JP2022070882A - 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Download PDF

Info

Publication number
JP2022070882A
JP2022070882A JP2022014718A JP2022014718A JP2022070882A JP 2022070882 A JP2022070882 A JP 2022070882A JP 2022014718 A JP2022014718 A JP 2022014718A JP 2022014718 A JP2022014718 A JP 2022014718A JP 2022070882 A JP2022070882 A JP 2022070882A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
search
navigation device
area
reachable
identification information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022014718A
Other languages
English (en)
Inventor
英士 松永
Eiji Matsunaga
光男 安士
Mitsuo Yasushi
進 大沢
Susumu Osawa
達也 福田
Tatsuya Fukuda
智博 廣瀬
Tomohiro Hirose
要一 伊藤
Yoichi Ito
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pioneer Electronic Corp filed Critical Pioneer Electronic Corp
Priority to JP2022014718A priority Critical patent/JP2022070882A/ja
Publication of JP2022070882A publication Critical patent/JP2022070882A/ja
Priority to JP2023116288A priority patent/JP2023143919A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T90/00Enabling technologies or technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02T90/10Technologies relating to charging of electric vehicles
    • Y02T90/16Information or communication technologies improving the operation of electric vehicles

Landscapes

  • Navigation (AREA)
  • Instructional Devices (AREA)
  • Traffic Control Systems (AREA)

Abstract

【課題】画像の膨張収縮処理を実行しなくても、移動体の到達可能範囲を、欠損点を発生することなく表現できること。【解決手段】地図情報100として、(A)は、探索後の状態を示している。(A)では、矢印の始端が探索元地点に対応し、矢印の終端が探索先地点に対応する。探索元地点が存在するメッシュが探索元領域であり、探索先領域が存在するメッシュが探索先領域である。(B)は、(A)の次状態を示している。(B)では、探索元領域と探索先領域との間のメッシュであって、探索されたリンクが存在するメッシュが塗りつぶされている。(C)は、(B)の次状態を示している。(C)では、(A)および(B)で塗りつぶされた各メッシュの上下4メッシュが塗りつぶされている。(C)における塗りつぶされた領域群が、移動体の到達可能範囲となる。【選択図】図1

