JP2024064905A - 遊技機 - Google Patents

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Shintaro Matsushita
剛 福留
Takeshi Fukutome
太佑 祖父江
Tasuke Sofue
邦昌 川西
Kunimasa Kawanishi
範高 三澤
Noritaka Misawa
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Abstract

【課題】 遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能な遊技機を提供する。【解決手段】 遊技機において、遊技を行うために用いられた遊技媒体と獲得した遊技媒体の数との差数を計数し、差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限し、遊技の実行の制限が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に未払いの遊技媒体の払出しを実行する構成とする。【選択図】 図69

Description

本発明は、弾球遊技機に代表される遊技機に関する。
従来の遊技機として、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数と差数に基づいて、遊技の進行を制御可能な遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-310914号公報
しかしながら、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を制御可能であり、当該進行に伴う遊技媒体の差数の表示を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
本発明は、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能な遊技機を提供することを目的としている。
本発明に係る遊技機は、上記の課題を解決するために、
所定の取得条件が成立した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記遊技実行制限手段による遊技の実行の制限が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の払出しを実行する未払い払出実行手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶するための残存払出記憶手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去する未開始情報消去手段と、を有し、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴としている。
本発明によれば、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能な遊技機を提供することができる。
遊技機の一例としてのパチンコ機の正面側斜視図 パチンコ機を開放状態で示す斜視図 パチンコ機を他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機を更に他の開放状態で示す斜視図 パチンコ機の正面図 パチンコ機の前ブロックを取り外した状態を示す正面図 遊技盤の正面図 パチンコ機の背面側斜視図 パチンコ機の背面図 パチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 主制御メイン処理の一例を示すフローチャート 主制御割込み処理の一例を示すフローチャート 左可動部材と右可動部材との作動状態を示す遊技盤の正面図 遊技盤の斜視図 図7のXM-XM線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す部分切断斜視図及び断面図 図7のXD-XD線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す部分切断斜視図及び断面図 図7のXU-XU線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す部分切断斜視図及び断面図 反射装飾部を設けた遊技盤の正面図 反射装飾部による演出に関与する主要部の相対位置を示す遊技盤の正面図 図18のY1-Y1を含む切断面による反射装飾体の近傍を示す斜視断面図 環状配置光源からの光が反射装飾部に照射される形態を説明するために、図18のY1-Y1を含む切断面による反射装飾体の近傍を模式的に示す断面図 中央装飾体の発光に用いられる光源からの光が反射装飾体に照射される形態を説明するために、図18のY1-Y1を含む切断面による反射装飾体の近傍を模式的に示す断面図 特典領域に遊技球が進入可能なラウンドにおける上進入規制機構及び振分機構の動作制御を模式的に示すタイミングチャート 図7のY2-Y2線を含む切断面による断面により、上進入規制機構及び振分機構の動作形態を示す断面図 特典領域へ遊技球が進入可能となるラウンドにおける演出の制御を示すタイミングチャート 特典領域へ遊技球が進入可能となるラウンドにおける演出の推移を模式的に示す説明図 図5のX1-X1を含む切断面により入力操作装置の配置、構造及び動作を模式的に示す説明図 確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 片手参加型の演出の推移を模式的に示す説明図 時短予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャート 図5のX1-X1を含む切断面により右入力操作装置及び左入力操作装置の配置、構造及び動作を模式的に示す説明図 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図 時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態の両手参加型の演出に遊技者が参加する場合以外における両手参加型の演出の推移を模式的に示す説明図 図5のX1-X1を含む切断面により左入力レバー及び右入力レバーの前後方向の動作を模式的に示す説明図 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図33に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 左入力レバーや右入力レバーが回転移動する場合の動作制御を示す説明図 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図34に示す場合とは別の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図 時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図35に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャート 確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図36に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャート V入賞演出で動作する複数の可動部を備えた遊技盤の正面図 V入賞演出で動作する複数の可動部とそれらの動作に関連する構成を示す斜視図 V入賞演出で動作する右前可動部の動作形態を模式的に示す説明図 V入賞演出において複数の可動部が通常配置から出現配置に移動する推移を模式的に示す説明図 V入賞演出において複数の可動部が出現配置から通常配置に戻るまでの推移を模式的に示す説明図 進展情報付き発展型演出における進展情報の表示場所を示す説明図 進展情報付き発展型演出における進展情報の表示形態の概要を模式的に示す説明図 進展情報付き発展型演出であって演出の発展先を遊技者によって選択可能な演出の推移を示す説明図 進展情報付き発展型演出であって演出の発展先を遊技者の操作によって変化可能な演出の推移を示す説明図 進展情報付き発展型演出であって所定の条件の成立に応じて進行する演出の推移を示す説明図 進展情報付き発展型演出であって演出の発展先を遊技者の操作に依らずに選択する演出の推移を示す説明図 進展情報付き発展型演出であって始動条件の成立に基づく保留の先読みで発生する保留先読み発展型演出に対する前兆演出の推移を示す説明図 保留先読み発展型演出の推移を示す説明図 保留先読み発展型演出の継続時間に応じて変化する進展情報を示す説明図 保留先読み発展型演出の継続時間の延長に伴う進展情報の変化を示す説明図 保留先読み発展型演出の継続時間の延長に伴う進展情報の他の変化を示す説明図 保留された変動表示における演出の変更方法を示す表 特別遊技状態中における特殊表示演出及びその実行の示唆表示の推移を模式的に示す説明図 特別遊技状態から移行した特定遊技状態中における特殊表示演出及び示唆表示の推移を模式的に示す説明図 特殊表示演出の実行中における特別遊技状態に移行する遊技回での特殊表示演出及び示唆表示の推移を説明する説明図 遊技制限機能付きパチンコ機の電気的な構成を示すブロック図 遊技制限機能を説明するための主制御基板のタイマ割込み処理を示すフローチャート 遊技制限機能付きパチンコ機における差球情報を表示可能な遊技盤の正面図 主制御基板からの受信コマンドと差球表示装置及び装飾図柄表示装置における差球情報表示との対応を表にして示す説明図 電源の供給の開始に伴う差球情報表示の指示制御を説明するための主制御基板のメイン処理を示すフローチャート 遊技制限機能の発動前後における遊技進行の推移を説明するためのタイミングチャート 差球情報表示の変更制御を示す説明図 電源の供給開始時における差球情報の表示制御を説明するための説明図 制限数到達後の遊技継続状態中に対応した復電処理であることの判別に用いられるコマンドの構成を示す説明図
本発明に係る遊技機の実施形態について、遊技機の一種である弾球遊技機の一例としてのパチンコ機100を説明し、その後に変形例や他の種類の遊技機を説明する。まず、パチンコ機100の実施形態について、構造的な構成、電気的な構成、各種の制御処理を順に説明する。
<構造的な構成>
まず、図1から図9を主に参照して、パチンコ機100の構造部分の構成について説明する。図1~図4は、パチンコ機100の各種状態を示す斜視図であり、図1はパチンコ機100の閉鎖状態を示し、図2は外枠101に対して前ブロック102及び中間ブロック103が一体的に開放されている状態を示し、図3は中間ブロック103に対して前ブロック102が開放されている状態を示し、図4は中間ブロック103に対して後ブロック104が開放されている状態を示している。また、図5は、パチンコ機100の正面図であり、図6は、図5の状態からパチンコ機100の前ブロック102を取り外した状態を示している。なお、各図において各種の配線は省略されており、また、図3及び図6において遊技盤400の構成の一部は省略されている。
パチンコ機100は、例えば、図1~図4に示すように、外枠101と、前ブロック102と、中間ブロック103と、後ブロック104とを備え、これら各部位を所定の操作により相対的に変位可能に構成されている。外枠101、前ブロック102、中間ブロック103、および後ブロック104は、後述する遊技盤400を着脱可能に取り付けるための枠体を構成する。以下においては、パチンコ機100における外枠101、前ブロック102、中間ブロック103、および後ブロック104の組み合わせを総称して「枠体」と称することがある。
外枠101は、パチンコ機100の本体部分を支持する本体支持手段としての機能を有している。外枠101は、例えば、図2に示すように、天板部111、底板部112、左側板部113及び右側板部114が組み付けられた略四辺形状の枠部材であり、パチンコ機100を設置する遊技場に設けられた遊技機設置設備(島設備)に嵌め込まれると共に固定具(図示せず)によって強固に固定される。なお、パチンコ機100において外枠101は必須の構成ではなく、外枠101又は外枠101と同一の内形形状を有し、外枠101を除いたパチンコ機100の構成に相当する本体部分を支持する支持機構や、その本体部分を施錠する施錠機構の一部が島設備に備え付けられた構成としてもよい。
外枠101における左右方向の一方側(左側板部113側)には、中間ブロック支持機構121,122が設けられている。この中間ブロック支持機構121,122によって外枠101と中間ブロック103とが接続(連結)され、パチンコ機100の本体部分が、パチンコ機100の正面視における左右方向の一端側(左側)を回動基端側とし、他端側(右側)を回動先端側として前方へ回動可能に構成されている。
中間ブロック支持機構121,122は、例えば、図1に示すように、外枠101の上端部と下端部とに離間して設けられている。中間ブロック支持機構121,122の各々は、例えば、外枠101に設けられる軸支持部によって、中間ブロック103に設けられる軸部が下側より支持され、軸支持部に設けられる軸孔に軸部が差し込まれた状態とされることにより、回動可能に構成されている。なお、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分を回動可能とする構成は、上記構成に限らず、中間ブロック103側に軸孔を設け、外枠101側に軸部を形成するなど、他の構成としてもよい。
中間ブロック支持機構121,122には、所定の取り外し操作によって外枠101と中間ブロック103との接続状態を解除する機能が設けられ、中間ブロック103を含むパチンコ機100の本体部分が外枠101に対して取り外し可能に取り付けられている。例えば、外枠101に対して中間ブロック103を一定量以上開放し、且つ、上方側へ一定量移動させるという所定の取り外し操作をすることにより、外枠101に対する中間ブロック103の接続状態が解除される。これにより、外枠101に対してパチンコ機100の本体部分が取り外し可能とされている。
中間ブロック103に対して前側には、前ブロック102が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる前ブロック支持機構131,132によって中間ブロック103と前ブロック102とが接続されている。前ブロック支持機構131,132は、中間ブロック支持機構121,122と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して前ブロック102を前方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に構成されている。
中間ブロック103に対して後側には、後ブロック104が重なるようにして配置され、正面視左側に設けられる後ブロック支持機構136,137(図8参照)によって中間ブロック103と後ブロック104とが接続されている。後ブロック支持機構136,137には、中間ブロック支持機構121,122及び前ブロック支持機構131,132と同様の構成とされ、中間ブロック103に対して後ブロック104を後方へ回動可能に支持し、且つ、所定の取り外し操作により取り外し可能に支持する構成とされている。
また、パチンコ機100には、外枠101に対する中間ブロック103の開閉を規制する中間ブロック施錠機構と、中間ブロック103に対する前ブロック102の開閉を規制する前ブロック施錠機構と、中間ブロック施錠機構及び前ブロック施錠機構の解錠や施錠を行うために操作される錠操作機構とが設けられている。また、図3に示すように、中間ブロック103には、前ブロック102の開口を通してパチンコ機100の前面側に露出する錠操作機構としてのキーシリンダ141が設けられている。
キーシリンダ141に対する所定の操作として、操作キー(図示せず)による右回転操作をした場合には、中間ブロック103に設けられた中間ブロック施錠機構の可動部143が作動する。これにより、中間ブロック施錠機構の一部として外枠101に設けられた被係合部142と可動部143との係合が解除されて、中間ブロック103は外枠101に対して開閉許容状態となる。
一方、キーシリンダ141に対する所定の操作キーによる左回転操作に応じて、中間ブロック103に設けられた前ブロック施錠機構の可動部144が作動する。これにより、前ブロック施錠機構の一部として前ブロック102に設けられた被係合部145と可動部144との係合が解除されて、前ブロック102は中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103に対する後ブロック104の開閉を規制する後ブロック開閉規制機構が設けられている。この後ブロック開閉規制機構により、中間ブロック103に対して後ブロック104は、開閉が禁止された状態(開閉禁止状態)と開閉が許容された状態(開閉許容状態)とを所定の操作によって切り替え可能とされている。
後ブロック開閉規制機構は、例えば、図4に示すように、中間ブロック103に設けられる2つの開閉規制部150A,150Bと、後ブロック104に設けられる1つの開閉規制部150Cとによって構成されている。これら3つの開閉規制部150A~150Cには、回転操作が可能な回動片151A~151Cが設けられている。回動片151A~151Cは、回転操作により、後ブロック104の閉鎖状態において前後に重なるように配置される開口部分との係合状態が変化し、これにより、開閉禁止状態に対応した開閉禁止姿勢と、開閉許容状態に対応した開閉許容姿勢とを切り替え操作可能とされている。全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢にすると各回動片151A~151Cが開口を通過可能となって、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉許容状態となる。なお、開閉禁止姿勢及び開閉許容姿勢としては、開閉禁止状態と開閉許容状態が回動片151A~151Cの位置及び向きの少なくともいずれかの変化により切り替えられれば良く、一定位置で回転のみする構成としてもよいし、一定方向に移動する構成としてもよいし、移動と回転との組合せにより動作する構成としてもよい。以下、各装置における構成部材が複数の姿勢の間を移行する場合における姿勢の変化についても同様とする。
3つの回動片151A~151Cのうち、それらの一部に相当する2つの回動片151A,151Bは、図2に示すように、後ブロック104の開閉禁止状態において後ブロック104に形成された開口を通してパチンコ機100の背面側に露出し、残り部分に相当する1つの回動片151Cは、図6に示すように、中間ブロック103の前側に露出している。このため、パチンコ機100の背面側、又は中間ブロック103の前面側といった一方側からの操作だけでは、全ての回動片151A~151Cを開閉許容姿勢に切り替えることはできず、これにより、防犯性が高められている。
また、パチンコ機100には、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動を規制する遊技球移動規制機構が設けられている。遊技球移動規制機構は、例えば、図3及び図6に示すように、中間ブロック103に設けられた流下規制片161と、前ブロック102に設けられた規制変更部162との組合せにより構成され、前ブロック102が位置する前方側へ流下規制片161がコイルバネ(図示せず)により付勢される構成とされている。
中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖された状態(前ブロック102の閉鎖状態)においては、流下規制片161は、遊技球の流下を許容する移動許容状態とされ、具体的には、規制変更部162により中間ブロック103の後方側へ押圧されて押し込まれる。流下規制片161は、移動許容状態において中間ブロック103から前ブロック102に遊技球を誘導するための誘導通路(図示せず)に対して後側にずれて配置される。これにより、前ブロック102の閉鎖状態においては、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が許容される。
一方、中間ブロック103に対して前ブロック102が開放された状態(前ブロック102の開放状態)においては、規制変更部162による流下規制片161の押圧が解除され、前ブロック102の閉鎖状態に比べて流下規制片161が前ブロック102側へ突出する移動禁止状態とされる。流下規制片161は、移動禁止状態において誘導通路内に突出し、下流側への遊技球の流下を阻止する。これにより、中間ブロック103から前ブロック102への遊技球の移動が禁止される。
また、パチンコ機100には、図2に示すように、例えば中間ブロック103の後側であって回動先端側(背面視左側)における下端部に、外枠101に対して中間ブロック103が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ108が設けられ、また、図3に示すように、例えば中間ブロック103の前側であって回動先端側(正面視右側)における下端部に、中間ブロック103に対して前ブロック102が閉鎖されているか否かを検出する開閉検出スイッチ109が設けられている。
次に、前ブロック102、中間ブロック103及び後ブロック104の各構成について順に説明する。
前ブロック102は、図1及び図3に示すように、パチンコ機100の前面の略全体を形成し、前後方向に厚みを有する略長方形状の部材であり、パチンコ機100の前側表面部分を装飾する前面装飾手段としての機能を有している。前ブロック102は、合成樹脂製の基枠201を主体に構成され、基枠201の前後に複数の機能部品を取り付けて構成されている。基枠201の前面側には、パチンコ機100の前面を形成する前面装飾体210が、前ブロック102の正面視中央部分を含んで形成される開口210Aの外縁に沿って開口210Aを囲った状態にして取り付けられている。前ブロック102を構成する基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態においては、前面装飾体210が取り付けられた外周部を除いた広範囲にわたって開口210Aが前後方向に貫通形成される。この開口210Aを通じて、前ブロック102の後側に位置する遊技盤400を含む中間ブロック103が遊技者から視認可能に構成されている。
また、前ブロック102には、図1及び図3に示すように、開口210Aを塞ぐように基枠201の背面側に設けられた中央パネル220と、遊技球を貯留する主貯留機構230と、遊技球を貯留する補助貯留機構240と、主貯留機構230に貯留されている遊技球を発射するために遊技者によって操作される発射操作装置250とを備えている。
また、前ブロック102には、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の一部として、開口210Aの周縁を囲う開口周縁部211と、開口210Aに対して下側において前方に突出する上側突出部217と、上側突出部217に対して下側に位置して前方に突出する下側突出部218と、下側突出部218の右側であって上側突出部217及び下側突出部218より奥側に位置する概ね平坦な領域で構成されて発射操作装置250が配置される平坦部219とが形成されている。上側突出部217には、主貯留機構230が配置され、下側突出部218には、補助貯留機構240が配置される。
中央パネル220は、基枠201と前面装飾体210とを組み合わせた状態において前後方向に貫通形成される開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とするカバー体としての機能を有している。中央パネル220は、例えば、図1及び図3に示すように、基枠201の後方側から取着されるパネル枠221(図3参照)と、パネル枠221の前側に嵌め込まれた光透過性の前方板222(図1参照)と、パネル枠221の後側に前方板222と所定の間隙を隔てて略平行に嵌め込まれた光透過性の後方板223(図3参照)とを備えている。
主貯留機構230は、遊技進行に応じて獲得した遊技球や、遊技場から貸し出された遊技球を貯留する機能を有している。主貯留機構230は、例えば、図1に示すように、貯留部231と、球抜き機構(図示せず)と、その球抜き機構を作動させる球抜き操作部材232とを備えている。貯留部231には、パチンコ機100の内部から貯留部231へ遊技球を流入させる流入口231Aと、貯留部231からパチンコ機100の内部へ遊技球を流出させる流出口(図示せず)と、流出口より上流側に形成される放出口(図示せず)とが設けられている。この放出口の開放により貯留部231から遊技球がパチンコ機100の内部に取り込まれることなく遊技者側に放出される。球抜き機構は、遊技球の放出先を、流出口と放出口との間で切り換える機能を有している。
遊技進行に応じて獲得した遊技球や、後述する貸出操作装置292に対する貸出操作に応じて貸し出された遊技球は、主に流入口231Aを通して貯留部231に流入する。また、貯留部231は、上方側に開口形成されており、この開口部分を通じて、遊技者が所有する遊技球が手操作により投入されたり、遊技場において貸し出される遊技球が供給されたりする。
貯留部231に流入した遊技球は一列に整列させられながら流出口及び放出口の形成されている側(図1の右上側)へ順次に案内される。球抜き操作部材232に対する球抜き操作(例えば、押下操作)が行われていない場合には遊技球は流出口を通して後述する発射装置330(図3参照)に誘導される。一方、球抜き操作部材232に対する球抜き操作が行われている場合には、遊技球は放出口を通して補助貯留機構240(図1参照)に誘導される。
補助貯留機構240は、図1及び図5に示すように、遊技球の流入口241A,241C(図5参照)及び放出口241B(図1参照)を有する貯留部241と、放出口241Bを開閉させる球抜き機構243と、その球抜き機構243を作動させる球抜き操作部材242とを備えている。遊技進行に応じて獲得した遊技球等は主に主貯留機構230に流入するが貯留部231が満杯であれば流入口241Aを通して貯留部241に流入する。また、球抜き操作部材232に対する球抜き操作に応じても、遊技球は流入口241Cを通して貯留部231から貯留部241に流入する。
貯留部241の底面は放出口241Bに向けて下降傾斜している。球抜き操作部材242に対する球抜き操作(例えば、押圧操作)によって放出口241Bを開放すると、貯留部241に貯留されている全ての遊技球を順次にパチンコ機100の外部に放出できる。なお、球抜き操作部材242に対する球抜き操作によって放出口241Bが完全に開放された場合には、球抜き操作部材242に対する復帰操作(例えば、再度の押圧操作)がなされるまで、その開放状態に維持される。流入口241Aの奥方には貯留部241に過剰に遊技球が貯留されているか否かを検出する球溢れスイッチ249(図10参照)が設けられている。
発射操作装置250は、図1及び図5に示すように、前面装飾体210の平坦部219から前方に突出する台座251と、台座251の周囲に設けられた回動自在な発射ハンドル252と、発射ハンドル252の回転操作量を検出する可変抵抗器253(図10参照)と、発射ハンドル252に遊技者が接触していることを検出する接触センサ254(図10参照)と、発射ハンドル252の回転操作に伴う遊技球の射出を遊技者の操作によって無効化する発射停止スイッチ255(図5参照)とを含んでいる。遊技者によって発射ハンドル252が回転操作されると、その回転操作量に対応する強度で発射装置330(図3参照)から遊技球が遊技盤400(図3参照)に向けて射出される。なお、接触センサ254によって発射ハンドル252と遊技者との接触が検出されていない場合や、発射停止スイッチ255の操作によって発射操作が無効化されている場合には、発射ハンドル252が回転操作されていても発射装置330から遊技球は射出されない。
また、前ブロック102における前面装飾体210の奥方には、枠発光装置271~275(図10参照)が設けられている。枠発光装置271~275は、前面装飾体210の開口周縁部211に対して奥側に重なるようにして配置され、基枠201に取り付けられている。開口周縁部211は、図5に示すように、上側中央縁部211Aと、上側中央縁部211Aに対して左右両側に位置する左上側縁部211B及び右上側縁部211Cと、左上側縁部211Bに対して下側に位置する左側縁部211Dと、右上側縁部211Cに対して下側に位置する右側縁部211Eとを発光部として有し、それぞれの発光部に対応して枠発光装置271~275が設置されている。
枠発光装置271~275は、上側中央縁部211Aに対応する上中央枠発光装置271と、左上側縁部211Bに対応する左上枠発光装置272と、右上側縁部211Cに対応する右上枠発光装置273と、左側縁部211Dに対応する左側枠発光装置274と、右側縁部211Eに対応する右側枠発光装置275(図10参照)とにより構成されている。枠発光装置271~275の各々は、1又は複数の発光手段としての発光ダイオード(LED)と、LEDを制御するための抵抗等の電子部品と、これら電子部品を一体化して電気的に接続するプリント基板とを有している。
また、前ブロック102には、図5に示すように、例えばその開口周縁部211の上部に、左上音響出力口211Fと、右上音響出力口211Gとが設けられ、また、それら左上音響出力口211F及び右上音響出力口211Gのそれぞれに対応して左上音響装置281及び右上音響装置282(図3及び図10参照)が設けられている。左上音響装置281及び右上音響装置282は、前面装飾体210の開口周縁部211の奥方(後方)に位置するようにして基枠201に取り付けられている。
また、前ブロック102には、図1に示すように、例えば上側突出部217の上面右側部分に、遊技球貸出装置290が設けられている。遊技球貸出装置290は、パチンコ機100に並んで配置されるカードユニット(図示せず)に投入された紙幣やカード等の残額に応じた数値を表示する度数表示装置291と、遊技球の貸し出しを受ける際に遊技者によって操作される貸出操作装置292と、カードユニットに投入された紙幣やカード等を返却させる際に遊技者によって操作される返却操作装置293とを含んでいる。カードユニットに紙幣やカード等を投入して、それらの金額に対応する数値が度数表示装置291に表示されている有効状態において、貸出操作装置292に対して貸出操作が行われると、貸出操作に応じて所定の個数の遊技球が後ブロック104の払出装置540(図8参照)から貸し出され、遊技球の貸し出しに伴って度数表示装置291の表示が更新される。一方、有効状態において返却操作装置293に対して返却操作が行われると、返却操作に応じて残額に対応する紙幣の等価物や残額を記録したカードがカードユニットから返却される。
また、前ブロック102には、図1に示すように、遊技者によって発射操作とは別の入力操作が可能な入力操作装置260が設けられている。入力操作装置260は、例えば、図1及び図5に示すように、押込操作が可能な押圧操作装置261と、回転操作が可能な回転操作装置262と、上下左右の方向操作が可能な選択操作装置263とを備えている。また、図5に示すように、前ブロック102には、発射操作や入力操作装置260に対する入力操作とは別の入力操作が遊技者によって可能な左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rが設けられている。なお、図1~図4及び図8において、左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rについては、図示を省略している。
これら操作装置261~263,801L,801Rにより、パチンコ機100において実行される演出を選択する演出選択操作や、パチンコ機100の演出を実行する各装置の音量や光量を設定する装置設定操作、或いは、遊技者に関する情報を入力して前回以前の遊技に応じたパチンコ機100の演出を実行可能とする演出設定操作等が実行可能とされ、これら操作を必要に応じて遊技者や遊技場の管理者が実行可能とされている。なお、入力操作装置260において遊技者が接触する入力操作部(例えば、回転操作装置262における円環状の回転操作部)は、モータやソレノイド等の入力操作部駆動手段によって回転、上下動、又は、振動等の動作がパチンコ機100の制御(例えば、副制御基板940(図10参照)の制御)により実行可能に構成されることが好ましく、入力操作の前後、又は、入力操作中のいずれか又は複数のタイミングで入力部分を動作させることにより、入力操作を積極的に促すなど入力操作を伴う演出を多様にすることができる。
次に、中間ブロック103について説明する。中間ブロック103は、前ブロック102と略同一サイズの略長方形状をした部材であり、前ブロック102と後ブロック104とが取り付けられることにより、パチンコ機100の本体部分を一体化した状態にする機能を有している。中間ブロック103は、基枠301に対して遊技盤400を含む複数の機能部品を取り付けて構成されている。
中間ブロック103は、図3及び図4に示すように、開口を有する基枠301と、基枠301の開口を覆いつつ前面側より取着される遊技盤400(図3参照)と、基枠301に対して遊技盤400を回動自在及び着脱自在に支持する遊技盤支持機構と、基枠301に対して遊技盤400の位置を固定する遊技盤固定機構と、遊技盤400に遊技球を射出する発射装置330(図3参照)と、遊技盤400の背面側に装着されて遊技進行を統括的に制御する主制御装置370(図4参照)と、主制御装置370からの命令に基づいて遊技演出や状態報知を制御する副制御装置390(図4参照)とを備えている。
基枠301には、図3に示すように、後述する払出装置540(図8参照)から放出された遊技球を前ブロック102に誘導する誘導通路が内部に形成される誘導通路部301Aと、複数の配線(図示せず)や信号中継装置311が位置する開孔301Bとが設けられている。開孔301Bは、遊技盤400より下側において前後方向に貫通する形状をなし、開孔301Bに挿通される複数の配線は、前ブロック102に設けられる種々の装置(例えば、枠発光装置271~275、左上音響装置281及び右上音響装置282)と、中間ブロック103の背面側や後ブロック104に設けられる装置(例えば、主制御装置370や副制御装置390)とを電気的に接続するための配線を含み、信号中継装置311は、その配線の一部を中継する中継基板としての機能を有している。
遊技盤400は、図3に示すように、排出口401A等の遊技球が前後に通過可能な貫通孔を有する平板状の基体401と、基体401の左下から右上に亘り滑らかに湾曲する外レール402と、基体401の右下から左上に亘り滑らかに湾曲する内レール403と、内レール403の左上側の先端に取着された戻り球防止機構404と、外レール402の右上側の先端に取着される反跳防止部材405とを備えている。外レール402は、後述する発射装置330から発射された遊技球を遊技領域409内へ誘導するものである。戻り球防止機構404は、外レール402及び内レール403が平行に対向する間部分で形成される発射通路401Bから遊技領域409内へ一旦放出された遊技球が発射通路401Bに戻ることを防止する。反跳防止部材405は、遊技盤400の上部中央を越えて右側に向かった遊技球が再び上部中央を経由して左側に戻るような遊技球の大幅な反跳を防止する衝撃吸収性を有し、例えば、制振ゴム等の材料により形成されている。
前ブロック102の背面側下部には、図3に示すように、戻り球通路部163が形成されている。発射装置330から発射通路401Bの方向へ遊技球を誘導する誘導部材335と外レール402との間には間隙があり、発射装置330から発射されたが戻り球防止機構404を超えるに至らず発射通路401Bを逆戻りする遊技球は、この間隙の下方に配置される戻り球通路部163を介して流入口241A(図5参照)から補助貯留機構240(図5参照)に返却される。
戻り球防止機構404を超えて進行した遊技球は、遊技領域409に到達し、遊技領域409内を自重により落下しながら移動(流下)する。遊技領域409は、略円形状の外周形状をなし、遊技球の直径より僅かに大きな前後幅を有する領域を大部分とする形状に区画されている。遊技領域409は、概ね、外レール402と内レール403とで外周部分が区画され、前側が中央パネル220の後方板223によって略平面状に区画され、後側が遊技盤400の基体401によって略平面状に区画されている。なお、遊技領域409に設けられる各種の構造物については後述する。
発射装置330は、図3に示すように、主貯留機構230に貯留されている遊技球を順次に発射位置に送り出す球送り機構331と、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332(図10参照)と、発射位置に配置された遊技球を射出する発射機構333と、発射機構333を駆動する発射ソレノイド334(図10参照)と、発射機構333から発射された遊技球を遊技盤400の発射通路401Bに誘導する誘導部材335とを備えている。発射装置330は、上述のように発射操作装置250に対する発射操作に応じて作動し、発射操作装置250に対する発射操作に応じて発射ソレノイド334の駆動制御が変化して発射力が調整される。
主制御装置370は、図4に示すように、主制御基板920(図10参照)と、主制御基板920を収容する2つ割り構造の基板ケース371とを備えている。主制御基板920は、痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース371の内部に収容されている。
また、主制御装置370は、遊技盤400の背面側に回動自在に取り付けられている。具体的には、遊技盤400の基体401に対して背面側に取り付け部372が回動可能に連結固定され、その取り付け部372に主制御装置370が取り付けられている。これにより、主制御装置370の背面側(表面側)だけでなく、取り付け部372を回動操作することで主制御装置370の前面側(裏面側)も、遊技盤400に主制御装置370を取り付けたままで容易に確認可能とされている。取り付け部372に対して主制御装置370は、痕跡を残さずには取り外しできないように連結しても良く、主制御装置370の取り外し状況を管理し易くしてもよい。
副制御装置390は、副制御基板940(図10参照)と、副制御基板940を収容する2つ割り構造の基板ケース391とを備えている。副制御基板940は、例えば、主制御基板920と同様に痕跡を残さずには開封できないように封止された透光性を有する基板ケース391の内部に収容されている。副制御装置390は、遊技盤400の背面側に取り付けられている。
本実施形態のパチンコ機100においては、中間ブロック103は、主制御基板920にバックアップ用の電力を供給するバックアップ電源601(図10参照)を備えている。バックアップ電源601は、コンデンサや充電可能な電池等によって構成されてバックアップ用の電力を蓄えることが可能な電源部と、電源部へ充電用電圧を供給したり、電源部に加えられた電力(電荷)を放電する等の制御を行うための電気回路とを組み合わせて構成されている。バックアップ電源601は、電源部901(図10参照)から供給された充電用電圧の電力を、例えば、コンデンサに充電し、充電によって当該コンデンサに蓄えられた電力をバックアップ用の電力として主制御基板920(図10参照)に供給する。バックアップ電源601は、遊技盤400の背面側に取り付けられている。なお、バックアップ電源601の電力を蓄えたり、放電をしたりするための電気回路は、必ずしもバックアップ電源601の電源部と一体的に設ける(例えば、1つのプリント基板上に設ける)必要はなく、他の箇所に設けてもよく、枠体側に設けられる電源・発射制御基板900の一部として設けてもよいし、主制御基板920の一部として設けてもよい。
ここで、遊技盤400において、遊技領域409に配置される各種の構造物について、図7を主に参照して説明する。図7は、遊技盤400の正面図である。
遊技盤400は、図7に示すように、基体401と、遊技球の流下方向や流下速度に変化を与える釘411や風車412等の流下変化部材と、基体401の概ね中央に配置された中央構造体420と、中央構造体420に対して下側に配置された第1特別図柄に係る始動装置(具体的には、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)と、中央構造体420に対して右下側に配置された第2特別図柄に係る始動装置(具体的には、右始動入賞装置432)と、右始動入賞装置432の下方に配置された大入賞装置433,434(具体的には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434)と、右始動入賞装置432の上側(上流側)に配置された普通図柄に係る始動装置436と、遊技盤400の右上側であって上下の大入賞装置433,434に対して上方(上流側)に配置された役連作動装置435と、下側中始動入賞装置431Bの左右両側に配置された一般入賞装置439A,439Bとを備えている。
また、遊技盤400には、上記した上側中始動入賞装置431A等に対応して遊技球の通過を検出する検出手段としてのスイッチが複数設けられており(図10参照)、各スイッチに対応した所定領域への遊技球の進入が検出可能とされている。例えば、上側中始動入賞装置431Aに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(上側中始動入賞スイッチ441A)、下側中始動入賞装置431Bに進入した遊技球を検出する中始動入賞スイッチ(下側中始動入賞スイッチ441B)、右始動入賞装置432に進入した遊技球を検出する右始動入賞スイッチ442、下大入賞装置433に進入した遊技球を検出する下大入賞スイッチ443、上大入賞装置434に進入した遊技球を検出する上大入賞スイッチ444、役連作動装置435に進入した遊技球を検出する役連作動スイッチ445、始動装置436に進入した遊技球を検出する始動スイッチ446、上大入賞装置434の内部に形成された非特定通路(非特典領域409N)に進入した遊技球を検出する非特定通路スイッチ447、下大入賞装置433の内部に形成された特定通路(特典領域409V)に進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448、一般入賞装置439A,439Bに進入した遊技球を各々検出する一般入賞スイッチ449A,449B等が遊技盤400に設置されている。
また、遊技盤400には、不正防止のために各種センサが設けられており(図10参照)、パチンコ機100に発生した異常を検出可能とされている。例えば、磁気センサ491、振動センサ492、電波センサ493等が遊技盤400に設置されている。
中央構造体420及び始動装置436の遊技球の入口部分は入球口を構成し、各入球口に進入した遊技球は遊技領域409に放出される。各入賞装置、具体的には、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433、上大入賞装置434及び一般入賞装置439A,439Bの遊技球の入口部分は入賞口を構成し、各入賞口に進入した遊技球は基体401に形成された貫通孔を通して基体401の背面側に形成された回収排出通路(図示せず)に案内される。また、各入賞装置に進入しなかった遊技球は、遊技領域409の最下流側部分に設けられる排出口401Aを通して回収排出通路へ案内される。回収排出通路に案内された遊技球は、パチンコ機100から遊技場に設けられた遊技球循環装置(図示せず)に排出される。いずれかの入賞装置に遊技球が進入した場合には、入賞装置の種類に応じた所定の個数の遊技球が払出装置540(図8及び図9参照)から払い出される。
なお、各入賞装置は、他の入賞装置と別々に構成されてもよいし、2以上の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B)が一体化された装置によって入賞装置が構成されても良く、また、上側中始動入賞装置431A等の始動装置については必ずしも遊技球が進入した場合に所定の個数の遊技球が払い出される入賞口とする必要はなく、遊技球が払い出されることなく遊技領域409に再び放出される入球口としてもよい。
第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A及び下側中始動入賞装置431B、並びに、一般入賞装置439A及び一般入賞装置439Bの各々は、それらへの遊技球の進入確率を変化させず、進入した遊技球を基体401の背面側へ誘導する。また、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、その内部への遊技球の進入確率を変化させる機構を有している。なお、遊技球の進入確率を変化させる機構は、第2特別図柄に係る始動装置のみに設ける必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、第1特別図柄に係る始動装置、一般入賞装置439A,439Bのいずれか又は複数に設けてもよい。また、遊技球の進入確率を変化させる機構は、電気的に駆動されるソレノイド等の駆動手段により構成してもよいし、所定領域へ入球した遊技球の自重により動作する機構に代表される機械的に動作する機構により構成してもよい。
第2特別図柄に係る右始動入賞装置432は、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入確率を変化させる右進入規制機構452と、右進入規制機構452を駆動する右進入規制ソレノイド462(図10参照)とを備えている。右進入規制機構452は、右進入規制ソレノイド462によって駆動される2つの可動片を備えており、右進入規制機構452が進入禁止姿勢である場合には、2つの可動片が進入口(入賞口)を狭窄する(又は閉鎖する)配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できないが、右進入規制機構452が進入許容姿勢である場合には、2つの可動片がそれらの先端部の間隔が拡大するような配置をとることによって遊技球は右始動入賞装置432に進入できるようになる。右進入規制機構452は、普通図柄に係る始動装置436へ進入した遊技球が始動スイッチ446で検出されることに基づく抽選(以下において「普通図柄抽選」とも称す)で当選した場合に、右進入規制ソレノイド462による駆動に応じて所定の回数及び所定の時間だけ進入許容姿勢に移行する。
下大入賞装置433には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する下進入規制機構453と、下進入規制機構453の姿勢を変化させる下進入規制ソレノイド463(図10参照)とが設けられている。下大入賞装置433の下進入規制機構453が進入禁止姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できないが、下進入規制機構453が進入許容姿勢である場合には、下進入規制機構453が進入口を開放することによって遊技球は下大入賞装置433に進入できるようになる。
上大入賞装置434には、図7に示すように、進入許容姿勢と進入禁止姿勢との間の移行によって、その内部への遊技球の進入を規制する上進入規制機構454と、上進入規制機構454の姿勢を変化させる上進入規制モータ464(図10参照)と、非誘導姿勢と誘導姿勢との間の移行によって、上大入賞装置434に進入した遊技球を非特定通路又は特定通路に振り分ける振分機構437と、振分機構437の姿勢を変化させて遊技球の誘導先を切り換える振分ソレノイド465(図10参照)とが設けられている。上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口(入賞口)を閉鎖することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できないが、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合には、上進入規制機構454が進入口を開放することによって遊技球は上大入賞装置434に進入できるようになる。また、上大入賞装置434に進入した遊技球は、振分機構437が前方に突出する非誘導姿勢である場合には非特定通路に案内され、振分機構437が後方に没入する誘導姿勢である場合には特定通路に誘導される。特定通路や非特定通路は、遊技状態の移行を多様にするために設けられ、特定通路へ遊技球が進入した場合には、遊技者に特典として有利な遊技状態が付与される。
なお、右進入規制機構452等の内部への遊技球の進入確率を変化させる機構としての進入許容姿勢及び進入禁止姿勢としては、各機構を構成して各装置の入賞口(又は入球口)に遊技球が進入可能な特別状態と、遊技球が進入不能な通常状態とを切り替える動作部材の姿勢変化に対応し、各姿勢に応じて動作部材の位置及び向きの少なくともいずれかが異なるものであればよい。また、右進入規制機構452等の遊技球の進入確率を変化させる機構として、遊技球が進入不能な状態を通常状態とする必要は必ずしもなく、通常状態においても遊技球の進入を許容し、特別状態においては通常状態より遊技球が進入し易い状態に動作部材の姿勢が変化する構成としてもよい。
下大入賞装置433及び上大入賞装置434には、大当りの抽選に当選した場合に遊技球が進入可能となる。具体的には、第1特別図柄に係る上側中始動入賞装置431A若しくは下側中始動入賞装置431Bへ進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A若しくは下側中始動入賞スイッチ441Bで検出されることに基づく抽選(以下において「第1特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合、又は、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432へ進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442で検出されることに基づく抽選(以下において「第2特別図柄抽選」とも称す)に当選した場合には、下進入規制ソレノイド463又は上進入規制モータ464の少なくとも一方が作動する。この作動によって所定の回数に亘り所定の時間だけ下進入規制機構453又は上進入規制機構454の少なくとも一方が進入許容姿勢をとる。また、それらの抽選に当選した場合には、振分ソレノイド465も作動し、振分機構437は、所定の回数に亘り所定の時間だけ誘導姿勢をとる。
役連作動装置435は、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が作動を開始するために必要な条件を設定するための装置である。大当りの抽選に当選した後には、役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する。このため、遊技者は、大当りに当選した場合、自らの意図するタイミングで特別遊技状態を開始させることができる。なお、必ずしも役連作動装置435の遊技球の通過を条件として、下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成とする必要はなく、それに代えて、又は、それに加えて、予め定めた時間の経過により下大入賞装置433又は上大入賞装置434のいずれかが作動を開始する構成としてもよい。
また、遊技盤400には、図7に示すように、図柄の変動表示や抽選結果を表示する表示装置471~473と、遊技の保留回数を表示する表示装置476~478とが一体化された複数の発光部を有する表示器が、遊技盤400の一部に相当する左下部分に設けられている。複数の発光部は、各装置に対応する発光領域に予め区画され、各装置の状態が発光状態によって表示される。
具体的には、遊技盤400には、第1特別図柄抽選に伴って、第1特別図柄を変動表示したり、第1特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471と、第2特別図柄抽選に伴って、第2特別図柄を変動表示したり、第2特別図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472と、第1特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置476と、第2特別図柄に係る単位遊技の保留回数を表示する特別図柄保留表示装置477とが設けられている。第1特別図柄に係る単位遊技の権利及び第2特別図柄に係る単位遊技の権利はそれぞれ最大4回まで保留される。ここで、単位遊技とは、1回の始動入賞に基づいて実行される1回分の遊技であり、1回の始動入賞に基づいて実行される抽選の当否判定と、その当否判定に基づいた抽選結果を表示するまでの変動表示の開始から終了までを含む一連の遊技をいう。
第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、中始動入賞装置431に進入した遊技球が上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)又は下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)によって検出されたとしても第1特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。同様に、第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合に、右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442(図10参照)によって検出されたとしても第2特別図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の各々は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。第1特別図柄の表示及び第2特別図柄の表示の各々は、複数の発光部の発光パターン(発光色を含む発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せ)によって表現される。第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、普通図柄抽選に伴って、普通図柄を変動表示したり、普通図柄を抽選結果に応じた停止図柄で確定表示したりする普通図柄表示装置473と、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留回数を表示する普通図柄保留表示装置478とが設けられている。普通図柄に係る単位遊技の権利は最大4回まで保留される。普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されている場合には、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出されたとしても普通図柄に係る単位遊技の権利は追加されない。
普通図柄表示装置473は、複数の発光部で構成されており、主制御基板920(図10参照)によって制御される。普通図柄は、複数の発光部の発光パターンによって表現される。また、普通図柄保留表示装置478は、2個の単色の発光部の発光状態(消灯、点灯、点滅)の組合せによって保留回数を表示する。
また、遊技盤400には、中央構造体420の後方に重なるようにして、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技において、装飾図柄を変動表示したり、装飾図柄を確定表示したりする装飾図柄表示装置479が設けられている。装飾図柄の変動表示及び確定表示は、副制御基板940により制御され、主制御基板920による第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と同期している。装飾図柄の変動表示においては、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示よりも複雑かつ多様な演出が実行される。なお、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示及び確定表示と装飾図柄の変動表示及び確定表示とは、必ずしも完全に一致するタイミングで変動開始したり、確定表示として停止表示をしたりする必要はなく、各タイミングに僅かな時間差を設けつつ略同じタイミングで変動を開始し、略同じタイミングで確定表示が行われる設定としてもよい。
また、遊技盤400は、各種の構造物の裏側に設けられた盤面発光装置490(図10参照)を備えており、盤面発光装置490は、副制御基板940による制御に基づいて遊技進行に伴う各種の発光演出や発光による状態報知を実行する。
また、遊技盤400には、バックアップ電源601の残量(電気量、電荷の量)に対応する情報を表示する残量表示部602(図10参照)が、遊技盤400の一部に相当する右下部分の前方側から視認可能な位置(例えば、中央構造体420の一部であって装飾図柄表示装置479の隣)に設けられている。なお、図7においては、残量表示部602の図示を省略している。
本実施形態のパチンコ機100においては、残量表示部602は、1の発光部から構成され、バックアップ電源601の残量に応じて発光部の点灯態様が変化される。例えば、バックアップ電源601の残量がゼロである場合、発光部は連続的に消灯され、充電によって当該残量が増加して最大容量に至るまでの間、発光部は点滅し(間欠的に点灯し)、当該残量が最大容量に達すると、発光部は連続的に点灯する。
なお、残量表示部602を複数の発光部から構成し、バックアップ電源601の残量に応じて点灯する発光部の数が増える構成であってもよく、残量表示部602を7セグメントLEDや液晶表示装置などの表示部によって構成し、バックアップ電源601の残量を数字によるパーセント表示で表示する構成であってもよい。また、1または複数の発光部から構成される残量表示部602において、発光部の点灯態様や点灯する発光部の数の変化に代えて、また、当該変化に加えて、バックアップ電源601の残量に応じて発光部の色が変化する構成であってもよい。
ここで、各種の遊技状態及び遊技状態間の移行について説明する。通常時の遊技状態(以下において「通常遊技状態」とも略記する)は、第1特別図柄、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が長い状態(以下において「非時短状態」とも称す)に対応する。
第1特別図柄抽選又は第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、その当選に基づいて移行する特別遊技状態中に遊技球が特定通路(上大入賞装置434の内部通路)へ進入するか否かに対応して、特別遊技状態後に移行する遊技状態が異なる。特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入しなかった場合には、第1特別図柄抽選、第2特別図柄及び普通図柄の変動表示時間が非時短状態よりも短い状態(以下において「時短状態」とも称す)であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態と同一の状態(以下において「低確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「時短遊技状態」とも称す)へ移行する。一方、特別遊技状態中に遊技球が特定通路へ進入した場合には、時短状態であって、かつ、第1特別図柄抽選及び第2特別図柄抽選における大当りの当選確率が通常遊技状態より高い状態(以下において「高確率状態」とも称す)である遊技状態(以下において「確変遊技状態」とも称す)へ移行する。
時短遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、50回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。また、確変遊技状態は、第1特別図柄及び第2特別図柄に係る単位遊技の総数が所定の回数(例えば、100回)となるまで維持されるが、その後は通常遊技状態に戻る。
なお、遊技状態及び遊技状態間の移行について、必ずしも上述した構成とする必要はなく、例えば、高確率状態が次回の大当りの当選まで継続する構成としてもよいし、他の内容によって上記遊技状態の少なくとも1つを構成してもよいし、上述した各遊技状態とは別の遊技状態を更に含む構成としてもよいし、上述した条件とは異なる条件によって遊技状態間が移行する構成としてもよい。
また、特別遊技状態への移行契機は、特別図柄抽選において当選した場合に限られる必要はなく、当該構成に加えて、または、当該構成に代えて、通常遊技状態において遊技球が遊技領域内に予め定めた特定領域(所謂V領域)に進入した場合に特別遊技状態に移行する構成としてもよい。
例えば、特別図柄抽選において非当選の一種である所定の小当りが選択された場合に通常遊技状態において上大入賞装置434を開放し、上大入賞装置434に進入した遊技球が非特定通路(非特典領域409N)と特定通路(特典領域409V)とを振り分ける振分機構437によって特定通路に誘導されたことで当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。また、特別遊技状態で作動する大入賞装置とは別の開閉可能な入口を有する役物装置の内部に非特定通路と特定通路とが設けられたパチンコ機において、所定の入賞口に遊技球が進入した場合に当該役物装置の入口を開放し、開放された入口から当該役物装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されたことで当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成であってもよい。
本実施形態のパチンコ機100においては、遊技球の出球率(機械割、ペイアウト率)の設定を変更できる設定変更機能を備える構成とされている。詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100は、初当り確率と確変継続率との組み合わせが異なる複数種類(例えば、9種類)の遊技態様の中から1の遊技態様を設定可能であるとともに、設定する遊技態様を必要に応じて変更可能に構成され、遊技態様の設定を変更することによって(設定変更することによって)、パチンコ機100の出球率の設定を変更できるよう構成される。設定された遊技態様に対応する情報(以下において、「設定対応情報」とも称す)は、主制御基板920のRAM922の所定領域に記憶される。
次に、遊技盤400の主要な装置の動作について概ね時系列に沿って説明する。主制御基板920においては、特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄で共通)に係る当選乱数、大当り図柄乱数、停止パターン乱数、各種の変動パターン乱数が生成されており、各種の遊技状態において第1特別図柄に係る始動入賞装置431A,431Bのいずれかに進入した遊技球が中始動入賞スイッチ441A,441B(図10参照)のいずれかによって検出された場合に第1特別図柄の始動入賞となる。第1特別図柄の始動入賞時に、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていない場合には、特別図柄に係る当選乱数、大当り図柄乱数及び停止パターン乱数が取得されて、主制御基板920のRAM922(図10参照)の所定の領域に格納される。
第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、特別遊技状態中でなく、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中でもなく、第1特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されていない場合には、それらの乱数の格納の直後に開始される。また、特別遊技状態中でない場合であっても、第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技中や第1特別図柄又は第2特別図柄に係る単位遊技の権利が保留されている場合には、今回の入賞より前に保留されていた全ての特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)に係る単位遊技の終了後に、今回の始動入賞に基づく単位遊技が開始される。特別遊技状態中に第1特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その乱数による単位遊技は、特別遊技状態後において今回の始動入賞より前に保留されていた全ての特別図柄に係る単位遊技の後に開始される。
また、第1特別図柄の始動入賞に基づいて取得された乱数による単位遊技は、第2特別図柄に係る全ての単位遊技の終了後に開始される。すなわち、今回の始動入賞の後に第2特別図柄の始動入賞に基づいて各乱数が取得された場合には、その第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が優先して実行される。なお、必ずしも第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技が第1特別図柄に係る単位遊技に優先して実行される構成とする必要はなく、始動入賞の順に第1特別図柄と第2特別図柄に係る単位遊技優位制御が実行される構成であってもよいし、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成であってもよい。さらに、2つの特別図柄が択一的でなく同時に変動可能な構成においては、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方の1回の単位遊技時間よりも第1特別図柄及び第2特別図柄の他方のいずれか1回の単位遊技時間の方が短いほうがよい。特に、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれか一方の1回の単位遊技時間において、第1特別図柄及び第2特別図柄の他方のいずれかが複数回の単位遊技を実行できるようにした構成の方がなおよい。このようにすれば、第1特別図柄及び第2特別図柄による特別遊技状態の遊技価値を異ならせることができるとともに、遊技者に対する不利益の発生を抑制することができる。
第1特別図柄の始動入賞に基づく第1特別図柄抽選において大当りに当選している場合には、更に、取得された大当り図柄乱数に基づいて第1特別図柄抽選の大当り当選に対応する停止図柄(大当り図柄)の種類が決定される。この停止図柄の種類と大当りの種類とが対応し、例えば、下進入規制機構453又は上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる回数に相当するラウンド数(例えば、6ラウンドと16ラウンド)や、特別遊技状態後に移行する遊技状態(確変遊技状態へ移行させるか否か)といった遊技状態の種類に対応して大当りの種類が複数種類設定され、その種類毎に大当り図柄が設定されている。第1特別図柄抽選において大当りに当選しなかった場合には、大当り図柄とは別のハズレ図柄が停止図柄として設定される。
第1特別図柄抽選の後に、現在の遊技状態、抽選結果、停止パターン乱数の値、各種の変動パターン乱数の値、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留回数に基づいて、第1特別図柄の変動表示時間が決定されると共に、装飾図柄の変動パターンが選択される。その後、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471における第1特別図柄の変動表示及び装飾図柄表示装置479における装飾図柄の変動表示(変動演出)が開始され、第1特別図柄にあっては変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、装飾図柄にあっては変動表示時間に亘って変動パターンに従った変動表示が継続される。その後、変動表示時間の経過に伴って、第1特別図柄に係る停止図柄が確定表示され、また、装飾図柄として第1特別図柄の停止図柄に対応する図柄が確定表示される。第1特別図柄及び装飾図柄の確定表示は少なくとも所定の一定時間に亘って継続される。
ここで、装飾図柄の変動表示は、装飾図柄表示装置479の表示画面上で識別情報としての数字やキャラクタによって構成される図柄が縦方向や横方向或いはL字形などの所定の経路に沿って並んでスクロールする図柄列を用いて実行してもよいし、図柄が一定の箇所で回転しつつ別の図柄に更新されるような図柄列を用いて実行してもよい。また、装飾図柄の変動表示としては、図柄の変動表示に限らず、キャラクタの見た目を異ならせて行われる演出表示によって識別情報の変動表示を構成してもよい。また、装飾図柄表示装置479の表示画面の複数箇所に、識別情報の変動表示を実行する部分を設けてもよく、例えば、中央部分に大きく表示される識別情報としての図柄と、表示画面の角部分に小さく表示される別の図柄とを用いて変動表示を行うようにしてもよい。
第1特別図柄に係る停止図柄が大当り図柄である場合には、第1特別図柄の確定表示後に、遊技状態は特別遊技状態に移行する。特別遊技状態においては、下大入賞装置433の下進入規制機構453及び上大入賞装置434の上進入規制機構454が、大当りの種類に応じた所定の順序で所定の回数だけ進入許容姿勢となる。下進入規制機構453及び上進入規制機構454における各回の進入許容姿勢中において、所定の個数(例えば、8個)の遊技球が大入賞スイッチ443,444によって検出された場合、又は、所定の最大進入許容時間(例えば、29.5秒)が経過した場合には、下進入規制機構453又は上進入規制機構454は進入禁止姿勢に移行する。その後、所定の進入禁止時間の経過後に、再度、下進入規制機構453又は上進入規制機構454のいずれかが進入許容姿勢に復帰する。この進入規制動作が大当りの種類に対応した所定の順序で所定の回数だけ繰り返される。
下進入規制機構453及び上進入規制機構454は、特別遊技状態中においていずれか一方のみが進入許容姿勢をとる構成とされ、特別遊技状態の開始から所定の待機時間が経過した後(オープニング期間後)に初回の進入許容姿勢に一方が移行する。また、最終回の進入禁止姿勢への復帰から所定の進入禁止時間が経過し、更にその後に所定の待機時間が経過した後(エンディング期間後)に特別遊技状態は終了する。特別遊技状態の終了後には、上述のように、時短遊技状態又は確変遊技状態に移行する。
各種の遊技状態において、第2特別図柄に係る右始動入賞装置432に進入した遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合に第2特別図柄の始動入賞となる。第2特別図柄の始動入賞に基づく単位遊技の制御は、上述した第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。すなわち、第2特別図柄の始動入賞時に第2特別図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、特別図柄に係る各乱数が取得されて、この始動入賞に基づく単位遊技が実行される。また、第2特別図柄抽選に応じた停止図柄の決定、装飾図柄の変動パターンの選択、変動表示の実行、及び、遊技状態の移行制御等についても、第1特別図柄に係る制御と同様に実行される。
各種の遊技状態において、始動装置436に進入した遊技球が始動スイッチ446によって検出された場合、普通図柄に係る単位遊技の権利が最大回数まで保留されていなければ、普通図柄に係る当選乱数が取得されて、主制御基板920のRAM922の所定の領域に格納される。このとき、普通図柄に係る単位遊技中でなければ、その格納の直後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。一方、普通図柄に係る単位遊技中であれば、既得の普通図柄に係る単位遊技の権利に基づく単位遊技の終了後に、その取得された普通図柄に係る単位遊技が開始される。
普通図柄に係る単位遊技においては、当選乱数の値に基づいて当選したか否かが判定され、当選した場合には、停止図柄として所定の当り図柄が設定される。一方、普通図柄抽選において当選しなかった場合には、停止図柄として所定のハズレ図柄が設定される。普通図柄抽選後に、普通図柄表示装置473において普通図柄の変動表示が開始され、非時短状態にあっては所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続され、時短状態にあっては非時短状態よりも短い所定の変動表示時間に亘って一定のパターンによる変動表示が継続される。遊技状態に応じた所定の時間の経過に伴って、普通図柄に係る停止図柄が一定時間に亘って確定表示される。
普通図柄に係る停止図柄が当り図柄である場合には、普通図柄の確定表示後に、右始動入賞装置432の右進入規制機構452が少なくとも1回は進入許容姿勢に移行する。具体的には、非時短状態(通常遊技状態及び特別遊技状態)において当選した場合には、右始動入賞装置432が所定の最大進入許容時間(例えば、略0.1秒)に亘って進入許容状態へ移行し、時短状態(時短遊技状態及び確変遊技状態)における当選の場合には、右始動入賞装置432が非時短状態の場合より長い所定の最大進入許容時間(例えば、略4.8秒)に亘って間欠的に(例えば、3回に分けて)進入許容姿勢に移行する。但し、所定の個数(例えば、10個)の遊技球が右始動入賞スイッチ442によって検出された場合には、右進入規制機構452は最大進入許容時間の経過を待たずに進入禁止姿勢に移行し、また、進入許容姿勢への移行回数が所定の回数に到達していなくても、今回の普通図柄に係る単位遊技における右始動入賞装置432の動作が終了する。
次に、本実施形態のパチンコ機100の遊技性について説明する。第2特別図柄抽選を受けるためには、まず、普通図柄抽選において当選しなければならず、更に、その当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態において遊技球が右始動入賞装置432へ進入しなければならない。通常遊技状態における普通図柄に係る当りの当選確率は時短遊技状態における当選確率と同一であるが、通常遊技状態における当りの当選に基づく右始動入賞装置432の進入許容状態の滞在時間(例えば、略0.1秒)が時短状態における滞在時間(例えば、略4.8秒)に比べて極めて短く設定されているために、通常遊技状態において、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に小さい。逆に、時短遊技状態や確変遊技状態等の時短状態においては、第2特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会は、第1特別図柄抽選を受けられる単位時間当りの機会よりも大幅に大きい。
したがって、遊技者は、第1特別図柄抽選において大当りに当選し、その後の特別遊技状態において遊技球を特定通路へ進入させることによる確変遊技状態への移行を目指して遊技する。一方、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、各遊技状態が終了する前に第2特別図柄抽選において大当りに当選することを目指して遊技する。
具体的には、遊技盤400には、遊技球が流下する遊技領域409の中央部に中央構造体420が設けられ、主に中央構造体420の左側から遊技球を流下させる遊技手法(左打ち遊技手法)と、主に中央構造体420の右側から遊技球を流下させる遊技手法(右打ち遊技手法)とが選択的に行える構成となっている。遊技者は、通常遊技状態においては、左打ち遊技手法によって遊技を行い、時短遊技状態及び確変遊技状態においては、右打ち遊技手法によって遊技を行う。また、下大入賞装置433及び上大入賞装置434が中央構造体420に対して右側に配置されているので、特別遊技状態においても右打ち遊技手法によって遊技を行う。
次に、後ブロック104について説明する。図8及び図9は、それぞれ、パチンコ機100を示す背面側斜視図及び背面図である。なお、図8においては、理解の容易のために、外枠101を省略して示している。
後ブロック104は、図8及び図9に示すように、基体501に他の部材や装置が取着されて構成されている。この基体501と中間ブロック103とが後ブロック支持機構136,137によって接続されることにより、後ブロック104が中間ブロック103に対して開閉可能に支持されている。
後ブロック104は、遊技球を貯留する球貯留部としての遊技球タンク510と、遊技球タンク510の下流側に連続して遊技球を(例えば、1列に)整流させると共に1段に整列させる球整列部としてのタンクレール520と、タンクレール520の下流側においてタンクレール520から流入した遊技球を誘導する球誘導部としてのケースレール530と、ケースレール530の下流側において遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを実行する払出装置540と、払出装置540の下流側において払出装置540から流出した遊技球を基体501に形成された誘導通路(図示せず)に誘導する球誘導部としての誘導部材550と、払出装置540による遊技球の払い出しや遊技球の貸し出しを制御する払出制御装置560と、外部電力を各種の装置等で必要とする所定の電圧の電力に変換して出力する電力供給手段としての機能と発射操作装置250に対する発射操作に基づく遊技球の射出を主制御基板920と協同して制御する発射制御手段としての機能とを有する電源・発射制御装置570と、払出制御装置560及び遊技球貸出装置290(図1参照)とパチンコ機100の側方に配置されるカードユニット(図示せず)との間の信号を中継する中継装置950とを備えている。
基体501は、樹脂(例えば、ABS樹脂)により一体成型されており、前側部分に対応するベース部502と、ベース部502よりも後方に位置した保護カバー部503とを含んでいる。ベース部502は、その上側部分が後ブロック104の外形に沿って略枠状に形成されると共に、下側部分が前後方向に厚みを有する略平坦状に形成されており、他の装置が取り付けられる被取付部としての機能を有している。
保護カバー部503は、前後方向に厚みを有する略板状に形成されている。また、保護カバー部503は、中間ブロック103の背面全域を覆う形状でなく、主制御装置370の一部といった頻繁に検査や確認が必要な中間ブロック103の背面における一部をパチンコ機100の背面に露出するための窓部を形成する大きさに設定されている。保護カバー部503の背面には、主制御装置370及び副制御装置390における発熱の放熱性を向上させる機能を有する多数の通気孔503Aが形成されている。
遊技球タンク510は、上方に開口した横長の箱型容器であり、その長手方向の一端側に、島設備の球循環装置(図示せず)から供給される遊技球が逐次補給される。遊技球タンク510における遊技球の供給される側と異なる長手方向の一端側には開口(図示せず)が形成されている。遊技球タンク510の底面は長手方向に緩やかに傾斜し、遊技球タンク510に供給された遊技球は開口側に自重によって移動する。また、遊技球タンク510の底面は、長手方向に比して、長手方向と直交する方向(前後方向)にも傾斜し、開口が設けられる側(例えば、前側)に優位に遊技球を誘導する。また、遊技球タンク510の底面には、その上に重なるようにして金属製の帯電防止板(図示せず)が取着され、帯電防止板が接地電位に接続されて遊技球タンク510内及びその下流側の遊技球の静電気が除去される。
タンクレール520は、遊技球タンク510の開口が形成される側に取り付けられ、遊技球タンク510の開口を通して遊技球が流入する。タンクレール520は、遊技球が1列に並んで通過する幅を有する略樋状の遊技球の通路を形成する通路形成部材521と、通路形成部材521により形成される通路の上面として次第に高さが低くなる天面部を有してその通路を流下する遊技球を上下に重なった高さから次第に1段の高さに整流する整流部材522とを備えている。タンクレール520により形成される通路は、下流側に向けて緩やかに傾斜しており、遊技球タンク510とは反対側へ遊技球を誘導する。
ケースレール530は、タンクレール520の下側に連続するように縦長に形成されており、タンクレール520からの遊技球が流入する。ケースレール530には、遊技球が勢いよく流れないように左右に湾曲しつつ下方に連続している。また、ケースレール530における球通路の途中部分には、球切れを検出するための球切れ検出部539が設けられている。球切れ検出部539には、貯留球スイッチ591(図10参照)が内蔵され、貯留球スイッチ591によって、ケースレール530又はその上流側で球詰り等が発生してケースレール530内に遊技球が正常に補給されていない球切れ状態を検出する。
払出装置540は、遊技球を送り出す送出機構と、送出機構を駆動する駆動手段としての払出モータ542(図10参照)と、払出計数スイッチ592(図10参照)とを備えている。払出制御装置560による制御に基づく払出モータ542の作動に応じて、球通路に貯留されている遊技球が下流側へ放出される。放出された遊技球の球通路の通過は、払出計数スイッチ592に検出され、これにより、払出制御装置560(払出制御基板930)が遊技球の払い出し数を計数する。
払出制御装置560及び電源・発射制御装置570は、図8及び図9に示すように、後ブロック104の背面側下部に位置するように基体501のベース部502における下部背面に重なるようにして取り付けられている。これら払出制御装置560及び電源・発射制御装置570を含む後ブロック104は、機種変更等において遊技盤400を別の遊技盤に交換した場合にも、継続利用可能とされている。
払出制御装置560は、払出制御基板930(図10参照)と、払出制御基板930を収容する基板ケースとを備え、払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、開封の痕跡を残さずに開封できないように封止された基板ケースの内部に収容されている。
電源・発射制御装置570は、電源・発射制御基板900(図10参照)と、電源・発射制御基板900を収容する基板ケースとを備え、電源・発射制御基板900は、主制御基板920と同様に、封止された基板ケースの内部に収容されている。
また、図9に示すように、パチンコ機100の背面側には、背面設定スイッチ905が設けられている。背面設定スイッチ905は、本パチンコ機100の出球率を予め定めた複数段階(例えば、6段階や9段階など)のいずれか1段階に設定するための設定操作を有効化するための設定有効化装置である。
背面設定スイッチ905に所定のキー(図示せず)を挿入して所定位置(本実施形態では、初期位置から時計回りに略90°回転させた位置)まで回転させることで出球率の設定変更を有効化(許容)することができる。出球率の設定変更がこのように有効化された状態で所定の設定操作(本実施形態においては、初期化スイッチ907の押下)を行うことで出球率の設定変更が有効に行われる。
出球率の設定変更が有効に行われた場合、設定された各段階に応じて所定の遊技態様が変更される。つまり、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作による出球率の設定変更は、遊技態様の設定変更であるともいえる。
本実施形態のパチンコ機100においては、出球率の設定変更(すなわち、遊技態様の設定変更)により設定された各段階に応じて、初当り確率(本実施形態においては、第1特別図柄抽選の当選確率)と、確変継続率(本実施形態においては、確変遊技状態において第2特別図柄抽選を経由して特別遊技状態へ移行した場合に当該特別遊技状態後に確変遊技状態に移行する確率)との組み合わせが異なる9種類の遊技態様のいずれかを選択することができる。よって、出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合には、設定された段階に応じた初当り確率および継続確率となるよう第1特別図柄抽選および第2特別図柄抽選の各当選確率を変化させる(すなわち、各当選確率に応じた確率抽選データを使用する)ことで出球率の調整が行われる。
具体的に、本実施形態のパチンコ機100においては、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いトップタイプと、初当り確率が中程度であり確変継続率も中程度であるミドルタイプと、初当り確率が大幅に低いが確変継続率が大幅に高いボトムタイプとを選択できる。さらに、これらの各タイプにおいて、各タイプの初当り確率が、各タイプ間の初当り確率の幅よりも小幅に細分化された3段階の確率状態(以下、確率設定状態ともいう)、すなわち、3段階の中で初当り確率が最も低い第1段確率と、2番目に低い初当り確率である第2段確率と、初当り確率が最も高い第3段確率とを選択できる。
トップタイプにおいて、中始動入賞装置431および右始動入賞装置432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少ないが、上大入賞装置434及び下大入賞装置433への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多くなっている。一方、ボトムタイプにおいて、中始動入賞装置431および右始動入賞装置432への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも多いが、上大入賞装置434及び下大入賞装置433への入賞に伴う賞球数は他のタイプよりも少なくなっている。
ここで、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも賞球数は同一の数に設定してもよい。これにより、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれの設定であるのか遊技者が賞球数から判定することを不能とし、いずれのタイプであるかの設定を推測する遊技性を長時間にわたって付加することができる。
また、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプのいずれも確率設定状態の段階に応じて遊技者にとっての利益率は変化するが、いずれのタイプであっても確率設定状態の段階が同一であれば遊技者にとっての利益率は実質的に同一に設定されている。このため、タイプの変更によって確率の設定を変更しても、遊技場側が獲得する一定期間(例えば、1日)当たりの利益は予測しやすく、遊技場の管理をし易くすることができる。
なお、出球率の設定変更によって変更する遊技態様としては、上述したような、初当り確率と確変突入率との組合せであることに必ずしも限定される必要はなく、例えば、初当り確率または確変突入率のいずれかであってもよい。また、初当り確率および確変突入率以外の抽選確率、例えば、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選の当選確率、普通図柄抽選の当選確率や、第1特別図柄抽選または第2特別図柄抽選において小当りが選択される確率や、確変突入率(本実施形態においては、第2特別図柄抽選での当選を経由する確変遊技状態への突入率)や、特別遊技状態後に移行した確変遊技状態が終了する確率(例えば、確変遊技状態中に図柄の変動表示が実行される毎に行われる転落抽選において確変遊技状態の終了が選択される確率)などであってもよく、これらの各遊技態様の2つ以上の組合せであってもよい。
背面設定スイッチ905より上方には、設定表示装置906が設けられている。背面設定スイッチ905の操作によって出球率の設定変更(遊技態様の設定変更)が有効に行われた場合、現在設定されている遊技態様に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。設定表示情報は、タイプを表す英字と確率設定状態を表す数字との組み合わせから構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、トップタイプ、ミドルタイプ、およびボトムタイプの各タイプを、それぞれ、「T」、「M」および「B」の英字で表す。また、各タイプの確率設定状態は、第1段確率を「1」で表し、第2段確率を「2」で表し、第3段確率を「3」で表す。
よって、例えば、トップタイプの第1段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「T1」であり、ミドルタイプの第3段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「M3」であり、ボトムタイプの第2段確率の遊技態様である場合に設定表示装置906に表示される設定表示情報は「B2」である。
<電気的な構成>
次に、パチンコ機100の電気的構成について説明する。図10は、パチンコ機100の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機100は、図10に示すように、電源・発射制御基板900、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等の制御回路装置を備えている。なお、図10においては、各種の信号を中継するだけの中継回路装置については省略している。
また、図10においては、理解を容易にする目的で、閉じた一点鎖線Xを図示することによって、遊技盤400を構成する部品と、前ブロック102や中間ブロック103(例えば、基枠301)や後ブロック104(例えば、基体501)などの遊技盤400とは異なる枠体を構成する部品とを区別可能に図示している。具体的に、遊技盤400の構成部品(例えば、主制御基板920や副制御基板940など)を一点鎖線Xの内側に図示し、基体501に取り付けられて枠体を構成する部品(例えば、電源・発射制御基板900や電源監視基板910や払出制御基板930など)を一点鎖線Xの外側に図示している。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、図10に示すように、電源監視基板910が枠体を構成する部品の一つである構成(すなわち、電源監視基板910が一点鎖線Xの外側に図示される構成)を例示したが、電源監視基板910が遊技盤400の構成部品の一つである構成であってもよい。以下に、これらの主要な制御回路装置を個別に詳細に説明する。
電源・発射制御基板900は、パチンコ機100の各部に電源供給路(図中の破線)を介して所定の電圧の電力を供給する電源部901と、発射操作装置250の操作に応じて発射装置330の駆動を制御する発射制御部902と、初期化スイッチ907からの初期化信号や球溢れスイッチ249からの球溢れ信号を中継する信号中継部903とを備えている。
電源部901は、外部より供給される外部電力(例えば、交流24ボルト)を取り込んで内部電力(例えば、直流24ボルト)に変換すると共に、その内部電力から各種の電力を生成する。電源部901により生成される電力は、各種のソレノイドや各種のモータ等の機器を駆動するための駆動用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力、各種のスイッチを駆動したり制御処理を実行したりするための制御用電圧(例えば、直流5ボルト)の電力、主制御基板920のRAM922の内容を保持させるためのバックアップ用電圧の電力等を含んでいる。
なお、電源部901は、外部電力から変換された内部電力をコンデンサ(図示せず)に充電するとともに、充電によって当該コンデンサに蓄えられた電力をバックアップ用電圧の電力として供給する機能(以下において「バックアップ電源機能」とも称す)を備えている。つまり、電源部901は、バックアップ電源機能によってバックアップ用電圧の電力を生成する。
電源部901は、内部電力から生成した各種の電力を、電源監視基板910、主制御基板920、払出制御基板930、副制御基板940等に供給する。具体的には、電源監視基板910に対しては、内部電力、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ用電圧の電力が供給される。主制御基板920に対しては、駆動用電圧、制御用電圧及びバックアップ用電圧の電力が、電源監視基板910の電源監視部911を介して供給される。払出制御基板930に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。副制御基板940に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。発射制御部902及び信号中継部903に対しては、駆動用電圧及び制御用電圧の電力が供給される。
また、本実施形態のパチンコ機100においては、電源部901は、バックアップ電源601を充電するための充電用電圧(例えば、直流12ボルト)の電力を内部電力から生成し、バックアップ電源601に対し、充電用電圧を供給する。
電源部901には、オン状態とオフ状態を切り替えるための電源スイッチ909が接続されている。電源スイッチ909が操作されてオン状態に切り替えられると、外部電力の取り込みが開始され、電源スイッチ909が操作されてオフ状態に切り替えられると、外部電力の取り込みが停止される。なお、電源スイッチ909をオフ状態にしたり、電源スイッチ909を介して電源部901に接続される電源プラグ(図示せず)を外部電力の供給コンセント(図示せず)から抜脱したりすることによってパチンコ機100の内部への電力の供給が停止している状態や、外部電力自体の供給が停止している状態を「停電状態」と総称する。
詳細は後述するが、本実施形態のパチンコ機100においては、停電状態が発生した場合、主制御基板920に対して、電源部901またはバックアップ電源601のいずれか一方からバックアップ用電圧の電力が供給されている場合に、主制御基板920のRAM922の内容が保持される。
電源部901は、停電状態への移行後においても所定の期間にわたり制御用電圧の電力を正常に出力するように構成されている。これによって、主制御基板920は、現在の制御状態に復帰できるように状態を保存して制御を終了させることができる。
発射制御部902は、主制御基板920と協同して、発射装置330の球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334の駆動を制御する。なお、球送りソレノイド332及び発射ソレノイド334は、所定条件が整っている場合に作動が許可される。具体的には、遊技者が発射ハンドル252(図1参照)に触れていることが接触センサ254からの接触センサ信号に基づいて検知されていること、発射を停止させるための発射停止スイッチ255が操作されていないことを条件に、発射制御部902はオン状態の発射許可信号を主制御基板920に出力する。また、発射許可信号と発射異常信号とに基づいて主制御基板920は発射ソレノイド制御信号及び球送りソレノイド制御信号を発射制御部902に出力する。発射制御部902は、オン状態の球送り制御信号に基づいて球送りソレノイド332を作動させ、オン状態の発射ソレノイド制御信号の受信と可変抵抗器253の抵抗値とに基づいて発射ソレノイド334を作動させる。これによって、発射装置330から可変抵抗器253の抵抗値(発射ハンドル252の回転操作量)に応じた強さで遊技球が順次に発射される。
信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、主制御基板920へオン状態の初期化信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の初期化信号の受信に応じて主制御基板920のRAM922に保存された保存情報を初期化する。なお、初期化スイッチ907は、必ずしも信号中継部903を介して主制御基板920に信号を出力する構成とする必要はなく、例えば、初期化スイッチ907を主制御基板920に直接搭載する等して基板ケース371内に初期化スイッチ907が収容される構成としても良く、これにより信号が伝送される区間を狙った不正な信号入力を抑止することができる。
また、信号中継部903は、初期化スイッチ907が押下された場合に、バックアップ電源601へオン状態の信号を出力する。バックアップ電源601には、バックアップ用のコンデンサの充電と放電とを、初期化スイッチ907の押下有無によって切り替える回路が備えられている。バックアップ電源601は、信号中継部903から出力されたオン状態の信号の受信に応じて、電源部901から供給された充電用電圧の電力の充電を開始する。
また、信号中継部903は、球溢れスイッチ249が遊技球を検出した場合に、主制御基板920へオン状態の球溢れ信号を出力する。主制御基板920においては、オン状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に低速払出信号を出力し、低速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度(払出装置540からの遊技球の払出速度)を低速化させる。また、主制御基板920は、オフ状態の球溢れ信号の検知に基づいて払出制御基板930に高速払出信号を出力し、高速払出信号を受信した払出制御基板930は、払出モータ542の回転速度を高速化させる。
また、図10に示すように、信号中継部903には、背面設定スイッチ905および設定表示装置906が接続されている。信号中継部903は、背面設定スイッチ905が所定のキー(図示せず)により時計回りに略90°回転された場合に主制御基板920へ出力されるオン状態の設定信号を中継する。主制御基板920においては、背面設定スイッチ905からオン状態の設定信号を受信したことに応じて遊技態様の変更を許容する。また、信号中継部903は主制御基板920から設定表示装置906へ出力された設定表示信号を中継する。設定表示装置906は、受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。
電源監視基板910は、電源・発射制御基板900からの電力供給状態を監視する電源監視部911と、電源・発射制御基板900と主制御基板920との間の電力供給及び各種の信号の伝達を中継する信号中継部912とを含んでいる。電源監視部911は、停電状態への移行に応じて主制御基板920へ停電信号を出力するものでもあり、電源部901から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満である状態が所定の時間だけ継続した場合に停電状態であると判断して、オン状態の停電信号を主制御基板920へ出力する。主制御基板920は、オン状態の停電信号の受信によって停電状態への移行を認識する。
主制御基板920は、パチンコ機100の動作を統括的に制御する。主制御基板920には、1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)が搭載されている。MPUは、演算処理装置としてのCPU(図示せず)と、CPUにより実行される各種の制御プログラムや固定データを記憶したROM(図示せず)と、制御プログラムの実行に際して一時的に各種のデータ等を記憶するRAM922とを含んでいる。主制御基板920には、その他、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
主制御基板920のRAM922は、停電状態への移行後においても電源・発射制御基板900の電源部901またはバックアップ電源601から供給されたバックアップ用電圧の電力によって内部データを維持(バックアップ)できる構成となっている。具体的に、初期化スイッチ907が押下された状態で電源スイッチ909がオフ状態にされたことで発生した停電状態においては、主制御基板920に対し、電源部901とバックアップ電源601とからバックアップ用の電力が供給され、それ以外の停電状態においては、主制御基板920に対し、電源部901のみからバックアップ用の電力が供給される。
バックアップ電源601は、電源スイッチ909がオン状態である状況(すなわち、電源部901に外部電力が供給されている状況)において信号中継部903からオン状態の信号を受信した場合に、電源部901から供給された充電用電圧の電力の充電を開始する。つまり、電源部901に外部電力が供給されている状況で初期化スイッチ907を押下することによって、バックアップ電源601への電力(充電用電圧の電力)の充電を開始することができる。
バックアップ電源601は、当該バックアップ電源601への電力の充電が上記のように開始された後、電源スイッチ909がオン状態からオフ状態に切り替えられた場合に、充電によって当該バックアップ電源601に蓄えられた電力をバックアップ用電圧の電力として供給する。
つまり、初期化スイッチ907を押下したまま電源スイッチ909をオフ状態に切り替える(すなわち、電源部901への外部電力の供給が停止する)ことによって、充電によってバックアップ電源601に蓄えられた電力をバックアップ用電圧の電力として供給することができる。これにより、バックアップ電源601からバックアップ用電圧の電力を主制御基板920に供給することができる。
なお、バックアップ電源601の電気容量は、枠体(すなわち、外枠101、前ブロック102、中間ブロック103、および後ブロック104)から取り外した(より詳細には、中間ブロック103の基枠301から取り外した)遊技盤400、あるいは、遊技盤400を取り外した状態の枠体に対する検査や点検などを行うのに十分とされる期間(例えば、約1時間)に亘ってバックアップ用電圧の電力を出力可能な容量とされることが好ましい。また、バックアップ電源601の電気容量は、主制御基板920に対する不正防止等の観点から、大きすぎないようにすることが好ましく、例えば、6時間などの1日よりも短時間で、主制御基板920のRAM922が正常にはバックアップできなくなるようにすることが好ましい。
また、バックアップ電源601の回路は、電源スイッチ909がオン状態である場合には、当該電源部901とバックアップ電源601との間の電源供給路が接地されるよう構成される。このため、電源スイッチ909がオン状態となっている間は、バックアップ電源601に残存する電力は当該接地によって消費(放電)される。よって、パチンコ機100の停電状態が解消された場合(すなわち、パチンコ機100の内部への電力の供給が開始された場合)、バックアップ電源601の残量は、放電によりゼロとなる。
払出制御基板930は、主制御基板920からの指示に応じた払出装置540による遊技球の払い出し動作や遊技球貸出装置290の操作に応じた払出装置540による遊技球の貸し出し動作を制御する。払出制御基板930は、主制御基板920と同様に、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)及びRAM(図示せず)を含む1チップマイコンとしてのMPU(図示せず)、タイマ回路(図示せず)、カウンタ回路(図示せず)、クロック発生回路(図示せず)、信号送受信回路(図示せず)等の各種回路が搭載されている。
払出制御基板930は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920及び中継装置950とは双方向の情報入出力通信が可能に接続され、開閉検出スイッチ108,109、貯留球スイッチ591、及び、払出計数スイッチ592とは、一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、払出モータ542とは、一方向のみの情報出力通信のみが可能に接続されている。なお、払出制御基板930のRAMは、主制御基板920のRAM922と同様に、停電状態において一定の期間にわたって内部データを維持可能とするバックアップ機能を有する構成としてもよいし、主制御基板920のRAM922とは異なり、停電状態において内部データを維持しない構成としてもよい。
副制御基板940は、主制御基板920からの指示に基づいて、各種の演出装置や各種の発光装置や各種の音響装置等の動作を制御する。副制御基板940は、他の装置と情報通信可能に接続する接続手段としての入出力ポートが搭載されており、例えば、主制御基板920とは一方向のみの情報入力通信のみが可能に接続され、入力操作装置260と左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rとは双方向に情報通信可能に接続され、装飾図柄表示装置479等とは一方向の情報出力通信のみが可能に接続されている。
遊技盤400に取り付けられる各部品(以下において、便宜上「遊技盤側部品」とも称す)と、前ブロック102や中間ブロック103や後ブロック104などの遊技盤400とは異なる部材に取り付けられる各部品(以下において、便宜上「他部材側部品」とも称す)との間には、遊技盤側部品と他部材側部品との間を電気的に接続したり、情報通信を可能に接続するためのコネクタ(例えば、コネクタC1~C3)が設けられている。
例えば、図10に示すように、主制御基板920またはバックアップ電源601と、電源監視基板910または電源・発射制御基板900(より詳細には、電源部901および信号中継部903)との間には、コネクタC1が設けられている。
なお、本実施形態のパチンコ機100においては、電源監視基板910が枠体を構成する部品の一つである構成としたが、電源監視基板910が遊技盤400の構成部品の一つである構成であってもよく、かかる構成においては、コネクタC1が、主制御基板920と電源監視基板910との間でなく、電源監視基板910と電源・発射制御基板900との間に設けられる構成であってもよい。
また、副制御基板940と、音響装置281,282、枠発光装置271~275、入力操作装置260、左入力操作装置801L、及び、右入力操作装置801Rとの間には、コネクタC2が設けられている。主制御基板920と払出制御基板930との間には、コネクタC3が設けられている。なお、各コネクタC1~C3は、必ずしも、1のコネクタから構成される必要はなく、コネクタC1~C3のうち少なくとも1のコネクタが、複数に分割されたコネクタによって構成されていてもよい。
コネクタ(図10に示す例では、コネクタC1~C3)は、メスコネクタ(図示せず)と、当該メスコネクタに対して着脱可能なオスコネクタ(図示せず)とにより構成される。本実施形態のパチンコ機100においては、遊技盤側部品にメスコネクタが接続され、他部材側部品にオスコネクタが接続される。
メスコネクタに対しオスコネクタを装着した状態においては、遊技盤側部品と他部材側部品とが電気的に接続されるとともに情報通信可能に接続される。一方、メスコネクタからオスコネクタを取り外した状態においては、遊技盤側部品と他部材側部品との間の電気的な接続および情報通信可能な接続が解除される。
なお、遊技盤400が中間ブロック103の基枠301(図3参照)から取り外される場合には、基本的に、オスコネクタがメスコネクタから取り外され、それによって、コネクタC1~C3などのコネクタによる遊技盤側部品と他部材側部品との間の接続(電気的な接続および情報通信可能な接続)が解除される。
<各種の制御処理>
次に、主制御基板920によって実行される各種の制御処理について説明する。主制御基板920における制御処理は、大別すると、停電状態からの復帰に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本形態では2ms(ミリ秒)周期で)メイン処理に割込みをかけて実行されるタイマ割込み処理とで構成されている。
まず、図11を参照して、主制御基板920によって実行されるメイン処理について説明する。図11は、主制御基板920のメイン処理(図11においては「主制御メイン処理」と略記)を示すフローチャートである。
主制御基板920のメイン処理において、まず、主制御基板920の立ち上げや各種の情報を初期設定するための一連の制御開始処理(プログラム開始処理S1001~乱数初期設定処理S1019)が一度だけ実行され、その後は、割込みを禁止する割込み禁止処理S1020と、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAM922の一部の領域)及び大当り図柄乱数初期値カウンタ(RAM922の一部の領域)並びに普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタ(RAM922の一部の領域)の値を更新する乱数初期値更新処理S1021と、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタ(RAM922の一部の領域)の値を更新する変動用カウンタ更新処理S1022と、割込みを許可する割込み許可処理S1023とが繰り返し実行される。なお、割込み許可処理S1023の前にタイマ割込みの要求が発生した場合には、割込み許可処理S1023の直後にタイマ割込み処理が実行される。
一連の制御開始処理において、プログラムの実行を制御するスタックポインタ(RAM922の一部の領域)に初期値を設定するプログラム開始処理S1001と、割込みモードを設定する割込みモード設定処理S1002と、払出制御基板930及び副制御基板940等が立ち上がるまで所定の時間だけ待機する立上待機処理S1003とが実行される。
立上待機処理S1003の後に、電源・発射制御基板900の背面設定スイッチ905からの設定信号の出力状態の判定処理S2001が行われる。判定処理S2001において、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態であると判定された場合には(S2001:N)、電源・発射制御基板900の初期化スイッチ907からの初期化信号の出力状態の判定処理S1004、停電情報(RAM922の一部の領域)の値の判定処理S1005、保存情報の記憶状態の判定処理S1007が行われ、これらの判定結果に基づいてRAM922の保存情報を消去するか否かが判定される。ここで、保存情報とは、停電前の遊技の状態に復帰させるために必要な情報であって、停電前に遊技の進行に応じて更新されていたRAM922の一部の領域に対応し、実行中の単位遊技に関するカウンタの値や、始動入賞によって格納されたカウンタの値等が例示される。
保存情報の記憶状態は、次のように判定される。まず、RAM922の所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出して(チェックサム算出処理S1006)、その現在のチェックサム値と前回の停電状態への移行に伴い停電監視処理S1202(図12参照)において算出されたチェックサム値の2の補数であるRAM判定値との排他的論理和が「0」であるか否か(判定処理S1007)が判定され、これにより、現在のチェックサム値と停電状態への移行時のチェックサム値とが同一であるか否かが判定される。
初期化信号がオン状態である場合(S1004:Y)、停電情報が停電状態への移行時に保存情報を保存して終了したことを示す所定の停電値でない場合(S1005:N)、又は、保存情報が正常に保持されていない場合(S1007:N)には、RAM922の保存情報を消去するRAMクリア処理S1008が実行される。保存情報が正常に保持されていると判断された後(S1007:Y)、又は、RAMクリア処理S1008が実行された後には、主制御基板920に接続されている各種の装置を初期化するハードウェア初期化処理S1009が実行される。
ハードウェア初期化処理S1009の後には、停電情報が停電値であるか否かの判定処理S1010が実行される。停電情報が停電値である場合(S1010:N)には、保持情報の復帰を含め各種の情報を初期設定するRAM復帰設定処理S1011と、その設定完了を示す復帰コマンドが設定される(復帰コマンド出力処理S1012)。RAM復帰設定処理S1011における保持情報の復帰によって、前回の停電状態への移行直前の制御状態に主制御基板920の制御状態が復帰する。
一方、停電情報が停電値でない場合(S1010:Y)には、保持情報の復帰は行わずに各種の情報が初期設定され(RAM初期設定処理S1013)、その設定完了を示す初期化コマンドが出力される(初期化コマンド出力処理S1014)。
なお、RAM復帰設定処理S1011及びRAM初期設定処理S1013において、停電情報は停電値と異なる所定の通電値に設定され、また、前回の停電状態への移行直前において不正検知エラー等の各種のエラー状態が発生していてもそれらのエラー状態は全て解除される。また、主制御基板920から払出制御基板930及び副制御基板940の双方に復帰コマンドか初期化コマンドのいずれかが出力され、復帰コマンド又は初期化コマンドを受信した払出制御基板930及び副制御基板940の各々においても所定の初期化処理が実行される。
立上時の状況に応じたRAM922の初期設定(判定処理S1004~初期化コマンド出力処理S1014)の後に、前回の停電状態への移行時に条件装置が作動していた場合には、特別遊技状態に復帰させるための準備が行われる(特別遊技状態復帰準備処理S1015)。具体的には、特別遊技状態復帰準備処理S1015においては、条件装置と役物連続作動装置の作動状態が判定され、停電状態時における遊技の状況に対応した処理が、副制御基板940において実行される。
特別遊技状態復帰準備処理S1015の後には、時短状態フラグが設定されているか否かを判定することにより時短状態であるか非時短状態であるかが判定され(判定処理S1016)、時短状態である場合(S1016:Y)には、時短コマンドが出力される(時短コマンド出力処理S1017)。一方、非時短状態である場合(S1016:N)には、非時短コマンドが出力される(非時短コマンド出力処理S1018)。その後、特別図柄に係る当選乱数カウンタ(RAM922の一部の領域)の値が初期化される(乱数初期設定処理S1019)。
一方、判定処理S2001において、背面設定スイッチ905からの設定信号が、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていることを示すオン状態であると判定された場合(S2001:Y)、RAM922の実質的に全領域の情報を消去するRAMクリア処理S2002が実行される。具体的には、RAMクリア処理S2002においては、RAM922に格納されている設定対応情報を除く実質的にすべての領域の情報が消去される。
なお、設定対応情報は、予め定めた複数段階(本実施形態においては、9種類)の遊技態様の各々に対応する情報であり、設定中の遊技態様に対応する設定態様情報がRAM922に格納されている。よって、RAMクリア処理S2002により、主制御基板920のRAM922における設定対応情報の記憶領域を除く実質的にすべての領域の情報が消去され、設定変更を許可する状態となる。
設定変更を許可する状態となると、RAM922に格納されている設定対応情報に対応する遊技態様を識別する設定表示信号が設定表示装置906に出力される。設定表示装置906は、主制御基板920から受信した設定表示信号に対応する設定表示情報を表示する。つまり、設定表示装置906には、RAM922に格納されている設定対応情報に対応する設定表示情報が表示される。
次いで、背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となるまで遊技態様の設定を変更する設定変更処理S2003が実行される。なお、背面設定スイッチ905からの設定信号は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作されていない状態においてオフ状態となる。
遊技態様の設定変更は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において初期化スイッチ907を押下することによって行われる。具体的に、当該状態において、主制御基板920が初期化スイッチ907の押下に基づく初期化信号を受信する毎に、設定対応情報が順次変更される。具体的には、予め定められた9種類の遊技態様を循環的に選択する順序(例えば、・・・→T1→T2→T3→M1→M2→M3→B1→B2→B3→T1→T2→・・・)が予め決められており、選択される遊技態様は、初期化スイッチ907が押下される毎に当該順序に従って順次変更される。
当該変更が行われる毎に選択中の遊技態様に対応する値が設定対応情報としてRAM922に格納される。RAM922に格納される設定対応情報が変更される毎に、当該設定対応情報に対応する設定表示信号が設定表示装置906に出力され、変更後の設定対応情報に対応する設定表示情報が設定表示装置906に表示される。
よって、遊技場の管理者等の設定変更者は、背面設定スイッチ905が所定のキーにより操作された状態において、本パチンコ機100に対して設定したい遊技態様を選択されるまで初期化スイッチ907の押下を繰り返した後、中始動入賞装置431に遊技球を入賞させることで、遊技態様の選択を完了させることができる。よって、設定変更処理S2003は、初期化スイッチ907の押下による遊技態様の選択後に、中始動入賞装置431に遊技球が入賞されたことで終了する。
背面設定スイッチ905からの設定信号がオフ状態となった場合(S2004:Y)、遊技態様の設定に係る情報(すなわち、設定対応情報)を除く各種の情報を新たにRAM922に初期設定するRAM変更設定処理S2005が実行される。これにより、実質的に主制御基板920の立ち上げが終了し、RAM922に格納された設定対応情報に対応する遊技態様で遊技が進行することが確定する。
RAM変更設定処理S2005の後、RAM922の設定完了を示す設定済コマンドを払出制御基板930に出力する設定済コマンド出力処理S2006が実行される。払出制御基板930は、主制御基板920が出力した設定済コマンドを受信したことにより、主制御基板920が通常の遊技処理に移行することを認識できると共に、いずれの遊技態様で動作するかを認識できる。設定済コマンド出力処理S2006の後は、特別遊技状態復帰準備処理S1015以降の処理が実行される。
次に、図12を参照して、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理について説明する。図12は、主制御基板920によって実行されるタイマ割込み処理(図中では「主制御割込み処理」と略記)を示したフローチャートである。
主制御基板920のタイマ割込み処理では、まず、タイマ割込みを開始させるための割込み開始処理S1201が実行される。具体的には、割込み制御レジスタに所定の値が設定される。これにより、本タイマ割込み以外の割込みが禁止される。その後に、パチンコ機100の遊技の進行制御や各種センサの監視等といった実質的な制御に係る停電監視処理S1202~外部情報出力処理S1221が順次に実行される。但し、各種の不正の検知に基づいて遊技進行が停止されている場合(S1207:Y)には、制御信号出力処理S1208~外部情報出力処理S1221は実行されない。最後に、次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理S1222が実行されて、今回のタイマ割込み処理が終了する。以下において、各種の主要な処理について個別に説明する。
停電監視処理S1202においては、電源監視基板910の電源監視部911から出力されている停電信号の出力状態に基づいて停電情報(RAM922の一部の領域)の値が更新される。具体的には停電信号の出力状態が3度に亘り確認され、3度ともオン状態が検出された場合に停電状態であると判定される。この判定において停電状態であると判定されなかった場合には、停電情報は通電値に維持される。
一方、停電監視処理S1202において停電状態であると判定された場合には、以下の処理が実行される。まず、停電情報の値がRAM復帰設定処理S1011又はRAM初期設定処理S1013(図11参照)において設定された通電値から所定の停電値に変更される。また、RAM922の所定の範囲の記憶領域に対するチェックサム値を算出し、そのチェックサム値の2の補数をRAM判定値として設定する。これにより、パチンコ機100は、遊技の進行や各種センサの監視等といった実質的な制御を行わない無限ループに入り、RAM判定値が設定された後のRAM922の状態がバックアップ電力に基づいて保持される。なお、停電信号の出力状態が3度に亘り確認されるために、停電信号の受信を初めて検知してから、タイマ割込みの各処理は2回に亘り実行される。
乱数更新処理S1203においては、特別図柄に係る当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。但し、変更後の値が特別図柄に係る当選乱数カウンタに対する循環初期値と同一の値となる場合には、特別図柄に係る当選乱数カウンタの値が、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定され、また、循環初期値も当選乱数初期値カウンタと同一の値に設定される。
大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数カウンタについても、特別図柄に係る当選乱数カウンタの場合と同様にして更新される。ただし、各カウンタの規定最大値と規定最小値とにより定められる更新範囲としては各カウンタに固有の値が設定され、複数のカウンタが非同期で更新される構成とされ、各カウンタの循環初期値には各カウンタに固有の初期値カウンタが参照される。例えば、特別図柄に係る当選乱数カウンタと特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、大当り図柄乱数カウンタと大当り図柄乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一であり、普通図柄に係る当選乱数カウンタと普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタとは値の範囲が同一である。
乱数初期値更新処理S1204においては、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタ、大当り図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタが更新される。具体的には、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値(例えば、「576」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。特別図柄に係る図柄乱数初期値カウンタ及び普通図柄に係る当選乱数初期値カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、特別図柄に係る当選乱数初期値カウンタの場合と同様にして更新される。
変動用カウンタ更新処理S1205においては、変動時間や変動パターン等を決定するための第1の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタの値が更新される。具体的には、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値(例えば、「187」)と異なる値である場合には、現在値より「1」だけ大きい値に変更され、第1の変動種別カウンタの値が規定最大値である場合には、規定最小値(「0」)に変更される。第2の変動種別カウンタ~第4の変動種別カウンタについても、規定最大値や規定最小値がそれらのカウンタに固有の値であること以外は、第1の変動種別カウンタの場合と同様にして更新される。
なお、特別図柄及び普通図柄に係る各当選乱数カウンタ、大当り図柄乱数カウンタ、停止パターン選択カウンタ並びに各変動種別カウンタは、必ずしも上記構成とする必要はなく、上記カウンタの少なくとも一部を他の構成としても良く、例えば、初期値カウンタを利用しないで一定の初期値から更新する構成としてもよいし、プログラムを利用しないで乱数生成用ICにより構成して必要に応じて値を参照する構成としてもよい。
遊技停止判定処理S1206においては、不正検知情報が不正検知値である場合には、遊技停止値に更新されると共に、遊技進行を停止させるための各種の情報が設定される。一方、不正検知情報が不正検知値でない場合や既に遊技停止値である場合には、遊技進行を停止させるための各処理は実行されずに遊技停止判定処理S1206は終了する。なお、不正検知情報は、不正検知処理S1211において各種の不正の発生が検知された場合に不正検知値に設定される。また、判定処理S1207においては、不正検知情報が遊技停止値であるか否かによって遊技停止中であるか否かが判定される。
制御信号出力処理S1208においては、出力バッファに格納された制御データに基づいて、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472及び普通図柄に係る普通図柄表示装置473等の各種の報知装置を制御する信号が出力される。また、出力バッファに格納された制御データに基づいて、球送りソレノイド332、発射ソレノイド334、右進入規制ソレノイド462、下進入規制ソレノイド463、上進入規制モータ464、振分ソレノイド465等の各種のアクチュエータを制御する信号が出力される。
スイッチ読込処理S1209においては、中始動入賞スイッチ441A,441B、右始動入賞スイッチ442、下大入賞スイッチ443、上大入賞スイッチ444、役連作動スイッチ445、始動スイッチ446、非特定通路スイッチ447、特定通路スイッチ448、及び、一般入賞スイッチ449A,449Bの各々からの信号状態が読み込まれて、各種のスイッチによる遊技球の検出状態の変化が検知される。
具体的には、スイッチ読込処理S1209において、各種のスイッチからの信号状態が所定の時間間隔を隔てて2度に亘り入力バッファ(RAM922の一部の領域)に読み込まれ、各種のスイッチからの信号ごとに、1回目に読み込まれた信号状態(以下において「第1の信号状態」と略記する)と、2回目に読み込まれた信号状態(以下において「第2の信号状態」と略記する)と、前回のタイマ割込みで検知された検出状態(以下において「前回の検出状態」と略記する)とに基づいて、各種のスイッチの検出状態の変化が検知される。そして、各スイッチに対して、前回の検出状態がオフ状態である場合において、第1の信号状態がオン状態であり、第2の信号状態がオン状態である場合には、オン状態移行と判断されて、スイッチの種類に応じた検出フラグ(RAM922の一部の領域)が設定される。なお、停電監視処理S1202で説明したように、電源供給が停止したとしても、タイマ割込みの各処理が2回に亘り実行されるために、電源供給が停止した直後に各種のスイッチのオン状態が開始された場合であっても各種のスイッチの検出フラグを正確に設定することができる。
タイマ更新処理S1210においては、特別図柄及び普通図柄の変動表示、各遊技状態の制御、及び、不正監視等に使用される各種のタイマ(RAM922の所定の領域)が更新される。
不正検知処理S1211においては、各種の入賞装置に強制的に遊技球を進入させたり、各種の入賞装置を強制的に作動させたりするような不正行為が検知される。具体的には、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な進入許容姿勢への移動、加振による下大入賞装置433の特定通路への遊技球の誘導、電波による右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の強制的な誤作動の誘発、磁気吸着による各種の入賞装置への遊技球の誘導、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432、下大入賞装置433及び上大入賞装置434への異常なタイミングでの遊技球の誘導等の不正行為が行われた可能性の高い状況の発生を検知する。
入賞検知応答処理S1212においては、遊技盤400に設けられた各種のスイッチによる遊技球の検出に基づく制御が実行される。具体的には、上側中始動入賞スイッチ441A(図10参照)及び下側中始動入賞スイッチ441B(図10参照)による遊技球の検出に基づいて、中始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、中始動入賞カウンタ(RAM922の所定の領域)及び第1払出カウンタ(RAM922の所定の領域)が更新される。また、右始動入賞スイッチ442(図10参照)による遊技球の検出に基づいて右始動入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、第1払出カウンタが更新される。また、下大入賞スイッチ443(図10参照)による遊技球の検出に基づいて下大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合や、上大入賞スイッチ444(図10参照)による遊技球の検出に基づいて上大入賞スイッチ検出フラグが設定されている場合には、大入賞カウンタ(RAM922の所定の領域)及び第2払出カウンタ(RAM922の所定の領域)が更新される。
発射制御処理S1213においては、発射装置330による遊技球の発射を制御するための発射関連情報が更新される。具体的には、球送り機構331を駆動する球送りソレノイド332の作動フラグ及び発射機構333を駆動する発射ソレノイド334の作動フラグが更新される。
入力信号監視処理S1214においては、払出制御基板930を介した開閉検出スイッチ108(図10参照)からの信号の出力状態に基づいて、外枠101(図1及び図2参照)に対して中間ブロック103(図1及び図2参照)が閉鎖されているか否かが検知される。また、払出制御基板930(図10参照)を介した開閉検出スイッチ109からの信号の出力状態に基づいて、中間ブロック103(図2及び図3参照)に対して前ブロック102(図2及び図3参照)が閉鎖されているか否かが検知される。
払出状態監視処理S1215においては、払出制御基板930から出力される払出制御状態を示す情報が監視され、必要に応じて、払出制御状態に応じた各種の払出状態コマンドが設定される。なお、払出状態コマンドを受信した副制御基板940は、払出状態コマンドの種類に応じた報知を装飾図柄表示装置479、左上音響装置281及び右上音響装置282等に実行させる。
払出信号出力処理S1216においては、必要に応じて、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタの値に基づいて各種の賞球コマンドを設定し、払出制御基板930に出力する。なお、第1払出カウンタ及び第2払出カウンタは、賞球コマンドの設定に応じて更新される。例えば、第1払出カウンタは、1回の入賞に相当する遊技球が検出される毎に1ずつ加算され、その入賞に基づく賞球コマンドが設定される毎に1ずつ減算される。払出制御基板930では、その入賞に対応する数(例えば、3個)の遊技球を払い出す制御を実行する毎に(詳細には、払い出しが完了する少し前に)、主制御基板920に賞球コマンドを要求し、賞球の払い出しが継続している状況においては、主制御基板920から更なる賞球コマンドが出力される。第2払出カウンタは、第1払出カウンタとは賞球数が異なる入賞(例えば、13個)に対応して更新されるカウンタであり、第2払出カウンタの値に基づく賞球コマンドを払出制御基板930が受信した場合には、払出制御基板930は、その賞球コマンドに対応した数分の遊技球を払い出す制御を実行する。
特別図柄関連処理S1217においては、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第1特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第1特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476の動作制御が実行される。また、第1特別図柄に係る単位遊技の制御において、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471の動作制御が実行され、第1特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
また、特別図柄関連処理S1217においては、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御及び第2特別図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、第2特別図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477の動作制御が実行される。また、第2特別図柄に係る単位遊技の制御において、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472の動作制御が実行され、第2特別図柄抽選において大当りに当選した場合には、下大入賞装置433及び上大入賞装置434の動作制御が更に実行される。
普通図柄関連処理S1218においては、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御並びに普通図柄に係る単位遊技の制御が実行される。具体的には、普通図柄に係る単位遊技の権利の保留制御において、普通図柄保留表示装置478の動作制御が実行される。また、普通図柄に係る単位遊技の制御において、普通図柄に係る普通図柄表示装置473の動作制御が実行され、普通図柄抽選に当選した場合には更に右始動入賞装置432の動作制御が実行される。
表示制御処理S1219においては、特別図柄関連処理S1217における第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476及び第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477等の動作を制御するために更新される各種の情報に基づいて、それらの装置を具体的に作動させるための出力データが合成される。合成された出力データは、次回のタイマ割込みに基づく制御信号出力処理S1208において各装置に出力される。
モータ制御処理S1220においては、各種のモータの動作制御が実行される。外部情報出力処理S1221においては、パチンコ機100に電気的に接続されるデータ表示装置(図示せず)や管理装置(図示せず)等の外部装置に出力する出力データが設定される。
<複数の可動部材による演出>
次に、特典領域409V(図7参照)へ遊技球を進入させることが可能な場合に実行される複数の可動部材による演出について、図13を参照して説明する。図13は、左可動部材10と右可動部材20との動作を示す遊技盤400の正面図である。
特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合には、左可動部材10と右可動部材20との2つ(複数)の可動部材を用いた演出が実行される。左可動部材10と右可動部材20とは、それらが離間して配置された姿勢(離間姿勢:図13中の一点鎖線)から、離間姿勢に比べて近接した姿勢(近接姿勢:図13中の実線)に変化する動作を行う構成としている。また、左可動部材10と右可動部材20とは、それらを近接姿勢とした場合に、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する配置(特典領域指示配置)をとる構成としている。これにより、別箇所に配置された左可動部材10や右可動部材20の姿勢を変化させることによって、この演出の発生を遊技者に気づかせ易くできる。また、連続して配置された左可動部材10と右可動部材20との全体によって、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側に、遊技者の注意を引くことが可能になる。
遊技盤400には、その左方側において、左可動部材10が、一点鎖線で示す離間姿勢と実線で示す近接姿勢との間で姿勢を変化させる移動が可能に設けられる。また、左可動部材10より右側において、右可動部材20が、離間姿勢と近接姿勢との間で姿勢を変化させる移動が可能に設けられる。なお、左可動部材10や右可動部材20は、遊技盤400に設けられる構成に限らず、遊技盤400が取り付けられる中間ブロック103(図1及び図3参照)に設けられる構成や、中間ブロック103の前側に配置される前ブロック102(図1及び図3参照)に設けられる構成としてもよい。
具体的には、左可動部材10と右可動部材20とは、左可動部材10の入口部分409Eとは反対側の端部と、右可動部材20における特典領域409Vとは反対側の端部とが近接し、全体として入口部分409Eの近傍から特典領域409Vの近傍へ向けて連続する形状をなすように配置される。このため、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側であって連続した形状が指す方向側に位置する特典領域409Vや、その特典領域409Vの形成された上大入賞装置434に、遊技者の注意を引くことが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢において、それらが一体物として遊技者に認識させ得る程度に接近しているが僅かに離間した状態となる構成としてもよいし、当接した状態となる構成としてもよい。また、特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合に実行される演出において、左可動部材10と右可動部材20との2つの可動部材を用いる構成に限らず、3つ以上の可動部材を用い、各可動部材を他の少なくとも1つの可動部材と近接させる構成としてもよい。
また、左可動部材10は、遊技盤400の中央側から、中央構造体420の左側を通して遊技球を流下させる左流下領域409L(所定の第1領域)における入口部分409Eの近傍の領域の背後に亘る範囲に配置される。右可動部材20は、遊技盤400の中央側から、中央構造体420の右側を通して遊技球を流下させる右流下領域409R(所定の第2領域)における特典領域409Vの近傍の領域の背後に亘る範囲に配置される。この配置において、左可動部材10と右可動部材20とは、全体として、遊技盤400の中央側における遊技球の流下できない領域を跨いで、遊技球が流下可能な2つの領域を繋ぐように位置する。このため、左可動部材10と右可動部材20との大部分が遊技球の流下できない領域に配置されていても、それらの全体が遊技球の流下に関すること、例えば、入口部分409Eから遊技領域409に進入させる遊技球を特典領域409Vに進入させるべきであることや、特典領域409Vの設けられた左流下領域409Lに流下させるべきことを遊技者に想起させ易くすることが可能になる。なお、左可動部材10は、左流下領域409Lの背後まで延びるが入口部分409Eの背後までは至らない構成としたが、この構成に限らず、入口部分409Eの背後に至る構成としてもよいし、左流下領域409Lの背後まで至らない構成としてもよい。同様に、右可動部材20は、右流下領域409Rまで延びるが特典領域409Vの背後までは至らない構成としたが、この構成に限らず、特典領域409Vの背後に至る構成としてもよいし、右流下領域409Rの背後まで至らない構成としてもよい。
また、左可動部材10は、外形が概ね細長い長方形(例えば、長辺が短辺よりも2倍以上長い長方形)の形状(以下、単に、長方形状と称す)に形成され、その長手方向を入口部分409Eの近傍に向けて配置される。詳細には、左可動部材10は、その上側の長辺に対する入口部分409E側への延長線と、その下側の長辺に対する入口部分409E側への延長線との間に、入口部分409Eが位置するように配置される。このため、この左可動部材10の長手方向の先にある入口部分409Eを遊技者に意識させ易くすることが可能になる。また、左可動部材10は、その上側の長辺に対する特典領域409V側への延長線と、その下側の長辺に対する特典領域409V側への延長線との間に、特典領域409Vの少なくとも一部(例えば、特典領域409Vの入口)が位置するように配置される。このため、この左可動部材10は、単独でも、その長手方向の先に位置する特典領域409Vや、特典領域409Vを内部に設けた上大入賞装置434に、遊技者の注意を引くことが可能になる。なお、左可動部材10は、その外形が長方形状である構成に限らず、遊技領域409の中央側や入口部分409Eに向けて先細る台形状や三角形状である構成としてもよい。
また、右可動部材20は、長方形状の左可動部材10と同様に、外形が概ね細長い長方形の形状に形成され、その長手方向を特典領域409Vの近傍に向けて配置されている。詳細には、右可動部材20は、その上側の長辺に対する特典領域409V側への延長線とその下側の長辺に対する特典領域409V側への延長線との間に、特典領域409Vの形成された上大入賞装置434の一部(例えば、上大入賞装置434の入口に設けられる上進入規制機構454)が位置するように配置される。このため、この右可動部材20の長手方向の先にある上大入賞装置434やその内部に形成された特典領域409Vを遊技者に意識させ易くすることが可能になる。なお、右可動部材20は、その外形が長方形状である構成に限らず、その短手方向の幅が遊技領域409の中央側や特典領域409Vに向けて先細る台形状や三角形状である構成としてもよい。
また、長方形状の左可動部材10と長方形状の右可動部材20とは、それらの長手方向が入口部分409Eの近傍から特典領域409Vの近傍に向かう方向と同一の方向を向くように配置される。このため、左可動部材10と右可動部材20とが連続する方向側が、それらの長手方向の指す一方向であると、遊技者に認識させ易くすることができ、特典領域409Vやそれが形成された上大入賞装置434に、遊技者の注意を引き易くすることが可能になる。
また、長方形状の左可動部材10と長方形状の右可動部材20とは、折れ線形状をなすように配置されている。詳細には、左可動部材10と右可動部材20とは、全体として、左可動部材10の下側の長辺に対する延長線と、右可動部材20の上側の長辺に対する延長線との間に、入口部分409Eのと、特典領域409Vの形成された上大入賞装置434の概ね全体が位置するように配置される。このため、左可動部材10と右可動部材20とが連続する方向側において、それらの各幅(短手方向の長さ)よりも広い範囲に、遊技者の注意を引くことが可能になる。よって、特典領域409Vのみならず、特典領域409Vが形成された上大入賞装置434の動作(上進入規制機構454の開閉動作)や上大入賞装置434に進入する又は進入した遊技球の挙動にも、遊技者に注目させ易くすることが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、全体として折れ線形状をなす構成に限らず、例えば、全体として直線形状をなす構成や、全体として入口部分409E又は特典領域409Vの形成側に向かって先細る形状をなす構成や、全体として遊技盤400の中央側から入口部分409E及び特典領域409Vの形成側に向かって先細る構成や、入口部分409Eの形成側及び特典領域409Vの形成側から遊技盤400の中央側に向かって先細る構成としてもよい。
特典領域409Vは、遊技球が流下可能な遊技領域409のうち通常遊技状態において遊技球を流下させる左流下領域409L(所定の第1領域)とは別に設けられる右流下領域409R(所定の第2領域)に形成され、特典領域409Vには、右流下領域409Rに遊技球を流下させることによって遊技球を入球させることが可能な構成とする。また、遊技盤400において、入口部分409Eは、内レール403の上側の先端において戻り球防止機構404が設けられた左上側に形成される。
具体的には、遊技盤400には、遊技領域409として左流下領域409Lと右流下領域409Rとが設けられ、特典領域409Vは、右流下領域409Rに形成される。左流下領域409Lと右流下領域409Rとのいずれに遊技球を流下させるかは、遊技者による遊技球の発射操作、例えば、遊技球の発射強度の調整によって切り替え可能である。遊技者は、通常遊技状態においては、左流下領域409Lに遊技球を流下させ、通常遊技状態において後述する所定の条件を満たし、特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合には、右流下領域409Rに遊技球を流下させる。詳細には、上大入賞装置434に遊技球が進入可能であり、かつ、振分機構437が誘導姿勢をとる特典入球可能状態では、右流下領域409Rに遊技球を流下させる。なお、特典領域409Vを右流下領域409Rに設け、通常遊技状態において左流下領域409Lに、特典入球可能状態において、右流下領域409Rに遊技球を流下させる構成に限らず、特典領域409Vを左流下領域409Lに設け、通常遊技状態において右流下領域409Rに、特典入球可能状態において左流下領域409Lに遊技球を流下させる構成としてもよい。また、遊技領域409を左右側に分けて、遊技者による遊技球の発射操作によって打ち分けが可能な2つの流下領域(左流下領域409L及び右流下領域409R)を設ける構成に限らず、打ち分けが可能な2つの流下領域を、例えば、遊技領域409の上側と下側とに分けて設けたり、遊技領域409の左上側と右下側に分けて設けたりする構成としてもよい。また、遊技領域409を遊技者による遊技球の発射操作によって打ち分けが可能な2つの流下領域に分ける構成に限らず、3つ以上の流下領域に分ける構成としてもよい。
また、特典領域409Vは、遊技盤400の左上側に形成される入口部分409Eに対して、遊技盤400の中央側を挟んで対角側に位置する遊技領域409の右下側に設けられる。なお、特典領域409Vは、遊技盤400の右下側に設けられる構成に限らず、入口部分409Eの水平方向の右側(遊技盤400の右上側)等の他の箇所に設けられる構成としてもよい。
長方形状の左可動部材10は、離間姿勢において、その長辺方向が左流下領域409Lの上側部分に沿って上下方向に向くように配置され、長方形状の右可動部材20は、離間姿勢において、その長辺方向が右流下領域409Rの上側部分に沿って上下方向を向くように配置される。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢において、それらの長手方向が上下方向に向くように配置される構成に限らず、例えば、それらの長手方向が左右方向に向くように配置される構成や、それらの一方の長手方向が上下方向に向き、他方の長手方向が左右方向に向くように配置される構成としてもよい。更に、左可動部材10と右可動部材20とは、それらの長手方向が斜め方向に向くように配置される構成としてもよい。
長方形状の左可動部材10は、遊技盤400の左方側であって入口部分409Eの近傍を中心として、回転による移動が可能に支持される。このため、左可動部材10を離間姿勢から近接姿勢へ変化させる際に、回転中心から離れた一端側の部分(以下において、可動側端部とも称す)を右可動部材20に近づけるように右上側に移動させることができる。また、長方形状の右可動部材20は、遊技盤400の右方側であって特典領域409Vの近傍を中心として、回転による移動が可能に支持される。このため、右可動部材20を離間姿勢から近接姿勢へ変化させる際に、可動側端部を左可動部材10に近づけるように左下側に移動させることができる。なお、左可動部材10や右可動部材20は、回転によって、離間姿勢をとる配置と近接姿勢をとる配置との間の移動が可能に支持された構成に限らず、回転移動に代えて又は加えてスライド移動(傾きを変化させない直線的や曲線的な移動)により移動が可能な構成としてもよい。
