置ZSで折り返して基準位置ZDに戻る。また、図39には、時刻ti5において左入力レバー810L用の亀裂進行情報の値が「1」であり、かつ、右入力レバー810R用の亀裂進行情報の値が「2」である場合、時刻ti6において左入力レバー810L用の亀裂進行情報の値が「1」であり、かつ、右入力レバー810R用の亀裂進行情報の値が「2」である場合の左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの動作が示されている。
亀裂進行情報の値が「1」以上であり、装飾図柄表示装置479に表示された宝卵482の亀裂が進行する場合に、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rが短時間(0.1秒)に前後に一度だけ移動する。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが、宝卵482の亀裂を進行させる撃力の反動(衝撃)を受けたような感触を遊技者に与えることができる。
また、亀裂進行情報の値が大きくなるにつれ、同一の短時間内で、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rが高速で駆動される。このため、宝卵482の亀裂が大きく進行する表示がなされる場合に、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの前後方向の移動距離が大きく、大きな衝撃を受けたような感触を遊技者に与えることができる。
遊技者の握り操作に応じて亀裂が亀裂進行情報に基づいて進行すると、亀裂の進行状態を示す亀裂状態情報が更新される。亀裂状態情報は、副制御基板940のRAMに記憶され、亀裂が進行するごとに、亀裂進行情報の値が加算された値に更新される。
握り操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻ti7に、受動制御Aとは異なる操作感を各入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じて生じさせる受動制御B(図39における「受B」)が開始される。受動制御Bは、移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻tc8まで継続される。具体的には、各レバー回転駆動モータ831,831Rは、各入力レバー810L,810Rを中央配置側へ移動させる遊技者による挟み操作に対して、図40(B)に示す制御が実行される。受動制御Bにおいて、宝卵482の種類及び左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じて異なる反力(例えば、図40(A)に示す場合の2倍)を生じさせるように制御される。
受動制御Bにおいて、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じた最大反力は、宝卵482の亀裂の進行の段階(亀裂状態情報の値)によっても変化する。具体的には、通常宝卵482Nが選択されている場合であって、亀裂の進行が第1段階以上で第4段階以下である場合には、亀裂が発生していない場合(図40(A))に比べて、図40(B)に点線で示すように、最大反力が小さくなるように設定される。このため、操作力FMで操作されている場合には、左入力レバー810Lは位置XL6に、右入力レバー810Rは位置XR6まで移動する。また、通常宝卵482Nの亀裂の進行が第5段階又は第6段階である場合には、最大反力は、実線で示すように、点線で示す場合より更に小さくなるように設定される。このため、操作力FMで操作されている場合には、左入力レバー810Lは位置XL6に、右入力レバー810Rは位置XR6まで移動する。また、通常宝卵482Nの亀裂の進行が第7段階又は第6段系である場合には、最大反力は、破線で示すように、実線で示す場合より更に小さくなるように設定される。このため、操作力FMで操作されている場合には、左入力レバー810Lは位置XL4に、右入力レバー810Rは位置XR4まで移動する。このように、宝卵482の亀裂が進行するにつれて最大反力を小さく設定することで、あたかも亀裂が生じたこと、また、亀裂が進行したことによって、宝卵482が変形し易くなったかのような感触を遊技者に与えることができる。
また、握り操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻ti7に、装飾図柄表示装置479において、両握り操作指示情報489に代えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させる操作を指示する連結操作指示情報484D(図39における「連結操作」:図41(D)における「左右のレバーを連結して殻を割れ」との文字情報)が表示される。
連結操作指示情報484Dが表示された後の時刻ti8において、操作力FMで操作した場合に最大位置(位置XL5)まで移動している各入力レバー810L,810Rを、操作力FCよりも大きく最大反力FRUよりも小さい操作力FCで位置XC側へ移動させると、時刻ti9に、左入力レバー810Lは位置XL1まで、右入力レバー810Rは位置XR1まで移動する。
移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻tc8に、時刻ti7~時刻tcにおける制御(図40(B)に示す制御)に代えて、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが、各入力レバー810L,810Rを位置XCに移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能A」:以下において能動制御Aとも称す)。能動制御Aは、時刻tf17まで継続される。具体的には、能動制御Aにおいて、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが、各入力レバー810L,810Rを位置XC側に向かわせる順方向に最大駆動力(最大反力FRUと同一の大きさの力)で回転駆動される。
また、時刻tc8に、右レバー電磁石818R,819RがN極励磁からS極励磁に切り替わり、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを引き付ける磁力が発生する。
各レバー前後移動駆動モータによる回転移動及び左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを引き付け合う磁力により、時刻tf16に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結される。
レバー位置情報に基づいて両入力レバー810L,810Rが位置XCに位置することが検出されると(時刻tf16)、装飾図柄表示装置479において、連結操作指示情報484Dに代えて、操作終了指示情報487D(図39における「操作終了」:図34(C)参照)が表示される。
操作終了指示情報487Dが表示された後の時刻ti10に、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが所定の時間(例えば0.05秒)だけ高速で順方向に回転し、その後、所定の時間(例えば、0.05秒)だけ高速で逆方向に回転する動作を繰り返す(図39においては3回)。これにより、各入力レバー810L,810Rは、連結状態を保ちながら位置ZDと位置ZSとの間を繰り返し前後移動させて、両入力レバー810L,810Rが前後移動する感触を遊技者に伝達可能とする。
また、移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となってから所定の時間(例えば1.0秒)後の時刻tf17に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rは、左入力レバー810Lが位置XLFをとり、右入力レバー810Rが位置XRFに移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能B」:以下において、能動制御Bとも称す)。能動制御Bは、時刻tf18まで継続される。具体的には、能動制御Bにおいて、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、左入力レバー810Lを位置XLF側に向かわせ、右入力レバー810Rを位置XRF側に向かわせる逆方向に最大駆動力(-FRUと同一の力)で回転駆動される。これにより、左入力レバー810Lを位置XLF(左端配置)に、右入力レバー810を位置XLF(右端配置)に戻すことができる。
ここで、能動制御A及び能動制御Bの実行期間中には、遊技者に対して能動制御の実行と、能動制御の種類とが示唆されるように構成することが好ましく、例えば、両入力レバー810L,810Rの内側に設けられる熱源が発熱することで、遊技者に対して、能動制御の実行が示唆され、その熱源の位置が変化することで能動制御の種類が示唆されるように構成してもよい。具体的には、両入力レバー810L,810Rの内側に、左操作部材812Lと右操作部材812Rとは別に、副制御基板940の制御によって、突出した状態と、退避した状態(押し込まれた状態)とが切り替えられ、また、突出方向とは別の方向に移動動作が可能なように、ソレノイドやモータ等の駆動力によって移動動作が可能な動作部分を有する構成とし、更に、動作部分の表面部分(操作面)を熱くする熱源としてのヒータを内蔵する。そして、能動制御Aの期間中には、動作部分が遊技者の手に接触可能に突出した状態で熱くなり、能動制御Bの期間中には、左操作部材812Lと右操作部材812Rの操作面が別の位置で遊技者の手に接触して熱くなるように制御を行う。これにより、遊技者は、能動制御が実行されていることと、能動制御Aの実行であるか能動制御Bの実行であるかを、動作部分の状態によって示唆することができる。なお、能動制御の実行と種類の示唆方法として、必ずしも熱くなる部分の配置位置を変化させる必要はなく、これに代えて、またはこれに加えて、動作部分の突出量が異なるように動作させる構成とし、能動制御Aの期間中には、動作部分が少し突出した状態となるまで退避した状態との移動を繰り返し、能動制御Bの期間中には、能動制御Aの場合より大きく突出した状態で操作面が移動を繰り返すように制御を行ってもよい。これにより、遊技者に対して、動作部分の出力動作を用いて、具体的には、異なる位置での打突の感触や、異なる位置での熱さの感覚を、遊技者の手に伝達することを用いて、遊技の状況を遊技者に示唆することができる。
次に、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)に遊技者が参加する場合の両手参加型の演出の推移について、図42を参照して説明する。図42は、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図42において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
オープニング演出(OP演出)が実行される時刻td1~時刻td2において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc1~時刻tc2と同様の表示演出が、装飾図柄表示装置479で実行される。オープニング演出において、宝卵482が出現する表示が開始されるが、宝卵482の種類は時短予定時の種類判定情報に基づいて決定され、確変予定の種類判定情報に基づく場合よりも軟宝卵482Sの出現率が高く、また、硬宝卵482Hは出現しない。
オープニング演出に引き続き両手参加型の殻割り演出が実行される時刻td2~時刻td8において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc2~時刻tc8と同様の表示演出が装飾図柄表示装置479で行われる。
時短予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出(時刻td2~時刻tg8)において、移動操作有効フラグがオン状態となる時刻tg1に、左レバー回転駆動モータ831Lや右レバー回転駆動モータ831Rは、時刻tf1~時刻ti7において、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを中央配置側へ移動させる遊技者による操作力に対して、図41(A)に示すように、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じて異なる反力を生じさせるように制御される(図39における「受A」)。これにより、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置によって左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの操作感を変化させることができる。
時短予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、移動操作有効フラグがオン状態となる時刻tg1となった後、遊技者が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rと挟み操作(中央配置側への移動)が開始されると(時刻tj1)、レバー位置情報が各入力レバー810L,810Rの操作量に応じて変化を開始する。
時短予定の特別遊技状態においては、移動操作有効フラグがオン状態となっている期間中に、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとの双方がオン状態をとる時間が規定の判定時間TMとなったとしても(時刻tg15)、演出選択フラグは、確変予定の特別遊技状態の場合のようにオン状態とはならずオフ状態に維持される。このため、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻td8~時刻td10)が実行される。なお、時短予定の特別遊技状態においては、遊技者が連結操作を行っても、その操作時間の長さによらず殻割れず演出が実行されるため、判定時間TMの計測は行わなくてもよい。
両手参加型の殻割り演出後に実行される殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、確変予定の特別遊技状態の殻割れ演出の場合とは異なり、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを位置XC(中央配置)へ移動させる各レバー回転駆動モータ831L,831Rの順方向の回転は実行されない。また、殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、左レバー電磁石818L,819Lや右レバー電磁石818R,819Rは、N極励磁状態を維持する。このため、確変予定の特別遊技状態の場合とは異なり、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは連結されない。
殻割れず演出において、確変予定の特別遊技状態では左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結された場合に実行される左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの駆動が実行されず、各入力レバー810L,810Rの前後移動は発生しない。