Description

この発明は、移動体の残存エネルギー量に基づいて移動体の到達可能範囲を生成する画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。ただし、この発明の利用は、画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに限らない。
従来、移動体の現在地点に基づいて、移動体の到達可能範囲を生成する処理装置が知られている(例えば、下記特許文献1参照。)。下記特許文献1では、移動体の現在地点を中心に地図上の全方位を放射状に分割し、分割領域ごとに移動体の現在地点から最も遠い到達可能な交差点を地図情報のノードとして取得する。そして、取得した複数のノードを結んで得られるベジュ曲線を移動体の到達可能範囲として表示している。
また、移動体のバッテリー残容量および電力消費量に基づいて、各道路における移動体の現在地点からの到達可能範囲を生成する処理装置が知られている(例えば、下記特許文献2参照。)。下記特許文献2では、移動体の現在地点に接続する複数の道路において移動体の電力消費量を算出し、移動体のバッテリー残容量および電力消費量に基づいて各道路における移動体の走行可能距離を算出する。そして、移動体の現在地点と、当該現在地点から走行可能距離だけ離れた移動体の複数の到達可能地点とを地図情報のノードとして取得し、複数のノードを結んで得られる線分の集合体を移動体の到達可能範囲として表示している。
特開平11-016094号公報 特開平07-085397号公報
しかしながら、上述した特許文献1の技術では、移動体の現在地点を中心に各方位における移動体から最も遠い到達地点のみを取得しているので、移動体の到達可能範囲の輪郭しか得られない。このため、移動体の現在地点と移動体から最も遠い到達地点との間に、海や湖など移動体が走行することのできない領域が含まれていたとしても、この移動体が走行することのできない領域を除外して移動体の到達可能範囲を取得することができないという問題点が一例として挙げられる。
また、上述した特許文献2の技術では、移動体の到達可能範囲として道路のみを取得しているので、道路以外の範囲を移動体の到達可能範囲に含めることができない。また、移動体の到達可能範囲が移動体の走行可能な道路に沿った線分の集合体で表示されるので、到達可能範囲の輪郭を取得することができない。このため、移動体の到達可能範囲を見やすく、かつ漏れなく表示することが困難であるという問題点が一例として挙げられる。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1の発明にかかる画像処理装置は、移動体が保有するエネルギー量に関する情報、および前記移動体が走行する際に消費するエネルギーである推定エネルギー消費量に基づいて、到達可能な地点を探索する探索手段と、前記探索手段の探索処理における探索元地点を含む探索元領域と当該探索元地点からの探索先地点を含む探索先領域に対し、膨張収縮処理を実行して得られる第1領域と、前記探索元領域、前記探索先領域、並びに前記探索元領域および前記探索先領域を結ぶリンクに重複する重複領域に基づき得られる第2領域との合成領域を到達可能範囲として表示手段に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明にかかる画像処理方法は、画像処理装置が実行する画像処理方法において、移動体が保有するエネルギー量に関する情報、および前記移動体が走行する際に消費するエネルギーである推定エネルギー消費量に基づいて、到達可能な地点を探索手段により探索する探索工程と、前記探索工程の処理における探索元地点を含む探索元領域と当該探索元地点からの探索先地点を含む探索先領域に対し、膨張収縮処理を実行して得られる第1領域と、前記探索元領域、前記探索先領域、並びに前記探索元領域および前記探索先領域を結ぶリンクに重複する重複領域に基づき得られる第2領域との合成領域を到達可能範囲として表示手段に表示させる表示制御手段が行う表示制御工程と、を含むことを特徴とする。
また、請求項3の発明にかかる画像処理プログラムは、請求項2に記載の画像処理方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
図1は、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法による画像処理例を示す説明図である。 図2は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。 図3は、画像処理装置の機能的構成例を示すブロック図である。 図4は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その1)である。 図5は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その2)である。 図6は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その3)である。 図7は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図(その4)である。 図8は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について示す説明図である。 図9は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の別の一例について示す説明図である。 図10は、ナビゲーション装置200による到達可能地点を経度-緯度で示す一例の説明図である。 図11は、ナビゲーション装置200による到達可能地点をメッシュで示す一例の説明図である。 図12は、付与部305による識別情報の付与例1を示す説明図である。 図13は、付与部305による識別情報の付与例2を示す説明図である。 図14は、検出部307による方向検出例を示す説明図である。 図15は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出の一例を模式的に示す説明図である。 図16は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出後のメッシュの一例を模式的に示す説明図である。 図17は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出の別の一例について模式的に示す説明図である。 図18は、ナビゲーション装置による画像処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図19は、図18に示した推定エネルギー消費量算出処理(ステップS1802)の詳細な処理手順例を示すフローチャートである。 図20は、ナビゲーション装置による到達可能地点探索処理の手順を示すフローチャート(その1)である。 図21は、ナビゲーション装置による到達可能地点探索処理の手順を示すフローチャート(その2)である。 図22は、図20に示したリンク候補判断処理(ステップS2007)の手順の一例を示すフローチャートである。 図23は、図18に示したメッシュ生成処理(ステップS1804)の手順の一例を示すフローチャートである。 図24は、図18に示した連結処理(ステップS1805)の手順の一例を示すフローチャートである。 図25は、図18に示した識別情報変更処理(ステップS1806)の手順の一例を示すフローチャートである。 図26は、図18に示した表示処理(ステップS1807)の手順の一例を示すフローチャート(その1)である。 図27は、図18に示した表示処理(ステップS1807)の手順の一例を示すフローチャート(その2)である。 図28は、図18に示した連結処理(ステップS1805)の手順の他の例を示すフローチャートである。 図29は、勾配がある道路を走行する車両にかかる加速度の一例を模式的に示した説明図である。 図30は、実施の形態2にかかる画像処理装置300および画像処理方法による画像処理例を示す説明図である。 図31は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を示す説明図である。 図32は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を模式的に示す説明図である。 図33は、ナビゲーション装置によるオープニング処理の一例を示す説明図である。 図34は、ナビゲーション装置による画像処理の手順の一例を示すフローチャートである。 図35は、連結判定例を示す説明図である。 図36は、実施の形態3にかかる画像処理装置の機能的構成の一例を示すブロック図である。 図37は、実施の形態3にかかる画像処理システムの機能的構成の他の例を示すブロック図である。 図38は、実施の形態4のシステム構成の一例を示す説明図である。
本実施の形態の画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムは、移動体が到達可能な領域にまで領域拡大する膨張処理と、膨張処理により拡大された領域から移動体が到達不可能な領域を除外する収縮処理(以下、あわせて膨張収縮処理)とによる弊害を低減する画像処理を実行する。
具体的には、例えば、地点を示すノード群と地点間の経路を示すリンク群を含む地図情報において、到達可能ノードが疎な領域で膨張収縮処理を行うとノードが消失してしまうことがある。特に地方や山間部などでは到達可能なノードが消失してしまうことになるため、膨張収縮処理を実行する画像処理装置は、実際の到達可能範囲よりも狭い領域を抽出することになる。また、ノードの密度が高い都市部であっても、メッシュのサイズによってはノード間の距離が離れてしまうために、ノード間が到達可能な領域として連結されない場合がある。また、本来一つの領域であるはずの到達可能範囲が複数に分かれてしまうこともある。
このため、本実施の形態では、ノードの密度に関わらず、到達可能範囲を抽出することが可能であり、複数に分割されてしまう到達可能範囲を一つの領域にまとめることができる画像処理装置および画像処理方法を提供する。本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法は、メッシュのサイズに依らず適用することができる。また、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法は、到達可能な道路に沿って図形が描画されるため、精度の向上を図ることができる。
さらに、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法は、道路形状に沿った到達可能領域の抽出作業を背景技術の項で示した方法とは独立して適用することができるため、道路形状に沿った到達可能範囲の抽出方法を自由に選択することもできる。例えば、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法では、道路形状に沿って描画する線の太さを変えたり、線を描画した後で膨張収縮を行うことが可能である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
<画像処理例>
図1は、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法による画像処理例を示す説明図である。図1では、複数の領域に分割されたメッシュである地図情報100が示される。また、図1では、移動体の現在地点を出発点Sとして、移動体の到達可能地点を示している。図1中、矢印の始端および終端は、地図情報100におけるノード群のうち探索されたノードに対応する。また、矢印は、地図情報100におけるリンク群のうち探索されたノード間を結ぶリンクに対応する。画像処理装置は、移動体の残存エネルギー量に基づいて、出発点から移動体の到達可能地点を探索し、探索された到達可能地点を始点としてさらに到達可能地点を探索する。
ここで、探索の始点を「探索元地点」と称し、探索された到達可能地点を「探索先地点」と称す。探索元地点が移動体の現在地点であれば、あるリンク上の位置を示し、探索元地点が直前の探索先地点であれば、その直前の探索先地点に対応するノードを示す。このような探索を繰り返すことにより、移動体の現在地点から再遠の到達可能地点を探索することができる。なお、探索の詳細については後述する。
(A)は、上述した探索後の状態を示している。(A)では、探索元地点(矢印の始端に対応)が存在する領域と探索先地点(矢印の終端に対応)が存在する領域が便宜上塗りつぶされているが、実際にはまだプロットされていないものとする。また、探索元地点が存在する領域を探索元領域、探索先地点が存在する領域を探索先領域と称す。
(B)は、(A)の次状態を示している。(B)では、探索元領域と探索先領域との間のメッシュであって、探索されたリンクが存在するメッシュが塗りつぶされている。探索元領域と探索先領域との間の領域(探索元領域と探索先領域を除く)であって、探索されたリンクが存在する領域を、重複領域と称す。(B)では、重複領域が到達可能な領域として塗りつぶされる。
(C)は、(B)の次状態を示している。(C)では、(A)および(B)で塗りつぶされた各領域の上下4領域が塗りつぶされている。(C)における塗りつぶされた領域群が、移動体の到達可能範囲となる。(A)~(C)の処理により、上述した膨張収縮処理を実行しなくても、移動体の到達可能範囲を、欠損点を発生することなく表現することができる。
<ハードウェア構成>
つぎに、上述した図1の(A)~(C)を実行する装置のハードウェア構成について説明する。画像処理装置は、例えば、車両などの移動体に搭載されるナビゲーション装置200に適用される。以下、画像処理装置の機能を有するナビゲーション装置のハードウェア構成例について説明する。
図2は、ナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図2において、ナビゲーション装置200は、CPU201、ROM202、RAM203、磁気ディスクドライブ204、磁気ディスク205、光ディスクドライブ206、光ディスク207、音声I/F(インターフェース)208、マイク209、スピーカ210、入力デバイス211、映像I/F212、ディスプレイ213、カメラ214、通信I/F215、GPSユニット216、各種センサ217を備えている。各構成部201~217は、バス220によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、ナビゲーション装置200の全体の制御を司る。ROM202は、ブートプログラム、推定エネルギー消費量算出プログラム、到達可能地点探索プログラム、識別情報付与プログラム、地図データ表示プログラムなどのプログラムを記録している。RAM203は、CPU201のワークエリアとして使用される。すなわち、CPU201は、RAM203をワークエリアとして使用しながら、ROM202に記録された各種プログラムを実行することによって、ナビゲーション装置200の全体の制御を司る。
推定エネルギー消費量算出プログラムでは、車両の推定エネルギー消費量を算出する消費エネルギー推定式に基づいて、一のノードと隣り合うノードとを結ぶリンクにおける推定エネルギー消費量を算出する。到達可能地点探索プログラムでは、推定プログラムにおいて算出された推定エネルギー消費量に基づいて、車両の現在地点での残存エネルギー量で到達可能な複数の地点(ノード)が探索される。識別情報付与プログラムでは、探索プログラムにおいて探索された複数の到達可能地点に基づいて、地図情報100を分割した複数の領域に、車両が到達可能または到達不可能であることを識別する識別情報が付与される。地図データ表示プログラムでは、識別情報付与プログラムによって識別情報が付与された複数の領域に基づいて、車両の到達可能範囲をディスプレイ213に表示させる。
磁気ディスクドライブ204は、CPU201の制御にしたがって磁気ディスク205に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。磁気ディスク205は、磁気ディスクドライブ204の制御で書き込まれたデータを記録する。磁気ディスク205としては、例えば、HD(ハードディスク)やFD(フレキシブルディスク)を用いることができる。
また、光ディスクドライブ206は、CPU201の制御にしたがって光ディスク207に対するデータの読み取り/書き込みを制御する。光ディスク207は、光ディスクドライブ206の制御にしたがってデータが読み出される着脱自在な記録媒体である。光ディスク207は、書き込み可能な記録媒体を利用することもできる。着脱可能な記録媒体として、光ディスク207のほか、MO、メモリカードなどを用いることができる。
磁気ディスク205および光ディスク207に記録される情報の一例としては、地図データ、車両情報、道路情報、走行履歴などが挙げられる。地図データは、カーナビゲーションシステムにおいて車両の到達可能地点を探索するときや、車両の到達可能範囲を表示するときに用いられ、建物、河川、地表面などの地物(フィーチャ)をあらわす背景データ、道路の形状をリンクやノードなどであらわす道路形状データなどを含むベクタデータである。
音声I/F208は、音声入力用のマイク209および音声出力用のスピーカ210に接続される。マイク209に受音された音声は、音声I/F208内でA/D変換される。マイク209は、例えば、車両のダッシュボード部などに設置され、その数は単数でも複数でもよい。スピーカ210からは、所定の音声信号を音声I/F208内でD/A変換した音声が出力される。
入力デバイス211は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたリモコン、キーボード、タッチパネルなどが挙げられる。入力デバイス211は、リモコン、キーボード、タッチパネルのうちいずれか1つの形態によって実現されてもよいが、複数の形態によって実現することも可能である。
映像I/F212は、ディスプレイ213に接続される。映像I/F212は、具体的には、例えば、ディスプレイ213全体を制御するグラフィックコントローラと、即時表示可能な画像情報を一時的に記録するVRAM(Video RAM)などのバッファメモリと、グラフィックコントローラから出力される画像データに基づいてディスプレイ213を制御する制御ICなどによって構成される。
ディスプレイ213には、アイコン、カーソル、メニュー、ウインドウ、あるいは文字や画像などの各種データが表示される。ディスプレイ213としては、例えば、TFT液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどを用いることができる。
カメラ214は、車両内部あるいは外部の映像を撮影する。映像は静止画あるいは動画のどちらでもよく、例えば、カメラ214によって車両外部を撮影し、撮影した画像をCPU201において画像解析したり、映像I/F212を介して磁気ディスク205や光ディスク207などの記録媒体に出力したりする。
通信I/F215は、無線を介してネットワークに接続され、ナビゲーション装置200およびCPU201のインターフェースとして機能する。ネットワークとして機能する通信網には、CANやLIN(Local Interconnect Network)などの車内通信網や、公衆回線網や携帯電話網、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、LAN、WANなどがある。通信I/F215は、例えば、公衆回線用接続モジュールやETC(ノンストップ自動料金支払いシステム)ユニット、FMチューナー、VICS(Vehicle Information and Communication System:登録商標)/ビーコンレシーバなどである。
GPSユニット216は、GPS衛星からの電波を受信し、車両の現在位置を示す情報を出力する。GPSユニット216の出力情報は、後述する各種センサ217の出力値とともに、CPU201による車両の現在位置の算出に際して利用される。現在位置を示す情報は、例えば、緯度・経度、高度などの、地図データ上の1点を特定する情報である。
各種センサ217は、車速センサ、加速度センサ、角速度センサ、傾斜センサなどの、車両の位置や挙動を判断するための情報を出力する。各種センサ217の出力値は、CPU201による車両の現在位置の算出や、速度や方位の変化量の算出に用いられる。
<機能的構成例>
図3は、画像処理装置の機能的構成例を示すブロック図である。図3において、画像処理装置300は、取得部301と、算出部302と、探索部303と、分割部304と、付与部305と、判定部306と、検出部307と、表示制御部308と、を有する。取得部301~表示制御部308は、上述したナビゲーション装置200におけるROM202、RAM203、磁気ディスク205、光ディスク207などに記録されたプログラムやデータを用いて、CPU201が所定のプログラムを実行し、ナビゲーション装置200における各部を制御することによってその機能を実現する。
画像処理装置300は、移動体の残存エネルギー量に基づいて探索された移動体の到達可能地点に基づいて移動体の到達可能範囲を生成し表示部310に表示させる。ここで、エネルギーとは、例えば、移動体がEV(Electric Vehicle)車などの場合、電気などに基づくエネルギーであり、HV(Hybrid Vehicle)車、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)車などの場合は電気などに基づくエネルギーおよび、例えばガソリンや軽油、ガスなどに基づくエネルギーである。
また、エネルギーとは、移動体が例えば燃料電池車の場合、電気などに基づくエネルギーおよび、例えば水素や水素原料になる化石燃料などである(以下、EV車、HV車、PHV車、燃料電池車は単に「EV車」という)。また、エネルギーとは、移動体が、例えば、ガソリン車、ディーゼル車など(以下、単に「ガソリン車」という)の場合、例えば、ガソリンや軽油、ガスなどに基づくエネルギーである。また、残存エネルギーとは、例えば、移動体の燃料タンクやバッテリー内、高圧タンクなどに残っているエネルギーであり、後の移動体の走行に用いることのできるエネルギーである。
取得部301は、画像処理装置300を搭載した移動体の現在地点に関する情報や、移動体の現在地点において当該移動体が保有するエネルギー量である初期保有エネルギー量に関する情報を取得する。具体的には、取得部301は、例えば、GPS衛星から受信したGPS情報などを用いて、自装置の現在位置を算出することによって現在地点に関する情報(位置情報)を取得する。
また、取得部301は、例えば、CAN(Controller Area Network)など通信プロトコルによって動作する車内通信網を介して、エレクトロニックコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)によって管理されている移動体の残存エネルギー量を、初期保有エネルギー量として取得する。
取得部301は、移動体の速度に関する情報や、渋滞情報、移動体情報を取得してもよい。移動体の速度に関する情報とは、移動体の速度、加速度である。また、取得部301は、例えば、記憶部(不図示)に記憶された地図情報100から道路に関する情報を取得してもよいし、傾斜センサなどから道路勾配などを取得してもよい。道路に関する情報とは、例えば、道路種別や、道路勾配、路面状況などにより移動体に生じる走行抵抗である。
算出部302は、移動体が所定区間を走行する際に消費するエネルギーである推定エネルギー消費量を算出する。所定区間とは、例えば、道路上の一の所定地点(以下、「ノード」とする)と当該一のノードに隣り合う他のノードとを結ぶ区間(以下、「リンク」とする)である。ノードとは、例えば、交差点やスタンドであってもよいし、所定の距離で区切られたリンク間の接続地点であってもよい。ノードおよびリンクは、記憶部に記憶された地図情報100を構成する。地図情報100は、例えば、交差点(点)、道路(線や曲線)、領域(面)やこれらを表示する色などを数値化したベクタデータで構成される。
具体的には、算出部302は、第一情報と、第二情報と、第三情報と、からなる消費エネルギー推定式に基づいて、所定区間における推定エネルギー消費量を推定する。より具体的には、算出部302は、移動体の速度に関する情報や移動体情報に基づいて、所定区間における推定エネルギー消費量を推定する。移動体情報とは、移動体の重量(乗車人数や積載荷物による重量も含む)、回転体の重量など、移動体走行時に消費または回収されるエネルギー量を変化させる要因となる情報である。なお、道路勾配が明らかな場合、算出部302は、さらに第四情報を加えた消費エネルギー推定式に基づいて、所定区間における推定エネルギー消費量を推定してもよい。
消費エネルギー推定式とは、所定区間における移動体のエネルギー消費量を推定する推定式である。具体的には、消費エネルギー推定式は、エネルギー消費量を増減させる異なる要因である第一情報、第二情報および第三情報からなる多項式である。また、道路勾配が明らかな場合、消費エネルギー推定式には、さらに第四情報が加えられる。消費エネルギー推定式についての詳細な説明は後述する。
第一情報は、移動体に備えられた装備品により消費されるエネルギーに関する情報である。例えば、移動体に搭載された駆動源が稼動した状態における移動体の停止時に消費されるエネルギーに関する情報である。駆動源が稼動した状態における移動体の停止時とは、移動体のエンジンに負荷がかからない程度に、エンジンを低速で空回りさせた状態である。すなわち、駆動源が可動した状態における移動体の停止時とは、アイドリング時である。EV車の場合、駆動源が可動した状態における移動体の停止時とは、移動体の停止状態であり、アクセルを踏めば、駆動源であるモータが可動し始める状態である。
具体的には、第一情報は、例えば、エンジンをかけたまま停車しているときや、信号などで停止しているときに消費されるエネルギー消費量である。すなわち、第一情報は、移動体の走行に関係しない要因で消費されるエネルギー消費量であり、移動体に備えられたエアコンやオーディオなどによるエネルギー消費量である。第一情報は、EV車の場合、ほぼゼロとしてもよい。
第二情報は、移動体の加減速時に消費および回収されるエネルギーに関する情報である。移動体の加減速時とは、移動体の速度が時間的に変化している走行状態である。具体的には、移動体の加減速時とは、所定時間内において、移動体の速度が変化する走行状態である。所定時間とは、一定間隔の時間の区切りであり、例えば、単位時間あたりなどである。回収されるエネルギーとは、EV車の場合、例えば、移動体の走行時にバッテリーに充電される電力である。また、回収されるエネルギーとは、ガソリン車の場合、例えば、消費される燃料を低減(燃料カット)し節約することのできる燃料である。
