JP2022063967A - 農作業支援システム - Google Patents

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▲文▼莉 孫
Wenli Sun
雅浩 亀井
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Abstract

【課題】特に中山間地域のような多筆圃場における作業計画を算出できる農作業支援システムを提供すること。【解決手段】作業計画算出ステップでは、作業圃場を選択する作業圃場選択ステップと、移動経路を算出する経路算出ステップと、経路の移動に要する移動時間を算出する移動時間算出ステップと、圃場内作業時間を算出する圃場内作業時間算出ステップと、資材補給作業時間や作業機の積み下ろしについての圃場外作業時間を算出する圃場外作業時間算出ステップと、帰還経路および帰還時間を算出する帰還経路時間算出ステップとを有し、移動時間算出ステップで算出される移動時間と、圃場内作業時間算出ステップで算出される圃場内作業時間と、帰還経路時間算出ステップで算出される帰還時間と、圃場外作業時間算出ステップで算出される圃場外作業時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、時期が限定されている農作業について圃場における作業計画を提供する農作業支援システムに関する。
農業では作物や雑草等の生長に伴い、作業の効果を発揮する時期が限定される作業がある。また、中山間地域の大規模な営農法人では、傾斜地に位置し1筆の圃場が狭いがゆえに、同じ作物・品種であっても個々に条件の異なる多筆の圃場を管理する必要がある。そのため、個々の圃場単位の作業情報を収集し、活用することで、適期作業の運用計画に資する農業情報活用手法が定義され、さらに、これらを運用するにあたってデータを共通的に提供するための管理を行うことで、天候による作業の遅れや、気象に伴う作物の発育の変化などの不確定要素の中で、効果的な圃場管理作業の運営を可能とすることが求められている。
農作業の中で植物の発育ステージを基に作業適期を示すことは一般的であり、地域ごとの気象条件や栽培時期に関わらず作業適期を表現する手法として利用されている。また、植物の発育ステージを播種日や特定の既知の発育ステージを基に、気象データ等を要因とする数値モデルにより、発育ステージを予測する手法についての研究は水稲、麦、大豆など多くの作物において行われている。具体的には麦の赤かび病防除適期の目安となる小麦の開花期予測などへの利用が研究されており、これらデータに基づく作業適期の提示を行う技術が開発されている。ホームページ上で播種日に応じた開花期等を計算表示するシステムなども公開されている。
ところで、特許文献1では、圃場情報と散布計画作成部を有する農作業支援装置が開示されている。
また、特許文献2では、複数の圃場の農作業を計画する支援システムが開示されている。
また、特許文献3では、ある機械での作業時データに基づき、同一圃場における別の機械の別の作業を実施する計画を立てるシステムが開示されている。
また、特許文献4では、病害虫の発生予測期間から農薬名と農薬の散布日を出力する装置が開示されている。
特開2019-187377号公報 特開2015-49865号公報 特開2013-233117号公報 国際公開第2013/88538号
小麦の赤かび病防除では、播種日と栽培地域を指定し、小麦の開花を気象モデルで予測し、開花期から1週間が防除適期となり、大豆の難防除雑草防除では、大豆2葉期と5葉期が防除適期となり、乾田直播水稲のヒエの除草防除では、ヒエ5葉期が防除適期となるが、提示される情報は適期を示す日付である。しかし、日付のみを提供するシステムでは、農地が集積し、多くの圃場を管理する必要がある農業生産者にとって、作業期間の目安とはなっても、日付と場所(圃場)の両者が対応した形で把握できない。
すなわち、日付のみを提供するシステムでは、例えば、場所(圃場)とその場所に関連する日付(品種と播種日またはそこから算出される開花期)が関連付けて記憶されていない、場所(圃場)とその場所に播種作業された日付は関連付けて記憶されているが、(圃場毎に異なる)気象条件の影響を受ける開花期の予測値が場所と関連付けて記憶されていない、場所(圃場)の要件(例えば、位置や面積、圃場形状など)と日付を関連付けて把握できない、などの問題が有る。
従って、実際に特定の機械を用いて人員を配置し、具体的に作業を進める段階においては、十分な情報とは言えない。具体的な作業を進める上では、圃場と作業時期を特定し、作業方法を特定した上で、作業の実現性を明らかにする必要がある。
そこで本発明は、特に中山間地域のような多筆圃場における作業計画を算出できる農作業支援システムを提供することを目的とする。
請求項1記載の本発明の農作業支援システムは、時期が限定されている農作業について圃場における作業計画を提供する農作業支援システムであって、コンピュータが、前記農作業を行う必要のある作業対象圃場を抽出し、前記作業対象圃場別に作業適期を計算する適期計算ステップと、所定期間内に前記作業適期がある前記農作業を抽出する農作業抽出ステップと、前記作業適期のある前記農作業を表示する適期一覧表示ステップと、抽出された前記作業対象圃場について前記作業計画を算出する作業計画算出ステップと、抽出された前記作業対象圃場を圃場マップとして表示する圃場マップ表示ステップと、前記作業計画算出ステップで算出された前記作業計画を表示する作業計画マップ表示ステップとを有し、前記作業計画算出ステップでは、前記作業対象圃場の中から第1作業圃場より第(N-1)(ただしNは計算時の前記作業対象圃場の数を示す)作業圃場を選択する作業圃場選択ステップと、スタート地点から前記第1圃場より順次圃場を経由し前記第(N-1)作業圃場まで、及び前記第(N-1)作業圃場から第N作業圃場まで、及び第N作業圃場から終了地点へ戻る際の移動経路を算出する経路算出ステップと、前記農作業の作業方法に用いる作業機が前記経路算出ステップで算出された前記経路の移動に要する移動時間を算出する移動時間算出ステップと、それぞれの前記作業対象圃場についての面積及び形状と前記作業方法とにより圃場内作業時間を算出する圃場内作業時間算出ステップと、前回の資材補給時点より前記第N作業圃場までに積算される作業面積に応じて必要とされる資材補給作業時間や前記作業機の積み下ろしについての圃場外作業時間を算出する圃場外作業時間算出ステップと、前記第N作業圃場から前記終了地点へ戻る際の帰還経路および帰還時間を算出する帰還経路時間算出ステップとを有し、前記移動時間算出ステップで算出される前記移動時間と、前記圃場内作業時間算出ステップで算出される前記圃場内作業時間と、前記圃場外作業時間算出ステップで算出される前記圃場外作業時間と、前記帰還経路時間算出ステップで算出される前記帰還時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出することを特徴とする。