長方形状の左可動部材10は、上側部分が入口部分409Eの近傍の背後に重なって配置され、下側部分が上側中始動入賞装置431Aの近傍に遊技球を誘導する中央構造体420に形成されたワープ通路421よりも下側に位置するように配置される。上側中始動入賞装置431Aの上方側には、遊技球を転動させつつ、一部の遊技球を上側中始動入賞装置431Aに進入させることが可能な上ステージ426が設けられ、ワープ通路421は、中央構造体420の左側に設けられる入口から上ステージ426に遊技球を案内する通路によって構成される。
また、長方形状の左可動部材10は、入口部分409Eの近傍の背後から、下側中始動入賞装置431Bの近傍に遊技球を誘導する誘導通路422の背後に亘って配置される。この誘導通路422は、左流下領域409Lの一部であって中央構造体420の左下側を経由して、下側中始動入賞装置431Bに向かう遊技球の通路部分によって構成される。
ここで、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bは、遊技球の入球によって識別情報の変動表示の契機を与える装置であり、通常遊技状態において、遊技者は、この上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bへ遊技球を入球させることを目指して、左流下領域409Lに遊技球を流下させる。左可動部材10がワープ通路421や誘導通路422の背後まで至る長さに設定した場合、左可動部材10の可動側端部を、ワープ通路421や誘導通路422を横断するように、また、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bの近傍を通過するように移動させることが可能になる。これにより、遊技者は、通常遊技状態において主たる演出を実行する装飾図柄表示装置479ではなく、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bに向かって流下する遊技球の挙動に注目していたとしても、左可動部材10の離間姿勢から近接姿勢への移動に気付き易くなる。
左可動部材10と右可動部材20とは、装飾図柄表示装置479(表示手段)によって大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ(所定の表示結果)が確定表示された場合に動作する構成とする。また、この場合に、左流下領域409L(第1領域)とは別に設けられる右流下領域409R(第2領域)に遊技球を流下させることによって特典領域409V(所定の特典領域)に遊技球を入球させることが可能な構成とする。すなわち、左可動部材10と右可動部材20とは、特典入球可能状態となる場合に動作する構成とする。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、同時に動作を開始する構成としても、開始時期や終了時期をずらして動作を開始する構成としてもよい。
具体的には、遊技盤400には、左可動部材10や右可動部材20を動作させる動作手段が設けられる。遊技盤400には、図示しないが、動作手段として、左可動部材10を移動可能とする駆動機構と、この駆動機構に動力を供給する動力源とが設けられる。また、遊技盤400には、図示しないが、動作手段として、右可動部材20を移動可能とする駆動機構と、この駆動機構に動力を供給する動力源とが設けられる。なお、これらの駆動源としては、例えば、回転力を発生させるモータや、一直線方向への動力を発生させるソレノイドが利用できる。
また、駆動源は、副制御基板940に電気的に接続され、副制御基板940によって制御される。このため、左可動部材10と右可動部材20との動作は、副制御基板940による駆動源の制御によって、駆動機構を介して制御される。なお、左可動部材10や右可動部材20は、その動作を副制御基板940によって制御される構成に限らず、例えば、主制御基板920によって制御される構成としてもよい。
装飾図柄表示装置479は、遊技盤400の中央部分に配置され、装飾図柄(識別情報)の変動表示を行うと共に、変動表示の後に、装飾図柄の組み合わせを確定表示する構成とする。この装飾図柄表示装置479(表示手段)によって表示される表示内容は、副制御基板940によって制御される。
具体的には、装飾図柄の変動は、通常遊技状態において左流下領域409Lを流下させた遊技球が、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bに進入することを契機として行われる。また、確定表示される装飾図柄の組み合わせは、その進入を契機とする抽選(第1特別図柄抽選)の結果に応じて決定される。詳細には、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bへの遊技球の進入の検知や、その進入を契機とする抽選は、主制御基板920で実行されるが、副制御基板940は、主制御基板920からその検知に関するコマンドや抽選の結果に関するコマンドを受信可能に接続されており、それらのコマンドに基づいて、装飾図柄の変動表示や確定表示を制御する。なお、特典入球可能状態となる契機であって、左可動部材10と右可動部材20とが動作する契機は、装飾図柄の大当りに対応する組み合わせの確定表示に限らず、例えば、装飾図柄の小当りに対応する組み合わせの確定表示としてもよい。また、その契機は、装飾図柄表示装置479による表示結果とする構成に限らず、その表示結果に代えて又は加えて、装飾図柄表示装置479とは別の表示装置、例えば、第1特別図柄を変動表示したり確定表示したりする第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471や、第2特別図柄を変動表示したり確定表示したりする第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472による表示結果とする構成としてもよい。
また、特典領域409Vは、装飾図柄表示装置479によって大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示された場合に動作する上大入賞装置434の内部に形成される。このため、上大入賞装置434が動作し、上大入賞装置434が進入許容状態となる場合、詳細には、上大入賞装置434の入口に設けられた上進入規制機構454が進入許容姿勢をとる場合に、特典領域409Vに遊技球が入球可能になる。
なお、特典領域409Vは、上大入賞装置434の内部に形成される構成に限らず、例えば、下大入賞装置433などの他の装置に形成される構成としてもよい。また、特典領域409Vは、上大入賞装置434の内部などの遊技球の流下が常には許容さない位置に形成された振分機構437によって特典領域409Vへの入球が規制される構成に限らず、遊技球の流下が常に可能な位置に形成された振分機構437によって規制される構成としてもよい。例えば、振分機構437を上進入規制機構454とする上大入賞装置を設ける構成や、特典領域409Vや振分機構437を大入賞装置434とは別体で右流下領域409Rに設ける構成としてもよい。
また、左可動部材10と右可動部材20とは、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示された後であって、上大入賞装置434の動作開始前(上進入規制機構454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢への変化を開始する前)に、離間姿勢から近接姿勢への動作を開始する。このため、遊技者は、左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢となったことを見届けた後であって、上大入賞装置434が動作を開始する前に、遊技球の流下先を左流下領域409Lから右流下領域409Rに変更することが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示された後に動作する構成に限らず、確定表示と同時に動作する構成としてもよい。また、左可動部材10と右可動部材20とは、上大入賞装置434の動作開始前に限らず、上大入賞装置434の動作開始後に動作する構成、例えば、上大入賞装置434が進入許容状態となってから所定の期間に亘り特典領域409Vに遊技球が入球しない場合に動作する構成としてもよい。
また、左可動部材10と右可動部材20とは、特典領域409Vへ遊技球が入球した場合に、近接姿勢から離間姿勢への動作を開始する。このため、特典領域409Vへ遊技球が入球したことを、実際に遊技球が入球する挙動を見落としたとしても、左可動部材10と右可動部材20との動作によって知ることが可能になる。なお、左可動部材10と右可動部材20とは、それらの近接姿勢から離間姿勢への動作が特典領域409Vへ遊技球が入球した場合に実行される構成に限らず、上大入賞装置434が初回の進入許容状態である期間が終了した場合に実行される構成や、上大入賞装置434が動作開始から所定の時間(初回の進入許容状態の期間より短い又は長い時間)が経過した場合に実行される構成としてもよい。
特典領域409Vに遊技球が入球した場合には、特典領域409Vに遊技球が入球しない場合に比べて遊技者にとって有利な遊技状態へ遷移する構成としている。
具体的には、遊技盤400には、特典領域409Vに進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448が設けられる。また、この特定通路スイッチ448は、主制御基板920に電気的に接続され、特定通路スイッチ448による検出は、主制御基板920で検知される。主制御基板920において、この特定通路スイッチ448による検出に基づいて、特典領域409Vに遊技球が入球しない場合の遊技状態の制御と、特典領域409Vに遊技球が入球した場合の遊技状態の制御とを切り替える。
また、主制御基板920は、特典領域409Vに1球の遊技球が入球した場合に、その入球がない場合よりも有利な遊技状態へ遷移させる。なお、主制御基板920は、特典領域409Vに1球の遊技球を入球させることで有利な遊技状態へ遷移させる制御を行う構成に限らず、1以上の規定数の遊技球を入球させることで有利な遊技状態へ遷移させる制御を行う構成であってもよい。この構成の場合、左可動部材10と右可動部材20とは、規定数の遊技球が入球するまで近接姿勢を維持する構成としてもよいし、遊技球が入球するごとに、例えば、近接姿勢から離間姿勢に戻す又は離間姿勢までは戻さないまでもそれらを所定の間隔だけ離間させた姿勢とすることで近接姿勢を解除した後、再度近接姿勢とする構成としてもよい。
また、主制御基板920は、特典領域409Vに遊技球が入球しなかった場合に、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態へ遷移させ、特典領域409Vに遊技球が入球した場合には、特別遊技状態の終了後に時短遊技状態より早期の大当りを期待でき、賞球の獲得に関して有利な確変遊技状態に遷移させる。このため、遊技者は、確変遊技状態へ遷移させるために、特典入球可能状態において特典領域409Vに遊技球を入球させる必要があり、その特典入球可能状態となる場合に実行される左可動部材10と右可動部材20との動作によって確変遊技状態への遷移を確保し易くなる。なお、主制御基板920は、特典領域409Vへの入球の有無によって特別遊技状態後に確変遊技状態又は時短遊技状態に遷移させる構成に限らず、例えば、特別遊技状態における継続回数(ラウンド数)を異ならせるなどによって、特典領域409Vに遊技球が入球した場合には、賞球の獲得に関して特典領域409Vに遊技球が入球しなかった場合よりも有利な特別遊技状態に遷移させる構成としてもよい。また、主制御基板920は、特典領域409Vに遊技球が入球した場合に、賞球の獲得に関して有利遊技状態に遷移させる構成に限らず、例えば、プレミアム画像や映像の発生させる頻度を異ならせるなど、賞球の獲得に関する利益以外の利益を与える遊技状態に遷移させる構成としてもよい。更に、この遊技状態の遷移は、主制御基板920によらず、副制御基板940による制御によって実行される構成としてもよい。
上記のパチンコ機100において、左可動部材10と右可動部材20とは、左流下領域409Lに遊技球を流下させる通常遊技状態で装飾図柄表示装置479によって大当りに対応する装飾図柄の組み合わせが確定表示され、右流下領域409Rへの遊技球を流下させることで特典領域409Vへ遊技球を入球させることが可能な場合に動作し、互いに離間した離間姿勢をとる配置から、離間姿勢と比べて近接した近接姿勢をとる配置であって、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する特典領域指示配置に変化させる構成としている。この構成であれば、特典領域指示配置をとる左可動部材10と右可動部材20とによって、それらが連続する方向側に遊技者の注意を引き易くすることを可能にするばかりでなく、それらを離間した異なる箇所から移動させることによって、それらの少なくとも一方の動作を遊技者に気付かせ易くすることも可能にすることができる。これにより、左可動部材10と右可動部材20とが連続する方向側に設けた特典領域409Vに遊技球を入球させるべきこと、また、そのために遊技球の流下先を左流下領域409Lから右流下領域409Rに切り替えることを遊技者に知らせ、特典領域409Vへ遊技球を入球させることで得られる利益が損なわれてしまうことを抑制できる。したがって、特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合に、左可動部材10と右可動部材20との動作により、好適な演出を実行できる。
更に、左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢において、それらが連続する形状(例えば、上記の折れ線形状)や、それらの個別の形状(例えば、上記の細長い長方形状)によって、特典領域409Vの近傍(特典領域409Vそのものや特典領域409Vへの遊技球の進入に関与する上大入賞装置434)を指し示すことも可能になり、遊技者の意識を向かわせたりすることも可能になる。これにより、左可動部材10と右可動部材20とは、それらが連続する方向によって遊技球を右流下領域409Rに流下させるべきことを遊技者に気づかせたり、左可動部材10と右可動部材20との長手方向が指し示す特典領域409Vそのものや特典領域409Vが形成された上大入賞装置434に遊技者の意識を向かわせたりすることが可能になる。
ここで、左可動部材10と右可動部材20とによる好適な演出に関する他の特徴的な構成について説明する。
左可動部材10と右可動部材20には、それらの近接姿勢において、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ並び、その方向側に沿って順次に発光する発光手段が設けられる。
具体的には、発光手段として、左可動部材10には、その長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子19が設けられ、また、右可動部材20にも、同様に複数の発光素子29が設けられる。左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢の配置となった場合に、左可動部材10の複数の発光素子19を左上側から右下側に向けて順次に発光させ、複数の発光素子19の発光に引き続き、右可動部材20の複数の発光素子29を左上側から右下側に向けて順次に発光させる。このため、単に左可動部材10と右可動部材20とを近接姿勢の配置とする場合に比べて、左可動部材10と右可動部材20との一体感を高め、入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側に遊技者の意識を更に好適に向かわせることが可能になる。特に、右可動部材20より右下側であって複数の発光素子29による順次の発光により示される方向に配置された特典領域409Vや上大入賞装置434に遊技者の意識を向かわせることが可能になる。
なお、複数の発光素子19や複数の発光素子29は、左可動部材10や右可動部材20の長手方向に沿って一列に配置した構成に限らず、その長手方向とは異なる方向に沿って一列に配置する構成としてもよい。また、複数の発光素子19の配列方向と複数の発光素子29の配列方向とは、左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢の配置である場合に同一方向となる構成に限らず、それらの配列方向が異なる方向となる構成としてもよい。また、左可動部材10や右可動部材20には、一列に配列した複数の発光素子19や複数の発光素子29を設ける構成に限らず、複数列を形成するように発光素子を設ける構成としてもよい。また、直線的に配列した複数の発光素子19及び複数の発光素子29を順次に発光させることにより、特定の方向を直線的に指示する構成に限らず、特定方向を折れ線又は曲線に沿う順次に発光させることにより指示することが可能に、複数の発光素子19及び複数の発光素子29を配列する構成としてもよい。
左可動部材10には、複数の発光素子19とは別に左可動部材10を全体的に発光させる多数の発光素子(図示せず)を設けられる。また、通常遊技状態のように遊技球を左流下領域409Lで流下させるべき場合には、離間姿勢である左可動部材10をその多数の発光素子により発光させる。このため、離間姿勢において左流下領域409Lにおける遊技球の流下方向に沿うように配置された左可動部材10の全体的な発光によって、遊技球を左流下領域409Lに流下させて遊技を行うように遊技者に注意喚起を行うことが可能になる。
同様に、右可動部材20には、複数の発光素子29とは別に右可動部材20を全体的に発光させる多数の発光素子(図示せず)を設け、特別遊技状態のように遊技球を右流下領域409Rで流下させるべき場合には、離間姿勢である右可動部材20をその多数の発光素子により発光させる。このため、離間姿勢において右流下領域409Rにおける遊技球の流下方向に沿うように配置された右可動部材20の全体的な発光によって、遊技球を右流下領域409Rに流下させて遊技を行うように遊技者に注意喚起を行うことが可能になる。
<同一の光源による複数の装飾部への光照射の形態>
次に、光源30から一の装飾部に向けて出力された光の一部を他の装飾部に向けて方向転換させることで同一の光源30からの光に基づく光を他の装飾部に照射し、また、他の装飾部に向けて方向転換された光の一部を一の装飾部に向けて更に方向転換させ、少なくとも一の装飾部に対して他の装飾部に向けて方向転換される前の光と共にその後に進行する光を照射することで、複数の装飾部による好適な演出を実行する構成について、図14~図16を参照して説明する。図14は、遊技盤400の斜視図である。図15は、図7のXM-XM線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す斜視図及び断面図である。図16は、図7のXD-XD線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す斜視図及び断面図である。なお、図15(A)及び図16(A)の斜視図においては、複数の装飾部のうち前方側に配置される装飾部(前方側装飾部50)の一部を除去した状態が図示されている。また、図15(B)、図15(C)、図16(B)及び図16(C)の断面図には、要部のみを簡素化し、第1の装飾部や第2の装飾部に照射される光の経路を例示している。また、後に参照する図17(A)~(C)についても同様である。
図14に示すように、複数の装飾部として、遊技盤400の左側であって上下方向の中央部分に、前方側装飾部50(第1の装飾部)と、左可動部材10の一部で構成され、前方側装飾部50よりも後方側(遊技盤400の前後方向の後方側)に位置する後方側装飾部11(第2の装飾部)とが設けられる。前方側装飾部50は、遊技盤400の基体401の裏側に一部が重なるようにして設けられるものの、基体401が透明な樹脂で構成されることにより、基体401の背面側に重なる前方側装飾部50の一部分も遊技者から視認可能となっている。
前方側装飾部50と後方側装飾部11とによる演出は、前方側装飾部50より後方側であるが後方側装飾部11よりも前方側に配置された光源30(図15も参照)から出力された光を用い、前方側装飾部50や後方側装飾部11を発光した状態となるようにして実行される。このとき、前方側装飾部50は、光源30から出力された光が後方側から照射されることで発光した状態となり、一方、後方側装飾部11は、前方側装飾部50の裏面50B(後方側出力手段)で反射された光が前方側から照射されることで発光した状態となる。また、前方側装飾部50は、前方部材41の背後に取り付けられる後方部材42の一部で構成され、前方側装飾部50と後方側装飾部11との間に位置する後方窓61(別方向反射手段)における反射により方向転換された光が照射されることでも発光した状態となる。これにより、前方側装飾部50と後方側装飾部11とによる演出において、光源30の個数を減らして製造コストを低減しつつも、その限られた数の光源30を用いて前方側装飾部50と後方側装飾部11との双方を発光した状態とすることができる。
前方側装飾部50は、光源30のLED素子32L,32Rから出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な構成とする。
具体的には、前方側装飾部50は、光源30より前方側に位置し、前方部材41の一部として構成される平板状の前方窓51と、前方窓51の背面に当接して設けられ、絵柄(遊技のモチーフとなるキャラクタ等)が描かれた装飾板52とで構成される。前方窓51を構成する前方部材41は無色透明の材料で形成され、また、装飾板52は、光透過性の材料で形成される。このため、光源30から出力された光であって前方側装飾部50で反射する前の光(以下、1次光とも称す)を裏面50B側から照射することで、装飾板52を発光した状態にでき、その発光を前方窓51を通して遊技者が位置する表面側から視認することができる。また、前方窓51を無色透明の材料で形成することで、前方窓51による光の吸収を抑制して効率的な照射を可能にしている。なお、前方窓51は、無色透明に形成される構成に限らず、有色透明に形成される構成としてもよい。前方側装飾部50を有色透明に形成する場合には、その色は、均一な単色である構成や、同一の色でグラデーションをつける構成や、部位によって配色を異ならせる構成としてもよい。また、前方窓51や装飾板52は、その厚みが略均一な板状の構成に限らず、その厚みが均一でない構成としてもよい。
光源30は、電子部品が搭載される発光基板31と、発光基板31の一面側に設けられ、斜め前側(所定の方向側)に向けて光を出力する向きに配置された複数のLED素子32L,32R(発光手段)とを備える構成とする。
具体的には、光源30は、発光基板31の一面(以下、素子面)に、上下方向に所定の間隔で並ぶ7つのLED素子32L(図14においては6つのみが示されている)と、7つのLED素子32Lよりも遊技盤400の中央側において上下方向に所定の間隔で並ぶ7つのLED素子32Rとを備えている。各LED素子32L,32Rは、発光基板31の素子面に垂直な方向を最も輝度の高い方向(以下、主方向とも称す:図15(B)等における破線)とし、所定の角度範囲(例えば、15度)で広がる光を出力する。なお、発光基板31に設けられるLED素子32L,32Rの個数や配置は、上記の構成に限らず、適宜に設計できる。
図15(A)や図15(B)等に示すように、発光基板31は、遊技盤400の上下方向の上方から見て(以下、上方視)、その素子面が遊技盤400の前後方向に対して所定の角度をなす方向を向くように配置され、各LED素子32L,32Rからの1次光は、その主方向が前方窓51や装飾板52の背面に対して90度とは異なる所定の角度で前方側装飾部50に照射される。このため、後方側に出力される光の量を、90度をなす方向に配置する場合に比べて大きくできる。この所定の角度は、後方側装飾部11の位置や、前方側装飾部50の前方側に出力すべき光の量とその後方側に出力すべき光の量との分配を考慮して設定されている。
なお、光源30と前方側装飾部50との間には、後方部材42の一部を構成する無色透明の平板状の光進入窓62が設けられるが、光進入窓62は、上方から見て、各LED素子32L,32Rに基づく1次光の主方向に対して90度で交差するように配置し、光進入窓62での反射による光の量の減少が最小となるようにしている。また、光進入窓62の厚みを略均一とし、光進入窓62を通過する前後で光の進行方向を変化させない構成としているが、光進入窓62における前方側装飾部50側の面が光源30側の面に対して所定の角度で傾斜する板状の形状とし、光進入窓62を通過する前後で屈折により光の進行方向を一律に変化させる構成としてもよい。また、光進入窓62は、各LED素子32L,32Rに基づく1次光が内部を光進入窓62を形成する後方部材42の内部を通過する構成としているが、この構成に限らず、光進入窓62に開口や切り欠きを設け、1次光が後方部材42の内部ではなく開口や切り欠きを通して通過する構成としてもよい。更に、光進入窓62を設けず、各LED素子32L,32Rからの1次光を直接に前方側装飾部50に照射する構成としてもよい。
前方側装飾部50は、その裏面50B側にて、光源30の複数のLED素子32L,32Rから出力される前方側とは逆の後方側へ光を出力する裏面50B(後方側光出力手段)を備える構成とする。
具体的には、前方側装飾部50は、その裏面50Bが平坦で滑らかな平面とされる。このため、各LED素子32L,32Rに基づく1次光の一部を前方側装飾部50を通過させ、また、その一部を前方側装飾部50で反射させ、後方側へ光(以下において、2次光とも称す)を出力することができる。この2次光は、前方側装飾部50を構成する装飾板52の背面で反射したり、装飾板52と前方窓51との境界面で反射したりすることで、前方側装飾部50の裏面50B側に出力される。なお、装飾板52や前方窓51は、その背面が平坦で滑らかな平面とする構成に限らず、その背面が滑らかな円弧形状や湾曲形状等の曲面に形成する構成としてもよい。この構成の場合、平面で反射させる場合に比べて、2次光の広がりを曲面の形状により大きくしたり、小さくしたりすることも可能になる。また、前方側装飾部50は、装飾板52が前方窓51に当接する構成に限らず、離間させる構成としてもよい。また、前方側装飾部50は、装飾板52を前方窓51の背面側に配置する構成に限らず、装飾板52を前方窓51の前面側に配置する構成としてもよい。装飾板52を前方窓51の前面側に配置する場合、装飾板52により光が吸収される前に2次光を出力でき、装飾板52を前方窓51の背面側に配置する場合に比べて、2次光の強度を相対的に大きくすることも可能になる。更に、前方側装飾部50によりその後方側へ光を出力可能な構成に限らず、例えば、装飾板52の裏面側に前方窓51や装飾板52とは別体の反射部(図示せず)を設ける構成としてもよい。この構成の場合、反射部によって、前方窓51や装飾板52の配置や形状に依らず2次光を所定の方向に出力することや、別体の反射部の裏面を凹面として2次光を所定の方向に集まるように又はその裏面を凸面として2次光を広がるように出力させたりすることも可能になる。
後方側装飾部11は、前方側装飾部50の裏面(後方側光出力手段)から出力された光が照射される部位に、前方側装飾部50(第1の装飾部)とは別に設けられ、光源30を構成する発光基板31より後方側に設けられる構成とする。
具体的には、後方側装飾部11は、左可動部材10の一部として設けられ、左可動部材10が離間姿勢である場合に、前方側装飾部50と離間し、1次光は照射されないが2次光は照射される部位に位置する。詳細には、後方側装飾部11は、その上側の部分が前方側装飾部50と前後に重ならず、その中央側の部分が前方側装飾部50と部分的に前後に重なり、その下側の部分が前方側装飾部50と前後に重なるように配置され、着席した遊技者の視点で、その中央側の部分が左右方向の全体に亘り視認可能に、また、その下側の部分が、左右方向の少なくとも一部を視認可能に配置されている。このため、遊技者は、後方側装飾部11と前方側装飾部50との隙間を通して、2次光が照射された後方側装飾部11を視認することができる。また、1次光の前方側装飾部50への照射を阻害することなく、2次光を後方側装飾部11に照射することができる。以下において、後方側装飾部11は、左可動部材10が離間姿勢をとる場合の位置に配置されているとして説明する。なお、後方側装飾部11は、左可動部材10の一部として移動可能に設けられる構成に限らず、移動不能に設けられる構成としてもよい。更に、前方側装飾部50についても、移動不能に設けられる構成としても、移動可能に設けられる構成としてもよく、前方側装飾部50と後方側装飾部11とが特定の位置に配置されている状態において、光源30からの1次光によって前方側装飾部50が照明され、その2次光によって後方側装飾部11が照明できる構成であればよい。
また、後方側装飾部11は、その一部が前後方向に(正面視で)前方側装飾部50と重なる位置に設けられ、少なくともその重なる部分が2次光によって照明される。このため、その重なる部分であって外光(例えば、パチンコ機100を設置する空間に設けられた照明機器からの光)によって照明されない又は照明され難い部分を、光源30からの光によって照明でき、この光による照明がない場合に比べて、後方側装飾部11の全体に対する照明の均一性を向上させることが可能になる。なお、後方側装飾部11は、その一部が前後方向に前方側装飾部50と重なる位置に設けられる構成に限らず、その全体が前後方向に前方側装飾部50と重なる位置に設けられる構成や、前方側装飾部50とは前後方向に重ならない位置に設けられる構成としてもよい。
また、光源30が遊技盤400の左端近傍に設けられ、前方側装飾部50が光源よりも右側に設けられ、後方側装飾部11は、光源30や前方側装飾部50よりも遊技盤400の中央側に設けられる。このため、遊技盤400の中央側の前側(遊技者の視線)から見て、2次光が照射された後方側装飾部11を、後方側装飾部11と前方側装飾部50との隙間を通して視認し易くすることが可能になる。なお、光源30と、前方側装飾部50と、後方側装飾部11とをこの順で左端近傍から中央側に向けてずらして配置する構成に限らず、それらを右端近傍や上端近傍や下端近傍から中央側にずらして配置する構成としてもよい。
前方側装飾部50(後方側光出力手段)によって後方側へ出力された光を後方側装飾部11(第2の装飾部)とは別の方向側へ反射可能な後方窓61(別方向反射手段)を備える構成とする。
具体的には、図15(B)及び図16(B)等に示すように、前方側装飾部50と後方側装飾部11との間に、前方窓51より後方に位置する後方窓61を設け、後方窓61における前面61F(前方側装飾部側の面)において、前方側装飾部50から後方側装飾部11へ向かう2次光の一部を通過させ、その2次光の一部を前面61Fで反射させる構成とする。後方窓61を構成する後方部材42は、無色の光透過性の材料(例えば、透明樹脂)で形成される。このため、前方側装飾部50によって後方側へ出力された光の一部を通過させ、また、その光の一部を反射させることができる。なお、後方窓61は、無色の光透過性の材料で形成される構成としているが、この構成に限らず、有色の光透過性の材料で形成される構成であってもよい。
また、後方窓61は、概ね平板形状に形成され、上方視で前方側装飾部50に対して、前方側装飾部50との間隔が光源30から遠ざかるにつれて狭くなるように傾斜させて配置する。また、後方窓61は、後方窓61の前面61Fに垂直な方向がLED素子32L,32Rに基づく2次光の主方向に対して垂直とは異なる所定の角度(例えば、30度の角度範囲)で傾斜させて配置する。このため、後方窓61を通して2次光の一部を通過させつつ、前方側装飾部50から後方窓61に向かって来た経路を逆戻りし、前方側装飾部50において1次光で照射される箇所と、後方窓61で反射した光(以下、3次光とも称す)で照射される箇所が同一となることを抑制できる。
ここで、具体例に基づいて説明する。図15(B)に示すように、LED素子32Lから出力される光であって経路ML1(実線)で進行する光は、前方側装飾部50の裏面50Bの反射点P1で、その一部が前方側装飾部50を通過し、その一部が後方側装飾部11に向けて進行する。後方窓61の前面61Fに到達した光は、その一部が後方窓61を通過して後方側装飾部11に照射され、また、その一部は後方窓61の前面61Fで反射して、後方側装飾部11に向けて進行する。また、LED素子32Lから出力される光であって経路ML2(一点鎖線)も同様であるが、経路ML1の光は、反射点P1よりも左側の反射点P2に向かい更に反射や通過を繰り返し、経路ML2の光は、反射点P1よりも右側の反射点P3に向かい更に反射や通過を繰り返す。これにより、LED素子32Lから出力された光によって、1次光で照射される箇所と3次光で照射される箇所とを異ならせることができ、更に、1次光で照射される箇所に対して左右の両側を照射することもできる。これは、図15(C)に示すLED素子32Rから出力される光についても同様であり、前方側装飾部50における反射点P4で反射した光は、その一部が反射点P4より左側の反射点P5に照射され、反射点P6で反射した光は、その一部が反射点P6よりも右側に照射される。これにより、前方側装飾部50を左右方向の全体に亘って1次光を照射できなくても、1次光と3次光とによって、前方側装飾部50の全体に光を照射することが可能になる。また、3次光は、1次光よりも長い経路を辿った後に、前方側装飾部50に照射されるので、その照射範囲が大きくなり、前方側装飾部50の全体に照射され易くなる。
後方窓61は、上方視の断面において、その前面61Fが僅かに凹むように湾曲し、3次光を、前方側装飾部50におけるLED素子32Rに基づく1次光の照射位置よりも左側に向けて出力し、LED素子32Rに基づく3次光を、前方側装飾部50におけるLED素子32Lに基づく1次光による照射位置よりも右側に向けて出力しやすい形状としている。
また、図16(A)~(C)に示すように、前方側装飾部50が後方側装飾部11を前後方向に覆う範囲が図16(A)~(C)に示す場合より大きい場合には、前方側装飾部50の右側への突出量に応じて、後方窓の傾斜が小さくなる構成としている。このため、図16(B)及び図16(C)に示すように、前方側装飾部50の背面と後方窓61の前面61Fとで繰り返しの反射により、前方側装飾部50の左端側に光(経路DL1)を進行させ易くできたり、また、右端側に光(経路DL2,経路DR)を進行させ易くできたりする。したがって、前方側装飾部50の左右方向の長さが大きくなったとしても、その全体に、各LED素子32L,32Rからの光を照射することが可能になる。
また、後方窓61は、前方側装飾部50の前方窓51を形成する前方部材41とは別の後方部材42で形成される。このため、前方側装飾部50の装飾板52を前方窓51の背面に固定した後に、前方窓51を構成する前方部材41と後方窓61を形成する後方部材42とを組み付けることで、装飾板52を後方窓61と前方窓51との間に簡単に配置することができる。なお、後方窓61は、前方側装飾部50を形成する部材と同一の部材に形成される構成としてもよい。
上記で説明したように、パチンコ機100において、所定の方向側に向けて光を出力するLED素子32LやLED素子32Rからの光を遊技者が位置する前方側へ通過可能な前方側装飾部50と、前方側装飾部50の背面にて、遊技者が位置する前方側とは逆の後方側へLED素子32LやLED素子32Rから発光された光を出力する前方側装飾部50の裏面50Bと、その裏面50Bから出力された光の一部が照射される部位に前方側装飾部50とは別に設けられる後方側装飾部11とを備える構成としている。これにより、LED素子32LやLED素子32Rから出力された光によって前方側装飾部50を発光させると共に、同一のLED素子32L,32Rに基づく光であって前方側装飾部50の裏面50Bから出力された光によって後方側装飾部11を発光させることができ、装飾部ごとに専用の光源を設ける場合に比べて部品数を減らし製造コストを抑えることができる。
また、パチンコ機100において、後方側装飾部11は、光源30の発光基板31より後方側に設ける構成としている。これにより、LED素子32L,32Rからの光が直接には照射されない場所に配置された後方側装飾部11に対して、前方側装飾部50をその裏面50B側に照射される光によって発光させるのとは異なり、表面側から照射される光によって発光させることで、同一のLED素子32L,32Rに基づく光によって発光させたとしても、前方側装飾部50と後方側装飾部11とで発光の仕方を異ならせることができる。
また、前方側装飾部50の背面によって後方側へ出力された光を後方側装飾部11とは別の方向側へ反射可能な構成としている。これにより、前方側装飾部50の背面で反射した後の光を、例えば、前方側装飾部50の背面での反射を介さずに前方側装飾部50や後方側装飾部11に照射される光とは異なる照射位置や照射角度で照射するなど、各LED素子32L,32Rから所定の方向側に向けて出力した光を多様な形態で前方側装飾部50や後方側装飾部11に照射することで、前方側装飾部50と後方側装飾部11との発光の見栄えを向上させることが可能になる。
したがって、前方側装飾部50や後方側装飾部11による演出において、限られた数のLED素子32L,32Rを用いたとしても、遊技者に対して、あたかも、実際に用いたLED素子32L,32Rの個数(14個)よりも多数のLED素子からの光が前方側装飾部50や後方側装飾部11に照射されているかのように見せることができ、前方側装飾部50や後方側装飾部11による好適な演出を実行することができる。
以下において、前方側装飾部50及び後方側装飾部11への光の照射に関する更なる特徴的な構成について、図17を参照して説明する。図17は、図7のXU-XU線を含む切断面による複数の装飾部の近傍を示す斜視図及び断面図である。
図17(A)~(C)に示すように、光進入窓62は、その前面62F(前方側装飾部50が位置する側の面)が、後方窓61の前面61Fから出力された3次光が照射される部位であって前方側装飾部50と光源30のLED素子32L,32Rとの間に設けられ、3次光の少なくとも一部を前方側装飾部50が設けられる側に反射可能な構成とする。また、前方部材41と後方部材42とを組み付けることにより、前方側装飾部50の裏面50Bと後方窓61の前面61Fと光進入窓62の前面62Fとで周辺部分が囲まれる空間であって、光源30から所定の方向に出力された光を、それらの3面で繰り返し反射させることが可能な空間(以下において、発光空間40とも称す)を形成する構成とする。例えば、図17(B)や図17(C)に示すように、発光空間40は、その内側において、光源30から出力された1次光が、前方側装飾部50の裏面と後方窓61の前面61Fとで反射した後、光進入窓62の裏面62B(光源30が位置する側の面)で更に反射して、前方側装飾部50に再度照射される進行経路UL1,UR1を辿ることを可能にする構成とする。これにより、後方窓61の裏面50Bで前方側装飾部50に向かうように反射されなかった光であっても、光進入窓62の前面62Fでの反射によって前方側装飾部50に再度向かわせることも可能になり、光進入窓62を設けない又は光進入窓62の前面62Fが反射性を有さない構成とする場合に比べて、光進入窓62を通して発光空間40に進入した光を前方側装飾部50や後方側装飾部11に効率よく照射することが可能になる。
具体的には、発光空間40は、後方窓61の左端と光進入窓62の右端が連続し、また、光進入窓62の左端と前方側装飾部50の左端とが左接続部63を介して連続し、また、前方側装飾部50の右端と後方窓61の右端とが右接続部64を介して連続し、断面視で周辺部分の全体が囲まれる閉鎖した空間に形成する。前方側装飾部50と後方窓61との間を接続する左接続部63や前方側装飾部50と光進入窓62との間を接続する右接続部64を設けることで、それらの接続部を設けない場合に比べて、前方側装飾部50と後方窓61や光進入窓62との間から発光空間40の外部に放出され前方側装飾部50や後方側装飾部11の発光に寄与しない光を抑制できる。なお、前方側装飾部50と後方窓61とは、それらが右接続部64を介して連続する構成に限らず、それらが右接続部64を介さずに連続する構成としてもよい。同様に、前方側装飾部50と光進入窓62とは、それらが左接続部63を介して連続する構成に限らず、それらが左接続部63を介さずに連続する構成としてもよい。
発光空間40は、前方側装飾部50や後方側装飾部を効率よく発光させる観点からは断面視で閉鎖された空間に形成される構成であることが好ましいが、これに限らず、右接続部64を設けずに前方側装飾部50と後方窓61との間に隙間を形成したり、左接続部63を設けずに前方側装飾部50と光進入窓62との間に隙間を形成したりするなど、断面視で完全には閉鎖されていない空間を形成する構成であってもよい。また、光進入窓62を通して発光空間40の外部に放出される光は、前方側装飾部50や後方側装飾部11の発光には寄与しないために、光進入窓62は、その前面62F又は裏面62Bに光源30からの光が通過する範囲を除き反射シートを設けるなどして光進入窓62における発光空間40側への反射率を高める構成としてもよい。
また、発光空間40は、その内側において、光源30から出力された1次光が、前方側装飾部50の裏面50Bと後方窓61の前面61Fとで反射した後、左接続部63の右面63Lで更に反射して、前方側装飾部50に再度照射される進行経路UL2,UR2を辿ることを可能にする構成とする。これにより、光進入窓62の前面62Fを反射可能に構成した場合と同様の理由により、光進入窓62を通して発光空間40に進入した光を前方側装飾部50や後方側装飾部11に効率よく照射することが可能になる。また、右接続部64についても、左接続部63と同様である。
なお、発光空間40は、その周辺部分を囲う窓であって前方側装飾部50とは異なる装飾部(後方側装飾部11)を発光させる光が通過する窓を、遊技者が視認可能でない向きに配置された後方窓61を備え、後方窓61を通過した光を後方側装飾部11の前面側から照射可能な構成としている。しかし、この構成に限らず、後方窓61や後方側装飾部11に代えて又は加えて、前方側装飾部50とは異なる装飾部を発光させる光が通過する窓を、遊技者が視認可能な向きに配置し、当該遊技者が視認可能な向きに配置された視認可能窓に重なるように、装飾板52と同様の他の装飾板などの装飾部品を設け、当該装飾板を背面側からの光照射により発光した状態とする構成としてもよい。この構成において、他の装飾板は、視認可能窓の表面側に当接して又は離間させて配置する構成としてもよいし、視認可能窓の裏面側に当接して又は離間させて配置する構成としてもよい。
<光を反射可能な装飾部による演出>
次に、光を反射する装飾部による演出について、図18~図22を主に参照して説明する。図18は、装飾部としての反射装飾部711を設けた遊技盤700の正面図である。また、図19は、反射装飾部711による演出に関与する主要部の相対位置を模式的に示す遊技盤700の正面図である。
パチンコ機100は、図7に示す遊技盤400を、図18に示す別の遊技盤700に入れ替えることで、別の機種として利用することができ、以下においては、この遊技盤700を備えたパチンコ機100の装飾部について説明する。遊技盤700は、演出用の各種の部材や装置に関連する構成が異なること以外は、上記した図7に示す遊技盤400と同一の構成である。このため、遊技盤700において、遊技盤400と同様の役割を果たす部材については、同一参照符号を付して説明を省略し、相違部分についてのみ説明する。
パチンコ機100の遊技盤700は、図18に示すように、光を反射する装飾が施された反射装飾部711を有する反射装飾体710(反射手段)を備える。また、遊技盤700は、反射装飾体710とは別に設けられる環状形状の環状装飾体740(図19も参照:別装飾手段)と、遊技盤700の中央側に設けられる中央装飾体750(図19も参照:別装飾手段)とを備える。具体的には、反射装飾体710は、遊技盤700の下端側において、左右方向の中央近傍から左側に位置するように、遊技盤700の基体401の裏面側に設けられる。また、環状装飾体740は、正面視で、装飾図柄表示装置479(表示手段)の表示部479aの周縁を囲むように、基体401の裏面側に設けられる。また、中央装飾体750は、表示部479aの下方側において、基体401の裏面側に設けられる。
なお、パチンコ機100において、反射装飾体710、環状装飾体740及び中央装飾体750の全てを備えた構成としているが、これら全てを備える必要はなく、一部のみを備えるようにしてもよく、また、図7に示した遊技盤400に、反射装飾体710、環状装飾体740及び中央装飾体750の少なくとも一部が設けられてもよい。
パチンコ機100は、図19に示すように、環状装飾体740の背後に重なるように環状に配置された複数の環状配置光源720(発光手段)と、中央装飾体750の背後に重なるように配置された中央光源730(発光手段)とを備える。パチンコ機100は、反射装飾部711による演出において、複数の環状配置光源720の少なくとも1つから出力される光や中央光源730から出力される光を反射装飾部711に照射することで、その演出の効果を向上させる。
ここで、反射装飾部711と、反射装飾部711による演出に関与する他の各種の部材との配置関係について、図20を参照して説明する。図20は、図18のY1-Y1線を含む切断面による反射装飾体710の近傍を示す斜視断面図である。なお、図20において、反射装飾体710による演出に関与する主要部の位置関係を明示するために、中央構造体420は輪郭(図中の一点鎖線)のみ示している。
図20に示すように、反射装飾体710は、遊技盤700の基体401の裏面側に設けられる。また、基体401は、無色透明の樹脂で形成される。このため、遊技者は、座席に着席した姿勢(以下において、通常姿勢とも称す)で遊技盤700を見る場合、基体401を透して反射装飾部711を視認することができる。また、遊技盤700の中央付近に設けられた中央構造体420を構成する部材であって、下ステージ427を形成する部材等の多くの部材は、無色透明の樹脂で形成される。このため、遊技者は、通常姿勢よりも前屈みに着席した姿勢(以下において、前傾姿勢とも称す)や、遊技するパチンコ機100を選ぶため等で立った姿勢で遊技盤700を見る場合には、中央構造体420を構成する無色透明の部材を透して反射装飾部711を視認することができる。
なお、基体401等の反射装飾部711を透かし見るための部材は、無色透明な樹脂で形成された構成としているが、この構成に限らず、有色透明な樹脂でもよく、無色又は有色の透明性(透過性)を有する素材であれば樹脂以外の素材で形成される構成としてもよい。以下において、無色又は有色の透明性を有する樹脂やその他の素材を光透過性素材とも称す。また、反射装飾部711は、他の部材を透かして間接的に視認可能な位置に設けられた構成としているが、この構成に限らず、基体401や中央構造体420の開口の近傍において基体401や中央構造体420の後方側に突出させて配置する等、それらの開口を通して直接的に視認可能な位置に設ける構成としてもよい。また、反射装飾部711は、遊技者の姿勢によらず、間接的に視認可能な構成としているが、この構成に限らず、遊技者の姿勢によっては間接的に視認可能であったり直接的に視認可能であったりする位置に設けられる構成や、遊技者の姿勢によらず直接的にのみ視認可能な位置に設けられる構成としてもよい。また、反射装飾部711は、基体401に対して固定され、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が常に照射可能な位置に設けられる構成としているが、この構成に限らず、移動可能に設けられ、反射装飾部711が所定の位置に移動した場合に、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が照射されるように設けられる構成としてもよい。また、反射装飾体710は、基体401の裏面側に設けられる構成に限らず、その前面側に設けられる構成や、遊技盤700を構成する部材とは別の部材、例えば、中間ブロック103を構成する遊技盤700以外の部材や前ブロック102を構成する部材や後ブロック104を構成する部材に設けられる構成としてもよい。
反射装飾部711は、複数の環状配置光源720(図19参照)の一部をなす下左光源720a(発光手段)や中央光源730(発光手段)から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な構成とされる。ここで、複数の環状配置光源720は、下側で左右に配置される下左光源720aと下右光源720bとを一組として、5組が下側、左上側、左下側、右上側及び右下側に位置するように円環形状に配列され、円環形状の環状装飾体740の全体を発光した状態にできる。
下左光源720aは、電子部品(図示せず)が搭載される下左基板721a(発光基板)と、下左基板721aの一面側に、前方側(所定の方向側)に向けて光を出力する向きに配置された複数のLED素子722a(発光手段)を備える構成とされる。また、中央光源730は、環状配置光源720と同様に、中央装飾部751と概ね同一の外形である中央基板731(発光基板)に複数のLED素子732(発光手段)を設けた構成とされる。なお、反射装飾体710は、下左基板721aに設けられた複数のLED素子722aの各々から出力される光で照射可能な位置に配置されても、それらの一部のみから出力される光で照射可能な位置に配置されてもよい。また、反射装飾部711は、主に、複数の環状配置光源720のうちの1つの下左光源720aから出力される光で照射可能な位置に配置された構成としているが、この構成に限らず、反射装飾部711の長さを長くし、2以上の環状配置光源720から出力される光で照射可能としたり、反射装飾体710を正面視で円環形状とし、全ての環状配置光源720から出力される光で照射可能としたりする位置に配置される構成としてもよい。また、反射装飾部711は、環状装飾体740及び中央装飾体750の各装飾体に対応して設けられた光源(下左光源720a及び中央光源730)の双方からの光を照射可能な位置に配置された構成としているが、この構成に限らず、環状装飾体740及び中央装飾体750の一方の装飾体に対応して設けられた光源からの光で照射可能な位置に配置される構成としてもよい。また、反射装飾部711は、下左光源720a及び中央光源730に加えて又は代えて他の装飾体への光の照射に兼用されない専用の光源からの光を照射可能な構成としてもよい。
反射装飾部711は、所定の装飾が施され、遊技者側から視認可能な構成とされる。具体的には、反射装飾部711は、透過性を有する板状に形成され、下左光源720aのLED素子722aや中央光源730のLED素子732から出力された光が通過する通過部712を備える。また、反射装飾部711は、通過部712に対して下側(光が通過した後に出力される側)に重なるように設けられ、通過部712を通過した光を反射可能な反射部713を備える。反射部713は、通過部712より下方側に配置され、一旦通過部712を通過した光を反射して上前方に出力する。また、通過部712の上面(反射部713とは反対側となる面)には、凹凸(起伏した形状)による装飾が施され、この上面が装飾面712Sとなる。なお、反射装飾部711は、通過部712における反射部713と反対側の面に装飾が施された構成に限らず、その面に加えて又は代えて、通過部712における反射部713側の面に装飾を施す構成としてもよい。また、反射装飾部711は、通過部712の表面に形成された凹凸により装飾が施された構成に限らず、通過部712の表面に装飾用のシールや板等の装飾部材を、通過部712に当接して又は離間させて配置することで、装飾を施す構成としてもよい。また、反射装飾部711は、通過部712と反射部713とを備え、通過部712に装飾が施された構成としているが、この構成に限らず、通過部712を設けず、反射部713の上面に凹凸を形成したり、その上面に装飾部材を設けたりすることで、装飾を施す構成としてもよい。また、反射装飾部711は、単一の部材で形成された通過部712を備えた構成としているが、この構成に限らず、色の異なる透過性の材料で形成された部材を組み合わせて、上面に平坦な又は起伏する装飾面を有する通過部を備える構成としてもよい。また、反射装飾部711は、通過部712に実際に装飾を施した構成としているが、この構成に限らず、通過部712に実際には装飾を施さずに表面を単に平坦な面とし、その平坦な面に、例えば、回動装飾部742などの他の装飾部による装飾を映し込むことで、通過部712や反射部713に擬似的に装飾を施す構成としてもよい。
反射装飾部711は、下左基板721aや中央基板731とは前後方向において重ならない位置に配置される。具体的には、反射装飾体710は、遊技盤700の上下方向及び左右方向の中央に設けられた装飾図柄表示装置479の表示部479aよりも下方側であって、図20に示すように、下左基板721aや中央基板731よりも前方側かつ下方側(以下において、下前方側とも称す)に配置される。このため、反射装飾部711における反射によって、標準姿勢で座視する遊技者の目の位置(概ね、表示部479aの中心から前後方向に所定の間隔で離間した位置)から遠ざかるように下前方側に進行する光を、その位置に近づくように前方側かつ上方側(以下において、上前方側とも称す)に進行させることができる。なお、反射装飾体710を表示部479aよりも下方側に設け、反射装飾体710によって光を上方側に反射させる構成としているが、この構成に限らず、表示部479aよりも上方側に設けて光を下方側に反射させる構成としてもよく、また、表示部479aよりも右方側に設けて光を左方側に反射させる構成としたり、表示部479aよりも左方側に設けて光を右方側に反射させたりする構成としてもよい。
装飾面712Sは、遊技者側から見て傾斜する向きに配置された構成とされる。具体的には、板状の通過部712が、表示部479aより下方側に離れた位置で、遊技盤700の基体401に略垂直な方向に突出させて設けられている。このため、通過部712の上面である装飾面712Sは、標準姿勢で座視する遊技者から見て所定の角度(例えば、40°)で傾斜する向きに配置され、遊技者によって視認される装飾面712Sの大きさを所定の範囲に確保しつつ、装飾面712Sを明るく遊技者に視認させることができる。なお、装飾面712Sは、その垂線の方向が標準姿勢で座視する遊技者の視線(斜め下側を向く視線)に対して垂直ではなく、所定の角度で傾斜する向きに配置される構成であればよく、その視線に対して10°~80°の角度範囲内の角度で傾斜する向きに配置される構成であることが好ましく、25°~60°の角度範囲で配置される構成であることが更に好ましい。また、装飾面712Sは、基体401に対して垂直に突出するように配置された構成に限らず、基体401に対して傾斜する向きに突出するように配置する構成としてもよい。この構成において、通過部712の基体401に対する傾斜は、厚さの略均一な通過部712の設置角度を調整することによって変化させてもよいし、通過部712の厚さを均一とせず、基体401の裏面からの距離に応じた厚みを調整することによって変化させてもよい。また、装飾面712Sは、基体401に対して一定の角度で傾斜する向きに配置する構成としているが、この限らず、装飾面712Sの部位によってその角度が変化する構成としてもよい。装飾面712Sの傾斜は、遊技盤700において配置される位置や下左光源720aや中央光源730との相対位置を勘案して、遊技者が装飾面712Sを所定の大きさで、かつ、所定の明るさで視認できる角度に設定することが好ましい。例えば、装飾面712Sを図18に示す位置よりも下側に設ける場合には、装飾面712Sを基体401の裏面から離れるにつれて下側に傾斜するように突出させ、反射装飾部711で反射した光を遊技者の目の位置に向けて進行させることが好ましい。
ここで、環状配置光源720(下左光源720a)から出力された光に基づく反射装飾部711からの光の出力について、図21を参照して説明する。図21は、環状配置光源720(下左光源720a)からの光を反射装飾部711へ照射する形態を説明するために、図18のY1-Y1線を含む切断面による反射装飾体710の近傍を示す断面図である。
図21に示すように、下左光源720aから出力された光(例えば、実線及び一点鎖線で示す経路の光)は、反射装飾体710とは別に設けられた環状装飾体740を通過して反射装飾部711に照射される。この照射によって、反射装飾部711は、遊技者側に光を出力する。なお、以下において、反射装飾部711への光の照射形態の説明に先立ち、環状装飾体740の構成について説明する。
環状装飾体740は、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が照射される装飾部として、装飾図柄表示装置479の表示部479aの中心側に向けて移動可能な下左可動装飾部741aを備える。下左可動装飾部741aは、複数の環状配置基板721に1つずつ対応して設けられた複数の可動装飾部741の1つであり、下左基板721aに対応して設けられる。また、環状装飾体740は、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が照射される装飾部として、全ての可動装飾部741を前方側で覆い、遊技盤700の前後方向を回転軸として回動可能な円環形状の回動装飾部742を備える。下左基板721aは、下左可動装飾部741aと一体化され、下左可動装飾部741aと回動装飾部742とを基体401に支持する環状装飾支持部749を介して、基体401に支持される。また、下左可動装飾部741aや回動装飾部742は、下左基板721aのLED素子722aから出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能である。このため、反射装飾部711には、下左可動装飾部741aと回動装飾部742とを通過させた光を照射できる。この照射によって、遊技者は、装飾面712Sの装飾を視認できるようになる。
なお、下左可動装飾部741aや回動装飾部742は、全体が光を通過させる構成である必要はなく、一部分のみが光を通過させる構成であってもよい。また、反射装飾部711は、下左可動装飾部741aと回動装飾部742との2つの装飾部を通過した光が照射される位置に設けた構成としているが、この構成に限らず、いずれか一方の装飾部を通過した光が照射される位置に設ける構成としてもよい。また、反射装飾部711は、下左可動装飾部741aと回動装飾部742との2つの装飾部を通過した光が照射される位置に設けた構成としているが、遊技盤700に反射装飾部711とは別に3つ以上の装飾部を設け、それらの装飾部を通過する光が照射される位置に設ける構成としてもよい。また、反射装飾部711は、下左可動装飾部741aや回動装飾部742を形成する部材を通過した光が照射される構成としているが、この構成に限らず、下左可動装飾部741aや回動装飾部742に開口を設け、その開口を通して光を進行させるなど、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が直接に照射される構成としてもよい。また、反射装飾部711には、下左可動装飾部741aや回動装飾部742を通過した光が照射される構成としているが、この構成に限らず、遊技盤700に光ファイバや導光板等の所定の方向に光を誘導する導光部材を設け、その導光部材により誘導された光を反射装飾部711に照射する構成としてもよい。
反射装飾部711に形成される装飾は、無色透明な樹脂で形成される。このため、その装飾は、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が照射されない場合には視認困難又は視認不能であり、その光が照射された場合に視認できるようになる。したがって、反射装飾部711を、光で照射されていない状態から照射された状態に変化させることで、反射装飾部711における装飾が出現するように遊技者に見せることができる。なお、反射装飾部711における装飾は、環状配置光源720や中央光源730から出力される光が照射されない場合に視認困難又は視認不能な構成としているが、この構成に限らず、その光が照射されない場合でも視認可能な構成としてもよい。
下左可動装飾部741a及び回動装飾部742の裏面(下左光源720aの配置側)は、連続的に凹凸が形成された形状とされる。このため、下左可動装飾部741aや回動装飾部742を通過した光を多様な方向に進行させる(散乱させる)ことができ、下左可動装飾部741aや回動装飾部742の全体に、下左基板721aに点在させたLED素子722aから出力される光を照射できる。更に、下左可動装飾部741a及び回動装飾部742を通過した光を多様な角度で反射装飾部711に照射することも可能になる。このように、反射装飾部711に多様な角度で光を照射できることで、反射装飾部711で反射した光も遊技者側に向けて多様な角度で進行させることができる。したがって、その反射した光を遊技者が視認できる角度範囲を大きくすることができ、遊技者の座高の違いにより目の位置が異なる場合であっても、また、遊技者が標準姿勢から前傾姿勢や後傾姿勢に変化させることで目の位置が変化したとしても、遊技者に反射装飾部711の装飾を視認させ易くできる。
ここで、下左基板721aのLED素子722aから出力された光の反射装飾部711における反射について説明する。反射装飾部711の通過部712は、無色透明の樹脂で形成され、また、反射部713は、通過部712の下面に貼着されたアルミニウム製の箔や膜や板などの表面に光沢のある金属部材で形成されている。このため、反射装飾部711に照射された光は、通過部712の上面である装飾面712Sと、反射部713の上面(装飾面712Sと反射部713の界面)とで反射する。装飾面712Sの上面で反射した光と、反射部713の上面で反射した光とは、装飾面712Sの異なる部位に照射されるために、装飾面712Sにおいて明るく視認できる範囲を拡大することが可能になる。更に、それらの光は遊技者によって同時に視認されるために、装飾面712Sの装飾をずれた位置で重なるように視認させることができる。遊技者が視認する装飾のずれは、通過部712の厚みで調整でき、そのずれによって、装飾面712Sの装飾を立体的に視認させることも可能になる。
なお、通過部712は、無色透明の樹脂で形成された構成としているが、この構成に限らず、有色透明の樹脂で形成される構成や、光を通過可能な樹脂以外の無色又は有色の材料で形成される構成としてもよい。また、反射部713は、通過部712に金属部材を貼着することで設けられた構成としているが、この構成に限らず、通過部712に金属材料等を蒸着することで膜状に設けられる構成としてもよい。反射部713は、通過部712に当接して設けられた構成としているが、この構成に限らず、通過部712から離間させて設ける構成としてもよい。この構成の場合、遊技者が視認する装飾のずれは、通過部712と反射部713との間隔で調整することもできる。
装飾面712Sは、反射部713とは反対側となる面側に起伏した形状部分を含む構成とされる。具体的には、装飾面712Sを形成する板状の通過部712を、略均一な厚さの平坦領域712aと、平坦領域712aの上面より所定の僅かな突出量(例えば、1mm以下)で突出させて、所定の図形を象る突出装飾領域712bとで形成することで、通過部712の上面である装飾面712Sは、起伏した形状部分を含む形状とされる。この装飾面712Sを下左基板721aのLED素子722aから出力される光を照射した場合、装飾が実際の突出量よりも高く突出しているように、遊技者に視認させることが可能になる。このため、装飾面712Sの装飾を目立たせることができ、反射装飾部711による演出の効果を高めることができる。
なお、突出装飾領域712bの上面は、平坦領域712aの上面に対して一定の高さである構成としているが、この構成に限らず、部位によって高さが異なる構成としてもよい。また、通過部712は、装飾としての所定の図形を平坦領域712aより反射部713の反対側に突出させる構成に限らず、平坦領域712aに対して反射部713側に陥没させる構成としてもよい。この場合、装飾が実際の陥没量よりも深く陥没しているように、遊技者に視認させることも可能になる。また、平坦領域712aは、同一の厚さとする構成としているが、この構成に限らず、基体401から遠ざかるにつれて厚さが厚くなる又は薄くなる構成であってもよい。この構成であれば、平坦領域712aの厚さの変化によって、遊技者側から見た装飾面712Sの傾斜を所定の角度に設定することもできる。
下左可動装飾部741aや回動装飾部742には、下左基板721aのLED素子722aの発色とは異なる複数の色を用いた装飾が形成されている。このため、下左基板721aのLED素子722aの発色とは異なる色の光を反射装飾部711に照射することができ、また、反射装飾部711を部位によって異なる色で発色させることもできる。更に、回動装飾部742を回動させることで、反射装飾部711の同じ部位を異なる色で発色させることもできる。
ここで、中央光源730から出力された光に基づく反射装飾部711からの光の出力について、図22を参照して説明する。図22は、中央光源730からの光を反射装飾体710へ照射する形態を説明するために、図18のY1-Y1線を含む切断面による反射装飾体710の近傍を示す断面図である。
図22に示すように、中央光源730から出力された光は、反射装飾体710とは別に設けられた中央装飾体750で反射して反射装飾部711に照射される。なお、以下において、反射装飾部711への光の照射形態の説明に先立ち、中央装飾体750の構成について説明する。
中央装飾体750は、中央基板731のLED素子732から出力された光が照射される飾部として、装飾が施された装飾部材753と、装飾部材753と中央基板731との間に配置され、中央基板731のLED素子732から出力された光を多様な方向に散乱させる散乱部材754とで構成された中央装飾部751を備える。中央基板731は、中央装飾部751と一体化され、中央装飾部751を支持する中央装飾支持部759を介して、基体401に支持される。また、装飾部材753は有色透明の樹脂で形成され、また、散乱部材754は無色透明の樹脂で形成されている。このため、装飾部材753や散乱部材754は、中央基板731のLED素子732から出力された光の一部を遊技者が位置する前方側へ通過可能であり、またその一部を反射可能である。
なお、装飾部材753や散乱部材754は、樹脂で形成された構成としているが、この構成に限らず、光を通過可能な樹脂以外の無色又は有色の材料で形成される構成としてもよい。また、中央装飾部751は、装飾部材753とは別に散乱部材754を備え、散乱部材754の裏面(中央基板731側の面)に形成された凹凸で光を散乱させる構成としているが、この構成に限らず、散乱部材754を設けず、装飾部材753の裏面側に凹凸を形成することで光を散乱させる構成としてもよい。
中央装飾体750は、中央装飾部751の周縁を囲う枠部752を備える。枠部752は、中央装飾部751と共に中央装飾支持部759を介して基体401に支持されている。また、枠部752は、散乱部材754において反射装飾部711の位置する下端部分754Bの前方側の一部のみを覆う。また、枠部752は、蒸着により形成された反射膜(図示せず)で表面が覆われた透明樹脂で形成されている。このため、中央基板731のLED素子732から出力された光であって散乱部材754の裏面で反射した光(例えば、図22に実線又は一点鎖線で示す経路で進行する光)を、枠部752の下端部分752Bで覆われない下端部分754Bを通過させて反射装飾部711側に出力することができる。
なお、中央装飾部751は、中央基板731のLED素子732から出力された光を反射させ、その反射した光を、枠部752の下端部分752Bで覆われない散乱部材754の下端部分754Bを通過させて反射装飾部711側に出力する構成としているが、この構成に限らず、中央基板731のLED素子732から出力された光を、散乱部材754で反射させずに、下端部分752Bで覆われない下端部分754Bを通過させ反射装飾部711側に出力する構成としてもよい。例えば、中央基板731に設けられる少なくとも1つのLED素子732を垂直な方向に対して下側(反射装飾部711側)に傾斜する方向に向けて出力する向きに配置し、LED素子732から出力された光を図22に二点鎖線で示す経路で進行させる構成としてもよい。また、中央装飾部751は、LED素子732から出力された光を下端部分754Bにおいて通過させ、反射装飾部711側に出力する構成としているが、この構成に限らず、下端部分754Bに開口や切り欠きを設け、開口や切り欠きを通して反射装飾部711側に出力する構成としてもよい。また、中央装飾部751は、枠部752の下端部分753Bの表面に反射膜を設け、下端部分754Bを通過して反射装飾部711側に出力される光を下端部分752Bで制限する構成としているが、この構成に限らず、枠部752の下端部分753Bの表面に反射膜を設けず、下端部分752Bと下端部分754Bとが重なる部分からも、光を反射装飾部711側に出力する構成としてもよい。
中央装飾体750は、基体401に対して中央装飾部751を支持する中央装飾支持部759を備える。中央装飾支持部759は、散乱部材754の下端部分754Bや反射装飾部711の装飾面712Sの後方側であって、下端部分754Bと装飾面712Sとの間の高さ位置に形成された壁759Bを含む。壁759Bは、中央装飾支持部759と一体成形され、無色透明の樹脂で形成されている。このため、壁759Bは、散乱部材754で反射して後方側に向けて下端部分754Bを通過した光の一部を前方側に反射し、反射装飾部711に出力することができる。なお、壁759Bは、照射された光の一部を照射された部位に依らずに通過させる構成としているが、この構成に限らず、壁759Bの表面の一部に、下左基板721aのLED素子722aから出力された光の通過を大幅に制限しない範囲で、光を反射可能な反射部材を設け、光が通過可能な範囲を制限する構成としてもよい。この構成の場合、中央基板731のLED素子732から出力された光の反射率を高めることができ、装飾面712Sを更に効率よく遊技者側に光を出力させることができる。
中央基板731のLED素子732から出力された光の反射装飾部711における反射については、下左基板721aのLED素子722aから出力された光の反射の場合と同様の効果を奏し、装飾面712Sの装飾をずれた位置で重なるように視認させることができる。
枠部752の下端部分752Bが散乱部材754の下端部分754Bを覆う被覆範囲は、中央基板731のLED素子732から出力された光が、下左基板721aのLED素子722aから出力された光が照射される角度範囲(以下において照射角度範囲とも称す)と重複しない角度範囲で照射されるように設定される。このため、装飾面712Sを明るく視認できる角度範囲を拡大することができる。例えば、遊技者が前傾姿勢で、又は、遊技するパチンコ機を選ぶ場合のように立った姿勢で装飾面712Sを見た場合であっても、遊技者に装飾面712Sの装飾を明るく視認させることもできる。また、照射角度範囲が重複しないように設定することで、照射角度範囲が重複する場合のように装飾面712Sの装飾が4つのずれた位置に重なって視認され、立体的に見え難くなってしまうことを防止できる。したがって、LED素子722aやLED素子732から出力された光によって遊技者が装飾面712Sを明るく視認できる場合には、装飾面712Sの装飾を遊技者に立体的に視認させることが可能になる。
中央装飾部751が、可動装飾部741や回動装飾部742とは異なる色で発色するように着色される。このため、遊技者が、例えば標準姿勢から前傾姿勢に姿勢を変化させた場合、下左基板721aのLED素子722aや中央基板731のLED素子732の発光色を変化させていないにも関わらず、装飾面712Sの発光色を変化させることもできる。なお、枠部752の下端部分752Bによる散乱部材754の下端部分754Bの被覆範囲は、照射角度範囲が重複しない設定とする構成に限らず、照射角度範囲の少なくとも一部が重複するように設定する構成としてもよい。
中央装飾体750は、中央基板731に設けられた各LED素子732から出力された光の一部を枠部752の下端部分752Bで覆われない散乱部材754の下端部分754Bに向けて反射させる構成であってもよいし、中央基板731に設けられた一部のLED素子732のみからの光の一部を下端部分752Bで覆われない下端部分754Bに向けて反射させる構成であってもよい。
散乱部材754は、その裏面が下方側に向かうにつれて前方側へ突出するように傾斜させて配置される。このため、中央基板731のLED素子732からの光を、枠部752の下端部分752Bで覆われない散乱部材754の下端部分754Bに向けて反射させ易くすることができる。
上記のパチンコ機100において、下左基板721aに設けられたLED素子722aから所定の方向側に向けて出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部711を有する反射装飾体710を備える。更に、反射装飾部711に形成される装飾面712Sは、下左基板721aとは前後方向において重ならない位置において遊技者側から見て傾斜する向きに配置する。
これにより、反射装飾部711で反射させた光を遊技者の目の位置などの所定の位置に向けて進行させ、遊技者が視認する装飾面712Sの大きさが過度に小さくなることを抑制しつつ、遊技者が装飾面712Sを明るく視認できるようにすることが可能になる。また、中央基板731に設けられたLED素子732から出力される光によっても同様の効果を奏する。
また、装飾面712Sに、下左基板721aのLED素子722aと中央基板731のLED素子732との双方からの光を照射することで、発光した装飾面712Sを遊技者が視認できる角度範囲を、それらの一方のみの光を照射する場合に比べて拡大することも可能になる。
また、上記のパチンコ機100において、下左基板721aに設けられたLED素子722aから所定の方向側に向けて出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部711を有する反射装飾体710を備える。また、反射装飾体710は、LED素子722aから出力された光が通過する板状の通過部712と、通過部712に対してそれを通過した光が出力される側に重なる反射部713とで形成されている。更に、装飾面712Sは、通過部712において反射部713とは反対側となる面側に形成されている。
これにより、通過部712を通過せずに通過部712の表面で反射した光により視認される装飾面712Sの装飾と、通過部712を通過して反射部713で反射した後に更に通過部712を通過した光により視認される装飾面712Sの装飾とがずれた位置で重ね合わさった状態に視認させることができる。このため、装飾面712Sを突出装飾領域712bの突出量が小さく平面的に形成したとしても、突出装飾を立体的に視認させることが可能になる。
以下に、反射装飾体710による装飾に関する他の特徴的な構成について説明する。
図18に示すように、装飾面712Sは、装飾図柄表示装置479(表示手段)において装飾図柄(識別情報)が表示される表示部479aが設けられる側が内側となるように湾曲した形状に構成される。遊技者の視界の外縁は概ね横長の楕円となるために、遊技進行に応じた主たる演出が実行される表示部479aを見ている場合に、装飾面712Sの全体を視界の範囲内に納め易くできる。また、下左基板721aのLED素子722aや中央基板731のLED素子732から出力された光が、反射装飾部711のいずれの部位に照射されたとしても、反射装飾部711で反射した光を、遊技者の目の位置に近づく方向に進行させ易くなる。また、遊技者の視線と装飾面712Sの各部位とのなす角を一定にし易くなり、装飾面712Sが歪んで見えることを抑制可能になる。
図19に示すように、反射装飾部711の装飾面712Sは、正面視で、概ね、環状装飾体740の回動装飾部742の外輪郭に沿う湾曲形状とされている。また、装飾面712Sには、装飾として、複数の所定の図形を象る突出装飾領域712b(図20参照)が、回動装飾部742の外輪郭に沿って形成されている。また、回動装飾部742には、装飾として、所定の模様(図18参照)が全体に亘って形成されている。下左基板721aのLED素子722aからの光が出力された場合、回動装飾部742が発光した状態となり、回動装飾部742を通過した光が反射装飾部711に照射される。このとき、遊技者は、装飾面712Sに形成された装飾を視認できると共に、装飾面712Sに映り込んだ回動装飾部742の装飾を視認できる。このため、装飾面712Sに複雑な装飾を施しているかのように、遊技者に見せることが可能になる。
なお、反射装飾部711の装飾と回動装飾部742との装飾を全体的に重ね合わせて遊技者に見せる構成としているが、この構成に限らず、例えば、回動装飾部742に、装飾面712Sに形成された1つの図形を強調可能な所定の模様を局所的に施し、回動装飾部742の回動に伴い強調される図形が変化するように遊技者に見せる構成としてもよい。また、例えば、反射装飾部711には、草原を模した装飾を施し、回動装飾部742には、動物を模した装飾を施して、回動装飾部742の回動に伴い動物が草原を駆け抜けるように見せる構成としてもよい。
反射装飾部711の少なくとも一部は、図18に示すように、下側中始動入賞装置431Bの近傍であって、下側中始動入賞装置431Bへ左側から進入する可能性のある遊技球が通過する通過領域の近傍に配置される。具体的には、反射装飾部711の少なくとも一部が、正面視で、下側中始動入賞装置431Bの近傍の左側の通過領域の僅かに下側に位置するように配置される。下側中始動入賞装置431Bの近傍での遊技球の挙動は遊技者が注目する箇所の1つである。このため、下側中始動入賞装置431Bの近傍での遊技球の挙動に遊技者が注目している場合に、その注目箇所を反射装飾部711による演出で彩ることができる。また、遊技球の挙動が装飾面712Sによる装飾の中で行われているかの如く見せることもできる。
なお、反射装飾部711は、その少なくも一部が中央構造体420の下端部分に形成された下ステージ427の近傍に位置するように配置される構成としてもよい。ここで、下ステージ427は、上ステージ426から落下してきた遊技球を左右に繰り返し転動させて、下側中始動入賞装置431Bの上方側の近傍から遊技球を落下させる。下ステージ427での遊技球の挙動は遊技者が注目する箇所の1つであり、その注目箇所を反射装飾部711による演出で彩ることができる。また、反射装飾部711は、その少なくも一部が遊技者によって注目される箇所の1つである上ステージ426の近傍に位置するように配置される構成としてもよい。
遊技盤700には、図18及び図19に示すように、反射装飾部711と同様の構造であるが、正面視での形状が異なる他の反射装飾部711を有する他の反射装飾体710を備える。他の反射装飾部711による演出は、環状配置光源720の1つである下右光源720bからの光が照射されること以外は、反射装飾部711による演出の場合と同様に実行され、同様の効果を奏する。また、他の反射装飾体710の少なくとも一部は、図18に示すように、下側中始動入賞装置431Bの近傍であって、下側中始動入賞装置431Bへ右側から進入する可能性のある遊技球が通過する通過領域の近傍に配置される。このため、反射装飾部711と他の反射装飾部711とによる演出によって、下側中始動入賞装置431Bの近傍の左右全体を彩ることができる。
なお、パチンコ機100において、環状配置光源720や中央光源730からの光を装飾面712Sに照射することで、装飾面712Sを明るく視認させる構成としているが、装飾面712Sに施された装飾を直接的に視認した場合と、その装飾が反射部713で反射したものを間接的に視認した場合とで、装飾がずれた位置で重なった状態に遊技者から視認可能である限りにおいて、環状配置光源720や中央光源730からの光が照射されない構成としてもよい。更に、環状配置光源720や中央光源730等のパチンコ機100に設けられた各種の光源からの光が照射されず、室内照明等からの光のみが照射される構成であってもよい。
<特典領域409Vへの遊技球の進入制御>
次に、特典領域409V(特定通路)への遊技球の進入を好適に制御可能な構成について、図7と共に、図23及び図24を参照して説明する。
特典領域409Vへの遊技球の進入は、特典領域409Vの入口に設けられた振分機構437(図7参照)と、振分機構437よりも遊技球の流下方向の上流側に設けられた上進入規制機構454(図7参照)との動作制御に基づいて制御される。具体的には、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選による大当りの当選の一部(第1の種類の大当り)に基づき移行する特別遊技状態において、右打ち遊技手法によって遊技を継続する限り、遊技球が特典領域409Vに進入するように、振分機構437と上進入規制機構454との動作制御が実行される。一方、第1の種類の大当りとは別の種類の大当りの当選(第2の種類の大当り)に基づき移行する特別遊技状態においては、遊技球が特典領域409Vに進入しないように、振分機構437と上進入規制機構454(切替機構)との動作制御が実行される。以下において、第1の種類の大当りに基づいて実行され、特典領域409Vへの遊技球の進入により確変遊技状態へ移行することが予定された特別遊技状態を、確変予定の特別遊技状態とも称し、第2の種類の大当りの当選に基づいて実行され、特典領域409Vへの遊技球の進入がないことにより時短遊技状態へ移行することが予定された特別遊技状態を、時短予定の特別遊技状態とも称す。
パチンコ機100は、確変予定の特別遊技状態において、所定のラウンドが開始された場合には、振分機構437(振分機構)が進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454(切替機構)が進行可能状態となって、所定のラウンドにおいて特典領域409Vへ遊技球が進入可能に構成されている。ここで、振分機構437の進入可能状態とは、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態である。また、上進入規制機構454の進行可能状態とは、振分機構437側に遊技球が進行可能な状態であり、具体的には、上進入規制機構454から振分機構437に向けて遊技球を案内する案内通路494に遊技球を進入させることが可能な状態である。所定のラウンドが開始された場合に、振分機構437を進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454を進行可能状態とすることで、所定のラウンドの開始から所定の時間経過してから、案内通路494へ遊技球を進入させることができるようになる。
上進入規制機構454と振分機構437とは、複数回のラウンドを組み合わせて構成される確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態で動作する。上進入規制機構454は、それらの特別遊技状態の全てのラウンドにおいて動作するが、振分機構437は、少なくとも一部のラウンドにおいて動作する。具体的には、振分機構437は、確変予定の特別遊技状態においても、時短予定の特別遊技状態においても、複数回のラウンド(例えば、15ラウンド)のうち第1回目に実行されるラウンド(以下においては、第1ラウンドとも称す)において動作する。以下において、上進入規制機構454と共に振分機構437が動作するラウンドであって、特別遊技状態の後に移行する遊技状態が決定されるラウンドを、移行先決定ラウンドとも称す。
上進入規制機構454は、進入規制シャッタ454A(図24参照)の姿勢を変化させる上進入規制モータ464(図10参照)として、ステッピングモータを備えている。上進入規制モータ464は、上進入規制機構454に動力を与える回転軸の順方向への回転により、上進入規制機構454(進入規制シャッタ454A)を進入禁止姿勢(図24(A)に一点鎖線で示す姿勢を参照)から進入許容姿勢(図24(C)に示す姿勢を参照)に姿勢変化させることができ、また、順方向とは反対の逆方向への回転により、進入許容姿勢から進入禁止姿勢に姿勢変化させることができる。また、上進入規制モータ464は、回転軸の所定の速度での回転により、上進入規制機構454を所定の通常形態で姿勢変化させることができ、また、所定の回転速度よりも低速度(例えば、所定の回転速度の100分の1程度の速度)での回転により、上進入規制機構454を通常形態よりも遅く姿勢変化させることができる。なお、上進入規制モータ464としては、ステッピングモータに限らず、DCモータを用いる構成としてもよい。
また、上進入規制機構454を通常形態よりも遅く姿勢変化させるための上進入規制モータ464の回転速度は、第1ラウンドが開始されてから上進入規制機構454が進行可能状態となるまでの時間が、第1ラウンドが開始されてから振分機構437が進入可能状態となるまでの時間よりも長くなる速度に設定されている。このため、上進入規制モータ464の回転速度の設定によって、移行先決定ラウンドである第1ラウンドが開始された場合に、振分機構437の進入可能状態への移行後に、上進入規制機構454を進行可能状態となる形態(以下において、遅延形態とも称す)で姿勢変化させることができる。なお、上進入規制機構454の姿勢変化の速度を振分機構437の姿勢変化よりも遅くし、振分機構437が進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454を進行許可状態とする構成であるが、この構成に限らず、上進入規制機構454の姿勢変化の速度によらず、上進入規制機構454の姿勢変化の開始を、振分機構437が進入可能状態に移行した後に、上進入規制機構454を進行許可状態となるように、第1ラウンドの開始から遅らせる構成としてもよい。上進入規制機構454の姿勢変化の開始を遅らせる構成の場合、上進入規制モータ464に代えて、上進入規制機構454の姿勢変化の速度が一定の駆動装置を用いてもよく、例えば、電磁式のソレノイドを用いることもできる。
ここで、上進入規制機構454及び振分機構437の動作制御について説明する。図23は、特典領域409Vに遊技球が進入可能なラウンド(移行先決定ラウンド)での上進入規制機構454及び振分機構437の動作制御を模式的に示すタイミングチャートである。なお、図23において、図中の上側部分に、確変予定の特別遊技状態での動作を示し、図中の下側部分に、時短予定の特別遊技状態での動作であって確変予定の特別遊技状態と相違する動作も示している。
確変予定の特別遊技状態において第1ラウンドが開始される場合、図23に示すように、ラウンド中フラグがオン状態となり、第1ラウンド(図中の丸括弧付きの数字)が開始される(時刻t1)。ラウンド中フラグは、ラウンド中であるか否かを識別する情報であり、主制御基板920のRAM922(図10参照)に記憶されている。ラウンド中フラグは、第1ラウンドの開始から最大継続時間TA(所定の経過時間:29.5秒)が経過した場合に、一点鎖線で示すように、オフ状態となる(時刻ta10)。ラウンド中フラグがオフ状態となることで、第1ラウンドが終了する。また、詳細は後述するが、上大入賞カウンタの値が第1ラウンドの規定数(10個)に到達した場合には(t8)、実線で示すように、その検知から所定の期間(例えば3.0秒)の経過を待ってオフ状態となる(時刻t10)。また、ラウンド中フラグは、第1ラウンドが終了した後に、所定の時間(例えば、3.0秒)が経過した場合に、次のラウンドを開始するために、オン状態となる(時刻ta11)。
時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいては、ラウンド中フラグは、オン状態となってから(時刻tb1)、確変予定の特別遊技状態での最大継続時間TAよりも短い最大継続時間TI(例えば、4.0秒)が経過した場合に、オフ状態となる。
第1ラウンドの開始からの経過時間は、主制御基板920のRAM922に記憶されているラウンド制御タイマ(図示せず)で計測される。主制御基板920は、ラウンド制御タイマに、主制御基板920のROM(図示せず)に記憶された第1ラウンドの最大継続時間TAに対応する値を初期設定する。主制御基板920のROM(図示せず)には、最大継続時間TAに対応する値と共に、時短予定の特別遊技状態における第1ラウンドの最大継続時間TIに対応する値も記憶されており、主制御基板920は、実行中の特別遊技状態に応じて選択する。ラウンド制御タイマは、主制御基板920で実行される一定間隔(例えば、2ms)のタイマ割り込みごとに、その値が1ずつ減少するように更新される。これにより、主制御基板920は、ラウンド制御タイマの値が「0」に戻ることを検知することで、最大継続時間の経過によりラウンド中フラグをオフ状態とし(時刻ta9)、第1ラウンドを終了させることができる(ラウンド時間終了手段)。なお、主制御基板920は、第1ラウンド以外の各ラウンドの最大継続時間に対応する値も記憶しており、実行されるラウンドに応じて選択する。
また、第1ラウンドの開始に伴い、上大入賞カウンタが、「0」に初期設定される。上大入賞カウンタは、主制御基板920のRAM922に記憶され、各ラウンド内で上大入賞スイッチ444(図7参照)により検出された遊技球の個数を計数するもので、上大入賞スイッチ444により遊技球が検出される毎に「1」ずつ増加するように更新される。
主制御基板920は、上大入賞カウンタの値が主制御基板920のROMに記憶された規定数(10個)であるかを判定し、上大入賞カウンタの値が規定数に達した場合に(時刻t8)は、最大継続時間TAが経過する前であっても、上進入規制機構454の動作を中断させ、また、振分機構437の動作を中断させた後に(時刻t9)、第1ラウンドを終了させる(時刻t10)。なお、第1ラウンド以外の他のラウンドも同様である。各ラウンドは、最大継続時間TAが経過する前に、上大入賞カウンタの値が規定数となることで終了する構成であるが、この構成は必須の構成ではなく、例えば、各ラウンドを所定の継続時間の経過のみによって終了させる構成としてもよい。
また、第1ラウンドの開始に伴い、回転方向指定情報(図示せず)が、上進入規制機構454を進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ姿勢変化させるため順方向の回転を指定する「1」に設定される。回転方向指定情報は、上進入規制機構454を駆動するステッピングモータの回転方向を指定する情報であり、主制御基板920のRAM922に記憶されている。回転方向指定情報の値は、「1」以外に、上進入規制機構454をから進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ姿勢変化させるため逆方向の回転を指定する「2」をとり、また、ステッピングモータの回転の停止を指定する「0」をとる。主制御基板920は、ステッピングモータの回転状態を変化させるタイミングを指定する情報と、そのタイミングごとに選択する回転方向指定情報の値とを関連づけてROMに記憶している。
主制御基板920は、例えば、ラウンド制御タイマの値がタイミングを指定する値となったことを検知すると、そのタイミングに関連付けられた回転方向を指定する値を回転方向指定情報に設定する。例えば、主制御基板920は、一点鎖線で示すように、上進入規制機構454を進入禁止姿勢から進入許容姿勢へ姿勢変化させる8回のタイミング(例えば、時刻t1や時刻t6)に対応付けて「1」、上進入規制機構454を進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ姿勢変化させる8回のタイミング(時刻t5や時刻t7)に対応付けて「2」を記憶している。また、上進入規制機構454の姿勢変化を停止させるために、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化を停止させる8回のタイミング(例えば、時刻t6直後や時刻t4)と、進入許容姿勢から進入禁止姿勢変化への姿勢変化を停止させる8回のタイミング(例えば、時刻t5直後や時刻t7直後)の16回のタイミングに対応付けて「0」を記憶している。
また、第1ラウンドの開始に伴い、上進入規制機構454を遅延形態(低速)で姿勢変化させるために、回転速度指定フラグがオン状態となる。回転速度指定フラグは、上進入規制機構454を通常形態(高速)で姿勢変化させるか遅延形態で姿勢変化させるかを、ステッピングモータの回転速度で指定する情報であり、主制御基板920のRAM922に記憶されている。回転速度指定フラグは、所定の時間(時間TB+TE)が経過し、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化の完了によって、オフ状態となる(時刻t4)。また、回転速度指定フラグは、確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態において、移行先決定ラウンドである第1ラウンド以外のラウンドにおいて設定されることはない。
主制御基板920は、ステッピングモータの高速での回転速度に対応する値と低速での回転速度に対応する値をROMに記憶している。主制御基板920は、回転速度指定フラグがオン状態である場合には、低速での回転速度に対応する値を選択し、ステッピングモータを低速で回転させ、回転速度指定フラグがオフ状態である場合には、高速での回転速度に対応する値を選択し、ステッピングモータを高速で回転させる。
上進入規制機構454の姿勢変化は、回転方向指定情報と回転速度指定フラグとの設定状態に基づいて決定され、第1ラウンドの開始に伴って開始される姿勢変化は、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への低速での姿勢変化(遅延形態の姿勢変化)となる。また、進入禁止姿勢から進入許容姿勢へのその他の姿勢変化(通常形態の姿勢変化)や、進入許容姿勢から進入禁止姿勢への姿勢変化は、遅延形態の場合よりも高速での姿勢変化となる。また、時短予定の特別遊技状態においては、回転速度指定フラグが確変予定の特別遊技状態の場合より早くオフ状態となり、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化の途中で、遅延形態の姿勢変化から通常形態の姿勢変化となる。
また、ステッピングモータの低速での回転速度に対応する値は、上進入規制機構454の遅延形態での姿勢変化に要する時間が振分機構437の姿勢変化に要する時間(非誘導姿勢から誘導可能姿勢に姿勢変化するまでの時間よりも遅くなる範囲の値に設定されている。これにより、上進入規制機構454を、振分機構437が進入可能状態へ移行した後に、振分機構437側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とすることができる(切替制御手段)。
また、第1ラウンドの開始に伴い、振分ソレノイド作動フラグ(図示せず)がオン状態となる。振分ソレノイド作動フラグは、振分ソレノイド465を作動するか否かを指定するフラグであり、主制御基板920のRAM922に記憶されている。振分ソレノイド作動フラグがオン状態となると、振分ソレノイド465への通電が開始されて作動し、振分機構437は、非誘導姿勢から誘導姿勢への姿勢変化を開始する。振分機構437は、誘導姿勢へ変化した後、振分ソレノイド465への通電が維持された状態で、誘導姿勢で維持される。一方、振分ソレノイド作動フラグがオフ状態となると、振分ソレノイド465への通電が停止され、振分機構437は、誘導姿勢から非誘導姿勢への姿勢変化を開始する。振分機構437は、非誘導姿勢となった後は、非誘導姿勢に維持される。主制御基板920は、振分ソレノイド465へ通電するタイミングを指定する情報と、その通電を停止するタイミングを指定する情報とをROMに記憶している。主制御基板920は、例えば、一点鎖線で示すように、ラウンド制御タイマの値が振分ソレノイド465へ通電する2回のタイミング(時刻t1,時刻t4)やその通電を停止する2回のタイミング(時刻t2,時刻t9)を指定する値となったことを検知すると、振分ソレノイド作動フラグの状態を切り替える。
ここで、移行先決定ラウンドにおける上進入規制機構454及び振分機構437の動作形態について、図24を参照して説明する。図24は、図7のY2-Y2線を含む切断面による断面により、上進入規制機構454及び振分機構437の動作形態を示す断面図である。図24(A)が図23における時刻t1の直後、図24(B)が時刻t3、図24(C)が時刻t4における上進入規制機構454及び振分機構437の姿勢を示す。なお、図24(A)においては、一点鎖線で、図23における時刻t1における上進入規制機構454及び振分機構437の姿勢も示している。また、図24(A)においては、上進入規制機構454の上面に沿ってY2-Y2線を含む切断面より下流側(紙面裏側:図7における右側)を流下中の遊技球を、図24(B)においては、案内通路494に進入中の遊技球も示している。
図24(A)に示すように、振分機構437は、基体401の前後方向(図24(A)等の左右方向)に移動可能な板状の振分シャッタ437Aを備える。振分シャッタ437Aは、振分機構437が非誘導姿勢(一点鎖線で示す姿勢)である場合に、遊技盤400の前側(図24(A)等では右側)への遊技球の移動を制限する前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径よりも狭い間隔D1となる位置に配置される。このため、振分シャッタ437Aは、特典領域409Vへの遊技球の進入を阻止し、振分シャッタ437Aの上面に接触した遊技球を非特典領域409N(図7参照)に進入させることができる。
振分シャッタ437Aは、振分機構437が誘導姿勢である場合には、図24(C)に示すように、非誘導姿勢であるときより基体401側に引き込まれ、前壁481と振分シャッタ437Aの先端との間隔が遊技球の直径より広い位置に配置される。このため、振分シャッタ437Aに向けて案内通路494を進行してきた遊技球は、特典領域409Vに進入することができる。
振分機構437は、非誘導姿勢から誘導姿勢に移行する過程において、図24(A)に示すように、前壁481と振分シャッタ437Aの先端との間隔が遊技球の直径と略同一で、案内通路494に遊技球を進入させることができる位置に配置される姿勢(以下、誘導可能姿勢とも称す)をとる。振分機構437が誘導可能姿勢から誘導姿勢までの範囲の姿勢をとる状態が、振分機構437の進入可能状態である。
また、図24(A)に示すように、上進入規制機構454は、基体401の前後方向に移動可能な板状の進入規制シャッタ454Aを備える。進入規制シャッタ454Aは、上進入規制機構454が進入禁止姿勢(一点鎖線で示す姿勢)である場合に、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径よりも狭い間隔D1となる位置に配置される。このため、進入規制シャッタ454Aは、案内通路494への遊技球の進入を阻止し、進入規制シャッタ454Aの上面に沿って遊技球を進行させる。
また、進入規制シャッタ454Aは、図24(C)に示すように、上進入規制機構454が進入許容姿勢である場合に、進入禁止姿勢であるときより基体401側に引き込まれ、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径より広い位置に配置される。このため、上進入規制機構454に向けて流下してきた遊技球は、案内通路494に進入することができる。
上進入規制機構454は、進入禁止姿勢から進入許容姿勢に移行する過程において、図24(B)に示すように、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の直径と略同一で、案内通路494に遊技球を進入させることができる位置に配置される進入可能姿勢をとる。上進入規制機構454が進入可能姿勢から進入許容姿勢までの範囲内の姿勢をとる状態が、上進入規制機構454の進行可能状態である。
進入規制シャッタ454Aは、上進入規制機構454が進入禁止姿勢である場合に、その先端と前壁481との間隔が、非誘導姿勢をとる振分シャッタ437Aの先端と前壁481との間隔と同一の間隔となる位置に配置されている。このため、上進入規制機構454が進入禁止姿勢から進入可能姿勢に移行するまでに必要な振分シャッタ437Aの移動距離は、振分機構437が非誘導姿勢から誘導可能姿勢になるまでに必要な移動距離と同一の距離D2である。したがって、進入規制シャッタ454Aと振分シャッタ437Aとが同時に移動を同時に開始したとしても、進入規制シャッタ454Aの移動の速度が振分シャッタ437Aの移動の速度よりも遅いために、上進入規制機構454が進入可能姿勢となるまでの時間を振分機構437が誘導可能姿勢となるまでの時間より遅らせることができる。
なお、上進入規制機構454は、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間隔が遊技球の半径と同一である姿勢となった後も、低速の移動速度で移動する構成であるが、この構成に限らず、回転速度指定フラグのオン状態の期間が時間TB+時間TEよりも短く設定され、その間隔が遊技球の半径と同一となる前に、上進入規制機構454の姿勢変化が遅延形態から通常形態に戻る構成であってもよい。この場合、前壁481と進入規制シャッタ454Aの先端との間で、遊技球の下端が進入規制シャッタ454Aの上面よりも低い位置に入り込むことで、進入規制シャッタ454Aに沿った遊技球の流下を円滑に行えなくなることを抑制できる。
また、進入規制シャッタ454Aや振分シャッタ437Aは、前後方向に移動する構成であるが、この構成に限らず、前後方向を軸とする所定の角度で回転により左右方向に傾斜する構成としてもよいし、左右方向を軸とする所定の角度で回転により前後方向に傾斜するように移動する構成としてもよい。また、上進入規制機構454や振分機構437は、板状の可動部材で進入先を振り分ける構成であるが、羽根状の可動部材によって進入先を振り分ける構成としてもよい。
ここで、図23の説明に戻り、振分機構437は、時刻t2の直後(例えば、0.01秒)に誘導可能姿勢となってから所定の時間TC(例えば、0.05秒)後であって、上進入規制機構454が進入可能姿勢となる前に(時刻t3)、非誘導姿勢に戻る(時刻t2)。その後、振分機構437は、所定の時間TD(例えば、9.0秒)の間、非誘導姿勢に維持される。振分機構437が再び非誘導姿勢から誘導姿勢への移行を開始するまでの時間TDは、進入規制シャッタ454Aの上流端側で案内通路494に進入してから振分シャッタ437Aに到達するまでの平均時間(以下において、平均進行時間とも称す:例えば、1.5秒)よりも十分に長く設定されている。
振分機構437は、一旦非誘導姿勢に戻った後に、再度、誘導姿勢への姿勢変化を開始し(時刻t4)、1回目の期間(時刻t1~時刻t2)の場合よりも長い時間に亘って誘導姿勢に維持される。なお、詳細は後述するが、振分機構437は、一旦、誘導姿勢に移行した後に、所定の時間TDに亘り非誘導姿勢をとることで、時短予定の特別遊技状態において、遊技球が特典領域に進入してしまうことを防止することが可能になる。
振分機構437が2回目の誘導姿勢に維持されている間に、上大入賞カウンタの値が規定数(図23では「10」)となった場合(時刻t8)、振分機構437は、所定の時間TH(例えば、2.5秒)の経過を待って、非誘導姿勢に戻る(時刻t9)。時間THは、案内通路494に対する平均進行時間よりも長く設定される。これは、後述するように、上大入賞カウンタの値が規定数(図23においては10個)となった場合に、上進入規制機構454は進入許容姿勢であれば進入禁止姿勢に戻されるが、進入禁止姿勢に戻される直前に案内通路494に進入した遊技球が特典領域409Vに進入しなくなることを抑制するためである。更に、振分機構437が非誘導姿勢に戻ってから所定の時間(0.5秒)の後に、ラウンド中フラグがオフ状態となり、第1ラウンドが終了する(時刻t10)。振分機構437が非誘導姿勢に戻ってからラウンド中フラグがオフ状態となるまでの時間は、振分機構437が非誘導姿勢に戻る直前に進入した遊技球が特定通路スイッチ448にて検出される前に、第1ラウンドが終了してしまうことを抑制するためである。
また、振分機構437は、上大入賞カウンタの値が規定数とならない場合には、一点鎖線で示すように、2回目の誘導姿勢への姿勢変化の開始(時刻t4)から所定の時間TGの経過によって非誘導姿勢に戻る(時刻ta9)。更に、振分機構437が非誘導姿勢に戻ってから所定の時間の後に、ラウンド中フラグがオフ状態となり、第1ラウンドが終了する。
上進入規制機構454は、回転速度指定フラグがオン状態であるために、遅延形態で姿勢変化を開始する。このため、上進入規制機構454は、振分機構437が誘導可能姿勢となった場合(時刻t1の直後)に、まだ進入可能姿勢とはならず(図24(A)も参照)、振分機構437が誘導可能姿勢となってから所定の時間TB後に、進入可能姿勢となる(時刻t3)。時間TBや時間TEは、ステッピングモータの進入許容用の励磁パターンに沿って励磁状態を移行させる時間間隔の設定を変更することで変化させることができる。
上進入規制機構454は、進入可能姿勢となってから所定の時間TE(例えば、2.5秒)の後であって、振分機構437が2回目の誘導姿勢への移動を開始すると略同時に(時刻t4)、進入許容姿勢となり、所定の時間TF(例えば、0.8秒)に亘り進入許容姿勢に維持される(時刻t5)。その後、上進入規制機構454は、回転速度指定フラグがオフ状態であるために、通常形態の姿勢変化を開始し、所定の時間(例えば、0.02秒)後に、進入禁止姿勢に戻る。このため、上進入規制機構454が1回目の進行可能状態である期間(概ね時刻t3~時刻t5)に、案内通路494に進入した遊技球であっても、特典領域409Vに進入させることができる。なお、上進入規制機構454が進入可能姿勢となってから振分機構437が2回目の誘導姿勢への移動を開始するまでの時間TEは、案内通路494における遊技球の平均進行時間よりも長く設定される構成であるが、時間TEを平均進行時間よりも短く設定して、案内通路494に進入した遊技球を特典領域409Vに進入させる確実性を向上させる構成としてもよい。更に、振分機構437が2回目の誘導姿勢への移動を開始した後に、上進入規制機構454が進入可能姿勢となる構成としてもよい。この場合、案内通路494に進入した遊技球を特典領域409Vに確実に進入させることができる。
上進入規制機構454は、1回目の進行可能状態を発生させる動作(時刻t1~t5)から所定の時間TK(例えば、1.2秒)後に、進入許容姿勢への移動を開始し(時刻t6)、その姿勢を所定の時間TFに亘り継続する(時刻t7)。その後、上進入規制機構454は、進入禁止姿勢に戻る。この上進入規制機構454による2回目の進行可能状態を発生させる動作(時刻t6~時刻t7)は、振分機構437が2回目の進入可能状態である期間(時刻t4~時刻ta9)に行われる。また、上進入規制機構454は、この2回目の進行可能状態を発生させる動作と同じ動作を、更に最大で6回(都合7回)繰り返す。
上進入規制機構454が、規定回数(8回)の進行可能状態を発生させる動作を完了する前に、上大入賞カウンタの値が規定数(10個)となった場合に、上進入規制機構454は、進行可能状態を発生させる動作中であれば、進入禁止姿勢に戻る(時刻t9)。
なお、確変予定の特別遊技状態において、上進入規制機構454による進行可能状態を発生させる動作を複数回(8回)に分けて行う構成であるが、この構成に限らず、その動作を1回のみ行う構成、例えば、時刻t4で進入許容姿勢となった上進入規制機構454の姿勢を継続させる構成としてもよい。同様に、確変予定の特別遊技状態において、振分機構437による進入可能状態を発生させる動作を複数回(2回)に分けて行う構成であるが、この構成に限らず、その動作を1回のみ行う構成、例えば、第1回目の進行可能状態を発生させる動作を行わない構成としてもよい。
また、振分機構437が長く進入可能状態である期間(時刻t4~時刻ta9)において、上進入規制機構454による進行可能状態を発生させる動作を複数回(7回)に分けることで、特典領域409Vへの遊技球の進入を制限する構成であるが、この構成に限らず、上進入規制機構454が進行可能状態である期間において、振分機構437による進入可能状態を発生させる構成、例えば、時刻t4で進入許容姿勢となった上進入規制機構454の姿勢を継続させ、時刻t4~時刻ta9に振分機構437による進入可能状態を発生させる動作を複数回繰り返す構成としてもよい。
ここで、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおける上進入規制機構454及び振分機構437の動作について説明する。時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいては、振分機構437に対して、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドと同じ制御が主制御基板920によって実行される。また、時短予定の特別遊技状態における第1ラウンドの最大継続時間TIは、振分機構437が2回目の誘導姿勢(進入可能状態)への変化を開始するまでの時間(時間TC+時間TD)より短く設定されている。このため、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、振分機構437は、1回の誘導姿勢への姿勢変化が行われるだけで、2回目の誘導姿勢への姿勢変化は行われない。
また、上進入規制機構454は、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドの開始(時刻tb1)に伴い、確変予定の特別遊技状態の場合と同様に回転速度指定フラグがオン状態であるため、遅延形態で姿勢変化を開始する。しかし、回転速度指定フラグが設定されている時間が、確変予定の特別遊技状態における時間(時間TB+時間TE)よりも短い時間TJ(例えば、0.8秒)に設定されている。このため、上進入規制機構454が進入許容姿勢へ変化している途中で回転速度指定フラグがオフ状態となり(時刻tb3)、上進入規制機構454の姿勢変化が通常形態の速度変化に戻る。この場合、第1ラウンドが開始してから所定の時間TJまでは、確変予定の特別遊技状態の場合と同じ遅延形態で姿勢変化するため、第1ラウンドの開始直後に、上進入規制機構454の動作形態の相違によって確変予定の特別遊技状態であるか時短予定の特別遊技状態であるかが遊技者によって識別されることを抑制できる。
また、時間TJが経過した後には、上進入規制機構454は、進入可能姿勢を経て進入許容姿勢となる。上進入規制機構454は、所定の時間TFに亘り進入許容姿勢に維持された後、通常形態で進入禁止姿勢に戻る(時刻tb5)。その後は、上進入規制機構454が時刻ta8から時刻ta10の場合と同様に動作し、第1ラウンドが終了する(時刻tb10)。第1ラウンドの終了から所定の間隔を隔てて、第2ラウンドが開始される(時刻tb11)。
ここで、時短予定の特別遊技状態においては、振分機構437がラウンドの開始後に一旦進入可能状態となってから進入禁止状態に戻った後、上進入規制機構454が進行可能状態に移行する。このため、振分機構437が進入可能状態である状況において振分機構437に遊技球が到達することはなく、特典領域409Vに進入することがない。また、時刻tb5から時刻tb10までの時間が、案内通路494に対する平均進行時間より十分に長い4倍程度に設定されている。このため、進入許容動作により遊技球が案内通路494に進入したとしても、案内通路494に進入した遊技球が進入可能状態でない振分機構437に到達し、特典領域409Vに進入してしまうことを防止できる。また、上進入規制機構454が進行可能状態でなくなってから第1ラウンドの終了まで、振分機構437が進入可能状態となることがないため、上進入規制機構454による1回目の進行可能状態となる動作によって球噛みが発生し、その遊技球と新たに流下してきた遊技球が衝突して、挟まれた遊技球が案内通路494に進入すると共に衝突した後続の遊技球が噛まれるといった現象が連続し、遊技球が案内通路494に進入してしまうような事態(以下において、球噛み連鎖通過と称す)が発生したとしても、特典領域409Vに進入してしまうことはない。したがって、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、遊技球が特典領域409Vに流入することを防止できる。
このように、上記のパチンコ機100であれば、確変予定の特別遊技状態の移行先決定ラウンド(第1ラウンド)が開始された場合に、振分機構437が誘導可能姿勢(進入可能状態)となった後に、上進入規制機構454が進入可能姿勢(進行可能状態)となる。このような場合であっても、上進入規制機構454が進行可能状態となるタイミングを遅らせることで、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、特典領域409Vに少なくとも1球の遊技球を確実に進入させることが可能になる。また、第1ラウンドの開始から所定の期間の経過後に振分機構437が進入可能状態でない期間が設けられ、その期間に球噛み連鎖通過等の異常事態が発生することを抑制できる。
また、確変予定の特別遊技状態においては、振分機構437は、一旦、短時間(略時間TC)だけ進入可能状態となった後に、所定の時間TDの非誘導姿勢を経て、1回目よりも長時間に亘り進入可能状態となる。このため、振分機構437が2回目に進入可能状態である期間(時刻t4~時刻t9)には遊技球を特典領域409Vにほぼ確実に流入させることができる。
また、時短予定の特別遊技状態において、振分機構437が短時間だけ進入可能状態となってから非誘導姿勢に戻った後に、上進入規制機構454が進行可能状態となる。このため、時短予定の特別遊技状態の移行先決定ラウンドにおいて遊技球が特典領域409Vに進入しないようにできる。また、球噛み連鎖通過によって振分機構437の側へ遊技球が進行したとしても、非誘導姿勢をとった振分機構437に到達することとなり、特典領域409Vに遊技球が進入してしまうことを防止できる。
また、確変予定の特別遊技状態と、時短予定の特別遊技状態とにおいて、いずれも上進入規制機構454と振分機構437とが同時に動作を開始する。これにより、時短予定の特別遊技状態であっても、振分機構437の動作によって、あたかも遊技球を特典領域409Vに進入させることができるかのような演出を実現することができる。
また、上記のパチンコ機100において、移行先決定ラウンドが第1ラウンドに設定されている。このため、移行先決定ラウンドより前に、上進入規制機構454が動作するラウンドがなく、球噛みが発生した状態で移行先決定ラウンドが開始されることを抑制できる。なお、第1ラウンドを移行先決定ラウンドとする構成に限らず、特別遊技状態を構成する複数回のラウンドのいずれか1つ又は複数のラウンドで動作する構成としてもよい。また、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態において、移行先決定ラウンドを同一のラウンドとする構成に限らず、それらの特別遊技状態で異なるラウンドを移行先決定ラウンドとする構成や、それらの特別遊技状態において実行される移行先決定ラウンドの回数が異なる構成としてもよい。確変予定の特別遊技状態において、移行先決定ラウンドを複数回行う場合には、各移行先決定ラウンドにおいて特典領域409Vに進入させることができる確率を異ならせる構成や、その確率を段階的に変化させる構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機100において、確変予定や時短予定の特別遊技状態において、上大入賞装置434のみを作動させる構成について説明したが、この構成に限らず、例えば、移行先決定ラウンドが上大入賞装置434で実行され、その他のラウンドの一部又は全部を下大入賞装置433で実行される構成としてもよい。このように、上大入賞装置434と下大入賞装置433との連携により、特別遊技状態の複数のラウンドが実行される構成であれば、他のラウンドの全部が下大入賞装置433で実行されることが好ましい。この場合、上大入賞装置434において、移行先決定ラウンドのみが実行されるために、他のラウンドにおいて上大入賞装置434で遊技球の球噛みが発生することを防止でき、確変予定の特別遊技状態において球噛み連鎖通過によって特典領域409Vに遊技球を進入させられなかったといった事態の発生を防止できる。
また、上記のパチンコ機100において、移行先決定ラウンドより前に、他のラウンドが実行されない構成としているが、この構成に限らず、他のラウンドが実行される構成としてもよい。この場合、移行先決定ラウンドに先行する他のラウンドにて球噛みが発生し、球噛み連鎖通過に起因して確変予定の特別遊技状態において特典領域409Vに遊技球を進入させられなかったといった事態が発生し易くなるために、球噛みの発生又はその可能性を検出することでその事態を抑制する構成とすることが好ましい。
球噛みの発生又はその可能性は、例えば、進入許容姿勢から進入禁止姿勢へ向かう上進入規制機構454の作動の停止後において、ステッピングモータの駆動軸の位置を検出することや、その停止から所定の時間が経過しても、上大入賞スイッチ444で遊技球が検出されること等によって認定することができる。
なお、球噛み連鎖通過等の異常事態に対応可能な構成としては、上記した動作制御の構成に限らず、上記した動作制御の構成に代えて、または、上記した動作制御の構成に加えて、例えば、以下のような構成を付加して抑制したり、防止したりできる。例えば、移行先決定ラウンドの直前のラウンドの終了時に球噛みと認定されている場合に、遊技球の発射を停止するよう装飾図柄表示装置479で遊技者に報知し、その報知を、移行先決定ラウンドで初めて上進入規制機構454が進入可能姿勢や進入許容姿勢となるタイミングで解除する。このとき、移行先決定ラウンドまでの時間を延長して移行先決定ラウンドの開始を遅らせ、その開始後に、直前のラウンドで発射された遊技球が上進入規制機構454に到達してしまうことを防止したり、遊技球の発射の停止が確認されるまで移行先決定ラウンドが開始されないようにしたりしてもよい。また、移行先決定ラウンドの直前のラウンドの終了時に球噛みと認定されている場合に、移行先決定ラウンドを開始する前に、エラー制御を実行する構成としてもよい。
<特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出>
次に、特典領域409V(特定通路)へ遊技球が進入可能となるラウンド(移行先決定ラウンド)の演出について、図13と共に、図25~図26を参照して説明する。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出は、図13に示す左可動部材10(演出手段)及び右可動部材20(演出手段)と共に、図13に示す装飾図柄表示装置479(表示手段)によって実行される。ここで、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドは、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で第1の種類の大当りに当選(所定の当選条件の成立)した場合に移行する複数回のラウンドで構成される確変予定の特別遊技状態(図23を参照して説明した確変予定の特別遊技状態と同一)における第1ラウンド(所定のラウンド)として発生する。この第1ラウンドにおいて、上進入規制機構454が進行可能状態へ移行して遊技球が振分機構437側へ進行し、振分機構437が進入可能状態となる期間(進入可能期間)において遊技球が特典領域409Vへ進入可能となる。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(確変予定の特別遊技状態の第1ラウンド)の演出は、第1ラウンドが開始される前において、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で当選した大当りに対応する停止図柄の組合せの表示が装飾図柄表示装置479によってなされた後に実行される。また、その第1ラウンドの演出は、装飾図柄表示装置479とは別の左可動部材10(演出手段)及び右可動部材20(演出手段)による演出動作によって実行される。したがって、装飾図柄表示装置479による表示によって、その表示よりも後に左可動部材10及び右可動部材20の演出動作が実行されることを予告して遊技者の注意を喚起した上で、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作を実行でき、その演出動作によって、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となること(例えば、進入可能期間の開始や、進入可能期間に特典領域409Vへ遊技球を進入させるために遊技球を発射するタイミング)を遊技者に知らせることができる。
具体的には、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出は、確変予定の特別遊技状態の開始後(装飾図柄表示装置479による停止図柄の組合せの表示後)であって、第1ラウンドの開始前から始まる連続した演出とされる。また、その演出は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となる進入可能期間の開始後であって、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に終わる。このため、その演出が進入可能期間の開始時を跨いで実行され、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となることを進入可能期間の開始の直前に、又は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となったことを、進入可能期間の直後にタイミング良く遊技者に知らせることができる。また、その演出を、第1ラウンドの開始前から始めることで、第1ラウンドの開始時又はその後に始める場合に比べて、長く遊技者に楽しませることができる。また、その演出を、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に終わらせることで、特別遊技状態の後に確変遊技状態へ移行することを、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作によって確認することができる。
なお、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出が、第1ラウンドの開始前から始まる構成であるが、この構成に限らず、その演出は、第1ラウンドの開始時又は開始後に始まる構成としてもよい。また、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出が、進入可能期間の開始後であって特典領域409Vに遊技球が進入した場合に終了する構成であるが、この構成に限らず、その演出は、特典領域409Vに遊技球が進入した否かに関わらず、進入可能期間から所定の時間後に終わる構成や、進入可能期間の終了時又はその後に終了する構成としてもよく、また、進入可能期間の前に終了する構成としてもよい。また、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドが、第1ラウンドに設定される構成としているが、この構成に限らず、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドは、確変予定の特別遊技状態を構成する複数回のラウンドのうち第1ラウンドとは異なるラウンドに設定される構成や、第1ラウンドを含む又は含まない2回以上のラウンドに設定される構成としてもよい。
第1ラウンドが開始される前において装飾図柄表示装置479に表示される停止図柄の組合せとして、確変予定の特別遊技状態に移行する第1の種類の大当りとは別の第2の種類の大当りの場合にも表示される共通の停止図柄の組合せが含まれている。具体的には、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選の抽選対象として、確変予定の特別遊技状態においては特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドである所定回目のラウンド(第1ラウンド)が、特典領域409Vへ遊技球が進入可能ではない時短予定の特別遊技状態(図23を参照して説明した時短予定の特別遊技状態と同一)に移行する第2の種類の大当りが含まれている。また、第1の種類の大当りに当選した場合の選択対象である複数の停止図柄の組合せと、第2の種類の大当りに当選した場合の選択対象である複数の停止図柄の組合せとに、共通の停止図柄の組合せ(例えば、「333」の数字図柄の組合せ)が含まれている。このため、装飾図柄表示装置479に表示される停止図柄の組合せによっては、その表示後に、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドが実行されるか否かを判別不能にできる。これにより、遊技者は、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作の発生に注目させることができ、また、その発生を期待しつつ遊技することができる。
また、時短予定の特別遊技状態において、確変予定の特別遊技状態における特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出と途中まで同一である演出が実行される。このため、その演出の途中まで遊技者は確変予定の特別遊技状態であるか時短予定の特別遊技状態であるかを判別できず、遊技者は、時短予定の特別遊技状態であっても、その演出の共通部分が終了するまで期待を維持しつつ遊技することができる。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出は、左可動部材10及び右可動部材20による演出動作のみならず、左可動部材10及び右可動部材20の発光や、装飾図柄表示装置479の表示をも援用して実行される。このため、その演出を左可動部材10及び右可動部材20による演出動作のみで実行する場合よりも、その演出を目立たせることができ、遊技者がその演出を見落とすことを抑制できる。
特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出に用いられる左可動部材10と右可動部材20とは、互いに離間して配置される離間姿勢(図13において一点鎖線で示す姿勢)と、離間姿勢よりも近接する位置に配置される近接姿勢(図13において実線で示す姿勢)との間で移動可能である。
具体的には、遊技盤400には、左可動部材10の左上側に設けられた回転軸(図示せず)の周りに左可動部材10を回転させることを可能とする左回転機構(図示せず)と、左回転機構を駆動する左回転駆動モータ(図示せず)とが設けられている。また、遊技盤400には、回転軸と共に左可動部材10を斜め方向に移動させることを可能とする左斜め移動機構(図示せず)と、左斜め移動機構を駆動する左斜め移動駆動モータ(図示せず)とが設けられている。左可動部材10を左回転駆動モータの順方向の回転により所定の角度(例えば、43度)だけ回転させ、かつ、左斜め駆動モータの順方向の回転により所定の距離だけ右斜め上方に移動させることで、左可動部材10は、上下方向を向く離間姿勢から右斜め下方向を向く近接姿勢に変化する。
また、遊技盤400には、右可動部材20の右下側に設けられた回転軸(図示せず)の周りに右可動部材20を回転させることを可能とする右回転機構(図示せず)と、右回転機構を駆動する右回転駆動モータ(図示せず)とが設けられている。また、遊技盤400には、回転軸と共に右可動部材20を斜め方向に移動させることを可能とする右斜め移動機構(図示せず)と、右斜め移動機構を駆動する右斜め移動駆動モータ(図示せず)とが設けられている。右可動部材20を右回転駆動モータの順方向の回転により左可動部材10と同一の角度(例えば、43度)だけ回転させ、かつ、右斜め駆動モータの順方向の回転により左可動部材10と同一の距離だけ左斜め下方に移動させることで、右可動部材20は、上下方向を向く離間姿勢から左斜め上方向を向く近接姿勢に変化する。
左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢において、それらの長手方向が同一方向に傾斜し、所定の間隔以下で近接する配置をとる。また、左可動部材10と右可動部材20とは、左回転駆動モータと左斜め駆動モータとを逆方向に回転させ、また、右回転駆動モータと右斜め駆動モータとを逆方向に回転させることで、近接姿勢から離間姿勢へと変化する。なお、左可動部材10や右可動部材20の回転や斜め移動には個別のモータからの動力を個別の機構によって伝達し、それらの動作を独立して行える構成であるが、この構成に限らず、例えば、左回転機構と左斜め移動機構とが連結されておりそれらを単一のモータで駆動する構成や、左回転機構と右回転機構とが連結されておりそれらを単一のモータで駆動する構成としてもよい。
左可動部材10には、その背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子と、左可動部材10の長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子19が設けられる。また、右可動部材20にも、その背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子と、右可動部材20の長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子29が設けられる。
以下において、確変予定の特別遊技状態においては特典領域409Vへ遊技球が進入可能であるが、時短予定の特別遊技状態においては特典領域409Vへ遊技球が進入可能でない第1ラウンドにおける左可動部材10及び右可動部材20の演出動作の制御や、装飾図柄表示装置479による表示の制御について、図25及び図26を参照して説明する。
図25は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)における演出の制御を示すタイミングチャートである。なお、図25において、上側部分に、確変予定の特別遊技状態における演出の制御を示すと共に、下側部分に、時短予定の特別遊技状態における演出の制御であって確変予定の特別遊技状態と相違する制御を示す。また、図25において、ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
図26は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)における演出の推移を模式的に示す説明図である。図26(A)は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通の殻割り演出の開始直後(図25の時刻tc2直後)を示し、図26(B)は、殻割り演出中(図25の時刻tc5直後)を示し、図26(C)は、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出の開始直後(図25の時刻tc8直後)を示し、図26(D)は、時短予定の特別遊技状態における殻割れず演出の開始直後(図25の時刻td8直後)を示す。
第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選により第1の種類の大当りに当選した単位遊技において、図25に示すように、装飾図柄表示装置479における装飾図柄による変動表示(図25において変動演出)の後に、第1の種類の大当りに対応する停止図柄の組合せが確定表示される。これにより、図柄変動期間が終了する。このとき、装飾図柄表示装置479に表示される停止図柄の組合せは、確変予定の特別遊技状態に移行する第1の種類の大当りと、時短予定の特別遊技状態に移行する第2の種類の大当りとで共通で選択可能な停止図柄の組合せであり、この停止図柄の組合せによってはいずれの特別遊技状態に移行するのかを遊技者は判別できないとして説明する。装飾図柄表示装置479による変動表示や確定表示は、主制御基板920からの指示に基づき、副制御基板940によって実行される。具体的には、主制御基板920は、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選の抽選結果、変動表示や確定表示の開始のタイミングなどを副制御基板940に通知し、副制御基板940は、通知された抽選結果に基づいて装飾図柄による変動表示や確定表示の具体的な内容を決定し、それらの表示の進行を、通知された変動表示や確定表示の開始のタイミングに基づいて、第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示や確定表示と同期させて管理する。
装飾図柄表示装置479において装飾図柄による停止図柄の組合せが表示された後の時刻tc1に、確変予定の特別遊技状態が開始される。具体的には、役連作動スイッチ445により遊技球が検出された場合に、確変予定の特別遊技状態が開始される。確変予定の特別遊技状態の開始により、装飾図柄表示装置479において、特別遊技状態の開始を示すオープニング演出(図25におけるOP演出)が開始される。確変予定の特別遊技状態において、その開始から第1ラウンドの開始までの間に、所定の期間(図25におけるオープニング期間)が設けられている。
オープニング期間中であって、オープニング演出が終了する時刻tc2に、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作と共に、その動作に連携する装飾図柄表示装置479における表示を伴う演出が開始される。具体的には、左可動部材10と右可動部材20とが、装飾図柄表示装置479に表示された宝卵482の殻を挟んで割るかのように見せる演出(図26(A)及び図26(B)参照:以下において、殻割りミッション演出とも称す)が開始される。殻割りミッション演出(時刻tc1~時刻tc10,時刻td1~時刻td10)において、宝卵482の殻を割ろうとする殻割り演出(時刻tc1~時刻tc8,時刻td1~td8)に引き続き、宝卵482の殻が割れて宝483が出現した場合の宝出現演出(時刻tc8~時刻tc10)、又は、宝卵482の殻が割れない場合の殻割れず演出(時刻td8~時刻td10)が実行される。殻割り演出は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とに共通で実行されるが、宝出現演出は、確変予定の特別遊技状態で実行され、一方、殻割れず演出は、時短予定の特別遊技状態で実行される。このため、殻割り演出における左可動部材10及び右可動部材20の演出動作は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるか否かを示唆し、宝出現演出の表示と宝出現演出における左可動部材10及び右可動部材20の演出動作は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となることを明確に遊技者に知らせる動作となる。
殻割り演出の開始に伴い、左可動部材10を回転させる左回転駆動モータ(図25の回転駆動モータ)と、右可動部材20を回転させる右回転駆動モータ(図25の回転駆動モータ)とが順方向の回転を開始する。殻割りミッション演出の全体に亘り、左可動部材10を回転させる場合には、右可動部材20も、左可動部材10と同一の回転角度だけ、離間姿勢の場合とのなす角(回転後の左可動部材10や右可動部材20の長手方向と離間姿勢の場合の長手方向となす角)の増減が同一となる方向に、同時に回転させる制御が実行される。したがって、以下において、左回転駆動モータと右回転駆動モータとを識別することなく、図25に示すように、それらを纏めて回転駆動モータと称して説明する。
回転駆動モータは、副制御基板940によって制御される。具体的には、副制御基板940のROMには、順方向の回転(図25における順回転)、逆方向の回転(図25における逆回転)又は回転の停止(図25における停止)を指定する回転駆動情報が、それらの動作を切り替えるタイミング(例えば、順方向の回転を指定する時刻tc2及び時刻tc5;逆方向の回転を指定する時刻tc6、停止を指示する時刻tc3、時刻tc7)と関連づけて記憶されている。
また、副制御基板940のRAMには、演出時間の経過を計測する演出タイマの値を記憶している。演出タイマの値は、主制御基板920からの特別遊技状態の開始(オープニング期間の開始)や各ラウンドの開始の通知に応じて、オープニング期間や各ラウンドの最大継続時間(最大継続時間TA,最大継続時間TI)に対応する値に設定され、一定間隔(例えば、2ms)で1ずつ減少するように更新される。このため、演出タイマは、副制御基板940において演出時間の経過を計測するが、主制御基板920からの適宜の通知(特別遊技状態の開始や各ラウンドの開始の通知)に基づいて設定されるために、主制御基板920と同期させることができる。
副制御基板940は、演出タイマの値に基づいて、左回転駆動モータや右回転駆動モータの動作を切り替えるタイミングを判定し、そのタイミングに関連付けられた回転駆動情報に基づいて、左回転駆動モータや右回転駆動モータを順方向に回転させたり、逆方向に回転させたり、停止させたりする。
また、殻割り演出の開始に伴い、装飾図柄表示装置479において、回転している左可動部材10の上端に沿って転がるように宝卵482が出現する表示が行われる。
殻割り演出が開始される時刻tc2から所定の時間(例えば、0.2秒)後であって、オープニング期間中(第1ラウンドの開始前)である時刻tc3に、回転駆動モータの回転が停止され、左可動部材10及び右可動部材20の回転が停止する。これにより、図26(A)に示すように、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢とのなす角が、離間姿勢と近接姿勢とのなす角(例えば、43度)よりも小さい角度(例えば、38度)である姿勢をとる。このとき、左可動部材10や右可動部材20は、その大部分が装飾図柄表示装置479の表示部479aの前側に配置される。また、装飾図柄表示装置479において、左可動部材10の上端に沿って転がってきた宝卵482が、左可動部材10の可動側端部(回転軸側とは反対側の端部)と右可動部材20の可動側端部とで挟まれて固定されるような表示が行われる。
時刻tc3から所定の時間(例えば、0.1秒)後であって、オープニング期間中(第1ラウンドの開始前)である時刻tc4に、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。また、回転駆動モータは、時刻tc4から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻tc5に逆方向の回転に切り替わり、更に、時刻tc5から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻tc6に停止する。時刻tc4から時刻tc6の回転駆動モータの動作によって、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢とのなす角が、図26(A)に示す宝卵482を挟む姿勢の場合よりも大きく、離間姿勢と近接姿勢とのなす角と同一の角度である図26(B)に示す姿勢へと変化した後に、宝卵482を挟む姿勢に戻る。また、装飾図柄表示装置479において、図26(B)に示すように、左可動部材10と右可動部材20との姿勢変化で可動側端部の間隔が狭くなるにつれて、左可動部材10と右可動部材20とで宝卵482が圧迫されて変形する表示が行われ、その後、宝卵482が挟まれた元の形に戻る表示が行われる。また、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫する姿勢をとる場合に、図26(B)に示すように、宝卵482にひびが入る表示が行われる。
時刻tc6の後に、図25に示すように、時刻tc4から時刻tc6で実行される回転駆動モータの動作が、所定の時間(例えば、0.2秒)を隔てて、第1ラウンドの開始後の時刻tc8まで繰り返され、第1ラウンドの開始後に殻割り演出が終了する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とが、あたかも、装飾図柄表示装置479に表示された宝卵482を割ろうとして、宝卵482を圧迫しているかのように見せる演出を行える。また、装飾図柄表示装置479において、左可動部材10と右可動部材20との動作回数が多くなるほど、宝卵482に入るひびが大きくなる表示が行われる。これにより、宝卵482が割れて進入可能期間が発生することへの期待感を増幅することができる。
なお、殻割り演出において、回転駆動モータが、一定の時間間隔で左可動部材10と右可動部材20との間隔を狭めたり広げたりさせる動作を繰り返す構成であるが、この構成に限らず、回転駆動モータは、例えば、繰り返し回数が増加するにつれて繰り返しの時間間隔が短くなる等、繰り返しの時間間隔を異ならせて左可動部材10と右可動部材20との間隔を狭めたり広げたりさせる動作を繰り返す構成としてもよい。また、例えば、回転駆動モータは、繰り返し回数が増加するにつれ、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を挟む姿勢に維持される時間が長くなる等、回転駆動モータが順方向の回転から逆方向の回転への切り替えの間に回転駆動モータを停止させる時間を設け、その時間を繰り返し回数によって変化させた動作を繰り返す構成としてもよい。また、殻割り演出において、回転駆動モータは、左可動部材10と右可動部材20との間隔を狭めたり広げたりさせる動作を遊技者の意思に関わらず自動的に実行する構成であるが、パチンコ機100に既存の押圧操作装置261の操作等又は新たに設けられる装置に対する遊技者の入力操作に応じて、その動作を実行する構成としてもよい。例えば、時刻tc4~時刻tc8の期間が押圧操作装置261に対する遊技者の入力操作が可能な期間(操作可能期間)として設けられ、その期間における入力操作の回数が規定の回数以上となった場合に、殻割り演出が終了する構成としてもよい。
殻割り演出の途中の時刻t1において、ラウンド中フラグがオン状態となり、第1ラウンドが開始される。ラウンド中フラグについては、図23を参照した上記の説明を参照することとし、その概要について説明する。ラウンド中フラグは、確変予定の特別遊技状態にあっては所定の最大継続時間TAの後に、また、時短予定の特別遊技状態にあっては所定の最大継続時間TIの後に、オフ状態となり、第1ラウンドが終了する。また、上大入賞スイッチ444で検出される遊技球の個数が規定数となった場合には、最大継続時間TAの経過前であってもオフ状態となり、第1ラウンドが終了する。
また、第1ラウンドが開始されると、上進入規制機構454が進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化を開始する。上進入規制機構454の動作については、図23を参照した上記の説明を参照することとし、その概要について説明する。上進入規制機構454は、第1ラウンドが開始される時刻t1の後、時刻t3に進入可能姿勢を経て、時刻t4に進入許容姿勢となる。その後、上進入規制機構454は、時刻t5に進入許容姿勢から進入禁止姿勢への姿勢変化を開始し、進入可能姿勢を経て進入禁止姿勢に戻る。このため、上進入規制機構454は、概ね時刻t3~時刻t5(時間TE+時間TF)において進行可能状態をとる。また、上進入規制機構454は、概ね時刻t6~時刻t7において進行可能状態をとり、更に、図示しないが、時刻t6~時刻t7における進入可能状態と同様に、所定の時間TKを隔てて、所定回数だけ進行可能状態をとる(図23参照)。
また、第1ラウンドが開始されると、振分機構437が非誘導姿勢から誘導姿勢への姿勢変化を開始する。振分機構437の動作については、図23を参照した上記の説明を参照することとし、その概要について説明する。第1ラウンドが開始される時刻t1の直後に、誘導可能姿勢を経て誘導姿勢となる。時刻t1から所定の時間TC後の時刻t2に、振分機構437は、誘導姿勢から非誘導姿勢への姿勢変化を開始し、誘導可能姿勢を経て非誘導姿勢に戻る。振分機構437は、概ね時刻t1~時刻t2において進入可能状態となるが、この進入可能状態をとる期間に案内通路494を通して遊技球が案内されることはなく、この期間は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状態ではなく、進入可能期間とはならない。
また、時刻t2から所定の時間TD後に、振分機構437は、再度、非誘導姿勢から誘導姿勢への姿勢変化を開始する。その後、所定の時間(図23における時間TG)後に、誘導姿勢から非誘導姿勢への姿勢変化を開始し、誘導可能姿勢を経て非誘導姿勢に戻る。このため、振分機構437は、時刻t4直後から2回目の進入可能状態となる。この2回目の進入可能状態である期間には、上進入規制機構454が進行可能状態である場合に案内通路494に進入した遊技球が進行してくるため、この2回目の進入可能状態である期間は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能であり、進入可能期間となる。
時刻tc8において、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。このため、図26(C)に示すように、左可動部材10と右可動部材20とは、宝卵482を挟む姿勢から宝卵482を圧迫する姿勢へと変化する。また、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れて宝483(図中はダイヤモンド)が出てくる宝出現演出の表示が開始される。この宝出現演出における宝483の表示が、確変移行の特別遊技状態への移行に対応し、装飾図柄表示装置479において、第1の種類の大当りに当選したことが判り易く明示される。宝483が表示された後、装飾図柄表示装置479において左可動部材10と右可動部材20との間から宝483が移動する表示が行われる。
また、宝出現演出の開始時期において、右打ち遊技手法の開始を遊技者に促すために、装飾図柄表示装置479において、右打ち遊技手法で遊技を行うことを指示する操作情報(例えば、図26(A)等における表示部479aの右上の「右打ち」)が表示される。この操作情報の表示は、必ずしも宝出現演出の開始時期において表示される必要はなく、殻割り演出中においても操作情報が表示される構成としてもよい。
ここで、宝出現演出において、宝卵482からはその種類や色や大きさや個数が異なる宝483を出現させる表示を実行するが、それらの宝483が出現する割合は、背面設定スイッチ905および初期化スイッチ907の操作により設定可能な3段階の確率状態によって異ならせている。このため、宝卵482から出現した宝によって現在設定されている確率状態を示唆することができ、遊技者は、現在設定されている確率状態を推測することができる。なお、宝卵482から出現する宝483によって確率状態を示唆する構成であるが、この構成に限らず、例えば、プレミアム演出を発生させるといった特典を得るためのポイントを付与する構成としてもよい。また、宝出現演出が進入可能期間の開始を知らせると共に、確率状態を示唆する構成であるが、確率状態を示唆する構成は必ずしも必要な構成ではない。