第三情報は、移動体の走行時に生じる抵抗により消費されるエネルギーに関する情報である。移動体の走行時とは、所定時間内において、移動体の速度が一定、加速もしくは減速している走行状態である。移動体の走行時に生じる抵抗とは、移動体の走行時に移動体の走行状態を変化させる要因である。具体的には、移動体の走行時に生じる抵抗とは、気象状況、道路状況、車両状況などにより移動体に生じる各種抵抗である。
気象状況により移動体に生じる抵抗とは、例えば、雨、風などの気象変化による空気抵抗である。道路状況により移動体に生じる抵抗とは、道路勾配、路面の舗装状態、路面上の水などによる路面抵抗である。車両状況により移動体に生じる抵抗とは、タイヤの空気圧、乗車人数、積載重量などにより移動体にかかる負荷抵抗である。
具体的には、第三情報は、空気抵抗や路面抵抗、負荷抵抗を受けた状態で、移動体を一定速度、加速もしくは減速で走行させたときのエネルギー消費量である。より具体的には、第三情報は、例えば、向かい風により移動体に生じる空気抵抗や、舗装されていない道路から受ける路面抵抗などを、移動体が一定速度、加速もしくは減速で走行するときに消費されるエネルギー消費量である。
第四情報は、移動体が位置する高度の変化により消費および回収されるエネルギーに関する情報である。移動体が位置する高度の変化とは、移動体の位置する高度が時間的に変化している状態である。具体的には、移動体が位置する高度の変化とは、所定時間内において、移動体が勾配のある道路を走行することにより高度が変化する走行状態である。
また、第四情報は、所定区間内における道路勾配が明らかな場合に求めることができる付加的な情報であり、これによりエネルギー消費量の推定精度を向上することができる。なお、道路の傾斜が不明な場合、または計算を簡略化する場合、移動体が位置する高度の変化はないものとして、後述する消費エネルギー推定式における道路勾配θ=0としてエネルギー消費量を推定することができる。
探索部303は、記憶部に記憶された地図情報100、取得部301によって取得された移動体の現在地点および初期保有エネルギー量、並びに算出部302によって算出された推定エネルギー消費量に基づいて、移動体が現在地点から到達可能な地点である複数の到達可能地点を探索する。
具体的には、探索部303は、移動体の現在地点から移動可能なすべての経路において、それぞれ、移動体の現在地点を始点とし、移動体からの経路上の所定地点どうしを結ぶ所定区間における推定エネルギー消費量の累計が最小となるように所定地点および所定区間を探索する。そして、探索部303は、移動体の現在地点から移動可能なすべての経路において、それぞれ、推定エネルギー消費量の累計が移動体の現時点での初期保有エネルギー量の範囲内にある所定地点を移動体の到達可能地点とする。
より具体的には、探索部303は、移動体の現在地点を始点として、移動体の現在地点から移動可能なすべてのリンク、これらのリンクにそれぞれ接続するノード、これらのノードから移動可能なすべてのリンクと、移動体の到達可能なすべてのノードおよびリンクを順に探索する。このとき、探索部303は、新たな一のリンクを探索するごとに、一のリンクが接続する経路の推定エネルギー消費量を累計し、推定エネルギー消費量の累計が最小となるように当該一のリンクに接続するノードおよびこのノードに接続する複数のリンクを探索する。
例えば、探索部303は、当該一のリンクおよび他のリンクが同一のノードに接続されている場合、このノードに接続する複数のリンクのうち、移動体の現在地点から当該ノードまでの推定エネルギー消費量の累計の少ないリンクの推定エネルギー消費量を使って当該ノードの推定エネルギー消費量の累計を算出する。そして、探索部303は、探索されたノードおよびリンクで構成される複数の経路において、それぞれ、推定エネルギー消費量の累計が移動体の初期保有エネルギー量の範囲内にあるすべてのノードを移動体の到達可能地点として探索する。このように推定エネルギー消費量の少ないリンクの推定エネルギー消費量を使うことにより、当該ノードの推定エネルギー消費量の正しい累計を算出することができる。
また、探索部303は、移動体の移動が禁止された所定区間を、移動体の到達可能地点を探索するための候補から除いて当該到達可能地点を探索してもよい。移動体の移動が禁止された所定区間とは、例えば、一方通行の逆走となるリンク、時間規制や季節規制により通行禁止区間となるリンクである。時間規制とは、例えば、通学路や行事などに設定されることにより、ある時間帯で通行が禁止されることである。季節規制とは、例えば、大雨や大雪などにより通行が禁止されることである。
探索部303は、複数の所定区間のうち、一の所定区間の次に選択する他の所定区間の重要度が当該一の所定区間の重要度よりも低い場合、他の所定区間を、移動体の到達可能地点を探索するための候補から除いて当該到達可能地点を探索してもよい。所定区間の重要度とは、例えば、道路種別などである。道路種別とは、法定速度や、道路の勾配、道路幅、信号の有無などの道路状態の違いにより区別することのできる道路の種類である。具体的には、道路種別とは、一般国道、高速道路、一般道路、市街地などを通る細街路などである。細街路とは、例えば、市街地内にある幅員4メートル未満の建築基準法に規定された道路である。
さらに、探索部303は、一の橋または一のトンネルの入口および出口が移動体の到達可能地点となる場合、分割部304によって分割される地図情報100の一の橋または一のトンネルを構成するすべての領域が移動体の到達可能範囲に含まれるように移動体の到達可能地点を探索するのが好ましい。具体的には、探索部303は、例えば、一の橋または一のトンネルの入口が移動体の到達可能地点となる場合、一の橋または一のトンネルの入口から出口に向かって、一の橋または一のトンネル上に複数の到達可能地点が探索されるように当該到達可能地点を探索してもよい。一の橋または一のトンネルの入口とは、一の橋または一のトンネルの、移動体の現在地点に近い側の始点である。なお、探索部303によって得られた探索元地点と探索先地点との組み合わせは、それぞれ記憶部に格納される。
分割部304は、地図情報100を複数の領域に分割する。具体的には、分割部304は、探索部303によって探索された移動体の複数の到達可能地点のうち、移動体の現在地点から最も離れた到達可能地点に基づいて、地図情報100を複数の矩形状の領域に分割し、例えばm×mドットのメッシュに変換する。m×mドットのメッシュは、後述する付与部305によって識別情報が付与されたラスタデータ(画像データ)として扱われる。なお、m×mドットのそれぞれのmは同じ数値でも構わないし、異なる数値でも構わない。
より具体的には、分割部304は、最大経度、最小経度、最大緯度、最小緯度を抽出し移動体の現在地点からの距離を算出する。そして、分割部304は、例えば、移動体の現在地点から最も遠い到達可能地点と移動体の現在地点とをn等分したときの一の領域の大きさを、地図情報100を複数の領域に分割したときの一の領域の大きさとし、地図情報100をm×mドットのメッシュに分割する。このとき、メッシュの周辺の例えば4ドット分を空白にするために、n=(m/2)-4とする。
付与部305は、探索部303によって探索された組み合わせごとに、複数の領域のうち、探索元地点を含む探索元領域と探索先地点を含む探索先領域との間に存在し、かつ、探索元地点と探索先地点とを結ぶリンクに重複する重複領域に対し、移動体が到達可能であることを示す識別情報を付与する。また、付与部305は、探索元領域および探索先領域に対し識別情報を付与する。具体的には、例えば、付与部305は、図1の(B)に示した重複領域に対し、移動体が到達可能な領域であることを示す識別情報を付与する。
同様に、付与部305は、図1の(A)に示した探索元領域および探索先領域に対し、移動体が到達可能な領域であることを示す識別情報(例えば、「1」)を付与する。なお、移動体が到達可能な領域であることを示す識別情報(例えば、「1」)が付与されなかった残余の領域群については、付与部305は、移動体が到達不可能であることを示す識別情報(例えば、「0」)を付与する。これにより、付与部305は、m行m列の領域群である2次元行列データに変換する。分割部304および付与部305は、このように地図情報100を分割してm行m列の領域群である2次元行列データに変換し、2値化されたラスタデータとして扱う。
また、付与部305は、地図情報100の一の橋または一のトンネルの入口および出口に相当する分割された地図情報100に、到達可能であることを識別する到達可能の識別情報が付与されている場合、当該一の橋または当該一のトンネルを構成するすべての領域に相当する分割された地図情報100に、到達可能の識別手段を付与する。具体的には、付与部305は、例えば、一の橋または一のトンネルの入口および出口に相当する各領域にそれぞれ到達可能の識別情報が付与されている場合、一の橋または一のトンネルの入口に相当する領域から出口に相当する領域に至るまでに移動体が移動可能な全領域に到達可能の識別情報を付与する。
判定部306は、探索元領域と探索先領域との間の距離が所定距離以上であるか否かを判定する。具体的には、例えば、所定距離とは、1メッシュ分の距離よりも大きい値である。したがって、探索元地点と探索先地点が同一メッシュに存在する場合、探索元領域と探索先領域との距離は0である。また、探索元地点と探索先地点が隣接メッシュに存在する場合、探索元領域と探索先領域との距離は1である。したがって、これらの場合、所定距離未満となり、重複領域が存在しないことになる。一方、所定距離以上である場合、重複領域が存在することになるため、付与部305は、重複領域に対し移動体が到達可能であることを示す識別情報を付与する。
検出部307は、探索元領域から探索先領域への方向を検出する。具体的には、例えば、検出部307は、探索元領域内の探索元地点から探索先領域内の探索先地点を結ぶリンクの方向により、探索元領域から探索先領域への方向を検出する。検出結果の活用例については後述する。
表示制御部308は、付与部305によって付与された識別情報群に基づいて、移動体の到達可能範囲を表示部310に表示させる。具体的には、表示制御部308は、付与部305によって識別情報が付与された複数のメッシュを示す2次元行列データをベクタデータに変換し、記憶部に記憶された地図情報100とともに表示部310に表示させる。
より具体的には、表示制御部308は、到達可能の識別情報が付与された一の領域と当該一の領域と隣り合う到達可能の識別情報が付与された他の領域との位置関係に基づいて移動体の到達可能範囲の輪郭を抽出し表示部310に表示させる。より具体的には、表示制御部308は、例えば、フリーマンのチェインコードを用いて移動体の到達可能範囲の輪郭を抽出し、移動体の到達可能範囲を表示部310に表示させる。
また、表示制御部308は、到達可能の識別情報が付与された領域の経度緯度情報に基づいて移動体の到達可能範囲を抽出し、表示部310に表示させてもよい。具体的には、表示制御部308は、例えば、m行m列の2次元行列データを1行ごとに1列目から到達可能の識別情報「1」を検索する。そして、表示制御部308は、2次元行列データの各行においてそれぞれ到達可能の識別情報「1」を含む連続する領域を検索し、最初に「1」を検出した領域の最小経度、最小緯度(領域の左上座標)と、最後に「1」を検出した領域の最大経度、最大緯度(領域の右下座標)とを結ぶ線分を対角線とする矩形領域を移動体の到達可能範囲として表示する。
<算出部302による推定エネルギー消費量算出例>
本実施例のナビゲーション装置200は、自装置が搭載された車両の推定エネルギー消費量を算出する。具体的には、ナビゲーション装置200は、例えば、速度、加速度、車両の勾配に基づいて、第一情報と、第二情報と、第三情報と、からなる消費エネルギー推定式のいずれか一つ以上の式を用いて、所定区間における車両の推定エネルギー消費量を算出する。所定区間とは、道路上の一のノード(例えば交差点)と当該一のノードに隣り合う他のノードとを結ぶリンクである。
より具体的には、ナビゲーション装置200は、プローブで提供される渋滞情報や、サーバを介して取得した渋滞予測データ、記憶装置に記憶されたリンクの長さや道路種別などに基づいて、車両がリンクを走行し終わるのに要する旅行時間を算出する。そして、ナビゲーション装置200は、次の(1)式~(4)式に示す消費エネルギー推定式のいずれかを用いて単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出し、車両がリンクを旅行時間で走行し終える際の推定エネルギー消費量を算出する。
Figure 2022070882000002
Figure 2022070882000003
上記(1)式に示す消費エネルギー推定式は、加速時および走行時における単位時間当たりの消費エネルギーを推定する理論式である。ここで、εは正味熱効率、ηは総伝達効率である。移動体の加速度αと道路勾配θから重力の加速度gとの合計を合成加速度|α|とすると、合成加速度|α|が負の場合の消費エネルギー推定式は、上記(2)式で表される。すなわち、上記(2)式に示す消費エネルギー推定式は、減速時における単位時間当たりの消費エネルギーを推定する理論式である。このように、加減速時および走行時における単位時間当たりの消費エネルギー推定式は、走行抵抗と走行距離と正味モータ効率と伝達効率との積であらわされる。
上記(1)式および(2)式において、右辺第1項は、アイドリング時のエネルギー消費量(第一情報)である。右辺第2項は、勾配成分によるエネルギー消費量(第四情報)および転がり抵抗成分によるエネルギー消費量(第三情報)である。右辺第3項は、空気抵抗成分によるエネルギー消費量(第三情報)である。また、(1)式の右辺第4項は、加速成分によるエネルギー消費量(第二情報)である。(2)式の右辺第4項は、減速成分によるエネルギー消費量(第二情報)である。
上記(1)式および(2)式では、モータ効率と駆動効率は一定と見なしている。しかし、実際には、モータ効率および駆動効率はモータ回転数やトルクの影響により変動する。そこで、次の(3)式および(4)式に単位時間当たりの消費エネルギーを推定する実証式を示す。
合成加速度|α+g・sinθ|が正の場合の推定エネルギー消費量を算出する実証式、すなわち、加速時および走行時における単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出する実証式は、次の(3)式であらわされる。また、合成加速度|α+g・sinθ|が負の場合の推定エネルギー消費量を算出する実証式、すなわち、減速時における単位時間当たりの推定エネルギー消費量を算出する実証式は、次の(4)式で表される。
Figure 2022070882000004
Figure 2022070882000005
上記(3)式および(4)式において、係数a1,a2は、車両状況などに応じて設定される常数である。係数k1,k2,k3は、加速時におけるエネルギー消費量に基づく変数である。また、速度Vとしており、その他の変数は、上記(1)式および(2)式と同様である。右辺第1項は、上記(1)式および(2)式の右辺第1項に相当する。
また、上記(3)式および(4)式において、右辺第2項は、上記(1)式および(2)式の、右辺第2項の勾配抵抗成分のエネルギーと、右辺第4項の加速度抵抗成分のエネルギーとに相当する。右辺第3項は、上記(1)式および(2)式の、右辺第2項の転がり抵抗成分のエネルギーと、右辺第3項の空気抵抗成分のエネルギーに相当する。(4)式の右辺第2項のβは、位置エネルギーと運動エネルギーの回収分(以下、「回収率」とする)である。
また、ナビゲーション装置200は、上述したように車両がリンクを走行するのに要する旅行時間を算出し、車両がリンクを走行するときの平均速度および平均加速度を算出する。そして、ナビゲーション装置200は、リンクにおける車両の平均速度および平均加速度を用いて、次の(5)式または(6)式に示す消費エネルギー推定式に基づいて、車両がリンクを旅行時間で走行し終える際の推定エネルギー消費量を算出してもよい。
Figure 2022070882000006
Figure 2022070882000007
上記(5)式に示す消費エネルギー推定式は、車両が走行するリンクの高度差Δhが正の場合の、リンクにおける推定エネルギー消費量を算出する理論式である。高度差Δhが正の場合とは、車両が上り坂を走行している場合である。上記(6)式に示す消費エネルギー推定式は、車両が走行するリンクの高度差Δhが負の場合の、リンクにおける推定エネルギー消費量を算出する理論式である。高度差Δhが負の場合とは、車両が下り坂を走行している場合である。高度差がない場合は、上記(5)式に示す消費エネルギー推定式を用いるのが好ましい。
上記(5)式および(6)式において、右辺第1項は、アイドリング時のエネルギー消費量(第一情報)である。右辺第2項は、加速抵抗によるエネルギー消費量(第二情報)である。右辺第3項は、位置エネルギーとして消費されるエネルギー消費量である(第四情報)。右辺第4項は、単位面積当たりに受ける空気抵抗および転がり抵抗(走行抵抗)によるエネルギー消費量(第三情報)である。
ナビゲーション装置200は、道路勾配が明らかでない場合、上記(1)式~(6)式に示す消費エネルギー推定式の道路勾配θ=0として車両の推定エネルギー消費量を算出してもよい。
つぎに、上記(1)式~(6)式で用いる回収率βについて説明する。上記(5)式において、右辺第2項をリンクにおける加速成分のエネルギー消費量Paccとすると、加速成分のエネルギー消費量Paccは、リンクにおける全エネルギー消費量(左辺)から、アイドリング時のエネルギー消費量(右辺第1項)と走行抵抗によるエネルギー消費量(右辺第4項)を減じたものであり、次の(7)式で表される。
Figure 2022070882000008
なお、上記(7)式では、車両は道路勾配θの影響を受けていないこととする(θ=0)。すなわち、上記(5)式の右辺第3項をゼロとする。そして、上記(7)式を上記(5)式に代入することで、次の(8)式に示す回収率βの算出式を得ることができる。
Figure 2022070882000009
回収率βは、EV車では0.7~0.9程度であり、HV車では0.6~0.8程度であり、ガソリン車では0.2~0.3程度である。なお、ガソリン車の回収率とは、加速時に要するエネルギーと減速時に回収するエネルギーとの割合である。
(ナビゲーション装置200における到達可能地点探索の概要)
本実施例のナビゲーション装置200は、自装置が搭載された車両の現在地点から到達可能な複数のノードを車両の到達可能地点として探索する。具体的には、ナビゲーション装置200は、上記(1)~(6)式に示す消費エネルギー推定式のいずれか1つ以上を用いてリンクにおける推定エネルギー消費量を算出する。そして、ナビゲーション装置200は、リンクにおける推定エネルギー消費量の累計が最小となるように車両の到達可能なノードを探索し到達可能地点とする。以下に、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について説明する。
図4~図7は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について模式的に示す説明図である。図4~図7では、地図データのノード(例えば交差点)を丸印とし、隣り合うノードどうしを結ぶリンク(道路上の所定区間)を線分で示す(図8,図9についても同様にノードおよびリンクを図示)。
図4に示すように、ナビゲーション装置200は、まず、車両の現在地点400から最も近いリンクL1_1を探索する。そして、ナビゲーション装置200は、リンクL1_1に接続するノードN1_1を探索し、到達可能地点を探索するためのノード候補(以下、単に「ノード候補」という)に追加する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、消費エネルギー推定式を用いて、車両の現在地点400とノード候補としたノードN1_1とを結ぶリンクL1_1における推定エネルギー消費量を算出する。そして、ナビゲーション装置200は、リンクL1_1における推定エネルギー消費量3whを、例えばノードN1_1に関連付けて記憶装置(磁気ディスク205や光ディスク207)に書き出す。
つぎに、図5に示すように、ナビゲーション装置200は、ノードN1_1に接続するすべてのリンクL2_1,L2_2,L2_3を探索し、到達可能地点を探索するためのリンク候補(以下、単に「リンク候補」という)とする。つぎに、ナビゲーション装置200は、消費エネルギー推定式を用いて、リンクL2_1における推定エネルギー消費量を算出する。
そして、ナビゲーション装置200は、リンクL2_1における推定エネルギー消費量4whとリンクL1_1における推定エネルギー消費量3whとを累計した累計エネルギー量7whを、リンクL2_1に接続するノードN2_1に関連付けて記憶装置(磁気ディスク205や光ディスク207)に書き出す(以下、「累計エネルギー量をノードに設定」とする)。
さらに、ナビゲーション装置200は、リンクL2_1の場合と同様に、消費エネルギー推定式を用いて、リンクL2_2,L2_3における推定エネルギー消費量をそれぞれ算出する。そして、ナビゲーション装置200は、リンクL2_2における推定エネルギー消費量5whとリンクL1_1における推定エネルギー消費量3whとを累計した累計エネルギー量8whを、リンクL2_2に接続するノードN2_2に設定する。
また、ナビゲーション装置200は、リンクL2_3における推定エネルギー消費量3whとリンクL1_1における推定エネルギー消費量3whとを累計した累計エネルギー量6whを、リンクL2_3に接続するノードN2_3に設定する。このとき、ナビゲーション装置200は、累計エネルギー量を設定したノードがノード候補でない場合には、そのノードをノード候補に追加する。
つぎに、図6に示すように、ナビゲーション装置200は、ノードN2_1に接続するすべてのリンクL3_1,L3_2_1、ノードN2_2に接続するすべてのリンクL3_2_2,L3_3,L3_4、およびノードN2_3に接続するリンクL3_5を探索し、リンク候補とする。つぎに、ナビゲーション装置200は、消費エネルギー推定式を用いて、リンクL3_1~リンクL3_5における推定エネルギー消費量を算出する。
そして、ナビゲーション装置200は、リンクL3_1における推定エネルギー消費量4whをノードN2_1に設定した累計エネルギー量7whに累計し、リンクL3_1に接続するノードN3_1に累計エネルギー量11whを設定する。また、ナビゲーション装置200は、リンクL3_3~L3_5においてもリンクL3_1の場合と同様に、各リンクL3_3~L3_5にそれぞれ接続するノードN3_3~N3_5に累計エネルギー量13wh,12wh,10whを設定する。
具体的には、ナビゲーション装置200は、リンクL3_3における推定エネルギー消費量5whをノードN2_2に設定した累計エネルギー量8whに累計し、ノードN3_3に累計エネルギー量13whを設定する。ナビゲーション装置200は、リンクL3_4における推定エネルギー消費量4whをノードN2_2に設定した累計エネルギー量8whに累計し、ノードN3_4に累計エネルギー量12whを設定する。ナビゲーション装置200は、リンクL3_5における推定エネルギー消費量4whをノードN2_3に設定した累計エネルギー量6whに累計し、ノードN3_5に累計エネルギー量10whを設定する。
一方、ナビゲーション装置200は、ノードN3_2のように一のノードに複数のリンクL3_2_1,L3_2_2が接続する場合には、車両の現在地点400から一のノードN3_2までの複数の経路における累計エネルギー量のうち、最小の累計エネルギー量10whを当該一のノードN3_2に設定する。
具体的には、ナビゲーション装置200は、リンクL3_2_1における推定エネルギー消費量4whをノードN2_1に設定した累計エネルギー量7whに累計し(=累計エネルギー量11wh)、リンクL3_2_2における推定エネルギー消費量2whをノードN2_2に設定した累計エネルギー量8whに累計する(=累計エネルギー量10wh)。そして、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点400からリンクL3_2_1までの経路の累計エネルギー量11whと、車両の現在地点400からリンクL3_2_2までの経路の累計エネルギー量10whとを比較し、最小の累計エネルギー量となるリンクL3_2_2側の経路の累計エネルギー量10whをノードN3_2に設定する。
ナビゲーション装置200は、上述したノードN2_1~N2_3のように車両の現在地点400から同一階層のノードが複数存在する場合、例えば、同一レベルのノードのうち、累計エネルギー量が少ないノードに接続するリンクから順に推定エネルギー消費量および累計エネルギー量を算出する。具体的には、ナビゲーション装置200は、ノードN2_3、ノードN2_1、ノードN2_2の順に、各ノードに接続するリンクにおける推定エネルギー消費量をそれぞれ算出し、各ノードにおける累計エネルギー量に累計する。このように、推定エネルギー消費量および累計エネルギー量を算出するノードの順番を特定することにより、残存エネルギー量で到達可能な範囲を効率的に算出することができる。
その後、ナビゲーション装置200は、ノードN3_1~N3_5からさらに深い階層のノードへと、上述したような累計エネルギー量の累計を続けていく。そして、ナビゲーション装置200は、予め設定された指定エネルギー量以下の累計エネルギー量が設定されたすべてのノードを、車両の到達可能地点として抽出し、到達可能地点として抽出されたノードの経度緯度情報をそれぞれのノードに関連付けて記憶装置に書き出す。
具体的には、例えば指定エネルギー量を10whとした場合、図7に斜線で塗りつぶされた丸印で示すように、ナビゲーション装置200は、10wh以下の累計エネルギー量が設定されたノードN1_1,N2_1,N2_2,N2_3,N3_2,N3_5を車両の到達可能地点として抽出する。予め設定された指定エネルギー量とは、例えば、車両の現在地点400での残存エネルギー量(初期保有エネルギー量)である。
<探索部303による探索例>
図7に示す車両の現在地点400と複数のノードおよびリンクとで構成された地図データ440は、到達可能地点探索を説明するための一例であり、ナビゲーション装置200は、実際には図8に示すように図7に示す地図データ700よりも広い範囲である車両の現在地点400の周辺800でさらに多くのノードおよびリンクを探索する。
