JP2022067286A - ガスタービンシステム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスタービンシステム1は、複数のガスタービン要素2,3と、単一の燃焼器4と、複数の配管5と、複数の開閉弁6と、制御部7と、を備える。第三運転モードにおいて、制御部7は、第二開閉弁62及び第五開閉弁65を開くとともに、第一開閉弁61、第三開閉弁63、第四開閉弁64及び第六開閉弁66を閉じることにより、第一ガスタービン要素2の動作を停止させ、かつ第二ガスタービン要素3を動作させる。
【選択図】図2
Description
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、上流側に開閉弁を有しない第二圧縮機の動作を停止する場合、第二圧縮機に空気が流入してしまうため、燃焼器に対して必要流量の圧縮空気を供給できないおそれがある。
したがって、複数の圧縮機及びタービンを有するガスタービンシステムにおいて、いずれかの圧縮機及びタービンを停止した場合であっても燃焼器に安定的に必要流量の空気を供給できるガスタービンシステムを提供できる。
第三運転モードにおいて第一ガスタービン要素及び第二ガスタービン要素のうち動作している一方による出力値(第三出力値)は、第一運転モードにおける第一出力値と同等に設定されている。これにより、2個のガスタービン要素のうち1個のガスタービン要素の動作を停止した場合であっても、運転に支障がない程度に十分大きな出力を確保することができる。よって、ガスタービンシステムを安定的に動作させることができる。
図1は、実施形態に係るガスタービンシステムを搭載した航空機10の外観図である。
航空機10は、例えば、機体11と、複数のロータ12A~12Dと、複数の電動機14A~14Dと、取り付け部材16A~16Dと、ガスタービンシステム1と、を備える。以下、複数のロータ12A~12Dを互いに区別しない場合は、ロータ12と称し、複数の電動機14A~14Dを互いに区別しない場合は、電動機14と称する。
ガスタービンシステム1は、航空機10の内部に搭載されている。ガスタービンシステム1は、航空機10のロータ12A~12D(図1参照)を駆動させる動力源となる電力を発電する。ガスタービンシステム1は、いわゆるガスタービンエンジンからなる。ガスタービンシステム1は、第一ガスタービン要素2と、第二ガスタービン要素3と、単一の燃焼器4と、複数の配管5と、複数の開閉弁6と、制御部7と、を備える。
第一ガスタービン要素2は、第一圧縮機21と、第一タービン22と、第一回転軸23と、第一発電機24と、を有する。第一圧縮機21は、航空機10の機体11に設けられた不図示の通風孔から吸入される吸入空気を圧縮するファン動翼である。第一タービン22は、第一圧縮機21と接続されて第一圧縮機21と一体回転する。第一回転軸23は、第一圧縮機21と第一タービン22とを連結している。第一回転軸23は、例えば機体11の前後方向(ヨー軸)に平行な方向に沿って延びている。第一回転軸23の前端部に第一圧縮機21が接続されている。第一回転軸23の後端部に第一タービン22が接続されている。
また、以下の説明において、圧縮機及びタービンのうち、空気の流通方向の上流側に位置して空気が流入する部分を「入口21a,22a,31a,32a」といい、空気の流通方向の下流側に位置して空気が排出される部分を「出口21b,22b,31b,32b」という場合がある。
燃焼器4は、2個のガスタービン要素(第一ガスタービン要素2及び第二ガスタービン要素3)に対して1個設けられる。燃焼器4は、機体11の左右方向において第一ガスタービン要素2と第二ガスタービン要素3との間に配置されている。燃焼器4は、機体11の前後方向において、各圧縮機21,31と各タービン22,32との間に位置している。より具体的に、燃焼器4の吸気口40は、第一圧縮機21の出口21b及び第二圧縮機31の出口31bより後方に設けられ、燃焼器4の排気口41は、第一タービン22の入口22a及び第二タービン32の入口32aより前方に設けられている。燃焼器4は、第一ガスタービン要素2及び第二ガスタービン要素3にそれぞれ接続される。燃焼器4には、第一圧縮機21及び第二圧縮機31の少なくとも一方からの圧縮空気が流入する。
複数の配管5は、第一供給管51と、第二供給管52と、圧縮機連通管53と、第一排出管54と、第二排出管55と、タービン連通管56と、を有する。第一供給管51は、第一圧縮機21の出口21bと燃焼器4の吸気口40とを接続する。第一供給管51は、第一圧縮機21により圧縮された空気を燃焼器4へ向けて流通させる。第二供給管52は、第二圧縮機31の出口31bと燃焼器4の吸気口40とを接続する。第二供給管52は、第二圧縮機31により圧縮された空気を燃焼器4へ向けて流通させる。第一供給管51と第二供給管52とは、互いに内部の空気が混ざることなく独立して形成されている。