左可動部材10と右可動部材20との間から宝483が移動する表示が行われた後の時刻tc9に、左可動部材10を右上側に移動させる左斜め移動駆動モータ(図25の斜め移動駆動モータ)と、右可動部材20を左下側に移動させる右斜め移動駆動モータ(図25の斜め移動駆動モータ)とが順方向の回転を開始する。タイマ殻割りミッション演出の全体に亘り、左可動部材10を斜め移動させる場合には、右可動部材20も、左可動部材10と同一の移動量だけ、離間姿勢に対して遠ざかる方向及び近づく方向のうち左可動部材10と同一の方向に、同時に移動させる制御が実行される。したがって、以下において、左斜め移動駆動モータと右斜め移動駆動モータとを識別することなく、図25に示すように、それらを纏めて斜め移動駆動モータと称して説明する。
移動駆動モータは、副制御基板940によって制御される。具体的には、副制御基板940のROMには、順方向の回転(図25における順回転)、逆方向の回転(図25における逆回転)又は回転の停止(図25における停止)を指定する斜め移動駆動情報が、それらの動作を切り替えるタイミング(例えば、順方向の回転を指定する時刻tc9;逆方向の回転を指定する時刻tc11;停止を指定する時刻tc8及び時刻tc12)と関連づけて記憶されている。
時刻tc9から所定の時間(例えば、0.2秒)後であって、上進入規制機構454が進行可能状態となる時刻t3と略同じ時刻tc10に、斜め移動駆動モータが停止する。このため、左可動部材10と右可動部材20とが、近接姿勢となる。この近接姿勢において、左可動部材10と右可動部材20とは、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する配置(特典領域指示配置)をとる。これにより、特典領域409Vに遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることができる。左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢となることで、宝出現演出が終了し、殻割りミッション演出も終了する。なお、殻割りミッション演出が、左可動部材10や右可動部材20の演出動作と装飾図柄表示装置479における表示とで実行される構成であるが、この構成に限らず、殻割りミッション演出は、左可動部材10及び右可動部材20の少なくとも一方の演出動作のみで実行される構成や、左可動部材10及び右可動部材20の少なくとも一方の演出動作に代えて又は加えて、パチンコ機100に既存の又は新たに設けられる別の可動部材の動作で実行される構成としてもよい。左可動部材10や右可動部材20とは別の可動部材を用いる場合には、遊技盤400に設けられる可動部材のみならず、例えば、前ブロック102に設けられる可動部材を動作させる構成であってもよい。また、殻割りミッション演出は、左可動部材10及び右可動部材20の少なくとも一方の演出動作と共に、装飾図柄表示装置479の表示に代えて又は加えて、装飾図柄表示装置とは別のパチンコ機100に既存の又は新たに設けられる装置による表示や、既存の枠発光装置271~275(図10参照)や盤面発光装置490等又は新たに設けられる装置による発光や、既存の音響装置281,282(図3参照)や新たに設けられる装置による音響で実行される構成としてもよい。
殻割りミッション演出の終了に伴って、引き続き、特典領域409Vに遊技球を進入させるように遊技球の発射操作をすることを、文字情報を用いて具体的に指示する特定発射操作演出としてのVを狙え演出が開始される。Vを狙え演出が開始されると、左可動部材10と右可動部材20とが近接姿勢をとる状態のままで、装飾図柄表示装置479において、特典領域409Vに遊技球を進入させるように文字で指示する表示が行われる。このVを狙え演出は、特典領域409Vに進入した遊技球を検出する特定通路スイッチ448によって遊技球が検出されるまで継続される。特定発射操作演出の開始時期は、特典領域409Vに遊技球が進入可能な期間(時間TE)の開始と同時であってもよいし、その時間TEの開始後であってもよい。なお、特定発射操作演出の開始時期を、時間TEの開始前としてもよいが、少なくとも時短移行の特別遊技状態であることが振分機構437の動作で確認可能となる時間TJの経過後とすることが好ましい。
Vを狙え演出の開始後の時刻tc11に、特定通路スイッチ448によって特典領域409Vへ進入した遊技球が検出されると、斜め移動駆動モータが逆方向の回転を開始すると共に、回転駆動モータも逆方向の回転を開始する。このため、左可動部材10と右可動部材20とは、近接姿勢から離間姿勢への姿勢変化を開始する。斜め移動駆動モータについてはtc11から所定の時間(例えば、0.2秒)後の時刻tc12に、回転駆動モータについてはtc11から所定の時間(例えば、0.2秒)後の時刻tc13に、逆方向の回転が停止される。これにより、時刻tc13以降、左可動部材10と右可動部材20とは近接姿勢に維持される。
ここで、左可動部材10や右可動部材20の発光形態について説明する。左可動部材10や右可動部材20は、殻割り演出や宝出現演出やVを狙え演出等の各種の演出の進行に応じた形態で発光する。
左可動部材10や右可動部材20が離間姿勢から宝卵482を挟む姿勢への変化を開始する時刻tc2から左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫するような動作を開始する前の時刻tc4までの期間において、左可動部材10の背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子(図示せず)と、右可動部材20の背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子(図示せず)とが点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が点灯する形態(図25における点灯)で発光する。
また、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫するような動作を開始する前の時刻tc4からその繰り返しの動作を終了する時刻tc8までの期間においては、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を挟む姿勢よりも近づいた姿勢をとっている場合に、左可動部材10と右可動部材20との背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子が点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が動作に合わせて点滅する形態(図25における可動部材連動の点滅)で発光する。
また、宝出現演出が実行される時刻tc8から時刻tc10までの期間において、左可動部材10と右可動部材20との背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子が所定の間隔(例えば、0.1秒)で点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が点滅する形態(図25における高速点滅)で発光する。
また、Vを狙え演出が実行される時刻tc10から時刻tc11までの期間において、左可動部材10と右可動部材20との長手方向に沿って一列に配置した複数の発光素子29が、左可動部材10の回転軸側端部から可動側端部に向けて順次に点灯し、それに引き続き、右可動部材20の可動側端部から回転軸側端部に向けて順次に点灯する。このため、左可動部材10の回転軸側端部から特典領域409Vの近傍に位置する右可動部材20の回転軸側端部に向けて光が流れる形態(図25における流れ点滅)で発光する。
ここで、時短予定の特別遊技状態における演出について説明する。時短予定の特別遊技状態において、時刻td1~時刻td8までは、確変予定の特別遊技状態における時刻tc1~時刻tc8までと同一の演出が実行される。
上進入規制機構454は、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドが開始される時刻tb1に、進入禁止姿勢から進入許容姿勢への姿勢変化を開始する。上進入規制機構454は、時刻tb3の直後に進入可能姿勢を経て、進入許容姿勢となる。その後、上進入規制機構454は、時刻tb4に進入許容姿勢から進入禁止姿勢への姿勢変化を開始し、進入可能姿勢を経て、進入禁止姿勢に戻る。このため、上進入規制機構454は、概ね時刻tb3~時刻tb5(時間TF)において進行可能状態をとる。
また、振分機構437は、振分機構437は、確変予定の特別遊技状態と同様に、概ね時刻tb1~時刻tb2において進入可能状態となるが、この進入可能状態である期間に案内通路494を通して遊技球が案内されることはなく、この進入可能状態である期間は、特典領域409Vへ遊技球を進入可能な期間(進入可能期間)とはならない。また、振分機構437は、最大継続時間TIが確変予定の特別遊技状態のような時刻t4以降の2回目の進入可能状態が発生するまでの時間よりも短く設定されているため、2回目の進入可能状態をとることはない。したがって、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンドにおいて、特典領域409Vに遊技球を進入可能な期間(進入可能期間)は発生しない。
時刻td8において、確変予定の特別遊技状態と同様に、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。このため、左可動部材10と右可動部材20とは、宝卵482を挟む姿勢から宝卵482を圧迫する姿勢へと変化する。これにより、殻割れず演出が開始される。しかし、確変予定の特別遊技状態とは異なり、図26(D)に示すように、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、図26(C)に示す宝483(図中はダイヤモンド)が出てこない表示が開始される。
時刻td8から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻td13に、回転駆動モータが逆方向の回転を開始する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とは、宝卵482を圧迫する姿勢から、宝卵482を挟む姿勢を通り越して、姿勢離間姿勢への姿勢変化を開始する。また、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が圧迫されるが割れず、あたかも宝卵482が左可動部材10と右可動部材20とを跳ね除けるように元の形に戻る表示が行われる。また、左可動部材10と右可動部材20との姿勢離間姿勢への姿勢変化により、宝卵482の支えがなくなり落下するような表示が行われる。殻割れず演出は、装飾図柄表示装置479において左可動部材10と右可動部材20との間から宝卵482が下方に移動する表示が行われた後であって、第1ラウンド中の時刻tc10に終了する。
また、殻割れず演出が実行される時刻tc8から時刻tc10までの期間において、左可動部材10と右可動部材20との背面側に全体に亘って点在させた多数の発光素子が、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出の場合よりも長い所定の間隔(例えば、0.5秒)で点灯する。このため、左可動部材10や右可動部材20は、それらの全面が宝出現演出の場合より低頻度で点滅する形態(図25における低速点滅)で発光する。
なお、殻割れず演出が第1ラウンドの途中で終了する構成であるが、この構成に限らず、殻割れず演出は、第1ラウンドの終了と同時(時刻tb10)に終了する構成や、第1ラウンド後に終了する構成としてもよい。殻割れず演出が第1ラウンド後に終了する構成の場合には、殻割れず演出は、第2ラウンドの開始前までに終了することが好ましい。
殻割れず演出の後の時刻td10から時刻td14まで、装飾図柄表示装置479において、進入可能期間が発生しないことを示す残念演出が実行される。残念演出が開始されると、装飾図柄表示装置479において、進入可能期間が発生しないことを示す表示(例えば、残念との文字表示)が行われる。また、特別遊技状態の開始時から右打ち遊技手法による遊技を促す流下位置情報(図26(D)の右上の「右打ち」)が表示されているが、残念演出が開始された場合に、その流下位置情報の表示は、線幅を太くしたり、大きくしたり、点滅させたりする等、強調して表示される。これにより、結果に落胆して遊技球の発射を停止してしまったり、遊技球の発射を停止して結果を見守っていた場合に遊技球の発射を再開せず又は発射が遅れてしまったりすることで、第2ラウンド以降で不利益を受けないように、遊技者に注意を喚起することができる。
以上で説明したパチンコ機100によれば、確変予定の特別遊技状態において第1ラウンドが開始されて進入可能期間へ移行する場合に、装飾図柄表示装置479によって、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドの開始前に所定の表示情報(宝483)が表示され、その表示後に所定の演出動作(近接姿勢への変化)が行われる。そして、所定の演出動作の後には、特典領域409Vに遊技球が進入し、確変遊技状態へと移行する。このため、進入可能期間を生じる確変予定の特別遊技状態が発生する場合において、装飾図柄表示装置479による宝483の表示により、予告として左可動部材10や右可動部材20の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、左可動部材10や右可動部材20の近接姿勢への変化によって、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となったことを遊技者に知らせることが可能になる。したがって、左可動部材10や右可動部材20の所定の演出動作を見逃して、特典領域409Vに遊技球を進入させて確変遊技状態を発生させる機会を失うといった不具合の発生を抑制することが可能になる。また、動作による左可動部材10や右可動部材20の報知の方が、表示による装飾図柄表示装置479の報知よりも目立たせることが可能になり、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となる機会を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状況は、装飾図柄表示装置479による所定の表示情報の表示と、その表示情報の表示後における装飾図柄表示装置479より遊技者に近い前側に配置される可動部材10,20の姿勢変化とによって遊技者に示される。このため、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状況が時間的に近づいていることを、遊技者に近い部材(装置)を用いて、より判り易く遊技者に示唆することができる。
<特典領域409Vへ遊技球を好適に進入させることが可能な演出>
次に、特典領域409Vへ遊技球を好適に進入させることが可能な演出について、図5と共に、図27~図31を参照して説明する。特典領域409Vへ遊技球を進入させることが可能な場合に実行される演出の一種として、後述する右入力操作装置801Rの右入力レバー810Rを遊技者が操作することで演出に参加可能な片手参加型の演出が実行される。片手参加型の演出においては、遊技者が発射操作装置250による発射操作を操作している手を右入力レバー810Rへ移動することで、右入力レバー810Rの操作を行い易く構成される。
片手参加型の演出は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状態となるラウンドの実行中であって進入可能期間となる前に実行される。片手参加型の演出が実行されると、遊技者が発射操作をしない可能性が高まり、発射操作がされない分、遊技球が振分機構437の設けられる上大入賞装置434の側へ進行することを抑制することができる(図7参照)。このため、例えば、上記したような球噛み連鎖通過が発生する状況であっても、進入可能期間の開始前に、上大入賞装置434に多数の遊技球が進入して進入可能期間が発生しなくなる事態を抑制することができる。これにより、進入可能期間において遊技球を特典領域409Vへ進入できなくなる事態を防止し易くすることができる。
片手参加型の演出では、入力操作装置として、前ブロック102の右端に設けられる右入力操作装置801R(図5参照)が用いられる。右入力操作装置801Rは、遊技者が手で握る操作をすることで入力を行える右入力レバー810Rを備えている。右入力レバー810Rは、図5に示すように、前ブロック102の右端であって、台座251に設けられた発射ハンドル252を回転操作することで遊技球の発射を調節可能な発射操作装置250の上方側に配置されている。また、右入力レバー810Rは、前面装飾体210の開口210Aを塞ぎつつ後方側を視認可能とする中央パネル220よりも前方側(遊技者側)に突出して配置される。このため、発射操作装置250による発射操作(発射ハンドル252の回転操作)を行う右手の方が左手よりも右入力レバー810Rに近く、その分、右入力レバー810Rの操作を右手で行い易くすることができる。
図27は、図5のX1-X1を含む切断面により右入力レバー810Rの配置及び構造を模式的に示す断面図である。右入力レバー810Rは、図27に示すように、装飾図柄表示装置479や、遊技盤400の後方側に設けられた左可動部材10及び右可動部材20や、遊技盤400の前面側に形成された遊技領域409(右流下領域409R)よりも前方側に配置されている。
右入力レバー810Rは、遊技者によって握られる右握り壁811Rと、右操作部材812Rとを備えている。右操作部材812Rは、遊技者側から見て右握り壁811Rの左斜め前側に突出した突出位置(図27(A)の実線で示す位置)と、突出位置より右斜め後側に移動し、右握り壁811Rに少なくとも一部が埋没する埋没位置(図27(B)の破線で示す位置)とをとる。右操作部材812Rは、遊技者による操作が行われていない状況においては、突出位置に配置される。
右操作部材812Rは、右入力レバー810Rを握る操作に基づいて、右斜め後側(図27における右下側)へ押圧されて移動する。右操作部材812Rの移動は、右握り壁811Rの内部空間に設けられた右握り操作検出スイッチ(図示せず)によって検出される。右握り操作検出スイッチによる右入力レバー810Rを握る操作の検出は、副制御基板940によって監視され、その操作に応じて装飾図柄表示装置479の表示内容の制御等が副制御基板940によって行われる。
右入力レバー810Rは、右操作部材812R及び右握り壁811Rの前方側、左方側、下方側、上方側及び後方側を覆う被覆壁(以下において、右被覆壁813Rとも称す)を備えている。このため、遊技者が右入力レバー810Rを掴んで右操作部材812Rを操作しようとする場合に、右方側から右入力レバー810Rを掴むように制限できる。このように、右入力レバー810Rに対しての右操作部材812Rの操作は左手より右手の方が容易に行える構成とされていることで、右入力レバー810Rへの入力操作が可能な期間(有効期間TL)において、遊技者が発射操作装置250の発射操作を止めて遊技球の発射が停止され易くすることができる。
具体的には、右被覆壁813Rは、右握り壁811Rの左方側において右握り壁811Rの後端部分よりも後側に延びる左壁814Lと、右握り壁811Rの前端部分と左壁814Lの前端部分とに繋がり、右操作部材812Rの前方側を覆う前壁814Fとを備えている。左壁814Lと前壁814Fは、遊技者側から見て左手前側からの右操作部材812Rへの接触操作を不能とする部位であり、これにより、発射操作をしていない左手を用いた右操作部材812Rに対する操作を困難にすることができる。
また、右被覆壁813Rは、左壁814Lの下端部分から右握り壁811R側に延びて右握り壁811Rや前壁814Fの下端部分に繋がり、右操作部材812Rの下方側を覆う下壁814Dと、左壁814Lの上端部分から右握り壁811R側に延びて右握り壁811Rや前壁814Fの上端部分に繋がり、右操作部材812Rの上方側を覆う上壁819U(図5参照)とを備えている。このため、発射操作をしていない左手を利用して、右入力レバー810Rの下方側や上方側から右操作部材812Rを操作することを困難にすることができる。
また、右被覆壁813Rは、左壁814Lの後端部分から右握り壁811R側に延びて、下壁814Dや上壁814Uの後端部分に繋がり、右操作部材812Rの後方側を覆う後壁814Bを備えている。このため、発射操作をしていない左手の指を利用し、左壁814Lや下壁814Dや上壁814Uの後方側の隙間部分から指を回り込ませての右操作部材812Rに対する操作を困難にすることができる。
左壁814Lは、右操作部材812Rの右端から指先を挿入可能な空間が右入力レバー810Rの内部に形成される距離だけ隔てて設けられ、また、後壁814Bは、右握り壁811Rの後端部分から指を挿入可能な距離だけ隔てて設けられる。このため、遊技者は、右握り壁811Rの後側に形成された右側に開口した部分から右手の指先を入れることで、右操作部材812Rに指先を容易に接触させることができる。また、遊技者は、右握り壁811Rの右端に手のひらを当て、また、右操作部材812Rの左端に親指以外のいずれかの指先を接触させて手を握ることで、右操作部材812Rを右斜め後側(右握り壁811R側)に容易に押圧できる。
なお、左手による右操作部材812Rの操作を困難にする右被覆壁813Rによって必ずしも常に左手による操作を困難にする必要はない。例えば、右被覆壁813Rの少なくとも一部分が他の部分に対して変位動作可能に設けられ、当該一部分の相対位置を変化させることで、左手による右操作部材812Rの操作を一時的に許容可能にする構成としてもよい。例えば、左壁814Lが他の壁とは別部材によって移動可能に設けられ、左壁814Lが前後方向や上下方向に移動することで、右入力レバー810Rの左側に開口が形成されるようにし、左手による右入力レバー810Rを握る操作を一時的に可能にしたり困難にしたりする構成としてもよい。また、右被覆壁813Rに代えて、右入力レバー810Rとは別体であり、前ブロック102に設けられる移動可能な部材が、右操作部材812Rの左方側や前方側を覆うように移動してきて、左手で右操作部材812Rを握る操作を制限する構成としてもよい。また、右入力レバー810Rに設けられる右被覆壁813Rのすべてを設ける必要はなく、右被覆壁813Rを構成する壁の少なくとも一部(例えば、下壁814Dや後壁814B)を設けない構成としてもよい。また、右入力レバー810Rが前ブロック102の右端に設けられた構成としているが、この構成に限らず、前ブロック102の中央側や左側にレバーを設ける構成としてしてもよく、この構成の場合であっても、右側に開口した部分に指先を差し込んで操作部材を操作させる構成とするなど、左手では操作できない又は操作し難い形状の入力レバーを採用することが好ましい。
右入力レバー810Rは、前ブロック102の基枠201に設けられた支持機構によって移動可能に支持されている。また、右入力レバー810Rを握る操作は、右入力レバー810Rの移動が右レバー移動規制装置804Rによって規制されている場合に行えるように構成される。
ここで、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、右入力レバー810Rを用いる片手参加型の演出として実行される片手参加型の殻割りミッション演出の推移について説明する。図28は、確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図28において、ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
図29は、確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図である。図29(A)は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通である殻割り演出の実行中(図28の時刻tc3直後)を示し、図29(B)は、殻割り演出に引き続き実行される宝出現演出の実行中(図28の時刻tc8直後)を示す。また、図29(C)は、時短予定の特別遊技状態において殻割り演出に引き続き実行される殻割れず演出の実行中(図28の時刻td8直後)を示し、図29(D)は、殻割り演出に引き続き実行されるV出現演出中(図28の時刻tc8直後)を示す。
以下においては、図28に示す片手参加型の殻割りミッション演出の制御において、図26に示す殻割りミッション演出の制御との相違部分についてのみ説明する。以下において、図26に示す殻割りミッション演出を、片手参加型の殻割りミッション演出と明確に区別するため、非参加型の殻割りミッション演出とも称す。なお、参加型の殻割りミッション演出と、非参加型の殻割りミッション演出とは、遊技者が、いずれの演出を実行するかを予め選択可能に構成してもよく、例えば、遊技の実行を待機するデモ画面の表示中において選択操作を可能としてもよいし、パチンコ機100の副制御基板940における抽選によっていずれの演出を実行するかを選択してもよく、参加型の演出が複数種類設定されている場合においても、予め選択可能としてもよいし、抽選で演出の内容が選択されるようにしてもよい。
片手参加型の殻割りミッションと非参加型の殻割りミッションとの主な相違部分は、以下の3つである。第1に、片手参加型の殻割りミッション演出の制御においては、殻割り演出が実行される期間(時刻tc2~時刻tc8:図26に示す場合と同一の期間)の少なくとも一部に、右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付ける有効期間TLが設定される。以下において、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが設定される殻割り演出を、片手参加型の殻割り演出とも称す。第2に、片手参加型の殻割りミッション演出の制御においては、第1ラウンドが開始される前のオープニング演出(OP演出)が実行される期間(時刻tc1~時刻tc2:図26に示す場合と同一の期間)に、装飾図柄表示装置479において、遊技者の操作(例えば、右入力レバー810Rを握る操作や発射ハンドル252を回転させる操作)に関する各種の情報(以下において、入力操作関連情報とも称す)が表示される。また、第3に、片手参加型の殻割り演出が実行される期間において、左可動部材10と右可動部材20とが、副制御基板940によって制御される規定の動作ではなく、遊技者による右入力レバー810Rを握る操作に応じて動作する。以下において、片手参加型の殻割り演出において遊技者が右入力レバー810Rを握る操作を行う場合には、発射操作装置250から右手を離して、右手で右入力レバー810Rを握る操作を行うものとして説明する。
確変予定の特別遊技状態が開始される時刻tc1であって、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLよりも前において、オープニング演出(図28のOP演出)が実行され、装飾図柄表示装置479に、右入力レバー810Rを握る操作の準備として、入力操作関連情報の一種であり、右入力レバー810Rを掴む動作を指示する操作準備指示情報(例えば、「右入力レバーを掴め」との文字情報)が表示される。なお、操作準備指示情報は、文字情報である構成であるが、この構成に限らず、これに代えて、又は、これに加えて、右入力レバー810Rの掴み方や右操作部材812Rの動き方などにより、右入力レバー810Rの操作方法を画像情報として表示する構成としてもよいし、音声により操作方法を出力する構成としてもよい。また、操作準備指示情報を出力する構成は必須の構成ではなく、省略してもよい。
また、オープニング演出が開始される時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、図示しないが、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLの開始タイミングを示唆する開始示唆情報(例えば、数字のカウントダウン表示やメーターの減少表示)が表示される。なお、開始示唆情報についても、文字表示、画像表示、音声のいずれか又は、組合せを出力してもよいし、開始示唆情報を出力する構成を省略してもよい。
また、オープニング演出が開始される時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、操作指示演出において、遊技球を打ち出さなくてもよいことを遊技者に知らせる発射不要情報(「球の打ち出しは不要だよ!」との文字情報:図29(A)参照)が表示される。これにより、遊技者は、発射操作装置250から手を離してもよいことを知ることができ、発射操作装置250を握っている右手を戸惑うことなく右入力レバー810Rに移動させ、右入力レバー810Rを右手で掴むことができる。発射不要情報は、操作指示演出に引き続き実行される殻割り演出が終了する時刻tc8まで継続して表示される。なお、発射不要情報についても、文字表示、画像表示、音声のいずれか又は、組合せを出力してもよいし、発射不要情報を出力する構成を省略してもよい。
また、オープニング演出に引き続き片手参加型の殻割り演出が開始される時刻tc2に、装飾図柄表示装置479において、操作準備指示情報に代えて、右入力レバー810Rを握る操作を指示する右握り操作指示情報484S(例えば、「右入力レバー連続で握れ」との文言:図29(A)参照)が表示される。右握り操作指示情報484Sは、オープニング演出に引き続き実行される片手参加型の殻割り演出が終了する時刻tc8まで継続して表示される。なお、右握り操作指示情報484Sは、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、右操作部材812Rが連続して動作している状態や右入力レバー810Rを右手で連続して握る状態を示す画像などにより、右入力レバー810Rの操作方法を画像で表示する構成としてもよく、音声出力をしてもよく、省略してもよい。
オープニング演出に引き続き実行される片手参加型の殻割り演出中の時刻te1に、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLであるか右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付けない期間であるかを識別する右握り操作有効フラグがオン状態となる。右握り操作有効フラグは、副制御基板940のRAMに記憶されている。右握り操作有効フラグがオン状態である期間において、右入力レバー810Rを握る操作に基づき、右握り操作検出スイッチによって右操作部材812Rの移動が検出された場合、副制御基板940は、当該検出を有効なものと判断して受け付ける。一方、右握り操作有効フラグがオフ状態である期間においては、右握り操作検出スイッチによって右操作部材812Rの移動が検出されたとしても、副制御基板940は当該検出を無効なものと判断して受け付けない。
右握り操作有効フラグがオン状態となると、副制御基板940の演出タイマに、副制御基板940のROMに記憶された右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLの長さに対応する値が初期設定される。右握り操作有効フラグは、殻割り演出が実行される期間に亘ってオン状態に維持され、殻割り演出の終了時(時刻tc8)であって第1ラウンドが開始(時刻t1)された後に、オフ状態となる。
ここで、右入力レバー810Rは、装飾図柄表示装置479(操作可能表示手段)によって右握り操作指示情報484S(図29(A)参照:所定の操作情報)が表示された場合に、手で握る操作(所定の入力操作)を実行可能に構成されている。そして、右入力レバー810Rを握る操作を有効に受け付ける有効期間TLの開始と同時又は開始の前に、装飾図柄表示装置479によって、右入力レバー810Rを握る操作を遊技者に指示する右握り操作指示情報484Sが表示される。また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLは、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの少なくとも一部を含む期間に設定されている。このため、遊技者が発射操作装置250に対する発射操作を止めて右入力レバー810Rを握る操作を行う場合には、たとえ上進入規制機構454(図29(A)参照)による球噛みに起因する球噛み連鎖通過が発生したとしても、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間に、上進入規制機構454の設置箇所に到達し、振分機構437側に進行してしまう遊技球の個数を減らす又は無くすことができる。
また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLは、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始まで期間において、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TL外である時間(以下において、無効時間とも称す)が、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間に規定数を乗じた時間未満となる長さとなるように設定されることが好ましく、無効時間が、発射間隔に相当する時間に規定数より2以上小さい数を乗じた時間未満となる長さとなるように設定されることが更に好ましい。第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までにおける右入力レバー810Rを握る操作の無効時間が短くなるにつれて、球噛み連鎖通過が発生したとしても振分機構437側に進行する遊技球の個数を減らすことができ、無効時間が発射間隔に相当する時間に規定数より2以上小さい数を乗じた時間未満に設定した場合には、球噛み連鎖通過により進行した遊技球の個数が規定数まで到達してしまうことをほぼ確実に防止できる。
第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間(時刻t1~時刻t4:概ね9.0秒)において右握り操作有効フラグがオフ状態である時間(右入力レバー810Rを握る操作の無効時間)は、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間(例えば、0.6秒)に規定数(例えば、10個)を乗じた時間(例えば、6.0秒)よりも十分に短い時間(例えば、2.5秒)となるように、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLの終端は設定されている。このため、進入可能期間が開始される前に、たとえ遊技球の球噛み連鎖通過が発生したとしても、規定数以上の遊技球が案内通路494に進入して上大入賞スイッチ444で検出されてしまうことを防止できる。
また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが終了してから上進入規制機構454の1回目の進行可能状態が終了(概ね時刻t5)するまでの時間が、遊技領域409に向けて発射された遊技球が上進入規制機構454の設置箇所に到達するまでの平均的な時間(例えば、2.0秒:以下において、上進入規制機構454への平均到達時間とも称す)よりも長くなるように、有効期間TL(例えば、2.5秒)の終端は設定されている。このため、有効期間TLの直後に発射された遊技球を、上進入規制機構454が1回目の進行可能状態である期間内に上進入規制機構454に到達させることが可能となり、有効期間TLに亘り遊技球の発射が停止されたとしても、遊技者に不利益を与えることを防止できる。
また、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが終了してから進入可能期間が開始されるまでの時間が、上進入規制機構454への平均到達時間に、案内通路494に対する平均進行時間(例えば、1.5秒)を加えた時間(例えば、3.5秒)よりも短くなるように、有効期間TLの終端は設定されている。このため、有効期間TLが終了した後に遊技者が遊技球の発射を再開したとしても、有効期間TLの直後に発射され、案内通路494に進入した遊技球を特典領域409Vに進入させることが可能となり、有効期間TLに亘り遊技球の発射が停止されたとしても、遊技者に不利益を与えることを防止できる。
なお、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLは第1ラウンドの開始前に開始される構成であるが、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間は、第1ラウンドの開始後に開始される構成としてもよい。この場合には、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間において、有効期間TLの前後で右握り操作有効フラグがオフ状態である時間の総和が、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間に規定数を乗じた時間より短くなるように、有効期間TLの始端や終端が設定されていることが好ましい。
右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLにおいて、右入力レバー810Rを握る操作が行われ、右握り操作検出スイッチがオン状態となると(例えば、時刻te4)、回転駆動モータが順方向の回転を開始する。また、回転駆動モータは、時刻te4から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻te5に逆方向の回転に切り替わり、更に、時刻te5から所定の時間(例えば、0.1秒)後の時刻te6に停止する。時刻te4から時刻te6の回転駆動モータの動作によって、左可動部材10と右可動部材20とは、図29(A)に示す宝卵482を挟む姿勢から宝卵482を圧迫する姿勢(図26(B)参照)へ変化した後に、宝卵482を挟む姿勢に戻る。時刻te4から時刻te6の動作は、右握り操作検出スイッチがオン状態となるたびに実行される(図28においては9回動作する場合が示されている)。
右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLにおいて、右入力レバー810Rを握る操作が所定の回数(例えば、6回)以上、右握り操作検出スイッチで検出された場合に、片手参加型の殻割り演出に引き続き宝出現演出が実行される。一方、有効期間TLにおいて、右入力レバー810Rを握る操作を行わない、又は、右入力レバー810Rを握る操作を行うもの所定の回数未満しか行わない場合には、装飾図柄表示装置479において、片手参加型の殻割り演出に引き続き、図29(D)に示すように、進入可能期間の発生を前もって告知するV前告知情報486(図29(D)のV球)が宝卵482から出現する表示が行われるV出現演出が実行される。
なお、有効期間TLにおける右入力レバー810Rを握る操作が所定の回数以上行われたことを条件として、殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成としているが、この構成に限らず、有効期間TLを分割した複数の分割期間(例えば、1秒ごとの9つの期間)を設け、各判定期間において右入力レバー810Rを握る操作が少なくとも1回行われたことを条件として、殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成とすることが好ましい。この好ましい構成の場合には、長時間(有効期間TLの全体)に亘って、連続して右入力レバー810Rを握る操作を行うように、遊技者を誘導することが可能になる。このため、たとえ球噛み連鎖通過が発生したとしても、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までに上大入賞スイッチ444で検出される遊技球の個数を減少させる効果を、有効期間TLの一部又は全部で右入力レバー810Rを握る操作が実行されない場合に比べて向上させることができる。
片手参加型の殻割り演出に引き続き実行される宝出現演出(時刻tc8~時刻tc10)において、回転駆動モータは、順方向の回転をし、左可動部材10と右可動部材20とが宝卵482を圧迫する姿勢をとる(時刻te14)。装飾図柄表示装置479には、宝卵482が圧迫された表示が行われ、その後に、特典領域409Vへ遊技球が進入可能状態が開始されることを遊技者に知らせる情報であり、かつ、現在設定されている確率状態を推測可能な情報である図29(B)に示すような宝483が宝卵482から出現する表示が行われる。
次に、時短予定の特別遊技状態の第1ラウンド(確変予定の特別遊技状態における特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドに対応するラウンド)において、右入力レバー810Rを用いる片手参加型の演出として実行される片手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図29(C)と共に、図30を参照して説明する。図30は、時短予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。
図30に示すように、オープニング演出(OP演出)が実行される時刻td1~時刻td2においては、図28に示す確変予定の特別遊技状態の時刻tc1~時刻tc2と同様(同一)の表示演出の制御が行われる。また、片手参加型の殻割り演出が実行される時刻td2~時刻td8において、図28に示す確変予定の特別遊技状態の時刻tc2~時刻tc8と同様(同一)の表示演出の制御が行われる。
片手参加型の殻割り演出において、右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TLが設けられ、その有効期間TLにおいて遊技者は、確変予定の場合と同様に右入力レバー810Rを握る操作をすることができる。時短予定の特別遊技状態においては、片手参加型の殻割り演出の後に引き続き、殻割れず演出が実行される。殻割れず演出において、図29(C)に示すように、装飾図柄表示装置479に、宝卵482が割れずに下方へ移動する表示が行われる。すなわち、殻割れず演出では、図29(B)に示すような宝483が出現しない表示が行われる。
次に、確変予定の特別遊技状態の第1ラウンドで実行される片手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加しない場合に対する片手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図29(D)と共に、図31を参照して説明する。図31は、確変予定の特別遊技状態における片手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図31において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。以下において、図28に示す片手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合の制御との相違部分についてのみ説明する。
殻割り演出中であって右握り操作有効フラグがオン状態である期間(右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TL)において、右入力レバー810Rが操作されないために、回転駆動モータは停止された状態に維持される。
殻割り演出に引き続き、宝出現演出に代えて、装飾図柄表示装置479に宝卵482からV前告知情報486が出現する表示が行われるV出現演出が実行される(時刻tc8~時刻tc10)。V前告知情報486の出現は、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状態が開始されることを遊技者に知らせる情報ではあるが、現在設定されている確率状態を推測可能な情報ではない。
確変予定の特別遊技状態において、右入力レバー810Rを握る操作によって参加型の演出としての殻割りミッション演出(具体的には、殻割り演出)に参加した場合には、現在設定されている確率状態を推測可能な情報が与えられる(宝483の出現)が、殻割りミッション演出に参加しない場合には、現在設定されている確率状態を推測可能な情報は与えられない。現在設定されている確率状態は遊技の勝敗に関与するため多くの遊技者にとって関心事であるため、確率状態を推測可能な情報が与えられる可能性がある参加型の演出には、遊技の勝敗に関与しない情報(プレミアム演出を発生させるといった特典を得るためのポイント)が与えられる参加型の演出の場合に比べて多くの遊技者を演出に参加させることが可能になる。なお、必ずしも参加型の演出に参加しない場合に、確率状態を推測可能な情報を表示しない構成とする必要はなく、参加した場合の方が参加しない場合より高確率で確率状態を推測可能な情報を表示する構成とし、参加しない場合においても確率状態を推測可能な情報を表示してもよく、参加した場合においても一定の確率で確率状態を推測不能なV前告知情報486を表示するようにしてもよい。
以上で説明したパチンコ機100であれば、参加型の演出を実行することで右入力レバー810Rを握る操作を遊技者に促すことができ、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間の少なくとも一部において、発射操作装置250(発射ハンドル252)を操作している右手を右入力レバー810Rへ移動し遊技球の発射を停止するように遊技者を誘導することが可能になる。これにより、第1ラウンドの実行中であって進入可能期間となる前に、規定数以上の遊技球が振分機構437側へ進行してしまい、確変予定の特別遊技状態が発生したにも関わらず、確変遊技状態に移行させられなくなったといった事態の発生を抑制可能となる。
また、右入力レバー810Rを左手では操作し難い形状とすることで、発射操作装置250を操作する右手によって右入力レバー810Rを操作させ易くでき、第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間の少なくとも一部における遊技球の発射の停止を促進することができる。
<特典領域409Vへ遊技球が進入可能なラウンドの両手参加型の演出>
次に、特典領域409Vへ遊技球を進入可能なラウンドにおいて、好適な演出を実行可能な構成について、図5と共に、図32~図37を参照して説明する。特典領域409Vへ遊技球が進入可能なラウンドで実行される演出の一種として、右入力操作装置801Rと、右入力操作装置801Rよりも左側に設けられる後述の左入力操作装置801Lとを、遊技者が両手で操作することで演出に参加可能な両手参加型の演出が実行される。
以下において、両手参加型の演出としての両手参加型の殻割りミッション演出の推移の説明に先立ち、両手参加型の殻割りミッション演出で用いる右入力操作装置801Rや左入力操作装置801Lについて説明する。図32は、図5のX1-X1を含む切断面により右入力操作装置801R及び左入力操作装置801Lの配置及び構造を模式的に示す断面図である。
右入力操作装置801Rは、遊技球が流下する遊技領域409(右流下領域409R)や装飾図柄表示装置479の前側に位置するように設けられている。具体的には、パチンコ機100は、右入力レバー810Rを移動可能に支持する右支持機構802Rを備え、右入力操作装置801Rの一部をなす右入力レバー810Rが、図5に示すように、前ブロック102の右端に位置する右端配置(実線で示す配置)と、前ブロック102の中央側に位置する中央配置(一点鎖線で示す配置)との間で移動可能である。このため、右入力レバー810Rは、右操作部材812Rを握る操作により情報を入力する装置として機能すると共に、遊技領域409の前側や装飾図柄表示装置479の前側における右入力レバー810Rを移動させる操作により情報を入力する装置として、更に、遊技領域409の前側や装飾図柄表示装置479の前側において右入力レバー810R自体が移動することにより演出を実行する装置としても機能する。
右入力レバー810Rは、右端配置において、遊技領域409の一部である右流下領域409Rを流下する遊技球を流下位置に寄らずに視認できるように位置している。また、右入力レバー810Rは、中央配置において、装飾図柄表示装置479の前側に位置する。このため、右入力レバー810Rを装飾図柄表示装置479の前側において移動することができ、装飾図柄表示装置479における演出よりも目立つ演出や迫力のある演出を実行することが可能になる。
また、右入力レバー810Rは、右端配置と中央配置との間の移動において、装飾図柄表示装置479の前側や右流下領域409Rの前側(2点鎖線で示す配置)に配置される状態をとる。このため、装飾図柄表示装置479における演出や、遊技盤400に設けられた左可動部材10や右可動部材20等による演出などの遊技盤400における演出よりも目立つ演出や迫力のある演出を、右入力レバー810Rによって実行することが可能になる。
また、右入力レバー810Rは、装飾図柄表示装置479や遊技領域409の前側に移動した位置で操作可能である。このため、装飾図柄表示装置479や遊技領域409における演出よりも目立つ位置で、右入力レバー810Rの操作を実行することが可能になる。
また、パチンコ機100は、図5に示すように、右入力操作装置801Rよりも左側に設けられた左入力操作装置801Lを備えている。左入力操作装置801Lは、遊技球が流下する遊技領域409や装飾図柄表示装置479の前側に位置するように設けられた左入力レバー810Lを備えている。
具体的には、左入力操作装置801Lは、図5に示すように、発射操作装置250(発射ハンドル252)の設置側と反対側の前ブロック102の左端において、前ブロック102の前方側(遊技者側)に突出するように設けられた左入力レバー810Lと、左入力レバー810Lを移動可能に支持する左支持機構802Lとを備えている。
左入力レバー810Lは、図5に示すように、右入力レバー810Rと左右対称な形状であり、右握り壁811Rと同様の左握り壁811Lと、右操作部材812Rと同様の左操作部材812Lと、右被覆壁813Rと同様の左被覆壁813Lを備えている。また、左支持機構802Lも、図5に示すように、右支持機構802Rと左右対称な形状であり、左入力レバー810Lは、前ブロック102の左端に位置する左端配置(実線で示す配置)と、前ブロック102の中央側であって装飾図柄表示装置479の前側に位置する中央配置(一点鎖線で示す配置)との間で移動可能である。
左入力レバー810Lは、左端配置と中央配置との間の移動において、遊技領域409の一部である左流下領域409Lの前側に配置される状態をとる。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方を中央配置に移動させる操作に基づく動作によって、装飾図柄表示装置479や遊技盤400における演出よりも目立つ演出や迫力のある演出を実行することが可能になる。
また、左入力レバー810Lは、装飾図柄表示装置479や左流下領域409L(遊技領域409)の前側に移動した位置で操作可能である。このため、装飾図柄表示装置479や遊技領域409における演出よりも目立つ位置で、左入力レバー810Lの操作を実行することが可能になる。
なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、装飾図柄表示装置479の前側に配置された場合に、正面視で左入力レバー810Lの一部や右入力レバー810Rの一部が装飾図柄表示装置479と重なる構成であるが、この構成に限らず、正面視で左入力レバー810Lの全体や右入力レバー810Rの全体が装飾図柄表示装置479と重なる構成としてもよい。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが装飾図柄表示装置479の前側に配置される中央配置をとる場合に、正面視で左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの全体によって装飾図柄表示装置479の一部が覆われる構成であるが、この構成に限らず、正面視で左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの全体によって装飾図柄表示装置479の全体が覆われる構成としてもよい。
また、右入力レバー810Rは、遊技領域409と装飾図柄表示装置479との双方の前側に配置可能に設けられる構成であるが、この構成に限らず、遊技領域409や装飾図柄表示装置479の一方の前側に配置可能に設けられる構成としてもよい。これは、左入力レバー810Lについても同様である。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が、遊技領域409の前側に配置可能に設けられる構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一方が遊技領域409の前側に配置可能に設けられる構成としてもよい。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が、装飾図柄表示装置479の前側に配置可能に設けられる構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一方が装飾図柄表示装置479の前側に配置可能に設けられる構成としてもよい。
右入力レバー810Rを移動可能に支持する右支持機構802Rは、右入力レバー810Rが取り付けられる支持台(以下において、右支持台820Rとも称す)を備えている。右支持台820Rは、上下方向に連続する垂直部分と、垂直部分の下端から前方側に連続する水平部分とを有する側面視でL字形状をなす形状であり、水平部分で右入力レバー810Rの下端を支持する。
また、右支持機構802Rは、前ブロック102の基枠201の右上隅部分に固定された固定回転軸(以下において、右外側固定回転軸821Rとも称す)と、右支持台820Rの右端側の中央部分に固定された可動回転軸(以下において、右外側可動回転軸822R)と、右外側固定回転軸821Rと右外側可動回転軸822Rとを連結する支持腕(以下において、右外側支持腕823Rとも称す)とを備えている。
また、右支持機構802Rは、前ブロック102の基枠201において右外側固定回転軸821Rの左上側に固定された固定回転軸(以下において、右内側固定回転軸824Rとも称す)と、右支持台820Rの左端の上側部分に固定された可動回転軸(以下において、右内側可動回転軸825R)と、右内側固定回転軸824Rと右内側可動回転軸825Rとを連結する支持腕(以下において、右内側支持腕826Rとも称す)とを備えている。
右外側固定回転軸821Rに対する右内側固定回転軸824Rの位置と、右外側可動回転軸822Rに対する右内側可動回転軸825Rの位置とは、相対的に同一の位置であり、右外側支持腕823Rと右内側支持腕826Rとは、同一の長さである。すなわち、右支持機構802Rは、平行リンク機構を形成する。このため、右支持台820Rに設けられることで右支持機構802Rに支持された右入力レバー810Rは、右端配置と中央配置との間の移動において、回転することなく姿勢を一定に保ちながら移動する。したがって、遊技者が右入力レバー810Rを握る操作する場合と同様に右入力レバー810Rを掴んでいたとしても手首を捻ったりすることなく、右入力レバー810Rを円滑に移動させることができる。
左支持機構802Lは、右支持機構802Rと左右対称な形状であるため、左支持台220L(右支持台220Rに相当)と、左外側固定回転軸821L(右外側固定回転軸821Rに相当)と、左外側可動回転軸822L(右外側可動回転軸822Rに相当)と、左外側支持腕823L(右外側支持腕823Rに相当)と、左内側固定回転軸824L(右内側固定回転軸824Rに相当)と、左内側可動回転軸825L(右内側可動回転軸825Rに相当)と、左内側支持腕826L(右内側支持腕826Rに相当)とを備え、平行リンク機構を形成している。このため、右入力レバー810Rの場合と同様に、左入力レバー810Lについても、左入力レバー810Lの姿勢を変化させることなく、移動操作を円滑に行うことができる。なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、平行リンク機構を用いて姿勢が変化することなく移動する構成であるが、この構成に限らず、平行リンク機構を用いることなく姿勢が変化しないで移動する構成としてもよいし、平行リンク機構を用いないで姿勢が変化しながら移動する構成としてもよい。
左入力レバー810Lが左端配置をとり、右入力レバー810Rが右端配置をとる場合に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、所定の間隔(例えば、40cm以上:指先を最大限開いた状態における一般成人男性の親指の先から中指の先までの長さ以上の長さ)を隔てて位置している。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が片手で操作されることを防止できる。
左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが中央配置をとる場合、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとがほぼ隙間なく配置される。このため、左入力レバー810Lが装飾図柄表示装置479を覆う領域と、右入力レバー810Rが装飾図柄表示装置479を覆う領域とが連続した領域となり、装飾図柄表示装置479における連続した広い領域を覆うことができる。
右入力操作装置801Rは、右外側固定回転軸821Rを中心として右外側支持腕823Rを回転させることで、右入力レバー810Rを移動させる右レバー回転駆動モータ831Rを備えている。右レバー回転駆動モータ831Rは、双方向に回転可能であり、所定の方向に回転することで、右入力レバー810Rを右端配置側から中央配置側に移動させることができ、また、所定の方向とは逆の方向に回転することで、右入力レバー810Rを中央配置側から右端配置側に移動させることができる。以下において、右入力レバー810Rを右端配置側から中央配置側に移動させる右レバー回転駆動モータ831Rの回転方向(正面視で右回転)を順方向とも称し、その逆を逆方向とも称す。
左入力操作装置801Lは、左外側固定回転軸821Lを中心として左外側支持腕823Lを回転させることで、左入力レバー810Lを移動させる左レバー回転駆動モータ831Lを備えている。左レバー回転駆動モータ831Lは、双方向に回転可能であり、所定の方向に回転することで、左入力レバー810Lを左端配置側から中央配置側に移動させることができ、また、順方向とは逆の方向に回転することで、左入力レバー810Lを中央配置側から右端配置側に移動させることができる。以下において、左入力レバー810Lを右端配置側から中央配置側に移動させる左レバー回転駆動モータ831Lの回転方向(正面視で左回転)を順方向とも称し、その逆を逆方向とも称す。
右入力操作装置801Rは、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作に基づく右入力レバー810Rの右端配置から中央配置側への移動を検出する右連結操作検出スイッチ838Rを備えている。具体的には、右入力操作装置801Rは、右連結操作検出スイッチ838Rとして、右入力レバー810Rが右端配置である場合に、右外側支持腕823Rに接触してオン状態をとり、右入力レバー810Rが右端配置から中央配置側へ移動することで、右外側支持腕823Rから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lの左端配置から中央配置側への移動を検出する左連結操作検出スイッチ838Lを備えている。具体的には、左入力操作装置801Lは、左連結操作検出スイッチ838Lとして、左入力レバー810Lが左端配置である場合に、左外側支持腕823Lに接触してオン状態をとり、左入力レバー810Lが左端配置から中央配置側へ移動することで、左外側支持腕823Lから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
右入力操作装置801Rは、右入力レバー810Rの右端配置側から中央配置への移動を検出する右連結状態検出スイッチ839Rを備えている。具体的には、右入力操作装置801Rは、右連結状態検出スイッチ839Rとして、右入力レバー810Rが中央配置に移動することで、右外側支持腕823Rに接触してオン状態をとり、右入力レバー810Rが中央配置に移動するまでは、右外側支持腕823Rから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lの右端配置側から中央配置への移動を検出する左連結状態検出スイッチ839Lを備えている。具体的には、左入力操作装置801Lは、左連結状態検出スイッチ839Lとして、左入力レバー810Lが中央配置に移動することで、左外側支持腕823Lに接触してオン状態をとり、左入力レバー810Lが中央配置に移動するまでは、左外側支持腕823Lから離間してオフ状態をとるボタンスイッチを備えている。
右入力操作装置801Rは、右入力レバー810Rの移動を規制する右レバー移動規制装置804Rを備えている。具体的には、右レバー移動規制装置804Rは、前後方向に移動可能な右レバー規制部材841Rを備えている。右レバー規制部材841Rは、右支持台820Rの垂直部分に形成された陥没穴(図示せず)に挿入され、右支持台820Rの移動を制限することで、右入力レバー810Rの右端配置からの移動を規制する規制位置(図27(A)参照)と、陥没穴から抜け出し、右入力レバー810Rの右端配置からの移動を許容する許容位置(図32(A))とをとる。また、右レバー移動規制装置804Rは、右レバー規制部材841Rを駆動する移動駆動ソレノイド(図示せず)を備えている。右レバー移動駆動ソレノイドの動作は、副制御基板940によって制御される。
左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lの左端配置からの移動を規制する左レバー移動規制装置804Lを備えている。具体的には、左レバー移動規制装置804Lは、右レバー移動規制装置804Rと同一の構造であり、右レバー規制部材841Rと同様の左レバー規制部材841Lと、右レバー移動駆動ソレノイドと同様の左レバー移動駆動ソレノイド(図示せず)を備えている。
左入力操作装置801Lと右入力操作装置801Rには、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結可能な装置を備えている。具体的には、右入力レバー810Rには、右被覆壁813Rの左端において上下に離間して配置された上側電磁石818Rと下側電磁石819Rとが設けられている。また、左入力レバー810Lには、左被覆壁813Lの右端において上下に離間する上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとが設けられている。
左入力レバー810Lの上側電磁石818Lは、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置である場合に、右入力レバー810Rの上側電磁石818Rと対向する位置に配置され、また、左入力レバー810Lの下側電磁石819Lは、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置である場合に、右入力レバー810Rの下側電磁石819Rと対向する位置に配置される。このため、例えば、上側電磁石818Lの右側がN極となり、上側電磁石818Rの左側がS極となるように、上側電磁石818Lと上側電磁石818Rとが励磁されることで、図32(C)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを引き付けて連結し、連結された状態で維持することが可能になる。一方、例えば、上側電磁石818Lの右側がN極となり、上側電磁石818Rの左側もN極となるように、上側電磁石818Lと上側電磁石818Rとが励磁されることで、図31(B)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを反発させ、離間した状態で維持することが可能になる。
上側電磁石818L、下側電磁石819L、上側電磁石818R及び下側電磁石819Rの励磁は、副制御基板940によって制御される。
ここで、確変予定の特別遊技状態において特典領域409Vへ遊技球が進入可能となる第1ラウンドで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを用いる両手参加型の演出として実行される両手参加型の殻割りミッション演出の推移について説明する。両手参加型の殻割りミッション演出において、装飾図柄表示装置479に、画像による表示演出に加えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させる操作を指示する情報や、操作の準備や終了を指示する情報や、発射ハンドル252の回転操作を指示する情報など、遊技者による入力操作に関連する入力操作関連情報が表示される。また、両手参加型の殻割りミッション演出において、遊技者は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通で実行される殻割り演出の一部の期間で演出に参加することができる。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出における殻割り演出を、両手参加型の殻割り演出とも称す。
図33は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(殻割りミッション演出)の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図33において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出の制御において、図28に示す片手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加する場合の制御との相違部分についてのみ説明する。
また、図34は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図である。図34(A)は、確変予定の特別遊技状態と時短予定の特別遊技状態とで共通で実行される両手参加型の殻割り演出の開始直後(図33の時刻tf1)を示し、図34(B)は、殻割り演出中(図32の時刻tf4の直後)を示し、図34(C)は、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出の開始直後(図25の時刻tf16)を示し、図34(D)は、確変予定の特別遊技状態における宝出現演出中(図25の時刻tf18直後)を示す。
確変予定の特別遊技状態が開始される時刻tc1に、図33に示すように、装飾図柄表示装置479において、オープニング演出(OP演出)が開始されて、表示部479aの中央の下端から上側に向かって宝卵482が出現する表示が開始される。また、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報として、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを操作する準備として左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを掴む動作を指示する操作準備指示情報が表示される。操作準備指示情報の表示は、オープニング演出が終了する時刻tc2まで継続する。操作準備指示情報は、表示を開始するタイミングや表示を終了するタイミングを指定する時間情報と共に、副制御基板940のROMに記憶されている。
オープニング演出に引き続き両手参加型の殻割り演出が開始される時刻tc2に、装飾図柄表示装置479において、操作準備指示情報に代えて、入力操作関連情報の一種であり、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを中央で連結させるように、両入力レバーを中央配置側に移動させる操作(以下において、連結操作とも称す)を指示する連結操作指示情報(例えば、図34(A)における「左右のレバーを連結して殻を割れ」との文字情報)が表示される。連結操作指示情報は、オープニング演出に引き続き実行される殻割り演出が終了する時刻tc8まで継続して表示される。なお、連結操作指示情報484Dは、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結する動作を示す画像や、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを両手で連結させる動作を示す画像などにより、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの操作方法を画像で表示する構成としてもよいし、音声により操作指示情報を出力する構成としてもよい。また、操作指示情報を出力する構成は必須の構成ではなく、省略してもよい。
操作指示演出に引き続き実行される両手参加型の殻割り演出中の時刻tf1に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を受け付ける期間(以下において、連結操作の有効期間TLとも称す)であるか連結操作を受け付けない期間であるかを識別する連結操作有効フラグがオン状態となる。連結操作有効フラグは、副制御基板940のRAMに記憶されている。連結操作有効フラグがオン状態である期間において、連結操作に基づき左入力レバー810Lの左端端配置からの移動が左連結操作検出スイッチ838Lによって検出された場合に、また、右入力レバー810Rの右端配置からの移動が右連結操作検出スイッチ838Rによって検出された場合に、副制御基板940は、左連結操作検出スイッチ838Lや右連結操作検出スイッチ838Rによる検出を有効なものと判断して受け付ける。一方、連結操作有効フラグがオフ状態である期間においては、左連結操作検出スイッチ838Lや右連結操作検出スイッチ838Rによる検出を無効なものと判断して受け付けない。
連結操作有効フラグがオン状態となると、副制御基板940の演出タイマ(図示せず)に、副制御基板940のROMに記憶された連結操作の有効期間TLの長さに対応する値が初期設定される。連結操作有効フラグは、両手参加型の殻割り演出の終了(時刻tc8)までオン状態に維持される。
第1ラウンドの開始から進入可能期間の開始までの期間(時刻t1~時刻t4:概ね9.0秒)において連結操作有効フラグがオフ状態である時間(連結操作の無効時間)は、遊技球が連続して発射される場合の発射間隔に相当する時間(例えば、0.6秒)に規定数(例えば、10個)を乗じた時間(例えば、6.0秒)よりも十分に短い時間(例えば、2.5秒)に設定される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作は両手で行う必要があり、その期間中は、発射操作装置250の発射操作は行えず、遊技球が発射されない。このため、例えば、上進入規制機構454により遊技球の球噛みが発生していたとしても、進入可能期間が開始される前に、規定数以上の遊技球が案内通路494に進入してしまうことを防止できる。
また、連結操作有効フラグがオン状態となると、左入力レバー810Lの移動を規制する左レバー規制部材841Lを駆動する左レバー移動規制ソレノイドと、右入力レバー810Rの移動を規制する右レバー規制部材841Rを駆動する右レバー移動規制ソレノイドがオン状態となる。左レバー移動規制ソレノイドと右レバー移動規制ソレノイドとは、同じタイミングでオン状態やオフ状態へ移行するため、図33において、それらのソレノイドを区別せずに移動規制ソレノイドとして示す。移動規制ソレノイドがオン状態となると左レバー規制部材841Lと右レバー規制部材841Rとが規制配置から許容配置に変化する。これにより、左入力レバー810Lを左端配置から中央配置へと変化させることが可能になり、また、右入力レバー810Rを右端配置から中央配置へと変化させることが可能になる。移動規制ソレノイドの動作は、副制御基板940のROMに記憶された移動規制ソレノイドをオン状態やオフ状態に移行するタイミングを指定する時間情報に基づいて制御される。移動規制ソレノイドは、連結操作の有効期間TLの終了後の時刻tf18にオフ状態となる。
また、連結操作有効フラグがオン状態となると、左入力レバー810Lに設けられた上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとが、右側(右入力レバー810R側)がN極となるように励磁され、右入力レバー810Rに設けられた上側電磁石818Rと下側電磁石819Rとが、左側(左入力レバー810L側)がN極となるように励磁される。左入力レバー810Lに設けられた上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとは同一タイミングで同一極性に励磁されるため、それらの電磁石を区別せずに、図33に示すように左レバー電磁石818L,819Lとも称し、同様に、右入力レバー810Rに設けられた上側電磁石818Lと下側電磁石819Lとを区別せずに、図33に示すように右レバー電磁石818R,819Rとも称す。左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rが同極のN極に励磁(図33におけるN極励磁)されると、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが近接する位置に移動したとしても、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが反発し、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が阻止される(図32(B)参照)。
左レバー電磁石818L,819Lに対しては、N極励磁のみが行われるが、右レバー電磁石818R,819Rに対しては、左側をS極とする励磁(図33におけるS極励磁:時刻tf16~時刻tf17)も行われる。具体的には、副制御基板940のROMには、左レバー電磁石818L,819Lの状態を切り替えるタイミングを指定する時間情報が記憶され、副制御基板940のRAMには、励磁状態とするのか非励磁状態とするのかを指定する左励磁情報(例えば、非励磁の場合は0、励磁の場合は1)が記憶されている。また、副制御基板940のROMには、右レバー電磁石818R,819Rの状態を切り替えるタイミングを指定する時間情報が記憶され、副制御基板940のRAMには、N極励磁状態とするかS極励磁状態とするか非励磁状態とするかを指定する右励磁情報(非励磁の場合は0、N極励磁の場合は1、S極励磁の場合は2)が記憶されている。
なお、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを逆極性で励磁することで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が阻止される構成であるが、この構成に限らず、左レバー回転駆動モータ831L及び右レバー回転駆動モータ831Rの少なくとも一方を逆方向(左入力レバー810Lや右入力レバー810R中央配置から離れる方向)に回転させる駆動力を発生させる制御を行うことで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が阻止される構成としてもよい。
連結操作有効フラグがオン状態となった後、遊技者が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を開始すると(時刻tf4)、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rがオン状態となる。遊技者は左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを左右対称に移動させているとして、図33においては、左連結操作検出スイッチ838Lと右連結操作検出スイッチ838Rとを区別せず、連結操作検出スイッチとして示す。
なお、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作が行われていることを判断する構成は、上記構成に限らず、例えば、左連結操作検出スイッチ838L及び左連結操作検出スイッチ838Lの一方のみを設け、左連結操作検出スイッチ838L及び左連結操作検出スイッチ838Lの一方の検出状態に基づいて、副制御基板940で左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作が行われていると判断する構成としてもよい。
左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態となると、図示しないが、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である積算時間が計測される。具体的には、副制御基板940のRAMに記憶された左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である積算時間を計測する積算時間カウンタに、規定の判定時間TM(例えば、6.0秒)に対応する値が初期設定される。積算時間カウンタは、連結操作有効フラグがオン状態であり、かつ、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である場合、所定の時間(例えば、2ms)ごとに1ずつ減算される。副制御基板940は、積算時間カウンタが0となることによって、遊技者によって連結操作が行われたと判断する。
連結操作の有効期間TLにおいて、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態となる時間が規定の判定時間TM以上となる時刻tf15に、図示しない演出選択フラグがオン状態となる。演出選択フラグは、装飾図柄表示装置479において両手参加型の殻割り演出に引き続き実行される演出を指定する情報であり、副制御基板940のRAMに記憶されている。これにより、演出選択フラグが殻割り演出の終了時にオン状態である場合には、装飾図柄表示装置479において、両手参加型の殻割り演出に引き続き、宝卵482が割れて宝483が出現する宝出現演出が実行される。一方、有効期間TLにおいて連結操作が行われない、又は、連結操作は行われるものの規定の判定時間未満しか行われず、演出選択フラグが殻割り演出の終了時にオフ状態である場合には、詳細は後述するが、装飾図柄表示装置479において、両手参加型の殻割り演出に引き続き、宝卵482が割れず宝483が出現しない殻割れず演出が実行される。
なお、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態となる時間が規定の判定時間TM以上となったことを条件として、両手参加型の殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成としているが、この構成に限らず、例えば、有効期間TLを分割した複数の分割期間(例えば、1秒ごとの9つの期間)を設け、各判定期間の少なくとも一部において左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態であることを条件として、殻割演出に引き続き宝出現演出を行う構成としてもよい。また、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rに基づく条件に代えて又は加えて、後述する左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rにより左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が検出されることを条件として、両手参加型の殻割り演出に引き続き宝出現演出を行う構成としてもよい。
また、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rの双方がオン状態である時間が規定の判定時間TM以上となる時刻tf15に、装飾図柄表示装置479において、連結操作指示情報484Dに加えて、連結操作を継続するように遊技者に促す情報(例えば、図34(B)における「もう少しだ!」)が表示される。これにより、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結はしないが近接した配置をとる状態を両手参加型の殻割り演出が終了するまで継続させることが可能になる。なお、連結操作を継続するように促す情報の表示時期は、規定の判定時間TM以上となる時刻に限らず、判定時間TMまでの残り時間が一定以下になった場合としてもよい。
連結操作有効フラグがオフ状態(連結操作の有効期間TLの終了)となる時刻tc8に、殻割り演出が終了し、宝出現演出(時刻tc8~時刻tc10)が開始される。
宝出現演出が開始されると、左レバー電磁石818L,819LがN極励磁状態に維持されたままで、右レバー電磁石818R,819RはS極励磁状態となる。これにより、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合い、図34(C)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されることで、装飾図柄表示装置479に表示されている宝卵482の全体が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとで覆われた状態となる。
右レバー電磁石818R,819RのS極励磁状態は、所定の時間(例えば、1.0秒)継続される。装飾図柄表示装置479において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結している状態で宝卵482の殻が割れ、宝卵482の破片が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rの背後から左右に飛び出す表示が行われる。
また、宝出現演出が開始されると、左レバー回転駆動モータ831Lが、左入力レバー810Lを左端配置側から中央配置側に向けて移動させる順方向に回転する。また、右レバー回転駆動モータが、右入力レバー810Rを右端配置側から中央配置側に向けて移動させる順回転で駆動される。左レバー回転駆動モータ831Lと右レバー回転駆動モータ831Rとは同じタイミングで同じ方向に回転させたり停止させたりするために、以下においては、図34に示すように、それらのモータを区別せずに、レバー回転駆動モータ831L,831Rとも称す。
具体的には、副制御基板940のROMには、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向(左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを中方配置側に移動させる方向)に回転させたり、順方向とは逆の逆方向(左入力レバー810Lについては左端配置側に移動させ、右入力レバー810Rについては右端配置側に移動させる方向)に回転させたり、回転を停止させたりするタイミングを指定する時間情報を記憶している。また、副制御基板940のRAMには、時間の経過と共に変化する駆動情報(例えば、順方向の回転の場合は1、逆方向の回転の場合は2、停止の場合は0)が記憶されている。これにより、副制御基板940は、レバー回転駆動モータ831L,831Rの状態を適宜に切り替え、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを移動させることができる。レバー回転駆動モータ831L,831Rの順方向の回転は、例えば、右入力レバー810Rを右端配置から中央配置に移動させるために必要な時間(例えば、0.5秒)よりも短い所定の時間(例えば、0.1秒)だけ実行される。
左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合うように励磁することに加えて、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向に回転させることで、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させることができる間隔を大きくし、連結の確実性を向上させることができる。なお、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合うように励磁することに加えて、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向に回転させる構成としているが、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとが引き付け合うように励磁すること、又は、レバー回転駆動モータ831L,831Rを順方向に回転させることの一方によって、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結する構成としてもよい。
左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されると、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとの双方がオン状態となる(時刻tf16)。遊技者は左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを左右対称に移動させているとして、図33においては、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとを区別せず、連結状態検出スイッチとして示す。左連結状態検出スイッチ839Lのオン状態と右連結状態検出スイッチ839Rとのオン状態は、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されている期間に亘り継続される。
左レバー電磁石818L,819Lと右連結電磁石とが消磁により非励磁状態となる時刻tf17に、レバー回転駆動モータ831L,831Rは、逆方向に回転し、回転を開始してから所定の時間(例えば、0.5秒)後に停止する。これにより、左入力レバー810Lは中央配置から左端配置に戻り、また、右入力レバー810Rは中央配置から右端配置に戻る(時刻tf18)。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されると、副制御基板940において、入力操作関連情報の一種として、連結操作指示情報484Dに代えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を終了するように遊技者に指示する操作終了指示情報487D(例えば、図34(C)における「左右のレバーを離せ!」)が表示される。これにより、レバー回転駆動モータ831L,831Rの逆方向の回転で、左入力レバー810Lを中央配置から左端配置に、また、右入力レバー810Rを中央配置から右端配置に円滑に移動させることができる。
Vを狙え演出が開始される時刻t3に、回転駆動モータは、順方向の回転を開始する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とは、互いに近接するように中央側に向けて移動する。左可動部材10と右可動部材20とが、遊技領域409の入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する特典領域指示配置(図13参照)をとる時刻tf19になると、回転駆動モータは、順方向の回転を停止する。これにより、左可動部材10と右可動部材20とが特典領域指示配置をとり、特典領域409Vに遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることができる。
ここで、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)に遊技者が参加する場合の両手参加型の演出の推移について、図35と共に、図37(A)及び図37(B)を参照して説明する。図35は、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図35において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
また、図37は、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の演出に遊技者が参加する場合以外における両手参加型の演出の推移を模式的に示す説明図である。図37(A)及び図37(B)は、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出に遊技者が参加する場合であって、図37(A)が殻割れず演出の開始直後(時刻td8の直後)を示し、図37(B)が殻割れず演出中(時刻tg17)を示す。また、図37(C)及び図37(D)は、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の殻割り演出に遊技者が参加しない場合であって、図37(C)が殻割れず演出の開始直後(時刻td8の直後)を示し、図37(D)がV後告知演出中(時刻tc11)を示す。
オープニング演出(OP演出)が実行される時刻td1~時刻td2において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc1~時刻tc2と同様の表示演出が、装飾図柄表示装置479で実行される。また、両手参加型の殻割り演出が実行される時刻td2~時刻td8において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc2~時刻tc8と同様の表示が装飾図柄表示装置479で行われる。
時短予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、連結操作有効フラグがオン状態となる時刻tg1となった後、遊技者が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を開始すると(時刻tg4)、左連結操作検出スイッチ838L及び右連結操作検出スイッチ838Rがオン状態となる。
時短予定の特別遊技状態においては、連結操作有効フラグがオン状態となっている期間中に、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとの双方がオン状態をとる時間が規定の判定時間TMとなったとしても(時刻tg15)、演出選択フラグは、確変予定の特別遊技状態の場合のようにオン状態とはならずオフ状態に維持される。このため、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483(図34(D)参照)が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻td8~時刻td10)が実行される。なお、時短予定の特別遊技状態においては、遊技者が連結操作を行っても、その操作時間の長さによらず殻割れず演出が実行されるため、判定時間TMの計測は行わなくてもよい。
殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、左レバー電磁石818L,819Lや右レバー電磁石818R,819Rは、N極励磁状態を維持する。このため、確変予定の特別遊技状態の場合には、右レバー電磁石818R,819RがS極励磁状態に変化することで左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されるが(図34(C)参照)、時短予定の特別遊技状態の場合には、図37(A)に示すように、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは連結されない。
また、殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結を補助するためのレバー回転駆動モータ831L,831Rの順方向の回転は実行されない。
殻割れず演出が開始(時刻td8)されると、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報の一種として、連結操作指示情報484Dに代えて、図37(A)に示すように、操作終了指示情報487Dが表示される。
また、殻割れず演出が開始されると、装飾図柄表示装置479において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が失敗に終わったことを示す情報(図37(A)における「連結失敗!」との文字情報)が表示される。なお、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結が失敗に終わったことを示す情報が表示されるが、この情報の表示は必須ではない。
操作終了指示情報487Dが表示された後の時刻tg17に、左レバー電磁石818L,819Lと右連結電磁石とが消磁により非励磁状態となり、また、レバー回転駆動モータ831L,831Rが逆方向に回転し、左入力レバー810Lは左端配置に戻り、また、右入力レバー810Rは右端配置に戻る(時刻tg18)。
また、時刻tg17に、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報の一種として、操作終了指示情報487Dに代えて、図37(B)に示すように、右打ち指示情報485が表示される。
レバー回転駆動モータ831L,831Rが停止した後の時刻tf18に、殻割れず演出に引き続き残念演出が実行される。
ここで、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加しない場合における両手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図36と共に、図37(C)及び図37(D)を参照して説明する。図36は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図36において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合(図34に示す場合)の制御との相違部分についてのみ説明する。
確変予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作が行われない場合、連結操作有効フラグがオン状態である期間(連結操作の有効期間TL)に亘り、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとがオフ状態に維持される。このため、演出選択フラグは、両手参加型の演出に遊技者が参加する場合のようにオン状態とはならず、オフ状態に維持される。したがって、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483(図34(D)参照)が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻tc8~時刻tc10)が実行される。このとき実行される殻割れず演出は、時短予定の特別遊技状態で実行される殻割れず演出(時刻td8~時刻td10:図35参照)と同一の演出である。したがって、両手参加型の殻割り演出が実行される期間に加えて、殻割れず演出が実行される期間においても、遊技者は、装飾図柄表示装置479の表示によって、確変予定の特別遊技状態であるのか時短予定の特別遊技状態であるのかを区別することができない。
また、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとがオフ状態に維持されているため、右レバー電磁石818R,819Rは、両手参加型の殻割り演出が終了しても(時刻tc8)、左レバー電磁石818L,819Lと同極性のN極励磁状態に維持される。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されることはない。
また、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとがオフ状態に維持されているため、レバー回転駆動モータ831L,831Rは、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結を補助するための順方向への回転が実行されない。このため、遊技者は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの動作によって、確変予定の特別遊技状態であるのか時短予定の特別遊技状態であるのかを区別することができない。
殻割れず演出の開始時(時刻tc8)に、左入力レバー810Lが左端配置をとり、かつ、右入力レバー810Rが右端配置をとるため、左入力レバー810Lを左端配置に戻したり、右入力レバー810Rを右端配置に戻したりするための逆方向への回転も実行されない。また、殻割れず演出の開始時に、左入力レバー810Lが左端配置をとり、かつ、右入力レバー810Rが右端配置をとるため、図37(C)に示すように、装飾図柄表示装置479において、操作終了指示情報487Dは表示されない。一方、殻割れず演出の開始時に、左入力レバー810Lが左端配置をとっていない場合や右入力レバー810Rが右端配置をとっていない場合には、装飾図柄表示装置479において、操作終了指示情報487Dが表示され、レバー回転駆動モータ831L,831Rの逆方向への回転が実行され、左入力レバー810Lを左端配置に戻し、右入力レバー810Rを右端配置に戻す。
殻割れず演出の終了後であって進入可能期間が開始(時刻t4)された後に、特典領域409Vに進入した遊技球が特定通路スイッチ448で検出されると(時刻th19)、確変遊技状態への移行が確定したことを遊技者に告知するV後告知演出(時刻th19~時刻tc12)が実行される。
V後告知演出において、回転駆動モータ(図示せず)が順方向の回転を開始し(時刻th19)、また、斜め移動駆動モータ(図示せず)が順方向の回転を開始し(時刻th19)、左可動部材10と右可動部材20とが離間姿勢からの移動を開始する。左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了し(時刻th20)、左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了すると(時刻th21)、左可動部材10及び右可動部材20とは、図37(D)に示すように、遊技領域409へ遊技球が流下する入口部分409Eから特典領域409Vへ向かう方向側へ連続する特典領域指示配置をとる。
左可動部材10と右可動部材20とが特典領域指示配置となった後の時刻tc11に、回転駆動モータ(図示せず)が逆方向の回転を開始し、また、斜め移動駆動モータ(図示せず)が逆方向の回転を開始する。左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了し(時刻tc12)、左可動部材10及び右可動部材20の斜め移動が完了すると(時刻tc13)、左可動部材10と右可動部材20とは、離間姿勢に戻る。
以上で説明したパチンコ機100であれば、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、左入力操作装置801Lの一部である左入力レバー810Lが遊技領域409(左流下領域409L)よりも前側に位置する演出が実行でき、右入力操作装置801Rの一部である右入力レバー810Rが遊技領域409(右流下領域409R)よりも前側に位置する演出が実行できる。これにより、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとによる演出を、遊技領域やその後側に設けられた部材(例えば、左可動部材10や右可動部材20)による演出よりも目立たせることが可能になる。したがって、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、パチンコ機100であれば、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、左入力操作装置801Lの一部である左入力レバー810Lが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する演出が実行でき、右入力操作装置801Rの一部である右入力レバー810Rが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する演出が実行できる。これにより、装飾図柄表示装置479による演出よりも目立たせることが可能になる。したがって、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、パチンコ機100であれば、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンド(第1ラウンド)において、左入力操作装置801Lの一部である左入力レバー810Lが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する状態での連結操作による演出が実行でき、右入力操作装置801Rの一部である右入力レバー810Rが装飾図柄表示装置479よりも前側に位置する状態での連結操作による演出が実行できる。これにより、装飾図柄表示装置479による演出よりも目立たせることが可能になる。したがって、特典領域409Vに遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
また、パチンコ機100であれば、発射操作装置250と、右入力レバー810Rと、左入力レバー810Lとが設けられ、両手参加型の演出が実行された場合において右入力レバー810Rを右手で操作し、左入力レバー810Lを左手で操作した場合に、装飾図柄表示装置479によって宝483の画像が表示される表示制御が副制御基板940の制御によって実行される。このため、発射操作装置250から手を離して遊技球が発射されていない状態で、両手を用いた右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとの操作に基づいた演出を遊技者に楽しませることができ、演出への注目度を高めることができる。
また、パチンコ機100であれば、副制御基板940が装飾図柄表示装置479を制御して、片手参加型の演出実行中には、右入力レバー810Rに対して片手で操作を行う場合に対応する片手参加型の演出画像を表示し、両手参加型の演出実行中には、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとに対して両手で操作を行う場合に対応する両手参加型の演出画像を表示する制御を行う。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による入力操作手段の操作に基づいた演出を、片手参加型の演出画像とは異なる演出画像を用いた特別な演出として、遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、両手参加型の演出が実行された場合に、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lを両手で操作した場合には、装飾図柄表示装置479)によって宝483の画像が表示され、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとのいずれか一方を片方の手で操作した場合には、宝483の画像が表示されない表示制御が副制御基板940の制御によって実行される。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作に基づいた演出を稀少なものとして遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、両手参加型の演出が実行された場合に、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lを両手で操作して、装飾図柄表示装置479の正面に近い中央配置側に移動する操作をすることによって宝483の画像が表示される。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作によって装飾図柄表示装置479への関心が高められた状態で、右入力レバー810R及び左入力レバー810Lの操作と、装飾図柄表示装置479の表示演出とを組み合わせた演出を遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、発射操作装置250と、右入力レバー810Rと、左入力レバー810Lと、電磁石818R,819R,818L,819Lとが設けられ、所定の操作タイミングとしての確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出実行中に、遊技者が右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとを中央配置とした状態にて電磁石818R,819R,818L,819Lの励磁が制御され、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置にて連結された状態に維持される制御が行われる。このため、電磁石818R,819R,818L,819Lによって右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが中央配置の位置に維持される操作感を利用した演出を遊技者に楽しませることができる。
また、パチンコ機100であれば、遊技者側から見て装飾図柄表示装置479の表示画面の手前側に右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとが重ならない位置から表示画面の中央部分の手前側に重なる位置まで右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとを移動可能に構成されている。このため、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lと、装飾図柄表示装置479に表示される画像とを一体的に遊技者が視認し易い演出を実現することができる。このため、右入力レバー810Rと左入力レバー810Lとを、表示画像に組み合わされた表示対象として関連させた演出を実行することができる。よって、装飾図柄表示装置479の前側に重なって配置される立体的な可動部材を、遊技者があたかも動作させることができるような演出を実現することができる。
次に、確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態で実行される両手参加型の殻割りミッション演出において、図33~図37に示す場合とは別の演出の推移を辿る形態について、図38~図43を参照して説明する。以下においては、新たな演出を含む両手参加型の殻割りミッション演出の推移の説明に先立ち、当該演出で利用可能な左入力操作装置801Lや右入力操作装置801Rの特性について説明する。
右入力操作装置801Rは、右入力レバー810Rを支持する右外側支持腕823Rに連結された右レバー回転駆動モータ831Rとして、サーボモータを備えている。このサーボモータは、動力を供給するACモータやDCモータやパルスモータ等の動力供給部(図示せず)と、右外側支持腕823Rの回転方向や回転位置や回転速度を検出可能なエンコーダ等の移動検出部(図示せず)とを備えている。このため、サーボモータの動力供給部の回転制御によって、右入力レバー810Rを中央配置側や右端配置側に移動させたり、一定の速度で移動させたり、回転移動位置(右端配置の場合に対する右外側支持腕823Rの回転角度)に基づいて速度を変化させながら移動させたり、時間の経過に基づいて速度を変化させながら移動させたりできる。また、右入力レバー810Rの回転移動位置をサーボモータの移動検出部で常に検出することができる。
また、右レバー回転駆動モータ831Rとしてサーボモータを用いることで、右入力レバー810Rが遊技者の操作によって移動する場合であっても、移動検出部は、右外側支持腕823Rの回転方向や回転角度や回転速度を検出可能である。このため、右入力レバー810Rが遊技者の操作によって移動する場合に、右入力レバー810Rの回転移動位置をサーボモータの移動検出部で常に検出しながら、遊技者の操作に対して一定の反力や、右入力レバー810Rの回転移動位置に基づいて変化する反力や、時間の経過に基づき変化する反力を発生させることができる。したがって、遊技者が右入力レバー810Rを操作する際に、遊技者に多様な操作感を与えることができる。
また、左入力操作装置801Lは、左入力レバー810Lを支持する左外側支持腕823Lに連結された左レバー回転駆動モータ831Lとして、右レバー回転駆動モータ831Rの場合と同様のサーボモータを備えている。このため、左入力レバー810Lについても、右入力レバー810Rに関して説明したように、多様な形態で移動させたり、多様な操作感を遊技者に与えたりできる。
左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、前後方向(遊技盤400に対して近づいたり遠ざかったりする方向)に移動可能に構成されている。ここで、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを前後方向に移動可能とする構成について、図38を参照して説明する。図38は、図5のX1-X1を含む切断面により左入力レバー810L及び右入力レバー810Rの前後方向の動作を模式的に示す説明図である。図38(A)は、左入力レバー810Lが一点鎖線で示す左端配置(位置XLF)から実線で示す中央配置側(位置XL7)へ移動し、右入力レバー810Rが一点鎖線で示す右端配置(位置XRF)から実線で示す中央配置側(位置XR7)へ移動する場合を示す。また、図38(B)は、各入力レバー810L,810Rが、一点鎖線で示す中央配置側へ移動した位置において、実線で示す前後方向へ移動する場合を示している。
右入力操作装置801Rは、図38に示すように、右支持台820Rに対して右入力レバー810Rを前後方向に移動可能に連結された前後移動機構(以下において、右レバー前後移動機構851Rとも称す)と、右レバー前後移動機構851Rを介して右入力レバー810Rを前後方向に移動させる駆動力を発生する前後移動駆動モータ(以下において、右レバー前後移動駆動モータ852Rとも称す)とを備えている。また、左入力操作装置801Lは、右レバー前後移動機構851Rと同様の前後移動機構(以下において、左レバー前後移動機構851Lとも称す)と、右レバー前後移動駆動モータ852Rと同様の前後移動駆動モータ(以下において、左レバー前後移動駆動モータ852Lとも称す)を備えている。
具体的には、右入力操作装置801Rは、右レバー前後移動駆動モータ852Rとして、ACモータやDCモータやパルスモータ等の回転による駆動力を発生する駆動モータを備え、また、右レバー前後移動機構851Rとして、例えば、駆動モータの回転軸に接続されたピニオンギアと右入力レバー810Rに接続されたラックギアとを備えている。このため、駆動モータの回転による駆動力を直線方向の駆動力に変換して右入力レバー810Rに伝達することができる。左レバー前後移動機構851Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rについても同様である。
例えば、右入力操作装置801Rは、ピニオンギアやラックギアとして平歯ギア(スパーギア)が用いられ、駆動モータの回転軸の方向が右入力レバー810Rの移動する前後方向に対して垂直な左右方向となるように駆動モータが配置された構成としてもよい。また、ピニオンギアやラックギアとしてヘリカルギアが用いられ、駆動モータの回転軸の方向が前後方向となるように駆動モータが配置される構成としてもよい。なお、左入力レバーや右入力レバー810Rを前後方向に移動させる駆動源として、回転による駆動力を発生する駆動モータを備える構成であるが、この構成に限らず、ソレノイド等の直線方向の駆動力を発生する装置を動力源とする構成としてもよい。
まず、確変予定の遊技状態で実行される両手参加型の殻割りミッション演出において、当該演出に遊技者が参加する場合について、図39~図41を参照して説明する。
図39は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)の図33に示す場合とは別の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図39において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
図40は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが回転移動する場合の動作制御を示す説明図である。図40(A)及び図40(B)は、遊技者の入力操作に基づいて各入力レバー810L,810Rが移動する場合の操作感を発現させる各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御を示すグラフであり、図40(C)及び図40(D)は、遊技者の入力操作によらずに左入力レバー810L及び右入力レバー810Rが回転移動する場合の各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御を示すグラフである。
図41は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の図34に示す場合とは別の推移であって、当該演出に遊技者が参加する場合の推移を模式的に示す説明図である。
以下においては、図39~図41に示す両手参加型の殻割りミッション演出の制御における図33及び図34に示す両手参加型の殻割りミッション演出の制御との相違部分について説明する。
図39に示すように、確変予定の特別遊技状態が開始される時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、オープニング演出(OP演出)が開始される。また、時刻tc1に、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報として、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを操作する準備として各入力レバー810L,810Rとを掴む動作を指示する操作準備指示情報(図39における「操作準備」)が表示される。
オープニング演出において、図41(A)に示すように、表示部479aの中央の下端から上側に向かって宝卵482が出現する表示が開始される。宝卵482としては、通常宝卵482N、通常宝卵482Nよりも殻が硬い硬宝卵482H及び通常宝卵482Nよりも殻が軟らかい軟宝卵482Sの3種のいずれかが出現する。
具体的には、副制御基板940は、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタをRAMに備え、乱数カウンタの値と宝卵482の種類との対応を示す種類判定情報をROMに記憶している。このため、種類判定情報を参照することで、選択された乱数カウンタの値に応じて出現する宝卵482の種類を決定することができる。また、副制御基板940は、選択された宝卵の種類を示す情報(例えば、通常宝卵:1、硬宝卵482H:0、軟宝卵482S:2)が宝卵識別情報としてRAMに記憶されており、宝卵識別情報に基づいて、通常宝卵482N、硬宝卵482H及び軟宝卵482Sの3種のいずれか1種を出現させる。種類判定情報は、例えば、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタが取り得る値が100個(例えば、0~99)である場合に、50個の値(例えば、0~49)を通常宝卵482Nに対応付け、20個の値を硬宝卵482Hに対応付け、30個の値を軟宝卵482Sに対応付ける情報であり、出現する宝卵482の種類が所定の割合(例えば、通常宝卵:硬宝卵482H:軟宝卵482S=50:20:30)となるように設定されている。
出現する宝卵482は、装飾図柄表示装置479において、種類によらず同一の表示で表示される。このため、遊技者は、出現時の表示によっては、宝卵482の種類を判別できない。宝卵482の種類は、詳細は後述するが、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを、出現した宝卵482を挟むかのように中央配置側に遊技者が移動させることで判別できる。
また、副制御基板940は、確変予定の特別遊技状態で参照される種類判定情報(以下において、確変予定時の種類判定情報とも称す)とは別に、時短予定の特別遊技状態で参照される種類判定情報(以下において、時短予定時の種類判定情報とも称す)をROMに記憶している。時短予定時の種類判定情報は、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタが取り得る値のすべてを、通常宝卵482N又は軟宝卵482Sに対応付ける情報としている。このため、時短予定の特別遊技状態においては、硬宝卵482Hは出現しないように設定されている(例えば、通常宝卵:硬宝卵482H:軟宝卵482S=65:0:35)。なお、時短予定の特別遊技状態においては、時短予定時の種類判定情報の設定によって、硬宝卵482Hが出現しない構成としているが、この構成に限らず、時短予定時の種類判定情報は、宝卵482の種類を選択する乱数カウンタが取り得る値の一部が硬宝卵482Hに対応付けられるものの、対応付けられる乱数カウンタの値の個数が確変予定時の種類判定情報の場合よりも少なくなるように設定され、時短予定の特別遊技状態で硬宝卵482Hが出現する割合(例えば、通常宝卵:硬宝卵482H:軟宝卵482S=65:5:30)が確変予定の特別遊技状態の場合よりも少なくなるように設定された構成としてもよい。
オープニング演出に引き続き、図39に示すように、両手参加型の殻割り演出が開始されると(時刻tc2)、装飾図柄表示装置479において、入力操作関連情報として、操作準備指示情報に代えて、出現した宝卵482を両入力レバー810L,810Rで挟むように、各入力レバー810L,810Rを中央配置側に移動させる操作(以下において、挟み操作とも称す)を指示する挟み操作指示情報488(図39における「挟み操作」が表示される。具体的には、図41(A)における「左右のレバーで殻を挟め!」との文字情報が表示される。挟み操作指示情報488の表示は、図39に示すように、所定の時間(例えば、2.0秒)継続され、時刻ti3に終了する。挟み操作指示情報488は、表示を開始するタイミングや表示を終了するタイミングを指定する時間情報と共に、副制御基板940のROMに記憶されている。
なお、挟み操作指示情報488は、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、両入力レバー810L,810Rが近接する動作を示す画像や、両入力レバー810L,810Rを両手で近接させる動作を示す画像などにより、各入力レバー810L,810Rの操作方法を画像で表示する構成としてもよいし、音声により挟み操作を指示する情報を出力する構成としてもよい。また、挟み操作指示情報を出力する構成は必須の構成ではなく、省略してもよい。
両手参加型の殻割り演出中の時刻tf1に、遊技者による各入力レバー810L,810Rの移動を有効なものとする有効期間(図33における連結操作の有効期間TLと同一の期間)であるか無効なものとする無効期間であるかを識別する移動操作有効フラグがオン状態となる。移動操作有効フラグは、副制御基板940のRAMに記憶されている。移動操作有効フラグがオン状態となると、副制御基板940の演出タイマ(図示せず)に、副制御基板940のROMに記憶された所定の値(有効期間TLに相当する値)が初期設定される。移動操作有効フラグは、両手参加型の殻割り演出が終了する時刻tc8までオン状態に維持される。
移動操作有効フラグがオン状態である期間を含み、移動規制ソレノイドがオン状態であって各入力レバー810L,810Rが移動可能な期間において、各入力レバー810L,810Rの回転移動位置が、各レバー回転駆動モータ831L,831Rとしてのサーボモータにおける移動検出部(エンコーダ)によって検出され、レバー位置情報として記憶される。レバー位置情報は、移動検出部によって検出される各外側支持腕823L,823Rの回転角度(左外側支持腕823Lの左端配置から中央配置側への回転角度や右外側支持腕823Rの右端配置から中央配置側への回転角度)に基づき、各入力レバー810L,810Rの位置を識別する情報である。レバー位置情報の値は、副制御基板940のRAMに記憶され、遊技者の操作や各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作による各入力レバー810L,810Rの移動に応じて変化する。
以下において、右入力レバー810Rの回転移動位置は、理解を容易にするために、右入力レバー810Rの左端(中央側の端)を基準とする左右方向の位置で特定する。具体的には、図41(A)や図39に示すように、右端配置をとる位置を位置XRFとし、中央配置をとる位置を位置XCとし、位置XCから等間隔で離れた位置を位置XC側から順に位置XR1~位置XR8とする。同様に、左入力レバー810Lの回転移動位置についても、左入力レバー810Lの右端の位置を基準とする左右方向の位置で特定し、左端配置をとる位置を位置XLF、中央配置をとる位置を位置XC、位置XCから等間隔で離れた位置を位置XC側から順に位置XL1~位置XL8とする。
移動操作有効フラグがオン状態となる時刻tf1に、遊技者の操作を受けて各入力レバー810L,810Rが回転移動する場合の各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御(以下において、受動制御Aと称す:図39における「受A」)が開始される。受動制御Aにおいて、各入力レバー810L,810Rを中央側(位置XC側)へ移動させる遊技者による操作力に対して、各入力レバー810L,810Rの回転移動位置に応じた反力を生じさせるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rが制御される。これにより、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの操作感を回転移動位置によって変化させることができる。
ここで、受動制御Aにおける各レバー回転駆動モータ831L,831Rの動作制御について、図41(A)を参照して説明する。以下において、両レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御は同一であるため、右レバー回転駆動モータ831Rの動作制御についてのみ具体的に説明する。
受動制御Aにおいて、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XRFに対応する値である場合、右レバー回転駆動モータ831Rは、遊技者による右入力レバー810Rに対する操作力を打ち消すように、所定の最大値(最大反力FR0)まで反力を生じさせる。最大反力FR0は、右入力レバー810Rの自重による回転移動を阻止可能な値よりも大きな値に設定されている。このため、遊技者が右入力レバー810Rを回転移動させる操作を行わなければ、右入力レバー810Rを位置XRFに維持することができる。また、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XRFに対応する値である場合に右入力レバー810Rが最大反力FR0以上の操作力で操作されると、右入力レバー810Rは位置XRFから中央側へ向けて回転移動を開始する。
レバー位置情報が位置XRFに対応する値と位置XR8に対応する値との間である場合に、右レバー回転駆動モータ831Rにより生じる最大反力は、位置XRFに対応する値から離れ位置XR8に対応する値に近づくにつれて大きくなるように設定されている。このため、右入力レバー810Rを回転移動させる操作において、回転移動の距離が大きくなるにつれて反力が大きくなり、あたかもコイルバネによる付勢を受けているかのような操作感を遊技者に与えることができる。
また、右レバー回転駆動モータ831Rにより生じる最大反力は、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合に、最大反力FR1から不連続に増加するように設定されている。このため、右入力レバー810Rが宝卵482の右側に接するように見える位置XR8まで移動した場合、あたかも右入力レバー810Rが宝卵482に物理的に衝突したかのような操作感を遊技者に与えることができる。
右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合の最大反力は、宝卵識別情報の値(選択されている宝卵482の種類)によって異なる値となるように設定されている。具体的には、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合の最大反力は、宝卵識別情報が通常宝卵482Nに対応する値である場合、実線で示すように、最大反力FR1より大きな最大反力FR2に設定される。また、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値となった場合の最大反力は、宝卵識別情報が硬宝卵482Hに対応する値である場合には、一点鎖線で示すように、最大反力FR1より大きく最大反力FR2よりも大きい最大反力FR2Hとなるに設定され、宝卵識別情報が軟宝卵482Sに対応する値である場合には、二点鎖線で示すように、最大反力FR1よりも大きいが最大反力FR2よりも小さい最大反力FR2Sに設定される。このため、右入力レバー810Rは、硬宝卵482Hが選択されている場合には、通常宝卵482Nが選択されている場合よりも大きな反力を受け、位置XR8から位置XC側に回転移動させ難くなる。また、右入力レバー810Rは、軟宝卵482Sが選択されている場合には、通常宝卵482Nが選択されている場合より小さな反力しか受けず、位置XR8から位置XC側に回転移動させ易くなる。したがって、遊技者は、装飾図柄表示装置479における表示によっては宝卵482の種類を判別することができなかったものの、右入力レバー810Rを位置XR8から位置XC側に更に移動させる際に受ける反力の相違に基づく移動のし易さによっては判別することができる。
また、右レバー回転駆動モータ831Rにより生じる最大反力は、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XR8に対応する値から位置XCに対応する値に向かうにつれて、最大反力FRUまで増加するように設定されている。このため、右入力レバー810Rを位置XR8から位置XC側に更に回転移動させていく場合、右入力レバー810Rが位置XR8から位置XC側に向かうにつれて、右入力レバー810Rを回転移動させ難くなる。したがって、詳細は後述するが、装飾図柄表示装置479において実行される右入力レバー810Rの回転移動に伴い宝卵482が右入力レバー810Rで押圧されて変形していくような表示との連携により、宝卵482の変形が進むにつれて更なる変形が難しくなるような操作感を遊技者に与えることができる。
また、右入力レバー810Rのレバー位置情報が位置XRFに対応する値と位置XR8に対応する値との間である場合、最大反力の増加率(最大反力FRUに到達するまでの傾斜角度)が、宝卵482の種類によって異なる値となるように設定されている。
具体的には、宝卵識別情報が硬宝卵482Hに対応する値である場合、最大反力の増加率は、宝卵識別情報が通常宝卵482Nに対応する値である場合よりも大きくなるように設定されている。このため、硬宝卵482Hが選択されている場合であって、右入力レバー810Rを位置XR8より位置XC側に回転移動させていく場合、通常宝卵482Nが選択されている場合よりも、右入力レバー810Rの移動に伴う反力の増加率が大きくなり、宝卵482が更に変形し難くなるような操作感を与えることができる。また、宝卵識別情報が軟宝卵482Sに対応する値である場合、最大反力の増加率は、宝卵識別情報が通常宝卵482Nに対応する値である場合よりも小さくなるように設定されている。このため、軟宝卵482Sが選択されている場合であって、右入力レバー810Rを位置XR8より位置XC側に回転移動させていく場合、通常宝卵482Nが選択されている場合よりも、右入力レバー810Rの移動に伴う反力の増加率が小さく、宝卵482が変形し易いような操作感を与えることができる。
例えば、遊技者が一定の操作力FMで操作している場合には、通常宝卵482Nが選択されていると、右入力レバー810Rを位置XR7まで移動させることができ、硬宝卵482Hが選択されていると、右入力レバー810Rを位置XR8と位置XR7の間までしか移動させることはできず、軟宝卵482Sが選択されていると、位置XR7を越えて位置XR6まで移動させることができる。このため、遊技者が最大反力FR2Hより大きな操作力で操作され、右入力レバー810Rを位置XR8から移動させる際の反力の違いによって宝卵482の種類による違いを判別できなかったとしても、位置XR8よりも位置XC側への回転移動のし易さ(宝卵482の変形し易さ)によって宝卵482の種類を判別できる。
また、受動制御Aにおいて、一旦、遊技者が右入力レバー810Rを中央配置側へ移動した後に、右入力レバー810Rから手を離すことで右入力レバー810Rの自重による右端配置側への回転移動、又は、右端配置側へ移動させる操作による右端配置側への回転移動に対して、図示しないが、右レバー回転駆動モータ831Rは、反力を生じないように制御される。また、右入力レバー810Rが最下端位置(右外側支持腕823Rが上下方向を向く位置)に回転移動した場合には、右レバー回転駆動モータ831Rは、図示しないが、最大反力FR0と同じ大きさの駆動力で、右入力レバー810Rを右端配置となる位置XRFまで回転移動させるように制御される。
また、受動制御Aにおいて、遊技者が左入力レバー810Lを左端配置から中央配置側へ回転移動させる場合に、左レバー回転駆動モータ831Lは、遊技者による右入力レバー810Rの右端配置から中央配置側への回転移動の場合と同様の反力が生じるように制御される。このため、遊技者が左入力レバー810Lを回転移動させる場合に、右入力レバー810Rの場合と同様の操作感を遊技者に与えることができる。
以下においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが遊技者によって左右対称に操作力FMで操作され、宝卵482として通常宝卵482Nが選択されている場合を説明する。
図39の説明に戻り、移動操作有効フラグがオン状態となった後の時刻tf4に、遊技者による左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの挟み操作(中央配置側への回転移動)が開始されると、各レバー位置情報が各入力レバー810L,810Rの操作量に応じて変化を開始する。
各レバー位置情報に基づき、左入力レバー810Lが宝卵482に接触するように見える位置XL8に移動し、かつ、右入力レバー810Rが宝卵482に接触するように見える位置XR8に移動したことが検出される時刻ti1に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく反力が最大反力FR1から最大反力FR2に変化する(図40(A)参照)。このため、遊技者は、あたかも左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが宝卵482に物理的に接触したかのような感触を受ける。
各入力レバー810L,810Rは、時刻ti1後も回転移動を続け、時刻ti1後の各入力レバー810L,810Rの回転移動に伴い、装飾図柄表示装置479において、あたかも、両入力レバー810L,810Rで宝卵482が挟まれ、両入力レバー810L,810Rからの圧迫によって変形していくような表示(図41(B)参照)が実行される。
時刻ti2に、各入力レバー810L,810Rは、図41(A)に実線で示すように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく反力と操作力FMとが釣り合う位置XL7,XR7まで回転移動して停止する。
ここで、各入力レバー810L,810Rが操作力FMとは異なる操作力で遊技者によって操作された場合について説明する。各入力レバー810L,810Rが操作力FMよりも小さく、かつ、最大反力FR1と最大反力FR2との間の反力に相当する操作力で挟み操作された場合には、各入力レバー810L,810Rは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく反力と操作力とが釣り合う位置XL8,XR8まで移動して停止する。装飾図柄表示装置479においては、宝卵482が変形せずに両入力レバー810L,810Rで挟まれているかのような表示が実行される。また、各入力レバー810L,810Rは、操作力FMよりも小さいが、最大反力FR2より大きい操作力で挟み操作された場合には、位置XL8,XR8を超えて回転移動するが、位置XL7,XR7までは回転移動しない。装飾図柄表示装置479においては、操作力FMの場合よりも宝卵482が小さい変形量で圧迫された表示が実行される。
また、各入力レバー810L,810Rが操作力FMよりも大きい操作力で挟み操作された場合、各入力レバー810L,810Rは、位置XL7,XR7よりも位置XC側まで回転移動し、装飾図柄表示装置479においては、操作力FMの場合よりも宝卵482が大きい変形量で圧迫された表示が実行される。また、操作力が操作力FMよりも大きいが、各レバー回転駆動モータ831L,831Rで発生可能な上限である最大反力FRUより小さい場合には、各入力レバー810L,810Rは、位置XL6,XR6と位置XL5,XR5との間の位置を越えて位置XCまで回転移動することはできない。また、各入力レバー810L,810Rが最大反力FRUより大きい操作力で挟み操作された場合、各入力レバー810L,810Rは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rに基づく反力のみによっては位置XCまで回転移動してしまうことを抑制できない。このため、各入力レバー810L,810Rが最大反力FRUより大きい操作力で挟み操作された場合であっても、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを同極性で励磁することで、各入力レバー810L,810Rを離間させる磁力を発生させて、各入力レバー810L,810Rが位置XCまで移動してしまうことを抑制可能にしている。
なお、左入力レバー810Lが位置XL8よりも位置XC側に回転移動した場合に、宝卵482の左半分が変形し、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XC側に回転移動した場合に、宝卵482の右半分が変形する表示が実行される構成であるが、例えば、左入力レバー810Lが挟み操作されず、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XC側に回転移動する挟み操作を行った場合に、右入力レバー810Rの左端に宝卵482が接した状態で左側に移動する表示が実行される構成としてもよい。
また、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの受動制御Aに基づき、各入力レバー810L,810Rの個別の位置によって反力を変化させる構成としているが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの相対位置によって反力を変化させる構成としてもよい。例えば、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rに対して左右対称でない操作がなされた場合、宝卵482に接触して見える位置に先に到達した入力レバーによって宝卵482が他方の入力レバー側に移動し、宝卵482が中心からずれた位置で両入力レバー810L,810Rに挟まれる表示がなされ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの間隔が宝卵482の幅に対応する長さよりも小さくなるにつれて各入力レバー810L,810Rに対する反力が大きくなるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御する構成としてもよい。この構成の場合には、例えば、右入力レバー810Rのみに対して挟み操作を行って左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの間隔を小さくした場合、右入力レバー810Rに対して反力(感触)が変化すると共に、左入力レバー810Lに対しても反力(感触)が変化し、一方の入力レバーの操作によって、各入力レバー810L,810Rの操作感を変化させることができる。このように、一方の入力レバーに対する操作によって、一方の入力レバーに対する操作感に加えて又は代えて、操作されなかった他方の入力レバーに対する操作感を変化させる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rを位置XCから離れる方向へ移動させる場合に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御による反力を発生させない構成としているが、この構成に限らず、両入力レバー810L,810Rによって宝卵482が挟まれる表示の後に、左入力レバー810Lが位置XL8よりも位置XLF側へ移動することや、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XRF側へ移動することを制限する反力(例えば、逆回転方向の最大反力:-FRU)を発生させるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御する構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rを位置XCから離れる方向へ移動させる場合に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御による反力を発生させない構成としているが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとによって宝卵482が挟まれる表示の後に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが宝卵482に吸着し、左入力レバー810Lが位置XL8よりも左端配置側へ移動させたり右入力レバー810Rを位置XR8よりも右端配置側へ移動させたりしようとすると、宝卵482が横方向に引っ張られて伸びる表示がなされ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの間隔が大きくなるにつれて反力が大きくなるように、各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御する構成としてもよい。この構成の場合には、一方の入力レバーに対して操作を行うと、操作された入力レバーに対する操作感を変化させると共に、他方の入力レバーに操作が行われなかったとしても、他方の入力レバーに対する操作感を変化させることができ、画像表示による宝卵482が両入力レバー810L,810Rに吸着しているような操作感を与えることができる。
挟み操作指示情報の表示が開始される時刻tc2から所定の時間(例えば、2.0秒)後の時刻ti3に、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付ける有効期間TNであるか左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を有効なものとして受け付けない無効期間であるかを識別する握り操作有効フラグがオン状態となる。左入力レバー810Lを握る操作に基づき、左握り操作検出スイッチによって左操作部材812Lの移動が検出された場合や、右入力レバー810Rを握る操作に基づき、右握り操作検出スイッチによって右操作部材812Rの移動が検出された場合に、副制御基板940は、当該検出を有効なものと判断して受け付ける。
握り操作有効フラグがオン状態となると、移動操作有効フラグの有効期間TLを計測する演出タイマとは別に副制御基板940のRAMに設けられたタイマに、副制御基板940のROMに記憶された左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作の有効期間TNの長さに対応する値が初期設定される。握り操作有効フラグは、有効期間TNに亘ってオン状態に維持された後にオフ状態となる。
また、握り操作有効フラグがオン状態となった時刻ti3に、装飾図柄表示装置479において、挟み操作指示情報488に代えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを同時に握る操作を指示する両握り操作指示情報489(図39における「両握り操作」:図41(B)及び図41(C)における「左右のレバーを同時に連続して握れ」との文字情報)が表示される。両握り操作指示情報489は、表示を開始するタイミングや表示を終了するタイミングを指定する時間情報と共に、副制御基板940のROMに記憶されている。
なお、両握り操作指示情報489は、文字で表示される構成であるが、この構成に限らず、左操作部材812Lや右操作部材812Rが連続して動作している状態や左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを両手で連続して握る状態を示す画像などにより、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの操作方法を画像で表示する構成としてもよく、音声出力をしてもよく、省略してもよい。
握り操作有効フラグの有効期間TNにおいて、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作が実行された一部の場合に、装飾図柄表示装置479において、宝卵482に亀裂が入ったり亀裂が長くなったりする表示が行われる(図41(C)参照)。宝卵482の亀裂は、左入力レバー810Lと接するように見える位置から中央側に向けて、また、右入力レバー810Rと接するように見える位置からも中央側に向けて進行する。右側から進行する亀裂は、8段階進行すると宝卵482の中央(位置XC)に到達し、宝卵482の中央を越えては進行しない。また、左側から進行する亀裂も、8段階進行すると宝卵482の中央に到達し、宝卵482の中央を越えては進行しない。
左側から進行した亀裂と右側から進行した亀裂との双方が、確変予定の特別遊技状態においては、宝卵482の中央まで到達して繋がる場合が発生するものの、時短予定の特別遊技状態においては、宝卵482の中央で繋がる場合は発生しない。このため、亀裂が宝卵482の中央で繋がった場合には、その時点で、確変予定の特別遊技状態であって進入可能期間が発生することが確定する。
左入力レバー810Lが位置XL8よりも位置XC側に位置し、かつ、右入力レバー810Rが位置XR8よりも位置XC側に位置し、宝卵482が各入力レバー810L,810Rで挟むように表示されている状態で、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作が実行された場合にのみ、宝卵482に亀裂が入ったり亀裂が長くなったりする表示が行われる。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作によって、あたかも左入力レバー810Lや右入力レバー810Rから宝卵482に衝撃が与えられて亀裂が進行したかのような演出を実行できる。
また、一度の左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作に基づく宝卵482の亀裂の進行は、5種の進行量を識別する情報(0~4の数字:以下において、進行識別情報とも称す)の組合せで指定されるパターンによって管理され、亀裂の進行量は、選択されている宝卵482の種類によって変化する。具体的には、副制御基板940のROMには、0から4の数字の組合せで指定される亀裂進行パターン、例えば、[0040100102000030]や、[003000100000200]が複数記憶されている。
副制御基板940は、複数の亀裂進行パターンから左入力レバー810L用の亀裂進行パターンと、右入力レバー810R用の亀裂進行パターンとを選択し、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作が実行されるごとに、選択された亀裂進行パターンの値を先頭から順に進行識別情報として選択する。また、副制御基板940のRAMには、亀裂の進行が繰り返された場合の進行量の総量を識別する亀裂進行情報が記憶されている。亀裂進行情報には、亀裂進行パターンから選択された進行識別情報から宝卵の種類を識別する宝卵識別情報(硬宝卵482H:0、通常宝卵:1、軟宝卵482S:2)を減じた値(マイナスとなる場合は「0」)が記憶される。
例えば、亀裂進行パターンとして[003010010200104]が選択されると、宝卵482として硬宝卵482Hが選択されている場合には、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作に基づき、亀裂進行情報として[0030100102001040…]の順に記憶される。ここで、「…」は以後(16回目の操作後)0が続くことを意味している。また、宝卵482として通常宝卵482Nが選択されている場合には、亀裂進行情報として[0020000001000030…]の順に記憶され、宝卵482として軟宝卵482Sが選択されている場合には、亀裂進行情報として[0010000000000020…]の順に記憶される。
亀裂進行情報が「0」である場合、装飾図柄表示装置479において、亀裂が進行しない表示が行われる。また、亀裂進行情報が「1」である場合には1段階、亀裂進行情報が「2」である場合には2段階、亀裂進行情報が「3」である場合には3段階だけ亀裂が進行する表示が装飾図柄表示装置479で実行される。また、亀裂進行情報が「4」である場合は、左側から進行する亀裂と右側から進行する亀裂とが宝卵482の中央で繋がる表示が実行される。