移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となってから所定の時間(例えば1.0秒)後の時刻tj11に、左レバー回転駆動モータ831Lや右レバー回転駆動モータ831Rは、左入力レバー810Lが位置XLF(左端配置)をとり、右入力レバー810Rが位置XRF(右端配置)をとるように移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能C」)。この制御は、時刻tg18まで継続される。具体的には、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rが、左入力レバー810Lを左端配置側に向かわせ、右入力レバー810Rを右端配置側に向かわせる方向に所定の駆動力(-FRUより小さい力)で駆動される。これにより、左入力レバー810Lを位置XLF(左端配置)に、右入力レバー810を位置XLF(右端配置)に、確変予定の特別遊技状態の場合よりも低速で戻すことができる。
ここで、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加しない場合における両手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図43を参照して説明する。図43は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図43において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。また、比較のために、両手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合(図39に示す場合)の制御を破線で示している。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合(図39に示す場合)の制御との相違部分についてのみ説明する。
確変予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの挟み操作が行われない場合、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻tc8~時刻tc10)が実行される。このとき実行される殻割れず演出は、時短予定の特別遊技状態で実行される殻割れず演出(時刻tg8~時刻td10:図42参照)と同一の演出である。
また、移動操作有効フラグがオン状態となる時間tf1から所定の時間の経過(例えば、1.5秒)後の時刻tk7に、各入力レバーの位置を識別するレバー位置情報に基づき、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの移動の有無が判断される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの移動がないと判断されると、左レバー回転駆動モータ831Lや右レバー回転駆動モータ831Rは、左入力レバー810Lが位置XLF(左端配置)をとり、右入力レバー810Rが位置XRF(右端配置)をとるように移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能B」)。この制御は、時刻tk11まで継続される。この制御は、左入力レバー810Lを位置XLF(左端配置)、右入力レバー810Rを位置XRF(右端配置)に確実に戻すための制御であるため、必ずしも必要な制御ではなく、省略してもよい。
また、各入力レバー回転駆動モータ831L,831Rは、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させる順方向への回転が実行されず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されない。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結された場合の左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの駆動が実行されず、各入力レバー810L,810Rの前後移動が発生しない。
上記パチンコ機100において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを備えている。左入力レバー810Lは、左操作部材812Lを押圧する握り操作を実行可能であり、左レバー回転駆動モータ831Lの制御や遊技者による手動の操作による回転移動が可能である。また、右入力レバーは、右操作部材812Rを押圧する握り操作を実行可能であり、右レバー回転駆動モータ831Rの制御や遊技者による手動の操作による回転移動が可能である。確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態で発生する両手参加型の殻割りミッション演出において、左入力レバー810Lが左端配置から移動した位置XL8~位置XCの間に位置している場合、かつ、右入力レバー810Rが右端配置から移動した位置XR8~位置XCの間に位置している場合に、時刻ti4,時刻ti5,時刻ti6における握り操作に応じて、左入力レバー810Lは、左レバー前後移動駆動モータ852Lにより前後方向に往復移動し、かつ、右入力レバー810Rは、右レバー前後移動駆動モータ852Rにより前後方向に往復移動する。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの全体によって、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを操作する手が移動される感触(以下、移動感触ともいう)を出力することができる。また、左操作部材812Lと右操作部材812Rの制御によって、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを操作する手に対して、異なる位置での打突の感触(以下、打突感触ともいう)や、異なる位置での熱さの感覚(以下、温度感触ともいう)を伝達する出力を行うことができる。
したがって、上記パチンコ機100であれば、入力機能に加えて出力機能を兼ね備えた左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの動作制御により、異なる位置での移動感触、打突感触または温度感触を伝達する出力動作を実行することができる。これにより、遊技者に与える出力の印象を、出力位置の変化を通じて変化させることができる。
また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを移動させることで遊技者に左入力レバー810Lや右入力レバー810Rに注目させ、その注目させた場所の近傍で、移動感触等を伝達する出力動作を実行することが可能となり、異なる位置での感触に対しての出力機能による演出効果を高めることも可能になる。
また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を行っている手の感触を異ならせるために、遊技者は微小な感触の相違を感じ取ることが可能になる。このため各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rとして低出力で小型のモータを用いたり、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを前後方向に短い距離だけ移動可能な小型の機構を用いたりでき、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rに出力機能を付加したとしても、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの移動性を確保し易くなる。
なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、移動感触、打突感触、または、温度感触を、異なる位置で伝達する出力動作を可能とする構成であるが、これらの構成は全て備える必要はなく、一部の構成を備えるように構成してもよく、また、これらの構成に限らず、他の構成を含むようにしてもよい。例えば、各入力レバー810L,810Rが、前後方向に代えて又は加えて左右方向や上下方向に移動可能に設けられ、前後方向とは異なる一方向に移動したり、複数の方向を組み合わせた斜め方向に一直線的に移動したり、移動方向を時間的に変化させて所定の平面内に沿って又は立体的に移動したりすることで移動感触を与える構成としてもよい。この構成の場合、例えば、各入力レバー810L,810Rを握る操作に基づく移動の場合には、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが離間するように左右方向に移動させ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結した場合の移動では、前後方向に移動させるなど、演出の進行に応じて移動形態を変化させることで、各入力レバー810L,810Rの移動による演出効果を高めることもできる。
また、各入力レバー810L,810Rの全体が移動することで、各入力レバー810L,810Rを操作する手に移動感触を与える構成であるが、この構成に限らず、各入力レバー810L,810Rの一部を移動させること、例えば、右握り壁811Rが右被覆壁813Rに対して移動可能に設けられ、右握り壁811Rが移動することで移動感触を与える構成としてもよい。この場合、各入力レバー810L,810Rの全体を移動させる場合に比べて、機構を簡素化したり、移動動作をさせる駆動源として駆動力の小さい小型の動力源を用いたりすることも可能になる。したがって、各入力レバー810L,810Rを回転させることや各入力レバー810L,810Rを握ることによる入力操作を行う機能に加えて移動感触等を伝達する出力機能を付加したとしても、各入力レバー810L,810Rの操作性を更に確保し易くできる。
また、各入力レバー810L,810Rの一部を移動させることで出力を行う場合、当該移動する部分は、各入力レバー810L,810Rの他の部分の移動に伴って、他の部分との相対位置が変化せずに移動する構成としてもよいし、他の部分との相対位置が他の部分の移動に連動して変化しながら移動する構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が移動感触等を伝達する出力を行う構成であるが、この構成に限らず、一方の入力レバーが移動感触等を伝達する出力を行う構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、温度感触を伝達する出力機能として、上記の構成に代えて、または、上記の構成に加えて、例えば、右握り壁811Rの表面や内部に発熱装置が設けられ、右握り壁811Rの温度変化による出力を行う構成を含むようにしてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、遊技者が直接に触れる部分を移動させることで、触覚で感じとれる出力を行う構成としているが、この構成に限らず、例えば、右被覆壁813Rに発熱装置が設けられ、発熱装置からの放熱による出力を行う構成や、右被覆壁813Rに送風装置が設けられ、送風装置からの送風による出力を行う構成など、遊技者が直接には触れない箇所からの触覚(例えば、腕や顔の触覚)で感じとれる出力を遊技者側に行う構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、入力機能に加えて触覚で感じとれる出力動作を実行する構成であるが、この構成に限らず、例えば、各入力レバー810L,810Rに音響装置が設けられ、聴覚によって感じとれる出力を行う構成や、各入力レバー810L,810Rに過熱や蒸発により芳香を放つ芳香装置が設けられ、嗅覚で感じ取れる出力を行う構成など、視覚とも触覚とも異なる感覚により識別できる出力を行う構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、移動感触を出力可能な位置まで、遊技者の操作によって回転移動する構成としているが、この構成に限らず、左端配置や右端配置から出力可能な位置まで又はその手前までの移動が、各レバー回転駆動モータ831L,831Rからの駆動力によって実行される構成としてもよい。この構成の場合、移動感触を出力可能な位置への各入力レバー810L,810Rの移動によって、遊技者に各入力レバー810L,810Rを注目させることが可能になる。
また、各入力レバー810L,810Rによる出力は、各入力レバー810L,810Rが基準位置(左端配置や右端配置)から移動した移動位置(位置XL8~位置XC,位置XR8~位置XC)をとる場合にのみ実行される構成としているが、この構成に限らず、各入力レバー810L,810Rが左端配置や右端配置をとる場合にも実行される構成、例えば、装飾図柄表示装置479で操作準備情報が表示される期間(tc1~tc2,td1~td2)の開始前又は開始後の一部の場合に実行される構成としてもよい。この構成の場合、各入力レバー810L,810Rに対する操作(挟み操作)が可能になることを、各入力レバー810L,810Rによる移動によって遊技者に知らせることが可能になる。
また、各入力レバー810L,810Rによる出力は、特別遊技状態や通常遊技状態において、両手参加型の殻割りミッション演出とは別の演出において、各入力レバー810L,810Rが左端配置や右端配置をとる場合に実行される構成としてもよい。この場合、各入力レバー810L,810Rが基準位置をとる場合と移動位置をとる場合とで同一の出力がなされたとしても、移動位置をとる場合には、各入力レバー810L,810Rが基準位置をとる場合より顔の近くに移動することで大きな出力として遊技者に感じさせることが可能になる。例えば、送風による出力の場合には各入力レバー810L,810Rが遊技者の皮膚が露出した顔に近づくように移動するため強い風と感じさせたり、音響による出力の場合には遊技者の耳に近づくように移動するため大音量と感じさせたり、芳香による演出の場合には、遊技者の鼻に近づくように移動するため強い芳香と感じさせたりすることが可能になる。このため、両手参加型の殻割りミッション演出における各入力レバー810L,810Rによる出力を、他の場合に比べて特別な出力とすることができる。
また、移動可能な各入力レバー810L,810Rに入力機能に加えて出力機能を付加する構成について説明したが、入力機能はないが移動可能な部材や装置に出力機能を付加する構成としてもよい。
また、上記パチンコ機100において、左入力レバー810Lは、左端配置から中央配置との間で回転移動が可能であり、右入力レバー810Rは、右端配置から中央配置との間で回転移動が可能である。各入力レバー810L,810Rは、上下方向と左右方向とを含む同一平面に沿って回転移動する。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは離間した形態(少なくとも一方が中央配置でない形態)から連結した形態(双方が中央配置である形態)に形態変化が可能である。両手参加型の殻割りミッション演出が発生した場合であって、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結された形態をとる場合の一部で(時刻ti10~時刻tf17)、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの全体が、離間した形態から連結した形態へと変化する場合の回転移動の動作とは異なり、前後方向へ複数回に亘り往復移動する。
