JP2022071914A - 撹拌子、撹拌装置および記録装置 - Google Patents

撹拌子、撹拌装置および記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022071914A
JP2022071914A JP2020181044A JP2020181044A JP2022071914A JP 2022071914 A JP2022071914 A JP 2022071914A JP 2020181044 A JP2020181044 A JP 2020181044A JP 2020181044 A JP2020181044 A JP 2020181044A JP 2022071914 A JP2022071914 A JP 2022071914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stirrer
ink
blade
flow path
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020181044A
Other languages
English (en)
Inventor
聡明 時沢
Somei Tokizawa
尭 阿部
Takashi Abe
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2020181044A priority Critical patent/JP2022071914A/ja
Priority to US17/508,827 priority patent/US11964492B2/en
Publication of JP2022071914A publication Critical patent/JP2022071914A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17503Ink cartridges
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J29/00Details of, or accessories for, typewriters or selective printing mechanisms not otherwise provided for
    • B41J29/02Framework
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14016Structure of bubble jet print heads
    • B41J2/14032Structure of the pressure chamber
    • B41J2/1404Geometrical characteristics
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/18Ink recirculation systems
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J29/00Details of, or accessories for, typewriters or selective printing mechanisms not otherwise provided for
    • B41J29/38Drives, motors, controls or automatic cut-off devices for the entire printing mechanism
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/12Embodiments of or processes related to ink-jet heads with ink circulating through the whole print head

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Geometry (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Mixers With Rotating Receptacles And Mixers With Vibration Mechanisms (AREA)

Abstract

【課題】 液体の撹拌効率を向上させる撹拌子を提供する。【解決手段】 本発明の撹拌子は、棒状体の長手方向における第1端部および第1端部と反対の第2端部においてそれぞれ磁力を有し、液体を攪拌するための撹拌子であって、棒状体の第1端部および第2端部はそれぞれ長手方向に延在する第1羽根および第2羽根を有することを特徴とする。【選択図】 図11