複数の開閉弁6は、第一開閉弁61と、第二開閉弁62と、第三開閉弁63と、第四開閉弁64と、第五開閉弁65と、第六開閉弁66と、を有する。第一開閉弁61は、第一供給管51に設けられ、第一供給管51内の空気の流通を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。第二開閉弁62は、第二圧縮機31の入口31aよりも空気の流通方向の上流側に設けられている。第二開閉弁62は、第二の外気導入管46に設けられ、第二圧縮機31への空気の流入を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。第三開閉弁63は、圧縮機連通管53に設けられ、圧縮機連通管53内の空気の流通を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。各開閉弁は、例えば通電のオン/オフの切り替えによって弁を開閉する電磁弁等である。
制御部7は、吸気側の三方弁42(第一開閉弁61及び第三開閉弁63)、第二開閉弁62、排気側の三方弁43(第四開閉弁64及び第六開閉弁66)、及び第五開閉弁65の開閉を制御する。制御部7は、例えば電気的な方法により各開閉弁に信号を送信する。複数の開閉弁6は、それぞれ受信した信号により開状態又は閉状態に切り替えられる。制御部7は、航空機10の状態情報やパイロットからの操作情報に基づいて、航空機10が所定の運転モードであることを特定し、特定された運転モードの種類に応じて所定の組み合わせで各開閉弁を開閉させる。
制御部7は、少なくとも第一運転モードM1(図3及び図7参照)、第二運転モードM2(図4及び図7参照)、及び第三運転モードM3(図5、図6及び図7参照)の3個の運転モードを特定可能である。
図7に示すように、航空機10は、滑走離陸、もしくは垂直離陸(ホバリング)し、上昇および加速して、巡航する。そして、航空機10は、下降および減速し、ホバー(ホバリング)して、着陸する。航空機10が所定の高度に到達した後に水平方向を含む方向に移動している状態は、巡航状態である。以下の説明では、巡航状態とは、航空機10が、上昇及び加速、又は下降及び減速している状態であるものとする。また、航空機10が離陸する動作または着陸する動作を行っている状態は、離着陸状態である。
以下、各運転モードにおけるガスタービンシステム1の動作について説明する。始めに、第一運転モードM1におけるガスタービンシステム1の動作について説明する。
図3に示すように、第一運転モードM1において、制御部7は、第一開閉弁61及び第二開閉弁62を開くとともに第三開閉弁63を閉じる。つまり、吸気側の三方弁42は、第一圧縮機21から燃焼器4へ空気を流通させるとともに、第一圧縮機21から第二圧縮機31への空気の流通を遮断する。また、第一運転モードM1において、制御部7は、第四開閉弁64及び第五開閉弁65を開くとともに第六開閉弁66を閉じる。つまり、排気側の三方弁43は、燃焼器4から第一タービン22へ空気を流通させるとともに、第二タービン32から第一タービン22への空気の流通を遮断する。
図4に示すように、第二運転モードM2において、制御部7は、第一開閉弁61及び第二開閉弁62を閉じるとともに第三開閉弁63を開く。つまり、吸気側の三方弁42は、第一圧縮機21から燃焼器4への空気の流通を遮断するとともに、第一圧縮機21から第二圧縮機31へ空気を流通させる。また、第二運転モードM2において、制御部7は、第四開閉弁64及び第五開閉弁65を閉じるとともに第六開閉弁66を開く。つまり、排気側の三方弁43は、燃焼器4から第一タービン22への空気の流通を遮断するとともに、第二タービン32から第一タービン22へ空気を流通させる。
図5に示すように、第一形態の第三運転モードM3-1において、制御部7は、第二開閉弁62及び第五開閉弁65を開くとともに、第一開閉弁61、第三開閉弁63、第四開閉弁64及び第六開閉弁66を閉じる。つまり、吸気側の三方弁42は、第二圧縮機31から第一圧縮機21への空気の流通を遮断する。好ましくは、吸気側の三方弁42は、第一圧縮機21及び燃焼器4間の空気の流通も遮断する。また、排気側の三方弁43は、第二タービン32から第一タービン22への空気の流通を遮断する。好ましくは、排気側の三方弁43は、燃焼器4及び第一タービン22間の空気の流通も遮断する。これにより、制御部7は、第一ガスタービン要素2の動作を停止させ、かつ第二ガスタービン要素3を動作させる。なお、制御部7は、第一ガスタービン要素2の回転が完全に停止した後に上述の各開閉弁6の開閉制御を行ってもよい。
