JP2022061564A - 接着剤の接着強さ試験方法、接着剤の接着強さ試験装置および接着剤の接着強さ試験システム - Google Patents

接着剤の接着強さ試験方法、接着剤の接着強さ試験装置および接着剤の接着強さ試験システム Download PDF

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【課題】接着剤の接着強さ試験において、接着剤に加わる応力を可視化する。【解決手段】第1の態様に係る接着剤の接着強さ試験方法は、応力発光体を含有する接着剤1を準備するステップと、光透過性を有する第1試験片12と、第2試験片14とを接着剤で1接着するステップと、第1試験片12を通して接着剤1に励起光を照射するステップと、第1試験片12および第2試験片14に荷重を印加するステップと、荷重の印加中に第1試験片12を通して接着剤1の発光を撮像するステップとを備える。【選択図】図4

Description

本開示は、接着剤の接着強さ試験方法、接着剤の接着強さ試験装置および接着剤の接着強さ試験システムに関する。
日本国内においては、接着剤の接着強さに関する試験方法がJIS規格で規定されている(非特許文献1参照)。JIS規格では、接着強さの測定は、接着部分に変位を与えて破断に至るときの応力を測定する方法、連続的に静荷重を負荷してクリープに至るまでの時間を測定する方法、および、繰返し荷重を与えて破断に至るまでの時間を測定する方法に大別される。
JISハンドブック 接着 日本規格協会編(1969)
上述したように、従来の接着強さの試験方法は、接着部分が破断に至るときの応力または時間を測定する方法を採用しているため、接着部分が破断に至るまでの過程において接着部分に加わる応力の大きさおよびその分布を確認する術が存在しなかった。
この発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、接着剤の接着強さ試験において、接着剤に加わる応力を可視化することである。
本開示の第1の態様に係る接着剤の接着強さ試験方法は、応力発光体を含有する接着剤を準備するステップと、光透過性を有する第1試験片と、第2試験片とを接着剤で接着するステップと、第1試験片を通して接着剤に励起光を照射するステップと、第1試験片および第2試験片に荷重を印加するステップと、荷重の印加中に第1試験片を通して接着剤の発光を撮像するステップとを備える。
本開示によれば、接着剤の接着強さ試験において、接着剤に加わる応力を可視化することができる。
実施の形態1に係る接着剤の接着強さ試験システムの構成を示すブロック図である。 コントローラの機能構成を説明するためのブロック図である。 試験システムを用いた接着剤の応力発光測定の処理手順を説明するフローチャートである。 接着剤および試験片を模式的に示す図である。 カメラによる撮像画像の一例を模式的に示す図である。 1回の引張せん断接着強さ試験におけるROI内の応力発光強度と引張荷重の印加時間との関係を示すグラフの一例を示す図である。 実施の形態2に係る試験システムの構成を示すブロック図である。 試験システムを用いた接着剤および発光膜の応力発光測定の処理手順を説明するフローチャートである。 接着剤、発光膜および試験片を模式的示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
<接着剤の接着強さ試験システムの構成>
図1は、実施の形態1に係る接着剤の接着強さ試験システム(以下、単に「試験システム」とも称する)の構成を示すブロック図である。実施の形態1に係る試験システム100は、応力発光体の発光現象を利用して、接着剤に生じる応力を測定することにより、接着剤の接着強さを試験するシステムである。
図1の例では、試験システム100は、接着剤1の引張せん断接着強さを試験するように構成される。接着剤1の引張せん断接着強さ試験方法は、被着材の接着面に平行な引張せん断荷重を加えることにより接着剤1の接着強さを測定する試験方法であり、JIS規格(JIS K6850)により規定されている。なお、JIS K6850には、接着面の破壊するときの最大荷重から、引張せん断接着強さを求めることが規定されている。
具体的には、試験システム100は、第1試験片12と、第2試験片14と、引張試験機10とを有する。第1試験片12および第2試験片14は、長方形状の薄板状部材である。試験片12,14の材料および形状は、JIS規格にて規定されている。試験片12,14の材料には、金属および金属合金、ならびにプラスチック類などが含まれる。試験片12,14の形状は例えば、幅25±0.5mm、長さ100±0.5mm、厚み1.6mmである。試験片12,14には、JIS規格にて規定される表面処理が施されている。
実施の形態1において、試験片12,14のうち少なくとも第1試験片12は、光透過性を有している。第1試験片12の材料は例えばアクリレート(アクリル板)、ポリカボネート、非晶質ポリエステル(PET)等を用いることができる。好ましくは、アクリレート(アクリル板)、ポリカボネートのような接着評価時に試験片が破断および延伸しにくい高強度な材料である。
接着剤1は、主に樹脂を含有する。接着剤1の種類、主成分および原料は、接着剤1の用途に応じて異なる。例えば、電気・電子部品、電気機器、繊維強化プラスチック、構造用材料および塗料などの分野においては、作業性、電気特性、耐熱性、接着性、耐水性および成型性などに接着剤が広く使用されている。接着剤は、使用する試験片材質や用途によって選択され、例えば二液タイプの室温硬化型または加熱硬化型のエポキシ樹脂組成物、ウレタン樹脂組成物等を用いることができる。また、試験片が光透過性を有している場合は、光硬化型アクリレート系樹脂組成物等を用いることもできる。
