JP2022072675A - ヨーダンパ装置及びヨーダンパ装置の制御方法 - Google Patents

ヨーダンパ装置及びヨーダンパ装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成により地震時における安全性を向上させたヨーダンパ装置等を提供する。【解決手段】鉄道車両1の車体10と台車枠21との相対回動に応じて減衰力を発生するヨーダンパ装置を、台車枠の左右側部21aと車体との間にわたしてそれぞれ設けられ、台車枠の車体に対する鉛直軸回りの回動に応じて伸長又は短縮して減衰力を発生するように車両前後方向にほぼ沿って配置されたダンパ31と、ダンパの回動に対する減衰力特性を変化させる減衰力可変手段110と、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得する地震情報取得手段140,200と、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、減衰力可変手段にダンパの減衰力を低下させる減衰力制御手段100とを備える構成とする。【選択図】図3

Description

本発明は、鉄道車両の車体とボギー台車の台車枠との間に設けられ、台車枠のヨー方向の回動に応じた減衰力(制振力)を発生するヨーダンパ装置、及び、その制御方法に関し、特に地震時における安全性を向上させたものに関する。
一般的な鉄道車両は、車体下部に、車体に対して鉛直軸回りに回動可能(ボギー角付与可能)なボギー台車を取り付けて構成されている。
ボギー台車は、台車本体を構成する構造部品である台車枠に、軸箱支持装置や軸ばね、軸ダンパ等の一次ばね系を介して例えば2軸の輪軸を取り付けて構成されている。
台車枠は、枕ばね等の二次ばね系や牽引装置を介して車体に取り付けられる。
ヨーダンパ装置は、台車枠がヨー方向(鉛直軸回りに回動する方向)に振動して蛇行動が生じることを防止し、鉄道車両の高速走行性能を向上するため、車体と台車枠との間に設けられる制振手段である。
ヨーダンパ装置に関する従来技術として、例えば特許文献1には、台車枠の左右に軸線を車両前後方向に沿わせて配置され、台車枠の車体に対する鉛直軸回りの回動に応じた減衰力を発生するヨーダンパを設けることが記載されている。
上述したボギー台車及びヨーダンパ装置を有する鉄道車両において、地震の発生時には、軌道からの加振を受けて車体が大きくロール振動する場合がある。
このような場合、車体が台車枠に対して下降する方向のストロークはストッパ等によって規制される一方、車体が台車枠に対して上昇する方向のストロークは下降方向のストロークに対して比較的大きくなるため、車体は所定のロール軸を中心に揺動するような挙動ではなく、左右が交互に上昇するようなロール挙動を示すことになる。
このようなロール挙動が発生した場合、上述した従来技術のヨーダンパ装置においては、左右一方のダンパが他方のダンパよりもストロークが大きくなって、変位速度に差が生じる結果、左右のダンパが発生する減衰力に差が生じる。その結果、台車枠を車体に対して鉛直軸回りに回動させるヨーモーメントが発生し、台車がヨー方向に回動して走行安全性を低下させることが懸念される。
これに対し、特許文献2には、台車枠の左右に、前後一対のヨーダンパを台車枠側取付箇所と車体側取付箇所とのスパンが等しくなるようにそれぞれ設けることが記載されている。
特開平7-208531号公報 特開2015- 74419号公報
上述した特許文献2に記載された技術においては、地震時特有のロール挙動に起因するヨーモーメントの発生を抑制し、地震時における安全性を向上させることができる。
しかし、特許文献2に記載された技術は、台車1台あたり例えば4本のダンパを設ける必要があることから、装置構成が複雑化してコストも高くなってしまう。また、ダンパの装備本数が通常よりも増加するため、ゴムブッシュ等の劣化部品点数が増加し、メインテナンスコストが増加する。さらに、4本のダンパを装備するために専用の車両構造とする必要がある。
上述した問題点に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成により地震時における安全性を向上させたヨーダンパ装置及びヨーダンパ装置の制御方法を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明のヨーダンパ装置は、鉄道車両の車体と前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられる台車枠との相対回動に応じて減衰力を発生するヨーダンパ装置であって、前記台車枠の左右側部と前記車体との間にわたしてそれぞれ設けられ、前記台車枠の前記車体に対する鉛直軸回りの回動に応じて伸長又は短縮して減衰力を発生するように車両前後方向にほぼ沿って配置されたダンパと、前記ダンパの前記回動に対する減衰力特性を変化させる減衰力可変手段と、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得する地震情報取得手段と、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、前記減衰力可変手段に前記ダンパの減衰力を低下させる減衰力制御手段とを備えることを特徴とする。