請求項2記載の本発明は、請求項1に記載の農作業支援システムにおいて、前記適期一覧表示ステップでは、前記農作業抽出ステップで抽出する前記作業適期のある前記農作業の作業種別と、前記適期計算ステップで計算する前記作業適期についての作業可能開始予定日及び作業可能最終予定日の少なくともいずれかと、を表示することを特徴とする。
請求項3記載の本発明は、請求項2に記載の農作業支援システムにおいて、前記コンピュータが、同一の前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを積算し、前記適期一覧表示ステップでは、同一の前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場の前記圃場数と前記圃場総面積とを表示することを特徴とする。
請求項4記載の本発明は、請求項2に記載の農作業支援システムにおいて、前記コンピュータが、同一の前記作業種別で異なる前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算し、前記適期一覧表示ステップでは、同一の前記作業種別で異なる前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業適期毎に前記圃場数と前記圃場総面積とを表示することを特徴とする。
請求項5記載の本発明は、請求項2に記載の農作業支援システムにおいて、前記コンピュータが、異なる前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業種別毎で同一の前記作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算し、前記適期一覧表示ステップでは、異なる前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業種別毎で同一の前記作業適期毎に前記圃場数と前記圃場総面積とを表示することを特徴とする。
請求項6記載の本発明は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の農作業支援システムにおいて、前記作業計画算出ステップでは、前記適期一覧表示ステップで表示される前記農作業の中で選択された前記農作業について前記作業計画を算出することを特徴とする。
請求項7記載の本発明は、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の農作業支援システムにおいて、前記作業計画算出ステップでは、前記農作業の作業開始日又は作業終了日、及び前記農作業の作業方法を入力条件として算出することを特徴とする。
請求項8記載の本発明は、請求項1に記載の農作業支援システムにおいて、前記圃場マップ表示ステップ又は前記作業計画マップ表示ステップでは、前記作業適期毎に前記作業対象圃場を異なる表示としたことを特徴とする。
請求項9記載の本発明は、請求項1に記載の農作業支援システムにおいて、前記圃場マップ表示ステップ又は前記作業計画マップ表示ステップでは、前記農作業の作業種別毎に前記作業対象圃場を異なる表示としたことを特徴とする。
請求項10記載の本発明は、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の農作業支援システムにおいて、前記作業計画マップ表示ステップでは、前記作業計画算出ステップで算出された全ての作業予定圃場を全圃場マップとして表示するとともに、作業日単位による前記作業予定圃場を日別圃場マップとして表示することを特徴とする。
請求項11記載の本発明は、請求項10に記載の農作業支援システムにおいて、前記全圃場マップでは前記作業日単位で前記作業予定圃場を異なる表示とし、前記日別圃場マップでは前記移動経路を表示することを特徴とする。
本発明の農作業支援システムによれば、移動時間と圃場内作業時間と圃場外作業時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出するため、特に中山間地域のような多筆圃場における作業計画を算出できる。
本発明の一実施例による農作業支援システムを示すフロー図 同農作業支援システムにおける作業計画算出処理を示すフロー図 同農作業支援システムおける適期一覧表示ステップで表示される適期一覧表示画面イメージ図 同農作業支援システムおける適期一覧表示ステップで表示される適期一覧表示画面イメージ図 同農作業支援システムおける圃場マップ表示ステップで表示される圃場マップ表示画面イメージ図 同農作業支援システムおける条件入力ステップで表示される作業計画条件入力画面イメージ図 同農作業支援システムおける条件入力ステップで表示される作業計画条件入力画面において詳細情報を入力する場合の画面イメージ図 同農作業支援システムおける作業計画結果表示ステップで表示される作業計画結果画面イメージ図 同農作業支援システムおける作業計画結果画面イメージ図における条件の再入力を示す作業計画結果画面イメージ図 同農作業支援システムおける再計算後の作業計画結果画面イメージ図 同農作業支援システムおける作業計画マップ表示ステップで表示される作業計画マップ画面イメージ図 同農作業支援システムおける作業計画マップ表示ステップで表示される作業計画マップ画面イメージ図 同農作業支援システムおける作業計画マップ表示ステップで表示される作業計画マップ画面イメージ図
