JP2022063815A - 電子管楽器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 サックスなどの木管楽器に電子管楽器の機能を追加し、生音と電子音のどちらかを選択して演奏できる楽器が提案されてきたが、木管楽器はキーが多くあり、指操作を検出する有効なセンサーと検出手段がなかった。また電子楽器のピッチベントは木管楽器の演奏者には馴染みがなく使いにくいという問題もあった。【解決手段】本発明はフォトセンサーの発光部を光変調することにより、また音階の決定に用いられるキーによってピッチベントを行う事により、これらの問題を解決している。【選択図】図1

Description

本発明は、楽器本体と、楽器本体に設けられた複数の操作子とを備え、複数の操作子の単独操作又は組み合わせ操作に応じて、楽器本体から発音される楽音を決定する電子管楽器または電子管楽器の機能を備えた木管楽器(例えばサックス)に関する。
従来の電子管楽器は演奏者の息圧を検出する圧力検出と指操作を行うキースイッチとリップセンサー及びピッチベントホイールなどを設け、電子回路により楽音を発生させるものがある(例えば、特許文献2)。
しかしながら、専らサックスなどの通常の木管楽器を演奏している演奏者が従来の電子管楽器を演奏する場合に、例えばキースイッチを操作する時に通常の木管楽器のキーのストローク(可変範囲)や感触との大きな違いに違和感があり、またリップセンサーやピッチベントホイールの操作によるピッチベント奏法またはビブラート奏法については通常の管楽器の奏法とは全く関連性がない事など、異なる点が多いため、前記演奏者にとっては簡単に従来の電子管楽器を演奏する事が出来ないという問題がある。
一方、サックスなどの通常の木管楽器は音量が大きく、楽器演奏用の防音設備がない住宅や集合住宅であっても練習したいという要望があるにも関わらず、電子楽器の様にスピーカーを消音して、ヘッドホンで聞きながら練習する事が出来ないという問題がある。
前述の問題の一部を解決する一手段として磁石を操作子に、ホール素子を楽器の周面にそれぞれ固定して、サックスとして配置されていた操作子の押圧操作を検出し、その情報に応じて楽音を電子回路で発生させる特許文献1に記載の先行技術があるが、生楽器としてのサックスに必要な構造を維持した上で前記ホール素子からの出力電圧を確保するために前記磁石と前記ホール素子の距離を前記押圧操作中に接近させる必要があり、そのために前記操作子から離れた位置に前記磁石を配置する必要があり、本来アコースティックな木管楽器には不要な腕部(特許文献1の符号11a)が複数必要で体裁が悪くなり、また前記腕部の部材および取り付け及び磁石とホール素子との距離の調整が必要なため、製造コストが高くなるという欠点がある。
また、前記磁石が楽器の周面に露出するため、前記磁石が例えば書類用クリップなどの身の回りにある様々な金属物を吸着すると、それが障害となって正常な動作が出来ないリスクがある。また仮に磁石をタンポ15または音孔6に配置出来たとしても、蓋部8が開いている場合に露出するため前記リスクを回避する事は出来ない。
また、前記リスクに対処するために磁気シールド等などのカバーを前記磁石及び磁石の可動領域に取り付けた場合、操作子の数が多いサックスにおいては重量が増加し、使いづらくなるという欠点がある。また、カバーのための部品及び取り付けが必要になり製造コストが高くなるという欠点がある。またサックスとしての楽器の美観も悪くする。
特許文献5では従来の管楽器であるトランペットにアタッチメントとして操作子を取り付け、マウスピースは圧力センサーを取り付けた物と交換し、電子音源で楽音を発生させる装置であり、位置検出手段として、フォトセンサーまたはマイクロスイッチを使用するか、または抵抗値の変化、または静電容量の変化によって行う事が示されている。
しかしながら、フォトセンサーを使用した場合、シリンダ室(特許文献5の符号53)内に検出部が配置してあるため、前記シリンダ室の遮光効果により前記フォトセンサーの受光部への迷光90の入射を防ぐ事で、誤検出は回避できるが、前記シリンダ室かそれに代わる遮光部が必要になり、サックスの場合、標準として操作子が23個あり、それぞれに前記シリンダ室が必要となり製造コストが高くなるという欠点がある。