これによれば、地震の発生又は地震の前兆に関する情報の取得に応じて、ダンパの減衰力を低下させることにより、車体の左右が交互に上昇するロール挙動によるダンパの伸縮により発生する減衰力を低減させ、台車枠を車体に対して鉛直軸回りに回動させるヨーモーメントを抑制し、地震時における安全性を向上することができる。
また、台車枠の左右に一対のダンパを有する既存のヨーダンパ装置を有する車両であれば、ダンパ本数の増加や車両構造の大がかりな変更を伴うことなく容易に適用することが可能な簡素な構成とすることができる。
本発明において、前記減衰力制御手段は、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、前記ダンパの減衰力を、前記減衰力可変手段により調節可能な下限の状態とする構成とすることができる。
これによれば、地震時にダンパの減衰力を調節可能な下限の状態とすることにより、車体のロール挙動に起因するヨーモーメントを最小化し、上述した効果を促進することができる。
典型的には、地震時に、ダンパが不可避的に生じるフリクション以外は実質的に減衰力を発生しない状態とすることができる。
本発明において、前記車両の走行速度を検出する速度検出手段を有し、前記減衰力可変手段は、前記ダンパの減衰力を段階的又は連続的に変化させる機能を有し、前記減衰力制御手段は、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、前記ダンパの減衰力を、前記走行速度の低下に応じて段階的又は連続的に漸減させる構成とすることができる。
これによれば、地震発生時等における車両の走行速度が高速である場合に、速度に対して適切なヨーイング抑制効果を維持しつつ、本発明による地震時の安全性向上効果も得ることができる。
本発明において、前記地震情報取得手段は、地上に設置された地震検知手段の出力に基づいて生成される地震の発生又は地震の前兆に関する情報を、通信手段を介して取得する構成とすることができる。
これによれば、地上に設置された地震検知手段により精度よく地震の発生又は地震の前兆を検出することが可能であるとともに、車上側の装置構成を簡素化し、本発明のヨーダンパ装置の車両への実装を容易とすることができる。
また、上述した課題を解決するため、本発明のヨーダンパ装置の制御方法は、鉄道車両の車体と前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられる台車枠との間に設けられる相対回動に応じて減衰力を発生するヨーダンパ装置の制御方法であって、前記ヨーダンパ装置は、前記台車枠の左右側部と前記車体との間にわたしてそれぞれ設けられ、前記台車枠の前記車体に対する鉛直軸回りの回動に応じて伸長又は短縮して減衰力を発生するよう車両前後方向にほぼ沿って配置されたダンパを有し、地震の発生又は地震の前兆の検出に応じて前記ダンパの減衰力を低下させることを特徴とする。
これによれば、上述したヨーダンパ装置に係る発明と同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、簡単な構成により地震時における安全性を向上させたヨーダンパ装置及びヨーダンパ装置の制御方法を提供することができる。
本発明を適用したヨーダンパ装置の第1実施形態が設けられる鉄道車両用台車の模式的二面図である。 第1実施形態のヨーダンパ装置を制御する制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。 第1実施形態のヨーダンパ装置の制御方法を模式的に示すフローチャートである。 本発明を適用したヨーダンパ装置の第2実施形態における地震発生時の車速及びダンパ減衰力の推移の一例を模式的に示す図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用したヨーダンパ装置及びヨーダンパ装置の制御方法の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のヨーダンパ装置が設けられる鉄道車両用台車の模式的二面図である。
図1(a)は、車幅方向(枕木方向)から見た側面図、図1(b)は、上方から見た平面図である。
第1実施形態のヨーダンパ装置は、例えば高速走行用の旅客用電車等の鉄道車両に設けられるものである。
鉄道車両は、車体の前後に一対の2軸ボギー台車を備えている。
図1に示すように、鉄道車両1は、車体10、台車20、ヨーダンパ装置30等を備えて構成されている。
車体10は、例えば乗客を収容する客室などが設けられる部分である。
車体10は、床面部に設けられた構造部材である台枠の側端部、前後端部から上方へ側構、妻構を立設し、上部を屋根構で閉塞することによって、実質的に六面体状に形成された構体を有する。
台車20は、例えば、車体10の下部に前後一対設けられたボギー台車である。
台車20は、台車枠21、輪軸22、軸箱23、軸ばね24、枕ばね25、牽引装置26等を有して構成されている。