図8は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の一例について示す説明図である。上述したようにすべての道路(細街路を除く)について累計エネルギー量を算出し続けていく場合、図8に示すように、各道路のすべてのノードにおける累計エネルギー量を漏れなく詳細に探索することができる。しかし、日本全国で約200万個のリンクにおける推定エネルギー消費量を算出し累計することとなり、ナビゲーション装置200の情報処理量が膨大となる。このため、ナビゲーション装置200は、例えばリンクの重要度などに基づいて、移動体の到達可能地点を探索する道路を絞り込んでもよい。
図9は、ナビゲーション装置200による到達可能地点探索の別の一例について示す説明図である。具体的には、ナビゲーション装置200は、例えば、車両の現在地点400の周辺800ではすべての道路(細街路を除く)において累計エネルギー量を算出し、ある一定距離以上離れた範囲では重要度の高い道路のみで累計エネルギー量を算出する。これにより、図9に示すように、ナビゲーション装置200によって探索されるノード数およびリンク数を減少させることができ、ナビゲーション装置200の情報処理量を低減させることができる。したがって、ナビゲーション装置200の処理速度を向上することができる。
<分割部304による地図データの分割例>
本実施例のナビゲーション装置200は、上述したように探索された到達可能地点に基づいて、記憶装置に記憶された地図データを分割する。具体的には、ナビゲーション装置200は、ベクタデータで構成される地図データを、例えば64×64ドットのメッシュ(X,Y)に変換し、地図データをラスタデータ(画像データ)にする。
図10は、ナビゲーション装置200による到達可能地点を経度-緯度で示す一例の説明図である。また、図11は、ナビゲーション装置200による到達可能地点をメッシュで示す一例の説明図である。図10には、例えば図8,図9に示すように探索された到達可能地点の経度緯度情報(x,y)を絶対座標で図示している。図11には、到達可能地点に基づいて識別情報が付与された64×64ドットのメッシュ(X,Y)をスクリーン座標で図示している。
図10に示すように、ナビゲーション装置200は、まず、複数の到達可能地点のそれぞれの経度x、緯度yに基づいて、絶対座標で点群1000を有する経度緯度情報(x,y)を生成する。経度緯度情報(x,y)の原点(0,0)は図10の左下である。そして、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点400の経度ofxから経度x方向に最も離れた到達可能地点の最大経度x_max、最小経度x_minまで距離w1,w2を算出する。また、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点400の緯度ofyから緯度y方向に最も離れた到達可能地点の最大緯度y_max、最小緯度y_minまで距離w3,w4を算出する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点400からの距離w1~w4のうち、最も距離のある、車両の現在地点400から最小経度x_minまでの距離w2(以下、w5=max(w1,w2,w3,w4)とする)のn分の1の長さがメッシュ(X,Y)の矩形状の一要素の1辺の長さとなるように、複数の到達可能地点を含む地図データを、例えばm×mドット(例えば64×64ドット)のメッシュ(X,Y)に変換する。
具体的には、ナビゲーション装置200は、1メッシュと経度緯度の大きさとの比を倍率mag=w5/nとし、経度緯度情報(x,y)とメッシュ(X,Y)とが次の(9)式,(10)式を満たすように、経度緯度情報(x,y)をメッシュ(X,Y)に変換する。
X=(x-ofx)/mag ・・・(9)
Y=(y-ofy)/mag ・・・(10)
経度緯度情報(x,y)をメッシュ(X,Y)に変換することにより、図11に示すように、車両の現在地点400は、m×mドットのメッシュ(X,Y)で構成される矩形状の画像データの中心となり、車両の現在地点400のメッシュ(X,Y)はX軸方向、Y軸方向ともに等しく、X=Y=m/2=n+4となる。また、メッシュ(X,Y)の周辺の例えば4ドット分を空白にするためにn=(m/2)-4とする。そして、ナビゲーション装置200は、経度緯度情報(x,y)をメッシュ(X,Y)に変換するときに、メッシュ(X,Y)の各領域にそれぞれ識別情報を付与し、m行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに変換する。
具体的には、ナビゲーション装置200は、メッシュ(X,Y)の一の領域に車両の到達可能地点が含まれる場合、当該一の領域に車両が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報として、例えば「1」を付与する(図11では1ドットを例えば黒色で描画)。一方、ナビゲーション装置200は、メッシュ(X,Y)の一の領域に車両の到達可能地点が含まれない場合、当該の一の領域に車両が到達不可能であることを識別する到達不可能の識別情報として、例えば「0」を付与する(図11では1ドットを例えば白色で描画)。
このように、ナビゲーション装置200は、地図データを分割した各領域にそれぞれ識別情報を付与したm行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに変換し、地図データを2値化されたラスタデータとして扱う。メッシュの各領域は、それぞれ一定範囲の矩形状の領域であらわされる。具体的には、図11に示すように、例えば、複数の到達可能地点の点群1100が黒色で描画されたm×mドットのメッシュ(X,Y)が生成される。メッシュ(X,Y)の原点(0,0)は左上である。
<付与部305による識別情報の付与例>
図12は、付与部305による識別情報の付与例1を示す説明図である。(A)は、探索フィルタFである。探索フィルタFは、例えば、m行m列(mは3以上の奇数)の正方行列となる2次元行列データである。探索フィルタFは、中心に位置する中心領域Cfとその上下4領域からなる5個の領域に、識別情報「1」を付与するフィルタである。識別情報「1」を付与するフィルタについては、図中塗りつぶしにより示している。
(B)は、ある探索元領域M1とその探索先領域M2とを示している。探索元領域M1内には、探索元地点となるノードN1が存在し、探索先領域M2には探索先地点となるノードN2が存在する。また、ノードN1,N2間を結ぶリンクL12も存在する。(C)は、リンクL12が存在するメッシュに探索フィルタFの中心領域Cfを対応させて探索元領域M1から探索先領域M2に走査した状態を示す。これにより、探索元領域M1から探索先領域M2までの区間が幅を持った識別情報群により連結されることになる。探索元領域M1から探索先領域M2に走査する際に、リンクL12が通過する各画素を特定する手順には、ブレゼンハムの直線描画アルゴリズムを適用する。ブレゼンハムの直線描画アルゴリズムにおいて各画素を描画する代わりに、探索フィルタFによる画像処理を実行する。
図13は、付与部305による識別情報の付与例2を示す説明図である。(A)は、重複領域となるメッシュのみに識別情報「1」を付与した状態を示す。(A)では、探索元領域および探索先領域にはまだ識別情報「1」は付与されていない。(B)は、(A)の次状態を示す。(B)では、探索元領域および探索先領域について、識別情報「1」が付与される。探索先領域は、次の探索元領域となるため、(A)⇒(B)の順序で識別情報を付与することにより、探索元領域と探索先領域との識別情報「1」の重複付与を防止することができ、処理の高速化を図ることができる。
<検出部307による方向検出例>
図14は、検出部307による方向検出例を示す説明図である。検出部307では、中心領域Cfからのリンクの方向を検出することにより、探索フィルタFの状態を変更して走査する。(A)~(H)は、リンクの各方向に対応した変更後の探索フィルタFを示している。変更後は、中心領域Cfと検出方向の逆側の領域となる左上領域および左領域について、識別情報「1」が付与されなくなる。これにより、すでに識別情報「1」が付与されている領域への重複付与を防止して、探索フィルタFによる走査の高速化を図ることができる。
<表示制御部308による到達可能範囲の輪郭抽出例・その1>
ナビゲーション装置200は、m行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュに付与された識別情報に基づいて、車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。具体的には、ナビゲーション装置200は、例えば、フリーマンのチェインコードを用いて車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。より具体的には、ナビゲーション装置200は、次のように車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。
図15は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出の一例を模式的に示す説明図である。また、図16は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出後のメッシュの一例を模式的に示す説明図である。図15(A)には、領域1500に隣り合う領域1510~1517の隣接方向を示す数字(以下、「方向指数(チェインコード)」という)と、方向指数に対応する8方向の矢印とを示す。図15(B)には、h行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュ1520を一例として示す。また、図15(B)には、到達可能の識別情報が付与された領域1521~1534および当該領域1521~1534に囲まれた到達可能の識別情報が付与された領域をハッチングで図示する。
方向指数は、単位長さの線分の向いている方向を示す。メッシュ(X,Y)において、方向指数に対応する座標は、(X+dx,Y+dy)となる。具体的には、図15(A)に示すように、領域1500から左下に隣り合う領域1510へ向かう方向の方向指数は「0」である。領域1500から下に隣り合う領域1511へ向かう方向の方向指数は「1」である。領域1500から右下に隣り合う領域1512へ向かう方向の方向指数は「2」である。
また、領域1500から右に隣り合う領域1513へ向かう方向の方向指数は「3」である。領域1500から右上に隣り合う領域1514へ向かう方向の方向指数は「4」である。領域1500から上に隣り合う領域1515へ向かう方向の方向指数は「5」である。領域1500から左上に隣り合う領域1516へ向かう方向の方向指数は「6」である。領域1500から左に隣り合う領域1517へ向かう方向の方向指数は「7」である。
ナビゲーション装置200は、領域1500に隣り合う到達可能の識別情報「1」が付与された領域を左回りに検索する。また、ナビゲーション装置200は、領域1500に隣り合う到達可能の識別情報が付与された領域の検索開始点を、前回の方向指数に基づいて決定する。具体的には、ナビゲーション装置200は、他の領域から領域1500へ向かう方向指数が「0」であった場合、領域1500の左に隣り合う領域、すなわち方向指数「7」の方向に隣り合う領域1517から検索を開始する。
同様に、ナビゲーション装置200は、他の領域から領域1500へ向かう方向指数が「1」~「7」であった場合、領域1500の左下、下、右下、右、右上、上、左上に隣り合う領域、すなわちそれぞれ方向指数「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」の方向に隣り合う領域1510~1516から検索を開始する。そして、ナビゲーション装置200は、領域1500から各領域1510~1517のいずれか一の領域から到達可能の識別情報「1」を検出した場合、到達可能の識別情報「1」を検出した領域1510~1517に対応する方向指数「0」~「7」を、領域1500に関連付けて記憶装置に書き込む。
具体的には、ナビゲーション装置200は、次のように車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。図15(B)に示すように、ナビゲーション装置200は、まず、h行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュ1520のa行a列の領域から行単位で到達可能の識別情報が付与された領域を検索する。
メッシュ1520のa行目のすべての領域には到達不可能の識別情報が付与されているので、つぎに、ナビゲーション装置200は、メッシュ1120のb行a列の領域からb行h列の領域に向かって到達可能の識別情報を検索する。そして、ナビゲーション装置200は、メッシュ1520のb行e列の領域1521において到達可能の識別情報を検出した後、メッシュ1520のb行e列の領域1521から左回りに、車両の到達可能範囲の輪郭となる到達可能の識別情報を有する領域を検索する。
具体的には、ナビゲーション装置200は、領域1521の左に隣り合うb行d列の領域はすでに検索済みのため、まず、領域1521の左下に隣り合う領域1522から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索する。そして、ナビゲーション装置200は、領域1522の到達可能の識別情報を検出し、領域1521から領域1522へ向かう方向の方向指数「0」を、領域1521に関連付けて記憶装置に記憶する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、前回の方向指数「0」であるため、領域1522の左に隣り合うc行c列の領域から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索する。そして、ナビゲーション装置200は、領域1522の左下に隣り合う領域1523の到達可能の識別情報を検出し、領域1522から領域1523へ向かう方向の方向指数「0」を、前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。
以降、ナビゲーション装置200は、前回の方向指数に基づいて検索開始点を決定し、検索開始点から左回りに到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索する処理を、方向指数に対応する矢印が領域1521に戻ってくるまで繰り返しおこなう。具体的には、ナビゲーション装置200は、領域1522の左に隣り合う領域から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索し、領域1523の下に隣り合う領域1524の到達可能の識別情報を検出して、方向指数「1」を前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。
同様に、ナビゲーション装置200は、前回の方向指数に基づいて検索開始点を決定した後、検索開始点から左回りに到達可能の識別情報を有する領域を検索し、到達可能の識別情報を有する領域1524~1534を順次検出する。そして、ナビゲーション装置200は、方向指数を取得するごとに前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。
その後、ナビゲーション装置200は、領域1534の右上に隣り合うb行f列の領域から左回りに、到達可能の識別情報を有する領域があるか否かを検索し、領域1534の上に隣り合う領域1521の到達可能の識別情報を検出して、方向指数「5」を前回の方向指数に関連付けて記憶装置に記憶する。これにより、記憶装置には、方向指数「0」→「0」→「1」→「0」→「2」→「3」→「4」→「3」→「2」→「5」→「5」→「6」→「6」→「5」がこの順で記憶される。
このようにナビゲーション装置200は、最初に検出した領域1521から、当該領域1521に隣り合う到達可能の識別情報を有する領域1522~1534を左回りに順次検索し方向指数を取得する。そして、ナビゲーション装置200は、領域1521から方向指数に対応する方向の一の領域を塗りつぶすことで、図16に示すように、車両の到達可能範囲の輪郭1601および当該輪郭1601に囲まれた部分1602からなる車両の到達可能範囲1600を有するメッシュを生成する。
<表示制御部308による到達可能範囲の輪郭抽出例・その2>
表示制御部308による車両の到達可能範囲抽出の別の一例について説明する。ナビゲーション装置200は、例えば、到達可能の識別情報が付与された2次元行列データ(Y,X)のメッシュの経度緯度情報に基づいて、車両の到達可能範囲の輪郭を抽出してもよい。具体的には、ナビゲーション装置200は、次のように車両の到達可能範囲の輪郭を抽出する。
図17は、ナビゲーション装置による車両の到達可能範囲抽出の別の一例について模式的に示す説明図である。図17に示すようなd行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュ1700を例に説明する。ナビゲーション装置200は、メッシュ1700の、到達可能の識別情報「1」が付与された領域を検索する。具体的には、ナビゲーション装置200は、まず、a行a列の領域からa行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を検索する。
メッシュ1700のa行目のすべての領域には到達不可能の識別情報「0」が付与されているので、つぎに、ナビゲーション装置200は、b行a列の領域からb行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。そして、ナビゲーション装置200は、到達可能の識別情報「1」を有するb行c列の領域1701の最小経度px1、最小緯度py1(領域1701の左上座標)を取得する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、b行d列の領域からb行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。そして、ナビゲーション装置200は、到達可能の識別情報「1」を有する領域と、到達不可の識別情報「0」を有する領域との境界を検索し、到達可能の識別情報「1」を有するb行f列の領域1702の最大経度px2、最大緯度py2(領域1702の右下座標)を取得する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、b行c列の領域1701の左上座標(px1,py1)と、b行f列の領域1702の右下座標(px2,py2)とを対向する頂点とする矩形領域を塗りつぶす。
つぎに、ナビゲーション装置200は、メッシュ1700のb行g列からb行h列の領域へ、さらにc行a列からc行h列に向かって到達可能の識別情報「1」を検索する。そして、ナビゲーション装置200は、到達可能の識別情報「1」を有するc行d列の領域1703の最小経度px3、最小緯度py3(領域1703の左上座標)を取得する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、c行e列の領域からc行h列の領域に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。そして、ナビゲーション装置200は、到達可能の識別情報「1」を有する領域と、到達不可の識別情報「0」を有する領域との境界を検索し、到達可能の識別情報「1」を有するc行f列の領域1704の最大経度px4、最大緯度py4(領域1704の右下座標)を取得する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、c行d列の領域1703の左上座標(px3,py3)と、c行f列の領域1704の右下座標(px4,py4)とを対向する頂点とする矩形領域を塗りつぶす。
その後、ナビゲーション装置200は、c行g列の領域からc行h列の領域へ、さらにさらにd行a列からd行h列に向かって到達可能の識別情報「1」を有する領域を検索する。ナビゲーション装置200は、c行g列の領域からd行h列までのすべての領域には到達不可能の識別情報「0」が付与されているので、処理を終了する。
このように、2次元行列データ(Y,X)のメッシュ1700の各行ごとに、到達可能の識別情報「1」を有する領域を塗りつぶすことにより、車両の到達可能範囲および車両の到達可能範囲の輪郭を取得することができる。
<ナビゲーション装置200における画像処理>
上述のように、ナビゲーション装置200は、車両の残存エネルギー量に基づいて探索された移動体の到達可能なノードに基づいて移動体の到達可能範囲を生成しディスプレイ213に表示させる。以下、例えば、ナビゲーション装置200がEV車に搭載されている場合を例に説明する。
図18は、ナビゲーション装置による画像処理の手順の一例を示すフローチャートである。図18のフローチャートにおいて、ナビゲーション装置200は、まず、例えば、通信I/F215を介して、自装置が搭載された車両の現在地点(ofx,ofy)を取得し(ステップS1801)、車両の現在地点(ofx,ofy)における車両の初期保有エネルギー量を取得する(ステップS1802)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、探索部303による探索処理(ステップS1803)、分割部304によるメッシュ生成処理(ステップS1804)を実行する。
このあと、ナビゲーション装置200は、付与部305による連結処理(ステップS1805)および識別情報変更処理(ステップS1806)を実行する。そして、ナビゲーション装置200は、表示制御部308による表示部への表示処理を実行して(ステップS1807)、本フローチャートによる処理を終了する。
<ナビゲーション装置200における推定消費電力量算出処理>
つぎに、ナビゲーション装置200による推定消費電力量算出処理について説明する。図19は、ナビゲーション装置200による推定消費電力量算出処理の手順の一例を示すフローチャートである。図19に示すフローチャートでは、上述したステップS1803の到達可能ノード探索処理でおこなう処理である。ナビゲーション装置200は、まず、通信I/F215を介して、プルーブデータなどの渋滞情報や渋滞予測データを取得する(ステップS1901)。つぎに、ナビゲーション装置200は、リンクの長さや、リンクの道路種別を取得する(ステップS1902)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS1901,S1902で取得した情報に基づいて、リンクの旅行時間を算出する(ステップS1903)。リンクの旅行時間とは、車両がリンクを走行し終わるのに要する時間である。つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS1901~S1903で取得した情報に基づいて、リンクの平均速度を算出する(ステップS1904)。リンクの平均速度とは、車両がリンクを走行する際の平均速度である。
つぎに、ナビゲーション装置200は、リンクの標高データを取得する(ステップS1905)。つぎに、ナビゲーション装置200は、車両の設定情報を取得する(ステップS1906)。つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS1901~S1906で取得した情報に基づいて、上述した(1)式~(6)式のいずれか1つ以上の消費エネルギー推定式を用いて、リンクにおける推定消費電力量を算出し(ステップS1907)、本フローチャートによる処理を終了する。
<探索処理>
図20および図21は、ナビゲーション装置による到達可能地点探索処理の手順を示すフローチャートである。ナビゲーション装置200は、探索始点に最も近いリンクL(i)_jに接続するノードN(i)_jをノード候補に追加する(ステップS2001)。探索始点とは、上述したステップS1801で取得した車両の現在地点(ofx,ofy)である。
変数i,jは、任意の数値であり、例えば、探索始点に最も近いリンクおよびノードをそれぞれリンクL(1)_jおよびノードN(1)_jとし、さらに、ノードN(1)_jに接続するリンクをリンクL(2)_j、リンクL(2)_jに接続するノードをノードN(2)_jとしていけばよい(j=1,2、・・・,j1)。変数j1は、任意の数値であり、同一の階層に複数のリンクまたはノードが存在することを意味する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、ノード候補が1つ以上あるか否かを判断する(ステップS2002)。ノード候補が1つ以上ある場合(ステップS2002:Yes)、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点からノード候補までの累計消費電力量が最小なノード候補を選択する(ステップS2003)。例えば、ナビゲーション装置200がノード候補としてノードN(i)_jを選択したとして以降の処理を説明する。
つぎに、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点からノードN(i)_jまでの累計消費電力量が指定エネルギー量より小さいか否かを判断する(ステップS2004)。指定エネルギー量とは、例えば、車両の現在地点における車両の残存エネルギー量である。指定エネルギー量より小さい場合(ステップS2004:Yes)、ナビゲーション装置200は、ノードN(i)_jに接続するすべてのリンクL(i+1)_jを抽出する(ステップS2005)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS2005において抽出したリンクL(i+1)_jのうち、一のリンクL(i+1)_jを選択する(ステップS2006)。つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS2006において選択した一のリンクL(i+1)_jをリンク候補とするか否かを判断する候補判断処理をおこなう(ステップS2007,S2008)。