亀裂進行情報には、亀裂進行パターンを構成する進行識別情報から宝卵識別情報を減じた値が設定される。宝卵識別情報として通常宝卵482Nに対して硬宝卵482Hよりも大きい値が設定されているために、亀裂進行情報として記憶される値は、通常宝卵482Nが選択されている場合に硬宝卵482Hが選択されている場合よりも小さくなる。このため、同一の亀裂進行パターンが選択されたとしても、通常宝卵482Nに対する亀裂の進行を硬宝卵482Hよりも遅くすることができ、また、宝卵識別情報として軟宝卵482Sに対して通常宝卵482Nよりも大きい値が設定されているために、亀裂進行情報として記憶される値は、硬宝卵482Hが選択されている場合に通常宝卵482Nが選択されている場合よりも小さくなる。このため、同一の亀裂進行パターンが選択されたとしても、軟宝卵482Sに対する亀裂の進行を通常宝卵482Nよりも遅くすることができる。
副制御基板940のROMに記憶された複数の亀裂進行パターンには、通常宝卵482Nが選択された場合であっても、軟宝卵482Sが選択された場合であっても、亀裂が宝卵482の中央まで到達しない表示がなされる第1種のパターンが含まれている。また、複数の亀裂進行パターンには、通常宝卵482Nが選択された場合には宝卵482の中央まで到達するが、軟宝卵482Sが選択された場合には到達しない表示がなされる第2種のパターンが含まれている。更に、複数の亀裂進行パターンには、通常宝卵482Nが選択された場合であっても、軟宝卵482Sが選択された場合であっても、亀裂が宝卵482の中央まで到達する表示がなされる第3種のパターンが含まれている。
副制御基板940は、確変予定の特別遊技状態にあっては、各入力レバー810L,810R用の亀裂進行パターンとして、第1種、第2種及び第3種のパターンのいずれかを選択する。このため、通常宝卵482Nが選択されている場合であっても、軟宝卵482Sが選択されている場合であっても、左側から進行する亀裂と右側から進行する亀裂とが宝卵482の中央まで到達して繋がる表示(亀裂貫通表示とも称す)や、それらの亀裂の少なくとも一方が宝卵482の中央まで到達せず繋がらない表示(非亀裂貫通表示とも称す)を装飾図柄表示装置479で実行することができる。
一方、副制御基板940は、時短予定の特別遊技状態にあっては、少なくとも一方の入力レバー用の亀裂進行パターンとして、第1種類のパターンを選択する。このため、亀裂貫通表示が実行されることを防止できる。これにより、左側から進行する亀裂と右側から進行する亀裂との双方が宝卵482の中央まで到達して繋がる表示を実行することで、現時実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態であることを、殻割りミッション演出の最終結果(宝483(図34(D)参照)の出現の有無)の表示前に、遊技者に知らせることができる。
副制御基板940は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を検出した場合であって、亀裂進行情報の値が「1」以上である場合に(例えば、時刻ti4,時刻ti5,時刻ti6)、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rを制御して、亀裂進行情報の値に応じた移動量で、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを所定の短い時間(例えば、0.01秒)内に前後に移動させる。これにより、宝卵482の亀裂が進行する場合に、亀裂を進行させる撃力を左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが与え、その撃力の反動を受けたかのような感触を左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを通して遊技者に与えることができる。
具体的には、副制御基板940は、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rを駆動するタイミングを指定する情報(以下において、前後移動駆動情報とも称す)をROMに記憶している。副制御基板940は、握り操作有効フラグの有効期間TNを測定するタイマを参照して、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの駆動を切り替える。また、副制御基板940は、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの回転方向を指定する情報をRAMに記憶している。
各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、回転方向を指定する情報(図示せず)に基づいて異なる方向に駆動される。具体的には、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、回転方向を指定する情報が「0」である場合には順方向に駆動され、回転方向を指定する情報が「1」である場合には逆方向に駆動される。各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが順方向で駆動された場合には、各入力レバー810L,810Rは前方側に移動し、逆方向で駆動された場合には、各入力レバー810L,810Rは後方側に移動する。
また、副制御基板940は、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの駆動において亀裂進行情報を参照し、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、亀裂進行情報の値に基づいて異なる回転速度で駆動される。各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、亀裂進行情報「0」である場合に、駆動中であれば停止され、駆動中でなければ停止した状態を維持する。また、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、亀裂進行情報「1」である場合には低速で、亀裂進行情報「2」である場合には中速で、亀裂進行情報「3」である場合には高速で駆動される。
例えば、時刻ti4において、左入力レバー810L用の亀裂進行情報の値が「2」である場合に、図39に示すように、左レバー前後移動駆動モータ852Lが所定の時間(例えば0.05秒)だけ中速で順回転し、その後、所定の時間(例えば、0.05秒)だけ中速で逆回転する。これにより、左入力レバー810Lは、図38(B)に示すように、基準位置ZDから位置ZMまで移動し、位置ZMで折り返して基準位置ZDに戻る。また、時刻ti4において、右入力レバー810R用の亀裂進行情報の値が「3」である場合、図39に示すように、右レバー前後移動駆動モータ852Rが所定の時間(例えば0.05秒)だけ高速で順回転し、その後、所定の時間(例えば、0.05秒)だけ高速で逆回転する。これにより、右入力レバー810Rは、図38(B)に示すように、基準位置ZDから位置ZSまで移動し、位置ZSで折り返して基準位置ZDに戻る。また、図39には、時刻ti5において左入力レバー810L用の亀裂進行情報の値が「1」であり、かつ、右入力レバー810R用の亀裂進行情報の値が「2」である場合、時刻ti6において左入力レバー810L用の亀裂進行情報の値が「1」であり、かつ、右入力レバー810R用の亀裂進行情報の値が「2」である場合の左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの動作が示されている。
亀裂進行情報の値が「1」以上であり、装飾図柄表示装置479に表示された宝卵482の亀裂が進行する場合に、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rが短時間(0.1秒)に前後に一度だけ移動する。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが、宝卵482の亀裂を進行させる撃力の反動(衝撃)を受けたような感触を遊技者に与えることができる。
また、亀裂進行情報の値が大きくなるにつれ、同一の短時間内で、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rが高速で駆動される。このため、宝卵482の亀裂が大きく進行する表示がなされる場合に、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの前後方向の移動距離が大きく、大きな衝撃を受けたような感触を遊技者に与えることができる。
遊技者の握り操作に応じて亀裂が亀裂進行情報に基づいて進行すると、亀裂の進行状態を示す亀裂状態情報が更新される。亀裂状態情報は、副制御基板940のRAMに記憶され、亀裂が進行するごとに、亀裂進行情報の値が加算された値に更新される。
握り操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻ti7に、受動制御Aとは異なる操作感を各入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じて生じさせる受動制御B(図39における「受B」)が開始される。受動制御Bは、移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻tc8まで継続される。具体的には、各レバー回転駆動モータ831,831Rは、各入力レバー810L,810Rを中央配置側へ移動させる遊技者による挟み操作に対して、図40(B)に示す制御が実行される。受動制御Bにおいて、宝卵482の種類及び左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じて異なる反力(例えば、図40(A)に示す場合の2倍)を生じさせるように制御される。
受動制御Bにおいて、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じた最大反力は、宝卵482の亀裂の進行の段階(亀裂状態情報の値)によっても変化する。具体的には、通常宝卵482Nが選択されている場合であって、亀裂の進行が第1段階以上で第4段階以下である場合には、亀裂が発生していない場合(図40(A))に比べて、図40(B)に点線で示すように、最大反力が小さくなるように設定される。このため、操作力FMで操作されている場合には、左入力レバー810Lは位置XL6に、右入力レバー810Rは位置XR6まで移動する。また、通常宝卵482Nの亀裂の進行が第5段階又は第6段階である場合には、最大反力は、実線で示すように、点線で示す場合より更に小さくなるように設定される。このため、操作力FMで操作されている場合には、左入力レバー810Lは位置XL6に、右入力レバー810Rは位置XR6まで移動する。また、通常宝卵482Nの亀裂の進行が第7段階又は第6段系である場合には、最大反力は、破線で示すように、実線で示す場合より更に小さくなるように設定される。このため、操作力FMで操作されている場合には、左入力レバー810Lは位置XL4に、右入力レバー810Rは位置XR4まで移動する。このように、宝卵482の亀裂が進行するにつれて最大反力を小さく設定することで、あたかも亀裂が生じたこと、また、亀裂が進行したことによって、宝卵482が変形し易くなったかのような感触を遊技者に与えることができる。
また、握り操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻ti7に、装飾図柄表示装置479において、両握り操作指示情報489に代えて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させる操作を指示する連結操作指示情報484D(図39における「連結操作」:図41(D)における「左右のレバーを連結して殻を割れ」との文字情報)が表示される。
連結操作指示情報484Dが表示された後の時刻ti8において、操作力FMで操作した場合に最大位置(位置XL5)まで移動している各入力レバー810L,810Rを、操作力FCよりも大きく最大反力FRUよりも小さい操作力FCで位置XC側へ移動させると、時刻ti9に、左入力レバー810Lは位置XL1まで、右入力レバー810Rは位置XR1まで移動する。
移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となる時刻tc8に、時刻ti7~時刻tcにおける制御(図40(B)に示す制御)に代えて、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが、各入力レバー810L,810Rを位置XCに移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能A」:以下において能動制御Aとも称す)。能動制御Aは、時刻tf17まで継続される。具体的には、能動制御Aにおいて、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが、各入力レバー810L,810Rを位置XC側に向かわせる順方向に最大駆動力(最大反力FRUと同一の大きさの力)で回転駆動される。
また、時刻tc8に、右レバー電磁石818R,819RがN極励磁からS極励磁に切り替わり、左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを引き付ける磁力が発生する。
各レバー前後移動駆動モータによる回転移動及び左レバー電磁石818L,819Lと右レバー電磁石818R,819Rとを引き付け合う磁力により、時刻tf16に、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結される。
レバー位置情報に基づいて両入力レバー810L,810Rが位置XCに位置することが検出されると(時刻tf16)、装飾図柄表示装置479において、連結操作指示情報484Dに代えて、操作終了指示情報487D(図39における「操作終了」:図34(C)参照)が表示される。
操作終了指示情報487Dが表示された後の時刻ti10に、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rが所定の時間(例えば0.05秒)だけ高速で順方向に回転し、その後、所定の時間(例えば、0.05秒)だけ高速で逆方向に回転する動作を繰り返す(図39においては3回)。これにより、各入力レバー810L,810Rは、連結状態を保ちながら位置ZDと位置ZSとの間を繰り返し前後移動させて、両入力レバー810L,810Rが前後移動する感触を遊技者に伝達可能とする。
また、移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となってから所定の時間(例えば1.0秒)後の時刻tf17に、各レバー回転駆動モータ831L,831Rは、左入力レバー810Lが位置XLFをとり、右入力レバー810Rが位置XRFに移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能B」:以下において、能動制御Bとも称す)。能動制御Bは、時刻tf18まで継続される。具体的には、能動制御Bにおいて、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rは、左入力レバー810Lを位置XLF側に向かわせ、右入力レバー810Rを位置XRF側に向かわせる逆方向に最大駆動力(-FRUと同一の力)で回転駆動される。これにより、左入力レバー810Lを位置XLF(左端配置)に、右入力レバー810Rを位置XLF(右端配置)に戻すことができる。
ここで、能動制御A及び能動制御Bの実行期間中には、遊技者に対して能動制御の実行と、能動制御の種類とが示唆されるように構成することが好ましく、例えば、両入力レバー810L,810Rの内側に設けられる熱源が発熱することで、遊技者に対して、能動制御の実行が示唆され、その熱源の位置が変化することで能動制御の種類が示唆されるように構成してもよい。具体的には、両入力レバー810L,810Rの内側に、左操作部材812Lと右操作部材812Rとは別に、副制御基板940の制御によって、突出した状態と、退避した状態(押し込まれた状態)とが切り替えられ、また、突出方向とは別の方向に移動動作が可能なように、ソレノイドやモータ等の駆動力によって移動動作が可能な動作部分を有する構成とし、更に、動作部分の表面部分(操作面)を熱くする熱源としてのヒータを内蔵する。そして、能動制御Aの期間中には、動作部分が遊技者の手に接触可能に突出した状態で熱くなり、能動制御Bの期間中には、左操作部材812Lと右操作部材812Rの操作面が別の位置で遊技者の手に接触して熱くなるように制御を行う。これにより、遊技者は、能動制御が実行されていることと、能動制御Aの実行であるか能動制御Bの実行であるかを、動作部分の状態によって示唆することができる。なお、能動制御の実行と種類の示唆方法として、必ずしも熱くなる部分の配置位置を変化させる必要はなく、これに代えて、またはこれに加えて、動作部分の突出量が異なるように動作させる構成とし、能動制御Aの期間中には、動作部分が少し突出した状態となるまで退避した状態との移動を繰り返し、能動制御Bの期間中には、能動制御Aの場合より大きく突出した状態で操作面が移動を繰り返すように制御を行ってもよい。これにより、遊技者に対して、動作部分の出力動作を用いて、具体的には、異なる位置での打突の感触や、異なる位置での熱さの感覚を、遊技者の手に伝達することを用いて、遊技の状況を遊技者に示唆することができる。
次に、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出(両手参加型の殻割りミッション演出)に遊技者が参加する場合の両手参加型の演出の推移について、図42を参照して説明する。図42は、時短予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加する場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図42において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。
オープニング演出(OP演出)が実行される時刻td1~時刻td2において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc1~時刻tc2と同様の表示演出が、装飾図柄表示装置479で実行される。オープニング演出において、宝卵482が出現する表示が開始されるが、宝卵482の種類は時短予定時の種類判定情報に基づいて決定され、確変予定の種類判定情報に基づく場合よりも軟宝卵482Sの出現率が高く、また、硬宝卵482Hは出現しない。
オープニング演出に引き続き両手参加型の殻割り演出が実行される時刻td2~時刻td8において、確変予定の特別遊技状態の時刻tc2~時刻tc8と同様の表示演出が装飾図柄表示装置479で行われる。
時短予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出(時刻td2~時刻tg8)において、移動操作有効フラグがオン状態となる時刻tg1に、左レバー回転駆動モータ831Lや右レバー回転駆動モータ831Rは、時刻tf1~時刻ti7において、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを中央配置側へ移動させる遊技者による操作力に対して、図41(A)に示すように、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置に応じて異なる反力を生じさせるように制御される(図39における「受A」)。これにより、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの回転移動位置によって左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの操作感を変化させることができる。
時短予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、移動操作有効フラグがオン状態となる時刻tg1となった後、遊技者が左入力レバー810Lと右入力レバー810Rと挟み操作(中央配置側への移動)が開始されると(時刻tj1)、レバー位置情報が各入力レバー810L,810Rの操作量に応じて変化を開始する。
時短予定の特別遊技状態においては、移動操作有効フラグがオン状態となっている期間中に、左連結状態検出スイッチ839Lと右連結状態検出スイッチ839Rとの双方がオン状態をとる時間が規定の判定時間TMとなったとしても(時刻tg15)、演出選択フラグは、確変予定の特別遊技状態の場合のようにオン状態とはならずオフ状態に維持される。このため、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻td8~時刻td10)が実行される。なお、時短予定の特別遊技状態においては、遊技者が連結操作を行っても、その操作時間の長さによらず殻割れず演出が実行されるため、判定時間TMの計測は行わなくてもよい。
両手参加型の殻割り演出後に実行される殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、確変予定の特別遊技状態の殻割れ演出の場合とは異なり、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを位置XC(中央配置)へ移動させる各レバー回転駆動モータ831L,831Rの順方向の回転は実行されない。また、殻割れず演出が開始(時刻td8)されても、左レバー電磁石818L,819Lや右レバー電磁石818R,819Rは、N極励磁状態を維持する。このため、確変予定の特別遊技状態の場合とは異なり、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは連結されない。
殻割れず演出において、確変予定の特別遊技状態では左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結された場合に実行される左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの駆動が実行されず、各入力レバー810L,810Rの前後移動は発生しない。
移動操作有効フラグがオン状態からオフ状態となってから所定の時間(例えば1.0秒)後の時刻tj11に、左レバー回転駆動モータ831Lや右レバー回転駆動モータ831Rは、左入力レバー810Lが位置XLF(左端配置)をとり、右入力レバー810Rが位置XRF(右端配置)をとるように移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能C」)。この制御は、時刻tg18まで継続される。具体的には、左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rが、左入力レバー810Lを左端配置側に向かわせ、右入力レバー810Rを右端配置側に向かわせる方向に所定の駆動力(-FRUより小さい力)で駆動される。これにより、左入力レバー810Lを位置XLF(左端配置)に、右入力レバー810Rを位置XLF(右端配置)に、確変予定の特別遊技状態の場合よりも低速で戻すことができる。
ここで、確変予定の特別遊技状態の両手参加型の殻割りミッション演出に遊技者が参加しない場合における両手参加型の殻割りミッション演出の推移について、図43を参照して説明する。図43は、確変予定の特別遊技状態における両手参加型の演出の制御であって、当該演出に遊技者が参加しない場合の制御を示すタイミングチャートである。なお、図43において、第1ラウンドの後半の制御を省略すると共に、特別遊技状態が開始される直前の装飾図柄による図柄の変動表示の期間(図柄変動期間)の一部の制御を示す。また、比較のために、両手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合(図39に示す場合)の制御を破線で示している。以下において、両手参加型の殻割りミッション演出に参加する場合(図39に示す場合)の制御との相違部分についてのみ説明する。
確変予定の特別遊技状態における両手参加型の殻割り演出において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの挟み操作が行われない場合、両手参加型の殻割り演出に引き続き、装飾図柄表示装置479において、宝卵482が割れず、宝483が出現しない表示を行う殻割れず演出(時刻tc8~時刻tc10)が実行される。このとき実行される殻割れず演出は、時短予定の特別遊技状態で実行される殻割れず演出(時刻tg8~時刻td10:図42参照)と同一の演出である。
また、移動操作有効フラグがオン状態となる時間tf1から所定の時間の経過(例えば、1.5秒)後の時刻tk7に、各入力レバーの位置を識別するレバー位置情報に基づき、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの移動の有無が判断される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの移動がないと判断されると、左レバー回転駆動モータ831Lや右レバー回転駆動モータ831Rは、左入力レバー810Lが位置XLF(左端配置)をとり、右入力レバー810Rが位置XRF(右端配置)をとるように移動させる駆動力を生じるように制御される(図39における「能B」)。この制御は、時刻tk11まで継続される。この制御は、左入力レバー810Lを位置XLF(左端配置)、右入力レバー810Rを位置XRF(右端配置)に確実に戻すための制御であるため、必ずしも必要な制御ではなく、省略してもよい。
また、各入力レバー回転駆動モータ831L,831Rは、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを連結させる順方向への回転が実行されず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結されない。このため、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結された場合の左レバー前後移動駆動モータ852Lや右レバー前後移動駆動モータ852Rの駆動が実行されず、各入力レバー810L,810Rの前後移動が発生しない。
上記パチンコ機100において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを備えている。左入力レバー810Lは、左操作部材812Lを押圧する握り操作を実行可能であり、左レバー回転駆動モータ831Lの制御や遊技者による手動の操作による回転移動が可能である。また、右入力レバーは、右操作部材812Rを押圧する握り操作を実行可能であり、右レバー回転駆動モータ831Rの制御や遊技者による手動の操作による回転移動が可能である。確変予定の特別遊技状態や時短予定の特別遊技状態で発生する両手参加型の殻割りミッション演出において、左入力レバー810Lが左端配置から移動した位置XL8~位置XCの間に位置している場合、かつ、右入力レバー810Rが右端配置から移動した位置XR8~位置XCの間に位置している場合に、時刻ti4,時刻ti5,時刻ti6における握り操作に応じて、左入力レバー810Lは、左レバー前後移動駆動モータ852Lにより前後方向に往復移動し、かつ、右入力レバー810Rは、右レバー前後移動駆動モータ852Rにより前後方向に往復移動する。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの全体によって、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを操作する手が移動される感触(以下、移動感触ともいう)を出力することができる。また、左操作部材812Lと右操作部材812Rの制御によって、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを操作する手に対して、異なる位置での打突の感触(以下、打突感触ともいう)や、異なる位置での熱さの感覚(以下、温度感触ともいう)を伝達する出力を行うことができる。
したがって、上記パチンコ機100であれば、入力機能に加えて出力機能を兼ね備えた左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの動作制御により、異なる位置での移動感触、打突感触または温度感触を伝達する出力動作を実行することができる。これにより、遊技者に与える出力の印象を、出力位置の変化を通じて変化させることができる。
また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを移動させることで遊技者に左入力レバー810Lや右入力レバー810Rに注目させ、その注目させた場所の近傍で、移動感触等を伝達する出力動作を実行することが可能となり、異なる位置での感触に対しての出力機能による演出効果を高めることも可能になる。
また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを握る操作を行っている手の感触を異ならせるために、遊技者は微小な感触の相違を感じ取ることが可能になる。このため各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rとして低出力で小型のモータを用いたり、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを前後方向に短い距離だけ移動可能な小型の機構を用いたりでき、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rに出力機能を付加したとしても、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの移動性を確保し易くなる。
なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、移動感触、打突感触、または、温度感触を、異なる位置で伝達する出力動作を可能とする構成であるが、これらの構成は全て備える必要はなく、一部の構成を備えるように構成してもよく、また、これらの構成に限らず、他の構成を含むようにしてもよい。例えば、各入力レバー810L,810Rが、前後方向に代えて又は加えて左右方向や上下方向に移動可能に設けられ、前後方向とは異なる一方向に移動したり、複数の方向を組み合わせた斜め方向に一直線的に移動したり、移動方向を時間的に変化させて所定の平面内に沿って又は立体的に移動したりすることで移動感触を与える構成としてもよい。この構成の場合、例えば、各入力レバー810L,810Rを握る操作に基づく移動の場合には、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが離間するように左右方向に移動させ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結した場合の移動では、前後方向に移動させるなど、演出の進行に応じて移動形態を変化させることで、各入力レバー810L,810Rの移動による演出効果を高めることもできる。
また、各入力レバー810L,810Rの全体が移動することで、各入力レバー810L,810Rを操作する手に移動感触を与える構成であるが、この構成に限らず、各入力レバー810L,810Rの一部を移動させること、例えば、右握り壁811Rが右被覆壁813Rに対して移動可能に設けられ、右握り壁811Rが移動することで移動感触を与える構成としてもよい。この場合、各入力レバー810L,810Rの全体を移動させる場合に比べて、機構を簡素化したり、移動動作をさせる駆動源として駆動力の小さい小型の動力源を用いたりすることも可能になる。したがって、各入力レバー810L,810Rを回転させることや各入力レバー810L,810Rを握ることによる入力操作を行う機能に加えて移動感触等を伝達する出力機能を付加したとしても、各入力レバー810L,810Rの操作性を更に確保し易くできる。
また、各入力レバー810L,810Rの一部を移動させることで出力を行う場合、当該移動する部分は、各入力レバー810L,810Rの他の部分の移動に伴って、他の部分との相対位置が変化せずに移動する構成としてもよいし、他の部分との相対位置が他の部分の移動に連動して変化しながら移動する構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が移動感触等を伝達する出力を行う構成であるが、この構成に限らず、一方の入力レバーが移動感触等を伝達する出力を行う構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、温度感触を伝達する出力機能として、上記の構成に代えて、または、上記の構成に加えて、例えば、右握り壁811Rの表面や内部に発熱装置が設けられ、右握り壁811Rの温度変化による出力を行う構成を含むようにしてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、遊技者が直接に触れる部分を移動させることで、触覚で感じとれる出力を行う構成としているが、この構成に限らず、例えば、右被覆壁813Rに発熱装置が設けられ、発熱装置からの放熱による出力を行う構成や、右被覆壁813Rに送風装置が設けられ、送風装置からの送風による出力を行う構成など、遊技者が直接には触れない箇所からの触覚(例えば、腕や顔の触覚)で感じとれる出力を遊技者側に行う構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、入力機能に加えて触覚で感じとれる出力動作を実行する構成であるが、この構成に限らず、例えば、各入力レバー810L,810Rに音響装置が設けられ、聴覚によって感じとれる出力を行う構成や、各入力レバー810L,810Rに過熱や蒸発により芳香を放つ芳香装置が設けられ、嗅覚で感じ取れる出力を行う構成など、視覚とも触覚とも異なる感覚により識別できる出力を行う構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、移動感触を出力可能な位置まで、遊技者の操作によって回転移動する構成としているが、この構成に限らず、左端配置や右端配置から出力可能な位置まで又はその手前までの移動が、各レバー回転駆動モータ831L,831Rからの駆動力によって実行される構成としてもよい。この構成の場合、移動感触を出力可能な位置への各入力レバー810L,810Rの移動によって、遊技者に各入力レバー810L,810Rを注目させることが可能になる。
また、各入力レバー810L,810Rによる出力は、各入力レバー810L,810Rが基準位置(左端配置や右端配置)から移動した移動位置(位置XL8~位置XC,位置XR8~位置XC)をとる場合にのみ実行される構成としているが、この構成に限らず、各入力レバー810L,810Rが左端配置や右端配置をとる場合にも実行される構成、例えば、装飾図柄表示装置479で操作準備情報が表示される期間(tc1~tc2,td1~td2)の開始前又は開始後の一部の場合に実行される構成としてもよい。この構成の場合、各入力レバー810L,810Rに対する操作(挟み操作)が可能になることを、各入力レバー810L,810Rによる移動によって遊技者に知らせることが可能になる。
また、各入力レバー810L,810Rによる出力は、特別遊技状態や通常遊技状態において、両手参加型の殻割りミッション演出とは別の演出において、各入力レバー810L,810Rが左端配置や右端配置をとる場合に実行される構成としてもよい。この場合、各入力レバー810L,810Rが基準位置をとる場合と移動位置をとる場合とで同一の出力がなされたとしても、移動位置をとる場合には、各入力レバー810L,810Rが基準位置をとる場合より顔の近くに移動することで大きな出力として遊技者に感じさせることが可能になる。例えば、送風による出力の場合には各入力レバー810L,810Rが遊技者の皮膚が露出した顔に近づくように移動するため強い風と感じさせたり、音響による出力の場合には遊技者の耳に近づくように移動するため大音量と感じさせたり、芳香による演出の場合には、遊技者の鼻に近づくように移動するため強い芳香と感じさせたりすることが可能になる。このため、両手参加型の殻割りミッション演出における各入力レバー810L,810Rによる出力を、他の場合に比べて特別な出力とすることができる。
また、移動可能な各入力レバー810L,810Rに入力機能に加えて出力機能を付加する構成について説明したが、入力機能はないが移動可能な部材や装置に出力機能を付加する構成としてもよい。
また、上記パチンコ機100において、左入力レバー810Lは、左端配置から中央配置との間で回転移動が可能であり、右入力レバー810Rは、右端配置から中央配置との間で回転移動が可能である。各入力レバー810L,810Rは、上下方向と左右方向とを含む同一平面に沿って回転移動する。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは離間した形態(少なくとも一方が中央配置でない形態)から連結した形態(双方が中央配置である形態)に形態変化が可能である。両手参加型の殻割りミッション演出が発生した場合であって、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが連結された形態をとる場合の一部で(時刻ti10~時刻tf17)、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの全体が、離間した形態から連結した形態へと変化する場合の回転移動の動作とは異なり、前後方向へ複数回に亘り往復移動する。
したがって、上記パチンコ機100であれば、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの全体が可動部として機能し、連結した形態をとる場合に、離間した形態から連結した形態への変化過程の動作とは異なる動作で移動する。このため、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rが前後方向に移動する場合と移動しない場合とで各入力レバー810L,810Rに対する操作感を変化させたり、各入力レバー810L,810Rの移動によって演出を実行したりすることが可能になる。また、各入力レバー810L,810Rの全体を高速で移動させることによって、各入力レバー810L,810Rの形状は変化しないが、残像現象によって、あたかも各入力レバー810L,810Rの形状が変化したかのように遊技者に見せることも可能になる。
なお、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、離間した形態と連結した形態との間の形態変化を所定の平面内での回転移動で実現し、離間した形態となる場合に当該平面に垂直な方向に直線的に移動(前後移動)する構成であるが、この構成に限らず、当該平面から離れるように直線的又は曲線的に移動する構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rは、離間した形態と連結した形態との間の形態変化を所定の平面内での回転移動で実現し、離間した形態をとる場合に当該平面から離れるように移動する構成であるが、この構成に限らず、例えば、連結した形態となる場合に回転移動の移動中心に近づく又は遠ざかるように直線的又は曲線的に移動するなど、当該平面内において回転移動で辿る経路とは異なる経路で移動する構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、離間した形態をとる場合に前後方向に同一の動作(左入力レバー810Lが前側に所定の移動量で移動する場合には、右入力レバー810Rも前側に同じ移動量で移動する)をする構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一部が接触する状態や接触しているとみなせる程度に近接した状態や離間しているが正面視で接触して見える状態を保ちながら、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが前後方向に異なる動作(例えば、各入力レバー810Rの前後逆方向への移動や異なる移動量での移動)をする構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、連結した形態をとる場合の移動で、両入力レバー810L,810Rの相対位置が変化せずに移動する構成であるが、この構成に限らず、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの少なくとも一部が接触する又は接触しているとみなせる程度に近接した状態を保ちながら相対位置が変化するように移動する構成としてもよい。例えば、左入力レバー810Lが中央配置よりも更に左端配置から離れる位置まで移動可能に、右入力レバー810Rが中央配置よりも更に右端配置から離れる位置まで移動可能に設けられ、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの上下位置をずらしながら両入力レバー810L,810Rを全体として左右に移動させる構成としてもよい。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、連結した形態をとる場合の移動において、例えば、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが上下方向に対して傾斜可能に設けられ、上下方向に対する傾斜角が変化するように移動する構成や、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが上下方向に対して回転可能に設けられ、上下方向を軸として回転しながら左入力レバー810Lの左端から右入力レバー810Rの右端までの幅が小さくなるように両入力レバー810L,810Rが更に近づくように移動する構成や、回転移動と前後移動との組み合わせで周回運動したり、両入力レバー810L,810Rが前後に重なるようにスライド移動したりする構成としてもよい。
また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御により連結した形態にできる範囲の位置(位置XL8や位置XR8よりも位置XC側)までは、遊技者の手動による挟み操作で移動させる構成であるが、この構成に限らず、各入力レバー810L,810Rが移動可能であるすべての位置から各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御により連結した状態に移動する構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、遊技者による挟み操作が有効な期間の終了により、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づいて回転移動して、連結した形態となる構成であるが、この構成に限らず、遊技者による挟み操作が可能な期間の終了後に、各入力レバー810L,810Rを握るなどの別の操作を行うことを条件として、例えば、各入力レバー810L,810Rを握り続ける操作(長押し操作)を行うことを条件として、各入力レバー810L,810Rが各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づいて回転移動して、連結した形態となる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく回転移動により連結した形態となった後に、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの制御に基づく前後方向に移動する構成であるが、各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づく回転移動により連結した形態に変化させつつ、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの制御に基づく前後移動を連結した形態となる前から実行する構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、連結した形態をとる場合、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rの制御により前後移動することで移動感触を出力する構成であるが、この構成に限らず、例えば、各レバー前後移動駆動モータ852L,852Rとしてサーボモータを設けたり、各入力レバー810L,810Rが前端又は後端に位置していることを検出するスイッチを設けたりするなど、各入力レバー810L,810Rの前後移動を検出可能な装置を設け、遊技者が各入力レバー810L,810Rを前後移動させる操作を行うことにより、各入力レバー810L,810Rを回転移動させたり、各操作部材812L,812Rを押下したりする入力と異なる入力を行える構成としてもよい。この構成の場合、遊技者が各入力レバー810L,810Rを前後移動させる操作は、制御により時間的に許容したり禁止したりすることが可能な構成や、例えば、連結した形態をとった場合に各操作部材812L,812Rを押下するなど、遊技者による他の操作に基づいて可能になる構成としてもよい。また、連結した形態をとる場合にのみ入力が可能になる構成に限らず、各入力レバー810L,810Rの所定の範囲の位置(例えば、位置XL8~位置XC,位置XR8~位置XC)への回転移動により、連結した形態となる前から入力が可能になる構成であってもよい。
また、上記パチンコ機100において、両手参加型の殻割りミッション演出では、両入力レバー810L,810Rが離間した形態であって左入力レバー810Lが位置XC~位置XL8、右入力レバー810Rが位置XC~位置XR8に配置されている場合(時刻ti3~時刻ti7)には、各入力レバー810L,810Rを握り操作が有効となり、両入力レバーがその他の位置に配置されている場合には、握り操作が無効となる。
したがって、上記パチンコ機100であれば、各入力レバー810L,810Rの位置によって、各入力レバー810L,810Rを握る操作が阻止又は無効化されない状態と、阻止又は無効化される状態とを発現できる。これにより、各入力レバー810L,810Rを入力に特化したものとしたり、各入力レバー810L,810Rの位置の変化によって入力に特化した場合とは異なる操作感や操作方向で入力可能なものとしたり、各入力レバー810L,810Rの位置の変化によって各入力レバー810L,810Rを演出に特化したものとしたりして、多目的に機能を切り替えることが可能になる。
なお、各入力レバー810L,810Rは、両入力レバー810L,810Rが離間した形態をとる一部の位置に配置されている場合に握り操作が有効となる構成であるが、この構成に限らず、両入力レバー810L,810Rが離間した形態をとるすべての位置に配置されている場合(左入力レバー810Lについて位置XC~位置XLF、右入力レバー810Rについて位置XC~位置XRF)に握り操作が有効になる構成としてもよい。この構成の場合には、各遊技者にとって各入力レバー810L,810Rに対する操作がし易い位置で、握り操作を実行することが可能になる。
また、各入力レバー810L,810Rは、離間した形態をとる1つの連続した範囲の位置に配置されている場合に握り操作が有効になる構成であるが、この構成に限らず、複数に分離する連続した範囲の位置(例えば、左入力レバー810Lについて位置XL1~位置XL5の範囲と位置XL6~位置XL8の範囲)に配置されている場合に握り操作が有効になる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、離間した形態をとる連続した範囲に位置する場合に握り操作が有効になる構成であるが、この構成に限らず、特定の位置(例えば、左入力レバー810Lについて位置XL8、右入力レバー810Rについて位置XR8)に配置されている場合に握り操作が有効になる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、離間した形態をとる場合に握り操作が有効になる構成であるが、この構成に限らず、離間した形態をとる場合に代えて又は加えて、連結した形態をとる場合に握り操作が有効になる構成としてもよい。
また、各入力レバー810L,810Rは、常に握る操作(各操作部材812L,812Rの押下)は可能であるが、握り操作有効フラグの制御によって有効又は無効を切り替える構成であるが、この構成に限らず、各操作部材812L,812Rの押下を許容する位置と阻止する位置とをとることが可能な壁部材を各入力レバー810L,810Rに別途に設け、各操作部材812L,812Rと壁部材との相対位置が変化することで物理的に切り替える構成としてもよい。
ここで、各入力レバー810L,810Rが動作する条件として、遊技者による継続的な操作を条件とする場合について説明する。上記したように、両入力レバー810L,810Rが離間した形態から連結した形態へ変化する場合に、その形態変化の条件として、遊技者による継続的な操作(長押し操作)を条件としてもよい。
例えば、受動制御Aと能動制御Bの期間中においては、両入力レバー810L,810Rの左操作部材812Lと右操作部材812Rとを握り続ける操作を行った場合に、能動制御に切り替わるような制御を副制御基板940に設けてもよい。この能動制御としては、各入力レバー810L,810Rが各レバー回転駆動モータ831L,831Rの制御に基づいて回転移動し、両入力レバー810L,810Rが連結した形態に近づく構成としてもよい。
具体的には、受動制御Aと能動制御Bの期間中において、副制御基板940は、両入力レバー810L,810Rが離間した形態から連結した形態へ変化させる制御を行う場合において、左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対して握り続ける長押し操作が継続されているか否かを判定する。そして、長押し操作が実行されていれば、その期間中には、離間した形態から連結した形態へと形態変化が進行するように各レバー回転駆動モータ831L,831Rを回動させる制御を行う。これにより、左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対しての長押し操作を条件として両入力レバー810L,810Rの形態変化が進行し、両入力レバー810L,810Rの形態変化を進行させるか進行させないかを遊技者の単純な押圧操作によって決定させることができる。この両入力レバー810L,810Rの形態変化の進行状況は外観だけでなく、遊技者の操作部に対する触感を含めて識別可能とすることができるので、遊技者は、装飾図柄表示装置479の表示画面を注視しながら、形態変化の過程を触感によって識別することができる。
また、能動制御Bの期間中において、左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対して握り続ける長押し操作が実行されている場合に、単純に長押し操作が継続されているだけで、連結した状態となるだけでは、操作が単純になって遊技者の意識が操作に向かない可能性がある。このため、連結した形態へ形態変化した後に、連結した形態から離間した形態へと形態変化が更に進行するように各レバー回転駆動モータ831L,831Rを制御して両入力レバー810L,810Rの動作させる制御を含むように副制御基板940を構成してもよい。これにより、単純な長押し操作だけでは、連結した形態を維持できず、連結した状態でタイミングよく、握り操作を解除することを必要条件にして、連結した状態が継続されるように副制御基板940の制御を構成することができる。この連結した状態が継続されるのは、タイミングよく、断続的に握り操作を繰り返す(連打する)など、他の操作方法を必要とするようにしてもよい。
また、遊技者による継続的な操作を条件とする演出の別例としては、例えば、装飾図柄表示装置479の表示画面に表示された宝卵482を一定時間(例えば、10秒間)、左右の両側から挟んだ(つかんだ)状態とし続けることに成功したら、宝483を表示し、宝卵482を挟んで潰してしまったり、両入力レバー810L,810Rの挟む力が弱くて間から下方へ落下したら、宝483を表示しないように演出を制御してもよい。この場合においても、両入力レバー810L,810Rの左操作部材812Lと右操作部材812Rとの両方に対して握り続ける長押し操作が継続された分、中央側に、両入力レバー810L,810Rが移動し、手を離すと、その位置に停止し、連打することで、離間するように、副制御基板940で移動制御をしてもよい。そして、宝卵482が、回転するなどして向きを代える動作を行うように表示制御を行い、その向きの変化に伴って宝卵482の横幅が変化し、その分、両入力レバー810L,810Rによって圧迫される力が変化するように制御し、目標値としての両入力レバー810L,810Rの距離が変動するようにすることが好ましい。これにより、入力操作を単純にし過ぎることなく、装飾図柄表示装置479の表示画面の内容と、その手前側に配置される両入力レバー810L,810Rを組み合わせた演出の興趣を遊技者に提供することができる。
また、遊技者による継続的な操作が実行された場合に、両入力レバー810L,810Rのうち継続的な操作が行われたレバーの外形形態が、その継続的な操作が行われた期間の長さに対応して変化するようにしてもよい。例えば、両入力レバー810L,810Rが連結した形態において、両入力レバー810L,810Rの外周部分から外方側に放射状に突出するような可動部材を設けて、長押し操作が実行された場合に、可動部材の突出した数や突出量に応じて、遊技者にとって有利な設定(例えば、出球率の設定)であるか否かを示唆したり、保留されている単位遊技において特別図柄抽選の当選が含まれているか否かを示唆するようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施形態に限られることはなく、例えば、以下に記載するように変形して実施してもよい。この場合に、以下に記載する各構成を上記実施形態に対して適用してもよく、以下に記載する複数の構成を組み合わせて上記実施形態に対して適用してもよい。
上記実施形態においては、特典領域409Vの近傍(特典領域409Vそのものや特典領域409Vへの遊技球の進入に関与する上大入賞装置434)を指し示すことを可能としたり、遊技者の意識を向かわせたりすることが可能な構成として、複数の可動部材10,20の動作の組み合わせと、それら可動部材10,20に設けられる発光素子19を発光させる発光演出との両方を実施する構成について説明したが、必ずしも動作の組み合わせと発光演出との両方を実施する必要はなく、いずれか一方のみを実施するように構成してもよく、例えば、1つの可動部材に設けられる発光素子19を用いて特定の方向を指示(示唆)するようにしてもよい。
また、上記実施形態において、移行先決定ラウンドで、振分機構437が進入可能状態へ移行した後に上進入規制機構454が進行可能状態となる構成は必ずしも設ける必要はない。この場合であっても、装飾図柄表示装置479が第1ラウンドの開始前に第1の種類の大当りの当選に対応した所定の表示情報としての宝483を表示し、左可動部材10や右可動部材20が、特典領域409Vへ遊技球が進入可能な状況を遊技者に示し、移行先決定ラウンドでは、遊技球の発射を一旦停止し、宝483の表示や可動部材10,20の近接姿勢への変化を契機として遊技者に遊技球を発射させることを促すことにより、遊技球を特典領域409Vへ好適に進入させることを可能とすることができる。
また、上記実施形態においては、装飾図柄表示装置479において大当りに対応する停止図柄の組合せでは、大当りの種類が確変移行の特別遊技状態に移行するか、時短移行の特別遊技状態に移行するかを明示しない場合について説明したが、これに限らず、停止図柄の組合せの表示において、第1の種類の大当りや第2の種類の大当りのいずれに当選したかを表示してもよく、これに代えて又は加えて、大当りの当選の種類を示す特定のキャラクタ等を装飾図柄表示装置479に表示してもよい。装飾図柄表示装置479において、装飾図柄による停止図柄の組合せとは異なるもので大当りの種類を表示する場合には、その表示を、特別遊技状態が開始される直前ではなく、大当りに当選した単位遊技に対応する装飾図柄の変動期間中や、大当りに当選した単位遊技の実行が保留され、その単位遊技よりも前に実行される単位遊技に対応する装飾図柄の変動期間中に表示する構成としてもよい。更に、この場合には、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドの演出も装飾図柄の変動期間中に開始される構成としてもよい。また、左可動部材10及び右可動部材20の演出動作より前に実行される表示が、装飾図柄表示装置479によって実行される構成であるが、この構成に限らず、その表示は、パチンコ機100に既存の他の表示装置又は新たに設けられる表示装置によって実行される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出(殻割りミッション演出)を、特別遊技状態の少なくとも一部の期間を含めて実行する構成について説明したが、この構成に限らず、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出(殻割りミッション演出)を特別遊技状態である期間を含まず、図柄変動期間において実行する構成としてもよい。また、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出を図柄変動期間において実行する場合には、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で所定の当選条件(第1の大当りや第2の大当り)が成立した後に実行される単位遊技(所定の当選条件が成立した始動入賞に基づく単位遊技や当選時に既に保留された単位遊技)に係る図柄変動期間において実行する構成とし、非参加型や片手参加型や両手参加型の演出によって、特典領域409Vへ遊技球が進入させることができるか否かを示唆する構成としてもよい。
また、上記実施形態において、特別遊技状態において特典領域409Vへ遊技球が進入させることが可能な進入可能期間が発生するか否かを示唆する演出として、非参加型や参加型(片手参加型及び両手参加型)の演出を実行する構成であるが、この構成に限らず、他の状況が発生または移行するか否かを示唆する演出として、非参加型と片手参加型と両手参加型の演出の少なくとも一部を実行する構成としてもよい。例えば、第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選で所定の当選条件の成立としての大当りに当選したか否かを示唆する演出として、非参加型や参加型の演出を実行する構成としてもよいし、大当り当選の期待度を示す演出として実行する構成としてもよい。非参加型や参加型の演出を所定の当選条件が成立したか否かを示唆する演出として実行する場合には、当該演出を図柄変動期間において実行する構成としてもよいし、また、始動入賞が成立して図柄変動期間が開始されるまでの期間中に実施してもよいし、特別遊技状態中に特別遊技状態後の図柄変動が待機されている状況において、当該演出を、特別遊技状態の途中(例えば、エンディング期間)で実行してもよいし、特別遊技状態後に実行される単位遊技において実行する構成としてもよい。この場合には、宝483の表示として、大当り当選の期待度を示す数値情報(例えば、50%)の表示をしてもよいし、大当り当選の期待度が一定確率以上であることを示す「激アツ」や大当り当選に対応した「当確」などの文字情報を表示してもよいし、始動入賞を示す画像として色のついた球(例えば、赤色、黄色、虹色の球)を表示することで保留回数を表示する表示部に大当り期待度を示唆する画像を表示する構成としてもよい。
また、非参加型や参加型の演出は、図柄変動期間において所定の演出(例えば、所定のキャラクタを用いた戦闘の演出)が実行されるか否かを示唆する演出として用いてもよく、この場合には、宝483の表示として、特定の演出が実行されることを示唆する「発展」の文字情報を表示してもよいし、複数のキャラクタのいずれかの演出が実行される場合においてキャラクタの種類を表す種別情報(例えば、「兵士」や「小僧」)に対応する文字や、キャラクタの画像を表示してもよい。
また、非参加型や参加型の演出は、特別遊技状態におけるラウンド数やラウンドが継続されるか否かを示唆する演出として用いてもよく、この場合には、宝483の表示としてラウンド数を示す数字を含む「10R」等の数値情報や、特別遊技状態が終了しないで継続することを示す「継続」の文字情報を表示してもよい。
また、非参加型や参加型の演出は、遊技の実行を待機する状況(例えば、デモ画面の表示中)において実行される演出として用いてもよく、例えば、今日の運勢を占うおみくじの演出が可能としてもよく、この場合には、宝483の表示として、「大吉」や「小吉」といった文字情報を抽選で表示するようにしてもよいし、図柄変動期間中に表示される期待度の異なる演出(例えば、「魚群」や「泡」)等の演出画像が一定の確率で選択されて表示されるようにしてもよい。
また、上記実施形態における左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの各操作部に対して、移動操作量を検出可能な操作量検出手段(例えば、エンコーダ)と、各操作部を動作させる動作手段(例えば、モータ)とを設けて、副制御基板940の制御によって各操作部を、遊技者の操作なしに動作させたり、動作を容易にするアシスト力を作用させるようにしてもよい。例えば、参加型の演出として、両手参加型の演出を必ずしも両手で操作した場合に限って実行可能とする必要はなく、片手でも参加可能にし、例えば、デモ画面中において遊技者が両手参加型の演出を片手で参加したいことを選択できるように構成し、片手での参加を選択した場合には、両手の操作をしなくても一方のレバーを操作したら、他方のレバーが一方の操作量に追従して同一の操作量で動作するように構成してもよい。
また、上記実施形態における左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの操作が必要な両手参加型の演出について、片手で参加した場合には、判定時間TMに達することがなく、片手の操作がない場合と同一の演出が限定される場合について説明したが、片手で参加した場合には、両手で参加した場合とは異なる片手操作用の別の演出が実行されるようにしてもよい。また、両手参加型の演出実行中において、片手で参加した場合には、片手の参加もない場合とは異なる画像であって片手で参加した場合に対応する特定の画像(例えば、「両手で操作してください」の文字画像)を表示する構成としてもよい。
また、上記実施形態における左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの操作が必要な両手参加型の演出と、片手参加型の演出とを同一の操作部を利用する構成について説明したが、片手参加型の演出と両手参加型の演出とが別々の操作部を用いて実行される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが別々に動作する構成について説明したが、必ずしも別々に動作する必要はなく、ギヤやベルト等の駆動力を伝達する伝達手段を介して2つのレバーを連結しておき、両レバーが連結されて一体的に動作が可能に構成してもよく、この連結状態と連結が解除された状態とを遊技者の操作や副制御基板940の制御によって切り替えられるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、片手参加型と両手参加型との演出のいずれかが実行される場合について説明したが、遊技者の操作を検出して、その操作によって片手参加型の演出が実行されるか、両手参加型の演出が実行されるかが切り替わるように構成してもよい。
また、上記実施形態においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが左右の端から中央側に移動することで、レバーと装飾図柄表示装置479の表示画面とが近づく操作が可能な場合について説明したが、レバーの操作(移動動作)によって各レバーが前後方向においても位置変化するように構成し、レバーと装飾図柄表示装置479の表示画面との前後位置が遊技者の操作によって変化するように構成してもよく、この場合には、レバーが中央側へ移動した場合に装飾図柄表示装置479の表示画面に近づくような操作が可能に構成してもよい。
また、上記実施形態においては、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとがパチンコ機100の左右両側に設けられる場合について説明したが、2つのレバーのいずれかに代えて、または、2つのレバーに加えて、パチンコ機100の上部にレバーを設けて、片手参加型の演出や両手参加型の演出を可能にしてもよい。
<特典領域409Vに遊技球が進入した場合の演出>
次に、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に、複数の可動部により実行される演出(以下において、V入賞演出とも称す)について、図44~図48を参照して説明する。図44は、V入賞演出で動作する複数の可動部を備えた遊技盤600の正面図である。なお、図44において、遊技盤600を構成する部材のうち主要な部材のみを示し、また、V入賞演出で動作する可動部の前側に配置され、前後方向に重なるように配置された部材については一点鎖線で示し、V入賞演出で動作する可動部や当該可動部と前後方向に重ならない部材については実線で示す。
パチンコ機100は、図7に示す遊技盤400を、図44に示す別の遊技盤600に入れ替えることで、別の機種として利用することができ、以下においては、この遊技盤600を備えたパチンコ機100の各種の可動部に関連する構成について説明する。遊技盤600は、演出用の各種の部材や装置に関連する構成が異なること以外は、上記した図7に示す遊技盤400と同様の構成である。このため、遊技盤600において、遊技盤400と同様の役割を果たす部材については、同一参照符号を付して説明を省略し、相違部分についてのみ説明する。
遊技盤600には、V入賞演出で動作する可動部として、図44に示すように、装飾図柄表示装置479の右端側に配置された右前可動部610と、装飾図柄表示装置479の左端側に配置された左後可動部620とが設けられている。また、遊技盤600には、V入賞演出で動作する可動部として、右前可動部610の後方側に配置された右後可動部630と、左後可動部620の前方下方側に配置された左前可動部640とが設けられている。V入賞演出で動作する各可動部は、装飾図柄表示装置479よりも前方側であって、遊技盤600の基体401や基体401に設けられる中央構造体420よりも後方側に配置されている。
右前可動部610は、装飾図柄表示装置479に対して、左後可動部620よりも前後方向で遠い位置(基体401に対して近い位置)に配置され、左前可動部640よりも前後方向で近い位置(基体401に対して遠い位置)に配置されている。また、右後可動部630は、装飾図柄表示装置479に対して、左後可動部620と前後方向でほぼ同じ距離を隔てて配置されている。
右前可動部610と左後可動部620と右後可動部630と左前可動部640とは、確変予定の特別遊技状態の進入可能期間(例えば、図39等参照)において、特典領域409Vに遊技球が進入した場合(V入賞の場合)に動作し、V入賞演出を実行する。具体的には、V入賞演出で動作する各可動部は、V入賞演出において、図44に実線で示された配置(以下において、通常配置)から図44に二点鎖線で示された配置(以下において、出現配置)へ移動し、その後、通常配置に戻る。
右前可動部610は、可動懸垂部材611と、可動支持部材612と、可動懸垂基体619とを備えている。可動支持部材612は、後述する駆動機構に移動可能に連結されている。また、可動懸垂基体619は、可動支持部材612に揺動可能に支持されている。可動懸垂部材611は、可動懸垂基体619の前面側に設けられ、可動懸垂基体619と一体化されている。可動懸垂部材611は、移動可能な可動支持部材612に揺動可能に支持された可動懸垂基体619に一体化して設けられることで、可動支持部材612の移動に伴い、可動懸垂基体619と共に移動可能であり、可動懸垂基体619と共に可動支持部材612に対して揺動可能である。このため、可動懸垂部材611は、可動支持部材612の移動に伴い姿勢の変化が可能となる。また、可動支持部材612の移動によって可動懸垂基体619が安定姿勢(通常配置でとる姿勢)から変化すると、可動懸垂基体619は、可動支持部材612に対する揺動による姿勢変化を自重により継続することも可能になる。
なお、可動懸垂基体619は、可動支持部材612の移動に伴い可動支持部材612に対する姿勢が変化する構成であるが、この構成に限らず、可動支持部材612に対して可動懸垂基体619の姿勢を変化させることが可能な駆動機構と駆動源とを別途に設け、駆動源の駆動制御に基づき、可動懸垂基体619を所定の角度だけ回転させたり、可動懸垂基体619を所定の角度範囲で繰り返し回転させたりして、可動支持部材612に対する姿勢を変化させる構成としてもよい。この構成の場合には、可動支持部材612の移動の有無や移動の形態(移動の速度や加速度など)に依らず、可動懸垂基体619の姿勢を多様に変化させることができる。
また、可動懸垂基体619は、可動支持部材612に対して左右方向の揺動が可能に支持された構成であるが、この構成に限らず、左右方向に代えて又は加えて前後方向の揺動が可能に支持される構成としてもよい。
可動懸垂部材611は、水平方向よりも鉛直方向側に長く連続する縦長の形状とされている。このため、揺動による振れ角が小さくても、可動懸垂部材611の下端部分の移動量を大きくでき、遊技者に姿勢変化を大きく見せることが可能になる。また、可動懸垂部材611には、前面側の全体に凹凸による装飾(図45参照)が施されている。
なお、可動懸垂部材611に施される装飾は、凹凸によって形成された構成に限らず、可動懸垂部材611に対する着色のパターンによって形成される構成や、図形や模様などが描かれたシールを貼着するなど、可動懸垂部材611とは別の部材によって形成される構成としてもよい。また、可動懸垂部材611は、前面側の全体に装飾が施される構成であるが、この構成に限らず、前面側の一部に装飾が施される構成であってもよく、また、前面側に代えて又は加えて側面側や裏面側の少なくとも一部に装飾が施される構成としてもよい。また、可動懸垂部材611に施される装飾について説明した各種の装飾形態は、左後可動部620における後述の左後可動部材621や、右後可動部630における後述の近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633や、左前可動部640における後述の中央可動部材641などに施される装飾に対して適用してもよい。
可動懸垂部材611は、通常配置において、遊技者側から見て装飾図柄表示装置479の表示部479aに対して右流下領域409Rに近い側に配置されている。具体的には、可動懸垂部材611は、以下のように配置される。
可動懸垂部材611は、通常配置において、遊技者側から見て、表示部479aで装飾図柄の変動表示が行われて変動表示の停止結果が表示される表示領域479b(例えば、表示部479aにおける中央側の左右幅の75%で上下幅の75%の領域)の右方側において、表示領域479bの上端よりも上側に対応する高さ位置から表示領域479bの下端よりも下側に対応する高さ位置までの連続する範囲に亘って配置される。このため、通常配置をとる可動懸垂部材611(詳細には、可動懸垂部材611の左端部分)によって、表示部479aにおける表示領域479bと右流下領域409Rとを左右に区画することが可能になる。
なお、可動懸垂部材611の上端は、遊技者側から見て、表示領域479bの上端よりも上側に対応する高さ位置に配置される構成であるが、この構成に限らず、表示領域479bの上端に対応する高さ位置と同一の位置に配置される構成や、表示領域479bの上端に対応する高さ位置よりも下側で近接する位置(例えば、1cm以下、好ましくは0.5mm以下の範囲で下側の位置)に対応する高さ位置に配置される構成としてもよい。同様に、可動懸垂部材611の下端は、遊技者側から見て、表示領域479bの下端よりも下側に対応する高さ位置に配置される構成であるが、この構成に限らず、表示領域479bの下端に対応する高さ位置と同一の位置に配置される構成や、表示領域479bの下端に対応する高さ位置よりも上側で近接する位置(例えば、1cm以下、好ましくは0.5mm以下の範囲で上側の位置)に対応する高さ位置に配置される構成としてもよい。
通常配置において、可動懸垂部材611の左側の部分は、表示部479aの右端側の前方であって、中央構造体420の開口420aの内側部分の後方に配置されている。また、可動懸垂部材611の右側の部分は、表示部479aの右端側の前方から、基体401の開口や中央構造体420の開口420aを跨いで右流下領域409Rの後方に至る位置に配置されている。このため、表示部479aと可動懸垂部材611と右流下領域409Rとが左右方向に連続するように遊技者に見せることが可能になる。したがって、表示部479aと右流下領域409Rとの間から遊技盤600の背面側や遊技盤600より後方に配置される各種の制御装置や駆動装置や配線などを視認し難くし、表示部479aと右流下領域409Rとを見栄え良く区画することが可能になる。
左後可動部620は、左後可動部材621と、左後可動基体629とを備えている。左後可動基体629は、後述する駆動機構に移動可能に連結されている。また、左後可動部材621は、左後可動基体629の前側に一体化して設けられる。このため、左後可動部材621は、駆動機構の作動に伴い、左後可動基体629と共に移動する。
左後可動基体629は、詳細は後述するが、駆動機構の作動に伴い、左右方向へ概ね直線的な移動が可能であると共に、姿勢の変化が可能となるように駆動機構に支持されている。
左後可動部材621は、水平方向よりも鉛直方向側に長く連続する縦長の形状とされている。また、左後可動部材621には、前面側の全体に凹凸による装飾(図45参照)が施されている。
左後可動部材621は、通常配置において、遊技者側から見て表示部479aに対して左流下領域409Lに近い側に配置されている。具体的には、可動懸垂部材611は、以下のように配置される。
左後可動部材621は、通常配置において、遊技者側から見て、表示部479aの表示領域479bの左方側において、表示領域479bの上端よりも上側に対応する高さ位置から表示領域479bの下端よりも下側に対応する高さ位置までの連続する範囲に亘って配置される。このため、通常配置をとる左後可動部材621(詳細には、左後可動部材621の右端部分)によって、表示部479aにおける表示領域479bと左流下領域409Lとを左右に区画することが可能になる。
なお、左後可動部材621の上端は、遊技者側から見て、表示領域479bの上端よりも上側に対応する高さ位置に配置される構成であるが、この構成に限らず、表示領域479bの上端に対応する高さ位置と同一の位置に配置される構成や、表示領域479bの上端に対応する高さ位置よりも下側で近接する位置(例えば、1cm以下、好ましくは0.5mm以下の範囲で下側の位置)に対応する高さ位置に配置される構成としてもよい。同様に、左後可動部材621の下端は、遊技者側から見て、表示領域479bの下端よりも下側に対応する高さ位置に配置される構成であるが、この構成に限らず、表示領域479bの下端に対応する高さ位置と同一の位置に配置される構成や、表示領域479bの下端に対応する高さ位置よりも上側で近接する位置(例えば、1cm以下、好ましくは0.5mm以下の範囲で上側の位置)に対応する高さ位置に配置される構成としてもよい。
通常配置において、左後可動部材621の一部は、表示部479aの左端側の前方であって、中央構造体420の開口420aの内側部分の後方に配置されている。また、左後可動部材621の一部は、表示部479aの左端側の前方から、基体401の開口や中央構造体420の開口420aを跨いで左流下領域409Lの後方に至る位置に配置されている。このため、表示部479aと左後可動部材621と左流下領域409Lとが左右方向に連続するように遊技者に見せることが可能になる。したがって、表示部479aと右流下領域409Rとの区画の場合と同様の理由によって、表示部479aと左流下領域409Lとを見栄え良く区画することが可能になる。
可動懸垂部材611の一部は、基体401や中央構造体420と前後方向に重なる位置に配置されているが、基体401と中央構造体420とが無色透明の樹脂で形成され、また、基体401や中央構造体420において、可動懸垂部材611と前後方向に重なる範囲には、光を遮断する部材は設けられていない。このため、可動懸垂部材611のほぼ全体が、遊技者によって視認可能となっている。
また、左後可動部材621の一部は、基体401や中央構造体420と前後方向に重なる位置に配置されているが、基体401と中央構造体420とが無色透明の樹脂で形成され、また、基体401や中央構造体420において、可動懸垂部材611と前後方向に重なる範囲には、光を遮断する部材は設けられていない。また、左後可動部材621の一部は、基体401や中央構造体420に加えて、後述する左前可動部640の可動円盤部材649と前後方向に重なる位置に配置されているが、可動円盤部材649が無色透明の樹脂で形成され、可動円盤部材649において左後可動部材621と前後方向に重なる範囲には、光を遮断する装飾は施されていない。このため、左後可動部材621のほぼ全体が遊技者によって視認可能となっている。
なお、基体401や中央構造体420は、無色透明の樹脂で形成される構成に限らず、有色の光透過性素材で形成される構成としてもよい。この構成であっても、可動懸垂部材611や左後可動部材621が光透過性素材との混色によって異なる色に見えたとしても、遊技者は可動懸垂部材611や左後可動部材621を視認することが可能である。
可動懸垂部材611は、光透過性素材で形成されている。また、可動懸垂部材611の背後には、可動懸垂基体619に設けられ、光を出力可能な発光基板(図示せず)が配置されている。このため、可動懸垂部材611は、当該発光基板から出力された光を前方側(遊技者側)に透過させることができ、発光可能となる。
可動懸垂部材611の背後に配置された発光基板は、可動懸垂部材611を向く一面側に、可動懸垂部材611において装飾が施された範囲に亘って点在させた多数の発光素子を備えている。このため、多数の発光素子からの光によって、可動懸垂部材611に施された装飾の全体を発光させることが可能になる。当該発光基板は、副制御基板940に電気的に接続され、当該発光基板に設けられた各発光素子は、副制御基板940によって発光制御される。
なお、可動懸垂部材611は、前面側の全体に亘って装飾が施され、前面側の全体が発光する構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611の前面側の一部が発光し、装飾の一部が発光したり、可動懸垂部材611の前面側の一部に施された装飾が発光したりする構成としてもよい。また、可動懸垂部材611は、発光基板からの光によって装飾を発光した状態で遊技者に示すことが可能な構成であるが、この構成に限らず、装飾が施された可動懸垂部材611に代えてドット表示装置や液晶表示装置などの表示装置を可動懸垂基体619に設け、当該装置によって装飾を表示する構成としてもよい。また、可動懸垂部材611について説明した各種の発光形態は、左後可動部材621や、右後可動部630における後述する近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の各々や、左前可動部640における後述する中央可動部材641の発光形態として適用してもよい。
左後可動部材621は、光透過性素材で形成されている。また、左後可動部材621の背後には、左後可動基体629に設けられ、光を出力可能な発光基板(図示せず)が配置されている。このため、左後可動部材621は、当該発光基板から放出された光を前方側(遊技者側)に透過させることができ、発光可能となる。
左後可動部材621の背後に配置された発光基板は、左後可動部材621を向く一面側に、左後可動基体629において装飾が施された範囲に亘って点在させた多数の発光素子を備えている。このため、多数の発光素子からの光によって、左後可動基体629の装飾の全体を発光させることが可能になる。当該発光基板は、副制御基板940に電気的に接続され、当該発光基板に設けられた各発光素子は、副制御基板940によって発光制御される。
可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、通常遊技状態や確変遊技状態や時短遊技状態において、通常配置をとり、装飾図柄表示装置479で第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選に係る変動表示中に発光する。具体的には、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、各変動表示に対して変動期間に亘って点灯したり、点滅したりする。このため、可動懸垂部材611と左後可動部材621とを発光させない場合に比べて、通常遊技状態や確変遊技状態や時短遊技状態において、可動懸垂部材611が発光することで表示部479aと右流下領域409Rとを明瞭に区画し、また、左後可動部材621が発光することで表示部479aと左流下領域409Lとを明瞭に区画することが可能になる。
基体401には、右流下領域409Rにおいて表示部479aに対して右方側の部分に、光透過性素材で形成され、絵や模様などの装飾が施された樹脂薄板(図示せず)が設けられている。このため、通常配置をとる可動懸垂部材611の発光に基づき、当該樹脂薄板の装飾が後方側から照らされ、遊技者は、右流下領域409Rの範囲を容易に識別することが可能となる。また、通常配置をとる可動懸垂部材611の発光に基づく光であって当該樹脂薄板を透過した光で、右流下領域409Rを流下する遊技球を照らし、当該遊技球が流下する様子を視認し易くすることが可能になる。
また、基体401には、左流下領域409Lにおいて表示部479aに対して左方側の部分に、光透過性部材で形成され、絵や模様などの装飾が施された樹脂薄板(図示せず)が設けられている。このため、通常配置をとる左後可動部材621の発光に基づき、当該樹脂薄板の装飾が照らされ、遊技者は、左流下領域409Lの範囲を容易に識別することが可能となる。また、通常配置をとる左後可動部材621の発光に基づく光であって当該樹脂薄板を透過した光によって、左流下領域409Lを流下する遊技球を照らし、当該遊技球が流下する様子を視認し易くすることが可能になる。
なお、基体401に施される右流下領域409Rに対する装飾と、基体401に施される左流下領域409Lに対する装飾とは、個別の樹脂薄板に形成される構成であるが、この構成に限らず、右流下領域409Rと左流下領域409Lとに跨る1つの樹脂薄板に形成される構成としてもよい。また、基体401に設けられる樹脂薄板は、右流下領域409Rや左流下領域409Lの一部に装飾を施す構成であるが、この構成に限らず、右流下領域409Rや左流下領域409Lの全体に装飾を施す構成や、基体401の全体に装飾を施す構成としてもよい。
可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、繰り返し実行される変動表示に伴って頻繁に発光する。このため、遊技者に可動懸垂部材611と左後可動部材621との存在や大まかな形状を印象付ける(刷り込む)ことが可能になる。可動懸垂部材611の存在や形状を強く印象付ける観点からは、可動懸垂部材611と左後可動部材621との発光色や発光パターンによって、大当りの期待度を示唆するなど遊技者の注目を引く演出を実行することが好ましい。
なお、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、すべての変動表示に対する変動期間に亘って発光する構成であるが、この構成に限らず、変動期間の少なくとも一部の期間に発光する構成としてもよいし、例えば、遊技状態において特定の演出(例えば、装飾図柄の変動に加えて、キャラクタが登場してバトルやミッションを行う発展演出)が実行される場合にのみ発光するなど、一部の変動表示に対して発光する構成としてもよい。
また、可動懸垂部材611と左後可動部材621とが変動表示中に発光する構成であるが、この構成に限らず、変動表示中に加えて保留がある場合には後続する変動表示との間においても発光する構成や、変動表示中であるか否かに関わらず遊技者が発射ハンドル252(図5参照)を操作している場合に発光する構成や、通常遊技状態においては変動表示中に発光するものの、確変遊技状態や時短遊技状態においては変動表示中であるか否かに関わらず発光する構成としてもよい。この場合、右流下領域409Rに遊技球を流下させる確変遊技状態や時短遊技状態において、左流下領域409Lに遊技球を流下させる通常遊技状態とは異なる発光形態で発光させる構成、例えば、通常遊技状態では点灯したり点滅したりするが、確変遊技状態や時短遊技状態では上端側から下端側(遊技球の流下方向)に向かって光が流れるように見えるように発光する構成とし、右流下領域409Rと左流下領域409Lとのいずれに遊技球を流下させるかを遊技者に知らせることが好ましい。
右後可動部630は、回転可能な可動台座部材639と、可動台座部材639に対して回転可能に設けられ、通常配置において上下方向に並ぶ3つの可動部材とを備えている。可動台座部材639の前面側には、当該3つの可動部材として、可動台座部材639の回転軸684から近い側(下側)から順に、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633が設けられている。近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633には、前面側の全体に亘り、凹凸による装飾(図45参照)が施され、また、可動台座部材639にも、前面側の一部に凹凸による装飾(図45参照)が施されている。
右後可動部630は、通常配置において、左前可動部640の可動懸垂部材611と前後方向に大部分が重なるように、可動懸垂部材611の背後に配置されている。このため、通常配置において、右後可動部630の大部分が視認できず、僅かな部分しか視認できない。
可動台座部材639、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の各々は、光透過性素材で形成されている。また、可動台座部材639の背後には、可動台座部材639に設けられ、光を出力可能な発光基板(図示せず)が配置されている。このため、可動台座部材639は、当該発光基板から出力された光を前方側(遊技者側)に透過させることができ、発光可能となる。また、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の各々は、可動台座部材639を透過した光を前方側(遊技者側)に透過させることができ、発光可能となる。
可動台座部材639の背後に配置された発光基板は、可動台座部材639を向く一面側に、近可動部材631、中間可動部材632、遠可動部材633及び可動台座部材639において装飾が施された範囲に亘って点在させた多数の発光素子を備えている。当該発光基板は、副制御基板940に電気的に接続され、当該発光基板に設けられた各発光素子は、副制御基板940によって発光制御される。
左前可動部640は、後述する駆動機構に連結され、回転移動可能な可動円盤部材649と、可動円盤部材649に設けられ、可動円盤部材649に対して回転可能な中央可動部材641とを備えている。このため、中央可動部材641は、駆動機構による可動円盤部材649の回転移動に伴って回転移動すると共に、可動円盤部材649に対して回転する。
中央可動部材641や可動円盤部材649の一部は、通常配置において、基体401や中央構造体420に加えて、一般入賞装置439A等の入賞口へ遊技球を向かわせる通路を形成する一般通路部材608,609と前後方向に重なるように配置されている。一般通路部材608,609は光透過性部材で形成されている。このため、中央可動部材641や可動円盤部材649のほぼ全体が視認可能となっている。
中央可動部材641には、光透過性素材で形成され、前面側の全体に亘って、キャラクタの形状に対応する外形形状及び起伏形状による装飾(図45参照)が施されている。また、中央可動部材641において、装飾が施された部分には、キャラクタが描かれたシールが貼着されている。中央可動部材641に貼着されるシールも光透過性素材で形成されている。
可動円盤部材649は、無色透明の樹脂で形成されている。可動円盤部材649の左上側の周縁部分649a(2箇所の切り欠き649bの間の部分であって回転中心に対して約90°の範囲)には、その背面側に凹凸による装飾(図示せず)が施され、可動円盤部材649において左上側の周縁部分649a以外の周縁部分には、その前面側に凹凸及び凸部の着色による装飾(図45参照)が施されている。
可動円盤部材649において、左上側の周縁部分649aの装飾は、他の周縁部分(例えば、下側の周縁部分)と比べて、簡素な装飾とされている。具体的には、左上側の周縁部分649aの装飾は、他の周縁部分における装飾(例えば、多数の星形の装飾)と比べて、起伏の深さが浅い凹凸部分によって構成され、また、起伏部分が少ない構成とされており、概ね円周方向に沿った少数(例えば、7本)の細い線状の溝で形成されている。このため、可動円盤部材649には、左上側の周縁部分649aを透かした背後の視認性の低下を抑制しつつ装飾の機能を付加することが可能になる。左上側の周縁部分649aの装飾は、詳細は後述するが、可動円盤部材649に対する中央可動部材641の回転動作による演出に関連する装飾となる。
中央可動部材641の背後には、可動円盤部材649に設けられ、光を出力可能な発光基板(図示せず)が配置されている。このため、中央可動部材641は、当該発光基板から出力された光であって可動円盤部材649を透過した光を、前方側(遊技者側)に透過させることができ、発光可能となる。
中央可動部材641の中央部分の背後に配置された発光基板は、中央可動部材641を向く一面側に、中央可動部材641において装飾が施された範囲に亘って点在させた多数の発光素子を備えている。当該発光基板は、副制御基板940に電気的に接続され、当該発光基板に設けられた多数の発光素子は、副制御基板940によって発光制御される。
可動円盤部材649において左後可動部材621と前後方向に重なる周縁部分649aが、他の周縁部分と比較して簡素な装飾とされている。このため、周縁部分649aの背後に左後可動部材621が配置された状況において、左後可動部材621における周縁部分649aに重なる部位を視認し易くすることが可能になる。また、周縁部分649aの背後には、中央可動部材641を発光させる発光基板が配置されていない。このため、左後可動部材621の下端部分は、周縁部分649aの後側で前後方向に重なるものの、基体401や中央構造体420と共に周縁部分649aを透かして視認可能となっている。
周縁部分649aに形成される装飾としての溝は、可動円盤部材649の裏面側にのみ形成され、表面側は平坦な面によって構成されている。このため、可動円盤部材649の表面側からの光によっては、装飾としての溝部分を目立たないようにすることができる。よって、左後可動部材621における周縁部分649aに重なる部分を、より一層視認し易くすることが可能になる。
可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に出現配置に移動する。出現配置において、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、図44に二点鎖線で示すように、それらの一部が前後方向に重なって見える近接した配置をとる。このため、可動懸垂部材611と左後可動部材621との組み合わせによって、特典領域409V(所謂、Vゾーン)を示唆する「V」の文字を形成することができる。これにより、特典領域409Vに遊技球が進入したことを遊技者に知らせることが可能になる。
可動懸垂部材611は、出現配置において、左後可動部材621より左流下領域409Lに近い位置に配置され、また、左後可動部材621は、出現配置において、可動懸垂部材611より右流下領域409Rに近い位置に配置される。このため、左後可動部材621と可動懸垂部材611とで形成される「V」の文字の左半分が、可動懸垂部材611と左後可動部材621とのうち通常配置で右側(右流下領域409Rに近い側)に配置されていた部材で形成され、その右半分が、通常配置で左側に配置されていた部材で形成される。これにより、「V」の文字の左半分が通常配置で左側に配置されていた左後可動部材621で形成され、その右半分が通常配置で右側に配置されていた可動懸垂部材611によって「V」の文字が形成される場合に比べて、意外性のある配置によって、特典領域409Vに遊技球が進入したことを遊技者に知らせることができる。
右後可動部630は、出現配置において、左後可動部材621や中央可動部材641と通常配置の場合よりも近接した配置をとる。また、右後可動部630は、出現配置において、可動懸垂部材611と前後方向に重ならず、左後可動部材621及び中央可動部材641とも前後方向に重ならない位置に移動する。このため、遊技者は、近可動部材631、中間可動部材632、遠可動部材633及び可動台座部材639における装飾の全体を視認できるようになる。
また、出現配置において、遠可動部材633における装飾としての「i」の文字と、中間可動部材632における装飾としての「v」の文字と、近可動部材631における装飾としての「a」の文字とが、可動懸垂部材611と左後可動部材621とで形成される「V」の文字に近い側から順に横並びに配置される。これにより、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633は、可動懸垂部材611及び左後可動部材621と共に、機種を示唆する単語(Viva)を遊技者に示すことができ、V入賞演出において、可動懸垂部材611及び左後可動部材621と関連する一体的な演出を実行できる。
中央可動部材641は、出現配置において、可動懸垂部材611や可動台座部材639と通常配置の場合よりも近接した配置をとる。中央可動部材641は、詳細は後述するが、出現配置の近傍に配置された状態で、出現配置をとる可動懸垂部材611や左後可動部材621や近可動部材631や中間可動部材632や遠可動部材633の配置に関連した動作を実行し、また、出現配置から通常配置へ戻る可動懸垂部材611の移動に関連した動作を実行する。これにより、V入賞演出において、可動懸垂部材611、左後可動部材621、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633のいずれとも関連する一体的な演出を実行できる。
ここで、V入賞演出における右前可動部610や左後可動部620や右後可動部630や左前可動部640の動作の説明に先立ち、V入賞演出で動作する各可動部の構造やその駆動機構について、図45を参照して説明する。図45は、V入賞演出で動作する複数の可動部とそれらの動作に関連する構成を示す斜視図である。なお、図45において、V入賞演出で動作する各可動部の動作に関連する部材と、当該各可動部との関連を明確にするために、一部の部材を取り外した状態で示している。
遊技盤600には、右前可動部610を動作させる駆動機構が設けられている。右前可動部610を動作させる駆動機構は、図45に示すように、装飾図柄表示装置479の前方の上方側に設けられ、右前可動部610の移動において可動支持部材612を誘導する誘導レール661と、可動支持部材612を移動させる付勢力を与える移動付勢部材662とを備えている。
誘導レール661は、装飾図柄表示装置479の上方側において左右方向に一直線に連続する棒状体であり、右前可動部610を動作させる駆動機構を取り付ける基体(図示せず:以下において、右前駆動機構取付基体)に設けられている。誘導レール661には、可動支持部材612に形成され、誘導レール661の長手方向の一部の周縁を覆う筒形状の連結部612aが摺動可能に連結されている。このため、可動支持部材612は、誘導レール661に沿って左右方向に直線移動が可能となる。
移動付勢部材662は、弾性変形が可能なコイルバネで形成され、一部が誘導レール661に沿って左右方向に連続し、一部が上下方向に連続する状態で配置される。なお、移動付勢部材662は、図45において、円形の断面形状が連続する柱状に模式的に示している。また、移動付勢部材662は、コイルバネを用いる構成に限らず、ゴム等の弾性変形によって付勢力を発生させる他の部材を用いる構成としてもよい。
移動付勢部材662の一端は、可動支持部材612に接続され、他端は、左前可動部640を動作させる駆動機構を取り付ける図示しない基体(図示せず)に接続され、装飾図柄表示装置479の左上隅の前方において曲げられている。可動支持部材612が通常配置をとる場合、移動付勢部材662は、自然長よりも伸ばされた状態をとり、また、可動支持部材612が出現配置(図46(B)参照)をとる場合であっても、通常配置の場合よりも縮んだ状態となるものの、自然長よりも伸ばされた状態をとる。このため、移動付勢部材662は、可動支持部材612を左側へ移動させる方向に付勢することが可能であり、また、可動支持部材612が通常配置に対応する位置から出現配置に対応する位置への移動を完了するまで、可動支持部材612に付勢力を与え続けることが可能になる。
右前可動部610を動作させる駆動機構は、装飾図柄表示装置479の左上隅の前方に設けられた回転ローラ663を備えている。回転ローラ663は、誘導レール661の左端近傍で図示しない右前駆動機構取付基体に設けられている。移動付勢部材662は、回転ローラ663の外円周の一部に接触することで、曲げられた状態を維持している。
回転ローラ663は、前後方向を回転軸として回転可能に設けられている。このため、移動付勢部材662が曲げられた状態であっても、移動付勢部材662の弾性変形による伸縮に伴い回転ローラ663が回転することで、移動付勢部材662の弾性変形による伸縮を円滑に行えるようにすることが可能になる。したがって、移動付勢部材662の縮小によって可動支持部材612を左側へ円滑に移動させることが可能になる。
なお、移動付勢部材666は、回転可能な回転ローラ663によって曲げられた状態で配置される構成であるが、この構成に限らず、右前駆動機構取付基体に前方側に突出する円形状や円弧状や折れ線状の回転不能な突出壁を設けて、当該突出壁との接触によって曲げられた状態に維持される構成としてもよい。
移動付勢部材662が曲げられた状態で配置されていることで、可動支持部材612が通常配置をとる場合の自然長からの伸長量を長く確保することが可能になり、可動支持部材612に強い付勢を与えることが可能になり、また、可動支持部材612を長い距離に亘り移動させることが可能になる。これにより、可動支持部材612や可動支持部材612に追従して移動する可動懸垂部材611を長距離に亘り高速で移動させることが可能になる。したがって、出現配置となった場合に「V」の文字を形成する可動懸垂部材611と左後可動部材621とのうち、通常配置において右側に配置される可動懸垂部材611を、左後可動部材621よりも長い距離に亘り高速で移動させることが可能になる。
また、移動付勢部材662は、誘導レール661の左端近傍においてほぼ直角に曲げられて下方向に連続するように配置され、移動付勢部材662において下方向に連続する部分は、可動体(例えば、開閉シャッタや開閉羽根)を有する入賞装置等の複雑な装置が設けられていない左流下領域409Lの背後に配置されている。このため、移動付勢部材662において下方向に連続する部分を配置する空間を確保し易く、移動付勢部材662の長さや太さなどに対する選択の自由度を高めることができ、可動支持部材612を移動させる速度を高速化し易くすることが可能になる。
なお、移動付勢部材662は、水平方向に連続する部分に対して、ほぼ垂直に曲げられた状態で配置される構成について例示したが、この構成に限らず、水平方向に連続する部分に対して傾斜する方向(例えば、80°や100°)に曲げられた状態で配置される構成とするなど、他の方向側に曲げられる構成としてもよい。また、移動付勢部材662は、水平方向から上下方向に曲げられた状態で配置される構成としているが、この構成に限らず、例えば、前後方向に連続する部分を有するように曲げられた状態で配置される構成としてもよい。また、移動付勢部材662は、1箇所で曲げられた状態で配置される構成としているが、この構成に限らず、例えば、2箇所で曲げられた折れ線状で配置されるなど、複数個所で曲げられた状態で配置される構成としてもよい。
また、右前可動部610を動作させる駆動機構は、可動支持部材612と接触可能な位置に配置された駆動スライダ664と、駆動スライダ664を移動させる駆動軸部材665とを備えている。
駆動軸部材665は、図示しない右前駆動機構用の基体に回転可能に設けられ、誘導レール661の前方側において誘導レール661と並行に配置された棒状体である。駆動軸部材665の表面には、螺旋溝665aが形成されている。
駆動軸部材665は、複数の連動するギア668を介して連結された駆動モータ651によって駆動される。駆動モータ651は、副制御基板940に電気的に接続され、副制御基板940によって駆動制御される。
駆動スライダ664には、駆動軸部材665に連結される連結部分664aが形成されている。連結部分664aは、駆動軸部材665の長手方向の一部の周縁を囲む筒形状とされている。連結部分664aには、内側中空部分において駆動軸部材665に向かって突出し、駆動軸部材665の螺旋溝665aに挿入される係合突起(図示せず)が設けられている。これにより、駆動軸部材665の回転に伴い、螺旋溝665aが連結部分664aの係合突起を押圧し、駆動スライダ664を駆動軸部材665に沿って移動させることができる。
駆動スライダ664には、連結部分664aから誘導レール661に向かう前側に突出する突出部分664bが形成されている。突出部分664bは、可動支持部材612において連結部612aの左側に突出した移動被圧部612dの左側であって、移動被圧部612dと接触可能な位置に配置されている。このため、駆動スライダ664の右側(出現配置から通常配置に向かう側)への移動により移動被圧部612dを押圧し、可動支持部材612を右側へ移動させることが可能になる。したがって、可動懸垂部材611を出現配置側から通常配置側へ移動させることが可能になる。
また、右前可動部610を動作させる駆動機構は、可動支持部材612の移動を規制可能な規制部材666aと、回転軸666b周りに規制部材666aを回転させることが可能な回転部材666cと、回転部材666cを付勢する規制付勢部材666dとを備えている。
回転部材666cは、図示しない右前駆動機構取付基体に設けられた上下方向に連続する回転軸666bに連結され、回転軸666b周りに回転可能に設けられている。規制付勢部材666dは、長手方向の一端において右前駆動機構取付基体と連結され、長手方向の他端において回転部材666cと連結されている。
規制部材666aは、回転軸666b周りに回転可能な回転部材666cから下方に突出して設けられ、回転部材666cの回転に伴って、回転軸666bを中心として回転移動する。これにより、規制部材666aは、可動支持部材612において連結部612aから上側に突出する規制被圧部612cに対して左側(移動付勢部材662からの付勢による可動支持部材612の移動方向側)に対向して位置し、規制被圧部612cと接触可能な規制配置と、規制配置の場合よりも後方側に回転移動し、規制被圧部612cと左右方向で対向せず、規制被圧部612cと接触しない規制解除配置とをとることが可能になる。
回転部材666cは、規制付勢部材666dによって、上面視で右回転させる方向の付勢を受ける。このため、回転部材666cに連結された規制部材666aも、規制付勢部材666dから付勢を受け、規制解除配置側から規制配置側に移動させる付勢を受ける。
また、規制部材666aは、規制配置において、回転部材666cの回転軸666bよりも前方側に位置するように設けられる。このため、規制部材666aは、規制配置をとる場合、移動付勢部材662から付勢を受けている可動支持部材612からの押圧によって、規制配置を維持させる付勢を受ける。したがって、規制付勢部材666dに基づく付勢に加えて移動付勢部材662に基づく付勢によって、規制部材666aを規制配置に強固に維持することができる。
規制部材666aは、円筒形状であり、当該円筒の中心軸を回転中心として回転可能に回転部材666cに設けられている。このため、規制部材666aを規制配置から規制解除配置に移動させる場合に、規制部材666aと規制被圧部612cと間の摩擦抵抗を低減させることができる。したがって、規制部材666aが移動付勢部材662から強い付勢を受けていたとしても、移動付勢部材662からの付勢に抗して可動支持部材612を右側に、かつ、可動支持部材612よりも後方側に、規制部材666aを円滑に移動させ、規制部材666aによる可動支持部材612に対する移動規制を円滑に解除することが可能になる。
また、右前可動部610を動作させる駆動機構は、駆動軸部材665の左端近傍において駆動スライダ664と接触可能な位置に配置された被押圧部材667aと、被押圧部材667aと連結され、回転軸667c周りに回転可能な回転部材667bとを備えている。また、当該駆動機構は、回転部材667bの回転に連動してスライド移動が可能なスライド部材667dと、スライド部材667dと規制部材666aが設けられた回転部材666cとを連結する連結軸667eとを備えている。
回転部材667bは、上下方向に連続する回転軸667cを中心として回転可能に、図示しない右前駆動機構取付基体に設けられている。
被押圧部材667aは、回転部材667bにおいて回転軸667cが設けられた一端側とは反対側の一端に設けられている。このため、被押圧部材667aは、回転部材667bと共に、回転軸667cを中心とした回転移動が可能となる。
被押圧部材667aの一部は、回転部材667bから駆動軸部材665に向けて下方に突出するように配置される。これにより、被押圧部材667aは、駆動モータ651の駆動により移動してきた駆動スライダ664と接触可能となる。
被押圧部材667aが駆動モータ651の駆動により移動してきた駆動スライダ664によって左側へ押圧された場合、回転部材667bは、回転軸666bを中心として回転移動する。
被押圧部材667aの一部は、回転部材667bからスライド部材667dとは反対側に向かって上方に突出するように配置されている。被押圧部材667aにおいて上方に突出した部分は、スライド部材667dの左端側に形成された前後方向に連続する長方形状の開口に挿入されている。このため、回転部材667bが上面視で左回転すると、被押圧部材667aにおいて上方に突出した部分が、スライド部材667dを左側に押圧する。これにより、被押圧部材667aと駆動スライダ664との接触によって回転部材667bが回転した場合、スライド部材667dは、左側にスライド移動する。
連結軸667eは、規制部材666aが設けられた回転部材666cからスライド部材667dに向かって下方に突出するように、回転部材666cに設けられている。連結軸667eは、スライド部材667dに形成された前後方向に連続する長方形状の開口に挿入されている。このため、スライド部材667dが左側へスライド移動した場合、スライド部材667dが連結軸667eを押圧し、回転部材666cが上面視で左回転する。これにより、規制部材666aは、回転部材666cの左回転に伴い、規制配置側から規制解除配置側へ回転移動する。したがって、駆動スライダ664の移動によって、規制部材666aによる可動支持部材612の移動規制を解除することが可能になる。
遊技盤600には、左後可動部620を動作させる駆動機構が設けられている。左後可動部620を動作させる駆動機構は、左前可動部640の後方側に配置された左後基体679に対して左後可動基体629をその上端部分で支持する上端支持腕671と、上端支持腕671と左後可動基体629とを回転可能に連結する可動連結軸673と、上端支持腕671と左後基体679とを回転可能に連結する固定回転軸674とを備えている。
また、左後可動部620を動作させる駆動機構は、左後基体679に対して左後可動基体629をその中央部分で支持する中央支持腕672と、中央支持腕672と左後可動基体629とを回転可能に連結する可動連結軸675と、中央支持腕672と左後基体679とを回転可能に連結する固定回転軸676とを備えている。
また、左後可動部620を動作させる駆動機構は、上端支持腕671に形成された長方形状の開口671aに挿入され、上端支持腕671を回転移動させる作動軸677と、作動軸677を移動させる回転可能な作動盤678と、駆動モータ(図示せず)の動力を作動盤678に伝達する複数の連動するギア(図示せず)とを備えている。
左後可動部材621は、駆動モータの駆動による作動盤678の回転に基づき、上端支持腕671が作動軸677で押圧されることで固定回転軸674周りに回転移動する。左後可動部材621を駆動する駆動モータは、副制御基板940に電気的に接続されており、副制御基板940によって駆動制御される。また、駆動モータからの動力に基づく上端支持腕671の回転移動に伴い、中央支持腕672も回転移動する。
遊技盤600には、右後可動部630を動作させる駆動機構が設けられている。右後可動部630を動作させる駆動機構は、左後基体689に設けられ、右後可動部630の可動台座部材639を回転可能に支持する回転軸684と、可動台座部材639を回転させる動力を与える作動軸685と、駆動モータ653からの動力を作動軸685に伝達する複数の連動するギア688とを備えている。
作動軸685は、左後基体689に回転移動可能に設けられ、可動台座部材639に形成された長方形状の開口に挿入されている。また、作動軸685は、駆動モータ653からの複数の連動するギア688を介した動力に基づき、正面視で左回転方向に回転移動し、可動台座部材639を押圧することが可能である。このため、可動台座部材639は、駆動モータ653からの動力に基づき、回転軸684周りに回転移動可能となる。
右後可動部630を動作させる駆動機構は、可動台座部材639に設けられ、近可動部材631を回転可能に支持する回転軸(図示せず)と、可動台座部材639を回転移動させるギアに連結され、近可動部材631を回転させる動力を伝達する複数の連動するギア(図示せず)とを備えている。このため、近可動部材631は、駆動モータ653からの動力に基づき、可動台座部材639と共に回転移動可能となり、また、可動台座部材639に対して回転可能となる。駆動モータ653は、副制御基板940に電気的に接続されており、副制御基板940によって駆動制御される。
右後可動部630を動作させる駆動機構は、可動台座部材639に設けられ、中間可動部材632を回転可能に支持する回転軸(図示せず)と、近可動部材631を回転させる複数の連動するギアを介して可動台座部材639を回転移動させる複数の連動するギア688に連結され、中間可動部材632を回転させる動力を伝達する複数の連動するギア(図示せず)とを備えている。このため、中間可動部材632は、駆動モータ653からの動力に基づき、可動台座部材639と共に回転移動可能となり、また、可動台座部材639に対して回転可能となる。また、中間可動部材632は、近可動部材631と連動して回転する。
右後可動部630を動作させる駆動機構は、可動台座部材639に設けられ、遠可動部材633を回転可能に支持する回転軸(図示せず)と、近可動部材631や中間可動部材632を回転させる複数の連動するギアを介して可動台座部材639を回転移動させるギアに連結され、遠可動部材633を回転させる動力を伝達する複数の連動するギア(図示せず)とを備えている。このため、遠可動部材633は、駆動モータ653からの動力に基づき、可動台座部材639と共に回転移動可能となり、また、可動台座部材639に対して回転可能となる。また、遠可動部材633は、近可動部材631及び中間可動部材632と連動して回転する。
中間可動部材632は、近可動部材631や遠可動部材633よりも可動台座部材639から離れる前方側であって、右前可動部610の可動懸垂部材611の背後に近接して配置される。これにより、右後可動部630と右前可動部610とが通常配置である場合に、右前可動部610に施された装飾を中間可動部材632と可動懸垂部材611との隙間から視認させ難くすることが可能になる。
中間可動部材632は、近可動部材631や遠可動部材633の少なくとも一部と前後方向に重なるように配置される。これにより、右後可動部630と右前可動部610とが通常配置である場合に、近可動部材631や遠可動部材633と可動懸垂部材611との隙間が大きくなったとしても、近可動部材631や遠可動部材633に施された装飾を視認させ難くすることが可能になる。
遊技盤600には、左前可動部640を動作させる駆動機構が設けられている。左前可動部640を動作させる駆動機構は、左前基体(図示せず)に設けられ、可動円盤部材649の右上側の部分を回転移動可能に支持する回転軸691と、可動円盤部材649を回転移動させる動力を与えるスライド移動可能な作動板692とを備えている。また、左前可動部640を動作させる駆動機構は、作動板692をスライド移動させる動力を与える回転移動可能な作動軸693と、作動軸693を回転移動させる回転可能な回転腕694と、駆動モータ654の動力を回転腕694に伝達する複数の連動するギア695(一部のみ図示)とを備えている。
左前可動部640を駆動する駆動モータ654は、副制御基板940に電気的に接続されており、副制御基板940によって駆動制御される。
作動板692は、可動円盤部材649の後方側において、左前基体に、上下方向のスライド移動が可能に設けられている。作動板692には、左右方向を長手方向とする長方形状の開口(図示せず)が形成されており、当該開口には、可動円盤部材649に形成された作動突起(図示せず)が挿入されている。作動突起は、可動円盤部材649において、回転軸691よりも左側の部分の背面から後方側に突出するように形成されている。
作動板692が上側へスライド移動した場合、作動突起が作動板692によって上側へ押圧され、可動円盤部材649は、回転軸691周りに右回転する。また、作動板692が下側へスライド移動した場合、作動突起が作動板692によって下側へ押圧され、可動円盤部材649は、回転軸691周りに左回転する。
作動板692には、左右方向を長手方向とする長方形状の開口が形成されており、当該開口に作動軸693が挿入されている。作動軸693は、回転腕694の回転中心から半径方向に突出する端部に設けられ、複数の連動するギア695を介して伝達される駆動モータ654からの動力に基づく回転腕694の回転に伴い回転移動する。このため、作動軸693の回転移動によって作動軸693が作動板692を押圧し、作動板692は、上側や下側へスライド移動する。したがって、作動板692のスライド移動に伴って動作する可動円盤部材649は、駆動モータ654の駆動に基づいて、回転軸691周りに回転移動可能となる。
左前可動部640を動作させる駆動機構は、可動円盤部材649の中央近傍に設けられ、中央可動部材641を回転可能に支持する中央回転軸(図示せず)と、可動円盤部材649の回転移動に伴い動作する複数の連動するギア(図示せず)とを備えている。このため、中央可動部材641は、可動円盤部材649と共に回転軸691周りに回転移動可能となり、また、可動円盤部材649に対して中央回転軸周りに回転可能となる。
ここで、右前可動部610の動作形態について、図46を参照して説明する。図46は、V入賞演出で動作する右前可動部610の動作形態を模式的に示す説明図である。図46(A)が右前可動部610に対して移動規制された状態を示し、図46(B)が右前可動部610に対して移動規制が解除された状態を示す。
図46(A)に示すように、通常配置において、移動付勢部材662からの付勢を受けている右前可動部610の可動支持部材612の移動は、規制配置をとる規制部材666aと、可動支持部材612の規制被圧部612cとの接触によって規制されている。このため、右前可動部610の可動懸垂部材611は、装飾図柄表示装置479の右端側に位置する通常配置に維持される。
進入可能期間の開始前に、駆動モータ651が駆動されて駆動軸部材665が順方向に回転し、駆動スライダ664が位置Xaから被押圧部材667aに接触する位置Xa1まで移動する。これにより、右前可動部610に対する移動規制が解除された場合に、移動付勢部材662からの付勢によって、右前可動部610を出現配置まで一気に極めて短い時間(例えば、0.02秒)で移動させることが可能になる。なお、駆動スライダ664が位置Xaから被押圧部材667aに接触する位置Xa1まで移動するタイミングとしては、進入可能期間の開始前であればよく、規制部材666aによって可動支持部材612の移動が規制された直後であってもよい。
進入可能期間において特典領域409Vに遊技球が進入した場合、駆動モータ651が駆動されて駆動軸部材665が順方向に回転し、図46(B)に示すように、駆動スライダ664が位置Xa1から位置Xa2まで移動する。この移動によって、駆動スライダ664が被押圧部材667aを押圧し、被押圧部材667aが回転軸667c周りに回転移動する。被押圧部材667aの回転移動に基づき、規制部材666aが規制配置から規制解除配置に変化し、規制被圧部612cの左側に配置されていた規制部材666aが規制被圧部612cに対して後方側へ移動する。これにより、可動支持部材612に対する移動規制が解除され、右前可動部610が図46(B)に示す出現配置に向けて移動を開始する。
可動支持部材612は、図46(B)に示すように、通常配置に対応する位置Xbから、出現配置に対応する位置Xb2まで移動する。可動支持部材612が位置Xb2まで移動すると、規制被圧部612cが右前可動部610を動作させる駆動機構の上側を覆うカバー基体(図示せず)に設けられた上停止部材657に接触することで停止する。また、可動懸垂部材611は、可動懸垂基体619の下端に設けられた左ローラ618Lが装飾図柄表示装置479の下側の前方に配置された中央下基体659の左端に設けられた下停止部材658に接触することで停止する。
なお、可動支持部材612が位置Xb2まで移動する直前の一定区間(例えば、移動可能範囲の残り10%の区間)において、コイルバネとダンパーとを組み合わせたブレーキ機構によって可動支持部材612が減速し易くするように構成してもよい。これにより、可動支持部材612を高速で移動可能としつつ、停止直前で効率良く可動支持部材612の速度を減速することができ、停止位置にて跳ね返ったりするような動作を抑制することができる。
出現配置に対応する位置Xb2に一定の時間、可動支持部材612が配置された後に、可動支持部材612は、通常配置に対応する位置Xbに戻るように移動動作を開始する。具体的には、進入可能期間の開始から所定の時間(例えば、3.0秒)が経過した場合、駆動軸部材665の逆回転(順回転と逆方向の回転)が開始され、駆動スライダ664が右側への移動を開始する。
駆動スライダ664が右側へ移動し、可動支持部材612の移動被圧部612dと接触すると、可動支持部材612は、駆動スライダ664からの押圧によって、駆動スライダ664と共に右側へ移動する。
駆動スライダ664の右側への移動に伴い、回転部材666c及びスライド部材667dを介して規制付勢部材666dからの付勢を受けている被押圧部材667aは、駆動スライダ664に追従して、回転軸667c周りに上面視で右回転移動する。この駆動スライダ664の右側への移動に伴う回転部材666cの右回転移動により、規制部材666aが規制解除配置から規制配置側へ回転移動する。駆動スライダ664が被押圧部材667aと離間する位置まで移動すると、規制部材666aは規制配置をとる。
駆動スライダ664の右側への移動が進行し、駆動スライダ664と共に右側に移動する可動支持部材612が規制被圧部612cにおいて規制部材666aと接触すると、規制被圧部612cの右端面が規制部材666aを押圧して、規制部材666aを規制配置から規制解除配置側へ回転移動させる。規制被圧部612cの左端面が規制部材666aの右側に移動すると、規制部材666aが右回転移動して規制配置に戻る。
ここで、可動懸垂部材611の移動中の姿勢について説明する。図46(A)において、通常配置から出現配置への移動中の可動懸垂部材611を一点鎖線で示し、出現配置から通常配置への移動中の可動懸垂部材611を2点鎖線で示している。
可動懸垂部材611は、可動支持部材612において連結部612aの下方側に突出する支持部612bに揺動可能に支持されているため、可動支持部材612の通常配置から出現配置側への移動において、可動懸垂部材611の下端が上端よりも遅れて移動を開始する。
可動懸垂基体619には、左ローラ618Lよりも右側において、右ローラ618Rが後方に突出して設けられている。また、中央下基体659には、前方側に突出するように形成され、右ローラ618Rの上側に配置された規制壁659aが設けられている。このため、可動懸垂基体619の移動中において、右ローラ618Rが規制壁659aに接触し、可動懸垂部材611の下端に対する上端の遅れ(傾斜角度)が規制される。可動懸垂部材611の移動において、可動支持部材612が移動付勢部材662からの強い付勢によって高速で移動するため、図46(A)に一点鎖線で示すように、可動懸垂部材611は、右ローラ618Rが規制壁659aに接触した状態の姿勢に維持される。
可動懸垂部材611は、出現配置から通常配置側への移動において、可動支持部材612の右側への移動に伴い、左ローラ618Lと下停止部材658との接触を保ちながら、接点を中心にして回転し、可動懸垂部材611の下端側がほぼ移動せずに上端側は移動する。このため、可動懸垂部材611は、通常配置における姿勢(自重による安定姿勢)に戻るように姿勢変化する。この姿勢変化によって、左ローラ618Lが下停止部材658から離間する際、可動懸垂部材611の下端側が回転中心611Cに対して右回転している状態で右側への移動を開始する。また、可動懸垂部材611は、駆動モータ651からの駆動力に基づいて、移動付勢部材662からの強い付勢に抗して低速で移動する。このため、回転中心611Cに対して右回転している状態で右側への移動を開始した可動懸垂部材611は、揺動を維持しながら出現配置側から通常配置側へ移動する。
以下において、V入賞演出の推移について、図47及び図48を参照して説明する。図47は、V入賞演出において複数の可動部が通常配置から出現配置に移動するまでの推移を模式的に示す説明図である。図47(A)は、複数の可動部が通常配置から出現配置への移動を開始した直後の状態を示し、図47(B)は、右前可動部610と左後可動部620とがすれ違う状態を示し、図47(C)は、複数の可動部が出現配置をとる状態を示している。また、図48は、V入賞演出において複数の可動部が出現配置から通常配置に戻るまでの推移を模式的に示す説明図である。図48(A)は、複数の可動部が出現配置から通常配置への移動を開始する直前の状態を示し、図48(B)は、左後可動部620と右後可動部630とが通常配置に戻った直後の状態を示し、図48(C)は、右前可動部610が揺動しながら通常配置へ向かう状態を示している。
進入可能期間が開始され、特典領域409Vに遊技球が進入すると、右前可動部610の可動支持部材612に対する規制部材666aによる移動規制が解除される。これにより、可動支持部材612は、移動付勢部材662からの付勢によって、図47(A)に破線で示す通常配置から左側(出現配置側)へ向けて移動を開始する。このとき、可動支持部材612は、移動規制の解除により移動付勢部材662からの強い付勢を一気に受け、極めて短時間(例えば、0.02秒)に通常配置から出現配置まで高速で移動する。これにより、可動懸垂部材611を、可動支持部材612の移動に追従して高速で移動させることが可能になる。
可動懸垂部材611は、可動支持部材612において連結部612aの下方側に突出する支持部612bに揺動可能に支持されているために、可動懸垂部材611の下端が上端よりも遅れて移動を開始し、図47(A)に示すように、移動中も通常配置の姿勢(自重により安定した姿勢)よりも下端が上端よりも右側に位置する姿勢(以下において、右振れ姿勢とも称す)を保ちながら移動する。可動懸垂部材611は、移動開始の直後から通常配置での姿勢とは異なる姿勢で移動するため、通常配置での姿勢と同じ姿勢で移動する場合に比べ、可動懸垂部材611の移動に遊技者が気付き難くすることが可能になる。また、通常遊技状態などにおける変動表示中の発光によって、可動懸垂部材611の通常配置での姿勢が印象付けられているため、通常配置での姿勢と異なる姿勢で移動した場合には、同じ姿勢で移動する場合に比べて、可動懸垂部材611の移動に遊技者が気付き難くすることが可能になる。
可動懸垂部材611は、通常配置から出現配置への移動中において、右ローラ618R(図45及び図46参照)と中央下基体659の規制壁659a(図45及び図46参照)との接触によって振れ角に制限を受け、一定の振れ角(例えば、25°)で傾斜する姿勢に維持される。このため、可動懸垂部材611が振れ角を変化させて揺動しながら移動する場合に比べて、可動懸垂部材611の移動に遊技者が気付き難くすることが可能になる。
可動懸垂部材611の発光は、通常配置からの移動を開始する直前に停止され、出現配置への移動の完了まで停止状態を維持する。このため、可動懸垂部材611を通常配置から出現配置となるまで消灯した状態で移動でき、発光した状態で移動させる場合よりも可動懸垂部材611の移動を視認し難くすることが可能になる。
表示部479aの上端側(図44に示す中央構造体420の開口420aの上端の近傍から上側)の前方には、表示部479aの左右幅に亘って他の可動部材(図示せず)が設けられ、可動支持部材612は、通常配置においても通常配置から出現配置へ移動する過程においても別の可動部材の背後に位置する。このため、可動支持部材612は、ほぼ視認できず、可動支持部材612に追従して移動する可動懸垂部材611(右前可動部610)の移動に、可動支持部材612の移動によって遊技者が気付いてしまうことを防止することができる。
また、特典領域409Vに遊技球が進入すると、左後可動部材621が移動を開始する。左後可動部材621は、図(B)に示すように、右側に向けて概ね直線的に移動しつつ、その上端が下端よりも通常配置の場合に比べて右側に突出するように姿勢を変化させながら移動する。
可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、装飾図柄表示装置479からの前後方向の距離が異なる位置に設けられている。このため、出現配置に移動する過程で、可動懸垂部材611と左後可動部材621とを前後方向にずれた状態ですれ違わせることが可能になる。また、可動懸垂部材611を直線的に移動させることができ、非直線的に移動させる場合に比べて、通常配置から出現配置まで移動距離を低減し短時間に移動させることが可能になる。
また、特典領域409Vに遊技球が進入すると、右後可動部630の可動台座部材639が回転移動を開始する。また、可動台座部材639の回転移動に伴い、近可動部材631や中間可動部材632や遠可動部材633が、可動台座部材639に対しても回転を開始する。
具体的には、近可動部材631は、可動台座部材639の回転(左回転)による回転移動に伴い、可動台座部材639に対して、回転中心639Cを中心として可動台座部材639の回転角度と同じ角度だけ逆の方向に回転(右回転)する。このため、右後可動部630の移動過程において、近可動部材631は、姿勢が変化せずに移動する。
近可動部材631は、装飾図柄表示装置479の右下隅の表示部479aと正面視で重ならない位置であって、可動台座部材639の回転中心639Cに対して右側に配置されている。このため、近可動部材631は、一旦左上側へ移動した後に左下側に移動し、表示部479aの前面側に配置される。
中間可動部材632は、可動台座部材639の回転による回転移動に伴い、可動台座部材639に対して、回転中心632Cを中心として可動台座部材639の回転角度と同じ角度だけ同一の方向に回転(左回転)する。このため、右後可動部630の移動過程において、中間可動部材632は、可動台座部材639の回転角度の2倍の角度で姿勢が変化しながら移動する。このため、中間可動部材632の装飾(図中の「v」の文字)を遊技者に認識させ難くすることが可能になる。
遠可動部材633は、可動台座部材639の回転(左回転)による回転移動に伴い、可動台座部材639に対して、回転中心633Cを中心として可動台座部材639の回転角度と同じ角度だけ逆の方向に回転(右回転)する。このため、右後可動部630の移動過程において、遠可動部材633は、姿勢が変化せずに移動する。遠可動部材633は、可動台座部材639の回転によって、中間可動部材632よりも速い速度で長い距離を移動するため、遠可動部材633の姿勢を変化させながら移動させなくても、遠可動部材633の装飾(図中の「i」の文字)を容易には認識できなくすることが可能になる。
なお、通常配置から出現配置への移動において、近可動部材631及び遠可動部材633は、中間可動部材632よりも少ない回転量で移動する構成であるが、この構成に限らず、中間可動部材632よりも近可動部材631及び遠可動部材633の一方又は両方が多い回転量で移動する構成としてもよいし、中間可動部材632とも近可動部材631及び遠可動部材633の一方又は両方が同一量の回転量で移動する構成としてもよい。
可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、出現配置において、特典領域409V(所謂、Vゾーン)を示唆する「V」の文字を、可動懸垂部材611と左後可動部材621との形状の組合せで形成する。これにより、遊技者は、特典領域409Vに遊技球が進入したことを、遊技球の流下を見なくても、可動懸垂部材611と左前可動部640との動作によって知ることができる。また、特典領域409Vに遊技球が進入したことを、可動懸垂部材611と左前可動部640との動作で知らせるため、装飾図柄表示装置479の表示によって知らせる場合よりも目立つ形態で知らせることが可能になる。また、可動懸垂部材611と左前可動部640とは、装飾図柄表示装置479よりも遊技者に近い前側で動作するため、特典領域409Vに遊技球が進入したことを装飾図柄表示装置479で表示する場合よりも迫力のある形態で知らせることが可能になる。
「V」の文字の一部を形成する可動懸垂部材611は、視認が容易でない高速で通常配置から出現配置まで移動する。このため、「V」の文字が突然出現したかのような印象を遊技者に与える意表を突く可動演出を実行することが可能になる。
出現配置において、可動懸垂部材611の少なくとも一部は、遊技者側から見て左後可動部材621の移動軌跡内に配置される。具体的には、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、通常配置から出現配置への移動過程で、左右逆方向に移動して前後にずれた状態ですれ違い、一部の前後方向に重なる部分を除き左右の配置が入れ替わる。このため、通常配置において左後可動部材621よりも右側に配置されていた可動懸垂部材611が、出現配置においては、左後可動部材621の左側に配置される。
右前可動部610の可動懸垂部材611と左後可動部材621は、概ね左右対称な形状とされている。また、可動懸垂部材611と左後可動部材621とに概ね左右対称な装飾(図45参照)が施されている。このため、可動懸垂部材611と左後可動部材621とで形成された「V」の文字を見ても、可動懸垂部材611と左後可動部材621との配置が通常配置と出現配置とで左右入れ替わっていることに遊技者が気付き難くすることが可能になる。詳細は後述するが、可動懸垂部材611と左後可動部材621とが出現配置から通常配置に戻る場合に、それらの配置の左右入れ替わりに遊技者が気付き易い形態で、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは移動する。
なお、可動懸垂部材611と左後可動部材621とが概ね左右対称な形状され、出現配置において「V」の文字を形成する可動懸垂部材611と左後可動部材621との配置を容易には判別できない構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611と可動懸垂部材611と左右対称でない形状とし、出現配置において可動懸垂部材611と左後可動部材621との配置を判別できる構成としてもよい。例えば、可動懸垂部材611と左後可動部材621とが左右対称でない形状である場合としては、可動懸垂部材611と左後可動部材621とが、異なる多角形状(台形と三角形など)である場合や、異なる曲線形状である場合や、同様の多角形状であるものの一方の部材の各辺が直線で構成される角張った形状であるのに対して他方の部材の各辺が湾曲した曲線で構成される丸みを帯びた形状である場合や、上下方向の長さや左右方向の幅の異なる形状である場合などが挙げられる。
また、可動懸垂部材611と左後可動部材621とに概ね左右対称な装飾が施され、出現配置において「V」の文字を形成する可動懸垂部材611と左後可動部材621との配置を容易には判別できない構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611の装飾と左右対称でない装飾が施され、出現配置において可動懸垂部材611と左後可動部材621との配置を判別できる構成としてもよい。例えば、可動懸垂部材611の装飾と左後可動部材621の装飾とが左右対称でない場合としては、それらの装飾において、模様が異なる場合や、配色が異なる場合や、凹凸の起伏量が異なる場合などが挙げられる。
特典領域409Vに遊技球が進入してから所定の時間(例えば、1.0秒)の後に、図47(C)に示すように、可動円盤部材649が、回転中心649Cを中心として回転移動を開始する。また、中央可動部材641が、可動円盤部材649に回転移動に伴って回転中心649Cを中心とする回転移動を開始すると共に、可動台座部材639に対しても、回転中心641Cを中心とする回転を開始する。
可動円盤部材649は、所定の最大回転角度(例えば、90°)で回転移動し、一点鎖線で示す通常配置から実線で示す出現配置となる。通常配置から出現配置への移動において、中央可動部材641の移動の距離(例えば、10cm)は、近可動部材631と略同一の移動距離に設定され、中間可動部材632の移動の距離(例えば、20cm)及び遠可動部材633の移動の距離(例えば、30cm)よりも短く設定されている。また、中央可動部材641の移動速度は、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の移動速度よりも低速に設定され、例えば、中間可動部材632の移動速度の略1/2の速度に設定されている。
また、通常配置から出現配置への移動において、中央可動部材641の回転量は、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の回転量よりも多い回転量となるように設定され、例えば、中間可動部材632の回転量が略0.5回転に設定されるのに対して、略4.5回転となるように設定されている。このため、通常配置から出現配置への移動において、中央可動部材641は、例えば、中間可動部材632よりも移動距離が小さく低速で移動するものの、中間可動部材632よりも回転量が多く、中間可動部材632に施された装飾の場合と同様に、回転移動中に中央可動部材641に施された装飾を容易には視認できなくすることが可能になる。したがって、中央可動部材641は、後述するように出現配置へ移動した後に、可動懸垂部材611や左後可動部材621や中間可動部材632などと関連して動作するが、通常配置から出現配置への移動中においては、出現配置における中間可動部材632の姿勢を推測し難くし、可動懸垂部材611や左後可動部材621や中間可動部材632などとの関連性を推測し難くすることが可能になる。
なお、中央可動部材641は、通常配置から出現配置への移動において、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633よりも多い回転量で移動距離が小さく低速で移動する構成であるが、この構成に限らず、例えば、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の少なくとも一部よりも少ない回転量で移動する構成や、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の少なくとも一部よりも移動距離が大きい構成や、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633の少なくとも一部よりも移動速度が速い構成としてもよい。また、中央可動部材641、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633は、円弧状に移動する構成であるが、この構成に限らず、少なくとも一部の部材が直線的に移動又は円弧とは異なる曲線や折れ線に沿って移動する構成としてもよい。
出現配置となった後、可動円盤部材649は、最大回転角度よりも小さい角度範囲(例えば、5°)で往復する回転移動を繰り返す。この可動円盤部材649の往復回転移動によって、中央可動部材641は、回転中心631Cの位置を大幅には変化させずに、可動円盤部材649に対して所定の角度範囲(例えば、85°)で往復回転を繰り返す。
中央可動部材641には、キャラクタが所持品を所持した様子(例えば、カメラを構えた様子)の装飾が施されおり、中央可動部材641が往復回転移動することで、可動懸垂部材611、左後可動部材621、近可動部材631、中間可動部材632及び遠可動部材633で形成される装飾(「Viba」の文字列)の全体を見渡すような仕草が実行される。
中央可動部材641に形成された周縁部分649aは、通常配置(図48(C)の一点鎖線で示す配置)における左上側から移動して、出現配置においては右上側に位置する。周縁部分649aには、概ね円周方向に沿った少数の細い線状の溝により形成される装飾(図示せず)が施されており、中央可動部材641において中心から周縁近傍まで突出し、周縁部分で矩形状をなす所定の突出部分641a(キャラクタが持つカメラに対応する部分)は、周縁部分649aの前側において溝に沿って往復する回転移動を繰り返す。このため、概ね円周方向に沿った溝による装飾が突出部分641aの移動による残像を示すように遊技者に見せることが可能になる。したがって、周縁部分649aに施される装飾は、通常配置において周縁部分649aの背後に重なるように配置される左後可動部材621の下端部分の視認性の低下を抑制するために簡素な装飾に留めているものの、周縁部分649aの装飾によって中央可動部材641の往復する回転移動を効果的に装飾することが可能になる。
また、周縁部分649aは、出現配置において、可動懸垂部材611と前後方向に重なる位置に位置する。このため、周縁部分649aは、左後可動部材621や表示部479aよりも前方に配置される可動懸垂部材611の発光に基づく光で照らすことが可能になり、通常配置の場合のように左後可動部材621や表示部479aの発光に基づく光で照らされる場合よりも、周縁部分649aの装飾を目立たせることが可能になる。
進入可能期間が開始されてから所定の時間(例えば、6.0秒)の後に、図48(A)に示すように、可動支持部材612と左後可動部材621と可動台座部材639とは、出現配置から通常配置側への移動を開始する。左後可動部材621と可動台座部材639とは、通常配置から出現配置への移動の場合よりも遅い速度(例えば、通常配置から出現配置への速度の1/5の速度)で移動し、所定の時間(例えば、0.5秒)で出現配置まで戻る。また、可動支持部材612は、通常配置から出現配置への移動の場合に比べて遅い速度であって、大幅に遅い速度(例えば、通常配置から出現配置への平均速度の1/250の速度)で移動し、所定の長い時間(例えば、5.0秒)をかけて出現配置まで戻る。可動支持部材612や左後可動部材621や可動台座部材639を通常配置から出現配置への移動の場合よりも遅い速度で移動させることで、特典領域409Vへ遊技球が進入し、確変遊技状態に移行することが確定したことへの満足感に余韻を与えることが可能になる。
可動懸垂部材611は、可動支持部材612の出現配置から通常配置側への移動に伴い、左ローラ618Lと下停止部材658との接点を中心にして回転し、下端側はほぼ移動せずに上端側のみが移動する。このため、可動支持部材612の出現配置側への移動が開始した直後において、可動懸垂部材611が右側へ移動するのではなく所定の時間(例えば、1.0秒)の間は、可動懸垂部材611の姿勢のみ変化しているように見える。
左後可動部材621は、可動懸垂部材611が姿勢のみ変化しているように見えている間に、可動懸垂部材611の背後を通過して移動する。このため、出現配置において可動懸垂部材611と左前可動部640とが左右入れ替わって配置されていたことを遊技者に知らせることが可能になる。
また、左後可動部材621は、可動懸垂部材611が姿勢のみ変化しているように見えている間に、通常配置に戻る。これにより、右前可動部610が装飾図柄表示装置479の前方側に取り残され、装飾図柄表示装置479の左右方向の中央を超えて遠い位置まで可動懸垂部材611が移動していたことを遊技者に知らせることが可能になる。また、可動懸垂部材611の通常配置から出現配置への移動においてその移動を視認し難くし、また、出現配置への移動後において可動懸垂部材611の配置を特定し難くしているため、取り残された可動懸垂部材611によって、可動懸垂部材611が遊技者に気付かれないように長い距離を高速で移動していたことへの驚きを遊技者に与えることが可能になる。
また、可動懸垂部材611の通常配置側への移動が開始されると、装飾図柄表示装置479において、特典領域409Vへ遊技球が進入して確変遊技状態に移行することが確定したことを祝う打上花火603が打ち上げられる表示が実行される。また、中央可動部材641は、上記往復回転移動において、左回転は低速で右回転は高速で回転する。これにより、中央可動部材641によって、装飾図柄表示装置479に表示されている打上花火603が打ち上がる様子をカメラで追いかける仕草を実行することが可能になる。
左後可動部材621と可動懸垂部材611とが通常配置に戻った後であって、右前可動部610の姿勢が通常配置と同じ姿勢(自重による安定姿勢)になると、可動懸垂部材611は、通常配置側への移動において左右の揺動を開始する。この後、右前可動部610の移動において、図48(B)に示すように、可動懸垂部材611は、左右の揺動を維持しつつ通常配置側へ移動する。可動懸垂部材611の揺動は、通常配置に戻るまで継続される。
可動懸垂部材611の揺動が開始されると、可動懸垂部材611は、装飾図柄表示装置479における表示と同種の態様に構成される態様で発光する。具体的には、可動懸垂部材611は、下端側から上端側へ光が流れるように見える態様(発光パターン)で発光し、打上花火603の上昇速度と略同一の速度で上方側へ発光部分が上昇する態様の演出が実行される。これにより、可動懸垂部材611による発光演出を、装飾図柄表示装置479で表示されている打上花火603と同期して打上花火603を装飾する演出とできる。したがって、可動懸垂部材611と装飾図柄表示装置479とで一体感のある発光演出を実行でき、また、当該一体感のある発光演出を、可動懸垂部材611を低速で移動させることで長く楽しませることが可能になる。
また、可動懸垂部材611の揺動が開始されると、装飾図柄表示装置479において、画像で表示されたキャラクタが可動懸垂部材611の下端部分を抱えて、バランスをとるように左右にふらつきながら右側に移動していく表示が実行される。これにより、画像で表示されたキャラクタが移動しながら花火を打ち上げているかのように見せる演出を実行でき、可動懸垂部材611の揺動と装飾図柄表示装置479の表示とで一体感のある演出を実行することが可能になる。
また、右前可動部610の揺動が開始された後において、中央可動部材641は、左回転は低速で、右回転は高速で実行される往復回転において、その回転角度が時間の経過に伴って減少するように動作する。時間の経過に伴って、中央可動部材641から可動懸垂部材611が遠ざかっていき、キャラクタが可動懸垂部材611の下端から上端までを見上げる角度は小さくなる。このため、左後可動部材621によって、可動懸垂部材611による発光で模した花火が遠ざかっていき、当該花火の打ち上がる様子をカメラで追っているかのように見せる演出を実行することが可能になる。したがって、左後可動部材621の往復回転と可動懸垂部材611の通常配置側への移動とで一体感のある演出を実行することが可能になる。
右前可動部610が通常配置に戻ると、装飾図柄表示装置479においける打上花火603の表示が終了する。
また、可動懸垂部材611が通常配置に戻ると、中央可動部材641が所定の最大回転角度(例えば、90°)で回転移動し、図48(C)に示すように、一点鎖線で示す出現配置から実線で示す通常配置に戻る。
なお、上記実施形態においては、通常配置と出現配置とにおいて、V出現演出で動作する各可動部材(可動懸垂部材611、左後可動部材621、近可動部材631、中間可動部材632、遠可動部材633、中央可動部材641)は、装飾図柄表示装置479の表示部479aと前後方向に重なる位置をとる構成としているが、この構成に限らず、通常配置や出現配置において、V出現演出で動作する各可動部材の少なくとも1つが表示部479aと前後方向に重ならない位置をとる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、通常配置において、遊技者から見て、装飾図柄表示装置479の表示部479aと右流下領域409Rとの双方に重なる位置に配置された構成としているが、この構成に限らず、表示部479aと右流下領域409Rとの少なくとも一方に重なる位置に配置される構成としてもよいし、いずれとも重ならない位置に配置される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、左後可動部材621は、通常配置において、遊技者から見て、装飾図柄表示装置479と左流下領域409Lとの双方に重なる位置に配置された構成としているが、この構成に限らず、装飾図柄表示装置479と左流下領域409Lとの少なくとも一方に重なる位置に配置される構成としてもよいし、いずれとも重ならない位置に配置される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、規制部材666aによる通常配置における可動懸垂部材611の移動規制が、駆動スライダ664の移動によって解除される構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611の移動を規制する規制部材666aを移動規制配置から移動規制解除配置へ移動させる駆動源及び駆動機構を別途に設ける構成としてもよい。この構成の場合、駆動スライダ664を位置Xa2よりも位置Xa側に近い位置(例えば、出現配置をとる左後可動部材621の位置付近)まで移動させた状態で、規制部材666aによる移動規制を解除することで、可動懸垂部材611を通常配置から出現配置までの移動距離よりも短い距離だけ離れた中途配置をとるように移動させることが可能になる。このように、可動懸垂部材611を中途配置までしか移動しない動作による演出を変動表示が行われる遊技状態で実行することで、その中途配置までしか可動懸垂部材611が移動しないかのように遊技者に刷り込むことが可能になり、可動懸垂部材611がV入賞演出で出現配置に移動した場合に、「V」の文字の左側を構成していると遊技者に気付かれ難くすることができる。