台車枠21は、台車20の本体部を構成する構造部材である。
台車枠21は、側はり21a、横はり21b等を有する。
側はり21aは、台車枠21の左右側部に設けられ、車両前後方向(レール方向)にほぼ沿って配置された梁状の部材である。
横はり21bは、左右の側はり21aの前後方向における中央部を連結するよう車幅方向(枕木方向)にほぼ沿って配置された梁状の部材である。
横はり21bは、前後方向に離間して例えば1対が設けられている。
輪軸22は、車軸の両端部に左右一対の車輪を取り付けて構成されている。
輪軸22は、台車20の前後に一対(2軸)が設けられている。
軸箱23は、輪軸22の両端に形成されたジャーナル部を回転可能に支持する軸受、及び、その潤滑装置等を有して構成されている。
軸箱23は、図示しない軸箱支持装置を介して、台車枠21の側はり21aに対して所定の範囲内で上下、前後に変位可能に取り付けられている。
軸ばね24は、台車枠21の側はり21aと軸箱23との間に設けられた1次ばねである。
軸ばね24は、例えば、上下方向にほぼ沿って配置された圧縮コイルばねである。
枕ばね25は、台車枠21の側はり21aの前後方向中央部における上部と、車体下部との間に設けられた2次ばねである。
枕ばね25は、例えば、ゴム等の弾性体容器内に圧縮空気を充填して構成された空気ばねを有して構成されている。
枕ばね25は、左右の側はり21aの上部にそれぞれ設けられている。
牽引装置26は、台車枠21の横はり21bの中間部と車体10との間に設けられ、車体10と台車枠21との間で前後方向の力を伝達するものである。
ヨーダンパ装置30は、台車枠21の車体10に対する鉛直軸回り(ヨー方向)の回動に応じて減衰力(制振力)を発生し、台車枠21がヨー方向に振動することを抑制するものである。
ヨーダンパ装置30は、台車枠20の左右に実質的に対称に設けられている。
ヨーダンパ装置30は、ダンパ31、台車枠側ブラケット32、車体側ブラケット33等を有して構成されている。
ダンパ31は、台車枠21の側はり21aの車幅方向両外側にそれぞれ配置された油圧緩衝器(油圧ダンパ)である。
ダンパ31は、シリンダ31a、ピストン31b、ロッド31c等を有して構成されている。
シリンダ31aは、作動流体である油が封入される円筒状の部材である。
ピストン31bは、シリンダ31aの内径側に、シリンダ31aの軸心方向に沿って相対移動可能に挿入されている。
ロッド31cは、一方の端部がピストン31bに接続され、他方の端部がシリンダ31aから突出した円柱状の部材である。
ロッド31cの突端部は、ゴムブッシュを介して車体側ブラケット33に揺動可能に連結されている。
シリンダ31aのロッド31c側とは反対側の端部は、ゴムブッシュを介して台車枠側ブラケット32に揺動可能に連結されている。
ダンパ31は、その軸線方向(伸縮方向)が車両前後方向にほぼ沿うように配置されている。
ダンパ31として、例えば、伸側、縮側で実質的に同等の減衰力特性を有する、いわゆるバイフロータイプの油圧緩衝器を用いることができる。
また、ダンパ31は、ピストン31bがシリンダ31aに対して相対変位する際の油路を切り替えることにより、相対変位速度(ピストンスピード、変位速度)に対する減衰力の相関に関する特性である減衰力特性を変化させることが可能な、可変減衰ダンパとなっている。
台車枠側ブラケット32は、側はり21aの前後方向中間部における車幅方向外側の側面から突き出して形成されている。
車体側ブラケット33は、車体10の下部から下方に突き出して形成されている。
車体側ブラケット33は、台車枠側ブラケット32と、車両前後方向に間隔を隔てて配置されている。
第1実施形態のヨーダンパ装置30は、可変減衰ダンパであるダンパ31の減衰力特性を制御するため、以下説明する制御システムを備えている。
図2は、第1実施形態のヨーダンパ装置を制御する制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。
第1実施形態のヨーダンパ装置は、鉄道車両1の車上側に、ヨーダンパ制御装置100、減衰力可変機構110、自車位置検出装置120、車速検出装置130、通信装置140等を有する。
また、地上側(非車上側)には、地震検知装置200が設けられている。
ヨーダンパ制御装置100は、通信装置140を介して地震検知装置200から得た情報に応じて、減衰力可変機構110に指令を与え、ダンパ31の減衰力特性を制御する減衰力制御手段である。
ヨーダンパ制御装置100は、例えば、CPU等の情報処理部、RAMやROMなどの記憶部、入出力インターフェイス、及び、これらを接続するバス等を有するマイクロコンピュータとして構成することができる。
減衰力可変機構110は、例えば、ダンパ31の伸縮時におけるダンパ31内部の油路を切り替えて、ダンパ31の減衰力特性を切り替える減衰力制御手段である。
減衰力可変機構110は、例えば、油路を切り替える弁や、弁を駆動するソレノイド、電動モータ等のアクチュエータ、アクチュエータのドライバ回路等を有して構成されている。