燃焼器4から排出された空気は、第二排出管55を流通して第二タービン32へ供給され、第二タービン32を回転させる。その後、空気は第二タービン32から外部へ排出される。
図6に示すように、第二形態の第三運転モードM3-2において、制御部7は、第一開閉弁61及び第四開閉弁64を開くとともに、第二開閉弁62、第三開閉弁63、第五開閉弁65及び第六開閉弁66を閉じる。つまり、吸気側の三方弁42は、第一圧縮機21から燃焼器4へ空気を流通させ、第一圧縮機21及び第二圧縮機31間の空気の流通を遮断する。また、排気側の三方弁43は、燃焼器4から第一タービン22へ空気を流通させ、第一タービン22及び第二タービン32間の空気の流通を遮断する。これにより、制御部7は、第二ガスタービン要素3の動作を停止させ、かつ第一ガスタービン要素2を動作させる。なお、制御部7は、第二ガスタービン要素3の回転が完全に停止した後に上述の各開閉弁6の開閉制御を行ってもよい。
燃焼器4から排出された空気は、第一排出管54を流通して第一タービン22へ供給され、第一タービン22を回転させる。その後、空気は第一タービン22から外部へ排出される。
次に、上述のガスタービンシステム1の作用、効果について説明する。
本実施形態のガスタービンシステム1によれば、ガスタービンシステム1は、2個のガスタービン要素2,3と、各ガスタービン要素2,3にそれぞれ接続される単一の燃焼器4と、を備える。これにより、複数の圧縮機21,31により圧縮された空気を単一の燃焼器4に流入させることができる。よって、燃焼器4への空気の流入量及び空気の流速を増加させ、高い出力を得ることができる。また、ガスタービンシステム1は、2個の圧縮機21,31と燃焼器4との間、2個の圧縮機21,31同士の間、2個のタービン22,32と燃焼器4との間、及び2個のタービン22,32同士の間をそれぞれ接続する配管5(第一供給管51、第二供給管52、圧縮機連通管53、第一排出管54、第二排出管55及びタービン連通管56)と、これらの配管5内に設けられる第一から第六の開閉弁6とを有する。所望の開閉弁6を開閉制御することにより、空気が流通可能な配管5を限定することができる。これにより、2個のガスタービン要素2,3のうちいずれか1個のガスタービン要素と燃焼器4とを接続させることができる。よって、例えば何らかの不具合発生時やアイドリング時等に一方のガスタービン要素(例えば第一ガスタービン要素2)を停止させた場合であっても、動作側のガスタービン要素(例えば第二ガスタービン要素3)のみに空気を流通させ、動作側のガスタービン要素3を安定的に動作させることができる。
したがって、複数の圧縮機及21,31及びタービン22,32を有するガスタービンシステム1において、いずれかの圧縮機21,31及びタービン22,32を停止した場合であっても燃焼器4に安定的に必要流量の空気を供給できるガスタービンシステム1を提供できる。
第三運転モードM3において第一ガスタービン要素2及び第二ガスタービン要素3のうち動作している一方による出力値(第三出力値)は、第一運転モードM1における第一出力値と同等に設定されている。これにより、2個のガスタービン要素のうち1個のガスタービン要素の動作を停止した場合であっても、運転に支障がない程度に十分大きな出力を確保することができる。よって、ガスタービンシステム1を安定的に動作させることができる。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機連通管53の上流側の端部が第一供給管51の供給管中途部57に接続されたが、圧縮機連通管53の上流側の端部は、第一圧縮機21の出口21bに接続されていてもよい。
第一開閉弁61と第三開閉弁63はそれぞれ別個の部品であってもよい。第四開閉弁64と第六開閉弁66はそれぞれ別個の部品であってもよい。
2 第一ガスタービン要素
3 第二ガスタービン要素
4 燃焼器
7 制御部
21 第一圧縮機
21b (第一圧縮機の)出口
22 第一タービン
22a (第一タービンの)入口
23 第一回転軸
24 第一発電機
31 第二圧縮機
31a (第二圧縮機の)入口
32 第二タービン
32b (第二タービンの)出口
33 第二回転軸
34 第二発電機
40 吸気口
51 第一供給管
52 第二供給管
53 圧縮機連通管
54 第一排出管
55 第二排出管
56 タービン連通管
61 第一開閉弁
62 第二開閉弁
63 第三開閉弁
64 第四開閉弁
65 第五開閉弁
66 第六開閉弁
M1 第一運転モード
M2 第二運転モード
M3 第三運転モード
X 所定値
Claims (5)
- 第一圧縮機及び前記第一圧縮機と一体回転する第一タービンを有する第一ガスタービン要素と、
第二圧縮機及び前記第二圧縮機と一体回転する第二タービンを有する第二ガスタービン要素と、
