JP7296353B2 - ガスタービンシステム - Google Patents

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Description

本発明は、ガスタービンシステムに関するものである。
従来、航空機等の機体に搭載され、機体を推進させるための動力源としてのガスタービンエンジンの構成が知られている。これらのガスタービンエンジンでは、例えば離着陸などの高負荷時に高出力を得るための技術が種々提案されている。
例えば特許文献1には、複数の圧縮機と複数のタービンとを複数の回転軸にそれぞれ直結し、複数の圧縮機からの圧縮空気を単一の燃焼器に供給する構成が開示されている。特許文献1に記載の技術によれば、複数の圧縮機から単一の燃焼器へ圧縮空気を供給することで、離着陸などの高負荷時に高出力を得ることができるとされている。
米国特許出願公開第2013/0213048号明細書
特許文献1に記載の技術にあっては、例えば航空機の巡航時等の低負荷時に無駄な燃料消費が発生する。この問題を解決するため、特許文献1に記載の技術では、低負荷時にディーゼルエンジンに切り替えることで無駄な燃料消費の発生を抑制し、高負荷時における高出力化と低負荷時における低燃費化とを両立している。
しかしながら、特許文献1に記載の技術にあっては、新たにディーゼルエンジンを追加する必要があるため、ガスタービンシステム全体のコスト及び重量が増加するおそれがある。
そこで、本発明は、高出力及び低燃費を両立しつつ、コスト及び重量の増加を抑制したガスタービンシステムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明に係るガスタービンシステム(例えば、実施形態におけるガスタービンシステム1)は、第一圧縮機(例えば、実施形態における第一圧縮機21)及び前記第一圧縮機と一体回転する第一タービン(例えば、実施形態における第一タービン22)を有する第一ガスタービン要素(例えば、実施形態における第一ガスタービン要素2)と、第二圧縮機(例えば、実施形態における第二圧縮機31)及び前記第二圧縮機と一体回転する第二タービン(例えば、実施形態における第二タービン32)を有する第二ガスタービン要素(例えば、実施形態における第二ガスタービン要素3)と、前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素にそれぞれ接続される単一の燃焼器(例えば、実施形態における燃焼器4)と、前記第一圧縮機と前記燃焼器とを接続し、前記第一圧縮機により圧縮された空気を前記燃焼器の吸気口(例えば、実施形態における吸気口40)へ流通させる第一供給管(例えば、実施形態における第一供給管51)と、前記第二圧縮機と前記燃焼器とを接続し、前記第二圧縮機により圧縮された空気を前記燃焼器の前記吸気口へ流通させる第二供給管(例えば、実施形態における第二供給管52)と、前記第一圧縮機の出口(例えば、実施形態における出口21b)と前記第二圧縮機の入口(例えば、実施形態における入口31a)とを連通する圧縮機連通管(例えば、実施形態における圧縮機連通管53)と、前記第一供給管に設けられ、前記第一供給管内の空気の流通を遮断可能な第一開閉弁(例えば、実施形態における第一開閉弁61)と、前記第二圧縮機の入口よりも空気の流通方向の上流側に設けられ、前記第二圧縮機への空気の流入を遮断可能な第二開閉弁(例えば、実施形態における第二開閉弁62)と、前記圧縮機連通管に設けられ、前記圧縮機連通管内の空気の流通を遮断可能な第三開閉弁(例えば、実施形態における第三開閉弁63)と、前記第一開閉弁、前記第二開閉弁及び前記第三開閉弁の開閉を制御する制御部(例えば、実施形態における制御部7)と、を備え、前記制御部は、前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素に対する要求出力が所定値(例えば、実施形態における所定値X)以上の場合の第一運転モード(例えば、実施形態における第一運転モードM1)と、前記要求出力が前記所定値未満の場合の第二運転モード(例えば、実施形態における第二運転モードM2)と、に切替え可能であり、前記第一運転モードにおいて、前記制御部は、前記第一開閉弁及び前記第二開閉弁を開くとともに前記第三開閉弁を閉じ、前記第二運転モードにおいて、前記制御部は、前記第一開閉弁及び前記第二開閉弁を閉じるとともに前記第三開閉弁を開くことを特徴としている。
また、請求項2に記載の発明に係るガスタービンシステムは、航空機(例えば、実施形態における航空機10)に搭載され、前記第一運転モードは、前記航空機の離着陸に使用される運転モードであり、前記第二運転モードは、前記航空機の巡航に使用される運転モードであり、前記第一運転モードにおいて、前記燃焼器には、前記第一圧縮機及び前記第二圧縮機のそれぞれから圧縮空気が供給され、前記第二運転モードにおいて、前記燃焼器には、前記第一圧縮機及び前記第二圧縮機を順に経て空気が段階的に圧縮されることにより、前記第一運転モードの圧縮空気よりも高圧力な圧縮空気が供給されることを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明に係るガスタービンシステムは、前記圧縮機連通管は、前記第一供給管における前記第一圧縮機と前記燃焼器との間の供給管中途部(例えば、実施形態における供給管中途部57)に接続されて前記第一供給管と連通することで前記第一供給管と一体形成され、前記第一開閉弁及び前記第三開閉弁は、前記供給管中途部に設けられた三方弁(例えば、実施形態における三方弁42)であることを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明に係るガスタービンシステムは、前記燃焼器と前記第一タービンとを接続し、前記燃焼器から排出された空気を前記第一タービンへ流通させる第一排出管(例えば、実施形態における第一排出管54)と、前記燃焼器と前記第二タービンとを接続し、前記燃焼器から排出された空気を前記第二タービンへ流通させる第二排出管(例えば、実施形態における