JP2022063200A - センサー用光部品 - Google Patents

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Shinsuke Terada
遼太 木下
Ryota Kinoshita
誠 藤原
Makoto Fujiwara
洋武 今井
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Abstract

【課題】被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムを実現可能であり、被着体に対する敷設作業が容易で安価なセンサー用光部品を提供すること。【解決手段】本発明のセンサー用光部品は、長尺状のコア部を含むコア層を有し、被着体に取り付けられる光導波路と、前記コア部に設けられ、前記コア部を伝搬する光を反射する光反射部と、前記コア部と光学的に接続されている光ファイバーと、を備えることを特徴とする。また、本発明のセンサー用光部品は、前記光導波路を少なくとも覆う筐体を備えることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、センサー用光部品に関するものである。
特許文献1には、監視対象物の変位や変形を光により監視する光ファイバーセンサーが開示されている。この光ファイバーセンサーは、一対の連結部材と、各連結部材に設けられた光ファイバー保持部と、光ファイバー保持部で保持された光ファイバーと、を備えている。
この光ファイバーセンサーでは、正常時、フレネル反射光や損失増大は観測されない。しかし、連結部材間に相対変位が発生すると、光ファイバー保持部が変形し、光ファイバーに変形や破断が生じるため、フレネル反射光や損失増大が観測される。光ファイバーセンサーの使用者は、このような観測結果に基づいて、監視対象物の異常を把握することができる。
特開2001-99755号公報
特許文献1に記載の発明では、光ファイバーの両端が監視ユニットに接続されている。したがって、光ファイバーを環状に敷設する必要があることから、敷設経路に制約が生じるとともに、敷設作業に手間がかかる。また、光ファイバーの長さは、監視対象物と監視ユニットとの距離の2倍以上必要になり、低コスト化が難しいという課題もある。
本発明の目的は、被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムを実現可能であり、被着体に対する敷設作業が容易で安価なセンサー用光部品を提供することにある。
このような目的は、下記(1)~(8)の本発明により達成される。
(1) 長尺状のコア部を含むコア層を有し、被着体に取り付けられる光導波路と、
前記コア部に設けられ、前記コア部を伝搬する光を反射する光反射部と、
前記コア部と光学的に接続されている光ファイバーと、
を備えることを特徴とするセンサー用光部品。
(2) 前記光反射部は、前記コア部に隣接する金属材料を含む上記(1)に記載のセンサー用光部品。
(3) 前記光導波路を少なくとも覆う筐体を備える上記(1)または(2)に記載のセンサー用光部品。
(4) 前記筐体の一部は、前記光反射部を構成する上記(3)に記載のセンサー用光部品。
(5) 前記筐体は、さらに前記光ファイバーの一部を覆う上記(3)または(4)に記載のセンサー用光部品。
(6) 前記光導波路と前記筐体とを接着する筐体接着層を備える上記(3)ないし(5)のいずれかに記載のセンサー用光部品。
(7) 前記光ファイバーは、前記コア部の一端部に接続され、
前記筐体接着層は、前記コア部の前記一端部および他端部と、前記筐体と、の間を接着する上記(6)に記載のセンサー用光部品。
(8) 前記光ファイバーは、光ファイバーコアと、前記光ファイバーコアの側面を覆う光ファイバークラッドと、を備え、
前記光導波路の前記コア部は、幅が前記光ファイバーコアの直径の半分以下である複数の分割コアと、前記分割コア同士の間に位置する分割クラッドと、を備え、
前記分割コアおよび前記分割クラッドは、前記コア部の延在方向と交差する方向において交互に並んでいる上記(1)ないし(7)のいずれかに記載のセンサー用光部品。
本発明によれば、被着体の機械的または熱的な変化を検出するセンシングシステムを実現可能であり、被着体に対する敷設作業が容易で安価なセンサー用光部品が得られる。
第1実施形態に係るセンサー用光部品を用いたセンシングシステムの概略を示す斜視図である。 図1に示すセンシングシステムの断面図である。 図2に示すセンシングシステムの動作を説明する平面図である。 図2に示すセンシングシステムの動作を説明する平面図である。 図4の断面図である。 図2に示す光導波路の部分拡大斜視図である。 図2の部分拡大図である。 図2に示す筐体と光導波路および光ファイバーとを分解して示す斜視図である。 第2実施形態に係るセンサー用光部品を示す断面図である。 第3実施形態に係るセンサー用光部品を示す断面図である。 第4実施形態に係るセンサー用光部品を示す断面図である。 図11に示すセンサー用光部品が奏する効果を説明するための断面図である。 光ファイバーと光導波路との光結合損失を測定する方法を説明するための模式図である。 表1に示す光結合損失の最小値およびレンジを、積み上げ棒グラフにしたものである。
以下、本発明のセンサー用光部品について添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.センシングシステム
まず、後述する第1実施形態に係るセンサー用光部品1を用いたセンシングシステム100について説明する。
図1は、第1実施形態に係るセンサー用光部品1を用いたセンシングシステム100の概略を示す斜視図である。図2は、図1に示すセンシングシステム100の断面図である。図3および図4は、それぞれ、図2に示すセンシングシステム100の動作を説明する平面図である。図5は、図4の断面図である。
なお、各図では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸およびZ軸を設定し、矢印で示している。また、矢印の先端側を「プラス側」といい、基端側を「マイナス側」という。さらに、Z軸を表す矢印の先端側を「上」といい、基端側を「下」という。
図1に示すセンシングシステム100は、センサー用光部品1を備える。
センサー用光部品1は、図1ないし図3に示すように、光導波路10と、光ファイバー3と、筐体4と、を備える。光ファイバー3の先端と光導波路10とは、光学的に接続されている。筐体4は、光ファイバー3の先端部および光導波路10を覆っている。
センサー用光部品1は、図1および図2に示すように、被着体9に取り付けられた状態で使用される。「取り付ける」とは、センサー用光部品1のうち、少なくとも光導波路10が、被着体9に密着している状態をいう。密着とは、外力を受けて被着体9に押し付けられている状態や、接着力により被着体9に接着している状態等を指す。