また、マイクロスイッチを使用した場合は機械的な負荷が操作子にかかり、通常の管楽器の感触との違いに違和感があるという欠点がある。
また、抵抗値の変化を用いる場合は、例えば可変抵抗器を用いた場合、機械的な負荷が操作子にかかり、通常の管楽器の感触との違いにがあるという欠点がある。また、演奏中は頻繁に操作するため、可変抵抗器の寿命が短くなり、信頼性が下がるという欠点もある。
また、静電容量の変化によって行う場合は十分な容量変化幅を確保するために大きな電極が必要になり、検出部が大きくなるという欠点がある。また静電容量を検出するための複数の電極間の距離は、少なくとも操作子間の距離と同じ長さが必要なため、静電容量検出部をそれぞれの電極の近傍に配置する必要があり、アナログ及びデジタルの電子回路と演算処理及びインターフェースのためのマイクロコンピュータがそれぞれ複数必要になり、電子回路の規模が大きくなり、それらを集積した複数の集積回路チップの製造コストがフォトセンサーなどを使用する場合と比較すると高くなるという欠点がある。またインターフェースの通信速度が低くなると操作子の指圧操作に対するデータ出力の受け取りの間に遅延が発生して演奏者が違和感をもつという欠点がある。また高周波信号を電極に印加するため、電磁気妨害を起こすリスクがあり、それらの防止対策のための実施および電磁気妨害(EMI)の検査試験等が必要であり、設計する上での制約条件が増えるという欠点がある。
特許第4717042 特開平11-085159 特願平11-338819 米国特許第2151337 特開平10-055173
前記磁石と前記ホール素子を使わずに、本来のアコースティックな管楽器には不要な前記腕部を省略し、アコースティックな木管楽器と同様のキーストロークや感触を再現し、複数の操作子の操作を確実に検出する電子楽器を提供することである。
サックスなどのアコースティックな木管楽器の生音と電子楽器の電子音を切り替えて使用することが出来るようになること。
フォトセンサーに入射する迷光90による誤動作を無くし且つ迷光90を遮光するためのシリンダ室または等価な遮光部等及び付随する機構を省略して製造コストを安くすること。
筒状体または長棒状で構成された楽器本体と前記楽器本体に設けられた複数の操作子と、
前記複数の操作子の押圧操作によって複数の支点を中心に回動する複数の反射面と、
前記反射面に対抗する位置に配置した光を発光する複数の発光素子と、
前記反射面により反射された前記光の一部を検知する複数の光電変換素子と、
前記複数の発光素子の発光強度を特定の周期の信号で変調する複数の変調器と、
前記複数の光電変換素子のそれぞれの出力信号から、
前記特定の周期の信号で変調された被変調信号を検出する複数の検出器と、
前記被変調信号の強度をそれぞれの設定値と比較する複数の比較器と、
演奏者の息圧を検出する圧力センサーを備え、
前記複数の比較器のそれぞれの比較結果の単独または複数の組み合わせ及び、
前記圧力センサーで検出された息圧に応じて電子回路により楽音を発生する事を特徴とする手段。
前記複数の発光素子と前記複数の光電変換素子をサックスの複数の音孔内に配置して、それぞれの音孔を開閉する複数のタンポに取り付けられた複数のレゾネータの表面を前記複数の反射面とする手段。
前記複数の光電変換素子のそれぞれの出力信号を一定時間内にサンプル アンド ホールドし、最大値から最小値を引き算することによって、前記複数の被変調信号の強度を検出する複数の検出器を備えた手段。
前記複数の操作子の内、特定の音階決定に関与しない操作子の押圧操作によるキーの変位量を連続して検出し、
前記変位量に応じて音程のピッチを変化させる手段。
アコースティックな木管楽器(例えば、サックスなど)に本発明の実施を追加する事によって前記木管楽器の操作機構を維持し、前記アコースティックな木管楽器のキーストロークや感触を再現した電子管楽器を実現することができる。また、前記電子管楽器は生音を消音して電子回路で発生した楽音を用いて、音量を小さくしたり、またはヘッドホンなどで聴音する事により有効な消音手段となり、場所や時間帯などに制約されない練習環境で演奏できる楽器として提供することが出来る。