第二排出管55)と、前記第一タービンの入口(例えば、実施形態における入口22a)と前記第二タービンの出口(例えば、実施形態における出口32b)とを連通するタービン連通管(例えば、実施形態におけるタービン連通管56)と、前記第一排出管に設けられ、前記第一排出管内の空気の流通を遮断可能な第四開閉弁(例えば、実施形態における第四開閉弁64)と、前記第二タービンの出口よりも空気の流通方向の下流側に設けられ、前記第二タービンから外部への空気の流出を遮断可能な第五開閉弁(例えば、実施形態における第五開閉弁65)と、前記タービン連通管に設けられ、前記タービン連通管内の空気の流通を遮断可能な第六開閉弁(例えば、実施形態における第六開閉弁66)と、を備え、前記制御部は、前記第四開閉弁、前記第五開閉弁及び前記第六開閉弁の開閉を制御し、前記第一運転モードにおいて、前記制御部は、前記第四開閉弁及び前記第五開閉弁を開くとともに前記第六開閉弁を閉じ、前記第二運転モードにおいて、前記制御部は、前記第四開閉弁及び前記第五開閉弁を閉じるとともに前記第六開閉弁を開くことを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明に係るガスタービンシステムは、前記タービン連通管は、前記第一排出管における前記第一タービンと前記燃焼器との間の排出管中途部(例えば、実施形態における排出管中途部58)に接続されて前記第一排出管と連通することで前記第一排出管と一体形成され、前記第四開閉弁及び前記第六開閉弁は、前記排出管中途部に設けられた三方弁(例えば、実施形態における三方弁43)であることを特徴としている。
また、請求項6に記載の発明に係るガスタービンシステムは、前記第一ガスタービン要素は、前記第一圧縮機と前記第一タービンとを接続する第一回転軸(例えば、実施形態における第一回転軸23)と、前設第一圧縮機と前記第一タービンとの間かつ前記第一回転軸と同軸上に設けられた第一発電機(例えば、実施形態における第一発電機24)と、を有し、前記第二ガスタービン要素は、前記第二圧縮機と前記第二タービンとを接続する第二回転軸(例えば、実施形態における第二回転軸33)と、前設第二圧縮機と前記第二タービンとの間かつ前記第二回転軸と同軸上に設けられた第二発電機(例えば、実施形態における第二発電機34)と、を有することを特徴としている。
本発明の請求項1に記載のガスタービンシステムによれば、ガスタービンシステムは、2個のガスタービン要素と単一の燃焼器とを備える。制御部は、要求出力が所定値以上である場合の第一運転モードと、要求出力が所定値未満である場合の第二運転モードと、に切り替え可能となっている。高負荷時に対応する第一運転モードにおいて、制御部は、第一開閉弁及び第二開閉弁を開くとともに第三開閉弁を閉じる。第三開閉弁を閉じると、圧縮機連通管内における第一圧縮機から第二圧縮機への空気の流通が遮断される。このため、各圧縮機により圧縮された空気は単一の燃焼器にそれぞれ流入する。よって、燃焼器への空気の流入量が増加するので、ガスタービンシステムから高い出力を得ることができる。
一方、低負荷時に対応する第二運転モードにおいて、制御部は、第一開閉弁及び第二開閉弁を閉じるとともに第三開閉弁を開く。第三開閉弁を開くと、圧縮機連通管内に空気が流通可能となり、第一圧縮機で圧縮された空気が第二圧縮機の入口へ流入する。第一圧縮機で圧縮された後、さらに第二圧縮機で圧縮された空気が燃焼器に供給される。第二運転モードにおいて第二圧縮機で圧縮された後の空気は、第一運転モードにおいて燃焼器に供給される空気よりも高い圧力を有する。このように、第二運転モードでは、複数の圧縮機により多段圧縮されることにより圧力の高い空気が燃焼器へ供給されるので、エンジンサイクルの改善により、エネルギー効率を高めることができる。よって、ガスタービンシステムの低燃費化を実現できる。
さらに、複数の開閉弁の開閉動作により上述の各運転モードを切り替えることができるので、従来技術のように低負荷時用のディーゼルエンジンを別途設ける必要が無い。このため、第一運転モードと第二運転モードとの切り替えを容易にして高出力及び低燃費を両立しつつ、ディーゼルエンジンを有する従来技術と比較してコストや重量の増加を抑制することができる。また、開閉弁の開閉を制御するだけで運転モードを切り替えることができるので、ガスタービンエンジンとディーゼルエンジンとを切り替える従来技術と比較して、運転モードの切り替えに係る構成を簡素化できる。
したがって、高出力及び低燃費を両立しつつ、コスト及び重量の増加を抑制したガスタービンシステムを提供できる。
本発明の請求項2に記載のガスタービンシステムによれば、特に航空機に搭載されるガスタービンシステムにおいて、大きな出力が要求される航空機の離着陸時に第一運転モードが使用される。また、離着陸時と比較して小さい出力で済む航空機の巡航時に第二運転モードが使用される。第二運転モードでは、空気を段階的に圧縮することにより、第一運転モードと比較して少量であるが圧縮比の高い空気が燃焼器に供給される。これにより、第二運転モードにおいて必要な出力を維持しつつエネルギー効率を向上できる。よって、特に航空機の駆動源として使用された際に、出力の大きさに基づいて容易に複数の運転モードに切り替えが可能であり、高出力と低燃費とを両立したガスタービンシステムとすることができる。
本発明の請求項3に記載のガスタービンシステムによれば、圧縮機連通管及び第一供給管が一体化され、圧縮機連通管と第一供給管との接続部分(供給管中途部)に設けられた三方弁が第一開閉弁及び第三開閉弁を兼ねる。これにより、部品点数が削減されるので、コスト及び重量の増加を抑制できる。
本発明の請求項4に記載のガスタービンシステムによれば、ガスタービンシステムは、燃焼器よりも排気側に複数の配管(第一排出管、第二排出管及びタービン連通管)及び複数の開閉弁(第四開閉弁、第五開閉弁及び第六開閉弁)を有する。第一運転モードにおいて、制御部は、第四開閉弁及び第五開閉弁を開くとともに第六開閉弁を閉じる。第六開閉弁を閉じると、タービン連通管内における第二タービンから第一タービンへの空気の流通が遮断される。これにより、燃焼器から排出された排気は、第一排出管又は第二排出管をそれぞれ流通して第一タービン及び第二タービンに流入する。よって、第一タービン及び第二タービンの両方からそれぞれ排気を排出できる。