本実施形態では、図2に示すように、センサー用光部品1が被着体接着層2を介して被着体9に接着されている。これにより、被着体9の機械的または熱的な変化を、センサー用光部品1を介して検出するセンシングシステム100を実現する。具体的には、このセンシングシステム100では、被着体9にセンサー用光部品1を貼り付けた状態で、図3に示すように、センサー用光部品1に入射光L1を連続的または断続的に入射する。入射光L1は、センサー用光部品1の内部で反射し、出射光L2として入射光L1と同じ経路を戻る。センシングシステム100では、この戻り光である出射光L2の強度をモニターする。
入射光L1を入射している状態で、被着体9の表面に機械的または熱的な変化、例えば図4に示す亀裂91等が発生すると、センサー用光部品1の一部が破断し、破断面8が生じる。そうすると、破断面8で入射光L1が反射し、図4および図5に示す反射光L3が発生する。この反射光L3が発生すると、破断面8が生じる前に比べて、出射光L2の強度が低下する。センシングシステム100では、この出射光L2の強度変化を検出することにより、破断面8の発生を検出する。これにより、センシングシステム100では、亀裂91の発生を推定することができる。
センシングシステム100は、図2に示すように、制御装置5を備える。
制御装置5は、発光素子102と、受光素子104と、光サーキュレーター106と、制御部108と、を備える。
発光素子102は、センサー用光部品1の光ファイバー3に入射させるための入射光L1を射出する。発光素子102としては、例えば、半導体レーザー、ガスレーザー、発光ダイオード等が挙げられる。
受光素子104は、センサー用光部品1の光ファイバー3から出射した出射光L2を、光サーキュレーター106を介して受光する。そして、受光素子104は、出射光L2の強度に応じた受光信号を制御部108に向けて出力する。受光素子104としては、例えば、フォトダイオード、フォトトランジスター等が挙げられる。
光サーキュレーター106は、発光素子102から光サーキュレーター106に入射する入射光L1を、光導波路10側に向けて通過させ、光導波路10側から入射する出射光L2を、受光素子104側に向けて光路変換する。これにより、受光素子104では、出射光L2の強度を検出することができる。
制御部108は、出射光L2の強度変化を検出し、例えば、判定基準に基づいて被着体9の表面における機械的または熱的な変化の有無を推定する。判定基準は、強度変化と被着体9に生じた事象との関係を、あらかじめ把握して作成される。制御部108は、必要に応じて、この推定結果を出力する。
このような制御部108は、例えば、内部バスで互いに接続されたプロセッサー、メモリーおよび外部インターフェース等を備えるデバイスで構成される。制御部108は、メモリーに記憶されているプログラムをプロセッサーで実行することにより動作する。
2.センサー用光部品
2.1.第1実施形態
次に、第1実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図6は、図2に示す光導波路10の部分拡大斜視図である。図7は、図2の部分拡大図である。
2.1.1.光ファイバー
センサー用光部品1が備える光ファイバー3は、図2に示すように、素線31と、素線31の側面を覆う被覆32と、を備える。
このうち、素線31は、図7に示すように、コア部312と、コア部312の側面を覆うクラッド部314と、を備える。素線31としては、例えば、ガラス製光ファイバー、プラスチック製光ファイバー等が挙げられる。
また、被覆32は、素線31を覆うことにより、素線31の機械的強度および耐久性を高める。被覆32の構成材料としては、例えば、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、繊維強化複合材料等が挙げられる。
図2に示す光ファイバー3では、先端部の被覆32が除去され、素線31が露出している。これにより、被覆32で覆われているときよりも素線31を曲げやすくなり、素線31と光導波路10とを容易に近づけることができる。
光ファイバー3の一部は筐体4で覆われている。具体的には、素線31が露出している部分は、その全体が筐体4で覆われている。これにより、素線31を保護することができる。また、被覆32の一部も筐体4で覆われている。これにより、素線31が筐体4の縁に擦れて傷つくのを防止することができる。
2.1.2.光導波路
センサー用光部品1が備える光導波路10は、図5ないし図7に示すように、下方から、第1カバー層18、クラッド層11、コア層13、クラッド層12、および第2カバー層19がこの順で積層されてなるシート体16を備える。シート体16の各層は、X-Y面と平行に広がっている。コア層13中には、図6に示すように、Y軸に沿って延在する長尺状のコア部14と、コア部14の側面に隣接する側面クラッド部15と、が形成されている。
光導波路10の外縁の形状は、図3では長方形であるが、この形状は特に限定されず、正方形、六角形のような多角形、真円、楕円、長円のような円形、その他の形状であってもよい。長方形をなす光導波路10のうち、Y軸と直交する2つの端面には、図7に示すように、コア部14の光入出射面141および反射面142が露出している。
図7に示す光入出射面141は、光ファイバー3との光結合に供される面であり、入射光L1が入射し、かつ、出射光L2が出射する面である。
図7に示す反射面142は、コア部14を伝搬してきた入射光L1をいったん外部に出射させ、外部で反射して戻ってきた光を再び入射させる機能を有する面である。具体的には、反射面142から外部に出射した入射光L1は、筐体4で反射し、再び反射面142からコア部14に入射し、光入出射面141に向かって戻るように伝搬する。
光導波路10は、図7に示すように、第1カバー層18の下面を接着面109として、被着体9に接着するように用いられる。接着面109と被着体9との間には、必要に応じて、図7に示す被着体接着層2を介在させてもよい。これにより、光導波路10を被着体9に固定することができる。なお、本実施形態では、光導波路10だけでなく、筐体4や光ファイバー3も、被着体接着層2を介して被着体9に接着されている。
以下、光導波路10の各部についてさらに詳述する。
コア部14は、図6に示すように、その側面が、側面クラッド部15およびクラッド層11、12で囲まれている。そして、コア部14の屈折率は、側面クラッド部15やクラッド層11、12の屈折率よりも高くなっている。これにより、コア部14に光を閉じ込めて伝搬させることができる。
コア層13において、コア部14の光路に直交する面内における屈折率分布は、いかなる分布であってもよく、例えば屈折率が不連続的に変化した、いわゆるステップインデックス(SI)型の分布であってもよく、屈折率が連続的に変化した、いわゆるグレーデッドインデックス(GI)型の分布であってもよい。
Y-Z面によるコア部14の断面形状、つまりコア部14の横断面形状は、特に限定されないが、例えば、真円、楕円形、長円形等の円形、三角形、四角形、五角形、六角形等の多角形、その他の異形状が挙げられる。