また、マウスピースとリードを変更する事によって、生楽器として生音を、または電子楽器として電子音でそれぞれ切り替えて演奏出来るサックスを提供出来る。
サックスの音孔内に前記発光素子1と前記受光素子2を配置した場合、サックスを生音で演奏する際に必要なタンポ15に取り付けられたレゾネータ(音の反射板)を反射面3として代用できる。また、磁石などの被検出部品を省略して、製造コストを下げる事が出来る。
アコースティックな木管楽器には不要な腕部を省略し、電子管楽器の重量の増加を少なくする。また美観を維持できる。
磁石を使用しないので、金属物の吸着による誤動作のリスクがなく、信頼性を確保できる。その上、磁気シールドなどのカバーも不要で楽器の重量の増加を少なくする。また、磁気シールドなどのカバーに掛かる製造コスト分を安くできる。
楽器の使用中に自然光または照明等を光源とする迷光90が前記光電変換素子に入射する事があり得るが、前記発光素子の発光強度を特定の周期の信号で変調し、前記発光素子からの信号強度だけを被変調信号として検出するため、前記迷光による誤動作を防げる。また迷光を遮光するための多数の前記シリンダ室もしくは等価な遮光部が必要ないので、その分の製造コストを安く出来る。
アコースティックな木管楽器(例えば、サックスなど)と同じ操作機構を再現し同様のキーストロークや感触を備えた電子楽器を提供する事が出来る。
サックスに本件の実施を追加する事によって押圧の強弱をキーの変位量として連続的に検出できるため、電子楽器としての演奏時のモードを切り替えて、オクターブキーまたはトリルキーで押圧力に応じたピッチベントが出来る。これにより従来からの電子楽器に備えられたリップセンサーやピッチベントホイール等を省略する事が出来る。また、オクターブキー及びトリルキーは本来サックス演奏者にとって使いなれたキーであり、リップセンサーやピッチベントホイールに比べて扱いやすいという利点がある。
検出部に大がかりな電子回路が必要ないため、製造コストを安く出来る。
実施例1の斜視図である。 図1の操作子部分の側面図である。 原理を説明するための特性グラフである 原理を説明するための説明図である。 実施例5の信号処理部を示すブロック図である。 実施例2の斜視図である。 実施形態を示す斜視図である。 実施形態に関わるマウスピース部とリード部を示す斜視図である。 実施例3の斜視図である。 実施例6の信号処理部を示すブロック図である。 実施例7の信号処理部を示すブロック図である。 仮想オシロスコープの波形である。 実施例8におけるサックスの音階と音域の説明図である。 実施例8におけるサックスのピッチベントキーの配置を示す斜視図である。 被変調信号(30)の振幅値(操作子の押圧値出力)をピッチベントキーに切り替える方法を示したブロック図である。 実施例10の斜視図である。
[実施形態1]
サックスなどの木管楽器の設計をベースに実施例を追加実施することで、前記木管楽器と同じ運指操作と同じ操作機構を備え、前記木管楽器と同じキーストロークや感触を備えた電子管楽器を提供する事(生音での演奏は出来ない疑似木管楽器)。
実施形態1に関わる実施例は実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例10、実施例11となる。
[実施形態2]
サックスなどの木管楽器に追加の実施をすることで、前記木管楽器と同じ運指操作と同じ操作機構を備え、前記木管楽器と同じキーストロークや感触を備えた電子楽器を提供する事と供にマウスピースとリードを変更する事によって、前記木管楽器の生音による演奏も切り替えて出来る楽器を提供する事。
実施形態2に関わる実施例は実施例1、実施例2、実施例3、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例10となる。
[実施形態3]