Description

本発明は、液体を撹拌するための撹拌子、撹拌装置および記録装置に関するものである。
従来、液体を攪拌する装置として、棒状体の両端部に磁石が配置された撹拌子を液体容器に入れ、マグネチックスターラーで撹拌子を回転さて液体を攪拌する撹拌装置が知られている。特許文献1には、棒状体の回転軸線に沿って伸びる支持体と、支持体に取り付けられた撹拌羽根を備える撹拌子が記載されている。
特開2007-136443
しかしながら、特許文献1の構成では、支持体に撹拌羽根が設けられており、複雑な構成となっている。そのため、簡単な構成で液体の撹拌効率の高い撹拌子、撹拌装置または攪拌装置を備える記録装置が求められている。本発明は、簡単な構成で撹拌効率の高い撹拌子、撹拌装置または攪拌装置を備える記録装置を提供することである。
本発明の撹拌子は、棒状体の長手方向における第1端部および第1端部と反対の第2端部においてそれぞれ磁力を有し、液体を攪拌するための撹拌子であって、棒状体の第1端部および第2端部はそれぞれ長手方向に延在する第1羽根および第2羽根を有することを特徴とする。
本発明によれば、簡単な構成で液体の撹拌効率の高い撹拌子、撹拌装置または攪拌装置を備える記録装置を提供できる。
記録装置が待機状態にあるときの図である。 記録装置の制御構成図である。 記録装置が記録状態にあるときの図である。 記録装置がメンテナンス状態にあるときの図である。 インク循環系の流路構成を説明する図である。 吐出口と圧力室とを説明する図である。 撹拌機構を側面から示した図である。 撹拌機構を上面から示した図である。 サブタンクの内部を示した撹拌機構の断面斜視図である。 撹拌機構の断面を側面から示した図である。 撹拌機構の断面を上面から示した図である。 図11に示すE方向から見た撹拌子の端部を示した側面図である。 図11に示すE方向から見た撹拌子の端部を示した側面図である。 撹拌子を1回転させたときの気泡発生量のグラフである。 撹拌子を1回転させたときの液面到達気泡量のグラフである。 撹拌および脱気動作のフローチャートを示した図である。 図11に示すF方向から見た撹拌子の端部を示した側面図である。 図11に示すF方向から見た撹拌子の端部を示した側面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の実施形態は本発明を限定するものではなく、また、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成については、同じ符号を付して説明する。また、実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状等は、あくまで例示であり、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
なお、以下の実施形態の説明において、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、広くシート上に画像、模様、パターン等を形成する場合も含まれる。また、本実施形態ではシートとしてロールシートを想定しているが、カット紙、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
<インクジェット記録装置>
図1は、本実施形態で使用するインクジェット記録装置1(以下、記録装置1)の内部構成図である。図において、x方向は水平方向、y方向(紙面垂直方向)は後述する記録ヘッド8において吐出口が配列される方向、z方向は鉛直方向をそれぞれ示す。
記録装置1は、プリント部2とスキャナ部3を備える複合機であり、記録動作と読取動作に関する様々な処理を、プリント部2とスキャナ部3で個別にあるいは連動して実行することができる。スキャナ部3は、ADF(オートドキュメントフィーダ)とFBS(フラットベッドスキャナ)を備えており、ADFによって自動給紙される原稿の読み取りと、ユーザによってFBSの原稿台に置かれた原稿の読み取り(スキャン)を行うことができる。なお、本実施形態はプリント部2とスキャナ部3を併せ持った複合機であるが、スキャナ部3を備えない形態であってもよい。図1は、記録装置1が記録動作も読取動作も行っていない待機状態にあるときを示す。
プリント部2において、筐体4の鉛直方向下方の底部には、記録媒体(カットシート)Sを収容するための第1カセット5Aと第2カセット5Bが着脱可能に設置されている。第1カセット5AにはA4サイズまでの比較的小さな記録媒体が、第2カセット5BにはA3サイズまでの比較的大きな記録媒体が、平積みに収容されている。第1カセット5A近傍には、収容されている記録媒体を1枚ずつ分離して給送するための第1給送ユニット6Aが設けられている。同様に、第2カセット5B近傍には、第2給送ユニット6Bが設けられている。記録動作が行われる際にはいずれか一方のカセットから選択的に記録媒体Sが給送される。
搬送ローラ7、排出ローラ12、ピンチローラ7a、拍車7b、ガイド18、インナーガイド19およびフラッパ11は、記録媒体Sを所定の方向に導くための搬送機構である。搬送ローラ7は、記録ヘッド8の上流側および下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。ピンチローラ7aは、搬送ローラ7と共に記録媒体Sをニップして回転する従動ローラである。排出ローラ12は、搬送ローラ7の下流側に配され、不図示の搬送モータによって駆動される駆動ローラである。拍車7bは、記録ヘッド8の下流側に配される搬送ローラ7及び排出ローラ12と共に記録媒体Sを挟持して搬送する。
ガイド18は、記録媒体Sの搬送経路に設けられ、記録媒体Sを所定の方向に案内する。インナーガイド19は、y方向に延在する部材で湾曲した側面を有し、当該側面に沿って記録媒体Sを案内する。フラッパ11は、両面記録動作の際に、記録媒体Sが搬送される方向を切り替えるための部材である。排出トレイ13は、記録動作が完了し排出ローラ12によって排出された記録媒体Sを積載保持するためのトレイである。
本実施形態の記録ヘッド8は、フルラインタイプのカラーインクジェット記録ヘッドであり、記録データに従ってインクを吐出する吐出口が、図1におけるy方向に沿って記録媒体Sの幅に相当する分だけ複数配列されている。即ち、記録ヘッド8は、複数色のインクを吐出可能に構成されている。記録ヘッド8が待機位置にあるとき、記録ヘッド8の吐出口面8aは、図1のように鉛直下方を向きキャップユニット10によってキャップされている。記録動作を行う際は、後述するプリントコントローラ202によって、吐出口面8aがプラテン9と対向するように記録ヘッド8の向きが変更される。プラテン9は、y方向に延在する平板によって構成され、記録ヘッド8によって記録動作が行われる記録媒体Sを背面から支持する。記録ヘッド8の待機位置から記録位置への移動については、後に詳しく説明する。
インクタンクユニット14は、記録ヘッド8へ供給される4色のインクをそれぞれ貯留する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14と記録ヘッド8を接続する流路の途中に設けられ、記録ヘッド8内のインクの圧力及び流量を適切な範囲に調整する。本実施形態では循環型のインク供給系を採用しており、インク供給ユニット15は記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力と記録ヘッド8から回収されるインクの流量を適切な範囲に調整する。
メンテナンスユニット16は、キャップユニット10とワイピングユニット17を備え、所定のタイミングにこれらを作動させて、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う。
図2は、記録装置1における制御構成を示すブロック図である。制御構成は、主にプリント部2を統括するプリントエンジンユニット200と、スキャナ部3を統括するスキャナエンジンユニット300と、記録装置1全体を統括するコントローラユニット100によって構成されている。プリントコントローラ202は、コントローラユニット100のメインコントローラ101の指示に従ってプリントエンジンユニット200の各種機構を制御する。スキャナエンジンユニット300の各種機構は、コントローラユニット100のメインコントローラ101によって制御される。以下に制御構成の詳細について説明する。