したがって、上記パチンコ機100であれば、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの全体が可動部として機能し、連結した形態をとる場合に、離間した形態から連結した形態への変化過程の動作とは異なる動作で移動する。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが前後方向に移動する場合と移動しない場合とで各入力レバー810L,810Rに対する操作感を変化させたり、各入力レバー810L,810Rの移動によって演出を実行したりすることが可能になる。また、各入力レバー810L,810Rの全体を高速で移動させることによって、各入力レバー810L,810Rの形状は変化しないが、残像現象によって、あたかも各入力レバー810L,810Rの形状が変化したかのように遊技者に見せることも可能になる。
なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、離間した形態と連結した形態との間の形態変化を所定の平面内での回転移動で実現し、離間した形態となる場合に当該平面に垂直な方向に直線的に移動(前後移動)する構成であるが、この構成に限らず、当該平面から離れるように直線的又は曲線的に移動する構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、離間した形態と連結した形態との間の形態変化を所定の平面内での回転移動で実現し、離間した形態をとる場合に当該平面から離れるように移動する構成であるが、この構成に限らず、例えば、連結した形態となる場合に回転移動の移動中心に近づく又は遠ざかるように直線的又は曲線的に移動するなど、当該平面内において回転移動で辿る経路とは異なる経路で移動する構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、離間した形態をとる場合に前後方向に同一の動作(左入力レバー810Lが前側に所定の移動量で移動する場合には、右入力レバー810Rも前側に同じ移動量で移動する)をする構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一部が接触する状態や接触しているとみなせる程度に近接した状態や離間しているが正面視で接触して見える状態を保ちながら、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが前後方向に異なる動作(例えば、各入力レバー810Rの前後逆方向への移動や異なる移動量での移動)をする構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、連結した形態をとる場合の移動で、両入力レバー810L,810Rの相対位置が変化せずに移動する構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一部が接触する又は接触しているとみなせる程度に近接した状態を保ちながら相対位置が変化するように移動する構成としてもよい。例えば、左入力レバー810Lが中央配置よりも更に左端配置から離れる位置まで移動可能に、右入力レバー810Rが中央配置よりも更に右端配置から離れる位置まで移動可能に設けられ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの上下位置をずらしながら両入力レバー810L,810Rを全体として左右に移動させる構成としてもよい。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、連結した形態をとる場合の移動において、例えば、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが上下方向に対して傾斜可能に設けられ、上下方向に対する傾斜角が変化するように移動する構成や、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが上下方向に対して回転可能に設けられ、上下方向を軸として回転しながら左入力レバー810Lの左端から右入力レバー810Rの右端までの幅が小さくなるように両入力レバー810L,810Rが更に近づくように移動する構成や、回転移動と前後移動との組み合わせで周回運動したり、両入力レバー810L,810Rが前後に重なるようにスライド移動したりする構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御により連結した形態にできる範囲の位置(位置XL8や位置XR8よりも位置XC側)までは、遊技者の手動による挟み操作で移動させる構成であるが、この構成に限らず、各入力レバー810L,810Rが移動可能であるすべての位置から各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御により連結した状態に移動する構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、遊技者による挟み操作が有効な期間の終了により、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づいて回転移動して、連結した形態となる構成であるが、この構成に限らず、遊技者による挟み操作が可能な期間の終了後に、各入力レバー810L,810Rを握るなどの別の操作を行うことを条件として、例えば、各入力レバー810L,810Rを握り続ける操作(長押し操作)を行うことを条件として、各入力レバー810L,810Rが各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づいて回転移動して、連結した形態となる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく回転移動により連結した形態となった後に、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの制御に基づく前後方向に移動する構成であるが、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく回転移動により連結した形態に変化させつつ、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの制御に基づく前後移動を連結した形態となる前から実行する構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、連結した形態をとる場合、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの制御により前後移動することで移動感触を出力する構成であるが、この構成に限らず、例えば、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rとしてサーボモータを設けたり、各入力レバー810L,810Rが前端又は後端に位置していることを検出するスイッチを設けたりするなど、各入力レバー810L,810Rの前後移動を検出可能な装置を設け、遊技者が各入力レバー810L,810Rを前後移動させる操作を行うことにより、各入力レバー810L,810Rを回転移動させたり、各操作部材812L,812Rを押下したりする入力と異なる入力を行える構成としてもよい。この構成の場合、遊技者が各入力レバー810L,810Rを前後移動させる操作は、制御により時間的に許容したり禁止したりすることが可能な構成や、例えば、連結した形態をとった場合に各操作部材812L,812Rを押下するなど、遊技者による他の操作に基づいて可能になる構成としてもよい。また、連結した形態をとる場合にのみ入力が可能になる構成に限らず、各入力レバー810L,810Rの所定の範囲の位置(例えば、位置XL8~位置XC,位置XR8~位置XC)への回転移動により、連結した形態となる前から入力が可能になる構成であってもよい。
また、上記パチンコ機100において、両手参加型の殻割りミッション演出では、両入力レバー810L,810Rが離間した形態であって左入力レバー810Lが位置XC~位置XL8、右入力レバー810Rが位置XC~位置XR8に配置されている場合(時刻ti3~時刻ti7)には、各入力レバー810L,810Rを握り操作が有効となり、両入力レバーがその他の位置に配置されている場合には、握り操作が無効となる。
したがって、上記パチンコ機100であれば、各入力レバー810L,810Rの位置によって、各入力レバー810L,810Rを握る操作が阻止又は無効化されない状態と、阻止又は無効化される状態とを発現できる。これにより、各入力レバー810L,810Rを入力に特化したものとしたり、各入力レバー810L,810Rの位置の変化によって入力に特化した場合とは異なる操作感や操作方向で入力可能なものとしたり、各入力レバー810L,810Rの位置の変化によって各入力レバー810L,810Rを演出に特化したものとしたりして、多目的に機能を切り替えることが可能になる。
なお、各入力レバー810L,810Rは、両入力レバー810L,810Rが離間した形態をとる一部の位置に配置されている場合に握り操作が有効となる構成であるが、この構成に限らず、両入力レバー810L,810Rが離間した形態をとるすべての位置に配置されている場合(左入力レバー810Lについて位置XC~位置XLF、右入力レバー810Rについて位置XC~位置XRF)に握り操作が有効になる構成としてもよい。この構成の場合には、各遊技者にとって各入力レバー810L,810Rに対する操作がし易い位置で、握り操作を実行することが可能になる。
また、各入力レバー810L,810Rは、離間した形態をとる1つの連続した範囲の位置に配置されている場合に握り操作が有効になる構成であるが、この構成に限らず、複数に分離する連続した範囲の位置(例えば、左入力レバー810Lについて位置XL1~位置XL5の範囲と位置XL6~位置XL8の範囲)に配置されている場合に握り操作が有効になる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、離間した形態をとる連続した範囲に位置する場合に握り操作が有効になる構成であるが、この構成に限らず、特定の位置(例えば、左入力レバー810Lについて位置XL8、右入力レバー810Rについて位置XR8)に配置されている場合に握り操作が有効になる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、離間した形態をとる場合に握り操作が有効になる構成であるが、この構成に限らず、離間した形態をとる場合に代えて又は加えて、連結した形態をとる場合に握り操作が有効になる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、常に握る操作(各操作部材812L,812Rの押下)は可能であるが、握り操作有効フラグの制御によって有効又は無効を切り替える構成であるが、この構成に限らず、各操作部材812L,812Rの押下を許容する位置と阻止する位置とをとることが可能な壁部材を各入力レバー810L,810Rに別途に設け、各操作部材812L,812Rと壁部材との相対位置が変化することで物理的に切り替える構成としてもよい。
ここで、各入力レバー810L,810Rが動作する条件として、遊技者による継続的な操作を条件とする場合について説明する。上記したように、両入力レバー810L,810Rが離間した形態から連結した形態へ変化する場合に、その形態変化の条件として、遊技者による継続的な操作(長押し操作)を条件としてもよい。
例えば、受動制御Aと能動制御Bの期間中においては、両入力レバー810L,810Rの左操作部材812Lと右操作部材812Rとを握り続ける操作を行った場合に、能動制御に切り替わるような制御を副制御基板940に設けてもよい。この能動制御としては、各入力レバー810L,810Rが各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づいて回転移動し、両入力レバー810L,810Rが連結した形態に近づく構成としてもよい。
具体的には、受動制御Aと能動制御Bの期間中において、副制御基板940は、両入力レバー810L,810Rが離間した形態から連結した形態へ変化させる制御を行う場合において、左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対して握り続ける長押し操作が継続されているか否かを判定する。そして、長押し操作が実行されていれば、その期間中には、離間した形態から連結した形態へと形態変化が進行するように各レバー回転駆動モータ831L,831Rを回動させる制御を行う。これにより、左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対しての長押し操作を条件として両入力レバー810L,810Rの形態変化が進行し、両入力レバー810L,810Rの形態変化を進行させるか進行させないかを遊技者の単純な押圧操作によって決定させることができる。この両入力レバー810L,810Rの形態変化の進行状況は外観だけでなく、遊技者の操作部に対する触感を含めて識別可能とすることができるので、遊技者は、装飾図柄表示装置479の表示画面を注視しながら、形態変化の過程を触感によって識別することができる。
また、能動制御Bの期間中において、左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対して握り続ける長押し操作が実行されている場合に、単純に長押し操作が継続されているだけで、連結した状態となるだけでは、操作が単純になって遊技者の意識が操作に向かない可能性がある。このため、連結した形態へ形態変化した後に、連結した形態から離間した形態へと形態変化が更に進行するように各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御して両入力レバー810L,810Rを動作させる制御を含むように副制御基板940を構成してもよい。これにより、単純な長押し操作だけでは、連結した形態を維持できず、連結した状態でタイミングよく、握り操作を解除することを必要条件にして、連結した状態が継続されるように副制御基板940の制御を構成することができる。この連結した状態が継続されるのは、タイミングよく、断続的に握り操作を繰り返す(連打する)など、他の操作方法を必要とするようにしてもよい。