サックスなどの木管楽器の指操作機能を再現した機構があり、前記木管楽器と同じ運指操作と同じ操作機構を備え、前記木管楽器と同じキーストロークや感触を備えた電子管楽器であり、アコースティックな木管楽器として必要な筒状体の要素部分の一部もしくは全部を削除した電子管楽器を提供する事。
実施形態3に関わる実施例は実施例1、実施例4、実施例5、実施例6、実施例7、実施例8、実施例9、実施例10となる。
図1に本実施例の斜視図を示す。発光素子1から発射された光71は反射面3に向かって、方向4に沿って進む。反射面3は発光された光71の全部または一部を反射して光電変換素子2の配置されている方向5に沿って進み、反射された光の一部が光電変換素子2に入射し、光電変換素子2によって電気信号25に変換される。一方、反射面3が固定されている蓋部8はアーム部42を介してパイプ部11に結合されており、パイプ部11に軸12が挿入されている。また軸12は軸受け部9及び軸受け部13によって軸12の中心の支点位置が保持されている。また、蓋部8には操作子7があり、操作子7を押すと蓋部8及び反射面3が軸12を支点として回動する。前記回動により発光素子1と反射面3の距離24が短くなり、光電変換素子2の出力25が増加する。距離24と光電変換素子2の出力25の関係は図3で示した特性曲線73になる。
この様な特性曲線73になる理由は図4によって説明出来る。図4(a)において例えば発光素子1に発光ダイオードを用いた場合、発射される光71は発散光となり反射面3に入射し、反射の法則に従い進行方向は反転するが、発散の角度は維持しながら反射光72となって一部が光電変換素子2に入射する。この時、反射面3の側から観測すると反射光72が照射される領域はおよそ円状の面72aになる。図4(b)では距離24が長くなった場合で、照射される領域は図4(a)に比べて大きな円状の面72bになる。光電変換素子2の受光面は一定の面積であり、また発光素子1から発射される光71のパワーは一定であるので当然、図4(a)の場合より図4(b)の場合の方が円状の面72b内のパワー密度は低くなり、図4(b)における光電変換素子の出力25も下がる事になる。言い換えれば、距離24が短くなると光電変換素子2の出力25が増加する。
ただし、距離24がさらに短くなると出力25は極大値に達し、その後は急激に下降する。この現象は距離24が極端に短い場合は反射光72の照射される円状の面72aの領域が極端に小さくなり、光電変換素子2の受光面から円状の面72aが外れるためである。この実施例では距離24の変化範囲を極大値を示す距離よりも長くなるように設計している。勿論、これとは逆に発光素子1と光電変換素子2の配置されている間隔を変える事によって極大値を示す距離24よりも短い範囲で距離24を検出する方法も容易に考えられる。
尚、図4(b)で反射光の照射領域72bが円状に描かれているが、厳密には発散光を斜めに切った断面の卵形の形状になる。その場合でも特性曲線73の傾向に大きな差異がないためこの様な図になっている。
一方、発光素子1の発射する光71の強度は特定の周期の信号56で光変調される。例えば方形波によって発光素子1をオンオフ変調(ON-OFF変調)する事が容易に行える。その場合でも当然、光電変換素子2の出力25に含まれている特定の周期の信号56によって変調された被変調信号30の振幅も距離24により変化し、特性曲線73と同じ形になる。
本実施例では操作子7が蓋部8に固定された場合の例であるが、例えばサックスでは蓋部が第一の回動機構に取り付けられ、操作子が第2の回動機構に取り付けられている構成が複数あり、第1の回動構造と第2の回動構造は機械的にリンクされ、単独または複数の操作子の押圧操作により蓋部の開閉を行っている部分がある。(例えば特許文献4)
また図1とは別に軸12を境にして蓋部8と反対側にある第2のアーム部18(図2)に操作ボタンが固定され、通常は蓋部8が閉じていて操作子の押圧操作で蓋部を開けるクローズドキー(closed key)があるが、いずれの場合も複数の蓋部の開閉を検出する事によって楽音の音階を決定する事が出来る。