コア層13の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、5~100μm程度であるのがより好ましく、10~70μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、コア部14に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
コア層13の構成材料(主材料)としては、例えば、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ系樹脂やオキセタン系樹脂のような環状エーテル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン、ポリオレフィン系樹脂、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、PETやPBTのようなポリエステル、ポリエチレンサクシネート、ポリサルフォン、ポリエーテル、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料等が挙げられる。なお、樹脂材料には、異なる組成のものを組み合わせた複合材料も用いられる。また、本明細書において「主材料」とは、構成材料の50質量%以上を占める材料のことをいい、好ましくは70質量%以上を占める材料のことをいう。
クラッド層11、12の平均厚さは、それぞれ1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~60μm程度であるのがさらに好ましい。これにより、クラッド層11、12に必要とされる光学的特性および機械的強度が確保される。
また、クラッド層11、12の主材料は、例えば、前述したコア層13の構成材料として挙げた材料から適宜選択して用いられる。
なお、クラッド層11、12は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。このとき、例えばコア層13が外気(空気)に曝されていれば、その外気がクラッド層11、12として機能する。
本実施形態に係るセンサー用光部品1は、コア層13と第1カバー層18との間に設けられているクラッド層11と、コア層13と第2カバー層19との間に設けられているクラッド層12と、を有しているので、コア部14とその外部との間で、安定した屈折率差を形成し、維持することができる。このため、コア部14の伝送効率をより高めることができる。なお、クラッド層11、12のいずれか一方または双方は、側面クラッド部15と一体になっていてもよい。
第1カバー層18は、クラッド層11の下面に設けられている。第2カバー層19は、クラッド層12の上面に設けられている。このような第1カバー層18および第2カバー層19を設けることにより、コア層13やクラッド層11、12を保護し、外部環境等に起因したコア部14の伝送効率の低下を抑制することができる。
第1カバー層18および第2カバー層19の平均厚さは、特に限定されないが、1~200μm程度であるのが好ましく、3~100μm程度であるのがより好ましく、5~50μm程度であるのがさらに好ましい。
第1カバー層18および第2カバー層19は、互いに同じ構成であっても互いに異なる構成であってもよい。例えば、第1カバー層18および第2カバー層19は、平均厚さが互いに同じでもよいし、互いに異なっていてもよい。第1カバー層18および第2カバー層19の少なくとも一方は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
第1カバー層18および第2カバー層19の主材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリイミド、ポリアミド等の各種樹脂を含む材料が挙げられる。
このうち、第1カバー層18および第2カバー層19の主材料は、それぞれポリイミド系樹脂であるのが好ましい。ポリイミド系樹脂は、弾性率が比較的大きく、熱分解温度も高いことから、外力や外部環境に対する十分な耐久性を有している。
なお、第1カバー層18および第2カバー層19の構成材料には、必要に応じて、フィラー、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、劣化防止剤、帯電防止剤等が添加されていてもよい。このうち、フィラーを添加することにより、第1カバー層18および第2カバー層19の熱膨張係数を調整することができる。
2.1.3.筐体
図8は、図2に示す筐体4と光導波路10および光ファイバー3とを分解して示す斜視図である。
筐体4は、図8に示すように、光導波路10を収容する凹部41と、光ファイバー3の先端部を収容する凹部42と、を有している。凹部41および凹部42は、それぞれ、筐体4の接着面40に開口する。
本実施形態では、光導波路10および光ファイバー3の先端部が筐体4で覆われている。具体的には、凹部41に光導波路10が収容され、凹部42に光ファイバー3の先端部が収容されている。以下、光導波路10および光ファイバー3の先端部を「被収容部30」という。
凹部41、42が開口している接着面40は、被着体接着層2を介して被着体9に接着される面である。したがって、凹部41、42に被収容部30を収容した状態で、接着面40を被着体9に接着することにより、被収容部30が外部に露出しなくなる。このため、筐体4を用いることにより、被収容部30を例えば異物の接触や外部環境等から効果的に保護することができる。
筐体4の構成材料としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料等が挙げられる。
このうち、金属材料としては、例えば、ステンレス鋼、鉄基合金、ニッケル基合金、アルミニウム合金、マグネシウム合金、真ちゅう等が挙げられる。
セラミックス材料としては、例えば、アルミナ、ジルコニア、シリカ等が挙げられる。
樹脂材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリ-(4-メチルペンテン-1)、アイオノマー、アクリル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS樹脂)、ブタジエン-スチレン共重合体、ポリオキシメチレン、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル、ポリエーテル、ポリエーテルケトン(PEK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド、ポリアセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオキシド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル(液晶ポリマー)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル、シリコーン樹脂、ポリウレタン等、またはこれらを主とするブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