また、遊技者による継続的な操作を条件とする演出の別例としては、例えば、装飾図柄表示装置479の表示画面に表示された宝卵482を一定時間(例えば、10秒間)、左右の両側から挟んだ(つかんだ)状態とし続けることに成功したら、宝483を表示し、宝卵482を挟んで潰してしまったり、両入力レバー810L,810Rの挟む力が弱くて間から下方へ落下したら、宝483を表示しないように演出を制御してもよい。この場合においても、両入力レバー810L,810R左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対して握り続ける長押し操作が継続された分、中央側に、両入力レバー810L,810Rが移動し、手を離すと、その位置に停止し、連打することで、離間するように、副制御基板940で移動制御をしてもよい。そして、宝卵482が、回転するなどして向きを代える動作を行うように表示制御を行い、その向きの変化に伴って宝卵482の横幅が変化し、その分、両入力レバー810L,810Rによって圧迫される力が変化するように制御し、目標値としての両入力レバー810L,810Rの距離が変動するようにすることが好ましい。これにより、入力操作を単純にし過ぎることなく、装飾図柄表示装置479の表示画面の内容と、その手前側に配置される両入力レバー810L,810Rを組み合わせた演出の興趣を遊技者に提供することができる。
また、遊技者による継続的な操作が実行された場合に、両入力レバー810L,810Rのうち継続的な操作が行われたレバーの外形形態が、その継続的な操作が行われた期間の長さに対応して変化するようにしてもよい。例えば、両入力レバー810L,810Rが連結した形態において、両入力レバー810L,810Rの外周部分から外方側に放射状に突出するような可動部材を設けて、長押し操作が実行された場合に、可動部材の突出した数や突出量に応じて、遊技者にとって有利な設定(例えば、出球率の設定)であるか否かを示唆したり、保留されている単位遊技において特別図柄抽選の当選が含まれているか否かを示唆するようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施してもよい。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用してもよく、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
上記実施形態においては、特典領域409Vの近傍(特典領域409Vそのものや特典領域409Vへの遊技球の進入に関与する上大入賞装置434)を指し示すことを可能としたり、遊技者の意識を向かわせたりすることが可能な構成として、複数の可動部材10,20の動作の組み合わせと、それら可動部材10,20に設けられる発光素子19を発光させる発光演出との両方を実施する構成について説明したが、必ずしも動作の組み合わせと発光演出との両方を実施する必要はなく、いずれか一方のみを実施するように構成してもよく、例えば、1つの可動部材に設けられる発光素子19を用いて特定の方向を指示(示唆)するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、移行先決定ラウンドで、振分機構437が進入可能状態へ移行した後に上進入規制機構454が進行可能状態となる構成は必ずしも設ける必要はない。この場合であっても、装飾図柄表示装置479が第1ラウンドの開始前に第1の種類の大当りの当選に対応した所定の表示情報としての宝483を表示し、左可動部材10や右可動部材20が、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状況を遊技者に示し、移行先決定ラウンドでは、遊技球の発射を一旦停止し、宝483の表示や可動部材10,20の近接姿勢への変化を契機として遊技者に遊技球を発射させることを促すことにより、遊技球を特典領域409Vへ好適に進入させることを可能とすることができる。
また、上記実施形態においては、装飾図柄表示装置479において大当りに対応する停止図柄の組合せでは、大当りの種類が確変移行の特別遊技状態に移行するか、時短移行の特別遊技状態に移行するかを明示しない場合について説明したが、これに限らず、停止図柄の組合せの表示において、第1の種類の大当りや第2の種類の大当りのいずれに当選したかを表示してもよく、これに代えて又は加えて、大当りの当選の種類を示す特定のキャラクタ等を装飾図柄表示装置479に表示してもよい。装飾図柄表示装置479において、装飾図柄による停止図柄の組合せとは異なるもので大当りの種類を表示する場合には、その表示を、特別遊技状態が開始される直前ではなく、大当りに当選した単位遊技に対応する装飾図柄の変動期間中や、大当りに当選した単位遊技の実行が保留され、その単位遊技よりも前に実行される単位遊技に対応する装飾図柄の変動期間中に表示する構成としてもよい。更に、この場合には、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出も装飾図柄の変動期間中に開始される構成としてもよい。また、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作より前に実行される表示が、装飾図柄表示装置479によって実行される構成であるが、この構成に限らず、その表示は、パチンコ機100に既存の他の表示装置又は新たに設けられる表示装置によって実行される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出(殻割りミッション演出)を、特別遊技状態の少なくとも一部の期間を含めて実行する構成について説明したが、この構成に限らず、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出(殻割りミッション演出)を特別遊技状態である期間を含まず、図柄変動期間において実行する構成としてもよい。また、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出を図柄変動期間において実行する場合には、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で所定の当選条件(第1の大当りや第2の大当り)が成立した後に実行される単位遊技(所定の当選条件が成立した始動入賞に基づく単位遊技や当選時に既に保留された単位遊技)に係る図柄変動期間において実行する構成とし、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出によって、特典領域409Vへ遊技球が進入させることができるか否かを示唆する構成としてもよい。
また、上記実施形態において、特別遊技状態において特典領域409Vへ遊技球が進入させることが可能な進入可能期間が発生するか否かを示唆する演出として、非参加型や参加型(片手参加型及び両手参加型)の演出を実行する構成であるが、この構成に限らず、他の状況が発生または移行するか否かを示唆する演出として、非参加型と片手参加型と両手参加型の演出の少なくとも一部を実行する構成としてもよい。例えば、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で所定の当選条件の成立としての大当りに当選したか否かを示唆する演出として、非参加型や参加型の演出を実行する構成としてもよいし、大当り当選の期待度を示す演出として実行する構成としてもよい。非参加型や参加型の演出を所定の当選条件が成立したか否かを示唆する演出として実行する場合には、当該演出を図柄変動期間において実行する構成としてもよいし、また、始動入賞が成立して図柄変動期間が開始されるまでの期間中に実施してもよいし、特別遊技状態中に特別遊技状態後の図柄変動が待機されている状況において、当該演出を、特別遊技状態の途中(例えば、エンディング期間)で実行してもよいし、特別遊技状態後に実行される単位遊技において実行する構成としてもよい。この場合には、宝483の表示として、大当り当選の期待度を示す数値情報(例えば、50%)の表示をしてもよいし、大当り当選の期待度が一定確率以上であることを示す「激アツ」や大当り当選に対応した「当確」などの文字情報を表示してもよいし、始動入賞を示す画像として色のついた球(例えば、赤色、黄色、虹色の球)を表示することで保留回数を表示する表示部に大当り期待度を示唆する画像を表示する構成としてもよい。
また、非参加型や参加型の演出は、図柄変動期間において所定の演出(例えば、所定のキャラクタを用いた戦闘の演出)が実行されるか否かを示唆する演出として用いてもよく、この場合には、宝483の表示として、特定の演出が実行されることを示唆する「発展」の文字情報を表示してもよいし、複数のキャラクタのいずれかの演出が実行される場合においてキャラクタの種類を表す種別情報(例えば、「兵士」や「小僧」)に対応する文字や、キャラクタの画像を表示してもよい。
また、非参加型や参加型の演出は、特別遊技状態におけるラウンド数やラウンドが継続されるか否かを示唆する演出として用いてもよく、この場合には、宝483の表示としてラウンド数を示す数字を含む「10R」等の数値情報や、特別遊技状態が終了しないで継続することを示す「継続」の文字情報を表示してもよい。
また、非参加型や参加型の演出は、遊技の実行を待機する状況(例えば、デモ画面の表示中)において実行される演出として用いてもよく、例えば、今日の運勢を占うおみくじの演出が可能としてもよく、この場合には、宝483の表示として、「大吉」や「小吉」といった文字情報を抽選で表示するようにしてもよいし、図柄変動期間中に表示される期待度の異なる演出(例えば、「魚群」や「泡」)等の演出画像が一定の確率で選択されて表示されるようにしてもよい。
また、上記実施形態における左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの各操作部に対して、移動操作量を検出可能な操作量検出手段(例えば、エンコーダ)と、各操作部を動作させる動作手段(例えば、モータ)とを設けて、副制御基板940の制御によって各操作部を、遊技者の操作なしに動作させたり、動作を容易にするアシスト力を作用させるようにしてもよい。例えば、参加型の演出として、両手参加型の演出を必ずしも両手で操作した場合に限って実行可能とする必要はなく、片手でも参加可能にし、例えば、デモ画面中において遊技者が両手参加型の演出を片手で参加したいことを選択できるように構成し、片手での参加を選択した場合には、両手の操作をしなくても一方のレバーを操作したら、他方のレバーが一方の操作量に追従して同一の操作量で動作するように構成してもよい。
また、上記実施形態における左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの操作が必要な両手参加型の演出について、片手で参加した場合には、判定時間TMに達することがなく、片手の操作がない場合と同一の演出が限定される場合について説明したが、片手で参加した場合には、両手で参加した場合とは異なる片手操作用の別の演出が実行されるようにしてもよい。また、両手参加型の演出実行中において、片手で参加した場合には、片手の参加もない場合とは異なる画像であって片手で参加した場合に対応する特定の画像(例えば、「両手で操作してください」の文字画像)を表示する構成としてもよい。
また、上記実施形態における左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの操作が必要な両手参加型の演出と、片手参加型の演出とを同一の操作部を利用する構成について説明したが、片手参加型の演出と両手参加型の演出とが別々の操作部を用いて実行される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが別々に動作する構成について説明したが、必ずしも別々に動作する必要はなく、ギヤやベルト等の駆動力を伝達する伝達手段を介して2つのレバーを連結しておき、両レバーが連結されて一体的に動作が可能に構成してもよく、この連結状態と連結が解除された状態とを遊技者の操作や副制御基板940の制御によって切り替えられるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、片手参加型と両手参加型との演出のいずれかが実行される場合について説明したが、遊技者の操作を検出して、その操作によって片手参加型の演出が実行されるか、両手参加型の演出が実行されるかが切り替わるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが左右の端から中央側に移動することで、レバーと装飾図柄表示装置479の表示画面とが近づく操作が可能な場合について説明したが、レバーの操作(移動動作)によって各レバーが前後方向においても位置変化するように構成し、レバーと装飾図柄表示装置479の表示画面との前後位置が遊技者の操作によって変化するように構成してもよく、この場合には、レバーが中央側へ移動した場合に装飾図柄表示装置479の表示画面に近づくような操作が可能に構成してもよい。
また、上記実施形態においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとがパチンコ機100の左右両側に設けられる場合について説明したが、2つのレバーのいずれかに代えて、または、2つのレバーに加えて、パチンコ機100の上部にレバーを設けて、片手参加型の演出や両手参加型の演出を可能にしてもよい。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施してもよい。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用してもよい。また、遊技において遊技者に付与される遊技価値としての特典は、遊技球やメダル等の遊技媒体が実体物として払い出されることによる特典であってもよいし、数値情報を記録媒体に記録することによって付与される実体のない情報の更新を伴う仮想的な特典であってもよい。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用してもよい。
<特徴10>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域409)のうち通常遊技状態において所定の第1領域(例えば、左流下領域409L)に遊技球を流下させて遊技を行い、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合には前記第1領域とは別に設けられる第2領域(例えば、右流下領域409R)に遊技球を流下させることによって所定の特典領域(例えば、特典領域409V)に遊技球を入球させることが可能であり、該特典領域に遊技球が入球した場合には当該特典領域に遊技球が入球しない場合(例えば、時短遊技状態)に比べて遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記通常遊技状態において複数箇所に離間して配置された離間姿勢をとる複数の可動部材を備え、
前記所定の表示結果が表示された場合に前記複数の可動部材が動作し、当該複数の可動部材の一部が前記離間姿勢と比べて近接又は当接した状態をとり、前記遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から前記特典領域へ向かう方向側へ前記複数の可動部材が連続する特典領域指示配置をとるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、例えば、通常の遊技状態においては遊技球の発射強度の小さい左打ちにより遊技球を所定の左側の流下領域に遊技球を流下させ、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態においては遊技球の発射強度が左打ちの場合より大きい右打ちにより遊技球を右側の流下領域を流下させて遊技を行う等、遊技の進行に伴って遊技球の打ち出しの仕方を変化させる構成とされる。このような遊技機において、通常の遊技状態から有利な遊技状態への遊技状態の切り替わりに際して、右側の流下領域を流下する遊技球が進入可能な特定の装置や領域(以下、これらを特典領域と称す)に遊技球を進入させることを条件とする構成が知られている(例えば、特開2011-45422号公報)。この構成において、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる機会を得た場合に、右打ちで遊技球を打ち出すように、液晶表示装置における文字や図形による表示等によって報知し、遊技者が不利益を被ることを抑制している。