コントローラユニット100において、CPUにより構成されるメインコントローラ101は、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら記録装置1全体を制御する。例えば、ホストI/F102またはワイヤレスI/F103を介してホスト装置400からプリントジョブが入力されると、メインコントローラ101の指示に従って、画像処理部108が受信した画像データに対して所定の画像処理を施す。そして、メインコントローラ101はプリントエンジンI/F105を介して、画像処理を施した画像データをプリントエンジンユニット200へ送信する。
なお、記録装置1は無線通信や有線通信を介してホスト装置400から画像データを取得しても良いし、記録装置1に接続された外部記憶装置(USBメモリ等)から画像データを取得しても良い。無線通信や有線通信に利用される通信方式は限定されない。例えば、無線通信に利用される通信方式として、Wi-Fi(Wireless Fidelity)(登録商標)やBluetooth(登録商標)が適用可能である。また、有線通信に利用される通信方式としては、USB(Universal Serial Bus)等が適用可能である。また、例えばホスト装置400から読取コマンドが入力されると、メインコントローラ101は、スキャナエンジンI/F109を介してこのコマンドをスキャナ部3に送信する。
操作パネル104は、ユーザが記録装置1に対して入出力を行うための機構である。操作パネル104は、例えば、ユーザの操作を受け付けるタッチパネルと、情報を表示するディスプレイとを備えたタッチパネルディスプレイで構成されている。操作パネル104は、操作ボタンをさらに備えていてもよい。ユーザは、操作パネル104を介してコピーやスキャン等の動作を指示したり、プリントモードを設定したり、記録装置1の情報を認識したりすることができる。
プリントエンジンユニット200において、CPUにより構成されるプリントコントローラ202は、ROM203に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM204をワークエリアとしながら、プリント部2が備える各種機構を制御する。コントローラI/F201を介して各種コマンドや画像データが受信されると、プリントコントローラ202は、これを一旦RAM204に保存する。記録ヘッド8が記録動作に利用できるように、プリントコントローラ202は画像処理コントローラ205に、保存した画像データを記録データへ変換させる。記録データが生成されると、プリントコントローラ202は、ヘッドI/F206を介して記録ヘッド8に記録データに基づく記録動作を実行させる。この際、プリントコントローラ202は、搬送制御部207を介して図1に示す給送ユニット6A、6B、搬送ローラ7、排出ローラ12、フラッパ11を駆動して、記録媒体Sを搬送する。プリントコントローラ202の指示に従って、記録媒体Sの搬送動作に連動して記録ヘッド8による記録動作が実行され、プリント処理が行われる。
ヘッドキャリッジ制御部208は、記録装置1のメンテナンス状態や記録状態といった動作状態に応じて記録ヘッド8の向きや位置を変更する。インク供給制御部209は、記録ヘッド8へ供給されるインクの圧力が適切な範囲に収まるように、インク供給ユニット15を制御する。メンテナンス制御部210は、記録ヘッド8に対するメンテナンス動作を行う際に、メンテナンスユニット16におけるキャップユニット10やワイピングユニット17の動作を制御する。
スキャナエンジンユニット300においては、メインコントローラ101が、ROM107に記憶されているプログラムや各種パラメータに従って、RAM106をワークエリアとしながら、スキャナコントローラ302のハードウェアリソースを制御する。これにより、スキャナ部3が備える各種機構は制御される。例えばコントローラI/F301を介してメインコントローラ101がスキャナコントローラ302内のハードウェアリソースを制御することにより、ユーザによってADFに搭載された原稿を、搬送制御部304を介して搬送し、センサ305によって読み取る。そして、スキャナコントローラ302は読み取った画像データをRAM303に保存する。なお、プリントコントローラ202は、前述のように取得された画像データを記録データに変換することで、記録ヘッド8に、スキャナコントローラ302で読み取った画像データに基づく記録動作を実行させることが可能である。
図3は、記録装置1が記録状態にあるときを示す。図1に示した待機状態と比較すると、キャップユニット10が記録ヘッド8の吐出口面8aから離間し、吐出口面8aがプラテン9と対向している。本実施形態において、プラテン9の平面は水平方向に対して約45度傾いており、記録位置における記録ヘッド8の吐出口面8aも、プラテン9との距離が一定に維持されるように水平方向に対して約45度傾いている。
記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図3に示す記録位置に移動する際、プリントコントローラ202は、メンテナンス制御部210を用いて、キャップユニット10を図3に示す退避位置まで降下させる。これにより、記録ヘッド8の吐出口面8aは、キャップ部材10aと離間する。その後、プリントコントローラ202は、ヘッドキャリッジ制御部208を用いて記録ヘッド8の鉛直方向の高さを調整しながら45度回転させ、吐出口面8aをプラテン9と対向させる。記録動作が完了し、記録ヘッド8が記録位置から待機位置に移動する際は、プリントコントローラ202によって上記と逆の工程が行われる。
図4は、記録装置1がメンテナンス状態のときの図である。記録ヘッド8を図1に示す待機位置から図4に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向において上方に移動させるとともにキャップユニット10を鉛直方向下方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から図4における右方向に移動させる。その後、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
一方、記録ヘッド8を図3に示す記録位置から図4に示すメンテナンス位置に移動する際、プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を45度回転させつつ鉛直方向上方に移動させる。そして、プリントコントローラ202は、ワイピングユニット17を退避位置から右方向に移動させる。その後プリントコントローラ202は、記録ヘッド8を鉛直方向下方に移動させて、メンテナンスユニット16によるメンテナンス動作が可能なメンテナンス位置に移動させる。
<インク供給ユニット(循環系)>
図5は、本実施形態のインクジェット記録装置1で採用するインク供給ユニット15を含む図である。図5を用いて本実施形態のインク循環系の流路構成を説明する。インク供給ユニット15は、インクタンクユニット14から供給されたインクを記録ヘッド8(ヘッドユニット)へ供給する。図5では、1色のインクについての構成を示しているが、実際にはこのような構成が、インク色ごとに用意されている。インク供給ユニット15は、基本的に図2で示したインク供給制御部209によって制御される。以下、インク供給ユニット15の各構成について説明する。
インクは、主に液体容器であるサブタンク151と記録ヘッド8との間を循環する。記録ヘッド8では、画像データに基づいてインクの吐出動作が行われ、吐出されなかったインクが再びサブタンク151に回収される。