なお、樹脂材料には、剛性等の観点から、特に、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、アクリル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートおよびABS樹脂からなる群から選択される1種が好ましく用いられる。これらは、比較的剛性が高いため、図8に示すような凹部41、42を設けた筐体4の構成材料として有用である。
一方、筐体4は、可撓性を有するものであってもよい。この場合、可撓性を有するフィルム状の筐体4を被収容部30に被せることで、図8に示す筐体4と同様の機能を持たせることができる。また、フィルム状の筐体4を用いた場合、被収容部30を被着体9に向けて押し付ける外力を加えて密着させることができるので、被着体接着層2を省略するようにしてもよい。ただし、被着体9の変化を検出する感度や、耐久性の観点から、筐体4は剛性を有することが好ましい。
また、図8に示す凹部42は、光ファイバー3の外径に応じて幅が変化している。幅とは、X軸方向の長さのことをいう。図8に示す光ファイバー3は、被覆32を備える部位と、素線31が露出した部位と、に分かれている。このため、図8に示す凹部42は、被覆32の外径に応じた相対的に広い幅を持つ部分と、素線31の外径に応じた相対的に狭い幅を持つ部分と、に分かれている。これにより、凹部42内での光ファイバー3の位置ずれを抑制することができる。その結果、位置ずれに伴って光ファイバー3と光導波路10との接続部に負荷がかかるのを抑制することができる。また、位置ずれに伴う、光導波路10と光ファイバー3との光結合損失の増大を抑制することができる。
なお、筐体4は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。
筐体4の厚さ、すなわち筐体4のZ軸方向の長さは、特に限定されないが、少なくとも光ファイバー3の素線31の外径より厚く設定され、図8に示すように光ファイバー3の被覆32を収容する凹部42を備える場合には、被覆32の外径より厚く設定される。
したがって、筐体4の厚さは、被覆32の外径の105%以上であるのが好ましく、被覆32の120%以上1000%以下であるのがより好ましく、150%以上500%以下であるのがさらに好ましい。これにより、筐体4は、十分な剛性を有するとともに、必要以上に厚くなってしまうのを防止することができる。
2.1.4.光反射部
図8に示す筐体4の凹部41のうち、Y軸に交差する面が、光反射部7を構成している。光導波路10の反射面142から出射した入射光L1は、光反射部7で反射し、出射光L2として再び反射面142から入射する。
光反射部7のこのような機能は、筐体4の構成材料が持つ光反射性に基づくものであってもよく、凹部41の内面に設けられた光反射材に基づくものであってもよい。
前者の場合、凹部41の内面を研磨することにより、光反射性を高めるようにしてもよい。後者の場合、光反射材としては、例えば、金属材料、セラミックス材料、樹脂材料、シリコン材料、ガラス材料等が挙げられ、これらの複合材料も用いられる。
2.1.5.接着層
図7に示すように、光導波路10と凹部41との間には、筐体接着層61、62が設けられている。
筐体接着層61は、光導波路10の反射面142近傍と凹部41との間を接着する。本実施形態では、一例として、光導波路10の反射面142および上面が、筐体接着層61により、凹部41の内面と接着されている。
筐体接着層62は、光導波路10の光入出射面141近傍と凹部41、42との間を接着する。本実施形態では、一例として、光導波路10の光入出射面141、上面および光ファイバー3が、筐体接着層62により、凹部41、42の内面と接着されている。
筐体接着層61、62を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤の他、ポリエステル系、変性オレフィン系の各種ホットメルト接着剤等が挙げられる。
一方、本実施形態では、光導波路10の上面のうち、反射面142近傍と光入出射面141近傍とを除く部分、すなわち、Y軸方向の中央部143は、接着されていない。この中央部143は、前述した破断面8が発生しやすい部位であるため、中央部143を接着しないことで、破断面8がより発生しやすくなる。その結果、センシングシステム100の検出感度を高めることができる。
ここで、光導波路10のY軸方向の全長をL10とし、光導波路10の上面のうち筐体接着層61で接着されている長さをL61とし、筐体接着層62で接着されている長さをL62とする。
L61/L10の比およびL62/L10の比は、特に限定されないが、それぞれ0.4以下であるのが好ましく、0.01~0.35であるのがより好ましく、0.05~0.25であるのがさらに好ましい。これにより、筐体接着層61、62による接着力と、中央部143に十分な長さを確保されることによる検出感度と、を両立させることができる。その結果、検出感度と信頼性とを両立するセンシングシステム100を実現することができる。
なお、中央部143は、筐体接着層61、62のいずれかで接着されていてもよいし、筐体接着層61、62とは別の接着剤で接着されていてもよい。後者の場合、使用する接着剤は、硬化後の弾性率が筐体接着層61、62の硬化後の弾性率より低いこと、例えば90%以下であることが好ましい。これにより、中央部143において破断面8が発生しやすいという特性を確保しつつ、光導波路10と筐体4との一体化を進めることができる。
また、本実施形態では、反射面142と光反射部7との間に筐体接着層61が充填されている。さらに、本実施形態では、光入出射面141と光ファイバー3との間に筐体接着層62が充填されている。このため、筐体接着層61、62も光透過性を有することが好ましい。また、筐体接着層62の屈折率は、特に限定されないが、光導波路10のコア部14の屈折率と、光ファイバー3のコア部312の屈折率と、の間であるのが好ましい。これにより、光導波路10と光ファイバー3との光結合効率をより高めることができる。
なお、筐体接着層61、62は、必要に応じて設けられればよく、省略されてもよい。この場合、例えば、光導波路10、光ファイバー3および筐体4を、個別に、後述する被着体接着層2を介して被着体9に接着することで、これらの部材を相対的に固定すればよい。
一方、光導波路10と被着体9との間には、被着体接着層2が設けられている。
図2および図7に示す被着体接着層2は、光導波路10を被着体9に貼り付けるとき、双方の間に介在する。被着体接着層2は、被着体9に設けられていてもよいが、あらかじめ光導波路10側に設けられていてもよい。すなわち、光導波路10は、第1カバー層18の下面(接着面109)に設けられた、未硬化の被着体接着層2を備えていてもよい。これにより、センサー用光部品1を被着体9に貼り付ける作業を効率よく行うことができる。