しかしながら、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって所定の表示結果が表示され、特典領域へ遊技球を入球させることが可能な場合に、複数の可動部材を、それらが別箇所に配置された離間姿勢から、その姿勢と比べて近接又は当接した状態であって、遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から特典領域へ向かう方向側へ複数の可動部材が連続する特典領域指示配置に移動させる構成とする。このため、複数の可動部材の動作によって、複数の可動部材が連続して配置される方向側に設けられる特典領域やその近傍に遊技者の注意を引くことや、複数の可動部材を別箇所に配置された状態から移動させることでその動作を遊技者に気づかせ易くすることが可能になる。したがって、この複数の可動部材を動作させる演出によって、遊技者に対して、特典領域に遊技球を入球させるべきことを示唆したり、特典領域の近傍を流下する遊技球の挙動に注目させたり、特典領域に遊技球を進入させるために遊技球を流下させる領域を第1領域から第2領域に変更すべきことを注意喚起したりすることが可能になり、遊技者にとって有利な遊技状態への遷移させる機会を逃してしまうことを抑制することが可能になる。
<特徴11>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域409)のうち通常遊技状態において所定の第1領域(例えば、左流下領域409L)に遊技球を流下させて遊技を行い、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合には前記第1領域とは別に設けられる第2領域(例えば、右流下領域409R)に遊技球を流下させることによって所定の特典領域(例えば、特典領域409V)に遊技球を入球させることが可能であり、該特典領域に遊技球が入球した場合には当該特典領域に遊技球が入球しない場合(例えば、時短遊技状態)に比べて遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記通常遊技状態において複数箇所に離間して配置された離間姿勢をとる複数の可動部材(左可動部材10及び右可動部材20)を備え、
前記所定の表示結果が表示された場合に前記表示手段の前側に重なる位置に配置された可動部材に設けられる発光部分が発光し、前記遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から前記特典領域へ向かう方向側へ前記発光部分が順に発光する発光演出が行われるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって所定の表示結果が表示され、特典領域へ遊技球を入球させることが可能な場合に、表示手段の前側に重なる位置に配置された可動部材に設けられる発光部分が発光し、遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から特典領域へ向かう方向側へ発光部分が順に発光する発光演出が行われる。このため、可動部材に設けられる発光部分の発光によって、発光部分が順に発光した方向側に設けられる特典領域やその近傍の遊技球の挙動に対して、遊技者の注意を引いたり遊技者に気づかせ易くすることが可能になる。したがって、この発光演出によって、遊技者に対して、特典領域に遊技球を入球させるべきことを示唆したり、特典領域の近傍を流下する遊技球の挙動に注目させたり、特典領域に遊技球を進入させるために遊技球を流下させる領域を第1領域から第2領域に変更すべきことを注意喚起したりすることが可能になり、遊技者にとって有利な遊技状態への遷移させる機会を逃してしまうことを抑制することが可能になる。
<特徴20>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部(例えば、前方側装飾部50)と、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を出力する後方側光出力手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該後方側光出力手段から出力された光の一部が照射される部位であって、前記第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部(例えば、後方側装飾部11)とを備え、
前記後方側光出力手段によって後方側へ出力された光によって前記第2の装飾部が発光可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴21>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部(例えば、前方側装飾部50)と、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を出力する後方側光出力手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該後方側光出力手段から出力された光の一部が照射される部位であって、前記発光基板より後方側に設けられ、前記第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部(例えば、後方側装飾部11)と、
前記後方側光出力手段によって後方側へ出力された光を前記第2の装飾部とは別の方向側へ反射可能な別方向反射手段(例えば、後方窓61)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする多数の装飾部を様々な箇所に設け、遊技演出の多様化を図る構成とされる(例えば、特許文献1)。多数の装飾部には、常時又は遊技進行に応じて適宜に光が照射される装飾部を含み、この光の照射によって装飾部よる演出の効果を向上させている。しかしながら、装飾部による好適な演出を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、所定の方向側に向けて光を出力する発光手段からの光を遊技者が位置する前方側へ通過可能な第1の装飾部と、第1の装飾部の裏面側にて、遊技者が位置する前方側とは逆の後方側へ発光手段から発光された光を出力する後方側光出力手段と、後方側光出力手段から出力された光の一部が照射される部位に第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部とを備える構成としている。これにより、発光手段から出力された光によって第1の装飾部を発光させると共に、同一の発光手段から出力された光であって後方側光出力手段から出力された光によって第2の装飾部を発光させることができ、装飾部ごとに発光手段を設ける場合に比べて部品数を減らし製造コストを抑えることができる。
また、特徴21に記載の遊技機において、第2の装飾部を発光基板より後方側に設ける構成としている。これにより、第2の装飾部を発光手段からの光が直接には照射されない場所に配置し、第1の装飾部をその裏面側に照射される光によって発光させるのとは異なり、第2の装飾部を表面側から照射される光によって発光させることができ、同一の発光手段からの光によって発光させたとしても、第1の装飾部の発光と第2の装飾部の発光との見映えを異ならせ、それらの装飾部による演出の効果を高めることができる。
また、特徴21に記載の遊技機において、後方側光出力手段によって後方側へ出力された光を第1の装飾部とは別の方向側へ反射可能な別方向反射手段を備える構成としている。これにより、別方向反射手段で反射した後の光を、例えば、別方向反射手段での反射を介さずに第1の装飾部や第2の装飾部に照射される光とは異なる照射位置や照射角度で照射するなど、限られた個数の発光手段によって複雑な形態で第1の装飾部や第2の装飾部に照射することも可能にし、それらの装飾部による演出の効果を高めることができる。
また、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、第2の装飾部は、後方側光出力手段から出力された光が照射される部位に設ける構成としている。これにより、一旦、発光手段から出力された光を、一旦第2の装飾部とは異なる方向に進行させた後に、後方側出力手段で光の進行方向を変化させて第2の装飾部に向かわせることができる。したがって、後方側光出力手段を介さず直接に第2の装飾部に光を照射する発光手段を用いる場合に比べ、発光手段と第2の装飾部との間隔を狭くして、発光手段及び第2の装飾部を構成する構造体の大型化を抑制しつつ、第2の装飾部に到達するまでに光が進行する経路を長くし、限られた個数の発光手段を用いて第2の装飾部における照射範囲を大きく確保することも可能になる。
また、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、第1の装飾部は、発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能な構成としている。これにより、第2の装飾部を第1の装飾部に前後方向で重なるように配置し、第2の装飾部の発光を第1の装飾部を通して透かして見えるようにすることも可能になる。
このように、限られた個数の発光手段を用いたとしても、第1の装飾部や第2の装飾部による演出の効果を高め、それらの装飾部による演出を好適なものとすることができる。
なお、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、第1の装飾部には、別方向反射手段から出力された光を照射可能な構成としてもよい。これにより、一旦、発光手段から出力された光を、後方側出力手段と別方向反射手段との双方で光の進行方向を変化させて第1の装飾部に向かわせることができ、別方向反射手段を介さない光のみを第1の装飾部に照射する場合に比べ、限られた個数の発光手段によっても、第1の装飾部の全体に光を照射し易くすること可能になる。
<特徴30>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光の一部を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部と(例えば、前方側装飾部50)、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を反射可能な第1反射手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該第1反射手段から出力された光が照射される部位に設けられて、当該光の少なくとも一部を前記発光手段が設けられる側に反射可能な第2反射手段(例えば、後方窓61の前面61F)と、
その第2反射手段から出力された光が照射される部位であって前記第1の装飾部と前記発光手段との間に設けられ、当該光の少なくとも一部を前記第1の装飾部が設けられる側に反射可能な第3反射手段(例えば、光進入窓62の前面62F)とを備え、
前記第1反射手段と前記第2反射手段と前記第3反射手段とによって周辺部分が囲われる発光空間が形成され、
前記発光空間内において前記発光手段に向けて進行する光が前記第3反射手段によって前記発光空間内へ反射可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴31>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光の一部を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部(例えば、前方側装飾部50)と、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を反射可能な第1反射手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該第1反射手段から出力された光が照射される部位に設けられて、当該光の少なくとも一部を前記発光手段が設けられる側に反射可能な第2反射手段(例えば、後方窓61の前面61F)と、
その第2反射手段から出力された光が照射される部位であって前記第1の装飾部と前記発光手段との間に設けられ、当該光の少なくとも一部を前記第1の装飾部が設けられる側に反射可能な第3反射手段(例えば、光進入窓62の前面62F)とを備え、
前記第1反射手段と前記第2反射手段と前記第3反射手段とによって周辺部分が囲われる発光空間(例えば、発光空間40)が形成され、
前記第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部(例えば、後方側装飾部11)が、前記第1反射手段によって反射した光により発光可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
なお、特徴30及び31として記載の第2の装飾部は、第2反射手段を構成する透明な板状部分(後方窓61)から通過した光が照射される装飾部(後方側装飾部11)によって構成してもよいし、これに代えて、又はこれに加えて、第2反射手段を構成する透明な板状部分(後方窓61)を遊技者が視認可能な向きに配置して当該板状部分に重なるようにキャラクタの画像等を印刷するなどした板状の装飾部品を設けて構成してもよい。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする装飾部を複数設け、それらの装飾部による演出に際して常時又は遊技進行に応じて光を照射し、その演出の効果を高めている(例えば、特開2012-245273号参照)。しかしながら、装飾部による好適な演出を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴30又は特徴31に記載の遊技機であれば、特徴30又は特徴31に記載の遊技機であれば、第2の装飾部を、第1の装飾部を発光させる発光手段を用い、その発光手段から所定の方向側に向けて出力された光であって第1反射手段で反射した後の光によって発光させる構成としている。これにより、発光手段から出力された光によって第1の装飾部を発光させると共に、同一の発光手段から出力された光であって後方側光出力手段から出力された光によって第2の装飾部を発光させることができ、装飾部ごとに発光手段を設ける場合に比べて部品数を減らし製造コストを抑えることができる。