一のリンクL(i+1)_jをリンク候補とする場合(ステップS2008:Yes)、ナビゲーション装置200は、一のリンクL(i+1)_jでの消費電力量算出処理をおこなう(ステップS2009)。つぎに、ナビゲーション装置200は、一のリンクL(i+1)_jに接続するノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jを算出する(ステップS2010)。つぎに、ナビゲーション装置200は、ノードN(i+1)_jに接続する処理済みの他の経路があるか否かを判断する(ステップS2011)。
処理済みの他の経路がある場合(ステップS2011:Yes)、ナビゲーション装置200は、車両の現在地点からノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jが他の経路での累計消費電力量よりも小さいか否かを判断する(ステップS2012)。他の経路での累計消費電力量よりも小さい場合(ステップS2012:Yes)、ナビゲーション装置200は、ノードN(i+1)_jに車両の現在地点からノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jを設定する(ステップS2013)。
一方、処理済みの他の経路がない場合(ステップS2011:No)、ナビゲーション装置200は、ステップS2013に進む。つぎに、ナビゲーション装置200は、ノードN(i+1)_jがノード候補であるか否かを判断する(ステップS2014)。ノード候補でない場合(ステップS2014:No)、ナビゲーション装置200は、ノードN(i+1)_jをノード候補に追加する(ステップS2015)。
また、一のリンクL(i+1)_jをリンク候補としない場合(ステップS2008:No)、車両の現在地点からノードN(i+1)_jまでの累計消費電力量W(i+1)_jが他の経路での累計消費電力量以上である場合(ステップS2012:No)、ノードN(i+1)_jがノード候補である場合(ステップS2014:Yes)、ナビゲーション装置200は、ステップS2016へ進む。
つぎに、ナビゲーション装置200は、すべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了したか否かを判断する(ステップS2016)。すべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了した場合(ステップS2016:Yes)、ノードN(i)_jをノード候補から外した後(ステップS2017)、ステップS2002へ戻る。そして、ナビゲーション装置200は、ノード候補が1つ以上ある場合(ステップS2002:Yes)、ノード候補の中から、車両の現在地点からの累計消費電力量が最小なノード候補を選択し(ステップS2003)、ステップS2003において選択したノード候補を次のノードN(i)_jとしてステップS2004以降の処理をおこなう。
一方、すべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了していない場合(ステップS2016:No)、ステップS2006へ戻る。そして、ナビゲーション装置200は、再度、ノードN(i)_jに接続する他のリンクL(i+1)_jを選択し、同一のノード候補に接続するすべてのリンクL(i+1)_jの候補判断処理が終了するまで(ステップS2016:Yes)、ステップS2007からステップS2015までの処理を繰り返しおこなう。
また、ノード候補が1つ以上ない場合(ステップS2002:No)、車両の現在地点からノードN(i)_jまでの累計消費電力量が指定エネルギー量以上である場合(ステップS2004:No)、ナビゲーション装置200は、本フローチャートによる処理を終了する。なお、探索処理では、探索されたリンクを接続する両端のノードの組み合わせが記憶部に保存される。リンクの一端が探索始点の場合も同様に、記憶部に保存される。すなわち、探索元地点と探索先地点との組み合わせが記憶部に保存される。
<リンク候補判断処理>
図22は、図20に示したリンク候補判断処理(ステップS2007)の手順の一例を示すフローチャートである。図22において、ナビゲーション装置200は、まず、ステップS2006において選択した一のリンクL(i+1)_jが通行禁止であるか否かを判断する(ステップS2201)。通行禁止でない場合(ステップS2201:No)、ナビゲーション装置200は、一のリンクL(i+1)_jが一方通行の逆走であるか否かを判断する(ステップS2202)。一方通行の逆走でない場合(ステップS2202:No)、ナビゲーション装置200は、一のリンクL(i+1)_jが時間規制や季節規制されているか否かを判断する(ステップS2203)。
時間規制や季節規制されていない場合(ステップS2203:No)、ナビゲーション装置200は、一のリンクL(i+1)_jが一のリンクL(i+1)_jの車両の現在地点側のノードN(i+1)に接続するリンクL(i)_jよりも重要度が低いか否かを判断する(ステップS2204)。リンクL(i)_jよりも重要度が高い場合(ステップS2204:No)、ナビゲーション装置200は、一のリンクL(i+1)_jをリンク候補に決定し(ステップS2205)、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、通行禁止である場合(ステップS2201:Yes)、一方通行の逆走である場合(ステップS2202:Yes)、時間規制や季節規制されている場合(ステップS2203:Yes)、接続するリンクL(i)_jよりも重要度が低い場合(ステップS2204:Yes)、ナビゲーション装置200は、本フローチャートによる処理を終了する。
<メッシュ生成処理>
図23は、図18に示したメッシュ生成処理(ステップS1804)の手順の一例を示すフローチャートである。図23において、ナビゲーション装置200は、まず、到達可能なノード(探索可能地点)の経度緯度情報(x,y)を取得する(ステップS2301)。つぎに、ナビゲーション装置200は、最大経度x_max、最小経度x_min、最大緯度y_max、最小緯度y_minを取得する(ステップS2302)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS1801で取得した車両の現在地点(ofx,ofy)から、最大経度x_maxまでの距離w1、最小経度x_minまでの距離w2、最大緯度y_maxまでの距離w3、最小緯度y_minまでの距離w4をそれぞれ算出する(ステップS2303)。つぎに、ナビゲーション装置200は、距離w1~w4のうちの最も長い距離w5=max(w1,w2,w3,w4)を取得する(ステップS2304)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、記憶装置に記憶された地図データを絶対座標系からスクリーン座標系へ変換するための倍率mag=w5/nを算出する(ステップS2305)。つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS2305において算出した倍率magを用いて地図データを絶対座標系からスクリーン座標系へ変換し、m×mドットのメッシュ(X,Y)を生成し(ステップS2306)、本フローチャートによる処理を終了する。
<連結処理>
図24は、図18に示した連結処理(ステップS1805)の手順の一例を示すフローチャートである。図24において、ナビゲーション装置200は、探索処理により記憶部に保存されている探索元地点と探索先地点との組み合わせ群に、未選択の組み合わせがあるか否かを判断する(ステップS2401)。未選択の組み合わせがある場合(ステップS2401:Yes)、ナビゲーション装置200は、未選択の組み合わせを1つ選択する(ステップS2402)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、検出部307により、選択した組み合わせについてリンクを特定し、そのリンク方向を検出する(ステップS2403)。そして、ナビゲーション装置200は、検出されたリンク方向により、図14に示したように探索フィルタFの変更をおこなう(ステップS2404)。なお、ステップS2403、S2404は、任意処理であるため、省略してもよい。
そして、ナビゲーション装置200は、探索元地点を含む探索元領域を設定して、図12に示したように、リンクを辿って探索フィルタFを走査する(ステップS2405)。これにより、探索先領域が特定される。そして、ナビゲーション装置200は、判定部306により、探索元領域と探索先領域との間の距離が、所定距離以上であるか否かを判定する(ステップS2406)。
所定距離以上である場合(ステップS2406:Yes)、ナビゲーション装置200は、探索元領域、探索先領域、およびリンクとの重複領域に、識別情報「1」を付して(ステップS2407)、ステップS2401に戻る。一方、所定距離以上でない場合(ステップS2406:No)、ナビゲーション装置200は、リンクとの重複領域が存在しないため、探索元領域および探索先領域に、識別情報「1」を付して(ステップS2408)、ステップS2401に戻る。ステップS2401において、未選択の組み合わせがない場合(ステップS2401:No)、ナビゲーション装置200は、識別情報「1」が付与されていない残余メッシュに識別情報「0」を付与して(ステップS2409)、本フローチャートによる処理を終了する。
<識別情報変更処理>
図25は、図18に示した識別情報変更処理(ステップS1806)の手順の一例を示すフローチャートである。図25のフローチャートでは、ナビゲーション装置200は、橋またはトンネルの入口および出口に相当する各領域の識別情報が到達可能の識別情報である場合に、橋またはトンネルに相当する領域に生じている欠損点を除去する。
図25において、ナビゲーション装置200は、まず、my行mx列の2次元行列データのメッシュを取得する(ステップS2501)。つぎに、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域の識別情報を検索するために、変数i,jに1を代入する(ステップS2502,S2503)。つぎに、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域が橋またはトンネルの出入り口であるか否かを判断する(ステップS2504)。
i行j列の領域が橋またはトンネルの出入り口である場合(ステップS2504:Yes)、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS2505)。i行j列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS2505:Yes)、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域に対応する、橋またはトンネルの他方の出入り口の領域の位置情報(i1,j1)と識別情報を取得する(ステップS2506)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、メッシュのi1行j1列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS2507)。i1行j1列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS2507:Yes)、ナビゲーション装置200は、i行j列の領域とi1行j1列の領域とを結ぶ区間上にあるすべての領域の位置情報を取得する(ステップS2508)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS2508において取得した各領域の識別情報を「1」に変更する(ステップS2509)。これにより、i行j列の領域とi1行j1列の領域とを結ぶ橋またはトンネルに相当する領域に生じている欠損点が除去される。ナビゲーション装置200は、ステップS2508において取得した各領域の識別情報がすべて「1」であった場合に、ステップS2509の処理をおこなわずにステップS2510へ進んでもよい。
また、i行j列の領域が橋またはトンネルの出入り口でない場合(ステップS2504:No)、i行j列の領域の識別情報が「1」でない場合(ステップS2505:No)、および、i1行j1列の領域の識別情報が「1」でない場合(ステップS2507:No)、ナビゲーション装置200は、ステップS2510に進む。
つぎに、ナビゲーション装置200は、変数jに1を加算し(ステップS2510)、変数jがmx列を超えているか否かを判断する(ステップS2511)。変数jがmx列を超えていない場合(ステップS2511:No)、ナビゲーション装置200は、ステップS2504に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。一方、変数jがmx列を超えている場合(ステップS2511:Yes)、ナビゲーション装置200は、変数iに1を加算し(ステップS2512)、変数iがmy行を超えているか否かを判断する(ステップS2513)。
変数iがmy行を超えていない場合(ステップS2513:No)、ナビゲーション装置200は、ステップS2503に戻り、変数jに1を代入した後、以降の処理を繰り返しおこなう。一方、変数iがmy行を超えている場合(ステップS2513:Yes)、ナビゲーション装置200は、本フローチャートによる処理を終了する。これにより、ナビゲーション装置200は、my行mx列の2次元行列データのメッシュに含まれる橋またはトンネル上のすべての欠損点を除去することができる。
また、ナビゲーション装置200は、ステップS2506において橋またはトンネルの他方の出入り口として取得されたi1行j1列の領域について、再度、橋またはトンネルの他方の出入り口であるか否かの判断(ステップS2504の処理)をおこなわなくてもよい。これにより、ナビゲーション装置200は、識別情報変更処理の処理量を低減させることができる。
<表示処理>
図26および図27は、図18に示した表示処理(ステップS1807)の手順の一例を示すフローチャートである。図26および図27において、ナビゲーション装置200は、まず、my行mx列の2次元行列データのメッシュを取得する(ステップS2601)。つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS2601で取得したメッシュの各領域の経度緯度情報を取得する(ステップS2602)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域の識別情報を検索するために、変数iを初期化し、変数iに1を加算する(ステップS2603,S2604)。つぎに、ナビゲーション装置200は、変数iがmy行を超えているか否かを判断する(ステップS2605)。
変数iがmy行を超えていない場合(ステップS2605:No)、ナビゲーション装置200は、変数jを初期化し、変数jに1を加算する(ステップS2606,S2607)。つぎに、ナビゲーション装置200は、変数jがmx列を超えているか否かを判断する(ステップS2608)。
変数jがmx列を超えていない場合(ステップS2608:No)、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS2609)。i行j列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS2609:Yes)、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域の左上座標(px1,py1)を取得する(ステップS2610)。i行j列の領域の左上座標(px1,py1)とは、i行j列の領域の最小経度px1、最小緯度py1である。
つぎに、ナビゲーション装置200は、変数jがmx列を超えていないか否かを判断する(ステップS2611)。変数jがmx列を超えている場合(ステップS2611:No)、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j列の領域の右下座標(px2,py2)を取得する(ステップS2612)。i行j列の領域の右下座標(px2,py2)とは、i行j列の領域の最大経度px2、最大緯度py2である。
つぎに、ナビゲーション装置200は、ステップS2610において取得した左上座標(px1,py1)と、ステップS2612において取得した右下座標(px2,py2)とを地図データに設定する(ステップS2616)。そして、ナビゲーション装置200は、左上座標(px1,py1)と、右下座標(px2,py2)とを対向する頂点とする矩形領域を塗りつぶし(ステップS2617)、ステップS2604に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
一方、変数jがmx列を超えていない場合(ステップS2611:Yes)、ナビゲーション装置200は、変数jに1を加算し(ステップS2613)、メッシュのi行j列の領域の識別情報が「1」であるか否かを判断する(ステップS2614)。i行j列の領域の識別情報が「1」でない場合(ステップS2614:No)、ナビゲーション装置200は、メッシュのi行j-1列の領域の右下座標(px2,py2)を取得し(ステップS2615)、ステップS2616以降の処理をおこなう。
また、i行j列の領域の識別情報が「1」である場合(ステップS2614:Yes)、ステップS2611に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。そして、変数iがmy行を超えている場合(ステップS2605:Yes)、ナビゲーション装置200は、本フローチャートによる処理を終了する。変数jがmx列を超えている場合(ステップS2608:Yes)、ステップS2604に戻り、以降の処理を繰り返しおこなう。
<連結処理の他の例>
連結処理の他の例について説明する。連結処理の他の例とは、図13に示したように、探索元領域および探索先領域に対し、最後に識別情報「1」を付与する処理例である。
図28は、図18に示した連結処理(ステップS1805)の手順の他の例を示すフローチャートである。図28において、ナビゲーション装置200は、探索処理により記憶部に保存されている探索元地点と探索先地点との組み合わせ群に、未選択の組み合わせがあるか否かを判断する(ステップS2801)。未選択の組み合わせがある場合(ステップS2801:Yes)、ナビゲーション装置200は、未選択の組み合わせを1つ選択する(ステップS2802)。
つぎに、ナビゲーション装置200は、検出部307により、選択した組み合わせについてリンクを特定し、そのリンク方向を検出する(ステップS2803)。そして、ナビゲーション装置200は、検出されたリンク方向により、図14に示したように探索フィルタFの変更をおこなう(ステップS2804)。なお、ステップS2803、S2804は、任意処理であるため、省略してもよい。
そして、ナビゲーション装置200は、探索元地点を含む探索元領域を設定して、図12に示したように、リンクを辿って探索フィルタFを走査する(ステップS2805)。これにより、探索先領域が特定される。そして、ナビゲーション装置200は、判定部306により、探索元領域と探索先領域との間の距離が、所定距離以上であるか否かを判定する(ステップS2806)。
所定距離以上である場合(ステップS2806:Yes)、ナビゲーション装置200は、リンクとの重複領域に、識別情報「1」を付して(ステップS2807)、ステップS2808に移行する。一方、所定距離以上でない場合(ステップS2806:No)、ナビゲーション装置200は、リンクとの重複領域が存在しないため、ステップS2808に移行する。
そして、ステップS2808において、ナビゲーション装置200は、探索元領域および探索先領域の位置情報を保存して(ステップS2808)、ステップS2801に戻る。ステップS2801において、未選択の組み合わせがない場合(ステップS2801:No)、ナビゲーション装置200は、位置情報を保存した探索元領域および探索先領域に識別情報「1」を付与し(ステップS2809)、識別情報「1」が付与されていない残余メッシュに識別情報「0」を付与して(ステップS2810)、本フローチャートによる処理を終了する。
<道路勾配について>
つぎに、上記(1)式~(6)式の右辺に変数として用いられる道路勾配θについて説明する。図29は、勾配がある道路を走行する車両にかかる加速度の一例を模式的に示した説明図である。図29に示すように、道路勾配がθの坂道を走行する車両には、車両の走行に伴う加速度A(=dx/dt)と、重力加速度gの進行方向成分B(=g・sinθ)がかかる。例えば、上記(1)式を例に説明すると、上記(1)式の右辺第2項は、この車両の走行に伴う加速度Aと、重力加速度gの進行方向成分Bの合成加速度Cを示している。また、車両が走行する区間の距離Dとし、走行時間Tとし、走行速度Vとする。
道路勾配θを考慮せずに電力消費量の推定を行った場合、道路勾配θが小さい領域では推定消費電力量と実際の消費電力量との誤差が小さいが、道路勾配θが大きい領域では推定した推定消費電力量と実際の消費電力量との誤差が大きくなってしまう。このため、ナビゲーション装置200では、道路勾配、すなわち第四情報を考慮して燃費の推定をおこなうことで推定精度が向上する。
車両が走行する道路の勾配は、例えば、ナビゲーション装置200に搭載された傾斜計を用いて知ることができる。また、ナビゲーション装置200に傾斜計が搭載されていない場合は、例えば、地図データに含まれる道路の勾配情報を用いることができる。
<走行抵抗について>
つぎに、車両に生じる走行抵抗について説明する。ナビゲーション装置200は、例えば、次の(11)式により走行抵抗を算出する。一般的に、走行抵抗は、道路種別や、道路勾配、路面状況などにより、加速時や走行時に移動体に生じる。
Figure 2022070882000010
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1と同様に探索結果から連結処理を実行するとともに、探索結果について膨張収縮処理を施す。そして、両方の処理結果の論理積をとることにより、識別情報「1」が付与されたメッシュを得る。移動体の到達可能範囲を、欠損点を発生することなく表現することができる。なお、実施の形態2では、実施の形態1との相違点のみ説明し、実施の形態1との共通点については説明を省略する。
図30は、実施の形態2にかかる画像処理装置300および画像処理方法による画像処理例を示す説明図である。(A)は、探索後の状態を示している。(A)では、探索元地点(矢印の始端に対応)が存在するメッシュと探索先地点(矢印の終端に対応)が存在するメッシュが便宜上塗りつぶされているが、実際にはまだプロットされていないものとする。また、探索元地点が存在するメッシュを探索元領域、探索先地点が存在するメッシュを探索先領域と称す。
(B)は、(A)の次状態の1つであり、(A)の探索結果について膨張収縮処理を実行した実行結果を示している。(B)では、膨張収縮処理の結果に対応するメッシュが到達可能な領域として塗りつぶされる。
(C)は、(A)の次状態の1つを示している。(C)では、探索元領域と探索先領域との間のメッシュであって、探索されたリンクが存在するメッシュが塗りつぶされている。探索元領域と探索先領域との間のメッシュ(探索元領域と探索先領域を除く)であって、探索されたリンクが存在するメッシュを、重複領域と称す。(C)では、重複領域が到達可能な領域として塗りつぶされる。
(D)は、(C)の次状態を示している。(D)では、(C)について膨張収縮処理を実行した実行結果を示している。(D)の膨張収縮処理は省略してもよい。(E)は、(B)の膨張収縮結果および(D)の膨張収縮結果の論理積を示している。このように、実施の形態1による画像処理に、膨張収縮処理の結果を合成することにより、移動体の到達可能範囲を、欠損点を発生することなく表現することができる。
<膨張収縮処理の一例>
図31は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を示す説明図である。図31(A)~図31(C)は、各領域にそれぞれ識別情報が付与されたm行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュである。図31(A)には、地図データの分割処理後、はじめて識別情報が付与されたメッシュ3100を示す。すなわち、図31(A)に示すメッシュ3100は、図11に示すメッシュと同一である。
また、図31(B)には、図31(A)に示すメッシュ3100に対してクロージング処理(膨張)をおこなった後のメッシュ3110を示す。図31(C)には、図31(B)に示すメッシュ3110に対してクロージング処理(縮小)をおこなった後のメッシュ3120を示す。図31(A)~(C)に示すメッシュ3100,3110,3120において、到達可能の識別情報が付与された複数の領域によって生成される車両の到達可能範囲3101,3111,3121を黒く塗りつぶした状態で示す。
図31(A)に示すように、識別情報付与後のメッシュ3100には、車両の到達可能範囲3101内に含まれる到達不可能な領域からなる欠損点3102(ハッチングされた到達可能範囲3101内の白地部分)が生じている。欠損点3102は、例えば、図32に示すようにナビゲーション装置200による到達可能地点探索処理の負荷を低減させるためにノードおよびリンクを探索する道路を絞り込んだ場合に、到達可能地点となるノード数が少なくなることにより生じる。
つぎに、図31(B)に示すように、ナビゲーション装置200は、識別情報付与後のメッシュ3100に対してクロージングの膨張処理をおこなう。クロージングの膨張処理では、識別情報付与後のメッシュ3100の、到達可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達可能の識別情報に変更される。これにより、膨張処理前(識別情報付与後)の車両の到達可能範囲3101内に生じていた欠損部3102が消滅する。
また、膨張処理前の車両の到達可能範囲3101の最外周の領域に隣り合うすべての領域の識別情報が、到達可能な識別情報に変更される。このため、膨張処理後の車両の到達可能範囲3111の外周は、膨張処理をおこなうごとに、膨張処理前の車両の到達可能範囲3101の最外周の各領域の外周を囲むように1ドット分ずつ広がる。