被着体接着層2を構成する接着剤としては、例えば、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤、エポキシ系接着剤の他、ポリエステル系、変性オレフィン系の各種ホットメルト接着剤等が挙げられる。
未硬化の被着体接着層2は、未硬化の状態が液状であっても、固形または半固形であってもよく、硬化反応が一部進行している状態であってもよい。また、被着体接着層2を構成する接着剤が硬化性材料を含む場合の硬化原理は、熱硬化性であっても、光硬化性であってもよい。さらに、未硬化の被着体接着層2は、第1カバー層18の下面全体に設けられていてもよいし、一部のみに設けられていてもよい。硬化後の被着体接着層2の厚さは、特に限定されないが、1~100μmであるのが好ましく、5~60μmであるのがより好ましい。
また、前述したように、本実施形態では、光導波路10だけでなく、筐体4や光ファイバー3も、被着体接着層2を介して被着体9に接着されている。これにより、センサー用光部品1を被着体9に安定的に固定することができる。したがって、センサー用光部品1は、光導波路10の接着面109や筐体4の接着面40に設けられた、未硬化の被着体接着層2を備えていてもよい。
以上のように、本実施形態に係るセンサー用光部品1は、光導波路10と、光反射部7と、光ファイバー3と、を備える。光導波路10は、長尺状のコア部14を含むコア層13を有し、被着体9に取り付けられる。光反射部7は、コア部14に設けられ、コア部14を伝搬する入射光L1を反射する。光ファイバー3は、コア部14に光学的に接続されている。
このような構成によれば、入射光L1を連続的または断続的に入射させたとき、センサー用光部品1の内部で入射光L1を反射し、出射光L2として射出することができる。このため、被着体9に機械的または熱的な変化が生じたとき、センサー用光部品1を備えるセンシングシステム100では、出射光L2の強度変化に基づいて、その変化を検出することができる。
また、センサー用光部品1では、入射光L1および出射光L2を、1本の光導波路10および光ファイバー3を介して伝搬させる。このため、センサー用光部品1は、構造が簡単であり、安価に製造可能である。また、センサー用光部品1は、往復の光配線を敷設する必要がないため、被着体9に対する敷設作業も容易である。
さらに、光導波路10がセンシング部に相当するため、光導波路10の長さを変えるだけでセンシング部のサイズを変えることができる。このため、センサー用光部品1は、被着体9に応じたセンシング部の最適化を容易に図り得るものとなる。
なお、センシングシステム100では、出射する出射光L2の強度をモニターし、破断面8の発生に伴う出射光L2の強度低下を検出することによって、異常の発生を推定する。つまり、センサー用光部品1を備えるセンシングシステム100は、正常時に出射光L2が出射するように構成されたノーマルクローズなシステムである。ノーマルクローズなシステムでは、センサー用光部品1や制御装置5に故障が発生した場合にも、出射光L2の強度低下が発生する。このため、制御装置5では、故障が発生したのか、または、被着体9の異常を検出したのか、にかかわらず、その異常を報知し、ユーザーに何らかの対処を促すことができる。したがって、故障や被着体9の異常を見逃す可能性は小さい。
これに対し、ノーマルオープンなシステムでは、正常時に出射光L2が出射しない。そして、センサー用光部品1や制御装置5が故障した場合にも、出射光L2が出射しないという事象が発生しやすい。そうすると、ノーマルオープンなシステムでは、正常なのか、故障が発生しているのか、を判別することができないため、ユーザーは故障の発生に気づけないおそれがある。その結果、故障が放置され、被着体9に異常が発生したとしても、制御装置5がそれを検出することができず、見逃されるおそれがある。
したがって、ノーマルクローズなシステムは、被着体9の異常を見逃しにくいという観点で有用である。
また、ノーマルオープンなシステムの場合、被着体9に異常が発生したときに戻る反射光を制御装置で検出するが、被着体9に発生する異常のモードによっては反射光の強度が著しく小さくなる場合がある。この場合、強度変化を十分に捉えることができず、検出感度が低下することがある。
これに対し、ノーマルクローズなシステムの場合、被着体9の異常時に発生する反射光L3を制御装置5で検出するのではなく、センサー用光部品1の内部で発生する出射光L2の強度変化を検出する。被着体9に異常が発生したとき、光導波路10には破断面8が発生することから、出射光L2の強度は自ずと小さくなり、正常時と比較したときの強度変化は大きくなる。したがって、ノーマルクローズなシステムでは、ノーマルオープンなシステムに比べて、制御装置5で検出する出射光L2の強度変化が大きくなる。これにより、検出感度に優れたセンシングシステム100を実現することができる。
なお、センサー用光部品1は、被着体9に接着する等して取り付けられるが、そのとき、被着体9の特性に応じてセンサー用光部品1の取り付け方を最適化するようにしてもよい。例えば、図4では、破断面8とコア部14とがなす角度をθとしたとき、角度θは、90°以下となる角度であるが、検出感度の観点から10~90°であるのが好ましく、20~90°であるのがより好ましい。また、角度θは、この範囲内であっても、40~50°の範囲内ではないことが好ましい。40~50°では、図4に示す反射光L3が、コア層13の側面(コア層13のX軸と交差する面)で再び反射し、破断面8を介して戻り光を発生させるおそれがある。そうなると、破断面8が発生しているにもかかわらず、反射光L3が出射光L2のように振る舞う状況が発生する。その結果、出射光L2の強度低下を検出することができず、亀裂91の発生を検出することができないおそれがある。
そこで、被着体9において、特定の方向に亀裂91が発生しやすい傾向がある場合には、その方向とコア部14とがなす角度を、10~90°であり、かつ、40~50°ではない範囲の角度に設定することが好ましい。これにより、亀裂91の発生方向によって検出率が低下してしまうのを抑制することができる。
なお、光導波路10は、必要に応じて、機械的強度を部分的に低下させる構造を有していてもよい。このような構造を設けることにより、被着体9に機械的または熱的な変化が発生した場合、その構造を起点として破断面8を発生させることができる。つまり、かかる構造は、容易に破壊する易破壊構造であるといえる。このような易破壊構造を設けることにより、破断面8を発生させるのに必要な外力のしきい値を下げることができ、センシングシステム100の検出感度をより高めることができる。