また、別途に規制部材666aを移動規制配置から移動規制解除配置へ移動させる駆動源と駆動機構を設けた場合、駆動スライダ664の右側への移動(通常配置から出現配置側への移動)に追従して可動支持部材612を移動させることで、出現配置から通常配置へ移動させる場合と同じ速度、遅い速度又は少し速い速度(移動付勢部材662による付勢があるため少しだけ速く移動させることができる)で可動懸垂部材611を移動させることが可能になる。このような動作による演出を変動表示が行われる遊技状態で実行することで、可動懸垂部材611が容易には視認できない高速で移動可能であることを遊技者に推測され難くすることが可能になる。
また、上記実施形態においては、通常配置から出現配置への移動において、可動懸垂部材611が発光せずに移動する構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611を装飾図柄表示装置479の表示部479aにおける表示色と同色系の発光色で発光させたり、表示部479aにおける配色に類似させるように移動に伴い発光色を変化させたりする構成としてもよい。この構成であれば、通常配置から出現配置への移動において可動懸垂部材611を発光させたとしても、可動懸垂部材611の移動を認識し難くすることが可能になる。
また、上記実施形態においては、通常配置から出現配置への移動において、可動懸垂部材611を発光させずに移動させる構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611を容易には視認できない速さで移動させつつ、例えば、可動懸垂部材611の発光箇所を上下に往復させることで残像によって「V」の文字を浮かび出させるなど、可動懸垂部材611の発光箇所を移動に伴い変化させながら発光させ、残像によって特定の文字や言葉や図形や紋章などを浮かび上がらせる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、通常配置から出現配置への移動において、可動懸垂部材611を容易には視認できない速さで移動させる構成であるが、この構成に限らず、可動懸垂部材611を容易に視認できる速さで移動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、通常配置から出現配置への移動において、V出現演出で動作する各可動部材は、装飾図柄表示装置479と前後方向に重なる位置を移動する構成としているが、この構成に限らず、移動中の少なくとも一部の期間において、装飾図柄表示装置479と前後方向に重ならない位置をとる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、前後方向にずれた位置に設けられ、それらの一部が正面視で前後方向に重なるようにすれ違った後に、可動懸垂部材611が左後可動部材621の移動軌跡内に移動する構成としているが、この構成に限らず、例えば、可動懸垂部材611と左後可動部材621とが左右方向からみて重なる位置に設けられ、左後可動部材621が一旦出現配置の場合よりも大きく傾斜し、可動懸垂部材611が左後可動部材621の上方を通過した後に、左後可動部材621が出現配置をとる構成など、正面視で前後方向には重ならずにすれ違い、可動懸垂部材611が左後可動部材621の移動軌跡内に移動する構成としてもよいし、移動軌跡内には移動しないで移動軌跡外で移動するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、左後可動部材621と可動懸垂部材611とは、出現配置において全体形状で「V」の文字を形成する構成としているが、この構成に限らず、他の文字や記号や図形や紋章やキャラクタが所持する武器などを形成する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、進入可能期間が開始された後であって、特典領域409Vに遊技球が進入した場合に動作する構成であるが、この構成に限らず、進入可能期間前に動作させ、進入可能期間が発生することを知らせる演出において動作する構成や、時短予定の特別遊技状態であるか確変予定の特別遊技状態であるかが判別できていない状態で確変予定の特別遊技状態であることを知らせる昇格演出において動作する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動支持部材612が、通常配置から出現配置への移動にあっては移動付勢部材662からの付勢によって、一方、出現配置から通常配置への移動にあっては駆動モータ651からの動力によって移動し、移動方向によって移動速度を異ならせる構成であるが、この構成に限らず、例えば、単一のモータを用いて、通常配置から出現配置の移動と逆の移動とでモータの制御によって移動速度を異ならせて、可動支持部材612を移動させる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、出現配置から通常配置への移動において、通常配置から出現配置への移動の場合よりも遅い速度で移動する構成であるが、この構成に限らず、通常配置から出現配置への移動の場合と同一の速度、または、通常配置から出現配置への移動の場合よりも速い速度で移動する構成としてもよい。例えば、規制部材666a、被押圧部材667a(図45参照)などの可動支持部材612の左側への移動の規制やその解除に関与する部材を設けず、また、移動付勢部材662(図45参照)を設けない構造であって、駆動スライダ664と可動支持部材612とが連結され、駆動スライダ664の左右の移動に追従して可動支持部材612が左右に移動する構造とし、通常配置から出現配置への移動においてもその逆の移動においても、駆動モータ651の回転方向は異なるものの出力(電流値)は同一である動力によって可動支持部材612を移動させ、通常配置から出現配置への移動にあっては駆動モータ651を最大出力よりも低い出力の動力によって、出現配置から通常配置への移動にあっては駆動モータ651を最大出力の動力によって可動支持部材612を移動させる。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、通常配置から出現配置への移動にあってはほぼ一定の姿勢(一定の振れ角の状態)を保ちながら、出現配置から通常配置への移動にあっては時間と伴に変化する姿勢をとる構成であるが、この構成に限らず、通常配置から出現配置の移動とその逆の移動とで、振れ角の異なる一定の姿勢をとる構成や、時間と共に姿勢が変化するものの振れ幅を異ならせた変化や振れ幅は同じで振れ角の範囲を異ならせる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、出現配置から通常配置への移動中の全期間において、通常配置から出現配置への移動の際の姿勢と異なる姿勢をとる(通常配置から出現配置への移動の際の振れ角を含まない範囲の振れ角をとる)構成であるが、この構成に限らず、一部の期間においては同一の姿勢(同一の振れ角)をとる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、可動支持部材612に対する姿勢変化が可能(揺動可能)な形態で設けられ、出現配置から通常配置への移動中の全期間において通常配置から出現配置への移動の際の姿勢と異なる姿勢をとる構成であるが、この構成に限らず、例えば、可動懸垂部材611が可動支持部材612に対して姿勢変化できない形態で設けられる場合など、通常配置から出現配置への移動であってもその逆の移動であっても移動中の全期間で同一の姿勢をとる構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、装飾図柄表示装置479に表示される打上花火603の上昇方向(下端側から上端側)と略同一の方向に、打上花火603の上昇速度と略同一の速度で上方側へ発光部分が上昇する発光パターンの態様で発光することで、装飾図柄表示装置479の表示の態様と可動懸垂部材611の発光の態様とを同種の態様で行う構成であるが、この構成に限らず、上昇方向は同一の態様であるが上昇速度を異ならせた態様としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、装飾図柄表示装置479に表示される打上花火603の上昇方向と略同一方向に光が下側から上側へ流れるような態様で発光する構成であるが、この構成に限らず、例えば、装飾図柄表示装置479において上側から下側に多数の花びらが落ちる表示の態様とされ、可動懸垂部材611において光が上側から下側へ流れるような発光の態様としてもよく、または、装飾図柄表示装置479において斜め下側に流れ星が流れる表示が実行され、可動懸垂部材611において光が斜め下側へ流れるような発光の態様とするなど、下側から上側へ向かう方向とは別方向へ光が流れるような発光を実行することで、装飾図柄表示装置479の表示と可動懸垂部材611の発光とを同種の態様で行う構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、装飾図柄表示装置479に表示される打上花火603の動きと同様の動きに見せる発光を行う構成であるが、この構成に限らず、例えば、装飾図柄表示装置479において多数の泡が下側から上側へ移動する表示が実行され、可動懸垂部材611において丸い形状の発光をさせる態様としたり、その丸い形状の発光箇所を下側から上側へ移動させる態様とするなど、装飾図柄表示装置479において表示される表示物の動きと同様の動きに見せる発光に代えて又は加えて、装飾図柄表示装置479において表示される表示物の形状と同一又は類似する形状に見せる発光形態での発光の態様とすることで、装飾図柄表示装置479の表示と可動懸垂部材611の発光とを同種の態様で行う構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611は、装飾図柄表示装置479に表示される打上花火603の動きと同様の動きに見せる発光を行うことで、装飾図柄表示装置479の表示と可動懸垂部材611の発光とを同種の態様で行う構成であるが、この構成に限らず、装飾図柄表示装置479において紅白の垂れ幕が表示される態様とし、可動懸垂部材611は、紅色の部分の前を通過する場合には紅色に発光し、白色の部分の前を通過する場合には白色で発光する態様とするなど、装飾図柄表示装置479における表示に合わせた色で発光する態様とすることで、装飾図柄表示装置479の表示と同種の態様で行う構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、中間可動部材632と遠可動部材633とは、可動台座部材639の回転に連動して移動する構成であるが、この構成に限らず、個別に移動する構成としてもよい。また、中間可動部材632と遠可動部材633とは連動して回転する構成であるが、この構成に限らず、個別に回転する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、近可動部材631や中間可動部材632や遠可動部材633は、可動円盤部材649の回転移動に伴い円弧に沿って移動する構成であるが、この構成に限らず、直線的に移動又は円弧とは異なる曲線に沿って移動する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、近可動部材631や中間可動部材632や遠可動部材633の各々ついて、通常配置から出現配置への移動中において、近可動部材631や中間可動部材632や遠可動部材633に施された各装飾が容易には視認できないように、それらの部材の移動距離や移動速度や回転量が設定されている構成であるが、この構成に限らず、それらの少なくとも1つの部材に施された装飾が、通常配置から出現配置への移動中において容易に視認できるように、移動距離や移動速度や回転量が設定される構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、確変予定の特別遊技状態において動作する構成であるが、この構成に限らず、確変予定の特別遊技状態に加えて時短予定の特別遊技状態において動作する構成としてもよい。例えば、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは一気に「V」の文字を形成せず、可動懸垂部材611が出現配置をとる状態で左後可動部材621が通常配置と出現配置との間を往復移動し、最終的に、確変予定の特別遊技状態においては「V」の文字を形成するが時短予定の特別遊技状態においては「X」の文字を形成する配置をとることで、進入可能期間の発生を示唆する演出を実行する構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、可動懸垂部材611と左後可動部材621とは、特別遊技状態において動作する構成であるが、この構成に限らず、この構成に代えて又は加えて、例えば、第1図柄抽選や第2図柄抽選において大当りに当選したことを知らせる又は示唆する演出など、通常遊技状態や確変遊技状態や時短遊技状態で発生する演出において動作する構成としてもよい。
上記パチンコ機100において、互いに離間する通常配置と通常配置と比べて近接する出現配置との間で移動可能に設けられた左後可動部材621と可動懸垂部材611とを備える構成としている。また、上記パチンコ機100において、通常配置から出現配置に移動する場合に、左後可動部材621が右方側へ移動すると共に、可動懸垂部材611が左後可動部材621より長い距離を左方側(別の方向)へ移動し、可動懸垂部材611の少なくとも一部が遊技者側から見て左後可動部材621の移動軌跡内に配置される構成としている。
したがって、上記パチンコ機100であれば、可動懸垂部材611が左後可動部材621の移動軌跡内に可動懸垂部材611が配置されない場合(「V」の文字の左側が左後可動部材621で「V」の文字の右側が可動懸垂部材611となる配置)に比べて、可動懸垂部材611と左後可動部材621とを意外性のある配置で「V」の文字を形成し、特典領域409Vに遊技球が進入したことを知らせることができる。
また、出現配置において、左後可動部材621と可動懸垂部材611との全体によって、遊技者側から見て左後可動部材621や可動懸垂部材611の個別の形状とは異なるV形状を形成することが可能になり、遊技者が通常配置での個別の形状を知り得たとしても、出現配置をとる左後可動部材621と可動懸垂部材611との全体形状で形成される「V」の文字やその配置箇所を出現配置となるまで遊技者に悟られ難くすることが可能になる。したがって、左後可動部材621と可動懸垂部材611との移動によって、意外性のある演出を実行することが可能になる。
また、可動懸垂部材611が視認し難い程度に速い速度で移動することで、左後可動部材621と可動懸垂部材611との配置が突然入れ替わったかのように遊技者に見せることや、注意して見てようやく入れ替わりを認識可能にすることもできる。この場合、左後可動部材621と可動懸垂部材611との移動によって、遊技者の意表を突く演出を実行することが可能になる。
上記パチンコ機100において、通常配置と出現配置との間で移動可能に設けられ、発光可能な装飾が施された左後可動部材621と可動懸垂部材611とを備えている。通常配置において、遊技者側から見て、装飾図柄表示装置479に対して、左後可動部材621が左流下領域409Lに近い側に、可動懸垂部材611が右流下領域409Rに近い側に配置される。また、出現配置において、可動懸垂部材611が他方より左流下領域409Lに近く、左後可動部材621が他方のより右流下領域409Rに近い位置に配置される。また、可動懸垂部材611と左後可動部材621との双方の装飾部が装飾図柄表示装置479における変動表示中に、通常配置において点灯したり点滅したりする。
上記パチンコ機100であれば、左後可動部材621と可動懸垂部材611とが離間して配置された通常配置において、変動表示中に、装飾図柄表示装置479に対して左流下領域409Lに近い側に配置された左後可動部材621の装飾と、装飾図柄表示装置479に対して右流下領域409Rに近い側に配置された可動懸垂部材611の装飾とが発光する。このため、中央構造体420に別途の発光装置を設けなくても、可動懸垂部材611と左後可動部材621とによって、装飾図柄表示装置479によって演出が実行される領域と、遊技球が流下する左流下領域409Lや右流下領域409Rとを区画することが可能になる。
また、左流下領域409Lや右流下領域409Rやその領域を流下する遊技球を照明したり、変動表示に合わせた発光演出を実行したりすることが可能になる。また、遊技者が意図するか意図しないかに依らず、遊技者に左後可動部材621を可動懸垂部材611の存在や形状を印象付ける(刷り込む)ことが可能になる。
また、通常配置において右流下領域409Rに近い側に配置されていた左後可動部材621を可動懸垂部材611よりも左流下領域409Lに近い位置に移動させ、また、通常配置において右流下領域409Rに近い側に配置されていた可動懸垂部材611を左後可動部材621よりも右流下領域409Rに近い位置に移動させる。このため、左後可動部材621と可動懸垂部材611とを、各可動部材611,612が移動前後で他方の可動部材より同じ領域に近い側に配置される一般的な場合とは異なり遊技者の意表を突く配置に移動させることが可能になる。したがって、出現配置において、左後可動部材621と可動懸垂部材611とで形成される「V」の文字が一般的な配置ない配置で形成されていることを、左後可動部材621と可動懸垂部材611との存在や形状を印象付けた上で通常配置から出現配置へ移動させることで、遊技者に気付かせ易くすることが可能になる。
また、左後可動部材621及び可動懸垂部材611の少なくとも一方を視認し難い程度に速い速度で移動させることによって、当該移動では一般的な配置との相違には気付き難いものの、左後可動部材621を第2可動部材の存在や形状の印象付けで一般的な配置との相違に遊技者が気付き易くすることも可能になる。この場合、一般的な配置との相違に気が付いた遊技者には驚きを与えることになる。
上記パチンコ機100において、可動懸垂部材611は、発光可能な装飾が施され、出現配置から通常配置へ移動する場合に、通常配置から出現配置へ移動する場合より遅い速度で、前後方向において装飾図柄表示装置479に重なる位置を移動し、当該移動中に、光が下側から上側に流れる態様で可動懸垂部材611の前面装飾が発光し、花火が下側から上側に打ち上げられる表示が表示される構成としている。
したがって、上記パチンコ機100であれば、可動懸垂部材611が出現配置から通常配置へ移動する場合に、通常配置から出現配置への移動よりも遅く移動させることで、可動懸垂部材611を装飾図柄表示装置479に重なる位置に長く配置することが可能になる。また、可動懸垂部材611を装飾図柄表示装置479が重なる位置に配置される場合に、可動懸垂部材611が所定の光が下側から上側に流れる態様で発光し、装飾図柄表示装置479において花火が下側から上側に打ち上げられる表示が実行されることで、可動懸垂部材611と装飾図柄表示装置479とが連携して一体感のある演出を実行することが可能になる。したがって、可動懸垂部材611と装飾図柄表示装置479とが連携して一体感のある演出を遊技者に長く楽しませることができる。
上記パチンコ機100において、可動懸垂部材611が、出現配置から通常配置へ移動する場合に、通常配置から出現配置へ移動する場合より遅い速度で移動し、可動懸垂部材611の姿勢は、通常配置から出現配置へ移動する場合にほぼ一定の振れ角の姿勢を保つのに対して、出現配置から通常配置へ移動する場合に時間経過に伴って振れ角が変化することで姿勢が変化する。
したがって、上記パチンコ機100であれば、同一速度や同一姿勢で移行する場合に比べて、可動懸垂部材611の動作を多様化することが可能になる。また、速度変化可能部材の移動速度が遅い出現配置から通常配置へ移行において、可動懸垂部材611の姿勢を複雑に変化させることで、複雑な姿勢の変化を遊技者に長く楽しませることが可能になる。
上記パチンコ機100において、通常配置と出現配置との間で移動可能に設けられ、所定の文字を示す装飾が設けられた中間可動部材632と遠可動部材633とが設けられている。通常配置から出現配置へ移動する場合に、中間可動部材632は、可動台座部材639に対して所定の回転量で回転しながら、可動台座部材639と共に回転移動し、遠可動部材633は、可動台座部材639に対して中間可動部材632よりも少ない回転量で回転しながら、可動台座部材639と共に中間可動部材632よりも長距離を高速で移動する。
したがって、上記パチンコ機100であれば、中間可動部材632と同様に回転を伴って移動する遠可動部材633を中間可動部材632より移動距離が大きく高速で移動し、また、中間可動部材632より少ない回転量で回転させることで、遠可動部材633の装飾部における表示対象の視認性を、遠可動部材633の移動によっては中間可動部材632の装飾部における表示対象よりも低下させるものの、回転によっては中間可動部材632よりも向上させることができる。このため、通常配置から出現配置への変化過程での中間可動部材632や遠可動部材633の視認可能性は、回転による影響と移動による影響との双方で決まるため、通常配置から出現配置への移行において、中間可動部材632の装飾における「v」の文字を視認可能とすると共に遠可動部材633の装飾における「i」の文字も視認可能とすることが可能になる。なお、通常配置から出現配置への移行において、中間可動部材632の装飾における「v」の文字を視認不能とすると共に遠可動部材633の装飾における「i」の文字も視認不能とすることも可能になる。
<進展情報付き発展型演出>
次に、進展情報付き発展型演出について、図49~56を参照して説明する。進展情報付き発展型演出は、所定の演出(以下において、先行演出とも称す)の後に実行され得る複数種類の演出(以下において、後続演出とも称す)から1の演出が選択され、先行演出が実行された後に後続演出が実行され、先行演出から後続演出へと発展する発展型演出であって、演出の展開や進行状況を示唆する情報(以下において、進展情報とも称す)を表示しつつ進行する演出である。例えば、進展情報として、先行演出から後続演出への分岐時期を示唆可能な情報や、選択可能な後続演出の種類数や各後続演出の内容を示唆する情報が挙げられる。この進展情報は、先行演出の実行中(分岐時期よりも前)に表示可能とされる。
図49は、進展情報付き発展型演出における進展情報の表示場所を示す説明図である。図49(A)が、進展情報付き発展型演出であって左可動部材10と右可動部材20とが動作可能な演出において、進展情報を表示する場合を示す。また、図49(B)及び図49(C)が、進展情報付き発展型演出であって左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが動作可能な演出において、進展情報を表示する場合を示す。
進展情報は、遊技者が視認可能な位置に表示される。具体的には、主たる演出(演出の一部:以下において、主演出とも称す)を視認可能に表示する装飾図柄表示装置479とは別体で構成され、装飾図柄表示装置479の前方に移動可能な可動表示装置480に表示される。
可動表示装置480は、外枠101に設けられた支持機構(図示せず)によって支持され、装飾図柄表示装置479の前方側において移動可能に設けられる。また、可動表示装置480は、進展情報付き発展型演出で動作可能な左可動部材10や右可動部材20よりも前方側に配置される。また、可動表示装置480は、進展情報付き発展型演出で動作可能な左入力レバー810Lや右入力レバー810Rよりも前方側に配置される。このため、可動表示装置480に表示される進展情報が、左右の可動部材や左右の入力レバーの移動によって隠されてしまうことを防止できる。以下において、左可動部材10と右可動部材20とを識別する必要がない場合には、それらを「左右の可動部材」と称し、また、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rとを個別に識別する必要がない場合には、それらを「左右の入力レバー」と称す。
なお、進展情報は、移動可能に設けられた可動表示装置480に表示される構成であるが、この構成に限らず、所定の位置(例えば、近接配置をとる位置)に固定された(移動不能に)表示装置に表示される構成としてもよい。
可動表示装置480は、図49(B)に示すように、正面視で装飾図柄表示装置479から離間して位置する配置(以下において、離間配置とも称す)と、図49(C)(図49(A)も参照)に示すように、離間配置の場合よりも、正面視で装飾図柄表示装置479の近くに位置する配置(以下において、近接配置とも称す)との間を移動可能とされる。可動表示装置480の移動は、副制御基板940による支持機構の駆動制御によって実行される。
可動表示装置480における進展情報は、可動表示装置480が近接配置をとる状態で表示される。このため、可動表示装置480における進展情報を、表示部479aで実行される主演出に近い位置に表示できる。これにより、遊技者は、少ない目の動きで目線を主演出から進展情報に切り替え、進展情報を確認することが可能になる。
なお、可動表示装置480は、近接配置をとる場合に限らず離間配置をとる場合であっても、可動表示装置480における表示を遊技者が視認可能に配置されるが、この構成に限らず、近接配置をとる場合には視認可能であるが、離間配置をとる場合には視認不能となる位置に配置される構成としてもよい。例えば、可動表示装置480は、装飾図柄表示装置479よりも前方側であって中央構造体420よりも後方側において移動可能とされ、離間配置をとる場合に、中央構造体420の背後に隠れることで、可動表示装置480における表示が視認不能となる構成としてもよい。
可動表示装置480は、近接配置をとる場合、可動表示装置480の下端側の一部が表示部479aと正面視で重なる位置に配置される。このため、可動表示装置480における進展情報を、表示部479aにおける主演出と一体的な表示に見せることが可能になる。
なお、可動表示装置480は、近接配置において、その一部が表示部479aと正面視で重なる位置に配置される構成であるが、この構成に限らず、近接配置において、その全部が表示部479aと正面視で重なる位置や、離間配置の場合よりも表示部479aに近づくものの、表示部479aとは重ならない位置に配置される構成としてもよい。
可動表示装置480は、進展情報の表示を開始する場合に、離間配置から近接配置に移動する。このため、可動表示装置480に遊技者の目を向けさせることが可能になる。また、可動表示装置480が離間配置から近接配置に移動する間に所定の進展情報の表示を行ってもよい。詳細には、進展情報の全体の概略が理解できるような表示や今後の進展情報が行われる回数等が確認できる表示があげられる。
進展情報は、複数の場所に表示可能とされる。具体的には、進展情報は、図49(A)に示すように、装飾図柄表示装置479の表示部479aの右下側に割り当てられた右下表示領域479Dや、図49(B)及び図49(C)に示すように、表示部479aの右上側に割り当てられた右上表示領域479Uにおいても表示される。このため、進展情報付き発展型演出に対する進展情報を、以下のように、相補的に役割を分割して示すことが可能になる。
例えば、一方の進展情報によって演出の全体の概略を示し、かつ、他方の進展情報によって演出の一部を一方の進展情報よりも詳細に示したり、また、一方の進展情報によっては、主として、分岐形態(分岐数や分岐条件等)に係る情報を表示し、かつ、主として、他方の進展情報によって分岐時期(分岐タイミング)に係る情報を表示したりする。また、例えば、進展情報付き発展型演出において演出の結果に応じた特典に加えて、演出の進行過程でポイントを付与する特典が付加的に与えられる場合、一方の進展情報として結果に応じた主たる特典に関する情報を示し、他方の進展情報としてポイントを付与する付加的な特典に関する情報を示すなど、一方の進展情報と他方の進展情報とが異なる種類の情報を表示する構成としてもよい。また、一方の進展情報と他方の進展情報とが同じ種類の情報を表示するものであり、その内容として遊技者に付与される特典や演出結果に対する期待度が異なるものを表示し、その後いずれかの進展情報を選択する選択演出を実行してもよい。また、一方の進展情報と他方の進展情報は、連動して表示されなくてもよい。より詳細には、一方の進展情報は進行表示されるが、他方の進展情報は停止表示される等があげられる。
なお、進展情報は、複数の場所で時間的に重複して実行される構成に限らず、例えば、表示場所を切り替えて時間的に連続して示される構成や、進展情報の表示を維持しつつ時間の経過によって異なる場所に移動して示される構成としてもよい。また、表示領域を拡大または縮小するなどしてもよい。
進展情報は、進展情報付き発展型演出の種類によって異なる場所に表示可能とされる。具体的には、進展情報付き発展型演出の種類として、左可動部材10と右可動部材20とが動作可能な演出と、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが動作可能な演出と、左右の可動部材も左右の入力レバーも動作しない演出が設定されている。進展情報は、左右の可動部材が動作する演出の場合に、可動表示装置480に加えて右下表示領域479Dに表示され、一方、左右の入力レバーが動作する演出の場合には、可動表示装置480に加えて右上表示領域479Uに表示される。また、進展情報付き発展型演出で左右の可動部材も左右の入力レバーも動作しない場合には、可動表示装置480のみに、又は、可動表示装置480と右上表示領域479Uとに表示される。
なお、進展情報は、可動表示装置480に加えて表示部479aにおいて表示可能な構成としているが、この構成に限らず、可動表示装置480と表示部479aとの一方における複数の場所に表示される構成や、可動表示装置480とも表示部479aとも異なる他の表示装置を設け、当該表示装置と可動表示装置480又は表示部479aとに表示可能な構成としてもよい。
また、可動表示装置480は、左可動部材10や右可動部材20よりも前方側に配置される構成であるが、この構成に限らず、左右の可動部材の後方側に配置される構成や、左右の可動部材の可動位置によっては干渉可能な位置に配置される構成としてもよい。可動表示装置480が左右の可動部材と干渉可能な位置に配置される場合、例えば、左右の可動部材の可動範囲を制限することや、可動表示装置480を離間配置側へ一時的に移動させることによって、左右の可動部材の移動に伴う干渉を避ける構成とする。
また、可動表示装置480は、左入力レバー810Lや右入力レバー810Rの可動位置によっては左右の入力レバーと干渉可能な位置に配置される構成であるが、この構成に限らず、左右の入力レバーよりも前方側又は後方側であって左右の入力レバーと干渉しない位置に配置される構成としてもよい。また、可動表示装置480が近接配置されている場合に、左右の可動部材や左右の入力レバーの可動範囲を制限することで、可動表示装置480とそれらの入力レバーとが干渉しない構成としてもよい。
ここで、進展情報付き発展型演出ごとの進展情報の具体的な説明に先立ち、進展情報の表示の概要について説明する。図50は、進展情報付き発展型演出の進展情報の表示形態の概要を模式的に示す説明図である。図50(A)が、特別遊技状態を挟む単位遊技の進行に伴う表示部479a及び可動表示装置480での装飾図柄や疑似図柄の変動表示の推移を示し、図50(B)が、可動表示装置480での進展情報の推移を示し、図50(C)が、右上表示領域479Uでの進展情報の推移を示す。
なお、図50(A)等において、白抜きの矢印で区分され、左右方向に2列に分け、各列で上下方向に多段階に分けて示された各図を、列と段数によって識別して呼称する。例えば、左側の列の上から1段目の図(表示部479aを示す枠内に「222」のみが示された図)を左1段図と称し、また、右側の列の上から3段目(表示部479aを示す枠内に「222」と共に「一瞬だけ拡大表示」との文字が示された図)を右3段図と称す。また、表示部479aを示す枠内に示された、装飾図柄479Zに対応する数字や文字(?)以外の文字は、説明の理解を容易とするための文言であり、表示部479aに実際に表示されるものではない。
特別遊技状態において実行される各種の演出には、始動入賞に基づいて実行される変動表示の演出の一部を含んでもよい。変動表示は、所定の図柄が、停止している状態から循環的に変化する状態となり、最終的に始動入賞に基づく所定の抽選(例えば、上述の第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選)の結果に応じた図柄で停止する状態となる一連の表示を意味する。また、変動表示の演出には、所定の図柄の変動表示と、当該変動表示中又は変動表示後に付随して実行される演出(主に表示部479aで実行される演出)とを含めてもよく、進展情報付き発展型演出(進展情報の表示を含む)は、始動入賞に基づく抽選結果に対応して実行内容が決定される変動表示の演出の一部として実行してもよい。
特別遊技状態は、装飾図柄479Zの変動表示の停止後に開始される。具体的には、図50(A)の左1段図に示すように、表示部479aにおいて、装飾図柄479Zとして大当りに対応する図柄の組合せ(図中の「222」)が最終結果として表示(確定表示)されると、大当りの種類に応じた特別遊技状態が開始される。特別遊技状態において、下大入賞装置433(図18参照)や上大入賞装置434へ遊技球が進入可能となるラウンドが複数回実行される。各ラウンドは、既定の最大継続時間(例えば、29.5秒)内に、規定数の遊技球(例えば、10球)が各種の大入賞装置に入賞するか、既定の最大継続時間が経過した場合に終了する。また、特別遊技状態において、第1ラウンドの前に、各種の大入賞装置へ遊技球が進入可能とはならないオープニングが実行され、最終ラウンドの後にも遊技球が進入可能とはならないエンディングとが実行される。
特別遊技状態において、装飾図柄479Zとは異なる図柄による変動表示が行われる。具体的には、以下で説明するように、装飾図柄479Zと類似する形状の疑似図柄480Zによる変動表示が行われる。この疑似図柄480Zの変動表示は、遊技者が得られる特別遊技状態の遊技価値を示すために行われるものである。
特別遊技状態が開始されると、図50(A)の左2段図に示すように、装飾図柄479Zが縮小表示され、表示部479aの上端側へ移動する。装飾図柄479Zが上端側で縮小表示された後、図50(A)に左3段図に示すように、可動表示装置480が、表示部479aよりも上側に配置された一点鎖線で示す離間配置から下方側へ移動して実線で示す近接配置をとる。この移動において、可動表示装置480が表示部479aの一部と正面視で重なるように移動し、縮小表示された装飾図柄479Zが、可動表示装置480の背後に隠される。
装飾図柄479Zが可動表示装置480の背後に隠されると、可動表示装置480において、装飾図柄479Zと類似する形状の疑似図柄480Z(図中では斜体で示す)が、正面視で装飾図柄479Zと略同じ位置に、装飾図柄479Zと同じ組合せ(斜体の「222」)で表示される。このため、可動表示装置480において装飾図柄479Zが表示されたかのように見せることが可能になる。
特別遊技状態の開始後に、役連作動装置435(図49(A)参照)を遊技球が通過すると、図50(A)の左4段図に示すように、オープニングが開始され、可動表示装置480において、3つの疑似図柄480Zの各々が高速回転する表示が行われ、疑似図柄480Zによる変動表示が開始される。なお、図50(A)等において、回転中の各疑似図柄480Zは、「?」で示している。
各疑似図柄480Zは、所定の順序(例えば、左図柄、右図柄、中図柄の順序)で停止する。このとき、各疑似図柄480Zは、回転の停止によって図柄の選択は停止するものの、図柄の動きが完全に停止するのではなく、例えば、左右に傾斜して揺れたり、上下方向に伸縮したりするなど、仮停止状態で停止される。
例えば、オープニングで変動を開始した疑似図柄480Zは、図50(A)の左5段図に示すように、第1番目に実行される進展情報付き発展型演出(図中における「殻割りミッション後」)の終了後において、左図柄の回転の停止(第1停止)によって、左図柄の回転は停止しているものの右図柄と中図柄とは回転している状態で表示される。当該左図柄としては、変動開始前と同じ図柄(斜体の「2」)が表示される。
また、疑似図柄480Zは、図50(A)の左6段図に示すように、第2番目に実行される進展情報付き発展型演出の終了後(図中における「旗替えミッション後」)において、右図柄の回転の停止(第2停止)によって、左図柄と右図柄の回転は停止しているが中図柄は回転している状態で表示される。当該右図柄としては、変動開始前と同じ図柄(斜体の「2」)が表示される。
また、疑似図柄480Zは、図50(A)の左6段図に示すように、第3番目に実行される進展情報付き発展型演出の終了後(図中における「バトルミッション後」)において、中図柄の回転の停止(第3停止)によって、疑似図柄480Zを構成する全ての図柄の回転が停止している状態で表示される。当該中図柄としては、変動開始前と同じ図柄(斜体の「2」)が表示される。このとき、疑似図柄480Zの組み合わせは、特別遊技状態に移行する際の装飾図柄479Zと同じ組合せと同じである。
最終ラウンドの後に実行されるエンディングにおいて、エンディングの終了直前に、図50(A)の右2段図に示すように、可動表示装置480が一点鎖線で示す近接配置から実線で示す離間配置に移動する。この移動によって、可動表示装置480の背後に隠れていた装飾図柄479Zが視認可能となる。
装飾図柄479Zが視認可能となるのと略同時に、表示部479aの上端側に縮小表示されている装飾図柄479Zが、図50(A)の右3段図に示すように、表示部479aの中央に拡大表示される。この装飾図柄479Zの拡大表示の完了に伴って、特別遊技状態が終了する。
特別遊技状態が終了すると、特別遊技状態前又は特別遊技状態中の始動入賞に基づき保留されている単位遊技のうち最先の単位遊技に対する変動表示(図中における第1保留変動)が実行される。この変動表示は、装飾図柄479Zが拡大表示に変更された直後に開始され、図50(A)の右4段図に示すように、装飾図柄479Zの変動表示が開始される。特別遊技状態の直前の単位遊技の結果を示す装飾図柄479Zの停止表示は、可動表示装置480の移動によって縮小表示の装飾図柄479Zが表示されてから拡大表示を経て変動表示を開始するまでを瞬時(例えば、0.01秒)に行う。このため、装飾図柄479Zの変動表示の開始を、仮停止状態であった疑似図柄480Zが再始動したかのように見せ、特別遊技状態の直後に実行される装飾図柄479Zの変動表示が、特別遊技状態の開始直後から開始したかのように見せることが可能になる。
特別遊技状態の直後に実行される装飾図柄479Zの変動表示において、図50(A)の右5段図に示すように、装飾図柄479Zのうち最後に停止する図柄の種類によっては大当りに対応する組合せとなる状態(所謂、リーチ状態)の表示が行われる。これにより、装飾図柄479Zが一旦大当り図柄の組合せで仮停止状態となった後に再始動したかのように見せることで遊技者に期待感を抱かせたにも関わらず、装飾図柄479Zのうち最後に停止する図柄が停止する前に大当りの可能性のない図柄の組合せが停止することによって期待感を短期間で削いでしまうことを抑制できる。
なお、疑似図柄480Zの変動表示を特別遊技状態において1度だけ実行する構成であるが、この構成に限らず、特別遊技状態において複数回の変動表示を実行する構成としてもよい。例えば、オープニングと各ラウンドとエンディングとにおいて変動表示及び停止表示とを実行したり、オープニングから第1ラウンドに亘り1回の変動表示及び停止表示を、第2ラウンドから最終ラウンド前のラウンドにおいて1回の変動表示及び停止表示を、最終ラウンドからエンディングに亘り変動表示との1回の変動表示及び停止表示を実行したり、オープニングやエンディングでは変動表示を行わずラウンド毎に変動表示及び停止表示を実行したりする構成としてもよい。
特別遊技状態において、疑似図柄480Zの変動表示の演出として、各種の進展情報付き発展型演出が実行され、その種類に応じた進展情報の表示が行われる。具体的には、進展情報付き発展型演出として、確変予定の特別遊技状態であるか時短予定の特別遊技状態であるかの示唆や報知行う演出や、特別遊技状態における継続ラウンドに関する示唆や報知を行う演出や、進展情報付き発展型演出が実行される。また、特別遊技状態後に実行される変動表示の演出の変化(例えば、プレミアム演出の出現率を高める)に関する示唆や報知を行う演出が実行される。
特別遊技状態が開始されて可動表示装置480が離間配置から近接配置に移動すると(図50(A)の左3段図参照)、可動表示装置480における表示が開始される。当該表示は、進展情報付き発展型演出が実行される期間を含め特別遊技状態が実行される期間の全体に亘って継続して実行される。このため、可動表示装置480における表示によって、進展情報付き発展型演出の進行状況のみならず、特別遊技状態における演出全体の進行状況を示すことが可能になる。なお、可動表示装置480における表示の開始は、可動表示装置480移動中に開始してもよい。この場合には、可動表示装置480が近接配置への移動完了後進展情報付き発展型演出を進行させるように表示する。
なお、可動表示装置480が特別遊技状態である期間の全体に亘って近接配置をとる構成であるが、この構成に限らず、例えば、進展情報付き発展型演出の開始に伴い離間配置から近接配置に移動し、その終了に伴い近接配置から離間配置に戻るなど、進展情報付き発展型演出が実行される期間の全部又は一部においては近接配置をとり、その他の期間においては離間配置をとる構成としてもよい。
また、可動表示装置480において、進展情報付き発展型演出の進展を含む特別遊技状態の演出全体の進行状況が表示される構成であるが、この構成に限らず、進展情報付き発展型演出が実行される期間内において演出の進行状況を示す表示が行われるものの、その他の期間においては演出の進行状況を示す表示が行われない構成としてもよい。
特別遊技状態において、右上表示領域479Uにおける表示は、進展情報付き発展型演出が実行される期間内において実行される。なお、この構成に限らず、例えば、進展情報付き発展型演出が実行される期間の全部又は一部においては演出の進行状況の表示を実行し、その他の期間においては特別遊技状態の演出全体の進行状況の表示を実行したり、演出の進行状況の表示とは異なる表示を実行したりするなど、右上表示領域479Uが特別遊技状態である期間の全体に亘って継続して実行される構成としてもよい。
ここで、進展情報付き発展型演出において可動表示装置480に示される進展情報の表示について概要を説明する。
先行演出の実行中において、複数種類の後続演出のうちいずれか1つの後続演出が実行される所定の分岐時期を示唆可能な分岐示唆手段が設けられている。具体的には、分岐示唆手段として、進展情報付き発展型演出における先行演出の実行中において、当該先行演出から後続演出への分岐時期を示唆する表示を、進展情報の一部の表示によって行う可動表示装置480が設けられている。可動表示装置480は、副制御基板940によって制御され、進展情報の表示に関するプログラムやそのプログラムで参照されるデータは副制御基板940に記憶されている。
可動表示装置480において、現時点を示す進行中情報が表示される。具体的には、進行中情報として、図50(B)の第1段図等に示すように、遊技機のモチーフである主人公を模したキャラクタ(以下において、「主人公キャラクタ861」とも称す)が表示される。図中では、簡易的に、頭を白抜きの丸印、胴体及び四肢を線分で示している。
また、可動表示装置480において、先行演出から後続演出への分岐を示唆可能な情報が表示される。具体的には、当該分岐を示唆可能な情報として、特別遊技状態中に主人公キャラクタ861が進行可能な通路(以下において、進行可能通路870とも称す)であって、先行演出から後続演出への分岐に対応して分岐する通路が表示される。このため、主人公キャラクタ861の位置と進行可能通路870の分岐の位置との相対位置を示すことが可能になる。
進行可能通路870は、複数種類の表示形態で表示可能としている。具体的には、分岐時期までの時間が長い場合など、分岐を示さなくてもよい場合に、図50(B)の第1段図に示すように、左右方向の線分(地表面を表す幅の)で示され、進展情報付き発展型演出が実行される場合など、分岐を詳細に示したい場合には、図50(B)の第2段図に示すように、奥行き方向に幅のある通路で示される。
可動表示装置480において、先行演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、後続演出が実行される所定の分岐時期に対する現時点を示す進行中情報が所定の分岐時期へ近づいていることを示す表示が実行される。具体的には、進行中情報としての主人公キャラクタ861が、時間の経過に応じて、先行演出から後続演出への分岐に対応する進行可能通路870の分岐に向けて進行する様子が表示される。これにより、遊技者は、進行可能通路870の分岐の位置に対する主人公キャラクタ861の位置によって、先行演出から後続演出へ分岐時期に近づいていることを知ることが可能になる。したがって、遊技者は、先行演出から後続演出へ切り替わる注目すべき時期(分岐時期)を把握し易くなり、切り替わり前後の演出を見逃さずに楽しむことが可能になる。
進行可能通路870に対する主人公キャラクタ861の進行は、可動表示装置480に対して固定された位置に主人公キャラクタ861を表示し、進行可能通路870を移動させる形態で表示可能としている。また、その進行は、可動表示装置480に対して固定された位置に進行可能通路870を表示し、主人公キャラクタ861を移動させる形態や、主人公キャラクタ861と進行可能通路870とを移動させる形態で表示可能としている。
主人公キャラクタ861の進行は、時間の経過に応じて、連続的に進行する形態や、断続的に進行する形態で表示可能としている。連続的に進行する形態で示される場合に、主人公キャラクタ861の進行速度は、連続する進行期間に亘って一定とする速度設定や、当該期間内で変化する速度設定で設定可能としている。また、断続的に進行する形態で示される場合、主人公キャラクタ861の進行速度は、離間した全ての進行期間で一定とする速度設定や、一部又は全ての進行期間で変化する速度設定や、一部又は全ての進行期間内で変化する速度設定で設定可能としている。先行演出から後続演出へ分岐時期までの時間を遊技者に好適に知らせる観点からは、主人公キャラクタ861が、例えば、連続的に進行する形態の場合、主人公キャラクタ861の一定の速度で進行し、断続的に進行する場合、各進行期間内に一定の距離だけ進行する表示が好ましい。
主人公キャラクタ861が進行する場合に、常に先行演出から後続演出への分岐に対応する進行可能通路870の分岐に向けて進行するように、また、進行可能通路870の分岐から一時的に遠ざかる進行を挟んで、進行可能通路870の分岐に向けて進行するように表示可能としている。一時的に遠ざかる進行を挟む場合には、主人公キャラクタ861の表示形態(例えば、大きさ、色、表情、携帯物)を変化させたり、主人公キャラクタ861に作用を及ぼす表示(例えば、主人公とは異なるキャラクタが登場して主人公キャラクタ861の位置を変化させるなど)を行ったりすることが好ましい。この場合、主人公キャラクタ861が進行可能通路870の分岐から遠ざかることで、分岐時期がずれることを、表示形態の変化や主人公キャラクタ861に作用を及ぼす表示のような目立つ表示によって、遊技者に知らせることが可能になる。また、主人公キャラクタ861が、急激に、進行可能通路870の分岐に近づく場合も、遠ざかる場合と同様の表示を行うことが好ましい。
主人公キャラクタ861は、時間経過に応じて進行する。具体的には、時間の経過そのものによって連続的に進行するように、また、時間の変化に伴う所定の条件の成立(例えば、上大入賞装置434等の所定の領域に進入した遊技球の検出)によって断続的に進行するように表示可能としている。
可動表示装置480において、特別遊技状態の進行を示唆可能な情報が表示される。具体的には、図50(B)の第1段図等に示すように、進行可能通路870上に、オープニングに対応付けられたS字(Startの頭文字)が記された旗で示され、オープニングの開始時点を示すオープニング識別情報862や、各ラウンドを識別する数字が記された旗で示され、各ラウンドの開始時点を示すラウンド識別情報(図中では第1ラウンド識別情報863a~第4ラウンド識別情報863d)が表示される。また、オープニング識別情報862においては、疑似図柄480Zは「222」が停止した状態にて表示されており、各ラウンドが進行することにより疑似図柄480Zは図柄変動を開始し、左・中・右と順に停止するようになっている。これにより、遊技者は、主人公キャラクタ861の位置によって現在実行中のラウンドを知るなど、特別遊技状態の進行状況や疑似図柄480Zの変動状態を把握することが可能になる。
進展情報付き発展型演出の開始時には、5ラウンド以上継続する特別遊技状態であっても、第4ラウンド(継続ラウンド数が最も少ない特別遊技状態の最終ラウンド)以降のラウンドに対応する識別情報(図中では一点鎖線で示す第5ラウンド識別情報863e)やエンディングに対応する識別情報(図中ではエンディング識別情報864)は表示されず、主人公キャラクタ861の進行に伴って第4ラウンド以降に対応する識別情報が順次表示される。これにより、遊技者は、特別遊技状態が長く続くことへの期待感を抱きつつ遊技を行うことができる。
なお、進展情報付き発展型演出の開始時に、実行中の特別遊技状態を構成する全てのラウンドのうちの一部に対応する識別情報を示す構成であるが、この構成に限らず、全てのラウンドに対応する識別情報を示す構成としてもよい。また、表示されていないラウンドにおける進行可能通路870に今後表示されるかもしれない分岐の数を事前に示唆するような識別情報を表示するようにしてもよい。
以下において、進行可能通路870に沿った主人公キャラクタ861の進行の一例を時系列に沿って説明する。
オープニングが開始されると、主人公キャラクタ861は、図50(A)に示す左端位置から、オープニング識別情報862が設けられた位置(以下において、オープニングの開始位置)に移動し、時間の経過に応じて、オープニングの開始位置から第1ラウンド識別情報863aが設けられた第1ラウンドの開始位置に近づくように移動する表示が行われる。このように、主人公キャラクタ861がラウンドを識別する数字が大きくなる右側に向かって移動する表示によって、特別遊技状態の終了に近づく表示が行え、特別遊技状態の進行状況を示すことが可能になる。これにより、遊技者は、進行可能通路870上の主人公キャラクタ861の位置によって、特別遊技状態の進行状況を知ることが可能になる。
また、オープニングが開始されると、進展情報付き発展型演出が開始され、主人公キャラクタ861が先行演出から後続演出への分岐時期へ近づく表示が開始される。具体的には、進行可能通路870が、図50(B)の第1段図に示すように奥行き方向が表示されない表示形態(以下において、基本表示形態とも称す)から、図50(B)の第2段図に示すように奥行き方向が表示される表示形態(以下において、拡張表示形態とも称す)に変化し、先行演出の実行中に主人公キャラクタ861が進行する分岐元通路881と、分岐元通路881から分岐し、後続演出の実行中に主人公キャラクタ861が進行可能な3つの通路(図中における分岐先通路882、分岐先通路883及び分岐先通路884)が表示される。先行演出から後続演出への分岐に対応して分岐する部分(以下において、分岐部分)が表示される。これにより、その分岐する通路部分に向かって進行する主人公キャラクタ861が表示される。この表示態様の変化によって、遊技者に、先行演出から後続演出への分岐時期を示唆する表示が開始されたことを知らせることが可能になる。また、基本表示よりも複雑な拡張表示へと表示形態を変化させることで、その変化を遊技者の目に留まり易くすることが可能になる。また、主人公キャラクタ861が進行可能な3つの通路のいずれの分岐先通路882、883、884を通過するかについて期待感をもって表示演出に注目することが可能となる。
この進展情報付き発展型演出は当該演出の開始と伴に先行演出が開始される設定とされ、先行演出の開始時に進行可能通路870の表示形態が変化する。なお、この構成に限らず、先行演出の開始前や、先行演出の開始後であって先行演出から後続演出への分岐時期より前に表示形態を変化させる構成としてもよい。
進行可能通路870の分岐部分が先行演出の開始時に表示されることで、遊技者は、先行演出からの後続演出への分岐時期を前もって確認でき、好展開を期待しながら、装飾図柄表示装置479の中央部分で実行される主演出に注目したり、先行演出中に遊技者による操作が必要となる場合には余裕をもってその操作を実行したりすることが可能になる。特に、進行可能通路870の分岐部分が何回実行されるかを先行演出の開始時に表示するようにすれば、遊技者は、期待感をもって表示演出に注目することができる。
可動表示装置480は、左右方向の長さが上下方向の長さよりも長い形状とされ、主人公キャラクタ861は、長さの長い左右方向に進行する設定している。このため、進行可能通路870の表示において、主人公キャラクタ861の進行先に対応する部分を長い範囲で表示することが可能になる。
オープニングの開始位置から第1ラウンドの開始位置まで、主人公キャラクタ861は、可動表示装置480における上下方向の位置は変化させないが、左右方向の位置を一点鎖線の矢印で示すように右方向へ変化させながら、進行可能通路870に沿って進行する形態で表示される。この進行において、主人公キャラクタ861が分岐元通路881を移動している場合には、図50(B)の第2段図に一点鎖線で示すように、主人公キャラクタ861の右方向への移動に加えて、進行可能通路870を右斜め上方向や左斜め下方向に移動する表示が行われる。この進行可能通路870の移動によって、主人公キャラクタ861を分岐先通路882の傾斜する幅方向に沿って、例えば、手前側の分岐先通路882の延長上に位置する一点鎖線で示す主人公キャラクタ861を、最も奥側の分岐先通路884の延長上に位置する二点鎖線で示す主人公キャラクタ861の位置に進行させることができる。これにより、主人公キャラクタ861が3つの分岐先通路のいずれか1つの通路を選択して進行する表示を、主人公キャラクタ861の上下方向の位置を変化させることなく行うことが可能になる。また、主人公キャラクタ861の上下方向の位置が変化しないことによって、遊技者は、表示部479aにおける主演出の表示部分から可動表示装置480に目を移した場合に、左右方向の位置と共に上下方向の位置も変化させる場合に比べて主人公キャラクタ861を探す範囲を絞り込め、主人公キャラクタ861(現時点)を見つけ易くなる。
主人公キャラクタ861は、第1ラウンドの開始位置に対応する可動表示装置480の中央部分に移動した後は、進行可能通路870を移動させることによって、可動表示装置480における上下方向の位置及び左右方向の位置を変化させることなく、進行可能通路870に沿って進行する態様で表示される。これにより、主人公キャラクタ861の可動表示装置480における上下方向の位置に加えて左右方向の位置も変化しないので、遊技者は、上下方向や左右方向の位置の一方だけを変化させない場合に比べても、主人公キャラクタ861を探す範囲を更に絞り込め、可動表示装置480内での主人公キャラクタ861の位置を更に見つけ易くなる。
なお、主人公キャラクタ861の可動表示装置480における位置を一部の期間(オープニングの実行期間)では変化させ、その位置を他の期間(第1ラウンドの実行時間)では変化させず、主人公キャラクタ861の進行を表示する構成であるが、この構成に限らず、その位置を進展情報付き発展型演出の全ての期間で変化させない形態で表示する構成としてもよく、また、全ての期間で変化させる形態で表示する構成としてもよい。これは、他の進展情報付き発展型演出についても同様であり、進展情報付き発展型演出の種類によって異ならせることができる。
また、主人公キャラクタ861は、オープニングの実行期間において、横長の可動表示装置480における上下方向の位置を変化させずに進行する構成であるが、この構成に限らず、可動表示装置480を縦長の配置とし、縦長の可動表示装置480における左右方向の位置を変化させずに進行する構成や、主人公キャラクタ861を予め可動表示装置480の中央部分に出現させ、可動表示装置480における上下方向の位置を変化させずに進行する構成としてもよい。
また、オープニングと第1ラウンドとを跨いで進展情報付き発展型演出が実行され、その演出において可動表示装置480左端側から中央部分まで主人公キャラクタ861が位置を変化させながら進行する構成であるが、この構成に限らず、進展情報付き発展型演出が実行されない期間において、例えば、オープニングと第1ラウンドとで進展情報付き発展型演出が実行されない設定とし、図50(B)の第1段図に示す第2ラウンドの開始位置(中央部分)まで、主人公キャラクタ861が位置を変化させながら進行する構成としてもよい。
進展情報付き発展型演出が終了して第2ラウンドが開始されると、可動表示装置480の表示が、図50(B)の第3段図に示すように、拡張表示形態から基本表示形態に戻る。基本形態に戻った後においても、主人公キャラクタ861が上下方向及び左右方向における位置を変化させることなく進行可能通路870を進行する進行形態で継続して表示される。
基本表示形態の表示において、主人公キャラクタ861は、時間の変化に伴い上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入した遊技球が検出された場合に、断続的に進行する。具体的には、主人公キャラクタ861は、当該遊技球が検出されると、進行可能通路870においてラウンド間に対応する距離の1/10(例えば、現在実行中のラウンドの開始位置と次に実行されるラウンドの開始位置との間隔をラウンドにおける規定数の10で割った距離)だけ進行し、次の遊技球が検出されるまで停止する。このため、主人公キャラクタ861の位置によって、上大入賞装置434や下大入賞装置433に進入した遊技球の個数を示すことが可能になり、また、主人公キャラクタ861の進行状況によって、上大入賞装置434や下大入賞装置433への進入状況を知らせることが可能になる。これにより、遊技者は、上大入賞装置434や下大入賞装置433への実際の遊技球の流下を見なくても、遊技球が順調に進入していることや、規定数の遊技球が進入したことなどを確認することが可能になる。
遊技球の検出に基づく主人公キャラクタ861の進行において、進行可能通路870が移動すると共に、現在実行中のラウンドに対応する識別情報(図中では第2ラウンド識別情報863b)と、後続のラウンドに対応する識別情報(図中では第3ラウンド識別情報863cや第4ラウンド識別情報863d)とが間隔を保ちながら移動する。
また、遊技球の検出に基づく主人公キャラクタ861の進行が進むと、現在表示されているラウンド以降に対応する識別情報(図中では、一点鎖線で示すエンディング識別情報や第5ラウンド識別情報863e)が順次に表示される。
一方、遊技球の検出に基づく主人公キャラクタ861の進行において、オープニング識別情報862の位置は変化せず、また、実行が完了したラウンドに対応する識別情報(図中では第1ラウンド識別情報863a)は、実行中又は実行前のラウンドに対応する識別情報の間隔(例えば、第2ラウンド識別情報863bと第3ラウンド識別情報863cとの間隔)よりも狭い間隔に短縮し、オープニング識別情報862の右側に並べて表示される。これにより、特別遊技状態の経過を残すことが可能になり、また、詳細は後述するが、特別遊技状態において獲得した特典の履歴を残すことも可能になる。
なお、実行が完了したラウンドの間隔を詰めてそのラウンドに対応する識別情報を残す構成であるが、オープニング識別情報862や実行が完了したラウンドに対応する識別情報を、実行中又は実行前のラウンドに対応する識別情報と同様に移動させて、表示域の左端を超えるとそれらの識別情報は表示されなくなる構成としてもよい。
特別遊技状態の演出が進行すると、可動表示装置480において、図50(B)の第4段図に示すように、進行可能通路870が移動することで、表示域の右端から今まで表示されていなかった識別情報(図中ではエンディング識別情報864)が順次に表示される。
ここで、進展情報付き発展型演出において表示部479a(図50(A)及び図49(C)参照)に示される進展情報の表示について概要を説明する。
表示部479aにおける進展情報の表示は、左可動部材10及び右可動部材20(図49(A)参照)が動作しない進展情報付き発展型演出に対して、右上表示領域479Uで行われ、左可動部材10及び右可動部材20が動作する進展情報付き発展型演出に対して、右下表示領域479D(図49(A)参照)で行われる。右上表示領域479Uや右下表示領域479Dにおける進展情報は、同様の表示形態で表示されるため、以下においては、それらを代表して、右上表示領域479Uにおける進展情報の表示について説明する。
右上表示領域479Uにおける進展情報の表示では、可動表示装置480における表示の場合よりも詳細に分岐を表示したり、可動表示装置480における表示の場合よりも狭い範囲を拡大して表示したり、時間の経過に伴って、連続して又は複数回に分けて分岐を表示したりする。例えば、進展情報付き発展型演出において先行演出に引き続き実行される後続演出が後続演出内で更なる分岐を伴うように、進展情報付き発展型演出が多段階で分岐する場合に、右上表示領域479Uにおける表示を段階別に切り替えたり、右上表示領域479Uにおける表示を段階別に発生及び消滅を繰り返したりして、当該分岐を段階別に表示する。
進展情報付き発展型演出が実行されると、右上表示領域479Uにおける進展情報の表示が開始され、右上表示領域479Uにおいて、進展情報として、図50(C)の第1段図に示すように、進展情報付き発展型演出における演出の分岐に対応して分岐する進行可能経路869と、進行可能経路869に沿って進行し、現時点を示す進行位置印867とが表示される。また、進展情報として、進展情報付き発展型演出に含まれる各種の演出(図中では第1演出890a~第7演出890g)を示す情報や、当該各種の演出の区切りを示す情報などが表示される。
右上表示領域479Uにおける進展情報の表示が開始された時点では、進展情報付き発展型演出における演出の分岐に対応して分岐する通路(図中の実線で示す部分と一点鎖線で示す部分との全体)を有する進行可能経路869の一部(図中の実線部分)が表示される。進行可能経路869のうち進展情報の表示が開始された時点で表示されない部分は、進行位置印867が進行可能経路869を進行するにつれて徐々に表示される。
また、右上表示領域479Uにおいては、可動表示装置480における表示よりも先行演出から後続演出への分岐時期を把握し易い形態で、進展情報が表示される。具体的には、図50(C)の各図に示すように、進行可能経路869は、進行可能通路870よりも簡素な形状である矩形線や線分で示され、現時点を示す進行位置印867は、主人公キャラクタ861よりも簡素な形状である黒丸で示される。このため、遊技者は、進行位置印867の位置や、進行位置印867から分岐までの距離を、可動表示装置480における表示(進行可能通路870に沿った主人公キャラクタ861の進行の表示)に基づく場合に比べて、精度よく把握することが可能になる。
進展情報付き発展型演出において、図50(C)の第1段図に示すように、右上表示領域479Uにおける進行位置印867の上下方向の位置を変化させることで、進行位置印867が進行可能経路869に沿って下側に進行する表示が開始される。また、進行位置印867が右上表示領域479Uにおける所定の位置(図中では第2演出890bの下端)まで移動すると、図50(C)の第2段図に示すように、進行可能経路869を左右方向に、下方に進行する場合よりも高速(例えば、10倍速)で移動させる。これにより、右上表示領域479Uにおける進行位置印867の位置を変化させずに、進行位置印867が進行可能経路869に沿って進行する表示が行われる。
進行可能経路869の移動速度は、一定速度に設定されている。このため、進行位置印867が第2演出890bから第3演出890c又は第5演出890eへの分岐点に到達するまでの時間(分岐時期までの時間)を示唆することが可能になる。また、進行位置印867の進行速度と、進行位置印867の現在位置から分岐点(分岐時期)までの距離とを、可動表示装置480における主人公キャラクタ861の進行の表示に基づく場合よりも、精度よく示唆することが可能になる。これにより、遊技者は、進行位置印867の進行の表示に基づいて、可動表示装置480の表示に基づく場合よりも分岐時期までの時間を精度よく推測することが可能になる。
なお、進行位置印867が進行可能経路869の全体に亘って下方側に一定速度で進行する構成であるが、この構成に限らず、分岐点に向かう経路(例えば、第2演出890bから第3演出890cと第5演出890eに向かう経路)上では下方側に一定速度で進行するものの、分岐点に向かわない経路(例えば、第3演出890cから第4演出890dに向かう経路)上では、分岐点向かう場合の速度とは異なる一定速度や可変速度で進行する構成としてもよい。
進展情報付き発展型演出において、進行位置印867が直近の分岐に向かう経路の進行を開始する場合、後続の分岐は表示されず、その後の進行位置印867の進行に伴って、後続の分岐が徐々に表示される構成としている。具体的には、図50(C)の第2段図に示すように、第2演出890bから第3演出890c又は第5演出890eへの進行位置印867の進行が開始される時には、第6演出890fから第7演出890g又は第8演出890hへの分岐は表示されておらず、進行可能経路869の移動によって進行位置印867が進行するにつれて、第6演出890fから第7演出890g又は第8演出890hへ向かう経路や分岐が順次に表示される。また、第5演出が選択された場合には、図50(C)の第3段図に示すように、第6演出後に更に分岐があり、当該分岐の分岐先として第7演出と第8演出が表示されている状態となる。
なお、直近の分岐に向かう過程で後続の分岐が徐々に表示される構成であるが、この構成に限らず、直近の分岐に対する分岐先が決定するまでは進行位置印867が進行したとしても後続の分岐は表示されず、直近の分岐に対する分岐先が決定されると、右上表示領域479Uにおける表示を一旦終了させた後に再度表示を開始したり、表示内容を切り替えたりして、後続の分岐を表示する構成としてもよい。
右上表示領域479Uにおいて、図50(C)の第3段図に示すように、表示域を超える表示(例えば、図中の一点鎖線で示す第1演出890a)は順次表示されなくなるように表示される。このため、可動表示装置480において履歴等を残す場合に比べて、今後発生する演出の分岐を広い範囲に表示し易くすることが可能になる。
なお、分岐の分岐先が決定された後において、選択されなかった選択肢やそれに引き続く演出の表示、例えば、第5演出890eが選択された場合に第3演出890cやそれに引き続き実行される第4演出890dの表示が残る構成であるが、それらの表示を消すなど、選択されなかった選択肢やそれに引き続く演出の表示を行わない構成としてもよい。
また、進展情報が可動表示装置480と右上表示領域479Uとによる相補的な表示によって表示される構成であるが、この構成に限らず、可動表示装置480と右上表示領域479Uとの一方による表示によって進展情報を表示する構成としてもよい。また、可動表示装置480と右上表示領域479Uとの相補的な表示における役割を入れ替えた構成としてもよい。
また、進展情報が可動表示装置480と右上表示領域479Uとの2箇所に表示される構成であるが、例えば、可動表示装置480にて多段階の分岐の全体を表示し、右上表示領域479Uにて第1段階の分岐の詳細を表示し、右下表示領域479Dにて第2段階の分岐の詳細を表示するなど、3箇所以上の場所に分けて表示する構成としてもよい。
また、進展情報が可動表示装置480と右上表示領域479Uを含む装飾図柄表示装置479との別体の装置に分けて表示される構成であるが、一方の装置において進展情報が1の箇所に又は複数の箇所に分けて表示される構成としてもよい。
可動表示装置480において、主として進展情報付き発展型演出における演出の分岐に対応する分岐やその分岐時期を把握し易くする表示が行われ、一方、右上表示領域479Uにおいて、主として分岐時期までの時間を推測し易くする表示が行われる。このように、可動表示装置480と右上表示領域479Uとで相補的に進展情報を表示することによって、遊技者は、進展情報付き発展型演出の展開を把握し、遊技者にとって好ましい分岐結果を期待しつつ、分岐時期を迎えることが可能になる。
可動表示装置480と右上表示領域479Uにて行われる発展型演出は、連動した表示として行われるものであったが、一方の発展型演出を進行させ、他方の発展型演出の進行を所定時間停止させたり、一方の発展型演出をゆっくり進行させ、他方の発展型演出の進行を早く進行させるようにする等、所定期間において連動した演出表示を行わないようにしてもよい。このようにすれば、遊技者は、発展型演出の進行状況を推測しながら楽しむことができ、発展型演出に対して一喜一憂することができる。
ここで、装飾図柄表示装置479の表示部479aにおける特別遊技状態の開始時の演出について説明する。
表示部479aにおいて大当りに対応する装飾図柄の組合せが確定表示(図50(A)の左1段図参照)された後、特別遊技状態への移行を主人公が祝う演出(図示せず)が実行される。
大当りを祝福する演出の開始に伴い、装飾図柄479Zが縮小されて表示部479aの上側に移動する表示が行われる(図49(B)の参照)。また、表示部479aにおいて、第1ラウンドで実行される演出で用いる宝卵482が出現する表示が行われる(図49(B)参照)。
宝卵482の出現後に、可動表示装置480が離間配置から近接配置に移動する。このとき、可動表示装置480の移動の開始に先立ち、表示部479aにおいて、その上端近傍に味方キャラクタ865が出現し、味方キャラクタ865が可動表示装置480を引っ張り出すような動作が表示される。その後、味方キャラクタ865が右上表示領域479Uに対応する位置に移動する表示が行われる(図49(B)参照)。
また、表示部479aにおいて、図49(B)に示すように、第1ラウンドで実行可能な演出の選択肢を示す情報と共に、右打ち遊技手法で遊技を開始することで、選択が開始されることを示す情報が表示される。
また、表示部479aにおいて、左下隅部分に、装飾図柄の変動表示(第1特別図柄や第2特別図柄の変動表示)の実行が保留されている回数を示す装飾保留表示479H(図49参照)が、特別遊技状態以外の場合よりも縮小されて表示される。装飾保留表示479Hは、表示部479aにおいて、近接配置の可動表示装置480や右上表示領域479Uや右下表示領域479Dと重ならない領域に表示される。このため、主演出や進展情報を見つつ、変動表示の保留を適宜に確認することが可能になる。
また、装飾図柄の変動表示の実行が保留されている回数は、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が腰からぶら下げた携帯物で示す疑似保留表示480H(図51参照)によっても行われる。疑似保留表示480Hは、主人公キャラクタ861の近隣に表示され、また、主人公キャラクタ861と共に進行するように表示される。このため、主人公キャラクタ861を見た場合に、疑似保留表示480Hも同時に確認することが可能になる。したがって、遊技者は、装飾保留表示479Hによって変動表示の保留を確認する場合よりも簡便に、変動表示の保留を主演出や進展情報を見つつ確認することが可能になる。また、ここでは疑似保留表示480Hは、装飾図柄の変動表示の実行が保留されている回数としたが、進展情報にて表示される分岐発生に対応した数でもよい。このようにすれば、主人公キャラクタ861を見た場合に、今後発生するであろう分岐発生回数を簡単に認識することができ期待感をもって遊技することができる。
なお、上記においては、進展情報付き発展型演出が特別遊技状態において実行される構成であるが、この構成に限らず、通常遊技状態や確変遊技状態や時短遊技時状態などの他の遊技状態における変動表示の演出として実行する構成としてもよい。また、通常遊技状態や確変遊技状態や時短遊技状態などの他の遊技状態における変動表示の演出として実行する場合には、複数回の変動表示演出に跨るようにして進展情報付き発展型演出が実行されるようにしてもよい。この場合には、主人公キャラクタ861を見た場合に、疑似保留表示480Hも同時に確認することが可能となるため、遊技者はあと何回変動表示が実行されるか簡単に注目することができる。
また、上記においては、進展情報付き発展型演出において進展情報が表示される構成としているが、この構成に限らず、進展情報の表示又は非表示を遊技者によって選択可能な構成としてもよい。
ここで、特別遊技状態中に実行される第1の進展情報付き発展型演出について、図51及び図52を参照して説明する。図51は、進展情報付き発展型演出であって演出の発展先を遊技者によって選択可能な演出の推移を示す説明図である。図51(A)、図51(B)、図51(D)及び図(F)が、可動表示装置480における進展情報を示し、図51(C)、図51(E)及び図51(G)が、右上表示領域479Uにおける進展情報を示す。なお、図51(B)と図51(C)とは同一タイミングでの表示を示し、図51(D)と図51(E)とは同一タイミングでの表示を示し、図51(F)と図51(G)とは同一タイミングでの表示を示している。また、図52は、進展情報付き発展型演出であって演出の発展先を遊技者の操作によって変化可能な演出(両手参加型演出)の推移を示す説明図である。図52(A)及び図52(B)が、両手参加型演出の一部を構成する発色演出の実行中を示し、図52(C)及び図52(D)が、両手参加型演出の一部を構成する色昇格演出の実行中を示し、図52(E)及び図52(F)が、両手参加型演出の一部を構成する殻割り演出の実行中を示す。図52(A)、図52(C)及び図52(E)が、可動表示装置480において実行される表示を示し、図52(B)、図52(D)及び図52(F)が、右上表示領域479Uにおいて実行される表示を示す。
第1の進展情報付き発展型演出は、実行中の特別遊技状態が、特別遊技状態後に確変遊技状態に移行可能な確変予定の特別遊技状態であるか、時短遊技状態に移行可能な時短予定の特別遊技状態であるかを遊技者に知らせる演出として用いられる。
確変予定の特別遊技状態において特典領域409V(図49参照)に遊技球が進入した場合に、確変遊技状態に移行する設定とされ、特典領域409Vへ遊技球が進入可能となるラウンドが第1ラウンドに設定されている。したがって、第1の進展情報付き発展型演出は、第1ラウンドと、それよりも前のオープニングとにおいて実行される。
第1の進展情報付き発展型演出は、特別遊技状態後の遊技状態を3種類の演出によって報知可能に設定され、いずれの種類の演出で報知するかを遊技者が選択可能な構成としている。具体的には、3種類の演出として、右入力レバー810Rが操作可能となり、遊技者による右入力レバー810Rの操作に基づいて展開が変化する演出(以下において、片手参加型演出とも称す)が設定されている。また、左右の入力レバー(左入力レバー810Lと右入力レバー810R)が操作可能とり、左右の入力レバーの操作に基づいて展開が変化する演出(以下において、両手参加型演出とも称す)が設定されている。また、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの双方が操作不能で、遊技者の操作に依らず自動的に演出が進行する演出(以下において、自動進行演出とも称す)が設定されている。また、自動進行演出と片手参加型演出と両手参加型演出とのいずれによって特別遊技状態の種類を報知させるかは、押圧操作装置261と回転操作装置262の操作に基づいて遊技者が選択可能に設定されている。自動進行演出や片手参加型演出や両手参加型演出において、表示部479aに出現した宝卵482が割れるか否かによって、特別遊技状態の種類が報知される。
自動進行演出が選択された場合は、左右の可動部材(左可動部材10と右可動部材20)が動作し(図49(A)参照)、宝卵482を割ろうとする演出が遊技者の操作によらず自動で実行される。具体的には、左右の可動部材が離間姿勢(一点鎖線で示す姿勢)から宝卵482を挟む姿勢(実線で示す姿勢)へ移動した後、宝卵482を挟む姿勢と宝卵482を圧迫する姿勢(2点鎖線で示す姿勢)との間で変化する動作が実行される。また、左可動部材10や右可動部材20の動作に応じて宝卵482が変形する表示が表示部479aにおける主演出として実行される。この自動進行演出は、宝卵482が出現するタイミングと、左可動部材10と右可動部材20とが作動するタイミングが異なるものの、図25を参照して説明した上述の殻割りミッション演出と同様の動作であるため、その詳細についての重複する説明は省略する。
片手参加型演出が選択された場合は、左右の可動部材が宝卵482を挟む姿勢と宝卵482を圧迫する姿勢との間で変化する動作が実行可能であるが、自動進行演出の場合と異なり、当該動作が右入力レバー810Rに対する遊技者の握り操作に基づいて実行される。この片手参加型演出は、宝卵482が出現するタイミングと、左右の可動部材が動作するタイミングが異なるものの、図28を参照して説明した上述の片手参加型の殻割りミッション演出と同様の動作であるため、その詳細についての重複する説明は省略する。
両手参加型演出が選択された場合は、左右の入力レバーに対して、宝卵482を変形させる挟み操作と、宝卵482にひび割れを発生させる握り操作と、宝卵482を割る連結操作とが実行可能になる。この両手参加型演出における左右の入力レバーの構造や動作や操作については、上述の図5、図32、図38及び図39を参照して説明した両手参加型の殻割りミッション演出と同様であるため、その詳細についての重複する説明は省略する。
第1の進展情報付き発展型演出において、進展情報は、図51に示すように、可動表示装置480と、右上表示領域479Uとに表示される。なお、この構成に限らず、進展情報が可動表示装置480と右上表示領域479Uの一方のみに表示される構成など、上述の進展情報の表示の概要で説明したような各種の形態で表示される構成としてもよい。
第1の進展情報付き発展型演出に付随して示される進展情報についての可動表示装置480での表示は、可動表示装置480が当該演出の開始前(オープニング前)に予め移動して近接配置とる状態で行われる。また、当該進展情報についての右上表示領域479Uでの表示は、当該演出の開始時に発生する。
先行演出から複数種類の後続演出のいずれかへの分岐時期に近づいていることを遊技者が視認可能な表示が行われる。具体的には、先行演出から後続演出への分岐時期として、先行演出としての特別遊技状態の種類を報知する演出の種類(演出自動進行演出、片手参加型演出又は両手参加型演出:以下において、参加種類とも称す)を選択させる演出から後続演出としての選択結果を示す演出への分岐時期、先行演出としての宝卵482を発色させる演出から後続演出としての発色の結果を示す演出への分岐時期や、先行演出としての発色した宝卵482の色が変化するか否かを示す演出から後続演出としての色変化の結果を示す演出への分岐時期や、先行演出としての宝卵482が割れるか否かを示す演出から後続演出としての宝卵482の形状変化の結果を示す演出への分岐時期が例示される。また、この各種の分岐時期へ近づいていることを、可動表示装置480において、図51(B)や図52(A)等に示すように、現時点を示す主人公キャラクタ861が、第1の進展情報付き発展型演出における演出の分岐(分岐時期)に対応して分岐する進行可能通路870を進行することよって表示する。また、この各種の分岐時期へ近づいていることを、右上表示領域479Uにおいて、図51(C)や図52(B)等に示すように、現時点を示す進行位置印867が、第1の進展情報付き発展型演出における演出の分岐(分岐時期)に対応して分岐する進行可能経路869を進行することよって表示する。
なお、第1の進展情報付き発展型演出における各演出の分岐に対して、分岐前に実行された演出を先行演出とし、分岐後において実行される演出を後続演出としている。このため、分岐の直後に実行される演出に対して、当該分岐の直前に実行される演出を先行演出とすることができ、また、分岐の直前に実行される演出よりも前に連続して実行される1又は複数の演出をも加えて先行演出とすることもできる。同様に、分岐の直前に実行される演出に対して、分岐の直後に実行される演出を後続演出とすることができ、また、分岐の直後に実行される演出よりも後に連続して実行される1又は複数の演出をも加えて後続演出とすることができる。具体的には、発色した宝卵482の色が変化するか否かを示す演出から色変化の結果を示す演出への分岐に対して、分岐前に直近に実行される発色した宝卵482の色が変化するか否かを示す演出を先行演出とする場合に限らず、また、特別遊技状態の種類を報知する演出の種類を選択させる演出と、その選択結果を示す演出とを加えて後続演出とすることができる。また、当該分岐に対して、分岐直後に実行される色変化の結果を示す演出を後続演出とする場合に限らず、発色した宝卵482の色が変化するか否かを示す演出を加えて後続演出したり、色変化の結果を示す演出と宝卵482が割れるか否かを示す演出と宝卵482の形状変化の結果を示す演出とを更に加えて後続演出としたりすることができる。
第1の進展情報付き発展型演出が開始されると、オープニングにおいて、演出自動進行演出、片手参加型演出及び両手参加型演出から1つを遊技者に選択させる演出が実行され、可動表示装置480における表示形態が、図51(A)に示すような奥行き方向が表示されない基本表示形態から、図51(B)に示すような奥行き方向が表示される拡張表示形態に変化し、拡張表示形態で示された進行可能通路870によって、演出自動進行演出、片手参加型演出及び両手参加型演出の選択に対応して分岐する通路が表示される。具体的には、拡張表示形態への表示形態の変化によって、進行可能通路870の一部として、オープニングの開始位置から右側に延びる選択準備通路871aと、選択準備通路871aから右側に延び、奥行き方向の幅が広い参加形態選択通路871bと、参加形態選択通路871bから右側に延びる参加形態決定後通路871cとが表示される。また、進行可能通路870の一部として、参加形態決定後通路871cから分岐して並行に延びる自動進行演出通路872と、片手参加型演出通路873と、両手参加型演出通路874とが表示される。これにより、可動表示装置480における表示に遊技者の注目を引きつつ、当該分岐を遊技者に示すことが可能になる。
また、拡張表示形態の表示において、進行可能通路870に沿って進行していく主人公キャラクタ861が拡大して表示される。これにより、主人公キャラクタ861を見つけ易くし、現時点を確認し易くすることが可能になる。
拡張表示形態の表示において、進行可能通路870における直近の分岐と、それ以降の分岐とを異なる形態で表示可能としている。具体的には、可動表示装置480における拡張表示形態の表示では、参加形態決定後通路871cからの直近の分岐は明確に示しつつ、片手参加型演出通路873や両手参加型演出通路874における更なる分岐は、直近の分岐よりも幅の狭い通路によって、何らかの更なる分岐があると遊技者が理解できる程度に簡素化して示している。このように、片手参加型演出通路873や両手参加型演出通路874における更なる分岐を簡素化して示すものの、当該更なる分岐を表示することで、遊技者は、参加種類の選択に際して、多彩な展開を期待できる演出を推測すること、例えば、片手参加型演出は自動進行演出よりも分岐が多く多彩な展開が期待でき、両手参加型演出は片手参加型演出よりも分岐が多く更に多彩な展開が期待できると推測することが可能になる。
進展情報の表示の発生(開始)において、進展情報の表示に作用を及ぼす表示を伴う形態で表示可能としている。具体的には、第1の進展情報付き発展型演出が開始されると、右上表示領域479Uにおける進展情報の表示を発生させる際、右上表示領域479Uに対応する場所に位置している味方キャラクタ865(図49(B)参照)が派手な動作をし、右上表示領域479Uに示される進展情報を引っ張り出すような仕草をする表示が行われる。これにより、右上表示領域479Uにおける進展情報の発生を目立たせ、その表示に遊技者の注目を引き易くすることが可能になる。
右上表示領域479Uには、オープニング開始情報890から途中で分岐して各選択肢に至る経路を含む進行可能経路869と、進行可能経路869に沿って進行していく進行位置印867(図中における黒塗りの丸印)が表示される。
右上表示領域479Uの表示において、進行可能経路869は、線分の組合せで、進行位置印867は、単純な図形で表示され、可動表示装置480における進行可能通路870や主人公キャラクタ861よりも簡素な表示とされている。このため、可動表示装置480における表示に比べて、現時点の位置や、分岐時期に対応する分岐点の位置を明確に示すことが可能になり、分岐時期までの時間を把握し易くすることが可能になる。
右上表示領域479Uにおいて、進展情報の一部として、主演出との対応を示す情報が表示される。具体的には、主演主との対応を示す情報として、オープニングの開始に対応する位置を示すオープニング開始情報890(図中の「オープニング開始」との文字情報)が示される。また、進展情報の一部として、主演出との対応を示す情報や演出の内容を示す情報が表示される。演出の内容を示す情報として、自動進行演出を示す自動進行演出情報892(図中の「自動進行」)と、片手参加型演出を示す片手参加型演出情報893(図中の「自動進行」との文字情報)と、両手参加型演出を示す両手参加型演出情報894とが表示される。このため、可動表示装置480における表示に比べて、演出や表示の始期や終期を遊技者にとって認識し易くすることが可能になる。
右上表示領域479Uにおいて、進展情報の一部として、選択する演出の参加種類によって、付与可能な特典の種類が異なることや、その特典の大小についての情報が示される。これにより、遊技者は、参加種類の選択に先立ち、選択可能な演出が操作性の違いだけではなく特典にも違いがあることを知ることができ、好みの後続演出を選択することが可能になる。
表示部479aにおいて、第1の進展情報付き発展型演出が開始されると、演出の選択を開始するための条件を示す情報(図49(B)における「右打ちで選択開始!」との文字情報)の表示が消え、主演出の一部として、参加種類を選択する際の操作についての情報(図49(B)における「中央ボタンの左右回転で選び押して決定」との文字情報)が表示される。この情報の表示は、可動表示装置480や右上表示領域479Uにおける表示よりも広い範囲に大きく示される。このため、当該表示を目立たせ、遊技者が操作方法に戸惑うことを抑制することができる。
右上表示領域479Uにおいて、進展情報の一部として、操作可能となる装置に対する遊技者による操作が可能な期間についての情報が、当該装置への操作が可能となる前に表示される。具体的には、遊技者による押圧操作装置261(図5参照)に対する押圧操作や回転操作装置262(図5参照)に対する回転操作が可能となる期間の開始時期を表す情報(図中の「選択開始」との文字情報)や終了時期を表す情報(図中の「選択終了」との文字情報)が示される。これにより、遊技者は、参加種類の選択が可能となる時期や、後続演出の選択が可能な時間を推定することが可能になる。
なお、参加種類を選択する際の操作についての情報が文字情報で示される構成としているが、この構成に限らず、押圧操作装置261と回転操作装置262とを画像で表示し、その具体的な操作方法をアニメーションで示す構成としてもよく、また、押圧操作装置261や回転操作装置262を指し示す矢印等を示すと共に、その操作方法を押圧操作装置261と回転操作装置262とを動作させて示す構成としてもよい。
第1の進展情報付き発展型演出が開始されると、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が、オープニングの開始位置(オープニング識別情報862が設けられた位置)から第1ラウンドの開始位置(第1ラウンド識別情報が設けられた位置)に向けて進行を開始する。主人公キャラクタ861は、その上下方向の位置を位置YTから変化させることなく連続的に進行する。具体的には、主人公キャラクタ861の選択準備通路871aの進行において、進行可能通路870の位置が固定された状態で、主人公キャラクタ861が右側に向けて一定速度で移動する。
また、進行位置印867がオープニング開始情報890から各種の選択肢に向けて進行する表示が開始される。この進行において、右上表示領域479Uにおける進行可能経路869の位置を上方に一定速度で連続的に移動させることで、進行位置印867は、上下方向の位置を右上表示領域479Uに対して固定された位置YU1及び左右方向の位置を右上表示領域479Uに対して固定された位置XU1から変化することなく連続的に進行する。
主人公キャラクタ861が選択準備通路871aを通過して参加形態選択通路871bの進行を開始すると、遊技者による押圧操作装置261(図5参照)に対する押圧操作と回転操作装置262(図5参照)に対する回転操作とが可能となる。回転操作装置262の左回転に応じて、進行可能通路870が、図51(B)に一点鎖線の矢印で示す自動進行演出通路872側から両手参加型演出通路874側に向かう斜視に基づく傾斜方向に沿って右斜め上側に移動する表示が行われる。また、回転操作装置262の右回転に応じて、進行可能通路870が、当該傾斜方向に沿った図51(B)に一点鎖線の矢印で示す左斜め下側に移動する表示が行われる。これにより、主人公キャラクタ861の上下方向の位置を位置YTから変化させることなく主人公キャラクタ861を右側に移動させつつ、例えば、片手参加型演出通路873よりも手前側に設けられた自動進行演出通路872や奥側に設けられた両手参加型演出通路874の延長上の位置など、進行可能通路870の奥行き方向の位置を変化させながら主人公キャラクタ861を進行させることができる。
参加形態選択通路871bにおいて片手参加型演出通路873の延長上を進行している場合に、回転操作装置262に対する左回転操作が実行されると、図51(D)に示すように、主人公キャラクタ861の右側への移動に加えて、進行可能通路870が右斜め上側に移動し(一点鎖線で示す状態から実線で示す状態への移動)、主人公キャラクタ861は、自動進行演出通路872の延長上を進行する。また、参加形態選択通路871bにおいて片手参加型演出通路873の延長上を進行している場合に、回転操作装置262に対する右回転操作が実行されると、図51(F)に示すように、主人公キャラクタ861の右側への移動に加えて、進行可能通路870が左斜め下側に移動し、主人公キャラクタ861は、両手参加型演出通路874の延長上を進行する。
オープニングの開始位置から各演出通路の分岐位置までの選択準備通路871aや参加形態選択通路871bにおいて主人公キャラクタ861が左右方向に進行する速度は、同一速度に設定している。このため、後続演出を選択可能な期間の始期に対応する分岐位置に到達するまでの時間や選択可能な期間の終期に対応する位置に到達するまでの時間を、選択準備通路871aや参加形態選択通路871bにおいて進行の速度を変化させる場合に比べて、遊技者にとって推定し易くすることが可能になる。
右上表示領域479Uの表示において、進行位置印867が演出選択の開始時期に対応する位置(図中の選択開始で示す位置:以下において選択開始位置とも称す)に進行すると、遊技者による回転操作装置262に対する回転操作や押圧操作装置261に対する押圧操作が可能となる。
回転操作装置262に対する操作に応じて、進行可能経路869が、下側への移動に加えて、回転操作装置262の左回転によって左側に、回転操作装置262の右回転によって右側に移動する表示が行われる。これにより、進行位置印867の上下方向の位置及び左右方向の位置を位置YU1及び位置XU1から移動させることなく、自動進行演出通路872、片手参加型演出通路873及び両手参加型演出通路874のいずれかに向かう線分に沿って進行位置印867を進行させることができる。
具体的には、片手参加型演出情報893に向かう経路の延長上を進行している場合に、回転操作装置262の左回転操作が実行されると、図51(E)に示すように、進行位置印867の下側への移動に加えて、進行可能通路870が右側に移動し、進行位置印867は、自動進行演出情報892に向かう線分上を進行する。また、片手参加型演出通路873の延長上を進行している場合に、回転操作装置262の右回転操作が実行されると、進行位置印867の下側への移動に加えて、進行可能経路869が左側に移動し、進行位置印867は、両手参加型演出情報894に向かう線分上を進行する。
また、右上表示領域479Uにおいて、選択開始位置から演出選択の終了時期に対応する位置(図中の選択終了で示す位置:以下において選択開始位置とも称す)までの進行位置印867の進行に伴って、オープニング開始情報890から片手参加型演出情報893を繋ぐ線分の途中から左右に分岐して自動進行演出情報892や両手参加型演出情報894に至る折れ線分の分岐位置を変化させる表示を行う。これにより、例えば、参加種類の選択の終了時期に対応する位置を分岐位置とする表示を行う場合に比べて、現時点で3種類の選択が可能であることを経路の線分形状によっても明確に示すことが可能になる。
オープニングの開始位置から選択開始位置までの進行位置印867の進行及び選択開始位置から選択終了位置までの進行位置印867の進行において、進行位置印867の上下方向の進行速度は、同一速度に設定されている。このため、進行位置印867の上下方向の進行状況から、選択開始位置や選択終了位置に到達するまでの時間を、進行位置印867の上下方向の進行速度を変化させる場合に比べて推定し易くできる。これにより、遊技者は、選択可能な期間の終了時期(分岐時期)を推測し易くなる。
回転操作装置262の回転操作や押圧操作装置261の押圧操作の可能期間が終了した場合や、その期間の満了前に押圧操作装置261の押圧操作がされた場合には、後続演出の選択が決定される。これにより、可動表示装置480においては、主人公キャラクタ861が参加形態決定後通路871cに進入する表示が行われ、右上表示領域479Uにおいては、進行位置印867が選択終了位置に到達する表示が行われる。その後、可動表示装置480において、図51(F)に示すように、主人公キャラクタ861が自動進行演出通路872、片手参加型演出通路873及び両手参加型演出通路874のいずれか(図中では両手参加型演出通路874)に進入する表示が行われる。また、右上表示領域479Uにおいて、図51(G)に示すように、進行位置印867が自動進行演出情報892、片手参加型演出情報893及び両手参加型演出情報894のいずれか(図中では両手参加型演出情報894)に到達して停止する表示が行われる。
可動表示装置480において主人公キャラクタ861が自動進行演出通路872、片手参加型演出通路873又は両手参加型演出通路874のいずれかに沿って第1ラウンドの開始位置に進行するまでの間に、選択された後続演出の準備が実行される。
後続演出の準備として、両手参加型演出が選択され、主人公キャラクタ861が両手参加型演出通路874を進行する場合、左右の入力レバー(左入力レバー810L及び右入力レバー810R)が中央側に移動し、あたかも表示部479aに表示された宝卵482を両側から挟んで接触するかのように見える配置(図49(C)参照:三点鎖線で示す左入力レバー810Lが位置XL8に位置し、右入力レバー810Rが位置XR8に位置する配置:以下において挟持配置とも称す)をとる。
また、左右の入力レバーが、挟持配置と、挟持配置よりも中央側に位置する配置(図49(C)参照:実線で示す左入力レバー810Lが位置XL6、右入力レバー810Rが位置XR6に位置する配置:以下において圧迫配置とも称す)との間で移動可能となる。左右の入力レバーの挟持配置と圧迫配置との間の移動において、宝卵482は、表示部479aにおいて、左右の入力レバーによって圧迫されて変形したかのように表示される(図49(C)参照)。左右の入力レバーを圧迫配置から更に中央側や挟持配置から更に端側に向けて、遊技者が移動させようとした場合には、元の配置に戻す方向に最大反力で反力を発生させる設定とされている。
一方、自動進行演出や片手参加型演出が選択された場合には、左可動部材10と右可動部材20とが、離間姿勢(図49(A)参照:一点鎖線で示す配置)から宝卵482に接触して挟むように見える姿勢(図49(A)参照:実線で示す配置:以下において挟み姿勢とも称す)に変化する。また、自動進行演出や片手参加型演出が選択された場合には、更に、挟み姿勢と、挟み姿勢よりも更に近接する姿勢(図49(A)参照:二点鎖線で示す配置:以下において挟み姿勢とも称す)との間で、遊技者の操作に応じて又は自動で繰り返し変化する。左可動部材10及び右可動部材20の挟み姿勢と圧迫姿勢との間の移動によって、宝卵482は、表示部479aにおいて、左可動部材10と右可動部材20とによって圧迫されて変形したかのように表示される。
可動表示装置480において主人公キャラクタ861が自動進行演出通路872、片手参加型演出通路873又は両手参加型演出通路874に対する第1ラウンドの開始位置に進行すると、選択された演出(自動進行演出、片手参加型演出又は両手参加型演出)が開始される。以下において、両手参加型演出が選択された場合について説明する。
第1ラウンドが開始されると、可動表示装置480において、図52(A)の上段図に示すように、主人公キャラクタ861が第1ラウンドの開始位置からの進行を開始する。この進行の開始に伴い、図52(A)の下段図に示すように、進行可能通路870において両手参加型演出通路874に続く通路部分の奥行き方向が拡大されて表示される。これにより、両手参加型演出における演出の分岐に対応する分岐を表示することが可能になる。また、表示形態を変化させることで、可動表示装置480における表示に遊技者の目を向けさせることも可能になる。
なお、第1ラウンドが開始された場合に、オープニングの開始時においては明確に表示されていなかった分岐を表示形態の変更により明確に表示する構成であるが、この構成に限らず、オープニングの開始時において両手参加型演出における分岐も明確に表示し、主人公キャラクタ861の進行過程で表示形態を変更しない構成としてもよい。また、第1ラウンドが開始された場合に、参加種類が選択される前に、選択可能な後続演出における分岐の繰り返し数や分岐数の差を遊技者が大まかに判別できる程度に表示する構成としているが、この構成に限らず、例えば、直近の分岐以外の分岐について、枝分かれしない単一の通路として表示するなど、参加種類の選択に係る直近の分岐は表示するものの後続の分岐は表示しない構成としてもよい。
可動表示装置480において進行可能通路870のうち選択された参加種類に対応する部分が拡大して表示された場合、例えば、両手参加型演出が選択された場合の自動進行演出通路872やそれに続く通路と片手参加型演出通路873やそれに続く通路のように、進行可能通路870のうち選択されなかった参加種類に対応する部分であって主人公キャラクタ861が進行する可能性がなくなった部分は表示されない。これにより、両手参加型演出における更なる分岐を大きな領域で表示し、その分岐を遊技者に把握させ易くすることができる。なお、進行可能通路870のうち主人公キャラクタ861が進行する可能性がなくなった部分を表示しない構成であるが、その部分の少なくとも一部の表示を残す、又は、簡略化して表示する構成としてもよい。
また、図52(A)の下段図には両手参加型演出が選択された場合を示したが、自動進行演出や片手参加型演出が選択された場合であっても、進行可能通路870のうち選択された参加種類に対応する部分の拡大表示や、選択されなかった参加種類に対応する部分の非表示は実行される。なお、自動進行演出や片手参加型演出の場合、両手参加型演出の場合よりも分岐が簡素に設定されているため、それらの参加種類が選択された場合としても、選択された参加種類に対応する部分の拡大表示を行わない構成や、選択されなかった参加種類に対応する部分を非表示とはせずに表示を残す構成としてもよい。
また、第1ラウンドが開始されると、右上表示領域479Uにおいて、オープニング時の表示に代えて、選択された両手参加型演出に対応する分岐が、図52(C)に示すように新たに表示される。この表示の切り替えにおいて、右上表示領域479Uの近傍に位置する味方キャラクタ(図49(B)参照)が、第1の進展情報付き発展型演出の開始時に発生した表示を表示部479aの表示域外に押し込んで、新たな表示を引っ張り出すような動作を行う。このため、右上表示領域479Uの表示が切り替えられたことに遊技者が気付き易くすることが可能になる。
右上表示領域479Uの新たな表示において、両手参加型演出の全体に対応する分岐が示され、また、第1ラウンドの開始に対応する第1ラウンド開始情報891aが示す位置に進行位置印867が示され、進行位置印867が第1ラウンド開始情報891aから下方側への進行を開始する。
また、右上表示領域479Uの新たな表示において、両手参加型演出では、左右の入力レバー(左入力レバー810L及び右入力レバー810R)に対する挟み操作が可能となる演出と、それらに対する握り操作が可能となる演出と、それらに対する連結操作が可能となる演出とが実行されることが示される。また、それらの演出を経て最終的に、宝卵482が割れた表示、割れずに振動する表示、又は、割れることなく静止する表示が行われることが示される。また、宝卵482の色によって分岐先が異なることが示される。
挟み操作が可能となる演出は、挟み操作に基づいて、表示部479aに示された宝卵482が、白色から青色、緑色又は赤色に発色可能であり、発色によって現在実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態である期待度を示す演出(以下において、発色演出とも称す)である。
発色演出において、遊技者が左右の入力レバーを所定の圧迫配置(位置XL6及び位置XR6)まで移動させる挟み操作を行った場合に、宝卵が青色、緑色又は赤色に発色する。確変予定の特別遊技状態である期待度は、宝卵482が青色である場合(例えば、30%)よりも緑色(60%)である場合の方が高く、緑色である場合よりも赤色である場合(80%)の方が高く設定されている。
また、発色演出において、左右の入力レバーを挟持配置から所定の圧迫配置までの間に遊技者が移動させようとした場合に、それらを挟持配置に戻す方向の反力が遊技者によって操作可能となる前の反力(最大反力)よりも小さくなる。このとき発生させる反力は、青色の発色が予定されている場合よりも緑色の発色が予定されている場合の方が大きく、緑色の発色が予定されている場合よりも赤色の発色が予定されている場合の方が大きく設定されている。このため、遊技者は、挟み操作の操作感の違いによって、予定されている色や確変予定の特別遊技状態である期待度を知ることも可能になる。また、挟み込み操作は行うものの発色させるために必要な所定の圧迫配置までは移動させないことで、遊技者は、近隣の遊技者を知られることなく、確変予定の特別遊技状態である期待度を確認することも可能になる。
また、発色演出において、挟み操作を行わない場合や、挟み操作は行うものの所定の圧迫配置までは移動させない場合には、宝卵482が白色に維持され、発色演出後に実行予定であった握り操作が可能な演出や挟み操作が可能な演出は実行されなくなる。
また、発色演出において、左右の入力レバーを所定の圧迫配置から更に中央側に遊技者が移動させた場合に、それらを所定の圧迫配置に戻す方向の反力が最大反力に設定されている。このため、遊技者が、勢い余って意図せずに、所定の圧迫配置を超えて中央側にまで左右の入力レバーを移動させてしまうことを抑制できる。
また、発色演出において、左右の入力レバーが圧迫配置よりも中央側の所定の配置(位置XL5及び位置XR5:以下において割れ可能配置)まで、遊技者によって最大反力に抗して移動させられると、現在実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態である場合には、宝卵482が割れる表示が行われ、時短予定の特別遊技状態である場合には宝卵は割れずに振動する表示が行われる。これにより、左右の入力レバーを意図的に割れ可能配置まで移動させることで、特別遊技状態の種類を早期に知ることも可能になる。遊技者が左右の入力レバーを割れ可能配置まで移動させた場合には、発色演出後に実行予定であった握り操作が可能な演出や挟み操作が可能な演出は実行されなくなる。
また、発色演出において、左右の入力レバーの間隔を挟持配置の場合よりも広げようとした場合、挟持配置の場合の間隔に戻す方向の反力が遊技者によって操作可能となる前の反力(最大反力)よりも小さくなる。このとき発生させる反力は、宝卵482の発色の種類によらず同一の大きさに設定されている。
また、発色演出において、左右の入力レバーの挟持配置から挟持配置よりも端側の所定の配置(例えば、位置XL8と位置XR8との間隔の1.25倍の間隔を隔てた配置:以下において、展張配置とも称す)との間の移動において、宝卵482は、表示部479aにおいて、宝卵482が双方の入力レバーに接触しているかのような状態を保つように、左右の入力レバーによって左右に引っ張られて変形したかのように表示される。
また、発色演出において、左右の入力レバーを展張配置から更に端側に向けて、遊技者が移動させようとした場合には、展張配置に戻す方向に最大反力で反力を発生させる設定とされている。このため、遊技者が、勢い余って意図せずに、所定の展張配置を超えて端側にまで移動させてしまうことを抑制できる。
また、発色演出において、左右の入力レバーが展張配置よりも端側の所定の配置(以下において、離別配置とも称す)まで、遊技者によって最大反力に抗して移動させられると、宝卵482が左右の入力レバーから離れたかのように表示されると共に、宝卵482が下側に落下する表示が行われる。
また、発色演出において、遊技者が左右の入力レバーを離別配置まで移動させた場合には、左入力レバー810Lを左端配置XLFに、右入力レバー810Rを右端配置XRFに戻すように各入力レバーに駆動力を発生させ、発色演出と共に後続演出の全体を終了させる。
左右の入力レバーの挟み操作に関して、既定の操作として双方を両手で対照的に操作する場合について説明したが、それらの一方のみを片手で操作した場合には、宝卵482が双方の入力レバーに接触しているかのような状態を保ちつつ、操作された入力レバーの移動に伴って、宝卵482が移動する表示が行われると共に、操作していない入力レバーが、操作された入力レバーとの間隔を宝卵482の横幅と同一の間隔に維持した状態で移動する。また、左右の入力レバーを非対称に操作した場合には、宝卵482が双方の入力レバーに接触しているかのような状態を保ちつつ、宝卵482が双方の入力レバーの間隔に応じて変形する表示が行われる。
発色演出後に実行される握り操作が可能となる演出は、握り操作に基づいて、発色した宝卵482の色が変化可能であり、色変化によって確変予定の特別遊技状態であるかの期待度を上昇させる演出(以下において、色昇格演出とも称す)である。
色昇格演出において、左右の入力レバーに対する握り操作を繰り返して実行することで、宝卵482の色が、握り操作の開始前の色よりも確変予定の特別遊技状態の期待度が高い色に変化する表示が出現可能に設定されている。
具体的には、宝卵482の色が、握り操作の開始前に青色である場合には赤色まで、握り操作の開始前に緑色や赤色である場合には赤色よりも期待度が高く確変予定の特別遊技状態であることが確定する虹色まで、確変予定の特別遊技状態の期待度が大きくなるように順次に変化可能に設定されている。
発色演出と色昇格演出とで2段階で確変予定の特別遊技状態の期待度を遊技者に知らせることで、その期待度を知らせる表示が単調となることを抑制することが可能になる。また、第1段階と第2段階とで操作を異ならせることで、その期待度を知らせる操作が単調となることを抑制することが可能になり、また、第2段階の握り操作によって自力で確変予定の特別遊技状態の期待度を高めたかのような満足感を遊技者に与えることが可能になる。
なお、確変予定の特別遊技状態の期待度を示す第2段階の色昇格演出において、その期待度を第1段階の発色演出の場合と同様に宝卵482の色で示す構成であるが、この構成に限らず、例えば、色(色相)ではなく鮮やかさ(彩度)や明るさ(明度)を変化させたり、模様を変化させたり、全体的な大きさを変化させたり、宝卵482にヒビ割れを発生させたり色以外の変化と組み合わせるなど、第1段階とは異なる表示形態の変化で確変予定の特別遊技状態の期待度を示す構成としてもよい。また、確変予定の特別遊技状態の期待度を2段階で示す構成であるが、この構成に限らず、その期待度を1段階のみや3段階以上で示す構成としてもよい。
各入力レバーに対する握り操作は、発色演出で宝卵482が白色以外に発色した場合であって、左右の入力レバーと宝卵482とが接触するように表示される配置をとる場合に実行可能となる。宝卵482を発色させる挟み操作が可能な期間が終了すると、各入力レバーには挟持配置へ戻すように駆動力が発生し、各入力レバーを挟持配置から中央側や端側へ遊技者が移動させようとした場合に、挟持配置へ戻す方向に最大反力で反力が発生する。このため、各入力レバーが挟持配置で安定的に配置された状態において、遊技者が握り操作を行えるようにすることができる。
色昇格演出において、宝卵482が発色演出では出現しない虹色で表示される場合がある。宝卵の色が虹色となった場合は、確変予定の特別遊技状態であることが確定し、また、色昇格演出後に実行される連結操作が可能な演出において、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を行えば、必ず宝卵482が割れる表示が行われる。このため、色昇格演出においても、連結操作が可能になる演出前に、確変予定の特別遊技状態であることを一定の割合で遊技者に知らせることができる。
連結操作が可能となる演出は、連結操作に基づいて、発色している宝卵482が割れた状態となるか割れずに縦横に伸縮するように振動した状態となることで現在実行中の特別遊技状態の種類を示すと共に、特典を付与する表示を行う演出(以下において、特典付与演出とも称す)である。
現在実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態であった場合、遊技者が左入力レバー810Lを位置XL5及び右入力レバー810Rを位置XR5まで移動させると、宝卵482が割れる又は上下左右に伸縮する表示が行われる。更に、双方の入力レバーを位置XCまで移動させると、遊技者による操作力に依らずに双方の入力レバーが固定される連結状態となる。双方の入力レバーの連結状態が解除されて、左入力レバー810Lが位置XLFに、右入力レバー810Rが位置XRFに戻る過程で、割れた宝卵482から特典ポイントを示すと共に現在の確率設定を示唆する宝483(図34参照)が出現する。
出現する宝483の大きさによって特典ポイントが示され、宝483の色によって確率設定が示唆される。例えば、宝483の大きさは、抽選によって決定され、特大であれば1000ポイント、大きければ500ポイント、小さければ300ポイントを獲得できる。また、宝483の色は、青色、緑色、赤色及び虹色から現在の確率設定ごとの抽選によって決定され、虹色の宝483の出現率が中間設定の場合(例えば、0.1%)や低設定(例えば、0.001%)の場合よりも高設定の場合(例えば、2%)が高く、青色の宝483の出現率は、高設定の場合(10%)や中間設定の場合(35%)よりも低設定の場合(例えば、60%)が高く設定されている。
また、宝卵482の出現後に、左可動部材10と右可動部材20とが動作するVを狙え演出が発生し、その後、特典領域409Vに遊技球が進入した場合には、それらの部材によるV入賞演出が実行される。
一方、現在実行中の特別遊技状態が時短予定の特別遊技状態であった場合、左入力レバー810Lを位置XL5及び右入力レバー810Rを位置XR5まで遊技者が移動させても宝卵482は割れず、上下左右に伸縮する表示が行われる。その後、双方の入力レバーを位置XCまで遊技者が移動させたとしても双方の入力レバーが連結状態とはならず、左入力レバー810Lが位置XLFに、右入力レバー810Rが位置XRFに戻る過程で、伸縮する宝卵482の表面に特典ポイントを示す情報が出現する。
また、発色演出において挟み操作を実行しない又は左入力レバー810Lを位置XL6及び右入力レバー810Rを位置XR6まで移動させなかった場合や、特典付与演出において連結操作をしない又は左入力レバー810Lを位置XL5及び右入力レバー810Rを位置XR5まで移動させなかった場合には、宝卵482は割れず、上下左右に伸縮もせずに、静止した表示が行われる。また、特典ポイントを示す情報や確率設定を示唆する情報は出現しない。このため、例えば、遊技を続行する時間を長く確保できず、特典ポイントを多量に残して遊技を止めなければならない状況や、確率設定が高いと判断できたにも関わらず遊技を止めなければならない状態や、近隣の遊技者に覗き見られて確率設定の高いことが他の遊技者に知られた状態で遊技を止めなければならない状況となることを抑制することができる。
また、特典ポイントを示す情報や確率設定を示唆する情報を出現させない場合、Vを狙え演出は実行されず、特典領域409Vに遊技球が進入した後の所定のタイミング(例えば、進入直後や第1ラウンドの終了時やエンディング中)で、左可動部材10と右可動部材20とが離間姿勢から近接姿勢への移動が実行される。このため、宝卵482が割れるか否かによってではなく、左可動部材10と右可動部材20との突然の動作によって現在実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態であることを遊技者に知らせることができる。これにより、確変予定の特別遊技状態であることを段階的に進展する演出によって知るか、突発的な演出によって知るかを、遊技者が選択することも可能になり、遊技者の多様な好みに適応した演出を実現することが可能になる。
発色演出の開始に伴い、可動表示装置480において、図52(A)の下段図に示すように、進行可能通路870を拡大した表示が行われる。この拡大された表示において、発色演出の実行期間に主人公キャラクタ861が滞在する発色演出通路874aと、発色演出通路874aから分岐し、色昇格演出の実行期間に主人公キャラクタ861が進行可能な4つの通路が表示される。この4つの通路は、発色演出において宝卵482が白色である場合に主人公キャラクタ861が進行する宝卵白色時通路874Wと、宝卵482が青色となった場合に進行する宝卵青色時通路874Bと、宝卵482が緑色となった場合に進行する宝卵緑色時通路874Gと、宝卵482が赤色となった場合に進行する宝卵赤色時通路874Rとで構成されている。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、宝卵青色時通路874Bの途中から宝卵青色時通路874BよりもV入賞期待度(確変予定の特別遊技状態である期待度)が高い宝卵緑色時通路874Gへ分岐したり、宝卵緑色時通路874Gの途中から宝卵緑色時通路874GよりもV入賞期待度の高い宝卵赤色時通路874Rへ分岐したりする色昇格演出通路874bが表示される。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、色昇格演出通路874bは、斜視に基づく傾斜よりも緩い傾斜で、宝卵青色時通路874Bと宝卵緑色時通路874Gとを接続し、また、宝卵緑色時通路874Gと宝卵赤色時通路874Rとを接続するように表示される。これにより、宝卵青色時通路874Bから宝卵緑色時通路874Gへの一方向、また、宝卵青色時通路874Bから宝卵緑色時通路874Gへの一方向へは進行するが、その逆へは進行しないことを示すことが可能となり、宝卵482の色がV入賞期待度の低い色へ降格しないことを示すことが可能になる。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、宝卵緑色時通路874Gから宝卵赤色時通路874Rへの色昇格演出通路874bの分岐位置が、宝卵青色時通路874Bから宝卵緑色時通路874Gへの色昇格演出通路874bの接続位置よりも、主人公キャラクタ861の進行方向の前方側に位置するように表示される。これにより、宝卵482が青色から緑色へ、更に、緑色から赤色へと、V入賞期待度が高まるように順次に変化する可能性があることを示すことが可能になる。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、宝卵青色時通路874Bと宝卵緑色時通路874Gと宝卵赤色時通路874Rとに接続され、殻割り演出の実行期間であって連結操作が可能な期間において主人公キャラクタ861が滞在する殻割り演出通路874cと、殻割り演出通路874cから分岐し、殻割り演出の結果に対応する3つの通路とが表示される。この3つの通路は、宝卵482が割れる表示が行われる場合に主人公キャラクタ861が進行する殻割れ通路874Kと、宝卵482は割れないが上下左右に伸縮する表示が行われる場合に主人公キャラクタ861が進行する殻割れず通路874Jと、宝卵482の割れも伸縮もなく静止した表示が行われる場合に主人公キャラクタ861が進行する殻割れなし通路874Lとで構成されている。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、殻割れず通路874J上には、特典ポイントを獲得できる特典が与えられることを示す情報(図中の黒塗り星印)が表示され、また、殻割り演出通路874c上には、特典ポイントを獲得できる特典と確率設定を示唆する情報を獲得できる特典との二重特典が与えられることを示す情報(図中の白抜き星印)が表示される。一方、殻割れなし通路874L上には、特典が与えられることを示す情報は表示されず、主人公キャラクタ861が殻割れなし通路874Lを進行した場合には、特典は与えられない。このように、特典に関する情報を識別可能に示すことで、殻割り演出の進行形態によって特典に優劣があることを、殻割り演出の開始前に遊技者に知らせることが可能になる。
殻割り演出により与えられる特典の相違が星印の塗りの相違で示される構成であるが、この構成に限らず、例えば、一重の星印と二重の星印とを用いたり、大きさの異なる星印を用いたりするなど、特典の差異を推測させ易い形態で示す構成としてもよい。また、特典ポイントを獲得できる情報に丸印を用い、確率設定を示唆する情報に三角印を用い、二重特典が与えられる場合には丸印と三角印とを重ねて又は並べて表示するなど、特典の差異を推測させ易い形態で示す構成としてもよい。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、主人公キャラクタ861は、実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態である場合には、主人公キャラクタ861が殻割れず通路874Jを進行することはなく、時短予定の特別遊技状態である場合には、殻割れ通路874Kを進行することはない。一方、主人公キャラクタ861は、確変予定の特別遊技状態であっても時短予定の特別遊技状態であっても殻割れ通路874Kを進行可能である。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、殻割れなし通路874Lには、発色演出通路874aと殻割れなし通路874Lとを接続し、宝卵482が白色から変化しない場合に主人公キャラクタ861が進行する宝卵白色時通路874Wが表示される。発色演出において遊技者が宝卵482を発色させる操作(左右の入力レバーを操作しない又は所定の圧迫配置まで移動させない場合)を行わなかった場合に、主人公キャラクタ861は、宝卵白色時通路874Wを進行する。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、発色演出において遊技者が左右の入力レバーを所定の圧迫配置よりも中央側の割れ可能配置まで移動させると、主人公キャラクタ861は、実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態である場合には、ジャンプして殻割れ通路874Kに進入する表示が行われる。一方、主人公キャラクタ861は、実行中の特別遊技状態が時短予定の特別遊技状態である場合には、ジャンプして殻割れず通路874Jに進入する表示が行われる。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、可動表示装置480において、殻割れ通路874Kに接続され、Vを狙え演出及びV入賞演出の実行期間において主人公キャラクタ861が滞在し、特典領域409Vへの遊技球の進入によって特別遊技状態後に確変遊技状態へ移行することが確定したことを知らせる確変告知通路874Vと、殻割れず通路874Jと殻割れなし通路874Lに接続され、確変予定の特別遊技状態であってもその旨を知らせない確変非告知通路874Xとが表示される。
また、可動表示装置480における拡大された表示において、発色演出において遊技者が左入力レバー810Lや右入力レバー810Rを所定の展張配置よりも端側の離別配置まで移動させると、主人公キャラクタ861は、実行中の特別遊技状態の種類によらず、殻割れ通路874Kや殻割れず通路874Jを超えてジャンプして、非分岐通路875における第2ラウンドの開始位置の手前の位置まで進行する表示が行われる。その後、第1ラウンドが終了するまで主人公キャラクタ861の進行を停止する表示が行われる。このため、可動表示装置480における表示によっては、実行中の特別遊技状態の種類は告知されず、遊技者は、第1の進展情報付き発展型演出の後に実行されるVを狙え演出やV入賞演出(表示部479aの主演出の表示や左可動部材10や右可動部材20の動作)の発生の有無によって、実行中の特別遊技状態の種類を知ることができる。
発色演出の開始に伴い、可動表示装置480において進行可能通路870が拡大されて表示されると共に、右上表示領域479Uにおける表示が参加種類の選択を示す表示(図51(G)参照)から、発色演出を含む殻割りミッション演出を示す新たな表示に切り替わる。右上表示領域479Uの新たな表示において、図52(B)に示すように、第1ラウンド開始情報891a(図中では「1R開始」との囲み文字)と、宝卵482が変化可能な進行位置印867と、進行位置印867の進行可能経路869と、発色演出において宝卵482が発色可能な色の分岐を示唆する発色演出情報895aと、色昇格演出において宝卵482が色の分岐を示す色昇格演出情報895bとが表示される。
発色演出情報895aとして、白色に対応する情報(図中では「白」との囲み文字)と発色可能な色に対応する情報(図中では「青緑赤」との囲み文字)が示される。発色可能な色に対応する情報は、白色に対応する情報を左側へ押し出そうとするかのように、発色演出情報895aを囲む枠内に対して左右に揺動する表示とされる。これにより、宝卵482が白色から青色、緑色又は赤色に変化可能な分岐を示唆することが可能になる。
また、発色演出情報895aとして、宝卵482の色によるV入賞期待度(確変予定の特別遊技状態である期待度)が示される。これにより、遊技者は、宝卵482がどのような色に発色可能で、V入賞期待度の高い色がどの色であるかを知ることが可能になる。
色昇格演出情報として、白色に対応する情報と共に、発色可能な各色に対応する情報(図中では「青」や「緑」や「赤」との囲み文字)が示される。色昇格演出情報において、各色に対応する情報は分岐する線分で順次に接続されている。これにより、遊技者は、宝卵482の色が所定の順序(V入賞期待度が上昇する順序)で変化可能なことを知ることが可能になる。
また、右上表示領域479Uの新たな表示において、発色演出情報895aや色昇格演出情報895bに加えて、殻割り演出の結果に対応する情報として、宝卵482の殻が割れる表示が行われる場合に対応する殻割れ情報897K(図中では「割れる」との囲み文字)と、宝卵482の殻が割れずに伸縮する表示が行われる場合に対応する殻割れず情報897J(図中では「割れずに伸縮」との囲み文字)と、宝卵482の殻が割られずに静止した表示が行われる場合に対応する殻割れなし情報897L(図中では「割れなし静止」との囲み文字)とが示される。
進行可能経路869の一部として、発色可能な各色に対応する情報と殻割り演出の各結果とを接続する分岐した線分が示される。これにより、遊技者は、宝卵482が発色したとしても3つの殻割り演出の結果のいずれも取り得ることを知ることが可能になる。
また、右上表示領域479Uにおいて、左入力レバー810L及び右入力レバー810Rに対する挟み操作と握り操作と連結操作とが順次に可能となることやそれらの操作が可能となる期間を示す情報(図中では期間を示す矢印)とが表示される。このため、遊技者に予め必要な操作やそのタイミングを知らせことが可能になる。これにより、遊技者は、慌てることなく、適宜に操作を切り替えながらタイミングを逃さずに各操作を実行することが可能になる。
また、右上表示領域479Uの新たな表示において、殻割り演出の結果に応じた特典の有無やその内容を示す特典情報が表示される。具体的には、特典情報として、宝卵482が割られずに静止した表示が行われる場合には特典が付与されないことを示す情報(図中では「特典なし」との囲み文字)と、宝卵482が割れずに伸縮する表示が行われる場合にはポイントが与えられることを示す情報(図中では「ポイント付与」との囲み文字)と、宝卵482が割れる表示が行われる場合には、ポイントと共に現在の確率設定を推測可能とする示唆が与えられることを示す情報(図中では「ポイント&設定示唆付与」との囲み文字)とが表示される。このため、殻割り演出の結果に応じた特典の有無やその差異を右上表示領域479Uに具体的に示すことで、可動表示装置480の表示を簡素な表示に留めることができる。
また、右上表示領域479Uの新たな表示において、進行可能経路869の一部として、発色演出情報895aと色昇格演出情報895bとを接続する線分の途中から分岐し、色昇格演出情報895bを経由せずに殻割れなし情報897Lに接続される経路が表示される。これにより、実行中の特別遊技状態が確変予定の特別遊技状態であるか時短予定の特別遊技状態であるかを確定させずに、第1の進展情報付き発展型演出を終了することも可能であることを遊技者に知らせることができる。
発色演出が開始されると、挟み操作の可能期間の開始に先立ち、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとが挟持配置に移動すると共に、表示部479aにおいて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとで宝卵482を圧迫する挟み操作を遊技者に促す情報(図49(C)参照:「左右のレバーで宝卵を挟め!」との文字)が表示される。
また、発色演出が開始されると、可動表示装置480において、図52(C)の上段図に示すように、主人公キャラクタ861が発色演出通路874aを進行する。主人公キャラクタ861は、進行可能通路870上を進行するように表示されるが、進行可能通路870が移動することで、可動表示装置480に対する主人公キャラクタ861の上下位置は位置YT2に、主人公キャラクタ861の左右位置は位置XTに維持される。
発色演出における挟み操作の可能期間が開始され、遊技者が各入力レバーを所定の圧迫位置まで移動すると、宝卵482が発色し、主人公キャラクタ861が宝卵白色時通路874Wよりも奥側に進行する。
例えば、宝卵482が緑色に発色した場合には、図52(C)の下段図に示すように、進行可能通路870を左斜め下側に移動させることで、主人公キャラクタ861の位置は、一点鎖線で示すように、発色演出通路874aにおいて宝卵緑色時通路874Gの延長上に対応する位置に変化する。また、主人公キャラクタ861の位置は、宝卵482が青色に発色した場合には、発色演出通路874aにおいて宝卵青色時通路874Bの延長上に対応する位置に変化し、宝卵482が赤色に発色した場合には、発色演出通路874aにおいて宝卵赤色時通路874Rの延長上に対応する位置に変化する。
宝卵482が発色した場合、主人公キャラクタ861が、宝卵482と同一の色に変化する表示が行われる。具体的には、主人公キャラクタ861は、宝卵482が緑色に発色した場合には、宝卵482の発色と同色の緑色に変化させて表示される。同様に、主人公キャラクタの色は、宝卵482が青色に発色した場合には青色に、宝卵482が赤色に発色した場合には赤色に変化させて表示される。これにより、主人公キャラクタ861の色によってもV入賞期待度を遊技者に知らせることが可能になる。
なお、主人公キャラクタ861の色を宝卵482の発色に応じた色に変化する構成であるが、この構成に限らず、宝卵青色時通路874Bを青色で、宝卵緑色時通路874Gを緑色で、宝卵赤色時通路874Rを赤色で表示する構成としてもよい。この構成とした場合、主人公キャラクタ861が進入した通路の色でV入賞期待度を遊技者に知らせることが可能になる。
宝卵482が緑色又赤色に発色した場合には、進行可能経路869の一部として、宝卵赤色時通路874Rから分岐し、殻割れ通路874Kと殻割れなし通路874Lとに接続される新たな通路が追加で表示される(図52(E)の上段図参照)。具体的には、新たな通路として、宝卵赤色時通路874Rよりも奥側に位置する確変確定演出通路874dと、宝卵緑色時通路874Gから宝卵赤色時通路874Rへの色昇格演出通路874bよりも右側において宝卵赤色時通路874Rから分岐する色昇格演出通路874bとが表示される。また、新たな通路として、確変確定演出通路874dに接続され、殻割り演出通路874cに対応する殻割り連絡通路874eと、殻割り連絡通路874eから分岐して殻割れ通路874Kに接続される殻割れ連絡通路874fと、殻割り連絡通路874eから分岐して殻割れなし通路874Lに接続される殻割れなし連絡通路874gとが表示される。この新たな通路は、宝卵482が虹色に発色した場合に、主人公キャラクタ861が進行可能となる通路である。宝卵482が虹色に発色した場合は、赤色よりもV入賞期待度が高く確変予定の特別遊技状態であることが確定する設定としているため、進行可能通路870に新たな分岐を追加するように表示を変更することで、更なるチャンスアップ演出を実行することが可能になる。
主人公キャラクタ861が確変確定演出通路874dに進入した場合(宝卵482が虹色に発色した場合)、主人公キャラクタ861が殻割れず通路874Jに進入することはなく、殻割り演出において遊技者が連結操作を行った場合には主人公キャラクタ861が殻割れ通路874Kに進入する表示が行われ、連結操作を行わなかった場合には殻割れなし通路874Lに進入する表示が行われる。
なお、発色演出において宝卵482が所定以上のV入賞期待度に対応する複数の色(緑色又は赤色)に発色した場合に進行可能通路870の一部として新たな分岐を追加する構成であるが、宝卵482が発色演出において発色可能な色のうちV入賞期待度が最も高い色(赤色)に発色した場合に、進行可能通路870の一部として新たな分岐を追加する構成としてもよい。また、発色演出中に進行可能通路870の一部として新たな分岐を追加する構成であるが、発色演出後、例えば、色昇格演出の開始時や色昇格演出中に進行可能通路870の一部として新たな分岐を追加する構成としてもよい。
なお、宝卵482が所定以上のV入賞期待度に対応する複数の色(緑色又は赤色)に発色した場合に新たな分岐を追加する構成であるが、宝卵482が発色演出において発色可能な色のうちV入賞期待度が最も高い色(赤色)に発色した場合に、新たな分岐を追加する構成としてもよい。また、発色演出中に進行可能通路870の一部として新たな分岐を追加する構成であるが、発色演出後、例えば、色昇格演出の開始時や色昇格演出中に新たな分岐を追加する構成としてもよい。
また、発色演出が開始されると、右上表示領域479Uにおいて、図52(D)に示すように、第1ラウンド開始情報891aから発色演出情報895aに向けて進行位置印867が進行する表示が行われる。進行位置印867は、進行可能経路869上を進行するように表示されるが、進行可能経路869を移動させることで、進行位置印867の上下位置は位置YU2に、進行位置印の左右位置は位置XU2に維持される。
進行位置印867は、進行可能経路869上を一定の速度で下方側へ進行する。これにより、挟み操作や握り操作や連結操作の可能期間の開始時期や終了時期を遊技者にとって推測し易くすることが可能になる。
進行位置印867が発色演出情報895aを囲む枠内を進行する場合、図52(D)に示すように、進行位置印867の進行に伴って、宝卵482の色に関する情報(「白」との囲み文字や「青緑赤」との囲み文字)が枠内で下方側へ移動する。また、宝卵482の色に関する情報が移動を開始すると、V入賞期待度に関する情報は表示されなくなる。
宝卵482が発色すると、発色前の白色に対応する情報が表示されなくなり、その情報が表示されていた位置に、発色後の宝卵482の色に対応する情報が表示される(図52(F)参照)。また、宝卵482が緑色又は赤色に発色した場合には、図52(D)に一点鎖線で示すように、色昇格演出情報895bにおいて昇格可能な色として虹色に対応する情報(図中の「虹」との囲み文字)と、進行可能経路869の一部として赤色に対応する情報からの分岐する新たな経路とが追加で表示される。これにより、進行可能経路869の一部として新たな分岐を追加するように表示を変更することで、進行可能経路869の一部として新たな通路を追加する場合について説明したのと同様に、右上表示領域479Uにおいてもチャンスアップを示す演出を実行することが可能になる。なお、右上表示領域479Uにおける進行可能経路869の一部として新たな分岐を追加するように表示を変更する条件や時期については、可動表示装置480において進行可能経路869の一部として新たな分岐を追加するように表示を変更する場合で説明した各種の変化形態を適用することができる。
挟み操作の可能期間が終了すると、色昇格演出情報895bにおける発色した宝卵482の色に対応する情報が進行位置印867の下方に位置するように、色昇格演出情報895bの位置が調整される。例えば、宝卵482が緑色に発色した場合には、緑色に対応する情報(「緑」との囲み文字)が進行位置印867の下方に位置するように、色昇格演出情報895bが枠ごと左側に移動する。また、宝卵482が青色に発色した場合には、色昇格演出情報895bの位置は変化せず、赤色に発色した場合には、色昇格演出情報895bが緑色に発色した場合よりも左側に移動する。
色昇格演出が開始されると、握り操作の可能期間の開始に先立ち、表示部479aにおいて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとに対する握り操作を遊技者に促す情報(図49(C)参照:「左右のレバーを握れ!」との文字)が表示される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの握り操作について、図41(C)等を参照して説明した殻割りミッション演出における握り操作と同じ操作であるため、重複する説明は省略する。
また、色昇格演出が開始されると、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が、発色演出において発色した宝卵482の色に対応して、宝卵青色時通路874B、宝卵緑色時通路874G又は宝卵赤色時通路874Rを進行する。例えば、発色演出において宝卵482が緑色に発色した場合には、図52(E)の上段図に示すように、宝卵緑色時通路874Gを進行する。
主人公キャラクタ861が宝卵青色時通路874B、宝卵緑色時通路874G又は宝卵赤色時通路874Rの進行を開始する場合に、主人公キャラクタ861の表示が、発色演出通路874aを進行する場合に比べて巨大化した表示に変更される。このため、主人公キャラクタ861の歩幅が大きく、進行速度が速くなることを遊技者に示唆することが可能になる。これにより、色昇格演出において主人公キャラクタ861が進行する通路(宝卵緑色時通路874G等)の左右方向の長さが発色演出通路874aの約3倍に表示されているものの、色昇格演出が実行される時間(概ね握り操作の可能期間)が発色演出の実行された時間(概ね挟み操作の可能期間)の約3倍(通路の長さに比例する倍数)よりも短くなるであろうと遊技者に推測させ、握り操作の可能期間の開始時期や継続時間を把握し易く表示している右上表示領域479Uの表示に遊技者の注意を向け易くすることが可能になる。
握り操作の可能期間が開始され、遊技者による握り操作に基づいて宝卵482の色の昇格が発生した場合、主人公キャラクタ861が色昇格演出通路874bを通して奥側の通路に進入し、進入した通路に沿って進行を続ける表示が行われる。例えば、緑色から赤色に変化した場合には、図52(E)の上段図に示すように、宝卵緑色時通路874Gと宝卵赤色時通路874Rとを接続する色昇格演出通路874bを通して、宝卵緑色時通路874Gに沿って進行していた実線で示す主人公キャラクタ861が、一点鎖線で示すように、宝卵赤色時通路874Rに進入し、その後、宝卵赤色時通路874Rに沿って進行する表示が行われる。
色昇格演出の開始時に宝卵482の色が緑色又は赤色である場合には、虹色まで昇格する可能性がある設定とされている。宝卵482の色が虹色まで昇格した場合には、宝卵赤色時通路874Rの途中から更に奥側へ分岐する色昇格演出通路874bを通して、主人公キャラクタ861が宝卵虹色時通路874Sに進入する表示が行われる。
また、色昇格演出が開始されると、右上表示領域479Uにおいて、図52(F)に示すように、進行位置印867が色昇格演出情報895bを囲む枠内における進行可能経路869を進行する。進行位置印867は、進行可能経路869を進行するように表示されるが、進行可能経路869を移動させることで、進行位置印867の上下位置は位置YU2に、進行位置印867の左右位置は位置XU2に維持される。
色昇格演出情報895bの枠内における進行位置印867の進行に伴って、宝卵482の色に関する情報(「青」や「緑」や「赤」との囲み文字:表示されている場合には「虹」との囲み文字も)が色昇格演出情報895bを囲む枠内で下方側へ移動する。
殻割り演出が開始されると、連結操作の可能期間の開始前に、表示部479aにおいて、左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作を遊技者に促す情報(「左右のレバーを連結しろ!」との文字:図示せず)が表示される。左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作について、図41(D)を参照して説明した殻割りミッション演出における連結操作と同様の操作であるため、重複する説明は省略する。
また、殻割り演出が開始されると、可動表示装置480において、色昇格演出後の宝卵482の色が青色、緑色又は赤色である場合には、図52(E)の下段図に示すように、主人公キャラクタ861が殻割り演出通路874cを進行する表示が行われる。一方、色昇格演出後の宝卵482の色が虹色である場合には、主人公キャラクタ861が確変確定演出通路874d(図52(E)上段図参照)を進行する表示が行われる。主人公キャラクタ861は、進行可能通路870上を進行するように表示されるが、進行可能通路870を移動させることで、主人公キャラクタ861の上下方向の位置は位置YU2に、主人公キャラクタ861の左右方向の位置は位置XU2に維持される。
また、殻割り演出が開始されると、主人公キャラクタ861が殻割り演出通路874cや確変確定演出通路874dの進行を開始する場合に、主人公キャラクタ861の表示が矮小化されて元の表示に変更される。これにより、主人公キャラクタ861の進行速度も発色演出通路874aを進行する場合と同一の速度に戻る。
また、殻割り演出が開始されると、右上表示領域479Uにおいて、図52(F)に二点鎖線で示すように、進行位置印867が色昇格演出情報895bの下端から下方側へ進行する表示が行われる。進行位置印867は、連結操作の可能期間が終了した後に、色昇格演出情報895bからの分岐先である殻割れ情報897K、殻割れず情報897J又は殻割れなし情報897Lに到達する。進行位置印867は、進行可能経路869上を進行するように表示されるが、進行可能経路869を移動させることで、進行位置印867の上下位置は位置YU2に、進行位置印867の左右位置は位置XU2に維持される。
上記のパチンコ機100であれば、色昇格演出における宝卵482が発色する否かを示す演出(握り操作が可能な期間)から宝卵482の最終的な色を示す複数種類の結果演出(青、緑色、赤色、虹色)への演出の分岐に関して、当該演出の分岐に対応する分岐を含む色昇格演出通路874bに沿って現時点を示す主人公キャラクタ861を進行させる表示を、可動表示装置480で実行することによって、宝卵482の最終色が判明する時期を遊技者に推測させ易くすることが可能になる。なお、他の演出の分岐についても同様である。
また、主人公キャラクタ861が、宝卵482の最終的な色が示される分岐時期(握り操作が可能な期間の終了タイミング)へ近づく表示において、主人公キャラクタ861の上下方向及び左右方向における位置を変化させないことで、注目すべき箇所を絞り、分岐可能な演出の進行を遊技者に把握させ易くすることが可能になる。なお、他の演出の分岐についても同様である。
また、主人公キャラクタ861を遊技者にとって有利な結果となる期待度が異なる複数種類の大きさで表示することで、主人公キャラクタ861の大きさの相違によって、遊技者にとって有利な結果(宝卵482が虹色や赤色)となる期待度を遊技者に示唆することが可能になると共に、色昇格演出通路874bの長さが時間に比例する長さに設定されていないことによる分岐時期のずれに遊技者の注意を惹くことが可能になる。これにより、遊技者は、バトル演出中に期待度の変化も楽しみつつ宝卵482の最終的な色が判明するタイミングを迎え、宝卵482の色の変化を見逃すことなく見守ることが可能になる。
ここで、遊技球の所定の領域への進入に伴って進行する演出について、図53を参照して説明する。以下において、所定の領域としての上大入賞装置434や下大入賞装置433へ遊技球が進入(以下において、大入賞とも称す)した場合を一例として説明する。図53は、所定の条件の成立(大入賞)に応じて進行する演出の推移を示す説明図である。図53(A)及び図53(B)が、各ラウンドにおける規定数の最後に対応する遊技球の大入賞に伴う演出を示し、図53(C)が、発展型演出が発生しないラウンド(例えば、第2ラウンド)における遊技球の大入賞に伴う演出を示す。
第1ラウンドにおいて、規定数(例えば、10球)の最後に対応する遊技球の大入賞(以下において、規定最終大入賞とも称す)は、可動表示装置480において主人公キャラクタ861が確変告知通路874V又は確変非告知通路874Xを進行している場合に発生する。
規定最終大入賞が発生すると、可動表示装置480において、図53(A)に示すように、主人公キャラクタ861がジャンプして第2ラウンドの開始位置まで進行する表示が行われる。これにより、遊技者は、第1ラウンドにおいて既定数の遊技球が上大入賞装置434や下大入賞装置433に入賞したことを知ることが可能になる。
主人公キャラクタ861がジャンプして進行する表示において、進行可能通路870や各ラウンドの識別情報が左側に移動しながら一旦下側に移動した後に上側に移動することで、主人公キャラクタ861の上下方向の位置も左右方向の位置も変化しない。主人公キャラクタ861が通常の歩行姿勢とは異なるジャンプ姿勢をとることで、姿勢を変化させない場合に比べて、規定最終大入賞に伴う主人公キャラクタ861の進行を目立たせることが可能になる。
また、規定最終大入賞が発生すると、可動表示装置480において拡張表示が行われている場合には、可動表示装置480の表示が基本表示に変更される。具体的には、可動表示装置480の表示が拡張表示で実行されている第1ラウンドにおいて、規定最終大入賞の発生後に、図53(B)に示すように、可動表示装置480の表示が基本表示による表示に戻る。
可動表示装置480において、ラウンド識別情報は、遊技球の流下に伴う所定の条件の成立によって表示形態を変化可能に設定されている。具体的には、各ラウンドにおいて規定数を超えて大入賞が発生すると、ラウンド識別情報を示す旗が、はためく表示に変更される。例えば、第1ラウンドにおいて規定数を超えて大入賞が発生した場合、図53(A)に一点鎖線で示すように、第1ラウンド識別情報863aを示す旗が、はためく表示に変更される。これにより、規定数を超える遊技球の大入賞がなされたこと(予定数よりも多くの遊技球を獲得できたこと)を履歴として残すことが可能になる。
進展情報付き発展型演出が実行されないラウンド、例えば、図53(B)及び(C)に示す第2ラウンドにおいて、当該ラウンドの実行期間に亘って、可動表示装置480における進展情報は、基本表示形態で表示される。図53(C)においては、図53(B)に示す第2ラウンドの開始から5球の遊技球が大入賞した場合が示されている。当該ラウンドでは、遊技球の大入賞ごとに、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が進行していく表示が行われる。具体的には、遊技球の大入賞ごとに、図53(C)に示すように、第1ラウンド識別情報863aと第2ラウンド識別情報863bとの間隔を規定数(10球)で割った距離(短い小矢印の長さ)だけ、進行可能通路870が左側に移動する表示が行われる。このため、主人公キャラクタ861は、第2ラウンドにおいて、上下方向及び左右方向の位置を変化させることなく、進行可能通路870に沿って断続的に進行する形態で表示される。
基本表示形態で表示される第2ラウンドで規定最終大入賞が発生すると、拡張表示形態で表示される第1ラウンドの場合と同様に、進行可能通路870等が左側に移動しながら一旦下側に移動した後に上側に移動する表示が行われる。これにより、可動表示装置480に対する主人公キャラクタ861の上下方向及び左右方向の位置を変化させることなく、主人公キャラクタ861が進行可能通路870に対して上方にジャンプして進行する表示を実行できる。
なお、主人公キャラクタ861の進行状況によって上大入賞装置434や下大入賞装置433への遊技球の入賞数を遊技者に知らせることが可能な構成であるが、この構成に限らず、これに代えて又は加えて、主人公キャラクタ861の表示形態を変化させてラウンドの残り時間や最大継続時間に対する残り時間の割合を知らせる構成としてもよい。例えば、主人公キャラクタ861の色や模様を変化させる構成や、焦りを感じているかのように主人公キャラクタ861が周りを見わたすなどの動作の頻度を変化させる構成や、主人公キャラクタ861が残り時間を記したプラカードを掲げるなど主人公キャラクタ861の所持物を変化させる構成としてもよい。
次に、第2の進展情報付き発展型演出について、図54を参照して詳細に説明する。第2の進展情報付き発展型演出は、演出の発展先を遊技者の操作に依らずにプログラムに基づいて自動で選択する発展型演出に対して、進展情報を追加した演出である。第2の進展情報付き発展型演出は、全ての種類の特別遊技状態で発生する第4ラウンド(最短の継続ラウンド数の特別遊技状態における最終ラウンドが4ラウンドに設定されている)において実行される。図54は、進展情報付き発展型演出であって演出の発展先を遊技者の操作に依らずに選択する演出の推移を示す説明図である。図54(A)が、第4ラウンドにおいて5球目の遊技球の大入賞が発生した場合を示し、図54(B)が、第4ラウンドにおいて上大入賞装置434に9球目の遊技球の大入賞が発生するまでの待機状態を示し、図54(C)及び(D)が、規定最終大入賞が発生した場合を示している。