接着剤1は、応力発光体をさらに含有する。応力発光体は、外部からの機械的な刺激によって発光する材料であり、従来公知のものを用いることができる。応力発光体は、外部から印加される変形エネルギーによって発光するという性質を有しており、その発光強度は変形エネルギーに応じて変化する。応力発光体は、結晶の骨格中に発光中心となる元素を固溶したものであり、無機母体材料および発光中心の元素を選択することで、紫外~可視~赤外の様々な波長で発光させることができる。組成として代表的なものに、発光中心としてユーロピウムを添加した欠陥制御型アルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu、緑色に発光)、マンガンを発光中心として添加し構造制御された硫化亜鉛(ZnS:Mn、黄橙色に発光)、プラセオジムを発光中心として添加した構造制御チタン酸バリウム・カルシウム((Ba,Ca)TiO:Pr、赤色に発光)が挙げられる。
接着剤1は、第1試験片12の第1面の区画された矩形領域内に塗布される。矩形領域の形状はJIS規格にて規定されている。矩形領域は、例えば幅25±0.5mm、長さ12.5±0.25mmである。第1試験片12の第1面に第2試験片14の第1面を貼り合わせることにより、第1試験片12、接着剤1および第2試験片14からなる積層体が形成される。当該積層体において接着剤1が硬化することにより、試験片12,14が重ね合わせ部分において接着される。
なお、当該積層体における接着剤1の厚みはJIS規格にて規定されている。接着剤1の厚みは例えば0.2mmである。接着剤1の厚みは、接着部にワイヤスペーサまたはガラスビーズを置くことよって調整することができる。
引張試験機10は、試験片12,14の接着部分に平行な引張荷重を加えるように構成される。この引張荷重によって、試験片12,14の接着部分にはせん断方向の荷重が加えられる。具体的には、引張試験機10は、第1試験片12を保持する第1ホルダ16と、第2試験片14を保持する第2ホルダ18と、第1ドライバ20とを有する。
第1ホルダ16は、第1試験片12の長さ方向における一方端部を把持する。第2ホルダ18は、第2試験片14の長さ方向における一方端部を把持する。第1試験片12および第2試験片14の長さ方向における他方端部は、試験片12,14間の接着部分に位置している。
第1ドライバ20は、第1ホルダ16および第2ホルダ18に対して、試験片12,14の長さ方向に沿って互いに離れる方向に力を加えるように構成される。第1ホルダ16とともに第1試験片12が長さ方向に移動し、かつ、第2ホルダ18とともに第2試験片14が長さ方向に移動することにより、試験片12,14の接着部分にはせん断方向の引張荷重が加わることになる。第1ドライバ20は、コントローラ50から受ける指令に応じてホルダ16,18を駆動することにより、一定の荷重速度を維持するように構成される。このような引張試験機10には、従来公知のものを用いることができる。
試験システム100は、光源31と、カメラ40と、第2ドライバ42と、第3ドライバ32と、コントローラ50と、ディスプレイ60と、操作部70とをさらに有する。
光源31は、第1試験片12の第1面と反対側の第2面の上方に配置されており、第1試験片12および第2試験片14の重ね合わせ部分(すなわち、接着部分)に対して励起光を照射するように構成される。第1試験片12は光透過性を有しているため、励起光は、第1試験片12を透過して接着剤1に照射される。励起光は、例えば、紫外線~青色光の波長域を有する光であることが好ましい。なお、励起光としては、10~600nmの波長域に含まれる光(紫外線から可視光領域を含む)を用いることができる。光源31には、紫外線ランプ、LED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。なお、図1の例では、接着部分に対して2方向から励起光を照射する構成としたが、光源31は1方向または3方向以上から接着部分に対して励起光を照射する構成としてもよい。光源31は「第1光源」の一実施例に対応する。
第3ドライバ32は、光源31を駆動するための電力を供給する。第3ドライバ32は、コントローラ50から受ける指令に応じて光源31に供給する電力を制御することにより、光源31から照射される励起光の光量および励起光の照射時間などを制御することができる。
カメラ40は、第1試験片12の第2面の上方に、試験片12,14の接着部分(すなわち、接着剤1)を撮像視野に含むように配置される。具体的には、カメラ40は、フォーカス位置が試験片12,14の接着部分の少なくとも1点に位置するように配置される。カメラ40は「第1カメラ」の一実施例に対応する。
カメラ40は、レンズなどの光学系および撮像素子を含む。撮像素子は、例えばCCD(Charge Couple Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどにより実現される。撮像素子は、光学系を介して接着剤1の応力発光を撮像するように構成される。カメラ40による撮像は、遮光した状態で行なわれる。カメラ40の撮像により生成された画像データはコントローラ50へ送信される。
第2ドライバ42は、コントローラ50から受ける指令に応じて、カメラ40による撮像を制御する。