また、易破壊構造は、線状に延びているのが好ましい。これにより、破断面8の進展方向を制御することができる。このため、易破壊構造の延在方向とコア部14とがなす角度は、10~90°であり、かつ、40~50°ではない範囲の角度であるのが好ましい。
また、本実施形態に係るセンサー用光部品1は、光導波路10を少なくとも覆う筐体4を備える。具体的には、図8に示す筐体4は、光導波路10および光ファイバー3の先端部(被収容部30)を覆っている。
このようなセンサー用光部品1では、被着体9の機械的または熱的な変化を捉える光導波路10やそれに接続される光ファイバー3の先端部が、筐体4によって保護されている。このため、被収容部30を異物の接触や外部環境等から効果的に保護することができる。
さらに、本実施形態では、筐体4が、光導波路10に加え、光ファイバー3の一部を覆っている。このような構成によれば、筐体4によって、光導波路10と光ファイバー3の先端部とを一体的に補強することができる。このため、光導波路10と光ファイバー3との接続部に負荷がかかるのを抑制し、接続部が外力による損傷を受けにくくなる。
また、本実施形態では、前述したように、筐体4の一部が光反射部7を構成している。具体的には、筐体4の凹部41の内面は、光反射性を有しているため、この内面に対向する光導波路10から出射した入射光L1を反射する。このため、凹部41の内面は、光反射部7として機能する。このような構成によれば、光導波路10に光反射膜等を設ける必要がなく、光導波路10の製造容易性を高めることができる。
また、本実施形態に係るセンサー用光部品1は、前述したように、光導波路10と筐体4とを接着する筐体接着層61、62を備える。このような筐体接着層61、62の少なくとも一方を備えることにより、光導波路10と筐体4とを一体化することができる。その結果、センサー用光部品1の取り扱いが容易になるとともに、センサー用光部品1の信頼性をより高めることができる。
また、センサー用光部品1では、コア部14の一端部に設けられた光入出射面141と光ファイバー3とが接続されている。そして、筐体接着層62は、光入出射面141と、筐体4と、の間を接着している。さらに、筐体接着層61は、コア部14の他端部に設けられた反射面142と、筐体4と、の間を接着している。すなわち、筐体接着層61、62は、コア部14の一端部および他端部と、筐体4と、の間を接着している。
このような構成によれば、筐体接着層62が光導波路10と光ファイバー3との間に侵入し、光結合効率を高めることができる。また、本実施形態のように、筐体4の一部が光反射部7を構成している場合には、筐体接着層61が反射面142と光反射部7との間に侵入する。これにより、反射面142と光反射部7との位置ずれを防止して、光反射部7で反射して発生する出射光L2を光導波路10に戻す効率を高めることができる。
また、前述したように、コア部14の一端部および他端部を接着する一方、中央部143を接着しないようにすることで、中央部143には被着体9の変化が波及しやすくなり、破断面8が発生しやすくなる。その結果、センシングシステム100の検出感度を高めることができる。
2.2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図9は、第2実施形態に係るセンサー用光部品1Aを示す断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図9において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
前述した第1実施形態では、光導波路10と筐体4との間に筐体接着層61が充填されているのに対し、本実施形態では、図9に示すように、光導波路10の反射面142と筐体4の光反射部7との間が空洞になっている。
このような構成では、光反射部7の光反射原理によっては、第1実施形態に比べて光反射部7の反射率を高くすることができる場合がある。このため、本実施形態は、光反射部7における反射損失を抑制するという観点で有用である。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
2.3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図10は、第3実施形態に係るセンサー用光部品1Bを示す断面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図10において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
前述した第1実施形態では、筐体4の一部が光反射部7を構成しているのに対し、本実施形態では、図10に示すように、光反射部7が、反射面142に設けられた金属材料70を含んでいる。金属材料70は、金属膜であり、反射面142を覆うように(隣接するように)成膜されている。
このような構成の光反射部7を備えることにより、光反射部7の光反射率を高めることができる。これにより、出射光L2の強度を高められるため、破断面8が発生した場合の出射光L2の強度変化量を大きくすることができる。その結果、センシングシステム100の検出感度を高めることができる。
金属材料70としては、例えば、Al、Ag、Au、Pd、Sn、Ni等の単体または合金等が挙げられる。金属材料70は、例えば、気相成膜法、液相成膜法、めっき法、転写法等により成膜される。また、用意した金属シートを反射面142に貼り付けることにより、金属材料70を作製するようにしてもよい。
このような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。なお、図10に示す金属材料70は、コア部14の端面に設けられているが、コア部14の途中に設けられた凹部内に設けられていてもよい。
2.4.第4実施形態
次に、第4実施形態に係るセンサー用光部品について説明する。
図11は、第4実施形態に係るセンサー用光部品1Cを示す断面図である。図12は、図11に示すセンサー用光部品1Cが奏する効果を説明するための断面図である。
以下、第4実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、図11および図12において、第1実施形態と同様の構成については、先に説明したのと同じ符号を付している。
図12は、前述した第1実施形態に係るセンサー用光部品1において、光導波路10と光ファイバー3とがX軸方向に位置ずれを起こした場合を示す図である。X軸方向に位置ずれが生じると、光ファイバー3から光導波路10に向かって出射した入射光L1の一部は、光導波路10のコア部14に入射せず、側面クラッド部15に入射することがある。側面クラッド部15に入射した入射光L1は、図7に示す光反射部7で反射したとしても、図2に示す受光素子104には受光されない。このため、図2に示す受光素子104で受光される出射光L2の強度が低下し、センシングシステム100の検出感度が低下するおそれがある。