本発明の第1の実施の形態による農作業支援システムは、コンピュータが、農作業を行う必要のある作業対象圃場を抽出し、作業対象圃場別に作業適期を計算する適期計算ステップと、所定期間内に作業適期がある農作業を抽出する農作業抽出ステップと、作業適期のある農作業を表示する適期一覧表示ステップと、抽出された作業対象圃場について作業計画を算出する作業計画算出ステップと、抽出された作業対象圃場を圃場マップとして表示する圃場マップ表示ステップと、作業計画算出ステップで算出された作業計画を表示する作業計画マップ表示ステップとを有し、作業計画算出ステップでは、作業対象圃場の中から第1作業圃場より第(N-1)(ただしNは計算時の作業対象圃場の数を示す)作業圃場を選択する作業圃場選択ステップと、スタート地点から第1圃場より順次圃場を経由し第(N-1)作業圃場まで、及び第(N-1)作業圃場から第N作業圃場まで、及び第N作業圃場から終了地点へ戻る際の移動経路を算出する経路算出ステップと、農作業の作業方法に用いる作業機が経路算出ステップで算出された経路の移動に要する移動時間を算出する移動時間算出ステップと、それぞれの作業対象圃場についての面積及び形状と作業方法とにより圃場内作業時間を算出する圃場内作業時間算出ステップと、前回の資材補給時点より第N作業圃場までに積算される作業面積に応じて必要とされる資材補給作業時間や作業機の積み下ろしについての圃場外作業時間を算出する圃場外作業時間算出ステップと、第N作業圃場から終了地点へ戻る際の帰還経路および帰還時間を算出する帰還経路時間算出ステップとを有し、移動時間算出ステップで算出される移動時間と、圃場内作業時間算出ステップで算出される圃場内作業時間と、圃場外作業時間算出ステップで算出される圃場外作業時間と、帰還経路時間算出ステップで算出される帰還時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出するものである。本実施の形態によれば、移動時間と圃場内作業時間と圃場外作業時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出するため、特に中山間地域のような多筆圃場における作業計画を算出できる。
本発明の第2の実施の形態は、第1の実施の形態による農作業支援システムにおいて、適期一覧表示ステップでは、農作業抽出ステップで抽出する作業適期のある農作業の作業種別と、適期計算ステップで計算する作業適期についての作業可能開始予定日及び作業可能最終予定日の少なくともいずれかと、を表示するものである。本実施の形態によれば、作業適期が作業種別とともに把握できるため、作業スケジュールを組みやすい。
本発明の第3の実施の形態は、第2の実施の形態による農作業支援システムにおいて、コンピュータが、同一の作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを積算し、適期一覧表示ステップでは、同一の作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを表示するものである。本実施の形態によれば、作業適期別に圃場数と圃場総面積を把握できるため、特に多筆圃場での全体把握が容易となる。
本発明の第4の実施の形態は、第2の実施の形態による農作業支援システムにおいて、コンピュータが、同一の作業種別で異なる作業適期となる作業対象圃場を、作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算し、適期一覧表示ステップでは、同一の作業種別で異なる作業適期となる作業対象圃場を、作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを表示するものである。本実施の形態によれば、異なる作業適期となる作業対象圃場についても作業適期毎に把握できるため、特に多筆圃場での多品種の栽培や、播種日を異ならせた栽培での全体把握が容易となる。
本発明の第5の実施の形態は、第2の実施の形態による農作業支援システムにおいて、コンピュータが、異なる作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場を、作業種別毎で同一の作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算し、適期一覧表示ステップでは、異なる作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場を、作業種別毎で同一の作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを表示するものである。本実施の形態によれば、異なる作業種別となる作業対象圃場についても作業適期毎に把握できるため、特に多筆圃場で複数品目を栽培する場合での全体把握が容易となる。
本発明の第6の実施の形態は、第1から第5のいずれかの実施の形態による農作業支援システムにおいて、作業計画算出ステップでは、適期一覧表示ステップで表示される農作業の中で選択された農作業について作業計画を算出するものである。本実施の形態によれば、ユーザの状況に合わせた作業計画とすることができる。
本発明の第7の実施の形態は、第1から第6のいずれかの実施の形態による農作業支援システムにおいて、作業計画算出ステップでは、農作業の作業開始日又は作業終了日、及び農作業の作業方法を入力条件として算出するものである。本実施の形態によれば、ユーザの状況に合わせた作業計画とすることができるとともに、単なる作業日数ではなく作業開始日又は作業終了日を条件とすることで、過去の気象実績や気象予報を用いた作業計画とすることができる。
本発明の第8の実施の形態は、第1の実施の形態による農作業支援システムにおいて、圃場マップ表示ステップ又は作業計画マップ表示ステップでは、作業適期毎に作業対象圃場を異なる表示としたものである。本実施の形態によれば、作業適期毎に作業対象圃場を把握できるため、特に多筆圃場での全体把握が容易となる。
本発明の第9の実施の形態は、第1の実施の形態による農作業支援システムにおいて、圃場マップ表示ステップ又は作業計画マップ表示ステップでは、農作業の作業種別毎に作業対象圃場を異なる表示としたものである。本実施の形態によれば、更に作業種別毎にも作業対象圃場を把握できるため、特に多筆圃場での全体把握が容易となる。
本発明の第10の実施の形態は、第1から第9のいずれかの実施の形態による農作業支援システムにおいて、作業計画マップ表示ステップでは、作業計画算出ステップで算出された全ての作業予定圃場を全圃場マップとして表示するとともに、作業日単位による作業予定圃場を日別圃場マップとして表示するものである。本実施の形態によれば、全圃場マップとともに日別圃場マップを表示することで、全体把握が容易となるとともに、作業日単位での作業予定圃場の把握が容易となる。
本発明の第11の実施の形態は、第10の実施の形態による農作業支援システムにおいて、全圃場マップでは作業日単位で作業予定圃場を異なる表示とし、日別圃場マップでは移動経路を表示するものである。本実施の形態によれば、全圃場マップでは作業日別単位での作業予定圃場の分布を把握でき、日別圃場マップでは作業予定圃場間での移動経路が把握できる。
以下本発明の一実施例による農作業支援システムについて説明する。
図1は本実施例による農作業支援システムを示すフロー図である。
本実施例による農作業支援システムは、時期が限定されている農作業について圃場における作業計画を提供するものであり、圃場情報データベース11、栽培情報データベース12、栽培作物情報データベース13、作業機・作業法情報データベース14、及び気象情報データベース15に記憶されているデータを適宜用いるとともに、農作業支援システムに必要なデータをデータベース10に記憶する。