コントローラ50は、試験システム100全体を制御する。コントローラ50は、主な構成要素として、プロセッサ501と、メモリ502と、入出力インターフェイス(I/F)503と、通信I/F504とを有する。これらの各部は、図示しないバスを介して互いに通信可能に接続される。
プロセッサ501は、典型的には、CPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)などの演算処理部である。プロセッサ501は、メモリ502に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、試験システム100の各部の動作を制御する。具体的には、プロセッサ501は、当該プログラムを実行することによって、後述する試験システム100の処理の各々を実現する。なお、図1の例では、プロセッサが単数である構成を例示しているが、コントローラ50は複数のプロセッサを有する構成としてもよい。
メモリ502は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)およびフラッシュメモリなどの不揮発性メモリによって実現される。メモリ502は、プロセッサ501によって実行されるプログラム、またはプロセッサ501によって用いられるデータなどを記憶する。
入出力I/F503は、プロセッサ501と、第1ドライバ20、第3ドライバ32、カメラ40および第2ドライバ42との間で各種データをやり取りするためのインターフェイスである。
通信I/F504は、試験システム100と他の装置との間で各種データをやり取りするための通信インターフェイスであり、アダプタまたはコネクタなどによって実現される。なお、通信方式は、無線LAN(Local Area Network)などによる無線通信方式であってもよいし、USB(Universal Serial Bus)などを利用した有線通信方式であってもよい。
コントローラ50には、ディスプレイ60および操作部70が接続される。ディスプレイ60は、画像を表示可能な液晶パネルなどで構成される。操作部70は、試験システム100に対するユーザの操作入力を受け付ける。操作部70は、典型的には、タッチパネル、キーボード、マウスなどで構成される。
コントローラ50は、第1ドライバ20、第3ドライバ32、カメラ40および第2ドライバ42と通信接続されている。コントローラ50と第1ドライバ20、第3ドライバ32、カメラ40および第2ドライバ42との間の通信は、無線通信で実現されてもよいし、有線通信で実現されてもよい。
<コントローラ50の機能構成>
図2は、コントローラ50の機能構成を説明するためのブロック図である。
図2を参照して、コントローラ50は、応力制御部61、光源制御部62、撮像制御部63、測定制御部64、データ取得部65、およびデータ処理部66を有する。これらは、プロセッサ501がメモリ502に格納されたプログラムを実行することに基づいて実現される機能ブロックである。
応力制御部61は、引張試験機10における第1ドライバ20の動作を制御する。具体的には、応力制御部61は、予め設定されている測定条件に従って、第1ドライバ20の動作速度および動作時間などを制御する。第1ドライバ20の動作速度および動作時間を制御することによって、ホルダ16,18の移動速度および移動時間などを調整することができる。これにより、試験片12,14の接着部分に対する引張荷重の印加速度および印加時間などを調整することができる。
光源制御部62は、第3ドライバ32による光源31の駆動を制御する。具体的には、光源制御部62は、予め設定されている測定条件に基づいて、光源31に供給する電力の大きさおよび光源31への電力の供給時間などを指示するための指令を生成し、生成した指令を第3ドライバ32へ出力する。第3ドライバ32が当該指令に従って光源31に供給する電力を制御することにより、光源31から照射される励起光の光量および励起光の照射時間などを調整することができる。
撮像制御部63は、第2ドライバ42によるカメラ40の撮像を制御する。具体的には、撮像制御部63は、予め設定されている測定条件に基づいて、接着剤1への応力印加時において、接着剤1に含有される応力発光体の発光を撮像するようにカメラ40を制御する。撮像に関する測定条件は、カメラ40のフレームレートを含む。
データ取得部65は、カメラ40の撮像により生成された画像データを取得し、取得した画像データをデータ処理部66へ転送する。
データ処理部66は、カメラ40の撮像により得られた画像データに対して公知の画像処理を施すことにより、接着剤1における応力発光を測定する。データ処理部66は、例えば、接着剤1における応力発光強度の分布を示す画像を生成する。データ処理部66は、カメラ40による撮像画像および、接着剤1における応力発光強度の分布を示す画像を含む測定結果をディスプレイ60に表示させることができる。
測定制御部64は、応力制御部61、光源制御部62、撮像制御部63、データ取得部65およびデータ処理部66を統括的に制御する。具体的には、測定制御部64は、操作部70に入力される測定条件およびサンプルとなる接着剤1の情報などに基づいて、各部に対して制御指令を与える。
<接着剤の応力発光測定>
次に、実施の形態1に係る試験システム100を用いた接着剤1の応力発光測定について説明する。
図3は、試験システム100を用いた接着剤1の応力発光測定の処理手順を説明するフローチャートである。
図3を参照して、最初にステップS10により、測定対象となる接着剤1および試験片12,14が準備される。ステップS10では、応力発光体を含有させた接着剤1が準備される。応力発光体としては、例えば、ユーロピウムをドープしたアルミン酸ストロンチウム(SrAl:Eu)が挙げられる。例えば、エポキシ樹脂を主成分として、当該主成分に対して応力発光体を所定の割合(50重量%程度)で混合させることにより、接着剤1が形成される。