第2の進展情報付き発展型演出は、5ラウンド以上継続の特別遊技状態である場合に、あたかも4ラウンド継続の特別遊技状態から昇格したかのように見せるラウンド延長演出として実行される。
第2の進展情報付き発展型演出は、遊技球の流下に基づく所定の条件が成立した場合に実行される。具体的には、遊技球の流下に基づく所定の条件は、第4ラウンドにおける5球目の遊技球の大入賞することとされ、この条件(以下において、開始条件とも称す)が満たされた場合に、第2の進展情報付き発展型演出が開始される。
第2の進展情報付き発展型演出において、ラウンドの延長可否を告知するパターンとして、10球目の遊技球が大入賞(規定最終大入賞)した場合に、遊技者による左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとに対する連結操作に基づきラウンドの延長を告知するパターン(以下において、操作後告知パターンとも称す)が設定されている。また、6球目、7球目又は8球目の遊技球が大入賞した場合に、遊技者による連結操作を要求せずにラウンドの延長可否を告知するパターン(以下において、非操作告知パターンとも称す)が設定されている。また、操作後告知パターンでは、連結操作に成功してラウンドの延長が告知される場合と、連結操作に一旦失敗するがその後にラウンドの延長が告知される場合とが設定されている。すなわち、複数の告知パターンが設定されている。
第2の進展情報付き発展型演出が開始されると、可動表示装置480において、図54(A)に示すように、主人公キャラクタ861とは異なる味方キャラクタ865が右端から登場し、図54(B)に示すように、エンディング識別情報864が設けられた位置まで移動する表示が行われる。
味方キャラクタ865は、進行可能通路870において第4ラウンド識別情報863dの右側(未来側)にエンディング識別情報864が設けられているものの、エンディング識別情報よりも右側にはラウンド識別情報が設けられておらず、第4ラウンドに引き続きエンディングが実行される予定であることを示す表示がなされている状態で登場する。
味方キャラクタ865は、第5ラウンドに対応するラウンド識別情報(以下において、第5ラウンド識別情報863eとも称す)を掲げて登場する。このため、第4ラウンドの次にエンディングではなく、第5ラウンドが実行される可能性を示唆することが可能になる。これにより、遊技者は、第4ラウンドの終了時を分岐時期として、第4ラウンドで終了するか第5ラウンド以上に延長されるかの分岐があることを知ることが可能になる。
登場した味方キャラクタ865は、エンディング識別情報864が設けられた位置まで移動する。その後は、進行可能通路870やエンディング識別情報864と共に、大入賞ごとに、主人公キャラクタ861に近づくように移動する。
エンディング識別情報864が設けられた位置に味方キャラクタ865が到達すると、図54(C)に示すように、右上表示領域479Uにおける表示が開始される。右上表示領域479Uにおいて、エンディング識別情報864が設けられた開始予定位置で味方キャラクタ865が待機していることを示す情報(図中の「味方待機」との文字:以下において、味方待機情報とも称す)が表示される。また、遊技者による左右の入力レバーに対する連結操作の準備として各入力レバーが表示部479aの前方側の所定の配置(例えば、位置XL8及び位置XR8:以下において、準備配置とも称す)に自動的に移動することを示す連結準備情報(図中の「レバー移動」との文字)が表示される。
主演出にての演出の分岐の時期に近づくことを遊技者が視認可能な表示が行われる。具体的には、進行可能経路869を下方側へ移動させることで、進行位置印867を進行可能経路869に沿って進行させる表示が行われる。また、進行可能経路869上の各種の分岐点では、進行位置印867が、下方側へ進行しつつ左右方向へ進行する表示が行われる。これにより、遊技者は、進行可能経路869上での進行位置印867の上下方向の位置の変化によって、各種の分岐に近づいていることを知ることが可能になる。
また、右上表示領域479Uにおいて、連結準備情報899Pから下方に延びる経路(進行可能経路869の一部)と、準備配置に移動させた左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとを両端配置(位置XLF及び位置XRF)に戻し、各入力レバーの準備を解消することを示す情報(図中の「レバー復帰」との文字:以下において、準備解消情報899Rとも称す)とが表示される。
右上表示領域479Uにおいて、右上表示領域479Uの表示が開始された直後は、第2の進展情報付き発展型演出の分岐形態の一部しか表示されず、破線で示す残りの分岐は表示されない。また、進行位置印867の進行は、進行可能経路869の下方や左右方向の移動によって、上下方向及び左右方向の位置を移動することなく、進行可能経路869に沿って進行する形態で表示される。このため、進行位置印867の進行に伴って、開始直後には表示されていない分岐であっても徐々に表示することができ、開始直後から全ての分岐を表示する場合に比べて、各分岐を広い範囲で表示することが可能になる。これにより、直近の分岐に関する時期や分岐を大きく表示してそれらを遊技者に把握させ易くすることが可能になる。
また、右上表示領域479Uにおいて、遊技者による左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの連結操作の開始時期を示す連結開始情報899C(図中の「連結開始」との囲み文字)は、右上表示領域479Uの表示が開始された直後には表示されないが、各入力レバーが所定の準備配置に移動し、進行位置印867が連結準備情報899Pの下端に到達した場合には、連結開始情報899Cの全体が表示される。このため、右上表示領域479Uの表示が開始された直後に直近の分岐に関する分岐先の一部分しか表示されていなかったとしても、その分岐先の全体を分岐時期よりも前に知らせることができる。
なお、進行位置印867が連結準備情報899P下端に到達した場合に、連結開始情報899Cの全体が表示される構成であるが、この構成に限らず、連結開始情報899Cから下方に延びる経路における最初の分岐点に到達する前に、連結開始情報899Cの全体が表示される構成としてもよい。
6球目の遊技球が大入賞した場合、右上表示領域479Uにおいて、図54(C)に一点鎖線で示すように、進行位置印867が第1番目の分岐点に進行する表示が行われる。進行位置印867は、操作後告知パターンが選択されている場合には、7球目の遊技球が入賞するまで第1番目の分岐点に留まるとともに分岐点に達してことを遊技者に対して認識させるために進行位置印867の表示が黒丸点灯表示から黒丸点滅表示に切り替えられ、6球目の大入賞に伴う非操作告知パターンが選択されている場合には、更に準備解消情報899Rまで進行する表示が行われる。同様に、進行位置印867が分岐点に停留している状態で7球目や8球目の遊技球が大入賞した場合、進行位置印867が次の分岐点に進行し、分岐点に達した場合には遊技者に対して分岐点に達したことを認識させるために進行位置印867の表示が黒丸点灯表示から黒丸点滅表示に切り替えられ、また、7球目や8球目の入賞に伴う非操作告知パターンが選択されている場合には、更に準備解消情報899Rが付された経路上に進行位置印867が進行する表示が行われる。なお、分岐点に達したことを遊技者に対して認識させる表示態様として、進行位置印867の表示態様を黒丸点灯表示から黒丸点滅表示に切り替えるように構成していたが、進行位置印867の表示を拡大する、黒丸を赤丸にする、丸形状を星形に変更する等するようにしてもよい。また、分岐点に達した場合にそれまでとは異なる音楽としてもよいし、分岐点に達したタイミングにて音声を出力するようにしてもよい。
非操作告知パターンが選択されており、進行位置印867が準備解消情報899Rに到達すると、左右の入力レバーが準備配置から両端配置に移動する。左右の入力レバー810が両端配置に戻ると、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861がエンディング識別情報864と第6ラウンド識別情報863fとを交互に上げ下げして、最終的に、いずれか一方の識別情報を掲げて表示領域外へ消え去る動作が表示される。このとき、エンディング識別情報864が設けられていた位置に、第6ラウンド識別情報863fが残されることで、実行中の特別遊技状態が5ラウンド以上継続する特別遊技状態であることが告知され、エンディング識別情報864が残されることで、4ラウンド継続する特別遊技状態であることが告知される。
操作後告知パターンが選択されている場合に、上大入賞装置434に9球目の遊技球が入賞すると、図54(C)に二点鎖線で示すように、進行位置印867が第3番目の分岐点から所定の間隔(分岐点の間隔と同一の間隔)だけ連結開始情報899Cに近づいた位置に進行する表示が行われる。その後、上大入賞装置434に10球目の遊技球が入賞すると、進行位置印867が連結開始情報899Cに到達し、表示部479aの主演出の表示部分に、左右の入力レバー810に対する連結操作を促す情報(図示せず)が表示される。
上大入賞装置434に10球目の遊技球が入賞してから所定の時間(例えば、0.5秒)後に、遊技者による連結操作が所定の期間(例えば、2.0秒)に亘り可能となる。
連結操作の可能期間の長さは、第2の進展情報付き発展型演出の開始(5球目の入賞)に基づいて味方キャラクタ865が出現してから連結操作が開始(10球目の入賞)されるまでの時間(遊技球の発射間隔の5倍)よりも短く設定されている。
遊技者による連結操作によって左右の入力レバー810が中央配置に移動すると、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が味方キャラクタ865の補助を受けて、進行可能通路870に対してジャンプして進行する動作が表示される。このとき、進行可能通路870が左側に移動しながら、一旦、図54(D)に示すように下側に移動した後に、図54(E)に示すように上側に移動することで、主人公キャラクタ861の上下左右方向の位置を変化させずに、主人公キャラクタ861がジャンプしてエンディング識別情報864が設けられた位置まで進行する表示が行われる。
自動発展型演出の開始(5球目の大入賞)に基づいて味方キャラクタ865が出現してから連結操作が開始(10球目の大入賞)されるまでの演出時間YUbは、連結操作が要求されないことが確定する左入力レバー810Lと右入力レバー810Rとの両端配置への復帰が開始(8球目の大入賞)されるまでの演出時間YUaよりも長く設定されている。
また、両入力レバーが中央配置に移動すると、右上表示領域479Uにおいて、進行位置印867が、左右の入力レバー810が磁気的に吸着された連結状態となることを示す成功情報897S(図中の「成功」との囲み文字)、又は、左右の入力レバー810が連結状態とならないことを示す失敗情報897F(図中の「失敗」との囲み文字)に進行する。
主人公キャラクタ861は、実行中の特別遊技状態が5ラウンド以上継続する特別遊技状態である場合に、所定の割合(例えば、20%)で発展型演出の実行されないラウンドでの規定最終大入賞に伴うジャンプの場合と同じ高さYCbでジャンプし、残りの割合(例えば、80%)で高さYCbよりも高い高さYCaでジャンプする。一方、実行中の特別遊技状態が4ラウンド継続の特別遊技状態である場合には、主人公キャラクタ861は、必ず高さYCbでジャンプする。これにより、主人公キャラクタ861が高さYCaでジャンプすることで、実行中の特別遊技状態が5ラウンド以上継続する特別遊技状態であることが告知される。一方、主人公キャラクタ861が高さYCaでジャンプした場合には、このジャンプによっては、5ラウンド以上継続する特別遊技状態であるか4ラウンド継続の特別遊技状態であるかの判別ができず、ジャンプ後の味方キャラクタ865の動作によって判別が可能になる。
主人公キャラクタ861が高さYCaでジャンプした場合、進行可能通路870やエンディング識別情報864等の各種の識別情報は、一時的に表示領域外に移動して表示されなくなった後に再度表示される。それらが再度表示された場合、右上表示領域479Uにおいて、エンディング識別情報864が設けられていた位置には、エンディング識別情報864に代えて第5ラウンド識別情報863eが設けられ、味方キャラクタ865がエンディング識別情報864を掲げて右側に移動し、表示領域内に表示されなくなる表示が行われる。また、味方キャラクタ865が通りすぎると、第5ラウンド以降の一部のラウンドに対応する識別情報(図中においては一点鎖線で示す第6ラウンド識別情報863f及び第7ラウンド識別情報863g)が新たに表示される。
主人公キャラクタ861が高さYCbでジャンプした場合、ジャンプ後に、右上表示領域479Uにおいて、味方キャラクタ865が第5ラウンド識別情報863eを掲げて左側への移動を開始する表示が行われる。4ラウンド継続の特別遊技状態である場合には、味方キャラクタ865がそのまま表示領域外に移動して表示されなくなる表示が行われる。一方、5ラウンド以上継続の特別遊技状態である場合には、味方キャラクタ865が左側へ移動するものの右側へ引き返し、図54(E)に示すように、エンディング識別情報864を第5ラウンド識別情報に取り替え、また、後続のラウンドに対応する識別情報(図中では、第6ラウンド識別情報863f及び第7ラウンド識別情報863g)を設けた後に、表示領域外に移動して表示されなくなる表示が行われる。
第2の進展情報付き発展型演出では、主人公キャラクタ861が分岐時期に到達した場合に、主人公キャラクタ861のジャンプの高さにより表示されなくなる表示が行われるものであったが、これに代えて主人公キャラクタ861が進行可能通路870から離れるように表示領域がへ移動して所定の表示態様となった後に表示されなくなるようにしてもよい。
次に、第3の進展情報付き発展型演出について、図55~図60を参照して説明する。第3の進展情報付き発展型演出は、所定の図柄(例えば、装飾図柄や第1特別図柄や第2特別図柄)に対する変動表示の保留状態を先読みし、当該保留状態に応じて実行される演出である。この演出を、以下において「保留先読み発展型演出」とも称す。ここで、変動表示とは、所定の図柄が、停止している状態から循環的に変化する状態となり、最終的に所定の抽選(例えば、上述の第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選)の結果に応じた図柄で停止する状態となる一連の表示である。また、変動表示の保留状態とは、例えば、実行が保留された変動表示の回数(保留回数)や、保留された各変動表示に対応する抽選結果などで特定される状態である。
変動表示の演出において変動表示と共に変動表示に付随する演出が実行され、変動表示に付随する演出として特定の演出(例えば、プレミアム演出)が出現可能に設定とされている。また、特定の演出が出現する出現率は変更可能に構成されており、保留先読み発展型演出は、特定の演出の出現率が変更された否かを遊技者に知らせる演出として用いられる。
具体的には、大当りとなる変動表示に付随する演出としてプレミアム演出が出現する場合の出現率は、2種類(例えば、0.01%と0.1%)設定されている。また、特別遊技状態においてプレミアム演出の出現率を高めるか否かが抽選によって決定され、保留先読み発展型演出は、この抽選に基づきプレミアム演出の出現率が高まる特典(以下において、プレミアム率アップ特典とも称す)を獲得したか否かを遊技者に知らせる。
プレミアム率アップ特典の対象となる変動表示は、特別遊技状態の終了時に保留されている変動表示であって、大当りとなる変動表示としている。なお、プレミアム率アップ特典の対象となる変動表示は、特別遊技状態の終了時に保留されている変動表示であるが、これに限らず、一定時間(例えば、10分)内に実行される変動表示や、特別遊技状態の終了から一定回数(例えば、50回)までの変動表示や、次回の大当りまでの変動表示や、特別遊技状態の終了時に移行した時短遊技状態や確変遊技状態が終了するまでの期間内に実行される変動表示を当該特典の対象とする構成としてもよい。
保留先読み発展型演出は、特別遊技状態の開始時に変動表示の保留がある場合に、抽選によって決定されたラウンドにおいて実行される。また、保留先読み発展型演出は、単一のラウンドで又は連続する複数のラウンドを跨いで実行される。
保留先読み発展型演出を開始するラウンドは、特別遊技状態の継続ラウンド数と、特別遊技状態の開始時に保留されている変動表示の保留状態とに基づいて決定される。具体的には、特別遊技状態の開始時に保留されている変動表示として確変大当りや時短大当りとなる変動表示が含まれている場合には、保留先読み発展型演出を開始するラウンドとして遅いラウンドが選択され易く設定されている。このため、保留先読み発展型演出がいずれのラウンドで開始されるかによって、特別遊技の開始時に保留されている変動表示として大当りとなる変動表示が含まれているか否かを示唆することが可能になる。
なお、保留先読み発展型演出が開始されるラウンドが継続ラウンド数に加えて変動表示の保留状態に依存して決定される構成であるが、この構成に限らず、開始されるラウンドに代えて又は加えて、保留先読み発展型演出の内容を変動表示の保留状態に応じた選択条件によって決定される構成としてもよい。保留先読み発展型演出が開始されるラウンドは、変動表示の保留状態に依存せず、継続ラウンド数のみに基づいて依存して決定される構成としてもよい。また、変動表示の保留状態に、代えて又は加えて、他の条件(例えば、特別遊技状態の後に移行する遊技状態や、前回の特別遊技状態から今回の特別遊技状態となるまでの変動表示の回数など)に依存して決定される構成としてもよい。
保留先読み発展型演出は、優先度が高く設定された演出が実行されるラウンド以外のラウンドにおいて実行可能としている。例えば、優先度が高く設定された演出としては、実行特別遊技状態の種類を示唆又は告知する演出(第1の進展情報付き発展型演出)やラウンドの延長可否に関する演出(第2の進展情報付き発展型演出)が挙げられる。具体的には、保留先読み発展型演出は、第1の進展情報付き発展型演出が実行される第1ラウンドと第2の進展情報付き発展型演出が実行される第4ラウンド以外のラウンドにおいて実行される。保留先読み発展型演出が開始されるラウンドの選択方法の詳細については、保留先読み発展型演出の説明後に説明する。
保留先読み発展型演出には、演出時間の長さが異なる複数種類の継続タイプが設定されており、保留先読み発展型演出を開始するラウンドとして優先演出ラウンドの直前のラウンドが選択された場合には、演出時間の短い継続タイプが選択される。
保留先読み発展型演出は、特別遊技状態の開始時に変動表示の保留がない場合であっても、特別遊技状態において変動表示の保留が生じた場合には、保留が生じた際に実行中のラウンドよりも後のラウンドで実行可能としている。具体的には、実行中の特別遊技状態の最終ラウンドにおいて実行される。
また、保留先読み発展型演出は、特別遊技状態において一度保留先読み発展型演出が実行された後に変動表示の保留が増加した場合にも、保留が増加した際に実行中のラウンドよりも後のラウンドにて追加で実行可能としている。具体的には、実行中の特別遊技状態の最終ラウンドで実行される。
なお、追加で実行される保留先読み発展型演出が最終ラウンドで実行される構成であるが、この構成に限らず、エンディングで実行される構成や、保留が増加した際に実行中のラウンドの次のラウンドで実行される構成としてもよい。また、追加で実行される保留先読み発展型演出が特別遊技状態内で実行される構成であるが、特別遊技状態の後(例えば、次回に実行される変動表示)に実行される構成としてもよい。
また、追加で実行される保留先読み発展型演出は、変動表示の保留が2回以上増加した場合であっても追加で一度のみ実行される構成としている。なお、追加で実行される保留先読み発展型演出が一度のみ実行される構成であるが、保留の増加ごとに実行される構成としてもよい。
保留先読み発展型演出は、保留先読み発展型演出に先立ち実行される前兆演出を伴って実行される。この前兆演出は、保留先読み発展型演出の発生を示唆する演出であり、保留先読み発展型演出が開始されるラウンド(以下において、発展ラウンドとも称す)よりも前に実行される1又は複数のラウンドで実行可能とされている。
具体的には、前兆演出は、特別遊技状態の開始時に変動表示の保留がある場合に、発展ラウンドの直前のラウンド(以下において、発展直前ラウンドとも称す)において実行される。また、前兆演出は、特別遊技状態の開始時における変動表示の保留回数を最大回数として、発展直前ラウンドにおいて連続して実行可能とし、また、発展直前ラウンドより前のラウンド(以下において、非発展ラウンドとも称す)に分けて実行可能としている。
ここで、保留先読み発展型演出の説明に先立って、その前兆演出について、図55を参照して説明する。図55は、進展情報付き発展型演出であって始動条件の成立に基づく保留の先読みで発生する保留先読み発展型演出に対する前兆演出の推移を示す説明図である。図55(A)には、非発展ラウンドで実行される前兆演出において、保留先読み発展型演出への発展を示唆する表示を示し、図55(B)には、保留先読み発展型演出への発展の期待度を示唆する表示を示し、図55(C)には、保留先読み発展型演出へ発展しない場合の表示を示す。また、図55(D)には、発展直前ラウンドで実行される1回目の前兆演出を示し、図55(E)には、発展直前ラウンドで実行される2回目の前兆演出を示す。
図55には、保留先読み発展型演出が第6ラウンドで開始される場合であって、特別遊技状態の開始時の変動表示の保留回数が3個で、第2ラウンドに1回、第5ラウンドに2回の前兆演出が実行される場合が例示されている。
保留先読み発展型演出の前兆演出において、表示部479aで実行される主演出として、図示しないが、正体不明の状態の人物が登場し、主人公に所定の距離まで近づくと、登場人物の正体が判明する表示が行われる。この主演出において、登場人物が敵である場合に、保留先読み発展型演出に発展する。
登場人物は、所定の遊技球の大入賞(例えば、ラウンド内で8球目の大入賞)に応じて出現し、その後の大入賞(例えば、ラウンド内で10球目の大入賞)に応じて正体が判明する。具体的には、非発展ラウンドである第2ラウンドで実行される前兆演出において、8球目の大入賞に応じて、敵ではない人物が正体不明の状態で登場する。その後、10球目の大入賞に応じて、登場人物が敵でないことが判明する。また、発展直前ラウンドである第5ラウンドで実行される前兆演出において、6球目の大入賞に応じて、敵ではない人物が正体不明の状態で登場し、8球目の大入賞に応じて、登場人物が敵でないことが判明すると共に、敵が正体不明の状態で登場し、10球目の遊技球の入賞に応じて、二人目の登場人物が敵であることが判明する。
前兆演出において、変動表示に関連する表示(例えば、変動図柄の表示や変動表示の保留の表示)に対して、主人公キャラクタ861が作用を及ぼす表示が行われる。
具体的には、可動表示装置480において、図55(A)に示すように、変動表示に関連する表示として、疑似保留表示480Hを示す腰に結びつけられた携帯物(図中では連結された3つの丸印)が表示されている。この携帯物から主人公キャラクタ861が黒丸で示された魔法玉を1つ取り出して手に持ち、進行可能通路870上で次のラウンドに対応する部分(第3ラウンド識別情報863cと第4ラウンド識別情報863dとの間)に投げる動作が表示される。これにより、遊技者は、変動表示やその保留に関連する演出であるだろうと推測することが可能になる。また、遊技者は、主人公キャラクタ861の携帯物の個数(変動表示の保留回数)が多いほど有利であるだろうと推測することも可能になる。
変動表示に関連する表示に対する主人公キャラクタ861による動作は、主演出で登場した人物の正体が判明する前に行われる。具体的には、主人公キャラクタ861が魔法玉を取り出す表示は、主演出で正体不明の人物が6球目の大入賞に応じて登場した場合、正体が判明する前(8球目の大入賞前)の7球目の大入賞に応じて開始される。また、8球目の大入賞に応じて登場した場合、正体が判明する前(10球目の大入賞の前)の9球目の大入賞に応じて開始される。なお、主人公キャラクタ861の動作は、遊技球の大入賞に応じて開始される構成であるが、この構成に限らず、主演出で正体不明の人物が登場してからの経過時間に基づいて開始される構成としてもよい。
前兆演出において、前兆演出が実行される可能性のある最大の回数(残り回数)が表示される。具体的には、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が魔法玉を1つ取り出すと、携帯物の1つが黒丸から白丸に変化する表示が行われる。このため、前兆演出の最大の残り回数を黒丸で示された携帯物の個数を表示することが可能になる。また、携帯物の個数を減らさない表示とすることで、現在の変動表示の保留回数(第1特別図柄及び第2特別図柄に係る変動表示の保留回数)を黒丸と白丸との総個数によって示しを続けることが可能になる。
前兆演出において、保留先読み発展型演出への発展を示唆する表示が行われる。具体的には、可動表示装置480において、魔法玉を投げる動作が表示された後に、主人公キャラクタ861によって投げられた魔法玉が破裂して光を放ち、保留先読み発展型演出の分岐形態に対応して分岐する通路(以下において、前兆時出現通路877Wとも称す)が照らし出される表示が行われる。拡張表示の形態(奥行きをもった表示形態)で照らし出される表示が行われる。このため、前兆時出現通路877Wの分岐が示されることで、次のラウンドで実行される可能性のある演出が、遊技者にとって有利さの度合いが異なる結果をもたらす演出であると示唆することが可能になる。これにより、遊技者は、保留先読み発展型演出への発展を期待しつつ遊技を継続することが可能になる。
前兆演出において、前兆時出現通路877Wは、追って実行される保留先読み発展型演出で出現する場合(バトル演出通路877:図56(B)参照)とは異なる表示態様で表示される。例えば、図55(B)に示すように、前兆時出現通路877Wは、保留先読み発展型演出で出現する場合よりも不鮮明で薄っすらと見える低い明度の表示形態(図55(B)等において一点鎖線で示す)で表示される。このため、前兆演出が発生した場合に、次のラウンドにて保留先読み発展型演出に必ず発展すると遊技者に勘違いさせてしまうことを抑制可能となる。
前兆演出において、次のラウンドで保留先読み発展型演出へ発展する期待度を示唆する表示が行われる。具体的には、可動表示装置480において、前兆時出現通路877Wは、図55(B)に示すように、保留先読み発展型演出で出現する場合と同一幅である完全幅YCf、完全幅YCfよりも狭い3段階の縮小幅(第1段階の縮小幅YCc、第2段階の縮小幅YCd、第3段階の縮小幅YCe)のうちのいずれかの縮小幅で表示される。また、前兆時出現通路877Wの縮小幅が小さいほど、次のラウンドで保留先読み発展型演出へ発展する期待度が低く設定されている。このため、前兆時出現通路877Wの幅によって、保留先読み発展型演出へ発展する期待度を示唆することが可能になる。また、前兆時出現通路877Wは、主演出で登場する人物の正体が判明する前に出現するため、遊技者は、主演出で登場する人物が敵である期待度(保留先読み発展型演出へ発展する期待度)を推測することが可能になる。
前兆演出が非発展ラウンドで実行される場合、例えば、図55(B)に示すように、非発展ラウンドである第2ラウンドでは、前兆時出現通路877Wが、第1段階の縮小幅YCc、第2段階の縮小幅YCd又は第3段階の縮小幅YCeのいずれか(図中では第2段階の縮小幅YCd)で表示される。一方、発展直前ラウンドで実行される場合には、3段階の縮小幅のいずれかで表示される場合(図55(E)参照)に加えて、前兆時出現通路877Wが完全幅YCfで表示される場合がある(図55(E)参照)。完全幅YCfで表示された場合、次のラウンドにて保留先読み発展型演出へ発展することが確定する設定としている。
主演出で登場した正体不明の人物が敵でないと判明した場合、可動表示装置480において、前兆時出現通路877Wが消失する表示が行われる。例えば、8球目の大入賞に応じて正体不明の人物が登場していた場合、可動表示装置480において、前兆時出現通路877Wは、図55(C)に示すように、10球目の大入賞に応じて主人公キャラクタ861が第3ラウンドの開始位置に進行した場合に、前兆時出現通路877Wを表示する明度が低下して、表示されなくなる。これにより、主演出で登場した正体不明の人物が敵であるか敵でないかを識別できない遊技者であっても、前兆時出現通路877Wが消失することで、今回の前兆演出によっては保留先読み発展型演出へ発展しないことを知ることが可能になる。
一方、主演出で登場した正体不明の人物が敵であると判明した場合、前兆時出現通路877Wの表示は消えず、発展ラウンドの開始まで継続される。
前兆演出は、ラウンド内で複数回実行可能としている。具体的には、非発展ラウンドであっても発展直前ラウンドであっても、前兆演出が2回まで実行可能に設定されている。例えば、図55(D)に示すように、第5ラウンドにおいて、6球目の大入賞に応じて1回目の前兆演出が開始され、図55(E)に示すように、8球目の大入賞に応じて2回目の前兆演出が実行される。前兆演出がラウンド内で2回実行される場合に、主演出において、8球目の大入賞に応じて、1回目の前兆演出で出現した人物の正体が判明すると共に、2回目の前兆演出として新たな人物が正体不明の状態で登場する。なお、前兆演出がラウンド内で最大で2回実行される構成であるが、この構成に限らず、3回以上実行される構成や、1回しか実行されない構成としてもよい。
前兆演出がラウンド内で複数回実行される場合、当該ラウンドにおける7球目の大入賞に応じて、図55(D)に示すように、可動表示装置480において、前兆時出現通路877Wが、3段階の縮小幅のうちのいずれかの縮小幅(図中では第3段階の縮小幅YCe)で表示される。また、9球目の大入賞に応じて、図55(E)に示すように、前兆時出現通路877Wが、完全幅又は3段階の縮小幅のうちのいずれかの幅(図中では完全幅YCf)で表示される。
また、前兆演出がラウンド内で複数回実行される場合、2回目の前兆演出において、前回の前兆演出の場合と同一幅、又は、それよりも1段階以上広い幅で表示される。これにより、次のラウンドで保留先読み発展型演出へ発展する期待度が上昇したように遊技者に見せることが可能になる。
また、前兆演出がラウンド内で複数回実行される場合、可動表示装置480において、1回目の前兆演出で出現した前兆時出現通路877Wは、正体不明の人物が敵であると判明(8球目の大入賞)したとしても消失せず(ラウンド内で1回しか前兆演出が行われない場合は消失する)、第2回目の前兆演出は、1回目の前兆演出で出現した前兆時出現通路877Wが表示されている状態で開始される。これにより、次のラウンドで保留先読み発展型演出へ発展する期待度が高い表示に昇格する可能性を示唆することが可能になる。
なお、前兆演出がラウンド内で複数回実行される場合に、先行(1回目)の前兆演出に引き続き連続して後続(2回目)の前兆演出が実行され、各前兆演出の実行期間は時間的に重複しない構成であるが、この構成に限らず、複数の前兆演出の実行期間が一部で重複する構成としてもよい。また、各前兆演出の実行期間が連続して実行される構成であるが、この構成に限らず、先行(1回目)の前兆演出と後続(2回目)の前兆演出とを時間的に離間させて実行する構成としてもよい。
また、前兆演出は、第1ラウンドや第4ラウンドで実行される他の優先演出と重複して実行される構成であるが、この構成に限らず、優先ラウンドを避けて実行する構成や、優先ラウンドと重複する場合には実行しない構成としてもよい。
また、前兆演出を繰り返す回数によって前兆時出現通路877Wの幅を変化可能とすることで、次のラウンドで保留先読み発展型演出へ発展する期待度の変化を示唆する構成であるが、この構成に限らず、1回の前兆演出において1以上の魔法玉を用い、一度に投げる魔法玉の個数が多い場合に幅の広い前兆時出現通路877Wを出現し易くする設定として、一度に投げる魔法玉の個数によって期待度の変化を示唆する構成としてもよい。
また、前兆演出が遊技球の大入賞に応じて進行する構成について説明したが、この構成に限らず、前兆演出が実行されるラウンドの開始からの時間管理によって進行する構成としてもよい。この構成の場合、ラウンド内で前兆演出を1回だけ実行したとしても、ラウンドの開始から遅いタイミングで前兆演出が開始された場合に幅の広い前兆時出現通路877Wが出現し易い設定とすることで、前兆演出が開始されるタイミングによって前兆時出現通路877Wの幅を示唆することが可能になる。
ここで、保留先読み発展型演出について、図56を参照して説明する。図56は、保留先読み発展型演出の推移を示す説明図である。図56(A)が、表示部479aで主演出として実行される発展型演出の展開を示す説明図であり、図56(B)が、主演出に付随して可動表示装置480で表示される進展情報を示す説明図であり、図56(C)が、主演出に付随して右上表示領域479Uで表示される進展情報を示す説明図である。なお、図56(A)において表示部479a内に丸括弧付きで記載された文字(例えば、片側攻撃演出)は、説明の理解を容易とするための文言であり、表示部479aに実際に表示されるものではない。
保留先読み発展型演出において、特別遊技状態の終了後に実行される変動表示の演出として、プレミアム率アップ特典を獲得したか否かが遊技者に報知される。保留先読み発展型演出は、保留先読み発展型演出の開始を知らせる開始演出と、開始演出に引き続き実行され、主人公と敵とがバトルを行うバトル演出と、バトルの結果を示す結果演出と、バトル演出の結果に応じて実行される特典演出とで構成される。
保留先読み発展型演出が開始されると、表示部479aの主演出として、図56(A)に示すように、開始演出が実行される。開始演出において、保留先読み発展型演出にて獲得可能な特典が表示される。具体的には、「バトルミッション」や「敵を倒せ!」との文字情報に加えて、「勝利でプレミアム演出の出現率UP」との特典内容についての文字情報が表示される。
開始演出の後に実行されるバトル演出は、片側攻撃演出や双方攻撃演出や復活攻撃演出の1又は複数の組合せで構成される。バトル演出は、最終的に、主人公が勝利する又は主人公が敗北する結果となる。バトル演出の推移(いずれの攻撃演出を経て最終結果となるか)は、抽選によって決定される。具体的には、攻撃演出の種類や組合せ等で識別され、バトル演出の推移を指定する多数のシナリオが設定され、この多数のシナリオから1つのシナリオが選択される。
バトル演出の推移を指定するシナリオの抽選は、開始演出の開始時(保留先読み発展型演出の開始時)に実行される。なお、この抽選は、開始演出の開始時に実行する構成に限らず、それよりも早いタイミング(例えば、特別遊技状態の開始時)や、それよりも遅いタイミング(例えば、バトル演出の開始時)で実行する構成としてもよい。
バトル演出で勝利結果となった場合に、結果演出として勝利結果を示す勝利演出が実行され、バトル演出で敗北結果となった場合に、結果演出として敗北結果を示す敗北演出が実行される。
バトル演出の後に勝利演出が実行された場合に、バトル演出の勝利時に受ける特典を示す演出(以下において、勝利時特典演出とも称す)が実行される。勝利時特典演出において、プレミアム演出が出現し易い状態となることを示す情報(図中における「プレミアム率UP」との文字:以下において出現率変化情報とも称す)と、後述する特典ポイントに関する情報が表示される。
一方、バトル演出の後に敗北演出が実行された場合には、バトル演出の敗北時に受ける特典を示す演出(以下において、敗北時特典演出とも称す)が実行される。敗北時特典演出において、出現率変化情報は表示されず、後述する特典ポイントに関する情報が表示される。
バトル演出において、主人公又は敵の一方が攻撃する片側攻撃演出や、それらの双方が攻撃する双方攻撃演出が実行可能とされる。片側攻撃演出におけるバトルの結果として、主人公が勝利する場合と主人公が敗北する場合に加えて、勝敗がつかず継続する場合とが設定されている。一方、双方攻撃演出におけるバトルの結果としては、勝敗がつかない場合は設定されておらず、主人公が勝利する場合と敗北する場合とが設定されている。
バトル演出の推移を指定するシナリオとして、図56(A)に実線の矢印で推移を示すように、開始演出に引き続き片側攻撃演出が実行される場合であって、片側攻撃演出のバトルで勝利結果となるシナリオと、そのバトルで敗北結果となるシナリオとが設定されている。また、開始演出に引き続き片側攻撃演出が実行されるものの片側攻撃演出によっては勝敗が決まらず、引き続き双方攻撃演出が実行される場合であって、双方攻撃演出におけるバトルで勝利結果となるシナリオと、そのバトルで敗北結果となるシナリオとが設定されている。また、片側攻撃演出が実行されず、開始演出に引き続き双方攻撃演出が実行される場合であって、双方攻撃演出におけるバトルで勝利結果となるシナリオと、そのバトルで敗北結果となるシナリオとが設定されている。
また、バトル演出において、双方攻撃演出が実行された場合に、主人公が一旦敗北した後に復活して攻撃する復活攻撃演出が実行可能とされる。この復活攻撃演出が実行された場合には、主人公の勝利が確定する。具体的には、バトル演出の推移を指定するシナリオとして、図56(A)に一点鎖線で示すように、双方攻撃演出に引き続き復活攻撃演出が実行され、復活攻撃演出によって勝利結果となるシナリオが設定されている。
また、バトル演出において、片側攻撃演出を複数回実行可能としている。具体的には、バトル演出において、図56(A)に二点鎖線の矢印で推移を示すように、片側攻撃演出が一度のみ繰り返して実行可能とされる。片側攻撃演出に引き続き、再度、片側攻撃演出が実行され、再度の片側攻撃演出を経て勝利結果となるシナリオと、再度の片側攻撃演出を経て敗北結果となるシナリオとが設定されている。
再度の片側攻撃演出は、特別遊技状態の開始後であってバトル演出が開始される前までに、変動表示の保留回数が増加した場合に実行される。また、変動表示の保留回数が2以上増加したとしても、再度の片側攻撃演出は一度しか実行されない構成としている。なお、変動表示の保留回数が増加した場合に、増加数に依らず一度のみ片側攻撃演出を追加する構成としているが、この構成に限らず、変動表示の保留回数が増加するごとに繰り返し片側攻撃演出を追加する構成としてもよい。
また、再度の片側攻撃演出は、保留先読み発展型演出が一度実行された後に、変動表示の保留が複数増加した場合に、追加で実行される保留先読み発展型演出においても実行される。また、追加で実行される保留先読み発展型演出においても、再度の片側攻撃演出は一度しか実行されない構成としている。なお、この構成に限らず、変動表示の保留回数が増加に応じて2回以上繰り返し片側攻撃演出を実行する構成としてもよい。
片側攻撃演出や双方攻撃演出や復活攻撃演出の継続時間は、略同一に設定されている。保留先読み発展型演出の継続時間は、実行される攻撃演出の回数によって変化する。なお、片側攻撃演出や双方攻撃演出や復活攻撃演出の継続時間は、これに限らず、いずれかの攻撃演出で異ならせてもよいし、全ての攻撃演出で異ならせてもよい。
バトル演出の推移を指定するシナリオは、バトル演出が継続する継続時間の観点から、いずれかの攻撃演出が2回実行されるパターン(以下において、標準継続パターンとも称す)と、いずれかの攻撃演出が1回しか実行されず標準継続パターンよりも継続時間が短いパターン(以下において、短継続パターンとも称す)と、いずれかの攻撃演出が3回実行され標準継続パターンよりも継続時間が長いパターン(以下において、長継続パターンとも称す)と、いずれかの攻撃演出が4回実行され長継続パターンよりも継続時間が長いバターン(以下において、最長継続パターンとも称す)とに分類できる。短継続パターンで実行される継続時間は、遊技球の発射間隔(0.6秒)にラウンド内の大入賞の規定数(10)を乗じた時間にラウンド間のインターバル時間(0.5秒)を加えた時間(6.5秒:以下において、標準ラウンド継続時間とも称す)に設定されている。このため、短継続パターンが選択された場合、保留先読み発展型演出を概ね発展ラウンド内で実行することが可能になる。また、最長継続パターンで実行される継続時間は、短継続パターンの継続時間にエンディングが実行される時間(15.0秒)を加えた時間(21.5秒)よりも短い時間(20.0秒)設定されている。このため、最長継続パターンが選択された保留先読み発展型演出が最終ラウンドで開始されたとしても、エンディングの終了前(特別遊技状態の終了前)に保留先読み発展型演出を終えることができ、エンディングの終了後に実行される変動表示の演出に対して、保留先読み発展型演出の結果に伴う特典(プレミアム演出の出現率が高まる特典)を反映することが可能になる。
また、保留先読み発展型演出において、特典ポイントを獲得できる複数回の機会が設定されている。具体的には、バトル演出の結果に応じて特典ポイントが(勝利時には50ポイント:継続毎に10ポイント:敗北時には0ポイント)が獲得可能に設定されている。また、バトル演出中の片側攻撃演出(勝利時の追加ポイント:1~10ポイント;継続時の追加ポイント:0~9ポイント;敗北時の追加ポイント:0~1ポイント)や双方攻撃演出(勝利時の追加ポイント:0~5ポイント;敗北時の追加ポイント:0~3ポイント)のいずれの攻撃演出においても特典ポイントが獲得可能に設定されている。このため、攻撃演出の実行回数が多いほど、特典ポイントを多く獲得することが可能になり、バトル演出の結果のみならず、バトル演出中の展開にも注目させることが可能になる。これにより、遊技者は、バトル演出の実行期間に亘って特典ポイントの獲得を期待しつつ遊技を行うことが可能になる。
勝利時特典演出において、出現率変化情報(「プレミアム率UP」との文字)に加えて、バトル演出中に獲得した特典ポイントの総数を知らせる総ポイント情報(図中における「+57P」との文字情報)が表示される。一方、敗北時特典演出において、出現率変化情報は表示されず、総ポイント情報(図中における「+2P」との文字情報)は表示される。
バトル演出で主人公が勝利する場合に獲得可能な特典ポイントの下限値は、主人公が敗北する場合に獲得可能なポイントの上限値よりも高く設定されている。例えば、主人公が勝利する場合に獲得可能な特典ポイントの下限値は、双方攻撃演出が一度だけ実行されて、当該攻撃演出で主人公が敵よりも下位種別の攻撃技を繰り出すものの勝利する場合に獲得する50ポイント(勝利ポイントのみ)である。また、主人公が敗北する場合に獲得可能なポイントの上限値は、片側攻撃演出において主人公が繰り出した秘技(+5P)を敵が防御(+4P)して継続(+10P)し、片側攻撃演出が繰り返され(+19P)た後に、双方攻撃演出において主人公が敵よりも上位種別の攻撃技(+3P)を繰り出すものの敗北する場合に獲得する41ポイントである。
保留先読み発展型演出で獲得した特典ポイントは、出現率が高められる対象となるプレミアム演出として、当該出現率が高められていない場合には出現しないプレミアム演出を含めるか否かの決定に用いられる。
具体的には、プレミアム演出として、バトル演出の勝利結果によって出現率が高められる場合であっても、バトル演出の敗北結果によって出現率が高められない場合であっても出現可能なプレミアム演出と、出現率が高められる場合にのみ出現可能なプレミアム演出(以下において、特典専用プレミアム演出)が設定されている。また、バトル演出で獲得した特典ポイントが、敗北時の上限値(41ポイント)よりも高い所定の値(例えば、70ポイント:以下において、付加特典閾値とも称す)以上である場合に、特典専用プレミアム演出を含むプレミアム演出の出現率が高められる設定としている。一方、バトル演出で主人公が勝利したが、当該バトル演出で獲得した特典ポイントが付加特典閾値未満である場合に、特典専用プレミアム演出を含まないプレミアム演出の出現率が高められる設定としている。このため、特典専用プレミアム演出を見たいと希望する遊技者に対して、バトル演出に基づく結果の分岐のみならず、特典ポイントが付加される各分岐に注目させることが可能になる。
なお、付加特典閾値ポイント以上の特典ポイントを獲得した場合(出現対象として特典専用プレミアム演出を含む場合)に、付加特典閾値ポイント未満の特典ポイントしか獲得できなかった場合(出現対象として特典専用プレミアム演出を含まない場合)よりも、出現率を高く設定する構成としてもよい。また、獲得した特典ポイントが付加特典閾値以上である場合に特典専用プレミアム演出を出現対象に含ませ、その値未満である場合には特典専用プレミアム演出を出現対象に含ませない構成としているが、この構成に限らず、獲得した特典ポイントが付加特典閾値以上であるかその値未満とで、出現対象は変化させないものの出現対象ごとの出現率を異ならせる構成としてもよい。例えば、プレミアム演出として第1種類のプレミアム演出(特別なキャラクタの出現に関するプレミアム演出)と第2種類のプレミアム演出(表示の実写映像化に関するプレミアム演出)を含む場合に、獲得した特典ポイントが付加特典閾値以上となる場合に第1種類のプレミアム演出の出現率は高めるが第2種類の出現率は高めず、付加特典閾値未満となる場合に第1種類の出現率は高めず第2種類の出現率を高める等、出現率を高める種類を変化させる構成としてもよい。また、複数種類のプレミアム演出に対する種類ごとの出現率の上昇率を変化させる構成としてもよい。
また、付加特典閾値以上の特典ポイントを獲得した場合のプレミアム演出の出現率は、付加特典閾値ポイント以上の特典ポイントを獲得できなかった場合のプレミアム演出と同一であってもよいし、異ならせてもよい。また、付加特典閾値は、主人公が勝利する場合に獲得可能なポイントの下限値(50ポイント)よりも高く、その上限値(93ポイント)よりも低い値(70ポイント)に設定されている。このため、特典専用プレミアム演出の希少価値を高めることが可能になり、遊技者に繰り返しの遊技機会を促すことが可能になる。
なお、プレミアム演出の出現率を高める特典に対する付加特典を付与するか否かは、1回のバトル演出において獲得された特典ポイントに基づいて決定される構成であるが、この構成に限らず、1回の特別遊技状態において実行される全てのバトル演出で獲得した特典ポイントの総ポイントで決定される構成や、1回の特別遊技状態で獲得された特典ポイントを次回以降の特別遊技状態に持ち越し可能とし、複数回の特別遊技状態を跨いで獲得した特典ポイントの総ポイントで決定される構成としてもよい。
バトル演出の推移を指定する多数のシナリオに含まれる各シナリオは、各種の攻撃演出の組合せやバトルの結果に加えて、攻撃演出内での攻撃者や攻撃技やダメージの組合せも識別可能とされている。このため、バトル演出で獲得可能な特典ポイントの総ポイント数は、実行タイミングで結果が決まる抽選によって選択されたシナリオに応じて決まる。
なお、バトル演出のシナリオは、実行タイミングで結果が決まる抽選によって決定される構成に限らず、抽選時の遊技進行の状態によって特定のシナリオが選択され易くなる構成、例えば、変動表示の保留回数が多い場合にバトル演出で勝利結果となる演出や、変動表示の保留に大当りとなる保留が含まれている場合に、攻撃演出の実行回数が多いシナリオが選択され易くなる構成としてもよい。
また、今回の特別遊技状態に移行するまでの遊技履歴によって特定のシナリオが選択され易くなる構成、例えば、前回の特別遊技状態から今回の特別遊技状態までに実行されてた変動表示の回数が多ければバトル演出で勝利結果となるシナリオが選択され易くなる構成や、通常遊技状態から確変遊技状態又は時短遊技状態へ移行する特別遊技状態から通常遊技状態に戻ることなく実行された特別遊技状態の回数が多ければ主人公が秘技で攻撃するシナリオが選択され易くなる構成としてもよい。
保留先読み発展型演出に対する可動表示装置480における表示について説明する。保留先読み発展演出において、先行演出から複数種類の後続演出のいずれかへの分岐時期に近づいていることを遊技者が視認可能な表示が行われる。
具体的には、保留先読み発展型演出を構成するバトル演出における主人公と敵とのバトルの勝敗が決するまでの演出(先行演出)から、バトル演出において主人公の勝利となった場合に実行される演出(後続演出の1つ)又は主人公の敗北となった場合に実行される演出(後続演出の1つ)への分岐の時期(勝敗が判明する時期)に近づく表示が、この演出の分岐に対応して分岐する通路を備えた図56(B)に実線及び一点鎖線の拡張表示形態(奥行きのある表示形態)で示すバトル演出通路877に沿って、現時点を表す主人公キャラクタ861が進行する表示によって行われる。
バトル演出通路877は、主演出にて開始演出が実行されている場合に主人公キャラクタ861が進行する開始演出通路877Pを備えている。主人公キャラクタ861は、保留先読み発展型演出の開始時において、開始演出通路877Pの左端(バトル演出通路877の左端)に位置する表示が行われる。また、バトル演出通路877は、開始演出通路877Pに連続して、主演出にて片側攻撃演出が実行されている場合に主人公キャラクタ861が進行する片側攻撃演出通路877Sを備えている。
また、バトル演出通路877は、片側攻撃演出通路877Sの右端側に形成された幅が広い部分に連続して、片側攻撃演出におけるバトルの結果(勝利、継続、敗北)に対応して分岐する3つの通路を備えている。主人公キャラクタ861は、片側攻撃演出におけるバトルで勝敗が決さずバトルが継続する場合に、3つの通路のうち中央の通路(以下において、継続演出通路877Zとも称す)を進行し、当該バトルで勝利した場合には、継続演出通路877Zよりも奥側(上側)に位置する通路(以下において、勝利演出通路877Yとも称す)を進行し、当該バトルに敗北した場合には、継続演出通路877Zよりも手前側(下側)に位置する通路(以下において、敗北演出通路877Xとも称す)を進行する。
また、バトル演出通路877は、継続演出通路877Zに連続し、主演出にて双方攻撃演出が実行されている場合に主人公キャラクタ861が進行する双方攻撃演出通路877Tを備えている。
また、バトル演出通路877は、双方攻撃演出通路877Tに連続して、双方攻撃演出におけるバトルの結果(勝利、敗北)に対応して分岐する2つの通路を備えている。主人公キャラクタ861は、主演出にての双方攻撃演出でバトルに勝利して勝利演出が実行されている場合に、奥側に位置する勝利演出通路877Yを進行し、一方、バトルに敗北して敗北演出が実行されている場合に、手前側に位置する敗北演出通路877Xを進行する。
また、バトル演出通路877は、勝利演出通路877Yに連続して、主演出にて勝利時特典演出が実行されている場合に主人公キャラクタ861が進行する勝利時特典演出通路877Vと、敗北演出通路877Xに連続して、主演出にて敗北時特典演出が実行されている場合に主人公キャラクタ861が進行する敗北時特典演出通路877Dとを備えている。
また、バトル演出通路877は、双方攻撃演出通路877Tにおける2つに分岐する部分の奥側の通路に連続する箇所にも一点鎖線で示す勝利時特典演出通路877Vを備えている。また、バトル演出通路877は、双方攻撃演出通路877Tにおける2つに分岐する部分の手前側の通路に連続する箇所にも一点鎖線で示す敗北時特典演出通路877Dを備えている。
保留先読み発展型演出の開始時において、開始演出通路877Pと、バトル演出通路877のうち実線で示された部分(主に、片側攻撃演出通路877S)とが表示される。
バトル演出通路877は、発展直前ラウンドから表示されている前兆時出現通路877W(図55(E)参照)よりも視認性が高い形態で表示される。具体的には、保留先読み発展型演出の開始時において、前兆時出現通路877Wよりも高い明度に変更されて表示される。また、発展直前ラウンドの終了時に前兆時出現通路877Wがいずれかの縮小幅で表示されていた場合には、保留先読み発展型演出の開始時において、完全幅YCfに拡大されて表示される。
保留先読み発展型演出が開始されると、主人公キャラクタ861がバトル演出通路877に沿って進行する表示が開始される。この表示において、主人公キャラクタ861の上下左右方向の位置が変化しない状態(上下方向は位置YT及び左右方向は位置XTに固定)で進行可能通路870等を移動させることで、進行可能通路870に対する主人公キャラクタ861の位置を変化させる。これにより、遊技者は、主演出から可動表示装置480の表示に目を移した際に主人公キャラクタ861を見つけ易くなり、現時点を把握し易くなる。また、保留先読み発展型演出の開始時において、バトル演出通路877は一部(実線で示された部分)しか表示されないが、残りの部分(一点鎖線で示された部分)を主人公キャラクタ861の進行に応じて表示することが可能になる。
保留先読み発展型演出の実行中において、主人公キャラクタ861が歩行姿勢である場合には、バトル演出通路877を一定速度で左側に移動させることで、主人公キャラクタ861を一定速度でバトル演出通路877に対して右側に進行させる表示が行われる。
バトル演出通路877上には、第6ラウンド識別情報863fが設けられた位置から所定の時間(6.5秒:上述の標準ラウンド継続時間)に対応する間隔を隔てた位置に、第7ラウンド識別情報863gが設けられている。第7ラウンド識別情報863gは、第6ラウンド(他のラウンドも同様)において規定数の遊技球が大入賞するまでの時間は一定ではないため、第7ラウンドの開始位置の目安として表示されており、第7ラウンド識別情報863gとしての旗の形状を正方形(図55(E)参照)から菱形に代えて表示している。
主演出における保留先読み発展型演出の先行演出から後続演出への分岐が、可動表示装置480において当該分岐前に表示される。具体的には、主演出にての片側攻撃演出におけるバトルの結果による分岐に対応して3つに分岐する片側攻撃演出通路877Sが、保留先読み発展型演出の開始時(片側攻撃演出の開始前)に表示される。このため、片側攻撃演出におけるバトル演出の結果が3種類あることを、片側攻撃演出の開始前に、遊技者に知らせることが可能になる。これにより、遊技者は、これから実行される主演出において、バトルの結果が3種類ある演出が実行されることを知ることができる。
なお、先行演出から後続演出への分岐が、先行演出の開始時から表示される構成であるが、この構成に限らず、先行演出の途中から表示される構成、具体的には、片側攻撃演出の開始時(バトル演出の開始時から)や、片側攻撃演出の開始後であってバトルの結果が判明する前(バトル演出の途中から)までに、片側攻撃演出通路877Sにおける3つに分岐する部分が表示される構成としてもよい。また、先行演出から後続演出への分岐が先行演出の開始前から表示される構成としてもよい。
また、先行演出の開始時(バトル演出の開始前)に、バトル演出通路877における一部の分岐が表示される構成、具体的には、片側攻撃演出通路877Sにおける3つに分岐する部分は表示されるが双方攻撃演出通路877Tにおける2つに分岐する部分は表示されない構成としているが、この構成に限らず、先行演出の開始時に、バトル演出通路877の全体を表示するなど、バトル演出通路877におけるすべての分岐が表示される構成としてもよい。
保留先読み発展型演出に対する右上表示領域479Uにおける表示について説明する。右上表示領域479Uにおける表示は、保留先読み発展型演出の開始に応じて開始される。また、保留先読み発展型演出における演出の分岐について、後述するように、可動表示装置480における表示よりも詳しい表示が行われる。
右上表示領域479Uにおいて、現時点を示す進行位置印867が保留先読み発展型演出の分岐に対応して分岐する経路を備えた図56(B)に実線及び一点鎖線で示す進行可能経路869に沿って進行する表示が行われる。この進行位置印867が進行する表示において、主人公キャラクタ861の上下左右方向の位置が変化しない状態(上下方向は位置YU4及び左右方向は位置XU4に固定)で進行可能経路869を移動させることで、進行可能経路869に対する進行位置印867の位置を変化させる。
進行可能経路869は、図56(C)に実線で示す部分と一点鎖線で示す部分とで示す全体で構成され、保留先読み発展型演出の分岐形態を、保留先読み発展型演出における演出の分岐に対応して枝分かれする線分によって示している。保留先読み演出の開始時には、進行可能経路869のうち実線で示された部分が表示される。時間の経過に伴う進行可能通路870の移動(進行位置印867の進行)に応じて、一点鎖線で示された部分が順次表示される。
保留先読み発展型演出の開始時に、進行可能経路869上の位置であって、主演出にてのバトル演出の開始時期に対応する位置を示す情報(図中の「バトル開始」との文字及びバトル開始位置を指し示す線分:以下においてバトル開始情報とも称す)が表示される。
また、保留先読み発展型演出の開始時に、進行位置印867が、その下端をバトル開始情報が示す位置(上下方向は位置YU4:左右方向は位置XU4)に、点滅状態(図中では白抜きの丸印で表す)で表示される。進行位置印867の点滅表示は、開始演出が実行される期間に亘って継続される。進行位置印867は、点滅表示している間は進行せず、バトル演出が開始された場合に、進行位置印867が点灯表示に変化し、進行を開始する。
右上表示領域479Uにおいても、主演出にての演出の分岐の時期に近づくことを遊技者が視認可能な表示が行われる。具体的には、バトル演出の実行中において、進行可能経路869を下方側へ移動させることで、進行位置印867を進行可能経路869に沿って進行させる表示が行われる。また、進行可能経路869上の各種の分岐点では、進行位置印867が、下方側へ進行しつつ左右方向へ進行する表示が行われる。これにより、遊技者は、進行可能経路869上での進行位置印867の上下方向の位置の変化によって、各種の分岐に近づいていることを知ることが可能になる。
また、進行位置印867は、バトル演出の実行中において、下方側へ一定速度で進行する設定とされ、左右方向へは、下方側への進行の場合よりも高速(例えば、10倍の速度)で行われる。進行位置印867の下方側への進行速度と、進行位置印867の位置から各種の分岐点までの上下方向の距離とによって、各種の分岐時期を知ることが可能になる。
また、保留先読み発展型演出の演出の分岐に対応する経路の表示に加えて、分岐に対する分岐条件を示す情報が、分岐時期に到達する前に、遊技者が識別可能に表示される。具体的には、保留先読み発展型演出の開始時(片側攻撃演出の開始前)に、片側攻撃演出における分岐条件を示す情報として、片側攻撃演出におけるバトルの結果を示す情報(図中における「勝利」、「継続」及び「敗北」との文字)が表示される。これにより、遊技者は、片側攻撃演出におけるバトルの結果をすべて(3種類)知ることができる。また、遊技者は、主演出にて敵が攻撃する演出が実行されたとしても、この演出では勝敗が付かず、主人公が勝利する可能性が残されていることを知ることができ、期待感を維持しつつ主演出にての展開を見守ることができる。
また、右上表示領域479Uにおいて、保留先読み発展型演出の演出の分岐に対応する経路の表示に加えて、分岐先を示す情報を、分岐時期に到達する前に遊技者が識別可能に表示する。
具体的には、保留先読み発展型演出の開始時(片側攻撃演出の開始前)に、片側攻撃演出からの分岐先を識別する情報として、バトル演出(片側攻撃演出)におけるバトルで主人公が勝利した場合の特典を示す情報(図中における「プレミアム率アップ」との囲み文字:以下において、勝利時特典情報898Vとも称す)と、当該バトルで主人公が敗北した場合の特典を示す情報(図中における「プレミアム率変化なし」との囲み文字:以下において、敗北時特典情報898Dとも称す)が表示される。また、当該バトルで勝敗が決さず継続する場合に実行される双方攻撃演出における攻撃者に関連する情報(図中における「双攻撃体勢」との囲み文字:以下において、双攻撃体勢情報897eとも称す)が表示される。このため、片側攻撃演出によって特典を得られる可能性や特典を得られない可能性があることを、主演出にての片側攻撃演出の開始前や片側攻撃演出中に、遊技者に知らせることが可能になる。また、片側攻撃演出によっては特典を得られないが、特典の付与が先送りされるだけで特典を得られる可能性が残されていることを遊技者に知らせることが可能になる。これにより、遊技者は、主演出にてのバトルで主人公が攻撃した場合に、主人公が勝利して特典が付与される場合と、勝敗が先送りされる場合とがあり、一方、敵が攻撃した場合に、主人公が敗北して特典が得られない場合と、勝敗が先送りされる場合とがあることを知ることが可能になり、主人公が攻撃することを期待しつつ主演出にてのバトルを見守ることが可能になる。また、遊技者は、敵が攻撃したとしても特典を得られる可能性が残されているであろうと推測することが可能になる。
双方攻撃演出におけるバトルに対する分岐条件や分岐先を示す情報は保留先読み発展型演出の開始時には表示されないが、図57(D)を参照して後述するように、双方攻撃演出の開始時には表示される。双方攻撃演出におけるバトルに対する分岐条件や分岐先を示す情報としては、当該バトルの結果を示す情報(図中における「勝利」及び「敗北」との白抜き文字)や、当該バトルの結果に基づく特典を示す一点鎖線で示す勝利時特典情報898V及び敗北時特典情報898Dが表示される。
なお、勝利時特典情報や敗北時特典情報として、特典内容を文字で表示する構成としているが、この構成に限らず、例えば、プレミアム演出の出現率が高まることが推測できる上向きの矢印等の図形やプレミアム演出の出現率が維持されることが推測できる水平の矢印等の図形で、それの特典情報の差異を識別できる情報を表示する構成としてもよい。

また、右上表示領域479Uにおいて、保留先読み発展型演出で最初に実行される演出の分岐に対応する全ての分岐先を、当該演出の分岐前に遊技者が識別可能に表示する。
具体的には、保留先読み発展型演出の開始時(バトル演出の開始前)に、右上表示領域479Uにおいて、片側攻撃演出における攻撃者を識別する情報(以下において、攻撃者識別情報897aとも称す)として、主人公が攻撃する場合に対応する主攻撃体勢情報(図中において「主攻撃体勢」との囲み文字)が表示される。また、攻撃者識別情報897aとして、敵が攻撃する場合に対応する敵攻撃体勢情報(図中において「主攻撃体勢」との囲み文字)が表示される。更に、双方攻撃演出における攻撃者が主人公と敵との双方であることを示す情報(図中において「双攻撃体勢」との囲み文字:以下において双攻撃体勢情報897eとも称す)が表示される。また、進行可能経路869には、最初に進行位置印867が到達する分岐点(図中において最も上側に位置する分岐点:以下において、直近の分岐点とも称す)から左側に分岐し、主演出にて片側攻撃演出が実行されて主人公が攻撃する場合に進行位置印867が進行する経路と、最初の分岐点から右側に分岐し、主演出にて片側攻撃演出が実行されて敵が攻撃する場合に進行位置印867が進行する経路と、最初の分岐点から下方に分岐し、主演出にて双方攻撃演出が実行されて主人公と敵との双方が攻撃する場合に進行位置印867が進行する経路とを備えている。これにより、遊技者は、主演出にてのバトル演出において、主人公が攻撃する場合と、敵が攻撃する場合と、主人公と敵の双方が攻撃する場合との3種類の場合があることを知ることができる。
また、進行可能経路869には、双攻撃体勢情報897eの付された箇所に到達する経路として、片側攻撃演出を経由する場合の経路(主攻撃体勢情報又は敵攻撃体勢情報の付された箇所に進行した後に双攻撃体勢情報897eの付された箇所に到達する経路)と、片側攻撃演出を経由しない場合(攻撃者識別情報897aの付された経路に進行せず双攻撃体勢情報897eの付された通路に到達する経路)の経路を備えている。これにより、遊技者は、バトル演出において主人公と敵との攻防が複数回実行されることがあることも知ることが可能になる。
また、右上表示領域479Uにおいて、遊技者にとって好ましさに優劣(例えば、何らかの特典を得られるか否か、与えられる特典の数や種類の差)がある演出の分岐について、分岐に係る優劣を遊技者が識別可能に表示する。
具体的には、バトル演出におけるバトルに主人公が勝利する期待度の高低を示す情報(図中における上端側に示された白抜きの右矢印と、その矢印内の文字:以下において、勝利期待度とも称す)が表示される。このため、進行位置印867が分岐点から分岐する複数の経路のうち右側に位置する経路に進行するほど勝利期待度が高いことを遊技者に知らせることが可能になる。
例えば、バトル演出における攻撃者の選択に関する演出の分岐において、主人公が単独で攻撃した場合に、この単独の攻撃によって勝利する割合が30%、この単独の攻撃では勝敗が付かず双方の攻撃を経て勝利する割合が35%(継続する割合70%の半分)であって、それらを総合して主人公が勝利する結果となる割合は65%に設定されている。また、敵が単独で攻撃した場合に、この単独の攻撃で主人公が勝利することはなく(80%で継続)、この単独の攻撃では勝敗が付かず双方の攻撃を経て勝利する結果となる割合が40%(継続する割合の半分)に設定されている。また、主人公と敵との双方が攻撃した場合に、主人公が勝利する結果となる割合が50%に設定されている。このため、進行可能経路869における最も上側に位置する経路の分岐(直近の演出の分岐に対応)に対して、分岐点よりも右側に位置する経路が、主人公が単独で攻撃する場合であって勝利期待度が最も高い場合に対応する経路に割り当てられ、この右側の経路に主攻撃体勢情報が付されている。また、分岐点よりも左側に位置する経路が、敵が単独で攻撃する場合であって勝利期待度が最も低い場合に対応する経路に割り当てられ、左側の経路に敵攻撃体勢情報が付されている。また、分岐点の下側に位置する中央の経路が、主人公と敵との双方が攻撃する場合であって、勝利期待度が敵の攻撃の場合よりも高く主人公の攻撃の場合より低い場合に対応する経路に割り当てられ、この中央の経路に双攻撃体勢情報897eが付されている。これにより、バトル演出開始後の直近の演出の分岐である攻撃者の選択に関して、遊技者は、敵が単独で攻撃するよりも、敵と主人公との双方が攻撃することを期待し、更に、双方が攻撃するよりも主人公が単独で攻撃することを期待しつつ主演出における遊技者の選択(演出の分岐)を見守ることが可能になる。また、遊技者は、主演出における攻撃者が主人公であるか敵であるかを判別できなくても、進行位置印867が進行した経路によって勝利期待度の高い演出が展開されているか勝利期待度の低い演出が展開されているかを知ることが可能になり、進行中の演出の勝利期待度の高低を知った上で主演出におけるその後の展開を見守ることが可能になる。
なお、保留先読み発展型演出において、主人公が敵と闘う演出において攻防の種類を変化させる演出を実行する構成であるが、この構成に限らず、得意さの異なる複数種類の課題から選択された課題に挑む演出、具体的には、強さの異なる複数種類の敵(勝利期待度が異なる)のいずれかと闘う演出や、幅の異なる複数の亀裂(飛び越えの達成の期待度が異なる)のいずれかが出現して亀裂の飛び越えに挑戦する演出等を実行する構成としてもよい。
また、右上表示領域479Uにおいて、保留先読み発展型演出における結果(最終の演出の分岐)に至るまでの演出の分岐(途中の演出の分岐)を遊技者が推測可能に表示する。進行可能経路869には、主演出にての片側攻撃演出や双方攻撃演出の結果を示す演出の分岐に対応して分岐する経路に加えて、片側攻撃演出内や双方攻撃演出内での演出の分岐に対応して分岐する経路も備えている。片側攻撃演出や双方攻撃演出は、攻撃構え演出、攻撃演出、ダメージ演出及び結果演出が順次実行される構成とされ、進行可能経路869には、各演出内における演出の分岐に対応して分岐する経路が示され、また、分岐する各経路に分岐先を識別可能な情報が付される。
具体的には、片側攻撃演出に関して、攻撃構え演出における攻撃者の種類による分岐や、攻撃演出において繰り出される攻撃技の種類による分岐や、ダメージ演出におけるダメージの受け方の種類による分岐が、主演出にての実行順序に下方側(進行位置印867の進行方向側)に並べて示される。また、攻撃者の種類による分岐に対して、攻撃者を識別可能な攻撃者識別情報897a(図中における「主攻撃体勢」、「敵攻撃体勢」、「双方攻撃体勢」との囲み文字)が付される。また、攻撃技の種類による分岐に対して、攻撃技を識別可能な技識別情報897b(図中における「弱技」、「強技」、「秘技」との囲み文字)が付される。また、ダメージの受け方の種類による分岐に対して、ダメージの種類を識別可能なダメージ識別情報897c(図中における「直撃」、「防御」、「回避」との囲み文字)が付される。
攻撃演出等の各種の演出における分岐に対して、分岐先ごとに勝利期待度に差が設けられており、攻撃者識別情報897a等の各種の分岐先を識別可能な情報は、勝利期待度情報が示す期待度順(右側ほど高勝利期待度)に左右方向に並べて表示される。具体的には、主人公が攻撃する攻撃演出(進行位置印最初の分岐点で右側の経路に進行した場合)における各種の攻撃技には、勝利期待度に差が設けられており、技識別情報897bとしての弱技(低勝利期待度)や強技(中勝利期待度)や秘技(高勝利期待度)との囲み文字が、勝利期待度が高い順に右から左に並べて表示される。また、敵人公が攻撃する攻撃演出に対しては、技識別情報897bとしての敵が繰り出す弱技と強技と秘技と主人公が繰り出す場合とは逆順の勝利期待度が設定されており、弱技や強技や秘技との囲み文字が、主人公が攻撃する場合とは逆順に並べて表示される。
ダメージ演出等の片側攻撃演出や双方攻撃演出を構成する他の演出における各経路の分岐についても同様に、勝利期待度情報が示す期待度順に左右方向に並べて表示される。これにより、攻撃者の種類についての経路の分岐に関して説明したのと同様に、勝利期待度の高い分岐先が選択されることを期待しつつ主演出における演出の分岐を見守ることが可能になる。また、遊技者は、主演出にて実行されている演出の勝利期待度の高低を知ることができ、勝利期待度を知った上で主演出におけるその後の展開を見守ることが可能になる。
上下方向に並んで表示される経路の分岐と、攻撃者識別情報897aや技識別情報897bなどの分岐先を識別可能な情報によって、遊技者は、片側攻撃演出や双方攻撃演出の開始時又はその前に、それらの攻撃演出の展開、主人公キャラクタ又や敵キャラクタが攻撃する場合があり、攻撃者が攻撃を繰り出し、一方がダメージを受け、被ダメージ者が耐える又は耐え切れない表示が進行して、最終的に主人公キャラクタが勝利したり敗北したりする場合があると推測することが可能になる。
また、双方攻撃演出に関して、攻撃技の組合せの種類による分岐や、被ダメージ者の種類による分岐に対応する経路の分岐が、主演出にての実行順序に即して下方側に並べられて表示される。また、攻撃技の組合せの種類による分岐に対して、攻撃技の組合せを識別可能な技組合せ識別情報897f(図中における「主<敵」、「主=敵」、「主敵秘技」、「主>敵」との囲み文字)が付される。ここで、「主<敵」が主人公の攻撃技が敵の攻撃技よりも弱い組合せを、「主=敵」が主人公の攻撃技と敵の攻撃技とが対等(双方が秘技である場合を除く)である組合せを、「主敵秘技」が主人公の攻撃技と敵の攻撃技との双方が秘技である組合せを、「主>敵」が主人公の攻撃技が敵の攻撃技よりも強い組合せに対応している。
保留先読み発展型演出において、主人公キャラクタ861が異なる姿勢をとる場合があり、異なる姿勢をとる場合に、主演出にての展開が異なると共に、主演出にての結果に対応する演出の分岐までの時間(継続時間)が異なる演出が実行される。
具体的には、バトル演出において、主人公キャラクタ861が、図57(C)に示す腕を下げた歩行姿勢(以下において、通常の歩行姿勢とも称す)で進行する場合と、腕を下げた歩行姿勢の場合よりも腕を高く上げた図57(A)に示す歩行姿勢(以下において、中段構えの歩行姿勢とも称す)で進行する場合と、中段構えの歩行姿勢の場合よりも腕を高く上げた図57(B)に示す歩行姿勢(以下において、上段構えの歩行姿勢とも称す)で進行する場合が設定されている。また、通常の歩行姿勢をとる場合には、バトル演出として双方攻撃演出が一度だけ実行され、上段構えの歩行姿勢で進行する場合には、バトル演出として片側攻撃演出と双方攻撃演出とが必ず実行される設定としている。
ここで、バトル演出における主人公キャラクタ861の歩行姿勢と、バトル演出の展開及び継続時間との相関について、図57を参照して説明する。図57は、保留先読み発展型演出の継続時間に応じて変化する進展情報を示す説明図である。図57(A)が、主人公キャラクタ861が中段構えの歩行姿勢をとる場合を示し、図57(B)が、上段構えの歩行姿勢をとる場合を示し、図57(C)が、通常の歩行姿勢をとる場合を示している。
バトル演出に対して、上述のように、演出の結果が判明するまでに実行される攻撃演出の種類や実行回数が異なる複数種類のシナリオに従って実行される演出が設定されている。その複数種類のシナリオには、双方攻撃演出が一度だけ実行され、演出の結果に対応する演出の分岐までの継続時間が最も短いシナリオ(以下において、短期確定シナリオとも称す)が含まれている。また、その多数のシナリオには、片側攻撃演出と双方攻撃演出の双方が少なくとも一度は実行され、当該継続時間が最短シナリオよりも長いシナリオ(以下において、長期確定シナリオとも称す)が含まれている。長期確定シナリオには、詳細には、片側攻撃演出と双方攻撃演出の双方が一度だけ実行されるシナリオや、片側攻撃演出が二度かつ双方攻撃演出が一度実行されるシナリオや、更に、復活攻撃演出が実行されるシナリオが属している。
バトル演出のシナリオとして短期確定シナリオ及び長期確定シナリオ以外のシナリオが選択された場合、図57(A)に示すように、主人公キャラクタ861が片側攻撃演出通路877Sに進入すると、主人公キャラクタ861の姿勢が、開始演出通路877Pを進行する場合と同じ通常の歩行姿勢(図56(B)参照)から、図57(A)に示すように、中段構えの歩行姿勢に変化する表示が行われる。主人公キャラクタ861の姿勢は、中段構えの歩行姿勢に変化した場合、主人公キャラクタ861が勝利時特典演出通路877V又は敗北時特典演出通路877Dに進入するまで継続され、その後、通常の歩行姿勢に戻る。
バトル演出のシナリオとして長期確定シナリオが選択された場合の一部において、主人公キャラクタ861が片側攻撃演出通路877Sに進入すると、主人公キャラクタ861の姿勢が、通常の歩行姿勢から、図57(C)に示すように、上段構えの歩行姿勢に変化する表示が行われる。上段構えの歩行姿勢への変化は、長期確定シナリオを経てバトルに勝利する場合の一部(30%)と、長期確定シナリオを経てバトルに敗北する場合の一部(例えば、1%)とで発生するように設定されている。一方、上段構えの歩行姿勢へと変化させない場合には、中段構えの歩行姿勢に変化させる表示が行われる。主人公キャラクタ861の姿勢は、片側攻撃演出通路877Sに進入した際に変化した場合、主人公キャラクタ861が勝利時特典演出通路877V又は敗北時特典演出通路877Dに進入するまで継続され、その後、通常の歩行姿勢に戻る。
また、主人公キャラクタ861の歩行姿勢を異ならせることで主人公キャラクタ861の表示形態を変化させる構成であるが、この構成に限らず、主人公キャラクタの体形(例えば、痩せ型の体形と筋肉質の体形)を異ならせたり、動作(例えば、腕を動かさない動作とシャドウボクシングをする動作)を異ならせたり、携帯物(例えば、ナイフ所持と拳銃所持)を異ならせたり、色変化や大きさを変化させる構成としてもよい。主人公キャラクタ861の表示形態は、バトル演出で腕の高さを高くすることで、戦闘意欲が高くバトルに勝利し易いのではないかと遊技者に思わせることを可能にした場合のように、好適な結果になる可能性を遊技者に推測させ易い形態に変化させることが好ましい。
また、保留先読み発展型演出において、主人公キャラクタが敵キャラクタと闘う演出において攻防の種類や回数を変化させることで展開や継続時間の異なる演出を実行し、主人公キャラクタ861の歩行姿勢が異なる場合に展開や継続時間の異なる演出を実行する構成であるが、この構成に限らず、主人公キャラクタが挑む課題を変化させると共に課題を解決するために与えられた時間を変化させることで展開や継続時間の異なる演出を実行し、課題に合わせて主人公キャラクタの表示形態を異ならせる構成としてもよい。例えば、川を飛び超える演出と、川を飛び越える演出よりも長い時間をかけて勝敗が決まる競馬演出と、競馬演出よりも長い時間をかけて崖を登りに挑む崖登り演出を実行する構成とし、主人公キャラクタ861が、川を飛び越える演出の場合にロープを所持し、競馬演出の場合に鞭を所持し、崖のぼり演出の場合にピッケルを所持する等の構成としてもよい。
主人公キャラクタ861の姿勢が上段構えの歩行姿勢に変化した場合、片側攻撃演出にて主人公キャラクタの勝利が決まることも敗北が決まることもないため、図57(C)に示すように、進行可能通路870においてバトルの勝利時や敗北時に主人公キャラクタ861が進行する一点鎖線で示す部分が、バトルの継続に対応する部分よりも明度が低く視認性の低い形態で表示される。このため、一回の攻撃演出でバトルの勝敗が決することはなく、最短の継続時間で終わることがないことを示唆できる。これにより、遊技者は、好適な結果を得易い長期間続く展開が選択された可能性が高いと推測することが可能になる。
また、主人公キャラクタ861の姿勢が上段構えの歩行姿勢に変化した場合、図57(D)に示すように、右上表示領域479Uにおいて、進行可能経路869における主人公キャラクタ861が進行する可能性のない一点鎖線で示す部分や、一点鎖線や白抜き文字で示された情報が、バトルが継続した場合に対応する部分よりも視認性の低い形態で表示される。また、バトル演出の開始直後に双方攻撃演出が実行されることもないため、図57(D)に示すように、進行可能通路870において双方攻撃演出の選択時に主人公キャラクタ861が進行する一点鎖線で示す分岐先の経路(分岐点から双方攻撃体勢情報を結び経路)が、他の分岐先の経路よりも明度が低く視認性の低い形態で表示される。右上表示領域479Uにおける表示変化によっても、可動表示装置480における表示変化の場合と同様に、遊技者は、好適な結果を得易い長期間続く展開が選択された可能性が高いと推測することが可能になる。
また、保留先読み発展型演出のシナリオとして短期確定シナリオが選択された場合の一部において、主人公キャラクタ861が片側攻撃演出通路877Sに進入したとしても歩行姿勢が変化せず、腕を下げた歩行姿勢を維持する表示が行われる。主人公キャラクタ861の歩行姿勢の非変化は、短期確定シナリオを経てバトルに勝利する場合の一部(20%)と、短期確定シナリオを経てバトルに敗北する場合の一部(例えば、30%)とで発生するように設定されている。歩行姿勢が維持される場合以外は、中段構えの歩行姿勢に変化させる表示が行われる。
主人公キャラクタ861の姿勢が変化しない場合、片側攻撃演出が実行されることはないため、図57(E)に示すように、主人公キャラクタ861が片側攻撃演出通路877Sの左端から双方攻撃演出通路877Tの左端までジャンプして移動する表示が行われる。この表示は、残念なパターンとして利用される。これにより、遊技者は、バトル演出の実行時間が短縮され、好適な結果を得難い展開が選択された可能性が高いと推測することが可能になる。
また、主人公キャラクタ861の姿勢が変化しない場合、双方攻撃演出が実行されるため、右上表示領域479Uにおいて、図57(F)に示すように、進行位置印867が、双攻撃体勢情報が付された位置の近傍まで移動する。
また、主人公キャラクタ861の姿勢が変化しない場合、復活攻撃演出が実行されることはないため、右上表示領域479Uにおいて、図57(F)に示すように、進行可能経路869において一点鎖線で示す通路部分や、一点鎖線や白抜き文字で示された情報が視認性の低い形態で表示される。
保留先読み発展型演出において、保留先読み発展型演出を構成する一部の演出が繰り返し実行されて演出の継続時間が延長される場合が設定されている。具体的には、特別遊技状態の開始後であって保留先読み発展型演出が開始される前に変動表示の保留を獲得した場合に、片側攻撃演出が一度だけ繰り返される設定としている。また、特別遊技状態において追加で保留先読み発展型演出が実行される場合において、特別遊技状態の開始後であって先の保留先読み発展型演出の開始後に変動表示の保留を複数獲得した場合に、片側攻撃演出が一度だけ繰り返される設定としている。
以下において、保留先読み発展型演出の継続時間が変動表示の保留回数の増加に基づいて延長される場合の構成について、図58を参照して説明する。図58は、保留先読み発展型演出の継続時間(片側攻撃演出の継続時間)の延長に伴う進展情報の変化を示す説明図である。なお、図58(A)において、表示部479aの内側に位置する文字は、表示部479aに表示される演出の内容を説明するための記載であり、表示部479aに表示されるものではない。
片側攻撃演出において、図58(A)に示すように、表示部479aにおける主演出として、攻撃構え演出と攻撃演出とダメージ演出と結果演出とが順次に実行される。詳細には、以下の表示が行われる。
攻撃構え演出において、主人公と敵とが左右に向き合って対峙している状態で主人公を中央側に寄せる表示と敵を中央に寄せる表示とが交互に行われた後に、主人公又は敵が表示部479aの中央側でクローズアップされて表示される。
攻撃構え演出の後に実行される攻撃演出において、主人公(又は敵)が、攻撃を開始する行動(図中における攻撃開始行動)をとった後に、攻撃技を繰り出す。攻撃技の種類が識別できない行動を経て、秘技、強技又は弱技による攻撃が表示されることで、攻撃演出の途中で攻撃技が判明する。
右上表示領域479U(図56(C)参照)に示される進行可能経路869において、攻撃技が判明するタイミングに対応する位置に分岐点が設けられており、攻撃技が判明するタイミングでvが分岐点に到達する。これにより、遊技者は、攻撃行動は開始されたが攻撃技が判明していない状況において、右上表示領域479Uにおける表示によって、繰り出される可能性のある攻撃技の種類を知ることが可能になる。また、遊技者は、何らかの攻撃技が繰り出された状況において、右上表示領域479Uにおける表示によって、繰り出された攻撃技の種類を知ることが可能になる。なお、攻撃構え演出において攻撃者の種類が判明する場合やダメージ演出においてダメージの種類が判明する場合についても、攻撃演出において攻撃技の種類が判明する場合と同様の表示が右上表示領域479Uで行われる。
攻撃演出の後に実行されるダメージ演出において、敵(又は主人公)が、防御を開始する行動(図中における防御開始行動)を開始した後に、主人公(又は敵)の攻撃を防御しきれずに直撃でダメージを受けたり、防御越しにダメージを受けたり、攻撃を回避できダメージを受けなかったりする。また、敵(又は主人公)がダメージを受けた場合には、敵(又は主人公)が跪き、敵(又は主人公)がダメージを受けなかった場合には、仁王立ちする。
片側攻撃演出におけるバトルの結果を示す結果演出として、攻撃者が主人公であった場合(図中における主人公攻撃時の結果演出)、跪いている敵が倒れて、主人公が勝利する演出(以下において、勝利演出とも称す)、又は、跪いている敵が立ち上がり、勝敗が付かずバトルが継続する演出(以下において、継続演出とも称す)が実行される。
一方、片側攻撃演出におけるバトルの結果を示す結果演出として、敵が攻撃した場合(図中における敵攻撃時の結果演出)、跪いている主人公が倒れ、主人公が敗北する演出(以下において、敗北演出とも称す)又は、跪いている主人公が立ち上がるか主人公が仁王立ちする継続演出が実行される。
また、敵が攻撃した場合の結果演出において、跪いている主人公が倒れそうになったところで味方が登場して立ち上がらせる表示(以下において、特殊継続表示とも称す)の継続演出が行われる場合がある。
継続演出にて特殊継続表示とは異なる通常の継続表示が実行された場合、双方攻撃演出が引き続き実行され、特殊継続表示が実行された場合には、片側攻撃演出が再度実行される。
結果演出において通常の継続表示が実行される場合に、可動表示装置480において、図58(B)に示すように、可動表示装置480の表示域の右端から鳥キャラクタ866が出現し、主人公キャラクタの頭上を通り過ぎる表示が一定の割合(例えば、10%)で行われる。
一方、特殊継続演出が実行される場合、図58(C)に示すように、表示域の右端から鳥キャラクタ866が出現し、鳥キャラクタ866が主人公キャラクタ861に近づくように高度を下げて主人公キャラクタ861を掴んで、片側攻撃演出通路877Sを逆行させて、その左端(片側攻撃演出の開始位置)まで連れ戻す表示が必ず行われる。この連れ戻す表示において、主人公キャラクタ861の上下左右方向の位置を移動させずに、進行可能通路870を右側に移動させることで、進行可能通路870に対する主人公キャラクタ861の位置を変化させる。
鳥キャラクタ866は、主演出にて跪く主人公が表示された後であって、結果演出が開始される前に出現し、結果の判明するタイミングで高度を下げる。これにより、遊技者は、鳥キャラクタ866が出現することで、主演出に味方が登場することを期待して主演出にての展開を見守ることができる。
鳥キャラクタ866は、結果演出の開始直後に、主人公キャラクタ861を片側攻撃演出通路877Sの左端に連れ戻す。これにより、遊技者は、結果演出の終了前に片側攻撃演出が再度実行されることを知ることができる。また、主演出としては、実行されてきた片側攻撃演出の表示が高速で巻き戻されて、主人公と敵とが対峙して表示される。
保留先読み発展型演出において、保留先読み発展型演出を構成する一部の演出が追加で実行されて演出時間が延長される場合が設定されている。具体的には、バトル演出において双方攻撃演出における主人公の敗北後に復活攻撃演出が実行されて、バトル演出における最終的なバトルの勝敗が決まる場合が設定されている。
以下において、復活攻撃演出が実行されることでバトル演出の継続時間が延長される場合について、図59を参照して説明する。図59は、保留先読み発展型演出の継続時間(バトル演出の継続時間)の延長に伴う進展情報の変化を示す説明図である。なお、図59(A)において、表示部479aの内側に位置する文字は、表示部479aに表示される演出の内容を説明するための記載であり、表示部479aに表示されるものではない。
双方攻撃演出において、図59(A)に示すように、表示部479aで実行される主演出として、攻撃構え演出と攻撃演出とダメージ演出と結果演出とが順次に実行される。詳細には以下の表示が行われる。
双方攻撃演出の攻撃構え演出において、主人公と敵とが左右に向き合って対峙している状態で主人公を中央側に寄せる表示と敵を中央に寄せる表示とが交互に行われた後に、両者がクローズアップされる。
攻撃構え演出の後に実行される攻撃演出において、両者が攻撃を開始する行動をとった後に、両者が秘技、強技及び弱技のいずれかの攻撃技を繰り出すことで、攻撃技の組合せが判明する。片側攻撃演出では攻撃者の攻撃技の種類によって勝利期待度を異ならせるのに対して、双方攻撃演出においては、両者の攻撃技の組合せによって勝利期待度を異ならせる設定としている。
攻撃演出の後に実行されるダメージ演出において、敵又は主人公がクローズアップされることでダメージを受けるが判明し、敵又は主人公の一方がダメージを受ける。
結果演出において、敵が倒れる表示(勝利表示)、又は、主人公が倒れる表示(敗北表示)が行われる。敵が倒れた場合には、勝利時特典演出が実行される。主人公が倒れた場合には、通常、敗北時特典演出が実行されるが、一定の割合(例えば、20%)で敗北時特典演出が実行されずに復活攻撃演出が実行される場合が設定されている。復活攻撃演出が実行された場合には、主人公が必ず勝利し、勝利時特典演出が実行される。
復活攻撃演出において、主人公が倒れた後に味方が登場して復活する復活演出と、主人公が秘技で攻撃する攻撃演出と、敵がダメージを受けるダメージ演出と、敵が倒れて主人公が勝利する結果となる結果演出とが実行される。
主人公が倒れた場合に、可動表示装置480において、図58(C)に示すように、双方攻撃演出通路877Tと、勝利時特典演出通路877Vや敗北時特典演出通路877Dとの間が広がり、敗北時に進行する手前側の通路の右端から勝利時特典演出通路877Vの左端に繋がる通路(以下において、復活攻撃演出通路877Rとも称す)が出現する表示が行われる。復活攻撃演出中において、主人公キャラクタ861は、出現した復活攻撃演出通路877Rを進行する。
復活攻撃演出通路877Rは、双方攻撃演出におけるバトルの結果が判明した後に出現する。これにより、遊技者は、主人公が倒れてがっかりしているところで勝利時特典演出通路877Vに繋がる復活攻撃演出通路877Rが出現することで、逆転勝利となることを知り、安心して主演出を見守ることができる。
ここで、保留先読み発展型演出が開始されるラウンドの選択方法について、図60を参照して説明する。図60は、保留先読み発展型演出が開始されるラウンドの選択方法を示す表である。図60(A)が、特別遊技状態の継続ラウンドが5ラウンド以上8ラウンド以下の場合を示し、図60(B)が、特別遊技状態の継続ラウンドが9ラウンド以上15ラウンド以下の場合を示している。
保留先読み発展型演出が実行される発展ラウンドは抽選によって決定される。発展ラウンドの抽選は、実行中の特別遊技状態が5ラウンド以上15ラウンド以下で継続する特別遊技状態の場合に実行される。一方、4ラウンド(最小ラウンド)で継続する特別遊技状態である場合には、発展ラウンドの抽選は実行されず、発展ラウンドが第3ラウンドに設定される。
発展ラウンドの抽選において、発展ラウンドは、実行中の特別遊技状態の継続ラウンド数と、変動表示の保留状態とによって決定される。具体的には、5ラウンド以上8ラウンド以下で継続する特別遊技状態の場合には、図60(A)に示す配分で、また、9ラウンド以上15ラウンド以下で継続する特別遊技状態の場合には、図60(B)に示す配分で決定される。発展ラウンドの抽選は、配分比率を決定するデータを参照して副制御基板940に記憶された抽選プログラムによって実行される。
例えば、5ラウンド以上8ラウンド以下で継続する特別遊技状態において、図60(A)に示すように、発展ラウンドは、特別遊技状態の開始時における変動表示の保留(以下において、開始時保留とも称す)に確変大当りとなる変動表示の保留(以下において、「確変保留」とも称す)が含まれる場合(図中における「確変保留あり」との項目)には、第2ラウンド(図中における「R2」)又は第3ラウンド(図中における「R3」)に20%の割合で、第5ラウンド(図中における「R5」)から最終ラウンドである8ラウンド(図中における「R8」)までのいずれかのラウンドに80%の割合で決定される。また、第2ラウンド又は第3ラウンドが選択された場合に、第2ラウンドと第3ラウンドとは等比率(各10%)で配分される。また、第5ラウンドから最終ラウンドまでが選択された場合、第5ラウンドから最終ラウンドまでの各ラウンドも等比率(5ラウンド継続の場合には80%、6ラウンド継続の場合には各40%、8ラウンド継続の場合には、各20%)で配分される。
また、例えば、9ラウンド以上15ラウンド以下で継続する特別遊技状態において、図60(B)に示すように、発展ラウンドは、開始時保留に確変保留が含まれず時短大当りとなる変動表示の保留(以下において、時短保留とも称す)が含まれる場合(図中における「時短保留あり」との項目)には、第2ラウンド又は第3ラウンドに50%の割合で、第5ラウンドから第8ラウンドまでのいずれかのラウンドに30%の割合で、第9ラウンド(図中における「R9」)から最終ラウンドである第15ラウンド(図中における「R15」)までのいずれかのラウンドに20%の割合で決定される。また、第2ラウンド又は第3ラウンドが選択された場合の各ラウンドは等比率(各5%)で、第5ラウンドから第8ラウンドが選択された場合の各ラウンドは等比率(各5%)で配分される。また、第9ラウンドから最終ラウンドまでが選択された場合、第5ラウンドから最終ラウンドまでの各ラウンドも等比率(9ラウンド継続の場合には20%、6ラウンド継続の場合には各40%、8ラウンド継続の場合には、各20%)で配分される。また、開始時保留に確変保留も時短保留も含まれていない場合(図中における「ハズレ保留のみ」との項目)には、第9ラウンドから最終ラウンドまでのラウンドが選択されることはなく、発展ラウンドとして、第2ラウンド、第3ラウンド又は第5ラウンドから第8ラウンドのいずれかのラウンドが選択される。
発展ラウンドの抽選において、開始時保留に時短保留を含む場合、それらを含まない場合に比べて遅いラウンドが選択され易く、また、開始時保留に確変保留を含む場合、確変保留は含まないものの時短保留を含む場合や確変保留及び時短保留を含まない場合に比べて遅いラウンドが選択され易く設定されている。このため、保留先読み発展型演出が何回目のラウンドで実行されるかによって、確変保留や時短保留が含まれているか否かを示唆することが可能になる。これにより、保留先読み発展型演出に発展するか否かを示唆する前兆演出に遊技者の注意を向けることが可能になり、当該前兆演出によって遊技者を楽しませることが可能になる。例えば、遊技者は、第2ラウンドや第3ラウンドで前兆演出が発生しないことを願いつつ、また、前兆演出が発生した場合には保留先読み発展型演出に発展しないことを願いつつ、また、9ラウンド以上15ラウンド以下で継続する特別遊技状態にあっては、第5ラウンドから第9ラウンドについても同様に願いつつ遊技を進めることが可能になる。
また、前兆演出は発展ラウンド以外のラウンドにおいても発生可能であるため、複数のラウンドにおいて前兆演出を楽しませることが可能になる。
また、9ラウンド以上15ラウンド以下で継続する特別遊技状態においては、確変保留及び時短保留を含まない場合、発展ラウンドの抽選で第9ラウンド以降のラウンドは選択されない設定とされる。このため、9ラウンド以上15ラウンド以下で継続する特別遊技状態においては、第8ラウンドで保留先読み発展型演出が発生しないことによって、特別遊技状態の開始時の保留に確変保留又は時短保留が含まれることを報知することが可能になる。また、発展ラウンドの抽選で第9ラウンド以降のラウンドが選択される割合が、確変保留がある場合(80%)に時短保留はあるが確変保留がない場合(20%)よりも大きく設定している。このため、遊技者は、確変大当りに対応する特別遊技状態に移行する可能性が高いとの大きな期待感をもって遊技を進めることが可能になる。
上記のパチンコ機100において、装飾図柄表示装置479の表示部479aにおける主演出(疑似装飾図柄の変動表示に付随する演出)として、保留先読み発展型演出におけるバトル演出と、バトル演出後に実行され得るバトル勝利時の勝利演出とバトル敗北時の敗北演出とが設定され、副制御基板940における抽選により勝利演出又は敗北演出が選択され、バトル演出が実行された後に勝利演出又は敗北演出が実行され得るように構成されている。
また、バトル演出の実行中において、勝利演出又は敗北演出が実行される分岐時期であるバトル演出においてバトルの最終結果が判明する時期を示唆可能に構成されている。また、バトル演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、勝利演出又は敗北演出が実行される分岐時期に対応するバトル演出通路877上の分岐位置に対する現時点に対応する主人公キャラクタ861が当該分岐位置に近づいていることを示す表示を、遊技者が視認可能な位置に配置された可動表示装置480に表示する構成とされている。
また、主人公キャラクタ861の表示形態として、腕を下に下げた通常の歩行姿勢と、通常の歩行姿勢よりも腕を高く上げた上段構えの歩行姿勢とが設定されている。また、片側攻撃演出通路877Sのみを進行する通常の歩行姿勢をとる主人公キャラクタ861と、片側攻撃演出通路877Sに加えて双方攻撃演出通路877Tも進行する上段構えの歩行姿勢をとる主人公キャラクタ861とは、バトルの最終結果に対応する分岐部分に到達するまでの時間が異なる構成とされている。また、通常の歩行姿勢をとる場合には1回のバトルで最終結果が決まるバトル演出が実行され、上段構えの歩行姿勢をとる場合には2回以上のバトルで勝敗が決まるバトル演出が実行されることで、通常の歩行姿勢をとる場合と上段構えの歩行姿勢をとる場合とで実行される演出が異なるように構成されている。
したがって、上記のパチンコ機100であれば、バトル演出から勝利演出又は敗北演出への演出の分岐に関して、当該演出の分岐に対応する分岐を含むバトル演出通路877に沿って現時点を示す主人公キャラクタ861を進行させる表示を、可動表示装置480で実行することによって、バトルの最終結果が判明する時期を遊技者に把握させ易くすることが可能になる。また、1回の片側攻撃演出によって最終結果が決まるバトル演出では主人公キャラクタ861を通常の歩行姿勢で表示し、片側攻撃演出と双方攻撃演出とを含む複数回の攻撃演出によって最終結果が決まるバトル演出では上段構えの歩行姿勢で表示することで、最終的な勝敗結果が決まる演出の分岐に対応するバトル演出通路877上の分岐位置までのバトル演出通路877の左右方向の長さや主人公キャラクタ861の歩行姿勢の相違によって、遊技者にとって有利な演出が実行される期待度を遊技者に示すことが可能になると共に、分岐時期の相違に遊技者の注意を惹くことが可能になる。これにより、遊技者は、バトル演出中に期待度の変化も楽しみつつ勝敗結果が判明するタイミングを迎え、勝敗結果を見逃すことなく見守ることが可能になる。
<特殊表示演出及びその実行を示唆する示唆表示>
次に、特殊表示演出及びその実行を示唆する示唆表示について、図61~図63を参照して説明する。特殊表示演出は、複数の遊技回に跨って実行される演出である。また、示唆表示は、特殊表示演出が実行されることを示唆する表示であって、特殊表示演出が実行される場合には複数回の遊技回に跨って特殊表示演出が終了する遊技回まで表示可能となるように制御される。
遊技回とは、所定の判定が行われることに先立って又は当該所定の判定が行われたことに基づいて報知手段において遊技回用動作が開始され、当該所定の判定の結果に対応した報知結果とし遊技回用動作が終了する遊技進行の単位を意味する。報知手段は、遊技者に、遊技に関する状況を認識可能に、又は示唆可能に報知する手段であればよい。
当該所定の判定は、既述の特別図柄抽選(第1特別図柄抽選や第2特別図柄抽選)において実行される判定や、特別図柄抽選に基づいて実行される判定を含む。ここで、特別図柄抽選について、改めて簡単に説明する。特別図柄抽選では、第1特別図柄や第2特別図柄に係る始動入賞装置(上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432:図7参照)へ遊技球が入賞した場合(所定の取得条件が成立した場合)に特別図柄に係る当選乱数(特別情報)を取得し、所定の判定として、取得した当選乱数(特別情報)が各種の大当りに対応付けられた値(所定の判定情報)と対応しているか否かの判定を、当選乱数の取得に応じて所定のタイミングにおいて順次行う。また、特別図柄抽選で、所定の判定として、各種の大当りについての判定と共に、取得した当選乱数が小当りに対応付けられた値と対応しているか否かの判定も当選乱数の取得に応じて所定のタイミングにおいて順次行う。
判定の結果としての特別図柄抽選の結果は、各種の継続ラウンド数の確変大当り、各種の継続ラウンド数の時短大当り、小当り又はハズレに分類される。以下において、各遊技回を特別図柄抽選の結果で識別する場合には、例えば、15ラウンド継続の確変大当り遊技回や、10ラウンド継続の時短大当り遊技回や、継続ラウンド数や大当りの種類を区別せずに大当り遊技回や、小当り遊技回や、ハズレ遊技回と称す。
各遊技回において、報知手段としての各種の特別図柄表示装置(第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471、第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472:図6参照)にて、特別図柄抽選の実行に先立って又は特別図柄抽選の実行に基づいて、周回用動作としての特別図柄の変動表示が開始される。また、判定の結果に対応した報知結果としての確変大当り、時短大当り、小当り又はハズレに対応する停止図柄の確定表示(特別図柄が更に変化することのない最終表示)によって、特別図柄の変動表示が終了する。
特別図柄抽選の結果が各種の大当りや小当りである場合には、各種の装置(下大入賞装置433、上大入賞装置434:図7参照)のいずれかが動作するため、各種の大当りや小当りに対応する各遊技回において、特別図柄の変動表示が開始されてから、又は当該特別図柄の変動表示が開始される前に各遊技回での判定結果に基づいて実行される報知手段による遊技回動作が開始されてから、当該各種の装置の動作が終了するまでが遊技回の区切りとなる。一方、判定結果がハズレである各遊技回においては、特別図柄の変動表示が開始されてから、又は開始される前における遊技回動作が開始されてから、終了するまでが遊技回の区切りとなる。
特殊表示演出は、所定条件が成立した場合に実行される。当該所定条件として、第2特別図柄に係る保留が所定の保留状態であることが設定されている。所定条件は、保留に係る状態に限らず、これに代えて、又はこれに加えて、他の条件や状態を含めてもよく、実行中の遊技状態を含めてもよいし、遊技機が取得可能な遊技者に関する情報(例えば、遊技者の性別や年齢が取得可能な場合における遊技者の性別や年齢、遊技が開始されてからの時間など)を含めてもよい。
ここで、特別図柄に係る保留について改めて簡単に説明する。始動入賞に基づき取得された当選乱数(特別情報)を複数記憶可能な構成とされており、遊技回に対応付けられる当選乱数を複数記憶できることで、複数の遊技回を一旦保留した後に順次実行できる。このため、所定の保留状態として、特別図柄に係る保留に含まれる所定の保留(大当りや小当りやハズレに対応する保留)の有無や個数や組合せで識別される保留状態を設定することが可能になる。また、当選乱数を、特別図柄の種類を識別可能で、かつ、特別図柄の種類ごとに取得順序を識別可能な状態で記憶する構成とされている。このため、所定の保留状態として、保留の有無や保留の個数や保留に対応付けられた特別図柄抽選の結果に加えて、特別図柄の種別や、特別図柄抽選の結果の組合せや、保留の取得の順序をも、所定条件の一部として指定する保留状態を設定することが可能になる。以下において、遊技回の保留を特別図柄抽選の結果で識別する場合には、大当りの種類を含めた確変大当り保留や時短大当り保留や、大当りの種類を区別せずに大当り保留や、小当り保留や、ハズレ保留と称す。
当該所定条件として、具体的には、第2特別図柄に係る保留に小当り保留を3連続で含む保留状態であることが設定されている。以下において、当該所定条件を特殊表示演出の開始条件とも称す。
なお、特殊表示演出の開始条件としての第2特別図柄の保留状態は、小当り保留が3連続で含まれる保留状態である構成に限らず、他の保留状態、例えば、複数の小当り保留が含まれる保留状態や、小当り保留と大当り保留とが含まれる保留状態である構成としてもよい。
また、特殊表示演出の開始条件として、第2特別図柄の保留状態に対する条件を設定する構成に限らず、第1特別図柄の保留状態に対する条件や、第1特別図柄と第2特別図柄とを識別せず、それらの特別図柄の保留状態に対する条件を設定する構成としてもよい。
また、特殊表示演出の開始条件として、各種の特別図柄の保留状態に対する条件を設定する構成に限らず、その条件に加えて遊技状態の種類に対する条件を設定する構成としてもよい。この場合、特殊表示演出が、特別図柄の保留状態に対する条件を通常遊技状態で満たした場合には開始されず、時短遊技状態で満たした場合には実行される構成のように、特殊表示演出が、実行中の遊技状態によって実行されたり、実行されなかったりする構成を実現できる。また、特殊表示演出の開始条件として、各種の特別図柄の保留状態に対する条件に代えて遊技状態の種類に対する条件を設定する構成としてもよい。
また、特殊表示演出の開始条件として、特別図柄の保留状態に対する条件を設定する構成に限らず、その条件に加えて特別遊技状態の種類(例えば、継続ラウンド数や移行先の遊技状態やその継続期間の違いによる分類)を条件とする構成としてもよい。この場合、特殊表示演出が、例えば、6ラウンド未満で継続する確変移行の特別遊技状態では開始されず、6ラウンド未満で継続する時短移行の特別遊技状態や、6ラウンド以上で継続する確変移行の特別遊技状態では開始される構成のように、特別図柄の保留状態に対する条件を満たしている特別遊技状態であっても、特別遊技状態の種類によって実行されたり、実行されなかったりする構成を実現できる。また、特殊表示演出の開始条件として、各種の特別図柄の保留状態に対する条件に代えて、遊技状態の種類に対する条件を設定する構成としてもよい。
また、特殊表示演出の開始条件として、特別図柄の保留状態を対象とする条件が設定される構成であるが、この構成に限らず、特別図柄の保留状態を対象とする条件に代えて又は加えて、特別図柄の保留状態とは異なる対象、例えば、上記の遊技状態の種類や特別遊技状態の種類以外にも、遊技状態の切り替わりの発生や、遊技状態の切り替わりの種類や、遊技状態の切り替わりからの遊技回の実行回数や、遊技進行に伴い獲得可能なポイントの獲得数や、専用の抽選による結果や、それらの組合せを対象とする条件が設定される構成としてもよい。
ここで、特殊表示演出の開始条件を指定する要素である小当りに関連する事項について簡単に説明する。小当りは特別図柄抽選における当否判定の対象であり、取得した当選乱数が小当りに対応付けられた値であると判定された遊技回(小当り遊技回)において、特別図柄やそれに同期して表示される装飾図柄479Z(図50参照)は、変動表示後に小当りに対応付けられた図柄の組合せで停止する。具体的には、小当りに対応付けられた図柄の組合せとして、左図柄及び右図柄が同一であって中図柄が左右の図柄に対して1だけ前後にずれた図柄である組合せ(例えば、767,787:以下において、中ズレ目とも称す)や、左図柄から右図柄に向けて昇順又は降順でずれた図柄の組合せ(例えば、789,765:以下において、順目とも称す)が例示できる。また、左図柄、中図柄及び右図柄が同一図柄であって、大当り図柄とは異なる図柄として設定した図柄揃い(例えば、222、444、666、888となる偶数図柄の場合に小当り図柄とし、例えば、111、333、555、777、999となる奇数図柄の場合に大当り図柄とする場合)の場合に小当りとしてもよい。このように小当りと大当りにおいて同一図柄が揃った組み合わせとすると、図柄が揃う表示態様が複数回連続して実行されることがあり、遊技者は図柄が揃った状態で表示されれば、何等かの賞球を獲得することができるということが認識し易くなり、図柄が揃って表示されることの連続性に期待感をもって遊技を楽しむことができる。
また、小当り遊技回では、特別図柄や装飾図柄479Zが停止した後に、大入賞装置(具体的には、下大入賞装置433や上大入賞装置434)が複数回(例えば、6回)に分けて所定の時間(例えば、1.8秒)ずつ進入許容状態(遊技球の進入を許容する状態)をとる。小当りに基づく大入賞装置の動作は、最終回の進入許容状態が終了した場合又は当該終了までに規定数(具体的には、10球)の遊技球が大入賞装置に進入(大入賞)した場合に停止する。このため、遊技者は、小当り遊技回では、概ね、規定数の大入賞が期待でき、規定数の大入賞に対応する個数(具体的には、大入賞ごとの獲得数を15球として、150球)の遊技球を獲得することができる。
以下において、規定数の大入賞に基づき獲得できる遊技球の個数を規定獲得数とも称す。例えば、小当りの規定獲得数は上記のように150球で、3回分の小当りの規定獲得数はその3倍の450球となる。同様に、特別遊技状態における各ラウンドの規定獲得数は、規定数を10球とし、大入賞ごとの獲得数を10球として100球となり、3ラウンド分の規定獲得数はその3倍の300球となる。
このため、小当り3回分の規定獲得数は大当りの3ラウンド分の規定獲得数よりも多い規定獲得数となる場合があり、小当りが3回連続した場合に特殊表示演出が発動されるように設定することは遊技者にとっては大当りが発生したことと同様の遊技価値と感じることがあり、特殊表示演出が発動されることへ期待感をもって遊技を楽しむことができる。
特に、特別遊技状態中、すなわち大当り中に特殊表示演出を実行する場合には、3ラウンド目を超えた4ラウンド目以降に特殊表示演出が発動されるようにすることが好ましい。このようにすれば、遊技者は大当りラウンド数が増加されたような感覚を体感することができ、どこまでもラウンド数が増加することを期待して遊技を行うことが可能となる。
小当り遊技回の実行頻度は、第2特別図柄に係る特別図柄抽選での当選確率が第1特別図柄に係る特別図柄抽選での当選確率よりも高く設定されているため、主として第2特別図柄に係る遊技回が繰り返される特定遊技状態(具体的には、確変遊技状態や時短遊技状態)において、通常遊技状態の場合に比べて高くなる。また、特定遊技状態における遊技回の実行時間が、大当り期待度が高い演出が実行される場合(例えば、20分の1)を除き、通常遊技状態の場合に比べて短く設定されているため、単位時間当たりの小当り遊技回の実行頻度は、更に高くなる。
特殊表示演出は、通常遊技状態とは異なる遊技状態において実行可能とされている。具体的には、特別遊技状態や特定遊技状態において実行可能に構成されている。このため、遊技者が通常遊技状態に比べて高い頻度で遊技球を獲得可能な状態において、特殊表示演出を実行することが可能になる。
特殊表示演出は、特別遊技状態に移行する遊技回から特別遊技状態後の遊技回を跨いで実行可能に構成されている。このため、特別遊技状態から特定遊技状態へ移行する区切りを遊技者に認識させ難くすることが可能になる。
なお、特殊表示演出は、特別遊技状態に移行する遊技回で開始される構成に限らず、特定遊技状態において開始条件が成立した遊技回の直後の遊技回又はそれ以降の遊技回から開始され、開始条件を満たした遊技状態が継続する構成としてもよい。また、特殊表示演出は、特殊表示演出が終了した確変遊技状態中や時短遊技状態中において新たに開始条件を満たした場合に、開始条件を満たした遊技回の次の遊技回又はそれ以降の遊技回から開始され、開始条件を満たした遊技状態が継続する期間内に終了する特殊表示演出を新たに実行可能な構成としてもよい。
また、特殊表示演出は、特別遊技状態や確変遊技状態や時短遊技状態などの遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な遊技状態で開始される構成に限らず、それらの遊技回に代えて又は加えて、通常遊技状態で開始可能な構成、例えば、通常遊技状態において開始条件を満たした遊技回やそれ以降の通常遊技状態の継続中に実行される遊技回で開始可能な構成や、開始条件を満たした後に通常遊技状態に移行する遊技回で開始可能な構成としてもよい。
通常遊技状態よりも有利な遊技状態と通常遊技状態とで特殊表示演出が開始可能な構成とする場合には、特殊表示演出として、開始時の遊技状態に依らず同一の態様の演出を実行する構成としてもよいし、それらの遊技状態で異なる態様、例えば、有利な遊技状態では遊技球の獲得個数に関する情報を表示するものの通常遊技状態では表示しない態様や、出現するキャラクタの種類や数が異なる態様、有利な遊技状態では夜背景とするのに対して通常遊技状態では夕方背景となるなど色味が異なる態様で実行する構成としてもよい。
特殊表示演出が実行された場合には、特殊表示演出は、特別遊技状態後において、所定の回数(例えば、100回)に亘って継続する特定遊技状態が終了する場合に終了する。また、特定遊技状態中において、所定の終了条件が成立した場合(例えば、ハズレ遊技回が4回連続で実行される場合)終了する。また、特殊表示演出は、特殊表示演出の実行中の大当りに基づき特別遊技状態に移行する場合、確変遊技状態中の確変大当りに基づく特別遊技状態の場合を除き、当該移行によって終了する。
特殊表示演出は、大当り遊技回における保留内容を先読みすることによって、特殊表示演出実行条件が成立している場合、すなわち、小当り3回が連続している場合において大当り遊技回における特別遊技状態の途中から実行可能に構成されている。このため、特別遊技状態とその後に移行する遊技状態との区切りを遊技者に認識させ難くし、特別遊技状態の一部の期間を移行後の遊技状態における遊技進行に見せかけたり、移行後の遊技状態における遊技進行を特別遊技状態の一部の期間に見せかけたりする演出を実行することが可能になる。また、特殊表示演出が実行される時間の最短時間を長く確保し易くなるため、特殊表示演出として継続時間の長い演出を採用し易くなるなど、演出選択の自由度を向上させることが可能になる。
なお、特殊表示演出は、特別遊技状態の途中から開始される構成に限らず、特別遊技状態の開始時(オープニングの開始時)や開始前(変動表示開始時や変動表示中)や特別遊技状態の終了後(大当り遊技回の次の遊技回やそれ以降の遊技回)に開始される構成としてもよい。
特殊表示演出が実行されることを示唆する示唆表示(以下において、特殊示唆表示とも称す)は、特殊表示演出が開始される前から表示され、特殊表示演出が開始された後も表示される。具体的には、特殊示唆表示は、特殊表示演出が実行される遊技回において特殊表示演出が実行される前から表示され、特殊表示演出が終了する遊技回まで表示される。このため、特殊示唆表示によって、特殊表示演出が実行されていない場合には特殊表示演出の開始を示唆し、また、特殊表示演出が実行されている場合には特殊表示演出の継続を示唆することが可能になる。したがって、遊技者は、特殊表示演出が実行されていない場合には、特殊示唆表示が表示されることを期待しつつ遊技を行え、また、特殊示唆表示が表示された場合には、特殊表示演出が開始されることを期待しつつ遊技を行える。また、遊技者は、特殊表示演出が実行されている場合であって特殊示唆表示が表示中である場合には、特殊表示演出が継続されることを期待しつつ遊技を行える。
図61は、特別遊技状態中における特殊表示演出及びその実行の示唆表示(特殊示唆表示)の推移を模式的に示す説明図である。特別遊技状態中に特殊表示演出が実行される場合には、特殊表示演出の開始条件に設定されている第2特別図柄に係る保留(最大4つの保留)に3連続で小当りに対応する保留を含む保留状態であることを判定する必要がある。この判定は特別遊技状態が開始される直前あるいは特別遊技状態中の所定のタイミングにおいて判定処理が実行され、当該条件が成立している場合に特殊表示演出が特別遊技状態中の所定のタイミングにおいて実行される場合があるように構成されている。
図61(A)には、特殊表示演出が特別遊技状態の途中(具体的には、第4ラウンドの途中)で開始される場合であって、特殊示唆表示の開始直前が示され、図61(B)には、特殊示唆表示の開始直後(具体的には、第4ラウンドの途中)が示され、図61(C)には、特殊表示演出の開始直前(具体的には、第4ラウンドの終了時)が示されている。また、図61(D)には、特殊表示演出が特別遊技状態の途中で開始された場合(具体的には、第5ラウンドの実行中)が示され、図61(E)には、特殊表示演出が特別遊技状態中で継続している場合(具体的には、第8ラウンドの開始直後)が示され、図61(F)には、特殊表示演出の実行中に特別遊技状態が終了する場合(具体的には、エンディングの終了直前)が示されている。なお、図61(A)~(F)の右図において、表示部479a内に丸括弧付きで記載した文字(例えば、特殊表示演出)は、説明の理解を容易とするための文言であり、表示部479aに実際に表示されるものではない。また、図62及び図63についても同様とする。
特別遊技状態において、図61(A)の左図に示すように、可動表示装置480に疑似図柄480Z(絵柄)が表示される。具体的には、疑似図柄480Zは、可動表示装置480において左右方向の中央よりも左側に位置する表示領域(第1表示領域:以下において、左側領域480Aとも称す)に表示される。疑似図柄480Zは、一時的に拡大して表示される場合(図61(C)参照)を除き、左下隅であって、可動表示装置480が近接配置をとる場合に、装飾図柄表示装置479と前後方向に重なる範囲に表示される。
また、特別遊技状態において、図61(A)の右図に示すように、装飾図柄表示装置479の表示部479aに装飾図柄(絵柄)が表示される。具体的には、装飾図柄479Zは、通常遊技状態において変動表示(可変表示)される表示領域(第2表示領域:以下において、中央広領域479Bとも称す)に表示される。装飾図柄479Zは、一時的に拡大して表示される場合(図50(A)の右3段図参照)を除き、中央広領域479Bにおける左上側の一部の範囲であって、近接配置をとる可動表示装置480の背後の正面視では視認できない位置に、通常の場合(図50(A)の右3~5段図参照)よりも縮小された状態で表示される。
なお、疑似図柄480Zが表示される左側領域480Aと装飾図柄479Zが表示される中央広領域479Bとが重なる構成に限らず、疑似図柄480Zが表示される領域と装飾図柄479Zが表示される領域とが重ならない構成、例えば、拡大して表示されていない疑似図柄480Zを可動表示装置480の左上隅に表示し、左側領域480Aと同一幅で可動表示装置480の上端から表示部479aと重ならない高さ範囲までの領域を、疑似図柄480Zの表示領域とする構成としてもよい。
また、疑似図柄480Zが表示される領域(左側領域480A)と装飾図柄479Zが表示される領域(中央広領域479B)とは、別体の表示装置(可動表示装置480と装飾図柄表示装置479)に割り当てられる構成に限らず、一の表示装置、例えば、装飾図柄表示装置479における異なる領域として割り当てられる構成としてもよい。
特殊表示演出の開始条件として、第2特別図柄に係る保留(最大4つの保留)に3連続で小当りに対応する保留を含む保留状態であることが設定されている。このため、特別遊技状態の終了後に、少なくとも、既に保留されている3回の小当り遊技回に跨って、実行可能になる。これにより、特殊表示演出を有利な状態で長く継続させることが可能になり、また、特殊表示演出の開始直後に少なくとも3回の小当りに基づく利益を連続して与えることが可能になる。したがって、遊技者は、特殊表示演出の実行を期待しつつ遊技を行え、また、特殊表示演出が実行された場合には、その実行初期に所定の纏まった利益を得られることで安心して特殊表示演出を楽しむことができる。
なお、特殊表示演出の開始条件としての第2特別図柄に係る保留に対する保留状態は、3連続で小当りが含まれる保留状態である構成に限らず、他の保留状態(例えば、複数の小当りが含まれる保留状態)である構成としてもよい。
特殊表示演出の開始条件が成立しているか否かは、特別遊技状態の開始時において判定される。このため、特別遊技状態の途中から特殊表示演出を開始させることが可能になる。
なお、特殊表示演出の開始条件の判定は、特別遊技状態の開始時に行われる構成に限らず、特別遊技状態の開始前(例えば、特別遊技状態に移行する遊技回における装飾図柄479Zの変動開始時や変動表示)に行われる構成や、特別遊技状態の開始後(例えば、示唆表示が実行されるラウンドの開始時やエンディングの開始時)に行われる構成としてもよい。
また、特殊表示演出の開始条件の判定は、各種類の特別遊技状態で必ず実行される構成に限らず、各種類の特別遊技状態に対する抽選に基づいて所定の割合(例えば、30%)で実行される構成としてもよい。また、特殊表示演出の開始条件の判定は、各特別遊技状態で実行される構成に限らず、一部の種類の特別遊技状態(例えば、継続ラウンド数が7ラウンド以上の特別遊技状態や時短遊技状態に移行する特別遊技状態)では実行されるものの、他の種類の特別遊技状態では実行されないなど、第2特別図柄に係る保留に3連続で小当りに対応する保留が含まれている保留状態であっても、大当りの種類によって特殊表示演出が実行される場合もあれば実行されない場合もある構成としてもよい。
以下において、時短遊技状態に移行する10ラウンド継続の特別遊技状態であって、第4ラウンドで特殊示唆表示が開始され、第5ラウンドで特殊表示演出が開始される場合を一例として挙げて説明する。
特別遊技状態が開始されると、可動表示装置480と表示部479aとにおいて、特殊表示演出の開始条件が成立している否かに依らず、特別遊技状態の途中(示唆表示の開始)までは、当該開始条件が成立していない場合と同一の通常表示演出(図51~図53参照)が実行される。可動表示装置480における通常表示演出としては、図61(A)に示すような主人公キャラクタ861が各種の識別情報(オープニング識別情報862や、第4ラウンド識別情報863d等のラウンド識別情報)の設けられた進行可能通路870を進行する演出が実行される。また、表示部479aの通常表示演出として、主人公が街中を進行しつつ課題に挑戦する演出が実行される。
特殊示唆表示は、特別遊技状態の途中で開始される。具体的には、図61(A)に示すように、主人公キャラクタ861が進行可能通路870上の第4ラウンド識別情報863dと次の識別情報(図中では、エンディング識別情報864)との間を進行中である第4ラウンドにおいて開始される。詳細には、特殊示唆表示は、第4ラウンドにおける6球目の大入賞(下大入賞装置433又は上大入賞装置434への6球目の遊技球の大入賞)に伴って、ラウンド延長演出(図54参照)に代えて開始される。
特殊示唆表示の開始に際して、疑似図柄480Zの変動表示の形態が変化する。具体的には、その開始に先立ち(詳細には、第4ラウンドにおける6球目の大入賞の直後)、疑似図柄480Zの右図柄が回転を停止し、疑似図柄480Zは、図61(A)の左図に示すように、左図柄と右図柄との回転が停止しており、中図柄の回転が停止していない状態となる。これに対して、特殊表示演出の開始条件が成立していない場合であって特殊示唆表示が開始されない場合には、疑似図柄480Zは、左図柄の回転が停止しており、右図柄と中図柄との回転が停止していない状態を維持する(図54(A)の左図参照)。
なお、疑似図柄480Zの変動表示の状態変化が特殊示唆表示の開始を示す構成に限らず、例えば、右図柄は第2ラウンドや第3ラウンドでも停止可能とされ、いずれのラウンドで右図柄が停止するかによって、示唆表示の実行を示唆したり、示唆表示の実行時における特殊表示演出の実行期待度を示唆したりするなど、その形態変化のタイミングによって示唆表示の実行期待度や特殊表示演出の実行期待度を示唆する構成としてもよい。
特殊示唆表示として、その開始時に、図61(B)の左図に示すように、可動表示装置480において、主人公キャラクタ861が巨大化する表示が行われる。このため、主人公キャラクタ861を目立たせることが可能になる。
主人公キャラクタ861が巨大化する表示では、その巨大化に際して、疑似保留表示480Hは巨大化されない。特別遊技状態においては、以下で説明するように、疑似図柄480Zの回転の停止は遊技回の進行に同期せずに変化可能とされているため、疑似図柄480Zの変動状態の変化と保留状態の変化との不一致を目立たせないことが可能になる。なお、特殊示唆表示の実行中において、特殊示唆表示の近傍に疑似保留表示480Hを表示する構成に限らず、疑似保留表示480Hを可動表示装置480の左上隅など目立たない他の位置に移動する構成や、疑似保留表示480Hを非表示化する構成としてもよい。
また、特殊示唆表示として、図61(B)の左図に示すように、巨大化した主人公キャラクタ861が、所定の期間(規定数目の大入賞としての10球目の遊技球の大入賞までの期間)に亘り、〇印が付された〇旗886Cと×印が付された×旗886Eとを交互に上げ下げする動作(以下において、旗選択中動作とも称す)が表示される。
特殊示唆表示における旗選択中動作や旗掲揚動作の表示は可動表示装置480の中央近傍の表示領域(以下において、中側領域480Cとも称する)で行われるが、特殊示唆表示として、図61(B)の右図に示すような装飾図柄表示装置479の中央近傍であって中央広領域479Bよりも縦長で狭い領域(以下において、中央狭領域479Cとも称する)において、主人公キャラクタ861による動作(図62(E)の右図)が表示される場合も設定されている。このため、特殊示唆表示は、その実行期間を通してみれば、中側領域480Cと中央狭領域479Cとで構成される表示領域(第3表示領域)で実行される。
なお、特殊示唆表示の表示領域(中側領域480C及び中央狭領域479C)は、疑似図柄480Zの表示領域(左側領域480A)と重ならない範囲に設定される構成に限らず、疑似図柄480Zの表示領域と重なる範囲に設定される構成としてもよい。また、特殊示唆表示の表示領域は、装飾図柄479Zの表示領域(中央広領域479B)と重なる範囲に設定される構成に限らず、装飾図柄479Zの表示領域と重ならない範囲に設定される構成としてもよい。
また、特殊示唆表示は、別体である複数の表示装置(可動表示装置480と装飾図柄表示装置479)の各々に割り当てられた表示領域(中側領域480C及び中央狭領域479C)で実行される構成に限らず、一の表示装置(可動表示装置480と装飾図柄表示装置479との一方)に割り当てられた表示領域(中側領域480C又は中央狭領域479C)で実行される構成としてもよい。
特殊示唆表示として、旗選択中動作に引き続き、図61(C)の左図に示すように、〇旗886Cと×旗886Eとの一方(図中では〇旗886C)を主人公キャラクタ861が旗選択中動作の場合よりも高く掲げる動作(以下において、旗掲揚動作とも称す)が表示される。
特殊示唆表示は、特殊表示演出の開始条件が成立していない場合であっても、一定の割合で実行可能とされている。具体的には、特殊表示演出の開始条件が成立していない場合に、示唆表示を実行するか否かを抽選によって決定する構成とされている。この場合に実行される示唆表示においては、旗掲揚動作で〇旗886Cに代えて×旗886Eを高く掲げる表示が行われる。このため、特殊示唆表示において旗選択中動作が開始されたとしても特殊表示演出が開始される場合もあれば開始されない場合も生じさせることが可能となり、特殊表示演出によって特殊表示演出の実行を示唆することができる。
特殊示唆表示の実行中において、特殊表示演出が開始される場合には、疑似図柄480Zを異なる表示態様に変化させる表示が行われる。具体的には、図61(C)の左図に示すように、〇旗を掲揚する旗掲揚動作の表示と共に、疑似図柄480Zが左側領域480A内で拡大され、拡大された全ての図柄の回転が停止した状態で表示される。このとき、拡大された疑似図柄480Zは、特別遊技状態に移行する遊技回に対する特別図柄抽選の結果に対応した大当りの図柄の組合せであって、装飾図柄479Zの変動表示後に示された図柄の組合せで表示される。
特殊表示演出は、特別遊技状態の途中で開始される。具体的には、特殊表示演出は、示唆表示において〇旗886Cを掲揚する表示が行われた後であって、示唆表示が実行されたラウンド(第4ラウンド)の次のラウンド(第5ラウンド)の開始に伴って開始される。
このため、特別遊技状態に移行する大当り遊技回と特別遊技状態の終了後に実行される3回の小当り遊技回とに跨って、特殊表示演出を実行することが可能になり、特殊表示演出を遊技者にとって有利な状態で長く継続させることが可能になる。また、特殊表示演出の開始初期までに保留されていた3回の小当りに基づく利益(具体的には、小当り時の大入賞に基づく遊技球の獲得)に加えて、特別遊技状態中の少なくとも一部の利益(具体的には、第5ラウンドから最終ラウンドまでの大入賞に基づく遊技球の獲得)をも受けることが可能になり、特殊表示演出の開始初期に獲得可能な利益を増大させることが可能になる。このように特別遊技状態中に特殊表示演出を開始するようにすれば、遊技者にとっては遊技利益を獲得している状態が長く継続することができることとなり、特別遊技状態中に特殊表示演出が開始されることに対し、遊技者は期待感をもって遊技をおこなうことができる。また、特殊示唆表示は第4ラウンドの途中から開始されるようになっていたが、これはこのタイミングまでに獲得した賞球数と小当たり3回分にて獲得できる賞球数とがほぼ同様な遊技価値となり、特殊表示演出が開始された場合には、特別遊技状態終了後、これぐらいの賞球を獲得することができるという目安となるタイミングであり、特別遊技状態が延長されたように感じることができるものとすることができる。
特殊表示演出は、表示部479aと可動表示装置480との双方において実行される。このため、それらの一方のみで行う場合に比べて、特殊表示演出を目立たせることが可能になる。
表示部479aにおける特殊表示演出として、例えば、通常遊技状態においては実行されない演出であって、主人公が冒険するストーリーが展開される演出(以下において、ストーリー演出とも称す)が実行される。特殊表示演出の開始時に、複数のストーリー(例えば、山を冒険する演出、川を冒険する演出、海を冒険する演出などの10種類のストーリー)から1つが選択され、選択されたストーリーが実行される。また、特殊表示演出の実行中に1つのストーリーが終了した場合には、他のストーリーが連続して実行される。各ストーリーの継続時間(例えば、15分)は、通常遊技状態における装飾図柄479Zの変動表示に伴って実行される演出の最長継続時間(例えば、2分30秒)よりも長く設定されている。このため、特殊表示演出として、演出の区切り(ストーリーの切り替わりまでの期間)が長い表示を行うことが可能になる。
このストーリー演出において、複数のストーリーが連続して実行される場合には、各ストーリーは、継続時間の経過に伴って遊技回の途中であっても切り替えられる。また、特殊表示演出が終了する場合には、実行中のストーリー演出は、特殊表示演出が終了する遊技回において通常表示演出へ戻す繋ぎ表示(所謂、エンディング)が実行された後に、その遊技回の終了に同期して終了する。
なお、ストーリー演出は、連続して実行されるストーリーが遊技回の進行に同期せずに開始され、その進行に同期せずに終了する構成に限らず、遊技回の進行に同期して、例えば、各ストーリーの継続時間が満了する遊技回の終了に伴ってストーリが終了し、遊技回の開始に伴って次のストーリーが開始される構成としてもよい。
また、ストーリー演出は、各ストーリーの進行が実行時間によって管理される構成に限らず、獲得した遊技数の個数によって管理される構成、例えば、獲得した遊技球の個数が所定の数(例えば、1000球)だけ増加した場合に次のストーリーに切り替わる構成としてもよい。
また、表示部479aにおける特殊表示演出は、ストーリー演出が実行される構成に限らず、ストーリー演出に代えて又は加えて、特殊表示演出に対して専用の表示(例えば、「特殊ラッシュ突入!」との文字情報の表示、専用のキャラクタの表示)などを開始時又は実行中に亘って継続して表示する構成としてもよい。この場合、特殊表示演出と通常表示演出との識別性を高めることが可能となり、遊技者は特殊表示演出が実行されていることを認識し易くなる。また、特殊表示演出は、その実行を明示する構成に限らず、通常表示演出では稀にしか出現しない表示や演出の出現頻度を高めるなど、特殊表示演出の実行を示唆する構成としてもよい。この場合も、特殊表示演出と通常表示演出との識別性を高めることが可能となり、示唆演出の結果を見逃したがとしても、遊技者は特殊表示演出が実行されていることを認識し易くなる。
また、表示部479aにおける特殊表示演出は、画像による表示が行われる構成に限らず、画像に代えて又は加えて、所定の部位(例えば、左可動部材10と右可動部材20)を通常表示演出とは異なる態様の光、例えば、通常表示演出で発光しない部位を発光させる態様や、通常表示演出で発光する場合と異なる発光色や発光パターンが異なる態様の光で、明示又は示唆するように示す構成としてもよい。同様に、画像による表示が行われる構成に限らず、画像に代えて又は加えて、通常表示演出とは異なる態様の音、例えば、通常表示演出の場合と異なる音質や言葉や楽曲が異なる態様の音で、明示又は示唆するように示す構成としてもよい。画像による表示に代えて又は加えて、光や音で明示又は示唆するように示す構成は、以下で説明する可動表示装置480における特殊表示演出についても適用できる。
一方、可動表示装置480における特殊表示演出として、特別遊技状態に移行したことに基づいて開始され、特別遊技状態から通常遊技状態へ移行したことに基づいて終了する期間(以下において、有利状態継続期間とも称す)に発生した遊技情報を蓄積し、蓄積された遊技情報を含む蓄積遊技情報表示を表示する演出が実行される。
このため、特別遊技状態中であって特殊表示演出の開始前に発生した遊技情報を蓄積することが可能になり、また、特殊表示演出の開始前に蓄積された遊技情報に対して、遊技状態継続期間における特殊表示演出の実行中に発生した遊技情報を蓄積することが可能になる。また、蓄積遊技情報表示の表示内容を、遊技情報の蓄積状況に合わせて変化させつつ表示することが可能になる。
蓄積遊技情報表示の一種として、各大入賞に基づき獲得した遊技球の個数の情報を遊技情報とする表示であって、蓄積された遊技情報として当該個数の情報を特別遊技状態の開始から蓄積した情報を含む表示(図61(C)の左図参照:図中では一点鎖線で示す「420球GET」との文字表示)が行われる。以下において、特別遊技状態の開始から獲得した遊技球の総個数の情報を総獲得数情報とも称し、また、総獲得数情報を含む表示を総獲得数情報表示487とも称す。
また、蓄積遊技情報表示の一種として、遊技情報としての遊技時間の情報を特別遊技状態の開始から蓄積した総時間の情報を含む表示(図61(C)の左図参照:図中では一点鎖線で示す「0分55秒継続中」との文字情報)が行われる。以下において、上記の総時間の情報を継続時間情報とも称し、また、継続時間情報を含む表示を継続時間情報表示488とも称す。
総獲得数情報や継続時間情報などの遊技情報の蓄積は、副制御基板940(図10参照)にて実行され、副制御基板940には、獲得した各種の遊技情報を個別に蓄積するプログラムとそのプログラムで参照されるデータが記憶されている。
総獲得数情報表示487及び継続時間情報表示488は、特殊表示演出が終了する遊技回までの複数の遊技回に跨って表示される(特殊表示演出の実行中を表す図61(D)~(F)及び図62(A)~図62(E)、並びに、特殊表示演出が終了した場合を表す図62(F)参照)。
なお、総獲得数情報表示487及び継続時間情報表示488の表示は、特殊表示演出が終了する遊技回まで継続する構成に限らず、特殊表示演出が終了する遊技回の前に終了する構成やその遊技回の後に終了する構成としてもよい。
有利状態継続期間に発生することが予定された遊技情報を先読みして蓄積し、先読みで蓄積された遊技情報を含む先読み遊技情報表示を表示する構成としている。このため、特別遊技状態中の未実行期間において獲得予定の遊技情報や、保留された遊技回において獲得予定の遊技情報を先読みで蓄積することが可能になり、先読みで蓄積された遊技情報を実際の獲得に先立って表示することが可能になる。
具体的には、先読み遊技情報表示として、図61(C)の右図に一点鎖線で示すように、遊技情報としての実行予定のラウンド(実行を開始したラウンドやそれに後続する1又は複数の未実行のラウンド)の回数や保留された小当り遊技回の回数の情報を先読みし、その回数とラウンドや小当り遊技回の規定獲得数とに基づいて算定された獲得予定の遊技球の個数の情報を含む表示(図中では、「+300」との文字表示)が行われる。以下において、上記の算定された獲得予定の遊技球の個数の情報を獲得予定数情報とも称し、獲得予定数情報を含む表示を獲得予定数情報表示489とも称す。
獲得予定数情報などの遊技情報の先読みによる蓄積は、副制御基板940にて実行され、副制御基板940には、各種の獲得予定の遊技情報を先読みして蓄積するプログラムとそのプログラムで参照される各種の規定獲得数等のデータが記憶されている。
総獲得数情報表示487において、特殊表示演出の開始時(実行時)の総獲得数情報として、図61(C)の左図に一点鎖線で示すように、特殊表示演出が開始される前までに実行されたラウンド(第1~第4ラウンド)で獲得した遊技球の個数情報(図中では「420球」との文字情報)が示される。
なお、総獲得数情報表示487は、獲得した遊技球の総数を含む構成に限らず、獲得した遊技球の総数に代えて又は加えて、獲得した遊技球の総数から打ち出した遊技球の総数を差し引いた差分(純増数)の情報を含む構成としてもよい。
継続時間情報表示488において、図61(C)の左図に一点鎖線で示すように、特殊表示演出の開始時(実行時)の継続時間情報として、特別遊技状態が開始されてから特殊表示演出の開始時までの継続時間情報(図中では「0分55秒」との文字情報)が示される。継続時間情報表示488は特殊表示演出の開始から継続して行われ、継続時間情報表示488において、継続時間情報が、所定の時間(例えば、1秒)ごとに定期的に更新されて示される。
なお、継続時間情報表示488は、具体的な継続時間を示す継続時間情報を含む構成に限らず、継続時間情報として、継続時間を推定できる情報を含む構成、例えば、発射した遊技球の個数の情報を含む構成としてもよい。また、継続時間情報として、具体的な時間を計測する構成に限らず、発射した遊技球の個数の情報と発射間隔(例えば、0.6秒の一定間隔)の情報とに基づいて経過時間を算出する構成としてもよい。この構成の場合、遊技者にとって有利な状態において実際に遊技を行っていた時間、例えば、休憩などにより実際には遊技球を打ち出していなかった時間を除外して推定することが可能になる。
獲得予定数情報表示489において、特殊表示演出の開始時の獲得予定数情報として、特殊表示演出の開始後から特別遊技状態の終了までに獲得予定の遊技球の総数以下の個数情報が示される。具体的には、実行予定ラウンドが6ラウンド(第5~最終の第10ラウンド)である場合に、獲得予定数情報表示489において、獲得予定数情報として、図61(C)の右図に一点鎖線で示すように、特殊表示演出が開始されたラウンド(第5ラウンド)から次回の継続示唆ラウンド(第7ラウンド)までの3ラウンド分の規定獲得数(図中では「+300」)が示される。
特殊示唆表示は、特殊表示演出の開始後においても、特殊表示演出の開始前から継続して実行される。具体的には、図61(C)の左図に示す特殊表示演出の開始前における主人公キャラクタ861による旗掲揚動作の表示に引き続き、図61(D)の左図に示すように、特殊表示演出の開始後において、その開始前と同様の旗選択中動作の表示が行われる。更に、旗選択中動作の表示に引き続き、その開始前と同様の旗掲揚動作の表示が行われる(図61(E)の左図参照)。特殊表示演出の開始後の示唆表示は、特殊表示演出の継続を示唆する表示(以下において、特殊表示継続の示唆表示とも称す)とされ、特殊表示演出は、〇旗を揚げる旗掲揚動作の表示が行われた場合に継続し、×旗を揚げる旗掲揚動作の表示が行われた場合には終了する。
なお、特殊表示継続の示唆表示と特殊表示演出の開始を示唆する表示(以下において、特殊表示開始の示唆表示とも称す)とは、同様の表示形態である構成に限らず、例えば、主人公キャラクタ861による動作が異なるなど、表示形態が異なる構成としてもよい。
また、特殊表示継続の示唆表示と特殊表示開始の示唆表示とは、双方とも旗掲揚動作で掲げられる旗の種類によって、結果を確定的に報知する構成としているが、この構成に限らず、例えば、特殊表示開始の示唆表示では結果を確定的に示し、特殊表示継続の示唆表示では結果を確定的には示さず継続の期待度を示す構成など、それらの表示で異なる示唆内容を報知する構成としてもよい。
また、特殊表示継続の示唆表示と特殊表示開始の示唆表示とは、同様の表示内容(主人公キャラクタ861による旗選択中動作及び旗掲揚動作)が繰り返される一連の表示として実行される構成に限らず、演出内容が異なる個別の表示として実行される構成としてもよい。この構成の場合、特殊表示継続の示唆表示を特殊表示演出と同時に開始することで、特殊表示継続の示唆表示を特殊表示演出の一部として行うことも可能になり、また、特殊表示継続の示唆表示を特殊表示開始の示唆表示とは時間を開けて、特殊表示演出の実行中に開始することも可能になる。
また、特殊示唆表示は、特殊表示演出の開始と継続とを示唆する表示に限らず、特殊表示演出の開始と継続との一方のみを示唆する表示としてもよい。
特殊表示継続の示唆表示において、主人公キャラクタ861が旗選択動作及び旗掲揚動作を行う表示(以下において、示唆動作表示とも称す)が繰り返し行われる。具体的には、各回の示唆動作表示は、特別遊技状態において、当該表示の一回の実行中に獲得可能な遊技球の個数が保留可能な最大回数分の小当り遊技回の規定獲得数以下となるラウンド数のラウンドに跨って行われる構成としている。例えば、各回の示唆動作表示は、最大の保留数が4回、1回の小当りの獲得予定数が150個、1つのラウンドでの獲得予定数が100個に設定されている場合、4回の小当りの獲得予定数である600以下を獲得予定とする6ラウンド以下のラウンド(この場合のラウンドの規定獲得数は600個以下となる)を跨いで実行される。
このため、獲得予定数情報表示489において、獲得予定数として、第2特別図柄に係る保留に最大限(4個)で小当り保留を含む場合よりも多い個数が示されることがなく、特別遊技状態中であるのか、小当りが頻発可能な特定遊技状態中であるのかを、遊技者に判別され難くすることが可能になる。また、次回の示唆動作表示を短期間(例えば、3ラウンドであれば40秒程度)で行え、幸運にも小当りに連続して当選したと遊技者に思わせることも可能になる。
具体的には、特殊表示演出の開始時における実行予定ラウンドが6ラウンド(第5~最終の第10ラウンド)である場合に、特殊表示演出の継続を示唆する表示が、第5~第7ラウンドと第8~第10ラウンドとの2回に分けて実行される。これに伴い、獲得予定数情報表示489として、1回目の示唆動作表示の開始時(特殊表示演出の開始時)には、獲得予定数を300(第5~第7ラウンドの3ラウンド分の規定獲得数)とする表示が行われ(図61(C)の右図参照)、2回目の示唆動作表示の開始時には、獲得予定数を300(第8~第10ラウンドの3ラウンド分の規定獲得数)とする表示が行われる(図61(E)の右図参照)。
なお、特別遊技状態における示唆動作表示は、特殊表示演出の開始時における実行予定のラウンドを複数に分けて繰り返し実行される構成に限らず、当該実行予定のラウンドを分けず、特殊表示演出の開始時に1回だけ実行される構成としてもよい。
また、特殊表示演出の開始時における実行予定ラウンドが3の倍数となる特別遊技状態では、各回の示唆動作表示に対する獲得予定数がラウンドの規定獲得数と小当り遊技回の規定獲得数との公倍数(例えば、300球や600球)となるように、各回の示唆動作表示を行うラウンド数を3の倍数に設定することが好ましい。この場合、獲得予定数情報表示489において、特定遊技状態における特殊表示演出中に獲得予定数として示される可能性のある数値を、特別遊技状態における各示唆動作表示の開始時に示される獲得予定数として示すことができる。特別遊技状態中であるのか特定遊技状態中であるかを、3の倍数以外のラウンド数の示唆動作表示を含む場合(獲得予定数として特殊表示演出中に示されることのない数値が示される場合)よりも遊技者に判別され難くすることが可能になる。
なお、特殊表示演出は、規定のラウンド(本形態では第5ラウンド)で実行される構成としているが、この構成に限らず、他のラウンド(例えば、第3ラウンドや第4ラウンド)でも実行可能な構成とし、特別遊技状態中のすべての回の示唆動作表示の獲得予定数を上記公倍数とすることが可能となるように特別遊技状態の継続ラウンド数に応じて実行ラウンドを変化させる構成、例えば、8ラウンド継続や11ラウンド継続の特別遊技状態に対しては第3ラウンド、6ラウンド継続や9ラウンド継続の特別遊技状態に対しては第4ラウンドを特殊表示演出の実行ラウンドに設定する構成としてもよい。この構成であれば、特別遊技状態中であるのか特定遊技状態中であるかを更に遊技者に判別され難くすることが可能となり、遊技者は遊技利益を獲得する期間がどこまで継続するのかに対して期待感をもって遊技をおこなうことができる。
また、いずれの継続ラウンド数の特別遊技状態においても特殊表示演出が実行可能な構成であるが、この構成に限らず、特別遊技状態中のすべての回の示唆動作表示の獲得予定数を上記公倍数とすることが可能な特別遊技状態(例えば、継続ラウンド数が7ラウンドや10ラウンドや13ラウンドの特別遊技状態)でのみ、特別遊技状態中に特殊表示演出が実行され、その他の特別遊技状態では特別遊技状態後の特定遊技状態で実行される構成としてもよい。
また、特別遊技状態における示唆動作表示は、ラウンドを単位として複数回に分けて繰り返し実行する構成に限らず、大入賞の回数(例えば、5回や15回)を単位として複数回に分けて繰り返し実行する構成としてもよい。
獲得予定数情報表示489は、総獲得数情報表示487及び継続時間情報表示488の開始後において、図61(C)の右図に一点鎖線で示すように、特殊表示演出の開始から所定の時間(例えば2秒)に亘り表示され、その後、図61(D)の右図に示すように、非表示となる。
特殊表示演出が開始された場合、疑似図柄480Zの変動表示が行われる。具体的には、図61(C)に示す大当りに対応する図柄の組合せが仮停止した停止表示から、図61(D)に示すように、疑似図柄480Zを構成する全ての図柄が回転を再開する。これに対して、特殊表示演出が実行されずに特別遊技状態が終了する場合、一旦、装飾図柄479Zが大当りに対応する図柄の組合せで表示され、次回の遊技回の開始に伴い変動表示が開始される(図50(A)右3段図及び右4段図参照)ため、疑似図柄480Zの変動表示の再開によって、特別遊技状態が終了して、時間当たりの小当り遊技回の発生頻度が高い特定遊技状態が開始されたかのように遊技者に思わせ易くすることが可能になる。特殊表示演出が開始された場合の表示態様として、図61(C)においては大当りに対応する図柄の組み合わせとしての「222」を一旦表示するようにしたが、特殊表示演出が開始された場合の表示態様として、疑似図柄480Zを構成する全ての図柄を回転させてから大当りとして設定されていない図柄の組み合わせ(例えば、小当りとして設定される図柄が揃った組み合わせ)を一旦停止表示させるようにしてもよい。このようにすれば、遊技者はすべての図柄が揃った状態で停止表示されると何等か遊技者に有利になる状況が発生するということを理解しやすくなる。また、すべての図柄が揃った状態で停止表示されるという表示態様を遊技者に対して多く目にさせることができ、遊技に対する興趣を向上させることが可能となる。
特殊表示演出が開始された場合、疑似図柄480Zの変動表示が、拡大された目立つ形態で中央側に寄った目立つ位置に表示されている状態で行われる。これに対して、特殊表示演出が実行されずに特別遊技状態が終了する場合、縮小されている疑似図柄480Zが拡大したかのように見せて、疑似図柄480Zよりも目立つ形態となった装飾図柄479Zを表示部479aの中央の広い領域(中央広領域479B)に表示した後に、装飾図柄479Zの変動表示が開始される(図50(A)右1~右4段図参照)。したがって、疑似図柄480Zが目立つ形態及び位置で表示されている状態で、疑似図柄480Zの変動表示を再開することによって、特別遊技状態が終了して、時間当たりの小当り遊技回の発生頻度が高い特定遊技状態が開始されたかのように遊技者に思わせ易くすることが可能になる。
疑似図柄480Zの変動表示が行われてから所定の時間(例えば、獲得予定数情報表示489が表示される時間と同じ2秒)後に、疑似図柄480Zを左下隅に縮小しながら移動させ、拡大されている場合よりも目立たない形態かつ目立たない位置に戻す表示が行われる。
疑似図柄480Zの変動表示に先立ち、疑似保留表示480Hの表示形態が変化する。具体的には、疑似図柄480Zの変動表示の直前であって特殊表示演出の開始時に、疑似保留表示480Hとして表示されている携帯物のうち主人公キャラクタ861に最も近い側の1つが黒丸から白丸に変化する。これにより、保留された遊技回が開始されたかのように、遊技者に思わせ易くすることが可能になる。
疑似保留表示480Hは、特殊示唆表示の開始時に、遊技者が注目し易い特殊示唆表示に対して相対的に小さく表示される構成としている。具体的には、疑似保留表示480Hは、主人公キャラクタ861が拡大される場合に、主人公キャラクタ861と同様には拡大されず、特殊示唆表示の開始の前後において大きさが維持される構成としている(図61(A)及び(B)参照)。このため、疑似保留表示480Hを主人公キャラクタ861に対して相対的に小さく表示して、目立たせなくすることが可能になる。