また、光導波路10から光ファイバー3に向かって出射した出射光L2の一部は、光ファイバー3のコア部312に入射せず、クラッド部314に入射することがある。クラッド部314に入射した出射光L2は、図2に示す受光素子104で受光されない。このため、受光素子104で受光される出射光L2の強度が低下し、センシングシステム100の検出感度が低下するおそれがある。
これに対し、図11に示すセンサー用光部品1Cのコア部14は、図12に示すコア部14を分割してなる複数のコア部145(分割コア)を有している。複数のコア部145は、それぞれY軸方向に延在し、かつ、X軸方向に並んでいる。また、コア部145同士の間には、側面クラッド部151(分割クラッド)が設けられている。複数のコア部145で構成されるコア部集合体のX軸方向の長さを「幅W0」とするとき、コア部145の集合体の幅W0は、光ファイバー3のコア部312の直径φ1よりも広いのが好ましく、具体的には直径φ1の120%以上であるのがより好ましく、150~1000%であるのがさらに好ましい。
幅W0をこのような範囲に設定することで、光導波路10と光ファイバー3との位置ずれを、幅W0が十分に広いコア部145の集合体で吸収することができる。つまり、光ファイバー3のコア部312が、コア部145の集合体の幅W0からはみ出ないように接続作業を行えばよいので、組み立て作業の容易性を高めつつ、良好な接続状態を得ることができる。
また、1つのコア部145の幅をW1としたとき、幅W1は、直径φ1より狭いのが好ましい。具体的には、コア部145の幅W1は、直径φ1の半分以下(50%以下)であるのがより好ましく、5~40%であるのがさらに好ましく、10~30%であるのが特に好ましい。これにより、光ファイバー3のコア部312は、複数のコア部145のうち、1つ以上のコア部145の端面(横断面)全体と対向する確率が高くなる。図11の場合、コア部312は、コア部145aの端面全体と対向している。このため、コア部312とそれに対向しているコア部145aとの間では、高い光結合効率が得られる。その結果、このコア部145aには入射光L1の多くが入射し、また、出射光L2も、このコア部145aから出射して光ファイバー3に戻ることができる。
一方、図11に示す複数のコア部145のうち、1つ以上のコア部145bでは、その端面の一部分が光ファイバー3のコア部312と対向している。このため、コア部145bには、入射光L1が入射するものの、コア部145の幅W1は十分に狭いため、コア部145bに入射する入射光L1の光量は少なくなる。そうすると、反対にコア部145bから出射する出射光L2の光量も少なく抑えることができる。これにより、コア部145bから出射する出射光L2の一部が、光ファイバー3のコア部312に入射せず、クラッド部314に入射するにしても、その光量を少なく抑えることができる。その結果、光導波路10と光ファイバー3との接続部において損失となってしまう光量を減らすことができる。
このような作用は、光導波路10に対する光ファイバー3の位置ずれを許容する範囲を広げる効果をもたらす。具体的には、コア部145の幅W1を直径φ1の半分以下にすることで、少なくとも1つのコア部145aの端面全体をコア部312と対向させることができる。これにより、光導波路10における入射光L1および出射光L2の伝搬経路を局所化することができ、直径φ1に比べて、コア部145の集合体の幅W0を十分に大きくしたとしても、光量の損失を抑えることができる。その結果、コア部312の軸と、コア部145の集合体であるコア部14の軸と、を厳密に合わせる必要がなくなる。つまり、少なくとも1つのコア部145aの端面全体がコア部132と対向している、という条件を満たす範囲内で、位置ずれを許容することができる。その結果、光導波路10と光ファイバー3との接続作業を効率化することができる。
コア部145の幅W1は、一例として、5~150μmであるのが好ましく、10~100μmであるのがより好ましい。
また、図11に示すように、1つの側面クラッド部151の幅をW2としたとき、幅W2は、特に限定されないが、コア部145の幅W1以下であるのが好ましく、幅W1の10~100%程度であるのがより好ましく、50~100%程度であるのがさらに好ましい。これにより、幅W1に対して幅W2が極端に狭くなるのを避けつつ、光導波路10においてコア部14が占める割合を高めることができる。また、光導波路10の製造難易度が高くなりすぎるのを防止することができる。
側面クラッド部151の幅W2は、一例として、3~30μmであるのが好ましく、5~20μmであるのがより好ましい。これにより、側面クラッド部151の機能が損なわれるのを避けつつ、側面クラッド部151の幅W2を十分に狭くすることができ、その分、コア部145の幅W1を広く確保することができる。また、光導波路10の製造難易度が高くなりすぎるのを防止することができる。
以上のように、光ファイバー3は、コア部312(光ファイバーコア)と、コア部312の側面を覆うクラッド部314(光ファイバークラッド)と、を備えている。また、光導波路10のコア部14は、その幅W1がコア部312の直径φ1の半分以下である複数のコア部145(分割コア)と、コア部145同士の間に位置する側面クラッド部151(分割クラッド)と、を備えている。そして、コア部145および側面クラッド部151は、コア部14の延在方向(Y軸方向)と交差する方向(X軸方向)において交互に並んでいる。
このようなセンサー用光部品1Cでは、光導波路10と光ファイバー3とで位置ずれに伴う悪影響が発生しにくくなる。すなわち、位置ずれが生じても、受光素子104で受光される出射光L2の強度が低下しにくくなる。したがって、本実施形態によれば、位置ずれに対する許容性が高く、組み立てが容易なセンサー用光部品1Cを実現することができる。
このような第4実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
以上、本発明のセンサー用光部品を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、本発明のセンサー用光部品は、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成のものに置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。
また、本発明のセンサー用光部品は、被着体接着層を覆う保護層をさらに有していてもよい。この保護層は、センサー用光部品を被着体に接着する作業の直前に被着体接着層から剥がされることにより、清浄な接着面を容易に準備することを可能にする。これにより、異物の巻き込みを抑えることができ、より密着性の高い接着を行うことができる。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
3.光ファイバーと光導波路との接続実験
3.1.サンプルNo.1
表1に示す設計値で作製されたサンプルNo.1の光ファイバーおよび光導波路を準備した。なお、光ファイバーには、ガラス製のマルチモード光ファイバーを、光導波路には、ノルボルネン系樹脂を主材料とする光導波路を、それぞれ準備した。