所定量のインクを収容するサブタンク151は、記録ヘッド8へインクを供給するための供給流路C2と、記録ヘッド8からインクを回収するための回収流路C4とに接続されている。すなわち、サブタンク151、供給流路C2、記録ヘッド8、および回収流路C4によってインクが循環する循環流路(循環経路)が構成される。また、サブタンク151は、空気が流れる流路C0に接続されている。サブタンク151への流路C0には、サブタンク減圧弁V6が配されている。
サブタンク151には、複数の電極ピンで構成される液面検知手段151aが設けられている。インク供給制御部209は、これら複数のピン間の導通電流の有無を検知することによって、インク液面の高さ、即ちサブタンク151内のインク残量を把握することができる。減圧ポンプP0(タンク内減圧ポンプ)は、サブタンク151のタンク内部を減圧するための負圧発生源である。大気開放弁V0は、サブタンク151の内部を大気に連通させるか否かを切り替えるための弁である。
メインタンク141は、サブタンク151へ供給されるインクを収容するタンクである。メインタンク141は可撓性部材で構成され、可撓性部材の容積変化によってサブタンク151へインクが充填される。メインタンク141は、記録装置本体に対して着脱可能な構成である。サブタンク151とメインタンク141とを接続するタンク接続流路C1の途中には、サブタンク151とメインタンク141の接続を切り替えるためのタンク供給弁V1が配されている。
インク供給制御部209は、液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量より少なくなったことを検知すると、大気開放弁V0、供給弁V2、回収弁V4、およびヘッド交換弁V5を閉じる。またインク供給制御部209は、タンク供給弁V1を開く。この状態において、インク供給制御部209は減圧ポンプP0を作動させる。すると、サブタンク151の内部が負圧となりメインタンク141からサブタンク151へインクが供給される。液面検知手段151aによってサブタンク151内のインクが所定量を超えたことを検知すると、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1を閉じ減圧ポンプP0を停止する。
供給流路C2は、サブタンク151から記録ヘッド8へインクを供給するための流路であり、その途中には供給ポンプP1と供給弁V2とが配されている。記録動作中は、供給弁V2を開いた状態で供給ポンプP1を駆動することにより、記録ヘッド8へインクを供給しつつ循環経路においてインクを循環することができる。記録ヘッド8によって単位時間あたりに吐出されるインクの量は画像データに応じて変動する。供給ポンプP1の流量は、記録ヘッド8が単位時間あたりのインク消費量が最大となる吐出動作を行った場合にも対応できるように決定されている。
リリーフ流路C3は、供給弁V2の上流側であって、供給ポンプP1の上流側と下流側とを接続する流路である。リリーフ流路C3の途中には差圧弁であるリリーフ弁V3が配される。リリーフ弁は、駆動機構によって開閉されるのではなく、ばね付勢されており、所定の圧に達すると弁が開くように構成されている。例えば、供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量が、記録ヘッド8の単位時間あたりの吐出量と回収ポンプP2の単位時間あたりの流量(インクを引く量)との合計値よりも多い場合は、リリーフ弁V3は、自身に作用する圧力に応じて開放される。これにより、供給流路C2の一部とリリーフ流路C3とで構成される巡回流路が形成される。リリーフ流路C3の構成を設けることにより、記録ヘッド8に対するインク供給量が、記録ヘッド8でのインク消費量に応じて調整され、循環経路内の圧力を画像データによらず安定させることができる。
回収流路C4は、記録ヘッド8からサブタンク151へインクを回収するための流路であり、その途中には回収ポンプP2と回収弁V4とが配されている。回収ポンプP2は、循環経路内にインクを循環させる際、負圧発生源となって記録ヘッド8よりインクを吸引する。回収ポンプP2の駆動により、記録ヘッド8内のIN流路80bとOUT流路80cの間に適切な圧力差が生じ、IN流路80bとOUT流路80cの間でインクを循環させることができる。
回収弁V4は、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときの逆流を防止するための弁でもある。本実施形態の循環経路では、サブタンク151は記録ヘッド8よりも鉛直方向において上方に配置されている(図1参照)。このため、供給ポンプP1や回収ポンプP2を駆動していないとき、サブタンク151と記録ヘッド8との水頭差によって、サブタンク151から記録ヘッド8へインクが逆流してしまうおそれがある。このような逆流を防止するため、本実施形態では回収流路C4に回収弁V4を設けている。
また、回収流路C4には、回収弁V4よりも下流側に逆流防止弁V7が配されている。逆流防止弁V7は、一方向弁であり、流路の上流から下流に対するインクを通過させる一方で、下流から上流に向かうインク(逆流)を遮断する。前述したように、回収弁V4(駆動弁)は、逆流を防止するために、循環が停止した場合に、弁を閉じるようにインク供給制御部209によって駆動制御される。しかしながら、例えば循環中に電源がOFFになってしまう場合には、回収弁V4が閉じずに逆流が生じてしまうことが起こり得る。そこで、一方向弁である逆流防止弁V7を回収流路C4に配置することで、回収弁V4が閉じないような場合でも、記録ヘッド8へのインクの逆流を防止することができる。逆流防止弁V7は、例えば、ばねとシール部とを含む構成である。ばねによってシール部が付勢されており、逆流防止弁V7の上流側と下流側とで所定差圧が発生した場合にシール部が開いて流路が開くように構成されている。
なお、供給弁V2も、記録動作を行っていないとき、すなわち循環経路内にインクを循環させていないときに、サブタンク151から記録ヘッド8へのインクの供給を防止するための弁としても機能する。
ヘッド交換流路C5は、供給流路C2とサブタンク151の空気室(インクが収容されていない空間)とを接続する流路であり、その途中にはヘッド交換弁V5が配されている。ヘッド交換流路C5の一端は、供給流路C2における記録ヘッド8の上流に接続され、供給弁V2より下流側に接続される。ヘッド交換流路C5の他端は、サブタンク151の上方に接続してサブタンク151内部の空気室と連通する。ヘッド交換流路C5は、記録ヘッド8を交換する際や記録装置1を輸送する際など、使用中の記録ヘッド8からインクを引き抜くときに利用される。ヘッド交換弁V5は、記録ヘッド8にインクを充填するとき、および、記録ヘッド8からインクを回収するとき以外は閉じるように、インク供給制御部209によって制御される。
キャップユニット10は、流路C6と接続されている。流路C6には、減圧ポンプP3(キャップ内減圧ポンプ)が配されている。インク供給制御部209は、減圧ポンプP3を駆動してキャップユニット10内に負圧を発生させることができる。流路C6の減圧ポンプP3の下流側(キャップユニット10と反対側)には、メンテナンスカートリッジCAが配されている。メンテナンスカートリッジCAには、流路C6を通じて排出されたインクが保持される。
次に、記録ヘッド8内の流路構成について説明する。供給流路C2より記録ヘッド8に供給されたインクは、フィルタ83を通過した後、第1の負圧制御ユニット81と、第2の負圧制御ユニット82とに供給される。第1の負圧制御ユニット81は、弱い負圧(大気圧との圧力差が小さい負圧)に制御圧力が設定されている。第2の負圧制御ユニット82は、強い負圧(大気圧との圧力差が大きい負圧)に制御圧力が設定されている。これら第1の負圧制御ユニット81と第2の負圧制御ユニット82における圧力は、回収ポンプP2の駆動により適正な範囲で生成される。