一方、第二運転モードにおいて、制御部は、第四開閉弁及び第五開閉弁を閉じるとともに第六開閉弁を開く。第六開閉弁を開くと、タービン連通管内に空気が流通可能となり、第二タービンの出口と第一タービンの入口とが連通する。燃焼器の排気は、第二タービン及び第一タービンを順に経て排出される。これにより、少ない空気量でも2個のタービンを効率的に回転させることができる。よって、エネルギー効率を高めることができる。
本発明の請求項5に記載のガスタービンシステムによれば、タービン連通管及び第一排出管が一体化され、タービン連通管と第一排出管との接続部分(排出管中途部)に設けられた三方弁が第四開閉弁及び第六開閉弁を兼ねる。これにより、部品点数が削減されるので、コスト及び重量の増加をより一層抑制できる。
本発明の請求項6に記載のガスタービンシステムによれば、第一発電機は、第一圧縮機及び第一タービンと同軸上に設けられ、第二発電機は、第二圧縮機及び第二タービンと同軸上に設けられる。これにより、第一ガスタービン要素の第一圧縮機及び第一タービンの回転により第一発電機を駆動して発電させることができる。また、第二ガスタービン要素の第二圧縮機及び第二タービンの回転により第二発電機を駆動して発電させることができる。よって、第一運転モード及び第二運転モードのいずれの運転モードにおいても発電機を用いて効果的に発電することができる。
実施形態に係るガスタービンシステムを搭載した航空機の外観図。 実施形態に係るガスタービンシステムの概略構成図。 実施形態に係る第一運転モードにおけるガスタービンシステムの動作説明図。 実施形態に係る第二運転モードにおけるガスタービンシステムの動作説明図。 実施形態に係る航空機の要求出力と運転モードとの関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(ガスタービンシステム)
図1は、実施形態に係るガスタービンシステムを搭載した航空機10の外観図である。
航空機10は、例えば、機体11と、複数のロータ12A~12Dと、複数の電動機14A~14Dと、取り付け部材16A~16Dと、ガスタービンシステム1と、を備える。以下、複数のロータ12A~12Dを互いに区別しない場合は、ロータ12と称し、複数の電動機14A~14Dを互いに区別しない場合は、電動機14と称する。
ロータ12Aは、取り付け部材16Aを介して機体11に取り付けられている。ロータ12Aの基部(回転軸)には、電動機14Aが取り付けられている。電動機14Aは、ロータ12Aを駆動させる。電動機14Aは、例えばブラシレスDCモータである。ロータ12Aは、航空機10が水平姿勢である場合に、重力方向と平行な軸線周りに回転するブレードの固定翼である。ロータ12B~12D、取り付け部材16B~16D、および電動機14B~14Dについても、上記と同様の機能構成を有するため説明を省略する。
制御信号に応じてロータ12が回転することで、航空機10は、所望の飛行状態で飛行する。制御信号は、操作者の操作または自動操縦における指示に基づく航空機10を制御するための信号である。例えば、ロータ12Aとロータ12Dとが第1方向(例えば時計方向)に回転し、ロータ12Bとロータ12Cとが第2方向(例えば反時計方向)に回転することで航空機10が飛行する。また、上記のロータ12の他に、不図示の姿勢保持用あるいは水平推進用の補助ロータ等が設けられてもよい。
図2は、実施形態に係るガスタービンシステム1の概略構成図である。
ガスタービンシステム1は、航空機10の内部に搭載されている。ガスタービンシステム1は、航空機10のロータ12A~12D(図1参照)を駆動させる動力源となる電力を発電する。ガスタービンシステム1は、いわゆるガスタービンエンジンからなる。ガスタービンシステム1は、第一ガスタービン要素2と、第二ガスタービン要素3と、単一の燃焼器4と、複数の配管5と、複数の開閉弁6と、制御部7と、を備える。
(ガスタービン要素)
第一ガスタービン要素2は、第一圧縮機21と、第一タービン22と、第一回転軸23と、第一発電機24と、を有する。第一圧縮機21は、航空機10の機体11に設けられた不図示の通風孔から吸入される吸入空気を圧縮するファン動翼である。第一タービン22は、第一圧縮機21と接続されて第一圧縮機21と一体回転する。第一回転軸23は、第一圧縮機21と第一タービン22とを連結している。第一回転軸23は、例えば機体11の前後方向(ヨー軸)に平行な方向に沿って延びている。第一回転軸23の前端部に第一圧縮機21が接続されている。第一回転軸23の後端部に第一タービン22が接続されている。
第一発電機24は、第一圧縮機21と第一タービン22との間に配置されている。第一発電機24は、第一回転軸23と同軸上に設けられるとともに、減速機構等を介して第一回転軸23に接続されている。第一発電機24は、第一タービン22の駆動によって電力(交流電力)を発電する。第一発電機24で発電された交流電力は不図示のパワードライブユニット(PDU)のコンバータで直流電力に変換され、不図示のバッテリに貯留される。バッテリからの放電電力が電動機14に供給されることにより、電動機14が駆動する。
第二ガスタービン要素3は、第一ガスタービン要素2に対して、例えば機体11の左右方向に並んで設けられている。第二ガスタービン要素3の構成は、第一ガスタービン要素2の構成と同等である。つまり、第二ガスタービン要素3は、第二圧縮機31と、第二タービン32と、第二回転軸33と、第二発電機34と、を有する。第二圧縮機31は、機体11に設けられた通風孔(不図示)から吸入される吸入空気を圧縮する圧縮機である。第二タービン32は、第二圧縮機31と接続されて第二圧縮機31と一体回転する。第二回転軸33は、第二圧縮機31と第二タービン32とを連結している。