その後、図31(C)に示すように、ナビゲーション装置200は、メッシュ3110に対してクロージングの縮小処理をおこなう。クロージングの縮小処理では、膨張処理後のメッシュ3110の、到達不可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達不可能の識別情報に変更される。
このため、膨張処理後の車両の到達可能範囲3111の最外周の各領域が、縮小処理がおこなわれるごとに1ドット分ずつ到達不可能な領域となり、膨張処理後の車両の到達可能範囲3111の外周が縮まる。これにより、縮小処理後の車両の到達可能範囲3121の外周は、膨張処理前の車両の到達可能範囲3101の外周とほぼ同様となる。
ナビゲーション装置200は、上述した膨張処理および縮小処理は同じ回数ずつおこなう。具体的には、膨張処理が2回おこなわれた場合、その後の縮小処理も2回おこなわれる。膨張処理と縮小処理との処理回数を等しくすることで、膨張処理によって到達可能の識別情報に変更された車両の到達可能範囲の外周部分のほぼすべての領域の識別情報を、縮小処理によって元の到達不可能の識別情報に変更することができる。このようにして、ナビゲーション装置200は、車両の到達可能範囲内の欠損点3102を除去し、かつ外周を明瞭に表示可能な車両の到達可能範囲3121を生成することができる。
より具体的には、ナビゲーション装置200は、次のようにクロージング処理をおこなう。図32は、ナビゲーション装置によるクロージング処理の一例を模式的に示す説明図である。図32(A)~図32(C)には、各領域にそれぞれ識別情報が付与されたh行h列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュを一例として示す。
図32(A)は、識別情報付与後のメッシュ3200である。図32(B)は、図32(A)に対するクロージング処理(膨張)後のメッシュ3210である。図32(C)は、図32(B)に対するクロージング処理(縮小)後のメッシュ3220である。図32(A)~図32(C)のメッシュ3200,3210,3220には、到達可能の識別情報が付与された領域3201,3202をそれぞれ異なるハッチングで図示する。
図32(A)に示すように、識別情報付与後のメッシュ3200には、c行f列、f行c列およびg行f列の領域3201に到達可能の識別情報が付与されている。図32(A)では、膨張処理後および縮小処理後における識別情報の変化が明確となるように、到達可能の識別情報が付与された各領域3201を離れた状態で配置している。
ナビゲーション装置200は、このような識別情報付与後のメッシュ3200に対して、クロージングの膨張処理をおこなう。具体的には、図32(B)に示すように、ナビゲーション装置200は、c行f列の領域3201の左下、下、右下、右、右上、上、左上、左に隣り合う8つの領域(b行e列~b行g列、c行e列、c行g列およびd行e列~d行g列)3202の識別情報を、到達不可能の識別情報から到達可能の識別情報に変更する。
また、ナビゲーション装置200は、c行f列の領域3201に対しておこなった処理と同様に、f行c列およびg行f列の領域3201においても隣り合う8つの領域3202の識別情報を到達可能の識別情報に変更する。このため、車両の到達可能範囲3211は、領域3202の識別情報が到達可能の識別情報に変更された分だけ、識別情報付与後のメッシュ3200における車両の到達可能範囲よりも広がる。
つぎに、ナビゲーション装置200は、膨張処理後のメッシュ3210に対して、クロージングの縮小処理をおこなう。具体的には、図32(C)に示すように、ナビゲーション装置200は、到達不可能の識別情報が付与された領域(膨張処理後のメッシュ3210の白地部分)に隣り合うb行e列~b行g列、c行e列、c行g列およびd行e列~d行g列の8つの領域3202の識別情報を到達不可能の識別情報に変更する。
また、ナビゲーション装置200は、b行e列~b行g列、c行e列、c行g列およびd行e列~d行g列の8個の領域902に対しておこなった処理と同様に、到達不可能の識別情報が付与された領域に隣り合うe行b列~e行d列、f行b列、f行d列~f行g列、g行b列~g行e列、g行g列、h行e列およびh行g列の15個の領域3202の識別情報を到達不可能の識別情報に変更する。
これにより、図32(C)に示すように、縮小処理後のメッシュ3220は、識別情報付与後のメッシュ3200と同様に、到達可能の識別情報が付与された3つの領域3201と、縮小処理後においても到達可能の識別情報が付与されたままの状態で残る1つの領域3202からなる車両の到達可能範囲3221が生成される。このように、膨張処理時に到達可能の識別情報が付与され、かつ縮小処理後に到達可能の識別情報が付与された状態で残る領域3202によって、識別情報付与後のメッシュ3200の到達可能範囲内に生じていた欠損点が消滅する。
<ナビゲーション装置200における識別情報付与例・その2>
ナビゲーション装置200は、2次元行列データ(Y,X)のメッシュに対してオープニング処理(縮小処理後に膨張処理をおこなう処理)をおこない、外周を明瞭に表示可能な車両の到達可能範囲を生成してもよい。具体的には、ナビゲーション装置200は、次のようにオープニング処理をおこなう。
図33は、ナビゲーション装置によるオープニング処理の一例を示す説明図である。図33(A)~図33(C)は、各領域にそれぞれ識別情報が付与されたm行m列の2次元行列データ(Y,X)のメッシュである。図33(A)には、識別情報付与後のメッシュ3300を示す。図33(B)には、図33(A)に対するオープニング処理(縮小)後のメッシュ1010を示す。また、図33(C)には、図33(B)に対するオープニング処理(膨張)後のメッシュ3320を示す。図33(A)~図33(C)に示すメッシュ3300,3310,3320おいて、到達可能の識別情報が付与された複数の領域によって生成される車両の到達可能範囲3301,3311,3321を黒く塗りつぶした状態で示す。
図33(A)に示すように、識別情報付与後のメッシュ3300における車両の到達可能範囲3301の外周に孤立点3302が多く生じている場合、識別情報付与後のメッシュ3300に対してオープニング処理をおこなうことで、孤立点3302を除去することができる。具体的には、図33(B)に示すように、ナビゲーション装置200は、識別情報付与後のメッシュ3300に対してオープニングの縮小処理をおこなう。
オープニングの縮小処理では、識別情報付与後のメッシュ3300の、到達不可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達不可能の識別情報に変更される。これにより、縮小処理前(識別情報付与後)の車両の到達可能範囲3301付近に生じていた孤立点3302が除去される。
このため、識別情報付与後の車両の到達可能範囲3301の最外周の各領域が、縮小処理がおこなわれるごとに1ドット分ずつ到達不可能な領域となり、識別情報付与後の車両の到達可能範囲3301の外周が縮まる。また、識別情報付与後の車両の到達可能範囲3301に生じていた孤立点3302が除去される。
その後、図33(C)に示すように、ナビゲーション装置200は、メッシュ3310に対してオープニングの膨張処理をおこなう。オープニングの膨張処理では、縮小処理後のメッシュ3310の、到達不可能の識別情報が付与されている領域に隣り合う一の領域の識別情報が、到達可能の識別情報に変更される。このため、膨張処理後の車両の到達可能範囲3321の外周は、膨張処理をおこなうごとに、縮小処理後の車両の到達可能範囲3311の最外周の各領域の外周を囲むように1ドット分ずつ広がる。
ナビゲーション装置200は、オープニング処理においても、クロージング処理と同様に膨張処理および縮小処理は同じ回数ずつおこなう。このように膨張処理と縮小処理との処理回数を等しくすることで、縮小処理によって縮まった車両の到達可能範囲3311の外周を広げ、縮小処理後の車両の到達可能範囲3321の外周を縮小処理前の車両の到達可能範囲3301の外周に戻すことができる。このようにして、ナビゲーション装置200は、孤立点3302が生じず、かつ外周を明瞭に表示可能な車両の到達可能範囲3321を生成することができる。
<ナビゲーション装置200における画像処理>
図34は、ナビゲーション装置200による画像処理の手順の一例を示すフローチャートである。図18と同一ステップには同一ステップ番号を付し、その説明を省略する。
メッシュ生成処理(ステップS1804)において領域群を生成したあと、生成した領域群をコピーし、2つの処理に分岐する。一方は、実施の形態1と同等、連結処理(ステップS1805)と識別情報変更処理(ステップS1806)とを実行する。その後、図30の(D)に示したように、ナビゲーション装置200は、膨張収縮処理を実行して(ステップS3407)、ステップS3410に移行する。上述したように、膨張収縮処理(ステップS3407)は省略してもよい。
また、他方の分岐では、ナビゲーション装置200は、探索元領域および探索先領域に識別情報「1」を付与し、残余のメッシュに識別情報「0」を付与する(ステップS3408)。そして、ナビゲーション装置200は、ステップS3408において識別情報が付与された領域群に対し、膨張収縮処理を実行して(ステップS3409)、ステップS3410に移行する。
ステップS3410では、ナビゲーション装置200は、膨張収縮処理(ステップS3407)の処理結果である領域群と、膨張収縮処理(ステップS3409)の処理結果である領域群との合成処理を実行する(ステップS3410)。合成処理(ステップS3410)では、ナビゲーション装置200は、同一位置のメッシュどうしの識別情報の論理積をとる。これにより、膨張収縮処理により発生した余分な領域を除去することができる。このあと、ナビゲーション装置200は、表示処理(ステップS1807)を実行することにより、本フローチャートによる処理を終了する。
<判定部306による連結判定の一例>
実施の形態2では、膨張収縮処理が実行されるため、膨張収縮範囲を想定した上で、連結判定が実行される。具体的には、実施の形態1では、同一領域に探索元地点と探索先地点が存在する場合や、隣接しあう一方の領域に探索元地点、他方の領域に探索先地点が存在する場合には、探索元領域と探索先領域との間を連結する領域(リンクに重複する領域)が存在しないものとして扱っていた。
図35は、連結判定例を示す説明図である。(A)は、1回分の膨張範囲を示している。1回の膨張による膨張範囲は中心領域の隣接8領域となる。(B)は、2回分の膨張範囲を示している。1回目の膨張による膨張範囲は中心領域の隣接8領域となり、2回目の膨張による膨張範囲は、1回目の膨張による隣接8領域に隣接する隣接16領域となる。
例えば、膨張収縮がN回繰り返されると、領域の大きさを1とすると、√(2×(2N+1))以内の領域同士は、膨張収縮により必ず連結される。したがって、√(2×(2N+1))以内であれば連結する必要がない。したがって、1回の膨張範囲が隣接8領域の場合は、図24や図28に示した連結処理(ステップS1805)のS2406,S2806の所定距離を√(2×(2N+1))に設定すればよい。したがって、(A)の場合は、1回分の膨張範囲を示しているためN=1であり、(B)の場合は、2回分の膨張範囲を示しているためN=2である。
(実施の形態3)
実施の形態3は、実施の形態1,2で説明した画像処理装置300を、画像処理システムとした場合の例である。
図36は、実施の形態3にかかる画像処理装置300の機能的構成の一例を示すブロック図である。図36において、画像処理システム3600は、サーバ3610、端末3620によって構成される。実施の形態3にかかる画像処理システム3600は、実施の形態1の画像処理装置300の機能をサーバ3610および端末3620に備える。
サーバ3610は、移動体に搭載された端末3620によって表示部310に表示させる情報を生成する。具体的には、サーバ3610は、移動体の到達可能範囲に関する情報を検出し端末3620に送信する。端末3620は、移動体に搭載されても構わないし、携帯端末として移動体の中で利用されても構わないし、携帯端末として移動体の外で利用されても構わない。そして、端末3620は、サーバ3610から移動体の到達可能範囲に関する情報を受信する。
図36において、サーバ3610は、算出部302、探索部303、分割部304、付与部305、判定部306、検出部307、サーバ受信部3611、サーバ送信部3612によって構成される。端末3620は、取得部301、表示制御部308308、端末受信部3621、端末送信部3622によって構成される。なお、図36に示す画像処理システム3600においては、図1に示した画像処理装置300と同一の構成部に同一の符号を付し、説明を省略する。
サーバ3610において、サーバ受信部3611は、端末3620から送信された情報を受信する。具体的には、例えば、サーバ受信部3611は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末3620からの移動体に関する情報を受信する。移動体に関する情報とは、移動体の現在地点に関する情報、および、移動体の現在地点において移動体が保有するエネルギー量である初期保有エネルギー量に関する情報である。サーバ受信部3611によって受信された情報は、算出部302で参照される情報である。
サーバ送信部3612は、付与部305によって移動体が到達可能であることを識別する到達可能の識別情報が付与された地図情報100が分割されてなる複数の領域を移動体の到達可能範囲として、端末3620に送信する。具体的には、例えば、サーバ送信部3612は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末3620に情報を送信する。
端末3620は、例えば、携帯端末の情報通信網や自装置に備えられた通信部(不図示)を介して通信可能な状態で、サーバ3610と接続されている。
端末3620において、端末受信部3621は、サーバ3610からの情報を受信する。具体的には、端末受信部3621は、複数の領域に分割され、かつ当該領域のそれぞれに、移動体の到達可能地点に基づいて到達可能または到達不可能の識別情報が付与された地図情報100を受信する。より具体的には、例えば、端末受信部3621は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続されたサーバ3610から情報を受信する。
端末送信部3622は、取得部301に取得された移動体に関する情報をサーバ3610に送信する。具体的には、例えば、端末送信部3622は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続されたサーバ3610に移動体に関する情報を送信する。
つぎに、実施の形態3にかかる画像処理システム3600による画像処理について説明する。画像処理システム3600による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置300とほぼ同一であるため、実施の形態1との差異について説明する。
画像処理システム3600による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置300による画像処理のうち、推定エネルギー消費量算出処理、到達可能地点探索処理、識別情報付与処理、をサーバ3610がおこなう。具体的には、端末3620は、取得部301による情報の取得処理をおこない、取得した情報をサーバ3610に送信する。
つぎに、サーバ3610は、端末3620からの情報を受信する。つぎに、サーバ3610は、端末3620から受信した情報に基づいて算出部302~検出部307の処理をおこない、付与部305から取得した情報を端末3620に送信する。つぎに、端末3620は、サーバ3610からの情報を受信する。そして、端末3620は、サーバ3610から受信した情報に基づいて表示制御部308による表示制御処理をおこない、本フローチャートによる処理を終了する。
図37は、実施の形態3にかかる画像処理システムの機能的構成の他の例を示すブロック図である。図37において、画像処理システム3700は、第1サーバ3710、第2サーバ3720、第3サーバ3730、端末3740によって構成される。画像処理システム3700は、実施の形態1の画像処理装置300の算出部302の機能を第1サーバ3710が備え、実施の形態1の画像処理装置300の探索部303の機能を第2サーバ3720が備え、実施の形態1の画像処理装置300の分割部304、付与部305、判定部306、検出部307の機能を第3サーバ3730が備え、実施の形態1の画像処理装置300の取得部301および表示制御部308の機能を端末3740が備える。
図37において、端末3740は、実施の形態2の端末2520と同様の構成を有する。具体的には、端末3740は、取得部301、表示制御部308、端末受信部3741、端末送信部3742によって構成される。端末受信部3741は、実施の形態2の端末受信部2521と同様の構成を有する。端末送信部3742は、実施の形態2の端末送信部2522と同様の構成を有する。第1サーバ3710は、算出部302、第1サーバ受信部3711、第1サーバ送信部3712、によって構成される。
第2サーバ3720は、探索部303、第2サーバ受信部3721、第2サーバ送信部3722、によって構成される。第3サーバ3730は、分割部304、付与部305、判定部306、検出部307、第3サーバ受信部3731、第3サーバ送信部3732、によって構成される。図37に示す画像処理システム3700においては、図1に示した画像処理装置300および図36に示した画像処理システム3600と同一の構成部に同一の符号を付し、説明を省略する。
第1サーバ3710において、第1サーバ受信部3711は、端末3740から送信された情報を受信する。具体的には、例えば、第1サーバ受信部3711は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末3740の端末送信部3742からの情報を受信する。第1サーバ受信部3711によって受信された情報は、算出部302で参照される情報である。
第1サーバ送信部3712は、算出部302によって算出された情報を第2サーバ受信部3721に送信する。具体的には、第1サーバ送信部3712は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第2サーバ受信部3721に情報を送信してもよいし、有線で接続された第2サーバ受信部3721に情報を送信してもよい。
第2サーバ3720において、第2サーバ受信部3721は、端末送信部3742および第1サーバ送信部3712によって送信された情報を受信する。具体的には、例えば、第2サーバ受信部3721は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第1サーバ送信部3712および端末送信部3742からの情報を受信する。第2サーバ受信部3721は、有線で接続された第1サーバ送信部3712からの情報を受信してもよい。第2サーバ受信部3721によって受信された情報は、探索部303で参照される情報である。
第2サーバ送信部3722は、探索部303によって探索された情報を第3サーバ受信部3731に送信する。具体的には、例えば、第2サーバ送信部3722は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第3サーバ受信部3731に情報を送信してもよいし、有線で接続された第3サーバ受信部3731に情報を送信してもよい。
第3サーバ3730において、第3サーバ受信部3731は、端末送信部3742および第2サーバ送信部3722によって送信された情報を受信する。具体的には、例えば、第3サーバ受信部3731は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された第2サーバ送信部3722および端末送信部3742からの情報を受信してもよい。第3サーバ受信部3731は、有線で接続された第2サーバ送信部3722からの情報を受信してもよい。第3サーバ受信部3731によって受信された情報は、分割部304で参照される情報である。
第3サーバ送信部3732は、付与部305によって生成された情報を端末受信部3741に送信する。具体的には、例えば、第3サーバ送信部3732は、公衆回線網や携帯電話網、DSRC、LAN、WANなどの通信網に無線を介して接続された端末受信部3741に情報を送信する。
つぎに、実施の形態3にかかる画像処理システム3700による画像処理について説明する。画像処理システム3700による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置300とほぼ同一であるため、図18のフローチャートを利用して実施の形態1との差異について説明する。
画像処理システム3700による画像処理は、実施の形態1にかかる画像処理装置300による画像処理のうち、推定エネルギー消費量算出処理を第1サーバ3710がおこない、到達可能地点探索処理を第2サーバ3720がおこない、識別情報付与処理を第3サーバ3730がおこなう。図18のフローチャートにおいて、端末3740は、ステップS1801の処理をおこない、ステップS1801で取得した情報を第1サーバ3710に送信する。
つぎに、第1サーバ3710は、端末3740からの情報を受信する。つぎに、第1サーバ3710は、端末3740から受信した情報に基づいてステップS1802,S1803の処理をおこない、ステップS1803で算出した情報を第2サーバ3720に送信する。つぎに、第2サーバ3720は、第1サーバ3710からの情報を受信する。つぎに、第2サーバ3720は、第1サーバ3710から受信した情報に基づいてステップS1804の処理をおこない、ステップS1804で探索した情報を第3サーバ3730に送信する。
つぎに、第3サーバ3730は、第2サーバ3720からの情報を受信する。つぎに、第3サーバ3730は、第2サーバ3720からの情報に基づいてステップS1805,S1806の処理をおこない、ステップS1806で生成した情報を端末3740に送信する。つぎに、端末3740は、第3サーバ3730からの情報を受信する。そして、端末3740は、第3サーバ3730から受信した情報に基づいてステップS1807をおこない、本フローチャートによる処理を終了する。
以上説明したように、実施の形態3にかかる画像処理システム3600,3700および画像処理方法は、実施の形態1にかかる画像処理装置300および画像処理方法と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態4は、実施の形態1~3におけるシステム構成の一例を示す。図38は、実施の形態4のシステム構成の一例を示す説明図である。実施の形態4では、車両に搭載されたナビゲーション装置3810を端末3620とし、サーバ3820をサーバ3610とする画像処理システム3800において、本発明を適用した場合の一例について説明する。画像処理システム3800は、車両3830に搭載されたナビゲーション装置3810、サーバ3820、ネットワーク3840によって構成される。
ナビゲーション装置3810は、車両3830に搭載されている。ナビゲーション装置3810は、サーバ3820に車両の現在地点の情報および初期保有エネルギー量に関する情報を送信する。また、ナビゲーション装置3810は、サーバ3820から受信した情報をディスプレイに表示してユーザに報知する。サーバ3820は、ナビゲーション装置3810から車両の現在地点の情報および初期保有エネルギー量に関する情報を受信する。サーバ3820は、受信した車両情報に基づいて、車両3830の到達可能範囲に関する情報を生成する。
サーバ3820およびナビゲーション装置3810のハードウェア構成は、実施例1のナビゲーション装置200のハードウェア構成と同一である。また、ナビゲーション装置3810は、車両情報をサーバ3820に送信する機能と、サーバ3820からの情報を受信してユーザに報知する機能に該当するハードウェア構成のみを備えていればよい。
また、画像処理システム3800は、車両に搭載されたナビゲーション装置3810を実施の形態3の端末3740とし、サーバ3820の機能構成を実施の形態3の第1~3サーバ3710~3730に分散させた構成してもよい。
以上説明したように、本実施の形態の画像処理装置および画像処理方法は、移動体が到達可能な領域にまで領域拡大する膨張処理と、膨張処理により拡大された領域から移動体が到達不可能な領域を除外する収縮処理(以下、あわせて膨張収縮処理)とによる弊害を低減することができる。具体的には、膨張収縮処理に伴うノードの消失や到達可能範囲の狭小化、到達可能範囲の分散化を抑制することができる。また、実施の形態2で示したように、膨張収縮処理を補完的に用いることにより、膨張収縮処理に伴うノードの消失や到達可能範囲の狭小化、到達可能範囲の分散化を高精度に抑制することができる。
また、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法は、道路形状に沿った到達可能領域の抽出作業を背景技術の項で示した方法とは独立して適用することができるため、道路形状に沿った到達可能範囲の抽出方法を自由に選択することもできる。例えば、本実施の形態にかかる画像処理装置および画像処理方法では、道路形状に沿って描画する線の太さを変えたり、線を描画した後で膨張収縮を行うことが可能である。
また、本実施の形態によれば、海や湖、山脈など移動体の走行不可能な領域を除いた状態で移動体の到達可能範囲を生成することができ、移動体の到達可能範囲を正確に表示することができる。
また、探索元領域と探索先領域との間の連結判定を実行することにより、不要な識別情報の付与を抑制することができ、画像処理の高速化を図ることができる。また、探索元地点と探索先地点との間のリンクの方向を検出して、探索フィルタFを変更することにより、識別情報の重複付与を抑制することができ、画像処理の高速化を図ることができる。
なお、本実施の形態で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD-ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。またこのプログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することが可能な伝送媒体であってもよい。
300 画像処理装置
301 取得部
302 算出部
303 探索部
304 分割部
305 付与部
306 判定部
307 検出部
308 表示制御部
310 表示部