反射面3は図2で示す様に、生音で演奏する際に必要なサックスのタンポ15に取り付けられたレゾネータ(音の反射板)として併用する。
発光素子1の例として発光ダイオード、レーザーダイオードなどがある。
光電変換素子2の例としてフォトトランジスタ、フォトダイオード、フォトコンダクタ、CCD、太陽電池、発光ダイオード(受光素子としても使える)などがある。
図6に示した実施例は発光素子1に発光ダイオードを用いて光電変換素子2にフォトトランジスタを用い、さらにそれぞれの素子を同一のパッケージ内に形成したフォトリフレクタ(例えば特許文献3)があり、発光部と受光部がある側の表面積(パッケージ上面)が2.4平方ミリメートル以下(1.4ミリメートル×1.7ミリメートル)の小型フォトリフレクタ21も製造されている。小型フォトリフレクタ21が表面実装により取り付けられたプリント基板22の音孔6の穴の内部に突き出ている部分の表面積を9.8平方ミリメートル(1.4ミリメートル×7ミリメートル)として、管体部10に取り付けた場合、一般的なアルトサックスの最高音部の音孔6の直径が12ミリメートルであり、音孔6の開口面積が約108平方ミリメートルになり、9パーセント程度の開口面積の減少に留める。また、最高音部の音孔よりさらに小さいオクターブキー操作によって開閉する蓋部と音孔があるが、実施例3で示した方法により押圧操作の検出が出来る。これらの実施により、音孔の開口面積を十分確保して、前記アルトサックスの生音による楽音の発生も出来るようにする。
また最高音部の音孔6の開口面積がアルトサックスより大きいテナーサックスとバリトンサックスについても同様である。最高音部の音孔6の直径がアルトサックスより小さいソプラノサックスの場合は実施例3に示した方法を最高音部の音孔6でも実施することで生音による演奏を可能にする。
図9に実施例3の斜視図を示す。サックスにはオクターブキー操作により蓋部8の開閉操作を行う直径2~3ミリメートル程度の小さい音孔6も必要であり、音孔6の開口面積を確保するためにアーム部42の下側に反射面3を配置し、反射面3に対向する位置に小型フォトリフレクタ21を配置し、管体部10の側面に貼り付けられたフレキシブル基板57の面上に取り付けられている。
本実施例では音孔6の開口面積を維持した上で蓋部の開閉を検出する事が出来る。ただし、設計上はアーム部42と反射面3の距離が近い場合に有効であるため、主にオクターブキーの音孔など小さい音孔に対して用いる。
尚、図9では蓋部の回動機構に付随する操作子を含む別の回動機構及びそれらと連結する機械構造部(例えば特許文献4のFig14.またはFig16.)についての作図は省略している。
図8はマウスピース33とリード43の関係を示す斜視図である。通常のサックスなどの木管楽器ではリード43の片側半分がリガチャーによってマウスピース33に取り付けられる(46)。リード43のもう一方の片側半分は振動出来る様に薄く削られている。従来からのサックスなどの木管楽器はこの部分が振動して音を出す。しかしながら、電子管楽器として使う場合はリード43に防振効果があるゴムまた樹脂などのシート状の緩衝部材44を接着45して振動を制止して息圧だけを送り込む。また、本実施例ではマウスピース33の中に圧力センサー27が取り付けられており、息圧を検出して配線ケーブル84を通ってマイクロコンピュータ36に内蔵されているA/Dコンバータに入力される。
図5に示された実施例5は特定の周期の信号56で変調された被変調信号30を光電変換素子2の出力25から選択して取り出し、操作子7の押圧操作情報53を出力するまでの過程をブロック図で示した例である。発振器55によって特定の周期の信号56(例えば方形波など)を発振する。特定の周期の信号56は変調器54を駆動して、例えば発光ダイオードなどの発光素子1の電流を特定の周期の信号56でオンとオフを繰り返し、オンオフ変調(ON-OFF変調)を行う。一方、光電変換素子2の出力25はエイリアシング(aliasing)を防ぐために必要であれば低域通過フィルタ47を通過し、その出力28はA/D変換器48に入力される。A/D変換器48の出力はデジタルデータとなり、帯域通過フィルタ49(デジタルフィルタ)を通過し、特定の周期の信号56による被変調信号30だけを通過させ、検波器50に入り、検波器50で被変調信号30を検波する。検波された信号31は平滑器51に入力され、その出力32は被変調信号30の振幅値であり、操作子(7)の押圧量を示す操作値の出力として、比較器52に入力され、設定された値と比較して、その比較結果を音孔6の開閉情報53として用い、単独または複数の開閉情報53により楽音を決定するために用いる。