第二発電機34は、第二圧縮機31と第二タービン32との間に配置されている。第二発電機34は、第二回転軸33と同軸上に設けられるとともに、減速機構等を介して第二回転軸33に接続されている。第二発電機34は、第二タービン32の駆動によって電力(交流電力)を発電する。第二発電機34で発電された交流電力は不図示のパワードライブユニット(PDU)のコンバータで直流電力に変換され、不図示のバッテリに貯留される。なお、本実施形態において、第一発電機24及び第二発電機34は共通のバッテリに接続されて電力を貯蓄するが、第一発電機24及び第二発電機34がそれぞれ異なるバッテリに接続されてそれぞれのバッテリに電力を貯蓄する構成であってもよい。
この実施形態に係る航空機10において、第一ガスタービン要素2は100kW、第二ガスタービン要素3は100kW程度の電力規模を備える。バッテリは残量SOC(State of Charge)を自己診断する不図示のBMS(Battery Management System)を内蔵してもよい。
また、以下の説明において、圧縮機及びタービンのうち、空気の流通方向の上流側に位置して空気が流入する部分を「入口21a,22a,31a,32a」といい、空気の流通方向の下流側に位置して空気が排出される部分を「出口21b,22b,31b,32b」という場合がある。
(燃焼器)
燃焼器4は、2個のガスタービン要素(第一ガスタービン要素2及び第二ガスタービン要素3)に対して1個設けられる。燃焼器4は、機体11の左右方向において第一ガスタービン要素2と第二ガスタービン要素3との間に配置されている。燃焼器4は、機体11の前後方向において、各圧縮機21,31と各タービン22,32との間に位置している。より具体的に、燃焼器4の吸気口40は、第一圧縮機21の出口21b及び第二圧縮機31の出口31bより後方に設けられ、燃焼器4の排気口41は、第一タービン22の入口22a及び第二タービン32の入口32aより前方に設けられている。燃焼器4は、第一ガスタービン要素2及び第二ガスタービン要素3にそれぞれ接続される。燃焼器4には、第一圧縮機21及び第二圧縮機31の少なくとも一方からの圧縮空気が流入する。
(複数の配管)
複数の配管5は、第一供給管51と、第二供給管52と、圧縮機連通管53と、第一排出管54と、第二排出管55と、タービン連通管56と、を有する。第一供給管51は、第一圧縮機21の出口21bと燃焼器4の吸気口40とを接続する。第一供給管51は、第一圧縮機21により圧縮された空気を燃焼器4へ向けて流通させる。第二供給管52は、第二圧縮機31の出口31bと燃焼器4の吸気口40とを接続する。第二供給管52は、第二圧縮機31により圧縮された空気を燃焼器4へ向けて流通させる。第一供給管51と第二供給管52とは、互いに内部の空気が混ざることなく独立して形成されている。
圧縮機連通管53は、第一圧縮機21の出口21bと第二圧縮機31の入口31aとを連通している。圧縮機連通管53は、第一圧縮機21で圧縮された空気を第二圧縮機31へ向けて流通させる。具体的に、圧縮機連通管53のうち空気の流通方向における上流側の端部は、第一供給管51の供給管中途部57に接続されている。供給管中途部57は、第一供給管51のうち第一圧縮機21の出口21bと燃焼器4との間に設けられた部分である。供給管中途部57は、第一供給管51の長手方向の中間部分に設けられている。圧縮機連通管53のうち空気の流通方向における下流側の端部は、第二圧縮機31の出口31bに接続されている。本実施形態において、圧縮機連通管53は、第一供給管51と連通することで第一供給管51と一体形成されている。圧縮機連通管53及び第一供給管51は、例えば供給管中途部57と対応する位置で二股状に分岐した1個のパイプ部品により形成されている。
第一排出管54は、燃焼器4の排気口41と第一タービン22の入口22aとを接続している。第一排出管54は、燃焼器4から排出された空気を第一タービン22へ向けて流通させる。第二排出管55は、燃焼器4の排気口41と第二タービン32の入口32aとを接続している。第二排出管55は、燃焼器4から排出された空気を第二タービン32へ向けて流通させる。第一排出管54と第二排出管55とは、互いに内部の空気が混ざることなく独立して形成されている。
タービン連通管56は、第一タービン22の入口22aと第二タービン32の出口32bとを連通している。タービン連通管56は、第二タービン32から排出された空気を第一タービン22へ向けて流通させる。タービン連通管56のうち空気の流通方向における上流側の端部は、第二タービン32の出口32bに接続されている。タービン連通管56のうち空気の流通方向における下流側の端部は、第一排出管54の排出管中途部58に接続されている。排出管中途部58は、第一排出管54のうち燃焼器4と第一タービン22の入口22aとの間に設けられた部分である。排出管中途部58は、第一排出管54の長手方向の中間部分に設けられている。本実施形態において、タービン連通管56は、第一排出管54と連通することで第一排出管54と一体形成されている。タービン連通管56及び第一排出管54は、例えば排出管中途部58と対応する位置で二股状に分岐した1個のパイプ部品により形成されている。
複数の配管5は、さらに第一及び第二の外気導入管45,46と、第一及び第二の排気導出管47,48と、を含む。第一の外気導入管45は、第一圧縮機21の入口21aに接続されている。第一の外気導入管45は、外気を第一圧縮機21に供給する。第二の外気導入管46は、第二圧縮機31の入口31aに接続されている。第二の外気導入管46は、外気を第二圧縮機31に供給する。第一の排気導出管47は、第一タービン22の出口22bに接続されている。第一の外気導入管45は、第一タービン22から排出された空気(ガス)を機体11の外部へ排出する。第二の排気導出管48は、第二タービン32の出口32bに接続されている。第二の外気導入管46は、第二タービン32から排出された空気(ガス)を機体11の外部へ排出する。
なお、第一及び第二の外気導入管45,46、或いは第一及び第二の排気導出管47,48は無くてもよい。すなわち、例えば外気を機体11内部に取り入れ可能又は機体11内部から外部へ空気を排出可能な空間や通路、孔等が機体11に設けられていればよく、別途配管部材を設けなくてもよい。