また、特徴30又は特徴31に記載の遊技機であれば、第1反射手段、第2反射手段及び第3反射手段との間で周辺部分が囲われた発光空間を形成し、第1の装飾部を発光手段から所定の方向側に向けて光を出力された光であって第2反射手段及び第3反射手段による反射を介さずに照射される光に加えて、第1反射手段と第2反射手段と第3反射手段とで順次に反射した後の光によって発光させることが可能な構成としている。これにより、第1反射手段で反射した後の光を、例えば、第1反射手段での反射を介さずに第1の装飾部に照射される光とは異なる照射位置や照射角度で照射するなど、限られた個数の発光手段によっても複雑な形態で第1の装飾部に照射することも可能になり、第1の装飾部による演出の効果を高めることができる。また、発光空間において第1反射手段と第2反射手段と第3反射手段とによる順次の反射を繰り返した後の光で、第1の装飾部や第2の装飾部を発光させることも可能になり、第1の装飾部や第2の装飾部による演出の効果を更に高めることもできる。更に、発光空間に進入した光を、第1反射手段と第2反射手段と第3反射手段とで繰り返しながら、第1反射手段に照射できるために、第1反射手段に向かう光で発光する第1の装飾部や、第1反射手段で反射した光で発光する第2装飾部を照射でき、効率よく第1の装飾部と第2の装飾部とを発光させることも可能になる。
<特徴40>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、下左基板721aや中央基板731)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子722aやLED素子732)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)とを備え、
前記反射装飾部は、前記発光基板とは前後方向において重ならない位置に配置され、遊技者側から見て傾斜する向きに配置された装飾面(例えば、装飾面712S)を有し、
前記発光手段から出力された光が前記反射手段によって反射され、遊技者が位置する前方側へ前記装飾面を通過した光を出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴41>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、下左基板721aや中央基板731)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子722aやLED素子732)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)とを備え、
前記反射装飾部は、前記発光基板とは前後方向において重ならない位置に配置され、遊技者側から見て傾斜する向きに配置された装飾面(例えば、装飾面712S)を有し、
前記発光手段から出力された光の一部が前記反射手段によって反射され、遊技者が位置する前方側へ前記装飾面を通過した光を出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする多数の装飾部を設ける構成とされる。多数の装飾部には、常時又は遊技進行に応じて適宜に光が照射される装飾部を含み、その装飾部による演出の効果を向上させている。この装飾部は、光を通過可能な材料で形成され、装飾部の背後に配置された光源から光を照射することで、遊技機の前側から見て発光した状態とされる(例えば、特開2010-119669号公報)。
しかしながら、装飾部による好適な演出を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴40及び特徴41に記載の遊技機であれば、反射装飾部(装飾部)による好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、反射装飾部に、発光基板とは前後方向において重ならない位置に配置され、遊技者側から見て傾斜する向きに配置される装飾面を設けることで、反射装飾部による演出において、遊技者によって視認される装飾面の大きさを所定の大きさに確保しつつ、遊技者側から見て装飾面から明るく光が出力された状態とすることができる。
<特徴42>
特徴40又は特徴41に記載の遊技機であって、
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(副制御基板940)とを備え、
前記装飾面は、前記表示手段において前記識別情報が表示される表示部(表示部479a)が設けられる側が内側となるように湾曲した形状に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴42に記載の遊技機であれば、装飾面の形状を、表示部を内側として湾曲した形状とすることで、遊技進行に伴う主たる演出を行う表示手段に遊技者が注目している場合に、装飾面の全体が遊技者の視界に納まるようにし易くできる。
<特徴43>
特徴40から特徴42のいずれかに記載の遊技機であって、
前記反射手段とは別に設けられ、該発光手段から出力された光が照射される別装飾手段(例えば、環状装飾体740や中央装飾体750)を備え、
前記発光基板は、前記別装飾手段の裏面側に設けられ、
前記別装飾手段は、前記発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴43に記載の遊技機であれば、反射手段の反射装飾部と別装飾手段とを同一の発光基板に設けられた発光手段によって、遊技者が視認できるようにすることができる。これにより、反射手段と別装飾手段とによる演出を、限られた個数の発光手段を用いて実行できる。
<特徴50>
遊技者側から見て所定の装飾を視認可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)を備え、
前記反射手段は、透過性を有する板状に形成されて光が通過可能な通過部(例えば、通過部712)と、
該通過部に対して一方側に重なるようにして設けられ、光を反射可能な反射部(例えば、反射部713)とを備え、
前記通過部には、前記反射部とは反対側となる面側に、所定の装飾が施された装飾面(例えば、装飾面712S)が設けられ、
前記装飾面に施された所定の装飾と、当該所定の装飾が前記反射部で反射した所定の装飾とが、ずれた位置で重なった状態にして、遊技者から視認可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴51>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、下左基板721aや中央基板731)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子722aやLED素子732)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)とを備え、
前記反射手段は、透過性を有する板状に形成されて前記発光手段から出力された光が通過する通過部(例えば、通過部712)と、
該通過部に対して前記発光手段から出力される光が通過した後に出力される側に重なるようにして設けられ、光を反射可能な反射部(例えば、反射部713)とを備え、
前記通過部には、前記反射部とは反対側となる面側に、所定の装飾が施された装飾面(例えば、装飾面712S)が設けられ、
前記発光手段から出力された光が前記反射手段によって反射され、遊技者が位置する前方側へ前記装飾面を通過した光を出力可能であって、
前記装飾面に施された所定の装飾と、当該所定の装飾が前記反射部で反射した所定の装飾とが、ずれた位置で重なった状態にして、遊技者から視認可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする装飾部を設ける構成とされる(例えば、特開2010-119669号公報)(例えば、特許文献1)。装飾部には、所定の部材の表面に複雑な凹凸を形成する等によって立体的な装飾が施されたり、図形や文字やキャラクタが描かれたシールを所定の部材に貼着したりする等によって平面的な装飾が施されたりする。このような装飾部に施された立体的や平面的な装飾を遊技者に視認させることで、当該装飾による演出の効果を高めている。
しかしながら、遊技機に設けられる装飾部の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴50又は特徴51に記載の遊技機であれば、光の反射機能を用いた見栄えのよい装飾を実現可能な遊技機を提供することができる。すなわち、反射部を通過部に対して一方側(発光手段から出力される光が通過した後に出力される側)に重なるようにして設け、通過部における反射部とは反対側となる面側を装飾面とすることで、遊技者に、装飾面で反射した光に基づき視認される装飾と、一旦装飾面を通過して反射部で反射し、再度装飾面を通過した光に基づき視認される装飾とをずれた位置で視認させることで、平面的な装飾が施されている場合には立体的に、立体的な装飾が施されている場合には、その立体性を強調して視認させることができる。これにより、簡素な構成の装飾を施し製造コストを抑制しつつ、反射装飾部による演出の効果を高めることができる。
また、特徴51に記載の遊技機であれば、発光手段から出力される光によって、装飾面を明るく視認させることができる。また、発光手段から光が出力されない場合には、装飾面の装飾を視認できず、その光が出力された場合に視認させることができるようにすることもできる。
<特徴52>
特徴50又は特徴51に記載の遊技機であって、
前記装飾面は、前記反射部とは反対側となる面側に起伏した形状部分(例えば、突出装飾領域712b)を含むことを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機であれば、起伏の小さな装飾を設けたとしても、遊技者に実際の起伏よりも大きな起伏と視認させることができる。これにより、装飾面を簡単な加工で形成することで製造コストを抑制しつつ、反射装飾部による演出の効果を高めることができる。
<特徴60>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記特別遊技状態を発生させる場合に、前記振分機構と前記切替機構とが動作し、前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態が発生し、
所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始される場合に、前記振分機構が進入可能状態へ移行した後に前記切替機構によって前記振分機構側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とする制御を実行可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始された場合には、前記振分機構が前記進入可能状態に移行した後に、前記切替機構が前記進行可能状態となって、前記所定のラウンドにおいて前記特典領域へ遊技球が進入可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴61>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させる動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記動作制御手段は、前記進入可能状態が発生する所定のラウンドが開始されてから所定の経過時間が経過した場合に当該所定のラウンドを終了させるラウンド時間終了手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記振分機構の動作を制御し、前記振分機構を前記進入可能状態に移行させる振分移行手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記切替機構の動作を制御し、前記振分移行手段によって前記振分機構が進入可能状態へ移行した後に前記切替機構によって前記振分機構側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とする切替制御手段とを有し、
前記所定のラウンドが開始された場合には、前記振分機構が前記進入可能状態に移行した後に、前記切替機構が前記進行可能状態となって、前記所定のラウンドにおいて前記特典領域へ遊技球が進入可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2015-188529号公報参照)。
しかしながら、特典領域への遊技球の進入を好適に制御可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴60又は特徴61に記載の遊技機であれば、特典領域への遊技球の進入を好適に制御可能な遊技機を提供することができる。すなわち、特別遊技状態において切替機構と振分機構とが動作する所定のラウンドで、振分機構が特典領域に遊技球を進入させられる進入可能状態へ移行した後に、振分機構よりも上流側に配置された切替機構が振分機構に向けて遊技球を進行させられる進行可能状態となる。これにより、所定のラウンドの開始から所定の時間後に、切替機構を進行可能状態にすることが可能になり、特典領域に遊技球を進入させるべき特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させる確実性を向上させることができる。
<特徴70>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構とを備え、
前記特別遊技状態を発生させる場合に、前記振分機構と前記切替機構とが動作し、前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態が発生し、
所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(宝483)が所定の表示手段によって表示され、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段(V示唆可動部材、入力操作装置)が所定の演出動作(近接姿勢への変化)を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴71>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させる動作制御手段と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段とを備え、
前記動作制御手段は、前記進入可能状態が発生する所定のラウンドが開始されてから所定の経過時間が経過した場合に当該所定のラウンドを終了させるラウンド時間終了手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記振分機構の動作を制御し、前記振分機構を前記進入可能状態に移行させる振分移行手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記切替機構の動作を制御し、前記切替機構によって前記振分機構側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とする切替制御手段と、を有し、
前記所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(宝483)を表示する表示手段と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段(V示唆可動部材、入力操作装置)を制御して、所定の演出動作(近接姿勢への変化)を行わせる演出制御手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2011-45422号公報参照)。