ステップS10ではさらに、第1試験片12および第2試験片14が準備される。少なくとも第1試験片12は光透過性を有している。
ステップS20では、第1試験片12の第1面の所定の矩形領域に接着剤1が塗布される。この第1試験片12の第1面の矩形領域に第2試験片14の第1面を貼り合わせ、接着剤1を硬化させることにより、第1試験片12と第2試験片14との重ね合わせ部分において第1試験片12と第2試験片14とが接着される。これにより、第1試験片12、接着剤1および第2試験片14の積層体が形成される。
続いて、第1試験片12、接着剤1および第2試験片14の積層体が引張試験機10にセットされる。引張試験機10では、第1試験片12の一方端部が第1ホルダ16により把持され、第2試験片14の一方端部が第2ホルダ18により把持される。図1に示すように、第1試験片12の第2面が光源31側に位置するように、積層体が引張試験機10にセットされる。
積層体が引張試験機10にセットされると、試験システム100を用いて接着剤1の応力発光測定処理が実行される。図3および図4を用いて、試験システム100による応力発光測定処理の手順について説明する。
図4は、接着剤1および試験片12,14を模式的に示す図である。図4(A)には引張荷重を印加する前の接着剤1および試験片12,14が示される。図4(B)には、引張荷重を印加しているときの接着剤1および試験片12,14が示される。
図4(A)では、第1試験片12、接着剤1および第2試験片14の積層体は引張試験機10にセットされている。第1試験片12の上方には、光源31が配置されている。この状態で、図3のステップS30に進み、コントローラ50は、第1試験片12に対して、光源31から励起光を照射する。第1試験片12を透過して接着剤1に励起光が照射されることにより、接着剤1に含有される応力発光体が励起される(図4(A)参照)。励起光を受けて接着剤1に含有される応力発光体が発光状態に遷移する。
次に、図3のステップS40により、コントローラ50は、第1ドライバ20を駆動させてホルダ16,18を試験片12,14の長さ方向に沿って互いに離れる方向に移動させる。これにより、試験片12,14の接着部分には、せん断方向に引張荷重が印加される(図4(B)参照)。
図3のステップS50では、コントローラ50は、積層体に引張荷重を印加するタイミングに合わせて、カメラ40により第1試験片12を撮像する。図4(B)に示すように、カメラ40は、第1試験片12を通して接着剤1に含有される応力発光体の発光を撮像する。カメラ40による撮像は遮光して行なわれる。コントローラ50は、ステップS60により、カメラ40による撮像画像および、接着剤1における応力発光強度の分布を示す画像を含む測定結果をディスプレイ60に表示させることができる。
図5は、カメラ40による撮像画像の一例を模式的に示す図である。撮像画像では、応力発光強度の強さが2次元平面上に明度で表現される。なお、撮像画像において、応力発光強度の強弱が、色度、彩度および明度の少なくとも1つによって表現されてもよい。図5では、応力発光強度の強弱をグラデーショングで描いている。そのため、撮像画像の右側に、応力発光強度の強度に応じて割り当てられる明度の範囲を示すバーを示す。
図5に示すように、撮像画像には、応力発光パターンが現れる。この応力発光パターンは、試験片12,14の接着部分と対応している。したがって、撮像画像から応力発光パターンを抽出して解析することにより、接着剤1に加わる引張荷重を可視化および定量化することが可能となる。
具体的には、応力発光パターンのうちの応力発光強度が大きい部分は引張荷重が大きい部分を示し、応力発光強度が小さい部分は引張荷重が小さい部分を示している。図5の例では、接着面が乖離している様子が観察される。このように応力発光強度の分布に基づいて、接着剤1の引張荷重の分布を可視化および定量化することができる。
さらに、上述した試験片12,14に対する引張荷重の印加(図4(B))と、引張荷重の解放とを一定周期(第1ドライバ20の動作周期)で繰り返し実行することにより、積層体に対して引張荷重を繰り返し印加することができる。そして、この引張荷重の印加および解放の繰り返し動作中における接着剤1の応力発光をカメラ40で撮像することにより、接着部分にかかる繰り返し応力に対する耐久性を評価することができる。
例えば、ユーザは、引張せん断接着強さ試験中における応力発光強度の時間的変化を観察することができる。ユーザは、操作部70を用いて、撮像画像内に少なくとも1つの関心領域(ROI:Region of Interest)を設定することができる。図5中の白枠は、ROIを表している。コントローラ50(図2のデータ処理部66)は、カメラ40の撮像による画像データを取得すると、画像データに含まれる複数のフレームの各々について、ROI内の応力発光強度に基づく値を算出する。ROI内の応力発光強度に基づく値は、ROI内の応力発光強度を統計的処理または一般的な演算処理により算出することができる。本明細書では、コントローラ50は、フレームごとにROI内の平均発光強度を算出し、算出した平均発光強度と試験片12,14の引張荷重との関係を示すグラフをディスプレイ60に表示する。
図6は、1回の引張せん断接着強さ試験におけるROI内の応力発光強度と引張荷重の印加時間との関係を示すグラフの一例を示す図である。図6の縦軸は応力発光強度を示し、横軸は引張荷重の印加時間を示す。時刻t0は引張荷重の印加を開始したタイミングであり、時刻t3は引張荷重の印加を終了(引張荷重を解放)したタイミングである。