自車位置検出装置120は、鉄道路線上において鉄道車両1が現在走行している位置を検出する機能を有する。
自車位置検出装置120は、例えば、図示しない運転台から、列車が直近に通過した距離標(キロポスト)に関する情報を取得することにより、自車両の位置を検出することができる。
また、自車両位置検出装置120は、例えば、GPSなどの他の測位手段を有する構成としてもよい。
車速検出装置130は、鉄道車両1の現在の走行速度(車速)を検出する機能を有する。
車速は、例えば、図示しない運転台から、速度発電機の出力に基づいて演算される値を提供される構成とすることができる。
また、自車位置検出装置120がGPSなどの測位手段を有する場合には、位置情報の変化に基づいて車速を算出するようにしてもよい。
通信装置140は、地上に設置された地震検知装置200と通信を行い、自車両が走行している地域における地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得するものである。
地震検知装置200は、地上に設置され、地震の発生又は地震の前兆を検出するものである。
地震検知装置200として、例えば、鉄道沿線及び主要内陸部に地震計を設置し、地震のP波(初期微動)を検知した場合に、著大な地震の前兆があったものとして、自動的に警報動作を行う早期地震検知システムを用いることができる。
地震検知装置200は、通信装置140と協働して、本発明の地震情報取得手段として機能する。
図3は、第1実施形態のヨーダンパ装置の制御方法を模式的に示すフローチャートである。
以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:地震検知有無判断>
ヨーダンパ制御装置100は、通信装置140を介して地震検知装置200から得た情報、及び、自車位置検出装置120から得た自車両の走行位置に基づいて、自車両周辺において車両の走行安全性に懸念が生じる程度の地震の発生、又は、その前兆の有無を判別する。
地震の発生又は前兆が検知された場合はステップS02に進み、その他の場合はステップS03に進む。
<ステップS02:ダンパ減衰力低下>
ヨーダンパ制御装置100は、減衰力可変機構110への減衰力維持信号を遮断(信号オフ)とする。
これにより、ダンパ31は、基準となる変位速度(ピストンスピード)に対する減衰力が最小(典型的には、不可避的に生じるフリクション以外に減衰力が発生しない状態)となるように減衰力特性が設定される。
その後、一連の処理を終了する。
<ステップS03:ダンパ減衰力維持>
ヨーダンパ制御装置100は、減衰力可変機構110への減衰力維持信号を継続(信号オン)とする。
これにより、ダンパ31は、通常走行時において良好な走行安定性が得られるよう、変位速度に応じた所定の減衰力が発生する減衰力特性に設定される。
その後、一連の処理を終了する。
以上説明した第1実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)地震の発生又は地震の前兆に関する情報の取得に応じて、ダンパ31の減衰力を低下させることにより、車体10の左右が交互に上昇するロール挙動によるダンパ31の伸縮により発生する減衰力を低減させ、台車枠21を車体10に対して鉛直軸回りに回動させるヨーモーメントを抑制して走行安定性を確保し、地震時における安全性を向上することができる。
また、台車枠21の左右に一対のダンパを有する既存のヨーダンパ装置を有する車両であれば、ダンパ本数の増加や車両構造の大がかりな変更を伴うことなく容易に適用することが可能な簡素な構成とすることができる。
(2)地震時にダンパ31の減衰力を調節可能な下限(最小)の状態とすることにより、車体10のロール挙動に起因するヨーモーメントを最小化し、上述した効果を促進することができる。
(3)地上に設置された地震検知装置200により、精度よく地震の発生又は地震の前兆を検出することが可能であるとともに、車上側の装置構成を簡素化し、車両への実装を容易とすることができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用したヨーダンパ装置及びヨーダンパ装置の制御方法の第2実施形態について説明する。
上述した第1実施形態と共通する箇所には同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
第2実施形態においては、地震の発生又はその前兆を検知した際に、ダンパ31の減衰力特性を、基準となる変位速度に対する減衰力が、車速の低下に応じて段階的に小さくなるように制御している。
図4は、第2実施形態のヨーダンパ装置における地震発生時の車速及びダンパ減衰力の推移の一例を模式的に示す図である。
図4の上段、下段は、時間の経過に応じた車速、ダンパ減衰力(基準となるピストンスピードに応じて発生する減衰力)の推移の一例を示すグラフである。
鉄道車両は、地震検知装置200からの地震検知の情報に応じて、ブレーキ装置を自動的に作動させ、列車を減速、停止させる図示しない安全装置を備えている。
ヨーダンパ制御装置100は、列車の減速に応じて、ダンパ31の減衰力を段階的に漸減(低下)させ、列車の停止直前においては、ダンパ31の減衰力が最小減衰力となるように制御する。