圃場情報データベース11は、それぞれの圃場について圃場識別記号が付与され、圃場別に、中心地点や代表地点における位置座標、及び圃場面積や圃場形状を記憶している。代表地点とは、例えば作業機の搬入・搬出位置であり、作業機の搬入・搬出位置を圃場における代表地点とすることで移動経路の算出には適している。圃場形状は少なくとも二次元データによる圃場マップが適している。
栽培情報データベース12は、それぞれの圃場での作物の品目、品種、播種日(作付日)、及び実際に作業を行った防除作業日を記憶している。圃場識別記号によって圃場情報データベース11のデータとリンクさせている。圃場別に過去の栽培実績データを保有していることが好ましいが、少なくとも農作業支援システムで対象となる作業対象圃場については、新たに作付けを行う又は作付けを既に行って栽培が行われている作物について、品目、品種、播種日(作付日)、及び防除日を記憶する。
栽培作物情報データベース13は、作物の品目や品種別に発育及び栽培モデルを記憶している。
作業機・作業法情報データベース14は、作業に用いることができる作業機の種類、台数及び作業法を記憶している。作業法には、作業項目名、項目別作業能率、作業人員、必要資材などが要素として含まれる。
気象情報データベース15は、過去の気象データ実績や今後の気象予報を記憶している。
なお、データベース10には、栽培情報データベース12に記憶された播種日及び気象情報データベース15に記憶された気象データを用い、栽培作物情報データベース13に記憶された発育及び栽培モデルにて栽培作物に対する作業予定適期を演算して記憶していることが好ましい。この作業予定適期を圃場別にあらかじめデータベース10に記憶しておくことで、作業適期のある農作業の抽出が容易となる。
本実施例による農作業支援システムは、コンピュータが、以下の処理を行う。
適期計算ステップ21では、農作業を行う必要のある作業対象圃場を抽出し、作業対象圃場別に作業適期を計算する。圃場別作業適期は、防除作業などの農作業が可能となる作業可能開始予定日と、防除作業などの農作業が不可となる前の作業可能最終予定日とを算出する。
作業適期は、例えば小麦の赤かび病防除では、開花期から1週間となり、作業可能開始予定日が開花期となり、作業可能最終予定日が開花期の6日後となる。ちなみに小麦の「開花期」は、圃場のおよそ50%の穂が開花した日とし、穂の1つでも花が咲いていればその穂は開花していると判断する。従って、開花期は期間ではなく特定の日を指す。なお、大豆の難防除雑草防除では、大豆2葉期と5葉期が防除適期(作業適期)となり、乾田直播水稲のヒエの除草防除ではヒエ5葉期に至るまでが防除適期(作業適期)となる。
適期計算ステップ21では、気象情報を用いて計算することが好ましく、作業可能開始予定日から作業可能最終予定日までの期間について、気象予報データが存在する場合には気象予報データを用い、気象予報データが存在しない場合には過去の気象データを用いることが好ましい。また、気象予報データを用いるか、過去の気象データを用いるかは、作業可能開始予定日又は作業可能最終予定日が、作業計画の出力日から所定日数以内か否かで算出することもできる。なお、気象予報データとしては、例えばメッシュ農業気象データシステム(The Agro-Meteorological Grid Square Data, NARO)で提供されている予測値を用いることができる。なお、同システムで提供されている予測値は26日間であるため、予測値が無い27日以降は過去の気象データを用いた平年値を予測値として用いる。
農作業抽出ステップ22では、所定期間内に作業適期がある農作業を抽出する。ここで作業適期がある農作業とは、例えば、防除作業、追肥、水田における水張、収穫などであり、播種又は定植後から収穫までに発生し、作業に最適期間がある農作業である。所定期間とは、現在から先の期間であり、例えば現在から1か月とか3か月である。抽出は、例えば、栽培情報データベース12に記憶しているそれぞれの圃場での作物の品目、品種、播種日(作付日)と、栽培作物情報データベース13に記憶している作物の品目や品種別の発育及び栽培モデルとを用いて行うことができる。あらかじめデータベース10にそれぞれの圃場での栽培作物に対する作業予定適期を記憶している場合には、この作業予定適期を用いることができる。
適期一覧表示ステップ23では、作業適期のある農作業を表示する。
適期一覧表示ステップ23では、作業適期のある農作業の作業種別と、作業適期についての作業可能開始予定日及び作業可能最終予定日の少なくともいずれかとを表示することで、作業適期が作業種別とともに把握でき、作業スケジュールを組みやすい。
また、適期一覧表示ステップ23では、同一の作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを表示することで、作業適期別に圃場数と圃場総面積を把握でき、特に多筆圃場での全体把握が容易となる。そのために、コンピュータは、同一の作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを積算する。
また、適期一覧表示ステップ23では、同一の作業種別で異なる作業適期となる作業対象圃場について、作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを表示することで、異なる作業適期となる作業対象圃場についても作業適期毎に把握でき、特に多筆圃場での多品種の栽培や、播種日を異ならせた栽培での全体把握が容易となる。そのために、コンピュータは、同一の作業種別で異なる作業適期となる作業対象圃場について、作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算する。
また、適期一覧表示ステップ23では、異なる作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場について、作業種別毎で同一の作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを表示することで、異なる作業種別となる作業対象圃場についても作業適期毎に把握でき、特に多筆圃場で複数品目を栽培する場合での全体把握が容易となる。そのために、コンピュータは、異なる作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場について、作業種別毎で同一の作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算する。