(複数の開閉弁)
複数の開閉弁6は、第一開閉弁61と、第二開閉弁62と、第三開閉弁63と、第四開閉弁64と、第五開閉弁65と、第六開閉弁66と、を有する。第一開閉弁61は、第一供給管51に設けられ、第一供給管51内の空気の流通を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。第二開閉弁62は、第二圧縮機31の入口31aよりも空気の流通方向の上流側に設けられている。第二開閉弁62は、第二の外気導入管46に設けられ、第二圧縮機31への空気の流入を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。第三開閉弁63は、圧縮機連通管53に設けられ、圧縮機連通管53内の空気の流通を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。各開閉弁は、例えば通電のオン/オフの切り替えによって弁を開閉する電磁弁等である。
本実施形態において、第一開閉弁61及び第三開閉弁63は、一体化された1個の部品である。具体的に、第一開閉弁61及び第三開閉弁63は、供給管中途部57に設けられた三方弁42である。三方弁42は、少なくとも次の第一状態と第二状態とに切替え可能となっている。第一状態は、第一圧縮機21と燃焼器4とが連通し(第一開閉弁61を開いた状態に対応する。)、かつ第一圧縮機21から第二圧縮機31への空気の流通が遮断された(第三開閉弁63を閉じた状態に対応する。)状態である。第二状態は、第一圧縮機21から燃焼器4への空気の流通が遮断され(第一開閉弁61を閉じた状態に対応する。)、かつ第一圧縮機21と第二圧縮機31とが連通した(第三開閉弁63を開いた状態に対応する。)状態である。なお、以下の説明では、三方弁42の動作を説明する際に、単に第一開閉弁61の開閉動作及び第三開閉弁63の開閉動作として説明する場合がある。
第四開閉弁64は、第一排出管54に設けられ、第一排出管54内の空気の流通を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。第五開閉弁65は、第二タービン32の出口32bよりも空気の流通方向の下流側に設けられている。第五開閉弁65は、第二の排気導出管48に設けられ、前記第二タービン32から外部への空気の流出を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。第六開閉弁66は、タービン連通管56に設けられ、タービン連通管56内の空気の流通を許可又は遮断するように切り替え可能となっている。
第四開閉弁64及び第六開閉弁66は、一体化された1個の部品である。具体的に、第四開閉弁64及び第六開閉弁66は、排出管中途部58に設けられた三方弁43である。三方弁43は、少なくとも次の第一状態と第二状態とに切替え可能となっている。第一状態は、第一タービン22と燃焼器4とが連通し(第四開閉弁64を開いた状態に対応する。)、かつ第二タービン32から第一タービン22への空気の流通が遮断された(第六開閉弁66を閉じた状態に対応する。)状態である。第二状態は、燃焼器4から第一タービン22への空気の流通が遮断され(第四開閉弁64を閉じた状態に対応する。)、かつ第一タービン22と第二タービン32とが連通した(第六開閉弁66を開いた状態に対応する。)状態である。なお、以下の説明では、三方弁43の動作を説明する際に、単に第四開閉弁64の開閉動作及び第六開閉弁66の開閉動作として説明する場合がある。
(制御部)
制御部7は、吸気側の三方弁42(第一開閉弁61及び第三開閉弁63)、第二開閉弁62、排気側の三方弁43(第四開閉弁64及び第六開閉弁66)、及び第五開閉弁65の開閉を制御する。制御部7は、例えば電気的な方法により各開閉弁に信号を送信する。複数の開閉弁6は、それぞれ受信した信号により開状態又は閉状態に切り替えられる。制御部7は、航空機10の状態情報やパイロットからの操作情報に基づいて、航空機10が所定の運転モードであることを特定し、特定された運転モードの種類に応じて所定の組み合わせで各開閉弁を開閉させる。
図3は、実施形態に係る第一運転モードM1におけるガスタービンシステム1の動作説明図である。図4は、実施形態に係る第二運転モードM2におけるガスタービンシステム1の動作説明図である。なお、図3及び図4では、制御部7の図示を省略している。
制御部7は、少なくとも第一運転モードM1(図3及び図5参照)と第二運転モードM2(図4及び図5参照)との2個の運転モードを特定可能である。
図5は、実施形態に係る航空機10の要求出力と運転モードとの関係を示すグラフである。図5のグラフは、横軸を運転モード、縦軸を要求出力としている。
図5に示すように、航空機10は、滑走離陸、もしくは垂直離陸(ホバリング)し、上昇および加速して、巡航する。そして、航空機10は、下降および減速し、ホバー(ホバリング)して、着陸する。航空機10が所定の高度に到達した後に水平方向を含む方向に移動している状態は、巡航状態である。以下の説明では、巡航状態とは、航空機10が、上昇及び加速、又は下降及び減速している状態であるものとする。また、航空機10が離陸する動作または着陸する動作を行っている状態は、離着陸状態である。
上記の飛行状態のうち、航空機10が離着陸状態である場合の要求出力は、航空機10が巡航状態である場合の要求出力よりも大きい。要求出力とは、航空機10が制御信号に応じた飛行状態に移行するため、または飛行状態を維持するために必要な電力である。航空機10の制御装置(不図示)は、要求出力を電動機14に提供し、電動機14が要求出力に基づいてロータ12を駆動させることで、制御信号に応じた飛行状態に航空機10を制御する。
複数の開閉弁6の開閉を制御する制御部7は、航空機10が離着陸状態にあるとき、第一運転モードM1に移行する。制御部7は、航空機10が巡航状態にあるとき、第二運転モードM2に移行する。換言すれば、第一運転モードM1は、航空機10が離陸又は着陸する際に使用される運転モードであり、第二運転モードM2は、航空機10が巡航する際に使用される運転モードである。第一運転モードM1は、第一ガスタービン要素2及び第二ガスタービン要素3に対する要求出力が所定値X以上の場合の運転モードである。第二運転モードM2は、要求出力が所定値X未満の場合の運転モードである。