なお、減衰力の低下は、このような段階的な変化に限らず、連続的に変化するよう構成してもよい。
以上説明した第2実施形態によれば、地震発生時等における車両の走行速度が高速である場合に、速度に対して適切なヨーイング抑制効果を維持しつつ、第1実施形態と同様に地震時の安全性向上効果も得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
(1)ヨーダンパ装置、台車、鉄道車両の構成は、上述した各実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、台車枠の形状、構造や、車体への取付方法、軸箱支持装置の構成や各種ばね要素、ダンパ要素の具体的構成は、適宜変更することができる。
例えば、各実施形態の台車は、ボルスタ(枕ばり)を持たないボルスタレス台車であったが、本発明はこれに限らず、ボルスタを有する台車にも適用することができる。
(2)各実施形態では、地震又は地震の前兆を地上に設けられた設備によって検出し、車上へ通信により伝達する構成としているが、これに代えて、あるいは、これと併用し、車上側で地震を検出するよう構成してもよい。例えば、車体、台車枠等の動揺(振動加速度)や、車体と台車枠、台車枠と軸箱等の相対変位に基づいて地震を検出する構成とすることができる。
(3)各実施形態では、減衰力可変機構110への減衰力維持信号を遮断することで、ピストンスピードに対する減衰力が最小となるように減衰力特性が設定される構成としているが、これに代えて、あるいは、これと併用し、減衰力遮断信号を投入(電源オン)することで、減衰力が最小となるように減衰力特性が設定される特性とすることができる。
1 鉄道車両 10 車体
20 台車 21 台車枠
21a 側はり 21b 横はり
22 輪軸 23 軸箱
24 軸ばね 25 枕ばね
26 牽引装置 30 ヨーダンパ装置
31 ダンパ 31a シリンダ
31b ピストン 31c ロッド
32 台車枠側ブラケット 33 車体側ブラケット
100 ヨーダンパ制御装置 110 減衰力可変機構
120 自車位置検出装置 130 車速検出装置
140 通信装置 200 地震検知装置

Claims (5)

  1. 鉄道車両の車体と前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられる台車枠との相対回動に応じて減衰力を発生するヨーダンパ装置であって、
    前記台車枠の左右側部と前記車体との間にわたしてそれぞれ設けられ、前記台車枠の前記車体に対する鉛直軸回りの回動に応じて伸長又は短縮して減衰力を発生するように車両前後方向にほぼ沿って配置されたダンパと、
    前記ダンパの前記回動に対する減衰力特性を変化させる減衰力可変手段と、
    地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得する地震情報取得手段と、
    地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、前記減衰力可変手段に前記ダンパの減衰力を低下させる減衰力制御手段と
    を備えることを特徴とするヨーダンパ装置。
  2. 前記減衰力制御手段は、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、前記ダンパの減衰力を、前記減衰力可変手段により調節可能な下限の状態とすること
    を特徴とする請求項1に記載のヨーダンパ装置。
  3. 前記車両の走行速度を検出する速度検出手段を有し、
    前記減衰力可変手段は、前記ダンパの減衰力を段階的又は連続的に変化させる機能を有し、
    前記減衰力制御手段は、地震の発生又は地震の前兆に関する情報を取得した場合に、前記ダンパの減衰力を、前記走行速度の低下に応じて段階的又は連続的に漸減させること
    を特徴とする請求項1に記載のヨーダンパ装置。
  4. 前記地震情報取得手段は、地上に設置された地震検知手段の出力に基づいて生成される地震の発生又は地震の前兆に関する情報を、通信手段を介して取得すること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のヨーダンパ装置。
  5. 鉄道車両の車体と前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられる台車枠との相対回動に応じて減衰力を発生するヨーダンパ装置の制御方法であって、
    前記ヨーダンパ装置は、前記台車枠の左右側部と前記車体との間にわたしてそれぞれ設けられ、前記台車枠の前記車体に対する鉛直軸回りの回動に応じて伸長又は短縮して減衰力を発生するよう車両前後方向にほぼ沿って配置されたダンパを有し、
    地震の発生又は地震の前兆の検出に応じて前記ダンパの減衰力を低下させること
    を特徴とするヨーダンパ装置の制御方法。
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