適期一覧表示ステップ23では、農作業についてユーザに選択を促す。すなわち、ユーザは、適期一覧表示ステップ23で表示される農作業の中の一部の農作業を選択することができる(S24)。農作業の選択は、図4に示すチェック欄への入力によって行うことができる。
コンピュータは、作業選択ステップ24で選択された農作業を行う圃場情報を抽出する(S25)。
ユーザが圃場確認を行いたい場合には(S26でYes)、コンピュータは圃場マップを表示する(S27)。
圃場マップ表示ステップ27では、抽出された作業対象圃場を圃場マップとして表示する。
ユーザが圃場確認を必要とせず(S26でNo)、作業計画の算出を行いたい場合には(S28でYes)、コンピュータはユーザに対して条件入力を促す(S29)。
条件入力ステップ29では、コンピュータは、農作業の作業開始日又は作業終了日、及び農作業の作業方法の入力を促す。
条件入力ステップ29で条件入力が行われると、作業計画算出ステップ30では、抽出された作業対象圃場について作業計画を算出する処理が行われる。
作業計画算出ステップ30で算出された作業計画について、作業開始日が条件入力された場合には作業終了日を、作業終了日が条件入力された場合には作業開始日を表示する(S31)。
算出された作業終了日が作業可能終了予定日を超える場合、又は算出された作業開始日が作業可能開始予定日より前となる場合、若しくは現在の日(作業計画の出力日)か、昨日以前の日となる場合には、適格では無いと判断し(S32でNo)、警告表示を行うとともに(S33)、条件の再入力を促す(S29)。
算出された作業終了日が作業可能終了予定日以前となる場合、又は算出された作業開始日が作業可能開始予定日以降となる場合には、適格であると判断する(S32でYes)。
ユーザが作業計画マップの表示を行いたい場合には(S34でYes)、コンピュータは作業計画マップを表示する(S35)。
作業計画マップ表示ステップ35では、作業計画算出ステップ30で算出された作業計画を表示する。
ユーザが作業計画マップの表示を必要としない場合には(S34でNo)、作業計画が保存された状態で終了する(S36)。
なお、作業計画の算出がユーザから要求されない場合には(S28でNo)、コンピュータはユーザに対して条件入力を促すことなく終了する(S37)。
図2は同農作業支援システムにおける作業計画算出処理(S30)を示すフロー図である。
1日の作業計画算出処理は、S41からS57によって行われる。
確定圃場外作業時間算出ステップ41では、あらかじめ想定可能な作業開始前の準備や作業終了後の洗浄など1日ごとに必要な作業を算出する。確定圃場外作業時間は、作業機の種類や台数に応じてあらかじめ標準時間を設定しておき、使用する作業機及び台数に応じて算出する。ここで、あらかじめ設定される標準時間は、データベース10の作業機・作業法情報データベース14に格納しておき、適宜呼び出す。
圃場情報抽出ステップ42では、S25でユーザが選択した農作業を行う作業対象圃場について、圃場情報として、少なくともそれぞれの圃場位置座標、それぞれの圃場面積を圃場情報データベース11から抽出する。
スタート地点の設定ステップ43では、作業機の格納庫の位置座標を設定する。作業機によって格納庫が複数ある場合には、作業機の指定によって格納庫の位置座標が設定される。
前処理ステップ44では、栽培情報によって同一作業種別であることを条件に、圃場位置座標と圃場間の移動経路とから、更には圃場面積を加味して圃場作業順の仮算出を行う。圃場位置座標が所定範囲に存在する圃場は、同一作業日で連続するように圃場作業順を算出する。また圃場間の移動経路は、移動時間が最小となるように算出する。圃場作業順の算出にあたっては圃場面積を積算することで、資材補充回数が少なくなるように算出する。なお、作業対象圃場が過去に行われた作業又は既に計算した履歴のある作業における対象圃場と同一又はほぼ一致する場合で、過去の同一作業種別に対する経路データがデータベース10に蓄積されている場合には、蓄積されている経路データを用いることができる。
第1作業圃場選択ステップ45では、最初の作業対象圃場を選択する。最初の作業対象圃場は、例えば、スタート地点の設定ステップ43で設定した作業機の格納庫から最も近い位置座標にある圃場を選択する他、作業機の格納庫からの移動経路による移動時間が最短となる圃場を選択する。
第(N-1)作業圃場、第N作業圃場間移動経路算出ステップ46では、第(N-1)作業圃場から第N圃場までの経路が複数ある場合に、最適な移動経路を算出する。なお、現在の選択した圃場が最初の圃場の場合(N=1)には、作業機の格納庫(スタート地点)から第1作業圃場までの経路を算出する。なお、作業機の種類によって移動経路が異なる場合には、作業機に応じた移動経路が算出される。作業機を搬送する車両の大きさによっても算出される移動経路は異なることがある。また、例えば、マルチコプタでは段差に関係なく移動経路を算出できるため、圃場間の最短距離を移動経路として算出できるが、ブームスプレーヤでは自走または車両によって搬送するため、車両の大きさなどによって移動経路が算出される。
移動時間算出ステップ47では、第(N-1)作業圃場、第N作業圃場間移動経路算出ステップ46で算出した移動経路での移動時間を算出する。作業機の種類によって移動時間が算出されるとともに、作業機の移動方法、例えば車載による移動、又は自走による移動によって移動時間が算出される。例えば、ブームスプレーヤの場合では、自走による近距離移動と、車載した場合の長距離移動とで、距離に対する時間が異なる。また、マルチコプタの場合では、隣接圃場への飛行による移動と車載による移動とで移動経路及び移動時間が異なる。移動時間は、移動距離を閾値として、長距離移動の速度を適用するか、近距離移動の速度を適用するかを判断して算出することもできる。
S48では、資材の補充の必要を判断する。ここで資材とは、農作業に必要となる資材であり、例えばマルチコプタやブームスプレーヤでは、電池、薬液、水、燃料が資材である。
資材の補充は、農作業の種別や圃場面積から算出する。マルチコプタを飛行により移動させる場合には、移動時間に要する消費電力も積算する。
資材補充が必要な場合には(S48でYes)、資材補充時間算出ステップ49で、資材に応じて必要となる資材補充時間を算出する。
資材補充が必要でない場合には(S48でNo)、資材補充時間算出ステップ49は行わない。