(各運転モードにおけるガスタービンシステムの動作)
以下、各運転モードにおけるガスタービンシステム1の動作について説明する。始めに、第一運転モードM1におけるガスタービンシステム1の動作について説明する。
図3に示すように、第一運転モードM1において、制御部7は、第一開閉弁61及び第二開閉弁62を開くとともに第三開閉弁63を閉じる。つまり、吸気側の三方弁42は、第一圧縮機21から燃焼器4へ空気を流通させるとともに、第一圧縮機21から第二圧縮機31への空気の流通を遮断する。また、第一運転モードM1において、制御部7は、第四開閉弁64及び第五開閉弁65を開くとともに第六開閉弁66を閉じる。つまり、排気側の三方弁43は、燃焼器4から第一タービン22へ空気を流通させるとともに、第二タービン32から第一タービン22への空気の流通を遮断する。
第一圧縮機21は、外気を吸入して圧縮する。第一圧縮機21により圧縮された空気は、第一供給管51を流通して燃焼器4へ流入する。第二圧縮機31は、外気を吸入して圧縮する。第二圧縮機31により圧縮された空気は、第二供給管52を流通して燃焼器4へ流入する。これにより、燃焼器4には、第一圧縮機21及び第二圧縮機31のそれぞれから圧縮空気が流入するので、燃焼器4に要求された出力を発生するのに十分な流量の空気が供給される。
燃焼器4から排出された空気の約半分は、第一排出管54を流通して第一タービン22に供給され、第一タービン22を回転させる。その後、空気は第一タービン22から外部へ排出される。燃焼器4から排出された空気の残りの半分は、第二排出管55を流通して第二タービン32に供給され、第二タービン32を回転させる。その後、空気は第二タービン32から外部へ排出される。
次に、第二運転モードM2におけるガスタービンシステム1の動作について説明する。
図4に示すように、第二運転モードM2において、制御部7は、第一開閉弁61及び第二開閉弁62を閉じるとともに第三開閉弁63を開く。つまり、吸気側の三方弁42は、第一圧縮機21から燃焼器4への空気の流通を遮断するとともに、第一圧縮機21から第二圧縮機31へ空気を流通させる。また、第二運転モードM2において、制御部7は、第四開閉弁64及び第五開閉弁65を閉じるとともに第六開閉弁66を開く。つまり、排気側の三方弁43は、燃焼器4から第一タービン22への空気の流通を遮断するとともに、第二タービン32から第一タービン22へ空気を流通させる。
第一圧縮機21は、外気を吸入して圧縮する。第一圧縮機21により圧縮された空気は、圧縮機連通管53を流通して第二圧縮機31へ流入する。第二開閉弁62が閉じているため、第二圧縮機31には、第一圧縮機21からの圧縮空気のみが供給される。第二圧縮機31は、第一圧縮機21からの圧縮空気をさらに圧縮する。第二圧縮機31により高い圧縮比に圧縮された空気は、第二供給管52を流通して燃焼器4へ流入する。このように、燃焼器4には、第一圧縮機21及び第二圧縮機31を順に経て空気が段階的に圧縮されることにより、第一運転モードM1の圧縮空気よりも高圧力な圧縮空気が供給される。
燃焼器4から排出された空気は、第二排出管55を流通して第二タービン32へ供給され、第二タービン32を回転させる。第二タービン32の出口32bから排出された空気は、タービン連通管56を流通して第一タービン22の入口22aへ供給され、第一タービン22を回転させる。その後、空気は第一タービン22から外部へ排出される。
(作用、効果)
次に、上述のガスタービンシステム1の作用、効果について説明する。
本実施形態のガスタービンシステム1によれば、ガスタービンシステム1は、2個のガスタービン要素2,3と単一の燃焼器4とを備える。制御部7は、要求出力が所定値X以上である場合の第一運転モードM1と、要求出力が所定値X未満である場合の第二運転モードM2と、に切り替え可能となっている。高負荷時に対応する第一運転モードM1において、制御部7は、第一開閉弁61及び第二開閉弁62を開くとともに第三開閉弁63を閉じる。第三開閉弁63を閉じると、圧縮機連通管53内における第一圧縮機21から第二圧縮機31への空気の流通が遮断される。このため、各圧縮機21,31により圧縮された空気は単一の燃焼器4にそれぞれ流入する。よって、燃焼器4への空気の流入量が増加するので、ガスタービンシステム1から高い出力を得ることができる。
一方、低負荷時に対応する第二運転モードM2において、制御部7は、第一開閉弁61及び第二開閉弁62を閉じるとともに第三開閉弁63を開く。第三開閉弁63を開くと、圧縮機連通管53内に空気が流通可能となり、第一圧縮機21で圧縮された空気が第二圧縮機31の入口31aへ流入する。第一圧縮機21で圧縮された後、さらに第二圧縮機31で圧縮された空気が燃焼器4に供給される。第二運転モードM2において第二圧縮機31で圧縮された後の空気は、第一運転モードM1において燃焼器4に供給される空気よりも高い圧力を有する。このように、第二運転モードM2では、複数の圧縮機により多段圧縮されることにより圧力の高い空気が燃焼器4へ供給されるので、エンジンサイクルの改善によりエネルギー効率を高めることができる。よって、ガスタービンシステム1の低燃費化を実現できる。
さらに、複数の開閉弁6の開閉動作により上述の各運転モードを切り替えることができるので、従来技術のように低負荷時用のディーゼルエンジンを別途設ける必要が無い。このため、第一運転モードM1と第二運転モードM2との切り替えを容易にして高出力及び低燃費を両立しつつ、ディーゼルエンジンを有する従来技術と比較してコストや重量の増加を抑制することができる。また、開閉弁6の開閉を制御するだけで運転モードを切り替えることができるので、ガスタービンエンジンとディーゼルエンジンとを切り替える従来技術と比較して、運転モードの切り替えに係る構成を簡素化できる。