なお、疑似保留表示480Hは、その近隣の表示を拡大することで相対的に小さく表示される構成に限らず、疑似保留表示480Hが縮小して表示される構成としてもよい。疑似保留表示480Hを示唆表示に対して相対的に小さく表示して目立たせなくする構成に限らず、例えば、遊技者が注目し易い特殊示唆表示や総獲得数情報表示487から離れた位置などに、疑似保留表示480Hを移動させて目立たせなくする構成としてもよい。また、疑似保留表示480Hは、特殊表示演出の実行中において表示が維持される構成に限らず、非表示となる構成としてもよい。
疑似保留表示480Hは、特別遊技状態の終了後に実行される遊技回、すなわち保留内に記憶されている遊技情報の内容を反映するものとなっていてもよい。例えば、保留内に記憶されている遊技情報に大当りとなる可能性がある遊技情報がある場合、疑似保留表示480Hの表示態様を黒丸から赤丸の表示態様に変化して表示してもよい。また、特殊表示演出が実行されるかもしれないという期待度を示唆するために疑似保留表示480Hの表示態様を変化させるようにしてもよい。
疑似図柄480Zの変動表示の開始から停止表示までの一連の表示は、特別遊技状態における特殊表示演出の実行中において、各回の示唆動作表示に同期して行われる。具体的には、示唆動作表示の開始に伴って変動表示が開始された疑似図柄480Zは、図61(E)に示すように、旗選択中動作中に左図柄と右図柄とがこの順で回転を停止し(図中では一点鎖線で示す「3??」及び「3?3」)、主人公キャラクタ861による旗掲揚動作に伴って中図柄が回転を停止することで停止表示される。
なお、装飾図柄479Zの一連の表示は、各回の示唆動作表示に同期して行われる構成に限らず、各ラウンドに同期して行われる構成や、所定の回数(例えば、5回や、小当り遊技回の規定獲得数と同数の遊技球を得られる15回)の大入賞に同期して行われる構成としてもよい。
疑似図柄480Zは、特別遊技状態において、特殊表示演出の開始前の示唆動作表示の場合には大当りに対応する図柄の組合せで停止表示されたのに対して、特殊表示演出の開始後の各回の示唆動作表示の場合、図61(E)に示すように、小当りに対応する図柄の組合せ(図中では昇順目の「345」)で停止表示される。このため、特別遊技状態のラウンドの実行によって遊技球を獲得しているにもかかわらず、小当り遊技回の実行によって獲得できているかのように、遊技者に思わせることが可能になる。
総獲得数情報表示487は、継続時間情報表示488の場合と同様に、特殊表示演出の開始から継続して行われる。総獲得数情報表示487において、総獲得数情報が、今回の示唆動作の終了(旗掲揚動作)に伴い更新されて示される。具体的には、総獲得数情報表示487において、今回の示唆動作の終了時(旗掲揚動作が行われる第7ラウンドの終了時)に、総獲得数情報として、今回の示唆動作の終了前に表示されていた獲得数(420)に今回の示唆動作表示の開始時に示された獲得予定数(300)を加算した個数の情報(720球)が示される。また、今回の示唆動作表示中のいずれかのラウンドで規定数を超える余剰の大入賞が発生した場合には、総獲得数情報表示487における総獲得数情報として、図61(E)に示すように、実際に獲得した個数(獲得予定数を加算した後に更に余剰の大入賞に基づく遊技球の個数を加算した個数:例えば20球)の情報(図中では「740球」)が新たに示される。一方、今回の示唆動作表示中のいずれかのラウンドで規定数に満たない大入賞が発生した場合には、総獲得数情報表示487における総獲得数情報として、獲得予定数を加算した個数の情報は示されず、実際に獲得数した遊技球の個数の情報が示される。
このように、小当りに対応する図柄の組合せで停止表示される疑似図柄480Zの変動表示や、示唆動作表示に同期して、総獲得数情報表示487における総獲得数情報を更新することによって、特別遊技状態中に獲得している遊技球を小当り遊技回での獲得だと遊技者に思わせることが可能になる。また、特別遊技状態中では概ね定期的に大入賞が発生するのに対して、特定遊技状態中では、各種の大入賞装置が作動しないハズレ遊技回が実行されるために大入賞が発生しない期間を生じるものの、大入賞の発生間隔の差異を、総獲得数情報表示487における総獲得数情報を大入賞ごとに更新する場合に比べて、遊技者に認識させ難くすることが可能になる。
また、実際に獲得した遊技球の個数が獲得予定数を超える場合に、総獲得数情報表示487における総獲得数情報を2段階で更新することによって、余分に獲得できた遊技球の個数を目立たせ、遊技者に満足感を与えることが可能になる。一方、実際に獲得した遊技球の個数が獲得予定数未満となる場合には、総獲得数情報表示487において、更新前の獲得数に獲得予定数を加算した個数の情報の表示を行わないことで、不足分の遊技球の個数を目立たせず、遊技者に損失感を与えないようにすることが可能になる。
なお、総獲得数情報表示487における獲得数情報は、今回の示唆動作表示中のいずれかのラウンドで規定数を超える余剰の大入賞が発生した場合に2段階で更新して示される構成に限らず、実際に獲得数した遊技球の個数の情報に1段階で更新して示される構成としてもよい。また、総獲得数情報表示487における獲得数情報は、今回の示唆動作表示中のいずれかのラウンドで規定数未満の不足の大入賞が発生した場合に1段階で更新して示される構成に限らず、余剰の大入賞が発生した場合と同様に2段階で更新して示される構成としてもよい。
また、総獲得数情報表示487に示される獲得数情報の更新は、示唆動作表示に同期して実行される構成に限らず、ラウンドごとや大入賞ごとなど、1回の示唆動作表示中に複数回実行される構成としてもよい。
次に、特定遊技状態で実行可能な特殊表示演出及び特殊示唆表示について、図62を参照して説明する。
図62は、特別遊技状態から移行した特定遊技状態中における特殊表示演出及び特殊示唆表示(示唆表示)の推移を模式的に示す説明図である。図62(A)には、特殊表示演出が開始された特別遊技状態後の第1回の遊技回の開始時が示され、図62(B)には、その第3回の遊技回の実行中が示されている。また、図62(C)には、ハズレ遊技回において特殊表示演出が継続する場合が示され、図62(D)には、小当り遊技回において特殊表示演出が継続する場合が示されている。また、図62(E)には、特殊表示演出が終了する遊技回の実行中が示され、図62(F)には、その遊技回の終了時が示されている。
特殊表示演出が実行される場合には特殊示唆表示(示唆表示)を複数回の遊技回に跨って表示するように制御が行われる。具体的には、特殊表示演出が実行される前に開始された特殊示唆表示において、大当り遊技回の特別遊技状態で最後に開始された旗選択中動作の表示が、特別遊技状態後の初回の遊技回においても継続される。このため、特殊表示演出が実行される場合には、特別表示演出の示唆表示を、特別遊技状態が実行される大当り遊技回と、特別遊技状態後に実行される初回の遊技回とに跨って表示することができる。また、特殊示唆表示は、特別遊技状態が実行される大当り遊技回と、特別遊技状態の開始時に保留され、特殊表示演出の開始条件を成立させる対象となった3回の小当り遊技回とを含む少なくとも4回の遊技回を跨いで表示される。
特殊示唆表示は、特殊表示演出が実行される場合には特殊表示演出が終了する遊技回まで表示するように制御が行われる。具体的には、特殊示唆表示は、特別遊技状態後から規定の継続数に対応する回の遊技回であって特定遊技状態が終了する遊技回、特殊表示演出の終了条件が成立した遊技回の直後の遊技回、又は、時短大当り遊技回において終了する(特殊表示演出の実行中の遊技回を示す図62(B)~(D)及び、特定遊技状態の終了や終了条件の成立に基づき特殊表示演出が終了する遊技回を示す図62(E)及び(F)、大当り遊技回を示す図63(A)~(C)参照)。
なお、上記の特殊示唆表示の制御に限らず、特殊表示演出が実行されている場合には示唆表示を複数回の遊技回に跨って特殊表示演出が終了する遊技回まで表示可能となるように制御が行われる構成とし、特殊示唆表示は、特殊表示演出が終了する遊技回よりも前や後の遊技回で終了する構成としてもよい。
特殊表示演出は、特別遊技状態からその後に移行する特定遊技状態を跨いで継続して実行される構成とされている。具体的には、装飾図柄表示装置479の表示部479aにおける特殊表示演出と、可動表示装置480における特殊表示演出としての総獲得数情報表示487及び継続時間情報表示488とが、特別遊技状態後に移行する特定遊技状態で実行される遊技回においても継続して実行される。以下において、特別遊技状態後から数えてm回目であって特定遊技状態中に実行される遊技回を、第m回の遊技回とも称す。
特殊表示演出が実行されている特定遊技状態中の遊技回において、可動表示装置480が近接配置をとる構成としている。具体的には、特別遊技状態にて特殊表示演出が開始された場合、図62(A)に示すように、特定遊技状態においても、特別遊技状態の場合と同様に近接配置に維持される。これに対して、特別遊技状態において、特殊表示演出が実行されなかった場合には、離間配置に戻る。
なお、特殊表示演出が特別遊技状態で開始され、その開始時に可動表示装置480の位置は変化しない構成であるが、この構成に限らず、特別遊技状態で開始される場合に代えて又は加えて、特定遊技状態において特殊表示演出が開始可能とし、その開始に先立ち、可動表示装置480が近接配置である場合には一旦離間配置に戻した後に再度近接配置へ、離間配置である場合には近接配置へ可動表示装置480を移動させる構成としてもよい。
特定遊技状態中の遊技回において、可動表示装置480の表示画面における左側領域480A(第1表示領域)にて疑似図柄480Zの組合せ(絵柄)の変動表示(可変表示)を開始させ、特別図柄抽選の結果に対応した疑似図柄480Zの組合せ(判定手段の判定結果に対応した絵柄)を左側領域480A(第1表示領域)に停止表示させる制御が行われる。
具体的には、特定遊技状態中の遊技回であって特殊表示演出が実行されている遊技回における疑似図柄480Zの変動態様として、左側領域480Aの左下隅にて、図62(A)に示すように、通常の形態で変動表示が開始され、最終的に、通常の形態のままで、特別図柄抽選の結果に対応した図柄の組合せ(図中では斜体で示された小当りに対応する図柄の組合せである「212」)で停止表示される場合が設定されている。また、装飾図柄479Zの変動態様として、左側領域480Aの左下隅にて、通常の形態で変動表示が開始され、最終的に、通常の形態よりも拡大された形態となり、左側領域480Aの全体にて、特別図柄抽選の結果に対応した図柄の組合せ(例えば、大当りに対応する「777」や「444」)で停止表示される場合も設定されている(図63(C)及び(E)参照)。
また、特定遊技状態中の遊技回において、装飾図柄表示装置479の表示部479a(表示画面)において左側領域480A(第1表示領域)よりも大きい中央広領域479B(第2表示領域)にて装飾図柄479Zの組合せ(絵柄)の変動表示(可変表示)を開始させ、特別図柄抽選の結果に対応した装飾図柄479Zの組合せ(判定手段の判定結果に対応した絵柄)を中央広領域479B(第2表示領域)に停止表示させる制御が行われる。
具体的には、特定遊技状態中の遊技回であって特殊表示演出が実行されている遊技回において、装飾図柄479Zの変動態様として、中央広領域479Bの左上隅にて、図62(A)に破線で示すように、縮小された形態で変動表示が開始され、最終的に、縮小された形態のままで、特別図柄抽選の結果に対応した図柄の組合せ(図中では小当りに対応する図柄の組合せである「212」)で停止表示される場合が設定されている。また、装飾図柄479Zの変動態様として、中央広領域479Bの左上隅にて、縮小された形態で変動表示が開始され、図62(E)及び(D)の右図を参照して後述するように、最終的に、縮小された形態よりも大きな通常の形態に戻り、中央広領域479Bの中央部分にて、特別図柄抽選の結果に対応した図柄の組合せ(図中ではハズレに対応する「282」)で停止表示される場合が設定されている。これに対して、特殊表示演出が実行されていない遊技回においては、装飾図柄479Zは、中央広領域479Bの中央部分にて、通常の形態で変動表示が開始され、通常の形態のままで停止表示される(図50(A)の右3段図~右5段図参照)。
特定遊技状態における初回(第1回)の遊技回は、表示部479aにおける特殊表示演出と、可動表示装置480における特殊表示演出としての総獲得数情報表示487及び継続時間情報表示488とが行われている状況であって、特殊示唆表示として、旗掲揚動作の表示が行われている状況で実行される。
特殊示唆表示が表示されている状況の遊技回は左側領域480A(第1表示領域)にて特別図柄抽選の結果に対応した疑似図柄480Zの組合せ(判定手段の判定結果に対応した絵柄)を停止表示させる構成としている。具体的には、初回の遊技回の開始に伴い、疑似図柄480Zの変動表示と装飾図柄479Zの変動表示とが開始され、その後、初回の遊技回が小当り遊技回であるため、図62(A)に示すように、疑似図柄480Zと装飾図柄479Zとの双方が、小当りに対応する図柄の組合せ(図中では斜体で示された小当りに対応する図柄の組合せである「212」)で停止表示される。
装飾図柄479Zの変動表示や停止表示は、遊技者には正面視で視認できない状態で実行される構成とされている。具体的には、装飾図柄479Zの変動表示や停止表示は、図62(A)の右図に示すように、表示部479aと可動表示装置480とが前後方向に重なる部分であって、可動表示装置480の背後に位置し、中央広領域479Bのうち左上隅の狭い一部の範囲において実行される。このため、椅子に座って表示部479aの概ね中心から正視する姿勢で遊技する遊技者は、表示部479aで実行される特殊表示演出を見ている場合に、遊技回の切り替わりを装飾図柄479Zの表示によっては認識できない。
疑似図柄480Zは、装飾図柄479Zの前方であって可動表示装置480の左下隅に、視認可能に表示されるものの、通常遊技状態で表示される通常の形態の装飾図柄479Zに比べて小さく(例えば、縮尺1/10)、また、表示部479aの中心から離れた位置に表示される。このため、遊技者にとって、疑似図柄480Zの表示を意識して見た場合には、疑似図柄480Zによる表示によって遊技回の切り替わりを認識できるものの、特別に意識しない場合には、その認識が難くなる。更に、表示部479aと可動表示装置480との各表示面は前後方向にずれているために、遊技者は、表示部479aで実行される特殊表示演出を見ている場合には、可動表示装置480で実行される表示に視点が合い難くなり、疑似図柄480Zによる表示を更に認識し難くなる。
したがって、遊技者は、必要に応じて遊技回の切り替わりを疑似図柄480Zによる表示で確認できると共に、表示部479aにおいて実行される特殊表示演出(表示部の視認可能な範囲の全体で実行される主たる演出)を、装飾図柄479Zの表示に邪魔されず、遊技回の切り替わりを意識することなく楽しむことができる。
疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの表示は、特殊示唆表示が表示されている状況の遊技回で、特別図柄抽選の結果が大当りでない場合(所定の判定情報に対応していない特別情報の場合)にあっては、以下の態様(第1位置停止表示態様)で行われる。左側領域480A(第1表示領域)にて疑似図柄480Zの組合せ(判定手段の判定結果に対応した絵柄)を停止表示させ、中央広領域479Bにて装飾図柄479Zを視認可能には停止表示させない態様となる構成としている。以下において、この態様を、非大当り時の停止表示態様とも称す。
疑似図柄480Zや装飾図柄479Zは、特殊示唆表示が表示されている状況の小当り遊技回において、図61(A)に示すように、非大当り時の停止表示態様で表示され、また、特殊示唆表示が表示されている状況のハズレ遊技回においても、非大当り時の停止表示態様で表示される(図62(C)参照)。
なお、非大当り時の停止態様は、装飾図柄479Zを視認可能に停止表示させない構成に限らず、装飾図柄479Zを視認可能に停止表示させる構成としてもよい。この構成の場合、非大当り時の停止態様は、特殊表示演出が実行されない場合に比べて視認性が低い構成とすることが好ましい。また、非大当り時の停止態様は、装飾図柄479Zの表示を行うものの視認可能には行わない構成に限らず、装飾図柄479Zの表示を行わない構成としてもよい。
疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの停止表示に伴って、図62(A)の左図に示すように、主人公キャラクタ861による旗掲揚動作の表示が行われる。以下において、旗掲揚動作の表示によって、特定表示演出が継続するか終了するかが示される遊技回を、継続許否の遊技回とも称す。
また、疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの停止表示に伴って、図62(A)の右図に示すように、獲得予定数情報表示489が表示される。この獲得予定数情報表示489おける獲得予定数情報として、特殊表示演出の開始条件を成立させる対象となった3回分の小当り遊技回の規定獲得数に対応する個数の情報(図中では「450」)が示される。
獲得予定数情報表示489は、所定の時間(例えば2秒)に亘り表示された後に、非表示(図62(B)の右図参照)となる。獲得予定数情報表示489が行われる所定の時間は、疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの停止表示から各種の大入賞装置が作動を開始するまでの時間と同一に設定されている。このため、各種の大入賞装置の作動によって新たに遊技球が獲得される前に、獲得予定数情報表示489において獲得予定数情報を示すことが可能になる。
なお、特定遊技状態で表示される獲得予定数情報表示489は、特別遊技状態で表示される場合と同一の表示態様である構成に限らず、特別遊技状態の場合とは異なる表示態様で表示される構成としてもよい。また、特定遊技状態で表示される獲得予定数情報表示489は、特別遊技状態で表示される場合と同一の更新形態である構成に限らず、特別遊技状態の場合とは異なる更新形態で表示される構成としてもよい。
また、特定遊技状態における獲得予定数情報表示489は、各継続許否の遊技回に対して同様に表示される構成に限らず、継続許否の遊技回が実行された回数の増加に伴って異なる態様で表示される構成としてもよい。具体的には、継続許否の遊技回が実行される回数の増加につれて、又は、当該回数が所定数(例えば、5回)増加するごとに、獲得予定数情報の色や大きさが変化したり、獲得予定数情報表示489において獲得予定数情報をキャラクタが提示する表示とし、その表示で出現するキャラクタの種類や数が変化したりする構成が例示できる。このような構成であれば、獲得予定数を報知すると共に、小当り遊技回が実行された又は実行されることが確定した総回数を表示したり、示唆したりすることが可能になる。
また、特定遊技状態における獲得予定数情報表示489は、各継続許否の遊技回に対して同様に表示される構成に限らず、所定の継続許否の遊技回において異なる態様で表示される構成としてもよい。具体的には、総獲得数が所定の個数(例えば、1000や2000や3000)を超えることが確定した場合の継続許否の遊技回ごとに、獲得予定数情報と共に当該所定の個数を超えることを示す情報を表示する構成や、獲得予定数が最大値(4回分の小当り遊技回の規定獲得数である600)となる継続許否の遊技回では、獲得予定数情報の色や大きさを変化させたり、獲得予定数情報表示489において獲得予定数情報を示すと共に幸運を祝福する表示が行われたりする構成が例示できる。
特殊示唆表示は、特定遊技状態における複数回の遊技回を跨いで表示可能な構成としている。具体的には、特殊示唆表示の一部をなす示唆動作表示であって初回の遊技回で開始された示唆動作表示の一部をなす旗選択中動作の表示は、図62(B)の左図に示すように、疑似図柄480Zが小当りに対応する図柄の組合せ(図中では一点鎖線で示す斜体の「676」)で停止表示される第2回の遊技回と、疑似図柄480Zが小当りに対応する図柄の組合せ(図中では斜体の「543」)で停止表示される第3回の遊技回とに亘り継続して表示される。更に、旗選択中動作の表示は、第4回の遊技回まで継続して表示される。
総獲得数情報表示487は、特定遊技状態における複数回の遊技回を跨いで表示可能とされている。具体的には、初回の遊技回で表示されていた総獲得数情報表示487(図中では「1060球GET」)は、第2回の遊技回と第3回の遊技回とで継続して表示される。総獲得数情報表示487における総獲得数情報は、示唆動作表示における旗掲揚動作の表示に同期して(継続許否の遊技回ごとに)更新され、旗選択中動作の表示が継続する第2回の遊技回や第3回の遊技回では更新されない。
継続時間情報表示488は、特定遊技状態における複数回の遊技回を跨いで表示可能とされている。具体的には、初回の遊技回で表示されていた継続時間情報表示488は、第2回の遊技回と第3回の遊技回とで継続して表示される。継続時間情報表示488における継続時間情情報は、定期的に更新される(図62(B)中では「2分55秒」)。
特定遊技状態において、総獲得数情報表示487における総獲得数情報の表示や更新、及び、継続時間情報表示488における継続時間情報の表示や更新は、特別遊技状態の場合と同様の形態で行われる。なお、特定遊技状態における総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488は、特別遊技状態の場合と同様の形態で行われる構成に限らず、例えば、特別遊技状態の場合と表示態様や更新形態が異なるなど、特別遊技状態の場合とは異なる形態で行われる構成としてもよい。
総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488などの蓄積遊技情報表示は、特定遊技状態における遊技回(所定回数の遊技回)において、大当りに対応しない遊技回(所定の判定情報に対応した判定結果とならない遊技回)及び当該遊技回に後続となる遊技回が大当りに対応しない遊技回(所定の判定情報に対応した判定結果とならない遊技回)の場合に、前記蓄積遊技情報表示をそれらの遊技回に跨るように表示することにより、遊技情報の蓄積が継続していることを遊技者に対して認識可能にする構成としている。このため、遊技者は、蓄積遊技情報表示において、蓄積された遊技情報が表示上、遊技情報の成立ごとや定期的に更新されなくても、それらの蓄積が内部制御では継続していることを知ることが可能になる。
特殊示唆表示が表示されている状況のハズレ遊技回における疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの表示は、図62(C)に示すように、その状況の小当り遊技回の場合と同様に、疑似図柄480Zが視認可能に表示されるものの装飾図柄479Zが視認可能には表示されない非大当り時の停止表示態様で行われる。ハズレ遊技回に対する非大当り時の停止表示態様では、疑似図柄480Zや装飾図柄479Zがハズレに対応する図柄の組合せ(図中では「373」)で停止表示される。
特定遊技状態において特殊表示演出の継続の認否が示される継続認否の遊技回では、総獲得数情報表示487における総獲得数情報が更新される。具体的には、継続認否の遊技回としての第4回の遊技回において、図62(C)の左図に示すように、特殊表示演出の継続の認否を示す旗掲揚動作の表示が行われ、この表示に伴って、総獲得数情報表示487における総獲得数情報が、特殊示唆表示における今回の示唆動作表示の開始時に示された個数に、今回の示唆動作表示中(旗選択中動作の表示中)に獲得された個数を加算した個数の情報(図中では「1510球」)に更新される。
継続認否の遊技回が特殊表示演出の継続するハズレ遊技回である場合には、図62(C)に示すように、疑似図柄480Zや装飾図柄479Zがハズレに対応する図柄の組合せ(図中では「373」)で停止表示され、その停止表示に伴い〇旗を掲げる旗掲揚動作の表示が行われる。同様に、継続認否の遊技回が特殊表示演出の継続する小当り遊技回である場合には、図62(D)に示すように、疑似図柄480Zや装飾図柄479Zが小当りに対応する図柄の組合せ(図中では「345」)で停止表示され、その停止表示に伴い〇旗を掲げる旗掲揚動作の表示が行われる。
継続認否の遊技回において特殊表示演出の継続が示される場合、次回の継続認否の遊技回が選定される。具体的には、特殊表示演出の継続が〇旗を掲げる旗掲揚動作の表示によって示された場合に、今回の継続認否の遊技回の開始直前における第2特別図柄に係る保留に少なくとも1つの小当り保留が含まれているとの条件(以下において、継続条件とも称す)を満たす場合、今回の継続認否の遊技回にて特殊表示演出の継続と判定され、この判定の対象となった保留に対応する遊技回に後続する遊技回が、次回の継続認否の遊技回として選定される。
例えば、継続認否の遊技回は、今回の継続認否の遊技回の開始直前における第2特別図柄に係る保留に、最大の保留数である4つの保留が含まれている場合には、当該遊技回後の4回目の遊技回が次回の継続認否の遊技回に選定されるのに対して、3つの保留しか含まれていない場合には、当該遊技回後の3回目の遊技回に選定される。
特定遊技状態において規定の遊技手法(右打ち遊技手法)で連続して遊技球を発射している場合には、第2特別図柄に係る保留がほぼ最大の保留数である状態で各遊技回を開始でき、最大の保留数の保留に少なくとも1つの小当り保留を含む場合には最大の保留数未満の場合よりも継続の判定条件を満たし易いことから、特殊表示演出を継続させ易くすることが可能になる。これにより、遊技者は、規定の遊技手法(右打ち遊技手法)で連続して遊技球を発射すれば、特殊表示演出を長く楽しむことが可能になり、一方、好みに応じて、第2特別図柄に係る保留を貯めずに遊技することで継続条件を満たし難くし、特殊表示演出を通常表示演出に戻すことも可能になる。
なお、継続認否の遊技回は、異なる回数の遊技回を隔てて設定可能な構成に限らず、4回の遊技回ごとなど、一定回数の遊技回ごとに設定される構成としてもよい。
継続認否の遊技回において特殊表示演出の継続が示される場合、獲得予定数が算定されて獲得予定数情報表示489が表示される。具体的には、次回の継続認否の判定の対象となった保留に含まれている小当り保留の個数が抽出され、その抽出された個数と小当り遊技回の規定獲得数とに基づいて、獲得予定数(規定獲得数×小当り保留の個数)が算定される。
例えば、今回の継続認否の遊技回が特殊表示演出の継続するハズレ遊技回である場合に、最先の保留はハズレ保留であるため第2特別図柄に係る保留には最大で3つの小当り保留を含むことができ、獲得予定数情報表示489に示される獲得予定数情報として、1回分、2回分又は3回分の小当り遊技回の規定獲得数に対応する個数の情報(例えば、「150」,「300」,「450」)が設定される。また、今回の継続認否の遊技回が特殊表示演出の継続する小当り遊技回である場合には、第2特別図柄に係る保留に最大で4つの小当り保留を含むことができ、獲得予定数情報表示489に示される獲得予定数情報として、図62(D)の右図に示すように、4回分の小当り遊技回の規定獲得数に対応する個数の情報(図中では「600」)も設定可能となる。
獲得予定数情報表示489は、継続認否の遊技回が小当り遊技回である場合には、疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの停止表示後であって各種の大入賞装置の作動までの期間に行われるのに対して、ハズレ遊技回である場合には、各種の大入賞装置が作動しないため、後続の遊技回の開始から所定の時間(例えば、2秒)に亘り表示される。
ここで、特殊表示演出が終了する遊技回について説明する。特殊表示が終了する遊技回としては、継続認否の遊技回であって特殊表示演出の継続が示されない遊技回が設定されており、また、特定遊技状態における規定継続回数に対応する最終回の遊技回が設定されている。
特殊表示演出が終了する遊技回において、装飾図柄479Zは、視認可能には表示されない状態から、特殊表示演出が継続する遊技回の場合とは異なり視認可能に表示される状態となる。具体的には、図62(E)の右図に示すように、可動表示装置480の背後に位置することで視認可能には表示されていなかった装飾図柄479Z(図中では破線で示す「???」)を中央広領域479Bにおいて可動表示装置480とは重ならない範囲に移動させる表示が行われる。
装飾図柄479Zを移動させる表示において、装飾図柄479Zは、その変動表示の停止状態の変化に応じて段階的に移動する。また、装飾図柄479Zを移動させる表示において、装飾図柄479Zは、段階的な移動に合わせて段階的に拡大する。
具体的には、装飾図柄479Zは、視認可能には表示されない位置においてすべての図柄が回転している状態から、図62(E)の右図に示すように、左図柄の回転の停止に伴って下方側に移動すると共に拡大された第1段階の状態(図中では一点鎖線で示す「2??」と表示された状態)となる。その後、装飾図柄479Zは、右図柄の回転の停止に伴って第1段階の状態よりも下方側に移動すると共に大きく拡大される第2段階の状態(図中では「2?2」と表示された状態)となる。また、装飾図柄479Zは、装飾図柄479Zは、図62(E)の右図に示すように、装飾図柄479Zのうち最後に停止する中図柄の回転の停止に伴って第2段階の状態よりも更に下方側であって中央広領域479Bの中央側に移動すると共に更に大きく拡大されて、特殊表示演出が実行されていない場合と同一の位置及び大きさの通常の状態(図中では二点鎖線で示す「2??」と表示された状態)となる。
装飾図柄479Zを移動させる表示は、特殊示唆表示と連携して行われる。具体的には、特殊示唆表示おける示唆動作表示の一部として、図62(E)の左図に示すように、旗選択中動作をしている主人公キャラクタ861がその場でジャンプする動作が表示され、このジャンプの着地に伴って、装飾図柄479Zが第1段階の状態で表示される。また、主人公キャラクタ861が再度ジャンプする動作が示唆動作表示の一部として表示され、この再度のジャンプの着地に伴って、装飾図柄479Zが第2段階の状態で表示される。
また、示唆動作表示の一部として、旗選択中動作をしている主人公キャラクタ861が、第1段階の状態を出現させる場合よりも大きくジャンプする動作が表示され、この大きなジャンプの着地に伴って、装飾図柄479Zが第2段階の状態まで一気に変化する場合が設定されている。この場合、演出時間を短縮することが可能になり、例えば、今回の遊技回に対して設定されている装飾図柄479Zの変動表示の時間が、所定の短い時間(例えば、4秒)未満である場合(大半のハズレ遊技回がこの場合に相当)であっても、後続する遊技回に跨がらずに実行することが可能になる。また、この大きなジャンプの表示を、変動表示の時間が所定の短い時間(例えば、4秒)未満でない場合(ほぼすべての小当り遊技回及び大当り遊技回がこの場合に相当)においても一定の割合で行うことで、この表示によって特別図柄抽選の結果がハズレと判別できてしまうことを防止することができる。
2度目のジャンプや大きなジャンプを行った主人公キャラクタ861が着地した直後に、主人公キャラクタ861が下側へ落下して、図62(E)の右図に示すように、中側領域480Cから表示部479aの中央広領域479Bに移動する動作が、示唆動作表示の一部として表示される。中央狭領域479Cに移動する動作の表示において、主人公キャラクタ861は、図62(E)の右図に示すように、装飾図柄479Zの停止表示時に装飾図柄479Zのうち最後に停止する図柄(図中では二点鎖線で「8」を示す中図柄)が表示される位置へ移動する。
また、中央広領域479Bに落下してきた主人公キャラクタ861が第2段階の状態で表示されている装飾図柄479Zを掴んで中央広領域479Bの中心側に移動させる動作が、示唆動作表示の一部として表示される。この動作に伴って、装飾図柄479Zが、通常の状態で表示される。装飾図柄479Zを第2段階の状態から通常の状態へ移動させる動作の表示において、装飾図柄479Zが、その最後に停止する図柄であって回転中の図柄を主人公キャラクタ861の背後に隠れるように移動する。
特殊表示演出が終了する遊技回では、左側領域480A(第1表示領域)と中央広領域479B(第2表示領域)の両方にて特別図柄抽選の結果に対応した疑似図柄480Zや装飾図柄479Zに対する図柄の組合せ(判定手段の判定結果に対応した絵柄)を停止表示させる制御が行われる構成としている。
具体的には、特殊表示演出が終了する遊技回として、継続認否の遊技回で特殊表示演出の継続が示されないハズレ遊技回が設定されており、この遊技回において、疑似図柄480Zは、図62(E)の左図に示すように、特殊表示演出の終了しない場合と同様に左側領域480Aにて停止表示される。また、この遊技回において、図62(E)の右図に示すように、可動表示装置480の背後に位置することで視認可能には表示されていなかった装飾図柄479Z(図中では破線の「???」)が、中央広領域479Bの中心部分への移動により視認可能に表示され(図中では一点鎖線の「2??」及び実線の「2?2」)、視認可能となった通常の状態の装飾図柄479Zが、中央広領域479Bにて、ハズレに対応する図柄の組合せ(図中では二点鎖線の「282」)で停止表示される。
また、特殊表示演出が終了する遊技回としては、継続認否の遊技回であって特殊表示演出の継続が示されないハズレ遊技回に加えて、継続認否の遊技回であって特殊表示演出の継続が示されない小当り遊技回が設定されており、この小当り遊技回における特殊演出表示の示唆表示や装飾図柄479Zの表示は、特殊演出が終了するハズレ遊技回と同様に行われる。
また、特殊表示演出が終了する遊技回としては、継続認否の遊技回で特殊表示演出の継続が示されないハズレ遊技回や小当り遊技回に加えて、特定遊技状態の規定継続回数に対応する最終回のハズレ遊技回及び小当り遊技回においても、特殊演出表示の示唆表示や装飾図柄479Zの表示は、継続認否の遊技回で特殊表示演出の継続が示されないハズレ遊技回や小当り遊技回と同様に行われる。この最終回の遊技回の終了後において、遊技状態は通常遊技状態に移行し、その後に実行される遊技回は通常表示演出で実行される。
特殊表示演出が終了する遊技回では、装飾図柄479Zの表示を、特定遊技状態において特殊表示演出が実行されていない遊技回と同様の表示に戻すことで、特殊表示演出の終了を遊技者に示すことが可能になる。また、装飾図柄479Zを中央広領域479Bの中心部分に移動させつつ拡大することで、装飾図柄479Zの表示を目立たせ、特殊表示演出から通常表示演出への切り替わりに遊技者に注目を向けさせることが可能になる。
また、装飾図柄479Zよりも狭い領域で表示される疑似図柄480Zによって遊技回の進行をいつでも確認可能としつつ、特殊表示演出が終了する場合のように遊技回の進行に注意を払うべき遊技回では、装飾図柄479Zの表示によって遊技状況の変化を疑似図柄480Zによる場合よりも明確に知らせることが可能となる。また、特殊表示演出が特定遊技状態の規定継続回数までは遠い状況で継続している場合のように遊技回の進行に注意を払わなくてもよい遊技回では、装飾図柄479Zを表示しない構成や、表示するものの視認可能には表示しない構成や、表示するものの容易には視認できない構成とできることから、遊技進行を示す装飾図柄479Zの表示に邪魔されることなく特殊表示演出を遊技者に楽しませることが可能となる。
中側領域480C及び中央狭領域479C(第3表示領域)に表示されている示唆表示を非表示とすることにより、疑似図柄480Zと装飾図柄479Zとを停止表示させる制御が行われる構成としている。
具体的には、主人公キャラクタ861が装飾図柄479Zのうち最後に停止する図柄を背後に隠す状態となった後、中側領域480Cに向けて上側へ飛び上がる動作が、示唆動作表示の一部として表示される。この動作の表示において、主人公キャラクタ861が、中央狭領域479Cの上端側から域外へ移動して消失することによって、特殊示唆表示が非表示となる。
主人公キャラクタ861の消失によって、主人公キャラクタ861で隠されていた図柄が表示されて、装飾図柄479Zが、特別図柄抽選の結果に対応する図柄の組合せを判別できる状態で停止表示される。
なお、主人公キャラクタ861で隠されていた図柄は、主人公キャラクタ861の消失の際に停止している状態で表示される構成に限らず、主人公キャラクタ861の消失の途中又は消失の後に停止する構成としてもよい。
また、2箇所の図柄(左側領域480Aの疑似図柄480Z及び中央広領域479Bの装飾図柄479Z)のうち一方は停止表示されているものの、他方は図柄の組合せを判別できないことで停止表示されていない状態から、特殊示唆表示が非表示となって他方の停止表示が出現することで双方が停止表示された状態となる構成であるが、この構成に限らず、2箇所の図柄の双方が図柄の組合せを判別できるようには停止表示されていない状態から、特殊示唆表示が非表示となって双方の停止表示が出現することで、双方が停止表示された状態となる構成としてもよい。
特殊表示演出が終了する遊技回において、特殊表示演出の実行中において近接配置をとっていた可動表示装置480が離間配置に戻り、可動表示装置480において、疑似図柄480Zの表示や総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488を含むすべての表示が終了する。
可動表示装置480の離間配置への移動は、特殊示唆表示と連携して行われる。具体的には、中側領域480Cに向けて上側に飛び上がる動作の表示において、主人公キャラクタ861が可動表示装置480の下端を両手で突き上げるように飛び上がる動作が表示される。これにより、可動表示装置480が、その両手で突き上げられて移動したかのように見せることが可能になる。
特殊表示演出が終了する遊技回で実行された装飾図柄479Zの表示や示唆動作表示と途中まで同一の表示が、特殊表示演出が終了する遊技回以外の遊技回においても実行可能とされている。
具体的には、特殊表示演出が終了しない場合の示唆動作表示において、中側領域480Cに向けて上側に飛び上がる動作までは同一とされ、飛び上がった主人公キャラクタ861が、消失されずに中側領域480Cに戻って、旗選択中動作を再開する動作が示唆動作表示の一部として表示される。当該示唆動作表示は、その遊技回で終了せず、次回以降の遊技回に継続して表示される。また、特殊表示演出が終了しない場合の装飾図柄479Zの表示において、装飾図柄479Zの一部が主人公キャラクタ861によって隠された状態までは同一とされ、主人公キャラクタ861が飛び上がるときに、装飾図柄479Zは、通常の状態を維持せずに、装飾図柄479Zが移動及び拡大してきた場合とは逆の過程を辿り、可動表示装置480の背後に位置し視認可能には表示されない縮小の状態まで戻る。
特殊表示演出が実行されている場合に開始される大当り遊技回(以下において、特殊表示実行中の大当り遊技回とも称す)について、図63を参照して説明する。
図63は、特殊表示演出の実行中における特別遊技状態に移行する遊技回での特殊表示演出及び示唆表示(特殊示唆表示)の推移を説明する説明図である。図63(A)には、特殊表示実行中の大当り遊技回における特殊示唆表示の表示中が示され、図63(B)には、当該遊技回における特定表示演出の実行中が示され、図63(C)には、当該遊技回における特別遊技状態への移行直前が示され、図63(D)には、当該遊技回における特別遊技状態への移行直後が示されている。また、図63(E)には、特殊表示演出が継続する大当り遊技回における特別遊技状態への移行直前が示され、図63(F)には、当該遊技回における特別遊技状態への移行直後が示されている。
特殊表示演出が実行されており、特殊示唆表示が表示されている状況の遊技回では、特別図柄抽選の結果が大当りである場合(所定の判定情報に対応している特別情報の場合)に、左側領域480A(第1表示領域)と中央広領域479B(第2表示領域)の両方にて特別図柄抽選の結果に対応した疑似図柄480Zや装飾図柄479Zの組合せ(判定手段の判定結果に対応した絵柄)を停止表示させる制御が行われる構成としている。
特殊表示実行中の大当り遊技回であって特殊示唆表示が表示されている状況の遊技回において、疑似図柄480Zは、特殊表示実行中のハズレ遊技回や小当り遊技回の場合と同様に、左側領域480Aにて停止表示される(図63(C)の左図参照)。
一方、特殊表示実行中の大当り遊技回であって特殊示唆表示が表示されている状況の遊技回において、装飾図柄479Zは、視認可能には表示されない状態から、特殊表示実行中のハズレ遊技回や小当り遊技回の場合とは異なり、視認可能に表示される状態となる。具体的には、図63(A)の右図に示すように、可動表示装置480の背後に位置することで視認可能には表示されていなかった装飾図柄479Z(図中では破線で示す「???」)を中央広領域479Bにおいて可動表示装置480とは重ならない範囲に移動させる表示が行われる。特殊表示実行中の大当り遊技回における装飾図柄479Zの表示は、特殊表示演出が終了する遊技回の場合における第2段階の状態から通常の状態となるまでの表示以外は同一であるために、その重複する説明は省略する。
特殊表示実行中の大当り遊技回において、装飾図柄479Zを移動させる表示は、特殊示唆表示における示唆動作表示と連携して行われる。当該遊技回における示唆動作表示は、特殊表示演出が終了するハズレ遊技回や小当り遊技回の場合と途中まで同一、具体的には、中央狭領域479Cから移動してきた主人公キャラクタ861が第2段階の状態の装飾図柄479Zを掴む表示まで同一であるために、その重複する説明は省略する。
中側領域480C及び中央狭領域479C(第3表示領域)に表示されている特殊示唆表示を非表示とする制御が行われる構成としている。
具体的には、示唆動作表示の一部として、図63(A)の右図に示すように、可動表示装置480の中側領域480Cから表示部479aの中央狭領域479Cに移動してきた主人公キャラクタ861が、第2段階の状態の装飾図柄479Z(図中では「7?7」)を掴んだ状態から、図63(B)に示すように、更に下側に落下する動作が表示される。この落下過程で、主人公キャラクタ861が、掴んでいる装飾図柄479Zを中央広領域479Bの中心側に引っ張るものの、装飾図柄479Zが通常の状態となる前に主人公キャラクタ861の手から装飾図柄479Zが放れてしまう動作が示される。中央狭領域479Cの域外への落下に伴って、主人公キャラクタ861の表示が消失することで、特殊示唆表示が非表示となる。
特殊示唆表示を非表示とするとともに、特定表示演出を開始する制御が行われる構成としている。ここで、特定表示演出は、非大当り時の停止表示態様(第1停止表示態様)とは、装飾図柄479Zが停止表示される位置(絵柄の停止表示位置)が異なることを期待させる演出である。
具体的には、主人公キャラクタ861を中央狭領域479Cから消失させることで特殊示唆表示を非表示とすると共に、特定表示演出として、装飾図柄479Zが、第2段階の状態よりも通常の状態に近い位置及び大きさである第3段階の状態と、視認可能な第1段階の状態との間で、中央狭領域479Cの中心部分へ近づく移動をしつつ拡大される表示と、その中心部分から離れる移動をしつつ縮小される表示とが繰り返される演出(以下において、移動拡縮演出とも称す)が実行される。
この移動拡縮演出と途中まで同一であって、装飾図柄479Zが、最終的に、通常の状態ではなく視認可能には停止表示されない縮小の状態に戻る演出が、継続認否の遊技回ではない特殊表示実行中の小当り遊技回において実行可能に設定されている。このため、移動拡縮演出によって、装飾図柄479Zが縮小の状態に戻るのではなく、通常の状態となり、大当りに対応する図柄の組合せの停止表示を期待させることが可能になる。
なお、装飾図柄479Zが停止表示される位置を非大当り時の停止表示態様と異ならせる構成に限らず、疑似図柄480Zの停止表示の位置を非大当り時の停止表示態様と異ならせる構成としてもよい。例えば、主人公キャラクタ861が中央狭領域479Cから落下して消失する動作に代えて、主人公キャラクタ861が左側に移動して消失する動作が行われ、また、この動作の途中で疑似図柄480Zの下方を通過する場合に可動表示装置480の下端を突き上げて、疑似図柄480Zを縮小された状態(図63(C)に実線で示された場合)と拡大された状態(図63(C)に実線で示された場合)との間で移動させつつ拡縮させる演出とする構成としてもよい。この場合、移動拡縮演出において疑似図柄480Zが停止表示される位置が非大当り時の停止表示態様と異なることを期待させることができる。また、特定表示演出は、装飾図柄479Zと疑似図柄480Zとの一方の停止位置が非大当り時の停止表示態様と異なることを期待させる構成に限らず、それら双方の停止位置が異なることを期待させる構成としてもよい。
特定表示演出は、少なくとも中側領域480C又は中央狭領域479C(第3表示領域)に重なる領域にて開始される構成としている。具体的には、特定表示演出としての移動拡縮演出において、移動しつつ拡縮する装飾図柄479Zが表示される領域が、図63(B)に示すように、中央狭領域479Cと一部で重なる範囲に設定されており、装飾図柄479Zが第3段階の状態をとる場合に、装飾図柄479Zの少なくとも一部が中央狭領域479C内に表示される。移動拡縮演出は、主人公キャラクタ861の手が第3段階の状態をとる装飾図柄479Zから放れることで開始される。
このため、主人公キャラクタ861が消失した箇所の近傍において、装飾図柄479Zが移動しつつ拡縮する表示を開始することが可能になる。これにより、遊技者は、主人公キャラクタ861の動作を見ていた状態から装飾図柄479Zの変化を見る状態へ迷わずスムーズに移ることが可能になる。また、装飾図柄479Zが停止表示させる位置の近くで主人公キャラクタ861を消失させたり、装飾図柄479Zが移動しつつ拡縮する表示を行ったりすることで、遊技者の注意を装飾図柄479Zの停止表示に向けることが可能になる。
特殊表示実行中の大当り遊技回が、確変大当りに基づく場合には、特殊表示演出は、特別遊技状態への移行前に終了し、通常表示演出に戻る設定とされている(図63(A)~(D)参照)。これに対して、特殊表示実行中の大当り遊技回が、時短大当りに基づく場合には、特殊表示演出は、特別遊技状態への移行後も継続し(図63(E)及び(F)参照)、また、特別遊技状態後に移行する時短遊技状態においても継続する設定とされている。
なお、特殊表示演出は、特殊表示実行中の大当り遊技回が確変大当りの場合には終了し、時短大当りの場合には継続する構成に限らず、大当りの種類によらずに終了する構成や、大当りの種類によらずに継続する構成としてもよい。
総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488(蓄積遊技情報表示)は、特定遊技状態における遊技回(所定回数の遊技回)において、大当りに対応しない遊技回(判定情報に対応した判定結果とならない遊技回)及び当該遊技回に後続となる遊技回が確変大当り遊技回(所定の判定情報に対応した結果となる遊技回)の場合には、表示されていた総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488を非表示とすることにより、遊技情報の蓄積が継続しないことを遊技者に対して認識可能にする構成としている。
具体的には、特殊表示実行中の確変大当り遊技回において、特殊表示演出が終了すると共に、総獲得数や継続時間の計数が終了する。この計数の終了が、大当りに対応しない先行の遊技回から継続して表示されてきた総獲得数情報表示487や総獲得数情報表示487を、図63(D)に示すように、特別遊技状態の開始時に非表示とすることにより、遊技者に示される。このため、特殊表示演出が開始される前回の特別遊技状態から、その後の特定遊技状態における今回の確変大当り遊技回までの期間を、一括りの利益蓄積期間とし、当該利益蓄積期間に得られた利益を一括りの利益として纏めて示すことが可能になる。これにより、遊技者は、今回の確変大当りによって一括りの利益期間が終了して総獲得数や継続時間がリセットされ、今回の確変大当り遊技回から新たな括りの利益蓄積期間が開始されることを知ることができる。
大当りに対応しない遊技回に後続する遊技回が確変大当り遊技回の場合、総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488を非表示とするのに対して、大当りに対応しない遊技回に後続する遊技回が時短大当り遊技回の場合には、総獲得数や継続時間の計数が継続し、総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488も継続して表示される。
具体的には、大当りに対応しない先行の遊技回から継続して表示されてきた総獲得数情報表示487や総獲得数情報表示487が、図63(E)に示すように、特別遊技状態の開始時においても、また、図63(F)に示すように、特別遊技状態の開始後においても、遊技者に継続して示される。
また、特別遊技状態におけるオープニングの開始時に、図63(F)に一点鎖線で示すように、獲得予定数情報を4ラウンド分の獲得規定数(図中では「400」)とする獲得予定数情報表示489が表示される。総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488が継続することに加えて、獲得予定数情報表示489が表示されることで、遊技者は、総獲得数や継続時間の計数が継続し、総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488における総獲得数情報や継続時間情報が更新されて表示されることを明確に知ることができる。獲得予定数情報表示489における獲得予定数情報として、第1~第4ラウンドの4ラウンド分の獲得規定数に対応する個数の情報を示すことで、第5ラウンド以降の獲得予定数情報表示489や総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488の制御を、特別遊技状態の途中で特殊表示演出が開始される場合と同様に行える。
なお、特別遊技状態の開始時の獲得予定数情報表示489で示される獲得予定数情報は、4ラウンド分の獲得規定数である構成に限らず、継続ラウンド数分の規定獲得数やその一部のラウンドに対応する規定獲得数である構成としてもよい。
大当りに対応しない遊技回に後続する遊技回が時短大当り遊技回の場合、特殊表示演出と共に、非表示となっていた特殊示唆表示が再開される。具体的には、装飾図柄479Zや疑似図柄480Zの停止表示後に、示唆動作表示の一部として、中央狭領域479Cに主人公キャラクタ861が出現し、中央狭領域479Cを通過して中側領域480Cまで移動する動作が表示される。また、図64(E)に示すように、中側領域480Cに移動した主人公キャラクタ861が両方の旗を掲げる動作が、示唆動作表示の一部として表示される。更に、特別遊技状態のオープニングの開始に伴って、図63(F)に示すように、示唆動作表示において、旗選択中動作の表示が開始される。
このため、特殊表示演出が開始される前回の特別遊技状態から通常遊技状態又は確変遊技状態に移行するまでの期間を、一括りの利益蓄積期間とし、当該利益蓄積期間に得られた利益を一括りの利益として纏めて示すことが可能になる。これにより、遊技者は、今回の確変大当りによって一括りの利益期間が終了して総獲得数や継続時間がリセットされ、今回の時短大当り遊技回に引き続き利益蓄積期間が継続されることを知ることができる。
上記のパチンコ機100において、表示部479aで特殊表示演出が実行される場合には、特殊表示演出の実行を示唆する特殊示唆表示が、複数回の遊技回に跨って特殊表示演出が終了する遊技回まで中側領域480Cや中央狭領域479Cに表示される構成としている。また、中側領域480Cや中央狭領域479Cにて特殊示唆表示が表示されている状況の遊技回は、左側領域480Aにて特別図柄抽選の結果に対応した図柄の組合せで疑似図柄480Zを停止表示させる構成としている。また、特殊表示演出が終了する遊技回では、中側領域480Cや中央狭領域479Cにて表示されている示唆表示を非表示とすることにより、左側領域480Aとそれよりも広い中央広領域479Bとの両方にて、特別図柄抽選の抽選結果に対応した図柄の組合せで疑似図柄480Zや装飾図柄479Zを停止表示させる構成としている。
この構成であれば、特殊表示演出が終了する遊技回において、実行中の特殊示唆表示を非表示とすることにより疑似図柄480Zと装飾図柄479Zとの双方を停止表示させることで、一方のみを停止表示させる場合に比べて明確に特殊表示演出の終了を遊技者に報知することができ、また、実行中の特殊示唆表示を非表示とすることにより停止表示させることで、停止表示を目立たせて、遊技者の注意を停止表示に向けることが可能になる。
また、この構成であれば、特殊表示演出が終了しない遊技回において、疑似図柄480Zは停止表示されるものの、疑似図柄480Zよりも大きく表示可能な装飾図柄479Zを表示しない、視認可能には表示しない又は容易には視認できない構成とすることが可能となる。この場合、疑似図柄480Zによって各遊技回の抽選結果や遊技回の進行状況を確認可能としつつ、疑似図柄480Zよりも大きく表示可能な装飾図柄479Zが明確に停止表示される場合に比べて、装飾図柄479Zの表示により特殊表示演出を表示する範囲が大幅に制限されたり、疑似図柄480Zの停止表示により遊技回の切れ目に遊技者の注意が向けられたりすることを抑制可能な構成にできる。
これにより、遊技者は、遊技回の実行状況や各遊技回の結果を必要であればいつでも確認でき状況下で、注意を払うべき遊技回でない場合において、複数回の遊技回に跨って長く継続可能な特殊表示演出を、装飾図柄479Zの表示によって邪魔されることなく、また、遊技回の切れ目を気にすることなく楽しむことが可能になり、また、注意を払うべき特殊表示演出が終了する遊技回において、その終了を明確に知ることが可能になる。
また、上記のパチンコ機100において、特殊表示演出の実行を示唆する特殊示唆表示が中側領域480Cに表示されている状況の遊技回において、特別図柄抽選の抽選結果が大当りとは異なる場合には、左側領域480Aにて疑似図柄480Zの変動表示を開始し疑似図柄480Zを抽選結果に応じて停止表示させるのに対して、大当りである場合には、中側領域480Cに表示されている特殊示唆表示を非表示とするとともに大当りとは異なる場合とは疑似図柄480Zの停止表示位置が異なることを期待させる特定表示演出を少なくとも中側領域480Cに重なる中央狭領域479Cにて開始し、その後、左側領域480Aと中央広領域479Bの両方にて疑似図柄480Zや装飾図柄479Zを抽選結果に応じて停止表示させる構成としている。
この構成であれば、疑似図柄480Zと装飾図柄479Zとの双方を停止表示させることで、一方のみを停止表示させる場合に比べて明確に大当りの当選を遊技者に報知することができ、また、疑似図柄480Zと装飾図柄479Zとを停止表示させる前に、実行中の特殊示唆表示を非表示とすると共に、非表示となる特殊示唆表示の近傍で特定表示演出を実行することで、遊技者の注意を停止表示に向けることが可能になる。また、装飾図柄479Zを疑似図柄480Zよりも大きく停止表示させることで、停止表示を目立たせることが可能になる。
更に、この構成であれば、大当りに対応しない遊技回において、疑似図柄480Zは停止表示されるものの、疑似図柄480Zよりも大きく表示可能な装飾図柄479Zを視認可能には表示しないことで、疑似図柄480Zによって各遊技回の抽選結果や遊技回の進行状況を確認可能としつつ、装飾図柄479Zが通常の状態で停止表示される場合に比べて、装飾図柄479Zの表示によって特殊表示演出を表示する範囲が大幅に制限されることを抑制することが可能になり、また、装飾図柄479Zの停止表示によって遊技回の切れ目に遊技者の注意が向けられることを抑制することが可能になる。
これにより、遊技者は、遊技回の進行状況や各遊技回の結果を必要であればいつでも確認できる状況下で、注目に値する遊技回でない場合においては、複数回の遊技回に跨って長く継続可能な特殊表示演出を、装飾図柄479Zの表示によって邪魔されることなく、また、遊技回の切れ目を気にすることなく楽しむことが可能になり、また、注目に値する遊技回である大当り遊技回においては、大当りの当選を装飾図柄479Zの停止図柄によって明確に知ることが可能になる。
また、上記のパチンコ機100において、特別遊技状態に移行したこと基づいて開始され、特別遊技状態から通常遊技状態へ移行したことに基づいて終了する有利状態継続期間に発生した遊技情報を蓄積した蓄積情報(総獲得数情報や継続時間情報)を含み、所定回数の遊技回に跨って実行される特殊表示演出として表示される蓄積遊技情報表示(総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488)は、特殊表示演出の実行中において、特別図柄抽選の結果が大当りとは異なる遊技回に確変大当りとは異なる遊技回が後続する場合には、蓄積遊技情報表示を後続の遊技回に跨るように表示するのに対して、大当りとは異なる遊技回に確変大当りの遊技回が後続する場合には、蓄積遊技情報表示を非表示とすることにより、遊技情報の蓄積の継続の許否を遊技者が認識することを可能にする構成とする。
この構成であれば、特殊表示演出が実行される所定回数の遊技回(特定遊技状態の最大継続回数までの遊技回)において、ハズレ遊技回又は小当り遊技回が連続する場合に、それらの連続する遊技回を跨いで遊技情報の蓄積を継続し、確変大当り遊技回に遊技情報の蓄積を終了させることが可能になる。また、遊技情報の蓄積が継続する遊技回では蓄積遊技情報表示を表示し、遊技情報の蓄積が終了する遊技回では蓄積遊技情報表示を非表示とすることで、遊技情報の蓄積の継続許否を遊技者に知らせることが可能になる。
したがって、遊技者は、特殊表示演出が実行される所定回数の遊技回において、特殊表示演出が開始される前回の大当り遊技回から確変大当り遊技回までを遊技情報が蓄積される一括りの期間として設定し、当該期間に得られた利益(有利な遊技状態の継続時間や獲得した遊技球)を一括りの利益として遊技者に示すことが可能になる。
なお、上記のパチンコ機100において、特殊表示演出は、特別遊技状態に移行する遊技回で開始される構成としているが、この構成に限らず、特別遊技状態後に実行される特定遊技状態での第1回の遊技回において開始される構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機100において、特殊表示演出は、通常遊技状態とは異なる遊技状態において実行可能とされる構成であるが、この構成に限らず、特別遊技状態や特定遊技状態から継続して通常遊技状態において実行可能な構成や、通常遊技状態で実行可能、例えば、特別遊技状態や特定遊技状態から通常遊技状態に移行した遊技回で開始可能な構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機100において、特定表示演出(移動拡縮演出)を伴う大当り時の停止表示態様では、疑似図柄480Zの停止表示に加えて装飾図柄479Zの停止表示を行う構成であるが、この構成に限らず、疑似図柄480Zの停止表示に代えて装飾図柄479Zの停止表示を行う構成としてもよい。例えば、以下の構成が挙げられる。
特定表示演出として、可動表示装置480の左側領域480A(第1表示領域)から中央広領域479B(第2表示領域)へ図柄が移動してくるような演出、例えば、主人公キャラクタ861のジャンプ動作に伴い装飾図柄479Zが視認可能となる場合に、変動表示中の疑似図柄480Zが下方側に移動したかのように見せる演出を行って、最終的に、疑似図柄480Zの停止表示は行わず、装飾図柄479Zの停止表示は行う構成としてもよい。
また、特定表示演出として、疑似図柄480Zの変動表示中に可動表示装置480及び表示部479aをブラックアウトする演出を行って、ブラックアウト後に、変動表示中の疑似図柄480Zを非表示として、変動表示中の装飾図柄479Zを表示し、最終的に、疑似図柄480Zの停止表示は行わず、装飾図柄479Zの停止表示は行う構成としてもよい。
また、特定表示演出として、左側領域480A(第1表示領域)側から中央広領域479B(第2表示領域)側へ所定の表示対象が移動するような演出、例えば、所定の表示対象としての主人公キャラクタ861が可動表示装置480において疑似図柄480Z側に移動して変動表示中の疑似図柄480Zを掴んだ後に、中央広領域479Bに移動して、掴んでいる図柄を装飾図柄479Zとして表示する演出を行って、最終的に、疑似図柄480Zの停止表示は行わず、装飾図柄479Zの停止表示は行う構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機100において、総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488(蓄積遊技情報表示)は、疑似図柄480Zが表示される左側領域480A(第1表示領域)や装飾図柄479Zが表示される中央広領域479B(第2表示領域)と重ならない領域に表示される構成としているが、この構成に限らず、左側領域480A又は中央広領域479Bと重なる領域、例えば、拡大された疑似図柄480Z(図63(C)の左図参照)が表示される範囲に表示される構成としてもよい。また、この構成に加えて、総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488が非表示となる場合に、疑似図柄480Z(図63(C)の左図参照)が拡大した状態で表示される構成とし、総獲得数情報表示487や継続時間情報表示488が非表示となることにより疑似図柄480Zの停止表示が行われる構成としてもよい。
また、上記のパチンコ機100において、疑似図柄480Zは、大当りに対応する図柄の組合せの場合に、拡大した状態で停止表示される構成であるが、この構成に限らず、特定遊技状態での最終の遊技回においてハズレや小当りに対応する図柄の組合せが表示される場合にも拡大した状態で停止表示される構成としてもよい。
<遊技制限機能及び差球情報表示>
次に、遊技制限機能及び差球情報表示について、図64~図68を参照して説明する。
図64~図68には、パチンコ機100として、上記の構成(例えば、図1~図12に示す構成)に対して、以下で説明する遊技制限機能が実行可能な点と、以下で説明する差球情報表示が可能な点とで相違する別例が示されている。具体的には、遊技盤800の構成と、主制御基板920及び副制御基板940で実行される制御処理とが一部で相違する。このため、図64(図10に対応)、図65(図12に対応)、図66(図7に対応)、図68(図11に対応)において、上記の構成と共通の部分については同一の参照符号を付し、以下において、その共通の構成についての重複する説明を省略する。
遊技制限機能は、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技球(遊技媒体)の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技球の数との差球(差数)が予め定めた制限数以上となった場合に、遊技者による遊技の実行を制限する機能である。
具体的には、遊技者は、発射ハンドル252(図1参照)を操作して遊技球を遊技領域409に打ち出すことで、所有する遊技球を減らしつつ遊技を行い、遊技領域409内に設けられた各種の入賞装置(例えば、上側中始動入賞装置431Aなどの始動入賞装置や、下大入賞装置433などの大入賞装置や、一般入賞装置439A,439B:図66参照)への遊技球の入賞に伴う払い出しによって、入賞の種類に応じた数の遊技球を獲得する。この遊技において、打ち出された遊技球の数と払い出された遊技球の数との差球が制限数以上となって遊技制限機能が発動した場合、遊技者が発射ハンドル252を操作したとしても遊技球が発射されないように、遊技球の打ち出しを停止することで遊技者による遊技の実行を制限される。
なお、遊技制限機能は、遊技媒体として遊技球を用いるパチンコ機に限らず、遊技媒体としてメダルを用いるスロット機(回胴式遊技機)に対して適用してもよい。
差球情報表示は、例えば、差球そのものの数値や、差球を100個単位や1000個単位の概数や、差球を四捨五入した概数に対応する数値などを示す差球情報の表示である。差球情報表示を行うことで、遊技の実行が制限される差球に近づいたことを遊技者に知らせることを可能にしている。
なお、差球情報は、数値を示す情報に限らず、特定の文字列(例えば、制限数に到達したことを意味する「コンプリート」など)や特定の記号(例えば、モチーフとなった物語に特徴付けられる紋章など)を示す情報であってもよい。この場合の差球情報表示において、例えば、差球の増加に伴って特定の文字や記号の表示部分が増加し、制限値となった場合に特定の文字や記号の完成形を示すように表示することで、遊技の実行が制限される差球に近づいたことを遊技者に知らせることが可能になる。
また、差球情報表示は、遊技制限機能を実行可能なパチンコ機に限らず、遊技制限機能を実行可能なパチスロ機などの遊技機に適用してもよい。
遊技制限機能が実行可能なパチンコ機(以下において、遊技制限機能付き遊技機とも称す)は、差球(差数)を計数可能な差数計数手段を備えている。
具体的には、遊技制限機能付き遊技機は、差数計数手段として、主制御基板920に記憶された差球を計数するプログラム及びそのプログラムで参照する各種のデータを備えている。このため、主制御基板920において、差球の計数を行うことができる。
主制御基板920における差球の計数に必要となる打ち出された遊技球や払い出された遊技球の検知方法について、図64を参照して説明する。図64は、遊技制限機能付き遊技機における電気的な構成を示すブロック図である。
遊技制限機能付き遊技機における遊技盤800には、その裏面側に、遊技領域409に打ち出され、各種の入賞装置や排出口401Aなどに進入したすべての遊技球を回収する回収通路が設けられている。また、遊技盤800には、回収通路を通過する遊技球を検出可能な検出スイッチ(以下において、回収通路スイッチ440とも称す)が設けられている。
回収通路スイッチ440は、図64に示すように、主制御基板920に電気的に接続されている。このため、主制御基板920は、回収通路スイッチ440からの検出信号に基づいて、打ち出されたすべての遊技球を検知することが可能になる。
各種の入賞装置への遊技球の入賞に伴い払出装置540から払い出された遊技球は、払出制御基板930に電気的に接続された払出計数スイッチ592によって検出される。払出制御基板930は、払出計数スイッチ592による遊技球の検出に基づいて、1球の払い出しごとに、主制御基板920にパルス信号を出力する。このため、主制御基板920は、払出制御基板930からのパルス信号の受信に基づいて、払い出されたすべての遊技球を検知することができる。
主制御基板920のRAM922の所定の領域は、差球を計数するソフトウェアカウンタ(以下において、差球カウンタとも称す)に割り当てられている。差球カウンタは、スイッチ読込処理S1209(図65参照)にて、回収通路スイッチ440からの検出信号の受信ごとに1減算され、払出状態監視処理S1215(図65参照)にて、払出制御基板930からのパルス信号の受信ごとに1加算される。このため、差球は、払い出した遊技球の数が打ち出した遊技球の数よりも少ない場合にマイナスの値をとり、払い出した遊技球の数が打ち出した遊技球の数よりも多い場合にプラスの値をとる。
差球の計数は、定期的(タイマ割込みの間隔である2msごと)な更新制御によって行われる。主制御基板920のRAM922の所定の領域には、差球カウンタに加えて、今回の更新制御前(前回の更新制御後)の差球カウンタの値が記憶されている。このため、今回の更新制御の前後における差球カウンタの値の比較によって、差球カウンタが更新されたか否かを判別できる。
ここで、遊技制限機能について、図65を参照して説明する。図65は、遊技制限機能を説明するための主制御基板920のタイマ割込み処理(図中では主制御割込み処理)を示すフローチャートである。
主制御基板920は、差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段を備えている。
具体的には、制限数として95000が設定されており、制限数が95000以上となり遊技制限機能が作動した場合には、特別電動役物の作動中(小当り中)や条件装置の作動中(特別遊技状態中)を除き、即座に、遊技者が発射ハンドル252を操作したとしても、遊技球の発射を停止し、各種の入賞装置に遊技球が新たに入賞したとしても、その入賞は無効なものとする(以下において、打止め状態とも称す)。
一方、特別電動役物の作動中や条件装置の作動中の場合には、特別電動役物や条件装置の作動が終了するまでは遊技を実行可能とし、その終了によって、打止め状態となる。
また、打止め状態となった場合であっても、既に入賞した分の遊技球の払い出しが完了していない場合には、当該払い出しは完了することが可能とされている。
遊技実行制御手段により実現する遊技制限機能は、以下の処理によって行われる。
主制御基板920のタイマ割込み処理において、最初に実行される割込み開始処理S1201に引き続き、打止到達か否かを判定する判定処理S3101が実行される。打止到達とは、差球が制限数以上であり、かつ、特別電動役物の作動中や条件装置の作動中でない状態である。特別電動役物の作動中とは、小当りに伴い複数回作動する各種の大入賞装置に対する初回の開放から最終回の閉鎖までの期間中を意味し、また、条件装置の作動中とは、特別遊技状態である期間中であり、例えば、第1特別図柄や第2特別図柄や装飾図柄の確定表示の直後からエンディングの終了までの期間中や、特定の領域を遊技球が通過した後からエンディングの終了までの期間中などを意味する。
打止到達か否かは、差球が制限数以上であるか否かを示す制限数到達フラグの状態と、特別電動役物が作動中であるか否かを示す電動役物作動フラグの状態と、条件装置が作動状態中であるか否かを示す条件装置作動フラグの状態に基づき判定する。制限数到達フラグがオフ状態であり、電動役物作動フラグと条件装置作動フラグとの双方がオフ状態である場合には、打止到達ではないと判定され(S3101:N)、その他の場合には、打止到達と判定される(S3101:Y)。
なお、打止到達の判定は、制限数到達フラグの状態と制限差球コマンドが出力されたか否かに基づき行われる構成に限らず、制限数到達フラグがオン状態となった後であって、電源の供給の開始(電源投入又は電源復電)後に、制限差球コマンドが出力されたか否かにより行われる構成としてもよい。制限差球コマンドが出力された状況であることは、例えば、制限差球コマンドが出力された場合に打止到達の完了に対応したフラグを設けて、このフラグをオフ状態からオン状態に変化させることで実現できる。
打止到達ではないと判定された場合(S3101:N)、停電監視処理S1202~外部情報出力処理S1221の実行に加えて、差球の変化に応じて制限数到達フラグの状態を変化させたり、副制御基板940に差球表示関連コマンドを出力したりする処理(判定処理S3102~打止示唆コマンド出力処理S3110)が実行される。
一方、打止到達である場合(S3101:Y)には、打ち止めに到達した場合に必要な設定を実行する打止到達時設定処理S3111と、打止到達ではないと判定された場合に実行される各種処理の一部のみが実行される。
具体的には、打止到達時設定処理S3111では、RAM922に記憶される変動表示の情報を、保留の情報を含めて消去する設定や、主制御基板920で制御される各種の表示装置(例えば、第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471などの図柄表示装置、第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476などの保留表示装置)の表示内容を消去する処理などが実行される。この表示内容の消去に伴い、当該各種の表示装置のうち一部の表示装置では、打止め状態に対応した発光色(例えば、赤色などの目立つ色)を表示する。その表示は、打止め状態中に亘って継続して行われる。また、当該各種の表示装置のうち他の表示装置、例えば、払出状態を示す表示装置や押圧操作装置261などの各種の操作装置のボタンに設けられた発光装置については消灯させる。
また、打止め状態となったことを示すコマンドを一度だけ出力する。副制御基板940は、このコマンドの受信に応じて、左上音響装置281などの音響装置を制御し、所定のメロディー音と、所定の音声(例えば、「コンプリート機能が作動しました。1日に払い出し可能な上限に達しました。本日は遊技終了です。」)とで、打止め状態となったことを所定の時間(例えば、10秒以上)に亘り遊技者に報知する。この報知は、1度だけ行う構成であってもよいし、定期的(例えば、10分ごと)に行う構成であってもよい。なお、音声による報知を行う構成としているが音声による報知は行わない構成としてもよい。
また、副制御基板940は、打止め状態となったことを示すコマンドの受信に応じて、装飾図柄表示装置479の表示部479aを制御し、上記の所定の音声として発せられる情報を文字情報で、打止め状態となったことを遊技者に報知する。この報知は、打止め状態中に亘って継続して行われる。
また、打止め状態となったことを示すオン状態の信号を外部装置に出力する。この信号は、打止め状態中に亘ってオン状態をとる。
打止到達である場合(S3101:Y)には、停電監視処理S1202と同様に、電源の供給が遮断された状況(停電となった状況)であるかを監視する停電監視処理S3112、払出状態監視処理S1215と同様に払出装置540による遊技球の払い出しを監視する払出状態監視処理S3113、及び、払出信号出力処理S1216と同様に払出装置540から入賞が生じた数分の遊技球の払い出しを指示するための払出信号出力処理S3114が実行される。停電監視処理S3112を実行することで、打止め状態で電源の供給が遮断されたとしても、その後に電源の供給が開始された場合、打ち止め状態を継続することが可能になる。また、払出状態監視処理S3113及び払出信号出力処理S3114を実行することで、特別電動役物や条件装置の作動が停止したものの、既に入賞した分の遊技球の払い出しが完了していない場合には、その未完の払い出しを続行することが可能になる。また、打止め状態においても、不正な払い出しが行われないかを監視することが可能になる。
打止到達であると判定された場合には、発射ハンドル252の操作に応じて遊技球の発射を制御する発射制御処理S1213が実行されないことによって、遊技者が発射ハンドル252を操作したとしても遊技球の打ち出しを停止することが可能になる。また、各種の入賞装置への遊技球の入賞を検知し、その入賞に応じた処理を実行する入賞検知応答処理が実行されないことによって、打止到達後における新たな遊技球の入賞は検知できず、無効なものとすることが可能になる。これにより、遊技者は、遊技を続行することができなくなる。
打止到達ではないと判定された場合(S3101:N)に、今回のタイマ割込みにおけるスイッチ読込処理S1209及び払出状態監視処理S1215の実行前後で、差球カウンタの値が更新されたか否かを判定する判定処理S3102が実行される。また、差球カウンタの値が更新されている場合(S3102:N)には、差球カウンタの値が0以上であるか否かが判定される。
差球カウンタの値が更新され、その値が0以上であれば、差球コマンドを出力する差球コマンド出力処理が実行される。この差球コマンド出力処理S3104において、差球として0の値を含む差球ゼロコマンド(差球表示関連コマンドの一種)や0以上の正数値を含む各種の正数差球コマンド(差球表示関連コマンドの一種)が副制御基板940に出力される。
打止到達ではないと判定された場合(S3101:N)に、制限数到達フラグがオン状態(設定状態)であるか否かを判定する判定処理S3105が実行される。また、差球カウンタの値が制限値(95000)以上であるか否かが判定される。制限数到達フラグがオフ状態であって差球カウンタの値が制限数以上である場合、すなわち、今回のタイマ割込みにおいて差球が制限値未満から制限値以上の値に更新された場合に、制限数到達フラグがオフ状態からオン状態となる。この制限到達フラグは、停電監視処理S1202や停電監視処理S3112におけるバックアップ対象であって、電源の供給が遮断された場合にRAM922の保存領域に格納される。
制限数到達フラグがオン状態である場合(判定処理S3105:Y)やオン状態となった場合(制限数到達フラグ設定処理S3107)には、特別電動役物又は条件装置の作動中であるか否かを判定する判定処理S3108が実行される。判定処理S3108において、特別電動役物と条件装置との双方が作動中でない場合(S3108:N)には、制限差球コマンド(差球表示関連コマンドの一種)を副制御基板940に出力する制限差球コマンド出力処理S3109が実行される。
一方、特別電動役物と条件装置との一方が作動中である場合(S3108:Y)には、打止示唆コマンド(差球表示関連コマンドの一種)を出力する打止示唆コマンド出力処理S3110が実行される。打止示唆コマンド出力処理S3110が行われることによって、打止示唆期間(特別遊技状態中や小当り中において差数が制限数に到達しているものの遊技の継続が許可された期間)であることを、打止示唆コマンドで副制御基板940に分かり易く伝達することができる。副制御基板940は、打止示唆コマンドの受信に応じて、表示部479aにおいて、打止め状態となることを示す打止示唆表示(例えば、「まもなくコンプリート機能が作動します」や「今回の大当りで今日の遊技は終了となります」との表示)を行う。この打止示唆表示は、実行中の特別遊技状態や小当りの終了まで継続して表示する。また、この打止示唆表示には、上記のように音声や表示によって打止め状態となったことが報知される。
なお、打止示唆コマンド出力処理S3110が行われて、打止示唆コマンドが出力された場合において、打止示唆コマンドに対応した差数の表示とするか、差数に対応した数値情報を表示するかは、副制御基板940側のプログラムにより設定することができる。例えば、正数差球コマンド出力処理(S3104)で出力された正数差球コマンドに対応した表示を、打止示唆コマンドが出力された場合は無効としてもよいし、差球コマンドを優先して差数を表示するようにしてもよい。また、打止示唆コマンド出力処理S3110は省略してもよい。
制限数到達フラグがオン状態となった後であって制限差球コマンドが出力されるまでの期間は、打止示唆に相当する期間(打止示唆期間)であり、制限数到達フラグがオン状態となっていても打止め状態とはせず、遊技が継続可能に構成されている。打止示唆期間としては、制限数到達フラグがオン状態となっていても、特別電動役物が作動中である場合か、又は、条件装置が作動中である場合を例示しており、具体的には、大当り中と小当り中とにおける大入賞装置の作動中が例示される。
制限数到達フラグがオン状態でない場合(判定処理S3105:N)であって今回のタイマ割込みでオン状態ともならない場合(判定処理S3106:N)には、制限差球コマンドや打止示唆コマンドは出力されない。
差球コマンド、制限差球コマンド、打止示唆コマンドの出力は、S1221の外部情報出力処理よりも前に行われる構成とされる。これにより、他のコマンドが何かしらの原因で出力不能な状況であっても、より確実に打止の状態へ移行したことを、サブ制御基板に伝達し、サブ制御基板の制御により枠ランプを赤色で点灯するなどの処理の実行を確実に実施し易くできる。
ここで、遊技制限機能付き遊技機における差球情報表示について、図66を参照して説明する。図66は、差球情報表示を実行可能な遊技盤800を示す正面図である。
遊技制限機能付き遊技機は、遊技に関する情報を表示可能な表示部を備え、遊技に関する情報としての差球情報を表示可能に構成されている。
具体的には、遊技制限機能付き遊技機において、遊技盤800に設けられた表示部によって、遊技に関する情報としての差球情報を表示可能に構成されている。これにより、遊技者は、遊技盤800から目を離すことなく差球情報の表示を見ることができ、差球情報を必要に応じて簡便に確認できる。
なお、差球情報を表示可能な表示部は、遊技盤800に設ける構成に限らず、外枠101(図1及び図2参照)に設ける構成としてもよい。外枠101に設ける場合には、入力操作装置260や遊技球貸出装置290の近傍など、遊技者によって操作可能な部分であって遊技者の目に留まり易い箇所に設けることが好ましい。
また、差球情報表示は、遊技制限機能付き遊技機に設けられた表示装置によって行われる構成に限らず、遊技制限機能付き遊技機を設置する設備において各機に対応して設けられる外部装置、例えば、プリペイドカードなどの各種のICカードや現金を挿入可能な貸出機や遊技に関する情報を表示するデータ表示装置によって行われる構成としてもよい。
遊技盤800には、図66に示すように、遊技盤800の右下部分において、差球情報を表示可能な表示部として横並びに配置された2つの7セグメント発光器(以下において、2連7セグ発光器276aとも称す)を含む差球表示装置276が設けられている。このため、2連7セグ発光器276aにおいて、発光させるセグメントの組合せによって、差球情報表示を複数種類の発光態様で行うことが可能になり、例えば、2桁の数字を表示することが可能になる。
差球表示装置276は、差球情報としての差球の概数を表示可能に構成されている。具体的には、差球表示装置276において、2連7セグ発光器276aによって、万の位と千の位とを表示し、差球を1000単位で変化させて表示する。
2連7セグ発光器276aが、差球に対する万の位と千の位とを示すことを遊技者に知らせるために、2連7セグ発光器276aの右側に並ぶ位置に百と十と一の位を示す「000」を印字したプレートが配置される。これにより、遊技者は、1000を単位として、現在の差球の概数が表示されていると知ることが可能になる。また、差球表示装置276において差球の概数が表示されていることを遊技者に知らせるために、2連7セグ発光器276aの右側に並ぶ位置に「約」との文字を印字したプレートが配置される。
また、2連7セグ発光器276aの近傍には、その発光器で示された情報の意味を遊技者に知らせるための情報(図中では、「95000でコンプリート」)を印字したプレートが配置される。具体的には、この情報として、「コンプリートカウンター:95000個に到達するとコンプリート機能が作動し、本日の遊技は終了となります」と印字され、2連7セグ発光器276aに示された数値がコンプリートカウンターの数値であること、コンプリートカウンターが所定の数値となった場合にコンプリート機能が作動すること、コンプリートカウンターが作動すると遊技を行えなくなることが示される。
なお、差球情報表示に関連する各種の文字情報は同一のプレートに印字され、当該プレートが差球表示装置276の前方を覆うように配置された構成とし、2連7セグ発光器276aによる表示は、当該プレートに形成された透明な窓や開口した窓から確認できるようにしてもよい。
また、差球表示装置276は、差球の概数を表示する構成に限らず、例えば7セグメント発光器の個数を3つ増加させて、差数を1単位で変化させて、差球そのものを表示する構成としてもよい。また、差球表示装置276は、差球情報を表示する表示部として7セグメント発光器を備える構成に限らず、ドット表示器や液晶表示装置を備える構成としてもよい。
差球表示装置276は、遊技盤800において、右流下領域409Rの近傍に配置された構成とされる。具体的には、遊技盤800の右下側における遊技領域409の外縁であって右流下領域409Rの下方に近接して配置される。これにより、遊技者は、通常遊技状態よりも差球が増加し易い特別遊技状態や特定遊技状態(時短遊技状態や確変遊技状態)において、右流下領域409Rに遊技球を打ち出しつつ、差球情報表示を確認することが可能になる。
なお、差球表示装置276は、遊技領域409の外縁に配置される構成に限らず、遊技領域409に内縁に配置さえる構成としてもよい。また、差球表示装置276は、右流下領域409Rの近傍に配置される構成に限らず、例えば、左流下領域409Lの近傍や、中央構造体420など、右流下領域409Rから離れた位置に配置される構成としてもよい。
差球表示装置276は、遊技盤800において、発射操作装置250の近傍に配置された構成とされる。具体的には、遊技盤800の右下側における遊技領域409の外縁であって右流下領域409Rの下方に近接して配置される。これにより、遊技者は、遊技を開始する際に、差球情報表示を確認することが可能になる。
差球情報表示は、遊技盤800において複数個所で行われ、表示箇所によって異なる表示形態で行われる構成とされている。
具体的には、差球情報表示は、図66に示すように、主として遊技の進行に応じた演出を実行する装飾図柄表示装置479の表示部479aにおいても実行可能とされている。このため、表示部479aにおいて、画像によって遊技情報を表示することが可能になる。
装飾図柄表示装置479での差球情報表示は、差数情報を詳細な表示で行われる。具体的には、装飾図柄表示装置479での差数表示は、差数を1単位で変化させて、差球そのものを表示する形態で行われる。
通常遊技状態においては、遊技領域409に打ち出された遊技球の個数(以下において打ち出し球数とも称す)よりも、各種の入賞装置(主に、上側中始動入賞装置431Aや下側中始動入賞装置431Bや一般入賞装置439A)への遊技球の入賞に基づき得られる遊技球の個数が少なく、差球を減らしつつ遊技が進行する。一方、特別遊技状態においては、通常遊技状態の場合よりも、各種の入賞装置(主に、上大入賞装置434や下大入賞装置433及び一般入賞装置439B)への遊技球の入賞に基づき遊技球を得やすい遊技が進行する。また、確変遊技状態や時短遊技状態などの特定遊技状態においては、通常遊技状態よりは遊技球の減少が少なく、特別遊技状態よりは得られる遊技球の個数が少ない特定遊技が進行する。
遊技制限付きパチンコ機は、遊技の制御を行う主制御手段と、該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段とを備えている。
具体的には、主制御手段としての主制御基板920(図64参照)と、表示制御手段としての副制御基板940(図64参照)とを備えている。表示部479aの画像による差球情報表示や2連7セグ発光器276aの発光による差球情報表示は、主制御基板920から送信される制御用コマンドに基づいて、副制御基板940によって制御される。
主制御基板920は、差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを副制御基板940(表示制御手段)に送信する差数コマンド送信手段を備えている。具体的には、主制御基板920は、各種の制御用コマンドのうち、差球情報表示の制御指示に専用で用いられる制御用コマンドとして、差球の数値が「0」に対応する初期差球コマンド、差球の数値が特定値(図中では「95000」)に対応する制限差球コマンド、打止示唆コマンド、差球の数値として「0」を含む差球ゼロコマンド、差球の数値を含む正数差球コマンドを出力可能に構成されている(図67の第1列参照)。
なお、初期差球コマンドは、差球が「0」の場合に出力されるコマンドであり、差球ゼロコマンドと同一のコマンドであってもよいし、具体的な差球の数値を含まないコマンドであってもよい。また、制限差球コマンドは、差球が制限数以上の場合に出力されるコマンドであり、特定値を含むコマンドであってもよいし、特定値を含まないコマンドであってもよい。
また、主制御基板920は、各種の制御用コマンドのうち、差球情報表示の制御指示と他の制御指示とで兼用される制御用コマンドとして、初期化コマンドや設定済コマンドが出力可能に構成されている。差球情報表示の制御指示に用いられる各種のコマンドについての出力条件や出力タイミング等の詳細は後述する。以下において、差球情報表示の制御に関して専用又は兼用で利用される制御用コマンドを識別せずに、差球表示関連コマンドとも称す。
なお、主制御基板920は、差球情報表示の制御指示に専用のコマンドに加えて他の制御指示のコマンドを援用して、差球情報表示の制御指示を行う構成に限らず、専用のコマンドのみを用いて、差球情報表示の制御指示を行う構成としてもよい。
ここで、主制御基板920からのコマンドに基づく、差球表示装置276や装飾図柄表示装置479での差球情報の表示態様について、図67を参照して説明する。図67は、副制御基板940が受信した主制御基板からのコマンドと、差球情報表示との対応を表に纏めた説明図である。
副制御基板940(表示制御手段)は、主制御基板920(差数コマンド送信手段)によって送信される差球表示関連コマンド(制御用コマンド)に基づいて2連7セグ発光器276a(表示部)の表示を制御する場合に、複数種類の表示態様を切り替えて表示することが可能に構成されている。また、副制御基板940(表示制御手段)は、主制御基板920(差数コマンド送信手段)によって送信される差球表示関連コマンド(制御用コマンド)に基づいて表示部479aの表示を制御する場合に、複数種類の表示態様を切り替えて表示することが可能に構成されている。
2連7セグ発光器276aと表示部479aとにおける差球情報表示とは、共通の差球表示関連コマンドに基づいて制御される。なお、2連7セグ発光器276aと表示部479aとの差球情報表示は、共通の差球関連コマンドに基づいて制御される構成に限らず、それらの一部又は全部の差球情報表示において、2連7セグ発光器276aの差球情報表示に専用のコマンドや表示部479aの差球情報表示に専用のコマンドに基づいて制御される構成としてもよい。
2連7セグ発光器276aの表示態様には、差球(差数)がゼロの場合において設定される第1表示態様が含まれている。具体的には、2連7セグ発光器276aにおいて、第1表示態様の表示として、図67の第2列に示すように、数値でゼロを示す「00」との表示が用いられる。第1表示態様での表示は、副制御基板940が初期差球コマンドを受信した場合に実行される。なお、差球(差数)がゼロの場合において設定される第1表示態様としては、必ずしも数値でゼロを示す「00」の表示とする必要はなく、「--」などの別の表示としてもよい。また、第1表示態様は、必ずしも、差球(差数)がゼロの場合に限って表示される態様とする必要はなく、差球(差数)がゼロから予め定めた閾値以上(例えば、65000以上)となるまでは、同一の態様をとる構成としてもよい。
2連7セグ発光器276aの表示態様には、差球が制限数より小さい所定数(例えば、65000)以上の場合において設定される第2表示態様が含まれている。具体的には、2連7セグ発光器276aにおいて、第2表示態様の表示として、差球に対応する数値を示す「65」~「95」の表示が用いられる。第2表示態様での表示は、副制御基板940が、差球の数値(65000以上)を含む正数差球コマンドを受信した場合に実行される。正数差球コマンドを受信した場合であっても、そのコマンドに含まれる差球の数値が所定数(例えば、65000)未満である場合には、数値ではなく記号を示す「--」との表示が用いられる。このため、「--」との表示から第2表示態様に変化することで、特定値に近づいたこと(本日の遊技の終了に近づいたこと)、現在の差球の概数を遊技者に知らせることができる。これにより、遊技者は、獲得可能な差球に注意しながら、遊技の続行や終了を判断したりすることが可能になる。
2連7セグ発光器276aの表示態様には、前記制限数以上となった場合において設定される第3表示態様が含まれている。具体的には、2連7セグ発光器276aにおいて、第3表示態様の表示として、数値で制限数を示す「95」との表示が用いられる。第3表示態様での表示は、副制御基板940が、制限差球コマンドを受信した場合に実行される。
2連7セグ発光器276aの表示態様には、第1表示態様と第2表示態様と第3表示態様とのいずれとも異なる第4表示態様が含まれている。具体的には、2連7セグ発光器276aにおいて、第4表示態様は、2連7セグ発光器276aを構成する全てのセグメントが消灯した非表示の態様となる。第4表示態様での表示は、副制御基板940が、打止示唆コマンドを受信した場合に実行される。
表示部479aの表示態様には、2連7セグ発光器276aの場合と同様に、第1表示態様と、第2表示態様と、第3表示態様と、第4表示態様が含まれている。
具体的には、表示部479aにおける第1表示態様の表示として、図67の第3列に示すように、数値でゼロを示す「00000」との表示が用いられる。また、表示部479aにおける差球情報表示において、第1表示態様による差球情報と共に、数値の意味を遊技者に知らせる「コンプリートカウンター」や、制限値を知らせる「/95000」との文字情報が、差球に関連する情報278として表示される。
表示部479aにおける第2表示態様の表示として、差球に対応する数値を示す「65000」~「94999」の表示が用いられる。第2表示態様での表示は、副制御基板940が、差球の数値(65000以上)を含む正数差球コマンドを受信した場合に実行される。正数差球コマンドを受信した場合であっても、そのコマンドに含まれる差球の数値が65000未満である場合には、差球情報を示さない非表示の態様となる。このとき、差球に関連する情報も非表示にする。
表示部479aにおける第3表示態様の表示として、数値で制限数を示す「95000」との表示が用いられる。第3表示態様での表示は、副制御基板940が、制限差球コマンドを受信した場合に実行される。
表示部479aにおける第4表示態様の表示として、数値ではなく記号を示す「-----」との表示が用いられる。第2表示態様での表示は、副制御基板940が、差球の数値(1以上65000未満)を含む正数差球コマンドを受信した場合に実行される。正数差球コマンドを受信した場合であっても、そのコマンドに含まれる差球の数値が65000未満である場合には、差球情報を示さない非表示の態様となる。このとき、差球に関連する情報278も非表示にする。
主制御基板920は、差球の数値がマイナスである場合には、差球に関連するコマンドは出力しない構成とされている。このため、2連7セグ発光器276aや表示部479aでの差球情報の表示においてマイナスの数値が示されることはない。
なお、差球情報の表示は、マイナスの数値を表示しない構成に限らず、主制御基板920からマイナスの差球の数値を含む負数差球コマンドを出力し、マイナスの数値も表示する構成としてもよい。
また、2連7セグ発光器276aや表示部479aにおける差球情報表示は、差球が65000以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合に第2表示態様で行われる構成に限らず、差球が1000以上や90000以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合に、第2表示態様で行われる構成としてもよい。
また、2連7セグ発光器276aや表示部479aにおける差球情報表示は、特定値を95000とし、制限差球コマンドを受信した場合に、第3表示態様で表示する構成に限らず、特定値を95000とは異なる値に設定し、差球が95000以下に対応する正数差球コマンドを受信した場合や、差球が95000以上である100000に対応する正数差球コマンドを受信した場合に、第3表示態様で表示する構成としてもよい。
主制御基板920は、特別遊技状態中(条件装置の作動中)に差球(差数)が予め定めた制限数以上となった場合であって特別遊技状態の終了までは遊技の継続が可能な状態に対応した特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段を備えている。具体的には、特別遊技状態中(条件装置の作動期間)であることを示す情報や、電源の遮断時における各種の大入賞装置の開放回数などが記憶される。このため、特別遊技状態中に電源の供給が遮断されたとしても、電源の供給が再開した場合に、特別遊技状態を再開することが可能になり、遮断時において実行されていないラウンドを実行することが可能になる。
また、主制御基板920は、バックアップ手段によって、特別電動役物の作動期間(小当りに付随する大入賞装置の作動期間)であって差数が予め定めた制限数以上となった状態に対応した小当り遊技制限状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に特別電動役物の作動期間における電源の遮断に対応した情報を記憶する構成としている。具体的には、特別電動役物の作動期間であることを示す情報や、電源の遮断時における各種の大入賞装置の作動回数などが記憶される。このため、特別電動役物の作動期間に電源の供給が遮断されたとしても、電源の供給が再開した場合に、特別電動役物の作動を再開することが可能になる。
ここで、主制御基板920における差球情報表示に関連する制御処理について、図68を参照して説明する。図68は、主制御基板920におけるメイン処理を示すフローチャートである。
主制御基板920は、復電処理において、電源の供給が遮断された状況に応じて異なる制御処理を実行可能に構成されている。
具体的には、主制御基板920は、遊技者への遊技の提供前における電源の供給の開始時には、RAM922の全体が初期化される経路を辿る処理を実行し、初期化コマンド出力処理S1014において初期化コマンドを出力、又は、設定済コマンド出力処理S2006において設定済コマンドを出力する。一方、遊技者への遊技の提供後であって、不測の電源の供給の遮断に基づく電源の供給の再開時には、主制御基板920は、バックアップされたRAM922の一部を復元する経路(RAM復帰設定処理S1011)を辿る処理を実行し、復帰コマンド出力処理S1012において復帰コマンドを出力する。
主制御基板920は、バックアップされた情報を復元するRAM復帰設定処理S1011において、中断された特別電動役物や条件装置の作動を再開するためにバックアップされた各種の情報や、中断された遊技球の払い出し再開するためにバックアップされた各種の情報を復元する。
また、主制御基板920は、制限数到達フラグが設定されているか否かを判定する判定処理S3001と、特別電動役物又は条件装置の作動中であるか否かを判定する処理S3003を実行可能である。制限数到達フラグは、差球が特定値以上となった場合にオン状態(設定状態)となる(制限数到達フラグ設定処理S3107:図65参照)。この制限数到達フラグは、背面設定スイッチ905や初期化スイッチ907(図64参照)の操作に基づき意図的にRAM922を初期化したり(RAMクリア処理S1008)、正常にバックアップされずエラー状態となったりしてRAM922が初期化される場合(RAMクリア処理S2002)を除き、電源の供給が遮断されたとしてもオフ状態(解除状態)とはならない。
例えば、主制御基板920は、通常遊技が行われる通常遊技状態において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において、復帰コマンドを出力する復帰コマンド出力処理S1012を経た後、通常遊技状態の遊技中において打止設定フラグはオン状態ではない(判定処理S3001:N)ために、初期差球コマンドを出力する初期差球コマンド出力処理S3002を実行する経路を辿る処理を行う。
復電処理とは、電源の供給が開始された場合に一回実行される処理であって、具体的には、図68に示すように、主制御基板920のメイン処理(図中の主制御メイン処理)におけるプログラム開始処理S1001から乱数初期設定処理S1019までの処理である。具体的には、図68に示す主制御基板920のメイン処理における割込み禁止処理S1020から割込み許可処理S1023までを繰り返す処理内、又は、一定間隔(例えば、4ms)で繰り返されるタイマ割込み処理で一回実行される処理である。
また、主制御基板920は、遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において、復帰コマンドを出力する復帰コマンド出力処理S1012を経た後、通常遊技状態の遊技中において打止設定フラグはオン状態ではない(判定処理S3001:N)ために、初期差球コマンドを出力する初期差球コマンド出力処理S3002を実行する経路を辿る処理を行う。
また、主制御基板920は、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において、復元コマンドを出力する復帰コマンド出力処理S1012を経た後、特別遊技継続状態中において打止設定フラグはオン状態であり(判定処理S3001:Y)、かつ、条件装置作動中である(判定処理S3001:Y)ために、打止示唆コマンドを出力する打止示唆コマンド出力処理S3005を実行する経路を辿る処理を行う。
主制御基板920は、前記表示制御手段に対して、いずれの復電処理が実行されたかを識別可能な、1または複数の制御用コマンドを送信する。
具体的には、主制御基板920は、副制御基板940に対して、通常遊技状態において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理においては、初期差球コマンドを出力する。また、遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において、初期差球コマンドと異なる制限差球コマンドを出力し、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において、初期差球コマンド及び制限差球コマンドと異なる打止示唆コマンドを出力する。このため、副制御基板940は、それら3つの復電処理のうちいずれの復電処理が実行されたかを識別することができる。
なお、主制御基板920での復元処理における差球情報表示に関連する部分(判定処理S3001~打止示唆コマンド出力処理S3005)の処理は、当該部分の全体をメイン処理で実行する構成に限らず、当該部分の一部又は全部は、タイマ割込み処理で実行する構成としてもよい。この場合、1回目のタイマ割込み処理で実行することが好ましい。
また、初期差球コマンド出力処理S3002及び打止示唆コマンド出力処理S3005の一方はなくてもよい。打止示唆コマンドを出力しない場合において、副制御基板940は、復帰コマンド受信後に遊技が実行されている場合に出力されるコマンド、例えば、賞球コマンドの受信によって、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理が実行したと判断することが可能である。
また、打止示唆コマンドを出力しない場合において、副制御基板940は、復帰コマンド受信後に条件装置や特別電動役物の作動中に出力されるコマンド、例えば、特別遊技状態の開始時に出力されるオープニングコマンドや各種の大入賞装置の作動開始時に出力される開放コマンドの受信によって、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理が実行したと判断することが可能である。
また、打止示唆コマンドを出力しない場合において、副制御基板940は、復帰コマンドと、復帰処理中に必ず出力されるコマンド、例えば、時短コマンド出力処理S1017で出力される時短コマンド又は非時短コマンド出力処理S1018で出力される非時短コマンドとの組合せによって、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理が実行したと判断することが可能である。
また、打止示唆コマンドを出力しない場合において、副制御基板940は、復帰コマンドと、遊技者による遊技進行に伴い出力されるコマンドとの組合せによって、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理が実行したと判断することが可能である。
副制御基板(表示制御手段)は、電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて、電源の供給が遮断された状況に応じた復電処理のうち、いずれの復電処理が実行された場合かに対応させて表示部の表示態様を制御可能に構成されている。
具体的には、副制御基板940は、電源の供給が復帰した直後における差球表示装置276の2連7セグ発光器276aの初期表示として、通常遊技が行われる通常遊技状態において電源の供給が遮断された場合に、図67に示すように、初期差球コマンドの受信に応じて、第1表示態様での表示(「00」との数値の表示)を行う。
この第1表示態様での表示は、遊技者が遊技を再開した後においても、差球が65000に対応する正数差球コマンドを受信するまで継続する。その後、差球の増減に伴い差球が65000以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合には、副制御基板940は、受信した正数差球コマンドに対応する第2表示態様での表示(「65」以上の数値の表示)を行い、差球が95000以上に対応する正数差球コマンドや制限差球コマンドを受信した場合には、第3表示態様での表示(「95」との数値の表示)を行う。
遊技の実行が制限された状況(打止め状態)において電源の供給が遮断された場合には、副制御基板940は、2連7セグ発光器276aの初期表示として、制限差球コマンドの受信に応じて、図67に示すように、第3表示態様の表示(「95」との数値の表示)を行う。この第3表示態様の表示は、その後の遊技者による遊技が制限されるために変化することはない。
特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された場合には、副制御基板940は、2連7セグ発光器276aの初期表示として、打止示唆コマンドの受信に応じて、図67に示すように、第4表示態様の表示(2連7セグ発光器276aを構成する全てのセグメントが消灯した非表示の状態)を行う。この第4表示態様の表示は、差球が65000に対応する正数差球コマンドを受信するまで継続する。その後、副制御基板940は、差球の増減に伴って通常遊技状態において電源の供給が遮断された場合と同様の表示を行う。
したがって、遊技者は、2連7セグ発光器276aの初期表示に基づいて、通常遊技状態、打止め状態中、特別遊技継続状態中のいずれで電源の供給の遮断から復帰した後であるかを識別することが可能になる。
また、電源の供給を開始する際に背面設定スイッチ905や初期化スイッチ907の操作を行うことで、主制御基板920のRAM922の全体が初期化された場合、副制御基板940は、2連7セグ発光器276aの初期表示として、初期化コマンド又は設定済みコマンドの受信に応じて、図67に示すように、第1~第4の表示態様のいずれとも異なる表示形態の表示(「--」との記号の表示)を行う。この表示形態の表示は、差球が65000に対応する正数差球コマンドを受信するまで継続する。その後、副制御基板940は、差球の増減に伴って通常遊技状態において電源の供給が遮断された場合と同様の表示を行う。
したがって、遊技者は、通常遊技状態、打止め状態中又は特別遊技継続状態中の電源の供給が遮断されてから復帰した場合において、RAM922の一部しか初期化されない場合と、RAM922の全体が初期化された場合とを、2連7セグ発光器276aの初期表示に基づいて、識別することも可能になる。
また、特別遊技継続状態中と同様に遊技制限機能の作動待機状態中である小当り遊技継続状態中において電源の供給が遮断された場合は、特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された場合と同様の表示を行う。なお、特別遊技継続状態中と小当り遊技継続状態中において電源の供給が遮断された場合とで、主制御基板920から出力されるコマンドの種類を異ならせ、差球情報表示において異なる表示態様で表示を行う構成としてもよい。
<遊技制限機能の発動前後の遊技進行制御>
次に、遊技制限機能の発動前後に関連する遊技進行制御について、図69を参照して説明する。図69は、遊技制限機能の発動前後における遊技進行の推移を説明するためのタイミングチャートである。図69(A)が遊技制限機能の発動前における遊技進行制御の予定推移を示す。図69(A)においては、特別遊技状態に移行することとなる大当り遊技回と、大当り遊技回に先行する通常遊技状態における先行遊技回(ハズレ遊技回)と、大当り遊技回に後続する特定遊技状態(時短遊技状態や確変遊技状態)における後続遊技回(ハズレ遊技回)とを実行予定である場合が示されている。図69(B)が、通常遊技状態における先行遊技回の実行中に、差球が制限数以上となることで、遊技制限機能が発動する場合を示し、図69(C)が、特別遊技状態で差球が制限数以上となることで、遊技制限機能が発動する場合を示す。
主制御基板920で制御される遊技制限機能は、差球が制限数以上となること(以下において、制限数到達とも称す)を条件として発動するものであり、各種の図柄変動中(第1特別図柄や第2特別図柄や装飾図柄に対応する特別図柄の図柄変動中)に制限数到達の条件を満たした場合、当該条件の成立に伴って発動する。
具体的には、図69(A)に示すように、大当り遊技回に先行して通常遊技状態で実行されるハズレ遊技回(先行遊技回)における図柄変動中に差球が制限数以上となった場合(制限数到達A)、図69(B)に示すように、当該条件の成立に伴って遊技制限機能が発動して、各種の図柄による当該遊技回の結果を表示する前(変動表示の停止前)に打止め状態となる。大当り遊技回や小当り遊技回における図柄変動中(条件装置や特別電動役物の作動前)についても同様である。
一方、特別遊技状態(条件装置の作動中)において差球が制限数以上となった場合(制限数到達B)には、図69(C)に示すように、その後も遊技者による遊技が継続可能な特別遊技継続状態となり、遊技制限機能は、特別遊技継続状態(特別遊技状態)を完遂して終了した場合に発動する。
また、小当り(特別電動役物の作動中)において差球が制限数以上となった場合も、図示しないが、小当りの終了(小当り遊技回の終了)に伴って発動する。小当りにおいては、特別遊技状態における開始待機状態(図66等に示す役連作動装置435への遊技球の進入を待っている状態)とエンディングとに係る制御が実行されず、各ラウンドの制御に対応する制御と、各ラウンド間の制御に対応する制御とが実行される。したがって、以下において、小当りにおける各種の制御については、特別遊技状態に対する各種の制御を参照することとし、重複する説明を省略する。
主制御基板920は、差数(差球)が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去する未完了情報消去手段を有する構成とされている。
具体的には、差球が制限数以上となった場合に、遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報としての特別図柄に係る当選乱数(大当りと小当りとハズレとを識別可能な情報)が、消去される。このため、差球が制限数以上となった場合に当該遊技回の結果が示されることを防止することが可能になる。これにより、例えば、差球が制限数以上となった状況において、大当りに対応する図柄の組合せが表示されたにも関わらず遊技者にとって有利な特別遊技状態を行えないような状況の発生を防止することが可能になる。したがって、遊技者は、実行中の遊技回の結果を知ることなく、最大限の差球で遊技球を得て満足した気分で遊技を終えることが可能になる。
主制御基板920は、特別情報に加えて、特別情報に対応して設定され、遊技回の進行を制御するための各種の情報、例えば、遊技回周回用動作の結果を示す図柄の組合せ(停止図柄)の情報や、図柄変動を行う時間の情報を消去する構成としている。このため、遊技回周回用動作の結果を表示しない制御や、遊技回を中途で終える制御が実行可能になる。
なお、副制御基板940は、主制御基板920から送信されるコマンドに基づいて遊技制限機能が発動した場合に、遊技制限機能の発動において実行される主制御基板920による図柄表示と同様の表示を、主制御基板920と同様に実施することができる。副制御基板940は、差球が制限数以上となった場合に当該遊技回の結果が示されることを防止する表示制御を装飾図柄表示装置479に対して実行し、例えば、特別図柄に対応した図柄の表示を消去することで図柄の変動が中止する表示制御を実行する。
また、遊技制限機能が発動した場合において、副制御基板940は、図柄変動を停止するものの、遊技者による遊技の実行中には出現しない図柄の組合せ(例えば、「340」:立ち上げ時の初期表示)などの特定の図柄の組み合せを表示する構成としてもよい。この構成の場合、特定の図柄の組合せの表示は、差球が制限数以上となった場合に、残りの変動時間が経過していなくても即時に変動停止して図柄の組合せの停止表示をしてもよいし、予定されていた図柄変動の時間が経過したタイミングで図柄の組合せを停止表示してもよい。
また、遊技制限機能が発動した場合において、副制御基板940は、各種の大入賞装置の動作を伴わずに図柄変動が行われる遊技回、例えば、通常遊技状態や特定遊技状態におけるハズレ遊技回において差球が制限数以上となった場合に、遊技回の制御を中途で終了させる構成に限らず、予定された遊技回の進行制御は予定の通りに完遂し、その完遂に伴って、遊技回の制御を終了させる構成としてもよい。
また、遊技制限機能として、主制御基板920は、大当り遊技回や小当り遊技回において図柄変動の停止後(条件装置や特別電動役物の作動後)に差球が制限数以上となった場合、当該遊技回の終了まで延期して発動する構成としているが、この構成に限らず、それらの遊技回に対応する特別図柄に係る当選乱数や、遊技回の進行を制御するための各種の情報、例えば、オープニング中や何回目のラウンド中であるかを識別する情報や、オープニングや各ラウンドを実行する時間の情報を消去し、それらの遊技回を中途で終了させる構成としてもよい。
また、遊技制限機能として、主制御基板920は、遊技者による遊技の進行(例えば、遊技球の打ち出し)は停止させるものの、主制御基板920による遊技の進行の制御は、予定された大当り遊技回や小当り遊技回の進行制御の完遂に伴って終了させる構成としてもよい。
主制御基板920によって制御される各種の特別図柄表示装置(第1特別図柄に係る特別図柄表示装置471や第2特別図柄に係る特別図柄表示装置472:図64及び図66参照)において、遊技者による遊技が実行されている場合には、各特別図柄表示装置を構成する複数のLEDの少なくとも1つは点灯した状態をとる。これに対して、主制御基板920は、差球が制限数以上となった場合には、各特別図柄表示装置を構成する複数のLEDのすべてが消灯した状態にする制御を実行する。
なお、差球が制限数以上となった場合における各特別図柄表示装置を構成する複数のLEDの消灯は、差球が制限数以上となったことに伴って実行される構成としてもよいし、差球が制限数以上となった後、例えば、遊技制限機能の発動に伴って実行される構成としてもよい。
また、差球が制限数以上となった場合に各特別図柄表示装置を構成する複数のLEDのすべてを消灯した状態にする構成に限らず、遊技者による遊技の実行中には表示されないパターンや遊技者による遊技の実行中とは異なる色等で点灯や点滅した状態にする構成としてもよい。
差数が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去する未開始情報消去手段を有する構成とされている。
具体的には、差球が制限数以上となった場合に、遊技回用動作が開始されていない特別情報として、実行が保留されている各遊技回、例えば、図69(B)に一点鎖線で示す制限数到達A後の大当り遊技回や後続遊技回、また、図69(C)に一点鎖線で示す制限数到達B後の後続遊技回に対応する特別図柄に係る当選乱数が、消去(遊技者による遊技中には取らない「0」に設定)される。また、特別情報に加えて、各保留された遊技回の特別情報に対応して設定され、当該遊技回の進行を制御するための各種の情報、例えば、遊技回周回用動作の結果を示す図柄の組合せ(停止図柄)の情報や、図柄変動を行う時間の情報が消去される。このため、保留されている遊技回が実行されることを防止できる。これにより、遊技者による遊技の実行は停止されているにも関わらず、例えば、保留されている大当り遊技回が実行されるといった状況の発生を防止することが可能になる。したがって、遊技者は、保留中の遊技回の結果を知ることなく、最大限の差球で遊技球を得て満足した気分で遊技を終えることが可能になる。
なお、保留された遊技回に対する特別図柄に係る当選乱数等は、差球が制限数以上となることに伴って消去される構成としてもよいし、差球が制限数以上となった後であって遊技制限機能の発動に伴って消去される構成としてもよい。
ここで、保留に関する表示形態について説明する。遊技者による遊技が進行していて保留中の遊技回がある場合には、主制御基板920によって制御される各種の特別図柄保留表示装置(第1特別図柄に係る特別図柄保留表示装置476や第2特別図柄に係る特別図柄保留表示装置477:図64及び図66参照)において、各特別図柄保留表示装置を構成する複数のLEDの少なくとも1つは点灯した状態をとる。これに対して、主制御基板920は、差球が制限数以上となった場合には、各特別図柄保留表示装置を構成する複数のLEDのすべてを消灯した状態にする制御を実行する。
なお、差球が制限数以上となった場合における各特別図柄保留表示装置を構成する複数のLEDの消灯は、差球が制限数以上となったことに伴って実行される構成としてもよいし、差球が制限数以上となった後に、例えば、遊技制限機能の発動に伴って実行される構成としてもよい。
また、各特別図柄保留表示装置のLEDの消灯は、各特別図柄表示装置のLEDの消灯と同時に実行される構成としてもよいし、それらの消灯を時間的にずらして実行される構成、例えば、特別遊技状態において差球が制限数以上となったことに伴って各特別図柄表示装置のLEDの消灯が実行され、その後、遊技制限機能の発動に伴って各特別図柄保留表示装置のLEDの消灯が実行される構成としてもよい。
また、差球が制限数以上となった場合に各特別図柄保留表示装置を構成する複数のLEDのすべてを消灯した状態にする構成に限らず、遊技者による遊技の実行中には表示されないパターンや遊技者による遊技の実行中とは異なる色等で点灯や点滅した状態にする構成としてもよい。
また、各特別図柄保留表示装置に、保留を表示するLEDに加えて、当該LEDの近傍に他の発光部品が設けられている場合には、それらが配置された領域であって保留の表示領域として割り当てられた領域(保留領域)における発光部品を、保留を表示するLEDを含め消灯させることが好ましい。各特別図柄表示装置の場合も同様に、特別図柄を表示するLEDに加えて、当該LEDの近傍に他の発光部分が設けられている場合には、それらが配置された領域であって特別図柄の表示領域として割り当てられた領域(図柄領域)における発光部品を、特別図柄を表示するLEDを含め消灯させることが好ましい。
主制御基板920及び副制御基板940は、第4図柄や保留を表示するLED等の発光部品については、遊技制限機能の発動に伴って、消灯させる制御を実行し、遊技の進行を停止させる遊技停止エラーの場合と同様の報知を行う。遊技制限機能が発動している場合に、エラー報知が発生した場合には、遊技制限機能の発動に伴って消灯させたLED等の発光部品については消灯した状態を継続する。例えば、遊技制限機能が発動しているときに、磁気検知が発生した場合には、盤面LEDは、磁気検知のランプ報知を優先するが、遊技制限機能の発動に伴って消灯させたLEDについては消灯を維持する。
主制御基板920は、遊技実行制限手段による遊技の実行の制限(遊技制限機能の発動による打止め状態)が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の払出しを実行する未払い払出実行手段を有する構成とされている。
具体的には、主制御基板920は、上記で図65を参照して説明したように、遊技制限機能が発動して打止め状態となる打止到達の後(判定処理S3101:Y)であっても、払出しに関する制御(払出状態監視処理S3113及び払出信号出力処理S3114)を実行可能に構成されている。このため、打止め状態前の入賞に基づく遊技球の払出しで未払いの遊技球がある場合には、図69(B)及び図69(C)に示すように、打止め状態となった後(図中の打止め後払出状態)においても行うことができる。
主制御基板920は、差数(差球)が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体(遊技球)が残存する場合に当該未払いの遊技媒体(遊技球)の数に対応した情報を記憶するための残存払出記憶手段を有する構成とされている。
具体的には、主制御基板920において、当該未払いの遊技球の数に対応した情報として、主制御基板920が払出制御基板930に対して払出しを指示した遊技球の個数と、払出制御基板930からのパルス信号の受信に基づき払出しを確認した遊技球の個数との差数が、RAM922の所定の領域に記憶されている。当該差数は、停電監視処理S1202(図65参照)や停電監視処理S3112(図65参照)におけるバックアップ対象に設定されている。
このため、当該遮断後に電源の供給が再開された場合、RAM復帰設定処理S1011において当該未払いの遊技球の数が復元されるために、主制御基板920は、改めて払出しの指示(当該未払い遊技球の数に対応する払出コマンド)を払出制御基板930に対して出力することが可能になる。また、払出制御基板930は、電源の供給が再開された場合に主制御基板920から受信した払出しの指示に基づき、払出モータ542(図64参照)を動作させて、当該未払いの遊技球の払出しを完遂することが可能になる。
なお、払出しを指示した遊技球の個数と払出しを確認した遊技球の個数との差数をバックアップ対象に設定する構成に限らず、当該未払いの遊技球の数に対応した情報として、それらの個数を個別にバックアップ対象に設定する構成としてもよい。
ここで、副制御基板940によって実行される2連7セグ発光器276aにおける差球情報表示の変更制御について、図70を参照して説明する。図70は、差球情報表示の変更制御の説明図である。図70(A)が差球コマンドと差球情報表示の変更との対応を示し、図70(B)が差球情報表示の変更の推移を示す。
2連7セグ発光器276aによる差球情報表示は、電源の供給の開始に伴って開始される。具体的には、電源の供給が開始され、主制御基板920を初期化する通常の復電処理が実行されると、副制御基板940は、主制御基板920から初期化コマンド又は設定済コマンドを受信する。副制御基板940は、初期化コマンド又は設定済コマンドの受信に基づいて、記号による表示態様で差球情報表示の初期表示(--)を開始する(図67参照)。差球情報表示の初期表示は、差球が65000以上に対応する正数差球コマンドを受信するまで継続される。
副制御基板940は、差球情報表示の初期表示が表示されている場合に、所定の差球コマンド(差球が65000以上に対応する正数差球コマンド)を受信した場合、差球情報表示を初期表示から数値による表示態様に変更する制御を実行する。
具体的には、図70の第2行に示すように、副制御基板940の制御によって、差球情報表示が記号による表示態様である初期表示(--)から、数値による表示態様である「65」に変更される。この数値による差球情報表示を開始することで、制限値(95000)に近づいてきたことを遊技者に知らせることが可能になる。「65」との差球情報表示は、差球が66000以上に対応する正数差球コマンドを受信するか、又は、差球が64900未満の正数差球コマンドを受信するまで継続される。また、数値による表示態様での差球情報表示は、電源の供給が遮断されるまで継続される。
副制御基板940は、差球(3バイトカウンタである差球カウンタで計数された値)が更新されるたびに主制御基板920から出力される正数差球コマンドの受信に応じて、差球情報表示の変更の可否を判断する。
副制御基板940は、差球情報表示が「65」に変更された後に、最初に、66000以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合、図70(A)の第3行に示すように、「65」と表示していた差球情報表示を、制限数に対応する差球情報表示に向けて1段階進行した「66」との差球情報表示に変更(増加変更)する。このため、図70(B)に示すように、65000以上66000未満に対応する正数差球コマンドを受信している間は、「65」との差球情報表示が継続して表示される。
一方、副制御基板940は、差球情報表示が「65」に変更された後に、最初に、64900未満に対応する正数差球コマンドを受信した場合、図70(A)の最下行に示すように、「65」との差球情報表示を、制限数に対応する差球情報表示から1段階後退した「--」との差球情報表示に変更する。このため、図70(B)に示すように、64900以上65000未満に対応する正数差球コマンドを受信している間は、「65」との差球情報表示が継続して表示され、また、64900未満に対応する正数差球コマンドを受信している間は、初期表示が継続して表示される。
差球情報表示を後退させる場合において、65000未満に対応する正数差球コマンドではなく、64900未満に対応する正数差球コマンドに基づいて変化させることで、差球が65000を跨いで何度も変化するような場合であっても、「--」と「65」との差球情報表示が交互に繰り返されて、視認性が低下したり、遊技者に誤作動と勘違いさせたりすることを防止することが可能になる。
また、副制御基板940は、差球情報表示を後退させる場合において、64900以上65000未満に対応する正数差球コマンドを受信している期間(以下において、後退変更待機期間とも称す)では、表示内容は同一であるが表示態様を異ならせる制御を実行する。具体的には、副制御基板940は、後退変更待機期間において、「65」との差球情報表示を点滅する表示態様で表示させる制御を実行する。以下で説明するように、この場合の点滅よりも速い速度で点滅する表示態様も用いられるために、この場合の点滅を低速点滅とも称す。この低速点滅する表示によって、受信した正数差球コマンドに対応する数値(表示部479aによる差球情報表示)との対応が異なることを示唆することが可能になる。
副制御基板940は、「65」~「94」までの数値による差球情報表示の変更について、上記と同様の変更制御を実行する。
副制御基板940は、所定の差球情報表示(「94」との差球情報表示)が表示されている場合において、表示内容は同一であるが表示態様を複数回に分けて変更する制御を実行する。また、副制御基板940において、変更後の各表示態様は、互いに異なり、また、後退変更待機期間における表示態様とも異なる表示態様に設定されている。
具体的には、副制御基板940は、差球情報表示が「94」に変更された後に、最初に、94500以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合、図70(A)の第7行に示すように、「94」との差球情報表示を点灯した表示態様(図中の丸括弧の付記なし)から点滅する表示態様に変更する制御を実行する。この点滅する表示態様は、副制御基板940において、後退変更待機期間において低速点滅する表示態様の場合よりも速い速度で点滅する表示態様に設定されている。以下において、この表示形態での点滅を中速点滅とも称す。
中速点滅する表示態様での「94」との差球情報表示は、図70(B)に示すように、94500以上94900未満に対応する正数差球コマンドを受信している期間において継続して表示される。
このため、差球が制限数まで所定数以下(図中では500球以下)となったことを示唆することが可能になる。また、後退変更待機期間にける低速点滅する表示態様での「94」との差球情報表示と識別可能に表示することが可能になる。
また、副制御基板940は、差球情報表示が「94」に変更された後に、最初に、94900以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合、図70(A)の第8行に示すように、「94」との差球情報表示の点滅速度を高速化する制御を実行する。以下において、この表示形態での点滅を高速点滅とも称す。
高速点滅する表示態様での「94」との差球情報表示は、図70(B)に示すように、94900以上95000未満に対応する正数差球コマンドを受信している期間は、継続して表示される。
このため、差球が制限数まで所定数以下(100球以下)となったことを示唆することが可能になる。また、低速点滅や中速点滅する表示態様で「94」との差球情報表示が行われる場合と識別可能に表示することが可能になる。
副制御基板940は、差球情報表示が「94」に変更された後に、最初に、95000以上に対応する正数差球コマンドを受信した場合、図70(A)の第9行に示すように、「94」との差球情報表示を、制限数に対応する「95」との差球情報表示に変更する制御を実行する。また、副制御基板940は、図示しないが、制限差球コマンドを受信した場合にも、制限数に対応する「95」との差球情報表示に変更する制御を実行する。
副制御基板940は、差球情報表示が「95」に変更された後に、95000以上に対応する正数差球コマンドを更に受信したとしても、また、95000未満に対応する正数差球コマンドを更に受信したとしても、図70(A)の第10行に示すように、制限数(「95」)に対応する差球情報表示を表示する制御を実行する。このため、図70(B)の最下行に示すように、一旦、「95」との差球情報表示がなされた場合には、当該差球情報表示が継続して表示される。
副制御基板940は、差球情報表示が「95」に変更された後に、95000未満に対応する正数差球コマンドを更に受信したとしても、他の数値(「65」~「94」)の差球情報表示がなされている場合とは異なり、低速点滅する表示態様での「95」との差球情報表示に変更しない制御を実行する。
上記においては、電源の供給が開始された場合に、差球情報表示の初期表示が「--」である場合について説明したが、差球が制限数未満である場合において電源の供給が遮断され、その後に、復電処理が行われた場合に対応する「00」が表示された場合においても、副制御基板940は、図70(B)に示すように、同様の差球情報表示の変更制御を実行する。また、差球情報表示の初期表示として、制限値に対応する「95」と表示した場合や、打止示唆コマンドの受信に対応する「非表示」とした場合には、その差球情報表示は変化することなく継続して表示される。
副制御基板940は、2連7セグ発光器276aによる差球情報表示として、「非表示」の表示が選択されず、「00」、「95」、「--」のいずれかを一旦表示する制御を実行した後は、電源の供給が遮断されるまで、常に表示する制御を実行する。例えば、副制御基板940の制御に基づき、2連7セグ発光器276aによる差球情報表示は、通常遊技状態中や特定遊技状態中に限らず、特別遊技状態中であっても表示される。
副制御基板940は、2連7セグ発光器276aによる差球情報を、制限数までのカウントアップによって表示する制御を実行する。なお、この構成に限らず、主制御基板920は、2連7セグ発光器276aによる差球情報を制限数までの残数をカウントダウンによって表示する構成や、差球情報として差球の最大値をカウントアップによって表示する制御を実行する構成としてもよい。
ここで、副制御基板940によって実行される表示部479aにおける差球情報表示の変更制御や、遊技制限機能の発動に基づき実施される各種の報知(以下において、遊技制限機能に係る報知とも称す)について説明する。
主制御基板920は、差球カウンタ(3バイトカウンタ)で計数された値(差球)に対応する正数差球コマンドを、差球カウンタの値が更新されるたびに、主制御基板920から副制御基板940に送信する。副制御基板940は、主制御基板920から受信した正数差球コマンドに対応する値によって、表示部479aにおける差球情報表示の変更制御や、遊技制限機能に係る各種の報知の要否を判定する。
副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を、受信した正数差球コマンドに対応する差球の数値通りに表示する制御を行う。例えば、副制御基板940は、今回受信した差球コマンドに対応する差球が前回受信した差球コマンドに対して2以上増加した場合、1ずつのカウントアップ表示は行わずに、増加分だけ変化させるカウントアップ表示を行う制御を実行する。
なお、主制御基板920が正数差球コマンドを、時間的に(例えば、0.2秒)又はタイマ割込み回数(例えば、100回)で間引いて出力したり、副制御基板940が受信した正数差球コマンドを時間的に(例えば、0.2秒)又は正数差球コマンドの受信回数(例えば、100回)で間引いたりして、当該間引かれた正数差球コマンドに基づいて、差球情報表示を変更する構成としてもよい。
また、副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を、特別遊技状態中や小当り中において差球が制限数以上となった場合に、差球が制限数以上となる前から継続して表示する制御を実行することが好ましい。
副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を、その表示が開始された後は、所定の場合を除き、スペシャルリーチ演出やデモ画面の表示中であっても、また、節電中であっても、常に表示する制御を実行することが好ましい。除外される所定の場合は、差球が初期表示に対応する値(65000未満)となり非表示(初期表示)に戻る場合と、遊技制限機能が発動した場合である。
副制御基板940は、テロップ(差球情報及び差球に関連する情報278)を、差球が所定の値(非表示とする65000未満)となるまで、常に表示する制御を実行することが好ましい。例えば、副制御基板940は、テロップを、通常遊技状態中や特定遊技状態中に限らず、特別遊技状態中であっても表示する制御を実行することが好ましい。
副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を、視認性を担保する形で優先して表示する制御を行うことが好ましい。例えば、表示部479aにおいて、差球情報表示は、最上位の優先順で表示される。
具体的には、表示部479aにおける画像が、演出の描画に用いられる複数のレイヤ(画層)で構成される演出用レイヤと、エラー表示を構成するエラーレイヤとの重ね合わせで形成される場合に、副制御基板940は、通常の遊技中にエラーレイヤよりも優先順で上位に配置される演出系レイヤにおいて、演出系レイヤを構成する複数のレイヤのうち差球情報表示の描画に係るレイヤを最上位に移動させて配置する制御を行う。
副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を非表示とする場合において、差球情報表示の描画に係るレイヤを、数値や記号によって差球情報表示を表示する場合よりも下位、例えば、演出系レイヤの最下位に配置する制御を行う。レイヤの優先順で視認性を担保する場合、表示部479aにおける差球情報表示の制御として、65000未満の表示制御についても、65000以上の場合と同様に、文字と数字を含むテロップを描く制御を含めてもよく、これにより、数値表示のための制御は簡略化しながら、表示部479aにおける表示としてはテロップを非表示とすることができる。
副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を、役物(例えば、右可動部材20)の可動で一時的に表示が隠れる場合であっても、表示位置を変更せずに表示する制御を実行することが好ましい。また、副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を、通常遊技中に視認可能な位置に表示していることが担保できる位置に表示し、大当り中やラッシュ中に役物(例えば、可動表示装置480)が長期間又は常時出ているなど、遊技者が視認不可の可能性がある場合であっても、表示位置を移動させずに表示する制御を実行することが好ましい。
なお、副制御基板940は、差球情報表示を、表示位置を役物の動作に応じて移動させることなく表示する制御を実行する構成に限らず、差球情報表示を、役物の動作に応じて移動させて視認し易く表示する制御を実行する構成としてよい。
表示部479aにおける差球情報表示は、白文字で表示することが好ましい。各種の演出の画像として色彩豊かな画像が用いられるため、白文字を用いることで差球情報を目立たせることが可能になる。なお、差球情報表示は、白文字に限定されず、他の色で表示される構成としてもよい。
副制御基板940において、表示部479aにおける第4図柄、普通図柄、数字保留の表示や、エラー報知(全画面での表示の場合を除く)や、右打ち遊技手法での遊技を促す右打ち報知を、差球情報表示とは、表示される情報の内容が確認可能な程度に被らない領域に配置する設定とされる。当該表示や報知は、差球情報表示と部分的であっても絶対に被らない領域に配置することが好ましい。
副制御基板940において、遊タイムカウンタや、音量光量メータや、ボタンガイドの表示を、差球情報表示と被らない領域に配置する設定とされている。ここで、遊タイムカウンタは、所定数の遊技回(例えば、前回の大当り遊技回から1000回のハズレ遊技回)の実行により遊技者に有利な遊技状態へ移行する機能(天井機能)の表示に用いられるカウンタである。また、音量光量メータは、遊技者による所定の操作(例えば、押圧操作装置261や回転操作装置262)により出現し、遊技者によって調整可能な音量や光量の範囲を表示するメータである。ボタンガイドは、遊技者による所定の操作(例えば、押圧操作装置261や回転操作装置262)により出現し、音量や光量を調整する方法を示す音量光量調整アイコン等の操作ガイドである。
副制御基板940において、表示部479aにおける差球情報表示を、右端上配置を優先し、装飾図柄や、遊技者が選択可能な演出モードを示すモードプレートと被る位置(手前側に少なくとも一部が重なって表示される位置)に配置する設定とすることが好ましいが、それらと被らない位置(手前側に重ならない位置)に配置する設定とされてもよい。
副制御基板940は、遊技制限機能が発動した場合に、表示部479aにおける画像による打止め報知(図69(B)及び(C)における画像系打ち止め報知)を、全体としては目立たないが、遊技制限機能が発動した旨を遊技者に知らせる文字情報は明確に視認可能に、例えば、黒背景(または、通常遊技において使用されるを暗く表示した暗色背景画像)に対して全画面にわたるように大きく白文字で表示する制御を実行する。この場合に、差球情報表示は行われない(または、暗く表示される)方が好ましいが、差球情報表示は目立つように継続してもよい。
副制御基板940は、特別遊技状態中や小当り中において差球が制限数以上となった場合に、特別遊技状態や小当りの終了後に、発光や音声などによる各種の打止報知を出力する制御を実行することが好ましい。なお、この構成に限らず、副制御基板940は、差球が制限数以上となったことに伴って各種の打止報知を出力する制御を実行する構成としてもよい。
副制御基板940は、遊技制限機能の発動に伴って、主制御基板920からの指示に基づいて、通常演出音の出力は停止し、遊技制限機能の発動に係る報知音だけを出力する制御を実行することが好ましい。ただし、副制御基板940は、遊技制限機能の発動に係る報知音とエラー報知音が複合した場合は、エラー報知音を優先して出力する。
副制御基板940は、遊技制限機能の発動に係る報知音を、一定期間(例えば、10秒以上)に亘って出力した後に出力を停止することが好ましい。これにより、遊技制限機能の発動に係る報知音が終了した後は、無音となる。
副制御基板940において、遊技制限機能に関連する音系の報知(音系の打止報知や音系の打止示唆報知)で、音声はエラー時の音量(最大音量)としてもよいが、演出の音量(遊技者によって選択された音量)で行う設定とされることが好ましい。
副制御基板940は、遊技制限機能の発動に伴って、各種の役物を初期位置に復帰させる制御を実行することが好ましい。例えば、副制御基板940は、左可動部材10や右可動部材20の動作を制御して、近接配置をとる左可動部材10や右可動部材20を初期位置である離間配置に戻す制御を実行する。この各種の役物を復帰させる制御は、エラー中に差球が制限数以上となった場合も同様に実行される。
各種の制御基板は、遊技制限機能を発動している場合に、単色LEDは点灯させる制御を実行することが好ましい。また、各種の制御基板は、遊技制限機能を発動している場合に、前ブロック102に設けられた各種の発光可能な発光部品を、一部を除き、点灯させる制御を実行することが好ましい。除外される発光部品としては、発光可能なボタン(例えば、押圧操作装置261等)や、賞球の払出状態を示す賞球LEDや、大当りの当選を確定的に知らせる一発告知に用いられる発光装置が例示できる。
遊技制限機能を発動している場合に、各種の制御基板は、一発告知に用いられる発光装置を消灯する制御を実行し、払出状態を示す賞球LEDは未制御とすることが好ましい。
遊技制限機能を発動している場合に、各種の制御基板は、遊技盤800に設けられた各種の発光可能な装置を、一部の発光可能な装置を除き、点灯させる制御を実行することが好ましい。除外される一部の発光可能な装置としては、一発告知に用いられる発光可能な装置が例示できる。
主制御基板920は、複数のビットで構成されており常時出力される外部信号の所定のビットを、差球が制限数以上となった場合には、オン状態に変更する制御を実行することが好ましい。また、主制御基板920は、当該所定のビットがオン状態である外部信号を、差球が制限数以上となった後も継続して出力する制御を実行することが好ましい。なお、この構成に限らず、主制御基板920は、該外部信号を一定時間だけ出力する制御を実行する構成としてもよい。
主制御基板920は、差球が制限数以上であるか制限数以下であるかを示すビットがオン状態(制限数以上である場合)である外部信号を、特別遊技状態中や小当り中に差球が制限数以上となった場合には、特別遊技状態や小当りの終了後であって遊技制限機能が発動した場合に出力する制御を実行することが好ましい。なお、この構成に限らず、差球が制限数以上となった時やその後の特別遊技継続状態中において出力する制御を実行する構成としてもよい。
副制御基板940において、表示部479aにおける各種のエラー報知の表示領域が、差球情報表示の表示領域を避ける領域に割り当てる設定とすることが好ましい。
副制御基板940は、表示部479aにおいて差球情報表示とエラー報知とが複合した場合には、エラー報知を優先して表示する制御を実行することが好ましい。例えば、副制御基板940は、エラー報知の描画に係るレイヤを、演出系レイヤの最上位に設定されている差球情報表示の描画に係るレイヤよりも上位に移動して配置する。また、副制御基板940は、音声や発光によるエラー報知についても、差球情報に関連して出力される音声や発光よりも優先して出力する制御を実行する。
副制御基板940は、表示部479aにおける差球情報表示を各種のエラー報知の終了後に再開する制御を実行することが好ましい。また、副制御基板940は、音声を伴わないエラー報知(扉閉鎖中等)と複合した場合に、表示部479aにおける差球情報表示を表示しない制御を実行することが好ましい。
副制御基板940において、表示部479aにおける全画面によるエラー報知と、遊技制限機能の発動に係る報知とは、排他的に制御されることが好ましい。すなわち、全画面によるエラー報知と遊技制限機能の発動に係る報知とは同時には表示されないことが好ましいが、両方の報知を同時に表示してもよい。
副制御基板940において、表示部479aにおける一部の領域(例えば、左上領域)で実行されるエラー報知や、下皿満タンの報知や、枠レバー異常の報知と、遊技制限機能に関連する報知(打止報知や打止示唆表示)とを、同時に表示可能となるように設定されることが好ましい。なお、それらの報知は、同時に表示可能とする構成に限らず、同時には表示しない構成としてもよい。
各種の制御装置は、遊技制限機能が発動している場合にエラー報知が発生し、前ブロック102や遊技盤800に設けられた発光部品でエラー報知を行う場合であっても、エラー報知に用いる発光部品以外は、遊技制限機能の発動に係る報知を継続して行う制御を実行することが好ましい。例えば、副制御基板940は、遊技制限機能が発動しているときに扉開放が発生した場合、遊技盤800に設けられた発光部品による遊技制限機能の発動に係る報知を継続させる制御を実行する。
遊技制限機能の発動に伴って作動時画面が発生した際に、エラー設定操作履歴への登録を行うことが好ましい。
副制御基板940は、表示部479aにおいて遊技者による遊技の実行を待機するデモ画面の表示中等に、サブリセット(遊技進行を示す表示モードから遊技方法等を説明する表示モードへの変更)が入った場合には、表示部479aにおける差球情報表示を行う制御を実行しないことが好ましい。
例えば、副制御基板940は、遊技制限機能の発動前にサブリセットが行われた場合、表示部479aにおける差球情報表示を、次回の主制御基板920からのコマンドを副制御基板940が受信するまでは行わず、受信した場合に復帰表示する制御を実行する。一方、遊技制限機能の発動後にサブリセットが行われた場合には、打止め状態であるために主制御基板920からコマンドが送信されず、表示部479aにおける差球情報表示は復帰しない。
副制御基板940は、遊技制限機能が発動している状況での電源の供給の遮断から復帰した場合に、ブート画面(単色画面)やロード画面であっても、遊技制限機能が発動している旨の画面を表示部479aに表示する制御を実行することが好ましい。
電源投入時であって、RAM922が完全にリセットされる場合には、主制御基板920は、差球カウンタを初期化(「0」に設定)し、また、制限数到達フラグを初期化(「0」:解除状態)する。一方、電源投入時または電源復帰時であって、RAM922が部分的にリセットされる場合には、主制御基板920は、差球カウンタを初期化するものの、制限数到達フラグは初期化しない。このため、遊技制限機能の発動後に電源の供給が遮断された状況から電源の供給が再開された場合は、制限数到達フラグに基づいて遊技制御機能の発動した状態(打止め状態)を継続することが可能になる。
次に、復電処理に対応した副制御基板940の表示制御について、特別遊技継続状態中に電源供給が遮断された場合を例示して、説明する。図71は、電源の供給開始時における差球情報の表示制御を説明するための説明図であり、図71(A)は、特別遊技継続状態中に停電が発生した状況を例示した図であり、図71(B)は、電源の供給開始時における差球情報表示を示した図である。
図71(A)に示すように、大当り遊技回の途中で制限数に到達すると、特別遊技継続状態となる。その特別遊技継続状態中に停電が発生した場合には、その停電の発生に対応したコマンドが、主制御基板920から副制御基板940へと出力される。
具体的には、主制御基板920は、主制御メイン処理(図68参照)を実行することにより、電源の供給開始時に実行される復電処理において、5つのパターンのいずれかのコマンドを出力する。図71(B)には、主制御基板920から出力される5つのパターンのコマンドを示している。主制御基板920からは、復電処理において、初期化コマンド、設定済コマンド、復帰コマンドのいずれかが必ず出力される。そして、復帰コマンドが出力された場合には、その後に、初期差球コマンド、特定差球コマンド、打止示唆コマンドのいずれかが出力される。
副制御基板940は、受信したコマンドに基づいて、いずれの復電処理が実行された場合かを判別し、その受信したコマンドに応じた表示制御を実行することができる。図71(A)に示すように、特別遊技継続状態中に停電が発生した場合、受信したコマンドが、復帰コマンド、打止示唆コマンドの順であることにより、制限数到達後に、遊技が継続されている状態中(特別遊技継続状態中)であることを判別し、その状態中に応じた表示制御を実行する。
ここで、主制御基板920から出力されるコマンドとして、必ずしも打止示唆コマンドを設ける必要はなく、打止示唆コマンドを省略しても、副制御基板940は、特別遊技継続状態中又は小当り遊技継続状態中において遮断された電源の供給の遮断からの復帰であることを判別することができる。上記したように、主制御基板920から復電処理において出力されるコマンドは限られている。このため、復電処理において、復帰コマンドの後に受信するコマンドが、初期差球コマンドでも、特定差球コマンドでもなければ、副制御基板940は、特別遊技継続状態中又は小当り遊技継続状態中において遮断された電源の供給の遮断からの復帰であることを判別することができる。この結果、副制御基板940は、2連7セグ発光器276aや表示部479aにおける差球情報表示を同様に制御することが可能になる。