圃場内作業時間算出ステップ50では、それぞれの作業対象圃場についての面積及び形状と作業方法とにより圃場内作業時間を算出する。特に、中山間地域における多筆の圃場では、一つの圃場面積が狭く、更に圃場の形状が作業時間に大きく影響する。圃場の面積及び形状と作業方法とによる圃場内作業時間は、類型化されたデータや、過去の実績データ又は類似圃場での作業時間を用いて算出してもよい。
第N作業圃場からの帰還経路と時間の算出ステップ51では、第N作業圃場から終了地点(例えばスタート時の保管庫)までの移動経路を仮に算出し、帰還時間を算出する。
作業時間積算ステップ52では、確定圃場外作業時間算出ステップ41で算出される圃場外作業時間、移動時間算出ステップ47で算出される移動時間と、資材補充時間算出ステップ49で算出される資材補充時間、圃場内作業時間算出ステップ50で算出される圃場内作業時間、第N作業圃場からの帰還経路と時間の算出ステップ51で算出される帰還時間とを積算する。
作業時間積算ステップ52で積算した作業時間が、1日の作業可能時間未満である場合(S53でYes)、他の作業対象圃場が残っている場合(S54でYes)には、第N圃場からの帰還時間を積算時間から減じて(S55)、新たな第N作業圃場(現在の作業対象圃場の順番を示す)を選択する(S56)。
第N+1作業圃場選択ステップ56では、既に作業対象圃場として選択した第N作業圃場および第(N-1)作業対象圃場までの圃場を除いて、新たな第N+1作業対象圃場を選択する。例えば、第N作業対象圃場から最も近い位置座標にある圃場を選択する他、作業機の第N作業対象圃場からの移動経路による移動時間が最短となる圃場を選択する。
第1作業圃場選択ステップ45及び第N+1作業圃場選択ステップ56が作業圃場選択ステップである。
第N+1作業圃場選択ステップ56で第N+1作業対象圃場が選択されると、Nの値に1を加えて、第(N-1)作業圃場、第N作業圃場間移動経路算出ステップ46で第(N-1)作業圃場から第N作業圃場までの移動経路を算出する。
作業時間積算ステップ52で積算した作業時間が、1日の作業可能時間以上になると(S53でNo)、他の作業対象圃場が残っていない場合(S54でNo)には、第(N-1)作業対象圃場までを1日の作業予定圃場として算出する(S57)。
1日で全ての作業対象圃場について作業が完了する場合には(S58でNo)、作業計画算出処理(S30)は終了する(S59)。
1日では全ての作業対象圃場について作業を完了できない場合には(S58でYes)、残りの作業対象圃場について、2日目の作業計画算出処理として、S41に戻り、1日の作業計画算出処理(S41からS57)を行う。それでも全ての作業対象圃場について作業が完了しない場合には第3日の、というように、作業対象圃場のすべてについて作業が完了するまで繰り返し、その繰り返し回数Mを作業完了に必要な日数Mとして出力する。
このように、移動時間と圃場内作業時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出するため、特に中山間地域のような多筆圃場における作業計画を算出できる。更に、圃場外作業時間及び資材補充時間を積算に加えることで、より正確で効率的な作業計画を算出できる。
図3から図14は、本実施例による農作業支援システムでの画面イメージ図である。
図3及び図4は適期一覧表示ステップで表示される適期一覧表示画面イメージ図を示している。
図3では、作業適期のある農作業の作業種別として、栽培作物が「麦」の場合の「赤かび病防除」と、栽培作物が「XX」の場合の「追肥」とを示している。
図3に示すように、同一の作業種別である「赤かび病防除」及び「追肥」について、同一の作業適期となる作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを表示する。すなわち、例えば「赤かび病防除」については、作業可能開始予定日が2020/04/22、作業可能終了予定日が2020/04/28である作業適期では、作業対象圃場が52、圃場総面積が24haであり、作業可能開始予定日が2020/04/26、作業可能終了予定日が2020/05/02である作業適期では、作業対象圃場が60、圃場総面積が32haであることが表示されている。
同一の作業種別で同一の作業適期となる作業対象圃場については、それぞれ「チェック欄」が設けられている。
図4は、作業可能開始予定日が2020/04/22である作業適期の作業対象圃場について、「チェック欄」にチェックを入力した状態を示している。このチェック欄への入力によって、作業可能開始予定日が2020/04/22である作業適期の作業対象圃場が選択され、選択された作業対象圃場が「圃場マップ表示」で表示され、又は「作業計画」の計画対象となる。このように、適期一覧表示画面で表示される農作業の中で選択された農作業について圃場マップを表示し、又は作業計画を算出することで、ユーザの状況に合わせた作業計画とすることができる。
適期一覧表示画面では、「圃場マップ表示」、「作業計画」、及び「終了」指示ボタンが表示され、図4に示すように少なくとも一つのチェック欄への入力が行われていると、「圃場マップ表示」指示ボタンを指示することで、図5に示す圃場マップ表示画面に遷移して圃場マップを閲覧できる。
なお、「作業計画」指示ボタンを指示することで、図6に示す作業計画条件入力画面に遷移し、「終了」指示ボタンを指示することで適期一覧表示を終了することができる。
図5は、圃場マップ表示ステップで表示される圃場マップ表示画面イメージ図を示している。
図5に示すように、作業適期の作業対象圃場がマップ上に着色されて表示される。なお、圃場情報データベース11に記録されている各圃場の位置情報と、マップに表示されるそれぞれの圃場の位置情報が予め関連付けられており、マップ上への表示は、作業対象圃場の位置座標と、マップが有する座標情報とを用いて行うことができる。マップは、あらかじめデータベース10に関連付けられて記録されている、圃場情報、栽培情報を基に作成される。マップには経路設定に利用できる道路情報が含まれる。
作業適期が異なる作業対象圃場を表示する場合には、作業適期毎に作業対象圃場を異なる表示とすることで、作業適期毎に作業対象圃場を把握でき、特に多筆圃場での全体把握を容易に行える。
図4において、複数欄のチェック欄に入力が行われた場合には、作業適期が異なる作業対象圃場が表示され、「異なる表示」は、例えば、色分け、パターン分けなどで区別して表示することができる。
図5に示す圃場マップ表示画面で「適期一覧に戻る」指示ボタンを指示することで図3又は図4に示す画面に遷移する。
図5に示す圃場マップ表示画面で「作業計画」指示ボタンを指示することで、図6に示す作業計画条件入力画面に遷移する。
図6は、条件入力ステップで表示される作業計画条件入力画面イメージ図を示している。