Claims (1)

  1. 移動体の現在地点に関する情報、および、前記移動体の現在地点において前記移動体が保有するエネルギー量である初期保有エネルギー量に関する情報、を取得する取得手段と、
    前記移動体が所定区間を走行する際に消費するエネルギーである推定エネルギー消費量を算出する算出手段と、
    地点を示すノード群と地点間の経路を示すリンク群を含む地図情報、前記初期保有エネルギー量および前記推定エネルギー消費量に基づいて、前記移動体が現在地点から当該現在地点が位置するリンクに沿って到達可能な地点を探索するとともに、探索された地点から当該地点が示すノードに接続されるリンクに沿って到達可能な地点を探索する探索処理を実行することにより、前記探索処理における探索元地点と当該探索元地点からの探索先地点との組み合わせを保存する探索手段と、
    前記地図情報を複数の領域に分割する分割手段と、
    前記探索手段によって探索された組み合わせごとに、前記複数の領域のうち、前記探索元地点を含む探索元領域と前記探索先地点を含む探索先領域との間に存在し、かつ、前記探索元地点と前記探索先地点とを結ぶリンクに重複する重複領域に対し、前記移動体が到達可能であることを示す識別情報を付与するとともに、前記探索元領域および前記探索先領域に対し前記識別情報を付与する付与手段と、
    前記付与手段によって付与された識別情報群に基づいて、前記移動体の到達可能範囲を表示手段に表示させる表示制御手段と、
    を備えることを特徴とする画像処理装置。
JP2022014718A 2020-03-02 2022-02-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム Pending JP2022070882A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022014718A JP2022070882A (ja) 2020-03-02 2022-02-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2023116288A JP2023143919A (ja) 2020-03-02 2023-07-14 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020035088A JP2020144127A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2022014718A JP2022070882A (ja) 2020-03-02 2022-02-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020035088A Division JP2020144127A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023116288A Division JP2023143919A (ja) 2020-03-02 2023-07-14 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022070882A true JP2022070882A (ja) 2022-05-13