しかしながら、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴70又は特徴71に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定のラウンドが開始されて進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報が表示され、所定の表示情報の表示後に演出手段による所定の演出動作が行われ、その後に、特典領域に遊技球が進入して、特定遊技状態へと移行する遊技性を遊技者に提供することができる。したがって、所定の当選条件が成立した場合において、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として演出手段の所定の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、その後に、演出手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。また、演出動作による演出手段の報知の方を、所定の表示情報の表示による表示手段の報知よりも目立つようにして、特典領域に遊技球が進入可能な時期の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
<特徴81>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特定領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特定領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特定領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特定領域に遊技球が進入した場合には、前記特定領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の入力操作が可能な所定の操作情報を表示する操作情報表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
前記操作可能表示手段によって前記所定の操作情報が表示された場合に、前記所定の入力操作を実行可能な入力操作手段(例えば、右入力レバー810R)とが設けられ、
前記所定のラウンドが実行されている状況において前記所定の操作情報が表示され、前記発射操作手段(例えば、発射ハンドル252)による発射操作を操作している手を前記入力操作手段へ移動することによって前記所定のラウンド(例えば、第1ラウンド)の実行中に前記進入可能期間となる前に、規定数以上の遊技球が前記振分機構側へ進行することを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2015-188529号公報参照)。
しかしながら、特典領域へ遊技球を好適に進入させる構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴81に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を好適に進入させることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作情報表示手段による入力操作手段への所定の入力操作を促す所定の操作情報の表示を行うことで、発射操作手段による発射操作を操作している手を入力操作手段へ移動し遊技球の発射を停止するように遊技者を誘導することが可能になり、所定のラウンドの実行中であって進入可能期間となる前に、規定数以上の遊技球が振分機構側へ進行することを抑制可能となる。
<特徴91>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンド(例えば、第1ラウンド)が開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(例えば、宝483)を表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)を制御して、所定の演出動作を行わせる演出制御手段(例えば、副制御基板940)とが設けられ、
遊技球が流下する遊技領域(例えば、遊技領域409)より前側に位置するように前記演出手段が設けられ、前記所定のラウンドにおいて前記所定の演出動作が実行されることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2015-188529号公報参照)。
しかしながら、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴91に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の当選条件が成立し、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる場合において、所定の表示情報が表示された後に、演出手段によって所定の演出動作が行われる。このため、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として演出手段の所定の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、その後に、演出手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。
また、演出手段が遊技球の流下領域よりも前側に設けられるので、演出手段による所定の演出動作が遊技者の近くで行われ、遊技領域やその後側に設けられた部材による演出よりも目立たせることが可能になり、特典領域に遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
<特徴92>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特定領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(例えば、宝483)を表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段を制御して、所定の演出動作を行わせる演出制御手段(例えば、副制御基板940)とが設けられ、
前記表示手段より前側に位置するように前記演出手段が設けられ、前記所定のラウンドにおいて前記所定の演出動作が実行されることを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機によれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の当選条件が成立し、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる場合において、所定の表示情報が表示された後に、演出手段によって所定の演出動作が行われる。このため、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として演出手段の所定の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、その後に、演出手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。また、演出手段が表示手段よりも前側に位置するように設けられるので、演出手段による所定の演出動作が表示手段による表示よりも遊技者の近くで行われ、所定の演出動作を所定の表示情報の表示よりも目立たせることができ、特典領域に遊技球が進入可能な時期の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
<特徴93>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特定領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報と、所定の入力操作が可能な所定の操作情報とを表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(例えば、発射ハンドル252)と、
前記表示手段によって前記所定の操作情報が表示された場合に、前記所定の入力操作を実行可能な入力操作手段(例えば、右入力レバー810R)とが設けられ、
前記表示手段より前側に位置するように前記入力操作手段が設けられ、前記所定のラウンドにおいて前記所定の入力操作が実行可能となることを特徴とする遊技機。
特徴93に記載の遊技機によれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の当選条件が成立し、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる場合において、所定の操作情報が表示された後に、入力操作手段に対する所定の入力操作を実行可能とすることができる。このため、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として操作入力手段に対する所定の操作が可能であることを遊技者に知らせて、その後に、操作入力手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。また、操作入力手段が表示手段よりも前側に設けられることで、演出手段による所定の演出動作が表示手段による所定の表示よりも遊技者の近くで行われ、所定の演出動作を所定の表示情報の表示よりも目立たせることができ、特典領域に遊技球が進入可能な時期の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
特徴93に記載の遊技機において、表示手段は、所定の表示情報と所定の操作情報とを、時間的に重複させずに表示してもよいし、一部又は全部が時間的に重複するように表示してもよい。
<特徴A群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報)。
しかしながら、従来の遊技機の構成に対しては、様々な工夫がなされているが、未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴A1>
始動条件が成立した場合に所定の抽選を行い、当該抽選において所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
識別情報の変動表示を行い、前記所定の抽選に対応した表示結果を表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部(右入力レバー810R、左入力レバー810L)とを備え、
所定の操作タイミングにおいて、前記操作部を前記表示手段に近い側へ移動する操作をした場合に、前記表示手段に所定の表示情報(宝483)が表示される表示制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部を表示手段に向けて移動する操作に基づいて表示手段の関心が高められた状態で操作部に対する操作と表示手段の表示演出とを組み合わせた演出を遊技者に楽しませることができる。
<特徴A2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部と、
該操作部に対する駆動力を発生する駆動力発生手段(電磁石818R,819R,818L,819L)とを備え、
前記操作部として、遊技者の右手によって操作可能な右操作部(右入力レバー810R)と、
遊技者の左手によって操作可能な左操作部(左入力レバー810L)とが設けられ、
前記駆動力発生手段を制御して、前記右操作部と前記左操作部とが所定の動作タイミングにおいて所定の位置(右入力レバー810Rと左入力レバー810Lの連結した位置)に維持される制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、駆動力発生手段によって右操作部と左操作部とが所定の動作タイミングにおいて所定の位置に維持されるので、2つの操作部の配置位置を用いた演出を遊技者に楽しませることができる。
<特徴B群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報)。
しかしながら、従来の遊技機の構成に対しては、様々な工夫がなされているが、未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴B1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部とを備え、
前記操作部として、遊技者の右手によって操作可能な右操作部(右入力レバー810R)と、
遊技者の左手によって操作可能な左操作部(左入力レバー810L)とが設けられ、
所定の操作タイミングにおいて前記右操作部を右手で操作し、前記左操作部を左手で操作した場合に、所定の表示手段(装飾図柄表示装置479)によって所定の表示情報(宝483)が表示される表示制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者の右手によって右操作部が操作され、遊技者の左手によって左操作部が操作された場合に表示手段に表示情報を表示することができる。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作部の操作に基づいた演出を遊技者に楽しませることができる。
<特徴B2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な入力操作手段(右入力レバー810R、左入力レバー810L)と、
前記入力操作手段に対しての入力操作を実行可能な演出に対応した演出画像を表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記表示手段を制御し、前記入力操作手段に対して片手で操作を行う場合に対応する片手参加型の演出画像と、前記操作手段に対して両手で操作を行う場合に対応する両手参加型の演出画像とを表示する制御を少なくとも行う表示制御手段(副制御基板940)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な入力操作手段を用いた演出として、片手で操作を行う場合に対応する片手参加型の演出画像と、両手で操作を行う場合に対応する両手参加型の演出画像とを別々の画像によって表示することができる。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による入力操作手段の操作に基づいた演出を特別な演出として遊技者に楽しませることができる。
<特徴B3>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部(右入力レバー810R、左入力レバー810L)とを備え、