図6に示すように、作業計画の対象として選択した作業適期について、農作業の作業種別、作業可能開始予定日、作業可能終了予定日、作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とが表示される。
図6に示す作業計画条件入力画面において、作業計画についての条件を入力する。
条件として、「作業開始日」、又は、「作業終了日」のいずれかを入力する。図6では「作業開始日」を入力した状態を示している。このように、単なる作業日数ではなく作業開始日又は作業終了日を条件とすることで、過去の気象実績や気象予報を用いた作業計画とすることができる。
また、作業に用いる「作業方法(作業機と人員構成)」の種類と「組数」を入力する。
「作業方法」は作業機・作業法情報データベース14に設定してあり、図6に示す「確認」指示ボタンを指示することにより内容を確認できる(図7)。
図7に示すように、作業方法として「マルチコプタA」が選択されている場合には、作業人数、タンク容量、散布速度、吐出量、飛行時間、及び作業時間などの詳細情報を確認することができる。また、図7に示す詳細内容については、必要に応じて修正や変更を行うことができる。
このように、作業計画算出ステップ30では、農作業の作業開始日又は作業終了日、及び農作業の作業方法を入力条件として算出することで、ユーザの状況に合わせた作業計画とすることができる。
図7に示す詳細表示画面において「戻る」指示ボタンを指示することで図6の画面に遷移する。
図6に示す画面において、「実行」指示ボタンを指示することで、作業計画算出処理が行われ(S30)、図8に示す作業結果表示画面に遷移する。
図8は、作業計画結果表示ステップで表示される作業計画結果画面イメージ図を示している。
図8に示すように、「作業開始日」を条件入力している場合には、作業計画結果として「作業終了日」が表示される。なお、「作業終了日」を条件入力している場合には、作業計画結果として「作業開始日」が表示される。
「作業終了日」が、作業適期(作業可能終了予定日)を過ぎてしまう場合には、作業適期までに作業が終了しない旨の警告と、条件の再入力を促す。
なお、この時点で「作業計画マップ表示」指示ボタンを指示することで、作業適期に作業できない圃場が特定された形で表示される。作業適期に作業できない圃場が特定されたマップ表示イメージを図11(b)に示す。後述するように図11(a)は全作業計画の対象となる作業予定圃場全てが表示されたマップ表示イメージであり、作業適期に作業できない圃場は、作業予定圃場と、異なる色又はパターンで表示される。なお、図11(b)に示す矢印は、説明の都合で、作業適期に作業できない圃場を指し示している。
図9は、作業計画結果画面イメージ図における条件の再入力を示している。
図9に示すように、「作業開始日」を「2020/04/23」に変更し、「再計算」指示ボタンを指示することで図10に示す作業計画結果画面に遷移する。
図10は、再計算後の作業計画結果画面イメージ図を示している。
図10に示すように、改めて、「作業計画結果」が表示される。
「作業開始日」を「2020/04/23」と変更したことで、 「作業終了日」が「2020/04/25」と表示されている。また、「作業終了日」が、作業適期前であるため、「適期終了までの猶予日数」を表示している。
なお、実績気象情報や、気象予報情報から、作業期間中に降雨の可能性が高ければ、猶予日数を更に増やす旨を表示することが好ましい。なお、例えば作業開始日を作業可能開始予定日から3日後に設定している場合には、作業開始日を作業可能開始予定日とすることで猶予日数を2日増やすことができる。
図10に示す作業計画結果画面において、「作業計画マップ表示」指示ボタンを指示することで図11に示す作業計画マップ画面に遷移する。
図11から図13は、作業計画マップ表示ステップで表示される作業計画マップ画面イメージ図を示している。
図11(a)は、全作業計画の対象となる作業予定圃場全てを表示し、図11(b)は作業適期に作業できない圃場を特定して表示している。
図11(a)では、「2020/04/23」から「2020/04/25」までの3日間を、それぞれの作業日別に異なる表示としている。異なる表示は、例えば着色やパターン区分で行う。
このように、算出された全ての作業予定圃場を全圃場マップとして表示し、全圃場マップでは作業日単位で作業予定圃場を異なる表示とすることで、全圃場マップでは作業日別単位での作業予定圃場の分布を把握できる。
また、作業日単位で作業順序を図示し、更には圃場間の移動ルート、圃場内作業時間、資材補充場所、資材補充時間などを表示することが好ましい。
図11に示す作業計画マップ画面において「日別表示」指示ボタンを指示することで図12に示す作業マップ画面に遷移する。
図12は、日別圃場マップを表示している。
図12では、作業開始日となる「2020/04/23」の作業計画を示し、「2020/04/23」に作業する圃場と、作業順序を図示している。作業順序は画面上のそれぞれの圃場の上又は横に表示される。
図12に示す日別圃場マップにおいても、圃場間の移動ルート、圃場内作業時間、資材補充場所、資材補充時間などを表示することが好ましい。
図12に示す日別圃場マップにおいて、「全体表示」指示ボタンを指示することで、図11に示す全圃場マップを表示でき、「翌日表示」指示ボタンを指示することで図13に示す翌日の日別圃場マップが表示される。
図13では、「2020/04/24」の作業計画を示し、「2020/04/24」に作業する圃場と、作業順序を図示している。
図13に示す日別圃場マップにおいて、「前日表示」指示ボタンを指示することで、図12に示す日別圃場マップを表示でき、「翌日表示」指示ボタンを指示することで翌日「2020/04/25」の日別圃場マップを表示することができる。
このように、作業計画マップ表示画面では、作業日単位による作業予定圃場を日別圃場マップとして表示し、日別圃場マップでは移動経路などを表示することで、日別圃場マップでは作業予定圃場間での移動経路を把握できる。
このように、圃場マップ表示ステップ27や作業計画マップ表示ステップ35では、農作業の作業種別毎に作業対象圃場を異なる表示とすることで、作業種別毎にも作業対象圃場を把握できるため、特に多筆圃場での全体把握を容易に行える。
また、作業計画マップ表示ステップ35では、全圃場マップとともに日別圃場マップを表示することで、全体把握が容易となるとともに、作業日単位での作業予定圃場の把握が容易となる。
本発明による農作業支援システムは、時期が限定されている農作業について圃場における作業計画を提供することができる。
10 データベース
11 圃場情報データベース
12 栽培情報データベース