ROI内の応力発光強度は応力発光体のひずみ量に依存する。すなわち、ひずみ量が最も大きくなる印加時間において、応力発光強度が最大となる。図6のグラフでは、時刻t2において応力発光強度が最も大きくなっている。図5に示す撮像画像は、この時刻t2における応力発光パターンに対応しており、接着面が乖離する様子を捉えている。図6のグラフでは、時刻t2より前の時刻t1付近において、応力発光強度のピークが観察されている。このピークは、接着面に乖離が始まっている様子を現している。
これによると、ユーザは、1回の試験の実行中、ディスプレイ60に表示されるグラフを参照することにより、接着剤1への引張荷重に応じてROIの応力発光強度がどのように変化するのかをリアルタイムで観察することができる。
また、引張せん断接着強さ試験を繰り返し行なう場合には、複数回の試験の間で、ROI内の応力発光強度を比較することができる。これによると、接着部分が破断に至るまでに接着剤1における応力発光強度の分布がどのように変化するのかを検証することが可能となる。
なお、応力発光体に繰り返し応力を印加すると、応力発光体の発光量が徐々に減少する。そのため、試験をN回(Nは1以上の整数)行なうと、コントローラ50は、図3のステップS30に戻り、第1試験片12を通して接着剤1に対して励起光を照射することにより、応力発光体を再び励起させる(図4(A))。そして、コントローラ50は、図3のステップS40に進み、試験片12,14の接着部分に引張荷重を加え、ステップS50により、接着剤1の応力発光をカメラ40により撮像する(図4(B))。
以上説明したように、実施の形態1に係る試験システム100によれば、引張荷重の印加中に接着剤1に含有される応力発光体の発光を撮像することにより、接着剤1に加わる引張荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
一般的な接着剤の引張せん断接着強さ試験方法では、一対の試験片の接着部分が破断したときの最大荷重を測定するように構成されている。そのため、試験片が破断に至るまでの過程において接着剤に加わる引張荷重の大きさおよびその分布を確認する術が存在しなかった。これに対して、実施の形態1に係る引張り接着強さ試験方法によれば、試験片が破断に至るまでに引張荷重の大きさおよびその分布がどのように変化するのかを測定および解析することができる。これにより、非破壊で接着剤の耐久性を評価することが可能となる。
[実施の形態2]
<接着剤の接着強さ試験システムの構成>
図7は、実施の形態2に係る試験システム100の構成を示すブロック図である。
図7を参照して、実施の形態2に係る試験システム100は、図1に示した実施の形態1に係る試験システム100に対して、発光膜2、光源31A、カメラ40Aおよび第2ドライバ42Aを追加したものである。実施の形態1に係る試験システム100と共通する部分についての説明は省略する。
実施の形態2に係る試験システム100では、第1試験片12が光透過性を有している一方で、第2試験片14は光透過性を有していないものとする。第2試験片14の材料は、例えば金属である。
第2試験片14の第1面は、接着剤1によって第1試験片12と接着されている。第2試験片14の第1面と反対側の第2面には、応力発光体からなる発光膜2が配置される。
発光膜2は、例えば、応力発光体を含有する樹脂材料を第2試験片14の第2面の所定領域に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。または、第2試験片14の第2面の所定領域に、応力発光体を含有するシートを貼り付けることによって形成することができる。図7の例では、発光膜2は、第2試験片14を挟んで接着剤1と対向する位置に配置されている。
光源31Aは、第2試験片14の第2面の下方に配置されており、発光膜2に対して励起光を照射するように構成される。第2試験片14は光透過性を有していないため、光源31Aからの励起光が接着剤1に照射されることがない。励起光は、例えば、紫外線~青色光の波長域を有する光であることが好ましい。なお、図7の例では、発光膜2に対して2方向から励起光を照射する構成としたが、光源31Aは1方向または3方向以上から発光膜2に対して励起光を照射する構成としてもよい。光源31Aは「第2光源」の一実施例に対応する。
第3ドライバ32は、光源31,31Aを駆動するための電力を供給する。第3ドライバ32は、コントローラ50から受ける指令に応じて光源31,31Aに供給する電力を制御することにより、光源31,31Aから照射される励起光の光量および励起光の照射時間などを制御することができる。
カメラ40Aは、第2試験片14の第2面の下方に、発光膜2を撮像視野に含むように配置される。具体的には、カメラ40Aは、フォーカス位置が発光膜2の少なくとも1点に位置するように配置される。カメラ40Aは「第2カメラ」の一実施例に対応する。
カメラ40Aは、レンズなどの光学系をよび撮像素子を含む。撮像素子は、例えばCCDセンサ、CMOSセンサなどにより実現される。撮像素子は、光学系を介して発光膜2の応力発光を撮像するように構成される。カメラ40Aによる撮像は、遮光した状態で行なわれる。カメラ40Aの撮像により生成された画像データはコントローラ50へ送信される。
第2ドライバ42Aは、コントローラ50から受ける指令に応じて、カメラ40Aによる撮像を制御する。
<接着剤の応力発光測定>
次に、実施の形態2に係る試験システム100を用いた接着剤1および発光膜2の応力発光測定について説明する。