図71(A)に示すように、特別遊技継続状態として、第1ラウンドで差球が制限数以上(制限数到達)となり、その後に停電となって電源の供給が遮断された場合、復電処理を行うことにより停電の状態から、主制御基板920が遊技の制御が再開される。
この場合、副制御基板940は、図71(B)の最下段に示すように、復帰コマンドの次に受信したコマンドが、初期差球コマンドでも、制限差球コマンドでもない他のコマンド(図71(B)には、「上記以外のコマンド」と表示)を受信することで、特別遊技継続状態中に遮断された電源の供給の遮断からの復帰であると判別することができる。このため、主制御基板920が打止示唆コマンドを送信する処理を省略しても、副制御基板940は、2連7セグ発光器276aや表示部479aにおける差球情報表示を同様に制御することが可能になる。
打止示唆コマンドを省略した場合、副制御基板940は、各ラウンドの開始時に出力される開放コマンド、または、各ラウンドの終了時に出力される閉鎖コマンドによって、制限数到達後の遊技継続状態中であることを判別することができる。また、各種の入賞装置(主に、各種の大入賞装置)への遊技球の入賞に伴って賞球コマンドが出力された場合に、その賞球コマンドによっても、制限数到達後の遊技継続状態中であることを判別することができる。オープニングコマンドなどの他のコマンドを受信した場合であっても、制限数到達後の遊技継続状態中に遮断された後の復電処理による復帰であると判別することができる。
なお、特別遊技状態中に電源の供給が遮断された場合、副制御基板940は、遮断時に実行中であった制御期間(例えば、開始待機状態やオープニングや各ラウンド)に対応した演出の制御(装飾図柄表示装置479等の副制御基板940に制御される装置の制御)は実行せず、次の制御期間の開始に対応するコマンドを主制御基板920から受信することで、その制御期間に対応した演出から制御を開始することとしてもよい。例えば、第1ラウンドで電源の供給が遮断された場合、その後の電源の供給の再開によって、第1ラウンドと第2ラウンドとの間のインターバル(図中で文字が付されていない制御期間)の開始から演出の制御を開始してもよい。
また、主制御基板920は、電源の供給の再開時に、副制御基板940においても、特別遊技状態のラウンド途中の状況等を復元可能とする専用のコマンドを送信する構成としてもよい。これにより、電源の供給の遮断時と同一のタイミングから副制御基板940において制御される演出の制御を開始可能とすることができる。
次に、制限数到達後の遊技継続状態中(特別遊技継続状態中または小当り遊技継続状態中)に遮断された後の復電処理であることの判別に用いられるコマンドについて、図72を参照して説明する。図72は、制限数到達後の遊技継続状態中に対応した復電処理であることの判別に用いられるコマンドの構成を示す説明図である。
主制御基板920から副制御基板940に出力される各種のコマンドは、コマンドの種類を互いに識別するための識別値を含んで構成される。また、コマンドの種類によっては、指示内容を示す情報値を含んでコマンドが構成される。
差球コマンドは、図72(A)に示すように、差球コマンドに対して割り当てられた1バイトの識別値(図72(A)では、「11100001」:第1バイト)と、差球の数値を通信するための3バイトの情報値(第2バイト~第4バイト)とで構成されている。差球コマンドには、正数差球コマンドと、差球ゼロコマンドとがあり、差球の数値を異ならせることで、これらコマンドを出力可能に構成される。また、差球コマンドを含む各コマンドに対しては、識別値が、上位1ビットを「1」とし、情報値が、上位1ビットを「0」とした場合を例示している。
差球コマンドは、遊技者による遊技の実行中に差球が取り得る値分のコマンドの種類があれば十分であり、例えば、1日に発射される球数以上の値を取り得る構成とする必要がない。このため、3バイトの情報値を構成する全てのビットを使用する必要がない場合があり、一部のビット(例えば、情報値のうち星形の記号を付した17ビット)が使用されるだけでよい。この結果、差球が取り得る値として必要とならない未使用のビット(第2バイトの4ビット)を含む設定となっている。この未使用のビットを利用することで、差球がマイナスの負数を表すコマンドを設定して副制御基板940に出力するなど、他の機能を付加することができ、打止示唆コマンドの機能を、差球コマンドに付加することもできる。
図72(B)には、差球コマンドの識別値と、差球コマンドにおいて差球が取り得る値の識別には使用されないビット(図中では太枠で示すビット)とを組み合わせることにより、打止示唆コマンドの機能を付加したコマンドを例示している。具体的には、差球コマンドのうち、差球が取り得る値以外のビットについて、差球が取り得る値(例えば、「0」)とは別の値(例えば、「1」)に変化させたコマンドを用いることができる。
なお、差球コマンド以外のコマンドであっても、使用されないビットを含むコマンドがあれば、そのコマンドのビットを、そのコマンドとして使用する値と異ならせることで、打止示唆コマンドとしての機能を付加することができる。また、打止示唆コマンドは、図72(C)に示すように、差球コマンドを含む他のコマンドとは識別値が異なる専用のコマンド(図72(A)では、太枠で示すビットが異なる「11100011」)を用いることができる。
本発明を上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当りすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当り状態が発生するまで、大当り期待値が高められるようなパチンコ機として実施してもよい。また、大当り図柄が表示された後に、所定の領域に球が入賞することを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が循環する封入式のパチンコ機に実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。また、パチンコ機に限定されることはなく、スロットマシンに適用しても良く、パチンコ機とスロットマシンとを融合した形式のパロット等の遊技機に適用してもよい。また、遊技において遊技者に付与される遊技価値としての特典は、遊技球やメダル等の遊技媒体が実体物として払い出されることによる特典であってもよいし、数値情報を記録媒体に記録することによって付与される実体のない情報の更新を伴う仮想的な特典であってもよい。
<上記実施形態から抽出される発明>
以下、上記した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて課題及び効果等を示しつつ説明する。なお、以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。また、各特徴に記載した用語の意味や例示等は、同一の文言にて記載した他の特徴に記載した用語の意味や例示として適用してもよい。
<特徴10>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域409)のうち通常遊技状態において所定の第1領域(例えば、左流下領域409L)に遊技球を流下させて遊技を行い、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合には前記第1領域とは別に設けられる第2領域(例えば、右流下領域409R)に遊技球を流下させることによって所定の特典領域(例えば、特典領域409V)に遊技球を入球させることが可能であり、該特典領域に遊技球が入球した場合には当該特典領域に遊技球が入球しない場合(例えば、時短遊技状態)に比べて遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記通常遊技状態において複数箇所に離間して配置された離間姿勢をとる複数の可動部材を備え、
前記所定の表示結果が表示された場合に前記複数の可動部材が動作し、当該複数の可動部材の一部が前記離間姿勢と比べて近接又は当接した状態をとり、前記遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から前記特典領域へ向かう方向側へ前記複数の可動部材が連続する特典領域指示配置をとるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、例えば、通常の遊技状態においては遊技球の発射強度の小さい左打ちにより遊技球を所定の左側の流下領域に遊技球を流下させ、通常の遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態においては遊技球の発射強度が左打ちの場合より大きい右打ちにより遊技球を右側の流下領域を流下させて遊技を行う等、遊技の進行に伴って遊技球の打ち出しの仕方を変化させる構成とされる。このような遊技機において、通常の遊技状態から有利な遊技状態への遊技状態の切り替わりに際して、右側の流下領域を流下する遊技球が進入可能な特定の装置や領域(以下、これらを特典領域と称す)に遊技球を進入させることを条件とする構成が知られている(例えば、特開2011-45422号公報)。この構成において、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる機会を得た場合に、右打ちで遊技球を打ち出すように、液晶表示装置における文字や図形による表示等によって報知し、遊技者が不利益を被ることを抑制している。
しかしながら、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴10に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって所定の表示結果が表示され、特典領域へ遊技球を入球させることが可能な場合に、複数の可動部材を、それらが別箇所に配置された離間姿勢から、その姿勢と比べて近接又は当接した状態であって、遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から特典領域へ向かう方向側へ複数の可動部材が連続する特典領域指示配置に移動させる構成とする。このため、複数の可動部材の動作によって、複数の可動部材が連続して配置される方向側に設けられる特典領域やその近傍に遊技者の注意を引くことや、複数の可動部材を別箇所に配置された状態から移動させることでその動作を遊技者に気づかせ易くすることが可能になる。したがって、この複数の可動部材を動作させる演出によって、遊技者に対して、特典領域に遊技球を入球させるべきことを示唆したり、特典領域の近傍を流下する遊技球の挙動に注目させたり、特典領域に遊技球を進入させるために遊技球を流下させる領域を第1領域から第2領域に変更すべきことを注意喚起したりすることが可能になり、遊技者にとって有利な遊技状態への遷移させる機会を逃してしまうことを抑制することが可能になる。
<特徴11>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域409)のうち通常遊技状態において所定の第1領域(例えば、左流下領域409L)に遊技球を流下させて遊技を行い、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合には前記第1領域とは別に設けられる第2領域(例えば、右流下領域409R)に遊技球を流下させることによって所定の特典領域(例えば、特典領域409V)に遊技球を入球させることが可能であり、該特典領域に遊技球が入球した場合には当該特典領域に遊技球が入球しない場合(例えば、時短遊技状態)に比べて遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、確変遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
前記通常遊技状態において複数箇所に離間して配置された離間姿勢をとる複数の可動部材(左可動部材10及び右可動部材20)を備え、
前記所定の表示結果が表示された場合に前記表示手段の前側に重なる位置に配置された可動部材に設けられる発光部分が発光し、前記遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から前記特典領域へ向かう方向側へ前記発光部分が順に発光する発光演出が行われるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴11に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段によって所定の表示結果が表示され、特典領域へ遊技球を入球させることが可能な場合に、表示手段の前側に重なる位置に配置された可動部材に設けられる発光部分が発光し、遊技領域へ遊技球が流下する入口部分から特典領域へ向かう方向側へ発光部分が順に発光する発光演出が行われる。このため、可動部材に設けられる発光部分の発光によって、発光部分が順に発光した方向側に設けられる特典領域やその近傍の遊技球の挙動に対して、遊技者の注意を引いたり遊技者に気づかせ易くすることが可能になる。したがって、この発光演出によって、遊技者に対して、特典領域に遊技球を入球させるべきことを示唆したり、特典領域の近傍を流下する遊技球の挙動に注目させたり、特典領域に遊技球を進入させるために遊技球を流下させる領域を第1領域から第2領域に変更すべきことを注意喚起したりすることが可能になり、遊技者にとって有利な遊技状態への遷移させる機会を逃してしまうことを抑制することが可能になる。
<特徴20>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部(例えば、前方側装飾部50)と、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を出力する後方側光出力手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該後方側光出力手段から出力された光の一部が照射される部位であって、前記第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部(例えば、後方側装飾部11)とを備え、
前記後方側光出力手段によって後方側へ出力された光によって前記第2の装飾部が発光可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴21>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部(例えば、前方側装飾部50)と、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を出力する後方側光出力手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該後方側光出力手段から出力された光の一部が照射される部位であって、前記発光基板より後方側に設けられ、前記第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部(例えば、後方側装飾部11)と、
前記後方側光出力手段によって後方側へ出力された光を前記第2の装飾部とは別の方向側へ反射可能な別方向反射手段(例えば、後方窓61)とを備えていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする多数の装飾部を様々な箇所に設け、遊技演出の多様化を図る構成とされる(例えば、特許文献1)。多数の装飾部には、常時又は遊技進行に応じて適宜に光が照射される装飾部を含み、この光の照射によって装飾部よる演出の効果を向上させている。しかしながら、装飾部による好適な演出を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、所定の方向側に向けて光を出力する発光手段からの光を遊技者が位置する前方側へ通過可能な第1の装飾部と、第1の装飾部の裏面側にて、遊技者が位置する前方側とは逆の後方側へ発光手段から発光された光を出力する後方側光出力手段と、後方側光出力手段から出力された光の一部が照射される部位に第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部とを備える構成としている。これにより、発光手段から出力された光によって第1の装飾部を発光させると共に、同一の発光手段から出力された光であって後方側光出力手段から出力された光によって第2の装飾部を発光させることができ、装飾部ごとに発光手段を設ける場合に比べて部品数を減らし製造コストを抑えることができる。
また、特徴21に記載の遊技機において、第2の装飾部を発光基板より後方側に設ける構成としている。これにより、第2の装飾部を発光手段からの光が直接には照射されない場所に配置し、第1の装飾部をその裏面側に照射される光によって発光させるのとは異なり、第2の装飾部を表面側から照射される光によって発光させることができ、同一の発光手段からの光によって発光させたとしても、第1の装飾部の発光と第2の装飾部の発光との見映えを異ならせ、それらの装飾部による演出の効果を高めることができる。
また、特徴21に記載の遊技機において、後方側光出力手段によって後方側へ出力された光を第1の装飾部とは別の方向側へ反射可能な別方向反射手段を備える構成としている。これにより、別方向反射手段で反射した後の光を、例えば、別方向反射手段での反射を介さずに第1の装飾部や第2の装飾部に照射される光とは異なる照射位置や照射角度で照射するなど、限られた個数の発光手段によって複雑な形態で第1の装飾部や第2の装飾部に照射することも可能にし、それらの装飾部による演出の効果を高めることができる。
また、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、第2の装飾部は、後方側光出力手段から出力された光が照射される部位に設ける構成としている。これにより、一旦、発光手段から出力された光を、一旦第2の装飾部とは異なる方向に進行させた後に、後方側出力手段で光の進行方向を変化させて第2の装飾部に向かわせることができる。したがって、後方側光出力手段を介さず直接に第2の装飾部に光を照射する発光手段を用いる場合に比べ、発光手段と第2の装飾部との間隔を狭くして、発光手段及び第2の装飾部を構成する構造体の大型化を抑制しつつ、第2の装飾部に到達するまでに光が進行する経路を長くし、限られた個数の発光手段を用いて第2の装飾部における照射範囲を大きく確保することも可能になる。
また、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、第1の装飾部は、発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能な構成としている。これにより、第2の装飾部を第1の装飾部に前後方向で重なるように配置し、第2の装飾部の発光を第1の装飾部を通して透かして見えるようにすることも可能になる。
このように、限られた個数の発光手段を用いたとしても、第1の装飾部や第2の装飾部による演出の効果を高め、それらの装飾部による演出を好適なものとすることができる。
なお、特徴20又は特徴21に記載の遊技機において、第1の装飾部には、別方向反射手段から出力された光を照射可能な構成としてもよい。これにより、一旦、発光手段から出力された光を、後方側出力手段と別方向反射手段との双方で光の進行方向を変化させて第1の装飾部に向かわせることができ、別方向反射手段を介さない光のみを第1の装飾部に照射する場合に比べ、限られた個数の発光手段によっても、第1の装飾部の全体に光を照射し易くすること可能になる。
<特徴30>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光の一部を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部と(例えば、前方側装飾部50)、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を反射可能な第1反射手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該第1反射手段から出力された光が照射される部位に設けられて、当該光の少なくとも一部を前記発光手段が設けられる側に反射可能な第2反射手段(例えば、後方窓61の前面61F)と、
その第2反射手段から出力された光が照射される部位であって前記第1の装飾部と前記発光手段との間に設けられ、当該光の少なくとも一部を前記第1の装飾部が設けられる側に反射可能な第3反射手段(例えば、光進入窓62の前面62F)とを備え、
前記第1反射手段と前記第2反射手段と前記第3反射手段とによって周辺部分が囲われる発光空間が形成され、
前記発光空間内において前記発光手段に向けて進行する光が前記第3反射手段によって前記発光空間内へ反射可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴31>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、発光基板31)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子32L,32R)と、
該発光手段から出力された光の一部を遊技者が位置する前方側へ通過可能であって、遊技者が位置する表面側から視認した場合に発光した状態をとることが可能な第1の装飾部(例えば、前方側装飾部50)と、
該第1の装飾部の裏面側にて、前記前方側とは逆の後方側へ前記発光手段から発光された光を反射可能な第1反射手段(例えば、前方側装飾部50の裏面50B)と、
該第1反射手段から出力された光が照射される部位に設けられて、当該光の少なくとも一部を前記発光手段が設けられる側に反射可能な第2反射手段(例えば、後方窓61の前面61F)と、
その第2反射手段から出力された光が照射される部位であって前記第1の装飾部と前記発光手段との間に設けられ、当該光の少なくとも一部を前記第1の装飾部が設けられる側に反射可能な第3反射手段(例えば、光進入窓62の前面62F)とを備え、
前記第1反射手段と前記第2反射手段と前記第3反射手段とによって周辺部分が囲われる発光空間(例えば、発光空間40)が形成され、
前記第1の装飾部とは別に設けられる第2の装飾部(例えば、後方側装飾部11)が、前記第1反射手段によって反射した光により発光可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
なお、特徴30及び31として記載の第2の装飾部は、第2反射手段を構成する透明な板状部分(後方窓61)から通過した光が照射される装飾部(後方側装飾部11)によって構成してもよいし、これに代えて、又はこれに加えて、第2反射手段を構成する透明な板状部分(後方窓61)を遊技者が視認可能な向きに配置して当該板状部分に重なるようにキャラクタの画像等を印刷するなどした板状の装飾部品を設けて構成してもよい。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする装飾部を複数設け、それらの装飾部による演出に際して常時又は遊技進行に応じて光を照射し、その演出の効果を高めている(例えば、特開2012-245273号参照)。しかしながら、装飾部による好適な演出を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴30又は特徴31に記載の遊技機であれば、特徴30又は特徴31に記載の遊技機であれば、第2の装飾部を、第1の装飾部を発光させる発光手段を用い、その発光手段から所定の方向側に向けて出力された光であって第1反射手段で反射した後の光によって発光させる構成としている。これにより、発光手段から出力された光によって第1の装飾部を発光させると共に、同一の発光手段から出力された光であって後方側光出力手段から出力された光によって第2の装飾部を発光させることができ、装飾部ごとに発光手段を設ける場合に比べて部品数を減らし製造コストを抑えることができる。
また、特徴30又は特徴31に記載の遊技機であれば、第1反射手段、第2反射手段及び第3反射手段との間で周辺部分が囲われた発光空間を形成し、第1の装飾部を発光手段から所定の方向側に向けて光を出力された光であって第2反射手段及び第3反射手段による反射を介さずに照射される光に加えて、第1反射手段と第2反射手段と第3反射手段とで順次に反射した後の光によって発光させることが可能な構成としている。これにより、第1反射手段で反射した後の光を、例えば、第1反射手段での反射を介さずに第1の装飾部に照射される光とは異なる照射位置や照射角度で照射するなど、限られた個数の発光手段によっても複雑な形態で第1の装飾部に照射することも可能になり、第1の装飾部による演出の効果を高めることができる。また、発光空間において第1反射手段と第2反射手段と第3反射手段とによる順次の反射を繰り返した後の光で、第1の装飾部や第2の装飾部を発光させることも可能になり、第1の装飾部や第2の装飾部による演出の効果を更に高めることもできる。更に、発光空間に進入した光を、第1反射手段と第2反射手段と第3反射手段とで繰り返しながら、第1反射手段に照射できるために、第1反射手段に向かう光で発光する第1の装飾部や、第1反射手段で反射した光で発光する第2装飾部を照射でき、効率よく第1の装飾部と第2の装飾部とを発光させることも可能になる。
<特徴40>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、下左基板721aや中央基板731)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子722aやLED素子732)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)とを備え、
前記反射装飾部は、前記発光基板とは前後方向において重ならない位置に配置され、遊技者側から見て傾斜する向きに配置された装飾面(例えば、装飾面712S)を有し、
前記発光手段から出力された光が前記反射手段によって反射され、遊技者が位置する前方側へ前記装飾面を通過した光を出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴41>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、下左基板721aや中央基板731)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子722aやLED素子732)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)とを備え、
前記反射装飾部は、前記発光基板とは前後方向において重ならない位置に配置され、遊技者側から見て傾斜する向きに配置された装飾面(例えば、装飾面712S)を有し、
前記発光手段から出力された光の一部が前記反射手段によって反射され、遊技者が位置する前方側へ前記装飾面を通過した光を出力可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする多数の装飾部を設ける構成とされる。多数の装飾部には、常時又は遊技進行に応じて適宜に光が照射される装飾部を含み、その装飾部による演出の効果を向上させている。この装飾部は、光を通過可能な材料で形成され、装飾部の背後に配置された光源から光を照射することで、遊技機の前側から見て発光した状態とされる(例えば、特開2010-119669号公報)。
しかしながら、装飾部による好適な演出を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴40及び特徴41に記載の遊技機であれば、反射装飾部(装飾部)による好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、反射装飾部に、発光基板とは前後方向において重ならない位置に配置され、遊技者側から見て傾斜する向きに配置される装飾面を設けることで、反射装飾部による演出において、遊技者によって視認される装飾面の大きさを所定の大きさに確保しつつ、遊技者側から見て装飾面から明るく光が出力された状態とすることができる。
<特徴42>
特徴40又は特徴41に記載の遊技機であって、
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(副制御基板940)とを備え、
前記装飾面は、前記表示手段において前記識別情報が表示される表示部(表示部479a)が設けられる側が内側となるように湾曲した形状に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴42に記載の遊技機であれば、装飾面の形状を、表示部を内側として湾曲した形状とすることで、遊技進行に伴う主たる演出を行う表示手段に遊技者が注目している場合に、装飾面の全体が遊技者の視界に納まるようにし易くできる。
<特徴43>
特徴40から特徴42のいずれかに記載の遊技機であって、
前記反射手段とは別に設けられ、該発光手段から出力された光が照射される別装飾手段(例えば、環状装飾体740や中央装飾体750)を備え、
前記発光基板は、前記別装飾手段の裏面側に設けられ、
前記別装飾手段は、前記発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ通過可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴43に記載の遊技機であれば、反射手段の反射装飾部と別装飾手段とを同一の発光基板に設けられた発光手段によって、遊技者が視認できるようにすることができる。これにより、反射手段と別装飾手段とによる演出を、限られた個数の発光手段を用いて実行できる。
<特徴50>
遊技者側から見て所定の装飾を視認可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)を備え、
前記反射手段は、透過性を有する板状に形成されて光が通過可能な通過部(例えば、通過部712)と、
該通過部に対して一方側に重なるようにして設けられ、光を反射可能な反射部(例えば、反射部713)とを備え、
前記通過部には、前記反射部とは反対側となる面側に、所定の装飾が施された装飾面(例えば、装飾面712S)が設けられ、
前記装飾面に施された所定の装飾と、当該所定の装飾が前記反射部で反射した所定の装飾とが、ずれた位置で重なった状態にして、遊技者から視認可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴51>
電子部品が搭載される発光基板(例えば、下左基板721aや中央基板731)と、
該発光基板の一面側に設けられ、所定の方向側に向けて光を出力する向きに配置された発光手段(例えば、LED素子722aやLED素子732)と、
該発光手段から出力された光を遊技者が位置する前方側へ反射可能な反射装飾部(例えば、反射装飾部711)を有する反射手段(例えば、反射装飾体710)とを備え、
前記反射手段は、透過性を有する板状に形成されて前記発光手段から出力された光が通過する通過部(例えば、通過部712)と、
該通過部に対して前記発光手段から出力される光が通過した後に出力される側に重なるようにして設けられ、光を反射可能な反射部(例えば、反射部713)とを備え、
前記通過部には、前記反射部とは反対側となる面側に、所定の装飾が施された装飾面(例えば、装飾面712S)が設けられ、
前記発光手段から出力された光が前記反射手段によって反射され、遊技者が位置する前方側へ前記装飾面を通過した光を出力可能であって、
前記装飾面に施された所定の装飾と、当該所定の装飾が前記反射部で反射した所定の装飾とが、ずれた位置で重なった状態にして、遊技者から視認可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機においては、遊技性に係るモチーフ等を表示したり、遊技進行に伴う演出を実行したりする装飾部を設ける構成とされる(例えば、特開2010-119669号公報)。装飾部には、所定の部材の表面に複雑な凹凸を形成する等によって立体的な装飾が施されたり、図形や文字やキャラクタが描かれたシールを所定の部材に貼着したりする等によって平面的な装飾が施されたりする。このような装飾部に施された立体的や平面的な装飾を遊技者に視認させることで、当該装飾による演出の効果を高めている。
しかしながら、遊技機に設けられる装飾部の構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴50又は特徴51に記載の遊技機であれば、光の反射機能を用いた見栄えのよい装飾を実現可能な遊技機を提供することができる。すなわち、反射部を通過部に対して一方側(発光手段から出力される光が通過した後に出力される側)に重なるようにして設け、通過部における反射部とは反対側となる面側を装飾面とすることで、遊技者に、装飾面で反射した光に基づき視認される装飾と、一旦装飾面を通過して反射部で反射し、再度装飾面を通過した光に基づき視認される装飾とをずれた位置で視認させることで、平面的な装飾が施されている場合には立体的に、立体的な装飾が施されている場合には、その立体性を強調して視認させることができる。これにより、簡素な構成の装飾を施し製造コストを抑制しつつ、反射装飾部による演出の効果を高めることができる。
また、特徴51に記載の遊技機であれば、発光手段から出力される光によって、装飾面を明るく視認させることができる。また、発光手段から光が出力されない場合には、装飾面の装飾を視認できず、その光が出力された場合に視認させることができるようにすることもできる。
<特徴52>
特徴50又は特徴51に記載の遊技機であって、
前記装飾面は、前記反射部とは反対側となる面側に起伏した形状部分(例えば、突出装飾領域712b)を含むことを特徴とする遊技機。
特徴52に記載の遊技機であれば、起伏の小さな装飾を設けたとしても、遊技者に実際の起伏よりも大きな起伏と視認させることができる。これにより、装飾面を簡単な加工で形成することで製造コストを抑制しつつ、反射装飾部による演出の効果を高めることができる。
<特徴60>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記特別遊技状態を発生させる場合に、前記振分機構と前記切替機構とが動作し、前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態が発生し、
所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始される場合に、前記振分機構が進入可能状態へ移行した後に前記切替機構によって前記振分機構側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とする制御を実行可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始された場合には、前記振分機構が前記進入可能状態に移行した後に、前記切替機構が前記進行可能状態となって、前記所定のラウンドにおいて前記特典領域へ遊技球が進入可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴61>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させる動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記動作制御手段は、前記進入可能状態が発生する所定のラウンドが開始されてから所定の経過時間が経過した場合に当該所定のラウンドを終了させるラウンド時間終了手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記振分機構の動作を制御し、前記振分機構を前記進入可能状態に移行させる振分移行手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記切替機構の動作を制御し、前記振分移行手段によって前記振分機構が進入可能状態へ移行した後に前記切替機構によって前記振分機構側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とする切替制御手段とを有し、
前記所定のラウンドが開始された場合には、前記振分機構が前記進入可能状態に移行した後に、前記切替機構が前記進行可能状態となって、前記所定のラウンドにおいて前記特典領域へ遊技球が進入可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2015-188529号公報参照)。
しかしながら、特典領域への遊技球の進入を好適に制御可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴60又は特徴61に記載の遊技機であれば、特典領域への遊技球の進入を好適に制御可能な遊技機を提供することができる。すなわち、特別遊技状態において切替機構と振分機構とが動作する所定のラウンドで、振分機構が特典領域に遊技球を進入させられる進入可能状態へ移行した後に、振分機構よりも上流側に配置された切替機構が振分機構に向けて遊技球を進行させられる進行可能状態となる。これにより、所定のラウンドの開始から所定の時間後に、切替機構を進行可能状態にすることが可能になり、特典領域に遊技球を進入させるべき特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させる確実性を向上させることができる。
<特徴70>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構とを備え、
前記特別遊技状態を発生させる場合に、前記振分機構と前記切替機構とが動作し、前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態が発生し、
所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(宝483)が所定の表示手段によって表示され、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段(V示唆可動部材、入力操作装置)が所定の演出動作(近接姿勢への変化)を行うように構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴71>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させるか否かを切替可能な切替機構と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させる動作制御手段と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段とを備え、
前記動作制御手段は、前記進入可能状態が発生する所定のラウンドが開始されてから所定の経過時間が経過した場合に当該所定のラウンドを終了させるラウンド時間終了手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記振分機構の動作を制御し、前記振分機構を前記進入可能状態に移行させる振分移行手段と、
前記所定のラウンドが開始される場合に前記切替機構の動作を制御し、前記切替機構によって前記振分機構側へ遊技球を進行させることが可能な進行可能状態とする切替制御手段と、を有し、
前記所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能に構成され、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(宝483)を表示する表示手段と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段(V示唆可動部材、入力操作装置)を制御して、所定の演出動作(近接姿勢への変化)を行わせる演出制御手段とが設けられていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2011-45422号公報参照)。
しかしながら、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴70又は特徴71に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定のラウンドが開始されて進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報が表示され、所定の表示情報の表示後に演出手段による所定の演出動作が行われ、その後に、特典領域に遊技球が進入して、特定遊技状態へと移行する遊技性を遊技者に提供することができる。したがって、所定の当選条件が成立した場合において、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として演出手段の所定の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、その後に、演出手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。また、演出動作による演出手段の報知の方を、所定の表示情報の表示による表示手段の報知よりも目立つようにして、特典領域に遊技球が進入可能な時期の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
<特徴81>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特定領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特定領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特定領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特定領域に遊技球が進入した場合には、前記特定領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の入力操作が可能な所定の操作情報を表示する操作情報表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
前記操作可能表示手段によって前記所定の操作情報が表示された場合に、前記所定の入力操作を実行可能な入力操作手段(例えば、右入力レバー810R)とが設けられ、
前記所定のラウンドが実行されている状況において前記所定の操作情報が表示され、前記発射操作手段(例えば、発射ハンドル252)による発射操作を操作している手を前記入力操作手段へ移動することによって前記所定のラウンド(例えば、第1ラウンド)の実行中に前記進入可能期間となる前に、規定数以上の遊技球が前記振分機構側へ進行することを抑制可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2015-188529号公報参照)。
しかしながら、特典領域へ遊技球を好適に進入させる構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴81に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を好適に進入させることが可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作情報表示手段による入力操作手段への所定の入力操作を促す所定の操作情報の表示を行うことで、発射操作手段による発射操作を操作している手を入力操作手段へ移動し遊技球の発射を停止するように遊技者を誘導することが可能になり、所定のラウンドの実行中であって進入可能期間となる前に、規定数以上の遊技球が振分機構側へ進行することを抑制可能となる。
<特徴91>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンド(例えば、第1ラウンド)が開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特典領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(例えば、宝483)を表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)を制御して、所定の演出動作を行わせる演出制御手段(例えば、副制御基板940)とが設けられ、
遊技球が流下する遊技領域(例えば、遊技領域409)より前側に位置するように前記演出手段が設けられ、前記所定のラウンドにおいて前記所定の演出動作が実行されることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機は、所定の抽選に当選した場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態に移行させる構成とされる。この種のパチンコ機として、特別遊技状態において特典領域に遊技球を進入させることができたか否かによって、特別遊技状態後に移行する遊技状態を変化させることで、遊技を多様化したものが知られている(例えば、特開2015-188529号公報参照)。
しかしながら、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行する構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴91に記載の遊技機であれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の当選条件が成立し、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる場合において、所定の表示情報が表示された後に、演出手段によって所定の演出動作が行われる。このため、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として演出手段の所定の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、その後に、演出手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。
また、演出手段が遊技球の流下領域よりも前側に設けられるので、演出手段による所定の演出動作が遊技者の近くで行われ、遊技領域やその後側に設けられた部材による演出よりも目立たせることが可能になり、特典領域に遊技球が進入可能な状態の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
<特徴92>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特定領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報(例えば、宝483)を表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、前記所定の表示情報が表示された後に前記表示手段とは別の演出手段を制御して、所定の演出動作を行わせる演出制御手段(例えば、副制御基板940)とが設けられ、
前記表示手段より前側に位置するように前記演出手段が設けられ、前記所定のラウンドにおいて前記所定の演出動作が実行されることを特徴とする遊技機。
特徴92に記載の遊技機によれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の当選条件が成立し、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる場合において、所定の表示情報が表示された後に、演出手段によって所定の演出動作が行われる。このため、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として演出手段の所定の演出動作が生じることを遊技者に知らせて、その後に、演出手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。また、演出手段が表示手段よりも前側に位置するように設けられるので、演出手段による所定の演出動作が表示手段による表示よりも遊技者の近くで行われ、所定の演出動作を所定の表示情報の表示よりも目立たせることができ、特典領域に遊技球が進入可能な時期の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
<特徴93>
所定の当選条件が成立した場合(例えば、第1の種類の大当りに当選した場合)に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態(例えば、確変予定の特別遊技状態)が発生する遊技機であって、当該特別遊技状態が複数回のラウンドを組み合わせて構成された遊技機において、
特典領域(例えば、特典領域409V)を含む複数の領域に遊技球を振り分け可能であって、前記複数回のラウンドの少なくとも一部において前記特典領域に遊技球が進入可能な進入可能状態を発生可能な振分機構(例えば、振分機構437)と、
前記振分機構より上流側に設けられ、遊技球を前記振分機構側へ進行させる進行可能状態を発生可能な切替機構(例えば、上進入規制機構454)と、
前記振分機構と前記切替機構の動作制御を含む制御をして前記特別遊技状態を発生させ、前記特別遊技状態における所定のラウンドが開始された場合に、前記切替機構が前記進行可能状態へ移行して前記振分機構側へ遊技球が進行し、前記振分機構が前記進入可能状態をとる進入可能期間において当該遊技球が前記特定領域へ進入可能にする制御を実行する動作制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特典領域に遊技球が進入した場合には、前記特典領域に遊技球が進入しない場合より有利な特定遊技状態を発生させる遊技状態制御手段(例えば、主制御基板920)とを備え、
前記所定のラウンドが開始されて前記進入可能期間へ移行する場合に、所定の表示情報と、所定の入力操作が可能な所定の操作情報とを表示する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(例えば、発射ハンドル252)と、
前記表示手段によって前記所定の操作情報が表示された場合に、前記所定の入力操作を実行可能な入力操作手段(例えば、右入力レバー810R)とが設けられ、
前記表示手段より前側に位置するように前記入力操作手段が設けられ、前記所定のラウンドにおいて前記所定の入力操作が実行可能となることを特徴とする遊技機。
特徴93に記載の遊技機によれば、特典領域へ遊技球を進入させることが可能な場合に、好適な演出を実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の当選条件が成立し、特典領域へ遊技球を進入させることが可能となる場合において、所定の操作情報が表示された後に、入力操作手段に対する所定の入力操作を実行可能とすることができる。このため、表示手段による所定の表示情報の表示により、予告として操作入力手段に対する所定の操作が可能であることを遊技者に知らせて、その後に、操作入力手段の所定の演出動作によって、特典領域へ遊技球が進入可能なことを遊技者に知らせることが可能になる。また、操作入力手段が表示手段よりも前側に設けられることで、演出手段による所定の演出動作が表示手段による所定の表示よりも遊技者の近くで行われ、所定の演出動作を所定の表示情報の表示よりも目立たせることができ、特典領域に遊技球が進入可能な時期の到来を遊技者が見逃してしまう事態の発生を抑制できる。
特徴93に記載の遊技機において、表示手段は、所定の表示情報と所定の操作情報とを、時間的に重複させずに表示してもよいし、一部又は全部が時間的に重複するように表示してもよい。
<特徴A群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報)。
しかしながら、従来の遊技機の構成に対しては、様々な工夫がなされているが、未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴A1>
始動条件が成立した場合に所定の抽選を行い、当該抽選において所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
識別情報の変動表示を行い、前記所定の抽選に対応した表示結果を表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部(右入力レバー810R、左入力レバー810L)とを備え、
所定の操作タイミングにおいて、前記操作部を前記表示手段に近い側へ移動する操作をした場合に、前記表示手段に所定の表示情報(宝483)が表示される表示制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部を表示手段に向けて移動する操作に基づいて表示手段の関心が高められた状態で操作部に対する操作と表示手段の表示演出とを組み合わせた演出を遊技者に楽しませることができる。
<特徴A2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部と、
該操作部に対する駆動力を発生する駆動力発生手段(電磁石818R,819R,818L,819L)とを備え、
前記操作部として、遊技者の右手によって操作可能な右操作部(右入力レバー810R)と、
遊技者の左手によって操作可能な左操作部(左入力レバー810L)とが設けられ、
前記駆動力発生手段を制御して、前記右操作部と前記左操作部とが所定の動作タイミングにおいて所定の位置(右入力レバー810Rと左入力レバー810Lの連結した位置)に維持される制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A2に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、駆動力発生手段によって右操作部と左操作部とが所定の動作タイミングにおいて所定の位置に維持されるので、2つの操作部の配置位置を用いた演出を遊技者に楽しませることができる。
<特徴B群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報)。
しかしながら、従来の遊技機の構成に対しては、様々な工夫がなされているが、未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴B1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部とを備え、
前記操作部として、遊技者の右手によって操作可能な右操作部(右入力レバー810R)と、
遊技者の左手によって操作可能な左操作部(左入力レバー810L)とが設けられ、
所定の操作タイミングにおいて前記右操作部を右手で操作し、前記左操作部を左手で操作した場合に、所定の表示手段(装飾図柄表示装置479)によって所定の表示情報(宝483)が表示される表示制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、遊技者の右手によって右操作部が操作され、遊技者の左手によって左操作部が操作された場合に表示手段に表示情報を表示することができる。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作部の操作に基づいた演出を遊技者に楽しませることができる。
<特徴B2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な入力操作手段(右入力レバー810R、左入力レバー810L)と、
前記入力操作手段に対しての入力操作を実行可能な演出に対応した演出画像を表示する表示手段(装飾図柄表示装置479)と、
前記表示手段を制御し、前記入力操作手段に対して片手で操作を行う場合に対応する片手参加型の演出画像と、前記操作手段に対して両手で操作を行う場合に対応する両手参加型の演出画像とを表示する制御を少なくとも行う表示制御手段(副制御基板940)とを備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B2に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な入力操作手段を用いた演出として、片手で操作を行う場合に対応する片手参加型の演出画像と、両手で操作を行う場合に対応する両手参加型の演出画像とを別々の画像によって表示することができる。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による入力操作手段の操作に基づいた演出を特別な演出として遊技者に楽しませることができる。
<特徴B3>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
遊技球の発射操作が可能な発射操作手段(発射操作装置250)と、
該発射操作手段とは別に設けられて所定の入力操作を実行可能な操作部(右入力レバー810R、左入力レバー810L)とを備え、
所定の操作タイミングにおいて、前記操作部を片手で操作した場合と、前記操作部を両手で操作した場合とで、所定の表示手段(装飾図柄表示装置479)によって所定の表示情報(宝483)が表示されるか否かを異ならせる表示制御が可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B3に記載の遊技機であれば、遊技者が操作可能な操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、所定の操作タイミングにおいて、操作部を片手で操作した場合と、操作部を両手で操作した場合とで、表示手段に表示情報が表示されるか否かが異なるため、両手による操作部の操作に基づいた演出の実行を稀少なものとすることができる。このため、発射操作をしないことで遊技球の発射が停止された状態での両手による操作部の操作に基づいた演出を特別な演出として遊技者に楽しませることができる。
<特徴C~F群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において通常遊技状態や特別遊技状態において様々な演出がなされているものの、当該演出を実行する構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴C1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、移動可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の移動を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部を移動させる移動制御手段(例えば、副制御基板940)と、
前記操作部の移動に伴い前記操作部と共に移動可能であり、視覚とは異なる感覚により識別できる所定の出力を行う出力動作を実行可能な出力動作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記出力動作部を制御し、前記操作部の移動に伴い前記出力動作部が所定の位置から移動した位置に配置されている場合に前記出力動作を実行させる出力制御手段(例えば、副制御基板940)とを備えることを特徴とする遊技機。
<特徴C2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
移動可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記可動部の移動を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記可動部を移動させる移動制御手段(例えば、副制御基板940)と、
前記可動部の移動に伴い前記可動部と共に移動可能であり、視覚とは異なる感覚により識別できる所定の出力を行う所定の出力動作を実行可能な出力動作部と、
前記出力動作部を制御し、前記可動部の移動に伴い前記出力動作部が所定の位置から移動した位置に配置されている場合に前記出力動作を実行させる出力制御手段(例えば、副制御基板940)とを備えることを特徴とする遊技機。
特徴C1及び特徴C2に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、移動可能な操作部や可動部が移動した場合に、出力動作部が操作部や可動部と伴に移動する。このため、操作部や可動部が移動可能となる所定の演出が発生した場合に、出力動作部の位置を変化させることができる。したがって、所定の出力動作を異なる位置から実行することが可能になり、遊技者に与える出力の印象を変化させることができる。
また、操作部や可動部を移動させることで遊技者に操作部や可動部に注目させ、その注目させた場所の近傍で出力動作部による出力動作を実行することが可能となり、出力動作による演出効果を高めることも可能になる。
また、特徴C1に記載の遊技機であれば、所定の入力操作を行っている又は行おうとしている手の近くで出力部からの出力を実行することが可能になり、入力操作を行う手の触覚で感じる異なる位置からの出力、例えば、手が移動される感触や、送風、発熱、打突などの出力などにおいて、微弱な出力によって演出を実行することも可能になる。したがって、出力動作部を小型の装置で構成でき、出力動作部を操作部と伴に移動させたとしても、操作部の移動性を確保し易くなる。
なお、特別遊技状態が発生することとなる所定の当選条件は、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)において大当りに当選するなど、電子的な抽選に基づく条件であってもよいし、通常遊技状態において遊技領域内に予め定められた所定の領域に遊技球が進入するなど、遊技球の流下先の機構的な振り分けによる抽選に基づく条件であってもよいし、電子的な抽選と機構的な抽選との組合せに基づく条件であってもよい。
例えば、機構的な抽選に基づき特別遊技状態が発生する構成としては、開閉可能な入口を有する役物装置の内部に非特定通路と特定通路とが設けられたパチンコ機において、所定の入賞口に遊技球が進入した場合に当該役物装置の入口を開放し、開放された入口から当該役物装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されて当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成が挙げられる。また、電子的な抽選と機構的な抽選との組合せに基づき特別遊技状態が発生する構成としては、内部に非特定通路と特定通路とを備える可変入賞装置を備えるパチンコ機において、特別図柄抽選において非当選の一種である所定の小当りが選択された場合に通常遊技状態において当該可変入賞装置に遊技球が進入可能となり、当該可変入賞装置に進入した遊技球が非特定通路と特定通路とを振り分ける振分機構によって特定通路に誘導されて当該特定通路に進入した場合に特別遊技状態が発生する構成が挙げられる。
<特徴D1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記操作部の少なくとも一部は、前記第2の形態をとる場合に、前記第1の形態から前記第2の形態への変化過程の動作とは異なる動作が可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)によって構成され、
前記操作部が前記第2の形態をとる場合の少なくとも一部において前記可動部が移動可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴D1又は特徴D2に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部の少なくとも一部としての可動部が、第2の形態をとる場合に、第1の形態から第2の形態への変化過程の動作とは異なる動作で移動する。このため、可動部が移動する場合と移動しない場合とで、入力操作の操作感を変化させたり、可動部の移動によって入力操作とは異なる演出を実行したりすることが可能になる。また、操作部の全体を高速で移動させることによって、操作部の形状は変化してないが、残像現象によって、操作部の形状が変化したかのように見せることも可能になる。
<特徴E1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能である操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に、前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段と、
前記所定の入力操作を阻止可能又は無効化可能な入力制限手段とを備え、
前記入力制限手段は、前記操作部が前記第1の形態及び前記第2の形態の少なくとも一方の形態をとる場合には、前記所定の入力操作を阻止又は無効化せず、前記形態制御手段による前記操作部の変化過程の少なくとも一部で、前記所定の入力操作を阻止可能又は無効化可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴E1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部がとりえる状態(第1の形態における形態制御手段による変化前の状態から第2の形態における形態制御手段による最終変化後の状態)において、操作部に対して所定の入力操作が阻止又は無効化されない状態と、阻止又は無効化される状態とを発現できる。このため、操作部の状態の変化に応じて、操作部の役割を変化させることができる。したがって、操作部の状態を変化させず、操作部を所定の入力操作による入力に特化したものとしたり、操作部の状態を変化させて、入力に特化した場合と異なる操作感や操作方向で所定の入力操作を入力するものとしたり、所定の入力操作が阻止又は無効化され、操作部の状態変化による演出に特化したりして、操作部を複数の異なる役割を発現する多目的の機能部とすることができる。
<特徴F1>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記操作部の少なくとも一部は、前記第1の形態から前記第2の形態への変化過程において動作が可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)によって構成され、
前記形態制御手段は、前記操作部に対して所定の入力操作が継続されている状況において、前記第1の形態から前記第2の形態へと形態変化が進行し、前記第2の形態へ形態変化した後に、当該第2の形態から前記第1の形態へと形態変化が更に進行するように前記可動部の動作を制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴F2>
所定の当選条件が成立した場合に、通常遊技状態よりも遊技価値が付与される入賞条件が成立し易い特別遊技状態が発生する遊技機であって、
所定の入力操作を実行可能であり、形態変化が可能な操作部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)と、
前記操作部の形態変化を制御し、前記通常遊技状態又は前記特別遊技状態で所定の演出発生条件が成立した場合(例えば、両手参加型の殻割りミッション演出が選択された場合)に前記操作部の形態を第1の形態から第1の形態とは異なる第2の形態に変化させる形態制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記操作部の少なくとも一部は、前記第1の形態から前記第2の形態への変化過程において動作が可能な可動部(例えば、左入力レバー810L及び右入力レバー810R)によって構成され、
前記形態制御手段は、前記操作部に対しての前記所定の入力操作を検出して前記第1の形態から前記第2の形態へと形態変化が進行するように前記可動部の動作を制御する第1の制御と、前記操作部に対しての前記所定の入力操作を検出して前記第2の形態から前記第1の形態へと形態変化が進行するように前記可動部の動作を制御する第2の制御とを少なくとも実行可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴F1及びF2に記載の遊技機によれば、操作部を用いた演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、操作部に対しての所定の入力操作を条件として操作部の形態変化が進行するため、操作部の形態変化を進行させるか進行させないかを遊技者の操作によって決定させることができ、その形態変化の進行状況は外観だけでなく、遊技者の操作部に対する触感を含めて識別可能とすることができる。よって、変動表示は視認せずに操作部の形態変化を触感で感じながら遊技を進めるか、それとも注視している対象を変動表示から操作部に切り替えてから形態変化の状況を視認しつつ遊技を行うかなど、遊技者の意図する状況に対応して簡易な操作で形態変化を伴う演出の興趣を提供することができる。
<特徴G~K群>
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて行われた抽選において大当りに当選した場合に、通常遊技状態より有利な特別遊技状態に移行する構成が知られている(例えば、特開2011-31031号公報参照)。
しかしながら、従来の遊技機において通常遊技状態や特別遊技状態において様々な演出がなされているものの、当該演出を実行する構成について未だ改良の余地がある可能性があった。
<特徴G1>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
複数箇所に離間して配置された第1状態(例えば、通常配置)と、前記第1状態と比べて近接又は当接して配置された第2状態(例えば、出現配置)とをとることが可能な複数の可動部材を備え、
前記複数の可動部材として、前記第1状態から前記第2状態へ移行する場合に、所定の方向側へ移動する第1可動部材(例えば、左後可動部材621)と、該第1可動部材より移動量が長く前記所定の方向とは別の方向側(例えば、所定の方向と反対方向側)へ移動する第2可動部材(例えば、可動懸垂部材611)とが設けられ、
前記第2状態において遊技者側から見て前記第1可動部材の移動軌跡内に前記第2可動部材の少なくとも一部が配置されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴G1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第2状態において、第1可動部材よりも大きな移動量で移動してきた第2可動部材の少なくとも一部が、第1可動部材の移動軌跡内に配置される。このため、第2可動部材が第1可動部材の移動軌跡内に配置されない場合に比べて意外性のある配置に第1可動部材と第2可動部材とを移動させ、近接した又は当接した第1可動部材と第2可動部材とで示される情報を意外性のある配置で遊技者に知らせることが可能になる。
<特徴H1>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に通常遊技状態より遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能であって、通常遊技状態において所定の第1領域(例えば、左流下領域409L)に遊技球を流下させて遊技を行い、前記特別遊技状態において前記第1領域とは別に設けられる第2領域(例えば、右流下領域409R)に遊技球を流下させて遊技を行うように構成された遊技機において、
複数箇所に離間して配置された第1状態(例えば、通常配置)と、前記第1状態と比べて近接又は当接して配置された第2状態(例えば、出現配置)とをとることが可能であって、所定の態様で発光可能な装飾部を有する複数の可動部材を備え、
該複数の可動部材として、前記第1状態において、遊技者側から見て前記表示手段に対して前記第1領域に近い側に配置される第1可動部材(例えば、左後可動部材621)と、遊技者側から見て前記表示手段に対して前記第2領域に近い側に配置される第2可動部材(例えば、可動懸垂部材611)とが設けられ、
前記第1状態において、前記変動表示中に前記第1可動部材及び前記第2可動部材の装飾部が所定の態様で発光し、
前記第2状態において、前記第2可動部材が前記第1可動部材より前記第1領域に近く、前記第1可動部材が前記第2可動部材より前記第2領域に近い位置に配置されるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴H1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、表示手段に対して第1領域に近い側に配置された第1可動部材と、表示手段に対して第2領域に近い側に配置された第2可動部材の装飾部とを、変動表示に伴い頻繁に発光させることで、変動表示が実行される通常遊技状態などの遊技状態において、第1状態をとる第1可動部材や第2可動部材によって、表示手段と第1領域や第2領域とを区画化することが可能になる。また、変動表示が実行される遊技状態において、第1状態をとる第1可動部材と第2可動部材とによって、第1領域や第2領域やその領域を流下する遊技球を照明したり、変動表示に合わせた発光演出を実行したりすることが可能となり、表示手段の周縁に配置される中央構造体に一般的に設けられる発光装置を設けない構成とすることも可能になる。
また、第1可動部材や第2可動部材を近接又は当接させるものの、近接又は当接させる移動の前後で第1可動部材が第2可動部材よりも第1領域に近い位置に配置され、かつ、第2可動部材が第1可動部材よりも第2領域に近い位置に配置される一般的な配置の場合に比べて、第2状態における第1可動部材と第2可動部材との配置を意外性のある配置とし、近接した又は当接した第1可動部材と第2可動部材とで示される情報を意外性のある配置で遊技者に知らせることが可能になる。
また、第1状態における第1可動部材や第2可動部材が発光することで遊技者がそれらの存在を知り得たとしても、第2状態における第1可動部材と第2可動部材と配置を一般的な配置とは異なる意外性のある配置に移動することで、第1可動部材と第2可動部材とで示される情報を、第1可動部材と第2可動部材の意表を突く動作で遊技者に知らせることが可能になる。
<特徴J1>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
複数箇所に離間して配置された第1状態(例えば、通常配置)と、前記第1状態と比べて近接又は当接して配置された第2状態(例えば、出現配置)とをとることが可能であって、所定の態様で発光可能な装飾部を有する複数の可動部材を備え、
前記複数の可動部材として、前記第1状態から前記第2状態へ移行する場合より、前記第2状態から前記第1状態へ移行する場合に移動速度が遅い演出を実行可能な速度変化可動部材(例えば、可動懸垂部材611)が設けられ、
前記速度変化可動部材の装飾部は、前後方向において前記表示手段に重なる位置に配置され、前記第2状態から前記第1状態へ移行する場合に所定の移行態様(例えば、上昇示唆発光パターン)で発光し、
前記表示手段は、前記速度変化可動部材が前記第2状態から前記第1状態へ移行する場合に前記所定の移行態様と同種の態様に構成される所定の移行中表示(例えば、打上花火603)を表示することを特徴とする遊技機。
特徴J1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、速度変化可動部材が第2状態から第1状態へ移動する場合に、第1状態から第2状態への移動よりも遅く移動することで、速度変化可動部材を表示手段に重なる位置に長く配置することが可能になる。また、速度変化可動部材を表示手段と重なる位置に配置される場合に、速度変化可動部材の装飾部が所定の移行態様で発光し、表示手段が所定の移行態様と同種の態様に構成される所定の移行中表示を表示することで、速度変化可動部材と表示手段とが連携して一体感のある演出を実行することが可能になる。したがって、速度変化可動部材と表示手段とによる一体感のある演出を遊技者に長く楽しませることが可能になる。
<特徴K1>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
複数箇所に離間して配置された第1状態(例えば、通常配置)と、前記第1状態と比べて近接又は当接して配置された第2状態(例えば、出現配置)とをとることが可能であって、所定の態様で発光可能な装飾部を有する複数の可動部材を備え、
前記複数の可動部材として、前記第1状態から前記第2状態へ移行する場合より、前記第2状態から前記第1状態へ移行する場合に移動速度が遅い演出を実行可能な速度変化可動部材(例えば、可動懸垂部材611)が設けられ、
前記速度変化可動部材は、前記第1状態から前記第2状態へ移行する場合の姿勢に対して、前記第2状態から前記第1状態へ移行する場合の少なくとも一部の期間における姿勢が異なるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴K1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第2状態から第1状態へ移行する場合に、速度変化可動部材の移動速度が第1状態から第2状態へ移行する場合より遅く、また、速度変化可動部材の姿勢が少なくとも一部の期間においてが第1状態から第2状態へ移行する場合と異なることによって、同一速度や同一姿勢で移行する場合に比べて、速度変化可動部材の動作を多様化することが可能になる。また、速度変化可能部材の移動速度が遅い第2状態から第1状態へ移行において、速度変化可動部材の姿勢を複雑に変化させ、当該複雑な姿勢の変化を遊技者に長く楽しませることが可能になる。
<特徴L1>
識別情報の変動表示を行う表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479)と、該表示手段によって表示される表示内容を制御する制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、前記表示手段によって所定の表示結果(例えば、大当りに対応する装飾図柄の組み合わせ)が表示された場合に遊技者にとって有利な遊技状態(例えば、特別遊技状態)へ遷移可能に構成された遊技機において、
第1状態(例えば、通常配置)と、前記第1状態とは異なる位置に配置された第2状態(例えば、出現配置)とをとることが可能であって、所定の表示対象(例えば、文字)が表示された装飾部を有する複数の可動部材を備え、
前記複数の可動部材として、前記第1状態から前記第2状態へ移行する場合に所定の回転量での回転を伴って移動する第1可動部材(例えば、中間可動部材632)と、該第1可動部材より少ない回転量で移動距離が大きく高速で移動する第2可動部材(例えば、遠可動部材633)とが設けられていることを特徴とする遊技機。
特徴L1に記載の遊技機であれば、演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1可動部材と同様に回転を伴って移動する第2可動部材が、第1可動部材より移動距離が大きく高速で移動し、かつ、第1可動部材より少ない回転量で回転することで、第2可動部材の装飾部における表示対象の視認性を、第1可動部材の装飾部における表示対象に比べて、第2可動部材の回転によって高まるものの第2可動部材の移動によって低下させることができる。第1可動部材や第2可動部材の視認性は、回転による要因と移動による要因との複合要因で決まるため、第1状態から第2状態への移行において、第1可動部材と第2可動部材との装飾部における表示対象の双方を容易に視認できるようにしたり、又は、容易には視認できないようにしたりすることが可能になる。
<特徴M1>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(例えば、主制御基板920)と、
該抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(例えば、主制御基板920)と、
所定の変動表示と前記抽選結果に対応した結果表示とを少なくとも表示可能な表示部(例えば、装飾図柄表示装置479の表示部479a)と、
前記表示部において実行される表示演出を、複数の表示演出から選定し、選定された演出を実行する制御を行う演出制御手段(例えば、副制御基板940)と、を備え、
前記表示部において実行される演出として、所定の第1演出(例えば、第1の進展情報付き発展型演出の色昇格演出)と、当該第1演出の後に実行され得る第2演出として複数種類の第2演出(例えば、第1の進展情報付き発展型演出の殻割り演出)とが設定され、当該複数種類の第2演出の中から前記演出制御手段の制御により1の第2演出が選択され、前記第1演出が実行された後に当該1の第2演出が実行され得るように構成された遊技機であって、
前記第1演出の実行中において、複数種類の前記第2演出のうちいずれか1つの前記第2演出が実行される所定の分岐時期を示唆可能な分岐示唆手段(副制御基板940における、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480に進展情報を表示する制御)が設けられ、
該分岐示唆手段は、前記第1演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、前記第2演出が実行される所定の分岐時期に対する現時点を示す進行中情報(例えば、主人公キャラクタ861や進行位置印867)が前記所定の分岐時期へ近づいていることを示す表示を、遊技者が視認可能な位置に表示可能に構成され、
前記第1演出が表示される時間の経過に対応して前記進行中情報が表示される表示部分(例えば、可動表示装置480や右上表示領域479U)の表示内容が更新される場合に、その更新前と、更新後において、前記進行中情報の上下方向及び左右方向における位置を変化させることなく前記進行中情報を表示することが可能であって、当該進行中情報を複数種類の態様(例えば、主人公キャラクタ861の2種類の大きさ)で表示することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、演出が多様化され演出の進行が複雑になると、遊技者が演出の進行を理解し難くなってしまい演出を十分には楽しめなくなることが懸念され、多様な演出を好適に実行する構成について、改善の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴M1に記載の遊技機であれば、多様な演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1演出から複数種類の第2演出のいずれかへ分岐可能な演出において、分岐時期を示唆する分岐示唆手段を設けることで、第1演出から第2演出へ切り替わる注目すべき時期である分岐時期を遊技者に把握させ易くし、また、進行中情報が分岐時期へ近づく表示において進行中情報の上下方向及び左右方向における位置を変化させないことで、注目すべき箇所を絞り、分岐可能な演出の進行を遊技者に把握させ易くすることが可能になる。これにより、遊技者は、遊技者は、第1演出から第2演出へ切り替わる注目すべき時期である分岐時期を確認しつつ、その切り替わりを逃すことなくその演出の展開を楽しむことが可能になる。また、進行中情報を複数種類の態様で表示可能とすることで、複数種類の第2演出のうち遊技者にとって有利な演出が選択される期待度を遊技者に示すことが可能になる。これにより、遊技者は、進行中情報の表示態様の相違に基づく期待度の変化も楽しむことが可能になる。
<特徴N1>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(例えば、主制御基板920)と、
該抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(例えば、主制御基板920)と、
所定の変動表示と前記抽選結果に対応した結果表示とを少なくとも表示可能な表示部(例えば、装飾図柄表示装置479の表示部479a)と、
前記表示部において実行される表示演出を、複数の表示演出から選定し、選定された演出を実行する制御を行う演出制御手段(例えば、副制御基板940)と、を備え、
前記表示部において実行される演出として、所定の第1演出(例えば、保留先読み発展型演出における片側攻撃演出内の攻撃構え演出、攻撃演出及びダメージ演出)と、当該第1演出の後に実行され得る第2演出として複数種類の第2演出(例えば、片側攻撃演出内の勝利演出と敗北演出)とが設定され、当該複数種類の第2演出の中から前記演出制御手段の制御により1の第2演出が選択され、前記第1演出が実行された後に当該1の第2演出が実行され得るように構成された遊技機であって、
前記第1演出の実行中において、複数種類の前記第2演出のうちいずれか1つの前記第2演出が実行される所定の分岐時期を示唆可能な分岐示唆手段(副制御基板940における、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480に進展情報を表示する制御)が設けられ、
該分岐示唆手段は、前記第1演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、前記第2演出が実行される所定の分岐時期に対する現時点を示す進行中情報(例えば、主人公キャラクタ861)が前記所定の分岐時期へ近づいていることを示す表示を、遊技者が視認可能な位置(例えば、可動表示装置480)に表示可能に構成され、
前記進行中情報の表示態様として、第1の態様(例えば、通常の歩行姿勢)と、該第1の態様とは異なる第2の態様(例えば、上段構えの歩行姿勢)とが設けられ、前記第1の態様をとる前記進行中情報と、前記第2の態様をとる前記進行中情報とは、前記所定の分岐時期に到達するまでの時間(例えば、バトル演出の開始から勝利演出又は敗北演出)が異なり、前記第1の態様をとる場合と前記第2の態様をとる場合とで実行される演出(例えば、片側攻撃演出のみでバトルの勝敗が決まるバトル演出と、片側攻撃演出ではバトルの勝敗が決まらず双方攻撃演出でバトルの勝敗が決まるバトル演出)が異なるように構成されていることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、演出が多様化され演出の進行が複雑になると、遊技者が演出の進行を理解し難くなってしまい演出を十分には楽しめなくなることが懸念され、多様な演出を好適に実行する構成について、改善の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴N1に記載の遊技機であれば、多様な演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、第1演出から複数種類の第2演出のいずれかへ分岐可能な演出において、分岐時期を示唆する分岐示唆手段を設けることで、第1演出から第2演出へ切り替わる注目すべき時期である分岐時期を遊技者に把握させ易くすることが可能になる。また、分岐時期までの時間が異なる場合に進行中情報の表示態様(第1の態様と第2の態様)を異ならせることで、分岐時期までの時間や表示形態によって、遊技者にとって有利な演出が選択される期待度を遊技者に示すことが可能になると共に、分岐時期の相違に遊技者の注意を惹くことが可能になる。これにより、遊技者は、第1演出中に期待度の変化も楽しみつつ分岐時期を迎え、分岐時期における第1演出から第2演出への切り替わりを逃すことなく見守ることが可能になる。
<特徴P0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段による抽選結果が所定の結果である場合に通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
所定の変動表示と前記抽選結果に対応した結果表示とを少なくとも表示可能な表示部(例えば、装飾図柄表示装置479の表示部479a)と、
前記表示部において実行される表示演出を、複数の表示演出から選定し、選定された演出を実行する制御を行う演出制御手段(副制御基板940)と、
前記表示部において実行される演出の過程にて前記複数の表示演出のうち1の表示演出が実行される所定の分岐が発生する場合に当該所定の分岐の発生に先行して分岐発生を遊技者に教示する分岐教示手段(副制御基板940における、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480に進展情報を表示する制御)と、を備え、
前記分岐教示手段は、前記教示を開始する場合において当該教示を開始してから前記所定の分岐が発生するまでの期間の全体を示す表示をした後、前記演出の進行に伴って前記所定の分岐が発生するポイントへ近づいていることを示す表示をする構成となっており、
前記ポイントへ近づいている旨を示す表示は、前記ポイントに対する現時点を示す現時点教示情報(例えば、主人公キャラクタ861や進行位置印867)を含み、当該現時点教示情報を複数種類の態様で表示することが可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴P0に記載の遊技機によれば、演出の進行において分岐が発生するポイントを遊技者に好適に示唆することができる。
なお、特徴P0に記載の構成を備えた遊技機においては、
前記演出の進行に応じて前記ポイントへ近づいている旨を示す表示が更新される所定の更新期間中において、その更新の前の前記現時点教示情報と、その更新の後の前記現時点教示情報とが、水平方向または垂直方向の少なくともいずれかにおいて同じ位置に表示される、構成とすることが好ましい。これにより、演出の進行において分岐が発生するポイントを遊技者に分かり易く示唆することができる。
<特徴Q0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段による抽選結果が所定の結果であることに基づき通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
所定の変動表示と前記抽選結果に対応した結果表示とを少なくとも表示可能な表示部(例えば、装飾図柄表示装置479の表示部479a)と、
前記表示部において実行される表示演出を、複数の表示演出から選定し、選定された演出を実行する制御を行う演出制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示部において実行される演出として、所定の第1演出と、当該第1演出の後に実行され得る第2演出として複数種類の第2演出とが設定され、当該複数種類の第2演出の中から前記演出制御手段の制御により1の第2演出が選択され、前記第1演出が実行された後に当該1の第2演出が実行され得るように構成された遊技機であって、
前記第1演出の実行中において、複数種類の前記第2演出のうちいずれか1つの前記第2演出が実行される所定の分岐時期を示唆可能な分岐示唆手段(副制御基板940における、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480に進展情報を表示する制御)が設けられ、
該分岐示唆手段は、前記第1演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、前記第2演出が実行される所定の分岐時期に対する現時点を示す進行中情報が前記所定の分岐時期へ近づいていることを示す第1表示態様(例えば、キャラクタ861が進行可能通路870を進行していく表示)と、
前記進行中情報とともに表示され、前記進行中情報の進行に伴って表示演出を実行する第2表示態様(キャラクタ861)と、
により構成されており、
前記第1表示態様と前記第2表示態様は、前記表示部の所定の表示領域に一体的に表示されるように構成されており、
前記第1表示態様と第2表示態様は、前記進行中情報の進行開始から前記分岐時期に達する前までの場合には前記所定の表示領域における所定の位置にて一体的に表示されており、前記進行中情報が前記分岐時期に達した場合には前記所定の表示領域における所定の位置にて一体的に表示されている表示が分離されて前記第2表示態様は前記所定の表示領域から異なる表示領域へ移動(キャラクタ861のジャンプ表示)するように表示されることを特徴とする遊技機。遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、演出が多様化され演出の進行が複雑になると、遊技者が演出の進行を理解し難くなってしまい演出を十分には楽しめなくなることが懸念され、多様な演出を好適に実行する構成について、改善の余地がある可能性があった。
特徴Q0に記載の遊技機によれば、演出の進行において分岐が発生するポイントを遊技者に好適に示唆することができるとともに、所定の表示領域から異なる表示領域へ移動することによりその後に表示される表示演出への期待感を遊技者に対して持たせることができる。
また、特徴Q0に記載の構成を備えた遊技機においては、前記所定の表示領域から異なる表示領域へ移動するように表示される前記第2表示態様は、移動前に表示されていた大きさよりも大きく表示するようにした方がよい。例えば、装飾図柄479Zに重なるようにして大きく表示する等他の表示対象を覆い隠すようにして表示するようにしてもよい。また、表示される大きさあるいは表示態様等については複数種類設定されていることが好ましい。このようにすれば、分岐時期に達した後の表示態様に対する期待感をもって遊技を楽しむことができる。
<特徴R0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段(主制御基板920)と、
該抽選手段による抽選結果が所定の結果であることに基づき通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
所定の変動表示と前記抽選結果に対応した結果表示とを少なくとも表示可能な表示部(例えば、装飾図柄表示装置479の表示部479a)と、
前記表示部において実行される表示演出を、複数の表示演出から選定し、選定された演出を実行する制御を行う演出制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示部において実行される演出として、所定の第1演出と、当該第1演出の後に実行され得る第2演出として複数種類の第2演出とが設定され、当該複数種類の第2演出の中から前記演出制御手段の制御により1の第2演出が選択され、前記第1演出が実行された後に当該1の第2演出が実行され得るように構成された遊技機であって、
前記第1演出の実行中において、複数種類の前記第2演出のうちいずれか1つの前記第2演出が実行される所定の分岐時期を示唆可能な分岐示唆手段(副制御基板940における、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480に進展情報を表示する制御)が設けられ、
該分岐示唆手段は、前記第1演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、前記第2演出が実行される所定の分岐時期に対する現時点を示す進行中情報が前記所定の分岐時期へ近づいていることを示す進行表示(例えば、キャラクタ861が進行可能通路870を進行していく表示)を行うことが可能な手段と、
前記進行表示が開始されてから前記進行中情報が前記所定の分岐時期に達したことにより終了することを1回の進行表示の実行として、その進行表示が行われる回数を遊技者に認識可能となる認識情報を表示(例えば、キャラクタ861が腰からぶら下げた携帯物で示す疑似保留表示480H)する手段とを有し、
前記進行表示と前記認識情報の表示は、前記進行中情報が前記所定の分岐時期へ近づいていることを示す表示の開始から終了するまでの期間において各々の表示位置が変化しないように構成されていることを特徴とする遊技機。遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、演出が多様化され演出の進行が複雑になると、遊技者が演出の進行を理解し難くなってしまい演出を十分には楽しめなくなることが懸念され、多様な演出を好適に実行する構成について、改善の余地がある可能性があった。
特徴R0記載の遊技機によれば、分岐示唆手段により第1演出から第2演出への切り替わり時期を進行表示によって明確に示唆することができるため演出の進行が分かりやすくなり演出を十分に楽しむことができる。また、進行表示が複数回実行されるような場合であっても認識情報を表示することにより遊技者にその回数を明確に示すことができる。さらに、進行表示と認識情報の表示は、進行中情報が所定の分岐時期へ近づいていることを示す表示の開始から終了するまでの期間において各々の表示位置が変化しないように構成されているので遊技者に対して演出の進行が理解しやすく、多様な演出を好適に実行することができる。
なお、進行表示が複数回実行されるような場合とは、1回の変動表示演出において複数回の進行表示が実行されても良いし、保留状態を先読みし保留先読み発展型演出として複数回の進行表示を実行しても良いし、前兆演出として複数回の進行表示が実行されても良い。
認識情報の表示は、数字、文字等によって回数を示すようにしても良いし、キャラクタ及びマーク等(図55(A)に示す疑似保留表示480Hを示す腰に結びつけられた携帯物)のシンボル表示をその個数分表示することにより示すようにしても良い。
認識情報の表示は、進行表示が実行される回数のみを示すものではなく、表示演出の一環として使用するようにしても良い。例えば、認識情報がシンボル表示にて表示されるものにおいて、進行表示が進行している状況にて、ある所定位置にてシンボル表示の1つを使用するような表示演出が実行され、その後に実行される特殊表示演出を示唆するような表示演出を実行するようにすることが考えられる。このようにすれば、遊技者は認識情報に対して回数の大小やその後の認識情報が使用された場合に実行される特殊表示演出に対する期待感をもつことができ、遊技に対する興趣を向上することができる。なお、特殊表示演出としては、遊技者が操作手段を操作することを示唆する演出や認識情報が増加することを可能とするような演出等が考えられる。
<特徴S1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(例えば、主制御基板920)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば、主制御基板920)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、主制御基板920)と、
所定条件が成立した場合(例えば、第2特別図柄に係る保留内に小当り保留を3連続で含む保留状態)に複数の遊技回に跨って特殊表示演出を実行する特殊表示演出実行手段(例えば、副制御基板940)と、
表示画面を有する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480)と、
前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記表示制御手段は、
前記表示画面における第1表示領域(例えば、可動表示装置480の左側領域480B)と、当該第1表示領域よりも大きい第2表示領域(例えば、装飾図柄表示装置479の中央広領域479L)にて絵柄の可変表示を開始させ、前記判定手段による判定結果に対応した絵柄を前記第1表示領域及び前記第2表示領域に停止表示させる制御を行う手段(例えば、副制御基板940)と、
前記表示画面における第3表示領域(例えば、可動表示装置480の中側領域480C及び装飾図柄表示装置479の中央広領域479B)にて前記特殊表示演出が実行されることを示唆する示唆表示(例えば、主人公キャラクタ861の動作による特殊示唆表示)を表示させる制御を行う手段(例えば、副制御基板940)と、を有し、
前記表示制御手段は、前記特殊表示演出が実行される場合には前記示唆表示を複数回の遊技回に跨って前記特殊表示演出が終了する遊技回まで表示するよう制御し、前記示唆表示が表示されている状況の遊技回は前記第1表示領域にて前記判定手段の判定結果に対応した絵柄(例えば、疑似図柄480Zの組合せ)を停止表示させる一方、前記特殊表示演出が終了する遊技回では前記第3表示領域に表示されている前記示唆表示を非表示とすることにより前記第1表示領域と前記第2表示領域の両方にて前記判定手段の判定結果に対応した絵柄(例えば、疑似図柄480Zの組合せ及び装飾図柄479Zの組合せ)を停止表示させることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に基づいて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、上記演出は始動口への入球に基づく遊技回ごとに実行され、複数の遊技回を跨ぐ演出を好適に実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴S1に記載の遊技機であれば、複数の遊技回を跨ぐ演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、特殊表示演出が終了する遊技回において、実行中の示唆表示を非表示とすることにより第1表示領域と第2表示領域の両方にて絵柄を停止表示させることで、一方のみを停止表示させる場合に比べて明確に特殊表示演出の終了を遊技者に報知することができ、また、実行中の示唆表示を非表示とすることにより絵柄を停止表示させることで、停止表示を目立たせて、遊技者の注意を停止表示に向けさせることが可能になる。
また、特殊表示演出が終了しない遊技回において、第1表示領域の絵柄は停止表示されるものの、第1表示領域の絵柄よりも大きく表示可能な第2表示領域の絵柄を表示しない、視認可能には表示しない又は容易には視認できないように表示することが可能になる。この場合、第1表示領域の絵柄によって各遊技回の抽選結果や遊技回の進行状況を確認可能としつつ、第2表示領域の絵柄も明確に停止表示される場合に比べて、第2表示領域の絵柄の表示により特殊表示演出を表示する範囲が大幅に制限されたり、第2表示領域の絵柄の停止表示により遊技回の切れ目に遊技者の注意が向けられたりすることを抑制できる。
<特徴T1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段(例えば、主制御基板920)と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段(例えば、主制御基板920)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段(例えば、主制御基板920)と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段(例えば、主制御基板920)と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を所定遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段(例えば、主制御基板920)と、
所定条件が成立した場合(例えば、第2特別図柄に係る保留内に小当り保留を3連続で含む保留状態)に複数の遊技回に跨って特殊表示演出を実行する特殊表示演出実行手段(例えば、副制御基板940)と、
表示画面を有する表示手段(例えば、装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480)と、
前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記表示制御手段は、
前記表示画面における第1表示領域(例えば、可動表示装置480の左側領域480B)と、当該第1表示領域よりも大きい第2表示領域(例えば、装飾図柄表示装置479の中央広領域479L)にて絵柄の可変表示を開始させ、前記判定手段による判定結果に対応した絵柄を前記第1表示領域及び前記第2表示領域に停止表示させる制御を行う手段(例えば、副制御基板940)と、
前記表示画面における第3表示領域(例えば、可動表示装置480の中側領域480C及び装飾図柄表示装置479の中央広領域479B)にて前記特殊表示演出が実行されることを示唆する示唆表示(例えば、主人公キャラクタ861の動作による特殊示唆表示)を表示させる制御を行う手段(例えば、副制御基板940)と、を有し、
前記表示制御手段は、前記特殊表示演出が実行されている場合には前記示唆表示を複数回の遊技回に跨って前記特殊表示演出が終了する遊技回まで表示可能となるように制御し、前記示唆表示が表示されている状況の遊技回では前記所定の判定情報に対応していない特別情報の場合(例えば、ハズレ又は小当りの場合)にあっては前記第1表示領域にて絵柄の変動を開始し前記判定手段の判定結果に対応した絵柄(例えば、疑似図柄480Zの組合せ)を停止表示させる第1停止表示態様(例えば、非大当り時の停止表示態様)となる一方、前記所定の判定情報に対応している特別情報の場合(例えば、大当りの場合)にあっては前記第3表示領域に表示されている前記示唆表示を非表示とするとともに少なくとも前記第3表示領域に重なる領域にて前記第1停止表示態様とは絵柄の停止表示位置が異なることを期待させる特定表示演出(例えば、装飾図柄479Zが拡縮する特定表示演出)を開始し、その後前記第1表示領域と前記第2表示領域の両方にて前記判定手段の判定結果に対応した絵柄(例えば、疑似図柄480Zの組合せ及び装飾図柄479Zの組合せ)を停止表示させる第2停止表示態様(例えば、大当り時の停止表示態様)となることを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に基づいて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、上記演出は始動口への入球に基づく遊技回ごとに実行され、複数の遊技回を跨ぐ演出を好適に実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴T1に記載の遊技機であれば、複数の遊技回を跨ぐ演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、示唆表示が表示されている状況の遊技回では所定の判定情報に対応している特別情報の場合、第1表示領域と第2表示領域の両方にて絵柄を停止表示させることで、一方のみを停止表示させる場合に比べて明確に大当りの当選を遊技者に報知することができ、また、第1表示領域の絵柄と第2表示領域の絵柄を停止表示させる前に、実行中の示唆表示を非表示とすると共に、非表示となる示唆表示の近傍で特定表示演出を実行することで、遊技者の注意を示唆表示から特定表示演出にスムーズに移行させることが可能になり、遊技者の注意を停止表示に向けさせることが可能になる。
また、示唆表示が表示されている状況の遊技回では所定の判定情報に対応していない特別情報の場合、第1表示領域の絵柄は停止表示されるものの、第1表示領域の絵柄よりも大きく表示可能な第2表示領域の絵柄を表示しない、視認可能には表示しない又は容易には視認できない構成とすることが可能になる。この場合、第1表示領域の絵柄によって各遊技回の抽選結果や遊技回の進行状況を確認可能としつつ、第2表示領域の絵柄が明確に停止表示される場合に比べて、第2表示領域の絵柄の表示により特殊表示演出を表示する範囲が大幅に制限されたり、第2表示領域の絵柄の停止表示により遊技回の切れ目に遊技者の注意が向けられたりすることを抑制できる。
<特徴U1>
所定の取得条件が成立した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
前記特別遊技状態に移行したこと基づいて開始され、前記特別遊技状態から前記通常遊技状態へ移行したことに基づいて終了する期間に発生した遊技情報を蓄積する遊技情報蓄積手段と、
所定条件が成立した場合に所定回数の遊技回に跨って特殊表示演出を実行する特殊表示演出実行手段と、
表示画面を有する表示手段と、
前記表示手段の表示制御を行う表示制御手段とを備え、
前記表示制御手段は、前記特殊表示演出として前記遊技情報蓄積手段により蓄積された遊技情報を含む蓄積遊技情報表示を表示するものであり、
前記蓄積遊技情報表示は、前記所定回数の遊技回において前記所定の判定情報に対応した判定結果とならない遊技回及び当該遊技回に後続となる遊技回が前記所定の判定情報に対応した判定結果とならない遊技回の場合に前記蓄積遊技情報表示を跨るように表示し、一方前記所定回数の遊技回において前記判定情報に対応した判定結果とならない遊技回及び当該遊技回に後続となる遊技回が所定の判定情報に対応した結果となる遊技回の場合には表示されていた前記蓄積遊技情報表示を非表示とすることにより前記遊技情報蓄積手段による遊技情報の蓄積の継続を遊技者に対して認識可能にしたことを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に基づいて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、上記演出は始動口への入球に基づく遊技回ごとに実行され、複数の遊技回を跨ぐ演出を好適に実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性があった。
これに対し、特徴U1に記載の遊技機であれば、複数の遊技回を跨ぐ演出を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。すなわち、特殊表示演出が実行される所定回数の遊技回において、所定の判定情報に対応した判定結果とならない遊技回が連続する場合に、遊技情報の蓄積を継続し、所定の判定情報に対応した判定結果となる遊技回で遊技情報の蓄積を終了させることが可能になる。また、遊技情報の蓄積が継続中の遊技回では蓄積遊技情報表示を表示し、遊技情報の蓄積が終了する遊技回では蓄積遊技情報表示を非表示とすることで、遊技情報の蓄積の継続許否を遊技者に知らせることが可能になる。
したがって、遊技者は、特殊表示演出が実行される所定回数の遊技回において、所定の判定情報に対応した判定結果となる遊技回までを、遊技情報が蓄積される一括りの期間として設定し、当該期間に得られた利益を一括りの利益として纏めて遊技者に示すことが可能になる。
<特徴V0>
所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選を行う抽選手段と(主制御基板920)、
該抽選手段による抽選結果が所定の結果であることに基づき通常遊技状態より有利な特別遊技状態を発生させる遊技制御手段(主制御基板920)と、
所定の変動表示と前記抽選結果に対応した結果表示とを少なくとも表示可能な表示部(例えば、装飾図柄表示装置479の表示部479a)と、
前記表示部において実行される表示演出を、複数の表示演出から選定し、選定された演出を実行する制御を行う演出制御手段(副制御基板940)と、を備え、
前記表示部において実行される演出として、所定の第1演出と、当該第1演出の後に実行され得る第2演出として複数種類の第2演出とが設定され、当該複数種類の第2演出の中から前記演出制御手段の制御により1の第2演出が選択され、前記第1演出が実行された後に当該1の第2演出が実行され得るように構成された遊技機であって、
前記第1演出の実行中において、複数種類の前記第2演出のうちいずれか1つの前記第2演出が実行される所定の分岐時期を示唆可能な分岐示唆手段(副制御基板940における装飾図柄表示装置479及び可動表示装置480に進展情報を表示する制御)が設けられ、
該分岐示唆手段は、前記第1演出が実行される時間の経過に対応して更新される表示であって、前記第2演出が実行される所定の分岐時期に対する現時点を示す進行中情報が前記所定の分岐時期へ近づいていることを示す進行表示演出(例えば、キャラクタ861が進行するとともに味方キャラクタ865が進行可能通路870を進行し、エンディング識別情報864に向かって進行する表示や進行位置印867が進行可能経路869に沿って進行し、各種の分岐点に向かって進行する表示)を行うことが可能な手段と、
前記進行表示演出が実行されていることを遊技者に対して認識させることが可能な進行表示演出実行中表示(キャラクタ861や進行位置印867)を行う手段と
を有し、
前記進行表示演出実行中表示は、所定の対象物(キャラクタ861や進行位置印867)を表示したものであり、前記所定の対象物が第1状態にて表示される第1状態表示態様(例えば、キャラクタ861と味方キャラクタ865が所定方向に向かって歩いている表示態様や進行位置印867が進行可能経路869に沿って進行している表示態様)と当該第1状態表示態様とは異なる第2状態にて表示される第2状態表示態様(キャラクタ861が味方キャラクタ865によりジャンプさせられる表示態様や進行位置印867が点滅表示あるいは表示される色が変化する表示)とが設けられており、
前記進行表示演出の開始から前記所定の分岐に達するまでの場合には前記進行表示演出実行中表示は前記第1状態表示態様を維持し続け、前記進行表示演出の進行中情報が前記所定の分岐に達した場合には前記進行表示演出実行中表示は前記第2状態表示態様に切り替え可能な手段を備えたことを特徴とする遊技機。
遊技機の代表例としてパチンコ機がある。従来の典型的なパチンコ機において、遊技領域に設けられた始動口に入球し、その入球に応じて演出が実行される構成が知られている(例えば、特開2002-78904号公報参照)。
しかしながら、演出が多様化され演出の進行が複雑になると、遊技者が演出の進行を理解し難くなってしまい演出を十分には楽しめなくなることが懸念され、多様な演出を好適に実行する構成について、未だ改善の余地があった。
特徴V0記載の遊技機によれば、分岐示唆手段により第1演出から第2演出への切り替わり時期を進行表示によって明確に示唆することができるため演出の進行が分かりやすくなり演出を十分に楽しむことができる。また、進行表示演出実行中表示が実行されることにより進行表示演出が実行されていることを遊技者は明確に認識することができる。この進行表示演出は、所定の表示対象物いわゆるキャラクタを模した表示対象が表示されるものであり、進行表示演出の開始から分岐に達するまでの間は、所定の第1状態の表示態様、例えば歩いている状態や起立している状態の表示態様にて表示されており、分岐に達した場合には、所定の第1状態の表示態様とは異なる所定の第2状態の表示態様、例えばジャンプした状態の表示態様や所定方向に回転している状態の表示態様に切り替えられるような表示となる。このように表示態様が切り替えられることにより分岐位置に達したこと、すなわち第2演出が開始されることへの切り替えを遊技者に対して明確に示すことができるので遊技者は第2演出を見逃すことがなく、一連の表示演出を楽しむことができるようになる。また、所定の表示対象物の表示が切り替えられることにより第2演出が開始されることとなるので、遊技者に対して演出の進行が理解しやすく、多様な演出を好適に実行することができる。
<特徴W1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部(例えば、2連7セグ発光器276a、表示部479a)を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が複数の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記差数コマンド送信手段によって送信される制御用コマンドに基づいて前記表示部の表示を制御する場合における前記表示部の表示態様として、
前記差数がゼロの場合において設定される第1表示態様(例えば、2連7セグ発光器276aにおける「00」との表示)と、
前記差数が前記制限数より小さい所定数以上の場合において設定される第2表示態様(例えば、2連7セグ発光器276aにおける「64」との表示)と、
前記制限数以上となった場合において設定される第3表示態様(2連7セグ発光器276aにおける「95」との表示)と、
前記第1表示態様と前記第2表示態様と前記第3表示態様とのいずれとも異なる第4表示態様(2連7セグ発光器276aの消灯による非表示)と、を含む複数種類の表示態様を切り替えて表示することが可能に構成され、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(初期差球コマンドが出力される場合の復電処理)と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(特定差球コマンドが出力される場合の復電処理)と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(打止示唆コマンドが出力される場合の復電処理)と、を実行可能であり、
前記表示制御手段に対して、いずれの復電処理が実行されたかを識別可能な、1または複数の制御用コマンドを送信し、
前記表示制御手段は、前記遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において前記主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて、前記表示部の表示態様として、前記第1表示態様と、前記第3表示態様と、前記第4表示態様とのいずれかの態様での表示を行い、前記復電処理のうち、いずれの復電処理が実行された場合かに対応させて前記表示部の表示態様を制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
<特徴W2>
遊技の制御を行う主制御手段(例えば、主制御基板920)と、該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、遊技者の所持する遊技媒体の数を減少させながら所定の通常遊技を行い、該通常遊技を行うことが可能な通常遊技状態において所定の始動条件を成立させることが可能であり、該所定の始動条件が成立した場合に所定の抽選が行われ、該所定の抽選の結果が所定の結果であることに基づき前記通常遊技より遊技者に有利な所定の特別遊技を行うことが可能であり、該所定の特別遊技を行うことが可能な特別遊技状態において遊技者が複数の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、を有し、
前記表示制御手段は、前記差数コマンド送信手段によって送信される制御用コマンドに基づいて前記表示部の表示を制御する場合における前記表示部の表示態様として、
前記差数がゼロの場合において設定される第1表示態様(例えば、2連7セグ発光器276aにおける「00」との表示)と、
前記差数が前記制限数より小さい所定数以上の場合において設定される第2表示態様(例えば、2連7セグ発光器276aにおける「64」との表示)と、
前記制限数以上となった場合において設定される第3表示態様(2連7セグ発光器276aにおける「95」との表示)と、
前記第1表示態様と前記第2表示態様と前記第3表示態様とのいずれとも異なる第4表示態様(2連7セグ発光器276aの消灯による非表示)と、を含む複数種類の表示態様を切り替えて表示することが可能に構成され、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(初期差球コマンドが出力される場合の復電処理)と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(特定差球コマンドが出力される場合の復電処理)と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(打止示唆コマンドが出力される場合の復電処理)と、を実行可能であり、
前記表示制御手段に対して、いずれの復電処理が実行されたかを識別可能な、1または複数の制御用コマンドを送信し、
前記表示制御手段は、前記遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理において前記主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて、前記表示部の表示態様として、前記第1表示態様と、前記第3表示態様と、前記第4表示態様とのいずれかの態様での表示を行い、前記復電処理のうち、いずれの復電処理が実行された場合かに対応させて前記表示部の表示態様を制御可能に構成されていることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数と差数に基づいて、遊技の進行を制御可能な遊技機が知られている(例えば、特開2003-310914参照)。
しかしながら、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を制御可能であり、当該進行に伴う遊技媒体の差数の表示を実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴W1及びW2に記載の遊技機であれば、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能であり、当該進行に伴う遊技媒体の差数の表示を好適に実行可能な遊技機を提供することができる。
すなわち、差数計数手段と遊技実行制限手段とを備えることで、差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行(遊技の進行)を制限することが可能になる。また、特別遊技状態中において差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされることで、通常遊技状態においては、差数が予め定めた制限数以上となった場合に即座に遊技の実行を停止し、特別遊技状態においては、差数が予め定めた制限数以上となった後も遊技を継続可能とし、特別遊技状態の終了時に遊技の実行を停止することが可能となる。
また、通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(初期差球コマンドを出力)と、遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(特定差球コマンドを出力)と、差数が予め定めた制限数以上となっても当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態中において電源の供給が遮断された後に実行される復電処理(打止示唆コマンドを出力)のうちいずれの復電処理が実行されたかを識別可能なコマンドを表示制御手段に出力することで、表示制御手段で制御される表示部における表示を各復電処理に対応する表示態様で表示することが可能になる。
<特徴X0>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記遊技実行制限手段による遊技の実行の制限が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の払出しを実行する未払い払出実行手段と、を有することを特徴とする遊技機。
<特徴X1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記遊技実行制限手段による遊技の実行の制限が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の払出しを実行する未払い払出実行手段と、を有し、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。
<特徴X2>
所定の取得条件が成立した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記遊技実行制限手段による遊技の実行の制限が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の払出しを実行する未払い払出実行手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶するための残存払出記憶手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去する未開始情報消去手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去する未完了情報消去手段と、を有し、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数と差数に基づいて、遊技の進行を制御可能な遊技機(特願2002-119387号公報)が知られている。
しかしながら、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を制御可能であり、当該進行に伴う遊技媒体の払出しを好適に実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴X0から特徴X2のいずれかに記載の遊技機であれば、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能とすることができる。また、未払い払出実行手段を備える構成であるので、遊技者による遊技の実行が制限された時に未払いの遊技球がある場合には、遊技者による遊技の実行が制限された後においても払出しを継続して行って、未払いの遊技球の払出しを完遂することが可能になる。
なお、特徴X0又はX1に記載の遊技機において、残存払出記憶手段、未開始情報消去手段、及び、未完了情報消去手段の少なくともいずれかを備える構成とすることが好ましい。
残存払出記憶手段は、差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶するためのものである。残存払出記憶手段を備える構成とすれば、差数が制限数以上となった後において払出しが完了していない未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶することで、払出しが完了していない状態で電源の供給が遮断されたとしても、その後に電源の供給が開始された後に、未払いの遊技媒体の払出しを完遂することが可能になる。
未開始情報消去手段は、差数が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去するものである。未開始情報消去手段を備える構成とすれば、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去することで、差数が予め定めた制限数以上となった後に、開始されていない遊技回用動作が実行されることを防止できる。これにより、遊技者による遊技の実行は停止されているにも関わらず、例えば、特別遊技状態に移行する所定の判定結果に対応する遊技回用動作が実行されるといった状況の発生を防止することが可能になる。
未完了情報消去手段は、差数が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去するものである。未完了情報消去手段を備える構成とすれば、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去することで、差球が制限数以上となった場合に、当該遊技回用動作に対する判定手段による判定結果が示されることを防止することが可能になる。これにより、例えば、差球が制限数以上となった状況において、所定の判定情報に対応した判定結果が示されたにも関わらず遊技者にとって有利な特別遊技状態を行えないような状況の発生を防止することが可能になる。
<特徴Y0>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶するための残存払出記憶手段と、を有することを特徴とする遊技機。
<特徴Y1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶するための残存払出記憶手段と、を有し、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数と差数に基づいて、遊技の進行を制御可能な遊技機(特願2002-119387号公報参照)が知られている。
しかしながら、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を制御可能であり、当該進行に伴う遊技媒体の払出しを好適に実行可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴Y0及び特徴Y1に記載の遊技機であれば、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能な遊技機を提供することができる。また、残存払出記憶手段を備える構成であるので、差数が制限数以上となった後において払出しが完了していない未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶することで、払出しが完了していない状態で電源の供給が遮断されたとしても、その後に電源の供給が開始された後に、未払いの遊技媒体の払出しを完遂することが可能になる。
なお、特徴Y0又はY1に記載の遊技機において、未開始情報消去手段、及び、未完了情報消去手段の少なくともいずれかを備える構成とすることが好ましい。
未開始情報消去手段は、差数が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去するものである。未開始情報消去手段を備える構成とすれば、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去することで、差数が予め定めた制限数以上となった後に、開始されていな遊技回用動作が実行されることを防止できる。これにより、遊技者による遊技の実行は停止されているにも関わらず、例えば、特別遊技状態に移行する所定の判定結果に対応する遊技回用動作が実行されるといった状況の発生を防止することが可能になる。
未完了情報消去手段は、差数が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去するものである。未完了情報消去手段を備える構成とすれば、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去することで、差球が制限数以上となった場合に、当該遊技回用動作に対する判定手段による判定結果が示されることを防止することが可能になる。これにより、例えば、差球が制限数以上となった状況において、所定の判定情報に対応した判定結果が示されたにも関わらず遊技者にとって有利な特別遊技状態を行えないような状況の発生を防止することが可能になる。
<特徴Z0>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去する未開始情報消去手段と、を有することを特徴とする遊技機。
<特徴Z1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去する未開始情報消去手段と、を有し、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数と差数に基づいて、遊技の進行を制御可能な遊技機(特願2002-119387号公報参照)が知られている。
しかしながら、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を制御可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴Z0及び特徴Z1に記載の遊技機であれば、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能な遊技機を提供することができる。また、未開始情報消去手段を備える構成であるので、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去することで、差数が予め定めた制限数以上となった後に、開始されていない遊技回用動作が実行されることを防止できる。これにより、遊技者による遊技の実行は停止されているにも関わらず、例えば、特別遊技状態に移行する所定の判定結果に対応する遊技回用動作が実行されるといった状況の発生を防止することが可能になる。
なお、特徴Z0又はZ1に記載の遊技機において、未完了情報消去手段を備える構成とすることが好ましい。未完了情報消去手段は、差数が予め定めた制限数以上となった場合において所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去するものである。未完了情報消去手段を備える構成とすれば、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去することで、差球が制限数以上となった場合に、当該遊技回用動作に対する判定手段による判定結果が示されることを防止することが可能になる。これにより、例えば、差球が制限数以上となった状況において、所定の判定情報に対応した判定結果が示されたにも関わらず遊技者にとって有利な特別遊技状態を行えないような状況の発生を防止することが可能になる。
<特徴a0>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去する未完了情報消去手段と、を有することを特徴とする遊技機。
<特徴a1>
所定の取得条件(例えば、上側中始動入賞装置431A、下側中始動入賞装置431B、右始動入賞装置432への遊技球の入賞)が成立した場合に特別情報(例えば、特別図柄に係る当選乱数)を取得する特別情報取得手段と、
前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報(例えば、大当りに対応付けられた値)と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段(例えば、第1の特別図柄に係る特別図柄表示装置471及び第2の特別図柄に係る特別図柄表示装置472)を制御する遊技回制御手段と、
前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件(例えば、大当りに対応する第1又は第2の特別図柄の組合せの確定表示)が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段(例えば、主制御基板920)と、
該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段(例えば、副制御基板940)とを備え、
前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去する未完了情報消去手段と、を有し、
前記主制御手段は、
前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。
従来の遊技機として、遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数と差数に基づいて、遊技の進行を制御可能な遊技機(特願2002-119387号公報参照)が知られている。
しかしながら、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を制御可能な構成について、未だ改良の余地がある可能性がある。
これに対し、特徴a0及び特徴a1に記載の遊技機であれば、遊技媒体の差数に基づき遊技の進行を好適に制御可能な遊技機を提供することができる。また、未完了情報消去手段を備える構成であるので、差数が予め定めた制限数以上となった場合において遊技回用動作が開始されているものの終了する前の遊技回用動作に対応する特別情報を消去することで、差球が制限数以上となった場合に、当該遊技回用動作に対する判定手段による判定結果が示されることを防止することが可能になる。これにより、例えば、差球が制限数以上となった状況において、所定の判定情報に対応した判定結果が示されたにも関わらず遊技者にとって有利な特別遊技状態を行えないような状況の発生を防止することが可能になる。
なお、特徴10~a1に記載の少なくとも1つの特徴を他のいずれか又は複数の特徴に組合せて適用しても良い。以下には、上記した各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ機:遊技者が操作する発射操作手段と、その発射操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く通路部と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:始動操作手段の操作に基づき周回体の回転を開始させ、停止操作手段の操作に基づき周回体の回転を停止させ、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以上のように、この発明は、弾球遊技機等の遊技機に適している。
10…左可動部材、11…後方側装飾部、20…右可動部材、30…光源、31…発光基板、32L,32R…LED素子(発光手段)、40…発光空間、41…前方部材、42…後方部材、50…前方側装飾部、50B…裏面(後方側光出力手段)、51…前方窓、52…装飾板、61…後方窓、61B…前面(別方向反射手段)、62…光進入窓、63…左接続部、64…右接続部、100…パチンコ機、102…前ブロック、250…発射操作装置、252…発射ハンドル(発射操作手段)、276…差球表示装置、276a…2連7セグ発光器、281…左上音響装置(音出力部)、282…右上音響装置(音出力部)、400…遊技盤、401…基体、409…遊技領域、409L…左流下領域(第1領域)、409R…右流下領域(第2領域)、409V…特典領域(特定領域)、409E…入口部分、409N…非特典領域、420…中央構造体、420a…開口、433…下大入賞装置、434…上大入賞装置、435…役連作動装置、437…振分機構、437A…振分シャッタ、440…回収通路スイッチ、444…上大入賞スイッチ、448…特定通路スイッチ、454…上進入規制機構、454A…進入規制シャッタ、464…上進入規制モータ、465…振分ソレノイド、479…装飾図柄表示装置(表示手段,操作情報表示手段)、479a…表示部、479B…中央広領域、479C…中央狭領域、479D…右下表示領域、479U…右上表示領域、479Z…装飾図柄、479H…装飾保留表示、480…可動表示装置(分岐示唆手段)、480A…左側領域、480C…中側領域、480Z…疑似図柄、480H…疑似保留表示、481…前壁、484S…右握り操作指示情報(所定の操作情報)、484D…連結操作指示情報(所定の操作情報)、487…総獲得数情報表示、488…継続時間情報表示、489…獲得予定数情報表示、494…案内通路、600…遊技盤、603…打上花火、610…右前可動部、611…可動懸垂部材(第2可動部材,速度変化可動部材)、612…可動支持部材、618L…左ローラ、618R…右ローラ、619…可動懸垂基体、620…左後可動部、621…左後可動部材(第2可動部材)、629…左後可動基体、630…右後可動部、631…近可動部材、632…中間可動部材(第1可動部材)、633…遠可動部材(第2可動部材)、639…可動台座部材、640…左前可動部、649…可動円盤部材、641…中央可動部材、659a…上規制壁、661…誘導レール、662…移動付勢部材、663…回転ローラ、664…駆動スライダ、664a…連結部分、664b…突出部分、665…駆動軸部材、665a…螺旋溝、666a…規制部材、666b…回転軸、666c…回転部材、666d…規制付勢部材、667a…被押圧部材、667b…回転部材、667c…回転軸、667d…スライド部材、667e…連結軸、668…ギア、700…遊技盤、710…反射装飾体(反射手段)、711…反射装飾部、712…通過部、712a…平坦領域、712b…突出装飾領域、712S…装飾面、713…反射部、719…反射装飾支持部、720…環状配置光源、720a…下左光源、720b…下右光源、721…環状配置基板、721a…下左基板、722a…LED素子、730…中央光源、731…中央基板、732…LED素子、740…環状装飾体、741…可動装飾部、741a…下左可動装飾部、742…回動装飾部、749…環状装飾支持部、750…中央装飾体、751…中央装飾部、752…枠部、753…装飾部材、754…散乱部材、800…遊技盤、801L…左入力操作装置、801R…右入力操作装置、802L…左支持機構、802R…右支持機構、804L…左レバー移動規制装置、804R…右レバー移動規制装置、810L…左入力レバー(入力操作手段,演出手段,操作部)、810R…右入力レバー(入力操作手段,演出手段,操作部)、811L…左握り壁、811R…右握り壁、812L…左操作部材、812R…右操作部材、813L…左被覆壁、813R…右被覆壁、818L…上側電磁石、818R…上側電磁石、819L…下側電磁石、819R…下側電磁石、820L…左支持台、820R…右支持台、823L…左外側支持腕、823R…右外側支持腕、826L…左内側支持腕、826R…右内側支持腕、831L…左レバー回転駆動モータ、831R…右レバー回転駆動モータ、838L…左連結操作検出スイッチ、838R…右連結操作検出スイッチ、839L…左連結状態検出スイッチ、839R…右連結状態検出スイッチ、841L…左レバー規制部材、841R…右レバー規制部材、851L…左レバー前後移動機構、851R…右レバー前後移動機構、852L…左レバー前後移動駆動モータ、852R…右レバー前後移動駆動モータ、861…主人公キャラクタ、865…味方キャラクタ、866…鳥キャラクタ、867…進行位置印、869…進行可能経路、870…進行可能通路、871…分岐元経路、871a…選択準備通路、871b…参加形態選択通路、871c…参加形態決定後通路、872…自動進行演出通路、873…片手参加型演出通路、874…両手参加型演出通路、874a…発色演出通路、874b…色昇格演出通路、874c…殻割り演出通路、874d…確変確定演出通路、874e…殻割り連絡通路、874f…殻割れ連絡通路、874g…殻割れなし連絡通路、874W…宝卵白色時通路、874R…宝卵赤色時通路、874G…宝卵緑色時通路、874B…宝卵青色時通路、874S…宝卵虹色時通路、874V…確変告知通路、874X…確変非告知通路、874J…殻割れず通路、874K…殻割れ通路、874L…殻割れなし通路、875…非分岐通路、877…バトル演出通路、877、877S…片側攻撃演出通路、877T…双方攻撃演出通路、877P…開始演出通路、877Z…前兆時出現通路、877V…勝利時特典演出通路、877D…敗北時特典演出通路、877R…復活攻撃演出通路、877X…敗北演出通路、877Y…勝利演出通路、877Z…継続演出通路、886C…〇旗、886E…×旗、892…自動進行演出情報、893…片手参加型演出情報、894…両手参加型演出情報、895a…発色演出情報、895b…色昇格演出情報、896L…低難度ミッション情報、896M…中難度ミッション情報、896H…高難度ミッション情報、896W…ミッション選択窓、897J…殻割れず情報、897K…殻割れ情報、897L…殻割れなし情報、897S…ミッション成功情報、897F…ミッション失敗情報、920…主制御基板(抽選手段、遊技制御手段)、940…副制御基板(制御手段,移動制御手段,出力動作制御手段,形態制御手段,入力制限手段、演出制御手段)

Claims (1)

  1. 所定の取得条件が成立した場合に特別情報を取得する特別情報取得手段と、
    前記特別情報取得手段により取得された特別情報を複数記憶可能な取得情報記憶手段と、
    前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が所定の判定情報と対応しているか否かの判定を順次行う判定手段と、
    前記判定手段により前記判定が行われることに先立って又は前記判定手段により前記判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記判定の結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように報知手段を制御する遊技回制御手段と、
    前記判定手段による判定結果が前記所定の判定情報に対応した判定結果となり、所定の移行条件が成立した場合に遊技状態を通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を有する主制御手段と、
    該主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて遊技に関する情報を表示可能な表示部を制御する表示制御手段とを備え、
    前記特別遊技状態において遊技者が所定数以上の遊技媒体を複数回獲得することが可能に構成された遊技機であって、
    前記主制御手段は、
    前記通常遊技状態と前記特別遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態において遊技者が遊技を行うために用いられた遊技媒体の数と、遊技者が遊技を行うことにより獲得した遊技媒体の数との差数を計数可能な差数計数手段と、
    該差数計数手段によって計数された差数に関する制御用コマンドを前記表示制御手段に送信する差数コマンド送信手段と、
    該差数計数手段によって前記差数が予め定めた制限数以上となった場合に遊技者による遊技の実行を制限する遊技実行制限手段と、
    前記特別遊技状態中において前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該特別遊技状態の遊技が継続可能とされた特別遊技継続状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された場合に当該特別遊技継続状態中の遮断に対応した情報を記憶するためのバックアップ手段と、
    前記遊技実行制限手段による遊技の実行の制限が開始された後において、遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の払出しを実行する未払い払出実行手段と、
    前記差数が予め定めた制限数以上となった場合であって当該制限数以上となった後において遊技者に対して払出しが完了していない未払いの遊技媒体が残存する場合に当該未払いの遊技媒体の数に対応した情報を記憶するための残存払出記憶手段と、
    前記差数が予め定めた制限数以上となった場合において前記所定の取得条件が成立して取得された特別情報のうち前記遊技回用動作が開始されていない特別情報を消去する未開始情報消去手段と、を有し、
    前記主制御手段は、
    前記通常遊技状態において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
    前記遊技実行制限手段によって遊技の実行が制限された状況において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、
    前記特別遊技継続状態中において遊技機に対する電源の供給が遮断された後に実行される復電処理と、を実行可能であることを特徴とする遊技機。
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