この様に発光素子1を特定の周期の信号56で変調し、特定の周期の信号56の被変調信号30だけを取り出す事によって、蓋部8と音孔6の隙間から入った迷光90が光電変換素子2に混入して出力25に影響を与えても、発光素子1から発射された光だけを検出した場合と等価になり、迷光90による誤動作を防げる
尚、ブロック図の発振器55、変調器54、帯域通過フィルタ49、検波器50、平滑器51、比較器52はデジタル回路による実施例であるが、マイクロコンピュータのソフトウエアによっても実施できる。
図10は帯域通過フィルタ49の代りに高域通過フィルタ58(アナログフィルタ)を用いた実施例5を簡易化した場合である。高域通過フィルタ58は一次系の簡素な方法で行い、デジタルフィルタを使わないのでソフトウェアの処理が少なくなり、安価なマイクロコンピュータの使用で提供できる。
図11は帯域通過フィルタ49の代りにサンプル アンド ホールド(sample and hold)器1(62a)とサンプル アンド ホールド器2(62b)を用いて、A/D変換器のデジタルデータ出力29からサンプリングによって特定の周期の信号56による被変調信号30のピーク値69とボトム値70を採取して差分演算器64により差分を演算して被変調信号30の振幅を割り出す。
図12は本実施例の信号の関係をシミュレーションした仮想オシロスコープの波形68である。特定の周期の信号56は4分の1周期の時間軸シフト66によって出力信号67になる。方形波である出力信号67の立ち上がりエッジのタイミングはちょうど被変調信号30のピーク値69と一致し、方形波67の立ち下がりエッジのタイミングは被変調信号30のボトム値70に一致する。図12の光電変換素子2の出力信号25は被変調信号30だけでなく混入した迷光90による信号が重畳されているが、それにも関わらず被変調信号30の振幅だけを選別して検出できる様子を示している。
本実施例の低域通過フィルタ以外のブロックはマイクロコンピュータとソフトウエアによっても実施できる。
サックスでは単独または複数の操作子の運指によって、楽音の音階を決定するが、特定の音階に対して前記運指が複数例あり、通常使用される頻度が少ない替指の運指がある。また特に替指の運指を用いる時だけ使用するトリルキーとして特定の操作子がある。本実施例では前記特定の操作子の役割を制御プログラム上で切り替えて、前記特定の操作子の押し圧量、すなわち蓋部8の角度によって音程のピッチを変えるピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏を可能にする。操作子の押圧値出力32は押圧力に応じて連続した値が出力されるので、押圧値出力32に応じてピッチを変更すれば滑らかなピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏が出来る。
また例えばサックスと同じ運指の場合、オクターブキーの操作子は第一の音域のローCシャープ(low C♯)(76)より低い音階での運指では通常使用しないため、前記オクターブキーの操作子によってもピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏が出来る。
すなわち、音程を決定するために最小限必要な操作子の組み合わせに含まれない操作子の押圧力によって、音程のピッチを変えるピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏を行う実施例である。
(参考図:図13及び図14)