13 栽培作物情報データベース
14 作業機・作業法情報データベース
15 気象情報データベース

Claims (11)

  1. 時期が限定されている農作業について圃場における作業計画を提供する農作業支援システムであって、
    コンピュータが、
    前記農作業を行う必要のある作業対象圃場を抽出し、前記作業対象圃場別に作業適期を計算する適期計算ステップと、
    所定期間内に前記作業適期がある前記農作業を抽出する農作業抽出ステップと、
    前記作業適期のある前記農作業を表示する適期一覧表示ステップと、
    抽出された前記作業対象圃場について前記作業計画を算出する作業計画算出ステップと、
    抽出された前記作業対象圃場を圃場マップとして表示する圃場マップ表示ステップと、
    前記作業計画算出ステップで算出された前記作業計画を表示する作業計画マップ表示ステップと
    を有し、
    前記作業計画算出ステップでは、
    前記作業対象圃場の中から第1作業圃場より第(N-1)(ただしNは計算時の前記作業対象圃場の数を示す)作業圃場を選択する作業圃場選択ステップと、
    スタート地点から前記第1圃場より順次圃場を経由し前記第(N-1)作業圃場まで、及び前記第(N-1)作業圃場から第N作業圃場まで、及び第N作業圃場から終了地点へ戻る際の移動経路を算出する経路算出ステップと、
    前記農作業の作業方法に用いる作業機が前記経路算出ステップで算出された前記経路の移動に要する移動時間を算出する移動時間算出ステップと、
    それぞれの前記作業対象圃場についての面積及び形状と前記作業方法とにより圃場内作業時間を算出する圃場内作業時間算出ステップと、
    前回の資材補給時点より前記第N作業圃場までに積算される作業面積に応じて必要とされる資材補給作業時間や前記作業機の積み下ろしについての圃場外作業時間を算出する圃場外作業時間算出ステップと、
    前記第N作業圃場から前記終了地点へ戻る際の帰還経路および帰還時間を算出する帰還経路時間算出ステップとを有し、
    前記移動時間算出ステップで算出される前記移動時間と、前記圃場内作業時間算出ステップで算出される前記圃場内作業時間と、前記圃場外作業時間算出ステップで算出される前記圃場外作業時間と、前記帰還経路時間算出ステップで算出される前記帰還時間とを積算し、積算した作業時間が1日の作業可能時間以内となるように作業予定圃場を算出する
    ことを特徴とする農作業支援システム。
  2. 前記適期一覧表示ステップでは、前記農作業抽出ステップで抽出する前記作業適期のある前記農作業の作業種別と、前記適期計算ステップで計算する前記作業適期についての作業可能開始予定日及び作業可能最終予定日の少なくともいずれかと、を表示する
    ことを特徴とする請求項1に記載の農作業支援システム。
  3. 前記コンピュータが、
    同一の前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場の圃場数と圃場総面積とを積算し、
    前記適期一覧表示ステップでは、同一の前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場の前記圃場数と前記圃場総面積とを表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の農作業支援システム。
  4. 前記コンピュータが、
    同一の前記作業種別で異なる前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算し、
    前記適期一覧表示ステップでは、同一の前記作業種別で異なる前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業適期毎に前記圃場数と前記圃場総面積とを表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の農作業支援システム。
  5. 前記コンピュータが、
    異なる前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業種別毎で同一の前記作業適期毎に圃場数と圃場総面積とを積算し、
    前記適期一覧表示ステップでは、異なる前記作業種別で同一の前記作業適期となる前記作業対象圃場を、前記作業種別毎で同一の前記作業適期毎に前記圃場数と前記圃場総面積とを表示する
    ことを特徴とする請求項2に記載の農作業支援システム。
  6. 前記作業計画算出ステップでは、前記適期一覧表示ステップで表示される前記農作業の中で選択された前記農作業について前記作業計画を算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の農作業支援システム。
  7. 前記作業計画算出ステップでは、前記農作業の作業開始日又は作業終了日、及び前記農作業の作業方法を入力条件として算出する
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の農作業支援システム。
  8. 前記圃場マップ表示ステップ又は前記作業計画マップ表示ステップでは、前記作業適期毎に前記作業対象圃場を異なる表示とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の農作業支援システム。
  9. 前記圃場マップ表示ステップ又は前記作業計画マップ表示ステップでは、前記農作業の作業種別毎に前記作業対象圃場を異なる表示とした
    ことを特徴とする請求項1に記載の農作業支援システム。
  10. 前記作業計画マップ表示ステップでは、前記作業計画算出ステップで算出された全ての作業予定圃場を全圃場マップとして表示するとともに、作業日単位による前記作業予定圃場を日別圃場マップとして表示する
    ことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の農作業支援システム。
  11. 前記全圃場マップでは前記作業日単位で前記作業予定圃場を異なる表示とし、前記日別圃場マップでは前記移動経路を表示する
    ことを特徴とする請求項10に記載の農作業支援システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024080448A1 (ko) * 2022-10-13 2024-04-18 농업회사법인 주식회사 지인 작물 재배 작업 지시 시스템

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