次に、図13に示すように、発光素子51、光ファイバー52、光導波路53、光ファイバー54および受光素子55をこの順に配置した。図13は、光ファイバー52、54と光導波路53との光結合損失を測定する方法を説明するための模式図である。
発光素子51から出射した入射光L4は、光ファイバー52を介して、光導波路53に入射する。入射光L4は、光導波路53を伝搬し、出射光L5となって出射する。出射光L5は、光ファイバー54を介して受光素子55に入射する。
そして、光ファイバー52に入射した入射光L4の光強度をP4とし、光ファイバー53から出射した出射光L5の光強度をP5としたとき、光結合損失Lは、以下の式で表される。
Figure 2022063200000002
また、光導波路53は、前述した分割コアおよび分割クラッドの構造を有している。図13には、光導波路53が備える複数のコア部532および複数の側面クラッド部534を図示している。
本接続実験では、以上のような光結合損失の測定を、光導波路53をずらしながら行った。具体的には、図13のX軸方向に光導波路53をずらすと、光ファイバー52、54と光導波路53とで位置ずれが生じ、それとともに光結合損失が変化する。そこで、隣り合うコア部532のピッチ1つ分の範囲で、光導波路53をずらしたときの、光結合損失の最小値と最大値を求めた。「コア部532のピッチ」とは、コア部532の間隔のことであり、表1に示す「コア部の幅」と「側面クラッド部の幅」との和である。
また、最小値と最大値の差であるレンジを算出した。
光導波路53のずらし量、ならびに、光結合損失の測定結果および算出結果を表1に示す。
3.2.サンプルNo.2~9
表1に示す設計値で作製された光ファイバーおよび光導波路を準備するとともに、表1に示すずらし量で光導波路をずらすようにした以外、サンプルNo.1の場合と同様にして、光結合損失を測定した。光結合損失の測定結果および算出結果を表1に示す。
Figure 2022063200000003
また、併せて、表1に示す光結合損失の評価結果を図14に示す。図14は、表1に示す光結合損失の最小値およびレンジを、積み上げ棒グラフにしたものである。したがって、図14に示す棒の高さは、概ね、光結合損失の最大値に相当する。
また、図14に示すグラフの横軸は、表1に示す「コア部の幅/側面クラッド部の幅」であり、左から右に向かって、サンプルNo.1~9をこの順で並べてある。
4.評価結果
表1および図14に示すように、各サンプルNo.の光ファイバーおよび光導波路を用いて得られた光結合損失は、光導波路におけるコア部の幅および側面クラッド部の幅に応じて異なることが認められた。具体的には、図14の横軸では、左から右に向かって、光導波路のコア部の幅が狭くなるように、算出結果を並べてある。
そうすると、右に向かうほど、レンジが徐々に狭くなっている傾向が認められる。特に、「30/10」の場合の光結合損失と「20/10」の場合の光結合損失とを比較すると、光導波路のコア部の幅を、光ファイバーのコア部の直径50μmの半分、すなわち25μm以下にすることで、光結合損失のレンジが大きく減少していることがわかる。
この結果を踏まえると、光導波路に所定の条件を満たす分割コアを設けておくことにより、位置ずれに伴う光結合損失の変化幅を抑えることができる、といえる。また、図14に示す「30/10」と「20/10」とを比較すると、レンジの減少幅に比べて、最小値の増加幅が少なく抑えられていることから、結果的に、最大値を減少させることができている。したがって、分割コアを設けた範囲内であれば、光導波路に対する光ファイバーの位置ずれが生じたとしても、光結合損失を大きく増加させるような接続不良は発生しにくいことが明らかとなった。
以上のことから、所定の条件を満たすように、光ファイバーのコア部の直径および光導波路のコア部や側面クラッド部の幅をそれぞれ設計することで、接続作業が容易なセンサー用光部品を実現し得ることが裏付けられた。
1 センサー用光部品
1A センサー用光部品
1B センサー用光部品
1C センサー用光部品
2 被着体接着層
3 光ファイバー
4 筐体
5 制御装置
7 光反射部
8 破断面
9 被着体
10 光導波路
11 クラッド層
12 クラッド層
13 コア層
14 コア部
15 側面クラッド部
16 シート体
18 第1カバー層
19 第2カバー層
30 被収容部
31 素線
32 被覆
40 接着面
41 凹部
42 凹部
51 発光素子
52 光ファイバー
53 光導波路
54 光ファイバー
55 受光素子
61 筐体接着層
62 筐体接着層
70 金属材料
91 亀裂
100 センシングシステム
102 発光素子
104 受光素子
106 光サーキュレーター
108 制御部
109 接着面
141 光入出射面
142 反射面
143 中央部
145 コア部
145a コア部
145b コア部
151 側面クラッド部
312 コア部
314 クラッド部
532 コア部
534 側面クラッド部
L1 入射光
L2 出射光
L3 反射光
L4 入射光
L5 出射光
L10 長さ
L61 長さ
L62 長さ
W0 幅
W1 幅
W2 幅
θ 角度

Claims (8)

  1. 長尺状のコア部を含むコア層を有し、被着体に取り付けられる光導波路と、
    前記コア部に設けられ、前記コア部を伝搬する光を反射する光反射部と、
    前記コア部と光学的に接続されている光ファイバーと、
    を備えることを特徴とするセンサー用光部品。
  2. 前記光反射部は、前記コア部に隣接する金属材料を含む請求項1に記載のセンサー用光部品。
  3. 前記光導波路を少なくとも覆う筐体を備える請求項1または2に記載のセンサー用光部品。
  4. 前記筐体の一部は、前記光反射部を構成する請求項3に記載のセンサー用光部品。
  5. 前記筐体は、さらに前記光ファイバーの一部を覆う請求項3または4に記載のセンサー用光部品。
  6. 前記光導波路と前記筐体とを接着する筐体接着層を備える請求項3ないし5のいずれか1項に記載のセンサー用光部品。
  7. 前記光ファイバーは、前記コア部の一端部に接続され、
    前記筐体接着層は、前記コア部の前記一端部および他端部と、前記筐体と、の間を接着する請求項6に記載のセンサー用光部品。
  8. 前記光ファイバーは、光ファイバーコアと、前記光ファイバーコアの側面を覆う光ファイバークラッドと、を備え、
    前記光導波路の前記コア部は、幅が前記光ファイバーコアの直径の半分以下である複数の分割コアと、前記分割コア同士の間に位置する分割クラッドと、を備え、
    前記分割コアおよび前記分割クラッドは、前記コア部の延在方向と交差する方向において交互に並んでいる請求項1ないし7のいずれか1項に記載のセンサー用光部品。
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