所定の操作タイミングにおいて、前記操作部を片手で操作した場合と、前記操作部を両手で操作した場合とで、所定の表示手段(装飾図柄表示装置479)によって所定の表示情報(宝483)が表示されるか否かを異ならせる表示制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B3に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の操作タイミングにおいて、操作部を片手で操作した場合と、操作部を両手で操作した場合とで、表示手段に表示情報が表示されるか否かが異なるため、両手による操作部の操作に基づいた演出の実行を稀少なものとすることができる。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作部の操作に基づいた演出を特別な演出として遊技者に楽しませることができる。
<特徴C~F群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において通常遊技状態や特別遊技状態において様々な演出がなされているものの、当該演出を実行する構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴C1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、移動可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の移動を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部を移動させる移動制御手段(例えば、副制御基板940)と、
前記操作部の移動に伴い前記操作部と共に移動可能であり、視覚とは異なる感覚により識別できる所定の出力を行う出力動作を実行可能な出力動作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記出力動作部を制御し、前記操作部の移動に伴い前記出力動作部が所定の位置から移動した位置に配置されている場合に前記出力動作を実行させる出力制御手段(例えば、副制御基板940)とを備えることを特徴とする遊技機。
<特徴C2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
移動可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記可動部の移動を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記可動部を移動させる移動制御手段(例えば、副制御基板940)と、
前記可動部の移動に伴い前記可動部と共に移動可能であり、視覚とは異なる感覚により識別できる所定の出力を行う所定の出力動作を実行可能な出力動作部と、
前記出力動作部を制御し、前記可動部の移動に伴い前記出力動作部が所定の位置から移動した位置に配置されている場合に前記出力動作を実行させる出力制御手段(例えば、副制御基板940)とを備えることを特徴とする遊技機。
特徴C1及び特徴C2に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、移動可能な操作部や可動部が移動した場合に、出力動作部が操作部や可動部と伴に移動する。このため、操作部や可動部が移動可能となる所定の演出が発生した場合に、出力動作部の位置を変化させることができる。したがって、所定の出力動作を異なる位置から実行することが可能になり、遊技者に与える出力の印象を変化させることができる。
また、操作部や可動部を移動させることで遊技者に操作部や可動部に注目させ、その注目させた場所の近傍で出力動作部による出力動作を実行することが可能となり、出力動作による演出効果を高めることも可能になる。
また、特徴C1に記載の遊技機であれば、所定の入力操作を行っている又は行おうとしている手の近くで出力部からの出力を実行することが可能になり、入力操作を行う手の触覚で感じる異なる位置からの出力、例えば、手が移動される感触や、送風、発熱、打突などの出力などにおいて、微弱な出力によって演出を実行することも可能になる。したがって、出力動作部を小型の装置で構成でき、出力動作部を操作部と伴に移動させたとしても、操作部の移動性を確保し易くなる。
なお、特別遊技状態が発生することとなる所定の当選条件は、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において大当りに当選するなど、電子的な抽選に基づく条件であってもよいし、通常遊技状態において遊技領域内に予め定められた所定の領域に遊技球が進入するなど、遊技球の流下先の機構的な振り分けによる抽選に基づく条件であってもよいし、電子的な抽選と機構的な抽選との組合せに基づく条件であってもよい。
例えば、機構的な抽選に基づき特別遊技状態が発生する構成としては、開閉可能な入口を有する役物装置の内部に非特定通路と特定通路とが設けられたパチンコ機において、所定の入賞口に遊技球が進入した場合に当該役物装置の入口を開放し、開放された入口から当該役物装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されて当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成が挙げられる。また、電子的な抽選と機構的な抽選との組合せに基づき特別遊技状態が発生する構成としては、内部に非特定通路と特定通路とを備える可変入賞装置を備えるパチンコ機において、特別図柄抽選において非当選の一種である所定の小当りが選択された場合に通常遊技状態において当該可変入賞装置に遊技球が進入可能となり、当該可変入賞装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されて当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成が挙げられる。
<特徴D1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記操作部の少なくとも一部は、前記第2の形態をとる場合に、前記第1の形態から前記第2の形態への変化過程の動作とは異なる動作が可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)によって構成され、
前記操作部が前記第2の形態をとる場合の少なくとも一部において前記可動部が移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部の少なくとも一部としての可動部が、第2の形態をとる場合に、第1の形態から第2の形態への変化過程の動作とは異なる動作で移動する。このため、可動部が移動する場合と移動しない場合とで、入力操作の操作感を変化させたり、可動部の移動によって入力操作とは異なる演出を実行したりすることが可能になる。ことが可能になる。また、操作部の全体を高速で移動させることによって、操作部の形状は変化してないが、残像現象によって、操作部の形状が変化したかのように見せることも可能になる。
<特徴E1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能である操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に、前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段と、
前記所定の入力操作を阻止可能又は無効化可能な入力制限手段とを備え、
前記入力制限手段は、前記操作部が前記第1の形態及び前記第2の形態の少なくとも一方の形態をとる場合には、前記所定の入力操作を阻止又は無効化せず、前記形態制御手段による前記操作部の変化過程の少なくとも一部で、前記所定の入力操作を阻止可能又は無効化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部がとりえる状態(第1の形態における形態制御手段による変化前の状態から第2の形態における形態制御手段による最終変化後の状態)において、操作部に対して所定の入力操作が阻止又は無効化されない状態と、阻止又は無効化される状態とを発現できる。このため、操作部の状態の変化に応じて、操作部の役割を変化させることができる。したがって、操作部の状態を変化させず、操作部を所定の入力操作による入力に特化したものとしたり、操作部の状態を変化させて、入力に特化した場合と異なる操作感や操作方向で所定の入力操作を入力するものとしたり、所定の入力操作が阻止又は無効化され、操作部の状態変化による演出に特化したりして、操作部を複数の異なる役割を発現する多目的の機能部とすることができる。
<特徴F1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記操作部の少なくとも一部は、前記第1の形態から前記第2の形態への変化過程において動作が可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)によって構成され、
前記形態制御手段は、前記操作部に対して所定の入力操作が継続されている状況において、前記第1の形態から前記第2の形態へと形態変化が進行し、前記第2の形態へ形態変化した後に、当該第2の形態から前記第1の形態へと形態変化が更に進行するように前記可動部の動作を制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴F2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記操作部の少なくとも一部は、前記第1の形態から前記第2の形態への変化過程において動作が可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)によって構成され、
前記形態制御手段は、前記操作部に対しての前記所定の入力操作を検出して前記第1の形態から前記第2の形態へと形態変化が進行するように前記可動部の動作を制御する第1の制御と、前記操作部に対しての前記所定の入力操作を検出して前記第2の形態から前記第1の形態へと形態変化が進行するように前記可動部の動作を制御する第2の制御とを少なくとも実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F1及びF2に記載の遊技機によれば、操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部に対しての所定の入力操作を条件として操作部の形態変化が進行するため、操作部の形態変化を進行させるか進行させないかを遊技者の操作によって決定させることができ、その形態変化の進行状況は外観だけでなく、遊技者の操作部に対する触感を含めて識別可能とすることができる。よって、変動表示は視認せずに操作部の形態変化を触感で感じながら遊技を進めるか、それとも注視している対象を変動表示から操作部に切り替えてから形態変化の状況を視認しつつ遊技を行うかなど、遊技者の意図する状況に対応して簡易な操作で形態変化を伴う演出の興趣を提供することができる。
なお、特徴10~F2に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組み合わせて適用してもよい。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
10…左可動部材、11…後方側装飾部、20…右可動部材、30…光源、31…発光基板、32L,32R…LED素子(発光手段)、40…発光空間、41…前方部材、42…後方部材、50…前方側装飾部、50B…裏面(後方側光出力手段)、51…前方窓、52…装飾板、61…後方窓、61B…前面(別方向反射手段)、62…光進入窓、63…左接続部、64…右接続部、100…パチンコ機、102…前ブロック、250…発射操作装置、252…発射ハンドル(発射操作手段)、400…遊技盤、401…基体、409…遊技領域、409L…左流下領域(第1領域)、409R…右流下領域(第2領域)、409V…特典領域(特定領域)、409E…入口部分、409N…非特典領域、420…中央構造体、434…上大入賞装置、437…振分機構、437A…振分シャッタ、434…上大入賞装置、444…上大入賞スイッチ、448…特定通路スイッチ、454…上進入規制機構、454A…進入規制シャッタ、464…上進入規制モータ、465…振分ソレノイド、479…装飾図柄表示装置(表示手段,操作情報表示手段)、481…前壁、484S…右握り操作指示情報(所定の操作情報)、484D…連結操作指示情報(所定の操作情報)、494…案内通路、700…遊技盤、710…反射装飾体(反射手段)、711…反射装飾部、712…通過部、712a…平坦領域、712b…突出装飾領域、712S…装飾面、713…反射部、719…反射装飾支持部、720…環状配置光源、720a…下左光源、720b…下右光源、721…環状配置基板、721a…下左基板、722a…LED素子、730…中央光源、731…中央基板、732…LED素子、740…環状装飾体、741…可動装飾部、741a…下左可動装飾部、742…回動装飾部、749…環状装飾支持部、750…中央装飾体、751…中央装飾部、752…枠部、753…装飾部材、754…散乱部材、920…主制御基板、940…副制御基板(制御手段,移動制御手段,出力動作制御手段,形態制御手段,入力制限手段)、801L…左入力操作装置、801R…右入力操作装置、802L…左支持機構、802R…右支持機構、804L…左レバー移動規制装置、804R…右レバー移動規制装置、810L…左入力レバー(入力操作手段,演出手段,操作部)、810R…右入力レバー(入力操作手段,演出手段,操作部)、811L…左握り壁、811R…右握り壁、812L…左操作部材、812R…右操作部材、813L…左被覆壁、813R…右被覆壁、818L…上側電磁石、818R…上側電磁石、819L…下側電磁石、819R…下側電磁石、820L…左支持台、820R…右支持台、823L…左外側支持腕、823R…右外側支持腕、826L…左内側支持腕、826R…右内側支持腕、831L…左レバー回転駆動モータ、831R…右レバー回転駆動モータ、838L…左連結操作検出スイッチ、838R…右連結操作検出スイッチ、839L…左連結状態検出スイッチ、839R…右連結状態検出スイッチ、841L…左レバー規制部材、841R…右レバー規制部材、851L…左レバー前後移動機構、851R…右レバー前後移動機構、852L…左レバー前後移動駆動モータ、852R…右レバー前後移動駆動モータ

Claims (2)

  1. 所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
    所定の入力操作を実行可能であり、移動可能な操作部と、
    前記操作部の移動を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合に前記操作部を移動させる移動制御手段と、
    前記操作部の移動に伴い前記操作部と共に移動可能であり、視覚とは異なる感覚により識別できる所定の出力を行う出力動作を実行可能な出力動作部と、
    前記出力動作部を制御し、前記操作部の移動に伴い前記出力動作部が所定の位置から移動した位置に配置されている場合に前記出力動作を実行させる出力制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
  2. 前記遊技機は、パチンコ遊技機であることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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