インク吐出部80には、複数の吐出口が配列された記録素子基板80aが複数配置され、長尺の吐出口列が形成されている。第1の負圧制御ユニット81より供給されるインクを導くための共通供給流路80b(IN流路)と、第2の負圧制御ユニット82より供給されるインクを導くための共通回収流路80c(OUT流路)も、記録素子基板80aの配列方向に延在している。さらに個々の記録素子基板80aには、共通供給流路80bと接続する個別供給流路と、共通回収流路80cと接続する個別回収流路が形成されている。このため、個々の記録素子基板80aにおいては、相対的に負圧の弱い共通供給流路80bより流入し、相対的に負圧の強い共通回収流路80cへ流出するような、インクの流れが生成される。個別供給流路と個別回収流路との経路中に、各吐出口に連通し、インクが充填される圧力室が設けられており、記録を行っていない吐出口や圧力室においてもインクの流れが生じる。記録素子基板80aで吐出動作が行われると、共通供給流路80bから共通回収流路80cへ移動するインクの一部は吐出口から吐出されることによって消費されるが、吐出されなかったインクは共通回収流路80cを経て回収流路C4へ移動する。
図6(a)は記録素子基板80aの一部を拡大した平面模式図であり、図6(b)は、図6(a)の断面線VIb-VIbにおける断面模式図である。記録素子基板80aには、インクが充填される圧力室1005とインクを吐出する吐出口1006が設けられている。圧力室1005において、吐出口1006と対向する位置には記録素子1004が設けられている。また、記録素子基板80aには、共通供給流路80bと接続する個別供給流路1008と、共通回収流路80cと接続する個別回収流路1009とが吐出口1006毎に複数形成されている。
前述した構成により、記録素子基板80aでは、相対的に負圧の弱い(圧力の絶対値が高い)共通供給流路80bより流入し、相対的に負圧の強い(圧力の絶対値が低い)共通回収流路80cへ流出するインクの流れが生成される。より詳しくは、共通供給流路80b→個別供給流路1008→圧力室1005→個別回収流路1009→共通回収流路80cの順にインクが流れる。記録素子1004によってインクが吐出されると、共通供給流路80bから共通回収流路80cへ移動するインクの一部は吐出口1006から吐出されることによって記録ヘッド8の外部へ排出される。一方、吐出口1006から吐出されなかったインクは、共通回収流路80cを経て回収流路C4へ回収される。
以上の構成のもと、記録動作を行うとき、インク供給制御部209は、タンク供給弁V1とヘッド交換弁V5とを閉じ、大気開放弁V0、供給弁V2、および回収弁V4を開き、供給ポンプP1および回収ポンプP2を駆動する。これにより、サブタンク151→供給流路C2→記録ヘッド8→回収流路C4→サブタンク151の循環経路が確立する。供給ポンプP1からの単位時間あたりのインク供給量が記録ヘッド8の単位時間あたりの吐出量と回収ポンプP2における単位時間あたりの流量の合計値よりも多い場合は、供給流路C2からリリーフ流路C3にインクが流れ込む。これにより、供給流路C2から記録ヘッド8に流入するインクの流量が調整される。
記録動作を行っていないとき、インク供給制御部209は、供給ポンプP1および回収ポンプP2を停止し、大気開放弁V0、供給弁V2、および回収弁V4を閉じる。これにより、記録ヘッド8内のインクの流れは止まり、サブタンク151と記録ヘッド8の水頭差による逆流も抑制される。また、大気開放弁V0を閉じることで、サブタンク151からのインク漏れやインクの蒸発が抑制される。
<インクの撹拌と脱気>
液体容器であるサブタンク151に充填されたインクに対して、撹拌および脱気を行う動作について説明する。サブタンク151に充填されたインクは時間経過とともに沈降する。サブタンク151へメインタンク141からインク供給後に所定時間経過するとサブタンク151内のインクは、底部の濃度が高く液面側の濃度が低くなる。この状態で、サブタンク151から記録ヘッド8へインクを供給すると、供給流路C2はサブタンク151の底部の側に繋がっているため、濃度の高いインクが記録ヘッド8に供給される。したがって、記録媒体の画像の色は、記録のはじめに濃く、サブタンク内のインクを消費していくにつれて薄くなる。これを解消するために、サブタンク151内のインクを撹拌機構により攪拌する。この結果、サブタンク151内のインクの濃度が記録媒体の画像の色に影響しないようにすることができる。
また、サブタンク151に供給されたインクには時間経過に応じてインクの飽和溶存酸素量の分だけ酸素が溶解する。所定量の酸素が溶解したインクは流路内において気泡が発生する。気泡によって流路が塞がれるとインクが流れにくくなる。この結果、記録ヘッド8の吐出口1006からインクが吐出できなくなる。そのため、サブタンク151内のインクから溶存酸素を除去する脱気動作を行う必要がある。本実施形態では、撹拌と脱気を同時に行う動作を説明する。
まず、撹拌機構と撹拌動作について説明する。図7、図8、図9は撹拌機構の1色分(500)を示している。図8は撹拌機構500を上部から見た図であり、サブタンク151の内部を示すために図8の切断線D1から見た断面図の斜視図を図9に示す。撹拌機構500は、サブタンク151と、サブタンク151の底部の下に隙間を開けて配置されたスターラー501と、サブタンク151の底部の上に配置した撹拌子502、スターラー501を回転させる撹拌駆動機構503で構成される。撹拌子502は図9に示すようにサブタンク151の底部に載置されている。したがって、サブタンク151から軸支するなどの位置決め構成はない。図10は図8の切断線D2から見た断面図を示している。撹拌子151は円柱状の棒状体の内部に撹拌子磁石502Aを有している。プラスチック樹脂が撹拌子磁石502Aを覆って外形を形成する。なお、棒状体は円柱状でなく多角形の角柱であっても良いし、断面積が長手方向の端部から中心にかけて広くなるような柱体であっても良い。
スターラー501は、2つのスターラー磁石(504A、504B)を保持する回転体であるプーリー505を有している。プーリー505は回転軸であるプーリー軸506に軸支され、プーリー軸506を中心に回転する。プーリー505は撹拌ベルト507で連結され、撹拌ベルト507は撹拌ギア508に連結される。さらに撹拌ギア508は、撹拌モータ509に連結される。つまり、撹拌モータ509を作動させるとプーリー505は回転し、プーリー505に取り付けられたスターラー磁石504が回転軸で回転する構成である。スターラー磁石504Bは、サブタンク151の底部を向く上側(サブタンク151側)がN極、スターラー磁石504Aは上側がS極となっている。撹拌子磁石502Aは棒状体の長手方向の端部の一方がN極で他方がS極になっている。したがって、プーリー505が停止状態において、撹拌子502のS極側は、スターラー磁石504のN極側に引きつけられ、撹拌子502のN極側は、スターラー磁石504がS極側に引きつけられて姿勢が安定する。この状態から、撹拌モータ509を作動させて回転体であるプーリー505が回転すると、撹拌子502もスターラー磁石504に連れて回転することになる。回転した撹拌子502によって、サブタンク151内のインクを回転させる流れが発生する。このようにしてサブタンク151の底部に沈降した濃度の高いインクと液面側の濃度の低いインクとが混ざるインクの撹拌が行われる。
次に、脱気動作について説明する。脱気動作は前述の撹拌動作に加えてサブタンク151内を減圧することで行う。インク供給ユニット15の脱気動作について図16のフローチャートを用いて説明する。まず大気開放弁V0とタンク供給弁V1と供給弁V2と回収弁V4を閉じサブタンク減圧弁V6を開ける。次に減圧ポンプP0を作動させるとサブタンク151内が負圧になる。サブタンク151内が所定負圧になるまで待機し、その後減圧ポンプP0を停止させる。サブタンク151内の気体が負圧になれば、インクに溶解している酸素量が減少しインクは脱気される。更に脱気効率を上げるために、サブタンク151内が負圧になった状態で前述した撹拌動作を実行する。撹拌モータ509を作動させて所定時間待機した後、撹拌モータ509停止させる。所定時間とはインクの撹拌および脱気に必要な時間のことである。この動作で脱気が行われる原理は、撹拌モータ509を作動させ撹拌子502を回転させると、キャビテーションによってインク中に気泡が発生する。キャビテーションで発生した気泡は撹拌動作停止後インク内に滞留してしまうと再度インクに溶解してしまう。一方、インクに溶解する前に気泡が液面E(図10)まで上昇し消泡するとインクと分離されサブタンク151内のインクは脱気される。脱気動作が完了したら、大気開放弁V0を開けてサブタンク151内の負圧が開放されるまで所定時間待機する。負圧が開放されたら大気開放弁V0とサブタンク減圧弁V6を閉じて動作は終了する。脱気動作を実施するタイミングは本体に設定した時刻で動作し通常は1日1回である。操作者が操作パネル104のボタンから脱気動作を行う時刻を設定する。