前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素にそれぞれ接続される単一の燃焼器と、
前記第一圧縮機と前記燃焼器とを接続し、前記第一圧縮機により圧縮された空気を前記燃焼器の吸気口へ流通させる第一供給管と、
前記第二圧縮機と前記燃焼器とを接続し、前記第二圧縮機により圧縮された空気を前記燃焼器の前記吸気口へ流通させる第二供給管と、
前記第一圧縮機の出口と前記第二圧縮機の入口とを連通する圧縮機連通管と、
前記燃焼器と前記第一タービンとを接続し、前記燃焼器から排出された空気を前記第一タービンへ流通させる第一排出管と、
前記燃焼器と前記第二タービンとを接続し、前記燃焼器から排出された空気を前記第二タービンへ流通させる第二排出管と、
前記第一タービンの入口と前記第二タービンの出口とを連通するタービン連通管と、
前記第一供給管に設けられ、前記第一供給管内の空気の流通を遮断可能な第一開閉弁と、
前記第二圧縮機の入口よりも空気の流通方向の上流側に設けられ、前記第二圧縮機への空気の流入を遮断可能な第二開閉弁と、
前記圧縮機連通管に設けられ、前記圧縮機連通管内の空気の流通を遮断可能な第三開閉弁と、
前記第一排出管に設けられ、前記第一排出管内の空気の流通を遮断可能な第四開閉弁と、
前記第二タービンの出口よりも空気の流通方向の下流側に設けられ、前記第二タービンから外部への空気の流出を遮断可能な第五開閉弁と、
前記タービン連通管に設けられ、前記タービン連通管内の空気の流通を遮断可能な第六開閉弁と、
前記第一開閉弁、前記第二開閉弁、前記第三開閉弁、前記第四開閉弁、前記第五開閉弁及び前記第六開閉弁の開閉を制御する制御部と、
を備えることを特徴とするガスタービンシステム。 - 前記制御部は、前記第二開閉弁及び前記第五開閉弁を開くとともに、前記第一開閉弁、前記第三開閉弁、前記第四開閉弁及び前記第六開閉弁を閉じることにより、前記第一ガスタービン要素の動作を停止させ、かつ前記第二ガスタービン要素を動作させることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンシステム。
- 前記制御部は、前記第一開閉弁及び前記第四開閉弁を開くとともに、前記第二開閉弁、前記第三開閉弁、前記第五開閉弁及び前記第六開閉弁を閉じることにより、前記第一ガスタービン要素を動作させ、かつ前記第二ガスタービン要素の動作を停止させることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンシステム。
- 前記第一ガスタービン要素は、
前記第一圧縮機と前記第一タービンとを接続する第一回転軸と、
前記第一圧縮機と前記第一タービンとの間かつ前記第一回転軸と同軸上に設けられた第一発電機と、
を有し、
前記第二ガスタービン要素は、
前記第二圧縮機と前記第二タービンとを接続する第二回転軸と、
前記第二圧縮機と前記第二タービンとの間かつ前記第二回転軸と同軸上に設けられた第二発電機と、
を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。 - 前記制御部は、
前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素の両方が動作する運転モードであって、前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素に対する出力要求が所定値以上である場合の第一運転モードと、
前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素の両方が動作する運転モードであって、前記出力要求が前記所定値未満である場合の第二運転モードと、
前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素の一方が動作し、他方が動作を停止する第三運転モードと、
に切替え可能であり、
前記第一運転モードにおいて前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素の出力値はそれぞれ第一出力値であり、
前記第二運転モードにおいて前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素の両方からの出力値の合計は第二出力値であり、
前記第三運転モードにおいて前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素のうち動作している一方による出力値は第三出力値であり、
前記第三出力値は、前記第一出力値と同等であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。
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