したがって、高出力及び低燃費を両立しつつ、コスト及び重量の増加を抑制したガスタービンシステム1を提供できる。
ガスタービンシステム1は、航空機10に搭載される。特に航空機10に搭載されるガスタービンシステム1において、大きな出力が要求される航空機10の離着陸時に第一運転モードM1が使用される。また、離着陸時と比較して小さい出力で済む航空機10の巡航時に第二運転モードM2が使用される。第二運転モードM2では、空気を段階的に圧縮することにより、第一運転モードM1と比較して少量であるが圧縮比の高い空気が燃焼器4に供給される。これにより、第二運転モードM2において必要な出力を維持しつつエネルギー効率を向上できる。よって、特に航空機10の駆動源として使用された際に、出力の大きさに基づいて容易に複数の運転モードに切り替えが可能であり、高出力と低燃費とを両立したガスタービンシステム1とすることができる。
圧縮機連通管53及び第一供給管51は一体形成され、第一開閉弁61及び第三開閉弁63は、供給管中途部57に設けられた三方弁42である。これにより、圧縮機連通管53及び第一供給管51が一体化され、圧縮機連通管53と第一供給管51との接続部分(供給管中途部57)に設けられた三方弁42が第一開閉弁61及び第三開閉弁63を兼ねる。これにより、部品点数が削減されるので、コスト及び重量の増加を抑制できる。
ガスタービンシステム1は、燃焼器4よりも排気側に複数の配管5(第一排出管54、第二排出管55及びタービン連通管56)及び複数の開閉弁6(第四開閉弁64、第五開閉弁65及び第六開閉弁66)を有する。第一運転モードM1において、制御部7は、第四開閉弁64及び第五開閉弁65を開くとともに第六開閉弁66を閉じる。第六開閉弁66を閉じると、タービン連通管56内における第二タービン32から第一タービン22への空気の流通が遮断される。これにより、燃焼器4から排出された排気は、第一排出管54又は第二排出管55をそれぞれ流通して第一タービン22及び第二タービン32に流入する。よって、第一タービン22及び第二タービン32の両方からそれぞれ排気を排出できる。
一方、第二運転モードM2において、制御部7は、第四開閉弁64及び第五開閉弁65を閉じるとともに第六開閉弁66を開く。第六開閉弁66を開くと、タービン連通管56内に空気が流通可能となり、第二タービン32の出口32bと第一タービン22の入口22aとが連通する。燃焼器4の排気は、第二タービン32及び第一タービン22を順に経て排出される。これにより、少ない空気量でも2個のタービンを効率的に回転させることができる。よって、エネルギー効率を高めることができる。
タービン連通管56及び第一排出管54は一体形成され、第四開閉弁64及び第六開閉弁66は、排出管中途部58に設けられた三方弁43である。これにより、タービン連通管56及び第一排出管54が一体化され、タービン連通管56と第一排出管54との接続部分(排出管中途部58)に設けられた三方弁43が第四開閉弁64及び第六開閉弁66を兼ねる。これにより、部品点数が削減されるので、コスト及び重量の増加をより一層抑制できる。
第一ガスタービン要素2は、第一発電機24を有し、第二ガスタービン要素3は、第二発電機34を有する。第一発電機24は、第一圧縮機21及び第一タービン22と同軸上に設けられ、第二発電機34は、第二圧縮機31及び第二タービン32と同軸上に設けられる。これにより、第一ガスタービン要素2の第一圧縮機21及び第一タービン22の回転により第一発電機24を駆動して発電させることができる。また、第二ガスタービン要素3の第二圧縮機31及び第二タービン32の回転により第二発電機34を駆動して発電させることができる。よって、第一運転モードM1及び第二運転モードM2のいずれの運転モードにおいても発電機を用いて効果的に発電することができる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述の実施形態では、圧縮機連通管53の上流側の端部が第一供給管51の供給管中途部57に接続されたが、圧縮機連通管53の上流側の端部は、第一圧縮機21の出口21bに接続されていてもよい。但し、圧縮機連通管53を第一供給管51の供給管中途部57に接続することで、圧縮機連通管53及び第一供給管51を一体形成し、部品点数や重量の増加を抑制できる点で、実施形態の構成は優位性がある。
制御部7は、第一運転モードM1及び第二運転モードM2以外の他の運転モードを有していてもよい。ここで、上述の実施形態における第一運転モードM1では、燃焼器4の吸気側において燃焼器4と各圧縮機21,31とが並列に接続され、かつ燃焼器4の排気側において燃焼器4と各タービン22,32とが並列に接続された。また、上述の実施形態における第二運転モードM2では、燃焼器4の吸気側において燃焼器4と各圧縮機21,31とが直列に接続され、かつ燃焼器4の排気側において燃焼器4と各タービン22,32とが直列に接続された。例えば、他の運転モードとしては、燃焼器4の吸気側において燃焼器4と各圧縮機21,31とが並列に接続され、かつ燃焼器4の排気側において燃焼器4と各タービン22,32とが直列に接続されてもよい。また、燃焼器4の吸気側において燃焼器4と各圧縮機21,31とが直列に接続され、かつ燃焼器4の排気側において燃焼器4と各タービン22,32とが並列に接続されてもよい。
第一開閉弁61と第三開閉弁63はそれぞれ別個の部品であってもよい。但し、部品点数、重量及びコストの増加を抑制できる点で、第一開閉弁61と第三開閉弁63とが1個の三方弁42により構成される本実施形態の構成は優位性がある。
同様に、第四開閉弁64と第六開閉弁66はそれぞれ別個の部品であってもよい。但し、部品点数、重量及びコストの増加を抑制できる点で、第四開閉弁64と第六開閉弁66とが1個の三方弁43により構成される本実施形態の構成は優位性がある。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1 ガスタービンシステム
2 第一ガスタービン要素
3 第二ガスタービン要素
4 燃焼器
7 制御部
10 航空機
21 第一圧縮機