ここで、撹拌子502の具体的な形状について説明する。撹拌子502はプラスチック樹脂の内部に撹拌子磁石502Aを有する。撹拌子磁石502Aの長手方向における両端部の位置は、スターラー磁石504の中心に位置する長さになっている(図10)。すなわち羽根502B1の側の端部はN極で、S極であるスターラー磁石504の中心の位置にある。羽根502B2の側の端部はS極で、N極であるスターラー磁石504の中心の位置にある。なお、両端部の位置とは、両端部において磁力の強い位置であってもよい。仮に撹拌子磁石502Aの端部がスターラー磁石504の中心504aからずれた位置になっていると、撹拌子磁石502Aの端部の片側が、スターラー磁石504の磁力が強い箇所(ここではスターラー磁石504の中心504a)に引き寄せられる。その結果、撹拌子502の中心がプーリー505の中心位置からずれた状態になる。そうすると、撹拌子502は、回転する際に長手方向の中心の回転軸502Dで回ることができなくなる。撹拌子502は、スターラー磁石504に追従して回転し難くなり脱調する。つまり、撹拌子磁石502Aの端部をスターラー磁石504の中心504aに位置させることで、撹拌中に撹拌子502の脱調を抑制することが可能となる。この結果、スターラー501の回転速度を速くすることが可能となり、液体の撹拌および脱気の動作時間を短縮する効果がある。なお、撹拌子磁石502Aは、一体でなく長手方向の両端部に磁力が発生するように分離して配置されていても良い。
撹拌子502の両端部は長手方向に延在する平面を有する板状の羽根502Bである。なお、曲面を有する板状の羽根であっても良い。図11は図7の切断線D3から見たサブタンク151の内部を示した図であり、撹拌動作時に撹拌子502が回転する方向は、矢印で図示したプーリーの回転軸の周方向であるR方向に回転する。また、図12は図11の矢印E方向から見た撹拌子502の端部側面である。羽根502Bは、棒状体の長手方向と直交する平面において棒状体の断面の内側にある。内側にあることで撹拌子502の回転を妨げない。撹拌子502の端部の羽根502Bの回転方向は図12で示す右側のR方向で、撹拌子502は棒状体の長手方向の中心を支点として回転する。羽根502Bは長手方向と直交する平面における鉛直方向を基準として反時計周りに角度θ傾斜している(図12)。すなわち羽根502B1は、図13のように底部に近い辺502B1bが回転方向の先端側で、底部から遠い辺502B1aが回転方向の後端側となる。同様に、羽根502B2は、底部に近い辺502B2bが回転方向の先端側で、底部から遠い辺502B2aが回転方向の後端側となる。また、端部の羽根502B2とその反対側の端部の羽根502B1は図12における鉛直方向の軸を対称軸として線対称となる。このように対称軸を有することによって撹拌子502は安定的に回転をすることができる。なお、羽根502B1と羽根502B2は、長手方向の軸に対して点対称であっても良い。
撹拌子502がR方向に回転するとサブタンク151内のインクは、撹拌子151から力を受け撹拌される。その時に羽根502Bが角度θ傾斜し、先端側502B2bから回転することにより、図12に示すU方向に向けてインクを撹拌することが可能となる。すなわち、サブタンク151の底部から液面側にインクを送る流れを発生することができる。このためインクの撹拌効率が上がると共に、羽根502Bで発生させた気泡を液面E上に送り消泡することができる。その結果、脱気効率を向上させることが可能となる。
羽根502Bの角度θを0度、30度、45度、60度と比べた時に、脱気効率が最も良い角度は図12に示す45度である。脱気効率は、キャビテーションによる気泡の発生量、その気泡を液面E上へ送るインクの流れによって決まる。気泡の発生量は、0度>30度>45度>60度の順番で多くなる。その理由は、羽根502Bの回転方向に対する断面積が広いほどキャビテーションが発生しやすいためである。つまり、角度θが大きくなると羽根502Bの断面積が狭くなりキャビテーションが発生しにくくなる。図14は、シミュレーションによる撹拌子502の1回転あたりのキャビテーションによる気泡発生量を示したデータである。一方で、気泡の液面E上への送りやすさは、角度θが大きくなるほうが図12に示すUの向きが垂直方向に近くなるため、60度>45度>30度>0度の順番である。撹拌子502の1回転あたりの液面E上に送られる気泡量のシミュレーションを図15に示す。液面E上に送られる気泡は、45度>0度≒30度>60度の順番で多くなる。したがって、この中で最も脱気効率が良くなる角度は45度ということになる。なお、45度は数度の製造誤差が許容される。また、撹拌子502の回転速度やサブタンク151や撹拌子502のサイズやインクの液面Eの高さなどにより、それぞれ最適な角度は変わる。
撹拌子502はサブタンク151に対して位置決めは無く内部に載置されているだけである。撹拌子502が円柱の場合、周方向に回転して羽根502Bの角度が安定しない。一方、角柱であるとすると各平面を底面として姿勢が安定してしまうため羽根502Bの角度が所定角度にならない場合がある。そのため撹拌子502は、長手方向の中心に周方向の回転を規制する回転規制部502Cを有している。回転規制部502Cは、長手方向と直交する平面の水平方向の長辺C1(約13mm)と垂直方向の短辺C2(約8mm)を持つ形状で、長辺の外周面C1aは曲面である(図13)。C1aは曲率がなるべく大きいほうが望ましい。その理由は、撹拌子磁石502Aの中心と外側を覆うプラスチック樹脂との中心とがずれて成形されている場合に、重心が中心からずれている分だけ撹拌子502が周方向に回転して姿勢が安定するためである。撹拌子502が周方向に回転する量を少なくすることで、角度θを所定角度に近い値に保つことができる。一方曲率を大きくすると長辺C1が長くなり撹拌子502が大きくなる。これらの長さは、サブタンク151の大きさなどを鑑みて適切に設定する必要がある。また長辺C1の先端部であるC2aも曲面にして、C2aが底面となることを回避している。このように撹拌子502の中心に回転規制部502Cを設けることで、撹拌子502がサブタンク151に対して位置決めが無くても、羽根502Bの角度θを概ね所定角度に保つことが可能となる。なお、本実施形態において、撹拌子磁石502Aの長さは約20mm、スターラー磁石504は鉛直方向に対して高さは約3mm、断面約10mm×約10mm、サブタンク151の内径は約φ50mmである。
ここで、撹拌動作速度や撹拌および脱気動作時間について説明する。従来構成ではスターラー501の回転速度は約800rpmでありそれ以上の回転速度にすると撹拌子502が脱調する可能性がある。それに対し、本実施形態の撹拌子磁石502Aの端部をスターラー磁石504の中心504aに位置させる構成の場合、撹拌回転速度は約1000rpmで動作可能である。また、撹拌および脱気動作の所要時間であるが、従来構成では図16で説明したフローチャートを開始から完了まで約320秒である。撹拌子502に羽根502Bと回転規制部502Cとを設けることで、動作時間を約220秒に短縮可能である。更に前述したスターラー501の回転速度を約1000rpmにすると約150秒まで短縮できる。
以上のように、棒状体の長手方向の両端部に羽根を設ける撹拌子502によって、簡単な構成で液体の撹拌効率を向上させることができる。また、本実施形態の撹拌子502をサブタンク151に入れる撹拌装置および記録装置では、インクの撹拌効率および脱気効率を向上させることができる。
151 サブタンク
500 撹拌機構
501 スターラー
502 撹拌子
502B 羽根
504 スターラー磁石
505 プーリー