図8は、試験システム100を用いた接着剤1および発光膜2の応力発光測定の処理手順を説明するフローチャートである。
図8を参照して、最初にステップS10Aにより、測定対象となる接着剤1および発光膜2ならびに試験片12,14が準備される。ステップS10Aでは、応力発光体を含有させた接着剤1および発光膜2ならびに、第1試験片12および第2試験片14が準備される。第1試験片12は光透過性を有しており、第2試験片14は光透過性を有していない。
ステップS20では、第1試験片12の第1面の所定の矩形領域に接着剤1が塗布される。この第1試験片12の矩形領域に第2試験片14の第1面を貼り合わせ、接着剤1を硬化させることにより、第1試験片12と第2試験片14との重ね合わせ部分において第1試験片12と第2試験片14とが接着される。ステップS21ではさらに、第2試験片14の第2面に発光膜2が形成される。発光膜2は、例えば、応力発光体を含有する樹脂材料を第2試験片14の第2面の所定領域に塗布し、乾燥させることによって形成することができる。
続いて、第1試験片12、接着剤1、第2試験片14および発光膜2の積層体が引張試験機10にセットされる。図7に示すように、第1試験片12の第2面が光源31側に位置し、第2試験片14の第2面が光源31A側に位置するように、積層体が引張試験機10にセットされる。
積層体が引張試験機10にセットされると、試験システム100を用いて接着剤1および発光膜2の応力発光測定処理が実行される。図8および図9を用いて、試験システム100による応力発光測定処理の手順について説明する。
図9は、接着剤1、発光膜2および試験片12,14を模式的示す図である。図9(A)には引張荷重を印加する前の接着剤1、発光膜2および試験片12,14が示される。図9(B)には、引張荷重を印加しているときの接着剤1、発光膜2および試験片12,14が示される。
図9(A)では、第1試験片12、接着剤1、第2試験片14および発光膜2の積層体は引張試験機10にセットされている。第1試験片12の第2面の上方には光源31が配置され、第2試験片14の第2面の下方には光源31Aが配置されている。この状態で、図8のステップS30Aに進み、コントローラ50は、第1試験片12に対して光源31から励起光を照射するとともに、発光膜2に対して光源31Aから励起光を照射する。第1試験片12を透過して接着剤1に励起光を照射することにより、接着剤1に含有される応力発光体を励起させる。また、発光膜2に励起光を照射することにより、発光膜2に含有される応力発光体を励起させる(図9(A)参照)。励起光を受けて接着剤1および発光膜2に含有される応力発光体が発光状体に遷移する。
次に、図8のステップS40により、コントローラ50は、第1ドライバ20を駆動させてホルダ16,18を試験片12,14の長さ方向に沿って互いに離れる方向に移動させる。これにより、試験片12,14の接着部分では、せん断方向に沿って引張荷重が印加される(図9(B)参照)。
図8のステップS50Aでは、コントローラ50は、積層体に対する引張荷重印加のタイミングに合わせて、カメラ40により第1試験片12を撮像するとともに、カメラ40Aにより発光膜2を撮像する。図9(B)に示すように、カメラ40は、第1試験片12を通して接着剤1に含有される応力発光体の発光を撮像する。カメラ40Aは、発光膜2に含有される応力発光体の発光を撮像する。カメラ40,40Aによる撮像は遮光して行なわれる。コントローラ50は、ステップS60Aにより、カメラ40,40Aによる撮像画像および/または接着剤1および発光膜2における応力発光強度の分布を示す画像を含む測定結果をディスプレイ60に並べて表示させることができる。
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、カメラ40,40Aによる撮像画像には、試験片12,14の接着部分と対応する応力発光パターンが現れる。したがって、各撮像画像から応力発光パターンを抽出して解析することにより、第2試験片14に加わる引張荷重を可視化および定量化することが可能となる。
さらに、上述した試験片12,14に対する引張荷重の印加(図9(B))と、引張荷重の解放とを一定周期(第1ドライバ20の動作周期)で繰り返し実行することにより、積層体に対して引張荷重を繰り返し印加することができる。そして、この引張荷重の印加および解放の繰り返し動作中における接着剤1および発光膜2の応力発光をカメラ40,40Aでそれぞれ撮像することにより、接着部分にかかる繰り返し応力に対する耐久性を評価することができる。
例えば、ユーザは、接着剤1および発光膜2の各々について、試験片12,14の引張試験中における応力発光強度の時間的変化を観察することができる。コントローラ50(図2のデータ処理部66)は、カメラ40,40Aの撮像による画像データを取得すると、画像データに含まれる複数のフレームの各々について、ROI内の応力発光強度に基づく値を算出し、算出した値と試験片12,14の引張荷重との関係を示すグラフをディスプレイ60に表示する。
これによると、ユーザは、1回の引張せん断接着強さ試験の実行中、ディスプレイ60に表示されるグラフを参照することにより、接着剤1および発光膜2の各々について、引張荷重に応じてROIの応力発光強度がどのように変化するのかをリアルタイムで観察することができる。また、引張せん断接着強さ試験を繰り返し行なう場合には、複数回の試験の間で、ROI内の応力発光強度を比較することができる。これによると、接着部分が破断に至るまでに接着剤1および第2試験片14における応力発光強度の分布がどのように変化するのかを検証することが可能となる。