Family

ID=72354050

Family Applications (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020035088A Pending JP2020144127A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2022014718A Pending JP2022070882A (ja) 2020-03-02 2022-02-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2023116288A Pending JP2023143919A (ja) 2020-03-02 2023-07-14 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020035088A Pending JP2020144127A (ja) 2020-03-02 2020-03-02 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2023116288A Pending JP2023143919A (ja) 2020-03-02 2023-07-14 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (3) JP2020144127A (ja)

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096209A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 到達可能範囲表示装置および到達可能範囲表示方法ならびにそのプログラム
JP2010127678A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Aisin Aw Co Ltd 走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラム

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5544983B2 (ja) * 2010-03-31 2014-07-09 日産自動車株式会社 電気自動車用表示装置及び表示方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008096209A (ja) * 2006-10-10 2008-04-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 到達可能範囲表示装置および到達可能範囲表示方法ならびにそのプログラム
JP2010127678A (ja) * 2008-11-26 2010-06-10 Aisin Aw Co Ltd 走行案内装置、走行案内方法及びコンピュータプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020144127A (ja) 2020-09-10
JP2023143919A (ja) 2023-10-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6047651B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
WO2014045432A1 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
WO2013027270A1 (ja) 画像処理装置、画像処理管理装置、端末、処理装置および画像処理方法
WO2014016948A1 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2017227652A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2022070882A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2019049569A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
WO2014103080A1 (ja) 表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、表示制御システム、表示制御サーバおよび端末
JP2018200319A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2017187498A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
Keler et al. Is there a relationship between complicated crossings and frequently visited locations? A case study with boro taxis and OSM in NYC
JP6058756B2 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2016006695A (ja) 補充設備検索装置、補充設備検索方法および補充設備検索プログラム
JP5819445B2 (ja) 画像処理装置、画像処理管理装置、端末および画像処理方法
JP2022089850A (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP5816705B2 (ja) 画像処理装置、画像処理管理装置、端末、画像処理方法およびデータ構造
WO2013125019A1 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
WO2014038026A1 (ja) 画像処理装置および画像処理方法
WO2013114579A1 (ja) 画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
JP2023016847A (ja) 到達可能範囲算出装置、到達可能範囲算出方法および到達可能範囲算出プログラム
CN104204728B (zh) 图像处理装置以及图像处理方法
WO2013105271A1 (ja) 画像処理装置、画像処理管理装置、端末および画像処理方法
WO2014080535A1 (ja) 表示制御装置、表示制御方法、表示制御プログラム、表示制御システム、表示制御サーバおよび端末
JP2019212314A (ja) 到達可能範囲算出装置、到達可能範囲算出方法および到達可能範囲算出プログラム
WO2014068685A1 (ja) 表示制御装置、サーバ装置、表示制御方法、表示制御プログラムおよび記録媒体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221025

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20230418