Claims (13)

  1. 棒状体の長手方向における第1端部および前記第1端部と反対の第2端部においてそれぞれ磁力を有し、液体を攪拌するための撹拌子であって、
    前記棒状体の前記第1端部および前記第2端部はそれぞれ前記長手方向に延在する第1羽根および第2羽根を有することを特徴とする撹拌子。
  2. 前記第1羽根と前記第2羽根は、前記長手方向と直交する平面において対称軸を有することを特徴とする請求項1に記載の撹拌子。
  3. 前記第1羽根および前記第2羽根は、それぞれ平面または曲面を有する板状であることを特徴とする請求項1または2に記載の撹拌子。
  4. 前記第1羽根および第2羽根は、前記長手方向と直交する平面において前記棒状体の断面の内側にあることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載の撹拌子。
  5. 前記棒状体は円柱状であり、
    前記棒状体は前記長手方向の周方向に対する回転を規制する規制部を備えることを特徴とする請求項1ないし4の何れか1項に記載の撹拌子。
  6. 前記規制部の前記長手方向と直交する平面における第1方向の長さは、前記平面における前記第1方向と直交する第2方向の長さより長いことを特徴とする請求項5に記載の撹拌子。
  7. 請求項1ないし6の何れか1項に記載の撹拌子と、
    前記撹拌子が載置され、液体を収容する液体容器と、
    前記液体容器の底部において下方から対向して回転軸で回転し、複数の位置に磁石を有する回転体と、を備える撹拌装置。
  8. 前記第1羽根および前記第2羽根は、前記撹拌子の前記回転軸の周方向に対して回転する際の先端側が後端側より前記液体容器の前記底部に近いことを特徴とする請求項7に記載の撹拌装置。
  9. 前記第1羽根および第2羽根と前記回転軸の成す小さい方の角度は45度であることを特徴とする請求項8に記載の撹拌装置。
  10. 前記複数の磁石は、N極が前記底部を向く第1磁石とS極が前記底部を向く第2磁石とであり、前記第1磁石の中心に前記第1端部が位置し前記第2磁石の中心に前記第2端部が位置することを特徴とする請求項7ないし9の何れか1項に記載の撹拌装置。
  11. 請求項7ないし10の何れか1項に記載の撹拌装置と、
    記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドと前記液体容器とを接続する流路とを備え、液体は前記記録ヘッドに供給するインクであることを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 前記液体容器は液体の脱気を行うための減圧するポンプを備えることを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記液体容器の減圧をした後に、前記回転体を回転させることを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録装置。
JP2020181044A 2020-10-29 2020-10-29 撹拌子、撹拌装置および記録装置 Pending JP2022071914A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020181044A JP2022071914A (ja) 2020-10-29 2020-10-29 撹拌子、撹拌装置および記録装置
US17/508,827 US11964492B2 (en) 2020-10-29 2021-10-22 Stirring element, stirring device, and recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020181044A JP2022071914A (ja) 2020-10-29 2020-10-29 撹拌子、撹拌装置および記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022071914A true JP2022071914A (ja) 2022-05-17