本実施例を実際の運指を考慮しながらサックスに適用する例として以下に示す。尚、音程のピッチを変えるピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏行うための操作子をピッチベントキー(pitch bent key)と言う名称で使う事とする。
第一の音域74のローCシャープ(low C♯)76以下の音階におけるピッチベントキーはオクターブキー86とする。
第一の音域74のD77と第一の音域のDシャープ(D♯)78におけるピッチベントキーはサイドAシャープトリルキー(side A♯ trill key)87とする。
第一の音域74のE79から第一の音域74のCシャープ(C♯)80までの音階におけるピッチベントキーはサイドFシャープトリルキー(side F♯ trill key)88とする。
第二の音域75のD81と第二の音域のDシャープ(D♯)82におけるピッチベントキーはサイドAシャープトリルキー(side A♯ trill key)87とする。
第二の音域75のE83以上の音階におけるピッチベントキーはサイドFシャープトリルキー(side F♯ trill key)88とする。
本実施例のサイドAシャープトリルキー(side A♯ trill key)87は右手一指し指の基節骨付近で押す。
サックスなどの管楽器を主に演奏している奏者は従来の電子管楽器(例えば特許文献2)によるピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏が上手く出来ない事がある。電子管楽器に装備されているリップセンサーやピッチベントホイールによりピッチベント効果を伴った演奏やビブラート効果を伴った演奏が可能であるが、サックスなどの管楽器とは全く異なる操作を必要とするため簡単には出来なかった。一方、本実施例では指で従来から操作していたキーを押す事によって行えるため操作方法に関連性があり、従来の電子管楽器に比べ簡単に操作を行う事が出来る。
尚、本実施例は実施形態の中で電子管楽器としての演奏において演奏モードを切り替えて表現方法を広げるための目的であり、アコースティックなサックスを再現して練習するための目的ではない。
図15は[形態3]に関連した実施例である。軸を通すパイプ部11、ア-ム部42、操作子7、反射面3が射出成型などによって、一体として形成されている。また長棒状の本体85に軸受け部9及び13が一体として形成されている。音孔6及び管体部10などを削除しているが、操作子はサックスと同じキーストロークや感触を再現している。製造コストの安い疑似サックスを提供する実施例である。本実施例では音孔6が削除されているが、音孔6の開閉情報53に等価な情報を得る。
図7に楽器全体の実施例を示す。息圧センサー27による出力は配線ケーブル84によって電子回路ユニット35に接続され、マイクロコンピュータ36に内蔵されたA/D変換器に入力される。また、光電変換素子2の出力25は低域通過フィルタ47を通過し、マイクロコンピュータ36に内蔵されたA/D変換器48に入力される。マイクロコンピュータ36には図11に示された各機能を等価的に処理するハードウエアとソフトウエアが組み込まれている。またその他にも楽音データ37を生成する処理が行われる。楽音データ37を元に音源発生部38によって楽音信号39が作られ、サウンドシステム40によって音響効果等が加えられて、音響信号41になる。音響信号41によりヘッドホン89やスピーカーから楽音を発生させる。
蓋部がなく、指によって音孔の開閉を行う事が出来る木管楽器、例えばクラリネットやリコーダーの場合は回動する指の表面が前記反射面となって機能し、前記発光素子と前記光電変換素子を音孔位置に配置する事で行う。
1発光素子
2光電変換素子(受光素子)
3反射面
4発光素子(1)から発射する光の方向
5反射面(3)で反射され光電変換素子(2)に進む光の方向
6音孔
7操作子
8音孔(6)を塞ぐ蓋部
9第一の軸受け部
10管体部
11軸を通すパイプ部
12軸
13第二の軸受け部
14バネ
15タンポ
16タンポの厚紙部
17タンポの皮
18第2のアーム部
19コルクなどの緩衝材
20バネをかける部分
21小型フォトリフレクタ