以上説明したように、実施の形態2に係る試験システム100によれば、接着剤に応力発光体を含有するとともに、試験片に応力発光体を含有する発光膜を配置することにより、引張荷重の印加中の各応力発光体の発光を撮像することにより、接着剤および試験片に加わる引張荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。これにより、試験片が破断に至るまでの過程において接着剤および試験片に加わる引張荷重の大きさおよびその分布がどのように変化するのかを測定および解析することができる。これにより、非破壊で接着剤の耐久性を評価することが可能となる。
なお、上述した実施の形態1,2では、接着剤の引張せん断接着強さ試験について説明したが、実施の形態1,2に係る試験システム100は、JIS規格に規定されている種々の接着強さ試験に適用することが可能である。JIS規格には、接着強さ試験方法として、引張接着強さ(JIS K6849)、圧縮せん断接着強さ(JIS K6852)、割裂接着強さ(JIS K6853)、剥離接着強さ(JIS K6854)、衝撃接着強さ(JIS K6855)、および曲げ接着強さ(JIS K6856)が規定されている。また、JIS規格では、各試験方法について、試験片の形状、変形速度(または荷重速度)などが規定されている。ユーザは、接着剤および被着材の種類により、適した試験方法を採用することができる。
上記の各試験方法において、接着剤に応力発光体を含有させるとともに、一対の試験片の少なくとも一方に光透過性を有する試験片を用いることにより、荷重の印加中に当該一方の試験片を通して接着剤に含有される応力発光体の発光を撮像することができる。そして、取得される撮像画像に基づいて接着剤に印加される荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。また、試験片の接着剤と対向する位置に応力発光体を含有する発光膜を配置し、当該発光膜の発光を撮像することにより、試験片に印加される荷重の大きさおよびその分布も可視化することができる。
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様に係る接着剤の接着強さ試験方法は、応力発光体を含有する接着剤を準備するステップと、光透過性を有する第1試験片と、第2試験片とを接着剤で接着するステップと、第1試験片を通して接着剤に励起光を照射するステップと、第1試験片および第2試験片に荷重を印加するステップと、荷重の印加中に第1試験片を通して接着剤の発光を撮像するステップとを備える。
第1項に記載の接着剤の接着強さ試験方法によれば、荷重の印加中に接着剤に含有される応力発光体の発光を撮像することにより、接着剤に加わる荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
(第2項)第1項に記載の接着強さ試験方法は、接着剤の発光画像をディスプレイに表示するステップをさらに備える。
第2項に記載の接着強さ試験方法によれば、ユーザは、荷重の印加中にディスプレイに表示される発光画像に基づいて、接着剤に加わる荷重の大きさおよびその分布をリアルタイムで観察することができる。
(第3項)第1項または第2項に記載の接着強さ試験方法において、第2試験片は光透過性を有さない。接着強さ試験方法は、第2試験片の第1試験片との接着面と反対側の面に応力発光体を配置するステップと、応力発光体に励起光を照射するステップと、荷重の印加中に、応力発光体の発光を撮像するステップとをさらに備える。
第3項に記載の接着強さ試験方法によれば、荷重の印加中に試験片に配置された応力発光体の発光を撮像することにより、試験片に加わる荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
(第4項)第3項に記載の接着強さ試験方法は、接着剤の発光画像と応力発光体の発光画像とをディスプレイに並列して表示するステップをさらに備える。
第4項に記載の接着強さ試験方法によれば、ユーザは、荷重の印加中にディスプレイに表示される2つの発光画像に基づいて、接着剤および試験片の各々に加わる荷重の大きさおよびその分布をリアルタイムで観察することができる。
(第5項)第1項から第4項に記載の接着強さ試験方法において、荷重を印加するステップは、第1試験片および第2試験片に、引張荷重、剥離荷重、せん断荷重、衝撃荷重、割裂荷重および曲げ荷重のいずれか1つを印加するステップを含む。
第5項に記載の接着強さ試験方法によれば、JIS規格に規定される各種の接着強さ試験において、接着剤に加わる荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
(第6項)一態様に係る接着剤の接着強さ試験装置であって、接着剤は、応力発光体を含有しており、光透過性を有する第1試験片と、接着剤によって第1試験片と接着される第2試験片と、第1試験片および第2試験片に荷重を印加するように構成されたドライバと、第1試験片を通して接着剤に励起光を照射するように構成された第1光源と、荷重の印加中に、第1試験片を通して接着剤の発光を撮像するように構成された第1カメラと、接着剤の発光画像を表示するように構成されたディスプレイとを備える。
第6項に記載の接着剤の接着強さ試験装置によれば、荷重の印加中に接着剤に含有される応力発光体の発光を撮像することにより、接着剤に加わる荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