Family

ID=81380605

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020181044A Pending JP2022071914A (ja) 2020-10-29 2020-10-29 撹拌子、撹拌装置および記録装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US11964492B2 (ja)
JP (1) JP2022071914A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7434508B1 (ja) 2022-11-30 2024-02-20 櫻護謨株式会社 攪拌装置および攪拌システム

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2024064716A (ja) * 2022-10-28 2024-05-14 株式会社リコー 液体吐出装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003311139A (ja) * 2002-04-23 2003-11-05 As One Corp 攪拌手段浮上式の攪拌装置
JP2007136443A (ja) 2005-10-18 2007-06-07 As One Corp 撹拌子および撹拌装置
JP6715684B2 (ja) * 2016-06-03 2020-07-01 株式会社日立産機システム インクジェット記録装置
US9931851B1 (en) * 2016-09-28 2018-04-03 Funai Electric Co., Ltd. Fluidic dispensing device and stir bar feedback method and use thereof

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7434508B1 (ja) 2022-11-30 2024-02-20 櫻護謨株式会社 攪拌装置および攪拌システム

Also Published As

Publication number Publication date
US11964492B2 (en) 2024-04-23
US20220134764A1 (en) 2022-05-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102280499B1 (ko) 잉크젯 기록 장치
CN109203711B (zh) 喷墨打印设备和喷墨打印设备的控制方法
JP7057189B2 (ja) 記録装置
JP7027053B2 (ja) インクジェット記録装置
JP7059041B2 (ja) インクジェット記録装置
US11642889B2 (en) Inkjet printing apparatus and recovery method
US11964492B2 (en) Stirring element, stirring device, and recording apparatus
CN111002719B (zh) 打印装置和打印装置的控制方法
JP7057190B2 (ja) 液体吐出装置
US11571908B2 (en) Printing apparatus, control method and storage medium
JP6552664B1 (ja) インクジェット記録装置
JP2020026073A (ja) 記録装置
JP7154797B2 (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法
JP2020059141A (ja) 液体供給装置、液体吐出装置、及び液体供給方法
JP7242615B2 (ja) 記録装置
JP2019142205A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法
JP7179474B2 (ja) 記録装置
JP2023053103A (ja) インクジェット記録装置およびインクジェット記録装置の制御方法
JP2019171837A (ja) 記録装置
JP2005219235A (ja) インクジェット式記録装置及び液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20231013

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20231213