22片端が管体部(10)に取り付けられたプリント基板
23音孔の直径
24反射面(3)と発光素子(1)の距離
25光電変換素子(2)の出力となる電気信号
26発光素子を変調する出力
27圧力センサー
28低域通過フィルタの出力
29A/D変換器のデジタルデータ出力
30特定の周期の信号(56)で変調された被変調信号
31検波された信号
32被変調信号(30)の振幅値(操作子の押圧値出力)
33マウスピース
34楽器本体
35電子回路ユニット
36マイクロコンピュータ部
37楽音データ
38音源発生部
39楽音信号
40サウンドシステム
41音響信号
42第1のア-ム部
43リード
44緩衝部
45接着
46装着
47低域通過フィルタ
48A/D変換器
49帯域通過フィルタ
50検波器
51平滑器
52比較器
53音孔の開閉情報
54変調器
55発振器
56特定の周期の信号(方形波)
57フレキシブル基板
58高域通過フィルタ
59高域通過フィルタの出力
60加算器
61バイアス値
62aサンプル アンド ホールド器1
62bサンプル アンド ホールド器2
63a特定の周期の信号のピーク値
63b特定の周期の信号のボトム値
64差分演算器
65
66時間軸シフト
67時間軸シフトの出力信号
68仮想オシロスコープ画面
69被変調信号(30)の振幅のピーク値
70被変調信号(30)の振幅のボトム値
71発光素子(1)から発射された光
72反射面(3)で反射した光
72a反射面(3)で反射した光の投光面積
72b反射面(3)で反射した光の投光面積
73特性曲線
74第一の音域
75第二の音域
76第一の音域のローCシャープ(low C♯)
77第一の音域のD
78第一の音域のDシャープ(D♯)
79第一の音域のE
80第一の音域のCシャープ(C♯)
81第二音域のD
82第二の音域のDシャープ(D♯)
83第二音域のE
84圧力センサーの出力(配線ケーブル)
85長棒状の本体
86オクターブキー
87サイドAシャープトリルキー(side A♯ trill key)
88サイドFシャープトリルキー(side F♯ trill key)
89ヘッドホン
90迷光
91切り替えスイッチ
92ピッチ可変部

Claims (4)

  1. 筒状体または長棒状で構成された楽器本体と前記楽器本体に設けられた複数の操作子と、
    前記複数の操作子の押圧操作によって複数の支点を中心に回動する複数の反射面と、
    前記反射面に対抗する位置に配置した光を発光する複数の発光素子と、
    前記反射面により反射された前記光の一部を検知する複数の光電変換素子と、
    前記複数の発光素子の発光強度を特定の周期の信号で変調する複数の変調器と、
    前記複数の光電変換素子のそれぞれの出力信号から
    前記特定の周期の信号で変調された被変調信号を検出する複数の検出器と、
    前記被変調信号の強度をそれぞれの設定値と比較する複数の比較器と、
    演奏者の息圧を検出する圧力センサーを備え、
    前記複数の比較器のそれぞれの比較結果の単独または複数の組み合わせ及び、
    前記圧力センサーで検出された息圧に応じて電子回路により楽音を発生する事を特徴とする電子管楽器。
  2. 前記複数の発光素子と前記複数の光電変換素子をサックスの複数の音孔内に配置して、それぞれの音孔を開閉する複数のタンポに取り付けられた複数のレゾネータの表面を前記複数の反射面とする請求項1記載の電子管楽器。
  3. 前記複数の光電変換素子のそれぞれの出力信号を一定時間内にサンプル アンド ホールドし、最大値から最小値を引き算することによって、前記複数の被変調信号の強度を検出する複数の検出器を備えた請求項1または請求項2記載の電子管楽器。
  4. 前記複数の操作子の内、特定の音階決定に関与しない操作子の押圧操作によるキーの変位量を連続して検出し、前記変位量に応じて音程のピッチを変化させる請求項1または請求項2または請求項3記載の電子管楽器。
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