(第7項)第6項に記載の接着強さ試験装置において、第2試験片は光透過性を有さず、かつ、第1試験片との接着面と反対側の面に応力発光体が配置されている。接着強さ試験装置は、応力発光体に励起光を照射する第2光源と、荷重の印加中に、応力発光体の発光を撮像するように構成された第2カメラとをさらに備える。ディスプレイは、接着剤の発光画像と応力発光体の発光画像とを並列して表示する。
第7項に記載の接着強さ試験装置によれば、荷重の印加中に試験片に配置された応力発光体の発光を撮像することにより、試験片に加わる荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
(第8項)一態様に係る接着剤の接着強さ試験システムは、プロセッサと、メモリと、メモリに格納され、プロセッサにより実行されるプログラムとを備える。接着剤は応力発光体を含有している。光透過性を有する第1試験片と、第2試験片とは接着剤で接着される。プログラムは、第1試験片を通して接着剤に励起光を照射するステップと、第1試験片および第2試験片に荷重を印加するステップと、荷重の印加中に、第1試験片を通して接着剤の発光を撮像するステップとをプロセッサに実行させる。
第8項に記載の接着強さ試験システムによれば、荷重の印加中に接着剤に含有される応力発光体の発光を撮像することにより、接着剤に加わる荷重の大きさおよびその分布を可視化することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 接着剤、2 発光膜、10 引張試験機、12 第1試験片、14 第2試験片、16 第1ホルダ、18 第2ホルダ、20 第1ドライバ、31,31A 光源、32 第3ドライバ、40,40A カメラ、42,42A 第2ドライバ、50 コントローラ、60 ディスプレイ、61 応力制御部、62 光源制御部、63 撮像制御部、64 測定制御部、65 データ取得部、66 データ処理部、70 操作部、100 接着強さ試験システム、501 プロセッサ、502 メモリ、503 入出力I/F、504 通信I/F。

Claims (8)

  1. 応力発光体を含有する接着剤を準備するステップと、
    光透過性を有する第1試験片と、第2試験片とを前記接着剤で接着するステップと、
    前記第1試験片を通して前記接着剤に励起光を照射するステップと、
    前記第1試験片および前記第2試験片に荷重を印加するステップと、
    前記荷重の印加中に、前記第1試験片を通して前記接着剤の発光を撮像するステップとを備える、接着剤の接着強さ試験方法。
  2. 前記接着剤の発光画像をディスプレイに表示するステップをさらに備える、請求項1に記載の接着剤の接着強さ試験方法。
  3. 前記第2試験片は光透過性を有さず、
    前記第2試験片の前記第1試験片との接着面と反対側の面に応力発光体を配置するステップと、
    前記応力発光体に励起光を照射するステップと、
    前記荷重の印加中に、前記応力発光体の発光を撮像するステップとをさらに備える、請求項1または2に記載の接着剤の接着強さ試験方法。
  4. 前記接着剤の発光画像と前記応力発光体の発光画像とをディスプレイに並列して表示するステップをさらに備える、請求項3に記載の接着剤の接着強さ試験方法。
  5. 前記荷重を印加するステップは、前記第1試験片および前記第2試験片に、引張荷重、剥離荷重、せん断荷重、衝撃荷重、割裂荷重および曲げ荷重のいずれか1つを印加するステップを含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の接着剤の接着強さ試験方法。
  6. 接着剤の接着強さ試験装置であって、
    前記接着剤は、応力発光体を含有しており、
    光透過性を有する第1試験片と、
    前記接着剤によって前記第1試験片と接着される第2試験片と、
    前記第1試験片および前記第2試験片に荷重を印加するように構成されたドライバと、
    前記第1試験片を通して前記接着剤に励起光を照射するように構成された第1光源と、
    前記荷重の印加中に、前記第1試験片を通して前記接着剤の発光を撮像するように構成された第1カメラと、
    前記接着剤の発光画像を表示するように構成されたディスプレイとを備える、接着剤の接着強さ試験装置。
  7. 前記第2試験片は光透過性を有さず、かつ、前記第1試験片との接着面と反対側の面に応力発光体が配置されており、
    前記応力発光体に励起光を照射する第2光源と、
    前記荷重の印加中に、前記応力発光体の発光を撮像するように構成された第2カメラとをさらに備え、
    前記ディスプレイは、前記接着剤の発光画像と前記応力発光体の発光画像とを並列して表示する、請求項6に記載の接着剤の接着強さ試験装置。
  8. 接着剤の接着強さ試験システムであって、
    プロセッサと、
    メモリと、
    前記メモリに格納され、前記プロセッサにより実行されるプログラムとを備え、
    前記接着剤は応力発光体を含有しており、光透過性を有する第1試験片と、第2試験片とは前記接着剤で接着され、
    前記プログラムは、
    前記第1試験片を通して前記接着剤に励起光を照射するステップと、
    前記第1試験片および前記第2試験片に荷重を印加するステップと、
    前記荷重の印加中に、前記第1試験片を通して前記接着剤の発光を撮像するステップとを前記プロセッサに実行させる、接着剤の接着強さ試験システム。
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