21b (第一圧縮機の)出口
22 第一タービン
22a (第一タービンの)入口
23 第一回転軸
24 第一発電機
31 第二圧縮機
31a (第二圧縮機の)入口
32 第二タービン
32b (第二タービンの)出口
33 第二回転軸
34 第二発電機
40 吸気口
42 (吸気側の)三方弁
43 (排気側の)三方弁
51 第一供給管
52 第二供給管
53 圧縮機連通管
54 第一排出管
55 第二排出管
56 タービン連通管
57 供給管中途部
58 排出管中途部
61 第一開閉弁
62 第二開閉弁
63 第三開閉弁
64 第四開閉弁
65 第五開閉弁
66 第六開閉弁
M1 第一運転モード
M2 第二運転モード
X 所定値

Claims (6)

  1. 第一圧縮機及び前記第一圧縮機と一体回転する第一タービンを有する第一ガスタービン要素と、
    第二圧縮機及び前記第二圧縮機と一体回転する第二タービンを有する第二ガスタービン要素と、
    前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素にそれぞれ接続される単一の燃焼器と、
    前記第一圧縮機と前記燃焼器とを接続し、前記第一圧縮機により圧縮された空気を前記燃焼器の吸気口へ流通させる第一供給管と、
    前記第二圧縮機と前記燃焼器とを接続し、前記第二圧縮機により圧縮された空気を前記燃焼器の前記吸気口へ流通させる第二供給管と、
    前記第一圧縮機の出口と前記第二圧縮機の入口とを連通する圧縮機連通管と、
    前記第一供給管に設けられ、前記第一供給管内の空気の流通を遮断可能な第一開閉弁と、
    前記第二圧縮機の入口よりも空気の流通方向の上流側に設けられ、前記第二圧縮機への空気の流入を遮断可能な第二開閉弁と、
    前記圧縮機連通管に設けられ、前記圧縮機連通管内の空気の流通を遮断可能な第三開閉弁と、
    前記第一開閉弁、前記第二開閉弁及び前記第三開閉弁の開閉を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第一ガスタービン要素及び前記第二ガスタービン要素に対する要求出力が所定値以上の場合の第一運転モードと、前記要求出力が前記所定値未満の場合の第二運転モードと、に切替え可能であり、
    前記第一運転モードにおいて、前記制御部は、前記第一開閉弁及び前記第二開閉弁を開くとともに前記第三開閉弁を閉じ、
    前記第二運転モードにおいて、前記制御部は、前記第一開閉弁及び前記第二開閉弁を閉じるとともに前記第三開閉弁を開くことを特徴とするガスタービンシステム。
  2. 航空機に搭載され、
    前記第一運転モードは、前記航空機の離着陸に使用される運転モードであり、
    前記第二運転モードは、前記航空機の巡航に使用される運転モードであり、
    前記第一運転モードにおいて、前記燃焼器には、前記第一圧縮機及び前記第二圧縮機のそれぞれから圧縮空気が供給され、
    前記第二運転モードにおいて、前記燃焼器には、前記第一圧縮機及び前記第二圧縮機を順に経て空気が段階的に圧縮されることにより、前記第一運転モードの圧縮空気よりも高圧力な圧縮空気が供給されることを特徴とする請求項1に記載のガスタービンシステム。
  3. 前記圧縮機連通管は、前記第一供給管における前記第一圧縮機と前記燃焼器との間の供給管中途部に接続されて前記第一供給管と連通することで前記第一供給管と一体形成され、
    前記第一開閉弁及び前記第三開閉弁は、前記供給管中途部に設けられた三方弁であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のガスタービンシステム。
  4. 前記燃焼器と前記第一タービンとを接続し、前記燃焼器から排出された空気を前記第一タービンへ流通させる第一排出管と、
    前記燃焼器と前記第二タービンとを接続し、前記燃焼器から排出された空気を前記第二タービンへ流通させる第二排出管と、
    前記第一タービンの入口と前記第二タービンの出口とを連通するタービン連通管と、
    前記第一排出管に設けられ、前記第一排出管内の空気の流通を遮断可能な第四開閉弁と、
    前記第二タービンの出口よりも空気の流通方向の下流側に設けられ、前記第二タービンから外部への空気の流出を遮断可能な第五開閉弁と、
    前記タービン連通管に設けられ、前記タービン連通管内の空気の流通を遮断可能な第六開閉弁と、
    を備え、
    前記制御部は、前記第四開閉弁、前記第五開閉弁及び前記第六開閉弁の開閉を制御し、
    前記第一運転モードにおいて、前記制御部は、前記第四開閉弁及び前記第五開閉弁を開くとともに前記第六開閉弁を閉じ、
    前記第二運転モードにおいて、前記制御部は、前記第四開閉弁及び前記第五開閉弁を閉じるとともに前記第六開閉弁を開くことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。
  5. 前記タービン連通管は、前記第一排出管における前記第一タービンと前記燃焼器との間の排出管中途部に接続されて前記第一排出管と連通することで前記第一排出管と一体形成され、
    前記第四開閉弁及び前記第六開閉弁は、前記排出管中途部に設けられた三方弁であることを特徴とする請求項4に記載のガスタービンシステム。
  6. 前記第一ガスタービン要素は、
    前記第一圧縮機と前記第一タービンとを接続する第一回転軸と、
    前設第一圧縮機と前記第一タービンとの間かつ前記第一回転軸と同軸上に設けられた第一発電機と、
    を有し、
    前記第二ガスタービン要素は、
    前記第二圧縮機と前記第二タービンとを接続する第二回転軸と、
    前設第二圧縮機と前記第二タービンとの間かつ前記第二回転軸と同軸上に設けられた第二発電機と、
    を有することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガスタービンシステム。
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